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韓国の教科書 ソース:koreok 様 ■1899年『大韓地誌』 (大韓帝国の最初の地理の教科書) 訳)大韓帝国の領域は、北緯33度15分~42度25分。 東経124度30分~130度35分。 竹島(独島)は東経131度52分です。 つまり、「鬱陵島までが韓国の領土」と断言してます! ※竹島(独島)は日本領土 1899年は下関条約の4年後、乙巳保護条約の6年前、 韓国が完全に独立していた時期の教科書です。 よく確認してみると、何度も「日本 海」表記までされていますw ダブルパンチです!! さらに、 更に1907年の『大韓新地誌』でも同じ事が書かれています。 (※厳密にいうと、少し違うのですが詳しい説明は省略。) さらに、さらに、 日本が敗戦後(1945年以降)の史料に至っても、 ■1947年『朝鮮常識問答』(韓国の常識Q&A) 韓国の領域は、 東経124度11分~130度56分23秒と書いてあります! ※繰り返しますが、竹島(独島)は東経131度52分です。 さらに、さらに、さらに、 ■1948年『朝鮮常識』(韓国の常識) 「韓国の最も東の島は東経130度56分23秒の竹嶼(チュクド)だ」と書いてあります! ※チュクド(Chukdo)は鬱陵島の北東にある小さな島。 ※漢字で「竹島」と書いてあるのが、チュクド(Chukdo,チュク島)の事です。独島ではありません。 何度も繰り返しますが、竹島(独島)は、東経131度52分にある島です。
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子どもの権利委員会・一般的意見19号:子どもの権利実現のための公共予算編成(第4条)(前編) 一般的意見一覧 子どもの権利委員会 CRC/C/GC/19(2016年7月20日/原文英語) 日本語訳:平野裕二〔日本語訳全文(PDF)〕 目次 I.はじめに(パラ1-17)A.背景(パラ6-10) B.理論的根拠(パラ11-13) C.目的(パラ14-17) II.公共予算との関連における第4条の法的分析(パラ18-39)A.「締約国は、……措置をとる」(パラ18-20) B.「あらゆる適当な立法上、行政上およびその他の措置」(パラ21-24) C.「この条約において認められる権利の実施のための」(パラ25-27) D.「経済的、社会的および文化的権利に関して、締約国は、自国の利用可能な手段を最大限に用いることにより、……これらの措置をとる」(パラ28-34) E.「および必要な場合には、国際協力の枠組の中で」(パラ35-39) III.条約の一般原則と公共予算(パラ40-56)A.差別の禁止に対する権利(第2条)(パラ41-44) B.子どもの最善の利益(第3条)(パラ45-47) C.生命、生存および発達に対する権利(第6条)(パラ48-51) D.意見を聴かれる権利(第12条)(パラ52-56) IV.子どもの権利のための公共予算編成の原則(パラ57-63) → 子どもの権利と公共予算 後編A.有効性(パラ59) B.効率性(パラ60) C.公平性(パラ61) D.透明性(パラ62) E.持続可能性(パラ63) V.公共予算における子どもの権利の実施(パラ64-111)A.計画(パラ67-86) B.策定(パラ87-93) C.執行(パラ94-103) D.フォローアップ(パラ104-111) VI.この一般的意見の普及(パラ112-116) I.はじめに 1.子どもの権利条約第4条は以下のように規定する。 締約国は、この条約において認められる権利の実施のためのあらゆる適当な立法上、行政上およびその他の措置をとる。経済的、社会的および文化的権利に関して、締約国は、自国の利用可能な手段を最大限に用いることにより、および必要な場合には、国際協力の枠組の中でこれらの措置をとる。 (訳者注/国際教育法研究会訳) この一般的意見は、締約国が公共予算との関係で第4条を実施するさいに役に立つはずである。ここでは、締約国の義務を明らかにするとともに、公共予算に関わる有効な、効率的な、公平な、透明なかつ持続可能な意思決定を通じて条約上のすべての権利(とくに、権利を侵害されやすい状況に置かれた子どもの権利)を実現する方法についての勧告を行なっている。 2.第4条が子どものすべての権利に関連するものであり、かつ、これらのすべての権利が公共予算の影響を受け得ることに鑑み、この一般的意見は条約およびその選択議定書に適用される。この一般的意見は、公共予算がこれらの権利の実現に資することを確保するための枠組みを締約国に対して提示するものであり、また第III節では、第2条、第3条、第6条および第12条に掲げられた条約の一般原則の分析を行なっている。 3.この一般的意見で「子ども(たち)」に言及するさいには、18歳未満のすべての者(いかなるジェンダーであるかを問わない)であって、公共予算関連の決定によってその権利に直接間接の影響(肯定的影響か悪影響かを問わない)が生じる者またはその可能性がある者を含むものとする。「権利を侵害されやすい状況に置かれた子ども」とは、その権利が侵害される被害をとりわけ受けやすい子どもであって、障害のある子ども、難民状況にある子ども、マイノリティ集団の子ども、貧困下で暮らしている子ども、代替的養護のもとで暮らしている子どもおよび法律に抵触した子どもを含むが、これに限られない。 4.この一般的意見では以下の定義を適用する。 (a) 「予算」には、国の歳入動員、予算配分および支出を含む。 (b) 「実施義務」とは、後掲パラ27に掲げた締約国の義務をいう。 (c) 「条約の一般原則」とは、第III節に掲げた諸原則をいう。 (d) 「予算原則」とは、第IV節に掲げた諸原則をいう。 (e) 「立法」とは、子どもの権利に関連するすべての国際条約/法、地域条約/法、国内法および国内下位法令をいう。 (f) 「政策」とは、子どもの権利に影響を与えるまたはその可能性があるすべての公的な政策、戦略、規則、指針および声明(そこに掲げられた目標、目的、指標および目指される成果を含む)をいう。 (g) 「プログラム」とは、法律および政策の目標を達成する目的で締約国が定めた枠組みのことをいう。このようなプログラムは、たとえば子どもの特定の権利、公共予算編成過程、インフラストラクチャーおよび労働力に影響を与えることにより、子どもに直接間接の影響を及ぼす可能性がある。 (h) 「国内下位」とは、広域行政圏、州、郡または自治体など、国の下位の行政段階をいう。 5.第I節では、この一般的意見の背景、理論的根拠および目的を示す。第II節では、公共予算との関連で第4条の法的分析を行なう。第III節では、このような文脈における条約の一般原則の解釈を提示する。第IV節では、公共予算編成の原則を取り上げる。第V節では、公共予算が子どもの権利の実現にどのように資するかを検討する。第VI節では、この一般的意見の普及に関する指針を示す。 A.背景 6.この一般的意見は、「実施に関する一般的措置」という概念は複雑であり、委員会は、個々の要素に関するいっそう詳細な一般的意見を適宜発表していく可能性が高いと述べた、条約の実施に関する一般的措置についての一般的意見5号(2003年)を踏まえたものである [1]。また、委員会が2007年に開催した、子どもの権利のための資源に関する国の責任についての一般的討議を踏まえたものでもある。 [1] 一般的意見5号の「まえがき」参照。 7.この一般的意見は、予算に関わる原則を人権の視点から掲げた国連のいくつかの決議および報告書を参考にしたものである。これには以下のものが含まれる。 (a) 子どもの権利への投資の改善を目指す人権理事会決議28/19 [2]、および、当該決議に先立つ国連人権高等弁務官の報告書「子どもの権利への投資の改善に向けて」(Towards better investment in the rights of the child)。そこでは、子どもへの投資との関連における国内政策の役割、資源動員、透明性、説明責任、参加、配分および支出、子どもの保護制度、国際協力ならびにフォローアップについて取り上げられている。 (b) 財政政策における透明性、参加および説明責任の促進に関する総会決議67/218。同決議は、財政政策の質、効率性および有効性を向上させる必要性を強調するとともに、加盟国に対し、財政政策における透明性、参加および説明責任を増進させるための努力を強化するよう奨励している。 [2] 同決議は無投票で採択された。 8.この一般的意見の作成にあたっては、委員会が調査を通じて各国、国際連合、非政府組織、子どもたちおよび個人専門家と行なった協議、ならびに、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカ・カリブ海、中東・北アフリカおよびサハラ以南のアフリカで開催された会議および地域協議も参考にした。これに加えて、オンライン調査、フォーカスグループにおける討議ならびにアジア、ヨーロッパおよびラテンアメリカで開催された地域協議を通じて行なわれた、71か国から参加した2693人の子どもたちとの世界的協議 [3] も参考にしている。この世界的協議では、年齢、ジェンダー、能力、社会経済的状況、言語、民族、就学状況、避難を余儀なくされた状況および子ども参加型の予算策定の経験という観点からさまざまな背景を有する男女の子どもから貢献が行なわれた。公共予算の決定に携われる人々に対する子どもたちのメッセージには、以下のようなものがあった。 (a) ちゃんとした計画を立ててほしい。予算では、子どもたちのすべての権利に対応するのに十分なお金が用意されるべきです。 (b) 何に投資すればいいのか、私たちにきいてくれなければ、私たちに投資することはできません。私たちはわかっているので、私たちに尋ねるべきです。 (c) 特別なニーズがある子どものことを予算に含めるのを忘れないでほしい。 (d) お金は公正に、賢く使ってほしい。私たちのお金を無駄なことに使わないでください。効率的にやって、お金を節約しましょう。 (e) 子どもたちへの投資は長期的な投資で、たくさんの成果を生み出してくれるものなので、そのことを忘れずに考えてほしい。 (f) 私たちの家族に投資することは、私たちの権利を保障する重要な方法でもあります。 (g) 汚職が絶対ないようにしてほしい。 (h) 行政に関する問題についてみんなの意見を聴いて、若くても歳をとっていても、市民全員の権利を認めてほしい。 (i) 政府には、もっと説明責任と透明性を高めてほしい。 (j) お金がどのように使われたのか、記録を公表してほしい。 (k) 予算についての情報を、子どもたち全員に、わかりやすい方法で、ソーシャルメディアなど子どもたちに人気があるメディアを通じて提供してください。 [3] Laura Lundy, Karen Orr and Chelsea Marshall, "Towards better investment in the rights of the child the views of children" (Centre for Children s Rights, Queen s University, Belfast, and Child Rights Connect Working Group on Investment in Children, 2015). 9.すべての中核的人権条約に、条約第4条と同様の規定が含まれている。したがって、これらの規定に関連して発表されてきた、公共予算について取り上げている一般的意見は、この一般的意見を補完するものとみなされるべきである [4]。 [4] たとえば、締約国の義務に関する社会権規約委員会(経済的、社会的および文化的権利に関する委員会)の一般的意見3号(1990年)を参照。 10.この一般的意見は、締約国が有する、自国の管轄内にある子どもに直接間接の影響を与える財源の管理に関わるものである。この一般的意見は、アディスアベバ行動目標(第3回開発資金国際会議、2015年)および「世界の変革:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(2015年)を認知する。これらのアジェンダでは、プログラム支援、セクター支援および予算支援、南南協力ならびに地域間協力など、子どもに影響を与える国際協力関連資源の国による管理について取り上げられている。委員会は、やはりこのような管理について取り上げている、「開発協力および開発計画に対する人権基盤型アプローチについての共通理解声明」(国連開発グループ、2003年)、「援助効果にかかるパリ原則:オーナーシップ、調和化、整合性確保、成果および相互説明責任」(2005年)、アクラ行動アジェンダ(2008年)および「効果的な開発協力のための釜山パートナーシップ」(2011年)を想起するものである。加えて、委員会は、公共財務管理に関して国内的、地域的および国際的に策定された基準および現在策定中である基準が、当該基準が条約の規定と矛盾しないことを条件として、この一般的意見にとって関連性を有する可能性があることも心に留める。このような基準の例を3つ挙げるとすれば、公共財務管理における有効性、効率性および公平性を強調する『公共財務管理国際ハンドブック』(The International Handbook of Public Financial Management)[5]、財政運営および説明責任を向上させるために過去、現在および将来の公共財政についての公的報告において包括性、明確性、信頼性、適時性および関連性を求める国際通貨基金の「財政の透明性に関する規範」(2014年)、および、国連貿易開発会議が2012年に採択した「責任あるソブリン融資の促進に関する原則」がある。 [5] Richard Allen, Richard Hemming and Barry Potter, eds., The International Handbook of Public Financial Management (Basingstoke, Palgrave Macmillan, 2013). B.理論的根拠 11.委員会は、締約国が、国内の法律、政策およびプログラムを再検討し、条約およびその選択議定書と一致させるようにするうえで相当の進展を達成してきたことを認める。同時に委員会は、十分な財源が責任ある、効果的な、効率的な、公平な、参加型の、透明かつ持続可能なやり方で動員され、配分されかつ支出されることがなければ、そのような法律、政策およびプログラムは実施できないことを強調するものである。 12.委員会は、委員会に提出される締約国報告書の審査、締約国代表との議論および総括所見において、予算規模が子どもの権利を実現するうえで十分かどうかについての懸念を表明してきた。委員会は、条約で要求されているとおりに国・国内下位レベル双方の予算において子どもの権利を優先的に位置づけることが、これらの権利を実現していくことのみならず、将来の経済成長、持続可能かつ包摂的な開発および社会的団結に永続的かつ肯定的な影響を与えることにも寄与することを、あらためて表明する。 13.以上のことに基づき、委員会は、締約国が、国・国内下位レベルの予算編成過程および行政制度のあらゆる段階を通じてすべての子どもの権利を考慮すべきことを強調する。予算編成過程が国によってある程度異なること、および、独自の子どもの権利予算手法を開発した国もあることは認識しながらも、この一般的意見は、すべての国に関係する4つの主要な予算段階、すなわち計画、策定、執行およびフォローアップに関わる指針を示すものである。 C.目的 14.この一般的意見の目的は、子どもの権利のための予算に関わる条約上の義務についての理解を向上させ、もってこれらの権利の実現を強化するとともに、条約およびその選択議定書の実施を増進させる目的で、予算の計画、策定、執行およびフォローアップが進められるあり方に真の変革が生じることを促進するところにある。 15.この目的は、予算編成過程全体を通じて国の各統治部門(行政府、立法府および司法府)、各段階(国および国内下位)および機構(省庁など)がとる措置に関連するものである。これらの義務は、国際協力のドナーおよび受入国にも適用される。 16.この目的は、国内人権機関、メディア、子どもたち、家族および市民社会組織など、予算編成過程に関わる他の関係者にも関連するものである。締約国は、自国の状況にふさわしい方法で、これらの関係者が予算編成過程において積極的な監視および意味のある参加を行なえるような環境を整えるよう求められる。 17.加えて、この目的は、この一般的意見の内容についての意識啓発および関連する公的職員等の能力構築との関連でも、各国にとって関連性を有する。 II.公共予算との関連における第4条の法的分析 A.「締約国は、……措置をとる」(States parties shall undertake) 18.「措置をとる」という文言は、締約国には、子どもの権利を実現するために適当な立法上、行政上その他の措置(公共予算に関連する措置を含む)をとる自国の義務を果たすか否かについての裁量権はないことを意味する。 19.したがって、公共予算の編成において何らかの役割を果たす国のすべての統治部門、段階および機構は、条約の一般原則および後掲第III節・第IV節に掲げられた予算原則に一致する方法でその職務を果たさなければならない。締約国はまた、立法府、司法府および最高監査機関が同様の対応をとれるようにするための環境も創出するべきである。 20.締約国は、あらゆる段階の行政府および立法府の予算決定担当者が、必要な情報、データおよび資源にアクセスでき、かつ子どもの権利実現のための能力構築を図れるようにするべきである。 B.「あらゆる適当な立法上、行政上およびその他の措置」(all appropriate legislative, administrative and other measures) 21.「あらゆる……適当な措置」をとる義務には、以下のことを確保する義務が含まれる。 (a) 子どもの権利実現のための資源動員、予算配分および支出を支える法律および政策が整備されること。 (b) 子どもの権利を増進するための適切な法律、政策、プログラムおよび予算の編成および実施を支える目的で、子どもに関する必要なデータおよび情報が収集され、生成されかつ普及されること。 (c) 承認された立法、政策、プログラムおよび予算を完全に実施するための十分な公的資源が効果的に動員され、配分されかつ活用されること。 (d) 予算が、国および国内下位のレベルにおいて、子どもの権利実現の確保につながる方法で体系的に計画され、制定され、実施されかつ説明されること。 22.措置は、それがある特定の文脈(公共予算の文脈を含む)において子どもの権利の増進に直接間接の関連性を有する場合に、適当と判断される。 23.公共予算との関連で締約国がとることを義務づけられる「立法上の……措置」には、現行法の再検討、ならびに、国・国内下位レベルで子どもの権利実現のための予算が十分大規模なものとなることを確保するための立法の策定および採択が含まれる。「行政上の……措置」には、合意に基づき制定された立法の目的にかなうプログラムの立案および実施ならびにそのための十分な予算の確保が含まれる。「その他の措置」には、たとえば、公共予算編成過程に参加するための機構および子どもの権利に関連するデータまたは政策を発展させることが含まれると考えられる。公共予算は、これらの3つのカテゴリーの措置全体にまたがるものと理解できる一方で、その他の立法上、行政上その他の措置の実現にとっても不可欠なものである。国のすべての統治部門、段階および機構が、子どもの権利の増進について責任を有する。 24.委員会は、締約国には、自国が選択する公共予算関連の措置がどのように子どもの権利の向上に結びついているかを示す義務があることを強調する。締約国は、これらの措置の結果として子どもたちのために獲得できた成果の証拠を示さなければならない。条約第4条が履行されたというためには、結果についての証拠を示さないまま、措置をとったことの証拠を示すだけでは十分ではないのである。 C.「この条約において認められる権利の実施のための」(for the implementation of the rights recognized in the present Convention) 25.「この条約において認められる権利」には、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利が含まれる。締約国は、市民的および政治的権利については即座に実現し、かつ、経済的、社会的および文化的権利については「自国の利用可能な手段(資源)を最大限に用いることにより」実施する義務を有する。すなわち、これら〔後者〕の権利の完全な実現は必然的に漸進的に達成されざるを得ないということである(後掲第II節D参照)。 26.子どもの権利の実現のためには、公共予算編成過程の4つの段階(計画、策定、執行およびフォローアップ)のすべてに緊密な注意を払うことが必要である。条約の一般原則およびこの一般的意見で概要を示した予算原則にしたがい、締約国は、予算編成過程全体を通じて、すべての子どもの権利を考慮することが求められる。 27.予算の観点からは、「子どもの権利を実施する」とは、締約国には、自国の実施義務を遵守するようなやり方で公的資源を動員し、配分しかつ使用する義務があるということを意味する。締約国は、以下のとおり、子どものすべての権利を尊重し、保護しかつ充足しなければならない。 (a) 「尊重する」とは、締約国は子どもの権利の享受に直接間接に干渉するべきではないということを意味する。予算との関連では、国は、たとえば予算の決定において一部の集団の子どもを差別したり、または子どもによる経済的、社会的および文化的権利の享受に対応するために現に実施されているプログラムから資金を引き上げたり資源を別に振り向けたりすること(後掲パラ31に掲げる事情がある場合を除く)によって、子どもの権利の享受に干渉することは控えなければならないということである。 (b) 「保護する」とは、締約国は、条約および選択議定書で保障されている諸権利に第三者が干渉することを防止しなければならないということを意味する。公共予算の観点からは、そのような第三者に該当する可能性がある主体として、公共予算編成過程のさまざまな段階で何らかの役割を果たす可能性がある企業セクター [6] および地域的・国際的金融機関を挙げることができよう。保護する義務が含意するのは、締約国は、自国の歳入動員、予算配分および支出が第三者によって干渉されまたは阻害されないことを確保するよう努めなければならないということである。そのためには、締約国は、そのような第三者の役割を規制し、苦情申立て機構を設置し、かつこれらの第三者による人権侵害事案に体系的に介入することが必要になろう。 (c) 「充足する」ためには、締約国は、子どもの権利の完全な実現を確保するための行動をとらなければならない。締約国は以下の対応をとるべきである。(i) 子どもが自己の権利を享受できるようにし、かつそれを援助する措置をとることによって子どもの権利の促進を図ること。予算に関わる文脈では、これには、すべての子どもたちの権利を包括的かつ持続可能なやり方で増進させるために必要な資源および情報を、行政府、立法府および司法府のあらゆる段階および機構が持てるようにすることが含まれる。そのためには、国の諸機関のあいだで条約およびその選択議定書についての知識および理解を高めるための措置を整備すること、ならびに、子どもの権利を尊重し、保護しかつ充足する文化を醸成することが必要となる。 (ii) 国が、やむを得ない理由により、自国が利用可能な手段により自らこれらの権利を実現できない場合に、子どもの権利のための対応をとること。この義務には、子どもたちがたとえば国の異なる地域で自己の権利をどの程度行使できているかを評価しかつ監視する目的で、信頼できる、細分化されたデータおよび情報を公に入手できるようにすることが含まれる。 (iii) 予算に関わる意思決定手続およびそれが及ぼす影響について適切な教育および公衆の意識啓発が行なわれることを確保することにより、子どもの権利を促進すること。これは、予算との関連では、子どもたち、その家族および養育者と、予算関連の決定(これらの決定に影響を与える立法、政策およびプログラムを含む)についてやりとりするための十分な資金を動員し、配分しかつ使用することを意味する。締約国は、より効果的な促進が必要とされる領域を特定する目的で、さまざまな集団に関する成果を継続的に評価するべきである。 [6] 企業セクターが子どもの権利に及ぼす影響に関わる国の義務についての一般的意見16号(2013年)参照。同一般的意見において委員会は、「国が、企業が子どもの権利侵害を引き起こしまたは助長しないようにするためにあらゆる必要な、適当な、かつ合理的な措置をとらなければならない」ことを明らかにしている(パラ28)。 D.「経済的、社会的および文化的権利に関して、締約国は、自国の利用可能な手段を最大限に用いることにより、……これらの措置をとる」(With regard to economic, social and cultural rights, States parties shall undertake such measures to the maximum extent of their available resources) 28.この義務にしたがい、締約国は、十分な財源を動員し、配分しかつ使用するためにあらゆる可能な措置をとらなければならない。条約およびその選択議定書上の権利の実現を前進させる政策およびプログラムに配分される資金は、最適なやり方で、かつ条約の一般原則およびこの一般的意見に掲げた予算原則にしたがって使用されるべきである。 29.委員会は、他の中核的国際人権条約における「利用可能な手段(資源)を最大限に用いること」および「漸進的実現」の概念の進展 [7] を認識するとともに、条約第4条はこの両方の概念を反映していると考える。したがって締約国は、国際法にしたがって即時的に適用される義務に影響を与えることなく、経済的、社会的および文化的権利の完全な実現を漸進的に達成する目的で、自国の利用可能な資源を最大限に用いることにより、かつ必要な場合には国際協力の枠組みのなかで、これらの権利に関する措置をとらなければならない。 [7] たとえば障害のある人の権利に関する条約第4条第2項参照。 30.「締約国は、自国の利用可能な手段を最大限に用いることにより、……これらの措置をとる」とは、締約国には、すべての子どもの経済的、社会的および文化的権利を充足させるための予算資源を動員し、配分しかつ使用する目的であらゆる努力を行なったことの実証を期待されているということである。委員会は、子どもの権利は相互依存的でありかつ不可分であること、および、経済的・社会的・文化的権利と市民的・政治的権利を区別するさいには注意しなければならないことを強調する。経済的・社会的・文化的権利の実現は子どもが自己の政治的・市民的権利を全面的に行使する能力にしばしば影響を与えるのであり、その逆もまた真である。 31.第4条によって締約国に課されている、利用可能な資源を「最大限に用いることにより」子どもの経済的、社会的および文化的権利を実現する義務は、締約国は経済的、社会的および文化的権利との関連で意図的な後退的措置をとるべきではないということでもある [8]。締約国は、子どもの権利の享受に関わる現行水準の低下を許すべきではない。経済危機の時期における後退的措置の検討は、他のすべての選択肢を評価し、かつ子ども(とくに、権利を侵害されやすい状況に置かれた子ども)への影響が最後に生じることを確保した後でなければ、行なうことができない。締約国は、そのような措置が必要であり、合理的であり、比例性を有しており、差別的でなく、かつ一時的なものであること、および、したがって影響が生じたいかなる権利も可能なかぎり早期に回復されることを実証しなければならない。締約国は、影響を受ける集団の子どもたちおよびこれらの子どもたちの状況について知悉しているその他の者が当該措置に関連する意思決定手続に参加するよう、適切な措置をとるべきである。子どもの権利によって課される即時的かつ最低限の中核的義務 [9] は、たとえ経済危機の時期であっても、いかなる後退的措置によっても損なわれてはならない。 [8] たとえば、子どもの権利のための資源に関する国の責任についての一般的討議(2007年)の勧告のパラ24および25、到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利についての一般的意見15号(2013年)のパラ72、ならびに、社会権規約委員会の一般的意見3号のパラ9参照。 [9] 社会権規約委員会の一般的意見で明らかにされている中核的義務を参照(教育への権利に関する13号(1999年)、到達可能な最高水準の権利に関する14号(2000年)および社会保障への権利に関する19号(2007年)など)。 32.条約第44条は、締約国に対し、自国の管轄内にある子どもの権利の増進における進展を定期的に報告するよう義務づけている。利用可能な資源を最大限に用いることによる子どもの経済的、社会的および文化的権利の漸進的実現およびこれらの権利によって課される即時的義務の実現ならびに市民的および政治的権利の実現を実証するために、明確なかつ一貫した量的・質的目標および指標が活用されるべきである。締約国は、すべての子どもの権利のために資源が利用可能とされかつ最大限に使用されることを確保するための措置を定期的に見直しかつ改善するよう期待される。 33.委員会は、経済的、社会的および文化的権利を含む子どもの権利の実施のために必要な資源を獲得する手段として、国レベルおよび国内下位レベルで、説明責任が果たされる、透明な、包摂的なかつ参加型の意思決定手続が設けられることをおおいに重視するものである。 34.国の歳入動員、配分および支出における汚職および公的資源の誤った管理は、利用可能な資源を最大限に用いる義務を国家が遵守できていないことの表れである。委員会は、締約国が、腐敗の防止に関する国際連合条約にしたがい、子どもの権利に影響を与えるいかなる汚職も防止しかつ解消するための資源を配分することの重要性を強調する。 E.「および必要な場合には、国際協力の枠組の中で」(and, where needed, within the framework of international cooperation) 35.締約国は、子どもの権利を含む人権の普遍的尊重および遵守の促進に関して相互に協力する義務を有する [10]。条約およびその選択議定書に掲げられた権利を実施するために必要な資源を欠いている国には、二国間協力、地域的協力、地域間協力、世界的協力または多国間協力のいずれの形態をとるかにかかわらず、国際協力を求める義務がある。国際協力のための資源を有する締約国には、受入国における子どもの権利の実施を促進する目的でそのような協力を行なう義務がある。 [10] 国際連合憲章にしたがった諸国間の友好関係および協力についての国際法の原則に関する宣言(1970年)参照。 36.締約国は、必要なときは、子どもの権利を実現するための国際協力を求めかつ実施する目的であらゆる努力を行なったことを実証するべきである。そのような協力としては、予算編成過程における子どもの権利の実施に関連する技術的および金銭的支援(国際連合からの支援を含む)[11] も考えられる。 [11] 条約第45条参照。 37.締約国は、利用可能な資源を子どもの権利のために最大限に動員しようとする他の国の努力に協力するべきである。 38.締約国の協力戦略は、ドナーにおいても受入国においても、子どもの権利の実現に寄与するようなものであるべきであり、子ども(とくに、もっとも権利を侵害されやすい状況に置かれた子ども)に悪影響を及ぼすものであってはならない。 39.締約国は、国際機関の一員として開発協力に関与するさい [12] および国際協定に調印するさいには、条約およびその選択議定書に基づく自国の義務を遵守するよう求められる。締約国は同様に、経済政策の計画および実施にあたって、子どもの権利に生じる可能性がある影響を考慮するべきである。 [12] 一般的意見5号、パラ64参照。 III.条約の一般原則と公共予算 40.条約の4つの一般原則は、子どもの権利に直接間接に関連する国のあらゆる決定および行動(公共予算を含む)の基礎となるものである。 A.差別の禁止に対する権利(第2条) 41.締約国には、「子どもまたは親もしくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位にかかわらず」、あらゆる種類の差別から子どもを保護する義務がある(第2条第1項)。締約国は、あらゆる行政段階において差別を防止するために行動するべきであり、予算関連の立法、政策またはプログラムにおいて、その内容面または実施面で、子どもに対する直接間接の差別を行なってはならない。 42.締約国は、十分な歳入を動員し、かつ資金の配分および使用をしかるべき形で進めることによって、立法、政策およびプログラムとの関連ですべての子どもにとって肯定的な成果を確保するための積極的措置をとるべきである。実質的平等を達成するため、締約国は、特別な措置を受ける資格を有する集団の子どもを特定するとともに、そのような措置を実施するために公共予算を使用することが求められる。 43.締約国は、差別が行なわれない環境をつくりだすとともに、国のすべての統治部門、段階および機構ならびに市民社会および企業セクターが差別を受けない子どもの権利を積極的に増進させることを確保するための措置を、資源の配分等も通じてとるべきである。 44.子どもが自己の権利を享受するという点に関わる肯定的な成果に寄与する予算を達成するためには、締約国は、関連の立法、政策およびプログラムを見直しかつ改訂し、予算の一定の部分について増額もしくは再優先化を図り、または予算の有効性、効率性および公平性を高めることにより、子どもたちの間に存在する不平等に対応することが求められる。 B.子どもの最善の利益(第3条) 45.条約第3条第1項は、子どもに関わるあらゆる行動において子どもの最善の利益が第一次的に考慮されると定めている。締約国には、子どもに直接間接の影響を与えるすべての立法上、行政上および司法上の手続(予算を含む)においてこの原則を統合しかつ適用する義務がある [13]。子どもの最善の利益は、予算編成過程のすべての段階を通じて、かつ子どもに影響を与えるすべての予算決定において、第一次的に考慮されるべきである。 [13] 自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての一般的意見14号(2013年)、パラ6(a)参照。 46.自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての一般的意見14号(2013年)で指摘したように、条約およびその選択議定書に掲げられた諸権利は、子どもの最善の利益に関する評価および判断の枠組みを示すものである。この義務は、国が、予算の配分および使用に関わる優先的課題であって相互に競合するものの比較衡量を行なうさいに、きわめて重要となる。締約国は、予算に関わる意思決定において子どもの最善の利益がどのように考慮されたか(他の考慮事項との比較衡量がどのように行なわれたかを含む)を実証できるべきである。 47.締約国は、国レベルおよび国内下位レベルで立法、政策およびプログラムがすべての子ども(とくに、権利を侵害されやすい状況に置かれており、特別なニーズを有しているためにその権利の実現のために人口比に照らした割合よりも多くの支出を必要としている可能性のある子ども)に与えている効果を確認する盲的で、子どもの権利影響評価 [14] を実施するべきである。子どもの権利影響評価は、予算編成過程の各段階に位置づけられるべきであり、かつ監視および評価のために行なわれている他の取り組みを補完するようなものであることが求められる。締約国が子どもの権利影響評価を実施するさいに適用する手法および実践方法はそれぞれ異なることになろうが、その枠組みを開発するさいには、条約およびその選択議定書ならびに委員会が発表した関連の総括所見および一般的意見を活用するべきである。子どもの権利影響評価のさいには、子どもたち、市民社会組織、専門家、国の統治機構および学術研究機関などの関係者の意見を参考にすることが求められる。分析の結果は、改正、これまでのものに代わる対応および改善のための勧告としてまとめられるべきであり、かつ公に利用可能とされるべきである。 [14] 一般的意見5号のパラ45ならびに一般的意見14号のパラ35および99参照。 C.生命、生存および発達に対する権利(第6条) 48.条約第6条は、すべての子どもは生命に対する固有の権利を有しており、かつ、締約国はすべての子どもの生存および発達を確保しなければならない旨、定めている。委員会は、一般的意見5号において、子どもの発達とは「ホリスティックな概念であり、子どもの身体的、精神的、霊的、道徳的、心理的および社会的発達を包含するものである」こと、および、「実施措置は、すべての子どもが最適な形で発達できるようにすることを目指したものでなければならない」ことを指摘している(パラ12)。 49.委員会は、子どもが成長発達の段階の違いに応じてさまざまなニーズを有することを認識する [15]。締約国は、予算決定において、さまざまな年齢の子どもたちが生存し、成長しかつ発達するために必要なあらゆる要素を考慮するべきである。締約国は、予算のうちさまざまな年齢層の子どもに影響を与える部分を可視化することにより、子どもの権利に対するコミットメントを示すよう求められる。 [15] 乳幼児期における子どもの権利の実施についての一般的意見7号(2005年)および思春期の子どもの権利についての一般的意見20号(作成中)を参照。 50.委員会は、乳幼児期の発達への投資が、自己の権利を行使する子どもの能力に肯定的影響を与え、貧困のサイクルを打破し、かつ多くの経済的リターンをもたらすことを認知する。乳幼児期の子どもに十分な投資を行なわないことは、認知的発達にとって有害になりうるとともに、すでに存在する剥奪状況、不平等および世代を超えた貧困の強化につながる可能性がある。 51.生命、生存および発達に対する権利の確保には、現在世代に属するさまざまな集団の子どもたちのための予算を考慮する必要が含まれるとともに、歳入および支出に関して多年度にまたがる持続可能な見通しを立てることによって将来の世代を考慮に入れる必要も含まれる。 D.意見を聴かれる権利(第12条) 52.条約第12条は、自己に影響を与えるすべての事柄について自由に自己の意見を表明し、かつその子どもの年齢および成熟度にしたがってその意見を正当に重視されるすべての子どもの権利を認めている [16]。締約国は、国レベルおよび国内下位レベルで設けられた子どもの意味のある参加のための機構を通じ、子どもに影響を与える予算決定についての子どもたちの意見を恒常的に聴くべきである。これらの機構に参加する子どもたちは、自由に、かつ抑圧または冷やかしを恐れることなく発言できるべきであり、また締約国は参加者に対してフィードバックを行なうことが求められる。とくに、締約国は、意見を表明するうえで困難に直面している子どもたち(権利を侵害されやすい状況に置かれた子どもたちを含む)と協議を行なうべきである。 [16] 意見を聴かれる子どもの権利についての一般的意見12号(2009年)も参照。 53.委員会は、「自己にとってのあらゆる関心事について意見を聴かれ、かつその意見を正当に考慮される子どもの権利の実現に投資することは、締約国が条約上負っている明確かつ即時的な法的義務」であり、そのためには「資源および訓練に対するコミットメントも必要になる」ことを想起する [17]。このことは、子どもに影響を与えるすべての決定への意味のある子ども参加を達成するための資金が用意されることを確保する締約国の責任を強調するものである。委員会は、予算決定に関わる子ども参加を保障するうえで、行政府職員、独立した子どもオンブズマン、教育機関、メディア、子ども団体を含む市民社会組織および立法府が果たす重要な役割を認識する。 [17] 一般的意見12号、パラ135参照。 54.委員会は、予算の透明性が意味のある参加の前提条件であることを認識する。透明であるとは、予算の計画、策定、執行およびフォローアップに関連して、利用者にやさしい情報が時宜を得た形で公に利用可能とされるということである。これには、量的な予算情報と、立法、政策、プログラム、予算編成過程のタイムテーブル、支出の優先順位および決定の論拠、支出額、成果ならびにサービス提供情報についての関連情報の双方が含まれる。委員会は、締約国が、意味のある参加を可能にするための、状況にふさわしい資料、機構および制度 [18] のための予算を用意し、かつこのような資料、機構および制度を整備しなければならないことを強調するものである。 [18] 条約第13条第1項参照。 55.予算編成過程への意味のある参加を可能にするために、委員会は、締約国が情報の自由のための立法および政策を整備することを確保することが重要であると強調する。これには、予算編成方針、予算案、策定された予算、中期報告書、年度末報告書および監査報告書のような重要な予算文書にアクセスする権利が含まれ、または少なくとも子どもたちおよび子どもの権利擁護者がそのようなアクセスを妨げられないことが含まれる。 56.委員会は、多くの国が、予算編成過程のさまざまな部分に子どもたちの意味のある参加を得てきた経験を有していることを認識する。委員会は、締約国に対し、そのような経験を共有し、かつ自国の状況にふさわしい優れた実践のあり方を特定するよう奨励するものである。 (子どもの権利と公共予算 後編に続く) 更新履歴:ページ作成(2016年10月27日)。
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リトルビッグプラネット2を2人で実況 2013年03月23日~更新中 【ニコニコ動画】 リトルビッグプラネット2 2011年2月10日発売 ソニー・コンピュータエンタテインメント アクション もうひとつの地球「リトルビッグプラネット」を舞台に冒険する2Dアクションゲーム。 プレイヤーは自身の分身である「リビッツ」を操作し、まずは同盟軍のリーダーであるラリー・ダ・ヴィンチの元でトレーニングを積むことになる。ファイナルテストをクリアすると同盟軍の一員として正式に迎えられ、世界征服を目論むネガティビトロンやその部下達との戦いに挑んでいく。 ステージではキャラクターとの会話を頼りにゴールを目指して進んでいく。ステージ上には大小さまざまな「バブル」が落ちており、これを取ることで得点が入る。高得点を得るためには連続してたくさん取ることが不可欠である。バブルの中には、取るとアイテムやコスチュームが手に入る「アイテムバブル」もあり、着替えのバリエーションを増やしたり、ステージの作成に役立てることができる。 ステージにいくつかあるチェックポイントを通ると、途中でミスしてもそこから再開することができる。ただし復帰できる回数には制限があり、あとがなくなるとポイントが赤く点滅してアラームが鳴りだし、その状態でミスをするとゲームオーバーになる。この回数はチェックポイントを通過するたびにリセットされるため、あとがなくなっても諦めず前に進むことが大切である。ステージをクリアするとリザルト画面が表示され、ボーナスアイテムやアイテムの収集率、総得点が確認できる。
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「できれば、〝彼〟や涼宮ハルヒ、朝比奈みくるには黙っていて欲しい。」 長門さんに教科書を貸した後の英語の授業の最中、僕はいつかの様に僕の教科書を抱きかかえた長門さんの台詞を何べんも反芻していた。 最初は、長門さんの教科書は一体どこへ行ってしまったのか、本当に盗まれてしまったのだろうか、では、一体だれが? などと、一通り考えてはいたのだが、思考は確実に先ほどの会話へ流されていく。 「涼宮ハルヒや〝彼〟は私に対して、少し過保護すぎると思われる面がある。 盗難されたと決まったわけではない、騒ぎを大きくしたくない。 第一、涼宮ハルヒが何かしらの怒りを覚えると、それはすなわち……あなたの苦労に繋がる。 それはいや。 朝比奈みくるは隠し事に向いていない。 それが彼女のいいところ。」 喋り方は相変わらず淡々としていたがその内容は、SOS団のメンバーのことをよく見て考えて、 なおかつ、自分が周りからどのように思われているか、ちゃんと理解しているものだった。 かつての彼女ならば、自分が何かの被害を受けたことに〝彼〟や涼宮さんが怒りをあらわにする理由が分からなかっただろう。 そして、何より僕のことを心配してくれたことが嬉しかった。 閉鎖空間の拡大にともなる世界崩壊ではなく、僕の苦労を心配してくれたことがどうしようもなく嬉しかった。 そして、その後、長門さんが白くて細い長門さんの指を口元に持っていき、 「2人だけの秘密。 禁則事項。」 と、言ったのを思い出すと、あれからもう15分以上の時間が経過しているにも拘らず、ボン!と湯気が出そうなくらい顔が赤くなるのを感じる。 あれは、可愛かった。 今思い起こせば、少し長門さんの口角が上がっていたような気がする。 僕の、妄想かもしれないけれど。 ……いや、そんなことはどうでもいい。 僕が頷くと、長門さんはちいさく、ありがとう、と言った。 それが何故か、耳に甘く響いた。 しかし、最近の長門さんは、本当に饒舌だ。 いや、一般的に考えると彼女は激しく無口、という状況のままだろう。 けれど、以前のそれこそSOS団発足当時の長門さんに比べれば、冗談を言ったり、僕をからかったり、 涼宮さんや〝彼〟と一緒になって僕にいたずらを敢行したり、朝比奈さんにお茶のリクエストをしてみたり、僕の言葉の揚げ足を取ったり、本当によく喋る様になったと思う。 あれ、僕ばっかり酷い目にあっているような。 ……気のせいだろう。 気のせいと言うことにしておこう。 「この単語の発音は、日本語では後方に来ているが、実際は前半、この2番目のoに来る。 センターのイントネーション問題でもよく出題される単語だ。 よく覚えておけよ~。」 正直、先生の話なんて右から左だ。 ノートも真っ白。 あとで山田くんに写させてもらおう。 秘密。 2人だけの、秘密。 僕と長門さんだけの秘密。 僕が抱えている秘密ならたくさんある。 それこそ、星の数ほどだ。 〝彼〟にも言っていない『機関』の裏事情、僕の過去。 涼宮さんに対しては正体やら、目的やら、そのほかにもいろいろ隠し事がある。 『機関』の中でも、部署が違ったり、考えにずれがある派閥に対してはやっぱり秘密はあるし、 森さんが楽しみに冷やしてたプリン食べちゃったのは実は僕、という個人的なものまである。 ちなみに、新川さんが買ってきたワラビ餅を勝手に食べてしまったのは、圭一さんだったりする。 そんなたくさんの秘密の中の一つだと言うのに、長門さんとの約束は、随分と意味のあるもの様に感じた。 秘密、ひみつ、ヒミツ。 長門さんの教科書がなくなってしまったと言うのに不謹慎ではあるけれど、秘密と言う言葉が、こんなにもワクワクするものだと感じたのは、小学生以来だ。 しかも、その記憶も段々劣化し始めている。 今まで過ごしてきた年月の中で、ただの古泉一樹だった時間と、超能力者古泉一樹だった時間と、どちらが長いと聞かれたら、 間違いなく、ただの古泉一樹だった時間のほうが長いと答えるが、自信はない。 数字で見れば確実な12年と4年の年月の差が、その内容の濃度の違いのせいであやふやになてしまっている。 今更、ただの古泉一樹に戻りたいなんてさらさら思わないし、今の自分に自信を持ち始めているのも事実だ。 しかし、その分、僕は確実に、ただの古泉一樹であることを忘れてしまっていた。 長門さんとの秘密の約束は、そんな僕を、一気にただの古泉一樹に戻してしまったのだ。 長門さんとの秘密だからかもしれない。 いつも寡黙な、長門さんとの初めての約束だからかもしれない。 だから、こんなにもワクワクするのかもしれない。 すごく楽しい。 心臓が煩い。 でも、すごく心地いい。 ああ、僕も人間なんだな、と、意味不明なことを考えてしまう。 暦の上では、とっくの昔に秋になっているはずの炎天下の中、薄い窓ガラスの向こうで蝉だけが僕の心臓と同じくらい騒いでいた。 「よーし、今日はここまで! 次回小テストするからな、勉強しとけよ~」 いつの間にか終わった授業のあとの騒がしさの中、僕は、廊下側にある山田くんの席へと向かった。 先ほどの時間、上の空でとり損ねたノートを写させてもらうためだ。 そして、教科書を返しに来るであろう長門さんを待つためである。 9組の次の授業が日本史なのだ。 また前回、前々回のように山田くんに大声で呼ばれなどしたら、僕は恥しさのあまり穴を掘ってでも隠れたくなってしまうだろう。 それだけは、ごめんこうむりたい。 「山田くん、ちょっといいですか?」 「んお? なに、古泉。 なんか用か? 言っとくが英語教えてくれってのは勘弁してくれよ。 俺は英語と国語はさっぱりなんだ。」 「知ってますよ。 理数系教科しか取柄が無いって散々ご自分で仰っていましたから。 そうじゃなくて、さっき授業のノート、写させてくれませんか? ボーっとしてたものでとり損ねまして。」 「……長門か。」 「ちがいます。」 「分かりやすいな、お前。」 そう言ってニヤニヤ笑う山田くんに、僕は首をかしげる。 よく〝彼〟は、僕の顔はいつも笑っていて表情が読めないと怒り出すのに。 僕自身でも、ポーカーフェイスは得意なつもりだ。 ポーカーは、お世辞にも強いとはいえないけれど。 「ま、どうでもいいけどさ。 ほら、ノート。 写すんだろ。 字が汚いとか言って怒んなよ。 お前よりマシだ。」 「悪かったですね、字が汚くて。」 「汚いって言うか、乱暴なんだよ。 そんな外見の癖にさ。 お前のテストの採点するセンコーたちはすげーな。」 余計なお世話だ。 僕自身、そのことにはちゃんと考えていてこれからは長門さんの字をお手本に丁寧に書いていこうと決めたところなんですから。 そんなことを考えていたら、教室前の廊下にこの炎天下だというのに涼しげな雰囲気が漂ってきて、思わずそちらの方に視線を向けた。 それと同時に、僕の鼓膜を打つ、凛とした声。 「古泉一樹。」 「……長門さん。 あ、教科書を返しに来てくださったのですね。 すみません、急がせてしまって。」 「いい。 もともと借りているのは私の方。 そして、あなたの次の授業が日本史なのだから、すぐに返すのは当然。 あなたが謝る必要はどこにも無い。」 「確かにそうかもしれませんが、そうお気を使わずとも構いませんよ。 授業が終わってすぐ来てくださったのでしょう?」 「他に用事がなかっただけ。 そう急いではいない。」 「そうですか。」 「そう。」 ああ、会話が続きません。 しかも、真横からまたニヤニヤした視線を感じます。 いい加減飽きませんか。 思わず、ちらりとそちらを向くと、山田くんはばちんとウィンク。 その目は確実にこう言っている。 『俺の存在は、空気だと思え!』 思えるか! と、言わせて頂けるとありがたいのですが。 「……ノート。」 突然、僕と山田くんの目と目の会話を遮るように、長門さんが広げられた僕と山田くんの英語のノートを指差した。 そこには男子2人のお世辞にも綺麗とは言えないアルファベットや日本語が並んでいる。 2人して、下敷きも定規も使わないからノートはがたがただ。 「……はい?」 「なぜ、休み時間にノートを写しているの?」 あー、それはですねぇ。 適当な言い訳を並べようとしている僕に言葉を繋げさせず、それを遮るおせっかいな声。 「それがなー、古泉の奴、さっきの時間、長門のこと考えててノート取れなかったとか言うんだぜ。」 なんてことを言ってくれるんですか! たしかに、長門さんの秘密にワクワクしていたのは事実ですが、その言い方じゃまるで―― 「……本当?」 「……………。」 何も、言えなかった。 馬鹿とでも、なんとでも言ってください。 あんな風に見上げられて嘘が言えるほど、僕は大人じゃないし、本当のことが言えるほどの勇気もない。 長門さんは、何も言わない僕に、そう。 と一言つぶやいてから、僕と山田くんを交互に視線を送った後、失礼する、と言って背中を見せた。 そのとき、ほんの小さな、僕にやっと聞こえるくらいの小さな声で159ページとだけつぶやいて、ちょっとした急流に流されるように6組がある方向へと去って行ってしまう。 日本史の授業が始まるまで、あと3分を切った。 <続く>
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ネットワークアーキテクチャ 学年 3年 時期 前期 時間 水曜3限 教員 北見憲一 教科書情報 [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 教科書番号 72 教科書販売価格 \3020 備考 必要性 選択肢 投票 5 (0) 4 (0) 3 (0) 2 (0) 1 (0) コメント 名前 コメント 分類 3年前期 水曜3限
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子どもの権利委員会・一般的意見15号:到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利(第24条) 前編 一般的意見一覧 子どもの権利委員会 第62会期(2013年1月14日~2月1日) CRC/C/GC/15(2013年4月17日/原文英語) 日本語訳:平野裕二〔日本語訳全文(PDF)〕 目次 I.はじめに(パラ1-6) II.健康に対する子どもの権利を実現するための原則および前提(パラ7-22)A.子どもの権利の不可分性および相互依存性(パラ7) B.差別の禁止に対する権利(パラ8-11) C.子どもの最善の利益(パラ12-15) D.生命、生存および発達に対する権利ならびに子どもの健康の決定要因(パラ16-18) E.意見を聴かれる子どもの権利(パラ19) F.子どもの発達しつつある能力およびライフコース(パラ20-22) III.第24条の規範的内容(パラ23-70)A.第24条第1項(パラ23-31) B.第24条第2項(パラ32-70) IV.義務および責任(パラ71-85) → 健康に対する子どもの権利 後編A.締約国の尊重義務、保護義務および充足義務(パラ71-74) B.国以外の主体の責任(パラ75-85) V.国際協力(パラ86-89) VI.実施および説明責任履行の枠組み(パラ90-120)A.健康に対する子どもの権利についての知識の促進(第42条)(パラ93) B.立法措置(パラ94-95) C.ガバナンスおよび調整(パラ96-103) D.子どもの健康への投資(パラ104-107) E.行動サイクル(パラ108-118) F.健康権侵害の救済措置(パラ119-120) VII.普及(パラ121) I.はじめに 1.この一般的意見は、子どもの健康に対して子どもの権利の視点(すべての子どもに、身体的、情緒的および社会的ウェルビーイングを背景として、それぞれが有する潜在的可能性を全面的に発揮しながら生存し、成長し、かつ発達する機会を有する権利がある)からアプローチすることの重要性を基礎として作成されたものである。この一般的意見全体を通じて、「子ども」とは、子どもの権利条約(以下「条約」)第1条にしたがい、18歳未満のすべての個人をいう。条約が採択されて以降、近年、子どもの健康権の充足について目覚ましい成果が達成されたにも関わらず、相当の課題が残ったままである。子どもの権利に関する委員会(以下「委員会」)は、予防、治療およびケアのために利用可能な知識および技術の適用に対する政治的なコミットメントおよび十分な資源の配分があれば、子どもの死亡、罹病および障害のほとんどは予防可能であることを認識する。この一般的意見は、到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利(以下「子どもの健康権」)の尊重、保護および充足について締約国および何らかの義務を負うその他の主体を支援するため、締約国および何らかの義務を負うその他の主体に指針を示し、かつ支援を提供することを目的として作成された。 2.委員会は、第24条で定められている子どもの健康権を、予防、健康促進、治療、リハビリテーションおよび緩和ケアのための時宜を得た適切なサービスのみならず、最大限可能なまで成長発達し、かつ、健康の根本的決定要因に対応するプログラムの実施を通じて最高水準の健康に到達することを可能にする条件下で生活する権利にまで及ぶ、包摂的な権利と解釈する。健康に対するホリスティックなアプローチをとることにより、子どもの健康権の実現は、より幅広い、国際人権法上の義務の枠組みのなかに位置づけられる。 3.委員会は、子どもの権利および公衆衛生の分野で活動する一連の関係者(政策立案およびプログラムの実施に携わる者ならびに活動家を含む)、ならびに、親および子どもたち自身に宛ててこの一般的意見を公にする。広範な子どもの健康問題、保健制度、ならびに、国および地域によって異なるさまざまな文脈との関連性を確保するため、この一般的意見はその一般的性質を明確にしたものである。ここではもっぱら第24条第1項および第2項に焦点を当て、第24条第4項についても取り上げる [1]。第24条の実施においては、すべての人権原則(とくに条約の指導的原則)を考慮に入れなければならず、またエビデンスに基づいた公衆衛生上の基準および模範的実践によって実施のあり方が決定されなければならない。 [1] 有害慣行に関する一般的意見が現在作成途上にあるため、第24条第3項については取り上げていない。 4.世界保健機関憲章において、各国は、健康について、完全な身体的、精神的および社会的ウェルビーイングの状態であって単に疾病または病弱の存在しないことではないと考えることに合意した [2]。健康に関するこの積極的理解は、この一般的意見の公衆衛生上の基礎をなすものである。第24条はプライマリーヘルスケアに明示的に言及しているが、これに対するアプローチはアルマアタ宣言で定められ [3]、かつ世界保健総会によって強化された [4]。このアプローチで重視されているのは、健康に関する排除の解消および社会的格差の縮減を図り、住民のニーズおよび期待に即する形で保健サービスを組織し、関連セクターに保健を統合し、協働型の政策対話モデルを追求し、かつ、関係者の参加(サービスに対する需要およびサービスの適正な利用を含む)を強化する必要性である。 [2] 国際保健会議が1946年7月22日に採択した世界保健機関(WHO)憲章前文。 [3] アルマアタ宣言(プライマリーヘルスケアに関する国際会議、アルマアタ、1978年9月6~12日)。 [4] 世界保健総会「保健制度の強化を含むプライマリーヘルスケア」(A62/8)。 5.子どもの健康はさまざまな要因の影響を受けるものであるが、これらの要因の多くはこの20年間に変化してきており、今後も変化し続ける可能性が高い。これには、新たな健康問題の発生および保健面での優先課題の変化が注目されるようになったこと(HIV/AIDS、インフルエンザの世界的流行、非感染性疾患、精神保健ケアの重要性、新生児ケアおよび新生児期・思春期の死亡等)、ならびに、子どもの死亡、疾病および障害を助長する諸要因(世界的な経済・金融情勢、貧困、失業、移住および強いられた集団避難、戦争および動乱、差別ならびに周縁化等の構造的決定要因を含む)に関する理解が高まったことも含まれる。気候変動および急速な都市化が子どもの健康に及ぼす影響についての理解も広がりつつあり、ワクチンおよび医薬品等の新技術も開発されており、また、効果的な生物化学的、行動科学的および構造的介入策、ならびに、子どもの養育に関連しており、かつ子どもに積極的効果を及ぼすことが証明されてきた若干の文化的慣行についてのエビデンスもいっそう蓄積されている。 6.情報通信技術の進展により、子どもの健康権を達成する新たな機会および課題が生じてきた。保健セクターがこれまで以上の資源および技術を利用できるようになっているにも関わらず、子どもの健康促進、予防および治療のための基礎的サービスにすべての者がアクセスできることをいまなお確保できていない国は多い。子どもの健康権を全面的に実現するためには、何らかの義務を負っているさまざまな主体の関与が必要であり、また親その他の養育者が果たす中心的役割についての認識が高められなければならない。政府機関および非政府組織のパートナー、民間セクターおよび資金拠出団体を含む関係者が積極的に関与し、国、広域行政圏、地方およびコミュニティのレベルで活動する必要がある。国には、何らかの義務を負うすべての主体が、その義務および責任を履行するための十分な自覚、知識および能力を有すること、ならびに、子どもが自己の健康権を主張できるようにその能力が十分に発達させられることを確保する義務がある。 II.健康に対する子どもの権利を実現するための原則および前提 A.子どもの権利の不可分性および相互依存性 7.条約は、すべての子どもがその精神的および身体的能力、人格および才能を最大限可能なまで発達させることを可能とする、すべての権利(市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利)の相互依存性および平等な重要性を認めている。子どもの健康権それ自体が重要であるのみならず、健康権の実現は、条約に掲げられた他のすべての権利の享受にとっても欠かせない。さらに、子どもの健康権を達成できるかどうかは、条約に掲げられた他の多くの権利の実現にかかっている。 B.差別の禁止に対する権利 8.すべての子どもの健康権を全面的に実現するため、締約国には、脆弱性を助長する重要な要因のひとつである差別の結果として子どもの健康が損なわれないことを確保する義務がある。条約第2条には多くの差別禁止事由(子ども、親または法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位を含む)が挙げられている。これらの差別禁止事由には性的指向、ジェンダーアイデンティティおよび健康状態(たとえばHIV感染および精神的健康)も含まれる [5]。子どもの健康を損なうおそれがある他のいかなる形態の差別に対しても同様に注意が向けられるべきであり、また複合的形態の差別の影響に対する対処も行なわれるべきである。 [5] 「子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達」に関する一般的意見4号(2003年、Official Records of the General Assembly, Fifty-ninth Session, Supplement No. 41 (A/59/41), annex X)、パラ6。 9.ジェンダーに基づく差別はとくに蔓延しており、女子の新生児殺/堕胎から、乳幼児への栄養の与え方、ジェンダーに基づくステレオタイプおよびサービスへのアクセスに関わる差別に至るまで、広範な結果に影響を及ぼしている。女子・男子の異なるニーズ、ならびに、ジェンダー関連の社会的な規範および価値観が男子・女子の健康および発達に及ぼす影響に注意が向けられるべきである。伝統および慣習に深く根ざしており、かつ女子・男子の健康権を損なっている、ジェンダーに基づく有害な慣行および行動規範に対しても注意が向けられなければならない。 10.子どもの健康に影響を及ぼすすべての政策およびプログラムは、若年女性の全面的な政治参加、社会的および経済的エンパワーメント、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関する平等な権利の承認、ならびに、情報、教育、司法および安全への平等なアクセス(あらゆる形態の性暴力およびジェンダーを理由とする暴力の撤廃を含む)を確保する、ジェンダー平等に対する広範なアプローチに根差したものであるべきである。 11.不利な状況に置かれた子どもおよびサービス等が行き届かない地域で暮らす子どもが、子どもの健康権を充足するための努力の中心に据えられるべきである。国は、子どもを脆弱な状況に追い込み、または特定の集団の子どもを不利な立場に追いやる、国および地方のレベルに存在する要因を特定することが求められる。子どもの健康に関する法令、政策、プログラムおよびサービスを発展させる際にこれらの要因への対処が行なわれるべきであり、公正を確保することに向けた活動が進められるべきである。 C.子どもの最善の利益 12.条約第3条第1項は、公的または私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関および立法機関に対し、子どもに関わるすべての活動において子どもの最善の利益が評価され、かつ第一次的に考慮されることを確保する義務を課している。この原則は、子ども個人または集団としての子どもたちに関わる保健関連のすべての決定において遵守されなければならない。子ども個人の最善の利益の判定は、その身体的、情緒的、社会的および教育的ニーズ、年齢、性別、親および養育者との関係ならびに家族的および社会的背景に基づいて、かつ、条約第12条にしたがってその意見を聴いた後に、行なわれるべきである。 13.委員会は、締約国に対し、子どもたちの健康および発達に影響を及ぼすすべての決定(資源の配分を含む)、ならびに、子どもたちの健康の根本的決定要因に影響を及ぼす政策および介入策の策定および実施において、子どもたちの最善の利益を中心に位置づけるよう促す。たとえば以下のとおりである。 (a) 治療の選択にあたっては子どもの最善の利益が指針とされるべきであり、実行可能なときは経済的考慮よりも優先されるべきである。 (b) 親とヘルスワーカー間の利益の衝突を解決するために、子どもの最善の利益が役立てられるべきである。 (c) 子どもが生活し、成長しかつ発達する物理的および社会的環境を阻害する行動を規制するための政策の策定は、子どもの最善の利益によって左右されるべきである。 14.委員会は、すべての子どもの治療、その差し控えまたは停止に関わるあらゆる意思決定の基礎としての、子どもの最善の利益の重要性を強調する。国は、子どもの最善の利益について判定するために設けられている、公式なかつ拘束力のある他の手続に加えて、保健分野における子どもの最善の利益の評価に関してヘルスワーカーの指針となる手続および基準を策定するべきである。委員会は、一般的意見3号 [6] において、HIV/AIDSに対応するための十分な措置は、子どもおよび青少年の諸権利が全面的に尊重されなければとることができないと強調した。したがって、予防、治療、ケアおよび支援のあらゆる段階でHIV/AIDSについて検討する際に、子どもの最善の利益が指針とされるべきである。 [6] 「HIV/AIDSと子どもの権利」に関する一般的意見3号(2003年、Official Records of the General Assembly, Fifty-ninth Session, Supplement No. 41 (A/59/41), annex IX)。 15.一般的意見4号 [7] において、委員会は、健康問題に関する適切な情報へアクセスできることが子どもの最善の利益にのっとっている旨、強調した。一定のカテゴリーの子ども(心理社会的障害のある子どもおよび青少年を含む)に対し、特別な注意がむけられなければならない。入院または施設措置が検討される場合、その決定は、子どもの最善の利益の原則にしたがって、かつ、可能なかぎりコミュニティにおいて、家庭的環境のなかで(可能であれば、家族および子どもに提供される必要な支援を得ながら自分自身の家庭において)ケアされることこそ障害のある子どもの最善の利益にのっとっているという第一義的理解に立って、行なわれるべきである。 [7] 「子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達」に関する一般的意見4号(2003年、Official Records of the General Assembly, Fifty-ninth Session, Supplement No. 41 (A/59/41), annex X)、パラ10。 D.生命、生存および発達に対する権利ならびに子どもの健康の決定要因 16.第6条は、子どもの生存、成長および発達(発達の身体的、精神的、道徳的、霊的および社会的側面を含む)を確保する締約国の義務を強調している。ライフコース中の広範な決定要因に対処する、エビデンスを十分に踏まえた介入策を立案しかつ実施する目的で、子どもの生命、生存、成長および発達の基底にある多くのリスクおよび保護要因が体系的に特定されなければならない。 17.委員会は、子どもの健康権を実現するためには、個人的要因(年齢、性別、学業成績、社会経済的地位および居住地等)、家族、同世代の子ども、教師およびサービス提供者からなる直近の環境で作用している決定要因(とくに、直近の環境の一環として子どもの生命および生存を脅かす暴力)ならびに構造的決定要因(政策、行政機構および行政制度、社会的・文化的価値観および規範を含む)を含む、多くの決定要因を考慮しなければならないことを認識する [8]。 [8] 「あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利」に関する一般的意見13号(2011年、Official Records of the General Assembly, Sixty-seventh Session, Supplement No. 41 (A/67/41), annex V)参照。 18.子どもの健康、栄養および発達を左右するもっとも重要な決定要因としては、母親の健康権の実現 [9] および親その他の養育者の役割がある。乳児の死亡の相当数は、妊娠前および妊娠中ならびに分娩直後の時期に母親の健康状態が望ましくないこと、および、母乳育児の収監が最適ではないことと関連して、新生児期に生じている。親およびその他の重要な成人の健康状態および健康関連の行動は、子どもの健康に重要な影響を及ぼす。 [9] 女性と健康に関する女性差別撤廃委員会の一般的勧告24号(1999年、Official Records of the General Assembly, Fifty-fourth Session, Supplement No. 38 (A/54/38/Rev.1))、第I章A節参照。 E.意見を聴かれる子どもの権利 19.第12条は、自己の意見を表明し、かつそのような意見を年齢および成熟度にしたがって真剣に考慮される子ども〔の権利〕を定め、子ども参加の重要性を強調している [10]。これには、保健に関わる対応のあらゆる側面(たとえば、必要とされるサービスの内容、当該サービスをもっともよい形で提供できる方法および場所、サービスへのアクセスまたはサービスの利用を妨げる障壁、サービスの質および保健専門家の態度、自分自身の健康・発達についていっそう高い水準の責任をとる子どもの能力を強化する方法、ならびに、子どもたちがピアエデュケーターとしてサービス提供にいっそう効果的に関与できるようにするための方法を含む)についての意見が含まれる。国は、効果的な介入策および保健プログラムの立案に対する貢献として子どもたちが有している健康上の課題、発達上のニーズおよび期待について知る目的で、子どもの年齢および成熟度に適合した定期的な参加型協議、および、子どもを対象とする調査研究を実施すること(その際、子どもたちの親とは別に行なうこと)を奨励される。 [10] 「意見を聴かれる子どもの権利」に関する一般的意見12号(2009年、Official Records of the General Assembly, Sixty-fifth Session, Supplement No. 41 (A/65/41), annex IV)参照。 F.子どもの発達しつつある能力およびライフコース 20.子ども時代は、出生から乳児期および就学前期を経て思春期に至るまでの継続的成長の期間である。身体的、心理的、情緒的かつ社会的な発達、期待および規範に関して重要な発達上の変化が生じるため、一つひとつの段階が重要な意義を有する。諸段階を経て進む子どもの発達は累積的なものであり、各段階がその後の段階に影響を及ぼしながら、子どもの健康、潜在的可能性、リスクおよび機会を左右する。子ども時代の健康問題が公衆衛生一般にどのように影響するかを評価するためには、このようなライフコースを理解することが不可欠である。 21.委員会は、子どもの発達しつつある能力が、自己の健康問題に関する独立した意思決定に関係してくることを認識する。委員会はまた、このような自律的意思決定についてはしばしば深刻な格差があり、差別をとくに受けやすい子どもはこのような自己決定を行使できる度合いがしばしば低いことにも留意する。したがって、支援的な政策が整備されること、ならびに、子ども、親およびヘルスワーカーに対し、同意、承諾および秘密保持に関する、権利を基盤とする十分な指導が行なわれることが不可欠である。 22.子どもの発達しつつある能力、および、ライフサイクルに沿って異なる健康上の優先課題に対応し、かつこれらを理解するため、収集・分析されるデータは、国際基準にしたがい、年齢、性別、障害、社会経済的地位および社会文化的側面ならびに地理的所在ごとに細分化されるべきである。これにより、時間とともに変化する子どもの能力およびニーズを考慮に入れ、かつすべての子どもに関連性の高い保健サービスを提供するのに役立つ適切な政策および介入策を計画し、策定し、実施しかつ監視することが可能になる。 III.第24条の規範的内容 A.第24条第1項 「締約国は、到達可能な最高水準の健康の享受……に対する子どもの権利を認める」(States parties recognize the right of the child to the enjoyment of the highest attainable standard of health) 23.「到達可能な最高水準の健康」の概念は、子どもの生物学的、社会的、文化的および経済的前提条件ならびに国が利用可能な資源(非政府組織、国際社会および民間セクターをはじめとする他の出所から利用に供される補完的資源を含む)の双方を考慮に入れたものである。 24.子どもの健康権には一群の自由および権利が含まれる。自由とは、能力の成長および成熟の進行にしたがって重要度を増すものであり、自己の健康および身体をコントールする権利(性および生殖に関わって責任のある選択を行なう自由を含む)が含まれる。権利には、到達可能な最高水準の健康を享受する平等な機会をすべての子どもに与える、一連の施設、物資、サービスおよび条件へのアクセスが含まれる。 「疾病の治療および健康の回復のための便宜」(に対する子どもの権利)(and to facilities for the treatment of illness and rehabilitation of health) 25.子どもは、予防、健康促進、治療、リハビリテーションおよび緩和ケアのためのサービスを含む、良質な保健サービスに対する権利を有する。第一次レベルでは、これらのサービスが、十分な量および質をともなって利用可能とされ、十分に機能し、子どもである住民のあらゆる層にとって物理的および金銭的に手が届き、かつ、すべての者にとって受入れ可能なものとなっていなければならない。保健ケア制度は、保健ケア面の支援を提供するのみならず、権利侵害および不公正の事案に関する情報を関連の公的機関に通報することも行なうべきである。第2次および第3次のレベルでも、保健制度のあらゆるレベルでコミュニティおよび家族を結びつける、十分に機能する紹介・移送システムをともなったケアが可能なかぎり利用可能とされるべきである。 26.包括的なプライマリーヘルスケア・プログラム(予防ケア、特定疾患の予防および栄養関連の介入策を含む)が、すでに効果が証明されているコミュニティ基盤型の取り組みに沿って提供されるべきである。コミュニティレベルでの介入策には、情報、サービスおよび物資の提供に加えて、たとえば公共空間の安全、道路安全ならびにケガ・事故・暴力防止教育への投資を通じた、疾病およびケガの予防も含めることが求められる。 27.国は、すべての子どもを対象とした保健サービスを支えるのに十分な人数の、適切な訓練を受けた人員を確保するべきである。コミュニティヘルスワーカーを対象とするものを含め、十分な規制、監督、報酬およびサービス条件も必要とされる。能力開発活動においては、サービス提供者が、子どもに配慮したやり方で活動し、かつ、子どもが法律により受給資格を有しているいかなるサービスも子どもに提供しないことがないようにするべきである。品質保証基準が維持されることを確保するため、説明責任を履行させるための機構を組みこむことが求められる。 「締約国は、いかなる子どもも当該保健サービスへアクセスする権利を奪われないことを確保するよう努める」(States parties shall strive to ensure that no child is deprived of his or her right of access to such health care services) 28.第24条第1項は、保健サービスおよび他の関連のサービスがすべての子どもにとって利用可能でありかつアクセス可能であることを、サービス等が行き届いていない地域および集団にとくに注意を払いながら確保する、締約国の強い行為義務を課すものである。そこでは、包括的なプライマリーヘルスケア制度、十分な法的枠組み、および、子どもの健康の根本的決定要因に対する持続的関心が要求される。 29.保健サービスに子どもがアクセスすることを妨げる障壁(金銭的、制度的および文化的障壁を含む)が特定され、かつ解消されるべきである。すべての子どもを対象とする無償の出生登録は前提条件であり、また社会保護的介入策(子ども給付金または子ども交付金、現金給付および有給の親休暇のような社会保障を含む)を実施し、かつこれを補完的投資と考えることも求められる。 30.保健追求行動のあり方は、それが行なわれる環境(とくにサービスの利用可能性、保健知識の水準、ライフスキルおよび価値観を含む)によって決まる。国は、親および子どもによる適切な保健追求行動を奨励することにつながる、促進的環境の確保に努めるべきである。 31.子どもは、子どもとともに活動する専門家によって子どもの最善の利益にのっとっていると評価される場合には、その発達しつつある能力にしたがい、親または法定保護者の同意を得ることなく、秘密が守られるカウンセリングおよび助言にアクセスできるべきである。国は、親または法定保護者がいない子どもを対象として、子どもに代わって同意を与え、または子どもの年齢および成熟度によっては子ども自身による同意を援助することができる適切な養育者を指名するための、法律上の手続を明確にすることが求められる。国は、HIV検査ならびにセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのためのサービス(セクシュアルヘルス、避妊および安全な妊娠中絶に関する教育および指導を含む)など一定の医学的治療および介入策について再検討を行ない、これらの治療および介入策については親、養育者または保護者の許可を得ることなく子どもが同意できるようにすることを検討するべきである。 B.第24条第2項 32.第24条第2項にしたがい、国は、子どもの健康権に関連するその他の問題を特定し、かつこれに対処するための手続を整備することが求められる。そのためには、とくに、優先されるべき健康問題の観点から現状についての詳細な分析を行なうとともに、適当なときは子どもたちと協議しながら、主要な決定要因および健康問題に対応する、エビデンスを十分に踏まえた介入策および政策を特定しかつ実施することが必要である。 第24条第2項(a)「乳幼児および子どもの死亡率を低下させること」(To diminish infant and child mortality) 33.国には、子どもの死亡を減少させる義務がある。委員会は、5歳未満児の死亡のうちますます多くの割合を占めるようになっている新生児期の死亡に対し、特段の注意を向けるよう促す。加えて、締約国は、低い優先順位しか与えられないのが一般的な思春期の罹病および死亡についても対処を進めるべきである。 34.介入策において注意が向けられるべき問題としては、死産、早産合併症、出生時仮死、低出生体重、HIVその他の性感染症の母子感染、新生児感染症、肺炎、下痢、はしか、低栄養および栄養不良、マラリア、事故、暴力、自殺ならびに思春期女子の妊産婦罹病・死亡などがある。リプロダクティブヘルス、妊産婦保健、新生児保健および児童保健のための連続的ケアの流れのなかですべての子どもにこのような介入策を提供するため、保健制度を強化することが勧告されるところである。予防および説明責任の履行を目的として、妊産婦死亡および周産期死亡に関する外部調査を日常的に実施することが求められる。 35.国は、肺炎、下痢性疾患およびマラリアを対象とするコミュニティ基盤型治療など、すでにその効果が証明されている、単純、安全かつ安価な介入策の拡大展開をとりわけ重視するとともに、母乳育児の慣行の全面的な保護および促進を確保することに特段の注意を払うべきである。 第24条第2項(b)「プライマリーヘルスケアの発展に重点をおいて、すべての子どもに対して必要な医療上の援助および保健を与えることを確保すること」(To ensure the provision of necessary medical assistance and health care to all children with emphasis on the development of primary health care) 36.国は、子どもおよびその家族が生活している場所のできるだけ近く、とくにコミュニティの環境で提供されるプライマリーヘルスケア・サービスに、すべての子どもがアクセスできるようにすることに優先的に取り組むべきである。サービスの厳密な形態および内容は国によって異なるであろうが、いずれにしても効果的な保健制度が必要となる。このような保健制度には、健全な資金拠出機構、十分な訓練を受け、かつ十分な給与を支払われている人員、決定および政策の基盤となる信頼できる情報、良質な医薬品および技術を供給するための十分に維持管理された器材および物流システム、ならびに、力強いリーダーシップおよびガバナンスが含まれる。学校における保健サービスの提供は、疾患のスクリーニングによる健康促進の重要な機会となり、また就学している子どもにとって保健サービスのアクセス可能性を高めることにつながる。 37.推奨されているサービス・パッケージ、たとえば「リプロダクティブヘルス、妊産婦保健、新生児保健および児童保健のために必須の介入策、物資およびガイドライン」[11] が活用されるべきである。国には、世界保健機関の必須医薬品モデルリスト(可能であれば小児用製剤の形態をとった子ども向けリストを含む)に掲載されたすべての必須医薬品の利用可能性、アクセス可能性および負担可能性を確保する義務がある。 [11] The Partnership for Maternal, Newborn and Child Health, A Global Review of the Key Interventions Related to Reproductive, Maternal, Newborn and Child Health (Geneva, 2011). 38.委員会は、青少年の間で精神的健康障害(発達障害および行動障害、抑うつ、摂食障害、不安症、虐待・ネグレクト・暴力・搾取の結果として生ずる心理的トラウマ、アルコール・タバコ・薬物の濫用、インターネットその他の技術の過剰な利用およびこれらへの依存のような強迫的行動、ならびに、自傷行為および自殺を含む)が増加していることを懸念する。子どもの精神的健康、心理社会的ウェルビーイングおよび情緒的発達を損なう行動上および社会上の問題にいっそう注意を向ける必要があることは、ますます認識されるようになっているところである。委員会は、過剰な医療化および施設措置に対して警鐘を鳴らすとともに、各国に対し、子どもおよび青少年の精神的健康障害に対処するための公衆衛生面および心理社会面の支援を基礎とするアプローチをとり、かつ、子どもの心理社会的、情緒的および精神的問題の早期発見・治療を促進するプライマリーケア・アプローチに凍死するよう、促す。 39.国には、不必要な投薬を行なわないようにしつつ、精神健康障害および心理社会的障害がある子どもに十分な治療およびリハビリテーションを提供する義務がある。精神健康障害の世界的負担および国レベルで保健・社会セクターが調整のとれた包括的対応をとることの必要性に関する世界保健総会決議(2012年)[12] は、とくに子どもの精神的健康を促進し、かつその精神障害を予防するための介入策の有効性および費用対効果性に関するエビデンスが増えていることに留意している。委員会は、各国に対し、家族およびコミュニティの関与を得ながら、保健セクター、教育セクターおよび保護(刑事司法)セクターを含む一連のセクター別政策およびプログラムを通じてこれらの介入策を主流化することにより、その拡大展開を図るよう強く奨励するものである。家庭環境および社会環境のために危険な状況に置かれている子どもについては、その対処能力およびライフスキルを増進し、かつ保護的および支援的な環境を促進するため、特別な注意が必要とされる。 [12] 決議WHA65.4(世界保健総会第65会期、2012年5月25日)。 40.人道的緊急事態(自然災害または人災を理由とする大規模な避難に至るものを含む)の影響を受けている子どもにとっての、子どもの健康に対する特有の課題を認識する必要がある。子どもが妨げられることなく保健サービスにアクセスできることを確保し、子どもが家族と(ふたたび)一緒にいられるようにするとともに、食料および清潔な水のような物質的支援だけで子どもを保護するのではなく、恐怖およびトラウマを防止しまたはこれに対処するための親その他の者による心理社会的ケアも奨励するために、あらゆる可能な措置がとられるべきである。 第24条第2項(c)「環境汚染の危険およびおそれを考慮しつつ、とりわけ、容易に利用可能な技術を適用し、かつ十分な栄養価のある食事および清潔な飲料水を供給することにより、基礎保健の枠組の中で疾病および栄養不良と闘うこと」(To combat disease and malnutrition, including within the framework of primary health care, through, inter alia, the application of readily available technology and through the provision of adequate nutritious foods and clean drinking-water, taking into consideration the dangers and risks of environmental pollution) (a) 容易に利用可能な技術の適用 41.子どもの健康に関する新たな技術であってその効果が証明されているもの(薬剤、装備および介入策を含む)が利用可能となるのにともない、国はこれらの技術を政策およびサービスに導入するべきである。移動による提供体制およびコミュニティを基盤とする取り組みによって若干のリスクを相当に低下させることが可能であり、これらの手段をすべての者にとって利用可能とすることが求められる。このような技術には、小児期に一般的に見られる疾患の予防接種、とくに乳幼児期における成長発達モニタリング、女子を対象とするヒトパピローマウィルスの予防接種、妊婦を対象とする破傷風トキソイドの摂取、下痢性疾患の治療のための経口保水療法および亜鉛補給剤へのアクセス、必須医薬品としての抗生物質および抗ウィルス薬、微量栄養素補給剤(ビタミンAおよびD、ヨウ素添加塩ならびに鉄分補給剤等)ならびにコンドームが含まれる。ヘルスワーカーは、必要に応じてこれらの簡便な技術にアクセスし、かつこれらの技術を実行する方法について、親に対する助言を行なうべきである。 42.民間セクター(健康に影響を及ぼす企業および非営利組織を含む)は、子どもの健康における相当の前進に貢献しうる技術、薬剤、装備、介入策および処置法の開発・改良においてますます重要な役割を果たすようになりつつある。国は、必要とするすべての子どもが利益を享受できることを確保するべきである。国はまた、保健技術のアクセスおよび負担可能性を向上させることにつながりうる官民提携および持続可能なイニシアティブを奨励することもできる。 (b) 十分な栄養価のある食事の供給 43.栄養価が十分であり、文化的に適切でありかつ安全な食料 [13] へのアクセスを確保し、かつ栄養不良と闘う国の義務を充足するための措置は、特定の文脈にしたがって採択することが必要になろう。妊婦を対象として直接行なわれる効果的な栄養支援介入策には、貧血症、葉酸欠乏症およびヨウ素欠乏症への対応ならびにカルシウム補給剤の提供が含まれる。女性の健康のため、かつ胎児および乳児の健康的な発達を確保する目的で、生殖可能年齢のすべての女性を対象として、子癇前症および子癇の予防および管理が確保されるべきである。 [13] 経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約第11条、および、「十分な食料に対する権利」に関する社会権規約委員会の一般的意見12号(1999年、Official Records of the Economic and Social Council, 2011, Supplement No. 2 (E/2000/22), annex V)参照。 44.生後6か月までの完全母乳育児が保護・促進されるべきであり、また母乳育児は、実行可能であれば、適切な補助食品とあわせて2歳まで続けられることが望ましい。この分野における国の義務は、世界保健総会が全会一致で採択した「保護・促進・支援」枠組み [14] に定められている。国は、子どもの健康権に関する国際的に合意された基準(「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」および世界保健総会がその後採択した関連の決議、ならびに、世界保健機関・タバコ規制枠組み条約を含む)を国内法に導入し、実施し、かつ執行することを要求される。妊娠および母乳育児との関連で母親に提供されるコミュニティおよび職場における支援ならびに実行可能かつ負担可能な保育サービスを促進し、かつ1952年の母性保護条約(改正)の改正に関する国際労働機関第183号条約(2000年)の遵守を確保するため、特別措置がとられるべきである。 [14] WHO and United Nations Children’s Fund (UNICEF), Global Strategy for Infant and Young Child Feeding (Geneva, 2003) 参照。 45.乳幼児期における十分な影響供給および成長モニタリングはとりわけ重要である。必要なときは、施設およびコミュニティを基盤とする介入策を通じて重度の急性栄養不良の統合管理が拡大されるべきであり、また中度の急性栄養不良の治療(治療的な栄養補給介入も含む)についても同様である。 46.学校給食は、すべての児童生徒が十分な食事に毎日アクセスできることを確保するために望ましい手段であり、学習に対する子どもたちの注意を高め、かつ就学率を上昇させることにもつながりうる。委員会は、学校給食と組み合わせる形で栄養・健康教育(子どもたちの栄養状態および健康的な食習慣を向上させるための学校庭園の設置および教員の研修を含む)を実施するよう勧告するものである。 47.国はまた、子どもの肥満にも対処するべきである。子どもの肥満は、高血圧、心血管疾患の早期診断マーカー、インスリン抵抗性、心理的影響、成人期肥満の可能性の上昇および早期死亡と関連しているためである。脂肪分、糖分または塩分が多く、エネルギー密度が高く、かつ微量栄養素に乏しい「ファストフード」、および、高濃度のカフェインまたは潜在的有害性がある他の物質を含む飲料を子どもたちが摂取することは、制限されるべきである。これらの物質の販売促進は――とくに当該販売宣伝が子どもたちを対象としているときは――規制されるべきであり、また学校その他の場所におけるこれらの物質の入手は統制されるべきである。 (c) 清潔な飲料水の供給 48.安全かつ清潔な飲料水および衛生設備は、生命および他のあらゆる人権の全面的享受にとって必要不可欠である [15]。水および衛生を担当する政府部局および地方当局は、子どもの健康権の実現を支援する義務を認識するとともに、インフラの拡大および飲料水供給役務の維持管理を計画しかつ実行するさい、ならびに、無償の最低配分量および供給停止に関する決定を行なうさいに、栄養不良、下痢その他の水に関連する疾患および世帯規模に関する子ども指標を積極的に考慮することが求められる。国は、たとえ水・衛生分野で民営化を行なったとしても、自国の義務を免除されない。 [15] 水および衛生に対する人権に関する〔国連〕総会決議64/292。 (d) 環境汚染 49.国は、地域的な環境汚染があらゆる場面で子どもの健康に対してつきつける危険性およびリスクに対処するための措置をとるべきである。十分な住居(危険性のない調理設備があること、煙がこもらない環境であること、適切な換気が行なわれていること、廃棄物が効果的に管理され、かつ生活区画および隣接周辺環境からのゴミの処分が確立されていること、カビその他の有毒物質が存在しないこと、および、家庭衛生が確保されていることを含む)は、健康的な養育および発達の中核的要件である。国は、子どもの健康権、食料安全保障ならびに安全な飲料水および衛生設備へのアクセスを損なう可能性がある事業活動の環境面での影響を規制し、かつ監視することが求められる。 50.委員会は、環境汚染に留まらず、環境そのものが子どもの健康にとって関連性を有することに注意を喚起する。気候変動は子どもの健康にとっての最大の脅威のひとつであり、かつ保健格差を拡大するものであるから、環境に関わる介入策においてはとくに気候変動への対応が行なわれるべきである。したがって国は、子どもの健康に関する問題を自国の気候変動適応・緩和戦略の中心に位置づけることが求められる。 第24条第2項(d)「母親のための出産前後の適当な保健を確保すること」(To ensure appropriate pre-natal and post-natal health care for mothers) 51.委員会は、予防可能な妊産婦の死亡および罹病は女性・女子の人権の重大な侵害であり、女性・女子自身およびその子どもの健康権に対する深刻な脅威であることに留意する。妊娠および出産は自然な過程であり、これについて明らかになっている健康上のリスクは、早期に発見されれば予防および治療的対応の双方が可能である。リスクをともなう事態は、妊娠中、分娩中ならびに産前産後期に発生し、かつ母子双方の健康およびウェルビーイングに短期的影響および長期的影響のいずれをも及ぼす可能性がある。 52.委員会は、各国に対し、子ども時代の諸段階全体を通じて、以下のような子どもに配慮した保健アプローチをとるよう奨励する。(a) 母子同室および母乳育児を保護し、促進し、かつ支援する「赤ちゃんにやさしい病院」イニシアティブ [16]。(b) 子どもおよびその家族の恐怖心、不安および苦痛を最低限に抑えるやり方で良質なサービスを提供するためのヘルスワーカー研修に焦点を当てた、子どもにやさしい保健政策。(c) 青少年に対して好意的でありかつ配慮し、秘密保持を尊重し、かつ青少年にとって受け入れ可能なサービスを提供することを保健従事者および保健施設に求める、青少年にやさしい保健サービス。 [16] UNICEF/WHO, Baby-Friendly Hospital Initiative (1991). 53.妊娠前、妊娠中および妊娠後に女性が受けるケアは、その子どもの健康および発達にとって甚大な影響を与える。セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関する介入策の包括的パッケージにすべての者がアクセスできることを確保する義務を充足しようとする際には、妊娠前から妊娠、出産および産褥期全体を通じての連続的ケアという考え方が基礎とされるべきである。これらの期間全体を通じて時宜を得た良質なケアを提供することは、健康障害の世代間転移を予防する重要な機会となり、またライフコース全体を通じた子どもの健康に対しても高い効果を及ぼす。 54.この連続的期間全体を通じて利用可能とされるべき介入策には、必須保健としての予防および健康促進ならびに治療的ケア(新生児破傷風、妊娠時のマラリアおよび先天性梅毒の予防を含む)、栄養ケア、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関する教育、情報およびサービスへのアクセス、健康的行動教育(たとえば喫煙および有害物質濫用に関するもの)、出産準備支援、合併症の早期認識および管理、安全な妊娠中絶サービスおよび中絶後のケア、出産時の必須ケア、ならびに、HIVの母子感染の予防ならびにHIVに感染した女性および乳児のケアおよび治療が含まれるが、これに限られるものではない。分娩後の産婦および新生児のケアにおいては、母親が子どもから不必要に分離されないことが確保されるべきである。 55.委員会は、社会的保護に関する介入策に、ケアの完全普及またはケアに対する金銭的アクセスの確保、有給の親休暇およびその他の社会保障給付、ならびに、母乳育児代替品の不適切な販売促進を制限するための立法が含まれるべきことを勧告する。 56.青少年の妊娠率が世界的に高く、かつ、青少年の妊娠には関連する罹病および死亡のリスクが付け加わることを踏まえ、国は、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関わる青少年の特有のニーズを保健制度および保健サービス(家族計画および安全な妊娠中絶のためのサービスを含む)が満たせることを確保するべきである。国は、女子が自己のリプロダクティブヘルスについて自律的な、かつ十分な情報に基づく決定を行なえることを確保するために行動するよう求められる。青少年の妊娠を理由とする差別(停退学等)は禁止されるべきであり、また継続的教育の機会が確保されるべきである。 57.健康的な妊娠・分娩の計画および確保にとって男子・男性がきわめて重要であることを考慮し、国は、セクシュアルヘルス、リプロダクティブヘルスおよび子どもの健康のためのサービスに関する政策および計画に、男子・男性を対象とする教育、意識啓発および対話の機会を統合するべきである。 第24条第2項(e)「すべての社会構成員とくに親および子どもが子どもの健康および栄養の基礎的知識、母乳育児および衛生ならびに環境衛生の利益、ならびに事故の予防措置を活用するにあたって、情報が提供され、教育にアクセスし、かつ援助されることを確保すること」(To ensure that all segments of society, in particular parents and children, are informed, have access to education and are supported in the use of basic knowledge of children’s health and nutrition, the advantages of breastfeeding, hygiene and environmental sanitation and the prevention of accidents) 58.この規定に基づく義務には、健康関連の情報および当該情報の活用に関する支援の提供が含まれる。健康関連の情報は、物理的にアクセス可能であり、わかりやすく、かつ子どもの年齢および教育水準にふさわしいものであるべきである。 59.子どもは、ライフスタイルおよび保健サービスへのアクセスに関して十分な情報に基づく選択を行なえるようにするための、健康のあらゆる側面に関する情報および教育を必要とする。情報提供およびライフスキル教育においては、幅広い健康問題(健康的な食事ならびに身体活動、スポーツおよびレクリエーションの促進、事故およびケガの予防、公衆衛生・手洗いその他の個人的衛生習慣、ならびに、アルコール、タバコおよび向精神性物質を使用することの危険性を含む)が取り上げられるべきである。情報および教育は、子どもの健康権、政府の義務、ならびに、健康情報および保健サービスにアクセスできる方法・場所についての適切な情報を包含し、かつ、学校カリキュラムの中核的一部として、また保健サービスを通じて、かつ学校に行っていない子どものために他の場所においても、提供することが求められる。健康に関する情報提供資料は、子どもたちと連携しながら制作し、かつ広範な公共の場所において普及するべきである。 60.セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関する教育には、身体(解剖学的、生理学的および情緒的側面を含む)に関する自覚および知識が含まれるべきであり、かつすべての子ども(女子および男子)がアクセスできるべきである。このような教育は、性的な健康およびウェルビーイングに関連する内容(身体の変化および成熟過程についての情報等)を含み、かつ、子どもがリプロダクティブヘルスおよびジェンダーを理由とする暴力の予防についての知識を獲得し、かつ責任のある性的行動をとれるようになるやり方で立案することが求められる。 61.子どもの健康に関する情報は、さまざまな方法(診療所、子育て教室、広報リーフレット、職能団体、地域団体およびメディアを含む)を通じ、すべての親に対して個別にまたは集団単位で、かつ拡大家族およびその他の養育者に対して、提供されるべきである。 第24条第2項(f)「予防保健、親に対する指導、ならびに家族計画の教育およびサービスを発展させること」(To develop preventive health care, guidance for parents and family planning education and services) (a) 予防保健 62.予防および健康促進においては、コミュニティおよび国全体で子どもたちが直面している主要な健康上の課題が取り上げられるべきである。このような課題には、疾病のほか、事故、暴力、有害物質濫用、心理社会的問題および精神的健康上の問題といった、その他の健康上の課題が含まれる。予防保健においては、感染症および非感染性疾患について取り上げ、かつ、生物化学的、行動科学的および構造的介入策を組み合わせて編入することが求められる。非感染性疾患の予防は、妊婦、その配偶者/パートナーおよび乳幼児を対象とする、健康的かつ非暴力的なライフスタイルの促進および支援を通じて、人生の早い段階から開始されるべきである。 63.子どものケガの負担を軽減するためには、溺水、火傷その他の事故を減らすための戦略および措置が必要とされる。このような戦略および措置には、立法および執行、製品および環境の改変、支援を目的とする家庭訪問および安全特性の促進、教育、スキル開発および行動変容、コミュニティを基盤とするプロジェクト、ならびに、搬送前のケアおよび救急ケアならびにリハビリテーションが含まれるべきである。道路交通事故を減らすための努力には、シートベルトその他の安全装備の使用に関する法律を定めること、子どもが安全な輸送機関にアクセスできることを確保すること、ならびに、道路計画および交通規制において子どものことを正当に考慮することが含まれるべきである。これとの関連で、関連産業およびメディアの支援が欠かせない。 64.暴力が子ども、とくに青少年の死亡および罹病の重要な原因のひとつであることを認識し、委員会は、子どもを暴力から保護し、かつ家庭、学校および公共空間における態度および行動の変容への子ども参加を奨励する環境づくりの必要性、健康的な子どもの養育について親および養育者を支援する必要性、ならびに、あらゆる形態の暴力に対する寛容およびその容認を固定化する態度に異議を申し立てていくこと(マスメディアによる暴力の描写を規制する等の手段によるものも含む)の必要性を、強調する。 65.国は、子どもを溶剤、アルコール、タバコおよび不法物質から保護し、関連のエビデンスをいっそう収集し、かつ、子どもによるこのような物質の使用を減らすための適切な措置をとるべきである。子どもの健康にとって有害な物質の広告および販売、ならびに、子どもが集まる場所ならびに子どもがアクセスするメディア経路および出版物におけるこのような物品の販売促進を規制することが勧告される。 66.委員会は、薬物の統制に関する国際諸条約 [17] および世界保健機関・タバコ規制枠組み条約をまだ批准していない締約国に対し、批准を奨励する。委員会は、有害物質の使用について権利基盤アプローチをとることの重要性を強調するとともに、適切なときは、有害物質濫用が健康に及ぼす悪影響を最小限に抑えるために有害性削減戦略を採用するよう勧告するものである。 [17] 麻薬に関する単一条約(1961年)、向精神薬に関する条約(1971年)、麻薬および向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約(1988年)。 (b) 親に対する指導 67.親は、幼児の早期診断およびプライマリーケアを行なうもっとも重要な存在であり、かつ、青少年のハイリスク行動(有害物質の使用および安全ではないセックス等)に対するもっとも重要な保護要因である。親は、健康的な子どもの発達を促進し、事故、ケガおよび暴力の危害から子どもを保護し、かつリスク行動の悪影響を緩和するうえでも中心的役割を果たす。自らが育つ場である世界を理解し、かつその世界に適応するうえできわめて重要である子どもの社会化の過程は、親、拡大家族その他の養育者の影響を強く受ける。国は、とくに子どもの健康上の課題およびその他の社会的課題を経験している家族を対象として、望ましい子育てのあり方を支援するための、エビデンスに基づく介入策(子育てスキル教育、サポートグループおよび家族カウンセリングを含む)を採用するべきである。 68.体罰が子どもの健康に及ぼす影響(致死性・非致死性のケガならびに心理的・情緒的影響を含む)に照らし、委員会は、各国に対し、家庭を含むあらゆる場面において体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰を撤廃するため、あらゆる適当な立法上、行政上、社会上および教育上の措置をとる自国の義務を想起するよう求める [18]。 [18] 「体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利」に関する一般的意見8号(2006年、Official Records of the General Assembly, Sixty-third Session, Supplement No. 41 (A/63/41), annex II)。 (c) 家族計画 69.家族計画のサービスは、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのための包括的サービスのなかに位置づけられるべきであり、かつ、カウンセリングを含むセクシュアリティ教育を包含するものであるべきである。これらのサービスは、第24条第2項(d)についての箇所で述べた連続的サービスの一環と考えることもできるほか、すべてのカップルおよび個人が、性および生殖に関する決定(子どもの人数、出産間隔および出産時期を含む)を自由にかつ責任をもって行なえるようになり、かつ、そのための情報および手段を提供されるように設計することが求められる。既婚および非婚双方の女性ならびに思春期の男子全員が、秘密を守られながら物資およびサービスにアクセスできるようにすることに、注意が向けられるべきである。国は、青少年が、サービス提供者の心情を理由とする拒否によって、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関するいかなる情報またはサービスも奪われないことを確保するよう、求められる。 70.コンドーム、ホルモン避妊法および緊急避妊薬のような短期的避妊法を、性的活動を行なう青少年が容易にかつ直ちに利用できるようにするべきである。長期的かつ恒久的な避妊法も提供することが求められる。委員会は、国が、妊娠中絶そのものが合法であるか否かに関わらず、安全な中絶および中絶後のケアのためのサービスへのアクセスを確保するよう、勧告する。 (健康に対する子どもの権利 後編へ続く) 更新履歴:ページ作成(2013年6月28日)。/表示がおかしくなっていたため再保存(2016年1月4日)。
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美術の教科書 【データ】 装備種別 グッズ 攻撃力 0 魔法攻撃力 0 防御力 0 魔法防御力 0 レンジ - 消費SP 0 売却価格 250G 装備レベル 1 装備可能クラス - 装備可能種族 - 属性 付与属性 耐性 炎熱 - 100% 雷電 - 100% 氷結 - 100% 光輝 - 100% 闇黒 - 100% 【解説】 美術の授業で使う教科書。装備しているとちょっとだけいいコトがあるかも? 【入手方法】 購買:750G(全校) アイテム辞典/は タグ グッズ
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自分的、説明の教科書。 私はどんな時によく学ぶことができる? 目標・テーマ 目標が明確な時 テーマに関心があるとき 役に立つことがイメージできるとき <環境> 信頼され、受け入れられている時 いいサポートとフィードバックがあるとき 気持ちや考えを表現できる時 <手法> インプットとアウトプットが揃っている時 振り返りが出来る時 あこがれやよいモデルを真似るとき 他の人に教える時 <気持ち> 楽しい時 感動した時 □今まで一番「学んだな~」と思う出来事を思い出そう! □「今、自分は学べているか?」と問いかけてみよう! 読書の効果はすばらしい! ①判断基準が出来る ②アイデアが豊富になる(量が増える、アイデアの質が変化する) ☆日常のちょっとした些細な事がアイデアの種になる! □読書ノートをつくる □読みたい本を誰かと一緒に読んでみる □本好きの知り合いにオススメをきいてみる 勉強会の種類 ①講義型(講師が話す、発表後に質疑応答) ②ゼミ型(発表者は1人、レジュメ用意、課題の資料は前読み、発表後は討論) ③パネルディスカッション ☆1つのテーマを継続することで、学びに深みや広がりを持たせよう! ネットワーク <向上心> 常に仕事を向上させようという姿勢がある。 自分のしている仕事に魅力があれば、他の人との接点を見出しやすい <人が好き> 人とあって話したり、情報を交換することが好き <ひつマメ> メールのレスポンスが早い <ギブ・アンド・テイク> 情報を発信する人にこそ、情報はあつまる <グローバル> 英語での更新が可能になると、情報量は数倍~数十倍になる □自分のネットワークを書き出す □つながった人と新しく何かできないかアイデアを出し合う □あまり連絡できない人に連絡してみる <ジャーナルとワークショップ> 振り返る:振り返ることで、「改善」を試みる。 振り返りのリサイクル 経験⇒振り返り⇒自己評価⇒目標設定(改善)⇒経験 出来事や結果を批判的・創造的に考える 体験や考えたこと学んだことを振り返る 自分や所属部署のパフォーマンスを評価し、改善可能な点を出す 疑問を投げかけたり、疑問に答えたりする 結果を予測したり、事前の予測を確認したり、変更したりする 情報やアイデアを分析したり、組み立てたり、まとめたりする 自分の反応、気持ち、考え、分析などを記録できる 自分の進化(あるいは退化)を記録に残せる <書き方> ①事実を書く ②説明的に書く ③分析的に書く ④創造的に書く ⑤質疑応答形式で書く ⑥体験の前・中・後に書く ⑦目標と計画を書く 文章以外だと、絵やイラスト、表や図、フローチャート、概念図など
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国連・子どもの権利委員会の勧告:条約広報措置・人権教育関連(日本) 関連:国連・子どもの権利委員会の勧告:教育一般関連(日本) 第1回総括所見(1998年) (条約広報措置) 11.この点における締約国の努力は認めながらも、委員会は、条約の原則および規定、ならびにとくに子どもは権利の全面的主体であるという考え方を条約が重視していることに関する幅広い意識を、社会のあらゆる層において子どもにも大人にも同様に普及しかつ促進するためにとられた措置が不充分であることを懸念する。委員会はまた、条約がいかなるマイノリティの言語でも入手可能とされていないこと、および関連の専門家グループに対して子どもの権利に関する研修を行なうためにとられた措置が不充分であることも、懸念する。 33.委員会は、条約の規定が子どもおよび大人の双方によって広く知られかつ理解されることを確保するために、締約国がさらなる努力を行なうよう勧告する。あらゆる専門家グループを対象として、子どもの権利に関する体系的な研修および再研修のプログラムが組織されるべきである。このような専門家グループには、警察および治安部隊の構成員ならびにその他の法執行官、司法職員、弁護士、裁判官、教育のあらゆる段階における教師および学校管理者、ソーシャルワーカー、中央または地方の行政職員、子どもをケアする施設の職員、ならびに心理学者を含む保健従事者および医療従事者が含まれる。委員会は、権利の全面的主体としての子どもの地位を強化するため、条約をすべての教育機関のカリキュラムに盛りこむよう勧告する。委員会はさらに、条約全文をマイノリティの言語で入手可能にし、かつ必要な場合にはマイノリティの言語に翻訳するよう勧告する。 (教育) 23.委員会は、条約第29条に従い、人権教育を体系的に学校カリキュラムに導入するために締約国がとった措置が不充分であることを、懸念する。 44.委員会は、締約国に対し、条約第29条に従って、人権教育を体系的に学校カリキュラムに含めるために適切な措置をとるよう勧告する。 (文書の普及) 49.最後に、委員会は、条約第44条6項に照らし、締約国が提出した第1回報告書および文書回答を広く一般公衆が入手できるようにし、かつ、報告書を関連の議事要録および委員会がここに採択した総括所見とともに刊行するよう勧告する。そのような幅広い普及は、政府、議会および関係の非政府組織を含めた一般公衆の間で、条約ならびにその実施および監視に関する議論および意識を喚起するようなものであるべきである。 第2回総括所見(2004年) 広報および研修 20.委員会は、裁判官、教職員、警察官、矯正施設職員、保護観察官および出入国管理官を対象として締約国が実施している研修活動を歓迎する。しかしながら委員会は、子どもおよび公衆一般、ならびに子どもとともにおよび子どものために働いている多くの専門家が条約およびそこに体現された権利基盤型アプローチについて充分に理解していないことを、依然として懸念するものである。 21.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 公衆一般および子どもを対象として、条約、およびとくに子どもが権利の主体であるということに関する意識啓発キャンペーンを強化すること。 (b) 子どもとともにおよび子どものために働いているすべての者、とくに教職員、裁判官、弁護士、議員、法執行官、公務員、自治体職員、子どもを対象とした施設および拘禁場所で働く職員、心理学者を含む保健従事者、ならびにソーシャルワーカーを対象として、条約の原則および規定に関する体系的な教育および研修をひきつづき実施すること。 (c) 意識啓発キャンペーン、研修および教育プログラムが態度の変革、行動および子どもの取扱いに与えた影響を評価すること。 (d) 人権教育、およびとくに子どもの権利教育を学校カリキュラムに含めること。 子どもの意見の尊重 27.子どもの意見の尊重を向上させようとする締約国の努力には留意しながらも、委員会は、子どもに対する社会の伝統的態度により、家庭、学校、その他の施設および社会一般における子どもの意見の尊重が制限されていることを依然として懸念する。 28.}委員会は、条約第12条にしたがい、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 家庭、裁判所および行政機関、施設および学校ならびに政策立案において、子どもに影響を及ぼすあらゆる事柄に関して子どもの意見の尊重を促進しかつ子どもの参加の便宜を図ること。また、子どもがこの権利を知ることを確保すること。 (b) 子どもに影響を及ぼすあらゆる事柄に関して意見を考慮されかつ参加する子どもの権利について、とくに親、教育者、政府の行政職員、司法関係者および社会一般に対し、教育的情報を提供すること。 (c)(略) (d)(略) 文書の普及 57.委員会は、条約第44条6項に照らし、締約国が提出した第2回定期報告書および文書回答を広く公衆一般が入手できるようにするとともに、関連の議事要録および委員会が採択した総括所見とともに報告書を刊行することを検討するよう勧告する。このような文書は、政府、議会および一般公衆(関心のある非政府組織を含む)のあいだで、条約ならびにその実施および監視に関する議論および意識を喚起するため、広く配布されるべきである。 第3回総括所見(2010年) 広報、研修および意識啓発 23.委員会は、子どもとともにおよび子どものために活動している専門家ならびに一般公衆の間で条約に関する意識を促進するために締約国が行なってきた努力には留意するものの、これらの努力が十分ではないこと、または条約の原則および規定を普及するための計画が実行に移されていないことを依然として懸念する。とりわけ、子どもおよびその親に対して情報をより効果的に普及することが緊急に必要である。委員会はまた、子どものためにおよび子どもとともに活動している専門家の研修が不十分であることも懸念する。 24.委員会は、締約国に対し、子どもおよび親の間で条約に関する情報の普及を拡大するよう奨励する。委員会は、締約国に対し、子どものためにおよび子どもとともに活動しているすべての者(教職員、裁判官、弁護士、法執行官、メディア従事者、公務員およびあらゆるレベルの政府職員を含む)を対象とした、子どもの権利を含む人権に関する体系的かつ継続的な研修プログラムを発展させるよう促す。 総括所見の普及 89.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、第3回定期報告書、締約国が提出した文書回答およびこの総括所見を、公衆一般、市民社会組織、メディア、若者グループ、専門家グループおよび子どもたちが、インターネット等も通じ、日本の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 武力紛争選択議定書・第1回総括所見(2010年) 普及および研修 6.人権法および国際人道法の普及をともなう行事が軍隊のために開催されている旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、締約国が、定期研修の一環としてまたは国際平和維持軍に参加するための準備において、自衛隊を対象として選択議定書の原則および規定に関する研修を行なっていないことに、懸念とともに留意する。委員会はまた、徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動する専門家のうち一部の職種に属する者が十分な研修を受けていないこと、および、選択議定書に関する公衆一般の意識が低いことも懸念する。 7.委員会は、選択議定書第6条第2項に照らし、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)議定書の原則および規定が一般公衆および国の職員に対して広く周知されることを確保すること。 (b)軍の関係者全員が選択議定書の原則および規定に関する研修を受けることを確保すること。 (c)徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動するすべての関連の専門家集団、とくに教職員、医療従事者、ソーシャルワーカー、警察官、弁護士、裁判官およびジャーナリストを対象として、議定書の規定に関する意識啓発、教育および研修のための体系的プログラムを発展させること。 人権教育および平和教育 10.委員会は、平和教育との関連も含め、あらゆる段階のあらゆる学校のカリキュラムで締約国が提供している具体的な人権教育についての詳しい情報が存在しないことに、懸念とともに留意する。 11.委員会は、締約国が、すべての児童生徒を対象とする人権教育およびとくに平和教育の提供を確保するとともに、これらのテーマを子どもの教育に含めることについて教職員を研修するよう勧告する。 フォローアップおよび普及 18.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を、防衛省をはじめとする関連の政府省庁、国会議員その他の関連の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 19.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、締約国が提出した第1回報告書および委員会が採択した総括所見を、公衆一般およびとくに子どもたちが広く入手できるようにすることを勧告する。 性的搾取議定書・第1回総括所見(2010年) 普及および研修 14.委員会は、選択議定書の規定に関する意識啓発活動が不十分であることに、懸念とともに留意する。 15.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a)選択議定書の規定が、とくに学校カリキュラムおよびキャンペーンを含む長期的な意識啓発プログラムを通じ、とくに子ども、その家族およびコミュニティを対象として広く普及されることを確保すること。 (b)議定書第9条第2項にしたがい、議定書に掲げられた犯罪の有害な影響および被害者が利用可能な救済手段についての意識を、研修および教育キャンペーンを通じ、子どもを含む公衆の間で促進すること。 (c)選択議定書に関連する諸問題についての意識啓発活動および研修活動を支援するため、市民社会組織およびメディアとの協力を発展させること。 16.委員会は、法執行機関および矯正機関を除き、選択議定書に関する専門家の研修が不十分であることを懸念する。 17.委員会は、締約国が、選択議定書が対象とする犯罪の被害を受けた子どもとともに活動するあらゆる専門家集団を対象とした、選択議定書の規定に関する体系的なかつジェンダーに配慮した教育および研修を強化するよう勧告する。 総括所見の普及 45.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を喚起する目的で、報告書および締約国が提出した文書回答ならびに採択された関連の勧告(総括所見)を、公衆、市民社会組織、メディア、若者グループおよび専門家グループが広く入手できるようにすることを勧告する。さらに委員会は、締約国が、とくに学校カリキュラムおよび人権教育を通じ、選択議定書を子どもたちに周知させるよう勧告する。 更新履歴:ページ作成(2014年1月17日)。
https://w.atwiki.jp/shomen-study7/pages/979.html
教科書無償法