約 2,894,382 件
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1605.html
梓「唯先輩好きです付き合ってください」 梓「…普通過ぎて駄目だ」 梓「唯先輩に告白するんだからもっとインパクトを出さないと」 梓「唯、愛してる。俺と付き合ってくれないか?」 梓「…どこかのホストみたい」 梓「こんなんじゃ駄目だ。そ、そうだもっと猫っぽくしよう」 梓「猫ミミを付けてと」 梓「唯にゃん先輩好きだにゃんだから付き合って欲しいにゃん」 梓「…何やってんだろ私」 梓「こ、こういう事はもっと自然にならないと」 梓「自分の気持ちを素直に言おう」 梓「唯先輩前から好きでした。唯先輩への気持ちが収まりません…」 梓「唯先輩の事が頭から離れません。だから唯先輩私と付き合ってください」 梓「…こんなもんかな」 梓「あっ、もうこんな時間」 梓「これから唯先輩と会う場所は告白が成功すれば末永く幸せになれると言う神社」 梓「絶対、絶対に絶対に成功させないと」 梓「準備も出来たし行こう」 唯「あずにゃん好きです付き合ってください」 唯「…駄目だ~普通過ぎるよ」 唯「それに告白する時にあだ名って変だよね…」 唯「梓、愛してる。私と付き合ってくれない?」 唯「…こんなの私のキャラじゃないよ」 唯「そうだギー太を弾きながら告白しよう」 唯「ギー太を持って」 唯「あずにゃんジャガ好きだよ~ジャガ付き合って~ジャン」 唯「…何やってんだろ」 唯「ギター持って告白する人なんていないよ…」 唯「自分の気持ちに素直にならないと駄目だよね」 唯「あずにゃん前から好きでした。あずにゃんへの気持ちが収まりません…」 唯「あずにゃんの事が頭から離れません。だからあずにゃん私と付き合ってください」 唯「…これでいいかな」 唯「あっ、もうこんな時間だよ」 唯「告白が成功するといいな」 唯「見守っててねギー太」 唯「行ってきます」 唯「あずにゃん~待った?」 梓「いえ、私も今着いたところです」 唯「星が綺麗だね」 梓「そうですね」 唯「…」 梓「…」 唯「あずにゃん、何か話があるって」 梓「唯先輩の方こそ話があるって」 唯「…あずにゃんが先でいいよ」 梓「いえ、唯先輩が先に」 唯「…」 梓「…」 梓「じゃ、じゃあ私から話しますね」 唯「うん」 梓「あの…その…私たち出会ってから結構たちますよね」 唯「そうだね。もう2年以上たったもんね」 梓「それで…初めて見たギター姿は格好良かったです」 唯「うん」 梓「なのに軽音部に入ってみればまるで音楽用語は知らないし」 梓「いつもケーキやおかしを食べてばかりで」 梓「練習しましょうと言っても全然練習はしないし」 唯「あ、あずにゃん?」 梓「あげくに人には変なあだ名を付けてくるし」 唯「変なってあずにゃん酷いよ」 梓「いつもところ構わず抱きついてくるし触ってくるし」 梓「変なメールや変な電話を突然かけてくるし」 唯「うぅ…面目ない」 梓「突拍子もない事を言い出してみんなを困らせて」 梓「でも…でも…そんな唯先輩の事が頭から離れないんです」 唯「え」 梓「気がつけばいつも唯先輩の事を考えてるんです」 梓「唯先輩好きです付き合ってください!!」 唯「…」 梓「…」 唯「…」 梓「…」 唯「あずにゃん…」 梓「…私なんかじゃやっぱり駄目ですよね」 唯「私もあずにゃんの事が好きだよ」 梓「え」 唯「本当は私も告白するつもりだったんだけど先にこされちゃった」 唯「でも言うね」 唯「あずにゃん前から好きでした。私と付き合ってください」 梓「唯先輩…よろしくお願いします」 唯「うん、こっちもよろしくね」 梓「はい」 唯「やったーあずにゃんと恋人同士になったよ」 唯「じゃああずにゃんさっそく」 梓「?」 唯「恋人になった記念にチュー」チュー 梓「そ、そういうのはまだ早いです!!///」 唯「あぅー。恋人同士になったのに…」 唯「(でもあずにゃんと恋人同士になれたからいいや…あ)」 梓「(唯先輩と恋人同士…えへへ、これも練習の成果…)」 唯梓「(練習の意味なかったかも)」 終わり ギー太を弾いて告白する唯ちゃんはギター漫談家みたいで見てみたい!その告白バージョンを求むWWW -- (名無し) 2011-07-23 19 46 03 良かったの〜。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-08 17 00 13 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/363.html
前へ 先頭ページへ 畜生…。 畜生! 畜生!! 「畜生ッ!!!」 あの青瓢箪ッ! アタシの無敗記録に泥塗りやがって!! 絶対に、絶対に許さない……! 彼女はバーチャル・バトルマシーンの中から主人へと、思わず声をかけた。 「ご主人様……」 ハウリン型MMS、主から授かった名前は”トロンベ”。 ドイツ語で竜巻という意味だ。 「……何よ、まだ終わっていないじゃない。早く全部壊しなさいよ!」 「…了解しました、ご主人様」 とても少女のものとは思えない刺々しく、荒々しい言葉に視線を落として短く応えた。 0と1の信号の上に築かれた仮想現実の世界。 低く唸る用途不明の機械や、緑色の液体が充満するカプセルが密集する施設内部。 フィールド名”秘密工場”。 薄暗い工場に灯る明かりは赤と黄色のランプと天窓から差し込むか細い光。 そして、マズルフラッシュと爆炎のみ。 ハウリン型の基本武装は十手、棘輪そして吠莱・壱式とプチマスィーンズの四種。 近接型のストラーフ型やマオチャオ型、射撃型のアーンヴァルとは違ってそれなりに万能である。 アーマーも防御力を上げつつも機動性を殺しておらず、MMSの中でも汎用性が高いといえる。 その為、初心者であってもそれなりに勝ち進めるのがハウリン型の利点である。 一方で一点飛び抜けたものが無いのも事実。 よって、ハウリン型のオーナーはある程度実戦をこなすと一点に特化した装備に変更する傾向にある。 もちろん、水野アリカとこのトロンベも例外ではない。 アリカは”大出力・大火力を基に短期決着”のスタイルを選んだ。 その為に今のトロンベはデフォルトと程遠いものと成り果てている。 アーマー類はデフォルトと同一。 しかし、両腕にはGEモデルLC3レーザーライフルを三つ三つで計六門 腰から脚にかけてハイパーエレクトロマグネティックランチャーを四つずつで計八門 背中には吠莱・壱式を四門備え、全身のありとあらゆる部位に大中小のミサイルを無数に装備。 その見た目は、歩く砲台といった感じである。 ハウリン型の機動性を完全に殺し、射撃性能に特化した装備。 全てはあのストラーフに打ち勝つ為に。 ただ、それだけの為に。 トロンベは非情にゆったりとした歩みで薄暗い工場内を徘徊している。 現在のトレーニング・メニューは百人斬り。 即ち、100体のCPUMMSを撃破するまで終わらないトレーニングである。 現在撃破数は69体。 その間にトロンベが負った傷は極僅か。 致命傷は一つも無く、全て掠り傷程度である。 薄暗い工場に閃光が瞬く。 トロンベの、ちょうど真上から奇襲を仕掛けてきたマオチャオ。 しかしトロンベは慌てる事無く背中の蓬莱・壱式上に向けて、放った。 マオチャオがハウリンに到達するよりも速く、弾丸はマオチャオを貫いた。 四発の銃撃を胴体に受けたマオチャオはデータの塵へと化す。 完全に消え去るのを見届け、ゆっくりと歩み始めた。 「26分54秒……」 アリカはコツコツとディスプレイを指先で叩きながら呟いた。 「遅い」 「申し訳ありません…」 トロンベは主人の刺々しい視線を受け、深く頭を下げた。 「謝ったからってどうなるモンでも無いでしょう! 何でもっと上手く戦えないの!? あのストラーフだったらもっと速く終わってたわ! アンタはアレに勝たなきゃいけないのよ!?」 ヒステリックに叫ぶ主人に、トロンベはただ黙って頭を下げることしか出来なかった。 「いらっしゃいませー……って倉内君か。珍しいね、ウチに来るなんて」 「客に向かって珍しいとはなんですか」 「ははは、だって君はパーツとか自分で作っちゃうし、修理も大学で出来ちゃうでしょう?だから珍しいなぁ~、てね」 「まあ、用があるのは俺じゃなくて相棒の方なんですけどね」 「ああ、成る程ね」 ここは”ホビーショップ・エルゴ” 俺が今軽い雑談を交わしたのが店長の日暮 夏彦さん。 何年か前に親父さんの遺した模型店を神姫向けのホビーショップに転向して頑張っているらしい。 このホビーショップ・エルゴはそれなりに名の通ったショップでもある。 その理由の一つは品揃えの良さ。 個人経営の利点を活かした高品質・低価格でありながら武装・衣装を問わない品揃えの良さは大手ショップと同等だ。 その他にも店長の人柄の良さや大型バトルスペールなど。 それらの事からかなりレベルの高いショップだと言える。 「お久しぶりです、うさ大明神様」 「はい、お久しぶりです。ナルさん」 そして、忘れちゃいけないこのショップの目玉。 それが”うさ大明神様”と呼ばれるヴォッフェバニー型MMSだ。 彼女は何と言うか、とても個性的な出で立ちをしている。 頭は普通のMMSと変わらないのだが、身体が無いのだ。 というか、胸像? 本来EXウエポンセットに付属するヘッドパーツの彼女には、ディスプレイ用の胸像パーツが付属している。 彼女はその胸像のままなのだ。 しかも、店内に備え付けられた1/12スケールの教室、その教壇に備え付けられたハコ馬の上に。 その様子は正にシュール。 そして、このシュールなうさ大明神様が催す”神姫の学校”こそが、このショップの目玉である。 元を辿れば店長の学生時代に遡ると言うが、詳しい事は知らない。 俺が知っている事は、小学生などの学校に神姫を伴えないオーナーに代わっての神姫預かり、人間社会の勉強サービス。 そしてその神姫の学校が大人気で、俺の相棒もそのファンであるということだけだ。 もっともナルは別に授業を受けに来た訳でなく、戦闘のアドバイスを聞きに来たのだ。 うさ大明神様は教育だけでなく、戦闘についての知識も豊富だ。 その為、上位ランカーの神姫がアドバイスを請うことも多々在るという。 俺の相棒はさっさと胸ポケットから飛び降りてうさ大明神様の講義をかなり真剣に受けている。 はてさて店長の言うとおり、俺はパーツやらなにやらの事はは全部自分で出来る。 だからショップに用はないのだが、冷かしというのも居心地が悪い。 仕方が無いので内部パーツ系の棚に向かう事にした。 シリンダーアクチュエータとサーボモータのスペアが減ってきていたので丁度良い、と自己完結する。 が、しかしだ。 このショップの品揃えにはやはり目を見張る物がある。 メーカー純正パーツは当然の用に揃えられており、その他メーカーのパーツ類等も一通り網羅されている。 ここは聖地”秋葉原電気街”の専門店と同等かそれ以上の品揃えを誇っている。 だからついつい俺も本気でパーツ選びをしてしまう。 あれやこれやと手に取って、性能と値段を見比べて自分の懐と睨めっこ。 男というのは何時までたってもこういうものが好きなのだと言う事を改めて実感する。 三十分くらいだろうか。 俺がパーツと睨めっこを続けていた時間は。 ようやく買うものを決めた俺はカゴを片手にレジへと向かう。 その途中、うさ大明神様と相棒の様子を見るがまだまだ談義は終わらない様子。 何時の時代も女というのはお喋りが好きだな、とか談義が終わるまでどうやって暇潰ししようか、とかその他諸々の思惑を頭の中で巡らせている間にレジについた。 レジには先客がいたのでそれを待つ。 なんとなく先客の買っている物に目が行って少し驚く。 ありとあらゆる銃火器パーツがカゴの中に山を作っていた。 どんなバカかボンボンかと思って、その先客に興味が沸いた。 興味が沸くのと同時に何か嫌な予感が頭をよぎった。 嫌な予感がよぎったが俺はそれを無視して先客の様子を探る。 身長は160cm前後といったところだろうか。 後姿しか解らないので何ともいえないが、多分女だ。 しかし、そんなに銃火器ばかり買ってどうするんだと俺は心の中で苦笑した。 「まいどありがとうございました~」 店長の声がした。 清算は終わったのだろう。 俺も清算を済まそうと歩を進めた。 先客は振り向いて出口に向かおうとした。 そこで、俺と先客は鉢合わせる形になった。 心底、後悔した。 「…っ! 倉内 恵太郎、アタシと勝負しなさいっ!!」 「ワタクシハクラウチケイタロウデハアーリマセーン」 「くだらないマネしてんじゃないわよっ!」 最悪だ。 俺の前にいた先客、それは水野 アリカだった。 彼女はこの前のサバイバル・バトルからというもの、俺を見かけるたびに勝負を挑んでくるのだ。 運悪く彼女と俺は同じ町に住んでいるらしく、遭遇率は割りと高い。 俺としては同じ相手と何度も戦いたくもないので会う度に何とか巻いているのだが……。 最近会うことがめっきり減って油断していたところで、また見つかってしまった。 というか、今回は俺の不覚だろう。 彼女は曲がりなりにも神姫オーナーだ。 そしてここはそれなりに名の知れたホビーショップだ。 ……欝だ、死のう。 「さあ、今日こそは逃がさないわよ!」 「だーかーら、俺は同じ相手とは二度と戦わないって言ってるでしょうに」 これだけで引き上げてくれれば苦労はしないのだが……。 「なら大丈夫よ」 「は?」 「アタシのトロンベは生まれ変わったのよ! 超攻撃型MMSとしてね!!」 もう何を言っても無駄だろう。 そろそろ腹を括るトキかしらー。 「……はいはいわかりましたよお嬢さん。そこまで言うならお相手致しましょう?」 「…相変わらず糞ムカツクわね」 凄まじく冷たい視線を感じるが、そんなもんはスルーだ。 「店長、バトルスペース借りますね」 個人経営にしては上等な四面体のバトルスペース。 俺は四面体の一辺、簡易クレイドルがある一辺でナルのセッティングを施している。 不幸にもバーチャルバトル用のデータを持っていたので今回はそれを使う。 ……データも装備も持ってない。って言えば巻けたんじゃないの? 何か聞こえてくる気がするが、そんなもんはスルーだ。 一方、バトルスペースを挟んで対面する形の彼女もセッティングを施していた。 あきらかに銃火器満載と言った感じで、思わず溜息が漏れる。 「ナル~、こっちの準備はOKですよ~。そっちの準備はOKですか~?」 「はい、準備はOKです、マスター」 「はい~、では健闘を祈ります~」 備え付けられたコンソールを操作してナルを仮想現実の世界へと転送した。 同じく備え付けのディスプレイにナルの姿が顕れる。 それから間もなく、彼女の準備が出来たのだろう。 彼女の神姫、トロンベがディスプレイに顕れた。 顕れて絶句した。 まるでハリネズミのように備え付けられた銃火器の数々。 もはや犬型とは言い難い風貌に俺は軽く鬱になる。 「覚悟しなさい、倉内 恵太郎!」 「……は~いはい」 彼女の咆哮とほぼ同時にバトルの準備が整った事を告げるアラームが鳴った。 それと同時にバトルフィールドが決定される。 バトルフィールドは”荒地” 見渡す限り不毛な大地。 空にはどんよりと薄暗い雲が居座っている。 まさに俺の心模様そのものだ。 そこにナルとトロンベが転送される。 「地の利はアタシに味方しているようね?」 勝ち誇るような彼女の台詞に俺はもっと鬱になる。 が、その台詞にも一理ある。 荒野のフィールドには遮蔽物の類は存在しない。 その為、有利なのは砲戦型か高機動型となる。 「……ナル、徹底的に叩きのめしといてちょ」 「イエス、マスター」 俺はもう疲れたので、一言指令を伝えてバトルスペースを後にした。 「ちょ、アンタ何処行くのよ!」 「喉渇いたから自販~」 トロンベの脚部に備え付けられた八門のハイパーエレクトロマグネティックランチャー。 それはレールガンと呼ばれる類の火器である。 レールガンは電力を供給すればするほどに弾丸の速度は上がり、理論的には光速すらも突破出来る。 が、一介の武装神姫たるトロンベにはそれほどの電力は持ち合わせていないので精々音速くらいが関の山である。 それでも武装神姫相手には充分過ぎる速度なのだが。 そのハイパーエレクトロマグネティックランチャーから放たれた弾丸が音速を超えて飛翔した。 大地を抉り、大気を裂いて、眼前に立ちはだかる物全てを打ち壊さんと飛翔する。 目標はトロンベの前方10sm位置するナル。 音速を超えた弾丸がナルを貫いて試合終了。 トロンベはそうなることを願っていた。 が、現実はそう甘くなかった。 八つの弾丸は確かにナルに直撃した。 が、それはナルの身体を後方に押し出す程度だった。 ナルは左手に握る刃鋼、それを地面に突き刺し、剣の腹で音速を超える弾丸を防ぎきった。 もっとも、無傷という訳ではなく刃鋼の表面には八つの弾痕が薄く残っていた。 先手はトロンベ。 後手は、ナルだ。 ナルは地面から刃鋼を振り抜き、大地を蹴って駆けた。 腰のブースターを全開にしての疾駆。 10smを縮めてトロンベを両断しようと駆けて行く。 だが、トロンベとて伊達に鍛錬を積んだ訳ではない。 距離を詰めてくるナル目掛けて全身のミサイルを掃射。 幾重にも重なる爆音と共に、無数の大小ミサイルが白い尾を引きながら飛来する。 文字通り雨の様な爆撃。 ナルとミサイル群とは直ぐに衝突した。 否。 ミサイルはナルと衝突することは無かった。 ナルは真っ先に飛んできた大型ミサイルの弾頭を刺激する事無く、踏み台にして跳躍。 踏み台にされたミサイルは地面と激突、多数のミサイルを巻き込む大爆発を巻き起こした。 ナルはその爆風を背に受けて更に加速し、トロンベへ一直線に突っ込む。 その後ろでは、目標を見失った中小ミサイルがあさっての方向へ飛び去り、地面と衝突している。 ―――一閃。 刃鋼の重量とナルの速度を乗せた一撃は、トロンベの左側を斬った。 が、トロンベ本体は左腕を多少掠った程度で主な被害はハリネズミの如く付けられた武装だった。 トロンベ本体のダメージこそ少ないものの、余波である衝撃はトロンベを震わせた。 「っく!」 多少よろめきつつも体勢を崩す事無く、次の攻撃―――背中に残った二門の蓬莱・壱式を背部に向ける。 銃口の先では、ナルがスライディングの要領で勢いを殺している。 その距離、およそ15sm。 ナルが再接近するにしてもそれまでに充分迎撃可能と見たトロンベは蓬莱・壱式に弾丸を装填し、発射しようとした。 が、それとほぼ同時。 ナルの右腕に装着された銃鋼から無数のビームが放たれた。 背後からの攻撃に一瞬反応が遅れるトロンベ。 だが、すぐさま回避しようとしたが重装備が祟り回避できず、ほぼ全弾を背中で受け止めてしまう。 その衝撃に耐え切れず、トロンベは前のめりに倒れてしまった。 「何してるのよっ! 速く立ちなさいよ!!」 アリカの叱咤がトロンベの通信ユニットに響く。 直ぐに体勢を立て直そうとして、そこである事に気付いた。 ハリネズミの如く備え付けられた火器の類。 その重量が邪魔して上手く立ち上がることが出来ないのだ。 「…っく……う……ぁ……」 何とか立ち上がろうと両腕に力を入れていた、その時。 「やはり負け犬は負け犬ですね」 ナルの刃鋼がトロンベを文字通り両断した。 「……そんな」 ディスプレイに踊る『YOU LOSE』の文字。 アタシはそれを前に言葉を失った。 荒野というフィールドに完全砲撃仕様のトロンベ。 それに加えて相手のマスター不在。 地の利、時の利はアタシに味方していた。 それなのに。 「あれ、負けちゃったの」 青瓢箪が缶コーヒー片手に戻ってきた。 「なんで…なんで……」 アタシの頭は混乱していた。 何か言いたい筈なのに、何も言葉に出来ない。 出てくるのは『なんで』という疑問のみ。 「なんで負けたのか理解できない。そんな顔だね」 「……当たり前よ。アタシのチューンアップは完璧だったわ! トレーニングでも完璧だったのに……!」 そう、何十何百何千回とトレーニングを積んだのだ。 それなのに。 「……そうだわ、神姫よ。神姫の性能が劣っているのよ! それ以外に負ける要素なんてありえないわ!」 アタシは一つの結論に達した。 トロンベとあのストラーフの元々の性能が違うからアタシは負けたんだ。 これ以外にアタシが負ける要素は見当たらない。 「…お嬢さん。そんな事を言っているようでは何百年経っても俺には勝てないよ」 「そんな事無いわ! 神姫の性能が悪いからアタシは負けたの! だからもっと良い神姫を買えば…!」 「機体の性能差が戦力の決定的差でない。という言葉がある。今回、お嬢さんの神姫の性能だけでみるならば、俺のナルと同等だったと思う。しかし、お嬢さんは負けた。しかもマスターのいない俺のナルに、だ。これが何を表すか解るかい?」 「…神姫の性能が同じ? だったら一体何が悪いのよ!」 本当にコイツは訳の解らない事を抜かす。 「二対一でも戦力で負けていたと言う事さ。そしてそれは経験に大きく起因する。もし仮にお嬢さんが新しい神姫を買ったとしても、それは赤子と同じ。まさに赤子の手を捻るが如し、てね」 まあ、確かにそれも一理ある。 「だったら、トロンベにもっと場数を踏ませれば…!」 「それでようやく相打ちといったところかな。お嬢さんが俺達に勝つためには、足らない物がもう一つある」 「なによ、勿体つけてなんでさっさと言いなさいよ!」 青瓢箪は一口缶コーヒーを口にした。 「それはお嬢さん自身で見つけないと意味が無いのさ」 「……はぁ?」 コイツ、本当は何も考えてないんじゃないの? 「しょうがない。最大唯一のヒントだ。神姫は唯の玩具じゃない。笑いもすれば、泣きもする……もっとも、受け売りだけどね」 「…訳わかんないわよ」 「それが解ったらもう一度戦おう。リアルでね」 リアルバトル。 その言葉に何故か身体が強張った。 上位ランカー戦の主であるリアルバトル。 仮想現実ではなく、現実でのバトル。 使用される武器は全てリアル。 即ち受ける傷もリアル。 最悪の場合、神姫本体すら壊れる可能性を孕んでいる。 だが、これはチャンスでもある。 あのストラーフを破壊できるかもしれないのだ。 「…良いわ。その勝負受けて立つわ」 「日時はそちらの好きに決めてもらって構わないよ。それじゃあ、失礼するよお嬢さん。」 そう言うと青瓢箪はさっさと出て行ってしまった。 後に残されたアタシはただ帰る準備をするだけだった。 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/355.html
前へ 先頭ページへ 例えるなら、それは羊水の中を漂うようで。 それは春の木漏れ日の中で日光浴をするようで。 それは絶景を肴に露天風呂に漬かる様で。 ひどく心が休まり、心地が良く、そのまま永遠に過ごしたくなる様な。 それはまるで麻薬の用に五臓六腑に染み渡り、無意識の海にそのまま沈んでいたくなる。 この世で最も過酷な事は、睡眠をとらない事だろうと俺こと倉内 恵太郎は混濁した意識の中でぼんやりと考えていた。 「……ス…………だ…が…………お………」 誰かが俺に話しかけてくる気がしないでもないが、人間の根本に存在する三大欲求の一つに抗って応えられるほど俺は人間が出来ちゃいない。 そんなこんなで狭いシングルベッドの上で毛布に包まり、再び惰眠を貪ろうと身体を捩らせた。 その瞬間、俺の毎日のささやかな幸福の時間は非情にもすっ飛んでった。 頭部に奔る鈍い激痛、頭蓋骨の中で轟音が響き渡るような錯覚。 そのお陰で、俺の意識は一気に覚醒してしまった。 「おはようございます、マスター。今日も清々しい朝ですね」 俺の相棒であるストラーフ型神姫のナルが専用装備である対神姫用実体剣「刃鋼」を小脇に携えて朝の挨拶をしてきた。 「ああ……おはよう」 俺は痛む頭を抑えながら、手厳しい目覚ましで起こしてくれた相棒に挨拶で反す。 朝が弱い俺をナルが刃鋼の腹で俺の頭をブッ叩く。 いつもと同じ清々しい朝だ。 「マスター、お目覚め早々ですが、一限目の講義まで後20分しかありません」 全く、鬱陶しくなるくらいにいつもと同じ清々しい朝だった。 俺は県内の大学に通っている。 工業系、主にロボット工学がメインの大学で、そこそこ名が知られているらしく時折テレビの取材がくるらしい。 もっとも、三十余年前までは余り人気が無くて経営はやばかったらしいが、今は何処吹く風と言うほどの盛況ぶりだ。 情報技術が発達し終えたと言われた202X年、世界は低迷していた。 医学・物理学・天文学・情報工学、人類の主要な技術の殆どが発展を終え、進化の袋小路に追い込まれていた。 世間では世紀末だのノストラダムスの予言だの騒いだらしく、暗黒時代とも呼ばれたらしい。 そこに救世主の如く現れたのが、ロボット工学と情報工学そして人間心理学それら全てを終結させた全長15cm、心と感情を持つMMSと呼ばれる機械仕掛けのお姫様である。 大手玩具メーカーから発売されたMMSは瞬く間に普及し、ありとあらゆる分野に応用され始めた。 大抵のMMSは有効利用されたが、中にはあくどい事に利用する輩も多くいた様で、一介の玩具のために多くの法律が制定されたらしい。 他にも色々と問題があったらしいが、今や過去の話。 MMSは、我々人類の新たな友人として必要不可欠の存在となっている。 そんなこんなで我が大学のロボット工学部の主な内容は殆どがMMSについてである。 我が大学にある学科は四つあり、俺はその内の一つである「MMS環境心理学科」に所属している。 何だかご大層な学科名だが、やっていることは単純明快。神姫バトル、である。 一応は「MMSと人間との心理作用による行動ロジックの云々」とかいう大層な理念が掲げられているが、要は将来有望なランカーを育成し、大学を宣伝しようという口である。 もっとも、設備においては国内随一を誇るので競争率は非常に激しいので大学としてはウハウハだろうが。 まあ、この大学はそういった専門的な設備だけでなく、その他のレジャー的設備も整っているのも人気の一つだと思う。 現に今、俺が食っている食堂のネギトロ丼も毎朝築地から活きの良いのを仕入れてくるらしく、そんじょそこらの寿司屋よりよっぽど上手い。 その上、値段も3桁と採算がとれるのかどうか心配になるほどのコストパフォーマンスを発揮している。 学生の身分故、常時金欠な事を考えるとこの食堂は正に天国だった。 「よう、恵太郎!」 俺が数少ない幸福を噛み締めていると頭部に鈍い痛みが奔り、むさ苦しい声も聞こえてきた。 思わずネギトロを吹き出しそうになるが歯を食いしばって堪える。 「……裕也先輩、人が飯喰ってる時に頭小突くのやめてもらえませんか?」 「おう? 男が細かい事気にすんなっての!!」 この図体がでかい筋肉ダルマは一応俺の先輩に当たる人で、名前は佐伯 裕也。 毎度毎度人の頭を小突くかなり傍迷惑な筋肉ダルマだ。 「こんにちは、佐伯さん」 しかし、俺の相棒は筋肉ダルマにも嫌な顔せずに挨拶を交わす。 いやはや、良い娘に育ったものだ。 「こんにちはなのだ~!」 筋肉ダルマの代わりにナルの挨拶に応えたのは筋肉ダルマの武装神姫、マオチャオ型の蒼蓮華だ。 今まで何処に居たのか知らないが、今はテーブルの上でナルに向かって骨法の構えを取っている。 「いざ、尋常に勝負なのだ~!」 「おう、そうだ! 今日こそ俺らが祝杯を挙げる日だ!!」 そう言うなり筋肉ダルマはテーブルに拳を叩きつけた。 「っと、冗談は筋肉だけにしてくださいよ」 まだ食べかけのネギトロ丼が激しく揺れたので、両手に抱えて空中に避難させる。 「裕子先輩ならまだしも、何度も何度も同じ相手と戦っても意味無いでしょう。」 「ふっふっふっふっふ……」 筋肉ダルマと蒼蓮華が揃って腕組をしながら怪しく笑った。 「何ですか、不気味ですね」 「コイツが何だか、解るか?」 そして懐から一枚の紙切れを取り出した。 どうせまたプロレスやら何やらのチケットだろう。 以前にも同じパターンは何度もあったし、二年も同じ事をやっていれば嫌でも学習する。 とりあえずはネギトロ丼を腹に注ぎ込んで、適当にあしらって午後の講義に備えよう。 確か午後は一般科目だった筈だ。 「マスターの姉上、裕子様の夏祭りでの浴衣ブロマイドなのだ~!」 「どうだ、恵太郎。これを賭けると言ってもまだ首を縦に振らないか?」 「放課後、第四バーチャルマシーンセンターの前で待ってます」 ナルの視線が痛かった。 時刻は午後5時過ぎ。 確か筋肉ダルマも今日の講義は全て終わっている筈なのだが……。 「遅い」 思わず声に出してしまった。 ナルはとっくの昔からトレーニングマシーンで模擬戦闘を繰り返している。 それを横目に俺は三本目の缶コーヒーを飲み干し、ゴミ箱に投げ入れた。 思えば、あの人に『放課後』と言って講義終了後直ぐに来るとは思えないのも確かだが。 ほんのり嫌気が刺してきて、ぼちぼち帰ろうかと思い出したその瞬間に聞きなれてしまった大声が聞こえてきた。 「よぉ、待たせたな!」 余りの能天気振りに怒る気力も消え失せた。 「……先輩、とっととやりましょう」 溜息の一つもついてやりたかったが、一応堪えておいた。 「尋常に勝負なのだ~!」 蒼蓮華は今まで何処に居たのか、何時の間にかバーチャル・バトルマシーンのクレイドルの上で仁王立ちしていた。 「ナル、準備は良いかい?」 「何時でも」 トレーニングンマシーンから出てきたナルに一応確認を取り、蓮と筋肉ダルマが待つバーチャル・バトルマシーンへと向かう。 「先輩、例のブツはちゃんと持ってきていますよね?」 「おう、男に二言は無ぇ!」 バーチャル・バトルマシーンのディスプレイを挟んで筋肉ダルマに今回の最優先事項を確認する。 「なら結構。では、始めましょうか」 「応ッ!」 バーチャル・バトルマシーンに備え付けられたクレイドル。 私はその上に横たわり、無線通信回路を開く。 頭部コアユニットからバーチャル・バトルマシーンへと、自身のあらゆるデータが転送されているのを感じる。 まるで頭の内側を何かが這い回るような奇妙な感覚。 それに伴い、私の身体の感覚が少しずつ消えていく。 最初に触覚。 背中に当たっていたクレイドルの感覚が感じられなくなる、というより重さを感じられなくなる。 次に嗅覚。 少し油臭いバーチャルマシーンセンターに充満する空気が感じられなくなる。 そして聴覚。 ごぅ、という空気の流れる音や、モーターの駆動音が一切聞こえなくなる。 最後に、視覚。 視界に映る高い天井がまるで夜の闇に溶け込む様に黒く塗り潰されていく。 身体の感覚が全て消えたその瞬間、意識が飛んだ。 今のこの身体には何も感じない。 モノに触る事も、モノの匂いを嗅ぐ事も、モノの音を聞く事も、モノを視る事も叶わない。 ただ一つ感じる事。 私の精神を司る電子の魂が、本来の機械の身体を離れて異なる場所に向かっていると言う事。 ソレを感じている時間は、実際には数秒程度だろうか。 その奇妙な感覚が薄れるのと逆に、身体の感覚が甦ってくる。 最初に触覚。 足の裏側から地面の反力。頬を撫ぜる湿っぽい風。いつもと違う重さを感じる。 次に嗅覚。 噎せ返るような木の匂い。生ぬるい風の匂い。現実は異なる匂いを感じる。 そして聴覚。 野鳥などの羽音や鳴き声。草と草が擦れ合う音。そして聞きなれた駆動音を感じる。 最後に、視覚。 まるで夜が明ける様に視界がクリアになっていく。 全身の感覚が元に戻る。 一つ違う事、それはこの身体が0と1との信号によって作られた仮想現実の身体であること。 そして普段の非武装形態ではない事。 今の私は戦闘形態。 右腕は高出力粒子砲と化し、左腕は巨大な腕と剣を持つ。 そして腰には追加アーマー。 我が主が自ら作って下さった、私の一番の宝物たち。 クリアな視界に映るのは、青々と生い茂る木々が立ち並ぶ熱帯雨林。 視界は生い茂る木々と立ち込める靄によって10sm先も確認できない程に悪い。 蒼蓮華も同じタイミングでログインしてきているのだろう。 ドップラーセンサを最大限稼動させ、動体を探るが……。 「ナル、このフィールドじゃセンサ類は恐らく役に立たない」 マスターの言うとおりだった。 動体を検出するドップラーセンサは検出する対象を制限できない。 よって、再現された野鳥や虫などの動体すらも検出してしまうので、センサには異常な検出結果がはじき出されている。 超音波センサはどうかと思ったがこちらも役に立ちそうに無い。 超音波センサは、超音波を照射して跳ね返ってくるまでの時間などの結果から対象の大きさや距離を検出するものだ。 だが、検出されるのは直ぐ近くの木々ばかり、肉視確認の方が余程視野が広い。 「この状況で最も有利なセンサ、それは……」 マスターの声にはっとする。 五感の中で視覚の次に重要視される感覚、それは聴覚。音、である。 密室かよほど入り組んだ地形で無い限り、音は関係なしに進んでいく。 それはこの仮想現実でも同様だ。 そして、聴覚センサがデフォルトで強化されているのは、ヴォッフェバニー、ハウリン、マオチャオ。 蒼蓮華はマオチャオ型。 ヴォッフェバニーより数段劣るとしても、私とは比べ物にならない。 それこそ、小さな駆動音からこの場所を探り当ててくるだろう。 この状況で最も有利な戦法、それは奇襲。 蒼蓮華は脚部に追加武装「紅蓮脚」を搭載している。 大出力のスラスターとショックアブソーバー、そして至射炸裂型榴弾。 簡単に言えば一撃必殺型装備。 当たれば大ダメージを受ける事は間違いない。 当たればだが。 「にゃんだぁぁ~~~きぃぃぃぃぃぃぃぃっくぅぅぅぅぅぅ!!」 大声を上げ、右方向から水平に蹴り込んで来た蒼蓮華を軽いバックステップで避ける。 「にゃ!? にゃにゃにゃにゃにゃ~~~~~~」 勢いを殺しきれず、進路にある木々を蹴り倒しながら突き進んでいく蒼蓮華を見送る。 「またか……」 マスターの溜息混じりの声が聞こえてきた。 私も溜息をつきたくなった。 大人しく黙って奇襲すれば良いものを、何でわざわざ大声なんか出して自分の居場所を知らせるのか。 以前聞いたときは「そこにロマンがあるからなのだ~」としか言わなかった。 私には理解できないが、当人にとっては大事な事なのだろう。 もうやる気が八割くらい無くなって気が緩んだ、その瞬間。 「隙ありなのだ~!」 何時の間に近づいていたのか、顔面目掛けて回し蹴りをかまそうとする蒼蓮華の姿があった。 マオチャオの消音機能はMMSの中でも随一であり、蒼蓮華も健在のようだ。 「……っ」 刃鋼で何とかガードしたものの、足の踏ん張りが効かずに吹き飛ばされた。 すぐさま体勢を立て直そうとするが。 「まだまだなのだ!」 宙を舞う私目掛けて、蒼蓮華が一気に飛び込んできた。 一瞬。ほんの一瞬で蒼蓮華の顔が間近に迫っていた。 瞬発力だけで言えば、神姫の中でも随一だろう。 何時もは「なのだ~」とか言いながら能天気な顔をしているが、今の顔つき、そして目つきは真剣そのものだ。 その真剣な眼は確かに私の頭部を見つめている。 まるで野生のライオンが得物に飛び掛る瞬間、そんな眼だ。 蒼蓮華の右足が頭部目掛けて迫ってくるのを視界の隅で捕らえた。 萎んだやる気が膨らんできた。 頭を切り替える。 戦う事だけを考える。 勝つ事だけを考える。 それが武装神姫たる私の存在意義であり、マスターもそれを望んでいる……今回は微妙だが。 全身に備え付けられた推進装置の全てをフル稼働させる。 ただし、右側だけ。 均衡を崩した私の身体は独楽の様に回転した。 回転のエネルギーを乗せる様に、右腕の銃鋼をバックハンドブローの要領で錬の右足に叩き込む。 蒼蓮華の至射炸裂型榴弾のエネルギーと私の遠心力と質量を合わせたエネルギーがぶつかり合う。 そのエネルギーは衝撃となって蒼蓮華と私に等しく分布され、お互いに弾かれあった。 私は地面に刃鋼を突きたてて着地、衝撃を無理やりに殺す。 そして右腕を確認。 残っていたのは腕と銃鋼を繋ぐコネクタ部分のみ。 ぞっとする。 三又の粒子加速装置と一本の砲身は跡形も無く吹き飛んでいた。 対する蒼蓮華はおよそ10sm先で至射炸裂型榴弾を撃った際に生じたガスの中、仁王立ちしていた。 等しく分布された筈のエネルギーは、蒼蓮華の右足に傷一つ付けてはいなかった。 本当に、ぞっとする。 最初に声を潜めて奇襲していたら。 後ろ回し蹴りの時黙っていたら。 私は、多分負けていた。 銃鋼の接続設定を変更し、銃鋼をパージする。 地面を覆う腐葉土の中にドスっという音と共に沈んでいく。 そして左手の刃鋼を逆手に持ち替える。 インファイター相手には、この剣は長すぎる。 この間、数秒の隙があったが蓮は先程と同じく仁王立ちしたままだった。 私の準備が整うのを待っているつもりか……。 内心首を捻りながら、私は左手を前に半身の構えを取る。 「いくのだ~!」 それを見た蒼蓮華は掛け声と共に駆ける。 やっぱり、速い。 10smの距離をぐんぐん縮めてくる。 私と蒼蓮華との距離が3smを切った時、跳んだ。 私目掛けて両足を揃えて飛んでくる。 私の顔目掛けてその紅蓮脚を叩き込もうと飛んでくる。 しかし、蒼蓮華の紅蓮脚には欠点がある。 車は急に止まれないように。 弾丸が途中で曲がれないように。 その速度は時に欠点となりえる。 だから私は、身体を右に逸らして蒼蓮華の紅蓮脚をやり過ごす。 背中の補助スラスターやらセンサ類が蹴り飛ばされたが気にしない。 蒼蓮華と目が合った。 その眼に映るのは私だけ。 その眼に灯るのは戦意だけ。 その表情は、まさに戦士。 その顔に、私は振り上げた左手を叩き込んだ。 この左腕は殴る為のものでは無いが、元の神姫の腕より一回りも二回りも太いく大きい。 その上、刃鋼を持ったままなので更に質量が上乗せされる。 その一撃をもろに顔面に貰った蒼蓮華は、その衝撃で地面に叩きつけられた。 蒼蓮華は目をぐるぐる回し、頭上にはヒヨコがピヨピヨ飛んでいる……様に見えた。 「ぬぁぁぁぁ~!!」 「さぁて……先輩、出すモン出して貰いましょうか」 バーチャル・バトルマシーンのクレイドルから起き上がったら佐伯さんが頭を抱えて吠えていた。 それにしても、マスターの裕子さんフリークはどうしたものか。 現に目付きとか言葉遣いとか随分違う。 「……男の約束だ」 そういうと佐伯さんはマスターに一枚の写真を手渡した。 それを受け取ったマスターは一瞬、誰にも、私にも見せたことのない優しい表情になった。 「……確かに。ナル、帰ろう」 マスターはそう言うと私を抱えて胸ポケットの中に入れてくれた。 その前に蒼蓮華に挨拶しておこうと思ったが、それは出来なかった。 「あらあら、裕也。神姫バトルも良いけれど、モノを賭けるのは禁止してた筈でしょう?」 人影まばらなセンターに女性の声が響く。 その声を聞いた瞬間、マスターと佐伯さんは石像のように硬直した。 「約束を破る子には、オシオキが必要よね?」 その刹那、身体に急激な衝撃が加わった。 マスターが全速力で走り出したのだ。 その顔を見ると、まるで警察から逃れる銀行強盗のような切羽詰った表情をしている。 「恵太郎くんも……ダメじゃない」 「ゆ、裕子先輩……」 もう慣れたが、佐伯さんの姉上である裕子さんが何時の間にか目の前に立っていた。 私はとばっちりを受けないようにマスターの胸ポケットから飛び降りた。 「これは違うんです…」 「何も、違わないわ」 裕子さんはとても綺麗な方で、神姫の私から見てもとても魅力的な女性だと思う。 誰にでも、神姫にでも優しい裕子さんを嫌う人を私は見たことが無い。 ……もっとも、裕子さんを恐れる人なら幾らでもいるのだが。 「神姫は賭け事の道具じゃないとあれほど言ったのに……」 裕子さんは哀しそうな表情で一歩一歩マスターへと近づいてくる。 私は佐伯さんの事を思い出し、遥か後方を振り返った。 しかして、そこにいたのは佐伯さんだったモノだった。 その物体は真っ白くなり口から煙を吐いている……ように見えた。 余程恐ろしい目にあったのだろう。 ……そして、マスターも。 「も、もうしませんから許してくださいぃぃぃぃ~~~~」 「ダメ、絶対」 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/499.html
前へ 先頭ページへ 醒めない夢は現実と変わらない、とは誰の言葉であったか。 例えば殺される夢を見たとする。 例えば楽しい夢を見たとする。 例えば不思議な夢を見たとする。 それらを夢と判断するものとは一体何か? 刺される瞬間、その痛みが無い事に気付く。 それは感触の喪失。 楽しんでいながら、それが現実では有り得ないと気付く。 それは現実の実感。 不思議な感覚に包まれ、何となく夢だと気付く。 それを判断するものは? 仮にだ。 全ての感覚が起きている時と全く同じであり。 現実に起こりうる事の延長線上の出来事が起こる。 それが夢ではないと言い切れるか? 極論だが、貴方がこの文を読んでいるのも実は夢なのかもしれないのだ。 ……そんな事を考えさせるほどに、2036年の技術は進歩していた。 それはバーチャルリアリティーとも仮想現実空間とも呼ばれるモノである。 0と1との信号の上に成り立つ世界。 その世界の絶対的な法則はプログラムによるもののみ。 やろうと思えば自由自在に空を飛べる。 やろうと思えば指先一つで地面を割れる。 やろうと思えば何でも、出来る。 それは、夢と似ている。 現実とは違いながらも、限りなく現実に近いそれ。 周囲に充満する火薬の匂い。 身体を包む空気の感触。 そして、剥き出しの敵意。 その全てが、現実と同じモノの総てがここにある。 バトルフィールド『都市』 高層ビルが立ち並び、信号が規則正しく点滅を繰り返す。 街角に佇む喫茶店の軒先に備え付けられたパラソルは風で揺れている。 その情景だけ見れば、現実と見間違うのも仕方が無いだろう。 しかし、それを現実と否定するものは、舗装された道路を穿つ弾痕では無い。 華やかな町並みと反比例して人影が見えない事でも無い。 唯一つ、それを否定するものは彼女達、二人の少女の存在。 武装神姫―――全高15cm程の大きさしか持たない彼女等が、人間と同じ縮尺で動き回っているという事だけだ。 その可憐な少女達は、全く同じ顔だった。 ストラーフ型の両者は全く同じ出発点ながら、進む道は異なるものだと言う事が窺い知れる。 片方のストラーフは、デフォルトの軽装備版で、四本の腕に異なる銃火器を持っている。 片方のストラーフは、デフォルトなのは脚部のみで、三本の腕に異なる装備を纏っている。 彼女達は都市の一角で激しい戦闘を繰り広げていた。 四本腕のストラーフは軽装型の機動性を活かして地面を蹴り、ビルを蹴り、空を蹴って三次元的な軌道を取っている。 ショットガン、マシンガン、グレネードランチャー、ハンドガンを巧みに使い分け、対峙するストラーフの接近を許さない 対する三本腕のストラーフは重装型の見た目とは裏腹に、その機動性は四本腕のストラーフにも劣らない。 三つ目の腕を用いる事によって無茶苦茶な体制で銃撃を避けつつ接近し、隙を見ては蛇腹剣を振るう。 両者が動く事にビルのガラスは砕け、コンクリートの道路は粉砕された。 それは一進一退の攻防であった。 どちらのストラーフにも、大きな損傷は見られない。 そして時が刻一刻と進むと同時に、その戦いも激しさを増していく。 その中でなお、戦況は均衡だった。 傍から見ればそれは決定力不足だと言う事が見て取れる。 四本腕のストラーフは火力こそあれど、どれも必殺の一撃を孕むという訳ではない。 どちらかといえば、ダメージを静かに蓄積させて勝利する長期戦向けの機体だ。 三本腕のストラーフは右腕に銃の様な物を装備してはいるが、未だに使用していない。 メインは伸縮自在の蛇腹剣だが、必殺の威力を孕む代わりに大振りな攻撃であるそれは対峙するストラーフを捉えられない。 観客の誰もが長期戦になる事を覚悟した。 しかし、状況というのはいつでも突然変わるものだ。 銃撃の隙を突いた三本腕のストラーフが、その右腕から無数の光弾を穿き出したのだ。 大気を激震させながら、雨のように撃ち出される光弾群の一発一発が必殺の威力を孕んでいるが、集弾性はお世辞にも良いとは言えない。 その証拠に、四本腕のストラーフは素早い身のこなしで光弾を回避している。 一発たりとも当たる気配は無い。 唐突に周囲を支配していた爆音―――三本腕のストラーフの砲撃が止んだ。 その代わりに空気を切り裂く鋭い音と共に、蛇腹剣の切っ先が四本腕のストラーフ目掛けて飛来した。 先程の光弾の雨はあくまで罠。 わざと広範囲に光弾をばら撒き、回避運動が単調になった所に蛇腹剣の一撃を見舞う。 しかし、四本腕のストラーフはそれをも見越していた。 蛇腹剣が迫り来る中、彼女は三本腕のストラーフに向かい駆けた。 大地を力強く踏み締めて、一気に駆け抜けた。 彼女は敵の行動をつぶさに観察していた。 蛇腹剣を使うとき、三つ目の腕で身体を補助していた事。 砲撃の時、蛇腹剣を沿えていた事。 それらの事から、二つの武装を同時に扱う事は出来ないと判断した。 この状況はピンチでありチャンスであると。 今の三本腕のストラーフに攻撃手段は無いと。 迫り来る蛇腹剣を腕の一本を犠牲にする事で防ぎ、三本腕のストラーフに肉薄した。 二つの同じ顔が間近に迫った。 そして、零距離射撃を叩き込もうとした瞬間。 「私に隙はありません」 ストラーフは笑った。それは勝利宣言だった。 三つ目の腕から生えている鉤爪が、四本腕のストラーフの胸部を貫いていた。 「師匠、お疲れ様ですっ!」 バトルが終わり、座って休憩してたらアリカが駆け寄ってきた。 「ああ」 セカンドリーグセンターであるここは、基本的に毎日盛況。 つまり、混んでいるのだ。 その中で少ない自動販売機を見つけて、買ってきて、持ってきたアリカに感謝というか、呆れ半分の感情を抱いた。 しかし、貰える物は貰っておくのが俺の信条だ。 膝の上に置いてある旧式のノートPCを弄るのを止めて缶コーヒーのプルタブを開ける。 「凄いですね、ナルさん。あの四重奏を打ち負かすなんて!」 クレイドルの上で休んでいるナルに、トロンベは興奮気味に話しかけている。 四重奏というのはナルが先ほど戦っていたストラーフで、四つの腕で四つの火器を巧みに操る事からその名で呼ばれている、それなりに名の知れた神姫だ。 「ようやく鉤鋼の使い方に慣れてきましたからね。次もこの調子で行きたいものです」 勝鬨を上げたにも関わらず、ナルは至って冷静だ。 「…勝率は6割って所か、悪くない」 缶コーヒーを口に運びながら、ノートPCに纏められた戦績を上から下までざっと見る。 特化型神姫にもそれなりの勝星を上げているので上場だが、少し引っかかる事もある。 それを調べる為に、再びノートPCを弄くる。 「……師匠って、バトルに勝って喜んだりしないんですか?」 今までずっと黙っていたと思えば、そんなを考えていたのかと事かと思ってしまう。 しかし、それもまあ当然の疑問だとは思うので、これにはちゃんとした答えで返してやる。 「まあ、個人の価値観の違いって言えばそれまでなんだけどな。 俺としては、結果よりも過程を重視してるんだ。 それに勝敗は関係無いし、むしろ負ける事からの方が学べる事は多いと思う。 勿論、勝てれば嬉しいけどな」 「確かに…負けて気付く事ってありますよね」 アリカの視線は、トロンベの方を向いている。 その顔に浮かぶのはかつての自分に対する憤りか、それともそれに気付けなかった事への後悔か。 「…それに気付いたんだ。もう二の舞いは無いだろう」 それにしても、コイツも随分と成長したもんだと思う。 このまま真直ぐ突き進めば、俺みたいな事にはならないだろう。 何となく気恥ずかしかったので、再びノートPCに向かう。 「師匠のお陰ですっ!」 曇りの全く無い、年相応の笑顔でそう言うと、ベンチに勢い良く腰掛けた。 そして、俺の直ぐ隣で足をぶらぶらさせながら俺のノートPCを覗き込んでいる。 「ほぇ~…師匠、毎回こんな事してるんですか?」 その中身を見たのかアリカは感嘆の声を上げた。 しかし、セカンドリーグランカーの半数くらいは同じ事をやっていると思うんだが。 「一戦しただけじゃ解らない事が沢山あるからな」 手短に説明しつつも、頭をフル回転させる。 この一週間での総バトル数は30回弱。 その内負けたバトルは11回。 そのデータを引っ張り出し、対戦相手を確認する。 ストラーフ、アーンヴァル、ハウリン、マオチャオ、ヴォッフェバニー、サイフォス、紅緒、ツガル。 多少の偏りはあれど、大体全神姫に負けている。 しかし、この中でなんらかの共通点がある筈だが、まだまだデータが少なすぎる。 「ナル、あと三回。行けるかい?」 「私はむしろウエルカムです」 あれから三日。 時は金なり、光陰矢のごとし、時は戻らず進むだけ。 俺はその貴重な時間を神姫バトルの為だけに注ぎ込んだ。 …別にニートって訳じゃない。これも研究の一環だ。 それはさておき、俺はこの三日間で三十数回バトルを重ねた。 そのお陰で、充分なデータをとることが出来た。 少し旧型のディスプレイの中で、所狭しと走り回るマオチャオ型。 それを捉えようと銃鋼と刃鋼を駆使するナル。 しかし、マオチャオ型の運動性は神姫随一のもので、捉えきれない。 そうこうしている内に、肉薄されるナル。 鉤鋼で引き剥がそうとするが、その前に胸部に強力な攻撃を加えられてK.O。 ナルを強化してから四十数回バトルして、マオチャオ型には五勝しかしていない。 今の装備は遠・中・近のバランスが一応取れている。 マオチャオ型以外の神姫には8割近い勝率を上げているのがその証拠だ。 だが、しかしだ。 今の装備は、 「重過ぎ、ですか」 「そう言う事だな」 ナルの言うとおりだ。 今の装備―――研究室のノリで作られた装備―――の一つ一つの性能は大したものだ。 しかし、それを三つも付ければ重くもなる。 その影響で低下した機動性を上げる為に全身にスラスターを付けるなんて、普通は考えない。 更に上がった重量は、およそ4kg。 普通の神姫のおよそ六倍近い。 そんな事だから、機動性は上がっても運動性は劣悪だ。 機体が大きくて重い分、それを動かすには相当のエネルギーが必要だ。 そして動いたとしても、多少のズレが生じる。 それが、致命的なのだ。 中・遠距離ならば問題は無い。 近接、超近接となると滅茶苦茶問題だ。 そういう戦闘スタイルを取る神姫は、だいたい高機動・低装甲型だ。 機体重量を減らしてある分、その運動性を以ってすれば銃鋼と刃鋼など止まって見えるだろう。 「…さて、どうするか」 選択肢は三つ。 一つ目は、装備の軽量化。 二つ目は、装備の簡略化 三つ目は、装備の追加 一つ目は銃鋼と刃鋼を初め、全身の装備を少しずつ軽量化していく。 そうすれば運動性も改善されるだろうが、装甲が減る分遠距離主体の神姫には勝ち難くなるだろう。 二つ目は現在の装備から、前の装備に戻すものだ。 アレは機動性、運動性共に問題は無いし、火力もある。 しかし、ナルのソフトウエアを一緒に戻すとなると、骨が折れる。 三つ目は小型銃火器を搭載するものだ。 左腕のマニュピレータは生きているので、あながち無理な話ではない。 「…刃鋼と銃を持ちかえる時に隙が生まれるのでは?」 ナルの言うとおりだ。 長所は短所。 何かを伸ばせば何かが欠ける。 あちらを立てればこちらが立たず、という訳なのだが。 「ま、人生欲張りに行こうや」 選べる選択肢は一つだけではないのだ。 バトルフィールド『メタルエンパイア』 建物、歩道、樹木、雲、生物etc…。 その全てが金属で構成された異形の国家。 ここに充満するものは、噎せ返るようなオイルの匂い、金属同士が擦れ合う音、蒸気機関によって生じるピストンの重い音。 空は鉄のような鼠色。雲は雷雲のような黒。 見ているだけで気が滅入るようなその場所は、少しずつ異音に包まれつつあった。 「ナル、調子はどうだい?」 「絶好調です」 鈍く銀色に輝く屋根の上を踏み砕いて駆けながら、ナルは主に返答した。 戦闘中にも関わらず、その顔には楽しそうな微笑が浮かんでいる。 「…第二アーム、3・8・5」 刹那、恵太郎の鋭い声が響く。 脚を踏ん張り、屋根を蹴り削ってスライディングの要領で急停止をかける。 勢いを殺しながら、左腕を鋭く、速く、大きく振りぬいた。 その動きは、刀身同士が自由に可動する刃鋼にダイレクトに反映され、腕の動きに一拍遅れて、しかし、何倍も速く飛んだ。 今までの刃鋼の最大刀身長は10sm。 最早ギャグだが、今の最大刀身長は3sm。 マオチャオの様な高運動性神姫に対抗する為の強化策が、刃鋼の可変刀身長と軽量化である。 刀身長を10smの遠距離モードと3smの近距離モードに設定する事によって、相手に応じてそれを切り替えられる様にした。 砲撃戦主体の神姫には遠距離モードで、マオチャオの様に近距離主体の神姫には近距離モードで。 そして、軽量化。 強度を維持しつつ、ぎりぎりまで軽量を重ねた結果、その速度は遥かに上昇した。 近距離モード時の剣速は、特筆に価するだろう。 金属イオンと蒸気で出来た大気を切り裂く様に、マオチャオ型の身体を切り裂こうと飛来する。 そして、実際切り裂いた。 が、しかし。 切り裂かれた筈のマオチャオの身体は、上半身と下半身に分かれているにも関わらず、データの塵へと還らない。 それどころか、一瞬の間の後で砂の城が崩れ落ちるように分解した。 「分身、か」 「…そのようです、マスター」 ナルは自身のセンサー類をチェックしながら主に応えた。 マオチャオ型のジャミングだろうか、センサー類は全く機能していない。 振り抜いた刃鋼を引き寄せながら、周囲に細心の注意をはらう。 異形の音が支配する、一瞬の静寂。 「…後ろだ、ナル!」 ナルの後方に、突如として五体のマオチャオが現れたが、それを確認する事無く前に向かって走り出した。 重装備にも関わらず、かなりの速度で駆けるナル。 しかし、機動性・運動性に秀でるマオチャオから逃げられる道理は無い。 「来るぞ……第三アーム 5、8、4!」 ナルは指令どおり鉤鋼で―――5割の力、8割の速度、4割の精度で―――背後から襲い掛かってきたマオチャオの一機を握りつぶした。 瞬時に崩れる分身。 それを一瞥もせずに、その場で反転するナル。 両足と鉤鋼で屋根を削りながら急停止すると、左腕を振り回した。 腕だけでなく、身体全てを使って刃鋼を自在に操る。 縦に、横に、斜めに、前に、後ろに。 二次元的な軌道ではなく、三次元的な軌道を取る。 銀色の屋根も、鉄色のパイプも、白い蒸気も、一切合切を、触れるもの総てを問答無用で切り刻む。 それに巻き込まれたマオチャオの分身は、文字通り微塵となって消えていく。 最後に残ったのは一体のマオチャオ。 刃鋼を引き寄せ、体勢を立て直すナル。 お互い、間を開けて対峙する。 「さあ、これで一対一ですよ」 周囲にはまるで刃の切っ先の様な鋭い空気が支配 「一対一なの~☆」 していなかった。 マオチャオ型のねここは天真爛漫としか言い様の無い屈託の無い満面の笑顔。 重苦しいフィールドでなお輝く笑顔は、正直不釣合いだ。 が、しかしだ。 彼女とて伊達に「雷光の舞い手」と呼ばれている訳ではないのだ。 笑ってはいるが、その構えに隙は無い。 「あははぁ、可愛い子猫ちゃんは大好きだよぉっと!」 ナルのスイッチが入ったようだ。 言い終わる前に全身のブースターを全開にして突撃した。 腰を落とし、前傾姿勢で駆けるナル。 だが、それに臆する事無くねここも駆けた。 機動性に定評のあるマオチャオ型であるねここの速度はブースターを併用したナルに劣りはするが、運動性では遥か上を行く。 一瞬でお互いの距離を詰め、交錯する二人。 先手を取ったのはナルだ。 背部の鉤鋼を伸ばし、ねここを握りつぶそうとする。 しかし、それを前方に大きく跳ぶ事によって回避するねここ。 懐に入り込み、右腕に搭載された電撃発生装置を使用したねここの決め技「ねここフィンガー」を決めようと構えている。 その威力を知っているものならば、すぐさま距離を離すかバリア系の防御システムを発動させるのが常套手段だ。 ナルもそれに漏れず、突き出した鉤鋼で金属製の屋根を掴み、身体を持ち上げた。 そして、バク転の要領でねここをやり過ごす。 着地と同時に向き直り、刃鋼で迎撃しようとするが。 「うわぁ、子猫ちゃんが一杯だぁ」 そこにいたねここは一体ではなかった。 文字通り無数のねここが其処に居た。 ねここに搭載された「イリュージョン・システム」によって発生した分身がその正体だ。 しかし、恵太郎もナルもそんな事は全く知らない。 知らない場合の結果は、大抵錯乱されてノックアウトだが、ナルはそれに近しい状況にあった。 一度に何十体ものねここがナル目掛けて飛び掛る。 その中に本物が居ないとも限らないので刃鋼で牽制しつつ距離を離そうとする、が。 「もらったのー!」 何もいない筈の背面から、ねここの声が聞こえた。 フックの要領で放たれた攻撃を上空に向かい跳躍する事で何とか回避する。 跳躍した上空からフィールドを眺めてみると、金属家屋の上に無数の緑とオレンジの点がうようよしている。 それら全てがねここの分身だ。 仮に、なんらかのサポートメカがいたとしても、センサー類を潰されている状態では察知は不可能だ。 暫しの空中散歩の後、派手に着地するナル。 その際に生じた金属粉の煙が足元から噴出した。 「第一アーム、直下砲撃」 ナルは銃鋼を足元に広がる金属製の屋根に向けた。 そして、何の躊躇いも無く撃った。 爆音と爆煙が周囲を包んだ。 ナルの足元は完全に陥没し、下にあった謎の工場へと落下していた。 「第二アームシフト。9,9,1」 分離した刃鋼がジャラジャラと音を立てて金属の地面に落ちる。 その場で一回転するように、渾身の力を込めて刃鋼を文字通り振り回す。 刃鋼の、今の最大刀身長は10sm。 それが家屋の柱を悉く斬り砕く。 綺麗な円形に斬り砕かれた一帯の家屋が金属煙を撒き散らしながら一気に倒潰した。 瓦礫がと金属煙が充満するソコは一寸先も見えない。 ナルは今、センサー類を潰されている。 この状況は絶対的に不利の様にも見える。 一方、ねここはイリュージョン・システムを起動、撹乱しつつ必滅のねここフィンガーを決めようとする。 「あはは、分身じゃあボクは倒せないよぉ?」 立ち込める金属煙の中、迫り来るねここの大軍団が身体を透過するのを一瞥もしないで周囲を見回すナル。 「良い事教えてあげるよぉ。投影型の分身っていうのは、当然実体を持たない立体映像だから、風が起きないんだぁ」 その言葉の示すとおり、ねここ達が激しく動いているのにも関わらず、金属煙は立ち込めているだけで動いていない。 「あと、もう一つぅ」 絶えず周囲を見回していた視線を、ある一点に絞りながら言った。 「たとえ光学迷彩をかけていてもぉ、風は起きちゃうん、だぁ!」 ナルは無造作に刃鋼を突き出した。 その先には、一見すると何もいない様に見える。 しかし、充満している金属煙が確かに揺らいでいるのだ。 「ばれちゃったらしょうがないの!」 光学迷彩を解除し、一気に距離を詰めるねここ。 刃鋼の一突きも難なくかわされてしまった。 それを確認すると、ナルは大きく後ろに跳んだ。 ねここは超近接型で、ナルは万能型。 しかもねここは小回りも利き、運動性は随一だ。 ナルの懐に潜り込めさえすれば勝利は確実だろう。 が、逆に言えば、近接以外の攻撃手段が乏しいねここはそれ以外に勝ち目が無いと言う事だ。 もっとも、ねここの二つ名「雷光の舞い手」と呼ばれる由縁たるシューティングスターがあれば別だが、今のところ目にしていない。 接近すればねここの勝ち、それを阻めばナルの勝ち。 それを理解している二人は、それを目指して火花を散らす。 ナルは高速機動で接近するねここに向かい、刃鋼を鋭く振るい応戦する。 しかし、それすらも軽々と避けながら、着実にナルとの距離を狭めていく。 刃鋼が踊る度、瓦礫は粉々に砕かれ破片が飛び散る。 装甲が厚いとは言えないねここに対して、それは必滅の威力を誇る。 刃鋼の剣速は速い。 その上、その複雑怪奇な軌跡を見切ることは普通の神姫には至難の業だろう。 だが、ねここは神姫随一の運動性を誇る。 迫り来る刃鋼を紙一重で避け、次の攻撃を予測する。 そして、それに備えた位置取りをし、また避ける。 ただひたすらにチャンスを待つ。 必ず仕留められるその時を待つ。 敵が隙を見せるその時を待つ。 焦らず、騒がず、冷静に。 理想的な動きであるそれは、経験から来るものではなく、獣の本能、狩りの本能に近いものだ。 そして、それは来た。 刃鋼を振るう合間合間、腕を振り回す時に僅かだが隙が生じている。 どちらかというと、武器を扱いきれない事から来る隙だ。 その一瞬の隙を突いて、一気に懐へと潜り込んだ。 「その間合いもぉ、ボクの間合いだよぉ」 しかし、そこにはナルの第三腕・鉤鋼がいた。 背後から生えたそれは、脇腹付近からねここを握りつぶそうと伸びている、が。 「!?」 突如、ナルの背中が爆発した。 その影響で一瞬動きが止まるナル。 「シューティングスターか!?」 光学迷彩によって隠されていたシューティングスター。 それに搭載されているLC3レーザーライフルの一撃。 遠隔操作によって放たれたその一撃が、ナルに一瞬の隙を生んだ。 しかし、ねここにとってはその一瞬で充分だった。 よろけるナルの懐で、右腕を引き左腕を突き出して構えるねここ。 その右腕に組み込まれた電撃発生装置が低い唸り声を上げる。 「ねここ!」 右腕から発せられる電気の奔流が、火花となって外部に漏れ出す。 電撃発生装置がフル稼働している証拠に、その唸り声も低く、大きくなっていく。 周囲に漏れ出す電撃を靡かせて、唸る右腕は吸い込まれるようにナルに伸びる。 「フィンガー!!」 右腕の唸り声が、否、咆哮が最高潮に達する。 腰を捻り、左手を引き、右腕を突き出す。 咆える右腕をナルの身体に押し当てる。 電撃発生装置によって生じた超高圧電流が、ねここの右手を通してナルの身体に流れ込む。 一撃必滅の威力を孕むその攻撃が、猛毒のように一瞬でナルの内部に浸透する。 雷撃が。 雷刃が。 雷鳴が。 侵略し。 蹂躙し。 壊滅し。 そして。 そして。 そして――― 「スパークぅ、エンド!」 文字通り雷光がナルの身体から発せられた。 断末魔を上げる事すらなく、ナルの身体は焼き切れた。 「マスター、負けちゃいました…」 クレイドルから出て来たナルは、存外に落ち込んでいた。 まあ、対マオチャオ用にセッティングしたと言っても過言じゃないので無理は無い。 「相手はあのライトニング・シルフィーだ。負けるのも無理は無いさ」 項垂れている頭を人差し指で撫でてやる。 これで元気になれば良いんだが。 「…いつか、あの子に勝てるでしょうか?」 俺を見るその眼には、後ろ向きな感情は宿っていない。 「ああ、きっと勝てるさ」 正直、俺は俺で良いバトルが見れたので満足なのだが。 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1061.html
~一ヶ月後 律「ところでだ」 澪「どうしたんだ、練習しないのか?」 律「澪、梓 お前ら付き合ってるんだよな?」 澪「ああ///」 梓「そうですが」 律「これまでは聞かないでいたんだが」 紬「あなた達ぶっちゃけどこまで進んだの?」 澪「す、進んだって・・・///」 紬「A?B?それともC?」 梓「いやいやいやいやいや」 紬「何が違うのよ!」 紬「愛し合ってる二人ならそれが自然よ!」 チクリ 『愛し合ってる』に少し胸が痛んだ。 澪「アイシアッテル///」 梓「その・・・」 梓「手を繋ぐまでいきました」 唯「えっ?」 律「えっ?」 紬「えっ?」 澪「それに私たちは映画館デートもしたんだぞ///」 梓「そうですよ」 紬「内容を詳しく話して」 澪「えっと、まずは昼食をとって」 梓「その後に映画を見に行きましたね」 澪「見終わった後は洋服の買い物に行ったよな」 梓「ええ、そうでしたね」 紬「それでその先は?」 澪「その先って・・・それで終わりだぞ」 梓「夕ごはんまでには帰らなければいけなかったですしね」 紬「・・・ハァ」 紬「それじゃあ何の映画を見たの?」 梓「それはあれです」 澪&梓「ハリー・ポッター」 そう答えた後、ムギ先輩から恐ろしい波動が出た、気がした。 紬「それは友達って言うのよ! と・も・だ・ち!!」 紬「あなた達付き合ってもう一ヶ月もたつのよ!」 紬「それなのにまだ手を繋いだだけってどういうことよ!」 唯「ムギちゃん怖い・・・」 紬「これじゃありっちゃんや唯ちゃんととってたスキンシップのほうが遥かに激しかったじゃない!」 梓「!」 なんでなんだろう。 唯先輩に抱きつかれていた自分を思い出して、私は・・・。 澪「私たちには私たちのペースがあるんだ」 澪「今のままでも十分お互いの気持ちがつながってるよな梓?」 梓「・・・」 澪「梓?」 梓「! はっ、はい! なんでしょう?」 澪「どうしたんだ?」 梓「すみません・・・少しぼーっとしていました」 私のこころの中ではひとつの疑問が渦巻くようになっていた。 決して周りには言えない疑問。 私は本当に澪先輩のことを恋愛対象として好きなのかと。 そんなある日、唯先輩が放課後こなかった。 音楽室に行って聞いてみると学校自体を休んでいるみたいだった。 前も風邪で休んでいたことがあったので今回も風邪引いたのかなと思った。 紬「唯ちゃんったら今日のテスト休んじゃってだいじょうぶだったのかしら」 律「むしろ唯のやつそれで休んだんじゃないのか」 澪「いくらなんでもテストくらいで学校を休まないだろう」 紬「それにそんなことで休もうとしたら憂ちゃんにおこられちゃうわ」 澪「そういえば梓、憂ちゃんはなにか言ってなかったのか?」 梓「熱っぽかったから休ませたそうですよ」 澪「そうか」 律「まあたまには欠席することくらいあるさ」 律「そのおかげで今日のお菓子は量が増えたし♪」 必要以上に特には誰も気にしていないようだし、私も特には気にしていなかった。 風邪が流行っているのか教室でもちらほらと空席が見えていた。 ~一週間後 ガチャッ 梓「こんにちはー」 律「おー」 紬「いらっしゃい」 梓「今日も唯先輩はきてないんですか?」 澪「ああ・・・もう一週間になるな」 律「流石に心配になってきたな 今日辺りお見舞いにでも行くか」 紬「私友達の家にお見舞いに行くの夢だったの」 澪「どんな夢だよ・・・」 律「そういや憂ちゃんは何か言ってたか?」 梓「唯先輩の風邪が長引いてるとしか」 澪「あーやっぱり風邪か」 紬「最近流行っているわよね」 律「私たちも気をつけないとな~」 澪「そうそう他人事じゃないぞ 気をつけろよ梓」 梓「はい」 その日もいつも通りに練習をした。 ただやはり唯先輩がいない軽音部には活気がなく、活動を早々と切り上げてお見舞いに行くことにした。 ピンポーン 憂「はーい」ガチャッ 梓「唯先輩のお見舞いに来ました」 律「唯のやつは大丈夫なのか?」 憂「お姉ちゃんは風邪ひいて寝込んでいます・・・」 澪「やっぱりそうか・・・」 澪「今唯が寝てるようならまた後日来ることにするけど今大丈夫そうか?」 憂「ちょっと待っててくださいね」 憂「今起きていますのでみなさんお姉ちゃんに会ってあげてください」 律「ほいよ」 紬「お邪魔します」 憂「っとその前に」 梓「?」 憂「みなさんに風邪をうつしちゃいけないのでマスクとビニール手袋をどうぞ」 みんな「で、できた子だ」 コンコン 憂「お姉ちゃん入るよー」ガチャッ みんな「おじゃましまーす」 唯「おーみんなよく来たねぇ」ゴホゴホ 憂「それじゃあ私は下で家事続けてるね」 そこにはベッドに寝込んで入る唯先輩がいた。 机の上にはあまり箸が進んでいないお粥と封を来られた飲み薬の袋があった。 ふと私は力なく病床についている唯先輩を見て言いようの無い不安感に襲われた。 律「ん? どうした梓、真っ青だぞ」 唯「ひょっとしてあずにゃんも風邪ひいてるの?」 そこで私は我に帰った。 いけないいけないとカブリを振って唯先輩を見つめた。 梓「いえ・・・なんでもありません」 律「それにしても唯が元気ないとどうも調子狂っちゃうよな~」 こんなのはとっさに出た言葉に過ぎない。 言いようの無い、得体の知れない不安感はまだまだ継続中だった。 紬「唯ちゃんお見舞い品よ~」 律「うわー」 澪「これは」 梓「すごいですねぇ」 ムギ先輩がずっと袋に入れていたそれを取り出すと皆顔の色が変わった。 中から出てきたのはメロンだった。 まるまると大きく、完璧に熟しきっているであろうメロン。 きっと私たちが値段を聞けば死に目にすら送るのをためらうほどの超高級品なんだろう。 唯「おー」 唯先輩は目をキラキラさせて言葉を失っているほど感動している。 私たちですらあのメロンには心を奪われるほどなのだから甘いもの好きの唯先輩にはまるでお菓子の家のように魅力的すぎるのだろう。 唯「ムギちゃんありがとう!」 紬「いえいえ~」 唯「私今すぐ食べたいよっ」 唯「みんなで食べようよ!」 澪「だがこれは切る必要があるぞ」 律「それに私たちが帰ってからなら取り分が多くなるぞー」 唯「ううん、私はみんなといっしょに食べたいよ」 梓「それじゃあ私は憂に切ってもらうように言ってきます」 紬「お願いしますね」 私はそのずっしりとして身がつまっていることを全体で主張しているメロンをもって憂のところに行った。 3
https://w.atwiki.jp/lucas776/pages/87.html
バレンタイン。 2月14日といえばこのイベントだ。 去年まではこんなイベント、チョコが貰えるってくらいにしか考えてなかったけど。 …もらって、くれるかな… …とか思ってたら、バレンタインということもあってか目の前にはチョコ… 俺もそりゃ多少は貰うけど…たぶん学校で一番貰うのは… 視線の先には、たくさんの女子に囲まれる豪炎寺の姿。 見たところ、ちょっと鬱陶しそうだけど。 …俺が持ってきたチョコなんて、いらないかな… 「円堂!ちょっと来てくれ!」 「え、ちょ…おい!豪炎寺!」 耐えきれなくなったのか、豪炎寺は俺の腕を掴む。 俺は豪炎寺に引っ張られるがままにどこかに連れて行かれた。 連れてこられたのは屋上。 放課後ということもあってか、そこには誰もいない。 「…悪い。いきなり連れてきて。」 「い、いや…別に…なんか大変そうだったし仕方ないよな。」 正直どんな顔したらいいかわからなくて、俺は…苦笑いするしかなかった。 「え、円堂…!」 「ご、豪炎寺!?」 いきなり豪炎寺が俺の肩に手を置いて迫ってくる。 あまりの必死な表情に、いつものクールな豪炎寺はそこにいない。 「…なぁ…く、くれないのか…チョコ…」 「…あ…あの…豪炎寺…さん?」 「お前のチョコしか…いらないんだ…」 「……おう……ちゃんと、豪炎寺だけにあげるつもりだからな。」 なんだか珍しく必死な豪炎寺を見て、さっきまでの不安だったこととか、全部どうでもよくなってしまった。 だって、豪炎寺も同じだって…わかったから。 あとがき まぁSSってことで短めにまとめてみました。 なんとかバレンタイン前に書き終えることができましたが…これ書きなおしてます^q^ 最初はpixivで見た素敵豪円絵っぽく書こうと思ったんですよ。 まぁ無断で使うのはよくないかなーとか思ったらなんだかヘタレ豪炎寺になりました^q^ 口うつしとかも萌えるけど誰かが書いてますよねきっと( なんか途中まで見ると豪→←円にも見える不思議。 いやぁ…しかし…時間かけてこれかー…orz
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/15821.html
きみがすきで【登録タグ GUMI NexTone管理曲 き タカノン 曲】 作詞:タカノン 作曲:タカノン 編曲:タカノン 唄:GUMI 曲紹介 好きで好きで仕方がないって曲! 想いは届くと、信じたい・・・! 歌詞 好きで好きで眠れなくて 窓を開けて夜空見上げた 結果逆効果なんです 思い出すのは君と見た星空 手をつないでくれたこともあった でもキミはただの友達とでも 手をつないじゃう人なの 照れて赤くなるのはワタシだけ メアド変えてまでメールしてみた 「メアド変えたよ元気にしていた?」 無理やりきっかけ作り 発展して会えちゃったりしないかな? 例えばCD貸して戻って来たら メモが入っていて 「ありがとう」とか書いてくれちゃうところ 小さい心遣いだけど そんな優しいキミのことが 好きで好きで眠れなくて 窓を開けて夜空見上げた こんな時だけ流れ星待ってるとか 都合が良過ぎるかな? 「いつかキミに想いが届いて いつかキミの隣にずっといれたら」 そんなお願いがしたいの 10秒以内に3回言えるかな? 友達のままも嫌だけど 変に気まずくなるのも嫌で 臆病なワタシにはこれが精一杯 いつか振り向いてくれるかな? あともう少しで春は終わって夏が来るから 出来れば二人で観に行きたいなあの河川敷 夜空には色鮮やかな大輪の花火 キミが好きで好きで眠れなくて ただそれだけでワタシは幸せなの それは本心じゃなくて ホントはキミを独り占めしたいの! 夜が明けて目が覚めた時に キミからの新着示すLEDが 光ってたりしないかな? 「なんてね」諦めて瞳を閉じる 陽の光が眩しくてよく見えないけど 視線の先には もっと眩しく見える『キミ色の知らせ』 何て返信送ろうかな! コメント 間違いあったら教えてくださいorz -- 書 (2011-05-10 23 01 03) タグですが、曲名ではなく「曲」という字を入れてくださいね。 -- 名無しさん (2011-05-10 23 09 29) ↑訂正ありがとうございます!! -- 書 (2011-05-11 07 59 00) そんな優しいキミのことが→そんな優しい優しいキミのことがになっています>< -- 名無しさん (2011-05-15 07 54 36) 追加:都合が良過ぎるかな?→都合良過ぎるかな?になってます>< -- 名無しさん (2011-05-15 07 56 28) かわいいしすごく共感できる!好きだ!! -- 名無しさん (2011-06-10 21 28 05) 純粋な心があって良い!昔の私を思い出す…… -- 海美 (2011-11-23 13 36 58) ヤバッww歌も絵も可愛すぎっっ(● ●) -- 名無しさん (2011-11-27 14 14 27) 今日初めて聞いたけどバロスwww -- BAKA (2011-11-27 14 15 21) 可愛すぎる…!ツボです( _ ) -- 名無しさん (2011-11-27 14 44 15) この曲好きだな〜まぢ可愛いっすね -- 名無しさん (2011-11-28 17 01 16) 流れ星きゅんやー -- あゆさ (2011-12-03 20 16 23) 最後ハッピーになるのいやね、最後までかたおもいでいてほしい -- 名無しさん (2011-12-03 20 17 56) 可愛いなーwwこんな彼女欲しいな(笑)) -- イツキ (2011-12-03 21 26 10) めっちゃ今の気持ちと重なってて、いいと思いました。 -- さゆ (2011-12-08 09 57 35) めっちゃKAWAⅡ曲 すごく今の気持ちと同じでとてもとてもイィ曲だな―って思った。 -- (´・ω・`)tan. (2012-01-02 21 08 35) GUMIかわいすぎるぅ〟>W<〟惚れちゃうぜベイベー -- 名無し様 (2012-01-27 20 13 59) スゴく切ない曲ですね(ノ△T) -- キャロル (2012-03-08 07 26 17) すごく共感! 私も頑張ろう(照← -- はる (2012-04-08 19 24 47) 毎日歌詞と同じことを思ってます(笑)・・・。←今から聞くなぅ -- ゴリーン (2013-05-06 18 06 51) かわいい(*´`) -- 名無しさん (2013-07-25 08 59 23) いい曲です♪ -- ティーナ (2013-08-08 10 11 53) かわいすぎるwww -- 名無しさん (2013-12-13 06 03 06) 「今から聴くなぅ」ってwwwwww ワロスww -- 名無しさん (2014-02-06 16 13 52) この曲超すき! -- 名無しさん (2014-03-26 17 50 24) 友達のままも嫌だけどって書いてあるけど友達のままも嫌だけど、友達のままも嫌だけれどです -- 名無しさん (2014-10-19 10 01 10) ヤバイ -- 名無し (2018-01-14 20 13 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anchorlegendscenario/pages/1136.html
シナリオ名 好きで好きで好きで・・・ システム 指定なしホラー系ならいけるかも 君たちが朝学校に行くとある少年の靴箱に手紙が入っていた その手紙は白い紙に赤いインクで文字が書かれていた 文章は「あなたの事が好き好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで・・・ 黄泉から帰ってきたの、だからね他の女に渡さない」と書いてあった 悪戯だと思い教室に向かう少年たち 教室につくとクラスメイトの女の子達が一点を凝視したまま動かない まるで洗脳されたみたいに 机の中にはまた白い紙に赤い文字の手紙があり読むと 「あなたを奪うかもしれない女たちの心を閉じ込めたの……私を見てくれないあなたへの罰なの」 と書いてあった 少年たちはこの出来事を解決できるのだろうか
https://w.atwiki.jp/shosensyojodokusen/pages/137.html
495+1 :名無したちの午後 [↓] :2019/12/05(木) 14 56 21.59 ID 6OFXKExT0 [PC] どっちのiが好きですか? ttp //www.hook-net.jp/isuki/ 処女 種村 小柚子 上ノ山 芽愛 四谷・グレンジャー・ハンナ 英 摩耶 非処女 無し 備考 全ヒロイン出血差分あり。 各ヒロイン共にリードされる恋愛とリードする恋愛で別々の破瓜シーンが用意されているので計8種類あり。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17594.html
1 唯梓 2012/04/23 http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335137501/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る え?w -- (名無しさん) 2015-01-10 23 01 46 感情が全くこもってないw -- (球磨川禊) 2013-01-09 11 38 35 こわ… -- (名無しさん) 2012-05-14 14 53 34 何だろ…台詞が棒読みっぽいのかな…? -- (じゅわ〜) 2012-04-28 22 18 26 もはやけいおんキャラである必要すらない -- (名無しさん) 2012-04-28 22 12 43 セリフは可愛いんだけど、読んでるうちに違和感あるって ゆうか 後味悪いんだが・・・ -- (Ω) 2012-04-28 21 01 10 畏怖を感じたのが俺だけじゃなくてよかった -- (名無しさん) 2012-04-28 20 54 12 これが百合の実態です -- (名無しさん) 2012-04-25 01 57 04 ぐにゃぐにゃした感じ?がした。 確かに違和感を感じる。(誤用ではない) -- (名無しさん) 2012-04-25 00 14 29 えっ幼児化してるのかと思って読んでた -- (名無しさん) 2012-04-24 22 38 33