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携帯機PS Vita PlayStation ポータブル (PSP) Nintendo 3DS Nintendo DS GAMEBOY ADVANCE GAMEBOY 据え置き機Nintendo Switch PlayStation2 PlayStation SEGA SATURN WindowsWindows レトロ 他機種(アーカイブスやダウンロード含む)ではプレイできない マルチではない特定ハード独占販売のタイトル一覧です。 アーカイブス化や移植化されたタイトルはリストから削除してください。 パッケージ版はPSPのみでも、ダウンロード版がVita互換対応ならマルチと見なします。 当Wikiでは携帯アプリ、同人作品、18禁作品は含めていないので、それらのオリジナル版はカウントしていません。(商業化作品や全年齢版などが複数のハードで販売されたらマルチ販売となります) Windowsはバージョンが多すぎるため、コンシューマ移植されていないものだけ記載しています。 本編、FD、続編など関連タイトルがすべて特定ハード独占販売の場合に限り「シリーズ」表記でまとめています。 携帯機 PS Vita I DOLL U 赤い砂堕ちる月 イケメン戦国◆時をかける恋 新たなる出逢い Vamwolf Cross† 嘘月シャングリラ 空蝉の廻 SA7 SILENT ABILITY SEVEN エフェメラル -FANTASY ON DARK- 円環のメモーリア -カケラ灯し- 逢魔が刻 ~かくりよの縁~ 男遊郭 オルフレール ~幸福の花束 学園CLUB ~ヒミツのナイトクラブ~ Cafe Cuillere ~カフェ キュイエール~ 鏡界の白雪 金色のコルダ4 KLAP!! ~Kind Love And Punish~ クランク・イン 剣が君 百夜綴り 喧嘩番長 乙女シリーズ 源氏恋絵巻 黒蝶のサイケデリカシリーズ Goes! 5人の恋プリンス ~ヒミツの契約結婚~ 殺し屋とストロベリー PsychicEmotion6 CharadeManiacs 参千世界遊戯 ~Re Multi Universe Myself~ 白と黒のアリスシリーズ 真紅の焔 真田忍法帳 SWEET CLOWN ~午前三時のオカシな道化師~ 数乱digit 絶対迷宮 秘密のおやゆび姫 7 scarlet 戦場の円舞曲 爽海バッカニアーズ! Dance with Devils 蝶々事件ラブソディック 帝国海軍恋慕情 ~明治横須賀行進曲~ 帝國カレイド ―革命の輪舞曲― 天涯ニ舞ウ、粋ナ花 鳥籠のマリアージュ ~初恋の翼~ 熱血異能部活譚 Trigger Kiss BAD APPLE WARS Binary Star ハイリゲンシュタットの歌 花朧 ~戦国伝乱奇~ 薔薇に隠されしヴェリテ 百華夜光 BELIEVER! ピリオドキューブ フォルティッシモ プリンス・オブ・ストライド POSSESSION MAGENTA MARGINAL#4 シリーズ マジきゅんっ!ルネッサンス 猛獣たちとお姫様シリーズ もし、この世界に神様がいるとするならば。 悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- LOVE QUIZ 恋する乙女のファイナルアンサー Rear pheles ‐Red of Another- RE VICE[D] ROOT∞REXX 上へ PlayStation ポータブル (PSP) アルカナ・ファミリアシリーズ ※初作は他機種展開あり アンジェリーク 魔恋の六騎士 いざ、出陣!恋戦シリーズ 維新恋華 龍馬外伝 いっしょにごはん。 Portable 裏語 薄桜鬼 エルクローネのアトリエ ~Dear for Otomate~ L.G.S ~新説 封神演義~ Enkeltbillet O*G*A 鬼ごっこロワイアル ハンターは孤島(フィールド)で恋をする 神なる君と 官能昔話 ポータブル キミカレ~新学期~ Glass Heart Princessシリーズ グリム・ザ・バウンティハンター クロノスタシア 月華繚乱ROMANCE 源狼 ~GENROH~ 恋戦隊LOVE&PEACE THE P.S.P.~パワー全開!スペシャル要素てんこもりでポータブル化大作戦である!~ 恋花デイズ Confidential Money ~300日で3000万ドル稼ぐ方法~ 死神稼業シリーズ Jewelic Nightmare しらつゆの怪 STORM LOVER 夏恋 ※FD スト☆マニ ~Strobe☆Mania~ SNOW BOUND LAND 青春はじめました! Solomon s Ringシリーズ TAKUYO MIXBOX ~ファーストアニバーサリー~ ※FD 十鬼の絆シリーズ 二世の契り 想い出の先へ ※FD おもちゃ箱の国のアリス ~Wonderful Wonder World~ ※FD 薄桜鬼 幕末無双録 ※派生ソフト バクダン★ハンダン 華鬼シリーズ 原宿探偵学園スチールウッド 遙かなる時空の中で 彩絵手箱 ※FD 遙かなる時空の中で5シリーズ B s-LOGパーティ♪ ※FD 蒼黒の楔 緋色の欠片3 明日への扉 ※FD ヒイロノカケラ 新玉依姫伝承 -Piece of Future- ※FD 白華の檻 ~緋色の欠片4~シリーズ Vitamin X to Z ※FD Vitamin Z Graduation ※FD Vitamin R 百鬼夜行シリーズ 放課後colorful*stepシリーズ マーメイド・ゴシック -8(マイナスエイト) マザーグースの秘密の館 マスケティア -Le sang des chevaliers- 雅恋 ~MIYAKO~ あわゆきのうたげ ※FD 明治東亰恋伽 トワヰライト・キス ※FD 宵夜森ノ姫 楽園男子 恋愛番長シリーズ 上へ Nintendo 3DS オレ様キングダム イケメン彼氏をゲットしよっ!もえキュンスクールデイズ 小林が可愛すぎてツライっ!!? ゲームでもキュン萌えMAXが止まらないっ(* ´ェ`*) 12歳。 ~ほんとのキモチ~ 新テニスの王子様 ~Go to the top~ 創作アリスと王子さま! 上へ Nintendo DS 赤い糸 DS 赤い糸 destiny DS ヴァンパイア騎士 DS うわさの翠くん!! 夏色ストライカー おしゃれに恋して ~おしゃれプリンセス~シリーズ オレ様キングダム~恋もマンガもデビューを目指せ! ドキドキLOVEレッスン~ 君に届け ~伝えるキモチ~ 暗闇の果てで君を待つ サイキン恋シテル? SIGNAL 好きです鈴木くん!! 4人の鈴木くん 堕天使の甘い誘惑×快感フレーズ Dear Girl ~Stories~ 響? 響特訓大作戦! Days of Memories2 DUEL LOVE ~恋する乙女は勝利の女神~ 天下一☆戦国LOVERS VitaminY ※FD 花より男子-恋せよ女子!- 星空のコミックガーデン MISS PRINCESS ミスプリ! 上へ GAMEBOY ADVANCE Kiss×Kiss 星鈴学園? 新きせかえ物語? 上へ GAMEBOY きせかえ物語? きせかえシリーズ? おしゃれ日記 スウィートアンジェ DOKI×DOKIさせて!! Dr.リンにきいてみて!? 恋のリン風水! 花より男子 ~ANOTHER LOVE STORY~ 上へ 据え置き機 Nintendo Switch オランピアソワレ? 幻奏喫茶アンシャンテ 幻想マネージュ 恋の花咲く百花園 Cendrillon palikA(サンドリヨンパリカ) 私立ベルばら学園 ~ベルサイユのばらRe*imagination~ DAIROKU AYAKASHIMORI? DIABOLIK LOVERS CHAOS LINEAGE 囚われのパルマ 囚われのパルマ Refrain BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) 遙かなる時空の中で7? 上へ PlayStation2 アンジェリーク トロワ Under The Moon ~クレセント~ うるるんクエスト 恋遊記 L2 Love×Loop エーデルブルーメ オレンジハニー 僕はキミに恋してる 風色サーフ 硝子の森 きまぐれストロベリーカフェ スキップ・ビート! そしてこの宇宙にきらめく君の詩シリーズ 「っポイ!」ひと夏の経験!? DEAR My SUN!! ~ムスコ★育成★狂騒曲~ Dessert Love Sweet Plus 転生八犬士封魔録 トゥルーフォーチュン drastic Killer トラブルふぉうちゅんCAMPANY☆はぴCURE 悠久ノ桜 ナデプロ!! ~キサマも声優やってみろ!~ 伯爵と妖精 ~夢と絆に想いを馳せて~ 幕末恋華・花柳剣士伝 花宵ロマネスク 愛と哀しみ―それは君のためのアリア 遙かなる時空の中で 舞一夜 ※FD PANDORA ~君の名前を僕は知る~ プティフール フルハウスキス2 放課後のLove Beat 星の降る刻 マーメイド プリズム マイネリーベⅡ ~誇りと正義と愛~ 蜜×蜜ドロップス LOVE×LOVE HONEY LIFE 召しませ浪漫茶房 モノクローム・ファクター cross road ラスト・エスコート ~深夜の黒蝶物語~シリーズ ラスト・エスコート2 ~深夜の甘い棘~ らぶ☆どろ ~LoveDrops~ ラブルートゼロ KissKiss☆ラビリンス リトルアンカー リプルのたまご 令嬢探偵 ~オフィスラブ事件慕~ 上へ PlayStation いつか、重なりあう未来へ サユリ篇 卒業M ~生徒会長の華麗なる陰謀~ Harlem Beat ~You're The One~ 遙かなる時空の中で 盤上遊戯 ※FD ピノッチアのみる夢 夢☆色いろ 上へ SEGA SATURN 結婚 ~Marriage~ 少女革命ウテナ いつか革命される物語 Hop Step あいどる☆ 上へ Windows あすか! ~僕ら星灯高校野球団~ 妖ノ宮 ALICE=ALICE 学園特救ホトケンサー GARNET CRADLE Sugarly Sparkle ※FD 籠の中のアリシス カレと彼の間で -DXツインズパック版- クリムゾン・ロワイヤル ~Circumstances to serve a noble~ ※FD クレプシドラ ~光と影の十字架~ KoiGIG ~DEVIL×ANGEL~ Siesta~すすき野原の夢物語~ ※Mac対応 シノバズセブンシリーズ 自律機動戦車イヅナ Diary Tiny×MACHINEGUN THE GAME Double Scoreシリーズ 誰にでも裏があるシリーズ ときめきメモリアルGirl s Side タイピング ※Mac対応 ときめきメモリアル Girl s Side 2nd Kiss? タイピング ※Mac対応 ドウセイカレシシリーズ ドットカレシシリーズ Tlicolity Eyesシリーズ Noise -voice of snow- Hush-a-bye,baby Happy☆Magic!~ハピ☆マジ!~ BAD MEDICINE 華アワセシリーズ ※Mac対応 パレドゥカルナヴァル ※FD パレドゥロワイアル ※FD Photograph Journey シリーズ Blackish Houseシリーズ ペット探偵Y s マジェスティック☆マジョリカルシリーズ 上へ Windows レトロ Darling ドラゴンペナンス ~龍珠演舞~ FIRST/LIVE ※Mac対応 ラストメッセージ ~さようなら私の愛した男~ 上へ
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1-Dの生徒。 三学期の席替えのさい、爽子の隣になった男子。 爽子に霊的相談をしていた。(勘違いしている爽子は成長期だから大丈夫と返答していた。) クリスマス会の出席簿にも名前あり。 人物 名前 コメント
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ーーーーー あずにゃんち! 梓「(さわ子先生ってどんな人が好みなんだろ…私って子供っぽいのかな…)」 梓「(私やっぱり…先生のことが…)」 梓「…」 梓「あーもう!」 梓「寝る!」 ーーーーー よくじつ! 梓「(はぁ、今日は先生部活くるのかなぁ。ちょっと気まずいよ…)」ハァ 純「梓ー、おっはよー!」 梓「なんだ純か、おはよう」 純「朝からこんな美少女つかまえといてなんだとはなんだ!」 梓「…」 純「梓?」 梓「…」 純「あずさちゃーん?」 梓「…」ハァ 純「おーい、あーずにゃーん?」 梓「えっなに?」 純「…なんかあったの?」 梓「別に何も?」 純「そんな顔してよく言うよ…私達友達でしょ?」 梓「うん…実は知り合いの話なんだけど…」 純「(…まあ十中八九本人の話だよね)うん、それで?」 梓「…その子には好きな人がいて、でも立場上その人とは絶対に結ばれないの…」 純「…」 梓「でもその人のことが好きで好きで、もうどうにもならないの」 梓「どんなに想っていてもきっと相手にされないし、その人にも迷惑がかかっちゃう…」 梓「ずっとモヤモヤした気持ちで、苦しいの…」 梓「もう、どうしたら良いのかわかんないよ」グスッ 純「それでも、相手に気持ちを伝える…かなぁ」 梓「え?」 梓「…嫌われちゃうかもしれないんだよ?」 純「うん、でもそれでまた前に進めるんだと思うから」 純「今の関係は失っちゃうかもしれないけど、きっと全部を失うわけじゃない」 純「だって梓が好きになったくらいの人なんだから、それくらいで嫌ったりする人じゃないはずだよ」 梓「純…」 梓「って、私の話じゃないし!知り合いの話だから///」 純「あぁ、そうだった。ごめんごめん」ニヤニヤ 梓「もう…///」 梓「…ありがとう、純」 純「いいってことよ!」ニカッ 梓「あっ、そういや私日直だった!ごめん純、先行くね」 純「はいはい、途中で知らないおじさんに付いてっちゃだめだぞ」ニヤニヤ 梓「クスッ、なにそれ。それじゃごめんね」 タッタッタッ 純「ふう…やれやれ」 純「…なーんて梓にはカッコいいこと言ってみたものの」 純「なかなか言えないんだよねぇ…」ハァ 純「…がんばんなよ、梓」 ーーーーー ほうかご! 唯「ねぇねぇ、このあとみんなでお茶して帰らない?」 梓「すみません、今日も少し残って練習したいので」 唯「え~あずにゃんもいこうよぅ!」 澪「そうか、私達も一緒に残ろうか?」 梓「い、いえ。その…一人で集中したいんで…すみません」 澪「そうか…それじゃあ鍵、頼んだよ」 梓「はい、お疲れ様です」 律「おーい、澪ー置いてくぞー!」 澪「また明日な。ま、待ってよみんな!」 タッタッタッ 梓「ふぅ…(よし、後は先生を待つだけ…)」 ーーーーー 梓「あー…(落ち着け、私///)」ドキドキ ガラッ 梓「あっ」 さわ子「あら、梓ちゃん。今日も自主練?」 梓「…いえ、今日は先生とお話がしたくて」 さわ子「私と?」 梓「はい…」 さわ子「…」 梓「昨日は…ありがとうございました」 さわ子「いいのよあれくらい。私はけいおん部の顧問なんだから」 梓「あの…」 梓「その…実は私、前から好きな人がいるんです」 梓「初めは憧れみたいなものだと思っていました。でも一緒にいて楽しくて安心するというか」 梓「その人はとても優しくて、あったかいんです…」 梓「私、先生のことが好きです…」 さわ子「っ!?」 梓「突然こんなこと言って迷惑かもしれませんけど、コレが私の気持ちなんです!」 さわ子「梓ちゃん…。気持ちはとっても嬉しいんだけど…ごめんなさい」 梓「…そう、ですか…」 梓「…私ってやっぱり可愛くないですか?」 さわ子「そんなことないわ。梓ちゃんはとっても可愛いわよ」 梓「じゃあ、私が子供だからですか?」 さわ子「梓ちゃんは今のままでいいのよ。それに私だって、まだまだ子供みたいなもんよ」 梓「じゃあなんで」 さわ子「こないだの事の後から色々と考えたんだけど…」 さわ子「私ね、今度お見合いすることにしたの」 梓「えっ?」 さわ子「実は前々から話は頂いてたんだけど」 さわ子「それに相手は実業家ですって。玉の輿よ、玉の輿!」 梓「…先生、無理してますよね?」 さわ子「!?何言ってるのよ、そんなことないわ」 梓「…これでも先生のことは皆さんより見てきたつもりです」 さわ子「(この子にはかなわないわね…)確かに…でも、もういいのよ」ニコッ 梓「そんな!でも」 さわ子「女の子同士では結婚も出来ないし、子供もできない」 さわ子「とても当たり前のことなのよ」 さわ子「私もいい年だし、このままじゃ両親を悲しませることになっちゃうから」 梓「先生の…先生の気持ちはどうなんですか!?」 さわ子「梓ちゃんは優しいわね…でもそれが今の私の気持ちなの」 梓「そんな…先生…」ジワッ さわ子「ほらほら、泣かないの」 梓「でもそんなの…そんなの…」ポロポロ さわ子「ありがとう、梓ちゃん」ギュッ 梓「…(やっぱり、あったかいや…)」グスン さわ子「(ごめんね梓ちゃん…本当は私も…)」 ーーーーー 翌年、さわ子先生は退職した。 きっとお見合いが上手くいったんだね。 先輩達も卒業し、新入部員も0。 けいおん部は廃部になりました。 でも憂や純と放課後、音楽室に忍び込んでは演奏したり、受験勉強やお茶を飲んだりしていました。 そして私達も卒業してもうすっかり大学生。 講義にサークル、飲み会やアルバイトもしました。 そして普通の恋愛も。 充実した日々はアッと言う間に過ぎていった。 ーーーーー とあるスーパー! 梓「(今日は晩ゴハン何にしようかなぁ…あ、サンマが安い)」 「あら、梓ちゃん?」 この声、すぐに誰だかわかった。 梓「さわ子…先生?」 さわ子「久しぶりね。私が退職して以来会ってなかったものね」 梓「そうでしたね…」 相変わらず先生は綺麗だ。 その隣には優しそうな男の人がいっぱいになったカートを引っぱっていた。 さわ子「あ、これがウチの旦那さん」 その男の人は優しい笑顔で会釈した。 ホントにいい人そうだなぁ。 さわ子「前に話したでしょ?ほら、私の教え子でけいおん部の…そうそう、その梓ちゃんよ!ネコミミ担当の」 梓「勝手にネコミミ担当にしないでください!」 こういう所も変わらない、なんだかホッとする。 梓「先生、後ろの子はもしかして…」 さわ子「ああ、そしてこれがウチのおチビちゃんよ。ほら、お姉ちゃんにご挨拶して?」 「…こんにちは」 梓「こんにちは、ちゃんと挨拶できてえらいね」ニコッ 「うん!ありがとう!」ニッコリ さわ子先生にそっくりな笑顔… なのにその子には私の面影はない。 ちょっぴり切ない…でも 梓「私…先生が幸せそうで嬉しいです」ニコッ さわ子「梓ちゃん…ありがとう。私も梓ちゃんにそう言って貰えて嬉しいわ」ニコッ 梓「それじゃあ私はこの辺で」 さわ子「そう。梓ちゃん、体には気を付けてね」 梓「ありがとうございます。先生もお元気で。さようなら」 さわ子「さようなら、梓ちゃん」 ーーーーー 普段は買うことのないビールを買い物カゴに数本入れる。 今夜は呑もう。 あんまりお酒は強くないけど、今日くらいヤケ酒してもいいですよね、先生? おしまい 戻る
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前へ 先頭ページへ 人の心というのは、かくも奇妙なモノだ。 それは魂とも精神とも言い換えられ、人は永い間それを解明しようとした。 それを脳の火花だと言う人間もいた。 それを幻想と言い捨てる人間もいた。 それを全ての生物が持つ普遍的なものという人間もいた。 しかし、何千年もの時を経てもその答えは闇の中だ。 荒涼としたフィールドにアルヴォ PDW9の乾いた発射音が木霊する。 弾丸は見えない軌跡を残しつつ、眼前の紅緒に向かい直進する。 しかし、紅緒は為虎添翼で一つ残らず叩き落した。 トロンベはそれに銃火器では太刀打ち出来ないと察し、アルヴォ PDW9を紅緒目掛けて投げつけた。 紅緒はそれを一刀の下に両断し、トロンベとの距離を詰める。 トロンベもそれに応じ、背中から一対のハグタンド・アーミーブレードを抜きつつ肉薄する。 一瞬の静寂の後に甲高い金属音が連鎖した。 熾烈、としか表現できない程の斬り合い。 一撃一撃を大胆に、しかし的確に繰り出す紅緒。 近接戦闘に特化した性質であるその斬撃は脅威的だった。 万能性を重視してあるトロンベは少しづつだが、確かに圧されていた。 「…破ッ!」 紅緒は為虎添翼を横に寝かせ、一息に突き出した。 トロンベは身体を半身にしながらそれを避ける。 避けながら紅緒と同様にハグタンド・アーミーブレードを突き出す。 両者の得物が一瞬錯綜し、火花を散らす。 両者は鍔迫り合いの体勢になった。 禍々しい餓鬼之面頬を付けた紅緒と黒く塗られた頭甲・咆皇をつけたトロンベの視線が見えない火花を散らせた。 「死ねぃ…!」 腹の底から滲み出るような、くぐもった低い声が髑髏の下から発せられる。 それと同時に為虎添翼に更なる力が込められる。 体格的に紅緒に劣るトロンベは圧され思わず膝を付いた。 「とどめだ…!」 ぐっと、更に力が込められる。 トロンベの持つハグタンド・アーミーブレードに細かな罅が入った。 しかし、その圧倒的に不利なその状況に置いて、トロンベは笑った。 「何が可笑しいッ!」 紅緒の怒号が飛ぶ。 それに怯む事無く、トロンベは余裕を含ませた口調で答えた。 「…何故私が接近戦に定評のある貴女とチャンバラをしたか解りますか?」 その口調は、まるで紅緒を嘲る様に発せられた。 「負け惜しみか…見苦しい」 表面上は冷静を取り繕ってはいるが、その声音からは怒りが滲み出ている。 「直ぐに解りますよ」 トロンベは口元を緩ませた。 まるで親しい友人に話しかけるような、温和な表情。 しかし、紅緒の怒りを爆発させるには充分だった。 「黙――――!?」 手に持つ為虎添翼に更なる力を込め、眼前の頭を叩き斬ろうとした、その瞬間。 紅緒の背中にアンクルブレード、デファンス、フォービドブレイド、破邪顕正、四つの得物が突き刺さっていた。 「な……ぜ……?」 表情を窺い知る事は出来ないが、恐らく理解不能という表情である事は容易に理解出来た。 崩れ落ちる紅緒を尻目に、トロンベは両手に持ったハグタンド・アーミーブレードを背中に仕舞った。 「ぷちマスィーンズ、便利でしょう?」 トロンベの周囲には5体のぷちマスィーンズがくるくると飛び回っている。 その内4体は何の装備もしていないが、1体だけ下部に蓬莱・壱式を取り付けている。 「まあ、そういう訳です」 蓬莱・壱式をぷちマスィーンズから受け取り、右手に装着するトロンベ。 「恨まないで下さいね」 トロンベの言葉はマズルフラッシュに掻き消された。 何もない空間に『YOU WIN』の文字が躍る。 紅緒だったモノは既にデータの塵へと還元され、やがてはログアウトするだろう。 「トロンベ、お疲れ様!」 ご丁寧にもヴン、という音と共にアリカの顔が映し出された。 「いや~まるで漫画の主人公ね。斃れ逝く宿敵に対し、トリックを説明する!」 腕を組み、うんうん頷きながら嬉しそうに喋るアリカ。 「……そ、そんな」 先程とは打って変わり、俯きながら恥ずかしそうにぼそぼそ喋るトロンベ。 バトル中の凛々しさは何処へ言ったか、その顔は真っ赤だ。 「照れちゃって~! このこのぉ~」 「……うぅ」 何というか、賑やかなやり取りをする二人である。 「それじゃあ、ぼちぼちログアウトするね」 子犬弄りの気が済んだのか、アリカの調子が何時ものモノに戻った。 「はい、了解です」 トロンベもそれに釣られて何時もの調子に戻る。 画面の向こう側でコンソールを操作し、ログアウトの手続きを取るアリカ。 「ん?」 その作業はサブディスプレイに浮かぶ『challenger!』の文字で中断させられた。 「どうかしましたか、ご主人様?」 「うん、オンラインでの挑戦者みたい。相手は…紅緒だけど、どうする?」 挑戦者、という単語にトロンベの目が光る。 「って聞くまでもないか」 アリカは笑いながらバトル受諾の手続きを取る。 「トロンベ、相手は同じ紅緒だけど油断しないように」 「了解です!」 トロンベが応えた。 それと同時にバトルフィールドがランダムに選択しなおされた。 「……少し気になる事があるから、慎重に」 アリカは普段出さないような指令を与えた。 その視線は挑戦者のデータを示すサブディスプレイに刺さっている。 「……で、負けたのか」 「だってー、あの紅緒こっちの攻撃効かないくせにあっちの攻撃はバンバン当たるんですよ!?」 研究室に来るなり愚痴を溢しに来たアリカに対応していた恵太郎は気の無い相槌を打っていた。 「トリスと同じ様なシステム積んでんじゃないのか」 「それにしては、何ていうか、ちょっとおかしいんですよ」 「おかしいって何が」 「オーナーが表示されなかったんですよ」 「オーナーが?」 今までやる気無く話を聞いていた恵太郎が顔を上げた。 神姫というのは周知の通り、オーナーが居なくては起動も出来ない代物だ。 仮に、起動後捨てられた神姫がバトルをしていたとしても、オーナー登録は抹消されない。 「…孝也、何か知らないか?」 「そんな話聞いた事無いなぁ」 「そうか…」 黙って天井を見つめる恵太郎。 しかし、それは一瞬だった。 「アリカ、それどこのセンターだ?」 「となり町のセカンドセンターです!」 「出てこねーじゃねーか」 恵太郎はセンターに備え付けられたベンチに座って不満を隠そうともせず言った。 「おっかしいですね…」 アリカは頭をぽりぽり掻きながら困った様な顔をしている。 「あの時はバトルが終った直ぐ後に現れたんですけど」 まるで首を捻りながら頭の上に疑問詞を表示するようにアリカは考え込んでいる。 「ご主人様、あの時は紅緒とのバトル直後でした」 トロンベがアリカの肩の上から言った。 「そっか…そうよね!」 ポン、と手を叩き目を輝かせるアリカ。 「……これで出てこなかったら帰るからな」 恵太郎はもの鬱げだ。 オンライン込みで紅緒オーナーを探し当てるのは容易だった。 情報化社会の恩恵に感謝しつつ、ナルは紅緒を軽く打ち倒した。 相手はセカンド上がりたてだった様で、難なく勝利する事が出来たが、恵太郎の良心が少しだけ痛んだとか。 「さて、これで条件は全て満たした訳だが」 誰に言う訳でもなく、恵太郎は呟いた。 「…師匠!」 アリカに言われるまでも無く、恵太郎はそれを見た。 サブディスプレイに挑戦者を告げる『challenger!』の文字。 それに伴い映し出される紅緒の姿。 そして。 「オーナーは不在、と……」 アリカの言うとおりだった。 「ナル、準備は良いか?」 やや緊張した口調で恵太郎は言った。 「…OKです」 それを聞いた恵太郎はコンソールを叩き、バトル受諾の手続きを取る。 「バトル開始と共にセンサー類を稼動させて本体の位置を探索。 本体が居た場合はそれに向かえ。それ以外は随時指示を出す」 手短に作戦を与え、バトル開始を待つ恵太郎。 「了解しました」 ナルの周囲の空間が一瞬で異なるフィールドに変化した。 バトルフィールド『戦場』 空は暗雲が覆い、時折雷鳴が鳴り響く。 見渡す限りの荒野には折れた刀や槍などの武器や打ち壊された小屋の様なモノがごろごろしている。 戦場と言うよりは戦場跡、だ。 そして、そのフィールドに最も似合うのは紅緒だった。 鮮明な赤い鎧。 腰に差した太刀と脇差。 手に持った薙刀。 そして、髑髏の面。 TPOを弁えた、正しい出で立ちだ。 それに大してナルの武装は一応ドレスを模して作られている。 スカートの様な腰アーマー。 リボンの様な背部ブースター。 物々しくてそうは見えないが、見ようと思えばドレスに見れなくも無いそれを纏っているナルはこのフィールドには不釣合いだ。 しかし、それを気にする風でもなく、ナルは頭部ホーンセンサーを稼動させた。 「…反応は目の前の紅緒一機のみです」 短く、小声で恵太郎に報告するナル。 その表情からは如何なる感情も窺い知る事は出来ない。 「接近は避けて銃鋼主体で行こう。くれぐれも警戒を怠らずに」 「了解です」 短い作戦会議の後、バトルのカウントダウンが始まった。 紅緒は微動だもせず、ナルを見据えている。 その表情は髑髏の面のせいか、それとも他の要因の性か窺い知る事は出来ない。 『START!』 バトル開始を告げる文字が仮想現実空間に躍る。 「…で、先輩も負けて、おめおめと逃げ帰ってきたという訳ですか」 研究室に帰ってくるなり愚痴を溢した恵太郎に向かって、茜はその顔も見ずに言った。 「だから言ってんだろーが。アレは迷彩とか分身とかチャチなもんじゃねーって!」 「…私も、正直信じられません」 珍しく喚きたてる恵太郎と同じく、ナルもその表情を曇らせプルプルと震えている。 「あの紅緒、本当にこっちの攻撃が当たらない上、あっちの攻撃は普通に食らう。やっぱチートMMSなんじゃねーか?」 明らかに不機嫌そうな顔で捲くし立てる恵太郎。 「チートMMSは無いと思うんだけどなぁ」 孝也は恵太郎の考えをやんわりと否定した。 「何でだよ」 ずい、と孝也に迫る恵太郎。 「公式のバトルマシーンにチートMMSなんかでログインすればものの数秒でアカウント消去されちゃいますよ」 冷や汗を垂らし愛想笑いをする孝也に代わり、茜が答えた。 しかし、その視線は眼前のPCに注がれている。 「じゃあ、一体あれは何なんでしょうね、師匠」 「知るか」 恵太郎は椅子で踏ん反りかえっている。 「ところで」 茜の声が研究室に響いた。 「ネットでもその噂で持ち切りですよ」 そういってキーボードをカタカタと叩いた。 次の瞬間、研究室の明りが落ち、真っ白い壁に茜が見ている画面と同様のモノが映し出された。 「何、これ?」 アリカがキョトンとしながら言った。 「世界最大の電子掲示板『2.5ちゃんねる』」 茜はそう言いながらマウスを動かした。 「これは2.5ちゃんねるの武装神姫スレッド。ここを見てください」 茜がある一部分をドラッグした。 404 :ぼくらはトイ名無しキッズ:2036/02/09(土) 22 33 05 武士子の亡霊って知ってるか? 405 :ぼくらはトイ名無しキッズ:2036/02/09(土) 22 34 23 404 バトルで武士子倒すと出てくるってヤツか どうせ都市伝説だろwww 406 :ぼくらはトイ名無しキッズ:2036/02/09(土) 22 36 01 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 『バトルで乱入してきた武士子に 全く攻撃が効かなかった』 催眠術だとか超スピードだとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… 407 :ぼくらはトイ名無しキッズ:2036/02/09(土) 22 38 49 406 マジ? 詳細キボン 406 :ぼくらはトイ名無しキッズ:2036/02/09(土) 22 40 30 407 406じゃないが、俺も会ったぜ フル装備型の紅緒で、バトル後に乱入してくる その時サブディスプレイに情報出るじゃん? そこにオーナー不在って出てるから一発でわかるぜ 「これはほんの一部ですが、ほぼ全てのセンターで同じ現象が確認されています。おまけに、それら全てが同一IDで」 研究室の明りが元に戻る。 「……どう言う事だ、一体」 苦虫を噛み潰したような表情で恵太郎は呟いた。 「まさに、亡霊。といったところで御座るな」 今まで何処に居たのか、トリスが恵太郎の頭上に突如として現れた。 「IDを持っているという時点で公式の神姫という事は間違い御座らん。しかし、それがまるで亡霊のように攻撃を擦り抜けるカラクリは皆目見当もつかないで御座る」 トリスの言葉に皆は考え込む様に黙り込む。 「……もう一度行ってみよう」 何か思いついたように言った孝也に、皆の視線が集まる。 「何か考えがあんの?」 アリカが訝しげな声で疑問を口にする。 「一つだけ、思い当たる節があるんだ」 しかし、孝也はニコニコと笑うだけだ。 紅緒の亡霊に遭遇するのはアリカは三回目、恵太郎は二回目だ。 「現れましたね、亡霊さん」 仮想空間の中で対峙するナル、そしてトロンベもそれは同様だ。 薄暗い戦場の中に佇む紅緒のその姿はまさに亡霊だ。 静かに、しかし激しく睨みあう三人。 先に動いたのは紅緒だった。 破邪顕正を両手に構え、動いた。 カチャカチャという鎧と鎧が擦れ合う音と共にナルとトロンベへとゆっくりと迫る。 「行きますよ、トロンベ」 「はいッ!」 しかも、紅緒は飛び道具の類は一切装備していない。 ナルの銃鋼とトロンベのアルヴォ PDW9とSTR6ミニガンが火を拭いた。 爆音とマズルフラッシュの嵐がバトルフィールドを文字通り戦場へと化した。 普通の神姫であらば欠片一つ残らなさそうな弾幕。 しかし、紅緒の身体にそれは一つとして当たらない。 否。 確かにそれは当たっている。 ただ、その全てが紅緒の身体をすり抜けているのだ。 「やはり効きませんか……」 銃鋼を稼動させつつナルは呟いた。 「どうしますか?」 トロンベもアルヴォ PDW9とSTR6ミニガンで弾幕を作りながら口を開く。 その間にも紅緒は一歩一歩距離を詰めてくる。 「ナル、トロンベ、接近戦を仕掛けてくれ」 このままでは埒が明かない、そう判断したのか恵太郎が口を開いた。 「トロンベ、そう言う事だから頑張って!」 アリカも良く分からない応援を送っている。 「そういうことです。私はサポートに回ります」 ナルが銃鋼を下ろし、刃鋼で試す様に空を斬った。 「了解です!」 トロンベはアルヴォ PDW9とSTR6ミニガンを投げ捨て、背中のハグタンド・アーミーブレードを抜き、駆けた。 歩み寄る紅緒は一瞬動きを止め、そして駆けた。 紅緒は地面を削りながら止まり、駆けた勢いを破邪顕正に乗せて鋭く突いた。 左手のハグタンド・アーミーブレードで軌道を逸らし、一気に接近するトロンベ。 ここぞとばかりに右手のハグタンド・アーミーブレードで紅緒の腹部目掛けて突き出した。 紅緒の腹に何の抵抗も無く滑り込むハグタンド・アーミーブレード。 「…不気味ですね」 そう呟きながら、バックステップで紅緒から離れるトロンベ。 紅緒に損傷は無い。 無言で再び距離を詰めようとする紅緒。 が、その瞬間紅緒の胴体を刃鋼が両断した。 「…本当に不気味ですね」 しかし、紅緒は何事も無かったように距離を詰めてくる。 ナルは内心、軽く舌打しながら駆けた。 紅緒の破邪顕正の射程外ギリギリの所まで駆け寄り、そして止まる。 その勢いを殺さずに刃鋼に乗せて振り回す。 時折地面を削りながら紅緒の身体を何度も切り裂く刃鋼。 トロンベは小回りの良さを活かし、刃鋼の斬撃の隙間を掻い潜りつつ紅緒に攻撃を加える。 しかし、紅緒はそれを意に介す様子は無い。 紅緒は両手に構えた破邪顕正をゆったりとした動作で構え、力を込めるように静止した。 「…このっ!」 一向に有効打が与えられないこの情況に痺れを切らしたトロンベの攻撃が大振りになった。 それを見計らった様な空気ごと貫くような鋭い突きがトロンベ目掛けて繰り出される。 トロンベの首筋を正確に狙い澄ました一撃。 思わずトロンベが目を瞑る。 甲高い金属音と空気を裂く音。 「らしくないですね、トロンベ」 しかし、刃がトロンベの喉を突き破る事は無かった。 トロンベが目を開けると、破邪顕正に纏わり付いた刃鋼が切っ先を捻り折るその瞬間が飛び込んできた。 「…武器は壊せるようですね」 ナルが間合いを離しつつ呟いた。 トロンベも大きく跳び退りつつ口を開く。 「武器だけは攻撃が効く?」 「恐らく武器も彼女の身体と同じでしょう。ただ、攻撃しようと思えば実体を持つ、そんなところでしょう」 紅緒は切っ先の折れた破邪顕正を投げ捨て、腰の為虎天翼と怨徹骨髄を抜いた。 「時間稼ぎはどうにか出来そうですね」 トロンベが小さく笑った。 「その前にやられないよう注意してくださいね」 ナルは少し皮肉っぽく言った。 「まだかよ孝也!?」 恵太郎は苛立ちを隠そうともしないで怒鳴った。 「あと少し……あと少しなんだ」 孝也は恵太郎の顔見ずに膝の上に置いたノートPCを弄っている。 「糞、そうそう長く持たねぇぞ!」 恵太郎は眼前のディスプレイを睨んだ。 そのバトルは一見、ひどく味気無いものだった。 ナルとトロンベは余り踏み込まずに牽制より少し強い程度の攻撃を繰り返し、紅緒はただゆったりと両者に歩み寄り、静かに一撃を加える。 一進一退の攻防というよりは膠着状態といった方が正しいだろう。 フィールドに充満するのは鋼と鋼が打ち合う甲高い音ではなく、虚しく空を切る間の抜けた音だった。 しかし、その攻防は少しずつではあるが、確実にナルとトロンベの集中力と体力を奪っていた。 紅緒はまるで亡霊の様に攻撃が透き通ってしまう。 それなのに紅緒の攻撃はナルとトロンベにしっかりと当たる。 ナルとトロンベに今のところ目だった外傷は無いが、それでもそう長くは持たないことは明白だった。 「…得物の方は持ちそうですか?」 やや憔悴した面持ちでナルは言った。 そのボディは所々に擦り傷が目立つ。 「まだ二本残っています」 いつも使っているハグタンド・アーミーブレードではなく、ポラーシュテルン・FATEシールドに取り付けてある四つのフルストゥ・グフロートゥの内、二本を両手に持ちながらトロンベは答えた。 トロンベもナル同様、全身の装甲に細かな切り傷が見える。 まさに満身創痍、といった様子である二人に対して紅緒の身体には傷一つ見えない。 もっとも、両手に持つ為虎天翼と怨徹骨髄には刃毀れが目立つ。 「さて、もう一働きしますか」 静かにそう呟くと、ナルは動いた。 大地を踏み締めて紅緒に向かい一直線に駆けた。 その速度は恐るべきもので、ものの一瞬で紅緒との距離を0にした。 「…破ッ」 小さく息を吐き出しながら刃鋼を振るう。 鞭の様に柔軟に紅緒に襲い掛かるそれは、彼女を確かに捕らえた。 顔面を、腹を、腕を、脚を。 何度も何度も捕らえたが、その全てが彼女の身体をすり抜けてしまう。 それでもナルは攻撃を止めない。 背部に搭載された第三腕・鉤鋼で紅緒の身体を鷲掴みにしようと伸ばす。 しかし、紅緒の身体はまるで水が指の隙間から飛び出るように擦り抜けた。 まるで何事も無かったかのようにゆったりとした動作で歩を進める紅緒。 それに薄ら寒いものを感じつつもナルは左足を振り上げた。 かなりの質量を持つGA2“サバーカ”レッグパーツの一撃は、本来ならば神姫の身体を容易く粉砕出来る。 しかし、この紅緒に対してはそれすらも何の効果もなさない。 ナルはニヤリ、と紅緒が笑ったような錯覚を覚えた。 次の瞬間、ナルは考えるよりも先に大きく横に跳んでいた。 「大丈夫ですか、ナルさん!?」 紅緒に接近しながらトロンベが叫んだ。 「…問題無い、と言いたい所ですね」 ナルは刃鋼を杖のようにして身体を支えながら憎憎しげに呟いた。 その視線の先には自身の左足だった部分に向けられている。 ナルの左腿から先は、何も無い。 ただ空虚な空間が広がっているだけだ。 「トリス、私はもう持ちませんよ」 明後日の方向に向かいナルは口を開いた。 「心配御座らん。お膳立ては丁度終ったところで御座る」 何も無かった筈の空間から、ノイズと共にナ・アシブを纏ったトリスが現れた。 「良し、準備出来たよ、けーくん!」 孝也が顔を上げて言った。 「ならとっととやれ!」 恵太郎は怒鳴った。 「OK!」 孝也はノートPCに視線を移し、キーボードの上で指を躍らせた。 カタカタという音と共に、ノートPCの真っ暗な画面に大量の白い文字や記号が流れ出す。 「トリス、準備は良いかい?」 張り上げるような声で孝也は言った。 「何時でも大丈夫で御座るよ!」 トリスも負けじと声を張り上げる。 それを聞いた孝也は二コリと笑い、タイピングの速度を上げた。 「ナルちゃん、トロンベちゃんは紅緒の動きを止めて!」 その声はバーチャル空間にいるナルとトロンベにもしっかりと聞こえた。 鉤鋼を左足代わりに立ち上がったナルは溜息を吐きながら言った。 「人使い…いえ、神姫使いが荒いですね」 紅緒と刃を交えながらトロンベは言った。 「キツイのならそこで休憩していても良いんですよ!」 「ふふ、言うようになりましたね」 ナルは軽く笑うと駆け出した。 その背後では三つ折のアルゴス・ランチャーを展開させた。 トリスの身の丈を遥かに凌ぐそれをナ・アシブの大きな腕で構える。 「…ふぅ」 小さく息を吸い、意識を集中させる。 見ることは出来ないナノマシンの大群が、アルゴス・ランチャーの先端に集まる。 それは複雑に絡み合い、混じり合い、一つの法則に従い形を変える。 ナノマシンは凄まじい密度で集結し、一つのプログラムへと昇華する。 それは、仮想現実を構成する1と0との信号を強引に書き換える形へと変貌した。 やがて、それはアルゴス・ランチャーの先端で実体化した。 神姫の握りこぶし程度の大きさしかない、塊。 黒く光るそれは声ならぬ声で唸りを上げた。 「むぅ…これほどとは」 トリスが思わず声を上げた。 その頬には冷や汗が垂れている。 小刻みに震えるアルゴス・ランチャーをしっかりと抱えなおし、深く深呼吸するトリス。 「……ナル殿、トロンベ殿! 今すぐ其処から逃げるで御座る!」 そして、力の限り叫んだ。 声と共に一瞬で大きく跳び退るナルとトロンベ。 トリスはそれを確認すると、アルゴス・ランチャーの引鉄を引いた。 「……くぅ!」 アルゴス・ランチャーの先端から黒い塊が紅緒目掛けて跳んだ。 それと同時に、凄まじい衝撃がトリスを襲った。 トリスは全身に力を込め、歯を食いしばり耐えた。 黒い塊は避ける間もないほどの一瞬で紅緒に到達した。 今までどおり、自身の身体を透過すると考えていた紅緒から初めて声が漏れた。 「……gaaaaaaaaaa!!」 それは神姫の声ではなく、もっと機械的で酷く音割れした声だった。 黒い塊は瞬時に膨張し、紅緒の周囲を取り囲んだ。 半径2smはあろうかという真っ黒い球状のそれの表面には白く発光する文字列が幾重にも浮かび回っている。 それは急速に集束して、元の小さな黒い塊に戻っていく。 その過程で、大きな球が占めていた空間には何も残っていなかった。 場所を切り取ったとしか言い用が無い真っ白い空間。 その中に、小さな黒い塊は浮いていた。 「展開!」 トリスはアルゴス・ランチャーを傍らに突き立てて両手を突き出した。 ナ・アシブの巨大な両腕がそれに追従し、同じく前方に突き出される。 次の瞬間、ナ・アシブの腕を中心に黒い花びらが咲いた。 そして、それに吸い込まれるように黒い塊が時間を巻き戻すようにトリスの元へと迫った。 「……ッ!」 それがナ・アシブの腕と触れた瞬間、周囲に凄まじい衝撃が奔った。 それは空気を媒介に伝わるものではなく、プログラムを媒介に伝わる衝撃だった。 激しいノイズの中、黒い塊から細長い糸のようなものが溶け出し、黒い花びらに吸い込まれていく。 やがて、黒い塊の全てが黒い花びらに吸い込まれた。 「収納!」 そう言いながらトリスは両腕を胸の前で突き合わせた。 それと同時に、腕の周りに展開していた黒い花びらは消えた。 「……やった、んですか?」 未だ残るノイズのなか、トロンベが呟いた。 「…さあ、どうでしょう」 ナルは地面にへたり込んでいる。 肝心のトリスはというと、苦しそうな表情で目の前を睨むだけだ。 「けーくん、アリカちゃん、ログアウト急いで!」 先程とは打って変わって緊迫した表情で孝也が叫んだ。 『へ?』 恵太郎とアリカは揃って間抜けな声を出した。 「あれ見て、あれ!」 そういって孝也はバトルマシーンを統括するメインサーバーの方を指した。 一個ウン百万するサーバーがプスプスと黒い煙を吐き出していた。 「結論から言います。あの紅緒は正真正銘の亡霊です」 研究室の一角に備え付けられている巨大な機械の前。 そこで茜が一同を見回しながら言った。 「どういうこと?」 アリカは理解しきれていないようで、困惑の表情を見せる。 しかし、それは隣に居る恵太郎やナル・トロンベも同じ様だ。 「ま、順を追って説明しましょう」 茜は機械の前で何やら作業を始めた。 それを見計らって、孝也が一歩前に出た。 「それじゃあ、センターでトリスが何をしたか説明するね」 「手短にな」 恵太郎の言葉に苦笑しつつ、孝也は続けた。 「トリスの武装にナノマシンが応用されてるのは知ってるよね? ナノマシンというのはリアルでは超微小機械として動く。そして、それを一箇所に集中させて光を操作する。 けど、バーチャルでは実際に光は無いし、ナノマシンを放出する訳ではないんだ。その代わり、バーチャルではナノマシン・プログラムを散布する。 リアルでのナノマシンは光を屈折させる。それは光、という実際にある物理現象一つを変化させるだけ。 けど、バーチャルでの光というのはプログラムの一端でしかない訳で、それを操作するにはプログラムを操作する必要がある」 「…つまり、どう言う事?」 アリカの質問に、孝也は小さく頷き続けた。 「簡単に言えば、ハッキング能力があるって事かな」 「ハッキング……データ操作か」 恵太郎が思いついた様に呟いた。 「けど、ナノマシン・プログラムのデータ要領はそんなに多くない。精々フィールドの画像を操作するのが関の山なんだけど……塵も積もれば山となる、って言葉がある」 「もっと解りやすく説明しなさいよ!」 アリカがブーイングをするが、孝也は困ったように笑うだけだ。 「…思いっきり掻い摘んで言うと、ナノマシン・プログラムを一箇所に高密度で集束させると、それなりに高位のハッキングが可能になるんだ。例えると、小さなコップをたくさん集めて大量の水を汲み上げるようなイメージかな」 孝也の説明にそれなりに納得したのか、アリカは少し大人しくなった。 「通常、ナノマシン・プログラムは視覚出来ない。純粋に要領が低くて神姫のAIに引っ掛からないんだ。 けど、高密度に集束した場合、視覚出来るケースがある。」 「それが、アレか」 恵太郎は低く呟いた。 「そう、あの真っ黒い球体。あれがナノマシン・プログラムの集合体。あれくらいになると神姫数体くらいのデータならを吸収出来る」 孝也はニヤリと笑った。 「じゃあ、あれは紅緒を捕まえた…?」 バトルの光景を思い出しながらアリカが言った。 「対象のデータを強制的に圧縮させ、ナノマシン・プログラム内に保存する。 ”データドレイン”、僕の研究している技術の集大成だよ。」 「へぇ、完成してたのか」 恵太郎は驚いたように言った。 しかし、孝也は肩を竦めた。 「まだ実用には程遠いね……現に、トリスに負荷が大きすぎて一回使えば軽いフリーズを起こしちゃう」 そういって、茜が作業している機械を見た。 それは特殊なクレイドルで、外からは見えないが中にはトリスが眠っている。 ナルやトロンベはそれを心配そうに見上げている。 「…とにかく、紅緒のデータを確保する事は出来たんだ。後は茜ちゃんの解析待ちさ」 孝也は椅子に腰掛けた。 代わりに茜が恵太郎達の前に進み出た。 「では、私の方からも説明しますね」 手に持ったレポートを見ながら言った。 「まずは神姫のAIについて説明します。 神姫のAIというのはご存知の通り、人間と同等の精神活動を可能にするほど高性能です。 人間の精神、というのは人類が探求する永遠のテーマの一つです。そして、それは未だに解明されてません。 そこで問題です。解明出来ていない人間の心理、それをどうやって神姫に搭載したか?」 悪戯っぽい笑みが茜の口から漏れた。 「…師匠、知ってます?」 「聞いた事はあるな」 アリカは頼るように恵太郎に聞くが、恵太郎はそれを言う気は無いようだ。 「降参?」 茜が楽しそうに言った。 「待て!ちょっと待ちなさい……」 そういうと、アリカは腕を組み虚空を睨んだ。 頭をフル回転させているのは明白だった。 「……人の魂をコピーした!」 数分間考えに考え抜いたアリカは大きな声で言った。 「ん~、まあ正解って所かしら」 茜は心底楽しそうだ。 「人間の脳というのは、大雑把に言えばコンピューターを大差ありません。コンピューターと脳の器官を合わせ見ると解ります。 それはともかく、一番大事なのは、人間の脳から身体に命令を出すのは電気信号。コンピューターが使うのも、電気信号です。 AIの研究者達は、人間の脳を丸々プログラムに置き換えた。もっとも噂話の域を出ませんが」 噂話、と言うが茜の表情はそうは言っていない。 「まあ、これでAIの基盤は完成したわけです。これを元に神姫のAIは完成したのです。一点の問題を残して」 「問題?」 アリカが首を捻った。 「先にも言った様に、AIは人の脳を丸々コピーしました。 さて、ここで問題です。人間は自身の事を知り尽くしているかどうか?」 アリカはまたも押し黙った。 しかし、今回はそれを聞く気は無さそうだ。 「答えは、Noです。人間は自身の脳の事を半分も理解していません」 茜は自分のこめかみを指先で叩きながら言った。 「当然、AIにはその理解出来ていない部分も多く含まれます。現に神姫のAIにも含まれているでしょう」 「そんなの取っちゃえば良いのに」 アリカがさも当然といわんばかりに言った。 「そうね、当時の研究者達もそう考えたでしょうね。そして、多分実践した。結果は失敗だったでしょうけど」 茜は少し冷めた口調で言った。 「何で?」 「…原因不明のバグが多発したの。これはよく知られてる事だけど、神姫のAIにも人間と同じ内蔵器官を司るプログラムは存在しているの。神姫には内蔵が無いのにも関わらず。」 頭上に?マークを浮かべるアリカに恵太郎が説明した。 「内蔵器官のプログラムが無いAIにも原因不明のバグが多発した。結構有名だぞ」 「纏めると、神姫のAIにはブラックボックスが沢山あるって事です」 一通りの説明を終えた茜はレポートから視線を上げた。 「それとこれと、あの紅緒とどういう関係があるわけ?」 アリカの疑問はまだ解決していないようだ。 それはナルとトロンベも一緒の様だが。 「ねえ、アリカ。幽霊って信じる?」 突然方向性の違う話題にアリカは驚いた。 「何よ、いきなり…」 「私はね、幽霊っていると思うの。だって人間の精神は2036年になった今でも解明されてないのよ?その中に幽霊がいたって不思議じゃないわ」 茜は視線を宙に泳がせながら言った。 「それとこれとどういう関係が…」 そこまで言って、アリカははっとした。 「……まさか」 その様子に、茜は嬉しそうに微笑んだ。 「そう、そのまさかよ」 茜は身を翻し、巨大なクレイドルを操作した。 それと同時に研究室の明りが落ち、壁にあるものが映し出された。 「これは…」 恵太郎の口から言葉が漏れた。 そこにあるのは大量の画像だった。 ノイズが混じり、所々欠損しているデータの残骸だった。 見づらいことこの上ないが、辛うじてそれが文だという事は解る。 そして、それが罵倒の言葉だと言う事も。 「ひどい…」 アリカが拳を握り締めた。 「……MMS第三弾、紅緒をサイフォスが発売された当初のものです。 第一弾、第二弾とフェイスの出来が良かったのに比べ、第三弾のフェイス部分は粗悪な物でした。 とりたて、紅緒に対する風当たりは酷かった様ですね」 淡々とした口調で語る茜。 「サイフォスは近接武装の面でそれなりの人気はありました。しかし、紅緒は武装面でも余り人気が無かった。 その結果、大量の在庫の山と……全ての神姫オーナーが、という訳ではないですが一部の心無い物たちによって紅緒への虐待といった行為が頻発しました」 孝也が説明を代わった。 「その後、メーカーの方で交換作業があったらしいけど、後の祭りだね。表沙汰には成らなかったけどそれなりに問題になった…いや、今でも燻ってるね」 「じゃあ、あの紅緒の亡霊は……」 「そういうことで御座るよ」 アリカの言葉に応えたのはクレイドルの中から飛び出てきたトリスだった。 「あの紅緒の亡霊は、虐げられた紅緒の怨念がネットワークを介し集合した物で御座る」 心配そうに見つめるナルとトロンベに軽く微笑みながらトリスは言った。 「そんな事が起こり得るとはな…」 恵太郎は低く呟いた。 「あのデータを拙者なりに解析してみた結果で御座るが、攻撃をすり抜けるのはどうやらバグの一種で御座った。 ID自体のほうも他の紅緒のものをランダムに選択するものであった。 しかし…それ以外、AIなどは正常で御座る」 AIが正常、と言う事は即ち、心が残っているという意味だ。 皆はそれを理解している。 だからこそ、研究室の明りが元に戻った今でもその雰囲気は重苦しいままだ。 「…その紅緒」 恵太郎が重々しく口を開いた。 「その紅緒、どうするつもりだ?」 一瞬の沈黙の後、茜が口を開いた。 「AIだけ、という時点で選択肢はそう多くないです。ネットワークに解放すればまた同じ事態を引き起こすでしょうし、それに遅かれ速かれBMAに見つかって削除されると思います…」 「素体に移し変える、ってのは?」 アリカが神妙な面持ちで言った。 「無理よ。あの紅緒のAIの要領は普通の神姫の比べて3倍近いわ。移し変えた所で素体が持たない」 「そんな…」 嫌な雰囲気が皆を包んだ。 「僕に考えがある」 孝也がその場にそぐわない陽気な声で言った。 ガッチャガッチャと研究室のテーブルの上を走り回る機影が一つ。 「待つで御座る!」 それをトリスがピョンピョン跳ねながら追いかける。 「…gigigigi」 それ―――ナ・アシブは機械的な音声を上げて逃げ回る。 まるで小さな子供が逃げ回るように、楽しそうに。 しかし、強化骨格であるナ・アシブが走り回る様は内蔵が挿げ落ちた骨格標本のようである。 つまりはシュールな光景なのだ。 「おのれ…こうなったら、ニトクリス強制発動!」 左腕を胸の前に構えたトリスが叫んだ。 それと同時に、ナ・アシブの動きが止まり、その身体から霧のようなものが染み出してきた。 「ニトクリス、何度言ったら解るで御座るか!」 それはやがて人の形になった。 慎重15cm程度。 鮮明な赤い鎧。 腰に差した太刀と脇差。 背中に括りつけた薙刀。 そして、髑髏の面。 「勝手にナ・アシブを動かすなと…て、コラ!」 やや半透明な紅緒はトリスの事などほったらかしで走り去った。 「待つで御座る、ニトクリス!」 それをやや離れてみていた恵太郎がげんなりと呟いた。 「…ナノマシンってあんなことも出来るのか」 「いや~元気になって良かったよ」 孝也はにこにこしながらそれを見守っている。 紅緒の亡霊と言われた彼女は、今ナ・アシブの中に居る。 神姫の素体に入りきらないならば、ナ・アシブの中に入れてしまえば良いと孝也は言い、そして実践した。 今の彼女の名はニトクリス。 彼女は実態を持たないが、ナノマシンを用いて身体を作る事は出来る。 ものに触る事は出来ないが、ナ・アシブで走ることは出来る。 「…また賑やかになるな」 恵太郎の視線の先には追いかけっこをするトリスとニトクリスの姿があった。 先頭ページへ 次へ
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abnormal_eyebrow increasing_eyebrow presents 僕は普通のまゆ毛が好きです。 がリニューアルしました。 まぁ、以前のログをこちらに移しただけですが。。 昔はこんなのを面白いと思っていたんだな・・・。 とりあえず、初めての方は概説をお読みください。 このホームページで公開されている物語はすべてフィクションです。 実在する人物・団体などとは関係ありません。
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鈴木 ~One of the most popular names in Japan~ 日本という国に住んでいれば誰でも必ず、鈴木という名字を持つ人間に出会ったことがあるだろう。あなたが今までに出会った数々の鈴木さんを思い浮かべながら読んでほしい。 私が初めて出会った鈴木さんのあだ名は「ゾンビくん」だった。彼の隣で授業を受けていた時、どこからともなく異臭が漂ってきたことがあった。私は彼のおならではないかと疑い彼に尋ねた。「屁こいた?」彼は首を振って否定した。しかしそれがどうも信じられない。僕は彼にもう一度尋ねた。「命賭ける?」彼は自分の屁を認めた。「重い・・・。」屁一発に命の重さを知った9歳の冬。 以下、私の鈴木暦を簡潔にまとめます。 2番目の鈴木は拉致された。 3番目の鈴木は鱸。 4番目の鈴木は麗子先生の下着姿を見て鼻血を30分流した。 5番目の鈴木は大金持ちのボンボンで、麗子先生に貢いでいた。 6番目の鈴木は4番目の鈴木と結婚した麗子先生(旧姓 富田) 7番目の鈴木は5番目の鈴木と6番目の鈴木の間にできた息子。 8番目の鈴木がもしいなければ私は夢をあきらめていた。 9番目の鈴木を抱いた13番目の鈴木のあだ名は「電解液」 そして私が最も最後に出会った鈴木こそが私の父だ。 父が鈴木だと気づいたのは高2の秋。父が写真の現像を注文していたのを横目で見ていた私は衝撃の事実を知ったのだ。なんと父は「お客様名」の欄に何のためらいもなく「鈴木」と記入しているではないか!!驚きの表情を見せていた私に気づいた父は必死に弁明する。「輪廻解脱の途はたった一度の鈴木。」もう全く意味がわからない。その帰り道、途方にくれていた私に対して父は「現世に生まれしすべての鈴木の根源は森羅万象」と全く意味のわからないことを再び言った。 でも、僕、父さんの言おうとしていた意味がやっとわかったよ。父さんはイケナイ写真を撮っていたんだね。僕と同じ歳ぐらいの女の子の生まれたままの姿を写真におさめていたんだね。そりゃあ誰だって偽名を使うよ。だって、お父さん有名人だもん。輪廻という常識の範囲内での欲求は満たされなかったんだね。森羅万象という鏡を使ってイケナイものを見ていたんだね。 何を隠そう、私の父は早稲田大学大学院元教授植草K秀だ。 私は一生父を恨みます。
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出演回 プロフィール 誕生日:1979/09/10 出身地:京都府 サイズ:B79W59H86(時期不明)/B86W60H87(1998) AV女優 グラビアアイドル リンク https //ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%BF 名前 コメント
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前へ 先頭ページへ 空を仰げば透き通るような青が広がっている。 バーチャルだとは分かっていてもついつい見惚れてしまう程に、キレイな空だ。 これで弁当の一つでもあればピクニック気分が満喫できる。 そうでなくとも良い天気というのは心を躍らせるものだ。 まあ、一つ気になる事といえば、今がバトルの真っ最中と言う事か。 「トリス……空を見るのも良いけど、バトルに集中してよ?」 「無論で御座るよ、主殿」 すぐ近くにいる対戦相手であるサイフォスには目もくれず、トリスは空を仰いでいる。 「しかし、今回ばかりは楽勝で御座るよ」 そう言いながら、視線をサイフォスに移す。 彼女はトリスが目と鼻の先に居るにも関わらず、周囲を警戒している。 まるでトリスが見えていないようだ。 実際、サイフォスにはトリスの姿は見えていない。 「奴の装備ではニトクリスを見破るまでにまだまだ余裕が御座ろう」 「そうだけどさ……」 トリスの用いる主武装の一つ、『システム・ニトクリス』 周囲に全長1マイクロミリメートル以下の超小型機械『ナノマシン』を散布し、 対象神姫の電子回路内部に侵入させ、ハッキングを施して感覚を狂わせるシステムである。 サイフォスがすぐ近くにいるトリスを見つけられないのは、このシステムを用いているからに他ならない。 このシステムのメリットは、神姫自体の感覚を狂わせる点にある。 ニトクリスにハッキングされた神姫は、トリスの思うが侭の幻覚を見る。 「ッ…そこか!」 現に、サイフォスはトリスがいる所とは全く別の空間に斬りかかっている。 サイフォスの中ではそこにトリスがいるのだ。 「……こんな悪趣味なシステム作るんじゃなかった」 「何を言うか主殿、これ程面白い機構は他に御座らんではないか!」 ニトクリスが狂わせる感覚は五感全てに及ぶ。 サイフォスの視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の全ては今、トリスの手の平の上にある。 が、このシステムも万能ではない。 「そうか……ハッキング系の武装か!?」 神姫は高度なAIを所有する。 それは人間と同等の精神活動をもたらすものであると同時に、超ハイレベルなCPUでもあるのだ。 よって、ハッキングに対する自己修復システムも標準的に持ち合わせているのだ。 「ふむ……存外、回復が早いで御座るな」 「そんな悠長に構えてないで、ナ・アシブを装着してよ!」 トリスが使うナノマシンには三つの能力がある。 一つ目はニトクリスに用いるハッキング能力。 二つ目は、光の屈折能力である。 簡単に言えば光学迷彩機能だ。 トリスの背後、何も無いはずの空間にノイズと共にそれは現れた。 それは無骨な腕と奇妙な背骨と獣の様な脚部を持った機械の鎧。 トリスの用いる主武装の一つ、強化外装『ナ・アシブ』 その中の、人体で表すならば肺や心臓などの内蔵がある場所にトリスは乗り込んだ。 「ふむ……異常無しで御座るな」 トリスは自身の右手首を動かした。 それを追従するように、ナ・アシブの大きな右手首が駆動する。 「おのれ、卑怯な真似をッ!」 ニトクリスのハッキングから復帰したサイフォスが本物のトリスを睨む。 「全くもって恐ろしくてたまらんで御座るな」 激昂しているにも関わらず、慎重に間合いを詰めてくるサイフォス。 それを飄飄とした様子で見物するトリス。 二人の間には温度差のある空気が充満していた。 「……拙者、喧嘩はそれほど得意では御座らん。よって、尻尾を巻いて隠れさせてもらうで御座る」 ナ・アシブはその巨体には不釣合いな程の速度で跳んだ。 「貴様、私を舐めているのか!」 怒声を頭の片隅に追いやりながら、トリスはフィールドを駆けた。 光学迷彩を起動しながら向かうのは、サイフォスからそう遠く無い物影だ。 「ふむ、ここら辺で良かろうか」 目的のポイントに到達したトリスは周囲をくるりと見回し、頷いた。 そして、背部に格納されていた三つ折のライフルを取り出した。 トリスの用いる武装の一つ『アルゴス・ランチャー』 全長2.3smの長大な超高出力レーザーライフルであるそれを右肩に担ぐように無造作に構えたトリスは、これまた無造作に引鉄を引いた。 大した反動も無く、レーザーは明後日の方向に飛んで、曲がった。 何度も何度も複雑に曲がり、障害物の合間を縫うようにサイフォスの元へと一瞬で迫った。 「なっ!?」 右肩を貫かれたサイフォスが驚きの声を上げる。 「ふむ。やはり多少の誤差はあるで御座るか」 トリスの用いるナノマシンの三つ目の能力。 それはレーザーの反射である。 ナノマシンの霧の中であれば、何処に隠れていても狙撃可能な千里眼。 トリスはナノマシンの誤差を修正しながら再び引鉄を引いた。 今度は大きく迂回するような軌道を取りながら、レーザーはサイフォスの眉間目掛けて飛来する。 しかしサイフォスは、それをコルヌを犠牲に防いだ。 「ほう。これは見事で御座るな」 サイフォスの後頭部から眉間にかけてレーザーが貫通したのは、トリスの呟きと同時だった。 「しかし、拙者の弾頭は幾らでも曲がるので御座るよ」 空を仰ぎながら、トリスは言った。 昼間だというのに人数疎らなバトルセンター。 何時もなら大勢の神姫オーナーの熱気が渦巻くこの場所が、まるで深夜のコンビニの様に鎮まり返っている。 まあ、それもその筈、今日は平日だ。 平日の真昼間からバトルセンターに入り浸れる人間というのはそう多くない。 神姫バトルセンターの職員か、ニートか、それともそれ以外か。 孝也とトリスの二人は、とりあえずはそれ以外の人間だった。 「主殿、レポートの残りは如何程で御座るか?」 「アルゴス・ランチャーのデータだけだから、あとオンラインで2・3回バトルすれば終るよ」 「それは残念。折角の機会、もう暫し神姫バトルを満喫してみたいで御座るのに」 「そうもいかないよ、レポートの提出今日までだもの……」 孝也は溜息をついた。 「ふむ。ならば明日にでも出直すとしようでは御座らんか」 「明日は普通に講義があるよ」 「ならば明後日でも」 「研究室の方でやることがあるんだよ」 「むむむ。ならば…」 「今度時間が空いたら、その時にしようよ」 「ふむ……まあ仕方なかろうか。主殿にも都合という物があるで御座るしな」 「ありがと、トリス」 孝也は軽く笑いながら言った。 「……さて、暫くは何を持って暇を潰そうかのぉ」 そう広くない僕の部屋。 実家が大学から遠いという理由で寮を使っている、僕の部屋。 家電類は初めから揃っていて、風呂トイレもちゃんとあるかなり住み心地の良い寮。 その部屋の中、床に座ってノートPCのキーボードを叩く。 僕はMMS環境心理学科に属している。 そこでは人と神姫とのコミュニケーションを通し、人間にどのような作用を及ぼすか。 みたいな事をメインにやっている。 その中で更に細かく分類があって、僕はバトルに介するものをやっている。 僕ら学生にはほぼ無償で最新の武装やPCなど様々な神姫用の備品と、ある一定の指向性を持った装備が与えられる。 けーくんとナルちゃんにはバランスの取れた装備が与えられた。 裕也先輩と蒼蓮華ちゃんには近接特化の装備が与えられた。 裕子先輩とアル・ヴァルには空中戦に特化した装備が与えられた。 全員が何らかの指向性を持った装備を与えられ、それのデータの報告する。 それが僕らの仕事。 今、僕がノートPCに打ち込んでいるのもそのレポート。 トリスの三つの武装。 「システム・ニトクリス」「ナ・アシブ」「アルゴス・ランチャー」 僕らに与えられた武装は電子戦に特化した装備だった。 初めの頃はナノマシンを利用した光学迷彩しか無かったけど、今は随分と豪華になった。 だけど、揺り籠の中で眠るトリスは昔と全く変わっていないと思う。 最初から胡散臭い御座る口調だった。 最初から僕を困らせて楽しそうに笑っていた。 最初から、今まで、すっと変わらない。 君はずっと僕の隣に居てくれた。 「……主殿、眠っておられるのか?」 トリスはクレイドルの上から呆然と孝也を見上げた。 何時ものように床に座ってノートPCを弄っている体勢のまま、項垂れている孝也。 その瞼は閉じられており、微かだか規則正しい呼吸の音が聞こえる。 部屋は暗く、明りと言えば孝也を背後から照らす月明かりだけだ。 顔は逆光のせいで見え辛いが、その表情だけは解る。 「……ト…リ……ス……」 笑っていた。 トリスの名を夢の中で呼びながら、笑っていた。 「……ふふ」 トリスはクレイドルから立ち上がり、孝也の肩まで飛び移った。 「主殿、拙者はここに居るで御座るよ……」 肩の上に座ると、孝也の寝顔に頬を寄せた。 「ずっと、此処に居るで御座るよ」 トリスは静かに目を瞑った。 同じ夢を見れる様にと、祈りながら。 「やっぱりトロンベちゃんは何着ても似合うわねぇ~♪」 「……う~」 ベッドの上でフリル満載のピンク色の可愛らしいドレスを着せられたトロンベはこれでもか、と言うほど顔を赤くしている。 その顔は若干俯いているが、その視線はアリカを見つめている。 「…それでバトルしてみる?」 「ご主人様ぁ!?」 「冗談よ、冗談」 クスクス笑っているアリカに、トロンベはとっても非難的な視線を突き刺す。 「でも」 アリカはすくうようにトロンベを抱き上げた。 「そういう格好も良く似合ってるわ、トロンベ」 「……ありがとう、ございます」 今度は完全に顔を俯かせて、蚊の鳴く様な声だった。 「にしてもよ、茜」 「なーにー?」 茜はごそごそと大き目のリュックを漁っている。 「アンタが家に来た理由って、コレだけじゃないでしょうね?」 「これだけよ?」 リュックの中から取り出した神姫サイズの洋服を手に取りながら答えた。 「アンタにはロンがいるじゃない。何でわざわざトロンベに着せるのよ」 「私はもう散々弄ばれましたので」 リュックの中から洋服を取り出しながらロンが答えた。 「あ、そう……」 「それに、トロンベが恥ずかしがるのを見るのも楽しいですし」 「そうなのよぉ~、ロンったら全然恥ずかしがらなくて弄り甲斐が無いのよぉ~」 要はこの二人、トロンベを着せ替え人形にする為だけにアリカの家に来たのだ。 「まあ、可愛らしいトロンベが見れるなら良いんだけどね」 悪戯っぽく笑いながらトロンベを撫でるアリカ。 「そうそう、ついでにアリカのも作ってきたわよ~」 「へ?」 「さあ、アリカさん。トロンベとおそろいですので遠慮せずに」 大きめなリュックに満載されていた人間サイズのフリフリたっぷりのドレスや、黒と白を基調としたゴスロリドレスなどを両手に持ちながら茜が迫り、神姫サイズの際どい衣装や旧スクなどを両手に持ったロンも迫る。 『さあ、お着替えしましょう』 「230! 231! 232!」 むっさ苦しい声がむっさ苦しい部屋に響く。 「198! 199! 200!」 畳張りの床の上で、可愛らしい声が響く。 「どうした蒼蓮華、また俺の勝ちか!」 片手腕立てをしながら、裕也が大声を上げた。 「まだまだなのだ~!」 同じく片手腕立てをしながら、蒼蓮華も負けじと声を上げた。 裕也と蒼蓮華の二人は今、日課の一つである片手腕立て300本競争に精を出している。 傍から見ればかなり珍妙だが、当人達が幸せならそれはそれで。 「268! 269! 270!」 孝也の身体が上下する速度が僅かに上がった。 「むむむ…!」 それに気付いた蒼蓮華も負けじとペースを上げる。 「今日こそは勝つのだ~!」 「きゅ~……」 畳の上で蒼蓮華は目を回している。 片手腕立て300本の後、背筋や腹筋、スクワットまでやったのだ。 並みの神姫ならとっくの昔にバッテリー切れを起こしているだろう。 「まだまだだな、蒼蓮華!」 それに対し、裕也は元気だ。 多少汗ばんではいるが、蒼蓮華程疲労していないと見える。 「おのれ~! 明次こそは絶対に勝つのだ~!」 「おう、その心意気や良し!」 二人は互いの拳を突き付け合った。 部屋には暑苦しい空気が充満していた。 「……孝也と蒼蓮華、今日も元気ですね」 やたらと騒がしい天井を見上げながら、アル・ヴェルはぼそりと呟いた。 「ふふ、やっぱり男の子は元気が一番ね」 どこか楽しそうに裕子は言った。 暑苦しい弟とは対照的な裕子は、優雅にアル・ヴェルと休日を満喫しているようだ。 テーブルの上には紅茶と洋菓子が並べられており、裕子は小説を読みながら紅茶を時折口に運ぶ。 アル・ヴェルは笑っていい○も増刊号を見ながら洋菓子を摘んでいる。 穏やかな昼下がり、という言葉が相応しい光景だ。 「……マスター」 ふいに、アル・ヴェルが裕子に向かい声をかけた。 「なぁに、ヴェル?」 裕子は小説から視線を上げず、言葉だけで応える。 「もうそろそろお昼です。やんちゃっ子達がお腹を空かせる時間ではないかと」 「……噂をすれば、ほら」 階段を降りる音と共に裕也の声が響く。 「姉貴、昼飯にしようぜ!」 裕子は小説にしおりを挟み、テーブルの上に置いた。 「そうね、今日は何にしようかしら?」 「平和って尊いな……」 狭いアパートの一室で、小さな幸福を噛み締める学生がここに一人。 「平和過ぎて退屈な気もします」 クレイドルの上で神姫サイズの雑誌を呼んでいたナルが言った。 「退屈なくらいが丁度良いんだよ~」 ベッドの上でゴロゴロしながら恵太郎は言った。 「そういうものですか」 「そういうものさ~」 引き続きベッドの上でゴロゴロする恵太郎。 「他の連中は喧しすぎるからな~。休みの日くらいはマッタリしたいさ~」 恵太郎の中ではマッタリ=ゴロゴロするなのか、それしかしていない。 他に幾らでもやることはあるだろうに、とナルは思っていたが言わないでおいた。 ピピピ、と無機質な機械音が響く。 「っと、メールか。珍しい」 恵太郎は枕元に置いてある携帯電話を手に取った。 「……孝也から? 『助けて、けーくん!昨晩うっかり寝オチしちゃってレポート間に合いそうに無いよ!』だぁ?」 「それは大変ですね」 「ああ、大変そうだな」 恵太郎とナルはまるで他人事だ。 まあ、実際他人事なのだから仕方ないが。 「『知るか、自分で何とかしろ』っと」 「……マスター、血も涙もありませんね」 「情は人の為ならずって言うだろ?」 「……そうですね」 ナルは一瞬突っ込もうかと思ったが、止めた。 「全く、休日にまでメールしてくるなよな……」 ピピピ! 「噂をすれば何とやらですね」 ナルは心なしか楽しそうだ。 「今度は茜か……って画像添付?」 「何の画像ですか?」 何か惹かれるモノがあるのか、ナルは恵太郎の下へ移動した。 「ああ、本文には『超レア画像在中』ってあるけど……」 「どれどれ……」 『うわぁ』 恵太郎とナルは声を揃えた。 そこに映し出されていたのはネコミミメイド服に身を包んだトロンベだった。 顔は真っ赤で今にも燃え上がりそうなのが画像越しでも良く分かる。 「……茜は相変わらずだな」 「……良くやりますよ」 二人が何とも言いがたい雰囲気に包まれていると、もう一通メールが届いた。 「また茜からか」 本文に『超絶レア画像在中』とあったその画像とは…。 『………』 恵太郎とナルは、文字通り固まった。 石になったと言っても問題は無い。 それくらい見事に硬直した。 そして。 「だーっはっはっはっは!……何じゃこりゃ!?」 携帯を投げ出し、腹を抱えて笑う恵太郎。 「……ま、マスター……そんなに、笑っては…失礼……ですよ……」 そういうナルも必死に笑いを堪え様としているのは見え見えだった。 投げ出された携帯の画面には、トロンベとお揃いのネコミミメイド服に身を纏ったアリカの姿があった。 その顔はトロンベ以上に真っ赤だった。 世は押し並べて、事もなし 先頭ページへ 次へ
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梓「唯先輩好きです付き合ってください」 梓「…普通過ぎて駄目だ」 梓「唯先輩に告白するんだからもっとインパクトを出さないと」 梓「唯、愛してる。俺と付き合ってくれないか?」 梓「…どこかのホストみたい」 梓「こんなんじゃ駄目だ。そ、そうだもっと猫っぽくしよう」 梓「猫ミミを付けてと」 梓「唯にゃん先輩好きだにゃんだから付き合って欲しいにゃん」 梓「…何やってんだろ私」 梓「こ、こういう事はもっと自然にならないと」 梓「自分の気持ちを素直に言おう」 梓「唯先輩前から好きでした。唯先輩への気持ちが収まりません…」 梓「唯先輩の事が頭から離れません。だから唯先輩私と付き合ってください」 梓「…こんなもんかな」 梓「あっ、もうこんな時間」 梓「これから唯先輩と会う場所は告白が成功すれば末永く幸せになれると言う神社」 梓「絶対、絶対に絶対に成功させないと」 梓「準備も出来たし行こう」 唯「あずにゃん好きです付き合ってください」 唯「…駄目だ~普通過ぎるよ」 唯「それに告白する時にあだ名って変だよね…」 唯「梓、愛してる。私と付き合ってくれない?」 唯「…こんなの私のキャラじゃないよ」 唯「そうだギー太を弾きながら告白しよう」 唯「ギー太を持って」 唯「あずにゃんジャガ好きだよ~ジャガ付き合って~ジャン」 唯「…何やってんだろ」 唯「ギター持って告白する人なんていないよ…」 唯「自分の気持ちに素直にならないと駄目だよね」 唯「あずにゃん前から好きでした。あずにゃんへの気持ちが収まりません…」 唯「あずにゃんの事が頭から離れません。だからあずにゃん私と付き合ってください」 唯「…これでいいかな」 唯「あっ、もうこんな時間だよ」 唯「告白が成功するといいな」 唯「見守っててねギー太」 唯「行ってきます」 唯「あずにゃん~待った?」 梓「いえ、私も今着いたところです」 唯「星が綺麗だね」 梓「そうですね」 唯「…」 梓「…」 唯「あずにゃん、何か話があるって」 梓「唯先輩の方こそ話があるって」 唯「…あずにゃんが先でいいよ」 梓「いえ、唯先輩が先に」 唯「…」 梓「…」 梓「じゃ、じゃあ私から話しますね」 唯「うん」 梓「あの…その…私たち出会ってから結構たちますよね」 唯「そうだね。もう2年以上たったもんね」 梓「それで…初めて見たギター姿は格好良かったです」 唯「うん」 梓「なのに軽音部に入ってみればまるで音楽用語は知らないし」 梓「いつもケーキやおかしを食べてばかりで」 梓「練習しましょうと言っても全然練習はしないし」 唯「あ、あずにゃん?」 梓「あげくに人には変なあだ名を付けてくるし」 唯「変なってあずにゃん酷いよ」 梓「いつもところ構わず抱きついてくるし触ってくるし」 梓「変なメールや変な電話を突然かけてくるし」 唯「うぅ…面目ない」 梓「突拍子もない事を言い出してみんなを困らせて」 梓「でも…でも…そんな唯先輩の事が頭から離れないんです」 唯「え」 梓「気がつけばいつも唯先輩の事を考えてるんです」 梓「唯先輩好きです付き合ってください!!」 唯「…」 梓「…」 唯「…」 梓「…」 唯「あずにゃん…」 梓「…私なんかじゃやっぱり駄目ですよね」 唯「私もあずにゃんの事が好きだよ」 梓「え」 唯「本当は私も告白するつもりだったんだけど先にこされちゃった」 唯「でも言うね」 唯「あずにゃん前から好きでした。私と付き合ってください」 梓「唯先輩…よろしくお願いします」 唯「うん、こっちもよろしくね」 梓「はい」 唯「やったーあずにゃんと恋人同士になったよ」 唯「じゃああずにゃんさっそく」 梓「?」 唯「恋人になった記念にチュー」チュー 梓「そ、そういうのはまだ早いです!!///」 唯「あぅー。恋人同士になったのに…」 唯「(でもあずにゃんと恋人同士になれたからいいや…あ)」 梓「(唯先輩と恋人同士…えへへ、これも練習の成果…)」 唯梓「(練習の意味なかったかも)」 終わり ギー太を弾いて告白する唯ちゃんはギター漫談家みたいで見てみたい!その告白バージョンを求むWWW -- (名無し) 2011-07-23 19 46 03 良かったの〜。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-08 17 00 13 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る