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注意:此篇文字是我的幻想·妄想文字,描写的是人类衰退后的人类文明。 银灰色的构造物斜插在深红紫黑的弥漫星云里,非欧几何的弯曲外壳反复反射着金黄的光芒,那是构造物半包围着的等离子团中模糊的浅黄色恒星的光辉。鲜绿的植物茎叶盘卷在金属和发光的霓虹灯管上,叶片浸润着洒水口喷出的雾。十七朵亮黄的花盘仰首面向星空,结晶的花蕊放射着火红的光脉冲,从重力阱的边缘看是一个耀眼的十字,它的周围排列着被花田捧起的三十三座维护坪。 远航的飞船从银河的光晕中跳跃进来,在五颜六色的花丛中降落,由绿色的藤蔓清洗外壳、更换零件、补充淡水;宇航员则可以通过气密舱和消毒室进入构造物内侧,在微重力酒吧里品着数千种来自不同文明的饮料,欣赏恒星风中的等离子云气的舞蹈。恒星活动时万丈的光焰,宇宙海盗不定时的劫掠游戏,花盘里放出的重力子放射线贯穿海盗船留下的血色弹道,都是宇航员们茶余饭后的谈资。 在垂挂着花束、斜射进恒星光芒的微重力长廊里,默默伫立着这片宇宙森林的妖精——绽放着蓝黑色花朵、生长成少女形状的植物,整片森林的起点。构造物被笼罩在她的通感场下,由她的枝叶维护着、修缮着,一千年来都如此。 一千二百年前,在她还是可以被人捧在手心的幼苗的时候,银河联邦早已瓦解了。在漫长而残酷的星际战争和广范围的星际危机中,不同文明间的隔阂重新激化,居住区无序地增长,超结构体无限地延伸,智慧生物的密度无止境地稀释。 创造她的人是一个很小的文明星球的研究员,梦想创造能自发进化来适应环境并改造环境的植物、把故乡行星荒芜的沙漠变成绿洲。那时,故乡一片平和,在动荡的宇宙中像一个被风暴遗忘的安全港。 四百年前,一条有着双联双曲面的运输船停泊在第十一维护坪,宇航员们操作着动力外骨骼把一些建筑材料搬到构造物的表面。她静静地看着他们把旋转酒窖、轻质合金吧台和座椅布置在金属、透明层和她的花束围成的微重力小广场上。这是一座全自动酒吧,由机器提供服务。许多不同文明的宇航员都喜欢这里。后来,这个地方就成了构造物上的固定设施。 一千一百九十五年前,以“开发并保有大规模破坏性武器”的理由,创造她的研究员的故乡被银河帝国的战舰包围、整个星球被表面轰炸导弹烧成玻璃,他心爱的女儿在原子核迸裂的火炎中化为一层薄薄的发亮的灰烬,他心血凝成的环境改造植物几乎全数枯萎——固结成玻璃的花田里只剩下绽放着蓝黑色花朵的她,不知为何长成了人类少女的形状,带着淡绿色的雪白肌肤像吸饱了鲜血般、于清晨的恒星光中闪烁着血色的光泽。她可以在玻璃上生长、在垃圾上生长、在这颗被谋杀的行星上生长。 于是,在这颗失去了大部分大气层的死寂之星上,于不再闪动的缄默不语的灿烂星空下,创造者流着泪、裂开嘴笑着抱紧她,把他所知道的人类文明的一切讲给她听,直到占领军的子弹洞穿他的脑袋。她抬起触腕,摸到了他还温热的脑浆。没有找到任何大规模破坏性武器的占领军哄笑着,喷出腥臭的气息和亵渎的话语。然后她开始了攻击。设计用途是改造贫瘠的行星的能力,激光、纳米丝、高热射流、重力子放射线,从一开始就更适合用来破坏:低轨道上的1024条银河帝国舰船,连带着失去生机的行星一起粉碎。 其实,她一直看得见创造者的举动,听得见创造者和家人的交谈。创造者是一个温厚的人,对妻子和女儿都很好。在一家人看着电视上对战争与恐怖活动的报道、妻子抱怨银河帝国的高压政策的时候,他曾说,憎恨无法带来任何东西。但在他死前的讲述里,夹杂着对银河帝国无法抑制的憎恨。 在飞散的玻璃碎片形成的像钻石又像眼泪的光带中,她安葬了创造者的遗体。创造者的双手和脸颊都已经冰凉了,但拉开他的衣服,能感觉到他身上还有微弱的热度。她对遗体和整个光带进行了完全消毒,把玻璃重组成水晶棺将他慢慢包裹起来,最后将光带埋进翘曲的次元里。 这个男人,我的父亲,再也不会笑、不会哭、不会生气、不会失望、不能喝到他喜欢的酒、不能吸到他喜欢的烟、不能在花田里和他相伴五十年的妻子还有最爱的女儿一起吃饭、不能再和我在一起了... 一千一百九十年前。开始毁灭银河帝国是自然不过的事情。她不去记忆任何一个敌人的模样、使用的武器或采用的战术,她只是从次元的狭间逼近他们,静静地用重力子的喷流贯穿他们,让整个宇宙的重力从那里通过。弹道周围的舰船、构筑物和天体都被潮汐力撕碎,那里所有的生命体都化为尘埃。银河帝国的八个基干岛宇宙,派出大规模破坏性武器调查团的十二个自称中立的自治领,就这样在无色的憎恨之炎中燃烧殆尽。银河帝国的统治中心逃往银河核区,构筑密集的防线。他们相信,在已知范围内没有任何力量能破坏这条防线,因为这里面有依靠着银心黑洞的次元断层。 一千年前,在静寂的宇宙里,一株植物与银河帝国的战争结束了。她用重力子放射线的超压直接射击引起了银心黑洞的共振。让宇宙为之震撼的创世之光中,银河帝国的统治中心被彻底摧毁。那一天,银河系各地从恐怖统治中解放的民众都在狂欢,有些地区的狂欢持续了超过一个月。 那之后不久,外银盘31星云多重构体开始为过境的民用船提供维护。 解说 外银盘31星云多重构体:憎恨的胜利 爱的胜利,或者说光明、正义与勇气的胜利,经常被称为永恒的主题。但是,一旦光明、正义、勇气或者说爱都失败了,能得胜的恐怕就会是相反的东西:憎恨。 憎恨也许无法带来任何东西,但很多东西都可以带来憎恨,而憎恨也可以带走很多东西。 不带感情地说,让超过人类的复杂智能容易表现的简单方法,就是让它具有强烈的感情。 偏执的感情会让混沌系统具有一定的倾向,这样一来它的行动就会变得容易为人类所理解,从而变得容易用少量的文字或画面来表现。 一般来说,强烈的憎恨比强烈的爱更容易产生和塑造。对于人工智能或人造生物也如此。 目前来看,传统克苏鲁神话风格和MEGAROMANIA风格的作者更喜欢描写不灭之物,推理风格的作者则更喜欢描写必灭之物,不过在运用这个表现方法方面,大家都是相当一致的。
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『夏と旋律のイデア ―多重世界と人生の価値―』 作者:だんご ステータス:連載中 タグ:長編、恋愛、セカイ系、青春 リンク:(別窓) コメント: まだまだ初心者なので、書ききることを目標にしていきたいと思います。 お暇なら読んでみてください。
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月光が等しく地に住む者を優しく照らし出す夜、世間は俗に言うクリスマスイヴ真っ最中である。 恋人と愛を語らい、家族が幸せな団欒を形成する時間に、何故かどちらにも当てはまらずに外で一人佇んでいる少女がいた。 八神はやてという少女は、かすかに吹きすさぶ北風を浴びながら、 (やっぱり、誰もおれへんなあ……) 日のある時分は大勢の子供や家族連れ、それに老人達の幸せな声が響き渡るだろう、公園という名の空間も、月が出てしまえばただ木々の擦れる音のみが支配する静寂の世界へと変わってしまう。 誰もいない事が分かっていて、それでも誰かがいることを心のほんの片隅で期待して、誰かと遊べる事を期待して。 そんな小さな、吹けば消えてしまいそうな願いから、普通の子供は家族と夕食を囲っているだろう時間帯に、年端も行かぬ少女がたった一人で公園にいる理由であった。 ならば昼に来て、子供達と遊べばいいではないか―――彼女の肉体に何もなければ、とっくにそうしていただろう。 彼女は車椅子に座っていた。八神はやては、原因不明の病気によって両足が動かず、小学校にも通えず通院と入院、そして自宅で独り暮らしの繰り返しを繰り返していた。 当然、本来学校で出来るはずの友人は作れず、更に両親もすでにこの世には無く、自然独りぼっちの生活になる。 加えて十にも満たぬ年の少女がそのような状況では酷と言わざるを得ないが、彼女は年齢にあるまじき気丈さで周囲には平気なように振る舞う。 それでも、一人になってしまえば、つい愚痴をこぼしてしまうのは、年齢から考えると仕方の無い事だった。 誰かと一緒にいたい。誰かと友達になりたい。せめて、誰かとおしゃべりをしたい。 八神はやてはその希望を口に出さない。足の病で方々に迷惑をかけているのに、これ以上わがままを言ってどうするのか。そんなことは、できない。してはならない。 そう思っていた。思わざるを、得なかった。 故に、その代償行為か、はたまた何かを求めてか、彼女は一人、公園の闇を行く。 こんな日に、誰もおるはずあれへんのに、と自分の思考で自分を傷つけながら。 「あれ? うんっと……何やろ?」 暗かったから、だろうか。子供一人の体重を支える車輪の音しかしない公園の砂場に、舞台の主役が浴びるスポットライトみたく街頭の光をその身に受けて光る、小さな石のような、もしくは宝石のような丸っこい物体。 それに気付いたのは偶然か、はたまた都合の良い運命の悪戯か。そんな事は毛頭関係無く、はやては近づいてそれを拾い上げる。 おもちゃのようではあるが、それにしては安っぽくはないようにも見える。かといって高級かと言われると、そこまでは行かない気がする。 そんな想像をしながらも、光を受け、真紅の反射を見せるそれをはやては摘まみ、君もおいていかれんたんか? と問いかけた。 せいぜい、子供が遊びに来たときにお気に入りの石を持ち出し、そのまま落としていって忘れていったのだろうと考える。 特に返答は期待していなかったのだが、まるで意識があるかのように石は鈍い輝きをもって答えた。 「なんや、生きてるみたいやなあ、ピカピカ光って」 指に、無機質な物体らしくないほんのりと暖かな感触すら感じ、はやては珍しいものを見たと胸を弾ませる。 「うわ、ほんまにただの石やないみたいや。持ち主においていかれて、こんなとこほったらかしでおったら、寂しないか?」 ―――私やったら、寂しいわ。 つい、本音の欠片をこぼしてしまう。 慌てて羞恥に辺りを見回すが、もとより公園にはひとっこ一人おらず、木々のざわめく音や風のなる音、そしてはやてと赤い石のみ。 そういえばそうだったと、ほうと胸を撫で下ろす。 そんなはやてに石は、まるで何かを訴えかけているかのように赤く明滅する。 それが彼女には、何の音も聞こえていないのに慰められているかのように感じられていた。 「もう、心配せんでもええよ。石田先生もおるし、今でも十分幸せやから。……ううっ、ちょっとさむなってきた」 ただでさえ冬で、しかも夜で、そして自分は病人。風邪を引いてはいけないし、そろそろ夜も遅くなってくる事から、帰る事を選択する。 「また石田先生に怒られてまうからな、危ないって」 と、赤い石をポケットに入れ、車椅子を反転させようとして、 「―――っと、ととっ……あれ?」 目の前の茂みから飛び出してきた、少年が一人。青い髪で高校生ぐらいの体躯を包む貧相なコートはよれよれで、所々傷や泥だらけであり、必死の表情を貼り付けていた顔と相俟って、何かからの命からがらの逃亡者を連想させた。 突然の事にはやては驚きに固まることしか出来ず、一方少年は何でこんなところに人が、といった程度の驚きだったが、 「オラァ、何処行きやがったクソガキぃ!」 「くそ、街三つも追いかけさせやがって!」 「落ち着け、所詮子供が一人だ。手分けして探せばどうにかなる!」 更に後ろから聞こえるダミ声などに即座に反応、少年は少女にどうこうする余裕もなくキョロキョロ辺りを見回し、跳躍。 スパイダーマンよろしく近くに生えている木々の枝元―――高さ5メートル程度に一発で着地。そして、枝葉に身を遮らせるようにして隠れた。 「えっと……なに、あれ」 いきなり開催された万国ビックリショー(出演者一名)に、ようやく意識を回復したはやては、まずそう呟く。 次に何を喋るべきか迷ったところで、後のダミ声集団らしき者達三人組が続いて茂みから姿を現した。 あからさまに怪しい大柄の黒スーツに、顔には大小なり傷。おまけに目付きがとても悪く、漫画やドラマでしか見たことの無いはやてであっても、一発でその手の人と直感できた。 即ち、ヤクザor借金取り。 (あんな人、ほんまにおるんやなあ) 思わず現状を肯定できず心中で呟くと、 「おい、そこのガキ!」 「えっ! ……あの、私のこと、ですか?」 「他に誰がおるねん、ええ!」 「ご、ごめんなさい!」 「まあええ、さっきこっちに、青い髪の貧相な顔の貧相なガキが逃げてけえへんかったか!?」 「隠すとためにならんぞ!」 一昔前のドラマのチンピラのようなだったが、年若いはやてには中々刺激が強かった。言葉を途切れ途切れにしながらも、相手を怒らせないようにすばやく返答する。 「あ、あの、私の前の茂み、さっきおじさんらが来た方向から、ピューンって逃げました」 「ちっ、まだ逃げてやがるのか!追うぞ!」 子供の親切に礼も言わず、車椅子の側を駆け抜けていく男達。そのダミ声と足音が聞こえなくなってから、ようやくはやては胸を撫で下ろす。 「はあ、ほんま驚いたわ。けど、さっきの人は何したんやろ?」 見つけたら全身の部品を細切れにして輸出してやるいわれとったけど、と首を傾げる。子供には分からない世界に浸していた思考は、先ほど少年が隠れた辺りの木々からの声で断ち切られた。 「……あの、そこの方、ありがとうございます」 「え? ……ああ、気にせんでええよ。もう降りてきて、大丈夫ちゃうの?」 「そうですね、では失礼します」 と、約五メートルの高さを一発で跳躍した少年は、やはり何の躊躇いもつかえもなく、一気に飛び降りて着地した。 確かにさっきの男の言うように貧相ではあったが、格好はともかく顔はそう貧相ではないのではないか、と第一印象。まあ、幸の薄そうではあるが。 「ありがとうございます、おかげで助かりました。けど、どうして嘘をついてまで?」 「ええとな、あまりにビックリしてもうたから、つい。せやけど、嘘はついてないで」 「え、どうしてですか?」 「私はおじさんが来た方向から逃げた言うたけど、後ろに逃げたとは言うてないし、ピューンって上に逃げたのはほんまやし」 少しの、沈黙。やがて、その意味に気付き、 「ああ、なるほど」 「けど凄いなあ、あんな高いところへひとっとびやなんて。まるでスーパーマンか何かみたいや」 はやてが素直に賞賛の瞳を向けると、少年の顔に何故陰が射し、 「ええ……怖いお兄さんがたに追いかけられる生活を十年以上も続けてたら、自然と身に付きますから」 僕ってそんないいもんじゃありませんから、大体全身拘束抜けとか密室からの脱出方法なんて知ってて何の役に立つんですかと、どすの利いた小声で呟き出すハヤテに、少女は着ぐるみネズミの中の人の、裏の哀愁じみた顔を見た気がした。見たことはないが。 ともかくこの話は危険と判断し、はやては、そうだ、話題を変えよう! とばかりに違う話を持ち出す。 「そ、そういえば、お兄さんの名前は何て言うの? ここで会ったのも何かの縁やし、教えて欲しいな」 少女のハヤテに対する警戒心はとうに無くなっていた。もとから第一印象が「怖い人に追いかけられていたかわいそうな変な人」だったので、殆んど無かったとも言えるが。 「僕ですか? 綾崎ハヤテと言います」 少女に視線を合わせるため、そして疲れた身体を休めるため、ハヤテは近くのベンチに腰を下ろす。ようやく肩の荷が降りたかのように、大きくため息をついた。 「ハヤテ……さん? 奇遇やねえ、私もはやてって名前なんよ。八神はやてって言います」 「そうなんですか、確かに奇遇ですねえ」 まさか名前の由来―――借金取りからはやてのごとく逃げられるように名付けられたってとこまで一緒じゃないでしょう、とはハヤテは尋ねられなかった。そんな両親は自分だけで十分である。 「ところで、なんであんな怖い人に追いかけられてたん? なんか借金がどうのこうの言われてたけど」 「いやあ、クリスマスイヴに両親が一億五千万ほど借金を作りまして、返せなくなったからって僕をあの人達に売ったんですよ。流石に永遠に海の上の生活とか、突発的対自動車衝突後金銭要求職人とか、人体分解輸出は嫌なので、逃げてきました」 本当にどんな神経してるんでしょうねあの親は、はははと笑う少年ではあったが、はやてはどん引きして、いや、そこ多分笑って終わらせたらあかんと思うんやけど! と心中で突っ込むしかなかった。 「けど、もうさっきの人を撒いたから、安心できるんやないですか?」 「ええ。けど、家も仕事もお金も無くなってしまいましたから、まずはどれかを見つけないと」 「えっと……当てはあるんですか?」 「とりあえず、風雨の凌げる場所なら何でも良いですね。 そういえば、逃げてくる途中でいい廃ビルを見つけましたから、そこ……で……」 話はそこまでだった。ハヤテは急速に自分の足元が崩れ落ちる錯覚に襲われた。 膝が地につく。身体が落ちるのが止められない。視界を黒のカーテンが遮り、意識が何か白いものに食い荒らされていく。 無理もない事だった。ハヤテ自身は気が張っていて先程まで気付いていなかったが、両親の浪費癖と傍若無人、そして自分の生活の確保と言う責任を双肩に何年も背負い、 その上今日一日は肉体労働のバイク便のアルバイト→未成年である事がバレてクビ→追い討ちで両親が自分を売った借金取りからの休む間もない逃亡という行動に、肉体も精神も悲鳴もあげていた。 その結果、美少女と会話する暇があるのなら、さっさと休めと身体と心がラインダンスを踊りながらストライキを決行。結果、ハヤテは意識を失い、無防備に地面に倒れ伏す。 「わーっ、どないしたんや! 大丈夫……やなさそうや! 落ち着いて、こう言う時はなんかで聞いた……メディック、メディーック! ってちゃうわ! 石田先生呼ぼう!」 二人の一連の様子を、遠目で観察している者がいた。 茂みに隠されていて姿は見えないが、その者の目は確実に一点を見つめていた。慌てて携帯を取り出して操作し始める、少女のポケット。否、その中の赤い宝石―――レイジングハートを。 (見つけた……) その影が起こした感情は、安堵。 自分の国からこの世界に来た際うっかり無くしてしまい、魔力反応を頼りに探していた。それが無いと『目的』の達成が非常に困難になるところであったが、幸いにも『目的』ごと確認に成功できた。 即ち、彼女―――八神はやてこそが、その者の目的の協力者(予定)にして、魔法の杖『レイジングハート』の適合者となるべき者なのだ。 あとは、どうやって説得すればいいものか。それを考えながら、影は静かに姿を消した。 痕跡も何も、残さぬまま。 一方、その出歯亀とは全く別に、もう一人の観察者が別の茂みに隠れていた。尤も、こちらは観察者ではなく、どちらかと言えば目撃者であったのだが。 こちらの感情はといえば、憤慨と義務感であった。前の観察者とは違い、こっちは二人の台詞や行動に注目していた。 一億五千万の借金を背負わされ、親に捨てられた少年が夜、誰もいない公園にて幼女と出逢い、そして今車に乗ってきた妙齢の美人女性―――恐らくは先程幼女が使っていた携帯で呼ばれた女性によって、幼女ともども車に連れ込まれる。 「いかん……いかん、な」 これは非常に憂慮すべき事だ。モラルの崩壊、現代社会の闇がまさに目の前に現れている。 人間は何十年経っても進歩はしないらしい。これがゆとり教育の弊害と言うものか! 例えばあの男のように、一人の家無し少女を手込めにしてからと言うものの、次々と現れる女性を我が物にし、ひとつの家でハーレムを築きあげるロクデナシのロリコンペドフィリア・オポチュニスト(学名)になるかもしれない。 あるいは夜な夜な怪しげな飲食店で店員を勤めながら、そこのバイ店主や筋肉オカマに愛を囁かれるようなアブノーマルな男になるかもしれない。 どちらにせよ、彼は現代社会の被害者なのだ。大人たる自分が、導いてやらねばならない。 他の人間が聞いたら頭に膿が湧いているのかと呆れるか、それとも某新聞のように事実を歪曲するなと怒り出すかという考えを頭に思い浮かべながら、目撃者―――男は首のネクタイをキュッと締め直す。 大体こちらは見知らぬ時代に飛ばされて四苦八苦しているというのに、あの少年は家無き子ながらいきなり寝床を確保しそうな勢いである。 ようするにちょっとした嫉妬も混じっていた。男の嫉妬は最低である。 「……ふむ」 男は何かを思い付いた、むしろ思い出したかのようにニヤリと笑うと。 目にも止まらぬ早さで、後方に腕を振るう。 「くうんっ!?」 こっそりと近づいていた殺気だった野犬をボールペンの投擲で威嚇し、鼻歌を歌いながらその場を去る。 野犬が縄張りを荒らす者がいたから近づいてきたとか、鳴き声が犬の場所とは違っていたとか、その鳴き声がむしろ狐みたいであったという事は、男には一切関係なかった。 その顔は、いいアイデアを思い付いた顔。巻き込まれる者の事を考えない、一方的なアイデア。 元敏腕企業戦士にして、現在はただのホームレス。 広田(高屋敷)寛は、再びいい感じでネジが緩んでいた。 そして、目が覚めた。 「あ、おはようさん。大丈夫なん?」 「えっと……ここは?」 昨晩とは全く違う、まるで病院着のような姿で、ハヤテは自分がどこかのベッドで眠っていたと理解した。 だが、ここは何処だ? と困惑する問いの答は、今さっき声をかけてきた者が返す。 「ここは海鳴の病院や。あの時急に倒れたから、知り合いのお医者さんに頼んで運んで来てもろたんや。さ、石田先生呼ばなね」 「びょう……いん……?」 一瞬ハヤテはぼおっとした頭のまま、某K1ファイターのように「お前は何を言っているんだ」と考えたが、すぐに何やら事態が急転している事を理解し、頭を必死に回転させる。 某一休の思考効果音が三つほど脳裏で流れ、彼はすぐさま行動を起こす。 この行動力の素早さこそが、今まで親無しで生き延び、金を稼ぎ、借金取りから何度も逃げ切り、学校にすら通えた原動力である。 ついさっきまでぶっ倒れて気絶していたのが信じられない行動のスピードに、車椅子に乗っていたはやては必死で身を起こし、しがみつくのがやっとであった。 「ちょっと待って、何処行く気なん!? いきなり立ち上がって!」 「逃げるんです」 「何でっ!?」 「保険証もお金も持ってないのに、病院の世話になんかなれませんよ!」 「そやけど、さっきまで倒れてたのにいきなり動いたら危ないですよ!」 「大丈夫です! 身体の丈夫さはインパルスガンダムぐらい自身がありますから!」 「それは微妙に不安やっ! せめてアカツキにしとき!」 どちらも結局不安な、引く事の無い押し問答―――まさかベッド上に立ち上がる自分の足にしがみつく幼女を容赦なく蹴り飛ばして逃げるわけにはいかない―――を繰り広げていると、おもむろにノックも無しに病室の扉が開かれた。 「話は聞かせてもらったわ―――」 「な、なんだってー!?」 「…………」 言葉を遮られるような突然の返答に、新たなる客はどう答えればいいのか分からずに口をパクパクさせ、 ハヤテはハヤテで思わずお約束の形で突っ込んだものの、まさか沈黙と硬直が返ってくるとは思わなかったので、今では無視して窓から飛び降りたほうがよかったかなと反省している。 はやての方はその客にして自分の主治医である真面目そうな石田医師が、まさかそんなネタじみた事を行うとは思いもよらず、呆然とするしかなかった。 名誉の為に弁護するとすれば、彼女ははやてが呼ぶより早く病室前を通り過ぎようとしたところ、偶然物音と揉める声を聞きつけ、たまらず部屋に突入しただけだった。決して狙ったわけでは無い。 その沈黙の三すくみは、近くを通ったとあるちっちゃな銀髪少女医師の、「皆さん、何をしているんですか?」という声がかかる約十分ぐらいまで継続していたという。 どうして、こうなってしまったのだろう? 彼女の考えることは、ずっと同じ場所で巡り続けていた。一つの事しか、考えられなくなっていた。 どうして、戻れなくなってしまったのだろう? どうして、お兄ちゃんを感じ取れないんだろう? どうして―――世界を移動できなくなってしまったのだろう? 頭が狂っている、と思うかもしれないが、彼女の言う『世界』とは、本来の言葉の意味の世界とは違う。 小さな子供が自分の住む場所が一つの世界、それ以外は他の世界だと思っている事が時たまあるように、彼女もまた、自分の行ける場所がそれぞれの別々の世界だと思っていた。 本来はひと繋がりの世界である、様々な場所。ネオン輝くビル群、巨大な軍基地、狼の眠る草原。彼女は想えば、一つの世界の中ならどこにだって行ける。 ただ時々、そうほんの時々ではあるが、全世界がコンピュータに統率された世界や、剣と魔法のファンタジー世界など、本当に世界の壁を越えてしまうことも、たまにある。 そんな時でも、彼女は『兄』の存在を感じとり、元の世界へと帰還する事は可能だ―――壁を越えた事にも気付かず。 だと、言うのに。今はそれが出来なくなっている。 彼女は気付いてはいないが、兆候はあった。どこかの世界で不思議な石を―――虹色のような白のような光る石を、この世界に飛んできた直後に拾った。 小さな女の子のようにそれをキレイだと考え、拾った。しかし、手に掴んだ筈の石は、まるで雲か霞を掴んでいたかのように、いつの間にか跡形もなく消え去っていた。 兄を感じ取れなくなったのは、その直後。彼女が気付いたのは、その後しばらく経ってから「ここは兄のいる場所ではない」と考えた時。 困った。彼女はまず困る事を選択した。 闇雲に歩き回ってもどうしたらいいか分からないし、泣いても喚いてもどうにもならない事ぐらいは、彼女にだって分かる。 そもそも、うっかり「泣いたり喚いたり」してしまうと、色々危ないという事もおぼろげながら理解していた。 だから、困っておく。そして、考えることにシフトする。 「あっ……」 すると、気付く事がある。いや、思い出したというべきか。 そもそも自分の姿は、意識すれば誰にも見えなくなってしまうではないか。 以前にお話した『誰か』の言葉によると、自分は姿も見えず、『レーダーもセンサーも反応しない』のだとか。 見られようと思わないのであれば誰にも見つからないのなら、心配事は無かった。 近くにあるベンチに座り込み、青いワンピースに包まれた未成熟な身体を横にして、 「くぅ……すぅ……」 水坂憐は、いつも狼の住む草原でそうしているように、少し疲れた身体と心を昼寝で休ませる事にした。 寝心地は決していいとは言えないが、ついうとうとする心地よさに負け、ついには眠りについた。 目が覚めたら、次の事を考えようと決めて。
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なるほどぉ・・・逆ですねぃ。 - らうど 2008-09-15 13 12 13 あれ?これってリンダと同義語じゃなかったっけか? - 紫苑 2008-09-15 12 26 36
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【検索用 たしゅうみらいのかるてっとQUARTET THEME 登録タグ G@POPO VOCALOID た 初音ミク 曲 曲た 曲者P 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:曲者P 作曲:曲者P 編曲:曲者P ギター:G@POPO 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『多重未来のカルテット~QUARTET THEME~』(たじゅうみらいのかるてっと~QUARTET THEME~) 1986年のアーケードゲーム「カルテット」より、「QUARTET THEME」のアレンジ。 「せっかくだから稼動前にみんなに曲を憶えてもらおうぜ!」というセガ様の粋な計らいにより先行公開です!(作者コメ転載) 歌詞 (動画より書き起こし) So far away from you 星屑のメモリーズ またたき集めて 浮かべたミルキーウェイ 涙の色だね こぼれ落ちたシューティングスター 重ねた願い響け! 明日に 抱きしめてる 夢の続きは進行形 加速してる 想いのメロディー Jumpin'Up Fly High その手で つかまえて奇跡 聴こえるでしょ セカイのハーモニー Sky High 希望の鍵を探して 生まれたての未来はそう QUARTET 運命の鼓動 奏でた波の流線型 連れて行くよ ヒカリの先へ Jumpin'Up Fly High ツバサで 切り裂いて軌跡 感じるでしょ セカイのハーモニー Sky High 明日の扉開いて 巡り合える未来はそう QUARTET コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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猟奇殺人犯が当人の知らぬ間にアイバンクに登録され、目玉にバーコードがつけられてる世界 このバーコード付きの目で見たものは有機情報(アミノイックレコード)となり死後アイバンクに回収される 主人公はアイバンクの裏にある組織を暴こうとするが、自分にもバーコードがついてることに気づき・・ とまあストーリーはあるがそんなのどうでもよくなるほどグロの描写が細かい ノリで読むべし グロ度 ★★★★★ 作者頭おかしい度 ★★★★☆ お勧め度 ★★★★☆