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登場キャラクターはゆっくりのみとなっています 見づらくなることを考慮して全部漢字を使います。 かなりグロ表現あり、ダメな方はユーターン スペックの高いれいむがでます すっきりできない可能性があります 初投稿になります 森の山奥、ここには人間が放棄した研究施設があった。 ここを、ドスを中心とするゆっくりの群れが罪を犯したゆっくりを処罰する刑務所として使っていた。 だが刑務所とは名ばかり。 ドスに逆らったゆっくりを収容し、逆らうゆっくりに対し大量殺ゆっくりを行なったり、洗脳したり 自分の群れが最高のゆっくりの群れとなるべく、ゆっくりによる改造実験が行われる地獄のような 施設であった。 そしていつからか、この施設は群れのゆっくりたちからこう呼ばれるようになった。 『施設』と 死のゆっくり ゆっくりれいむとゆっくりまりさの夫婦はここ最近この格好のゆっくりプレイスに引っ越ししてきた あつあつな夫婦であった。 以前住んでいた巣では子供を育てるのには面積が圧倒的に足りなかったため、数日前にここへ 引っ越しを済ませたその日にため込んでいたすっきりをし、昨日の昼ごろ、待望の赤ちゃんを無事出産した。 れいむ種3、まりさ種2の計五匹だ。 「「ゆっくりおはよう!!」」 「「「「「ゆっきゅりおはよう!!!!!」」」」」 母役であるゆっくりれいむは幸せであった。 引っ越し早々にこんな素晴らしいゆっくりプレイスを伴侶のまりさと見つけることができ 子宝に恵まれた。これで幸福でないという方が難しいであろう。 伴侶のまりさは朝の挨拶を済ませると早々に狩りへ行き、家はれいむと赤ちゃんたちだけになった。 まりさがいない間、れいむは生まれたばかりの赤ちゃん達にこの世がいかにゆっくりできるかを 教えていた。 「いい?ゆっくりはこの世でもっとも崇高で素晴らしい生き物なんだよ!! 他の生き物はゆっくりに仕える事が最高の幸せなんだよ!! おちびちゃんたちも他の生き物達にゆっくりつかえさせてあげてね!!」 「「「「「ゆっくちりかいちたよ!!!」」」」」 れいむはこのようにして子供たちに教育していた。 この子たちの将来はおそらく畑の肥料だろう。 れいむが赤ちゃん達に教育をしていたその様子を一匹のゆっくりが見つめていた。 「・・群れに届け出がないゆっくり・・・ドスに報告だよ」 その夜、れいむ一家は未だ帰ってこないまりさに心配しつつ、お腹を空かせていた。 食糧はため込んでいたとはいえ、食欲旺盛な赤ゆっくりが五匹もいればあっという間に 食いつくしてしまう程度しか溜まっていなかった。 昼ごろにはれいむ一家はまりさが帰ってくると踏んで食いつくしてしまった。 ぐずる子供たちを、れいむはす~りす~りして慰めていた。 「ゆ~!!おなかちゅいたよ!!ごひゃんちょうだいねぇ!!」 「ちょうだよ!!まりちゃがきゃわいきゅにゃいの!!」 「「「はやきゅごひゃんちょうだいねぇ!!」」」 「ゆ~・・まりさ、はやくかえってきてね・・」 赤ゆっくり達が癇癪を起し、困りきったれいむがまりさが早く帰ってくるように祈っていると 誰かがお家に入ってきた。ゆっくりみょんだった。 無断で入って来たことにれいむはイラっと来たが押さえてみょんの前に立った。 「みょん!!お前達が最近引っ越ししてきたれいむ一家だね!!」 「ゆ!!そうだよ!!みょんはご近所のゆっくり?」 みょんは険しくしていた顔をより一層険しくして 「ちがうよ!!みょんはここ一帯を取り仕切っている群れの幹部だよ!! いくつか質問があるからゆっくりこたえてね!!」 一体何を聞いてくるのだろうかとれいむは思ったが、まあどうせ大したことは聞かないだろうと思い 素直に質問にこたえることにした。 みょんの顔を見て怖がっている赤ゆっくり達には怖くないよと伝え、お家の奥に行かせた。 「みょん!!いい心がけだよ!!では第一、れいむは群れにお家を作った報告をしたか?」 「ゆ?れいむ達は群れに入るつもりなんかないから報告なんてだしてないよ!!」 このれいむは引っ越しする前、別のドスの群れにいた。 このドスはすっきり制限やら食糧制限やらを設けてれいむはあまりゆっくりできなかったため、 今後はドスの群れには入らないと決めていた。 「知らないのか?この群れでは敷地内に入ったゆっくりは強制的にドスの群れの一員になるんだみょん!」 「なんなのそれぇぇぇ!!」 理不尽な掟を突き付けられたれいむは思わず叫んでしまった。 それにたたみかけるかのように 「報告を怠っただけでなく一日分の食糧の提供の怠り、すっきり違反、さらにおまえの夫のまりさに よる狩り禁止区域での乱獲!!これはもう見過ごせないよ!!施設送りだよ!!」 「な、なんなのそれぇぇぇぇ!何か怖そうだよ!!おちびちゃん!!ゆっくり逃げるよ!!」 れいむは赤ちゃん達と逃げようと動こうとしたが、お家の入口には群れのゆっくりが待ち構えていた。 「逃げようとしても無駄みょん!!みんな!!軽くのしてから施設へ搬送するよ!!」 「「「ゆ~~!!!」」」 そういうとれいむより体がふたまわり大きいゆっくり達が体当たりをかましてきた。 避けようとはしたがよけきれずまともに食らってしまい、子共々仲良く気絶してしまった。 朦朧とする意識の中、みょんは言った 「お前の夫のまりさも先に施設でゆっくりしているから家族仲良くゆっくりするといい!! ゆっゆっゆっゆ!!」 ここでれいむは意識をなくした。 ―ーーーーーーーーーーーー れいむが目覚めると、そこはいままで見たこともない所だった。 壁や床はレンガづくりのためか一切の温度を吸収することなくいつも冷たく、 檻で完全に閉じ込められており、愛すべき赤ちゃん達の姿が全く見えなかった。 そして檻の外から様子から様子を見ると、同じようにあの群れゆっくりに捕まったと思われる ゆっくりがいた。 「ゆえ~~ん!!怖いよぉぉ!!ここから出してぇぇぇ!!! 「まりささまをとっととここから出すんだぜ!!でないと後悔するんだぜ!!」 れいむは同じようにゆっくりがいた事を知ると同時に、愛する子供と夫がどこかにいるのでは ないかと考え始めた。そう思った次の瞬間には、れいむは叫んでいた。 「おちびちゃぁぁぁん!!!まりざぁぁぁ!!どこぉぉぉぉ!!!ゆっくりお返事してねぇぇ!!」 そう檻の外へ呼びかけたものの、それにこたえる声は無かった。 他のゆっくり達にかき消されていたのだ。 「おちびちゃん・・・・返事じてね・・・・」 れいむはわが子の身を案じつつ、部屋の片隅にいつの間にか放り込まれた 食事を食べた。とても苦い草だった。 「む~しゃ、む~しゃ・・・・不幸せ~~・・・」 れいむはわが子を助けるその時に備えるため食事を我慢して摂り、 床についた。 その晩見た夢は、いつも夢に描いていた家族で過ごす楽しい一時の夢であった。 翌日 目が覚めると、れいむの入れられている牢の前に一匹のれいむがいた。 周りに2~3匹のゆっくりがいたことからこのれいむはこの施設の偉い人なのが分かった。 れいむはこの理不尽に押しつけられた苦しみをぶつけるかのように叫んだ 「そこのれいむ!!れいむは何も悪い事をしていない良いゆっくりなんだよ!! それなのにおちびちゃんとまりさをこんなところに押し込めて・・・なんの罪悪感もないの!! ゆっくり解放してね!!」 するとれいむはゆっくり目を閉じて 「そうだね、幸せな家族をバラバラにするのは良くないことだよね・・・ ゆっくりごめんなさい」 とれいむに謝罪を始めたではないか。 これにはれいむも戸惑った。 ここに無理やり連れてきて、こんなゆっくりできないところに閉じ込めておいた群れのゆっくりなのに なんでれいむに素直に謝るの?なにか裏があるの? 戸惑ったがれいむは言葉を続けた。 「だったられいむのおちびちゃんとまりさを連れてきて、ここから出してね!!」 「ゆう、ごめんなさい。それは出来ないの・・・」 と申し訳なさそうな顔で謝罪をした。 れいむは顔を真っ赤にして続けた 「何で?悪い事をしたと思うだけなら下等な人間さんでもできるよ!! ばかなの?しぬの?」 するとれいむは涙目になって 「れいむのおちびちゃんとまりさは知らないうちに掟をやぶったかもしれないから 別室で取り調べ中なんだよ・・・・終わったらみんな解放してあげるからお願いだからここで待っててね・・・」 れいむは調子が狂いっぱなしであった。 無理もない、むりやり閉じ込めた相手がこんな調子なのだから。 「だったらゆっくりここでまっててあげるからね!!ゆっくりしないではやく出してね!!」 「すぐは無理だけど、近いうちには出れるからね!! 後、ここから出れるまでにれいむのおちびちゃんとまりさはとてもゆっくりできる ようにしてあげるからね!!出る時にはれいむもとてもゆっくりできるようにしてあげるからね!!」 いささか調子が狂ったが、どうやら早いうちに出れるだけでなく 賠償としてとてもゆっくりできるものをもらえる と踏んだれいむは牢から離れようとしているれいむに 「当然の権利だよ!!出る時にはれいむをとてもゆっくりできるようにしてね!!」 と言った。 れいむは満面の笑みで答えた。子供っぽい純真な笑顔だった。 それから五日後・・・・ あの時のれいむが以前来たときとなんら変わり無い姿で現れた。 この五日間、れいむは三食毎日まずい草で過ごしていたため、相当ストレスが溜まっていた。 そのため、檻の前を看守が通るたびにおいしいご飯をもってこいやらとっととだせと口うるさく騒いでいた。 れいむはあの時のれいむがやってくるなり 「ゆ!!いつまでれいむをこんなところに入れておくの!! はやく出せ!!れいむはかわいそうなれいむなんだよ!!わかっているの!! 馬鹿なの?死ぬの?」 悪態をつきまくるれいむに対し、れいむはにこやかな顔で 「ゆっくり待たせてごめんね!!やっとここからでれるよ!!もちろんおちびちゃんやまりさも 一緒だよ!!」 「あたりまえなんだよ!!悪いと思っているなられいむを出してね!!さっさとしてね!!」 れいむはゆっくりとせずにれいむの牢の扉を開けた。 れいむは自分はかわいそうな被害者なんだぞといわんばかりの顔で 「ゆっくり遅すぎだよ!!お詫びにさっさとれいむをゆっくりさせてね!! おちびちゃんとまりさもだよ!!」 「もちろんだよ!!じゃあれいむについてきてね!!」 こうしてれいむは群れのれいむに案内されて、出口とは違う部屋に連れてこられた。 途中で出口に向かってないことに気づいたれいむはれいむに体当たりをしようとしたが、 いつの間にか四方を屈強な群れのゆっくり達に囲まれており、手が出せなかった。 連れてこられた部屋は何かゆっくりできない臭いがあった。 辺りを見渡すと、壁一面に見たこともないような生き物が不気味な声を上げながら叫んでいた。 「ゆぶぅぅぅぅ!!!」「YUYUYUYYUYU!!」 その生き物はどれもまったくゆっくりしていなかった。 ある生き物は頭と頭がくっついており、まりさ種独特の帽子を一つかぶっていた。 ある生き物は体全体から目玉が生えていた。この生き物は頭にちぇん種独特の帽子をかぶっていた。 いままで見たこともないような不気味な生き物にれいむを泣き叫んだ。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!なにごれぇぇぇぇぇぇ!!」 「何ってひどいよ!!みんなとてもゆっくりしているのに」 群れのれいむがしゃべった。 「ゆっくりあのちぇんをみてね!!あの子は生まれたときおめめがなかったんだよ!! きっとお母さんが妊娠中に茎さんを折っちゃったんだね でもね、かわいそうだかられいむが永遠にゆっくりしちゃったゆっくりのおめめを入れてあげたんだよ!! 一個や二個うめてもおめめがなおらなかったから、たくさんれいむがいれてあげたの おかげでみてよ、あんなにゆっくりした姿になったんだよ!!」 そのゆっくりしているはずのちぇんは「ちぇんはゆっくりしてるよー」と こわれたオルゴールのように何度も同じ言葉を言っていた。 「ほかにもあのまりさ!!あのまりさはね群れでいつも悪いことをする良くないゆっくりだったんだよ!! でもね、れいむがそんなまりさの核をくっつけちゃったらあんなにおとなしい良い子になったんだよ!! ゆ!!ここからじゃわからないと思うけど、まりさの頭を核が見えるまで切って、 そこから二人の頭をくっつけたんだよ!!途中でちょっと切りすぎちゃったけど近くに転がっていた 木さんで補強したらうまくいったんだよ!!すごいでしょ!!」 そのまりさだが、顔は苦痛に満ちており時折か細い声で「ころして」と言っている。 補強に使った木の棒が二人の中枢餡子に刺さった状態になり、ぎりぎり死なない辺りで止まっているようだ。 おそらくこの二匹は、今に至るまで死んだ方がましともいえる苦しみを味わっているのだろう。 群れれいむは自分がいかにゆっくりをゆっくりさせているかを延々と話した。 その内容はれいむのしたの方にあるダムを崩壊させるのに十分な破壊力だった。 切る・埋め込むは当然で、他にも移植・毒物などをも使用していた。 うっかり失敗して永遠にゆっくりしちゃったゆっくりは、ゆっくりしてもらうために ばらばらにしてパーツにして他のゆっくりに埋めているという下りでれいむは少し吐いてしまった。 その間、れいむは以前れいむに見せた時と同じ、子供っぽい純真な笑顔だった。 れいむは確信した。 このれいむは良いゆっくりじゃないよ!!ゆっくりを死に追いやる死のゆっくりだよ!! おちびちゃんとまりさを助けてはやくここから出ないと!! れいむは延々と話し続けるれいむの話に割り込むようにしゃべった。 「れいむははやくここから出たいよ!!おちびちゃんとまりさも一緒にだよ!! だからはやく連れてきてね!!」 延々としゃべっていたれいむは少し驚いた顔になったが、すぐに笑顔に戻って 「ゆ、そうだったね!!ごめんね!!れいむうっかりお話に夢中になってたよ まりさとおちびちゃんをゆっくり連れてくるね!! みんなとてもゆっくりできる姿だから安心してね!!」 今このれいむはなんて言った。ゆっくりできる姿?そんなまさか・・ れいむのいやな予想は的中することになった。 群れれいむが連れてきたゆっくりは6匹だった。 だがどれも尋常でない様子であった。 長女れいむは足のかわりに別のゆっくりの頭が移植されており、一切の歩行ができなくなった。 その頭が原因で、さかさまの絵となっていない絵を同時に見ることになり、 吐くと吐いた物を食べるの繰り返しを長女は繰り返していた。 次女れいむは口にあたる部分にあにゃるがあり、口にあたる部分があにゃるにあった。 口を動かそうとしたらまむまむがうごき、しーしーをしようとしたらくちからしーしーが・・ くちからしーしーを吐きだす不快感から、れいむは泣き続けていた。 長女まりさは目以外の五感が破壊されており、涙だけで自分の今の状態を表現していた。 次女まりさは耳以外の五感が破壊されており、ひたすら泣きわめいていた。 三女れいむは中枢餡子と生存ぎりぎり分の餡子と皮以外何もなくなっていた。 いわゆる完全な饅頭になっていた。頭頂部にかかっていたリボンがなかったら識別できなかっただろう。 そして夫にあたるまりさは五感すべてを完全に破壊され、足も使い物にならなくなっていた。 みな死んではいなかったが三女れいむだけは反応したくても反応ができなくなっていた ため、れいむはこの二匹は永遠にゆっくりしてしまった、と判断した。 家族の変わり果てた姿にれいむは気絶しかけた。 そんな様子に気づかなかったのか、れいむは満面の笑みで話を始めた。 「どうれいむの家族は?みんなとてもゆっくりできているでしょう!! みんなゆっくりできてるあまりに吐いたり、感動の涙を流しているよ!! 一番おちびちゃんのれいむはちょっと失敗しちゃったけど大丈夫だよ!!まだちゃんと生きてるよ!!」 れいむは右から入った情報が左から出る状態になっていた。 幸せだった家族がほんの数日でめちゃくちゃにされたのだ、無理もなかった。 だが、少しづつ現実を受け入れ始めると顔がだんだん真っ赤になっていき、しずかにしゃべりだした。 「どこがゆっくりしているの?みんないたいいたいでないているのが分からないの? ちょっと失敗しちゃった?ふざけないでね、れいむとまりさの愛の結晶を殺しておいて何? ちょっと失敗しちゃったじゃないよ・・・・」 れいむは深呼吸をすると、目をカッとひらき、叫んだ 「でいぶのぉおちびじゃんをがえぜぇぇぇぇぇ!!!ぐぞでいぶぅぅぅぅぅ!!!」 怒りに身を任せ、体当たりをかまそうと猛然と突進をするも、周囲にいた群れのゆっくり達に 簡単に取り押さえられた。 ひどくなれた手つきで、群れゆっくり達は怒り狂ったれいむを部屋の奥にある部屋へと連れて行った。 その部屋は人間が残していったと思われる手術道具が台の周辺に転がっており、 台にはゆっくりを拘束するために用意したであろう拘束具がついていた。 その台を囲むようにカスタードや餡子、クリームがあっちこっちに散乱していた。 「ばなぜぇぇぇ!!でいぶをばなぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」 群れゆっくりによって台に拘束されたれいむはひたすらあんよを暴れさせながら叫んだ。 そこに白い布のような物を身につけたれいむがやってきた。 「怖がる必要はないよ!!これからとてもゆっくりできるようにしてあげるからね!!」 そういうと、側近のゆっくりが饅頭になってしまった三女れいむをもってきた。 ピクピク震える饅頭を、れいむは近くに転がっていたメスで切りつけ、傷口から中枢餡子をえぐりだした。 ピクピク震える不気味な饅頭の震えは、同時に止まった。 「失敗しちゃったおちびちゃんがかわいそうだと思うよね!! おちびちゃんがとてもかわいそうだよね!!でも大丈夫!!れいむがれいむとおちびちゃんを 永遠に一緒にしてあげるね!!とてもゆっくりできるでしょ!!」 つまり、このれいむはれいむの中枢餡子の付近に三女れいむの中枢餡子を埋め込むというのだ。 それを悟り、必至に暴れるも、無駄な抵抗であった。 「大丈夫!!すぐすむからね!!」 そういうとれいむは咥え直したメスでれいむの頭を切った。麻酔なしで。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」 数分後 「ゆ~~ん、また失敗しちゃった!!」 れいむは頭を切るところまではうまくいったが以外に切り口が浅く、 中枢餡子がどこにあるかとついメスを深く入れて頭を穿ってしまい、中枢餡子を破壊してしまったのだ。 れいむは死ぬその瞬間まで地獄の苦しみを味わったのであろう、般若のような顔で死んでいた。 「でも大丈夫だよれいむ!!ゆっくりが世界を本来の姿に戻す頃には ゆっくりはみんな生き返る術を手に入れているからね!!それまであっちの部屋でゆっくりしててね!!」 れいむは自分の手でれいむの亡骸を未だ電気が通る大きな寒い箱に入れた。 その箱には、ゆっくりの死骸がこの世を憎むかのような顔をしながらぎゅうぎゅうづめになっていた。 エピローグ この群れの長であるドスまりさはまだ成果が出ないのかと待ちわびていた。 「れいむの報告はまだなの・・・はやく成果をだしてよ・・」 身長3メートルの巨体には自然でつく筈がないような傷がたくさんついていた。 傷の中には黒く変色している所があった。 「ドス!!れいむだよ!!ゆっくり開けてね!!」 「ゆ!!どうぞ!!」 れいむがやってきたことを知ると待ってましたと言わんばかりな顔でドスはれいむを迎えた 「ごめんなさいだけど、ドスが一番欲しいゆっくりしたゆっくりはまだできてないよ!!」 「ゆうぅぅ!!まだなの!!」 ドスは顔を真っ赤にした。 「でもね、別の欲しいゆっくりしたゆっくりなら目途がたったよ!! さっそく取り掛かるね!!」 「ゆううううう・・・仕方ないね・・じゃあ今はそっちを優先してね・・・」 ドスはしょげた顔でそう答えた。 「ゆっくり理解したよ!!でも本当にそんなにゆっくりしたゆっくりが必要なの?」 「どうしても必要なんだよ!!」 まりさは真剣な顔でそう答えた。 このドスまりさは幼いころからお母さんからあのれいむと同じような事を学んでいた。 「いい?ゆっくりはこの世でもっとも崇高で素晴らしい生き物なんだよ!! 他の生き物はゆっくりに仕える事が最高の幸せなんだよ!! おちびちゃんたちも他の生き物達にゆっくりつかえさせてあげてね!!」 だが現実はどうだ、ゆっくりに使えるべき他の生き物はゆっくりをいじめたり、食べたり あろうことか殺ゆっくりという大罪まで犯している。 それどころか自分たちをペットとしている生き物もいる!! 間違っている、この世は間違っている!! この世にいるみんながゆっくりする義務を与えられたゆっくりのゆっくりを奪っている。 ゆっくりをゆっくりさせない生き物はゆっくりの一撃で皆殺しにしてやる。 そう思いドスは何度か殺ゆっくりやゆっくりの土地を無理やり奪う悪逆非道な人間を 根絶やしにしようとしたが、何度も返り討ちにあった。 失敗するその度に、ドスは仲間を見捨てて一人で逃げ、別の土地で新たな群れを作っていたのであった。 そして何度も敗北し、落ちのびていくうちに、ドスは考え始めた。 ゆっくりが間違っているんじゃない!!ゆっくりはこの世でもっとも崇高な生き物なんだよ!! それが何でこんな不条理な目にあっているの!! そうだよ、わかったよ!!世界が下劣にもゆっくりの邪魔をして、ゆっくりの地位を 乗っ取ろうとしているんだね!! そんなこと認めないよ!!ドスが世界をゆっくりの手に取り戻すよ!! ゆっくりがすべて平等に正当な権利を得られる本来の世界にもどすよ!! そう決意し、この廃墟となった人間の施設を見つけた。 それからはいつものようにゆっくりの群れを作ったが、今までと大きく違い狂気に満ちたものだった。 ドスの言う事に逆らうゆっくりは世界に身を売ったスパイとして処刑したり、 自分の言うことに順々になるようにゆっくりできないキノコも使って洗脳を始めた。 この群れの幹部のゆっくりはすべて自分の考えに従うように洗脳がなされており、 このれいむも例外ではなかった。 こうして、ドスとドスに従うゆっくりたちによって施設は完成したのであった。 ドスはれいむの報告をうけ、まだ先は長いよねと考えその日は寝ることにした。 だがドスが寝ているその間にも実にゆっくりとゆっくりの逆襲の下準備が着々と進んでいたのであった。 世界をゆっくりの手に取り戻すための力を研究し、それを元に ゆっくり力を手に入れ、手始めに人間を根絶やしにするというドスの願いを叶えるため、 今日も施設からは罠にかかったゆっくりの悲鳴がやむことはなかった。 あとがき 気づいたらやりたい放題になっていました・・・・好き勝手やった結果がこれだよ。 気が向いたらシリーズにしてみようかと考えています。 あ、後クレームの嵐だったら修正するなり削除するなりします。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1082.html
「ただいま~っと」 今日も農作業で疲れた体を引きずって我が家に帰る。 「はいはいどうせここで『ゆっくりしていってね!!!』とか言われるんだろ分かってますよっと」 一人暮らしの長い独身特有の危ない独り言を呟きながら玄関の扉を開ける。案の定居る。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!(野太い声)」 何だ何だこのゆっくりは。一匹は普通のゆっくりれいむだが、隣のゆっくりまりさは異様に声が低い。 まるで人間の成人男性のような声だ。しかもかなりいい声。 「何なんだこのゆっくりは。やたら声が低いなオイ。それはともかく、ここは俺の家だ。出て行け」 よく見るまでもなく、ゆっくりまりさからは胴体が生えている。寝そべっているが、六尺はありそうだ。 いやあ最近は色んな新種が発見されてると聞くが、まさか見上げるほど背の高いゆっくりが出るとは。寝てるけど。 「ゆっ!ここはれいむとまりさのおうちだよ!!しらないおにいさんはでていってね!!」 「ゆっくりでていってね!!でていかないならごはんをもってきてね!!(野太い声)」 「違うだろ、ここは俺の家だよ。出て行かないと食っちまうぞ」 まりさ(大)の方はかなり量が多いので大変そうだが。 「ゆゆ~!ゆっくりできないひとはゆっくりでていってね!!」 「ゆっくりでていってね!!ゆっくりまりさぱんち!!!(渋くて迫力のある声)」 いきなりゆっくりまりさが立ち上がり、左ジャブを繰り出してくる。 たかがゆっくりと思って甘く見てはいけない。普通に痛い。鼻血出た。 「ゆっゆ!!まりさはつよいんだよ!!おにいさんなんかいちころだよ!!」 「ほんきでたたかったらおにいさんがまりさにかてるわけないんだよ!!(ちょっと掠れた高めの声)」 このゆっくり……できる!!紅魔館の門番に月一で挑戦し続けて来た武道家としての血が騒ぐ。 本能が告げる。このゆっくりは倒すべき宿敵だと! 気を引き締めると再びまりさ(大)が間合いを詰めてきた。右手でのストレートを繰り出してくる! 「ゆっくりしね!!(ドスの利いた声)」 「だが甘い!」 引き手から瞬時に行動を予測していた俺に隙は無かった。左手で右側に流しつつ懐に入る。 そのまま右の縦拳を水月に叩き込む。感触で相当に鍛え上げられているのが分かった。 だが、効いてる!! 「ゆ゛ぐっ!!(獣が唸る様な声)」 「まりさ!!がんばってまりさ!!ゆっくりできないひとなんかにまけないで!!」 どうやらゆっくりれいむは完全に傍観らしい。ありがたい。この難敵を前にすればあんな饅頭でも危険因子だ。 怯んでいるまりさ(大)の膝に足刀を叩き込む。が、足を引いて避けられる。マズイ、隙だらけだ! バランスの崩れた俺の腹に、引いた膝が戻ってくる。 「ごふっ!!」 「ゆっくりおかえしだよ!!(力の篭った怒声)」 胃液が口の中に戻ってきた。酸っぱい。 胃液を飲み下してまりさ(大)の胴体に組み付き、突進して押し倒す。 「ゆゆゆゆゆゆ!?ゆっくりしていってね!!(力士のような声で)」 「まりさ!!まけないでねまりさ!!ゆっくりたたかって!!」 マウントポジションを取れた俺は直感的にまりさ(大)の頭部の皮を引き剥がしにかかる。 いくら胴体が生えていようが、頭の強度は変わらない筈! 「うりゃあああああああ!!!」 まるでレスラーの覆面を剥がすかのように裂帛の気合を込める。 「ゆ゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!ゆっくりはなしてね!!ゆっくりはなしてね!!(熊の様な声)」 「なにするのー!!まりさをはなしてね!!ゆっくりはなしてね!!」 まりさ(大)に背中をガンガン殴られ、横からはそれまで傍観に徹していたゆっくりれいむが体当たりしてくる。 だがこうなってしまえば……俺の勝ちだ!! 「くたばりゃあああああああ!!」 「ゆ゛ぶびゅっ!!!!(恐竜の様な声)」 渾身の力を込めてまりさ(大)の皮を引っぺがす。と同時に胴体の抵抗も止まった。 「はぁっはぁっ……どうだ、伊達に門番に月一でフルボッコにされてねえぞ」 「ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 と、その時。ゆっくりれいむの声に応えるかの様に胴体が起き上がった。 完全に油断していた俺は振り落とされる。まさかこいつ全身潰さないと駄目なのか!? 慌てて後ろに下がって攻撃を警戒するが、何もして来ない。妙だな、と思っていると突然まりさ(大)の胴体が頭部をかきむしりだした。 「ま゛り゛ざ!!?な゛に゛やっでるの゛!!じんじゃう゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 ゆっくりれいむの声を無視して顔をかきむしり、いや違う。餡子を引き剥がしているのか! 大量の餡子を剥がし終えるとそこには人間の男性の顔が!! 「っぷは~苦しかった。あれ、どこだここは。俺は一体……?」 「お゛、お゛じざん゛!!どうじでい゛る゛の゛!!?ま゛り゛ざをどう゛じだの゛お゛お゛お゛!!!」 おじさん?一体何を言ってるんだこのゆっくりは。 「あの、一体何がどうなってんですか?」 どうやらこの男ゆっくりではなく人間らしい。うろたえるゆっくりれいむを取り押さえて事情を話す。 「はあ、俺がゆっくりまりさだったんですか……?あ、そういえば夢の中で誰かと戦ってたような気が……」 「夢じゃないですよそれ。ついさっきまで俺と戦ってたんですよ、あなた」 「そうだったんですか。それはとんだご迷惑を。……しかし一体何故こんな事に……」 「何か覚えてないんですか?夢、とか言いましたけど、じゃあ寝る前は何を?」 「寝る前……あぁ、そう言えば家に入り込んできたゆっくりまりさの帽子を酔っ払って被ろうとしました。 よこせと言っても聞かないし、力ずくでとろうとしても一向に剥がれないんであったまきて本体ごと被ったんです」 「で、それから記憶が無いと?」 「ええ、そうです。しっかし酔ったとは言え何つう事を……自分で自分が分からないですよ」 「まあ、酔った時なんてそんなもんですよ」 はははは、と何故か和やかな雰囲気に包まれる荒れた玄関。 無意識下とは言え、戦いで友情でも芽生えたのか。 ひたすら泣き叫ぶゆっくりれいむをよそに、男達の笑い声がいつまでも響き渡っていた…… その晩、意気投合して元ゆっくり男と夕食を一緒に食べた。 食後の酒を一緒に楽しんでいると、男が酔ってあのゆっくりを被ろうとしたので殴り倒してやめさせた。 ゆっくりを被ったらゆっくりになる……あなたの身近にもゆっくりになってしまった人が居るかもしれない…… PARASITE-YUKKURI VS TALKER ……TALKER WIN!! 作:ミコスリ=ハン
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「ただいま」 私の名前はA。独身で一人暮らしである。 今までは「ただいま」なんて挨拶は6畳半の狭い部屋の暗闇に溶けるように消えていったが、最近は違った。 「おにいさん、おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」 最近、ゆっくりれいむを拾ったのだ。 巷では「ウザイ」やら「害虫」やら「腐れ餡子」なんていう不名誉な称号を得ているが、 親元を離れ10年近く一人暮らしをしている私にとって話しかければ返事をしてくれるゆっくりは精神的な癒しになっていた。 しかし、最近ゆっくりの態度が多少変わってきた。 「おにいさん、おなかへったよ。ゆっくりしないでごはんもってきてね!!」 (おまえ、さっきゆっくりしていってね!!っていったばかりじゃん・・・。) 拾ったばっかりのゆっくりがお腹が減ったときはちこっちを見て餌をほしそうな目でちらちらこっちを見たり、 「ゆ、ゆ、おにいさん!!おなかへらない?ゆっくりごはんをたべようよ!!」やら要求の仕方にもまだまだ可愛げあったのだが・・・。 そんな事を考えながらに餌をもらえるのが当たり前という風に踏ん反り返っているゆっくりを見ていると、なんだか虐めたくなってきた。 まぁゆっくりの気持ちはわかる、朝に餌をやってから夜まで餌を与えていないわけだからお腹はかなり減っているだろう。 部屋を荒らして餌を探した後もないし、こいつは他のゆっくりに比べて頭がいいと思う。 しかしこういったゆっくりの生意気な姿を見ると虐めたくなるのは、人の性・・・いやゆっくりの運命に違いない。 それに、これ以上調子付かせると自分の家宣言やらで本格的に霊長類の偉大さをその餡子に刻み込みたくなるので早期にしつけておくべきだろう。 そう考えると私は早速夕食の準備に取りかかる為に台所に向かった。 そうすると早速ゆっくりが 「ゆっくりしないでごはんをつくってね!!」 と私をせかす。 普段ならどうということもないその台詞もいまは私の嗜虐心を増長することしかしない。 いつもならここで私は 「わかったわかった、ゆっくり待ってろよ。」とか返事をするのだが、今回私はその呼びかけを無視した。 そうするとゆっくりはどうも私に声が聞こえってないと判断したようで更に大きな声で 「ゆっくり!!!ごはんをつくってね!!!」 と胸(?)をそらしながら言った。ここでも私が無視するとゆっくりはさすがにおかしいと思ったらしく、 「ゆ、ゆっくりごはんをもってきてね。」と言い換え、媚を売るような目で私を見つめてきた。 当たり前のように私はそれを無視すると夕食を作り始めた。 ゆっくりは私に無視されていることに気づいたらしく 「な゛ん で む じ ず る゛の゛おぉぉぉ!!」 と泣き始め私に突進してきた。 ぼよんぼよん、と有効打には程遠い効果音を鳴らしながら、ゆっくりは私に体当たりを繰り返す。 「む゛し゛ち゛ない゛て゛え゛ぇぇぇぇ」 もうゆっくりの顔は涙やらの体液でぐしょぐしょになっていた。 私は背筋にゾクゾクとしたものが走るのを感じ、この後どうやってゆっくりを虐めるか思考を巡らせた。 ゆっくりのしつけという建前はこの時点で完璧に私の頭の中から消え去った事をここに宣言しておこう。 その後ゆっくりは泣き疲れたのかこれ以上泣いても無駄だと悟ったのか部屋の隅で寝てしまった。 私はその間にゆっくりを透明な箱の中に入れ、更に外に行って「小道具」を探しにいった。 最近「それ」は幻想卿でやたらむやみ増えているので簡単に捕まえることが出来た。 そして箱の前に餌を置いてゆっくりを起こした。 「ゆっくり、ご飯の時間だよ」 「ゆ・・・?ゆ!!」 今日のゆっくりの餌はそれなりに豪勢だ。腐りかけた肉を焼いたものとくず野菜だ。 特に肉が出る日は少なく、ゆっくりは先ほどのことなど忘れた様子で餌に飛びつこうとした。 「ゆ、ゆっくりたべよう・・ね゛!!」 ゆっくりは餌と自分を遮る板にぶつかり「ゆ゛っゆ゛っ!?」と情けない声を出して跳ね返った。 ゆっくりの弾性が高すぎたためかしばらく箱のなでバウンドして「ゆっ!!ゆっ!?」と情けない声を上げていた。 そこではじめてゆっくりは自分が箱の中に居るということに気づいたのである。 「おにいさん!!ここじゃゆっくりできないよ!ゆっくりだしていってね!」 その呼び声を無視して私は「小道具」を部屋ゆっくりれいむの前にだした。 「それ」はふてぶてしくも私の部屋を見渡して 「とかいはありすにはにあわないいなかくさいいえだけど、ゆっくりしていくわよ!!」 とほざきやがった。 そう私はゆっくりれいむが寝ている間に他のゆっくり種を捕まえにいったのだ。 「ゆっくりしていってね!!」とゆっくりれいむは条件反射のように答えた。 そんなゆっくりれいむを無視してゆっくりありすはゆっくりれいむの前にある餌に目をつけ、 「このとかいはなでぃなーはとかいはのありすのごはんよ!!」といって餌を食べ始めてしまった。 都会派どころかその餌腐ってんだけどなぁ・・・。 当然ゆっくりれいむはゆっくりありすに抗議。 「そのごはんはれいむのごはんだよ!ゆっくりたべるのやめてってね!!」 と抗議した。しかしありすはそんなこと無視して 「うっめ!!めっちゃうめ!!」とがつがつ食べてしまった 「や゛め゛て゛え゛ぇぇぇぇ、れ゛い゛む゛のごばん゛だべな゛い゛でぇぇぇ!!!」 そんなゆっくりれいむのなきごえを他所にゆっくりありすは餌を全て食べてしまった。 そしてゆっくりありすは 「とかいはのありすのくちにはあわなかったからつぎはもっととかいはなでぃなーをよういしてね!!」 と俺に向かってほざきやがりました。つか都会派なディナーってどんなやねん。 自分の餌を食べられたれいむは 「あ゛あ゛ぁぁぁぁて゛い゛ふ゛のこ゛は゛ん゛がぁぁぁ!!!」 と泣き叫んでいる。 (あーあやばいやばいよー俺の中で何かが目覚めるよー) おれは自分の中のSやらMやらの部分が激しく励起して今にも電子を放出しそうな、そんな未知の興奮を感じていた。 そして私はゆっくりれいむの泣き顔を見ながら飯でも食うかと思っていた時、ゆっくりありすから 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」という泣き声が聞こえた。 まさかと思ってそちらのほうを見ると 「て゛いむ!!わたしのごを゛う゛んて゛ぇぇぇ!!」 とありすの求愛のダンス(?)が展開されていた。 なんか視界の端で揺れてると思ったらこいつ発情してやがったのか。 つか腹が膨れたら即交尾かよ・・・。 そしてゆっくりありすはゆっくりれいむに飛び掛かりこすりながら絡んでいる。 正確には箱にだが。 「や゛ぁへ゛て゛ぇぇぇ!!ゆ゛っく゛り゛やへ゛て゛って゛ぇぇぇ!!!!」 「れいむぅ!て゛ぃふ゛ぅぅぅぅ!!!ぎもでぃい゛い゛よぉぉぉ!!」 透明の箱は丈夫で人の手でも壊すのが難しいくらいなのでゆっくりありすごときではびくともしないのだが、 中に入っているゆっくりれいむには当然そんなことはわからずいつこの箱が壊れるのかありすが襲ってくるのかと半狂乱になって叫んでいた。 「あ゛ぁぁぁぁ!!ゆ゛くし゛て゛き゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉ!!!」 「い゛く゛!!あ゛りずの゛か゛て゛るぅぅぅぅ!!!」 どうやらありすは箱相手にイクようだ。あほだなぁ 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!お゛に゛い゛さ゛んた゛す゛け゛て゛ぇぇぇぇ!!!!!」 パン 「ゆ・・・?ゆぅ?」 ゆっくりありすは壁に衝突してぐしゃぐしゃになって絶命していた。 おそらく私の拳を受けたんだろう。私の手の甲にカスタードがついている。 うわ、カスタードが飛び散ってる。 ゆっくりれいむは一瞬何が起きたか理解できなかったようだが、徐々に状況を理解したようで 「お、おにいさん。れいむをたすけてくれたの?」 と言った。 その問いに答える代わりに私はゆっくりれいむを箱から出して抱き上げた。 そしてわたしはゆっくりれいむにむかって 「ゆっくり飯でも食うか。」 と言った。 そうするとゆっくりれいむは満面の笑みで決まり文句を言った。 「うん!!いっしょにゆっくりしてこうね!!」 fin 歴史というのは己が切り開いてきた道のことを言う。 例えそれが漆黒の道を切り開いて作ったものであるとしても何を恥じる必要があろうか。 ※異訳・・・またひとつ黒歴史が誕生しましたとさ このSSに感想を付ける
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「ゆっ」 どすんっ、と重量級の音を立てて一見して生首にしか見えない物体は草原へと踏み込んだ。 ウェーブのかかった金髪につばの広い黒色のとんがり帽子。そして三メートルはあろうか という巨体。 ゆっくりまりさ。それも『ドス』と呼ばれる個体であった。 「ゆ~♪ この草原さんはいっぱいおいしそうな草さんがはえてるよぉ~♪」 青々と茂る草原を一望して歓声を上げて身体を振るわせるドスまりさ。 するとドスまりさの身体にあった大きな帽子が脱げて、ふわりと地面に落ちた。飾りや帽 子を、時には自分の命以上に大切にするゆっくりなのに慌てる気配もないのは、彼女自身 の意志で帽子を落としたからだった。 「くぅささ~んはぁなさ~ん♪ ゆ~っくりご~飯になってね~♪」 奇妙な節回しまでつけて歌いながら、満面の笑みで大口をあけると草原の一角にかぶりつ いた。 顔…というか身体の前面を地面に埋めるような姿勢になったドスまりさが身をもたげる と、その一角だけが土の色を晒していた。そこに生い茂っていた草花はすべてドスまりさ の口の中。 だがそのまま「む~しゃ~む~しゃ~…」と食べるのかと思いきや、ドスまりさは口の中 の草を吐き出すと置いた帽子に詰めていった。 それから三十分余り。 ドスまりさは草花を食いちぎっては自分の帽子に詰めるという動作に終始していた。 元々それほど広い草原ではなかった。その為、帽子がパンパンに膨れあがった頃には、草 原の半分近くを地肌の見える空間が占めていた。 けど、ドスまりさは何の関係もないとばかりに満面の笑み。 ちょっとさっぷうけいになっちゃったかな、くらいの感慨はあったがそんなことよりも大 切なことがある。 「ゆっふっふ~♪ これだけあれば群のみんなもおなか一杯になるよ~♪」 どすん、どすん、と森に重低音を響かせながらドスまりさは大急ぎで来た道を帰ってゆく。 既に時刻は昼下がり。 朝から何も口にしてなくてお腹はペコペコだったが、そんなことをドスまりさは気にしち ゃいけない。 「みんな待っててね! すぐにドスがおいしいご飯を持っていってみんなをゆっくりさせ てあげるから!」 **************** ドスのゆっくり **************** ドスまりさの群は成体と子供を合わせても50匹に満たない小さな群であった。 これは他のドスが治めるゆっくりの群と比べると極めて規模が小さい。 それもそのはずで、一週間ほど前までドスまりさはその群に住んでいた極々普通の、子供 のゆっくりまりさだったのである。 「ドスがいる」という噂を聞けば庇護を求めて集まってくるゆっくりは多いが、今はまだ そんな噂も流れていないので元の規模を保っていた。 それでも、ドスがまだ群の誰からも「まりさ」と呼ばれていた頃は20匹程度の群だった のであるが…。 …すん、どすん、どすん… 全身これ聴覚とも言われるゆっくり。 地面から伝わる聞き覚えのある振動に、広場でゆっくりと日向ぼっこをしている中の一匹 が目を覚ました。 「…ゆ!? わかるよー! やっとドスが帰ってきんだねー!」 「…やぁっとぉ? れいむはもうお腹がぺこぺこだよ!」 「むきゅ、まったくもう! うちのドスはホントにのろまねぇ…」 一匹の呼びかけに、日向でぐっすり眠っていたゆっくりたちが目を覚ます。幸せそうに涎 まで垂らして眠りこけていたのが起きた途端に不機嫌な表情になるというのは空腹を、文 字通り思い出したからだろう。思う存分ゆっくりしている間なら空腹をも忘れることがで きるのがこのゆっくりという饅頭である。 ぶつぶつと愚痴を漏らすゆっくり。大口を開けてあくびをするゆっくり。起き抜けに仲の 良い友達と追いかけっこを始めるゆっくり。 そこにいたのは全長20~30センチ程の成体ゆっくりが6匹。10~20センチほどの 仔ゆっくりが11匹。10センチに満たない、まだ産まれて間もない赤ゆっくりは27匹。 総勢44匹――つまりはドスを覗いた群の総てのゆっくりがくつろいでいる広場に、行き の時よりも遙かに重量の増した音を響かせてドスまりさは到着した。 重労働に滲む疲労を覆い隠すように、ドスまりさは群のゆっくりたちに向かって満面の笑 顔を向ける。 「みんなお待たせ! ゆっく」 「遅いよドス!」×6 「…りー…して…」 開口一番。ドスまりさが口にしようとした精一杯の「ゆっくりしていってね!」という挨 拶は、自分の親も含めた成体ゆっくりたちによって阻止されてしまった。 さらに姉妹や幼なじみが親たちに続いてドスに迫る。 「はやくごはんをちょうだいね!!」×11 「ちょうらいね!!」×27 「………」 口をつぐんでしまったドスの周りでは赤ゆっくりたちが姉たちの口まねをして飛び跳ねて いる。 足下の赤ゆっくりたちに注意を払いながら慎重に帽子を下ろしたドスまりさは、中に押し 詰められた草花を引っ張り出した。 少しだけ…。 ほんの一呼吸だけ俯いていたドスまりさだったが、顔を上げたときには広場に着いたとき のような満面の笑みを浮かべていた。 「遅くなってごめんねみんな!! 草さんも花さんも一杯取ってきたからドスと一緒にご 飯にしようね!!」 しかし返ってきた反応は、 「む~しゃ~む~しゃ~♪ しあわせ~♪」 「ちあわちぇ~♪」 「うっめ! むっちゃうっめえっ!!」 「………ゆ?」 起こした目線の先にあったのは、自分の事など一顧だにせず草花の塊に群がる群のゆっく りたちの姿。ドスの帽子にギュウギュウ詰めにされた草花の塊は44匹の旺盛な食欲に応 えるだけのボリュームが確かにあった。 ただ、そこにドスが入り込むスペースはどうやっても見つけることができない。無理に割 り込んだりしたら、その巨体と重量で草花の塊に群がるゆっくりたちを押しつぶしてしま うだろう。 「ゆぅ…」 一山越えた先にある草原に行くためにお日さまが昇る前から出かけて、持てるだけの草花 を集めるとその重みに苦心しながらも全速力で帰ってきた。もちろん、ゆっくりしている 暇など何処にもなかった。 だからこそ、群に帰り着いたときには暖かく出迎えてもらえると思っていた。 一生懸命運んできたご飯は一緒に食べるものだとばかり思っていた。 今日こそはみんなと一緒に、ゆっくりできるのだと… 「うぅ…、ねぇみんなぁ…。ドスも一緒にゆっくりさせてよぉ…ゆぅぅ…」 ドスまりさの、仔ゆっくりほどのサイズはある瞳が潤み大量の涙が決壊寸前になっていた。 訴えるその声はあまりに小さくて、騒々しく食事を貪る群のゆっくりに届くとは思えなか った。 だが、そのか細い声を聞き届けたのか、一匹のゆっくりがドスまりさの顔を振り仰ぐ。 それは群の相談役でもある成体のゆっくりぱちゅりーだった。 「ねぇ、ぱちゅりー。まりさは」 「ドス…」 瞳を涙で潤ませて縋ってくるドスまりさに対し、パチュリーはあくまで冷静だった。その 貌には哀れみもやましさも、ましてや慈悲など欠片も無い。 ただただ聞き分けの無い子供を見るような呆れ顔でぱちゅりーは噛んで含めるようにゆっ くりと告げた。 「ドスはゆっくりをゆっくりさせることでとってもゆっくりできるゆっくりなのよ? だ からぱちぇたちが『しあわせ~♪』するところを見てドスもゆっくりしてね!」 『ドス』と呼ばれてから耳にたこができるほど聴いてきた台詞に言葉に詰まる。 だがそんなドスまりさの様子は気付かれることが無く、ぱちゅりーの話を改めて聞いた仔 ゆっくり、赤ゆっくりたちが眼を輝かせて騒ぎ出した。 「ゆゆ! ドスはすごいね~!」 「れいむはれいむがゆっくりしないとゆっくりできないのに、ドスはれいむたちがゆっく りしてればゆっくりできるんだね! ならもっとゆっくりするよ!!」 「れいむも~っ!」 「まりさだって!!」 「あら、ありすだってまけないわよ?」 「だからドス! もっともっとゆっくりさせてね!!」(×仔ゆっくり&赤ゆっくり s) 「………そ、そうだね! ドスはとってもゆっくりしてるよ。みんなもいっぱいゆっくり していってね!!」 純真な目で見上げてくる群のゆっくりたちに、ドスまりさはぎこちない笑みを浮かべて精 一杯の「ゆっくりしていってね!」を返す。 ただ群のみんなと一緒にゆっくりしたい一心で暁の頃からかき集めた草花は、ドスまりさ が一口も口にすることなく群のゆっくりたちに食い尽くされていた。 仕方なく、近場に繁茂しているが群のゆっくりたちは「にがくてまずい」と言って口にし ない草を一人で食べた。 涙が流れちゃうのは草さんがとっても苦いからだよ… そう、自分に言い聞かせながら。 * ドスゆっくりは、ゆっくりをゆっくりとさせてくれるすばらしいゆっくり。 ドスゆっくりは、ゆっくりがゆっくりしているとゆっくりできるゆっくり。 だから、ドスは群のゆっくりをゆっくりさせなくてはいけない。 それがこの群でずっと言い伝えられてきた『ドス』の姿。 まりさがドスに成り始めた頃から子守歌のように聴かされてきた、『正しいドスの在り方』 だった。 おいしいご飯を集めるのはドスの仕事。 おいしいご飯をお腹一杯食べればとってもゆっくりできる。 広くて丈夫なお家を造るのはドスの仕事。 雨さんも風さんも入ってこれない広々としたおうちで過ごすことはとってもゆっくりできる。 怖い犬さんや、れみりゃやフランを追い払うのはドスの仕事。 とっても怖い犬さんやれみりゃを追い払ってくれるから安心してとってもゆっくりできる。 こんなにもゆっくりしている自分たちを見ることができて、ドスはとってもとってもゆっ くりできる。 ドスまりさ以外のゆっくりはそう信じて疑わなかった。 ドスまりさは一心に信じ込もうとしていた。 * 季節は移ろい、山が鮮やかに色付き始める秋。 ドスまりさの負担は目に見えて増していた。 実りの秋とも呼ばれる季節だけに集める食料には事欠かなかったが、それでも量を確保す ることが難しくなっていた。 ドス一匹にごはんを集めさせ、自分たちはひたすらゆっくりしていた群のゆっくり。睡眠、 食事と安全が確保されたゆっくりたちの欲求は性欲へと移り、ドスまりさのささやかな懇 願など忘れ去って気の済むまで「すっきりーっ!」を繰り返したのである。 結果、赤ゆっくりが沢山生まれ落ちた。 「こんなにもゆっくりとした赤ちゃんを見ることができたんだから、ドスはとってもゆっ くりできてるね!」 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」×たくさん 「ゆ…ゆっくりしていってね……」 気が付けば、群は総勢100匹を越す規模になってしまった。 しかも群の半数以上が育ち盛りで大食らいな赤ちゃんや子供。 それに加えて、やがてくる冬の為にも保存の利く食料を備蓄しなくてはいけない。 しかし数を増やした成体ゆっくりたちが手伝うことは相変わらず無く、日がな一日子供や 孫のゆっくりたちと広場で遊んでいた。 ドスまりさは朝から晩まで、一時もゆっくりすることなく森を駆けずり回って食料集めに 奔走した。 「ゆっ! ゆぐっ! 木の実さんっ、早く落ちてね…っ!」 瑞々しい草が少なくなったため、木の実を集めるために太い幹に体当たりすることも多く なった。ドスの皮が分厚いとは言っても所詮は小麦粉の皮である。枝に引っかけたものも 含めて、ドスまりさの傷は日に日に増えていった。 さらに夜も寝る時間が減っていた。 冬に向けて備蓄を増やそうとしているのは群のゆっくりばかりではない。この時期は捕食 種と呼ばれるれみりゃ、フランなどの襲撃も激しくなる。 「うー! あまあまー!」 「帰ってねっ! まりさたちは美味しくないよっ!」 「がぶーっ! ………う゛ー!? なんであまあますえないーっ?」 跳ね回るドスまりさにかじり付くことができたれみりゃが居たが、中身をすすろうとして もそれが出来ないことに気付いた。皮が分厚くて牙が餡子まで届かないのである。 ドスまりさは目一杯身を捩って、かじり付いたれみりゃを弾き飛ばした。 「美味しくないっていってるでしょっ!!」 「う゛あぁぁぁっ!! ざぐやぁー!!」 「もう来ないでねっ!! ………はぁ、ねむいよぉ………」 群の安全を守るために、やっぱりドスまりさ一匹で寝ずの番を努めなければならなかった。 だがそんな苦労の甲斐もあって、ドスまりさの群は無事に冬ごもりの日を迎えたのである。 * ドスまりさが作った広くて頑丈な巣。 それはドスの顎が疲れるくらいしっかりした土の斜面を掘り、念入りに床や壁を押し固め て作った横穴である。十匹以上の大家族となったゆっくりは多いが、それでも余裕ができ るだけの空間があった。 隙間風が入らないようぴっちりと入り口が塞がれていることを確認して、ドスまりさは久 しぶりに息を吐いた。中からとても愉しそうな笑い声が聞こえてくるが、声を掛けるよう なことはしなかった。 ずりずりと重い体を引きずって広場の中央まで行くと、そこで留まる。 春にドスとなってから群の為にずっと働き詰めだったドスまりさに、今年初めて訪れたゆ っくりとした時間。 独りしかいないことを少し寂しく思うが、誰の声も聞こえない静かな時間は心地よかった。 「………ゆ?」 傷つき疲れ切った躯を休めていたドスの視界に白く小さい物が写り込んだ。 その年、初めて舞い降りる雪の一枚。 「雪さん……」 見上げれば空はすっかり灰色の雲に覆われていた。 灰色の空を塗り替えるように、白い花弁のような雪は次第に勢いを増して降りしきる。そ れに伴い吹き付ける風も一段と冷え込んできた。 一際強い風に大事な帽子が浚われてしまったが、それでもドスまりさはその場を動こうと はしなかった。 誰かのためにご飯を集めなくてもいい。 誰かのためのおうちを造らなくてもいい。 誰かのために怖い外敵と戦わなくてもいい。 ただただ自分のためにゆっくりできる。 そんな今という時が――例え、時をおう毎に吹雪いてゆく直中にあったとしても――限り なく惜しい。 それに、 「ゆぅ…そういえばまりさのお家を造るの忘れてたね。それにまりさの分のご飯を集め忘 れてたよ…まりさはうっかりさんだね、ふふ…」 それはドスまりさが自分の為のお家を造れば片っ端から群のゆっくりたちに占領されてし まったからであり、僅かずつでも貯め込んでいた自分のための食料の備蓄――その大半は 枯れた草や木の葉だったが――は冬ごもりの日に群のゆっくりたちが「あら、とかいはな ベッドにするのに丁度いい草さんがあるわね」とか言ってすべて持ち去ってしまった。 断じてまりさのうっかりなどではあり得ないし、ドスまりさはそのことを忘れていた訳で はない。ただ、不思議と恨み言が思い浮かばない。 笑い事では無いはずなのにドスまりさは知らず微笑んでいた。 「お家が無くても…、ご飯がなくてもまりさはゆっくりできてるよ…」 群のゆっくりたちをゆっくりさせている時には得られなかった満足感。 まりさは笑顔のまま、次第に雪に埋もれてゆく。 だけど心の奥底からゆっくりしている今、寒さは微塵も感じられなかった。 まりさは穏やかに、長く息を吐いた。 「ゆっくり…していってね………」 * その地方は例年よりも長く寒波が居座っていたため、ゆっくりたちの冬ごもりは長く続い た。 山のあちこちで、多くのゆっくりが冬ごもりの備蓄が足りずに餓えて死んでいったり、多 量の雪に巣ごと押しつぶされていった。全滅してしまった群も少なくない。 だがドスまりさの群は、ドスが寝食を削って食べ物を集めたお陰で食料の備蓄には余裕す らあった。 また雪の量も例年より多かったが、ドスが自分のために作った頑丈で広々とした横穴は降 り積もる雪の重さを難なく耐えきった。 山のゆっくりたちにとっては辛く厳しい冬であったが、十二分の食料と広々とした快適な 住処を得た群のゆっくりは雪がすっかり溶けきるまで巣の中で過ごしていた。 巣から数カ月ぶりに飛び出したゆっくりたちが見たのは、すっかり新緑に覆われた憩いの 広場だった。 大半のゆっくりが歓声を上げて美味しそうな草に飛びつく中、広場の中央にある小山に登 ったれいむが土や苔に覆われた小山の天辺でぐぐっと伸びをする。 「ゆぅ~ん、久しぶりのお空さんだね。お日さまもゆっくりしていってね!」 「木の実さんは食いあきたんだぜ! まりさはもっと草さんを食べるぜ!」 「むきゅ? そういえばドスはどこに行ったの? みんながきびしい冬をがんばってのり こえたんだから、おいしい草さんや花さんをもってきてね! 広場の草だけじゃ足りない わよ!」 「…あら? ドスー? どこにいったのー? …なんでドスがいないのおぉぉぉぉっ!?」 ありすのその一言で、思い思いにゆっくりしていた群のゆっくりたちに動揺が走った。 「ゆっ!? ドスーっ! ドスーっ!!」 「さっさと出てきてね! 早くまりさをゆっくりさせるんだぜ!」 「ドスはみんなをゆっくりさせなきゃいけないんだよ!? なんででてこないの!?」 右往左往するゆっくりたちだが、昨年一年間ずっと快適に過ごしていた広場を離れてまで ドスを探しに行こうとするゆっくりは、結局のところ一匹もいなかった。 その群にドスはもういない。 群のゆっくりたちが生きてゆくためには、その事実を受け入れ、快適であった広場を出て、 ドスに押しつけていた総ての仕事を自分たちでやらなければならない。 一年というゆっくりにとっては長い期間を自堕落に過ごしていたゆっくりたちにそれが出 来るだろうか? * その年の晩秋。 この広場にゆっくりの姿は無かった。 ただその中央にある苔むした小山は、見る方向によってはとても大きなゆっくりに見えた という。 その広場に迷い込んだ里の人間はこう語ったという。 その小山は穏やかで静かな、それはとってもゆっくりとした笑顔を浮かべているように見 えた、と。
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。二十回は……ちょっとだけ超えそう。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。人間から見れば。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※次回から虐待ラストスパート。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』16 目が覚めたとき、しばらくは状況がつかめなかった。 最初に白い天井が見えた。 仰向けのままひとしきり天井を眺めてから、伸びをして起き上がると、 周囲に家族の姿があった。 まりさ種もありす種も全員含めて、 起きているもの、眠っているもの、とにかく十三人全員がそろっている。 「ゆゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 考える前に、れいむは挨拶した。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね……」 主に自分の子供たちから挨拶は返ってきたが、元気のない声だった。 「ゆぅ~?ゆっくりしてね!」 しかし、周りを見渡し、自分たちの置かれている状況が飲み込めてくるにつれ、 れいむもなんだかゆっくりできない気分になってきた。 「ゆゆっ?とうめいなかべさんがあるよ!」 自分たち十三匹の四方を、大きくて透明な壁が囲んでいる。 どちらを向いても出口は見当たらず、 体当たりをしたところで壊れてくれるようなものでもないことを、れいむは体感的に知っていた。 「ゆっ……ゆっくりできないきがするよ!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 れいむは飛び跳ねて叫んだ。 子供のれいむ達も同調する。 「ゆっくりできないよ!!かべさんはゆっくりどっかいってね!!」 「れいむをここからだしてね!!ゆっくりしないでね!!」 「かわいいれいむがでたがってるんだよおぉ!?なんでむしするのぉ!?ばかなのおぉ!?」 どれだけ叫ぼうと、壁はどいてくれる様子がなかった。 れいむは知っていた。このかべさんはゆっくりできない。 前にもこのかべさんに閉じ込められたことがあった。 そしてその時、自分たちは何をされていたのか。 「ゆぅうううううううううぅ!!?」 不安感がますます膨れ上がっていく。 思い出したくもないトラウマがれいむを焦らせる。 あそこからは逃げ出したはずだ。 あんなゆっくりできないことは、もう終わったはずだ。 「だしてね!!だしてね!!かわいいれいむをだせえぇぇ!!ゆっくりするなぁぁぁ!!!」 暴れているうちに、ガラスケースが一つではないことがわかってきた。 殺風景な白い部屋の中心に、どうやら自分たちはガラスケースに入れられ、テーブルに載せられているらしい。 そして自分たちの右側、部屋の中心部からずれたところにもう少し小さいテーブルがあり、 その上では、小さなガラスケースの中にあのれいむが入っていた。 金色のバッジをリボンにつけたそいつは、 あの施設から脱出するときに案内させたれいむだった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 挨拶をすると返事が返ってくる。 れいむは金バッジに向かって質問した。 「かわいいれいむたちをゆっくりここからだしてね!」 「むりだよ!れいむもでられないんだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「ゆゆっ!れいむはやくたたずだね!!いいわけしないでどりょくしてね!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉぉ!?」 口論しているうちに、部屋の中に入ってきたものがあった。 「ゆゆっ!!にんげんさんがきたよ!! ゆっくりここからだしてね!!あまあまもちょうだいね!!」 「あまあまちょうだいね!!それからしんでね!!」 入ってきたのは人間だった。 顔の確認もせずにれいむは色めきたったが、やがて顔を確認すると、別の感情から騒ぎ始めた。 「ゆゆゆぅ!!?ごみくずぅぅ!! れいむのおちびちゃんをころしたごみくずはれいむをここからだしてゆっくりしねぇ!!」 「だせぇぇ!!ここからだせぇぇ!!ごみくずぅぅ!! またいたいめにあいたいのかぜぇぇ!!? まりささまはてかげんしてやってたんだぜぇ!!つぎはほんきでおしおきするのぜぇぇ!!」 「はやくだしなさいいいいぃぃぃいなかものおぉぉぉ!!!」 変な棒で体を支えながら入ってきたのは、 かつて自分たちをガラスケースに閉じ込め、とてもゆっくりできない目に逢わせていたゴミクズ。 そのゴミクズを前に、れいむは涸れることのない怒りを爆発させる。 他の家族たちも同じようだった。 あの群れの中で、自分たちはこのゴミクズにたっぷりとお仕置きをしてやった。 そのおかげで、あんな棒をつかなければならないほどよろめいている。 もちろんあんなもので済ませるつもりは毛頭なく、これからも死ぬまでいたぶるつもりだ。 しかしとにかく、言語を絶する暴力にさらされ、たっぷりと訓戒を受けたゴミクズは、 自分たちとの上下関係を理解し、自分たちを恐怖しているはずだ。 ちょっと脅してやればすぐに言うことを聞くだろう。 れいむは確信し、ここから出すように命令した。 「ごみくずはぐずぐずしないでれいむたちをゆっくりここからだしてね!!」 「いやだね」 ゴミクズの答えに、れいむは耳を疑った。 なんだと? もしかしてこの人間は、あれほどのお仕置きをもう忘れたのか? 「にんげんさんがばかなのはしってたけど!ここまでばかだとはおもわなかったよおぉぉ!! ここからだせ!!だせ!!おしおきしなおしてやるからだせぇぇぇ!!!」 「だめだよ。もう出さない。ここでずっと苦しんでもらう。 前に言ったろう?お前たちはもう、永遠にゆっくりできないんだよ」 見ると、ゴミクズのほかにも二人の人間が入ってきていた。 一匹は小さい人間で、あの群れですっきり用人間として飼ってやっていたペットだ。 もう一匹はもっと大きくて、ずっと言うことを聞かなかったのろまなペット。 「ゆっ!おねえさん!ゆっくりしていってね!」 金バッジが箱の中で飛び跳ねはじめ、大きいペットのほうに媚びた声をあげはじめた。 しかし、ペットのほうは黙って見ているだけだった。 「れいむはおねえさんがだいすきだよ!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 くにゃりと頭を斜めにかしげ、にっこり笑ってみせている。 しかしペットのほうは、立場をわきまえていないらしく、話しかけてやっているのに返事をしようともしない。 「くそばばあ!かわいいれいむがはなしかけてあげてるんだよぉぉ!?へんじぐらいしてねぇぇ!!」 仲間が無視されているのにたまりかねてれいむは叫んだが、それでも返事は返ってこない。 「はーい、みんな、こっち向いてねー!」 小さいペットが両手を叩いてなにやらわめいていた。 皆がそちらを向くと、小さいペットは叫んだ。 「そっちのゴールドバッジをつけた子は別だけど、 プラチナバッジをつけたこっちのみんなは、これから死ぬまでゆっくりできませーん! 死ぬまで永遠に、痛くて苦しくて気持ち悪くてゆっくりできない目に遭ってもらいまーす。 ゆっくり理解してね♪」 その言葉を聞いた反応はさまざまだった。 「ゆっ!ゆっ!れいむはゆっくりさせてくれるんだね! おねえさんはれいむがだいすきなんだね!れいむもおねえさんがだいすきだよ!ゆっゆっゆ~♪」 自分は助かるという事実に安心してぴょんぴょん跳ねる金バッジ。 「げらげらげらげら!!やれるもんならやってみろだぜぇ!! すっきりさせるしかのうのないくそにんげんがまりささまをくるしめるとか、ぷげら!!」 「ほらほらぁ~♪くるしめてごらんなさぁ~い♪ゆっほほほほほほ!!」 自分よりはるかに劣る生物の妄言をせせら笑うまりさやありす達。 しかし、れいむは笑う気になれなかった。 「くそごみくずぅぅぅぅ!!!なにをいったああぁぁぁ!! れいむたちをくるしめるううぅぅぅぅ!!??そんなこといっていいとおもってるのおおぉぉ!? いっていいこととわるいこともわからないのおおおぉぉぉぉ!!!? あやまれ!!いますぐあやまれええぇぇ!!ぐずぐずするなぁぁぁぁ!!!」 どんなゴミクズだろうと、自分たちをゆっくりさせないなどと言う異常者は許すわけにはいかなかった。 れいむは怒りのあまりわめき続け、他のゆっくり達も同調して怒鳴り散らした。 「は~い、シャラ~ップ♪」 ガァン!! 小さいペットが、鈍く光る棒のようなものを握ってガラスケースに叩きつけた。 大きな音と伝わってきた衝撃に、一同は一瞬委縮する。 「みんな、これ覚えてるかな~?」 そう言って、小さいペットは部屋の隅にある黒い箱を指差した。 黒い箱はそれまで真っ黒なままだったが、その時ぱっと明るくなり、中に何かが映っているのがわかった。 「これは君たちです。二週間前の映像ですよー」 確かにそれらは自分たちだった。 頭の飾りと、そして置かれていた状況の記憶が認識する。 フックで上顎からつり下げられ、歯の抜けた口を限界まで開かされ、トウガラシを詰め込まれて痙攣するまりさ達。 我が子を救うために走り続け、歌いつづけ、様々な終わりなき苦行を強いられているれいむ達。 孫ありすの海の中で休みなく犯されつづける子ありす達。 電極を性器につなげられて際限なくすっきりしつづけるありす。 「ゆんやああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??」 極限の苦しみのトラウマがまざまざと甦り、れいむ達は絶叫した。 同時に、どうにもならなかったあの無力感が記憶に呼び覚まされる。 この人間共は、今また、同じ苦しみを味わわせるという。 「やべろおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!」 まりさが叫んでいた。 「まりささまににどとそんなまねはさせないのぜ!!! あれはひきょうなてをつかったからそっちがかったんだぜ!! こんどはそっちがいじめられるばんなのぜええ!!」 「はいはい、じゃあさっさと済ませようね」 小さいペットが箱の中からまりさを掴み上げ、床に下ろした。 「じゃ、かかっておいで。あたしをいじめてごらん」 「ゆっ……ゆっへっへっへ!! くそごみくず!まりさのこわさがわかってないようなんだぜぇ!? まりささまのちからをおもいしらせてや」 「はいはい、時間が押してるよー」 「ゆぎぇべぇぇっ!!?」 たちまちのうちに、まりさが壁に叩きつけられていた。 何が起きたのか理解できなかった。 大きくて強いまりさは、ドスまりさを除けば、ゆっくりの中では一番強いと言っていい。 少なくともれいむはそう確信していた。 しかしそのまりさは、小さいペットの前に、なすすべなく蹂躙されていた。 「ゆびぇ!!やべ!!やびぇっ!!ぼっ!!げらだいでぇぇぇぇばっ!!」 「うん、負けを認めるかなー?」 「みどべばず!!みどべばずがらぼうやべでええええええ!!!」 「はいOK!」 言うが早いか、小さいペットはまりさを掴むと、 さっさとガラスケースの中に投げ込んで戻した。 「はい、他ににんげんさんと戦いたいゆっくりはいるかなー?」 「……………!!!」 一番強いまりさを赤子扱いした相手に対し、名乗りを上げる者はいなかった。 「はいじゃあ、また苦しんでもらいまーす。いいですねー」 そう言い、小さいペットはいまだに映像を流している黒い箱を指差す。 「い!!いやぢゃあああああああぁぁぁぁぁ!!!」 「わっがざんぼういやあああああああああああああゆっぐりでぎだいいいいいいいいいぃぃぃぃ!!!」 「ゆっぐりでぎだいどいやあああああああああいやああああああああああああーーーーーーっ」 「もうべにべにいじべだいでえええええ!!!おでがいじばずうううううううううう!!!!」 「はい駄目でーす。逃げ場はないよー?逆らってもまりさみたいにやっつけられちゃうよー。 君たちにはどうすることもできませーん」 「ゆんやあああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!!」 なぜだ。 あの時、自分たちは人間たちに逆転勝利し、逆に人間を制裁してやったはずだ。 しかし、今また、どうしようもない窮地に追い込まれている。 なぜ勝てないのだろう。 なぜあの時は勝てたのだろう。 わからない。 しかし少なくとも、今自分たちは、どうあっても勝てない相手になすすべなく苦しめられるしかないことはわかった。 れいむの心を絶望が染める。 絶望に染められた心の中に、ひとつの衝動、疑問が渦巻く。 どうして。 どうして自分たちだけが、こんなひどいことをされなければいけないのだ。 「どぼぢで……………」 「ん、何かな?れいむちゃんどうぞ」 「どぼぢでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!??」 絶叫するれいむに、小さいペットは手を叩いた。 「はい、いい質問ですね! あのね、これは罰なんだねー。 君たちが悪いことしちゃったから、お仕置きしてるの。わかるかなぁ?」 お仕置き? こんな下等で野蛮な獣どもが、自分たちにお仕置きするなどという傲慢さも我慢できなかったが、 それ以上に不可解なことがあった。 「れいむなにもわるいことしてないいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「したよー。したした」 「れいむたちがなにをしたのおおおおおぉぉぉぉ!!? なんでっ!!れいむがっ!!わるいのおおぉぉ!!?むちゃくちゃだよおおぉぉぉ!!!」 「えーとね、根本的なことを言えば、ゆっくり風情が人間をバカにしたことだよねー」 れいむは耳を疑った。 自分たちゆっくりが、人間をバカにした。 それが悪いのか?それが罪なのか? 単なる事実ではないか。バカという言い方だって、人間ごときにだいぶやさしいほうだ。 「ばかでしょおおおおおおおおお!!!? ばかをばかといってなんでわるいのおおおおおおおぉぉぉぉ!!?」 「うん、ところで、それよりもっと問題なのはやっぱり人殺しだよね。 長浜さーん、あと、どうぞー」 「ああ、はい」 小さいペットが声をかけたのはあのゴミクズだった。 ゴミクズは椅子にかけたままで少しの間れいむたちを眺めわたしてから、口を開いた。 「お前たちは俺の子供を殺した」 「ゆっ?」 「覚えてないのかい。俺の奥さんを転ばせて怪我をさせ、そのお腹にいた子供を殺しただろ?」 おぼろげな記憶をたどる。 「ゆゆっ!!にんげんのあかちゃんはおはだがとってもとかいはだったわぁぁ!!」 ありすがぺにぺにを屹立させていた。 忘れられぬすっきりの快感を反芻してよだれをたらしている。 れいむの中にも、忘れかけていた記憶が甦る。 そういえばそんな事をした。 この男のつがいの腹を何度も叩き、子供を出させ、それをありすが犯し。 この男の泣き顔を眺めたときの快感。 まさか。 まさか、まさか、あの時のことを言っているのか? 自分たちをあんな目に逢わせ、死ぬまでゆっくりさせないというその理由が、 まさかあの時のことなのか? 「俺の奥さんは首を怪我して、ずっと眠ったままだ。 人間はあそこを怪我すると動けなくなるんだよ。 そして俺の赤ちゃんは、そこのありす達に犯されて死んだ」 れいむは、自分の耳が信じられなかった。 「だから……」 「うん?」 「だから……だから……あかちゃんをころされたから……れいむたちをゆっくりさせないの?」 「そうだよ。俺はお前たちを恨んでいるし許さない。一生ゆっくりさせないつもりだよ」 一瞬、思考が止まった。 ほぼ真っ白になりかけた視界がぐらぐらと揺れる。 あまりの怒りと、そして呆れが、れいむの体内の餡子を攪拌していた。 そんなことのために。 そんなことのために、この人間共は、れいむ達を憎んでいるのか。 そんなことのために、れいむ達の赤ちゃんを殺したのか。 そんなことのために、れいむ達は死ぬまでゆっくりできなくされるのか。 あまりにも理不尽で、想像を超えていた。 動機と行為がまったくつながっていない。 これではまるでギャグではないか。 このにんげんさんどもはいったいなにをいってるの? なんでそうなるの? 「なにばかなこといってるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!??」 口が勝手に叫んでいた。 どうしようもなく溢れてくる激情を抑えることができない。 「ばか!!ばか!!ばか!!ばか!!くそばかあああぁぁぁぁぁ!!!! そんなっ!!そんなかんちがいで!!あんなことっ!!あんなっ!!ぜったいにゆるさないよおおおぉぉぉ!!!」 「勘違い?」 ゴミクズが不思議そうな顔をして聞き返してくる。 見下げ果てた。呆れ果てた。こんな白痴どもに道理を説くことさえ空しい。 しかし、無駄とは知りながら、殺された子供たちのことを考えると叫ばずにはいられなかった。 「かんちがいでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!! なんでっ!!それでっ!!れいむがわるいのおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!?」 「だって、お前………俺の子供を殺しただろう?」 「それがなんだっていうのおぉぉぉぉ!!?ゆっくりちゃんとせつめいしてみろおおぉぉぉ!!!」 「説明しろって……説明しなきゃ駄目なの? え、殺すのは悪いことだろ?」 「っっっっっばかあああああぁぁぁぁああああ!!!!」 取り返しのつかない失敗。れいむは自分を責めた。 人間の呆れるほどの馬鹿ぶりを軽視していたこと。 そして、一番基本的なことをきちんと躾けておかなかったこと。 まがりなりにも言葉を喋る生物なのだから、 そんなことぐらい、本能レベルで理解しているはずだと思っていたのが間違いだった。 低能すぎる人間に常識は通用しなかったのだ。 ほんの些細な教育の手間を惜しんだために、 自分たちは理不尽かつ筋違いの逆恨みを受け、子供たちは殺された。 「ごべんねえええええぇぇぇぇ!!! おぢびぢゃんだぢごべんねええええええええええええぇぇぇ!!! おがあざんがじづげをうっがりじでだがらぁぁぁぁあ!!おがあざんをゆるじでねええええぇぇぇーーーーっ!!!」 「お、おい………」 「ぐぞばがごみぐずううううぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!!!!! ゆるさない!!ゆるさない!!いまごろきづいたってゆるさないからねええ!! よのなかにはとりかえしのつかないまちがいがあるんだよおおおおおぉぉぉぉ!!!」 「あの、何かおかしかったんでしょうか?」 わざわざ言葉にして教えてやらなきゃならないということが、れいむはあまりにも情けなかった。 情けなさ過ぎて気分が萎えそうになるが、恨みを言葉に載せて叫んだ。 「ゆっくりとにんげんさんはちがうでしょおおおおおぉぉぉぉ!!?」 「うん、そりゃぁ、違うよ」 「ぜんっぜんちがううううううううううううううぅぅぅぅ!!! おまえらがじぶんのこどもをころされたからって!! ゆっくりのあかちゃんをころしていいわけないでしょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!? なんでっ!!そんなことが!!わからないんだあああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ」 「…………」 「おまえらのあかちゃんが!!さんびきころされても!! もっといっぱいころされても!!もっともっといっぱいころされても!! ゆっくりのおちびちゃんひとりだってころしちゃいけないんだよおおおおぉぉぉぉぉ!!! なんでわからないの!?ぜんっぜんちがうでしょ!? ひとりのゆっくりのおちびちゃんは、にんげんさんのこどもがなんびきあつまったよりゆっくりできるんだよおおおぉぉぉぉ!!」 「……………同感だな。一部を逆にすれば」 「にんげんさんなんかにっ!!いいこととわるいことのくべつがつくわけないでしょおおおぉぉ!! にんげんさんがゆっくりをおしおきしていいわけないんだよおおぉぉお!!ゆっくりりかいしてねえぇぇぇ!!!」 れいむの剣幕に、他のゆっくり達は黙って聞いていたが、 れいむの言葉が溢れだすうちに「ゆっ♪ゆっ♪」と飛び跳ね始めた。 応援しているのだ。 「ふ~ん」 あの小さいペットが何か言っていた。 「そんなにゆっくりって偉いんだ」 「あたりまえでしょおおおおおおおおおおおお!!!」 「人間より偉い?」 「にんげんさんなんかとくらべるなあああああぁぁぁ!!! なんでゆっくりとにんげんさんをくらべるなんてはっそうができるのおおおおおぉぉぉぉ!? にんげんさんよりしたのいきものなんかどこにもいないんだよおおおぉぉ!!!」 「あらら、ずいぶん嫌われてるね。 じゃあ、鳥さんは?犬さんは?魚さんは?」 「とりさんもいぬさんもさかなさんも!ゆっくりよりしただよおぉ!! くだらないしつもんをするなぁぁ!!!」 「この世界の生き物みーんな、ゆっくりより下なの? ゆっくりが一番偉いの?」 「そんなこともしらなかったのおおおおおおおぉぉぉぉ!!? ばか!!ばか!!くそばかぁぁぁ!! こんなにあたまがゆっくりできないいきものが、 ゆっくりとおなじことばをつかうなんてはずかしくないのおおおぉぉぉ!!? もうしゃべるな!!にどとしゃべるなああぁぁぁ!!!」 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 家族たちが人間をせせら笑いながら、リズムをつけて飛び跳ねている。 あの金バッジもケースの中で嬉しそうにぽいんぽいんと跳ねていた。 「じゃあさ、聞くけど。 なんでゆっくりがそんなに偉いの?」 「じぶんでかんがえろおおおぉぉぉ!!! うまれたばかりのおちびちゃんだってそんなことぐらいわかってるよおおぉぉ!!」 「ごめんね、頭がゆっくりできないからわかんないや。 だって、ゆっくりに何の価値があるの? 少なくとも、人間よりは弱いよね。さっきわかったよね。 人間どころじゃなくて、犬にだって鳥にだって、ほとんどの生き物に勝てるとも思えないなぁ。 実際、森の中では強い敵から逃げ回ってるよね?」 「だからなんなのおぉぉ!!? つよいいきものがいちばんえらいなんていわないでねえぇぇ!! そういうのはやばんないきもののはっそうなんだよおぉ!!」 「……意外とまともなこと言うじゃん。 じゃ、ゆっくりの偉いところって何?」 「ゆはあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~………………」 そんなことまで説明してやらなきゃいけないのか。 あまりの馬鹿さに辟易し、れいむは深く深くため息をついた。 「れいむはなんだかばかばかしくなってきたよ………」 「ゆっ!れいむ、がんばるんだぜ!! こんどこそばかなにんげんさんをしつけてやるんだぜ!!」 「ありすもおうえんしてるわよ!!がんばりなさい!! ゆっくりできるとかいはなただしいことをしてるんだから!!」 「おかあさん、がんばってね!おかあさん、がんばってね!!」 「がんばってね!!がんばってね!!れいむのおねえさんにおしえてあげてね!!」 周りのゆっくり達(金バッジ含む)の声援に頷いてみせ、れいむは人間共に向きなおって静かに言った。 「………ゆっくりかんがえてね。 ごみくずはだれのおかげでゆっくりできてるの?」 「うん?」「へっ?」「え?」 白痴じみた表情で、三人の人間は聞き返してきた。 ふん、と鼻を鳴らしてれいむは講義を始めた。 「さいしょからかんがえてね。 おまえたちがゆっくりできるようになったのはいつから?」 「いつからって………別に、覚えてないけど。子供のころから?」 「れいむたちがおまえたちにはなしかけてあげたときからでしょおおぉぉ!!!」 「ええ?」 「………ほんとにおぼえてないんだね。 れいむとまりさがゆっくりぷれいすをみつけたときに、ごみくずがまよいこんできたよね。 かわいいかわいいれいむとまりさをみたしゅんかんに、うまれてはじめてゆっくりできたでしょ?」 人間への憎しみを今は抑え、辛抱強くれいむは諭してやった。 「あのゆっくりをおもいだしてね。 うまれてはじめてゆっくりできたあのよろこびをおもいだしてね。 それをおぼえていれば、れいむにかんしゃするはずだよ!!」 「…………」 「ゆっくりはね、このよのなかで、ゆいいつゆっくりできるいきものなんだよ。 ほかのいきものさんは、にんげんさんだってさかなさんだってとりさんだって、 どれもこれもぜんっぜんかわいくないし、みっともないし、こえもひどいし、せかせかしてるよ。 そんな、ゆっくりをしらないふこうないきものさんたちに、 ゆっくりはかわいいじぶんをみせてゆっくりさせてあげてるんだよ。 どうしてかわかる?ゆっくりはやさしいからだよ!!」 「…………」 「ゆっくりはやさしいから、ほかのいきものがゆっくりできないのがかわいそうなんだよ。 だから、わざわざじぶんのかわいいすがたをみせて、きれいなこえもきかせてあげるんだよ。 そうすると、ほかのいきものさんはうまれてはじめてゆっくりするんだよ。 おまえたちはじぶんでゆっくりできてるつもりかもしれないけど、 そのゆっくりをおしえてあげたのはれいむなんだよ!!」 「…………だから、人間の子供を殺してもいいって事かい?」 ゴミクズが痴呆じみた表情でとぼけたことを聞いてくる。 思わずかっとなったが、れいむは自分を抑えて言い聞かせた。 「ゆっくりをおしえてあげたれいむにかんしゃしないで、 れいむたちのせわからにげだそうとしたから、 それかられいむのかわいいあかちゃんをころしたから! ばつとしてごみくずのあかちゃんをまびきしてあげたんだよ。 おまえたちがわるいんだよ!!おまえがいってるのはさかうらみだよ!! れいむたちのこえをきいて、あかちゃんもみて、すっきりまでみせてもらって、 さんっざんゆっくりしておいて!!なんでそんなことでさかうらみできるのおぉぉ!!?」 「生き物を殺して平気なのか?」 「ゆっくりできないいきものさんなんか、ほんとうはいきてるかちがないんだよ!! ゆっくりできないゆんせいをおくるのはかわいそうでしょぉ!? ころしてあげるのもゆっくりがやさしいからなんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「そうよ!だいたいあのあかちゃんは、 ありすたちのとかいはなあいにつつまれてしあわせーにしんでいったのよ!! にんげんごときがとかいはなあいをうけるなんてとくべつなのよ!?かんしゃしなさいよ!!」 ありすが口を挟んでいた。 ゴミクズは口をつぐみ、椅子の上でうなだれた。 小さいペットも、大きいペットも、何も言わなかった。 「どうしてじぶんをきゃっかんてきにみられないのおぉ!!? おまえたちにんげんなんか!!ゆっくりできないよ!! ぜんぜんかわいくないみにくいすがたでそとをうろつきまわって、なんではずかしくないの!? ぜんぜんゆっくりできないがあがあしたこえでほえて、みっともないったらありゃしないよ!! おまえたちのどこが!!ゆっくりよりえらいっていうんだあぁぁあ!!!」 言ううちに、れいむは再び激しはじめてきた。 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 「おかあさんすごいよ!!ゆっくりしてるよ!!かんどうしたよ!!」 「さすがまりささまのおよめさんなんだぜ!!ごみくずたちはぐうのねもでないんだぜ!!」 「とってもとかいはなたんかだったわ!!ほ、ほめてあげてもいいのよ!?」 「にんげんさぁ~ん♪じぶんがどれくらいばかなのかわかりまちたかぁ~?」 家族達はれいむの熱弁に感動し、勝ち誇って飛び跳ねていた。 一方の人間共は、言われながら反論の言葉もなく押し黙っている。 ようやく自分のしたことの重大さがわかりかけてきたらしく、悔悟の表情だ。 しかし許さない。 れいむはぜったいにおまえたちをゆるさないよ。 れいむは慈悲を捨て、厳かに厳罰を言い渡した。 「いまごろはんせいしたっておそいよ!! これから!いっしょう!!ばつをあたえつづけるからね!! もうゆっくりさせてあげないよ!!れいむたちのかわいいかおも、かわいいあかちゃんもみせてあげないよ!! かわいいこえもきかせてあげないし、おうたもにどときけないよ!! これからはれいむたちのかおをみることはゆるさないよ!!ゆっくりぷれいすにあまあまだけおいていってね!! しぬまでゆっくりはんせいしてね!!」 「そうだよ!!にどとうたってあげないからね!!それだけのことをしたんだからもんくないでしょ!?」 「いっしょうあかちゃんみられないよ~♪ くやしい?みたい?でもみせてあげなぁ~い♪」 「どげざしておねがいしたら、またありすのとかいはなすっきりをかんしょうさせてあげようかしら? まあ、ぜったいにみせてあげないけどね!!ばぁーか!!」 「ゆっ!!ゆっ!!きいた?れいむのおねえさん!!」 金バッジが大きなペットに向かって飛び跳ね叫んでいた。 「ゆっくりあやまってね!!いまならゆるしてあげるよ!!れいむはおねえさんがだいすきだからね!!」 大きいペットが、手で顔を覆って泣き崩れた。 それでも許そうとは思わなかった。 これから死ぬまで、一生苦しみ、反省し続けてもらう。 勝利に沸き、飛び跳ねるゆっくり達に囲まれながら、 れいむは毅然とした表情で、自分の犯した罪の大きさに狼狽する人間どもを睨み続けていた。 「いいよ。十三匹いれば充分だしね」 春奈は約束してくれた。 「ママのれいむは勘弁してあげる。 それどころか、世界一幸せなゆっくりの一匹になるんじゃないかな? ゆっくりの幸せなんか人間にはわかんないし、興味もないけどさ」 荷物を詰め込んだ鞄を肩に提げて、私は施設の門前に立っていた。 すぐ先には車が止められ、私が乗り込むのを待っている。 「ママ、これからどうするの?」 「何が?」 「またゆっくりを飼うのかな、てこと」 私は首を振った。 ゆっくりは家族ではなかった。 所詮、私たち人間が力で抑えつけ、服従させていただけだったのだ。 飼われる立場を自ら体験してそれが分かった今、 もはやゆっくりを飼う理由はなかった。 家にはまだ大勢のゆっくりがいるが、 野生に戻る訓練を施してから、みんな森に放すことになるだろう。 今はもう、一切ゆっくりに関わりたくはなかった。 「全部幻想だったってことね」 「まあそうですけど、飼われてたゆっくりはとりあえず快適だったんじゃないですか」 そう言って笑ったのは長浜圭一だった。 私は長浜圭一の顔を見た。 右足にギプスをはめ、松葉杖で痛々しく体を支えていたが、 その表情は不思議なほどに晴れやかになっていた。 始めてここに来て顔を見たときは、暗い酷薄な表情をしていたのだが、 今の彼はとても復讐者の顔には見えない。 「何です?」 「あなたは……まだゆっくりを憎んでるの?」 「俺ですか?うーん。どうかな」 長浜圭一は小首をかしげてみせた。 「もちろん嫌いですし、たっぷり苦しめてやる気でいますけどね。 憎んでるかというと、まあ、そこまで入れ込んではないですよ」 「どうして?」 「同じなんだもの」 明るい声で、彼は笑った。 「あいつらの話を聞いて、ようやく納得ができました。 俺の見たところ、ゆっくりと人間は全く同じです。 己の種族の価値観で全てを裁き、他の種族までもいい個体と悪い個体を選別して管理しようとする。 やってる事は全く同じですよ。たまたまこっちの方が強かった、それだけです」 「…………」 「今まで、俺はどこかでゆっくりを人間扱いしてたんだと思います。 だから、あいつらが「悪意ある人間」に思えて、憎んでました。 たとえそういうふうに育てたのが俺だとしてもね。 でも、あいつら独自の価値観がわかった今、憎めるものじゃないです。 あいつらも俺たちと同じく、種族の本能に従って自然に振る舞っていただけですよ」 「家族を殺されても……?」 「山奥に入り込んで熊に食われたり、海で沖に流されてサメに食われるのと同じですね。 俺達が自然を甘く見ていたということでしょう。 辛いことですが、誰を恨む筋合いもないです」 長浜圭一は、気持ち悪いぐらいに物わかりがよくなっていた。 「でも………計画は遂行するんでしょう?」 「そうです」 「今でも…ひどすぎるとは思わないの?」 「もちろんひどいですよ。 それでも、ひどいとわかっていながらやってきたのが人間でしょう。 あらゆる動物の棲家を奪い、木々を切り倒しながら地球に蔓延する。 自分の身の安全と快適な生活が確保されてから、ようやく他種を愛でる余裕ができる。 あらゆる動物を動物園に押し込んで鎖につないでから、動物愛護を唱えはじめるのが人間というものですよ。 所詮、動物愛護なんてのは個人の趣味、遊びです。俺はそういう趣味はない、それだけです」 長浜圭一の理屈は筋が通っていないように思えたが、 今更それに反論してみせる気力もなかった。 「ママはゆっくりが苦しむのが辛いっていうけどさ、 だったらどうして素直に飼われてあげなかったの? ゆっくりの価値観と幸せを知る貴重なチャンスだったのに」 「…………」 「自分が飼われる立場になってでも、ゆっくりを深く知ろうとする覚悟。 そういう覚悟が、結局ママにもなかったってことだよね。 人間の価値観しか受け入れずに押し付けるしかないなら、 愛護も虐待も、結局やってる事の本質は一緒だと思うな、あたしは。あはは、仲間じゃん」 私と長浜圭一を交互に指差し、春奈はけらけら笑った。 私は返す言葉がない。 それでも、私は、納得しきれず、なんとか声を絞り出した。 「………それでも、ゆっくりと人間は違うわ」 「そうですか?」 「ゆっくりは……生物として弱すぎるわ。 目先の快楽に捉われて、長期的に生き延びる選択肢をとることができない。 人間はそうじゃないわ。社会、歴史というスケールで物事を見て、種族の繁栄を志すことができる。 横暴かもしれないけれど、 人間がゆっくりを飼うことと、ゆっくりが人間を飼うことがお互い様だとは言えないわ」 「どうでしょうかね。 人間だけはそれを言う筋合いはないんじゃないですか」 「………」 「さんざん地球環境を破壊してきて、専門家がどれだけ危ないと警告しても、 先進国の国民や企業は、誰かがなんとかしてくれるだろうと思って誰一人真剣に考えず、日々ゴミを吐き出している。 結局、人類の自滅は目と鼻の先にまで迫っています。数多くの他種の生物たちを道連れにしてね。 ゆっくりに比べれば自分たちは賢いと言ってみたって、所詮はどんぐりの背比べ。 貧しいプライドというものでしょう」 「それは……飛躍じゃない?」 「ご自由に。 あのゆっくり達と同じで、人間も、はたから見れば身勝手な種族の価値観でしたい放題やってるだけです。 俺はただ、人類が少しでも長く生き延びられるように努力するだけですし、 ゆっくりが役に立つとなれば使うだけです。そういう事ですよ」 「……そう」 「あとは、ガキのケンカですね。 俺をナメる奴は許さねえ、思い知らせてやる、そういう衝動です。結局、そこに尽きるね」 長浜圭一はまた笑った。 私は打ちひしがれていたが、それでもなんとか答えた。 「今なら……あなたの気持が、ほんの少しわかるような気がするわ」 「ふざけるなよ」 私はぎょっとして顔をあげたが、長浜圭一は笑っていた。 「ま、お元気で。 あなたにはこういう場所は向かないですよ。早く忘れて、ご自分のお仕事をなさって下さい」 「…………ええ。娘を、よろしくお願いします」 「こちらこそ。娘さんにはお世話になります。 人類を代表して、お礼を言わせていただきますよ」 長浜圭一がうやうやしく頭を下げる。 春奈が手を振っていた。 「じゃ、元気でね。ときどきは会いにいくよ」 「ええ……」 私は頷き、車に乗り込んだ。 運転手がアクセルを踏み、車が走り始める。 私は、二度と後ろを振り返らなかった。 別れ際に春奈が言っていたことが、頭にこびりついて離れなかった。 「断言。ゆっくりを一番ゆっくりさせられるのはやっぱり人間だね。 証明してみせるから、まあのんびり待っててよ。 完璧なユートピアの正体ってものを見せてあげるからさ」 続く
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本編(未完) 永遠のゆっくり1 永遠のゆっくり2 永遠のゆっくり3(前編) 永遠のゆっくり3(後編) 永遠のゆっくり4 永遠のゆっくり5 永遠のゆっくり6 永遠のゆっくり7 永遠のゆっくり8(前編) 永遠のゆっくり8(後編) 永遠のゆっくり9(前編) 永遠のゆっくり9(後編) 永遠のゆっくり10 永遠のゆっくり11? 永遠のゆっくり12? 永遠のゆっくり13? 永遠のゆっくり14? 永遠のゆっくり15? 永遠のゆっくり16? 永遠のゆっくり17? 永遠のゆっくり18? 永遠のゆっくり19(前編)? 永遠のゆっくり19(後編)? 永遠のゆっくり20(前編)? 永遠のゆっくり20(後編)? 永遠のゆっくり21(前編)? 永遠のゆっくり21(後編)?
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2008年、秋、東京。 俺はカメラ片手に小さな公園にやってきた。 遊具で遊ぶ幼女を盗撮するとかそういうワケではない。 そもそも、最近はアレな人々のせいで遊具が少なくなっているし。 俺は都会に住むゆっくり達のみすぼらしい姿を、ドキュメンタリー風に編集してyoutubeにアップロードしている。 それに関連したブログを日本語、英語の二ヶ国語で配信。 最近ではブログ運営もだいぶ軌道に乗ってきた。 アフィうめえと言える日は遠くないだろう。 「ふー・・・」 さっき自販機で買って来た缶コーヒーを開ける。 今日はどこへ行ってみようか。 そんなことを考える。 いつもはどこに行くかを考えてから動くのだが、たまには気の向くままに動こうと思ったのだ。 「お!」 そんな俺の視界の隅に、何やら丸いものが入った。 早朝の公園にいるものなんて、野良猫かゆっくりくらいなもの。 俺はさっそくカメラを構えた。 「・・・ありす種か」 公園によくある、コンクリートで固まったカマクラ的なもの・・・土管が貫通していてトンネルになっているアレだ。 その土管に、1匹のゆっくりアリスがいた。 ありすも俺の姿を確認したようで、ビクビクと様子をうかがっている。 「よお、ゆっくりしてけ」 掌を上に向けて4本の指が触れるように親指をつけ、腰を落としてその手を突き出した。 こうするとゆっくり達はエサをくれるものだと勘違いして寄ってくるのだ。 寄ってこないにしても、逃げだしたりはしない。 これは人懐っこい野良猫にも通用したりする。 「ゆ・・・・ゆっくりしていってね・・・!」 ずりずりと底部を引きずりながら、ありすは俺のほうに寄ってきた。 だが、「警戒してます」オーラが出まくりだった。 簡単に気を緩めないあたり、賢い個体だと思う。 大きさはバレーボールより一回り小さい。 それなりに死線をくぐってきたのだろう。 「お前は1匹か」 「ゆ・・・ありすは、ありすだけよ」 たまには独り身のゆっくりでも撮ろうか。 俺はありすに撮影の話をすることにした。 ありすは先ほどから俺の手をしきりに見ている。 まだ俺がエサを持っていると思っているようだ。 「・・・ゆ。おねがいがあるよ」 撮影についての解説を簡潔に終えると、ありすは何かを決意したような顔で俺を見上げた。 「なんだ?言ってみろ」 「・・・ありすを・・・い・・・いなかに・・・つれていってほしいの」 凄く言いにくそうだった。 「東京から離れたいってことか」 「ありすは、とかいはじゃなくていいわ・・・」 東京には、野良のゆっくりがかなりいる。 ただ、田舎や山に住むゆっくりと比べると大きく違う点がある。 それはありす種がヤケに多いという点だ。 田舎や山などに100匹のゆっくりがいた場合。 40匹がれいむ種、35匹がまりさ種、10匹がありす種、5匹がぱちゅりー種、残り10匹はその他の種だ。 だが、東京では違う。 35匹がれいむ種、30匹がまりさ種、30匹がありす種、残り5匹がその他の種になる。 その時のブームによって捨てられる野良ゆっくりが変化するので一概には言えないが、大体こんな感じになるのだ。 多くのありす種は「とかいは」という謎価値観に従って生きている。 特に、元ペットのありすは東京に激しい憧れを抱いていることが多い。 そのため、ありすは帰巣本能のような感じでジワジワと東京に群がってくるのだ。 だが野良ありすが想像した「とかいは」は東京にない。 連日保健所の職員に追われ、残飯をあさり、同族さえ喰らわねば生きていけない地獄なのだ。 「とかいは」に絶望したありすは田舎へと帰ろうとするが、アホなので帰り道など分からない。 都会に来たことを後悔しながら死んでいく運命だ。 「お前、どこらへんから来たんだ?」 「ありすはここでうまれたのよ」 詳しく話を聞くと、ありすは東京生まれということがわかった。 親のゆっくりが上記のアホ理由で東京に来たという。 そして意外なことに、親のゆっくりは東京の生活に慣れたらしい。 しかし、その子供のありすは東京での生活に耐えられなかったとか。 ありすは他のゆっくりから聞いた田舎の素晴らしさに感動し、東京脱出を目指しているのだ。 「そんなに東京は嫌か」 「ここはゆっくりできないよ・・・ありすはずっとひとりなんだよ・・・みんなとゆっくりしたいの」 親ゆっくりはどうしたのか、そう聞いたがありすはうつむいたまま喋らなくなってしまった。 今も生きてるというニュアンスを感じたため、近くに住んでいるものと思ったのだが。 「ま、わかったよ。撮影が終わったらお前を田舎に連れて行くよ」 「ゆ!おにいさんは、とてもとかいはなおにいさんね!」 ぱあっとありすは明るくなる。 俺はささっと小型マイクを仕込んだ。 もちろん撮影が終わったら放置だ。 田舎に送るなんて、誰がそんな面倒なことをするものか。 「じゃ、ありす。ちょっと体をよく見せてね」 「ゆっくりりかいしたよ」 毎度おなじみの身体検査をする。 ボロカスみたいな皮に、ぼっさぼさの髪。 小枝や砂が入り混じった髪の毛は実に汚らしい。 まさに野良ゆっくりだ。 そう思っていると瞳すら濁って見える。 埃で化粧をしたような肌は、油ぎったネットリしたものよか幾分かマシであった。 「よし、もういいぞ。じゃあありすはいつもみたいに生活しててくれ」 「ゆっくりりかいしたわ。これから、かりにいくわ」 「そうか。俺は隠れて撮影してるから」 ありすが公園を出て行った。 俺は距離を開けて、ありすを追うことにする。 「狩り・・・ねえ」 今まで何度も見てきたが、都会のゆっくりが言うところの「狩り」とはゴミ漁りor乞食だ。 満足に虫もいない大都会では仕方がないとはいえ、なぜ狩りというのだろうか。 全くもって疑問である。 「やっぱな・・・」 予想通り、ありすの目的地はゴミ捨て場であった。 だが朝も早いせいか、数えるくらいしかゴミ袋はない。 他の野良より早めに行動することで、エサを確保しようというのだろうか。 「・・・」 しかしありすは動かない。 ゴミ捨て場から少し離れた場所で、警戒態勢をとったまま。 「なにしてんだあいつ・・・」 せっかく早起きしても、ノタノタしてたら他のゆっくりが来てしまうだろうに。 「お・・・」 と思っていたら、ぼよんぼよんと跳ねながら1匹のゆっくり霊夢がやってきた。 大きさはソフトボールより一回り大きいほど。 成体一歩手前ってところだ。 「ゆゆっ!ありすもかりなんだね・・・!れいむにもちょうだいね」 「・・・いいわよ」 ありすの警戒が一気に濃くなった。 返事を返しているものの、れいむを強く意識していることが分かる。 が、当のれいむはゴミ漁りを始めていて気が付いていない。 「ゆっゆゆーん♪きょうはれいむもごはんをたべられるよ~♪」 ふりふりと左右に後頭部を揺らすれいむ。 それとは対照的に、上下に伸び縮みをするありす。 まるで準備運動でもするかのような動作だ。 そして、次の瞬間。 ありすの「かり」が始まった。 「れいむぅううう!!ゆっぐりじでいっでねぇえええええっ!!!」 「ゆぁあっ!?な、なんなのぉおお!?」 飛びかかるような勢いで、ありすはれいむに体当たりをした。 転がったれいむの底部がむき出しになる。 その底部を、瞬時にありすが噛み切った。 「ゆぎゅうあああああああっ!!」 閑静な住宅街に、れいむの醜い悲鳴が轟いた。 だがそれも一瞬のこと。 ありすは大きな石をれいむの口に突っ込み、声を封じてしまった。 あんな石を用意してあったとは。 俺は少し関心してしまう。 「・・・・ッ!!ゅ・・・ゅうううっ!!・・・・っ!?!・・・・ッ!」 「・・・れいむ・・・ゆっくりしていってね」 漏れた餡子で髪を染めたありすは、ゆっくりとれいむの頬に近寄った。 「ゆぅうううううっ!!!」 「・・・ッ!!・・・ッ!」 ありすが寝転がったれいむの頬に、自身の頬を押し付けた。 あれはゆっくりの交尾だろう。 ありすはものすごい勢いで頬を擦り始める。 「きったねぇ・・・」 じんわりとコンクリートの色が濃くなっていく。 遠くからでも、ねっとりとした体液がにじんでいる様子がわかった。 ありすの体もれいむの体も、光に照らされ不気味に輝いている。 「んっ!!すっすっきるぃぃぃいいいっ!!!」 「・・・・ゅぃ・・・!!」 ありすの体が動きをやめると、れいむの頭から茎がニョキニョキと生えてきた。 底部の穴から餡子が漏れていたが、れいむはまだ生きているようだ。 「ゆっふぅうう・・・・ゆふぅう・・・!!!」 茎に一瞬だけ視線を移したが、ありすはすぐにれいむに向き直った。 息も絶え絶えになりながら、再び交尾が始まる。 「ゆぐぅっ!!ゆぐっ・・・!ゆぅぇぁああっ・・・!」 4度目の交尾が終わると、ようやくありすはれいむから離れた。 交尾の潤滑油となる体液は2度目のすっきりあたりから枯れていたため、今のありすは酷い姿をしている。 頬は擦りキズだらけ、髪の毛は乱れまくりだ。 後半は交尾の痛みに小さな叫び声を上げながら、ありすは頬を擦っていた。 それはれいむも同様で、頬はキズだらけだし、底部から餡子が結構漏れている。 そして頭からは4本の茎が伸び、もはや死を待つのみだろう。 「ゆぐぅ・・・ゆぐ・・・!」 ありすは泣きながら、れいむから漏れた餡子を食べ始めた。 底部から飛び出した餡子は、赤ちゃんのゲンコツ1個分ほどにもなる。 食べ終わる頃には、れいむは真っ黒に朽ち果てていた。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 「ゆきゅーり!」 「ゆっくち!」 10分もしない内に、赤ゆっくりは生まれ落ちた。 1本の茎から約8匹。それが4本なのだから、大体30匹近くの赤ゆっくりが生まれたわけだ。 「・・・ゆぅ」 興味無さそうに、ありすは赤ゆっくりを見下ろす。 「まんまー!おにゃかしゅいたー!」 「れーみゅも!」 「れいみゅ、おかーしゃんとしゅーりしゅりしたい!」 そんな赤ゆっくり達を尻目に、ありすは用が済んだ茎を口に挟んだ。 「むーしゃむーしゃ。しあわせー・・・」 そのまま茎は、ありすの口内へと消えていく。 赤ゆっくりの最初の食事となるはずの茎は、4本ともありすの腹に収まった。 「おきゃーしゃん!れーみゅ、おにゃかしゅいたー!!」 「みゃみゃ!!ありしゅもごはんたべちゃい!」 ワラワラとありすに群がる赤ゆっくり。 しかしありすは視線すら移さず、茎を4本食べると母体として朽ち果てたれいむの亡骸まで食べた。 「ゆ・・・いくわよ」 それだけ言うと、ありすはゴミ捨て場を去った。 「まっちぇー!!」 「れいみゅをしゅてないでぇえ!!」 「みゃみゃ!ありしゅとゆっくちちてー!!」 赤ゆっくり達は、親に捨てられたくない一心で、そのあとをピョンピョコ跳ねてついていく。 ありすも赤ゆっくりのことを考えているのか、ゆっくりと進んでいた。 「まーま、ありしゅ、おにゃかしゅいたの・・・」 「れーみゅもだよ・・・おかーしゃん・・・」 公園に戻ってくると、ありすは30匹ほどいた赤ゆっくりのうち20匹を食べてしまった。 あっちでママとゆっくりしましょうね、と言って見えないところに誘い、そのままパクリと。 悲鳴すら上げる間もなく、赤ゆっくり達はその短いゆ生を終了した。 それでようやく腹が満たされたのか、ありすは残った10匹の赤ゆっくりを食べることはしなかった。 れいむ種が6匹、ありす種が4匹残っている。 特に種に関してこだわりはないようだ。 「うるさいよ・・・しずかにしてね」 ギロリと赤ゆっくりを睨むその目に、親としての愛はまるで感じられない。 「ゆ・・・ごみぇんね・・・れーみゅ、しじゅかにするよ・・・」 「ありしゅも、いいこにするよ・・・」 きっと次の食事までの命なのだろう。 親しか頼れる存在がいないとはいえ、あまりにも惨めなものだ。 それは昼すぎにやってきた。 「でけえ・・・!」 バスケットボールよりも一回り大きいゆっくりアリス(以下、大ありす)が公園にやってきたのだ。 かなりの大型だ。 大ありすは何か探しものをしているかのような動きで、公園を散策していた。 苦労のかいあって、土管の中に入っているありす一家を発見した。 「そこのありすたち、ゆっくりしないででてきてね!」 ありすが土管から現れる。 赤ゆっくりはまだ生きていたようで、ありすの後頭部に隠れて震えていた。 「おきゃーしゃん・・・!たちゅけちぇ・・・!」 「こわいよ!ありしゅ、こわいよぉお!」 「みゃみ゙ゃー!!!ごわいぃいいいい!!」 大ありすの巨体は、赤ゆっくり達には相当な恐怖のようだ。 悲痛な叫びがマイク無しでも伝わってきた。 「ゆ゙っんっ!!」 ボン、という音が聞こえてきそうな勢いで、ありすが威嚇をした。 空気を含み、体を通常よりも大きく見せるものだ。 人間相手には全く効かないが、ゆっくり同士では効果がある。 が、大ありすはまるで動じていなかった。 「ゆふ・・・ふぅ・・・!」 大ありすは一気に膨れようとせず、ゆっくり空気を含んで膨れていく。 じんわりと、確実に。 プレッシャーをかけながら、それでもまだ膨張は終わらない。 「・・・!」 ありすはもはやこれまでと思ったのか、空気を吐き出し、元のサイズに戻った。 「お、おきゃーしゃん・・・!」 「まきぇにゃいでっ!!みゃみ゙ゃぁあああ!!」 「ゆっくりりかいしたようね。おチビちゃん」 勝ち誇った顔で、大ありすはありすを見下ろす。 ありすはその顔を見ようとせず、赤ゆっくりに振り返った。 「 "よん" でいいわ」 「・・・ゆっくりりかいしたよ」 ありすは、親を心配する赤ゆっくりに笑顔を見せた。 赤ゆっくりにとっては、生まれて初めての笑顔。 「あかちゃんたち、ママのおくちのなかにかくれてね」 「ゆっ!」 「おきゃーしゃん!!」 「こわかっちゃよぉお!!」 外敵から子を守る際、ゆっくりは口内に子を入れる。 それを本能で理解しているため、赤ゆっくりはすんなりとありすの口に入って行った。 大ありすはそれをニヤニヤと眺めている。 「ぷっ!ぷっ!ぷっ!ぷっ!」 ありすの口から、まるでスイカの種でも吐き出すかのように、4匹の赤ゆっくりが飛び出した。 そして、大ありすの目の前に転がっていく。 「じゃあこのこたちはおいしくいただくわ。あなたたちもゆっくりしていってね」 「お!?おきゃーしゃんっ!?」 「みゃみゃ!たちゅけちぇー!!!」 「どぼじじぇっ!?おぎゃーざー!!」 「だぢゅげでぇええっ!!」 やかましく騒ぐ赤ありすを大ありすは口に入れ、悠然と去って行った。 「あのデカいありすは、お前の親だったのか」 「・・・そうだよ」 夕方。 あらかた撮影を終えた俺は、ありすへのインタビューをしていた。 赤ゆっくりはもういない。 午後になると、町を彷徨う野良ゆっくりが多くなる。 ありすはあまり体が大きいほうではないため、殺し合いでは勝てない。 そのため、赤ゆっくりが必要になるのだ。 数匹渡す代わりに命を助けてもらう、いわばトカゲのしっぽのようなもの。 6匹の赤ゆっくりは、午後に出会った成体サイズのまりさに奪われてしまった。 「ありすは、ありすのおチビちゃんとおなじだったんだよ」 このありすはかつて、大ありすの命乞い用のゆっくりだったという。 捨てられていく姉妹を見て、いち早く危険を感じ取ったありすは大ありすのもとから逃げ出した。 それからはゴミをあさったり、乞食をしながら生きてきたのだという。 しかし、今では親である大ありすと同じ方法で生きていた。 「・・・ごはんとちがって、じぶんでうごくからべんりなの」 命乞い用の食糧を持って町に出るより、赤ゆっくりをひきつれて町に出た方が楽なのだとありすは言う。 それに加え、赤ゆっくりがいると食料を恵んでくれる人が多いらしい。 「あのれいむみたいになりたくないよ・・・」 今朝のれいむのことかと思ったが、違った。 都会に住む親ゆっくりには、2タイプあると聞いたことがある。 一つはこのありすのような、子供を動く食糧であるとみなしているタイプ。 いざとなれば子供すら捨てる、どちらかといえば少数派である。 大抵は、もうひとつのタイプになる。 それは子供を溺愛するタイプだ。 都会にはゆっくりできるものなど何もない。日々食糧争いを繰り返し、保健所職員に追われ、同族にすら気を許せない。 そんなゆっくり達にとって赤ゆっくりはまさに「真のゆっくり」として写るのだ。 溺愛というより、依存に近い。 子を失うことは、ただ一つの「ゆっくり」を失うこと。 それを極端に恐れ、子に依存してしまう。 ありすは昔、その典型例のようなれいむを見たのだという。 「バカなれいむだったよ」 その日、動く食糧を確保しようと、数匹のゆっくりがれいむ一家を襲撃したという。 1匹のまりさが赤ゆっくりを捕獲すると、親れいむは闘うことすら放棄した。 自分はどうなってもいいから赤ちゃんを助けてくれ、そう言って泣き崩れたのだ。 それを聞いたゆっくり達は、赤ちゃんは食べないから代わりにれいむを食べさせろと要求する。 そんな約束など守るわけがないのに、れいむはわずかな可能性にかけたのか、生きながらにして食糧にされてしまった。 赤ゆっくりが食後のデザート感覚で食べられてしまったのは言うまでもない。 それを物影で見ていたありすは、れいむの愚かさに腹が立ったという。 「ありすは、れいむみたいにはならないよ・・・!いなかにいって、みんなでゆっくりするんだから・・・!」 強い意志を感じた。 きっとこのありすなら、多分千葉あたりまでならいけるんじゃないかな。 俺はありすからマイクを外し、公園を去った。 全力疾走で。 おわり
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824.txt (ゆっくりいじめ系155 外人のゆっくり) を訳してみたよ!!!斜め読みしただけなんで意訳と誤訳が多いかもしれないけどゆっくりしていってね!!! そいつは生きて動く"物"のように見えた。 人々の表情は楽しげで、こいつらの数が減る事を気にする者など一人もいないらしい。 俺はそこに集まった皆がこいつらをどうやって痛めつけて殺したかという話を一言も聞き逃さないようにしていたのだが、 それは最高の遊び道具にさえ感じられた……知っていればもっと早くから手を出していたというのに。 「むきゅ!」 と声を上げるパチュリー。 俺はその店から二匹を買い、家へと連れ帰る事にした。一匹は虐殺用、もう一匹は虐待用のつもりだ。 「ゆっくりしていってね!」 何度目であろうか、ゆっくり魔理沙が大声で鳴く……何故皆がこいつらにイライラするのか分かった気がした。 二匹のゆっくりと、小さな穴を底に空けたガラス製の箱と共に家に到着。 こいつらをゆっくりさせるより先に部屋へ上がり、机の上にガラス箱を設置し、それから二匹を床に放す。 「少しやる事があるから、それまでゆっくりしていろよ」と言う俺の快活な物腰に返ってくるのは 「むきゅっ!」「ゆっくりしてるよ!」との声。俺は部屋を出て扉を閉めた。 前の彼女からくすねたバイブレーターを手に、直ぐに部屋へと戻る。 ……最後に会った時に頂戴したんだ。何も未練がましく付き纏ったりしてた訳じゃあない、腹いせにやってしまっただけさ。 二匹の小さな可愛らしいゲテモノどもにお菓子を上げた後──優しくしてやるのはこれが最後だろうからな──バイブレーターの スイッチを入れて魔理沙の体に押し付ける。 「びゅびゅっ!」 驚いて叫ぶゆっくり。 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙……ま゙い゙さのから゙だがなんかしゅっごくぎ゙もぢいいよ!!」 完璧だ……ここぞという所でスイッチを止める。 「ゆ゙っ!とめないでね!まりさをすっきりさせてね!」 俺は何も言わず笑顔で返し、拾い上げた魔理沙をパチュリーの方へ向ける。 「むきゅーん?」 自分に向かって跳ねてくる魔理沙を前にしても、それしか言えないのか。 「む゙…ぎゅ…」 息を切らしてしまい、ぜえぜえと喘ぐパチュリー。そしてそのパチュリーに自らの体を激しく擦り付けている魔理沙。 圧迫されて潰れてしまうのではないかとこちらが思ってしまう程の激しさだが、不運にも魔理沙はそうならない。 俺はそれからの二日間、餌を与えつつ可愛い子供達について尋ねつつ、こいつらの好きにさせてやった。 そして今パチュリーの体から生える蔓には四匹の子ゆっくりが生っている。どうやら全てゆっくり魔理沙らしい。 「ゆっくり大きくなってね!」 「むきゅーん!」 何という美しさと愛情に溢れた穢れ無き光景であろう……尤も、不純な性的絶頂の末にもたらされた"穢れ無さ"ではあったが。 四匹の子魔理沙たちは大きく健康に育っていき、母親も同じようにより一層大きくなったのだが、 すぐに俺の家が「ゆっくりしていってね!」と「むきゅー!」の不協和音で満たされるようになった。 子魔理沙たちが十分に成熟したと考えた俺は全員に最後のお菓子を与えた後、母魔理沙を抱えてガラス箱の中に入れ、 それを愛しい家族の方へと向けてやった。お楽しみはこれからだ。 以前使用したのと同じバイブレーターを手にし、スイッチを入れた。 それを魔理沙たちの体に押し当てては、パチュリーの方へ一匹一匹向き直らせていく。 あっという間に自分達の親を襲い始める四匹のゆっくり。 「ゆゆっ!ゆっくりやめてね!!」 箱の中の魔理沙が叫ぶ。 「む゙っ…み゙ゅっ…み゙ゅ…む゙ぎゅっ!」 パチュリーは既に弱り始めている。 「お゙に゙ーざぁああん!どゔじでごんな゙ごどずるの゙ぉおお!?」 母魔理沙が俺に尋ねてくる。全てを理解できる程の知能が到底あると思えなかった俺は 「ゆっくりした結果がこれだよ」 とだけ答えた。四匹の魔理沙はパチュリー相手に尚も交尾を続けており、口からはペースト状の餡子がピシャピシャという音と共に 流れ出てしまっている。さすがに今度ばかりは圧迫されて潰れるんじゃないかと思ったが、不運なことに今回の魔理沙達もそうならない。 そして更に不運なのはパチュリーの方であった。四本の茎が再び頭から生えてきたのだ。 この変化によりパチュリーの体内はボロボロにされ、その際彼女が味わったに違いない苦痛を証し立てているであろう 「む゙ぎゅーっ!!」 という絶叫が体から絞り出される。それとは別の、つまり交尾を行った四匹の魔理沙たちは母親のその様子を見てうろたえていた。 「だれがおかーちゃんにきょんなことをしちゃのー!?」 子ゆっくり魔理沙たちが喚き出す。 箱詰めにされている母魔理沙がすぐに四匹に向かって言葉を返した。 「み゙んな゙がばぢゅりーをごんなふうにじだの!!み゙んな゙のぜいでゆ゙っぐりでぎでな゙い゙のー!!」 「うそだよ!」 喚き叫ぶ赤ちゃんゆっくり。 「まりさおかーちゃんがぱちぇおかーちゃんをきょんなふうにしちゃんだよ!」 泣き始めた子ゆっくり魔理沙。それに母魔理沙の方も泣き始めた。 これは……想ってた以上に面白くなってきた。 そしてパチュリーは若い子ゆっくりたちと共に出産に耐え切った。 喘ぎと重い呼吸とは相変わらずなものの、最後には痛みもなくなったようだ。それでもこのパチュリーの健康状態に懸念を覚えた 俺はパチュリーを"連れて行く"事に決め、他のゆっくりたちには「パチュリーをゆっくりできる場所へ連れて行く」と話した。 油でフライパンがジュージューと音を立てていたので、他の部屋にも絶叫が届いたかどうかは分からない。 それからは再び機会が訪れるのを待ちながら、箱詰めの魔理沙を含めた全てのゆっくりに餌をやり続けていた。 母魔理沙はパチュリーの身に起きた事について未だに取り乱していたが、今は孫がいるんだからと言って元気付けてやり、 最後の交尾の際に生まれたただ一匹のゆっくりパチュリーと遊ばせる事さえ許した。"おばあちゃん"となったこの魔理沙が 孫である若パチュリーに強い愛着を感じていると分かった時は、すぐに二匹を同じ箱に入れてやった程だ。 互いを励ましあって顔を擦り付ける二匹……何と心暖まる光景だろう。こいつらに餌を与えてから直ぐに部屋を離れ 扉の鍵を閉めて少し待っていると 「……おにーさん!まりさたちのごはんわすれてるよ!!」 四匹の娘魔理沙たちの抗議の声。俺は忍び笑いしつつその場を離れた。 数日が過ぎると、箱詰めにされていないゆっくりたちの様子がおかしくなり始めた。 「どうしておにーさんはあの子とおかーさんにしかごはんくれないの!?ゆっくり食べさせてね!!」 しかし勿論、こいつらに餌を与えるような事はしない。 「どうすればまりさたちにごはん食べさせてくれるの? 」 尋ねるゆっくりたち。俺は二匹の"安全な"ゆっくりたちに笑いながら目をやる。 「じゃあ教えてやろう」 屈み込んだ俺は一匹の子ゆっくりを拾い上げてその後頭部を切り開く。上がり始める叫び声。 「お゙に゙ーさん!ま゙り゙ざのま゙ごにな゙に゙ずる゙の゙ー!?」 箱の中のゆっくり魔理沙が脅えた調子の声で問う。 「ぞんな゙ごどじだらゆ゙っぐりでぎないよ!!!」 「でも俺が教えてやらなきゃ」 母魔理沙の呼びかけに答える。 「箱の外のみんながゆっくり出来ないんだぞ。俺はお前と子パチュリーにしか充分に餌をやってないんだから」 箱の中の魔理沙は微かに絶望を湛えた瞳で俺を見ていた。だんだんいい表情になってきたなあ。 そして他の魔理沙達は俺が見せてやった物に心を奪われたらしい。"それ"が発する 「ゆっくりおろちて!おうちかえる!」 という声も意に介していないようだ。その中に空いた穴を見せ、"食べ物の在処"を分からせてやる。 俺はゆっくり達の注意を向けて言った。 「もう分かったろう?お前達の体には食べ物がいっぱい詰まってるんだ。これでご飯がゆっくり食べられるな!」 直ぐに虐殺が始まった。あの時の人々の様子を思い出した俺は "虐殺"とは成る程"笑い"に満ちた物だという事実を再確認させられた。現に俺がそうだったのだから。※1 「おにーさんやめさせて!ゆっくりとめてね!!」 叫び続ける母魔理沙。 子パチュリーの絶望に満ちた「むきゅ…」という叫び声も何とも愛らしい。 大きい方の四匹の子魔理沙たちは小さい方の子魔理沙たちに向かって跳ねてはその体を踏みつけ、潰れるのも構わず中の餡子を貪った。 「うっめ!これうっめ!」 発せられる歓喜の声。遂には後から生まれた子ゆっくりは一匹も、そして欠片さえも残らなかった。 食事が終わるやいなや、母魔理沙の苦悩の声が再び上がる。 「どゔじでっ!どゔじであ゙がじゃんだぢをごろ゙じだの!?かわ゙い゙いあ゙がじゃんだぢをだべじゃっだの゙ぉおお!?」 「まりさたちはあかちゃんなんて食べてないよ!あかちゃんなんてどこにもいないよ!うそつき!」 子魔理沙の一匹がまた泣き出した。笑えるなあ、こいつら本当に面白い。 俺はガラス箱に近づいて子パチュリーだけを出してやる。 「や゙べでぇええ!」 叫ぶ母魔理沙。 「ゆ゙っぐり゙やべでぇええ!ゆ゙っぐり出ざな゙いでぇええ!」 涙声の訴えを無視し、このままパチュリーが箱の中にいても成長すれば潰れてしまうという事実だけを教えてやる。 俺はみんなにきちんと餌を与え、子パチュリーを傷つける真似はさせないと保証してやった。 その後は再び餌をやるだけの日々が続き、程無くしてパチュリーも健康に、また十分な大きさへと育っていった。 まるでむきゅむきゅと鳴くバスケットボールのようだ。箱の中の魔理沙もパチュリーの成長を見てとても幸せそうにしている。 しかしたとえ子魔理沙たちが全てを忘れて幸福に生きているとしても、俺にはこの母魔理沙だけはそうした"全て"を忘れてはおらず、 その為に疲れ切っているように感じられてならなかった。こいつの精神が壊れないのを不思議に思う。 そしてゆっくりをそのような状態へと至らせた話について、俺は前に聞いた事があった。確かアリスとか言う少女の話だったろうか。 この魔理沙がどのくらいで殺人──もとい殺ゆっくり饅頭へと変わっていくのかを見る頃合であると考えた俺は、 そういう訳で今まで通り前の彼女の古いバイブレーターを持ち出して来ては、子魔理沙たちに順々に押し付けていく。 そのまま全員をパチュリーの方へ向け…… それでは、ここで皆さんにとっておきのゆっくり情報をお教えしよう。 もしゆっくりで遊ぼうと思うなら、一匹では無く二匹手に入れる事。 そうしておけば、永遠に楽しみ続ける事だって出来るだろうから…… とりあえず翻訳サイトに直ぶち込みよりはほんの少しマシ、な程度の訳。 "元カノのバイブ"という単語が出てくる癖にアリスの名前が出てきたりで、正直("外"と"幻想郷"の)どっちの話なのか良く分からん。 後、上手い翻訳が上がったら消す予定なんで英語出来る人いたらもっと綺麗な訳お願いします…… ※1 原文は And remember folk, you can t spell slaughter without laughter. That I did. 恐らくだが"slaughter(虐殺)"という単語が"laughter(笑い)"という語を完全に含んでいる事からの洒落。 このSSに感想を付ける
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屋上のゆっくり ●寒さとの戦いの続きですが、特に前作を読む必要はありません。 ●現代物です。 お兄さんは悩んでいました。 先日の大型冷蔵庫によるゆっくり軟禁実験は予想外に短期間でゆっくり達が自滅してしまったため、暇が余ってしまったのです。 ゆっくりが自滅する様を見るのは、大変楽しいとはいえ、今少し長く楽しみたい。 与えた環境が過酷過ぎたなら、少々緩和してみようと。 「ゆっくりだすんだぜー!」 「わからないよー。」 「むきゅー。」 やいのやいのと騒ぐゆっくり達。 今回はペットショップで買って来た餌用ゆっくり(三匹セット200円) 小動物用に子ゆっくりサイズで成長が止まる加工がされているものを屋上の高架水槽のフロアに離します。 「さて、君達にはここで暮らしてもらいます。」 周囲はビューという風の音がなり響く、ゆっくり達にとって、過酷な環境です。 強い風はゆっくり出来ない音を出しますし、体を冷やします。 最悪、飾りが飛びかねません。 「むきゅー、かぜさんがつよすぎでゆっくりできないわ。」 ばたばたと三匹の髪飾りが風に揺れています。 「かぜさんはゆっくりできないんだね。わかるよー。」 「じじいははやく、ここからまりさたちをだすんだせ!」 お兄さんは冷笑を浮かべながら、宣言しました。 「断る。お前達は子孫に至るまで、ここで死ぬ。変更はない。」 「「「どぼぢでぞんなごどいうの゛ぉぉ!」」」 嘆き騒ぐゆっくり達を尻目に、お兄さんは雑草だらけとなったプランターをしっかり固定して高架水槽の周りに小さな草原を作ります。 プランターの下の湿った場所にはダンゴムシなどのゆっくりの好物の虫を、高架水槽の隙間には防水加工したゆっくり達の巣箱を三つはめ込みます。 「では、食うものも住み家も用意した。後は達者でくらせ。」 「「ゆべっ!!!」」ゆっくり達はフロアの床に転がされ、プランターにぶつかったところで止まります。 「ゆっゆっゆっ」 「ひどいめにあったんだねー。わかるよー。」 ぴくぴくと痙攣しながら気絶しているゆっくりぱちゅりーを介抱するように、用意された巣箱にちぇんは運んでいきます。 しっかり固定された発泡スチロール製の巣箱はソフトボール程度の大きさしかないこの種のゆっくり達にとってだいぶ大きなおうちでした。 「さむいのぜ;ゆっくりできないんだぜ」 屋上は地上五階部分。普段住んでいる場所と違い、常時強風が吹き荒れます。 「おぼうしさんがとばされないようにしなきゃだぜ」 ソフトボール大のまりさはゆっくりハウスの中で呟きます。 お兄さんが用意した草や虫、ゆっくりフードを一日一定数供給するえさ箱など、食べるには困らない環境です。 しかし、ほぼ観察するのみとはいえ、虐待お兄さんが用意したものです。仕掛けはゆっくりと動いています。 その日の夜 「なんでなのぜー!」 「わからないよぉー!」 寝ているぱちゅりー以外の二匹の叫び声が響きます。 「むきゅ・・・どぼじであがぢゃんできてるのぉぉ」 ちぇんのお腹は二倍程に膨れあがり、中で赤ゆっくりがぴくぴくと動いているのが薄い皮越しに見えます。 お兄さんが残した餌さ箱の餌は低確率でゆっくりをにんしんっさせる効果があるためです。 「ゆっ!うばれるんだねぇ。わがるよぉ!」ぽんぽんぽんっと、ゆっくりちぇんの赤ゆっくりが三匹産まれます。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!!」 「ちぇんの赤ちゃんとってもゆっくりしてるよー。わかるよぉぉ。」 「むきゅ、このこたちのえさはどうするの?」 「ゆっ!」 ぱちゅりーの言う通りこの屋上にある餌は三匹のゆっくりが暮らす分には不足ありません。 逆に言えば、増えたゆっくりに回せる余裕はないのです。 しかも、餌さ箱の餌はにんしんっを促進させるもの・・・ 記憶力がいいぱちゅりーはお兄さんが言った言葉を思い出しました 「子孫に至るまでここから出れない。」 「むきゅっ!ぱたっ。」 ゆっくり出来ない想像をして、ぱちゅりーは失神しました。 「意外に頭がいいぱちゅりーだな。餌さ用にもたまには当たりがあるのかね?」 次の朝、様子を見にきたお兄さんは、ぱちゅりーとちぇんの会話を聴きながら、そう評します。 「どぼじて、ぞんなごというのぉ!」 「わきゃらにゃぃよぉー!!!」 「むきゅ!これいじょう、あかちゃんがふえたら、みんなゆっくりできなくなるわ!」 「あかちゃんはゆっくりできるでしょー!わからないよー。」 早くもプランターの下の虫は全滅状態のようです。 赤ゆは只でさえ燃費が悪いのに、ゆっくり的には美味しい虫を食べさせ続けた結果がこれです。 餌箱も一週間もしたら餌が尽きます。 「そうしたら、こいつらはどうなるか・・・今から楽しみだ。」 そして一週間後。 お仕事が終わったお兄さんは、ゆっくり達を確認に屋上に上ります。 ここ一週間、納品続きでさっぱり確認できなかったからです。 「「「ゆぎゃー!」」」 「お、やってる。やってる。」 そこには、殆んどの草が食い尽されたプランター。 あちこちがかじられた巣箱、そして、共食いしはじめた赤ゆっくり達。 「やっぱり、うまれたてはさいこうなのぜ。」 自分の赤ゆを食べるまりさ、どうやら初期のゆっくりはこれしか生き残っていないようです。 他は 赤まりさ×20 赤ちぇん×10 赤ぱちゅりー×8 ちぇんやぱちゅりーの姿がないところを見ると、二匹とも巣箱の中でおたべなさいしたらしく、二つに割れたまんじゅうが入っていました。 赤ゆっくり達を生き残らせるために、自らを犠牲にしたのでしょう。 「ここにはぜったいいれにゃいわ!」 「たてきょもりだょー」 雑草の茎で入り口は塞がれています。ゆっくりのやることなので、隙間は空いていますが、外で共食いを始めたまりさが入れない程度の強度はあるようです。 「むーちゃ、むーちゃ、・・・ゆげぇ!!!」 巣箱の発泡スチロールの欠片を食べてあんこを吐いて死ぬもの。 そのあんこを美味しそうに食べる親まりさ。 最早、まとまった餌はぱちゅりー達の巣箱だった中にある親ゆっくり二匹の残骸くらいのものです。 「ゆっ!もう、あんこはたべあきたのぜ。」ぎろりと封鎖された巣箱を見る親まりさ。中には、生クリームの詰まった子パチュリー達と チョコクリームの詰まった子ちぇんがいます。 「む~しゃ、む~しゃ 、それなりー。」 「ゆが~ん!!まりしゃはゆっくちできないよ!!」 「むきゅ!みんなでたたかえばかてるわ!」「わきゃるよー!とちゅげきにゃんだにぇー」 わらわらと出てくる赤ゆっくり達。普通なら成体ゆっくりと赤ゆっくりでは勝負になりません。 ですが、子ゆっくりサイズまでにしかならない品種改良を受けたまりさには、意外に多数の赤ゆっくりが突っ込んで来るのは効果がありました。 「ゆ!こなまいきなあかちゃんはしんでね!まりさのでぃなーに、ゆべべっ!!」 「ゆ!まじゅいおめめだにぇ!!」 「ゆべっ!わきゃらにゃいよー。ちぇんのあんよがー。」 「むきゃっ!ふまにゃいでー。ゆ゛っゆ゛っゅ゛ゅ゛ゅ゛っっ。」 次々に飛びかかる赤ちぇんや噛みつこうとして 赤ぱちゅりー。体のあちこちをえぐられ、噛み千切られながらも、赤ゆを食い殺し続ける親まりさ。 遂には親まりさの皮がずるりと千切れ、断末魔の悲鳴もあげることが出来ずに一塊のあんことなります。 「あーあ、遂に死んだか。追い詰められた結果は人もゆっくりも変わらんね。」 ぱちゅりー達の巣箱付近では、殆んどの赤ゆが死に絶え、後に残ったのは、赤ぱちゅりーと赤ちぇんが各1匹、赤まりさが三匹だけ。 大量の赤ゆと親まりさが永遠にゆっくりしてしまった結果、破滅的に悪化した食糧事情は回復しました。 「むーちゃ、むーちゃちあわちぇぇ!!!」「こにょあまあまさんはみんかまりさのものだぢぇ!」 「ちらにゃいじぇ、みんなまりしゃがたべるにょじぇ!!」 危機が去ったにも関わらず、醜い言い争いを続ける赤まりさ達。 対照的に仲間の過半を失った赤ぱちゅりー達はゆ~ゆ~と嘆きながら、巣箱に仲間の残骸を運び始めます。 かーかーかー。 「ゆっ!真っ黒さんがやってきたよ!!」 外にいて、あんこを食べ続けた赤まりさ達は飛んできたカラスを見ました。 「ゆっ!ゆっきゅりし、ゆぴっ!!」 「まりしゃのいもうとがー。 赤まりさの目を手早くカラスはえぐり、他の赤まりさの底部をつついて動けなくします。 「ゆっゆ゛っゆ゛っ」「いちゃいよぉ!おうちかえる!!」 「にゃんで、こんにゃ、ゆきゃー!!」 ぶちぶちと音を立てて赤まりさの体は縦に引き裂かれ、カラスはゆっくりと食べていきます。 害鳥扱いされているカラスも、ゆっくりを喰らう時だけは人間に邪魔されません。 動きがとれなくなった赤まりさ達は、時間をかけてついばまれ、生きながらにして原形を失なっていきます。 「もっぢょ・・・ゆっくち・・・」 ぐしゃりと舌を潰され最後に残った赤まりさはクチバシにくわえられ、カラスによってさらわれていきます。 「むきゅっ・・・おそとはゆっくりできないわ。」 「きょわいんだにぇ・・・わきゃったよー」二匹の赤ゆっくりは、小刻に震えながら、巣箱の中で赤まりさがばらばらにされる様を見ていました。 「ゆっくり出来ない環境にさらされ続けたゆっくりは餌があっても成長できないか。試して見るのも楽しそうだな。」 お兄さんはゆっくり屋上を後にします。 食べられ尽くされていたプランターには、ゆっくりと雑草が再び生え始めていました。 ~~~~一ヶ月後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ようやく仕事を一段落させたお兄さんは、屋上のゆっくり達を思いだし、貯水タンクの辺りをみてみました。 ゆっくりしていってね!」 「ここはみんなのゆっくりぷれいすだよ。おにいさんもゆっくりしようね!!」 小さな赤ちぇんと赤ぱちゅりー二匹の他に、ねずみに相討ちになった状態で永遠にゆっくりしてしまっているちぇんと、食い殺されたぱちゅりーの残骸がありました。 「お前達はゆっくり出来ているのか?」 「むきゅ!!ゆっくりしているわ。おかあさんたちがえいえんにゆっくりしてもまもってくれたんだもの。」 「そのぶんまでゆっくりするんだよー。」 三世代目に入ったゆっくり達には既にこの小さな屋上以外の知識は消えているのでしょう。 「そんなお前達にあまあまをやろう。」 「むきゅ!おにいさんからものをもらうとゆっくりできないって、おかあさんにいわれたわ。」 「わかるよー。たべちゃいけないんだね。」 多少は教育を受けたのか、賢い個体になっているようです。 「まぁ、いい。食べたければ食べるがいいさ」 そっと、10円チョコを二つ置き、お兄さんはその場を後にしました。 その次の週、お菓子の甘味に負けた赤ゆっくり達が飢えて死んだのが、それとも耐えてゆっくりしてるのか・・・ 箱の中の猫の生死を確認するように、屋上までやってきたお兄さん。 そこには少し予想と違った光景がありました。 「むきゅ・・・ゆっくりできないわ。」 「わかるよー・・・」げっそりしながら、ソフトボール程度の大きさになったゆっくりが二匹。 「何がそんなにゆっくり出来てないんだ?」足元には、先日おいた10円チョコが二つ。 「むきゅ!いいにおいがするのに、たべられないのはゆっくりできないわ!!」 「でも、いいにおいはゆっくりできるよー。それはわかるよー。」 二匹はゆっくりらしからぬ忍耐で食べるのを我慢している。食べたらゆっくり出来なくなるのが分かるのか、涙を流しながら見ているだけ。 「いいことを教えてやろう。そのあまあまは食べるとしあわせーになる代わり、他の食べ物は二度と食べられなくなるぞ。」 「「ゆ゛っ!!!。」」 ぱたっと二匹のゆっくりは巣箱の中で気絶したようです。 屋上のゆっくり達はようやく、餌が自給出来るようになったのに、今度はパンドラの箱を渡されたようなものでした。 いつまで我慢できるでしょうか? 続く? 後書き 屋上の貯水タンクのあるスペースは6畳くらいのサイズで、屋上の他のスペースとは一段高い位置にあります。 続きを書くとすれば、その後お菓子を巡るゆっくり達の対立物にするような感じですね。 本編は携帯で書いているので変な部分がありますが見逃してください。 orz 著:moltoke これまで書いたの ゆっくりいじめ系2263 ゆしるだー ゆっくりいじめ系2357 寒さとの戦い このSSに感想をつける
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シリーズの0話的な位置づけでお願いします あいも変わらず核弾頭です。多分過去最高レベルの 気分が悪くなったらユーターンを推奨します 独自設定あり 幻想郷の話です 「ゆ!!ドス!!どうしてゆっくりをみんなゆっくりさせる聖戦を思いついたの?」 幹部れいむはドスに質問をした。今まで気になっていたのだろう。 「ゆ?れいむ?どうしても聞きたいの?」 「どうしてもだよ!!聞いたらみんなをもっとゆっくりさせるインスプレーションが働くかも しれないよ!!」 「ゆ~~しょうがないね!!ゆっくり聞かせてあげるね!!」 ドスは自分の昔の話を語り始めた 昔のゆっくり これはドスがまだただのまりさで、子ゆっくりの時から始まる。 まりさのいた群れは森の山奥にあり、そこは天敵ともいえる動物が一切なく 個体数が増えすぎても雨などの事故等でうまく数が調整された土地であった。 みな特に食糧に特に困るという事が今までなく、みな思うがままにゆっくりしていた。 それもあってか不慮の事故という事故以外で死ぬゆっくりがいないため 何十、何百世代に渡って思う存分ゆっくりしたゆっくりしかいなくなり いつしかゆっくりこそが世界の頂点に位置する生き物だと考え始めていた。 ただ単に天敵という天敵がいないため思いあがったのだろう、餡子の記憶からも 天敵の存在は消え切っていた。 「ねえお母さん?なんでゆっくりは世界でもっとも素晴らしい存在なの?」 当時子ゆっくりだったまりさは母であるまりさに聞いたことがあった。 その返答に母まりさはにこやかに答えた 「あそこにいるれいむをゆっくり見てね!!」 まりさはゆっくりしているまりさをみた。 そのまりさは木の切り株の上に乗り、森の木々から漏れる日の光を浴びて気持ちよさそうに寝ていた 「まりさの姿をみてごらん!!なにかかんじるでしょ!!」 まりさはそのゆっくりをよく観察した。 日光を浴びてつやつや光る髪、光を浴びてその白い肌をさらに白く感じさせる肌、 そしてそのまりさの顔の素晴らしいゆっくり比。 まりさはこのまりさのゆっくりした姿をみて確信した。 どんな絵さんよりもとってもきれいで、神々しくて、なにより、なんて言えばいいんだろう。 「そう、それがゆっくりしているということなんだよ!!」 お母さんまりさは続けた 「とってもゆっくりしているでしょう!!あのまりさがとてもゆっくりするために あの木さんは切り株さんになったし、あのまりさがゆっくりお昼寝できるように 森の木さんがわざわざちょうどいいおひさまを用意してくれたんだよ!!」 まりさは母の言葉に感動していた 「ここにはどれだけ食べても草さんやキノコさんがゆっくりに食べられるために たくさん、勝手にはえてきてくれるのよ!!だからおちびちゃんも勝手にはえてくる ごはんさんをできる限りたくさんたべてあげて、ごはんさんの幸せ~にしてあげたり ゆっくりお昼寝してその場所を提供してくれた生き物が幸せ~になるようにしてあげてね!!」 まりさは母の話に元気よくうなづいた。 「ゆっくりわかったよお母さん!!ゆっくりはやっぱり世界で一番素晴らしい生き物なんだね!!」 母ゆっくりもそうよとうなずいた。 ある日 まりさと母ゆっくりがゆっくりお話しながら歩いていると、ボロボロになったれいむが倒れていた。 「ゆ!!お母さん!!」 「わっかているよ!!れいむ、大丈夫?」 まりさ親子はボロボロで倒れているれいむに駆け寄り、れいむを起こそうとする。 必死にやったのが幸いしたのか、れいむはかすかに反応し、意識を取り戻した。 「ゆ・・・・ゆっぐり・・・じでいっでね」 れいむはボロボロの体にも関わらず挨拶をした 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 親子はつい反応してしまった。 「れいむ?一体どうしたの!!いま治療するよ!!」 そういうとまりさは近くに生えていた薬草をかみ砕き、液状にした後れいむの体に擦り付けた 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 傷口に染みるのか、れいむは悲鳴を上げた。 れいむの傷は自然についたものとは思えないような傷だった。 あんよは真っ黒になっており、あの真っ赤なリボンは真白になっていた。 体はこれでもかという程傷口があり、中には何かで切られた跡があった。 薬草で応急処置を行った母まりさは大きな葉っぱを持ってきてその上にれいむを乗せて 群れの広場へ運び始めた。その間、まりさはれいむを励ましていた。 ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今考えてみれば、あれがすべてのはじまりだったよ」 ドスまりさは楽しかった日々を懐かしく思う様な眼で語った。 「ゆ?ということはそれから始まったんだね!!ゆっくりのためのジハードが!!」 「そうだね、すべてのきっかけはそれからだったよ!!それからね・・・・」 ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 群れに着くと群れのみんなはあまりにもゆっくりできなくなってしまったれいむを 哀れんだ。 今村で唯一ある診療所で本格的な治療が行われていたが、あれだけの傷にあんよのあり様、 どうかんがえてもれいむが再びゆっくりできる日々はもうこないだろう。 診療所の入口でれいむを連れてきたまりさ親子は内心怒っていた。 一体だれがこんなひどいことするの!!ゆっくりをゆっくりできなくさせたら みんなゆっくりにも幸せにもなれないよ!!なんでそんなことするの!! これは群れのゆっくりみんながそう思った しばらくすると、診療所のパチュリーが入口から出てきた 「むきゅ!!れいむの治療がおわったわ!!傷は応急処置が良かったこともあってか餡子さんの 流失を止められたわ!!ただあんよの怪我はどうにもならなかったわ・・・。 あんなけが始めてよ!!たぶん自然につくものじゃないわ!!」 群れのゆっくりはやはりという顔だった。 「とりあえず、しばらくは絶対安静よ!! なんでこんな事が起こったかはぱちぇが聞いておくわ!!」 そういうとぱちゅりーは中へと戻って行った。 群れのみなはひと安心し、それぞれお家へ戻って行った まりさ一家もひと安心し、お家へともどっていき最後の平穏な一日を過ごした。 翌日、ボロボロになったれいむから話を聞いたパチュリーから語られた内容はゆっくり達には騒然たる ものだった。 そのれいむはとある広場を散歩している最中、みたこともないゆっくりプレイスをみつけ わざわざれいむのために開けられた入口からお家に入り、ゆっくりしていた所に 人間と呼ばれる生き物が侵入し、れいむのゆっくりプレイスに侵入し、ゆっくりプレイスを 奪うだけでなくれいむをここまでボロボロにしたのだ!! 群れのゆっくりは激怒した れいむをゆっくりさせるためにできたお家を横取りした生き物!! ゆっくりをゆっくりさせることをしない生き物、人間!! 群れのゆっくりは人間という生き物をゆっくりの力をもって駆除することを決定した。 ゆっくりの力・・それはゆっくりをゆっくりさせるために作用する力を人間に ぶつけるという力だった。 まあ早い話、ゆっくりをゆっくりさせてくれる風さんや日光さんがゆっくりをゆっくりさせる ために働いてくれるから、その力で人間が苦しんで反省するその様を見に行こうというものだ。 群れのゆっくりはその日の正午に群れを出発した。 その一群の中に、あのまりさ親子の姿もあった。 お母さんの教えてくれたことに深く感動し、それに反する生き物の存在を子まりさは その正義感から許せなかったのだ。 心配だからとついてきた母の他には、子まりさの妹にあたるまりさもついてきた。 妹まりさは尊敬する姉のまりさの雄姿がどうしてもみたいと駄々をこね、無理やりついてきたのだ。 参加したゆっくりのほとんどはゆっくりをゆっくりさせてくれるものが人間という生き物を 懲らしめてくれるからそれを遠目でみようというまるで遠足に行くような考えで いたため、参加したゆっくりの中には赤ゆっくりや子ゆっくりの姿もちらほら見えていた。 ゆっくり移動すること三日・・・・ 一群は人間の里に着いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今考えてみれば、世界はこのときからゆっくりに対して反乱をおこしていたんだよ・・」 ドスは懐かしくも、悔しいような顔でれいむに話していた。 「ゆ?ということはゆっくりできないことがおこったの?」 「そうだよ・・・・人間の里に着いたまりさ達は・・・・」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人間の里についたまりさ達群ゆっくりは目の前の光景に驚いた。 風や太陽さんが人間をさんざん懲らしめているはずなのに、全く苦しんでいないのだ!! おかしい、そんなはずはない!!ゆっくりをゆっくりさせるために働く風さんや 太陽さんが全然人間さんを懲らしめていない!! なにやっているのぉぉぉぉ!!早くこらしめてよぉぉぉぉぉ!!! もういいよ!!働く気がない風さんや太陽さんのかわりにゆっくりが すこしだけゆっくりしないで働いてあげるよ!!終わったらゆっくりさせなかった分だけ 働いてね!! 長はそう考え、群れゆっくり達に指示をだした 「ゆぅぅぅ!!みんな!!風さんや太陽さんが全然ゆっくりをゆっくりさせるために働いていないよ!! 働かない怠け者の代わりにゆっくりが少しだけゆっくりしないで人間を懲らしめるよ!! ゆっくり準備をしてね!!」 群れゆっくりは一瞬怒った顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻り、石を加えて近くにいた人間に 近づいて行った。 村の入口につくやいなや、長は近くにいた人間を呼びつけた。 その男は偶然なのか、れいむをボロボロにした張本人であった。 「そこの人間さん!!ゆっくりこっちを向いてね!!」 長の叫び声に男は気づいた 「ん?・・・・・ゆっくりの大群かよ・・・・。あのれいむ、仲間にこの場所を教えたな、ったく」 長は男の会話に気がつかなかったらしく、そのまま剣幕な顔で続けた。 「なんでれいむをゆっくりさせなかったのぉぉ!!ゆっくりをゆっくりさせるのが仕事でしょぉぉ!!」 「はあ?なんで俺がゆっくりをゆっくりさせなきゃいけないんだ?」 「ゆっくりをゆっくりさせるのはこの世界の仕事なんだよ!!まりさ達は寛大だから いま謝ってれいむやまりさ達をゆっくりさせたら水にながしてあげるよ!! そうだね、手始めにあの美味しそうなご飯をもってきてね!!人数分だよ!!」 そういって、男が育てていた野菜をよこせと要求してきた だが、男はわざわざゆっくりに合わせる必要などないため、答えはもちろん 「やるわけないだろうが!!」 「どぼじでぇぇぇぇ!!!」 「あれは俺が育てた野菜だ。それを自分のものだとぬかして食べようとするゆっくりを ボロボロにしたり、家を乗っ取ろうとするゆっくりをボロボロにして何が悪い。」 長は顔を真っ赤にした 「なにいっでるのぉぉ!!ゆっくりをゆっくりさせるのが義務でしょぉぉぉ!!! ゆっくりのために働くのがしごとでしょぉぉぉ!!風さんや太陽さんだってゆっくりのために 働いているんだよぉぉぉ!!それなのになんで人間だけさぼるのぉぉぉ!!」 「そんなもん聞いたことがない。思い上がりなら自分の群れの中だけでやってろ!!」 「ゆぎぃぃぃぃ!!ゆっくりせいさいずるよぉぉぉぉ!!みんな!!いくよ!!」 この言葉を合図に、ゆっくりの投石攻撃が始まった。 ゆっくりをゆっくりさせる仕事を放棄した虫さんに制裁するために日頃から練習していた投石攻撃 これで怠け者を制裁するよ!! ゆっくり達はそう考えていた。 だが、男は石をぶつけられ、切れた。 「ざけんじゃねえぞ饅頭どもがぁぁぁぁ!!!」 男は手にしていた鍬の刃を長まりさめがけて振りかぶった。 まりさは鍬の刃をもろにくらい、その場で死んだ 「人が優しくして付き合ってやったら石投げてきやがって!!もういい!!皆殺しにしたらぁ!!」 一方的な虐殺が始まった。 あるゆっくりはふざけるなと叫びながら体当たりをするも鍬に潰され、あるゆっくりは 子を守ろうとしてわが身を盾にし、鍬で親子もろとも死んだ。 あのまりさはなんでこんな事になったのか分からず、目の前の光景にただ呆然としていた。 なんでゆっくりを殺すの?やっちゃいけないことなんだよ?なんで?なんでぇぇぇ!! 「なんでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉ!!!!」 その刹那!!まりさめがけて鍬が襲う。だが、まりさは何かの体辺りを受けた。 母まりさが体当たりをしてまりさの身代りになったのだ。 母まりさは核を寸分違わずりょうだんされていたためか、何一言も残さず、その場で息絶えた。 「お、お、おおお、おおお、おおおがあざぁぁぁぁぁぁぁ!!」 まりさは叫んだ。怒りのあまりに体当たりをしようとしたが、誰かがまりさを掴んだ。 見知らぬ群れのゆっくりれいむだった 「おちびちゃん!!おかあさんはかわいそうだけどこんなところで死んじゃダメ!!」 そういうとまりさを咥えたまま森の方へ駆けて行った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「お母さん・・・かわいそうだね・・・」 幹部れいむはドスに同情した。 ドスは気にしないそぶりを見せ、話を続けた 「ある意味、本当に大変だったのはこの後だったよ・・・。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆがぁぁぁぁぁ、妹をばなぜぇぇぇぇぇ!!!」 「おねえぢゃぁぁぁぁん!!だずげでぇぇぇぇぇぇ!!!」 人間の追撃を命からがら逃れたものの、助かったゆっくり達は特に策もないため、お家に一旦引き返す 事にした。 だが、来る道中にはいなかった動物達が負傷したゆっくりから放たれる甘い匂いにひかれてきたのだ。 今まりさの目の前では、妹のまりさが犬に咬みつけれていた。 「おねえじゃぁぁぁぁぁん!!ばりざ、ばだじにだぐないぃぃぃぃぃ!!」 「大丈夫だよ!!おねえじゃんがだずげるよ!!」 まりさは必死に体当たりを仕掛けるも、犬には何のダメージがなく、ただ辺りにまりさの 悲鳴が響きわたるのみであった。 他の生き残ったゆっくり達は突然の襲撃者に驚き、まりさを置いてどこかへと逃げて行った。 そして時が流れ、犬は体当たりをしかけるまりさに飽きたのか、まりさを無視して妹まりさを 咥えたまま走り去っていった 「おねえじゃぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」 これが妹の最後の言葉となった。 取り残されたまりさは込み上げる感情を必死に抑えた。 まだ何かが襲ってくるかも知れなかったからだ。 だが、目から涙が止まることなく流れていった。 どうにか心を落ち着かせたまりさは4日かけてきた道をたどり、群れに戻ったが そこは地獄となっていた。 先に帰ってきたゆっくりの傷口から流れる餡子やクリームの匂いにひきつけられてやってきた 動物達が群をおそったのだ。 いままでこの群れに動物が襲ってこなかったのにはこの群れ自体が非常に幸運だったのもあるが、 なによりまともに餡子やクリームを流失するようなケガを負ったゆっくりが いままであまりいなかったからだ。 だが今回の場合、まりさを置いていったゆっくり達が先に帰り着いたはいいが、道中さまざまな 動物達がゆっくりを襲い、ほとんどのゆっくりが負傷したのだ。 その負傷したゆっくりから漂う大量の甘い匂いが今までよりつかなかった動物達を 招き入れる形になったのだ。 まりさは必死になって生きているゆっくりを探し始めた。 家に残ったお父さんれいむと妹達、長の奥さんのパチュリー、みょん、友達のちぇん みんな死んでいた。 一匹残らず、群れのゆっくりは死んでいた。 「ゆ・・・ゆ・・・ゆ・・・・・ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 まりさは叫んでいた。 ゆっくりをゆっくりするために肝心な所で怠けた風や太陽さん!! ゆっくりをゆっくりさせるどころかゆっくりを殺す人間!! 傷ついたゆっくりを襲う極悪非道な動物さん!! 復讐してやる、復讐してやる!! ゆっくりをゆっくりさせる仕事を放棄した怠け者を、ゆっくりをゆっくりさせない鬼畜どもを 地獄に叩き落としてやる!! こうして、一匹のAVENGER(復讐者)が誕生した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「それからが苦労の連続だったよ・・・・。何度も群れを作って、何度も捕まって、 何度も人間にゆっくりできない目にあったり・・・」 「ゆぅぅぅ、大変だったんだね・・・・・」 ドスは暗くなり気味な顔でれいむにうなづいた。 「でもね、そんなドスについに転機が来たんだよ!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それは、まりさがドスになり、これで何度目なのかわからない敗北を迎え、 絶望し、うちひしがれていたときだった。 「なんで、なんでこんなに頑張っているのに人間さんを制裁できないのぉぉぉ」 「それは世界がおかしいからよ」 ドスは誰かの声に驚き、声の主の方を振り向いた。 そこにはいままでみたこともないゆっくりがいた。 とても小さく見えたが小さいわけではないようだ。捕食種の一種だとも思ったが見たこともない。 どのゆっくりにもあてはまらないゆっくり・・・それが今目の前にいた。 「世界がおかしい?・・・・どうゆうこと?ゆっくり説明してね!!」 「いいわよ」 ドスはこの異形のゆっくりの目を見た瞬間、恐怖を感じた。 このゆっくりから何か禍々しいものを感じるよ。恨み?悲しみ?それに近いものを感じるよ でもなにより、このゆっくりは・・・この世界すべてを憎んでいる!! 「世界は本来ゆっくりをゆっくりするために存在していた。そうでしょう?」 「そうだよ!!」 ドスはうなづいた 「その世界がゆっくりを虐めだしたのよ。ゆっくりがゆっくりを平気で殺せるようにしむけ 他の動物や現象がゆっくりを虐めるように仕向けたりして、世界がゆっくりに対して反乱を 起こし始めたのよ。」 「ゆぅぅぅぅ!!!そんなの嘘だよ!!お母さんは言ってたもん!!世界はゆっくりを ゆっくりさせるためにあるって!!そんなデタラメ・・」 「じゃあ私は何?」 異形のゆっくりはドスに割り込んだ 「私はこの姿で生まれてきた。お父さんはお母さんを捨てて、お母さんはそんな私を育てるために いっぱい無理して美味しいご飯を集めたのが禍いして死んだわ。 それから私は仲間のはずのゆっくりにゆっくりできないという理由で虐められてきたわ。 何も悪いこともしていないのによ。それから今に至るまで、私は通りすがりのゆっくりから ゆっくりできないという理由から虐められてきたわ。ゆっくりできないという理由でよ。 そのゆっくり達がなんでそんな事をするのか、それは簡単よ。世界がゆっくりさせてくれないからよ 世界がゆっくりをゆっくりさせて、満ち足りているはずなら私を受け入れてくれるはずよ。 なのに私を拒絶する。だから私は世界を憎む。ゆっくりをゆっくりさせない世界を私は憎む。 これでもデタラメなの?」 ドスはこのゆっくりの言い分が正しいように感じてきた。 確かにゆっくりを追い求めて自滅していくゆっくりが最近増えてきたよ。 それも全て世界のせい?ならやることはただ一つしかないよ 世界を・・・・制裁するよ!! 「そう、分かったのね。本当の敵が。」 「ゆ!!分かったよ!!本当の敵が!!」 ドスと異形のゆっくりは互いの顔を見た。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「これがこの「ビッツ」を作った経緯だよ」 「ゆ~~、すごいゆっくりなんだねそのゆっくり!!でもどのゆっくりか分からないの?」 「今考えてみてもわからないよ!!でもね、人間と少し似ていたような気がするんだけど・・ そんなわけないよね!!」 ドスはこの異形のゆっくりとの出会いからこの「ビッツ」を作りだした。 あの異形のゆっくりとはそれ以来一度も会ったことはなかったが、 ドスは今もどこかで世界を憎んでいるのではないかと考えていた 「ところでれいむ、インスピレーションは沸いた?」 「ゆ!!もちろんだよ!!インスピレーションもやる気も一杯だよ!! じゃあドス!!昔話ありがとうね!!」 あの異形ゆっくりとの出会いがなかったら 「じゃあがんばってね、れいむ!!」 あの晩に会わなかったら 「ゆし!!ドスもがんばるぞ!!」 ゆっくりの悲鳴がこんなにも聞こえることはなかっただろう・・・・・ あとがき う~~~~ん、正直どうしよ!!なんかフルボッコされそう・・・・・。 作品がクロスされたことに舞い上がって調子こいたら・・・こんなすさまじい出来に・・・。 まあいいか!! 作中にでた異形のゆっくりですが、チル裏でちらっとだけ出た内容を元に作りました。 次回から本編を進めていきます。 ゆっくりAVENGER このSSに感想をつける