約 1,638,658 件
https://w.atwiki.jp/knenet/pages/21.html
一般的には 世界という言葉は様々に使われる。 「世界情勢」というと、全ての国の様子を表すが、「第三世界」などというと、国の範囲が狭くなる。 国に限らず、「○○の世界」という言い方もする。その分野のことについて包括的に語るときに使う。 「××から見た世界」となると、個人的なものになる。××には、人に限らず、ウマやオケラなどの他の生き物や、あるいは非生物が入ったりする。 他にも、多様な使われ方をするが、字義的な問題は後で考えることにして、世界という言葉の持つ一般的なイメージについて考えることにする。 これらの用法が全て違うものだとしても、そこに共通する「世界」の概念があるはずだ。 言葉の使われ方の方向として、分類を示すものとして使われているようだ。 地域、集合、空間などを表している。ただ、これらとも似ているものの、少しイメージが異なる気がする。 専門用語としての界 分類といえば、分類学にも界という言葉が出てくる。 これは世界と等しいわけではない。英語にするなら、世界はworldが一番あっていると思うが、界はKingdomである。 しかし、共通点はありそうだ。 界は、生物の区分で、最も大きな分類である。現在はその上に大分類を設けようとしているらしいけど。 この分類は、考える人によって変わるらしいけれど、今は五界説が有力なようだ。 分類は、割と人為的なものらしい。 それを考えると、世界も、見る人によって区分が変わるのではないだろうか。 考え方によって、含まれるものが変わってくるので、世界を一意に決めることはできなそうだ。 それならば、世界がどのように決められるかを考えるとしよう。 何が世界と呼ばれるか 数学や物理では、世界という言葉はあまり使わない。 まあ、電界、磁界という言葉はある。しかし、これらは学部により、電場、磁場という呼び方もする。 これは空間というよりも、力そのものを示しているようで、世界とはイメージが違うように思う。 数学や物理で世界に相当するものに「集合」や「系」がある。こういったものは「世界」とは異なるのだろうか。 あるものの集まりを集合と呼ぶには、集合に含むか含まれないかを厳密に定義する必要がある。 これは数学的に扱う上での制約だ。世界は一般的に使われすぎるので、制約を明確にするために別の言葉を使っているのだろうか。 系は集合の一種だ。系の場合、特に前提となるものが存在する。数学であれば、公理、物理であれば原点であろうか。 系は、その前提に依って集められた集合といえる。 集合としての厳密さを考えなければ、世界も系の一種のように思える(セカイ系の話は別の機会にしよう。あまり関係ないので)。 集合を考えるときは、その要素の性質が話題になる。 系を考えるときは、要素同士の関係性が話題になる。 そうであれば、世界という表現を使うときに、話題にしたいことがあるはずだ。 そして、それは他の分類の呼称と異なるだろう。 (書きかけ)
https://w.atwiki.jp/nasakenai/pages/30.html
217 :無名草子さん :2007/07/17(火) 00 35 51 古典だから初心者には勧められない といえば歴史に入ってるカーの『歴史とは何か』もそうだな なんも知らん人があれ読んでも退屈なだけだろう 218 :無名草子さん :2007/07/17(火) 11 58 48 カーのは歴史は知らなくても哲学・思想に親しんでる人なら面白く読めるだろう。 逆に具体的な歴史が好きな人が読んでもピンとこないかもしれない。 219 :215 :2007/07/21(土) 01 48 25 218 国際政治学徒も読むよ ⇒アマゾンリンク 2ch厨房が選ぶ新書ベスト @wikihttp //www1.atwiki.jp/test/pages/3774.html
https://w.atwiki.jp/kbt16s/pages/35.html
我々はコスモポリタンとしてではなく、国民として真に個人となる。 西田幾多郎(哲学者)『ポイエシスとプラクシス』 ナショナリズム批判と全体主義批判 ~ 右翼と保守の違いを考えるページ <目次> ■1.初めに ■2.ナショナリズムとは何か◆辞書による説明1(nation:アイデンティティを共有する人々の集合) ◆辞書による説明2(nationalism:国民主義、民族主義、国家主義など文脈に応じて様々に訳し分ける) ◆辞書による説明3(patriotism:愛国心、郷土愛) ◆辞書による説明4(jingoism:好戦的愛国主義、偏狭的優越主義) ◆自由主義思想家による説明 ■3.ナショナリズムの発展モデル ■4.保守・右翼・極右の違い ■5.ご意見、情報提供 ■1.初めに 様々なサイトで、保守と右翼が区別されず、一括りに「保守」と言われたり「右翼」と言われたり、「ナショナリズム」の問題とされたりしています。 ところが、英国の代表的な保守主義者とされるE.バークはアイルランド出身、D.ヒュームやA.スミスはスコットランド出身、ハイエクはオーストリア出身であり、彼らの思想にはナショナリズム的な色合いが皆無に近く、また米国の保守主義者も、右派とは言われても一般的にはナショナリストとは識別されていないようです。 こうした現象を一体どう考えるべきでしょうか? ■2.ナショナリズムとは何か ※最初にnationの辞書的定義を説明し、続けてnationalism及び関連するpatriotism/jingoismを説明します。 ◆辞書による説明1(nation:アイデンティティを共有する人々の集合) (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(nationの項)より全文翻訳 共通のアイデンティティが、特定の精神的絆と政治的共同体を創出する人々の集合。 そうした政治的アイデンティティは通常、共通の言語・文化・民族性・歴史といった特徴から構成されている。 一つ以上のnation(アイデンティティを共有する人々の集合)が一つのstate(政治的単位としての国家)を構成することもある。しかしnation, state, country(地理的な意味での国家)という諸用語、しばしば相互に融通して使用される。 nation-state(国民国家)とは、単一のnationality(国民性)を持った人々によって主に居住されているstateをいう。 (2) オックスフォード英語事典(nationの項)より抜粋翻訳 ある特定のstateまたはterritory(領域)に居住している、共通の血統(descent)・歴史・文化・言語によって結合した人々の大集団のこと (3) コウビルド英語事典(nationの項)より全文翻訳 1 nationとは社会的または政治的構成を共有すると考えられる特定の独立国である。 2 nationは特定の国家(country)に住む全ての人々を言い表す場合にしばしば用いられる。 ◆辞書による説明2(nationalism:国民主義、民族主義、国家主義など文脈に応じて様々に訳し分ける) (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(nationalismの項)より全文翻訳 自己のnation(アイデンティティを共有する人々の集合)またはcountry(地理的な意味での国家)に対する忠誠(loyalty)と献身(devotion)であり、特に他の人々の集合や個人的な利害への忠実さを上回るもの。 国民国家(nation-state)の時代以前は、ほとんど全ての人々の忠誠先は彼らの直近の地域や宗教的集団だった。 巨大な中央集権国家の登場は地方的権威を弱体化させ、日々進行する社会の世俗化は宗教的集団に対する忠誠を弱体化させた。しかしながら人々に共有される宗教は-共通の民族性・政治的遺産・歴史と共に-人々を国民主義運動(nationalist movement)へと誘い入れる要因の一つとなった。 18世紀から19世紀初めにかけての欧州の初期の国民主義運動は自由主義的(liberal)で国際的(internationalist)なものだった。しかしそれは次第に頑迷(conservative:「保守的」の意味もあるがここでは「頑迷」の意味ととる)で偏狭(parochial)なものとなっていった。 ナショナリズムは第一次世界大戦・第二次世界大戦そして近代におけるその他の多数の戦争を引き起こした主要因と考えられている。 20世紀のアフリカとアジアでは民族主義運動(nationalist movements)はしばしば植民地主義(colonialism 植民地支配)に対する反対(抵抗)を引き起こした。 ソ連邦の崩壊後、東欧と旧ソ連邦の各共和国の強烈な民族主義的感情(nationalist sentiments)は、旧ユーゴスラビア地域におけるような民族的紛争(ethnic conflict)の要因となった。 (2) オックスフォード英語事典(nationalismの項)より抜粋翻訳 1 愛国的な感情・原理・尽力(patriotic feeling, principle, or efforts) 2 他の国々(country)に対する優越性(superiority)という感情によって特徴づけられた極端な形の愛国心(an extreme form of patriotism) 3 特定の国家(country)の政治的独立の主張(advocacy) (3) コウビルド英語事典(nationalismの項)より全文翻訳 1 ナショナリズムとは自分達は歴史的にまたは文化的に、ある国家(country)の中で特定の分離された集団であると感じる人々の、政治的独立への渇望(desire for political independence)である。 2 ある個人の自己のnationに対する巨大な愛情をナショナリズムと呼ぶことが可能である。ある特定のnationは他の全てのnationより優秀であるという信条と、このナショナリズムはしばしば関連付けられるが、こうしたケースは、しばしば(話者の)不承認(不快感 disapproval)を表現するために用いられる(=jingoism 偏狭的優越主義) ◆辞書による説明3(patriotism:愛国心、郷土愛) (1) オックスフォード英語事典(patriotismの項)より抜粋翻訳 愛国的であること。自己の国家(country)に対する精力的な擁護(vigorous support)のこと。 (2) コウビルド英語事典(patriotismの項)より全文翻訳 パトリオティズムとは自己の国家(country)に対する愛情(love)であり、献身(loyalty)である。 ◆辞書による説明4(jingoism:好戦的愛国主義、偏狭的優越主義) (1) オックスフォード英語事典(jingoismの項)より抜粋翻訳 ジンゴイズムとは自己の国家(country)の優秀性(superiority)に関する強烈で理由のない信条である。 (2) コウビルド英語事典(jingoismの項)より全文翻訳 (主として軽蔑的に)極端な愛国心、特に攻撃的(aggressive)で好戦的(warlike)な外交政策の形をとるもの ◆自由主義思想家による説明 (1) I.バーリン(ラトビア出身でイギリスに帰化した政治学者/思想家)『自由論』所収「二十世紀の政治思想」(1949) 「十九世紀の二大解放政治運動は、あらゆる歴史書が示しているとおり、人道的個人主義とロマン的国民運動であった。・・・先の個人主義(individualism)と国民主義(nationalism)の二大潮流は誇張せられ歪曲されて、遂には共産主義(communism)とファシズム(fascism)という形態になっていった。即ち、共産主義は、全盛期の自由主義的国際主義の不実な相続人として、ファシズムは、前代の国民主義運動を鼓舞していた神秘的愛国主義の最高潮と同時に破産として現れたのである。」 (2) F.A.ハイエク(オーストリア出身でナチス支配期にイギリスに帰化した経済学者・法哲学者・政治思想家)『市場・知識・自由』所収「真の個人主義と偽の個人主義」(19xx) 「ナショナリズムは知的には社会主義の双生の兄弟に過ぎないが、ナショナリズムに対する個人主義の態度は特別に論じるに値するであろう。ここで私が指摘できるのは、十九世紀に英語を話す世界において自由主義とみなされていたことと、ヨーロッパ大陸において自由主義と呼ばれていたこととの間の根本的相違が、それぞれ真の個人主義と偽の個人主義の血統と密接に結びついていることだけである。①中央集権化、②ナショナリズム、及び、③社会主義に対して、一般的に反対したのは、イギリス的意味での自由主義だけであり、他方ヨーロッパ大陸において支配的な自由主義は、それら三つのもの全部に好意を寄せた。」 (3) F.マイネッケ(ナイス政権を許した根源的な理由は大衆社会の成立にある、と分析したドイツの歴史学者)『ドイツの悲劇』(1946) 「ヒトラー主義の積極的な内容・・・それは即ち、時代の二つの大波である国民的運動と社会主義的運動とを一つに合流させ、そしてその目的のために無定形になった社会の諸階層をそれ自身としてまた全体のためにいっそう確り再形成しようとする意識的意図に他ならなかった。」 ※ハイエクは、パトリオティズム(愛国心・郷土愛)は肯定しており、彼の批判しているナショナリズムは、拡張的ナショナリズム(マイネッケの指摘した大衆デモクラシーの到来と共に大衆の肥大した自尊感情の現れとしての侵略的・排外的傾向を持つナショナリズム即ちジンゴイズム)と解される。 ■3.ナショナリズムの発展モデル ※ナショナリズムは一般に以下の3段階で発展すると考えると理解し易い。 Ⅰ.解放的ナショナリズム(パトリオティズム) → Ⅱ.国民国家の成立 → Ⅲ.拡張的(排外的・侵略的)ナショナリズム(ジンゴイズム/ショーヴィニズム) 主に他国や他民族の抑圧に対して、①国家・国民形成を図りつつ、②政治的あるいは経済的自決(民族自決)を求める動き※政治的・経済的自決を求めることから、この段階のナショナリズムは自由主義と親和的である。 → 国家の要請に適った国民を育成するために、①統一的・画一的な国民教育の実施、②歴史・文化の共有化、③「伝統の創造」(※)といった公定ナショナリズムとでも言うべき諸政策が政府主導で実施される。※英歴史学者ホブズボームの用語で、正統性に問題のある新興国家の政府が行いがちな一種のご都合主義的な「伝統」価値の捏造 → 増大していく大衆の自尊感情の現れとしてのナショナリズム(大衆の自己崇拝、ナショナリズムの市民宗教化)。Ⅱの公定(=官製)ナショナリズムの結果、政府当局のコントロールが効かない状態にまで大衆の自尊感情が昂進してしまった状態。 少数エリ-トの自覚的な活動(市民型ナショナリズムcivic nationalism)として始まり、次第に参加者を拡大していく → 国民の政治参加の意欲が高まる結果、大衆デモクラシーが成立するが、次第に衆愚化していく傾向を免れない。 → 理性よりも大衆の無定見な民族感情に流され易くなり(民族型ナショナリズム ethnic nationalism)、①国内的には排外的、②対外的には侵略的傾向を強めていく結果となる。 例1 フランス革命の最初期 → フランス共和国の建設(カルノーの徴兵制etc.) → ジャコバン政権樹立以降の「革命の輸出」~ナポレオンの侵略戦争 例2 ドイツ統一運動 → ドイツ第二帝国の建設(ビスマルク時代) → ウィルヘルム2世の世界政策から第一次世界大戦へ。さらに敗戦からワイマール共和国の混迷ののちナチス政権による侵略政策の追求へ 例3 明治維新~日露戦争・不平等条約改正 → 大正デモクラシー(男子普通選挙の導入=大衆の政治参加) → 日本の場合は露骨な対外侵略の肯定という形は憚られたが、アジア諸民族と結んで白人支配を覆すという大義(=アジア主義)が利用される形で拡張的ナショナリズムが発動してしまった。 ※韓国は、Ⅱ.の行き過ぎの結果、Ⅲ.拡張的(排外的・侵略的)ナショナリズムが発動してしまった状態と解され、また中国もⅡ.を部分的ながら過激に実行した結果Ⅲ.の歯止めが利かなくなりつつある状態と見られる。 ■4.保守・右翼・極右の違い ※保守・右翼・極右をどう区別するかは定義の仕方次第だが、一応の目安として以下の基準有効と思う。 内容 関連ページ 保守 国内外の全体主義(共産主義・社会主義・リベラリズムなどの集産主義)の脅威から自由を守る(=自由主義) 保守主義とは何かリベラリズムと自由主義 右翼 他国・他国民の侵略的ナショナリズムの脅威から自国・自国民を守る(=解放的ナショナリズム) 右翼・左翼の歴史 極右 他国・他国民に対して侵略的ナショナリズムを発動している段階。なお極右と極左は紙一重の双生児であり、極左も当然侵略的ナショナリズムを発動している段階である。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ※政治的スタンス5分類・8分類について詳しくは 政治の基礎知識 参照。 ■5.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 公定ナショナリズム -- 名無しさん (2013-12-01 09 13 56) 日本こそ極右国家に成るべし。極右万歳! -- 名無しさん (2013-12-03 20 39 06) 新しく編集し直されている。 -- 名無しさん (2014-05-27 01 23 57) 以下は最新コメント表示 公定ナショナリズム -- 名無しさん (2013-12-01 09 13 56) 日本こそ極右国家に成るべし。極右万歳! -- 名無しさん (2013-12-03 20 39 06) 新しく編集し直されている。 -- 名無しさん (2014-05-27 01 23 57) 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
https://w.atwiki.jp/sakura398/pages/1444.html
我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。 ~ 文部省刊『国体の本義』(昭和12年(1937)5月) <目次> ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義◇1.国体の定義 ◇2.国史の真義 ■3.近代日本の国体論の展開 ■4.国体論と「皇国史観」◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 ■5.所謂「国体主権」論について ■6.ご意見、情報提供 ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ※サイズが合わない場合は こちら をクリック ※上図の説明は、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) へ ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義 『国体の本義』の第一章「第一 大日本国体」は、国体の定義を、また第二章「第二 国史に於ける国体の顕現」は、国史の真義を、それぞれ詳解している。各章の冒頭部分のみ以下に引用する。 ◇1.国体の定義 第一 大日本国体 一、肇国 大日本帝国は、万世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給ふ。これ、我が万古不易の国体である。而してこの大義に基づき、一大家族国家として億兆一心聖旨を奉体して、克く忠孝の美徳を発揮する。これ、我が国体の精華とするところである。この国体は、我が国永遠不変の大本であり、国史を貫いて炳として輝いてゐる。而してそれは、国家の発展と共に弥々鞏く、天壌と共に窮るところがない。我等は先づ我が肇国(てうこく)の事實の中に、この大本が如何に生き輝いてゐるかを知らねばならぬ。 ◇2.国史の真義 第二 国史に於ける国体の顕現 一、国史を一貫する精神 国史は、肇国の大精神の一途の展開として今日に及んでゐる不退転の歴史である。歴史には、時代の変化推移と共にこれを一貫する精神が存する。我が歴史には、肇国の精神が儼然と存してゐて、それが弥々明らかにせられて行くのであるから、国史の発展は即ち挙国の精神の展開であり、永遠の生命の創造発展となつてゐる。然るに他の国家にあつては、革命や滅亡によつて国家の命脈は断たれ、建国の精神は中断消滅し、別の国家の歴史が発生する。それ故、建国の精神が、歴史を一貫して不朽不滅に存続するが如きことはない。従つて他の国家に於て歴史を貫くものを求める場合には、抽象的な理性の一般法則の如きものを立てるより外に道がない。これ、西洋に於ける歴史観が国家を超越して論ぜられてゐる所以である。我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。それ故我が国に於ては、国史は国体と始終し、国体の自己表現である。 (参考).『国体の本義』全文 http //www.j-texts.com/showa/kokutaiah.html ※上記のように、日本を天皇を中心とする神の国と捉える歴史観は、主に戦後、マルクス主義歴史学者によって「皇国史観」と呼ばれてきた。 ■3.近代日本の国体論の展開 ※おおよそ、以下の4段階を踏んで現代に至っている。 (1) 政治的「国体」観念の創出 (メルクマール)大日本帝国憲法(1889年 発布、1890年施行)、教育勅語(1890年 煥発) 江戸期には、文化的「国体」観念(天皇は日本という文化的共同体の結晶核であるとする観念)が主流であり、政治的「国体」観念(権威者たる天皇は、権力者たる征夷大将軍の任命、条約勅許、元号制定など政治的意義をも有することの認識)は一般には希薄だった 欧米列強の脅威に反応して興起した後期水戸学(会沢正志斎『新論』(1857年)が代表的)の普及により、政治的「国体」観念が自覚されるようになった 「君権ヲ機軸」として政治体制を整備する必要性→政治的「国体」観念の創出(天皇は文化的共同体に加えて政治的共同体の結晶核としての役割をも期待されるようになる。「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス、天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総覧シ・・・) 明治維新の性格規定→「一味神水」の「一揆」史観(新田均氏)、近代国民国家の創出の必要性(エトニethnieからネイションnationの創出へ) L正統(Legitimacy 治統)とO正統(Orthodoxy 学統)→西洋はO正統(キリスト教会)の権威からL正統(皇帝権・王権)を創出したが、日本はL正統(皇統)の権威からO正統(政治的「国体」観念)を創出・・・従って日本ではO正統(政治的「国体」観念)はあくまでL正統(皇統)の影であって、正統性の本体はL正統である。(植村和秀氏) 政治的紛糾を呼びやすい思想・哲学的な国体論ではなく、天皇と国民の協働による国家の発展という「国史」に重点を置いた国体論の強調(西洋のような保守思想の発達とは対照的に、日本では「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向・・・100の理屈よりも1つの事実の方が説得力がある。日本は奇跡的に万世一系が続いている国であり、西洋の様に抽象的な理屈・思想で国家の正統性を確保する必要は薄い⇒「保守-思想」ではなく「皇国-史観」が前面に出て皇統と国体を護持) (2) 雑多な国体論の容認 (メルクマール)『国体論史』(1921年 内務省神社局刊) 国民各層の幅広い団結を促す必要性⇒「国体」観念の習合思想化(雑居性) 日本では古来から、国体の雑居性自体が伝統化していた(融通無碍) (3) 国体論の帰一 (メルクマール)『国体の本義』(1937年 文部省刊) マルクス主義は日本史上、ほとんど初めて「国体破壊」を強烈に志向した思想であり、第1次世界大戦中のロシア革命、ドイツ・オーストリアさらにはトルコの4大帝国の崩壊(それ以前の辛亥革命=清朝の崩壊も併せて)に刺激を受けて、共和制や社会主義・共産主義への移行が歴史の必然であると確信する学生・知識人が大量に発生し、コミンテルンが干渉してこの趨勢を助長。 こうした マルクス主義の思想侵略の脅威への対抗思想としての役割が「国体」に期待される⇒『国体の本義』編纂・刊行へ。 日本主義(国体の本義に則って西洋思想を益々醇化摂取し、より一層わが国を発展させるとする「開かれた社会」の思想) (4) 国体論の変容と自壊 (メルクマール)『臣民の道』(1941年 文部省教学局刊) アジア主義(東西文明対抗史観の影響)の追認 総力戦体制 八紘一宇(大東亜共栄圏の根拠づけ) 敗戦後は再び、文化的「国体」観念が主流へ(「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって・・・」) ◎参考図書 ※なお、当サイトの丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 のページも参照。 「現人神」「国家神道」という幻想 新田 均 (著) PHP研究所 (2003/02刊) ※amazonで一部ページを拝見できます。「「現人神」「国家神道」とは、日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度である」との嘘八百の言説に異議あり! こういったイメージが幻想に過ぎないことを、実証的歴史研究の成果に照らして明かす。 ※amazonの内容紹介より一部引用「現人神」「国家神道」??これらの言葉から、現代の日本人はどんなイメージを連想するだろうか。おそらく、狂信的な「天皇崇拝思想」と、それを支えた「国教制度」といったとこだろう。そして、この「日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度」は「明治政府が日本の近代化のために考え出した」などとされている。だが著者は、「そのような認識は思い込みに基づく幻想にすぎない」と喝破する。それは最近の実証的歴史研究の成果に照らしても明らかなのだが、これが意外と世間では知られておらず、歴史の専門家でさえ、少し分野が違っただけで知らない者が大多数なのだという。世間で知られていないことがそれほど大きな意味を持たないなら、それでもかまわないのかもしれないが、この「幻想」はわが国の首相の靖国神社参拝問題や政教関係訴訟、さらには教科書問題や外交関係にまで影を落としている。“虚像”が誰によって、いかにして創られたかを検証する。 目次 [第1部]「現人神」という幻想第1章 通俗的な「現人神」論の崩壊第2章 明治初期から「教育勅語」の発布のころまで第3章 「教育勅語」の発布から第一次世界大戦のころまで第4章 第一次世界大戦から満洲事変のころまで第5章 満洲事変以降第6章 「創られた伝統」としての「現人神」[第2部]「国家神道」という幻想第1章 「国家神道」は如何にして創られたか――「幻想」の系譜をたどる第2章 神社参拝は「法的に」強制されたか?第3章 強制された「事実」とは?第4章 「神社非宗教」論とは何だったのか第5章 「幻想」を必要としているのは誰か第6章 蜃気楼が消えた後には? ★評価豊富な実証的研究により、「明治以降の日本は異常な絶対主義君主国家・ファシズム国家だった」という立花隆など左翼の大嘘を完全に打ち破る名著。「国体」観念の展開に関しても説得力ある論説が展開されている。 ■4.国体論と「皇国史観」 上記の様に日本では、国家の正統性を国民に訴求する上で、「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向が見られた。 こうした戦前の国史に表れた歴史観を主に戦後「皇国史観」と呼んでいる。 ◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 【皇国史観】こうこく-しかん(広辞苑) 国家神道に基づき、日本歴史を万世一系の現人神(あらひとがみ)である天皇が永遠に君臨する万邦無比の神国として描く歴史観。十五年戦争期に正統的歴史観として支配的地位を占め、国民の統合・動員に大きな役割を演じた。 ◎補足説明 実際には「皇国史観」には、 ① 大東亜戦争の渦中で、文部省によって、主に高級文官試験用の公定歴史解説書として編纂され、東亜諸地域を包摂する新しい歴史観・国体観を打ち出した『国史概説』(1943-44刊行)及び、その大東亜地域版である『大東亜史概説』(編纂のみで未刊)に代表される「皇国賛美史観(文部省史観)」と、 ② 1930年半ばから、東京帝大国史学教授 平泉澄とその門下によって唱えられた日本一国主義の立場に立つ「皇国護持史観」の二種類があり、また ③ 大川周明の「東西文明対抗史観」は、①と親和性が高い。(※①は、大川周明などアジア主義者の東西文明対抗史観の影響下に現出された東アジアの状況を、総力戦体制下で政府が追認したものと捉えることができる。) 広辞苑の定義は、「十五年戦争」という支那寄りの用語に見るとおり、自虐的・日本断罪的で一方的な左翼史観から書かれているが、近年は同じ左翼陣営でも、より実証的に「皇国史観」や「国体論」の内実を検討した著作が幾つか刊行されている。 『近代日本の国体論―“皇国史観”再考』 昆野 伸幸 (著) ぺりかん社 (2007/12刊) 内容(「BOOK」データベースより)明治以後の植民地政策によって展開された国体論が近代的学知との激しい相剋を見せた昭和十年代に注目し、歴史認識の次元から大川周明・平泉澄を詳細に分析することにより、従来の国家主義的歴史観とは区別される“皇国史観”固有の特質を解明する。 目次 国体論研究の視角第1部 国体論の胎動(大川周明『列聖伝』考/平泉史学と人類学/平泉澄の中世史研究)第2部 国体論の対立(平泉澄の「日本人」観/大川周明の日本歴史観/大川周明『日本二千六百年史』不敬書事件再考)第3部 国体論の行方(「皇国史観」の相剋/大川周明のアジア観/三井甲之の戦後)国体論の帰結 『「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』 長谷川 亮一 (著) 白澤社 (2008/01刊) 内容(「BOOK」データベースより)戦前の歴史観の代名詞「皇国史観」は、非科学的、独善的、排外的などとして、戦後しりぞけられてきた。しかし、そもそも「皇国史観」とは何であったのか?誰が、何のために提唱し、普及させたのか?本書は、「皇国史観」の成立と流布を、戦中に文部省が行なった修史事業に着目して再検証し、従来のイメージを一新。「皇国史観」の何が、いかに問題であるのかを明らかにする。 目次 第1章 戦後における「皇国史観」をめぐる議論の展開第2章 近代国体論の変容第3章 「皇国史観」の提唱と流布第4章 『国史概説』の歴史像第5章 『大東亜史概説』の歴史像第6章 国史編修事業と国史編修院 ★上記2冊は、あくまで「皇国史観」「国体論」の現状での中心的研究者の認識が分かる図書として紹介している。早くこのような、未だに左翼史観から抜けきれない中途半端な著作物が「先行研究」と呼ばれる日が来ればいいのだが。 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 上記二名の研究者によれば、現実に「皇国史観」という用語を使用していたのは、①大東亜戦争中の文部省の側であり、その意味では「皇国史観=①文部省史観(皇国賛美史観・・・汎アジア主義的史観)」なのだが、本ページ上部の見取り図に示したとおり、大東亜戦争の敗戦によって、①文部省史観や、③大川周明の東西文明対抗史観の成立基盤が消滅してしまったことから、戦後は専ら、②平泉学派の「皇国護持史観」が、「皇国史観」として、マルクス主義者や戦後民主主義者といった左翼から、批判・中傷されることになった。 左は、2009年5月に放映されたNHK特集JAPANデビュー第二回【天皇と憲法】。「皇室廃止」を狙うNHKを始めとする左翼の本音がたまたま表に出た貴重な番組の動画である。※動画の平泉澄の「皇国護持史観」は、日本一国主義(非アジア主義)的史観であり、その内容を一言で表現すればわが国体こそ、寛容で価値多元的な日本的世界(日本的公共性)のコアである。日本国民はこれを護り続けなければならない。ということに尽きる。これは『国体の本義』の論旨そのものであって、何ら左翼から中傷される云われはない。 チャンネル桜で放送された上記動画の検証番組。国体論とは少し外れるが、NHKなど戦後左翼の欺瞞振りを詳しく確認できる。 丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義 植村 和秀(著) 柏書房 (2004/10)単行本 目次 第1章 政論記者丸山真男第2章 歴史神学者平泉澄第3章 正統の争い―平泉澄と丸山真男第4章 平泉澄における忠誠と反逆第5章 丸山真男にとっての忠誠と反逆第6章 昭和期日本の政治主義 ★評価丸山眞男といえば、進学校の学生が全共闘世代の教師に「夏休み(冬休み)の課題に 『日本の思想』(岩波新書) の中の一章を読んで感想を書け」と言われて、面白くも無いヘンテコで拗けた文書を読まされて難儀するのがオチの“戦後日本を代表する政治思想家”なのだが、そうした丸山の思想に半ば洗脳されていた著者(京産大法学部教授、ドイツ政治思想史専攻)が、京都の古本屋でたまたま、丸山眞男と思想的に対極にある平泉澄の戦前の著作を手に取り、その流麗な文体・精緻な論理構成に打たれて、可能な限りの事実検証・文献検証を重ねて両者の思想的対立の根源に迫った好著。「筆者には丸山眞男も平泉澄も、その支持者の多くのように、無条件に支持することはできない。丸山には心情的には共感できるが、しかし論理的には納得できない。平泉に論理的には共感できるが、しかし心情的には納得できない。それにもかかわらず、丸山と平泉の思想史的な意義の重さと、人間的な偉大さとは、素直に承認したい。」(著者:植村氏)…丸山眞男的あるいは進歩派文化人的な「戦後民主主義」思想にドップリ漬かった人への解毒剤としてお勧め。また昭和初年~昭和40年頃までの日本の思想状況の本当の所を知りたい人にもお勧めしたい。「生きて皇室を守るべし。雑草を食っても生きよ」終戦前後の混乱期における平泉同学の知られざる奮起、まさに大日本帝国の殿(しんがり)としての貢献、阿南惟幾・下村定の陸軍最後の二人の陸相と平泉博士とのエピソードも興味深い。相当にハイレベルだが、“理論派保守”を目指す人は是非挑戦してほしい。amazonブックレビューも参照のこと。 昭和の思想 植村 和秀 (著) 講談社選書メチエ(2010/11)単行本 内容(「BOOK」データベースより)「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「二つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。 目次 第1章 日本思想は二つ以上ある第2章 思想史からの靖国神社問題―松平永芳・平泉澄第3章 思想史からの安保闘争・学生反乱―丸山眞男第4章 思想史からの終戦と昭和天皇―阿南惟幾・平泉澄第5章 思想史からの世界新秩序構想―西田幾多郎・京都学派第6章 思想史からの言論迫害―蓑田胸喜第7章 二〇世紀思想史としての昭和思想史★評価上記『 丸山眞男と平泉澄昭和期日本の政治主義 』が内容的にハイレベルすぎて、初心者のみならず中級者でさえ中々に読みこなせないという難点に答えるかのように2010年秋に出版された簡潔な昭和期政治思想の概略本。 ■5.所謂「国体主権」論について 明治憲法体制は、天皇主権でも国民主権でもなく(英米法の「法の支配」に似た)「国体主権」である、と云われることがある。 確かにその論には一理以上のものがある(※佐藤幸治『憲法 第三版』にもそうした記述がある)のだが、「君主といえども神と法(=国体)の下にある」という建前を採るとしても、大東亜戦争の終戦を決定した聖断のケースに見るように、日本においては慣習的にみて「国体の最終判定権者=天皇」でしか有り得ない(神の権威も国体も天皇が代表しているため)のであり、結局は、「国体主権=天皇主権」となると思われる。(西洋的な絶対君主という意味ではなく、「国体の最終判定権者」という意味で) 昭和初期~戦中に、天皇=主権者とされたのは、この意味においてである。 なお、ドイツの代表的政治学者・憲法学者カール.シュミットの定義によれば「例外状況下で決定を下す者を主権者という」とされ、2.26事件やポツダム宣言受諾のケースにおける天皇は、この定義にピタリと該当するほか、実は「議会主権」と云われるイギリスにおいても「議会における女王の制定するものが法である」というルールが同国の法体系の「究極の認定(承認)ルール」とされている(ハートの法概念論⇒詳しくは よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) 参照)。 (※なお、アメリカでは連邦最高裁判所が最終決定権者とされている。) こうした国体の法的把握(=国体法 constitutional law、国制)に関して、詳しくは、日本国憲法改正問題(上級編) を参照。 ■6.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック + ... 以下は最新コメント表示 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
https://w.atwiki.jp/ik-ben-wakei/pages/189.html
能力は何故発達するのだろうか。人間を除く動物ももって生まれた能力を発達させることがある。もちろん、生まれたときに、既に大人とほぼ等しい能力をもって生まれる動物が多い。しかし、高等動物とされる動物ほど、後天的に発達する部分が大きく、人間は最もその幅が大きいといえる。しかし、後天的に発達するといっても、もともと発達のプログラムがあると考えられている。例えば、チョムスキーは、言語には普遍的な特性があり、その特性は人間が生得的にもっているという言語生得説を唱えたことで有名である。 つまり、多くの能力は先天的にもって生まれた資質と発達のプログラムが、後天的な環境の中で発現していくと考えられる。そのメカニズムを明らかにすることは、教育学の課題ではない。主に生物学や心理学の課題だろう。生物学や心理学が明らかにした発達のメカニズムを踏まえて、その発達を促進する実践的手法を作り出し、実践することが教育学の課題である。 人間の発達が何に規定されるかについて、遺伝説と環境説、及びその両方だとする輻輳説が長い間議論されてきた。そうした議論のフォローをする必要はないだろう。人間の発達は先天的な条件を土台にして、環境及び人々の働きかけの中で起きることは、明らかであり、問題はそれぞれの条件がどのように働くかであるといってよいと考えられるからである。 ここでは「先天的条件」をまず、確認しておこう。先天的条件とは、誕生の時点で定まっていることがらと考えておこう。先天的条件の第一が、遺伝であるが、決して遺伝だけではない。胎内環境や誕生時の状態などで大きな影響を受ける。妊娠中母親が栄養失調だったり、あるいは極度のストレスに見舞われていたとしたら、胎児の成長は悪影響を受けるし、また、母親がエイズに感染していれば、胎児にも感染する可能性がある。出産時に脳が圧迫されて障害をもつこともある。 そうした先天的条件の中でも、遺伝がもっとも基礎となるものであろう。 遺伝学は、周知のように1866年にメンデルが発表したものを、1901年にド・フリースが再発見して広まっていった。そうして、戦後、DNAの発見によって、人間の遺伝構造が、徐々に明らかになりつつある。 DNAという遺伝子そのものが発見されたため、遺伝の存在は明確であり、かつ遺伝の内容そのものを知ることが、理論的にはできるようになった。もっとも実際に人間の遺伝情報を読取ることは、大変時間のかかることであり、早急にわれわれの遺伝情報を知ることができるのではない。 ではどのようなことが言えるのか。 1 遺伝情報の読取りで、ある程度わかったことは、遺伝情報の大部分は人間の身体の形成や機能に関するもので、それは個人や人種などの差がほとんどないことである。したがって、個人間や人種間で、頭がいい、悪いということが、遺伝情報として組込まれている程度は、ほとんど無いに等しいくらいである。 このことは、人間の能力が遺伝によって決っていると主張する人々が、常に「差別」を合理化することに、遺伝学を使用していたことが、間違っていることを暗示する。(もっともこれも極めてわずかしか読解していない段階での想定である。) Q 「黒人はバネがある」とよく言うが、これは正しいか。正しいとすれば、それは、黒人の民族的遺伝なのか、それとも違う理由からか。 2 遺伝と環境は全く別のものではなく、遺伝子発現形態は、環境の変化を受けることが明らかにされている。そして、遺伝子の機能は先天的なものとしてのみ意味があるのではなく、一生続く機能である。人間の細胞は絶えず細胞分裂を繰返しており、そこにDNAの遺伝情報が作用している。ところが、受精以後のいかなる時点にせよ、遺伝情報に異常が生じると、様々な障害が現れる。 3 このことは、また遺伝子を組替えることによって、遺伝的な性質を変えることができることを意味する。少なくとも「遺伝的な疾患」の治療の道を開くものである。 Q 遺伝子組み替えによる病気治療をどう考えるか。 4 繰返しこれまで述べたように、脳の神経細胞は出産1~2年後から増加しない。それは、脳神経細胞はその時点で、複製に関する遺伝情報が役目を終えることを意味する。この後は刺激やその処理によって、脳神経系統の形成が一生続くわけである。出産時に、個々の能力や才能が、どの程度プログラムかされているかは明らかになっていない。 遺伝学の発展は、素質や環境自体のもつ意味をも変化させた。これまで、素質は人間の生理的な内的、先天的な状態であり、環境は身体の外にある社会や他の人の関係で、二つは明確に異なるものであると考えられていた。しかし、素質という身体的な性質も、社会的な環境や身体的な成長にともなって変化することがわかってきた。 次に胎内環境が、先天的条件となる。 母親の十分な栄養や休息、安定した精神状態などが、胎児に大きな影響を与えるといわれている。また、エイズなどのように、母親の病気が胎児にまで感染することもある。特に、先天的な障害の中には、胎内環境や出産時に原因があるとされているものも少なくない。 クローン牛は、既に多数存在するが、大きさも体の模様もかなり相違する。これは、遺伝的には同じであっても、胎内環境が異なるので、既に遺伝子の発現が異なって来ているからである。したがって、現在話題になっている「クローン人間」が実現しても、実際には、親とはかなり異なる人間が育つはずである。 クローン人間である「一卵性双生児」が、相当程度似ているのは、胎内環境も、また、出産後の環境もほとんど同じだからである。 先天的に発達上の問題があるとき、それは多くの場合「特別支援教育」に関わることになる。もちろん、障害は先天的にのみ生じるわけではなく、後天的にも生じるが、基本的に人間が本来もっている機能が不十分であるとき、どのような教育が必要であるかを明らかにする必要がある。 視覚に障害があるとき、特に生まれたときから見えない状態である場合には、当然通常の教育方法は通用せず、特別な方法が必要である。点字や音声の使用は代表的なものであるが、
https://w.atwiki.jp/sakura398/pages/202.html
我々はコスモポリタンとしてではなく、国民として真に個人となる。 西田幾多郎(哲学者)『ポイエシスとプラクシス』 ナショナリズム批判と全体主義批判 ~ 右翼と保守の違いを考えるページ <目次> ■1.初めに ■2.ナショナリズムとは何か◆辞書による説明1(nation:アイデンティティを共有する人々の集合) ◆辞書による説明2(nationalism:国民主義、民族主義、国家主義など文脈に応じて様々に訳し分ける) ◆辞書による説明3(patriotism:愛国心、郷土愛) ◆辞書による説明4(jingoism:好戦的愛国主義、偏狭的優越主義) ◆自由主義思想家による説明 ■3.ナショナリズムの発展モデル ■4.保守・右翼・極右の違い ■5.ご意見、情報提供 ■1.初めに 様々なサイトで、保守と右翼が区別されず、一括りに「保守」と言われたり「右翼」と言われたり、「ナショナリズム」の問題とされたりしています。 ところが、英国の代表的な保守主義者とされるE.バークはアイルランド出身、D.ヒュームやA.スミスはスコットランド出身、ハイエクはオーストリア出身であり、彼らの思想にはナショナリズム的な色合いが皆無に近く、また米国の保守主義者も、右派とは言われても一般的にはナショナリストとは識別されていないようです。 こうした現象を一体どう考えるべきでしょうか? ■2.ナショナリズムとは何か ※最初にnationの辞書的定義を説明し、続けてnationalism及び関連するpatriotism/jingoismを説明します。 ◆辞書による説明1(nation:アイデンティティを共有する人々の集合) (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(nationの項)より全文翻訳 共通のアイデンティティが、特定の精神的絆と政治的共同体を創出する人々の集合。 そうした政治的アイデンティティは通常、共通の言語・文化・民族性・歴史といった特徴から構成されている。 一つ以上のnation(アイデンティティを共有する人々の集合)が一つのstate(政治的単位としての国家)を構成することもある。しかしnation, state, country(地理的な意味での国家)という諸用語、しばしば相互に融通して使用される。 nation-state(国民国家)とは、単一のnationality(国民性)を持った人々によって主に居住されているstateをいう。 (2) オックスフォード英語事典(nationの項)より抜粋翻訳 ある特定のstateまたはterritory(領域)に居住している、共通の血統(descent)・歴史・文化・言語によって結合した人々の大集団のこと (3) コウビルド英語事典(nationの項)より全文翻訳 1 nationとは社会的または政治的構成を共有すると考えられる特定の独立国である。 2 nationは特定の国家(country)に住む全ての人々を言い表す場合にしばしば用いられる。 ◆辞書による説明2(nationalism:国民主義、民族主義、国家主義など文脈に応じて様々に訳し分ける) (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(nationalismの項)より全文翻訳 自己のnation(アイデンティティを共有する人々の集合)またはcountry(地理的な意味での国家)に対する忠誠(loyalty)と献身(devotion)であり、特に他の人々の集合や個人的な利害への忠実さを上回るもの。 国民国家(nation-state)の時代以前は、ほとんど全ての人々の忠誠先は彼らの直近の地域や宗教的集団だった。 巨大な中央集権国家の登場は地方的権威を弱体化させ、日々進行する社会の世俗化は宗教的集団に対する忠誠を弱体化させた。しかしながら人々に共有される宗教は-共通の民族性・政治的遺産・歴史と共に-人々を国民主義運動(nationalist movement)へと誘い入れる要因の一つとなった。 18世紀から19世紀初めにかけての欧州の初期の国民主義運動は自由主義的(liberal)で国際的(internationalist)なものだった。しかしそれは次第に頑迷(conservative:「保守的」の意味もあるがここでは「頑迷」の意味ととる)で偏狭(parochial)なものとなっていった。 ナショナリズムは第一次世界大戦・第二次世界大戦そして近代におけるその他の多数の戦争を引き起こした主要因と考えられている。 20世紀のアフリカとアジアでは民族主義運動(nationalist movements)はしばしば植民地主義(colonialism 植民地支配)に対する反対(抵抗)を引き起こした。 ソ連邦の崩壊後、東欧と旧ソ連邦の各共和国の強烈な民族主義的感情(nationalist sentiments)は、旧ユーゴスラビア地域におけるような民族的紛争(ethnic conflict)の要因となった。 (2) オックスフォード英語事典(nationalismの項)より抜粋翻訳 1 愛国的な感情・原理・尽力(patriotic feeling, principle, or efforts) 2 他の国々(country)に対する優越性(superiority)という感情によって特徴づけられた極端な形の愛国心(an extreme form of patriotism) 3 特定の国家(country)の政治的独立の主張(advocacy) (3) コウビルド英語事典(nationalismの項)より全文翻訳 1 ナショナリズムとは自分達は歴史的にまたは文化的に、ある国家(country)の中で特定の分離された集団であると感じる人々の、政治的独立への渇望(desire for political independence)である。 2 ある個人の自己のnationに対する巨大な愛情をナショナリズムと呼ぶことが可能である。ある特定のnationは他の全てのnationより優秀であるという信条と、このナショナリズムはしばしば関連付けられるが、こうしたケースは、しばしば(話者の)不承認(不快感 disapproval)を表現するために用いられる(=jingoism 偏狭的優越主義) ◆辞書による説明3(patriotism:愛国心、郷土愛) (1) オックスフォード英語事典(patriotismの項)より抜粋翻訳 愛国的であること。自己の国家(country)に対する精力的な擁護(vigorous support)のこと。 (2) コウビルド英語事典(patriotismの項)より全文翻訳 パトリオティズムとは自己の国家(country)に対する愛情(love)であり、献身(loyalty)である。 ◆辞書による説明4(jingoism:好戦的愛国主義、偏狭的優越主義) (1) オックスフォード英語事典(jingoismの項)より抜粋翻訳 ジンゴイズムとは自己の国家(country)の優秀性(superiority)に関する強烈で理由のない信条である。 (2) コウビルド英語事典(jingoismの項)より全文翻訳 (主として軽蔑的に)極端な愛国心、特に攻撃的(aggressive)で好戦的(warlike)な外交政策の形をとるもの ◆自由主義思想家による説明 (1) I.バーリン(ラトビア出身でイギリスに帰化した政治学者/思想家)『自由論』所収「二十世紀の政治思想」(1949) 「十九世紀の二大解放政治運動は、あらゆる歴史書が示しているとおり、人道的個人主義とロマン的国民運動であった。・・・先の個人主義(individualism)と国民主義(nationalism)の二大潮流は誇張せられ歪曲されて、遂には共産主義(communism)とファシズム(fascism)という形態になっていった。即ち、共産主義は、全盛期の自由主義的国際主義の不実な相続人として、ファシズムは、前代の国民主義運動を鼓舞していた神秘的愛国主義の最高潮と同時に破産として現れたのである。」 (2) F.A.ハイエク(オーストリア出身でナチス支配期にイギリスに帰化した経済学者・法哲学者・政治思想家)『市場・知識・自由』所収「真の個人主義と偽の個人主義」(19xx) 「ナショナリズムは知的には社会主義の双生の兄弟に過ぎないが、ナショナリズムに対する個人主義の態度は特別に論じるに値するであろう。ここで私が指摘できるのは、十九世紀に英語を話す世界において自由主義とみなされていたことと、ヨーロッパ大陸において自由主義と呼ばれていたこととの間の根本的相違が、それぞれ真の個人主義と偽の個人主義の血統と密接に結びついていることだけである。①中央集権化、②ナショナリズム、及び、③社会主義に対して、一般的に反対したのは、イギリス的意味での自由主義だけであり、他方ヨーロッパ大陸において支配的な自由主義は、それら三つのもの全部に好意を寄せた。」 (3) F.マイネッケ(ナイス政権を許した根源的な理由は大衆社会の成立にある、と分析したドイツの歴史学者)『ドイツの悲劇』(1946) 「ヒトラー主義の積極的な内容・・・それは即ち、時代の二つの大波である国民的運動と社会主義的運動とを一つに合流させ、そしてその目的のために無定形になった社会の諸階層をそれ自身としてまた全体のためにいっそう確り再形成しようとする意識的意図に他ならなかった。」 ※ハイエクは、パトリオティズム(愛国心・郷土愛)は肯定しており、彼の批判しているナショナリズムは、拡張的ナショナリズム(マイネッケの指摘した大衆デモクラシーの到来と共に大衆の肥大した自尊感情の現れとしての侵略的・排外的傾向を持つナショナリズム即ちジンゴイズム)と解される。 ■3.ナショナリズムの発展モデル ※ナショナリズムは一般に以下の3段階で発展すると考えると理解し易い。 Ⅰ.解放的ナショナリズム(パトリオティズム) → Ⅱ.国民国家の成立 → Ⅲ.拡張的(排外的・侵略的)ナショナリズム(ジンゴイズム/ショーヴィニズム) 主に他国や他民族の抑圧に対して、①国家・国民形成を図りつつ、②政治的あるいは経済的自決(民族自決)を求める動き※政治的・経済的自決を求めることから、この段階のナショナリズムは自由主義と親和的である。 → 国家の要請に適った国民を育成するために、①統一的・画一的な国民教育の実施、②歴史・文化の共有化、③「伝統の創造」(※)といった公定ナショナリズムとでも言うべき諸政策が政府主導で実施される。※英歴史学者ホブズボームの用語で、正統性に問題のある新興国家の政府が行いがちな一種のご都合主義的な「伝統」価値の捏造 → 増大していく大衆の自尊感情の現れとしてのナショナリズム(大衆の自己崇拝、ナショナリズムの市民宗教化)。Ⅱの公定(=官製)ナショナリズムの結果、政府当局のコントロールが効かない状態にまで大衆の自尊感情が昂進してしまった状態。 少数エリ-トの自覚的な活動(市民型ナショナリズムcivic nationalism)として始まり、次第に参加者を拡大していく → 国民の政治参加の意欲が高まる結果、大衆デモクラシーが成立するが、次第に衆愚化していく傾向を免れない。 → 理性よりも大衆の無定見な民族感情に流され易くなり(民族型ナショナリズム ethnic nationalism)、①国内的には排外的、②対外的には侵略的傾向を強めていく結果となる。 例1 フランス革命の最初期 → フランス共和国の建設(カルノーの徴兵制etc.) → ジャコバン政権樹立以降の「革命の輸出」~ナポレオンの侵略戦争 例2 ドイツ統一運動 → ドイツ第二帝国の建設(ビスマルク時代) → ウィルヘルム2世の世界政策から第一次世界大戦へ。さらに敗戦からワイマール共和国の混迷ののちナチス政権による侵略政策の追求へ 例3 明治維新~日露戦争・不平等条約改正 → 大正デモクラシー(男子普通選挙の導入=大衆の政治参加) → 日本の場合は露骨な対外侵略の肯定という形は憚られたが、アジア諸民族と結んで白人支配を覆すという大義(=アジア主義)が利用される形で拡張的ナショナリズムが発動してしまった。 ※韓国は、Ⅱ.の行き過ぎの結果、Ⅲ.拡張的(排外的・侵略的)ナショナリズムが発動してしまった状態と解され、また中国もⅡ.を部分的ながら過激に実行した結果Ⅲ.の歯止めが利かなくなりつつある状態と見られる。 ■4.保守・右翼・極右の違い ※保守・右翼・極右をどう区別するかは定義の仕方次第だが、一応の目安として以下の基準有効と思う。 内容 関連ページ 保守 国内外の全体主義(共産主義・社会主義・リベラリズムなどの集産主義)の脅威から自由を守る(=自由主義) 保守主義とは何かリベラリズムと自由主義 右翼 他国・他国民の侵略的ナショナリズムの脅威から自国・自国民を守る(=解放的ナショナリズム) 右翼・左翼の歴史 極右 他国・他国民に対して侵略的ナショナリズムを発動している段階。なお極右と極左は紙一重の双生児であり、極左も当然侵略的ナショナリズムを発動している段階である。 ※サイズが合わない場合は こちら をクリック ※政治的スタンス5分類・8分類について詳しくは 政治の基礎知識 参照。 ■5.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 公定ナショナリズム -- 名無しさん (2013-12-01 09 13 56) 日本こそ極右国家に成るべし。極右万歳! -- 名無しさん (2013-12-03 20 39 06) 新しく編集し直されている。 -- 名無しさん (2014-05-27 01 23 57) 以下は最新コメント表示 公定ナショナリズム -- 名無しさん (2013-12-01 09 13 56) 日本こそ極右国家に成るべし。極右万歳! -- 名無しさん (2013-12-03 20 39 06) 新しく編集し直されている。 -- 名無しさん (2014-05-27 01 23 57) 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
https://w.atwiki.jp/vs_anti2ch/pages/6.html
アンチ2chとは何か? 要するに「2ちゃんねるを敵に回しているサイト」です。 スレを参照
https://w.atwiki.jp/kolia/pages/1671.html
改行ズレ/画像ヌケ等で読み辛い場合は、ミラーWIKI または図解WIKI をご利用ください 我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。 ~ 文部省刊『国体の本義』(昭和12年(1937)5月) <目次> ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義◇1.国体の定義 ◇2.国史の真義 ■3.近代日本の国体論の展開 ■4.国体論と「皇国史観」◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 ■5.所謂「国体主権」論について ■6.ご意見、情報提供 ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ※サイズが合わない場合はこちら をクリック ※上図の説明は、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) へ ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義 『国体の本義』の第一章「第一 大日本国体」は、国体の定義を、また第二章「第二 国史に於ける国体の顕現」は、国史の真義を、それぞれ詳解している。各章の冒頭部分のみ以下に引用する。 ◇1.国体の定義 第一 大日本国体 一、肇国 大日本帝国は、万世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給ふ。これ、我が万古不易の国体である。而してこの大義に基づき、一大家族国家として億兆一心聖旨を奉体して、克く忠孝の美徳を発揮する。これ、我が国体の精華とするところである。この国体は、我が国永遠不変の大本であり、国史を貫いて炳として輝いてゐる。而してそれは、国家の発展と共に弥々鞏く、天壌と共に窮るところがない。我等は先づ我が肇国(てうこく)の事實の中に、この大本が如何に生き輝いてゐるかを知らねばならぬ。 ◇2.国史の真義 第二 国史に於ける国体の顕現 一、国史を一貫する精神 国史は、肇国の大精神の一途の展開として今日に及んでゐる不退転の歴史である。歴史には、時代の変化推移と共にこれを一貫する精神が存する。我が歴史には、肇国の精神が儼然と存してゐて、それが弥々明らかにせられて行くのであるから、国史の発展は即ち挙国の精神の展開であり、永遠の生命の創造発展となつてゐる。然るに他の国家にあつては、革命や滅亡によつて国家の命脈は断たれ、建国の精神は中断消滅し、別の国家の歴史が発生する。それ故、建国の精神が、歴史を一貫して不朽不滅に存続するが如きことはない。従つて他の国家に於て歴史を貫くものを求める場合には、抽象的な理性の一般法則の如きものを立てるより外に道がない。これ、西洋に於ける歴史観が国家を超越して論ぜられてゐる所以である。我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。それ故我が国に於ては、国史は国体と始終し、国体の自己表現である。 (参考).『国体の本義』全文 http //www.j-texts.com/showa/kokutaiah.html ※上記のように、日本を天皇を中心とする神の国と捉える歴史観は、主に戦後、マルクス主義歴史学者によって「皇国史観」と呼ばれてきた。 ■3.近代日本の国体論の展開 ※おおよそ、以下の4段階を踏んで現代に至っている。 (1) 政治的「国体」観念の創出 (メルクマール)大日本帝国憲法(1889年 発布、1890年施行)、教育勅語(1890年 煥発) 江戸期には、文化的「国体」観念(天皇は日本という文化的共同体の結晶核であるとする観念)が主流であり、政治的「国体」観念(権威者たる天皇は、権力者たる征夷大将軍の任命、条約勅許、元号制定など政治的意義をも有することの認識)は一般には希薄だった 欧米列強の脅威に反応して興起した後期水戸学(会沢正志斎『新論』(1857年)が代表的)の普及により、政治的「国体」観念が自覚されるようになった 「君権ヲ機軸」として政治体制を整備する必要性→政治的「国体」観念の創出(天皇は文化的共同体に加えて政治的共同体の結晶核としての役割をも期待されるようになる。「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス、天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総覧シ・・・) 明治維新の性格規定→「一味神水」の「一揆」史観(新田均氏)、近代国民国家の創出の必要性(エトニethnieからネイションnationの創出へ) L正統(Legitimacy 治統)とO正統(Orthodoxy 学統)→西洋はO正統(キリスト教会)の権威からL正統(皇帝権・王権)を創出したが、日本はL正統(皇統)の権威からO正統(政治的「国体」観念)を創出・・・従って日本ではO正統(政治的「国体」観念)はあくまでL正統(皇統)の影であって、正統性の本体はL正統である。(植村和秀氏) 政治的紛糾を呼びやすい思想・哲学的な国体論ではなく、天皇と国民の協働による国家の発展という「国史」に重点を置いた国体論の強調(西洋のような保守思想の発達とは対照的に、日本では「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向・・・100の理屈よりも1つの事実の方が説得力がある。日本は奇跡的に万世一系が続いている国であり、西洋の様に抽象的な理屈・思想で国家の正統性を確保する必要は薄い⇒「保守-思想」ではなく「皇国-史観」が前面に出て皇統と国体を護持) (2) 雑多な国体論の容認 (メルクマール)『国体論史』(1921年 内務省神社局刊) 国民各層の幅広い団結を促す必要性⇒「国体」観念の習合思想化(雑居性) 日本では古来から、国体の雑居性自体が伝統化していた(融通無碍) (3) 国体論の帰一 (メルクマール)『国体の本義』(1937年 文部省刊) マルクス主義は日本史上、ほとんど初めて「国体破壊」を強烈に志向した思想であり、第1次世界大戦中のロシア革命、ドイツ・オーストリアさらにはトルコの4大帝国の崩壊(それ以前の辛亥革命=清朝の崩壊も併せて)に刺激を受けて、共和制や社会主義・共産主義への移行が歴史の必然であると確信する学生・知識人が大量に発生し、コミンテルンが干渉してこの趨勢を助長。 こうした マルクス主義の思想侵略の脅威への対抗思想としての役割が「国体」に期待される⇒『国体の本義』編纂・刊行へ。 日本主義(国体の本義に則って西洋思想を益々醇化摂取し、より一層わが国を発展させるとする「開かれた社会」の思想) (4) 国体論の変容と自壊 (メルクマール)『臣民の道』(1941年 文部省教学局刊) アジア主義(東西文明対抗史観の影響)の追認 総力戦体制 八紘一宇(大東亜共栄圏の根拠づけ) 敗戦後は再び、文化的「国体」観念が主流へ(「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって・・・」) ◎参考図書 ※なお、当サイトの丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 のページも参照。 「現人神」「国家神道」という幻想 新田 均 (著) PHP研究所 (2003/02刊) ※amazonで一部ページを拝見できます。「「現人神」「国家神道」とは、日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度である」との嘘八百の言説に異議あり! こういったイメージが幻想に過ぎないことを、実証的歴史研究の成果に照らして明かす。 ※amazonの内容紹介より一部引用「現人神」「国家神道」??これらの言葉から、現代の日本人はどんなイメージを連想するだろうか。おそらく、狂信的な「天皇崇拝思想」と、それを支えた「国教制度」といったとこだろう。そして、この「日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度」は「明治政府が日本の近代化のために考え出した」などとされている。だが著者は、「そのような認識は思い込みに基づく幻想にすぎない」と喝破する。それは最近の実証的歴史研究の成果に照らしても明らかなのだが、これが意外と世間では知られておらず、歴史の専門家でさえ、少し分野が違っただけで知らない者が大多数なのだという。世間で知られていないことがそれほど大きな意味を持たないなら、それでもかまわないのかもしれないが、この「幻想」はわが国の首相の靖国神社参拝問題や政教関係訴訟、さらには教科書問題や外交関係にまで影を落としている。“虚像”が誰によって、いかにして創られたかを検証する。 目次 [第1部]「現人神」という幻想第1章 通俗的な「現人神」論の崩壊第2章 明治初期から「教育勅語」の発布のころまで第3章 「教育勅語」の発布から第一次世界大戦のころまで第4章 第一次世界大戦から満洲事変のころまで第5章 満洲事変以降第6章 「創られた伝統」としての「現人神」[第2部]「国家神道」という幻想第1章 「国家神道」は如何にして創られたか――「幻想」の系譜をたどる第2章 神社参拝は「法的に」強制されたか?第3章 強制された「事実」とは?第4章 「神社非宗教」論とは何だったのか第5章 「幻想」を必要としているのは誰か第6章 蜃気楼が消えた後には? ★評価豊富な実証的研究により、「明治以降の日本は異常な絶対主義君主国家・ファシズム国家だった」という立花隆など左翼の大嘘を完全に打ち破る名著。「国体」観念の展開に関しても説得力ある論説が展開されている。 ■4.国体論と「皇国史観」 上記の様に日本では、国家の正統性を国民に訴求する上で、「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向が見られた。 こうした戦前の国史に表れた歴史観を主に戦後「皇国史観」と呼んでいる。 ◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 【皇国史観】こうこく-しかん(広辞苑) 国家神道に基づき、日本歴史を万世一系の現人神(あらひとがみ)である天皇が永遠に君臨する万邦無比の神国として描く歴史観。十五年戦争期に正統的歴史観として支配的地位を占め、国民の統合・動員に大きな役割を演じた。 ◎補足説明 実際には「皇国史観」には、 ① 大東亜戦争の渦中で、文部省によって、主に高級文官試験用の公定歴史解説書として編纂され、東亜諸地域を包摂する新しい歴史観・国体観を打ち出した『国史概説』(1943-44刊行)及び、その大東亜地域版である『大東亜史概説』(編纂のみで未刊)に代表される「皇国賛美史観(文部省史観)」と、 ② 1930年半ばから、東京帝大国史学教授 平泉澄とその門下によって唱えられた日本一国主義の立場に立つ「皇国護持史観」の二種類があり、また ③ 大川周明の「東西文明対抗史観」は、①と親和性が高い。(※①は、大川周明などアジア主義者の東西文明対抗史観の影響下に現出された東アジアの状況を、総力戦体制下で政府が追認したものと捉えることができる。) 広辞苑の定義は、「十五年戦争」という支那寄りの用語に見るとおり、自虐的・日本断罪的で一方的な左翼史観から書かれているが、近年は同じ左翼陣営でも、より実証的に「皇国史観」や「国体論」の内実を検討した著作が幾つか刊行されている。 『近代日本の国体論―“皇国史観”再考』 昆野 伸幸 (著) ぺりかん社 (2007/12刊) 内容(「BOOK」データベースより)明治以後の植民地政策によって展開された国体論が近代的学知との激しい相剋を見せた昭和十年代に注目し、歴史認識の次元から大川周明・平泉澄を詳細に分析することにより、従来の国家主義的歴史観とは区別される“皇国史観”固有の特質を解明する。 目次 国体論研究の視角第1部 国体論の胎動(大川周明『列聖伝』考/平泉史学と人類学/平泉澄の中世史研究)第2部 国体論の対立(平泉澄の「日本人」観/大川周明の日本歴史観/大川周明『日本二千六百年史』不敬書事件再考)第3部 国体論の行方(「皇国史観」の相剋/大川周明のアジア観/三井甲之の戦後)国体論の帰結 『「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』 長谷川 亮一 (著) 白澤社 (2008/01刊) 内容(「BOOK」データベースより)戦前の歴史観の代名詞「皇国史観」は、非科学的、独善的、排外的などとして、戦後しりぞけられてきた。しかし、そもそも「皇国史観」とは何であったのか?誰が、何のために提唱し、普及させたのか?本書は、「皇国史観」の成立と流布を、戦中に文部省が行なった修史事業に着目して再検証し、従来のイメージを一新。「皇国史観」の何が、いかに問題であるのかを明らかにする。 目次 第1章 戦後における「皇国史観」をめぐる議論の展開第2章 近代国体論の変容第3章 「皇国史観」の提唱と流布第4章 『国史概説』の歴史像第5章 『大東亜史概説』の歴史像第6章 国史編修事業と国史編修院 ★上記2冊は、あくまで「皇国史観」「国体論」の現状での中心的研究者の認識が分かる図書として紹介している。早くこのような、未だに左翼史観から抜けきれない中途半端な著作物が「先行研究」と呼ばれる日が来ればいいのだが。 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 上記二名の研究者によれば、現実に「皇国史観」という用語を使用していたのは、①大東亜戦争中の文部省の側であり、その意味では「皇国史観=①文部省史観(皇国賛美史観・・・汎アジア主義的史観)」なのだが、本ページ上部の見取り図に示したとおり、大東亜戦争の敗戦によって、①文部省史観や、③大川周明の東西文明対抗史観の成立基盤が消滅してしまったことから、戦後は専ら、②平泉学派の「皇国護持史観」が、「皇国史観」として、マルクス主義者や戦後民主主義者といった左翼から、批判・中傷されることになった。 左は、2009年5月に放映されたNHK特集JAPANデビュー第二回【天皇と憲法】。「皇室廃止」を狙うNHKを始めとする左翼の本音がたまたま表に出た貴重な番組の動画である。※動画の平泉澄の「皇国護持史観」は、日本一国主義(非アジア主義)的史観であり、その内容を一言で表現すればわが国体こそ、寛容で価値多元的な日本的世界(日本的公共性)のコアである。日本国民はこれを護り続けなければならない。ということに尽きる。これは『国体の本義』の論旨そのものであって、何ら左翼から中傷される云われはない。 チャンネル桜で放送された上記動画の検証番組。国体論とは少し外れるが、NHKなど戦後左翼の欺瞞振りを詳しく確認できる。 丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義 植村 和秀(著) 柏書房 (2004/10)単行本 目次 第1章 政論記者丸山真男第2章 歴史神学者平泉澄第3章 正統の争い―平泉澄と丸山真男第4章 平泉澄における忠誠と反逆第5章 丸山真男にとっての忠誠と反逆第6章 昭和期日本の政治主義 ★評価丸山眞男といえば、進学校の学生が全共闘世代の教師に「夏休み(冬休み)の課題に『日本の思想』(岩波新書) の中の一章を読んで感想を書け」と言われて、面白くも無いヘンテコで拗けた文書を読まされて難儀するのがオチの“戦後日本を代表する政治思想家”なのだが、そうした丸山の思想に半ば洗脳されていた著者(京産大法学部教授、ドイツ政治思想史専攻)が、京都の古本屋でたまたま、丸山眞男と思想的に対極にある平泉澄の戦前の著作を手に取り、その流麗な文体・精緻な論理構成に打たれて、可能な限りの事実検証・文献検証を重ねて両者の思想的対立の根源に迫った好著。「筆者には丸山眞男も平泉澄も、その支持者の多くのように、無条件に支持することはできない。丸山には心情的には共感できるが、しかし論理的には納得できない。平泉に論理的には共感できるが、しかし心情的には納得できない。それにもかかわらず、丸山と平泉の思想史的な意義の重さと、人間的な偉大さとは、素直に承認したい。」(著者:植村氏)…丸山眞男的あるいは進歩派文化人的な「戦後民主主義」思想にドップリ漬かった人への解毒剤としてお勧め。また昭和初年~昭和40年頃までの日本の思想状況の本当の所を知りたい人にもお勧めしたい。「生きて皇室を守るべし。雑草を食っても生きよ」終戦前後の混乱期における平泉同学の知られざる奮起、まさに大日本帝国の殿(しんがり)としての貢献、阿南惟幾・下村定の陸軍最後の二人の陸相と平泉博士とのエピソードも興味深い。相当にハイレベルだが、“理論派保守”を目指す人は是非挑戦してほしい。amazonブックレビューも参照のこと。 昭和の思想 植村 和秀 (著) 講談社選書メチエ(2010/11)単行本 内容(「BOOK」データベースより)「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「二つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。 目次 第1章 日本思想は二つ以上ある第2章 思想史からの靖国神社問題―松平永芳・平泉澄第3章 思想史からの安保闘争・学生反乱―丸山眞男第4章 思想史からの終戦と昭和天皇―阿南惟幾・平泉澄第5章 思想史からの世界新秩序構想―西田幾多郎・京都学派第6章 思想史からの言論迫害―蓑田胸喜第7章 二〇世紀思想史としての昭和思想史★評価上記『丸山眞男と平泉澄昭和期日本の政治主義 』が内容的にハイレベルすぎて、初心者のみならず中級者でさえ中々に読みこなせないという難点に答えるかのように2010年秋に出版された簡潔な昭和期政治思想の概略本。 ■5.所謂「国体主権」論について 明治憲法体制は、天皇主権でも国民主権でもなく(英米法の「法の支配」に似た)「国体主権」である、と云われることがある。 確かにその論には一理以上のものがある(※佐藤幸治『憲法 第三版』にもそうした記述がある)のだが、「君主といえども神と法(=国体)の下にある」という建前を採るとしても、大東亜戦争の終戦を決定した聖断のケースに見るように、日本においては慣習的にみて「国体の最終判定権者=天皇」でしか有り得ない(神の権威も国体も天皇が代表しているため)のであり、結局は、「国体主権=天皇主権」となると思われる。(西洋的な絶対君主という意味ではなく、「国体の最終判定権者」という意味で) 昭和初期~戦中に、天皇=主権者とされたのは、この意味においてである。 なお、ドイツの代表的政治学者・憲法学者カール.シュミットの定義によれば「例外状況下で決定を下す者を主権者という」とされ、2.26事件やポツダム宣言受諾のケースにおける天皇は、この定義にピタリと該当するほか、実は「議会主権」と云われるイギリスにおいても「議会における女王の制定するものが法である」というルールが同国の法体系の「究極の認定(承認)ルール」とされている(ハートの法概念論⇒詳しくは よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) 参照)。 (※なお、アメリカでは連邦最高裁判所が最終決定権者とされている。) こうした国体の法的把握(=国体法 constitutional law、国制)に関して、詳しくは、日本国憲法改正問題(上級編) を参照。 ■6.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック + ... 以下は最新コメント表示 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
https://w.atwiki.jp/sakura398/pages/291.html
我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。 ~ 文部省刊『国体の本義』(昭和12年(1937)5月) <目次> ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義◇1.国体の定義 ◇2.国史の真義 ■3.近代日本の国体論の展開 ■4.国体論と「皇国史観」◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 ■5.所謂「国体主権」論について ■6.ご意見、情報提供 ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ※サイズが合わない場合は こちら をクリック ※上図の説明は、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) へ ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義 『国体の本義』の第一章「第一 大日本国体」は、国体の定義を、また第二章「第二 国史に於ける国体の顕現」は、国史の真義を、それぞれ詳解している。各章の冒頭部分のみ以下に引用する。 ◇1.国体の定義 第一 大日本国体 一、肇国 大日本帝国は、万世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給ふ。これ、我が万古不易の国体である。而してこの大義に基づき、一大家族国家として億兆一心聖旨を奉体して、克く忠孝の美徳を発揮する。これ、我が国体の精華とするところである。この国体は、我が国永遠不変の大本であり、国史を貫いて炳として輝いてゐる。而してそれは、国家の発展と共に弥々鞏く、天壌と共に窮るところがない。我等は先づ我が肇国(てうこく)の事實の中に、この大本が如何に生き輝いてゐるかを知らねばならぬ。 ◇2.国史の真義 第二 国史に於ける国体の顕現 一、国史を一貫する精神 国史は、肇国の大精神の一途の展開として今日に及んでゐる不退転の歴史である。歴史には、時代の変化推移と共にこれを一貫する精神が存する。我が歴史には、肇国の精神が儼然と存してゐて、それが弥々明らかにせられて行くのであるから、国史の発展は即ち挙国の精神の展開であり、永遠の生命の創造発展となつてゐる。然るに他の国家にあつては、革命や滅亡によつて国家の命脈は断たれ、建国の精神は中断消滅し、別の国家の歴史が発生する。それ故、建国の精神が、歴史を一貫して不朽不滅に存続するが如きことはない。従つて他の国家に於て歴史を貫くものを求める場合には、抽象的な理性の一般法則の如きものを立てるより外に道がない。これ、西洋に於ける歴史観が国家を超越して論ぜられてゐる所以である。我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。それ故我が国に於ては、国史は国体と始終し、国体の自己表現である。 (参考).『国体の本義』全文 http //www.j-texts.com/showa/kokutaiah.html ※上記のように、日本を天皇を中心とする神の国と捉える歴史観は、主に戦後、マルクス主義歴史学者によって「皇国史観」と呼ばれてきた。 ■3.近代日本の国体論の展開 ※おおよそ、以下の4段階を踏んで現代に至っている。 (1) 政治的「国体」観念の創出 (メルクマール)大日本帝国憲法(1889年 発布、1890年施行)、教育勅語(1890年 煥発) 江戸期には、文化的「国体」観念(天皇は日本という文化的共同体の結晶核であるとする観念)が主流であり、政治的「国体」観念(権威者たる天皇は、権力者たる征夷大将軍の任命、条約勅許、元号制定など政治的意義をも有することの認識)は一般には希薄だった 欧米列強の脅威に反応して興起した後期水戸学(会沢正志斎『新論』(1857年)が代表的)の普及により、政治的「国体」観念が自覚されるようになった 「君権ヲ機軸」として政治体制を整備する必要性→政治的「国体」観念の創出(天皇は文化的共同体に加えて政治的共同体の結晶核としての役割をも期待されるようになる。「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス、天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総覧シ・・・) 明治維新の性格規定→「一味神水」の「一揆」史観(新田均氏)、近代国民国家の創出の必要性(エトニethnieからネイションnationの創出へ) L正統(Legitimacy 治統)とO正統(Orthodoxy 学統)→西洋はO正統(キリスト教会)の権威からL正統(皇帝権・王権)を創出したが、日本はL正統(皇統)の権威からO正統(政治的「国体」観念)を創出・・・従って日本ではO正統(政治的「国体」観念)はあくまでL正統(皇統)の影であって、正統性の本体はL正統である。(植村和秀氏) 政治的紛糾を呼びやすい思想・哲学的な国体論ではなく、天皇と国民の協働による国家の発展という「国史」に重点を置いた国体論の強調(西洋のような保守思想の発達とは対照的に、日本では「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向・・・100の理屈よりも1つの事実の方が説得力がある。日本は奇跡的に万世一系が続いている国であり、西洋の様に抽象的な理屈・思想で国家の正統性を確保する必要は薄い⇒「保守-思想」ではなく「皇国-史観」が前面に出て皇統と国体を護持) (2) 雑多な国体論の容認 (メルクマール)『国体論史』(1921年 内務省神社局刊) 国民各層の幅広い団結を促す必要性⇒「国体」観念の習合思想化(雑居性) 日本では古来から、国体の雑居性自体が伝統化していた(融通無碍) (3) 国体論の帰一 (メルクマール)『国体の本義』(1937年 文部省刊) マルクス主義は日本史上、ほとんど初めて「国体破壊」を強烈に志向した思想であり、第1次世界大戦中のロシア革命、ドイツ・オーストリアさらにはトルコの4大帝国の崩壊(それ以前の辛亥革命=清朝の崩壊も併せて)に刺激を受けて、共和制や社会主義・共産主義への移行が歴史の必然であると確信する学生・知識人が大量に発生し、コミンテルンが干渉してこの趨勢を助長。 こうした マルクス主義の思想侵略の脅威への対抗思想としての役割が「国体」に期待される⇒『国体の本義』編纂・刊行へ。 日本主義(国体の本義に則って西洋思想を益々醇化摂取し、より一層わが国を発展させるとする「開かれた社会」の思想) (4) 国体論の変容と自壊 (メルクマール)『臣民の道』(1941年 文部省教学局刊) アジア主義(東西文明対抗史観の影響)の追認 総力戦体制 八紘一宇(大東亜共栄圏の根拠づけ) 敗戦後は再び、文化的「国体」観念が主流へ(「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって・・・」) ◎参考図書 ※なお、当サイトの丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 のページも参照。 「現人神」「国家神道」という幻想 新田 均 (著) PHP研究所 (2003/02刊) ※amazonで一部ページを拝見できます。「「現人神」「国家神道」とは、日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度である」との嘘八百の言説に異議あり! こういったイメージが幻想に過ぎないことを、実証的歴史研究の成果に照らして明かす。 ※amazonの内容紹介より一部引用「現人神」「国家神道」??これらの言葉から、現代の日本人はどんなイメージを連想するだろうか。おそらく、狂信的な「天皇崇拝思想」と、それを支えた「国教制度」といったとこだろう。そして、この「日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度」は「明治政府が日本の近代化のために考え出した」などとされている。だが著者は、「そのような認識は思い込みに基づく幻想にすぎない」と喝破する。それは最近の実証的歴史研究の成果に照らしても明らかなのだが、これが意外と世間では知られておらず、歴史の専門家でさえ、少し分野が違っただけで知らない者が大多数なのだという。世間で知られていないことがそれほど大きな意味を持たないなら、それでもかまわないのかもしれないが、この「幻想」はわが国の首相の靖国神社参拝問題や政教関係訴訟、さらには教科書問題や外交関係にまで影を落としている。“虚像”が誰によって、いかにして創られたかを検証する。 目次 [第1部]「現人神」という幻想第1章 通俗的な「現人神」論の崩壊第2章 明治初期から「教育勅語」の発布のころまで第3章 「教育勅語」の発布から第一次世界大戦のころまで第4章 第一次世界大戦から満洲事変のころまで第5章 満洲事変以降第6章 「創られた伝統」としての「現人神」[第2部]「国家神道」という幻想第1章 「国家神道」は如何にして創られたか――「幻想」の系譜をたどる第2章 神社参拝は「法的に」強制されたか?第3章 強制された「事実」とは?第4章 「神社非宗教」論とは何だったのか第5章 「幻想」を必要としているのは誰か第6章 蜃気楼が消えた後には? ★評価豊富な実証的研究により、「明治以降の日本は異常な絶対主義君主国家・ファシズム国家だった」という立花隆など左翼の大嘘を完全に打ち破る名著。「国体」観念の展開に関しても説得力ある論説が展開されている。 ■4.国体論と「皇国史観」 上記の様に日本では、国家の正統性を国民に訴求する上で、「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向が見られた。 こうした戦前の国史に表れた歴史観を主に戦後「皇国史観」と呼んでいる。 ◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 【皇国史観】こうこく-しかん(広辞苑) 国家神道に基づき、日本歴史を万世一系の現人神(あらひとがみ)である天皇が永遠に君臨する万邦無比の神国として描く歴史観。十五年戦争期に正統的歴史観として支配的地位を占め、国民の統合・動員に大きな役割を演じた。 ◎補足説明 実際には「皇国史観」には、 ① 大東亜戦争の渦中で、文部省によって、主に高級文官試験用の公定歴史解説書として編纂され、東亜諸地域を包摂する新しい歴史観・国体観を打ち出した『国史概説』(1943-44刊行)及び、その大東亜地域版である『大東亜史概説』(編纂のみで未刊)に代表される「皇国賛美史観(文部省史観)」と、 ② 1930年半ばから、東京帝大国史学教授 平泉澄とその門下によって唱えられた日本一国主義の立場に立つ「皇国護持史観」の二種類があり、また ③ 大川周明の「東西文明対抗史観」は、①と親和性が高い。(※①は、大川周明などアジア主義者の東西文明対抗史観の影響下に現出された東アジアの状況を、総力戦体制下で政府が追認したものと捉えることができる。) 広辞苑の定義は、「十五年戦争」という支那寄りの用語に見るとおり、自虐的・日本断罪的で一方的な左翼史観から書かれているが、近年は同じ左翼陣営でも、より実証的に「皇国史観」や「国体論」の内実を検討した著作が幾つか刊行されている。 『近代日本の国体論―“皇国史観”再考』 昆野 伸幸 (著) ぺりかん社 (2007/12刊) 内容(「BOOK」データベースより)明治以後の植民地政策によって展開された国体論が近代的学知との激しい相剋を見せた昭和十年代に注目し、歴史認識の次元から大川周明・平泉澄を詳細に分析することにより、従来の国家主義的歴史観とは区別される“皇国史観”固有の特質を解明する。 目次 国体論研究の視角第1部 国体論の胎動(大川周明『列聖伝』考/平泉史学と人類学/平泉澄の中世史研究)第2部 国体論の対立(平泉澄の「日本人」観/大川周明の日本歴史観/大川周明『日本二千六百年史』不敬書事件再考)第3部 国体論の行方(「皇国史観」の相剋/大川周明のアジア観/三井甲之の戦後)国体論の帰結 『「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』 長谷川 亮一 (著) 白澤社 (2008/01刊) 内容(「BOOK」データベースより)戦前の歴史観の代名詞「皇国史観」は、非科学的、独善的、排外的などとして、戦後しりぞけられてきた。しかし、そもそも「皇国史観」とは何であったのか?誰が、何のために提唱し、普及させたのか?本書は、「皇国史観」の成立と流布を、戦中に文部省が行なった修史事業に着目して再検証し、従来のイメージを一新。「皇国史観」の何が、いかに問題であるのかを明らかにする。 目次 第1章 戦後における「皇国史観」をめぐる議論の展開第2章 近代国体論の変容第3章 「皇国史観」の提唱と流布第4章 『国史概説』の歴史像第5章 『大東亜史概説』の歴史像第6章 国史編修事業と国史編修院 ★上記2冊は、あくまで「皇国史観」「国体論」の現状での中心的研究者の認識が分かる図書として紹介している。早くこのような、未だに左翼史観から抜けきれない中途半端な著作物が「先行研究」と呼ばれる日が来ればいいのだが。 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 上記二名の研究者によれば、現実に「皇国史観」という用語を使用していたのは、①大東亜戦争中の文部省の側であり、その意味では「皇国史観=①文部省史観(皇国賛美史観・・・汎アジア主義的史観)」なのだが、本ページ上部の見取り図に示したとおり、大東亜戦争の敗戦によって、①文部省史観や、③大川周明の東西文明対抗史観の成立基盤が消滅してしまったことから、戦後は専ら、②平泉学派の「皇国護持史観」が、「皇国史観」として、マルクス主義者や戦後民主主義者といった左翼から、批判・中傷されることになった。 左は、2009年5月に放映されたNHK特集JAPANデビュー第二回【天皇と憲法】。「皇室廃止」を狙うNHKを始めとする左翼の本音がたまたま表に出た貴重な番組の動画である。※動画の平泉澄の「皇国護持史観」は、日本一国主義(非アジア主義)的史観であり、その内容を一言で表現すればわが国体こそ、寛容で価値多元的な日本的世界(日本的公共性)のコアである。日本国民はこれを護り続けなければならない。ということに尽きる。これは『国体の本義』の論旨そのものであって、何ら左翼から中傷される云われはない。 チャンネル桜で放送された上記動画の検証番組。国体論とは少し外れるが、NHKなど戦後左翼の欺瞞振りを詳しく確認できる。 丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義 植村 和秀(著) 柏書房 (2004/10)単行本 目次 第1章 政論記者丸山真男第2章 歴史神学者平泉澄第3章 正統の争い―平泉澄と丸山真男第4章 平泉澄における忠誠と反逆第5章 丸山真男にとっての忠誠と反逆第6章 昭和期日本の政治主義 ★評価丸山眞男といえば、進学校の学生が全共闘世代の教師に「夏休み(冬休み)の課題に 『日本の思想』(岩波新書) の中の一章を読んで感想を書け」と言われて、面白くも無いヘンテコで拗けた文書を読まされて難儀するのがオチの“戦後日本を代表する政治思想家”なのだが、そうした丸山の思想に半ば洗脳されていた著者(京産大法学部教授、ドイツ政治思想史専攻)が、京都の古本屋でたまたま、丸山眞男と思想的に対極にある平泉澄の戦前の著作を手に取り、その流麗な文体・精緻な論理構成に打たれて、可能な限りの事実検証・文献検証を重ねて両者の思想的対立の根源に迫った好著。「筆者には丸山眞男も平泉澄も、その支持者の多くのように、無条件に支持することはできない。丸山には心情的には共感できるが、しかし論理的には納得できない。平泉に論理的には共感できるが、しかし心情的には納得できない。それにもかかわらず、丸山と平泉の思想史的な意義の重さと、人間的な偉大さとは、素直に承認したい。」(著者:植村氏)…丸山眞男的あるいは進歩派文化人的な「戦後民主主義」思想にドップリ漬かった人への解毒剤としてお勧め。また昭和初年~昭和40年頃までの日本の思想状況の本当の所を知りたい人にもお勧めしたい。「生きて皇室を守るべし。雑草を食っても生きよ」終戦前後の混乱期における平泉同学の知られざる奮起、まさに大日本帝国の殿(しんがり)としての貢献、阿南惟幾・下村定の陸軍最後の二人の陸相と平泉博士とのエピソードも興味深い。相当にハイレベルだが、“理論派保守”を目指す人は是非挑戦してほしい。amazonブックレビューも参照のこと。 昭和の思想 植村 和秀 (著) 講談社選書メチエ(2010/11)単行本 内容(「BOOK」データベースより)「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「二つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。 目次 第1章 日本思想は二つ以上ある第2章 思想史からの靖国神社問題―松平永芳・平泉澄第3章 思想史からの安保闘争・学生反乱―丸山眞男第4章 思想史からの終戦と昭和天皇―阿南惟幾・平泉澄第5章 思想史からの世界新秩序構想―西田幾多郎・京都学派第6章 思想史からの言論迫害―蓑田胸喜第7章 二〇世紀思想史としての昭和思想史★評価上記『 丸山眞男と平泉澄昭和期日本の政治主義 』が内容的にハイレベルすぎて、初心者のみならず中級者でさえ中々に読みこなせないという難点に答えるかのように2010年秋に出版された簡潔な昭和期政治思想の概略本。 ■5.所謂「国体主権」論について 明治憲法体制は、天皇主権でも国民主権でもなく(英米法の「法の支配」に似た)「国体主権」である、と云われることがある。 確かにその論には一理以上のものがある(※佐藤幸治『憲法 第三版』にもそうした記述がある)のだが、「君主といえども神と法(=国体)の下にある」という建前を採るとしても、大東亜戦争の終戦を決定した聖断のケースに見るように、日本においては慣習的にみて「国体の最終判定権者=天皇」でしか有り得ない(神の権威も国体も天皇が代表しているため)のであり、結局は、「国体主権=天皇主権」となると思われる。(西洋的な絶対君主という意味ではなく、「国体の最終判定権者」という意味で) 昭和初期~戦中に、天皇=主権者とされたのは、この意味においてである。 なお、ドイツの代表的政治学者・憲法学者カール.シュミットの定義によれば「例外状況下で決定を下す者を主権者という」とされ、2.26事件やポツダム宣言受諾のケースにおける天皇は、この定義にピタリと該当するほか、実は「議会主権」と云われるイギリスにおいても「議会における女王の制定するものが法である」というルールが同国の法体系の「究極の認定(承認)ルール」とされている(ハートの法概念論⇒詳しくは よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) 参照)。 (※なお、アメリカでは連邦最高裁判所が最終決定権者とされている。) こうした国体の法的把握(=国体法 constitutional law、国制)に関して、詳しくは、日本国憲法改正問題(上級編) を参照。 ■6.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック + ... 以下は最新コメント表示 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
https://w.atwiki.jp/nisyudenko/pages/74.html
679 名前:名無し検定1級さん[sage] 投稿日:2013/04/26(金) 20 54 51.62 幹線の許容電流と過電流遮断機の定格電流の公式が覚えられん 電動機の大きさとか場合分けがごっちゃになるんだけど なんかいい覚え方ないかな 693 名前:名無し検定1級さん[sage] 投稿日:2013/04/26(金) 21 14 10.81 679 3IM+IHと2.5IWの小さいほう が ブレーカサイズIB。 IWを計算するために必要なのが、IMを1.1倍したり1.25倍したりする計算。 電流が大きくなると危ないからシビアにしましょうかで1.1倍(50A超)、 電流が小さいうちはこまけえことはいいんだよで1.25倍(50A以下)、 ってイメージして覚えた。 697 名前:名無し検定1級さん[sage] 投稿日:2013/04/26(金) 21 18 55.60 693 逆じゃね? 電流が小さいうちは危ないからシビアにしてる 700 名前:名無し検定1級さん[sage] 投稿日:2013/04/26(金) 21 26 33.81 697 違うよ! 50A以下は直入れが多いから1.25倍 50A超はスターデルタ始動だから1.1倍