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『学校:秋(前編)』 37KB 虐待 ギャグ パロディ 日常模様 現代 ギャグ要素:パロディネタ多め 運動会編 以下:余白 『学校:秋(前編)』 *この物語に登場するキャラクターは、東の方に住んでいる人たちと名前が同じなだけで、あの人たちとは別人の小学生です 六、 「先生! 男子が……っ、ガイドさんの言うことを聞きませんっ!!!!」 「先生!! 女子が、買い物に行ったまま帰ってきませんッ!!!」 「うるさーーーい!!! 並べッ!!! 団体行動を乱すなっ!!!!」 絶叫する男子、女子、上白沢先生。双葉小六年生は修学旅行の真っ最中である。今日はその最終日。福岡、佐賀、長崎と回り 終え、既に学校へと帰っている途中なのだ。二泊三日の行程を終えて満身創痍気味の教師陣をよそに、児童たちは初日と変わら ぬテンションで騒ぎ続けている。高速道路のサービスエリアに到着した双葉小一行(主に児童)は蜘蛛の子を散らしたようにお 土産を買おうと走り出す。 「まぁまぁ……。 元気なのはいい事よ」 「八意先生……。 確かにそうですが……元気がありすぎるのもどうかと……」 同伴していた保健室の八意先生が上白沢先生のフォローに入る。 「輝夜(てるよ)ぉ……!! 今日という今日こそはケリつけてやるぞ……っ」 「やっぱり藤原は野蛮ね。 私たちが戦うには然るべき舞台がこれから二つもあるのに、待ちきれないのかしら?」 隣のクラスの問題児コンビである輝夜ちゃんと藤原さんが一触即発の様子で睨み合っている。そこに現れたのが星熊さんだ。 「おっと、輝夜の言うとおりだ。 ここはとりあえず来月の運動会で決着をつけちゃあどうだい?」 「待って、星熊さん! 私はどちらかというと文化祭のほうが……」 「ハッ! 私はどっちでも構わないよっ! まぁ、部屋に引きこもってネトゲばっかやってるような奴に、運動で私と勝負なん て無理な話だろうけどな!」 「なん……ですって……ッ!!!」 藤原さんはやや不良少女。輝夜ちゃんは文化委員長。そして、星熊さんは体育委員長である。上白沢先生が長身の眼鏡をかけ た男性教師の元にずかずかと近づいていく。 「ど、どうしたんだい……?」 「どうしたもこうしたもありませんよっ! 森近先生のクラスがまたなんかやってるんですよっ! なんで注意しようとしない んですかっ!!」 「いや……ねぇ。 僕に彼女たちを止めるのは……無理さ」 修学旅行の時期が行楽シーズンと重ならなかったのは不幸中の幸いだった。もし、これがシルバーウィークなどと重なってし まっては大変なことになっていただろう。それでも、教師陣はサービスエリアの店員に何度も何度も頭を下げていた。その様子 を面白がっていろんなアングルから撮影を続けているのが、写真好きの文ちゃんだ。双葉小はどういうわけか女子が個性派揃い である。 「なぁ、紫……。 れいむに何かお土産とか買っていかなくてもいいかい……?」 キーホルダーのコーナーの前に紫ちゃんと八坂ちゃんの二人が立っている。紫ちゃんは陰陽玉のキーホルダーを手に取ってそ れをぼんやりと眺めていた。 「れいむもさぁ……悪気があって、あんなこと言ったんじゃないと思うんだ。 そりゃあ、紫にとって“ばばあ”は禁句だけど さ……。 ゆっくりの言うことじゃないか。 気にするなんて紫らしくないと思うんだけど……」 「…………」 「ま、それだけじゃないんだろうけどねぇ……。 東風谷を泣かされたことで諏訪子はマジ切れしてるし……。 男子にとって も、れいむに冷たく当たる大義名分ができたってわけだ……。 水面下でなんか風見も動いてるみたいだし……。 はっきり言 って卒業するまでにもう一悶着あるぞ……?」 八坂ちゃんの真面目な口調に紫ちゃんが少しだけ表情を暗くした。あの一件以来、女子の中にもれいむに対する不信感を抱い ている者が現れ始めたのである。それは紫ちゃんも例外ではなかった。東風谷さんもれいむに話しかけてはいるが、雰囲気は微 妙にぎこちない。 れいむはあの日の出来事を深く考えてはいなかったのか、翌朝から普通に女子に話しかけていた。それに応える者もいたが、 応えない者もいた。状況は少しずつではあるが、確実に変わってきているようである。修学旅行の前日は、「れいむも修学旅行 に連れて行ってね」と散々喚き続けていた。教室に一匹で取り残されることは、あの夏休みの日々を連想させるのだろう。それ に加えて、ゆっくりは孤独を極端に嫌う習性がある。しかし、女子の一存だけで修学旅行へれいむを連れて行くことなどできな い。その旨をれいむに伝えると、れいむは水槽の中から女子へと罵声を浴びせた。それに対して一発ゲンコツをくらわせたのが、 諏訪子ちゃんだったのである。諏訪子ちゃんと東風谷さんは幼稚園からの親友だ。いろいろと思う所があるのだろう。 「伊吹さんっ! それ、お酒ですよっ!!!」 風紀委員の東風谷さんが叫ぶ。伊吹さんはジュースの試飲と間違ってお酒を飲んでしまったようである。 「……あー……? 今なら、私……分裂できる気がするっ!!」 「い、言ってる意味がわかりませんっ! 八意先生っ! 八意先生~~~!!!」 東風谷さんは面倒見が良くて穏やかな性格をしていた。更にルックスもよく男女問わず人当りが良いため、誰からも好かれる タイプの女の子である。成績は中の上。正直、パッとしない。みんなのためにとかいがいしく走り回る東風谷さんを紫ちゃんは 見つめていた。そこに一人の女子がやってくる。 「諏訪子……ちゃん……」 「紫ちゃん。 私、れいむの面倒見るの、もうやめるから」 「諏訪子……。 諏訪子の気持ちも分かるけど……」 突き放すように言い放った諏訪子ちゃんの横顔を八坂ちゃんが訝しげな目で見る。 「私が言いに来たのはそれだけだよ。 ……言っとくけど、れいむの事をムカついてるのは、私だけじゃないから」 それだけ言って諏訪子ちゃんは二人の傍から離れて行った。明日から学校が始まる。その前に自分の意思を宣言することで、 一つ距離を置こうとしたのだろう。 「紫」 「……な、なに?」 八坂ちゃんが紫ちゃんの肩を掴んだ。呆けていたのか紫ちゃんはおっかなびっくりと言った様子で八坂ちゃんを見つめている。 「あんまり……考えすぎんな。 私も相談に乗るから」 「……ありがと」 全員がバスに乗り込む。二台のバスは連なってサービスエリアを後にした。紫ちゃんはずっと窓の外の景色を眺めている。隣 に座る八坂ちゃんは肩肘を突いてずっと目を閉じていた。諏訪子ちゃんと東風谷さんは楽しそうにおしゃべりをしている。出発 してから三十分後くらいに伊吹さんがバスの中で大変なことになったのは言うまでもない。 季節は秋。修学旅行から帰ってきた双葉小学校六年生一同は既に新たなイベントのための準備を始めていた。秋の大運動会で ある。修学旅行終了後かられいむに声を掛ける女子は目に見えて減少していた。最大の理由としては修学旅行に連れて行かなか った事を負い目に感じ、また、そのことについてれいむが散々文句を言ってきたことがあげられる。もちろん、れいむはその日 の放課後に男子によって殴る蹴るの暴行を受けた。 運動会のための練習もあるため、体育の授業が多くなりつつある。上白沢先生と森近先生は、そこまでライバル心を燃やして はいないが、生徒間同士では凄まじいまでの火花を散らしていた。徒競走では常に学年で一、二位を争う文ちゃんと霧雨さん。 体育に関して抜群の成績を誇り、身体能力的にも高い伊吹さんと星熊さん。輝夜ちゃんと藤原さんは同じクラスだが無駄に対抗 意識を燃やしている。 紅団。上白沢先生が顧問。団長は紫ちゃん。それから、八坂ちゃん、東風谷さん、諏訪子ちゃん、文ちゃん、河城さん、風見 さん、村沙ちゃん、聖さん、寅丸さん、伊吹さん、散野くん。 白団。森近先生が顧問。団長は西行寺さん。それから、輝夜ちゃん、藤原さん、星熊さん、霧雨さん、妖夢ちゃん、燐ちゃん、 水橋さん、十六夜さん、美鈴ちゃん、小野塚さん、映姫ちゃん。 イベント事に対して人並み以上のやる気を見せるメンバーは以上の通りである。やはり、双葉小は女子がやたらと目立つ。下 馬評では運動会に関しては白団有利との見方が強い。両チーム。小学生とは思えないくらいの闘争心で日々、練習を続けていた。 「はぁ、はぁ、はぁ……河城さん、タイムはっ?!」 「すごいなぁ……六秒八八だよ。 やっぱり文ちゃんはすごいよ」 「霧雨さんの自己ベストは六秒七六だったはずだから……まだ、足りない……ッ! 双葉小最速の座は渡せないわね……ッ!!」 人気のない校庭で五十メートル走の練習を繰り返すのは文ちゃんだ。文ちゃんは常日頃から「特ダネを嗅ぎ付けるには情報と 足が重要なんだ」と言っており、写真を取ったりインタビューをしたりするためにも自分は最速でなければならないと考えてい た。 「弾入れと大弾転がしは“妨害アリ”だったわよね……。 藤原さん、霧雨さん、小野塚さんあたりはかなりシビアなことをや ってくるかも……」 「星熊さんと美鈴ちゃんに妨害されたら紅団は壊滅状態だよ……」 「ゆ……ゆっくりしていってねっ!!!」 放課後の教室の中で居残って作戦会議をするクラスの男女に、れいむが言葉をかけた。文ちゃんはまだ走り込みを続けている ようだ。残っていた諏訪子ちゃんがれいむをじろりと睨み付ける。れいむは諏訪子ちゃんに一度殴られているため、怯えた様子 を見せたが、どうしても会話の輪に入りたいらしく何度も声を掛け続けた。 「れいむも、いっしょにおはなしをしてあげるよっ! たくさんでいいよっ!!!」 「……はぁ?」 れいむの物言いにすぐさま反応したのはやはり諏訪子ちゃんだった。男子も数人立ち上がる。残りの女子は黙ったまま、れい むのことを無視していた。男子が立ち上がったのを見て、れいむが水槽の壁に後頭部を押し付けて震え始める。 「な……なんなの?! また、れいむにいたいいたいするのっ!? お、おねーさん、たすけてねっ!! かわいいかわいいれ いむがいじめられちゃうよっ!!」 「…………」 諏訪子ちゃん以外の女子は何も返事を返さなかった。紫ちゃん、八坂ちゃん、東風谷さんは委員会の仕事と運動会の準備で教 室内には残っていない。男子が動き出すよりも先に、諏訪子ちゃんが水槽の前に進んでいった。 「おにーさんたちっ! おねーさんがれいむをまもってくれるよっ!! れいむにいたいいたいはできないねっ! ゆぷぷっ、 ばーか、ばーかっ!!!!」 「この糞饅頭が……」 男子たちが唇を噛み締める。この時点でまだ男子は知らなかったのだ。諏訪子ちゃんがれいむの事を男子以上に嫌っている事 を。 「ゆ?」 鋭いゲンコツがれいむの頭頂部にめり込んだ。目を丸くする男子一同。不意を突かれてゲンコツを食らったれいむは舌を噛ん でしまったのか、「いたいよぉぉぉぉ」と水槽の中を転げまわった。 「諏訪……子、ちゃん?」 「れいむ。 あんた、少し黙って。 あんたと話をしてる暇なんかないんだよ」 「ど、どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉぉぉぉぉ!??」 「五月蠅い、って言ってるでしょっ!!!!」 れいむの髪の毛を掴んで持ち上げるとそのまま、矢のような往復ビンタである。れいむが泣き出す前に水槽に投げ込んで後頭 部を手の平で押さえつけた。痛みと息苦しさに揉み上げをぴこぴこと動かしながら「ゆぶぶぶぶぶぶ」と呻き声を上げる。 「諏訪子ちゃん……どうして……?」 「……あんたたちに関係ないでしょ……。 女子が全員、れいむを無条件で守ってるなんて思わないで」 男子が呆けた表情をしてみせる。風見さんが“こちら側”だというのはうっすらと感じていたが、東風谷さんと中の良い諏訪 子ちゃんが“こちら側”だったとは思ってもいなかったのだろう。どうしてなかなか、小柄で可愛い顔をしながらやる事は激し い。れいむに対して冷たい目を向け、れいむがぐったりするまで水槽の床に顔を押し付けている様子は、男子の一人を虜にして しまったようである。残りの女子も遠くからクスクスと笑っていた。 「れいむを殴るなら……紫ちゃんたちが帰った後にしたほうがいいと思うよ。 ……まぁ、今日はもう無理だろうけどね」 諏訪子ちゃんはようやくれいむを解放して、自分の机の横にかけていた赤いランドセルを背負うと教室から出て行った。残り の女子もそれを追うように教室を後にする。残されたのは泣きながら呻き続けるれいむと茫然と立ち尽くす男子だけだ。 「ゆぅぅぅぅ……いたいよぅ……いたいよぅ……」 情けないれいむの声。それが男子たちの嗜虐心を刺激する。れいむを水槽から引きずり出して黒板に投げつけた。顔面から黒 板に叩きつけられたれいむが跳ね返って教室の床にごろごろと転がる。それでも、切れ切れの呼吸で廊下に逃げ出そうとするれ いむ。その側頭部を思いっきり蹴りつける。教室の入り口を目前にしてれいむは再び宙に舞い、壁に叩きつけられるとようやく その動きを止めた。 「い゛だい゛……どぼじで……いだい゛ごど、じな゛い゛でよ゛ぉ゛ぉ゛……ッ」 「知るかばーか」 「やっぱりこいつを蹴るのって面白いよなぁッ!!!」 顔面を蹴りつけられるのが一番堪えるのか、顔は床に押し付けるようにして身を守っている。男子はれいむを取り囲んで四方 八方から足を撃ち込んだ。 「ゆぐぇッ?! えぎゅっ!? ゆ゛ぎぃ゛ッ!!! ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ゛はあ゛ッ??!!!」 痛々しいれいむの声だけが放課後の教室に虚しく響く。 「い゛だ……やべで……ぐだざ……。 い゛だい゛よ゛……い゛だい゛ぃぃ……」 「ちょっとやり過ぎたかな?」 「生きてるからいーんじゃね?」 「口うるさい紫のヤローが帰ってくる前にこいつを水槽に戻そう……ぜ……」 一人の男子が動きを止めた。ぼろ雑巾のような姿になったれいむ。それを囲む男子。その傍らに佇む紫ちゃん。紫ちゃんは恐 ろしいほどに冷めた目つきで男子とれいむを見つめていた。 「うわあああああああああああああああ」 まるで化け物でも見たかのような悲鳴を上げて、男子が一斉に逃げ出す。紫ちゃんはその場を動かなかった。うずくまって、 ぴくりとも動かないれいむを抱き上げて水槽の中に戻す。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ…………」 苦しそうに呻き続けるれいむ。それを見下ろす紫ちゃん。 「……あなたも、れいむを殴ればいいんじゃない? そうしたら、すっきりするかもよ……?」 「風見さん……。 まだ残ってたのね」 「花壇の草むしりをね。 私こう見えても、植物係だから」 「…………」 「本当は、腹が立つんでしょう? そのゆっくりに」 「そ、そんなことは……っ!!!」 「いい人ぶるのはやめなさいな。 見ていて鬱陶しいわよ」 「なんですって……っ!!!」 紫ちゃんが拳を握りしめて風見さんに歩み寄ろうとしたその時。風見さんが持っていた傘の先端を紫ちゃんに向けて突きつけ た。あと数センチで紫ちゃんの額に触れるかどうかのところで寸止めされている。紫ちゃんは風見さんを睨み付けながらその場 から一歩も動かない。唇を噛み締める紫ちゃんを見て風見さんはクスリと笑った。その態度に紫ちゃんがいよいよ、風見さんに 殴りかかろうとする。 「貸してあげるわ」 「――――え?」 「外。 雨、降り出したから」 風見さんの言葉に窓へと目を向けると、確かに小雨がぱらついているようだった。風見さんはランドセルの中から折り畳みの 傘を取り出すと鼻歌を歌いながらそれを開いていく。 「それじゃあ、私は帰るわね。 あなたと喧嘩なんてしたくないわ。 “神隠し”に遭わされたら大変だもの」 「……そうね。 私も風見さんに“弾幕開花宣言”なんてされたらたまらないわ」 「「お互いにね」」 それだけ言い合って風見さんは廊下へと出て行った。少し雨脚が強くなりつつあるのか、校舎の屋上に打ち付けられた雨の音 が次第に激しくなっていく。風見さんが廊下を歩いて行く音はそれに掻き消されて聞こえなかった。 「ゆぐっ……ひっく……」 微かに水槽かられいむの泣き声が聞こえてくる。紫ちゃんは水槽の傍へと足を運んだ。れいむの全身は蹴られた際の衝撃のせ いか、複数個所がべこべこに凹んでいる。上履きの裏の跡がれいむのお尻にくっきりと残されていた。正面を向かせればもっと 酷いことになっているに違いない。 「…………」 紫ちゃんが水槽の前で立ち尽くす。「何か言葉をかけないのか」と自問自答するが答えることができない。ガタガタ震えて怯 えている“可愛そうなゆっくり”を目の前にして救いの手も差し伸べなくていいのだろうか。紫ちゃんの頭の中を様々な思考が 駆け巡る。 「どぼじで……れいむが……こんなめにぃぃぃぃ……」 紫ちゃんが水槽の中に入れようとした手を無言で引っ込める。それから自分の机の横にかけてあったランドセルを背中に回す と、風見さんから借りた傘を片手に教室を後にした。 雨の音と溶け合うように水槽の中でれいむがすすり泣く。痛み。悲しみ。悔しさ。様々な感情が幾重にも重なって渦巻いてい た。れいむの不安は秒刻みで膨らんでいく。男子と同じように自分が泣いたり苦しんでいるのを見たりするのが楽しい、と言っ てのけた風見さん。自分の味方だと思っていた女子の一人だったはずの諏訪子ちゃん。この二人の存在が、れいむにとって女子 が必ずしも全員味方ではないということを示している。それは餡子脳であるれいむにも理解できることだった。今までは女子が いれば男子に暴力を振るわれることはないだろうと判断していたのだが、今後どうなっていくか分からない。男子と女子が結託 してしまえばどうなるか。教室と水槽という二重の結界の中に閉じこめられているれいむに安寧の日々は決して訪れなくなる。 ここに来てから何度この言葉を呟いただろうか。 「ゆっ、ゆっ……。 れいむ……。 ゆっくりしたいだけなのに……」 東風谷さんに罵声を浴びせた事。紫ちゃんへの禁句発言。それによる諏訪子ちゃんの変化。全て、れいむ自身が招いた結果で はあるが、事態はどんどん悪い方向に転がっている。元をたどれば一人の男子がまだ赤ゆだったれいむを虐待しようと、机の引 き出しの中に入れていたことが発端ではあるが、それはもはや結果論に過ぎなかった。 「こわいよ……。 にんげんさんが、こわいよぅ……」 翌朝。 ずたぼろのれいむを見て真っ先に駆け寄ってきたのは東風谷さんだった。 「れいむっ! 大丈夫ですかっ!? ……どうして……。 誰がこんな酷いことを……」 水槽越しにこちらを覗き込む“人間”の姿にれいむが怯えて震え出す。その恐怖心は東風谷さんにも伝わった。 「れいむ……? どうしたんですか……?」 「……で……」 「え?」 「こないでね……っ!!!」 「!」 東風谷さんが一歩後ずさる。れいむのこの発言には周囲にいた生徒たちも目を丸くした。水槽の隅っこに顔を押しつけてガタ ガタと全身を震わせるれいむ。東風谷さんが笑みを浮かべてれいむに手を差し伸べようとすると、れいむは顔を水槽の床に押し つけて全身に力を込めた。 殴られる、と思っているのだろう。殴られて一番痛みを感じる顔の部分を守ろうとしているのだろう。 東風谷さんが出しかけた手を引っ込める。そこに諏訪子ちゃんがやって来た。 「早苗。 もう、いいから……。 上白沢先生が来るよ? 席につかないと」 「諏訪ちゃん……。 ……わかりました。 れいむ……。 あの、元気を出してくださいね? 私はれいむの味方ですから……」 諏訪子ちゃんがスカートの裾をぎゅっと握りしめて自分の上履きを見つめる。東風谷さんと同じ気持ちでいられないことが辛 かったのだろうか。諏訪子ちゃんは東風谷さんが自分の席につくまで、その姿勢を崩さなかった。その様子を心配そうに見つめ る女子一同。さすがの男子も困惑した表情を浮かべている。 それでも一日のスケジュールは滞りなく進んでいく。今日の午後は全学年合同の運動会予行練習が時間割に組まれていたため、 給食を食べ終わった上白沢先生と森近先生は連れだって早々に職員室へと向かい、午後の打ち合わせに参加していた。 生徒たちも体操服に着替える準備を始めていた。小学校高学年ともなれば、男子は廊下に放出されてしまう。女子たちは教室 の窓とカーテンを閉め切り、次々に服を脱ぎ始めた。 男子がいなくなったことに気づいたれいむがもそもそと水槽の際にあんよを這わせる。それでも怯えたような目つきは変わら ない。しかし、女子たちの楽しそうな笑い声を聞いていると、どうしても会話の中に入りたい衝動に駆られた。れいむは朝の一 件以来、一言も喋っていない。それはゆっくりの世界の中で言えばあり得ないことだったのだ。出しかけた言葉を飲み込む…… をさっきから何度繰り返しただろうか。れいむはどうやって女子に話しかければいいかが分からなくなっていた。 「あややや~? 紫ちゃん、まーた胸が大きくなったんじゃありませんか? そーれ、パシャパシャパシャっと!」 いち早く体操服に着替えた文ちゃんが、着替え中の紫ちゃんをデジタルカメラで激写する。紫ちゃんは顔を真っ赤にして両手 で膨らみかけた胸を隠した。 「こ、この……っ! 変態っ! ちょっと、そのデジカメ貸しなさいっ!」 「双葉小のアイドル東風谷さんの着替えシーンとは、いったいどれほどの価値があるのか? 男子がいくらまでなら出すか楽し みですねー?」 「や、やめてくださいっ! ひどいですっ! セクハラですっ!!」 「胸の大きさなら早苗だって負けてないぞっ!?」 諏訪子ちゃんが素早く東風谷さんの後ろに回り、両手で東風谷さんの胸を鷲掴みにした。声にならない悲鳴を上げる東風谷さ ん。 「諏訪ちゃ……ちょ、ダメですっ……ぁ……あんっ! くすぐった……ひゃんっ」 廊下の男子は全員暗黙の了解で一言も発さず、教室内で繰り広げられているであろう薔薇色の光景を想像して大いに興奮して いた。諏訪子ちゃんは「にひひ」と笑いながら軽快な動きで東風谷さんの攻撃をかわしている。 「学年で一番胸が大きいのは誰かな? 西行寺さんもかなりの特盛りだよね?」 「まぁ、私たちには関係ない話だけどね」 と、言い合っているのは村沙ちゃんと河城さんの二人だ。 「ゆ、ゆっくりしていってねっ!!!」 教室の中にれいむの甲高い大きな声が響いた。一斉に沈黙した女子一同がれいむの入った水槽に目を向ける。れいむは微かに 震えていた。反応をしてもらえるかどうかが不安なのだろう。どうしても二の句を継ぐことができない。何人かの女子は「また か……」とでも言いたげに露骨にれいむから視線を逸らした。それがれいむにも理解できたのか、しょぼくれた表情で俯く。さ っきまでのキャッキャウフフ感が一転して、葬式の会場のように静まりかえる教室内。会話も止まってしまっているため、誰も なんのフォローをすることもできない。東風谷さんでさえ、どう反応していいか分からない様子だった。正直、「ゆっくりして いってね」と言われても切り返しに困る。なぜなら、女子は全員、教室の中でゆっくりしていたのだ。その雰囲気を壊した張本 人に「ゆっくりしていってね」などと言われても反応のしようがなかった。 「もう、五分前よ。 早く運動場に行かないと上白沢先生に頭突きされちゃうわ」 沈黙を破ったのは学級委員長の紫ちゃん。その一言にまるで金縛りから解かれたかのように教室を出て行く女子たち。八坂ち ゃんは「やれやれ」と言った様子でチラリと紫ちゃんを見たが特に何も言わなかった。風見さんは無言でにこにこと笑っている。 「……委員長として、当然のことを言っただけよ」 紫ちゃんは風見さんにそれだけ言うと自分も教室を出て行った。風見さんが水槽の前に歩み寄る。後ずさるれいむ。「このお ねーさんはゆっくりできない」と、夏休みの記憶がれいむに警鐘を鳴らす。風見さんは怯えて動けないでいるれいむの頬を力任 せにつねった。 「い゛っだぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!」 一瞬で泣き叫ぶれいむの情けない顔に満足したのか、風見さんも鼻歌を歌いながら教室を後にする。しかし、時間に一分遅刻 した風見さんは上白沢先生から頭突きを食らってしまった。 「予行練習とは言え、私は本気で走るぜ?」 「奇遇ですね。 私もですよ。 双葉小最速の座はあなただけには譲りませんよ」 「へっへっへ。 私をなめてもらっちゃ困るぜ?」 「なめてなんかいませんよ。 あなたは双葉小で一番の努力家ですから」 「位置について……」 文ちゃんと霧雨さんが真剣な表情でゴールテープを睨みつける。 「よーい……」 両足に力を込める。 それからスターターのピストルが空に向けて放たれた。徒競走は六人一組で走るが、スタートダッシュの時点で文ちゃんと霧 雨さんの一騎打ちのような形になってしまう。 「いっけー、いけいけ、いけいけ文ちゃんッ!!!!」 熱の入る応援合戦。 『紅、白、白、白、紅、紅の順です。 紅、頑張ってください』 放送委員会に所属する文ちゃんの後輩である椛ちゃんが実況をする。文ちゃんが僅かにリードしていた。しかし、霧雨さんも 必死で食らいつく。文字通り双葉小の頂上決戦(男子涙目)に否が応でも盛り上がる全校生徒。 美しいフォームで駆け抜ける文ちゃんの姿はまさに風神少女。 がむしゃらにそれを追う霧雨さんから飛び散り輝く汗はミルキーウェイ。 僅か七秒弱の攻防に運動会予行練習はますますヒートアップしていく。今回の戦いは文ちゃんが僅かにリードを保ったまま終 わった。霧雨さんは両手を腰に当てて下を向いたまま、「くそっ」と小さく呟いてすぐに顔を上げる。 「次は勝つ!」 「私だって負けませんよ……っ!」 「いいぞー、いいぞー、あ・や・ちゃ・んっ!! いいぞー、いいぞー、あ・や・ちゃ・んっ!!!」 「よーくやった、よーくやった、き・り・さ・め! よーくやった、よーくやった、き・り・さ・めっ!!!」 「……やめろよ、泣きたくなってくるじゃないか……」 「霧雨さん……」 努力が及ばなかった自分が悔しい。そして、“優しくされると泣きたくなる”。霧雨さんは体育座りのまま、拳を地面に数回 打ち付けると、「ちくしょう……」と呟いた。 「大丈夫ですよ、霧雨さん。 次は私たちが霧雨さんの仇を撃ってきます」 そう言うのは学年で一番身長が高い美鈴ちゃん。次は騎馬戦である。霧雨ちゃんを負かされた白団一同は次の騎馬戦(予行練 習)に並々ならぬ闘志を燃やしていた。 逆に騎馬戦は美鈴ちゃんと星熊さんという一騎当千の機動力を持つ二人が、戦場を縦横無尽に駆け回り紅団はほとんど全滅し てしまう。ただ、藤原さんと輝夜ちゃんだけは最期まで同士討ちをしていた。 それから綱引き、応援合戦、学年対抗リレー、全校リレーと全校生徒が絡んでくる競技に絞ってスケジュールが消化されてい く。教師陣は運動会のタイムスケジュールを作ろうとしていたのだ。学年ごとの団技は各学年で行われる手筈である。得点計算 のために予行練習とはいえ、両陣営の得点が掲示された。 紅団、四百九十五点。 白団、五百十四点。 「……紫ちゃん……っ!」 「……騎馬戦と綱引きで大敗したのが痛かったわね……。 騎馬戦で五十点。 綱引きで六十点よ……。 これは対策が必要だ わ。 ……何も思いつかないけど」 「弾入れと大弾転がしだけは負けられませんね……ッ」 「騎馬戦の組み合わせも考えたほうがいいんじゃねーか? 諏訪子はすばしっこいから下はそんなに動けなくても平気だろ?」 「そうだなぁ。 逆に伊吹はちっこいけどパワーあるから、あえて文とかと組ませて星熊・美鈴コンビに対抗しようぜ」 あーでもない、こーでもないと議論を交わす男子と女子。騎馬戦に関しては五、六年生のみでチームが編制される。ちなみに 騎馬戦は男女混合であり、大抵、馬役は頑丈な男子が担う。風見さんは高笑いしながら、「この馬がっ!」と男子を罵っていた。 夏休みに教室で風見さんと鉢合わせたあの時の男子は恍惚とした表情を浮かべていたのが印象に残る。 放課後の運動場を使って、各人の初期配置や連携の確認を続ける。個々の力は明らかに紅団のほうが劣っているのでチームワ ークで乗り切るしかない。綱引きの方は更に部が悪いため、なんとしてでも騎馬戦では勝つ必要があった。 「あ、あの……っ、お昼は助けていただいてありがとうございました!」 東風谷さんが男子の一人を捕まえて深々と頭を下げる。 「あ? ……あー、別に気にすんなよ。 味方を助けるぐらい誰だってやるだろ? 本番は気をつけてくれよ?」 「は……はいっ」 この男子は星熊・霧雨コンビによって馬を崩され落下しかけた東風谷さんのピンチを救ったのである。ちなみにハチマキを奪 われるか落馬するかで失格となるのだ。なので最初から馬を狙ってくるのも戦略的に間違いではない。特に星熊さんと美鈴ちゃ んはその卓越した運動能力で、落馬を狙って攻めてくる。 「でも、騎馬戦と綱引きを落としてあの点差だったら……本番は分からないわ」 「だよな。 あとは俺たちの弾入れと大弾転がしの点が高かったはずだから……」 「勝負所ね。 私たちの学年の結果次第で……勝てるかも知れない」 「本番ってあとどれくらいだっけ?」 「一週間と二日、だねぇ。 どうする? 悪あがき、やってみるかい?」 着替え終わり教室に引き上げていた男女が激論を交わす。両者とも今は打倒・白団の事しか頭にないようだ。最終的に明日の 朝は全員七時に学校に集合して、朝練をする手筈となった。少なくとも、十六夜さんや妖夢ちゃんあたりには対抗できる手段を 全員が身につけなければ勝ち目は薄い。 「男子。 遅れたらぶん殴るからねっ!」 諏訪子ちゃんの声に「ばーか!」と言いながら走って帰っていく男子。それから次々に教室から出て行く生徒たち。時計は既 に六時を回っており薄暗い。早く帰らなければ親が心配するというものだ。 そして、ここまで、れいむ無し。 「ゆ、ゆ……。 やっと、にんげんさんたちがいなくなったよ……」 水槽の隅で震えていたれいむがもぞもぞと動き出す。周囲に誰もいないのを確認してキリッとした表情を浮かべた。落ち着い たように「ゆふー」とゆっくりし始めるれいむ。当たり前だがれいむは気づいていなかった。運動会というイベントを目前に男 子と女子の結束が……、いや、クラスが一つに纏まりつつあることを。クラス発足から半年以上が経過した今、白団という共通 の敵ができたことにより、ようやく本来在るべき姿へと変わり始めた。そのため、男子も女子も、れいむのことは完全に忘却の 彼方だったわけだ。 それから一週間。 れいむを相手にする生徒はほとんどいなくなってしまった。朝練。休み時間。昼休み。放課後。男子も女子も使える時間は全 て使って運動会へ向けた特訓を始めたのである。 「ゆ、ゆっくりして……ゆぁ……。 まってね! れいむといっしょに……ゆぐぅぅぅぅ」 意図せずして、れいむに対する“集団シカト”が始まってしまった。全員が全員、目前に迫る運動会にしか興味がない。上白 沢先生は「怪我しない程度にやるんだよ」と火に油を注ぐような事も水を刺すような事もしなかった。男子はおろか女子さえも 話をしてくれなくなった事にれいむの心が少しずつ蝕まれていく。殴られたり、蹴られたり、投げられたり、吊されたりと今ま で散々痛い目に遭わされてきたが、それとはまた違う痛みがれいむを襲っているのだろう。あんなに痛い思いをしてもなお、れ いむは孤独を嫌がった。男子だろうが女子だろうが話しかけようとするれいむに返事を返す者はいない。反対に仲の悪かった男 子と女子が毎日楽しそうにお喋りをしている。れいむにとっては耐え難い光景だっただろう。まるで空気のように扱われる日々。 餌と水だけは貰うことができたが、当番の生徒もすぐに運動場へと駆け出してしまう。何を言っても叫んでも、泣いてみても相 手にして貰えなかった。 「ゆぅぅ……ひとりは……さびしぃよぉ……。 すーりすーりしたいよぅ……。 おしゃべりがしたいよぅ……。 ゆーんゆー ん……」 成体ゆっくりのれいむがまるで子供のように泣きじゃくる。もしれいむがまだ赤ゆっくりであれば、間違いなく“非ゆっくち 症”で死んでいたことだろう。 「どぉして……だれもれいむとおしゃべりしてくれないのぉ……」 れいむは塞ぎ込んでしまった。もっとも、塞ぎ込んでしまった事に気づく生徒は誰一人としていなかったのだが。 七、 抜けるような青空に打ち上げられた花火の白煙が弾けていく。第三十六回双葉小学校大運動会の開催だ。 れいむは花火の音に気づきながらも、それから目を逸らすようにして顔を水槽の奥へと向けた。入場行進。開会式。そして、 最初の応援合戦。運動会のプログラムが徐々に動き始めていく。既に紅団と白団との間には敵対心を通り越して殺気のようなも のが漂っている。 両団長の紫ちゃんと西行寺さんは旧知の仲だ。 「幽々子。 悪いけど……私たちが勝たせて貰うわよ」 「あらあら……。 そんなに怖い顔を向けないでよ。 楽しんでいきましょーよぉ♪」 天真爛漫。天衣無縫。西行寺さんにはその言葉がよく似合う。笑みを浮かべながらも刺すような視線を向ける紫ちゃんと違っ て西行寺さんはクスクス笑いながら右手に持っていた扇子を口元に当てた。 「…………ッ!!」 その扇子には“必勝”との文字が書かれている。なんというセンスのない扇子だろうかと紫は心の中で思ったが、その扇子の 向こうで微笑む西行寺さんの向こう側には、静かに燃え上がる桜色の炎が確かに見えた。 その二人の間近でフラッシュがたかれる。思わず目を細める二人が振り返ると、そこにはデジタルカメラを構えた文ちゃんが いた。 「タイトル……“睨み合う巨乳”。 いやぁ、体操服で普段隠れた大きなおっぱ……」 両団長にダブルラリアットを食らった文ちゃんが、鼻の頭を押さえながら地面をのたうち回る。それを背景に紫と西行寺さん は握手を交わした。 「あややや……。 ――――痛っ……!」 立ち上がろうとした文ちゃんが再び、尻餅をつく。それを見ていた男子が笑うと文ちゃんは恥ずかしそうに立ち上がって、照 れ笑いをしてみせるとアナウンス席へと戻っていった。 本格的に運動会が始まる。まずは小手調べとばかりに一年生の徒競走からスタート。のっけから最高のハイテンション状態で 次々と競技が消化されていく。午前中で六年生が動く競技は二つ。大弾転がしと綱引きである。そしてその出番はすぐにやって きた。興奮の坩堝の中、運動場という名の戦場に火花を散らす六年生の二つのクラスが入場していく。 大弾転がしのルールはいたって単純。運動の北側と南側にクラスの半分ずつが別れ、巨大な弾を転がしてバトンパスしていく。 ただし、妨害あり。大弾に大弾をぶつけることが認められていた。 両陣営の第一走者は紅団が男子二名。白団はいきなり星熊さんをぶつけてきた。もちろん、紅団の大弾にもぶつけてくるつも りだろう。紫ちゃんはそれを見越して、紅団の先頭を男子二名に選んだのだ。 競技開始のピストルが鳴り響く。紅団の二人は既に防御態勢を取りながらゆっくりと大弾を転がしていくが、すぐに諏訪子ち ゃんが大声を上げた。 「やられたッ!!! 星熊はぶつけてこないぞっ!!! 一気にリードを稼ぐつもりだっ!!!」 大弾に遮られて視界は悪い。男子の一人が大弾から手を離して前方に目を向けると、後ろをチラリとも見ずに全力疾走する星 熊ペアの姿があった。 「ちくしょうッ!!!」 「そんな……」 紫ちゃんがわなわなと震える。西行寺さんはそんな紫ちゃんを見てクスリと笑った。 「貴女の考えていることなんて、なーんでもお見通しよぉ?」 「くっ……」 第二走者は霧雨ペア。 「大弾は……パワーだぜッ!!!」 「ぐわぁぁぁぁぁッ?!!」 ここで白団が最初の妨害をかました。視界を遮られた状態で少しでも差を詰めようとしていた男子に、霧雨ペアが突撃してき ていることなど気付く由はなかったのだ。紅団の大弾は勢いよく運動場の外まで転がっていく。この間、白団は一気にリードを 奪い、競技はそのまま白団の圧勝で終わった。 「お互い、序盤で勝負が決まるのは判っていたけれど……私の方が一枚上手だったみたいね?」 「くっ……」 勢いよく動き始めた大弾を操作して相手の大弾にぶつけるのは難しい。妨害行為は必ず序盤に行われるはずだ。西行寺さんは 星熊さんというパワーファイターを囮にして、紅団のスタートダッシュを崩したのである。十分にリードを奪ってからすれ違い 様に大弾を叩き込むまでのシナリオは完璧と言っても良かった。 (相変わらず……優雅ね……っ) 出鼻をくじかれた紅団は完全に意気消沈してしまっている。 紅団は下馬評通りに綱引きも惨敗した。得点差は既に百点近く離れている。紫ちゃん率いる紅団は午前中何一ついいところな く終了してしまった。 昼食はそれぞのれ父兄と一緒に観客席で食べる。紅団も白団も六年生は腹八分で昼食を終えた。午後の最初の競技は六年生に よる徒競走だ。つまり、再び文ちゃんと霧雨さんが激突するのである。 「負けられないねぇ……」 八坂ちゃんが呟くと、紫ちゃん含めクラス一同が真剣な眼差しで頷いた。既に文ちゃんと霧雨さんは激しく睨み合っている。 まるでリングに立ってゴングを待つボクサーかのような凛々しい視線で互いを射抜いていた。 徒競走は小さな得点だが、ここまでは紅団のほうが僅かにリードしているようだ。徒競走による地道な得点稼ぎは後半に強く 影響していく。 文ちゃんは僅かに震えていた。すぐ前に座っていた伊吹さんが声をかける。 「どしたー?」 「な、なんでもありませんよ」 足首が疼く。紫ちゃんと西行寺さんにダブルラリアットを食らって倒れたとき、足首を捻ってしまったのだ。大弾転がしの時 にも少し悪化させてしまった。綱引きの時には戦力になっていなかっただろう。さすがの強気な文ちゃんも、今回ばかりは諦め ていた。この足では霧雨さんに勝つことはできない。それどころか最下位に終わってしまう可能性のほうがよっぽど高い。もう、 泣きそうだった。 直前の伊吹さんたちがスタートしていく。盛り上がる応援。熱狂する観客たち。文ちゃんの周りを駆け抜ける無数の熱い音が その小さな心を押しつぶそうとしていた。スタートラインに立つ。文ちゃんは第二レーン。霧雨さんは第五レーン。 「位置について……」 心臓の鼓動が速くなる。頭の中が真っ白になってしまった。もう、何も考えられない。怖くて何も見ることができない。 「よーい……」 足に力を入れることもできなかった。 あの日と同じようにピストルが鳴り響く。周りの走者が一斉に自分の横を駆け抜けていくのが分かった。 「…………」 観客がどよめく。それは紅団も白団も同じだった。スタート位置から動かない文ちゃん。文ちゃんはぼろぼろ泣いていた。も はや足を動かそうという気力も沸かないらしい。 (終わった……。 恥ずかしい……。 なにが、双葉小最速だ……ッ!!!) 「ほら、さっさと行くぜ?」 「?!!」 在り得ないはずの声が聞こえた。横を向く。そこには霧雨さんが立っていた。文ちゃんは自分が涙を流していることすら忘れ て霧雨さんを見つめてしまう。霧雨さんはそんな文ちゃんに黙って右手を差し出した。 「怪我、してんだろ? 肩くらいなら、貸してやるからさ」 「なん……で……?」 「大弾転がしの時から変だったからなぁ。 足、ひょこひょこさせてたし。 次の競技からは休まないと駄目なんだぜ?」 「~~~~~~っ!!!!」 泣きながら文ちゃんが霧雨さんの手を取った。徒競走のレーンを二人でゆっくり並んで歩いて行く。文ちゃんは霧雨さんの肩 に手を回し、霧雨さんは文ちゃんの腰に手を回した。誰かが一人、拍手をした。それが一瞬にして運動会に集まった観客たちへ と飛び火していく。これほど、ゆっくりした徒競走はそう見ることはできないだろう。それも、学校で最速を争う二人の競演で。 一度は切られたゴールテープが職員によって再び張られた。文ちゃんと霧雨さんが二人揃ってゴールテープを切ると、両陣営の チームメイトが駆け寄ってくる。 「あははっ、最下位になっちゃったぜ☆」 霧雨さんがそう言って星屑のような笑顔を見せる。文ちゃんはそのまま保健室へと運ばれて八意先生の治療を受けた。それか ら紫ちゃんが謝りに来る。 「ごめんなさい……っ。 委員長として……ううん、友達として気付くべきだったのに……っ」 「いいよー……。 隠してた私が悪いんだし……(あのダブルラリアットで足首捻ったなんて言えない)」 その後も競技は続いていく。あんなに練習した騎馬戦も結局負けた。弾入れも十六夜さんの正確無比な弾投げによって、紅団 が籠に向けて放った弾をことごとく撃ち落されて、大敗した。学年リレーも僅差で及ばなかった。文ちゃんを欠いた紅団は全校 リレーでも白団に勝つことができなかった。 紅団、七百十二点。 白団、千八十五点。 三百点差がついた小学校の運動会も珍しい。それほどに白団は身体能力の高い生徒が多かった。 教室の中ですすり泣く女子たち。男子も黙り込んで俯いている。上白沢先生は何度も何度も「みんな、良く頑張った」と言っ てくれたが、欲しいのはそんな気休めの言葉ではなくて、“みんなで掴んだ勝利”だったのだ。一番泣いていたのは、やはり文 ちゃんだった。数人の女子が慰める。 時計は既に四時半を回っていた。帰りの会もとっくに終わっている。それでも、紅団のメンバーは……生徒たちは帰ることが できなかったのだろう。 「悔しいですね……。 本当に悔しい」 東風谷さんも目に涙を浮かべながら呟いた。諏訪子ちゃんは机に突っ伏して動こうとしない。紫ちゃんはずっと窓の外を眺め ていた。夕日に照らされてよくは見えないが泣いているのだろう。時折、肩が震えている。 「もうさ……泣くなよ。 ……俺たち、一生懸命やったじゃん。 そりゃ、勝てなかったけどさ……まだ、文化祭があるじゃね ーか。 だからさぁ。 もう一回、みんなで頑張ればいいじゃん」 「……もう一回……?」 「文化祭……」 「そうだねっ! まだ文化祭が……」 「さっきから、なにをないてるのおおぉぉぉぉぉぉ!!??? ばかなのっ?!! しぬのっ!!???」 水槽の中かられいむが叫び声を上げた。その目には怒りが込められている。いきなり、れいむにそんなことを言われる理由も 分からなかったが、何故怒っているかも分からない。れいむは「ゆはー、ゆはー」と息を荒立てながら、クラス一同を睨み付け たまま叫んだ。 「なんで、ないてるのかってきいてるんだよっ!!!」 「なんでって……。 みんなで一生懸命頑張ったのに、白団に勝てなかったのが悔しいからに決まってんだろうがっ!!!!」 「たったそれだけのことでないてるなんて、ばかでしょおおぉぉぉぉぉ!!!!!」 「――――ッ!!!!!!!」 「なにかいたいおもいをしたのっ?! だれともおしゃべりできなくて、かなしいおもいをしたのっ?! してないでしょぉお おぉぉおおおぉぉっ!!??? そんな“くだらないこと”でなくなんて、ぜんぜんゆっくりしてないよっ!!! れいむがな いてるときは、だれもなにもいってくれなかったくせにぃぃぃぃぃ!!!!」 れいむの言葉が教室内に響き渡る。響き渡った言葉の一つ一つが生徒たちの心に絡みつく。 「にんげんさんたちはばかばっかりだねっ!!! れいむには……」 「……ねぇ」 「ゆっひぃぃぃぃぃ!????」 「ゆ、紫ちゃん……ッ?!」 水槽の前に紫ちゃんが仁王立ちになっている。れいむは紫ちゃんの迫力に怯えて水槽の奥へぴったりと後頭部を押し付けた。 「それ以上……みんなを馬鹿にしないで。 じゃないと私……“お前”のこと、絶対に許さないから」 震えあがる教室中の生徒たちとれいむ。今の紫ちゃんは、かつて“神隠し”を起こしたときの紫ちゃんと同じオーラが放たれ ている。れいむはガタガタ震えながら、ちょろちょろとしーしーを漏らしていた。れいむが完全に沈黙したことを確認すると、 振り返って紫ちゃんが全員に告げた。 「みんな。 運動会は負けちゃったけれど……文化祭は必ず勝つわよ……ッ!」 「私……運動は苦手だけど……、工作とかなら得意だよっ!」 河城さんが返事を返す。他の生徒たちにも笑顔が戻った。まだ隣のクラスと戦う機会は残されている。運動会が終わってしま えば、文化祭もすぐだ。 「河城さんっ! 力仕事なら俺たちに任せろよっ!!」 「紫っ! 雑用でもなんでもやってやるから、一番いいのを頼む!!」 再び団結するクラス一同。 「どぉして……。 どぉして、れいむだけ……さびしいおもいをしないとけいけないのぉ……ゆっくりぃ……ゆっくりぃ……」 れいむの受難はまだまだ続くようだ。 後編(文化祭編)へつづく……
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コメントログ テス ト -- (江城春人) 2015-03-17 17 26 04 頂きの輝きを受けてみろ! ダウンズ、リバースド・サンシャインセット コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)! その目に焼き付け、己が末路を悟るがいい! 変身!――だからハゲって言うなぁあああ!!! 残光終点 リバースド・サンシャイン! 口上テスト -- (江城春人) 2015-03-17 17 27 44 此処に結ぶは破邪の印 此処に祓うは邪なる影 ダウンズ「ナインワーズ」セット コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア) 臨む兵、闘う者、皆陣烈れて前に在り 変身 悪しき者、暁の光に消え去るべし 破邪暁光 ナインワーズ! -- (名無しさん) 2015-03-22 14 12 09 666個目(予定)のオリジナル3 我は人、此処に紐解く数字を与える。 其は獣、汝が知恵を以て示せ。 ダウンズ、[未解の字(アンノウン)]セット。 コアアクセス、LINK、喰らい尽くす者(ツァトグア)。それらの足には限りがある。 変身。 ――――人と獣を掛けようと、無限の者には届かぬのだ。智錠無遠、未解の字(アンノウン)。 666個目に入れるつもりだったが数数えるのも面倒なんでもう貼る -- (江城百三) 2015-03-23 03 57 22 百三ワロタwww -- (江城春人) 2015-03-23 04 02 09 「夜空の星を視るように、想念(ココロ)の闇に“うさぎ”と囁け」 ダウンズ、[星の戦士[スター・ファイター]]セット コア・アクセス 、 LINK「 闇に囁く者」(イノミナンダム ) ―CONNECT「星の英雄」(ラビッツフット) ―コード・ホワイト発動―― ―闇に囁く者[イノミナンダム]を中継し、上位存在への通信開始― ―通信成功――同期開始――同期完了― 英霊降神、星の戦士[スター・ファイター] ―これより戦闘を開始する― -- (名無しさん) 2015-03-23 13 51 48 遠き過去より来たりて、遥かなる時を紡がん ダウンズ、『千年ノ使イ(サウザンドイヤー)』セット コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター) 過程を捨て、未来を残せ 変身 ―――回れ、時の歯車よ! 時空管理!サウザンドイヤー! 刹那に消えゆく声を聴き、閉ざされた言葉を開け! ダウンズ、『万物ノ聴者(サウザンドイヤー)』セット! コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)! 至るよりも、現在(イマ)に全てを! 変身! ―――届け、救いの声よ! 救声成就!サウザンドイヤー! 対で作った 上 結果の為にそれ以外のすべてを切り捨てる者 vs 下 犠牲なってゆく人達の無念を聴き届けたい者 -- (名無しさん) 2015-03-24 00 26 35 ワシが風呂に入ってる間に口上を投下するとはやりおる -- (江城春人) 2015-03-24 00 54 19 我が使命は輝きの守り人、此処に契約を、その力を解き放て。 風は空に、星は天に、不屈の心はこの胸に! ダウンズ、[レイジングハート]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)、この手に光を! 変身! ――――砕けぬ明りが闇夜を照らす。創星魔手、レイジングハート! 我が使命は暗闇の破り手、此処に契約を、その力を解き放て。 風は夜空に、星は魔天に、不屈の心はこの胸に! ダウンズ、[バルディッシュ]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)、闇よ砕けよ! 変身! ――――暗黒晴らす光を望む。煌輝斬手、バルディッシュ! モデルは言わずもがな 最後の一行がどうしても俺の癖で固くなる、こんなこと言う小学生いねーよ stsという可能性もあるがどっちにしろどうかと思う、が貼る -- (江城百三) 2015-03-24 20 14 41 引き出しの狭い俺じゃ元ネタが分からん…(調べて分かったけど) そろそろ俺も口上制作しなきゃ(使命感) -- (江城春人) 2015-03-24 21 15 33 抜かば切る抜かねば切れよ此の刀 ただ切る事に大事こそあれ ダウンズ「ダインスレイヴ」セット コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア) この身は鞘走る一振りの魔剣なり 変身 戦に火照るこの熱は、あなたの血にて鎮めましょう 万鬼戮殺 ダインスレイヴ -- (名無しさん) 2015-03-24 21 50 55 裁定に従い、懲らしめの鞭振り下ろさん ダウンズ、懲罰者(パニッシャー)セット コアアクセス、LINK 名状し難き者(ハスター) 目には目で、歯には歯で償うべし 変身 ――罪の痛みを知り、悔い改めよ 悪因悪果 懲罰者(パニッシャー) 裁定に従い、罪断つ刃振り下ろさん ダウンズ、処刑人(エグゼキューショナー)セット コアアクセス、LINK 燃え盛る者(クトゥグア) 命には、命で償うべし 変身 ――跪き、頭を垂れよ 因果断罪 処刑人(エグゼキューショナー) -- (名無しさん) 2015-03-25 07 09 21 我が右手には新たな命、我が左手には終なき死 ダウンズ、裁定者(ディカステス)セット コアアクセス、LINK 門にして鍵(ヨグ=ソトース) 怒りの日、終に来たれり 変身 ――これより選別を開始する 最終審判 裁定者(ディカステス) -- (名無しさん) 2015-03-25 07 33 26 我が人生は不運ばかりだった、だからこそそれに抗う力を見せよう ダウンズ、ニムロドセット! コアアクセス、LINK 燃え盛る者(クトゥグア) 運命を打ち破る力をこの身によこせ! 変身! --理不尽に蟻の一穴を穿つ槍! 天命叛旗 ニムロド -- (名無しさん) 2015-03-25 19 52 29 摂理と道理を蹴り飛ばし、知ったことかと胸張って わたしは世界に要請する ダウンズ、カイノス=マギア、セット コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース) 新しい理をここに示せ 変身 世界よ変われ、わたしの願うままに 創生原理 カイノス=マギア! -- (名無しさん) 2015-03-31 22 46 15 天清浄、地清浄、内外清浄、六根清浄 ダウンズ「天津風」セット コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター) ――この息は神の息 この域は神の域―― 変身 天地一切清浄祓 天上清風 天津風 -- (名無しさん) 2015-04-01 00 31 27 赤き門を開け、朱き空を見上げよ! ダウンズ、[血姫(ブラッドメアリー)]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。轍よ染まれ、紅に。 変身。 ――――その血肉、悉く鏤めてくれる。撒塵凱旋、血姫(ブラッドメアリー)。 この口上は実在の人物その他には一切関係ありません(震え声) そして百三と名乗る割りに口上が百三個超えた事実 -- (江城百三) 2015-04-09 23 24 22 そろそろ改名すべきですな(笑) っていうか百個以上作っといてQKTなのか…w -- (江城春人) 2015-04-09 23 42 41 空いた懐を狙い撃て! ダウンズ、ゴーイングシールド、セット! コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)! 僕が皆の盾となる! 変身! ――僕の後に、続け、続けぇええええ! 先陣防護!ゴーイングシールド! -- (江城春人) 2015-04-10 00 08 58 目覚めの時、芽吹きの日 命の息吹よ地に満ちよ ダウンズ、ヴァーナルブルーム、セット コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア) 食べろ、飲め、遊べ、死後に快楽はなし 変身 さあ、生を謳歌しろ! 生命賛歌 ヴァーナルブルーム -- (名無しさん) 2015-04-10 00 19 50 至上の輝き、爛漫と咲き誇れ! ダウンズ、『バーストエンド』セット! コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)! 畏れよ対敵、称えよ民草! 変身! ―――命を散らせ、大火の華! 殲滅、突破!バーストエンド! パイロットは戦争狂の女の子で -- (名無しさん) 2015-04-10 00 37 53 走る走る 世界の果てまで走り抜く ダウンズ、ウィンドブレイカー、セット! コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)! 黒き風 白き風 一閃を、巻き起こせ! 変身 ――走り抜けろ、その先に! 疾風走者!ウィンドブレイカー! 10000取り安価の時に投稿しようとした奴。 記念に。 -- (名無しさん) 2015-04-10 00 48 36 海の彼方に都あり 人はみなそこより生まれ、みなそこへ帰るもの ダウンズ、虚船、セット コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ) 道を忘れた迷い子よ、迎えの声が聞こえるか 変身 ――何とて遅く帰るぞ―― 海彼他界 虚船 -- (名無しさん) 2015-04-11 20 16 44 在らざるか茫洋の時の針、在り得ぬか朦朧の空の檻。 ダウンズ、[在架]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。虚ろに塗れよ、閉じた鳥篭。 変身。 ――――廻り続ける回廊に、目を瞑って別れを告げる。異界境迷、在架。 -- (江城百三) 2015-04-13 03 07 24 想い、見つめ、言葉にて縛る ダウンズ、フルーフ=リートゥス、セット コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア) わたしの声が届くなら、この手を逃れる術は無い 変身 ――この想いは世界を蝕む病毒なり―― 呪詛浸食 フルーフ=リートゥス -- (名無しさん) 2015-04-18 00 47 26 無茶で無謀と笑われようと、通してみしょう漢道 ダウンズ、サグ・ライフ セット! コアアクセス、LINK 名状し難き者(ハスター) 天地神明も照覧あれ! 変身! ――天下御免の無頼漢! 我道貫徹! サグ・ライフ! -- (名無しさん) 2015-04-19 09 14 14 通してみしょう とはなんぞや -- (江城春人) 2015-04-19 15 04 46 「通して見せよう」と同じ意味 -- (名無しさん) 2015-04-19 18 30 37 眼前に立ちふさがるのなら、その命が代価となるぞ。 さぁ狂え、外敵。死に物狂いでかかってこい! ダウンズ、[死屍累々(グランドスラム)]セット。 コアアクセス、LINK、喰らい尽くす者(ツァトグア)。その生に、覚悟を決めろ! 変身。 ――――その五体、完膚なきまでに殺し尽くす! 全力全壊、死屍累々(グランドスラム)! -- (江城百三) 2015-04-19 19 59 10 斬るか殴るか貫くか、どう足掻こうと我が牙は折れぬ。 如何な一撃見舞おうと、その喉笛を噛み砕く。 ダウンズ、[先天武具(カウリオドゥース)]セット。 コアアクセス、LINK、喰らい尽くす者(ツァトグア)。背など見せてくれるなよ。 変身。 ――――獣は死するまで止まらない。激進生限、先天武具(カウリオドゥース)。 最近キレがない気がするというのが悩み 元から? 余計なお世話じゃ -- (江城百三) 2015-04-23 20 15 25 姿なき者 花揺らし 春の錦を野に飾る ダウンズ、咲耶姫、セット コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア) 命は儚きものなれど、巡り巡りて花は咲く 変身 春の宴を告げる風 吹花擘柳 咲耶姫 …多分、回復支援が本職 -- (名無しさん) 2015-04-26 19 12 16 握るは拳、願うは力 天地万物遍く敵をうち滅ぼす、圧倒的な力! ダウンズ、ジャガーノート、セット コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース) 徹頭徹尾最強無敵、誰であっても滅尽滅相 変身 ――我は無敵なり―― 抜山蓋世 ジャガーノート! -- (名無しさん) 2015-04-27 21 04 05 万夫不当、一騎当千の力を此処に。 輝く大樹よ、原初の闇を切り払え。 ダウンズ、[運命流転(バルンストック)]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。大神の加護と不屈の勇気を。 変身。 ――――大輪を得て凱旋と為す。瞬光栄華、運命流転(バルンストック)。 万人鏖殺、一刀全屍の力を此処に。 血鎧の悪竜よ、遍く光を食らい尽くせ。 ダウンズ、[運命破綻(グラム)]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。折れた刃と血染めの剣を。 変身。 ――――栄華を捨て奈落に堕つ。残刻詞花、運命破綻(グラム) 5月はじめの口上、特に意味なく対を作成 バルンストックは樹の名前だとか突っ込まないように、雰囲気雰囲気 -- (江城百三) 2015-05-06 21 01 07 祈れ、冥府に御座す我が父母に 誇れ、我がダウンズと剣を交わすことを ダウンズ、[ズヴィルポグア]、セット コアアクセス、LINK、我が父(ツァトグア)。彼岸にて語り継げ!この戦を 変身! 死より生まれ人として生きん。冥生魔人、ズヴィルポグア -- (名無しさん) 2015-06-02 14 02 08 見届けよう、彼らの生き様を 書き記そう、物語に新たなる項を ダウンズ、[オサダゴワ]、セット コアアクセス、LINK 母なる世界の観測者(メモリ・レコーダー)。 忘れまい、この想い 変身! ――――ヒトの心に獣の身体。魔神獣人、オサダゴワ -- (名無しさん) 2015-06-02 18 55 14 旧きを捧げた大罪人、この世を造りし大英雄 その名は忘れられ、報われることも裁かれることもない ダウンズ、ナイトチャリオット、セット コアアクセス、LINK、世界を造りし者(エダルーゴッド)―(Autonym、橋田至) あなたのことは私だけが知っている 変身! ―――――だから私はあなたのために―――。旧神戦車、ナイトチャリオット -- (名無しさん) 2015-06-08 18 29 56 光よ満たせ、その暖かな心を以て。 ダウンズ、[あきつエル]セット。 コアアクセス、LINK、大天使 変身。 ――――平等の愛を、限りなく。天満慈愛、あきつエル。 ついやってしまった、後悔はしていない -- (江城八百万) 2015-06-23 02 09 09 歌えよ歌え、清浄な調べ。廻れよ廻れ、ただ愚者の如く。 ダウンズ、[ヴェヘイア]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。音に聞け、我が聖歌を 変身。 ――――七色の階、揺蕩い満たす。浄歌宣誓、[ヴェヘイア] 揺らめく陽炎が写す、汝が真の姿を照らす。 ダウンズ、[イェリエル]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。畏怖と渇望を、我が聖火に。 変身。 ――――安堵せよ。灼かれるはただ、汝の罪のみが故に。浄火蒙炎、[イェリエル] 1つずつ貼ろうとしても2口上が限度っぽいかな -- (江城八百万) 2015-06-24 23 28 11 千差万別彩る色よ、湛え潜む終わりを告げよ。 ダウンズ、[シタエル]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。散りゆく再生に、聖なる恵みを。 変身。 ――――支え満たす十色の束が、彼方に紡がれますように。浄花虹彩。[シタエル] 漂うは安らぎ浮かぶは微睡み、不可視の想いが貴方を包む。 ダウンズ、[エレミア]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖人の吐息は貴方の戦意を煙に巻く。 変身。 ――――混ざりゆく彼我、溶けて消えゆけ。浄香同混、[エレミア] 相変わらず量優先の質の悪さには目を瞑れ -- (江城八百万) 2015-06-24 23 29 47 厄の花、災の種、禍の根、その全てを灰燼に帰す。 ダウンズ、[マハシア]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖なる光よ、森羅の闇を照らし給え! 変身。 ――――輝きは遥か、その遠き身まで。浄禍散開、[マハシア] 天に在すは至高の輝き、地上に恵みの息吹をかける。 此処に一つの眩き雫を。その為に渇き、その為に駆ける。 ダウンズ、[レハエル]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。聖なる理念を見上げよ、手の届かぬ想いに馳せよ。 変身。 ――――天上の果て、那由他の先に侍る見なれば。浄化天敬、[レハエル] 各天使を調べるほどの時間も情報もないので適当にテーマ決めて作ってるが許せ -- (江城八百万) 2015-06-24 23 32 50 組となる口上でいいんだよね 追加追加ー -- (江城春人) 2015-06-24 23 36 29 大事なものには優しき未来を 諦めたものには新たな未来を ダウンズ〔トランセンド〕 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム) 届け願いよ、溢れろ夢よ 変身。 希望を胸に、一歩前進〔トライゼント〕 -- (名無しさん) 2015-06-25 00 21 48 訂正入れるより先に訂正しちゃってごめんね トランセンドで656個目 -- (江城春人) 2015-06-25 00 34 23 訂正していただき有難うございました! -- (名無しさん) 2015-06-25 02 13 21 満ち足りて来たれ、導いて照らせ! ダウンズ、『辿りつきし夜(オーバーナイト)』セット! コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)! 闇を包む光をここに! 変身! ―――さあ、希望の夜を 陰道開明、オーバーナイト! 渇き落ちて融けよ、音なく消えろ ダウンズ、『堕ちきった夜(オーバーナイト)』セット! コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)! 光を喰らう闇となれ 変身 ―――来い、静寂の夜よ 陰道浸食、オーバーナイト なんとなく月をテーマに対口上 -- (名無しさん) 2015-06-25 02 36 23 空より下りし王女様、その姿――名状しがたく美しい ダウンズ、『ヴァーダント』セット コアアクセス、LINK、飛来せし王女(アザーティ)! 騎士として貴女のために剣を振る! 変身! ――――アザーティ様KAWAII!! 護衛騎士、ヴァーダント -- (名無しさん) 2015-06-25 18 32 01 見果てぬ青に夢を注げ、汝安らかなることを。 ダウンズ、[アカイア]セット。 ウロ コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖天に担え、空の揺り篭。 変身。 ――――緑地を超え、その頂へ。青浄雲河、[アカイア] 一つ置き、二つ重ねて三つを積む。万度繰り返し金塔を生む。 ダウンズ、[カヘテル]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖の加護を広めよ、黄金にて凱歌を歌え。 変身。 ――――老若男女、その全てにまで財貨を奮う。盛浄徒博、[カヘテル] -- (江城八百万) 2015-06-25 23 35 41 闇中只中一つの導、遠く輝く幽かな灯よ。 ダウンズ、[ハジエル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。不変の聖流に、過ぎ去りし夢を見る。 変身。 ――――結ばれし因果よ、恒ならんことを。星浄光輝、[ハジエル] 虚言を曝し、弄言を暴き、悪言を裁く。 ダウンズ、[アラディア]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。罪言を懺悔し、聖言に耳を傾けよ。 変身。 ――――全言を裁定す。業よ、十字架と成れ。誠浄再現、[アラディア] あ、ズレた。ウロは空にかかってたんだが邪魔なら上げる際消してくれ -- (江城八百万) 2015-06-25 23 41 59 彼我を結ぶ言霊、その結び目が我が力。 ダウンズ、[ラウヴィア]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。宣聖の儀を此処に。 変身。 ――――我が命運に懸け、勝利を授ける。誓浄既決、[ラウヴィア] 愛より熱く、法よりも冷徹に、唯この真眼を以て告げる。 その存在、我が裁定の秤に降れ。 ダウンズ、[ハハイア]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。喜べ、涙せよ。この掌が汝をスクウ。 変身。 ――――我が絶対の理に従え。正浄統一、[ハハイア] 因みに昨日今日俺が上げたのはシェムハムフォラエの72天使の一部だが それぞれ該当宮ずつに分けているので組の口上では一緒でも別枠でも問題ない仕様になっている -- (江城八百万) 2015-06-25 23 45 04 舞い戻れ、星によって砕かれた終末のケダモノ! イグジスタンス・リプロダクション コアアクセス、LINK、終末の獣[マスターテリオン] 月の記憶によりて、その想いを轟かせよ! 変身! ーーー我が願い、乗せてひた走る破壊の獣 書界防衛、マスターテリオン√π 666番目にできればマスターテリオンの口上をば -- (名無しさん) 2015-06-26 02 12 51 ――・・・・・・舞い戻れ、星によって砕かれた滅びの(ケダモノ/ヒト) イグジスタンス・リプロダクション・・・・・・! ダウンズ[マスターテリオン√π]セット コアアクセス、LINK、終末の獣[マスターテリオン]。 月の記憶によりて、その想いを吠え轟かせよ! 変身 ーー我が願い、乗せてひた走る破壊の獣[ヒト]。 書界防衛、マスターテリオン√π 666なんで読子さんの口上アレンジ マスターテリオンの今際の際に清麿がヒトだと言ってくれたんだから そこらへんも汲み取りたかった -- (名無しさん) 2015-06-26 03 18 41 ミスってまだ書いてる途中で書き込んでしまった 下の口上は、上の口上の修正版です -- (名無しさん) 2015-06-26 03 23 45 空ろに移ろいゆく流れ、その奔流こそ抗えぬ波。 ダウンズ、[イェイアゼル]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖流、濁流を呑み干す。 変身。 ――――不可逆の路に沿ってゆけ。時浄踏波、[イェイアゼル] 立ち、歩み、屈し、立ち上がるための、礎なり。 ダウンズ、[メバヘル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖地なりし星へ、墜ちることなく。 変身。 ――――実れよ枯れよ、廻れ廻れ。地浄支宙、[メバヘル] くっ、666個目狙い取っておけば……とりあえず700個目は作っておこう -- (口上八百万) 2015-06-26 22 24 11 指差し一つ、言霊重ねて磐石とす。 ダウンズ、[ハリエル]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。此の聖眼に迷いなし。 変身。 ――――我が剣の切っ先が汝を導く。示浄命廼、[ハリエル] 萌芽の願い、原初の思いよ芽吹き給え。 ダウンズ、[ハカミア]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖雨の恵みよ、暖かならんことを。 変身。 ――――この世最大の神秘よ、謳え。蒔浄地縛、[ハカミア] あ、名前変換ミスってた -- (江城八百万) 2015-06-26 22 28 18 再生を象徴する炎よ、我が息吹に宿れ。 ダウンズ、[レヴィア]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖鳥、鳳凰の熱よ、逆巻け。 変身。 ――――不傷の命、破れるか。冶浄明燈、[レヴィア] 我が腕にて抱き許しを与える。 案ずるな、貴方は私に赦された。 ダウンズ、[カリエル]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。我が手を取って、祈りなさい。 変身。 ――――我が言霊に揺られ、眠れ。慈浄界淵。[カリエル] -- (江城八百万) 2015-06-26 22 33 00 在る者全ての生みの親、広き海原に回帰せよ。 ダウンズ、[レウウイア]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖水よ満たせ、永久なる始原。 変身。 ――――第一の波紋に導かれよ。浄海原姿、[レウウイア] 天に在す厳格の君、遍く問いを投げかける。 ダウンズ、[バハリア]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。真実は我が聖掌に。 変身。 ――――紡がれるは唯一つ。浄解求答、[バハリア] 少し上げるのが遅れてしまった -- (江城八百万) 2015-06-29 21 00 11 理性ある獣よ、汝自らを固き鎖で縛り上げよ。 ダウンズ、[ネルカエル]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者。(アザトース)。聖冠す玉座の戒めたらんことを。 変身。 ――――奔放を制し、自由を殺す。浄戒淵印、[ネルカエル] 追憶の間隙に据わりし姿、その影こそ真ならん。 ダウンズ、[イエイアイエル]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖憶に映る陽炎が揺れる。 変身。 ――――掴まらぬ夢よ、迷わないままで。浄懐一灯、[イエイアイエル] -- (江城八百万) 2015-06-29 21 03 40 無骨なまでに、磨り減ることなく、ただそのままに、なによりも堅く。 ダウンズ、[メラヘル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖盾が如く、何も通さず。 変身。 ――――我こそ鎧、貫けるか。浄塊圧硬、[メラヘル] 足掻いてみせよ、地を歩む雛よ。 熾天を超えし我を穿ちて。 ダウンズ、[ハフイア]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。なお届かぬことを知るがいい。 変身。 ――――万夫不当であろうとも、我が世界に敵う術なし。浄界絶倒、[ハフイア] -- (江城八百万) 2015-06-29 21 05 51 天下りし姫君は陽の光を疎まれるが故に ダウンズ、[闇の行宮(かりみや)]セット コアアクセス、LINK、飛来せし王女(アザーティ) 暗き下界でひとときの憩いを 変身! ――光を遮る黒き天幕 暗黒宮帳 [闇の行宮(かりみや)]] -- (名無しさん) 2015-06-30 18 38 56 上記口上を微修正 天下りし姫君は陽の光を疎まれるが故に ダウンズ、[闇の行宮(かりみや)]セット コアアクセス、LINK、飛来せし王女(アザーティ) 仄暗き天幕にてひとときの憩いを 変身! ――光を遮る暗黒の天幕 幽暗宮帳 [闇の行宮(かりみや)]] -- (名無しさん) 2015-06-30 18 46 21 見えぬ導に灯りを点けよ、汝の求むるを欲せ。 ダウンズ、[ニライハ]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖幻の燈篭、揺れ動かぬように。 変身。 ――――茫洋な道を、消えぬ松明を手にして進め。浄意踏覇、[ニライハ] 我が戈の鋭きを見上げよ、我が剣の眩きを拝せよ。 ダウンズ、[ハアイア]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖なる後光が我が威を模る。 変身。 ――――惧れよ、さすれば一時の猶予をやろう。浄畏覇頭、[ハアイア] 遅くなっていくでござるの巻き……ぐぬぬ、速さが足りない -- (江城八百万) 2015-07-05 01 25 16 何者にも、影があるように対なるモノがある――――我は汝の影である。 ダウンズ、[イエラテル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖水満ちる水面に写る。 変身。 ――――剣に盾を、炎に水を――――汝に我を。浄異対斥、[イエラテル] ぐるぐる手に手を渡る置き土産、さあ次は何を見る? ダウンズ、[セエヒア]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。次に聖火焼べられるは、貴方。 変身。 ――――最後に一つ、何を残す? 浄遺消灰、[セエヒア] 冷静に見ると、今までカスだった質が更に残り滓になって救えねえな -- (江城八百万) 2015-07-05 01 29 22 足跡一つ、旗翻り、集るは万人。 ダウンズ、[レイイエル]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖旗を立てよ、破れることなき。 変身。 ――――届かぬ永劫を望みながら、進んでいく。浄維圏刻、[レイイエル] いくら見上げ、塔を建て、天へと到ろうとも。 我が座には未だ届かない。 ダウンズ、[オマエル]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。熾天は遥か高みに在り。 変身。 ――――業を積め。あるいは、触れられるやもしれん。浄位尊罪、[オマエル] あ、あとこれまでの72天使口上の、イノミナンダムのとこをヨグソトースに変更しようとおもふ これはこっちでやっときますね -- (江城八百万) 2015-07-05 01 32 39 最後の一文訂正 ――――業を積め。あるいは、触れられるやもしれん。浄位尊罪、[オマエル] ↓ ――――業を積め。あるいは、この身に触れられるやもしれん。浄位尊罪、[オマエル] -- (江城八百万) 2015-07-05 01 39 45 名乗りを上げよ、始まりの言霊が力をくれる。 ダウンズ、[レカヘル]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。其こそ最強の聖言也 。 変身。 ――――墓まで運べ、終わり告ぐモノ。銘浄鏡戒、[レカヘル] 接ぐものは二つ要る、体と心、貴方と私。 ダウンズ、[ヴァサリア]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖火よ炙れ、溶かして混ぜよ。 変身。 ――――交わした言葉に思いを重ね、強固な鎖と為す。盟浄結鎖、[ヴァサリア] -- (江城八百万) 2015-07-10 00 21 56 灯潰え闇に溶け、一寸先には万の手招き。 ダウンズ、[イエヒア]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖なる光すら、黒く塗れる。 変身。 ――――遠く木霊す、誘いの声。迷浄紹界、[イエヒア] 墜ちた月を見よ、穴倉に覗く黒に染まれ。 ダウンズ、[レハヒア]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖道揺らぎて死出の道。 変身。 ――――壱度迷えば、二度と帰さぬ地獄の門。冥浄番閉、[レハヒア] -- (江城八百万) 2015-07-10 00 22 55 一つ嘶き鳴動す、二つ轟き既に敵無し。 ダウンズ、[カヴァキア]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖雷眩く、畏怖を与える。 変身。 ――――天と地繋ぐ、憤怒の御槌。鳴浄霹墜、[カヴァキア] 流転の運命、自由の定めを持つ者よ。 解持たぬ探求者、もがき続ける愚者の群れよ――――。 ダウンズ、[メナテル]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。再現のない謳歌の積み木、悉くを崩そうか。 変身。 ――――罪背負う者よ、その架に終わりを告げよう。命浄報末、[メナテル] -- (江城八百万) 2015-07-10 00 23 51 かつて起きた世界の終末、起こりえた選択の結末、死屍累々たる荒野を今ここに再現する!! LINK「 闇に囁く者」(イノミナンダム ) ―CONNECT「星の英雄」(ラビッツフット) ダウンズコア・アクセス 、[粛清者]セット 頸を刎ねよ 世界を赤き血で染め上げよ 命ある者ことごとく塵殺せよ 変身 血で染め上げられた赤き衣 塵殺冥王、[粛清者] -- (名無しさん) 2015-07-13 14 14 30 ↑ミスったので修正 かつて起きた世界の終末、起こりえた選択の結末、死屍累々たる荒野を今ここに再現する!! コアアクセス LINK「 闇に囁く者」(イノミナンダム ) ―CONNECT「星の英雄」(ラビッツフット) ダウンズ[粛清者]セット 頸を刎ねよ 世界を赤き血で染め上げよ 命あるモノことごとく塵殺せよ 変身 血で染め上げられた赤き衣 塵殺冥王、[粛清者] -- (名無しさん) 2015-07-13 14 16 17 PC死亡からのリカバリ、復旧はしたものの最終バックアップは2月 ここの最初のコメントが3月……なるほど、データがないはずだ 地道に自分の口上をコピーする作業が始まる……(絶望) -- (江城八百万) 2015-07-18 15 19 37 一重の円、二重の芒星、三重の印、四重に血を血で染める。 ダウンズ、[アニエル]セット コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。この隔たりこそ我が聖地。 変身。 ――――拒むは一足、弾くは一刀。浄陣遮壇、[アニエル] 我が天秤は揺れ動き、汝の敵にも味方にもなろう。 ダウンズ、[ハアミア]セット コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖義に基づき、執行する。 変身。 ――――秤揺れようと、我には固き心あり。浄仁遂鋼、[ハアミア] -- (江城八百万) 2015-07-24 01 28 16 我は何者にも捉えられぬ一陣の空塊。 ダウンズ、[レハエル]セット コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖戦に追い風を。 変身。 ――――疾きよりもなお疾く。浄迅片動、[レハエル] 悉くを覆え、森羅を網羅し、普くをこの手に。 ダウンズ、[イヒアゼル]セット コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖火は燈下、果てしなく。 変身。 ――――方舟をも呑み込み食らえ。浄尽不撓、[イヒアゼル] -- (江城八百万) 2015-07-24 01 28 44 鋭く、薄く、ただ一刀のもとにて――――切り伏せる。 ダウンズ、[ハハヘル]セット コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖なる剣に身を委ねよ。 変身。 ――――閃を払い、千を薙ぐ。浄刃圧刀、[ハハヘル] 天上一介、地の果てを下し。 地上一掃、残るものなし。 ダウンズ、[ミカエル]セット コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。空高き梯子、手をかけるものを打ち落とす。 変身。 ――――驕りを、傲慢を、その罪を消す。浄塵溢葬、[ミカエル] -- (江城八百万) 2015-07-24 01 29 15 一言の調べに縫い付けられよ、紡がれる其は逃れ得ぬ。 ダウンズ、[ヴェヴァリア]セット コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖言は重みを増し、貴方に十字を背負わせる。 変身。 ――――払うことは許されぬ。言浄従縛、[ヴェヴァリア] 原始の追想、頂より落とされる雷を。 ダウンズ、[イエラヒア]セット コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖火は人の数を統べる。 変身。 ――――万を超えるその傲慢を糾す。減浄多潰、[イエラヒア] 走り続けるその足を止め、地に這い縋れ。 ダウンズ、[セアリア]セット コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。手を伸ばす先に聖人はいない。 変身。 ――――今この時が、汝の終焉。現浄覇滅、[セアリア] 千載一遇、万が一、微かな好機を切り開く。 ダウンズ、[アリエル]セット コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖幽、星を掴む。 変身。 ――――成るように成らぬなら、為すように為せ。玄浄打戒、[アリエル] 白き鴉を羽ばたかせ、黒き光で世界を覆え。 ダウンズ、[アサリア]セット コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖浄の眼を欺き通す。 変身。 ――――虚構築く赤き天。幻浄孔檻、[アサリア] 昇れ、置き去りにしたその始まりに。 満たせ、碧きこの箱庭を。 ダウンズ、[ミハエル]セット コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。聖水、始原より流れ落ちる。 変身。 ――――最も篤き泉を汲む。源浄求再、[ミハエル] -- (江城八百万) 2015-07-29 02 03 00 彼方に続くはこの大地、天上に続くはこの尖塔。 ダウンズ、[ヴェフエル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖地磐石、それは積みあがりし功徳。 変身。 ――――眼を前へ向けよ、それが功績への信の証。浄旧埋絶、[ヴェフエル] 降り注げ雨の裁き、引き絞り、解き放つ。 ダウンズ、[ダニエル]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖雨、百千を貫く。 変身。 ――――番えるは威光、射抜くは眼光。浄弓涯注、[ダニエル]。 永きに亘り旧きとなり、果てへ到って果つる理。 ダウンズ、[ハハシア]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖なる子のみ、その概念を覆す。 変身。 ――――終わりへ到れ、人の子よ。浄朽必壊、[ハハシア] 道の先に限りあり、されど其を乗り越えて進め。 ダウンズ、[イマミア]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。船は聖杯へ辿り着く。 変身。 ――――波々超えて、並々ならぬ。浄究果堪、[イマミア] 背面断崖、一歩失命、そこが私の生きる場所。 ダウンズ、[ナナエル]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。瞬きに散らせ、命の聖火。 変身。 ――――熱き希望を、この手に。浄窮焔華、[ナナエル] 泥濘を漱ぎ清める至高の聖泉を。 混沌を払い除ける至高の秩序を。 ダウンズ、[ニタエル]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。讃えられぬ者に栄光の手を。 変身。 ――――闇より出でし者に断罪の光を。浄救全輝、[ニタエル] -- (江城八百万) 2015-08-07 19 35 13 禊ぎ払いて幾山道、雪ぎ滅して幾海道。 ダウンズ、[メハイア]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖水よ、清め満たせ。 変身。 ――――月光に濡れよ、黄金の肢体。浄潔光淡、[メハイア] 唯愚直な道に、揺るがぬ一歩を、万里まで。 ダウンズ、[ポイエル]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖道、星に照らされて。 変身。 ――――障害となれば、心せよ。浄決進眼、[ポイエル] 欠落こそ、世界を回す空白の歯車。 ダウンズ、[ネマミア]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖地、虚無に堕つ。 変身。 ――――天地、山海、遍くに空虚が存在する。浄欠真塵、[ネマミア] 其処に為し、奈落の沼、底も無し、穿たれた孔。 ダウンズ、[イエイアレル]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。掘り返されし聖洞を、雨と土とで埋めなさい。 変身。 ――――伽藍満たせ、空となるまで。浄穴虚源、[イエイアレル] 才のみではなく、努力のみにあらず、頂にあり。 ダウンズ、[ハラヘル]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖人は、その頂をも越える。 変身。 ――――力と知の果てに、全てを得る。浄傑武慧、[ハラヘル] 幕は下りて、帳は落ちて、日は落ちて。 影もなくて、光は満ちて、星は流れて。 ダウンズ、[ミズラエル]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。砕け撒かれて大地に落ちる。 変身。 ――――輝く芽はまた、新たな奇跡を生むでしょう。浄結真架、[ミズラエル] -- (江城八百万) 2015-08-09 02 34 31 那由他ある星々の欠片。 紡いで繋げて、あの空にはまだ届かない。 接続、天望の瞳。 繋がりに従い、我が枷解き放て。 欣求穢土。 降魔。 この手に、温かな光を。 ヒロイン投票二次用に作ったものの総スカン食らいそうなのでこっちに貼る イメージ:ベルたそ -- (江城八百万) 2015-08-10 14 21 15 異形の仮面、怪々にして特異の想念。 ダウンズ、[ウマベル]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖印は、至高にして妙なる手により象られる。 変身。 ――――正邪変面煌々にして燃ゆ。浄奇弄心、[ウマベル] 旺我の気風、逆巻け、冠は杖へ。 ダウンズ、[イアヘル]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。聖力圧倒、一切破砕の容赦をかけよ。 変身。 ――――微塵と壊せ。浄鬼克塊、[イアヘル] 炎より熱を、氷より冷気を、風より癒しを、大地より加護を。 ダウンズ、[アナウエル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖域より出づるは大いなる息吹。 変身。 ――――生れ落ちよ、蒼き卵よ。浄基転星、[アナウエル] 大いなる夢を望み、遥かなる志に臨む。 ダウンズ、[メヘキエル]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖水少なく、垂らせば標す。 変身。 ――――届かぬ願い、届かせる願い。浄希信守、[メヘキエル] 去り行く者に背信の弓を、寄り添う者に背教の刃を。 ダウンズ、[ダマビア]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。見えぬ澱みが聖心を隠す。 変身。 ――――傾く狂信、満たす怨念。浄忌倒灰、[ダマビア] 映し出すは世界の鏡。 明るきも暗きも満たす満天の宝石。 ダウンズ、[マナケル]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。頂を越えて、地を覆う。 変身。 ――――仰げ、決して欠けぬ我を。浄輝典戒、[マナケル] 余裕こいてたらいつの間にか最終回だった……まだ68/98しか作ってないのに 残り30はIFが終わるまでに作るろう -- (江城八百万) 2015-08-15 02 19 23 七を重ねて十を隔て、混沌の坩堝に秩序を投げ入れよ。 ダウンズ、[エイアエル]セット。 コアアクセス、LINK、海統べる者(クトゥルフ)。聖水染め上げ、彼方へ注ぐ。 変身。 ――――万物は鮮やかに彩られる。浄色刻剥、[エイアエル] 暗路の燭台、黒海の灯台、高き標に灯を燈せ。 ダウンズ、[ハブイア]セット。 コアアクセス、LINK、燃え盛る者(クトゥグア)。遥か聖火は、途絶えることなく。 変身。 ――――導きの光条が瞬く。浄燭玄在、[ハブイア] 際限なき腐食の泥濘、溢れ零れて喰らい尽くす。 ダウンズ、[ロケル]セット。 コアアクセス、LINK、名状し難き者(ハスター)。聖者の泉を汚す杯。 変身。 ――――侵せ、冒涜の焦熱にて。浄蝕信叛、[ロケル] 大海を呑み大地を喰らい、この血肉と為す。 ダウンズ、[イァバミア]セット。 コアアクセス、LINK、絶対王者(アザトース)。聖なる化身、世界を貪る。 変身。 ――――囚われた愛し子の欠片。浄喰研刺、[イァバミア]。 黄金、白金、黒金、三重に掛け信を司る。 ダウンズ、[ハイアイエル]セット。 コアアクセス、LINK、石眺める者(ガタノソア)。聖なる三柱、威光を注ぎて。 変身。 ――――この輝きに喝采を。浄飾楼壇、[ハイアイエル] 天が柱、地が柱、数多が一点ここに居り。 満たされた壺を封ず常世全ての檻。 ダウンズ、[ムミア]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。いと高き座を降ろし在す。 変身。 ――――讃えよ、栄光の万色天来。浄織聖坐、[ムミア] -- (江城八百万) 2015-08-19 18 04 18 ・できない夫withヒロインver ―できない夫withますみん 傍らには天の輝き。 真実照らす熱き光。 ダウンズ、[フール・ウィズ・サン]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は飛ぶ、決して融けぬ翼を背に。 変身。 ――――駆け抜ける先を、陽光が満たす。旭日昇天、[フール・ウィズ・サン] ――――できない夫withオリコ 傍らには吊るされた罪人。 己が影を求む逆しまの人形。 ダウンズ、[フール・ウィズ・ハングドマン]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は待つ、釈放のその時まで。 変身。 ――――駆け続ける先には砕けた鎖。金烏玉兎、[フール・ウィズ・ハングドマン] ――――できない夫with黒子 傍らには天秤の担い手。 何よりも強かな弱者。 ダウンズ、[フール・ウィズ・ジャスティス]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は聞く、誠なるその祈りを。 変身。 ――――駆ける足に点る力。破邪顕正、[フール・ウィズ・ジャスティス] ――――できない夫withあきつ丸 傍らには雨傘の差し手。 常に共に在る繋がれた心。 ダウンズ、[フール・ウィズ・ラヴァーズ]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は歩む、冷たき雫阻む安らぎに宿りて。 変身。 ――――駆け抜けた足の拠所。雨過天晴、[フール・ウィズ・ラヴァーズ] ――――できない夫with梨花 傍らには死を刈り取る鎌。 瑞々しき果実もぎ取る手。 ダウンズ、[フール・ウィズ・デス]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は育つ、蒔かれた種の芽吹きと共に。 変身。 ―――― 駆け巡る、輪廻の果てへ。生死流転、[フール・ウィズ・デス] ――――できない夫with凛 傍らには濡れた月光。 慟哭秘す優しき怒り。 ダウンズ、[フール・ウィズ・エンプレス]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は仰ぐ、夜空に重なる背の涙を。 変身。 ――――駆けようと先行く眩しさに。百折不撓、[フール・ウィズ・エンプレス]。 ――――できない夫withタカオ 傍らには調和の守り手。 傍観外れた渦中の恵み。 ダウンズ、[フール・ウィズ・テンパランス]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は廻る、いつまでも放さぬように。 変身。 ――――駆け戻るは慰みの在り処。春和景明、[フール・ウィズ・テンパランス] ――――できない夫withベルたそ 傍らには凪の水面。 先を見据えど果て見通せぬ瞳。 ダウンズ、[フール・ウィズ・イオン]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は届く、渇望とその先に。 変身。 ――――駆け、過ぎた跡には万色の景色。永劫回帰、[フール・ウィズ・イオン] -- (江城八百万) 2015-08-23 00 35 15 表示限界? -- (江城八百万) 2015-08-23 00 44 09 ――――できない夫withベルたそ 傍らには凪の水面。 先を見据えど果て見通せぬ瞳。 ダウンズ、[フール・ウィズ・イオン]セット。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。愚者は届く、渇望とその先に。 変身。 ――――駆け、過ぎた跡には万色の景色。永劫回帰、[フール・ウィズ・イオン] -- (口上八百万) 2015-08-23 00 44 52 俺は俺であるが故戦い、殺す。 ダウンズ [ファイアフライ]セット。 コアアクセス、LINK 燃え盛る者(クトゥグア) 変身。 ――我が人生は鉄と血で舗装されている。鉄甲彩血、[ファイアフライ] -- (名無しさん) 2015-10-25 23 41 34 もう、何もかもなくなってしまった! 目が無い、手が無い、足がない ダウンズ、[マミー・ナイトメア]、セット コアアクセス、LINK、LINK、泥濘に眠る者(ショゴス)。 肌が無い肉が無い骨が無い ―――変身ッ!! ―――これ以外に、何がある?! ゼンぶ、キサまらガ奪っタモのだ! 満身、創痍…! [包帯男の悪夢(マミー・ナイトメア)]!! -- (秋月) 2016-02-06 15 26 19 命運の、囁きを聞け。巡れ、流星の標を辿りて。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。その不運、貰い受ける! ――――空にて輝け、幸運の光!因果侵犯!ラビッツフット√α! -- (ヤraナIぉ) 2016-06-23 20 47 25 変えられぬ、滅びの声を聞け。知るがいい、絶望を。 ダウンズ、[ダークマター]セット。 コアアクセス、LINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。MultiLINK、門にして鍵(ヨグ=ソトース)。ここが貴様の終点だ! 変身! ―――星をも呑み込む、暗黒の太陽よ!因果終焉、[ダークマター]! -- (名無しさん) 2016-07-19 21 15 46 星々の手中にて舞い踊れ。我らが王に、命を捧げよ。 コアアクセス、LINK、闇に囁く者(イノミナンダム)。その身を燃やし、力を願え。 ――闇を照らす、炎の星。運命修正。スターナイト。 -- (kk) 2018-05-31 14 52 46 FIGHT、ACT、ITM、MERCY。 それで、次は何をしろって? ダウンズ、[決意(ディターミネイション)]、セット。 コアアクセス、LINK、夢見がちな人形師(プレイヤー) 君は僕、僕は君。でも黒幕は僕らじゃない。 変身。 ねえ、聞こえてるんだろう? 世界叛逆。 決意(ディターミネイション)。 -- (*ケツイ) 2018-09-24 16 14 04 私は、流星を追い求め、黄昏を駆ける者。 ダウンズ『トワイライト・ランナー』セット コアアクセス、LINK ナイアル。 あの人の…言葉の灯は絶やさない 変身 【俺】は止まらない、最期まで 『前進全霊』 『トワイライト・ランナー』 発掘品が見つかったので -- (名無しさん) 2020-10-06 23 59 05
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【名前】 ザ・ヒーロー(フツオ) 【出典】 真・女神転生Ⅰ 【性別】 男 【年齢】 16~18(男子高校生)+α 【名ゼリフ】 【支給武器】 紅蓮@ウィザーズ・ブレイン イタクァ@デモンベインシリーズ 【人物】 東京吉祥寺周辺に住む男子高校生。隣には幼馴染の女子高生が住んでいるが、残念ながらフラグは存在しない。 原作では徹底してセリフが存在しないキャラであり、プレイヤーの選択次第で破壊と混沌の道を辿ったり支配と秩序の道を辿ったりもする。 今ロワでは否応なく巻き込まれた戦いにより鍛え上げられているものの、根は純朴で平凡な少年とキャラ付けされている。 なお、民間にPCが普及していなかった時代にも関わらずハンドベルコンピュータを自作しているあたり、実は結構オタク気質な可能性が高い。 通称はフツオであるが、これはNeutral=普通の子=フツオが由来。元は開発者による愛称でしかなかったが、いつの間にかファンの間でも通称として親しまれるようになった。 ちなみに漫画・OVAでは相馬小次郎、リプレイノベルではショウという名前になっている。何気にCV.緑川でもある。 【本ロワの動向】 Neutralルート終了後から結構経ったあたりから参戦。 原作が原作だけあって、精神的に摩耗した状態での参戦となる。 天使を殺した、悪魔を殺した。神も殺し、友を殺し、家族を犠牲にしてまで戦い続けた。 だがしかし、その戦いの果てには何もなく、彼が得た物は何一つ存在しなかった。 どれだけ強かろうと所詮は人。地上に蔓延る悪魔に怯え、限られた資源で辛うじて食いつなぎ生きる人々を救うことはできなかった。 そして人々は願う。自分たちを救い上げる神の存在を。 彼の戦いは無為だった。人は自らの強さを信じることなく安易な救済に縋った。 敵がいるなら倒すことができる。しかしこれはそういう簡単な問題ではないのだ。 彼が為し得たことは何一つなく、残ったのは最強の英雄という意味のない称号だけ。 積み上げた死山血河はとうの昔に背負いきれる限界を超え、もはやそれから目を背けることなどできはせず。 故に少年は優勝を目指した。願望の成就を得るために。自らが切り捨ててきた全ての存在のために。 例え強制された殺し合いであったとしても、自分にできることは敵を倒すことだけなのだから。 そうした悲壮な覚悟を以て相対した人物。それは皮肉か偶然か、天使の名を持つ少女フィア。 感情を擦切らし能面のような顔で斬りかかるも、フィアの同調能力により肉体の制御権を強制的に剥奪される。 同調能力。存在情報のリンクによる支配。 そしてそれは肉体のみならず、思考や記憶に至るまで共有される。 彼の側に流れてくる記憶。それは荒廃した世界に生きる彼の眼から見ても悲惨なものだった。 ただ殺されるためだけに生み出され、道具のように消費される命。人間性の一切を期待されず、求められるのは脳の性能のみ。 何十人もいた姉妹は彼女一人を残して脳髄以外を廃棄処分された。人間になりたいという些末な願いすら叶えられることもなく。 フィアを気遣ってくれた七瀬静江も死んだ。自分の願いのために利用する駒であったはずの彼女を、最期には命がけで庇って。 なんだこれは、あまりにも酷過ぎる。 そして何より信じられないのは、そんな目に遭ってきた彼女がそれでも他者を愛しているということ。 何も知らないその他大勢のために生み出され殺されるはずだったにも関わらず、それでも人を愛する少女を、何も知らないその他大勢のために戦い裏切られた少年は理解することができなかった。 何故そこまで人を信じられる? 何故そこまで人を慈しむことができる? 投げかけた問いは、しかし疑問ではなく嘆願に近い。 何故ならそれはかつて自分が持っていたもの。そして今は見失ってしまったものだから。 愛する人がいるから、支え合える人がいるから。問いに対する答えは、しかし誰より彼が知っていたことだった。 かつて大切な人たちがいた。それはたった一人の家族であり、隣に住むあまり仲のよくない幼馴染であり、かけがえのない二人の親友だった。 フィア「大事な人たちがいなくなってしまったのは悲しいけど、それでもあなたのやってきたことは無駄なんかじゃないと、そう思います」 故にこそ、彼女の言葉がその場しのぎの詭弁ではないと確信でき。 孤独な英雄はこの瞬間、ただの少年に戻り涙を流したのだった。 かくして二人は和解、フツオもまた対主催として行動することを決意する。 とはいえ明確な目的は持っていなかったため、フィアの想い人である天樹錬の捜索に付き合うこととなる。 そして二人はあてもなく会場を巡る。現代の街並み、緑が生い茂る森。店先に並ぶ精肉や果実など、殺し合いの場においては不自然極まりないがフツオからしてみれば見慣れていた景色。しかしフィアにとっては全てが未知の光景であり、目に映る全てのものに興味を抱くのだった。 フツオにとっては何でもない物でもまるで宝物を見つけたかのように目を輝かせて「これはなんですか?」と訊いてくるその姿は、もう忘れて久しい安らぎの感情をフツオに与えた。 そうした二人の前に現れたのは、時を統べる大神格、天魔・夜刀。 存在するだけで流れ出す圧倒的な神威、お世辞にも平和的とはいえな禍々しい外見。そして何よりフツオ自身が神という存在に対し敵意しか持っていないこともあり、両者は(というかフツオは)即座に臨戦態勢を取る。 しかし当の夜刀はそんなフツオに一切の敵意を見せず、フィアも「人を見た目で判断したらダメですよ」とフツオをちょっと叱ってくる始末。 明らかに戦いには似合わない雰囲気に蹴落とされ、フツオも警戒しつつではあるが夜刀と話をしてみることとなる。 生まれも育ちも違う三人は、しかし奇しくも同じような環境にいたことがわかる。 ICBMの投下と悪魔により荒廃した東京、大気制御衛星の暴走により世界が分厚い雲で覆われた極寒の世界、皆須らく自らが神だと自負する自滅の宇宙。 それぞれが地獄と言っても過言ではない過酷な環境であるが、しかしそれとは相反するように三人は穏やかに話を続けるのだった。 特にフツオは、夜刀の語る言葉に深く感銘を受ける。 高みに至った者にはそれ相応の責任が付随する。己が意志で世界と拮抗できる力を持つのだ、軽いはずがない。 人類の恒久的世界平和などという出鱈目は言わない。しかし次代に希望を残すこと、生まれては消えていく命の連続性を絶やさないこと。 それこそが座を握った者の責任であり、俺が彼女に捧げる愛なのだと。 ああ、確かにその通りなのだと思う。 思えば自分はただ何かを壊すだけで、人を導こうとはしなかった。 ただ漫然と他人の強さを盲信し、自分が出来たのだからお前たちも出来るだろうと押し付けた。 それはつまり、何もしていないのと同義だ。本当の意味で他者を理解していないだけだ。そんなものでは次代に何も残せはしない。 得心した、いくら礼を言っても言い足りない。 そんなフツオに夜刀は、それでもお前はただの人間で、だからこそ普通の幸せを求めてもいいのだと諭す。 それはフツオが、自分と同じく神に挑んだ者であるが故の共感か。 フィアには「俺の愛した人を思い出させてくれてありがとう」と告げ、夜刀はその場を離れるのだった。 そうして二人は再び探索を再開する。 未だ見つからないフィアの探し人、増え続ける犠牲者たち。 それでも手に入れた安息と、守るべき人を見つけたフツオはぎこちないながらも徐々に笑うようになっていった。 けれども、ここは殺し合いという「非日常」が支配する場。 そんな平穏が長く続くはずもなく、ここに終わりの時がやってくる。 それは第二回放送を控えた午前、放送に備えて休憩しようと気を緩めたその瞬間。 突如として空間がひび割れ、殺し合いの主催を名乗っていた四大天使が現出。フツオたちに襲い掛かってきたのだ。 曰く、その娘は我らを差し置き天使と名乗る不届き者。それでも潔く死ねば見逃してやらんこともなかったが最早我慢の限界である。故にここで骸を晒せ、と。 あまりにも傲慢、あまりにも理不尽。かつて自分はこいつらを倒しはしたが、しかしここまで救いようのない下衆であったのかとフツオは困惑する。 だが背に腹は代えられず、半ば強制的に戦闘に発展。しかし四対一で仲魔もいない今のフツオでは四大天使の攻勢は凌げても打倒にまでは至らない。 そして放たれる破魔の呪文。生物を一撃で即死させるその魔法を、フツオは避けることはできず――― とん、と何かに押される感触と共に、フツオの体は地に伏せた。 意識外の出来事に反応できず、地に伏せたままフツオが目にしたのは、ハマから彼を庇い昇天の光をその身に受けるフィアの姿。 その光景にフツオは目を離すことはなかった。できなかった。 崩れ落ちるフィアの体、目的を果たして去っていく天使たち。もはや自分にできることは倒れた彼女に駆け寄ることのみ。 どうして自分なんかを助けたのだと慟哭するフツオは、しかしその理由を知っていた。 何故ならこの少女が人を見捨てることなどするわけがないから。同調能力によって記憶と感情を盗み見たのはフィアだけでなく、フツオもまたそうだった。 だからこそわかる。フィアは他者の命を見捨てたりしない。 けれど、けれど。 けれど、その優しさは未だ見ぬ彼女の想い人のために使ってほしかったと祈るのは間違っているだろうか。 ―――きっとあなたは、世界や人を恨んでいると思う。自分は都合よく祭り上げられた英雄で、役に立ちさえすれば壊れても構わない道具で……だから自分が死んだって誰も悲しまないって、そんな風に傷ついてると思う。 ―――だけど、そうやってあなたに何もかも押し付けないと生きていけないことを、悲しいとか悔しいと思う人間だって、ちゃんといるから。 ―――忘れないで……世界はいい所じゃないかもしれないけど、でもそんなに悪い所でもない。 それは微かであるけどはっきり聞き取れる言葉。彼女の末期になるであろう言葉。 こんな時にまで自分の心配をしてくれるそんな彼女のことが、何故かとても悲しくて。 最期まで報われなかった彼女には、せめてこの時だけでも想い人と共に居させてあげたかったのに。 フィア「だからあなたは、みんなのために頑張ったあなた自身を、好きになってあげて……」 そうしてフツオに微笑みかけて、少女はその命に幕を閉じる。 残されたのは、何も救えなかった孤独な英雄だけ。 フツオ「僕の名前を呼んでくれ……孤独な英雄(ザ・ヒーロー)なんかじゃない、僕(人間)の名前を……」 呟く声は儚く。 かくしてフツオは、再びその手から大切なものを取りこぼしたのだった。 茫然自失の状態でフィアの遺体を葬り、あてもなくふらついていたフツオの耳に入ってきたのは上条当麻による警告。 それは以前出会った天魔・夜刀の死亡を知らせるものであり、彼を殺した怪人が存在するというもの。 結局、自分にできるのは殺すことだけなのだろうか。 そんな思いと共に夜刀の敵討ちに出向いた先にいたのは、ハゲマントことサイタマ。 この期に及んで言葉はいらない。夜刀の弔いのため、そして自らの内に去来する虚無感を誤魔化すため、フツオはサイタマに戦いを挑む。 神殺しの少年とハゲの戦いは熾烈を極めた。 人外の怪物である悪魔を相手にしてきたフツオとただ純粋に強大なサイタマの戦い方は非常に似通っている。 それは筋力や耐久といった単純なスペックに比重が傾く、いわば獣の強さ。技巧も術理も存在しない力と力のぶつけ合いは、しかしそれ故に厳然たる力の差を埋めることは叶わず、戦況はサイタマが優勢を保つ展開となる。 しかしそんなサイタマの様子はどこかおかしいものだった。端的に言って生気が薄いというべきか。心ここに在らずで、戦いの優位を誇るでもなくフツオの弱さを嘲るでもなく、ただ機械的に戦うのみ。 それは何も入っていないハリボテの拳。何かを求め、その実何も見えてはいない空っぽの強さ。 ああ、それは方向性こそ違えど、かつての自分と似たもので――― 気が付いたときには、もうサイタマの姿はどこにもなく。 ただ自分の体が地面に横たわっているだけだった。 満身創痍の体を支え、フツオはようやく自分が負けたということに気付いた。 自分を助けてくれた恩人を救うことができず、道を諭してくれた先達の仇一つ取れない。 戦うことしか能がないくせにそれすら満足にできない敗残者。なんて滑稽なのだろう。 でも、それでも、まだ自分にはやるべきことがあるはずだ。 それはフィアの最期を、彼女の想い人であった天樹錬に伝えること。 そして彼女の知り合いであったというヘイズや他の参加者と共に、この殺し合いを破壊すること。 そう思い立ち、それを支えにフツオは立ち上がる。救いはあるのだと信じて、自らの心の隙間から目を背けて。 そして響き渡る第三回放送。そこでフツオは錬とヘイズの死を知る。 もはや彼に残されたものは何もなかった。 守るべき人を失い、主役を張る意味を教えてくれた先達を失い、戦う理由さえ失い。 生きる意味すら見失いかけていたフツオの前に現れたのは、竹林のルーガルー「今泉影狼」 フツオ「……なんだ、ウェアウルフ(狼男)か」 影狼「狼女です!」 出会いがしらの一言から何の反応も示さないフツオに、影狼は多少の呆れを混ぜながら対応する。 しかしそこには嫌悪の感情はなく、それどころか影狼は隣に座り込みそっと体を寄せ合った。 最初はおっかなびっくり近づいてきたのにと、フツオは疑問に思う。 フツオ「……君は何をしている?」 影狼「何も。ただ、寂しがりやを放っておくのはかわいそうじゃない」 それだけ言って、影狼はフツオに微笑んだ。 それきり二人の間に会話はなく、しかし不思議と気まずさのない静かな時間。二人はしばし、共に時間を過ごしたのだった。 そんな暖かな雰囲気を壊すように現れたのは、不死の吸血鬼アーカード。 ただ己が死に場所を求め彷徨い、人外と人ですらない腰抜けを殺してきた彼は、当然のようにフツオたちにも襲い掛かる。 その圧倒的な戦闘力に影狼もほぼ瞬殺に近い形で吹き飛ばされてしまう。幸い傷は浅かったが、その光景を目の当たりにしたフツオの脳裏には走馬灯じみた記憶が駆け巡った。 崩れ落ちるフィアの姿、紅蓮の海に沈む夜刀の姿。そして自分が手にかけた親友の姿。 気が付いた時には手に持つ紅蓮の刃を振りかぶり、アーカードの胴体を両断していた。 これに驚愕したのはアーカードである。当初はただの腑抜けとしか見ていなかった彼が、実際に目的を失い腐っていた彼が立ち上がり、あろうことか化け物である自分に立ち向かったのだ。重い手傷を負わせたのだ。 その勇気、その力量。これを賞賛せずして一体何が化け物か。 謝ろう、見直そう。お前は確かに素晴らしい”人間”であると不死王が喝采する。 アーカード「そうだ、それでいい、ヒューマン! 犬を殺し死人を殺し私の胸に杭を突き立ててみるがいい!」 フツオ「神を殺した。悪魔を殺した。幼馴染を殺した。友を殺した。そんな人間のどこがいいっていうんだよ」 自分に真っ向から対峙する人間の、何と勇敢で雄々しいことか。 神に縋らず、悪魔に迎合せず、人としての矜持を貫くその姿の何と素敵で輝かしいことか。 ああ、だから人間は素晴らしい。 フツオとアーカードの戦いは拮抗し、影狼を巻き込まないよう立ち回ったおかげで周辺被害もなく。 結局、怪物と人間の戦いは痛み分けに終わった。 影狼の傷の手当も程々に、フツオは他の参加者を探そうと提案する。 てっきり落ち込んでいたんだと思ってたんだけど、と問う影狼に、フツオはその通りだよと返す。 フツオ「でも、いつまでもそうしてる場合でもないだろ? それにさっき君が傷ついた時、どうしようもなく許せなかったんだ。もうこんな思いはしたくない」 そうだ。もう二度と無様な思いはしたくないから、この殺し合いを終わらせよう。 少なくとも、ここで何もしないよりはずっとマシなはずだから。 影狼「満月の夜は毛深くなるから嫌なのよね」 フツオ「後でブラッシングでもしてやるさ。それより早く行くぞ」 こうしてフツオは拙いながらも立ち上がり、殺し合いの打破に向けて歩みだす。 その隣には影狼の姿もあった。彼はもう一人ではないのだ。 その後合流したチーム不良の面々と一時協力関係を結ぶことになるが、そんな事務的なことはさておきチーム間の仲は非常に良好であった。 つかさ「じー………」 影狼「…何よ人間。そんなにじろじろ見て」 つかさ「あ、うん。その付けてるお耳、可愛いなぁ~って」 影狼「耳?そんなのあなたにだってあるでしょうに(ぴこぴこ」 つかさ「動いたっ!?今動いたよ!?なんで!?」 影狼「わ、わっ!?急に触らないでよ!?」 つかさ「もふもふ…もふもふしてるー!凄い、カゲちゃんワンちゃんみたいー♪」 影狼「カゲちゃん!?というか犬扱いするな!私は狼女よ!?」 つかさ「もふ…もふもふ…もふもふもふー」(ぎゅー) 影狼「きゃいんっ!?だ、抱きつくなー!フツオーー!助けなさいよーー!!」 フツオ「………噛み付いたりするなよ?(ゆうこうてき」 影狼「あおーん!?」 つかさ「もふー!!」 ウォルター「あきゃきゃきゃきゃきゃ!すっかり懐いてるじゃねぇかよ」 ゼットン「………………」 仗助「………おいゼットン。まさかオメーよォー、羨ましいとか思ってるんじゃねぇよなァーー…?」 当初はあくまで一時的に協力するだけのはずであったが、八雲紫との戦闘や「アルターの黒い森」での怪物戦を経て意気投合。特に東方仗助とは最後まで共に戦い抜くことになる。 殺し合いが始まってから、そしてその前から多くの別れを経験してきた故にフツオの雰囲気は近寄りがたいものとなっていたが、仗助やゼットンくん、つかさにウォルターはそれぞれが「一人の友人」として彼に接してくれた。 ともすればチームの頭脳担当として気難しい顔になる彼に仗助らは皆を巻き込んで騒いだり、つかさや影狼も穏やかにではあるものの積極的に会話しようとしたり、それはかつてフツオが失った日常を彷彿とさせた。 緩やかな雰囲気の中、フツオもまた彼らに応えるようにコーヒーを淹れる。それはかつて母親から学んだものであり、彼にとっては日常の象徴でもあるもの。 こんな自分に何故良くしてくれるのかという問いに、「俺は頭が悪いからよくわかんねえけど、俺達は友達だろ?」という仗助のらしい答えに苦笑しながら、新しくできた絆に喜びを感じていた。 フツオ(友達………) 仗助「テメェーこの髪型がメンチカツみてぇだとォ!?」 ウォルター「あきゃきゃきゃきゃきゃ!」 ゼットン「ゼットーン…ピポポポポポ…」 つかさ「あははーバルサミコスー!!」 フツオ(……ダメだ!ここにはカオスしかいない!!) 色々と台無しであるが、それでもフツオにとっては暖かな時間であったことに変わりはない。 そしてフツオはここに誓う。もうこれ以上日常を、命を、大事な刹那を失わせないと。 だがしかし、それでも試練はやってくる。 第四回放送後、殺し合いの停滞を憂いた神州王により会場全体で死者がゾンビとして蘇る「ゾンビ騒動」が勃発。 戦う術を持たないつかさを最寄りの小屋に避難させるも、それと同時にフレディによる襲撃も発生。 幸いフツオが夢での戦闘経験を持っていたためフレディの奇襲は未然に防がれ、逃走したフレディをウォルターが追撃する形となる。 フツオとしてもそれに協力したかったが、しかし大量発生したゾンビのことを放っておくわけにもいかず、仗助、影狼と共に殲滅戦に乗り出す。 神州王の禁術により作り出されたゾンビは死亡した参加者のみならず会場に元から存在した死体もよみがえらせたため、非常に数が多かった。それでも多くはただの粗製品であり性能は低く、数多の神魔を鏖殺してきたフツオにとって敵にはなり得ない。 幾ばくかの時間が経ち、つかさの眠る小屋周辺のゾンビを片付け、戦闘中にはぐれた仗助たちと合流しようとしたその時。 視界の端にふと、金と白の影が見えて。 それは見間違えようがなかった。何故ならば数時間前まで一緒にいたのだから。 フツオの目の前に現れた人影は、既に死んでいるはずの少女の姿をしていた。 生命活動は停止し、血の気が引いて青白い肌を晒した、それは紛れもなくフィアだった。 この世に神は在る。だけどそれは何もしない、ただ残酷なだけの存在。 いつか何処かで聞いた言葉。誰が言ったかも覚えていないそれを、フツオは今何よりも実感した。 ―――これが神の意志によるものなら、僕は決してそいつを許しはしない。 あるいはこの時、彼は初めて明確に殺意を胸に宿したのかもしれない。 だがそんな胸中とは裏腹に体は動かず、フィアのゾンビが近寄ってくるのを止めることすらしない。 フィアのゾンビが腕を振りかざす。その手にあるのは薄汚れた小さなナイフ。あくまで人であるフツオ相手ならば、その程度の武装でも殺害すること自体は可能だろう。 振り上げられた腕を見つめ、彼女に断罪されるならそれでもいいとすら考え。 しかし、振り下ろされたフィアの手を掴み取り、迫る凶刃を押しとどめた。 フツオ「すまない、本当にすまない……でも僕はここで死ぬわけにはいかないんだ」 ナイフを持つ腕をつかみ、フツオはただ謝罪を繰り返す。 君を死なせてしまった、君を天樹錬と再会させてあげることができなかった、君を平和な日常に返してあげることができなかった。 そんな無能で恩知らずな自分の命なんかで、全てを償えるならそうしよう。 でも、でも今はできない。こんな自分にも、まだやるべきことがあるのだから。 だから今は、と、フツオは懐から小さな香を取り出した。 ハンゴンコウ、死者を蘇らせる薬。 厳密には肉体から離れた魂を繋ぎとめるものであり、死人ではなく「死に瀕した者」を助けるためのアイテム。 それは性質上、魂を持たないゾンビに使えばその身を成仏させることができる。 ―――さよなら、僕の恩人。 ハンゴンコウにより崩壊していくフィアの姿を眺め、フツオはそうして別れを告げた。 強くなりたかった。 最初にそう願ったのはいつのことだっただろう。 ただ強くなれば、誰かを守れると思っていた。 躊躇いなく戦い、躊躇いなく剣を振るい、躊躇いなく敵を倒す。 そうすればきっと、誰かを守れるのだと思っていた。 ありふれた日々の移ろいを、他愛もない食卓の情景を。 守れるのだと、そう信じていた。 だが、現状はどうだ。 つかさの待つ小屋へと戻ると、そこで彼を待っていたのは地に伏せ目を閉じたウォルターの姿だった。 近くにはうなだれたゼットンと仗助、そしてつかさと影狼の姿もある。一人だけ見慣れない、恐ろしい雰囲気をした男もいたがそれどころではなかった。 誰よりも自由で、そして誰よりも大人だったウォルター。 彼は今、眠るようにその生を終えている。 死んだ者は生き返らない。 そんなことは誰よりわかっているはずだけど、それでも願わずにはいられなかった。 これが嘘だったらいいのに、と。 恐ろしい雰囲気を纏った男曰く、ウォルターはボーモンという男に殺されたのだという。ボーモンは既にゼットンの手で焼き払われ、もう脅威は存在しないとも。 それがどうしたというのだろう。危機が去ってもウォルターが目覚めることは二度とないというのに。 こうしてフツオは、この地で出来た「仲間」を一人、また失ったのだった。 そしてウォルターの死を皮切りに、チーム不良は次々とその命を散らしていく。 次はゼットンだった。ゾフィーとブラックロックシューター、二人のマーダーによる同時攻勢。必然的に二つの局面に別たれたフツオたちはマイケル・ウィルソンと共にゾフィーに立ち向かう。 だがその圧倒的な力の前に拮抗できるのは唯一ゼットンのみ。仗助やマイケルはおろかフツオでさえ立ち入ることのできない域の戦闘は、しかしゼットンがゾフィーに敗れるという結果を露呈する。 正義を騙るゾフィーの傲慢な姿に、ついにはフツオも激昂。大統領、仗助と共に弱体化したゾフィーに猛攻を仕掛け、遂には討ちとることに成功する。 ……次の瞬間、つかさの体が水風船のように爆散した。 それはブラックロックシューターによる流れ弾。明確に狙ったものではないそれが、「たまたま偶然」つかさに当たったという、ただそれだけの話。 しかしそんな、些細な運命の気紛れでも人は簡単に死んでしまう。 仗助のクレイジーダイヤモンドにより遺体は修復されるも、いつも通りなのはあくまで見た目だけ。 つかさはもう、二度と微笑むことはないのだ。 主催戦前の宴会では、多くの対主催グループが一同に会し、自己紹介や作戦立案やらで盛り上がった。 生き残った参加者の数は思いのほか多かった。全体のおよそ3~4割がこうして同じ目的のために集っていた。 それは常に少人数で戦ってきたフツオにとっては初めての経験であり、気分が高揚しないと言ったらウソになるだろう。 しかしそれでも、フツオはそんな自分の満足感ではなく「いつも通り」に振る舞う仗助のことを思い、気遣う。 明らかに無理をして、士気を下げないようにと明るく振る舞う仗助に寄り添い、何も言わずにコーヒーを差し出す。 「うわぁ、美味しい~!私、苦いの苦手なんだけど、すごく美味しいよー、フツオくん!」 「……母さんがね、好きだったんだ。拘りのある人で……いつも同じ店のコーヒー豆ばかりを買ってたよ。母さんに認められるコーヒーを淹れられるようになるまでは、随分苦労したっけ……」 「……。美味しいよ、フツオ。すごくあったかい」 「…………」 「おいフツオ、うちの屋敷に来な。メイドたちにこいつの作り方を伝授してやってくれ。そうすりゃあ、つまらない胡麻すり野郎の溜まるコーヒーハウスになんざ、誰も行かなくなる」 「あっ、ダメ!フツオは私と一緒に行くんだから!」 「ゼットーーン……ピロロロロ……」 「ね、ゼットンくんも、おいしい、って」 「……うん、わかる。わかるよ」 「こりゃ俺も、カフェ・ドゥ・マゴにしばらく行けねーな。 やっぱり家にオメーを引っ張ってくるしかね~かなァ~~(ウリウリ」 それはもう叶わない夢の形。 揃って殺し合いから抜け出し、またいつか皆で集まって騒ぎ合う。 かつてあった、しかしもう二度と起こることはないそれを、仗助や影狼と共に思い浮かべる。 今はただこうして静かに。フツオは友達として仗助の隣に居続けた。 そして宴もたけなわ、各々が気合いを入れ直し戦いに臨もうとする中で、フツオはある人物と接触を持つ。 その人物の名は藤井蓮。聞くところによればフィアの想い人であった天樹錬と共にいたという。 そして天樹錬を殺害した当人でもあると、そう聞いた。 別に責めるつもりは毛頭ない。天樹錬が殺し合いにのったのはフィアが死んだからであり、その責任の一端をフツオもまた背負っている。故に彼を責める気はなく、用件はただ渡したいものがあるだけ。 そうして顔を合わせた藤井蓮は―――どこか夜刀の面影があるように思えた。 何の用だとぶっきらぼうに返す蓮に、君に渡したいものがあると言ってフツオは「それ」を取り出した。 フィアに支給された、天樹錬の所有物だったというマフラー。 聞けば中々高価で性能のいいものらしいが、そんな実利以上にフツオはこれを蓮に渡したかった。 ―――最期まで錬と一緒にいた君に持っていてほしい。 紛れもない本心からそう言うと、蓮は一言だけ礼を言って受け取った。 ―――これでももう心残りはない。 マフラーを手に何処かへと向かう蓮の後ろ姿を見やり、フツオは一人思う。 やり残したことは存在しない。あとはもうこの命を燃やし尽くすだけであると。 そうして迎えた最終戦、まず相対したのはダークザギ。 ゾフィーと同じ巨体を持ち、そしてその戦闘能力はゾフィーすらも凌駕しかねないほどに強力なものであった。 ヤン・ウェンリーの立てた作戦の元、藤井蓮や皐月駆といった”作戦の根幹を為す者”を守るためにフツオもまた最前線に降り立つ。 グラビティ・ザギやライトニング・ザギをペンタグラムの防御障壁で跳ね返し、BRSから簒奪したレールガンで以て少しづつではあるが着実にダメージを与える。 トゥバンやラグナ、仮面ライダーの二人など前線組と共に戦い、遂には左翔太郎と剣崎一真の犠牲とトゥバンの一撃で以てダークザギを打倒することに成功する。 そしてここにバトルロワイアルの実質的な崩壊が決定づけられ、主催者たちは自ら参加者を抹殺するために動き出す。 猛進する他の参加者たちと共に襲い来る悪魔、天使の軍勢をなぎ倒し、そして遂にフツオは天使たちの指揮を務める四大天使の元にたどり着く。 ミカエル、ラファエル、ウリエル、ガブリエル。ユダヤ教に伝わる光の使徒。そしてフツオにとっては不倶戴天の怨敵。 彼らはフツオたちの姿を見て取るや、相変わらずの上から目線で降伏勧告を迫る。 だがしかし、今ここに平伏して許しを請う人間は誰一人として存在しない。 ならば消え失せろ塵芥共というミカエルによる宣戦布告が放たれると同時に。 紅蓮の斬光がミカエルの体を両断した。 言葉もなく消滅するミカエル、その光景に唖然とする他の三天使。 フツオは返す刃でラファエルの両足を切り付け転倒させ、その口腔に銃口をねじ込み引き金を引いた。 はじけ飛ぶラファエルの頭部を尻目に次なる戦闘行動を取ろうとしたフツオの目に飛び込んできたのは、ベヨネッタにより既に討伐されたウリエル・ガブリエルの肉片だった。 後衛にも損傷は皆無、戦闘時間はわずか十数秒。黒幕を前にした前哨戦は対主催の完全勝利に終わるのだった。 ―――仇討なんて気取るつもりはないけれど、少なくともこれでけじめはつけた。 フィアを私情で殺害した四大天使、その魂は完全に消滅した。 しかしそんな戦勝ムードが続くはずもなく、彼らを待ち受ける災厄は留まることを知らなかった。 そしてフツオたちが遭遇したのは、巨大なる神「ジュべレウス」。 今までの敵とは一線を画すその強さに、フツオや影狼はおろかベヨネッタさえも翻弄される。 何がしかの理由か、黒幕による作為か。座へと潜航した対主催陣営はばらばらとなり、その戦力を分散させれてしまっている。 先の四大天使程度であるならばそれでも事足りたが、これはあまりに格が違う。 最初に倒れたのは影狼だった。一際高い遠吠えを上げ、しかしそれが敵に届くことはなく火球に飲まれ消えていった。 次に倒れたのはベヨネッタだった。マハ―カーラで応戦するも、あまりの多さに捌ききれず氷塊を食らって砕け散った。 こちらの攻撃は何一つ届かなかった。眼前の敵一つ倒すことすらできず、またしてもフツオは”刹那”を失った。 今度こそ、膝が折れる。 両手から武器が落ちる。 心が力を失う。 頭上から激しい光が襲い来る。 雷球から放たれる光柱が視界の全てを覆う。 それを、醒めた目で見つめた。 僕は、どこで道を間違えたのか。 僕は、どこかで道を間違えたのか。 影狼を、ベヨネッタを救うことができず、そしてここに自分もまた死にゆくその最中。 ふと、そんなことを考えた。 そして、そこで意識は途切れた。 薄暗い闇の中、フツオはこれが死ぬ寸前に見る幻であると自覚した。 こんな自分には静かに死んでいくことすら許されないのかと一人自嘲していると、視界の端にふと、どこかで見た色が見えた。 天魔・夜刀。彼の纏う白装束の色だった。 死人である自分に迎えが来たのかと、そう独りごちるが、当の夜刀はそんなつもりではないと首を横に振った。 ならばこれは一体何なのだ、と問うフツオに、夜刀は一振りの剣を前に突き出す。 お前の剣だ。そう言って差し出されたのは紅蓮の名を冠する紅い長刀。 しかしそれを、フツオは反射的に払いのけてしまう。 剣は闇色の床に落ち、甲高い金属音を響かせる。 フツオ「夜刀さん、僕は……」 夜刀「戦うことに疲れたか?」 いきなり図星を突かれた。 まあ気持ちは分からんでもないけどな、と困った風に言う夜刀の姿に、なんだか胸が苦しくなって。 でも、もう自分は死んでしまったのだから、これ以上戦うことはできない。 結局のところ、自分にできたことは何もなかった。 天使を殺した、悪魔を殺した。神も殺し、友を殺し、家族を犠牲にしてまで戦い続けた。 だがしかし、その戦いの果てには何もなく、彼が得た物は何一つ存在しなかった。 ならばせめて仲間だけでもと、そう固く決意した思いすらも儚く消える。 フィアは死んだ、夜刀は死んだ。ウォルターも、ゼットンも、つかさも、影狼も、ベヨネッタも。自分の腕の届く範囲にいたはずの彼らはみんな死んでしまった。 そして今は、自分さえも。 強くなりたかった。あの荒廃した東京で、何をするにしても強さは必要だったから。 強くなりたかった。何を相手にしても大切なモノを守れるだけの強さが欲しかった。 それでも結果はこの通り、何も成せず無様に屍を晒しただけ。 もう眠ってしまってもいいのだと思う。充分に戦ったのだから。 目を伏せ、唇を噛むフツオの前に、夜刀は膝をついてまっすぐに目を覗き込んだ。 夜刀「その気持ちを忘れないことだな」 え、と。思わず声が出たのは仕方ないだろう。 思いがけない言葉に顔が上がる。 夜刀「どんな理想を掲げても、どれだけ純粋な心を持っていようとも。剣を振るえば血が流れ、人が死ぬ。戦いとはそういうものだ」 だからな、と夜刀は言葉を続ける。それはフツオにだけでなく、自分に言い聞かせているようにも見えて。 夜刀「お前は前に、自分が強くなることで大勢を助けたいと言っていたがな。強ければ誰かを幸せにできるなんて考えは、俺から言わせてもらえばただの思い上がりだ。 強さなんてものは結局、奪った命の数でしか測れない。戦いとは結局、相手の想いを自分の『強さ』で斬り捨てるもの。それが怖いなら剣を捨てる以外に道はない」 真っ直ぐにフツオを見据え、言葉を紡ぐ。 夜刀「それでも、例え全てを投げ打ってでも守りたいものが、お前にはあるんだろう?」 とくん、と。何かが音をたてた。 かつて誓ったあの想い。失われた日常を、消えてしまった大切な命を。これ以上失わせてなるものかと、確かに自分はそう誓った。 夜刀「確かにお前は色々と失うものが多すぎた。失ったものは取り戻せないし、泣いても叫んでも死者は蘇らない。だけどな、お前はただ悪戯に何かを失ってばかりじゃなかったはずだ」 言いながら、夜刀は地に落ちた紅蓮の騎士剣を拾い上げる。 夜刀「お前はこの剣で、確かに友を守ったはずだ」 確かに、そうかもしれない。 ゾフィーとの戦いでも、ダークザギとの戦いでも、フツオは常に仗助を気遣って戦っていた。 当然の話だ。彼はとても強いし異能も持っているが、それでも身体的にはただの人間なのだから。彼に向かう攻撃をいなし、フォローし、敵の注意をこちらに引きつけた。 だが、だからと言って自分の無能が帳消しになるわけじゃない。 自分が殺してきた数多の命に対する贖罪にはならない。 その言葉に、夜刀は違うと首を振った。 夜刀「人の死は何をしても取り返しがつかない。だからお前が何をしようと、例え自分の命を差し出そうとも、そのことに対する贖罪になりはしない。 けれど、お前が戦うことでしか為し得ないことが、確かに存在するはずだ」 夜刀の言葉に、フツオは戦慄にも似た何かを感じる。 その言葉が、少しづつ胸に染み渡っていく。 夜刀「お前がこの剣でどれほどの事を為しても、お前の罪は決して消えない。 お前の剣は多くの命を奪い、人はお前を”英雄”と蔑むだろう。 それでも戦え。罪も痛みも、全てを背負って生き続けろ」 強さとは多分、そういうものだ。そう締めくくり、夜刀はフツオに騎士剣を押し付ける。 紅い刀身を持つ長刀。敵を切り裂く鋼の刃。今までは軽々と振るってきたそれを、『重い』と感じたのは初めてのことだった。 夜刀「なんだか説教臭くなってしまったが、つまりはそう自分を追いつめるなということだ。 それにな、お前はもう誰もいないと言っていたが、あながちそうでもないかもしれないぞ」 そう苦笑しながら、夜刀はフツオに背を向け歩き出す。これからもう一つ行かなきゃいけない場所があるのだと言外に言いながら、夜刀はこの空間から消えようとしていた。 夜刀「全ての想いに巡りくる祝福を。あらゆる祈り(アイ)は綺麗ごとでは済まされない。されども」 歩みを止め、フツオに顔だけ振り向き。そしてフツオにとって初めて見るであろう笑顔を向けて。 夜刀「俺はお前を誇りに思っているよ、新鋭」 最後にそれだけが耳に届き。 そんな彼と入れ違うように、二つの懐かしい声が聞こえた気がした――― 気付いた時には、フツオは元の場所に戻っていた。 体のどこにも怪我はない。先ほどまで満身創痍であった体は完全に息を吹き返している。 だがしかし、闘いはまだ終わっていない。ジュべレウスは未だ健在、影狼とベヨネッタを欠いた現在、その戦力差は絶望的と言えるだろう。 だがしかし、もうフツオに絶望は存在しない。 それは夜刀の言葉がまだ胸にあるから。そして何より、自分の中に”彼女たち”が存在することがわかったから。 影狼に、フィア。 どんな理屈かはわからない。けれど、確かに二人はこの胸に宿っている。 それはガーディアン。護る者。宿主を守るという意味の守護悪魔は、しかしそれ以上にフツオの「守る意思」として顕在化していた。 ―――影狼の、フィアの声が聞こえる。僕はもう一人じゃないんだ。 守りたい誰かが隣にいてくれたなら、僕だって変わっていける。僕だって”強く”なれる。 その思いに偽りはないと、強く剣を握りしめ立ち向かう。 果たしてそれは奇跡だったのか。 フツオの振るう剣に、ベヨネッタが最期の力で召喚したクイーン・シヴァの巨大な拳が重なり合う。 今までの攻防でさしものジュべレウスも無傷とはいかず、故にこの攻撃を避けうる道理はなかった。 かくてその巨体は空間の壁を突き破り、節々を崩壊させながら闇の中へと消え去っていく。 ここに神は倒れ、フツオの勝利は確定した。 そしてたどり着いた深奥の広間。そこには全ての元凶の一つでもある聖四文字の姿があった。 ともすればジュべレウスすら凌駕しかねない圧倒的な力。神域の存在とも言うべきそれに、しかしフツオは怯みはしない。 何故なら自分は一人ではないから。同じく広間にたどり着いた他の対主催や、自らの胸に宿るガーディアンがいる限り、自分は決して諦めたりなどしない。 座に住まう水銀へと挑むチーム・サティスファクションの面々と全く同じタイミングで、彼らはYHVHに最後の戦いを挑んだ。 やはりというべきか、YHVHの持つ戦力はフツオたちですら及ばない域にある。 それは仮にも覇道の神であるカールクラフトにすら拮抗できるものであるが故に、ただの人間である彼らに打倒できる道理はない。 ユーリが倒れ、ハクメンが倒れ、しかしそれでもフツオたちは諦めない。 そんな死闘の最中、後方で守られるように立ち尽くす白野蒼衣はYHVHに問いかける。 貴方の目的は一体なんなのですか、と。 その問い、ともすれば掻き消えてしまいかねないほど小さな問いに、しかしYHVHははっきりと答えを返した。 人を、世界を導くことだ、と。 人はどだい、完全とは言い難い愚かな生き物。自分ひとりでは立ち続けることすらできない。 秩序の下に法を敷こうが、人が自らを律することができない以上永い繁栄を齎すことは不可能である。 ならば混沌を敷けばどうであろうか。 血で血を洗い、破壊と殺戮が生み出す混沌の坩堝。その中にあって人は一体何を望むだろうか。 それは秩序。それは平穏。自分で何もできないが故に絶対者に支配を求め、それに縋る。 人が自分で立てないというのであれば、神が人を立たせよう。 まずは破壊を。そして来るべき再生を。 全ては我が救いたもう。 その言葉に苦笑したのは、いったい誰だったか。 人を救うと嘯いて、しかし当の人間は置いてきぼりにされている。 そんな詭弁を有り難がる人間が、いったいどこにいるのだろうと。 蒼衣「仮に神様が人を救う存在だとして、でも人は神様に一切救いを求めてないとして。 それでも人を救おうとするアレは、いったいなんなんだろうね」 フツオ「決まってる。人はそれを悪魔と呼ぶんだ」 最早問答は無用だった。 あるいはその問いが最後のパーツだったのか、ここに蒼衣の断章は発動条件を満たす。 相手を心底理解し、その考えを共有すること。 夢の終わりを告げる断章【目醒めのアリス】がここに本領を発揮する。 《本当の君は、なんだ?》 蒼衣の断章詩が紡がれる中、フツオは思う。 確かに人は何の助けもいらないほどに強くはないが、それでも全てを押し付ける救世主を必要とするほど弱くもない。 人生とは選択の連続だ。時に迷い、時に挫折し、選んだ道を間違えることもあるだろう。 《君の好きにすればいい。君の本当の形は君しか知ら ない。誰も君の形を縛ってなんかいない》 だけど、選んだ道の正否に問わず、それを後悔しないためにはまず「自分で選ばなければ」ならない。 他者から押し付けられた道など、どれだけ正しかろうと納得できるものではないだろう。 故にこそ、人は天上に在って運命を玩弄する絶対者など必要としていない。 神は太陽のように、全てを照らすだけでいいのだ。 《変われ》 そしてここに全ては決着を迎える。 混沌の果てに救済を望んだ神はその悪夢の全てを還され、混沌の物語は人界の魔王の手により消滅する。 ただ愛する女による終焉を望んだ神は盟約通りに願望を成就させ、全ての発端となった座はチーム・サティスファクションの手により解体された。 そしてすべてが終わったその場所で、フツオと仗助は二人だけになってしまったチーム不良のメンバーとして向かい合う。 死者は帰らない。失った物は取り戻せない。 子供でも理解できるほど簡単な、しかし大人でも納得できないその節理。 何もかもが上手く行って、誰も傷つかなくて、みんなが幸せになれる都合のいい答え。何故それは存在しないのだろうか。 かつて仗助が呟いたその疑問。かつては答えられなったそれに、しかし今ははっきりと答えることができた。 「――――僕たちが神様じゃないからだよ」 一瞬の刹那であること。人は幻想になれなくて、だからこそ理不尽な目に遭うこともあれば何もかも上手くいかないときもある。 けれど、けれど。 「それでも、僕たちは立ち上がって前に進まなきゃいけない。僕たちにできることをやるしかないんだ」 それでも諦めず、前に進むこと。 世界の矛盾に目を逸らさず、己の罪に目を背けず。 泣き、笑い、傷つき、愛し。 どこまでも、空を見上げて歩き続けるという。果てしない、戦い。 「それでも僕たちは生きている。そうである以上、決して止まることはできない」 それが、彼の出した唯一無二の答え。 罪も痛みも背負って歩くという、終わりのない道程。 出会いがあれば別れがあり、それは決して避けることはできない。 しかし彼らはそれでも涙を見せることはなかった。どれだけ場所を隔てようと、たとえ世界が違おうとも、紡いだ絆や過ごした思い出は決して間違いではなかったのだから。 「ありがとう、仗助。――――元気で」 「ああ。――――またな、フツオ」 そしてフツオは帰還する。 荒れ果てた、しかし確かに自分の帰るべき場所へ。 混沌ロワにおけるフツオは、藤井蓮と並び何かを失い、その中で足掻く一人の人間として描写された。 全てを救える”英雄”でもなく、何にも動じない”超人”でもなく、ただ一人の人間として他者と触れ合い、傷つき、そして成長した姿は変化し続けるという混沌ロワの命題に誰よりも近かったと言えよう。 続編である真・女神転生Ⅱの世界においてロウの勢力が台頭したのは、Ⅰのエンディング後にザ・ヒーローが人を導かなかったためとされている。 しかしフツオは、フィアや影狼、チーム不良の仲間、そして他の友人たちと共に戦い、人の繋がりの大切さを知った。 故に心配はいらないだろう。人は神に縋ることなく、悪魔に魂を売り渡すことなく、自らの強さを知り喜び学んで生きていくのだ。 子供のように、無邪気に奇跡を信じるのではなく。 大人のように、ただ現実を受け入れるのではなく。 この世に死があることを知り、悲しみがあることを知り、絶望があることを知り。 それでも、明日を夢見ることを諦めないこと。 いつかの未来、復興を遂げた東京の街に佇む英雄像は、涙を流すことなく静かに微笑んでいた。
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【傷だらけの天山乗り、ガリアを遠く眺めるラフライダー】 軍艦「日向」。後には「伊勢」も参加する第七航空戦隊隷下の戦闘第六六六航空隊は、 変わり種の人材が集うことで、後世にも名前を知られている。 指揮官からして、良くも悪くも有名な出雲財閥の末娘であり、他にも上官へ歯に衣を着せないカールスラント空軍のベテランエース、 戦闘神経症からアルコール依存症になりかかったオラーシャの戦爆屋、陽気なことこの上ないが特異過ぎる趣味を持つロマーニャの若手、 後に戦隊作戦参謀と結ばれた重爆キラーのエースなど、普通の(まともな)人間を捜す方が難しいほどである。 以下に述べる物語も、そんな六六六空に引き寄せられた、色々な意味で変わり種の2人組である。 片や対地攻撃のエキスパート、片や「傭兵」の戦闘脚乗りと、全く分野の異なるウィッチ2人であるが、 ある意味では、彼女達も招かれるべくして、この航空隊へやってきた。 そのように考えるべきかもしれない。以下、拙い記述ではあるが、その経緯をお読みいただければ幸いである。 *一九四四年九月一五日、一三二〇時、ガリア共和国ストラスブール郊外野戦飛行場。第二爆撃航空団指揮所 「司令、先任参謀。入ります」 「どうぞ」 カールスラント空軍第二爆撃航空団。航空機械化歩兵の多くが制空戦闘任務に就くのに対し、 この部隊は対地攻撃のエースが集まる、陸軍部隊の航空支援エキスパート部隊として勇名を馳せている。 近年のウィッチ航空部隊の中では、珍しい部類に入る航空団である。 何しろ指揮官からして「爆撃王」の名前を賜った、エクスウィッチなのだ。 「アーデルハイトか…その顔色では、やはり彼女の様子か?」 「ええ、ハンナ。正直、彼女は後方に回すか、地上勤務への転属を薦めるべきかもしれません」 航空団司令ハンナ・ルーデル大佐。航空団先任航空参謀、アーデルハイト・ガーデルマン中佐。 何れも、嘗てはスオムス方面で対地攻撃任務に勇名を馳せ、その後も戦線を転々としつつ、無数のネウロイを。 幾度となく自らも撃墜されながらも、時には五〇〇ポンド爆弾で、時には三七ミリ機関砲で破砕してきた、 世界各国を見渡しても、対地攻撃任務のスコアで凌駕されたことのない、不屈のエース達であった。 二十歳を境に魔法力減退受け入れざるを得ず、現在は部隊指揮官。あるいは参謀として辣腕を振るっている。 直接の陣頭指揮は、最早為しうることは出来ないが、彼女達の薫陶と教訓を受け継いだ部隊の、技量と士気は高い。 先日、四四年九月初めにガリアが解放されてからは、早速といってよい迅速さでライン川近隣方面へ展開。 カールスラント奪還を目指し、この航空団は陸軍部隊の守護神として活躍している。 だが、そんな彼女達であっても、出来ることと出来ないことは、どうしても存在していた。 「私も久方ぶりに、部下の報告を疑うという行為を思い出しかけました。こちらを御覧ください」 アーデルハイトの持参した一枚の書類は、飛行計画書と報告書であった。 無論、実働ではなく教練戦闘飛行であるが… 正直なところ、航空学校を修了したばかりの若手かと見まごう、精彩を欠いたフライトであった。 そして、これが本当に新米の行ったものであれば、まだ良い。 しかし、このようなフライトを行うほど飛行時間が短いウィッチは、この部隊に存在しないのだ。 「ベルタ・エッカート少尉…正直、惜しい腕前だ。扶桑のストライカーユニットを縦横に活用して、 30mmでネウロイを撃ち抜く腕前は、私の目から見ても有望株と、今でも考えているが」 「やはり戦友を1人、自分のせいで再起不能にしてしまった。 その思いこみが相当に響いているようです。元々が繊細な若手でもありましたから」 「知っているよ。そうでなければ、異国のストライカーユニットをあそこまで、手足のように活用できるはずもない」 彼女達が話している内容は、若手の対地攻撃ウィッチの1人のことであった。 ベルタ・エッカート少尉。 16歳にして空軍少尉と、階級と年齢は至極普通の人材であり、部隊の中でも大人しく、物静かな人物である。 但し、慎重さに裏付けられた飛行技能。特に、恐怖心に狩られやすく、若手には難しいはずの低空追従飛行技能は、目を見張るものがあった。 カールスラント空軍が、自国のJu-87の旧式化に伴い、扶桑皇国より試験的に導入した長島飛行脚製・攻撃機型ストライカーユニット「天山」。 この貴重な、尚かつ低空高速飛行に適正のある新型ユニットを与えられた後、彼女の才能は開花した。 それこそ高度20メートル未満を平然と飛び交い、執拗に三〇ミリ機関砲を陸戦ネウロイに浴びせかけ、かなりのスコアをあげている。 「あれはスツーカより足が速いが、舵等々にかなりの癖を持っている。 それを使いこなして地上のネウロイを、誤射を殆ど起こさずに撃ちぬいてくる。繊細で才能がなければ、難しい所業だ」 「私も一度だけ飛ばしましたが、エンジントルクが凄まじいですからね。それを使って、陸軍から-」 そしてベルタのユニットには陸上部隊からもよく見える、ユニットに太い、白帯が記されている。 友軍からの誤射を避けるための塗装であるが、今は別の意味合いを持っている。 「ネウロイという病巣を的確に摘出する白衣の技師」 そのように親しまれ、たたえられており、ルーデルの目から見ても「今後のエース候補の1人」として、密かに期待を寄せていた。 自分のような、急降下爆撃を主体とした戦闘スタイルとは異なる。 たとえラロスから上空に被られても、巧みな回避機動でやり過ごし、陸軍部隊の正面から、 陸戦ネウロイを叩き出すまで戦い抜くメンタリティは、対地攻撃ウィッチとして必要な、しかし得難い才能であった。 「ですが、自分を庇った戦友が、最早ウィッチとして空を舞うことは出来ない。 その事実までは、容易に受け入れられていません。正直、今の彼女を迂闊に最前線へ出した場合。死にます、確実に」 アーデルハイトの声音は冷たいものであったが、彼女の怜悧な相貌には深い憂慮が浮かんでいた。 激戦地域ではよくある話だが、その日はジグラッドや多脚戦車を中心とした、中大型ネウロイ多数の浸透突破が執拗に繰り返されていた。 当然、第二爆撃航空団も出撃を繰り返し、陸軍部隊の支援を行ったが、精鋭部隊のウィッチも整備兵も人間であることに違いはない。 出撃が続けば疲労も心労も蓄積し、集中力は低下する。エッカート少尉もその例外とはなり得なかった。 普段なら余裕を持ってかわすことの出来る、ラロス改の緩降下攻撃によりユニットに数発被弾。 大きく速度を落とし、不時着か墜落か。何れかしかない状況において、 この方面へ一個航空群を派遣していたロマーニャ空軍のウィッチが、彼女を救ったのだ。 彼女も激戦の中、主要火器のブレダ12.7ミリ機銃を撃ち尽くし、サイドアームとしてやむを得ず装備していた、 M30型機関銃-粗悪品として名高い-を至近距離から撃ち込み、撃墜することに成功した。 しかしながらその際、恐らくは戦闘爆撃タイプであったラロスの大爆発により、脊椎を含む体幹部に重傷を負ったのだ。 この爆発の余波により2人とも結果として不時着。シールド出力の強力な天山に助けられたエッカート少尉は、至極軽い負傷で済んだ。 「正直、私も似たような経験はしたことがある。だが、誰もがそれを乗り越えられるとまでは思っていない。 彼女が若手と言うことを忘れ、能力を過信し出撃命令を出した私の責任だ」 高い運動性能と引き替えに、防御力を些か犠牲にしたMC202型ストライカーユニットを履いた、 ロマーニャの勇敢なウィッチは、救助に来たカールスラント陸軍装甲擲弾兵と衛生兵が、一瞬息を呑むほどの重傷を負っていた。 幸いにして、同道していた治癒魔法を持つ陸戦ウィッチによる応急処置。 試験的に導入されていた救難用ヘリコプターによる野戦病院への後送により、 彼女は一命を取り留め、常人としての生活は送れるであろうと軍医は診断している。 しかしそれは、つまり二度と空を舞うことは出来ないと言うことだ。 当人は「戦場ではよくあることだし、気にしなくて良いよ」とエッカート少尉を気遣ったが、 自らの不注意が1人のウィッチの将来を潰したことは、彼女の軍務に於ける能力と態度から、精彩を大きく奪っている。 「いまは責任問題をどうこうしても、意味はないでしょう。 ハンナ、やはりあの提案を、正式な命令としてしまっては?」 「連合軍の『提案』…か。物の見事にライン以東奪還作戦に失敗した、 阿呆の提案というのは不安だけれど、海軍の軍艦へ載せる。それは一種の治療にはなるかもしれない」 航空戦艦「日向」。 扶桑皇国海軍「伊勢」型戦艦二番艦にして、14インチ級主砲を有する戦艦としては最も有力な存在として、平和な時代には勇名を馳せた戦艦。 そして今は、第五砲塔爆発という大事故の後、船体後部を空母のように作り替えられ、「航空戦艦」という異形のキメラになり果てた大型軍艦。 当然、扶桑海軍航空隊がまともなウィッチや艦載機を回したがるはずもなく、 現在、形振り構わず連合軍などを経由し、搭乗ウィッチを掻き集めているのは、かなり有名な話となっていた。 「肝心の少尉は、今どうしてる?」 「現在は飛行配置、当直配置からも外れて非番です。外出許可の提出も受けています、行き先は…」 ああ、見当は付くよ。 そう言ってハンナ・ルーデル大佐は、スオムス派兵当時に知り合ったブリタニアのウィッチ。 彼女より薦められて以来、自然と馴染んでしまったダンヒルを、アーデルハイトにまず薦め、 各々に勝手にオイルライターで火を付け、紫煙を吐いた。 指揮官や高級参謀、特に元ウィッチという一線部隊にとっては単なる上官ではなく、「姉」「先輩」とも見られる人間は、うかと溜息などつけない。 これが、彼女達なりの溜息の代替手段であった。 無論、身体能力に支障が出るほどのヘビースモーカーには陥っていないが、こう言うときには役に立つ。 「一服やってからでいい、発令書を制式に記す。確か天山は艦上機だったな」 「腹は決まったようですね、ハンナ」 「このままでは『白衣の技師』にまで、医師が必要になってしまう。 それは最後の手段としておきたい、ああ言う真面目な奴は思い詰めると、な」 エッカート少尉、軍隊での命令に伴う責任は、命令を出した人間が負うんだ。 頼むから、私の責任を勝手に奪って、自分を潰さないでくれ。まだ16歳だろう? 自らも未だ、25歳である若いエクスウィッチの大佐は、言葉には出さず、紫煙に乗せて、 指揮官としてこれから行う命令が、幾ばくかでも彼女の将来を拓ければいい。そんな思いを、徐に吐き出した。 *一九四四年九月一五日、一四一〇時、ガリア共和国ストラスブール市内、野戦病院 元はガリア共和国の国営総合病院を借り切った、臨時の前線野戦病院。 数階建ての鉄筋コンクリート造りで、ネウロイの襲撃からも奇跡的に焼け残ったそれは、なかなかに立派なものであった。 一般的な野戦病院のイメージ、天幕の中で苦吟する負傷兵やトリアージを無表情に行っていく軍医、衛生兵という印象からは、大分離れている。 現在の所、欧州西部最前線であるだけに、各国軍は相当に医療施設にも気を遣っていた。 数年前の欧州撤退で失われた精兵は、ウィッチだけではない。 今や、実戦を数度経験している将兵というのは、何処の前線国家でも宝石より貴重なのだ。 ガリア、カールスラントなど、一度は本国を失った国々の国軍は特に、そういった実状を痛感し、知悉していた。 この野戦病院などは当初、扶桑やリベリオンの病院船から一部、スタッフや機材を駆り出してまで作られている。 「その…具合はどうです、まだ、痛みます?」 「いやさあ、正直あんたの顔色の方が心配だよ。真っ青じゃん、ちゃんと寝てる?」 その中庭。主に歩行困難者がリハビリを行う区画で、エッカート少尉は戦友の見舞いに訪れていた。 とはいえ、その戦友のロマーニャのウィッチが指摘するとおり、面長のそばかすが多少目立つ顔立ちは、青白く、やや頬も痩けていた。 元々が小柄で痩身であるが、今はその印象が更に強い。 見舞われた患者であるロマーニャ空軍、エルザ・アントーニ中尉が寧ろ心配になるほどであった。 「私は、特に体におかしなところはないですから…そういえば、これ、頼まれていた奴だけど」 「おー、これこれ。何でもうちの空軍のウィッチが作ってるって噂なんだけど、面白いんだよねえ」 エッカート少尉がアントーニ中尉に手渡したのは、一見地味な装飾の。 しかし中はかなり派手な、というよりは些か刺激の強い内容のカートゥーンであった。 ベルタ本人は何が良いのかよく分からないが、彼女が喜んでくれるのであればと、 戦地後方でも逞しく開業している書店で、よく「お使い」に行っている。 その度に店主がなま暖かい視線を向けてくるのは、最早気にしないことにした。 一通り、些かどうかと思われる内容のカートゥーンを楽しみながら、 エルザは口調も視線の向きも変えないで、エッカートが今一番、懊悩している内容に切り込んできた。 「ベル、あんたはもう飛ばないのかな?」 「…え?」 「私も12の頃から飛んでるし、脱落したり戦死した奴も見てるよ。 あんた、まだ引きずってるでしょ。顔を見れば、誰だって分かるだろうけど」 「それは…」 こう言うことになって、初めて深く話すようになったのだが、エルザは自分より一つ年上であり、 尚かつ飛行時間は1100時間とかなり長い。それだけに、自分よりも随分と色々なものを見ていたようだ。 その、年齢相応以上の経験から、何かを見て取ったエルザは、まあ仕方ないかと本をパタンと畳み、表情も口調も穏やかなまま。 しかし、視線だけはしっかりとベルタに据えて言い放った。 「私はもう一度飛ぶよ。今は魔法繊維のコルセットして、杖をつかないと歩けなくても。 絶対にもう一度空に上がる。軍医や上官が何と言おうと、カールスラントにもそんなエースがいるみたいじゃない」 「まだ、諦めてないんですね…」 「私も不時着したのは初めてじゃないもの、それにね。 一度救助に来てくれた陸戦ウィッチが、こう励ましてくれたことがあるんだ」 どんな顔をすればいいか分からないベルタに対して、エルザは少し浅黒い顔に、衒いのない笑みを浮かべて伝えた。 「不時着しようが、撃墜されようが、生きて帰ってもう一度空に上がってこそ、一人前のウィッチだって。 何か男の子みたいな外見だったけど、本当に男前だった」 「…有り難う、エルザ」 「扶桑からの話、受けちゃったら?」 「え!?」 ベルタは不意を衝かれ、思わず腰を浮かした。ルーデル大佐からの転属提案は、まだ結論を出していない。 些か強引なところのある彼女としては珍しく、暫くは判断は任せると、考える時間をくれたのだ。 何より、一応は軍命というのは、相応の軍機に該当するものであり、 如何に一六歳の少尉といえど、おいそれと部外者に話すことはない。私、一体何処で口を滑らせて-? 「あはははっ、冗談。うちの飛行群と同じ飛行場の、カールスラントのウィッチが、そんな命令を受けてるの耳にしちゃってさ。 ベルのユニットは艦上機だから、もしかしてと思ってカマかけたの」 「酷いよエルザ、バレたら野戦憲兵に連行されちゃいますよ!」 「大丈夫、口はこれでも堅い方。でもさ」 それまでの笑顔を少し引き締め、エルザはやや真剣な口調になって問いかけた。 「私は、その命令を受けた方が良いと思うよ。環境が変われば人間、心も変わる。 何時までも、過去のことに縛られて、そんな真っ青な顔をして。ベルは飛びたくないの?」 「…飛びたいですよ、でもあの時のことを思い出すと、体が固まって、すくんで、動かない」 疲労と恐怖で強張って、普段と違い全く言うことを聞かない体と魔法力。 着々と近づいてくる敵弾と飛翔音、上空からの射撃、そして目もくらむような大爆発。 気づけば、自分は天山の強力な不時着時シールド展開装置、そして樹林の枝に受け止められかすり傷で済んだが、 目の前には背中一面に、ざっくりと深い傷を負い、そこから吹き出すように血を流す、見慣れない顔のウィッチ。 あの日のことが、ストライカーを身につけるたびに、否応なしに思い出されるのだ。 「まあ、無理強いはしないけど…っていうか、命令出すのは、あのスツーカ大佐だろうし」 「中尉、少尉、申し訳ありませんが、そろそろ面会時間の終了時刻です」 ふと気づけば、2人の側に女性従軍看護士が、些か気まずそうに立っていた。 あれやこれやと話し込んでいる間に、時間は夕刻に近づいていた。 帰隊時刻を考えれば、そろそろ帰られねば脱柵扱いになってしまう。 「ごめん、エルザ。かえって余計な心配かけて…でも有り難う、少し、考え直してみます」 「おー、その時はあの本の新刊。またよろしくねー」 「また私が買いに行くんですね…」 男性同士の恋愛の何が良いんだろうと、げんなりした顔をしながら背を向けるベルタをひとしきり笑い、 正門まで見送り、看護士の助けを借りながら病室へ戻る途中、エルザは、ある事柄を起こす決心を固めていた。 (少しショック療法になるかも知れないけれど、やってみるか…) 「看護士さん、すいません。 原隊へ明日、電報か電話で連絡を取ることは出来ますか?」 ベルタ・エッカート少尉がハンナ・ルーデル大佐から、扶桑皇国海軍出向を制式に命じられたのは、その日の晩。 そして、エルザ・アントーニ中尉から「こいつをお守りと思って元気出せ!」と、威勢の良い文体で描かれた張り紙のされた。 粗悪品として悪名高い筈が、まるで新品のMG42のように整備しつくされた、 ブレダM30型機関銃が届けられたのは、その翌日の午後のことであった。 それが全てのきっかけとなったかは分からない。 しかしベルタの苦悩に一区切りをつけ、心に宿した魔導エンジンに火を灯す要素の一つとなったのは確かだったようだ。 「司令、私も迷うだけなのは止めました。理由は聞かないでください、 只、扶桑へ赴く前に、徹底して天山で飛び直しておきたいのです。ご許可願えませんか」 彼女が、何かを思い詰めた。しかし腹の据わった顔立ちで、 ルーデル大佐直々へ実戦訓練飛行再開の許可を取り付けに出頭したのは、その直後のことであった。 未だに完全ではないのかもしれない、何処かに強い恐れも残っているであろう。 しかし、ベルタ・エッカートという少女が、只、怯え続けるのを止めたことだけは、確かであった。 「良い心構えと面構えだ、少尉。宜しい、ならば私が直々に指導しよう」 「ハンナ、止めてください。もう一度私をスツーカドクトルに戻したいんですか!?」 「飛ぶだけならお前もまだ大丈夫だろう?」 「そんな何処かの扶桑のウィッチみたいな暴言を、指揮官自らが口にしてどうするんです!」 *一九四四年一〇月六日、二〇三五時、ガリア共和国ブレスト上空 (妙なことになっちまったなあ・・・) カールスラント空軍JG78第三中隊所属。ジャンヌ・ヴァルツ曹長は、現在自分が置かれている境遇を、しみじみと振り返った。 今年の九月に、あの第五〇一統合戦闘航空団により、ガリアのネウロイハイヴが破壊された。 自分たちの飛行隊もアルザス・ロレーヌ地方。未だにネウロイの勢力圏下にある、カールスラント奪還を目指して、一路大陸に展開した。 そこから順当に行けば、自分たちは作戦の正否は別として、あの戦域で戦い続けていただろうし、ジャンヌ自身もそれが当然と思っていた。 しかし今は、どういうわけか、連合軍直轄輸送航空団が多用するリベリオン製DC-3型輸送機。 その、尻が痛くなりそうな硬い合成樹脂バンドの座席に収まっている。 武装とストライカーユニットは後部貨物区画に預け、目の前には自分よりも一つか二つ、 年下に見える口数の少ない。何かを思い詰めた風情の少尉のウィッチがいる。 (しかも行き先は扶桑の艦上飛行隊と来たもんだ。得体の知れない少尉ドノと一緒に。 傭兵稼業を続けて数年目、まさか欧州だけじゃなく東の果てにまで「輸出」されるとはねえ) 彼女の眼前にいるウィッチの少尉、ベルタ・エッカートとも幾らか言葉を交わしたが、 余り転属理由は語りたがらず、互いに共通の話題である転属先。 扶桑皇国海軍第六六六航空隊についても、少尉はそれほど話に乗ってこなかった。 階級を笠に着るようなタイプではなく、幾らか会話を交わした内容。そして雰囲気から、明らかに修羅場を相当に潜っている。 しかしながら、今はその物静かそうな顔立ちを、強い決心とも、思い詰めすぎているとも見える表情で、強張らせている。 「ま、しゃあないか」 その一言だけを呟き、ジャンヌは軽く目を閉じた。 どのみち、これから一〇日はかかって扶桑とか言う、極東の果てまで赴くのだ。 その間に話す機会も作れるだろうし、それが出来なかったとしても、どうということはない。 そういう状態には、カールスラント空軍航空機械化歩兵に志願し、任官した時から慣れっこでもある。 (故郷を取り戻したと思ったら、故郷はすっかり気まずくなり、相も変わらぬ傭兵稼業… 悲観ばかりしてもしかたない。人間、なるようにしかならないやね) そう。彼女はカールスラント空軍のウィッチではあるが、カールスラント人ではない。 彼女の国籍、血統は紛れもなくガリア共和国の人間であった。それが何故、他国の軍隊にいるのかは… (思い出すのも馬鹿馬鹿しいほど、遠い話だよなあ) *一九四四年九月二八日一三五〇時、アルザス地方上空四五〇〇メートル (ええいクソッ、あのヒヨッ子小隊長め!) 第三中隊第二小隊の二番機を務めるジャンヌ・ヴァルツ曹長は、口には出さずに内心で悪態を付いた。 自分がお守りを任された、ノイエ・カールスラントの空軍士官学校を出たばかりの小隊長は、ようやく飛行三〇〇時間を超える程度の中尉であった。 使っているストライカーユニットは自分と同じ、メッサーシャルフBf109G2だが、 DB605エンジンのパワーに振り回され、飛行の軸線そのものが安定していない。 そして言うまでもなく、そんなカモには等しくネウロイは食いついてくる。 ジャンヌが防寒用に巻いた私物のマフラーと首筋がこすれるほど、周辺を常に見渡し、 何とか回避してきたが-MERDE!!!また、上から被ってきやがった!! 「エルベ32より31、上空よりラロス-bis二個小隊、降下で突っ込んできます!」 「り、了解!小隊はこれから反転上昇-」 (ああもう言わんこっちゃない!) 今から反転上昇などすれば、降下速度で勝る相手とマトモにぶつかり、一方的に叩かれるだけだ。 何のためにメルスが高い降下性能を与えられているのか。航空課程で教わったことを、初陣のパニックで全部忘れていやがる! ジャンヌは三番、四番機を務める、小隊長よりは余程長く飛んでいる少尉、軍曹のロッテに、 ストライカーユニットの飛行灯で合図を行うと、徐に小隊長のメルスに突っ込み- 「少し痛みますけれど、我慢してくださいよぉ!!」 首根っこをひっ掴んで、強引に降下させた。 何かを叫ぼうとしているが、今、降下状態にある中で迂闊に喋れば、舌をかみ切りかねない。 ジャンヌはマフラーを抜いて中尉の口に突っ込み、そのまま女性としては大柄な170cmを越える体躯と、 それに相応しい膂力で小柄な新米小隊長を抱え込んだまま、400マイル以上の速度で急降下。 一気に高度を2000m以上落とす反面、速度と距離を稼ぎ、ラロス六機の射撃をかわしきった。 見れば、三番、四番機も無事に付いてくる。一息つき、小隊長の口からマフラーを引き抜くと、 彼女はげほげほと咳き込み、半分涙目になりながらも、ジャンヌに食ってかかろうとした。 「そ、曹長!一体上官の命令を何だと-」 「小隊長、アンタ死にたいんですか!?」 ジャンヌの精悍な、女性としては些か迫力のある-何しろ彼女は五年間実戦をかいくぐり、既に飛行時間は一六〇〇時間を超えている- 顔立ちと迫力、そして底響きのする怒声を浴びせられ「ひっ」と、新米の、一五歳の中尉殿は黙り込んでしまった。 「小隊長の背後は私が守ります。しかし、あんなところで反転上昇したらどうなるか、 航空学校で習ったでしょう!蜂の巣ですよ、私ら全員が!!」 「曹長、そのあたりにしておきなさい…中尉、ジャンヌには後で言って聞かせます。 しかし、彼女の言うことは間違ってはいません。 今回に限って、私が指揮を執りますから、それを見本にしてください」 三番機を務める少尉は、軽く目配せでジャンヌに謝意を示した。 事前に取り決めてあったのだ、初陣の小隊長がヘマをしでかした場合、 ドスの利いた声と膂力で自分が押さえ込んで離脱させ、一端は叱りとばす。 その上で、比較的温厚な少尉が自分を窘めるふりをして、指揮権を継承する。 ある意味では、ジャンヌにとっては損な役回りであるが、最早今更気にもならない。 (ガリアからの傭兵風情は、こうでもしないと弾かれ者だ。何より元々-) 『エルベ41より近隣小隊、ケファラス一個中隊と交戦中。 奴等、装甲師団のデポを狙ってる。至急援護頼む!』 「中尉、でしたら今回に限って、私とロッテを組んで下さい。ジャンヌ、お前はグロリアと」 「了解、軍曹。頼むよ!」「任されました」「…分かったわよ」 三者三様の返事に軽く嘆息した少尉に同情しつつも、ジャンヌは周辺監視を怠らない-というか、怠れない。 この部隊の技量は、新米小隊長ドノを除くとけして低いものではないが、今日は数が多い。 さっき振りきった連中は、別の中隊と交戦中。エルベ41が援護を要請してきたのは-まずい!先頭機は既に爆撃コースに入ってやがる!! 「少尉、こっからじゃ普通の手段じゃおっつきません。恐縮ですが-」 「行って来い、曹長。こっちは何とかする!」 「Ja!!」 すっと一息吐くと、ジャンヌは徐に体内の魔法力。それが循環するイメージを脳内で描き-それを爆発的に加速させた。 知らず知らずの間に、唇が凶悪な角度につり上がり、新米小隊長の怯える声が聞こえるが、最早知ったことではない。 先ほどの降下で不良装填を起こした愛銃、ブラウニーM2重機関銃 -カールスラント空軍では、国外出身の志願兵にリベリオン製機銃を与えることが多かった-を再装填し、 ジャムッた50口径弾を吐き出すと、凶悪なまでに放出された魔法力をDB605魔導エンジンに叩き込み、 メルスを先ほどの降下とは比較にならない速度で加速させ、ディオミディアの先頭機へ突っ込ませた。 「な…何なのあれ、滅茶苦茶よ…」 「あれが奴の固有魔法です、一時的に魔力を意図的にブーストさせて…暴れ回るんですよ。 中尉、少し奴から距離を取って接敵します」 「少尉の言うとおりですよ、あの状態の曹長の近くにいたら、最悪、殴り殺されます」 あっはっはっはっ…!! 良い、良いじゃないか。やはりこの感覚を実感しないと、戦った気がしない。 自分の眼下にある故郷を焼き払ったネウロイを。 そして自分の生活を木っ端微塵にしてくれた、ネウロイだけではない何かへの怒りを。 何もかもを放り出して、遠慮なく叩き付けてやれる。 今や犬歯さえむき出しにして、獰猛に笑いながら、 450マイル以上で降下接近するジャンヌは、当然ネウロイの防御砲火を浴びる。だが。 「邪魔だぁっ!!」 一時的に強化された魔法力、それに伴い格段に強化されたシールドで押しのけ、 殺すと決めた先頭のケファラスへの突進を止めない。距離八〇〇、七〇〇、六〇〇、五〇〇!砕けちまえ!! 同じく強化された彼女の魔法力を受け取った五〇口径徹甲弾を、 ブラウニー重機関銃が重い銃声と体の芯に響く振動-何れもが寧ろ心地よい-と共に、一気に吐き出し始める。 半ばバーサーク状態にありながらも、長年の実戦経験に基づいた彼女の見越し射撃は、 正確に狙った中型爆撃機型ネウロイを撃ち抜き続け、四散させる。 先頭機を破砕され、編隊が乱れたケファロスにエルベ41-第四小隊が次々と食らいつき、MG42の射撃を浴びせて脱落させ始める。 悪くはない、悪くはないけれど…もう少し、暴れさせて貰うよ! この固有魔法には、もう一つの副作用があった。普段は大ざっぱでありながら、 周辺の目配りを欠かさない慎重なジャンヌを、一転して戦闘的な性格に書き換えてしまうのだ。 こうなってしまった彼女は、戦友達から密かに「バーサーカー」とさえ呼ばれている。 本人も、その危険性は自覚しており、固有魔法発動のタイミングは、上官や周辺部隊の状況次第で慎重に決めるが、 一度発動してしまえば、一〇分以上は止まらないのだ。何もかもが。 降下速度を反転上昇により、一気に上昇力へ転換させ、次々に集ってきた他の小隊、 中隊が叩き切れていない一機のケファラスに狙いを定める。 先ほどと異なり、今度は敵機の頭を下から突き上げる形で狙い、M2重機関銃の引き金を引くが、 銃口は沈黙したままだ。軽く舌打ちし、素早くバレルロールで回避する。 防御射撃をシールドで弾き返しながら愛銃の様子を見れば、どうやら本格的に機関部がイカレたらしい。 M2は信頼性の高い重機関銃であるが、航空機関銃として用いるには些か故障が多いと、 技術将校がこぼしていたのを、頭の片隅に存在する冷静な部分で思い出していた。 「だったらぁ…!」 ジャンヌは血走った目元のまま、重量三八キロはある重機関銃。 ウィッチが用いることを想定し、ライフル型のグリップとトリガー、銃床式に改造されたそれを、 バトンのようにぐるりと回すと、未だ熱を持つ銃身を掴んで、先ほど自分が殺し損なったケファラスへ、再度降下突撃を開始する。 心なしか、ネウロイに感情など存在するはずがないのに、酷くそれが怯えたように見えた。 それが、一時的に高揚しきったジャンヌの嗜虐心を、一層刺激した。 眼前にケファラスの巨体が迫るのと同時に、彼女は、思い切りブローニング重機を振り上げる。 「今、楽に…してやるよ!」 追いついた彼女の所属する第二小隊の面々が見たのは、シールドを限界にまで高めながらケファロスにまとわりつき続き、 巨大な重機をハンマーのように振るい、ケファラスを「撲殺」している、ジャンヌ・ヴァルツ曹長の姿であった。 この日のJG78の戦果、大型2機、中型6機、小型10機撃墜。被弾負傷3名。全て軽傷。 ジャンヌ・ヴァルツ曹長の戦果、不幸なラロス-bis1機、そして重機の射撃と打突により破砕しケファラス2機撃墜。 損害、ブラウニーM2重機関銃全損、メルスBf109G2中破、曹長当人は随所に擦過傷を負うも意気軒昂。 流石に身を案じ、半ば譴責するように問うてきた少尉に対し、固有魔法が解けた彼女は細かい傷が幾つか増えた顔を、 満足げに笑みで歪め、けろりとした顔でこう言ってのけた。 「まあ、全員生きて帰れるんだから、それで良いじゃないですか」 *一九四四年九月二八日一七三〇時、JG78展開航空基地司令部 とはいえ、あれだけと色々しでかし、何の譴責も呼び出しもなく見逃すほど、軍隊という組織は甘くはない。 医務室で簡易応急手当を受け、数時間の休養を軍医が気遣って取らせた後のジャンヌは、 当然のごとく、戦闘航空団司令部へと出頭命令を食らっていた。 最早慣れっこであり、ウィッチ出身の女医である軍医も「まあ、要領よくやんなさい」と苦笑しながら送り出した。 「ヴァルツ曹長、またしても随分と派手にやったな?」 やはりエクスウィッチの、二十代後半の小柄ではあるが、 ジャンヌの迫力に気圧されないベテランの航空団司令は、苦笑交じりに切り出した。 「今週に入ってぶっ壊したM2重機5挺、破損させたメルス3機。 その倍以上のネウロイを撃墜していなかったら、今頃重営倉だぞ?」 「いやまあ、今回は小隊長がちょっと…上官批判は避けたいのですが、ブルーデス中尉。 もう少し後方の部隊で経験を積んだほうが、よくはないですかね?」 「正論だと思うよ。だがなあ、連合軍のJFWに腕利きを引きぬかれ、戦線は拡大する一方。 正直なところ、人手不足もいいところで。お偉いさんも無茶を言ってくれる」 「そりゃまあ、こんなガリアの『裏切り者』を傭兵としてるんですからね、承知はしていますが」 比較的気さくな航空団司令の会話を前に、思わず出てしまった本音に司令は一瞬顔を強張らせ、 当人もしまったという顔をしたが、司令も、横に控えていた副官も怒りを発することはなかった。 寧ろ、互いに顔を合わせ軽く嘆息すると、嘗ては自らもネウロイと銃火を交えた司令は、再度嘆息しながら、 この部隊の中では屈指のベテランの。しかし未だに18歳の大柄な少女を、若干痛ましい目つきで見つめた。 この司令はネウロイ出現当時、中堅以上として非常に苦労した経験を持っており、副官は事故による負傷で地上勤務に転属した経緯がある。 そんな苦労人二人はジャンヌの心境についても、かなり事細かに気にかけていた。 「やはり、ここに来てから色々辛いか?」 「…それは、その…辛くないといえば嘘になります」 日頃は暴言とも取れる発言を、MG42の発射速度並のペースで上官へ叩き付ける彼女だが -そうでなければ、当の昔に中尉程度には昇進している-この、司令の言葉にだけは返答を一瞬詰まらせた。 「大体は憲兵やガリア警察から聞いてるさ。市街地や実家でのお前さんの様子は。 普段と違って借りてきた猫みたいにおとなしいと。全く…あの宣伝相閣下も、余計なことをしてくれた」 上に述べたとおり、ジャンヌ・ヴァルツ曹長はガリア人志願兵である。 武勲の誉れ高い第五〇一統合戦闘航空団の一翼を担い、 今はガリア復興事業団の立ち上げに関わっているペリーヌ・クロステルマン空軍中尉。 あるいはアフリカ戦線、ヒスパニア戦線や、このエルベ川周辺の戦域で、 カールスラント製E-75陸戦ストライカーを駆使し、 戦場の火消しとして活躍し続けているエレオノール・ベネックス竜騎兵中尉。 彼女達のように、ガリア共和国軍へ参戦しなかった理由は只一つ。 「うちの国はまともに本土を奪還する気があるのかしら…」 愛想が尽きたのだ。本国を蹂躙され、失地奪還が急務でありながら、 リベリオンやブリタニアなどに幾つも亡命政権を作り、主導権争いを繰り返す自国の国体や貴族どもに。 故郷や祖国としてのガリアとなれば、また話は別であるが。 無論、各地のガリア共和国軍将兵は、無為徒食を繰り返したわけではない。 アフリカ方面へ脱出に成功した新鋭戦艦複数などを中核とした強力な艦隊。上記のエースウィッチ達。 あるいは、国外へ持ち出せた膨大な金融資産を対価として得られた、リベリオンの支援により再編された、 ドゴール将軍指揮下の機械化師団複数などが大いに奮闘していることは、 ジャンヌも実戦を潜る中で知っている。彼等を同国人として、誇りに思うこともある。 だが、そういった同胞達の奮闘を知っても、ジャンヌはカールスラント空軍という、 未だに強力な組織と国力を有する軍隊に志願する決心は、揺るがなかったであろう。今でもその様に思っている。 幾ら前線将兵が奮闘しても、それを本来支えるべき国体が分裂し、 主導権争いの余録として対ネウロイ戦争を行っていることに、変わりはないのだから。 ならば、カールスラント奪還を志す以上、途中で否応なしにガリアを解放せざるを得ない強力な軍隊に参戦した方が、余程確実に故国奪還へ貢献できる。 そういった彼女なりの計算に基づいた、それなりの祖国愛によって、 ジャンヌはカールスラント空軍のベテランウィッチに、何時しかなり得ていた。しかしながら… 「あれは…一種の事故です。司令が、気に病まれるこっちゃないですよ」 カールスラントという国家は、リベリオンや扶桑とは違った形で宣伝を重視する。 戦時国家らしく、規格化された高性能ラジオを国民に廉価に販売した上で、 国家が国民に見せたいものを巧みに誘導して、ネウロイへの戦意や敵意を駆り立てるのだ。 カールスラント帝国はその点において、ある意味では天才的な才能を持つ宣伝大臣を得ていた。 「あの萎びた宣伝相閣下を、MG42で蜂の巣にしたいと思ってる奴は、1個連隊では足りないだろうな」 「司令、流石にそれは暴言です。せめて1個旅団に留めるべきでしょう」 そして、その才能を発露する対象の一つとなったのが、ジャンヌ・ヴァルツ曹長であった。 ガリア人でありながら、国家という枠にとらわれず、欧州そのものを奪還することを志した高潔なウィッチ。 その様に銘打って、よりにもよって彼女の見栄えのする戦闘記録フィルムを背景に、 ジャンヌ当人にとってはとんでもない戦意高揚映画が作られてしまったのだ。 ウィッチ当人の同意を得ない戦意高揚映画を作った宣伝相は、皇帝から落雷を浴びせられたが、 一度出まわってしまった映像を取り消せるはずもなく- 「あ、ああ…ジャンヌ…だよね?お帰り」 「…まあ、お疲れ様」 「何か色々変わったね、カールスラント人みたい」 その結果が、五〇一ほどではないにしても、失地奪還のためにネウロイを撃墜し続けた彼女へ、 故郷の人間から距離を置かれ、よそよそしくされるという事態を招いた。 修羅場を潜り続けた気丈な彼女にしても、これは余りと言えば余りの衝撃であった。 流石に物事をわかっている年かさの町長が、 ジャンヌを自宅に招いて労うと同時に、このように説得したのも何処かで刺として刺さっていた。 「皆、分かっているんだ。お前さんがここを取り戻すために、一生懸命戦ったことを。 それでも私らはガリア人で、どうして同じ国の軍隊じゃ駄目だったんだ…と。 政府が分裂したのを承知でそう思っちまってる。すまんな、こればかりは時間薬だ。許しは乞わんよ…」 彼女は傷心の内に、一度実家に戻って数時間、 家族をの時間を過ごすと「ごめん、帰隊時刻が近いから」と、早々に父母、弟妹の元を去った。 過去四年間、家族への仕送りとは別に、郷里に戻ったら皆でお祝いをしよう。 年相応の少女らしい願いのために積み立ててきた貯金。 そして能力を見込まれ、階級こそ曹長であるが並の中尉並(つまり通常の将校であれば少将並の)俸給や手当。その過半。 リベリオンの銀行経由でドルに換算したそれが、ぎっしりと詰まったトランクケースを、 玄関の靴入れにそっと隠し、「有り難う、元気で、さようなら」と書き置きを残し。 ジャンヌが普段はぴしりと伸びた長身を、何故か市街地に出るときは猫背にして隠れるように歩きまわり、 反面、戦闘中はひどく手荒い戦をするようになったのは、これがきっかけとなっていた。 「環境を変えてみるのも、ひとつの手段かもしれないな」 「司令、しかし曹長は-」 「ここで腐らせるよりは余程マシじゃないかな、副官」 誰もが重い溜息をついた後、司令は首を横に振ると、君はブリタニア語は出来たなと言いながら、 司令はまだ珍しい、難燃樹脂で出来た書類挟みをジャンヌへ手渡した。 「転属命令だ。唐突で申し訳ないが、君には扶桑皇国海軍へ出向して貰う。 今、本国では新型空母の建造中だ。それに離着艦出来るウィッチが足りない」 「扶桑って極東の…あの島国ですか。え、何です、航空戦艦?何をしたい軍艦なんだか… 随分と短い甲板ですね。これでメルスを使って降りろとは。お払い箱ですか」 「お払い箱なのは、これから私が見せるものを目にしてから、判断して貰おうか」 *一九四四年一〇月六日、二〇四五時、ガリア共和国ブレスト上空 「曹長は」 それまで、不機嫌と困惑を行きつ戻りつしていた、女丈夫なベテラン下士官へどう話しかけて良いか。 内心、自分も混乱しているが故に切り出せなかったベルタは、 彼女が瞼を閉じかけたとき、思い切って今度はこちらから、話しかけてみた。 「かなりの腕利きなんですね、あんな最新機材。 まだ、私も資料でしかお目にかかったことがありませんでした」 「ああ、それは…それと丁寧語は良いですよ、後はジャンヌとでも呼んでください。 それに、堅っ苦しい口調はなしにしましょうよ」 意外とさばけた人物でもあったらしい。 少し緊張がほぐれるのを感じると、ベルタはジャンヌと呼びかけた。 「じゃあジャンヌで。ごめんなさい、口調ばかりは性分で。 フラックウルフのドーラ、ちょっと羨ましいです。私も資料でしか、見たことがなかったんですよ」 「ありゃ曰く付きでね、ベルタ。本当は-」 そう、基地司令が見せたのは、JG78でも半数が装備しているフラックウルフFw190であった。 しかし、この部隊の機材であるA8タイプと比較すると、違和感がある。 魔導エンジンの収まったノーズが格段に長く、 尚かつ、随所にユニット部品を交換。あるいは修理した痕跡が生々しく残っていた。 「司令、これはA8でもドーラでもないですね?」 「以前にHe219を装備したナイトウィッチが不時着したことがあっただろう。 ユニットは全損だが、エンジンは無事だったものでね」 「で、まあ…私も悪乗りしてしまったんだが、整備班と司令と結託し、 ドーラの設計図を取り寄せ、DB603に換装したってわけだ」 「何つー無茶苦茶を…飛ばしては見せますが、仮にも正式装備の盗難になりません?」 ジャンヌの常識に従った疑問に対して、司令と副官はにやりと人の悪い笑みを浮かべた。 うわア、この二人がこういう顔をする時って、大概ろくな事を言わないんだよねえ。 「拾ったものよ、それも『偶然』。 拾い物を再利用しても、皇帝陛下も空軍総監も連合軍も、怒りはしないわよ」 「しかも、帳尻を合わせるにはフラックウルフのエンジンが『使用不能』じゃないと困るって言うから、 ラロスの実体弾に近いM2で、元のBMW801を外してぶっ壊したのよね」 「それ、マトモに飛ぶんですか…」 確かにベルタのいた第二爆撃航空団でも、扶桑の川滝製「彗星」爆撃ストライカーを原型に、 カールスラント製水冷魔導エンジンへ換装した機材も、かなり配備されている。 しかし、それは歴とした正規部品同士を、製造元の支援を得た上で行った改修である。 反して、ジャンヌの「ドーラもどき」は…言っては何であるが、 早い話が故障品同士の健在部品をつなぎ合わせた、廃品再生である。 正直なところ、まともなウィッチであれば搭乗拒否を行っても不思議ではないし、それを口にしたところで上官は咎める権限はない。 が、このジャンヌという曹長は、なかなか剛胆と言うか、何処か世捨て人のような笑みを浮かべた。 「私はガリア人の志願兵だからね、まともな機材が来ないときは… こうやって故障したストライカーから部品をはぎ取って、直したもので飛んだことも何度もある。 それにうちの整備班は腕が良いんだよ。ちゃんと飛んだ、最大速度を出してもきしみもしない」 「うちのスツーカ大佐でも、そこまでしないですよ…余談ですけど、速度はどれくらい?」 「流石はDB603の最新型。最大出力でぶん回したら、高度6500mで680km/hまで行ったよ。 上昇も降下も申し分ない、あの基地司令。相当気ぃ遣ってくれたらしい。少し、態度悪すぎたかなあ」 ま、それだけの戦果は挙げたんだけどね。あのドーラもどきの試験飛行の時も、 キャリバー50で何機か食ったしとカラカラ笑うジャンヌを、ベルタは呆れとも憧憬とも言えない表情で見つめていた。 自分に彼女ほどの勇気や冷静さがあれば、そもそもここにいなかったかもしれない… でも、何か危ういというか、凄く寂しげなものを感じる。 ジャンヌは強いんですねと言って、何故、そんなに悲しそうな顔をするのだろうか。 「ベルタは扶桑の…テンザンだっけ?あれで対地支援攻撃とはね。 寧ろ、戦闘機より度胸がいるのはそっちじゃないの?」 話題を切り替えたかったのだろう、今度はジャンヌがベルタのストライカーユニットについて尋ねてきた。 「意外と頑丈なんです。シールド出力が大きいし、地表スレスレでも安定して450km/hは出せる。 ラロスをオーバーシュートさせたり、マウザーでジグラッドや多脚を撃ち抜くには、最高なんですよ?」 「そっか、大人しそうな割に修羅場潜ってると思ったら、あのSG2(第二爆撃航空団)の腕利きだったとはね」 「仲間を1人、巻き添えにしましたけどね…でも次は、もうやりません。絶対に」 大人しそうな外観に似合わず、自分と同じくらい節くれた、 恐らくマウザー機関砲を長く扱ってきた手指で、拳と掌を形作り、ベルタは軽く打ち付けた。 流石にスツーカ大佐ことハンナ・ルーデル当人直接の訓練はなかったが、 腹を決めた彼女は連日の飛行訓練で、徐々に本来の技量を取り戻していった。 最後の「実戦試験」という名前での阻止攻撃では、嘗て以上の腕の冴え。 スローロールで敵の対空砲火の軸線を、不規則にずらしながら、MK108で多脚戦車をブチ抜きつつ、 エルザより託された、信じがたいほど快調に作動するM30型重機で歩兵型ネウロイを薙ぎ払った。 ガリアやカールスラント陸軍の装甲師団や竜騎兵連隊は、あの白衣の技師のマークに、 オレンジの帯が加わった理由を怪訝に思ったが、守護天使の再来を素直に喜んだと言われている。 「少尉は強いな…私は、ガリア人のカールスラント軍人だ。これだけで、分かるよな? 荒れて、暴れて、逃げてきたようなもんさ」 「次がありますよ、それにジャンヌは弱くない。私にもう一度飛ぶ勇気を与えてくれたのは… 巻き添えになって、それでも守ってくれて、今は入院してるロマーニャのウィッチでした。 でも彼女は言いましたよ。必ずもう一度、空へ戻ってみせるって」 大丈夫とは言わない、気持ちが分かるとも言いません。だけどジャンヌの背中は、今預かった。私が預かりました。 一緒に、扶桑で任務を終えて、またガリアやカールスラントへ帰りましょう、絶対に。 気弱そうにも見える顔立ちに、意外な芯の強さを浮かべ、ベルタは言い切った。 それは、ある意味でジャンヌが郷里で一番聞きたかった言葉であり、一瞬、腹腔から眼底へ熱いものがこみ上げてきた。 しかし、ジャンヌはそれを気合いで押しとどめた。 ここで涙を見せることは、自分の捨て鉢な何かを補おうとしてくれたベルタへ、余りに失礼だ。 「そりゃあ、こっちの台詞さ。地べたのネウロイどもを薙ぎ払うのは任せる。 その代わり、絶対にあんたの上から被ってくるネウロイは、全部叩き落としてやる。それだけは約束するよ」 2人のカールスラント空軍のウィッチ。使うユニットも、任務も、国籍も、年齢も何もかもが好対照な彼女達は、 輸送機のキャビンの中に軽く響くほど、互いの節くれた。 しかし、少女らしさを幾ばくか残している掌で、ハイタッチを決めた。 DC-3の機長やコパイ、ロードマスターは一瞬、そんな2人をしみじみと眺めていたが、 俺は何も見なかったし、これは一夜の夢だと決め込むことにした。 それ以上を考え込めば、自分達より一〇歳近く年下の、幾度も地獄を潜った少女達。 彼女らを、極東の新たな地獄へ送り届ける我々は何なのだと、 永遠に答のでない思考の坩堝と罪悪感に陥ることを、彼らはよく自覚していた。 奇妙な縁から出会い、皇国海軍が数奇な経緯から作り上げた航空戦艦と、それに集う飛行隊。 彼女達がそこへ辿り着くべく乗り込んだ輸送機は、十日後の扶桑皇国到着を目指し、夜空にエンジン音を轟かせてゆく。 二人がそこで、どのように成長し、戦い、役割を果たしてゆくのかは、また、将来の話に譲りたいと思う。 (流石にジャンヌの迫害場面が余りといえばあまりで、誤字脱字も多かったので再校正を。内容は変わってないなあ…)
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5/23 穢れの設定について確定 想いと穢れまとめ 投票箱にて、穢れについて再考を行うことが決定となった。 議論が長引くことが予想されるため、ページを新設。 議題 【人間】【天族】【穢れ】【憑魔】【浄化】 またこれらに付随するもの 投票箱のアンケート結果により、『穢れ』および『人間』の定義が決定。 ゼスティリアの世界では、人間の感情や心を何らかの「エネルギー」に変換するような機構がある。 その「エネルギー」は人間のあらゆる感情、心を起因として生まれる。 例えば、負の感情や歪んだ心からは『穢れ』と呼ばれる、憑魔の原因となったり、周囲に悪影響を及ぼすエネルギーが生まれ、 正の感情や尊い心からは『清浄なもの(仮称)』と呼ばれる、エネルギーが生まれる。 この定義を元に【『穢れ』に関する全てのこと】を議題として議論を行った結果、 投票箱にて、 A1.「穢れ」の設定について A2.「穢れ」と「想い」の相関関係について A3.ED、最終的な「穢れ」の落としどころ】 をアンケート中。 各案についてはこちら 上記【『穢れ』および『人間』の定義】に至るまでの議論 +「穢れ」について 穢れは負の感情のみから生まれる 再考前の「穢れの定義」に最も近いと思われる 穢れはあらゆる感情から生まれるが、どの感情からの穢れも同一の性質を示す 原作の設定に一番に近いのが恐らくこれ 穢れはあらゆる感情から生まれるが、感情の種類によって生まれる穢れも別の性質を示す +賛成派のアイデア、賛成意見 421 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/20(金) 19 13 23 ID GLZTxw.60 自分は「穢れはどんな心からも生まれる」という原作の設定を無視したくありません。 その結果、「穢れはどんな心からも生まれる」という設定に無理があると多くの方が考えていることがわかれば、そのときちゃんと納得したいです。 431 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/20(金) 19 42 47 ID Q3Nfkvrk0 私も穢れの定義については原作を踏襲したいですね 穢れに限らず基本的に原作にある設定やシーン、描写などは極力活かす方向で進めたいです 企画参加者の我々は良くても、完成すればいずれ公開するであろう読者(ゲームの場合はプレイヤー?)に 「都合よく書き換えやがって…真ゼスとか言ってほぼキャラパクッただけの二次創作じゃねーかよ」 と思われたくありません 原作が曖昧で杜撰な作りだからこそ納得いかない、辻褄が合わない部分を補い 不遇なキャラを活かしつつ感動のEDを目指す企画であって欲しいのです 579 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 19 13 05 ID b0P8XAlA0 妖精が心の綺麗な人を好んで集まるのと同じ感じで、 欲や憎悪等の良くも悪くも人間らしい感情からくるエネルギーを穢れ(多いと毒)として忌避するのが高潔な天族っぽいと思ってるからだよ 穢れが多いと天族が住めなくなる けどソコソコならダメージはうけない…ってなら上手くやれば人と天族一緒に住めるよね(戦争やら貧困やら犯罪多発やらで不幸度が上がってる場合は穢れも大きく増加しそうだから難しいかも。一応王族のアリーシャ超頑張れ) あと、穢れのせいで負の感情が注目されやすいけど、愛や思いやりといった尊い感情も人間らしさだよ そういうのって穢れとは逆に、天族のパワーになったりしないかな?(天族側のメリット) 581 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 20 35 46 ID 8ciwr4YU0 579の正の感情も何かあるってのはいい案だと思う 何をもって正とするかの基準は、誰かを思う気持ち ってのは? 単に嬉しい楽しいだと快楽殺人とか肯定すんの?になるから (それを生かしたエピソードをつけれるならまた話が変わってくるがとりあえず置いておく) 例えばベタだけど、エドナが大ケガをしてしまった ミクリオの治癒術でも思わしくならない それを一番辛く思ったアリーシャが 「いやですエドナ様、私まだリスリスダンスをマスターしてませんよ? いつもみたいに笑ってからかってください、 目を閉じたままなんてエドナ様らしくありません どうか目を覚ましてください、エドナ様、…エドナ!!」 でエドナ回復ーみたいな 強い『助けたい』気持ちがあると霊能力関係なしにファーストエイドのような効果が働くって感じ。 この時穢れは黒いもやだから白い光みたいなのがあってもいいかも もちろん穢れを一方弾圧する流れにはしないよ 600 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 23 57 28 ID v3gnDXXY0 【穢れ】 本来は自浄するものなんだと思うんですよ 作中にはそういうものについての言及はなかったんだけども 悲しみ妬みや憎しみ、憤りのような負の感情に対して穢れが生じるなら 親愛や喜び、感謝や敬意、信仰のような感情からなにか「清らなるもの」が生じてもいい そういうもので穢れを「禊ぐ」「洗い流す」(相殺する)ことができて、 それによって普通は人間は慿魔にまでは至らない 霊的存在である天族などはこれを滋養として存在しているんじゃないかとかね ただ心の状態が悪化したりすると当然穢れの方が溜まり易くなるし、穢れが溜まると 心はさらにネガティヴになって悪循環に陥るから 本人には心を強く保つ努力が、周囲には互いを思いやって支え合う 営みが必要になる 917 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 00 11 31 ID LWb80WUA0 ゼスティリアにおける『人間』は、何かしらの精神エネルギーを 発する生き物であり、怒りや憎しみが増幅した時や心が摩耗した時『穢れ』と呼ばれる精神エネルギーを、 逆に、喜びや勇気が増幅した時や心が満たされた時『祈り(仮)』と呼ばれる精神エネルギーを発する。 『穢れ』と『祈り(仮)』は相反するエネルギーで相殺し合う→『浄化』 『天族』は『人間』の『祈り(仮)』を糧にして生きる種族であり、お供え物などに関しては 食物そのものを食べるというよりも、供え物に込められた『人間』の『祈り(仮)』を食べているようなもの。 空気中に漂っている『祈り(仮)』で食いつなぐことも出来るが、力を思う存分ふるう事は難しくなる。 お腹は減る。 睡眠によって、疲労が回復するため、睡眠欲もある。 性欲については繁殖機能が無いためちょっと保留。 『祈り(仮)』と相反する『穢れ』は『天族』には毒になるため、人々に祀ってもらう事で恩恵を与え 『祈り(仮)』が生まれやすく、『穢れ』が生まれにくくなる『加護領域』を展開することが出来る。 物質干渉は出来るが実体はない。 918 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 00 24 37 ID jX84ovVk0 人間が生み出す穢れには、 憎しみや悲しみといった負の感情や、快楽殺人などの歪な感情から生み出される穢れ(『負の穢れ』と仮称)と、 嬉しさや楽しさといった正の感情や、他人を思いやったり愛したりといった尊い感情から生み出される穢れ(『正の穢れ』と仮称) の2種類があり、これらは異なる作用を持つ。 人間は『負の穢れ』が溜まりすぎると憑魔となってしまう(疲れると病気になるみたいなもの)が、人間は『負の穢れ』を自浄する機能を持つので『負の穢れ』ばかりがたまってしまうことは少ない(正の穢れで負の穢れを相殺できたり、ヒト同士の思いやりの心によって浄化できるなど) 天族や他の生物には『穢れ』を生み出す(浄化する)生体機能はついていない(あっても人間に比べればとても弱い) 天族にとって大量の『負の穢れ』は毒となる(少量なら平気)が、反対に『正の穢れ』は天族の力を高める。 天族が食事をするのは栄養をとっているわけではなく、食事や食材を作った人の想い(正の穢れ)を摂取している。 天族が、『負の穢れ』によって穢れきってしまうと→ドラゴン 天族が、『正の穢』れによって穢れきってしまうと→五大神 となる。 (↑本当は五大神じゃなくて八天竜にするつもりだったんだけど、裏切って地獄に落ちた云々の記述と合わせられなかったので没にした。合わせられる人がいたら合わせてください……) 920 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 00 58 57 ID 8V7ZN8VI0 「穢れ」が「負の感情」に応えて世界から湧いてくる呪いの粒子のようなもので、 それに対して親愛や感謝、喜びやいたわりと言った感情から「穢れ」に相殺する 「なんか清らかなもの(『祈り(仮)』)」があってそれが浄化をもたらす、というイメージは私も同意します 加えて、 天族が精霊や「神(多神教的な)」に似た存在であってこの「祈り(仮)」を 滋養にして生きている、というより存在しているというイメージも同じです 天族は人から「祈り」を得ることで力を持つことができ、 その力によって人に加護と清浄な環境を与えることができる。 しかし忘れられていったり人々が穢れていくと相対的に「祈り(仮)」は減る為 存在自体が希薄になっていって消滅してしまう (実際にはいるのかもしれないが、世界に干渉する力を失うのでいないのと同じになる) 925 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 02 07 28 ID GHOv7DMA0 【穢れ】の性質 負と正で別の性質になるがいいかな 負が憑魔化で正が霊応力って感じで、理由はどちらも同じものを認識出来るようになる力だから本質的には同じ力だと思うんだ 929 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 12 51 25 ID LO0J9TEo0 では自分は、おもに天族という生物について案を出しましょうかね。 そもそもは自然のエネルギーそのものだったが、人間と関わるためにエネルギーで肉体を作った存在。姿形はある程度は自分の意思で操作できるが、基本的にはその人物の人となりにふさわしい形質をとる(犬天族なども例外ではない。犬っぽい性質の天族だから犬の姿をとった) そして、エネルギーそのものである天族は、周囲のエネルギーを取り込みやすい種族。ここで、人間が発する精神のエネルギー「穢れ」が問題になってくる。 たとえば、塩にも発ガン性があるように、穢れにも毒素は含まれるが、本来は短期間におびただしい量をとり込まなければ、ほとんど害はなく、人との絆や想い、信仰の力によるわずかな浄化作用でも無害化できてしまう程度のもの。だが、加護領域もなく、マオテラスの加護もない災厄の時代では、その毒素があちらこちらに垂れ流されており、天族にとっての害になっている。 また、天族が活動するためのエネルギーは、主に周囲のエネルギーを取り込むことでまかなえる。天族が食事や睡眠を必要としないのはこのため。 また、天響術の使用や、戦闘でのダメージなどで休息に消耗したエネルギーは、食事や睡眠、導師や人間の「祈り」のエネルギーなどでも補填できる。 (天族というのはエネルギーの塊であり、エネルギーを消耗するというのは文字通り身を削る行為。ジークフリートが天族にとって危険なのは、天族を構成しているエネルギーを大量に消費するから。エネルギーそのものである天族は、エネルギーを著しく失うと肉体を保てなくなる。肉体的なダメージよりもエネルギーの消耗の方が天族には危険) そもそも、天族誕生についてはすべてが謎。天族がなぜ、わざわざ肉体をつくってまで人間に関わろうと思ったのかも不明。「神代の時代」に、人間と天族のあいだで「なにか」が起こったのでは? 933 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 14 22 36 ID 8V7ZN8VI0 私見ですが、感情に応じてたまるものが害をなす「穢れ」だけというのは 正常な世界としてみるにはいささかバランスが悪く、 (よく「詰んでる」と言われますが実際その通りです) そのような状態であるならばそれは病的な(本来とは違った)状態なのであって 人間が正しく原因を突き止めれば解決して感情から穢れが発生しないように 世界法則を変えられる(治せる)ものである(治すべきである)と思います 一方、917辺りから語られている「穢れに対応した清浄な何か」があって、 人の感情生活を良好な状態に保てばこの力によって(天族を通じて) 世界の穢れの量を抑制してバランスが取れるのだとすると これは元からそういうバランスで成り立ってる世界だとしてもおかしくありません この場合は「穢れ」が発生すること自体は異常事態でもなんでもなく、 今のように災厄が迫っているのは人の心の方がたまたま悪い方へ振れているために バランスとして穢れの方が増えてたまっているのであって、穢れの発生自体を潰す必要はないわけです (おそらく穢れの発生源を潰すと清浄なものの発生も止まる(元が共通している)ので天族も滅びるという仮説も成り立つ) 原作の設定は恐らく後者のような感じを想定していて、 人間を中心に慿魔と天族を対照させることでバランスを取る、 というものだったように思うのですが(推測) ここらあたり結局語られなかったのでよくわからないんですよね 940 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 22 24 13 ID LzmopytY0 穢れが生まれるのは負の感情からのみ 憑魔化は外的要因によるもの (霊力もない凡人からも発生するものが、それだけで石とかを化け物に変える特殊な力を持つってのが想像しにくいよ) 清らかな感情によるエネルギーは「穢れ」とは別の性質の何か (「穢れと同じ性質でベクトルが逆のもの」だとしたら、結局は正に傾いていることが求められるから「負」の否定にならないかな?) という意見だよ 973 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 19 51 57 ID myEP0HOk0 この案に賛成する個人的な理由づけというかアイディア案は アイディアスレで書いたやつなのでそこから引っ張ってきた。以下引用。 581 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 20 35 46 ID 8ciwr4YU0 579の正の感情も何かあるってのはいい案だと思う 何をもって正とするかの基準は、誰かを思う気持ち ってのは? 単に嬉しい楽しいだと快楽殺人とか肯定すんの?になるから (それを生かしたエピソードをつけれるならまた話が変わってくるがとりあえず置いておく) 例えばベタだけど、エドナが大ケガをしてしまった ミクリオの治癒術でも思わしくならない それを一番辛く思ったアリーシャが 「いやですエドナ様、私まだリスリスダンスをマスターしてませんよ? いつもみたいに笑ってからかってください、 目を閉じたままなんてエドナ様らしくありません どうか目を覚ましてください、エドナ様、…エドナ!!」 でエドナ回復ーみたいな 強い『助けたい』気持ちがあると霊能力関係なしにファーストエイドのような効果が働くって感じ。 この時穢れは黒いもやだから白い光みたいなのがあってもいいかも もちろん穢れを一方弾圧する流れにはしないよ +「人間」について ゼス世界の人間は『穢れ』というエネルギーを生み出す生体機能を持つ生物 +賛成派のアイデア、賛成意見 555 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 05 42 23 ID lgqowUqU0 【人間】 1,俺はゼスティリア世界の人間って、俺たち、つまり現実世界の人間と同じものだと思ってたんだ(衝撃波出せるとかは置いといて) 俺たちは、(負の)感情を抱いても穢れなんて発生しないだろ? それと同じように、あの世界の『人間』も本来なら(負の)感情を抱いても穢れなんて発生しない。でも実際は発生してる。 →感情を穢れに変換してる「外的な何か」があるはずと、俺は思ったんだ。 (ここでいう「何か」とはヒトに限ったものではなく、熱エネルギーータービン→電気エネルギーのタービンとか、病気とかでも構わない) 2,しかし、あの世界の『人間』自体から穢れが発生してるとしたらどうだろう? 我々が、暑かったら汗をかくように、ものを食べたら熱エネルギーに変換されるように あの世界の『人間』は、負の感情を抱くと穢れを発生するような生物だとしたら? だとすると、穢れをなくすことなんて不可能だ。 「外的な何か」なんて存在しない。穢れは人間が直接放出してるんだから。人間が穢れを放出しなくなったら、それは人間でなくなったのと同じこと で、『人間』の定義、これどちらにするかでいろいろ変わってくると思うんだけど・・・ 本編ではなにか示唆されてたっけ・・・?似たような設定のTOHではどうだったっけ・・・? 556 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 06 18 18 ID uVg.dgpI0 →555 自分は普通に後者(穢れは人間から直接発生してる)だと思ってた マイソロの負が一番近いと思うよ 誰しもが持っているものだけど、それを還元する機能がキチンと働いてるかどうかで世界の環境が大分変わるってかんじ 557 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 09 25 28 ID d9cRScAo0 →555 俺も後者(穢れは人間から直接発生してる)派。 本編でもどっちかというと後者じゃないか?? みんな穢れが出るのが当たり前、だから、穢れが出たい人が貴重で、そういう人が導師に向いてる、みたいな。 自分の感情を抑え込められた導師 ↓ スレイ 自分の感情を優先 ↓ ミケル そんな感じの印象。 558 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 11 33 32 ID HU7tM8BQ0 自分も後者(穢れは人間から直接発生してる)派に近いが、「憑魔化」っていうシステム自体があの世界の問題の根源だと思う。 穢れがある意味自然なものである以上、いっそラスボスを「憑魔化」の原因とするのはどうかね? 559 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 13 42 30 ID qIqG3GNk0 自分も後者(穢れは人間から直接発生してる)に近いイメージではあったんだけど、でも穢れが自然発生するものだと人間に罪はないのに(普通に生活してるだけ)天族には毒になるっていうのが腑に落ちないんだよね… 極端な話理解がない天族にしてみれば自分の身を侵す病原菌みたいな認識にしかならないんじゃないかな… でも穢れを無毒化するってなるともうそれは穢れと呼べないし前者の方向にいっちゃうんだよなあ 個人的に浄化の力が人間側にある、もしくはもともと人間側が穢れを認識できる、だったらある程度納得できるんだけど今のままだと限りなく関係が一方通行に近いように感じるし自分がイメージしてる共存とは何か違うんだよな… 567 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 15 30 58 ID Cnq9iOz20 時代が過ぎるうちに天族の一部が支え合って生きている事を忘れて驕って、少し前に出てたクローズドダークでの人間牧場やらかして振り切れた憎悪や怒りによって本来生み出していなかった筈の『穢れ』をエネルギーとして人間が生み出すようになっちゃったとかね 569 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 16 21 13 ID UMhYo1N20 穢れと共存エンドを言い出したのは自分なんで、自分も当然後者(穢れは人間から直接発生してる)派ですね。 ただ、559や560のような意見もそのとおりだと思います。害のあるものを駆除しようというのは当然ですし、共存の邪魔になるようなものはないほうがいいに決まってる。 579 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 19 13 05 ID b0P8XAlA0 後者(穢れは人間から直接発生してる)派だよ 妖精が心の綺麗な人を好んで集まるのと同じ感じで、 欲や憎悪等の良くも悪くも人間らしい感情からくるエネルギーを穢れ(多いと毒)として忌避するのが高潔な天族っぽいと思ってるからだよ 穢れが多いと天族が住めなくなる けどソコソコならダメージはうけない…ってなら上手くやれば人と天族一緒に住めるよね(戦争やら貧困やら犯罪多発やらで不幸度が上がってる場合は穢れも大きく増加しそうだから難しいかも。一応王族のアリーシャ超頑張れ) あと、穢れのせいで負の感情が注目されやすいけど、愛や思いやりといった尊い感情も人間らしさだよ そういうのって穢れとは逆に、天族のパワーになったりしないかな?(天族側のメリット) 694 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 13 28 48 ID 4ogisB/g0 【天族】【人間】【穢れ】 アヴァロストの調律時代末期に人間からより効率よく力をもらおうとして八人の天族を中心に研究グループが発足(穢れの坩堝や風の骨の元味とは彼らが使用していた実験場だとか)されるも実験は失敗 結果人間から今までとは比べ物にならないほどの穢れが生み出され、その影響を受けた研究グループの中心人物八人全員がドラゴンになってしまう。この事件をきっかけに世界に穢れと憑魔が溢れるようになり、天族は文化レベルが大幅に後退するほどの大打撃を負う 天族たちはかろうじて穢れを自分たちが生きれるほどに抑えることに成功したが、天族はこの事実を空前絶後の汚点として隠ぺいすることを決意。当時の建物は破壊できるものはすべて破壊され、そうでないものは加護天族によって厳重に管理されるようになった 後に天族たちはこの忌まわしき時代を『クローズド・ダーク』と呼ぶようになり、アスガード隆盛期までは当時の王によってこの時代を伝える本はことごとく焚書または厳重に保管されていたのだが、王家が分裂した際の混乱の中でいくつかが紛失される。そして後世の人間がその文献の一つを発見。人類の間にもこの『クローズド・ダーク』の名が広まるようになる 自分なりにクローズド・ダークを隠ぺいしなければならなくなった理由について考えてみた こんな感じにしてみれば天族も実は悪いんだってことに説得力がつくし、お互いにひどいことをしたからこそ、許し合って二度とこんなことを起こさないよう協力しよう!って感じで共生の第一歩にできるようになると思う 917 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 00 11 31 ID LWb80WUA0 『穢れ』と『憑魔』は別物として考える。 ゼスティリアにおける『人間』は、何かしらの精神エネルギーを 発する生き物であり、怒りや憎しみが増幅した時や心が摩耗した時『穢れ』と呼ばれる精神エネルギーを、 逆に、喜びや勇気が増幅した時や心が満たされた時『祈り(仮)』と呼ばれる精神エネルギーを発する。 『穢れ』と『祈り(仮)』は相反するエネルギーで相殺し合う→『浄化』 『天族』は『人間』の『祈り(仮)』を糧にして生きる種族であり、お供え物などに関しては 食物そのものを食べるというよりも、供え物に込められた『人間』の『祈り(仮)』を食べているようなもの。 空気中に漂っている『祈り(仮)』で食いつなぐことも出来るが、力を思う存分ふるう事は難しくなる。 お腹は減る。 睡眠によって、疲労が回復するため、睡眠欲もある。 性欲については繁殖機能が無いためちょっと保留。 『祈り(仮)』と相反する『穢れ』は『天族』には毒になるため、人々に祀ってもらう事で恩恵を与え 『祈り(仮)』が生まれやすく、『穢れ』が生まれにくくなる『加護領域』を展開することが出来る。 物質干渉は出来るが実体はない。 『憑魔』は『人間』の『穢れ』を糧にして生きる種族であり、一定濃度以上の『穢れ』を放つ『人間』に憑くことで 効率よくエネルギーを摂取し、憑いた『人間』の精神状態をより『穢れ』を生み出しやすい方向にもっていく。 無機物や動物の『憑魔化』は、元々浄化の機能を持つ『人間』に憑くほどの力を持たない『憑魔』および、 手頃な所に『人間』も『天族』も居なくて妥協した『憑魔』が、存在と力を安定させるために憑いたもの。 『憑魔』は基本的に実体を持つモノに憑いた場合は、実体に馴染む形になるため、『憑魔化』した動物が言語を解することはない。 『天族』に『憑魔』が憑く場合、その場に『穢れ』が溜まっていることが前提となる。 そもそも『天族』は『人間』の生み出す『祈り(仮)』を吸収して生きているため、同じく『人間』の生み出す精神エネルギーの 『穢れ』も取り込んでしまいやすいため、場が穢れていると『穢れ』に染まり易い。 そして、『憑魔』は『穢れ』に染まった『天族』になら憑くことが出来る。 本来『憑魔』と『天族』はともに実体のない種族であるが、相反するエネルギーが反発し合い混ざることで、 実体化するほどの力を得る。それが【ドラゴン】である。 『天族』はその性質から穢れにくいものの、自浄機能のある人間と違い、 一度『穢れ』に染まり『憑魔』に憑かれると、自力での回復が難しい。 『憑魔』は元々の存在安定度は『天族』よりも劣るため、単体で彷徨っている際には『領域』を作ることは出来ないが、 『人間』や『天族』に憑いて力の強化と存在の安定を図ることで『穢れ』が生まれやすい『領域』を生み出すことが出来る。 基本的に『憑魔』は『人間』にとって害となることが多いが、『憑魔』は『人間』の心の鎧としての機能も果たすため、 一概に害悪とは言えない。 918 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 00 24 37 ID jX84ovVk0 人間は『穢れ』というエネルギーを発する生体機能を持った生物 人間が生み出す穢れには、 憎しみや悲しみといった負の感情や、快楽殺人などの歪な感情から生み出される穢れ(『負の穢れ』と仮称)と、 嬉しさや楽しさといった正の感情や、他人を思いやったり愛したりといった尊い感情から生み出される穢れ(『正の穢れ』と仮称) の2種類があり、これらは異なる作用を持つ。 人間は『負の穢れ』が溜まりすぎると憑魔となってしまう(疲れると病気になるみたいなもの)が、人間は『負の穢れ』を自浄する機能を持つので『負の穢れ』ばかりがたまってしまうことは少ない(正の穢れで負の穢れを相殺できたり、ヒト同士の思いやりの心によって浄化できるなど) 天族や他の生物には『穢れ』を生み出す(浄化する)生体機能はついていない(あっても人間に比べればとても弱い) 天族にとって大量の『負の穢れ』は毒となる(少量なら平気)が、反対に『正の穢れ』は天族の力を高める。 天族が食事をするのは栄養をとっているわけではなく、食事や食材を作った人の想い(正の穢れ)を摂取している。 天族が、『負の穢れ』によって穢れきってしまうと→ドラゴン 天族が、『正の穢』れによって穢れきってしまうと→五大神 となる。 (↑本当は五大神じゃなくて八天竜にするつもりだったんだけど、裏切って地獄に落ちた云々の記述と合わせられなかったので没にした。合わせられる人がいたら合わせてください……) 963 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 15 05 09 ID myEP0HOk0 俺は「穢れは人間から直接発生してる」派かな 現実で言うなら人間が呼吸して二酸化炭素出してるようなもんかなと。 ただ、穢れが蔓延してそこら中穢れっぱなしなのが当たり前、みたいな状態は正しくないと思ってる。 だからスレイ達には本来あるべき循環が普通に行えるような世界に戻して(変えて)ほしいと思ってる。 ゼス世界の人間自体が『穢れ』を生んでいるわけでなく、何らかの外的要因で人間の感情から穢れが発生している +賛成派のアイデア、賛成意見 555 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 05 42 23 ID lgqowUqU0 【人間】 1,俺はゼスティリア世界の人間って、俺たち、つまり現実世界の人間と同じものだと思ってたんだ(衝撃波出せるとかは置いといて) 俺たちは、(負の)感情を抱いても穢れなんて発生しないだろ? それと同じように、あの世界の『人間』も本来なら(負の)感情を抱いても穢れなんて発生しない。でも実際は発生してる。 →感情を穢れに変換してる「外的な何か」があるはずと、俺は思ったんだ。 (ここでいう「何か」とはヒトに限ったものではなく、熱エネルギーータービン→電気エネルギーのタービンとか、病気とかでも構わない) 2,しかし、あの世界の『人間』自体から穢れが発生してるとしたらどうだろう? 我々が、暑かったら汗をかくように、ものを食べたら熱エネルギーに変換されるように あの世界の『人間』は、負の感情を抱くと穢れを発生するような生物だとしたら? だとすると、穢れをなくすことなんて不可能だ。 「外的な何か」なんて存在しない。穢れは人間が直接放出してるんだから。人間が穢れを放出しなくなったら、それは人間でなくなったのと同じこと で、『人間』の定義、これどちらにするかでいろいろ変わってくると思うんだけど・・・ 本編ではなにか示唆されてたっけ・・・?似たような設定のTOHではどうだったっけ・・・? 560 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 14 04 29 ID Rq0JVK0o0 →555 俺は前者(穢れの発生には外的要因がある)派かな 人間自身が穢れを生み出して、天族にとって有害でしかなく、解決方法まで天族に依存するのであれば、世界として歪み過ぎだ 「穢れは人間から直接発生してる」なら現実の人間でもそうだろうけど、一方的に害にしかならない物に対する対策って言い方は良くないんだろうけど駆除になるでしょ 家に白アリが出れば根絶するまで駆除するし、スズメバチが巣を作れば駆除もする 天族にとって人間がそういう存在になりかねない 561 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/21(土) 14 20 01 ID qIqG3GNk0 →560 だよねえ 少なくとも最終的な目的に「共存」 を掲げるなら最低でもその「妨げ」 になる事項を取り除かないと達成したことにならないと思う 原作の状態のままだと既にその前提で破綻してる 922 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 01 14 06 ID 8V7ZN8VI0 私はどっちかというと「穢れ」は人が生んでるわけではなく 世界の方から湧いて人間に溜まるという説を推します (人間は穢れを正確には産むのではなく呼んでいる) 由来としては世界自体を器として存在している「世界のモトにいるもの(神)」が 負の感情を世界に対する呪いと受け取りそれに応えて贈ってくる負の加護という何時もの説です 逆に、917で命名された「祈り(仮)」も同じところからやってくるものと考えます 世界の根っこは政府の両方の祈りに対して公平に力を贈ってよこすわけです つまり、どちらも自然の摂理で止められないようなものとして書いてますが ここも設定の分かれ目ですね このようにする理由としては、一つには「ゼス界の人間」に固有の特殊性というものをあまり設定したくないというのもありますが、 「穢れ」が人間の方に由来しているとするとある意味人間の体質改善(人体改造)などによって 穢れを生まない人間を作る、などということができてしまう可能性がある為です また、上の方で「我々の世界には穢れなんてない」という意見がありましたが 私は必ずしもそうとは限らないと思います というのは、穢れも慿魔もどっちにしろ霊感の無い人間には見えないので、 我々の世界に例感(霊応力)の才能がゼス界以上に希少なだけで 実際には我々はかなり穢れており慿魔がうろついていたとしても 単なる普通の犯罪者にしか見えないわけです 勿論天族も見えないだけで実はいる、と言っても否定はできないと言えます(笑) 何が言いたいかというと、真ゼスにおいてスレイ(導師)が目指す目的というものも ある意味現実世界の問題に置き換えて考えることも不可能ではないのではないかということです 丁度ゼス界で起こっている問題の一般人の目に見える問題としては「戦乱の時代の到来」なわけですが これが人心の荒廃、信仰心、見えないものへの畏敬の喪失に由来するものとして スピリチュアルなアプローチから解決しようというのが「導師」なのではないかと 925 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 02 07 28 ID GHOv7DMA0 【人間】の定義 外的要因に一票 天族側に人間が存在しなければ困る理由がなければ穢れを生む人間は天族にとって害でしかなくなって、共存への道筋が個人的には一切見えないから 外的要因が天族側にあれば、害でしかない人間の排除に踏み切れない理由にもなると思う +上記以外の議論(仮まとめ) 926 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 02 20 43 ID .VQtk1pA0 【穢れ】【人間】【天族】 人間しか穢れを生まない って感じになってるけど、普通に天族も穢れを生んでなかったっけ? ノルミンのアタックが美術品の件でキレて憑魔化してるし デゼルも復讐の感情で本来は穢れている アタックは人間の導師であるスレイに浄化して助けてもらって (ライラだけでは浄化できないので、「人間」である導師の力がないと天族は困る) デゼルは穢れていない人間のロゼを器にすることで、憑魔になるのを防いだ (天族が天族を器にするというのは不可能っぽい?) っていうのが原作での天族が人間を必要とした(人間を利用した)ポイントだと思う 929 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 12 51 25 ID LO0J9TEo0 では自分は、おもに天族という生物について案を出しましょうかね。 【天族】【人間】【穢れ】 そもそもは自然のエネルギーそのものだったが、人間と関わるためにエネルギーで肉体を作った存在。姿形はある程度は自分の意思で操作できるが、基本的にはその人物の人となりにふさわしい形質をとる(犬天族なども例外ではない。犬っぽい性質の天族だから犬の姿をとった) そして、エネルギーそのものである天族は、周囲のエネルギーを取り込みやすい種族。ここで、人間が発する精神のエネルギー「穢れ」が問題になってくる。 たとえば、塩にも発ガン性があるように、穢れにも毒素は含まれるが、本来は短期間におびただしい量をとり込まなければ、ほとんど害はなく、人との絆や想い、信仰の力によるわずかな浄化作用でも無害化できてしまう程度のもの。だが、加護領域もなく、マオテラスの加護もない災厄の時代では、その毒素があちらこちらに垂れ流されており、天族にとっての害になっている。 また、天族が活動するためのエネルギーは、主に周囲のエネルギーを取り込むことでまかなえる。天族が食事や睡眠を必要としないのはこのため。 また、天響術の使用や、戦闘でのダメージなどで休息に消耗したエネルギーは、食事や睡眠、導師や人間の「祈り」のエネルギーなどでも補填できる。 (天族というのはエネルギーの塊であり、エネルギーを消耗するというのは文字通り身を削る行為。ジークフリートが天族にとって危険なのは、天族を構成しているエネルギーを大量に消費するから。エネルギーそのものである天族は、エネルギーを著しく失うと肉体を保てなくなる。肉体的なダメージよりもエネルギーの消耗の方が天族には危険) そもそも、天族誕生についてはすべてが謎。天族がなぜ、わざわざ肉体をつくってまで人間に関わろうと思ったのかも不明。「神代の時代」に、人間と天族のあいだで「なにか」が起こったのでは? こんな感じです。 また、ライラとロゼのロングチャットから、「お菓子をいくら食べても『太らない!』と思い込めば体型の維持は可能だが、本来あるべき事象の否定は穢れを生むことに繋がる」という設定が判明している。つまり、天族も場合によっては穢れを生む種族である。 この設定と、これまでに出た設定案を参照するなら、天族も穢れを生むということが、天族も祈り(仮)を生むことが可能ということにつながり、ここでも天族の人間に対する優位性が生じてしまう(人間がいなくても天族自身の祈りによって穢れをある程度浄化できてしまう) この設定についても一考する必要があると思われます。 935 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 14 52 30 ID 8V7ZN8VI0 【天族】 彼らが基本エネルギー体(≒霊体)であることとそこから来る特異性については私も同意 天族自身の由来(誕生)については 恐らく彼らの発生した時代が古すぎるので 当時はまだ物質というものが定まっておらず世界そのものがあやふやな状態で、 当然そこに生まれた天族も同じように強固な物質的実在としての肉体は 備えられなかったのではないかと 彼らが「個」としての存在を持ちながら実体(肉体)が無いのはもともとそうなので 特にあとから出現した人間を真似ようとしたりしたわけではないと思います その後天族の力によって物質が定まってくると より物質的な実態を持った生き物が生まれてくるようになって 人間もその一つ 937 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 19 42 05 ID EvUKl5Z20 【天族】 そもそも『天族』という種族は存在しないのでは? つまり『天族』とは、霊的存在の総称であろうということ 『天族』の対となるのは、人間ではなく『生物』 『生物』の中に、人や犬やゴキブリなど色々な種族がいるように、 『天族』の中にも色々な種族がいるんだ ライラらとノルミンは同じ種族にはとても見えないが、実際、全然違う種族なんだ 霊的存在というのが共通しているだけで、人と犬くらいには別物と 憑魔というのも、穢れを好む性質を持つ天族の一種だ それが人に憑く『憑魔化』という現象も、実は神衣の一形態なんだ 『天族』をひとつの種族として捉え、明確な特徴を見出そうとするのがそもそもの間違い 『天族』というのはもっと大雑把な概念であり、一概には言えないモノなんじゃないか 938 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 19 53 41 ID 8V7ZN8VI0 →937 その辺もひっくるめて大雑把に「精霊や神のようなもの」て感覚でいいのかなーと思うんですよね 「穢れ」と対になる「清浄なもの」でできている霊的な(エネルギー体というのもあり)存在の総称 もしくは万物に宿る(宿りうる)神のようなもの 934で触れたように人間を中心に天族と慿魔が対照していて 人間が穢れ側に振れると慿魔と災厄を得、 信仰(清浄)側に振れると天族と加護を得る、みたいな その大雑把な特徴としては929のまとめが綺麗だと思いますのぜ 939 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 20 20 09 ID xXPi/jkU0 他のテイルズで例えるなら 天族→精霊・フォニム ジークフリート→魔科学 エネルギー→マナ みたいな感じってことかな? 940 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 22 24 13 ID LzmopytY0 個人的な希望として、 天族への祈りや信仰心は、平和な世の中では実はそれほど重要でないほうがいいな (のちに対等な関係で共存できたほうがいいよ) その上で…天族への祈りは強い感情のエネルギーを天族に直接届ける行為、というのを考えたよ (昔の信心深い人達は大抵天族への祈りに感謝や愛や誰かの幸せを願う気持ちを強く込めてたから、天族も直接強い生命力を得られてホクホクだったとかそんなの。天族が信仰と祈りを求める理由にならないかな?あとHP回復できないかな?) 941 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/23(月) 23 36 58 ID eGlUPu020 【天族】 あと、公式で『天族』の項目みたら、「天族は清らかな人間や物質を器とすることで天響術を使えるようになる」って書いてあったから、 器を持たない天族は物理干渉などは出来ないとかの もう少し違う解釈を模索してみる。 942 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 00 20 09 ID eP0.KjW20 【天族】【五大神】 所謂普通の天族と『五大神』って、天照と九十九神くらいの差があるイメージ。 『五大神』は人々から忘れられた所で変わらずそこに存在し続けるが、 普通の天族は天族という存在が忘れ去られてしまったら存在できないとか 943 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 00 32 20 ID exfGWWBY0 【五大神】 →942 そうなると五大神の代替わりってのも気になってくるね 代替わりの理由が流行り廃りで入れ替わりとかはいくらなんでも無しだろう… 944 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 00 43 39 ID gnxYKJgA0 「神」の性質上無いとは言い切れませんが…>流行り廃りで入れ替わり 直接関係ないけどRuneQuestってゲームでは昔の人間が 神話を改変することで都合よく神々をつくりかえようとした結果 世界が狂って崩壊したっていう背景が存在したりしたな(何 945 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 00 52 52 ID exfGWWBY0 →944 流行り廃りがあるって事は、五大神に匹敵する能力を持つ天族が旧五大神と新五大神で最低でも同時期に最低でも10人はいるって事だよね 代替わりした後の旧五大神は一体どこに行ったのだろうか 946 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 01 05 38 ID eP0.KjW20 →944,945 【五大神】 代替わりはもしかしたら一人ずつで、全員がいっぺんに代わるわけではないなら、無きにしもあらずじゃないか? この辺の詳しいことあまり覚えてないんだけどな 947 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 01 08 40 ID gnxYKJgA0 そう…いなくなったやつがいると考えると代替わりどうこうの設定って 面倒なだけじゃないのかって気がするのですよね まあ無理に考えるなら 例えば旧神たちはある時期を境に死んで黄泉に落ち黄泉からこの世に穢れ(呪い)を送る禍神になり 新五大神(現役の天族)がそれに対してこの世に加護を与える存在として新たに世界を回すようになったとか (まんま伊邪那美に対するその子孫ですが) 948 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 01 10 13 ID w/bHQYdM0 五大神の説明に 常に大陸全土を加護で満たしており、 大きすぎるために通常の天族でさえその存在を感じられないという 五大神って指名制なんでは?と言ってみる 代替わりした後の旧五大神は 力を失って普通の天族or人間になる もしくは世界の一部になるとか 949 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 05 52 22 ID exfGWWBY0 →947 個人的なにはそこら辺がカノヌシのラスボス説にはなると思うけど、ラスダンはカノヌシの遺跡らしいし、旧五大神なら大陸中に穢れバラ撒いて生態系狂わす程の力もあって、同格の存在ならマオテラスでも容易に対処出来ないですからね まぁラスボス論争に繋がるので、参考意見程度にしといて下さい 953 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 12 16 32 ID jiP/C1K20 今年に本当に公式設定資料集が出たら【穢れ】【憑魔】【人間】【天族】ってきっちり書かれるんかね? 今出てる攻略本での北の大国は火山の噴火で滅びただのジークフリートはよそから流れ着いたんじゃね?だのの投げっぷりだから 3000年の歴史()とやら以前に基本的な部分ですらきちんとした設定の説明は期待できなそうだけど 955 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 12 39 25 ID Nll7ZGgs0 【五大神】 五大神の元は八天龍にあるのではないかと予想。 八天龍(八神・水地火風氷雷光闇)のうちの五神が五大神として崇められた。 ジイジの神殿もジイジ(ゼンライ)が五大神として崇められていたころの名残。 959 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 14 07 41 ID gnxYKJgA0 穢れの発生原因って意味では「世界の中心(カノヌシ?)からやってくる負の加護、呪い」て説しか見ないような 964 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 15 36 55 ID gnxYKJgA0 963に「本来あるべき循環」というのがあるけれども ここのところをどう落ち着けたいと思ってるかというのもあると思うんだよね 933にもちょっと書きましたが 1)「穢れ」が発生すること自体を全くないようにしてしまう、 2)「穢れ」の発生に対して「祈り→天族→加護→浄化」のプロセスを機能させて 発生自体は存続するが問題は生じないサイクルを再生する という二つの落としどころが考えられます 私は当初1)に近い落としどころを想定していましたが これだと天族が要らない子になるという問題が生じます 穢れが発生しないなら人間は別に思うさま負の感情を持ってもいいし、 逆に言うと天族に対する信仰や霊応力も全く必要なくなってしまいます 2)の場合は歴史で言う「アヴァロストの調律時代」のような調和を取り戻すことを目標とする形になるかと思いますが つまりは天族への信仰、感謝によって天族を養い(?)加護(領域)を得て 浄化を働かせることによって穢れが出ることを自然のサイクルの中で正常化するというもので、 天族と人間が互いに存在意義を持って共生関係を築けますが、 ひとたびどちらかが過てば過去の出来事が繰り返されてしまうリスクはあります …というか多分現代時点ではまだ天族の進行回復離されていないと思われるので、 当面穢れ多めの世界との戦いが続くことが示唆され俺たちの浄化の旅はこれからだ!EDになると思います。 しかしながら、個人的には2)の説の方を推したい。 1)のようになると天族は本当要らない子です(苦笑) 私の思うに、真ゼスはなんというか割とスピリチュアルな(?)テーマであって 見えないものや精神的なものを見直したり心に取り戻すことによって 「心の豊かさ」を得ることから「世界が豊かになる」という順番を示すものなのかなと 966 :真の名無し@転載は禁止:2015/03/24(火) 16 10 22 ID myEP0HOk0 →964 俺の言った『本来あるべき循環』は仰る通りの2番の方になるかな 天族要らない子もそうなんだけど、 穢れそのものを否定しなくてもいいんじゃないかなと思うから、1番は選べない ※投票箱に質問設置までの仮まとめ
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EMトランプガール+オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 妖の技を操りし者、眩き光となりて龍の眼(まなこ)に今宿らん! 融合召喚! 出でよ! 秘術ふるいし魔天の龍! ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン EMシルバー・クロウ+ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 誇り高き銀狼よ! 魔天の龍と1つになりて新たな力を生み出さん! 融合召喚! 出でよ、野獣の眼(まなこ)光りし獰猛なる龍! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! EMドラミング・コング+オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 胸を打ち鳴らす森の賢人よ! 神秘の竜と一つとなりて新たな力を生み出さん! 融合召喚! 出でよ、野獣の眼光りし獰猛なる竜! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! EMラクダウン+オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 灼熱の地より生還せし獣よ! 神秘の龍と一つとなりて新たな力を生み出さん! 融合召喚! 出でよ、野獣の眼光りし獰猛なる龍! レベル8! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! EMマンモスプラッシュ+オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 二色の眼(まなこ)の竜よ! 巨獣の飛沫をその身に浴びて、新たな力を産み出さん! 出でよ、野獣の眼光りし獰猛なる龍! レベル8! ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! 覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン 二色の眼(まなこ)の竜よ! その黒き逆鱗を震わせ歯向かう敵を殲滅せよ! エクシーズ召喚! 出でよ、ランク7! 怒りの眼(まなこ)輝けし竜! 覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン! オッドアイズ・セイバー・ドラゴン 出でよ、絶望の暗闇に差し込む、眩き救いの光! オッドアイズ・セイバー・ドラゴン! 覚醒の魔導剣士(エンライトメント・パラディン) 剛毅の光を放つ勇者の剣、今ここに閃光と共に目覚めよ! シンクロ召喚! レベル8! 覚醒の魔導剣士! 涅槃の超魔導剣士(ニルヴァーナ・ハイ・パラディン) 平穏なる時の彼方から、遍く世界に光を放ち、蘇れ! シンクロ召喚! 現れろ、レベル10! 涅槃の超魔導剣士、涅槃の超魔導剣士(ニルヴァーナ・ハイ・パラディン)! ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン 煉獄の底より、未だ鎮まらぬ魂に捧げる反逆の歌! 永久(とわ)に響かせ現れよ! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 出でよ、ランク5! ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン! ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 比類なき短剣使いよ! 二色の眼輝く龍よ! 今一つとなりて新たな命ここに目覚めよ! 融合召喚! 現れ出でよ! 気高き眼燃ゆる勇猛なる龍! ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン! 幻影騎士団(ファントム・ナイツ)カースド・ジャベリン 幾万の戦士を貫き、闇に葬る呪われし反逆の槍! 降臨せよ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク2! 幻影騎士団カースド・ジャベリン! 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン 二色の眼(まなこ)の竜よ! 深き闇より蘇り、怒りの炎で地上のすべてを焼き払え! エクシーズ召喚! 出でよ、ランク7! 災い呼ぶ烈火の竜! 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン! EM(エンタメイト)ガトリングール 二色の眼(まなこ)の竜よ! 土より生まれし巨人と一つとなりて、新たな種族として蘇れ! 融合召喚! 現れよ、レベル8! EMガトリングール! オッドアイズ・ランサー・ドラゴン 出でよ! 窮地の壁を打ち砕く頼もしき渾身の一撃! オッドアイズ・ランサー・ドラゴン! 覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン 二色の眼(まなこ)の竜よ! 毒持つ竜と一つになりて覇道へ導く力となれ! 融合召喚! 現れろ、レベル10! 慈愛の玉眼輝けし竜! 覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン! 覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン 二色の眼(まなこ)の竜よ! 光り輝く翼を得て覇道の頂へ舞い上がれ! シンクロ召喚! 現れろ、レベル8! 烈破の慧眼輝けし竜! 覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン! オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン 運命の狭間で止まった振り子が新次元で新たな時を刻む!! 現れろ!!! オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン!!! 超重武者ビッグベン-K(ケー) 動かざること山の如し。不動の姿、今見せん! 超重荒神スサノ-O(オー) パターン1 荒ぶる魂よ、千の刃の魂と共に、荒波渦巻く戦場(いくさば)に現れよ! シンクロ召喚! いざ出陣! レベル10! 超重荒神スサノ-O! パターン2 荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に砂塵渦巻く戦場(いくさば)に現れよ! シンクロ召喚! いざ出陣! レベル10! 超重荒神スサノ-O! パターン3 荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に子供らに見守られし戦場(いくさば)に現れよ! シンクロ召喚! いざ出陣! レベル10! 超重荒神スサノ-O! 超重神鬼シュテンドウ-G(ジー) パターン1 雄叫び上げよ、神々しき鬼よ! 見参せよ、氷雪すさぶ戦場(いくさば)に! シンクロ召喚! いざ出陣! レベル6! 超重神鬼シュテンドウ-G! パターン2 雄叫び上げよ、神々しき鬼よ! 見参せよ、悪のはびこる戦場(いくさば)に! シンクロ召喚! いざ出陣! レベル6! 超重神鬼シュテンドウ-G! 超獣魔獣キュウ-B(ビー) 動かざること炎山の如し! 大岩に宿りし魂、今聳え立つ砦となれ! シンクロ召喚! 出でよ、レベル9! 超重魔獣キュウ-B! 超重忍者サルト-B(ビー) 闇に潜む忍の者よ! 山に木霊する叫びと共に荒れ果てた戦場に現れよ! シンクロ召喚! いざ出陣! 超重忍者サルト-B! 超重忍者シノビ-A(ア)・C(シー) 疾きこと風の如く! 徐かなること林の如し! 音無く忍びとどめを刺せ! シンクロ召喚! 出でよ、レベル7! 超重忍者シノビ-A・C! 超重武者カタナカ-G(ジー) 歴戦の刃鍛えし鉄(くろがね)の槌音響かせ、劫火渦巻く戦場に現れよ! シンクロ召喚! いざ出陣! 超重武者カタナカ-G! 超重蒸鬼テツドウ-O(オー) 不動の鬼神よ! 覚悟の拳を握り締め、今、鉄の鬼となって戦場を駆け巡れ! シンクロ召喚! いざ出陣! 現れろ、レベル12! 超重蒸鬼テツドウ-O! 幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト 天上に響く妙なる調べよ、眠れる天才を呼び覚ませ! 出でよ! レベル8の幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト! 幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト 響け歌声! 流れよ旋律! タクトの導きにより力重ねよ! 融合召喚! 今こそ舞台へ! 幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト! 幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ 幻奏の歌姫ソプラノ+幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト 天使のさえずりよ! 至高の天才よ! タクトの導きにより力重ねよ! 融合召喚! 今こそ舞台に勝利の歌を! 幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ! 幻奏の歌姫ソプラノ+幻奏の音女タムタム 天使のさえずりよ! 魂の響きよ! タクトの導きにより力重ねよ! 融合召喚! 今こそ舞台に勝利の歌を! 幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ! 幻奏の音姫アリア+幻奏の歌姫ソプラノ 響き渡る歌声よ! 天使のさえずりよ! タクトの導きにより力重ねよ! 融合召喚! 今こそ舞台に、勝利の歌を! 幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ! 幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ 至高の天才よ! 気高き共鳴よ! 天使のはばたきよ! タクトの導きにより力重ねよ! 融合召喚! 今こそ舞台に情熱の歌を! 幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ! バーバリアン・キング 密林の奥地から巨木をなぎ倒し、現れるがいい! 未開の王国に君臨する蛮族の王! バーバリアン・キング! デストーイ・シザー・ベアー 悪魔の爪よ! 野獣の牙よ! 今一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを切り裂く戦慄のケダモノ! デストーイ・シザー・ベアー! デストーイ・チェーン・シープ 融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを封じる鎖のケダモノ! デストーイ・チェーン・シープ! デストーイ・ホイールソウ・ライオ 悪魔宿りし鉄の歯よ!牙剥く野獣と一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを切り裂く百獣の王! デストーイ・ホイールソウ・ライオ! デストーイ・マッド・キマイラ 悪魔宿りし非情の玩具よ! 刃向かう愚民を根こそぎ滅ぼせ! 融合召喚! 現れ出でよ、全ての玩具の結合魔獣! デストーイ・マッド・キマイラ! デストーイ・シザー・タイガー エッジインプ・シザー+ファーニマル・マウス 悪魔の爪よ! 鋭い牙よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを引き裂く密林の魔獣! デストーイ・シザー・タイガー! ファーニマル・ベアー+エッジインプ・シザー+ファーニマル・オウル 悪魔の爪よ! 野獣の牙よ! 煉獄の眼(まなこ)よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを引き裂く密林の魔獣! デストーイ・シザー・タイガー! ファーニマル・ベアー+エッジインプ・シザー 悪魔の爪よ! 野獣の牙よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを引き裂く密林の魔獣! デストーイ・シザー・タイガー! デストーイ・サーベルタイガー 現れ出ちゃえ! 全てに牙剥く魔境の猛獣! デストーイ・サーベル・タイガー! デストーイ・ハーケン・クラーケン 魔物の爪よ! 悪魔の使徒と一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出ちゃえ! 自由を奪い闇に引き込む海の悪魔! デストーイ・ハーケン・クラーケン! 魔妖仙獣 大刃禍是 烈風纏いしあやかしの長よ! 荒ぶるその衣を解き放ち、大河を巻き上げ大地を抉れ! 出でよ、魔妖仙獣 大刃禍是! ジェムナイト・ジルコニア 現れよ! 幻惑の輝き! ジェムナイト・ジルコニア! ジェムナイト・パーズ 雷帯びし秘石よ! 幸運を呼ぶ緑の輝きよ! 光渦巻きて新たな輝きと共に一つとならん! 融合召喚! 現れよ、勝利の探求者! ジェムナイト・パーズ! ジェムナイトマスター・ダイヤ ジェムナイト・アレキサンド+ジェムナイト・ルマリン+ジェムナイト・エメラル 昼と夜の顔を持つ魔石よ! 雷帯びし秘石よ! 幸運を呼ぶ緑の輝きよ! 光渦巻きて新たな輝きと共に一つとならん! 融合召喚! 現れよ、全てを照らす至上の輝き! ジェムナイトマスター・ダイヤ! ジェムナイト・アレキサンド+ジェムナイト・エメラル+ジェムナイト・ラピス 昼と夜の顔を持つ魔石よ! 幸運を呼ぶ緑の輝きよ! 碧き秘石と一つとなりて新たな光を生み出さん! 融合召喚! 現れよ、全てを照らす至上の輝き! レベル9! ジェムナイトマスター・ダイヤ! ジェムナイト・サフィア+ジェムナイト・ガネット+ジェムナイト・クリスタ 堅牢なる蒼き意志よ! 紅の真実よ! 玻璃の眼(まなこ)よ! 光渦巻きて新たな輝きと共に一つとならん! 融合召喚! 現れよ、全てを照らす至上の輝き! ジェムナイトマスター・ダイヤ! ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 神秘の力秘めし碧き石よ! 今光となりて現れよ! 融合召喚! レベル5! ジェムナイトレディ・ラピスラズリ! セイクリッド・プレアデス 星々の光よ! 今大地を震わせ降臨せよ! エクシーズ召喚! ランク5! セイクリッド・プレアデス! セイクリッド・トレミスM7 眩き光もて降り注げ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク6! セイクリッド・トレミスM7! X(エックス)-セイバー ソウザ 光差する刃持ち屍の山を踏み越えろ! シンクロ召喚! 出でよ、レベル7! X-セイバー ソウザ! XX(ダブルエックス)-セイバー ヒュンレイ 赤きマント翻し、剣の舞で敵を討て! シンクロ召喚! 出でよ、レベル6! XX-セイバー ヒュンレイ! XX(ダブルエックス)-セイバー ガトムズ 白銀の鎧輝かせ刃向かう者の希望を砕け! シンクロ召喚! 出でよ!レベル9! XX-セイバー ガトムズ! DDD烈火王テムジン DDケルベロス+DDリリス 牙むく地獄の番犬よ! 闇夜にいざなう妖婦よ! 冥府に渦巻く光の中で、今ひとつとなりて新たな王を生み出さん! 融合召喚! 生誕せよ、DDD烈火王テムジン! DDスワラル・スライム+DDバフォメット 自在に形を変える神秘の渦よ、異形の神を包み込み、今ひとつとなりて新たな王を生み出さん! 融合召喚! 生誕せよ、DDD烈火王テムジン! DDリリス+DDナイト・ハウリング 闇夜に誘う妖婦よ! 闇を切り裂く咆哮に導かれ、新たな王を生み出さん! 融合召喚! 生誕せよ、DDD烈火王テムジン! DDD疾風王アレクサンダー 闇を切り裂く咆哮よ、疾風の速さを得て新たな王の産声となれ! シンクロ召喚! 生誕せよ、レベル7! DDD疾風王アレクサンダー! DDD怒涛王シーザー この世の全てを統べるため、今 世界の頂に降臨せよ! エクシーズ召喚! 生誕せよ、ランク4! DDD怒濤王シーザー! DDD狙撃王テル 英雄の名賜りし者、深遠なる大義もて、この世の全てをいざ射抜かん! エクシーズ召喚! 降臨せよ、ランク5! DDD狙撃王テル! DDD神託王ダルク 誇り高き騎士よ、災い封じ込めし坩堝に融け込み、真の王と生まれ変わらん! 融合召喚! 出でよ、神の威光伝えし王! DDD神託王ダルク! DDD壊薙王アビス・ラグナロク 現れ出でよ、神々の黄昏に審判を下す最高神! DDD壊薙王アビス・ラグナロク! DDD怒涛壊薙王カエサル・ラグナロク 神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで、新たな世界を切り開け! 融合召喚! 出現せよ、極限の独裁神! DDD怒涛壊薙王カエサル・ラグナロク! DDD双暁王カリ・ユガ 二つの太陽が昇る時、新たな世界の地平が開かれる! エクシーズ召喚! 現れ出でよ、ランク8! DDD双暁王カリ・ユガ! DDD剋竜王ベオウルフ 混沌たるこの世の行く末を見極める王よ、未来に流される血を吸い、竜をも倒す勇者となれ! 融合召喚! 生誕せよ、レベル8! DDD剋竜王ベオウルフ! DDD呪血王サイフリート その紅に染められし剣を掲げ、英雄たちの屍を越えていけ! シンクロ召喚! 生誕せよ、レベル8! DDD呪血王サイフリート! DDD盤石王ダリウス 難攻不落の無敵の王よ! 今悠久の時を超え降臨せよ! エクシーズ召喚! 生誕せよ、ランク3! 盤石王ダリウス! DDD超視王ゼロ・マクスウェル 現れろ!! 世界を凝望せし我が下僕!! DDD超視王ゼロ・マクスウェル!!! DDD運命王ゼロ・ラプラス 時の闇に潜むパラダイム。必然の力が因果律の悪魔を呼び覚ます! 特殊召喚!! DDD運命王ゼロ・ラプラス!!! 聖占術姫タロットレイ 全てを見通す、太古の巫女よ! 古の秘術にて今蘇れ! 儀式召喚! レベル9! 聖占術姫タロットレイ! 幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード 戦場に倒れし、騎士達の魂よ! 今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク3! 幻影騎士団ブレイクソード! ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン アニメ版 漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙! 今、降臨せよ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン! 漫画版 漆黒の闇より現れし反逆の牙! エクシーズ召喚!! ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!! ダーク・アンセリオン・ドラゴン 闇の帳を切り裂きしは、新たな力を得た反逆の牙!! エクシーズ召喚!!! ダーク・アンセリオン・ドラゴン!!! RR(レイド・ラプターズ)-ライズ・ファルコン 雌伏の隼よ、逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! RR-ライズ・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-ブレイズ・ファルコン 獰猛なる隼よ、激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、ランク5! RR-ブレイズ・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-レヴォリューション・ファルコン 誇り高き隼よ、英雄の血潮に染まる翼翻し、革命の道を突き進め! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、ランク6! RR-レヴォリューション・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-フォース・ストリクス 冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実を暴き、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ! エクシーズ召喚! 飛来せよ、ランク4! RR-フォース・ストリクス! RR(レイド・ラプターズ)-サテライト・キャノン・ファルコン 勇猛果敢なる隼よ、怒りの炎巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 飛翔しろ、ランク8! RR-サテライト・キャノン・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-アルティメット・ファルコン 究極至高の隼よ、数多なる朋友の遺志を継ぎ、勝利の天空へ飛び立て! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、ランク10! RR-アルティメット・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-ファイナル・フォートレス・ファルコン 我が魂の隼よ、揺るぎない信念と深き慈愛の心で堅牢なる最後の砦となりて降臨せよ! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、ランク12! RR―ファイナル・フォートレス・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-エトランゼ・ファルコン まだ見ぬ勇猛な隼よ、猛き翼に秘めし未知なる力、今ここに知らしめよ! クロスエクシーズ召喚! 現れろ、ランク5! RR-エトランゼ・ファルコン! RR(レイド・ラプターズ)-ブレード・バーナー・ファルコン 紅蓮に燃えさかる竜達よ、渇望の翼を燃やし我が魂を照らせ! エクシーズ召喚! RR-ブレード・バーナー・ファルコン! HSR(ハイスピードロイド)魔剣ダーマ 十文字の姿もつ魔剣よ! その力ですべての敵を切り裂け! シンクロ召喚! 現れろ、レベル6! HSR魔剣ダーマ! クリアウィング・シンクロ・ドラゴン その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て! シンクロ召喚! 現れろ、レベル7! クリアウィング・シンクロ・ドラゴン! HSR(ハイスピードロイド)チャンバライダー シンクロ召喚! その躍動感溢れる剣戟の魂! 出でよ、レベル5! HSRチャンバライダー! HSR(ハイスピードロイド)マッハゴー・イータ 双翼抱く煌めくボディー! その翼で天空に跳ね上がれ! シンクロ召喚! 現れろ、レベル5! HSRマッハゴー・イータ! HSR(ハイスピードロイド)快刀乱破ズール 幾千の顔を持つ迷宮の影よ! その鋭き刃で混沌の闇を切り裂け! シンクロ召喚! レベル4! HSR快刀乱破ズール! クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 神聖なる光蓄えし翼煌かせ、その輝きで敵を討て! シンクロ召喚! 出でよ! クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン! クリアウィング・ファスト・ドラゴン 輝く翼 神速となり天地を照らせ! 現れろ シンクロ召喚!! クリアウィング・ファスト・ドラゴン!!! 覇勝星イダテン 天昇星テンマ+地翔星ハヤテ 天翔ける星、地を飛び、今一つとなって悠久の覇者たる星と輝け! 融合召喚! 来い、覇勝星イダテン! 天融星カイキ+地翔星ハヤテ 天に融けし者よ! 地を飛びし者よ! 今一つとなって悠久の覇者たる星と輝け! 融合召喚! 来い、レベル10! 覇勝星イダテン! 覇道星シュラ 天に融けし者よ! 悠久の覇者! 重ねし力で天下を取らん! 融合召喚! 来い、レベル12! 覇道星シュラ! 覇嵐星フウジン 吹けよ風! 荒べよ嵐! 逆巻く破壊神、ここに君臨! 融合召喚! 来い、レベル10! 覇嵐星フウジン! 覇雷星ライジン 天に閃け! 地に響け! 雷の破壊神、ここに君臨! 融合召喚! 出でよ、レベル10! 覇雷星ライジン! ランプの炎精ファイヤー・ジーン 闇より呼ばれし魔人よ! 炎熱の魂抱きて、今、新たに生まれ変わらーん! 融合召喚! 来~てくださ~い! ランプの炎精ファイヤー・ジーン! Em(エンタメイジ)トラピーズ・マジシャン ショー・マスト・ゴー・オン! 天空の奇術師よ、華やかに舞台を駆け巡れ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! Emトラピーズ・マジシャン! Em(エンタメイジ)影絵師シャドーメイカー 降り立て、魔界の芸術家! エクシーズ召喚! ランク5! Em影絵師シャドーメイカー! 古代の機械混沌巨人(アンティーク・ギア・カオス・ジャイアント) デニス使用時 古の魂受け継ぎし、機械仕掛けの猟犬どもよ! その十の首混じり合わせ混沌にして絶大なる力とならん! 融合召喚! 現れろ、レベル10! 古代の機械混沌巨人! オベリスクフォース使用時 古の魂受け継ぎし、機械仕掛けの猟犬どもよ! その十の首混じり合わせ混沌にして絶大なる力とならん! 融合召喚! 現れろ、レベル10! この世のすべてを形なき混沌に帰す究極破壊神! 古代の機械混沌巨人! Em(エンタメイジ)トラピーズ・フォース・ウィッチ 痛みをも自在に操る軽業師よ! 無限に形を変える一繋がりの糸と溶け合い、天空を駆る新たな魔女となれ! 融合召喚! 現れろ、レベル7! Emトラピーズ・フォース・ウィッチ! Em(エンタメイジ)トラピーズ・ハイ・マジシャン ショー・マスト・ゴー・オン! 天空の奇術師よ! もっと華麗に、もっと鮮烈に、さらなる大舞台を駆け巡れ! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、ランク5! Emトラピーズ・ハイ・マジシャン! 獣闘機(ビーストボーグ)パンサー・プレデター 獰猛なる黒豹よ、聖なる闇の番人と交じり合いて、新たな雄叫びを上げよ! 融合召喚! 現れ出でよ! 獣闘機パンサー・プレデター! 獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー 牙剥く戦場の狼よ! 歴戦の番兵と一つとなりて新たな野獣の勇者となれ! 融合召喚! 現れ出でよ、レベル6! 獣闘機ウルフ・ケンプファー! 月光舞猫姫(ムーンライト・キャット・ダンサー) 月光青猫+月光紫蝶 青き闇を徘徊する猫よ! 紫の毒持つ蝶よ! 月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ、月明かりに舞い踊る美しき野獣! 月光舞猫姫! 月光青猫+月光白兎 青き闇を徘徊する猫よ! 月光に映え躍動する兎よ! 月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ、月光舞猫姫! 月光舞豹姫(ムーンライト・パンサー・ダンサー) 月光舞猫姫+月光紫蝶 月明かりに舞い踊る美しき野獣よ! 紫の毒持つ蝶よ! 月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ、月光の原野に舞い踊るしなやかなる野獣! 月光舞豹姫! 月光舞猫姫+月光黒羊 漆黒の闇に潜む獣よ! 月明かりに舞い踊る美しき野獣よ! 月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ、月光の原野に舞い踊るしなやかなる野獣! 月光舞豹姫! 月光舞獅子姫(ムーンライト・ライオ・ダンサー) 月光の原野で舞い踊るしなやかなる野獣よ! 漆黒の闇に潜む獣よ! 紫の毒持つ蝶よ! 月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ、月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王! 月光舞獅子姫! パラサイト女王(クイーン) 常闇に響(どよ)もす小夜鳴鳥の咽びよ! 内なる声とひとつになりて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 君臨せよ! 理性に巣食う女王! レベル8! パラサイト女王! 古代の機械参頭猟犬(アンティーク・ギア・トリブルバイト・ハウンドドッグ) 古の魂受け継がれし、機械仕掛けの猟犬たちよ! 群れ成して混じり合い、新たなる力と共に生まれ変わらん! 融合召喚! 現れろ、レベル7! 古代の機械参頭猟犬! CCC武融化身ウォーター・ソード ウロコ煌めかす大河の覇者よ、我が目に宿りてその力捧げよ! 融合召喚! 現れろ、全てを切り裂く水の剣! CCC武融化身ウォーター・ソード! CCC鎧重化身ロック・アーマー 荘厳なる大地の覇者よ、我が目に宿りてその力捧げよ! エクシーズ召喚! 現れろ、全てを弾き返す究極武装! ランク6! CCC鎧重化身ロック・アーマー! CCC武融化身ロック・ソード 鉄槌の射出機よ、我が目に宿りてその力捧げよ! 融合召喚! 現れろ、全てを切り裂く鋼の剣! レベル6、CCC武融化身ロック・ソード! CCC撃調化身ロック・シューター 焼き付けられし鉄槌の射出機よ、我が目と調和し、その力捧げよ! シンクロ召喚! 現れろ、全てを撃ち抜く精巧なる銃! レベル6、CCC撃調化身ロック・シューター! CCC武融化身ソニック・ハルバード 気高き疾風王よ、我が目に宿りてその力捧げよ! 融合召喚! 現れろ、全てを叩き切る音速の鉾槍! レベル8、CCC武融化身ソニック・ハルバート! ゴヨウ・チェイサー 地獄の果てまで追い詰めよ! 見よ、清廉なる魂! シンクロ召喚! 出でよ、レベル5! ゴヨウ・チェイサー! ゴヨウ・プレデター パターン1 荒ぶる獣の牙持て捕獲せよ! シンクロ召喚! レベル6! ゴヨウ・プレデター! パターン2 出でよ、斬り捨て御免の狩人! シンクロ召喚! レベル6! ゴヨウ・プレデター! ゴヨウ・エンペラー 飽くなき追跡者の魂と、誇り高き捕食者の魂が今、一つとなりて昇華する! 融合召喚! 出でよ、荘厳なる捕獲者の血統を受け継ぎし者! ゴヨウ・エンペラー! スナイピング・ヘイジ-タイプ0 もつれた疑惑の黒い霧切り裂き、真実を解き明かさん! シンクロ召喚! 出ろ、レベル7! スナイピング・ヘイジ-タイプ0! ゴヨウ・カタパルト 不届き者を打ち据える鉄槌の射出機! シンクロ召喚! 見よ、これがお上の力だ! 現れ出でよ、レベル6! ゴヨウ・カタパルト! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-驟雨のライキリ 漆黒の翼翻し、雷鳴と共に走れ、電光の斬撃! シンクロ召喚! 降り注げ、ABF-驟雨のライキリ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)--白虹のクニヨシ 漆黒の翼、天を穿ち飛翔せよ! シンクロ召喚! 現れろ! ABF-白虹のクニヨシ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-白虹のクニサダ 漆黒の翼、閃光と共に天を斬れ! シンクロ召喚! 現れろ! ABF-白虹のクニサダ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-白虹のクニフサ 漆黒の剣、翼と共に木霊せよ! シンクロ召喚! 現れろ! ABF-白虹のクニフサ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-叢雲のクサナギ 漆黒の翼、層雲に翻し天空を分かつ剣となれ! シンクロ召喚! 降臨せよ! ABF-叢雲のクサナギ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-雨隠れのサヨ 漆黒の翼羽ばたかせ、秘めたる刃で風を斬れ! シンクロ召喚! 飛来せよ! ABF-雨隠れのサヨ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-五月雨のソハヤ 黒き烈風よ、絆を紡ぐ追風となれ! シンクロ召喚! 飛び立て! ABF-五月雨のソハヤ! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-神立(がんだち)のオニマル 漆黒の翼よ、雷の力宿して、鮮烈に轟け! シンクロ召喚! 切り裂け! ABF-神立のオニマル! A(アサルト)BF(ブラックフェザー)-涙雨のチドリ 漆黒の翼濡らし、そぼ降る雨に響け、雷鳴の一撃! シンクロ召喚! 突き抜けろ! ABF-涙雨のチドリ! 花札衛(カーディアン)-雨四光- 涙雨、光となりて降り注げ! シンクロ召喚! 出でよ、レベル8! 花札衛-雨四光-! 花札衛(カーディアン)-猪鹿蝶- その猛きこと獅子の如く! その勇壮なること鹿の如く! その美しきこと蝶の如く! シンクロ召喚! レベル6! 花札衛-猪鹿蝶-! 花札衛(カーディアン)-五光- その神々しきは聖なる光! 今天と地と水と土と金となりて照らせ! シンクロ召喚! 花札衛-五光-! ゴヨウ・ディフェンダー お上の力を思い知れ! シンクロ召喚! 現れろ、レベル3! ゴヨウ・ディフェンダー! ゴヨウ・キング お上の威光の前に平伏すがいい! シンクロ召喚! 現れろ、レベル8! ゴヨウ・キング! レッド・ワイバーン 赤き魂、ここに一つとなる! 王者の雄叫びに震撼せよ! シンクロ召喚! 現れろ、レッド・ワイバーン! レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 王者の咆哮、今天地を揺るがす! 唯一無二なる覇者の力をその身に刻むがいい! シンクロ召喚! 荒ぶる魂! レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト! レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント 王者と悪魔、今ここに交わる! 赤き竜の魂に触れ、天地創造の雄叫びを上げよ! シンクロ召喚! 現れろ、レベル10! レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント! 黄昏の忍者将軍-ゲツガ 由緒正しき風魔一族の真の力を思い知るがよい! 黄昏の忍者将軍-ゲツガ! B・F(ビー・フォース)-突撃のヴォウジェ その羽で爆風を巻き起こし、その一刺しで真実の道を切り拓け! シンクロ召喚! 来い、B・F-突撃のヴォウジェ! B・F(ビー・フォース)-決戦のビッグ・バリスタ 結集せし絆の力にて、傲岸たる巨悪の壁を射抜け! シンクロ召喚! 現れろ、レベル12! B・F-決戦のビッグ・バリスタ! B・F(ビー・フォース)-霊弓のアズサ 蜂出(ほうしゅつ)する憤激の針よ、閃光と共に天をも射抜く弓となれ! シンクロ召喚! 現れろ! B・F-霊弓のアズサ! B・F(ビー・フォース)-降魔弓のハマ 呼応する力、怨毒(えんどく)の焔を携え、反抗の矢を放て! シンクロ召喚! レベル8! B・F-降魔弓のハマ! 茨の戒人(ソーン・オブザーバー)-ズーマ 歪曲した煩悩を曝け出し、茨に肉塊を委ねよ! シンクロ召喚! 現れよ、レベル2! 茨の戒人-ズーマ! 茨の超越戒人(ソーン・オーバーザーバー)-ヴァン・ダーリ・ズーマ 辛苦、痛み、凡庸なる価値を骸とし、全て脱ぎ去り今! 茨の道を越えよ! 融合召喚! 現れよ! 茨の超越戒人-ヴァン・ダーリ・ズーマ! 地縛戒隷ジオグリフォン 地の底から蘇れ、戒め放つ翼持つ巨獣よ! シンクロ召喚! 現れよ、レベル8! 地縛戒隷ジオグリフォン! 地縛戒隷ジオクラーケン 地を這う囚人よ、刑場への道を歩き続ける囚人と一つとなり、戒め与える巨獣となれ! 融合召喚! 現れよ、レベル8! 地縛戒隷ジオクラーケン! 地縛戒隷ジオグレムリン 大地に取り憑きし妖精よ、その妖しき力で万物を揺るがせ! シンクロ召喚! 現れよ、レベル6! 地縛戒隷ジオグレムリン! 地縛戒隷ジオグレムリーナ 石に囚われし者よ! 地に封じられし者と一つとなりて大地を掴め! 融合召喚! 現れよ、レベル6! 地縛戒隷ジオグレムリーナ! 地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス 地を司る悪魔よ! 大地を掴む悪魔よ! 今、雌雄一つとなりて大いなる大地の底より来れ! 融合召喚! 現れよ、レベル10! 地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 「捕食植物」モンスター×2 魅惑の香りで虫を誘う二輪の美しき花よ! 今一つとなりてその花弁の奥の地獄から新たな脅威を生み出せ! 融合召喚! 現れろ、飢えた牙持つ毒龍! レベル8! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン! EMオッドアイズ・ディゾルヴァー+時読みの魔術師 闇夜を照らす二色の眼よ! 時の指針となりて、新たな道を指し示せ! 融合召喚! 現れろ! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン! EMオッドアイズ・ディゾルヴァー+EMオッドアイズ・プリースト 闇夜を照らす二色の眼よ! 異なる二色の眼と一つとなりて、新たな道を指し示せ! 融合召喚! 現れろ! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン! グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 飢えた牙持つ毒龍よ! 奈落へ誘う香しき花よ! 今一つとなりて思いのままに全てを貪れ! 融合召喚! 現れろ、レベル10! グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン! スターヴ・ヴェネミー・ドラゴン 毒をもって敵を征す! このモンスター混ぜたら危険!! 現れろ 融合召喚!! スターヴ・ヴェネミー・ドラゴン!!! スターヴ・ヴェネミー・リーサルドーズ・ドラゴン 混ぜると危険! 混ぜすぎカオス!! 現れろオッドアイズ三体融合究極竜! スターヴ・ヴェネミー・リーサルドーズ・ドラゴン!!! スターヴ・ヴェノム・プレデター・フュージョン・ドラゴン 魅惑の香りで虫を誘う二輪の麗しき華よ! 今一つとなりて、その花弁が誘う深淵より飢えたる牙を生み出せ! 融合召喚!現れよ! 全てを喰らう毒牙竜!!! レベル10! スターヴ・ヴェノム・プレデター・フュージョン・ドラゴン!!! 古代の機械究極巨人(アンティーク・ギア・アルティメット・ゴーレム) 古の巨人よ! 天翔ける竜よ! 深遠に輝ける竜よ! 今ひとつとなりて絶大なる力を示せ! 融合召喚! 出でよ、レベル10! 古代の機械究極巨人! 古代の機械魔神(アンティーク・ギア・デビル) 古の魂受け継がれし機械仕掛けの兵士たちよ! 今、隊列を組み、混じり合い、新たな力とともに生まれ変わらん! 融合召喚! 現れろ、レベル8! 機械仕掛けの魔神、古代の機械魔神! 銀河眼の光波竜(ギャラクシーアイズ・サイファー・ドラゴン) 闇に輝く銀河よ! 復讐の鬼神に宿りて我が僕となれ! エクシーズ召喚! ランク8! 銀河眼の光波竜! 超銀河眼の光波龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・サイファー・ドラゴン) 闇に輝く銀河よ! 永久に変わらぬ光放ち未来を照らす道標となれ! 降臨せよ、ランク9! 超銀河眼の光波龍! フルアーマードッグ ブル・フォートレス 銃器のごとき猟犬よ!空飛ぶ猛犬とひとつとなりて、天地を轟かす新たなる力となれ! 融合召喚! 現れ出でよ! フルアーマードッグ ブル・フォートレス! サイバー・エンジェル-美朱儒(ビシュヌ)- 無窮なる力を秘めし光の天使よ! 今あまねく世界にその姿現し万物を照らせ! 降臨せよ、レベル10! サイバー・エンジェル-美朱儒-! サイバー・エンジェル-那沙帝弥(ナーサテイヤ)- 癒しの力を秘めし光の天使よ! 麗しき姿で快癒をもたらせ! 降臨せよ、レベル5! サイバー・エンジェル-那沙帝弥-! D-HERO(デステニーヒーロー) ディストピアガイ D-HERO ドリルガイ×2 運命の岩盤を穿つ二人の英雄よ! 今一つとなりて暗黒の未来に君臨せよ! 融合召喚! カモン! D-HERO ディストピアガイ! D-HERO ディシジョンガイ+D-HERO ドリルガイ 勝利の宿命を決意し英雄よ! 運命の岩盤をうがつ英雄よ! 今一つとなりて暗黒の未来に君臨せよ! 融合召喚! カモン! D-HERO ディストピアガイ! D-HERO ディシジョンガイ+D-HERO ドリームガイ 勝利の宿命を決意し英雄よ! 夢の世界の英雄よ! 今一つとなりて暗黒の未来に君臨せよ! 融合召喚! カモン! D-HERO ディストピアガイ! D-HERO(デステニーヒーロー) ダスクユートピアガイ 暗黒の世界の英雄よ! 夢の世界の英雄よ! 今一つになりて黄昏の理想郷に君臨せよ! 融合召喚! カモン! D-HERO ダスクユートピアガイ! フェアリー・チア・ガール 戦い続ける勇者に天使の微笑みを! エクシーズ召喚! 現れよ、ランク4! フェアリー・チア・ガール! アマゾネスペット虎獅子(ライガー) 牙剥く密林の野獣よ! 獲物を狙う戦士の目を得て、新たな猛獣となりて現れよ! 融合召喚! 出現せよ、レベル7! アマゾネスペット虎獅子! 重装甲列車アイアン・ヴォルフ 難攻不落の鉄(くろがね)の城よ! 地響き立てて敵兵蠢く鉄路を行け! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! 重装甲列車アイアン・ヴォルフ! アマゾネス女帝(エンプレス) 密林の女王よ! 勇猛なる剣士の力を取り込みすべてを統べる帝国を築け! 融合召喚! 現れろ、レベル8! アマゾネス女帝! キャプテン・ロック 赤き髑髏の魔界の船よ! 闇に潜みし髑髏の騎士よ! 今ひとつとなりて伝説の海賊王を呼び覚ませ! 融合召喚! 出でよ! キャプテン・ロック! 月の守護者 破邪の大剣に月輪の光輝く時、二つの戦士は一つとなれり! 融合召喚! 月の守護者、降臨! 太陽の守護者 閃光の双剣に日輪の光輝く時、二人の戦士は一つとなれり! 融合召喚! 太陽の守護者、降臨! WW(ウィンド・ウィッチ)-ウィンター・ベル 真冬の風よ! 雪も氷も我が力として吹き抜けよ! シンクロ召喚! 現れよ、レベル7! WW-ウィンター・ベル! WW(ウィンド・ウィッチ)-クリスタル・ベル 真冬の雪原を走り抜ける風の音よ! 内なる声とひとつになりてさらに激しく響き渡れ! 融合召喚! 現れよ! 荘厳に響く水晶の鐘! WW-クリスタル・ベル! LL(リリカル・ルスキニア)-アセンブリー・ナイチンゲール 麗しき翼を持つ鳥たちよ! 戦場に集いて気高く輝け! エクシーズ召喚! 舞い降りよ、ランク1! LL-アセンブリー・ナイチンゲール! LL(リリカル・ルスキニア)-インディペンデント・ナイチンゲール 闇夜に響く小夜鳴鳥のさえずりよ! 内なる声をひとつになりてさらに激しく鳴くがいい! 融合召喚! 舞い降りよ、気高き孤高の夜鳴き鳥! LL-インディペンデント・ナイチンゲール! 剣闘獣(グラディアルビースト)アンダバタエ さまよえる古の剣闘士の亡霊どもよ! 皇帝の名の下に集いその力を捧げよ! 融合召喚! 来い! 剣闘獣アンダバタエ! 剣闘獣(グラディアルビースト)ガイザレス 古に生きる猛禽の闘士よ! 剣闘士の魂と交わり歴戦の勇士となれ! 融合召喚! 来い! 剣闘獣ガイザレス! 剣闘獣総監(グラディアルビースト・テイマー)エーディトル 囚われの猿人よ! 同じ定めの猛虎とともに鞭打つ主人を招き入れよ! 融合召喚! 現れよ! 剣闘獣総監エーディトル! 大精霊機巧軍(マスター・スピリット・テック・フォース)-ペンデュラム・ルーラー 精霊宿りし機械仕掛けの兵隊たちよ! 今新たな力を得て、精強なる大軍となって舞い戻れ! 融合召喚! 集結せよ、レベル12! 大精霊機巧軍-ペンデュラム・ルーラー! アストログラフ・マジシャン 時を読み、星を読み、時空を操りし全知全能の魔術師よ! 今ここに降臨し、この我に力を与えよ! 出でよ! アストログラフ・マジシャン! 覇王龍ズァーク 四天の龍を統べ、第5の次元に君臨する究極龍よ! 今こそこの我とひとつとなるのだ! 統合召喚! 出でよ! 覇王龍ズァーク! 覇王眷竜ダークリベリオン 漆黒の闇に住まう叛逆の牙よ! 我に屈し、我に従え! エクシーズ召喚! ランク4! 覇王眷竜ダークリベリオン! 覇王眷竜クリアウィング 光の翼持つ眷属よ! その鋭利なる両翼で敵を討て! シンクロ召喚! 現れろ! 覇王眷竜クリアウィング! 覇王眷竜オッドアイズ 二色の眼(まなこ)持つ眷属よ! その鋭き両目で捉えた敵を焼き尽くせ! 現れろ! 覇王眷竜オッドアイズ! 白闘気白鯨(ホワイト・オーラ・ホエール) 深淵に眠る大いなる勇魚 生と死を廻る大海原に目覚めよ! シンクロ召喚! 現れろ!! 白闘気白鯨!!! 白闘気双頭神龍(ホワイト・オーラ・バイファムート) 万物の頂に眠りし臥龍! 全知全能の神気を宿し今こそ目覚めよ! シンクロ召喚!! 現れろ 白闘気双頭神龍!!! 幻魔帝トリロジーグ 三つの力、一つとなりし時、時空の彼方より最強魔法を呼び覚ます! 融合召喚!! 現れよ 幻魔帝トリロジーグ!! 時械神祖ヴルガータ 集いし願いが新たな時空の扉を開く! シンクロ召喚!! 現れよ! 時械神祖ヴルガータ!! No.(ナンバーズ)XX(ダブルエックス) インフィニティ・ダークホープ 現れよ 混沌たる闇の使者! No.XX インフィニティ・ダークホープ!! 超重剣聖ムサ─C 二本の聖剣携えし超重武者!ムサ─C!シンクロ召喚! 超重神鬼シュテンドウ─G 怒り狂う荒ぶれし鬼よ 満月をも打ち砕く咆哮にて二色の ジャホウ 邪宝 を破滅へと導け!シンクロ召喚!レベル6!超重神鬼 シュテンドウ─G! マシンナーズカーネル 蘇生時 再奇動せよ!マシンナーズカーネル! 墓地以外からの特殊召喚 マシンナーズ 永久不滅の機甲部隊よ!敵を全て一体残らず滅絶せよ!マシンナーズカーネル!奇動!
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登録日:2021/10/24 Sun 12 00 00 更新日:2024/02/21 Wed 23 07 14NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 Nintendo Switch PS4 PS5 PlayStation4 PlayStation5 RPG カルバード共和国 ゲーム スイーツの軌跡 ファルコム マフィア 共和国編 名もなき悪夢の果て 後半戦の開幕 日本ファルコム 移民問題 英雄伝説 裏解決屋 西ゼムリア 軌跡シリーズ 黎の軌跡 碧空の果て、一閃の先に見ゆるは黎明の大地―― 概要 英雄伝説 黎(くろ)の軌跡とは、2021年9月30日に日本ファルコムから販売されたRPG。対応機種はPlayStation4。 2022年7月28日にPlayStation5版が発売。PS4版を所持していれば低価格でアップグレード可能。 2024年2月15日にNintendo Switch版が発売予定。 「軌跡シリーズ」としては十一作目となり、シリーズ全体では後半戦の始まりであるとされる。 作中の時間としては前作『創』から1年半が経過しており、七耀暦1208年が舞台となる。 舞台はそれまでのシリーズでも度々言及されたカルバード共和国であり、ゼムリア大陸西部を舞台としていた前作までと違い東部が描かれる。そのため、西洋色の強かった前作までと違い、中華や中東の色が強い部分もある。 また序盤から章ごとに誰かしら殺される(*1)展開が続き、今作のクエストにあたる「4spg」においても中には根本的な解決に至らなかったものや、何とも後味の悪い結末のものもある。また同性愛や下ネタの描写が随所に散りばめられ、黎(くろ)の名の通り今までの軌跡シリーズとは一線を画すダークな物語が展開される。 これは開発側も意識的に描写したものであり、シリーズ後半戦の始まりで増々厳しくなっていく世界情勢を象徴するものとして、今までは禁じ手としていた殺人シーンや死の描写を解禁したとのこと。 ゲームエンジンも一新されており、フィールドバトルとコマンドバトルのシームレスな移行や、 新型の戦術オーブメント《Xipha(ザイファ)》による新しい能力強化システム等が特徴的。 前作までのキャラや設定が関与してくる場面もあるが、主要キャラクターは一新されているため、ここから軌跡シリーズを始めるのも選択肢となる。 ストーリー “裏解決屋(スプリガン)”―― カルバード共和国という多様性の坩堝から生まれた、ある種の裏稼業。 ある時は探偵として、ある時は交渉人として、またある時は賞金稼ぎとして、彼らはどんな、そして誰からの依頼でも受ける。 警察では扱い切れない依頼の下請け、市民からの表沙汰にできない相談事、さらには犯罪者やアンダーグラウンド勢力の“真っ当な”依頼も。 それが、『裏解決屋』と呼ばれる彼らの流儀であった。 時に、七耀暦1208年―― 共和国首都イーディス・旧市街にある古ぼけた雑居ビルを名門校の制服に身を包んだ、いかにも育ちの良さそうなひとりの女生徒が訪れていた。 『アークライド解決事務所』 素っ気ない文字で書かれたそのプレートを、凛とした眼差しで見つめる少女。 コクンと喉を鳴らし、意を決してノックを3回。 ……… 「~ふわああっ、昼前に珍しいな……」 だらしないようで落ち着いた、大人びているようで意外と若い男の声が響き、ドアノブがゆっくりと回り出す。 ――ここから、新たな“軌跡”(ものがたり)が始まる。 キャラクター アークライド解決事務所 共和国首都イーディスに事務所を構える「裏解決屋」。旧市街のビストロ《モンマルト》の二階を事務所として借りている。住所はイーディス8区 5丁目21番地3-201号。最初は所長のヴァン一人だけだが、物語が進むに連れ押しかけバイトが増えていき、アニエス以外の面々は三階の空室を借りて生活するようになる。詳細は個別項目を参照。 ●ヴァン・アークライド(CV 小野大輔) 今作の主人公で24歳。オッサンじゃないよ 車とサウナとスイーツをこよなく愛する“裏解決屋(スプリガン)”。 詳しくは個別項目を参照。 ●アニエス・クローデル(CV 伊藤未来) 今作のヒロイン。首都の名門校、アラミス高等学校に在籍している1年生の女生徒。16歳。 艶やかな長い金髪をなびかせる、清楚で柔和な雰囲気の少女だがその涼しげな瞳の奥には強い意志を宿す。というかとんでもない鬼メンタルの持ち主 そしてエリィやリーシャ、エマに匹敵する圧倒的発育の持ち主。 その他詳細は個別項目を参照。 ●フェリーダ・アルファイド(CV 小倉唯) 褐色の肌とやや短めの髪、小柄な体格が特徴的な高位猟兵団「クルガ戦士団」に所属する猟兵の少女。13歳。愛称はフェリ。 団の副頭目であるハサンを父に持ち、後述のカシムは兄。また、故郷に幼い弟と妹がいるらしい。 幼い頃から本格的な戦闘訓練を受けており、戦いでは一猟兵としてのハードな一面を垣間見せる一方、 都会に関する知識には疎いらしく、日常生活では年相応の少女らしい素直な反応を示す(人名以外のカタカナ言葉がひらがなで書かれる)。 大抵はアーロンが際どい(主に卑猥な)ネタを口にして、よくわかってないフェリが尋ねるというのがお約束。 そしてやりすぎた時はアニエスに怒られるのもお約束。 かねてより交流のあった猟兵団「アイゼンシルト」の一部隊が突如消息不明となった報せを受け、独自に捜索を開始。 そんな中、噂話に聞いていた共和国の「裏解決屋」との接触を図ろうとする。 ●アーロン・ウェイ(CV 内田雄馬) 煌都ラングポートの東方人街で浮名を流す遊び人であり、血気盛んな青年達を統率しているリーダー的存在。19歳だが、物語中で誕生日を迎え20歳となる。 三大拳法の一つ《月華流》の剣術(二刀流)と拳法を収める一方、気まぐれに東方華劇で女形を演じたり、カジノで荒稼ぎするなど 破天荒ながらも周りを惹きつけてやまない存在感から《麒麟児》《羅州の小覇王》の異名を持つ。 黒月では彼を幹部に取り立てようとする動きもあるが、当の本人は組織そのものにさほど魅力を感じていないらしい。 ヴァンを「オッサン」、アニエスを「小娘」、フェリを「チビ」等、他人を別称で呼ぶが、認めた相手となれば本名で呼ぶ。 女好きではあるが、女手一つで育ててくれた母を尊敬している為かマザコン気味の年上好み。 詳細は個別項目を参照。 ●リゼット・トワイニング(CV 石川由依) マルドゥック綜合警備保障のSC(サービスコンシェルジュ)を務めるメイド姿の女性。20歳。 淡い碧色の髪をなびかせたクールな美人だが、人当たりがよく何事にも丁寧な物腰で対応し、ちょっとした茶目っ気を見せるユーモアも持ち合わせている。 楚々とした外見とは裏腹に超人的なスピードとパワーを秘めており、その戦闘能力は一線級の猟兵さえも上回るほど。 しかしその身体能力は鍛えた人間が発するという『勁』特有のものではない他、生物の波長を感知出来るフェリーダからも『変わった息吹』を感じるらしく、謎が多い女性。 ヴァンには社外テスターとして撃剣やザイファを無償提供しており、定期的に使用状況の査定を行うといった極めてビジネスライクな関係を築いている。 3年近くの間ヴァンとは通信での会話しかしておらず、以前ヴァンがマルドゥック社の本社を訪れた際にも「所用でお会いできなかった」らしいが…? ●カトル・サリシオン(CV 田村睦心) 若くしてバーゼル理科大学の修士課程にある研究者の少年(?)。15歳。 銀髪を切り揃え、少女のように整った顔立ちで、どこか他人を寄せ付けない雰囲気を持っている。 外見はもとより、他人と風呂に入りたがらない上に風呂に入る時も胸まで隠していたりと性別面はかなり怪しい。 専門はザイファ規格のAIをベースとした導力ドローンであり、犬型の XEROS(ゼロス)と浮遊型の FIO(フィオ)を引き連れている。 物理工学・生体工学などの研究室の助手も務めており、理科大学の象徴ともいうべき天文台にも思い入れを持つ。 幼少時にとある事情で共和国の導力革命の母、ラトーヤ・ハミルトン博士に引き取られ、以後彼女を実の祖母のように慕い、自身も研究者としての道を目指すようになった。 詳細は個別項目を参照。 ●ジュディス・ランスター(CV 日笠陽子) ピンクがかった金髪をなびかせ、圧巻の演技でファンを魅了する導力映画界におけるトップ女優の一人。22歳。 気さくな性格だが女優としてのプロ意識が高く、仕事では一切の妥協をしない…が、どこか抜けた性格のためか自爆的な醜態を晒す場面もある。 軌跡シリーズ経験者なら『デュバリィちゃん枠』と言えばわかるだろう。 アーロン曰く「黙っていればいい女」。 女優としてメディアの前に姿を現す一方、表には見せない裏の仕事も持っているらしいが……? ●ベルガルド・ゼーマン(CV 大塚明夫) 東方三大拳法の一つ《崑崙(こんろん)流》を修めた武芸百般の達人にして大陸各地に数多くの教え子を持つ、筋骨たくましい隻眼の老人。69歳。 ヴァンにとっては彼に真っ当な武術を教えた師匠にして恩人であり、裏解決屋の仕事を始める際にも特に反対しなかった。 2年前に何らかの事件に巻き込まれ、命を落としたという報せがヴァンのもとに届いていたはずだが……。 その正体は『閃』の経験者であれば容易に察せるであろう。 遊撃士協会 ご存知「遊撃士協会」のカルバード支部。準S級のジンや最年少A級のエレインなど実力者揃いだが、共和国の未曾有の好景気に比例して起きる諸問題や、マフィア組織《アルマータ》の台頭、沈黙を続ける結社《身喰らう蛇》など懸念事項が無数にあり多忙を極めている。 ●エレイン・オークレール(CV 斎藤千和) カルバード遊撃士協会において最年少の若さでA級入りを果たした遊撃士のエース。24歳。 《剣の乙女(ソードメイデン)》の異名を持ち、伝統的な剣術によって国内外で目覚ましい実績を積み上げており、 ヘーゼルブロンドの髪をなびかせた流麗かつ可憐、凛とした美貌はモデルとしてスカウトされることもあり、度々共和国内のニュースでも取り上げられている。 かつての幼馴染であり、アラミスでの学生時代を共に過ごしたヴァンがイーディスに戻ってきたこと、そしてギルドと対立しかねないような仕事を始めたことがエレインの胸をざわつかせるのだが……。 ●ジン・ヴァセック(CV 稲田徹) ご存知《不遇不動のジン》。36歳。 あれから数多くの功績を積み、S級遊撃士への推薦を受けているが一旦辞退し準S級に留まっている。 キリカがCIDの要職にあり、ヴァルターが結社に所属したまま謎の沈黙を続けるなど同門間での緊張が続く一方、 有望株である遊撃士の後輩、エレインには大きな期待を寄せており、かたくななところもある彼女の成長を見守っている。 ヴァンとも以前から面識があり、定期的にギルドの仕事の下請けを押し付けている。 ●フィー・クラウゼル(CV 金元寿子) ご存知《西風の妖精》。20歳。B級遊撃士。 帝国ギルド所属だが、共和国内で増加を続ける大小さまざまな案件に対し、人手不足を解消するための助っ人として来訪することとなった。その経歴と実力から、《アルマータ》絡みの案件はB級以下は単独行動が厳禁となっている中、彼女は単独行動が許可されている。 自身と境遇が近いフェリとはすぐに意気投合した。 ●アルヴィス ●レジーナ 正遊撃士。武器はそれぞれ長剣と魔導杖。二人でペアを組んでいることが多い。 アルヴィスはC級であり、少々頭に血が上りやすい傾向があるが基本的にB級昇格間近ということもあり実力のある遊撃士。裏解決屋という胡散臭い存在のヴァンにはキツめの対応をするが、有事の際には協力もする。どうやらエレインに気があるようだ。 レジーナはそんなアルヴィスをサポートする相棒。こちらはアルヴィスに気があるようだが、そんな乙女心は伝わってない模様。 ●グレイ・アーノルド 準遊撃士→正遊撃士。武器は携帯銃。 真面目で人当たりも良く、それだけでなく遊撃士としての任務も卒なくこなすなど間違いなく有望株の若手。 しかし一方で“力”への渇望が尋常では無く、先輩遊撃士達に頼んで訓練を重ねるだけでなく、強くなる為ならどんな無茶もするといった一種の危うさも併せ持つ。 実はカルバードの人間ではなくレマン自治州の人間(*2)。他にも後述のアルマータにも何らかの因縁がある事を含め、諸々の事情を周囲に隠している事が多いが、当人は「いつか話す」と頑なに口にしたがらない。 CID(中央情報省)/共和国政府 西ゼムリアにおける二大国の一角。現在は帝国の軍縮と自国の好景気も受けて事実上ゼムリア最大の国家と見なされている。飛ぶ鳥を落とす勢いだが、かねてからある移民問題や裏社会の活発化など負の側面も少なからず存在する。CIDの方も前政権から現政権へと移行したことにより、一枚岩ではない。 ●ロイ・グラムハート(CV 小山力也) 『創』でも僅かに登場した、2年前に前大統領のロックスミスを下して当選したカルバード共和国23代大統領。46歳。 ダークブロンドの髪をワイルドになでつけ、ラフな装いもさまになるイケオジ的なビジュアルと、フランクだが頼もしい語り口で幅広い層の支持を得ている。 エレボニア帝国からの莫大な賠償金を経済復興のために躊躇なく国民に還元したことでその人気を確固たるものにした。 即断即決で知られ、各問題への対処は時間がかかる融和より、そうした対決を競争として煽り、別ベクトルへと変える政治手法を得意とする。 目に見えぬ分断が広がる危うさもあるが、その危うさすら折り込み済みらしく、その意味でも底知れない人物と言える。ジェラールは彼を「脅迫屋」と評していた。 ●ルネ・キンケイド(CV 福山潤) CIDの統合分析室に所属する補佐官にしてエージェント。25歳。 大統領の狙いにより分断が起きている省内で上手く立ち回っており、膨大な案件を日々処理しながら、現地での情報収集およびオペレーションを確実にこなす。 グラムハート大統領のボディガードを務めている姿を確認出来るので、狡猾なやり手である大統領からも相当に信頼されていることがうかがえる。 ヴァンやエレインとは幼馴染であり、一つ年上なので上から目線気味に接している。 ヴァンが裏解決屋の仕事を始めたことには呆れつつも納得しているらしく、互いの立場を利用することにも躊躇しない。 一方で、エレインに対しては唯一の味方として彼女を応援し、CID所属となってからも遊撃士として活動するエレインのことを認めている。 ●キリカ・ロウラン(CV 米本千珠) ご存知《飛燕紅児》。かつては《ロックスミス機関》の室長にしてロックスミス前大統領の側近であったが、今作ではCIDの統合分析室室長となっており、ルネの上司でもある。 《アルマータ》の活動と《結社》の共和国での動向を注視しており、《アークライド解決事務所》にも関心がある模様。 ●サミュエル・ロックスミス(CV 掛川裕彦) ご存知先代カルバード大統領。人当たりの良い好々爺としての一面と、老獪な政治家としての側面を併せ持つ大狸。 現在は共和国東部の街『龍來(ロンライ)』にて、親交のあったリュウガ・ロウランの道場を庵として譲り受け基本晴耕雨読の日々を送っているが、未だに影響力は強大。 ●カエラ・マクミラン(CV 風間万裕子) 閃の軌跡Ⅳにも登場していた、CID所属の特務少尉。21歳。 ルネの部下に当たり各地に赴く事もあるだけでなく、事件発生時は遊撃士と行動方針について対立し合う場面も。 また彼女達の父親は帝国との紛争で亡くなってしまったが、ロックスミスと親交があった事が語られている。 ●コーディ・マクミラン(CV 中島雅也) カエラの弟で同じく閃の軌跡Ⅳにも登場していた、CIDの特殊部隊「ハーキュリーズ」に所属する准尉。20歳。 ロックスミスの護衛役として動いており、彼に対して「カルバードに必要な人間」と尊敬する一方で、現大統領のグラムハートに対しては「卑劣なやり方で閣下を陥れた…」と良く思ってない模様。 ●ダスワニ警部(CV 杉崎亮) 首都イーディスに配属されている警察官。大陸中部の出らしく、黒人の男性。 多発する《アルマータ》絡みを始めとする事件の数々、何故かやたらと現場に居ることが多い胡散臭い裏解決屋、民間人保護を主張して違法スレスレの活動も辞さない遊撃士、独自に動いていて碌に情報を回さないCIDなど頭を抱える事案が多い苦労人。愛妻家で子煩悩でもある。 そしてまさかのコネクトイベント対応キャラでもある。 ●ネイト捜査官(CV 佐藤正幸) ダスワニの部下である若い捜査官。警察としての正義感はあるのだが、少々ヘタレな一面を見せることもあり、かつ彼女も居るのに女性に対して軽薄な態度を(悪気なく)とってしまう。 そのため悪い人物ではないのだが、女性の同僚からの評判はかなり悪い。 黒月(ヘイユエ) 零の軌跡から登場している共和国最大のシンジケート。本拠地は《煌都》ラングポート。共和国における裏の顔役でもあり、決して褒められることだけではないが一定の秩序を裏社会にもたらしてきた。しかし《アルマータ》が裏の掟を無視して勢力を拡大しており、現在は秩序が崩れつつある模様。 ●ツァオ・リー(CV 平川大輔) ご存知《白蘭竜》。29歳。東方三大拳法の一つ「月華流」の達人。 以前にヴァンに2回程依頼した事があり、ミラ払いこそ良かったが体よく利用された事もあって彼からは若干敬遠されている。 裏社会の掟を無視し、共和国内で急速に勢力を拡大しているアルマータに対抗すべく、ヴァンに3回目となる仕事の依頼をするべく彼に接触する。 渋るヴァンに対し最高級の生ドライフルーツを贈答品として篭絡した模様。1回目はともかく、2回目もこんな感じだったんじゃなかろうか… ●アシェン・ルウ(CV ファイルーズあい) 黒月の有力者であるルウ家の娘。17歳。 零碧で登場したシンは彼女の弟。気位は高いが根はお人よしなお嬢様であるが、やはり黒月有力者の娘ならではの意思の強さも見せる。 アーロンとは幼馴染の仲で、いつも陽気だがどこか危うさを感じさせる彼のことを気にかけている…が、ツァオの方が男性としては好みのタイプらしい。 ●銀(CV 佐藤利奈) ご存知リー…伝説の凶手。21歳。 故郷の東方人街をアルマータの凶行から守るために黒月と契約を結んで行動している。 しかしその衣装に仮面の組み合わせだと痴女度が跳ね上がったような… ●ファン・ルウ(CV 大久保貴) 黒月の次期長老の一人とされる恰幅のいい中年男性。シンとアシェンの父親。 共和国第二位の資産を誇る「九龍銀行」の副頭取も務めている。 裏社会人物でもあるが、基本的には人当たりのよい人物であり部下や一般人からの信頼も厚い。 ●ギエン・ルウ(CV 山本格) 黒月の現長老の一人。ファンの父でシンとアシェンの祖父。78歳。 敵対関係のない民間人などには好々爺としての側面を見せるが、黒月の利益の為に時として非情とも言える手段も取る裏社会の重鎮である。 マルドゥック総合警備保障(Marduk Total Security Company) ここ数年で急速に事業を拡大しだした民間軍事会社。本社はオレド自治州。警備・軍事サービスを各国の法律をギリギリくぐり抜けられる範囲でプランニングし提示するので、猟兵団を雇うリスクを嫌う大企業などに需要がある。 表向きの生業である《総合警備部門》と、裏側で兵器を開発、提供する《戦術開発部門》を巧みに使い分け、かなりの勢いでシェアを拡大している先進的な企業。 またその技術力も目を瞠るものがあり、創の軌跡にてカンパネルラの導きなしでは蛇の使徒以外が入ることが出来ないという、結社の秘奥である盟主と邂逅出来る《星辰の間》にグラムハート大統領が入り込む手助けをするなど 既にかの《結社》に比肩、または凌駕するのでは?と思われるほど。遊撃士協会にも社員であるリゼットですら全容が掴みきれてない謎多き会社である。 ●ギリアム・ソーンダイク(CV 成田剣) マルドゥック社でGM(ゼネラルマネージャー)を務める人物。35歳。 一見物分かりが良い雰囲気を醸し出しているが、実利を優先するやり手の実業家としてマルドゥック社でその手腕を発揮している。 社外テスターとして契約しているヴァン曰く「相当性格悪そう」。 ●カシム・アルファイド(CV 梅原裕一郎) クルガ戦士団一の戦士と謳われた青年であり、フェリの実兄。27歳。 現在はクルガとは縁を切り、マルドゥック社で警備主任として仕事をこなしている。(*3) 佇まいは自然体で涼し気でありながら、一切の隙が無くヴァン曰く「史上最強の猟兵」の一人とまで言われる類稀なる戦闘力と指揮能力を備えている。 武器は展開することでエネルギー砲ともなる巨大なバスターソード。 身喰らう蛇 ご存知《結社》。帝国における計画の後は目立った動きもなく不気味な沈黙を続けていたが、とうとう計画のために共和国内で活動を開始する。 ●エルロイ・ハーウッド(CV 黒田崇矢) 《千の破戒者》の異名を持つ蛇の使徒・第四柱。47歳。 過去作で度々存在が示唆されてきた通り、《破戒》と略して呼ばれることが多い。 煉獄の悪魔すら蝕み、腐食させるほどの謎めいた力を操る。 かつてはシャロンや後述のレティと共に暗殺組織『月光木馬團』に所属していた。 古今東西のあらゆる悪事を研究・実践してきた「犯罪の天才」であり、BC兵器(生物兵器・化学兵器)の運用に長ける。 己の欲望のままに行動しているが、今回の共和国内での動きには結社の「ある計画」が深く関わっているという。 詳細は個別項目を参照。 ●ヴァルター・クロン(CV 吉水孝宏) ご存知《痩せ狼》。37歳。今作で名字がようやく判明した。 ヴァンとは過去に仕事で共闘したことがあるが、その際に愛車をスクラップにされたためにヴァンからは嫌われている。 現在は共和国内でとある若者を追跡しているらしく、ヴァン達とも接触することになるが……。 ●ルクレツィア・イスレ(CV 植田佳奈) 《黄金蝶》の異名を持つ、執行者No.III。29歳。愛称はレティ。 常に素顔をベールで隠しているため表情がうかがえない上、はんなりとした雅な言葉遣いが特徴で、腹の内を探り切れない独特の雰囲気を持つ。 エルロイ曰く結社最強の一角であり、盟主から授かったという異形にして長大な武器、まるでバターナイフを引き伸ばした形をした『ダスクグレイブ』を振るい、空間ごとえぐり取ってしまう凄まじい攻撃を繰り出す。 彼女が異能を行使する際には、金色の蝶が舞うようなエフェクトが発生する。 星杯騎士団 教会保有の騎士団。《アルマータ》の幹部クラスが使用している古代遺物の回収のため、共和国内に潜入する。 ●セリス・オルテシア(CV ファイルーズあい) ●リオン・バルタザール(CV 斉藤壮馬) それぞれ星杯騎士団の第四位と第十一位。詳細は星杯騎士団の個別項目にて。 斑鳩 不毛の地となりつつある大陸東部の何処かに本拠を置く侍衆。最新鋭の武装に加え、《忍び》と呼ばれる隠密部隊を擁するなどその戦闘能力は大陸東部最強、猟兵団としてのランクはSSS級とまで言われている。 ●シズナ・レム・ミスルギ(CV 内田真礼) 《斑鳩》の副長。23歳。 玲瓏かつ天衣無縫な佇まいで、《白銀の剣聖》の異名を持つ《黒神一刀流》の達人。(*4) どこかあどけなさの残る顔立ちをしているが、強者と刃を交える際には剣聖の名に相応しい凛とした表情を見せる。 斑鳩の団員達からは「姫」と呼ばれている。 かつて(『創』での白の封印石を参照)剣を交えたリィンのことは「食えない兄弟子たちと違って、なかなか可愛げがある弟弟子」と認めており、 彼の無想神気合一を紛い物とはいえ「割と使い勝手の良い技」と見て疑似的に自身で再現する程である。 一応それ弟弟子の最大の切り札なんですけどね…。 普段から妙にふとももを露出した最新式の強化スーツを着用しているが本人としては流行に気を遣ってるつもりらしい。(*5) 流派の《黒神一刀流》の名が示す通り、東方に伝わる宝刀である《漆黒の大太刀》(*6)を得物として振るう。 実はこの宝刀は常に妖の気を発する妖刀の類であり、妖気を抑える為にそれまで戦った猛者達の剣を折った部分を加工した鞘で作られている。 シズナによれば「この鞘で抑えていないと大変なことになる」とのこと。 普段は年相応の女性として陽気な面を見せているが、昂ぶる相手との戦闘になると一変。 あのマクバーンと同じくテンションが振り切れてしまい、戦闘狂に変貌してしまう。 本人曰く『零(ゼロ)の境地の先』に達するのが目的であるらしい。 一度こうなってしまっては従者役を務めるクロガネでも止める事はできず、「おそらく何人かは屍になろう どうかお覚悟を」と匙を投げてしまうほど。 しかし、相手が強者なら誰でも良いわけでもないらしく、精神力で実力差を埋める相手を好むのもマクバーンと同じ。(*7) ヴァンのことを特に気に入っているが、ヴァンからは危険な存在と見なされ、敬遠されている。 ●クロガネ(CV 森嶋秀太) シズナの従者で彼女のことを「姫」と呼ぶ覆面の偉丈夫。 《斑鳩》の中忍に位置し、組み合わせると大型の十字手裏剣となるダブルセイバーと《臘月流》という暗器と複数の忍術を操る。 何かと自由奔放なシズナに振り回されつつ任務を果たす仕事人だが、決して堅物なだけではなく ヴァン達に見せた分け身を「拙者の三つ子の兄弟」とジョークを飛ばしたりもする。 アルマータ 本作における最大の敵対組織。元々は中堅どころのマフィアだったが、ジェラールがボスになってから方針を大幅に転換。《黒月》が禁じていた人身売買や薬物取引、民間人も含めた殺人行為などに手を出し、猟兵崩れや重犯罪人などの危険人物を組織に吸収することで戦力・財力共に急速拡大している。調査をしていた遊撃士やCIDが消息を絶ったり、黒月へ「見せしめ」の動画を送りつけたりとその所業は極めて残虐であり、表の治安維持組織どころか裏社会からも敵対視されるなど全方位に喧嘩を売っているが、その目的は不明である。 ●ジェラール・ダンテス(CV 関智一) 先代首領のエンリケを粛清してアルマータのボスとなった男。34歳。 あらゆる者を従えるような尋常ではないオーラと、どこまでも底知れない風格を備えている。 人を人たらしめる概念、「恐怖」によってすべてを御するという考えを持っており、それに惹かれた強者たちが彼の下に集まり、急速に勢力を拡大した。 武装は不気味なオーラを纏わせた謎の大剣で、かつて交戦したエレインをして「理に至っているかもしれない」と評される程の武威を誇る実力者でもある。 詳細は個別項目を参照。 ●メルキオル(CV 蒼井翔太) アルマータの三幹部の一人。21歳。 元々は別の組織に所属していたが、その実力と奉仕的な姿勢がジェラールに気に入られ、瞬く間にアルマータの幹部へと上り詰めた。 大型ナイフを様々な特殊効果を持つボムを使い分け、肉体のみならず精神まで破壊するような残虐極まりない戦闘行為を好む。 更に彼の使っているボムは古代遺物の一つであり、無限に爆弾を生成出来る代物であるらしい。 その人間性は一言で言えばシリアルキラーのサイコパスであり、ボスのジェラールとは別ベクトルでイカれた人間。軌跡シリーズでもその凶悪性はトップクラスの人間と言える。 ちなみにナイフには「Terror must ha the greatast leue」という一文が刻まれている。 訳するなら「恐怖こそ最も価値のあるものだよね!」という意味であり、まさにアルマータという組織のスタンスを如実に表すシンボルの代わりと言えるものだろう。 ●ヴィオーラ(CV 山本希望) アルマータの三幹部の一人。26歳。 浅黒い肌をした中東系の女性。元は中東のカダス地方(*8)の出身。 異常なまでの加虐趣味を持っており、数十の短針を一気に放ち、相手の身体をズタズタの痛めつけるニードルガンを愛用している。 ●アレクサンドル(CV 新垣樽助) アルマータの三幹部の一人。35歳。 寡黙で理性的に見える風貌だが、戦闘時にはタガが外れ、両腕に装備した巨大なガントレットで荒れ狂ったような戦いを見せる。 ノーザンブリアの出身であったが、塩の杭によるノーザンブリアの崩壊をきっかけに祖国を離れ、共和国へと流れ着いたところをジェラールに拾われた。 絶望を恐怖によって塗り潰そうとするジェラールの在り方に感銘しつつも、どこか己の死に場所を探し求めている節もうかがえる。 ●鏖殺(おうさつ)のアリオッチ(CV 小山剛志) アルマータに協力している大男。 鈍い輝きを放つ厚手の甲冑に身を包み、巨大な斧槍を軽々と振るう。 あらゆる国や組織の部隊を屠っては目撃者さえ1人も出さない徹底ぶりから《姿無き災厄(インビジブルテンペスト)》と呼ばれることも。 ●金(アウルム)のオランピア(CV 瀬戸麻沙美) アリオッチと同じく、アルマータと協力関係にある謎めいた女性で、天使のような姿をした白金の人形《イシュタンティ》を使役している。 他者だけでなく、自分すら無機質な物として見ているようで、その言動からは一切の感情を読み取ることが出来ない。 協力者 《アークライド解決事務所》の所員をサポートしてくれる人々。日常生活、情報提供、技術支援など解決事務所の活動には欠かせない存在。 ●ポーレット(CV 原由実) 旧市街にあるビストロ《モンマルト》を営むビクトルの一人娘。27歳。 聖母のように暖かな雰囲気をまとっており、常連客にとってはマドンナ的存在。 店が入っている雑居ビルの管理人も担っており、ヴァンが特殊な仕事に就いていることを知りながら事務所を構えることを認めた。 かつて別の職場で働いていたらしいが、6年前に退職し、娘のユメを連れて実家に戻って来た。 ●ユメ(CV 長縄まりあ) 天真爛漫でいつも元気いっぱいなポーレットの娘。6歳。 モンマルトの看板娘として店を手伝っており、2階に事務所を構えているヴァンや一般客からも可愛がられている。 父親はおらず、ポーレットも深い事情を話していないようだがユメ本人は家族と一緒に過ごすモンマルトでの日々を楽しんでいる。 ●ビクトル(CV 岡田雄樹) ビストロ《モンマルト》の店主で解決事務所の大家。ヴァンからは「おやっさん」と呼ばれている。54歳。 見た目強面の頑固親父であるが、娘のボーレットと孫のユメを溺愛する親バカ+ジジバカ。ボーレットを口説こうとしていたアーロンに本気の殺意を見せたことも。 料理の腕前は一流で、隠れた名店として知られている。 ●ディンゴ・ブラッド(CV 新垣樽助) 端正な顔立ちと理知的な物腰が特徴的な、ゴシップ誌《メルド》の記事を手掛ける褐色肌のルポライター。28歳。 共和国中を飛び回る一匹狼であり、必要と判断すれば正道とは言えない手段も駆使して取材や情報収集を行うことも。(*9) ヴァンとは彼が裏解決屋を立ち上げた頃からの付き合いであり、互いに信頼している。またその情報収集力を見込んで表社会からも裏社会からも情報屋として頼られている。 ●マリエル・エーメ(CV 本渡楓) 大手通信社《タイレル通信》社会部所属の新人記者。21歳。童顔で幼児体型。 正義感が強く記者としての使命に燃え、時に厄介事にも首を突っ込む危ない面を持つが、色々あって結局は大体無事で終わる事が多いというかなりの幸運体質の持ち主。 同じ記者であるディンゴの事をライバル視…していたが魔獣によるヌルヌルプレイを経て彼に助けられた事から懐く様になり、ディンゴの方も彼女の事を何だかんだで放っておけず違う通信社の人間であるにも関わらず、何かと面倒を見ている。 ●レン・ブライト(CV 悠木碧) ご存知《殲滅天使》…もとい《仔猫》。17歳。色々とでかくなった、流石魔都クロスベル出身。 ジェニス王立学園との交換留学制度を利用してアラミスに在籍。留学直後にアニエスと知り合い先輩・後輩の関係になった。 ある事件(『創』での白の封印石を参照)を解決したことで生徒会長に就任し、その手腕を振るっている。 大人になったと証明するために一人称を「私」に改めたが、たまに「レン」に戻ってしまうことも。 5年程前に駆け出しの頃のヴァンと知り合ったことがあり、その縁からアニエスに彼を紹介したことから物語の幕が上がることになる。(*10) 相変わらずの天才で、今でも半年に一度は多忙な学校生活の合間に論文を書いて発表しているらしい。 ●ベルモッティ(CV 村田太志) イーディスのリバーサイドにあるカフェ&バー「ベルモッティ」のバーテンダー兼店主。オネエ口調の男性。 バーテンダーとしての腕前も確かだが、情報屋としての一面も持ちヴァンやエレインなどもよく利用している。また、薬学方面も昔かじっていたらしく、専用の装置があれば短時間で成分分析を行えるほど。 創の軌跡にもとあるエピソードで登場している。 ●ラトーヤ・ハミルトン(CV 井上喜久子) ラッセル博士、シュミット博士に並ぶエプスタイン博士の《三高弟》の一人。74歳。 過去作でも度々存在が示唆されていたが、実際の登場は初となる。中東系の出身。 癖の強かった他2人の三高弟に比べると、穏やかかつ物腰も丁寧な老婆でありカトルを始め彼女を慕う人物は多い。「辺境にこそ導力器が必要」という信念を持ち、3年前から深刻な状況が続く大陸東部にて研究を行っている。 最近になって大陸東部が不毛の地となったことを憂いており、原因の調査に精を出している。 ●エスメレー・アーチェット(CV 本渡楓) ハミルトン門下生の一人でバーゼル理科大学、生体工学研究室の准教授。27歳。 Xiphaの開発プロジェクトでは主要設計を担当、カトルのXEROS制作にも生体工学者として狼の所作を再現するのに携わり、エプスタイン財団やリベールのZCFとも交流がある等次世代の主力として期待されている。 これだけ書くとかなりのやり手に見えるが、性格は天然でマイペース、弟弟子のカトルを溺愛して隙あらば抱き着こうとしている。天然巨乳ソバカス眼鏡美女に抱き着かれるカトルが羨ましい。 キャラクター公開時は「今作における眼鏡 教授枠か?」と、あらぬ疑いを掛けられてしまったが今作は特にそういうのは無い…というか無さそうな人物。寧ろ後述の兄弟子が怪しいっちゃあ怪しくあるが。 ●ジャック・トレバー(CV 利根健太朗) ●ハル・コールマン(CV ながえゆあ) ご存知《賭博師ジャック》とその相棒。ジャックは33歳、ハルは21歳。 今回は小説内ではなく実際にキャラクターとして登場しており、ガガーブから続く英雄伝説の伝統「後発作での書籍人物の登場」を担うこととなった。 《煌都》ラングポートの酒場を拠点としており、ヴァンとは古い付き合い。本業の賭け事をしつつ、副業として情報屋もやっている。 その他の勢力 裏解決業務の最中に出会う人々。依頼人であったり、裏社会の同業者でもある、時には協力し、時には敵対する「訳あり」な人々。 ●ジャコモ・コンテ(CV 黒田崇矢) 首都イーディスを拠点とする情報屋。 腕前は確かであるが、仕入れた情報を「ゆすりネタ」として相手の弱みを握ったり、同業者を追い落として破滅させたりと評判は悪い。 加えて接触してきたアニエスを性的に狙っていたりとまさにヴァンが言う通り「ゲスな情報屋」。 + ... オープニングでアルマータと半グレ達の取引を引っ掻き回して(当人は何なのかわかってなかったが)ゲネシスを確保するも、アルマータの構成員によって隠れ家を突き止められた惨殺されてしまう。 自業自得な末路ではあったが、ある意味今作が今までとは全然違う『軌跡』である事を証明した人物とも言える。 ●怪盗グリムキャッツ(CV ????) ここ数年カルバードを賑わしている謎の怪盗で、しなやかな体躯と抜群の戦闘力を兼ね揃えた女性であること以外に正体はまったくわかっていない。 汚職にまみれた政治家や官僚、違法な手段でミラ儲けに走る大企業やマフィアを相手に盗みを働くことから大衆には人気で、ゴシップ誌が特集を組むほど。 一般的には知られていないが《銀》と同じく、先代と呼ばれる者から受け継がれつつ、かなり昔から活動している存在のようだが…? 一体何ディスなんだ… ●ニナ・フェンリィ(CV 上田麗奈) 東方系ハーフの人気アイドルにして、本格演技派の若手映画女優。18歳。 演技に関しては自然体ながら天賦の才能を持っており、彼女に注目している業界関係者は数知れず。 先輩女優であるジュディスのことは後輩として、友人として、そしてライバルとして尊敬しているらしい。 演技は《憑依型》と呼ばれるほどに役に入り込めるタイプだが、同時にそんな自分の在り方を「本当の自分がない」と自嘲しているフシがある。 誰にも知られないところで一人「何者か」と連絡を取り合っているようだが…? ●サルバトーレ・ゴッチ(CV 小山剛志) 映画会社ベガスフィルムに所属する映画監督。脂ぎった中年男性。 映画で大事なのはエンターテイメント性、特にエロスとバイオレンスと主張して様々な無茶を押し通しているものの、映画の面白さは紛れもなく評価されている。 ●シェリド・アスヴァール(CV 武内駿輔) カルバードと友好関係を結んでいる中東国家の一つ、エルザイム公国の公太子。28歳。 導力映画を好んでおり、サルバッド映画祭でヴァン達と出会うことになる。 漂泊の演奏家の姿勢に感銘を受けており、彼を目標にしているがそれ故に空回りしがちでもある。 ただ単に守られるだけの王族ではなく、彼自身も《宝石》から引き出される力を用いた戦闘術を行える。 年の離れた妹がいるらしいが今作では未登場。 ●ナージェ・ベルカ(CV 原由実) シェリドの護衛官兼付き人を務める女性。25歳。 何かと奔放なシェリドの行動に困らされているが、同時に彼を深く敬愛している忠義の人。 前シリーズで言うとミュラーやユリアポジションの人。 見た目こそ褐色の肌に金髪のショートカットが映える小柄な美人だが、その戦闘能力はお墨付き。 お伽噺で語られる《黄金の雷獣王(ウルスラグナ)》を一時的にとはいえ、高位次元から引き出して顕現させてしまう潜在能力がある程。 ●ヤン・クロンカイト ハミルトン博士の門下生の一人でバーゼル理科大学、物理 導力工学研究室の教授。 大変に気難しく研究以外のことで時間を使うことを嫌うも極めて優秀で、既に国内外に名を知られハミルトン博士からも「自分の師以来の天才」と称され、同門のカトルからは「ヤン兄」と呼ばれ慕われている。 グラムハート大統領と何らかの取引を交わしているようだが…? ●アシュラッド アルテリア法国僧兵庁隠密部隊《イスカリオ》の副兵長。武器は戦鎚矛。 守護騎士のように異能こそ持たないが百戦錬磨の僧兵であり、任務を確実にこなす武人。師である人物からも「寡黙だが義に厚く、大局も見通せる一本芯の通った男」と評され、作中でもある「任務」に対して柔軟な姿勢を見せた事も。 一方で各々の任務で共和国に潜入している星杯騎士団から派遣された守護騎士二人とは、互いに共闘する気は全く無い。 ●マクシム・ルーガン(CV 成田剣) 《紅い流星(レッドシューティングスター)》の異名を持つZ1レーサー。31歳。 導力車レースの最高峰たる《Z1グランプリで》3年連続優勝を果たし、『タイレル芸能』による「結婚したい男性ランキング」では1位(*11)を取るほどのイケメン…なのは間違いない。 しかし可愛い女の子を見つけると所構わずナンパをするくらい手癖が悪く、恰好を付けてもイマイチ決まらないと内面がそれ以上に残念な男。 しかし異名は伊達では無くドライビングテクニックは本物であり、ふとした事でヴァンとレース勝負をした際は、トラブルによってコースアウトしてしまうも「コースアウトしてしまうのはそいつの責任」と負けを認める潔さもある。 また動体視力や反射神経もトップレーサーなだけあって優れており、作中では(ついで感覚並び真正面からとはいえ)完全に殺しにかかったメルキオルの一撃を避けた事も。 かつて『ある女性』と付き合っていたことがあるようだが…? ●エルメス 首都イーディスを中心に活動するバイク乗りの「運び屋」。常にフルフェイスのヘルメットを被っている女性であり、素顔はそれなりに付き合いのあるヴァンも見たことがない。 運転技術はかなりのものがあり、作中のレース対決ではヴァンから助っ人を頼まれることも。 ●アルベール ●オデット アニエスやレンと共にアラミスの生徒会に所属する学生。 アルベールはアニエスに気があるらしくヴァンのことを快く思っていないが、オデットは面白がって見ている。 ●メア(CV 長縄まりあ) ヴァンのザイファにインストールされている特別製のホロウコア(支援用AI)。 小生意気な少女を思わせるかなり自己主張の激しいタイプだが、AIとして設定されたパーソナリティであり、自由意志は存在しない。 普段は他のホロウコア同様、音声ガイドによるサポートを行っているが、 ヴァンの危機に応じてホログラムのようなアバターとして現実世界に顕現する。その際はAIにはあり得ない意志を自ら示す。 彼女の発言の幾つかには聞こえているのに認識できず、録音などでもノイズとしてのみ記録されるような言葉が混じっている。 アニエスはそれを「まるで世界の“秘密”に触れでもしたような……」と表現した。 追記・修正は悪夢を纏ってからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] いけるか? ほんとにこれから新規が入って大丈夫かー? -- 名無しさん (2021-10-24 20 36 59) そりゃ全作やるのが一番なのは間違いないが、現実的じゃないし。空FCや閃1、3みたいにぶつ切りではないし勧めるとしたらこれか零でしょう。 -- 名無しさん (2021-10-24 22 29 18) 帝国やクロスベルが平和に見えるくらいガチの外道な敵で驚いたなあ -- 名無しさん (2021-10-24 22 40 13) 2年前、4年前、○年前の出来事で知り合った…みたいなそれでお終いな説明が多くて新規さんは?でしょう -- 名無しさん (2021-10-24 22 55 47) 今までより主人公の年齢が上がったので、今までの比較的王道爽やか路線に対してわりとえげつない展開もある。 -- 名無しさん (2021-10-25 00 08 36) ↑3 特に終盤のアレはかつてのハーメルすらも越えかねない惨劇だしなぁ… -- 名無しさん (2021-10-25 03 26 16) 零と閃は主人公が中心だったけど、黎は主人公とヒロインが物語の中心にいたね。空に似た感じかな -- 名無しさん (2021-10-25 04 09 13) 裏稼業屋さんが主人公なのもあって序盤からしが出まくる。 -- 名無しさん (2021-10-25 09 44 00) ↑ミス 序盤から死人が出まくる。終盤入り口の展開はシリーズ経験者でも心に傷を負うレベル -- 名無しさん (2021-10-25 09 45 02) 面白かったし、次回作も楽しみなんだけど、時勢に忖度した結果なのか同性愛表現が結構あったのはなんなんだろ。そこも含めて共和国の特色である多様性だって言われたらそこまでだけど -- 名無しさん (2021-10-25 10 14 06) 忖度と言うと聞こえが悪いが、時勢に沿うのはあらゆる分野において必要なことよ。それで作品の質が下がったら本末転倒だが、面白かったなら問題あるまい。結構あると言ってもヤベーモブメイドと地獄の三角関係ぐらいでしょ目立つのは -- 名無しさん (2021-10-25 10 39 48) そもそもとしてメインじゃなくてモブだしな。いや旧市街の地獄の三角関係は興味深かったが同時に胃に痛かったが -- 名無しさん (2021-10-25 11 20 44) ↑ あれ三角関係だと発覚した時は「マジか…」と思った。やはり章や区切りごとに変わるモブ達の会話を聞くのも楽しかった -- 名無しさん (2021-10-25 11 56 09) ↑×3 やばいメイドってどこかにいたっけ? -- 名無しさん (2021-10-25 17 41 25) ↑リンゼのことかな…でもあの人メイドじゃないし、違うかな -- 名無しさん (2021-10-25 18 27 25) ↑すまん、メイドじゃなくてシスターだったかもしれん。 -- 名無しさん (2021-10-25 18 43 38) ↑いや、シスターでもなく、本屋の…あ、シスターだと、百合好きな子かな -- 名無しさん (2021-10-25 18 55 28) メインシナリオでもキャラハン教授とメルキオルがおるやん 「メルキオルはジェラールの右腕(愛人?)」がマジならジェラールも -- 名無しさん (2021-10-26 10 29 15) ↑ いや、キャラハンについてはメルキオルに無惨に殺された前章の人と異なり -- 名無しさん (2021-10-26 11 04 01) ↑ ミス、続き。 異なり野心もあった事を指して「そっちの気」と言われた物かと。まあ研究員の1人に何かヤバいのがいたが… -- 名無しさん (2021-10-26 11 06 52) ↑アーロンに性癖がうんぬん言われてるのでそれはない -- 名無しさん (2021-10-26 14 52 10) OPが公開されたときにヴァンとアニエスが中心かなと思ったけど想像以上にアニエスがヒロインしてた印象。心が強すぎる16歳よ -- 名無しさん (2021-10-26 19 20 50) 地下闘技場が勿体ないなぁって思った。次回作あたりで利用できないだろうかthe3rdの闘技場みたく -- 名無しさん (2021-10-29 22 52 40) かなりいい感じに区切りついてるんだけど、メンバーの大半がかなり爆弾なり謎なり抱えてるよね ヴァン︰魔王、アニエス︰ロイの目的、フェリ︰カシムの今後、アーロン︰前世の暴走理由、カトル︰教団との因縁、ジュディス︰グレンデルに近い変身システム、先生︰何に備えて生存隠していたのか -- 名無しさん (2021-11-08 19 05 25) モーションを改善する気は…もう無いんだろうなあ…… -- 名無しさん (2021-11-10 10 35 05) ↑今作のキャラの動きめちゃ良くなってるが。閃や創とは雲泥の差で、アクションシーンかっこいいぞ -- 名無しさん (2021-11-10 11 21 59) あれ?そういえばマリエルが無いな -- 名無しさん (2021-11-11 09 18 34) 冷静に考えて軌跡シリーズ11作目って草 -- 名無しさん (2021-11-22 20 38 51) 今更ながら辛子が出まくるで草 -- 名無しさん (2021-11-29 16 34 13) エレインのとこに詳細は個別項目ってあるけどエレインのページってなくね? -- 名無しさん (2021-12-01 07 37 48) 2は来秋か。敵は明らかに魔人化してるし、別の魔王の依代かな -- 名無しさん (2021-12-16 16 13 51) クロスベルよりよっぽど魔都やんけ -- 名無しさん (2022-06-18 21 00 19) 共和国編の敵どいつもこいつも外道で草 -- 名無しさん (2022-09-13 17 25 00) 2の記事まだかなー 色んなキャラの株が上がりまくってた神ゲー -- 名無しさん (2022-10-18 02 57 48) 序盤の魔物化は3rdのエルマーあたりを掘り下げるのかと思ってたら違ったわ 相変わらず教団ネタはやってて誰得展開だが -- 名無しさん (2023-03-04 01 28 19) 名前 コメント
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ゴラリオンと内海地域 Golarion and the Inner Sea 出典 Player Core 31ページ ロールプレイだけでキャラクターを作成して定義することを好むプレイヤーもいれば、背景や動機によってキャラクターを世界に結びつけたいと考えるプレイヤーもいるだろう。君が遊ぼうとしている世界の設定を知ることは、君のキャラクターに肉付けするのに役立つし、君が考えていなかったキャラクターの新しいアイデアを生み出すことさえある。 パスファインダー・ロールプレイング・ゲームのルールには、ゴラリオンと呼ばれる独自の標準世界設定が存在する。ゴラリオンは、魔法、奇妙な魔獣やモンスター、竜、剣による戦いの冒険、SFやテクノロジーの要素さえも混在する世界だ。多くの現実世界の国や文化から閃きを得ながら、ファンタジーと組み合わせて、独立した他にない場所になっている。ゴラリオンの世界設定にはさまざまなキャラクターが登場し、プレイヤーがキャラクターの基盤にできる歴史上の出来事や人物、物語のヒントが数多く用意されている。 失われた神託の時代 The Age of Lost Omens 出典 Player Core 31ページ ゴラリオンの存在のほとんどにおいて、難解な預言と神の先見は、主要な出来事と偉大な英雄の到来を示していた。AR4606年、預言は人類の神英ローデンがゴラリオンに戻り、栄光の新しい時代を導くことを伝えていた。しかしてエイローデンは死に、預言の信頼性をエイローデンと共に破壊した。運命に縛られることも導かれることもなくなったゴラリオンの人々には、失われた神託の時代である現代において、自らの運命を切り開くために縛るものはなにもない。 キャラクターが知っていること What Does My Character Know? 出典 Player Core 31ページ 魔法のファンタジーの世界に住んでいる人として、ゴラリオンの人は現代の地球の人とは異なる事前知識を持っている。キャラクターを作成するときに留意すべき世界設定の事前知識を以下に示す。ゴラリオン世界の詳細については、基本的な入門書についてはPathfinder Lost Omens World Guideを、世界のさまざまな地域についてのより深い考察についてはLost Omens設定製品群を参照のこと。 ゴラリオンには魔法がある。呪文を発動できるウィザードや奇跡を起こすことができる経験なる神の僕の話はありふれており、人々はそれらが実在することを知っている。非常に強力な魔法使いは稀だが、ほとんどの村にはちょっとした魔法の能力をもつものが数名いる。 ゴラリオンにはテクノロジーがある。一部の地域では例外もあるにせよ、フリントロック式拳銃や歯車駆動の機械という概念はほとんどの人にとっては理解できないものではない。しかし、多くの人にとってテクノロジーと魔法の境界は曖昧で、どちらか一方を簡単に取り違えてしまうかもしれない。 ゴラリオンには多様な文化がある。現実世界と同様、ゴラリオンには世界中に様々な国や文化が存在する。魔法による交通手段、歴史に関する探検、踏み均された交易路は、世界中の人々が他の場所へと向かうのを見てきた。他の大陸からの移民や旅人はありふれているというわけではないが、全く不可能というわけでもない。 ゴラリオンは古くから存在する。ゴラリオンの知られている歴史は6,000年近くに及び、この期間には知られていない歴史は含まれていないのだ! この長く語り継がれた過去には、研究者が掘り起こすべき新しい秘密や発見が常に存在し続けている。そして古代の呪いや脅威もまた、封印を解かれ、開放されるのを待っている。 ゴラリオンは危険だ。山賊から竜、腐敗した貴族や暴君候補まで、ゴラリオンには必ずと行っていいほど問題を引き起こす存在がいる。旅をしようとするものは、勇敢な冒険者に道を切り開きこの恐ろしい世界で安全を確保することを期待している。 舞台の調整 Adjusting the Setting ゴラリオンを自由に自分のものにしよう! 本に書いてあることが遊びたいコンセプトの邪魔になる場合、グループとGMに変更できるかどうかを聞いてみよう。重要なのは、我々が公開する「公式」資料に同意することではなく、一緒にプレイする人々による共同の物語構築を促進することだ。 実際、この世界設定を使用する必要はない。パスファインダーRPGのルールでは、世界についていくつかの前提があるものの、これらの前提の多くはファンタジーの分野では一般的なことだ。ゴラリオン固有の要素は特定の特技やアーキタイプに限定されることが多く、必要に応じて変更したり削除したりすることができる。パスファインダーのルールを使って、別の世界設定や自分で作った世界を簡単に運用できる。 パスファインダー協会 Pathfinder Society パスファインダー協会は、冒険家、探検家、年代記管理者の著名な組織で、ゴラリオン全域でよく知られている。この名前は、世界中で遊ばれているPaizoの公式加盟プレイ・キャンペーンと同じ名前である。参加方法については、PathfinderSociety.clubまで! 内海地域 The Inner Sea Region 出典 Player Core 31ページ ゴラリオンは非常に大きいため、公開される冒険や情報の多くは、世界の特定の地域に焦点を当てている。この地域は内海地域として知られており、北のアヴィスタン大陸と南のガルーンド大陸の半分で構成されている。内海地域は、アースフォールとして知られる出来事で隕石が地球に衝突したときに作られ、現在は水で満たされている長い湾となった。 わかりやすさのため、内海地域はさらに次の10の地域に分けられており、それぞれが異なるテーマを持っている。これらのテーマは、キャラクターを世界と結びつけ、より大きな物語の一部のように感じる背景物語を与えるのに役立つ。これらのテーマの中には他の本のルールや伝承に基づくものもあり、キャラクターの可能性は更に広がっていく。 地方言語 Regional Languages 出典 Player Core 34ページ これらの地方言語は、これらのその発生地域以外ではあまり見られない。次に示すいずれかの地域出身のキャラクターは、自動的にその言語の使用権を得る。内海地域における共通語は、他の場所ではタルドール語と呼ばれる。 表2-3:地方言語 Regional Language 言語 話者 ハリト語/Hallit Broken Lands, Eye of Dread, Saga Lands ケレッシュ語/Kelish 黄金街道/Golden Road ムワンギ語/Mwangi 大ムワンギ、枷の地、スーヴィア、ヴィドリアン オシーリオン語/Osiriani ゲブ、カタペシュ、マナ荒野、ネックス、オシーリオン、ラハドゥーム、スーヴィア ショアンティ語/Shoanti ベルクゼンの領土、ヴァリシア スカルド語/Skald イリセン、リノーム諸王の地 ティエン語/Tien リノーム諸王の地、マンモス諸侯領、ティエン・シア ヴァリシア語/Varisian ブレヴォイ、グレイヴランズ、ニダル、ニアマサス、ウースタラヴ、ヴァリシア ヴードラ語/Vudrani ジャールメレイ、カタペシュ、ネックス、ヴードラ 宗教 Religion 出典 Player Core 35ページ クレリックにとって神格の選択は非常に重要だが、ほとんどのキャラクターは、人生の注力すべきものを見つけ、特に困難や必要な時に選択の指針となるよう、少なくとも1つの神格に敬意を表する。あるいは、パンテオンに配置された神格の集まりを崇拝したり、グリーン・フェイスのような神格化されていない宗教に従ったり、特定の哲学に固執したりする人もいる。ゴラリオンを含むどの世界にも、以下に詳述するものよりもはるかに多くの神、宗教、哲学が存在することに注意すること。 + 目次 神格 Deities傾倒 Sanctification アイオメディ[継承者] Iomedae アスモデウス[闇の皇子] Asmodeus アバダル[最初の宝物庫の主] Abadar イローリ[師父の中の師父] Irori ウルガソーア[蒼白の姫] Urgathoa エラスティル[古き狙撃手] Erastil カイデン・カイリーエン[偶然の王] Cayden Cailean カリストリア[賞味の針] Calistria ゴズレー[風と波] Gozreh ゴルム[我らが鉄王] Gorum サーレンレイ[暁の華] Sarenrae シェーリン[永遠の薔薇] Shelyn ゾン=クーソン[真夜中の王] Zon-Kuthon デズナ[天球の歌] Desna トラグ[鍛冶の父] Torag ネサス[すべてを見通す目] Nethys ノルゴーバー[黒き指、皮剥ぎの父、灰色の王、名声を刈る者] Norgorber ファラズマ[墓所の貴婦人] Pharasma ラマシュトゥ[怪物の母] Lamashtu ロヴァググ[暴獣] Rovagug 領域 Domains 神格 Deities 出典 Player Core 35ページ 神は誰でも崇拝することができるが、敬虔に崇拝する者は、その信仰の詩神(信仰が奨励する行動)を守り、不義(神を冒涜する行為)を避けるように気をつけなければならない。以下にしめす神格はそれぞれ、その後に短い説明と文化的な情報、Raised by Beliefの来歴を持つキャラクター用の修正値が記載されている。その後に、その神格の最も熱心な信奉者が受けることのできる恩恵が続く。これらの恩恵を受けられるのは、君がその神格のクレリックであるか、他のルールで特に信者の恩恵を受けられる場合のみである。 傾倒 Sanctification 神格の中には、クレリックや同程度に熱心な信者に傾倒を促す。これにより信者は聖あるいは邪の特性を得る。聖特性は他人への強い献身を示し、他者を助け、フィーンドやアンデッドのような邪なる力と戦う。その対極にある邪特性は他人を犠牲にし、危害を加え、セレスチャル後からと戦うことにその身を投じることを表す。「選択すること」と記載された神格はその特性を得ることを義務付けており、「選択できる」と記載された神格は信者にその特性を選ぶかどうかの選択肢を与える。君は聖あるいは邪のいずれか一方の特性を持つことも、いずれも持たないこともできるが、聖と邪の両方の特性を持つことはできない。 呪文やその他の効果もこれらの特性を持つことがある。これらは対立する特性を持つクリーチャーに対してより強力になる。一部の呪文や能力には傾倒の特性を持つ。君が聖あるいは邪の特性を持つ場合、君が傾倒能力を使用すると、その能力に君の持つ聖あるいは邪の特性を追加する。 アイオメディ[継承者] Iomedae 出典 Player Core 36ページ 内海地方の主要な神々の中で最も若いアイオメディは、昇格する前にすでに神格に値することを証明していた。シェリアックスに生まれた彼女は、剣の道に従って悪と戦い、最終的にエイローデンの先触れアラズニのパラディンとなった。「輝きの十字軍」では、オゼム騎士団を率いて「囁きの暴君」に勝利し、伝説的な存在となった。アイオメディは3832年に神格となりされ、スターストーンの試練に合格した3人目の人間となった。アラズニが「輝きの十字軍」で殺害されたため、エイローデンは新たに昇格した女神を彼の新しい先触れに昇格させた。エイローデン自身が亡くなると、アイオメディはその崇拝者のほとんどを受け継ぎ、名誉と正義の大神となった。 分類 内海地域の神々 指針 節度を保て、正義と名誉のために戦え、勇気を胸に秘めよ 不義 窮地に陥った仲間を見捨てる、己を貶める、台東の挑戦を拒む 関心のある範囲 誇り、正義、支配、勇気 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【筋力】もしくは【耐久力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 聖を選択すること 信仰技能 〈威圧〉 好む武器 ロングソード 領域 自信、力、真実、闘魂 クレリックの呪文 1レベル:シュア・ストライク、2レベル:エンラージ、4レベル:ファイアー・シールド アスモデウス[闇の皇子] Asmodeus 出典 Player Core 35ページ アスモデウスは第一の者、闇の王子、闇と法の支配者、そしてヘルの支配者である。アスモデウス自身の聖典を信じるなら――エンジェルが書いた「呪われた書」のような他の記述によって裏付けられている――彼は多元宇宙で最も古い存在の1つである。これらの聖典によると、太古の昔、まだ創造されていない世界で、アスモデウスとその弟イヒスが最初に存在した神であるという。その昔、二神は創造物の魂の行方を巡って争い、アスモデウスは弟を殺害した。イヒスが人間に自由意志を与えたのは愚かな行為であると確信したアスモデウスは、絶対的な秩序と規律によって存在が最もよくなる、という自らの信念を明らかにした。この主張は他の創造神話と矛盾し、神学者も市の定めを持たない神々の代理人も程度の差こそあれアスモデウスの主張を疑っているが、論拠と言える証拠がない反面、反論も難しい。 分類 内海地域の神々 指針 自分に都合の良いように契約せよ、専制的な支配で弱者を虐げよ、地位の高いものに服従せよ 不義 契約を破る、奴隷を解放する、敵に情けをかけてアスモデウスを侮辱する 関心のある範囲 契約、強欲、奴隷制度、専制 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 任意、ただしこの方法でアスモデウスにその身を捧げたキャラクターは、永遠に闇の皇子に魂を縛られることになる 神泉 危害 信仰の傾倒 邪を選択すること 信仰技能 〈ペテン〉 好む武器 メイス 領域 自信、火、欺き、暴君 クレリックの呪文 1レベル:チャーム、4レベル:サジェスチョン、6レベル:ミスリード アバダル[最初の宝物庫の主] Abadar 出典 Player Core 35ページ アバダルは都市、法律、商人、富の神として崇拝されている。アバダルの聖堂は、多くの都市や秩序が繁栄している場所、あるいは足場を固めつつある場所にある。貴族、都市の警備員、商人、法律関係の仕事をしている人、共同体の幸福を考えている人たちは、ドワーフ一般とともにこの都市の神をよく崇拝している。都市に住むアバダルの神官はしばしば裁判官、弁護士、事務官として働き、辺境に住む神官は放浪の判事として働き、秩序の名の下に裁判官、陪審員、死刑執行人として行動する。 分類 内海地域の神々 指針 辺境に文明をもたらせ、勤労と公益で富を得よ、法を遵守せよ 不義 山賊や海賊に身をやつす、盗みを働く、政府を辱める 関心のある範囲 都市、法、商人、富 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【知力】 神泉 危害もしくは治癒 信仰の傾倒 聖あるいは邪から選択できる 信仰技能 〈社会〉 好む武器 クロスボウ 領域 都市、地、旅、富 クレリックの呪文 1レベル:イリューソリイ・オブジェクト、4レベル:クリエイション、7レベル:プレイナー・パレス イローリ[師父の中の師父] Irori 出典 Player Core 37ページ イローリは、自己完成の概念を体現している。彼の教義では、彼は人間でありながら、人間の限界を超えた肉体的・精神的な状態を達成することで神格化したとされている。彼の信奉者たちは、イローリの聖典「軛からの解放」の言葉に従って自己を完成させ、神の神たる状態を模倣しようとする。この聖典には、肉体的・精神的な鍛錬や、学習・記憶の方法などが詳細に記されている。 分類 内海地域の神々 指針 謙虚に生きよ、他人の自己完成を助けよ、自分の心身と魂をより完璧になるよう切磋琢磨せよ、規律を守れ 不義 薬物中毒になる、重要な歴史的文献を破壊する、自制心を繰り返し失う 関心のある範囲 歴史、知識、自己完成 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【知力】もしくは【判断力】 神泉 危害もしくは治癒 信仰の傾倒 聖あるいは邪から選択できる 信仰技能 〈運動〉 好む武器 拳 領域 知識、力、完成、真実 クレリックの呪文 1レベル:ジャンプ、3レベル:ヘイスト、4レベル:マウンテン・リジリアンス ウルガソーア[蒼白の姫] Urgathoa 出典 Player Core 38ページ ウルガソーアに選ばれた者たちは、老化、病気、あるいは死といった人間の肉体の欠点を恐れることはない。なぜなら、彼らがこれら以外のものに過剰なほど溺れるならば、彼らの女神はそうした気まぐれな束縛から永遠の自由を与えてくれるからである。ウルガソーア自身もかつては人間の女性であり、無頓着な適合性、節制、自制を信奉者に求める神々の教義に異議を唱え、拒絶していた。神々はなぜゴラリオンを、肉体と精神の快楽に溢れた無限に近い晩餐に作り上げたのだろうか。ウルガソーアは自分の生前の食欲を満たすことが大好きで、死後はファラズマの裁きに唾を吐きかけ、死後の世界への移行を助けるために任命されたサイコポンプを殺害し、ボーンヤードから自分を引き裂いて物質界に戻っただけでなく、最初の神性を持つアンデッド・クリーチャーへと変化させるという意志による力技を実現してみせた。 分類 内海地域の神々 指針 死後にアンデッドになれ、アンデッドを作成ないし保護せよ、食欲を満たせ 不義 食欲を否定する、アンデッドを破壊する、自分の命を犠牲にする 関心のある範囲 病気、大食、不死 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 危害 信仰の傾倒 邪を選択すること 信仰技能 〈威圧〉 好む武器 サイズ 領域 飽食、魔法、力、不死 クレリックの呪文 1レベル:ゴブリン・パークス、2レベル:フォールス・ヴァイタリティ、7レベル:マスク・オヴ・テラー エラスティル[古き狙撃手] Erastil 出典 Player Core 36ページ エラスティルは、他の多くの善の神格とは異なり、悪と戦い、悪を打ち砕くために信奉者を世に送り出すことはない。十字軍や、信奉者を家から連れ出すような事業を避け、エラスティルは家族や地域社会に人生を捧げる者を見守る。彼は主に農業の神であり、特に自然を手なずけることができるもの、あるいは信奉者の役に立つものに重点を置いている。農民、猟師、牧場主が日常生活で扱う動植物が彼の領域となる。守護神でありながら、エラスティルが介入するのは、静かな牧歌的な生活が脅かされたときだけである。軍に徴用されたり、モンスターに食われたり、魔法で破壊されたりする心配がなく、信者が平和に暮らせることを彼は望んでいる。 分類 内海地域の神々 指針 故郷と家族を大事にせよ、義務を果たせ、平和を守れ、地域社会を守れ 不義 必要に応じて故郷を捨てる、地域社会より自分を選ぶ、評判を落とす、嘘をつく 関心のある範囲 家族、農業、狩猟、交易 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 善を選択できる 信仰技能 〈生存〉 好む武器 ロングボウ 領域 地、家族、自然、富 クレリックの呪文 1レベル:シュア・ストライク、3レベル:ウォール・オヴ・ソーンズ、5レベル:ネイチャーズ・パスウェイ カイデン・カイリーエン[偶然の王] Cayden Cailean 出典 Player Core 35ページ かつては人間であったカイデン・カイリーエンは、現在では「昇格したもの」と呼ばれる数少ない神の一人である。生前は傭兵として名を馳せ、その騒々しい物腰と剣の腕前、そして大胆不敵な決断力で知られていた。ある夜、酒を飲んで騒いでいるうちに、傭兵として放浪していた彼は、スターストーンの試練に挑むことになる。3日後、スターストーン大聖堂から姿を現した彼は、完全に神となり、笑っていた。神としての責任は、カイデンが人間であった頃とほとんど変わることはなかった。彼は冒険、酒、楽しい仲間を渇望する一方で、いじめっ子、暴君、臆病者を忌み嫌う。 分類 内海地域の神々 指針 飲め、奴隷を解放し虐げられた人を助けよ、栄光と冒険を求めよ 不義 酒を捨てる、酔って意地悪をしたりよそよそしくしたりする、奴隷を所有する 関心のある範囲 エール、武勇、自由、ワイン 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【魅力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 聖を選択できる 信仰技能 〈運動〉 好む武器 レイピア 領域 都市、自由、飽食、力 クレリックの呪文 1レベル:フリート・ステップ、2レベル:スチューピファイ、5レベル:ハリューシネイション カリストリア[賞味の針] Calistria 出典 Player Core 35ページ 宗教印である3本の短剣に象徴されるように、カリストリアは色欲、復讐、欺きという3つの相を持つ。口が達者で、魅力的な彼女は、侮辱を賛辞に織り交ぜ、最高の報復のための複雑な下地を作る達人である。彼女は復讐の女神だが、それが正義を追求することを意味すると考えるのは間違いである。カリストリアは移り気で、気まぐれに忠誠心や興味を変えていく――しかし、彼女は決して侮蔑されたことを忘れない。彼女が許したと思っている者は、長期にわたる復讐計画の標的となり、いずれ徹底的に身を落とすことに必ず気付くだろう。 分類 内海地域の神々 指針 自由を追求せよ、スリルを味わえ、報復せよ 不義 愛と復讐に溺れる、些細な事をおざなりに扱う 関心のある範囲 色欲、報復、欺き パンテオン Elven Pantheon, The Last Breath 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【敏捷力】もしくは【魅力】 神泉 危害もしくは治癒 信仰の傾倒 聖もしくは邪から選択できる 信仰技能 〈ペテン〉 好む武器 ウィップ 領域 苦痛、情熱、秘密、欺き クレリックの呪文 1レベル:チャーム、3レベル:エンスロール、6レベル:ミスリード ゴズレー[風と波] Gozreh 出典 Player Core 36ページ 広大な海をかき乱す最初の風から生まれた永遠の存在であるゴズレーは、空と海で世界をさまよっている。船乗りは、風と波を喜ばせようと、致命的な嵐を避けるための供物として荷物の箱を投げるが、そのような嘆願は神の注意を引くよりも、気づかれない可能性の方がはるかに高いと知っている。この神は気まぐれで、その怒りは素早く、稲妻を投げつけ、自然界を汚す者は破滅的な深みへと引きずり込まれる。ゴズレーは、大地を包む海とその表面を動かす風、空を渡る鳥とそれを遮る雲である。 分類 内海地域の神々 指針 ありとあらゆる形の自然を大切にし、守り、尊重せよ 不義 文明の利器を自然に持ち込む、アンデッドを作る、美しい自然の地域を荒廃させる 関心のある範囲 自然、海、天候 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 なし 信仰技能 〈生存〉 好む武器 トライデント 領域 風、自然、旅、水 クレリックの呪文 1レベル:ガスト・オヴ・ウィンド、3レベル:ライトニング・ボルト、5レベル:コントロール・ウォーター ゴルム[我らが鉄王] Gorum 出典 Player Core 36ページ 鋼鉄の衝突、勝利の叫び、死を拒絶する息づかい、これらは我らが鉄王への祈りの音であり、ゴルムに従うことは戦うことである。ゴルムは戦いの理由を問わない――略奪者に対する村の必死の抵抗は、サーコリス・スカーで悪魔に対して行進する十字軍の軍隊に劣らず、彼にとって価値あるものである。善か悪か、秩序か混沌か、戦いの理由は関係ない。彼が好むのは戦いのスリルであり、勝利を手にするための闘争の坩堝なのである。 分類 内海地域の神々 指針 公平な戦いで勝利を得よ、自分の限界に挑戦せよ、戦闘で鎧を身に着けよ 不義 捕虜や降伏した敵を殺す、交渉によって紛争を防ぐ、間接的な戦術や魔法で戦闘に勝利する 関心のある範囲 戦い、力、武器 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【筋力】もしくは【耐久力】 神泉 危害もしくは治癒 信仰の傾倒 聖あるいは邪から選択できる 信仰技能 〈運動〉 好む武器 グレートソード 領域 自信、破壊、力、闘魂 クレリックの呪文 1レベル:シュア・ストライク、2レベル:エンラージ、4レベル:ウェポン・ストーム サーレンレイ[暁の華] Sarenrae 出典 Player Core 38ページ サーレンレイはゴラリオンで最も人気のある神である。生命を与える太陽との結びつきと、たとえ過ちを犯したとしても、誰もが最善を尽くすことができるよう、常に手助けをしてくれるからだ。ほとんどの人々は、皆の安全と生活のために太陽の力を流す彼女の親切な仕事に感謝し、癒しの力を必要とするすべての人に彼女の聖職者に感謝する。人間は暁の華を、限りない愛、絶妙な優しさ、真の忍耐の規範として捕らえている。彼らは彼女に、病人を癒し、虐げられた人々を立ち直らせ、状況の闇と精神の闇を照らしてくれるよう祈る。彼女の信奉者たちは、寛大さ、養育、真実、無私の勇気を通して彼女を見習うことを熱望している。彼らは、まず言葉で、そして必要であれば剣と炎で、あらゆる悪に対抗する。 分類 内海地域の神々 指針 ロヴァググの落とし子を破壊せよ、味方を守れ、病人や怪我人を助けよ、贖罪を求め許可せよ 不義 アンデッドを作る、嘘をつく、懺悔するクリーチャーに贖罪の機会を与えない、悪の討伐に失敗する 関心のある範囲 治癒、誠実、救済、太陽 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 聖を選択できる 信仰技能 〈医術〉 好む武器 シミター 領域 火、治癒、太陽、真実 クレリックの呪文 1レベル:ブリーズ・ファイアー、3レベル:ファイアーボール、4レベル:ウォール・オヴ・ファイアー シェーリン[永遠の薔薇] Shelyn 出典 Player Core 38ページ シェーリンは優しさと愛に満ちた眼差しで存在を見守っており、人間が愛、芸術、美をできる限り広めて、自分の人生を最大限に生かすよう励ます。女神の目には、たとえ最も粗雑な芸術の目覚めであっても、人生の試練と勝利を表現したものとして賞賛に値するものと映る。彼女は、すべての生き物が愛に値する存在であり、それぞれの方法で芸術を創造することができると信じている。シェーリンの宗教は、貞節、貞操、または特定の関係構造を必要としない。初期のロマンスの情熱は、長い結婚生活を送るカップルの間の快適な信頼関係と同様に重要で有効な愛の一面であるからだ。しかし、彼女は求愛と純粋な肉欲を区別し、逢瀬がより意味のある関係へと発展することを望んでいる。 分類 内海地域の神々 指針 平穏であれ、業を選び完成させよ、規範となれ、すべてのものに美を見い出せ 不義 芸術を破壊したり破壊を認めたりする(ただし人命を救ったりより偉大な芸術を追求したりする場合を除く)、降伏を認めない 関心のある範囲 芸術、美、愛、音楽 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【判断力】もしくは【魅力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 聖を選択できる 信仰技能 〈芸能〉もしくは〈製作〉 好む武器 グレイヴ 領域 創造、家族、情熱、守護 クレリックの呪文 1レベル:ディジング・カラーズ、3レベル:エンスロール、4レベル:クリエイション ゾン=クーソン[真夜中の王] Zon-Kuthon 出典 Player Core 39ページ 真夜中の王は苦痛、影、切断を体現し賛美する、ゴラリオンで最も歪で悪意に満ちた神の一人である。かつてドウ=ブラルとして知られていた彼は、ロヴァググをゴラリオンの中心にある牢獄に閉じ込める巨大な星の塔群を作り上げ、その邪悪な存在を縛るための偉大な神々の同盟に自らの技と能力を提供した。しかし、彼と妹のシェーリンとの間の神議により、神は未知の領域へと旅立つこととなった。ゾン=クーソンは多元宇宙の果てを旅し、そこに住まう理解しがたいものの顔を見つめた。彼がそこで何を見つけたのか誰も知らないが、彼は戻ってきた――変わり果てた一方、自分が耐えたものによって強化されたと主張して。ゴラリオンのニダルという国は、彼と結ばれた生存者の国であり、アースフォールとそれに続く暗黒の時代の恐ろしい余波を人々が生き残れるよう、必要なことを行うだけの強者たちによって建国された。 分類 内海地域の神々 指針 世界に苦痛を与えよ、身体を切り刻め 不義 永続的なあるいは長期的な光源を作る、苦しむ人に慰めを与える 関心のある範囲 闇、嫉妬、喪失、苦痛 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 危害 信仰の傾倒 邪を選択できる 信仰技能 〈威圧〉 好む武器 スパイクト・チェイン 領域 野心、闇、破壊、苦痛 クレリックの呪文 1レベル:ファントム・ペイン、3レベル:ウォール・オヴ・ソーンズ、5レベル:アンブラル・ジャーニー デズナ[天球の歌] Desna 出典 Player Core 36ページ PFS Note この呪文を与える全ての神格は、今は同じレベルでイリューソリィ・シーンを与える。 デスナが誕生するまで、夜は美しさを知らなかった。他の神々が苦労して世界を創造する中、彼女は天界に目を向け、星を一つ一つ配置していった。そして、最も明るい星を北の高台に吊るし、そこを住処とした。暗い空にきらめくこの星は、迷ったときや自信がないときに頼りになる、希望の光である。デスナは暗闇を安全に通り抜けられるよう、すべての人に道を示してくれる。 分類 内海地域の神々 指針 旅人を助けよ、未知の場所を探索せよ、芸術や歌で自分を表現せよ、人生の楽しみを見つけよ 不義 恐怖や絶望を与える、ナイトメアあるいは夢を破壊する同種の呪文を発動する、偏見に満ちた行動をする 関心のある範囲 夢、幸運、星、旅人 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【敏捷力】もしくは【魅力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 聖を選択できる 信仰技能 〈軽業〉 好む武器 スターナイフ 領域 夢、幸運、月、旅 クレリックの呪文 1レベル:スリープ、4レベル:トランスロケート、5レベル:ドリーミング・ポテンシャル トラグ[鍛冶の父] Torag 出典 Player Core 38ページ ドワーフのパンテオンの長は、ドワーフの神々の中で最も目立つ存在であり、ドワーフ以外の人々が知っているドワーフの神はトラグだけであるほどだ。他のドワーフの神々がドワーフの生活や文化の特定の分野を代表し、ドワーフの広範で包括的なパンテオンを形成しているのに対し、トラグの関心分野はドワーフ社会の最も中心的な分野である。トラグは、ドワーフの一族の間に深く根を下ろした共同体と保護という価値観を、自身の家族において模範としている。ドワーフの要塞や保守的な軍事戦術には、防御の手段として攻撃的な作戦を用いることを厭わない姿勢が表れている。また、ドワーフは「鍛冶屋」を象徴する存在であり、素材から優れた作品を生み出すこと、技を磨くこと、そして自分の仕事に誇りを持つことを意味する。その範囲は、大地を掘って鉱石や宝石を採取するなど、鍛冶やドワーフの職人技を養う活動にも及ぶ。このような中心的な概念を監督するトラグは、古くからドワーフのパンテオンの頂点に君臨している。闇の時代、ドワーフに伝説に歌われる「空への試練」を行わせたのもトラグであり、当時から彼の崇拝の対象であった。実際、ドワーフの間ではトラグはしばしば「創造の父」と呼ばれる。 分類 内海地域の神々 布告} 謹厳実直たれ、約束を守れ、鍛冶屋を敬え、人々に奉仕せよ 不義 嘘をついたり人を騙したりする、劣悪な作品を故意に作る、民衆の敵に情けをかける 関心のある範囲 鍛冶、守護、戦略 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 聖のみ選択できる 信仰技能 〈製作〉 好む武器 ウォーハンマー 領域 創造、地、家族、守護 クレリックの呪文 1レベル:マインドリンク、3レベル:アースバインド、4レベル:クリエイション ネサス[すべてを見通す目] Nethys 出典 Player Core 37ページ ある者にとって魔法は強力な武器である。ある者は自在に操れる道具とし そして、ごく一部の者にとっては、目的の源となる。魔法を理解すれば、手から火を噴いたり、異世界の存在を呼び寄せたり、感覚を狂わせたり、死者を生き返らせたりすることができる。現実を自分の都合の良いように作り変える能力は、多くの人が夢見る強力な手段であり、その力を真に習得できる者は少ない。 古代オシーリオンで神王と崇められたネサスは、そのような達人の一人だった。ネサスは、平原とその先にあるすべての秘密と可能性を解き明かそうとしたが、あまりにも膨大な知識にさらされ、自らの心をばらばらにした。創造物のすべて、宇宙の秘密、見たことのあるもの、これから見ることのできるものの広大な広がりを目の当たりにし、神へと昇華した瞬間、彼の心は引き裂かれてしまった。ネサスは無限のパワーとその活用術を手に入れたが、その代償として自己の核と心の安全が失われた。その結果、魂は分裂し、同じ身体の中で2つの相が争うことになった。一方は世界を破壊し、炎と破滅によって世界を浄化し、存在するものすべてを征服しようとする。他方は、世界を守り、高め、教育し、その限界から解放しようとする。 分類 内海地域の神々 指針 魔法の力を探究し、使え 不義 魔法の道ではなく一般の道を行く 関心のある範囲 魔法 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【判断力】もしくは【知力】 神泉 危害もしくは治癒 信仰の傾倒 聖もしくは邪から選択できる 信仰技能 〈秘術〉 好む武器 スタッフ 領域 破壊、知識、魔法、守護 クレリックの呪文 1レベル:フォース・バラージ、2レベル:エンブド・メッセージ、3レベル:レヴィテート、4レベル:フリッカー、5レベル:テレキネティック・ホール、6レベル:ウォール・オヴ・フォース、7レベル:ウォープ・マインド、8レベル:クァンダリィ、9レベル:デトネート・マジック ノルゴーバー[黒き指、皮剥ぎの父、灰色の王、名声を刈る者] Norgorber 出典 Player Core 37ページ ノルゴーバーは、スターストーンの試練を経て神になった「昇格したもの」の中でも、最も謎に包まれた存在である。アイオメディやカイデン・カイリーエンの生前とは異なり、ノルゴーバーの生前は謎に包まれている。ノルゴーバーはあらゆる秘密の主であり、隠された知識の力を巧妙かつ冷酷に行使し、自らの目的を達成する計算高い操り手である。彼の最も信頼する崇拝者だけが、神の計画に協力するために彼の目標について十分に知っており、それらの崇拝者でさえ、ノルゴーバーの計画における彼らの役割が完了した後に、しばしばその記憶を修正されてしまう。 分類 内海地域の神々 指針 正体を隠せ、大切な人を生贄にせよ、戦いで何でも使って有利に立ち回れ、影から働きかけよ 不義 闇の契約につなげるために自分の正体を明らかにする、秘密を共有する、慈悲を示す 関心のある範囲 強欲、殺人、毒、秘密 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【敏捷力】もしくは【知力】 神泉 危害 信仰の傾倒 邪のみ選択できる 信仰技能 〈隠密〉 好む武器 ショートソード 領域 死、秘密、欺き、富 クレリックの呪文 1レベル:イリューソリイ・ディスガイズ、2レベル:インヴィジビリティ、4レベル:ヴィジョン・オヴ・デス ファラズマ[墓所の貴婦人] Pharasma 出典 Player Core 37ページ ファラズマ以前の時代については、歴史の記録はもちろん、他の神々でさえも思い出すことができない。彼女の玉座は、平原の中心にある無限の尖塔にある広大なゴシック様式の聖堂の中にある。ここから前方、後方の時間を見渡し、すべての魂の誕生、生、死を観察し、死後の魂の行き先を最終的に決定する役割を担っている。ファラズマのサイコポンプの下僕は、死んだばかりの魂を魂の川に沿って彼女の領域まで導き、保護する。彼女はそこでそれぞれの魂を判定し、その属性と死すべき行為に従って、死後の世界の適切な面に送られることを保証する。ファラズマはあらゆる運命を見通すことができ、各個人の運命を知っているが、自由意志と選択によって魂の最終目的地を変えることができるため、個人の行動と個人の選択を非常に重要視している。そのため、ファラズマは魂が彼女の前に立ちはだかるまで、最終的な判断を保留する。彼女の予言は不可解であり、予言された出来事が起こるまでその全貌が明らかにされることはほとんどない。 分類 内海地域の神々 指針 古代の予言を理解するために努力せよ、アンデッドを破壊せよ、死体を安置せよ 不義 アンデッドを作る、死体を冒涜する、墓を暴く 関心のある範囲 誕生、死、運命、預言、時 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【判断力】 神泉 治癒 信仰の傾倒 なし 信仰技能 〈医術〉 好む武器 ダガー 領域 死、運命、治癒、知識 クレリックの呪文 1レベル:マインドリンク、3レベル:ゴーストリィ・ウェポン、4レベル:ヴィジョン・オヴ・デス ラマシュトゥ[怪物の母] Lamashtu 出典 Player Core 37ページ 純粋な者の堕落に興じる者、あるいはその差異を軽蔑する世界から疎まれ、見捨てられた者たちにとって、ラマシュトゥはそのグロテスクな群れの中に安らぎを与えてくれる。怪物の母は人間をうまく仲間にし、人間の生活を自分の忌まわしい理想に近づけることを目標としている。彼女の介入は、堕落や恐ろしい悪夢を与えることで広く知られている。彼女の理想を共有する追放された人々はこの介入を有益なものと感じるが、同様の出来事を恐ろしい呪いとして扱う人々もいる。 分類 内海地域の神々 指針 追放された者たちに力を与えよ、子らにラマシュトゥの教えを伝えよ、美しいものを怪物に変えよ、万物の腐敗と欠陥を明らかにせよ 不義 精神疾患や奇形を治療する、ラマシュトゥの的に救いを与える 関心のある範囲 異常、モンスター、悪夢 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【耐久力】もしくは【筋力】 神泉 危害もしくは治癒 信仰の傾倒 邪を選択できる 信仰技能 〈生存〉 好む武器 ファルシオン 領域 家族、力、悪夢、欺き クレリックの呪文 1レベル:スパイダー・スティング、2レベル:アニマル・フォーム、4レベル:ナイトメア ロヴァググ[暴獣] Rovagug 出典 Player Core 38ページ ロヴァググには聖典がない。彼の唯一の命令は破壊であり、彼の信奉者はそれを達成する方法の指示を必要としないからである。ロヴァググを崇拝する比喩的および文字通りのモンスターたちは、秘密の祠や隠れた洞窟で神話や伝説を共有し、彼を暴獣、囚われの王、牙の潮流、毀壊者、世界を壊す者と呼んでいる。彼らは互いに、彼らが命を絶つたび、彼らが破壊する芸術品のひとつひとつ、彼らが倒壊させる労働の仕事のひとつひとつで、彼らの神を閉じ込める牢獄に亀裂を入れるのだ、と口にする。彼らの小さな破壊の努力の積み重ねが、いつか神を解放し、すべてのものの終わりをもたらすのだと。 分類 内海地域の神々 指針 万物を破壊せよ、ロヴァググを牢獄から解放せよ 不義 新しいものを作る、しがらみに囚われる、犠牲者を拷問するなど破壊を遅らせる 関心のある範囲 破壊、災害、憤怒 信奉者の利益 Devotee Benefits 信仰能力値 【筋力】もしくは【耐久力】 神泉 危害 信仰の傾倒 邪を選択すること 信仰技能 〈運動〉 好む武器 グレートアックス 領域 風、破壊、地、闘魂 クレリックの呪文 1レベル:ブリーズ・ファイアー、2レベル:エンラージ、6レベル:ディスインテグレイト 領域 Domains クレリックや一部の信者は、神格から領域呪文を得られる。以下の領域は、ゴラリオンの主要な神々によって使用される。クレリックが領域呪文を獲得する方法については、113ページを参照のこと。また、372~381ページに領域呪文が掲載されている。 名前 説明 領域呪文 高度領域呪文 欺き/Trickery 君は人を騙したりいたずらしたりする。 サドン・シフト トリックスターズ・ツイン 悪夢/Nightmares 君は恐怖と怯えで心を満たす。 ウェイキング・ナイトメア シェアード・ナイトメア 運命/Fate 君は隠れた必然性を見抜き、理解する。 リード・フェイト テンプト・フェイト 風/Air 君は風と天候を操ることができる。 プッシング・ガスト ディスパース・イントゥ・エア 家族/Family 君は家族や共同体をより効率よく助け、守る。 スージング・ワーズ ユニティ 完成/Perfection 君は自分の心、身体、魂を完璧なものにするために努力する。 パーフェクティッド・マインド パーフェクティッド・ボディ 苦痛/Pain 君は機嫌を損ねたものを鋭い痛みで罰する。 セイヴァー・ザ・スティング リトリビューティヴ・ペイン 幸運/Luck 君は不自然なほどに幸運で、危険な目に合わない。 ビット・オヴ・ラック ラッキー・ブレイク 死/Death 君は命を終わらせ、アンデッドを破壊する力を持つ。 デスス・コール イラディケート・アンデス 自信/Confidence 君は恐怖心を克服し、誇りを持つ。 ヴェイル・オヴ・コンフィデンス デルージョナル・プライド 自然/Nature 君は動物や植物を圧倒する力を持つ。 ヴァイブラント・ソーンズ ネイチャーズ・バウンティ 守護/Protection 君は自分と他人を守る。 プロテクターズ・サクリファイス プロテクターズ・スフィアー 自由/Freedom 君は自分と他人を枷や束縛から開放する。 アンインピディッド・ストライド ワード・オヴ・フリーダム 情熱/Passion 君は愛や欲望といった情熱を呼び起こす。 チャーミング・タッチ キャプティヴェイティング・アドレイション 真実/Truth 君は嘘を破り真実を見極める。 ワード・オヴ・トゥルース グリンプス・ザ・トゥルース 創造/Creation 君は製作と芸術に関する神の能力を持つ。 クリエイティヴ・スプラッシュ アーティスティック・フローリッシュ 太陽/Sun 君は太陽や他の光源の力を利用し、アンデッドを罰する。 ダズリング・フラッシュ ヴァイタル・ルミナンス 旅/Travel 君は移動や旅に関する力を備える。 アジール・フィート トラヴェラーズ・トランシット 地/Earth 君は土や石を操る。 ハートリング・ストーン ローカライズド・クウェイク 力/Might 君の肉体的な力は、神の力で強化されている。 アスレティック・ラッシュ エンデュリング・マイト 知識/Knowledge 君は神の洞察力を授かる。 スカラリー・レコレクション ノウ・ジ・エネミー 治癒/Healing 君の治癒魔法は特に強力だ。 ヒーラーズ・ブレッシング リビューク・デス 月/Moon 君は月に関連する力を持つ。 ムーンビーム タッチ・オヴ・ザ・ムーン 闘魂/Zeal 君の内なる炎は、自身の戦闘力を高める。 ウェポン・サージ ジール・フォー・バトル 都市/Cities 君は都市の環境や住人に対する力を持つ。 フェイス・イン・ザ・クラウド パルス・オヴ・シヴィライゼーション 富/Wealth 君は富、貿易、財宝などの力を持つ。 アピアレンス・オヴ・ウェルス プレシャス・メタルズ 破壊/Destruction 君は神の荒廃のための導管だ。 クライ・オヴ・ディストラクション ディストラクティヴ・オーラ 火/Fire 君は炎を操る。 ファイアー・レイ フレイム・バリアー 秘密/Secrecy 君は秘密を守り、隠れたままにしておく。 ウィスパリング・クワイエット セーフガード・シークレット 不死/Undeath 君の魔法はアンデッドと密接な関係がある。 タッチ・オヴ・アンデス マリグナント・サステナンス 飽食/Indulgence 君は盛大なごちそうを食べ、食べ過ぎた影響を振り払うことができる。 オーヴァースタッフ テイク・イッツ・コース 暴君/Tyranny 君は他人を支配して奴隷にするために権力を行使する。 タッチ・オヴ・オービディエンス コマンディング・ラッシュ 魔法/Magic 君は想定外で不可解なことを実行する。 マジックス・ヴェッスル ミスティック・ビーコン 水/Water 君は水と水域を操る。 タイダル・サージ ダウンポーア 野心/Ambition 君は競争相手に追いつき、追い越すために努力する。 イグナイト・アンビション コンペティティヴ・エッジ 闇/Darkness 君は闇の中で活動し光を奪う。 クローク・オヴ・シャドウ ダーケンド・サイト 夢/Dreams 君は夢に入り操作する力を持つ。 スウィート・ドリーム ドリーマーズ・コール 信教と哲学 Faiths and Philosophies 出典 Player Core 39ページ もちろん、信仰は単一の神や神を崇拝するよりも多くの方法で表現できる。以下に、神格を対象としない宗教や哲学のいくつかの例を示す。これらの信仰や哲学には、信者に利益をもたらす外部の神々はいない。 無神論 Atheism n(){出典} Player Core 39ページ 神々が明らかに存在する世界では、厳密に無神論的または不可知論的な世界観、すなわち神は存在しない、あるいは神の存在は知られていないという信仰を支持する人はほとんどいない。しかし、神々を全く崇拝しない人も少なくない。多くの人がそうするのは、彼らが自由に価値を置いているからだ。神の恩恵を受けていないということは、制限、非難、不義、狭窄がないということだ。この決定は、一部の人には道徳に反するように聞こえるかもしれないが、無神論者にとっては、自律性と自分の運命を選択する権利への欲求が動機となることがある。 区分 信教と哲学 指針 なし 不義 なし グリーン・フェイス Atheism n(){出典} Player Core 39ページ グリーン・フェイス(緑の宗教)は、特にその様々な秩序の中で、信者によって異なって実践されているが、その信奉者は、自然界に対する普遍的な畏敬の念と、それを保全するという献身を共有している。各教団の実践者は特定の要素、季節、生き物、自然の出来事に惹かれるかもしれないが、すべての信者は自然のあらゆる側面の神聖さと重要性を尊重している。 グリーン・フェイスの伝説的な創始者たちが、自然の力のどちらの表現が最高であるかを議論して以来、多くの循環が経過した。伝説が究極の一体性を語っているように、今では緑の信仰に従って自然を神聖なものとして見ている人々は、調和は均衡によってのみ可能であり、自然の循環は繊細で無限であることを認識し、すべての存在の相互関係を理解している。したがって、グリーン・フェイスの支持者は、一つのものに名前を付けることによって、その反対のものも作られることを理解しており、その結果中道に至る。彼らは死と再生、光と影、成長と衰退の間の均衡の道を歩む。 区分 信教と哲学 指針 文明が自然と調和して成長するように導く、持続可能で自然の循環に沿って生きる、自然の大自然を保護する、自然の均衡を守る、絶滅危惧種を保護する 不義 自然環境に被害を与える、自衛や食料以外の理由で動物を殺す、自然地域から元素または固有種を除去する、自然の不均衡を助長する、天然資源の乱用を許す 関心のある範囲 自然界の崇拝
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メンバーが作成したSSを格納するページです。随時更新予定。 【幕間 悪魔の入学式】 【幕間 罪の咎は満ち足りたり(前編)】 【幕間 個人レッスンⅠ】 道筋 【幕間 英雄の慟哭】 【幕間】おいでよヴィルヘニア魔道学院 【幕間 ソドムの罪】 【幕間 ノーチェスの罪】 【幕間 悪魔の入学式】 【幕間 悪魔の入学式】 ヴァン・ハティという男は真面目であった。前日に魔導街に泊まった時、いつもよりも3時間ほど早く入眠した。それに加え、使い魔のミミルにきちんと時間通りに起こしてくれるように頼んだ。 当日。目覚めたヴァンは、式典の間だけと、エドアルドに念押しされて窮屈なベストを着込み、ヴィルヘニアの生徒として相応しい格好で式典に望んだ。 事前準備も完璧だったヴァンは、すんなりと指定された席に予定時間の10分前に座ることが出来た。 「..........................................」 5分後。彼の胃に異変が起こる。原因は幾つか思い当たる。 前日にヨシュアと同じ部屋だったら外で寝た方がマシと氷の風を吹かせて一悶着した事、 結局同じ部屋に泊まることになり、一生修学旅行気分で話しかけてくるヨシュアの相手をしていたこと、 朝起きたら隣のベッドで寝ていたはずのヨシュアが何故か自分の布団に潜り込んで毛布を全部ひっぺがしていたこと。 そして当の本人は十中八九寝坊していること。色々あるが、1番の理由は過度の緊張であろう。兎に角、怒りと、腹痛を堪えながらなんとか耐え忍ぶことにした。そこまで長いとは聞いていないし、大丈夫だろう。 入学式が始まり、遅刻してきたヨシュアが此方を見ると、凄く嬉しそうな笑顔を向けてきたこと以外は、特にこれといった事件は起こらなかった。 「続いては、来賓の方々から、新入生への祝いの言葉を賜ります。まずは、イーグァス大陸魔導連合より、会長の━━━━━━━━」 プログラムによると、来賓の挨拶の後に、在校生、教師陣による祝砲があり、入学式は終了するらしい。これを耐えればこの地獄から開放される。 「━━━━以上。魔術総合管理委員会、委員長。へターニア・ヴィルベッド・カノン」 「............(めっっっっっっちゃ長かった......)」 新入生達からしてみればどこの馬の骨とも知らぬ者達の、面白くもない話をたっぷり1時間半聞かされ、既に精神力は0に近かった。 加えてそろそろ胃も限界が近い。しかし、あと数分、数分でいいのだ、と、気を強くもったヴァンは、あまり刺激を与えないように背筋を伸ばす。と、 「むにゃむにゃ......ヴァン............それは食べ物じゃねぇぞ............」 どさり、肩になにかがのしかかってくる感覚があった。そう、1人目が話し出してから5分と持たずに熟睡していたヨシュアが、あろうことが自分の身体を枕にしていたのだ。 「..................」 極限の怒りと、羞恥心、襲い来る腹痛。それらを天秤に乗せて、ヴァンが選んだ答えは━━━━ 「すみません......具合が悪いので...........外に行ってもいいですか............」 ヨシュアの頭を思い切り殴り付けてから、近くにいた教員に泣く泣くそう、話しかけることだった。 Written by お触りマン 上へ 【幕間 罪の咎は満ち足りたり(前編)】 【幕間 罪の咎は満ち足りたり(前編)】 この世には決して覆せない事象がある。この世には決して辿り得ない場所がある。"才能の坩堝"。有り得ざる力。例えば、六道を見渡す眼。例えば、神の溺愛を受けた身体。例えば、罪の咎を克服した魂。他者と比べて、特別な能力を授けられた者達。神代に至る、奇蹟の鍵。 輪廻転生とは、即ち、魂の浄化である。その存在が犯した業を来世で精算する行い。業は、運命となってその者に降り注ぐ。その運命を巡る旅路を、人は人生と呼び、それを繰り返すことで人の魂は真に赦されるのだ。 罪を精算し、魂の巡礼を終わらせた者は、原初の魂、なんの穢れもない、あるがままの姿に戻る。これを"先祖返り"と呼び、先祖返りが他の者と比べてスペックが高いのは、業を精算したことによるアドバンテージがあるからである。 しかし、この世界には、運命を超克することにより、原初の魂に回帰する者がいる。即ち、運命という業に囚われず、あるがまま、真に己の為に生きることができる者。それは罪の精算を終わらせずに、魂を浄化するに至ったに等しい。まさに神をも恐れぬ大偉業。凡百の枷を乗り越え、己が運命に仇なす者。その男の名は━━━━━━ 時は神代に遡る。黄昏の英雄、ヴィルヘン率いる勇士達が、4つ目の厄災を下した頃。ノーチェ領の僻地。人も魔も寄り付かぬ死の土地に佇む豪邸。原初の呪い。虚無を宇宙に見出し、神を呪った三使徒の一家。ウェイトリー家の屋敷から、運命は始まる。 [某刻 ウェイトリー家 地下実験場にて] 「遂に、遂に、完成したぞ......!!!ふふふふ、ふは、ふははははは!!!」 「......どうされたのですか、父上」 薄暗い地下。外道、極悪。ありとあらゆる人の業を煮詰めたような痕跡が、色濃く残る場所で、狂気に身を窶してもなお、その両眼に意思の炎を灯した初老の男が、派手な笑い声を上げる。その様子を半ば呆れたように見ていた傍らの男━━━━金の瞳に、新緑の髪を持ち、不健康そうな顔色をしている━━━━は、気だるげに尋ねる。 「ウォーデン。お前も見ていただろう?これがあれば、"我が神"を降臨させることが出来るぞ!!」 「......しかし、父上。それではノーチェ神の怒りを買います。それに、現時点ではまともに扱える者がおりません」 ウォーデンと呼ばれた男は、言っても無駄なことを理解した面持ちで、気だるげに進言した。それを聞いた初老の男は、手に持っていた魔導書を掲げ、高らかに笑う。 「何を言う。他の者などにやらせるか。この大偉業は、ボル・ウェイトリーただ1人のもの。しかし、この術式が完遂した暁には、ウェイトリー家の跡取りとなるお前にも、継承せねばならんな」 「......光栄の極み。このウォーデン、父上とウェイトリー家の繁栄のために、全てを捧げる所存であります」 戯言のように唄う男━━━━ボル・ウェイトリーに対し、ウォーデンは対話を諦め頭を垂れる。何の因果か、この男は、父というものに、永遠に恵まれないのだろう。 「決行は明日の深夜。儂は暫し工房に籠る。お前はあの女......確か名前は......」 「......オディール、でございます、父上」 「あぁ、確か、そんな名だったかの。まぁあの出来損ないにも使い道がある。今日は食事を取らせるな。表にも決して出してはならぬ。分かるな?ウォーデン」 「............承知しました。ですが明日は凶星が出ると、僕従の天文士から......」 ウォーデンのその言葉を聞いたボルは、その笑みに、より一層の狂気を浮かべた。 「だからこそ、だ。"アレ"の力が弱まり、我が神の側面が最も強く出る刻こそ、儀式に相応しい。......わかったならもう行け。お前に閑暇を楽しむ権利などないのだからな」 まるで犬猫でも追い払うかのように、そう告げたボルはウォーデンに背を向けて作業に熱中し始めた。その背中を見て、溜息を吐くことすら億劫になったウォーデンは実験室を後にした。 ━━━━━━━━ [オディールとの会話の後] 「......父上の術式では、オディールの命が失われる。ウェイトリー家の秘奥。代償を差し出すことにより深淵に触れる奇跡。あれは不完全なものだ。やはり、俺がやるしか......」 この男は、自身の妹の身を案じてなどいない。ウォーデンが気にしていたのは、対価が奇跡の規模と釣り合っていないという点だ。オディールは特別だ。だが、彼女の魂だけでは叶えられないもの。それを無理やり帳尻合わせて術式を組上げているのだから、行えば、無意味に使徒の魂が消費されることになる。そんな事、ウォーデンが見過ごせるはずがなかった。 「......なに。簡単な事だ。要はあの女を生贄にするのではなく、別のものを代償に設定すれば良い。......ろくに奇跡も使えない、無能な人民が幾ら減ったところで、俺の損失にはならないからな。くっくっ......そうだ。どうせならあのイカレオヤジも勘定に入れてやろう。............しかし、あの規模の術式に割り込むには相当な労力が必要だな......どうしたものか」 そんな事を考えながら1人、夜の町を歩いていると、気がつけば、孤児院の前まで辿り着い てしまった。ここは、種族間の争いで肉親を無くした身寄りのない子供たちが集められた拠り所だ。孤児院の設立にあたっては、ウェイトリー家も出資しており、オディールもよくここに来ては子供たちの面倒を見ている。 「......孤児院か。全く、母上も何を考えているのだか。オディールが"あのように"産まれてきてからは、気が触れたように、うわごとを繰り返す人形になったかと思えば、いきなり慈善事業に家の金をつぎ込み出すのだから。あの父上も母上の言うことには何も口を出さない。..........いや待てよ......これは............」 不満げな顔で愚痴を漏らしていたウォーデンは、ふと、孤児院の壁に取り付けられた窓ガラスに目を向ける。そこにはまだあどけない顔をして眠る数十人の子供たちが見えた。 「............なるほど。母上は実にいい仕事をしてくれた。くくくっ......神など信奉するものでは無いと思っていたが......今回ばかりは、運命とやらに感謝せねばならないな」 月を仰ぎ、戯言のように呟けば、声を押し殺し、嗤う。男の名は、ウォーデン。ウォーデン・ウェイトリー。呪いの使徒、虚ろなる奇跡の一族にして、自らの罪を生きながらに超克したもの。運命の簒奪者。彼の特異性は、己の咎を、他者に、来世に押し付けることにより、今代において罪なき魂へと至ったこと。 「全て。全て。人の業も、罪も、俺を縛ることは出来ない。では、聖戦を始めるとするか」 又の名を"穢れなきウォーデン"。原初の回帰者である。 Written by お触りマン 上へ 【幕間 個人レッスンⅠ】 【幕間 個人レッスンⅠ】 ヴィルへニア魔導学院。グラウンド。土埃を巻き上げて、実戦形式の"指導"を行っている男が1人。男は空を踏みつけて加速しているような挙動で、赤髪の生徒に容赦ない拳を浴びせていた。 「ぐぁっ!?」 「ガードが甘い!」 正面に飛んできた拳を腕をクロスに組んで受け止めた男子生徒━━━ヴィクトリアは、その指摘のとおり、そのまま腕ごと後方に弾き飛ばされる。 「くっそう............反則ではないのか......!」 「あん?これでも加減してやってんだよ。見てから反応してたんじゃ間に合うわけねぇだろ。頭使え。次にどういう動きをするのか予測しろ」 たん、と華麗な着地を決めた教師━━ジウ・ネは、首を片手で抑えて捻りつつ、悪態をつくヴィクトリアに向かって吐き捨てる。 「それが出来たらこんなに苦労していないだろう......!」 「なら、できるまで努力しろ。"お前も"魔力にまだ頼りすぎてる。自分の五感を研ぎ澄ませ」 王族の膨大な魔力の暴力をもってすれば、知覚能力を大幅に上げることはできる。実際、今も使っているのだが、だからこそそこに隙が生まれる。見えるが故に、追ってしまう。それに頼り、見えているから大丈夫という慢心が、甘えを生む。貴族や王族にありがちな、当たり前の景色の穴を突いてくるのだ、ジウという男は。 「むぅ......くそ......我もジウと同じくらい速く動ければ......!」 「なんか言ったか?ほら立て。もう一本だ。へばってんじゃねぇぞ」 そう言いながら距離をとるジウの背中を忌々しげに見つめ、立ち上がると構え直すヴィクトリア。規定の位置に戻ったジウが突っ込んでくるのを合図に、防護魔法で身体を強化。知覚能力を底上げする。 「やはり速い......!!何故だ、なぜあそこまでの機動力が............」 宙を縦横無尽に飛び回るジウに目をぐるぐるさせながら視線を合わせる。流れるような動きは、まるで重力を感じさせない。それでいて、加速は不規則。いつ飛んできてもおかしくないという確信がある。 「......なんだ......?あれは飛行魔法............いや............"繋ぎ目"が全くない......!!」 ヴィクトリアの言う、繋ぎ目とは、飛行魔法を断続的に使っているであろう、ジウの挙動に本来はあるべき、隙、のようなものだ。一瞬空中で制止し、重力の影響を受けて落下しそうになったところに、もう一度飛行魔法を使う。ヴィクトリアの仮説は正しかった。 だが問題は、空中での制止時間が見当たらないというところだ。一度も止まらずに、断続的に飛行魔法を使い続ける。方法として考えられるのは、飛行魔法のブーストが切れかける直前にタイミングよく次の飛行魔法を使うことと、もう1つ。 「まさか......切り替えているのか......!?あの一瞬で......!?」 飛行魔法のブーストが切れる直前、それまで断続的に使用していたものを、持続的な使い方に切替える。これなら理論上は空中で滑らかな挙動をすることが可能である。音ゲーで例えるなら、乱打ノーツの最後の1つを、長押しノーツにほんの少しだけ切り替えている、ようなものである。 説明するのは簡単だが、これは片手で針の穴に糸を通すような所業である。それに加え、空中という自由な動きが制限される場で、何度もそれを繰り返している。なんの意図があってその技術を極めたのか、王族である彼には分からない。だけど現に、その謎技術の前に苦しめられているのは事実である。 「おらっ!ぼーっとすんな!」 「......っ!!!」 その結論に至った瞬間か、頭上からジウの声が聞こえたと思えば、強烈な蹴りを叩き込まれる。ジウは一撃を加えたと見るに、ヴィクトリアが反撃する前に再び空中に戻ってしまった。 「くそ......!理屈がわかってもどうしようもないぞ!!我ではあそこに届かない......!」 そう。技の理屈を理解出来ても、本題はもっと別のところにある。つまり、どうやってあの初期のリオレウスのような男を撃ち落とすか、という点である。 「考えろ......!我の強みはなんだ............偉大なる先祖から貰った魔力量......?だが身体強化ではあそこまで跳べない......跳べたとしてもその後がない!」 「気ぃ抜くんじゃねぇ!」 思考を続けるヴィクトリアの背に、ジウの強烈な一撃が加えられる。思わず、頭が真っ白に成りかけるが、何とか気合いで堪えたヴィクトリアは、朦朧とする視界の中にそれでもジウを捉え続けた。 「アイツ......!!ええい!!もうどうにでもなれぇぇぇ!!!」 頭に血が登ったヴィクトリアは、全ての考えをかなぐり捨て、最大強化をもって宙に飛び上がる。それを予測していただろう、ジウは少し身を翻してそれを避けようとし、 「......あ?」 思わず間抜けな声を出した。なぜなら、そのまま落ちていくであろうヴィクトリアの身体が、ジウに向かって弾丸のように飛んできたからである。 「おい!何やってんだ!!」 そのままもつれ合うようにして2人の体は地に叩きつけられる。ジウの方はすぐに体制を建て直し、油断ならない目つきでヴィクトリアを睨みつける。ヴィクトリアは徐に立ち上がると、砂だらけの顔で、にやりと、口角を上げた。 「ふふふふ......ふはははは!驚いたかジウ!俺の待つ超魔力で身体強化し、跳躍した後、爆炎魔法を"後ろ"に放って加速したのだ!!」 それは咄嗟に出たもの、ヴィクトリアの意地の産物ではあったが、ジウを驚愕させるくらいの効力はあったらしいことに、満足気に笑うヴィクトリア。さらに、全身に力を込めたヴィクトリアは、上体を前に倒れ込むような格好の奇妙な構えをとる。 「だがさっきのでコツを掴めたぞ!そして欠陥もわかった!つまり、さっきの動作を、"同時"に行えばいいのだ!!」 「あ?何言ってやがる......」 つまり、瞬間的に超強化した脚力に、爆炎魔法による爆風を加える。その速度は、 「いくぞ新技、【紅焔加速(レッドアクセル)】!!!!!」 「な━━━━」 ジウの反応速度を越えた 「ぐぁっ!??」 「はわっ!!??」 その筈、なのだが。付け焼き刃の技術。制御が出来ずにヴィクトリアの身体は全速力でジウの横をすり抜けていき、 壁に、激突した ━━━━━━━━━━━━ 「ったく......バカなことばっか考えやがって......」 医務室にて、ベッドに寝かせられたヴィクトリアを、呆れた目で見つめるジウは、今はぐっすりと眠っているヴィクトリアに、ため息混じりにそんな言葉を吐いた。 「じゃ、俺はこれで。バカが世話になります」 医務室の教師に礼を言って、医務室を出ていくジウ。安静にしていれば大丈夫だということで、バカは頑丈だな、ともう一度呆れながら。 「こんにちは師匠。弟が迷惑をかけたみたいで、申し訳ないです」 「......レオルロードか。その呼び方は止めろって言ってるよな。お前に言われると嫌味に聞こえんだよ」 医務室を出て、廊下を進む彼に、爽やかに話しかける者がいた。炎の獅子を傍らに連れている男の名はレオルロード・ソレイユ・オスト。オスト家の王位継承権第1位であり、歴代の当主候補の中で、最も優秀だと噂される男。あのバカ、ヴィクトリアの次兄でもある。 「それはすみません。それで......弟は無事ですか?」 「あぁ、手に負えねぇほどのバカだが......身体は頑丈らしい」 「それは......ふふふ、ヴィクトリアらしいというか。昔から木登りとか、外で遊ぶのが好きな子でしたから」 微笑を浮かべ、穏やかな口調で語るレオルロードに、ジウはなんとも言えない視線を送った。それに気づいたレオルロードは少し首を傾げたが、またいつも通りの表情に戻る。 「......じゃあ、俺は講義があるからよ」 「ええ、ではまた」 今度は明確に呆れた表情を浮かべたジウは、レオルロードの横を通って廊下の向こうへと歩いていく。 「......優秀でしょう?僕の弟は」 ふと、行き過ぎたジウに向かって、レオルロードが言い放つ。それは、半ば確信を得ているような、芯のある声色だった。 「......"まだまだ"荒削りだ。お前には及ばねぇよ。それじゃあな、俺は行くから」 「......相変わらず、素直じゃないですね」 ぶっきらぼうな教師の、未来を期待しているかのような言葉に、嬉しそうな笑みを浮かべたレオルロードは、彼もまた同じように、廊下の向こうへと去って行った。 Written by お触りマン 上へ 道筋 _道筋_ 「…では、これで……3世代目まで何とか護ってくださいよエイゴークさん。」 「いいんだけどよォ…嬢ちゃんコイツァ……いや、野暮ったいことはなしだな!お前さんが良しとしたことだ、俺も良しとしよう!じゃっ、次に会うのは俺の孫か!それまで達者な!」 エイゴーク領地から立ち去る彼女の後ろ姿を見る。 自分が与えられ、管理し統治し平和を維持するための最後の使命。 「嬢ちゃん、お前さんは…何を背負っちまったんだ。」 リリアーナは聖女としての彼女の名だ。 三女神が引き起こしそして英雄の手によって決着を迎えた戦争、それが終わり平和が訪れていた。 生き残った7人を王とし、国とし再建を使命とした彼らとは違い、残った4人はとある島で次世代を育てるための機関を作るためみんな一生懸命動いている。 自分は残った4人だ。 ただ少しの時間、期間だけ時間を頂くようにした。 自分の使命を果たすため、自分自身に課した使命を果たすために。 「これで全員…あとは……頑張るしかないよね、 ははっ…はぁ…ヴィル、君は結構とんでもない決断をしたんだよ。 …でも任せて、君が信じる仲間の1人なんだ、 君の失態なんてさせないから。」 そしてリリオという賢者としての名も彼は持つ。 彼は/彼女は人々の思いと理想を背負うことにした。 そうすることで信仰を守ろうとした。 壊れかけた民衆の三女神への信仰心を修復する為、彼女は聖女として巡り、賢者として助力した。 人々の荒んだ心は再びあの厄災を産むかもしれない。 信じれなくなったものたちは新たな戦を始めるかもしれない。 王へとなった彼らはその責務と業務に縛られるならば、いちばん自由な立場となった自分がそれを果たさなければならない。 「…時間、たりないなぁ…」 いくつも手段はある。 いくつもの道がある。 どれもどれも生命の冒涜で、命を蔑む手法。 「でも、君なら許してくれるだろ…へへっ…いや、許してはくれないかな。」 戦争で荒れた道を歩む。 屍で汚れた道を歩む。 ここで多くの友が死んだ、多くの民が死んだ。 赤く染まったこの大地がいつか、花と植物たちが暮らす豊かな土地に戻る日を願って、その足を動かす。 「シルヴィス君、君も頑張るんだろ…? なら私も頑張らないとね…へへっ……よぉし!」 ぱんっと頬を叩く。 気を引き締めよう、今から歩む道はとても険しい。 そしてとても多忙になる。 なら、頑張るしかないのだ。 Written by お触りマン 上へ 【幕間 英雄の慟哭】 【幕間 英雄の慟哭】 神代、聖戦の後、1人の男が、多くの血が流れた荒野で膝を着いていた。 悪獣を討った。虚無を殺した。深淵を滅した。誰もが男を英雄だと称えた。救世主だと崇めた。男の苦悩など、知る由もなく。 何千、何万の"敵"を屠り、大勢の仲間の骸を積み上げ、親友の命さえも代償に、手に入れたのは、空虚な名誉と、混沌とした未来。 街で1人殺せば罪人だが、戦場で100人殺せば英雄? 否、断じて否である。結局、何人殺そうが、何処で殺そうが、何を殺そうが、人殺しには変わりない。 悪を正し、正し、正し、自分の行いが正義かさえも分からずに、ただ、悪と言われたものを殺した。 男は結果として世界を救ったのかもしれない。終わりの見えない争いに、終止符を打ったのかもしれない。 だが男は、正義ではなかった。抱えきれない賞賛と、憎悪を一身に受けて、尚も挫けなかっただけだ。何度心が折られようが、何人の仲間が死のうが、歯を食いしばって立ち上がっただけの、ただの人間だ。それなのに、英雄などと、祀り上げられてしまった。 故に男は、嘆くことも、退くことも、折れることも赦されない。男は希望であり、最後の砦であったから。六つの厄災を打ち払った"巡礼"の旅も、三柱の偽神を封じた聖戦も、ただの1度も、弱音を吐くことすら、男はしなかった。できなかった。 男の名はヴィルヘン。黄昏の英雄、ヴィルヘン。ただの人間であり、英雄であり、導きの星であった。人の時代を切り開いた、輝ける光であった。 「━━━━━━━━━━━━」 男は、荒野の砂を掴む。血と、汗と、涙と、遺骨が混ざった、聖戦の負の遺産。それから拳を叩きつけ、 慟哭した その咆哮は、亡き友を憂いたものなのか、自分の無力を呪った詩なのか、絶望の声なのか。今となっては、確かめる術もない。 男が膝を着いたのはこの一度きり。男はその後、三女神という、信仰対象を失い、混沌としたこの地を収め、自らは未来へ希望を託し、学院を創り上げた。男が治世を離れ、肉体が滅び去ってすぐ、英雄の空席を狙う者達が台頭。再びの戦火が広がった。しかし、男の遺志は、確実に次代へと受け継がれていた。 黄昏の英雄の名は、現代まで語り継がれ、その勇姿は、生き様は、今も尚、多くの者の希望であり、光である。然して、彼の苦悩を知る者はいない。語られない、悲劇の英雄の詩。だが、きっと、彼も、そんなものは望んでいないだろう。 何故なら、英雄とは、己の身を賭して、魂を捧げ、顔も知らない誰かの笑顔と日常の為に、巨悪と戦うものを指すからだ。 「......俺は、本当に美しいものを見た。だから今度は、皆がそれを見つけて、その為に、笑って、泣いて、怒って、何気ない日常を、謳歌できるような世の中にしたいんだ。 俺の目指す正義は、きっと誰かにとっての悪なんだろう。 だから俺は......英雄としてじゃなくて、ただの人間として、戦う。人の大切なものを、守るために。次の時代に、受け継ぐ為に。 "████" 、そんなに心配しなくても、俺は大丈夫だよ。ああ、だから━━━━━━」 "だから、泣きそうな顔で、俺を見るのは、やめてくれよ、な?" これは遠い昔のお話。男が英雄になった始まりの物語。決して語られることのない、いつか見た理想の夢。 英雄ヴィルヘンの、最後の後悔。彼らの冒険譚は、波乱と苦悩に満ちた旅路であったが、それはまた、別の機会に。 上へ 【幕間】おいでよヴィルヘニア魔道学院 ヴィルヘニア魔道学院のとある一日の記録。ヨシュア、リンダ、ヴァンの三馬鹿と、問題児ヴィクトリアはある問題を抱えていて・・・? [幕間 おいでよ魔道学院] 此方の世界でいう、3月頃に当たる頃。卒業シーズンであり、教師はみんな頭抱えるほど忙しい季節である。新入生の人数や出自などの把握、シラバス、履修登録の管理、卒業式の準備、クラス編成に、新学期に向けての最終調整etc...... ここにも頭を抱えている教師が1人。蜥蜴皮のヤンキーのような出で立ちをした男だ。 ジウ「えーと......今年の留年者リストは......ローザデコラ22人、ビオレッタ8人、リリア13人か......退学したのは......くっそ......これ今日中に終わんねぇぞ......」 魔道学院ヴィルヘニアは完全な実力主義である。出自に関係なく、無能は排除され、優秀な人材だけが残る。まぁ、一部例外はあるのだがそれはそれ。留年者は毎年この位出るし、退学する者も当然いる。特に、自分の受け持っている生徒が留年やら退学やらした日には、何故かとばっちりを受けるのが教師である。とはいえ、毎年入ってくる人数の方が圧倒的に多いのでそこまで重要視されるファクターでは無いのだが、この男は元来の気質でどうも見て見ぬふりはしておけないらしく、余計なタスクを増やしているのだ。 ジウ「......よし、ちょっと休憩入れるか。あんまり根詰めても......あ?」 と、デスクから立ち上がった彼の耳に、爆発音が届く。中庭の方だ。面倒事の気配を感じつつ、それでも窓に近づきそちらを見やった。 ━━━━━━ [中庭] ヴィクトリア 「はーなーせ!!!我の邪魔をするな!!!」 リンダ 「だめですう!!落ち着いてくださいヴィク様!!」 ヨシュア 「くっそ!!離せヴァン!従者とはいえこれ以上は許さねぇぞ!」 ヴァン 「だから従者じゃねぇよ!!落ち着けバカ!!」 中庭では、4人の生徒が土煙が舞い上がる中、何やらわちゃわちゃしていた。どうやらある2人の生徒の揉め事のようだ。1人は赤髪の派手な出で立ちの男。男は黒髪ツインテールの少女に取り押さえられじたばたしている。 もう1人は制服をこれでもかと着崩し明るい茶色の長髪を後ろでまとめた我の強そうな男。男も、白髪に黒い角を持つ青年に羽交い締めにされていた。 どうしてこうなったのか。遡ること半刻━━━━━━ 昼休み。中庭にも多くの学生が集い、束の間の休息を満喫している。そんな中、中央に鎮座する噴水のベンチに腰掛けた4人の男女がいた。 ヴィクトリア 「リンダ。お前成績は」 リンダ 「みなまで言ったらだめですう!私も焦ってるんですよお!」 ヴァン 「............ヨシュアお前.....」 ヨシュア 「..................(無言で頭を抱える)」 そう。ここにいる4人のうち、3人は落ちこぼれ寄りの生徒である。方や王族、かたや貴族であるのだが......出自で成績を恵んでくれるほどこの学院は甘くない。 ヨシュア 「ヴィクトリア!!お前はいいよな!!王族だもんな!!!本当にやばくなったら親のコネでどうにかできるんだろ!??」 ヴィクトリア 「そんなわけがあるか!!我もジウに直談判したが一蹴されたのだ!「お前だけ特別扱いするわけねぇだろアホ」って!」 リンダ 「そうですう!ヴィク様は狡をしようとして失敗したから開き直って頑張ってるんですよお!」 ヴァン 「勉強しろよお前ら......」 あまりにもIQの低い会話に呆れながらアイスクリームを舐めている青年は、そこの3人とは違い真面目に勉学に励んでいるので特に成績が危ない訳ではない。じゃあなんでそこのアホ共に付き合ってるの?と聞かれると近くにいても厄介だが、放っておくともっと危険だから、という理由である。極端な話、ストッパーが居ないのだ。勿論、どっかの性悪商人やポンコツ魔道具使いとか三下ムーブ貴族とかもいるにはいるのだが............ ヨシュア 「......けど真面目にどうすっかなぁ。留年だけはしたくねぇしよ」 ヴィクトリア 「無論、我もだ!留年などしたら、母上と父上に今度こそ連れ戻されてしまうからな!はっはっは!」 リンダ 「......あっそういえば噂に聞いたんですけどお。すごい魔法を開発して、それが認められれば単位が免除されるとか何とか......」 ヴィクトリア 「何?!!?それは本当かリンダ!」 リンダ 「うわっ!急に大声出さないでくださいよう。 そうですねえ、私も先輩から聞いた話なのでなんとも言えませんが...... 過去に、色んな事情で成績不振になった生徒が、その時自分が開発してた魔法を学会で発表したら、すごい良い評価を貰って、学院側もそれを受けて成績をねじ曲げたとか......」 隣で大声を出したアホ赤髪に顰めっ面を向けつつ、間延びした口調で話す。因みにこれは半分合っているが、半分は嘘である。当時の学年首席━━━━ロクステリア・ヴィルベッド・カノンは、死霊魔術における、魂の作り方を根本から変えてしまうような研究を行っていた。それは当然学会に持ち込まれ、魔術界隈を騒然とさせるのた。だが、そのせいで学院の方の出席点が足りないという事態に陥った彼女は、その次のテストで全て満点、A評価の成績を取り、授業のレポートを全学科分提出し、更に自分の研究の応用を学院の上層部に実演して見せるという力技でねじ伏せたのだ。 ヴィルヘニア魔道学院では、実力が全て。流石に上層部も認めざるを得なかったらしく、特別に出席点を免除した。恐らく後輩達に語り継がれ、その過程で都合のいい部分だけが残ったのだろう。 ヨシュア 「よし!これは早速やってみるしかねぇな!ここにいる4人の合同開発ってことにしちまえば全員助かるだろ!」 ヴァン 「は?なんで俺もやる前提なんだよ......やらないからな?」 リンダ 「それはダメですよう。バン君に協力してもらわないと私たちレポートはさっぱりなんですからあ」 ヴィクトリア 「..............................」 と、3人が議論をしている中、先程まで元気だった赤髪は黙りこくって神妙な面持ちをしていた。そして、暫くして徐に口を開く。 ヴィクトリア 「......いや、我はやらないぞ」 ヨシュア 「..................は?なんで?お前が1番乗り気だったじゃん?」 リンダ 「どうしたんですかあ。ヴィク様」 ヴァン 「そうか。ようやく真面目に勉強する気になったか。ちょっと気味が悪いが、コイツらの目を覚ませてやれ」 ヴィクトリア 「いや、我が昔に開発した爆炎の星という魔法は禁域指定されているのだ。つまり、我はわざわざ新しい魔法を開発する必要は無い」 ヨシュア 「............????どういうことだ?」 第2種禁域指定魔法。彼の作りだした、詩を詠うことで、半径500mのランダムな地点で爆発が起きる魔法である。制御は出来ないが、破壊力は凄まじく、ブラックリストにぶち込まれたもの。要するに、魔法の価値を公に認められているのだ。 ヴィクトリア 「決めたぞ!!我は『爆炎の星』のレポートを提出する!!これならあの学院長も認めざるを得ないだろう!よし!!」 ヨシュア 「てめぇまさか抜け駆けする気か!!!させるわけねぇだろ!!!」 リンダ 「1人だけ狡いですう!!!」 ヴァン 「いや無理だろ............」 立ち上がり、後者の方へ走って行こうとするヴィクトリアの前に、ヨシュアとリンダが立ち塞がる。少し眉を顰め、ため息をつくと、腕を組みつつ尊大に尋ねる。 ヴィクトリア 「我の邪魔をするというのか?大体、お前は自業自得だろう、ヨシュア。リンダは......そうだな。我の方につくなら一緒に研究した、ということにしてやる」 リンダ 「わぁーい!勿論ですう!そもそもリンダは最初からヴィク様の味方ですよう!!」 ヨシュア 「あってめ......リンダ!!お前杖取り出しかけてただろ!」 ヴィクトリア 「で、どうするのだ?引き下がるというのなら.....我は寛大な心で見逃してやろう!」 ヨシュア 「......はぁ?調子乗んなよヴィクトリア。お前、ジウセンセイから一本も取れねぇじゃねぇか」 ヴィクトリア 「それを言えばお前だってそうだろ!!ええい!いいから退け!もうすぐ昼休みが終わってしまう!」 ヴァン 「..................(いつ終わるんだろうこの茶番という顔)」 暫く睨み合いを続けていたヴィクトリアとヨシュアだったが、その均衡を破ったのは、ヨシュアだ。 ヨシュア 「......そうか。ならいいだろう。お前がここを通りたいってんならなぁ......俺とヴァンを倒してからにしろ!!!」 ヴァン 「!!!!!????」 ヴィクトリア 「ほう。我に挑むというのか。いいだろう。......リンダ暫し下がっていろ。格の違いというのを見せてやる」 リンダ 「はあい!頑張ってください!」 ヴァン 「待て俺はやらないから......っ!!??あぁもう!!頭ローザ共が!!!」 ヴァンが必死に抗議しようとした直後、凄まじい魔力の奔流がヴィクトリアから放たれ、周囲に熱風ような波動が広がる。見ると、ヴィクトリアが宝剣(レプリカ)を抜いていた。堪らず叫ぶヴァン。こうして彼はまた馬鹿共の争いに巻き込まれることになる。 ヨシュア 「......っ!相変わらずデタラメな魔力量だぜ......!!なら、先手必勝!!」 ヴィクトリア 「我が爆炎の魔法よ!!来たれ!!」 リンダ 「うわっ!?ちょっとヴィク様それはまずいですう!!」 ヴァン 「くそっ......!おいリンダ離れろ!!」 ヴィクトリアの宝剣から放たれた紅蓮の炎と、ヨシュアの杖より放たれた黄金の雷が衝突し、大爆発を起こす。爆風に煽られ、土煙が舞い、噴水が半壊した。その後に立つのは、未だに闘志を滾らせる2人と、どうにか爆発の余波から身を守ったリンダとヴァン。このままでは大変なことになると、バカ2人を止めに入ることに。同時刻、胃痛蜥蜴先生の耳に爆発音が届く。そして今に至る━━━━━━━━ 上へ 【幕間 ソドムの罪】 英雄の時代。英雄が王となり、統治した時代。そして、その権力を巡り、水面下で骨肉の争いが起きた。血族同士で殺し合う、暗黒の時代。倫理に反した魔法が、大量に作られた時代。そして、魔術の解明。女神への信仰心の薄れ。人が、英雄と、神の境目で苦悩した時代である。 [ある教会にて] 木漏れ日の下。涼風が吹き抜ける度に、木の葉が揺れ落ちる。よく手入れされた庭は、管理者の几帳面さ、慈愛を感じる。 「〜〜〜♪」 ガラスの隙間から漏れ出るのは、修道女達が奏でる賛美歌。その奥で、笑みを浮かべた少女がオルガンを弾いている。鳥は生命の悦びを囀り、リスや、兎などの小動物達は、無邪気に駆け回る。穏やかな時間。神代、人が人と争っていた時代では、考えられないような平和が底にはあった。 「............けっ」 だが光あれば、影もまた、顕在する。今しがた、教会の中を覗き見て、不満げに吐き出した男は、この時代の闇、影の象徴のような存在。とある狂った研究者が生み出した、生命の冒涜を体現するもの。人は彼を"忌まわしきソドム"と呼ぶ。 「気に入らねぇ。何が女神だ......」 忌々しげに男が呟けば、空間の魔力が張り詰める。小鳥は慌てて飛び立ち、小動物達は何処かに隠れてしまう。吹き抜ける風も、何処か怯えているようだった。 全てが憎かった。憎悪、怨嗟、怨讐、復讐。その為に生きると誓った。自分を生み出した男も、それを肯定した世界も、何もかもが赤く染まって見えた。 「......もう、また貴方ですか。此処には来ないで欲しいと、先週言ったはずですが」 「............あん?堅ぇこと言うなよ、シスター」 と、思考の渦に囚われ始めた彼の背後から、声を掛けるものがいた。それは■■■■で■■■■の色をした瞳の■■■のシスターだった。彼の腹違いの妹である。だが、2人ともそんな事は知る由もない。彼が知っているのは、目の前のシスターが、彼の父親、つまり、ソドムを生み出した魔法使いに近い場所にいるということだけ。 「貴方が来るとみんな怖がるんです。って、先週もこのやり取りしませんでしたか?」 「.....おいおい。お前が来ていいって言ったんだろ?"私に会いたくなったら来てください"って」 「それは私に会いに来るのは構わないということで、教会に来ていいってことじゃありません!家の場所もお教えしたはずですが?」 はぁ、と呆れたように息を吐いた女は、そのまま庭にある物干し竿に掛かった白いシーツを、丁寧に畳み、バケットの中にしまった。男はその様子を、屋根の上に登って眺めていた。 「......なぁ、お前、いつまでシスターなんだ?いい加減そんな仕事放り投げて、俺の物になれよ」 「............これは......私に与えられた、使命ですから。無碍にすることは出来ません。というかなんなんですか貴方は。1ヶ月前、いきなり現れたかと思えば、いきなり求婚してくるなんて......」 彼の目的は父親への接近と、復讐。その足掛かりとして女に取り入ろうと思ったのだが、如何せん手段が思い浮かばなかった。魅了、洗脳の魔法は何故か効かないし、物にも釣られない。ならもう、落として自分の番にしてしまった方が早いと思ったのだ。そう、最初は、本当にそれだけだった。 「いいじゃねぇか。一目惚れだ。でも、シスター様はお優しいことで、俺の正体を知って、邪険にしなかったのはお前だけだぜ?」 「それは......貴方が悪い訳では無いですし、貴方は私たちに特に危害を加えようとはしませんでしたから......」 「でも俺は......悪魔だ。人の悪意が産み落とした存在。シスター様的にはその辺は大丈夫なのか?」 屋根から飛び降りると、男は女の頬に、黒い手袋、礼装で覆われた掌を当てる。女はそれを力なく振り払えば、目を伏せて言葉を続ける。 「悪魔だなんて......それは周りの人達が勝手に......」 「じゃあ」 女の言葉を遮って、男は、振り払われた手を、もう片方の手で抑える。それから力を込めると、するり、とそれを外す。途端に男の掌は、端の方から、粒子になって崩壊していく。 「これでも、俺が、お前と同じ人間だと、言えるか?」 「............!!」 女は驚いたように目を見開き、だが、崩れゆく男の手をそっと握って、優しく微笑んだ。今度は男が目を見開く。その姿に、ありもしない幻想を見たから。 「......それでも......それでも、貴方は......穢れてなんていません......ほら............こんなにも......」 「............やめだ。お前と話してると、......分からなくなる」 男は視線を逸らし、手袋を付け直すと、吐き捨てるように呟いて、女から離れる。触れていた温もりが消えて、冷たい温度だけが、身体を蝕んでいく。泡沫の魂。拒絶された存在。まるで、太陽の下を歩く事を罪とされた、怪物のようで。そんな彼にも赦しを与えるのは、或いは、"許してくれるのなら"、もう一度、輪廻を望む。 「邪魔したな。俺は帰る」 「あっ............」 それだけ、ぶっきらぼうに告げると、門を潜って教会の外へと歩いて行く。女が声を漏らし、呼び止めようと追い掛けても、その時には男の姿は何処にも見当たらない。本当に、世界から消失してしまったかのように。 「......きっと、また会えますよね。━━━━━━フェンリス様」 それは、失われた名前。1人の悪魔が、聖女に恋をした悲劇。呪われた魂の罪。その精算。永劫に囚われる、地獄の輪廻。きっと、それこそが、彼らに架せられた、罰なのだろう。 上へ 【幕間 ノーチェスの罪】 時は神代。神の存在は人と共にあり、故に、人の力もまた、神に準じるものであった頃。異なる女神を崇拝する3種族の争いは、ますます苛烈になっていった。 [ウェイトリー家にて] 「こんな所にいたのか。空など見上げても、何も見えはしないだろう?」 「......(お兄様。お目覚めですか)」 ウェイトリー家。ノーチェスの称号を戴く、宵闇の女神の使徒。その一族。その魔法は、奇跡は、混沌、闇、虚数に通ずる。洋館造りの妖しい邸にて、バルコニーで星空を見上げる少女に声を掛けた者がいた。 「......全く。あまり夜風にあたるものでは無いぞ、オディール。たたでさえお前は━━━━」 「......(申し訳ありません、お兄様。でも、私、誰かに呼ばれているような気がして......)」 男の名は、ウォーデン。かの大神の忌み名を冠する、魔道の申し子。現代に産まれていれば、間違いなく世を覇することになったであろう、深淵に通ずる秘術を修めた者。だがしかし、この時代においては、其れは、凡庸な才とされていた。 男は苦言を呈しながらも、バルコニーに佇む少女の傍らに立ち、同じように星屑で彩られた空を見上げる。 「......確かに、今宵の星は、いつもよりも輝いて見える。ノーチェ神の祝福を感じるな。お前が影響を受けるのも、無理はない」 「............(やはり、ですか。私にははっきりとは見えませんが......それでも、星々が叫んでいるように思うのです。それと、宵闇の女神様の......怒りを)」 この時代において、神は当たり前のように、人に干渉した。特定の個人を寵愛し、庇護し、加護を与えるなんてことは珍しくない。少女もまた、女神に見初められた1人。それも、呪いのように、苛烈な愛を受けた者。少女の眼は生まれつき、光を映さない。その対価に、本来ではありえない神秘性、神性をその身に宿す、聖女。言い換えれば、半人半神。 そして、宵闇の魔法の大家であるウェイトリー家において、魔法が使えない、出来損ない。否、其れは、少女の能力不足というわけではない。寧ろ、その逆。余りにも高い神秘性のせいで、人の技術が肌に合わないと言うだけ。その身を侵す魔力を、少女に宿る奇跡は許さない。 「......怒り?ほう。それは......つまり、近々大きな争いが起こりうると......そういうことか?」 「............(そこまでは分かりません。だけれど......何かしらの大きな災いが、すぐ側まで迫っているような......恐ろしい気配を感じます)」 少女は星を見つめながら、ビクリと身体を震わせた。其れは女神の怒りを"真近"で受けたからに他ならない。 「............もう夜も更けた。これ以上は身体に障るぞ、オディール。さぁ、寝室に戻るのだ」 「............(......はい。お兄様)」 そんな少女の様子を眺めていた男は、溜息と共に、言葉を吐き出し、少女に手を差し伸べる。少女は男に手を引かれ、寝室まで導かれると、その小さな身体を白いシーツの上に沈みこませた。 「......オディール。分かっているとは思うが、あまり心配を掛けさないでくれ。父上は最早手に負えず、母上も狂ってしまわれた。お前とて、ノーチェ神の加護がなければ、満足に出歩けない身。これはお前だけの問題では無いのだ」 「............(ごめんなさい......私の所為で......お兄様に要らぬ心労をかけさせてしまって)」 「..................なに、お前を責めている訳では無いのだ。いいか?オディール。お前は俺の、たった1人の大切な妹なのだ。兄が妹の身を案ずるのは当然。気に病むことは無い」 男は幼子を寝かせつかせるように、少女の頭を優しく撫でながら、穏やかな声色で告げる。ベッドランプの明かりだけが、柔らかな輪郭で、妹を見つめる男の影を映し出していた。 「............(お兄様......優しいお兄様。私はお兄様の妹になれて......幸せです......)」 「............俺も、お前の兄でよかったよ、オディール。............さ、今日はもう休むといい。俺は父上の様子を見てくる。お前は何も心配せずに眠るといい。お前には、偉大なる宵闇の加護があるのだから」 「............(はい......おやすみなさい、お兄様......)」 男の言葉を聞いて、その鼓動に触れて、安堵の表情を浮かべた少女は、その微睡みに身を任せて、眠りの世界に誘われた。暫くすれば、穏やかな寝息が響き始める。それを見計らって、男はベッドの端から腰を上げると、明かりを消して、寝室を後にする。 「.........あぁ、オディール。本当に、本当に、お前の兄でよかったよ。......お前のお陰で......我が神は御降臨なさるのだから。......くく......精々、今だけは平穏な夢に溺れるといい。偽りの優しさに、心を許すといい。いずれ、全てが終わる、その時までは、俺はお前の兄でいよう」 少女は、後に、虚無の聖女と呼ばれる使徒となり、数多の英雄を屠り、そして、非業の死を遂げた。呪いと、悪意と、汚辱に満ちた、正しく、無数の願いを虚無に帰した魔女に相応しき最後。故に、その魂は巡り、遂には死ぬことも能わず。星屑の礼拝堂にて、永劫に囚われることとなる。 未だ幼さの残る寝顔をした少女は、己が辿る運命を知らない。そして、あの男も。その罪と想いに気づくまでは、彼らの輪廻は続くのだろう。 上へ
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『学校:秋(前編)』 37KB 虐待 ギャグ パロディ 日常模様 現代 ギャグ要素:パロディネタ多め 運動会編 以下:余白 『学校:秋(前編)』 *この物語に登場するキャラクターは、東の方に住んでいる人たちと名前が同じなだけで、あの人たちとは別人の小学生です 六、 「先生! 男子が……っ、ガイドさんの言うことを聞きませんっ!!!!」 「先生!! 女子が、買い物に行ったまま帰ってきませんッ!!!」 「うるさーーーい!!! 並べッ!!! 団体行動を乱すなっ!!!!」 絶叫する男子、女子、上白沢先生。双葉小六年生は修学旅行の真っ最中である。今日はその最終日。福岡、佐賀、長崎と回り 終え、既に学校へと帰っている途中なのだ。二泊三日の行程を終えて満身創痍気味の教師陣をよそに、児童たちは初日と変わら ぬテンションで騒ぎ続けている。高速道路のサービスエリアに到着した双葉小一行(主に児童)は蜘蛛の子を散らしたようにお 土産を買おうと走り出す。 「まぁまぁ……。 元気なのはいい事よ」 「八意先生……。 確かにそうですが……元気がありすぎるのもどうかと……」 同伴していた保健室の八意先生が上白沢先生のフォローに入る。 「輝夜(てるよ)ぉ……!! 今日という今日こそはケリつけてやるぞ……っ」 「やっぱり藤原は野蛮ね。 私たちが戦うには然るべき舞台がこれから二つもあるのに、待ちきれないのかしら?」 隣のクラスの問題児コンビである輝夜ちゃんと藤原さんが一触即発の様子で睨み合っている。そこに現れたのが星熊さんだ。 「おっと、輝夜の言うとおりだ。 ここはとりあえず来月の運動会で決着をつけちゃあどうだい?」 「待って、星熊さん! 私はどちらかというと文化祭のほうが……」 「ハッ! 私はどっちでも構わないよっ! まぁ、部屋に引きこもってネトゲばっかやってるような奴に、運動で私と勝負なん て無理な話だろうけどな!」 「なん……ですって……ッ!!!」 藤原さんはやや不良少女。輝夜ちゃんは文化委員長。そして、星熊さんは体育委員長である。上白沢先生が長身の眼鏡をかけ た男性教師の元にずかずかと近づいていく。 「ど、どうしたんだい……?」 「どうしたもこうしたもありませんよっ! 森近先生のクラスがまたなんかやってるんですよっ! なんで注意しようとしない んですかっ!!」 「いや……ねぇ。 僕に彼女たちを止めるのは……無理さ」 修学旅行の時期が行楽シーズンと重ならなかったのは不幸中の幸いだった。もし、これがシルバーウィークなどと重なってし まっては大変なことになっていただろう。それでも、教師陣はサービスエリアの店員に何度も何度も頭を下げていた。その様子 を面白がっていろんなアングルから撮影を続けているのが、写真好きの文ちゃんだ。双葉小はどういうわけか女子が個性派揃い である。 「なぁ、紫……。 れいむに何かお土産とか買っていかなくてもいいかい……?」 キーホルダーのコーナーの前に紫ちゃんと八坂ちゃんの二人が立っている。紫ちゃんは陰陽玉のキーホルダーを手に取ってそ れをぼんやりと眺めていた。 「れいむもさぁ……悪気があって、あんなこと言ったんじゃないと思うんだ。 そりゃあ、紫にとって“ばばあ”は禁句だけど さ……。 ゆっくりの言うことじゃないか。 気にするなんて紫らしくないと思うんだけど……」 「…………」 「ま、それだけじゃないんだろうけどねぇ……。 東風谷を泣かされたことで諏訪子はマジ切れしてるし……。 男子にとって も、れいむに冷たく当たる大義名分ができたってわけだ……。 水面下でなんか風見も動いてるみたいだし……。 はっきり言 って卒業するまでにもう一悶着あるぞ……?」 八坂ちゃんの真面目な口調に紫ちゃんが少しだけ表情を暗くした。あの一件以来、女子の中にもれいむに対する不信感を抱い ている者が現れ始めたのである。それは紫ちゃんも例外ではなかった。東風谷さんもれいむに話しかけてはいるが、雰囲気は微 妙にぎこちない。 れいむはあの日の出来事を深く考えてはいなかったのか、翌朝から普通に女子に話しかけていた。それに応える者もいたが、 応えない者もいた。状況は少しずつではあるが、確実に変わってきているようである。修学旅行の前日は、「れいむも修学旅行 に連れて行ってね」と散々喚き続けていた。教室に一匹で取り残されることは、あの夏休みの日々を連想させるのだろう。それ に加えて、ゆっくりは孤独を極端に嫌う習性がある。しかし、女子の一存だけで修学旅行へれいむを連れて行くことなどできな い。その旨をれいむに伝えると、れいむは水槽の中から女子へと罵声を浴びせた。それに対して一発ゲンコツをくらわせたのが、 諏訪子ちゃんだったのである。諏訪子ちゃんと東風谷さんは幼稚園からの親友だ。いろいろと思う所があるのだろう。 「伊吹さんっ! それ、お酒ですよっ!!!」 風紀委員の東風谷さんが叫ぶ。伊吹さんはジュースの試飲と間違ってお酒を飲んでしまったようである。 「……あー……? 今なら、私……分裂できる気がするっ!!」 「い、言ってる意味がわかりませんっ! 八意先生っ! 八意先生~~~!!!」 東風谷さんは面倒見が良くて穏やかな性格をしていた。更にルックスもよく男女問わず人当りが良いため、誰からも好かれる タイプの女の子である。成績は中の上。正直、パッとしない。みんなのためにとかいがいしく走り回る東風谷さんを紫ちゃんは 見つめていた。そこに一人の女子がやってくる。 「諏訪子……ちゃん……」 「紫ちゃん。 私、れいむの面倒見るの、もうやめるから」 「諏訪子……。 諏訪子の気持ちも分かるけど……」 突き放すように言い放った諏訪子ちゃんの横顔を八坂ちゃんが訝しげな目で見る。 「私が言いに来たのはそれだけだよ。 ……言っとくけど、れいむの事をムカついてるのは、私だけじゃないから」 それだけ言って諏訪子ちゃんは二人の傍から離れて行った。明日から学校が始まる。その前に自分の意思を宣言することで、 一つ距離を置こうとしたのだろう。 「紫」 「……な、なに?」 八坂ちゃんが紫ちゃんの肩を掴んだ。呆けていたのか紫ちゃんはおっかなびっくりと言った様子で八坂ちゃんを見つめている。 「あんまり……考えすぎんな。 私も相談に乗るから」 「……ありがと」 全員がバスに乗り込む。二台のバスは連なってサービスエリアを後にした。紫ちゃんはずっと窓の外の景色を眺めている。隣 に座る八坂ちゃんは肩肘を突いてずっと目を閉じていた。諏訪子ちゃんと東風谷さんは楽しそうにおしゃべりをしている。出発 してから三十分後くらいに伊吹さんがバスの中で大変なことになったのは言うまでもない。 季節は秋。修学旅行から帰ってきた双葉小学校六年生一同は既に新たなイベントのための準備を始めていた。秋の大運動会で ある。修学旅行終了後かられいむに声を掛ける女子は目に見えて減少していた。最大の理由としては修学旅行に連れて行かなか った事を負い目に感じ、また、そのことについてれいむが散々文句を言ってきたことがあげられる。もちろん、れいむはその日 の放課後に男子によって殴る蹴るの暴行を受けた。 運動会のための練習もあるため、体育の授業が多くなりつつある。上白沢先生と森近先生は、そこまでライバル心を燃やして はいないが、生徒間同士では凄まじいまでの火花を散らしていた。徒競走では常に学年で一、二位を争う文ちゃんと霧雨さん。 体育に関して抜群の成績を誇り、身体能力的にも高い伊吹さんと星熊さん。輝夜ちゃんと藤原さんは同じクラスだが無駄に対抗 意識を燃やしている。 紅団。上白沢先生が顧問。団長は紫ちゃん。それから、八坂ちゃん、東風谷さん、諏訪子ちゃん、文ちゃん、河城さん、風見 さん、村沙ちゃん、聖さん、寅丸さん、伊吹さん、散野くん。 白団。森近先生が顧問。団長は西行寺さん。それから、輝夜ちゃん、藤原さん、星熊さん、霧雨さん、妖夢ちゃん、燐ちゃん、 水橋さん、十六夜さん、美鈴ちゃん、小野塚さん、映姫ちゃん。 イベント事に対して人並み以上のやる気を見せるメンバーは以上の通りである。やはり、双葉小は女子がやたらと目立つ。下 馬評では運動会に関しては白団有利との見方が強い。両チーム。小学生とは思えないくらいの闘争心で日々、練習を続けていた。 「はぁ、はぁ、はぁ……河城さん、タイムはっ?!」 「すごいなぁ……六秒八八だよ。 やっぱり文ちゃんはすごいよ」 「霧雨さんの自己ベストは六秒七六だったはずだから……まだ、足りない……ッ! 双葉小最速の座は渡せないわね……ッ!!」 人気のない校庭で五十メートル走の練習を繰り返すのは文ちゃんだ。文ちゃんは常日頃から「特ダネを嗅ぎ付けるには情報と 足が重要なんだ」と言っており、写真を取ったりインタビューをしたりするためにも自分は最速でなければならないと考えてい た。 「弾入れと大弾転がしは“妨害アリ”だったわよね……。 藤原さん、霧雨さん、小野塚さんあたりはかなりシビアなことをや ってくるかも……」 「星熊さんと美鈴ちゃんに妨害されたら紅団は壊滅状態だよ……」 「ゆ……ゆっくりしていってねっ!!!」 放課後の教室の中で居残って作戦会議をするクラスの男女に、れいむが言葉をかけた。文ちゃんはまだ走り込みを続けている ようだ。残っていた諏訪子ちゃんがれいむをじろりと睨み付ける。れいむは諏訪子ちゃんに一度殴られているため、怯えた様子 を見せたが、どうしても会話の輪に入りたいらしく何度も声を掛け続けた。 「れいむも、いっしょにおはなしをしてあげるよっ! たくさんでいいよっ!!!」 「……はぁ?」 れいむの物言いにすぐさま反応したのはやはり諏訪子ちゃんだった。男子も数人立ち上がる。残りの女子は黙ったまま、れい むのことを無視していた。男子が立ち上がったのを見て、れいむが水槽の壁に後頭部を押し付けて震え始める。 「な……なんなの?! また、れいむにいたいいたいするのっ!? お、おねーさん、たすけてねっ!! かわいいかわいいれ いむがいじめられちゃうよっ!!」 「…………」 諏訪子ちゃん以外の女子は何も返事を返さなかった。紫ちゃん、八坂ちゃん、東風谷さんは委員会の仕事と運動会の準備で教 室内には残っていない。男子が動き出すよりも先に、諏訪子ちゃんが水槽の前に進んでいった。 「おにーさんたちっ! おねーさんがれいむをまもってくれるよっ!! れいむにいたいいたいはできないねっ! ゆぷぷっ、 ばーか、ばーかっ!!!!」 「この糞饅頭が……」 男子たちが唇を噛み締める。この時点でまだ男子は知らなかったのだ。諏訪子ちゃんがれいむの事を男子以上に嫌っている事 を。 「ゆ?」 鋭いゲンコツがれいむの頭頂部にめり込んだ。目を丸くする男子一同。不意を突かれてゲンコツを食らったれいむは舌を噛ん でしまったのか、「いたいよぉぉぉぉ」と水槽の中を転げまわった。 「諏訪……子、ちゃん?」 「れいむ。 あんた、少し黙って。 あんたと話をしてる暇なんかないんだよ」 「ど、どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉぉぉぉぉ!??」 「五月蠅い、って言ってるでしょっ!!!!」 れいむの髪の毛を掴んで持ち上げるとそのまま、矢のような往復ビンタである。れいむが泣き出す前に水槽に投げ込んで後頭 部を手の平で押さえつけた。痛みと息苦しさに揉み上げをぴこぴこと動かしながら「ゆぶぶぶぶぶぶ」と呻き声を上げる。 「諏訪子ちゃん……どうして……?」 「……あんたたちに関係ないでしょ……。 女子が全員、れいむを無条件で守ってるなんて思わないで」 男子が呆けた表情をしてみせる。風見さんが“こちら側”だというのはうっすらと感じていたが、東風谷さんと中の良い諏訪 子ちゃんが“こちら側”だったとは思ってもいなかったのだろう。どうしてなかなか、小柄で可愛い顔をしながらやる事は激し い。れいむに対して冷たい目を向け、れいむがぐったりするまで水槽の床に顔を押し付けている様子は、男子の一人を虜にして しまったようである。残りの女子も遠くからクスクスと笑っていた。 「れいむを殴るなら……紫ちゃんたちが帰った後にしたほうがいいと思うよ。 ……まぁ、今日はもう無理だろうけどね」 諏訪子ちゃんはようやくれいむを解放して、自分の机の横にかけていた赤いランドセルを背負うと教室から出て行った。残り の女子もそれを追うように教室を後にする。残されたのは泣きながら呻き続けるれいむと茫然と立ち尽くす男子だけだ。 「ゆぅぅぅぅ……いたいよぅ……いたいよぅ……」 情けないれいむの声。それが男子たちの嗜虐心を刺激する。れいむを水槽から引きずり出して黒板に投げつけた。顔面から黒 板に叩きつけられたれいむが跳ね返って教室の床にごろごろと転がる。それでも、切れ切れの呼吸で廊下に逃げ出そうとするれ いむ。その側頭部を思いっきり蹴りつける。教室の入り口を目前にしてれいむは再び宙に舞い、壁に叩きつけられるとようやく その動きを止めた。 「い゛だい゛……どぼじで……いだい゛ごど、じな゛い゛でよ゛ぉ゛ぉ゛……ッ」 「知るかばーか」 「やっぱりこいつを蹴るのって面白いよなぁッ!!!」 顔面を蹴りつけられるのが一番堪えるのか、顔は床に押し付けるようにして身を守っている。男子はれいむを取り囲んで四方 八方から足を撃ち込んだ。 「ゆぐぇッ?! えぎゅっ!? ゆ゛ぎぃ゛ッ!!! ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ゛はあ゛ッ??!!!」 痛々しいれいむの声だけが放課後の教室に虚しく響く。 「い゛だ……やべで……ぐだざ……。 い゛だい゛よ゛……い゛だい゛ぃぃ……」 「ちょっとやり過ぎたかな?」 「生きてるからいーんじゃね?」 「口うるさい紫のヤローが帰ってくる前にこいつを水槽に戻そう……ぜ……」 一人の男子が動きを止めた。ぼろ雑巾のような姿になったれいむ。それを囲む男子。その傍らに佇む紫ちゃん。紫ちゃんは恐 ろしいほどに冷めた目つきで男子とれいむを見つめていた。 「うわあああああああああああああああ」 まるで化け物でも見たかのような悲鳴を上げて、男子が一斉に逃げ出す。紫ちゃんはその場を動かなかった。うずくまって、 ぴくりとも動かないれいむを抱き上げて水槽の中に戻す。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ…………」 苦しそうに呻き続けるれいむ。それを見下ろす紫ちゃん。 「……あなたも、れいむを殴ればいいんじゃない? そうしたら、すっきりするかもよ……?」 「風見さん……。 まだ残ってたのね」 「花壇の草むしりをね。 私こう見えても、植物係だから」 「…………」 「本当は、腹が立つんでしょう? そのゆっくりに」 「そ、そんなことは……っ!!!」 「いい人ぶるのはやめなさいな。 見ていて鬱陶しいわよ」 「なんですって……っ!!!」 紫ちゃんが拳を握りしめて風見さんに歩み寄ろうとしたその時。風見さんが持っていた傘の先端を紫ちゃんに向けて突きつけ た。あと数センチで紫ちゃんの額に触れるかどうかのところで寸止めされている。紫ちゃんは風見さんを睨み付けながらその場 から一歩も動かない。唇を噛み締める紫ちゃんを見て風見さんはクスリと笑った。その態度に紫ちゃんがいよいよ、風見さんに 殴りかかろうとする。 「貸してあげるわ」 「――――え?」 「外。 雨、降り出したから」 風見さんの言葉に窓へと目を向けると、確かに小雨がぱらついているようだった。風見さんはランドセルの中から折り畳みの 傘を取り出すと鼻歌を歌いながらそれを開いていく。 「それじゃあ、私は帰るわね。 あなたと喧嘩なんてしたくないわ。 “神隠し”に遭わされたら大変だもの」 「……そうね。 私も風見さんに“弾幕開花宣言”なんてされたらたまらないわ」 「「お互いにね」」 それだけ言い合って風見さんは廊下へと出て行った。少し雨脚が強くなりつつあるのか、校舎の屋上に打ち付けられた雨の音 が次第に激しくなっていく。風見さんが廊下を歩いて行く音はそれに掻き消されて聞こえなかった。 「ゆぐっ……ひっく……」 微かに水槽かられいむの泣き声が聞こえてくる。紫ちゃんは水槽の傍へと足を運んだ。れいむの全身は蹴られた際の衝撃のせ いか、複数個所がべこべこに凹んでいる。上履きの裏の跡がれいむのお尻にくっきりと残されていた。正面を向かせればもっと 酷いことになっているに違いない。 「…………」 紫ちゃんが水槽の前で立ち尽くす。「何か言葉をかけないのか」と自問自答するが答えることができない。ガタガタ震えて怯 えている“可愛そうなゆっくり”を目の前にして救いの手も差し伸べなくていいのだろうか。紫ちゃんの頭の中を様々な思考が 駆け巡る。 「どぼじで……れいむが……こんなめにぃぃぃぃ……」 紫ちゃんが水槽の中に入れようとした手を無言で引っ込める。それから自分の机の横にかけてあったランドセルを背中に回す と、風見さんから借りた傘を片手に教室を後にした。 雨の音と溶け合うように水槽の中でれいむがすすり泣く。痛み。悲しみ。悔しさ。様々な感情が幾重にも重なって渦巻いてい た。れいむの不安は秒刻みで膨らんでいく。男子と同じように自分が泣いたり苦しんでいるのを見たりするのが楽しい、と言っ てのけた風見さん。自分の味方だと思っていた女子の一人だったはずの諏訪子ちゃん。この二人の存在が、れいむにとって女子 が必ずしも全員味方ではないということを示している。それは餡子脳であるれいむにも理解できることだった。今までは女子が いれば男子に暴力を振るわれることはないだろうと判断していたのだが、今後どうなっていくか分からない。男子と女子が結託 してしまえばどうなるか。教室と水槽という二重の結界の中に閉じこめられているれいむに安寧の日々は決して訪れなくなる。 ここに来てから何度この言葉を呟いただろうか。 「ゆっ、ゆっ……。 れいむ……。 ゆっくりしたいだけなのに……」 東風谷さんに罵声を浴びせた事。紫ちゃんへの禁句発言。それによる諏訪子ちゃんの変化。全て、れいむ自身が招いた結果で はあるが、事態はどんどん悪い方向に転がっている。元をたどれば一人の男子がまだ赤ゆだったれいむを虐待しようと、机の引 き出しの中に入れていたことが発端ではあるが、それはもはや結果論に過ぎなかった。 「こわいよ……。 にんげんさんが、こわいよぅ……」 翌朝。 ずたぼろのれいむを見て真っ先に駆け寄ってきたのは東風谷さんだった。 「れいむっ! 大丈夫ですかっ!? ……どうして……。 誰がこんな酷いことを……」 水槽越しにこちらを覗き込む“人間”の姿にれいむが怯えて震え出す。その恐怖心は東風谷さんにも伝わった。 「れいむ……? どうしたんですか……?」 「……で……」 「え?」 「こないでね……っ!!!」 「!」 東風谷さんが一歩後ずさる。れいむのこの発言には周囲にいた生徒たちも目を丸くした。水槽の隅っこに顔を押しつけてガタ ガタと全身を震わせるれいむ。東風谷さんが笑みを浮かべてれいむに手を差し伸べようとすると、れいむは顔を水槽の床に押し つけて全身に力を込めた。 殴られる、と思っているのだろう。殴られて一番痛みを感じる顔の部分を守ろうとしているのだろう。 東風谷さんが出しかけた手を引っ込める。そこに諏訪子ちゃんがやって来た。 「早苗。 もう、いいから……。 上白沢先生が来るよ? 席につかないと」 「諏訪ちゃん……。 ……わかりました。 れいむ……。 あの、元気を出してくださいね? 私はれいむの味方ですから……」 諏訪子ちゃんがスカートの裾をぎゅっと握りしめて自分の上履きを見つめる。東風谷さんと同じ気持ちでいられないことが辛 かったのだろうか。諏訪子ちゃんは東風谷さんが自分の席につくまで、その姿勢を崩さなかった。その様子を心配そうに見つめ る女子一同。さすがの男子も困惑した表情を浮かべている。 それでも一日のスケジュールは滞りなく進んでいく。今日の午後は全学年合同の運動会予行練習が時間割に組まれていたため、 給食を食べ終わった上白沢先生と森近先生は連れだって早々に職員室へと向かい、午後の打ち合わせに参加していた。 生徒たちも体操服に着替える準備を始めていた。小学校高学年ともなれば、男子は廊下に放出されてしまう。女子たちは教室 の窓とカーテンを閉め切り、次々に服を脱ぎ始めた。 男子がいなくなったことに気づいたれいむがもそもそと水槽の際にあんよを這わせる。それでも怯えたような目つきは変わら ない。しかし、女子たちの楽しそうな笑い声を聞いていると、どうしても会話の中に入りたい衝動に駆られた。れいむは朝の一 件以来、一言も喋っていない。それはゆっくりの世界の中で言えばあり得ないことだったのだ。出しかけた言葉を飲み込む…… をさっきから何度繰り返しただろうか。れいむはどうやって女子に話しかければいいかが分からなくなっていた。 「あややや~? 紫ちゃん、まーた胸が大きくなったんじゃありませんか? そーれ、パシャパシャパシャっと!」 いち早く体操服に着替えた文ちゃんが、着替え中の紫ちゃんをデジタルカメラで激写する。紫ちゃんは顔を真っ赤にして両手 で膨らみかけた胸を隠した。 「こ、この……っ! 変態っ! ちょっと、そのデジカメ貸しなさいっ!」 「双葉小のアイドル東風谷さんの着替えシーンとは、いったいどれほどの価値があるのか? 男子がいくらまでなら出すか楽し みですねー?」 「や、やめてくださいっ! ひどいですっ! セクハラですっ!!」 「胸の大きさなら早苗だって負けてないぞっ!?」 諏訪子ちゃんが素早く東風谷さんの後ろに回り、両手で東風谷さんの胸を鷲掴みにした。声にならない悲鳴を上げる東風谷さ ん。 「諏訪ちゃ……ちょ、ダメですっ……ぁ……あんっ! くすぐった……ひゃんっ」 廊下の男子は全員暗黙の了解で一言も発さず、教室内で繰り広げられているであろう薔薇色の光景を想像して大いに興奮して いた。諏訪子ちゃんは「にひひ」と笑いながら軽快な動きで東風谷さんの攻撃をかわしている。 「学年で一番胸が大きいのは誰かな? 西行寺さんもかなりの特盛りだよね?」 「まぁ、私たちには関係ない話だけどね」 と、言い合っているのは村沙ちゃんと河城さんの二人だ。 「ゆ、ゆっくりしていってねっ!!!」 教室の中にれいむの甲高い大きな声が響いた。一斉に沈黙した女子一同がれいむの入った水槽に目を向ける。れいむは微かに 震えていた。反応をしてもらえるかどうかが不安なのだろう。どうしても二の句を継ぐことができない。何人かの女子は「また か……」とでも言いたげに露骨にれいむから視線を逸らした。それがれいむにも理解できたのか、しょぼくれた表情で俯く。さ っきまでのキャッキャウフフ感が一転して、葬式の会場のように静まりかえる教室内。会話も止まってしまっているため、誰も なんのフォローをすることもできない。東風谷さんでさえ、どう反応していいか分からない様子だった。正直、「ゆっくりして いってね」と言われても切り返しに困る。なぜなら、女子は全員、教室の中でゆっくりしていたのだ。その雰囲気を壊した張本 人に「ゆっくりしていってね」などと言われても反応のしようがなかった。 「もう、五分前よ。 早く運動場に行かないと上白沢先生に頭突きされちゃうわ」 沈黙を破ったのは学級委員長の紫ちゃん。その一言にまるで金縛りから解かれたかのように教室を出て行く女子たち。八坂ち ゃんは「やれやれ」と言った様子でチラリと紫ちゃんを見たが特に何も言わなかった。風見さんは無言でにこにこと笑っている。 「……委員長として、当然のことを言っただけよ」 紫ちゃんは風見さんにそれだけ言うと自分も教室を出て行った。風見さんが水槽の前に歩み寄る。後ずさるれいむ。「このお ねーさんはゆっくりできない」と、夏休みの記憶がれいむに警鐘を鳴らす。風見さんは怯えて動けないでいるれいむの頬を力任 せにつねった。 「い゛っだぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!」 一瞬で泣き叫ぶれいむの情けない顔に満足したのか、風見さんも鼻歌を歌いながら教室を後にする。しかし、時間に一分遅刻 した風見さんは上白沢先生から頭突きを食らってしまった。 「予行練習とは言え、私は本気で走るぜ?」 「奇遇ですね。 私もですよ。 双葉小最速の座はあなただけには譲りませんよ」 「へっへっへ。 私をなめてもらっちゃ困るぜ?」 「なめてなんかいませんよ。 あなたは双葉小で一番の努力家ですから」 「位置について……」 文ちゃんと霧雨さんが真剣な表情でゴールテープを睨みつける。 「よーい……」 両足に力を込める。 それからスターターのピストルが空に向けて放たれた。徒競走は六人一組で走るが、スタートダッシュの時点で文ちゃんと霧 雨さんの一騎打ちのような形になってしまう。 「いっけー、いけいけ、いけいけ文ちゃんッ!!!!」 熱の入る応援合戦。 『紅、白、白、白、紅、紅の順です。 紅、頑張ってください』 放送委員会に所属する文ちゃんの後輩である椛ちゃんが実況をする。文ちゃんが僅かにリードしていた。しかし、霧雨さんも 必死で食らいつく。文字通り双葉小の頂上決戦(男子涙目)に否が応でも盛り上がる全校生徒。 美しいフォームで駆け抜ける文ちゃんの姿はまさに風神少女。 がむしゃらにそれを追う霧雨さんから飛び散り輝く汗はミルキーウェイ。 僅か七秒弱の攻防に運動会予行練習はますますヒートアップしていく。今回の戦いは文ちゃんが僅かにリードを保ったまま終 わった。霧雨さんは両手を腰に当てて下を向いたまま、「くそっ」と小さく呟いてすぐに顔を上げる。 「次は勝つ!」 「私だって負けませんよ……っ!」 「いいぞー、いいぞー、あ・や・ちゃ・んっ!! いいぞー、いいぞー、あ・や・ちゃ・んっ!!!」 「よーくやった、よーくやった、き・り・さ・め! よーくやった、よーくやった、き・り・さ・めっ!!!」 「……やめろよ、泣きたくなってくるじゃないか……」 「霧雨さん……」 努力が及ばなかった自分が悔しい。そして、“優しくされると泣きたくなる”。霧雨さんは体育座りのまま、拳を地面に数回 打ち付けると、「ちくしょう……」と呟いた。 「大丈夫ですよ、霧雨さん。 次は私たちが霧雨さんの仇を撃ってきます」 そう言うのは学年で一番身長が高い美鈴ちゃん。次は騎馬戦である。霧雨ちゃんを負かされた白団一同は次の騎馬戦(予行練 習)に並々ならぬ闘志を燃やしていた。 逆に騎馬戦は美鈴ちゃんと星熊さんという一騎当千の機動力を持つ二人が、戦場を縦横無尽に駆け回り紅団はほとんど全滅し てしまう。ただ、藤原さんと輝夜ちゃんだけは最期まで同士討ちをしていた。 それから綱引き、応援合戦、学年対抗リレー、全校リレーと全校生徒が絡んでくる競技に絞ってスケジュールが消化されてい く。教師陣は運動会のタイムスケジュールを作ろうとしていたのだ。学年ごとの団技は各学年で行われる手筈である。得点計算 のために予行練習とはいえ、両陣営の得点が掲示された。 紅団、四百九十五点。 白団、五百十四点。 「……紫ちゃん……っ!」 「……騎馬戦と綱引きで大敗したのが痛かったわね……。 騎馬戦で五十点。 綱引きで六十点よ……。 これは対策が必要だ わ。 ……何も思いつかないけど」 「弾入れと大弾転がしだけは負けられませんね……ッ」 「騎馬戦の組み合わせも考えたほうがいいんじゃねーか? 諏訪子はすばしっこいから下はそんなに動けなくても平気だろ?」 「そうだなぁ。 逆に伊吹はちっこいけどパワーあるから、あえて文とかと組ませて星熊・美鈴コンビに対抗しようぜ」 あーでもない、こーでもないと議論を交わす男子と女子。騎馬戦に関しては五、六年生のみでチームが編制される。ちなみに 騎馬戦は男女混合であり、大抵、馬役は頑丈な男子が担う。風見さんは高笑いしながら、「この馬がっ!」と男子を罵っていた。 夏休みに教室で風見さんと鉢合わせたあの時の男子は恍惚とした表情を浮かべていたのが印象に残る。 放課後の運動場を使って、各人の初期配置や連携の確認を続ける。個々の力は明らかに紅団のほうが劣っているのでチームワ ークで乗り切るしかない。綱引きの方は更に部が悪いため、なんとしてでも騎馬戦では勝つ必要があった。 「あ、あの……っ、お昼は助けていただいてありがとうございました!」 東風谷さんが男子の一人を捕まえて深々と頭を下げる。 「あ? ……あー、別に気にすんなよ。 味方を助けるぐらい誰だってやるだろ? 本番は気をつけてくれよ?」 「は……はいっ」 この男子は星熊・霧雨コンビによって馬を崩され落下しかけた東風谷さんのピンチを救ったのである。ちなみにハチマキを奪 われるか落馬するかで失格となるのだ。なので最初から馬を狙ってくるのも戦略的に間違いではない。特に星熊さんと美鈴ちゃ んはその卓越した運動能力で、落馬を狙って攻めてくる。 「でも、騎馬戦と綱引きを落としてあの点差だったら……本番は分からないわ」 「だよな。 あとは俺たちの弾入れと大弾転がしの点が高かったはずだから……」 「勝負所ね。 私たちの学年の結果次第で……勝てるかも知れない」 「本番ってあとどれくらいだっけ?」 「一週間と二日、だねぇ。 どうする? 悪あがき、やってみるかい?」 着替え終わり教室に引き上げていた男女が激論を交わす。両者とも今は打倒・白団の事しか頭にないようだ。最終的に明日の 朝は全員七時に学校に集合して、朝練をする手筈となった。少なくとも、十六夜さんや妖夢ちゃんあたりには対抗できる手段を 全員が身につけなければ勝ち目は薄い。 「男子。 遅れたらぶん殴るからねっ!」 諏訪子ちゃんの声に「ばーか!」と言いながら走って帰っていく男子。それから次々に教室から出て行く生徒たち。時計は既 に六時を回っており薄暗い。早く帰らなければ親が心配するというものだ。 そして、ここまで、れいむ無し。 「ゆ、ゆ……。 やっと、にんげんさんたちがいなくなったよ……」 水槽の隅で震えていたれいむがもぞもぞと動き出す。周囲に誰もいないのを確認してキリッとした表情を浮かべた。落ち着い たように「ゆふー」とゆっくりし始めるれいむ。当たり前だがれいむは気づいていなかった。運動会というイベントを目前に男 子と女子の結束が……、いや、クラスが一つに纏まりつつあることを。クラス発足から半年以上が経過した今、白団という共通 の敵ができたことにより、ようやく本来在るべき姿へと変わり始めた。そのため、男子も女子も、れいむのことは完全に忘却の 彼方だったわけだ。 それから一週間。 れいむを相手にする生徒はほとんどいなくなってしまった。朝練。休み時間。昼休み。放課後。男子も女子も使える時間は全 て使って運動会へ向けた特訓を始めたのである。 「ゆ、ゆっくりして……ゆぁ……。 まってね! れいむといっしょに……ゆぐぅぅぅぅ」 意図せずして、れいむに対する“集団シカト”が始まってしまった。全員が全員、目前に迫る運動会にしか興味がない。上白 沢先生は「怪我しない程度にやるんだよ」と火に油を注ぐような事も水を刺すような事もしなかった。男子はおろか女子さえも 話をしてくれなくなった事にれいむの心が少しずつ蝕まれていく。殴られたり、蹴られたり、投げられたり、吊されたりと今ま で散々痛い目に遭わされてきたが、それとはまた違う痛みがれいむを襲っているのだろう。あんなに痛い思いをしてもなお、れ いむは孤独を嫌がった。男子だろうが女子だろうが話しかけようとするれいむに返事を返す者はいない。反対に仲の悪かった男 子と女子が毎日楽しそうにお喋りをしている。れいむにとっては耐え難い光景だっただろう。まるで空気のように扱われる日々。 餌と水だけは貰うことができたが、当番の生徒もすぐに運動場へと駆け出してしまう。何を言っても叫んでも、泣いてみても相 手にして貰えなかった。 「ゆぅぅ……ひとりは……さびしぃよぉ……。 すーりすーりしたいよぅ……。 おしゃべりがしたいよぅ……。 ゆーんゆー ん……」 成体ゆっくりのれいむがまるで子供のように泣きじゃくる。もしれいむがまだ赤ゆっくりであれば、間違いなく“非ゆっくち 症”で死んでいたことだろう。 「どぉして……だれもれいむとおしゃべりしてくれないのぉ……」 れいむは塞ぎ込んでしまった。もっとも、塞ぎ込んでしまった事に気づく生徒は誰一人としていなかったのだが。 七、 抜けるような青空に打ち上げられた花火の白煙が弾けていく。第三十六回双葉小学校大運動会の開催だ。 れいむは花火の音に気づきながらも、それから目を逸らすようにして顔を水槽の奥へと向けた。入場行進。開会式。そして、 最初の応援合戦。運動会のプログラムが徐々に動き始めていく。既に紅団と白団との間には敵対心を通り越して殺気のようなも のが漂っている。 両団長の紫ちゃんと西行寺さんは旧知の仲だ。 「幽々子。 悪いけど……私たちが勝たせて貰うわよ」 「あらあら……。 そんなに怖い顔を向けないでよ。 楽しんでいきましょーよぉ♪」 天真爛漫。天衣無縫。西行寺さんにはその言葉がよく似合う。笑みを浮かべながらも刺すような視線を向ける紫ちゃんと違っ て西行寺さんはクスクス笑いながら右手に持っていた扇子を口元に当てた。 「…………ッ!!」 その扇子には“必勝”との文字が書かれている。なんというセンスのない扇子だろうかと紫は心の中で思ったが、その扇子の 向こうで微笑む西行寺さんの向こう側には、静かに燃え上がる桜色の炎が確かに見えた。 その二人の間近でフラッシュがたかれる。思わず目を細める二人が振り返ると、そこにはデジタルカメラを構えた文ちゃんが いた。 「タイトル……“睨み合う巨乳”。 いやぁ、体操服で普段隠れた大きなおっぱ……」 両団長にダブルラリアットを食らった文ちゃんが、鼻の頭を押さえながら地面をのたうち回る。それを背景に紫と西行寺さん は握手を交わした。 「あややや……。 ――――痛っ……!」 立ち上がろうとした文ちゃんが再び、尻餅をつく。それを見ていた男子が笑うと文ちゃんは恥ずかしそうに立ち上がって、照 れ笑いをしてみせるとアナウンス席へと戻っていった。 本格的に運動会が始まる。まずは小手調べとばかりに一年生の徒競走からスタート。のっけから最高のハイテンション状態で 次々と競技が消化されていく。午前中で六年生が動く競技は二つ。大弾転がしと綱引きである。そしてその出番はすぐにやって きた。興奮の坩堝の中、運動場という名の戦場に火花を散らす六年生の二つのクラスが入場していく。 大弾転がしのルールはいたって単純。運動の北側と南側にクラスの半分ずつが別れ、巨大な弾を転がしてバトンパスしていく。 ただし、妨害あり。大弾に大弾をぶつけることが認められていた。 両陣営の第一走者は紅団が男子二名。白団はいきなり星熊さんをぶつけてきた。もちろん、紅団の大弾にもぶつけてくるつも りだろう。紫ちゃんはそれを見越して、紅団の先頭を男子二名に選んだのだ。 競技開始のピストルが鳴り響く。紅団の二人は既に防御態勢を取りながらゆっくりと大弾を転がしていくが、すぐに諏訪子ち ゃんが大声を上げた。 「やられたッ!!! 星熊はぶつけてこないぞっ!!! 一気にリードを稼ぐつもりだっ!!!」 大弾に遮られて視界は悪い。男子の一人が大弾から手を離して前方に目を向けると、後ろをチラリとも見ずに全力疾走する星 熊ペアの姿があった。 「ちくしょうッ!!!」 「そんな……」 紫ちゃんがわなわなと震える。西行寺さんはそんな紫ちゃんを見てクスリと笑った。 「貴女の考えていることなんて、なーんでもお見通しよぉ?」 「くっ……」 第二走者は霧雨ペア。 「大弾は……パワーだぜッ!!!」 「ぐわぁぁぁぁぁッ?!!」 ここで白団が最初の妨害をかました。視界を遮られた状態で少しでも差を詰めようとしていた男子に、霧雨ペアが突撃してき ていることなど気付く由はなかったのだ。紅団の大弾は勢いよく運動場の外まで転がっていく。この間、白団は一気にリードを 奪い、競技はそのまま白団の圧勝で終わった。 「お互い、序盤で勝負が決まるのは判っていたけれど……私の方が一枚上手だったみたいね?」 「くっ……」 勢いよく動き始めた大弾を操作して相手の大弾にぶつけるのは難しい。妨害行為は必ず序盤に行われるはずだ。西行寺さんは 星熊さんというパワーファイターを囮にして、紅団のスタートダッシュを崩したのである。十分にリードを奪ってからすれ違い 様に大弾を叩き込むまでのシナリオは完璧と言っても良かった。 (相変わらず……優雅ね……っ) 出鼻をくじかれた紅団は完全に意気消沈してしまっている。 紅団は下馬評通りに綱引きも惨敗した。得点差は既に百点近く離れている。紫ちゃん率いる紅団は午前中何一ついいところな く終了してしまった。 昼食はそれぞのれ父兄と一緒に観客席で食べる。紅団も白団も六年生は腹八分で昼食を終えた。午後の最初の競技は六年生に よる徒競走だ。つまり、再び文ちゃんと霧雨さんが激突するのである。 「負けられないねぇ……」 八坂ちゃんが呟くと、紫ちゃん含めクラス一同が真剣な眼差しで頷いた。既に文ちゃんと霧雨さんは激しく睨み合っている。 まるでリングに立ってゴングを待つボクサーかのような凛々しい視線で互いを射抜いていた。 徒競走は小さな得点だが、ここまでは紅団のほうが僅かにリードしているようだ。徒競走による地道な得点稼ぎは後半に強く 影響していく。 文ちゃんは僅かに震えていた。すぐ前に座っていた伊吹さんが声をかける。 「どしたー?」 「な、なんでもありませんよ」 足首が疼く。紫ちゃんと西行寺さんにダブルラリアットを食らって倒れたとき、足首を捻ってしまったのだ。大弾転がしの時 にも少し悪化させてしまった。綱引きの時には戦力になっていなかっただろう。さすがの強気な文ちゃんも、今回ばかりは諦め ていた。この足では霧雨さんに勝つことはできない。それどころか最下位に終わってしまう可能性のほうがよっぽど高い。もう、 泣きそうだった。 直前の伊吹さんたちがスタートしていく。盛り上がる応援。熱狂する観客たち。文ちゃんの周りを駆け抜ける無数の熱い音が その小さな心を押しつぶそうとしていた。スタートラインに立つ。文ちゃんは第二レーン。霧雨さんは第五レーン。 「位置について……」 心臓の鼓動が速くなる。頭の中が真っ白になってしまった。もう、何も考えられない。怖くて何も見ることができない。 「よーい……」 足に力を入れることもできなかった。 あの日と同じようにピストルが鳴り響く。周りの走者が一斉に自分の横を駆け抜けていくのが分かった。 「…………」 観客がどよめく。それは紅団も白団も同じだった。スタート位置から動かない文ちゃん。文ちゃんはぼろぼろ泣いていた。も はや足を動かそうという気力も沸かないらしい。 (終わった……。 恥ずかしい……。 なにが、双葉小最速だ……ッ!!!) 「ほら、さっさと行くぜ?」 「?!!」 在り得ないはずの声が聞こえた。横を向く。そこには霧雨さんが立っていた。文ちゃんは自分が涙を流していることすら忘れ て霧雨さんを見つめてしまう。霧雨さんはそんな文ちゃんに黙って右手を差し出した。 「怪我、してんだろ? 肩くらいなら、貸してやるからさ」 「なん……で……?」 「大弾転がしの時から変だったからなぁ。 足、ひょこひょこさせてたし。 次の競技からは休まないと駄目なんだぜ?」 「~~~~~~っ!!!!」 泣きながら文ちゃんが霧雨さんの手を取った。徒競走のレーンを二人でゆっくり並んで歩いて行く。文ちゃんは霧雨さんの肩 に手を回し、霧雨さんは文ちゃんの腰に手を回した。誰かが一人、拍手をした。それが一瞬にして運動会に集まった観客たちへ と飛び火していく。これほど、ゆっくりした徒競走はそう見ることはできないだろう。それも、学校で最速を争う二人の競演で。 一度は切られたゴールテープが職員によって再び張られた。文ちゃんと霧雨さんが二人揃ってゴールテープを切ると、両陣営の チームメイトが駆け寄ってくる。 「あははっ、最下位になっちゃったぜ☆」 霧雨さんがそう言って星屑のような笑顔を見せる。文ちゃんはそのまま保健室へと運ばれて八意先生の治療を受けた。それか ら紫ちゃんが謝りに来る。 「ごめんなさい……っ。 委員長として……ううん、友達として気付くべきだったのに……っ」 「いいよー……。 隠してた私が悪いんだし……(あのダブルラリアットで足首捻ったなんて言えない)」 その後も競技は続いていく。あんなに練習した騎馬戦も結局負けた。弾入れも十六夜さんの正確無比な弾投げによって、紅団 が籠に向けて放った弾をことごとく撃ち落されて、大敗した。学年リレーも僅差で及ばなかった。文ちゃんを欠いた紅団は全校 リレーでも白団に勝つことができなかった。 紅団、七百十二点。 白団、千八十五点。 三百点差がついた小学校の運動会も珍しい。それほどに白団は身体能力の高い生徒が多かった。 教室の中ですすり泣く女子たち。男子も黙り込んで俯いている。上白沢先生は何度も何度も「みんな、良く頑張った」と言っ てくれたが、欲しいのはそんな気休めの言葉ではなくて、“みんなで掴んだ勝利”だったのだ。一番泣いていたのは、やはり文 ちゃんだった。数人の女子が慰める。 時計は既に四時半を回っていた。帰りの会もとっくに終わっている。それでも、紅団のメンバーは……生徒たちは帰ることが できなかったのだろう。 「悔しいですね……。 本当に悔しい」 東風谷さんも目に涙を浮かべながら呟いた。諏訪子ちゃんは机に突っ伏して動こうとしない。紫ちゃんはずっと窓の外を眺め ていた。夕日に照らされてよくは見えないが泣いているのだろう。時折、肩が震えている。 「もうさ……泣くなよ。 ……俺たち、一生懸命やったじゃん。 そりゃ、勝てなかったけどさ……まだ、文化祭があるじゃね ーか。 だからさぁ。 もう一回、みんなで頑張ればいいじゃん」 「……もう一回……?」 「文化祭……」 「そうだねっ! まだ文化祭が……」 「さっきから、なにをないてるのおおぉぉぉぉぉぉ!!??? ばかなのっ?!! しぬのっ!!???」 水槽の中かられいむが叫び声を上げた。その目には怒りが込められている。いきなり、れいむにそんなことを言われる理由も 分からなかったが、何故怒っているかも分からない。れいむは「ゆはー、ゆはー」と息を荒立てながら、クラス一同を睨み付け たまま叫んだ。 「なんで、ないてるのかってきいてるんだよっ!!!」 「なんでって……。 みんなで一生懸命頑張ったのに、白団に勝てなかったのが悔しいからに決まってんだろうがっ!!!!」 「たったそれだけのことでないてるなんて、ばかでしょおおぉぉぉぉぉ!!!!!」 「――――ッ!!!!!!!」 「なにかいたいおもいをしたのっ?! だれともおしゃべりできなくて、かなしいおもいをしたのっ?! してないでしょぉお おぉぉおおおぉぉっ!!??? そんな“くだらないこと”でなくなんて、ぜんぜんゆっくりしてないよっ!!! れいむがな いてるときは、だれもなにもいってくれなかったくせにぃぃぃぃぃ!!!!」 れいむの言葉が教室内に響き渡る。響き渡った言葉の一つ一つが生徒たちの心に絡みつく。 「にんげんさんたちはばかばっかりだねっ!!! れいむには……」 「……ねぇ」 「ゆっひぃぃぃぃぃ!????」 「ゆ、紫ちゃん……ッ?!」 水槽の前に紫ちゃんが仁王立ちになっている。れいむは紫ちゃんの迫力に怯えて水槽の奥へぴったりと後頭部を押し付けた。 「それ以上……みんなを馬鹿にしないで。 じゃないと私……“お前”のこと、絶対に許さないから」 震えあがる教室中の生徒たちとれいむ。今の紫ちゃんは、かつて“神隠し”を起こしたときの紫ちゃんと同じオーラが放たれ ている。れいむはガタガタ震えながら、ちょろちょろとしーしーを漏らしていた。れいむが完全に沈黙したことを確認すると、 振り返って紫ちゃんが全員に告げた。 「みんな。 運動会は負けちゃったけれど……文化祭は必ず勝つわよ……ッ!」 「私……運動は苦手だけど……、工作とかなら得意だよっ!」 河城さんが返事を返す。他の生徒たちにも笑顔が戻った。まだ隣のクラスと戦う機会は残されている。運動会が終わってしま えば、文化祭もすぐだ。 「河城さんっ! 力仕事なら俺たちに任せろよっ!!」 「紫っ! 雑用でもなんでもやってやるから、一番いいのを頼む!!」 再び団結するクラス一同。 「どぉして……。 どぉして、れいむだけ……さびしいおもいをしないとけいけないのぉ……ゆっくりぃ……ゆっくりぃ……」 れいむの受難はまだまだ続くようだ。 後編(文化祭編)へつづく……