約 11,907 件
https://w.atwiki.jp/aikokyou/pages/9.html
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 人気商品一覧 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2191.html
前:嗚呼、我等地球防衛軍(第46話〜第50話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第56話〜第60話) 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第51話 艦艇不足に苦しむボラーは地球と取引を行い、旧ガトランティス帝国軍艦艇と引き換えにハイパー放射ミサイルの技術を含む ディンギル帝国製の技術を地球側に提供した。 詳細な内容が書かれた書類を議長室で読み終えた議長は、書類を机に置くと苦笑した。 「また真田&大山コンビの仕事が増えたわけだ。まぁ仕事がないよりはマシと思ってもらうしかないな」 お疲れ気味の本人達が聞いたら激怒しそうな内容をのたまう議長に、秘書はすかさず突っ込んだ。 「増やしたのは議長でしょうに……このままだと真田さん、過労死するのでは?」 「万が一の事態に備えて医療体制は整えている。それに名無しの技術者だって頑張っているから、負担も極端には増えないだろう。 それに……」 「それに?」 「不幸というのは皆で分かち合うものだろう?」 議長の前にはこれから読まなければならない書類が積まれていた。 これでも可能な限り減らされたのだが、それでも防衛軍の三軍(宇宙軍、空間騎兵隊、地上軍)を統括するとなると仕事量が 半端ではないのだ。 「私が幸せだったら、少しは他人を思いやる余裕もあるんだが……」 (うわ、この人、最悪だ……) 黒い笑みを浮かべる議長を見て秘書官は腰が引けた。 「……冗談だ。そう引くな」 「冗談には見えません。むしろ本気に見えます」 (半分は本気だがな。くそ、この地獄から逃れるためには、仕事の効率をもっと向上させなければならないか) そう小さく呟くと、議長は右手にある書類に目を向けた。 「第9艦隊の新設と3個艦隊を基幹とした攻性部隊の創設……これを進めないと」 十十十艦隊計画と並行して、議長は遠隔地にある敵本拠地への侵攻を考慮した攻性部隊の創設を提唱していた。 第7艦隊、第8艦隊(臨時編成から常設へ)、第9艦隊(新設)の3個艦隊を中核とし、これにα任務部隊等の独立部隊を加えた 遠征軍をもって敵本拠地を攻略(又は殲滅)するというのが議長の主張だった。 「それやったら、もう防衛軍とは言えないのでは?」 日系の実力者からはそんな声が出たが、北米や欧州出身の白人層からは高い支持を受けた。 彼らは殴られっぱなしで泣き寝入りする民族ではない。 「一発ぶん殴られたら、百発以上殴り返して、相手の足腰が立たなくしてやる!」 それが彼らのクオリティだった。 北米州は必要ならアリゾナやアイオワなどの新造戦艦を攻性部隊に加えることも躊躇わないという始末だ。 尤もそこには些か生臭い理由もあった。そしてその理由を議長は悟っていた。 (ヤマトやムサシ並の活躍をさせて、連邦内部での発言力を強化したいのだろう……) 極東州、いや日系が連邦政府内部で幅を利かせるのはヤマトの活躍による物が大きい。 日本がガミラス戦において力を温存させることに成功させていたこと、日本の宇宙艦隊が地球復興の立役者になったことも大きいが やはりガミラス本星を滅ぼした上、イスカンダルからコスモクリーナーDを持ち帰ったという功績は誰も否定できないものだった。 さらに最近では日系人が主流を占める防衛軍がガトランティス帝国をほぼ無傷で撃退するという戦果を挙げている。 かつての大国群が、「この辺りで自分達の立場を回復させたい」と思うのは当然の流れだった。 「まぁ良い。この際、何でも利用してデザリアムを二重銀河ごと滅ぼしてくれる。何しろボラー軍は当面役に立たんからな」 議長としてはボラーを対デザリアム戦役で盾に使おうと考えていたのだが、その目論見は水泡と帰した。 故に防衛軍を少しでも強化するしかなかった。 「ま、3個艦隊と言っても自動艦が多いから、引き立て役にされて壊滅しても被害は最小限に抑えられる」 「黒すぎますよ、議長……」 「多少、黒くないとやってられないぞ。 まぁ転生者仲間には、いや一人でも多くの宇宙戦士たちに、生きて地球に帰ってきてもらいたいとは思っているよ。 そう、今後のためにも」 一方、仮想敵とされたデザリアム帝国は極秘裏にボラー連邦に接触を行っていた。 尤もボラー連邦は、イスカンダルで防衛艦隊によって一方的にボコボコにされたデザリアム帝国軍の実力を疑問視しており 頼りにならないかも知れない国と一緒になって地球と敵対するつもりはないと伝えた。 「あの狂戦士共と戦いたいのなら、自分でやってくれ。(今は)そちらに味方する気はない。 ただ、地球に与して積極的に敵対するつもりも(今のところ)ない」 これがボラーの本音だった。 だがサーダはそれでも十分と判断した。 「対地球戦争で邪魔をしないというだけでも十分でしょう」 スカルダートはこれを聞いて嘲笑する。 「それにしても、何と薄情な連中だな。友好国をこうも簡単に見捨てるとは」 「いえ、むしろ彼らは地球ならば単独で我々を退けることが出来ると思っているのでしょう。 兵を引くのも、下手に巻き込まれて被害を受けるのを避けたいというのが本音かと」 「そして、ついでに我々と地球が消耗すれば良いということか。舐められたものだ」 「ですがここで短期間で地球を占拠できればボラーは手のひらを返して勝ち組に乗ろうとするでしょう。彼らもガミラスとの 戦いで受けた損害を補填したいと思っているようですし。そして仮にそうなれば他の星系にいる地球軍を始末しやすくなります」 この言葉を聞いた時、スカルダートは一瞬だが逡巡した。地球を叩くべきかどうかを。 だがボラーが弱体化し、地球が事実上孤立無援となっているのは絶好のチャンスとも言えた。 波動エネルギーを使う天敵を一刻も早く叩き潰し、加えてその生命力を手に入れるというのは、種として衰えつつある デザリアム人にとって余りにも魅力的だった。 「……よかろう。参謀本部に命じて、短期間で地球を陥落させる作戦を立案させる。情報は集まっているのだろう?」 「はい。ですが地球を制圧した後、次はボラーが脅威になるのは事実です。工作を進めておく必要はあるかと」 「良いだろう」 こうしてデザリアムは地球攻略に向けて本格的に動き出す。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第52話 議長の必至の根回しもあってか、第9艦隊の新設と、第7~9艦隊の攻性部隊化が決定された。 そして転生者たちにとっては究極の切り札である『あの男』が現場に復帰することになった。 その人物は防衛軍司令本部の長官室で、長官直々に辞令を受けることになる。 「沖田君、病み上がりですまないが、地球のために再び頑張ってくれ」 「判っています。藤堂長官」 沖田十三。イスカンダルへの航海を成功させた英雄。 どんな不利な状況においても不屈の闘志と冷静さを失わず戦い続け、デスラーさえも一目置く男が長い入院生活を終えて戻ってきたのだ。 「沖田君には第7艦隊司令官兼タケミカヅチ艦長に就任してもらいたい。これに伴い、古代進艦長代理を正式にヤマト艦長に任命する」 「了解しました」 「第7艦隊には自動戦艦や、ガトランティス帝国軍の艦艇などが配備されている。 自動戦艦は実験部隊である第01任務部隊で問題点を可能な限り潰しているが問題が発生する可能性はある」 「判っています。初めての試み故に問題は多いでしょう。しかし解決できないものはないと思います」 沖田はこのとき、デザリアムとの戦いは不可避であると判断していた。 故にいずれ訪れるであろう大反抗では、乗員の消耗を気にしなくても良い無人艦や、遠征に適している旧ガトランティス帝国軍の艦が 必要になると考えていた。 「とりあえず第7艦隊は訓練漬けでしょう」 「必要な資材については優先して送る。これは議長や防衛会議も同意している」 かくして第7艦隊は土方の訓練並にハードな訓練を課されることになる。 この一方で、改装中のヤマトとムサシの下に、2隻の戦艦が送られることになった。 「新しい艦を配備すると?」 α任務部隊司令官である古代守は、ムサシの第一艦橋のメインパネルに映る藤堂長官に尋ねた。 この質問に藤堂はすかさず頷く。 『そうだ。議長はα任務部隊に大きな期待を掛けておられるそうだ。 一部では過剰との意見もあったのだが、α任務部隊には主力戦艦2隻、『アーカンソー』と『ロイヤル・オーク』が配備されることになった」 「これで戦艦3隻、攻撃型空母(ムサシ)1隻の4隻。かなりの打撃力ですが、護衛艦は?」 『主力戦艦2隻が護衛艦のようなものだ。この2隻は波動砲を搭載せず、引き換えに装甲を厚くしている』 「波動砲を搭載しない?」 『そうだ。波動砲を撃つ前と撃った直後、艦は無防備になる。それをフォローするための艦だ。試作として2隻建造された。 何しろ波動砲に頼り切るのが危険ということがこれまでの戦役、特にガトランティスとボラーの戦いで誰の目にも明らかになったからな。 勿論、波動カードリッジ弾などの波動兵器も多数揃えている。火力は十分だろう』 「しかし、石頭たちがよく納得しましたね」 『心底納得はしていないだろう。だが何かしら手は打たなければならない。その一環だ』 「正規艦隊で大々的には取り組めない。だから独立部隊のα任務部隊でテストをしてみると?」 『そういうことだ。新装備のテストは第01任務部隊でも出来るが、やはり実戦データも必要になる。君達なら使いこなしてくれると 議長も考えているようだ。それとコスモファントムも優先して送ると言われている』 「了解しました。議長の期待に応える為にも、全力を尽くします」 こうしてα任務部隊はさらに強化された。 だが梃入れはそれだけではなかった。何とこの度、ズォーダー大帝さえ脅威と見做していた超能力者・テレサが正式にヤマトクルーとして 乗り込むことになったのだ。尤も表向きは超能力者と言うことは伏せているが……。 また空間騎兵隊も強化され、斉藤を筆頭に『2』の主要な面子が送り込まれた。 沖田艦長復帰やα任務部隊への梃入れの状況に関する詳しい報告を、議長室で聞いた議長は満足げに頷いた。 「山南さんは植民地星防衛の指揮を執ってもらわないといけないし、土方長官は太陽系防衛の任務から外せないが……まぁフルキャストだな」 議長の言葉に秘書は頷く。しかしすぐに懸念を口にする。 「ここまで充実すると、あとが怖そうですが……」 この言葉に議長は少し固まった。 「……二重銀河が吹き飛ぶ以上のことでも起きると?」 「否定は出来ないのでは?」 「ははは、まさか。銀河が消えてなくなる以上の大惨事なんて起きないだろう。いくら何でも……」 そう言いつつも、議長は不安に駆られた。何しろ彼らは色々と前科がありすぎた。 「……いや、さすがに無いだろう。波動融合反応がいくら凄くても宇宙を崩壊させるようなことはないだろう」 さすがに銀河が吹き飛ぶ以上の大災害を想像できなかった。そして議長はそこで話を切る。 「あとは重核子爆弾だな。出来れば太陽系外で迎撃したいが……」 「難しいのでは?」 「いやこちらに何時到着するかがある程度判れば何とかなる可能性はある。 劇中では太陽系の各惑星の基地が次々に叩かれていたことから、地球を含む各惑星が直線上に並ぶ時期と考えることができる。 重核子爆弾の能力からしても、正しい選択と言えるだろう」 「では?」 「その時期に特に警戒態勢を敷く。 もしも太陽系に侵入されて一部の惑星の基地が全滅しても、基地に配備したロボットが詳細な報告を行うようにする。 そうすれば各基地の要員を退避させる口実にもなる」 そこまで読まれていることを知る由も無いデザリアム帝国は、地球の速やかな占領のために重核子爆弾を地球に向けて発射した。 さらに地球本星攻略を担う地球攻略艦隊も出撃していく。ただしその艦隊はゴルバこそないが、当初の予定より大幅に増強されていた。 「一気に叩くのだ。油断はならん」 スカルダートは通信機越しに、巨大戦艦ガリアデスに乗る攻略艦隊司令官カザンにそう命じた。 命令を受けたカザンは自信満々に答える。 「お任せください。あの星をすぐに我が帝国の版図に加えてみせます」 かくしてデザリアム戦役が始まる。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第53話 天体観測の結果、議長は太陽系の各惑星がほぼ直線上に並ぶ時期を特定した。 これを受けて議長は様々な理由をつけて(でっち上げて)、その時期にあわせて特別警戒を行うように根回しをした。 一部の人間はこれに不審に感じたものの、その理由を理解している転生者たちは、ガトランティス戦役を上回る戦乱に なるであろうデザリアム戦役がいよいよ始まることを理解した。 連邦政府ビルの一角で行われる転生者たちの密談も、デザリアム戦役の話題でもちきりだった。 「いよいよですな」 転生者たちは、迫り来るデザリアム戦役に緊張を隠しきれなかった。 「議長、防衛軍はどのように彼らを迎え撃つおつもりで?」 「まずは情報収集だ。太陽系外で重核子爆弾や敵の侵攻艦隊を察知するためにパトロール艦隊を増派する。 発見次第、艦隊を派遣して目標を破壊。艦隊決戦は基地からの支援が期待できる太陽系外縁で挑む。 太陽系外で訓練中の第7艦隊も呼び戻しているから、タイミングを合わせれば敵艦隊を前後で挟撃できる。 ただし重核子爆弾によって派遣した艦隊が無力化される可能性もある。 もしも乗員の生体反応が消滅すれば、コンピュータに自動報告させた後、簡易量産型アナライザー(以降、Mライザー)と 自動操縦システムで土星基地に帰還させる」 「太陽系外での発見や迎撃に失敗した場合は?」 「不本意だが、外惑星基地に犠牲になってもらうことになる。 11番惑星基地や冥王星基地などが潰されたら、即座に各艦隊を出撃させて迎撃だ。波動砲で叩き落す。 仮に重核子爆弾の攻撃可能範囲が波動砲の射程以上だった場合は、アイルオブスカイの波動直撃砲やデスラー艦の瞬間物質移送装置で 波動砲をチャージした状態の自動戦艦を送りつけて叩き潰す。そして残存艦隊を集結させ、敵侵攻艦隊に決戦を挑む」 「なるほど……勝算はどの程度ですか?」 「状況が流動的なので一概には言えない。ただ太陽系各惑星の基地や防衛艦隊の戦力を考慮すれば……5割以上と判断している」 「これだけ準備して5割ですか……」 「戦争は水物だ。まぁ仮に防衛軍が壊滅してもヤマトがあれば、地球は生き残れるだろう」 この言葉に誰もが複雑な顔をする。 自分達の努力を嘲られているような感覚を覚えたのだ。 「まぁ犠牲を少なくし、一人でも多くの将兵が家族の元に帰れるように努力しよう」 こうして地球防衛軍は厳重な警戒態勢を敷いて重核子爆弾を迎え撃つ体制に入る。 各艦隊は訓練の名目で出港準備を急ぎ、各基地も防空体制を強化していく。準戦闘配備と言っても良かった。 「さぁ来るなら来い。今度こそ、防衛軍主力で叩き潰してくれる」 しかしそんな議長の思いを他所に、予期せぬ事態が起きようとしていた。 それは相変わらず土星で訓練中のヤマトから始まった。 「地球に危機が?」 「はい」 テレサはその超能力でもって地球に迫り来る危機(重核子爆弾)のことを察知したのだ。 さすがに具体的には何かとまでは断言できなかったが、それでも島を始めとして主なヤマトクルーの面々はテレサの言葉を 信用した。 「古代」 島は古代に顔を向ける。これを見た古代は頷くとすぐに口を開く。 「判っている。参謀本部や防衛軍司令部が各惑星の艦隊を訓練の名目で出航させているのも、何か関係があるのかも知れない」 「つまり政府は何かを知っていると?」 「その可能性はある」 この古代の意見を聞いた真田は頷く。 「確かに。ボラーか、それとも何か公表できない情報源から情報を得たという可能性はある。 危機について何も公表しないのはパニックを警戒しているのか、それとも危機が本当に来るかどうか断言できないか…… いずれにせよ何か事情があると考えたほうが良い」 「『政治的判断』という奴ですか。しかしそれで犠牲が出たら」 「その辺りは議長もわかっているはずさ。そうでないなら、ごり押しして訓練を名目にした警戒態勢なんて敷かないだろう」 この真田の言葉にヤマトクルーも納得した。 ヤマトのよき理解者(笑)であり、後援者でもある議長の評価はヤマトクルーの中ではすこぶる高かったのだ。 「守の奴からも聞いたのだが、議長は防衛軍司令本部とも話をして、パトロール艦隊を太陽系外に増派している。 あと噂なのだが、議長が警戒しているのはデザリアム帝国らしい。二重銀河を支配する帝国だから、帝国の威信にかけて 復讐戦を仕掛けてくるのではないかと踏んでいるようだ」 そこで南部が納得したかのように頷く。 「だから、うちに戦艦を護衛する戦艦なんて送ってきたと?」 「だろう。議長はどうやら、我々を扱き使うつもりのようだ。全く人使いが荒い」 真田は苦笑する。 しかしそんな真田とは対称的に、古代は渋い顔だった。 「ですが真田さん、パトロール艦隊は危機のことを知らないんですよね? そんな彼らに本気で敵が襲い掛かったら……」 「……犠牲は避けられないだろう」 「ヤマトとムサシなら」 「無理だ。防衛軍司令本部はα任務部隊は練度の向上に務めることを命令してきている。それに新型機の訓練だって十分ではないだろう?」 「それは……」 「ふむ……だが確かにパトロール艦隊が報告する前に包囲殲滅されるという可能性は否定できん。 救援に出れるように手は打っておくべきかも知れないな。よし守にも話をしてみよう」 こうしてα任務部隊は動き出す。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第54話 「長官、ヤマトとムサシの航空戦力があれば太陽系外縁での哨戒もこなせます」 『ふむ……』 α任務部隊司令官・古代守は太陽系防衛艦隊司令官である土方に対して、太陽系外縁での哨戒を兼ねた訓練計画を提案していた。 ムサシのメインパネルに映る土方は難しい顔で聞き返す。 『だが君達はわかっているのかね? 防衛軍司令本部はα任務部隊の練度向上を命じているのだぞ?』 「判っています。太陽系外縁への移動中に訓練を行います。訓練スケジュールは今から送ります」 送られてきたスケジュールを見て土方は驚いたような顔をした。 そこにはかなりの過密スケジュールが記されていたからだ。 『こんな訓練をして大丈夫なのか?』 「土方さんの扱きに比べればマシだと思っています」 『くっくっく。言うようになったな』 「それに……この程度の訓練に耐えられないのであれば、生き残るのは難しいでしょう」 『ふむ……』 土方も実戦になる可能性があることを判っていた。 宇宙戦士としての経験、そしてその経験から培われた嗅覚が戦の気配を感じ取っていたのだ。 『……よし。良いだろう。α任務部隊は太陽系外縁に向かってくれ』 「ありがとうございます」 『それと太陽系外縁には丁度、第8艦隊が訓練中だ。何かあった場合は、第8艦隊と協力して動いてくれ』 このとき、第8艦隊司令官(原作ヒペリオン艦隊司令)は少し嫌な予感を覚えたのだが、彼らはそれを知る由も無かった。 「了解しました」 こうしてα任務部隊は一路、太陽系外縁に向かった。 こうして地球圏最強(最凶)の部隊が太陽系外縁に向かっているとは露も知らないデザリアム帝国艦隊は、威風堂々と いった様子で地球に向かって進撃していた。 「これだけの大艦隊をもってすれば、地球なぞ一ひねりだ」 兵士達は口々にそう言いあったが、司令部の面々はアンドロメダ星雲の覇者であったガトランティス帝国首脳を討ち取り 侵攻部隊も壊滅に追いやった地球に対して全く油断していなかった。 ボラー連邦の情報から、地球艦隊が絶対に侮れない相手であることも彼らは理解していた。 「重核子爆弾で各惑星基地と駐留艦隊を無力化するしかあるまい」 イスカンダルで地球の1個艦隊によってゴルバを含む艦隊が手も無く捻り潰されたことから、司令官カザンは地球艦隊を 侮ってはいなかった。 「本隊は重核子爆弾が露払いしたのを確認して前進。加えて別働隊は迂回し地球本星を突き、重核子爆弾の地球到達を支援する」 地球侵攻部隊はデザリアム帝国が動員できる機動戦力の大半であった。その数は防衛艦隊を超え、ガトランティス帝国軍艦隊に 迫るものがあった。故に彼の戦術は非現実的ではなかった。加えてデザリアム帝国軍艦艇は高いステルス性を持つ。防衛軍が混乱 していればその懐に潜り込むのは不可能ではない。 しかしそれについて懸念を示すものがいた。 『兵力の分散になるのでは?』 画面の向こうから聞こえるミヨーズの言葉を、カザンは嘲笑う。 「これだけの艦隊を有機的に運用しない方が非効率的だ。それに地球軍が予想もしない新兵器をもっていたら、どうする?」 『……』 「地球の首都を一刻も早く制圧し、奴らを降伏させるのだ」 こうして彼らは進撃する。 すでに自分達の来襲が予知されていることも、そして最凶の戦艦が近づいていることも知らず。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第55話 アンドロメダ級戦艦2番艦『ネメシス』を旗艦とした第8艦隊は太陽系外縁で訓練に励んでいた。 勿論、転生者である第8艦隊司令官(以降、8F司令)は議長から内々に、デザリアム戦役が勃発する可能性が 高いことを知らされていた。このため十分な量の武器弾薬を訓練宙域に持ち込んでいた。 加えて周辺を探索しているパトロール艦隊へも定期的に連絡をとって、不意打ちされないように注意を払っていた。 「第8艦隊が矢面に立つとは……」 重核子爆弾の存在とその破壊力を知っている8F司令は、気が気でなかった。 そんな中、太陽系防衛艦隊司令長官である土方から一つの連絡が入る。 「ヤマト、いやα任務部隊が?!」 艦長席で8F司令はひっくり返りそうになった。だがすぐに態勢を整えると通信士に確認した。 「そんな予定は聞いていないぞ? 何かあったのか?」 「訓練の一環だそうです。不測の事態が起きた場合、α任務部隊を指揮下に入れて行動をとるようにとも」 「……(嫌な予感しかしね~)」 自身が感じた悪寒の正体はこれかと思い、8F司令は頭を抱えた。 「……判った」 しかし自分が何を言っても変えられない。議長も部隊の運用を一々指示出来ない。 (連中をうまく使うしかない。ここはむしろチャンスと思って行動するべきだろう。そうチャンスと思って……) しかし彼の脳裏に過ぎるのは、ここぞとばかりに暴れまわるヤマトメンバーだった。 デザリアム帝国という敵と相対するとなれば、彼らの戦力は確かに頼もしいのだろう。 だが暴れすぎて、『別』の問題を引き起こす可能性が高かった。だがそれ以上にタイミングを間違えれば、自分は 主人公達を奮い立たせるための生贄役になる可能性があるという問題があった。 「(第8艦隊の仇とか言って暴れるヤマトクルーか)……すまないが、胃薬と頭痛薬、それと水を用意しておいてくれ」 「?……は、判りました」 こうして8F司令が頭痛を覚えつつも、太陽系外縁では歓迎会の準備が進んだ。 そして運命の時は訪れる。そう、パトロール艦隊が太陽系に接近する謎の物体を捕らえたのだ。 この緊急報告は直ちに地球防衛軍統合参謀本部にも伝えられた。 「そうか。遂に来たか」 「防衛軍司令本部はただちに迎撃を指示。加えて土方司令長官は全地球艦隊を臨戦態勢へ移行させました」 秘書の報告に、議長は満足げに頷く。 「まずは第一関門突破だ。α任務部隊が前線に赴いたのが気になるが……まぁ彼に任せよう」 餅は餅屋だった。少なくとも議長は勝つためのお膳立てを行った。 もはや細かい前線の指揮は現場に任せるしかない。しかし彼にやれることもあった。 「地球本土防衛艦隊も臨戦態勢へ移行させろ。それと万が一の場合に備え、政府首脳の避難準備も進める」 「了解しました」 万が一、防衛軍が敗北すれば地球本土は制圧される。 その場合に備え、政府首脳を植民惑星かボラー連邦へ脱出させ、徹底抗戦を図る用意に彼は取り掛かった。 「さて、どうなるか……」 議長がそんな呟きを漏らしたころ、太陽系外縁ではパトロール艦隊が哀れにも重核子爆弾の餌食となっていた。 普通ならそれで艦隊は行動不能になっていただろう。 だが議長主導で行われたMライザーの配備によって艦隊は何とか宇宙のゴミになることなく、冥王星基地へ自動で帰還を開始した。 それも艦内の様子を細かく報告しつつ。 そしてその報告を聞き、さらに謎の飛行物体に関する情報を分析した真田と大山は一つの結論を下した。 『間違いない。あれはハイペロン爆弾だぜ』 大山の言葉にヤマト、ムサシなどのα任務部隊、通信機越しに報告を聞いていたネメシスのクルーの間で驚きの声が広がった。 尤も8F司令だけは少し表情を引きつらせていたが。 (何で、それだけで判るんだ? いや……もう良いか。そんなものなんだろう。多分) もはや突っ込む意欲も無い男は、話を続けた。 「だとすると近寄るのは危険だ。パトロール艦隊はなすすべも無くやられたのだから」 この言葉にヤマトクルー、特に古代進は悔しそうな顔をする。 それを慰めるように8F司令は言う。 「……まぁ彼らの死体は手厚く葬ろう。幸い、遺体は艦と共に戻ってくる」 宇宙戦争での戦死者は大半が宇宙の塵となるか、宇宙葬で母星には戻れない。 故に遺体が戻ってくれば、遺族への慰めにもなる。 『はい』 だがそこでさらなる凶報が飛び込む。そう、退避中のパトロール艦隊がデザリアム艦隊に攻撃されたのだ。 クルーを失い、反撃できないままパトロール艦隊は宇宙の塵と化す。しかしそれはα任務部隊の面々の怒りを煽るものだった。 「……どうやら敵はハイペロン爆弾で艦隊を無力化し、その後に侵攻するつもりのようだ。聞くまでもないが、あの爆弾は?」 『針路から、間違いなく地球に向かっています。そしてこのままでは太陽系の各主要惑星を通過します。これでは』 その後の真田の台詞を8F司令は遮った。 「判った。司令本部、太陽系防衛艦隊司令部、統合参謀本部にも報告し退避命令を出してもらう。 そして……我々はあの爆弾を迎撃する。あのような兵器が地球に命中すれば人類は滅亡してしまう」 危険な任務だが反論は無かった。 こうして防衛艦隊は迎撃準備に入ろうとしたのだが、そこで一人の女性が手を挙げた。 『私にも協力させてください』 彼女の名はテレサ。 本来ならこの場にいるはずの無い彼女が、デザリアムにとって予期せぬ展開を引き起こそうとしていた。 前:嗚呼、我等地球防衛軍(第46話〜第50話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第56話〜第60話)
https://w.atwiki.jp/famicomall/pages/6.html
前のゲーム | 次のゲーム クリア条件 : エンディング画面を見る 開始時間:2007/01/30(火) 10 14 51.99 終了時間:2007/01/30(火) 11 16 06.09 ~STORY~ プロ野球選手になることを目指すプレイヤーは犬に噛み付かれたり、 怪獣に踏み潰されたり、そそうをしたり、女の子に興奮したり、その他 もろもろの数奇な運命を辿りながら、野球の厳しさを教わるという 人生ゲームと野球ゲームの夢のコラボレーションです スタート画面 かつのり大興奮 エンディング画面
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/10735.html
ああ、ほんじつもかいてんぎり【登録タグ NexTone管理曲 VOCALOID hanzo あ シュラ種種種 初音ミク 曲】 作詞:シュラ種種種 作曲:hanzo 編曲:hanzo 唄:初音ミク 歌詞 ひょんなことから名刀もらった 棚からズバッとぼた餅だったわ 鋭い刃の裏に潜む愛 さっきまでモンシロチョウがとまってた 前のめりになってくるっと宙を舞う 描いた曲線記しておけよ 青春ノートの2、3ページに そーいや、あの娘の返事はまだかなぁ 恋人と手をつなぐように 片手に刀をギュッと握りしめ 真空切り裂く刹那の3回転 くるくる奇数が奏でるラプソディ 前のめりになってくるっと宙を舞う 描いた曲線刻んでおけよ 頭から突っ込むかもしんないけど 足から突っ込む可能性も否めない カモミールハーブの香りする 優美な風が吹き抜けた 心地よい季節を告げたのに あの娘の返事はもうこない コメント 好きだああああ -- 名無しさん (2011-08-16 21 12 29) 意味不明な歌詞で笑わした上に、真面目な歌詞でトドメの一撃。まさに必殺回転斬りである。よく分からん。でも好き。 -- 龍奇 (2011-10-24 17 52 08) 足から突っ込む可能性でなぜかツボったorz -- キクノ (2012-02-02 08 40 18) なんかよくわからんのに好きwww -- みかん (2012-03-24 22 16 39) なんか、好き‼ -- 花華 (2013-02-07 19 09 39) 意味わからんが好きだなwwww足から突っ込む可能性w -- パテ (2014-01-23 06 00 33) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2192.html
前:嗚呼、我等地球防衛軍(第51話〜第55話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第61話〜第65話) 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第56話 パトロール艦隊を撃滅したとの報告を受け、デザリアム帝国艦隊総司令のカザンは満足げに頷いた。 「重核子爆弾は期待通りの成果を出したようだ」 最初、パトロール艦隊が退避していくのを見て、地球人が何らかの方法で重核子爆弾を無効化したか、その威力を低減させた のではないかという考えが過ぎったのだが、生命反応が無かったことから自動で動いていることが判った。 故にカザンは全艦隊に進撃を命じる。 「本隊は前進。別働隊も進ませろ。一気に地球人の本星を叩く」 こうして進んでいくデザリアムの大艦隊。 「前衛部隊より報告。地球艦隊が出動し、重核子爆弾の前方に展開した模様」 「ふん。無駄なことを」 そう言いつつも、カザンは前衛部隊に地球艦隊を牽制するように命じる。 「本格的な攻勢はしなくても良い。重核子爆弾に波動砲を打ち込まれないようにさせすれば良い」 重核子爆弾の耐久力は高く、ショックカノン程度では打ち抜かれない。 たとえ波動カードリッジ弾でも、装甲を突き破り、内部にまで到達しなければ何とかなる。 「地球人め、イスカンダルで我々に歯向かったことを後悔するが良い。 そして帝国に歯向かった代償として、その肉体を帝国繁栄のために差し出すのだ」 そして自分は、地球攻略を成し遂げた名将として栄達する……そんなことをカザンは考えていた。 だがそんな彼の思考は、異常を知らせる報告によってかき消されることになる。 「た、大変です。つ、通信機に異常なエネルギーが!」 「何?!」 敵艦隊が襲ってこないことを確認した8F司令は直ちに重核子爆弾迎撃に取り掛かった。 「作戦は成功のようだ」 8F司令は嘆息した。 「まぁ地球のネットワークを焼ききるほどのエネルギー波を送られたら、堪ったものではないだろうな」 原作ではテレサは宇宙の危機を伝えるメッセージを地球のネットワークを焼ききる程のエネルギーを籠めて送った。 ガトランティスの妨害を突破してメッセージを送るためなのだが、逆に言えば、そのエネルギーを転用すれば敵の 通信を撹乱することも出来ることを意味する。 「これだけの大規模ECMをなそうとすれば、どれだけの労力がかかることか」 議長の献策で、地球では大出力のエネルギーが流れ込んでもネットワークが焼ききれないように対策がされているが これを対策していないデザリアムは……。 「……α任務部隊と駆逐艦の用意は?」 「すでに完了しています。いつでもいけると」 「それでは第二段階へ移行する。 諸君。彼らは遥々、太陽系にまで足を運んでくれたお客だ。土足で上がってきたマナーに欠ける客だが、客であることには変わりない。 彼らが一生忘れえぬ思い出になるように心を籠めた歓迎にするぞ」 「「「了解!!」」」 一方、ヤマトでは島がそわそわした様子で舵を握っていた。 「落ち着けよ、島」 「でも、古代。また彼女に負担をかけることになる。それに政府に彼女の能力が詳しく知られたら……」 「判っている。だが彼女の意思でもあったんだ。彼女を信じるんだ。それに8F司令は議長と交流がある。議長なら彼女の能力を伏せる ことは出来るだろう」 彼らはテレサの能力を詳しく知られることを恐れた。もしも政府がその能力を知ればテレサを排斥するか、利用しつくそうとするかも 知れないからだ。8F司令はそんなヤマトクルーの考えを理解し、議長と協力して彼女の能力を極力伏せることを約束した。 (議長にも苦労してもらうさ) そんな8F司令の考えも知らないα任務部隊の面々は、理解のある上司に恵まれたことに感謝した。 「……そうだな。でも彼女の好意に甘えてばかりではいられない」 この言葉に真田が頷く。 「そうだ。ここを何とか切り抜けて、自分達で地球を守れるような力をつけなければならない」 「頑張りましょう。真田さん」 古代は艦長室から独力で大規模な電子攻撃を仕掛けているテレサに感謝しつつ、作戦開始を命じる。 「駆逐艦、発進!」 地球側の作戦はいたってシンプルだった。 テレサの能力で相手の目耳を撹乱している隙に、無人にした3隻の駆逐艦を超高速で重核子爆弾にぶつける。それだけだ。 ただし無人にした駆逐艦は波動エンジンを暴走させるようにセットしてある。つまり、駆逐艦は1種の巨大な爆弾になっているのだ。 無人化した駆逐艦なら、重核子爆弾の影響は受けない。さらにテレサの力で目耳を撹乱された敵艦隊ではまともに迎撃できない。 デザリアムの作戦が破綻した瞬間だった。 「た、大変です。地球の小型艦が重核子爆弾に突っ込んできます!」 前衛部隊は慌てふためいた。 「何?! 迎撃しろ!!」 「だ、ダメです。通信機から流れ込んだエネルギーが艦の他の回路にも流れて」 「こ、これが地球人の新兵器でも言うのか?!」 こうしてデザリアムの切り札であったはずの重核子爆弾は、呆気なく宇宙の塵と化した。 そして太陽系外縁での戦いは次の段階に移行する。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第57話 「……重核子爆弾の破壊に成功せり、か」 統合参謀本部でその吉報を聞いた議長は安堵した。 何しろ、これでデザリアム戦役で負ける可能性は大幅に減じたからだ。 しかしながら、この時点で議長は警戒を緩めつもりはなかった。デザリアム艦隊はステルス性に秀でている。 「あとは別働隊による地球本土直撃を警戒しなければ」 直前まで無人艦隊が発見できなかったほどのステルス性を考慮すれば、彼らが自分達の懐に潜り込んでいても 不思議ではないのだ。 「防衛衛星、無人艦隊、第01任務部隊。この組み合わせなら戦うことも可能だが、やはり奇襲は避けなければな」 こうして地球防衛軍は隙の無い防衛体制で、デザリアム艦隊による奇襲に警戒した。 この厳重な警戒態勢によってデザリアム艦隊は、想定よりも慎重な行動を強要されることになる。この時点で彼らが 反転していれば戦局は違う展開になっていたかも知れない。 だが奇襲のために無線封鎖を行っていた上、本隊はテレサによるジャミングで混乱していたため、本隊の状況など 知る由も無かったのである。 そして本隊はデザリアム帝国軍健軍以来最悪の状況で、戦闘民族(命名:ボラー)の襲来を受けることになった。 「ええい、落ち着け! 通信回線を遮断しろ! 予備に切り換えろ!!」 カザンは必死に体勢を立て直そうとするが、すでに流れた膨大なエネルギーはデザリアム艦隊の各艦の回路に 大きな打撃を与えていた。回復するにはもう暫くの時間が掛かると思われた。 だがその暫くの時間が彼らにとって致命傷となる。 「た、大変です! 地球軍の艦載機が11時の方向から接近しています!」 「何?! 迎撃しろ!!」 「ダメです。各艦、まだ回復しきっておらず、直掩機は先ほどの異常でまともに動けません!」 彼らが慌てふためく様子は、攻撃隊でもわかった。 「敵さんはまともに動けんようだ。ここで落とされたら末代までの恥だぞ!」 ヤマト戦闘機隊隊長の加藤を総隊長とした防衛軍攻撃隊は、まともに動けないデザリアム艦隊に襲い掛かった。 まばらに、それも照準も定かでない砲撃など歴戦のパイロット達からすれば、恐れるに足らないものだった。 加えて新型のコスモファントムはコスモタイガー以上の搭載量と機動力を有している。彼らは対空砲火を悠々と 掻い潜り、波動ミサイルを使って片っ端からデザリアム艦艇を撃沈していく。 「前衛部隊は何をしている?!」 カザンの疑問も最もだった。 だがその疑問に対する回答は過酷な物だった。彼らはネメシスの拡散波動砲によって壊滅させられ、残存艦は 第8艦隊によって包囲殲滅されていたのだ。 「もはや虐殺だが、叩けるときに叩かせてもらう」 8F司令は人の悪そうな笑みを浮かべて、さらなる攻撃を命じる。 偵察機の報告から、敵艦隊が防衛軍全艦隊よりも大規模であることが判明していた。故に手加減は不要だった。 そして艦載機によって散々に叩かれて炎上するデザリアム艦隊にトドメを刺すかのように波動砲の発射準備に掛かる。 「第8艦隊、及びα任務部隊は波動砲発射隊形を取れ!」 勿論、この動きを見たカザンは地球艦隊が波動砲を発射しようとしていることに気付く。 「ま、拙い。このままでは全滅する!」 カザンはこのとき、少しでも時間を稼ぐために地球側に降伏をつげ、相手の攻撃が弱まった内に体勢を立て直すことを 思いついた。卑劣な策としか言いようが無いのだが、それ以外の方策を彼は思いつかなかった。 「ち、地球艦隊に通信を繋げろ!」 だが、その彼の策はあっさり無に帰す。 「ダメです。まだ通信回線が復活していません!」 「何をしているのだ! すぐに連中と回線をつなげるのだ!」 総司令官の無様すぎる姿に多くの兵士は落胆した。そして同時に自分達の最後を悟った。 (もうダメか……) こうして必死に体勢を立て直そうとしていた兵士達を巻き添えにして、巨大戦艦ガリアデスと共にカザンは宇宙の塵となった。 波動砲による攻撃でデザリアム艦隊は全体の半数近くを喪失した。だがそれでも尚、半分は残っている状況だ。 そして残された艦隊を掌握した第2特務艦隊司令官ミヨーズは、カザンとは比べ物にならない切れ者だった。 「無様な!」 怒りつつも、彼は指揮系統を立て直そうとした。彼らは漸く艦の機能を回復することが出来たのだ。 しかし艦の機能が回復したからと言って、ミヨーズは現状のまま戦い続けることはしなかった。 「全艦、反転。太陽系から撤退するぞ!」 「逃げるのですか?!」 「このままでは全滅するだけだ。ただし我が艦隊は殿となる。特に、この艦なら味方を逃す盾には十分な役割を果たせる」 彼が乗るガリアデス級戦艦は改装前のヤマトの主砲を弾き返すほどの防御力と、多数の艦載機を運用できる優秀な艦だった。 「我々が全滅するようなことがあれば、デザリアム帝国軍は大打撃を受ける。それだけは避けなければならん」 こうして不屈の闘志と驚異的な指揮能力で、ミヨーズは動ける艦を掌握して地球艦隊に戦いを挑む。 円盤型戦闘機、イモ型戦闘機を発進させて制空権の奪還に励む傍ら、重防御のガリアデス級戦艦を前面に立てて砲撃戦を 展開していく。加えて巡洋艦も懸命に第8艦隊に迫り、彼らを撹乱する。 「駆逐艦陽炎、沈没!」 「巡洋艦五十鈴大破! 戦列を離れます!!」 「戦艦加賀、速度低下!」 「くっ、さすがに簡単に負けてはくれないか」 8F司令官は舌打ちする。 「α任務部隊は?!」 「苦戦中とのことです」 それでもα任務部隊の動きは通常の部隊とは一線を画していた。 戦艦を護衛する戦艦『アーカンソー』と『ロイヤル・オーク』は波動砲を撤去した代償に得た高い防御力でヤマトやムサシと 共にデザリアム艦隊と渡り合い、ヤマトとムサシは信じられないほどの高い命中率で波動カードリッジ弾をデザリアム艦隊に撃ち込み 彼らを宇宙の塵としていく。 (主人公補正、恐るべし……性能的には、このネメシスや主力戦艦だってそんなに引けは取らないのに) 乾いた笑みを浮かべそうになる8F司令。 そんな彼の思いを他所に、主人公、いや主要キャラの貫禄を見せ付ける光景が広がることになる。 「第7艦隊が来援しました!」 そう、土方長官よりも先に太陽系外から沖田艦長率いる第7艦隊が駆けつけたのだ。 こうして地球防衛軍が誇る最新最大の巨大戦艦『タケミカヅチ』の初陣となる太陽系外縁海戦は最終幕を迎える。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第58話 駆けつけた第7艦隊は戦艦タケミカヅチ、主力戦艦6隻、戦闘空母3隻、巡洋艦8隻、駆逐艦24隻を中核とした大艦隊だった。 旗艦タケミカヅチは改アンドロメダ級であり、主力戦艦も主砲やエンジンを大幅に強化されている。その戦闘能力は防衛艦隊でも 最高峰と言えた。そしてそんな凶悪な打撃力を秘めた部隊が哀れにも逃げ惑うデザリアム艦隊に襲い掛かる。 「拡散波動砲発射!!」 沖田の指示の下、タケミカヅチの艦首に備え付けられている三門の拡散波動砲は、撤退しようとしていたデザリアム艦隊を狙い打った。 集束型波動砲ならまだ逃れることもできただろうが、アンドロメダ級を越える出力で、さらに散弾銃のように広範囲をカバーできる タケミカヅチの拡散波動砲からは逃れることなど出来なかった。 「うわぁあああ!!」 「た、助けてくれ!」 脱出しようとしていたデザリアム艦艇は、タキオン粒子のシャワーを浴びて、次々に跡形も無く吹き飛ばされていく。 だがそれだけの破壊をなしても、タケミカヅチはすぐに戦場に躍り出る。防衛軍最高の出力を持つ波動エンジンを搭載するからこその 荒業であった。 「敵の残存戦力は?」 「戦艦8、巡洋艦33、護衛艦52です」 沖田はふむと頷くと、スクリーンに映る敵艦隊を凝視する。 そこにはα任務部隊と第8艦隊相手に、味方を逃そうと勇戦するデザリアム艦隊の姿があった。その戦いぶりはかつてガミラス戦役の 際に勇戦した地球艦隊に勝るとも劣らない果敢なものだった。 (ドメル将軍もそうだったが、宇宙にはあれほどの将がいるのか。宇宙は広いな) 沖田は彼らの姿に心を打たれるが、かといって手加減することはない。 「よし。トドメを刺す。全艦突撃!」 ガミラス戦役で勇名をはせ、イスカンダル遠征と言う史上最大の偉業を成し遂げた英雄『沖田十三』。そして勇将の下に弱兵なしと言う 言葉を体言した艦隊の将兵達は、その力を思う存分に招かざる客であるデザリアム艦隊に叩きつけた。 デザリアムが誇る巨大戦艦ガリアデス級戦艦であっても、タケミカヅチの51センチショックカノンは防ぎきれない。 さらに装甲を突き破って、内部で炸裂する波動カードリッジ弾は次々とデザリアム艦艇に致命的ダメージを与えていった。 「すごいな」 「ああ。これが新造戦艦か」 ヤマトクルーもタケミカヅチの戦闘力に感心した。 南部は51センチ砲の威力を見て羨ましげに言う。 「すごい威力ですよ。あれだけの破壊力があれば、大抵の敵の装甲は撃ちぬけます」 古代進も頷く。 「そうだな。それにあの艦には沖田艦長、いや沖田提督がいる。だからこそ、これだけ強いんだろう」 デザリアム側も必死にタケミカヅチを攻撃するが、戦略指揮戦艦であり、スペック上は防衛軍最高の防御力を持つ タケミカヅチを黙らせることは出来ない。 「地球軍の戦艦は化物か!?」 デザリアム帝国軍将兵が慄き、恐慌状態になっていく。 そして恐怖に支配された軍隊が勇将率いる精鋭を止めることなどできる筈が無く、彼らは獲物に成り下がっていく。 「おいおい、呆けている場合じゃないぞ。沖田艦長の前だ。無様な真似は出来ないだろう?」 この真田の台詞に誰もが苦笑し、決意を新たにする。 「そうだな。よし、突撃開始! コスモファントム隊も補給完了後に直ちに発進する。俺も出るぞ!」 こうして心強い援軍を得たとばかりに、α任務部隊は再攻勢に出る。 哀れなのはデザリアム艦隊だった。脱出させようとした部隊の多くは、タケミカヅチの拡散波動砲によって灰燼と帰した。 残存部隊は必死に戦っているが、増援として現れた新手の艦隊(第7艦隊)によって後方を脅かされている。もはや勝敗は 明らかだった。 「機関出力低下!」 「全砲塔使用不能!」 「格納庫で火災発生!! 消火が間に合いません!!」 ミヨーズは目を瞑った。 もはや勝敗は明らかだった。加えて彼のが乗る艦の命脈ももはや尽きようとしている。 「……ミヨーズ司令、敵艦隊より入電が」 「つなげ」 モニターには第7艦隊司令官沖田の姿があった。そして沖田は通信が繋がったことを確認すると話し出す。 『もはや勝敗は決した。これ以上の戦いは我々も望まない。降伏して欲しい』 「……」 『我々は諸君を捕虜として丁重に扱う用意がある』 それは沖田の独断だけでなく、8F司令も同意したものだった。その証拠として第8艦隊やα任務部隊も攻撃を一時的にだが 停止させている。 それは彼らなりの誠意だったが、ミヨーズは簡単には頷かない。 「沖田提督、我々は祖国を守る義務がある。簡単に降伏は出来ん」 『……』 「……ただ残った艦から将兵を退艦させる時間は頂きたい」 こうして停戦が結ばれることになる。 辛うじて生き残ったデザリアム艦艇から多数の将兵が地球側の艦船の収納される。だがその中にミヨーズの姿はなかった。 「地球防衛軍は強かった。ガミラスとガトランティスを退けた実力は本物だったというわけか」 第2特務艦隊司令ミヨーズは自沈する乗艦と運命を共にする。 そしてこの巨大戦艦が沈む際に放った閃光が、太陽系外縁海戦の終幕を告げる。 デザリアム帝国軍は参加した全ての戦艦、巡洋艦を失った。6隻の護衛艦が何とか離脱できたが、それだけだった。 さらに太陽系に潜り込んでいた別働隊は、異常を察知して引き返そうとしたが、運悪く土方長官の太陽系防衛艦隊と遭遇し殲滅される。 こうしてデザリアム帝国の地球侵攻作戦は完全な失敗に終わった。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第59話 地球侵攻艦隊全滅……この凶報にデザリアム帝国本国では激震が走っていた。 「全滅だと?! 馬鹿な、あれほどの戦力で攻め込んで返り討ちにあっただと?!」 総統府で報告を受けた聖総統スカルダートは、衝撃のあまり暫しの間、呆然となった。 サーダもこの凶報には取り乱し何度も確認を取らせた。 「誤報ではないの?!」 しかし何度確認しても報告は変わらない。カザン、ミヨーズなど主だった将帥は討ち死にし、辛うじて生き残ったのは護衛艦のみ。 デザリアム帝国軍は健軍以来最悪の大敗を喫したのだ。 そしてこの大敗北はデザリアム帝国の戦略環境を一気に悪化させた。自由に動かせる戦力の大半が一気に失われたため、デザリアムが 抱える各戦線の戦況が急激に悪化したのだ。 「ゴルバを各戦線に分散して派遣するしかありません」 「地球侵攻は断念し、直ちに防衛体制を構築するしかありません。現状ではこちらから手出しをするのは不可能です」 デザリアム帝国軍参謀本部はそう結論を下した。 その報告にサーダはいきり立つが、どうすることも出来なかった。彼らは敗北を喫したのだ。それも最悪の敗北を。 「ボラーが手出し無用と判断した理由がよく判った。確かに地球人は恐ろしい存在だ」 「……如何しましょう?」 「無限β砲の配備を急がせよ。新造艦で防衛線を再構築する」 「それでは地球は?」 「暫くは手は出せぬ。全ては守りを固め、艦隊を再編してからだ」 デザリアムが受けた傷は深い。このためデザリアムは防衛に専念することにした。 しかしこれまで抱えていた戦線では次第に綻びが見え始めており、デザリアムを巡る状況は悪化しても改善する見込みはなかった。 一方、太陽系外縁海戦でデザリアムの大艦隊をほぼ一方的に全滅させたことで、地球ではお祭りモードだった。 「地球連邦万歳!!」 「防衛軍万歳!!」 史上稀に見るパーフェクトゲームで侵略者を叩き潰したという事実は、多くの地球人に勇気を与えていた。 その一方でこの大勝利の立役者となった第7艦隊、第8艦隊、α任務部隊は脚光を浴びた。沖田、8F司令、古代兄弟の武名は 世界中、いやボラー経由で銀河系各地に伝わった。 だがそれ以上に、デザリアム戦役を予期して、予め手を打っていた防衛軍統合参謀本部議長は賞賛を受けた。 「さすがだ。議長」 「いえ、当然のことをしたまでです」 連邦大統領や連邦政府関係者、連邦各州のお偉いさんとの会食やら会談で褒め称えられた議長だったが、内心では危機感が強かった。 (気のせいか、もう前線に出れない気がする) 夢の黒コートが遠ざかる光景が議長の脳裏に映し出される。しかしそんな光景を振り払うと議長は口を開く。 「いえいえ、賞賛は前線で命を賭けて勇戦した将兵が受けるものです。私は後方に居ただけです」 「謙遜かね?」 「いやいや本音ですよ」 そう言って彼は現場を持ち上げる。 「議長は攻勢部隊の編成を進めているようだが、やはりデザリアムに?」 「はい。やられっぱなしでは舐められます」 「しかし相手は40万光年彼方の暗黒銀河に居る帝国だ。まして3個艦隊による遠征となると問題が多い」 「判っています。ですがやらなければなりません。必要なら私は議長の職を辞し、遠征艦隊司令になっても良いと思っています」 「議長、それは降格人事になるぞ?」 「問題ありません」 実は議長の本音だったのだが、誰もがリップサービスにしか受け取らなかった。 ただしイザとなれば自ら死地に飛び込む覚悟はあるという決意表明は、さらに現場の支持を集めた。 防衛会議や参謀本部の面々は人気取りと言って陰口を叩いたが、議長が優れた戦略家であることは認めており、議長は後に 彼らから「戦術レベルの仕事は現場にさせ、議長は後方で全体を纏めるべき」と諫言されることになった。 「……もう私は前線に出れないかも知れん」 執務室で凹む議長。そんな議長に秘書が突っ込む。 「……いえ、恐らくかなり前からそうだったと思いますよ?」 「……マジで?」 「はい。前線の方々も議長の『デスクワークの能力』を信用されているようですし」 さらに落ち込む議長。 「どいつもこいつも……」 制服組TOPとは聞こえはいいが、厄介ごとを押し付けられる役職でもあった。 防衛会議と実戦部隊との関係を良好な物とするために奔走し、関係省庁や政財界とも付き合って軍の予算や発言力の確保に務め、 それでいてボラー連邦やデザリアムとの戦いに備えた戦略の立案などもしなければならない。 勿論、彼一人でするのではないのだが、激務であることには間違いない。だがその職務を誰からも望まれているとなれば、彼一人の わがままなど通らないだろう。 「くっこうなったら仕方あるまい」 「後方で活躍されると?」 「ああ。くっ、さらば黒コート」 血涙を流して残念がる議長を見て、秘書官は「どれだけ艦隊司令官になりたかったんだ」と呆れたが、議長が艦隊司令官に なることを夢見ていたことを知っていたので強くはいえなかった。 「ただし艦隊指揮は諦めても、観艦式の観閲官程度なら問題ないはずだ」 「それが譲歩ですか」 「そうだ。幸い、政府はこの大勝利を喧伝し、防衛軍の戦力を誇示するために大規模な観艦式の開催を考えているそうだ。 その観閲官に立候補する程度なら問題ないはずだ」 「どれだけ戦艦が好きなんですか……」 「軍人、いや宇宙戦士としてなら、まして前世の記憶があるのなら一度は夢見るものだろう? この大宇宙の中、大艦隊を指揮して戦うというのは」 「……」 「今では見果てぬ夢だがね。やれやれ、適性職種と希望する職種は一致しないことがあることは判っていたが……」 議長は苦笑した。 「まぁ良いさ。私は私にできることをする。それだけだ」 そして彼は動き出す。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第60話 地球とデザリアムが大騒ぎしている頃、ボラー連邦は今回の地球防衛軍の大勝を聞いて地球人=戦闘民族という認識をより 強固な物にしていた。 「負けないとは思っていたが、これほどの一方的勝利を得るとは」 べムラーゼは信じられんと言わんばかりの顔で、秘書に尋ねた。 「地球軍の損害は本当にこれだけなのか?」 「はい。地球防衛軍の戦艦、空母の損失は0です。巡洋艦3隻、駆逐艦7隻、パトロール艦6隻、航空機32機が失われたそうですが」 「………」 太陽系外縁海戦では地球防衛軍とデザリアム帝国の戦力比は1対5以上だった。 それにも関わらず、防衛軍は一方的にデザリアム艦隊を全滅に追いやったのだ。それは彼の常識を超える事象だった。 「我が軍で同じことが出来るかね?」 「……恐らく無理かと」 「ふん。あの役立たず共が地球防衛軍の半分でも仕事が出来れば、こうも無様なことにはならなかったものを!!」 ガルマン・ガミラス連合軍に大敗したことでボラー連邦はボロボロだった。 べムラーゼはその責任を追及されており、このままでは失脚すらあり得る状況だ。不甲斐無い軍部への怒りは頂点だった。 「連邦構成国は?」 「動揺が広がっています。反主流派の構成国の中には地球と独自の接触を望む国もあるようです。他にも不穏な動きが報告されています」 属国を守れぬ盟主に意味は無い。これまでボラーの支配を受け入れていた国々は自国の安全確保のため、そして万が一ボラー連邦が 崩壊した時に備えて地球連邦への接触を開始しようとしてた。 「押さえつけろ! 何としてもだ!!」 「はい」 「それと軍の再建状況は?」 「地球から購入した艦艇の訓練は順調です。またスターレン級戦艦の建造も進んでおり、後2ヶ月で3隻のスターレン級が配備できます」 「あと2ヶ月で4隻は完成させろ。機動要塞も用意を急げ。次はこのわし自らが出てガルマン・ガミラスを叩き潰す」 「デザリアムはどうしますか?」 「地球人が自分で何とかするだろう。ガミラスのように母星を壊滅させるか、白色彗星のように砕くかは判らないが」 ボラー連邦が慌しく動いている頃、旧ビーメラ星に築かれた第二帝星の総統府では、デスラーが今後の戦略を練っていた。 「デザリアム、我々に苦渋を舐めさせた連中が敗れたようだな」 「やはり我々の最大の敵は地球防衛軍、そしてヤマトのようです」 母星を壊滅させられたガミラスにとって、最大の怨敵は地球であった。 勿論、最初に手を出したのは彼らなので逆恨みもいい所なのだが……。 「ふむ。だが彼らとの決着は当面、後だ。ボラーとの戦いも、暫くは防御に専念し足場を築く」 旧ビーメラ星にはガルマン・ガミラス帝国が再建されつつあった。 またここを拠点として銀河系のあちこちに進出して、反ボラー連邦勢力の取り込みも進めている。ボラー連邦の弾圧のために 反ボラー勢力は弱体化を余儀なくされていたが、ボラー連邦自体がガミラスとの戦いで弱ったことで再び息を吹き返していた。 これらの勢力を糾合すれば一大勢力となる。 しかしその前に地球防衛軍が出てくると、デスラーの目算が狂うことになる。 「だが、地球人の目が銀河系中央に向くと面倒なことになる」 「はい。この場合、デザリアム帝国を応援しなければなりませんが……」 デスラーなどガミラス人にとってデザリアム帝国はヤマトには劣るものの、叩き潰すべき怨敵であった。 尤もその怨敵と再び合間見えることはないだろうと言うのが彼の考えだった。 「この調子では、デザリアムが敗れるのも時間の問題だろう」 ガミラス人、いやデスラーには、ヤマトが自分以外に敗北する姿が想像できなかった。 そしてもはやデザリアムの敗北(下手をすれば母星滅亡)は確定事項だった。 「地球人がデザリアムと戦っている内に、銀河系内部の足場を固めなければならん。工作を急がせよ。 それとボラーの動きに気を配れ。あれだけ負けたのだ。いずれ再戦を挑んでくるだろう」 デスラーはべムラーゼの意図を正確に見抜いていた。 「そのときが、奴らの最後だ」 デスラーは壁のモニターに映る銀河系を見上げて、ニヤリと笑った。 前:嗚呼、我等地球防衛軍(第51話〜第55話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第61話〜第65話)
https://w.atwiki.jp/aikokyou/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/aikokyou/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/aikokyou/pages/5.html
まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
https://w.atwiki.jp/aikokyou/pages/10.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/aikokyou/pages/12.html
人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list