約 396,666 件
https://w.atwiki.jp/tohokusf/pages/185.html
『ディアスポラ』著:グレッグ・イーガン 訳:山岸真 2006/1/13(Fri) 探検隊 【まえがき】 【作者について】 【登場人物】 【本編のあらすじ】[第一部] [第二部] [第三部] [第四部] [第五部] [第六部] [第七部] [第八部] 【まとめ】 【資料】 【まえがき】 「わからないところはばんばん飛ばす」のが一番の攻略法だ、というのは大森望の言ですが、わざわざ読書会をやるのですし、可能な範囲で全員の理解を深めた上で意見を、という流れを今回はとってみます。とはいっても、物理と数学はどんどん飛ばします。その手の解説としては、板倉充洋さんのサイト を参照のこと。 【作者について】 まずは、作者の人となりについてです。断片的な情報をまとめてみました。引用元は参考文献に入れてあります。当然ながら、文責は私にあります。 1961年、オーストラリア西海岸の大都市パース(『宇宙消失』の冒頭の舞台、その他の作品でも登場)生まれ。西オーストラリア大学で数学の理学士号を取得した。この間に自主映画制作に手を染め、その後シドニーで専門学校にはいるが、四週間で退学。同市の病院付属の研究施設でコンピュータ・プログラマとして勤務後、パースに戻って同様の職に就く。この職場での体験は、作品に直接活かされているほか、専門知識集めにも大いに役立っているもよう。 SFはこどもの頃から読んでいて、すでに十台前半で、1950年代の黄金時代の作家から、1960年代のニューウェーブ作家までが守備範囲だった。十五歳当時、特に入れあげていたのは、ラリー・ニーヴンとカート・ヴォネガット。十代後半からは主流文学に興味が移るが、ふたたびSFに惹かれたきっかけは、1985年に発表されたグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』らしい。 デビューは1983年。オーストラリアのファン出版社から、シュールレアルな要素を含む処女長編『An Unusual Angle』(未訳)が発表されるが、これは実際には十六歳のときの作品である。同年から短編も発表、最初はホラーを書く一方で、出版社に「ハードSF」を送って没になったりしていた。しかし、イギリスの<インターゾーン>誌編集長デイヴィッド・プリングルが『キューティー』を読み、全面的にSFに路線変更するよう助言した。(よくやった!)そうして1980年代末から本格的に作家活動を開始して今にいたる。 ここ数年来、大学時代に専攻した数学への情熱が高まっているらしく、2002年以来新作は発表されていなかったが、新作ノヴェラが2006年初頭刊行のアンソロジーに発表されることが決まった。(もしかしてヤチマ化か、と英米ファンならやきもきしていたかもしれないが、日本では、まだまだ年一回の単行本を楽しむペースは守られそうである。山岸真さん頑張ってください。) 公式の場には一切出ない覆面作家としても知られている。最近のインタビューもネットを介してのものなのだとか。サイトをたまに覗いてみると、政治的な発言をアクティヴに行っているようである。 ちなみに元々キリスト教徒であり、その価値観に少なからず影響されていることをインタビューで証言しているらしい。 ■長編小説 An Unusual Angle (1983年) 『宇宙消失』 Quarantine (1992年, 創元SF文庫→1999年) 『順列都市』 Permutation City (1994年, ハヤカワ文庫SF→1999年) 『万物理論』 Distress (1995年, 創元SF文庫→2004年) 『ディアスポラ』 Diaspora (1997年, ハヤカワ文庫SF→2005年) Teranesia (1999年,東京創元社刊行予定) Schild's Ladder (2002年) ■短編集 Axiomatic (1995年) Our Lady of Chernobyl (1995年) Luminous (1998年) 『祈りの海』 Oceanic and Other Stories (2000年, ハヤカワ文庫SF):日本オリジナル(山岸真編) 『しあわせの理由』 Reasons to be Cheerful and Other Stories (2003年, ハヤカワ文庫SF):日本オリジナル(山岸真編) 『TAP』(河出書房新社刊行予定) 日本オリジナル ■邦訳短編・インタビュー 『エキストラ』 The Extra (エイドロン 2 1990, IASFM1993/1) S-Fマガジン 1998/4 No.502 1994 Locus Award Short Story Nominee 『真心』 Fidelity (IASFM 1991/9) S-Fマガジン 1995/7 No.468 『チャルマーの岩』 Reification Highway (Interzone 1992/10) S-Fマガジン 1993/9 No.445 『ワンの絨毯』 Wang's Carpet (1995) S-Fマガジン 1998/1 No.499 1996 Locus Award Novelette Nominee 『ルミナス』 Luminous (IASFM 1995/9, 『90年代SF傑作選』 ハヤカワ文庫) 1996 Locus Award Novelette Nominee 『決断者』 Mister Volition S-Fマガジン 2003/8 No.568 『行動原理』 Axiomatic S-Fマガジン 2004/4 No.576 『ひとりっ子」 Singleton S-Fマガジン )2005/4 No.588 『無限大から逆に数えて [インタビュー]」Counting Backwards from Infinity SFマガジン 1999年11月号 『つかぬことをうかがいますが・・・』ハヤカワ文庫NF パース在住のグレッグ・イーガンさんが答えているらしい ■本人のサイト http //gregegan.customer.netspace.net.au/ ※移行者注:現在はこちら http //www.gregegan.net/ http //www.gregegan.net/BIBLIOGRAPHY/Bibliography.html を見ると分かるのですが、未単行本化短編は全部ただで読むことが出来ます。勿論すべて英語ですが。 ■学術論文 "Asymptotics of 10j symbols" http //arXiv.org/abs/gr-qc/0208010 "An efficient algorithm for the Riemannian 10j symbols" http //arXiv.org/abs/gr-qc/0110045 ■ネットニュースへの投稿一覧 http //groups.google.com/groups?q=author gregegan@netspace.zebra.net.au start=0 scoring=d 【登場人物】 ヤチマ:主人公。長身のアフリカ人のアイコン。 イノシロウ:金属質で白めの灰色で、手のひらから花がはえているアイコン。本田猪四郎(いしろう)からとられているのでは、という説あり。 ガブリエル:金茶色の短い柔毛で有性のアイコン。《C-Z》住人。 ブランカ:黒い影絵のアイコン。《コニシ》住人だが、 ディアスポラ には《C-Z》住人として参加。発展版コズチ・モデルを構築。 ラディヤ:ヤチマの先生。 ハシム:芸術家。イノシロウの友人。 オーランド・ヴェネティ:肉体人(男性、架橋者)トカゲ座の災害時に《移入》させられる。 リアナ:肉体人(架橋者、女性)オーランドの妻。 パオロ・ヴェネティ:伝統型完全人態のアイコンをとることが多い。オーランドの「息子」 カーパル:トカゲ座の異変に気づいたグレイズナー。その後《C-Z》へと移住。記憶の消去と人格書き換えを何十回も行った。 フランチェスカ・カネッティ:肉体人(架橋者) エニフ:男性で真空適応型肉体人のアイコン。 四つ足の星子犬、オスヴァルなどと呼ばれる。 アルナス:オスヴァル。 メラク:オスヴァル。 レナタ・コズチ:理論物理学者。 エレナ:パオロの恋人。 ハーマン:体節のある虫から膝のついた六本の脚が生え、その先に肉体人の足があるというアイコン。 リーズル:様式化された人間の顔が、羽のそれぞれに金色の反転のように入った緑と紺青の蝶のアイコン。 マイクル・シンクレア:コズチの生徒。 【本編のあらすじ】 それでは年表(資料1)を片手にヤチマくんの半生を辿ってみましょう。*は注です。 [第一部] 挿入されているのは旅の果てにヤチマとパウロが振り返っている所。 1 孤児発生 ヤチマ生まれる。 いかにして、仮想現実世界の市民(以下「コピー」で統一)は生まれるのかを描いています。本編でも屈指の難解さですし、ここで投げ出してしまう人も多いのではないでしょうか。 要は『攻殻機動隊』のオープニングなのだ、と解釈すれば分かりやすくなるかな?(資料2)こんな世界で物語は進行しますよ、と説明している訳です。 創出 による、個体発生→情報処理教育(ライオン!)→市民に、といった流れで話は進みます。 さて、ヤチマが自分を命名するシーンですが、彼/彼女のアイコンは可愛い子ライオンに影響されているのだ、と誤読しておくと、後の理解がかなり容易になるかもしれません。『萌え単』理論!(資料3) また、ここで無限遠にある星へと向かう志が刷り込まれていることにも注目したいです。 無秩序な混沌(パンデモニアム):pandemonium 『決断者』(SFマガジン 2003/8)にも「百鬼夜行(パンデモニアム)認識モデル」というものが出てきます。そこでの作者註によると、デネットの『解明される意識』およびミンスキーの『心の社会』を参照すると良いらしいです。心理学上の認知に関するモデルなのだとか。ヒトが並列処理をどう行っているのかに関連しているらしいです。本書でも二冊が参考文献として挙がっていることから、「孤児発生」での発達段階に関する記述もこの辺りの議論を元にしているのでしょう。 観境:市民のいる空間、環境。scape。三次元とは限らないのが次でのミソ。 アイコン:アバターですね。 飛びまわる豚? 2 真理採掘 ヤチマ、イノシロウとの同居を始める。 いきなり幾何学の話。2つの命題について議論されていますが、この辺を「とばせ」ってことなのでしょうね。一応、本人のサイトを見れば、模式図と説明がありますので、興味があれば。ただ、ここで出てくる次元の違いについての議論が、後のポワンカレに関係してくるのはおさえておくと良いかと。 この世界での「芸術」の一例も出てきますが、なかなか素敵です。 真理鉱山 :数学者は誰もがこの山を掘っていることになっています。また、真理への到達には地道な努力をする必要がある、というイーガンの考えもうかがえます。 価値ソフト:イーガン読者ならおなじみのものですね。何を快と感じ、何を不快と感じるのかを決めてしまえる、つまりは「しあわせの理由」となるソフトです。 界面ソフト:巻末を参照 3 架橋者たち ヤチマ大地に立つ。 グレイズナーが登場します。これは《移入》してデジタル化されたいけど、肉体は捨てたくはない、と願った人たちの乗り物、またはその人格のこと。彼らは宇宙へ行き、SETIなどをやっています。 この章では、ヤチマ達がグレイズナーに乗り込む?ことで肉体人との交流を持ちます。遺伝子改変をやりすぎて深刻なディスコミュニケーションに陥った肉体人たち。それを繋ぎなおそうとする架橋者たち。この分散状況と現在とを繋ぐのが『万物理論』でしょうか。 「人格」を分けるかどうかで逡巡するのも、<ディアスポラ>への布石になっています。同様のモチーフとして、『宇宙消失』において、平行宇宙にいる無数の自分を消失させるのに悩む主人公が描かれています。更に、無限の命を持つことについても触れられていますが、これは『順列都市』で出てきた話ですね。といった辺りで、結構おなじみの命題でした。 タグ:巻末に注もありますが、私なりに解釈すると、タグはあくまでデジタルな情報であって、「感覚」とはクオリアのことなのでしょう。経験が神秘的なものになる、ともいわれていますし。 リヴィングストン:ヨーロッパ人で初めてアフリカを横断した人。 ジェロニモ:アパッチ族の戦士 居留地から何度も脱走し、アメリカ軍と戦いぬいた。 ハックルベリー:『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』 マーク・トゥエイン (*1) ドロシー:『オズの魔法使い』 ライマン・F・ボーム 肉体人:不変主義者、水陸両生肉体人、夢猿人、架橋者などなどいろんな派閥がある。 [第二部] 4 トカゲの心臓 カーパル、トカゲ座の異変に気づく。 一ヶ月も月面で寝そべっていられるグレイズナーのまったり具合がなんともいえません。 5 ガンマ線バースト 再びアトランタへ。そしてカタストロフ。 ナノウェアを用いて、肉体人をポリスへ連れて行こうとする二人ですが、それを肉体人自身の許可なしに実行することはできません。なぜならそれは、自由を侵害することだから。他人の権利を侵害する権利は存在しないってことでしょうね。私は、他人をポアする権利はないってことでとらえてみました。後は法学部の人に任せます。 ポリス人は英語をしゃべっていて、肉体人はラテン語です。あと、この章では生態系の改変についての描写がありますが、もともと数学の博士号の人が物理にも生物にも強いのですね。専門化の進んだ現代科学において、これだけ学際的であることは、ホントに凄い。 メガタウ ギガタウ: 80メガタウは1日。半ギガタウは6.5日。 伝染性の強いパレスチナの有神論複製子群:上でも書きましたが、イーガンはもともとキリスト教徒です。 『時計仕掛けのオレンジ』の錯誤:暴力を行い得ないのは徳ではない、ということですね。 ブラフマー、シヴァ:ここではヒンドゥー神話の方。『暗黒神話』ではないです。ブラフマー(創造者)、ヴィシュヌ(保持者)と、シヴァ(破壊者)で三位一体となります。 6 分岐(ダイヴァージェンス) ヤチマ《C-Z》へ 5章での体験により、自身の弱さを認めるようなことをしなくなる複製子を走らせてしまったイノシロウ。「認めたくないものだな(ry 対比として、それでも前に進み続けるヤチマは 創出 にとって不要と判断されます。 そういえば確か、昔の会誌の名前が『divergence』でしたね。 [第三部] パオロとヤチマの会話は続く。 <長炉>について。ブランカとガブリエルとコズチの三角関係! 7 コズチの遺産 ガブリエル、ワームホールについて調べる。 さて、また難関がやって参りました。ここは話の根幹に関わるコズチ理論についてです。一応ディアスポラ数理研から孫引きしてみます。 {引用開始} 重力=空間の歪み、なので、重力の理論は空間を扱う話になります。この理論のなかでいろいろな素粒子も一緒に扱おうとすれば、空間と様々な素粒子がどのように影響を及ぼし合うかを考えないといけなくて大変です。しかし「実は素粒子ってのは空間に空いた穴で、様々な素粒子の種類は穴の空き方の違いで説明できる」ってことになれば、空間だけを扱えばよくなってすごく楽です。できるかどうか知りませんが。そのようなアイディアは物理業界で "matter without matter" とか呼ばれてるようです。架空のコズチ理論ではこれができるようです。 巻末の参考文献にある、 『ゲージ場・結び目・重力』 (Gauge Fields, Knots, and Gravity) by John C. Baez and Javier P. Muniain から訳して引用。 ワームホールとモノポールは理論物理において思弁の極北に位置し、SFと紙一重である。 ..中略.. 相対論研究者のジョン・A・ホイーラーは、ワームホールの「口」が電荷を持った粒子として振舞うという興味深いアイディアを提唱した。電気力線が一方の口に流れ込み、もう一方から流れ出すことで一方の口が負の電荷、もう一方が正の電荷を持つ粒子のように見え、その電荷は符号が反対で絶対値が等しい。もしワームホールの計量と、ワームホールを流れる電場(あるいはゲージ場)の相互作用を記述する理論ができれば、このようなワームホールが様々な安定状態をとり、それらが異なる世代の粒子に対応することを示せるかもしれない。さらに質量を計算することさえ出来るかもしれない。残念ながら、これらは現在のところ夢にすぎない。なぜなら..以下略 (コズチ理論とは)この夢が実現したという設定です。 {引用終了} 粒子を空間として扱う、というアイディアみたいですね。では、次行ってみましょう。 8 近道(ショート・カット) 長炉 によるコズチ-ホイーラー・ワームホールの実現化。 7章の850年後になってついに、ワームホールが実現化します。しかし、端と端を「光より速く」つなぐ筈のワームホールからはシグナルが出てきません。実験は失敗。しかもその失敗はコズチ理論の改良を要求するようなものでした。水素原子のスペクトルの観察などから、古典力学が見直されたのと同様のことが行われている訳です。 また《コニシ》と《C-Z》の差異が「コピー」の身体感覚という軸で語られます。それに伴い、「コピー」にとっての「愛撫」も出てきます。 「コピー」達の時間が均一ではないことも明らかになります。でも、それが何の影響ももたらさない、という議論は『順列都市』ですね。 高速化:処理速度を落として、待ち時間の短縮をすること 長炉 :線形粒子加速器 1400億km(冥王星の軌道の十倍以上) ユニット一つの質量は1g以下。 9 自由度 ディアスポラ 始まる。 ワームホールによる「ワープ」が不可能であることが分かったとき、《C-Z》ポリスの「コピー」達は、自分らのコピーを宇宙に向けて播種します。そして、舞台はフォーマルハウト行きの船。 価値ソフトの違いはいかんともし難いのですが、果たしてオスヴァル達を馬鹿にすることが賢明な判断なのかは疑問です。 さてついに、ブランカはコズチのアバターとの対話によって、 距離問題 を解決し発展版コズチ・モデルの構築に成功しました。 が、私は完全においてきぼりを食いました。ワームホールは距離を他の空間から奪ってくるから距離は短くなり得ない、だからショート・カットとしての役割を果たさないのだ、という最後のまとめを押さえとけばいいのでしょうか? 星虹(スターボウ):亜光速で宇宙を航行するときに見えるだろう、とされている虹のこと。 カール・フリードリヒ・ガウス:天才 アバター:「コピー」ではなく、生前の資料を元に構築された仮想人格。 [第四部] 10 ディアスポラ 出発前のパオロの観境で。 11 ワンの絨毯 地球外生命体は千次元の世界にいた。 この章はヴェガ星系行きの船の中でのできごと。エレナとパオロアイコンは、肉体人のものですから、ブランカとガブリエルの接触とは異なります。 ここでメインとなるアイディアは、ワンのタイル=チューリングマシンというもの。(資料4)その上に、ヒトには認識できない千次元周波数空間の十六次元の切片などという概念が出てきます。これは、後のトランスミューターの「像」へと結実します。 9章に出てきたフォーマルハウト行きの船は木っ端微塵!などの事実も明らかにしつつ、ようやくポリスごとの立ち位置の違いが見えてきます。「現実」にどれだけの価値を見出すのか、ということですね。中でも現実重視で、他のポリスを「ひきこもり」よばわりしていた《C-Z》が惑星オルフェウスの「生命」を見つけてしまうという皮肉。イーガン節です。 ここで各コミュニティーの違いについて、少し整理してみます。「現実」へのこだわりで並べてみるとこんな感じでしょうか。 肉体人 グレイズナー 市民(シェイパー、「コピー」) 《カーター-ツィマーマン》ポリス 肉体人を市民にしようと、ネットワーク攻撃をしたりしている。「宇宙を理解し、尊敬せよ」が憲章。物質宇宙に一番こだわっている。 ディアスポラ を実行する。 《コニシ》ポリス シベリアのツンドラの地下二百メートルに埋められている。外の現実への関心が薄い。 《アシュトン-ラバル》ポリス 爬虫類を「創造」したりするような仮想現実派の最右翼。 境界ポリス その他大勢の意? 蛇足的なおまけなのですが、なんと小倉百人一首もワンのタイルなのですね。(資料5) ダイソン球:恒星を卵の殻の様に覆ってしまう仮想上の人工構造物。 カウフマン・ネットワーク:ライフゲームみたいなもの。 フーリエ変換:そういう計算があるのです。 レグルス:しし座の一等星 さて、10・11章をあわせると元々の『ワンの絨毯』になります。違いはポリスの説明が多少入っていることと、それに伴い「人間宇宙論」というものが語られている点。最後にパオロの心情吐露が入っている点です。 「人間宇宙論」というのは、もし物質宇宙が人間の思考によって創造されたのであれば、それを仮想現実より上に位置づける特別な理由はない、という《アシュトン-ラバル》の考え方。 パオロの述懐は「自殺」してしまう発想の元ともなっていて興味深いので、引用します。()は引用者。 「この不思議な、偶然の産物である美しさの何もかもが、人類と位相人類(「コピー」)が宇宙に向かって問いかけてきたあらゆる疑問に対するあらゆる答えの――問われることによって生み出される答えの――集合でしかない、ということがありうるだろうか?ありえない、とパウロはいまも信じていた――だが、その問いにはまだ、答えが出ていない。いまのところは」 [第五部] 12 重い同位体 惑星スウィフトの謎とは。 ここからはヴォルテール星系行きの船のお話。 オーランドという人は元肉体人なだけあって、「肉体」に対するこだわりが強いです。また、パオロを生んだのも元々の架橋者としての使命感からだ、ということが分かります。 ヴォルテール:本名フランソワ・マリー・アルエ 「私はあなたの意見に何一つ賛成できないが、あなたがそれを言う権利は命がけで守るつもりだ」という言葉はあまりに有名。 スウィフト:ジョナサン・スウィフト 『ガリバー旅行記』 リサージュ図形:これを描けるものさしを皆さんは、見たことがあるのではないでしょうか?歯車をぐるぐるまわすやつ。 13 スウィフト トランスミューターはいずこ? ようやく、第一部の冒頭の会話に出てきたトランスミューターが出てきます。普通忘れていますよね。文明はあるのに見つからない。《移入》したのか、 ディアスポラ したのか。実は別の「宇宙」へ出かけていたのです。そして、その鍵がスウィフトに大量に存在する中性子でした。 細かいことですが、車から車へとテレポートするのを「コニシ式」と呼んでいるのはいいですね。 トランスミューター:transmute 変質、変化させる。 transmutation 錬金術で卑金属を貴金属に変化させる、あるいは核反応によって元素を別の元素(あるいは同位体)に変化させる。 14 埋めこまれたもの 中性子に埋め込まれたデータは? 解読過程で、トカゲ座なんて目じゃないニュートリノ・バースト(コア・バースト)がやってくることが分かります。どうやらトランスミューターはそれから逃げ出したらしい。その方法として更に解読されるのが、ワームホールの形を制御すること。実は「長い中性子」はマクロ球の中で触媒として働いていたらしいです。ここは作品の肝で避けては通れない議論のような気もしますが、スルーします。 そして、上位宇宙へ! 陰極線管ディスプレイ:ブラウン管 [第六部] 15 5+1 マクロ球もしくはU*は5次元の世界だった。+1は時間のこと。 「コピー」の走っているポリスの外側が3次元の「現実」ではなくなってしまったら、そのときオーランドが寄って立てるものは?という問いが出てきます。 エキゾチックな現実:兎にも角にも、エキゾチック物質というのがワームホールには必須なのです。 16 双対性 @惑星ポワンカレ 時間表記がはずれます。五次元空間の描写は圧巻ですね。全くビジュアルはわかないけど、これぞ活字SFでしか表現できないイメージです。 さて、肉体人から始めて我々読者と作品世界とを架橋しているのがオーランドなのですが、ついにファーストコンタクトを行います。このヤドカリとの下りは、モンティパイソン的笑いなのではないか、という話題をみかけたのですが、私は悲しき性のように感じてしまいました。 ポワンカレ:アンリ・ポワンカレ(数学者) [第七部] 17 1の分割 つまりは、ここで分割された存在をもう一度戻そうとせざるをえないオーランドの強迫観念は悲劇的だ、と思うのです。 18 創造の中心 トランスミューター以外の知的生命体の存在も描かれつつ、宇宙についての語り。 [第八部] そして問い。パオロの行動原理とは何だったのか。 19 追跡 <ディアスポラ>によっていくつかの「宇宙人」とのコンタクトをとげた時代。 パオロとエレナの「分岐」この宇宙の探求と違う「宇宙」の探求。 20 不変性 そして、旅をしても変わらなかったもの。 ヤチマは精神発生のときに、ここまで来ることを宿命づけられていました。たどりついた二百六十七兆九千四十一億七千六百三十八万三千五十四レベル(偶数なので三次元)で気づくトランスミューターの「像」と「旅」の終わり。パオロとヤチマの「分岐」すなわち、自分の外にある可能性の追求の終了。 パオロとヤチマが「分岐」してしまうのは、自分の内にある可能性(数学)に没入できるかどうかの違いですね。本来「架橋者」であったパオロにはそれができなかった。 ヤン-ミルズ:C.N.ヤンとリチャード・ミルズ。量子色力学の人たち。 ワイル:ヘルマン・ワイル 【まとめ】 1.Philosophy Fiction(by坂村健、竹田Pじゃないよ)として 「意識と現実をとり去ったら、あとにはなにも残らない」という言葉からも伺えるように、イーガンはその二つの関係の話ばかりしています。これには「主観的宇宙論」そして「シミュレーション」という二つの軸がある、と思います。坂村健は「記述」への欲望を書いていますけど、私はそれを行おうとする主観の方を問題にしたいです。 「主観的宇宙論」とは、究極の唯我論ともいえましょうが、要は個人の「観測」が世界を変える力となってしまうような宇宙論/観のこと。もともとの『ワンの絨毯』にあった「人間宇宙論」の前提となっています。この点については本作には出てこないので、割愛します。三部作の中では、一番読みやすい「宇宙消失」から入ってみるのがオススメです。 シミュレーションに関しては、ヒトにまつわる問いとして、いくつかに分けられます。 1)ヒトが「コピー」へと《移入》するかどうか 2)《移入》した後での身体と「コピー」の差異 3)シミュレーション上でのアイデンティティの問題 4)シミュレーションで価値基準を自由に調節できる人格は、永遠の命を手に入れたとき何をするのか、という問い 4’)それをそのまま現実世界に持ってくるのが「しあわせの理由」へと繋がる「理由」への問い。これは同時に、《移入》の可否へとも繋がるような円環構造を描き出している、と思います。 さて、他のイーガンの作品を読んだことがある人ならお分かりの通り、これらの問いは彼の作品の中で何度も反復されています。おそらく、その度に進化/深化しているように思うのですが、それに対する考察は、今の私には手に余ります。揺さぶられることについての指摘は多くても、それを比較・検討するような評論は、寡聞にして読んだことがないです。 ちょっとわき道へ4)は輪廻と解脱の問題へとも繋ぐことが可能かもしれません。パウロが最後に行った選択は何であったか?実はゲーテルのお陰で、ヤチマには無限の可能性が残されていたりするんですけどね。あと、脳のチューニングという話は鶴見済との共通点もあるように思います。 2.SFとして 上述の問いを必然的に孕んでしまうような状況設定の上手さ。「天才詐欺師」(by大森望)という称号はまさに彼にふさわしいものでしょう。先にも触れましたが、科学知識に関する造詣の深さは、当代随一です。 そして、時には嫌悪感しか覚えない/生理的にうけつけない、といわれてしまう一つの状況を徹底的につきつめる辺りも流石です。 3.読みにくさ 最近おもしろいエントリーを見つけました。(資料6, 7) 結局、SFの部分は多少分からないところもあるけれど、PFのところは万人に開かれているのだ、ということなのでしょう。問題はSFの部分をどこまで理解するかということと、PFを理解するために必要となる想像力です。ここが、SFという言葉を知らない人にアピールできるかどうかなのですが、難しいですね。この点で皆さんの読後感はどうでした? 4.作品全体を通じて この作品はつぎはぎのパッチワークとしてある側面は否めませんが、だからといって通低するものがないわけではありません。私は「行動原理」の違いから「分岐」してしまう人達というディスコミュニケーションの物語として読みました。確かバクスターの『タイム・シップ』にも出てきていたことですが、リソースがほぼ無尽蔵にあるなら、それをめぐっての衝突は基本的に起きないのですよね。だから、繋ごうとする架橋者たちは失敗する。(焼豚くんから指摘がありましたが、『順列都市』では計算リソースをめぐって衝突が起きていましたね) ただ注意しておきたいのは、この主張をそのまま現実へ持っていくことはできません。前提となるリソースの問題があるから。でも、これを「宇宙」規模のひきこもり物語として読んでしまいたい欲望もあったりなかったり……。 【資料】 1.http //d.hatena.ne.jp/ita/00020131/p1 2. イノセンスの情景 3. 京大SF研究会 「workbook 79」 4. http //en.wikipedia.org/wiki/Wang_tile 5. http //www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/hyakunin02.html 6.http //bm.que.ne.jp/log/20051223.html#c01 7. http //d.hatena.ne.jp/kaien/20051228 【参考文献】 既刊邦訳すべて(含S-Fマガジン) mixiのイーガンコミュ ディアスポラ数理研 めちゃくちゃお世話になりました。 著作リスト Wikkipedia はてなキーワード 2019.01.02 Yahoo!ジオシティーズより移行 http //www.geocities.jp/tohoku_sf/dokushokai/diaspora.html なお、内容は執筆当時を反映し古い情報に基づいていることがあります by ちゃあしう
https://w.atwiki.jp/yuukifukkumigaku/pages/35.html
テスト製作課のHP 「全国統一文化力水準テスト」のサイトに行けます。 全国統一文化力水準テストとは 全国の中学生と高校生が、志望している高校or大学の入試に必要な「文化力」が 自分にはあるのかを知るために「西洋文化研究会」が主催として行っているテストです。このテストの結果はすべての高校or大学に送られ、入試でもっとも重要なデータになります。 またこのテストは、受験生だけのものではありません。 テスト結果のデータは「西洋文化研究会」が集計、管理、保存し、日本人の学力を向上させるための資料になります。なのでたくさんの学生さんに受けてもらいたいです 。そしてみんなで日本国に革命を起こしましょう! テスト結果 平成20年度 第一回
https://w.atwiki.jp/tohokusf/pages/74.html
東北大学SF小説研究会読書会 2009年日本SF傑作選「超弦領域」法月綸太郎「ノックス・マシン」 1、作者について 例によってウィキペディアより 法月綸太郎(のりづきりんたろう、断じてほうづきとかほうげつとか読んではいけない) 1964年生まれ。推理小説作家にして評論家。京大推理小説研究会出身。通称のりりん。1988年に「密閉教室」でデビュー。2005年、「生首に聞いてみろ」で第5回本格ミステリ大賞を受賞。推理小説の存在意義や密室の必然性に関する論文を発表するほどの「悩める作家」。エラリー・クイーンに心酔し、第二作目の「雪密室」では探偵役に同名の推理作家法月綸太郎、その父親に法月警視を登場させ、クイーンの作品と同じ設定を持ち込んだ。また、「容疑者Xの献身」に登場するP≠NP問題に関する解説を発表し、数学的な素養を示した。ちなみに、この作品は2009年第40回星雲賞の候補になっている。 2、ストーリー 上海大学パラ人文学部のユアン・チンルウは衰退しかけている数理文学解析の推理小説分野に「ノックスの十戒」を用いた数理文学解析を試み、それをもとにして博士論文を書く。その論文が最先端科学の結晶ともいえる、タイムマシンの開発チームの目にとまり、ユアンはノックスが「十戒」を書いた時点まで、双方向タイムトラベルを実現するために、飛んでいく羽目になる。 3、ガジェット 「ノックスの十戒」及びロナルド・ノックスについては専門家の手によって本文中で書かれているために割愛 (web担当者追記:「ノックスの十戒 Wikipedia) 「ヴァン・ダインの二十則」 読んで字のごとくヴァン・ダインが1928年に発表したもの 1.事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはいけない 2.作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者をペテンにかけるよう記述をしてはいけない 3.不必要なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない。ミステリーの課題は、あくまで犯人を正義の庭に引きずり出すことであり、恋に悩む男女を結婚の祭壇に導くことではない。 4.探偵自身、あるいは捜査員の一員が突然犯人に急変してはいけない。これは恥知らずのペテンである。 5.論理的な推理によって犯人を決定しなければ行けない。偶然や暗合、動機のない自供によって事件を解決してはいけない。 6.探偵小説には、必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。 7.長編小説には死体が絶対に必要である。殺人より軽い犯罪では読者の興味を持続できない。 8.占いとか心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。 9.探偵役は一人が望ましい。ひとつの事件を複数の探偵が協力し合って解決するのは推理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対し公平を欠く。それはまるで読者をリレーチームと競争させるようなものである。 10.犯人は物語の中で重要な役を演じる人物でなくてはならない。最後の章でひょっこり登場した人物に罪を着せるのは、その作者の無能を告白するようなものである。 11.端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどのことはない。 12.いくつ殺人事件があっても真の犯人は一人でなければならない。但し端役の共犯者がいてもよい。 13.冒険小説やスパイ小説ならかまわないが、探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織に属する人物を犯人にしてはいけない。彼らは非合法な組織の保護を受けられるのでアンフェアである。 14.殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的で、しかも科学的であること。空想科学的であってはならない。例えば毒殺の場合なら未知の毒物を使ってはいけない。 15.事件の真相を解く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。 16.余計な情景描写や、わき道にそれた文学的な饒舌は省くべきである。 17.プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。それらは警察が日ごろ取り扱う仕事である。真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。 18.事件の結末を事故死とか自殺で片づけてはいけない。こんな竜頭蛇尾は読者をペテンにかけるものだ。 19.犯罪の動機は個人的なものがよい。国際的な陰謀や政治的な動機はスパイ小説に属する。 20.プライドのある作家なら、次のような手法は避けるべきである。これらはすでに使い古された陳腐なものである。 ・犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸ってるタバコを見比べて犯人を決める ・インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる。 ・指紋の偽造トリック ・替え玉によるアリバイ工作 ・番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みがあるものだったとわかる ・双子の替え玉トリック ・皮下注射や即死する毒物の使用 ・警官が踏み込んだ後での密室殺人 ・言葉の連想テストで犯人を指摘すること ・土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法。 あくまで原則。これを破っているけど傑作というのはいくらでもある。 文章自動生成 現代にも文章を自動生成するプログラムは存在する。しかし、文学作品にはまだ遠い。ましてや、それでノーベル賞とか。だけどそのプログラムが進歩していけばいずれは可能かも。最初はラノベとかで試してみればいいんじゃないかな。実際問題、ミステリーでやるのは意外に簡単そう。縛りとか多いからね。傑作が生まれるかどうかは知らんが。 4、感想 自分の法月に対する評価を見直した結構な傑作だと思う。この分量でこれだけのガジェットを詰め込んで、しかもラストはきっちり落としているのはさすが法月。ノックスの十戒の第五条をSF的に見たらこんな解答が出てくるのかもしれない。「NoChinaman変換」とか考え付くあたり尋常じゃない。数学の知識もあるらしいけど、普段からSFも読んでいるんだろうなと思った。こういうのも書けるならこれからもSF系の短編をちょいちょい出してくれると嬉しい。 5、著作紹介 探偵法月綸太郎シリーズ 雪密室 誰彼 頼子のために 一の悲劇 ふたたび赤い悪夢 法月綸太郎の冒険(短編集) 二の悲劇 法月綸太郎の新冒険(短編集) 法月綸太郎の功績(短編集) 生首に聞いてみろ 犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題(短編集) その他 密閉教室 パズル崩壊(短編集) 怪盗グリフィン、絶体絶命 ノーカット版密閉教室 しらみつぶしの時計(短編集) 評論 謎解きが終わったら 法月綸太郎ミステリー論集 法月綸太郎ミステリー塾 日本編 名探偵はなぜ時代から逃れられないのか 法月綸太郎ミステリー塾 海外編 複雑な殺人芸術 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nld_nld/pages/466.html
こちらはNLD~法律学研究会~の部員のみが閲覧可能なサイトになっております。 部員の方はパスワードの入力をお願いします。 ログイン こちらはNLD~法律学研究会~の部員が科目選択を行う際の手助けとしていただくためのサイトです。 注意;まだ作成中なのであまりいじらないでください テーマ科目選択はこちら→テーマ科目選択ガイド 法律科目A群の方はこちら→法律科目A群選択ガイド 法律科目B軍の方はこちら→法律科目B群選択ガイド
https://w.atwiki.jp/mekemekedash/
義家弘介研究会 このサイトは参議院議員、元横浜市教育委員、元教育再生会議室長、義家弘介を研究するための資料と検証のサイトです。当サイトに掲載されている文章、画像等は国会議員であり公人である義家弘介のマスコミ上での言動を集め、検証する目的で引用の範囲内で使用しています。 おしらせ 2009.8.14 義家弘介年表1971年3月31日~2008年7月22日 義家弘介年表1971年3月31日~2008年7月22日の解説 追加。 ともに同人誌「義家汚染~ヤンキー脳の恐怖」の原稿を加筆修正したもの。 コミックマーケットにて新刊「俗・義家汚染~人として軸がぶれている」を出します。8月16日(日)東Lー03a ヤンキー風俗研究会 執筆者 幾万の敵の会(後藤和智、遊欝 、みる姉さん)上記の「義家汚染」も販売します。 以前の更新履歴とお知らせ お知らせ 2007.5.21 迷言・珍言集、義家辞典を更新しました。 どくだみ健康食品会社との関係についてに追記。 2007.6.9 経歴を更新、事件簿(教育再生会議編 室長リーク事件)を追加しました。 2007.6.26 動画リンク集のページ、作りました。 経歴に参院選出馬以降を追記しました。 2007.6.29 資料集(その10)フライデー7/13号よりを追加しました。動画リンク更新。 2007.7.3 迷言・珍言集(その3)のページ、作りました。 テレビ事件簿に加藤呼びかけ事件を追加。 2007.7.12 資料集(その11)週刊文春7/12号より 資料集(その12)週刊新潮7/12より 作りました。 2007.8.1 動画リンク集に選挙関連動画を追加。 2008.2.29 事件簿(法務省ビデオお蔵入り血税839万円ムダ遣い事件)、進路変更処分(自称退学)についての考察、資料集13~15を追加しました。 2008.3.1 義家弘介の家庭内暴力について を追加しました。 2008.3.30 資料集(その16)小説「路上の箴言」前編(その1)、資料集(その17)小説「路上の箴言」前編(その2)を追加しました。 資料集(その18)小説「路上の箴言」中編(その1)追加しました。 2008.3.31 資料集(その19)小説「路上の箴言」中編(その2)を追加しました。 2008.4.1 資料集(その20)小説「路上の箴言」後編(その1) を追加しました。 2008.4.6 資料集(その21)小説「路上の箴言」後編(その2) を追加しました。 義家語録『教育とは』を追加しました。資料集(その22)小説「路上の箴言」後編(その3)追加しました。資料集(その23)恩師安達俊子先生からのメッセージ追加しました。 恩師との美談についての疑惑に追記しました。 2008.4.7 義家語録『教育とは』、事件簿(法務省ビデオお蔵入り血税839万ムダ遣い 事件)更新しました。 2008.4.9 経歴更新しました。 2008.4.17 迷言珍言集(その3)更新しました。迷言珍言集(その4:国会編)を追加しました。 2008.6.27 教育とは 結婚の経緯 副業疑惑 加筆修正しました。資料集(その24) 公設第2秘書の兼業について 追加しました。 2008.7.18 経歴を修正しました。 2008.8.9 義家による元教え子たちのエピソード集 追加しました。 2008.8.9 【お知らせ】 コミックマーケット74に出店します。 8月15、16、17日 東京ビッグサイト ヤンキー風俗研究会 17日 日曜日 西 ちー18a 後藤和智事務所offline 17日 日曜日 西 ちー19b 新刊「義家汚染 ~ヤンキー脳の恐怖」 A4 50p(本文46p) 600円 埼京震学舎 17日 日曜日 東 メー04a でも委託販売します。 コミックマーケット、多数ご来店くださった方、同人誌をを購入してくださった方 どうもありがとうございました。 「サンシャインクリエイション41」(平成20年10月5日、池袋サンシャインシティ) 場所はBホール(文化会館4F)「シ」ブロックの15b「後藤和智事務所Offline」にて 「義家汚染~ヤンキー脳の恐怖」を20部販売します。
https://w.atwiki.jp/mrstudy/pages/53.html
概略 MR研究会3期生 総合管理学部所属の男子 MR研究会数少ない男子故に苦労人 恐らく、最初の仕事は「屋上でアンテナの見張り」 ブログで活躍中 K曰く「色んな意味で良いポジション」 M曰く「次世代MRの最先端は彼ではなかろうか」 平成22年4月の人事で渉外部長に就任している。 人事遍歴 2010年4月~ 事業局渉外部長 2010年11月~ 副会長 担当番組
https://w.atwiki.jp/wiki3_emi/pages/4.html
トップページです。
https://w.atwiki.jp/mrstudy/pages/21.html
会長 MR研究会の代表者。現時点ではKが担当している。 ただし、MR研究会では会員平等の方針があり、会長の職務はまとまった意見に対して決裁を下すことである。 なお、会長は部署長との兼任ができ、任期は1年(再任可)で全体会の承認をもって任命される。
https://w.atwiki.jp/tohokusf/pages/94.html
東北大学SF研読書会 「2001年宇宙の旅」 担当:刺身 作者 アーサー・C・クラーク 1917年12月16日 - 2008年3 月19日。イギリス出身。1945年に衛星通信に関する論文を寄稿し、現在、通信の基幹となっている衛星通信の構想を初めて科学的に示したとされる。 戦後、ロンドン大学のキングス・カレッジに入学し、物理と数学を専攻する。1946年、短編『抜け穴』で商業誌デビューする。1956年に、 スリランカ(当時セイロン)に移住し、以降スリランカとイギリスを行き来しながら作家活動を続ける。1973年には『宇宙のランデヴー』で、1979年には『楽園の泉』で、ヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞する。2008年、自宅にて心肺機能不全のため90歳で死去。ロバート・A・ハインライン、アイザック・アシモフと並んでビッグ・スリーと称される。 著作 幼年期の終り 渇きの海 宇宙のランデヴー 宇宙の旅シリーズ 等々 またノンフィクションも多数執筆 登場人物 第一部 <月を見るもの>:身長が150cmに近くヒトザルたちの中でも特に大きい 第二部 ヘイウッド・フロイド:TMA・1についての問題について任された博士。 ジミトリ・モイセーウィチ:フロイドの親友であり月の隔離措置に疑念を感じている。 ロイ・マイクルズ:クラウビス基地にいた惑星物理学者で科学者としてTMA・1のことを秘密にするべきではないと考えている。 第三部 デイビッド・ボーマン:ディスカバリー号の名目上のキャプテン。大学を二回も三回も卒業するくらいの学問を修めている。 フランク・プール:ディスカバリー号の船員で宇宙生物学方面の何でも屋と自嘲している。 HAL 9000:ディスカバリー号に搭載された、船の頭脳と神経系をなす高度に進歩したコンピュータ。 あらすじ 第一部 原初の夜 ヒトザル達の群れは飢えに苦しんでいた。群れは<ほかの群れ>と小競り合いをしながらも大きな諍いになることなく生きていた。そんなある日、モノリスが突如ヒトザルたちの前に現れる。すぐにモノリスへの興味を失ったサルたちであったが、モノリスから鳴り響く音に誘われる。モノリスによって毎夜実験を繰り返されるヒトザルたちであったが、ある時<月を見るもの>は石を使ってイノシシを狩ることを覚える。道具や技術が進歩していくなか、偶然ながらも危険な存在である豹を狩ることに成功したサルたちは世界が一変したことに気づいたのであった。 第二部 TMA・1 月で起きた重大な事態によって、急遽月へと向かうフロイド。月に着いたフロイドはマイクルズ博士によってTMA(Tycho Magnetic Anomaly:ティコ磁気異常)についての詳しい説明を聞く。調査の結果、TMAは300万年前から埋まっていたものだということがわかっていた。実地でTMAを調査し始めたとき、TMAが歓びの声を上げるのを聞くのであった。 第三部 惑星と惑星の間で 宇宙船ディスカバリー号に乗り、土星を目指すボーマンたちと、船の電子コンピュータであるハル。第86日目に小惑星と最接近するということ以外に事件はなく、木星圏についたボーマンたちは、木星へと探測機を落とし、木星の情報を集めるのであった。 第四部 深淵 地球との通信のための装置の故障が予報され、問題のAE35パーツを船外活動で交換するプール。しかし故障すると予報されていたパーツを確かめたところ一切の故障はなかった。このことで地球側からはハルが故障している可能性を示唆される。しかし再びAE35が壊れるという予報を出すハル。地球へと意見を聞こうとした途端パーツが壊れて通信を続けられなくなってしまう。再び船外活動を行うプールだったが、スペースポッドが宇宙空間へと加速を続け星の海へと消えてしまう。このことでハルに疑いを持ったボーマンは他の船員の冬眠コントロールをハルからもらおうとするがハルは強固に反対する。なんとかコントロールをもらったボーマンが他の人を起こしているとエアロックが外れ、気圧差による突風で船外へと投げ出されそうになる。なんとか生き延びたボーマンはハルを停止させ、フロイドから土星へと向かう理由を聞くのであった。 第五部 土星衛星群 孤独な旅を続け、土星圏へと着いたボーマンは土星の衛星の一つであるヤペタスへと辿りつき、そこで月にあったTMA・1のビッグブラザーを見つける。TMA・2と名付けられた新たなモノリス(スター・ゲート)へと突入したボーマンはたくさんの星を見る。 第六部 スター・ゲートを抜けて スター・ゲート内部の光景を眺めていたボーマンはそこが宇宙の操車場だと考える。再び普通の宇宙空間へと戻ってきたボーマンは様々な星を見る。何かの上に着陸したボーアンは地球にありそうなホテルの部屋を見る。そこが宇宙人によって表面上だけ精巧に作られた部屋だということに気づく。部屋でくつろいだ後、ボーマンは睡眠をとった。寝ているボーマンは創造主による干渉でスター・チャイルドへと進化を遂げる。 感想 宇宙空間の描写が40年も昔に書かれたとは思えないほどよくて驚いた。宇宙の旅に出るまでが意外と長かったり噂に聞くハルはあっさり退場したりとちょっと驚いた。ただ始まり方の時点で終わりもなんとなく読めてはいたのだけれども正直ラストのくだりが微妙・・・と感じてしまう自分がいた 余談 映画が初公開の年の暮れ、1968年12月、アポロ8号が史上初めて月の裏側を廻って帰還したが、そのアポロ8号の船長の名がフランク・ボーマンで、本作の登場人物のふたり、フランク・プールとデヴィッド・ボーマンを合成したよう な名前であることが、偶然とはいえ話題になった。 参考 ・モノリス:各辺の比率1 4 9の四角柱 TMA0 約4~5m TMA1 約3m TMA2 600m近く
https://w.atwiki.jp/tohokusf/pages/52.html
SF研読書会「ミミズクと夜の王」 担当 刺身 1.概要 第13回電撃小説大賞・大賞を受賞。電撃文庫には珍しいストレートで童話的な作風が話題になった。大賞を取る以前は作者の個人ウェブサイトで一般公開されていた。ライトノベルとしては非常に異色で、挿絵が一切入っていない。また、『聖剣伝説』のメインビジュアルや企業用カレンダーのイラストを手がけている磯野宏夫による表紙イラストも、一般書籍のような印象を与える。 2.著者 著作 ・著者 女性?石川県出身。金沢大学文学部卒業。ペンネームは誕生石のルビーから。同人誌も書いていて、某同人ショップなどで委託されているようで・・・ ・著作 ミミズクと夜の王(2007/02) 当作品 上記概要。 MAMA(2008/2) 「ミミズク~」とは逆に封印されていた「人喰いの魔物」とその封印を解いたことで魔物の母親となった少女の話。 3.登場人物 ・ミミズク 額に332の焼き印を押された少女。三白眼気味。「夜の王」に自分を食べて欲しいと願い、彼の元に通い続ける。(332→ミミズ? ) ・フクロウ(夜の王) 月の瞳を持つ夜の森の絶対的な支配者。目元から頬に走る入れ墨のような複雑な紋様があり、鴉のような漆黒の翼を持っている。人間嫌いで、静かで綺麗なところを好む。ミミズクからは「フクロウ」というあだ名で呼ばれる。ツンツンデ(ry ・クロ 森に住む魔物で、出合ったミミズクに色々と親身になってくれる。コウモリのような一対の羽に、2対4本の腕、さらには大きく裂けた赤い口など、如何にも魔物という恐ろしい外見をしている。 ・ダンテス レッドアークの国王。灰色の髪と眼球を持つ。自分よりも国を取る秀でた国王で、傾いていた国を建て直した。ツン(ry ・アン・デューク レッドアークの聖剣に選ばれた聖騎士。騎士団の象徴的な存在。 ・オリエッタ アンディの妻で、神殿に務める「剣の処女」。藍色の瞳を持つ。 ・ディア レッドアークの幼き王子。手足が薄く変色しており、生まれた時から動かす事が出来ない。その為、塔の一室に幽閉状態にある。 ・リーベル 王家直属の魔術師団の団長。 4.あらすじ プロローグ ―夜の森― ちょっとラリった少女、ミミズクは綺麗な存在と出会い、あたしのこと、食べてと言い出す。 第一章 死にたがりやのミミズクと人間嫌いの夜の王 目覚めたミミズクはクロと出会う。クロとの会話の中で人であることを何度も否定するミミズク。また月の瞳をもつ綺麗な存在が夜の王であることを知る。やっぱり王に食べてもらおうと王の屋敷へ向かい、会うが寝てしまう。 第二章 幸福への閾値 人の王と聖騎士との会話。聖騎士やる気なし。また、目覚めたミミズクは木の上にいる夜の王に、働くと言うが、ツンツンされる。さらには名前の由来を語るがツン(ry→王のことをフクロウと呼ぶことに 第三章 煉獄の花 フクロウの描いた絵を見て感動するミミズク。フクロウのために煉獄の花の根を取りに行くことを決意する。怪我を負いながらも根を手にいれ、その帰りに人と出会い誘われるがフクロウの元へ向かう。根の見返りに誉められることを望むミミズク。フクロウに額の文字を不思議な不思議な文様に書き換えられる。 第四章 救出 ミミズクの過去。人かっさばく。中に誰も・・・ 村が襲われる。男の人刺す。殺しちゃった?やっぱり喰われたい。人の国は魔王討伐へ。クロちゃんお仕事でしばらくいない。フクロウの過去。もとは人だった。討伐軍に館を焼かれ、絵も焼ける。ミミズクは人に「救出」される。 第五章 やさしい忘却 城で目覚めたミミズク、記憶を失っている。フクロウは捕えられ、魔力を吸い取られている。アン・デュークらと共に城下を巡るミミズク。その後王子と出会う。 第六章 夜の王の刻印 王子は四肢が動かない。不幸対決しようとする王子。友達になる。王子とミミズクの交流。夜、月を探すミミズク。額の刻印は記憶封じの呪文。解呪するが記憶は戻らない。しかし森で出会ったおっさんの話を聞いて記憶を取り戻す。 第七章 騎士と乙女 フクロウの絵を焼いたアンに愛憎両方の感情を持つ。クロあらわる。フクロウはわざと捕まったままらしい。愛を知ったミミズク。クロのしていたお仕事は実は・・・フクロウの優しさを知る。人の王がフクロウから魔力を吸い出しているのは王子を治すため。騎士と乙女の過去と今。 第八章 救出Ⅱ 儀式。ミミズクはフクロウのもとへ。抱き合う。魔力の詰まった水晶を割るアン。王子の手足を治すフクロウ。森へ帰るフクロウとミミズク。 エピローグ ―ミミズクとフクロウ― ミミズクが選ぶ居場所はフクロウのいる場所。死んでも土となり、花となって、隣で咲く。 5.感想 とりあえず、いきなり「イヒヒ」と笑いだす主人公に驚いた。いやイヒヒって・・・ それはともかくとしてこの作品のあまりの「ラノベらしくなさ」におどろいた。魔法の理論、どういった世界か、などなどについてさっぱり説明されていない。よく、魔法は~~力を用いてうんぬんかんぬんみたいなことが書かれているものだが、こういったものについて、読み手の常識?(ファンタジーだから魔法があって、魔物があって、中世ヨーロッパなんだろーなーという)に委ねられている。また挿絵がない(カバーの絵もアニメ調でない)ことも「ラノベらしくなさ」に拍車をかけているように思う。 個人的にはあまりこういった方向性の話は好きではないので、気に入ったとは言えないが、これを大賞に選ぶ電撃文庫の(無駄な)がんばりは伝わってきた気がする。 余談 この翌年の大賞である「ほうかご百物語」は萌え系の絵師を用いた作品だったり・・・ 名前 コメント