約 16,214 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4194.html
「ここはなかなかゆっくりできそうだわ」 「よし、ここをまりさたちのおうちにするんだぜ」 ゆっくりたちの声が聞こえたのは、ちょうど俺が台所に入ろうとしたときだった。 ぎょっとして声のした方をみてみると、そこには2匹のゆっくりたちがいた。ありすとまりさだ。 つがいのゆっくりのようで仲良くすーりすーりしており、俺がいることにはまだ気づいていない様子だった。 どこから入ってきたのかと不思議に思い台所を見渡すと、勝手口がきいきい音をたてて揺れている。 どうやら勝手口を閉め忘れていたようで、こいつらはそこから侵入してきたらしい。 なるほどと納得しゆっくりたちに視線を戻すと、ゆっくりたちも俺に気づいたようで、 「ゆゆ?にんげんがいるわ。きっととかいはなありすたちにみとれているのだわ」 「ここはまりさたちのみつけたゆっくりぷれいすなんだぜ、ばかなじじいはさっさとででていくんだぜ」 「ゆっくりしないでりかいしてね。あと、とかいはなありすたちにあまあまをもってきてね」 と、テンプレ通りなセリフを吐いた。こいつらもしかしてコピペで増えてるのか?と思うほどだ。 俺は大きく息を吐くと、ゆっくりたちに笑顔を向けながら 「お兄さんは急いでいるんだ。だからここでゆっくりしていっていいよ」 と言い、ゆっくりたちの横をすり抜けて勝手口から家を出た。 俺の背中では、 「いなかものがにげていったわ。とかいはなありすたちのしょうりなのだわ」 「ゆっふっふ。きっとこのまりささまにおそれをなしてにげだしたのぜ」 などというゆっくりたちの声が聞こえた。 しばらくして 冷蔵庫の中身を片っ端から放り出していくありすと、それを食い散らかすまりさのせいで、台所は燦々たる状況になっていた。 「ゆっ、ここからあまあまのにおいがするわ、むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」 「ゆっくりしないでそれをまりさによこすのだぜ、はやくするのぜ」 冷蔵庫の奥から放り出されたケーキはべちゃりと床に落ち、生クリームを飛散させる。まりさは即座にそのケーキに飛びついた。 「うっめ、むっちゃうめぇ!!……ゆぅ?」 先にその異変に気づいたのはまりさだった。 「ありす、なんかへんなんだぜ?」 「ゆゆっ?」 次いで、ありすも異変に気づく。かすかな異臭が台所に漂っていた。 何かが焦げるような臭い、そして間もなく、さっきにんげんが入ってきた廊下の方から、黒い煙が立ち込めてきたのに気づく。 「なんだかゆっくりできないのだぜ」 「まりさ、ゆっくりしないでにげましょう」 ありすたちは勝手口に向かうが、勝手口のドアはさっき出て行ったにんげんの手によって閉められている。 「なんでなのだぜ、さっきまではあいていたのだぜ」 そう言ってまりさは幾度も鉄のドアに体当たりするが、まったく開く気配はない。 そうこうしている内に黒煙は部屋を埋め尽くし、台所の至るところから火の手が上がり始めた。 「げほっ、ま、まりさ、はやくなんとかするのだわ」 煙を吸い込んだありすは、クリームを吐き出しながらまりさを急かすが、いくらまりさが体当たりを繰り返そうがドアに変化はない。 「だめなのぜ、ほかのばしょをさがすしかないのだぜ」 まりさは勝手口を開けることを諦め、振り返って退路を探そうとするが、すでに炎は台所の半分以上を埋めており、どう見ても逃げ場などなかった。 それでもまりさたちは、右往左往しながら懸命に出口を探したが、徐々に広がる炎に押され、結局勝手口の前まで戻る羽目になった。 勢いをあげて迫る炎を目の前にして、ずりずりと後退するも、その熱気がゆっくりたちの肌を焦がす。 「ぜんぜんゆっぐりでぎないよおおぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆっくりしないでありすをたすけてね、とかいはなありすだけでもゆっくりさせてね」 「むりだよおおぉぉぉ!!!おそとにでられないよおおぉぉぉぉぉ!!!」 あわてふためくまりさの横で、ありすは心底落胆したような目をまりさに向けた。そして、 「やくたたずのまりさはありすのたてになってね」 そういうと、ありすはまりさを火の手の上がる方に押しやりながらまりさの陰に隠れた。 「あづいよおおおお!!!どぼじでごんなごどずるのおおおおおお!!!」 「とかいはなありすをゆっくりさせるのはとうぜんなのだわ!!!ゆっくりりかいしてね!!!」 「ゆぎゃああああああ!!!あづいいいいいいい!!!」 ぐいぐいと炎の方に追いやられるまりさ。その帽子に火の粉が飛び、まりさの帽子が発火した。 「ああああああ!!!ばりざのおぼうしがああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」 まりさはぼうしを口にくわえ、必死に火を消そうとしたが、三十秒を待たずしてまりさの帽子は灰となった。 「ありすをこんなところにつれてきたばちがあたったのね」 そう言って誇らしげに笑うありす。今この一瞬は、この状況を本気で忘れているのかもしれない。 まりさはわんわん泣いた後、ありすの方をゆっくりと振り返り 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛あ゛り゛ずばじね゛ええええぇぇぇぇぇっ!!!!!」 と、ありすめがけて飛び跳ねた。 しかし、ありすはさっと身を翻してまりさの突進を軽くかわす。 ありすの背中。まりさの向うその先には、さっきまでまりさが何度も体当たりをしていた勝手口があった。 ただしさっきまでとは違い、炎を受けて真っ赤になるほど熱せられている。 じううううううっ!!! 「……!!!」 顔の皮の焼け焦げる音とともに、ボンという破裂音が響く。まりさの目玉が破裂した音だ。 まりさは顔面をドアに貼りつかせたまま何度か体を震わせていたが、やがてずずっと床に滑り落ちそのまま動かなくなった。 ドアには焼け溶けたまりさの目の跡と餡子の甘い匂いだけが残っていた。 「ありすにはむかうまりさはしんでとうぜんね。えいえんにゆっくりしてね」 そう言って勝ち誇るありすの頭上には焼け崩れた天井板が迫っていた。 「ゆゆっ?なんだかおそらがくらくなってき 「今日のニュースです。本日未明、山中の一軒家で火災がありました。 火元が複数あったことから、地元の警察は放火とみて調査を続ける方針で… このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/hitorikakurenbo/pages/542.html
前ページ 2009年3月31日サンショウウオ◆B63gYKJKEYその1 538 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 21 40 30 ID /1xVKv6v0 535補正 http //imepita.jp/20090331/779140 http //imepita.jp/20090331/779290 http //imepita.jp/20090331/779490 539 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 21 42 31 ID /ilpCnMfO 538 一枚目左下に女性の頭ない?540 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 21 44 52 ID eo00et4d0 ブリトニー嬢のダイエットの番組に変えました。http //f.pic.to/10hdpy541 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 21 45 54 ID eo00et4d0 539 マネキンみたいに見える奴? 542 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 21 47 15 ID /ilpCnMfO 541 そうです543 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 21 48 25 ID eo00et4d0 またベランダ撮ってみる。撮ったらまた報告します。 指摘されて気付く己の鈍感さ… TVが砂嵐じゃないから更に落ち着いてきたが ベランダは女性に見える様な仕様なのか… 544 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 21 48 55 ID /1xVKv6v0 540補正 http //imepita.jp/20090331/784700 545 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 21 49 46 ID 7TN9HbRjO みてるよ!がんがれ!546 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 21 53 40 ID eo00et4d0 台所とベランダhttp //c.pic.to/13qdxc 女性の頭部っぽく見えそうな所真ん中にあるけど ベランダの手すりの角がそう見えるんじゃないかな。547 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 21 54 52 ID eo00et4d0 ベランダ動画その1 パスはkero http //syslabo5.orz.hm/up444/download/1238503556.AVI動画(youtube)動画・明るく(youtube) ベランダは終了後にライト照らして撮ってみるよ 548 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 21 58 37 ID /1xVKv6v0 546補正 http //imepita.jp/20090331/790210 http //imepita.jp/20090331/790420 549 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 08 48 ID WGFtd3kpO リアルタイム初遭遇 頑張れ550 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 22 12 07 ID eo00et4d0 一時間経過したので風呂場にも行った。 TVと、けろたんhttp //u.pic.to/xyrg9 けろたん動画http //q.pic.to/xqrlv動画(youtube)動画・加工(youtube) ちょっとだけTVをスペシャにしてしまいました。見たかったんだもの。 一時間経過して、最近の自宅実況の中ではとっても落ち着いてる。 皆さんの指摘もなさそうだね。ギャラリーが少ないだけですかね? まあ、地味実況両生類なんでゆっくりしていってね。 551 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 13 17 ID fthHMPxnO 頑張ってください! 552 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 13 32 ID EGnwyBzP0 がんばれー 553 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 14 07 ID fdvxCzlxO 台所の下の方の収納扉に女の人とばーちゃんと 性別不明のミイラみたいな顔がいる。554 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 22 16 29 ID eo00et4d0 見守ってくれる方々有難う。何かあったら指摘等宜しく。 553 それは判らなかったよ。また台所撮ったので宜しく御願い致します。http //p.pic.to/xu00s 555 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 18 13 ID /1xVKv6v0 550補正 http //imepita.jp/20090331/801880 http //imepita.jp/20090331/802220 556 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 20 47 ID /1xVKv6v0 554補正 http //imepita.jp/20090331/804140 557 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 24 01 ID fdvxCzlxO 553です。 新しく撮った台所には女性も婆さんもオーブみたいな塊もいないみたいです。 ただ歯食い縛ってる爺さんみたいなのがいる? 558 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 26 36 ID hdn9djdAO 頑張って下さい!559 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 22 28 11 ID eo00et4d0 TV動画、台所、台所床付近、ベランダhttp //p.pic.to/xtx00動画(youtube)動画・明るく(youtube)「チャンネルをスペシャに変えてしまいました」 ベランダ動画2個目 パスはkero http //syslabo5.orz.hm/up444/download/1238505655.AVI動画(youtube)動画・明るく(youtube)560 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 22 29 27 ID eo00et4d0 557 お爺さんもちょっと私には判らないが、 何となく左下付近は顔に見えそうな感じがする。 そこかな?561 :サンショウウオ ◆B63gYKJKEY :2009/03/31(火) 22 31 23 ID eo00et4d0 スペシャのお陰でとっても落ち着いて和やかだ… 明日も仕事なので2時間で終了する。 なのでもうちょっとしたら砂嵐に戻します。 562 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 32 28 ID OkUa60FK0 524 二枚目女性に見える。あと上のほうにも。 http //imepita.jp/20090331/810700 563 :本当にあった怖い名無し:2009/03/31(火) 22 34 40 ID /1xVKv6v0 559補正 http //imepita.jp/20090331/811760 http //imepita.jp/20090331/811890 http //imepita.jp/20090331/812020 つづく クリックしてください ↓2009年3月31日サンショウウオ◆B63gYKJKEYその3
https://w.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/158.html
宿題をちゃぶ台でやっつけてる。 いつも小難しいプリントを用意してくれる先生だった。 覗き込んだと思われるレイポンは 「ま・・頑張んなさい。ふふんっ」 といって、台所に今はいるようだ。洗物をする音がする。 あの余裕はなんだ・・・? ハムポンはかさかさっと出てきて今は砂浴びをしているようだ。 そんな一人暮らしの賑やかな静寂の中・・・・ 「きぃぃやぁぁーーーっっ」 静寂を破る悲鳴が響いた。レイポンだっ 「ど・・どうしたっ?」 台所に駆け込むと、黒いあの昆虫がっ 「で・・・でたぁっでたのよぅ」 お化けが出る部屋で、お化けに出たといわれる存在、ゴキブリだった。 僕も正直苦手だった。最近の食生活の向上に伴い、出たのだろう。 新聞を丸めて戦おうとするも間に合わず、ゴキブリは姿を消していた。 「あ・・・あれしましょう。しゅってして・・めぼーってなるやつっ」 レイポンの声は哀れなほどに震えている。 「落ち着いて。何かわかんないよ」 「バ・・バルサンよっ」 「ハムポンがいる部屋でそんなもの使えるかーっ」 「な・・・~~ばかーっっ」 その後夜を徹しての狩をやらされた。宿題はできなかった
https://w.atwiki.jp/brewwiki/pages/1681.html
弟切草 怪魚篇 【サイト名】弟切草 【ジャンル】ホラーアドベンチャー 【課金体系】従量420円 【容量】597KB 【通信機能】なし 【簡易評価】あなたの評価点をクリック! plugin_vote2 is not found. please feed back @wiki. / plugin_vote2 is not found. please feed back @wiki. / plugin_vote2 is not found. please feed back @wiki. / plugin_vote2 is not found. please feed back @wiki. / plugin_vote2 is not found. please feed back @wiki. 2006/12/12 【使用機種】W41SA 【プレイ時間】クリア済 【評価・点数】★★★☆☆ 弟切草アプリ移植版の二つ目?の作品。 三本の中では、いちばんお笑い系に走ってる。かつ、主人公がいちばんアホっぽくてエロい行動を取るシナリオです。 また、分岐の辿り方によっては、つじつまの合わない部分がたくさん見られる破綻ぎみの作品でもある。 たとえばさっき台所に一回入ってるのに、また台所にはじめて来たように入っていったり、、他にも色々。 でもそれも突っ込みつつ笑えます。 怪魚篇のエンディングは三つ。 サイト別/あ行/弟切草
https://w.atwiki.jp/25laboratory/pages/30.html
下駄箱 郵便受け 台所2
https://w.atwiki.jp/ricework/pages/2.html
庫裏の台所 工事中。
https://w.atwiki.jp/ikimonojapan/pages/58.html
うちの台所で。 TO
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/822.html
私達はキョン君が待つ部屋に戻ることにした。 先ほどの手がかりを持って。 ドアを開けると、そこにはなんと朝比奈さん、有希、古泉君がいた。 古泉君は「おじゃましてます」と首を下げ、朝比奈さんは微笑みながら会釈、有希は……相変わらずのノーリアクションだった。 「おや、みんなどうしたんだい?」 私がするべき質問をこなたが行う。 「ああ、俺が呼んだんだ。みんなつかさのことが心配らしくてな」 キョン君が答える。 「そうなの…みんなありがとう」 今度はしっかりと私が答えた。 「あれぇ?かがみ泣いているの?」 こなたのその言葉に私は自分が涙を浮かべていることに気づいた。 「な、泣いてなんかいないわよ!目にゴミが入っただけなんだから!あ、そういえばみんなにお茶でも出さないとね!ちょっと待ってて!」 必死に言い訳を取り繕って私は部屋を出た。 顔が熱い。きっと真っ赤っかになっているんだろう。 なんていう失態だ。私はひたすら後悔しながら台所へ向かった。 台所で、お湯を沸かしながらお茶うけを探していると、朝比奈さんがやってきた。 「あのぉ、何か手伝いましょうか?」 「あ、じゃあ、お茶を淹れてくれないかしら?私、実は苦手で」 「分かりました」 そう言うと、朝比奈さんは急須を食器棚から急須を取り出す。 コポコポ…。 お茶の音を聞きながら、私は戸棚を探る。 「おっ」 見つけたのはお気に入りのせんべいだ。これで良いだろう。 ちょうど良いお皿がないか探していると、朝比奈さんが話しかけてきた。 「……かがみさん」 「ん?何?」 「ええと…今言うべきか悩んでたんですけど…なかなか言う機会がないので…」 朝比奈さんは改まって、そして歯切れが悪そうに言う。 「何よ?何か言いたいことがあるならはっきりと言ってほしいわ」 「あ、そ、そうですね。実は…私はこの世界の人間ではありません。…もっと未来から来ました」 ……んん?私の耳はどうかしたのだろうか?この人はいきなり何を言い出したのか? 「いきなりで信じられないかもしれないけど、私はあなたたちでいう『未来人』なんです」 「ちょ、ちょっと待って。朝比奈さんは…未来人?」 「はい。ある目的があって、この時代に来ました」 何なんだ?本当に何なんだ?私の頭は混乱する。と、その時 ガチャ 有希が入ってきた。 「有希?」 「な、長門さん…!」 有希は私を…ではなく、朝比奈さんを氷のような目で見ていた。 朝比奈さんは私と有希を交互に見ていたが、しばらくして 「あ、あの、ごめんなさい。い、今のは忘れてください。あ、お茶、持っていきますね」 と慌てて、お茶とせんべいが乗ったお盆を持っていった。 私がポカンとしていると、有希が右手を私に向けだした。 何しているの?、と、問おうとした瞬間、有希の口が、目にも止まらない速さで動いた。 ふっと、目の前が真っ白になった。 どれくらいそうしていたのか…気づくと、目の前にドアがあった。 「え?あれ?いつの間に?私、台所にいたんじゃ…?」 周りを見ると、どうやら私の部屋の前らしかった。 私、台所にいて…朝比奈さんがお茶を持っていって…有希が来て…。 駄目だ。その後に何かあったような気がするのに、何も思い出せない。 『何か』あって、その後は…そうか、有希を先に行かせて、私はトイレに行ったんだ。 だったら何で、トイレからここまで来た記憶がないのかしら。 少し不思議だったけど、今はつかさのことが大事だ。 私は目の前のドアを開けた。 作品の感想はこちらにどうぞ
https://w.atwiki.jp/azum/pages/13.html
ぼん 大阪は急にプロレスが見たくなった。 「ちよちゃん、猪木見にいこー」 「いいですよー」 猪木は強かった。 「猪木ボンバイエ~~やねん」 「ボンバイエーー」 「ただいまー」 玄関のドアを開くと同時に、カレーの匂いが大阪の鼻腔をくすぐった。 母親が台所から顔を覗かせる。 「歩、今日の夕御飯はおつ――」 「待ってお母ちゃん。まさかお疲れーて言うんちゃう?」 「……なに言っとるねん歩、いくらなんでもそれはないねんよ」 「…………」 「…………」 「お母ちゃん、汗いっぱい出とるで」 「……鋭くなって来たんやなー」 「ふっ、私は猪木を見て感覚が高まったんや。もう無敵やで」 「そう。ところで今日は、ボンカレーやで」 「ぼん?」 「そうや、ボンカレーゴールド、甘口」 「ゴールド! 甘口! ぼん!」 大阪はそわそわを抑えきれず、靴を脱ぎ捨てて台所にかけこむ。 いい香りが部屋に広がっていた。 「ぼん! ぼん……ぼんばいえーごーるど!」 「うふふ、まだまだやね歩」 後方の視線に、大阪は固まった。 「他にもあるで。ほれ、サーターアンダギーに、チャンプル」 「ちゃ、ちゃんぷるー! さーたーあんだぎー!」 「あら歩、どうして涙を流しとるんやー? ふふふ」 「な、なんで口が勝手に……」 「可愛いわね。はい、ボンカレー」 「いのきぼんばいえー!」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4689.html
ぬるいじめ 「ゆっくりお仕置き」 俺は、お仕置きをするのは苦手だ。 説教できるほど人ができてるわけでもない。 相手を叩くと叩いた分だけ俺の胃が痛くなる。 ~~30分前~~ 俺が、仕事終わってから家に帰ると、台所でうどんげが足を押さえてうずくまっていた。 台所でサラダでも作ろうとしたのだろう。台所のテーブルの上にはレタスの盛られた二つの皿、 まな板の上には棒状に切り揃えられた。にんじんが乗っていた。そして、床に餡子の付いた包丁とにんじんスティックが1本・・・。 恐らく推測するに、仕事で疲れた俺の為にサラダでも作ろうとしたのだろう。 レタスをちぎって、皿に盛りにんじんを切っている最中床ににんじんを落としてしまい。まな板の上に包丁を置いて、 にんじんを拾おうとしたところ、何かの拍子に包丁がテーブルのまな板の上から落ちてうどんげの足にぐさっと刺さったのだろう。 とりあえず、俺はうどんげの足をオレンジジュースで治療した。 ~~ここまで、30分前~~ ~~ここから、現在~~ うどんげの気持ちは正直うれしい。失敗したとは言え、俺の為に夕飯の一品を作ろうとしたのだから・・・ しかし、俺は以前、うどんげと約束したのだ。「台所の物に許可無く触るなよ、危ないから」と、 ここで、何のお咎めも無くうどんげを許してしまうと、他の約束もやぶってしまうかもしれない。 今回は足を怪我しただけで済んだが、コンロをいじって火事になったりしたら、大惨事になってしまう。 だから、お仕置きをしなければならない。 その前にとりあえず、涙目になってるうどんげに聞いてみる。 「うどんげは俺の為に夕飯のサラダを作ろうとしたのか?」 「ゲラ」 肯定のようだ。うどんげは基本的にゲラとしか言わないので理解しづらいが、ニュアンスでわかる。 「おまえの気持ちはうれしい」 「ゲラ!」 うどんげの顔が明るくなる。 「でも、危ないから台所の物に触るなと言ったよな?」 「・・・ゲラ」 うどんげの顔が暗くなる。良くこんなに表情がころころ変わるものだと感心する。そこがかわいいのだが、 「お仕置きだ、うどんげ」 「・・・ゲラ」 うどんげの表情がキリッとなる。 うどんげは、賢い。 自分の善意で犯した失敗の責任を素直に受け止めることができる。 人間・・・俺だって、できるかどうかわからない。 ここまで人?ができているとお仕置きなんかしなくてもいいのでは?と自分に言い訳してお仕置きをやめようかと考えていると、 俺の目にDVDレコーダーが目に入った。そういえばあの番組録ったけど見てなかったな~と、 そこで、いい感じのお仕置きを思いついた。 俺は、居間のソファにうどんげを乗せて、テレビの電源を入れて、画面をビデオにセットする。 次に、DVDレコーダーの電源を入れ、リモコンで操作した。そして、ずいぶん前に録ったある番組を流す。 「うどんげ」 「ゲラ」 「今から、以前録画したままそのままにしていた番組をこれから流す。それが、お仕置きだ。」 「?」 うどんげは理解できないようだ。お仕置きだと言われて、殴られたりする覚悟をしていたのだろう。 肩透かしを食らったような表情だ。 俺がうどんげのとなりに座るとほぼ同時に、その番組が始まった。 「笑ってはいけない警察署24時」 これは、年末の時の番組だ、何でも、何かのゲームで負けた人間に、24時間笑ってはいけないと言うペナルティを課し、 笑った人間はケツに専用のバットできつい一撃がお見舞いされるとか、 「始まるぞ」 「げら?」 ~~30分後~~ 「ゲラゲラゲラカヒッゲラカヒッ」 これは、やばい。 笑いすぎて、うどんげと一緒に見ていた俺も腹が痛い。 うどんげもさっきから、笑いすぎて、呼吸がやばいことになっている。 うどんげは笑い上戸な為、こういう一風変わったお仕置きをしてみようと思ったのだが、効果はばつぐんだ。 ~~さらに30分後~~ 女が言った。 『ここにあるご遺体は、死んでますので、このように』 『ぶぇっ!!』 『叩いても何の反応もありません』 「ゲラ!カヒッ!カ・・・・」 『ここにあるご遺体は、死んでますので、このように』 『ブゴォ!!』 『水をかけても何の反応もありません』 「カッ・・・ヒッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・うどんげ?大丈夫か?」 お仕置きの最中に相手の心配をするのも馬鹿らしいが、うどんげの反応がなくなったのでつい声をかけていた。 うどんげは、気絶していた。 ゆっくりは呼吸しなくても生きていける。しかし呼吸をしなければ苦しいらしい。 そのため、うどんげは、笑いすぎて呼吸困難になって気絶したのだ。 気絶したうどんげを楽そうな体勢にしてやりながら、俺はこういうお仕置きもいいかもと思う。 気絶したうどんげと、明日の腹筋の筋肉痛を心配しながら思った。 このSSに感想をつける