約 441,813 件
https://w.atwiki.jp/monaring/pages/357.html
ニダーの両班 2赤 クリーチャー ─ ニダー・官吏 1/1 二段攻撃 (このクリーチャーは、先制攻撃と通常攻撃の両方で戦闘ダメージを与える。) 逆らえば公務執行妨害。逆らわねば私刑。 33版の 26が投稿したカード。ベーシック第1版にも収録(コモン)。 単色版《ボロスの速太刀》といったところか。官吏というわりにはなかなか攻撃的なクリーチャー。 しかしパワーが1しかないので、このままではせっかくの二段攻撃を生かしきれない。 デッキに組み込む場合はオーラや装備品で強化することが前提になってくるだろう。 コンフラックスにて、《ヴィーアシーノの殺戮士》という上位互換が登場。ニダーの部族シナジーを生かせないと厳しくなってしまった。 両班(やんばん)とは中世~近代の朝鮮における特権階級のこと。武官、文官の総称が両班と呼ばれる。
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/695.html
エバーグリーン・アベニュー 19-233~235・237・239 233エバーグリーン・アベニューsage2005/11/11(金) 20 31 06ID KGXRrp5N カタン編冒頭 主人公のひとり、カタンは大きな屋敷に引きこもり、ひとり寂しく暮らしている少年。 勇気を出して外へ出てみるものの、人々はカタンを見ると よそよそしい態度を取りどこかへ行ってしまう。 落ち込む彼の前に、気軽に声をかけてくる青年と少年が現れる。 そのふたりは精霊界からやってきた精霊だった。 他の精霊たちが集まっている場所に連れて行かれ、彼らが人間界にやってきた事情を聞かされるカタン。 精霊王が人間界を訪問する下準備としてやってきたが、自分たちはこちらの世界のことについて何も知らないため 精霊王をもてなすための人間の代表者探しもままならない。 だから知り合ったついでに、人間界の常識を教える教育係になってくれないかと… ずっと孤独だったカタンはその申し出を二つ返事で引き受けた。 アイラ編冒頭 両親を亡くし、天涯孤独の身である少女アイラ。彼女は今日もまた早くから働いていた。 働き者のアイラを町の人々はいい娘だと誉めそやす。 しかし当のアイラは玉の輿の野望を胸に抱き、小銭が数えるのが至福の時間 世の中金がすべて!の守銭奴であった。 節約のため森に採取しに行った際、奥から話声が聞こえてくることに気づくアイラ。 こっそり覗き見ると、そこにはこれからのことについて話し合っている精霊たちの姿が。 がめついアイラは、さっそく精霊を利用して何か金儲けできないかと考える。 精霊たちの元へ足を運んだアイラは、精霊たちが人間界へやってきた事情を知り 「(これは金儲けのチャンス!)」 進んで教育係を名乗り出た。 共通 あるとき自分以外の教育係の存在を知ったふたり。その上、精霊たちが カタンとアイラのどちらかを人間界の代表者として選んだらどうかと 話し合ってるのを立ち聞きしてしまう。 代表者になれば報酬がますます増える…と大喜びするアイラとは対照的に 精霊たちと交流できればいいとしか考えてなかったカタンはさして興味も示さない。ところが 「精霊王というくらいだから、きっと“どんな願いでも叶えてくれる”」 というアイラの言葉を聞き、自分も代表者になりたいと言い出し始める。 こうして、自分の願いを叶えるために ふたりは代表者を目指すことに…。 234エバーグリーン・アベニューsage2005/11/11(金) 20 31 48ID KGXRrp5N アイラ編 アイラの住む町に予言者が現れるが、精霊たちは予言者には全く予言の力がないということに気づく。 自分の正体を見破った精霊を邪魔に感じた詐欺師は、先手を打って村人たちを煽り、 精霊たちを町から追い出そうとする。 予言者の手配書を持ったカタンが現れて難を逃れたものの インチキ予言者のいう事を鵜呑みにし、一方的に精霊を町から追い出そうとした住人を アイラはどうしても許せない。 母親が病気になった際に誰も助けてくれなかったことから アイラは町の人々には元々いい印象は持ってなかった。 そしてこのとき出来事は、住人に対する不信感を植え付けると同時に 金がすべてという価値観を持たせる原因となる。 「貧乏だから誰も助けてくれなかった、貧乏だから母さんを助けられなかった お金さえあれば助かった、お金があれば幸せが壊れることはなかった…」 インチキ予言者の一件から少し経ったあと、ある貴族が生き別れになった娘を探すため この町にやってきたという噂が流れる。 貴族夫妻が探している娘の特徴は不思議なことにアイラと一致。 もしかして行方不明の娘というのはアイラなんじゃ? はやし立てる精霊とカタンに対し、あたしの両親は死んだ父さんと母さんだけよと一喝するアイラ。 思ってもみないアイラの反応を不審がる精霊たち。 しかし何よりもそのことを変に思ったのは、当のアイラだった。 せっかく金持ちの娘になれるチャンスなのに、どうして? 前のあたしだったら喜んで飛びついてたはず…。 アイラの本当の両親は、やはり娘を探していたあの貴族だった。 再会を喜ぶ両親を前にしても、どこか素直に喜べないアイラ。 今でのような生活を過ごすことはもう出来ないかもしれない… そう思ったとき、アイラは自分が今までどれだけ充実し 幸せな毎日を過ごしてきたかと気づかされる。 娘の真意を知った両親はアイラの意思を尊重する。 そしてアイラは再び、元の日常生活へと戻れることになった。 235エバーグリーン・アベニューsage2005/11/11(金) 20 33 53ID KGXRrp5N カタン編 インチキ詐欺師の一件後、カタンは自分が本当は人間ではなく 天才発明家メイズによって作られた生きた人形であるという事実を告白する。 メイズが死んでしまった時、すごく悲しかったが まったく涙が出てこなかった。やはり自分は人形だから泣けないんだと思ったカタンは 涙を流せるようになりたい、人間になりたいと願うようになったと皆に言う。 そのままでもいいじゃないか、カタンが人形だからって私たちは気にしない 本当に辛いときは涙は出てこないものなんだ…アイラと精霊たちは カタンを励ますが、それでもカタンは涙に拘る。 ある日カタンの元へ、メイズの親友の息子を名乗る貴族が現れる(アイラ父) 父親から託されてたメイズの日記を返しにきたのだ。 自分と過ごした日々を綴った日記、自分宛の手紙 それらを読んでるときに カタンは自分でも気づかないうちに自然に涙が溢れ出す。 ここまでが主人公ふたりのストーリー。あとは条件にそったエンディングを迎えます。 もうひとりの主人公+精霊たちのうち、一番親しい人(ホントは別の条件だが)と暮らすようになる…という結末。 ちなみにカタンが街の人々に避けられてたのは 嫌われたのではなく、町で一番の金持ちゆえ、恐縮されてただけつーオチ。 アイラが貴族の娘から貧乏夫婦の娘になった経緯は 娘をお家騒動に巻き込みたくなかった夫妻が、護衛の男(育ての父)に 一時的に娘を預けるが、男は妻に事情を話す前に他界してしまい 貴族夫妻は護衛の男と連絡が取れなくなった…といったもの 237名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/11/11(金) 22 11 06ID pTZFdchO 235 せ、精霊王は? 239名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/11/11(金) 22 18 52ID KGXRrp5N 237 主人公が代表者に選ばれると ラストにちゃんと人間界に訪問しに来る。 そのとき、主人公は報酬として願いは何だと精霊王から問われるが 本来叶えたかったことではなく「大切な友人(精霊)といたい」ということ願い、 しばらくした後、精霊が戻ってきて、とりあえず主人公の家に住むことになる。 ライバルEDでは、カタンとアイラがそれぞれ、相手の願いを精霊王に頼み お互い同じこと考えたんだねって感じだったと思う。 そして精霊たちは全員元の世界に戻ってしまうけど、二人は交流を続けていく。 ※↑追加修正しました
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/18937.html
登録日: 2009/08/17(月) 00 11 35 更新日:2024/07/26 Fri 21 35 17 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 あかべぇそふとつぅ ぶっこぉすぞ ぶっ殺すぞ ツンデレ ドジっ娘 ヒロイン レイヤー 優柔不断 大人になれない義務 大音灯花 委員長 有葉さんの嫁 璃々子の被害者 甘党 第三章 紫華すみれ 車輪の国 車輪の国、向日葵の少女に登場するヒロインの一人 CV.紫華すみれ 親権者の命令を強制される「大人になれない義務」をもつ 母親に命令されてだがクラスの委員長を務めている 性格はややうっかり者であり、頭は悪くないのにしょうもないミスでテストの点を落としたりしている 両親は離婚しており現在は母の京子との二人 暮らし 普段の生活は母親が作った計画表に沿って行わなければならないためほとんど自由がない 幼い頃に熱湯で左腕を火傷し、跡が残っているため夏場でも長袖の服を着ている 彼女の名言 「――ぶっこぉすぞ!」 「世の中が、いつもそうやって、理不尽な選択をせまってくるというのなら……仕方ないことだって、知ったふうに大人面するような社会なら……私は、一生子供でいい!」 「私はみんなが大切」 「賢一も、大切だけど、お母さんも大切」 「友達も大切…選びようがないくらいに、大切なものが多いんだ」 「それってちょっとわがままだと思うけれど…損をすることもあるかもしれないけれど…」 「それでも私は幸せなんだよっ」 以下ネタバレ 京子は実は本当の親ではなく父親の姉、つまり灯花の伯母にあたる人物 本当の両親がダメ人間であり、灯花に義務を負わせた上に育児放棄をしたために京子がかわりに育てることになった いきなり灯花を育てることになってしまった京子はノイローゼになり、度々精神科に通うことになる 灯花の火傷は熱湯によるものではなく焼きゴテによってできるものに近い これは京子が灯花の誕生日に自分が大嫌いな料理をしてまで彼女を喜ばせようとしたところ、発狂してしまい、彼女に熱した調理器具を押し当てたことによってできた 追記・編集をよろしく △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/auraofthependulum/pages/25.html
メルキア(愛称:メリィ/マスター) 種族:ナイトメア(人間生まれ)/40歳 所持技能:プリースト(サカロス)9、ファイター5、セージ5 一般技能:コック13、マーチャント12、ディスティラー8 七彩の振り子亭の女将。最近プリースト技能が成長して、フォースイクスプロージョンが使えるようになった。 ちなみに本当の両親は亡くなっていると言い張っているが、養父母はまだ健在で隠居暮らし。たまに店の方に顔も出すようだが、その時のメルキアはちょっと珍しいのだとか。 元々ルキスラの冒険者の店≪青い雷の剣亭≫で仕事をしていた冒険者である。というか主人が現役の頃に何度か組んで冒険をした事もある。 昔はものすごくやさぐれていたが、ヴォイドやフィニ、その兄達と冒険を繰り返すうちに段々性格的に丸くなっていったそうな。 ともかく、神官戦士としての能力も高い。だがそれ以上に、経営者+料理人としての腕前というか手腕の方が目立つ。機嫌が良い時は仕事の対価に無料で振舞う事もある。 ただし、気が乗らないと作らない。基本的には店で働いているコボルトのソーとスイが料理しているようだ。 スイは厨房に立ちっぱなしの為、あまり店の方には出てこないが、朝、店内の掃除やベッドメイキングなどで頑張っているらしい。 今更だが、七彩の振り子亭はティザで最も異色の店である。 養父母から受け継いだ店、ナイトメアが主人で、コボルト達が平気で食事を運び、なによりティザで最も美味い軽食屋でもあるのだから。 色々な変遷もあるのだが商人系の有名人とは大体面識があり、時として取引を行ったりもしている。稀にお偉いさんもお忍びで来たりとかもするらしい。 そんな振り子亭だが、彼女の才能はもちろんの事、自分を養女にしてくれた養父母への恩返し、という事を念頭に経営しているのは秘密である。 ちなみに実父母はまだ健在。ザルツの大商会の一人娘として生まれたがナイトメアだった為、捨てられている。 商才は両親譲り、養父母からは料理を教わり今に至る。ある種の天才だが、よく人格に問題があると言われる事もあるそうな。
https://w.atwiki.jp/gumdamblackcat/pages/340.html
【花】 春。 あたたかな風が新たな生命の芽吹きを促す頃、れいむとまりさは恋に落ちた。 ――――― 群れ一番の美ゆっくりと謳われるれいむ。群れを統率する長の長男であるまりさ。二匹は、お互いの両親の勧めで見合いをした。 互いに見知らぬ仲ではなかったが、面と向かって話をしたことはない。 見合いの席には、淡い桃色の花びらで着飾ったれいむと、勇壮な毛皮の衣をまとったまりさが緊張の面持ちで現れた。 面をあげ、数瞬、互いに見つめ合う。 虹色に輝くときめきの花が、二匹の心に咲き誇った。夫婦の絆を手繰り込み、愛すべき者を見つけたのだった。 ――――― れいむは良い妻となり、まりさは良き夫となった。困難も苦悩も悲哀も、二匹の仲を割くに足りるものではなかった。睦み合い、やがてれいむは腹に児を宿した。 まりさは以前にも増して食料の調達に精を出し、れいむは生まれ来る我が子に教育するべき事柄を考えていた。まりさは、気の早いことだと苦笑しながら、溢れる幸福感に身をふるわせていた。 ――――― 夏が過ぎ、鳴り虫の合唱が秋の涼しげな風に乗って運ばれゆく頃、れいむは児を出産した。れいむによく似た美しく愛らしい赤れいむと、まりさに似た強悍で目つきの鋭い赤まりさ。両親は、大切な我が子の未来に幸運の光あれよと願った。 ――――― 花は、その盛りを永遠に保つことはできぬ。いわんや、か弱き小動物の終わらざる日常をば、長らえることも叶わず。 ――――― 積み上げるは難く、崩し去るは易く。歳老いたれいむを棄てたまりさは流れ者のありすと懇ろになり、二匹の子は食料の分配に因るいがみ合いの末に、群れを引き込んだ争いを起こし、その渦中にあって死んだ。 まりさはありすに家財を奪われ、前途に闇を見たれいむは川に身を投げた。 ――――― 冬が来た。 もはや寄り添うべき温もりはなく、庇護を求める手合いもいない。 思い返してみれば、なんと儚い花の夢。散るが悲しく美しくあらば、いっそ川面に波紋を立てん。 清くささやかに流れる水鏡の向こうに、いつか見た虹色の大輪が咲き誇る。 桃色に包まれた伴侶の、淋しげな笑顔が見えた気がした。 完
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/359.html
星は僕達に行く道を教えてくれる では、夜空の星はどうやって自分の行く道を知るのだろうか? 「おいアンタ!アンタこの前、西でスラヴィアの屍徒の一団とドンパチやったガンマンとか言う異界人だろ? アンタに頼みがあるんだ…」 岩の上に座って西で行商人から買った赤ワインを飲みつつチーズを乗せた堅パンを齧っていると、いきなり変な格好をしたドワーフから声をかけられた。 「…知りません。僕はエルフの海賊です。西へは農業を教えに来ていました」 帽子を目深に被って答える。 「そういう冗談は暇な時にしてくれ、俺にはクルスベルグにも西にも知り合いがいてな。 アンタの事はよく聞いているんだ」 油で汚れたツナギを来て、変なゴーグルのようなモノをつけたヒゲのドワーフはそうまくし立てる。 観念した僕は 「一体なんでしょう?今、仕事はお休み中なんですが…」 「アンタにも得になる話だ!取り敢えずうちの作業場まで来てくれ!」 そう言うとドワーフはヒョイッと僕を乗せた大きな岩ごと抱え上げてどこかへ走りだした。 (……まあ、害意は無いみたいだし楽だからいいけど) 僕が運ばれて来た所は小さな天幕が立ち並ぶ集落だった。 「おう!俺は今、ここでご厄介になってるんだ」 そう言いながらドワーフは集落のはずれにあるボロボロの大きな天幕に向かう。 天幕の入り口をめくると、そこには金属でできた長い奇妙な物体が屹立していた… 「これは…まさかロケット?」 「ロケット!?…なんだそいつは?こいつはそんな訳の解らんもんじゃない!星界旅行機だ! 世界を遥か見晴るかす偉大なテミラン様のいと高き御元に行くための物だ!」 「ええと…つまり、天国へ行くための装置なんですか?」 僕がそう答えるとドワーフはいきなり怒り出した。 「天国!?俺はそんな所に行きたがるほど老いぼれちゃいないぞ! 俺はテミラン様と同じ世界を見渡せる位置に行きたいだけだ」 この世界だと、打ち上げに成功した時も失敗した時もどちらも同じく天国に行くような気がしたがそこは黙っておいた。 「なるほど…それでその場所まで行って貴方は何をする気なんですか?」 「神様に文句を言いに行くのさ!…いやすまん、今のは冗談だ。俺は世界の全てを見たいんだ。 だから、俺はこいつを造ったんだ」 ドワーフはそう言いながらロケットに近づき外壁をコンコンと叩く。 「ロケットが完成してるなら僕の出番はなさそうですが…」 「理論上はこのロケットで星界までひとっ飛びで行ける。しかし、問題があってな… つまり……俺の体が星界まで持たないだろうということだ」 ああ、宇宙服までは造れなかったのか。 「僕達の世界には似たような装置とその為に着る服がありますが、そちらを取り寄せられては?」 僕はそう提案する。 「…アンタのとこの星界服は、星界の濃密な神気や世界と星界を隔てる壁を突き破った時の衝撃を中の人間に通さないようにできるのか?」 「……」 僕が返答に詰まった時、天幕の入り口が小さく開いた。 「あれくせいおじさん、ほしのおふねはかんせいちた?」 奇妙なぬいぐるみ(頭部が星型で胴体は樽のような形)を抱いた小さな犬人の少女が入り口からこわごわ顔を出して聞いた。 「まだだアリオン。しかし完成したも同じだ。 俺が星界へ行くための重要な部品が来たからな!」 アレクセイと呼ばれたドワーフは少女にそう答えると、僕の背中をバンッ!と強く叩いた。 衝撃で僕は少女の前までつんのめる。 少女は僕の目をじっと見つめて手を合わせる。 「おねがいしまつ。おじさんをてみらんさまのもとにいけるようにしてくだちゃい」 そう言って拝まれる…正直、こういうのは苦手だ。 それからペコリとお辞儀して天幕を出ていく… 何とも言えない気持ちになった僕は、アレクセイに少しだけ考える時間をもらい集落の方へ向かった。 「ようこそ異人さん。不在の主人方に代わって歓待します。」 集落で住人である犬人達の歓待を受け、乳茶と羊肉を小麦の皮で包んだものを頂きながら先ほどのアレクセイ達の話を詳しい聞く。 犬人達は 「アレクセイとアリオンがご迷惑をおかけして申し訳ない…実は我々は今、西の住民と長い戦をしているのです」 と、訥々と語りだした 犬人達の話では、この地方は東イストモスではあるが西イストモスとの境に近く、両方の先人が穏やかで交流も多かったので双方は比較的穏やかに暮らしていたらしい。 だが近年、遊牧民である東イストモスの住民と定置で農耕を営む西イストモスの住民の間で土地の権利に関しての諍いが絶えず、つい先日、支配階級のケンタウロスに対する刃傷沙汰にまで及び、ついに双方の我慢の限界が来て戦が起こってしまった。 アリオンの両親は士族の従者であり、犬人に珍しく百人隊を任されるほど武芸が達者であった。 そのため、今回の戦でも先陣を切って出陣せねばならず、幼いアリオンはあの奇妙なぬいぐるみ(平原のど真ん中にあいた大きな穴から両親が見つけてきたらしい)と、集落で両親の無事を祈りながら帰りを待つことになってしまったのだ。 アレクセイはクルスベルグ出身で、禁制品である帝国時代の動力機関を再現してしまったらしく国外追放となり、イストモスで行き倒れているところを何年か前にアリオンとアリオンの両親に救われ、現在はこの集落で鍛冶や砥ぎを行なっている。 アレクセイはとても誠実な男であり、彼の今回の奇行は、元々研究者として星界に興味を示していた事もあるだろうが、アリオンとアリオンの両親に対する忠義心から来ているのだろうと犬人の住民は教えてくれた。 僕は、デザートにベリーのようなグミのような甘酸っぱいジャムがかかったパンを頂いた後、話と茶のお礼を言い天幕を辞して、アレクセイの小屋へ向かった。 いつのまにやら外は一面赤く燃えるような夕焼けに包まれていた。 「おお!!やってくれる気になったか!」 小屋に着くと、アリオンとお茶を飲んでいたアレクセイが立ち上がり大きな声で迎えてくれた。 「今回だけですよ。それと…船の準備の方は?」 「もう火精や風精を集めて暖気してある。すぐにでも出発可能だ!」 準備がいいなぁ…と思いながら僕はリボルバーを引きぬき構える。 「…それが願いを叶える神器か」 「ランプの魔神じゃあるまいし、そんな便利なものじゃありませんよ」 そう言いながらハンマーを上げて撃つ。 タンッ!と軽い音がして、撃たれたアレクセイの周りが一瞬輝く。 「何も変わったように思えんが…」 「大丈夫、ちゃんと宙の強い神気や熱衝撃などを遮断してくれますよ。ただ…」 「分かった!お前を信じよう!善は急げだ!!」 そう言うと話を最後まで聞かずにアレクセイはロケットに乗り込んだ。 (いいのかなぁ…) そう思っていると服の袖をチョイチョイとアリオンに引かれた。 「ありがとうございましゅ。おじさんをてみらんさまのもとにいけるようにしてくりぇて」 丁寧にお礼を言われた。 ただ、僕はそのお礼を聞きつつ視線は抱きかかえられているぬいぐるみに向けていた。 なぜならそれが自分に向けて強い意思を送っているように感じたからだ。 僕は「ちょっとごめんね」と言い、ぬいぐるみに弾丸を撃ってみた。 アリオンがどうしたんだろう?という目で見ていたが、特にぬいぐるみにはなんの変化も無かっ… ピクッ ……今一瞬、動いたような気がしたけど気のせいかな? とりあえず僕は、ごめんねと言ってアリオンにぬいぐるみを返してロケットの発射を見守る事にする。 数分後、轟音を立てながら天幕を豪快に突き破ってロケットは星界に昇って行った。 (アリオンを抱えて潰れた天幕から逃げ出したのはご愛嬌) 「ロケットを外に出すか天幕を片付ければ良かったのに…」 「おじさん、あわてんぼさんだから」 そんな事を言いながらしばらく一緒に空高く昇っていくロケットを二人で見ていた… と、いきなり 「た、大変だー!異人さんが巨狼の群れに追いかけられてこっちに来るぞーーー!」 見張りをしていた住民の声が聞こえる。 嫌な予感を感じて僕はアリオンを置いてそちらへ走る。 「ししょー!どこっすかー!?弾貸して下さーーーい!!いや、もう誰でもいいから38口径の弾貸してくれーーー!!」 ああ、予感的中だ… 声の方に走ると黒いロングコートと帽子を被った東洋系の大男がこちらに走ってきていた。 「お!やったー!師匠!弾貸して下さい!!」 僕は男にクリップで止めた銃弾を放おってやりながら 「またですか!臨悟くん。君は何でいつも厄介ごとを連れてくるんですか!!」 「やだなー!キッドって呼んで下さいよ。 やー…参りましたよ!腹が減ってたんで死んでた鹿の肉食べたらアイツらが捕ってたご飯だったらしくて…」 彼が親指で指し示す先を見ると3mはありそうな巨大な狼らしき生物が怒りに燃えた瞳でこちらに突進してきていた。 「とにかく、集落に迷惑がかかりますから離れた所までアイツらを誘導しますよ!」 「えー…久しぶりにちゃんとしたメシを食いたかったのになぁ」 ブーツで脛を蹴りつける。 「~ッ!?」 「とっとと来い!スカタン!」 「さ、さー…いえっさー」 僕は集落とは別方向に走りだす。片足を抱えてぴょんぴょん跳ねながらリンゴがそれに続く。 何でこう休み中に面倒事が起こるんだろう?と愚痴りながら星明りを頼りに夜の平原を疾走する。 その日、オストモスのある集落から一人のドワーフと一体のぬいぐるみが消えた。 友達を一度に二人も無くした少女はこの世の終わりとばかりに嘆き悲しんだ。 しかし、三日後にその泣き顔は笑顔に変わることになる。 急に停戦条約が結ばれ、戦地に行った両親が無事に戻って来たのだ。 何でも戦争を始める前に必ず行う星の導きを得ようとする儀式をしたが、いきなり見たこともない奇妙に動く2つの星が現れ、儀式を中断せざるを得なかった。 この不可思議な出来事に対して両陣営の星占術師達は一様に、これは神がこの戦を止めるべきであると考え我々を導かれたのだと訴え 東西両方の士族達が緊急に協議の場を設けて今回の停戦に相成ったのだ。 その後、トントン拍子で和平協定が結ばれ、土地の問題は東西で公平に土地の境界を決める事まで決まった。 東西の住民は、新たな星を現して戦を止めた星神に感謝し、星が現れた日を東西交流のための祭りの日と定め、毎年盛大なお祭りを開くことになった。 「めでたしめでたし…と言うわけですかな?星神殿」 「…うん。 わたしもあたらしいともだちができたし、なつかしいともだちにもあえてしあわせ… ありがとう、ふるくあたらしいかみがみ」 「建国時に貴方には大変お世話になりましたから…では、また何かあればお呼び下さい。できるだけ尽力しましょう」 「ありがとうれぎおん。とりのかみのこともおねがいね?」 「はい、では…」 星は輝き続ける。まるで地上全てを見守るように… 蛇足 新しい星が現れて数年経ってから、星の鉄でできた箱が宙から降って来た。 中には誰も見たことの無い図や字で書かれた本が入っており、星神様の落し物として集落で大切に保管されている。 しかし、もしクルスベルグの技術者がこの本を見たら驚いて腰を抜かしただろう。 その本にはクルスベルグ研究者の専門文字で、星界のことや星界から見たこの世界のことが詳しく図入りで書かれていたのだから… 世界と世界の交流が進んで双方で色んな知識が行き交うようになるとそれまで思いもしなかった行動やものつくりをし始める異世界の人はいるんだろうなと想像させた -- (としあき) 2012-11-13 23 07 38 ロケットがスムーズに発射成功したのに驚きました。それだけ入念にアレクセイが作りこんでいたということでしょうか。戦を止めた星の動きが神と出会い彼が願ったことなのかは星のみぞ知るでしょうか -- (名無しさん) 2013-09-03 17 21 13 世界の交流が新しい夢と道を作るっていいな。結果や影響がどうあれ全力を尽くす姿は熱いものがこみ上げる -- (名無しさん) 2014-02-04 00 14 33 色々な文化と人の想いが重なってる。温度差も上下混ざってる。どちらの世界でも人は見上げる空の果てに行ってみたくなる行くものか -- (名無しさん) 2017-03-20 17 08 07 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/4735.html
イドゥナ王妃 名前:Queen Iduna デビュー:『アナと雪の女王』(2013年) 概要 アレンデールの王妃。夫はアグナル国王。二人の娘エルサとアナがおり、エルサは生まれながらにして氷の魔力を持って生まれた。ルナード国王は義父にあたるが、アグナルと結婚したときにはすでに故人となっていた。 娘たちと容姿が似ており、彼女のキャラクターモデルはエルサをもとに作られている。 『アナと雪の女王』の冒頭で海難事故に遭って亡くなってしまう。彼女の遺品はアレンデール城の廊下に飾られている。 + ... 『アナと雪の女王2』でノーサルドラ出身であることが判明する。ノーサルドラとアレンデールは戦争状態となるが、イドゥナが敵国の王子であるアグナルを瀕死状態から助けたことで、精霊から娘のエルサに魔法の力を贈られた。イドゥナはエルサが魔力を持って生まれた理由を自覚していなかったため、真実を求めてダーク・シーを渡っている最中に遭難した。 映画を通して描かれる謎の声の正体は彼女の声であり、北欧で家畜の群れを呼ぶ時に使われる伝統的な高い声を参考にしている。 イドゥナという名前は『アナと雪の女王』には登場していなかったが、彼女の墓碑にルーン文字でIdunn(英語読みでIduna)と記載されていたことから名前は判明していた。Idunnには「永遠の若々しさ」「再び恋に落ちる」といった意味があり、北欧で人気のある名前だという。 エピソード アナと雪の女王 アレンデールの王女エルサは生まれながらにして氷の力を持っていた。エルサが8歳でアナが5歳の時、遊んでいる時に誤って妹のアナの頭に氷をぶつけてしまう。両親であるアグナル国王とイドゥナ王妃は、リヴィング・ロックの谷に住むトロールの長パビーのもとを訪ねる。パビーはアナの治療を施し、念のためアナの記憶の中からエルサの氷の力に関する部分だけ消去する。エルサは力を暴走させないように王から手袋をもらい、城の一室に引きこもりがちになる。それから10年後、両親が海難事故に遭って亡くなってしまう。 アナと雪の女王 家族の思い出 アグナルとイドゥナはエルサの「お祝いの鐘」のリプライズの中で、子供の頃のクリスマス*の回想に登場する。エルサはアナから家族のクリスマスの伝統について訊ねられ、ユールの鐘という国の伝統はあるが、家族の伝統は思い当たらないと話す。 アナと雪の女王2 子供の頃、エルサとアナは両親から魔法の森の物語を聞いていた。二人の父アグナルは父親のルナード国王とともにノーサルドラという民族のもとへ赴いた。ルナードがノーサルドラにダムをプレゼントし、ノーサルドラのリーダーと今後のことを話し合おうとしていたところ、ノーサルドラがアレンデールの兵士を襲撃してきた。両者の戦争に森を守る火、水、風、大地の精霊は激怒し、森は霧の中に呑まれてしまった。アグナルは何者かに助けられて国に戻り、その日のうちに国王になったという。一方、母のイドゥナ王妃は全ての記憶を持つ魔法の川アートハランの子守唄を聞かせる。 『アナと雪の女王』から3年後。謎の声に呼ばれていると感じたエルサはイドゥナの歌を思い出し、謎の声に導かれて魔法の森へと向かった。エルサの魔法と風の精霊ゲイルの竜巻によって、アグナルが何者かに救われた瞬間を描いた氷の像が姿を表す。それによるとアグナルを助けたのはノーサルドラの少女であった。エルサとアナはそこでノーサルドラの少女ハニーマレンから、イドゥナの形見がノーサルドラに伝わる高貴な布であることを知り、イドゥナがノーサルドラ出身であることを知る。 エルサ、アナ、オラフはさらに北を目指し、そこにはなぜか南方のサザン・シーで遭難したはずの両親の船が打ち上げられていた。その状況から、両親はエルサの魔法の秘密を探るためにアートハランを目指してダーク・シーへ向かい遭難していたことが明らかになる。両親の死に責任を感じたエルサに、アナは「エルサが敵であるアグナルを救ったイドゥナへのごほうびだ」と語る。 エルサはアートハランに辿り着き、アートハランのイドゥナの記憶と対峙する。エルサとアナは協力して真実を明らかにし、アグナルの父ルナード国王がノーサルドラを制圧する目的で建設したダムを破壊した。エルサは第5の精霊として魔法の森に残り、アナがアレンデールの新女王に就任した。ノーサルドラとアレンデールは和解し、アレンデールの広場には両者の結束を象徴して、若き日のアグナルとイドゥナの像が建てられた。 ゲーム ディズニー スピードストーム 2023年11月30日に開始したシーズン5から登場した、「アナと雪の女王」のレーサーが装備できるレアリティ「レア」のクルー。名称は「イドゥナ王妃」。 装備したレーサーの加速、戦闘と、スキル「ボム」の性能を向上させる。また、戦利品ポイントボーナスも付与する。 テーマパーク 『アナと雪の女王:ライブ・アット・ザ・ハイペリオン*』のフィナーレでは、アナとエルサを見守る精霊として登場する。 登場作品 2010年代 2013年 アナと雪の女王 2016年 アナと雪の女王:ライブ・アット・ザ・ハイペリオン* ※ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー 2017年 アナと雪の女王 家族の思い出 2019年 アナと雪の女王2 2020年代 2023年 ディズニー スピードストーム(クルー) ※シーズン5(2023年11月) 声 ジェニファー・リー*(2013年) エヴァン・レイチェル・ウッド(2019年) 最所美咲(2014年) 吉田羊(2019年)
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/663.html
【パーソナリティ】 名前:“弱虫”レミル 年齢:10 性別:男 瞳の色:金 髪の色:亜麻 肌の色:白 【クラス】 スカウト/1 ブラックマジシャン/1 リンクス/1 【シャード】 色彩:緑 形状:八面体 場所:チョーカー 加護:《ヘイムダル》《オーディン》《ウル》 【ライフパス】 出自:親衛隊 境遇:奈落への恐怖 邂逅:血縁 特徴:猫の技/【命中値】+1 【クエスト】 アスガルドの探求 恐怖の克服 【コネクション】 名前 関係 解説 “金虎”クレメンス 血縁 怒ると怖いが普段は優しいお姉ちゃん。でもよく怒る。 【能力値】 体力:10/+3 反射:11/+3 知覚:13/+4 理知:12/+4 意志:12/+4 幸運:15/+5 【戦闘値】 ベース クラス 未装備 右手 左手 防具 その他 合計 命中値 4 2 6 0 0 6 回避値 4 1 5 +1 6 魔導値 4 2 6 6 抗魔値 4 1 5 5 行動値 7 4 11 -2 9 耐久力 10 7 17 17 精神力 12 8 20 20 攻撃力 2 2 刺 +2 殴 +0 +2 刺 +6 斬 2 2 防御修正 刺 2 2 殴 0 0 射程 40m 至近 40m 戦闘移動:14m 全力移動:28m 【特技】 特技名 LV 種別 タイミング 判定 難易度 対象 射程 代償 効果 感覚強化 1 - 常時 自動 なし 自身 なし なし 【知覚】【反射】判定+2 奇襲攻撃 1 - メジャー 命+2 対決 単体 武器 6MP ダメージ+2D6、1シーン1回 クイック 1 魔 オート 自動 なし 単体 15m 4MP [命中判定]に+2 サンダーフィスト 1 魔 メジャー 魔+2 対決 単体 至近 5MP 雷 3D6ダメージの魔法攻撃 ファイアアロー 1 魔 メジャー 魔+1 対決 単体 15m 3MP 炎 2D6ダメージの魔法攻撃 ロケーション 1 魔 メジャー 魔 本文 自身 なし 2MP 失われた物品や人の居場所を探知する 猫の手 1 ビ 常時 自動 なし 自身 なし なし 《魔法弓》と「種別:射撃」のダメージ+2 魔法弓 1 - オート 自動 なし 自身 なし 1MP 魔法を「種別:射撃」の武器の射程にする 【アイテム】 ショートボウ、バックラー、リンクスの服、ポーション(2個)、MPポーション 【所持金】 170G 【設定】 “金虎”クレメンスから見ると従弟に当たるリンクスの少年、なのだが、 リンクスに血族や親族の概念はないので別に扱いが特別ということはない。 彼の両親はバラムである“雷鳴弓”シアックと“風鳴らし”ミミの2人。 奈落の魔物を前に仲間を見捨てて逃げ出したことに自責の念を抱いており、 自分の臆病をなんとか克服したいと独りで旅に出ることを決意した。 いつの日か立派なバラムとなり、クレメンスに優しく誉めてもらうことが当面の目標。
https://w.atwiki.jp/789436/pages/104.html
どれだけ歩いただろう。 日はしずみ、辺りは暗くなっていた。 それでも、モララーを除く二人は、ペースを落とさず歩き続けていた。 「なぁ、今夜どこで寝るんだよ。まさか野宿じゃないよな。」 「バーヤ、バーヤ。」 「ここから少し行った所に町がある。だって もう少しモナよ、がんばるモナ。」 モララーは分かったと返事を返すと、二人にペースを何とか合わせた。 ―数十分後― 「バーヤ。」 「着いたぞ。だって へー、『フェボンタウン』って、いう町なんだ。はじめて聞く モナ。」 「げっ!」 「どうしたモナ? モララー」 『フェボンタウン』と書かれた看板をみていた、モナーがモララーのほうをみる。 「フェボンタウン・・・。俺この町の噂きいたことある、結構あぶないらしいぞ。」 「結構あぶないって・・・・・まさか!モンスターが出て来たり、呪いがかけられて いるモナ?」 「そんなわけないからな! そういうことじゃなくって・・・・この町は…。」 モララーは途中で口をふさぐ…。 「…と、とにかく、夜は信じられないほど真っ暗になるから外出禁止なんだからな!!」 そういうとモララーは一人で町の中へと走り出した。 取り残された二人は様子が変なモララーを見て、何かが起こるとうすうす感じていた。 そしてその予感は、皮肉にも的中する。 モナーとミョーギコはお互いに黙りながら町の中、モララーを探していた。 黙っている理由は簡単だ。 ここへ来たときのモララーの目。 大きな彼の目がかすかに光っていたからだ。 フェボンタウン、見たところは大都心。 現代でたとえる東京の新宿見たいなところだ。 この町(大都市)の中からモララーを見つけることは不可能だ。広すぎる。 そのことを二人はちゃんと分かっていた。 けれどもやっぱり二人は歩く。 「ミョ…。」 突然、妙ギコが声をあげる。 「ど、どうしたモナ?」 モナーは妙ギコの目線をたどる。 「!!」 モナーは驚きのあまり声が出なくなっていた。 二人の目線の先そこには、電気屋の一台のテレビに映っている映像。 『政府の目的は全国のギコの大虐殺』というテーマの映像。 同時刻。 モララーもこの情報を手に入れた。 「今度はギコが」 つい口から出てしまったこの言葉。 この言葉にはどんな意味がこめられているのかはモララーと今は亡き彼の両親が痛いほど知っていた。 道行く人々がモララーを見つめる理由。 原因は十年前にあった。 「あ、あったモナ。」 「ミョー?(本当?)」 図書館で十年前の記事を見ているモナーとミョーギコ。 二人はあの後、「また十年前と同じことだ」という通行人のひそひそ話を聞いて、その事について詳しく知るためにここにやって来たそうだ。 モナーの指先には一面に取り上げられている大きな見出し記事。 「…こ、こんなの許せないモナ!!」 バタっと椅子が倒れた。 「ミョ!ミミョー!!」 ミョーギコが落ち着けと、伸びる耳でモナーを止めようとするが、流石はモナー。あっという間に消えてしまった。 ミョーギコはモナーが片づけずにそのままにしてしまった、スクラップをもう一度見た。 「ゼンコクノ…モ…ラ…ラー、ゼンメ…ツ…。」 ミョーギコはそれを片付けるとモナーの後を追いかけた。 そのころのモララーは、フェボンタウンの近くに位置する野原で空を見上げた。 オレンジ色に染まって行く、広大な空を。 今は遠い昔のように思える、あの惨劇のことを考えていた。 「ギコも俺のような目に・・・・。あれは今からちょうど十年前だったかな・・・。」 「うん、うん、それで?詳しく聞かせてほしいモナ」 「あぁ、あれは・・・・・てっ、モナ―いつのまに!?」 モララーが後ろを振り向くとそこには、モナーが立っていた。 だが、モナーの目は珍しく真剣だった。 モララーはそのまま話を続けた。 「あれは、十年前だったかな・・・・」 2ちゃんねるでは虐殺が流行っていた。 その標的はモララーだった。 町では、毎日のようにモララ―たちの悲鳴がきこえ、死体が散乱していた。 なぜそうなったか、それはモララー自身もいまだによくわからない。 ただ、今回のように政府が関係していたのはたしかだった。 モララーとその両親は虐殺を恐れあっちこっちへ逃げ回っていた。 「お父さん、お母さん。何で僕たち逃げてるの?」 母親に抱かれているモララーは問う。 しかし、両親は問いに答えず、ただ走っていた。 今や、モララー族以外のAAは敵だ。 あっちに行っても、敵。 こっちに行っても、敵。 何処に行ってもいるのは、敵。敵。敵ばかり。 少しでも逃げ遅れれば、殺される。死ぬ。 無理やり人生にピリオドを打たされる。 嫌だ。死にたくない。 みんなこう言ってた。みんなこう言いながら、消えていった。 残酷だ。酷すぎる。 偽り。もう、全てが嘘にしか見えない。 信頼。今、誰が信じられる? 突然、二人の足が一軒の家の前に止まる。 「どうしたの…?」 モララーは心底不安になったのか、母親に話しかける。 が、答えたのは、母親ではなく、父のほうだった。 「……さよならだよ。モララー…。」 「え?」 モララーは直に聞き返したが、両親の耳には届かなかった。 ゆっくりと、幼い体が地面に下ろされる。 モララーを支えていた母親の手が、かすかに震えていたのを、今でもモララーははっきりと覚えている。 父が、その家のチャイムを鳴らす。 ピンポーン…― ドアがゆっくり開く。 一人の男性AAが中から出てきた。 そのAAは三人を見て、 「くると思ってたよ。」 と言った。 父の友人のようだった。 「きた理由も?」 父がきいた。 「あぁ」 「なら話が早い。かくまってほしい。」 モララー族の中には、仲のいい別の種族に「かくまってほしい」と頼む者もいる。 もし虐殺者にみつかったら、モララー族が虐殺されるのはもちろん、かくまった者も・・・・・ 「残念ながらうちでかくまうことはできない。家には子供が一人いるんだ。もしものことがあったときに、その子に何かあったら・・・・・・。」 かくまってくれる人は少ない。 虐殺者に殺されたくないんだ。 死ぬのが怖いんだ。 自分の家族が目の前で殺されていくのを見たくないんだ。 それは、モララー族にとっても同じことなのに・・・・・・・・・・。 「なにも三人全員といってるわけじゃないんだ。せめてこの子だけでも。」 「じゃぁ、おまえ達二人はこれからどうするんだよ。」 「とにかく逃げるよ。虐殺者から。多分無理だと思うけど・・・。」 父は下を向いた。母親は泣きそうだった。 「わかったよ。」 父の友人は静かに言い、母親からモララーを受け取った。 「悪いな・・・。頼むぞ」 「あぁ・・・。」 モララーの両親は軽く頭を下げ、その場を立ち去った。 父の友人はモララーを抱きかかえ二人が見えなくなるまで見送った。 「えぇ! じゃぁ、モナの家にモララーがきた理由って・・・。」 モナーが口をはさむ。 「あぁ、今話した通りだ。」 モララーの父の友人、それはモナーの父だった。 「モナはてっきり、季節はずれのサンタさんからのプレゼントだと思っていたモナ。」 「なんだそりゃ・・・。まぁでも、俺も初めはモナーの親を自分の親だと思ってたし、このことを知ったのは、コソーリと盗み聞きしたからさ」 「盗み聞きねぇ……」 しばらくの間をおいてモララーは再び口を開く。 「それから、後から分かったことがあるんだ。でもこれは君には関係ないかな」 そういってモララーはネオンで輝く街を見つめた。 モナーはおずおずとモララーに話しかけた。 「あ、あのやっぱ気になるモナ……。でも別にモララーが言いたくないなら別にいいんだけど……」 モララーは顔を夜空へと向ける。モララーの顔にはうっすらと笑みが浮かんでいた。 「じゃあ、話そうかな」 モララーの瞳に大きく映った月。 すると突然、モララーは目を見開いた。 「モナー! 今何時!」 モナーは腕につけていた時計を見るが、逆につけてしまったため、なかなか時刻を読むことが出来なかった。 「え、えっと……。もういいや、適当で十一時!」 「いいわけあるか! とにかく、今まで僕たちは重大なことを忘れていたんだ。だから探しに行くよっ!」 モララーはそういうとモナーの手を掴んで街の方に走り出した。 「な、何をモナ!」 モナーの声は街の声に掻き消されてしまった。当然その声がモララーの耳に届くことは無かった。 「ミョーギコぉ!」 モララーの叫びにも等しいこの声すらも、街のざわめきには歯が立たなかった。 そのころ、ミョーギコはフェボンタウンをさ迷っていた。 「ミミョー…」 この呟きの意味はその本人と、モナーしか知らない。 ミョーギコがうつむきながら道を歩いていると、突然自分のものではない影が浮かぶ。 「おい、もしかしてにーちゃんギコ族なんじゃないの?」 ミョーギコの目の前には、おそらく酒に酔っている一人のアヒャ族が立っていた。息がとても酒臭い。 「ミョー!」 と、ミョーギコはすかさず答えるが、やっぱり普通の人には何て言っているか分からない。 そのアヒャ族は何処からかナイフを取り出す。 「にーちゃんの首を政府に持っていけばいくらでも金が貰えるんだ。だから俺の為ににーちゃんの首くれないかな?」 ミョーギコは数歩ほど後ずさるが、後ろには壁が位置していた。そして左右にも壁。 いつの間にか四方八方を挟まれていたのだ。 << TOP リレー小説TOP >>
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/87.html
タイムリミット 俺の命にはタイムリミットがあった。 小さい頃に心臓疾患が見つかって、俺の両親は『成人式を迎えられたら神様に感謝してください』と言われていた。でも奇跡は起きて、とりあえず俺は成人式を迎えられる。 そしてもうひとつタイムリミットがある。これは自分で自分に決めた時間制限。 「はい、じゃあ胸見せて」 聴診器があたる瞬間はいつも体がこわばる。聴診器が冷たいせいもあるけれど、心臓の音がいつもより早くて緊張するからだ。 「今度、成人式だって? 良かったね。ドーム行くの?」 目の前の人のいつもよりしわくちゃの白衣が気になる。また病院で寝たのかな。 「行かないよ。友達と麻雀大会する」 「何、それ。もったいないな。一生に一度だよ?」 髪もボサボサ。でも暇な先生よりいいけどね。 「一生に一度だから、つまらない話を聞くのに時間を使う方がもったいないじゃん」 「この時を一番待ってたのはご両親だよ。親孝行しておきなよ」 「いいんだよ。俺、親不孝だもん」 診察室ではいつもたわいもない話だ。 「後で絶対後悔するよ」 「後悔って? いつ頃すんの?」 「君が子供を持つ頃くらいかな」 「じゃあしないよ」 服を着ながら俺は答えた。俺は親不孝だって言ったでしょ。 「今の医学の進歩はすごいんだぞ。大丈夫だよ」 「そうじゃなくて。医学が進歩しても、俺、女の子を好きになれないもん」 「え?」 絶句するよね。でも、そんな話題ふる方が悪い。 「……そうか。そうだよなあ…。でも……」 「いいよ。無理して答えようとしなくても」 このまま行けば俺は成人式まで生きていられるだろう。 神様がくれた奇跡だ。だから贅沢は言えない。もうひとつ奇跡を下さいなんて。 「俺、成人式を過ぎたら先生に言おうと思ってた事があるんだ」 「今でもいいじゃない。何?」 「今はダメだよ。何の準備もしてないから」 「準備って?」 「発作、起こすかもしれないから」 「脅すなよ」 「脅してないよ。親切心だよ」 この恋心をかかえたままだと、俺の寿命は確実に縮まる。それだと先生も悲しむだろう。悲しんでくれるよね? だから決めた。 もうすぐこの不毛な恋が終わる。