約 2,765 件
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/623.html
2012年07月31日 (火) 22時20分-鈴生れい そわそわと落ち着きなく、貧乏揺すりが止まらない。その子は大きなドアに背を向けて眉間にしわを寄せて立っていた。 「どうかしたのかい?」 珍しいこともあるもので、何の面識もないその子に話しかけていた。 「・・・・・・彼氏待ち」 ついと視線を持ち上げてくれたはいいものの、不機嫌そうな口調で投げ捨てる様に答えられた。またその視線は落ち込み、当然と言うべきか、会話を続ける気はないらしい。 ふぅんと頷いて、少し気になって辺りを見回してみる。時々走ってくる車以外は特にうるさいものもない長閑な住宅街。どうやって来るのかは知らないけれど、彼氏らしき人は見当たらない。待ち合わせに遅刻しているのなら、不機嫌は当然だろう。時間にルーズなのかな。 「そういう意味じゃないの」 訊ねたら、嘲笑うかのような返事。初対面の人への気遣いなんてあったもんじゃない。けど、胡乱な男に話しかけられたらこんなものかな。くすりと笑いを漏らす。 「何が可笑しいの?」 益々不機嫌を増した顔に慌てて僕はかぶりを振った。無意識に笑ってしまっていたようで、誤解されては敵わない。 「それで、どういう意味?」 改めて僕が訊くと、一瞬呆けた顔になったけれど、すぐにさっきの会話を思い出したようで、少し得意げに顔を歪めて、ふんと鼻を鳴らした。 「今ね、彼氏と喧嘩してんの」 喧嘩・・・かぁ。破局するかもしれないというのに、何故そんな不敵な笑みを浮かべられるのだろう。そこにどうやら事情があるみたいだ。 「彼氏のこと嫌いなの?」 「は? だったら待ってないし」 本題からはずれてしまうけれど、どうしてそう人を侮蔑する態度をとるんだろう。あまりお得な性格じゃないなぁ。 ひくっと動いたこめかみは気付かれなかったようで、胸を撫で下ろしながら続きを拝聴する。 「だぁからね、喧嘩してるから、彼氏が謝りに来るのを待ってるってこと」 また、その不自然さにも理由があるのかな。 「どうして彼氏が謝りに来るって分かるの?」 「鈍過ぎ。あんたモテないでしょ」 ・・・・・・コホン。 「要は、甲斐性の見せどころってやつよ。どうやってこの場を丸く収めるかって」 それはまた、男からしてみると随分と理不尽な期待だ。この子が特別なのか、はたまた一般的にこんな具合なのか。僕には判別がつきそうもない。 「もし、来なかったら?」 「そんときは別れるだけよ」 随分と軽々しくそんな言葉を言うようだ。世間にはこんなカップルがいっぱいいるのだろうか。個人的には、あまりあって欲しくないけれど。 いつの間にか不機嫌も持ち直したようで、貧乏揺すりも眉のしわ寄せもなくなっていた。饒舌と共に笑顔が浮かんでいる。 「そうね、もし来なかったら次、あんたでもいいかも」 典型的な優男っぽいしね、とも付け加えられた。結構強い支配欲を持ち合わせているようだった。勝手に評価されたことは、まぁ、よく言われること。見た目とか、物腰がまさにそうらしい。 「簡単に、別れちゃうんだね?」 「そう? 普通じゃない」 普通・・・なのかな。やはり分からない。妄想を現実に持ち込むのはお門違いだと分かっていても、その普通はどこか違う気がする。 「君は、そんな簡単に別れてしまえる相手と付き合っているの?」 「いいのよ、最中は楽しいんだから」 刹那の快楽に生きる人。例えば今この子に交際を申し込めば、簡単にOKを出してくれそう。しないけれども。 「将来のことは考えないのかい?」 「んなこともっと年食ってから考えりゃいいのよ。ジジクサいわね」 「でも」 そのとき僕は、初めて質問以外を口にした。 「過去は、変えられないんだよ」 「は?」 突然、当たり前のことを言われたせいで面喰ったようだった。その顔が皮肉気に歪む。 「それがどうしたってのよ」 「君が今しか見ないせいで、二度と出会えない人がいる。そして、一緒だったはずの人がいる」 「クッサい説教でも垂れる気? アニメの主人公気分?」 言われると、正直ちくちくと胸が痛む。思えば確かにクサい台詞を吐いたものだ。自分が自分と思えないぐらい。 けれど、そうだな。ここで言っておかないと、自分が後悔するかもしれない。 「一期一会、だよ」 一度人と築いてしまった関係は、どうしてもゼロにはできない。その人と本当の意味で出会えるのは、たった一度きり。 「・・・・・・胸糞悪いわ」 ご機嫌斜めになった様子で言い捨て、ドアを乱暴に開けて家の中へと入っていった。 ガチャンと派手な音をたてて閉められたドアは毅然と僕をねめつけていた。立派な家の門番に睨まれては、退散するしかないようだ。お邪魔しました、と小さな声で呟いた。 さて、言ったからには行かなくては。 空を見上げて、お天道様にひた祈る。 ―――きっと成功するといいな。たった一度の僕の告白。 7月に一編も投稿しないのでは何なので、高校時代に書いたのを。 もう直視できないような作品群の中ではまだマシな物をチョイス。 というかまともなSSがこれしかないです。 誰かギャグで書けるようなネタをください。割と切実に。
https://w.atwiki.jp/yukiniku/pages/12.html
プレイヤーキャラクター アマノ 本作の主人公。記憶喪失となって倒れていたところを救われ、バストフの町の教会へと保護される。 剣の扱いは上手で、身体もしっかりしているため、記憶喪失になる前は戦士だったのではないかと示唆されている。 本名はジュード・ハイセン。本作の敵であるジョン・ハイセンおよびジェニー・ハイセンとは実の親子。 サトリア教のテンプルナイトとして亜人狩りを行っていた。 エリカ・セクストン 本作のヒロインの一人で、イメージカラーは赤。バストフ地方を治めるセクストン家の次女。 姉のハルカが貴族らしく大人びている性格であるがためか、妹である彼女はお転婆で破天荒な性格である。 街から飛び出し、モンスターに襲われているところをアマノに助けられ、性格上、素直になれないながらも、 その実力は認めたようで、父であるアランにアマノを紹介した。 アマノに反応して現れた神銃:シリウスを手にしてしまったことで、右手がシリウスと一体化してしまう。 ナナ・コミネ 本作のヒロインの一人で、イメージカラーは青。バストフの町にあるサトリア教会の助祭(シスター)。 記憶喪失になったアマノに最初に出会う人物で、アマノの面倒をよく見ていた。 バストフの町の司祭デューク・コミネの義娘。孤児であるため、デュークが親ではない。 エリカの幼なじみで、彼女がときどき屋敷を抜け出すときにはよく遊び相手になっていた。 エリカに巻き込まれる形で冒険に出るが、サトリア教の実態に触れ、徐々に何かが芽生えていく。 レイレス・ランバート 本作のヒロインの一人で、イメージカラーは緑。バストフから南にある、アトアース島のギナ山に住んでいたドラゴンの亜人。 「会えば望みを叶えてくれる」ドラゴンの噂を頼りに、山頂までやってきた主人公たちと対話するが、 当初の彼女の反応は冷たいものだった。が、情報を集め再び現れた主人公たちに説得され、行動をともにすることに。 十年前、亜人狩りが行われた際に父と母を殺され、兄を連れ去られている。そのために、相当なヒト嫌い。 兄を助け出すことが目標である。 主要人物の家族 ハイセン家 ジョン・ハイセン ジェニー・ハイセン ジィリィ・ハイセン 故人。ハイセン家の第二子であり、アマノの弟。 亜人に殺された。 ジャニス・ハイセン ハイセン家の第三子であり、アマノの妹。 セクストン家 アラン・セクストン バストフ地方を治めるセクストン家の領主で、エリカの父。 カスミ・セクストン アランの妻で、エリカの母。 ハルカ・セクストン セクストン家の第一子であり、エリカの姉。 コミネ家 デューク・コミネ 独身だが、孤児として引き取ったナナを娘のように大切にしている。 ランバート家 レイレスの父 レイレスの母 亜人狩りの際に殺される。 レイザード・ランバート レイレスの兄。亜人狩りの際に捕らえられ、研究所で幽閉されている。 ペロス王立研究所 ジョン・ハイセン 研究所の責任者で、天才的な科学者・生物学者。 法具の研究を進め、それを模した魔具を作り出したことで人々の生活を大きく変えた。 サトリア教の協力を得て以来は亜人の研究を進めている様子。 主人公アマノの父。 ジェニー・ハイセン 研究所の元研究者かつ、ジョンの妻。アマノの母。 ジョンと結婚したことで研究所を辞めたが、 セクストン家のメイドとなり、バストフ地方の法具を調査し、監視していた。 ロイ・バークレー ジェニーの部下で、ジェニーに心酔している。 血の気が多く、少々頭が悪い。 ジェニーと肉体関係があるらしい。 サトリア教 エドワード・ハウエル ペロス国内で活動する中央司教団の長、中央大司教であり、サトリア教の実質的な№1。 サトリア教の原理主義者で、ヒトが一番であるという強い意思を持つため、亜人狩りを積極的に行っている。 ダンカン・アリスン ペロス国内で活動するテンプルナイツの長。エドワードとほぼ互角な権力を持つ。 実質的な亜人狩りを指揮しているのはこの男である。 ダスティン・クレイ サトリア教のトップ5の一人で、東方大司教。 穏健な東の国を束ねる 飄々とした優男で、亜人との共生を主張している。 ワイアット・バークワース サトリア教のトップ5の一人で、西方大司教。 荒々しい西の国を束ねる 武闘派な男で、亜人とは敵対すべきだと主張している。 フィグネリア・ガタンニコフ サトリア教のトップ5の一人で、北方大司教。紅一点。 謎多き北の国を束ねる ミステリアスな女性。亜人との共生を主張。 フレデリック・スチュワード 中央司教団の一人で、かつてレイレス達 ドラゴン亜人の研究を行っていた人物。 レイレス達が亜人狩りの被害を受けたことに、間接的に関わってしまったことを後悔し、 亜人狩りを止めさせるためサトリア教に潜入していた。 アイヴィー・アシュリー テンプルナイツ戦闘員の一人で、亜人に家族を殺された過去を持つ孤児。 マナ・ハウエル シェリル・ハウエル エドワードの娘。異母姉妹。 その他 キャプテン・ハーディ 「ハーディ海賊団」の船長。 ショウ・ハーディ キャプテン・ハーディの一人娘。ボーイッシュだが、性格は女の子っぽいところがある。 アスカ・ヤードリー さすらいの商人。関西弁で話すセクシーな巨乳美少女で、いいにおいがするらしい。 ミホ・スズカワ レイザードと共に囚われていた犬の亜人で、見た目は10歳程度だが実年齢は20歳。
https://w.atwiki.jp/dngtrpgc/pages/520.html
“カヴァロ・メカニコ”フランコ・アッズーロ 【年齢】 【性別】 【星座】 【身長】 【体重】 【血液型】 28 男 射手座 190cm 250kg 油と電流 【ワークス】 【カヴァー】 【ブリード】 マフィア フリーター クロスブリード 【シンドローム】 ブラックドッグ ブラム=ストーカー 能力値 肉体:3 感覚:4 精神:2 社会:1 白兵:0 射撃:1 RC:0 交渉:1 回避:0 知覚:0 意志:0 調達:1 運転(四輪):2 芸術():0 知識():0 情報(裏社会):1 運転():0 芸術():0 知識():0 情報():0 副能力値 HP最大値 常備化P 財産P 行動値 戦闘移動 全力移動 29 4 0 15 20m 40m ライフパス 出自 経験(裏社会) 邂逅 義理の両親 死と再生 ビジネス 覚醒(侵蝕値) 衝動(侵蝕値) 侵蝕基本値 死(18) 闘争(16) 43 ロイス 関係 名前 P感情:(チェック) N感情:(チェック) ロイスorタイタス Dロイス 機械化兵 Dロイス ボス アレッサンドロ・アッズーロ 尊敬:○ 脅威 ロイス ビジネスパートナー 竜崎真之介 信頼:○ 猜疑心 ロイス エフェクト 番号 エフェクト名 LV タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵蝕値 制限 - リザレクト 1 オート - - 自身 至近 効果参照 - - ワーディング 1 オート - 自動成功 シーン 視界 0 - 1 コンセントレイト:ブラム=ストーカー 2 メジャー シンドローム - - - 2 - 2 赤色の従者 1 メジャー - 自動成功 自身 至近 5 - 3 血の戦馬 1 セットアップ - 自動成功 自身 至近 3 - 4 忌まわしき砲弾 1 メジャー シンドローム 対決 範囲(選択) - 3 従者専用 5 かりそめの狩人 2 メジャー 射撃 対決 - 武器 2 従者専用 6 滅びの一矢 3 メジャー 射撃 対決 - 武器 2 - 7 赫き弾 5 メジャー 射撃 対決 - 武器 2 - 8 ハードワイヤード 1 常時 - 自動成功 自身 至近 - - 9 電磁バリア 1 オート - 自動成功 単体 視界 2 - 10 メタルフュージョン 1 マイナー - 自動成功 自身 至近 4 - 番号 効果 参照P - 戦闘不能時orシーン終了時使用。戦闘不能を回復しHP(LV)D点回復。回復したHPと同じだけ侵蝕率上昇。侵蝕率100%以上では使用不可、重圧状態でも使用可 EA:P129 - シーンに登場している非オーヴァードを全員エキストラにする。逆に登場しているオーヴァードは使用されたことが自動的に分かる。エフェクトの効果はシーン中持続 EA:P129 1 組み合わせ専用、判定のC値を-LV(下限値7) EA:P129 2 同じエンゲージにすべての能力値が3、HP[LV×5+10]の従者を作成。シーン1体。従者が存在する間、あらゆる判定のダイスを-3個 EA:P45 3 あなたの作り出した従者を1体選択。選択した従者は消滅し、そのシーンの間あなたは「制限:従者専用」のエフェクトを使用できる EA:P48 4 組み合わせた攻撃の範囲を範囲(選択)に変更。シーンLV回 EA:P52 5 組み合わせた判定のダイスを+LV個 EA:P52 6 組み合わせた判定のダイスを+[LV+1]個。メインプロセス終了時2点のHPを消費 EA:P49 7 組み合わせた射撃攻撃の攻撃力を+[LV×2]。メインプロセス終了時3点のHPを消費 EA:P45 8 ブラックドッグ専用アイテムからLV個選択し常備化。侵蝕率でレベルアップしない。侵蝕率基本値+4 EA:P40 9 対象にHPダメージが適用される直前に使用。対象が受けるダメージを-[1D+LV×2]。自身不可 EA:P40 10 HPを[(LV+2)D+【感覚】]点回復。シーン1回 EA:P41 武器 番号 名称 種別 技能 命中 攻撃力 ガード値 射程 常備化 1 右腕部電磁砲(リニアキャノン) 射撃 射撃 -2 8 - 50m 購入不可 番号 解説 参照P 1 ドッジ判定ダイス-2 EA:P136 防具 番号 名称 種別 ドッジ 装甲 行動値 常備化 1 強化服 防具 - 1 - 1 番号 解説 参照P 1 - ルルブ1:P177 一般アイテム 番号 名称 種別 技能 常備化 1 コネ:傭兵 コネ 情報:軍事 1 2 コネ:手配師 コネ 調達 1 番号 解説 参照P 1 情報:軍事の判定ダイス+2 ルルブ1:P179 2 調達ダイス+3 ルルブ1:P179 コンボデータ インニート・カンノネッジャメント 条件 組み合わせ タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵蝕値 ダイス+侵蝕率修正 クリティカル 攻撃力 100%未満 1+4+5+6+7 メジャー 射撃 対決 範囲(選択) 50m 11 6+侵蝕率修正 8 18 100%以上 1+4+5+6+7 メジャー 射撃 対決 範囲(選択) 50m 11 8+侵蝕率修正 7 20 解説 前提:血の戦馬。右腕部電磁砲を従者「イフリート」の力で増幅して射出。広範囲を焼き払う対集団攻撃。 ■キャラ説 イタリア生まれ日本育ち、体の7割程度が機械化されたサイボーグマフィア。 機械の体でありながら誰にでも気さくに接する兄貴気質の優男。
https://w.atwiki.jp/jedecity/pages/83.html
キャラクターシート リプレイ用希望カラーコード: キャラクター名 ヤスナ=ヴェンティ プレイヤー名 (仮) メインクラス メイジ 年齢 サポートクラス バード 18 称号クラス 性別 種族 ヒューリン(ハーフエルダナーン) 女 LV CL2 キャラクターの外見 身長 170 髪の色 黒髪 瞳の色 黒 肌の色 白 ライフパス 出自 孤児 境遇 天涯孤独 目的 名誉 取得一般スキル ベアアップ 初期クラス メイジ/バード(アルディオン) HP MP フェイト 所属ギルド 33 48 5 ギルドマスター名 パルフェ・ブルックス ギルド名 ブルックス商会マリンパーチ支店 能力値 能力基本値 能力ボーナス クラス修正 その他修正 能力値 メインクラス サポートクラス 筋力 9 3 3 器用 9 3 3 敏捷 9 3 3 知力 13 4 1 5 感知 9 3 1 1 5 精神 15 5 1 1 7 幸運 6 2 1 3 装備 装備品 重量 命中修正 攻撃力 回避修正 物理防御力 魔法防御力 行動修正 移動修正 射程 備考 右手 マジックスタッフ 3 -1 +2 パッシブ:魔術判定+1 左手 頭部 ハット 1 1 胴部 クロスアーマー 4 3 全身 補助防具 装身具 グリモア 1 魔法攻撃のダメージ+1 合計 重量は武器/防具 3/6 4 戦闘能力値 戦闘 能力値 命中修正 攻撃力 回避修正 物理防御力 魔法防御力 行動修正 移動修正 スキル その他 合計(ダイス数) 命中判定 (【器用】) 3 -1 (2D)+2 攻撃力 2 (2D)+3 回避判定 (【敏捷】) 3 (2D)+3 物理防御力 4 4 魔法防御力 (【精神】) 7 7 7 行動値(【敏捷】+【感知】) 8 8 移動力(【筋力】+5) 8 8 ゲッシュ ゲッシュ 恩恵 誓約 天罰 コネクション コネクション 関係 コネクション 関係 コネクション 関係 特殊判定 特殊な判定 能力値 スキル その他 合計(ダイス数) トラップ探知 (【感知】) 5 (2D)+5 トラップ解除 (【器用】) 3 (2D)+3 危険感知 (【感知】) 5 (2D)+5 エネミー識別 (【知力】) 5 (2D)+5 アイテム鑑定 (【知力】) 5 (2D)+5 魔術判定 (【知力】) 5 +1 (2D)+6 呪歌判定 (【精神】) 7 (2D)+7 錬金術判定 (【器用】) (D) スキル スキル SL/上限 タイミング 判定 対象 射程 コスト 分類 効果 参照 種族スキル ハーフブラッド 1/1 パッシブ/メイキング 自身 「タイミング」に「メイキング」が含まれる他の種族のスキルを取得。【幸運基本値】-3。混ざりもの R1P77 イモータリティ 1/1 効果参照/メイキング 自身 《トリビアリスト》を取得。自然死しない R1P79 メイジスキル エアリアルスラッシュ 1/1 メジャー 魔術判定 単体 20m 6 魔術 対象に魔法攻撃を行う、風属性の魔法ダメージ[2D+5] 魔術判定+1D R1P102 マジックブラスト 1/1 マイナー 自動成功 自身 4 そのメインプロセスで使用する「タイミング:メジャーアクション」「対象:単体」の魔術を「対象:範囲(選択)」に変更する R1P105 マジシャンズマイト 2/5 パッシブ 自身 魔法攻撃のダメージに+[(SL)D]する。 R1P101 バードスキル アレグロ 3/5 パッシブ 自身 呪歌判定の達成値に+[SL×2] R1P131 スレノディ 1/5 メジャー 呪歌判定 範囲 20m 10 呪歌 スキルを使用する際、属性を1つ選択。対象の属性を選択した属性に変更する。シーン持続 シナリオSL回 R1P133 セージスキル トリビアリスト 1/1 判定の直前 自動成功 自身 6 その判定を【知力】判定に変更する 1シーン1回 R1P127 一般スキル ホーム/メルトランド 1/1 パッシブ 自身 敏捷・知性・精神の基本能力値+1(補正済み) メルドランドに縁がある ARGP49 トレーニング:精神 1/1 パッシブ 自身 【精神】の基本能力値+3(補正済み) R2P66 ベアアップ 1/1 パッシブ 自身 スキルのリアクションとして行う【精神】判定に+1D R1P146 所持品 所持品 (重量) 所持可能重量 [16] 重量空き [9] ベルトポーチ(+2) 0 バックパック(+5) 0 冒険者セット 5 キャップライト 1 所持金 1329G 家置き物 メモ アルディオン大陸から渡って来た天涯孤独の少女 捨てられ忘れ去られてきた彼女の望みは世界に己の存在を刻み付けること。 「私の色に染まりな!」な、大陸渡りの風来坊 風来坊だけに風魔法使い。 ヒューリンの女性にしては背が高いというコンプレックスを誤魔化すため、又、身を守るために、 男装をして軟派な優男風に振舞っているが、本当は女性らしい格好にあこがれてる。 動揺すると素が漏れ出る。 参加履歴、獲得成長点 成長:CL1⇒2基本能力成長;知力 感知 精神(MP+1)取得クラススキル:マジシャンズマイト アレグロ スレノディ 取得一般スキル:トレーニング/精神 使用経験点:15点 『冒険譚の始まりに』 獲得成長点 :13点 収入 :264G 『炸裂★ピアニィボンバー』 獲得成長点 :36点 収入 :1250G 「バックパック」「ベルトポーチ」「冒険者セット」「ハット」「クロスアーマー」「キャップライト」購入 未使用成長点:34点 PL成長点 『魚場の勇者』(GM) 獲得成長点 :85点 「アリシア=ディオン」 未使用成長点 :78点 PL合計未使用成長点:197点
https://w.atwiki.jp/jojosyana/pages/20.html
マージョリー・ドーは苛ついていた。 その主な原因は、目の前の男であった。 細身にやや長身、オカッパ頭で、精悍な顔つきの男。 一見すると、ただの優男にしか過ぎないのだろうが、そうとは思わせない、何か不思議な雰囲気を持っていた。 彼女・・・マージョリー・ドーは『弔詞の読み手』という称号を持つフレイムヘイズである。 見た目こそ若い女性のそれで、文字通りの美人であるが、実は何百年も生きていて、 それだけ、彼女自身の中で様々な歴史を刻んで来ているのである。 「ヒャーッハッハッハ!コイツ、只者じゃないぜ!!なあ、我が愛しの淑女、マージョリー・ドー」 彼女の持っていた本が、下品な笑い声をあげる。 それはただの本ではなく、紅世の王・マルコシアスである。 真名は“蹂躙の爪牙”で、彼女にフレイムヘイズとしての力を授けている。 マージョリー・ドーには、果たさなければならない復讐がある。 自分から全てを奪った銀色の炎の徒・・・そいつを・・・殺す!! その憎悪と執念は、数多くの徒を殺戮という名の炎の中に巻き込み、焦がし尽くした。 彼女の主な能力は、『弔詞の読み手』の名にふさわしく、『屠殺の即興詩』という詩を 歌うことで、自在法を縦横無尽に操り、炎の衣『トーガ』を纏う。 その強さは、正に“鬼神の如く”である。 そんな彼女が、目の前の男に対して、強い警戒心を抱いている。 それはマージョリーにとって、久し振りの感覚であった。 (何時以来かしら?この私が・・・目の前の男に対して、嘗めて掛からない方がいい と思っている。それ程のに・・・徒でも、ここ久しくは会って無いわね) マージョリーはその久し振りの感覚に、高揚などは感じず、寧ろ不快になった。 「俺がアンタに何かしたか?」 まるでそんなマージョリーの心を読んだかのように、目の前の男が聞いてきた。 「別にッッ!」 急に、目の前の男の何もかもが不快に思えてきた。 何よりも気に入らないのは、その目である。 何かを企んでいるような、それでいて、そのことを悟られまいとしている・・・そんな目。 ―――この男は“何かを隠している”――― それだけは、彼女にも察せられた。 マージョリー・ドーが、このイタリアに来たのは、何か特別な理由があったからではない。 いつものように、片っ端から徒を追っ掛けている。 その行動の途中に、イタリアがあった。ただ、それだけである。 とは言っても、せっかく来たのに、ただ通り過ぎるような真似も流石に勿体無いと、 多少の観光みたいな気持ちもありつつ、街中を見て回っていた。 その最中に、あの骸骨の徒と出会ったのだった。 所詮は、ただの雑魚の徒。それも、今まで出会ってきた徒の中でも、相当レベルの低い部類に入る。 確かに、封絶をいきなり仕掛けて来た割りには、その骸骨の徒は大して強いわけではない、 本当にただの雑魚であった。 強いてその骸骨の特徴を挙げるならば、その骸骨は異様に素早い。 こちらの攻撃をひょいひょいと馬鹿にしたように交わしていた。 だが、それだけ交わすということは、逆に言ってしまえば当たりたくはないと言ってるようなもの。 つまりは、こちらの攻撃さえ当たってしまえば、それで終わりだ。ということを意味していた。 そんな中、あの男の闖入に骸骨が気を取られた、その一瞬をマージョリーは見逃さなかった。 マージョリーの放った“歌”が骸骨に直撃し、そのまま吹っ飛んでいった。 一息ついた彼女は、そのまま男の元に近づいた・・・と、これが先ほどまでの顛末である。 目の前の男は尚も、その憎たらしい目をこちらに向けている。 まるでCTスキャンのように、外側だけでなく、内側まで観察されてるような気分に、 マージョリーはますます不快感を増していた。 そんな中、マルコシアスが先ほどまでとは打って変わった、落ち着いた声で彼女を呼んだ。 「おい・・・気をつけろよ。多分、さっきの徒はまだ死んでいない」 「!そう言えば、封絶がまだ解除されていない!」 マージョリーがそう言った矢先、彼女の足を何かが掴んだ。 気色の悪いゴツゴツした硬い感触・・・それは、手首から先だけの骨であった。 その骨は意外なほど力強く、キリキリと彼女の足を掴む。 「ちっ!」 マージョリーは掴まれていない方の足で、その手首だけの骨を踏み潰そうとしたが、 それより先に、骨は彼女の足を掬った。 バランスを大きく崩したマージョリーは、そのまま後方に仰向けの形で倒れた。 マージョリーが立とうとすると、いつの間にか足を掴んでいたはずの骨は、 彼女の首に手を伸ばそうとしていた。 「油断したNAAAAA!俺がただの雑魚だと思ったKAAAAA!?フレイムヘイズUUUU!!」 どこからか、あの薄気味の悪い“音”が聞こえてくる。 (ちっ、私としたことが、完全に油断してたわね!糞、これも全てあの男のせい! あの男さえ・・・!!) その時、彼女の首に手を掛けようとした骨が急に粉々になって吹っ飛んで行った。 一瞬、マージョリーは何が起きたか分からなかった。 ただ、その目に映ったのは、あの憎たらしい目をした男が、これまた憎らしげに、 助けてやったぞ、とでも言いたげな顔で、こちらを見下ろす、その憎らしい顔であった。
https://w.atwiki.jp/rpgtalk/pages/20.html
25 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/05/25(月) 22 33 53 ID rAPpP62t0 ワイルドアームズ3 シリーズ中もっとも荒野、西部劇色がつよかったが ガッカリなところも多かったシリーズ3作目 26 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/25(月) 22 53 48 ID SfbzNlFQ0 街が小さい代わりにダンジョンが多い パーティはほとんど4人固定で一人一人のキャラの話がちゃんとあってよかった テーマソングも良かった 悪役がコロコロ代わるのはちょっとダメだった 女キャラが意外とかわいいのも良かった 27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/25(月) 23 05 02 ID rAPpP62t0 演出は結構よかったんだよね、音楽は燃え 通常のRPGでいう海上の戦闘が独特で、あれが面倒だった 28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/25(月) 23 29 48 ID DGIfKckbO 妙に可愛い幼女が多いのはさておいて、何でかわからないけど年に一度は一周してる 29 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/25(月) 23 50 06 ID 5gCGPTVB0 街は小さいながらも街ごとの個性が濃く出てて、あと街の曲が普通に良くて、 全ての街のNPC全員に名前と専用グラを用意してるのに驚いた NPC全てに個性や人間関係があって色々葛藤してたり成長してたりもするから、 シナリオ進むたびに話しかけて回るだけで楽しかったなぁ 30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 00 47 20 ID aTNfqrTfO アルフレッドの鎖骨と生足しか覚えてませんが( 戦闘のテンポがあまり良くなかった。 ワイルドアームズのシリーズとしては初の3Dポリゴンで、ダンジョンもそれを活かして上手く作られていたと思う。 パズルゲームが好きだったな。ハマった。 物語としてはオチや謎がよくある物だったり丸見えだったりで、意外性がなく求心力が足りない部分も。 西部劇をモチーフにしている割には、ラスボスが人外だったり、各シナリオのパーツが上手く繋がってない印象があった。 このシリーズのシナリオは切り貼り臭さが強く、結構展開がだらっとしてて、ある意味では今まで通りとも言える。 「荒野」、「渡り鳥」といったキーワードを全面に押し出しているので好き嫌いもはっきり別れると思う。 自分はどっちでも無かった。 たぶん二度とプレイする事は無いと思うけど、楽しませてもらったゲーム。 31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 00 50 52 ID 9MeM45qjO 初WAだったなあ 敵味方、入り乱れて走り回る戦闘は見ていて飽きなかった やってることはコマンド入力なんだけど、見せ方で印象が変わるもんだなあと思った 32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 00 59 20 ID aILVG0Pn0 なんだかんだいって、このころまでのWAはよかったなぁ 切換え型のフィールドのオーソドックスなRPGがなくなってきた頃だったし PS2にまだRPGがあんまない頃に出たから印象に残ってる。 序盤はワクワクしたし、ジークの再登場にはびっくりした ヴァーの性格にはなじめなかったけどw 33 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 01 10 44 ID WAqbCnuZ0 面白いスレだな WAは4以降、戦闘システムが受け付けんな… 3はキャラごとの繋がりが弱すぎることを除けば面白いと思ふ 34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 01 35 07 ID TPuEC8W0O 馬上戦闘でやられたキャラは馬の上で そのままガックリなのがうけたw ギャロウズのARMの撃ち方がツボだった 35 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/05/26(火) 01 38 22 ID r2BOOOz6O 妻子持ちの仲間がいたり、しかも眼鏡の優男のくせに攻撃力の高いパワーファイターだったり 筋肉ムキムキのファンキーゴリラが魔法使いの能力だったり なんか意外なパラ設定だったなぁ。ストーリー的にはジェットが主人公でも問題なかったか? 36 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 02 47 14 ID 7lGjfBnlO 繋がりの無い4人のメンバーが成り行きで一緒に旅することになり、 共に苦難を乗り越えていくうちにだんだん絆を深めていく こういうところもWA3の魅力だと思う 37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 05 27 51 ID TWkj5w1d0 ヴァーのスカートの中が気になって気になって今でも気になってる 38 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 07 06 09 ID NmjIWfeq0 結城キモイ 42 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 19 38 45 ID sCxC+qHiO グッズでの謎解きは良いほうだな。2だと一回しか使わなかったのが多かったからな。 馬に乗っても戦えるのが良かった 43 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/05/26(火) 21 32 17 ID yL0SaN4X0 OPアニメがちょくちょく変わってたなー、クオリティも高かったし
https://w.atwiki.jp/kotarokojiro/pages/17.html
桶狭間の戦い-出陣 永禄3年5月17日沓掛城に入った今川義元は一夜明けた翌日松平元康を先鋒とし三河衆を大高城へ兵糧入れを命じる。翌19日松平元康と朝比奈泰朝は織田方の丸根砦、鷲津砦へ攻撃を仕掛ける。 今川軍2万-3万の軍勢が来るというので尾張の町は大騒ぎ。しかし信長は動こうとはしない。 「殿、丸根砦、鷲津砦が攻められておりまする。」 「きたか!よしさがっておれ。」 信長はすぐさま飛び起き敦盛を舞うのであった。 「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり 」 隣の館ではそろそろかと雲心は眠れずにいた。 「だれかおらぬか」 「はっ」 次男の水心である。見た目はひょろっとした優男なのだが戦場に出るとこれでもかというほど暴れる。一族の中では鬼水心と呼ばれるほどの男でさすがは深草の一族であると皆から恐れられている。 「耳をすましてみい。信長殿が舞っておられるぞ。出陣じゃ仕度せい」 「いかさま」 すぐさま外にでていき 「出陣じゃ!出陣じゃ!」 水心の大声でみな飛び起きすぐさま準備に取り掛かる。 「出陣でござるご準備を。」 隣から使いが来た頃には影母衣は出陣準備も整い庭にもう整列してある。 「承知。すぐでもでれるでござる。」 「はっ、殿に伝えておきまする。」 「みなのもの久々の戦じゃ思う存分に暴れられい。」 「では館の前で待機じゃ。」 一同は館前に居並び信長が出てくるのを待った。 「雲心殿さすが。」 「いえ信長殿に夢の中でたたき起こされただけでござる。」 「はっはっ、ではそちら一族もわしについて参れ。」 信長を先頭に影のように後ろから付いてくる。まだ日も昇っていない時間、遠くから見た人がいれば足音だけ聞こえ信長の輿しか見えぬであろう。朝の光が射してきた頃信長の輿の後ろには500の黒い母衣をまとった部隊が足を揃えてついてくる。 熱田神社に到着しほかの武将なども揃い戦勝祈願を行った。しかし織田軍総勢2000人に満たないぐらいの数、今川2万以上の10分の1である。 信長は皆のものを鼓舞する様に集まった者たちに言い放った。 「今よりの戦は織田の存亡をかけた戦いである。そちたちの働きにかかっておる。存分に働いてくれい。」 戦勝祈願も終わりこれより出陣となる。 途中、丹下砦・善照寺砦で兵をかき集め、中島砦に入った。これでも3000いるかいないかの数である。ただしその際、佐々勝通・千秋季忠ら三百人が本隊移動の目くらましのため鳴海城を攻撃、打って出てきた岡部元信隊によって壊滅している。 一方、今川軍先鋒は夜明けと共に、鷲津・丸根砦に攻撃がはじまっていた。 鷲津砦は織田秀敏が守り砦兵五百人に対して朝比奈泰朝・井伊直盛隊二千人が猛攻、間もなく陥落させた。 丸根砦は佐久間盛重の守り砦兵四百人に対して松平元康隊二千五百人が猛撃、こちらもほどなくして陥落させた。 「鷲津、丸根も落ちたか・・・」 「雲心そちになにか策はあるか?」 「奇襲でござりまするな。」 「やはりそうか。わしもそう思ってたところじゃがあまりに数がありすぎる。」 「ご心配には及びませぬ。わしら一族は今川本陣の裏からつきまする。時間を合わせ挟撃という形にすればこの戦、勝機が見えてきまする。」 「お主らは裏まで回れるというのか?」 「可能でござります。今より騎馬で敵に見つからずにぶつかるまでには。」 「うーむ。勝てるか?」 「十中八、九は勝てましょう。」 「ではおぬしらはその用に。」 「御意。しかし挟撃の位置など詳細な作戦を取り決めておかねばなりませぬ。少々お待ちいただけまするか。」 「うむ。中島砦に向かう。」 「それまでには詳細な作戦が練れるでしょう。」 雲心は砦からでた森の前で犬笛のようなものを吹いた。 「お呼びでございましょうか?」 すぐ木の上からひらりと舞い降りてきたものがいる。 「楓、今川の軍勢はどうなっておる?」 「今川本隊は沓掛城を出、田楽狭間を通り桶狭間に向かうとのことです。」 「桶狭間かここから敵に見つからずに行くことは可能か?」 懐から地図を出しこう言った。 「こちらの山沿いに向かいますれば。」 「うむ。よし決まった。そちは先行して敵をさがしておれ。」 「いかさま。」 すぐさま信長の元に向かい作戦の一部始終を話した。 しかしその時ぽつぽつと雨が降ってきた。 「雲心もしかするとこの雨が天の助けかも知れぬ。」 「ですな。われらの力も十二分に発揮できると思いまする。」 「ではわれらは先行しますが攻撃開始は雨がやんだときで?」 「そうじゃ。その時こそわれらの勝利じゃ。」 「では手はずどうりに。」 すぐさま雲心は出撃を命じた。 「これよりわれらは今川本陣近くまで急行し、時勢を合わせ本陣を急襲する。騎馬にはわらじをはかせすぐさま出陣じゃ。」 影母衣衆は一斉に騎乗し風のように出陣した。
https://w.atwiki.jp/anzegm2/pages/30.html
ミドル2「秋のクリスマス祭り・初日(夜)」 マスターシーンです。 登場判定の目標値:10 ※ 達成値-10ありますよー GM:さて。夜になったぞ。 GM:もう「スピードスターレースへの参加申込」は終わらせた扱いにする? GM:それとも、その場面をやるかね? > ALL GM:どちらでもOKだよんw 龍也:2d6+3 ミスってから考える(ダイスを振る)出目「3・2」で達成値8、失敗‥‥ ユッタ:2d6+3-10 とりあえず判定はしてみよう(ダイスを振る)達成値-2‥‥ キョウジ:2d6+4 何はなくとも判定(ダイスを振る)達成値13で成功。 シスター:2d6+16 その通り(ダイスを振る)25で成功! GM:では、リューヤくんとユッタちゃんは「登場失敗チャート」適用かな?(わくわくw ユッタ:フレアつぎ込んでも無理 シスター:ちなみに私の手札にはA3枚あります 龍也:うちは失敗表2-46「クラスの模擬店で事件発生!」をチョイスしたいけど、ユッタさんどーする? GM:ユッタちゃんが同じ項目を選択すれば、一緒に事件解決したことになるね。10点ずつ財産点をGETだぜ。 ユッタ:失敗表3-46「映画の撮影に参加することに‥‥」を選びたい。 GM:ああ、別々なら個別処理ですw 龍也:うん。写真も欲しいかな。一緒にやりましょう!w GM:では「リューヤくんとユッタちゃんが映画の撮影に参加、らぶいシーンを一緒に演じてる」からスタート!w 龍也:うぃ、頑張りますw ユッタ☆彡:「ああ、ロミオ!どうしてあなたはロミオなの!!」熱演 龍也:「ジュリエット‥」 GM/監督:「おら! そこの男子! そこだ、ふやけてないで、抱き締めろ!」とメガホン片手に怒鳴るw 龍也:んじゃ抱きしめようw GM/素子:「素敵‥‥」 きゅーん。 GM/ノエミ:「いいなぁ‥‥はッ」 思わずつぶやき。慌てて周囲をきょろきょろ。赤面w ユッタ☆彡:「この時間が永遠に続けばいいのに‥‥」涙を流しながら キョウジ:「‥‥結構大胆だな、龍也」 少し赤面 龍也:「‥‥」無言 GM/信長:「おお、面白そうなコトやってるな。どれどれ?」 GM/いるるん:「これ信長。あまり乗り出すと撮影の邪魔なのじゃ」 GM/マリア先生:「いいわねぇ。若いって‥‥」 龍也:ナンカキター!?www GM/学院長:「これ。使節団の連中が捜しておるぞ。さっさと戻りなさい」 GM/信長:「いーじゃんか。もう少し見物してこーぜ」 そら、ちゅーしろ、ちゅー!(ヤジを飛ばす) 龍也:(さすがにそれは‥‥無理だーーっ!!) キョウジ/野次馬ズ:「(信長に便乗して)キッス! キッス! キッス! キッス!」 ユッタ:すっと口を寄せ、目をつむり GM/ノエミ:「ええーっ?!」 まさか‥‥するの?! GM/素子:(どきどき☆) 龍也:(えーっと、こういう時の対処法をどっかで聞いたような‥‥うーん) キョウジ/ユッタファンA:「ちょっとまったー!」 GM/ノエミ:「そ、そうよ! ユッタちゃんのキスなんて、だ、ダメーえっ!!」 大声でw GM/リョウ:「あれ? キョウジ。何やってんだよ、こんなトコで」 映画撮影の見物か? 物好きなヤツだなー キョウジ:「いや、うん‥‥ちょっとな」 まだ赤面中 ユッタ:そして、このあたりで《音に聞こえし》使用、なぜなにトリオも私を知っている!w GM/信長:「見覚えあると思ったら、ありゃユッタじゃないか」 あんな優男が趣味だったのか?(2828) キョウジ/監督:「カーット! お前ら、撮影の邪魔するな! 散れ、散れ!」 そろそろ収拾しようw GM/オリオン先生:「‥‥おや。終わってしまいましたか」 龍也:カメラに覆いかぶさるような位置に移動してキスしたように見せかける、でw キョウジ:なるほどw 龍也:(直接どうこうするシーンは無いって約束だったじゃないかー)と心の中で叫ぶ ユッタ☆彡:小さな声で「リューヤちゃんって意外と意気地なしですねぇ☆彡」ささやく GM/監督:「いい絵が撮れたよ」と握手しつつ。[みんなで撮った写真](キスシーン)を進呈。 GM/監督:「これで今年のアワードはいただきだ! ポスターにして宣伝するから、楽しみにしててくれよ」 龍也:色んな意味で大惨事だこれっ!? GM:実はユッタちゃんのファンですから。監督w 龍也:視線を素子(ノエミ)の方に GM/女性陣:「‥‥‥‥」 リューヤくんて、意外と‥‥(2828) ユッタ☆彡:「演技なんだから気にしなくてもいいのにぃ」 ユッタ☆彡:「それに気が多い男性はよくないですよ→リューヤちゃん☆彡」 GM/ノエミ:「う、うん。とても上手だったよ! その‥‥本当に、キス、してるみたい‥‥だった」 ぼそぼそ GM/素子:「素敵だったなぁ。‥‥キスかぁ」 キョウジ:「‥‥キス、かぁ」 龍也:「演技だとしてもこういうのは事前の了承あってのものだと」キリッ GM/素子:「‥‥ユッタちゃん、凄いね」 やっぱりアイドルは違うなぁと尊敬w GM/ノエミ:「うん‥‥」 ユッタちゃん、もしかして、リューヤくんのこと‥‥? 次のページへ
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/704.html
群像ウィスタリアシリーズ一覧へ ステラ・グローリア -Stella Grolia- ラノで読む 一 どっぷりと陽が沈んだ夜の海。波音は安らかな寝息をたてるようで耳に心地よかった。肌を撫でる潮風が首筋を駆け抜け、浜辺から少しあがったところにあった背の高い防風林をざわめかせる。 お義理に建てられている街灯の明かりも頼りなく、かと言ってとりわけ不気味な感じはしない。すでに何度も訪れているこの浜辺は、ある種の彼女の領域下にあった。……正直なところは、これまでこの浜辺で誰とも出会わなかったから、という彼女の都合により領土宣言をしているだけなのだが。 その勝手知ったるホームグラウンドで、一人の異能者を待ち受けている。陽が落ちてから結構な刻限であったし、ここで島の人間とばったり出くわすということはまずありえなかった。 やって来るとしたら、彼女しかいない。 「水分《みくまり》理緒《りお》……」 那由多《なゆた》由良《ゆら》がその名前を呟くと、爽やかであるはずの波風や全身を包み込む闇の趣きもたちまち霧散した。由良の立つ地点を中心に粗い砂が放射状に吹き上がり、ぞわりとクロマツの幹が揺れた。 「今夜も来ないのかしら……」 ツテのあるクラスメイトの紹介で、学園のとあるサークルから買い取った情報では、深夜この周辺で彼女の姿がたびたび目撃されている、らしい。断定的なネタではないのだ。ランチの食券5枚の報酬と引き換えだったが、今思えばそれでも高すぎるレートだった。食堂で差し向かいに匂いの強い辛味噌ラーメンをすすりながら、信憑性は高いと謳っていたあの男の自信ありげな笑みは、自分に対しての嘲笑だったのかもしれない。血気に逸《はや》って見境のなかった自分はさぞ美味しい鴨に映っただろう。 張り込みを始めて4日目と3時間。さすがにずっと立ちん坊でいるのも疲れ、道路壁に背中を預けた。潮風で少しだけ跳ねていた襟髪を手櫛で整えていると、アスファルトを擦る砂利の音が聴こえてきた。耳をそばだてて、靴音がこちらに近づいて来るのを見計らってから、由良は身長の倍くらいある道路壁を音もなく跳躍すると相手の正面に立ちふさがった。 「ようやく現れやがりましたわね、水分理緒」由良は不敵に笑ってみせ暗がりの相手に相対する。「……あら」 心許ない薄明かりにもはっきり判る、がっちりした肩幅。光をなぞる輪郭は細いが、標的にあるべき長く豊かで艶やかな黒髪が見当たらないことがダメ押しになった。由良の頭の中を駆け巡る列車が一つの判断を仰ぎ、『水分理緒』と『不審者』の二択の分岐ポイントを提示したが、由良は即座に『不審者』とプレートの書かれたルートへレバーを傾けた。即断する過程で自分もそれに値するポジションにあるということは一切触れない。 「通報ですわ」 その一言にビクンと黒いシルエットが小さく反応したかと思うと、モバイル手帳を開きかけていた由良に飛びかかった。自分よりも頭一つ大きな影が肩から体ごとぶつかってくるのを、由良は嘆息しながら片足を少し引いて避ける。それだけで相手は勢いをそのままに、ふらふらとよろめいてひとりでに倒れた。 「鍛錬が足りませんわ、もっと腰を据えて重心を低くしてかかるものですよ」 声をかけられたほうは由良の忠告が聞こえていないのか、うずくまった体を起こして力なく両手をつき、小鹿のように震わせながら呻いた。 「警察は、呼ばないでぇ……」 懇願に近いしおれた泣き声に、由良はモバイル手帳を顔から離した。「警察? あなた、どこから来ましたの」 東京湾に浮かぶ学園都市である双葉学園では、トラブル揉め事お悩み相談からもろもろ一切は風紀委員会が取り仕切っているため、困ったときはとりあえず連絡という形になっている。未知の敵『ラルヴァ』とそれに対抗する『異能力』を囲う学園島に、警察といった一般的な公権力はあとあとの事後処理になってようやく出張ってくるものがこの学園島では常であった。 「お願いだから、警察は呼ばないでぇ……」 改めて意識して声を聞くと、がらがら声ではあったが女性特有のソプラノだった。初見はその肩幅の広い体躯から男かと認識していたつもりだったが、よく見れば腕は異様に細く、身に着けているのは病院でよく見かける一枚着せのガウンだけで下は緑のスリッパ。こけた頬は陰の微妙な加減で重度の患者のように見える。 「ひょっとして脱走患者ですの?」 「お願ぃ、呼ばないでぇ」 嗚咽混じりに、壊れた再生機械のようにひたすら唱え続ける女の様子があまりにも不憫に思えてきた。あの体力では悪さもできないだろうし、と由良はひとまずモバイル手帳を胸ポケットにしまった。 「警察なんかは呼んだりしませんから、気をしっかり持ちなさい」 女をゆっくり抱き起こす。思いのほか女は軽く、ふいに由良は骨張った凧を連想した。 「ホント、に……?」 泣き腫らした赤い双眸が自身より少し小さい由良を見つめてくる。よほど怖いことだったのだろうか、女がしゃくりあげる度に抱き上げている由良の体も跳ね、その彼女の怯えの度合いが伝わってくるようだった。 「安心なさい。私《わたくし》に二言はありませんわ」 由良が表情を和らげて囁くと、女は口の端を少しだけ歪めた。笑おうとしたつもりだったらしい。ひくついていた頬が急に解《ほぐ》れたかと思うと、意識を失って由良に被さるように倒れこんだ。寄りかかられても、やはり彼女は軽く、体は死人のように冷かった。 「どうしますの……これ」 泥のように眠る女を見やりながら漏れた由良の困惑は、引き波とともに海へ呑まれていった。 二 「昨日もあの浜にいたんですか。那由多《なゆた》さんも結構ヒマですよねえ」 「情報元がそんな呑気に言ってくださると、さすがに仏の私《わたくし》もブチ切れしそうですわ」 「ホトケ? 事前のパーソナルデータでは、高慢ちきの癇癪持ちだと聞いてましたが」 「……ちょっと、あとでそのデータ書いた人間教えてくださる?」 活気に溢れ盛況している食堂の喧騒よそに、由良は人目につきにくい一角を選び、丸テーブルを挟んで情報部の男と会っていた。 「脱走患者ですか」 「もったいぶらないで話しなさい。どうせもう掴んでいるんでしょう」 自炊してきたコンパクトな弁当箱を開きながら、由良は男のほうを見ずに言う。由良より少し大きな、どこにでも転がっていそうな優男風の彼は肩をすくめた。 「僕を学園のなんでも屋か何かと勘違いしてませんか」 「私《わたくし》にとっては御用聞きと似たようなものですわ。それに、最初に紹介してくれた下田さんはそのように仰ってましたが」 「はぁ。お喋り好きなあの人は宣伝に一役買ってくれてますけど……ちょっとばかり誇大広告すぎますね」 男は少し呆れぎみに愚痴を零すと、真っ赤なカレーを水もなしに平気な顔で口の中におさめていく。見ているこっちの舌が焼けてきそうで、由良は目下の弁当箱に視線を落とした。 昨夜の女は由良の住むマンションに連れ帰った。寝床を貸したまではよかったが、朝になってもすやすやと寝息を立てて目覚める気配がなかったので、朝食とメモを書き置いて学園にやってきた。今日の弁当の品はその余り物の詰め合わせである。女の食事にかまけて作っていたのもあって、中身はあまり彩りがよろしくない。 「あまり期待に添えるモノは持ち合わせてませんよ」 激辛カレーを半分ほど平らげて、水を一口飲むと、コップをおろして一息ついた。 女の名前は園部《そのべ》奈津子《なつこ》。半年前にラルヴァ被害に遭い、そのとき昏睡したまま、目を覚ます一昨日まで学園島の病院で治療を受けていた。 「病院を抜け出したのは昨日の夕方から。今のところ学園と他の病院、外部と学園島とを繋ぐ通行拠点にのみ、捜索の呼びかけが行われています。あとは病院関係者が少数、捜索に駆り出されているようですね」 「入院患者の失踪なんて、学生手帳にメールで一斉に呼びかければ、もっと楽に見つけられるでしょうに。……妙ですわね」 「内輪の不祥事は晒したくない、といったところでしょうか。なにせ市場の狭い寡占業界ですから、ひとたび問題が起これば全体にシワ寄せが来ますからね。周りに睨まれるようなことは極力避けたいでしょうし」 「くだらないプライドですわね」 由良は上品に鼻を鳴らして、箸でタコさんウィンナーを突き刺した。弁当箱から赤い色味が失われ、ご飯と肉類ばかりとなってしまった。ピンクの器に残った明るい色は、緑の葉飾りだけ。 「それで那由多さんは、この件をどうするんですか?」 これで伝えることは伝えましたよ。といいたげに男は再びカレー皿に手を伸ばした。 「どうするって、元はと言えばあなたのガセネタのおかげで面倒なことになったのですよ! 他人事のようにおっしゃらないでくださる?」 椅子から体を浮かした由良が思わず声を荒げると、周りの学生が何事かといっせいに彼女を見た。すぐにはっとして、心の内で振り上げかけた拳をしまうと座りなおした。当の優男は顔色一つ変えず黙々とスプーンをすくっている。由良は向けるべき感情の矛先を失い、腹立ちまぎれにご飯をかきこんだ。男はその様子を見て、笑いを含んだ声を出した。 「だったら今からでも学園になり風紀委員になり報せればいい話でしょう? なぜそうしないんですか」 顔を隠すように弁当をがっついていた由良は箸を止め、横目にそらして壁の一点を見つめた。 「面倒を見ると見得を張った手前、私がそれを反故《ほご》にするわけにはいきませんわ」 由良の眼には今、疲労にまみれ恐怖に身を縮《ちぢ》めていた、昨夜の奈津子の姿が映っている。長身で自分より一回り小さい由良に追い縋《すが》った、冷えきった手と、頬に張りついた涙の筋。腫れぼった真っ赤な瞳。 「人に対してこういう言い方をするのは気が咎めますが、でもあれは――憐れでしたわ」 「彼女は巻き込まれ型の発現者ですからね。ラルヴァ被害が原因で生まれたのか、潜在的な資質を持ち合わせていたのかは不明。おそらく、自分の異能とラルヴァとを線引きするための理解がまだ追いついていないんですよ」 「昨日の今日で異能力の顕現だから、『警察』なんて言葉が出てたわけですわね」 空っぽになった弁当箱をしまいながら、由良は視線を戻した。 「それにしても異能者とは、ね。ややこしくなるわけですわ」 男のほうも完食したようだった。カレー皿に銀色スプーンの少し重たげな音がかち合った。 「さらに輪をかけて厄介なのは、顕現した彼女の能力なんですよね」 三 双葉橋。東京と学園島を繋ぐ主要交通機関として重宝され、飛行機の滑走路にも似た長く直線的な鋼橋。昨日の浜へ行く途中にある岬のジョギングコースでは、その巨大な構造物の側面部がうかがえ、直列した鉄のアーチはゴムボールが跳ねるような緩やかな軌道で並んでいた。このエリア周辺は、その名の通り運動サークルや休暇の生徒たちの使うジョギングコースで、これといった店はなく、砂浜に下りて海釣りを楽しむ生徒のほかには普段は通り抜けるだけの場所にすぎない。 夕闇が夜の闇に変わっていく。濃紫《こいむらさき》に閉じられた空がたれこめ、生ぬるい海風がときおり吹きつけてくる。 昨夜と同じ病院着で、痩身を折り曲げて膝を抱えた彼女が眺めている海面は、だんだんと輝きが衰えつつあった。 「道も知らず、よくここに戻って来れましたわね」 突然呼びかけられたことに驚き、奈津子は首だけ動かしてちらりと由良を見た。しかしすぐに顔を戻すと、視線は海にかえった。 「双葉橋、だっけ。病院で見かけたお医者さんが見えたから怖くなって逃げてきちゃった。それからずっと、海岸沿いに歩いてたらここに着いたの」 由良の住んでいるマンションは島の中心地ほどではないが、島の端まではまっすぐ歩いても結構な距離のある場所に建っている。それなのに奈津子は平然と「歩いてきた」と言う。 由良と奈津子のあいだに流れる沈黙を、うねる波音が取り持つように押し寄せる。 「もう夏になってたんだ」 「春眠なんとやらですわ。あなたの場合はそれを通り越して、もうすぐコオロギが鳴きますわよ」 「半年」 奈津子がぽつりと呟く。 「受験が終わって、春からは合格した大学で新しい友達を作って、ゼミでいろんな勉強したりサークル見て回ったり、お金貯めて外国に旅行したり、いっぱい決めてたのに」 由良が傍らに近づいたとき、能面みたいに無表情で、彼女の唇だけが別の生き物のように動いていた。陽が沈んで間もない水平線を、まばたきしないで眺めている。 「遅すぎたのよ」奈津子は両膝のあいだに顔をうずめ、最後のほうは少しくぐもって聞こえた。「何もかも手遅れ」 「たかだか半年でございましょう? これから自分のやりたいことをすればいいだけのことですわ」 「簡単に言わないでよ! 大学デビューができなかったら、そのあとどんなみ惨めに過ごすことになるかくらいあんたでもわかるでしょ!? どうしてあたしだけこんな目に遭わなくちゃならないの! 嫌よこんなの、死んだほうがマシだわ!」 それきり奈津子は口をつぐむと、前よりきつく膝を組んで黙りこんだ。そんな彼女を、由良はしばらく冷ややかに見つめ、やがてひとかたまりの強い潮風が二人をすれ違った。ショートの奈津子の後ろ髪が小さくなびき、肩の前にかかる由良のセミロングの髪を揺らした。髪を片手で押さえていた由良の目が、スッと細くなった。 「そうですわね。出来損ないの翼なんて生やしてるくらいなら、死んだほうがいいでしょうね」 一瞬、奈津子は由良の言っている意味がわからなかった。そう言われて初めて、それまでただの疲労だと捨て置いていた体の違和感がぞわぞわとこみ上げてきた。肩に走る異質な感触が、投げかけられた言葉といっしょに膨らんでいく。 奈津子はゆっくりと視線を肩へめぐらせる。ひっ、とひきつけのような小さな悲鳴は、足元に押し寄せる波音にかき消えた。 「なによ……これ……」 奈津子ははじめ、肩に樹の枝でも引っかかっているのかと思った。ガウンを突き破った右肩の、昔読み聞かせられた童話か何かで「天使の羽」と呼ばれた箇所――肩甲骨に伸びる灰色の片翼。しかしそこに鳥が持つ豊かな羽毛はなく、骨組みだけの作りかけの傘のようで、由良が言われなければ、それが翼かどうかもわからなかった。出来損ないのシロモノ。 「ご覧のとおり、普通の人間にはできない芸当。ここではそれを『異能力』と呼びますの。そしてそれを行使する人間は『異能者』と呼ばれますわ」 「いのう、しゃ?」 呆然とする奈津子をよそに、由良はくるり背を向けて歩き出し、浜辺の真ん中あたりで足をとめた。 「病院で説明されたでしょう? ……まぁ、自分の力を知らずに飛び出して来たらしいですから、ご存じないのも無理ないでしょうけど」 「そんな、あれは医者のでたらめでしょ! こんなの……そう、トリックだわ! みんなして驚かせようとしてるのよ。あんただって」 「園部奈津子。あなたさっき、死んだほうがマシと言いましたわよね」由良は右腕を水平に持ち上げ、砂浜に手のひらをかざした。 「だったら、一度死んだほうがいいんじゃない?」 飾らない言い方で、ふっと笑った。布に巻かれた長い得物が砂をまいて突き出し、宙に浮かせた由良の手に吸い付くようにして寸前で静止した。由良はそれを掴み上げ、撫でるように大布を取り払った。 「望みどおり今ここで、私が引導をくれて差し上げますわ」 うまく状況を呑み込めず、その様子を見守るだけしかできない奈津子に、由良は凛としてよく通った声でそう宣言した。 四 「フィロメア?」 弁当箱を鞄にしまう途中で、聞きなれない言葉に由良は手を止めた。 「あらゆる恐怖への対外的な自己防衛、それがフィロメアという異能力です」 「対外的ということは、それを実体化させるという意味で?」 脳内のイメージを3次元的に具現化させて表現する異能者の話は聞いたことがある。 「察しがいいですねぇ。はい、その通りです」 由良の答えに優男は満足げに頷く。由良より一つ年上なだけなのに、子どもをあしらうような態度が鼻についた。しかしここで口を尖らせても仕方ないので、黙って話の続きを待った。 「無から有を生み出す力。正否はどうあれ、いかなる状況下も想定しなけらばならないラルヴァとの戦いにおいて、創造能力者《イメージアビリティ》の存在は貴重です」 「使い方によっては、リスクのない万能スキルですものね」 「そこで問題になるのが、彼女の能力ソースたる『恐怖心』なんです」 物腰の柔らかだった男の口調が、急に真面目になった。 「恐怖は際限なく人の心を喰い殺します。実際に傷つけなくても、意思だけで本人を自滅させるほどに」 五 由良は悲鳴を聞いた。 両手の青筋が浮いてみえるほど力強く顔を覆い、一秒でも早く今そこにある現実を弾き飛ばそうと、狂ったように奈津子は頭を振る。時おり、手の隙間から胃が押し上げられるのではないかと思うほど、別の意思を持って重低なうなり声が響く。 「発破をかけるだけの簡単な役目……よくもまぁ、平然と嘘ぶいてくれましたわね」 由良は鞘から大太刀の愛刀『国綱』を抜きはらい、刀身部分が胸まであるそれを砂浜に突き立てた。 多少の予想はしていたが、おこりうる可能性のなかでいちばん遠く、最悪の結果だった。 「死ぬ、どうして、人間じゃない? 意味わかんないわよ!」 奈津子は由良を見ていない。手先の不器用な子どもが粘土で肉付けしたかのように、奈津子の身体は右肩から手首にかけて黒いでこぼこの肉塊に侵食され、手だけがかろうじて元の形を残していた。肩に広がる骨だけの片翼が、彼女の心臓に呼応して上下に揺れて呼吸している。 月明かりの薄い空の下では、その色合いは闇より濃いのか、またはそれと同等の底暗さを醸している。 「とにかく、やるだけのことはやりますわ」引き抜いた太刀を手に提げたまま、 「それがあなたとの約束ですものね」 静かに間合いを詰めながら由良は言う。 由良は腰を沈めつつ、自らの異能力を使い、自《・》身《・》と《・》地《・》面《・》を《・》反《・》発《・》さ《・》せ《・》、水面を跳ねる飛び石のように高速で接近する。ついこのあいだまで一般人だった奈津子が反応できるはずがなかった。 突如、奈津子の右腕が持ち上がり、猛進する由良に向けられる。これに由良は驚き、そして当人の奈津子も目を見開いて「えっ?」と間抜けな声が出た。 膨らんだ黒い腕から細い管《くだ》が無数に伸びた。それが勢いよく水圧をかけたホースみたく暴れだし、刺撃のうねりが一斉に由良を襲う。 身体の一部から生まれたものならば、この管の受ける痛覚も、彼女に依存するかもしれない。ほんの少しだけ躊躇《ためら》うも、由良は足元に構えた太刀をすくい上げてこれを斬り伏せた。軟らかく手ごたえのない感触が手に伝わる。ぼとぼとと波打ち際に落ち、波が一息でそれをでさらっていく。 奈津子の表情に、苦痛の色は見えない。 「ならば」 峰を返し振りかぶった刃を煌かせ、彼女の黒い右腕へ大上段から叩きつけた。奈津子が唯一反応できたのは、次に来る衝撃を耐えるために瞼を堅く閉じることだけだった。 ヒュッと大太刀が空を切る。奈津子の黒い右腕が、無理やり彼女の身体を真横へ引っ張り倒していた。由良は切っ先を返して横薙ぎに斬撃を繋げようとしたが、黒く盛り上がった右手ががっちりと太刀を掴んでいる。 手首までで止まっていたはずの侵食は、完全に彼女の右腕を支配してしまっていた。 「くっ!」 刃を押しつけようとする由良の身体ごと軽々と持ち上げられ、ぶんと無造作に放り投げられる。荒く隆起した岩壁が背後に迫り、由良は自《・》身《・》を《・》地《・》面《・》に《・》吸《・》い《・》寄《・》せ《・》る《・》ようにしてすばやく着地した。 那由多由良の異能力は『|《 レ コ ン キ ス タ》引力と斥力を操る力』にある。自分の身体とそれに触れるものを基点に、引力と斥力のどちらかの作用を引き起こす。難点と言えばどちらか片方の能力を連続的に使用することができず、交互に使い分ける必要がある。 「こんなの、あたしじゃない……」 奈津子が吐き出した拒絶の言葉は意図せずして、やがてフィロメアを介して排除行動に昇華される。骨の翼から次々と細い杭が生えて折り重なり、不出来ながらも羽毛のように形成された。 見るからに鋭利なそれの一本一本が由良に向けられた。一歩横へ動くごとにぎちぎちと擦れる音を鳴らして、標的の位置修正を行っている。 「権謀術数いまだ侮り難し。片腕といえど痛い目を見そうですわね」 言って、奈津子の右腕へ駆け出す。眼前に構える襲撃に注意しながら、奈津子を中心に大きく周りこむ。 今度は異能力《レコンキスタ》の斥力を使わず、自力で走っている。決して平らではない砂浜に、踏み込むたびに足をとられそうになる。 由良が走りはじめるのと同時に、奈津子の右腕から四本の黒い管が伸びた。数こそ一度目と段違いに少ないが、今度は正確に由良めがけて飛びかかってくる。 どうやらこちらの動きを止めることが目的らしい。両足を狙う管を両断し、太刀を握る左腕に絡んできた二本を、斥力で強引に反発させて引き千切った。 拘束が解かれた反動で前のめりによろける形になり、由良は顎をあげて立ち上がろうとするが、月光に塗れた羽矢が頭上を押さえつけるようにして撃たれ、髪をかすめた。斥力で弾きたかったが、一度能力の行使をオフしたために、次は引力を使用しなければならない。そういう点で評価すれば、自由に力場を決定できる|PK異能者《サイコキネシス》のほうがずっと便利だった。 由良は歯噛みしながら大きく転がり、羽矢を掻い潜りながら浜辺の一角にあるゴミ山へ逃げる。 この浜辺には東京湾や、潮流を巡って太平洋からの流木や遺棄されたゴミが流れ着く。景観的にも見苦しく、由良はここで張り込むことになった日から、暇を見てはそれらを集めては片付けていた。 大きなカマボコ板のような、縦に長い腐った戸板の端を踏みつけ、垂直に立ったそれに引力を発生させる。寸前に迫っていた羽矢が無茶苦茶な角度で戸板に刺さり、あっという間にそれがハリネズミに変わる。 「避けて!!」自ら視界を塞ぐ形になっていた由良へ、奈津子が叫ぶ。 直下から黒い腕が砂浜に現れた。遅れて気づいた由良が斥力で後方へ大きく距離をあけようと試みるが、それだけでは完全に逃げられず、指の隙間を閉じて極限まで空気抵抗を除いた刺突が太腿《ふともも》を浅く切り裂いた。痛みに集中を削がれ、受け身もとれずガラクタだらけのゴミ山に頭から転倒する。 突き上げた黒い腕は、飛び出したときの勢いそのままに、再び砂中に潜っていった。ちらりと奈津子のほうを見ると、右腕が地面にまっすぐ突きこまれていた。 「ごめ……ごめんなさい」 自分が痛いわけでもないのに、奈津子はくしゃくしゃになった泣き顔を片手でこする。さっきと変わらず立ち尽くしたまま動かないが、動けないのかもしれない。 「そんな情けない顔でやられる、こっちの身にもなって欲しいですわ」 由良がゆっくりと起き上がり、太刀を支えに立ち上がる。「めそめそしてる時間があったら、自分で制御《コントロール》してみせなさい!」 浅く、とはいえ案外ざっくりやられたらしい。傷口に潮風が吹きつけるたびに筋肉が妙に引きつる。 「でも、どうやって」 「ンなこと知りませんわ」 「『イノウシャ』なんでしょ! なんでもいいから教えてよ!」 「私《わたくし》が言えることはただひとつ。その力、自分で制御できないようなら、一生この島で暮らすことになりますわよ」 奈津子の右腕は二人のやりとりを静観している。攻撃時は毛の逆立った猫のように奈津子の意思と関係なく動いていたが、今は借りてきた猫のようにおとなしい。こちらの動きに無差別に反応するのではなく、明確な敵意に対してのみ自動的に迎撃行動するようにできているようだ。それは言外に、由良が敵意を向けていないという証明になる。 だが、それを彼女に気取られてはいけない。死への恐怖を最大限まで高めさせ、力の天井を彼女自身に覚えこませなければならない。本気で殺すつもりがないことを知れば、フィロメアにある潜在的な防衛機構に半端な感覚しか生まれない。たとえそれで制御可能になったとしても、不安定な異能力を持つ暴走能力者の烙印が押されるだろう。どちらにせよ、隔離生活はまぬがれない。 「生きた屍になるか、今ここで屍になるか。私があなたに提示できることはそれだけ」 薄く笑い、できる限り冷淡な声で太刀の切っ先を突きつけた。磁石を近づけた砂鉄のように、膨らんだ奈津子の黒い右腕がぞわぞわと蠢き始める。 「うぁ……ま、また勝手に……」 「その腕は愚直なまでに生を求めている。あなたはどうですの?」 ◆ 奈津子は片手で作った握り拳を震わせて、胸の前に置いた。手先は真冬にさらされたかのように冷え切っていたが、身体は驚くほど温かかった。絶え間ない波音よりも速く、心臓が熱く鼓動する。 「あ、あたしは」 答えを待たず、ガラクタ山から少女が駆け出した。 「あたしだって死にたくない。もっと生きたい!!」 精一杯叫んだ。 かすれる喉をさらに絞りながら叫んだ。 彼女の意思と右腕《フィロメア》が融合する。迫ってくる敵意に抵抗する恐怖心が、対等に拮抗せんとする戦意に変わる。 片翼がふわりと一息で羽ばたく。毛先が丸まって柔らかそうな、今度こそ鳥の羽根が周囲を舞い上がる。奈津子はそこで初めて、自分の頭上いっぱいに広がる空を見上げた。 ◆ 奈津子の周囲から高く吹き上がった羽根が中天まで達すると、先端が黒光りした鏃《やじり》に形を変え、地表の重力を帯びて落下してきた。由良はそれを無視して腰を沈めたまま、刀身の長い愛刀『国綱』を地面すれすれに下げて後ろへ流しながら、奈津子にまっすぐ突進する。黒銀の矢が降り注ぐさらに高みでは、ダイヤモンドの粒を散りばめたような星空が追いかけてくる。 奈津子の右手に二の腕から生えた黒い管がぐるぐると巻きつき、先端へ伸びるにつれて細くなる。両手に柄を握り締めた由良の太刀が横一文字に振りぬかれたときには、一角獣の角めいた大槍が刃風もろとも立ちふさがった。夜気を震わす鍔迫りの音が、火花とともに鳴り響く。 「だから、あたしは絶対に死なない!」 単純な力のぶつかり合いで由良に勝ち目はない。一歩前へ距離を詰め、太刀に引力を纏《まと》わせ、振り下ろされている大槍を引きつけたまま下方向へ捌《さば》く。 「あ……」 押しきることに注意を向けていた奈津子は、結果的に前へよろめくことになる。 由良は懐《ふところ》深くへ踏みこむ。柄から離した右拳《みぎこぶし》を握り締め、 「さきほどのお礼ですわ……ッ!!」 パシッ、と奈津子の|黒い左手《・・・・》がそれを受け止めた。 由良の瞳が激しく動揺する。注意して見ると、左腕は右腕のように腕全体を黒い肉塊が包んでおらず、由良の拳を阻んだ掌《てのひら》だけをフィロメアの力が纏っていた。 ガクン、と由良は膝から崩れた。さっき力強く踏みこんだ脚が、ゴミ山で切りつけられたときの片脚だと気づいた頃には、すでに拳が奈津子の掌から離れている。倒れながら目だけを動かして怪我の具合を観察すると、血の流しすぎで太腿から下が真っ青になっていた。 「あたしの、勝ちね」 奈津子は肩を上下に揺らして息をつきながら、誇らしげに由良を見下ろす。ざあざあと騒ぐ波の音に荒い呼吸音が混じる。由良はしばらく呆けた表情でそれを眺めていたが、きゅっと眉をひそめて、少しだけ悔しそうに告げた。 「……故人曰く、窮鼠《きゅうそ》猫を噛むといいますわ。追い詰められた得物ほど厄介で、捕食者はそれを持て余すものです。有り体に申し上げれば私は猫という絶対的強者で――痛っ」 由良は身体を起こそうとしたが、出血多量による貧血と傷口に吹きかけてくる潮風に煽られて尻餅をついた。何度か試してみるも、しだいに疲れてきたので立ち上がることもやめた。 「どうやら、その力をモノにできたようですわね」 「殺す~みたいなこと言ってたけど、やっぱり冗談だったのね」 「自分で言うのもあれですけど、とんだ大根役者ですわ。もう金輪際《こんりんざい》、あの男の話には乗りたくありません」 なんのこと? と首を傾げる奈津子の両腕にはすっかり異常はなくなっている。不器用に生えていた片翼も、まるで夢を見ていたようにきれいさっぱりだ。手の甲を額に当てて、由良は言葉を続ける。 「あなた、その様子でしたら退院もすぐでしょう。なるべくはこの島にいたほうが良いというのは本当ですが、今のあなたなら島外で生活しても問題ないはずですわ」 ハンカチで怪我の箇所を押さえ、由良はチェックのスカートのポケットへ無造作に手を入れると、少し砂を被ったモバイル手帳を取り出した。片手で開くと砂利がぱらぱらと零れ落ちたが、無駄に技術の粋を詰め込んだ手帳に支障はない。 奈津子の病院のコール番号は知らない。連絡するなら風紀か、それともあの優男のいる諜報委員会か。逡巡したが、事情の通りそうな諜報委員会にしておいた。直接通話は行わず、救護要請に併せてGPSの位置情報を送る。ふと、カメラで外傷部位の画像も送りつけてやろうか考えたが、案外きわどい構図になりそうなので断念した。 「あたしはどうしてればいい?」 心配そうに、自分のことのように、痛々しい表情で覗きこんでくる。 「とりあえず、向かいの道路で救護が来たらこっちへ呼んで。それだけで十分ですわ。私の名前を呼ぶ優男風な学生がいたら一発ブン殴って構いませんから」 「えっ……う、うん。わかった」 言って、奈津子はぱたぱたと走っていった。だが急に軍隊のマスゲームばりに軽やかに反転すると、こっちへ戻ってきた。「名前! 訊いてなかった!」 「せわしない人ですわね……」顔を向けず、由良は呆れたように呟く。 「世話しない?」 「落ち着きがないと言ってるんです! それと、私の名前は那由多由良《なゆたゆら》! ナユタが苗字でユラが名前ですわ!」そしてしぼんだように、長い溜息をつく。「なんでこんなのに負けたんでしょ……ああもう、眩暈が」 奈津子は踵《きびす》をかえして元気に走り去った。本当にこのあいだまで眠り続けていた人間かと疑いたくなるくらいに、彼女の背中はしっかりしていて、羽の生えたように足取りは軽い。 ふらつく頭でぼんやりと夜空を仰ぐ。 首都圏からそう遠くない学園島は、本来は東京と同様に赤黒い太陽からなる盲目な空であるはずなのに。これが島の周囲に張り巡らされているといわれる結界と呼ばれるものなのかもしれない。 優しさを包んだ暗さ、澄んだ夜風に吹けば消え入りそうな小さな星たちと語らう潮騒。 「窮屈な世界ですけど、それなりに悪くはありませんわよ、この島も」 心地よい眠気を耳におぼえ、由良は瞳に映るそれらを瞼の裏に満たした。 星空が鮮やかに謳《うた》い、儚い輝きに波が踊る。 トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/210.html
0120:暴走列島~藍染~ 「君達の支給品と能力を教えてくれないか?」 長身の優男はいきなりそう言った。見れば日本刀を帯びている。 越前は少しだけ緊張したが、相手が両手を上げている事、少し怪我を負っている事で少しだけ緊張を緩めた。 火口とは違い、いきなり襲い掛かることも無く、話も通じるようだ。 「アンタはゲームに乗ってないみたいだね」 越前はそう言うと、ウェイバーに乗せた片足を下ろす。 新八が刀を向けているにも関わらず、男に攻撃の意思が無かったからだ。 「ああ、私はゲームには乗っていないよ。それよりも、支給品と各自が持っている能力の方が興味がある。 良かったら、君達の支給品と能力を教えてくれないか?」 「へぇ、変わってるね、アンタ」 越前は興味なさそうに答える。 「これでも、科学者でね。未知の物には興味があるんだ」 「それより、怪我は大丈夫なんですか?」 新八が刀を下ろして聞く。藍染は笑って、処置はしてあるから大丈夫だと答えた。 「私は藍染惣右介。君達は何というのかな?」 新八と越前はそれぞれ答える。 新八も越前も既に藍染に気を許しつつあった。 藍染は考える。 見たところこの二人には能力は無いようだ。 自分がそんな能力を持っていれば、相手も持っているかも知れないと警戒するだろう。 そして、先程の放送。 主催者は何らかの監視装置を持っているようだ。 最も簡単なのはこの首輪に盗聴装置でも組み込んでおく事だろうが、藍染はそれだけの筈は無いと確信していた。 あれほどの力と技術を持つ存在だ。全員の動きを把握するのは難しくはないだろう。 そして、映像でこのゲームの全てを見たいと考えているはずだ。 ゲームの参加者を嘲笑うには映像は不可欠だし、何より、自分ならそうするからだ。 まぁ、目的は違うだろうが…… 支給品は奪い取って説明を見れば良いのだが、考えが変わった。眼鏡の男が斬魄刀を持っていたからだ。 この状況。 そして自分の斬魄刀。 この二人にも役に立ってもらうとしよう。 「面白い事が出来そうだ」 「え?何がですか?」 新八が急に意味が分からない事を言い出した藍染に怪訝な顔をする。 「いや、君達の支給品はそれだけなのかな?」 「ああ、これだけだよ。あんたの興味を惹きそうな物は無かったみたいだね」 「いや、この二つは貰っておこう」 言葉と同時の瞬歩。これも制限されているが、彼らから見れば消えたように見えただろう。 藍染は斬魄刀を一瞬で奪い、ウェイバーの前に現れる。 「何をするんだ!!!」 新八が叫ぶ。 藍染は全く調子を変えずに笑って言う。 「言った筈だよ。私は支給品に興味があるんだ。それに、この刀は元々私達の物でね。返してもらった」 越前は飛び掛ろうとする新八を片手を上げて制する。 「あの動き見ただろ?只者じゃないよ」 「ふむ、君は冷静だね。一つ頼みがあるんだが……」 「ふざけるな!!!」 「聞くと思ってんの?」 怒る新八と越前に藍染は呆れて言う。 「人の話は聞きたまえ。私はこのゲームからの脱出手段を持っている。 私は琵琶湖で待っているから、出来るだけ多くの人を連れて来るんだ、良いね?」 藍染はそう言うと、ウェイバーに乗って去っていく。 あの二人は真偽の程は別として誰かに伝えるだろう。そして、太公望達は自分を追ってくるだろう。 そして、それを見ている主催者共。 全ての失敗は自分を招いた事だと知るが良い。 藍染は笑い続ける。 【兵庫県/山陽自動車道のサービスエリア/朝】 【藍染惣右介@BLEACH】 [状態]:わき腹負傷、骨一本にひび、多少の疲労、打撲数ヶ所 [装備]:刀「雪走」@ONE PIECE、斬魄刀@BLEACH [道具]:荷物一式(食料二人分)、スーパー宝貝「盤古幡」@封神演義、ウェイバー@ONE PIECE [思考]:1.琵琶湖へ向かう 2.出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害。特にキメラの翼を求めている。 3.計画の実行 【志村新八@銀魂】 【状態】中度の疲労、全身所々に擦過傷、特に右腕が酷く、人差し指、中指、薬指が骨折 【装備】なし 【道具】荷物一式、両さんの自転車@こち亀、火口の荷物 【思考】1:目の前の男への警戒 【越前リョーマ@テニスの王子様】 【状態】健康 【装備】テニスラケット@テニスの王子様 【道具】荷物一式(半日分の水を消費)、サービスエリアで失敬した小物(手ぬぐい、マキ○ン、古いロープ 爪きり、ペンケース、ペンライト、変なTシャツ) 【思考】1:藍染の事を考える 2:情報を集めながらとりあえず地元である東京へ向かう。 3:仲間との合流。竜崎桜乃の死は信じない。 時系列順で読む Back ん?間違ったかな Next shadow 投下順で読む Back ん?間違ったかな Next shadow 114 暴走列島~覚悟~ 藍染惣右介 142 起と承と 114 暴走列島~覚悟~ 志村新八 134 溺れる者は藁をもつかむ 114 暴走列島~覚悟~ 越前リョーマ 134 溺れる者は藁をもつかむ