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マクロスなのは 第3話『設立、機動六課』←この前の話 『マクロスなのは』第3話その2 (*) その後ヴァイスのフランクな性格が功を奏し3人で仲良く話し込んでいたが、クラエッタの方は彼女の友人でありロングアーチ分隊の通信士を務めるというルキノ・リリエ二等陸士と共に他の所へ行ってしまった。 そこでヴァイスと話を弾ませていると、こんな話題が登った。 「―――――おまえのバルキリーだったか? あれには敵わんが、俺にも遂に新鋭機が回って来たんだ」 「ほう・・・・・・どんな?」 「いままで乗ってたちゃっちい小型ヘリじゃねえ。輸送ヘリでな、デバイスとのリンクで飛躍的に機動力があがるんだ。 これならランカちゃんやなのはさん達を運ぶのに安心だ。それになんでもPP・・・・・・何とかってバリアが張れるらしい」 「なに?」 一瞬OTM(オーバー・テクノロジー・オブ・マクロス)のPPBS(ピン・ポイント・バリア・システム)だろうか?と危惧したが、それを問う前に人が来た。 「早乙女先輩!」 そう呼びながら近づいてくる2人組。こちらを呼んだ青い髪をした少女には見覚えがある。あの襲撃のとき敵に囲まれて進退極まっていたスバルという管理局の少女だ。 それを見たヴァイスは、 「じゃあ、また」 と言い残し、サッと姿を消す。 「お、おい!ったく・・・・・・」 気がまわるのも、時たま罪だ。 「早乙女先輩、あの時はありがとうございました!」 深々と頭をさげる青髪の少女。それを隣のオレンジ色の髪をツインテールにした少女は、そのあまりの元気のよさにあきれたのか微笑を浮かべながら見守っている。 「あたし、スバル・ナカジマっていいます!コールサインはスターズ3です!」 「あぁ、よろしく。あと、早乙女はやめてくれ。アルトでいいぞ」 「はい!」 (ほんと元気なヤツだな・・・・・・) ランカとはまた少し違う彼女の元気のよさに、少々感心しながら挨拶を返す。その時、スバルの同僚がじっとこちらを凝視していることに気づいた。 どうやら彼女が見ているのは、上着の内側に掛けられた拳銃らしい。これはSMSが護身用に配給した5.45ミリ『SIG-2000』というもので、バイナリー(二液混合)火薬式の質量兵器だ。しかし今はアルトの魔力で電磁気を作り出し、それによってゴム弾を高速で打ち出すレールガンのような非致死性の魔導兵器に改良されている。 ちなみにVF-25のガンポッドも現在この方式に改良されている。 「・・・・・・スターズ4のティアナ・ランスター二等陸士です」 明らかに不満のあるように名乗り、敬礼すると、答えも聞かずスバルを引っ張って行く。 「え?ちょっとティア、今のはマズイよぅ~!」 というスバルの悲鳴が聞こえるが、ティアことティアナは我関せずとばかりに立ち去る。 スバルは申し訳なさそうにこちらに頭を下げると、彼女を追っていった。 (お、俺が何をした!?) 百戦錬磨のアルトの頭の中は、ゴーストV9に狙われた新人バルキリー乗りのような恐慌状態に入っていた。 (最初から機嫌が悪かったのか?いや、スバルを見守るティアナは確かに笑ってたよな・・・) そしていくつかの可能性が脳内会議で上がるが1つ1つ消えていき、やがてそれは堂々巡りになる。 その思考から抜け出せたのは誰かが彼の肩に触れたからだ。 振り返るとそこには心配そうにこちらを覗き込むなのはの姿があった。 (*) 「そっか・・・・・・ごめんね。ティアナは、こういう質量兵器が嫌いなの」 事情を聞いたなのはの手が、アルトの懐に鎮座する拳銃に当てられた。 「昔彼女には、地上部隊の空戦魔導士・首都防空隊にいたお兄さんがいてね。両親を早くに亡くしたから、ずっとそのお兄さんと2人暮らしだったの。でもある時お兄さんが質量兵器を扱う商人の大捕物をして、お兄さんをその時に・・・・・・。でもね、根はいい子だから、ゆっくりでもわかってあげて」 なのははそれだけ言うと、 「ね!」 とウィンクして立ち去った。 しばらく立ち尽くしていたアルトだったが、一通り挨拶してまわると、自らの愛機の待つ格納庫へ向かった。 (*) 外は既に日が暮れ、空はあかね色に染まっていた。そして風に乗ってやってくる心地よい潮の香り。しかしそんな美しい空も香りも、この胸のうちを快晴にすることはできなかった。 アルトは胸に焼き付く悶々とした気持ちを飛ぶことで解消したいと思ったが、それは無理だった。EXギアがあの襲撃事件からすぐ、地上部隊の技研(技術開発研究所)に送られてしまっているからだ。 VF-25は格納庫で眠っているが、EXギアなしで操縦するのは不可能だった。 フロンティア船団の新・統合軍が装備するVF-17をデチューンした現主力人型可変戦闘機VF-171『ナイトメアプラス』であれば、EXギアなしでも何とかなるが、マニュアルのVF-25では真っ直ぐ飛ばす事すら難しいだろう。VF-25はそれほどのじゃじゃ馬だった。 ちなみに先の設立式では、実はアルトは民間機よろしくあらかじめプログラムしたオートパイロットの見張り役とミサイル(花火)発射のボタンを押しただけで〝自由に飛ばした〟わけではなかった。ヴァイスへの返事がおざなりになったのもそのせいだ。 空を1週間も飛べていない事と、さっきのティアナの事が重なり、更に彼の胸の内を悶々とさせた。 「アルトくん!?」 そんな時に声をかけてきたのは、シャーリーの愛称を持つ、六課の管制及び技術主任だった。 彼女とは、バルキリーの改修でよく相談するため、比較的顔を合わすことが多かった。ちなみに、先のレールガン型の発射方式を考案したのも彼女だった。 どうも予想外の遭遇だったのか落ち着かない様子で、目を逸らしてもじもじしている。しかし何かを決意したように口を開く。 「あのね、EXギアのことなんだけど・・・・・・」 アルトの長年の役者のカンが、一斉に非常事態宣言を発した。『彼女はこれからそのEXギアに関して物凄く嫌なことを言うであろう』と。しかし次の問いを出さずにはいられなかった。 「・・・・・・どうしたんだ?」 「実は・・・・・・」 彼女の視線が、VF-25の入った格納庫とは違う格納庫で止まる。確かあそこはヴァイスの新型ヘリが入ることになっているはずだが・・・・・・ 彼女に促されるまま格納庫のドアを開ける。 なんにも見えないぞ」 外の明るさに慣れた目は格納庫内部の弱い光を感知しなかった。 「ごめん。今電気点けてくるから・・・・・・」 外に設置されている配電盤のところへ行こうとしたシャーリーだが、一瞬立ち止まると、 何があっても、絶対に驚かないでね!」 と言い残し、今度こそ出ていった。 (おいおい、何があるってんだよ・・・・・・) 不安と暗闇の中待っていると、突然辺りが閃光に包まれた。 アルトは目が慣れるのを待つと、目の前に鎮座する多数の用途不明の部品類を見渡す。それらは床に敷かれた防水シートの上に綺麗に並べられており、丁寧に分解されたらしく壊された形跡はない。しかし1つだけ、原型がわかるものがあった。あれは――――― 「熱核反応エンジン・・・・・・?」 しかもそれはEXギア用に開発された小型のものだった。 原子炉にOTMの重力制御技術を組み込んだ反応炉(核融合炉。反応弾と違い物質・反物質対消滅機関ではない)というエンジンには複雑すぎて手が出なかったらしい。 しかし近づいて見ると、しっかり炉心は止まっている。残留熱もないようで、止められたのが1日以上前であることがわかる。 「本当にごめんなさい!」 戻ってきたシャーリーがドアの前で両手を合わせ、深々と頭を下げている。 「本当はもう3日前にはEXギアは返って来てたの。その時はこう・・・・・・じゃなくてまともな状態だったんだけども、ちょっと魔がさして・・・・・・気づいたらバラしてて・・・・・・直そうにも上手くいかなくて・・・・・・」 彼女の声がどんどん小さくなっていく。どうやらEXギアを解体した張本人は技研でなく彼女らしい。 「はぁ・・・・・・部品が全部あるみたいだから元には戻せるとは思うがな、この炉の火を完全に消すと、また点けるのにどれだけ苦労すると思ってるんだ?」 「・・・・・・」 「ここの設備じゃ1ヶ月はかかるだろうな。どうしてくれるんだ?」 うつむくシャーリーを責め立てるアルト。 しかし実は大嘘も良いところ。 確かにこの世界で最もポピュラーな発電方法である核分裂炉を1基を貸してくれるなら別だが、それ以外の方法では数十万度という必要な熱がなかなか手に入らない。 そして、これを組み直すのには1週間ぐらいかかるかも知れない。しかしVF-25の熱核反応炉を繋げてスターターにすれば10秒かからず炉は再稼働するはずだった。 もしここにランカがいれば、それぐらいの知識は常識としてあるため 「やっぱりアルトくん、意地悪だよぅ~!」 と、言った事だろう。しかしシャーリーには代案があったようだ。 「だから、これを作ったんです!」 彼女がポケットから〝何か〟を出す。アルトは手を伸ばし、シャーリーの出した物を受け取った。それは技研にフォールドクォーツのサンプルとして差し押さえられたシェリルのイヤリングだった。 やがてそれは光り始めるが、すぐに収まった。 「これはインテリジェントデバイスです。今ので登録が終わったわ」 「お、おい、ちょっと待てよ。これってデバイスだったのか!?」 「・・・・・・?ええ、技研の解析結果にはその石はデバイスのフレームと同素材ってなってたわよ。確かに中には解析不能なすごく小さなデータと基本的な人格サブルーチンが入ってたけど、容量がほとんど空いてたから新品のインテリジェントデバイスだと思ってたんだけど、違ったの?」 (そうか、コイツ俺が次元漂流者って知らなかったんだったな・・・・・・) しかしこれはバジュラしか生成できないフォールドクォーツだったはずだ。シェリル自身は母の形見と言っていたが・・・・・・ ともかく詳しい入手経路をシェリルに会った時に聞こうと決意していると、 それが青白い光を点滅させた。それと同時に聞こえてくる声。 『Nice to meet you. sir.(よろしくお願いします。サー)』 アルトは物が話しかけてくるという現象にすこしたじろぎながらも、イアリング型デバイスに 「・・・・・・あ、あぁ、よろしく」 と返すと、シャーリーに向き直る。すると彼女は不敵な笑みを浮かべて言った。 「それじゃあバリアジャケットに着替えてみて。もうイメージデータは入れてあるから」 「わかった・・・・・・セットアップ!」 皆がそうするようにデバイスを掲げてこう宣言した。 (なんかオールドムービーで見た光の国から来た巨人みたいだな) そんなことを一瞬考えるがデバイスは再び光り始め、 「Yes sir.」 といって四散する。そしてその青白い光が一瞬で視界を塞いだ。数瞬後、光が収まった時最初に感じたこと、それは身体の一部であるかのような着心地だった。 「これは・・・・・・EXギア・・・・・・!」 それは分解された軍用EXギアと寸分変わらぬ形状をしており、パワーアシスト機能も健在だ。 「そう。さすがに反応エンジンは無理だったけど、あなたの魔力でそれを代替して空を飛べるし、ミッド式の魔力障壁も展開できるわ。もちろん、元の機能は全く同じよ」 シャーリーは自らの端末を操作してマニュアルを呼び出す。 「武装は、あなたのバルキリーに搭載されてたリニアライフルをモデルに作ったけど・・・・・・はい!」 そういって彼女は紙飛行機のように視覚化した光子データストリーム(ホログラム内にデータを内蔵して送信する短距離可視通信方式)を端末で放るようにこちらに飛ばす。それをEXギアでキャッチすると、自動的に消失して中身のデータを読み込んだ。 そのデータに入っていたマニュアルからリニアライフルの記述を探す。どうやらそういう追加装備は「~装備」と言うだけでいいらしい。早速 「リニアライフル装備」 とデバイスに命令を発する。すると青白い光の粒子が右手に集まり、瞬時にそれを生成した。 「おっと・・・・・」 突然かかったリニアライフルの質量にすこしよろけるがすぐ持ち直す。元素から再固定して作られたとは思えない本物のような重さだ。 「発射するのは普通の魔力弾だけど、弾頭の生成の時に色々な弾種を選択できるわ」 マニュアルによると、通常の魔力弾や魔力砲撃、対AMFシールド貫通弾と多彩だ。 「あと、あたしの自信作がこれ!」 そういって示されたのはマニュアルの項目。タイトルは『PPBS』とあった。 「ピンポイントバリアシステム・・・・・・」 「そう!EXギアのデータベースを解析したら、その基礎理論と実用化例があって、作っちゃった♪」 どうやらこれの犯人もコイツだったらしい。ヴァイスのヘリに付けられるバリアはおそらくピンポイントバリアシステムだ。 EXギアのデータベースにはパスワードをかけたSMSの機密情報と美星学園の卒業試験突破のために教科書が一通りアップロードされていた。 確かその教科書のなかには最新のOT(オーバー・テクノロジー)とOTMの基礎理論と実用化した例の写真があった。だがこのOT・OTMという技術自体人類全体の機密だ。 (しかし・・・・・・) もし基礎理論だけで彼女がこれを作ってしまったのなら冗談抜きで天才だ。あれら超科学には理論だけでは解析不能なところがあったためだ。 「これで許してもらえる・・・・・・かな?」 そう上目遣いで聞いてくるシャーリーを見ていると、機密などどうでもよくなった。 (どうせ同じ人類で、しかも敵意はなさそうなんだし・・・・・・) そう思い礼を言うに止めた。 それを許してもらったと解釈したシャーリーは、 「ありがとう。じゃあ、また明日ね~」 と言い残し、宿舎に退散していく。おそらくこの3日間不眠不休だったのだろう。今思うと彼女の目の下には隈があった。 「・・・・・・そう言えば、おまえの名前は?」 リニアライフルに付いた青い宝石に問う。 『I don t have name. Please regiter.(名前はありません。登録してください。)』 「名前か・・・・・・そうだな・・・・・」 しばし黙考すると、VF-25のペットネームを思い出す。 「・・・・・・じゃあ『メサイア』でいいか?」 『No problem.(問題ありません。)』 心なしか嬉しそうに見えた。そして、未だにあかね色に染まる空を見上げると、当初の予定を思い出す。 「メサイア、いけるか?」 新しい相棒にはそれだけでわかったようだ。主翼を広げ、スバルと同じような魔法による道ができる。しかし、それはひたすら真っ直ぐで取っ手がついている。まるでどこかにあるカタパルトのように。 『All the time.(いつでも。)』 メサイアの歯切れの良い返事とともに、取っ手を握る。 「よし!」 掛け声とともにEXギアは急激な加速に入り、その青年の体は暮れかけの空を舞った。 次回予告 遂に始まるフォワード4人組に対する熾烈な訓練。 そしてその訓練の一環として模擬戦が行われることに。 しかしその相手は─────! 次回マクロスなのは、第4話『模擬戦』にご期待ください! シレンヤ氏 第4話へ
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「なさけないやつね、たかがAランクの魔道師にやられるなんて」 「これからどうするのです?フェイト・・」 「面白いことを言っていたわね、ジュエルシードって」 「お母さんのためにあの子を生き返らせるのね!」 「冗談言わないで、そんな役に立たないやつはいらないわ・・・ こういうのはどう?あたしたちが永遠の命を手に入れ永久に 戦闘を楽しむってのは」 「それはいいわ!」 なのはたちの元へ向かう途中、フェイト一向はとある一族に捕らえられる(ふりをしていた) そこは独裁者の国であった。フェイトはその独裁者の軍隊を簡単に倒す 独裁者に苦しめられていた民衆はフェイトたちに感謝 フェイトたちは無言で去っていく 「これはだめですね、高く売れない土地です」 「消えてなくなりなさい、クズ国め!」 フェイトがデバイスから光線をだし、一国を消滅させた 「どんな国も消え去るときは美しいものね」 「ミッドチルダもいい国なんでしょうかね?」 「なーに、クズ国なら吹き飛ばすまでよ!ジュエルシードを手に入れてからね!」 ついになのはと対峙するフェイト 「くっくっく、喜んで頂戴ね、あなたのような落ちこぼれが超エリートに遊んでもらえるんだから 魔道師は生まれたときに素質を検査される そのときランクの低レベルなあなたみたいなのが 人間界に生まれるはずよ!ようするに、あなたは落ちこぼれよ!」 「そのおかげで家族や友達にも出会えたの!それに落ちこぼれだって必死で努力すればエリートを越えるかもしれないの!」 「ではみせて上げるは、努力ではどうやっても超えられぬ壁を・・・」 「どうしたの高町なのは!?そんな程度じゃないでしょ!?本気を出しなさい!」 「さすが・・・あの子はまだ本気を出してないのにスピードも技も私を超えているの!」 なんとかフェイトにダメージを追わせるなのは、だがそれに激怒したフェイトは 「もうこんな土地などどうでもいい!大地もろともチリにしてあげる!!!」 「賭けるしかないの!全力全開、スターライトブレイカー!!」 技が跳ね返され重症を負うフェイト。当然逃げようとする 「ぶ・・・ぶざまね・・・あたしが逃げるなんて・・」 だが、クロノは止めをさそうと刃物でフェイトを刺そうとする 「く・・・体が動かない!」 「しね!!!」 「まって、クロノくん!その子を生かしておくのは確かに危険・・ だけど、思っちゃったの、きっと友達になれるって・・ だからあたしのお願いを聞いて!その子を逃がしてあげて!!」 「たしかに殺すのはよくないけど・・・でも!」 「そのこは本当はいいこだよ・・・」 「よ・・・よく覚えておきなさいゴミども!あ・・・あなたたちには未来はないわ!」 フェイトは逃げていった 「ごめんなさい、お母さん(いい気にならないでよ、いつかあなたを殺してやるんだから)」 「くっ・・・本当に使えない子!!だけど、今回は上出来ね、ジュエルシードのありかがわかったんだもの」 (なに!?ふざけないで!あれは私のものよ!あなたみたいな糞女のものじゃないわ!) つにに最終回付近、フェイトはプレシアの力が強大すぎるため、しかたなくなのはたちと組むことに 「はははは、ざまあみなさいお母さん、いえ、プレシア!!あなたは終わりよ!ここにいるなのはに倒されるんだから!」 だが、フェイトは心臓を貫かれてしまう 「くだらないこと言って・・・あなたはいらない子よ!どこへでも行きなさい、地獄のどこかへね!」 「フェイトちゃん!!プレシアさん!なんでこんなひどいことを・・!」 「な・・・なのは、まだそんな甘いことを言ってるのか!?おばかさんね! ひ・・・非情に・・・なりな・・・さい! あ・・・あたしはお母さん、いや、プレシあのために働かされた、虐待もされた なのにあいつは私を裏切った・・・私はあいつの手となり足となり命令どおりに動いたのに・・ あ・・・あいつは恐れている・・・魔道師を! た・・・たのむよなのは・・・仇をとってちょうだい・・・魔道師の手で・・・」 フェイトは死んでしまったのか?そしてなのはは怒りに震える 「・・・ゆるさない・・・よくも・・よくも!!うぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「あなたも木っ端微塵にしてあげるは、この使えないいらない子のようにね!!」 「いらない子のように?フェイトちゃんのこと?フェイトちゃんのことーーー!!?」 なのはは圧倒的なパワーでプレシアを圧倒、プレシアは片腕と下半身を切断されてしまう 「自業自得とはいえ惨めな最後なの・・・あなたは思い知るがいいわ、命の重さを」 (あ・・・あたしは大魔道師よ・・・だからあなたは私に殺されなければならない・・・) 「わたしに殺されるべきなんだー!!!」 「バカヤローなの!!!!」 こうしてプレシアを撃破、フェイトも幸い生きていた 最後は友達になっていた 単発総合目次へ DB系目次へ TOPページへ
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光成「みんなー! 史上最強のタッグが見たいかー!」 観客「おー!!」 光成「ワシもじゃ! ワシもじゃみんな!」 こなた「と言うわけで始まりました、クロススレタッグトーナメント! 実況は私泉こなた、解説は男塾の解説王・雷電さんでお送りするよ」 雷電「よろしく頼み申す」 こなた「それではー! 選手入場!」 「クロススレならこの人たちを外せない! 登場回数1位&2位! 6/&カオスかがみだ!」 「芸歴27年の奥義が今ベールを脱ぐ! 任天堂からマリオ&赤ヨッシーだ!」 「ヴォルケンリッターから盾の守護獣(とおまけ)が上陸だ! ザフィーラ&犬塚信乃!」 「ぶっちぎるぜぇぇぇぇぇ! 説明不要! 光太郎さん&ボッチだ!」 「我々は主催者最強ではないパロロワ最強なのだ! ご存じ人気主催者、ピエモン&螺旋王ロージェノム!」 「配管工と修理工の仕事はどうしたッ! 闘士の炎未だに消えずッ!! 直すも掘るも思いのまま! ルイージ&阿部高和だ!」 「何でもありならこいつらが怖い! 野性のピュア・ファイター、シマリス&花子だ!」 「なのはさんにさらなる磨きをかけられ、ティアナ・ランスターとスバル・ナカジマが帰ってきたァ!」 「特に理由はない! この人たちが強いのは当たり前! アーカードには内緒だ! マーダー四天王! 範馬勇次郎&ラオウが来てくれた!」 「読み手の前でなら私たちはいつでも全盛期だ! 萌える闘魂、お姉さま&蟹座氏 書き手ロワから登場だ!」 「今の彼らに死角はない……わけがないッ! 富竹ジロウ&タケシだ!」 「背景対策は完璧だ! 陵桜学園 黒井ななこ&峰岸あやの!」 「超一流主催者と超一流聖上だ! 生で拝んで驚きやがれッ! ユーゼス・ゴッツォ&ハクオロ!」 「そして特別シード枠! ジャンプキン肉マン&kskキン肉マンのタッグ、【マッスル・ブラザーズ極】だー!」 こなた「あれ? 一チーム足りなくない?」 つかさ「こなちゃん、こなちゃん……」 こなた「ふむ……。えー、今入った情報によりますと、ニコハルヒ&荒木飛呂彦のペアはニコハルヒが昨日の惨劇で戦意喪失したため棄権するそうです」 光成「むう、当日になって出場枠が一つ空いてしまうとは……。困ったのう」 「ちょっと待ったー!」 光成「だ、誰じゃ!」 沙羅「光成翁! 突然ながら15チーム目にはこの我々を!」 こなた「おお! 沙羅さんにフォルカ!」 雷電「生きていたのか空気王たちがーっ!」 ロジャー「光成さん、時間もありませんし……」 光成「うむ、では彼らを最後のチームにして……」 「待て!」 光成「今度は誰じゃ!?」 木原マサキ「待たせたな、クズ共。すっかり遅くなったがこの冥王が新パートナー・冥王グレートを連れて16チーム目として入場だ!」 光太郎「冥王グレートの正体は一体……!?」 スバル「いや、どう見ても……」 ロジャー「困りましたね、光成さん。タッグ・トーナメントへの参加は15組だけです。1チームどうにかしなければ……」 光成「ウ~ム……」 フォルカ「こうなれば実力行使だ! 弱体チームには大会参加をご遠慮願おうか! なあBさんにマダ王さん!」 B「な……なにィ!?」 マダ王「弱体チームだと! その言葉取り消せ!」 ユーゼス「気にするな二人とも」 B「離してくれユーゼス、これは我々の主催者としての名誉の問題だ!」 沙羅「あなた達に名誉なんてものがあったのかしら?」 B マダ王「ゆるせん!」 ガシッ ガシッ 沙羅&フォルカ「空気王コンビネーション!!」 B「うわっ!」 マダ王「ぐわっ!」 【ビッグボンバーズ 戦闘不能】 フォルカ「これで規定の15チームになったわけだ!」 こなた「役者は出そろった! あとは試合開始のゴングを待つばかりだーっ!」 続く
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■ 「第87観測指定世界の遺跡発掘現場から、レリックの発見報告があったのが二十分前。 十分前に通信が途絶。途切れる直前の通信から、大量のガジェットが確認されています……気をつけて」 スターズ四名、ライトニング四名の合計八名。前線部隊のフル出動だ。遅れを取るような相手はそういない。 故に、最大の敵は時間。十分―――間に合うか。 ■ 空中に跳び上がる/上昇/落下/刹那の無重力。右手に力を込める/蒼白い火花が散る―――『ブリューナクの槍』発射の前兆。 二次災害を起こさない為に出力を絞る。床の材質/厚み―――不可、最低出力の射撃であっても床を貫通し余波で崩落させてしまう。 舌打ち一つ/発射プロセスを中断。空中に向かって振るわれる鞭/放たれる光弾―――身を捻る/鞭を蹴り飛ばす/光弾を掻い潜る―――翻る深緑/軍用コート。 着地/落下の運動エネルギーを旋回運動に転化し右の掌/拡散を始めた荷電粒子を叩き付ける。超高温によって敵の外装/内臓機器が蒸発。 飛び退く。敵戦力、即ち数/配置を再確認。進入したのは八体/残り七体、確認されている武装は射撃、白兵それぞれ一種。 思考ルーチンは極めて単純―――進行し、敵性と判断したものに攻撃を仕掛ける/射線上に味方が居ない場合のみ。高度な連携戦術は現状確認されていない。 無数の光弾が迫る/右手を掲げる/稲妻が奔る/光弾が掻き消される―――ギャローズ・ベルにてジャバヴォックの砲弾を砕いた攻性防御。 反撃―――荷電粒子砲の射撃/やや上向きに/二体纏めて貫通/砂漠の空へと消えていく。周囲に満ちる生臭さ―――オゾン臭。 反撃―――荷電粒子砲の射撃/右から左へ薙ぎ払う/持続射撃―――残りの五体に加えて出口付近に群がっている敵を一掃。 その隙に一旦退却―――冷却。『ブリューナクの槍』の超高熱は自らをも灼く。連射は三発/持続射撃は一秒が限度。 更にこちらの戦力を整理―――自分/戦闘用ARMS一体と発掘員六名/『魔導師』達。 傍らで腰を抜かしていた髭面の男/彼らのリーダー格に声を掛ける。 「立てるな?」 「あ、ああ。アンタは一体……」 「教えてやる暇は無い。それより、この鉄屑どもについて知っていることを言え」 「……ガジェットドローン。『レリック』を狙う機械兵器だ。 AMFを展開して魔力結合を阻害、無力化するのが厄介でな。俺達に扱える魔法は一切効かん」 思考する―――攻撃能力を持つのは自分のみ/防御能力を持つのは全員。 背中に何かを護る戦い―――拠点防衛。制圧/殲滅戦に比べれば自分の経験は非常に浅い。 「ここ以外から侵入されている可能性は?」右腕を背後に回す/出口側に荷電粒子砲を放つ。 「隔壁がある。破られれば箇所に応じた警報が鳴るのでそれは無い」進入を試みていた『ガジェット』とやらを一掃。 防衛すべき箇所は一つ/正門のみ―――カリヨンタワーに比べれば随分と楽だ。 「六人の内、広く盾が張れる二人を下がらせろ。流れ弾が止められるだけで相当に戦い易くなる。 残り四人は交代で先頭のガジェットドローンに砲撃だ。指示を頼む」 「砲撃? 何故だ、奴らに効かんのはアンタも見ただろう?」 「防御に出力を回したのか知らんが、砲撃を受けている奴は動きが止まっていた。 途切れさせなければ足止めは出来る筈だ」左腕を変異させる/男が思い出したようにぎょっとする。 「そこをアンタの砲撃で仕留める……か?」 「そうだ……それなら何分持たせられる?」 「四十分は余裕だな……部下がアンタを誤射しなければ」にやりと笑った/余裕の表明。 「……厳重に伝えておいてくれ」インカムに向かって指示を出す男/こちらも笑う。 「そうだ、アンタの名前は?」髭面の男が聞く。 「―――マッドハッター」 一瞬だけ迷い、そう答えた。 『アレックス』―――ARMSを開放した自分がその名を答えるのは、誰かへの裏切りになるような気がしたから。 ■ 眼下には、一面の砂漠が広がっている。 ぽつんと一つ箱型の施設があり、それに無数ガジェットドローンが取り付いていた。 東西と北は収容所さながらの強固な壁がそれを押し留めているが、南は正門から突破されている。 十や二十という数ではない。大型のものも複数確認できる。 それも見えているだけで、だ。施設内に進入した数は分からない。 加えて、空にも三角形の飛行機械、Ⅱ型が舞っている。それもまた無数。 「多いね……他にも未確認がいる可能性がある。空は私とヴィータ副隊長が抑えるから、二人は生存者の救出と誘導を最優先に。 西側にガジェットは殆どいないから、そちら側の防壁に孔を空けて外部への誘導を」 『了解!』 「ライトニングは分隊全員で地上のガジェットを掃討するよ。シグナム副隊長と私は大型、エリオとキャロは小型を各個撃破。 発掘員の避難先になる西側を優先的に。防衛ラインもそれに準拠」 『了解しました!』 桜、紅、蒼、橙、金、緋、黄、桃―――八つの輝きが砂漠を翔ける。 ■ スバルはウイングロードを展開して走る。足場が砂のみの環境でローラーブレードは使えない。 体重がラインに集中する為、地面にめり込んでしまうのだ。だが、魔力の足場であればそれは関係無い。 見据えるのは、隔壁に取り付いている中で一際目立つガジェットⅢ型。ただそれだけだ。周囲からの攻撃はその疾走を捉えられない。 併走するティアナは両手に構えた拳銃型デバイス『クロスミラージュ』を連射する。前方のⅠ型が次々と射抜かれ四散した。 左右、後方の敵はライトニング分隊が高速で駆逐。連結刃と大鎌が煌き、また一つⅢ型が細切れにされる。 スバルの疾走が、ティアナより二十メートル早く隔壁に到達。 「ロードカートリッジ!」 右手首のシリンダーが回転、カートリッジの圧縮魔力を解放する。 スピナーが風を纏って高速旋回し破壊力を蓄積、それに反応しⅢ型が振り向いた 射撃と鞭の複合攻撃―――だが遅い。スバルは魔力の足場を垂直に展開しその全てを潜り抜ける。 『Absorb Grip』 マッハキャリバーが自立稼働、そのマニューバを支える魔法を発動。魔力弾が髪を掠めるが、それだけだ。 拳を振り被り、打ち出す。 「はああああぁぁぁッッ!」 『ナックルダスター』発動。 上体と拳を強化する。それだけの単純な魔法だが、クロスレンジにおいては極めて効果的。 打撃が一時装甲版を貫徹した。更に一発ロード、スピナーが風に加えて火花を散らす。 「―――シュートッ!」 リボルバーシュート、密閉空間で開放された衝撃波が内部機構を滅茶苦茶に破壊する。 スバルの着地。追い付いたティアナの指示。 「スバル! ここの隔壁はかなり丈夫だから、アンタの全力でも倒壊はしない筈! 思いっきりぶん殴って穴開けなさい!」 「了解っ!」 カートリッジロード―――四連続。 足下に展開するベルカ式魔法陣。深い蒼の輝きがスバルを照らし上げた。 左腕を突き出し魔力塊を生成。捻るように構えられた右の拳に捲かれるように集束し、完全な球形となる。 「一撃、必倒……!」 ディバインスフィア形成完了。集束用の環状魔法陣を展開し、 『Divine』 拳を握り直す。鋼と革の軋む音を聞き、 「バスタァ―――!」 叩き込んだ。蒼い閃光が、その破壊力の全てを壁の一点に集束させ貫通する。 爆風が砂を舞い上げ視界を遮る。一瞬だけ、二人ともが眼を覆った。 眼を開ければ、直径二メートル、長さ三メートルのトンネルが生まれている。 「ティア、これで良い?」 「充分よスバル。あたしはここからフェイクシルエット使って避難誘導するから、あんたは進入したガジェットを倒しに行きなさい」 「オッケー!」 ―――彼女らは、隔壁を破壊すれば警報が鳴るということを知らなかった。 ■ ■ 死は誰もに平等だ。あたし達が間に合って救える人がいるように、間に合わなくて死ぬ人もいる。 理想、努力、信念、力―――全てを持っていても、全てを救えるわけじゃない。 でも、そんなありふれた現実は、あたし達にとっては重過ぎた。 ■ 前へ 目次へ 次へ
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マクロスなのは 第7話『計画』←この前の話 『マクロスなのは』第7話その2 「ど、どうして止めるんですか!?」 なのはが珍しく声を荒げる。 「これ以上聞くのは勧められない。・・・・・・きっと君は後悔する」 「構いません!お願いします!」 なのはの懇願にレジアスは彼女に再度答えが変わらない事を確認すると、再生を押した。 沈黙 ただ爆音が響く時間が10秒ほど続くと、微かな声がした。 『・・・・・・ぃゃ、いやだよ!わたしまだ死にたくない!なのはちゃん、誰かお願い、助けて!私にはまだやりたいことがたくさん残ってるの!私には、私にはぁぁぁーーーーー!!』 恐らく最終防衛ラインであった全方位バリアを破られたのだろう。直後ガラスが割れるような音とスピーカーを割らんとする程の断末魔の悲鳴が部屋を包んだ。 そこで今度こそ再生が終わった。 しかしアルトはなのはの顔を窺うことができなかった。彼女はそれほどの負のオーラを放っていた。 「さて、君はガジェットとの戦闘に慣れている。その見解から聞かせてほしい」 「・・・・・・はい、なんでしょうか?」 なのはが顔を上げ気丈に振る舞う。目に涙を溜めて・・・・・・ 「シングルAランクの空戦魔導士部隊1編隊(3人)と、ガジェットⅡ型の10機編隊が会敵した場合、どうなると思うか?」 「適切に対応すれば十分ガジェットの撃破は可能であるはずです」 なのはのセリフに自信がこもる。 彼女は教導という仕事にはまったく妥協を許さず、しっかりした人材を育てることを誇りとしていた。それは短期の教導をしてもらった俺やフォワードの新人達だけではなく、以前からそうであったはずだ。 彼女の自信はそうした自負と誇りを背景に確立されたもののようだった。 しかしその自信も現実の前には脆かった。 「ではAランクをリーダーに置き、大多数のB,Cランクの魔導士で形成されている現状の部隊ではどうだ?」 「それは・・・・・・」 なのはは口を濁す。 彼女が担当したのは彼女が確立した戦法が使いこなせる最低クラスAの魔導士に限定されていた。しかしクラスAのリンカーコア保有者はキャリア組といわれるようにエリートに分類され、その数は極めて少ない。 なのは自身そうした背景を十二分に知っていたのでそれに対応するべく彼らにできうる限りのことを教えていた。だが相手が予想を超えて強大であった場合、その被害は恐ろしいものになることは不可避であった。 「すみません・・・・・・」 なのははもう俯いて喋れなくなっていた。 「甘いよ、高町空尉。これが現実だ」 映り変わったディスプレイには予想される1年後の損耗率が表示される。 〝Aランク 25% Bランク 50% Cランク 75%〟 なのはは遂に堪えきれず泣き出し、その数字が的外れでないことを表した。アルトは彼女の背中をさすりながら呟く。 「これほど逼迫していたのか・・・・・・」 この損耗率ならばまだ殉職者が12人〝しか〟いないというレベルだ。なぜならもし、Aランク1人、Bランク4人、Cランク5人で1部隊の場合、最悪半数以上が帰還できない。 アルトの驚愕に、レジアスは追い討ちをかける。 「加えて、先ほど六課から報告があった。君達は確か、今回の戦闘で新型空戦ガジェットと遭遇したそうだね?」 アルトは背筋から血の気が引くのを感じた。あいつら―――――「ゴースト」は能力リミッター付きとはいえ、最精鋭たる六課が苦戦した。つまり彼ら、現状の空戦魔導士部隊が会敵した場合など、考えるまでもなかった。 (*) 今、応接室にはアルトとなのはの2人しかいない。それはレジアスが 「高町君が落ち着くまで我々はフェニックスを見に行ってこよう」 と言って田所を伴い、部屋を出ていったからだ。 あれから15分。なのははまだ嗚咽を漏らしながら涙を流している。 無理もないことだった。彼女が友人をどれほど大切にしているかをアルトはよく知っている。 そんな彼女がそういう友人の無惨な死を知らされ、今後も死者は増えるというのだ。その心中、察するに重かった。 アルトは根気よく彼女が落ち着くよう努力したところ、だんだん嗚咽が少なくなってきた。 そしてなのはは訥々と喋り始めた。 「・・・・・・栞とはね、教導隊の同期だったからよく話したの。生い立ちとか、夢とか。その時の私はみんなを守れる気でいたの。・・・・・・でも結局私は、自分の見えてる範囲の人達しか・・・・・・いや、誰も救えてなかったんだ・・・・・・大切な友達だって・・・・・・ほんとダメダメだよね。私なんて・・・・・・」 普段の彼女、エース・オブ・エース『高町なのは』からは想像できない弱音の数々。それは彼女がいままで1人でため込んでいたものだ。 幼少期から受け継がれているこの、悩みを1人でため込んで処理しようとする悪い癖はいまだに彼女を束縛していた。 「・・・・・・俺は、そうは思わない」 アルトは立ち上がると、俯くなのはに昔話を始める。 「あれは、フロンティア船団がバジュラに初めて襲われた時だった―――――」 ―――――――――― 燃え上がる市街地。 コンサートを開いた歌手(シェリル・ノーム)に、混乱への対応をしないでそそくさと逃げようとしている事に対する文句を言いに行ったアルトは、彼女のボディガードによって気絶させられていた。 「くそ!統合軍はなにをやってやがる!」 地面に叩きつけられた痛みでガンガンする頭を上げ、野外を見渡すと、その赤い圧倒的な存在があった。 よくみれば防衛出動したらしい統合軍のベアトリーチェ(8輪の装甲偵察車。偵察車とあるが、実際には105mm速射砲塔を搭載しているため従来の戦車のように運用される)があちらで数両大破している。そして目の前の怪物(バジュラ)には被弾したらしき弾痕があった。 つまり統合軍は必死に戦ったが、敵が圧倒的だった。 そういうことなのだろう。 逃げられないアルトは統合軍の質の低下を招いた、時の政府に悪態をつき、後ずさる。 「いやぁぁーっ」 場違いな悲鳴がしたのはその時だった。驚いてそこを見ると、先ほど道案内した緑色の髪をした少女だった。ビルの壁面に追い詰められ、腰を抜かしている。 なお悪いことに怪物は彼女に興味を持ったらしく、そちらへと方向を変えた。 (どうする・・・・・・俺は・・・・・・!) 逃げるなら絶好のチャンスだ。今怪物の意識は完全にそれている。しかし――――― (見捨てるのか!?) 怯え、すくみ、ただ恐怖するしかない少女を。 だが助けるにも今のEXギアでは、彼女を助けて2人で離陸するだけの推力はなかった。 怪物の頭らしき物に付いた無数の目が、妖しく光る。しかし次の瞬間、その頭を曳光弾混じりの機関砲弾が殴打した。それを行ったのは純白に赤黒ラインの映えるVF-25Fだった。 『さっさと逃げろ坊主!仕事の邪魔だ!』 そのバルキリーのパイロットのものであろう割れた声がEXギアの無線を介して届く。 VF-25Fはガウォーク形態に可変するとバジュラを抑え込んだ。 だがアルトは言われた事と正反対の行動に出ていた。先ほどの少女に向かって全速力で走り出したのだ。 しかし、怪物の爪が抑え込んでいたVF-25Fのコックピットを襲い、キャノピーを大破させた。 『負けてたまるかよ!』 パイロットは自衛用のリニアライフルを1挺担ぎ、EXギアで飛翔する。パイロットにもアルトの意図がわかっていたのだろう。彼女から数十メートルも離れていなかった怪物を、1区角先まで誘導する。 『やらせるかよ・・・・・・!ここは俺たちの船、フロンティアなんだからよぅ!!』 彼はそう叫んでリニアライフルで4.5mmケースレス弾を怪物に叩き込む。しかし、VF-25Fの50ミリ超級の機関砲すら効かない相手には全く効果がない。 「やめろ!死んじまうぞ!」 アルトは叫ぶが、パイロットは 『・・・うるせぇ!坊主、早くお嬢ちゃん連れて逃げるんだよ!』 と、まったく取り合わなかった。 ―――――――――― 「それでパイロットさんはどうなったの?」 なのはが先を促す。 「あの後、バジュラがパイロット―――――ギリアムを掴んで―――――」 アルトが広げた手を閉じ、強く握る動作をする。それを見たなのはは痛々しい顔をして背けた。 「だがな、彼は最後の最後まで撃つのをやめなかった。多分彼は守ろうとしたんだ。悪態をつくことしか出来なかった俺や、怯えることしかできなかったランカを。だから俺は周りの人間・・・・・・いや、目の前の人間を守ろうとするだけでも尊いと思うんだ。そうでなければ、あのVF-25を遺してくれたギリアムに、なんと言えばいいかわからない・・・・・・」 悲しそうに握りこぶしを振るわせて語るアルト。その時なのはの脳裏に2週間前の光景がフラッシュバックした。 それはVF-25の魔導兵器への改装が終わって、ついでに塗装も変えるか?という話になった時のことだ。 アルトはSMSの国籍表示マークはともかく、その純白に赤黒ラインの塗装を断固として譲らなかった。 今思えば、彼の3代目VF-25にも引き継がれたこの塗装は、アルトに掛けられたカース(呪い)なのだ。ギリアムを初めとする散っていった者の意志を継ぎ、人々を守るための・・・・・・ 「・・・・・・ありがとう、アルトくん。おかげで元気が出てきた!でも、今日はみっともない所ばっかり見られちゃったな~」 テヘへ、という笑顔はいつもの彼女のものだった。 その時、計ったかのようにドアが開き、レジアス達が入って来た。 (*) 「それでは続きに入ろうか。この損耗率に憂いた我々は、低ランク魔導士でも運用可能な装備の開発に着手した。今回リニアレール攻防戦でその実用性を示した新型デバイスもこれに当たる。これは陸士達の装備だが、空戦魔導士の装備を考えた結果出たのがバルキリーだ」 ホロディスプレイにバルキリーを使うことの有用性を箇条書きにしたものが示される。 MMリアクター(擬似リンカーコア)の導入でリンカーコア出力がクラスCならBへ。クラスBならAへ。クラスAならSという超絶的な火力になる。(事実、クラスAAのアルトのガンポッドから撃ち出される最大出力時の魔力砲撃は、シングルS+の威力を有している) 全体的に魔導士ランクが低くできるため、管理局の規定にある『1部隊が持ちうる魔導士ランクの限界』がほぼ無視できる。 非魔力資質保有者を整備員や生産工として大量雇用し、非魔力資質保有者の就職氷河期に歯止めをかける。 ファイター形態は速度が速い(音速以上)ため、即時展開性が向上し、素早い対応ができる。 局員の生存性の向上。 それらを見る限り悪いことはないように思えた。 「これらの理由からバルキリーの制作は決定された。わかってくれたか?」 2人は異論なく頷いた。 「我々はこのように公表するつもりだ。あと、彼女の遺言も・・・・・・。これで世論はわかってくれるだろうか?」 レジアスが2人に再び問う。 「レジアス中将の考えは間違ってないと思います。だからみんなにも―――――栞にもきっとわかってもらえると思います」 なのはの同意にレジアスは 「ありがとう」 と礼を言いい、田所に報告を続けるよう促した。 (*) 田所の報告が終わり、4人で修正点などを協議して一段落したのは昼の12時だった。 「そろそろ私は本部に戻らなければならない。田所所長、バルキリーの開発を急いでくれ」 レジアスは立ち上がると、田所に向かい合って小さく頭を下げる。 「承りました」 そしてレジアスはアルト達を振り返ると、深く頭を下げ 「ミッドチルダをよろしく頼む」 と言い残し退出して行った。 アルト達はまだ、彼の言葉の裏に隠された重さには気づいていなかった。 田所は深呼吸をすると、アルト達に向き直って言う。 「さて、アルト君や高町君ももうお昼だろう? 食堂に行くか?」 田所の提案に2人は頷く。そして 「考えて見れば俺はまだ朝飯前じゃないか!」 と悪態をついたアルトに、なのはと田所は一様に笑う。 「じゃあ行こうか。ああ、アルト君。昨日君が作ってくれた料理だがね、料理長にも食わせたらいたく気に入ったらしくてね。作り方を教えて欲しいと言っていたんだ」 昨日の料理とは、田所と談笑する時に、小腹が空いたアルトが作ったつまみだった。 「え?アルトくん、料理上手なんだ。私も食べたいなぁ~」 なのはが上目遣いに見てくる。アルトは胸を叩き、宣言する。 「いいだろう、みんな俺にまかせとけ!」 「やったぁ!」 ―――――さっきの重い雰囲気はどこへやら。 2人は田所を加え、食堂へと向かった。 (*) 食堂には、昨日のコンサートの熱気は完全になく、閑散としていた。 やはり研究職。昼の12時と言えど、机や実験施設からなかなか動けるものではないようだ。 そして全員で厨房に行くわけにも行かないので、なのはと田所は席で待つことになった。 (*) 「え?この肉使うの?」 まだ若い料理長はアルトの手際の良さに感心しながら訊く。 アルトの作ったつまみとは唐揚げだった。しかし彼が手に取ったのはミンチになった牛肉。そのため怪訝に思ったのだろう。 「そう、ここがポイントなんだ」 そう言ってアルトはもったいぶりながらその秘密の具材を料理長に示す。 「それは・・・・・・!?」 彼は絶句する。 アルトの手に乗ったもの、それは豆腐だった。 <作り方は家業秘密により伏せます> 「すごい!食感が、肉のそれと同じだ!それどころか柔らかくて美味しい!」 料理長は歓喜しながら、2個目を口に運んだ。 (*) 結局料理長に10個以上持っていかれたが、材料費がかからないため大量生産に向いたこの唐揚げ団子はその程度では減らなかった。 (ちょっと作りすぎたな・・・・・・) しかし、結果としてアルトの反省は無用なものとなった。 (*) なのは達の座っていた席の周りになぜか20人以上の人が集まり、黒山のひとだかりになっている。 研究員かとも思ったが、着ている服は技研の正装である白衣やツナギではなく、地上部隊の茶色い制服だ。 そこからは会話が聞こえてくる。話しているのはなのはと、制服を着た少女だ。 内容から察するに、空戦のアドバイスのようだ。 制服を着た少女が彼女1人しかいないためか、その存在感は群を抜いている。 年の頃は15,6だろうか。幼さを残す顔立ちのなかで、大きな目を見開き、頬を赤く染めている。特に大きな赤いリボンで後ろに結わえた黒髪は、まるで川のせせらぎのような清らかな印象を与えた。 「よう、アルト姫」 なのはの対面に座っていたミシェルがこちらに気づいて片手を挙げる。その一言に周囲の顔がアルトに集中し、一様に納得した顔になった。 「・・・・・・なんだよ?」 舞台で聴衆に見つめられることには慣れていたが、この違った雰囲気に気圧される。 「あぁ、アルトくん。この子達がバルキリーパイロット候補の1期生なんだって」 なのはの説明に、生徒一同はアルトに敬礼した。 とっさに答礼しようとして両手がふさがっている事に気づく。仕方なく苦笑しながら両手を差し出したなのはに皿を渡し、ようやく答礼した。 「ミシェル教官からお話は聞き及んでおります」 生徒のリーダーらしき25歳くらいの青年がアルトに言う。その言葉には敬意の念があるが、何かのスパイスが効いている。 「おい、ミシェル。コイツらになにを話した?」 「・・・・・・さあ、ね」 イタズラっぽい笑み。 (コイツ、いったいなにを吹き込みやがった・・・・・・!) アルトは胸の内で悪態をついた。 (*) 結局スパイスの中身はわからなかったが、山と積まれた唐揚げはアルト達や昼飯前の生徒達の胃袋に消えるのに時間はかからなかった。 そうして昼食を済ませると、田所からある提案がなされた。 「今日はうちのパイロットの卵の授業を見学するのはどうだろう?」 その提案は、生徒達の大賛成という空気に流され、2人はそれを飲む形になった。 つづく ―――――――――― 次回予告 1期生達の訓練を見学することになったアルトとなのは。 しかしそこにはマクロス・ギャラクシー出身と名乗る者が・・・ 果たして彼は敵か?味方か? 次回マクロスなのは、第8話『新たな翼たち』 管理局の白い悪魔が今降臨する! ―――――――――― シレンヤ氏 第8話へ
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マクロスなのは 第18話『ホテルアグスタ攻防戦 前編』←この前の話 『マクロスなのは』第19話「ホテルアグスタ攻防戦 後編」 シグナムが敵を発見した頃、地上の戦線に変化が起こっていた。 突然北西5キロの位置に巨大な魔力反応があったかと思えば魔法が行使され(この時の魔法はキャロの報告により召喚魔法と判明している)、同時にガジェット達の動きが変わった。 いままで陸空でガジェットが展開していても共同で組織的に何かをすることはなかったのだが、彼らは突然連携を始めたのだ。 陸戦型の進攻を阻止している陸士にⅡ型が上空からレーザーによって空襲。たまらず塹壕から飛び出した陸士に陸戦型がレーザーを集中射する。 結果、戦線は一気に総崩れになった。 「後退!六課のラインまで後退するんだ!!」 森の中に命令という名の怒声が響き渡る。しかしその声は敵の攻撃と友軍の砲火の前にすぐかき消される。もちろん各人を無線という通信回線で繋いでおりその意図は全体にすぐに伝わるが、激しい空襲と陸戦型の追撃を前になかなかうまくいかなかった。 MINIMI(軽機関銃)が放つフルオートの発砲音を轟かせながら陸士部隊の1個分隊が後退していく。 後退の援護は2人1組で構成され、片方が後退する時はもう片方が敵へと援護射撃して頭を押さえる。MINIMIに代表される分隊支援火器の登場で分隊でも容易になったこの戦術機動だが、今回の敵は手強すぎた。 後退を援護していた片方が、被弾を恐れず突入してきたⅢ型のレーザー攻撃を足に受けて転んでしまったのだ。援護射撃が止み、後退中の相方が無防備となる。 「この野郎!」 一部始終を目撃していたロバートは振り返りざまにそのガジェットⅢ型を照準すると、装填されていたカートリッジ弾を撃ち込む。だがその1発はすんでのところで〝回避〟された。 「チッ!」 ロバートは銃のセレクタレバーをフルオートにすると、トリガーを引き絞った。 レールガン方式を採用したため、この銃に薬莢はない(廃莢口は適正によってベルカ式カートリッジシステムを着けることができるよう、残されている)。そのためマガジンは純正89式小銃の約2倍の装弾数(66+1発)を誇り、まだ半分程残っているはずだ。 最初の5、6発が敵の滑るような機動で回避されたが、後退中だったあの相方が援護して十字砲火を形成。その後は命中し、途中で完全に沈黙した。 「くそ!動きまで良くなりやがった!」 吐き捨てると足を撃たれた部下に肩を貸し、すぐに後退する。 だがあることに気づいた。 その部下は足に命中弾を浴びたはずなのに外傷がなかったのだ。 「負傷者の搬送はお任せください」 「頼む!」 駆け寄ってきた隊員の左腕に赤十字の腕章を認めると、彼を託して後退援護の射撃を後方に放つ。 相方の退避を確認。即座に銃撃を止めて遮蔽物から出て後退する。その間は阿吽の呼吸で相方の援護射撃が放たれた。 しかし小隊長である自分がいつまでもこうしてはいれない。後退しながらHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)を一瞥して増援として近くにいた1人を呼び寄せた。 その間に頭に引っ掛かっていた事象を確認するためJTIDS(統合戦術情報分配システム)に届く負傷者情報を呼び寄せてみると、やはり誰1人出血を伴った負傷者が出ていなかった。このやられ具合だと軽く10人以上の重傷者が出ても不思議ではないはずだ。 その時、後方監視していた自身の89式小銃『エイトナイン』が音声とHMDで警告を発する。 『Get down!(伏せろ!)』 愛機の情報を疑いなく信じると、考える間もなく伏せる。 数瞬後、立っていたら腰あたりを薙ぐはずだったレーザーは射軸上にいたすべてを焼いていく。 それに構わず伏せたままランチャーにカートリッジ弾を装填し発砲。弾体はⅢ型のシールドを対シールド機構とその物理的な推進力を盾に突き破ると、そこで内包されていた魔力を爆発的に炎熱変換して自爆した。 目標の沈黙を確認すると後方に振り返る。薙いだレーザーは射角的に先ほどの衛生兵と負傷者を巻き込んだはずだった。しかしそこには問題なく搬送していく彼の姿があった。 「なに?」 だが攻撃が幻覚でなかった証拠に増援として来た1人の陸士が腰辺りを抱えてうずくまっていた。 「おい、大丈夫か!?」 「は、はい・・・・・・」 苦しそうに応える彼に駆け寄ってみるが、抱えていたその患部に外傷は見られなかった。これには彼も驚いたようだ。 これではっきりした。どうやら敵は非殺傷設定で攻撃しているらしかった。しかも非戦闘員を巻き込まないよう選択的に。 とにかく彼に訓練に使う魔力火傷用の簡易的な麻酔魔法をかけると、肩を貸しつつ戦線に復帰させた。 「どうやら今までの奴よりは、理性ある奴が操作してるらしいな・・・・・・」 その後ロバートの小隊は第2次防衛ラインまで後退すると、六課の4人を加えて迎撃を始めた。 (*) 上空でも突然動きの良くなった敵に翻弄されかけていた。 「まとめて、ぶち抜けぇー!」 ヴィータが鉄球を10発生成するとアイゼンで加速、向かってくるガジェットⅡ型に当てようとした。しかし───── 「なに!10機中3機だけだと!?」 驚くのも無理はない。いままで奴等が自分の攻撃の回避に成功した記憶はない。それが突然、自らの攻撃が避けられるほど動きが良くなったのだ。 しかしヴィータにはあまり関係ない。 「めんどくせぇ!アイゼン!」 「Raketen form.(ラケーテンフォルム)!」 アイゼンは1発ロードするとクラスターエンジンを展開する。 「ラケーテン、ハンマー!!」 雄たけびも高らかにそのまま敵に突貫し直接叩き潰してしまった。 (*) 『どうやら有人操作に切り替わったようだ。各員、注意して敵に当たれ』 ホークアイの指示が飛ぶ。その指示に戦術が一新された。 いままでの数に物を言わせた戦いから、いつもの戦いに。 バルキリーは空を舞い、景気良くミサイルをお見舞いする。そして魔導士部隊も砲撃を惜し気もなく撃ち込む。 外したミサイルや砲撃、ガジェットの破片は六課のザフィーラとシャマルの展開した広域バリアによってすべてがホテルとの衝突を免れた。 (*) そして六課のラインでは、すでに第256陸士部隊の全部隊が防御の正面であるホテル前のC-3エリア付近に集結。迎撃が行われていた。 『第3小隊損耗率30%!後退します』 「安心しろ、ラインは支える。後ろで休んでろ」 『了解。感謝します』 『こちらスターズ3。C-2エリアに孤立していた第4小隊第2分隊と合流。本隊と合流するため、支援願います』 「第5小隊了解。10秒後20秒間全力射撃する。その隙にこっちに走って来い!」 『スターズ3、了解』 『第2分隊、了解』 ロバートは無線から手を離すと、隊に呼びかける。 「俺の合図で〝あっち〟に20秒間全力射撃。向かってくるスターズのお嬢ちゃんと第2分隊の連中に当てるな!・・・・・・3、2、1、今だ!」 その合図に第5小隊の保有する合計25の火器が一斉に弾幕を形成した。 頭のよくなったガジェットたちはそれに当たるまいと遮蔽物に隠れる。 その隙に遅滞行動(撃っては後退、撃っては後退という戦闘機動を交互に行い、敵の進攻を遅らせる戦術的後退術)をしていていつの間にか包囲されてしまった第2分隊はスターズ3、スバル・ナカジマを先頭に走って来た。彼女は猛烈な突破力を武器に敵の群れを突貫していく。 既定の20秒が経ったときには隣にいた。 そしてさらに上空のあの赤く幼い魔導士からの空爆とオレンジ色の髪をツインテールにした二丁拳銃使いの誘導弾が、動きの止まったガジェット達を撃破していった。 (やっぱり六課は心強い!) ロバートは彼女達がいる限り、管理局は無敵だ。と実感した。 (*) ホテル東部 高度4000メートル 元々動きの良かったゴーストはバルキリー隊が対応に当たったが、更に頭の良くなったゴーストは危険な存在になっていた。 高空より侵入してきたゴースト6機は連携とりつつ接近してくる。 ホテル東部を担当することになったサジタリウス小隊はさくらの狙撃に援護されながらそれに応じた。 しかし狙撃は当たらず、天城の放ったマイクロハイマニューバミサイルの弾幕も絶妙な連携プレーで突破してきた。 これまで4カ月という訓練期間の短さをハード(機体性能)によって補ってきた感のあるバルキリー隊は苦戦を強いられることになった。 (*) ドッグファイトに持ち込まれたサジタリウス小隊の2機は徐々に分断。距離を離されていく。 『離されるな天城!』 アルト隊長の声が耳朶(じだ)をうつ。 「しかし・・・・・・くそ・・・・・・」 ゴースト3機に囲まれた自分は、さくらの支援狙撃もむなしく隊長のVF-25と完全に分断されていた。 最高速度で優越しているため、ファイターに可変して振り切ることも選択肢だろう。しかしそれでは防衛ラインに穴を開けることになり、隊長や下界の陸士達、つまり友軍を見捨てる事となる。 隊長も3機のゴースト相手では分が悪い。それが増えたら尚更だ。 天城は持ちうる技術を結集して何とかさばこうと努力するが、ゴーストの機動性、バルキリーの火力、賢い頭脳を与えられたそれは徐々に彼を追い詰めていった。 (転換装甲のキャパシティがやべぇ・・・・・・) 空戦では余剰エネルギーが最大限利用できるガウォークで戦闘しているにもかかわらず、構造維持エネルギーが限界に到達しようとしていた。それは限界を超えたとき、自機の損壊を意味する。 (そろそろ潮時かな・・・・・・) 度重なる被弾の衝撃で精神の参っていた天城は自暴自棄になっていた。 彼は左手に握るスラストレバーを45度倒してファイターに可変する。そして目前で丁度旋回してきたゴーストに狙いを定めると突撃した。余剰エネルギーの関係でPPBSは作動しない。 しかし彼は躊躇わなかった。 こちらの乱心に気づいたのか通信機ががなりたてているが、彼には聞こえない。そして目前のゴーストが視界いっぱいに広がり───── (*) 「天城ィィィーッ!!」 『天城さん!!』 アルトとさくらの声が空にこだまする。 爆発したその場所からは大量の金属片が下に力無く落ちていき、これまた大量の黒煙がその場を包んでいた。 イジェクト(緊急脱出)は・・・・・・・確認できない。 ゴーストが撤退していく。いや、ガジェット達も同じく撤退するらしい。 『そんな・・・・・・天城さん・・・・・・!』 さくらの茫然とした声が聞こえる。 「畜生!」 自らの担当した3機のうち2機を叩き落としていたアルトは、あと少しだったのに!とコックピットの内壁を叩く。 (また俺は失ったのか!?スミスやマルヤマ、ジュンのように!!) 暴発しそうな激しい感情と共に、バジュラ本星突入作戦で散って行った部下2人の顔が脳裏を過る。 しかし視線を落としたアルトは、ディスプレイの表示に息を呑んだ。 天城のVF-1BとのJTIDS(相互データリンク)が接続されたままだ。 (これは、ひょっとして・・・・・・) 顔を上げたアルトの目に飛び込んできたのは、ガウォークでホバリングしたVF-1Bだった。 『・・・・・・あれ?』 モニターに拡大された天城のアホ面(づら)が印象的だった。 (*) 「逃がしたか・・・・・・」 こちらは地下駐車場。謎の人型甲虫と遭遇したシグナムだが、取り逃がしてしまっていた。しかし〝それ〟が抱えていた箱は斬撃によって吹き飛ばされ、床に四散していた。 シグナムはそんなこと全く関しなかったが、敵は違ったようだ。身軽になった体で意外に小さな〝箱の中身〟を拾い上げ、光学迷彩を再起動して闇に消えていった。 「大丈夫ですか!?」 さっきの警備員だ。派手に戦闘をやらかしたので様子を見に来たのだろう。 「ああ。犯人はとり逃してしまったが」 「そう、ですか・・・・・・」 彼は周囲を見渡す。 めくれ上がったコンクリートの床。 深い切り傷の残る柱や壁。 最早廃車であろう高級車。etc、etc・・・ その場は破壊の限りを尽くしたような光景が広がっていた。 (*) 「ぶつかる前に相手が自爆しただとぉ?」 天城に生還の理由を聞いていたアルトが驚きの声を上げた。 彼によるとその時は気にしなかったが、特攻の瞬間なぜか相手は銃撃を止めて回避に専念したらしい。 『何か無人機のくせに端々の挙動が人間ぽかったんですよね・・・・・・まるで事故を回避しようと急ハンドルした感じでした』 天城は元々突っ込むつもりのため当然追う。VFは可変という特殊機構を持つため小回りでは負けない。 結局天城は衝突を免れないコースをとり、今まさにぶつかる!という時に自爆したらしい。 「う~ん・・・・・・」 アルトは理解出来ずに頭を捻る。 無人機なのだから戦術・戦略上必要なら自爆や特攻することはよくある。しかし突っ込む天城を撃墜して止めようとせず、全力で回避し、なおかつ回避不能とわかると自爆してくれるとは・・・・・・ 「有人操作だから術者に良心が働いたのか・・・・・・?まぁいい、とりあえず天城、もう二度とあんなことするなよ!」 『すいません・・・・・・』 天城に釘を刺すと、被害報告を待つホークアイに回線を繋ごうとした。しかし今度はさくらから通信が入った。 「どうした?」 『お願いがあります』 (おいおいなんだ、このデジャブは) アルトは一瞬躊躇うが、先を促す。 『はい。実は─────』 その願いはまたしてもアルトを驚かせた。 (*) 「まぁ箱はしかたないよ。邪魔者が強すぎただけだから。・・・・・・うん、お疲れ様。あとは中身をそのままドクターに届けてあげて」 ルーテシアはデバイスを通した通信を終えると魔法陣を解除する。 すると自らが操作していたガジェットとゴースト達の縛りが解かれた。しかし完全にではない。彼女が最後に発した命令は〝速やかな撤退〟だった。 インゼクト・ズークによってプログラムを根こそぎ書き換えられた機械達はこれに従って撤退を始めた。 「・・・・・・結局、品物の中身は何だったんだ?」 ゼストがローブを片手に聞いてくる。 「よくわかんないけど記録媒体だって。オークションに出す品物じゃなくて密輸品みたいだけど・・・・・・」 「・・・・・・そうか」 彼はそう言ってローブを手渡し、自身は交戦地帯だった所に視線を投げた。 そこでは突然攻撃を止め、撤退していくガジェット達を見送る管理局員達の姿があった。 「管理局も強くなったものだ。以前のままなら突破されていただろうに・・・・・・」 彼は上空を警戒飛行する空戦魔導士部隊とバルキリー隊を一瞥する。その時少女の手が彼のローブを弱く摘まんだ。 「・・・・・・さて、お前の探し物に戻るとしよう」 ルーテシアは頷くと、転送魔法を行使。魔力反応を感知したバルキリー隊が駆けつけた時にはすでにもぬけの殻であった。 (*) 「甘いな」 変装したグレイスが呟く。 「やはり子供だ。それほどまでに人を傷つけたくないか」 「なァに、目的が遂行されるなら良心を通してもいいさ」 スカリエッティはそう言うと、先ほど転送されてきた『ガリュー』という人型甲虫から受け取った記録媒体を自らの端末に繋いだ。 立ち上がるウインドウ群。その一番上のタイトルには〝ユダ・システム〟とあった。 「なるほど、有機ネットワーク構造による人工生命か・・・・・・」 彼の顔に徐々に笑みがこぼれてきた。 コンピューターに意識を持たせるという命題には誰一人として成功していない。 しかし例外を言えば製作元でも解析不能なデバイスの基本フレーム、特にインテリジェントデバイスだ。現在その製作技術は戦争で完全に失われており、戦前から稼動していたオートメーション工場にその生産を100%依存している。 だがその意識を持たせる方法が目の前に転がっているのだ。学者として興奮しないはずがなかった。 「どうだ?品物は」 「あぁ、実に素晴らしい。・・・・・・だがこのシステムのプログラムは・・・・・・変だな?この矛盾したサブルーチンはなんだ?これではこのシステムの良いところである自己保存本能が働かない」 実はそこはシャロン・アップルの事件をきっかけにこのシステムに追加されたところだ。 2040年に試作されたゴーストX-9のメインコンピュータはマージ・グルドアの手によって完成を見た。 彼は伝説のバーチャル・アイドル「シャロン・アップル」のシステムエンジニアであり、彼の構築したシステムは仮想空間の中で生物の自我、無意識レベルの感情をもエミュレートする恐るべきものだった。 事実自我を持ったシャロンはマクロスシティにおいて暴走している。理由について統合軍は、機密事項としてそれ(暴走の事実すら)をひた隠しにしているが、彼らも詳しいことは知らないらしい。 ともかく、それでもブラックボックス化したマージの基礎システムはゴーストの中に生き続けていた。なぜなら誰も彼の基礎理論を理解できず、これを分離してしまうとシステムが完全に崩壊してしまうからであった。 そこで封印サブルーチンをL.A.I社が幾重にも掛け、自我を、自己保存本能を完全にオーバーライドしていた。 お陰で最新のゴーストは、ユダ・システムを解放してもまず安心になったのだ。 更によいことに、自らを守ろうとする考えがなければ戦術・戦略及び効果面でしか物を考えないので、彼ら無人機は必要ならば平気でその身を捧げる事ができる。 ユダ・システムを解放したゴーストが、優秀で重要な有人機を守るために、自ら敵弾に当たりに行った例が少なくないのはこのためだ。 ちなみにユダ・システムを自我レベルまで完全解放できるのは、オリジナルを押さえているフロンティアのL.A.I社だけだ。 しかしスカリエッティはプログラムを斜め読みしただけでその機能が封印されていることを言い当ててしまった。これはまさに生身の人間では最高峰の天才と言えた。 「まあ、好きにしろ。こちらとしてはどんなものが完成するのか楽しみだ」 「ご期待に沿えるよう、頑張ってみよう」 彼はほの暗い不気味な笑みを浮かべると、改良のため前時代的なキーボードに手を伸ばした。 グレイスの扮装する男はそれを見届けると、手の内にあったトラックのキーを握り折った。 (*) ホテル内部では予定通りオークションが開始されていた。 しかしその茶髪でドレスを着た美女は会場には入らず、身内からの報告に耳を傾けていた。 『─────という顛末(てんまつ)でガジェットは撃退できたんだけど、召還士は追えませんでした』 『でも近隣の部隊に要請はしましたから、転移座標ぐらいならわかるかも知れないです』 その身内─────シャマルと彼女を手伝うリィンフォースⅡの報告にはやては、六課には負傷者もいないし目立った被害もなく、自らの任務も順調なため良しとした。 『それじゃ、任務を続行するわね』 「ああ、お願いな」 映像通信を切ったはやては、暫し思考の海に浸る。今回の襲撃は不可解な点が多かった。 ガジェット達の襲撃はわずか25分で終わりを告げ、即座に撤退してしまった。 最初の15分はいつも通りだが、後が違った。突然召還士が現れてガジェット達の動きが良くなったかと思えば、まるでこちらを気遣ってくれたかのように非殺傷の攻撃に終始した。 どうやらいままでガジェットを使っていた敵と、今回ガジェットを操った召喚士は別の考えを持っているらしい。 少なくとも召喚士の方は、目的のためなら人殺しもためらわない〝彼〟のような人物とは思えなかった。 (人間がやることには必ず意味がある。これほどの良心がありながら、その召還士がやろうとしたことはなんやろうか?) まずガジェットが主でないのは確かだ。彼らは防衛部隊をかき回しただけで本質的にはなにもしていない。 (となると本命があるはずやけど、まだ何の報告も上がって来て─────) 「主、はやて」 振り返ると、バリアジャケット姿のシグナムがいた。しかし彼女の頬には一筋の切り傷があり、血がにじんでいる。 「なんや?階段でも転げ落ちたんか?」 はやてのジョークに彼女は 「いえ」 と、無愛想に応対する。 (職務に徹するのもいいけど、もうちょい愛想よくしても良いと思うんやけどなぁ・・・・・・) はやては生真面目な身内に、胸の内で場違いな評価を下すと先を促した。 「はい。私は地下駐車場の警備に付いていたのですが、巡回中妙な車上あらしに遭遇しました」 「どんな風に妙なんや?」 「それが人間ではなくて、人型の甲虫のようなフォルムをしていました。残念ながら追いきれませんでしたが・・・・・・」 「そうか・・・・・・」 使い魔や他の次元世界の多様な生態系があるためそのような生物がいること自体は不思議ではない。しかし管理局が遭遇してきた使い魔以外は、生命体であってもほとんどが知性体ではなかった。つまり、牛や魚などと同じだ。 また、生態系の問題から次元世界間の移動はほとんど禁止されていた。 例外として召還魔法により古来から使役され、安全性の確認されている種については召還魔法による呼び出しなど一時的に連れ出すことは認められている。 となると召還士という共通点から今回の事件との関わりがある可能性は高い。 「・・・・・・それで、何を荒らしてったん?」 「はい、密輸品を運んでいたトラックの荷台らしいのですが、何を盗んだのかなど、それ以外は不明です。目下のところトラックの持ち主を捜させています」 「了解や。その生物について管理局のデータベースで調べといて。他にも何か分かったら知らせてな」 「は!」 シグナムは敬礼すると一階に続く階段を降りていった。 (*) その頃なのはとフェイトは会場内で警備に着いていた。 しかしフェイトが合流したのは1分程前からだ。 フェイトは出動しようとシャマル達と合流して準備していたが、敵が本気になってからたった10分で撤退したため出鼻を挫かれていた。 彼女は 「外のガジェットは撤退したから、出動待機は解除。私達は警戒任務に集中してだって」 と、シャマルからの要請をなのはに伝える。 ずっと会場内で警備に着いていたなのははフォワード4人組を含め防衛部隊に目立った被害がないことを聞いて肩をなでおろした。 「あともう1ついいニュース。懐かしい人に会ったよ」 「え?だれ?」 「それは・・・・・・あっ、来たみたい」 フェイトの視線はオークション開催寸前の舞台に向けられている。仕方ないのでなのはも彼女にならった。 『─────ではここで、品物の鑑定と解説を行って戴けます、若き考古学者をご紹介したいと思います』 拍手のなか現れた青年はなのはにとってとても馴染深い人物だった。 そう、彼女を普通の少女からこの世界に引き込んだのは他でもない彼であった。 『ミッドチルダ考古学士会の学士であり、かの無限書庫の司書長、ユーノ・スクライア先生です』 『あ・・・・・・どうも、こんにちは』 彼はマイクの前で少し緊張した様子で挨拶した。 ―――――――――― 次回予告 なのはの過去とさくらの出生秘められたものとは? そしてさくらの願いとは? 次回マクロスなのは第20話「過去」 追憶の歌、銀河に響け! ―――――――――― シレンヤ氏 第20話へ
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なのは「ティアナも食堂大盛半分位平らげるようになってきたね・・・おいしい?」 ティアナ「ふぁい」 スバル「順調に化け物への道を歩んでるとも言える・・・」 エリオ「でも、訓練もどんどん強くなってますし、血色も良くなりましたよね」 ティアナ「これも冥王八卦集になったおかげですかね」 なのは「そうだね」 シグナム「買い物行っただけなのに・・・」 ?????「いた、目標のデバイスも確認・・・」 ???????「それでは頼むよ、くれぐれも慎重に・・・」 ?????「ん」 ???「行くか?」 ?????「ん」 ティアナ「・・・クロスファイアーも連発できるようになったし、ダガーモードの戦闘も慣れてきた・・・このまま行けば魔力もUP・・・ 筋力もUPしちゃうよね・・・皆がこう言うんだ、マッスルティアナ、マッスルティアナ、筋肉万歳お前はThe・ガッツ・・・あれ?」 ルーテシア「・・・」 ゼスト「ここか」 ティアナ「な、なんと怪しい連中・・・」 ゼスト「すまない、ここの人間か?高町なのはという人物を探しているんだが」 ティアナ「し、知ってます・・・」 ゼスト「何処にいる?」 ティアナ「それを知りたければ・・・この風のランスターを倒す事だ!」 エリオ「あれ、ティアナさん隊舎の裏で訓練かな・・・?って、あれはいつぞや(七話)の二人組!?」 ゼスト「いや、あまり事を荒立てたくは・・・」 ティアナ「このティアナ・ランスター仲間を売るような真似をすると思うの!?」 ルーテシア「ノリノリ・・・説得無理かも・・・」 ゼスト「仕方ない、自力で探・・・」 ティアナ「甘いわね・・・貴方達は私の真の力を知らない・・・」 ルーテシア「逃がしてくれない・・・何で?」 ゼスト「わからん」 ティアナ「これを見よ!!」 ネオ・ティアナスペシャル強い魔力を構築する新 エリオ「!!・・・お兄さんに会いに行く時のクヌソだ・・・」 ゼスト「それは・・・何だ?」 ティアナ「これは以前のティアナスペシャルを数々の失敗の上に改良し・・・ついに昨日完成した魔法のクヌソ!!フガ・・・フガ・・・ガフ ッゲフッ・・・ハァァァァァ・・・ 新!!ティーダ兄さあああああああああああああん!!!!!」 エリオ「やっぱり変わってない・・・」 ゼスト「おい、だ・・・大丈夫か?」 ルーテシア「ちょっと見てる・・・面白そう・・・」 エリオ「仕方ない・・・こういう時はやっぱりなのはさんかフェイトさんを!」 なのは「あら」 シグナム「どうした?」 フェイト「何かあったの?」 エリオ「あ・・・た、大変なんです!ティアナさんが!!」 ティアナ「ふふ~ん、とうとう見つけたわよぉぉ~偽ランスターめぇぇぇ・・・」 ゼスト「こりゃ駄目だ、完全にへべってる・・・」 ルーテシア「もう行く」 ゼスト「そうか、後で人を呼んでおこう・・・目が危ない」 シグナム「ティアナ!」 なのは「ティアナ!」 ティアナ「はふ~ん、SU☆GA☆SU☆GA☆SI☆I!」 なのは「ってなんだぁ・・・いつものアレだよエリオ」 フェイト「・・・むしろ介抱してくれようとしたんじゃない?」 なのは「すみません、うちの人間がご迷惑をおかけして・・・」 ルーテシア「ガリュー、お願い」 なのは「ハッ・・・これはバインド!?」 シグナム「は、速い!!」 ゼスト「成程・・・高町なのは・・・だな?」 なのは「貴方達は・・・?」 ゼスト「そのデバイスをよこせば何も危害を加えん・・・おとなしく・・・」 なのは「断る!これは私にとって・・・数少ない原作の名残!!」 シグナム「原作?」 エリオ「原作?」 フェイト「クロノもたまに言ってるよ・・・原作・・・」 クロノ「懐かしいなぁ・・・おもちゃ箱・・・」 ゼスト「・・・よくわからないが・・・連行させて・・・ってぇぇ!!」 ルーテシア「!!」 ゼスト「バインドがいつの間にか変態仮面の正装にぃぃーー!!」 なのは「ディバインバスターのバリエーション・・・」 ゼスト「くっ、魔法防壁・・・!間に合うか・・・?」 なのは「と見せかけてエクセリオン・チャージ(体当たり)!!」 ゼスト「どわああああ!!!」 ルーテシア「ゼスト・・・ごめん・・・また後で」 シグナム「おっと、貴様の相手はこの私だ・・・別に少女の方が確保が簡単だとかそんなことは考えてはいないぞ・・・本当なら私の方が あの騎士と手合わせ願いたかったが、主役には華を持たせるのもベルカの騎士としての寛容の精神と」 エリオ「逃げましたよ?」 シグナム「・・・え・・・?」 なのは「ティアナ大丈夫?」 ティアナ「あれ・・・私・・・兄さんは、あの連中は?」 フェイト「うん、一人は 『シグナムが』 逃がしたけど、もう一人は気絶させた・・・」 シグナム「ウフ、ウフフ・・・いいんだ、私はそんなもんだぁ・・・」 エリオ「何者でしょうか?」 なのは「それは後で聞く事にして・・・今はともかく」 なのは「額に『麻婆』・・・だね」 エリオ「神父・・・ですか」 前へ 目次へ 次へ
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● 極彩色の次元の海に浮かぶ、二隻の艦船があった。 一隻は白銀、長大な艦体を持つXV級の次元航行艦。 もう一方は空を切り出したように蒼く、短剣に似たシルエットを持つ小型艦だ。 二隻は交戦していた。 火力と装甲で押す銀に対し、蒼はその加速力と小回りだけで対抗している。 蒼は高速でロールを打って追尾弾を振り払い更に加速。銀が放つ弾幕の隙間を掻い潜って接近し、先端の力場放出器から光剣を発現させた。 大型艦の防衛火器には可動角度の制限がある。格闘戦の間合いに入られればなすすべも無く両断されるのみ。 だが、艦橋の屋根に立つ人影が一つ。 黒いバリアジャケットを纏った影が、切断力の前に立ち塞がっている。 ● 男は蒼の掛かった黒髪に風を受け、鋭く前を見据えていた。 手首までが袖に隠れた右腕は、青銅色の金属に覆われた義腕だ。 槍じみた杖を提げている鋼の手が強く握られ、声が放たれる。 「最後に得た自由とはこれか、八神はやて」 その意思を受け、僅かに杖が鼓動した。先端の蒼い結晶体が明滅する。 蒼の機体が、両の剣を左右に振り上げた。 応じ、彼もまた、杖を前へと突き出すように振る。 くそ、と歯噛みし、だが強い声がそれを打ち消した。 「なら私が、僕がこの手で引導を渡す……!」 放たれたのは、通常のデバイスから発せられる電子音声ではない。 意思そのものを伝えるような、大気ではなく世界を震わせる音律だ。 《英雄とは打ち勝つもの》 穂先から放たれる蒼い光が、空間を切り裂いた。 光剣と左の翼がその断絶に巻き込まれ、折れ飛ぶ。切断面から塵と化し消滅。 隻翼となった蒼は、慌てたように急加速。杖の射程から逃れ、瞬く間に姿を消した。 「逃げられた、か」 ち、と舌打ち一つ。 同時に、屋根の上へと上る人影があった。 「艦長! クロノ提督!」 クルーの一人。杖を脇に挟んだ老兵が駆け寄り一礼。杖を体の脇に立て、 「あの機体……『疾風(シルフィード)』は七時方向三十度にて航行中と予測されますが……追跡は不可能であります。申し訳有りません」 「仕留め切れなかったのは私だ。気に病むことはない」 「しかし、上層部にとっても予想外だったでしょうな。 釣り上げる為の囮としてロストロギアの複数同時移送を行っていたというのに、帰還中で何の積荷も無いこの艦が襲われるとは」 「上はあの艦を確保したがっているようだが……到底、出来るものではないようだな」 「より強力な索敵装置の開発に乗り出したとの報告を受けていますが?」 「無駄だろう。半秒と掛からず目視可能圏から逃れるあの速度……製作者の名だが、『疾風』とはよくいったものだ。 特一級のロストロギアをベースとして作り出され、今も尚製作者の意思の下にロストロギアを狩る高速次元航行艦…… 慣性制御による次元間での高速戦闘と、自律的な再生進化さえ行うあの艦の価値は計り知れないが、な」 「……騎士カリムの予言。その解釈によっては、世界を救う手掛かりとなる艦でもあります」 「王の骸より生まれ出でし竜こそが、滅びを止め得る鍵である、か? だが王と称される竜召喚士は歴史上に数多くいた。『竜』が比喩表現……『力』や『武器』であるのなら尚更だ。 何にしろ―――私達は、己が任務を果たすだけだ。違うか?」 「……出過ぎた真似を致しました」 「……提督?」 「あ……すまない、少し気が抜けていた。 今ブリッジに戻る。第一種警戒態勢を解除、通常航行に移行。 記録は取っていたな? オペレータ二名で解析だ。ミッドまで八時間、その間に奴のスペックを割り出しておけ」 「了解しました!」 小走りに駆けていく老兵の後をゆっくりと歩きながら、彼は口を開いた。 「……二年前、いや、十一年前からの因縁、か」 ● ミッドチルダの首都部、しっかりと舗装された道路を歩く人影があった。 漆黒の戦闘用長衣に覆われた体は起伏に富んでいる。 女だ。長い金髪が歩調に合わせて揺れた。 しかし、摩擦音を聞いたその歩みが止まる。 見れば、通りに止まったトラックの荷台から、白のバリアジャケットに身を包んだ男が六人ほど降りてきた。 対する女はあからさまに眉をひそめ、 「……何なんですか?」 「時空管理局のものだ。フェイト・T・ハラオウンだな?」 「すいません人違いです。私は謎のインチキ独逸人の―――」 「これより貴様を広域次元犯罪の容疑で連行する」 「人の言葉をしれっと……」 「黙れ、重ねて言うぞ。貴様を連行する」 男達は一歩、包囲の環を縮める。 だが、道路でブレーキ音が響いた。トラックの後ろに停車したのは銀の乗用車で、運転席には橙の髪を左右で括った少女がいた。 助手席のドアが開き、一人の男が降り立つ。それも低い声と共に、だ。 「済まないが、連行を少々待ってもらいたい。彼女に話がある。それも早急に、だ」 「貴方は……そのバリアジャケットは……」 「時空管理局次元間航行部隊所属、クロノ・ハラオウン提督……二年ぶりだね、兄さん」 傍の空家に入ったクロノが、開口一番こう告げた。 「逃げないでくれ。外には僕の副官がいる……去年、試験に合格し執務官となった彼女が。 恐らく、君に対しては欠片の容赦もしない。それを聞いても逃げようとするなら……僕が止める」 クロノが義腕の袖口から一枚のカードを振り出した。硬質の素材をベースに蒼い結晶を配したそれが旋回、光を放って長杖へと変じる。 視線を向けたフェイトが、 「そのデバイス……名前は?」 「『デュランダル』だ。知っているだろう?」 「違うよ。外見はいじってないけど、強臓式開発術(ハイオーガンクラフト)で改造してるよね? デバイスとしてのじゃなくて、武器としての名前を教えて」 「……『英雄(デア・ヘルト)』だ」 「ユニゾンデバイスの亜種、ハイオーガン・デバイスは言実化能力と引き換えに使用者の一部を材料とする……か。 生の右腕と……広域Sランク魔導師を犠牲にしただけの価値はあった?」 「……君が先々週、南部で逐電の為にダムを破壊した件についてだが」 「壊したんじゃなくて壊れたの。ちゃんと反省文も送ったよ? 陸のトップ宛てに」 「残念だがレジアス中将はその反省文を読み、君の名前を指名手配帳簿の頂点に入れようとした……するまでもなく既に入っていたが」 「相変わらず頭が固いみたいだね……」 「……話を戻そう。 君の下に一つの依頼が来た筈だ……君の今の本業、逃がし屋としての依頼が」 「……狙いはエリオ・モンディアル?」 「そうだ……まだ来ていないのか?」 「……蒸し暑いね。窓、開けて良い?」 「動かないでくれ。世界で二番と自負する逃げ足の速さが気になる……少しでも魔力を出した瞬間、撃つ」 金属音を立て、デュランダルが構えられる。穂先に光を溜め発動待機中だ。 それを見たフェイトは、しかし薄く笑った。 「私が逃げるより早いだろうね、それなら。 ……でも、散々AMFに苦しめられた私が、魔力に頼らない武器を持っているとは思わないの?」 言い、コートの袖を強く振った。黒い球体が二つ、床に転がる。 「まさか―――」 クロノの驚愕。 その直後、手榴弾が炸裂した。 ● 目次へ 次へ
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なのは「さあ、このポタラをつけて!それしかあいつに勝てる方法はないの!!」 フェイト「く・・・右耳だったわね!こんなギリギリで・・・!!」 なのは「そうそう、この合体は二度と解けないから!!」 フェイト「な・・・こんなギリギリで言うなんて・・・これでいいでしょ!!」 なのは「ありがとう、フェイトちゃん・・・」 カッ!!! ナノト「なのはとフェイトが合体してナノトってとこかしら・・・そして、こいつがスーパーナノト!!」 敵「それが・・・・どうした!!」 ボコスカッバキィッ!! ナノト「ふふふ・・・あたしに出させてよ、本気を・・・」 単発総合目次へ DB系目次へ TOPページへ
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なのは「あなたはすごいわよ よくがんばったね… たったひとりで… 何度も何度も姿を変えて・・・いい加減嫌になるぐらいにね こんどは・・・こんどはいいヤツに生まれ変わってね… 一対一で修行とかしてみたいから… 待ってるからね… あたしももっともっとウデをあげて… またね!!!」 フェイト「なのは!!」 ユーノ「なのは!」 アルフ「なのは!」 はやて「なのはちゃん!」 シグナム「高町なのは!!」なのはの両親とかその他「なのは!!なのはちゃん!!」 一同「行けーーー!!!」 なのは「ハァァァァァァァァぁ!!!!」 敵消滅 フェイト「ふん、手間取っちゃって・・・」 界王様ナレーション「魔道人ブウは、ついに全人類の思いの詰まった魔道玉で細胞ひとつ残らず消滅した・・・高町なのは・・・やっぱり最強だぞお前は!!」 単発総合目次へ DB系目次へ TOPページへ