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<元気印> <料理上手> <ツンデレ> <ヤンデル> <鉄面皮> <野生育ち> <天真爛漫> <小悪魔> <清楚でおしとやか> <お嬢様> <清貧> <メイドさん> <優等生> <おバカ> <不良キャラ> <運動部> <格闘技> <本の虫> <実験をはじめよう> <警察官> <怪盗> <マスコミ> <名推理> <神職> <医療者> <巫女さん> <美形> <ママ・・・!> <アイドル> <音痴> <社会的知名度> <恋愛経験> <ヒミツのアルバイト> ■ヒロインの共通スキルとは? ここで挙げるスキルはヒロイン固有の個性を表現するものとなります。 言ってみれば「特徴」が洗脳によって付与されるものなのに対して、共通スキルは始めから持っていた能力や個性です。 したがって、アフターセッションでの成長では本来持っていた共通スキル以外のスキルを取得できません(キャラクター作成時に持っていたもののレベルを上げる事はできます)。 <元気印> 種別:- タイミング:クイックアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:判定ひとつを振り直す。ただし、このスキルは1シーンにつき1回、1シナリオLV回まで使用できる。 解説:あなたは元気が取り得の弾丸娘だ。常に太陽の様に明るく、行動力には自信がある。元気と笑顔があなたの武器だ。 <料理上手> 種別:- タイミング:探索シーンかつメジャーアクション 判定技能:【知識】 射程:- 代償:― 上限レベル:3 効果:このスキルの使用は十分な食材と調理環境がある状況に限定される。 あなたは料理を一皿作る。この料理を食べたNPCに対して行うあらゆる判定に+(LV×3)できる。 解説:あなたは料理上手だ。レベル2以上で店が開ける。 <ツンデレ> 種別:- タイミング:探索シーンかつクイックアクション 判定技能:- 射程:単体 代償:- 上限レベル:3 効果:このスキルを使用するに対し、ツンデレらしいロールプレイ(台詞)を行う。その台詞を聞いた対象がこのシーンに行う判定に+5する。 このスキルは1シナリオにLV回まで使用できる。 解説:プライドからか、好きの裏返しからか、そっけない態度を取ってしまうが相手のためにならどんな事でも尽くしてしまう。 <ヤンデル> 種別:- タイミング:探索シーンかつオートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:同一シーンに登場している他のキャラクターが何かしらの判定に失敗する毎に次に行うあなたの判定に+(LV×2)する。 解説:あなたは病んでいる。他人の失敗や不幸は甘い蜜の味がするのだ。 <鉄面皮> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:単体 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたが自ら能動的に行うアクションに対して、対象がリアクションを行う際、その達成値は常に−(LV−1)される。この効果は戦闘中であっても有効。 解説:あなたは表情を崩さないポーカーフェイスだ。あなたと対峙した者はそうやすやすとあなたの真意を見抜く事ができない。 <野生育ち> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたの【ライフ】に+(LV×5)する。 解説:あなたは幼少を山奥やジャングルなどで育った。あなたの肉体はタフであり、多少の疲労やダメージなど諸ともしない。 <天真爛漫> 種別:- タイミング:クイックアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたがファンブルを出した時に使用できる。その判定をただちにクリティカルに変更する。この効果は1シナリオに(LV-1)回使用できる。 解説:あなたは無邪気そのものだ。様々な事に興味があり、その好奇心故に失敗を恐れず、さまざまな事に突き進む力を持っている。 <小悪魔> 種別:- タイミング:クイックアクション 判定技能:- 射程:単体(男性) 代償:- 上限レベル:3 効果:このスキルは男性NPCに対してのみ使用できる。対象に対して行うありとあらゆる判定、または対象から聞き取る形で行う情報判定の値に常に+(LV×2)する。 解説:あなたの立ち振る舞いはどことなく蠱惑的だ。あなたにあてられた男性はあなたのためならつい頑張ってしまうだろう。 <清楚でおしとやか> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:【知識】または【社会】を用いた判定の結果に+2する。このスキルは1シーンにつきLV回まで使用可能である。 解説:あなたは人から清潔感のある清純派だと思われている。レベル3もあれば誰もが思わずため息をつく優美さだ。 <お嬢様> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:【社会】に+(LV)する。このスキルは<清貧><侍従>と同時に取得する事が出来ない。 解説:あなたは社会、特に財界や政界に名をはせた銘家のお嬢様だ。相応の権力をもち、立ち振る舞いや気品からもそれを伺わせる。 <清貧> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたの【社会】は初期値に関わらず-(LV)される(最低値1を下回る様な取得は出来ない)、あなたは【耐性】に減少させたぶんだけ割り振る事ができる。 このスキルは初期作成時でしか取得できない。また<お嬢様><侍従>と同時に取得する事が出来ない。 このスキルを取得する時、【ライフ】など他の技能値も計算しなおすこと。 解説:あなたの家は貧乏だ。貧しい暮らしはあなたの体を強靭なものとし、様々な苦難を乗り越える力を与えた。 <メイドさん> 種別:- タイミング:クイックアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:探索シーンに限定し、1シナリオに1回まで、【運動】【知識】【社会】のいずれかの結果に+(LV×2)する事が出来る。 解説:あなたはいわゆる銘家に仕えるメイドや家令、侍女など、高貴な存在に仕えるべくして育てられた。その身のこなしは華麗にして完璧だ。 <優等生> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:【知識】に+(LV×2)する。<おバカ><不良キャラ>と一緒に取得できない。 解説:あなたは賢い。学校では優等生(職場ではキレる女)、または知能明晰で通っている。あなたにわからない問題はない。 <おバカ> 種別:- タイミング:効果参照 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたの【知識】を-(LV)する(こちらのタイミングはオートで適応される)。 クイックアクションで使用する事で、あなたが行った判定ひとつをただちに+3する。この効果は1シナリオに(LV)回まで使用できる。 このスキルで【知識】を減少させる場合、1を下回る様な取得はできず、<優等生>と同時に取得はできない。 解説:あなたはおバカだ。決して賢い訳ではないが、それを補うだけのバイタリティを持っている。 <不良キャラ> 種別:- タイミング:情報判定 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:探索パートで行うあらゆる[情報判定]を【運動】で行う事ができる。ただし、1シナリオ(LV)回まで。 解説:あなたは不良キャラで通っている。舎弟やそのスジの連中とつるんではいるが、根っこまで腐ってる訳ではない。ちなみにレベルのぶんだけハクがつく。 <運動部> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたの【行動値】に+(LV)する。 解説:あなたは格闘技以外の運動部員だ。普段の競技や走り込みで鍛えた身の熟しを持っている。 <格闘技> 種別:- タイミング:オートアクション 判定技能:- 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたの近接攻撃の攻撃力に+(LV×2)する。 解説:あなたには多少なりとも格闘技の心得がある。剣道、柔道、合気道、ボクシング…など自由に選択して設定に反映すること。 <本の虫> 種別:- タイミング:情報判定 判定技能:【知識】 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:あなたが行う[情報判定]は代わりに【知識】で行える。1シナリオに(LV)回まで。 解説:あなたはいわゆる本の虫と呼ばれる読書家だ。 <実験をはじめよう> 種別:- タイミング:情報判定 判定技能:【知識】 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:物品や痕跡などの物的足がかりが存在する場合の[情報判定]に限定する。あなたはいつでもその判定を【知識】で振れる上に、その達成値は常に+(LV×2)される 解説:あなたは学者肌、博士キャラ、または科学オタクっぽい側面がある。 <警察官> 種別:- タイミング:情報判定 判定技能:【社会】 射程:自身 代償:- 上限レベル:3 効果:このスキルの使用に成功した場合、秘匿されてる情報ひとつを開示できる。ただし、その情報は警察官やマスコミが知り得る情報に限定される。この技能は1シナリオに(LV)回まで使用できる。 解説:あなたの職業は女性警官となる。警察の情報網があなたの仕事をバックアップする。他の職業っぽいスキルと併せてシスター刑事だの、メイド刑事だの名乗っても良い。 <怪盗> 種別: タイミング: 判定技能:【運動】 射程:アイテム 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <マスコミ> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル: 効果: 解説: <名推理> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説:あなたは探偵キャラとなる。あなたはわずかな手がかり・ヒントから真実を突き止める頭脳の持ち主…かもしれない。 <神職> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <医療者> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <巫女さん> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <美形> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <ママ・・・!> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <アイドル> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <音痴> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <社会的知名度> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <恋愛経験> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説: <ヒミツのアルバイト> 種別: タイミング: 判定技能:- 射程: 代償: 上限レベル:3 効果: 解説:
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前ページ次ページゼロのエルクゥ その身の丈は3メイルほどか。オーク鬼より一回り大きく、トロール鬼やオグル鬼よりは二周りほど小さい。 でっぷりと腹の出た鬼どもと違い、鍛え上げられた逆三角形を連想させるスラリとしたフォルム。その姿は狼が二足歩行に立ち上がったようであり、亜人というよりも獣人といった方がふさわしい。 確かに見たことがない種族だったが、大きさからいって、5メイルのトロール鬼兵士が振るう棍棒の一撃に耐えられるはずがない。 耐えられるはずがないのだ。なのに。 ―――ばしゅっ、と血風が舞い、上半身の右半分が丸々吹き飛んだトロール鬼兵士が、地響きを上げて崩れ落ちる。 なのに、なぜ。 ―――別のトロール鬼兵士が振り下ろした棍棒が、軽々とその掌に受け止められる。左手に握られている剣が一閃、トロール鬼の首を綺麗に斬り飛ばした。 なぜ、この『鬼』は事も無げに、それらを屠りながら前進してくるのだ。 そう、オークやトロールなど、『鬼』という言葉を使うにはあまりにも惰弱に過ぎる。そう、思わせられる。 目の前のこれこそ、まさに『鬼』。その表す意味に、最もふさわしい存在だ。 ―――ゴォゥッ、と風を巻き、背後にいた指揮官のメイジから『フレイム・ボール』の魔法が『鬼』に向かって放たれる。 普通の人間がまともに受ければ、炭の塊になる火の玉。 その光景も、何度も見た。 ―――『鬼』が左手の剣を振るう。火の玉と剣とがぶつかり合い……『フレイム・ボール』は、跡形もなく消え失せてしまうのだ。まるで、その刀身が炎を吸い込んでいるかのように。 「ひぎゃあああああああああああああっ!!!」 どんっ。軽い地響きがして、黒き『鬼』の姿が掻き消える。直後、響き渡る断末魔。 ものすごい速度でジャンプし、手前の槍ぶすまを飛び越え、先ほど『フレイム・ボール』を放った指揮官のメイジが叩き潰されたのだ。……文字通りの意味で。 「ば、化け物おおおっ!」 「なんだっ、なんなんだあああーっ!!?」 腕を振るい、脚を振るい、剣を振るい、その度に血飛沫が舞う。平民も、貴族も、亜人も……その前では、全て獲物に過ぎなかった。 自分は、手に持っていた愛銃を構える気も起こらなかった。これまで数多の戦場でメイジを十は撃ち抜いた自慢の相棒だったが……そんなもの、あれに効くはずもない。 「■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」 」 意識を黒く塗り潰すような咆哮。 自分はその甘美な誘いに抗う気も起きず……幸運な事に、そのまま気を失う事ができたのだった。 § 勝ち気に逸っていた『レコン・キスタ』軍は、急転直下、死地へと投げ出された。 突如現れた、謎の『鬼』が想像を絶する力で暴れまわり、前線の将兵をことごとく薙ぎ倒している、と。 命からがら後退に成功した兵、高地ややぐらからの物見、また風のメイジによる遠見の魔法、それら全てが伝えてくる出来事は、その荒唐無稽な報告が事実である事を示していた。 最前線を担っていた二個大隊のうち、果敢にも(あるいは所詮一匹だと侮って)それに立ち向かっていった者は、平民貴族亜人正規傭兵を問わず、ことごとく死んだ。 勝ち戦にある者は、死にたくないものだ。 死んではせっかくの勝利の美酒を味わう事が出来ない。略奪する宝、戦功への恩賞、武勇に与えられる名誉……それらが惜しくて、命を惜しむ。 利益を惜しみ、命を惜しむ者が、誰構わず死と恐怖を振りまく正体不明の化け物に立ち向かっていくわけがあろうか。 二個中隊、およそ数百の歩兵や指揮官のメイジがその爪にかかり、腕に押し潰され、脚に踏み潰され、剣に首を飛ばされたところで―――勝利を確信し、その先の略奪に思いを馳せてすらいた正面隊の士気は完全に崩壊した。 兵達は犬死にを恐れて散り散りに逃げ出すか、恐怖に気を失うか、やぶれかぶれにニューカッスル城に突撃し、城壁の守りに散らされていった。 そしてその化け物は、今も目に付く者全てに襲い掛かり、殺戮を繰り広げている―――。 § 殺す。 ―――爪を振るう。槍を構えていた兵士が六枚に下ろされて絶命した。 殺す。 ―――腕を振るう。折れた槍を捨てて脇差を振りかぶった兵士の上半身が、空き缶のようにひしゃげた。 殺す。 ―――跳び上がる。着地点にいた銃兵が、足の裏の下敷きになって落としたトマトのように潰れた。 殺す。 ―――剣を振るう。飛んできた魔法がその刀身に吸収され、ついでに近くにいた兵士数人が、山刀に刈られる背の高い草よろしく、それぞれ適当なところを斬り飛ばされてもんどりうった。 殺す。 殺す。殺す。殺す。 儚く消える間際に、命の炎が一際燃え上がる。だが、そんなものはどうでもよかった。エルクゥの悦びなど欠片も感じない。 あるのは、ただ炎。それは蝋燭の消えゆく炎ではなく、そのまま本人を包み込んでその身を荼毘に伏す業火。 「かははっ、なんてぇ心の震えだ! いいねぇいいねぇ、主人の仇討ちに震えるハート! 燃え尽きてヒート! ガンダールヴ最後の大仕事だぜえ!!」 漆黒の肌の中に、眩しいほど煌々と光を放つ左手のルーン。そこに握られた剣が景気よく声を出し、目前に差し迫った『ジャベリン』の魔法による巨大な氷の矢を、瞬時に蒸発させた。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」 呼応するようにエルクゥが咆哮を上げる。 だんっ、と血染めのその場から、『ジャベリン』が放たれた方向へとまっすぐに跳躍し―――その風のトライアングル・メイジは、刹那の後に絶命した。 § 軍隊、というのは、人間社会での集落同士が戦う為の組織である。 それが戦う事を想定しているのは、同じ数、同じ種類の人間だ。どれほどの腕があろうと、それが『人間』という枠に収まる以上、一人の達人では十人の雑兵に勝てない。 数の力。そういう理屈だ。 しかし。人ではない、たった一体の超越者と戦うには、軍隊は向かない。千を集め、万を集めても、その『数』という力を発揮出来ないまま無駄に命を散らすだけだ。 ドラゴンの暴君を討つのは、軍隊ではなく、英雄なのだ。 まだドラゴンなら、巨大なドラゴンならば、千の兵士によって一斉に銃を撃つことにも意味があるかもしれない。その巨体には、千の銃弾を集める事が出来るのだから。(逆に言えば、ドラゴンの炎の息も、百や千の兵を一斉に焼く事だろう) しかし、3メートルしかない少し大きな人型程度には、百人の兵士を殺到させたところで百人が同時に斬りかかれるはずもない。千人でも万人でも、せいぜいそれを相手に発揮される『数』の力は十人分。 その十人分を蹴散らすぐらい、超越者にとっては呼吸をするにも等しい。呼吸の回数が百回だろうと千回だろうと、それは等しく『時間の問題』でしかないのだ。 さらに『数』を増やそうとその外から弓や銃、魔法を撃てば、その近くにいる味方に当たるかもしれない。百人が一斉に囲めるような距離があっても、その人型は跳躍一つで銃の射程など飛び越えてくる。 業を煮やし、使い捨ての傭兵など知った事かと広範囲に及ぶ魔法をぶっ放した貴族などは、化け物の持つ剣に魔法を無効化された挙句、周囲の傭兵達によって逆襲を受け、それを守る兵との同士討ちが始まっている。その隊は、もはや軍としての用を成さないだろう。 前線のそんな混乱ぶりを間近で見ていた後方の隊では、機を見るに敏な傭兵や、戦の経験のない徴募兵が、次々と逃亡を始めていた。 堅城を落とす為に集められた五万の軍。それは、たった一匹のエルクゥに、全くの無力であった。 「……なんという」 ニューカッスル城の天守からは、『レコン・キスタ』軍五万の呆れ返りたくなるように巨大な陣容が一望できた。横っ腹への奇襲など微塵も警戒していない、岬の突端に位置する城の城壁にただひたすら殺到する為だけの、縦に長く伸びた突錐陣。 そして、今まさにその只中で殺戮の神楽を踊り続ける、使い魔の姿。 それを眺めるウェールズには、それを戦いと呼ぶのは憚られた。殺戮か、虐殺か……それとも、狩猟か。見るものを圧倒させる五万の陣は、瞬く間に見るも無残な血の海へと変貌していく。 「今なら、我らごと逃げ延びる事も可能かもしれませんな」 「……かもしれないな」 傍らの侍従の呟きに、ウェールズは重く頷いた。 城壁に張り付いてくるはずだった無数の兵がことごとく血に沈んでいく。もはや前線に展開していた部隊は壊滅状態だった。恐慌状態のままその横を走り抜けて城壁に取り付く兵士も散見されるが、見張りの兵だけで追い散らせる程度だ。 「まあ、逃げ延びる先がない我らには、ここを守るしかないのだがね。我らの名誉ある敗北は、彼に譲ってしまったのだから」 「いや、そうとは限りませんぞ」 「……パリー?」 かつて『鉄壁』の二つ名を欲しいままにした初老の侍従。その衰えぬ鋭い視線が、眼下に広がる五万の軍容の、そのさらに向こうを睨みつけている。そんな気がした。 「殿下、およそ全ての戦いと呼べるものには、一つの鉄則がございましてな」 「ほう。その心は?」 「『攻撃は最大の防御』と言うものです」 § 「もう一度報告を繰り返せッ!」 「は、はっ! 本日一〇一七、ニューカッスル攻略部隊が敵の襲撃を受け、先陣を担っていたハイランダーズ連隊は全滅。連隊長サザーランド侯以下、第一大隊長ランカスター伯、第二大隊長アーガイル伯、全てご殉死なされました」 全滅した隊のは言うに及ばず、後方の隊の傭兵や徴募兵までも逃亡を始めており、被害は今なお増大中、というその報告は、怒鳴り返した幕僚長には全く理解の出来ないものだった。 「敵の戦力は!? あやつら、玉砕覚悟で打って出たか!?」 「は。そ、それが……」 「何だ! わからんのか!?」 「て、敵は、一騎の亜人であるとの事です!」 搾り出すように叫んだ若き伝令の仕官の言葉に、簡素な野陣テントにしつらえられた軍議の場がざわついた。 「貴様、冗談を聞いているのでは―――!」 「詳しく説明しなさい。騎士ノーマン」 「ク、クロムウェル閣下……」 激昂しかかった幕僚長を遮ったのは、中心に座っていた司教服の男であった。いかつい勲章ときらびやかなマントばかりのその中心には、この場にそれ以上ないほど不似合いな、緑色の法衣姿がある。 『レコン・キスタ』総司令官、オリヴァー・クロムウェルが、顔の前で手を組み合わせ、テーブルに肘を付いていた。 その傍らには、真っ黒いローブに身を包み、フードで顔を隠したその秘書が侍っている。わずかに垣間見える口元や体つきから見るに、中肉中背の、青年と少年の境目にある男性、という風情だが、クロムウェル以外の誰も、その顔を見た者はなかった。 「ヘイバーン統幕僚長。怒りは我らの鉄の結束を崩す。冷静に報告に耳を傾けたまえ。疑問があれば、理でもって問いたまえ。彼は年若くして竜に認められた、誠実で誇りある騎士だ。余が保障する。偽報であるかどうかは、彼の責にはない」 「は、はっ」 「さあ、詳細を、我らが同志ノーマン」 にっこり、と笑いかけた司教に、伝令仕官は平伏して答えた。 「手に持った剣で魔法を弾き、風のメイジ以上の俊敏さを持ち、トロール鬼以上の力を振るう見た事もない『鬼』と報告が上がっております。突如としてニューカッスル城門前に現れ、襲い掛かってきたと」 「それが数千の我が軍を殺し尽くしたと? 信じられぬ話だが、間違いはないのだね?」 「はっ。全ての物見が、同じ事実を報告致しました。自分も伝令に飛び立つ際に報告どおりの姿を見ましたが……その勢いは全く衰えず、我が軍を、蹂躙しておりました」 場が静まり返る。その場にいるのは全て軍部の高官だったが、皆、『信じられない』といった表情を浮かべている。 目を閉じて黙り込むクロムウェルの耳元に、傍らの黒いローブの人物が口を寄せた。 丈の長い漆黒のローブが重力に引かれ、二人の顔を隠す。 その裏で、威厳と不気味さを保っていた二人の相好が―――盛大に崩れた。 「どどどどどどーしようサイトくん! そんな化け物の事、知ってたかい!?」 「お、俺だって知りませんよ! ジョゼフの野郎もそんな奴がいるなんて一言も……!」 「さ、サイトくんのマジックアイテムで何とかできないのかい!?」 「一匹でメイジ込みの数千人ブチ殺すような化け物倒せるアイテムなんて貰ってませんて!」 「どーしよ!?」 「どーしろと!?」 「バス降りて歩いてたら」 「後ろからイキナリ!?」 「ところでサイトくん、『ばす』ってなんなのかね?」 「えっと、俺の世界での乗り合い馬車っていうか……って現実逃避してる場合じゃないですってクロさん!」 「だ、だって、どうしろっていうんだい?」 「と、とりあえずあの騎士さんを下がらせて、ここの人達にアイディアを出してもらいましょう。もう間が持ちません」 「う、うん。わかった。―――落ち着きたまえ、同志諸君。指揮官が取り乱しては、兵が不安がりますぞ」 二人が体勢を戻し、ごほん、とクロムウェルが咳払いすると、騒然となっていた軍議の場はさあっと静かになった。 「忠実なる我等が騎士ノーマン、貴重な報告ご苦労であった。貴君のもたらした情報は、必ずや我が同志達を勝利へと導くであろう。下がってゆっくりと休み、次の任務に備えたまえ」 「はっ!」 クロムウェルが何度も頷き、笑顔を浮かべると、伝令の竜騎士は深く頭を下げて退室していった。 「さて、諸君、親愛なる我が『レコン・キスタ』の同志諸君。今の報告を真実だとして、どのような対処をするべきだと思うかね?」 その言葉に、軍議は再び紛糾を始めた。 どのような化け物でも五万の軍勢には勝てまい。いや被害を無闇に広げるだけだ一度全軍を下がらせて正体を見極め選りすぐりの竜騎士で討伐すべきだ。いやいやそれでは王党派に時間を与える事になる宣戦布告破りが他国にばれようものなら我等の正当性が問われ―――。 「……なんとかなりそうっすかね」 「……その化け物って、何者なんだろうね」 「さあ……敵の秘密兵器かなんかでしょうか?」 「報告します!」 「「っ!」」 息を切らせた伝令兵が陣幕に飛び込んできたのは、議論の熱が高まり、ひそひそ話をする総司令官と秘書の顔に落ち着きが戻ってきた時だった。 「何事だ!」 「お、王立空軍の旗を掲げた艦が、この陣に向かい最大戦速にて突撃してまいります!」 その報告に、高官達は先ほどまでの舌の熱も忘れ、文字通り跳び上がって驚いた。 § 「弾薬は全て下に向けて撃ち尽くせよ! 敵の艦など相手にするな! イーグル号、及びその乗員はこれよりその全てを以って『レコン・キスタ』本陣への弾丸となる!」 『鉄壁』の号令に、おぉぉー! と艦中から鬨の声が上がる。 「『鉄壁』の名にふさわしくない荒っぽさだね、パリー!」 「言ったでありましょう、『攻撃は最大の防御』ですとな! それとも殿下には、座して死を待つ趣味がおありでしたかな!」 「まさか!」 機動力を重視した設計の、その最大戦速にて五万の兵を飛び越えていくイーグル号の甲板で、主人と侍従は抑えきれぬ笑みを漏らしていた。 「狙うは総司令官、オリヴァー・クロムウェルの首級のみ! おのおのがた、気張りなされよ!」 どんっ! と腹に響くような重音とともに、敵艦の砲撃が船体を掠めていき、イーグル号が大きく揺れた。 甲板にて杖を構え、楽しくて仕方ないという風に顔を歪めるメイジ達に、取り乱す気配は全くない。 「総員、突撃ぃっ!!!」 怒号と共に、二百余名のメイジ達はマントを翻し、こぞって甲板から飛び降り始める。 その眼下には、開けた地に張られた野陣がある。『レコン・キスタ』軍、ニューカッスル攻略拠点の陣であった。 前ページ次ページゼロのエルクゥ
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出演作品 テレビアニメ 2001年 Cosmic Baton Girl コメットさん☆(バッタ人衛生兵) 電脳冒険記ウェブダイバー(グリフィオン、ライガオン、ラーダ)※声優デビュー作 2002年 テニスの王子様(銀華中部員) 2003年 E S OTHERWISE(テオ) クラッシュギアNitro(ウーゴ) こちら葛飾区亀有公園前派出所(カンガルー刑事) DEAR BOYS(長瀬悟) プリンセスチュチュ(男性) 遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(ダイナソー竜崎(2代目)) 2004年 金色のガッシュベル!!(ツァオロン) 陸奥圓明流外伝 修羅の刻(沖田総司) 2005年 あかほり外道アワーらぶげ(秘書) 交響詩篇エウレカセブン(男生徒、店員C、本部、監視兵A、軍警察) 闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜(青木、古谷、吉田、滝藤ほか端役多数) まじめにふまじめ かいけつゾロリ(端役多数) 2006年 ARIA The NATURAL(局員) おとぎ銃士 赤ずきん(村人) 学園ヘヴン BOY S LOVE HYPER!(秘書石塚、刺客) ガラスの艦隊(ラキューリド) 牙 -KIBA-(ポリスB) ギャラクシーエンジェる〜ん(係員B、男性隊員、男B) 金色のコルダ〜primo passo〜(男子A) 恋する天使アンジェリーク〜心のめざめる時〜(研究員) 地獄少女 二籠(犯人、鉄) 蒼天の拳(部下) TOKYO TRIBE2(グルメ、WARU、カマカージー) 西の善き魔女 Astraea Testament(侍従、兵士1) ハチミツとクローバーII(学生C、男子学生B) ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!(パウル) BLACK LAGOON(マイヤー、PBRの海賊たち、聴音兵、士官、兵士、中国人、マニサレラ・カルテル、TVレポーター、エージェント・シュガー) BLACK LAGOON The Second Barrage(ロニー・CK、伊東、花田、ポドロフスキ伍長) 無敵看板娘(太田明彦) ラブゲッCHU 〜ミラクル声優白書〜(音響スタッフ) 2007年 おおきく振りかぶって(阿部隆也) おじゃる丸(青年、バブルヘッテンコーJr.、ハチ 他) キスダム -ENGAGE planet-(七生愁) 機動戦士ガンダム00(グラハム・エーカー) 逆境無頼カイジ(小泉ほか端役多数) CLANNAD -クラナド-(岡崎朋也) CLAYMORE(端役多数) この青空に約束を― 〜ようこそつぐみ寮へ〜(星野航) さよなら絶望先生(あびる父、使用人、警官、白髪、下見寺住職、監督B、兄ちゃん) しゅごキャラ!(月詠イクト(幾斗)) スカイガールズ(森山誉、松坂、引ったくり男、気象予報士、官房長官、幹部、機関員、たくみの父) sola(先生) 逮捕しちゃうぞ フルスロットル(男、シート男、店員) のだめカンタービレ(岩井一志、男子学生A、友人A) ひまわりっ!!(村人2) PRISM ARK(ジュダス) BLEACH(パラテラウル、雑貨店店員、剣道部部長、死神) ぼくらの(ナギ) 魔法少女リリカルなのはStrikerS(ヴァイス・グランセニック) もっけ(高梨) 2008年 イナズマイレブン(影野仁、源田幸次郎、武方友) 機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン(ミスター・ブシドー/グラハム・エーカー、副官、アッシュ) CLANNAD 〜AFTER STORY〜(岡崎朋也) 鉄のラインバレル(森次玲二、降矢勉) しゅごキャラ!!どきっ(月詠イクト(幾斗)) 絶対可憐チルドレン(皆本光一) 【俗・】さよなら絶望先生(あびる父) ネオ アンジェリーク Abyss(ジェット) ネオ アンジェリーク Abyss -Second Age-(ジェット) ネットゴーストPIPOPA(ディバイン・フォレスト) BLASSREITER(ブラッドリー・ギルフォード) BLEACH(テスラ) マクロスF(早乙女アルト) 魔人探偵脳噛ネウロ(穂村徹行) 我が家のお稲荷さま。(天狐空幻(男)) 2009年 イナズマイレブン(財前宗助、ゼル/瀬方隆一郎) 君に届け(真田龍) 懺・さよなら絶望先生(あびるの父) - 第3話のイラストも担当 シャングリ・ラ(今木烈音) しゅごキャラ!!! どっきどき(月詠イクト(幾斗)) 戦う司書 The Book of Bantorra(ヴォルケン=マクマーニ) 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(グリード) はじめの一歩 New Challenger(今井京介) バスカッシュ!(アイスマン・ホッティ) FAIRY TAIL(グレイ・フルバスター) BLEACH 斬魄刀異聞篇(村正) 2010年 荒川アンダー ザ ブリッジ(ラストサムライ) イナズマイレブン(マーク・クルーガー) おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜(阿部隆也) 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(高坂京介) 侵略!イカ娘(嵐山悟郎) ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(鏑木アキラ) ちゅーぶら!!(谷原先生 / 小学校の担任) デュラララ!!(門田京平)
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クリフトのアリーナへの想いはPart5 325 :【もう一つの祝辞】1/3 ◆YdWRYb4NOY :2006/05/25(木) 00 09 44 ID Xsr6cVly0 ある晴れた日の朝。 俺は新調したばかりの礼服を身につけ、祝辞の練習をしていた。 三日後に行われる、親友の結婚式に出るためだ。 俺の名はソロ。 かつては『勇者様』なんて呼ばれてた時期もあったかなあ。 今は故郷の村で、気ままな一人暮らしを楽しんでいる。 そして親友とは、数年前一緒に旅をしていたサントハイムのアリーナ姫と、 彼女の侍従を務めていた神官のクリフトのことだ。 王族と一民間人との結婚ということで、世界中がこの話題で大騒ぎだ。 しかし、よく王様が許したよなあ。どんな手を使ったのか気になって仕方がない。 会った時に聞いてみるとするか。 それはいいとして、招待状にはこう書いてあった。 『ソロー、友人代表として祝辞よろしくね♪』 『私からもお願いします。ソロさんの良識に期待しております』 おいおい、マジかよ? まさかこの俺が、祝辞を引き受ける羽目になるなんてな。何考えてんだあの二人は。 俺がこういうの一番苦手だって知ってるくせに。絶対わざとだな、あいつら。 よーし、こうなったら俺も勇者と呼ばれた男だ。 売られたケンカは高価買取しようじゃねーか。 もちろん、王様や貴賓の皆さんの前では美辞麗句を並べてやるよ。 そのために、王宮や王室に詳しいライアンさんからアドバイスもらったし。 …でも、ほとんど例文丸写しだ。ごめんライアンさん。 で、仲間たちだけの前では『もう一つの祝辞』をぶちまけてやるつもりさ。 クリフトは俺にとって、生まれて初めてできた同年代の男友達だった。 最初は堅苦しい奴だと敬遠していたが、付き合いは悪くなかった。 一人で行くのが恥ずかしくて、モンバーバラでの夜遊びに誘った時も あいつはあっさりOKの返事を出した。絶対断ると思ってたから、正直びっくりだった。 劇場で二人で踊ったときも、嫌な顔一つしなかったしな。 『ああ、こいついい奴なんだな』って思ったよ。 そして、こっそりあのぱふぱふ屋にも行った。 まあ、あれは結局アリーナ姫にばれて、俺は町中引き回しの上痛恨の一撃、 クリフトは渾身のびんた一発を食らったんだっけ。 それにも懲りず、俺たちはアネイルの温泉へ女湯をのぞきに行ったり、 コナンベリーの町でバニーのお姉さんと一晩中…おっと、これ以上は言えねーよ。 どちらか一人だけよ、って言われてジャンケンで決めたんだよな。 壮絶な死闘の末俺が勝ったんだが、その時のあいつの悔しそうな顔は今でも覚えてる。 あの頃からだ。あの二人が何かにつけて場所もわきまえず 人目もはばからず『夫婦ゲンカ』を始めるようになったのは。 事の始まりはたいていアリーナ姫のこの台詞からだ。 『あんたまたソロと怪しい所に行くつもりなんでしょ?』 『いいわよ。あたし一人で馬車に残るから、どこにでも行けばいいじゃない!』 クリフトはその度に誤解を解こうと必死になっていたな。 でもいつも空回りに終わる。何の進展もない、その繰り返しだ。 まあ傍観者として眺めるのなら、それはそれで面白かったんだが、 馬車の中で引きこもりや座談会になるのだけは、正直言って迷惑だったよ。 おかげで他の仲間は馬車で寝泊りできないから、 宿屋での宿泊になったからなあ。その分料金も高くついちまう。 何度エンドールの銀行に預金を下ろしに行ったことか。 ケンカしたり仲直りしたり、本当に忙しい二人だったよな。 でも、俺は思うんだ。大切な人がいてケンカができて、仲直りができる。 これ以上の幸せってないんじゃないかなあ、って。 俺も…本当なら俺も、そんな毎日が過ごせたのかもしれない。 なあ、シンシア。お前も…そう思うだろう? 気がつくと、俺は部屋の隅に飾ってあった写真を見つめていた。 焼け野原になったこの村に残っていた、唯一の写真。 もう戻らない時間の中で、俺とシンシアは無邪気に笑っていた。 クリフト、幸せになれ。そしてアリーナ姫を幸せにしてやれ。 もうその望みが叶わなくなった男のためにも… チャイムの音とともに、俺は我に帰った。 ドアを開けると、トルネコさんが来ていた。そういや一緒に行く約束をしてたな、忘れてた。 さすがエンドールの商人組合会頭となっただけあって、立派な礼服を着ている。 でも、上着のボタンがはちきれそうだ。また太ったんじゃないか?トルネコさん。 じゃあ行ってくるよ、シンシア。留守番よろしくな。 俺は写真に軽く手を振り、礼服の襟を直すと、そっとドアを閉めた。
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910: 635 :2020/01/13(月) 07 55 51 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 小ネタ17 「太陽系外惑星はとにかくあまりにも遠すぎる。それほど地球から離れていない居住可能な惑星に関して非常に楽観的な見方をしても、数十年はかかる。」 「しかしそれはヤルバーン飛来と神崎島出現以前の話だ。」 「人類が有する既存の手段では、気の遠くなるような日数がかかるが、日米露が神崎島で推し進める大規模宇宙開発とティエルクマスカ連合の科学技術の吸収。」 「それにより地球外惑星や宇宙コロニーへの永住も夢物語ではなくなっている。かつてのSFは最早すぐそこまで来ているのだ。」 「私たちは地球を大切にしなければならない。そのためにも宇宙開発の歩みを止めるべきではない。」 ある年のノーベル物理学受賞者の演説 「やはり遭難者の捜索か…、いつ出撃します?私も同行します。」 「熟練見張員。」 「さすが神崎島、少年誌まで網羅かよ…。」 「そこにシビれる!あこがれるゥ!」 漁船の遭難事故救助に出撃する海防艦択捉 「全員逃げろ!赤眼鏡だ―――!」 「アイエエエ!アカメガネ!?アカメガネナンデ!?」 『ドーモ、リベラルモドキ=サンニエセコミュニスト=サン、トッキタイデス。』特機隊ダストール人その1 『オジャマシマス!逮捕スルベシ。慈悲ハナイ。』特機隊ダストール人その2 『俳句ヲ読メ!介錯シテヤル!』特機隊ダストール人その3 『…ダストール人達張り切ってるがどうした?』特機隊妖精その1 『薬物関係への強行突入と聞いてからあの調子で…。』特機隊妖精その2 『ナント!ダストール人が敬語ヲ!』特機隊イゼイラ人 『感動してるとこ悪いがあれって忍殺語…。』特機隊ニンジャヘッズ日本人 神崎島から本土へ応援として派遣された特機隊 「これで私も女優デビューですね♪」 「艦長、本人役、というか本艦役は女優に入るのでしょうか?」 米架空歴史改変SFドラマ出演の為にサンフランシスコを訪れた戦艦大和 「英伊合作で撮った映画のリメイクか…。」 「英伊の軍も撮影に協力して団結もアピールだとよ。」 「一番協力してくれてるの神崎島じゃね?」 「戦艦一隻ポンと派遣だもな。しかも同型艦。」 エジプト・アレキサンドリア沖での映画撮影を見学している市民 「これが日本と神崎島の防衛・軍備拡張計画…!」 「アメリカやロシアへの諜報活動で得たもので一部だけだがな。」 「おい…想定が数千両の戦車同士の戦車戦や大都市圏での数万人規模の市街戦とかなんだ…。」 「こっちの水上艦艇の艦隊防空の想定が千機近い航空機による波状攻撃やぞ。」 「どういうことなの…。」 困惑する中国情報部 911: 635 :2020/01/13(月) 07 56 39 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 『皆様、本年よりブルーインパルスはT-4練習機に変わりF-2戦闘機へと機種変更致しました!ブルーインパルスの新たな翼ををどうぞお楽しみください!』 「来たぞ!ブルーインパルスだ!」 「かっけえ!」 とある航空祭にて展示飛行を行うブルーインパルス、なおF-2は改良の加えられた神崎島製発展新造機である 名前:名無しの農ドル 投稿日: 豚コレラで養豚断念かあ 名前:名無しの農ドル 投稿日: 感染が広がるかもしれないし仕方ないね(妖精並感) 名前:名無しの農ドル 投稿日: カレーどうなるんじゃろか? 名前:名無しの農ドル 投稿日: おいおい、神崎島へ来て何する気だ!? 名前:名無しの農ドル 投稿日: イゼイラガニ、もといヴァズラーの養殖www本気かよ… 名前:名無しの農ドル 投稿日: イゼイラ政府全面協力ってwww 名前:名無しの農ドル 投稿日: カレーが原因だな(白目) 名前:名無しの農ドル 投稿日: ということは神崎D○SH村で? 名前:名無しの農ドル 投稿日: ちょっとまて!? 名前:名無しの農ドル 投稿日: おい、おい… 名前:名無しの農ドル 投稿日: 速報神崎島のやんごとなき方よりヴァズラー牧場用地に神崎島の御料地提供の申し出 名前:名無しの農ドル 投稿日: TOKI○はどこへ向かうのか… 名前:名無しの若竹 投稿日: 彼らのカレーと米が食べてみたかった反省はしていない 名前:名無し突撃侍従 投稿日: 少しは自重というものを覚えてください!! 某アイドル?ファンのスレ 912: 635 :2020/01/13(月) 07 57 35 HOST 119-171-231-231.rev.home.ne.jp 以上になります。 転載はご自由にどうぞ! しかしネタ浮かぶんだが文章にならねえ今日この頃です。
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【種別】 人間 【初出】 I巻 【解説】 御崎高校一年二組。坂井悠二のクラスメイトでクラス委員。“紅世”のことは何も知らない一般人。 悠二とは中学時代からの友人で、親友と呼べる間柄だった。クラスの誰からも信頼されている、嫌味のない万能選手。どんな場合でもさらりと解決策を示す頭脳派。 I巻では“紅世の王”フリアグネの襲撃に巻き込まれ、危うくトーチにされるところであった。 通称『メガネマン』。ひらがなでは『メガネマン·アクア』という新形態を手に入れた。 当初は親切心から助けていた吉田一美に対し、その過程で彼自身が彼女に好意を抱いていくが、悠二同様、その想いが自分の理性を超えないことで、その想いが本物かとか、そういった感情に晒されても冷静にしか動けない自分に悩んでいた。 時と共に彼女への恋心はつのり、同時に彼自身も自分では気付かなくとも少しずつ変わっていった。XIV巻で遂に吉田一美に告白するも、玉砕した。悠二のことは、彼のトーチとしての関連性の消失と共に忘れたが、「吉田一美に思いを告げ、結果振られた」という事実から、年が明けても気まずい関係が続いていたが、共に学校で過ごすうちに「気まずさ」も薄れていった。 出番が巻を重ねるごとに少なくなり、VI~VII巻にかけて碌な出番がなく、おかげで2ch本スレでの扱いは池のトーチ化ネタが繁栄し、大変なことになってしまった。 XIII巻で久々のご登場。しかし相変らず地味な扱いであった。 XIV巻で吉田一美に告白するも玉砕し、もはや登場人物としての存在意義も無くなりつつあった。 XXI巻では、吉田や田中や緒方と共に母の友人である妊娠中の坂井千草を見舞った。そして坂井家を出たところで“祭礼の蛇”坂井悠二と遭遇し、田中の頼みで緒方と共に先に帰途に着いた。 最終巻では、御崎市の復元を行ったことで御崎市の人々に響いた坂井悠二の声を聞いた。 シャナたちが新世界『無何有鏡』へ旅立ってから二ヵ月後の四月下旬、二年生でもクラス委員を勤めながら生徒会の会計に就任し、平井ゆかりと共に遅れて生徒会室にやって来て、藤田晴美や中村公子と共にプリント整理を行った。そして、御崎山で坂井夫妻と二月末に誕生した坂井三悠を慰労するための花見に参加した。花見の終盤では、指輪型宝具『コルデー』(“紅世”について知らない人たちには『聖エドワードの指輪』とマージョリー・ドーが語っていた)を使ってのおまじないを皆で行った。 参考:池のトーチ化 【アニメ版】 アニメ版ではただでさえ少ない出番が絶賛カット。えらい地味な扱いであった。でも、アニメ版平井ゆかりには好かれていた。 アニメ版設定のドラマCDにてついに影が薄いことを指摘され絶望する。同CDではシャナをナンパもしていた。 劇場版しゃなたんでは「お前もトーチって呼ばれてるくせに」と罵られた。公式にトーチ化がネタにされた瞬間であった。 アニメ第2期では第7話「池速人、栄光の日」という池が主役のストーリーを手に入れたが、空回りや変な失敗など池がネタにされるだけの話であった。 もはや『有能』という部分も無くなり、ネタキャラ一直線であった。 原作既読者であるシャナの中の人(釘宮理恵)には愛されていたが、第八話「栄光の日」でひかれた。 しゃなたんシリーズでは黒吉田もまとめて吉田ラブ。変態っぷりが素敵な存在になった。 アニメ第3期では、原作通りであった。 【由来·元ネタ】 ネーミングの由来は池田勇人·元総理。 【コメント】 ☆藤田晴美と良いカップルになりそうだった。 ☆漫画版X巻のエピローグでは、見紛うほどの超美形に描かれていた。笹倉さんの心遣いだろうか。 ☆[革正団]のサラカエルやドゥーグや[仮装舞踏会]の巡回士マモンと話があったかもしれないな。 ☆『棺の織手』ティスやノースエアや『儀装の駆り手』カムシンやピエトロ・モンテベルディやザムエル・デマンティウスや『理法の裁ち手』ヤマベやゾフィー・サバリッシュとも絡んでいたら面白そうだったのにな。 ☆アニメ第3期では、声優がタケミカヅチと同じだった。 ☆番外編『しんでれらのしゃな』では、ユウジ王子に仕える侍従として登場している。 ☆番外編『かぐやひめのしゃな』でも、御門悠二に仕える廷臣の一人である頭中将として登場している。 ☆番外編『おじょうさまのしゃな』では、招待客の一人として登場している。 ☆番外編『さんじゅうしのしゃな』では、幕間1で登場している。
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「セイジョー! 私、夏休みに家へ帰るからアンタも一緒に来なさい! そうそう、旅費は全部出すから安心して感謝なさい!」 夏休み前、ティータはそう言った。 清浄は日本国発行のパスポートを見つめながら、先週の出来事を思い出す。 「イギリスから留学してるヤツからそう言われたら、普通はイギリスだと思うよなぁ」 「あー……。なんでパスポート持ってるのかなぁっと思ったら勘違いしてたの?」 ティータはカクンと首を傾げ、金色のツインテールを肩から零しながら清浄の落ち込んだ顔を覗き込む。 港駅内でティータは身長より大きなクマのヌイグルミを抱えながら、ベンチでお澄まししている。その光景は、まるで西洋人形がクマ人形に伸し掛ってるようにも見えた。 スラヴィアンであるティータの肌は病的に白い。地球人として見ると古くユダヤ系ドイツ人だが、イギリス分家である彼女は多くの血の交わり他民族的な特徴を持っている。異世界と地球がピーキーながらドラスティックに混じり合い、危うい可憐さを各所に滲ませる。 軽く鮮やかな金髪。大きめでクリクリと丸く跳ねる様に流れる瞳。陶器の如く冷たくもキメ細かい肌。華奢ですらりと長い四肢。幼いので女性らしい魅力は乏しく、故に少女という若さと活力があり、故にスラヴィアンという死がそれらを容赦無く打ち砕く。 相反するどちらもが魅力として、人ではない美しさがバランスよく融和している。 ティータは夏らしく大きく肩の露出する白のワンピースで身を包み、その涼し気な印象と愛らしさが相まって男女問わず視線を惹きつける。 彼女の隣で、清浄はやはりガリガリと棒付き飴を噛む悪い癖を披露しながら、ガクリと肩を落としてパスポートを名残り惜しそうに見つめていた。 夏休みにも関わらず、何故か制服姿でかなり浮いている。 彼はティータから「家に帰るから付いてきて」と言われ、彼女の実家があるイギリスへいけると思い込んでいた。夏休みの計画が破綻したのも残念だが、ティータが実家以外の「家」を指すならばそれはスラヴィアにほかならない。 ティータが頭の先から爪先にいたるまで美の化身でありながら、清浄の姿は冴えないとしか言いようがない。 硬い髪質で黒髪の散切り頭。鋭く野卑溢れる追うような三白眼。低い鼻に薄い唇が淡泊な表情をより強調する。悪く言えば、彫刻家がアタリを付けて削った顔像を、そのまま仕上げしてしまったかのような器量である。 そんないまいち器量の顔を、落胆させて本日数度目のため息をつく。 「まさか地球の外国へ行くより先に、異世界に行くとは思わなんだ。しかもスラヴィアかよ……」 「スラヴィアも結構いいところよ。治安もいいし」 「治安がいいのに危険度が高いんだろ? どういう意味なんだよ、それ」 統治は行き届いているが、饗宴やらなんやら危険という不自然極まるアンデットの国である。清浄が不安になるのも無理はない。 「ところでティータ。お前の持ってるその縫いぐるみなんなの?」 二人とも荷物が少な目だが、ティータはヌイグルミの分が嵩張っている。どこかクタっとしたヌイグルミだが、ティータの体躯を越える大きさはかなり邪魔だ。 「ああ、これ? これはね」 と言って、ティータはクマの背にあるチャックを開くと、靴を脱いで足を突っ込み始めた。不用意に足を上げたせいか、ティータの青白縞パンがチラリと覗く。清浄は全力で首を右へと振って視線を逸らした。 その様子に気がつかず、うんしょうんしょと懸命にクマの内部に潜り込むティータ。迂闊にもシマシマお尻を披露しているが、空いている港駅でそれを目撃しているものはいない。 やがてクマを着終えたティータは、清浄に向かってガオーと襲いかかるポーズを取った。 「ゲートの向こうに行くと日の光が大敵でしょ? だから昼間はこれで移動するの。いいアイデアじゃない?」 クマの首の僅かな隙間から、ティータの顔が覗いている。 「ああ、お前の頭にしてはいいアイデアだな」 清浄はクマのヌイグルミと一緒に異世界を旅する羽目になったようだ。 「ねえ、セイジョー。後ろのチャック上げてくれない?」 ティータはちょこちょことクマの足を巡らせて、清浄に背を向けた。そこで清浄は盛大に吹く。 クマの茶色いアンゴラモヘヤ素材の間から、青と白のパンツが見えていた。 着込む時にティータのワンピースがめくり上がり、背中まで露出した状態である。クマの背から膨らみを持ち始めた少女のお尻が覗ける姿は、倒錯的であり艶かしい。 「ねえ、早く~」 「お、おう……」 何を早くだと突っ込みたかったが、たしかに早くチャックを上げなければ不特定多数に目撃される事になる。清浄の心中で、見たい欲望と誰にも見せたくない葛藤とバレた時の恐怖と周囲に抱かれる印象への不安がせめぎ合う。 「て、ていうかこれ来て連絡船に乗る気かよ。こっちにいる間はまだいいじゃねーか」 「いいじゃない。せっかく着たんだし」 やんわりと脱がせる計画は失敗した。 清浄は覚悟を決めて、お尻の下にあるファスナーを引っ張りつつゆっくりと引き上げる。ゆっくりと上げざる得ないのは、別にパンツを凝視するためではない。注意して上げないと、パンツをファスナーで引っ掛けるおそれがあるからだ。 「あ、ワンピースに引っ掛けないでよ」 似たような心配をしたのかティータが忠告する。しかし、その心配は無用である。ワンピースはめくれ上がって一緒にクマの背の中に収まっている。 清浄の視線を逸らしながらファスナーを上げる行為は成功し、縞パンはすっかりモヘヤ素材の向こうへと消え去った。 「よ、よし終了」 清浄はふうと一息付いて最後までファスナーを引き揚げ、新しい棒付き飴を口に放り込む。 「よし、そろそろ連絡船の出発時間だね。いこー」 「……待てこら。それって荷物持てねーだろ?」 悠然と歩き出すティータを呼び止める。 「うん、セイジョーが持って」 「ふざけんな」 悪態を付きながらも、清浄は素直にティータの荷物を手に取った。 パンツを見た対価……ではなく、詫びとして荷物持ちをするのである。決してご馳走様でしたという意味ではない。 二人は何やらどうでもいいことを言い合いながら連絡船へと向かう。 兵法家の家系でありながら、清浄はこの時まだ気がついていなかった。 夜になってティータがクマのヌイグルミを脱ぐとき、ファスナーを下ろせば再びパンツと対面することを……。 なお、この一連の行為を宗徳が盗撮していたことは、また別の話である。 日もすっかり沈んだスラヴィアの港街は、いつものように何艘もの船を受け入れている。船を導く灯台の光も何処かおどろおどろしい。 ミズハミシマ経由で数日かけ、清浄たちはスラヴィア南部の街へと到着した。夜の港だが活気があり、眠らない国で有ることが第一歩から感じ取れる。 そこで彼らを出迎えたのは、紙であった。 その紙は人間大で、ハサミで切り込みをいれただけのような人の形をしていた。 「ティータ様。お待ちしておりました。わたくし、侍従を務めさせていただくカーター・シーロと申します。以後お見知りおきを」 紙はカーター・シーローと名乗り、人間のような動きで会釈をする。 デカイ紙切れとしか思えない出迎えには、スラヴィアンであるティータも予想外だったらしい。清浄と同じように驚いて硬直していた。 「あ、う、うん。よ、よろしく。えっと侍従って?」 「領地は現在、サミュラ様の直轄地から離れ、暫定的なティータ様の統治下にあります。よって派遣された侍従であるわたくしが、及ばずながらティータ様のご用をさせていただきます。……あ、お持ちしましょう」 カーターはこれは気がききませんでと、置かれたティータの荷物に手を延ばす。 不思議なことに、紙切れでありながらふわりとティータの荷物を持ち上げた。どうやら憑依型のスラヴィアンであるらしく、屍人というより幽霊のようだ。憑依の力を分けて荷物を持ち上げているらしい。 ティータは憑依の力に気がついたが、人間である清浄に取っては下手な3Dゲームのキャラが不自然に道具を持った姿を連想した。 やや戸惑い気味のティータと清浄はカーターの用意した馬車に乗り込み、目的の領地へ向かう。道中は現代生活に慣れた清浄に取って不便極まったが、持ち前の負けん気で弱音を吐かず静かに馬車に揺られ続けた。 そんなやせ我慢をする清浄に構わず、カーターは領地について説明を始めた。 二十年前の騒乱を引き起こした先代に代わり、先日までサミュラが統治していた領地は慢性的な財政難にあるという。今回、格別の計らいもあって領地で見込まれる収入の五年分が与えられているが、現在のままでは三年で尽きる計算らしい。 特産品は無し。林業とレンガの生産が主流の山合いの土地だという。これを聴き、清浄の脳裏に一抹の不安が過ぎる。 ティータは収支報告書の束にざっと目を通し、深いため息をつき手を拱いた。 「長期的にブランド力を作る計画があったんだけど、ちょっと無理だったかな。早急な財政改善が必要だね」 ローチャイルド財閥の末席に名を連ねるティータは、金策の軌道修正をせざる得ないと天を仰いだ。 「まさかと思うんだが、またお前のアイデアを地に付ける役目を俺がやるのか? そのために来いとか言い出したのか」 清浄はちらりと報告書をのぞき込み問いかける。 「……え? あ……う、うん。そ、そうよ! べ、別にアンタに来て欲しいから誘ったわけじゃないんだから。せ、せいぜいわたしの為に働いて旅費分を返しなさいね」 なぜか顔を背け、ティータは強がって見せた。 「はいはい。お前はいつもそれだからな。いい迷惑だぜ」 ガリガリと棒付き飴を齧りながら、不機嫌そうに悪態を付く。 「め、迷惑って何よ! わ、わたしと一緒だと迷惑だっていうの?」 「そうは言ってねーよ。お前の思いつきが迷惑だってんだよ。安心しろよ。お前のアイデアは責任もって一緒に突き詰めて纏めてやるから、そっちも感謝しろよな」 「うー……べ、別に一緒に突き詰めなくったっていいんだから……」 唸りながらティータは手に持つ収支報告書を、めいいっぱい握り締めた。 清浄はティータの膝に載る報告書を一枚取り、相向かうのカーターに尋ねる。 「ところでカーターさん」 「カーターで結構です」 紙なので無表情というか、真っ白な態度で応える。 「じゃあカーター。俺はこっちの字があんまりわかんないけど、数字は大体わかるんで気になるから……この税収か? この収入欄で安定した数字を出してる項目はなんだい?」 ほとんど横から覗いていただけでありながら、清浄が報告書の瑣末な点に気がついた事にカーターは深く関心した。 「それは甘樹の加工販売による収入ですね。そちらで言うところの砂糖みたいなものです。集め方は地球でいうゴムの木のようなやり方ですが」 地球出身である領主とその恋人(?)に配慮し、サミュラは人間文化に詳しいカーターを侍従として派遣した。清浄には幸いな事であり、いずれサミュラの温情は多大な功績を彼に与える結果になる。 「へえ、砂糖か。特産品ってほどじゃないのか? それから生産量はどれくらいだい?」 「輸入品で質の良いものがありますし、スラヴィアの他地方で大規模農場があるので特産品といえるほどではありません。生産量も十番目。四馬車に十(四頭立ての荷馬車に十台)。地球でいうところで五トンというところでしょうか」 「気候に影響を受けず?」 「日照りにも長雨にも強いので、山火事や山崩れでも無ければ」 二人の会話は良く噛み合っていた。カーターと清浄が水魚の関係であったことは、ティータに取って望外の幸である。 「領地内での消費量は?」「およそ四馬車の一と半」「少ないな」「贅沢品ですからね。地元では甘樹の葉で料理をして甘味を得るので」「へえ、それは面白い。もしかしたらそれも使えるな」 会話の螺旋が登り始める。 清浄は報告書の項目欄に書かれた名詞をカーターに教わりつつ、利用できる「地についたデータ」を頭に叩き込む。 「ティータ。お菓子作りってのはどうだい?」 甘味料といえばお菓子。短絡的だが無駄がない。 「え? ああ、産業として? ほんとアンタは甘い物が中心で考えるわね。でも……なるほど、ブランドといえばまずは装飾と嗜好品って相場は決まってるものね」 良く出来た物を領主や金持ちが余分な財貨を払って購入する。これは一見贅沢として忌避する人がいるが、立派な経済活動である。 良く出来た首飾りと高く買う人がいれば、職人はこぞってそれに勝る品物を作ろうと奮戦する。さらに素晴らしいアクセサリーが出来れば、さらに高い金で買う。 これを繰り返せば、職人の腕も上がる結果となる。 やがて価値の既成事実が外部の興味を惹きつける。高く買ってくれるだけではなく、よりよい物を作ってくれと資本を投下する人が現れるかもしれない。もし居なくても投資を呼びかけて、資本を集める題材にすることも可能である。 もちろん、そう上手く行くわけではないので、清浄が上手く現実とすり合わせなくてはいけない。 「ですが、甘味料だけではできませんよ。他の材料をほとんど生産してない当地では、食材の大部分が買い入れです。お菓子の材料も入荷しなくては」 カーターがまず考えられる問題を提起する。 「その辺は数字をみないと分からんが、甘樹の販売額と比べて、領地民の食材買い入れ額は分かるかい?」 「甘樹と相対させるなら、四馬車の九ほど……。甘樹の出荷は四馬車の八と安定してますが」 「そこらへんの埋め合わせは、恩賜の金子で賄うとするか。加工品の出荷額が上回れば……」 地球から持ち込んだボールペンとメモ用紙に数字を書き込みながら、清浄は早々と五年計画のお菓子産業の概要を纏め上げた。 「ねえ、セイジョー。最初から一つに絞らないで領地の女の子たちに幾つお菓子を作って振舞ってみない? もちろん買い取った材料でね。こっちの味覚の確認にもなるし、領地の人への施しにもなるしさ」 実務的な計画を立てる清浄。そしてベストと思われるアイデアを出すティータ。 二人の何気ない計画の立案にカーターも内心、舌を巻いた。 (これはとんでもない若者が来ましたね) まずアイデアがわかりやすい。そして計画が早い。正確さはいまいちだが問題点の修正を繰り返せば許容できる計画である。 (地球からの経済の引き込み……。案外、うまくいきそうですね) カーターは、仲睦まじく計画を組み上げていく二人を見て、紙故の無表情さで沸き立つ心を隠していた。 馬車が目的地に着く前に、彼らの心と能力は領地を捉えていた。 このお話は饗宴と経済を制する二人のお話である。 いずれ領主ティータは≪ゼプトの恋人≫と呼ばれ、代官である清浄は≪ゼプト≫と称される。 清浄は涅槃寂静の少し手前に立つ事になるだろう。 このスラヴィアの地にて…… おまけ ゲートを飛び越えミズハミシマに到着し、宿をとったティータと清浄は崩れるようにして部屋への戸を開けた。 「ゲート酔いってマジあるんだな……。一日、十本までと決めてたチュッパチャッ○スを一五本も摂取したのはソーダマンダリン発売依頼だぜ」 清浄は息も絶え絶えで、棒付き飴をくわえ直す。 「……調子悪いと増えるの?」 クマの着ぐるみの中で、ティータは怪訝な表情を作る。 「そういうお前はやっぱ着ぐるみ辛いんだろ? 暑くない? 息苦しくない?」 「わたしは呼吸もしてないし、暑さ寒さも関係ないんだけど?」 ティータはそんな事も分からないの? と言いたげな、腰に手を当て高笑いするポーズを取る。クマさんの格好で。 「あ、そうだ。ねえセイジョー。チャック下ろして」 「やっと脱ぐのか。お前を連れ歩く俺の姿が、地球人なのに目立たないという思わぬ効果を発揮してたが、感謝の言葉が出てこないのはなぜなんだろうな」 と、清浄は背を向けたティータのチャックを無造作に引き下ろした。 清浄は忘れていた。 ファスナーの向こうはパンツの世界であることを。 そして気がつかなかった。無造作に下ろしたファスナーがパンツに引っかかる可能性を。 パンツとファスナーが一緒に引き下ろされ、白く丸い双丘が外気に曝け出された。もともと代謝のないスラヴィアンである。汗一つなく白磁のように滑らかなお尻には、パンツのゴム跡までくっきりと残っている。きっとこの類の跡はなかなか消えないだろう。屍人だけに。 「あ、ぅお! ま待て!」 清浄は慌てて引き上げようとするが、ティータはいち早くクマを脱ぎたい一心で、手を椅子へ置き小さなお尻を突き出し片足を着ぐるみから抜いた。 一瞬、正常はティータのお尻の下に誰も知らない世界を見てしまい、頭(かぶり)を振って記憶を追い払う。清浄とティータは三年ほど親しく付き合っていたが、友人以上恋人以下というパートナー関係であった。 お互いに異性を意識する瞬間もあったが、付かず離れず。しかし常に近くにいる。そんな関係である。近くにいる以上、体が触れ合うことは多かったが裸体など互いに見たことない。 それがいきなりの大盤振る舞いである。 刺激が強すぎる。しかも記憶力のいい清浄の脳裏にはしっかりと、ティータの突き出されたお尻と両足の付け根で合わさる少女の神秘が焼き付いていた。 赤面しながら視線を逸らす清浄の横で、ティータはうんしょうんしょと一人お尻を突き出しながらクマを脱ぎ終えた。もし清浄が邪な心を持って目線を向ければ、間近でティータの大事な幼い何かを暫く観察出来る状況にあった。 とはいえ名前が清浄だからと言うわけでもないが、彼はそのような事をしなかった。ヘタレというか、既に先程の一瞬で目蓋の裏に焼き付いているからというか……。 外気温の変化に強いため、感覚器官が鈍めのティータはパンツが脱げたことに気がついていない。 しかもモコモコとしたクマの内部にシマパンが紛れてしまい、それを知っている清浄でもどこにあるか分からないようになってしまった。 フワリと舞い落ちるワンピースの裾を目の端で確認してから、何事も無かったという演技を顔に張り付け清浄は向き直る。 「……何、顔赤くしてるの?」 「い、いや別に……」 ティータは目敏く清浄の変化に気がついた。流石に演技は出来ても紅潮した頬を、急に戻すのは無理である。 「あ、まさか……。パンツ見たんでしょ! この変態!」 清浄を見上てビシッと指を差し、ティータは仁王立ちして問い詰める。凛々しい姿にも見えるがノーパンである。 「い、いや別に……」 「うー……。アンタは嘘付くとき同じ言葉を繰り返すんだから! 最低!」 パンツを見ていない……パンツの中を見てしまったから問題なのだが、ティータがそれに気がつく様子はない。 「あーあ。なーんで男の子ってこういうんだろー。信じらんなーい」 ティータはワンピースの裾を掴むと、軽くヒラヒラとさせた。身長差があるため、決して見えるような事はないが、清浄は些か動揺した。 その過剰な反応に疑問を覚えたティータは、それと無しに腰に手を当てる。 清浄は息を飲む……。 ティータはハッとした顔になり、両手で前を抑えて俯きがちになる。代謝の無いスラヴィアンのはずなのに、顔は真っ赤に染まり始めた。 「なななあうあうあ、パパパパ……」 「お、落ち着けティータ! あ、安心しろ。俺は何も見ていない。あ、安心しろ」 思わず清浄は嘘をついた。 「黙れ、清浄のバカーッ!」 ティータは低い位置から一気に伸び上がって、清浄の顎へ向けてアッパーを放ち、ひらひらとワンピースの裾が捲れ上がった。 噛み砕かれ棒付き飴が周囲に飛び散り、ふらふらと清浄は部屋の壁際まで下がる。 「……い、いてーな。今の舌噛んだら死ぬぜ」 「う、うるさい黙れ! み、見たのね? だ、誰にもまだ……っ! この変態忍者!」 「忍者じゃねーよ」 清浄は振り上げられたティータの右手を思わず掴み、返す左手も平手で取って握り締める。拘束される不安と、手のひらを握り締められる暖かさを感じてティータは一瞬だけ身を縮めた。 その様子に目敏く気がついた清浄に、少しだけ悪戯心が湧いた。 「ああ、見たよ。見た。しっかり見たぜ」 開き直った告白を聞いて、ティータは涙目で清浄を下から睨みつける。 その目を見詰め返し、清浄はニンマリと笑う。 「正直、三ヶ月はネタに困らねーよ。心置きなく使わせて貰うわ」 「な、ななな何のネタよ!」 「ナニのネタだよ! まあ三ヶ月はお前オンリーだな」 さ、三ヶ月も私だけ! 私だけを……。私だけがセイジョーをセイジョーが私だけを思って私だけを想像してセイジョーが私の……を思い出して三ヶ月もセイジョーがセイジョーを私だけのセイジョーが私を三ヶ月間も…… 「はう……」 妄想が先走りしたティータの膝から力が抜ける。 それを見逃さず、清浄は身を翻してティータの小さな身体を壁に押し付けた。 「三ヶ月ってのが嫌なら、現物のお前で一生ってのも代案だぜ」 ティータは金縛りにあったように身体がこわばり、それでありながら力が抜けた様子で清浄の拘束から逃れようとしない。 しかし僅かに顔を背けて清浄の吐息から逃れると、意図に反して敏感な首筋を晒す事となった。 「あらあら。卵床も用意しないといけませんでしたか?」 突如、無遠慮に部屋の扉を開け放ち、水槽車椅子(?)に乗った人魚が姿を現した。 不意を疲れた清浄はダンクシュート逆回転ばりに後方へ飛び退き、ティータはワンピースがめくれるのも気にせず床を転がって、お尻を見せながらベッドの下に逃げ込んだ。 「今は産卵の時期じゃないでしょ? だから卵床の用意してなかったの。ごめんなさいね~。すぐに準備しちゃうから」 「いや、卵とか生まないから!」 清浄が人魚の女将さんにツッコんだ。 「あらあら。そりゃ男の子のあなたはそうでしょうけどね」 女将さんはボケを重ねた! 「いやちげーし。つか、そうじゃないし! 何いってんだ俺」 清浄は混乱した。 「ごめんなさいねぇ。大丈夫よ。アタシの作る卵床なら2000個でもばっちり収まるから!」 「どんだけ生むのよ! わたし!」 さすがにティータも黙って居られなかった。 しかしに暖簾に腕押し。人魚女将に水鉄砲である。 「あら、小さいあなたじゃまだ20個くらいかしら? いいわ。腕によりをかけてぶっかけ易い配置に……」 「「ぶっかけいうなー!!!」」 清浄とティータが同時にツッコんだ。 気分を害された二人は幸い(?)にも、関係が発展する事はなかった。 翌日の朝食がマグロのぶっかけ丼であった事は、また別の話である。 ちゃんと領地運営しているのが凛々しくもあり分かっているのか分からないチャックおねだりが策士にも思えたりとティータのキャラが立っている。清浄のお守っぷりもさることながら薄いのにインパクトはごん厚なシーロ面白い -- (としあき) 2013-10-31 22 24 56 ティータと清浄の自然なやりとりが逆にまぶしいです。人魚女将のトンでる提案も種族観がよく出ていて面白いですね -- (名無しさん) 2013-11-06 17 39 40 名前 コメント すべてのコメントを見る
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グランクレスト単発シリーズ「ブレトランドの遊興産業」 約2年前、ダン・ディオードの電撃侵攻により、旧トランガーヌ領北部(通称:モラード地方)はアントリアへと併合され(『ルールブック2』P226参照)、老将ジン・アクエリアスと、その部下の六人の若き騎士達が、新たな領主として赴任することになった。しかし、当時はまだ「騎士」の称号を得たばかりだった彼等には、契約魔法師すらいなかった。 そんな中、彼等の契約魔法師としてエーラムから派遣されたのが、「裏虹色魔法師(リバース・レインボー・メイジ)」の異名を持つカルディナ・カーバイト(下図)の六人の直弟子である。彼等はいずれも各魔法分野の「亜流」の系統を学んだ者達であり、「扱いにくい曲者揃い」と揶揄されることもあったが、師匠カルディナの「強い要望」により、全員揃ってこの地の契約魔法師として赴任することになった。 カルディナが彼等をこの地への派遣した理由は、この地に根付いた様々な「遊興産業(温泉、ゴルフ、競馬、蟹料理、ウイスキー、紅茶)」への強い関心である。エーラムの高等教員としては珍しい「俗世にまみれた遊び人」として悪名高い彼女は、いずれこの土地に(「表敬方面」の名目で)遊びに行きたいという私欲のために、弟子達を送り込むことを決意したのである。 この物語は、そんな彼女の気まぐれに振り回される弟子達と、彼等の契約相手である若き君主達、そしてこの地に住まう様々な人々が織りなす、ほんの些細な日々の生活の記録である。 第6話「代行閣下のお茶会」 モラード地方の南西部に位置するソリュートの村は、数百年前に投影体によって伝えられたと言われる独特の「紅茶」の茶葉の産地として有名である。だが、この世界には、そんな「異界の産物」を口にすることを嫌う人々もいる。「混沌」を人々のために有効活用することすらも「不浄」と考える、聖印教会内の過激派「日輪宣教団」の信者達である。 この村はもともと、先代領主のルビール・クローマが聖印教会の信者であったこともあり、教会の影響力が強い土地ではあったが、当時の彼はそこまで投影体を嫌うほどの過激派ではなかった。だが、彼が敗戦で領主の座を追われた後、彼はその「日輪宣教団」を中心とする新国家「神聖トランガーヌ枢機卿領」の一員となってしまった。そして現在、彼が送り込んだスパイが、村の中に潜伏しているという噂が広がっている。 そんな中、まもなく、アントリア子爵代行のマーシャル・ジェミナイが、占領地であるモラード地方の現状を確かめるため、この地を視察に訪れようとしていた。果たして、この村の現領主であるPC①とその仲間達は、無事にこの重要な局面を乗り切ることが出来るのだろうか? PC① 推奨クラス:ロード キミは、紅茶で有名なソリュート村の領主だ。貧民街の孤児院出身だったが、10歳の時に老将ジン・アクエリアスに「養子」として迎えられた後、2年前の戦争で功績を挙げ、この地の領主に就任した。なお、この村の教会でシスターを務めるマリアンヌは、孤児院時代の幼馴染である。 因縁:シスター・マリアンヌ(幼馴染 メサイア 22歳 女性) →推奨感情 メイン:任意 サブ:友情 PC② 推奨クラス:メイジ キミは、「裏虹色魔法師」の異名を持つエーラムの高等教員カルディナ・カーバイトの六人の直弟子の一人だ。彼女の指名によって、PC①の契約魔法師としてこの地に赴任した。彼女はキミの就任以来、この地を頻繁に訪れては、村内の喫茶店に入り浸りつつ、茶葉を大量購入している。 因縁:カルディナ・カーバイト(師匠 メイジ 31歳 女性) →推奨感情 メイン:任意 サブ:尊敬 PC③ 推奨クラス:アーティスト キミは、アントリア子爵代行マーシャルによってこの地に派遣された駐在武官だ。元来はPC①と同じ孤児院出身だったが、邪紋の力に目覚めて士官し、マーシャルの側近となり、今では彼に対してほのかに恋心を抱いている。なお、マーシャルの侍従のユーナは、キミの姉or妹だ。 因縁:マーシャル・ジェミナイ(主君 ルーラー 16歳 男性) →推奨感情 メイン:慕情 サブ:任意 PC④ 推奨クラス:プロジェクション キミは、ソリュート村の紅茶畑の管理人だ。この村で作られた茶葉は、ローレンスという男が代表を務めるアップルゲート商会を通じて、世界中の愛好家達の手に渡っている。彼は情報通で、ブレトランドの内外の様々な事情に通じているが、最近、気になる噂話を耳にしたらしい。 因縁:ローレンス・アップルゲート(商売相手 一般人 29歳 男性) →推奨感情 メイン:任意 サブ:信頼
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民主主義国家 オンジェイン帝国憲法抜粋 基本的に三権分立してて。 立法は帝国議会 行政は内閣 司法は最高裁判所 『聖皇』とは 現聖皇 スメラギ・ミナヒト 種族 人間 帝国民統合の象徴であり文化の支柱で民主主義を最も尊重する存在 王政時代からあった土着宗教の白龍教の最高神官で代々帝国民から天子様と慕われてた 王政崩壊後象徴として議会進言のもと評議会議長などを認証していた。 聖皇は象徴であっていかなる国権もなく責任もないので国家元首ではない。 聖皇の侍従やスケジュール管理は聖皇庁が行う 聖皇家はスメラギという名字 尚オンジェイン帝国には信教の自由があるので帝国民に白龍教信仰は強要しない 聖室の一族は 性別や子孫で官名と敬称変わる 男 女 敬称 今上 聖皇 聖女皇 天子様 子 聖太子 聖太女 太子様、太女様 孫 聖子 聖子女 天児様、天女様 聖太子スメラギ・ミナト(聖位継承一位) 聖子女スメラギ・ミナコ(聖位継承二位) 聖太子がいる場合その姉や妹である聖太女は結婚したら聖室から外れる事もある 現聖太子には娘しかいないため将来聖室から離れず聖女皇になるかもしれない 『皇帝』とは 現皇帝 ランザール・グロスコップ 種族 ハーフダークエルフ 帝国の統治者で国家元首である 国民による直接選挙で決まる。 皇帝選に立候補できるのは帝国議会議員 信任状受け取りは皇帝が行う 敬称は陛下 【皇帝の権限】 内閣最高意思決定権 (内閣の決断には皇帝の承認が必要) 内閣組閣行政人事権 閣僚人事や官僚の人事を決めれる 法案拒否権 議会で可決した法を拒否する事ができる (ただし2/3以上の可決なら行使できない) 議会解散権 (これに関しては議会から不信任決議出た場合のみ) 勅令 (緊急時議会の承認なく政策を実行できるが予算が必要な場合は議会の承認が必要) (議会から勅令取消決議出たら失行となる。) 最高軍事権 (軍事の最終決定権、あらゆる軍事行動は皇帝の承認が必要) (ただし他国と戦争する時は「宣戦布告」が必要となりそれには議会の承認が必要) (非常事態宣言下では内閣の独自判断で宣戦布告ができる) 『内閣』とは 閣僚で組織される帝国の行政機関である。 閣僚は皇帝が任命する。 【内閣の権限】 各省庁への指揮 法案提出権 (閣僚会議で決まった改正案を議会に提出する) 予算案提出権及び予算編成権 (各省庁からどの程度の予算が必要か精査して編成し議会に提出する) 非常事態宣言発令権 国家や国民が災害、戦争、紛争に巻き込まれた場合発令する事ができる (発令するには議会過半数の承認が必要) 非常事態宣言発令下なら 軍事、行政、予算全て内閣の独自判断で行えるようになる。 「内閣の決断には全て皇帝の承認が必要となる。」 『帝国議会』とは 帝国の立法機関であり行政のチェックしたりもする。 議員は国民の選挙で決まる。 【帝国議会の権限】 立法権 議員や内閣から陳情された立案を議論して多数の可決にて決断する 皇帝から拒否されたら再度審議して2/3以上の可決が必要となる。 予算裁定権 (内閣から陳情された予算案を議論して多数の可決にて決断する) 行政監査権 (皇帝及び内閣や行政機関を監視し、場合によっては不信任決議を出し解任させる事ができる。) (不信任決議で皇帝解任させた場合は議長が執政官として行政代行する) (ただし半年以内に皇帝選を行わなければならない) 議席や政党など 『最高裁判所』とは 司法機関 違憲立法審査や違憲行政審査権を有する 最高裁判所のトップ最高裁判長は裁判員の投票で決められる 裁判員とは公務員を除く国民ランダムで選ばれるもの 有罪か無罪か判断する 皇帝選や帝国議会議員選は義務投票となっていて投票に行かないのは刑事罰対象 誰に投票するかや、白紙投票も自由 教育制度 国民及び永住権あれば誰でも無料で教育を受けられる 高校まで義務教育 (高校まで行かせず働かせたりしたら国家反逆罪で逮捕) (ちゃんと学校行かせてバイトとか稼業手伝いとかならOK) 大学からは入試代は自費だが合格すれば返還され学費無料 その他国家資格取得への講習代も無料 (ただし事前試験で合格した場合。事前試験は有料) 医療保障制度 国民及び永住権や就労ビザ取得しとけば誰でも無料で医療を受けれる ただし3ヶ月に一回診断を受ける義務があり 行かないと刑事罰対象 生活保障制度 これは国民のみ 毎月8万ゴールド分の特別プリペイド支給 特別プリペイドとは 食料品、洗剤などの消耗品などの生活必需品や 家賃、光熱費など限定でしか使えないもの そのまま現金支給だとパチンコやギャンブルに使ってしまう人が多発したため 尚パチンコや競馬や競艇は所得税納税者じゃないとできない (所得税納税対象は年200万ゴールド以上収入あるもの) カジノなどの大型賭博は年1000万ゴールド以上納税してないとできない。 東大陸の特徴 気候が安定してて農作物もとれやすく魔晶石が豊富にとれる 主な種族 人間、獣人(耳族)、ダークエルフ、アマゾネスなど多種族 世界観へ戻る トップへ戻る
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底本はJ-TEXTの源平盛衰記・国民文庫本〔全巻〕。 ページ数等を省いた。 新院讃州配流の後は讃岐院と申けるを、廿九日に御追号有て、崇徳院とぞ申ける。去る保元元年七月に当国に遷され御座て、始は直島に渡らせ給けるが、後には在庁一の庁官野大夫高遠が堂に入せ給けるを、鼓岡に御所を立て奉居、御歎の積にや、御悩の事有ければ、関白殿へ能様に申させ給へと仰有けれ共、世を恐させ給ひつゝ御披露も無りければ、思召切らせ給て、三年の間に五部大乗経をあそばし集て、貝鐘の音もせぬ遠国に捨置進せん事、心憂く覚え侍るに、御経ばかり、都近き、八幡鳥羽辺迄、入まゐらせばやと、御室へ申させ給けり。其御書云、昔は槐門崇■の窓にして玉体遊宴の心をやすめ、今は離宮外土の西海の波にくだかれて、江南浮沈の哀声を加ふ。嵐松を払て独筵に月を見。争か再、旧郷に還て、自玉聖の気を成ん。月西山に傾けば、都城仙宮の暁の詠を思出。日晨岳に出れば、竜楼竹園の甚しき興を忘ず、早く民煙蓬屋の悲涙を止て、必三仏菩提の妙位に昇らんとあそばして、奥に一首の御製あり。 浜千鳥跡は都へ通へ共身は松山に音をのみぞ啼 御室より此御書を以、関白殿へ被仰けり。関白殿又内へ被申たりければ、少納言入道信西を召て仰含らる。信西さる事争か候べきと、大に諌申ければ、御免もなかりけり。讃岐院此由聞召れては、御心憂事也。天竺、震旦、新羅、高麗にも、兄弟国を論じ、叔父甥位を諍て、致合戦事、尋常の習なれども、依果報、兄も負甥も勝、されども手を合膝を折て降人に成ぬれば、辛罪に行るゝ事やはある。我今悪行の心を以、係苦みを見れば、今生の事を思捨て、後生菩提の為にとて書奉る、五部の大乗経の置所をだにも宥されねば、今生の怨のみに非ず、後生までの敵にこそと仰られて、御舌のさきを食切給ひ、其血を以て御経の軸の本ごとに、御誓状をぞあそばしける。書写し奉る処の五部の大乗経を以て、三悪道に抛籠畢。此大功徳の力に依、日本国の大魔と成て、天下を乱り国家を悩さん、大乗甚深の回向、何の願か不成就哉、諸仏証知証誠し給へ、顕仁敬白とあそばし、誓はせ給て其後は、御爪も切せ給はず、御ぐしも剃せ給はず、生ながら天狗の貌に顕れ、御座けるこそ恐しけれ。小河侍従入道蓮如とて、世捨上人あり。昔陪従にて公事勤ける時、御神楽などの次に、自幽に見参に入進せける計なれば、さしも歎き思進すべきにしも無れども、大方情深き人にて、只一人自負かけて都を迷出、はるかに讃岐国へ下りにけり。御所の渡に余所ながら立回て見けるに、目も当られぬ御有様也。いかにもして内に入り、角と申入ばやと、志深く伺けれ共、奉守ける武士はげしくとがめければ、空く日も暮にけり。折節月隈なかりければ、蓮如心を澄して笛を吹て、通夜御所を廻、暁方に黒ばみたる水干袴きたる人内より出たり。便を悦て相共に内に入、事の体を見に、草深しては朝の露袖を湿し、松高しては夜の風膚を融す。人跡絶たる庭上に、奇げなる柴の御所、まことにいぶせき御住居也。伝聞しよりも猶心憂く悲しかりければ、中々無由下にけりとぞ思ける。哀哉姑射山の上にしては、曇らぬ月を詠め、蓬莱洞の内にしては、四海の波を澄し御座しに、庭の千草は枝かはし、往還人も絶果て、賤か宿戸の庵より猶うたてき様なれば、蓮如涙に咽けり。さても有つる人して角と申入たりければ、院はさしも恋しき都の人なる上、昔御覧ぜし者なれば、御前へも被召度は思召けれ共、問につらさも思し出ぬべし。又係浅増き御貌を見えん事も憚あれば、中々無由とて、只御涙をのみぞ流させ給ける。御気色角と申ければ、蓮如誠にもとて、一首を詠じ、見参に入よとて、 朝倉や木の丸殿に入ながら君にしられで帰る悲しさ 御返事あり。 朝倉やたゞ徒に帰すにも釣する海士の音をのみぞ啼 蓮如いと悲く覚て、是を笈に入つゝ、泣々都へ帰上る、哀にやさしく聞えし。其後長寛二年の秋八月廿四日、御年四十六にて、支度と云所にて終に隠れさせ給にけり。讃岐御下向之後、九年にぞ成給ける。白峯と云山寺に送奉り、焼上奉りけるが、折節北風けはしく吹けれ共、余に都を恋悲み御座けるにや、煙は都へ靡きけるとぞ。御骨をば必高野へ送れとの御遺言有けるとかや。