約 1,790 件
https://w.atwiki.jp/ccrn_mhsh/pages/11.html
“曇りなき憐みの千年王都” *基本情報 名前:帝怜禎(みかどれいてい) 都市名:曄琉(ようりゅう) 真名(ネタバレ):帝怜禎神使 (みかどの[さときさいわいの/あわれさいわいの/あわれみでただしきなる]かみつかひ) 本名:二章参照 職業:皇唯晏侍従長、皇珠黯侍従次長 年齢:見た目26歳ぐらい 性別:女性 身長体重:158.8cm/51kg 誕生日:西暦241年9月16日 趣味:朝稽古 特技:槍術 好き:秀叡(とその料理)、運動、平和な日々 嫌い:仕事、生意気な奴 *外見 色素の薄い茶髪。後ろに少し髪を残し左でサイドテール+盛る たまに毛先に緑色のメッシュを入れる 灰色(銀色)の瞳に伊達眼鏡。(視力は両方2.0) イヤリング、イヤーカフ、リング、ブレスレット、ネックレスをジャラジャラと付けている 五分丈のYシャツ(ボタンは真ん中二つのみとめてる)に黒のスポブラを晒している。 茶色のハーフパンツに白黒ボーダーのソックス 仕事時は髪はおさげ、目にはうっすら緑のアイシャドウ 秀叡と同じ側近服。ただしスリットの入ったスカートに網タイツ。 皇唯晏の侍従長であり、皇珠黯の侍従次長。 秀叡と同じ年、ひと月違いで産まれ、皇唯晏(和鸞時代)の側近を務める。 大雑把で口が悪く、全体的に男っぽい振る舞いをする。 しかし人情が厚く、他人思いのいい子。中身は恋する(?)乙女。 仕事時には雰囲気がガラリと変わりクールで眼鏡が似合う女性に変わるため、国民の中に密かにファンがいたりする。 唯晏と一緒にいるときは威圧感倍増。それがまたいいという輩もいる。 和鸞時代からの槍使い。1m~3mに伸縮可能な槍を自在に操る。(身長ほどの短い槍を使うこともある) 同僚である帝秀叡と苗字は一緒だが、血縁関係も入籍しているわけでもない。 *ネタバレ(反転) 彼女もまた秀叡と同じ神使いの一人。 当然人にあらざるものである。 また、今は男勝りな彼女だが和鸞時代、鳳凰時代では… 詳細は各項にて。 「帝怜禎神使、ただ今戻りましったぁー!!」 「えぇー?俺だって女の子なんだぜぇー?何だよその態度ー」 「いいんだよ珠黯、泣きたいときは泣くのが一番いいんだ。大きく泣いてすっきりしなさい。誰にも言わないよ。」 「てめぇッ!っざけんじゃねぇぞクソがッ!!」
https://w.atwiki.jp/atlalibrary/pages/21.html
ユーグ?/人間///エヴァンス家の家臣?侍従?//歳/【希望の虹】 ユリアナ・クォン/人間/女性//エレーナ・クォンの娘//16歳/【薔薇のしらべ】 ヨーコ・トオサカ/人間/女性/天界人・水・風/ツキカの母・商会の会計士/地球/歳/【まさかの時の友】 ヨハン?/人間///メンヤード家の侍従長//30代/
https://w.atwiki.jp/cro-chro/pages/1146.html
生没年:617年~679年(享年62歳)誕生日:獅子の月17日所在:神聖ファラ教国・マティアクラス:軽兵系使用武器:剣、ナイフ、杖、神聖術肩書き/通称:教皇侍従長 ファラ教の司教であり、教皇侍従長を務めた。 建築術に長け、647年から教皇の保養地として都市マティアを建設する。その後、ヴェルディ一族がマティアの管理を行なうこととなる。 マティアは現在のリヒツェンだが、これはエル・シド王国建国の際に、都市の建設者であるリヒツェンの名前が取られた。 所有AF:
https://w.atwiki.jp/tirunanogu/pages/396.html
◇各エリアの町とダンジョン 【エリアI】 町×4 ダンジョン×4D1迷宮-B6階 D2洞窟-B6階 D3洞窟-B6階 D4遺跡-B8階 【エリアII】 町×4 ダンジョン×4D1迷宮-B6階 D2洞窟-B6階 D3迷宮-B6階 D4迷宮-B6階 【エリアIII】 町×3 ダンジョン×3D1迷宮-B6階 D2洞窟-B6階 D3迷宮-B6階 【エリアIV】 町×3 ダンジョン×3D1洞窟-B6階 D2迷宮-B6階 D3洞窟-B6階 塔×1塔-8階 ◇シナリオについて エリアIとIIは初期から行き来可能。 王女を救出せず撤退する事で展開が若干変わる。 最初に城を訪れないとサブイベントが発生しない。 ダンジョン最下層まで行かなくても良いイベントが多く、最下層のイベントボスもクレルヴォのような撃破しやすい敵ばかりなので、比較的低レベルでもエリアIVまで辿り着ける。この為、低レベルのうちにエリアIVまで進めてしまえばサブイベントの取りこぼしはぐっと少なくなるだろう。 このシナリオはミュドルの竪琴はエリアII、赤い靴はエリアIIIで売られている。(稀に町中の宝箱に入ってる事も) ◆エリアI 町×4町1:城、よろず屋、魔術の館、神殿、寄り合い所、宿屋(占い)魔術の館:ビガルトI、ペフェミI、ファイタルI、ペフェミIの薬、デリホIの薬、ディナドIの薬 町2:宿屋 町3:よろず屋(希少)、魔術の館、寄り合い所、宿屋魔術の館:ホナI、ファダナI、コリキアI、デリホI、ドデクI、ドノロマI、ベポワIの薬、モーラの灰 町4:宿屋 ダンジョン×4D1迷宮-B6階 D2洞窟-B6階 D3洞窟-B6階 D4遺跡-B8階 1. 町1に入ると、町の外から悲鳴が聞こえた。 2. 町の周辺で侍従長が魔物に襲われている。助けようとする英雄妖精に侍従長はこの礼は必ずするから、後で町1に来てくれと言い残す。マイコニド×1との戦闘。 英雄妖精は町中で宝箱でも見つけてなければ丸腰のままですが、丸腰でも十分勝てる相手かと。 撤退しても特に問題なく進行する。 3. 町1に入ると、侍従長と守衛長が待っており、侍従長が感謝の言葉を述べると共に、その勇気を見込んで王の狂乱とも言える圧政に民衆が悲鳴を上げているという。更に王の一人娘の王女が攫われてしまったにもかかわらず、捜索しようともしないのだという。侍従長は王女の救出とこの国に起こっている事の調査を依頼する。 英雄妖精はこれを引き受け、守衛長より装備品として『ロイヤルソード』、『ロイヤルアーマー』、『ロイヤルシールド』と資金として200Gを入手する。 4. 町1の寄り合い所に行くとD3洞窟に綺麗な女性が連れ込まれていたという噂話を聞く。 5. D3洞窟最下層にクレルヴォのシンボルが出現している、接触すると、クレルヴォ達はその女性を別の所へ運ぼうとする所だった。 クレルヴォ×1、ゴブリン兵×2との戦闘。 勝利する→クレルヴォに囚われていた王女(姉)を救出、王女が加入する。王女によるとD2洞窟から大きな闇の力を感じるという。6へ。 撤退する→王女(姉)はクレルヴォにさらわれてしまう。一旦町1へ戻る事に。7-2へ。 6. D2洞窟最下層に闇の君主のシンボルが出現している。接触すると、王を操っていたと思われる闇の君主×1との戦闘に。勝利すると一旦町1に戻る事に。 7. 町1の城に行くが、王の様子は相変わらずだった。英雄妖精は真に王を操っている者が居るのではないかと訝しむ。王女は一旦この地を離れて、近いエリアIIへ行こうと提案する。エリアIIへ。 7-2. D3洞窟を出ると、侍従長より手紙が届く。エリアIIへ向かって欲しいという内容だった。エリアIIへ。 王女の話では急がなければ王によってエリアIIへの道が塞がれてしまうかもしれないとの事だが、特に問題なく行き来出来る。 ◆エリアII 町×4町1:よろず屋(希少)、魔術の館、神殿、寄り合い所、宿屋魔術の館:ドストルI、ペリノゼI、ベポワI、フォストルI、フォノロマI、ルストーワI、マニュIの薬、デリホIIの薬、ファイタルの薬 町2:宿屋 町3:よろず屋、魔術の館、寄り合い所、宿屋魔術の館:カチプI、ティディモフI、ビガルトII、メリトI、フォデクI、キルフI、ベセムI、ファイタルII、ペフェミIIの薬 町4:よろず屋(希少)、神殿、宿屋 ダンジョン×4D1迷宮-B6階 D2洞窟-B6階 D3迷宮-B6階 D4迷宮-B6階 1. エリアIIに入ると、旅人達からD1迷宮からもの凄い臭いがするという噂話を聞く。 2. D1迷宮最下層にクレルヴォのシンボルが出現している。接触すると、クレルヴォが闇の君主にこの場所を守る事を命令されている。英雄妖精は闇の君主に挑もうとするが、足止めされてしまう。 クレルヴォ×1との戦闘。なお撤退しても再戦闘になってしまう。 王女を救出している→3-1へ 王女を救出していない→3-2Aへ 3-1. クレルヴォに勝利すると扉の向こうの宝箱の辺りにクレルヴォのシンボルが出現している。接触すると、クレルヴォが苦しみながら倒れる。クレルヴォが倒れた辺りに光るもの──王家の紋章が見えた。彼もまた闇の君主に操られていたようだ。英雄妖精は城の中に魔物が潜んでいるのではと推測するが、王女は魔物を特定する方法を見つけ出さなくては王に兵を差し向けられてしまうと反論する。一旦情報を集める為に町1の寄り合い所へ行く事に。 3-2A. クレルヴォに勝利し、奥の扉を開けるとそこには侍従長が居た。何者かに襲われ捕まっていたという。侍従長によると、侍従長と同じ顔をした男が城へ向かおうとしているという。ひとまず侍従長の提案で一度迷宮を脱出する事に。3-2Bへ 3-2B. D1迷宮を出ると、英雄妖精は侍従長に危険なので暫く城に戻らず、他の町に隠れていた方が良いと言う。偽者の正体を暴く事に。一旦情報を集める為に町1の寄り合い所に行く事に。 4. 町1の寄り合い所に行くと、ダーナに化ける女狐の話をする老人に出会う。D2洞窟には真実を映す鏡の欠片が落ちているという。英雄妖精は噂の真相を問いただすと、割れてしまった鏡では魔力が弱すぎて普通の鏡と変わらないという。だが、割れた鏡を集めて修復すれば真実の鏡となるかもしれないとも言う。英雄妖精は真実の鏡の破片の一つを貰う。 その時、更に別の噂話を聞こえてきた。D3迷宮には色々な物を作れる器用なドゥエルガルが居るという。 5. D2洞窟で『鏡の破片』を集める。洞窟内を歩き回ると5回位破片を拾うイベントが発生する。英雄妖精が「これだけ集めれば十分だな」と言うまで集めよう。 6. D3迷宮最下層にドゥエルガルのシンボルが出現している。接触すると、ドゥエルガルは鏡を修復してくれるという。ドゥエルガルはエリアIIIに喋る剣があるという話をし、鏡を修復する間に行ってきてみてはどうかといい、ドゥエルガルから『通行証』を貰える。 7. (場所は神殿で聞ける)野外にエリアIIIへの祠が出現している。エリアIIIへ ◆エリアIII 町×3町1:よろず屋(希少)、魔術の館、神殿、寄り合い所、宿屋魔術の館:ファダナII、ジュノI、ペフェミII、ホナII、ドデクII、ドノロマII、ペジホI、ティキナI、トリュIの薬、IIの薬、IIIの薬、ミュドの薬 町2:魔術の館、神殿、寄り合い所、宿屋魔術の館:キュマI、ペリノゼII、ドストルII、デリホII、コリキアII、フォストルII、フォノロマII、ルストーワII、マニュIIの薬 町3:よろず屋(希少)、魔術の館、寄り合い所、宿屋魔術の館:ティディモフII、カチプII、ベポワII、メリトII、フォデクII、メデI、ディナドIIの薬、トリュIIの薬 ダンジョン×3D1迷宮-B6階 D2洞窟-B6階 D3迷宮-B6階 1. 町1に入ると眠そうな住民達がD1迷宮で何かが起こっているという噂を聞く。 2. D1迷宮に行くと、ドゥエルガルの言っていた通り、喋る剣がそこにあった。喋る剣の話によるともう一振りの片割れと最近話せなくなってしまったという。喋る剣を持って片割れを探して欲しいと頼まれる。手がかりを得る為に、町1の寄り合い所で情報を集める事になる。 3. 町1の寄り合い所で英雄妖精が喋る剣について情報を集めていると、最近そんな剣を手に入れた人物が居るという情報を店主から得られる。彼は色々な迷宮を彷徨っているらしいが、取り敢えずD2洞窟に行ってみてはどうかと言われる。 4. D2洞窟に行くと、喋る剣が片割れの気配がするという。そのソルジャーが剣の持ち主らしい。英雄妖精が剣を譲ってくれないかと頼むと、ソルジャーはその場を逃げだしてしまう。追いかける英雄妖精に喋る剣は寄り合い所で得た情報が確かならD3迷宮に向かうはずだという。 5. D3迷宮でソルジャーを見つける。ソルジャーは迷宮の奥へと逃げだし、英雄妖精はそれを追う。 6. D3迷宮最下層にソルジャーのシンボルが出現している。接触すると、もう一振りの喋る剣を狙うソルジャーとの戦闘となる。 勝利する→喋る剣は一つになり、『勇者の剣』へと変わる。 撤退する→喋る剣はソルジャーに奪われてしまう。その時、ソルジャーの持っている剣が光り出し、二本の喋る剣はボロボロと崩れ去ってゆく。 そろそろ鏡も修復出来た筈なのでエリアIIに戻る事に。 ◆エリアII(2) 1. D3迷宮に戻るとドゥエルガルが魔物に襲われている。ゴブリン兵×2との戦闘に。 勝利する→どうやら魔物は鏡を壊そうとしていたらしい事が分かる。『鏡』を手に入れる。更に町3が騒がしいという情報も得る。 撤退する→ドゥエルガルは殺され、鏡も粉々に砕け散っていた。 2. 町3に入ると侍従長が来ていた。今すぐ城へ向かって欲しいとの事だった。エリアIへ。 ◆エリアI(2) 1. 町1に入ると城へ急ごうと英雄妖精が言う。 王女を救出している鏡を持っている場合→2-1Aへ 鏡を持っていない場合→2-1Bへ 王女を救出していない鏡を持っている場合→2-2Aへ 鏡を持っていない場合→2-2Bへ 2-1A. 町1の城へ行くと、鏡が王の真の姿を映し出した。それは王では無く邪悪な顔をした闇の君主の姿だった。闇の君主はエリアIVの塔で決着をつけようと言い放ち、去っていった。エリアIVへ行けるようになる。 2-1B. 町1の城へ行くと、王から全ては侍従長の策略で、エリアIVの塔へ逃げ込んだので倒すよう言われる。エリアIVへ行けるようになる。 2-2A. 鏡が侍従長の真の姿を映し出した。やはり侍従長は偽者で正体は魔物だった。更に鏡は王の真の姿を映し出す。それは王では無く、闇の君主だった。闇の君主はエリアIVの塔で決着をつけようと言い放ち、去っていった。エリアIVへ行けるようになる。 2-2B. 城門に入った途端侍従長に襲われる。偽侍従長は止めたければエリアIVの塔に来いという。謁見の間に行き、この顛末を王に報告する。 このイベントが起きてもエリアIVへの道が開通しない。(バグ?)この為、シナリオクリア不可能になってしまう。 ◆エリアIV 町×3町1:よろず屋(希少)、魔術の館、神殿、寄り合い所、宿屋魔術の館:マニュI、キルフII、ジュノII、ペフェミIIIの薬、ルストーワの薬 町2:よろず屋、魔術の館、寄り合い所、宿屋魔術の館:キュマII、メデII、ベポワIIIの薬、ルナの葉 町3:よろず屋(希少)、魔術の館、神殿、寄り合い所、宿屋魔術の館:マニュII、マニュIIIの薬、トリュIIIの薬 ダンジョン×3D1洞窟-B6階 D2迷宮-B6階 D3洞窟-B6階 塔×1塔-8階 1. 王女を救出している場合→2へ 王女を救出していない場合→1-1へ 1-1. 町1の寄り合い所へ行くと、この前D1に美しい女性が連れて行かれたらしいという話が聞ける。1-2へ 1-2. D1最下層にクレルヴォのシンボルが出現している。接触するとクレルヴォと戦闘になる。 勝利すると王女を救出できる(同行者扱い)。2へ 1-1及び1-2をクリアしなくても塔にボスが出現しているので、これらのイベントは無視してもよい。 2. 塔の最上階で闇の君主×1、ダークストーカー×2を倒せばエンディング。 【攻略】 闇の君主:L.23、HP999、MP182呪文:ギマドIII、パーラムIII、コリキアV 特殊:HP・MP回復 まずは全体魔法連発で邪魔なダークストーカー×2を始末する。 HPが高い上に、直接攻撃力が意外と高く、どんどん前進して来るので後衛が狙われないよう、攻撃力とHPの高い前衛ユニットで盾になりつつ叩く。後衛ユニットは前衛の技巧を上げたり、回復などでフォロー。 パーラムIIIの麻痺が厄介なので麻痺になったら直ぐ回復。 使用頻度は少なめだが、ギマドIII持ちなので全体回復があると安心。 未検証事項 リネアの涙、カロンの角笛などイベントリスト外の特殊イベントがこのシナリオで起こるケースが多い模様。(発生レベル:16)
https://w.atwiki.jp/cro-chro/pages/821.html
カミジョウ=ソウマ 年齢:28歳誕生日:黄金蝶の月21日所在:斉明クラス:軽兵系使用武器:刀、体術、土巫術肩書き/通称:侍従 天帝の親衛隊である『侍従衆』に所属する。 神羅裏十三家の1つ『噛丞家』の当主。 父が早くに亡くなり若くして家督を継いでいる。 一族に代々伝わる秘術『巫浄の牙』を扱うが、決して人前で使うことはない。 所有AF: 『噛丞の印』
https://w.atwiki.jp/hourai2020s/pages/455.html
影響の章 トップ > SS置き場 ご注意 この物語は 作中第87話 で登場した月光洞内で発行されている雑誌に掲載されている作品であり、ゲーム世界内におけるフィクションです。 登場する人物・団体・国名などは架空のものであり、キャンペーン内に存在するものとは関係ありません。 主な登場人物 ■遥:大南帝国の皇子。皇子らしく世間を知らないが? ■空:皇宮の近くに住む少年。皇宮の庭にそれと知らずよく遊びに来ていたらしい。 「なんかこう引っかかるんだよな」 空が腕組みしながら言った。 「引っかかる?何がだ?私が何かしたのか?」 不思議そうに問い返す遥を、空はびしっと指さした。 「それ!その喋り方!」 「とは言っても、私はこういう話し方をするよう教育されてきたのだが」 遥は困った表情になる。これまで当然としてきたことを指摘され、意味がわからなくて混乱してしまう。 「それ自体はわかる。お前は皇子さまだからな。でも俺と同じ年頃の子供がそういう喋り方してると、なんかむずむずしてくるんだ」 「ふむ」 遥は首を傾げる。確かに自分は皇族としてふさわしくあるよう教育されてきた。しかし、空と遊んでいるときは自分もただの少年ではないのだろうか。 「では、私はどのように話せばよいのだ?」 「まず、“私”はやめろ。“俺”だ。せめて“僕”な」 空は得意そうな顔で、指を1本立てて見せる。 「お、俺?」 「そう。とりあえず今日は俺といる間“私”禁止な」 「わかった‥‥やってみよう」 遥がうなずくと、空も満足そうにうなずいた。 「じゃあ、今日は何するよ?」 「そうだな。そもそも子供同士がどのように遊ぶか、私はよく知らないのだが」 「ほら言った!“私”は禁止だって言ったろ!」 「あ!」 空の指摘に、遥は咳払いする。 「子供同士がどのように遊ぶか、俺はよく知らないのだが」 「うーん、なんか合わないな」 言いなおした遥に、空は眉を寄せて考え込む。 「しかしこのような話し方をすると侍従や父上になんと言われるか‥‥」 遥がおずおずと切り出す。が、空は鼻で笑い飛ばした。 「馬鹿だな、お前。俺といるときだけでいいんだよ、こういうのは。皇宮の連中といるときは、お上品にやってろよ」 「なるほど、使い分けるのだな。それならば私、じゃない、俺にもできそうだ」 「よし、言いなおせたな。これからは言いなおすんじゃなくて最初から“俺”にしろよな?」 「努力しよう」 結局2人は、遥の手巾を結び付けた枝に小石を投げてどちらがたくさん当てられるかという遊びをすることにした。しかし、よく手入れされた庭園では小石自体が見つからない。 「見つけたか、遥?」 「いや、こちらにはない。そちらはどうだ?」 「俺も見つからないな」 「見つけられなければそもそも遊ぶことができないのだろう?」 「そうなるな‥‥どうしたもんかな」 少年2人はそれぞれに腕組みをしてうーむと考え込む。 やがて遥がふっと笑った。 「しかし俺はこうやって石を探しているだけでもそれなりに楽しいぞ。このようなことは今までやったことがない」 「そうなのか?」 驚く空。しかしそれは皇族の生活というものを知らない空にとっては無理のないことだった。 「ああ、そもそも外に出ること自体がほとんどないからな」 「へえ、皇子さまってのも結構息が詰まるものなんだな。普段は何してるんだ?」 「主に勉強だな。読み書き、歴史、礼法、軍の運用についても学ぶ」 「うぇ」 空は顔をしかめた。 「俺も一応読み書きは習わされてるけど、あんなめんどくさいこと毎日はできないぞ。お前は毎日やってるのか?」 「ああ、毎日だ。教師が毎日2人ずつ通ってきている」 「うぇぇ。俺なんか3日に一度近所のおっさんに習いに行くだけでめんどくさいのに‥‥あ、そうだ!」 「どうした?」 「ちょっと待ってろ!」 そう言うと空は、生垣をがさがさとかき分けて庭園の外へと出て行った。 しばらくして空は、丸めた上着を小脇に抱えて戻ってきた。 「ほら、これだけあれば十分だろ?」 上着を広げると、中には十個余りの小石が入っていた。 「これを拾いに行っていたのか?」 「ああ、石がなきゃ投げることもできないからな」 そうやって2人は石投げを始めたのだが。 「下手だな、お前」 遥は空が呆れかえるほど、石投げが下手だった。投げる姿勢が崩れているので、石がどこへ飛んで行くかわからない。2、3回はそばで見ている空に当たりさえした。勢いがまったくないので痛くはなかったが。 「何かを投げるなど、初めてなのだ。どうすればまっすぐ飛ぶのだ?」 遥は困り果てた表情をしている。空は楽々と枝に当てて木の葉を跳ね飛ばしているのに、自分はまったく見当違いの方向にぽとりと落ちるだけなのだ。 「まずお前、投げるときに顔を伏せてるだろ。最後までぶつける先を見てろ」 「こうか?」 顔を上げ、石をぶつけようとしている木の枝を見つめる。すると石は相変わらずぽとりと落ちたが、確かに木の方向に向かって飛んだ。 「おお、確かに!次はどうやれば長く飛ばせるかだな!」 こうやって遥は空の指導を受けながら少しずつ石投げを上達させていき、最終的には枝には当たらないものの木の幹には当てられるようになってきた。 「殿下!どこにおられるのです、殿下!」 侍従が遥を呼ぶ声が聞こえてきた。 「もうそのような刻限か。今日は歴史と軍学の教師が来るはずだ」 「大変だな、皇子さまも。じゃあ俺は帰るぞ」 「ああ、悪いが石は持ち帰ってくれぬか。残っていては庭師が咎めを受ける」 「え、庭に石があるだけで叱られる奴がいるのか?」 目を丸くする空に、遥は困ったようにうなずいた。 「すまぬが、俺たちのせいで咎めを受ける者が出てはよくないからな」 「わかった。皇宮ってのは見てて思うより大変なんだな」 それから2人は的にしていた木の周囲を這い回るようにして小石を残らず集め、空の上着で包んだ。 その間も侍従が遥を呼ぶ声は続いている。そのうちに呼ぶ人数が増え、泣きそうな響きさえ伴うようになってきた。 「いかん、そろそろ行かねば今度は彼らが咎めを受けてしまう」 「ほんと、お前の行動って縛られてるんだな。俺なんか夜にでもならなきゃ、いつどこに行こうが勝手なのに」 「皇子という立場では仕方のないことだ」 ふっと笑うと、遥は立ち上がった。 「では空。見つからないよう気をつけて帰るのだ。“俺”は“私”に戻らねばならぬ」 「ああ、次はもっと子供らしい喋り方を教えてやるよ」 「楽しみにしている。では、またな」 「ああ、またな」 「殿下!ああ、またそのように泥だらけに!いったい何をなさっているのです!」 「そう怒鳴るな」 遥は叫ぶ侍従に顔をしかめて見せる。 「し、失礼いたしました、殿下。しかしこの数日、本当に何をなさっているのですか?」 侍従はまっすぐ遥に問いかけてくる。これには遥も困った。本当のことを言っては、空が遊びに来れなくなってしまう。初めてできた「友達」を失うのは、遥にとっては耐えがたいことだった。 「‥‥木の下で寝ていたのだ」 とっさに出た言い訳。しかしそれなりに信憑性はあったらしい。 「それでそのように泥だらけに」 侍従はうなずくと、遥の服の帯の先についていた枯葉を取った。 「しかし汗もおかきになっておられるようですが」 言われてみると、襟元がしっとりしているように感じる。石を投げたり走り回ったりしたために汗をかいたらしい。 「今日は昨日より暑いからな。しかし空の見えるところで寝るのは心地よいぞ」 「では庭園にお昼寝用の寝台をご用意いたしましょうか」 「いらぬ。木にもたれるのが心地よいのだ」 「‥‥さようでございますか」 皇子が木にもたれて地べたで寝る。侍従にとっては信じがたいことだったが、遥がそうしろと言うのでは仕方がない。 侍従は内心眉をひそめつつも、遥の言う通りにするのだった。 「殿下、お勉強の前に一度お召し替えを。その服は汚れております」 「わかっている。着替えを用意しておくように」 「かしこまりました」 遥の指示に従いつつも、侍従は決意していた。 最近の遥の動向はどうもおかしい。侍従長に報告して指示を仰がねばならないと。
https://w.atwiki.jp/cro-chro/pages/828.html
キシ=イマル 年齢:33歳誕生日:一角獣の月9日所在:冷泉クラス:軽兵系使用武器:体術、刀、金巫術肩書き/通称:侍従 『泉の宮』環武親王の身辺を警護する侍従を務める。 神羅裏十三家の1つ『鬼死家』の当主。 一族に代々伝わる秘術『鬼切』を扱う。 環武とは幼馴染みであり、いかなる時も環武の身を案じている。 所有AF: 『剛刀・鬼丸』、『鬼死の印』
https://w.atwiki.jp/kansangokushi/pages/70.html
編集 加官とは、本来の官職の職責を兼ねながら、他の職官の任や資格を加えること。また、その加えられた職官。 特に前漢代には、皇帝に親近し枢機に参与する中朝官は、加官の職と将軍によって構成された。 前漢の主な加官職 大司馬 中朝官。 高位の将軍号に冠す。 侍中 入りて天子に侍す。故に曰く侍中。 中朝官、無員。 禁中に入るを得、左右に侍従することを掌る。 或いは列侯、将軍、衛尉、光禄大夫、将(中郎将、郎中将)、大夫、郎がこれに為る。非法を挙げるを得る。 常侍 中朝官、無員。 禁中に入るを得、左右に侍従することを掌る。 給事中 中朝官、無員。 常に左右に侍従し、位、侍中、中常侍に次ぐ。或いは名儒、或いは国親。 加える所は大夫、博士、議郎。顧問応対を掌る。 中黃門に給事黃門が有り。将(中郎将・郎中将)、大夫に従う。みな秦制。 諸吏 中朝官、無員。 (非)法を挙げるを得る。 左右曹 中朝官、無員。 尚書事を受ける。 諸吏、給事中は日が上りて朝謁し、尚書・奏事を平らかとした。分けて左右曹と為す。 散騎 騎、而して散従。無常職なり。(顔師古) 中朝官、無員。 乗輿車に騎並す。 西域都護 西域三十六カ国を護す。 騎都尉、諫大夫に加える。 所属項目(タグ) 中朝官 加官 官制 関連項目・人物 西域都護 加官 詳説 魏文帝、散騎・中常侍を合わせ、散騎常侍と為す。 編集 -
https://w.atwiki.jp/muscle-brain/pages/336.html
足で真言を書く練習の話 注意書き こちらは◆o2mcPg4qxU様の書いた四方世界をさらに二次創作した三次創作です。 設定や描写の矛盾があった場合は生暖かい目か優しい気持ちでスルーしてください。 また当SSの設定や描写は◆o2mcPg4qxU様が拾う場合を除いてスレに持ち出さないようお願いします。 本文 月が昇り日が沈む刻限、王国北部辺境のとある街の冒険者ギルド付近の宿屋の一室にて、ウェイバー・ベルベットは四つある寝台の内普段は使われていないものに腰かけていた。 決して上等とは言えない質のものだが、寝台を使うことすら稀な暮らしをしている身としては思わず横たわりたくなるが、招かれた事情を考えると恐るべき睡魔に屈するわけにはいかない。 「で、教えてくれる真言の"コツ"ってなんなんだよ」 この部屋を借りている一党の一員であり、対面の寝所に座りながら得意満面な笑みを浮かべる侍従術士に対し、疑念や不満を覚えた声で問いかける。 彼女は日のある間にウェイバーと真言の相互伝授を行ったものの、余りにも習得方法が感覚派過ぎて伝授失敗に終わるという、冒険者としては落伍者という一党全員の自称に違わぬ失敗をしてしまっていた。 なのでその詫びとして別の真言の"コツ"を教えるとして部屋に招かれたわけだが、どうにも焦らされてる気がして落ち着かない気分で噛みつくようになってしまう。 「まーまー、真言呪文遣いっちゅーのわ三つの真言を組み合わせて術を使うやろ?それは別に言葉である必要はないんやで」 得意満面の表情のまま返すのにウェイバーは僅かに失望を抱いたが、昼の間に感じた才能が溢れていない仲間意識と現時点では大きな差がある相手と、同じ視点で覚えたことが彼女にとっては秘する技術であったことを察し、機嫌を直しながら返事をした。 「ああ、知ってるよ。便利だよな無音詠唱、いつも使うもんじゃあないけど手札の枚数としちゃ悪くない」 詫びにしたいというものを既に覚えてると言われたらどんな顔をするだろうと少し意地の悪い思考が頭をよぎるが、それ以上に知識は秘するものだからこそつまびらかにして相手の関心や賞賛を得る快感があるということを、まだ若いウェイバーでは抑えることが出来ず次々に語り始める。 「冒険中だと特にそうだ。声が出せないけど手が空いてることなんていくらでもあるからね」 得意げな顔をするウェイバーに侍従術士は笑顔を崩さない。 何か想像した展開と違うと訝しむウェイバーに対して、返ってきた言葉は 「まったくその通りや。案外近いんやなぁうちら、でも手も空いてない時も使えるってんはどや?しっとった?」 「はぁ!?寸分違わず真言を表記するんだぞ、指先を使わずできるもんか」 得意満面な笑みを崩さない侍従術士はウェイバーの反論を封殺し、寝台に腰かけたまま冒険用の靴を脱いで靴下越しに足の指先をちょいちょいと曲げて見せた。 健康的な肉付きの脚が持ち上げられたことによって、スカートの裾とその奥にある膝の裏が見えかくれするも、ウェイバーにとってはそれどころではない問題に直面していた。 (指先は指先でも足指? 馬鹿だ、そんなことにどれだけの労力をかければ出来るんだよ。っていうかどんな発想だ) (手荷物、松明、武器、組みつかれたり絡み取られた時の引き剥がし。冒険者にとって口だけでなく手も塞がることだってあり得ないことじゃあない) 本日二度目の魔術師としての固定観念と軍師としての実学の衝突、たびたび起こるこれは冒険者としてみるとおおむね後者が正解になりがちだが、前者の理想や目的意識を失えば向上心と向学心の欠如に直結しかねないウェイバーにとっての死活問題である。 よって偶然振りまかれた色気にも目の前の相手への対抗心も棚上げにして懊悩せざるを得ないのだ。 その僅かでない逡巡に侍従術士が少し不安になり声をかけた。 「あのー、もしー……?要らんか、これ?便利なんやけども」 靴下に包まれた健康的な脚をプラプラを寝台からはみ出させつつ、詫びの講義は別の方がよかっただろうかと確認を取る。 「いや、それでいい」 半ば反射的ではあるがウェイバーは肯定した。 そしてすぐさま後悔をすることになり、さらにその後に喚きながらこの技法の実用性を痛感することになるのであった。 そこは青少年に取っては夢のようで拷問のようでもある空間であった。 黒髪の少年の隣には対人距離(パーソナルスペース)を踏み越えるような近さで青髪の少女が陣取っており、その正面ではスカートの裾を摘まんだ赤毛の少女が靴下を脱いで指先を滑らかに動かしている。 ウェイバーはどうしてこうなったという疑念と共に真言に関わること以外をシャットアウトすることで、現実から逃避しつつただひたすらに床を滑る足指とその軌跡を目で追っていた。 しかし彼の集中を削ぐようにそれを隣に座った薄青の長髪を持った第三者が、足指の動きの説明をし続けてくる。 「さっきも話したけど、手の指は人差し指が一番滑らかに動いて関節が二つあるよね? でも足の指は親指が重要だから関節一つの動きで真言を描くために……」 必要な説明だ、二度も言われてるのは手本を見た後の自分の足の動きがぎこちなかったからだ。 だが安寝台の上で側に美少女が座って声をかけてくる上に、嫌でも女体美を感じる別の美少女の素足の指を眺め続けているのは、まるで妙な催眠か話に聞いた夢魔の引き込む夢の中のような現実感の無さを想起させられてしまう。 別の美少女と記したがそれが、色彩を変えただけのほぼ同一人物となればなおさら不可思議なものだ。実演と教授をそれぞれに集中するために《分身》などという高等呪文を使うあたり、侍従術士は本当に青玉等級止まりの冒険者なのかと疑念を抱かずにはいられない。 「んん……」 分身が身じろぎをすると安石鹸しか使えないような生活をしてると思えない甘やかな香りを感じ、さらにウェイバーは現実逃避のため指先の動きの暗記と真言術への考察へと脳の処理能力を割り振った。 そも《分身》とは高等な真言術でも特に異例のものであり、もう一人の自分とはすなわち自分と=ではなく、容貌や性質の差が表れることがあるらしい。 真言の解釈のずれや本人のもう一人の自分という単語へのイメージの差異の結果、自分の複製であり人形であったり自分の隠された部分の顕現などの比率が変ずるのだとか。 その観点で見れば侍従術士の分身はどうだろう、容貌は色違いの同一人物であり性格はおおむね一致するが本体を姉と呼ぶあたり別人格が強いようにも見える。 詳しい人となりを知らない以上深い考察は出来ないが……。 「ウェイバー、疲れたんなら休憩にするかー? ウチもちょっと足しんどいわー」 「ウェイバー君、身が入ってないねー。お姉ちゃん次は交代しよっか」 どこかうつろになりかかっているウェイバーのトランス状態を見て、二人が提案をする。 それに伴い侍従術士は足指が地面から離れて寝台に畳んで置いてあった靴下を履きなおし、分身は身軽な動きで対面の寝台の侍従術士の隣に並んだ。 何か異空間のようなアウェー感から解放されたウェイバーは、ハッと意識を取り戻して並んだ二人に視線を合わせた。 「……悪い、ちょっと身が入ってなかった」 「ええよええよ、うちも足悪くしたリハビリせんかったらここまでやるようならんかったろーしな。難しいもんやでー、なー?」 「ねー?」 実の姉妹のように唱和をする二人、ウェイバーはそれを見てなんとなしにその差異を見比べてみた。 色、対象、顔、変わりなし、体、ややシルエットに差異あり、分身の方が上半身にボリュームがあり下半身が引き締まってる気がする。 「~~~~///!?!?」 思わず目をそらす、《分身》によって生み出されるもう一人の自分にはそういえばまだありうるパターンとして聞いたことがある。 自分だと認識できる範囲での理想の自分。それはもう年頃の乙女ともあればそういうこともあるだろうが、 気づいてしまったウェイバーにとってはたまったものではない。 「お、なんやなんや? あかんでぇ真言の使い手足るもの平常心や」 顔を背けて抑えるウェイバーに不思議そうに近寄る侍従術士とそれを見て納得と憐みを滲ませた表情で見送る分身 「お姉ちゃんは残酷だなぁ(ボソッ)」 「う、煩い! 別に大丈夫だからちょっと離れろよ! ちょっとしたら再開するからな!」 「なんやもー。ほんじゃそっちが脱いどいてな」 分身に履物を脱ぐように指示をすると、わずかな躊躇と共に分身がその言葉に従った。 ウェイバーが落ち着いてから再開すると、滑らかに動く足指とそれに連なって目に入る脹脛程までの健康的な脚が、先ほどの侍従術士との僅かな差異があるのが嫌でも意識してしまう。 (違うだろ! 僕は魔術師だぞ! そんなことより大事なことがあるだろ!) ほっそりとした傷一つ無い足を目を見開いて確認しながら、鼻腔をくすぐる甘い匂いからは意識を遮断し、耳朶を打つ心地よい声も真言のコツのみを抽出して脳に叩き込む。 およそ女性経験のない青少年とは思えない集中力を持って真言を足で描くコツを学び続けるのであった。 さらに侍従術士と分身が交代をしてから幾ばくかの時間の後のこと 「神殿で説法をするのはやはり難事だった。奇跡の強さと神官としての心得は同じではないが指標ではあったが……」 整っているが武骨な顔に僅かな疲労を滲ませながら現れた長身の男は「放浪牢人」。この部屋を借りている一党の頭領である。 そして彼は侍従術士とは冒険者になる以前からの付き合いであり、いわゆる仲間以上主従以上でギリギリその範疇内という微妙な関係であった。 さてそんな関係の相手が分身を含めて二人がかりで素足を晒しながら自分以外の男と一緒にいる状態を見て平静を保てる男などいるであろうか? 「……どういった事情があるかは私には理解しきれんが必要があったのだろう」 いた。 ウェイバーは生きた心地がしなかったがその言葉によってドッと力が抜けた、 何しろこういった修羅場というのは恐ろしいものだと学院時代の師匠のせいで身に染みていたからだ。思わずいずれかの神に幸運を感謝したくなった。 隣にいる分身は少しの硬直の後、さりげなく寝台から移動して距離を取っていき、向かいにいる侍従術士は分身より長く固まっていた。 それを見て何を得心したのか放浪牢人は一つ頷くと、背負っていた荷物を部屋の片隅に置き、足早に出入口へと戻っていく。 「まだ時間がかかるようだ。下の階で時間を潰して来る、君たちも食事を摂り忘れないように」 ギィバタン、固まった空気を物ともせず立ち去る姿と平常心は、果たして誉めればいいのか呆れればいいのかウェイバーには判断がつかなかった。 「違う! 違うんよ主様~~!」 再起動をした侍従術士が全力疾走をして部屋を飛び出していき、取り残されたウェイバーと分身はなんともなしに顔を見合わせた。 殺傷力のない礫をぶつけられた鳥のような顔をしているウェイバーに、笑みをこぼしながら分身は話しかける。 「じゃあ、今日はこのくらいだね。それとももうコツを掴んだ?」 「……ここから先なら自分で復習してどうにかするさ。お前の本体と違ってそういうの得意なんだよ」 「だよねー。女の子に囲まれちゃ溜まんないよねー」 ぼかした本音を容赦なく鷲掴みにされてウェイバーは寝台に突っ伏しかけた。縁を掴んでギリギリと音が出そうな動きの悪さで身を起こしながら人殺しのような目つきを分身に向ける。 「お・ま・え・な・ぁ~~? わかってたんなら止めろよ馬鹿ぁ!!」 「あはは、ごめんごめん。つい面白くって」 悪びれもせずに分身が言い出すのにウェイバーはなんとか一矢報いることが出来ないかと頭を捻りながら寝台から立ち上がる。 とりあえず主導権さえ握ればなんでもいい、日々を一党の間で蟲毒と称される主導権争いで過ごすウェイバーは、話題の切り返しについては一家言あると自負していた。 「そういえば、お前と本体で《分身》なのに足の傷跡の差異があったな。僕が知ってる限りだと《分身》は本体の負傷や消耗を引き継ぐって話だけど」 共通の話題に出来ることは今日一日以外多くない、ならばその中から少しでも真言の術の実利に関わる話題を。 実利と保身に満ちた話題選びであるが、年頃の女性に傷の話を聞くなどずれているとしか言いようがない、所詮ウェイバー・ベルベットは女性と付き合いのない青二才であった。 「あー、そっか。ボクが素足見せる機会なんてないもんねー。主様に手当してもらったこともなかったし」 あっけらかんと分身は返し、先ほどから浮かべていた笑みをさらに深める。 「んふふ、それはねー。お姉ちゃんの乙女心だよー。毎晩薄れてるの見て悲喜こもごもしてるんだもん」 「はぁ……?」 まるで理解に及ばないウェイバーに対して、分身はそれ以上語ることはないとばかりに立ち上がる。 「また会ったらよろしくね? 日常だとボクの出番は多くはないから」 そう言ってウェイバーを部屋の入口まで押していこうとし、それにウェイバーは流される。 新たな真言を欲することに端を発したお話はこれでひとまずおしまい。 ウェイバー・ベルベットと侍従術士および分身との間に、再び道が交わるかは宿命と偶然の神々も及び知らぬところである。 おまけ ちょっと違う石斧の話 放浪牢人は宿泊している宿屋の廊下にて追い詰められていた。 追い詰めている相手は言わずと知れた侍従術士、想い人に誤解を受けてはたまらないと息を切らして走り込み、抱きつくように放浪牢人を捕まえて離さないでいる。 「その、なんだ。誤解というのはどこが誤解だったのだろう」 放浪牢人はこれまで数々の石斧……俗称であり詳しい意味は定かではないを受けて、実のところ鈍感ではあるが男女の機微が起こっているであろう場面を冷静に俯瞰して見る能力が身につきつつあった。 自惚れでなければ彼女が自分に好意的であろう事も察してはいるし、それに理解を示したつもりであったのだが。 「ホントになんもなかったんや! ただの真言の伝授や! 足書きっちゅーのは割と有用で……!」 一方侍従術士にとってはまるで冷静さを取り戻せない事態、誤解なぞされたら生きていけぬという勢いで身の潔白をまくし立てる。 放浪牢人はされるがままになりながら、やはり特に誤解をしていなかったのではと、疑問符を宙に浮かべながら少しずつ歩いて人目のない場所へと移っていった。 裏口から宿の外に出、侍従術士の言葉がループしていることを確認してから 「よくわかった。誰にでもそんな事をしてはいけない」 彼女が欲してるであろう叱責と執着の言葉を返す。 それを聞いてビクリと一度身を震わせた後、拘束する力は弱まり代わりに体を擦るように寄せてくる。 それを受けて放浪牢人は所在なさげに手を動かした後、そっと両肩を掴んで顔を見つめた。 「主、様?」 涙が端に溜まった状態で侍従術士は困惑した目線を向ける。 「君は、自分の魅力をもっと自覚した方がいい。私が今回のことで言えるのはこれだけだ」 放浪牢人はほんのわずかに頬を染め、体ごと背を向け宿屋に向かおうとする。想像の外からの返事にぽつねんと取り残されかけた侍従術士に、放浪牢人は彼女を一人にしないようにそれとなく宿屋の裏口へとゆっくりと歩みを進める。 数瞬の後、侍従術士は大輪の花のような翳りのない満面の笑みを浮かべ、放浪牢人の横に向かって駆け込み腕を絡める。 「んーふーふ、主様ぁ。それってぇ」 甘えるような声音を受けた牢人はいつも通りの場違い感や焦燥感を覚えながら、無自覚の独占欲が満ちることに安堵をしているのであった。 補足メモ 西洋文化圏では寝る時くらいしか靴脱がないので素足ってすごくエロいらしいですよ?( 《分身》なんて気軽に使っていいの?→寝る前だからへーきへーき ウェイバー、こんなに女性に弱いっけ?→気づかなければ大丈夫だが気づいたらアウトって解釈でどうか。別名、スレでダイス振った時にどっちのパターンも取れるようにふわっとさせる 神殿で説法って?→人格的問題"は"ない、神官技能はごまかしの効かない信仰心が基本的に影響が大きい、じゃあ高い位階の神官がそういう事を頼まれることだってなくはないんじゃないかな 分身ちゃんの足に傷がないってどういうこと!!→術士ちゃんはあの傷を分身にだって渡したくないんだよ!牢人さんとの運命の岐路で槍兵さんとのリハビリの証なんだから!SS書きの捏造妄想だ! 牢術が解釈違いです→(致命傷) 当SSを書くにあたって参照した元ネタ スギモドキ伐採 「失敗して書き直してしながら、 説明や会話で引き伸ばしてたんだよ……! 靴先で真言とか、必要になるとか誰が思うか! 指だろ! そこは! 《幻影》教えた対価が、足で真言を書く技術って なんだよ! 金無いのは知ってるけど!!」 黒曜等級依頼 訓練所の整備 「そう、だな。しかし……傷跡はほぼ消えた、か」 「それに、実家に居た頃に比べれば女性らしい曲線になってきたな」 「……主様もそういう風な見方するんやな」 「ふーん、ほぉー……」 「へぇー……」 「さぁ先を急ぐかいっそ一思いに殺せ……!!」 「主様ー。治療のための事やし、ウチ嫌とは言っとらんからな?」 「治療のため、そして一党の仲間に対してそういう見方・発言を してしまった事に対して私が落ち着かんのだ……!!」 ある冒険者たちの挑戦 ガントレットいちご味 「……つまり、ウチはもう主様の侍従として 振る舞う必要はないと。お役御免だと」 「―――ほんなら! 自由意志でアンタの後ろぉついて行かせて 貰いますわ、このスカタン主様! 助けるだけ助けてポイかい! ザッケんなや!」 「ポイかい! ウチ、もう、要らん子かい……っ! やだぁ……!!」 妄想着手点 物語的な意味での原典。冒険が続くにつれて変わったことはたくさんあるし、もう牢人さん自身が術士ちゃん無しではダメだって自他ともに認めてるけど 術士ちゃんからするとこの時の感覚はきっと正式にお付き合いしてから幸せになるまで大なり小なり残ると思う。 今回はそれに加えてスレではあまり見ない第三者を交えた恋愛的な関係のもつれの超軽いものを入れて、 術士ちゃんに焦ってもらいました。 各々のフィロソフィー 「“託宣”など、今思えば都合のいい理由付けだったのかもしれないな。 私が憧れた冒険者は、必死に冒険に挑んでいた」 「認識票も何も無くても。 目の前の理不尽に必死に挑む“冒険者”に憧れた。 自らを、周囲の誰かを救おうと足掻く姿に憧れた。 それが、私の原風景だ」 「辛い? ―――違う。私はとっくに、その“冒険者”に救われている」 妄想着手点 牢人さんの原典。恋愛的な意味かはさておいて、クソ重感情という意味ではまったく劣らない似た者主従。 生真面目なリミッターを解除したら術士ちゃんが真っ赤になって動けなくなるくらい石斧振り回すバーサーカーになるんじゃないかって思って書いた。 ネタ振り それはそれとして、術士ちゃんの足をじっくりねっとりは羨ましいです(真顔) 牢人さんは不機嫌というより、「誰にでもそんな事をしては」「自分の魅力を自覚したほうが」とかいって、 術士ちゃんがニヤけ始めて、自分で墓穴を深く掘るんじゃろうなぁ……。 それはそれとして、内心の落ち着かなさはありそう。 読者という名の同胞 屋敷にいた時よりは健康的で女性らしい体つきになったが槍兵さんに胸囲が追い付かれた術士ちゃん 健脚に戻った脚と合わせて考えるとつまり彼女は下半身がムッチリし始めているな 分身ちゃんは逆に上半身がふくよからしい? もしそうだとしたら丘だ谷間だと大騒ぎしてた件から ちょっと理想を反映して夢盛り状態という術士ちゃんの乙女心の発露になるのか……w 術士ちゃん、脚のリハビリ兼ねてずっと練習してたんじゃないだろうかという妄想 ただ手札増やしたかっただけなのに、toLoveりたいわけでもない女子の足を凝視させられる過労死よ ホラホラ、ちゃんとバレないようにつまさきだけで真言書くコツじっくりねっとり見て覚えるんだよ だとしても茶々入れか現実引き戻す第三者を入れてバランスとるかなあ? 最後に 石斧を書こうとすると参照できる元ネタが多すぎて返って悩む もはや読者のネタも無節操に取り込んで整合性の取れる範囲でぶち込んで鍋にしてしまえ……! 分身ちゃんが生えたのは間違いなく読者の雑談のせいです、牢人さんぶちこんで1シーン増えたのも 普段のスレにレスする石斧に比べて自分で振るのに重すぎてこれもう非力な人が斧槍抱えてプルプルしてる気分になった
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/566.html
浮遊島の鳥着き場、飛び近づいて来るは大籠を吊り下げた巨鳥だ。 最後に大きく羽を打ち、ぶわり、風を巻き起こし舞い降りる。 籠からわらわらと湧いてくる人影の中に、鳥人の少女が一人目立つ。 人込みに目を回し周りの光景に目を回し、きゃーきゃー言ってるその姿は、いかにもお上りさんという風情であった。 空を見仰ぐ小鳥の話 「うぅ……、あ、ありがとうございますぅ……」 山から出たばかりの田舎者に、都会の洗礼はとても厳しいのです。 わたしの身も心も、最初の一歩でずたずたになりかけました。 そこから救い出してくれたのが、目の前にいる女のヒトです。 羽と瞳から醸し出される厳しさは、長い年月だけが染み付かせるもので。 しかし、今は呆れのヴェールが雰囲気をやわらかくさせていて。 わたしは、ホッとすると共に恐縮するのでした。 「まったく……。ケアトル家に仕えるのならば、もっとしっかりして貰わなければ困ります」 彼女はケアトル家の侍従長で、これからのわたしの上司。 そう、わたしはケアトル家へ奉公に出されたのです。 山岳にあるわたしの村では優秀なほうで、それを買ってくれたそうです。 山で培われたわたしの自尊心は、早々にどこかへいってしまったのですけれど。 「うぅっ……。ごめんなさいぃ……。気を付けますぅ……」 「ほら、語尾を無駄にのばさないこと。もっと、はきはきと喋りなさい」 「ぁぅ……、わかりました……」 「返事は“はい”一つ!」 「は、はい!」 「よろしい。ついてきなさい」 「はい!」 飛び立つ侍従長に、わたしは慌てて着いていきます。 前途多難そうだけれど、頑張っていきたいなぁ。 侍従長を追い掛けながら、わたしはこれからに思いを馳せるばかりです。 こうして、わたしの新たな生活は始まるのでした。 「あのお屋敷が、私たちのケアトル家になるわ」 「うわあ……!おっきい……!」 侍従長が示したそれは、見たこともないほどの立派なお屋敷です。 あまりの立派さに、口に手を当てびっくりして落ちてしまいそうになったのも無理はありません。 そんな風にわたわたしていたのですけれど、侍従長のことが急に頭によぎりました。 バッと振り向き見ますと、微笑ましそうな表情をしていて、わたしはどこかへ隠れてしまいたくなるのでした。 侍従服を貰えば、くるっと裾ひるがえし回ってみたり。 素敵なレイディになった気分で、仕事をするぞと気合いを入れたら足を踏んで転んでしまったのが、わたしです。 その姿は主観客観どこから見ても、まぬけ以外の何物でもなく、調子にノリきる前にわたしは身の程をしってしまったのでした。 それはそれとして、言い遣わされた最初の仕事は廊下のお掃除です。 このお屋敷の廊下は広く長く、掃除しきれるものかなと果てしない気持ちになりましたし、 ホコリ一つないので果たして掃除をする意味があるのかなとも思いました。 といいますか、思うどころか呟いていました。しかも同僚さんの目前でだったのだから困ります。 わたしには、口の軽いところが多分にあるのでした。 どんな反応を返してくるのでしょうかと身構えたのでしたが、 同僚さんは「そう思うのも、わかるわ」と返し、「だけどね、」と優しく諭してきたのでした。 こうなると一層決まりの悪い感じでして、仕方がありませんから掃除に精を出すことにするわたしです。 わたしは雑巾を装備して、「よっし、初仕事です」と気合いを改め励んでいました。 そんな中。不意に、風の雰囲気が変わりました。 (なんでしょうか?)と思って一拍。 頭がぎゅむっと踏み潰され、わたしはうぎゃーと悲鳴を上げてしまいます。 「おや、やわらかい床であるな」 そんなとぼけた、それでいて澄んだ声が頭上から届きました。 (何を言ってるんでしょうか、こいつは) 苛立ち混じりに目を遣ると、美しい翼に飛行特化の姿。 なんと純鳥人の貴族様であるのだから何も言えません。初めて見ますけれど、ご主人様に違いありません。 「ところで、我は何故廊下にいるのだろうか?」 わたしを踏み付けにしたまま、ご主人様は寝呆けた発言をされました。 「『我は、散歩に行こう』ご主人様は、そうおっしゃっていましたよ」 それにオウム人の秘書が、ご主人様の声色をすっかり真似て返します。 「なるほどなるほど。では、足元に従者が潜り込んでいるは何故だろうか?」 「ご主人様が、お踏みになられたからでございます」 「おお、すっかり忘れておったわ。 気にするな、我が従者よ。おそらく悪気はなかったのだ」 ご主人様は、そう言い放ち、すたすたと去って行きました。 わたしは、何だかこう憤懣やるかたありません。だから愚痴を吐き出すつもりで、ことの次第をすべて同僚さんに話したのです。 わたしとしては憤りを共有したかったのですけれど、同僚さんったらご主人様に肯定的な慈愛混じりの雰囲気で 「周りには気を付けなさいよ」などと言うものですから、腑に落ちません。 ちょっとしたことは起こりましたが、他に大事もなく掃除は終わりました。 そうして一息つく同僚さんとわたしでしたが、侍従長がいきなり現れて二人の頭に拳骨を落とすのでした。 侍従長は床が「まだ汚れている」と言いました。首をひねるわたしたちに、侍従長は指差し示します。 確かに、確かにそこに汚れはありました。ですけど、そんなの誰も気付くはずがありませんよ!意地悪な小姑の他には! そう叫びたい気持ちでしたが、同僚さんが神妙そうにうなずいていますので、わたしも右にならいました。 ひとしきりお小言をくれると、侍従長は去っていきました。 さぁて、愚痴話に花を咲かせようと振り向くと、同僚さんは掃除の準備をはじめていました。 わたしは、なんだか気まずいような心地でした。 そして幾日かがすぎまして、わたしなんだか五月病です。 同僚のみなさんの熱意についていきません。 ご主人様はボケボケで余計な仕事を増やしてばかり、だけどみんなそれを喜んでいる節があるのです。 周りに合わせようと頑張ってきましたが、そろそろ本格的に疲れてきました。限界です。 ということを思ってるだけならよかったのですが、同僚さんの前でうっかり呟いていました。 わたしの口は羽のように軽いのです。 (失敗しました…!)と身構えるわたしに、同僚さんは一つ質問を投げ掛けました。 「ご主人様が飛ばれるところ見たことある?」 というわけで、午後の飛行を二人で見物に行きました。 ですが、いつも休憩時間はお昼寝しているので眠くてたまりません。 暖かなそよ風もあくびを誘います。 一転。 それを吹き飛ばすような流麗な鳴き声が響きました。 一瞬で風は止み、眠気が雲散霧消。 大気がぴりぴりと震えはじめたのは期待の証。 ご主人様の登場です。 ご主人様は壮麗な翼を大きくゆっくりと広げ、一気呵成に振り下ろします。 遠く離れていたわたしたちにまで、暴風が響きました。 思わず目を瞑り、翼で顔を覆いました。 恐る恐る目蓋を開いた次の瞬間には、ご主人様は跡形なく消え失せていました。 何が起こったんだろうときょろきょろするわたしに、同僚さんが教えてくれました。 「真上を見て」 「…………、あ、あれ……?」 天上の遥か高み、小さな黒い影、それこそがご主人様でした。 あの一瞬で、あの一打ちで、一体どこまで昇ったのでしょう! 次に、ご主人様は一筋の流星となり落下を始めました。 そのまま落ちながら一声鳴き、また鳴き、断続する声が制御された風のうなりと混じり天上の調べを紡ぎだしました。 聞き惚れているうちに、ご主人様は地盤に激突間近で減速もありません。 声無き悲鳴を上げかけたその時、ご主人様は音も無く反転、天高くへと舞い上がります。 空の中でご主人様は天衣無縫縦横無尽です。 空は流麗な軌跡のためのキャンパスで、空は豪胆な舞踏のための舞台で、空は鳴り響く楽器そのものです。 呆然としているわたしに、同僚さんはどこか誇らしげな表情で言いました。 「これこそ、高貴の中の高貴であられる方々だけが創りだされるもの。 あたし達は空を切って飛ぶけれど、ご主人様は空になられて舞われるのよ」 「すごい、です……。本当に、世界が違う……」 わたしは空に目を釘づけにされながら、知らず、涙を流していました。 同僚さんもまた、空から目を離さず、続けて言いました。 「その御頭も御声も御翼も、すべて空に親しまれるためだけにあらせるんだわ。 重みという重みが、どこもでも失せていらっしゃるのよ。 だから、あんなにも高く、高いのでしょうね……」 同僚さんは、一拍言葉を切り、力を込めて言い放ちます。 「でも、だからこそ、ご主人様は地に御足を着けて生きていけないの。 あたしたちがいないと少し飛んで、墜ちて、それでおしまい。 あたしたちは必要とされてるの。あたしたちがいないと存分に飛べないのよ。 空を舞うご主人様をあたしたちが支えている。あたしたちが、ご主人様の羽の一本なのだわ。 そして、あなたもその羽の一本なのよ……」 同僚さんは、それっきり黙ってしまいました。 わたしの胸は震えてました。興奮で、涙が出てきました。 みんなにあって、わたしになかったもの。それを手に入れたわたしに、もはや何の苦しみもありません。 空を見上げながら、わたしは思います。 わたしには見えました。 わたしの誇りとそのほかすべてが、この空に。 ご主人様がまた一声鳴き、天高くより美妙な調べが響き渡っていくのでした。 牧歌的な雰囲気が心地よいですね。いかにもな奉公人と三歩鳥頭なれど威厳を見せた主の対比がオルニト文化を垣間見せてくれました -- (名無しさん) 2014-04-27 17 25 39 名前 コメント すべてのコメントを見る