約 1,499 件
https://w.atwiki.jp/matome-tera/pages/160.html
ダメ男DV養成大学 適当に追加訂正よろ。 ◎校訓 貧困と無知と、生きるだけで精一杯の根性無しと、社会的な体裁と見栄と苦痛と自己愛と、根拠のない自信とやっぱりない実績を校訓とする。 ◎校章 アキラメロン ◎応援歌「澱む血」 独善に燃ゆる者 どくぜんにもゆるもの 貧困みてる我等 ひんこんみてるわれら 希望の妄想仰ぎて此処に きぼうのもうそうあおぎてここに 離婚に進む我が力 常に新し りこんにすすむわがちから つねにあたらし 見よ狂人の集う処 みよきょうじんのつどうところ 決裂の意気高らかに けつれつのいきたからかに 遮る術なきを さえぎるすべなきを 駄目男 駄目男 だめおとこ だめおとこ 陸の王者 駄目男 りくのおうじゃ だめおとこ ◎駄目男八箇条 1. 嫁の無言を許容と認識せよ 2. 怒りを小出しにしないタイプが怒った時は土下座で宥めてやる 3. 自分の親は嫁にとっても親、手抜かり無く世話させよ 4. 姑のどんな侮辱も「悪意はない」で押し通せ 5. 嫁の愚痴は聞く価値の無い戯言、進んで聞き流せ 6. 産前産後の嫁も主婦、見舞いの両親を手厚く迎えさせろ 7. 終わった事、済んだ事を振り返る愚かな行為は慎むべし 8. 釣った魚に餌はやらない、餓死しないよう徹底的にこき使え ◎学部学科 ・DV学部 ・モラハラ学科 ・暴力学科 ・経済圧迫学科 ・強要学科 ・借金学部 ・クレジットカード依存学科 ・雪達磨式計算学科 ・賭博学部 ・先物取引学科 ・素人株学科 ・パチンカス学科 ・マルチ学科 ・浮気学部 ・浮気不倫学科 ・キャバ風俗学科 ・合コン出会い系学科 ・マザコン学部 ・マザコン学科 ・シスコン学科 ・長男学部 ・バ家長制度学科 ・ハッチャケ次男学科 ・宗教学部 ・祟凶学科 ・性活学部 ・性渇学科 ・狂養学部 ・総合学科 ・狂育学科 ・膿学部 ・今北産業学科 ・スイーツ学部 ・俺様教学科 ・俺様家族教学科 ・ロミオメール作文学科 ・脳内お花畑造園学科 ・ダラ夫学部 ・家庭放置学科 ・性格破綻学科 ◎入試要項 ・入学資格 不健全で婚姻可能な男子なら誰でも歓迎する。 既婚・未婚、離婚経験の有無、犯罪歴の有無は問わない。 ・入学試験 正月明け、GW明け、盆休み明けの年3回実施。中途入学は365日受付。 逸般入試と称される筆記試験を以て、合否を判定する。 ・試験科目 以下のうち3科目選択。斜め上の回答には追加点が加算される。 ・国語 日本語でおk、現代ジャイアン国語、ロミオメール作文 ・数学 ジャイアン算数、ジャイアン崇学 (雪達磨式計算法、ねずみ算、DV慰謝料関数) ・理科 侮釣学 (暴力力学、核破壊学)、バ化学、性物、地学(俺様天動説) ・社会 DV日本史、DV世界史、地理(人外魔境の気候と風土)、不倫理、臣民、現代斜解 ・人外語 モラハラ語、膿苛方言 選択語学 (俺様語、ボクタン語) ※追加点加算例:ジャイアン算数の過去問より 問:『Aさんはりんごを1個、A嫁さんは5個持ってきました。 Aさんはりんごを何個食べられるでしょうか?』(配点10点) 模範解答:6個。 (10点) 優秀解答例:A嫁実家から4個は奪える。ただし、釣った魚にも少量の餌は必要なので、 嫁にりんごの皮と芯だけ食わせてやる。よって1+5+4-(0.01+0.04)*10=10個。 (20点加算で計30点) ◎各学部必修科目 ・言い訳 ・責任転嫁 ・ヘタレ ・現実逃避 ・詭弁術 (初級編 日本語でおk) ・大日本帝国民法 ・ジャイアン国語、ジャイアン算数、ダブスタ論理学、ロミオメール文学 ・土下座実習 ・家事サボタージュ実習 ・ストーカー概論 ・ゼミ ・一年次 誰だって知らないことはある ・二年次 誰だって失敗することはある ・三年次 誰だって抑えられないことはある ・四年次 結婚は終身刑ってゆうじゃないか ◎カリキュラムの特色 学際性に富む講義が多数開講されている。 他学部の授業の受講・単位取得に制限が無く、学部の枠を超えた履修が可能。 卒業時に複数の学位を取得し、それら全てで優秀な成績を修める学生も少なくない。 ◎卒業課題 卒業の資格は、論文の提出もしくは研究成果の発表を以て与えられる。 時々研究生とかが在籍してるがあまりにも研究テーマが無謀すぎてアキラメロン証書をもらうこともある。 卒業論文のテーマの一例 「いかに善良で献身的で世間知らずで、他人に暴力を振るうことをいけないと教えられて育ってきた一般家庭の婦女をつかまえるか」 「人間サンドバッグの見分け方」 「無気力で不幸な子どもの作り方」 「天才にして優秀な奴隷である俺様の子どもの成長記録」 「モラハラこそ嫁を幸せにする唯一の方法であることの証明」 「自慰をしないで済む毎日が手に入る、結婚の真の意味」 「タカリ 偉大なる先人の知恵」 ◎大学院 研究例 「離婚した元嫁とのよりの戻し方」 「不倫相手との婚姻後の家庭の維持、更なる不倫の実践」 「歴史上皆無だったDVの存在を検証する」 「犯罪者の家庭の構造 新たに見出されたユートピア」 「嫁実家植民地支配と嫁奴隷制度 ~ その歴史と展望」 ◎ダメ男養成DV大学 気団分校 ◎姉妹校 ダメ女養成大学 ◎附属高校 ダメ男養成大学附属高校 ・性活科 ・マザコン養成科 ・浪費家 ・ナンパ売春科 ※善悪の判断を任せ生徒の自由な振る舞いをより発展させる ◎附属中学校 ダメ男養成大学附属中学校 ・性活科 ・小心者の不良科 ・マザコン養成科 ※熱心な自慰行為の指導と逸般常識の刷り込みを中心とする ◎附属小学校 ダメ男養成大学附属小学校 ・性教育科 ・暴力科 ・マザコン養成科 ※教師による苛烈な体罰と他者を蹴落とす醜い競争心の養成を中心とする ◎附属幼稚園 ダメ男養成大学附属幼稚園 ・エリート長男コース ・俺様次男コース ・ママンスキーコース ※虐待による躾けと競争心の煽りを中心とする ◎附属機関 ・研究施設 ダメ男大学ネグレクト研究所 復縁研究センター ストーカー部門 養育費解析部門 2ch基地外オブザーヴ共和国大使館 (ダメ大支部) 特色 治外法権、有能なブレーンが多数出入りするシンクタンクを擁する ・教育支援施設 怪物両親学校 モラハラ生涯学習センター ボキタンハムスコタン講座 クソトメ講座 セクハラウト講座 デブヒキニートコトメ講座 デブヒキニートコウト講座 都合のいい文献図書館 大学公認グッヅ売店 カフェ「反面ティー茶ーず」(略称反茶) 特色 ダメ大名物が多数売られている。「カノジョに反茶でイヤゲモノ買ってってやるかw」 売り筋商品はカタログが完備されている。 ・生活支援施設 職員用ビニール住宅 アキラメロンハウス (アキラメロン一家がハウス栽培居住) 総合悪徳弁護士事務所 (弁護士のみならず、各種悪徳法律家・偽任侠一家が常駐) 仮設血痕争議色情 サン・アキラメローノ性堂 (十字架にメロンがくくりつけられている) 緑神 (りょくしん) 神社 (神主・巫女・役人が在籍) 下品格寺(火山の噴火口の上にある。学生には聴こえない念仏を唱える僧侶が多数在籍) 学生共棲収容所 施設の整った、多数の空き部屋と浴室 世界最高水準の気密性を誇る 特色 空き部屋は練炭パーティー会場として随時開放 練炭と七輪は無償で使用可能 浴室も大浴場や一人で利用するための浴室(各浴場とも男女別、混浴あり)完備 希望によりわくわくお風呂セットも無償で貸し出し。 首吊り紐と踏み台を多数設置 保険外交員・藪医者・法医学者・葬儀屋・各宗教従事者・肉食動物が常駐 アキラメロン喰堂 各種メロンパン、メロンスイーツ (笑) が食べられる。 運動場 (隅に石碑が並び、詰め所にはこんな面々が待機している) ◎提携機関 ・ダメ男結婚相談所 ダメ大各機関のネットワークを利用し、より最凶のパートナーを紹介しています。 ◎各学部学科主要専門科目 ・DV学部 ・モラハラ学科 ・モラル・ハラスメントの基礎知識、応用実践、実習 ・女性心理学 被害者にふさわしい女性の選定 ・家政学 怪物両親、モラル・ハラスメント家庭における被虐待児童の発育 ・逸般常識 外面を繕う戦略 ・医学 妊婦の精神異常と身体的変化 ・暴力学科 ・急所解剖学 (女性編、子ども編、妊婦編) ・SとMの心理力学 ・体育Ⅱ 合法格闘術 (理論編、修行編、実践編) ・法医学 死体に学ぶ人体の構造 ・スポーツ科学 証拠不十分で済む拷問 ・経済圧迫学科 ・地域経済学 ・家計リスクマネジメント ・ジャイアンシャル腐乱ナー資格講座 ・サバイバル術 (セコケチのノウハウ、タカリのコツ、嫁の教育) ・栄養学 ~釣った魚に最低限やればいいエサを見極める~ ・建築学演習 (偽世帯住宅の設計・施工・保守) ・強要学科 ・精神病理偽装学 ・心理操作学 (洗脳術、他者催眠術) ・演技論 (死ぬ死ぬ詐欺・反省したフリ・やつれたフリ演習) ・借金学部 ・金融論 ・赤字経営論 ・クレカ サラ金・マネジメント ・クレジットカード依存学科 ・雪達磨式計算学科 ・賭博学部 ・競馬・競輪・競艇基礎 ・カード賭博基礎 ・地域賭博学特殊講義 (ラスベガスの賭博施設) ・地域賭博学特殊講義 (マカオの賭博施設) ・盗計数学 ・詐欺術 (嫁へのカネの必要性の説得、資金せびり、財布奪取) ・先物取引学科 ・素人株学科 ・企業研究演習 (スマートでカッコよくて話題になっている企業を探せ! カネをつぎこめ!) ・専業論 (株をやるなら断然専業が有利です) ・テクニカル分析入門 (本学独自のテクニカル分析で大損の第一歩を学びます) ・信用取引入門 (金がなくても取引ができる魔法の仕組みを学びます) ・株式売却演習 (天井で購入し大底で売抜ける技術を修得します) ・追証論 (追証発生時における嫁への借金申し込み方法) ・パチンカス学科 ・スロット実習 (目押し体得、機種ごとの傾向分析、浪費曲線の作成) ・マルチ学科 ・浮気学部 ・浮気不倫学科 ・探偵術Ⅰ (アリバイ術、とっさの言い訳と嘘の心理学、服装コーディネート入門) ・初級電子機器技術者資格 (ケータイ部門、PC部門、AV機器部門) ・離婚訴訟法 ・慰謝料・損害賠償論 ・文学史 棒読みされるラブレターの系譜 ・風俗斜解学 一夫多妻制を議論する ・女性生理学 嫁は無視、カノジョをメロメロにするココロのツボ ・コミュニケーション論 ・マザコン学部 ・風俗学Ⅰ 近親相姦禁忌の是非を考える ・神話学特殊講義 神々の交わりを実現する ・ネゴシエーション概論 ~伝書鳩に学ぶ ・マザコン学科 ・哲学演習 我々は何のために、又如何にして母親を愛するか ・哲学演習 人生における童貞の喪失の機会と意義 ・風俗学Ⅱ 禁忌を乗り越えて母親と結ばれるノウハウ ・婚姻 ~母親のための嫁活用を目的とした結婚制度とは~ ・出産と育児 ~母親のための孫活用を目的とした人生計画とは~ ・シスコン学科 ・哲学演習 我々は何のために、又如何にして妹を愛するか ・婚姻 ~妹のための嫁活用を目的とした結婚制度とは~ ・風俗学Ⅱ 禁忌を乗り越えて妹と結ばれるノウハウ ・メディア論 ゲームに見られる妹への愛の形 ・メディア論 萌え、二次元は理想の愛の発露 ・長男学部 ・バ家長制度学科 ・大日本帝国民法Ⅱ ・遺産相続を有利にする法律 ・帝王学 (上から目線の体得、家庭での君臨、息子への継承) ・介護論 (避け方、やらせ方、やったフリの示し方) ・ハッチャケ次男学科 ・はっちゃけの実践のススメ ~親の愛を取り戻すために~ ・家庭分析学 家族構成と介護、遺産相続を中心に ・宗教学部 ・祟凶学科 ・宗教史 地母神信仰の系譜 ・宗教史 地域に根ざす新興宗教 ・カリスマ性養成講座 ~俺様教の真の教祖は俺だ~ ・性活学部 ・性渇学科 ・男子生理学 (発情時の身体の変化、自慰の役割、オカズの種類・選定法) ・医学Ⅰ (不妊治療と産み分けの実際、中出し避妊法、中絶強要技術) ・医学Ⅰ (罹患を誇るべき性病、クラミジア編、梅毒編、淋病編) ・薬学基礎 (西洋医学編、東洋医学編、媚薬の採取・調合・服用実習) ・風俗学 (基礎知識、歴史、高度な利用テク、実習) ・キャバレー編 ・ソープ編 ・売春学 (援助交際、出会い系サイト、愛人バンク) ・美学美術史 (歴代グラビアフォトの芸術性、妄想の在り方) ・外国書講読 (『カーマ・スートラ』を読む) ・古典講読 (『好色一代男』『好色五人女』 粋な男のセックス人生) ・狂養学部 ・総合学科 ・総合ダメ男養成プログラム ~三つ子の魂百まで~ ・狂育学科 ・狂淫資格取得過程 ・自働狂育学 虐待基礎 ・自働狂育学 正しいルールと逆切れの躾 ・思春期論 ~健全な成長を促進するオカズとは~ ・膿学部 ・今北産業学科 ・斜解学 嫁の過疎の現状と対策 ・風俗史 ~歴史上に見る夜這いの効用と正当性を議論する~ ・現代膿業学 ~土地の運用と相続~ ・スイーツ学部 ・俺様教学科 ・俺様教演習Ⅰ 21世紀の預言者としての心得 ・俺様教演習Ⅱ (暴力と教義、上から目線の説法、発狂・トランス・アル中実習) ・政治史 独裁者の家庭 ・家事不用論 男子厨房に入るべからず ・労働不用論 男子手に職を持つべからず ・俺様家族教学科 ・大日本帝国民法Ⅱ ・バ家長制度学 亭主関白の有効性を再認識する ・ロミオメール作文学科 ・現代日本語 (日本語でおk、臭気甚だしいレトリック、書簡の諸形式) ・現代文学 雑誌に見られる愚かな「スイーツ(笑)」女の実態に迫る ・作文演習Ⅰ 多産一様の作文練習 ・作文演習Ⅱ モラハラ語による長文メール作成 ・文学史 電子機器の普及と絵文字 ・文学史 浮気が許された光源氏を分析する ・哲学史 女を言いくるめ、惑わす愛と言葉の世界観の系譜 ・脳内お花畑造園学科 ・生物学Ⅰ (基礎理論、人体の仕組み) ・植物学Ⅱ (畑としての脳の構造、仕組み、栽培可能な植物と生育環境) ・植物学Ⅱ (中毒性・依存性のある植物、特に麻薬の栽培・採取・堪能実習) ・植物学Ⅱ (脳内で発育する植物の種類、効用) ・応用薬学 幻覚を起こさせる薬物の知識、入手、実験 ・特殊園芸学 (妄想の植え付け、生育、自我崩壊との関連性) ・芸術学 (ドラッグを用いた音楽、文学、美術など幅広く扱う) ・精神医学 ~統合失調症の世界~ ・精神分析学 ユングが見た夢 ・演習 (瞑想、夢日記の記録、薬物の濫用、自傷行為) ・ダラ夫学科 ・特別演習 人の生きるエネルギー奪う為の存在方法、実践 ・家庭放置学科 ・選抜者育成課程 子供が死んでも気付きま専修 ・インテリア・コーディネート概論 (自宅を美しい汚部屋にする秘訣) ・家事放棄学 嫁が作るメシ、嫁の洗濯、嫁の掃除、全部台無しにして鍛えさせる ・女性狂育学 (家事の丸投げする方法、嫁の情操教育、姑目線の監視事項) ・育児放棄学 子どもの生存における最低限のコスト ・育児放棄学 不倫に励む親父の背中こそ子どものためになる ・嫁支援概論 実家の託児所化、偽両親をこき使う ・性格破綻学科 ・選抜者育成課程 意思の疎通でクタクタ科 ・無神経学 (DQN脳概論、成長過程における「神経」の喪失、反社会的行動) ・KY概論 (空気を読まないって素晴らしい、カッコいい、だからやれ) ・日本語学 日本語でOK! 無意味な国語、意味不明な国語 (文法、会話、実践) ◎各学部学科共通 自由選択科目群 ・語学 ・モラハラ語Ⅰ群 (文法・作文、会話・ディベート) ・モラハラ語Ⅱ群 (文書講読、同時斜解通訳、逆転翻訳) ・膿苛方言Ⅰ群 (文法・作文、会話・ディベート) ・膿苛方言Ⅱ群 (日本語との比較分析、文書講読、同時斜解通訳、逆転翻訳) ・体育 ・ダンスⅠ バレエ (初級 中級 上級 2ch公演) ・ダンスⅡ モンキーダンス (初級 中級 上級 2ch公演) ・演劇実習 喜劇『ロミオ』(一人芝居)、狂言『自殺』、ミュージカル『愛ーダ』 ・文化人類学 嫁の境界性、ヨソモノであること ◎主な進路、就職先 ・嫁のヒモ ・女衒 ・実家暴力団の手下 ・慰謝料養育費専用ATM ・「喪と、気団」プロダクション ・寺襲撃部隊 ・嫁実家襲撃部隊 ◎ダメ大公式グッヅ ・フレグランス 『マロン・フラワー』 (白くてサラサラ、ちょっぴりエキセントリックな香り!) 『ヴァギナ・ヴィネガー』 (透明でしっとり、お肌つるつる効果もある!?) ・アキラメロン校章をモチーフにしたもの バッジ (七宝、カンバッジ、ピンバッジ) 服飾品 (アップリケ、バンダナ、ホワイトソックス) アキラメロン・コンパス (人生の羅針盤。もちろん方位磁針としても使える) アキラメロン・ウォッチ (ダブルの文字盤がコロコロ変化、擬似水晶占い機能付き) アキラメロン・フーヅ (お土産用) スイーツ (クッキー、サブレ、焼印付きせんべい、ボールケーキ、メロンソーダ用乾燥粉末) その他 (ヨメロン特製のメロンの漬け物) ・貴重な思想を伝えよう! ロミオメール「絵」ハガキ ・歴代卒業生のネーム刺繍付き! 便座カバー (各年度毎に限定生産) ・トイレで珍卒論が読める! ダメ大オリジナルトイレットペーパー (バラ売り、12 roles) ・日々迷言に学ぶ! 学生のつぶやき 春画付き日めくりカレンダー ・宴会芸で軽蔑の眼差しとヒソヒソ笑いを独り占め! ダメ男完全仮装キット ・毒電波と放射能を1日浴びるだけ、アナタもたちまちダメ男! プルトニウム製ケータイ ストラップ ・必殺! バカに飲ませる万能薬「リコンシロン KY錠」 ◎ダメ男DV養成大学推奨文献 ・『我が逃走』 ・『毒になる親』 ・『だめんず・をーかー』 ・『完全自殺マヌアル』 ・『ボクタン、何を履修したらいいの?! 太木のママンがあなたの疑問に答えるわよ』 ◎敵対校 ダメ大にとって、嫁の支持を得ている不倶戴天の学校である。 ・ダメ男粛清人養成所 ・2ch寺小屋 (寺の優秀なアドバイザー、ダメ男の原稿を記録する書記を養成する) ・ダメ男更正大学校 ・付属精神病院 (精神病・人格障害の治療、ロボトミー手術) ・付属保育園 (びょういんこわかった? まにんげんになろうね) ・付属幼稚園 (みんなでなかよくしましょうね) ・付属小学校 (ムッとしても手をあげないでガマン、ガマン) ・付属中学校 (レイプじゃなくて恋愛から始めるんだよ) ・付属高校 (将来は働いて生計を立てよう、どうしたらできるかな) ・付属大学 (世間の幸せな夫婦の在り方、父性を学ぼう) ・付属大学院 (嫁を気遣い、進んで自らの家庭を築く息子になろう) ここを卒業するとき30~50代の年齢の者が多い。 ・校章・応援歌の画像は、駆け込み寺239の952様により作成されました。 ・大学の表札は、駆け込み寺247の214様により作成されました。 ・類似校の看板は、駆け込み寺247の232様により作成されました。 ・養成大学の内容は、皆様のご協力により更新されています。 ありがとうございます。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/907.html
(注)何の罪も無い、純粋で心優しいゆっくりが酷い目に遭います。 カントリーガール 「ふう…参っちまったな」 わしは幻想卿に住む、ごく普通の中年男だ。趣味は登山である。 雄大な自然の中で、清涼な空気を胸いっぱいに吸い込み、 美しい景色を眺めるのはとても素晴らしいことだ。 だが、今はその趣味のせいで困った事態になっとる。道に迷ってしまったのだ。 下山ルートを探して右往左往しているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。 暗い山道を、明かりも持たずに歩き回るのは自殺行為だ。今日は何処かで野宿するしかない。 そう思っていると、大人一人がやっと入れる程の、小さな洞穴を発見した。 「おおっ。こいつは丁度いい」 この程度の大きさの洞穴なら、熊の巣では無いだろう。 わしは、渡りに船とばかりに洞穴に入る。すると、中には先客がいた。 「ゆっ? おじさん、だあれ?」 ゆっくりだ。黒髪に赤いリボン…これは確かゆっくりれいむという種類だったはずだ。 ここは、ゆっくりの巣だったのか。たまげたな、こんな山奥に、ゆっくりがいるなんて。 「怪しい者じゃねえよ、おちびちゃん。わしは、麓の村に住んでる人間だよ」 「ゆ? ふもとってなあに?」 れいむは小首をかしげて不思議そうな顔をする。 「麓が分からない? 山を下りたことは無いのか?」 「うん! れいむはずっとここに住んでるよ! ここは、すごくゆっくりできるんだよ」 れいむは『えっへん!』と胸を張る。その愛らしい姿に、思わず頬が緩む。 まあ、山で生まれて、そのまま一生そこで過ごすゆっくりがいても、別に不思議ではない。 「そうか。おじさん、道に迷っちまってな。今日一晩だけ、おちびちゃんのお家に泊めてくれねえかな?」 「うん! いいよ! ゆっくりしていってね!」 れいむは大きく飛び跳ねて、ニッコリと笑う。 「ところで、お前さん、こんな寂しいところに、一人で住んでるのか?」 そう尋ねると、ニコニコ笑っていたれいむの顔が、しゅんと萎んだ。 「おかあさんと一緒だったんだけど、おかあさん、すこしまえに、しんじゃったの…」 れいむは、くすんくすんと悲しげな音を立てて泣き出した。 しまった、やっちまった。つまんねえ事、聞いちまったな。 「わ、悪かった。ほら、これやるから泣き止んでくれよ」 わしは、非常食として携帯していたチョコレートをれいむに見せる。 ゆっくりは甘いお菓子が大好きだ。これで機嫌を直してくれるだろう。 だが、れいむは不思議そうな顔をしてチョコレートを見つめるだけだった。 「おじさん、これなあに?」 ああ、そうか。こいつは一度も山を下りた事が無いんだ。 チョコレートなど知るわけが無い。 「これは、チョコレートっていうお菓子だよ。べらぼうに美味いぞ。ま、食べてみな」 れいむは、くんくんと匂いを嗅いだ後、ぱくりとチョコを頬張る。 「ゆぅ~! あま~い! こんなおいしいの、はじめてだよ!」 「ははは…そうかそうか! それじゃ、こいつはどうだ」 れいむの反応に気を良くしたわしは、リュックサックからキャラメルを取り出し、れいむに食べさせてやる。 「これも、すっごくおいしいよ! あ、あれ?」 「どうした?」 「おじさん! 歯にくっついちゃったよお!」 「あはははは! 急いで食べるからだよ!」 「わらってないで、とって! とってよお!」 わしはれいむと一緒に食事を取った後、ごろんと横になる。 長い時間、山を歩き回って、さすがに疲れてしまった。 すると、れいむがわしの頭の側までやってくる 「ねえ、おじさん。『ふもと』って、どんなところなの?」 れいむは、好奇心いっぱいの瞳で、わしに質問してくる。 未知の世界である麓に、興味があるのだろう 「そうだなあ、賑やかな市場に、どこまでも続く水田…。おちびちゃんが驚くようなものが沢山あるよ」 「いちば? すいでん? それってゆっくりできる? もっとききたいよ!」 「ははは、わかった、わかった。市場ってのはな…」 楽しい時間は瞬く間に過ぎ去り、すっかり夜も更けてしまった。 洞穴の外では、フクロウがホーホーと鳴き声が上げている。 「さて、今日はもう寝るとするか。明日もたっぷり歩かにゃならんだろうからな」 わしが目を閉じると、れいむがそっと寄り添ってきた。 少し前に、母親が死んだと言っていた。それから今日までこの洞穴に一人ぼっちで暮らして来たのだ。 寂しかったのだろう。わしはれいむの頭を優しく撫でてやる。 「おじさん…あしたになったら、ふもとにかえっちゃうの?」 「ん? ああ。おじさんにも、仕事があるからな」 そう言うと、れいむは黙ってしまった。 わしは目をつむっているので、れいむの表情をうかがい知る事は出来ないが、 きっと寂しそうな顔をしているのだろう。 なんだか申し訳ない気持ちになったが、昼間の疲れもあって、わしはすぐに深い眠りに落ちていった。 現実と夢との狭間で、『あしたがこないといいのにな…』という、れいむの小さな呟きが聞こえた気がした。 翌日。わしは日の出前に洞穴を出て、 方角を図るために、太陽が昇る方向を確認していた。 「こっちから日が昇ったって事は、あっちが南西か。よし、早速出発だ」 方角は分かったが、帰り道が分かったわけではない。 少しでも早く出発して下山ルートを探さないと、 あちこちさまよっているうちに、また日が暮れる、ということになりかねない。 わしは洞穴に戻り、準備を整えると、 まだ眠っているれいむの側に、昨日のチョコレートの残りを置く。 本当は、直接お礼の言葉を言うべきなのだろうが、 昨晩のれいむの様子を思い出すと、別れを言うのがためらわれた。 「湿っぽいのは苦手なんでな。世話になったな。達者で暮らせよ」 わしは、可愛い寝顔にそう言うと、静かに洞穴を出た。 れいむは、洞穴に差し込む明るい太陽の光で目を覚ました。 「おじさん! おはよう!」 「…おじさん? おそとなの?」 「おじさん! おじさあん!? どこなの!?」 巣の周りを懸命に探索するれいむ。 だが、どれだけ探しても、おじさんの姿は見当たらなかった。 そこで、れいむは昨晩のおじさんとの会話を思い出す。 『おじさん…あしたになったら、ふもとにかえっちゃうの?』 『ん? ああ。おじさんにも、仕事があるからな』 れいむは、がっくりとうなだれる。 「『あした』になったから、おじさんは『ふもと』にかえっちゃったんだ…」 れいむは、とぼとぼと巣に戻ると、残されていたチョコレートを食べる。 一人きりで食べるチョコの味は、気のせいか昨日より美味しくなかった。 チョコを咀嚼する動きが止まり、れいむの瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。 「や、やだよう… もう、ひとりぼっちはやだよう…」 母親が死んで、独りぼっちになってから、いつも寂しかった。 この山にはれいむ親子以外のゆっくりは住んでいなかったので、だれも、その寂しさを慰めてはくれなかった。 だが、山を下りて、仲間を探そうとはしなかった。 なぜなら、この山で生まれたれいむにとっては、山の中だけがこの世の全てであり、 山の下に、広い世界があるなど、考えた事も無かった。 だから、どんなに寂しくても、この洞穴で一人、暮らしていた。 仕方が無い事だ。この世には、自分しかいないのだから。 最近では、寂しさにも随分慣れてきていた。 だが、そこにおじさんが現れたのだ。 おじさんは優しかった。それに、美味しいお菓子を食べさせてくれ、とても楽しいお話をしてくれた。 れいむは、忘れかけていた『他者との暖かい触れ合い』を思い出した。 しかし、れいむが目を覚ますと、おじさんは霧のように消えてなくなっていた。 れいむは、母親が死んだ時のような喪失感を味わっていた。 だが、あの時とは状況が違う。母はこの世から永久に消滅してしまったが、 おじさんはここにいないだけで、生きているのだ。 そう気づいたれいむの瞳には、小さな決心が宿っていた。 『ふもとへ行って、おじさんとゆっくりしよう』 山を下りた事はないし、下りようと思った事もなかったが、下り方は知っていた。 この山はれいむの庭のようなものだ。どの道をどう行けば、山をくだれるかは分かっている。 巣を出発して半日ほどたち、正午を少し過ぎた頃には、山麓の林を抜け、水田地帯に到達した。 清々しい青田がどこまでも続いている美しい光景に、れいむは思わず息を呑む。 「すごいよ! おじさんの言ってたとおり、すっごくきれいだよ!」 勇気を出して山を下りてみて良かった。れいむはそう思った。 「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆゆ~ん♪」 れいむは元気いっぱいに歌を歌いながら、意気揚々と道を進んでいく、 すると、賑やかな集落が見えてきた。それは、野菜や果物を扱う市場だった。 「わあ! みんな、すごくたのしそう!」 市場の入り口にある屋台で、若い男が野菜を売っていた。 れいむはドキっとした。そして同時に、ワクワクした。 麓へ来て、初めて出会う人間。きっと、おじさんのように優しい人に違いない。 『友達になれるかな? きっと、なれるよね!』 れいむはそう思って、おじさんにしたのと同じ様にニッコリと笑って。昨日と同じ台詞を言う。 「ゆっくりしていってぶげぇっ!!!!」 だがその台詞を最後まで言う事は出来なかった。 青年が、れいむの口に蹴りをぶちこんだからだ。 「げぼっ! げぼぉっ! い、いだい゙…いだい゙い゙い゙…」 それは、れいむが生まれて初めて受けた本物の暴力だった。 昔、悪戯をした時、母親に軽く叩かれた事はあった。 その時でもれいむは、痛くて悲しくてわんわんと泣いたが、 今回の一撃は、そんな愛に溢れた優しい体罰とは次元が違った。 口の中に、青年の靴底についていた土の味が広がる。 歯も、何本か折れてしまったようだ。 れいむが咳き込むと、砕けた歯が、地面にバラバラと降り注いだ。 「この野郎! 俺が大事に育てた野菜を盗ろうったって、そうはさせねえぞ!」 青年が険しい顔でれいむを怒鳴りつける。 この青年は以前、里をうろつく野良ゆっくりに、自分の畑を台無しにされた事があった。 それ以来、彼はゆっくりに対して強い嫌悪感を抱いていた。 「そ、そんなことしないよ! れいむは、おにいさんと友達になりたいだけだよ!」 れいむは、自分に悪意が無い事を必死に伝えようとする。 その時、どこからか石が飛んできた。石は、れいむの左目に命中する。 「ゆぎゃっ!! め…めが! れいむのめがぁ!!」 幸いにも、れいむの左目は潰れなかったが、 凄まじい激痛により、目尻からは餡子混じりの黒い涙が流れ落ちる。 「とっとと出てけ! ここはお前みたいなクソ饅頭が来る所じゃねえ!」 石を投げたのは、青年の屋台の隣に店を出している男だった。 そう、ゆっくりに良くない感情を持っているのは青年だけではなかったのだ。 この市場に店を出している人間のほとんどが、一度はゆっくりの被害にあっていた。 いつのまにか、そんな人間達が、れいむを取り囲んでいた。 冷徹な視線が、一斉にれいむを突き刺す。 「ゆ!? ゆ!? みんな、どうしておこってるの!?」 怖い。でも、言わなきゃ。 自分は悪いゆっくりじゃないって。 皆と仲良くなりたいだけなんだよって。 「み、みんな、ゆっくりきいてね。れ、れいむは…」 だが、市場の人間達はそんなれいむに、一斉に罵声を浴びせる。 「こんな奴、潰しちまえ!」 「俺の畑を荒らしたのもお前だろう!」 「どこにでも図々しく出てきやがって、目障りなんだよ!」 れいむは、泣いていた。 その涙は、怪我の痛みによるものでも、恐怖によるものでもなかった。 涙の源は、深い悲しみだった。ただひたすらに、悲しかった。 さっきまで、楽しそうに笑っていた人達。 きっと、友達になれると思っていた人達。 その人達の呪詛のような中傷が、どんな暴力よりもれいむを痛めつけた。 山奥で生まれ育ち、人間の悪意など、一切知らずに生きてきたれいむ。 そんなれいむに、次々と憎しみがぶつけられるさまは、 まるで、一片の汚れも無い純白の壁に、赤黒い絵の具がぶちまけられていくようであった。 そして、最もれいむを傷つけたのは、この言葉だった。 「何が『ゆっくりしていってね』だ! お前がいると皆ゆっくり出来ないんだよ!」 それは、れいむのゆっくりとしての、全存在を否定する究極の悪罵。 あまりのショックに、れいむは泡を吹いて気絶してしまった。 それでも興奮冷めやらぬ人間達の輪の中に、突然、間の抜けた声が響く。 「あー。皆さん、ちょっといいですかね?」 その気の抜けるような声に、集団の先頭に立ってれいむを罵倒していた男が振り返る。 「ああ、キタさんか。なんだい?」 キタと呼ばれた男は照れくさそうに頭をかきながら口を開く。 「いやあ、そのゆっくり、潰しちゃうんなら、私に貰えませんかね?」 「そりゃ、別に構わないけど、あんた、こんなのどうするの?」 「いやね、私のせがれがね、ゆっくりを欲しがってるんですよ」 れいむは夢を見ていた。 夢の中でれいむは、昨日巣にやってきた優しいおじさんに抱っこされていた。 おじさんの腕の中は、とてもゆっくりしていた。 丸太のように太い腕が、この世の全ての災厄から、自分を守ってくれるような気がした。 『おじさん。れいむと一緒に、ゆっくりしようね…』 れいむがニッコリと微笑むと、おじさんも楽しそうに笑う。 とても幸せな、ゆっくりとした時間。 『こんな時間がいつまでも続けば良いのにな…』 そう思った途端、夢の世界から、れいむ以外の全てが消えた。 それは、幸福な夢の終焉だった。 れいむの意識が、現実に戻る。 「ここ、どこ…?」 れいむは畳の上に寝かされていた。 その側には、桐のタンスに、古ぼけたちゃぶ台。ここは、人間の家屋の中だった。 「おお、目が覚めたかね」 れいむは声の方に目をやる。 痩せた男が、れいむを見つめていた。 「おじさん…だあれ?」 「私はキタっていうんだ。よろしくね、おちびちゃん」 『おちびちゃん』そう呼ばれて、れいむは昨日のおじさんを思い出した。 改めて、目の前の男を見る。がっちりとした昨日のおじさんとは全然似ていないが、優しそうな目をした男だった。 「おじさんは、れいむにいじわるしないの?」 れいむは、先程市場で矢のように浴びせられた罵詈雑言の数々を思い出す。 それだけで、小さな胸は張り裂けそうなほどに痛んだ。 「大丈夫。おじさんは、おちびちゃんの味方だよ」 キタはそう言うと、れいむの頭をよしよしと撫でる。 れいむは悟った。この人は、昨日のおじさんと同じタイプの人だ、と。 そして、ほっとした。これでゆっくりできる。ここはゆっくりプレイスなんだ、と。 「お、おじさん…。れいむ…れいむね…」 思わず涙が溢れ出す。キタはそんなれいむを見て、申し訳なさそうに口を開いた。 「ごめんね。市場の人達を許してやっておくれ。あの人達も、随分酷い目にあってるからね。ああなるのも仕方ないんだよ」 そこに、ガラガラガラっと勢いよく、引き戸が開く音がした。 「ただいまー! あれ、父ちゃん帰ってるの?」 10才くらいの男の子が、家に入ってきた。キタの息子らしい。 優しいキタの子供なら、ゆっくりできる子に違いない。 れいむは涙を振り払って、精一杯の笑顔で挨拶する。 「ゆっくりしていってね!」 だがキタの息子は、そんなれいむの姿を見て、つまらなそうな顔をした。 てっきり好意的な反応が返ってくるとばかり思っていたれいむは、ちょっぴりがっかりした。 「父ちゃん、何でれいむが家の中にいるの?」 その言葉を聞いて驚いたのはキタだった。 「何でって、お前、ゆっくりを欲しがってたじゃないか。だから、今日市場で貰ってきたんだよ」 「何言ってんだよ父ちゃん。僕が欲しいのは、『れいむ』じゃなくて『まりさ』だよ。いつも言ってるじゃない」 「ありゃあ、そうだったかね? でも、ゆっくりなんてどれも同じじゃないか」 「種類によって全然違うよ。それに僕、れいむって嫌いなんだ。見てると、なんかイライラするんだよね」 「そうかあ。お前が嫌いなら、貰ってくるんじゃなかったなあ。どうしようかね、これ」 れいむは、呆然とキタ親子のやりとりを聞いていた。 『ゆっくりなんてどれも同じ』『れいむって嫌い』『イライラする』『貰ってくるんじゃなかった』『どうしようかね、これ』 二人の冷たい言葉が、ナイフのようにれいむの心を切り刻む。 それは、ついさっき市場で受けた心の傷に、塩をすり込まれるようなものだった。 れいむの大きな瞳に、再び涙が浮かぶ。 れいむは先程、ここがゆっくりプレイスだと感じた。 キタは、昨日のおじさんのように優しい人だと思った。 だが、今のやりとりを聞いて、それが間違いであると分かった。 キタがれいむに対して優しかったのは、 息子へのプレゼントだから、大事に扱っていただけだったのだ。 キタにとって、れいむはただの『物』でしかなかった。 れいむは悲しかった。そして、腹が立った。 大声で、言ってやりたかった。『自分は物じゃない』って。 でも、そう言って市場の時みたいに暴力を振るわれたらどうしよう、と思うと何も言えなかった。 れいむに出来るのは、ただ、唇をかみしめて涙を流す事だけだった。 その時、れいむは、麓に下りてきた目的を思い出した。 自分は、昨日の優しいおじさんとゆっくりする為に山を下りたのではないか。 こんなところで、ゆっくりしている場合ではない。 れいむは、脱兎のようにキタの家を飛び出した。 丁度よいあんばいに、玄関の引き戸は、少しだけ隙間が開いていた。 キタの息子が、きちんと戸を閉めなかったのだろう。 キタは追いかけてはこなかった。 当然だろう、彼にとって、もはやれいむは無用の長物だった。 むしろ、捨てに行く手間が省けて喜んでいるに違いない。 れいむは再び、未知なる麓の世界を、歩き出すのだった。 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/43113.html
登録日:2019/10/28 Mon 14 40 00 更新日:2024/06/14 Fri 13 34 52 所要時間:約 18 分で読めますぅうううううう! ▽タグ一覧 18禁 CG集 M向け M向け…? OVA あおむし おねショタ アナンガ・ランガ アニメ エロ漫画 ギャグ漫画 コメント欄ログ化項目 シリアスな笑い ピンクパイナップル ヤンマガWeb 亀山しるこ 同人 少年漫画 搾精病棟 搾精病棟~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活 搾精研究所 漫画 病院 病院管理学売れ筋ランキング一位 看護師 謎の感動 講談社 逆レイプ WARNING! この項目は性的表現が含まれていますぅううううう! 18歳未満の方は直ちにブラウザバックしましょぉおおおおおお! とにかく、18禁項目の作成は認めん・・アニヲタwikiのブランドに傷がつくからな・・ なにがwikiのブランドですかぁああ!!こんなwiki籠りのたまり場に権威なんてありませぇええん!口コミも最悪なんだからこれ以上傷ついたって大して変わりませんよぉおおおお!! なんだとぉ・・ ●目次 ■概要 ■メディアミックス ■あらすじ ■みどころ ■登場人物 ■概要 「搾精病棟」とはDLsite等で販売されている同人18禁CGイラスト集。販売元のサークルは「搾精研究所」。 正式なタイトルは「搾精病棟 ~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活~」。 射精しないといけない奇病にかかった主人公ヤマダが両手の骨折で病院に入院することとなり病院の看護師に処置をしてもらうがそこの看護師は皆恐ろしい人間で…という筋だけ聞くとミザリーなどに影響を受けたマゾヒスト向け作品だが 個性豊か(すぎ)で生々しい看護師たちの描写やギャグマンガすれすれの妙に頭に残るセリフ回し(特にアマミヤ先生)、意外としっかりしてアツいストーリーなどでツイッターやふたばなどで話題を呼び一躍有名となった。 シチュエーションも豊富でギャグ目的で買ったが真面目に抜いたなどの感想も多い。 肝心のイラスト自体は流用も多くそこまでレベルは高くない。 ところどころ縮尺がおかしくなるところもあったり、それなりに年を取ってると思わしき本作のナースたちがそんなお姉さんやおばさんに見えず(*1)描き分けも怪しい。 キャラクターが口を開くシーンはまるでメロン味のかき氷食った後にみたいに中が緑色になってるし(常に大口開けてるアマミヤ先生が特に顕著)。 そのため作者過去作画風と作風のよく似たとあるエロCG集のキャラの発言からFランイラスト集とも称される。(*2) だが元ネタを知らない読者からは「言うほどFランか?」と言われる程には底辺な下手糞さではないため、もし疑問に思うご新規さんがいらっしゃったらネチネチネチネチと丁寧に教えてあげよう。 気になった方は作者のpixivにサンプルがあるためそれで判断してみるといいだろう。 因みに逆転有りなのでその手の愛好家は注意。 ネタとしてブレイクした結果、明らかに原作者より画力の高いファンイラストがpixiv等に多数投稿されている。 作者もそのことは認識しており時折ファンアートに「いいね!」をつけているほかブログで公開されていた後書き(*3)でもそのことに触れており、予想外の人気に喜んでいるとのこと。 ちなみに当記事の存在も認識済み。 練りに練られたストーリーが評価された本作だが、全編公開後に発表された後書きでは、意外にも途中で路線を決定していたことと、重要な展開は占いに頼って決めていたことが明かされ、腹筋崩壊ものの裏話と共に、少なくない衝撃を読者に与えた。 完結後も各所で人気を博していた本作だったが、2019年11月に突如として各サイトでの配信が停止。 何の前置きもなかったことから様々な憶測を読んだが、後ほどブログにてCG制作用に使っていたソフトが成年向けの利用を許可しておらず規約違反で配信停止に至ったとの説明がなされた。 このいざこざを機に無限射精拷問と作者が同じであることも明言された。 その後は紆余曲折あった末、髪型等同ソフトを作画に用いていた箇所のみを差し替える形で2021年4月末に販売が再開された。あくまでデータを差し替えての再販という形のため、旧版を購入していた場合は無料での再DL・閲覧が可能。 同時にセールも開始され、特にアマミヤ先生の登場する⑨だけ99%OFFの11円で販売された。作者自ら「このようなことは二度とない」と宣言するのも納得の凄い割引率である。(*4) ■メディアミックス その話題性からか、同人CG集としては異例のメディアミックスもかなり多角的に展開されている。 2020年4月17日には美少女文庫によるノベライズ版が発売。税込836円。 執筆者は搾精研究所本人で、イラストも担当。CG集の①(タチバナ編)〜⑤(ヒラマツ編)をなぞった本編ストーリーと書き下ろしの短編2編が収録されている。 今回も3Dモデルを元にイラスト 漫画が作成されているが、上記の様なトラブルを経た今回は自作の3Dモデル(VRoid Studio使用)から描き起こしたとのこと。 そのせいか、微妙に以前とは各キャラクターの印象が変わった気もするが、作者特有のムチムチ体型のナース達が帰ってくるのは喜ばしい所。 尚、何故か当初のAmazonでの販売カテゴリが病院管理学となっており、耳慣れないジャンルで当然の様に売れ筋ランキング一位となったことに腹筋を崩壊させる人間が多発した。(*5) 2020年10月23日に人気アニメ・ゲームの実写AV化に定評のあるTMAから第1話~第3話までの内容を再現した実写AV版が発売。3800円。 演じているのはFラン……ではなく蓮実クレアや八乃つばさといった、現役でもトップ級の巨乳セクシー女優が揃えられており、ガチで侮れない。 そして、2021年1月に予てから噂のあったアニメ化が動き出したことが作者によってtweetされ、同年4月30日に老舗メーカーのピンクパイナップルより『タチバナ編』の発売。6800円。 予約殺到により発売前からいきなり品薄状態となった。 その後も2022年に『クロカワ編』『ヤマグチ編』、 2023年に『ヒラマツ編』『モチヅキ編』『ヌマジリ編』『キリタニ編前編』が発売される。 更に、エムズトイボックスのブランドだーくワン!より同日にPCゲーム版が発売された。4400円。 『恋姫†無双』シリーズや『黒獣』シリーズ等で有名な日陰影次氏を筆頭にAラン原画家を集めており、ミドルプライスながらかなり気合が入っている。ただし一本道なので展開は原作と同じ。 続編として三大お局編の『搾精病棟〜邪悪なるお局ナースが潜む病院で調教生活〜』、完結編の『搾精病棟〜凶悪なる看護師長が支配する病院の深淵へ潜入捜査〜』が発売され、物語としては見事最後まで完走した。 中編の時点で(海外版含め)二万本を売り上げたらしく、近年のエロゲとしては中々のヒット作となったようだ。完結と同時に前二作と特典を収録した『搾精病棟 ~COMPLETE~』も発売されている。 商業ベースでのコミカライズについては原作完結後かなり早い時期から話が出ていたものの、長らく続報のない状態が続いていたが、2021年7月にアナンガ・ランガ誌上での連載が決定。 体調の悪化等の理由から、作画担当は当初予定されていたぺに健氏から亀山しる子氏にバトンタッチされている。 作風としては原作初期のダークで陰鬱な雰囲気が強調されており、若干シリアスというかホラーに寄っている。 さらに2022年4月からヤンマガWebにて、あおむし氏による「搾精病棟 全年齢版」の連載がスタート。お前ら頭どうかしてるぞ! こちらは18禁版とは対照的にギャグ漫画寄りの作風。またストーリーの方も改変されている要素が多く、原作とは若干ナース達の性格や人間関係に変化が見られたりする。 タチバナさん以外は概ねダメな方向に変わっている。 全年齢向けにするために人間ドラマ・医療ドラマとしての要素を取り入れており 原作者が「全年齢版のシナリオを書くために 初めて ナースや病院について資料を調べたり取材した」と述べており これまでは取材していなかったという驚愕の事実が判明した。(まあそうだわな) 実際単行本の帯に「この作品は医療関係者への綿密な取材に基づいています」と書かれており「医療関係者」のブランドに傷がついていないか心配である。 ■あらすじ 事故で両手を骨折した僕。 実は僕は「3時間おきに射精しないと玉が痛くなる」奇病をわずらっていた。 なので入院先の病院で看護師さんに搾精してもらうことに・・・ しかし、その病院は性格最悪のナースしかいないことで近所でも有名な病院だった! 頑張れ!ヤマダ!! この病院の闇にのまれるな!! 抗え!!最後まで!!!(*6) ■みどころ 各々が違う理由で性格最悪の看護師たち(しかもほぼ全員自分が最低だと自覚あり) 病気のせいとは言え結構図々しい主人公ヤマダ ヤマグチ登場あたりからどんどんギャグマンガ化してくる 滅茶苦茶恐ろしいお局看護師 それに伴い段々可愛く見えてくる初期看護師 どんどん男らしくなるヤマダ しっかり練られた登場人物たちのドラマ アマミヤ先生のすべて だんだん病院の闇と戦うサスペンスストーリーに 最後はハッピーエンド ■登場人物 登場人物の名前は台詞上だと全員カタカナ表記となっているが、何人かは作中で漢字表記(ヤマダ→山田、アマミヤ→雨宮、テンドウ→天童、アイザワ→相沢)が出てくるので便宜的な物と思われる。 (現実はエロ漫画のようにいかないのか!) ヤマダ 主人公。子供並みに小柄でひ弱そうな体格とR-18作品にありがちな目元の隠れる髪型が特徴。 生まれつき3時間おきに射精しないと睾丸に激痛が走る奇病を患っているにもかかわらず、両手を骨折してしまったため入院先の病院で看護師に抜いてもらうこととなる。 概ね見た目の印象通りの情けない性格で微妙に厚かましいところも目立つが、他人を思いやれる優しさの持ち主でもある。 当初はただただ異常なナース達に虐げられるばかりの日々を送っていたが、いろんな意味で揉まれる中で少しずつ精神的に成長し、ナース達とも不思議な交友関係を深めていく。 詳しくは項目参照。 私は最初からあなたのこと嫌いです。分からなかったんですか?察し悪いですね タチバナ 嫌悪感丸出しナース。クロカワやヤマグチと同期。 ヤマダの最初の担当ナース。美人だが険のある顔つきをしている。 仕事そのものはそつなくこなす真面目で有能なナースだが、ブラックな職場環境で精神的に荒んでしまっており、患者相手に暴言を吐いたり病院内で喫煙したりと問題行動も多い。 ヤマダの性処理は仕事と割り切り、ヤマダへの嫌悪感を丸出しにしながら冷酷かつ淡々とした搾精措置を行う。 詳しくは項目参照。 どう?クズのマ○コは?クズのキミには相性がいいでしょ? クロカワ 超陰湿ナース。タチバナやヤマグチと同期。 陰気・卑屈・悪質を絵に描いたような性格の持ち主で、他人の幸福を妬んでは悪質な嫌がらせばかりしている困った人。その人となりは概ね クズ の一言で言い表せる。 一方そんな最低な自分に対して強い自己嫌悪の念を抱いており、精神的にはかなり脆く不安定。 ヤマダのことは自分と同類の「クズ友」とみなして一方的に嫌がらせに付き合わせていたが、交流を続ける中で次第に彼に本気で惹かれるようになっていく。 詳しくは項目参照。 言っとくがアタシが上でお前が下!これは固定だ!思いあがるんじゃねぇええええ!! ヤマグチ 超乱暴ナース。タチバナやクロカワと同期。 元ヤンキーの金髪ナースでかなり口が悪い。しかもピアスの失敗で舌が割れている。 ヤマダの搾精を急いで終わらそうとしており、速さ重視でとにかく雑かつ乱暴な処置を行う。 粗暴なところが目立つが根は面倒見がよく仲間想いで、ヤマダとも付き合いが長くなるうちに気の置けない友人のような間柄になっていく。 詳しくは項目参照。 あ・・・・あ・・これは・・違うの・・決して変なことじゃなくて・・その ウミガメのマネ・・ モチヅキ 超変態ナース。 気弱でドジが多く、精神的にも未熟だが、ヤマダの搾精も嫌な顔せずにやる真面目で心優しいナース。 この作品では唯一の性悪な面が見られなかったナース。 …なのだが実はものすごい自慰狂いで、ストレスを感じると職場だろうと自慰をして発散せずにはいられなくなってしまうというとんでもない悪癖を抱えている。 他のナースたちもその事は見て知っているものの、あえて何も言わないであげている。 オナニー癖は幼い頃についたものだが、いろんな意味でブラック極まりない職場環境に追い詰められた結果病的な域にまで悪化してしまった。 テキパキ仕事をこなす理想の看護師像と要領が悪く失敗続きでオナニーに溺れるばかりの現実とのギャップに深く悩み、自信を失っている。 理由は違えど似たような悩みを抱えるヤマダと心を通わせ、友達になった……はいいものの欲望はどんどんエスカレートしていき、さらには上司のヌマジリにいびられたことで精神が限界に達し、ついにはヤマダを逆レイプするに至る。 全裸で全身にボディペイントを入れ、虚ろな目をしてヤマダを求め院内を彷徨う姿はホラー以外の何物でもない。 その後も虐められる後輩役としてたびたび登場している。 気が弱く繊細なため、ヌマジリには格好のいびりの的にされている。 以下ネタバレ注意 逆レイプされてもヤマダは距離を置くこともなくそれまで通りに接してくれたため、初めての理解者としてとても信頼するようになる。ヤマダの本命はタチバナなのでオナニー友達どまりだけど ヤマダの方も院内では珍しく裏表なく善良な彼女にはある程度好感を持っており、何かと傷つきがちな彼女を気遣ったり守ろうとする場面が多い。 終盤ではたまたまお局たちの悪事を耳に挟み看護師たちが決起するきっかけとなる。 苦手にしていたヌマジリに証言を撤回するよう迫られるも、勇気を出して最後まで折れずに主張を続けた。 ちなみに直属の先輩はタチバナ。面倒見はいい反面厳しすぎるきらいのある彼女によく詰められていたが、全てが終わった後はお互い精神的に余裕ができたためか良好な関係になっているようだ。 後書きによれば酒もタバコもやれないため、ストレスの発散方法がオナニー一択になってしまったという設定らしい。 また、当初は「イガラシ」という名前でヤマグチ同様黒髪だったが(*7)タチバナと被るためデザインを変えたとのこと。 暴走モードについては、インパクトを大きくするためにボディペイントを追加したが、冷静になるとどうやって一人で描けたのかは謎と語っている。読者も割とそう思ってた。 ノベライズ版では同期のヒラマツと揃って書き下ろしエピソードのメインに抜擢されている。プライベートでも仲はいいらしく、日頃から揃って同人ショップでおかずを物色したり、その足で宅飲みをしたりしている。 また、その他のナース達との関係も若干掘り下げられている。タチバナやヤマグチからは仕事のできなさに呆れられる一方で心根の優しさや真面目さについては認められているようだ。 クロカワに関しては向こうからの心証は悪くないようだが、モチヅキの側は性格の悪さを苦手にしている様子。 一応ヤマダよりは年上で、ヤマダと致すまでは処女だったらしい。でもバイブやらディルドやらをぶちこんでたので処女膜はたぶん元から無いと思う ぷぅぷぅぷぅぷぅ♪ ぴゃあぴゃあぱおぱお♪ ヒラマツ 超無気力ナース。 クロカワの後輩で、彼女とは別ベクトルのクズ。 何をするにも無表情でやる気がなく、勤務態度は最悪。仕事中も常にヘッドフォンを肌身離さず、お菓子を貪ったり挙げ句の果てには酒まで飲んだりと好き放題にしている。 搾精も雑誌や携帯を見ながらで足コキで済ませるなど適当極まりなく、逆上したヤマダに犯されるもほぼマグロ状態でスマホゲーまでしていた。 しかし無気力で他人に興味がないぶん他のナースのようにひどい目に合わせてくることもないので、ある意味ヤマダにとっては気を許しやすい相手。 また酒が入ると幼児返りし、意味不明なことを口走るようになる。この状態のヒラマツはかなりフレンドリーでセックスにも積極的。 「うみゃあ♪うみゃあ♪」 パイパイがプルプルらしく、ヤマダも妙なテンションでがっついたり揉めなくなることを惜しんだりするほど。 両手骨折中の怪我人が何やってんだ。 そのうちヒラマツも彼の病室を気に入って入り浸るようになり、ヤマダも居心地が良かったようでお互いに自堕落になってしまう。 このことが大変な事態を引き起こすことに… その後はモチヅキと同様に虐められる後輩役としてたびたび登場している。 勤務態度の問題もありクロカワと揃ってキリタニに目をつけられている様子。 普段は何が起きても無反応な彼女だがヘッドフォンを隠されてしまい焦ったりおしっこをぶっかけられて大声をあげて号泣するなど流石にいじめられてしまった際には感情を露わにしていた。 以下ネタバレ注意 終盤ではお局看護師たちにアマミヤ先生特性のアクメガスを食らわせるファインプレーを見せる。 また同期のモチヅキに対しては仲間意識があるようで、彼女がヌマジリに責められた時には珍しくムスっとした反抗的な表情を見せていた。 何かと心にしこりを抱える病院職員の中では行動こそ問題あるものの精神的にはほとんど問題がなく終盤になっても大して変わっていない稀有な人物。 本人の性格上あまり口や態度には出さなかったが、内心ヤマダの事をかなり気に入っているらしく、酒の勢いで「ヤマダの家で暮らす」とまで言い出している。 なお、看護師長から制裁と称した暴力(*8)を受けたことがかなりのトラウマとなり、看護師長に加えキリタニの配下のナース達にも常に監視されている状況だったのだが、その後も普通に酒を飲み眠りにつくなど大胆にサボっていた。トラウマどこ行ったし。 後書きによればナース達がひたすらヤマダを虐げるだけの展開にマンネリ化が否めないと感じたことから、ヒラマツの登場と共に 三大お局+看護師長 VS 若手ナース の構図が生まれたとのこと。 詳しくは描かれなかった(裏設定)が、スマホゲームの廃課金者で、欲情している時にはゲームのイケメンボイスのエロ音声に聞き入っているらしい。 尚、作者によれば酔った時に「ぷぅぷぅぴゃあぴゃあ」と言う人は実際居るとのこと。 勤務中に平然と飲酒するなど常識的にはどう考えてもクビにされるであろう暴挙を繰り返している彼女だが、ノベライズでの描写によると現場の他のナース達からはとっととクビになればいいと放置されており、一方で人事権を持っている看護師長が滅多に現場を見にこないため、結果的に誰にも注意されずクビにもされず職場に居座れている、らしい。 ネチネチ そんな栄養のないジャンクフードばっかり食べて・・はぁ~あ今時の若い子ってほんと馬鹿・・ 私は生活習慣病の患者ごろごろ見てるから食生活の大事さは人一倍理解してるよ まぁ・・べつにいいけどぉ ヤマダ君が将来ハゲても太ってもインポになろうと透析しようと血管詰まって死のうと私は知らないけどぉ~キミの勝手だけどぉ あ~あ あ~あ ネチネチ ヌマジリ 超粘着ナース。3大お局の一人。 足が長いモデル風の美人だが、いつも薄ら笑いを浮かべており少し不気味。 弱者をネチネチ言葉攻めにして虐めるのが好きな最悪のサディストで、後輩ナースや患者をいつもいびり倒している。 粘着質なだけあってか変な方向で愛情深いところがあり、ヤマダのことはお気に入りのペットと見做して強く執着している。 詳しくは項目参照。 どう料理してやろうかしら・・ ピキ・・ ピキ・・ キリタニ 超腹黒ナース。3大お局の一人。 一見すると清楚で儚げな黒髪美女で、搾精を求めるヤマダにも心優しく対応する看護師の鑑のような人物。 だがその本性は「 キレタニ先輩 」と呼ばれ恐れられてきた元ヤンキーで、格下と見た相手には服従を強い、従わないものは徹底して排除しないと気が済まないボス猿気質の持ち主。 他人を屈服させて自分に絶対服従の犬に仕立て上げることを好み、ヤマダのこともいいなりにさせてしまおうと画策する。 詳しくは項目参照。 まっず!!なにこれ~? 酷すぎます!今年のボジョレー・チンポーは大不作!審査員も思わず苦笑い! 星一つ!星一つです!キャハハハハハハハハハハハハ ヤマダ(なにこの人怖い・・) テンドウ・ミア 超サイコナース。3大お局の一人。 性格は非常に子供っぽく、常にケラケラヘラヘラ笑っている。良心や常識の枷を持たないサイコパスのような人物で、患者や他の職員をオモチャのように扱う。 しかし看護師長の妹であるため誰も何も言うことができず、さらに看護師長自身も「この病院はあなたの遊び場」と言い切り好きにさせており、一切咎められることなく蛮行を働き続けている。 モチヅキとヒラマツにヤマダの尿と精液をぶちまけ、ヤマダにも小便をかけ爆笑する、ヤマダに無理やりタチバナやヤマグチを犯させるなど他の看護師と一線を画した恐ろしさを誇る。 タチの悪いことに肉体的にも強靭でヤマグチをパンチ一発で昏倒させるほど。 以下ネタバレ注意 彼女も他のお局の例に漏れずドラッグ流通に加担している。こんなイカれた人が出来るんだろうか 実は幼少期に父親に酷いDVを受けている。 そのため父親を連想させることをするとフラッシュバックをおこし、一瞬で笑顔が消え泣きながら相手を殺そうとする。 以前は今のように無敵の存在ではなく、本来はモチヅキのような気弱で自己主張のできない大人しい性格の持ち主。 要領もよくなかったらしく、病院に入ったばかりの頃は同期で同じ新人なのに既に態度のデカいヌマジリとキリタニに虐められており、そのせいで精神の均衡を崩し「妖精の国に行きたい」とこぼすなど危うい言動が出始めていた(*9)。 マコが病院を乗っ取りヌマジリとキリタニを配下に加えて抑え込んだことでいじめられることはなくなったものの、仕事ができないことへの悩みや独善的になってしまった姉とのすれ違いから精神状態はむしろ悪化。 そこで偶然アマミヤ先生の作った無認可かつ危険ドラッグ同然の抗うつ剤を飲み、今のような多幸的で破綻したサイコな性格になってしまった。 最終局面ではアマミヤ先生がヤマダの精液から作り出した最高傑作「スペルマ・オーバードライブ」を投与されてトリップ。 ハイになって暴走した挙句、心身の自浄作用を活性化させる同薬の作用から起きた好転反応で自身のトラウマに直面させられる。 耐えきれずに違法改造された除細動器でアマミヤ先生と心中しようとするが、すんでのところで助けに入ったオオツカに投げ飛ばされて気絶。 目覚めた時にはかつての心を取り戻しており、マコへの素直な気持ちを語って追い詰められた彼女を改心させた。 その後は他の看護師長一派共々警察に連行され、現在は塀の中にいる。姉と共に更生を目指して真面目に服役しているようだ。 他のお局達と違って最後まで逆転される描写が無い唯一の人物。絶頂している分かりやすい描写が無いのも彼女だけである(*10)。 後書きでは、特にキャラクターの変遷については触れられていない。 一方、没シーンとしてイジュウインさんの隣でヤマダとのセックスを見せつけ、悶々としているであろうイジュウインをヤマダに犯させる展開、車椅子に乗せたヤマダを患者の待合室まで連れていき、そこで搾精実習と称して女性患者にヤマダの精液を浴びせる展開、が考えられていたらしい。 開錠パスはぁああああ! 5 9 6 3 ごくろうさぁあああああああああん!! アマミヤ 超大声ドクター。 疲労がポン ととれるアマミヤリキッド、吸っただけで発情するアマミヤ・アクメガス、飲ませただけで相手を催眠状態にして洗脳できるアマミヤ・ピロピロなど都合の良すぎる薬品を多数開発している天才医師。 いろんな意味で全ての元凶 と言える人。 詳しくは項目参照。 じ、自分はアマミヤ先生に一生ついていくと決めたっす!だから命令は絶対っす!!ウッス!! オオツカ 超巨体ナース。 190cmを超える恵体看護師。元柔道の国体王者。殴り付けた警棒が逆に折れてしまうほど屈強な肉体の持ち主。 アマミヤに心酔しており、常に2人1組で行動している。 アマミヤとは対照的に寡黙で表情に乏しく一見何を考えているかわからない不気味さがあるが、実は非常にウブで優しい性格の持ち主。 割と常識人でもあり好き放題に振る舞うお局達には内心引いているところもあるが、良くも悪くも体育会系気質なため彼女達に従ってしまっている。 以下ネタバレ注意 怪我でオリンピック選考を逃した過去がある。 そのことでアマミヤに同情されたことで感動しノーベル賞に届く1200万パワーコンビを組み共同生活を営むようになる 一緒に耳の悪い患者の診察したりカラオケに行ったりカレーを作った思い出は爆笑感動モノ。 ヌマジリたちを一緒にアクメガスを食らうもそれでもギャグマンガみたいな構図で暴れまわり立ちはだかるも他の看護師たちの説得を受ける。 最後は改心しアマミヤを助け、彼女と一緒に警察に連行された。 ちなみに基本的にアマミヤ先生とセットで行動しているため他のナース達との関係はあまりはっきり描かれていないが、罵倒大会説得の際にはタチバナにちゃん付けで呼ばれており、モチヅキもタメ口を使っている。 ナースになった経緯やウブな点も鑑みるとかなり若手なのかもしれない。 後書きによれば、ヤマダが余りに小さいことから子供を扱う様に優しく風呂に入れてやる展開等も考えたが、気乗りしなかったので心優しくウブとして描くことに。 ……なのに、アマミヤに付いている=悪の側なのはおかしいということで、改心する展開を入れたが、そのせいで愛しのアマミヤ先生が対魔忍の様な目に遭って死にかける展開を入れざるを得なくなったとのこと。 また、カットされたアマミヤ先生との思い出として二人でゴキブリ出現に怯えて抱き合う(そしてアマミヤ・ジェノサイドガスを使おうとしたアマミヤ先生を止める)というシーンがあったらしく、早速ファンアート化されている。 ウブであることからも分かるように、ヤマダの搾精に加わるまでは処女だった模様。恐らく作中で唯一の正真正銘の処女。 ちんたらするな!1人10秒!即断即決即診だぁあ! サンゼン 「全年齢版」オリジナルキャラ。軍人医師。 元軍医だそうだがその言動は明らかに軍人のそれ。 仕事はこなせるが不手際があるとスタッフはもちろん患者にまで体罰を強いる。 声も相応に大きいがこの作品のアマミヤ先生は大声で窓ガラスを割ってしまう程に悪化しているので彼女より音量は下だろう。 看護師長には忠誠を誓っており元帥と言い間違えた事も。 元ネタは「無限射精拷問」のT3000という説がある。 以下ネタバレ注意 軍医時代にゲリラによって部隊の仲間を失ったというシャレにならないトラウマがあり、ゲリラを連想させる物を見聞きすると発狂し刀で斬りかかろうとする悪癖がある。 この子のためならどんな手段もいとわないわ・・そう・・どんな悪事でも・・ テンドウ・マコ 看護師長。四白眼で常に瞳孔の開いた見るからに恐ろしげな人相が特徴的。 実質的な院内の最高権力者であり、誰も彼女には逆らえない。怠慢を働いたナースに体罰を食らわすなど恐怖政治を行っているらしく、下のナース達は声を聞いただけで震え上がるほどに彼女を恐れている。 詳しくは項目参照。 焼き鳥の温めはよろしかったでしょうか? アイザワ 院内にあるコンビニの店員。若くて可愛くて巨乳(ヌマジリ談)。 言葉遣いが悪いとヌマジリに難癖付けられてひどい目に合う。 以下ネタバレ注意 実は病院の危険ドラッグ流通を暴くために店員に化けて潜入していた捜査官。 ヤマダにドラッグの証拠のため潜入捜査を依頼する。 基本的に真面目な人物だが、正体を明かす際監視カメラの目を欺くためとはいえおっぱいを丸出しにして谷間に仕込んだ警察手帳を見せたり、その後も「セックスする演技」と言いつつ本当に挿入させたりと割と奇行も目立つ。 孤軍奮闘するヤマダにとっては最大の頼みの綱なのだが、オオツカに得意の剣道で挑みかかるも警棒の方が折れてしまう、集めた証拠を隠滅されて泣き出してしまうなど、なんとなく頼りない。 終盤ヤマダの危機に飛び出すもお局看護師につかまり自分を捜査官と思い込んでいる患者呼ばわりされ薬で洗脳されかかるが… 因みに最終話になるまで警察であるという確証がなかったため本当に自分を捜査官と思い込んでいる患者と予想した読者もいた様子。 いったいどういう教育を受けてきたのかしら?アイロンのかけ方も習わなかったの? イジュウイン 病院の入院患者で社長夫人。裕福なはずなのだが、何故だかこんなイカれた病院に入院している。 権力を盾に高圧的な態度を取る所謂モンスターペイシェントのようだ。 クロカワの雑な仕事に難癖をつけていたが逆恨みの報復としてとんでもない嫌がらせをされた(*11)。 以下ネタバレ注意 最終話では伝染病の発生という名目で病院が閉鎖され、ナース達に抗議していたところモチヅキの証言を聞いて彼女達に同行。 お局を問い詰めていたナース達がキレタニキリタニに恫喝され黙らされかけていたところに上級国民のハゲ×3を呼び出し、彼女を引っ込ませて逆転の糸口を作るというファインプレーを見せた。 しかしその後ゾンビアクメガスを吸った患者の相手をクロカワに押し付けられ犯されてしまったが、 密かに彼女を慕っていたその患者に想いを打ち明けられ、押しに弱いたちだったこともあり彼と良い仲になる。 上記の通り既婚者なのだが実は姑にいびられる不幸な夫婦生活を送っており、社長夫人なのに口コミ最悪の病院に入院しているのも心労で倒れた際に姑の策略で搬送されてしまったせいだったとか。 ほぼモブキャラの彼女がここまで活躍するとは思わなかった読者も多い。 「全年齢版」では院内でヤマダと出会い、両手が使えない彼に自販機でジュースを奢るシーンが描かれている。 「弱者を助けるのは当然の振る舞い」と語るなど上から目線ながら親切な一面を見せており、相対的にクロカワの被害者という印象が強くなっている。 僕と話し込んでていいのかい?仕事中でしょ? ニノミヤ 病院の入院患者。ヤマグチが想いを寄せる人物で、入院中もパソコンを使って仕事をしている。彼女との会話によると何十億円もの案件を扱っているようで、恐らくフリーのエンジニアもしくは株や仮想通貨で取引するプロの投資家と思われる。ヤマグチは彼と話したいがためにヤマダの搾精をさっさと終わらせており、態度や口調もヤマダに対するそれとは大きく異なっていた。 以下ネタバレ注意 退院祝いとしてヤマグチからデートに誘われるが、本人は彼女の想いに気づいていなかったのかタチバナも誘うことを提案してしまい、意図せずヤマグチを振ってしまった。(*12) 僕はもう・・我慢できない! ミコシバ タチバナの恋人。高収入高身長のイケメンと高スペック。 相思相愛で連勤のタチバナを心配して病院に来た。 でも双方の同意の上とは言え病院でそのままヤり始めるのはちょっと… 海外赴任が近いらしい。 以下ネタバレ注意 赴任先にはタチバナと一緒に向かおうと思っていたようだが、事件解決後に彼女が看護師長になることに決まり、日本に残ると聞いて激怒。彼女をそのまま振ってしまった。 (強がりついでにこぼしているので真偽はわからないが)タチバナ曰く強引で女癖もよくなかったらしい。最終話にして彼だけ株を下げることとなってしまった。 全く非課税の現ナマほど美味いもんはない・・ 院長 ナース達が働く病院の院長。看護師長が幅を利かせる異常な状況にある病院に目もくれない。 色々と黒い噂があるらしい。 以下ネタバレ注意 ある意味本作の全ての元凶。 ワンマン経営でブラック職場と化している現場の努力も知らず患者を入れつつける一方、 裏社会に病院の薬を横流ししていた最低の人間だったが、マコに現場を押さえられ調教されてしまい、彼女を含めたお局ナースによる病院乗っ取りを許してしまった。 現在では自分の意思すら持てない程に調教され、看護師長室奥の隠し部屋に監禁されている。 完全に自業自得であるが哀れ。 最終回ではマコの罪逃れのためのスケープゴートにさせられた。 因みにヤマダ以外の男性モブは教授、ミコシバ、ニノミヤを除くと院長と同じ肉付きのいいハゲばかりである。 なんだとぉ・・ 教授 メガネ。ハゲじゃない! アマミヤ先生の実験もない結果だけ書いた新薬に関する論文を却下した。 無茶苦茶なことを言うアマミヤ先生に苦言を言い研究費を没収しようとした常識人。彼女たちが病院を掌握した後どうなったかは不明。 因みに作者が別名義で過去に制作した画風と作風のよく似た無関係のCG集「無限射精拷問」(*13)でも似たようなことを言われたよく似た教授が登場している。後書きによれば作者の知り合いに殺人アンドロイドがおり(正気の発言)、彼女が出すのを強要してきたとのこと。 また、本編の「なんだとぉ・・」の前に、アマミヤ先生 オオツカとの別パターンの会話があったが削られている。(①自著の帯に推薦文を書くのを頼まれる→②本のタイトルは『アマミヤ流快便術~今日からあなたも土石流よぉお!~』で、本文はアマミヤ先生の大声を再現したクソデカフォント。→③以下略。「なんだとぉ・・」) 約束・・したんだ・・ 追記修正・・すると・・ だから・・僕は・・ 負けない! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったならぁあああ!\ポチッとぉおおおおおおおお!/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ コメントログ1 やってることは明確にマッドでサイコで悪なのに言動のせいで全く悪いキャラに見えん -- (名無しさん) 2021-07-02 08 37 44 とにかく、このwikiを搾精研究所で検索すると早乙女研究所がトップに表示されることは認めん。ゲッター線研究のブランドに傷がつくからな… -- (名無しさん) 2021-07-14 11 20 55 ↑どうせ(死亡率高すぎる)Fラン研究所なんだからいいじゃねぇか! -- (名無しさん) 2021-07-14 11 40 20 ゲーム第二弾だとぉ・・・ -- (名無しさん) 2021-08-05 19 30 59 スターシステムなのか似たのが出てきてしまった -- (名無しさん) 2021-08-06 20 43 06 次は全年齢よぉぉぉおおお! -- (名無しさん) 2022-04-12 17 52 27 案外現実の看護師もこんな感じだったりして -- (名無しさん) 2022-05-21 20 38 08 アニメは結局1作のみなんかな -- (名無しさん) 2022-05-27 12 47 14 アニメのヤマグチ編はヤマダの叫びがメインというエロアニメでは珍しい作品かもしれんな -- (名無しさん) 2022-09-10 20 52 33 何でこの病院はFランどころか極悪な人間の巣窟なのに潰れないんですか? -- (名無しさん) 2022-10-26 23 21 38 違反コメントを削除 コミカライズ版の方は普通に絵が上手いのでモチヅキの暴走シーンがえらい事になってる -- (名無しさん) 2023-01-11 02 18 04 6↑この設定でどうすれば全年齢版ができるんだよ!!!!! -- (名無しさん) 2023-02-14 23 09 04 淫獄団地の方に搾精病棟のキャラが出演してるけど逆のパターンはまだ無いのか -- (名無しさん) 2023-03-11 08 42 12 医療関係なんか昔からズリネタにされてきたんだから今更配慮の必要なんかねーじゃーねーか! -- (名無しさん) 2023-04-26 18 11 17 エロゲ版は個別ルートやバッドエンドないのかあ -- (名無しさん) 2023-05-18 20 52 34 いつの間にかエロの覇権になっている感じ。 -- (名無しさん) 2023-07-01 09 35 37 全年齢。全然原作の面白さ再現できてねーぞ -- (名無しさん) 2023-07-31 00 58 49 ヤンマガwebで既に告知されてたけど全28話で完結みたい。唐突だしこれって打ち切りなの? -- (名無しさん) 2023-08-16 09 20 12 最終話無料公開されたので見ましたがうーん、もう一波乱欲しかったな。ラスダン突入時に俺たちの戦いはこれからだENDみたいな感じだ -- (名無しさん) 2023-08-27 00 38 51 全年齢版打ち切りは構成ミスった感 ヤマダもお局もアマミヤ先生も全然出さないから… -- (名無しさん) 2023-09-04 04 38 40 ↑「搾精」病棟なのに逸脱してたしね…概要に書いてある「全年齢向けにするために~」を読者が望んで無かったから打ち切りになったんだと思う -- (名無しさん) 2023-09-04 14 27 33 露骨な打ち切りだしそれも仕方ない造りとは思うが、全年齢版はかなり気に入った作品。看護師さんの苦労を思うと泣けてくる -- (名無しさん) 2023-09-19 03 16 20 ↑そんなもん搾精でやられても…。 -- (名無しさん) 2023-09-27 00 41 33 アニメヌマジリ編も出るんか。前のモチヅキ編がヌマジリ編も兼ねてると思ってたんだけど -- (名無しさん) 2023-09-29 18 09 45 最終巻帯に「打ち切りだ!」って大文字で書いてあってだめだった -- (名無しさん) 2023-10-08 15 56 31 搾精はエロじゃない!って無理やり擁護してたけどやっぱりエロないと意味ないな -- (名無しさん) 2023-10-16 22 55 10 他媒体?にもよるが、よほどのM向けでタチバナらのやっている事は常人からしてみれば性的暴行以外の何物でもなく、女性による男性の尊厳の蹂躙に他ならない。ぶっちゃけ地獄少女の地獄流し、ゴールドエクスペリエンスレクイエムの一部にしたいぐらいの最高のレイプで酌量の余地がない外道に見せるさらなる悪夢にしたい。 -- (名無しさん) 2023-11-01 19 59 23 格ゲー化とかマジかよー -- (名無しさん) 2023-11-11 01 15 06 相変わらず斜め上方向にメディア展開してて草。隠しキャラで淫獄団地キャラ出たり売れたら搾精オールスターズとか出るんか?(笑)。 -- (名無しさん) 2023-11-29 12 17 01 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/kisuitosuuki/pages/54.html
という事で、深夜。 ひんやりとした夜の空気を感じながら、フィルチさんの後をついて行く。 もちろん既に、ネックレスの力で十一歳の姿に戻っていた。 「しかし、心配が祟って罰を受ける者がいるとはな」 『あはは、呆れました?』 「まぁ、悪戯よりかはよかろう」 ため息をつくフィルチさん。 ああ、うん。 あれかな双子かな?? 悪戯好きなら、彼らでしょう。 『フィルチさんもかなり苦労してますねぇ』 「ふん、分かるなら今後できるだけ仕事を減らしてほしいもんだな」 『ですよね~。努力してみますよ。睡眠時間は多い方がいいですからね』 「そうしてもらうのはありがたいが、どちらにしろ見回りはする。睡眠時間は変わらんと思うぞ?」 『いやいや、そういうとこじゃなくて、一応諌(いさ)めますし、私も見回り参加している身なので、ある程度やれることがあるかと』 「……流石、校長の孫だな。なかなかに変わっておる」 いやぁ~、それほどでも…… って、褒められてるわけじゃないんですけどねぇ。 程なくして城の玄関ホールに着く。 そこにはミネルバに付き添われて、ハリーとロン、ドラコの三人がいた。 「来ましたね。では、フィルチ。この子たちを頼みますよ」 「ああ」 ミネルバはそう言って男子三人を引き渡す。 「禪も三人を頼みますね。貴女も罰則ではありますが、一番しっかりしているでしょうから」 『了解いたしました。マクゴナガル教授』 彼女は去り際にそう言って行った。 「では、行くとするか」 フィルチが先導し、私が最後尾に着く。 「ま、まさか外に出るの?」 『ロン、今更ですよ』 「小僧黙ってついて来い」 驚くロンに、私が答えフィルチさんが黙らせる。 やっぱ君、察しが悪いよ。 ハリーはいつも冷遇さてていたからか、ある程度冷静だ。 ドラコは……意地で冷静を保ち続けている。 一行はハグリッドの小屋まで、それ以上喋らずに到着した。 着くとハグリッドはファングを従え、狩りの準備をしている。 ? 弓か…… 物語を大幅に介入しているだけあって、本当に何が起こるか分からない。 弓を装備するほど危険なのだろうか? 「連れてきたぞハグリッド。今夜罰則の生徒達だ」 フィルチさんがランプを掲げて、ハグリッドに言う。 明かりに照らされたハグリッドはなぜか泣いていた。 『って、ハグリッドどうしたのです?』 「ああ、禪か。ただ、思い出し泣きだ。気にしないでくれ」 ……ノーバードと離れて寂しいんかな? 「それで、ハグリッド僕らは何をすればいいの?」 ハリーが聞いてくる。 「ああ、それはだな。つい一昨日(おととい)からこの森の生物を襲うものがいるんだ。そこで――」 「「まさか僕らでそいつ倒すの?!」」(ハリー、ロン) 「んなわけなかろう。なぁ、フィルチ」 「ああそうだな。私が校長に聞いた話によると、被害に遭った生物を保護するという事だそうだからな」 フィルチはそう言うとランプを白の方へと向け、自らも踵(きびす)を返す。 「私はそろそろ行く」 「ああ」 「ちょっと待ってよ!森へと入るのかい!そんなの召使いの仕事だろ?!」 フィルチさんが去ろうとすると、ドラコが叫んだ。 「小僧。よく聞け。昔はな、生徒の悲痛な叫び声が罰則にはつきものだった。扱きに扱いて、痛い目を見させるんだ。今は体罰がなくなったが、例えば天井から鎖で繋いで鞭で打つとかいろいろしていた。それが今やこんなに軽い罰だ」 昔のことを語り出したフィルチに、ドラコは段々と顔を青くさせてゆく。 『あら、そんなことをしていたのフィルチさん?』 「まぁな。何せ皆いうことを聞かん生徒が多くてな。捌(さば)くに捌けん。それが今や生徒の人数が減ってな。いろいろ改善したんだ」 「今も鎖は私の部屋にあるのになぁ」と、フィルチは悔しそうに言う。 …………ここにもいたよ、ドS。 「ではな」 今度こそフィルチはたち去った。 『では、ハグリッド。どのように行くの?急いだ方がいいのでしょう?この人数じゃ機動力もないと思うけど……』 機動力重視なら二、三人で動いた方がいい。 でも今ここにいるのは五人だ。 人数的に半端すぎる。 「そこだがな、こうしてみてはどうだ?」 ハグリッドが提案した。 私達はとりあえず、その案で二手に分かれて森へと入ることになったのだった。 『ふむ、けっこう湿気がないですねぇ。これはこれで歩きやすい』 すたすたと私は森を進んでいく。 「待てよ!置いてくな!」 ドラコがその後を追いかける形でついてくる。 その足元にはファングがいた。 ……犬の方が大人しいって、どんなけチキンなのこの子。 しかし、どうもネビルがいた場所に私が配置されているようだ。 そのおかげでもう一方のグループは、ハグリッド、ロン、ハリーという主人公グループ。 『ドラコ君。もう少し滑らかに歩けません?結構震えてるじゃないですか、膝(ひざ)』 「っ!”君”は余計だ!ドラコでいい!禪こそ、なんでそんなに歩くの速いんだよ!周りを少しは警戒したらどうだい!」 『警戒はしてますよ。ま、君はまだ”君”付けで充分でしょう』 まったくこういう時、根性が弱いヘタレ君は困る。 『しかしこの森に入ってから、かれこれ十五分は経っているのに、何も起こりませんね』 「起こらない方がいいに決まっているだろう?!」 ……無駄にドラコの突込みスキルが高い。 君は某マフィア漫画で仕方なくボスになってしまったヘタレ君? いやあっちは純朴少年だ。 しかも平々凡々。 『ですが、何も収穫がないことに変わりはありませーー』 「どうした?」 私が言葉を切ったのでドラコが聞いてくる。 私の視線の先には――銀色の液体。 『ドラコ。花火打ち上げてハグリッドに連絡』 「え?え?」 『あそこに何かの血があります。まだ乾ききっていないようです。まだ助かるかもしれません。さぁ、早く!』 「わかった」 ドラコは素直に花火を打ち上げてくれた。 数分でハグリッド達が来る。 『ハグリッド、そこなんだけど……どう?』 「こりゃ、当りだな。多分近くにいるだろう。まだ間に合うかもしれん」 どうやら当りだったようだ。 「どうすればいい?」 ハリーとロンの目が真剣になる。 「二人一組で探そう。その方が速い」 「わかった。でも一人余るね」 「残った一人は、ファングと行ってもらう。まぁ、決まっちょるがな……」 そう言ってハグリッドは意味ありげに私を見る。 あ、うん。 私がファングと行けばいいのね。 『では、私がファングということとして、ドラコ君はハグリッドと行けばいいのかしら?』 「「「そうして」」」 驚いたことにハリー、ロン、ドラコの三人が同意する。 ……仲悪いのか、良いのか。 兎にも角にも、そうして三手に分かれて探すこととなった。 ファングを連れて、怪しそうな方角へと歩を進める。 『というか、あからさまにこっちに邪気っぽいのあんだけど……』(汗) 一体どうなっているのか、全くと言っていいほど今状況が呑み込めていない。 薬をあげているのだから襲う必要性ないはずなのに、こうして生物が襲われている。 『……いや、ここは私が知り得て言う知識が足りないのかしら?そういうことなら、前提条件が変わってくるはずだから、こういう事が起こりえてもおかしくはないよね……』 または、知っているけれど思い至っていなかったという、凡ミスだ。 『凡ミスで死者を出したくはないですねぇ』 五分ほど歩くと、なんか見覚えがある場所に出た。 ………………これ、有名シーンじゃん! あ、既にハリーとロンっていう先客がいるじゃないですか。 「「うぁあ!」」 悲鳴を上げる男子二人。 その二人に謎の黒い影が覆いかぶさろうとしていて―― って、映画や原作とかなり違う! 『させるか!』 私は咄嗟に飛び出し、防壁を張って謎の影からの攻撃を防ぐ。 「「禪!」」 ……咄嗟に無言呪文で、独自魔法使ったけど仕方いってことにしとこう。 『大丈夫ですか⁉二人とも!』 「だ、大丈夫……」(ロン) 「うん、大丈夫だよ!それより前!前!!」(ハリー) ちぃ! 安否確認くらいさせろっての! 『二人とも!ここは私が引き受けます!ハグリッドを呼んできてください!』 「「で、でも!」」 『早く!!』 「っ!わかった!」 二人が走り出す。 影が二人、というよりハリーを追おうとした。 『貴方の相手は私です!』 ま、もちろん防ぎますがね。 「……どうして邪魔をする」 低い声が問うてくる。 『友達が襲われてんのに、助けないのはしないでしょ?ねぇ、知らない人』 「……知らない人とは私のことか」 『それ以外の何があるっていうの?』 「……」 何か考え込む謎の影。 って、何か言えよ! 「ふむ、貴様でもよさそうだな、その魔力量……」 『っ!』 狙われてるっ?! 「身体をよこせ!」 『やなこった!!』 思い切り魔力を使って分厚い防壁を張った。 ばちん! はじかれて、謎の影は少し離れたところへ飛ばされる。 「「「禪ー!」」」 少し遠くの方から声が聞こえた。 「ちっ……時間か」 すぅっと、地上から二メートル程浮き上がる影。 「……また会おう」 『お断り!』 「この身体はもう持たん、必ずや手に――」 『されてたまるかぁぁぁ!!』 失神呪文を相手に打つ! が、躱された。 うう、やっぱ大振りな前振りは躱される。 影はそのまま、夜の闇へと消えていった。 それと入れ替わりに、ハグリッド、ハリー、ロン、ドラコが駆けてきた。 「「禪!大丈夫?!」」(ハリー、ロン) 「禪!」(ハグリッド) 「……」(ドラコ) ロンとハリーは心配しているようで慌てて寄ってきた。 ハグリッドもだ、って、弓構えてる……。 ドラコは近くまで来ると速度を落とし、辺りを窺うように目を細める。 ……意外とドラコ君、見張りとか向いてる? 『大丈夫です。……ハグリッドこの子?見つけたかった生物って』 「ああそうだ!っ、こりゃぁひでぇ」 『ハグリッド、任せてください』 「?禪、何を」 『これを、振りかけって、っと』 用意してきた薬を探していた生物―ユニコーン―の傷口にまんべんなく振りかけた。 戦闘で息は上がっているが、冷静さはそのままだ。 振りかけたところから、傷が塞がる。 「すげぇ!」(ロン) 「すご!」(ハリー) 「おったまげた!」(ハグリッド) 「っ!」(ドラコ) 四人とも驚く。 目が傷口だったところから離れない。 『これで、良いでしょう。後は、体力回復してませんから、ハグリッド小屋まで誘導してもらえますか?私は浮遊呪文で運びますから――』 「それにはおよばないよ。お嬢さん」(??) ふいに横から声がした。 全員が振り返ってみれば、そこにはケンタウロスがいる。 ……そーいえば、ここで登場だったな。 「フィレンツェ!久しぶりだな」 「やぁ、ハグリッド」 やっぱり賢いケンタウロスのフィレンツェらしい。 『……それで、フィレンツェさん。どういうことでしょう?』 「森の仲間のことは森の住人で何とかするという事だよ。傷さえ塞がれば、ユニコーンならどうってことない」 『体力とかの回復は?』 「それも休んでいればどうにかなる」 ……そういうものだろうか? 『……しかたありませんね。では、後これだけ飲ませて、フィレンツェさんにお任せしましょう』 私はまた別の薬を取り出し、ユニコーンの口へとあてる。 「それは?」 『体力回復薬。動物たちに合うように調合してあるから、大丈夫のもの』 私がそういうと、フィレンツェは目を細めた。 「さすがは、うわさに聞く校長の孫ですね」 『?』 「ああ、もう時間が来る。さぁ、それを飲ませたら行くとよい」 不自然に会話を切り上げて、フィレンツェは帰宅(いや帰城?)を促した。 『そうね、帰りましょうか。では、よろしくお願いしますね』 疑問には思ったが、私達はそのまま、城へと帰ることにした。 私達の姿が見えなくなり、気配も消え、十分に遠ざかった頃。 「似して似なき姫。お目にかかれて光栄。しかし、まだ時ではない」 フィレンツェはそう呟いて、ユニコーンを見た。 後は少しだけ見守ろう。 既に、手当は済まされてしまったのだから――。 無事に私達は、小屋まで戻ってきた。 待機していた(?)というより、なぜかいた皓にハグリッドが報告書らしきものを書き上げて飛びだたせた。 行き先は、アルバスじいちゃんのとこだろう。 「いったいなんなのハグリッド!」 ハリーがハグリッドに迫る。 「聞かん方がええ」 装備を解きながら場グリッドは、答えることを拒否した。 ファングも主人にならってか、すぐさま自分の寝床まで行って丸くなり目を瞑ってしまう。 ちなみにこのファングは、戦っている最中木の下に隠れていた。 ……結構利口だ。 『さてと……ハグリッド。これで罰則終わりですか?』 「ああ、終わりだ」 よっこらしょ、っとハグリッドは椅子に座り、すっかり冷めていたお茶を飲む。 『では、城へと帰りますか。三人とも、帰りましょう。ドラコ君だけ一人別の寮へと帰ることになりますが、途中までは一緒に行きましょう?』 「ふん、いいだろう」 仕方ないという感じに言うドラコ。 あ、元に戻ってる。 さっきまでの怖がりはどこに行ったよ……。 『では、ハグリッド。また明日』 「ああ、きぃつけてな」 そう言って背を向け、男子三人をまとめて城へと向かう。 夜の道は空気が冷たくて心地が良かった。 城に入り、教室のある廊下を素通りし、それぞれの寮への分岐点へと差し掛かる。 『では、ドラコ君はあっちで、ハリーとロンはそっちですね』 「え、禪はどうするのさ?」 『ああ、今日は私室へ行くつもりです。スネイプ教授が報告待ってるので』 というか、約束あるし。 『では、ここで解散で。じゃね~』 そう言って私は地下牢を目指す。 ドラコは意地で怖いところを、平静を装ってスリザリン寮へと歩いてゆき、ハリーとロンはチラチラッと私の方を見てはグリフィンドール寮へと歩いて行った。 あー、うん。 気になるんだろうけど、知らんぷりして。 ファングといた時は本音ダダ漏れだったけど、流石に今はしない。 喋らないまま、私室へと付き、扉の魔法を解除。 中に入って他にも持っていた魔法薬を棚に置く。 再び部屋を出て、扉を魔法で施錠した。 そして、隣の扉――すなわちセブルスの部屋をノックする。 コンコン 『すみませーー』 声をかけると同時に扉が開かれ、腕を引かれ中に入らされる。 『うわっ!』 中に入ると同時に抱きしめられた。 え、ええ?えええ? 『あの、セブルス?扉閉めていい?』 誰かに見られたら、たまったもんじゃない。 「大丈夫だ、既に閉めた。魔法もかけたから、入ってこられん」 さいですか。 手際がいいことで……。 『セブルス、あの……』 離してほしい。 マジで顔が、その……真っ赤になって………… 『罰則であったこと聞く?』 「ああ」 『じゃ、そのどこかに座らせてくれない?』 すると、セブルスはベッドに座らせた。 *ここから18禁っぽくなります。 あう、既にスイッチが入ってるよ……。 「それで、何かあったのか?」 『えーっと』 なにがあったかを話した。 離していくごとにセブルスの顔から血の気が引いてゆく。 しまいには抱きつかれた。 『セブルスあの――』 「良かった。無事で」 セブルスがかすかに震えていた。 ああそうか。 セブルス、幼馴染も悪友も亡くしてんだった。 『でもね、私の力不足でもあるんだよ?ほら、私いろいろ裏工作してるじゃないですか。それで、やっぱり少し捉え間違えてたんだよ。私が作ってる薬じゃ、体力回復してもボロボロの身体は元にならないんだよ。穴の開いた袋に一生懸命物を詰め込んでいるようなものだから。でね、その一応対策は練ってみるけど……』 「お前は頑張り過ぎだ。アヤツはもう助からん」 『そんなことないよ。一応、最初に考えてた手が使えそうだから、それを使ってみようと思うんだ。ただ、相手のリスクが高いけど……』 「禪」 セブルスに顎を掴まれて、目線を合わされた。 「やはり”ですます”じゃなくなったと思ったら、泣いておるではないか」 『だ、だって、悔しいんですよぅ!泣きたくなるじゃないですか!』 「充分なのに、まだ頑張るのか?」 『充分じゃないよ、まだ。助けられないなら充分じゃない』 「……そうか。助ける手段は?」 『言うと思う?』 「言わせるまでだ」 セブルスにやさしく押し倒された。 あー、ここベッドの上だった。 ……まぁ、セブルスだからいいかな。 というか、セブルス以外はお断りだけど。 『セブルス』 やられっぱなしは嫌なので、自らもその頬に手を伸ばした。 少しやつれた頬をなぞる。 『容赦してね?』 「……我輩がするとでも?」 『……容赦してください』 「努力しよう」 セブルスが覆いかぶさってきた。 *こっから18禁だけど、短編として書くという荒技を発動します。 ということで、また次のページへ行きます。 次ページ:翌日へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1721.html
(注)何の罪も無い、純粋で心優しいゆっくりが酷い目に遭います。 カントリーガール 「ふう…参っちまったな」 わしは幻想卿に住む、ごく普通の中年男だ。趣味は登山である。 雄大な自然の中で、清涼な空気を胸いっぱいに吸い込み、 美しい景色を眺めるのはとても素晴らしいことだ。 だが、今はその趣味のせいで困った事態になっとる。道に迷ってしまったのだ。 下山ルートを探して右往左往しているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。 暗い山道を、明かりも持たずに歩き回るのは自殺行為だ。今日は何処かで野宿するしかない。 そう思っていると、大人一人がやっと入れる程の、小さな洞穴を発見した。 「おおっ。こいつは丁度いい」 この程度の大きさの洞穴なら、熊の巣では無いだろう。 わしは、渡りに船とばかりに洞穴に入る。すると、中には先客がいた。 「ゆっ? おじさん、だあれ?」 ゆっくりだ。黒髪に赤いリボン…これは確かゆっくりれいむという種類だったはずだ。 ここは、ゆっくりの巣だったのか。たまげたな、こんな山奥に、ゆっくりがいるなんて。 「怪しい者じゃねえよ、おちびちゃん。わしは、麓の村に住んでる人間だよ」 「ゆ? ふもとってなあに?」 れいむは小首をかしげて不思議そうな顔をする。 「麓が分からない? 山を下りたことは無いのか?」 「うん! れいむはずっとここに住んでるよ! ここは、すごくゆっくりできるんだよ」 れいむは『えっへん!』と胸を張る。その愛らしい姿に、思わず頬が緩む。 まあ、山で生まれて、そのまま一生そこで過ごすゆっくりがいても、別に不思議ではない。 「そうか。おじさん、道に迷っちまってな。今日一晩だけ、おちびちゃんのお家に泊めてくれねえかな?」 「うん! いいよ! ゆっくりしていってね!」 れいむは大きく飛び跳ねて、ニッコリと笑う。 「ところで、お前さん、こんな寂しいところに、一人で住んでるのか?」 そう尋ねると、ニコニコ笑っていたれいむの顔が、しゅんと萎んだ。 「おかあさんと一緒だったんだけど、おかあさん、すこしまえに、しんじゃったの…」 れいむは、くすんくすんと悲しげな音を立てて泣き出した。 しまった、やっちまった。つまんねえ事、聞いちまったな。 「わ、悪かった。ほら、これやるから泣き止んでくれよ」 わしは、非常食として携帯していたチョコレートをれいむに見せる。 ゆっくりは甘いお菓子が大好きだ。これで機嫌を直してくれるだろう。 だが、れいむは不思議そうな顔をしてチョコレートを見つめるだけだった。 「おじさん、これなあに?」 ああ、そうか。こいつは一度も山を下りた事が無いんだ。 チョコレートなど知るわけが無い。 「これは、チョコレートっていうお菓子だよ。べらぼうに美味いぞ。ま、食べてみな」 れいむは、くんくんと匂いを嗅いだ後、ぱくりとチョコを頬張る。 「ゆぅ~! あま~い! こんなおいしいの、はじめてだよ!」 「ははは…そうかそうか! それじゃ、こいつはどうだ」 れいむの反応に気を良くしたわしは、リュックサックからキャラメルを取り出し、れいむに食べさせてやる。 「これも、すっごくおいしいよ! あ、あれ?」 「どうした?」 「おじさん! 歯にくっついちゃったよお!」 「あはははは! 急いで食べるからだよ!」 「わらってないで、とって! とってよお!」 わしはれいむと一緒に食事を取った後、ごろんと横になる。 長い時間、山を歩き回って、さすがに疲れてしまった。 すると、れいむがわしの頭の側までやってくる 「ねえ、おじさん。『ふもと』って、どんなところなの?」 れいむは、好奇心いっぱいの瞳で、わしに質問してくる。 未知の世界である麓に、興味があるのだろう 「そうだなあ、賑やかな市場に、どこまでも続く水田…。おちびちゃんが驚くようなものが沢山あるよ」 「いちば? すいでん? それってゆっくりできる? もっとききたいよ!」 「ははは、わかった、わかった。市場ってのはな…」 楽しい時間は瞬く間に過ぎ去り、すっかり夜も更けてしまった。 洞穴の外では、フクロウがホーホーと鳴き声が上げている。 「さて、今日はもう寝るとするか。明日もたっぷり歩かにゃならんだろうからな」 わしが目を閉じると、れいむがそっと寄り添ってきた。 少し前に、母親が死んだと言っていた。それから今日までこの洞穴に一人ぼっちで暮らして来たのだ。 寂しかったのだろう。わしはれいむの頭を優しく撫でてやる。 「おじさん…あしたになったら、ふもとにかえっちゃうの?」 「ん? ああ。おじさんにも、仕事があるからな」 そう言うと、れいむは黙ってしまった。 わしは目をつむっているので、れいむの表情をうかがい知る事は出来ないが、 きっと寂しそうな顔をしているのだろう。 なんだか申し訳ない気持ちになったが、昼間の疲れもあって、わしはすぐに深い眠りに落ちていった。 現実と夢との狭間で、『あしたがこないといいのにな…』という、れいむの小さな呟きが聞こえた気がした。 翌日。わしは日の出前に洞穴を出て、 方角を図るために、太陽が昇る方向を確認していた。 「こっちから日が昇ったって事は、あっちが南西か。よし、早速出発だ」 方角は分かったが、帰り道が分かったわけではない。 少しでも早く出発して下山ルートを探さないと、 あちこちさまよっているうちに、また日が暮れる、ということになりかねない。 わしは洞穴に戻り、準備を整えると、 まだ眠っているれいむの側に、昨日のチョコレートの残りを置く。 本当は、直接お礼の言葉を言うべきなのだろうが、 昨晩のれいむの様子を思い出すと、別れを言うのがためらわれた。 「湿っぽいのは苦手なんでな。世話になったな。達者で暮らせよ」 わしは、可愛い寝顔にそう言うと、静かに洞穴を出た。 れいむは、洞穴に差し込む明るい太陽の光で目を覚ました。 「おじさん! おはよう!」 「…おじさん? おそとなの?」 「おじさん! おじさあん!? どこなの!?」 巣の周りを懸命に探索するれいむ。 だが、どれだけ探しても、おじさんの姿は見当たらなかった。 そこで、れいむは昨晩のおじさんとの会話を思い出す。 『おじさん…あしたになったら、ふもとにかえっちゃうの?』 『ん? ああ。おじさんにも、仕事があるからな』 れいむは、がっくりとうなだれる。 「『あした』になったから、おじさんは『ふもと』にかえっちゃったんだ…」 れいむは、とぼとぼと巣に戻ると、残されていたチョコレートを食べる。 一人きりで食べるチョコの味は、気のせいか昨日より美味しくなかった。 チョコを咀嚼する動きが止まり、れいむの瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。 「や、やだよう… もう、ひとりぼっちはやだよう…」 母親が死んで、独りぼっちになってから、いつも寂しかった。 この山にはれいむ親子以外のゆっくりは住んでいなかったので、だれも、その寂しさを慰めてはくれなかった。 だが、山を下りて、仲間を探そうとはしなかった。 なぜなら、この山で生まれたれいむにとっては、山の中だけがこの世の全てであり、 山の下に、広い世界があるなど、考えた事も無かった。 だから、どんなに寂しくても、この洞穴で一人、暮らしていた。 仕方が無い事だ。この世には、自分しかいないのだから。 最近では、寂しさにも随分慣れてきていた。 だが、そこにおじさんが現れたのだ。 おじさんは優しかった。それに、美味しいお菓子を食べさせてくれ、とても楽しいお話をしてくれた。 れいむは、忘れかけていた『他者との暖かい触れ合い』を思い出した。 しかし、れいむが目を覚ますと、おじさんは霧のように消えてなくなっていた。 れいむは、母親が死んだ時のような喪失感を味わっていた。 だが、あの時とは状況が違う。母はこの世から永久に消滅してしまったが、 おじさんはここにいないだけで、生きているのだ。 そう気づいたれいむの瞳には、小さな決心が宿っていた。 『ふもとへ行って、おじさんとゆっくりしよう』 山を下りた事はないし、下りようと思った事もなかったが、下り方は知っていた。 この山はれいむの庭のようなものだ。どの道をどう行けば、山をくだれるかは分かっている。 巣を出発して半日ほどたち、正午を少し過ぎた頃には、山麓の林を抜け、水田地帯に到達した。 清々しい青田がどこまでも続いている美しい光景に、れいむは思わず息を呑む。 「すごいよ! おじさんの言ってたとおり、すっごくきれいだよ!」 勇気を出して山を下りてみて良かった。れいむはそう思った。 「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆゆ~ん♪」 れいむは元気いっぱいに歌を歌いながら、意気揚々と道を進んでいく、 すると、賑やかな集落が見えてきた。それは、野菜や果物を扱う市場だった。 「わあ! みんな、すごくたのしそう!」 市場の入り口にある屋台で、若い男が野菜を売っていた。 れいむはドキっとした。そして同時に、ワクワクした。 麓へ来て、初めて出会う人間。きっと、おじさんのように優しい人に違いない。 『友達になれるかな? きっと、なれるよね!』 れいむはそう思って、おじさんにしたのと同じ様にニッコリと笑って。昨日と同じ台詞を言う。 「ゆっくりしていってぶげぇっ!!!!」 だがその台詞を最後まで言う事は出来なかった。 青年が、れいむの口に蹴りをぶちこんだからだ。 「げぼっ! げぼぉっ! い、いだい゙…いだい゙い゙い゙…」 それは、れいむが生まれて初めて受けた本物の暴力だった。 昔、悪戯をした時、母親に軽く叩かれた事はあった。 その時でもれいむは、痛くて悲しくてわんわんと泣いたが、 今回の一撃は、そんな愛に溢れた優しい体罰とは次元が違った。 口の中に、青年の靴底についていた土の味が広がる。 歯も、何本か折れてしまったようだ。 れいむが咳き込むと、砕けた歯が、地面にバラバラと降り注いだ。 「この野郎! 俺が大事に育てた野菜を盗ろうったって、そうはさせねえぞ!」 青年が険しい顔でれいむを怒鳴りつける。 この青年は以前、里をうろつく野良ゆっくりに、自分の畑を台無しにされた事があった。 それ以来、彼はゆっくりに対して強い嫌悪感を抱いていた。 「そ、そんなことしないよ! れいむは、おにいさんと友達になりたいだけだよ!」 れいむは、自分に悪意が無い事を必死に伝えようとする。 その時、どこからか石が飛んできた。石は、れいむの左目に命中する。 「ゆぎゃっ!! め…めが! れいむのめがぁ!!」 幸いにも、れいむの左目は潰れなかったが、 凄まじい激痛により、目尻からは餡子混じりの黒い涙が流れ落ちる。 「とっとと出てけ! ここはお前みたいなクソ饅頭が来る所じゃねえ!」 石を投げたのは、青年の屋台の隣に店を出している男だった。 そう、ゆっくりに良くない感情を持っているのは青年だけではなかったのだ。 この市場に店を出している人間のほとんどが、一度はゆっくりの被害にあっていた。 いつのまにか、そんな人間達が、れいむを取り囲んでいた。 冷徹な視線が、一斉にれいむを突き刺す。 「ゆ!? ゆ!? みんな、どうしておこってるの!?」 怖い。でも、言わなきゃ。 自分は悪いゆっくりじゃないって。 皆と仲良くなりたいだけなんだよって。 「み、みんな、ゆっくりきいてね。れ、れいむは…」 だが、市場の人間達はそんなれいむに、一斉に罵声を浴びせる。 「こんな奴、潰しちまえ!」 「俺の畑を荒らしたのもお前だろう!」 「どこにでも図々しく出てきやがって、目障りなんだよ!」 れいむは、泣いていた。 その涙は、怪我の痛みによるものでも、恐怖によるものでもなかった。 涙の源は、深い悲しみだった。ただひたすらに、悲しかった。 さっきまで、楽しそうに笑っていた人達。 きっと、友達になれると思っていた人達。 その人達の呪詛のような中傷が、どんな暴力よりもれいむを痛めつけた。 山奥で生まれ育ち、人間の悪意など、一切知らずに生きてきたれいむ。 そんなれいむに、次々と憎しみがぶつけられるさまは、 まるで、一片の汚れも無い純白の壁に、赤黒い絵の具がぶちまけられていくようであった。 そして、最もれいむを傷つけたのは、この言葉だった。 「何が『ゆっくりしていってね』だ! お前がいると皆ゆっくり出来ないんだよ!」 それは、れいむのゆっくりとしての、全存在を否定する究極の悪罵。 あまりのショックに、れいむは泡を吹いて気絶してしまった。 それでも興奮冷めやらぬ人間達の輪の中に、突然、間の抜けた声が響く。 「あー。皆さん、ちょっといいですかね?」 その気の抜けるような声に、集団の先頭に立ってれいむを罵倒していた男が振り返る。 「ああ、キタさんか。なんだい?」 キタと呼ばれた男は照れくさそうに頭をかきながら口を開く。 「いやあ、そのゆっくり、潰しちゃうんなら、私に貰えませんかね?」 「そりゃ、別に構わないけど、あんた、こんなのどうするの?」 「いやね、私のせがれがね、ゆっくりを欲しがってるんですよ」 れいむは夢を見ていた。 夢の中でれいむは、昨日巣にやってきた優しいおじさんに抱っこされていた。 おじさんの腕の中は、とてもゆっくりしていた。 丸太のように太い腕が、この世の全ての災厄から、自分を守ってくれるような気がした。 『おじさん。れいむと一緒に、ゆっくりしようね…』 れいむがニッコリと微笑むと、おじさんも楽しそうに笑う。 とても幸せな、ゆっくりとした時間。 『こんな時間がいつまでも続けば良いのにな…』 そう思った途端、夢の世界から、れいむ以外の全てが消えた。 それは、幸福な夢の終焉だった。 れいむの意識が、現実に戻る。 「ここ、どこ…?」 れいむは畳の上に寝かされていた。 その側には、桐のタンスに、古ぼけたちゃぶ台。ここは、人間の家屋の中だった。 「おお、目が覚めたかね」 れいむは声の方に目をやる。 痩せた男が、れいむを見つめていた。 「おじさん…だあれ?」 「私はキタっていうんだ。よろしくね、おちびちゃん」 『おちびちゃん』そう呼ばれて、れいむは昨日のおじさんを思い出した。 改めて、目の前の男を見る。がっちりとした昨日のおじさんとは全然似ていないが、優しそうな目をした男だった。 「おじさんは、れいむにいじわるしないの?」 れいむは、先程市場で矢のように浴びせられた罵詈雑言の数々を思い出す。 それだけで、小さな胸は張り裂けそうなほどに痛んだ。 「大丈夫。おじさんは、おちびちゃんの味方だよ」 キタはそう言うと、れいむの頭をよしよしと撫でる。 れいむは悟った。この人は、昨日のおじさんと同じタイプの人だ、と。 そして、ほっとした。これでゆっくりできる。ここはゆっくりプレイスなんだ、と。 「お、おじさん…。れいむ…れいむね…」 思わず涙が溢れ出す。キタはそんなれいむを見て、申し訳なさそうに口を開いた。 「ごめんね。市場の人達を許してやっておくれ。あの人達も、随分酷い目にあってるからね。ああなるのも仕方ないんだよ」 そこに、ガラガラガラっと勢いよく、引き戸が開く音がした。 「ただいまー! あれ、父ちゃん帰ってるの?」 10才くらいの男の子が、家に入ってきた。キタの息子らしい。 優しいキタの子供なら、ゆっくりできる子に違いない。 れいむは涙を振り払って、精一杯の笑顔で挨拶する。 「ゆっくりしていってね!」 だがキタの息子は、そんなれいむの姿を見て、つまらなそうな顔をした。 てっきり好意的な反応が返ってくるとばかり思っていたれいむは、ちょっぴりがっかりした。 「父ちゃん、何でれいむが家の中にいるの?」 その言葉を聞いて驚いたのはキタだった。 「何でって、お前、ゆっくりを欲しがってたじゃないか。だから、今日市場で貰ってきたんだよ」 「何言ってんだよ父ちゃん。僕が欲しいのは、『れいむ』じゃなくて『まりさ』だよ。いつも言ってるじゃない」 「ありゃあ、そうだったかね? でも、ゆっくりなんてどれも同じじゃないか」 「種類によって全然違うよ。それに僕、れいむって嫌いなんだ。見てると、なんかイライラするんだよね」 「そうかあ。お前が嫌いなら、貰ってくるんじゃなかったなあ。どうしようかね、これ」 れいむは、呆然とキタ親子のやりとりを聞いていた。 『ゆっくりなんてどれも同じ』『れいむって嫌い』『イライラする』『貰ってくるんじゃなかった』『どうしようかね、これ』 二人の冷たい言葉が、ナイフのようにれいむの心を切り刻む。 それは、ついさっき市場で受けた心の傷に、塩をすり込まれるようなものだった。 れいむの大きな瞳に、再び涙が浮かぶ。 れいむは先程、ここがゆっくりプレイスだと感じた。 キタは、昨日のおじさんのように優しい人だと思った。 だが、今のやりとりを聞いて、それが間違いであると分かった。 キタがれいむに対して優しかったのは、 息子へのプレゼントだから、大事に扱っていただけだったのだ。 キタにとって、れいむはただの『物』でしかなかった。 れいむは悲しかった。そして、腹が立った。 大声で、言ってやりたかった。『自分は物じゃない』って。 でも、そう言って市場の時みたいに暴力を振るわれたらどうしよう、と思うと何も言えなかった。 れいむに出来るのは、ただ、唇をかみしめて涙を流す事だけだった。 その時、れいむは、麓に下りてきた目的を思い出した。 自分は、昨日の優しいおじさんとゆっくりする為に山を下りたのではないか。 こんなところで、ゆっくりしている場合ではない。 れいむは、脱兎のようにキタの家を飛び出した。 丁度よいあんばいに、玄関の引き戸は、少しだけ隙間が開いていた。 キタの息子が、きちんと戸を閉めなかったのだろう。 キタは追いかけてはこなかった。 当然だろう、彼にとって、もはやれいむは無用の長物だった。 むしろ、捨てに行く手間が省けて喜んでいるに違いない。 れいむは再び、未知なる麓の世界を、歩き出すのだった。 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/507.html
第八章 九秒前の白 _at_one_or_zero_ 1 超能力開発機関『学園都市』第六学区。 とうの昔に日の暮れた街で、狂おしいほどに加速する魔王同士の争い。 花火のように。夜空を抉り瞬く光。 星のように。夜天を切り裂き流れる光。 鼓膜を襲う轟音の波は、瞬くたびに世界を揺るがせる。 五感を超えた恐怖を産む。 『蝿の女王』ベール・ゼファー、『荒廃の魔王』アゼル・イヴリス、そして、『東方王国の王女』パール・クール。 それは、ブレーキの壊れた殺戮機構。 夫々が裏界の名立たる魔王である彼女らの戦闘。人智を超えた暴力の応酬は、際限なく加速する。 二対一。 ベルとアゼルの二柱と、鎬を削るパール。 けれど、常に優勢であるのは、パール・クールであった。 ―――世界には、 どれほど知略をめぐらせても、どれほど力で圧倒しようとも、全てをひっくり返す、絶対的な力が在る。 非常にキニクワナイ。が―――、今のパール・クールが、正にソレだった。 魔導具『東方王国旗』。 この『学園世界』の『震源』に立てられた『旗』は、この世界をパール・クールの所有物であると証明する。 此処が、ただの忘却世界であるのなら、この世界一つ分の『力』を得るだけの筈であった。しかし問題は、此処が、ただの世界ではなかったこと。 『学園世界』。 それは、ありとあらゆる世界の学校/学園が集合する世界。 それは、ありとあらゆる、ソレこそ無限の世界の断片を寄せ集めた領域。 それは、無限の世界が重なり合った、一つでありながら無限(スベテ)である『世界』。 だからこそソレは―――、『学園世界』の『震源(中心)』は、無限の世界の中心足りうる。 故に、『震源』に立てた『東方王国旗』は、所有者たるパール・クールに『無限の力』を供給する。 だから、同じ基準の上では、決して追いつけない。 幾らこの身が、『蝿の女王』ベール・ゼファーの『力』が強大であろうとも、同じ方向の力を競ってしまっては、勝利はない。 必要なのは別の基準(フィールド)。別の方向性(ベクトル)。 幸運にも、手元にあった二枚のカード。 最強の最弱、上条当麻の幻想殺し(イマジンブレイカー)。『荒廃の魔王』アゼル・イヴリス。 即ち、端的な『秩序』と『死』。 けれど。それでも、届かない。 適材適所(さいだいげんのこざいく)。 しかし、その程度で追いつけるほどに、両者に開いた性能差は易く無かった。 それもまた、忌々しい。 必要なのは、もう一つ上の性能。 必要なのは、もう一つ先の能力。 成長が、喪失の回復であるのなら、ソレがもたらされるのは絶望の先。 失くし続けていた事に、気付くだけでは足りない。 其処から更に奪われなければ、届かない。 心に刻まれた虚は、大きければ大きいほどに、喪失の怨嗟は比例して、動的で強大な『力』足り得るのだから。 時計の針を、進めるしかない。 役目を終えた役者の粘り(ワガママ)が、スベテの日程を破壊する。 与えたものが至宝に至るには、まだ時間がかかる。 ならば、奪うべきものは――― 「………答えは、一つしかないわね」 2 花火のように。光が夜空を抉り瞬く。 星のように。流れ夜天を切り裂く光。 そして、瞬く光の度に、鼓膜を襲う轟音の波。 『―――情報、通信関係が何者かにハッキングされています。 自己診断(システムスキャン)では異常(ノイズ)を発見できませんでしたが、現状を鑑みるにそう考える他在りません』 0-Phoneのスピーカーは耳元だと言うのに、電話の向うの初春の声が、上手く聞き取れない。 『残念ながら、回線越しでは『対話の相手(わたし)』が初春飾利と証明できません。ですが―――』 意識が他所に奪われる。 三柱の魔王が争う光景は、その余波だけで学園都市を震撼させる。 まるで、夜戦の記録映画だ。 遠目で見るには美しく、けれど虐殺を約束する死の光が、途切れる事無く、学園都市の空を埋め尽くしていた。 『………って、柊さん、聞いてます? そっちは通話環境があんまりよくないみたいですけど』 「ああ………、聞いてる」 返す言葉も上の空。ただ、その光景に圧倒される。 あまりにも巨大な暴力の発露に、超能力(レベル5)という『力』を持つ御坂美琴ですら、その暴力の主を知っている柊蓮司は、更に輪を掛けて、 常に、言葉を喪失している。 『兎も角そっちに行きましたから、彼女から聞いてください』 初春飾利は、そんなコトを言った。 そして、 「お待たせで在りますよ!! 蓮司! 美琴!!」 マーセナリー・オブ・イタリアンヴァンパイア。 ノーチェという名の吸血鬼傭兵は、分を置かずに登場した。 けれど、そんなコトどうでも良くなるぐらいに、気にかける余裕をなくすほど、遠雷の戦場が二人の心を占めて居た。 ―――絶望的に、 魔王という名の暴虐の塊。地獄から這い出た悪鬼の暴力。 絶望的なのは人間(ひと)の命だ。 柊蓮司(ナイトウィザード)と御坂美琴(超能力者)ですら、その余波に恐怖する。 五感を超え、精神すら蝕む恐怖を前に、魔王同士の争いに巻き込まれて、上条当麻(ただの高校生)が無事であるなどと、どう信じろと言う。 心が軋む。 余計な回り道が悔やまれる。もっと早く助けに行っていれば、もしかしたら。 だから、 「―――急いで上条当麻を保護して欲しいので在ります―――」 傭兵吸血鬼が吐いたその科白を、理解するのに少し時間が必要だった。 3 花火のように。夜空を抉り瞬く光。 星のように。夜天を切り裂き流れる光。 鼓膜を襲う轟音の波は、瞬くたびに世界を揺るがせる。 学園都市で繰り広げられる、異世界の魔王の狂宴は、未だ終わりを告げる気配が無かった。 『東方王国の王女』パール・クールは、余りある『力』を、余す事無く火力につぎ込んで、異世界の街並みを灰塵に埋めてゆく。 学園都市で繰り広げた、『蝿の女王』と『荒廃の魔王』との闘争。パール・クールは、己が策謀を以って、ベール・ゼファーの策を打ち破り勝利した筈だった。 本当ならばソレで終わり。あとはこの世界を奪い取って、更なる力を得るだけ。 その筈だったのに。 (嗚呼、イライラする………) 爆炎の向うから、光が走る。肌に覚える感覚から、尋常ではない威力を感じ取った。 並みの魔王ならば、一撃で消し飛ぶ魔光。しかし、今のパールには児戯に等しく。 「――――。」 一瞥。ただそれだけでベール・ゼファーの光は霧散する。 直後、いつ間に回りこんだのか、背後からも弾丸が迫る。 反応できずに直撃。けれど、アゼル・イヴリスの血弾も、自慢の柔肌に。キズ一つ付けられない。 そう、彼我の戦力差を鑑みれば、勝負はとっくに決まっている筈だった。それでも、敵対する二柱の魔王は、諦める事を知らなかった。 「あんたらいい加減にしなさいよね。仮にも魔王が晩節を汚すんじゃないわよ」 まるで人間のように。諦めが悪く、逃げ回りながら、隙を見て攻撃を重ねてくる。 キズ一つつかない。とは言え、だからこそ、そんな敵を潰せない事に、パール・クールのストレスは右肩上がりに昇っていく。 諦めが悪い。この絶望的な状況で、何故心を折らないのか。 ここに固執する理由など無い。所詮、忘却世界の一つ。 いまに固執する理由など無い。奪還する気なら、今は損害を抑えておくべき。 なのに何故、『蝿の女王』と『荒廃の魔王』は足掻き続けるのか。 「あの人間。かしらね……」 特異な右手を持つ。けれども普通の人間。ソレを使って、あの二柱は状況を逆転できると思っているのか。 一笑に付す。 幾らなんでもソレはありえない。人間如きに、仮にも魔王が希望を見出すなど。 嘲弄を貼り付けて、パール・クールは攻撃は苛烈の一途を辿る。 * * * 紅い月の光の下で、激突する力と能力(チカラ)。刻まれる、人智を超えた争いの爪痕。 パール・クール。アゼル・イヴリス。 世界を震撼させる二柱の魔王。その闘争は、既に元第六学区では収まりきらず、ビルを砕き、道を抉り、破壊の爪あとは拡大の一途を辿る。 機銃を掃射するように、爆撃がばら撒かれる。 二柱の魔王は光の航跡を引いて、高層ビルの谷間を縫うように飛行する。 「いい加減! 諦めなさい!!」 「私は―――、負けない!!」 整然と立ち並ぶ高層ビル群を挟んで、攻撃魔法の応酬は更に加速の一途を。 黒々とそびえるビルの合間。高速飛行の最中では、針の穴のような僅かな隙間から、僅かに覗く敵の姿に、致命的な魔術を投げつけた。 針穴を抜け、肉薄するものは防ぐ。そうでないものは、ビルの壁面を抉り取り、そもそも身体に届きはしない。 流れる風景は、ビル壁と敵とを交互に繰り返す。 壁、敵、壁、敵、壁、敵、壁、敵、壁、敵、壁、敵、壁、敵、壁、夜。 「!?」 幾つ目かのビルを過ぎた瞬間、驚愕にアゼルは身を留めた。 攻撃の瞬間、その視力は、何も居ない空間を認識する。 パール・クールは何処だ。隠れるところなど、何処にもない筈。 ――!? 第六感に走る脅威に、即座に反転。 奇襲。 ビルを突き抜け、粉塵に身を隠し、パール・クールは、右手に刃を生んで斬りかかっていた。 「くぅっ!!」 変形した右手の刃が、魔力を束ねた光剣を受け止める。 無音の衝撃に、夜気が震えた。 鍔迫る右手が焼ける。プラーナをつぎ込み即座に修復。痛みが続く限り、敵の刃は届かない。 斟酌の間を越え、互いの瞳にお互いを見出せる距離で、にらみ合う。 「………ホント、しつこいわよ、アンタ」 口火を切る、『東方王国の王女』。 光剣をギリギリと押し込みながら、嗤う。 「………、―――っ!!」 対するアゼルに、返答の余裕は無い。 ここでヘタに力を抜けば、右手ごと身体を二つに割られる。 「絶望と諦観がアンタのクセに! 荒野のヒキコモリが、このパールちゃんの手を煩わすんじゃないわよ!!」 諦めろ。そして、死ね。 漆黒の瞳に、燈る敵意が謳う。 だが、 「私は―――、負けない」 パールの光剣が押し戻される。 アゼルの右手が、首筋に向かうのを止められない。 「っ!! このっ!」 からみ合う刃を外し、パールは一歩退いた。 抵抗を失ったバイオオーガンは、鋭く夜気を切り裂いた。 向けられる刃に、不機嫌に、パール・クールは眦を吊り上げる。 「なに、ソレ――――」 負けない。私は、負けない。 アゼル・イヴリスはそういった。 彼我の戦力差は絶望的。出来るのは惨めに足掻く事だけ。如何在っても、彼女(アゼル)にこの状況をひっくり返す事などできないのに。 「私は―――、負けない。 上条君を信じてる」 繰り返し、曇りの無い瞳で、アゼルは言った。 月匣に送り込んだ少年が、必ず戦況をひっくり返すと、『信じている』。 「は?」 一瞬、パール・クールは忘我した。 アゼルが何を言ったのか理解できなかった。 『信じている』 彼女はそういった。 仮にも魔王が、人間に向って『信じている』。 「あ―――。 は。アハハハハハハハハハハハハははッッ!!!!!!!!!!!!!」 嘲笑う。 腹を抱えて呵呵大笑。 なんてこと。人間如きに、魔王が、仮にも魔王が。 「あははははは!!!!!!!! ねぇ、アンタ。あたしを笑い殺す気!? 最高じゃない、その冗談!!」 嗤う。哂う。 「―――貴女には、解らない」 ただ一言。アゼルはそうとだけ告げる。 曇りなく揺ぎ無く、ただ確信していると。 その様子に、パールは眦から涙をこぼす。 「あははははは!!! いいわ、最高よ!! 私の月匣を、たかが人間が踏破できるなんて本気で思ってるんだ!!」 そして決める。 その貌を絶望に染めてやると。 月匣を任せている配下に命じて、上条当麻を必ず殺してやる。 そしてその死骸を見せ付けてやれば、こいつはどんな表情をするだろう―――? 「あははははははははは!!!!」 せめて、ソレまでは保ちなさいよ、アゼル・イヴリス。 哂いながら、パール・クールは侵攻を再開した。 4 トンネルを抜けると、其処は雪国だった。 「みぎゃあっ!!」 まるで猫のような悲鳴をあげて、普通の高校生・上条当麻は雪原にダイブする。 『じゃあ逝って来い』と、不吉な科白と共に背中に弾けた鋭い痛みは、ハイヒールの踵で蹴られたもの。 ハイヒールである。しかも踵。 理不尽な不意討ちに悲鳴をあげて、その上。 「おぶっ!?」 硬質な地面に顔面を打ち付けて、重なる悲鳴。 「ふ、不幸だ―――」 顔を抑え、よろよろ。ゆらゆら。と、起き上がる。 「ちょっとっ!! いきなり蹴りくれるとは、余りに乱暴じゃぁございませんことっ!! その辺何か申し開きがあるなら、今すぐ口頭にて報告のこと!!」 口調錯乱。そして怒鳴る。 けれど、 「あれ?」 振り向いた先に加害者たる黒いドレスの女は無く。 白い。 雪原のように白い世界が其処にはあった。 「………。え?」 あくまで白く、果てまで白い世界。 視覚でわかる。 リノリウムのような、アスファルトのような硬質の感触が、ソレが雪の色でないことを如実に語っている。 つい先ほどまで、瓦礫の転がる廃墟に居た筈なのに、コレはいったい如何言うことか。経験は無いが、まるで空間移動でもしたかのようだった。 上条は自分の右手を見つめる。 それが異能の力であるのなら、仮令神様の奇跡ですら打ち消す右手。その効果があるのは右手の手首から先だけ。右手以外ならば効果は素通りする。 しかし例外的に、右手を含む全身に効果を及ぼすような異常は、打ち消される事がある。 例えば、夏の御使い堕し(全人類の中身の入れ替え)や、神の右席の神罰執行(強制失神)などは、上条当麻に効果を及ぼさなかった。 存在を喰らう結界に囚われても、無事であったのも右手の力だ。 だと言うのに、コレはいったい如何言うことか。 首を傾げながら、上条はぐるりと辺りを見回す。 どこまでも、何処までも。見渡す限りに白一色。 単色の世界。地平の境界線は曖昧。 対象物は無く、広大な空間に、遠近感が狂う。 奥行きは見て取れぬ。白い壁が目前に迫るような圧迫感。 鳥肌が立った。 「……う゛ぇ……。キモチワル」 慣れない光景に、眩暈を覚える。 悶絶する事、数秒。上条は再び視線を上げた。 何時までも、悶えているワケには行かない。 ―――アイツの力の要は『東方王国旗』。 問答無用のマジックアイテムなんだから、アンタの右手にかかれば一発でぶっ壊れるわ。 上条が此処に送り込まれたのは、その『旗』を叩き折るため。 そのために、アゼルたちは二人で強大な敵に立ち向かっている。一秒たりとも、無駄にして良い時間など無い。 「と、兎も角。この何処かに月匣ってのが在る筈だ―――」 けれど、見渡す限りに白、白、白。 地平線は曖昧で、対象物すらない。ただ只管に広大で、無辺な、空白の世界。 こんな、意味不明な白の中で、 「……―――。一体、何処に行けってんだよォオおおおおおおおおおおおおお!!!」 「うっさい。黙れバカ」 今度は、革靴(ローファー)で蹴っ飛ばされた。 「まったく。巣から落ちた小鳥じゃあるまいに、ピーピーピーピー鳴いてんじゃ無いわよ」 理不尽な体罰を執行した張本人を、上条当麻は恨めしげに睨み付ける。 「て、てめぇなぁ……―――」 紫を基調とした上品な制服の上から、星と太陽をあしらった高山外套を羽織った銀色の少女。 今夜の騒動の原因その一、大魔王ベール・ゼファー。 魔王は、軸足に体重を預け佇んでいる。すぐにでも第二撃を放つ準備は万端だ。 三白眼を半眼にして、上条は言った。 「スカート」 「!?」 輝明学園の制服は丈が短い。だからといって見えたわけではないが。 地味な復讐に、今度は、鉄拳が飛んできた。 「いきなり何しやがるコンチクショウ!!」 「………ふん。こんな所で油売ってんじゃないわよ。何が出るか判らないし、時間無いんだから」 「いや、ソレは俺だって判ってんよ。でも、何処に行けってのさ」 明らかな八つ当たりに、上条はぐるりと首をめぐらせる。 そこは変わらず、あたり一面の真白。空薄で空虚な、純白の闇。 そんなもの星の無い夜の海と何が変わろう。導なく寄る辺無い空間で、一体どちらに向えというのだろうか。 上条だって焦っている。 ソレを見て、 魔王は一つ溜息をついた。 「道は、何処にあると思うの?」 「…………?」 余りに唐突な発言に、上条は首を傾げる。 「ごめん。いきなりそんな哲学っぽい事訊かれても訳判んねー」 「……。はぁ」 魔王は再び溜息をついて。 「―――まったく、コレが肉のある人間の限界なのかしらね……」 「……肉て」 生々しい表現に呻く上条を他所に、波打つ銀髪を掻きあげる。 「意思在る所。よ」 「……???」 「『意思あるところに道はある。』 たとえ未踏の砂漠であろうと、不毛の氷原であろうと。意志を持って進むと決めれば、おのずと道は生まれでる―――。覚えておきなさい―――」 ベルの黄金の瞳が、真直ぐに上条を捉えた。 「あんたが、アゼルを助けたいと願うのなら、その過程(道)は目的(結果)に、繋がるべくして繋がるもの―――」 そう、魔王が言い終えると同時、 「!? うおぅわぁ!!?」 ソレは如何なる業か。あらゆる異能を打ち消す少年は、見えざる手により大地から持ち上がる。 視界が俯瞰に書き換えられる。鳥ではなく、空中浮遊系能力者でも無い上条が、経験したことも無い鳥瞰の視界。 鳥瞰に捉える無辺の視界に、輝線が走った。 果てに向かい真直ぐに引かれる線は、垂直に、そして水平に、一定の法則を伴い縦横無尽に駆巡る。 「嘘だろ。おい」 『道』が、そこに。 ファンタジー映画のようなクオリティの現象に、上条はポカンと口を開く。 呆然とする彼の足元には、ワイヤーフレームで描かれた、万里に架かる長城の偉容。それが、押し上げられた上条当麻の身体を、受け止めていた。 ← Prev Next →
https://w.atwiki.jp/dreamcity/pages/11.html
~一夜の長い夢から覚めた~ 宇宙暦 5000年 1月 1日。 宇宙は第二次宇宙大戦の真っ只中だった。 激突するのは二つの星。倭星VS惑星オメガ。 100年程前から始まったこの戦争は、数々の星を巻き込み、今もなお続いている。 とある、倭星領土の星。 ある孤児院で一人の少女が目を覚ました。 (今のは夢…?) 少女の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 あれはとても長く感じた夢だった。 とても楽しい時間だった。 私はお姫様。たくさんの人に囲まれて…。 最期は…夢のみんなが死んでしまって…。 涙が出てきた。 「リサ、どうしたの…?」 隣の部屋のサキ。起こしに来てくれたみたい。 …とても長い夢を見ていたみたい… いろいろな夢…私はお姫様だった… 「ねぇリサ!その話もっと聴かせて!」 サキ、ジュン、ユキ、そして私。 4人が同じような夢を見ていた。 みんなそれぞれひとつの星のお姫様。 みんないろんな仲間に囲まれて…。 最期はみんな、死んでしまった夢だけど…。 私たち以外の子に聞いても同じような夢を見た子はいなかった。 「なんだか不思議よね…。」 年の初めの夢。正夢になったらどれだけうれしいだろう? (まぁ、死にたくは無いけど…?) 「で?話ってなんなの?ジュン。」 今日4人が集まったのは、ジュンが大事な話があると言ったから。 「私、ここを抜け出そうと思うの…。」 この星では、孤児院に住む子供は男18、女16才を超えた4月、 倭星軍へほぼ強制的に入れられてしまう。 男は兵隊、女は医療や雑務係。 ささやかなうわさでは、孤児院は軍の養成所と言われている。 入隊までに他の職が決まれば、それは免れるらしいが、18や16の子供に何が出来るのか…。 ジュンも 1月 7日で16才。今年の4月には、軍に入隊させられてしまう。 「ここのセキュリティから抜け出すなんて不可能よ。」 横から来たのは、小町。右目に痛そうな痣を持つ、16才の女の子。 「やってみなきゃわからないでしょ!?」 「やってからじゃ遅いのよ。」 「…何かあったの?」 彼女は、右目以外にも身体に複数の痣を持つ。 はじめ、本人は親からの虐待によるものだ、と言っていたけど…。 「それは半分、もう半分はここの管理者たちからの拷問で付いたものよ。」 マチ(小町のこと)も、12才の時に抜け出そうとしていたが、呆気無く捕まってしまった。 その後、誰も知らない地下に連れられて、三日三晩、休み無く体罰を受けたらしい。 これでもかというくらい…。 もう2度と脱走を企てたりしないように…。 「ようやく解放されたとき、私はそう思ったわ…。身体の痣は消えなかったけどね。」 「どうするの?ジュン…。」 「それでも…私はここを抜け出す! …今朝の夢のおかげで、やれる気がする!」 今朝の夢は、私たちに勇気や希望、夢を与えてくれた。 「おもしろそうね…私も連れて行ってよ。」 「さ…サキ…?」 言い忘れたが、ジュンとサキは仲が悪い。 「失敗したらあんたも牢獄行きよ?」 「ジュンと一緒ってのは気に入らないけど、何とかなると思う。 全ての自信はその夢から。私たちなら、必ず成功する!」 「…なら私も行こうか…二人の喧嘩を止める役もいないと…。」 「いっいいの?ユキ!?あなたたしか学校の先生になることが決まったって…!」 ユキは頭がいいのだ。ちなみに私とユキも仲が悪い。 「4人揃ってやったら絶対成功するよね♪」 ....................................? 「ってリサも行くのぉ?!」 決行は今夜2時。マチが教えてくれた、セキュリティの検査がある時間。 (4人で夜逃げ…神様、お願いします。どうか成功しますように…!) 昼休み。 見かけない一人の男の子が立っていた。 「彼は今日入ってきたばかりの新入り。流集 大地って名前なんだって。」 マチが教えてくれた。見たところ、17か18才というところ。 「目が怖いのよ…今日はまだ近づかないほうがいいわね…。特にリサ。」 「…もういないわよ?」 私は、誰とでも仲良く出来るように心掛けてきた。 ジュンも最初はトゲトゲしてて、誰も寄せ付けようとはしなかった。 サキは落ち込みが激しくて、全く人と接しなかった。 ユキも最初はずっと暗かった。今では喧嘩し合えるくらい明るくなった。 「私たち、みんなリサに感謝してるのよ。」 とても嬉しかった。だから私は、周りに笑顔を運ぼうと思った。 …!一瞬キツくにらまれて、動けないうちに去られてしまった…。 2時。決行の時。 ジュンは予め、鍵を作ってたみたいで、順調に扉を抜けていく。 順調に暗闇を抜けていく…。 「待って!人がいる!」 ユキの目は特殊で、まっ暗闇でも辺りを見渡すことができる。 「4人ともなにピリピリしてんのよ。私よ私。」 マチだった。見送りに来てくれたのかな? 「これ、持ってってよ!私との思い出ってことでさっ!」 マチはいつも髪留めをしている。その髪留めを私たちにくれた。 「成功を祈ってる!頑張ってね!」 外に出た。星が見えない。真っ暗闇。 「後はこの門を越えて、5日逃げ切れば自由よ!」 孤児院は、脱走者を5日見つけられなければ諦めるらしい。 「…どうしたの?ユキ。」 「ちょっと気になることがあって…。」 カチャカチャ!! ジュンが鍵を開けている。 「マチの目の痣が増えてた…。」 カチャン★ よっしゃ! 「行くよ!」 4人は前へ踏み出した。新たな生活、新たな夢を見るために…。 と、同時に、警報が鳴り出した。 『警告 警告 逃亡者を発見 ただちに捕らえよ! 警告 警告 逃亡者をただちに捕らえよ!!』 門に設置されていたセキュリティに捕まった。 「マチぃ~!動いてるよ~!」 「みんな!あそこのマンホールに!なんとしても逃げ切るのよ!!」 マンホールの中は闇夜よりもさらに暗かった。 今の頼りはユキの目だけ。ユキがいなかったら、みんな逸れてしまっていただろう。 「臭~い!ジメジメする~!」 「我慢しなさい!」 「でもさ、まさか女の子がこんなとこに逃げ込むとは思わないよね?」 『こっちだ!急げ!』 来た。 「なんで?!普通は地上から探さない?!なんでいきなりこっちに入ってくるのよ!」 そう、まるで、私たちの居場所が分かっているよう…。 「…まさか!!」 パキ… マチの髪留めに、発信機が付いていた。 「マチの様子がおかしかった…。まさか私たちを嵌めていたなんて…!」 サキも違和感はあったみたいだった。 脱走を止めようとしながらも促した事。 髪留めは親の形見で、いつも肌身離さず持っていたこと。 「目の痣が増えていたのは、多分まだ拷問が続いていたんだと思う。 新たな脱走者が出れば、解放してもらえる約束だったんじゃないかな…。」 『発信機が壊された!』 『構わん!近いぞ!』 迫る足音。迫る追っ手。地下は音がよく響く…。 私たちは…もう…捕まるしかないの…? (念じろ) 何かが聞こえた。 「リサ早く!走って!!」 (君達4人が行きたいところを念じろ。 そうすれば、必ず道が開かれる。 私を信じろ。 4人で、力を合わせて念じろ!) 神の声が聞こえた。みんな、聞こえたみたい。 「…やるの?」 やるしかない。 「…でもどこへ?」 私達4人が知っているとこなんて、孤児院しかない・・・・・・・・・! 「チキュウへ行こう!」 夢の中の舞台。あれは確か、【チキュウ】という星だった。 「でも、そんな星あるの?」 「いいじゃん!やってみようよ!目的地は、チキュウで!」 (4人で力を合わせれば、必ず念じた場所へ行けるだろう。急げ!) 信じよう。みんなを。 信じよう。神様の言葉を。 信じよう。夢の続きがあることを。 チキュウに。夢の世界へ行きたい! 「消えた?!…そんな!逃がしたのですか?!」 小町が管理者の一人に向かって吠えた。 「違う。目前で4人が消えたんだとさ。」 「何言ってるんですか!そんなこと、普通人間に出来るわけないじゃ…!」 「普通の人間、ならな。」 「!?…まさか…あの4人…神人(エルニル)!?」 神人(エルニル) 人々はこう呼ぶが、実際は、魔法や超能力を使用できる者のことを指す。 この世界は、全てが真粒子によって構成されている。 大昔、ある学者がそう唱えた。 真粒子は存在するかしないかの2パターンのみの変化をし、その変化の組み合わせによって、 全宇宙の全てを構成しているというのだ。 (コンピュータの0or1のようなものと言えばわかりやすい…?) その真粒子を操る能力をもって生を受けた人間を、神の力を駆使できる人間ということで、 エルニルと呼ばれている。 人が神人となる可能性は全宇宙平均で10億分の1。 神人は遺伝や家系、血筋は全く関係なく、ポロっと生まれてくる。 しかも、この能力に気付かない神人も多い。 そのため、昔、この能力を「神の贈り物」と呼び、それを使用する人間を、 「神人(エルニル)」と呼ぶようになったのが由来である。 なにもないところに火や水を生み出したり、錬金術のように物を変化させたり、 人を、全く違う場所へ転移させたり…。 様々なことが真粒子を操ることによって可能になるが、全てが出来るわけではなく、 エルニル本人の属性によって、能力は制限される。 生きる者(動植物その他いろいろ)はみな、この世に生を受けた時点で、属性が与えられる。 例えば、魚なら水属性、木なら土属性と植物属性など。 人も例外ではない。 後に紹介するが、ジュンは水と海、サキは火の属性を持つ。 水と火はもともと相性がよくないため、この二人も仲が悪い原因の1つなのかも知れない。 「もしそうなら勿体ないな。なんとしても捕まえないと…。」 管理者がつぶやくその傍ら、小町は倒れこみ、泣いていた。 (小町のおかげで神人も見つけられたし、そろそろここから出してやるか…。) 周りは山に囲まれていた。 植物の緑と、空の青と、土の茶色と、雲の白の世界。 自然が豊かな、心地よい世界。 心地よい風が当たり、目が覚めた。 (気持ちいい…。) 徐々に頭も冴えていく。 (……って…あれ?みんなは?!) 「おぉ~ぃ!リサ~~~!起きた~~~?!」 遠くからジュンとサキが歩いてくる。 「起こしてくれたっていいでしょう?!」 「いやぁ…あんまり気持ち良さそうに寝てたんで…。」 置き去りなんて…ヒドイ…。 「で、どこ言ってたの?」 「3人で手分けしてこの辺を探索してたんだ。サキがあっちのほうに建物見つけたんだってさ!」 「行ってみようよ。」 「…ユキは?」 「.........あ。」 ユキの目は暗闇でとても頼りになる…けど、その反面、極度の方向音痴だった。 孤児院でも最初、どれだけ迷ってたか…。 「ここ…どこ?」 案の定、ユキは迷っていた。 しかも周りは自然ばかり。どこも同じに見えてしまう。 「あなた、ユキさんですか?」 ふと、声が聞こえた。 横に、どこか見覚えのある人が立っていた。 「やっぱりユキさんなんですね!お久しぶり…いいえ、はじめまして!」 聞き覚えのある声、誰だっただろうか。 長い髪がなびいていて、顔がよく見えない。 ただ、とても気品のある、綺麗な顔。 「…私のこと、お忘れですか?」 いや…あなたさっき、初めましてって言わなかった? 「…夢、覚えてませんか?」 夢…昨日の夢…その瞬間、彼女(彼かも?)の髪が揺れ、 額に見覚えのある逆三角の紋章が見えた。 「イ…イーリア?」 「はい!はじめまして!ユキさん!」 イーリア…夢の中では占い師(的中率の低い)だった女の子。 その占いで、夢の終わりを予言した。 仲間になったのが遅かったから、あまりよくわからない人だったという印象。 「イーリアも、同じ夢を…?」 「はい。…立ち話もなんですし、私達の住処へ行きませんか?」 「あ、いや、まだ他にも3人いるんだけど…。」 「リサさんとフレイムさんとジュンさんですね?」 そう言って目を閉じた。ちなみに、フレイムとはサキの夢の中の名前。 「大丈夫です。その3人も山を降りています。では行きましょう。」 目を閉じたのは、占いでもしたのだろうか? ただ、夢での成功率の低さが引っかかる。 「聞いていいのかな?占いの成功率って、どのくらい?」 ちょっと、気品のある顔が引きつって…、 「20%くらい…。」 2人で3人を探すことにした。 山の下には、集落のようなものが広がっていた。 それぞれの建物の大きさはほとんど均一で、道に沿って100件くらいあった。 その外れにひとつだけ、とても大きな…20階建てくらいの建物があった。 (日照権は大丈夫そうね…。) イーリアも昨日ここへ来たばかりで、今はこの広い集落に2人だけで住んでいるらしい。 「イーリアの恋人?」 「違います。」 その大きな建物の8階、もう一人の住民が待っている部屋の前に着いた。 カチャ 中にまた、どこかで見覚えのある顔が…。 「だッ、大地?!」 孤児院を抜け出す日、入ってきた新人の男の子。彼がここにいる。 「大地?それがゼロさんの本名ですか?」 「え、ゼロって名前なの?」 「いや、どっちも偽名。」 (なんで偽名…。) あ、そういえば…この声、もしかして、地下道での神の声…? 「いろいろと聞きたいことがあるんだけど…。」 4人の意見が揃った。当たり前の意見だけど。 「質問の前に私がいくつか話をしておこう。」 「まずあの夢だが、私がみんなに見させた。」 「!!??」 いきなり核心をついた言葉。 「夢の内容はどんなものだったか知らないが…。」 「ちょちょちょちょっ!…質もーーーーんっ!」 リサが飛びついた。リサがやらなければおそらくジュンが同じことをしただろう。 「夢を見させたってそんなことっ…!」 「神人の能力のひとつだよ。」 「エルニル!」 「その夢にいた中心人物を、私はここへ集めようとしている。」 まずイーリア、そして私達。他にも沢山いたはず。 「ただ、夢を見る者は私が決定したわけではない。 あの夢を見た者は天から選ばれた、といえるだろう。 君達が4人とも見られたのは、こちらとしても幸運だった。」 孤児院でも、仲が悪いだなんだといっても、この4人は結構共に過ごしていた。 ジュンとサキの喧嘩を止めるのはリサかユキ。その逆もまた然り。 「仲間はノンビリと集めようと思う。」 「みんなの居場所はわかるの?」 「そのための、イーリアだ。」 イーリアは、夢でも最後のほうにしか出てきていなかった。 それなのに一番最初に呼ばれていたのは、イーリアの占いがあったからか。 「でも、当たる確率悪いんじゃン?」 「まあな。」 怒。また顔が引きつった。 「しかしそれでもかなり楽になった。まぁ無駄足も多いけどな。」 そりゃ、この全宇宙からたった数十人を集めるなんて、少しでも当てがあるほうがいいだろう。 「で、君達4人はここに住むか?」 「え?」 「勝手に連れてきておいてなんだが、拒否もできる。」 夢と現実にはギャップがある。 私の見せた夢には、その個々の憧れや理想、その他想いが少なからずとも反映される。 夢のようには行かないが、少しはそういった生活も望んでいただろう。 (たしかに…みんなお姫様に憧れていた。) 「ここで暮らすとしてもだ、いつでもここから抜けたいときは抜けていいからな。」 私達には行くところがない。故に選択肢もなかったりする。 「ただここにいる場合、いくつかやってもらいことがある。 人集めの手伝いや、家事、この星の探索、あとは修業とか。 まぁほとんど自由にしてもらって構わないが。」 「修業って?」 「神人の能力を普段からいつでも使えるようにな。 この星も今は中立、未開惑星だから平和だけど、いつなにが攻めてくるかわからない。 せめて、自分の身は自分で護れるように力をつけてもらいたい。」 この星、チキュウは、戦争に介入しない未開惑星だった。 どおりでこれだけの自然が残っているワケだ。 未開惑星と位置づけられた星には、両軍とも介入してはいけない。 この決まりは一応だが守られている。 ただ、ある程度の文明を持ったと判断されれば、その星の未開惑星という位置づけは解除され、 様々な星が介入してくる。そのときの対応次第で、その星は、植民地か中立になるか決まってしまう。 「…って、エルニルって…?」 「君達4人ともが神人なんだよ。」 少しの間、時が止まった。 私達が神人…? まだ一度も会った事のない、あの憧れの…。 こんな、平凡で孤児の私達が…。 「マジで?!」 「あぁマジで。」 即答。 「君達が4人とも神人でなければ、あの地下道からこの星へテレポート出来る筈が無かったから。」 「すっごーーーーーーーい!!」 リサが大声を上げた。 あの憧れの存在が、実は私達だったのだから。 ちなみにイーリアは、神人ではないが、巫女の血を受け継いでいる、とかで、 超能力に近いものが使えるのだという。…修業を積めば。 「とりあえずだ、しばらくは夢の中にいた者達を集めることからだな。 出来るだけ全員を集め、夢の町、ドリームシティを完成させよう!」 今ここに、新たな町が生まれた。 その名を、ドリームシティ。 夢の町。 夢の中とは違った、現実で見る新たな夢の始まり。 私達が消えない限り、終わることの無い夢の世界へ…。 目次へ
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/49.html
床下のお家 12KB 前作 SSの元ネタ絵:銀バッチ(笑)まりさのイラスト 不感症なまりさ 水の上で飼ってみた まりさが何かにレイプされた話 この家族は、冬越しの為に人里へ降りてた すでに12月間近のこの時期、普通ならバカなレイパーでもすっきりを自制する季節 しかし、この夫まりさと妻れいむは、寝相でついすっきりした結果、子供ができたせいた 冬が近いため間引いたが、子供でゆっくりしたいため、それでも自分に似た1匹づつ残してしまった しかし、生まれてすぐ食べ盛りに入る赤ゆっくりの分の貯蔵は寒さ的に不可能だ まりさは、どうするか迷っていた、子供を間引くかれいむを・・・ だがその考えは実行されなかった れいむは提案した 人間の家にいけばゆっくりできると 「ゆ~ん、この家を、まりさ達のゆっくりプレイスにするよ!」 「わかっちゃよ、おとうしゃん!」 まりさは人里についてすぐに、ゆっくりプレイスにする家を決めた 地面であるコンクリートは、森とは比べ物にならないぐらい冷たい 生まれたばかりの赤ん坊を、帽子に乗せて移動するのも疲れ果てたからだ 「さっそく中に入ろうね」 「ゆっくりわかっちゃよ!」 親の言葉に1回1回、大声で反応する 少しでも自分を見てもらうため、ゆっくりさせてもらうための本能だ 自分を頼ってくれる元気な子供 2人は1回1回、涙がでそうなほど感動してしまう しかし人里は寒い、感動の余韻もそこそこに親子は入り口を探した 「どぼじで入り口ざんないのおお!!」 「ゆぁ~ん、しゃみゅいよ~」 「ゆっきゅしちゃいぃ!」 1時間近くかけて家を1週したが、入れそうな入り口は見つからなかった 鍵が開いてたとしても、ゆっくりに開けるのは無理に近い ガラスを割る芸当なんて、ドスか角があり力持ちな鬼種ゆっくりぐらいだろう 一家は途方にくれた 「ゆぐ・・・ごめんね、れいむにちびちゃん達・・・」 「仕方が無いよ、まりさ、きっとこの家の人間が入り口を隠す名人だったんだよ」 「おにゃきゃすいたよぉおお!!」 「しゃみゅいいいい」 「とりあえず、あの草むらで今日はゆっくりしようね」 しょげこんだまりさを慰めるれいむ 空気の読めないちび達 まりさは、軽くスルーして、草むらをれみりゃ達から身を隠す場所にして、明日になったらまた入れる家を探すことに決めた しかし、これが功をせいしたのか、まりさ達はゆっくりプレイスを見つけることができた 「・・・ゆ? ゆゆ! まりさが入り口さん見つけたよ!」 「ゆ!? ほんちょ!?」 「おちょーしゃんしゅごいよ! れいみゅが一番にはいりゅよ!」 草むらの後ろにあった穴に、家族は我先にと飛び込む と、言っても、ちび達は帽子の上でキャッキャ言ってるだけなのだが 「ゆぅ~ん?」 穴の中に入ったまりさが周りを見渡す 広い 今までのお家のどころか、皆と一緒にゆっくりした野原ぐらい広い 「しゅごいよ、とってもゆっきゅりひりょいよ!」 「あしょこは、れいみゅのへやにしゅりゅよ!」 「じゅりゅいよ、まりしゃの部屋にしゅりゅよ!」 部屋といっても仕切りも何も無い、そこはちょっとした凹みだった それでも、新しい家に自分の部屋がほしい子供達は、その凹みを取り合った 両親はそれを[ゆっくりしてるね]とニコニコして見守る 暫くして、れいむが子供達を止め、まりさの帽子に入れてもってきたご飯を食べてて、その日はゆっくり寝ることにした これが、最後のまともな食事になるとは知らずに 2日目 目を覚ましたまりさは家族を起こした 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 家族全員での挨拶 一日の始まりの、最高にゆっくりできる瞬間だった 「それじゃあ、おとーさんは狩りに行って来るね」 「いっちぇらっしゃい、おとーしゃん!」 朝ごはんを食べて、昨日、入ってきた穴から出ようとする が、まりさはでれないでいた 「ゆ? どうしたの?」 「な・・・」 「ゆぅ?」 「なんででれないのおおおお!!!」 穴には柵ができており、まりさは外にでれないでいた 「お、落ち着いてね、まりさ!」 れいむが諭すと、落ち着きを取り戻したまりさは柵に体当たりを始めた 「邪魔な壁はゆっくり壊れてね! ゆぎゃっ」 しかしびくともしない 逆にまりさがダメージを受けるほどだった 「ゆぎぎぎぎ、ゆっくり壊れろぉ!!」 「まりさ、落ち着いてね、ケガしちゃうよ!」 「おとーしゃんがんばれー」 「ばきゃな壁なんきゃ、ぶっこわしぇー!」 最初の体当たりを傍観していたれいむは気づいた これは、まりさでも壊せるものじゃない 最初の体当たりを傍観していた子供は空気をよまない まりさをはやし立てた 数分後 そこには、体当たりのしすぎで顔を擦り傷だらけにした、まりさが倒れていた 「まりさ大丈夫? ぺ~ろぺ~ろ」 「おとーしゃんにゃんで、まけりぇるのぉ!」 「このばきゃぁ!」 れいむは、まりさの気遣った 子供は、まりさを罵倒した 「ゆぐぐ・・・ごべんで・・・まりさがもっと・・・」 「いいんだよ、まりさ、今日は調子が悪かっただけだよ」 まりさは、この日ケガをしたので狩りに行けなかった れいむは、キズ口を舐めてまりさを少しでも早く回復させてあげることに努めた 子供達は、お腹がすいたと愚痴りまりさを無能と罵った まりさと、れいむは、慣れているかの様にスルーした 3日目 朝起きて挨拶をした 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね! おにゃきゃすいたぁ! ゆぁ~!!」 「しょうだよ! おにゃきゃすいて、もう、うごきぇないよ!」 挨拶もそうそうに、子供がお腹がすいたと言うので、家の中に生えていた草を集めて朝ごはんにした 家の中という事もあり、子供達も狩りに一緒に連れて行ってあげたら大喜びして走り回っていた 「それじゃあ、れいむ、狩りに行って来るね」 「まりさ、ゆっくり行ってらっしゃい」 お出かけの挨拶を交わす二人 子供達は、まりさへ挨拶もせず広い家を走り回っていた 「今日はいっぱい取ってくるからね・・・・・・・ゆっ!?」 「どうしたの、まりさ?」 れいむは、デジャブを感じた そういえば昨日は、硬い壁に邪魔されてでれなかった またあの壁が居るんじゃ・・・ しかし、れいむの予想は外れた 正確には、柵はあるがそれ以上の問題が発生したのだ 「雨さんが降ってるよ」 「ゆゆ!? ほんとうだね、ゆっくり降ってるよ!」 外を見れば、大雨がザーザーと言う音と、共に降っていた まりさ達からは見えないが、雷の音も遠くに聞こえる 「これじゃあ狩りに行けないよ・・・」 「ゆぅ・・・それなら家族でゆっくりすればいいよ!」 雨なら狩りに行けない なら、その分みんなでゆっくりできるではないか れいむの脳内餡子でゆっくり計算が行われた 「なんじぇ、きゃりに、いきゃないの!」 「おにゃか、いっぱいに、ゆっきゅりしちゃいよ!」 やはり子供達は空気を読まない 子供故に自分がゆっくりしないと気がすまない しかし、れいむとまりさも慣れたもの 華麗にスルーをして、ゆっくりさせた ゆっくりした子供達は、お腹がすいてることを忘れた 夜暗くなるまで家族は、ゆっくりした時を過ごした 「おきゃーしゃんのほっぺ、あっちゃきゃいよ・・・」 「おとーしゃんのほっぺ、かっきょいいね・・・」 就寝の時間 一家は纏まって床についた どこのゆっくりの家庭でも見れる光景だ これが、家族ですごす最後の夜だった 4日目 外は大雨 今日も、まりさが一番に起きてみんなを起こす 体が少し重く感じたまりさは、起きた体勢のまま、ゆっくり挨拶をした 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 愛する家族とのゆっくりした挨拶 その余韻に浸る両親に、異変を訴えた もっとゆっくりしようね、そう言い聞かせていたまりさとれいむも異変に気づいた 家族全員がくっ付いて離れれないことに 「ゆあああああ!? なんでくっついてるのぉ!?」 「ゆぎぎ、まりさにまかせてね! すぐにゆっくりさせてあげるよ!」 「いじゃいいいいいいいいいい!!!!!」 状況判断をしようとした、れいむ 剥がそうと身をくねらせた、まりさ 頬がひっぱられて痛みを訴える、子れいむ ちなみに引っ付いている順番は 親まりさの左後頭部に、親れいむの右後頭部 親れいむの右頬に、子まりさの左後頭部 子まりさの右頬に、子れいむの左頬 子れいむの右後頭部に、親まりさの左頬 親まりさ→親れいむ→子まりさ→子れいむ→親まりさ...... このような順番で数珠繋ぎになっていた 「ゆっきゅりできにゃいいいい!!」 「いやじゃぁ!! おぶぢがえるー!」 子供達が、ゆっくりできないと泣き叫ぶ 両親は、どうにかしようと相談するが一考に良い案が浮かばない 離れようとしたら、皮が薄い子供達が激痛を訴えた ぺろぺろして剥がそうとしたが、それも効果がなかった 泣き叫ぶ子供、おろおろと困り不安な顔をする愛する妻 まりさは、1つの決断をした 「・・・・皆、ゆっくり聞いてね」 「ゆきゅりできりゅかぁ!」 「ゆっきゅりしゃせろぉ!」 「まりさ・・・」 子供達は、相変わらずゆっくりさせろとうるさく吼える こんな状況じゃしょうがない そう自分に言い聞かせて、まりさは続けた 「今までずっとゆっくりありがとうね。まりさは愛しい家族と、とてもゆっくりできていたよ」 「どうしたの? なんで・・・そんな・・・」 「ゆっきゅりできてるわきぇないでしょ! ゆっきゅりしちゃいよおおお!!」 「初めてれいむと会って、一緒にお家を掘って、夫婦になって、子供ができて・・・いままでとてもゆっくりできたよ」 「・・・・・・」 れいむはじっとまりさの言葉を聞いていた まりさの目を見たら、何を決意したかわかってしまったからだ 「だから・・・まりさの分もゆっくりしてね!」 「まりさぁぁぁあああああ!!!」 「うるしゃいよ、ばばぁ!」 「ゆああぁぁぁぁぁあああ!?!?!? いじゃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 まりさは、家族への別れの言葉のあと体を思いっきり捻った 自分が犠牲になり、自分の皮だけ破れば家族を助けれる だが、まりさは誤算していた たしかに、まりさの皮は剥がれた くっきりと左後頭部に餡子が見える しかし、穴は1つ 思いっきり体を捻った結果、皮が薄い子れいむの皮も引きちぎってしまった 「いじゃいいいよお"お"お"お"お"!!!」 「ゆ"!? なんべ、でいぶぼ、やぶででるどぉ!?」 まりさの計算では自分が犠牲になるだけだった しかし、死ぬまでの数瞬、子れいむの様子が見えてしまった 親まりさと、子れいむは、わけもわからずそのまま息を引き取った 「ゆああああああ!! ぎょわいよおおおお!!! ぎぼいいいい!!! いじゃいいいいい!!!」 「ち、ちびちゃんゆっくり落ち着いてね!」 「ゆあああああ、いじゃいいいいいい、ぎぼいいいいい、いじゃあああああいいいいい!」 死体になった子れいむを、振りほどこうと、まりさは体を振った しかし、体を動かせば先ほどの、まりさと子れいむと同じ 未だ引っ付いてる親れいむに、皮を残し剥がれようとする 痛みが引くように親れいむに近づけば、死体が近づく 母に近づく、死体が近づく、振りほどく、痛みが走る、母に近づく・・・ 何度繰り返しただろうか その動きがようやく止まることになった 「ぐるばぁぁあああ!!」 「ゆっくり落ち着いてね!」 「 いじゃいいいいい!?!?」 子まりさが動きを止めた 母れいむの、おさげによる一撃で気がそれたためだ 「なにずるの! いじゃいで・・・」 「落ち着いてって言ってるんだよ! 死にたいの?! おとーさんとちびちゃんみたいになりたいの!!」 「ゆ・・・ぐ・・・いじゃいよぉ・・・・・」 殴られたことに反論しようとしたが、母れいむから生まれた初めて受けた体罰と罵倒にすっかり萎縮してしまった 「怒ってごめんね・・・でも、おかーさんは、ちびちゃんにゆっくりしてほしいからしたんだよ。ゆっくり理解してね」 「ゆっきゅり理解しちゃよ・・・」 不満が残るが、ここで食って掛かったらまたおさげで・・・ そう思うと黙るしかなかった (このままだと全滅だよ・・・でも、どうすればいいの・・・) 「おにゃきゃ、すいちゃよぉ・・・・」 (ゆゆ! そうだよ、れいむ閃いたよ!) れいむは圧倒的に閃いた 「ちびちゃん、コレがおかーさんの最後の言葉になるから、ゆっくり聞いてね」 「ゆぅ・・・わかっちゃよ・・・」 子まりさは、母の言葉なぞどうでもよかった まさか一生ゆっくりさせないようにするんじゃないか怖かった だが、れいむはそんな思いは欠片もなかった せめて、ちびちゃんだけでもゆっくりしてほしい そう願っていた 「おとーさんも、れいむに似たちびちゃんも死んじゃって、れいむとちびちゃんもこの通りゆっくりできない状態だよ」 「わかっちぇるよそんなこちょ・・・」 「だから、れいむも覚悟したよ」 「おにゃきゃすいちゃよ・・・」 「ちびちゃんは、れいむを食べて生き残ってね」 「ゆっきゅりしちゃいよ・・・ゆ? ご飯たべれりゅの!?」 「そうだよ、だから少しゆっくりお話聞いてね」 「ゆっくりわかっちゃよ!」 ご飯が食べれる 子まりさは黙った 「れいむは、これからちびちゃんのご飯になるよ」 (ゆゆ~ん、あまあまだよ!) 「でも、冬を越すには、れいむの体だけじゃ足りないから、れいむを食べたらおとーさんを食べてね」 (あまあまが、ふたーちゅ!) 「それでも足りなかったら・・・その時は妹のれいむを食べてね」 (でじゃーと、げっちょだじぇ!) 「できれば・・・できれば、妹は食べないで春さんが来たらお墓を作ってあげてね」 (なにゆっちぇるの? あまあまはまりしゃのなんだよ? ばかなの? さっさとしんじぇね!) 「以上だよ・・・じゃあね、ちびちゃん、ゆっくり生き延びてね」 (はやきゅ、あまあま、たべちゃいよ!) 「・・・・さぁ、お食べ!」 パカッ (あまあまげ~~~~っちょ!) れいむは真っ二つになった れいむの作戦、それはまりさと違い[お食べ宣言]をすることだ これなら自分が二つに割れて、ちびちゃんの皮は無事 れいむは、子のお腹がすいたと言う言葉をヒントに考え付いた作戦だった 1つの誤算を除いては・・・ 「ゆ~ん、うるしゃい、ばばあは、しんじゃね。すーぱーあまあまたいみゅだよ!」 親の死より、空腹優先 子まりさは、真っ二つになったれいむに飛びついこうとした 「ゆぅ~ん、あみゃあみゃ・・・ゆ? なんじぇ、あんよさん、うごきゃないのおおおお!?」 体を動かせど、体は微動だにしない それどころか、また先ほどの皮が千切れる痛みが襲う 「ゆぁー!? いじゃい! いじゃいよおお! あまあまたいみゅなのに、にゃんでぇ!?」 子供であるまりさが、どんなにがんばろうと動けるはずが無かった 真っ二つになったとはいえ、母の体積は自分の10倍近い 加えて、右頬には死んだれいむの体も引っ付いている 簡単なれいむの誤算だった 「ゆっきゅりしゃしぇてええええええ!!!!」 身動きが取れず、叫び続けるまりさの声は誰にも届かなかった 外は大雨、まりさの叫びをすべて打ち消すには十分だった それから1週間後 人間の家の床下には何も残ってなかった イラスト数点、SS数点を呼んでて複合合体 久々に書いたらこの結果だよ! トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る さすがゆっくり。何もかもが裏目に出るww まりちゃゲス杉ww(寝相ですっきりするような親の自己中心的な深層心理を引継いだのか?) ※軒下に忍び込んだのは分かったが、柵は何故出てきた?(破損したのを修理した?) -- 2018-01-24 22 12 17 赤まりちゃが面白かった 名作 -- 2016-02-28 09 16 37 赤まりちゃ…… -- 2016-01-09 08 20 56 このゲスまりちゃ~~~(怒) -- 2014-11-16 08 04 35 赤まりちゃ最低だなw -- 2014-05-13 21 41 41 赤まりちゃは、空腹ゆうせんかよ!!!親の死どうも思わないとかww -- 2014-03-20 18 52 06 季節的に、凍りついたんじゃね? -- 2013-08-10 22 22 56 いい作品だった -- 2013-07-05 22 30 11 多分雨の湿気とかでくっついたんじゃね? -- 2012-04-08 01 00 38 実は家に住んでいた人がこっそりやった悪戯だったりしてw -- 2012-02-08 22 35 46 鬼意山が赤ゆを潰すのもいいが、こういうのもたまには悪くないなw -- 2011-12-21 15 13 16 善良でも教育が下手だと子はゲスになるのね… -- 2011-03-05 21 57 03 何故くっついたしw 全滅したから良し -- 2010-09-23 17 43 46 失敗しまくりで不運の連続のまりさ、まりさの不甲斐なさを責めないやさしいれいむ。 馬鹿ではあるが善良な夫婦だったのに・・・気の毒だ。 それにしても赤ゆの一家全滅効果はスサマジイ。ゲスなうえに鬼作の気配までさせてやがる・・・ ま、原因はこの夫婦が赤ん坊を作っちゃったことなんだけどね。 -- 2010-08-18 14 59 28 シンプルながら斬新で面白かった! -- 2010-07-16 00 28 38 こういうクズやゲスがいるから、善良な通常種が迫害されるんだよ。 -- 2010-07-15 06 14 09 馬鹿親と糞餓鬼の物語。 -- 2010-06-11 18 10 47
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2445.html
442 :風の声 第13話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 04 22 ID MOUoAHvI 「スマイル、くださぁぁぁぁぁい!!」 カウンターの方から天野の大声が聞こえた。 またスマイルを注文しているみたいだが気合入りすぎじゃね? 俺は二人に連れられ殺ッテリアに来ていた。 周りは同じくらいの高校生の集団や家族などで賑わっているのだが 何故か俺がいるテーブルでは沈黙が続いていて 少しばかり空気が重かった。 そんな空気の中、口を開いたのは高坂だった。 「なんであんな女と付き合ってんの?」 「え、付き合ってるって誰が?」 「お前と大空」 何て言った? 俺と大空が付き合っている? 冗談だよね? 「いや、付き合ってないけど・・・どうして?」 「俺、お前のことが好きだから」 「・・・・・は?」 「なんちゃって」 真顔で言うな! 普段こんな冗談とか言わない奴なだけに こういう冗談が冗談に聞こえない。 「なぜ気になるかというと、まぁあの日のことで少し気になってたからな」 「あの日って、夏休みの大会?」 「物分りがどこぞの馬鹿と違って助かる」 そういってカウンターのほうに目をやる高坂。 そして、すぐに視線を戻し質問を続けてきた。 「で、結局どうなんだよ」 「付き合ってはいない」 「なんで?」 「なんで?って・・・なんで?」 「だってラブラブだったじゃん。風魔に近づく人間すべてに敵意むき出ししてさ、 ホント、遠くから見てたら『束縛しすぎだろ、コワっ』とか思ってたけどさ そのあと、風魔の家でお前に話を聞いたときにさ、お前言ってたよな」 「なにを?」 「『大空がああなったのは風魔のことを守るため』的なことを言ったじゃん。 忘れた?」 「いや、覚えている」 「あの時は大空の行動全て否定することしかできなかったんだけどさ 今思えば、対人恐怖症のお前を守るために大空が頭を絞って出した 最善のやり方だったんだよな。まぁ最善とは言えないけどさ。 だからあの時俺は、『一生大空に守られる人生を追うのか それとも束縛から逃れて社会に羽ばたくのか』みたいな事を言ったけどさ 訂正させてくれるか?」 「?」 「大空に束縛される人生を歩むか、それとも・・・」 443 :風の声 第13話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 05 32 ID MOUoAHvI 「大空を心のそこから愛する事で、大空を救い、大空の事を守っていく人生か?」 ? 「えっ、何で、大空を愛する事が救う事になって、さらに守る事ができるんだ? だって、大空を守る必要なんて「あるんだよ」」 いきなりの高坂の言葉に遮られた。 「大空とは一緒の小学校だったんだ。 あいつは、大空は・・・・親から虐待を受けてたんだよ」 一瞬、時が止まったかのように感じた。虐待? いつも、明るくしている大空が? 「知ったのは小1の夏。プールの授業で大空の体にたくさんのあざが見つかったんだ。 教師たちは保護団体と共に行動して親を刑務所に送り、大空を救った ・・・かのように思えた」 「思えた?」 「体罰を与える人間を消す事はできたが、大空の心はボロボロだったんだ。 また、あんな目に合うんじゃないかって、施設では職員やほかの子供たちにも 怯えていたらしい。小学校高学年になると怯える事は無くなったが“愛”を 求めるようになった。今まで生きてきた中であまり“愛”を感じなかった為か いろんな人を好きになり“愛”を求め続けた。一目惚れなんてしょっちゅうだった。 “愛”を求めすぎた事で自然とあいつは“重い人間”になっていった。 あ、重いって言うのは重さじゃなくて“想いが重い”って意味だから」 それぐらいわかるって。つまりその時期には今の大空の大体が完成していた訳だ。 「告白をして振られた時なんか、ものすごい暴れたからな。捨てられる事を ものすごく嫌がってたんだと思う。そんな毎日を過ごしていたせいで 小学校卒業のときには友達もいなく孤独になっていた。 こうして美人なのに孤独な王女様の完成ってわけ。 ・・・悪い、最後ふざけ過ぎたかもしれない」 「何で・・・」 「ん?」 「何で、そうやってずっと見続けてきたのに助けてやらなかったんだよ!!」 気づいたらテーブル越しに高坂の胸倉を掴んでいた。 愛のない人生が怖いのは俺もいろんな意味で知っている。 俺は隼先生という頼れる人に出会え人を信用する気持ちを少しだけだが知った。 けれども大空はそんな人に一度も出会えず今日この日まで人生を歩んできたんだ。 言葉では表せないぐらい辛かったに違いない。 「あの頃はおれもガキで女子と話したりするのが恥ずかしかったし 周りの目も気になったし」 「でも、今は高校生だろ!」 「あいつは俺の事なんて覚えていない!」 「覚えていなくても救ってやりたいっていう気持ちはあったんだろ!」 そう言ったとき高坂の表情が暗くなった。 444 :風の声 第13話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 06 13 ID MOUoAHvI 「入学式で大空がいるって事を知った時、俺は『大空と同じ高校かよ。 あ~ぁ、俺の高校生活台無しになったな』って考えていた。」 「・・・・・」 「そう考えていた時点で俺にはあいつを救う気持ちなんてどこにも無かったんだよ。 だから、お前に頼んでいるんだ。俺にできなかった事をお前にしてほしい。 悲しみの人生しか知らないあいつを救ってほしいんだ!!」 ただ単に、人に責任や、その他のものを擦り付けているだけじゃないかと思った。 けれども今思えば俺は大空に救われた事が何回かあるんだよな。 部活に入ったのだって、今思えば大空のおかげだしな。 愛する事で救うか・・・、俺は大空の事を愛せるのかな? 深く考えながらポテトに手を伸ばしたときにふと気づいたことがあった。 「なぁ、どのへんでそう思ったんだ?」 「どのへんって・・・だから高校入学するとき」 「それじゃなくて、俺と大空が付き合っているって思ったの。 確かに基本的に行動は一緒だったけど 俺が嫌がっているのは見たら分かっただろうし。 そんなんで、なぜ付き合っているって思ったのかなぁって」 「あの大会の日、大空がお前にキス求めたじゃん」 はい? 「あの大会の日、大空が勝ったらお前からキスしてほしいって言ってたじゃん」 「キスじゃなくてハグだろ?」 「そのハグを断られてキスに変更したんだろ?」 「・・・・・?」 「もしかしてお前、聞いてなかった?」 「少しウザイって思って、大空の言葉すべて流してた・・・」 「お前・・・・・・最低だな」 「・・・ごめんなさい」 「大空はお前からの愛を求めている。それは確実なことだ。 もしも、お前が甘く考えているのなら、俺が殴るから」 “甘く”その言葉を聞いてふと自分の中のモヤモヤに気づいた。 あの日、なぜ自分や周りの人を傷つけた大空の見舞いに行くという行動を取ったのか。 あの時は無意識に行っていたが今ならその理由も分かった気がする。 俺は・・・大空のことが・・・ス「おい!逃げるぞ!」 「!?。天野?」 「お前、カウンターで何分時間つぶしてんだよ」 「いいから逃げるぞ!」 「何で?」 「『ものすごい形相でスマイルを頼んでくる人がいます』って通報された!」 「おまえ誰?」 「へ?」 「なぁ風魔。こいつ誰だか知ってる?」 「えっと・・・・いや知らない」 「急に他人の振りするなぁぁぁ~~~~!」 ちょっといろいろと邪魔されて言えなかったけど一つだけ決めた。 また今度、大空の・・・舞のお見舞いに行こう、と。 445 :風の声 第13話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 07 03 ID MOUoAHvI 『ハァ、ハァ、ハァ』 病室に私の荒い呼吸音が響いた。 時計を見ると夕方の4時。 窓からの光で病室が茜色に染まっていた。 先ほど目が覚めたのだが自分の今の状態に少し戸惑う。 額と手には汗、息も荒い。先ほどきた看護婦はうなされていたと言っていた。 嫌な夢を見ていた気がするがあまり覚えていない。 「っ!」 胸のところが痛む。 襟を寄せて胸の真ん中にある痣となっている手術痕を見た。 医者には一生消えないと言われた。 この痣を見るといつも思う。 “どうしてあんなことをしたのだろう?”と。 あの日、彼は彼の友達に拉致・・・じゃない。 ただ連れて行かれただけなのに、心のそこから怒りが沸いてきた。 彼は私が守るって決めていたから、周りの人間すべてが私と彼の敵だって思ってた。 だからすぐに彼の携帯をGPSで見つけて、追いかけた。 追いかけないで、ただ電話やメールで連絡すればよかっただけなのに・・・。 そうして私は彼に殺されかけた。 あの異質な空気をまとった彼を思い出すだけで身震いする。 それでも私は、彼が好き。 好き、なのだけれども・・・。 『コン、コン』 ドアがノックされた。 スライドして開かれていくドアの影から現れたのは・・・ 「!?」 黒い髪をした彼だった。 一歩、また一歩と近づいてくる 「(イヤ・・・来ないでぇ・・)」 病室に逃げ場はない。もとより体が震えて動くことさえできない。 そして翼はベッド横まで来て、あの日と同じように手刀を構え、そして・・・ 「キャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」 「大空さん!大空さん!大丈夫ですか!?」 恐怖のあまりにつぶった目を開くとそこには自分の担当の看護婦が立っていた。 「何かありましたか?ものすごい悲鳴でしたが・・・」 「え?あ・・あの、な、なんでも・・ありません・・・」 「震えてますね・・・お水持ってきましょうか?」 「あ、ありがと・・ございます」 彼のことは好き、けれどもそれと同じくらい彼に恐怖を抱いていた。 会いたい、けれどもまた殺されるのではないかと思うと何もできなかった。 「助けて、助けてよ、つばさぁ・・・」 446 :風の声 第13話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 07 51 ID MOUoAHvI 「ゲームセット!」 審判をしていた天野の声が聞こえる。 今日の練習での試合で、遂に、遂に、高坂に勝った。 21ポイント1セットマッチなのにデュースを繰り返してしまったために 29-27というスコアになっていた。 「勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 体育館に響く自身の歓喜、響きすぎて周りからの視線が痛かった。 「十分、勘を取り戻したみたいだな」 「まぁな。あ、罰ゲームは飲み物奢りな」 「何本目だよ」 「3本目?」 「飲んだら打つな。打つなら飲むな」 「俺が飲んでいるの酒じゃなくてスポドリなんだけど・・・」 高坂は飲み物を買うために体育館を出て行った。 いま男子達の間では敗者が勝者の命令を聞くというミニゲームが流行っている。 当たり前だが命令と言っても罪にならないこと限定となっている。 「風魔!次、俺とやろうぜ!」 「お前弱いからやだ」 「何でも命令聞くからさぁ~」 「じゃあ、最終下校時刻まで女子更衣室に待機」 「OK!」 こいつ、絶対負ける気でいるな・・・。 結局、21-3で俺の勝利となった。 「じゃあ行ってくる!」 「えっと・・・武運を祈る?」 「祈られた!」 そうして天野は意気揚々と旅立って行った 「あいつどこに行くんだ?」 「・・・さぁ?」 入れ替わりで戻ってきた高坂からスポドリを受け取ったときだった。 「翼さん。私と試合やりませんか?」 「ん?。あ、咲先輩」 「いかがですか?」 「まぁ、いいですよ」 「良かった・・・。それじゃあ勝った時の罰ゲーム、考えといてくださいね」 「え?罰ゲームありでやるんですか?」 「もちろんですよ」 先輩がそういうのをやるなんて、なんか意外だった。 罰ゲームかぁ。何にしようかな? 高坂と同じく、飲み物を買ってきてもらうのがいいと思うけど いじめられている人をパシリのように扱うのも気が引けるし・・・。 どうしよう? 447 :風の声 第12話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 08 27 ID MOUoAHvI 審判をやっている高坂の「ラブオールプレイ!」というコールで始まった試合も 数分たって終盤を迎えていた。 『女子に負けたくない』という焦りからか、アウトやネットを連続でやってしまい 気づけば19-20と先輩のマッチポイントだった。 「頑張らないと負けちゃいますよ?」 「ハァ、ハァ・・・わかってますよ」 余裕の表情の先輩と息切れ状態の俺。 それでも、ここで点を取ればジュースに持ち越せる。 そう思うとやる気が俄然と出てきた。 先輩からのサーブをスマッシュで決めて早く終わらせたかったが ネットを恐れ、クリアで返す。 シャトルは先輩のいる逆方向に向かって行く。しかし、先輩は簡単に追いつき、 フォームを構えていた。力を溜めている感じからして、おそらくスマッシュ。 そう思った俺は、コートの後方に移動し、スマッシュに備えた。 そして、シャトルが先輩の打点に入ったときだった。 ラケットのヘッドスピードが・・・遅い。 先輩が打ったショットはネット際に落とす“ドロップ”。 俺は先輩のフォームがフェイントだったことにまったく気づかなかった。 スマッシュが来ると思っていた俺の体は簡単に動いてくれない。 それでも俺は気合で体を動かしシャトルに向かって飛び込んだ! 伸ばしたラケットは何とかシャトルに届き、俺は思いっきり打ち上げた! しかし、このショットが負けへと繋がってしまった。 打ち上げたシャトルは高く上がったもののコート奥へ行かずネット際に落ちて行った。 このチャンスボールを先輩は逃さなかった。 先輩は助走をつけ、そしてシャトルに向かって・・・跳んだ。 「そういえば言い忘れてましたね。罰ゲームの内容。 罰ゲームは・・・・・・ “翼は今日から私だけの物”です」 「・・・え?」 困惑している俺をよそに先輩はジャンプスマッシュを打ってきた。 先輩の全てのパワーが乗った高速のシャトルは 立ち上がった俺の額へと向かってきて、そして・・・・・・・。 448 :風の声 第13話「風の困惑」:2011/11/11(金) 16 09 18 ID MOUoAHvI 何度目だろう?この場所に来るのは。 目を覚ましたのは一番来たくない場所。・・・・・保健室。 ベッドの周りのカーテンで室内の方は見えないが静かさからして誰もいないようだ。 額に手を当てると少し痛かった。ヘアバンを巻いていなかったら・・・考えたくない。 そのときすぐそばから小さい風を感じた。 向いてみると・・・・咲先輩の顔がドアップ。感じた風は先輩の吐息みたいだ。 「!?!」 1つのベッドに男女が・・・あたふたしていると先輩がおきてしまった。 とりあえず起き上がり、ベッドそばにあったヘアバンとリストバンドを装着し 傷を見られないようにした。 「おはよう・・・つばさ」 そう言い終えると先輩は、いきなり俺に覆いかぶさってきた。 「ちょっ、先輩!何する・・・んんっ!?」 口に感じたのは先輩の柔らかい唇の感触。そう思ってたのも束の間。 俺の唇のわずかな隙間から、何か生暖かいものが口内へと侵入してきた。 先輩の舌だと理解するには時間がかかった。 いつもの先輩の性格からして、この行動はありえない物だったからだ。 先輩の舌は俺の口内を暴れて、這いずり回り。 先輩自身も俺を貪る様に顔を動かしていた。 『ピチャ、ピチャ、クチュ、ジュル』と卑猥な音が脳裏に響いてくる。 口を離そうにも先輩が俺の首に両腕を回しガッチリ、ホールドしていた。 数分たったとき、ようやく口を離してくれた。唾液の糸を引きながら。 まだ混乱している頭をフル稼働させて言葉をつむぎ出す事ができた。 「せ、せんぱい・・・な、何を」 「なにって、キスですよ。ふか~いふか~い大人の・キ・ス」 笑みを浮かべながら話す先輩に悪寒を抱いた。 「言いましたよね、罰ゲームの内容。“翼は今日から私だけの物”。 私だけの物なのだから、私が何をしようと良い訳です」 「ちょ、ちょっと待ってください。罰ゲームに恋愛関係を持ち出すのは「罪に ならなければ何だっていいのですよねぇ?。これは罪じゃない、“愛”ですよ」」 目の前にいるのは咲先輩なのだろうか?性格が変わりすぎている。 「フフッ、今ここには誰もいません。最後までやりましょう・・・」 「最後までって・・・」 「再確認しないでください。ベッドの上で若い男女が やる事と言えば1つしかありません」 「だ、駄目ですよ!そんなこと「口答えしないでください」」 その瞬間、先輩が俺の首に手をかけてきた。ギリギリという音が聞こえる。 「あなたは私だけの物なんですよ?口答えしないで私の愛を受け続ければいいのです」 その後、目覚めてすぐだからという理由で何とか行為を避けることはできた。 けれども、その日は最終下校時刻までベッドの中で先輩の抱擁を受け続ける事となった 「死ぬまでずっと一緒です。誰にも邪魔させません。フフッ、アハハッハハッハハハ」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1233.html
(注)何の罪も無い、純粋で心優しいゆっくりが酷い目に遭います。 カントリーガール 「ふう…参っちまったな」 わしは幻想卿に住む、ごく普通の中年男だ。趣味は登山である。 雄大な自然の中で、清涼な空気を胸いっぱいに吸い込み、 美しい景色を眺めるのはとても素晴らしいことだ。 だが、今はその趣味のせいで困った事態になっとる。道に迷ってしまったのだ。 下山ルートを探して右往左往しているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。 暗い山道を、明かりも持たずに歩き回るのは自殺行為だ。今日は何処かで野宿するしかない。 そう思っていると、大人一人がやっと入れる程の、小さな洞穴を発見した。 「おおっ。こいつは丁度いい」 この程度の大きさの洞穴なら、熊の巣では無いだろう。 わしは、渡りに船とばかりに洞穴に入る。すると、中には先客がいた。 「ゆっ? おじさん、だあれ?」 ゆっくりだ。黒髪に赤いリボン…これは確かゆっくりれいむという種類だったはずだ。 ここは、ゆっくりの巣だったのか。たまげたな、こんな山奥に、ゆっくりがいるなんて。 「怪しい者じゃねえよ、おちびちゃん。わしは、麓の村に住んでる人間だよ」 「ゆ? ふもとってなあに?」 れいむは小首をかしげて不思議そうな顔をする。 「麓が分からない? 山を下りたことは無いのか?」 「うん! れいむはずっとここに住んでるよ! ここは、すごくゆっくりできるんだよ」 れいむは『えっへん!』と胸を張る。その愛らしい姿に、思わず頬が緩む。 まあ、山で生まれて、そのまま一生そこで過ごすゆっくりがいても、別に不思議ではない。 「そうか。おじさん、道に迷っちまってな。今日一晩だけ、おちびちゃんのお家に泊めてくれねえかな?」 「うん! いいよ! ゆっくりしていってね!」 れいむは大きく飛び跳ねて、ニッコリと笑う。 「ところで、お前さん、こんな寂しいところに、一人で住んでるのか?」 そう尋ねると、ニコニコ笑っていたれいむの顔が、しゅんと萎んだ。 「おかあさんと一緒だったんだけど、おかあさん、すこしまえに、しんじゃったの…」 れいむは、くすんくすんと悲しげな音を立てて泣き出した。 しまった、やっちまった。つまんねえ事、聞いちまったな。 「わ、悪かった。ほら、これやるから泣き止んでくれよ」 わしは、非常食として携帯していたチョコレートをれいむに見せる。 ゆっくりは甘いお菓子が大好きだ。これで機嫌を直してくれるだろう。 だが、れいむは不思議そうな顔をしてチョコレートを見つめるだけだった。 「おじさん、これなあに?」 ああ、そうか。こいつは一度も山を下りた事が無いんだ。 チョコレートなど知るわけが無い。 「これは、チョコレートっていうお菓子だよ。べらぼうに美味いぞ。ま、食べてみな」 れいむは、くんくんと匂いを嗅いだ後、ぱくりとチョコを頬張る。 「ゆぅ~! あま~い! こんなおいしいの、はじめてだよ!」 「ははは…そうかそうか! それじゃ、こいつはどうだ」 れいむの反応に気を良くしたわしは、リュックサックからキャラメルを取り出し、れいむに食べさせてやる。 「これも、すっごくおいしいよ! あ、あれ?」 「どうした?」 「おじさん! 歯にくっついちゃったよお!」 「あはははは! 急いで食べるからだよ!」 「わらってないで、とって! とってよお!」 わしはれいむと一緒に食事を取った後、ごろんと横になる。 長い時間、山を歩き回って、さすがに疲れてしまった。 すると、れいむがわしの頭の側までやってくる 「ねえ、おじさん。『ふもと』って、どんなところなの?」 れいむは、好奇心いっぱいの瞳で、わしに質問してくる。 未知の世界である麓に、興味があるのだろう 「そうだなあ、賑やかな市場に、どこまでも続く水田…。おちびちゃんが驚くようなものが沢山あるよ」 「いちば? すいでん? それってゆっくりできる? もっとききたいよ!」 「ははは、わかった、わかった。市場ってのはな…」 楽しい時間は瞬く間に過ぎ去り、すっかり夜も更けてしまった。 洞穴の外では、フクロウがホーホーと鳴き声が上げている。 「さて、今日はもう寝るとするか。明日もたっぷり歩かにゃならんだろうからな」 わしが目を閉じると、れいむがそっと寄り添ってきた。 少し前に、母親が死んだと言っていた。それから今日までこの洞穴に一人ぼっちで暮らして来たのだ。 寂しかったのだろう。わしはれいむの頭を優しく撫でてやる。 「おじさん…あしたになったら、ふもとにかえっちゃうの?」 「ん? ああ。おじさんにも、仕事があるからな」 そう言うと、れいむは黙ってしまった。 わしは目をつむっているので、れいむの表情をうかがい知る事は出来ないが、 きっと寂しそうな顔をしているのだろう。 なんだか申し訳ない気持ちになったが、昼間の疲れもあって、わしはすぐに深い眠りに落ちていった。 現実と夢との狭間で、『あしたがこないといいのにな…』という、れいむの小さな呟きが聞こえた気がした。 翌日。わしは日の出前に洞穴を出て、 方角を図るために、太陽が昇る方向を確認していた。 「こっちから日が昇ったって事は、あっちが南西か。よし、早速出発だ」 方角は分かったが、帰り道が分かったわけではない。 少しでも早く出発して下山ルートを探さないと、 あちこちさまよっているうちに、また日が暮れる、ということになりかねない。 わしは洞穴に戻り、準備を整えると、 まだ眠っているれいむの側に、昨日のチョコレートの残りを置く。 本当は、直接お礼の言葉を言うべきなのだろうが、 昨晩のれいむの様子を思い出すと、別れを言うのがためらわれた。 「湿っぽいのは苦手なんでな。世話になったな。達者で暮らせよ」 わしは、可愛い寝顔にそう言うと、静かに洞穴を出た。 れいむは、洞穴に差し込む明るい太陽の光で目を覚ました。 「おじさん! おはよう!」 「…おじさん? おそとなの?」 「おじさん! おじさあん!? どこなの!?」 巣の周りを懸命に探索するれいむ。 だが、どれだけ探しても、おじさんの姿は見当たらなかった。 そこで、れいむは昨晩のおじさんとの会話を思い出す。 『おじさん…あしたになったら、ふもとにかえっちゃうの?』 『ん? ああ。おじさんにも、仕事があるからな』 れいむは、がっくりとうなだれる。 「『あした』になったから、おじさんは『ふもと』にかえっちゃったんだ…」 れいむは、とぼとぼと巣に戻ると、残されていたチョコレートを食べる。 一人きりで食べるチョコの味は、気のせいか昨日より美味しくなかった。 チョコを咀嚼する動きが止まり、れいむの瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。 「や、やだよう… もう、ひとりぼっちはやだよう…」 母親が死んで、独りぼっちになってから、いつも寂しかった。 この山にはれいむ親子以外のゆっくりは住んでいなかったので、だれも、その寂しさを慰めてはくれなかった。 だが、山を下りて、仲間を探そうとはしなかった。 なぜなら、この山で生まれたれいむにとっては、山の中だけがこの世の全てであり、 山の下に、広い世界があるなど、考えた事も無かった。 だから、どんなに寂しくても、この洞穴で一人、暮らしていた。 仕方が無い事だ。この世には、自分しかいないのだから。 最近では、寂しさにも随分慣れてきていた。 だが、そこにおじさんが現れたのだ。 おじさんは優しかった。それに、美味しいお菓子を食べさせてくれ、とても楽しいお話をしてくれた。 れいむは、忘れかけていた『他者との暖かい触れ合い』を思い出した。 しかし、れいむが目を覚ますと、おじさんは霧のように消えてなくなっていた。 れいむは、母親が死んだ時のような喪失感を味わっていた。 だが、あの時とは状況が違う。母はこの世から永久に消滅してしまったが、 おじさんはここにいないだけで、生きているのだ。 そう気づいたれいむの瞳には、小さな決心が宿っていた。 『ふもとへ行って、おじさんとゆっくりしよう』 山を下りた事はないし、下りようと思った事もなかったが、下り方は知っていた。 この山はれいむの庭のようなものだ。どの道をどう行けば、山をくだれるかは分かっている。 巣を出発して半日ほどたち、正午を少し過ぎた頃には、山麓の林を抜け、水田地帯に到達した。 清々しい青田がどこまでも続いている美しい光景に、れいむは思わず息を呑む。 「すごいよ! おじさんの言ってたとおり、すっごくきれいだよ!」 勇気を出して山を下りてみて良かった。れいむはそう思った。 「ゆ~♪ ゆ~♪ ゆゆ~ん♪」 れいむは元気いっぱいに歌を歌いながら、意気揚々と道を進んでいく、 すると、賑やかな集落が見えてきた。それは、野菜や果物を扱う市場だった。 「わあ! みんな、すごくたのしそう!」 市場の入り口にある屋台で、若い男が野菜を売っていた。 れいむはドキっとした。そして同時に、ワクワクした。 麓へ来て、初めて出会う人間。きっと、おじさんのように優しい人に違いない。 『友達になれるかな? きっと、なれるよね!』 れいむはそう思って、おじさんにしたのと同じ様にニッコリと笑って。昨日と同じ台詞を言う。 「ゆっくりしていってぶげぇっ!!!!」 だがその台詞を最後まで言う事は出来なかった。 青年が、れいむの口に蹴りをぶちこんだからだ。 「げぼっ! げぼぉっ! い、いだい゙…いだい゙い゙い゙…」 それは、れいむが生まれて初めて受けた本物の暴力だった。 昔、悪戯をした時、母親に軽く叩かれた事はあった。 その時でもれいむは、痛くて悲しくてわんわんと泣いたが、 今回の一撃は、そんな愛に溢れた優しい体罰とは次元が違った。 口の中に、青年の靴底についていた土の味が広がる。 歯も、何本か折れてしまったようだ。 れいむが咳き込むと、砕けた歯が、地面にバラバラと降り注いだ。 「この野郎! 俺が大事に育てた野菜を盗ろうったって、そうはさせねえぞ!」 青年が険しい顔でれいむを怒鳴りつける。 この青年は以前、里をうろつく野良ゆっくりに、自分の畑を台無しにされた事があった。 それ以来、彼はゆっくりに対して強い嫌悪感を抱いていた。 「そ、そんなことしないよ! れいむは、おにいさんと友達になりたいだけだよ!」 れいむは、自分に悪意が無い事を必死に伝えようとする。 その時、どこからか石が飛んできた。石は、れいむの左目に命中する。 「ゆぎゃっ!! め…めが! れいむのめがぁ!!」 幸いにも、れいむの左目は潰れなかったが、 凄まじい激痛により、目尻からは餡子混じりの黒い涙が流れ落ちる。 「とっとと出てけ! ここはお前みたいなクソ饅頭が来る所じゃねえ!」 石を投げたのは、青年の屋台の隣に店を出している男だった。 そう、ゆっくりに良くない感情を持っているのは青年だけではなかったのだ。 この市場に店を出している人間のほとんどが、一度はゆっくりの被害にあっていた。 いつのまにか、そんな人間達が、れいむを取り囲んでいた。 冷徹な視線が、一斉にれいむを突き刺す。 「ゆ!? ゆ!? みんな、どうしておこってるの!?」 怖い。でも、言わなきゃ。 自分は悪いゆっくりじゃないって。 皆と仲良くなりたいだけなんだよって。 「み、みんな、ゆっくりきいてね。れ、れいむは…」 だが、市場の人間達はそんなれいむに、一斉に罵声を浴びせる。 「こんな奴、潰しちまえ!」 「俺の畑を荒らしたのもお前だろう!」 「どこにでも図々しく出てきやがって、目障りなんだよ!」 れいむは、泣いていた。 その涙は、怪我の痛みによるものでも、恐怖によるものでもなかった。 涙の源は、深い悲しみだった。ただひたすらに、悲しかった。 さっきまで、楽しそうに笑っていた人達。 きっと、友達になれると思っていた人達。 その人達の呪詛のような中傷が、どんな暴力よりもれいむを痛めつけた。 山奥で生まれ育ち、人間の悪意など、一切知らずに生きてきたれいむ。 そんなれいむに、次々と憎しみがぶつけられるさまは、 まるで、一片の汚れも無い純白の壁に、赤黒い絵の具がぶちまけられていくようであった。 そして、最もれいむを傷つけたのは、この言葉だった。 「何が『ゆっくりしていってね』だ! お前がいると皆ゆっくり出来ないんだよ!」 それは、れいむのゆっくりとしての、全存在を否定する究極の悪罵。 あまりのショックに、れいむは泡を吹いて気絶してしまった。 それでも興奮冷めやらぬ人間達の輪の中に、突然、間の抜けた声が響く。 「あー。皆さん、ちょっといいですかね?」 その気の抜けるような声に、集団の先頭に立ってれいむを罵倒していた男が振り返る。 「ああ、キタさんか。なんだい?」 キタと呼ばれた男は照れくさそうに頭をかきながら口を開く。 「いやあ、そのゆっくり、潰しちゃうんなら、私に貰えませんかね?」 「そりゃ、別に構わないけど、あんた、こんなのどうするの?」 「いやね、私のせがれがね、ゆっくりを欲しがってるんですよ」 れいむは夢を見ていた。 夢の中でれいむは、昨日巣にやってきた優しいおじさんに抱っこされていた。 おじさんの腕の中は、とてもゆっくりしていた。 丸太のように太い腕が、この世の全ての災厄から、自分を守ってくれるような気がした。 『おじさん。れいむと一緒に、ゆっくりしようね…』 れいむがニッコリと微笑むと、おじさんも楽しそうに笑う。 とても幸せな、ゆっくりとした時間。 『こんな時間がいつまでも続けば良いのにな…』 そう思った途端、夢の世界から、れいむ以外の全てが消えた。 それは、幸福な夢の終焉だった。 れいむの意識が、現実に戻る。 「ここ、どこ…?」 れいむは畳の上に寝かされていた。 その側には、桐のタンスに、古ぼけたちゃぶ台。ここは、人間の家屋の中だった。 「おお、目が覚めたかね」 れいむは声の方に目をやる。 痩せた男が、れいむを見つめていた。 「おじさん…だあれ?」 「私はキタっていうんだ。よろしくね、おちびちゃん」 『おちびちゃん』そう呼ばれて、れいむは昨日のおじさんを思い出した。 改めて、目の前の男を見る。がっちりとした昨日のおじさんとは全然似ていないが、優しそうな目をした男だった。 「おじさんは、れいむにいじわるしないの?」 れいむは、先程市場で矢のように浴びせられた罵詈雑言の数々を思い出す。 それだけで、小さな胸は張り裂けそうなほどに痛んだ。 「大丈夫。おじさんは、おちびちゃんの味方だよ」 キタはそう言うと、れいむの頭をよしよしと撫でる。 れいむは悟った。この人は、昨日のおじさんと同じタイプの人だ、と。 そして、ほっとした。これでゆっくりできる。ここはゆっくりプレイスなんだ、と。 「お、おじさん…。れいむ…れいむね…」 思わず涙が溢れ出す。キタはそんなれいむを見て、申し訳なさそうに口を開いた。 「ごめんね。市場の人達を許してやっておくれ。あの人達も、随分酷い目にあってるからね。ああなるのも仕方ないんだよ」 そこに、ガラガラガラっと勢いよく、引き戸が開く音がした。 「ただいまー! あれ、父ちゃん帰ってるの?」 10才くらいの男の子が、家に入ってきた。キタの息子らしい。 優しいキタの子供なら、ゆっくりできる子に違いない。 れいむは涙を振り払って、精一杯の笑顔で挨拶する。 「ゆっくりしていってね!」 だがキタの息子は、そんなれいむの姿を見て、つまらなそうな顔をした。 てっきり好意的な反応が返ってくるとばかり思っていたれいむは、ちょっぴりがっかりした。 「父ちゃん、何でれいむが家の中にいるの?」 その言葉を聞いて驚いたのはキタだった。 「何でって、お前、ゆっくりを欲しがってたじゃないか。だから、今日市場で貰ってきたんだよ」 「何言ってんだよ父ちゃん。僕が欲しいのは、『れいむ』じゃなくて『まりさ』だよ。いつも言ってるじゃない」 「ありゃあ、そうだったかね? でも、ゆっくりなんてどれも同じじゃないか」 「種類によって全然違うよ。それに僕、れいむって嫌いなんだ。見てると、なんかイライラするんだよね」 「そうかあ。お前が嫌いなら、貰ってくるんじゃなかったなあ。どうしようかね、これ」 れいむは、呆然とキタ親子のやりとりを聞いていた。 『ゆっくりなんてどれも同じ』『れいむって嫌い』『イライラする』『貰ってくるんじゃなかった』『どうしようかね、これ』 二人の冷たい言葉が、ナイフのようにれいむの心を切り刻む。 それは、ついさっき市場で受けた心の傷に、塩をすり込まれるようなものだった。 れいむの大きな瞳に、再び涙が浮かぶ。 れいむは先程、ここがゆっくりプレイスだと感じた。 キタは、昨日のおじさんのように優しい人だと思った。 だが、今のやりとりを聞いて、それが間違いであると分かった。 キタがれいむに対して優しかったのは、 息子へのプレゼントだから、大事に扱っていただけだったのだ。 キタにとって、れいむはただの『物』でしかなかった。 れいむは悲しかった。そして、腹が立った。 大声で、言ってやりたかった。『自分は物じゃない』って。 でも、そう言って市場の時みたいに暴力を振るわれたらどうしよう、と思うと何も言えなかった。 れいむに出来るのは、ただ、唇をかみしめて涙を流す事だけだった。 その時、れいむは、麓に下りてきた目的を思い出した。 自分は、昨日の優しいおじさんとゆっくりする為に山を下りたのではないか。 こんなところで、ゆっくりしている場合ではない。 れいむは、脱兎のようにキタの家を飛び出した。 丁度よいあんばいに、玄関の引き戸は、少しだけ隙間が開いていた。 キタの息子が、きちんと戸を閉めなかったのだろう。 キタは追いかけてはこなかった。 当然だろう、彼にとって、もはやれいむは無用の長物だった。 むしろ、捨てに行く手間が省けて喜んでいるに違いない。 れいむは再び、未知なる麓の世界を、歩き出すのだった。 続き? このSSに感想を付ける