約 42,615 件
https://w.atwiki.jp/spinex/pages/34.html
・佐々木 メインヒロイン → 元・メインヒロイン → パパス と華麗なる二段変身を成し遂げた女 佐々木「私はまだ2回変身を残している。 その意味が分かるね?」 久々に再登場したと思ったら、焼き鳥(塩)に負けた。元メインヒロインの明日はどっちだ。 \ \ /. . . . . . . . . . . . , . ,l. . . . .l ヽ. . . . . ヽ. / / \ \ /. . . . . . . . . . . . . . ;'l .;' | . . . ;゙ ヽ. . . . . .ヽ / /\ \ /\. . . . . . . . . . . . ./ l / ! . . . i i ヽ .i、 . . . i / \ ,'. . . . . . . . . . . . . . _;'-l7'^~ヽ . ./ ゙^'ー-l |_l i. ヽ| / ,.i . . . . . . . . . . . . l'"/ ./i⌒li. ヾ/ ,イ^lij.ヾ| . iヽハ  ̄ ̄ ̄――― / | . . . . . . . . . . . / / ,' .l .l i ,' l li i ./l/. . .ヽ_______ ./ .,' . . ,' . . . . . . . /l/ . ! ! l l l ! l.l . !/ l . . . . i三三ニ.i. .,' . . ,' . . . . ,' . . l ill|! `¨ .! l ` l.|ii l lヽ . . . .i―――― ぬわーーーーーっっ!! i . ,'. . . . i . . . . . .i . . l lili i / l l lili l i .l . i. . .i三三ニ}ィ .i . . . l . . . . . .l . . .| ゝ ' 、_.ノ ' \/. . l. . i \ ̄ ' , .ハ . .l . .. . . .', . . ! ________ `Y l. i | \ \-----/'}' l ..ハ . . .ハ . ! / ヽ三三! /ヌト、ハ! \\ \ / i / 、 . . ト .ヽ l、_ / i三ミl,.ィfVl/ l/ }/ \\ + パパス化が進行する前の佐々木さん パパス化が進行する前の佐々木さん -‐ '´ ̄ ̄`ヽ / \ / / / .ィ ./ヽ.Y l .', ヽ ,' i -/7'Y /|' "´ヽ|. !!i ' i i.ト ○ ○ ! !ノ、i i ,'' l l l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ l丿 i. /⌒ヽi;!l|ヘ ゝ._) j ! /⌒i / ぬわーーっっ!! \ /゙ ゙-~>,、 __, イァ/ /,' ゙、 | ,、,、,、,、,、 |{ヘ、_∧ `゙i , リヾ ノ + 元・メインヒロインだった頃の佐々木さん 元・メインヒロインだった頃の佐々木さん -‐ '´ ̄ ̄`ヽ ./ \ / / / .ィ ./ヽ.Y l .', ヽ ,' ! -/7'Y /|' "´ヽ|. !!i ' ! !.トノ リ `ヽ ! !ノ、i ! ,'' l l l ● ● l丿 ! リ モトメイーン !;!l|ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j l丿i/ |/⌒l,、 __, イァト|/| | ./ /|___|/ ヽ || l 彡, + メインヒロインだった頃の佐々木さん メインヒロインだった頃の佐々木さん -―‐ - . ´ . . . . . . . . ` 、 / . . . . . . . \ . . . . . ヽ / . . . . . .i. . . i. ∧ . . . . . ヘ / . . . . . l! . . . .| | ミ . ヽ . . . . .ハ ′ . . . .|l. l! | ヽ _ ハ . . ノイ . i . . . . . .i . .l !. . .|l |` ̄ ヽ |'. | . . . . . . // i 斗七爪 .ハ! _}ハ . .| ._ . . . .ハ ノイ .i | i | ハ ヘ ./ ノ〃 ̄ ̄从r ヽ . . i ∧ ハ N∧ ヾムィ⌒ }' ハ! ) } . i |/ト\ |小 ハ小 | jニ ' i | ハ ! `ヽ ハヘ ハ , / イ7 .i .∧ハ{ }' i ∧ i ヽ ィヽ ` .イ . | l イ/ } |/ 从 / ‐ァ〉、 ‐ < ! i . |/ノ' { /¬_/ ム┬‐' ノイ . ハ ⌒ヽ {入}_ノ イ く___ハ/ } 「ー― 7 イミ〃ミ〃ミノ / / | ; ` ̄ ̄ ´ / / | ! / / | . / / ヽ . / / + 可能性がどんどん減っていく未来(コリブリの妄想) 可能性がどんどん減っていく未来(コリブリの妄想) ト、 ,、-'"´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ └'´ . | ─,、-'´ i ∥ ∠f込 勿´ l ─= =─ ,イ =_ト、_ ̄ ` ̄ ̄》 | ∥ /ゝ≠ゞ≠ゝ〆≠x、 へへ)の )イー‐ ≪___ l | . / /. . . . . . . . . ハ !. . . . . . i. ゝ、| \マ( ヽ」 、 `` ‐ 、 ヾ、 . / / i . . . . . . /`ヽ!. . . . . . |. .| ! \ヽ、ソ`ヾ ` ‐ 、 ` ‐ 、 i | . . . . . .; 、,,__\i. . .|. .|. . l| \( のく> ` ‐ 、 从. . . . ./ ´ 斤刈. . i. リ. | \、ソ@)` i っ /. . . ヽ/ 以リ'j. . . /. / l 《ヽ入ソノ`` ‐- 、._ l ト、 ./ /込 ,,, /. . ./. / | ヽ ` ‐ 、 `` ‐- 、._ l ヽ、」 /i. .i. . .ハ`ー __,厶イ. ./__,.イ ヽ `‐、 `` / ト、 八 i. . {. ∧_、_厶. .彡'/.ヽ ヽ \ ヽ、「 \ / / ヽ、_ゝ ヾ '´ \ 厶ィ⌒7イ\ 丶 / i ´ `‐\ \ l ミ( ) (-) ノーく⌒)l `‐ 、 `‐、ヽ | ∠二〉ヽ、_人 ) ト l / l i `` ‐- 、.____ `‐、 . ∥ ミ/ へ⌒ ) `‐ーく ̄ヽ l ノ l .l `` ‐- 、._ `‐、 . ─= =─ <三l ヽ┘イ ',/フプヽト 〉イ-lヽィ l l .l <> ` ‐ 、 \ ∥ /_「 入7ト\ \ノヽゝ / L,ヘ l l ` ‐ ヽ |  ̄l し',ノ l ヽ l l レL_,.イ /'"´ ̄', , -'´/ イ 入人ソ,ゞ ', l l / / ,、 `` ‐- 、 , -'´ / // /レ´ヽ、ノ l ',. l l , - 、 l / 〉 ,、-'´l _ , 、 -‐ー / / / / / ,' l人ノ  ̄ ', ! l ,-'´ \、-‐、-、' / / _ , 、 -‐ー ''"´ / / / / / ,' ,'l ', ヽ、_ノl く ヽ \ ヽ 〉/_,、-‐''´_,、 -‐ー ''"´ /// / / / i l ヽゝ、_,、-‐ー- 、 l \ ,、-l_」ノ  ̄ ̄ ̄ く レl ヽ', / / l l_,、-‐ー-、 ̄ ̄ ヽゝ l ヽl / ,イ',ヽ` ‐ 、.__,、-‐''"´ `` ‐- 、._ l l ヽi ,' /  ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ l l / / l .', \ ヽ \ `` ‐- 、._ . lノ /ノ i,' ヾ 、 l ヽ-‐'"´ l ', ヽ、__ ' , \┏─────────┓│ 佐々木┗─────────┛───────────────────────────────────┓君とこうなるなんて昔は考えもしなかったよ……本当に僕で良かったのかい? そうか、物好きだね 君も┗─────────────────────────────────────────────┛ + これもありえるかも知れない可能性 これもありえるかも知れない可能性 ≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠ /. ;' ,′ 〈! l| l i i! ヘ____,ゝ‐く\(ヽ_____/. ;' /ヘ ‐._‐ . 'i! ! i ! .ヘ___________∨'ヽ ヽ 〉 〉_|/ ,'「厂|___i. ; ;'__ノ゙丶、_/ .ト!、 ! l トー‐゙―‐--ァ_________∧ ゝ'心'_/´ /」,ィ'´三三三! i | . .i|\-、 _,.../|i! i | !=====/―――――――― ̄〈 ̄´厂 _./ ヘ/' . . . . .「|`| ! ノ 、」!\\ //||ハ ! | 「!__ . . . . .,′. ,j ´ ,ィ´ У\ . . . .rメ'ト「リ' ̄¨i!、 \// |=ノ'リ¬ト' . . . .∧ トヽ,。='ィ' i . \ . .´ .|l| i!. \ У | ||゙ . . . . / .ハ i!il|i! | ノ ヽ;. . . |! i! / /i! || . . . ./ i |!ili ! i. ,′ ヽ、 ヘ . . .|| i!_/__/__! || . . ./' | ゝ、l! ∧ ノ l i゙ . .|| i! ̄匚 ̄ ̄! .|| . . .〉´ .l |` ̄ ヾ.ー、 i | . . .|| i7 ̄ ̄/ ̄i! .|| . . .〉 |、 ,i! ! ヾ. ヽ ! .ノ . . .|| |. / i! .|| . .i ! ト、 ||、 . |`ヽ | ! | . . . . || | / ,i! .|| . . ヽ i | .\ ゙!ヽ、i ! i i ∨ . . . . || | / \、i! 《 . . . ./ ! .| .\ | .. ヾ_ノ! ! i ! . . . . . || |/___i! i| . . . ∨ ト、 .\ | .. / ! i |〉、 . . . || |―┐┌┤ || . . . .ヘ ! ヽ ヽ. i .... / ! ! ! . . . . . .|| |; ̄ヾ! ̄`! || . . . . .i i'\ ヽ ヽ ∨ / ! ! / . . . . . . || | `i ! .|| . . . . .i ヽ \ 、 ヽ ∨/ ! | . . . . . . . || | | i! || . . . . . i i | ヽ .\ ヽ. V / . . . . . . .|| i! i i .|| . . . . . .! l i、 ヽ ヽ .Y≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ ┃┼─────────────────┼┃ ┃│ │┃ ┃│ ~■■■物語~ │┃ ┃│ │┃ ┃┼─────────────────┼┃ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 【所属】 ┗【ギルド】【冒険者】 【武器】 ┗【杖】―【聖遺物】《上級以上の魔術を使う時50%の確率で威力が2倍、中級以下の魔術の威力が半分になる》 【スキル】 ┣【クイックゲージ】《戦闘開始時低確率でゲージが1溜まる》 ┗【生命循環】《必殺技のゲージの消費が1減る!》 【技能】 【杖】 ┗ 【魔術】 【水】 ┣【アクアキュア】(肉体的状態異常の回復・等級不明) ┗【ウォーターヒール】(回復・等級不明) 【炎】 ┣【ファイア】(攻撃・最下級) ┣【フレイム】(攻撃・等級不明) ┗【フレア】(攻撃・上級) やる夫の夢で使用 【水】 ┗【リジェネレーション】 【風】 ┗【ウィンドウォーク】 【土】 ┗【サンドシールド】 【行動パターン】 ┣昼1、昼2、夜にギルドにいる ┗いつも細々した依頼を受けている 【その他の特徴】 ┣1スレ目9184でイャンクック先生に1285のダメージを与えたことで住民にパパスと呼ばれるようになった ┗
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/953.html
佐々木(大)「やあキョン、久しぶりだね。ああ、キミにとってはもしかすると最近僕としばしば会っている頃合いかも知れない」 キョン「お前……もしかして、佐々木か?」 佐々木(大)「嬉しいね。キミの知っている僕とは随分外見に変化があったと思うのだが、さすがだ、ひと目で解ってくれたようだ」 キョン「どこから……いや、この場合はいつから、と訊くべきか。いつから来た?」 佐々木(大)「その言い方から推察するに、キミはこのような事態に慣れているようだね。この時代のキミの体験が非常に興味深く感じられる」 キョン「いいから答えろ」 佐々木(大)「そんなに慌てるなよ。そうだな、僕は――」 (省略されました。続きを読むには花壇にパンジーの種を蒔いてください)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/712.html
遡るも遡らないも中学三年生の頃の話になる。 本当ならこんな思い出話なんぞしたくないしきっと皆様も聞きたくないだろうがまぁそこはご容赦願いたい。 ここで話を聞く羽目になった貴方とも何かのご縁。古泉に頼めばその辺胡散臭く納得させてもらえるぞ。 さて、本題に入ろう。えーと、中三の頃とまで話したのか。 その頃佐々木という奴と仲良くしていたことはおそらくご存じだろう。ご存じない? それなら今すぐ本屋で「涼宮ハルヒの分裂」をご購入いただくよう強くお勧めする。 売り切れていようが何だろうが三日三晩走り回ればきっと買えると団長様が仰ってたぞ。ホントに買えるかは知らんがな。 おっと、また脱線か。申し訳ない。 その頃は中三なので当然塾とやらに通っていて、その行きは佐々木を自転車の後ろに乗せ、帰りは話しながら並んで帰ったものだったが、その絡みのお話だ。 ある雨の木曜のことである。雨とは言っても天気予報は無責任にお天気マークを輝かせていて、事実朝も昼も太陽はさんさんと照っていた。 そんな日だから俺は傘を持たずに自転車を家から出し、窓から覗くお袋の楽しそうな視線をカッタウェイして後ろに佐々木を乗せて塾へと行った。 最初のうちは他人を後ろに乗せて自転車をこぐのが怖かったがもうすっかり慣れていた。周りの視線にも。 すれ違う人にいちいち俺と佐々木の間柄について説明していては塾に間に合わないことを悟ったお陰でもあるがな。 とにかく俺は自転車の前かごでカラカラぶつかったり絡んだりする二つのカバンのストラップを見ながら信号に悪態をつき、塾の始業時間の10分前には見事到着した。 少し時間があるなと言ったのはどちらともなく、じゃあ、と自習室の空席二つに並んで陣取ったのもどちらともない。 椅子に座るといつものようにちょっとした疲労を感じて伸びをする。やっぱり二人乗りは一人より重たい分結構疲れるからな、座れるありがたみを感じるよ。 「ずいぶんな言いようだね。そんなに重いつもりじゃないんだけれど」 言い方が悪かった。別におまえが重いとか軽いとかいう次元じゃなくて人間一般論だ。 「それは変だね。キョンが疲れた原因として問題になるのは一般論として二人乗りが重いかどうかではなくキョンの後ろに座った僕が重かったかどうかであって、 たとえばその理由は僕が護身用に持ち歩いている鉄アレイなのかもしれないわけだ。 その鉄アレイは一般論の二人乗りが包含しない要素であっても君にとっては疲労の大きなファクターだろう」 ポロッと物騒なことを言うな。そんなもん持ってる奴を後ろに乗せたくないぞ。佐々木は喉で笑って返した。 「例えばの話だよ。 ともあれ、要するに君の発言を総合すると君はいつも僕を後ろに乗せることで重い思いをしていて体中に乳酸が貯まっていくことに不平を言いたいのではないのかい?」 相変わらずまどろっこしい言い方をする。そのくらいの疲労、おまえの無駄に頭を使う話が俺の脳内に乳酸をまき散らす分に比べたら些細なものだ。 だいいち……と抗議の続きをしようとしたところで佐々木は不意に立ち上がった。 「そろそろ時間だよ」 タイミングの悪い。教室に動き出す人に紛れてせっかく展開しようとしていた俺の反論はすっかり霧散してしまった。まったく。 それにしてもその理屈ばった喋り方、女子の前ではそう話さないんだろう?どういうわけでだ。歩きながら訊く。 「これかい?一応僕なりに訳があるんだけれど、出来ることなら言わずに済ませておいてもらえないかな」 どんな訳だ。気にはなったが無理言って聞き出すには時間がなさ過ぎた。それはまた今度だな。 とにかくそのインテリ優男みたいな話し方な固執すると変人に見られるぞ。 「ごあいにく様。既に変人の称号は十二分に頂いたよ」 俺は何か言うべきだったのかもしれないが、妙な誤解をし続けてる隣の席の奴の冷やかしにうるさいと叫んで気がつくと授業は始まっていた。 塾が終わると外はザーザー言う雨音が完全に支配していた。 横で佐々木はごく普通に紺色の折り畳み傘を取り出していたが俺はそんなに用意周到な人間ではないしその上自転車のことを思うと完全にメランコリーに覆われていた。 とりあえず佐々木、傘二本持ってないか。持ってないだろうな。俺は佐々木の方を向いた。 佐々木は何かイタズラを思いついたような顔をしていた。 大方相合い傘しようとでも言い出すんじゃないか。そう先読みしようとしたが残念なことに佐々木の思考回路は俺の斜め上を行っていた。 「ごめん、今日私一本しか持ってないの。キョン君、一緒に入っていかない?」 俺は開いた口がふさがらなかった!どうした、何か悪いものでも食ったか? 「ひどい言い方ね」 口では言いながらも顔は笑っている。始業前の話を気にしてたのかこいつは。 確かに事情を知らない人が見れば平均以上には可愛らしい少女がごく普通に少女的言葉使いで話しているだけに見えるだろう。 だが俺は違和感でどうにかなってしまいそうだった。皆さんにもこの違和感をもっと実感を伴ってお伝えしたいものだが文章というのは不便だ。 誰かにマンガかアニメあたりでこの状況を表してもらいたいものだね。 「どうしたの、キョン君?」 佐々木は俺の顔を覗き込んだ。彼女の顔には愉快さを堪えられない笑みが貼り付いている。 何やってるんだとでも言いながら睨みつけてやりたかったところだが、 佐々木のその笑みはいつも俺の前で見せるクククではなく女子の前で見せるウフフの微笑なんだから目を合わせにくいこと著しい。 もっとも佐々木にそのことは筒抜けにお見通されていて、今度は声に出さずに顔だけでクスクスと笑った。さっきからいろいろ笑ってばっかりで楽しそうだな、おい。 「キョン君の反応が面白くて。あ、いつもみたいにキョン、って呼んだ方がいい?」 わざわざそんな女の子らしいイントネーションをつけんでもいい!その口調で呼ばれるとむずかゆい! 「理屈っぽくない口調っていうとこんな感じじゃない?たまになら面白いね」 佐々木は微笑んだまま余裕綽々に言う。完全にイニシアチブは佐々木だ。わかったよ、俺の負けだ。俺は白旗を鮮やかに揚げた。 それにしても雨足はさっぱり止まない。どうしたもんかと佐々木を見ると佐々木は傘を掲げてどうすると首を傾げた。 既に授業が終わって結構経ってしまったのであまり人影は少なかった。別にやましい訳じゃないが無用な噂が増えるのはごめんだしな。うん、大丈夫だろう。 まぁいいだろう。背に腹は変えられん。自転車は明日回収しよう。俺は正当な事実確認をすると佐々木に頷いた。佐々木がそう大きくはない傘を広げる。
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/746.html
大学生になった俺は佐々木と一緒に酒を飲んで話している。 ひょんな事から初恋の話になった。 「キョン、キミの初恋はいつなんだい?」 「俺の初恋は従姉のねーちゃんだ。ずっと俺がねーちゃんを守ってやるとか思っていたんだ・・・。」 「それで結局どうなったんだい?」 「ねーちゃんは知らない男と駆け落ちしてしまってそれ以来連絡取れてない。 実際ねーちゃんが駆け落ちして居なくなったと知った時は相当ショックだったぜ。」 昔を少し思い出して俺は感傷に浸っている―― そんな俺を見てかは知らないが佐々木も口を噤んでいる。 このままだと長い沈黙が続きそうだから俺が話を再開するべきだな―― 「さすがにもうねーちゃんに対しての恋心なんて残っちゃいないが、連絡くらいは取れるようになりたいな。」 「そうかい、初恋は実らないなんて言うけど・・・キミの場合もそうだったんだね。」 「そういう佐々木はどうなんだ? それとも恋愛なんて精神病の一種だって言っていたからやっぱり恋なんてしてないのか。」 一瞬佐々木は戸惑ったような表情になったが、偽悪的な微笑を浮かべて話し始めた―― 「キョン、キミも失礼な奴だね。 確かに僕も最初は恋愛なんて精神病の一種だと思っていたよ。 少なくとも中学3年の時にキミに話した時まではね。」 「それは初耳だな。俺も話したわけだし、お前の初恋とやらを聞かせてもらおうじゃないか。 俺だけ話すなんてフェアじゃないと思うぜ?」 佐々木も恋をするんだなぁと思って少し安心した。その反面、ちょっと寂しくも感じた。 こいつにちゃんとした恋人が出来れば俺とこうして話す機会も減るんだろうな―― それまではきっとこういう関係が続くんだろうな。佐々木にとって俺は親友だからな。 「僕が初恋を感じたのは高校1年生の時だよ・・・。」 高校のクラスメイトか?たぶん、俺の知らない奴だろうな しかし、佐々木を恋に落とすなんてどんな奴か気になるな・・・。俺には皆目見当もつかない 「相手は僕の中学のクラスメイトさ。 僕は中学3年の時から無意識的にはその人の事が好きだったんだと思うよ。 キミの知っての通り、当時の僕は恋なんて精神病だとか言っていたけどね。 でも、僕は気付いたんだよ。好きな人と進路を別にしてね。 今でも同じ高校に行っとけば良かったって少し後悔しているよ。」 誰だろうな・・・佐々木の初恋の相手は。中学のクラスメイトなら俺でも知っているはずだ。 しかし、俺は佐々木と親しくしていた男子など記憶にあまりないのだが――まさか国木田か!! 佐々木の初恋の相手は結局誰だか分らなかった。 聞いても相手の名前は決して教えてくれなかった。 何故か分らないが無性に佐々木の初恋の相手が誰なのか気になった 本当は誰かにこんな事を聞くのは駄目だって俺も分っている。 だが、俺は気付いたら聞いていた――佐々木の初恋の相手かもしれない国木田に。 「最近、佐々木と飲んだ時に初恋の話になった。 俺の初恋相手なんてどうでもいいだが、佐々木の初恋の相手がうちの中学に居るそうだ。 まさか俺はうちの中学にその相手が居ると思わなくてな」 「キョン、何が言いたいの?」 「お前に誰かその心当たりが居ないかって事だ。 俺は佐々木の初恋の相手が誰だか凄く気になっている。 俺にも何故こんなに佐々木の初恋相手が気になるかはよく分らないが。 もし、お前に心当たりがあるなら教えて欲しい。」 国木田が地動説を信じているコロンブスがインドに向かう途中にリヴァイアサンに会ってしまったような表情をしている。 そうか、やっぱり国木田にも誰か分らないんだな・・・。 一緒に塾通いしていた俺にも分らないんだから仕方ないと言えば仕方ないか 「僕はその相手分るけど。」 本当か 「分ってないのはキョンくらいじゃない?うちの中学のクラスメイトは全員わかると思うけど」 俺以外の奴は知っている?Why?なぜ? 「国木田、誰だか教えてくれ!!頼む!!」 「僕としてはキョンが何でそこまで佐々木さんの初恋の相手が誰だか気にしてる方が気になるな。 黙っていてもクラスメイトの誰かに聞いてしまうだろうし、教えてあげるよ。 彼女の初恋の相手は間違いなくキョンだよ。たぶん誰に聞いてもそう答えるんじゃないかな」 「あいつは俺の事を親友だと言っていたし、絶対違うと思うぞ。」 「あんまり鈍感すぎると嫌われるよ、キョン。 それより僕の問いに答えてくれない?どうしてキョンはそんなに佐々木さんの事が気になるの? でも、それは僕に言う事じゃなくて、彼女に言うべきだね。」 次の日、俺は佐々木を呼び出して話す事にした―― 「今でも初恋の相手が好きなのか?」 佐々木は返事をしなかった。 「聞いてくれ、佐々木。 俺は昨日お前の初恋話を聞いた時は驚いた。ずっと佐々木は恋なんてしないと思っていた。 でもその話を聞いた時に俺は何とも言いがたい感情を抱いた。 考えてみると、俺は誰か分らない佐々木の初恋の相手に嫉妬していたんじゃないかと思う。 そこで俺は思ったんだ、佐々木の事が好きなのかもしれない。いや、俺は佐々木の事が好きだ。 だから――」 「キョンもうそれで十分だよ、僕もキミの事が好き。 初恋は実らなかったという話を聞いてもうキミの事を諦めようかと思っていたよ。」 ――気付いたら俺は佐々木を抱きしめていた。
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/842.html
「引越し?」 佐々木はSOS団+佐々木団+その他のメンバーの見守る中、爆弾発言をした。 「そう、僕は引越しをする。関東の方に。父親が東京本社に転勤するのでね」 そう言った佐々木の顔は強がっているものの、今にも泣き出しそうなのが俺には痛いほどわかった。 「そうか、寂しくなるな」 今までみたいにちょくちょく会うことは無いのか。そう考えると、佐々木と全く会わなかった高1期間がうらめしい。 いつでも会えると思っていたから、結局1年も会わなかったんだな。 「・・・そう」 無表情な長門は、相変わらず何を考えているかわからないな。 「そうか、佐々木さん引っ越すんだ、寂しくなるわねー」 言葉とは裏腹に、にやけ面のハルヒがいた。少し嬉しそうだ。佐々木と性が合わないのはわかるが、性格悪い人みたいだぞ、ハルヒ。 「残念なのね」「わたしも」「そうね」 どことなく阪中とミヨキチと喜緑さんも嬉しそうだな。なぜに?Why? 「せっかくお友達になれたのに、残念です。えーん」 朝比奈さんは本当に残念そうだ。佐々木が、ハルヒのセクハラを何度か防止してくれたから当然か。 「めがっさ残念だけど、ちょっと嬉しいかなっ。ハルにゃんもそう思っているよねっ」 「いえ、あたしはそんなことは、、、」 「キョン、鶴屋さんのように正直な方が良いとは思わないか?くつくつ」 「馬鹿言うな。俺は佐々木がいなくなって胸が張り裂けそうだ」 「僕も同感です」 おい、古泉。お前は佐々木に惚れているような気がするが、気のせいか? 「お別れ会を開くべきだな」 残念そうに谷口が言った。 ナンパ野郎の谷口は、佐々木にあからさまなモーションかけやがってむかつくんだ。佐々木は誰にでも優しいんだ、勘違いするな。何が『お前には涼宮がいるだろう』だ。 「佐々木さん」グスグス 国木田女々しいぞ。一応男だろ。お前 「急で悪いが明後日には出発だよ。その暇も無い。僕も今から家に帰って引越しの準備だ」 「―――お別れ会―――できない・・・」 「残念です、うっうっ」 (なあ、橘は佐々木を追いかけて転校しないのか?) (私はこれから、涼宮さんの観察が主な仕事になりますから。九曜さんや藤原さんも同じです) 「ふん、二度と会えなくなるわけじゃないのに。大げさなんだよ」 「藤原さん、涙、涙」 「じゃ、僕はこれで」 「俺はこれから佐々木の引越しの手伝いがしたい。是非させてくれ」 「あたし達も佐々木さんの手伝いをするわよ」 「・・・有機生命体の有性生殖は私が阻止する」 「もちろん僕達も手伝うよ」 全員が全員『これ以上、佐々木といちゃいちゃさせないぞ』と思っているような気がした。 俺達は夕方まで佐々木の引越しの手伝いをした。 「向こうの家ってどんな感じなんだ?」 「社宅で、かなり古いらしいけど、今の家より広くて、僕達だけでは広すぎるみたいだよ」 こんな会話なんかをしながら引越しの手伝いをした。 「キョン、だべってないでちゃんと仕事しなさい。あんたが手伝うって言ったのでしょう」 「よく見ろ。仕事はちゃんとしているぞ」 もう慣れたが、視線が痛い。男子の視線も女子の視線も。 「高校は、向こうの公立校の進学クラスに編入したよ。北高の進学クラスと同じくらいのランクのはずだよ」 古泉と同じようなものか。 「僕は高校卒業まではあっちにいるんだ」 「それで、お前は大学をどこにするつもりだ」 「いや、まだ決めてはいないよ」 「大学決めたら教えてくれ」 そうだ、佐々木と同じ大学に行くためにはもっと勉強しないとな。 『おい、キョン』 『何だ谷口、それに国木田もか』 『お前には涼宮がいるだろう』 『何度も言うが、俺とハルヒはそんな関係じゃないぞ』 『お前がそのつもりでも、涼宮はお前にベタ惚れじゃないか。涼宮の気持ちに応えて正式に付き合ってやれよ』 『お前こそハルヒに未練があるんじゃないのか?中学時代告白しなかったのか?』 『俺はお前と違って涼宮は好みじゃない』 『僕、涼宮さんはずっと前にキョンに会っているように思うのだけど、キョンは覚えていないの?』 国木田。お前、カンの鋭い奴だな。 「僕の所は、これからは、これまで以上に両親共に帰りが遅くなり、休日出勤も増えるので、正直寂しいよ」 俺にはその経験無いな。ずっとマイシスターがいるから。 「明後日は朝11時出発だな、佐々木。見送りに行くよ」 「キョン、明後日は、不思議探索・・」 「何か言ったか?ハルヒ」 「いえ、あたし達も見送りに行くわよ」 そして、古泉といっしょに帰る俺。正直、こんな寂しそうな古泉は初めてみた。 「なあ、ハルヒ達は佐々木が嫌いなのか?それから、お前達は最近俺を嫌っているような気がするが」 古泉、お前は佐々木に惚れているのか?というのは聞かなかった。聞かなくても、大体わかるからなー。 「鈍いあなたでも気がつきましたか。概ね、その通りですね。両方ともあなたが原因ですが」 「どういうことだ?」 「言って良いですか?」 「迷わず言って欲しいな」 超能力者はしばしの沈黙の後、言った。 古泉の言葉は、俺の想像範囲外だった。というよりも、想像していたものとほぼ同じだが、規模が違っていた。 「その理由は、今日いたメンバーの女性陣は、全員あなたに恋していて、最大のライバルがいなくなってほっとしているのですよ。 あなたが佐々木さんに特別優しいのは皆の一致した意見ですし。 さらに言うと、男性陣は全員、佐々木が好きなんですよ。あなたも佐々木さんも魅力的な人ですから」 俺は佐々木を特別扱いした覚えは無いが。それに、 「全員?」 「そう、全員です」 「ハルヒと長門はもしかしたら・・と思っていたが、喜緑さんや鶴屋さん達まで?」 「そう。例外なく全員です。さらに言うと、情報連結解除された朝倉さんも、その他にも何人か、全員挙げましょうか?」 「いや、いい。まさか、そんなエロゲーそのままのような状況が」 「事実です。機関と橘さんの組織の情報収集の結果ですから」 おいおい、もしかして盗聴とかもしたのか?物騒な話だな。 「谷口あたりはハルヒに未練があると思ったが」 「それは、あなたが佐々木さんをずっと好きだから、自分に当てはめてそう思うだけです。 中学時代のあなたと佐々木さんの仲と、涼宮さんと谷口さんの仲が同じだと思ってましたか?」 同じはずは無いな。そんな当たり前のことに気付かなかったとは。 超能力者は溜息をついた 「あなたがもっとはっきりしてくれれば良かったのですが」 「俺の責任か?」 「いえ、涼宮さんに優しくするように、ずっと言っていた僕にも責任の一端があります」 「それで、佐々木は俺をどう思っている?」 「さあ」 「さあじゃない。知っているだろう」 「聞いてどうします?僕の言葉で行動を変えますか?僕が本当のことを言うとは限らないのに」 佐々木が俺に恋していたら告白し、そうじゃなければ告白せず友達として付き合う。それはある意味、卑怯かな?でも、聞きたい 「お前の話の真偽は俺が判断する。それに、どっちにしろ俺は佐々木に告白する。聞かせろ」 その時、古泉は初めて悪戯っぽい顔を見せた。 「禁則事項です」 最近はやっているな。それ 「俺はどうしたら良い?」 「いつもと同じです。あなたの好きなように」 好きなようにか。今まで好きで世界を選んだ覚えは無いのだが。 「すいません。好きで選んだわけでは無かったですよね。あなたは自分のことより僕達のことを考えてくれる人ですから。だからこそ・・・」 古泉、そうでもないぞ。 閉鎖空間で二人きりになったのが佐々木だったら、崩壊する世界をそのままにして二人きりの世界に行ったかもしれない。 佐々木となら、終わらない夏を終わらせようとしなかったかもしれない。いや、確実に終わらせなかっただろう。 消失世界で元の世界のままの佐々木に会ったら、元の世界に帰らなかったかもしれない。 雪山の山荘に佐々木がいれば、帰りたいと思わなかったはず。 俺はハルヒのブレーキとなった。しかし、佐々木のブレーキとなる自信は無い。 もしかして、古泉、それが佐々木を神としてはいけない理由か? 「もしかして、佐々木の急な引越しはハルヒか長門のパワーか?」 「違う、と言ったら信じてくれますか?」 さっきから古泉が言葉を濁しているのは、本当のことを言いたくないためなのか、嘘を言いたくないという良心なのか、それとも本当のことを俺に信じさせる自身が無いためか。 「さあな。でも、仮にハルヒパワーだとしてもこの程度では怒らないつもりだ」 何故って、良いこと考えついたからな。ちょっと寂しくなるけど。 「そうですか、僕としては予想外の言葉です。ということは佐々木さんをあきらめるということですか?」 「その逆だ。その代わり、多分お前達機関と橘の組織に頼み事をすると思う。 覚悟してくれ、俺の最初のお願いだ。俺の最後のお願いになるかどうかは自信が無いが。いや、違法なことではないから安心してくれ」 「いえ、もっと頼ってくれても良いのです。あなたにはもっと僕達を頼ってほしかったですから」 ずっとあこがれていたハルヒの行動力。それが中学時代の俺にあれば、どうなっていたのだろうか。 中学時代にはすでに佐々木と正式に付き合っていたと思う。 ハルヒとも会うことは無く、変態超能力者や癒し系の未来人、無口な宇宙人とも友達にはならなかったかも。逆に、それでも友人としてハルヒに接したのだろうか。 朝倉刺されるというトラウマも経験することは無く、平穏無事に時を過ごせたのかもしれない。 それとも、高2の段階でツインテール超能力者やいけ好かない未来人や髪の長い宇宙人に会ったのだろうか。 その方が良かったのかもしれないし、今の方が良かったのかもしれない。いや、どっちでも同じだ。佐々木がいれば。 ずっと消極的だった俺。でも、今の俺はハルヒに感化されたのだろうか。すごく積極的だ。 高鳴る鼓動と共に、俺は佐々木の家に走り出した。 佐々木に告白して、佐々木といっしょに転校し、佐々木の家に同居させてくれるように頼み込むために。 (終わり)
https://w.atwiki.jp/earthquakematome/pages/299.html
ページ最終更新日時:2012/03/11 22 39 26 ページ1はこちら 熊谷ミズエ 熊谷歩(40) 石川ヨシ子(58) 伊藤幸則(54) 伊藤福美(46) 村上行雄(69) 大槻章吾(79) 小泉則子(48) 高橋康浩(23) 上野公子(26) 村上行弘(72) 小泉貢二(66) 佐々木伸三(64) 熊谷文雄(73) 黄川田良子(87) 菅野進(77) 岡本教司(63) 森亜紀子(24) 福田幸子(80) 千葉千恵子(57) 吉田淳也(41) 水野隆(60) 飯塚泰子(83) 幕内トシオ(79) 後藤政尚(39) 伊藤ひろ子(38) 伊藤浩倫(42) 熊谷ゆり子(40) 佐々木ユキ子(69) 臼井利枝(46) 村上勝(53) 菊池米次(76) 熊谷健一(31) 高橋貴子(46) 小槌有花(24) 菊池好子(67) 宗宮政秀(65) 森悦子(51) 熊谷信吉(88) 樋渡絵理(27) 村上しげ子(61) 麓洋子(76) 菅野隆夫(81) 千葉郁子(68) 村上廣光(69) 佐々木芳子(75) 佐々木春香(23) 臼井久美子(58) 松田七泉(7) 村上穂高(1) 菅野さよ子(63) 佐々木石松(99) 菅野慶子(84) 菅野正孝(50) 熊谷理子(77) 菅野清子(73) 木村忠亮(67) 村上芳郎(49) 菅野チヨシ(69) 小野寺りえ(42) 高橋寛一(80) 及川剛(80代) 佐々木ひとみ(54) 熊谷美津恵(61) 鈴木松男(74) 村上利逸(82) 菊池宏子(79) 金野忍(37) 黒澤洋子(76) 宮崎倖(3) 岩崎颯真(2) 金野加代子(59) 鈴木冨美子(81) 伊藤都子(67) 村上素子(68) 中津常幸(50) 小泉幸子(72) 村上昭八郎(68) 菅野紀美子(65) 佐藤登茂子(44) 新沼志郎(81) 村上スエ子(80) 佐藤英明(48) 高橋信子(59) 後藤千春(32) 村上ミツ子(77) 村上ミヨノ(94) 菊池修(53) 木島吉衛(83) 野呂香代子(45) 及川七重(72) 坂下千賀(23) 福田けい子(61) 村上武夫(81) 千葉秀子 福田勝男(65) 鷺良子(59) 皆川紀子 小島沙智(18) 小澤ユキ子(78) 三嶋勝洋(30) 上部マサ子(68) 岡田トメヨ(77) 鈴木礼子(62) 菅野世津子(59) 佐々木惠子(77) 吉田照子(82) 村上しみ子(62) 佐々木博敏(57) 鷺ヒメ(88) 蒲生賀千美(52) 清水美智子(75) 黄川田精也(81) 村上京子(59) 上部テル子(82) 村上儀子(60) 熊谷順一郎(37) 岩崎年子(82) 村上孝子(84) 村上元一(84) 鈴木俊雄(64) 千葉教子(55) 菅原イチ子(70) 吉田アツ(87) 村上宏(80) 熊谷礼子(42) 新沼久美子(53) 深尾由香(43) 吉田ケイ子(67) 柳下ヨシミ(82) 柳下竹雄(84) 大坂のり子(63) 熊谷喜逸(81) 村上昌子(75) 伊藤チルヨ(82) 菅野季子(68) 佐藤喜美子(72) 村上はるみ(60) 佐々木トスコ(78) 佐々木久治郎(79) 村上タケト(77) 小島克江(54) 菅野英子(69)=宮城県で被災 吉田幸子(79)=宮城県で被災 菊池公平(79) 佐々木ミエ(93) 高橋トモ子(71) 新沼のり子(62) 佐々木トヨ子(73) 吉田トシ子(86) 小林巧(51) 河野カヨ(77) 菅原和好(59) 東敏子(77) 高橋洋基(24) 伊藤徳一(66) 佐藤幸吉(62) 及川順之(46) 河野トヨ子(76) 上部惠功子(69) 菅野良子(62) 村上みのり(80) 志村軍治(73) 村上哲子(67) 村上軍記(66) 菅野米子(79) 佐々木久美子(74) 菅野房子(77) 村上シズエ(89) 菅野ハシメ(88) 藤原忍(25)=宮城県で被災 細谷實(77) 須藤ヨシ子(83) 伊東モト(88) 千葉朝子(77) 吉田孝子(80) 佐々木正直(68) 村上キミ子(83) 菊地和子(64) 佐々木廣道(76) 佐々木一男(79) 菊池昭子(75) 松本律子(66) 山崎實(83) 清水美香(40) 吉田辰雄(83) 村上靖子(82) 村上イサオ(70) 小友利美(56) 柳沢恭一郎(74) 松野喜代子(70) 菅野美枝子(50) 成田八重子(65) 白山すみ(58) 熊谷陽子(74) 及川昇子(39) 佐々木玲子(81) 加藤春己(82) 佐々木一(76) 上部博男(71) 上部モト(67) 吉田まゆみ(28)=宮城県で被災 吉田康子(59) 熊谷信子(60) 鈴木洋(67) 河野キヨ子(78) 岡田喜多子(70) 河野美恵子(47) 近江俊郎(60) 幕内徳治(82) 村上利昭(71) 東タイ子(81) 佐々木松夫(72) 伊勢眞子(75) 村上敦史(35) 河野昭平(82) 菊池サヨ子(73) 阿部美和子(60) 星千治(74) 三浦健(85)=宮城県で被災 黄川田芙美子(57) 菅原幸子(56) 木島純子(58) 菅野ミサ子(62) 村上愛子(37) 金ヒロジ(90) 佐々木才介(69) 細谷篤子(75) 上部愛子(61) 鈴木軍二(73) 吉田五千子(80) 小友信一(46) 菅野美嘉(48) 村上スミ子(75) 佐々木シゲヨ(73) 佐々木松久(73) 佐々木ツマノ(92) 菅原知里(23) 菅野文夫(76) 村上直子(52) 千葉カネミ(87) 玉つね子(76) 大和田イサヲ(88) 大谷俊彦(57) 村上ユリ子(61) 山崎ミヤ(81) 中山イヨ(78) 鈴木フミス(80) 吉田ちよ子(86) 佐々木直枝(65) 菅野惠子(66) 高橋幾雄(62) 菅野安夫(63) 鈴木むつ子(51) 菅野太佳子(55) 辻本亮(79) 佐々木圭子(71) 田中麗緒(0) 熊谷ツヤ子(83) 及川敬司(67) 佐々木ハシメ(88) 金野ユキエ(69) 佐々木キクノ(79) 鈴木淑子(70) 及川けい子(67) 佐々木トシ子(69) 佐々木美公(47) 小林五百子(78) 伊藤嘉知子(50) 岩崎達也(27) 村上ふじ子(65) 吉田智子(57) 三浦淳子(46) 戸羽歩美(21) 嶋村高雄(74) 菊池淳一(40) 河野とき子(62) 小林まさ子(58) 小友京二(63) 川原永子(53) 上部千吉(64) 武蔵かおる(50) 神池浜子(78) 菅野絹子(48) 古沢輝子(35) 黄川田敬子(51) 大澤孝子(73) 古澤幸三郎(75) 菊池和雄(59) 菅原静枝(70) 佐々木美奈(39) 黄川田隆子(83) 太田芳三郎(92) 太田ヨシノ(87) 佐々木トミノ(87) 堂脇清子(68) 伊東康信(31) 伊東静子(66) 松村庄一(81) 村上知(26) 金野節子(62) 廣田多鶴子(74) 村上雄一(72) 佐々木輝男(74) 菅野政利(71) 小友光子(62) 佐々木安子(54) 山田喜久郎(80) 山田勝子(72) 角地有紀子(57) 柴田康吉(81)=宮城県で被災 新沼誠子(43) 菅野幸徳(39) 吉田俊吾(55) 伊東理代(64) 熊谷すゑ子(63) 吉田みさ子(71) 柴田ヨシコ(75) 吉田清子(68) 河野昌子(41)=宮城県で被災 佐々木みどり(68) 阿部敬子(72) 村上セツ子(84) 松坂敏雄(37) 山川多美子(50) 渡辺勝子(67) 吉田周一(85) 金野きみえ(62) 丹野勝子(52) 山田千代子(63) 千田博美(46) 柴田尚枝(43) 大森幸子(59) 佐々木恭子(60) 小野寺寿朗(81) 金野勝子(73) 金野りえ(34) 三浦幸夫(70) 菅野フミ子(84) 米沢忍(38) 石杜幸司(64) 平野正浩(51)=宮城県で被災 佐々木正文(54) 佐々木フユ子(73) 菅野和賀子(78) 福田サダ子(76) 村上隆子(51) 千葉正男(86) 菅野エツ子(76) 工藤由美子(53) 尾崎道雄(75) 柳沢徹(42) 及川功一(33) 阿部ミヨ子(81) 小松道子(59) 及川義子(74) 柳澤綾子(74) 小澤貞夫(79) 齋藤秀子(77) 菅野美江子(62) 小野純子(57) 小野定子(81) 及田幸子(79) 佐々木ヨキ子(86) 細谷ヨウ(77) 小松とみ子(75) 伊藤涼子(57) 村上イワネ(84) 千葉ハツ(86) 菊池敏男(78) 佐々木友一(70) 河野良子(43) 明石正則(43) 長尾詳三(67)=宮城県で被災 高砂サダ子(80)=宮城県で被災 村上ケイ子(78) 及川富恵(47) 尾形克子(48) 中村和子(59) 松田ハル子(68) 吉田梓(15) 成田眞喜子(57) 吉尾貞次郎(81) 伊藤ミヨ(71) 佐藤昇一(75) 黄川田時子(72) 佐藤和也(50) 鈴木惠子(55) 伊藤スエ子(64) 菅野仁志(31) 高橋サト子(83) 鈴木ちよき(73) 及川勤(70) 梅原ヨシキ(86) 佐々木勝子(68) 鈴木ヒデ子(69) 佐藤ミワ(78) 星フクミ(77) 伊藤ヨシエ(89) 菅野健(67) 村上順子(81) 村上サワ子(59) 藤村俊之(40) 藤村タキ子(67) 菅野昇(73) 小沢ヨシ子(73) 菅野嘉朗(75) 後藤公子(61) 村上正一(85) 鵜浦京子(69) 村上浩子(37)=宮城県で被災 佐々木ツヤ(81) 佐々木弘(72) 高沢賢壽(64) 菅野キヱ子(76) 蒲生忠一(87) 大和田和加子(49) 菊池歌子(80) 村上百合子(83) 石川幸子(73) 村上行吉(55) 鈴木正(60) 北川カシク(90) 齊藤ハマ(84) 柴田純雄(78) 河野三郎(73) 河野信一(59) 河野哲哉(56) 菅野政弘(56) 佐々木ヨシエ(88) 黄川田シケ子(90) 鈴木賢太朗(24)=宮城県で被災 岡田トキヨ(88)=宮城県で被災 川原千賀子(84)=宮城県で被災 熊谷泰二(66)=宮城県で被災 金野房子(60)=宮城県で被災 佐々木ニノヱ(91)=宮城県で被災 菅野巻夫(63)=宮城県で被災 菅原香(78)=宮城県で被災 吉田訓一(36)=宮城県で被災 千葉悦子(78)=宮城県で被災 柳下セイ(89)=宮城県で被災 菅崎順子(80) 及川順二(78) 千葉美幸(30) 三浦弘子(58) 鶴島竹子(70) 菅野あゆみ(21)=宮城県で被災 佐々木紀子(73)=宮城県で被災 千葉チサト(98)=宮城県で被災 星貞男(83) 畠山仁彦(67)=宮城県で被災 村上詔子(51)=宮城県で被災
https://w.atwiki.jp/muuzatu/pages/67.html
メイントリップ ◆SASAKIIcjg 佐々木さん、使用AAと酉の由来は涼宮ハルヒシリーズ AA作成能力がある AAの通りハルヒシリーズには詳しく、他のライトノベルの知識も豊富 (とある魔術の禁書目録...etc) シノさんや操さん、ゆきりんなどを含めたくさんの人がスレに出入りしており 活動範囲は同じくシノさんやゆきりんなどのスレ周辺である なにやら佐々木さんが二人いることに気付くかも知れないが、そこは自分の目で確かめてみよう AA
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/729.html
キョン「もしもし佐々木か?」 佐々木「キョンかい?君の方から電話してくるなんて珍しいじゃないか」 キョン「実はな、頼みたいことがあってな」 佐々木「頼みって?」 キョン「実はまた勉強を見てほしいんだ。今度の試験がやばくてな」 佐々木「またなのかい?まぁほかでもない君の頼みならやってあげるよ。教科はなんだい?君はたしか理系がにがてだったよね?」 キョン「いや、今回は国語の漢文のほうが「キョンくーん!勉強おしえてー」こら!今電話中だから後にしなさい!「今すぐじゃないとだめなのー」 佐々木「妹さんかい?」 キョン「ああ、スマンがちょっと待っててくれ―――― 「まったく。で、どこが分からないんだ?」 「ここー!」 「どれどれ?なんだまた積分かよ。前におしえただろ?ここはこうしてだな」 「あーわかった!」 「な?あとは一人でできるだろ」 「うん!ありがとキョンくん!」 「兄と呼べ!」 やれやれ。あスマン、何の話だっけ?」 佐々木「……教科の話だよキョン」 キョン「ああ、そうだった。今回は漢文が出そうなんだ。そこらへんよろしく頼む」 佐々木「わかったよ。ついでだからほかの教科も見てあげるよ」 キョン「本当か?それは助かる。持つべきものは友だな」 佐々木「ふふ、そう言ってくれるとうれしいよ、キョン。なんだったらいつでも勉強を見てあげてもいい」 キョン「そうか、まぁ週末は不思議探索もあるから暇があまりないかもしれないけど、機会があったら頼むとするよ」 佐々木「わかったよ、それじゃ」 キョン「ああ、じゃあな」 佐々木「いい感じに育ってるね。この調子ならキョンと一緒に楽しいキョンパスライフも…」 佐々木さんはおやじギャグが趣味のようです
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1290.html
佐々木とキョンの驚愕プロローグ 佐々木とキョンの驚愕第1章-1 佐々木とキョンの驚愕第1章-2 佐々木とキョンの驚愕第1章-3 佐々木とキョンの驚愕第2章-1
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1155.html
古泉属する機関とやらがどれだけのコネと力を持っているかは 知らないし知りたくも無いが、それでも信じていいことが一つだけある訳で、 それはSOS団創設後に行われたであろう俺の身辺調査の結果である。 これ以上ないというほどに平凡な中流家庭で、 これ以上ないというほどに平凡な人生を(あくまで高校生になるまではだが) 送ってきた俺は間違いなく普通の人間だということだ。 普通。 今となってはどれだけ懐かしく、 郷愁を覚えずにはいられない響きだろう。 灰色空間やらタイムトラベルやら様々な経験を積んだ俺には 最早遠いところにある言葉であり、 しかしこうして見ると自分の経験値もどうってことなかったのだと 自責の念に駆られることも無いわけではない。 いやいや、よく考えてみろ俺。 俺の経験値において大半を占めているのはあくまで 非日常的冒険活劇チープ版であり、 鶴屋さんの別荘にしても夏の孤島にしても豪華ではあっても それが威圧感となることはなかった。 だからこれは初体験となる。 山奥に佇み、奥ゆかしさと風流さすら威圧感へと変えるほどに一般人とは縁の 無い高級旅館に泊まるというのは。 「という割にはいつもの君と変わりが無いように思えるよ、キョン」 どうやら俺のような一般人には近づくことさえ憚られるようなこの 高級旅館も、佐々木と俺の顔には何ら影響を及ぼさないらしい。 ちなみにこの旅館、本館に部屋がない。 風呂もない。 どうしてかと言えば、本館を囲むように存在する部屋という名の 簡素ながらもしっかりとした家屋に必要なものが全て揃っているからだ。 いや、どう考えても金と土地の無駄遣いである。 俺には到底理解できないというかしたくない。 分不相応もいいところだぜこれは。 「妙な経験だけなら随分と積んだんでな。その賜物だろう。」 「君がそういうのならそうなのだろう。 とはいえ、君の気持ちも理解できなくはない。 実際ここは著名人や政治家もお忍びで利用するほどの隠れ宿というやつで、 言い換えれば変なところで我侭だったり意地を張ったりする人間が 来るのであれば必然、無駄なところに贅を尽くすようになるというものだよ。 それでもキョン、この渡り廊下からの景色は中々のものだと思うけれどね。 来訪者の傾向故に案内人である女中さんがいなくてよかったと思わないか? 深緑を味わいながらゆっくりと部屋に向かおうじゃないか。」 たしかに、しっかりと手入れされた日本庭園が視界に広がっている。 審美眼じみたものがないことは重々承知だが、それでもこれがどれだけすごいか多少は 解るというものだ。 「不均一的、あるいは非左右対称的な美というのかな。 そもそも花道や枯山水、陶芸にも見られるように日本の伝統では微妙な歪みと それに伴う不完全性をこそ愛でる訳だが、 人間の顔だって左右対称とはいかないことを考えればそれこそ自然なのだろうね。 西洋的な左右対称は人為的で僕は好かない。 ありのままを受け入れるというのは日本の美徳の中でも最上のものに違いない。」 「枯山水ってのはアレか。京都の寺やらにあるようなのだろう。」 「そうだね。 まぁ、これは学者、あるいは識者閣員によって意見が分かれるものだと思うけれど、 基本日常に関連するカタチで美を表す傾向にある日本においてあれだけ緊張感のある 芸術というのも珍しいだろう。 ………うーん、やっぱり芸術に関しては僕は口を閉じている方がいいのかもしれないな。 いつもの調子で口が回らない。」 「そんなに気にする必要はないだろう。 こういうのはきっと、評したりするもんじゃなくて体で感じ取るもんなんだろうさ。」 口にしてからちょっとしまったと思った。 語りモードに入った佐々木に対する言葉としてはあまりに直情的で観念的だ。 きっと手痛いしっぺ返しが帰ってくるんだろうと身構えていたが、 どうしたことだろうね。 佐々木はぽかんとした無防備な顔で俺を見ていた。 あ、笑い出した。 「くっくっくっくっく……いや、その通りだよ。 確かに、言葉が不粋となる時もある。 言語だけで全ての情報が遣り取りできるとか限らないのだからね…… だめだ、お腹いたい…くっくっく……やはり君は最高だよ、キョン」 そうかい。お褒めいただい光栄さ。 「いや、すまない。嘲っているつもりなどまったくないよ。 むしろ今までで一番高い評価を下している最中だよ。」 「ま、何だって構わんさ。さて、お部屋についたぜお姫様。」 扉を開け、去年の夏の出来事から反省を学んだ俺は佐々木をしっかりエスコートする。 畳の香りがほどよく嗅覚を刺激し、俺と佐々木は部屋の趣味の良さと 窓からの景色に圧巻されているうちにちょっと回想モードに入ろうじゃないか。 「キョン、折角の休みだ。ここは一つ、長旅と洒落込むのはいかがかな?」 事の発端は佐々木のその一言に由来する。 まぁ、俺たちも高校二年になる訳で、 前には絶海の無人島に行ったりもしたから 今更長旅に怖気づくなんてこともなく俺は佐々木の誘いにあっさりと乗った。 「そうかい、それはありがたい。ところで、君は行きたいところがあるのかな? もし構わないなら、僕に決めさせてもらいたい。」 全然構わない。 佐々木なら絶海の孤島やら吹雪の雪山に行ったりはしないだろうという確信があるからな。 あんな心身共に疲れる旅行は年に一回か二回で十分であり、 それも古泉プロデュースの茶番劇があること前提の時だけだ。 「ちなみにキョン、君は行き先不明のサプライズ旅行と予定が100%判明している 観光旅行のどちらがお好みかな。」 言うまでも無いことだろうに。 旅行ってのはゆっくり楽しむためにあるというのが凡人たる俺の信念である。 「くっくっくっ、確かにその通りだ。ではキョン、楽しみにしているよ。」 さて、皆さんなら気付いていただけるものと思うが一応言っておこう。 俺はこのとき、旅行に参加する人数を聞いていなかった。どうせ佐々木団の面子 の、そうだな、橘あたりも参加するだろうと思っていたのだ。 これもSOS団雑用係にして連絡が来るのは一番最後という俺の立場に由来する に違いない。本当、習慣というのは恐ろしいものだね。 メールで送られてきた旅行の予定は佐々木らしく綿密なのに無理がないものとなっており、 こいつ将来旅行代理店にでも就職すれば高給取りになれるだろうという幻想が浮かばない こともないほどのものであった。 何ていっても、こちらの起床時間まで指定してきてるんだからな。 どうやら中学三年における一年の付き合いは俺の生活リズムが把握できるほど のものだったらしく、しかし俺が佐々木の生活リズムを把握できていないのは さて、何でだろうね。 「キョン、それは僕の生活リズムを知りたいということかい? 無論、君になら教えるのもやぶさかではないが、他人に伝えることは社会的タブーに相当する 旨は言っておこうじゃないか。 それとも、君は知り合いの行動は悉く把握していないと心配になるのかな。 僕の記憶が正しいと仮定した上ではそのような奇矯な趣味を君が持ち合わせていた 覚えはないのだがね」 「どんな趣味だそれは。というか、他の連中は来てないのか?」 「ああ、言い忘れていたよ。僕と君以外に参加者は無し。所謂二人旅というやつだ。」 そうかい、そりゃびっくりだ。どれくらいびっくりかというと、 コペルニクス的なんたらってぐらいびっくりだぜ。 表情が変わらないのは高校になってから積んだ非常識経験値の賜物だ、というか 「集合地点をここにした時点でそれに気付くべきだった…とでも考えているのだろう。」 俺の脳内をスキミングのごとく読み取らないでいただきたい。 そりゃあ、集合地点が俺達が通っていた塾に近い懐かしい公園であったのに そこまで考えが及ばなかった俺の脳なら、簡単な機器で内容を読み取れそうだが。 「まぁ、いいか…というか、さっさと行こうぜ。 時間ギリギリになって走るなんて御免だからな。」 お互い荷物は小さめのトランクと肩掛けバック。 三泊四日の旅行な訳で、さて、せいぜい楽しもうじゃないか。 はい、回想終了。 ってうお、佐々木と二人旅って気付いた時点で色々ピンチなことに 考えが及ばない俺をどうしたらいいのだろうか。 いやいや待て待て。 佐々木の指定してきた起床時間は俺にしてみればあり得ない早起きは三文の得 的日の出タイムであり、新幹線と電車を乗り継いでこの隠れ宿に一番近い 駅に着くまで頭の中に眠気が沈殿していたのだから早朝の俺に冷静 かつ正常な判断を下す力などあろうはずもなく、つまりこれは不可抗力で あって誰に文句を言われる筋合いもないのだ。 あとは、健全なままこの旅行を終えれば万々歳である。 うん、すばらしいじゃないか俺。自分に対する言い訳は完璧だ。 「絶景と評していいのではないかな、これは。キョン、どう思う?」 「いいんじゃないか。 俺はこんな景色を見るの初めてみたいなもんだからどう言ったらいいか考えてたところだ。」 部屋の中がどうなっているのかちと調べ、荷物もおいて一休みする午後五時。 簡単な台所もついていることに驚愕したり座布団を出したりと色々したが、 今は佐々木が淹れてくれたお茶で二人揃ってのんびりしている。 …本当に今更だが、こんなとこに一介の高校生が来て、しかも自分は宿泊費を一銭も 払っていないことに我ながらどっきりだ。 佐々木曰く、母親の親戚に作家筋で著名な方がいるらしく、 ここに二人分予約を入れたはいいが締め切りの関係でいきなり来られなくなったらしい。 キャンセルするのも面倒なので、誰か行かないかと話を回したところ、 新幹線でもかなり時間のかかるここまで来たがる人間はいなかったらしく、佐々木にまで お鉢が回ってきたらしい。 加えて佐々木の両親は仕事で忙しいらしく、お友達と行って来なさいの一言だったとのこと。 いいんだろうか、そんなことで。 俺がそんな招待される側としてはいささか不謹慎な思考に埋没していたので、 佐々木がいつ動き始めたのに気付かなかった。 荷物をごそごそとしては、押入れから何か取り出している。 ためつがめつして俺をチラッと見ては、また荷物をごそごそ。 「………どうしたんだ、佐々木。というか、何をしている?」 ギクっというような擬音を伴うような動作で佐々木が止まった。 こいつに限ってないと思うが、何かやましいことでもあるのだろうか。 「いやいやいやいや、気にしないでくれ。というか、電車での長旅で 疲れも溜まっているだろう? 六時には夕食が運ばれてくるはずだから、君から先にお風呂に入ってはいかがかな。」 招待された側としてそれはちょっといただけないな。 一番風呂は佐々木に譲るぜ。 「な、何を言っているんだ君は。誘ったのは僕で、むしろ君が僕の我侭に付き合って くれているのだから君から入ってくれ。」 風呂が二つあればよかったのだが、どうやらそこまで無意味に豪華という訳ではなく、 それでも露天風呂つきなのだが、残念ながら体を洗うスペースが一つしかない以上 どちらかが先に入るしかない。 まぁ、よくよく考えてみれば佐々木も女だし、自分が入ったあとの風呂に 男が入るのは嫌なのかもしれない。 では男が入った後の風呂はいいのかという疑問もあるが、 それはきっと優先順位の問題なのだろう。 じゃ、すまんが先に風呂いただくぜ。 「ああ、ゆっくりと寛いできてくれたまえ、キョン」 色々あったが、計画通り。 今キョンはお風呂で体を洗っているところだろうから、今のうちに必要な準備を 全て済ます必要がある。 まずはお布団。 これも自分で引かねばならないというのはつらいが、この宿の特性を鑑みれば 仕方の無いことだろう。 食事を持ってくることと、午前中の掃除の時間以外はほとんどノータッチであり、 だからこそここを選んだのだから。 …話が逸れた。とにかく、先ずはお布団だ。 一組では、彼のことだ、俺は居間で寝るからなどと言いかねないので、二組敷く。 ぴったりとくっつけた状態にして。 次、財布や携帯電話を入れているハンドバックを枕の近くにおいておく。 一応中を見て、禁則事項がしっかり入っているか確認する。 うん、完璧。 あと最後に一つ。備え付けの今時貴重な黒電話で本館に連絡。 ……彼には内緒だが、宿泊者名簿の私と彼の年齢は実年齢+三となっている。 頼みごとは二つ。どちらも言うまでも無いことだが、用心に越したことはない。 くっくっく、これで外堀は埋めたも同然。 あとは……最終段階。 高鳴る心臓に落ち着くよう指令を下し、私は必要なものを持って立ち上がった。 「キョン、失礼するよ」 いたって呑気に人生初の檜風呂を楽しもうと体の汚れを洗い落としていた俺を 停止させるに十分なことをしてくれました、佐々木さんは。 カラカラと扉が動き、温まった体には寒く感じる空気と一緒に佐々木が入ってきたのだ。 丁度背中を洗おうとしていた手はもちろん停止し、 強靭だと思われた我が理性はあっけなく混戦状態に陥った。 「さ、佐々木!ちょっと待ておま」 「背中はまだ洗ってないようだね、キョン。それでは僕が洗ってあげよう。」 いや、一応バスタオルを身に着けてはいるんだけどね。 むしろなんか色々とそのお姿は危険過ぎですよ佐々木サン。 「そうかな?隠すべきところを隠しているのだから構わないと思うが。」 そんな問題ではなくてだな、何というか、その、 嫁入り前の娘さんが男が入ってる風呂にくるなんてそりゃよろしくない訳で ええい、これ以上は禁則事項だ。何があったかは各自の妄想力にお任せしようじゃないか。 という訳で、テレビの不味いシーンが生放送中にあった時のように 「しばらくお待ちください」をテロップとして流しながらお花畑で夕食まで時間を飛ばさせていただく。6-860「湯煙@佐々木」7-883「湯煙@佐々木vol.2」8-621「湯煙@佐々木(翌日)」