約 115,752 件
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/56.html
509 :消毒 1/8:2005/06/12(日) 21 46 14 ID ??? もう深夜に差しかかろうとした時間帯に次の現場に向かうと 通路の反対側からいけ好かない組合せが歩いてきた。 キョーコと、敦賀蓮と、もう1人はマネージャーか? なんかやたら親密なムードがどうにもムカつく。 ・・・なんで芸能界一の(ピー)男が そんな下っ端と親しげに歩いてんだよ。 「・・・よう、ご無沙汰だな」 「・・・なんでアンタがこんな所にいるのよ」 「まだ撮りが残ってんだよ。お前こそ何やってんだ」 「彼女が何してようが君には関係ないんじゃないかな? ・・・えーっと、不破君・・・だっけ?」 気が付くとキョーコのすぐ背後に長身の男が立っていた。 キョーコの肩に軽く手を掛け、 俺のことを冷ややかな目で見下ろしている。 以前は生ぬるくかわすだけだったくせに、ますます気に入らねぇ。 「敦賀さん、こんなヤツほっといて行きましょう?」 キョーコがヤツの腕を取って歩き出そうとした。 そうは行くか。確かめてやる。 キョーコの肩を引っつかんでこっちを向かせ、すっと間合いを詰めて唇を奪う。 一瞬のことだけど、効果は充分だった。 「・・・?!?!!ナニすんのよ、このバカショー!」 「っ・・・痛ってーな、蹴る事ねーだろ・・・」 真っ赤になって俺の向う脛を蹴り飛ばし、 俺だけを意識して怒るキョーコと。 瞬時にキョーコを取り戻して背後から腕を廻す奴と。 「・・・同意も無しに女性に乱暴狼藉とは感心しないね・・・」 ・・・すげぇ威圧感だな。いつも温和って言われてるけど、 こんな冷たい表情もするんだな、敦賀サン? 「敦賀サンには関係ないよ? こいつは俺のモンだから、俺がどうしようと俺の勝手。 ・・・昔からそうなんだよ。ずっとな。」 キョーコは変わらず目を吊り上げて怒り狂っている。 俺だけを真っ直ぐに見つめて。・・・背後の男を見もしないで。 「今更何言ってるのよ!今の私はアンタと何一つ関係ないのに!」 「本当に関係ないなら『憎い』なんて言わねーだろーがよ。 ・・・ひょっとしてその様子だとお前今のファーストキスか? こんな業界飛び込んできても、相っ変わらずトロくせーのな。」 真っ赤になって絶句してるキョーコ。やっぱ図星かよ。 後ろの男を全く意識してないとこ見ると、 今んトコは付き合ってるとかじゃないんだな。 それだけ分かれば今日のところはこれで十分。 俺の事を絞め殺しそうな目で睨む女と もう隠しようもなく絶対零度の表情で威圧してくる男を一瞥すると、 俺は「じゃあな」とその場を離れた。 この後のあいつらの揉める様が目に浮かぶようで、 くすくすと笑いが漏れた。 次に会う時が楽しみだな・・・ 「敦賀サンには関係ないよ?」 その一言が胸に突き刺さった。 確かに彼女と俺とは何の関係も無いのだ。 俺の伝えられないでいる想いの他には・・・ 不破が離れる背中をそれ以上見せたくなくて、 腕の中の彼女の向きを変えて目を覗き込む。 「・・・ごめんね?」 「・・・敦賀さんが謝る事じゃないですよ? 全部悪いのはあのバカ。ほんっとムカつく!なんで今更・・・」 泣きそうな目で口をごしごし擦る彼女は、 それでも気丈に振舞うのだけれど口調が不意に揺れる。 色々と堪えているのだろう・・・ 「女の子を狼藉者から守れないなんて エスコートしてる男の責任だよ。・・・本当にごめん。」 今まで口を挟めずにいた社さんが、 おろおろしながらも「大丈夫?」とハンカチを差し出した。 「大丈夫です!でも、みっともない所をお見せしてしまってごめんなさい・・・ 今日はもう遅いから送るって言って頂いてましたけど、 私医務室寄ってから帰りますんでここで失礼しますね!」 「・・・医務室?なんで?キョーコちゃんどこか怪我でも!?」 「違います!怪我とかじゃないけど・・・消毒したいんです! 一刻も早くマキロン塗って全部消し去りたいんですよ! あー、もー、ほんとにムカつく!!」 「・・・消毒、してあげようか、最上さん?」 「?敦賀さんマキロン持っていらっしゃるんですか? じゃあお願いします!」 「・・・了解」 俺が服から何かを取り出すそぶりをすると、 彼女の視線がそちらへ向かう。 その隙に俺は少しかがんで顔を近づけ、 彼女が気づいた時にはもう逃がさない距離にいた。 最初は、優しく触れて。 首の後ろに手を廻して彼女の頭を固定すると、 頬を優しくなでながら唇を嘗め。 抱きしめながらソフトに吸い、一度口を離すと、 彼女は、はふ、と口をあけて息を吸い込む。 その隙にもう一度キスして中へ忍び込んだ。 そっと、溶かすように舌を絡めて。 え・・・??? ふいに敦賀さんの顔が近くにあったと思うと、 ・・・抱きしめられて、キスされて。 さっきのショータローの触れただけのキスなんて 比べ物にならない・・・深くて・・・甘い・・・ 押し返したくて胸についていた手の力が入らなくなる。 身体から力が抜けていって、支えが欲しくてシャツを握って・・・ 頭の芯がぼうっとなったまま 唇の感触しか分からなくなっていると、 混ざり合った唾液が溢れそうになって思わず飲み下した。 ・・・それは喉からお腹へ流れ込んで不思議な熱さが広がっていく。 私、どうなっちゃうんだろう・・・ ふっと敦賀さんが離れていっても、 私はしばらく彼の腕の中で呆然としていた。 ・・・今、一体ナニが・・・??!!? 「・・・っつっつつる敦賀さん・・・?!! 一体何するんですか・・・??」 「ん?消毒だよ?」 「・・・こんな消毒の仕方がありますかーーー!!?!」 「古いキスはね、新しいキスで消すのが一番なんだよ?」 「っ・・・でもでも!後輩にこんなセクハラするなんてヒドイです!」 「セクハラって・・・じゃあ君、ファーストキス思い出す度に 不破の事で怒ってるのって不毛じゃない? ・・・どうせなら俺のこと思い出してよ。 それに・・・ちょっと気持よかったでしょ?(ニヤリ」 あまりといえばあまりな言い草に大爆発して怒ってる私と 性質の悪い笑いを浮かべている敦賀さんを見て。 社さんは・・・泣いていた・・・ 小声)「・・・蓮・・・お前、それじゃ小学生だろ・・・(泣」 ああ・・・乙女のファーストキスをなんだと思ってるんですか、 バカショーも敦賀さんも・・・モテる男ってこれだから(怒 いっそ2人とも脳内から消毒したい・・・ 2人とも強烈過ぎて無理、って分かってるんだけど・・・(泣 ・・・そりゃね、もしバカショーとのキスだけだったら、 きっとずっとただ落ち込んで、泣いてただけだったかも・・・ ちょっとでも浮上したのって敦賀さんのおかげ?!って、 ちらっとは思ったけど・・・ 悔しいから敦賀さんには絶対に言ってあげないんだから! この意地悪大魔王の似非紳士め!
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/19.html
78 :1:2005/05/15(日) 14 13 23 ID ??? 発売まで、あと5日!ということで「敦賀蓮生殺し祭り」を脳内で開催してしまいました。 まちきれね~な気持ちを発散させてください(リクに答えられず申し訳ない) 「ねぇ、せん――」 せい、という言葉は強引なキスでさえぎられた――…。 (?!―― 敦賀さん…っ) 熱くむさぼるかのようなその口付けに、何も考えられなくなる。 「美月……」 …その言葉は、頭から氷水をあびせられたように、私の心に突き刺さった。 なぜ?今は役のお稽古中で。この関係もごっこ遊びの中のこと。 なのに、どうしてこんなに痛いの……。 「最上さんっ?!」 気が付けば、はらはらと涙がこぼれてきて、敦賀さんの胸の中で固まっていた。 何か弁解しなければと思うのに、言葉を発することはできなかった。 「ごめんっ、ちょっと入り込みすぎた。やりすぎたな。ごめん……」 急変した私の様子に、敦賀さんがあわててあやまってくれた。 頭を優しくなでる感触で、少し冷静になる。 「ごめんなさい、敦賀さん。NG出しちゃいました」 精一杯頑張って、微笑みながらそう言う。涙はなぜか止まってくれない。 「……最上さん」 ほほをなでる手の感触に驚いて、敦賀さんを見上げると 真剣な、そして熱いまなざしでこちらを見てくる、その瞳とぶつかる。 苦しげに、そして躊躇するような様子を見せてから彼はこう言った。 「キス…してもいい?」 予想外の言葉に目を見開く。それは……、美月に対して? それとも……。涙はもう止まっている。 決意をこめた目で彼を見ると、ほほに添えてあった彼の手が首筋をなぞり、 再び口をふさがれた。 優しく、いとおしむかのような口付け。 どうして、こんなに優しいんですか。あなたは……何を想ってるんですか。 優しいその感触が離れてからも、余韻が抜けず、しばらくぼんやりとした頭で そのまま敦賀さんの腕の中でじっとしていた。そっとその胸に頭を預ける。 だまって抱きとめてくれる、敦賀さんに少し甘えてみてもいいでしょうか。 「はじめて……だった?」 気遣うような、申し訳ないような、そんな調子で敦賀さんから発せられた質問は、 ちょっと答えるのには気恥ずかしいものだったけれど、素直にうなずいた。 「ごめん……」 すごく悲しげに、あやまられて、あわててこちらの気持ちを告げる。 「いえっ、そんな。ちょっと驚きましたけど。いいんです。 むしろよかったっていうか、その……」 言いながら顔が赤らんでいくのが分かる。でもきちんと伝えなければいけないと思った。 「えっ……」 私の言葉に、今度は敦賀さんが絶句した。おそるおそる顔をうかがうと……。 敦賀さんが赤面してる!あのどんな甘い言葉や言動にもゆるぎそうにない、 ポーカーフェイス、完全無欠な俳優、敦賀さんが! 思わずぽかんと口をあけて、まじまじと見つめてしまうと、 ゴホンと咳払いして、口元に手をあてて、目をそらしてしまうし。 そんな姿にもらい照れをしてしまって、ますます赤くなる。 「女優として働くからには、いずれはこういうこともあると思うんです。 だから、ある程度覚悟はしていたんですが。その…やっぱり初めての時は、 自分が納得できる相手がいいな、と思っていたというか。 甘い考えだとは思うんですけど――。だから敦賀さんでよかったです」 たぶんどんなごまかしをしても、見破ってしまう人だから、そのままの気持ちを まっすぐに伝えた。嬉しかった。確かにそう感じた気持ちを。 「俺で……よかった?なぜ……」 そう静かに問いかける敦賀さんには、先ほどの照れはみじんも残っていなくて、 むしろ嘉月に感じるような切なさがただよっていた。 「だって、誰よりも尊敬している先輩ですから!」 いつか、あなたに追いつきたい。作品の中で、あなたの隣に並びたい。 そう決意をこめて、まっすぐに目を見つめて宣言した。 「そう、…か」 ぽつんとそうつぶやいて、微笑みかけてくれる敦賀さんの目が 今にも泣き出しそうなほどに、哀しく感じたのは、気のせい? 「いつか、やれるといいな。恋人同士」 「はい!まだまだ未熟者ですけど、頑張ります!」 嘉月をつかんで、ますます大きく、そして遠い存在になってしまうだろう敦賀さん。 その演技を誰よりも近くで感じていたい。 いつか、いつか必ずその隣まで。それまで、待っていてくださいね。
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/30.html
225 :眼鏡の男 1:2005/05/26(木) 12 30 27 ID ??? 「夏・・・だなぁ、蓮」 「・・・え?まぁ・・・そうですね」 突然の事だったので俺は適当に返事を返しておいた。 「心配だよなぁ・・・なぁ?蓮」 「・・・は?」俺には社さんの言っている事が理解出来ない。 「キョーコちゃんだよ!キョーコちゃん!!心配じゃないのか?蓮」 「・・・はぁ?どうしてそこで、あの子の名前が出てくるんです?」 俺は”あの子への想いならちゃんと自覚しましたよ”という顔をした。 しかし社さんは俺が思ってもみなかった事を口にし出す。 「夏だから薄着になるんだぞ。下が透けて見えるじゃないか。それを他の男に 見られても平気なのか?蓮」 「・・・・・・・」 俺は言葉を失った。一体何を考えているんだ、社さんは・・・。変態か? 「キョーコちゃん、可愛いから男共からいやらしい目つきで見られるんだろうなぁ。」 「・・・はぁ・・・」一体、俺にどうしろと・・・?社さんの思考にはついていけない。 「あ!そういえばキョーコちゃん、仕事で水着姿になったりしないのかなぁ?」 「・・・・・・・」 本当に何を考えているんだろう?この人は。しかし有り得ない話では・・・無いよな。 あの子が水着姿になる・・?他の男共の目に触れる・・?そんな事、考えたくもない。 俺はいい加減この話題から離れたいと思った。 「あぁーっ!?キョーコちゃぁ~ん♪」 社さんがスキップをして彼女に近づいていく姿が見える。 社さん、あなた一体いくつだと思っているんですか?歳、考えてくださいよ・・・。 それはそうと二人は一体何を話しているんだろう?俺はゆっくりと二人に近づいていった。 「こんばんわ、敦賀さんv」 彼女は、はにかむような笑顔で挨拶をしてきた。どうやら学校帰りだったらしく制服姿だ。 俺も彼女の姿を見て自然と笑顔になる――――――・・・はずだった。 社さんの視線の先・・・。あなた一体彼女のどこを見てるんですか。 彼女の制服のブラウスの下が・・・・/////。 「最上さん、ちょっと!」 俺は強引に彼女の腕を掴み、二人きりになれる場所へと移動した。 社さんに”ついてこないで下さいよ!!”という牽制をするのも忘れずに。 社さんのおかげで、俺は彼女のどこを見て話せば良いのか解らずにいた。 彼女は不安そうに俺を見上げている。俺が怒っていると勘違いでもしているのだろう。 「最上さん、これ」俺は自分の上着を無理やり彼女に着せた。 とりあえずこれで目のやり場は確保出来たが、この先が思いやられるであろう事に 気付いてしまう。まさか彼女を閉じ込めるなんて事は出来ないし・・。 彼女は不思議そうな顔をして俺を見ている。 少しはこっちの事情も察してほしい所だが、とりあえず遠回しな忠告をする事にした。 「最上さん・・。眼鏡をかけた男には『特に』注意を払って近づかないようにしてね(キュラリ☆)」 怯えた表情を浮かべコクコクと頷く彼女。本当の意味は恐らく理解してくれていないだろう。 時間が来たので俺は彼女と別れ、マネージャーの元へと戻った。 しかしそこには”ふふりっ♪”と不気味に笑う社さんの姿があった。 「ど~だぁ?蓮。やっぱり心配で心配で仕方無くなっただろう?」 社さん、あなたには言われたくないな・・・。 「あ!それからキョーコちゃん、女優業一本に仕事を絞りたいから写真撮影とかは断るってさ。 良かったな、蓮。水着の撮影も断るって事だぞぉ♪」 眼鏡の奥の瞳が勝ち誇っているように見える。 俺はマネージャーの黒い罠に嵌ってしまった事に気が付いた。 (終)
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/84.html
877 :マネージャーにあるまじき嘆き1/4:2005/06/28(火) 02 00 23 ID ??? 最近、Dark Moonの収録が佳境に入ったせいか、 蓮が収録中は休憩時間まで役に集中してることが多くなった。 と、言うことは。 ・・・いつも以上にメシを食べてくれない訳で・・・ 見逃せないほどそれが続いた時に、 俺はついキョーコちゃんに泣きついてしまったのだ。 泣きついた次の日、キョーコちゃんは3人分のお弁当を持ってきた。 ・・・俺の分まで? 「2人分も3人分も一緒ですよ~ でもたまには出来合いじゃないお弁当も悪くないでしょう?」 味の保証はしませんよ?と、にこにこと微笑む彼女は、本当に可愛かった。 そしてお弁当はびっくりするほど美味かったのだ・・・ 美味い・・・!!とびっくりする俺を横目に、 蓮は特に驚いた風も無く黙々と箸を進める。 ・・・いつもその位サクサク食べてくれれば、 お兄さんは何の心配も無いんだけどな・・・ とうとう3人で結構な量の弁当を完食した。 「ありがとうね、キョーコちゃん。美味しかったよ。 料理上手なんだね~もう今からいい奥さんになれるね!」 「・・・そうですか・・・?」 ん?なぜそこで表情が翳る・・・褒めたのに・・・ 「最上さん、ごちそうさま。時間そろそろじゃない?」 「あ、そうですね!社さん、お弁当のことなら またいつでも言ってくださいね!では失礼しますっ」 ぴゅーっとスタジオに走っていくキョーコちゃん。 まだ少女だけど、あの子は絶対に今後綺麗になる。 蓮のことを心底気遣うのと同じ優しさで、俺にも気を配って・・・ 「なぁ蓮。お前キョーコちゃんのことどう思ってるの、実際?」 「・・・社さんまたソレですか・・・最上さんは世話になってはいますが、 あくまで後輩、それだけですよ・・・」 「ふーん。本当にそれだけ?」 「・・・それ以外に何があるっていうんですか。」 「・・・だったら、俺がキョーコちゃん狙いでもいいんだよな?」 「はぁ?!?」 「いや今までは、お前が唯一珍しく特別反応をする子だから、 と思ってお前を煽ってたんだけどさ。 お前がキョーコちゃんいらないんならな。俺が欲しいな~と思ってさ」 「社さん、ソレ犯罪でしょう・・・」 「なんで?10歳離れてるとかじゃないんだぞ?」 「9歳も10歳も一緒でしょう」 「彼女は多分気にしないさ。お前と違って俺彼女に最初から親切だし? 持って行きようで結構目はあるだろーと思ってるけど?」 ・・・って言いたい!蓮にモノは試しに言ってみたいよ! 言って蓮にハッパがかかるならヨシ、 万が一にも本当に蓮がキョーコちゃんに興味が無いなら、 そしたら遠慮なく俺が狙っちゃうのに!! ・・・万が一にも、担当俳優の メンタル面での差し障りになるかも知れないって思うと (多分、きっと、絶対になると思う(汗) この件ではうかつに冗談もいえないよ。。。 俺のそんな妄想なんて気にも掛けずに 蓮とキョーコちゃんは他愛もない会話を交わしている。 屈託なく笑うキョーコちゃんと、 無意識らしいが蕩けそうな笑みを浮かべる蓮と。 あーもー、無自覚にいちゃいちゃなんて一番性質が悪いよ! そんな端から見てて心臓に悪い状態を続けるくらいなら さっさとくっついちゃってくれーーー!!! 二人とも無自覚の内なんて、対策の立て様もないんだよ~~(泣
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/77.html
740 :ため息の理由:2005/06/22(水) 20 31 24 ID ??? 「最上さん。この後、時間空いてるかな?」 「この後・・・ですか?ご免なさい!デートの待ち合わせがあるんです」 「・・・え?デートって・・・。最上さん、デートする相手がいるの?」 「もちろんですよ!敦賀さんも早くそういう相手を作った方が良いですよv」 「・・・そう・・・だね・・・」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「あっ!敦賀さん。昨日のモー子さん・・・じゃなかった琴南さんとのデート すっごく楽しかったんですよ。」 「・・・え?琴南さん・・?ハァ――――――・・・(良かった、男じゃなかったのか・・・)」 「なんですか、その溜息は?幸せが逃げて行きますよ?(byマリアちゃん)」 「うん?俺の幸せが逃げなくて良かったな・・・と思って。 最上さん、今日こそは俺とデートしてくれるかな?」 「もちろん、喜んで!」
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/49.html
432 :キョーコのハニートラップ 1/3:2005/06/08(水) 03 32 58 ID ??? 己を待ち受ける運命――― それは、硬く冷たい床の上に身を投げ出される…筈だった。 けれど。私の身体は、広く温かい敦賀さんの胸に抱きすくめられていた。 どうしよう。胸の鼓動が早鐘を打つ。息が上手くできない。 何かにすがりつきたくて、咄嗟に敦賀さんの背に腕を回し、シャツを掴んでしまった。 ―――はっ! 私ったら何を…!? 私は自分の行為に驚いてその手を離そうとしたけれど、 私を抱きすくめる敦賀さんの腕に力が込められたので、そのままゆっくりと瞳を閉じた。 ―――…あぁ、人ってあったかいんだなぁ ぼんやりとそんな事を感じた。相変わらず、胸の鼓動は高鳴り続けているけれど、 敦賀さんの身体の重みがなんだか心地よかった。なんだか、恥ずかしいけど、安心する…。 ―――美月もこんな気持ちになるのかしら… ―――憧れの嘉月に偶然にも抱きしめられたら、 ―――こんな風に、恥ずかしいけど、嬉しいって… ―――ん!? 美月“も”嬉しい? ―――じゃあ、私“も”…嬉しいの? ―――という事は、私は敦賀さんに抱きしめられて、嬉しいの? ―――嬉しくて、こんなにドキドキしているの? 急速に顔が赤くなるのが自分でも解った。 だから思わず、敦賀さんの胸に額を押し当ててしまった。 敦賀さんの息を呑む気配がして、私は我に返る。 ―――やだ、私、何をしているんだろう!? 「せ、先生、ごめんなさい! 大丈夫ですか?」 私は慌てて、美月に戻る。 私を抱いていた敦賀さんの腕の力が弱くなり、敦賀さんの身体が私から離れる。 同時に身体を包んでいたぬくもりも遠のき、私は少し寂しくなったが、 敦賀さんに合わせて自分も身体を起こした。 「―――本郷こそ、大丈夫か? 」 敦賀さんが、心配そうに私の顔を覗き込む。 「先生のおかげで大丈夫です。それより、先生の方が…」 「―――本当に?」 敦賀さんはそっと私の頬に手を触れようとして、 そして、寸前でその手を止めた。私は息を呑む。 嘉月だ。嘉月だから。美月に触れるのを躊躇ったんだ。 途端に私は泣きそうになった。悲しくて、悔しくて、寂しくて。 「…本郷? やっぱり、どこか痛むのか?」 「あっ、すみません。まだビックリしてて…」 私は慌てて取り繕う。 「先生のおかげで、怪我ひとつなくピンピンしてます。 ありがとうございました」 悲しいのは美月。 大好きな先生に触れてもらえなかったから。 悔しいのは私。 またその場の思いつきで演じてしまったから。 じゃあ、寂しいのは誰? あの温もりを手放したくなかったのは誰? 「片付けたら、すぐにお食事つくりますから。 今度こそ、先生はお部屋で休んでいてください」 さすがに2回も泣きそうになって、ばつが悪く、 敦賀さんを何とか部屋に追いやる。 ドアを閉めて、ひとりになった途端に さっきまでの綯い交ぜの感情を思い起こす。 抱きしめられた時に、嬉しかったのは私。 ぬくもりが遠のいて、寂しかったのも私。 多分、この気持ちは、何かの前兆。 だけど、これはまだ不確かな物。 だから、今はそっと大事にしまっておこう。 そうして、私は大きく深呼吸をひとつした。 「まずは美味しいおかゆを作らなくちゃね」と呟くと、 張り切ってキッチンに向かった。 「危ない!」と声を出す前に、身体が動いていた。 落下する彼女を受け止めようと腕を伸ばす。 気がつけば、床の上で、まるで彼女を組み敷くかのように、抱きしめていた。 ―…これはやはり罰なのだろうか― 『抱きしめたい』という衝動を抑えるために、 彼女を手の届かない場所へ追いやったというのに。 今、彼女は俺の胸の中にいる。 ―――参ったな… 多分、ここで彼女と目を合わせたら、さすがに俺の理性ももたないだろうと思う。 今でさえ、ギリギリだ。何とか、体勢を立て直さないと… そう思った矢先に、彼女の腕が俺の背に回され、シャツを掴んできたので、 条件反射で俺は彼女を抱きしめていた腕に力を込めてしまった。 ―――どうしろっていうんだ… 大きなため息が出そうになる。これは罰だ。そうに違いない。 ―――“生殺し”っていうのは、こういう状況をいうのか? ―――それとも、これは“据え膳”というものか? ―――ならば“据え膳食わぬは男の恥”とかいう事か? ―――いや待てよ。“武士は食わねど高楊枝”だったか? 俺は冷静になろうと、先ほどから諺めいたものを思い浮かべる。 意味が合っているかどうかは、この際どうでも良かった。 とにかく、意識を彼女から遠ざけなければ。 そうこうしているうちに、今度は俺の胸に彼女の額が押し当てられるのが解った。 思わず息を呑む。 ―――最上さん…!? ―――これはOKのサインか? そうなのか? でも何がOKなんだ? 俺はいささか混乱しかけた。 しかし、続けて発せられた彼女の言葉で、急速に我に返った。 「せ、先生、ごめんなさい! 大丈夫ですか?」 ―――そうか。彼女は美月を演じ続けていてくれるのか。 ―――…何を期待していたんだ、俺は。 一気に力が抜けそうになる。 彼女を抱きしめていた腕を解き、そっと身体を離すと、 全身で感じていた彼女の温もりも遠のいてしまい、 もう一度抱きしめたい衝動にかられるが、なんとか抑える。 身体を起こしながら、俺も嘉月の顔に戻る。 「―――本郷こそ、大丈夫か? 」 「先生のおかげで大丈夫です。それより、先生の方が…」 「―――本当に?」 俺は手を伸ばし、そして彼女の頬に触れる寸前で、手を止めた。 嘉月なら、触れないだろう。 彼女がつらそうな顔をしたのは気のせいだろうか。 彼女自身の身体の痛みなのか、美月としての心の痛みなのか――― 「…本郷? やっぱり、どこか痛むのか?」 「あっ、すみません。まだビックリしてて…」 彼女は美月を演じ続ける。 そして、「今度こそ、部屋で休んでいてください」と言われ、 俺は寝室に追いやられてしまった。 寝室に戻り、ベッドに腰掛けると、俺はじっと自分の腕を見つめた。 さっきまで、確かにこの腕の中に彼女がいた。 触れてはいけないものだったのに。 だけど。だからこそ、俺は“それ”を手に入れた。 触れてはいけないものに触れた衝撃を――― 「とんだ目にもあったけど… 掴んだよ、俺の“嘉月”を―――」 力を込めて拳を握る。 夜が明ければ、審判が下る。 俺は自分の勝利を信じ、静かに目を閉じた。 おわり
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/45.html
398 :初・・・1:2005/06/05(日) 00 24 50 ID ??? あれ? 頭もお尻も痛くない・・・ あ・・・この香り・・・ 敦賀さ・・・・ 「・・・ん?」 あれ・・・? 無理な体勢でひっくり返り、椅子と箱で体を強打すると思っていたのにどこも痛くない。 落ちる瞬間に思わずつむっていた目をそおっとあけると 敦賀さんの手が私の頭と体を守るように包んでかばってくれたことに気が付いた。 「す、すいませんっ、あの、わたし・・・敦賀さん?」 あわてて、起き上がろうとしたけれど、敦賀さんは私をしっかり抱きしめたまま身じろぎしない。 まさか私をかばって怪我を?! 「だ、大丈夫ですか!?どこか怪我でもされたんじゃ・・・」 問いかけにも、答えが無い。 「つ、敦賀さん?」 ど、どうしよう?これって、代マネの風邪の時とおんなじ状況だわ・・・ んん?・・・と、いうことは・・・もしかして・・・ 「せ、先生?」 ビクッ、と、彼の肩先が揺れた。 やっぱり、演技となると復活するのね敦賀さん・・・すごいわ・・・。 「ご、ごめんなさい・・・無茶なことしちゃって・・・あの、大丈夫ですか?」 「・・・いや」 少しかすれた声にはっとして見上げると、私を抱きしめたままゆっくり顔をあげた敦賀さんと目が合った。 いままでに見たことの無い眼差しで、こちらを見下ろしている。 もしかして、美月への想いを演技してる・・・? 自分に向けられた視線ではないのに、思わずドキッとしてしまう・・・。 って、いえ、それよりも敦賀さんの体が心配だわ! 「えっ、あの・・・じゃあ病院へ、んっ・・・」 再度あわてて起き上がろうとした瞬間、敦賀さんの手に力がこもりそのままぎゅっと強く抱きしめられた。 同時に彼の唇が頬にそっと押し当てられ・・・ え、えええ? な、なに? 呆然としている私の顔を、敦賀さんはもう一度至近距離から覗き込むと、瞳を伏せ、さらに近付く・・・・ 「・・・・・・っ!」 ふ、えええっ?! 頬に落ちた柔らかな感触が、今度は唇に降ってきた・・・。 驚きで頭の中がショートしてる私は、されるがまま、彼の演技を受け入れていた。 美月への熱情を刻みつけるかのような口付けに、なぜかちりちりと、胸の奥が痛んでくる。 敦賀さん・・・美月に・・・好きな人に、こんな風にキス、するんだ・・・。 その口付けが首筋に移った時には、切ない気持ちがあふれてきて、たまらず、叫ぶ。 「駄目っ・・・!」 はっとしたように、敦賀さんの動きがとまる。 「せ、先生っ。わ、私はっ・・・!」 泣く気なんかないのに、涙が浮かんでくる・・・。 「最上さん・・・」 「ごめん・・・ちょっと、嘉月の役に入り込みすぎたみたいだ・・・すまない・・・」 そういいながら、敦賀さんは起き上がり、やさしく手をひいて私の体も起こしてくれた。 「私のほうこそ、すみません・・・私、敦賀さんのように演技に対する姿勢がなってなくて・・・自分が恥ずかしいです・・・」 なんて馬鹿な真似をしてしまったんだろう、と思う。 彼女にふれた瞬間、気持ちがまったく抑えられなくなってしまった・・・。 彼女に泣かれなかったら、どうなっていたんだろう。 自分の意思がこんなに言うことを聞かなくなるなんて、思いもしなかった。 「これじゃ、敦賀さんの演技の相手なんてまだまだ無理ですよね」 演技・・・・ 彼女は、あくまでも、演技でキスをしたのだと思っている。 それで、いい。それでいいはずなのに、納得いかない自分がいる。 演技なんかじゃない、本当の・・・自分の彼女への想いを打ち明けたくなる・・・。 そんなことが、できるはずもないのに・・・。 「敦賀さん?」 彼女が困った顔で俺の顔を覗き込む。 「あの、私、大丈夫ですから!キ、キスは・・・初めてだったんで、あのちょっと、びっくりしたっていうか、あの・・・」 涙目をちょっと指でぬぐって少し笑ってみせる。 けなげな様子に、また、抱きしめたい衝動にかられるが、彼女の今言った言葉がそれを留めた。 「・・・は、初めて?」 「・・・・・・は、はい・・・・」 「・・・不破とは」 「いややあああああああ!!!!なんであんなヤツとキスしなきゃなんないんですかあ!!冗談じゃないです!想像もしたくないいいい!」 「そ、そう。」 間髪いれずに絶叫し、すごい剣幕の彼女に慄きながらも、ふいに、ふ、と笑みがこぼれる。 そうなんだ・・・。 ヤツとは、していないのか・・・。 「あ、何笑ってるんですか敦賀さん!もしかして、馬鹿にしてます?!どうせ私は色気の無い地味な女ですよ!相手になんかされてませんよ!」 「ん?ああ、ごめん。違うよ、いや、良かったな、と、思って」 「えっ?」 なにが?という顔をしている彼女にくすりと笑って立ち上がる。 「いや、なんでもないよ。さ、もう遅くなったから送っていくよ。今日はありがとう」 「え、でも、私、敦賀さんの役に、何も立てなくて・・・せめて夕食でも作らせて下さい。」 ひきとめたい気持ちを今度こそ押さえ込む。 今夜はこれ以上一緒にいたら、まずい・・・と思う。 「君のおかげで、嘉月の役はつかめたよ。充分にね」 必ず、以前の嘉月を越えてみせる・・・まったく違う、俺の、嘉月として・・・
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/15.html
42 :スルー推奨:2005/05/14(土) 00 47 59 ID ??? 「敦賀さんって、良い旦那様になりそうですよねぇ。」 彼女の思いがけない言葉に俺の思考回路は一時停止した。 それって、どう受け取ればいいのかな?最上さん。 「どうしてそう思うのかな?」と彼女に質問してみる。 「だって敦賀さん、何気に夕食の後片付けを手伝ってくださいますし・・・。(アイツと違って)」 「理由ってそれだけ?」 「それだけっていいますけどね、なかなか出来ない事ですよ。敦賀さんの奥さんになられる方は 幸せ者ですね。」 「・・・・じゃあ、最上さんは幸せ者だね」 「え”?何、冗談言ってるんですかぁ(怒)」 「・・・・・。」 まぁ、予想通りの反応かな。少しは動揺してくれるかと期待したんだけどね。 でも、今の俺達の姿ってまるで新婚カップルそのものじゃないか―――・・・? キョーコの作った夕食を食べ終え、二人で後片付けをしている最中だったのである。 もちろん、蓮のマンションで。 この今の現状を、急に意識してしまった蓮は口元に手を当てて黙り込んでしまった。 急に黙り込む蓮を見たキョーコは、”敦賀さんの反応って予測不可能だわ” と思っていた。 ただ単に『新婚カップル』という考えに辿り着いてしまった事に照れていただけだったのだが・・。 沈黙を打開すべくキョーコは口を開いた。 「敦賀さんの好みの女性のタイプって・・・確か『優しくて、芯のしっかりした女性』 でしたよね?前にTVでそう言ってるのを見ましたよ」 (あと、誰かは知らないけど16歳の現役女子高生の娘が好きらしいのよね・・・) これを聞いた蓮は「はぁ――――――・・・。」と大きく溜息をついた。 心の中で「君の事だよ」と漏らしながら。 「???」という顔をしたキョーコは、未だ蓮の溜息の意味に気付かないでいる。 俺も恋愛には敏感な方じゃ無かったけれど、彼女も負けてないよな・・。 「アイツ」のせいか―――・・・。 人気俳優、敦賀蓮のマネージャーである社の脳内では、既に二人の結婚式まで 妄想してしまっているのだが・・・現実の二人はそれには程遠い状態にあった。
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/46.html
尚→キョ 2-141412519
https://w.atwiki.jp/skipbeat617/pages/20.html
86 :マロン名無しさん:2005/05/15(日) 17 22 32 ID ??? では生殺し祭り便乗して美月視点でw 貴方に相応しい美月に・・・ 嘉月先生の忘れ物を届けにお家を尋ねると、 先生はにっこり微笑って、ありがとう、 せっかく来てくれたんだしお茶でもどう?とおっしゃった。 憧れの先生の自宅にお邪魔できるなんて、 いいのかしら?後でみんなから嫉まれそう・・・ ・・・だけど・・・せっかくご一緒出来るのだし・・・ね? 先生からも再度勧められて、 私はありがたくお邪魔することにした。 ・・・って言っても、 まさか先生だけ立ち働かせるなんてとんでもなくて、 私も台所に上がりこみお手伝いをする。 落着かなくてせかせかうろうろしていると、 ふとした拍子に躓いてしまった。 「危ない!」 ・・・先生が抱きとめてくれた・・・ 腰に手が廻り、私を支えてくれている。 「・・・すすっ・・・すいません!ありがとうございます!」 と、自分で姿勢を正そうとすると、 一瞬・・・ほんの一瞬。腰に廻した手に力が入り、 頭上で微かに奥歯を噛み締める音が聞こえた・・・ 次の瞬間にはいつもの様に「大丈夫?」と微笑ってくれて、 私は今瞬間感じた疑問は夢だと思った。 気のせいだよね・・・でも頬が熱い・・・ 私がちゃんと立ち上がったのを見届けると、 先生はふと背中を向けてお茶を取りに台所に戻ろうとした。 その広い背中に・・・私は・・・ 本当に、つい。無意識に。シャツの背中を掴んでしまった。 「・・・先生っ・・・」 ・・・どうしよう。なんて言葉をつなげればいいんだろう。 そして振り返った先生が一瞬見せた暗く熱い眼差しを 私は生涯忘れることはないだろう。 ――そして先生は―――……