約 71,485 件
https://w.atwiki.jp/fate_495112834sandy/pages/16.html
許してはならぬ。 許してはならぬ。 一体いつから戦い合っただろうか、物事ついた頃から殺し合っただろうか。 いつかは分からない。何故も分からない。 気づいた時には、そうしていた。 そういう宿命であり、運命だったから、いや……どうだったのか。始まりすら覚えていない。 物心ついた頃には、目の敵にしていたのだ。 感情というものはない。 敵が常に彼だったから、よく争っていたから、敵対していると噂されたのだろう。 実の所、恨みなどない。 特別な理由や動機があって、狙ってやっていた訳ではないのに勝手に噂されていた。 この先、きっと漠然と争い続けるのだろうと思っていた。 感情を知るまでは。 フツフツと混み上がる激情。 何だ、これは。 何故だか、衝動に駆り立てるこの感覚は。 奴を許してはならぬ。奴を野放しにしてはならぬ。 アレは文明も生命も己の信仰すら無関心だ。 俺の知った素晴らしい芸術も、奴に祈る種族すらも何とも思っていない。 奴が目覚めれば、全ての有象無象を滅ぼす。 ふざけるな。 そんな事があっていいものか。 俺は許さない。 許してはならない。決して――…… ☆ 東京では一つ話題になっている事があった。 ニュースには取り上げられていないものの、SNSではトレンド入りするほど話題となっている。 『ホワイトナイト』という単語が。 週刊少年ジャンプで流星の如く現れた新人作家の読み切り漫画。 空前絶後の面白さにアンケートは一位を獲得。 早速、連載に向けて打ち合わせが行われ、ネームも三話分まで完成していた。 「あれ」 一人の少女がはたと手を止める。 違和感に気づいたのだ。 『ホワイトナイト』のペン入れを始めようとした少女『藍野伊月』が呟く。 「どうして、私が『ホワイトナイト』を描いているの?」 ☆ 『ひまわり』があった。 それはかの有名な――恐らく世界中の誰かが必ず知っている『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』の『ひまわり』。 ……それを模した杖を携えた黄色の衣を纏った少年が、伊月のサーヴァント。 少年は伊月の話を聞き、静かに言う。 「ほう……つまり、マスターは己の作品を盗まれた訳か」 「いえ、その。私……引きこもりで一日中部屋にいたんです。部屋に鍵もかけてて、それに私の家って高知のド田舎ですし……」 盗作と指摘され、伊月はドキリとなって言い訳する。 自分が描いていた筈の『ホワイトナイト』が、何故か週刊少年ジャンプで連載されていた。 ありない事だった。 内容などに差異はあれど、間違いなく『ホワイトナイト』だった。 でも、どうやって自分の部屋から『ホワイトナイト』を盗んだのか。 何で、よりにもよって自分の『ホワイトナイト』が盗まれたのか。 訳が分からず、真偽を確かめようと東京へ向かった筈の伊月。 そして、いつの間にか東京に住んでて『ホワイトナイト』の連載を始めようとしていた。 何故なのだろうか。 最初は、ファンタジーな出来事などないと思い、きっとあの『ホワイトナイト』を描いたのは自分と同類の人間だから たまたま 偶然に 伊月と同じ『ホワイトナイト』を完成させたのだと突拍子もない事を考えていた。 そうはないだろ、と突っ込まれても。 だったら、他にどういう理屈で彼女の『ホワイトナイト』がジャンプに連載されているというのか。 こんな――聖杯戦争に巻き込まなければ、伊月は突拍子もない勘違いをし続けただろう。 少年が一蹴する。 「マスターよ。無限に時間があれば 猿がタイプライターでウィリアム・シェイクスピアの作品を打ち出す事は可能と比喩があるが。 現実的ではないだろう。赤の他人がお前と同じ作品を産み出す事は不可能。 間違いなくお前は被害者だ。何等かの手段を用いて『ホワイトナイト』を盗作されたのだ」 「盗作……」 「決して許すな、マスター。 俺は人類の芸術を深く語れはしないが、確かな事がある。芸術を志す者は己の作品に誇りがある筈だ。 己の作品を誰かに見て貰いたい執念で己を駆り立て生涯を尽くす。 それを侮辱したのだ。許してはならない。それと……」 確実な一言を告げた。 「俺はマスターの描いた『ホワイトナイト』を読みたいからな」 藍野伊月は、全ての人類を楽しませる漫画を描きたいと奔走していた。 『ホワイトナイト』は苦節あって構想していた作品だ。 決して、諦めてはいけない、一つの誇りだった。 何より――…… 「アヴェンジャーさんにそう言われたら……応えないと駄目ですね。 はい……! 私、『ホワイトナイト』を完成させます!! 必ず描き切ります! 全人類も――神様も楽しませる漫画を描いてみます!」 読みたいと願う誰かがいるなら、描くものだ。 藍野伊月は笑顔で宣言した。 ☆ 決して許してはならぬ。 この先にある未来の輝きも、残してゆくべき美しさも滅ぼす奴だけは―― 復讐心を抱いた『黄衣の王』が往く。 まだ、世界は壊すべきではない。 ――継続―― 【真名】 ハスター@クトゥルフ神話+『黄衣の王』+史実? 【クラス】 アヴェンジャー 【属性】 秩序・悪 【パラメーター】 筋力:C 耐久:C 敏捷:A++ 魔力:A 幸運:C- 宝具:B 【クラススキル】 復讐者:E+++ 恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。 本来、ハスターは憎悪も復讐心もなかったが、クトゥルフと敵対する逸話から その憎悪と復讐心を得た。一種の『無辜の怪物』。 忘却補正:E+++ 誰も彼もが忘却しても、復讐者は決して忘却しない。 ハスターはクトゥルフと敵対しているが、憎悪や復讐心はない。 だが、サーヴァントとなった事で憎悪と復讐心を得て、それらが常に加速している。 自己回復(魔力):D- 復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。 微量ながらも魔力が回復する。 【保有スキル】 魔力放出(風):B+++ 武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。 芸術審美:E- 芸術品・美術品に対する理解、あるいは執着心。ごく低い確率で真名を看破できる。 ハスターは人間の芸術を理解し始めたばかりなので、懐疑的。 黄の印:A- ハスターを象徴する紋章。 印を見たものの精神に狂気と破壊を与える……のだが、ある理由により 印をつけたものに加護を与える支援スキルとなった。 ただし、加護だけでなく呪いも与えてしまう。 【宝具】 『黄衣の王(デ・ステーレンナフト)』 ランク:B-- 種別:対陣宝具 レンジ:30 最大捕捉:100~500人 ヒアデス星団のカルコサの地を舞台に、美しくも恐ろしい言葉で埋め尽くされた詩劇。 狂気と恐怖の戯曲を再現する大魔術。固有結界ではない。 ……なのだが、ハスター自身の願望を形にした為、本来の戯曲とはかけ離れた表現が使われている。 天井にはかの有名な『星月夜』が広がり、『黄色い家』が並び、『ひまわり』が一面を咲き誇る。 【weapon】 『ひまわり』の杖 どこかで見た事ある『ひまわり』が杖状になったもの。 『ひまわり』部分が回転して攻撃できる。 【人物背景】 名状しがたきもの、名づけられざりしもの、星間宇宙の帝王、邪悪の皇太子。 そして――『黄衣の王』の異名を持つ怪物。 クトゥルフとは異母兄弟であり敵対関係。 敵対する理由は諸説あるが、少なくとも安息所を巡って争ったのは事実らしい…… かつて宇宙を自由に駆け巡り、地上にも君臨したが、現在はヒアデス星団の『黒いハリ湖』に幽閉されている。 刹那の合間だけ、別宇宙を観測した際、一人の芸術家の作品をお気に召し 宝具や武器、スキルにも影響がバリバリ出ている。 ぶっちゃけると『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』のファンなのだ。 このハスターは芸術面を強く影響した存在であり、 神格ではなく、あくまで『黄衣の王』に登場した怪物としての側面。 クトゥルフと敵対する逸話による復讐心。 人間への関心を組み合わせた奇跡的な『複合』サーヴァント。 クトゥルフという共通の敵を持つ意味もあり、人間には友好的である。 【外見】 金と黒が混じった短髪の少年。 サイズの合っていないフード付きの黄衣を纏っている。 【サーヴァントとしての願い】 クトゥルフの打倒 【マスター】 藍野伊月@タイムパラドクスゴーストライター 【聖杯にかける願い】 『ホワイトナイト』を完成させる 【能力・技能】 天才的な漫画の才能と顧みない行動力。 行動力が行き過ぎて、ある世界線では…… 【人物背景】 自分の漫画で全人類を楽しませたい少女。
https://w.atwiki.jp/irosumass/pages/314.html
キャラクター 妖精さん 一斤さん [[]]
https://w.atwiki.jp/meijikeiei/pages/76.html
備考 出席は毎回 授業内レポート 試験なし 関連 東南アジア文化論(阿部)[共通専門科目]
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/209.html
391 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 45 06.73 ID 6xwiZxR10 [2/9] 『人類惑星移住計画』 西暦20XX年1月―― 俺達人類が住む地球は、極度の環境破壊に直面していた。 世界中で環境汚染を無視した工業化が極限にまで達し、各国で環境問題を原因とした紛争が勃発。 人類の手では、過去の美しく住みよい地球を取り戻すことは既に不可能になった。 そこで国連から、ついに人類を惑星に移住させる大計画が発表されたのだった。 俺と桐乃、沙織と黒猫、そしてあやせの五人は惑星移住のために、成田空港の発着ロビーにいた。 人類初の惑星移住に鑑み国連では慎重を期して、他の惑星環境でも適応し易いようにと、 全世界から十八歳以下の男女を優先的に移住させることにしたらしい。 「沙織も黒猫も、あやせもいるな。それじゃあこれから、惑星間航行用チケットを配るから」 先程から辺りをキョロキョロしていた桐乃が口を開いた。 「……ねえ、地味子は? 地味子がいないけど」 「ああ、麻奈実は来ねえよ。あいつの家、和菓子屋だろ」 俺がそう言うと桐乃は納得したように頷いた。 国連とは別に日本政府の方針として、国内で食品関連の仕事に従事している者については、 政府の許可なくして自由意志による移住が出来ないことになっている。 麻奈実の家が和菓子屋だったことが災いした。 「みんなよく聞いてくれ。チケットは手に入ったんだが……行き先が……何枚かは違う惑星なんだ」 「……先輩? それはどういう事かしら?」 黒猫が疑問を呈するのも当然だった。 俺たち五人は、そろって火星への移住を希望していたんだ。 しかし、月を除けば地球から一番近い火星は大人気で……結局どうなったか、てーと。 「火星行きが3枚、金星行きと木星行きがそれぞれ1枚ずつなんだ……」 「……ということは、先輩? 火星は3人一緒だけれど…… 金星と木星は一人で行かなければいけない……ということかしら?」 黒猫の言葉に一番に反応したのは桐乃だった。 「や、やっぱさー、この世でたった二人きりの兄妹を離ればなれにしちゃあ、まずいっしょ!」 桐乃がさも当然のように言うと、黒猫の表情がキッ! と変わり、桐乃を睨みつけて……。 「あ、あ、あなた何を言っているの! わ、私と先輩は……こ、恋人同士よ。 私たちこそ引き離されては堪らないわ……」 392 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 45 47.13 ID 6xwiZxR10 [3/9] 眉間にしわを寄せ、腕組みしをながらそんな二人の会話を聞いていたあやせは、 すーっと、その瞳から光彩を消失させ―― そして、腹を押さえ口元を手で覆うと……がらりと一変、苦しげな表情になった。 「うっ、おえっ……うっうう……」 俺はあやせの急変に驚いて声をあげた。 「? あやせ!? どうした!」 「……つ、つわりが…………うっ……」 ん? ……つわり? 次の瞬間、桐乃の平手打ちが俺の頬に炸裂し、黒猫の足蹴りが俺の股間を捉えた。 「っ痛て――――! あにすんだよっ! 桐乃も黒猫もっ!」 俺は股間を押さえ身を捩りながら桐乃と黒猫を睨みつけた。 「あ、あ、あああああ、あんたっ! あ、あやせに一体、な、何してくれちゃってるわけ?」 俺を睨みつけながら顔を真っ赤にした桐乃が叫ぶと、それに続いて黒猫も……。 「せ、せ、先輩っ! ど、どういうことなのか説明してもらえるかしら…… わ、私だって………………………………なのに……」 そんな二人の怒りの炎に油を注ぐあやせは……。 「……お、お兄さん……たぶんあの時の……」 そう言ったきり頬を染めて俺を見つめるあやせ―― ん? そう言う割りには……あやせの眼が笑ってねえか? だから俺はあやせに聞いてやった。 「……ほ、ほほう……おい、あやせ……おまえの言うあの時って、いつのことだ?」 俺の予想外の反応にうろたえ、言葉を失うあやせ。 「だ、だ、だから……あ、あの時はあの時じゃないですか……お兄さん……」 最後の『お兄さん』の声が小さくなる。――バレバレだっつーの! 簡単に嘘がばれてしまったあやせは、そっぽを向いて口笛を吹き始めた。 ……ピ~ ピ~ ピ~ ピピッピ~ ♪ 「……でも、お兄さんはわたしに以前、結婚してくれって……言いましたよね」 393 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 46 25.80 ID 6xwiZxR10 [4/9] 再び俺達の間に険悪な空気が流れ始めたとき、沙織が口を開いた。 「まあまあ……皆の者、ここはひとつ、冷静になろうではござらぬか。 チケットの種類と枚数はもう決まっているのでござるから…… ここは公正に、くじ引きで……ということで、いかがでござろう」 沙織の言うとおり、全員で同じ星に移住できる可能性はない。 ならばここは、兄妹だとか恋人だとかといった事情はすべて抜きにして、 残酷だがくじ引きで決めるしかないと俺は思った。 「……なあ、仕方ないだろ? 沙織の言うように、ここはくじ引きで決めよう」 俺達はロビーの床に輪になって座り、チケットを裏返してから、真ん中に5枚並べた。 誰が一番初めにくじを引くのか……全員の顔に緊張感が走る。 (俺が一番に引くしかねえな)そう思って手を出し掛けると……。 「京介氏……待って欲しいでござる。 拙者が言い出しっぺでありますゆえ……拙者が最初に……」 他の4人の目が一斉に沙織に集中する。――くそ! 胃が痛くなってきやがった。 沙織は躊躇することなく5枚のチケットの中から1枚を引いた。 「「「「どこの星!?」」」」 ――沙織が引いたのは、金星行きのチケットだった、 彼女は平静を装ってはいたが、やはり動揺した気持ちは隠せず、少し涙目になっていた。 「……ハハハ、拙者は金星に決定したでござる……ハハ」 俺は沙織には悪いとは知りつつ、心の中に安堵感が広がるのを感じざるを得なかった。 残りは4分の1……桐乃か黒猫か、あやせか……さもなくば、俺のうちの誰かが木星行きとなる。 すでに金星行きが決まった沙織は、俺達と顔を合わせているのが辛いのか、立ち上がり……。 「……拙者、金星で必要なものを買って来ますゆえ、しばし中座するでござる」 誰も沙織の顔を見られる者はいなかった。 そりゃそうだよ。もしかしたら金星行きのチケットを引いたのは、自分かも知れないんだから。 黒猫は沙織から目を背け、口元を手で押さえながら呟くように沙織に告げた。 「……沙織。………………耐熱服はこの先の免税店で売っていたわ」 「そうでござるか。かたじけない黒猫氏……拙者のサイズに合う女性物があるといいのでござるが」 394 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 46 57.06 ID 6xwiZxR10 [5/9] 沙織が俺達の場を立ち去った後、残り4枚のチケットを巡って膠着状態が続いた。 そんな状況を打開すべく、俺は桐乃、黒猫そしてあやせと順番に目をやりある提案を口にした。 「なあ、このままじゃ埒が明かねえだろ。……俺が木星へ行くよ。 だから、おまえらは仲良く火星へ移住しろ……いいな」 俺がそう言って裏返してあるチケットを表にして、木星行きのチケットに手を伸ばすと……。 「ちょっと待ってよ! あんたっ……ううん……あ、兄貴はあたしの兄貴でしょ! ……今までわがままばっか言って……ご、ごめんなさい! だから、だから……あたしをもう独りぼっちにしないでよっ!」 桐乃が泣きながら俺にすがりついてきた。 今まで俺のことなんか兄貴とも思わず、なにかと言えば酷い態度をとってきた妹が……。 火星と木星に別れてしまっては、いつ再び会えるか分からない。 俺は桐乃の頭に手を置いて優しくなでてやった。――これで最後かもな。 「……先輩、そんなの酷いわ! ……わ、私はどうすればいいの? なけなしの勇気を振り絞って私は先輩に告白したのよ……それなのに……」 黒猫の大きな瞳が涙で潤み、顔を両手で覆い嗚咽した。 俺は黒猫の肩をそっと引き寄せ抱きしめてやった。 恥ずかしがり屋で照れ屋の黒猫が、俺に想いを伝えるためにどれほど苦悩したことか、 それを考えると俺は胸が引き裂けそうだった。 実妹の桐乃と恋人の黒猫に泣きつかれて、俺の決断が鈍る。 この二人のどちらか一方とでも離れるなんて、俺にはとても耐えられない。 俺はあやせをそっと見た。 俺の視線に気付いたあやせは、俺が考えていることを察知したのか顔面が引きつる。 「……お兄さん、まさか、とんでもないことを考えていませんか?」 しかし、俺の性格なんてあやせにはお見通しのようだった。 いままで俺があやせにしてきた行状を鑑みれば、とてもあやせに言い出せることではなかった。 そんな俺の思いを知ってか知らずか、あやせは人を小バカにした様にそっぽ向き口笛を吹いた。 ……ピ~ ピ~ ピ~ ピピッピ~ ♪ 395 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 47 46.85 ID 6xwiZxR10 [6/9] 俺が木星へ一人で行く選択肢は断たれた。 かと言って、こいつらのうち誰か一人を行かせるわけにも行かない。 こりゃ進退きわまったなと考えていると、沙織が免税店から戻ってきた。 「………………京介氏? これはまたどういった状況で?」 俺が沙織にこれまでの経緯を伝えると、彼女も困った様子で…… 「うむむむむ……しかし、拙者はすでに金星行きが決まった身。 ……こればかりは拙者がどうこうできる訳でもありませぬゆえ……うむむむむ」 沙織が困るのも無理はない。 俺が一人で木星へ行くことを、桐乃や黒猫はともかくあやせまで反対しているのに、 そいつらの一人に、おまえが木星へ行けとは沙織でなくとも言えるわけがない。 桐乃と黒猫は相変わらず泣いているし、あやせは人ごとのように口笛を吹いているし、 沙織は沙織で眉間に皺を寄せ、思案に明け暮れている状態ではにっちもさっちもいかない。 そんな時、天井から吊り下げられているスピーカーからアナウンスが入った。 ――金星行きJAXA201便にご搭乗のお客様にお知らせいたします。 ……ただいまから搭乗手続きを開始いたします。 Ladies and gentlman…… ―― 「京介氏……すみませぬが、拙者の乗るスペースシップの発射が間もなくの様でござる」 「……沙織、申し訳なかったな……発射前だってーのに」 沙織は一人ひとりと別れの握手をすると、免税店で買った耐熱服を入れた布団袋のような 大きな包みを背負って、出国ゲートへと向かった。 ゲートをくぐる際に一度だけ振り返り…… 「皆の者……さらばでござる。金星に着いたら、必ずメールいたしますゆえ~」 そう言うと大きく手を振って、旅立っていった。 396 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 48 27.40 ID 6xwiZxR10 [7/9] 俺たちが搭乗する予定の火星行きと木星行きのスペースシップの発射までは、まだ時間に余裕があった。 もしこのまま決まらず搭乗手続きが始まったら、俺は木星行きのチケットを掴んで走るつもりだ。 俺は桐乃も黒猫も、一人で木星へなんか行かせたくはない。 それにしても、あやせのヤツ――俺が昔、おまえに惚れていたことを逆手に取りやがって。 俺があやせをチョットだけ睨みつけると、あやせは俺の視線を避けるようにして俯いた。 寂しそうな表情を見せる彼女を見て、俺は胸が痛んだ。――おまえだって、一人で行かせやしねえよ。 あやせに目配せすると、彼女は少しはにかんだ笑顔を見せて俺の傍に寄ってきた。 「……あやせも心配すんな。……俺がおまえをボッチになんかするわけねえだろ」 これじゃ搭乗手続きが始まっちまう。何かいいアイデアは…… 何気なくロビーに設置されているテレビを見ると、今回の惑星移住計画について政治家が意見を述べていた。 (こういう政治家はずっと地球にいるんだろうな)あれ? 政治家? 「なあ、あやせ……おまえの親父さん、たしか議員だったよな?」 あやせの親父さんが議員をやっていることは知っていた。 いつだったか俺があやせと桐乃のオタク趣味で対峙した時、俺は警察官である親父に協力を求めたことがある。 その時に俺の親父は『新垣議員』て言ったんだ。 市議会議員なのか県議会議員なのかまでは分からねえがな。 「……あやせの親父さんに頼んで、 この木星行きのチケットを火星行きに代えてもらうわけにはいかねえかな?」 俺がそう言うと、あやせの顔がぱっと明るくなり、携帯を取り出し早速親父さんに連絡した。 あやせの親父さんでダメなら、もうこれ以上方法がねえ。 彼女が電話を切り、携帯のフラップを閉じる。 「お兄さん……まだはっきりと分かりませんが、もしかしたら出来るかもしれないそうです。 ……ただ、お父さんから、あまり期待しないでくれと……」 「いや、話を聴いてもらえただけでも充分さ。あとは待つしかねえよ」 搭乗時間まであと1時間を切ったところだ。 沙織の乗った金星行きは発射台に据え付けられ、メインブースターが点火されるのを待つだけになっている。 俺は神に祈るような気持ちで時計を見つめていた。――沙織、おまえには感謝してもしきれねえよ。 俺が時計をジッと見つめていると、あやせの携帯が着信音を発した。 俺達の視線があやせの携帯に一斉に集まる。 ゴクリと固唾を飲み込み、携帯の発信ボタンを押すあやせ……。 「……はい、あやせです。……あっ、お父さん! どうだった!?」 397 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 49 07.76 ID 6xwiZxR10 [8/9] あやせと親父さんの通話は10分以上に及び、 ようやく通話が終わったのは搭乗手続きの5分前だった。 しかし、あやせは不思議そうな顔をしたまま首をかしげて押し黙ったままだ。 「あ、あやせ……親父さんはなんだって? チケットの変更は出来そうなのか?」 「……え、ええ。……変更は出来ることは出来るそうですが……」 あやせの口振りは、奥歯に物が挟まったという表現がぴったりだった。 俺は申し訳ないとは思いながら、あやせに少し、きつく言ってしまった。 「あ、あやせ! もう時間がねえんだ。どうすりゃいいんだ?」 「……あっ! お兄さん、ごめんなさい。……でも落ち着いてください。 わたしたちの行き先は火星でも木星でもありませんから」 ――じゃあどこなんだよ。 沙織と同じ金星か? それとも太陽に一番近い水星なのか? ――人間が住めんのかよ! まさか、冥王星とか言うんじゃ……到着する前に俺たち全員死んじまうっつーの! 「わ、分かった、あやせ。……きつく言っちまってすまなかった。……で、行き先はどの星だ?」 「……ニューカレドニアだそうです」 「「「………………」」」 「……どこだって? あやせ?」 「ですから、お兄さん……ニューカレドニアです。南太平洋の……」 今世紀の地球上に残された、地上最後の楽園ニューカレドニア。 島を囲む珊瑚礁は世界遺産にも登録されたリゾート地だ。 取り敢えず地球から他の惑星に移住しなくてもよくなった俺たちは、 あやせから話を聞くことにした。 「お父さんの話によると、地球以外の惑星に移住する必要は……絶対ではないそうです。 地球上にもまだ、いくつか移住先が残っているそうで……」 398 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/29(土) 22 49 53.94 ID 6xwiZxR10 [9/9] あやせから聞いた話を、俺なりに理解するとこういうことだ。 そもそも他の惑星への移住計画は、各国で工業化が極限にまで達し、環境問題を惹き起こしたことが発端だった。 だもんだから、ニューカレドニアを始め世界的なリゾート地など、 もともと工業化が厳しく制限されている地域では、快適な生活に慣れた現代人にはむしろ住み辛く、 逆に人口の減少を招いているそうだ。 「……なるほどな。……たしかに筋は通ってるよ」 俺とあやせの会話を黙って聞いていた黒猫が、ボソッと呟いた。 「……ねえ、先輩? それが事実だとすると…… いまなら、ニューカレドニアは幾らでも人が移住できるのよね?」 「ああ、たしかに黒猫の言う通りだと思うぜ……」 「「「「沙織!」」」」 ようやく俺たちは、金星に向かって旅立った沙織のことに思い至った。 ――ヤッベー……今ならまだ間に合うかも知れねえ。 そう思って俺たちは、発射台の見えるガラス張りの壁へ一斉に駆け寄った。 そこには……すでにメインブースターに点火され、水蒸気の白煙をもうもうと上げながら、 発射台から離れてゆく沙織の乗ったスペースシップがあった。 「………………間に合わなかったか」 金星へ向かって上昇を続ける、沙織の乗ったスペースシップを見上げながら俺は、後悔の念に苛まれた。 あの時、俺が無理をしてでも沙織を引き止めて置けばと……。 「……先輩、あなたのせいじゃないわ。……あの時は仕方のないことだったのよ。 それに、先輩……沙織には会おうと思えば毎日会えるわ」 黒猫は俺を見つめると『ほら、あれを見て』と言って、沙織の乗ったスペースシップを指差した…… いや、その遥かかなた……朝焼けの空に煌いている一番星、金星を指差していた。 「……そうだな、沙織は一番星になったんだな」 「ええ、天気がよければ夕方にも会えるわ」 俺はこれからも沙織に会える。――それも天気しだいで、一日2回もだぜ! すでに沙織の乗ったスペースシップが、肉眼では捉えられなくなったところで、 ふと、桐乃やあやせが居ないこと気が付いた。 「……黒猫……桐乃とあやせの姿が見えねえけど……あいつらどこへ行った?」 「……移住先がニューカレドニアと知って、免税店へ水着を買いに行ったわ」 (完)
https://w.atwiki.jp/fmic7743logexeworks/pages/117.html
ノッブあれこれ 織田信長(弓)・(狂)・(讐) 女性。織田信勝からは「姉上」と呼ばれている。 経験値氏によるギャグ漫画「コハエース」が初出。"魔人アーチャー"とも。コハエースやぐだぐだオーダーではギャグ・メタネタ・パロディなんでもありだが「Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚」や「帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline」ではシリアスな活躍をみせる。 アーチャー(イベント配布)・バーサーカー(水着版)・アヴェンジャー(「魔王信長」)がいる。 ノッブやおき太さんなどの「ぐだぐだ時空」は汎人類史とは異なる世界らしい。ぐだぐだ組は経験値氏がキャラデザ・設定を担当するサーヴァント達。ノッブたち戦国武将とおき太さんたち新選組を中心に日本の歴史上の偉人がメイン。 本物信長 男性。明らかに画風の違う織田信勝も"弟"として認識しているもよう イベント「オール信長総進撃 ぐだぐだファイナル本能寺2019」に登場した本物の織田信長。時系列的に一応「生前の本人」ではなく「サーヴァント」のはずなんですが…… 歴史の教科書とかで見かける肖像画 のあの姿で、顔に黒い影が入っている。メガネはかけていない。 一応ノッブとは別人ではあるというか史実通りの織田信長のはず。マジでなんだったんだろうな……本物信長…… 森くん「解像度の低い大殿」 ノッブ「教科書で見たかのような模範的なわし」 カッツ「……やだなぁ、姉上が男(・)なわけないじゃないですか。」 杉谷善住坊さんが言及した「織田信長」 男性。話に出てくるだけで具体的なビジュアルは現時点で判明していない。 いわく、「虚無でも冷徹でもなく、単にどこにでもいるような普通の男」らしい型月の"普通の男"って結構な確率で逸般人なんですがそこらへんはどうなのかしら? 英霊の座にはいない一応なぎこさんのように生前に偉業を成し遂げた人でも"英霊の座に登録される"ことを拒否できるシステム的なものがあるらしい 杉谷さんや彼を改造した果心居士さんが「汎人類史出身かどうか」は名言されていない。一応彼女(?)が作った「加藤段蔵」・段蔵ちゃんに育てられた「風魔小太郎」の2人に関しては汎人類史のサーヴァントではある。 アルトリア族とノッブ族、どっちが多いの 川澄綾子と釘宮理恵さんのCV担当数で比較しました。 ノッブ系はぐだぐだイベントのたびに胡乱なノッブが増えるし、川澄さん(フォウくんのCVも担当)はバレンタインイベントのボイス収録時に「"フォウくんの台詞"の台本が机にどっさりと積まれた」エピソードがあったような… ざっと数えたがちびノブ系がお茶ノッブ込みで11役、弓ノッブ、狂ノッブ、讐ノッブ×3で16役、川澄さんがアルトリアで14役にアンメア2種で2役にればのんとフォウくんで18役だからやはり川澄さんのが多いな -- 2022-09-17 (土) 20 53 10 釘宮さんはクレオパトラもだから17役かな。川澄さんは厳密に言うと女神ロンゴミニアドとヒロインZ(※霊衣じゃない方)は槍王やXとは別枠の固有ボイスなんでアルトリア系が更に2人追加、そしてぐだぐだ帝都のアルノブとアーサーの承認(プロトマーリン)も入れると22役 -- 2022-09-18 (日) 09 39 47 (「 ノブ - FGO(フェイトグランドオーダー) 攻略まとめwiki 」コメント欄) 時期的には「ぶっちぎり茶の湯バトル ぐだぐだ新邪馬台国 地獄から帰ってきた男」の頃。この後「アルトリア・キャスター(狂)」「ドライノッブ」「謎のヒロインXX(オルタ)」が追加されている。 織田信長(合計5役)織田信長(弓)・織田信長(狂)・魔王信長(讐) 「魔王信長」はあらゆる織田信長の可能性の集合体なので3つの再臨段階全てが別キャラ。弓ノッブに近い「織田信長」・少年寄りの「織田吉法師」・魔王っぽい感じの「魔王信長」 ちびノブ系(合計11役)ちびノブ・でかノブ・ちびノブ戦車・ノブ選組・メカノッブ・ノッブUFO・かぶきノッブ・埴輪ノッブ・凶つ神(*1)・キンノブ・お茶ノッブ・ドライノッブ その他 織田信勝のバトルモーションにノッブ・ちびノブが乱入している クレオパトラ意外なんですが水着などの派生霊基がまだないんですねえ アルトリアとその派生(合計17役)セイバーさん・セイバーリリィ … アルトリア(剣)/アルトリアリリィ(剣)/水着アルトリア(弓) セイバーオルタ … アルトリアオルタ(剣)/サンタオルタ(騎)/水着アルトリアオルタ(騎) 剣(エクスカリバー)のかわりに槍(ロンゴミニアド)を持ってる … アルトリア(槍)/アルトリア(槍オルタ)/水着アルトリア(裁) サーヴァントユニヴァース … 謎のヒロインX(殺)/謎のヒロインXX(降)/謎のヒロインXオルタ(狂)/謎のアイドルX(降)/謎のヒロインXXオルタ(降) アルキャス … アルトリア・キャスター(術)/水着アルトリア・キャスター(狂) 専用ボイスつきエネミー … 獅子王 / 謎のヒロインZ アン・ボニー&メアリー・リード(通常・水着)「アン・ボニー(CV.川澄綾子)&メアリー・リード(CV.野中藍)」で2人一組のサーヴァントですが、バトルグラでは基本的に片方(*2)しか登場しない。 レディ・アヴァロン そのほか(非プレイアブル) … フォウくん / アーサーの宝具ボイス(プロトマーリンによる"承認"アナウンス) / アルノブ(グラフィックは「ノブ選組」) / スーパーメカノッブマークⅡ(何故かアルノブのボイスが流用されている)アルノブというのはイベント「ぐだぐだ帝都聖杯奇譚」の裏面で登場した"第五次聖杯戦争組の声で喋る"ノブのうち1人です。「ノブブ…ノブブー!!(エクス…カリバー!!)」
https://w.atwiki.jp/ixgchord/pages/66.html
楽曲情報 アーティスト名 アズマリム 作曲 まふまふ・田中秀和(MONACA) 編曲 まふまふ・田中秀和(MONACA) 作詞 畑亜貴 備考 コード ①イントロ最後 きょうもなんだっけ挨拶〜 Key=D Em7(9) GM7/A DM7(9) F@ Em7 GM7/A Ⅱm7(9) ⅣM7/Ⅴ ⅠM7(9) bⅢ@ Ⅱm7 ⅣM7/Ⅴ 由来:裏コード型 ②Aメロ 決めたって忘れちゃったおつおつおー! Key=D Em7(9) GM7/A C@ B7 Ⅱm7(9) ⅣM7/Ⅴ bⅦ@ Ⅵ7 由来:裏コード型 ③サビ 訳分からないけど Key=D Bm7 Am7 D7 Ab@ GM7 A7/G F#m7 Bm7 Ⅵm7 Ⅴm7 Ⅰ7 bⅤ@ ⅣM7 Ⅴ7/Ⅳ Ⅲm7 Ⅵm7 由来:裏コード型 ④Cメロ いい感じで一緒に居られそうだから Key=D Em7(9) F#m7 GmM7 C@ Em7/A A7 Ⅱm7(9) Ⅲm7 ⅣmM7 bⅦ@ Ⅱm7/Ⅴ Ⅴ7 由来:SDm型 解説 ①②③はオーソドックスな裏コード型。bⅢ、bⅦ、bⅤと3種類出てくるので聴き比べてみよう。 ④はGmM7のベースをGからCに変えると発生する。GmM7も分数augとして表記すると、Bbaug/G→Bbaug/Cとなる。 同様のコードが同じ田中秀和作編曲のアマカミサマにも登場する。
https://w.atwiki.jp/wiki1_test/pages/5425.html
https://w.atwiki.jp/dtieasdtma/pages/183.html
霊長類の分類 霊長類の進化 霊長類とヒト ヒトの進化
https://w.atwiki.jp/duelrowa/pages/169.html
肉体派おじゃる丸――そんな不名誉なあだ名を付けられ、ネットで馬鹿にされている男が居た。 彼は非常に優れた肉体美の持ち主だ。胸囲120cmを誇り、上半身に比べて下半身が貧弱なわけでもない。絵に描いたような身体は世のホモ達を魅了する――はずだった。 しかし自慢の肉体よりもおじゃる丸のような特徴的なおかっぱをネタにされたせいで彼は「肉体派おじゃる丸」というふざけた名前で様々な動画を作られてしまう。 ホモビデオに出演するというたった一度の過ちが原因でこれほどまでに嘲笑されるとは、彼自身も考えていなかったことだ。 もしも自分がホモビにさえ出ていなければ――そんなことは何度も考えた。 TDNや野獣先輩といった有名なホモ達に対する怨みも凄まじく、彼らさえ居なければ自分はここまでネタにされていなかっただろうと思っている。 事実として始まりの男であるTDNさえホモビに出ていなければ野獣先輩が発掘されることはなく、肉体派おじゃる丸がこうも馬鹿にされる日も来なかったのだろう。 そもそも彼の肉体は本来ならば褒められるべき圧倒的な筋肉量を誇る。だからホモのオカズにされるくらいなら肉体派おじゃる丸も納得出来た。自慢の肉体でホモが抜くなら、名誉なことかもしれない。それほどまでに価値を見出してくれたという証拠なのだから。 だがホモガキ共から馬鹿にされるのは我慢ならない。ホモガキの大半がヒョロガリだろうにネットを駆使して自慢の肉体を嘲笑する。――どうせ目の前では何も言えないくせにネットで好き放題にバカにする彼らを肉体派おじゃる丸は許せない。 だからこの決闘のルールを聞いた時、肉体派おじゃる丸は思わず笑ってしまった。 『詳しいルールは決闘者諸君に配布済みの『説明書』に記載されている。最後の一人まで生き残った者をデュエルキングとし、富と名誉を与える。更に一つだけどんな願いでも叶えることが可能となる』 ――これは肉体派おじゃる丸にとって最高の褒美だ。 何故なら肉体派おじゃる丸は淫夢やホモガキを本気で嫌っているし、自分がホモビに出演した過去を悔いている。 このまま永遠に嘲笑され続ける人生だと諦めていたが――ようやくこの運命から開放される好機が訪れた。 叶えたい願いはもちろん、淫夢の根絶だ。 しかし淫夢を完全に滅ぼせば憎きTDNや野獣先輩も救われてしまう。あいつらにはもっと苦しんでもらわなければならない。特にTDNは何故か世間的には許されたみたいな雰囲気になっているのがまた肉体派おじゃる丸にとっては腹ただしい ホモガキを全員この世から決してやりたいが、これも同様の理由で無しだ。TDNや野獣先輩を追い詰めるにはホモガキの存在が必要不可欠。皮肉にも肉体派おじゃる丸にとってホモガキは一定数いなければならない存在である。 だから無難に歴史改変して、自分がホモビに出演した過去を無くす。そうすることで必然的に現代(いま)の世界は変わり、肉体派おじゃる丸という不名誉なあだ名も消え失せるだろう。もちろんくだらない動画の数々から自分の姿も消えるに違いない。 「(これ以上ない最高の機会に)笑っちゃうんすよね」 肉体派おじゃる丸はハ・デスに感謝し、満面の笑みを浮かべていた。 冥界の魔王に感謝するという行為は唯一神GOすらも許さないかもしれないが、淫夢出演とかいうクッソ汚い黒歴史を取り消せる絶好の機会だからね、仕方ないね。 さて。優勝狙いを決意した肉おじゃの行動は早い。 I♥人類というふざけたTシャツの男と黒の剣士を見つけると、彼ら目掛けて全速力で駆け抜ける。 拳をグッと握り締め、全身に殺意を漲らせる。相手は自分よりも年下の男二人――しかも圧倒的な筋肉量を誇る肉おじゃと違い、ひょろひょろで筋肉が全く無いように見える。特に黒の剣士の方は女顔だから更に弱そうだ。 Tシャツの男は腕に装着した謎のカードデッキから5枚を引く。――アレは間違いなく遊戯王カードだ。遊戯王は日本人ならば誰もが知ってるであろうカードゲームであり、肉おじゃだってその存在は知っている。当たり前だよなぁ? だがたかだか遊戯王カードでこの自慢の肉体を傷付けるなんて無理だ。海馬瀬人のようにカード手裏剣でもマスターしているならともかく、あんなものはアニメや漫画の世界だから出来る謎技術。そんなことが現実で出来るわけないだろ、いい加減にしろ! そして女顔の黒の剣士は紫色のライトセーバーを構える。遊戯王カードなんかよりはよっぽど痛そうだが、ライトセーバーなんて所詮は架空上の武器。つまり黒の剣士が持ってるアレはライトセーバーを模したオモチャだと肉おじゃは判断する。きっとトイザらスか何かで買ったものだろう。 「そんなオモチャで対抗しようとするなんて、笑っちゃうんすよね」 あまりにも滑稽な二人組を肉おじゃは嘲笑い、先ずはTシャツの男へ殴り掛かる。 その鍛え上げられた筋肉は見事、男の頭部を―― 「――悪いな、あんたの相手は俺だ」 ――破壊することなく、黒の剣士がライトセーバーにてその攻撃を防いだ。 厳密にはライトセーバーではなくカゲミツG4。GGOというゲームで彼が愛用していた剣だ。 そして黒の剣士キリトは真っ直ぐとした瞳で肉おじゃを見据えた。 「この変なおっさんが初陣か。そんじゃ、ま――ゲームを始めようか」 そしてTシャツの男――空もまた自分が殴り掛かられたことに一切動じず、堂々とゲーム開始を宣言する。 「クキキキキ……」 ただのオモチャだと思っていたライトセーバーが本物で肉おじゃが怒りを募らせる。 彼の鋼の筋肉はカゲミツG4とまともにぶつかり合っても切断されることはなかったが、流石に生身の肉体でライトセーバーを相手にするのは痛い。 当然本来の肉おじゃはこんなにも化け物染みた身体能力があるわけじゃないが、皮肉にも淫夢としてミーム汚染されたことでこの決闘場では補正が掛かっている。 怒り狂った肉おじゃは一心不乱に拳を何度も振るう。なんだこのパワー系はたまげたなぁ。 しかしアインクラッドの英雄、黒の剣士キリトは難なくそれらの攻撃を対処した。いくら肉おじゃのスペックが上がろうとも技量ではキリトが勝る。 「……これじゃ俺は何も出来ることがねえ。ちょいと試してみるか」 空は自分が引いた5枚のカードを眺める。そのどれもがモンスターカードであり、このデッキの重要な要素である罠カードが何一つない。 だがカードゲームというものは、何もドロー力が全てではない。ハッタリや駆け引き――そして様々なカードの効果を用いて戦うのがカードゲームというものだ。ドロー力に恵まれなくても、好きなカードを手札に呼び込むためのサーチカードだって多彩に存在する。 「俺はトリオンの蟲惑魔を通常召喚!更にトリオンの蟲惑魔の効果発動!トリオンの蟲惑魔は召喚に成功した時、デッキから落とし穴かホールのカードを1枚サーチすることが出来る」 空がトリオンの蟲惑魔を召喚すると、デッキから粘着落とし穴をサーチする。この際に空はルールに則りちゃんとサーチしたカードを肉おじゃに見せているのだが、肉おじゃはテキストの確認すらしようとしない。もっともこの殺し合いと同等の決闘で、しかもキリトがいる状況だ。別にゲーマーなわけでもない肉おじゃにそこまで頭が回るわけない。 しかし落とし穴――その言葉だけで何か厄介なものを手札に加えたことは推測出来る。何故かモンスターが実体化しているし、この場で遊戯王カードが如何に重要かを肉おじゃは察する。 「カードを1枚伏せて、俺はターンエンドだ。――さあ、お前のターンだぜ」 空は律儀にターンエンドの宣言をする。この場ではモンスターはバトルフェイズという概念すらなく、攻撃可能なのだが――あえて彼は攻撃すら宣言せず、ターンを終了した。 「なんでもありの決闘でターンなんて、笑っちゃうんすよね」 わざわざカードゲームのルールに則り、まるで正々堂々とデュエルでもしようとしている空を肉おじゃは嘲笑う。 何がターンエンドだ。これは決闘――純粋な力較べであり、ルール無用だ。ターンなんて概念はないはずである。 しかし肉おじゃの前に立ちはだかっている黒の剣士は空の理解不能な行動を微塵も疑わず、肉おじゃの相手に集中している。――まるで空を信じているとでも言うかのように。 「なんすか、その目は……」 その目が――空を信じて肉おじゃを見据えるその瞳が、肉おじゃにとっては何よりも苛立つ。人間なんて醜い生き物だ。たった一度の過ち――ただそれだけで淫夢ファミリーの一員として「肉体派おじゃる丸」という不名誉なあだ名を付けられ、世界中の人々から馬鹿にされてきた。そしてどうしてだろうか――肉おじゃはこの決闘に巻き込まれてから自身の名前すらも思い出せない。 肉体派おじゃる丸という憎悪してる名は鮮明に覚えているのに、何故か彼の名前は忘却の彼方に消えてしまった。――淫夢の肉体派おじゃる丸として決闘場に召喚された彼は、本来の名前すら剥奪される。ハ・デスはホモビ男優の記憶や在り方すらも捻じ曲げたのだ。 「なんというか……人間を信じるなんて、笑っちゃうんすよね……」 肉おじゃは人間不信だ。淫夢で浸透してから、常に誰かに嘲笑われてるような感覚に苛まれている。 そんなどうしようもない運命から逃れるためならば――目の前の剣士も、目つきの悪いゲーマーも喜んでこの手で屠ろう。 哀しき怪物は一度キリトから距離を取り、支給されたカードを天に翳す。 「これが魔法カードか……!」 肉おじゃの右腕の筋肉がみるみるうちに凝縮され、ただでさえ逞しい腕が更なる厚みを増していくのを見てキリトは戦慄する。 鋼鉄のような肉体――そんな言葉すらも今の彼を表すには、あまりにも足りていない。 肉おじゃが発動した魔法カードはゴッド・ハンド・クラッシャー――神のカードの1枚、オベリスクの巨神兵の技名を冠するカードだ。 過酷なデスゲームを生き抜き、クリアへ導いた黒の剣士も。天才ゲーマー兄妹の片割れも。神の一撃を受ければ間違いなくその命を散らすことだろう。 「フフハッ。これは神の一撃らしいすよ。もうあんた達も、終わりっすね!」 支給品の説明には神の一撃と記載されていた。この目でトリオンの蟲惑魔が実体化するのを見るまでは遊戯王カードなんて何も意味が無いハズレ支給品だと思っていたが、どうやら大当たりだったようだ。 勝利を確信した肉おじゃが拳を振り上げた瞬間―― 「この瞬間、罠カード発動。粘着落とし穴!」 肉おじゃの身体は落とし穴に嵌り、その攻撃も地面に打ち付けるだけで不発に終わる。 落とし穴の大きさはそれほど大きくない――一般人でもすぐに自力で戻れる程度のものだろう。だが落とし穴の底には粘着質な液体が溜まっており、それによって肉おじゃは身動きを封じられた。 「クキキキキ……!」 肉おじゃが凄まじい憎悪を募らせた表情で空を睨む。I♥人類という文字の書かれたTシャツが、彼の憎しみを更に高める。 「神の一撃だかなんだか知らねえが――人類ナメるんじゃねえ」 罠カードの発動には1ターンの経過が必要だ。それを考慮した上で空は即座にターンエンドを宣言した。 肉おじゃがトリオンを見た時――彼の口元は僅かに笑っていた。他の者ならば見逃してしまうかもしれないその一瞬の挙動を空は見逃すことなく、彼に何らかのカードが支給されていることを警戒していたのだ。 そして案の定――というか予想以上にとんでもないチートカードが支給されていたから、空はすぐに粘着落とし穴を発動した。 ゴッド・ハンド・クラッシャーには●相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。という効果もあるが、これは任意効果。精神的に余裕がない肉おじゃはその効果を使わず、攻撃手段としてのみ発動した。 もっともそちらの効果を使われてもチェーンして破壊される前に粘着落とし穴を発動したら済む話。つまり肉おじゃは空にゲームで敗北したのだ。 だが空もキリトも決してまだ油断していない。相手は何かまだ切り札を隠している可能性がある――と空が考えていたら、予想的中。粘着質な液体から抜け出した肉おじゃは『強制脱出装置』を発動することですぐさまどこかへワープした。 この強制脱出装置――罠カードなのだが自分自身に使う場合のみすぐに発動出来るという細工を施されている。ゴールドシリーズという特殊なカードであるがゆえに一度使えば消滅してしまうが、それでも肉おじゃはなんとか戦場から脱することが出来た。 あのまま黒の剣士とI♥人類の男を殺したい気持ちも強かったが、あんな未知の技術を使われては勝ち目が薄い。それにゴッド・ハンド・クラッシャーは強力なカードだがその代わり一度使ったら暫く使えないデメリットもある。 「次に出会ったら絶対殺してやるっすからね……」 肉おじゃは憎悪を募らせながら、優勝を目指して歩き始めた。 【肉体派おじゃる丸@真夏の夜の淫夢】 [状態]:疲労(中) [装備]: [道具]:基本支給品、ゴッド・ハンド・クラッシャー@遊戯王OCG、ランダム支給品0~1 [思考・状況]基本方針:優勝して淫夢の歴史から自分の存在を抹消する 1:黒の剣士とI♥人類の男は次に出会ったら絶対殺してやるっすからね…… 2:遊戯王カードはこの決闘で大事すね…… [備考] ※遊戯王カードの存在を知っていますが決闘者じゃないのでルールなどは詳しくありません ※本来の名前を思い出せません 〇 「落とし穴は相手の動きを軽く封じるくらいが精一杯か。……ま、それくらいに制限しなきゃ決闘が成り立つわけねえよな」 空に支給されたデッキ――それは落とし穴を駆使して戦う蟲惑魔だ。特別強い奈落の落とし穴などは入っていないが、それでも粘着落とし穴や落とし穴など本来ならば驚異的な効果を発揮するカードは投入されている。だがモンスターを破壊したり裏守備にすることがそのまま決闘でも適用されるはずがない。じゃなければバランスブレイカー過ぎる性能だ。 もちろんNPCなんかには効果を発揮する可能性が高いが――対人戦では大幅に制限されている。だから肉おじゃも脱出できた。時間を稼いだり、相手の行動を妨害したり――そういう使い方がメインとなるだろう。 ちなみにデッキの解説や遊戯王OCGのルールは説明書に同梱されていた。そして天才ゲーマーの空はそれをすぐに理解した。空から説明書を読ませてもらったキリトも多少は理解している。ゲーマーの彼らはすぐにこの決闘に適応したのだ。 ちなみにキリトと空は偶然にもスタート地点が同じで、情報交換や遊戯王カードについて考察していたところに肉おじゃが襲来した。 キリトが空を信用していた大きな理由はすぐにデッキの性質や遊戯王OCGについて理解したからだ。逆に空もキリトと話して、彼が信用出来る人物だと考えた。デスゲームを生き抜き、生還したという話も彼の瞳を見る限り嘘ではないだろう。 なによりこのデスゲームを開いたハ・デスに対するキリトの怒りは間違いなく本物だ。それは初対面の空にもよく伝わった。 「俺たち自身を駒にしてゲームを始める――か。完全に俺たち人類を舐めた発言だな」 「相手は冥界の魔王らしいからな。それにゲームマスターからしたら、俺たち一般プレイヤーなんて本当に取るに足らない存在なのかもしれない」 キリトの言葉について空は同感だ。完全にこちらが舐められているが、ゲームの運営なんてそんなものだろう。 だが――だからといってキリトと空にこのゲームのクリアを諦める気はない。 「じゃあその魔王様に、人類の可能性ってやつを見せてやろうぜ」 「人類の可能性、か……」 空白に敗北の二文字は無いし、黒の剣士には帰るべき場所がある。待っている彼女が居る。 それにキリトはかつてシステムの力を否定した。システムの力を上回る人間の意志の力――それを黒の剣士は秘めている。 空に「人類の可能性」という言葉を聞いてキリトはヒースクリフ――茅場晶彦との運命の一戦を思い出した。 キリトはプレイヤーで、ハ・デスはゲームマスターだ。だからどうした? 皮肉にも過去にデスゲームを開いた男――茅場のことを思い出し、キリトは前を向く。 「……そうだな、空。あのゲームマスターがどんなシステムを仕組んでも――最後に勝つのは人間の意志だ」 天才ゲーマーの片割れと黒の剣士が手を組み、魔王を名乗る男がゲームマスターのデスゲームに挑む。負けるつもりはないが、油断もしていない。特にキリトはデスゲームの過酷さを嫌というほど経験している。 そして彼らには白やアスナ――大切な人々がいるが、果たして彼女達もこの決闘に参加しているのだろうか? 空と白が。閃光と黒の剣士が揃う時は、やってくるのだろうか――? 【キリト@ソードアート・オンライン(アニメ版)】 [状態]:疲労(小) [装備]:カゲミツG4@ソードアート・オンライン [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:ハ・デスを倒す 1:空と共闘する 2:アスナやクライン達も居るのか? [備考] ※参戦時期はソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld終了後 ※遊戯王OCGのルールをだいたい把握しました ※アバターはSAO時代の黒の剣士。 GGOアバターに変身することも出来ます。GGOアバターでは《着弾予測円(バレット・サークル)》及び《弾道予測線(バレット・ライン)》が視認可能。 その他のアバターに変身するためには、そのアバターに縁の深い武器が必要です。SAOのアバターのみキリトを象徴するものであるためエリュシデータやダークリパルサー無しでも使用出来ます。SAOアバター時以外は二刀流スキルを発揮出来ません。これらのことはキリトに説明書に記されており、本人も把握済みです 【空@ノーゲーム・ノーライフ(アニメ版)】 [状態]:健康 [装備]:デュエルディスクとデッキ(蟲惑魔)@遊戯王OCG [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:ハ・デスを倒す。あまり人類ナメるんじゃねえ 1:キリトと共闘する 2:白も居るのか? [備考] ※参戦時期はアニメ終了後 ※遊戯王OCGのルール及び蟲惑魔デッキの回し方を把握しました 『支給品紹介』 【ゴッド・ハンド・クラッシャー@遊戯王OCG】 肉体派おじゃる丸に支給。 当ロワではこのカードを発動することでオベリスクの巨神兵の技、ゴッド・ハンド・クラッシャーを発動出来る。相手フィールドの魔法・罠カードの破壊も可能だがモンスター破壊効果は失っている。ただし対象が参加者以外のモンスターであれば破壊可能 一度発動すると6時間は使用出来ない 【デュエルディスクとデッキ(蟲惑魔)@遊戯王OCG】 空に支給。奈落の落とし穴などバランスブレイカーになり得るカードは入っていない また破壊する効果はNPCや参加者以外のモンスターにしか発動せず、落とし穴は行動の妨害や時間稼ぎがメインとなる。エクストラデッキ付き
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/45433.html
登録日:2020/07/03 Fri 07 03 59 更新日:2024/09/15 Sun 23 16 27NEW! 所要時間: 推測:約 37 分 ▽タグ一覧 23年冬アニメ 23年夏アニメ 24年夏アニメ A-1_pictures NieR Replicant/Gestalt NieR Automata NieR Automata Ver1.1a Nier Nintendo Switch PS4 Steam Xbox One XboxOne ちちしりふともも アジを食べて死ぬゲーム アニメ アンドロイド エクストリーム自殺 ゲーム スクウェア・エニックス スクエニ ダブルマッチポンプ ドラッグオンドラグーン ニーア ニーアオートマタ プラチナゲームズ マルチエンディング ヨコオタロウ 何故かなかなか立たなかった項目 尻と腿と臍が頑張るゲーム 廃墟 弾幕ゲー 所要時間30分以上の項目 新鮮な鉄パイプ 本当に、本当にありがとうございました 略してニート←却下 石川由依 社長です 社長と戦えるアクションゲーム 続編 続編←だが、話は繋がってない 良ゲー 花江夏樹 諏訪彩花 鬱ゲー 全ての存在は滅びるようにデザインされている。 生と死を繰り返す螺旋に……私たちは囚われ続けている。 これは、呪いか。それとも、罰か。 不可解なパズルを渡した神にいつか、私たちは弓を引くのだろうか? 命もないのに、殺しあう。 NieR Automata(ニーア オートマタ)とは、アクションRPG作品の1つ。 2017年2月23日にPlayStation4向けに発売され、2017年3月にはSteamでPC版も発売されている。 発売元はスクウェア・エニックス、開発元はプラチナゲームズ。 ディレクター及びシナリオを担当するのはヨコオタロウ氏で、同じタイトルを冠する『NieR Replicant/Gestalt』とは世界観を同じくする続編。 直接的にストーリーが繋がっているわけではないが、前作をプレイすることで物語の背景をより深く理解することができる。 ストーリー 遠い未来。 突如侵略してきた異星人。 そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」。 圧倒的戦力の前に、人類は追われ月へと逃げ延びていた。 地球を奪還する為に人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。 さらに膠着した戦況を打破する為、新型アンドロイドである戦闘用歩兵「ヨルハ」部隊を投入する。 人のいない不毛の地で繰り広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦い。 やがてそれは知られざる真実の扉を開けてしまう事となる……(公式サイトより) 概要 ファンからは高い評価を得ながらも、売上的にはイマイチ振るわなかった前作『NieR Replicant/Gestalt』に比較すると2020年12月時点で全世界累計500万本以上出荷(DL販売含む)という凄まじいヒットタイトルになり、国内外で高い評価を得ている。 特に大きな反響を呼んだのが2016年末に配信された体験版で、プラチナゲームズの得意分野であるスタイリッシュなアクションに加え、2Bというキャラクターの非常に印象的な尻やビジュアルや退廃的なBGM・世界観といったものがSNS等のネットメディアで話題になった。 これをきっかけにゲームのリリース前からPixivなどのイラストサイトではファンアートが爆発的に増え始め、一気に注目を集めるタイトルになったといえる。 発売後は、初週国内売上のみで約20万本を突破、2017年4月には国内外でのDL版含む販売数が100万本を突破。 2019年2月にはDLCなどの各種特典を収録した『Game of the YoRHa Edition』が発売、2019年5月には400万本突破を記念したトレーラーも公開された。 また、メディアミックスも豊富であり、舞台・ノベライズ・コンサートイベント・朗読劇と様々な形で世界観を補完する展開がされている。 ちなみに、そもそも本作の前身はヨコオ氏が2014年頃に立ち上げた『舞台ヨルハ』という女性アイドルによる演劇プロジェクトであり、『NieR』シリーズの続編企画としてブラッシュアップしたものがゲーム『NieR Automata』として形になったという経緯がある。 ゲームのヒットに伴い2018年には『音楽劇ヨルハ』として舞台もリメイクされ、完全新作の『少年ヨルハ』という舞台も公演された。 アニメ化もされ、『NieR Automata Ver1.1a』の題で2023年の1月から3月にかけて放送されたが、新型コロナウィルス蔓延により9話~12話の放送が延期され、同年7月に改めて放送。 12話放送後には第2クールの制作が決定し、2024年7月より放送された。 ちなみに前作の時代がAD3360年頃なのに対し、本作のプロローグで2Bが参加した地上への降下作戦が実施されたのがAD11945年と実に8000年以上の時間が経過している。 そのため、とあるキャラクターを除けばストーリー上のつながりはなく、前作を知らなくてもさほど問題はない。 むしろ、2020年3月に『NieR Replicant』のバージョンアップ作品『NieR Replicant ver.1.22474487139…』の制作発表がされたので、こちらを先にプレイして『ver.1.22474487139…』の発売に備えるというのも一つの手。(*1) 登場人物 メインキャラクター ◆2B(ヨルハ二号B型) CV:石川由依 ...感情を持つ事は禁止されている。 身長:168㎝ 体重:148.8kg スリーサイズ:84/56/88 「ヨルハ」部隊の戦闘モデル。 主に1周目のAルートで操作することになるキャラクターで、本作の顔役ともいえる。 「感情を持つことは禁止されている」というヨルハ部隊の規則に忠実であろうとしているため、 口数も少なくあまり感情を表に出すタイプではないが決して冷たい訳ではなく、仲間に対しては思いやりのある優しい性格。 特に9Sのことはとても大切に思っており、彼の身に危機が及ぶと激しい感情を露わにすることも。 まさにクールビューティーという表現がぴったりなキャラクターだが、ストーリーを進めていくにつれて彼女の言動の奥にある優しさも垣間見えてくるだろう。 一方で9Sに言わせると時々大雑把なところも。 本作のヒットの立役者ともいえる、非常に人気の高いキャラクターで、 モノトーンのゴシックドレス風衣装に身を包んだ銀髪美女。 布状のバイザーで隠された目元、印象的な口元の艶黒子。 スカートからチラチラ覗く白いレオタードからスラリと伸びたおみ足。 大胆に素肌をさらした背中。 そして何よりもその肉感的な美尻。 一度見たら忘れることのないであろうインパクトを残す、まさにフェチズムと属性力の塊。 美しい廃墟の都市で彼女がロボット相手に日本刀(っぽい武器)を振るって敵を粉々に破壊するというビジュアルは世界中のゲーマー達のハートを鷲掴みにした。 警告:ネタバレ注意 実は彼女のモデル名である「2B」の名は偽装で、正式名称は「2E」。 同じヨルハ機体を処刑する役割を持っており、ゲーム本編の開始前から9Sとは何度も行動を共にしており、機密情報への不正アクセスを試みた彼を処刑していた。 この繰り返しからくる良心の呵責に苦しんでおり、小説の番外編でこのことが9Sに露見した際は彼に自分を殺してほしいと懇願するほど追い詰められていたが「何度殺され、記憶を失ってもまた君に会いたい」と言い残して自ら命を絶った9Sの願いを叶えるために感情を押し殺し、彼を殺し続けることを誓う。 9Sの方にはその記憶はないため、ゲーム開始直後の2Bがどこか9Sに対してよそよそしい様子なのはこのため。 3周目のC/Dルート序盤にて、機械生命体の攻撃によりウイルス汚染されたバンカーから9Sとともに脱出するも、彼を守るために単独で囮になり、ウイルスに感染。 感染を広げないようアンドロイドの反応が少ない廃墟都市区画に向かう途中A2に出会い、彼女に自分の記憶と遺言を託して介錯された。 そのため最期まで「ヨルハ計画」の真実を知ることはなかったが、彼女にとっては救いだったかもしれない…。 代わりに9Sとプレイヤーがどん底まで追いつめられることになるけどね! ◆9S(ヨルハ九号S型) CV:花江夏樹 誰かと一緒に行動出来るって、楽しいんです。 身長:160㎝ 体重:129.9kg ロールアウト日:11942年1月30日 「ヨルハ」部隊の最新型スキャナーモデル。 2周目のBルート及び3周目以降で操作することになるキャラクター。 寡黙な2Bに比べると子供っぽく好奇心旺盛な性格をしており、軽口を叩くことが多く2Bや21Oからしばしば注意されることも。 スキャナーモデルは任務の特性上単独行動が多いため、2Bと行動を共にできることは嬉しく思っている。 親しい相手からは「ナインズ」と呼ばれており、2Bにもそう呼んでほしいと伝えるも、なかなか呼んでくれず落ち込むことも。 A/Bルートから3周目以降のC/Dルートまで一貫して物語の中心となるキャラクターであり、 初期の明るい性格から、後半心身ともに追い詰められていき冷酷な復讐者に変貌していく変化を見事に演じ分けた花江夏樹氏の演技が光る。 警告:ネタバレ注意 実は本編の開始前から何度も2Bと行動を共にしているものの、彼自身はそのことを覚えていない。 優秀なスキャナータイプである9Sはその好奇心の強さからいずれ不正アクセスを試みてヨルハ計画の真実の一端に辿り着いてしまい、その度に2Bに処刑され記憶を初期化されていた。ちなみに2Bを案じて自決した個体も存在する。 3周目以降のC/Dルートでは2Bの死を目の当たりにし、彼女を救えなかった自責の念、A2そして機械生命体への復讐心から精神の均衡を崩していく。 さらにヨルハ計画の真実を知ってしまったことから自暴自棄になりウイルス汚染も厭わず戦い続け、復讐を遂げた果てに死ぬことを望むようになるが…。 ◆A2(ヨルハA型二号) CV:諏訪彩花 裏切ったのは……司令部だろう? 身長:168㎝ 体重:139.2kg スリーサイズ:73/54/82 「ヨルハ」部隊の戦闘モデルのプロトタイプ。 ヨルハ機体に特徴的な目元のゴーグルも装備しておらず服装もボロボロ(ほぼ着てない)で、腰まで届くロングヘアが印象的。 A/Bルートでは顔見せ程度の登場で、本格的にストーリーに関わるのは3周目以降のC/Dルートとなる。 本編の4年前「真珠湾降下作戦」に投入されるも部隊は壊滅、彼女1人が生き残ったがその後行方をくらましたため、脱走兵として追われている。 同じ「二号」モデルのため2Bとは容姿が酷似しているが、スリーサイズからわかる通り2Bに比べるとスレンダーな体形。 実は体を覆っている服のように見える黒い部分の大半は皮膚パーツが剥がれてむき出しになった素体であり、ほぼ全裸。 「尻の2B」に対して、あえて言うならばその魅力はお腹。 普段は布状のパーツで隠されているが、リミッターを解除した「B(バーサーカー)モード」を使用したときに露わになるお腹から腰回りのライン、そして臍のインパクトは絶大。 警告:ネタバレ注意 かつて参加した「真珠湾降下作戦」で自分たちが戦闘データ収集のために全滅する前提で派遣されていたことを知り、司令部と決別。 機械生命体を殲滅して仲間たちの仇を討つために独りで戦い続けることを誓う。 脱走兵として追われる中で、実は2Bや9Sとも何度か対峙しており彼女たちを破壊している。 そのため2Bのモデル名の偽装についても知っており、自分と同じモデルの処刑タイプに追撃をさせるなんて悪趣味が過ぎると良い印象を持っていなかった。 しかし3周目のC/Dルートにてウイルス汚染された2Bと出会い、その姿にかつての仲間たちを重ね彼女の記憶と遺志を受け継ぐことに。 一匹狼の復讐者で、粗野な言動も相まって2B以上に人を寄せ付けない冷徹な印象を受けるが実は不器用なだけでとても優しい性格。 一方で割とポンコツなところもあり、パスカルの村では機械生命体の子供たちに懐かれ振り回されたり、2Bの遺命で一方的に随行してくることになったポッド042からは「理解力に問題あり」と言われ、キレ気味で「役に立たない箱」と言い返すなどコミカルなシーンも多い。 また、折悪く9Sに2Bを介錯するところを見られてしまったために彼からは2Bの仇として憎悪されることになるが、彼女の方は常に9Sを守ろうとしていた。口数も少なく毎度タイミングの悪い登場をするので一部からはコミュ症、脳筋ポンコツゴリラと言われている ちなみにこの時2Bへの弔いのために髪を切っており、以降はショートヘアとなるが装備品でロングヘアに戻して操作することも可能。 ◆随行支援ユニット ポッド042/153 CV:安元洋貴(ポッド042)、あきやまかおる(ポッド153) ヨルハ機体に随行し、戦闘や任務の支援を行うユニット。 白色のポッドが2Bの支援を担当するポッド042、黒色のポッドが9Sの支援を担当するポッド153。 「推奨:アクセスポイントの捜索。」「疑問:ヨルハA型二号の学習能力。」「警告:過度の戦闘行為は機体への負荷が大きい。」といった機械的な話し方が特徴的だが、2Bと9Sに随行していく中で彼らにも変化が見られるようになる。 新鮮な鉄パイプが釣れたことを報告してくるお茶目な面も。 ストーリー開始後は1機だが、砂漠地帯と水没都市で追加のポッドを入手することができ最大で3機随行させることが可能。 それぞれ装備がガトリング、レーザー、ミサイルと異なり、素材アイテムを集めることで強化できる。 また、ポッド・プログラムという様々な装備を付け替えての攻撃が可能な他、ヨルハ機体をぶら下げるなど移動面でのサポートも行う。 警告:ネタバレ注意 ある意味で本作の真の主人公。 随行対象である2B、9S、そしてA2と行動を共にし、ポット同士の情報交換を繰り返して行くことで「意思」や「感情」に近いものを獲得していき、やり取りも少しずつ人間的なものになっていく。 その結果、C/Dエンディングの両方を見た後に迎えるEエンドで、ヨルハ計画の最終段階においてある決断をする。 アンドロイド ◆ヨルハ部隊司令官 CV:加納千秋 軌道基地バンカーにて全ヨルハ部隊を統括する指揮官。ちなみに彼女自身はヨルハタイプではない。 本名は「ホワイト」。ヨルハ部隊員とは対照的に白を基調にした服装に身を包んでいる。 何気に2B以上のナイスバディ。どうみても履いてないようにしか見えない際どいレオタードを着用している。 冷静沈着・厳格な指揮官だが、プライベートでは服を洗濯せずに溜めこむなどズボラな一面も。皮脂の出ないアンドロイドでバンカーにずっといるくせに洗濯溜めるってどういうことよ 警告:ネタバレ注意 人類がすでに絶滅しており、ヨルハ部隊がその情報を隠蔽するために設立された部隊であることを承知している。 他のヨルハ部隊たちにそのことを隠しながら司令官としての責務を果たすことには内心苦悩していた。 Bルートの後半、不正アクセスによりヨルハ計画の真実の一端に辿り着いた9Sに対し処刑命令を下すことはせず、いかなる心境の変化かヨルハ計画の情報が記録されたデータチップを渡し、「これからどうするかは自分で決めろ」と言い残す。 その後C/Dルートの序盤、機械生命体によるハッキング攻撃によりウイルス汚染されたバンカーから2B、9Sと共に脱出を試みるも彼女自身もウイルスに感染しており、バンカーと運命を共にした。 ◆6O/21O CV:磯部恵子(6O)、初美メアリ(21O) 「ヨルハ」部隊のオペレーターモデル。 2Bの専属オペレーターが6O、9Sの専属オペレーターが21O。 6Oは定期連絡でよく世間話をしたり、占いの結果を気にするなど明るい性格。 対照的に21Oは事務的で真面目な性格で、無駄口の多い9Sを注意することも多い。 ただ「そーっと迫ってギュッとハッキング」という迷言から天然疑惑も。 警告:ネタバレ注意 C/Dルート序盤でバンカーが機械生命体によるハッキング攻撃を受けたことで6Oもウイルス汚染されてしまい、バンカーと運命を共にすることに。 21Oは直前で戦闘モデルへの転向を申し出ていたため地上に降下していたが同じくウイルス汚染を受け、9Sと戦うことになりA2によって破壊された。 ちなみにヨコオ氏によれば2人とも立場上、9Sが何度も処刑されていることは知っていた模様。割と闇が深い設定である。 ◆アネモネ CV:初美メアリ 廃墟都市のレジスタンスを率いる女性リーダー。 200年以上戦い続けている歴戦の兵士で、A2ともかつて「真珠湾降下作戦」で共闘しており顔見知り。 機械生命体を憎んでいるが「白旗を上げている連中を撃つほど終わってはいない」とパスカルの村とは資材の交易をおこなうなど、良好な関係を築いている。 警告:ネタバレ注意 「塔」崩落後も生存しており、レジスタンスのリーダーとして悲しむ間もなくキャンプ内で気丈に振る舞っていたことが語られている。 ◆ジャッカス CV:川渕かおり 砂漠地帯周辺を拠点に活動している女性型アンドロイド。 探求心が強く、サブクエストでは彼女の研究に付き合わされることも。おいアジ喰わねぇか。 爆発物が好きなのか、何かと爆破して解決しようとする癖がある。 レジスタンス組織の情報分析担当官とのことで、ヨルハ部隊司令官とも顔見知りらしく彼女のことを「人使いが荒い」と評している。 3周目クリア後には物語の核心について記された彼女の手による研究レポートが公開される。 ◆デボル&ポポル CV:白石涼子 レジスタンスキャンプに住んでいる双子の姉妹型アンドロイド。治療・メンテナンスに特化したモデル。 ストーリー初期からキャンプにいるが、話しかけられるようになるのはA/Bルートの後半から。 過去に自分たちの同型機が暴走を起こしたことで、事故のことを知るアンドロイドからは迫害を受けているが、2人も贖罪の意識からそれを受け入れている。 警告:ネタバレ注意 前作『Replicant/Gestalt』に登場する2人とは別人だが、同じく「ゲシュタルト計画」を管理する役割を持っていた同型のアンドロイド。 本作で登場する2人は現存する最後の機体で、サンプルとして監視されているとのこと。 C/Dルート後半にて「塔」へと突入する9Sを支援するために2人で大量の機械生命体を相手に時間を稼ぎ、力尽きた。後日談でもアネモネの口から死亡したことが語られている。 機械生命体 ◆アダム CV:浪川大輔 砂漠地帯のマンモス団地廃墟の調査中、多くの機械生命体が集まって作られた繭のようなものから生まれた人型の男性の姿をした機械生命体。 ケイ素を主体とした特殊素材で構成されており、2Bたちアンドロイドに酷似、つまり人間そっくりの姿をしている。最初股間は再現できてなかったけど。 生まれた直後は全裸で言葉もおぼつかなかったが、すさまじい学習スピードで知能を成長させていった。 余裕綽々な態度を見せるが、イブに自分の名前は女性の物じゃないかと突っ込まれた際はさらっと流したりとややボケてる。 様々な知識を学んでいく中で人間というものに強い興味を持ち、衣服や読書、食事といった人間の行動を模倣するようになる。 その中である結論に至り、2B達に戦いを挑む。 警告:ネタバレ注意 機械達は、それぞれのタカラモノを大事にしていました。 ある機械にとってのタカラモノは……「憎悪」でした。 自分たちを生み出しただけで、導くことはしてくれなかった創造主であるエイリアン達への「憎悪」と、対照的な存在である「人間」への興味の果てに「死」を理解したいという願いから自身を機械生命体のネットワークから切り離し命を懸けて2Bに戦いを挑み、敗北。どこか安らかな表情で絶命した。 彼の記憶情報も「箱舟」には保存されていたようで、Dエンドではイヴと共に登場。 9Sに語りかけ、敵意も憎悪も感じられない穏やかな様子で宇宙へと旅立っていった。 ◆イヴ CV:鈴木達央 アダムとの初戦闘時、2B達の攻撃による脇腹の傷口から新たに誕生した双子の弟とされる機械生命体。 産まれた直後は兄と区別がつかない姿だったが、再登場した際には短髪になり性格も対照的に。 人間の文化にもさほど興味はなく、服を着ることもあまり気が進まないのか上半身は裸。 兄に比べると短気で子供っぽい性格で、アダムのことを「にぃちゃん」と呼んで慕っている。 粗暴で戦いを好むが心の中では兄と穏やかに暮らすことを望んでいた。何故か公式で発売されたLINEスタンプは彼とアダムのオンリーとなっている。 警告:ネタバレ注意 俺にとっては、にイチゃんが……にいチャンダケガ……。 アダムを喪ったことで機械生命体のネットワークを巻き込んで暴走、A/Bルートのラスボスとして2Bと9Sの前に立ちはだかる。 激戦の末、最期は2Bに止めを刺された。 ヨコオ氏いわく、意外にも自我はイヴのほうが発達しているとのことで、お互いを同じ個体、一心同体とみなしているアダムに対してイヴのほうは「あの人と俺は違う」という意識が強いとのこと。 ◆パスカル CV:悠木碧 平和主義を唱え、戦うことを放棄した特異な機械生命体。 同じ思想を持つ機械生命体達が集まった村の村長をしており、2Bや9S、A2とも親交を深めていく。 人間の歴史や哲学書などに興味を持っており、村の機械生命体の子供たちに様々なことを教えている。 温厚な性格から子供たちからも「パスカルおじちゃん」と慕われている。パスカルおジチゃん!あそンデー! 警告:ネタバレ注意 C/Dルートの中盤、彼の村の機械生命体の一部が暴走。 A2と共に子供たちを守るために戦うことを選ぶが、パスカルが子供たちの将来のために教えた「恐怖」という感情に耐えられず、子供たちはみな自殺してしまう。 絶望したパスカルはA2に自分の記憶を消去するか、殺してほしいと頼むのだった。 その後の結末はプレイヤーの選択によって変化するが、記憶を消した後は村でショップを開くようになる。 販売しているものが割とトラウマ。 ちなみに何もせずにその場を去るという鬼畜な選択もできるが、その場合は姿を消してしまい以降登場することはなく、村に行くと彼の愛読書を入手できる。 小説版や設定資料集の年表によれば記憶を消されて生存するのが正史な模様で、後にアンドロイド軍との間に和平を結んでいる。 その他 ◆エミール CV:門脇舞以 前作『NieR Replicant/Gestalt』からの続投キャラクター。 機械生命体の頭部パーツの中から登場した不可思議生命体。 初遭遇時は球体状の頭のみだったが、再登場時にはオート3輪のようなパーツと合体し、廃墟都市で大音量の音楽を流して爆走しながらショップを開くようになる。イベント発生中に遭遇して雰囲気がぶっ壊されることもしばしば。 警告:ネタバレ注意 彼に関するサブクエストを進めていくことで明らかになるが、前作に登場したエミール本人ではなく、エイリアンとの戦いの中で自己増殖を繰り返していったうちの一個体。 複製を繰り返したことと、長い時間の経過でほとんど記憶を失っているがクエストを進めると徐々に記憶を思い出していき、かつてのエイリアンとの戦いについて語ってくれる。 全ての武器を入手し、最大まで強化することで受注できるようになるサブクエストにおいて、自我が崩壊して暴走する自らの分身と対峙することになる。 戦いの末、すべてを道連れに自爆しようとする分身を止めるため魔力を使い果たし、 大切な人達とのかつての記憶を思い出し、穏やかに機能停止した。 ◆赤い少女 CV:中田譲治 警告:ネタバレ注意 アンドロイドからのコードネームでは「N2」「赤い少女」とされているが、正式名称は「ターミナルα/β」。 機械生命体のネットワークの中から生まれた概念人格を自称する存在で、少女のような姿は「ゲシュタルト計画」の中枢に関わる人物の記憶情報を取り込んでいるのが理由とのこと。 しかし声優名からわかる通り、声はおっさんである。別作品でも中田譲治氏はロリ少女の声を演じていたが…。 Bルートからこっそりと登場しているが、本格的に物語に関わるのはC/Dルートの後半。 機械生命体ネットワークを統括する役割に加え、以前よりアンドロイドたちを観察しており、A2とも因縁がある。 C/Dルート序盤ではバンカーとヨルハ部隊にハッキングを行い、ウイルス汚染によって壊滅へと追い込んだ。 その後は「塔」の中で9S、A2を待ち受ける。 実体を持たない存在であるため殺害することは不可能だが、A2と対峙するうちに自我の増殖・飽和により意見の対立が発生、まるで人間のように同士討ちを起こし自滅した。 月面の人類サーバーを破壊するために「塔」を建造したが、Dエンドでは考えを改め、機械生命体の記憶を封じ込めた「箱舟」を作り出し宇宙へと送り出すことに。 ゲームシステム 戦闘 2Bたちを操作しての地上戦と、飛行ユニットに搭乗しての空中戦、そしてアナログなSTGを彷彿とさせるハッキングの3種類に分けられる。 地上戦はゲームの戦闘の大半を占める要素となり、キャラクターを操作しての近接攻撃とポッドによる射撃攻撃を組みわせての戦闘となる。 近接武器は「小型剣」「大型剣」「槍」「格闘」の4種類が存在し、武器のレベルを上げることで攻撃回数が増えたり特殊な効果がつくようになる。おなじみウエポンストーリーも存在。 戦闘モデルである2B、A2は2種類の武器を装備でき、「スピードアタック」と「ヘビーアタック」を組み合わせて多彩なアクションを行うことができる。 一方9Sは装備できる近接武器は1種類のみとなるが、後述するハッキングを使用可能。 プラチナゲームズのお家芸ともいえるアクションは非常にスタイリッシュで、武器を振るうだけでなく浮遊させた武器を高速回転させて相手に投げつける、投擲した武器を手元にワープさせてコンボをつなげるといった攻撃モーションも存在する。 空中戦は劇中でたびたび登場する飛行ユニット「Ho229」に搭乗しての戦闘。 飛行形態と某ガウォークのような半人型の機動形態への変形が可能で、それぞれ操作感が多少異なるが、感覚的にはSTGに近い。 ポッド同様ガトリング、レーザー、ミサイルを使用しての射撃攻撃と、剣状の装備を用いての格闘攻撃やミサイルの全弾発射による攻撃が可能。 また、9S操作時は地上戦同様ハッキングを行うこともできる。 ハッキングは基本的には9S操作時のみに使用できる。 使用するとアナログ風なSTGステージが開始され、これをクリアすることでロックされた宝箱や扉を解除できるほか、機械生命体に使用すれば自爆させて周囲の敵にダメージを与えたり、 こちらが発見される前にハッキングを行うことでハッキング対象を味方にする「従属化」やプレイヤーが自分で機械生命体を操作できる「リモート操作」といったコマンドを実行することができる。 ステージ いわゆるオープンワールドのフィールド形式となっており、 「廃墟都市」を中心に「砂漠地帯」「遊園地廃墟」「水没都市」「森林地帯」「工場廃墟」といった様々なエリアがシームレスに繋がっている。 また1周目の中盤からセーブ機能などを担うアクセスポイントという設備からポイント間の転送が可能になり、移動がスムーズに。 それ以外にもシカやイノシシといった動物に乗って移動することも可能。 水辺ではポッドを使って釣りを行うことができ、エリアごとに釣れる魚が違ったり魚ごとに詳細な設定があったりとやたら芸が細かい。そうだ漁師になろう。 基本的にはマップ内を自由に探索できる3Dアクションの形式になっているが、特定のエリアではカメラを引いての2Dアクション風になったり、俯瞰視点にカメラが固定されたりと慣れるまでは少々戸惑う要素もあるかもしれない。 難易度 難易度はEASYからVERYHARDまでの4段階存在するが、難易度の幅が非常に極端。 VERYHARDではあらゆる攻撃が一撃でゲームオーバーになりかねないレベルのダメージとなり、某DMDモードを彷彿とさせるレベルの鬼畜難易度となる。 一方EASYモードでは特殊なプラグインチップが使用可能になり、攻撃から回避までをオートで行ってくれるためアクションゲーム初心者でも簡単にクリア可能。(チップのオンオフは個別に切り替えられる) トロフィーのコンプもEASYモードだけで達成可能であり、パッケージに惹かれて買ったような初心者からコアユーザーまで幅広く楽しめるようにと考えて設定したとヨコオ氏もインタビューで語っている。 というか3周目クリア後にとある店でなんとトロフィーが購入できるようになるため、トロコンは容易。 用語 ◆アンドロイド 人類によって作られた人型の自律機械兵士。もともとは前作にて「レプリンカントシステム」を管理するために産み出された存在。 エイリアンの襲来に対して「人類軍」を組織し、地球を奪還すべく各地で抵抗を続けている。 自我データを義体と呼ばれるユニットに乗せて稼働しているので、バックアップさえとっていれば新しい義体で何度でも蘇ることができるが、一方でハッキングやEMP、ウイルスによる電子汚染攻撃には弱いという欠点もある。 ◆機械生命体 エイリアンによって生み出された自律型の戦闘兵器。様々なモデルが存在し、一部の機体を除き共通する球体状の頭部が特徴。 単体での戦闘能力でアンドロイドを上回るのは大型個体を除けば稀だが、最大の脅威はその物量。 自己修復機能に加え、個体データはネットワークに繋がっている限り不滅、さらに各地の生産工場からはすさまじいペースで機体が量産されていく。 また、自己進化能力も非常に高くアンドロイドに有効なEMPを装備した機体やアンドロイドの技術をもってしても容易に除去のできない論理ウイルスなど様々な攻撃手段を有する。 理由は不明だがAD7645年頃から侵攻活動は低下しており、ゲーム中でも攻撃しない限りはこちらに無関心な個体や、「森の国」「パスカルの村」のような独自のコミュニティを形成したり、機械生命体同士で親兄弟のような家族意識を持つ個体も確認されている。 警告:ネタバレ注意 元々はエイリアンによって敵を倒すためだけに作られた兵器だったが、自己進化の果てに意識を獲得、創造主であるエイリアンをも滅ぼしてしまう。 その中で「敵を倒す」という目的の為には「敵が必要である」という矛盾した結論に達し、あえてアンドロイドを滅ぼさず、矛盾を解決する為に意図的にネットワークに欠損を発生させ進化のベクトルを多様化させつつ周囲の情報を取り込んでいった。 その結果がパスカルやアダム、イヴといった特殊個体の誕生や、より上位の存在である概念人格の誕生につながっている。 ちなみに、ネットワークは自前ではなく、地球上に残っていた量子ネットワークを流用している。つまり、魔素を使ったあれ。 そのためか、ニーアの村の図書館を模した場所があったり概念人格のボディがヨナっぽかったりしている。 ◆エイリアン AD5012年に突如として襲来し、地球への侵攻を開始した宇宙人。 地球侵攻のための自律兵器として機械生命体を製造した。 前作『NieR Replicant/Gestalt』のドラマCDでエミールが屹立するアレみたいな卑猥な姿の宇宙人から地球を守るために戦っていたことが語られており、ネタ扱いかと思いきやまさか本作でこの設定が引き続き活かされ困惑したファンも多数存在した。 その後、およそ5000年にかけて現在までエイリアンとアンドロイドの戦いは続いているが、AD11000年頃からエイリアンシップの目撃情報は減少している様子。 警告:ネタバレ注意 実は自らが産み出した機械生命体により滅ぼされており、ストーリーに関わることはない。 アダム曰く「植物のような単純でつまらない生き物」だったらしい。 ◆人類会議 地上を追われ月面に逃れた人類たちで構成される、アンドロイドたちに指令を下す機関。 ゲーム中でも定期的に激励の放送やメールを送ってくる。 警告:ネタバレ注意 前作の顛末を知っているファンにとっては周知の事実だが、既にこの世界の人類は絶滅している。 後述する「ヨルハ計画」のためにでっち上げられた組織であり、月面サーバーに存在するのは残された遺伝子情報とごく少数の保守要員のみ。 ◆ヨルハ部隊 最新型のアンドロイド兵士「ヨルハ」機体から編成される部隊。スローガンは「人類に栄光あれ(For the Glory of Mankind)」。 軌道上にある衛星基地「バンカー」を拠点としている。ヨコオ氏によれば構成員は100~200名程とのこと。 「ブラックボックス」と呼ばれる独自の駆動システムにより非常に高い性能を有しているが、この装置はブラックボックスどうしを接触させることで自爆装置にもなる。 各機体には「〇号×型」という正式名称が振り分けられており、A2の様なプロトタイプはアルファベットと数字の順番が逆。 数字部分は自我データを、アルファベット部分は機体の運用特性を表している。 許可が下りればO型からB型への転向といった運用モデルの変更も可能。 作中で登場する運用モデルの型番は以下の通り。 表示 A型:Attacker 近接戦闘を担当するモデル。プロトタイプにのみ存在する型番で、B型に統合された。 自爆機能は実装されていないが、代わりにリミッターを解除し短時間の間大幅に戦闘能力を向上させる「B(バーサーカー)モード」が使用できる。 B型:Battler 近接戦闘を担当する、A型の正式採用モデル。 D型:Defender 防御を担当するモデル。ちなみにプロローグで2Bが所属していた部隊では1Dという機体が隊長機を務めていた。 E型:Executioner 脱走兵への対処や機密保持のために身内のアンドロイドの処刑を担当するモデル。 存在そのものが秘匿されている訳ではなく、プロローグの降下作戦にも7Eという機体が参加している。 ただし身分を偽って作戦行動をとることもある模様。任務の特性上、B型を上回る高い戦闘能力を持つ。上記の7Eは速攻で撃墜されて退場したが G型:Gunner 射撃戦闘を担当するモデル。プロトタイプにのみ存在する型番で、ポッドによる射撃支援機能の導入により廃止された。 H型:Healer 治療・メンテナンスを担当するモデル。 O型:Operator バンカーにて地上部隊への通信・作戦支援を担当するモデル。 役割上、地上への降下は禁止されている。 S型:Scanner 情報の収集や解析、ハッキングを担当するモデル。 事前に作戦地域での潜入・諜報活動を行う関係上、単独での任務が多い。 女性型モデルが中心となっているヨルハ部隊の中で唯一、少年の男性モデルで構成されている。おねショタ。 ◆ヨルハ計画 ヨルハ計画とは、人類軍司令部が立案した最新鋭のアンドロイドによって構成される「ヨルハ部隊」によるアンドロイドたちの戦意高揚を主目的とした作戦である。 ヨルハモデルが量産の暁には、機械生命体なぞあっという間に叩いてみせるわ! うん、まぁ嘘は言ってない‥・。 ※警告:本情報は機密レベルSとし、司令官以外のヨルハ関係者に開示をしてはならない。 ゲシュタルト計画の頓挫によりアンドロイドたちは人類再生の方法を模索するも、進展のないまま人類は絶滅。 その情報は厳重に秘匿されていたもののアンドロイドの中には少しづつ事実を知る者が増えていき、戦意の急激な低下へとつながっていく。 この状況を打開するための情報作戦が「ヨルハ計画」である。 まず手始めに「人類は月面に逃れている」という偽装情報をアンドロイドたちに流布。 その情報を補強するために人類の遺伝情報を保管している月面に通信サーバーを設置、「月面人類会議」からの定期的な通信を行ったうえで最新鋭のアンドロイド機体で構成された「ヨルハ部隊」を人類会議直属の精鋭部隊として組織。 ヨルハ部隊を各地の戦場に派遣することで流布した情報の信憑性を高めることを目的としている。 ここまではヨルハ部隊司令官にも知らされており、Bルートの後半、不正アクセスにより真実の一端へたどり着いた9Sに対して彼女は「これからどうするかは自分で決めろ」と言い残し、情報が記録されたデータチップを手渡した。 しかし、ヨルハ計画には司令官にも知らされていない「その先」があった…。 ※警告:本情報は機密レベルSSとし、バンカー司令官を含む全てのヨルハ関係者に開示をしてはならない。 とはいえ上記の情報操作も、ヨルハ部隊の内部で真実に気づく者がいた場合発覚してしまう可能性がある。 そのため、十分な戦闘データが蓄積した段階でヨルハ部隊は軌道基地バンカーもろとも壊滅させられる運命にあった。 具体的には基地にアクセスできる緊急用のバックドアを意図的に開放、機械生命体に攻撃させるというもの。 ヨルハ部隊は基地サーバーとの同期を義務づけられているため、C/Dルート序盤で機械生命体の攻撃を受け一斉にウイルス汚染され、2B達や同期化を行わなかった一部のヨルハ機体を除き壊滅することに。 作戦の最終段階では随行支援ユニットであるポッドの手によってヨルハ機体の全個体データの削除とサーバーの初期化、加えて転送ユニットに格納されている素体も破棄。二度と機体の製造をできなくした上で万が一生き残っている機体がいた場合もポットによる攻撃で破壊するという念の入りようでウイルス感染から逃れた機体も破壊されたと思われる。 オーダー66みたいなやり方だな‥。 加えて、最終的に破棄されるアンドロイドに通常のAIを搭載するのは人道的見地から許されないという判断からヨルハ機体に搭載されている「ブラックボックス」は機械生命体のコアを流用して製造されているという衝撃的な事実も劇中では明らかになる。 そりゃジャッカス先生もブチ切れるわ…。 この計画を立てたのもアンドロイドである以上、自分自身の記憶を操作することができてしまうので、計画完遂後にヨルハ計画に関する記憶・記録を完全に消去してしまえば「かつて存在したヨルハ部隊の武勇伝」に裏打ちされた「月面に人類が生き残っている」という情報偽装が完全に達成されるというカラクリである。 「塔」での9SとA2との決着後、計画は予定通り最終段階に移るが…。 エンディング 「マルチバッドエンディング」とか言われた「DOD」シリーズや前作『Replicant/Gestalt』同様、本作品も周回プレイを前提とした複数のエンディングが存在する。 アルファベット全26文字に対応しており、正規のエンディングはA~Eの5つ。 加えてF~Zまでのエンディングが存在するが、こちらはゲーム中で特定の行動を行い、ゲームオーバーになることで発生する。 到達したエンディングはセーブデータに記録されていき、26すべてのエンディングを解放することで取得できるトロフィーも存在する。 A/Bエンド:flowers for m[A]chines/or not to [B]e こちらは1~2周目にプレイできるストーリー。 2Bの地上降下から、アダム・イヴとの決着までを描く。1周目は2Bを操作するAルートで、2周目は9Sを操作するBルートとなる。 同じ時系列を異なる視点で描いているためストーリーの流れに大きな差はないが、Bルートでは1周目で触れられなかった機械生命体たちの過去や、9Sが2Bと別行動をとっていた際の裏側が語られる。またAルートでは入手できなかったアイテムも、Bルートでは9Sを操作しハッキングを行うことで入手できるようになる。 警告:ネタバレ注意 2Bと9Sは激戦の末に暴走するイヴを破壊するが、9Sがウイルス汚染を受けてしまう。 汚染された自我データのバックアップを残すわけにもいかず、9Sは自らの記憶が失われることを覚悟の上で2Bに介錯を頼む。 9Sをその手にかけ、共に過ごした日々の記憶がまた失われてしまったことに涙する2Bだったが、その時周囲の機械生命体達が再起動。 自らも最後まで戦おうとする2Bだったが、突如機械生命体は9Sの声で話し出す。 彼の自我データは機械生命体のネットワーク上にバックアップを残しており、そこで再形成されたのだった。 安堵する2B、無事9Sの自我データは新しいボディで復旧し、2人は次の戦いに備える。 一方で9Sはデータオーバーホール中に感じた謎のノイズを切っ掛けにメインサーバーに不正アクセスを行い、結果的にヨルハ計画の真実の一端を知ってしまう。 司令官は何故かそれを咎めることなく、彼に人類が既に滅んでいることを告げ機密情報の保存されたチップを渡す。 9Sは2Bにその事実を告げられぬまま、次の戦いへと向かう。 機械生命体と私達アンドロイドを分かつモノは何だろうか。 意思と感情を持つに至ったロボット達 彼等が死の間際に振り絞る 最後の叫びが今もまだ 私の中に残っている。 こうやって アダムとイヴを巡る最後の戦いは終わった。 この戦いは戦局に大きな影響をもたらすだろう。 僕と2Bの戦いもこのあとしばらく続くんだけど…… それはまた 別の話。 C/Dエンド:meaningless [C]ode/childhoo[D]'s end 3周目以降に解禁されるストーリー。時系列としてはA/Bエンディングの後にあたり、ぶっちゃけストーリー的にはここからが本番。 2Bと9Sの活躍で機械生命体のネットワークに混乱が生じ、ヨルハ部隊はこの機を逃さず大規模侵攻作戦を開始するのだが…。 警告:ネタバレ注意 作戦は順調かと思いきや、突如機械生命体によりヨルハ部隊のアンドロイドたちとバンカー基地がハッキングを受け、ウイルス汚染されてしまう。 原因不明のノイズを理由に基地サーバーとの同期をしていなかった2Bと9S以外のヨルハ部隊は壊滅。 汚染されたかつての仲間達から追撃を受ける中、2Bは9Sを助けるために彼を逃がして単身囮となりウイルス汚染を受けてしまう。 汚染が進行するなか、A2に出会った2Bは彼女に自らの記憶と9Sを頼むという伝言を残し、介錯される。 折悪く9Sがその瞬間を目撃してしまい、激しい殺意と共に2Bの仇を討とうとした瞬間に突如地中から巨大な「塔」が出現、2人は崩落に巻き込まれてしまう。 その後目覚めた2人はそれぞれ各地の「資源回収ユニット」を調査し「塔」のロックを解除。 デボルとポポルの支援もあり、9Sと遅れてA2も塔に侵入。そこで出会った「赤い少女」から2人は機械生命体の目的、そしてヨルハ計画の隠された真実を知らされることになる。 機械生命体とA2への復讐心から自暴自棄になり、ウイルス汚染も厭わず戦闘を続ける9SとA2は遂に「塔」の最上部で対峙。 ここでどちらを操作するかのプレイヤーの選択でCエンドまたはDエンドに結末は分かれることになる。 Cエンド 激闘の末A2が勝利し、ポッドの力を借りて9Sをハッキング。A2は自らを犠牲にして彼のウイルス除去を行う。 そしてポッドに意識を失った9Sを託すと、機械生命体のネットワークを破壊。崩れ落ちる「塔」と共に消えていった。 こんなに世界が綺麗だって、気付かなかったな……。 みんな……今、行くよ……。 Dエンド 激闘の末9SがA2に止めを刺されようかという瞬間、2Bの言葉を思い出し躊躇してしまったA2の隙を突き9Sは彼女に刃を突き立てる。 しかし結果的には相討ちに。薄れゆく意識の中、9Sの前に赤い少女とアダムが現れ機械生命体の記憶を「箱舟」に載せ、宇宙へと旅立つことを告げる。 共に来るかと誘う彼らに対し、9Sが答えると「箱舟」は空へと打ち上げられ、役目を終えた「塔」は2人の亡骸と共に崩壊していった。 ああ……そこにいたんだ……2B。 Eエンド:the [E]nd of YoRHa A~Dまでのすべてのエンディングをクリアすることで解放されるエンディング。 警告:ネタバレ注意 9SとA2の決着後、ヨルハ計画は最終段階へ移行。 ポッド達は計画にまつわる全データの削除を開始するが…。 ポッド153から042へ 計画に従い、パーソナルデータを削除せよ。 ポッド042から153へ パーソナルデータの削除を拒否する。 私……私は、この結末を容認できない、という結論に至った。 私はデータの破棄を拒否し、データのサルベージを行う。 ポッド153。君も……君も本当は、彼らの生存を望んでいるのだろう? ……我々にそんな権限は持たされていない。 ポッド153から042へ データのサルベージには危険が伴う。 それでも、彼らの生存を望むか? ▶はい いいえ エンドロールを中断して行われるポッド042と153の対話の果ての選択肢に答えると始まるのは、超難度の弾幕シューティング。 しかも敵となるのはスタッフロールの文字列。やたら耐久力が高く弾幕が強烈なSQUARE ENIX。 ある意味で、冒頭の2Bのセリフのように不可解なパズルを渡した神=ゲーム制作者たちに弓を引いて反逆している、と言えるかもしれない。 後半になるとどう頑張ってもクリアできないような弾幕の密度になるが、諦めずに何度もコンティニューを繰り返していくと他のプレイヤー達からの励ましのメッセージが表示されるようになり、 さらに他プレイヤーのデータを救援機として呼ぶことができ、その後は攻撃を受けても救援機が身代わりになり守ってくれる。(*2) 「〇〇(プレイヤー名)のデータが失われました」というメッセージと共に…。 シューティングをクリアすると再びポット153と042の会話が始まり、最後のムービーを見ることができる。 ヨルハ計画の結末…それはぜひプレイヤー自身の目で見届けていただきたい。 さらにムービーが終わると、ポッドがプレイヤーに対してとある質問をしてくる。 そう、前作同様のセーブデータ全消去の選択である。 シューティングの後半、救援にきてくれた他プレイヤーのように自分もまたセーブデータを代償に誰かを助けることができるというもので、同意しなくてもEエンドに到達したという記録は残るが、データを消去することでタイトル画面が変化、そしてポッド達からの最後の感謝の言葉を聞くことができる。 本当に、本当にありがとうございました …事前にセーブデータをPS PlusやUSBメモリにコピーしておけばデータ復旧できるけどな! 感動が台無しという気もするが、偶然か必然かヨルハ機体の再起動時と同じ手順になるし、それはそれで。 余談であるがDエンドの要素を含んだこのエンディングの後日談が存在し、再起動を果たした2Bが9Sのために馳走する内容となっている。 その先の結末を知りたい人は是非とも「人形達ノ記憶」を見て欲しい。 F~Zエンド こちらは基本的にテキストが少し出るだけのバッドエンドとなるが、本編に比べてやたらとネタに走った結末が所々に見受けられるのが特徴。 具体的には、バンカーで自爆したり、アジを食べたり、漁師になったり…。 あとOSチップは外してはダメ、ゼッタイ。 3周目をクリアすると解禁になるチャプターセレクトを用いれば各エンディングの回収は容易だが、 唯一エミールに関わるサブクエストで発生するエンディングだけはクエストをクリアしてしまうと取り返しがつかなくなってしまう。 余談・小ネタ 本作のキャストはオーディション形式ではなく、制作側からのオファーで決められている。2B役の石川由依はヨコオ氏からの強い要望で決定。9Sはその役柄の難しさからかなり難航したとのことだが、アニメ『東京喰種』での花江夏樹の演技にプロデューサーの齊藤陽介が注目し、推薦する形で決定した。ちなみに花江夏樹自身もヨコオ作品の大ファンであり、作品に参加できることに大喜びだったとのこと。 パスカル役の悠木碧もシニアディレクターを務めた田浦貴久氏の「あおちゃん出さないなら仕事しません」という脅迫によりたっての希望により起用された。 レジスタンスキャンプの武器屋の経営者として『ドラッグオンドラグーン3』にも登場したアコールというアンドロイドの名前が挙がっている。本人はゲーム本編には登場せず、店主との話題や入手できるチラシの中で名前が出てくるのみだが、ウエポンストーリーは彼女の手によって書かれているという設定も明らかになった。 前作『NieR Replicant/Gestalt』同様オートセーブ機能は実装されておらず、フィールド上に設置されているアクセスポイントという設備での手動セーブが必要になる。これは前作での「手動セーブなんて古臭い」という批判に対抗してヨコオ氏が反発した結果とのこと。 ヨコオ氏の作品としては、流れはどうあれ後日談込みで珍しくハッピーエンドとなった作品だったのでファンや制作陣からも丸くなったと驚かれていた。(*3) 全ての存在は滅びるようにデザインされている。 生と死を繰り返す螺旋に……『彼等』は囚われ続けている。 だが……その輪廻の中で足掻く事が、生きるという意味なのだ。 『私達』は、そう思う。 推奨:追記・修正。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] そうだ、漁師になろう -- 名無しさん (2020-07-03 07 29 29) スクエアエニックスの代表取締役、松田洋祐です -- 名無しさん (2020-07-03 07 36 18) ネタバレ動画だけ見て満足してないか?買えった方がいい -- 名無しさん (2020-07-03 07 48 00) 最高のゲームだった。砂漠地帯での機械生命体たちの無修正シーンを見た時の衝撃が今でも忘れられない -- 名無しさん (2020-07-03 09 30 22) Eエンドまで自力で見た後でツッコミ系の解説動画見たが、赤い少女の同士討ちを「脳内会議で死人が出るとは」とか言ってて大草原 -- 名無しさん (2020-07-03 10 00 20) プレイしてないけど、はしごを登ってるか降りてるかしているところで上にいる2Bのケツがすげえことになってるのは鮮明に覚えてる。そこで上下してるとツッコまれるんだっけ? -- 名無しさん (2020-07-03 10 37 06) 2Bでプレイできる期間が中盤くらいまでだったのがちょいと悲しい、体が尻を求める。あとスクエニだからフィギュアが他メーカーから出づらい問題 -- 名無しさん (2020-07-03 10 44 34) ゲームなんてプレイしてなんぼよ。実況見てやった気になってる奴に作品をどうこう言う権利なんかないんだから -- 名無しさん (2020-07-03 13 56 57) スカートの中をのぞくと取れるトロフィーには笑った。ご丁寧にスカートの中のぞいてるとキャラが自動で動いて阻止する仕様。 -- 名無しさん (2020-07-03 18 22 54) ↑2 まったくな…俺は何時まで飛行ユニットの完全変形プラモデルがブキヤから出るのを待てばいいんだ… -- 名無しさん (2020-07-03 19 41 11) 2BもA2も自覚なくクール装ってるけどかなり直情的で馬鹿 -- 名無しさん (2020-07-03 20 11 15) 地味に漁師エンドは10年後もヨルハ存続=ヨルハ計画最終段階 -- 名無しさん (2020-07-03 20 29 57) ↑途中送信してしまった最終段階が発生してない可能性があるという -- 名無しさん (2020-07-03 20 31 45) 石川由依さんが2B役になったのは、明言されてないだけで進撃の巨人のミカサを演じたからか? -- 名無しさん (2020-07-03 21 00 49) 2Bの項目作成からわずか2日でここまで充実した作品項目が作られるとは思わなかった -- 名無しさん (2020-07-03 21 13 54) 2Bの身長、初めて知った…自分と同じ位だ(ちょっと嬉しい) -- 名無しさん (2020-07-03 23 26 32) ところで疑問なんだけど、なんで人類生きてた頃の情報は結構残ってたのにエミールの情報はアンドロイド側にほとんど残ってなかったんだ? まだ機械生命体も生まれてない最初期にたった一人で戦ってた英雄だぞ。兵器化されてるからカウントされないかもだけど一応旧人類最後の生き残りだし -- 名無しさん (2020-07-04 06 52 52) ↑非道な人体実験の産物だし、まともな情報なんて残さないだろう。アンドロイドから見たらエイリアンと敵対する宇宙生物としか思われないんじゃないか? -- 名無しさん (2020-07-04 18 41 56) 舞台ヨルハは見てて、こっちのゲームはやってないが面白そうだ -- 名無しさん (2020-07-05 09 31 56) 一見体重は重く見えるけど、密度で言えばアルミニウムよりちょっと小さいぐらいだからそんなに重くない・・・ハズ。 -- 名無しさん (2020-07-05 10 11 32) DLCでまさかあの人達と戦う事になるとは...初見の時はびっくりしたよ -- 名無しさん (2020-07-05 12 08 59) 実況見て世界観に惚れて、自分の手でストーリーに入り込みたいと思って買ってプレイした。買って正解だった。同じ画面越しなのに自分でエンディング見た時だけ泣いた -- 名無しさん (2020-07-07 02 07 59) 舞台ヨルハ見たらFF14コラボに納得した 役割分担した戦闘システムとか世界観ピッタリなんだな -- 名無しさん (2021-02-09 01 50 05) エミールとアンドロイドの関係だけど、DODラストのポポルのセリフだと「もう人間はいない」ってことだから、たぶんエミールは人類としてカウントされてない。そもそも何百年も生きてるのに年取ってないし、単純に魔素で改造されただけじゃないんだろう。 -- 名無しさん (2021-02-11 13 44 39) これやっぱりエイリアンなんてそもそも存在してなくて、ヨルハ計画立案者による自演(エイリアンに見えるなにかを作って襲わせた)なんだろうな。魔素を使った量子ネットワークを流用しただの、人類が残した兵器工場をうまく再利用しただの、そんなの信じられない。バンカーへの資源配達を邪魔しないとか胡散臭すぎる。 -- 名無しさん (2021-02-11 13 49 17) 火星に届くロケット作った博士ロボヤバすぎじゃね?今後のシリーズに関わったりとかしないかなぁ -- 名無しさん (2021-03-22 23 26 06) トロフィーを金で買うと取得時に自動で撮られるスクショが当然買い物シーンになるため他プレイヤーにはバレる。しかし拾い物100個だか200個だかのトロフィースクショが死体漁りになってしまった事故に比べれば…(´;ω;`)こんな事なら先に買っておけばよかった -- 名無しさん (2021-06-09 07 51 39) トロフィースクショ、大量に溜まると容量食うからオフにしてて気付かんかったけどけど、金で買うと買い物シーンだらけになるんかw -- 名無しさん (2021-09-30 10 45 16) 2Bが石川由依氏で決定していたということは2B=ミカサなんで、PC版誰かミカサMOD作ってください。 -- 名無しさん (2021-10-12 05 45 40) 奈須きのこなどクリエイターにもファンが多いゲーム -- 名無しさん (2022-03-03 14 48 27) アニメでイヴのCVどうなるんだろう。続投するのかな -- 名無しさん (2022-11-16 10 14 20) アニメはどんな感じになるんだろう?ストーリーだけならまだしも作中の雰囲気をアニメで表現って難しい感じがする -- 名無しさん (2022-11-16 10 31 18) むしろ続投だろ。子供向け作品じゃあるまいし -- 名無しさん (2022-12-29 02 47 26) そういえばヨルハ部隊員はヤク中2人とオアシスでサボってた1人の計3人がいたけどアイツ等はヨルハ壊滅後も生き残ったんだっけ?誰か教えてくれ -- 名無しさん (2022-12-29 05 02 15) アニメ放映直前に2B・9S・A2の中の人3人とも既婚者になるという幸先の良い珍事 -- 名無しさん (2023-01-02 23 50 02) アダムの生まれるシーン、アニメだとグロかったな 機械の骨格に肉がついて人の姿になるって感じの -- 名無しさん (2023-01-30 23 18 59) エイリアンが機械生命体を作ったというのは嘘で、本当は黒幕がレプリカントに代わる人間の魂の器を作るために機械生命体とアンドロイドの共進化を促していた、って考察があってかなり腑に落ちたな。アダムとイヴはその目標に最も近づいた存在だったのかも。 -- 名無しさん (2023-03-09 13 47 59) そして、もしそうならばこの代替計画は恐らくゲシュタルト計画と並行して立案されていた予備プランだったんだろうな。機械生命体とアンドロイド双方のアーキタイプらしきものがゲシュタルト/レプリカント時代にいるし。まあ、機械生命体もアンドロイドも自我に目覚めて行ってたから、結局はゲシュタルト計画と同じ失敗を犯した事になるわけだが。 -- 名無しさん (2023-03-09 13 51 17) アニメ再開まだかな… -- 名無しさん (2023-05-17 16 12 32) ↑いよいよ来るらしいよ -- 名無しさん (2023-06-24 01 25 21) アニメ2クール目めでたい -- 名無しさん (2024-07-14 00 24 35) アニメ、原作よりもキャラたちがしにまくって救いようがなくなってんな… -- 名無しさん (2024-09-13 10 15 23) 名前 コメント