約 117,521 件
https://w.atwiki.jp/palam/pages/96.html
『ソノヒノキ』は、estoさんという方がお書きになった短編小説です。 ここではその対訳を掲載しています。徐々に更新します。 こちらでは、様々な人工言語での翻訳を比較できます。(作成 Ziphil氏) 音声を聞く 白は青へ、青は赤へ、赤は黒へ変わり、そして闇が世界を覆った。 xafs joz xalf, xalf joz faax, faax joz semx lom Lops der oxpeg enmar nul maxit. 1日はいつもと同じように終わろうとしていた。 Usa sax nar nuz ensir bel sax ama. しかし世界にとって何でもないその日は、この少年にとっては非常に重要なものだった。 vam Uk ta xal mi un mizo sal Lops ne un zoxo ake sal Oxa oloxos. テラスにて、日没を見ながら私は悩んでいた。いや、憂えていた。 心の中でここにいる私の体を眺めてみた。人形のように立っている自分が見て感じられた。この目は死人の目のように赤い光を映していた。そうか、これが今の私の顔か。不気味だな、私ではないかのようだ。 テラスを離れ、私は部屋に入った。椅子に座り、カレンダーを見る。 「ああ…」 そう呟くと私は椅子から立ち上がってベッドで仰向けに寝転んだ。 「ああ、腐ってるねぇ、私の心は」 天井には鏡が付いている。私はこれが好きだ。だが、もしこれが落ちてきて首を切られたらと考えると…怖い。いや、首が切られるのが怖いというより、頚動脈が切れるのが怖いのだ。鮮血が飛び散る様を見るのは嫌だ 「私は生きてるのかねぇ…」 自分に再度呟いた。私以外は誰も居ないこの部屋で。 目を閉じた。私が感じている赤い光は黒い光へと変わっていく。闇のせいで怖くなった。が、同時に安心も感じ始めていた 赤い光が消えると私は目を開けた。すると、鏡の向こうに一瞬彼女の顔が見えた。 あれ? ということはあの美しい顔が私の隣にいるのではないか?しかし隣を見るが、いるはずもなく、ただ蚊が居ただけだった。 「やあ」と声をかけると蚊は逃げ出した。途端に殺意が沸いた。が、逃げられてしまった。 「クソッ!」 私はもう一度椅子に座ると、カレンダーに目をやった。 「今日だ…」 またこの日がやってきた。とても嬉しくて踊りたくなるほどだ。 拳を見ると、手首に傷があった。また切ったらどうなるんだろうな。痛いだろうね。泣くかもしれないなぁ。そもそも、何でこんなことしたんだろうなぁ。この自問によって私は今まで生き続けてきたのだ。 劣等でもないのに何も上手くできない。何でもある程度はできてしまうので、情熱を注ぐということができないのだ。力ある無能力者だな、私は。そしてそれは矛盾的だ…。 もし私が他人だったら、こんな男、殴っているだろうな。だって私はただの怠け者なのだから。こんな自分は愛せない。 何にも上手くいかないのは私が怠けているからだ。なのに怠惰を直すことができない。怠け者は怠惰だから怠惰をも直そうとしない。始末におえないものだ。 拳を見るのをやめると、私は再び目を閉じた。現在を閉じ、未来を開いた。 「もう何年になるかな」と小声で呟いた。「あの美しい姫と会ったのはいつのことだったか。いずれにせよ、私は始めてあったときに彼女のことを愛してしまったのだよ」 あの日、私は何を考えていたのだろう。彼女に出会うなどとは予想だにしていなかっただろう。似合わないジャケットを着て、何とはなしに外へ出たのだ。 そして家の近くの暗がりに人が居るのに気が付いた。もし彼女を無視していたら私は今の私でなかっただろう。 暗がりを覗き込んだ私は驚いてしまった。というのも、とてつもなく美しい小さな少女がそこにいたからだ。彼女も私と同じで子供だったが、美しく華麗で魅力的だった。 姫――と私は呼んでいるのだが――は私を見ると美しく微笑みかけてきた。天使の微笑みは美しいが天使でさえこのようには微笑めないだろう。 「嬢ちゃん」と呼ぼうとしたが、彼女があまりにも美しいので姫と呼ぶことにした。戸惑いながら彼女をそう呼ぶと、彼女はゆっくりと私に近づいてきた。 彼女は髪を長く伸ばしていた。桃色のシャツに薄青い色のセーター、フリルの付いたベージュのスカート、頭につけた白玉のアクセサリー、とりわけスカートの大きなリボンが変わっていた。リボンには2本の紐が垂れており、彼女の膕まで届いていた。 姫が私に近づいてきたが、私は身動きを取れなかった。 「やっと見つけた、あなたを」 姫は始めに小声でそういった。全くわけがわからなかった。面倒なことになるのではと、不安な気持ちがよぎった。が、結局、姫は私に何も望まなかった。姫に一目惚れしてしまった私は彼女を助けてあげようと思ったが、姫は何も望まず、ただ私の隣に佇んでいただけだった。互いに名前さえ知らなかったが、私達は幸せだった。ただ一緒に居るだけで。 12 時を過ぎると彼女は立ち上がった。私は別れを悟ると共に、再会をも悟った。 私は目を開けた。 彼女にあって以来、私は毎年この日になると姫に会いに行く。彼女はいつも私を待ってくれている。私達は会ってその年の出来事を語り合うのだ。そして彼女に会って自分と彼女の存在を確認するのだ。 今日も彼女に会うと考えると少し緊張する。緊張の半分は幸福で、残りの半分はしかし死の恐怖である。私は毎年彼女に会って、生きるべきか死ぬべきかを決めてきた。 初めて出会ったとき、別れ際に彼女はこういった。 「貴方が生きるべきでないなら、次に会った時に私は静寂な死を貴方に与えるでしょう」 今日までこの言葉を恐れたことはなかったが、今は恐ろしく怖い。今年こそあの美しい緑の瞳に殺されるかもしれないのだから。私は始めてそう感じた。 それにしても自殺を図ったものが死を恐れる?――私は自嘲した。 いつものように彼女に、姫に会いたい。そして幸せを感じたい。だが、姫の目は私に微笑みかけてくれるだろうか。私は顔を手で覆った。姫と死とが天秤にかけられていた。 すると私の中のもう一人の私が囁きかけてきた。姫は死と等価なのか。お前は姫を自分以上に愛することはできないのか――と。 否、断じて否。私はもう一人の私を追い払おうとしたが、奴は続ける。 ならばなぜ姫に会うかどうかを決めあぐねているのか――と。 「私は死が怖くて迷っているのではない。姫に生きる必要の無いくだらない人間だと定められるのが恐ろしいのだ!」私は声に出して奴に答えた。 そうか、私は死が怖いのではなく、それが怖かったのだな。そのことで私は悩んでいたのだな。私はゆっくりと長く息をついた。顔から手を離す。左手だ。この左手だけは姫に触れたことがある。以前、左手が姫の髪の毛に触れたことがあるのだ。私はそのことをよく覚えている。尤も、姫はそんなこと知る由もなかったろうが。 私は左手を頬にあてた。私が姫の髪に触れたことなど知らないのと同じで、姫は私が悩んでいることも知らないだろう。姫は何ひとつ知らないのだろう。だが、私は彼女を愛している。そしてそのことが私を悩ませているのだ。姫を愛せば愛すほど姫に殺されることが怖い、姫に否定されることが怖い。私ともう一人の私との言い合いが終わると、奴はいつのまにか消えていた。 奴は忠告に疲れたのか、その必要がなくなったのか、はたまたそれ以外か、いずれにせよ奴はもういない。いや、私が奴を必要としなくなったから奴は消えたのだ。なぜなら、私はもう行くかどうかを決めたからだ。 彼はいつも8時すぎに来る。毎年、この日の8時すぎに…。彼は私を見つけるとすぐに微笑みかけてくれる。そして私の好きなあの瞳でもって私の心を魅了してくれる。 私は彼と初めて会ったときに、この世界が彼にとってなんら魅力的でないものだということを知った。彼の目を見て、私は彼がこの世界や他者を破滅させかねないと感じた。そして彼は寂しそうだった。だから私は言ったのだ。 「貴方が生きるべきでないなら、次に会った時に私は静寂な死を貴方に与えるでしょう」 ――と。 彼は死を恐れないだろう。だから私は彼を殺すことができるのだ。私が彼を殺せる理由というのを彼は知っているのだろうか。彼が自分より私のことを愛してくれるからこそ私は彼を殺せるのだ。私に殺されるかもしれないと思いながらも私に会いに来てくれる。それは彼が自分より私を愛してくれるということ。だからもし彼が愛して くれれば彼をもっと愛し、彼を殺して彼の魂を得るだろう。今年の彼の瞳はどのようなものだろう。そもそも来てくれるだろうか。 日が暮れていく。早く来すぎたのかもしれない。 彼を待ちながら、彼と私の思い出を思い出し始めた。 左手を頬から離すと、私は目を閉じた。 姫に会いたい。 姫に否定されたくない。 悩みを断ち切り、行くか否かを決めた私は平静さを感じていた。 私は毎年するように、彼女と私との思い出を思い出していた。 ――その日に会うことができる姫 私は手で、左手で目頭の涙を拭った。 私の頭の中で、美しく微笑みかけてくれていた――私の愛するソノヒノキが。
https://w.atwiki.jp/lyuca-fardias/
ファルディアス語は、改定された文法体系に移行したため、wikiを移転しました。 新wikiは、こちらをご覧ください。http //www50.atwiki.jp/cerie-ariinie/ ファルディアス語は、架空世界で用いられる言語を想定して作れている人工言語です。分類上は、芸術言語に分類できると思います。 非常に未熟な言語で、現在開発真っ最中です。開発団体フェルゼタには、だれでも参加できます。 ファルディアス語の簡単な入門として、PDFファイルが公開されています。文法事項などを読むより簡単なので、まずはこれを参照しても良いでしょう ファルディアス語入門 言語の正式名称は、ファルディアス語、またはファルディアスィエス(Fardiasies,ファルディアス語でファルディアス語の意味)です。 作者は前者を使っていますので、前者を使うのを推奨します。
https://w.atwiki.jp/original_language/pages/11.html
言語No.1 イミル語(jamsl imil) 駒街が小学生の時に作った一番最初の言語です。別名はリッカ語です。正直文法も文字も発音も、それどころか言語に関する知識すらあまりないころ(今もそう)のやつです。 そういえば5年生になってロシア語を勉強しだしたから、文法とか文字にロシア語チックなのが混じってます。(それ以前にギリシャ語もやってたから……うん。) 文字 大文字 小文字 …など(時間の都合上割愛) ちなみに、ロシア語をモデルに作ってたらしいから、ыとかч的な文字もいる。 発音 お恥ずかしいんですけど、この頃は言語学というものを一ミリも知らなかったわけで、当然IPA(国際音声字母)なんてものは存在すら知りませんでした。だからなんか、作った文字の下に「g+y…?」とか「る」とか書いてあって、厳密性が全然ないです。(一応乗せときます…。小6の自分め…。) 母音 a, i, 短いi, ya, yu, ī(iの長母音), e, ye, yē(yeの長母音), yo, o 子音 b, g, s, m, kj, d͡ʒ, ʐ , x, z, sk, mil, ʂ, ɕː, mj, l, ɹ, t͡ʃ, gj, n, θ, r, v, f, t, Q, k, d ※mil(正確には子音かどうか怪しいけど…) ※Q(ちっちゃいつみたく発音、なぜか消されている) 当時の記法 A B G S M can→c J ж h I Z й sk mil ш щ my я L R ch g+y? ィユー イー N th Э る E V f t g+y?(←わからん) [,、.](←まじでこんなのがいる) ィエー ё K O D 文法 中国語とか英語みたいに名詞を並べる感じで、動詞の変化とか名詞、形容詞の変化も見られず。ただ特徴的なのは、動詞や形容詞に決定詞のようなものがついていること。(geがつくと形容詞、chuがつくと動詞みたい。)だからもしかするとこのシステムは独自に開発したんだと思う。我ながらすごいわw。 あともっと不思議なのが「thya」が最初につくと意味が反対になるっていうこの言語特有の「反語詞」なるもの。これも独自のシステムかな。昔の駒街、すごいアイディア力。 単語の例 ask 鳥、獣 美味しい (色詞i~で)白 飛ぶ myal 本、書物 多い (色詞i~で)茶色 書く この言語を見た感想 いや~…。やっぱ小学生のアイディアだし、書いてる間恥ずかしかった~w。でもすごい懐かしかったな。独特な反語詞なんかのアイディアは参考にします!
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/18.html
アプリオリとアポステリオリ ここで術語の導入です。 アプリオリ=先験語=既存の言語を参照しない言語→ざっくばらんに言えば、「よそから単語などをパクってない、オリジナル言語」のこと。 アポステリオリ=後験語=既存の言語を参照する言語→ざっくばらんに言えば、「よそから単語などをパクった言語」のこと。 言語にはアプリオリとアポステリオリがあります。 アルカはアプリオリです。エスペラントはアポステリオリです。 一般に、アプリオリはアポステリオリより労力が必要です。他のものを参照できないので、楽できないからです。 アポステリオリ言語だと、最短1日で作れます。アプリオリ言語だと、最長死ぬまで終わりません。 ただ、平均的にはどちらにせよ何年もかかります。 文化と風土にもアプリオリとアポステリオリがあります。 オリジナル文化やオリジナル風土がアプリオリです。 .
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/67.html
最小対語:hatとcatのように、1音違えば別の単語になってしまうペアのこと。 最小対語については常に聞き間違えの可能性があるわけですが、その可能性は音によって異なります。 pal と bal は聞き違いやすいですが、pal と nal は相対的に聞き間違えづらいです。 p と n は調音点と調音法が違うからですね。 母音についても口の高低と前奥が近い母音同士は音波が似ているので間違えやすいです。 最小対語を気にする場合、特に聞き違えやすいものを注意するといいと思います。 理論上ありえる最小対語を全て検索して互いに意味が似ないように注意すると、膨大な時間がかかります。 そこで、その言語で聞き違えやすい音だけを焦点化します。 聞き違いやすい音といっても、学習者の母語によって変わります。 作成段階で日本語に合わせてしまうとオリジナリティが失われるので、その言語の音韻論を予め決め、その言語の話者を想定します。 そしてその架空の話者が間違えやすい音をその言語の音韻論と照らし合わせて決めます。そうすればその言語での聞き間違えやすい音を決定できます。 音韻論を作るということは音節構造も出来上がっているわけです。 したがって、その言語が子音重視か母音重視かということも分かります。 いいかえると、高周波の子音に耳を向ける言語か、低周波の母音に耳を向けるかという違いが分かります。 もし母音率が高く、しかも母音の種類が少なく、子音連続が少ない言語の場合、聞き間違いは主に子音に起こりやすくなります。 したがって、最小対語で気をつけるのは子音が関わるものに限定され、作業が楽になります。 まとめると、まず意識しなければいけない最小対語を篩うための理論を作りましょう。 それは音韻論的なもので、音節構造や母音率や子音連続などが絡みます。 そしてオリジナルの理論が出来上がれば、それに即して意識すべき最小対語を篩います。 篩った結果の中に文脈的にも似通った語が出てくれば、それは変えましょう。 こうすれば少ないの労力で最小対語による誤解や問題を回避することができます。 なお、聞き間違いは「ソノリティ」(音の聞き取りやすさの度合い・可聴度)とも関与します。 ちなみに、ソノリティとは「聞こえ」のことをいい、人間の音声では母音のほうが子音より高いです。 したがって、一般的なことを言えば pal, bal より pal, pil のほうが間違えられにくいです。
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/27.html
音について 音素 まず、音素を選びましょう。 文字や文法から作る人もいますが、音から作るとやりやすいです。 表音文字を使う場合、音が決まらないと単語が作れません。 表意文字の場合、音が決まらないと文字に名前を付けられず、文字リストの管理が難しくなります。 なので、音素から選びましょう。 音素の選択ですが、まず子音と母音に分けるべきでしょう。 子音のほうが多いのが一般的です。音素数は20前後が一般的です。 ロトカス語のように音素が非常に少ない言語は一見学習しやすそうなイメージがありますが、こういう言語は単語が長くになりがちで、実用に不向きです。 なお、中国語のような声調言語の場合、音素数は一般に少なくなります。 ではどの音素を選ぶかですが、人間がよく使う音素を選ぶといいでしょう。 例えばp, t, k という音はよく使われる音です。逆に日本語のラ行とか、入破音といわれる音は頻度が少ないです。 入破音が存在するのに p, t, k がない言語はありません。 実用的な言語を目指すなら、あえて入破音を取ってpを捨てるような行為は避けるべきです。 母音は5つが一番多いパターンですから、5が無難でしょう。アイウエオでOKです。 細かいことをいうと、同じ「ア」でもアメリカ人の発音する「ア」は日本人と違っています。 なので、きちんと自言語の音声学を作って、音声の定義をする必要があります。 アクセント アクセントには自由と拘束の2種類があります。 常に最初の音節にアクセントが来るフィンランドは、拘束アクセントです。日本語は自由アクセントです。 拘束と自由のどちらにも利点があります。拘束は覚えやすい、というか覚える必要がない。その反面、同音異義語に弱いです。 自由はその逆です。日本語は橋と箸をアクセントで区別できます。拘束アクセントのフィンランド語にはできない芸当です。 したがって、アクセントはどちらを選んでも良いでしょう。 なお、自由アクセントの場合、アクセントを表記することができます。 アクセントを表記すれば読むときは楽で、同音異義語も区別できますが、書くときは面倒です。 ちなみに、アクセントを文字の上につける場合、字上符つきのフォントを作らなくてはならず、入力も厄介になります。 イントネーションについては文中・文末などによっても異なりますが、初期の段階ではあまり細かく決めないでいいです。 アクセントや声調と違い、イントネーションは言語そのもののシステムではなく、言語の運用時に関することが多いためです。 声調はあってもなくてもいいです。長所は、少ない音節数を最大限活かせることです。 声調があると少ない音素数で済むため、よく使われる音だけを使えばよくなります。その結果、音素の聞き取りが楽になります。 短所は、音節数が少なくなりがちなので、外来語の音訳で苦労することです。試しに中国語で「コカコーラ」を何ていうか、ぐぐってみてください。 また、音の高低が重要になるので、高低をはっきり付けるために省エネ発話を断念させられます。 音節構造 音節構造はCV(C=子音、V=母音)だと単純なのですが、音節数が少なくなってしまいます。 CVしか音節がないと、同音異義語が増えたり、語形が長くなったりします。 ただし、声調言語の場合、声調で同音異義語を区別できるので、音節構造が単純でも構いません。 Cが20種でVが5種だとすると、CVの音節数は単純計算で100しかありません。 しかし声調が4種あればこれだけでも400の音節数を獲得できます。 一方、CVCだと同条件下で20×5×20とすると、計2000の音節数を獲得できます。 2000の音節数が獲得できれば2000語をCVCで表現できます。 2000語あれば基本語としては十分ですので、この方法は効率的といえるでしょう。 よって、音節構造はCVだけでなく、CVCくらいは認めておいたほうが無難でしょう。 .
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/29.html
文法 文法は言語のシステムの中で最も組み立て感が得られるためか、人気のある分野です。 作成者の多くは文法システムを作るのが好きなようで、未完成の言語でも文法はそれなりにできていたりします。 語順 まず始めに決めるのは語順だと思います。語順はメジャーなものを選んでおけば無難でしょう。 一番世に多いのはSOVで、次に多いのはSVOです。このどちらかを選んでおけば問題ありません。もちろん、VSOでも大丈夫です。 類型論的に見て 文法に関しては皆さん腕をふるいたいところでしょうからあまりうるさいことは言いませんが、いくつか注意点はあります。 まず、類型論的に見て、屈折語や抱合語は避けたほうがいいでしょう。 文中の単語が辞書形でないことが多く、活用語が一々辞書に収録されないからです。 フランス語のJe t aime では aimer を引かねばなりません。t や aime を探してもまず載っていません。 また、動詞の活用と名詞の曲用はなるべく避けたほうがいいでしょう。 名詞の性は無くしたほうが効率的です。形容詞と名詞の一致も避けたほうが学習が容易でしょう。 エスペラントは形容詞と名詞が一致しますが、国際語イドではその点が排他されています。 スペーシング 単語間のスペーシングもあったほうがいいです。 日本語のようにスペーシングがないと、どこまでが1単語か分かりにくいです。 中国語で4文字くらい並ぶと、何文字で何パーツに区切ればいいのか分からないときがあって困った経験があります。 スペーシングがあれば語の区切りが分かりやすいので、その分辞書が引きやすくなります。いずれ言語を機械処理をする際も作業が楽になるでしょう。 数 英語みたいに単数か複数かを常に気にする言語と、日本語のように数を気にしない言語があります。 どちらかというと後者のほうが長所が多いと思います。 単複を分けるのできめ細やかな表現ができるのは確かですが、逆に複雑すぎて扱えないとか、毎回数を気にするのが煩雑という欠点があります。 furniture や advice は数えられるのに不可算名詞だったりするのは不自然に感じられます。(まぁ、集合名詞だからなんですけど) every は単数を取るのにallは複数を取るというのも、とても不自然に感じます。 数の表現が細かいと、かえって複雑すぎて扱いづらいということがあります。 実際、英語ネイティブも単複どちらか判断できないことがふつうにあります。 ただ、数のカテゴリーを持つ長所もあります。 「古池や蛙飛び込む水の音」 ラフカディオハーンらがこれを英訳したとき、この蛙が1匹か複数か気になったそうです。 この句の場合、単数で訳されるほうが一般的ですが、彼は複数にしました。 "old pond -- frogs jumped in -- sound of water." 私はこれを知ったとき、驚きました。今までこの蛙がそもそも何匹かなど考えたこともなかったからです。 数がカテゴリー化されている言語では、数の分だけ情報量が高くなります。日本人が気付かない疑問に気付くことがあります。 そういう意味では長所ですね。 また、英語では fire か fires かで、それが数えられない単なる火なのか、数えられる火事としての火なのかが区別できます。 火と火事という別の語を作ったり覚えたりする必要がなく、fireかfiresかで区別できるのは便利です。 こういった長所が残されているため、必ずしも数のカテゴリーを外すことを奨励しません。 ――しませんが、かといって文法カテゴリー(必須の要素のこと)にするほどでもないだろうという考えです。 普段は解釈を文脈に依存させ、明示が必要なときに複数マーカーを付ければ良いと思います。 テンスとアスペクト テンス(時制)は現在・過去・未来を基本として備えるべきです。 人間は現在を中心に未来と過去を見ているから、この分類は自然です。 他に作るとしたら通時のように一般的な真理を述べるものや、不定時制のように時制が不定で曖昧というのが考えられます。 どちらも面白いですが、あればいいというほどではありません。 時制のない言語というのもあります。yesterday のような時間を表す副詞を時制の代わりとする言語です。合理的です。 アスペクト(相)は完了と未完了の対立が一番大事です。大抵の自然言語でもそうなっています。ロシア語に顕著なカテゴリーです。 ですが、完了と開始と経過などをそれぞれ等位に置くのも良いでしょう。 要は完了とそれ以外を差異化できることが重要です。 ほかに作るとしたら将然相(~しそうだ)などがありますが、これはあってもなくてもいいです。 行為の反復などはアスペクトでなく、副詞で表わすほうが合理的かもしれません。 アスペクトは副詞で表わしても構いません。テンスも実はそうです。 いずれにせよ、テンスもアスペクトも動詞と関連付けるのが一般的です。 品詞 品詞の種類ですが、少なければいいというわけでもなく、多ければいいというわけでもありません。 多いと制御しづらく、学習しづらいです。 少ないと、少ないものを組み合わせるので必然的に文が長くなり、煩雑になります。 筆者は8~10程度が適切ではないかと考えています。 .
https://w.atwiki.jp/constlangmajuuyu/pages/11.html
Q A 諸所の質問と暫定の回答を載せていきます。 質問は主にYouTubeのコメントから拾ってきました。 アイデア案とか、雑なメモ的な役割も兼ねていたりします。 Q:概念を示す単語はどういうふうに表すの? 概念的なものはまず物理的なもののメタファーで表そうと試みます。 社会 ↓ 人の集合体 ↓ のような感じです。 それで無理そうなら、既存の言語から音だけ引っ張ってきます。 例:しかし→//~// それも無理そうなら、とりあえず言いやすい音の配置で造語します。 副詞「めっちゃ」「とても」「すごく」みたいなのは表しにくいです。 まぁ、認知言語学の世界にはイメージスキーマ論なるものがあるので、大体はメタファーで表せるんじゃないかと思ってます(最近見た動画の知識)。 Q:元素や惑星の名前、動物や植物の名前はどう表すの? 太陽系惑星以外の惑星に関しては、個体名から音を借りてくるか、もしくはアルファベットをそのままぶちこむかですかね。マイナーな惑星とかアルファベットの固有名詞ありそうですし。 太陽系惑星は、太陽、月、地球以外は、✧を部首として、その下か右に日本語を参考にした旁を入れる予定です。 元素については H,He,Li,Be とかをそのまま英語で表記したほうが多分ユーザーフレンドリーと言うか、ワールドフレンドリーだと思います。音もね。 ただ、元素ではなく、酸化還元/イオン/分子などの専門用語は作っています。 制作者自身、大学のノートをマジューユで表記したいという欲がありまして、理系の単語はこれから増える予定です。 これは私事ですが、適切な配置の専門用語をマジューユで作るには、その概念をきちんと理解しておかなければならないため、自然とその分野の勉強に集中できるんじゃあないかと見込んでいたんですが、どうやら私はマジューユの単語をつくりたい気持ちよりも勉強したくない気持ちが勝る人間だったみたいです(単位落としました☆)。 動植物については、漢字の部首(「犭」や「木」など)みたいなものがマジューユにもあるので、字形は「部首+その動植物の特徴」と表します。この時、「特徴」は形でも良いですし、性質(毒など)や色などわかりやすければ何でも良いです。例えば「もも」なら、(木の部首)+(桃の象形) みたいになります。 でも、この命名法だと必要な発想力が限界値を超える予感がしますw そこでこういうのはどうでしょう。 前記の命名法が適用されるのはその必要性が高いものに限ることとします。 ここでは、異なる言語の国との間で、その動植物を商品とした取引が一定量行われていることがその条件です。 この条件に当てはまらないものは、即ちその呼称が一言語に定まるということであり、ここまでくればその一言語の音を拝借して部首に足せば良いのです。 つまり、特定地域にしか生息していない動物は、「その地域の人が呼称に用いている音」が部首以外の要素になります。 例えば、アマゾンの特定地域で育つ「タヒボ」という木なら、「マジュータヒボ」と言った感じに(今のマジューユには「タ」も「ヒ」も「ボ」もないですが、発音は今後変わりうるのでご愛嬌)。 これなら実用面でもあまり不便にはならなさそうな気がします。 Q:このページの編集メンバーって募集してる? してるよ! 大歓迎だよ! 一部制限はかけてるけどね。 編集でなんかわからないところとか質問したいこととかがあればTwitterにDM下さい。 恐らく一ヶ月以内には返信します。→Twitterリンク Q:なんか手書きだと書きづらくね? 制作者自身、大学のノートにたまにマジューユを使ったりするんですが、意外と書けますよ。 ただ、書き心地があまり良くないのは確かにそうかもしれません。漢字のように同方向に直線が続くということが少ないからか、筆先が結構忙しないんですよね。 例えば「←」とかは、手書きだと「 」を書いた後に「―」を書くことになりますから、一回ペンを上げないといけませんね。この点で言えば、「↼」の方が一筆で書ける分筋肉を使わないで済みます。しかし、本格的にIMEに取り入れるとなると、可読性の点で「↼」は「←」に劣ります。 そこで、活字体と手書き体で文字を使い分けるというのはどうでしょう。 画面上に打ち込むのなら書きやすさの重要性は低いので、可読性の高い「←」を採用し、手書きなら「↼」を使っても良い、というふうに。活字と手書きの乖離がそこまで大きくなければ初見でもわかるんじゃないでしょうか。勿論、手書きでも何かしらレギュレーションは定めておくべきでしょうけど。
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/28.html
文字 漢字のような表意文字と、アルファベットのような表音文字があります。 音と表意のどちらも長短があります。 表音のほうが言うまでもなく学習が便利です。 また、PCを使った入力も楽です。表意だとキーボードのキーが足りないので、どうしても入力ソフトを作るか使うはめになります。日本語もIMEを使いますよね。 表音の場合、26字以内ならアルファベットで打てますし、アルファベットで転写もできます。 表音は辞書を作成する際にも楽ですし、使う際も楽です。 表意だと部首や画数など、字の性質ごとに分類しなければならないし、辞書を引くときもその分類に沿って引かなければなりません。 漢和辞典はまず部首索引などを見なければなりませんが、表音の場合、読みさえ知っていればすぐに目的のページへ指を進められます。 ただ、表意は覚えてしまえば速読がしやすく、一文字当たりの情報量が多いため、単語が異様な長さになりません。異様な文字密度にはなりますが。 また、表意は読み手にその概念を喚起させる力があります。 象形文字が好例でしょう。「山」と書いてあれば、何かが積み重なった形になっているんだろうなということが想像できます。 同時に、表意文字は文字そのものに神秘的な魅力があります。 文字は表音も表意も長所を持つので、どちらでもいいです。 ですが、私としては表音のほうが長所が多いと思います。 決定的な理由は「喋り」です。言語は読むだけではなく、喋るものだからです。 書くときは表意の利点が活かされますが、喋る場合は利点が活かされません。 漫画のように言葉に文字が付くわけではありませんからね。 表音の場合、喋りと文字が基本的に一致します。 言語を作るのは机上なので、書きにばかり意識が向きますが、本来言語は喋るものです。 そこで私は表音のほうが利点を常に失わない分、表意に勝っていると思います。 .
https://w.atwiki.jp/lideldmiir/pages/82.html
気になった -- (名無しさん) 2008-10-09 23 10 34 セレンさん、なんかあったんですか? 随分とご機嫌が悪いみたいですね。 てか、いつのまにか言語論に飛ばされてたw何この突然のワープww別窓で表示してくれれば分かったんですがね。どうも失礼しました。 -- 名無しさん (2008-10-09 23 12 37) ありがとうございます。大丈夫ですよ。あぁ……それより、毎日ここ巡回しないとなぁ。通知サービスがほしいです。 -- seren (2008-10-12 23 43 00) 名前 コメント