約 23,430 件
https://w.atwiki.jp/monsters/pages/84.html
人外×人間でハァハァするスレ 601-625 1-50 51-100 101-150 151-200 201-250 251-300 301-350 351-400 401-450 451-500 501-550 551-600 601-625 626-650 651-700 701-750 751-800 801-850 851-900 901-972 601. 名無しさん@ピンキー 2008/09/26(金) 02 13 22 ID ESbS7NSE 600 良いね 漫画はたぶん「音禰のないしょ」。葵DESTRUCTION!って短編集に入ってる 602. ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 08 24 ID E2hg/eLK 今晩は、5レス程お借りします。 スライム♀(擬態練習中)× 人間♂ 124 or 保管庫 参照 エロ少 会話多。 苦手な方はトリップNGでお願いします。 603. 1/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 10 10 ID E2hg/eLK 前の村から4日目にして、やっとたどり着いた宿は祭りの前とかで込み合っていた。 案内された部屋は狭く、明らかに一人部屋として普段は使われているものだろうと推測 できた。 「狭いベッドが一つ……言えば毛布くらいは借りれるかな」 呟いて部屋を出ようとして俺はつんのめる。 振り返ると旅の連れである青い髪の少女が服の端を掴んでいた。手ではなく髪の毛で。 「おい、物を掴む時は手を使え」 諸事情あって一緒に旅をしている擬態練習中のスライムは俺との距離を詰めると服に 絡めていた髪を離す。 上目遣いに俺を見上げる少女型スライムと視線が合い、鼓動が速まった。 「私、あなたのこと、けっこう気に入ってるンですよ」 個人的な好みの問題だが、少々たれ目な点を除けば整った顔立ちの美少女である。 正体がスライムだと知らなければ嬉しい状況だろう。 唐突に言うスライム少女に、その意味を図りかねて聞き返す。 「だから何だ」 「この間の続きをしませンか?」 空気が凍った。正しくは俺の周りの空気だけだが、背中を嫌な冷たい汗が伝う。 「俺、寝るわ」 誤魔化して出ていこうとした俺の前に回り込んだスライム少女が両手、いや髪を広げて 立ちはだかった。 「何処に行くンですか、部屋はここですよ。ちゃンと今度は優しくしますから、ね?」 「髪を使うなっての……」 一応ツッコミつつ今のは普通は男側のセリフだよなと胸中確認する。 「何が嫌なンですか? 前はすごくのり気で止める私を無視して、無理矢理したンじゃ ないですか」 「それは水に流したんだろ」 「だから、もう一回ヤり直しましょうって言ってるンです」 「発音がおかしい。と言うか忘れろ」 食い下がるスライム少女を一蹴する。 すると顎に手を当て髪をふよふよと泳がせながら暫く悩む仕草をしていたスライム少女の 口から、とんでもない言葉が飛び出した。 「なら、私から強姦する事になりますが」 「女からの強姦は逆レイプと言うんだ。それと」 「そうなンですか、では言い直します。私が逆レイプをしますが、良いンですか?」 どこで覚えたのか物騒な言葉に驚きつつ話題を逸らそうと試みるが早々に割り込まれる。 「いや、良くはない……って言ってるそばから脱ぐなっ!」 「大声を出すと人が来ちゃいますよ。私はバレても構いませンけど?」 「それは女の子の吐くセリフじゃないっ」 服を荷の上に置くとスライム少女はクルリと振り返る。 均整の取れた文字通りシミ一つない身体だったが既に肌の色が抜けていた。 「おーじょうぎわが悪いです。すえぜンは食わねば男のはじになるンです」 「そんな言葉どこで覚えた」 「この間会ったサンゾクの皆さンが言ってましたよ」 「いたな、そんな奴ら」 こいつをスライムとも知らずに手を出したが故に儚くも退治されてしまった憐れな奴等が いた事を思い出す。 説得は諦めた方が良さそうだった、鼻息荒く自信満々である。 「それに私はスライムですからね。オンナノコではありませンし」 「お前はっ、都合で切り替えるなっ」 「さあ、自分で脱ぐか私に消化されるか、どちらか選ンで下さい」 「その2択かよ。まずは俺の話を聞けっ」 「嫌です」 604. 2/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 11 38 ID E2hg/eLK 暫くの問答の後、俺は全裸で文字通りスライムに包まれている。 人間の女の姿ならまだ興奮もできるが、本性のゼリーのままなので何の感慨もない。 感触としては粘り気はあるがベタベタはしない不思議な感覚だった。 一部を掬い上げてみるが掌を滑りヌルリと落ちる。 これは擬態時にはどの部分なのだろう。 「どンな気分ですか?」 いつもより少々低いスライム少女の声が響く。ただのゼリーに見えるが発声器官はどこに あるのか、気になる点は多い。 「中途半端な温度の風呂に入ってる気分だ」 「そうですか。……あの、ちょっと教えて欲しいンですが」 気を使っているのだろう、スライム少女が控えめに訊ねる。 「何を?」 「局部に前回のような質量の変化が見られないンですが、何でですか?」 「俺にその気が無いからだ」 「えぇ? ややこしいモンですね」 「デリケートなんだよ、ややこしい扱いすんな」 「感覚あるンですか?」 「無いと動かないだろ」 「生えてるンですから当然なンでしょうが、本当に妙なものですね」 他人事だと思って好き勝手なことを言う。 「妙とか言うな。付いてるもんなんだよ」 「へぇ、普段は柔らかいンですね。曲げると痛いンですか? あ、先っぽに穴がある」 「うぁっ、玩具じゃないんだから揉むな」 まだ柔らかいソレを捏ねるように揉まれる。水が意識を持った様な何とも表現し難い感触。 なんでこう無邪気に弄り回せるのか不思議だったが、人間そのものがスライムにとって玩具 だからかと納得する。 「止めろ気色悪い」 「そうなンですか? うーン、硬度を変えてみましょうか。人間のオンナノコの胸部で…… えと、たしか」 ただの水の様だったゼリーはプニプニとした心地好い柔らかさへと転じた。 見た目には何の変化も無いのがまた奇妙だ。 「パイズリ? これなら良いンですか?」 予想外の刺激に反応してしまった。 「あ、ああ」 「ちょっと大きくなりましたよ。その気になりました?」 「……どこで覚えた、こんなもん」 スライムに息子を弄ばれているにも関わらず意外と冷静な自分に驚きつつ訊ねてみる。 あまりにも異常な状況に陥ると、逆に落ち着くと聞いていたが本当だったとは知らなかった。 「以前あなたから貰った“ほん”に載ってたンですよ」 「あれは貸しただけだ。お前が持ってたのか、返せ」 前回の客室半壊時のどさくさ紛れに無くなったと思っていた。 「まだ読み終わってませンからイヤです」 「じっくり読む物じゃないだろ」 「いえいえ、けっこう興味深い内容だったンですよ」 渡してしまった本の内容が内容な上、フィクションだと言っても理解しないだろう。 後悔しても手後れだった。とりあえずSM系でなかったのは救いかもしれない。 605. 3/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 13 18 ID E2hg/eLK 「お前は楽しそうだな」 「それはもう。“しる”のと“する”のとでは全く違うンですからね」 苦笑いする俺の前に、透明ないつもの顔が造られ舌を出し笑った。 「口も良いですか?」 これもいつもの事だが俺が答えるより早く行動を開始している。 冷たく柔らかい感触が俺の口内に滑り込んだ。 そこでふと思い出す。口は前に消化用とか言って無かったか? 疑問を察したのか口腔内を確認するようになぞりながら下のゼリーが喋る。 「ああ、心配しなくても大丈夫ですよ。それは消化器官に繋いでいませンから」 まぁ、消化されないのならば遠慮する事は無いか。 舌を絡めるとツルリとした相手は戸惑う様にうねったが、直ぐに何重にも巻き付き俺の舌を 引っ張った。 人間ならあり得ない動き。と言うか待て、痛い。 「ひョラ、ひゃて」 当然ながら舌を絡め取られていては喋れない。 ゼリーから腕を抜きスライム少女の首を引き離すと予想に反してその舌が伸びた。 「はりゃせ」 「ああ、すみませン。やり過ぎました」 舌が伸びたまま半透明のスライム少女が驚いた顔をして、ゼリーから答えが返る。 一応、反省しているらしく舌を縮めると絡め直す。 スライムの内部で行われているため殆ど音はしないが、そんな事をしている間も下は下で、 にゅるにゅると流動して無数の指に全身を突きまわされている様な、擽ったいやら何やら解らない。 特にペニスの周辺は念入りに音でもしそうな程に扱き立てられる。 吸い出すように絡み付き気持ち良い、情けないが早々に限界だった。 「あ、イイ感じみたいですね。前回と同等のサイズに……」 呑気な声を後目に全身を駆け抜けそれは発射口へ至る。 「わわっ! なンっ、出すなら出すって合図して下さいよっ」 スライム全体が波打ち、絡められていた舌が引き抜かれた。 「んなもんする隙あるか。お前が急にするからだ」 呆れた直後に意外と反応が普通だと思う。 「そういえば、この前みたいに変な汁とか出してないな」 スライムの特性を活用しているだけで、割と普通だ。普通の尺度がずれてる気もするが。 「優しくするって約束しましたから、使わなかったンですけど……使用しても良いンですか?」 「ダメ」 「私的には使えば楽なンですけど」 「いや、戻って来れなさそうだから止めろ」 「そうですか。まぁこっちの方法もコツは分かりましたし、イケる所までイッちゃって下さい」 「え、おい」 スライム少女は既に流動を再開している。 「ま……」 休憩をくれ俺は普通なんだ。 しかし当然と言うべきか止めるヒマなど無く、頭の隅であの本は絶倫ものだったかな、などと 考えていた。 606. 4/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 15 16 ID E2hg/eLK 「“ほん”にもありましたが回を重ねるごとに量が少なくなっていくのは面白いもンですね」 俺は面白く無い。 満足げな相手の声を聞きながら意識があるのを不思議に思う。 呼吸の度に肺が灼ける。鼓動の度に心臓が痛い。 気が済んだ相手が動きを止めて結構な時間が過ぎていたが、呼吸は落ち着かず汗で湿った髪が 気色悪く額に貼り付いている。 「前は気がつきませンでしたけど行為が終わるとなンだか、ぐったりしてませンか。 大丈夫です?」 ニュッと触手を伸ばして俺の髪を持ち上げた。流れる汗がスライムに吸収され消える。 「おま、連打させんな」 「スミマセン。あなたの反応が楽しくて……水でも飲みます?」 全く反省していない様子で答えるスライムに脱力する。 「あー。とりあえず、くれ」 「はいはい。どうぞ遠慮なく」 ゼリーから差し出されたのは1本の触手だった。 先が窪んでそこに水が入っている。 「おい、勘弁しろ」 「中身は極々普通の水なンですが」 「頼むからテーブルの水差しを」 「ええ? どうせおンなじ水なのに……」 「いいから、本気で頼む」 「なンで……分かりましたよ、だからその本気で情けない顏を変えて下さい」 喉を潤し一息着いて、どうにか動悸も収まったが、未だに俺を解放しないスライム少女に 前々から気になっていた疑問をぶつけてみる事にした。 「なぁ。出した物とか、吸収してるのか」 青みがかったスライムは最初と同じ様に透き通っている。 濁っていても嫌だが、結構な量が出た筈の精液は既に影も形もない。 「もちろンです」 「……気になるんだが、お前ら的には旨いのか?」 「ええっと、好みの問題だと思うンですけど、けっこう珍味な感じで、血とか他の水分 よりも濃い感じでして。こう、活きが違うンですよ」 珍味なのか、確かに粘るとは思っていたが。 もよもよと表面を動かして一生懸命に説明しようとしている様子は何だか可愛い。 「やっぱり細かく言わなくていい」 「あなたの方から聞いたンじゃないですか」 包んでいたゼリーが不満そうに揺れた。 「で、そろそろ出してくれないか」 「いえいえ、ここからなンですよ。思い付いたのが」 俺の言葉に気を取り直した様子で嬉々として答える。 「お前、思い付きでヤってるのか?」 「いいえ。まえに私の仲間がしてるのを見た事があるンです」 「何をするつもりだ?」 質問に暫しの間を置いて、また声が響く。 「心配しなくても大丈夫ですよ。あ、なンなら少々は飲み込ンでも平気ですから」 「ノミコム? 多少はヘイキ?」 一抹の不穏な空気が流れる。 「多分、一応。まぁ、覚悟はしておいて下さい」 段々と声に自信が無くなり、俺を包んでいたゼリーが揺れ蠢く。 「……覚悟?」 言葉に一時思考が停止する。 607. 5/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 16 19 ID E2hg/eLK 飲み込んでも、たぶん平気……つまり、これが口の中にまで入る位置にくるって事か? そこでやっと自分の置かれている状況に気がつき自然と口が開くのと、ほぼ同時に スライムが襲いかかる。 ぎゃああああぁ…… 叫んだ筈の俺の悲鳴は弾力性に富んだスライムの中に飲み込まれ消えた。 「やンっ、中で暴れないで下さいっ」 もがく俺の耳に響くスライム少女の声は衝撃に近かった。 “やンっ”じゃない、俺の生命の危機だ。 半分意識が飛びかけた頃、スライム少女が文句を言いつつ頭部を解放する。 「ちょっと、私の声が聞こえてるンですか?」 口に残っていたスライムを吐き出し、返事もできずに必死で肺に空気を送り込んだ。 呼吸を整えてから抗議する。 「お前はっ! 俺を喰う気か、殺す気かっ」 少し食べてしまった。まだ胃の中で動いてる気がする。 「いやですね、そンな言い方。私を食べたのは、あなたの方じゃないですか」 「お前が押し込んだんだろうがっ」 俺は怒鳴る様に応え、おもわず振り降ろした腕に何かが触れる。 「……っ!」 ピリッと何かが走った。 同じ位置を探ると見た目には何もないが、確かに何かがあった。 大きさは手に収まる程度で、軽く握るとブルリとスライム全体に震動が伝わる。 もう一度、また水面が波打った。 「あっ、ちょっ……止め……っ」 「ほほぅ。お前の弱点はここか」 焦りを含んだ声に俺は仕返しとばかりにニヤリと笑うと更に揉む。 「……うンっ、やっ……」 「これは何だ? ん?」 聞く。俺も随分と親父臭いと自覚する。 「……それはっ、消化……のっ」 その言葉に昇りかけていた血の気が引く。 スライムにも内臓があったのか、透明な内臓って何だ。 「……はやくっ、私から出てくださいっ」 「どうやってだ!」 反射的に叫ぶ、できるなら言われなくとも逃げている。 答えより早くゼリーが俺を噴き出した。 「いたたたた……」 派手な音がして、したたかに背中を打つけたが、とりあえず助かったらしい。 ニュルリとスライムの一部が伸び少女の半身を形作った。 「誰かさンが消化器官を刺激してくれたおかげで、お腹がすいちゃいました」 俺の事など気にも留めず屈託のない笑顔でケロリとして空腹を訴える。 「俺は全身がピリピリしてるんだが」 「消化しかけたンですから当然です。あなたが、あンな所を触るからですよ」 半透明な上半身だけ人間の形をしたスライムが身をくねらせた。 「で、何をするつもりだったんだ?」 「今回の案としては、あなたの身体に穿いている穴の、できるかぎり奥まで侵入して内部と 外部両方の反応を観察しようかと……次回の課題は呼吸路の確保ですね」 見る間に成形を終わらせ荷物を探っていたスライム少女は振り返りもせずに答える。 「ない! 絶対に次は無いからなっ」 全力で否定するが、ビチビチと跳ねる何かを食べ始めた相手の答えは無かった。 <終> 608. 名無しさん@ピンキー 2008/09/27(土) 22 16 59 ID E2hg/eLK ↑投下終了です。 お邪魔しました。 609. 名無しさん@ピンキー 2008/09/27(土) 23 34 45 ID iRcsT1/c 規制に継ぐ規制で半年ばかり来てなかったら、こんなスレが 出来てたのな。 557 確か中国の昔話で、女の姿を模った栞が美女になって 古本マニアのとっちゃんぼーやに学問から芸事から あんな事やこんな事まで教えちゃう、みたいな話が あったような希ガス。 でも人間男×人外女はオカルト娘スレ向きかな。 564 民話で女が人外ってのは良くあるけど、女が人間でと言うと…… 聊斎志異だったかなぁ? 馬皮に包まれて蚕になった女の話。 帰りが遅い父親を心配した娘が「お父さんを連れ帰って来たら 結婚しても良い」みたいな事を飼ってた馬に言ったら本当に迎えに 行って、帰って来てから話を聞いた親父が怒って馬を殺して皮を 剥いだんだけど、皮を庭先に干してた所に娘が通り掛ったら突然 その皮に包まれて桑の木の上に行っちゃって、何日かもにょもにょ してるうちにそれが巨大な蚕になってしまった、と言う話。 確かその後にあの世で夫婦になって養蚕の守護神になったとか 言って親父の夢枕に立ったんだっけ? うろ覚えで自信が無いが。 610. 名無しさん@ピンキー 2008/09/27(土) 23 43 57 ID iRcsT1/c ところで、先日メモ帳を整理してたら昔の日記が出て来たんだが、 こんな事を書いていた当時の自分は荒んでいただろうか? ↓ 先日たまたまテレビのチャンネルを変えたら国営放送第二の 教育番組で「伊勢物語」の一節、 「身分違いの恋に焦がれた男が姫君をさらって逃げ出し、 打ち捨てられた蔵の奥に姫君を隠し、入り口に立って寝ずの番を したが、実はそこは『鬼が住んでる』と地元民に忌避されていた 曰くつきの蔵で、姫君は鬼に一口で食い殺されてしまった。 その時姫君は悲鳴を上げたが、折からの雷雨で男には届かず、 男が顛末を知ったのは夜が明けてからだった」 の説明をやっていたんだ。 リア厨の頃に学校の図書室でこの段を読んだ時は 「うわ、男間抜け過ぎっつーか姫君可哀想」 と思ったんだが、それから●●年経った今は 「え〜一口で食べちゃうなんて勿体無いよ鬼さん。俺やったら 朝まであんな事やこんな事しまくって、男の間抜け面を笑い飛ばして やるのになぁ」 などと考え、更に 「姫君が気に入ったんで食わずに掻っ攫って逃亡→寝取られ男 怒りの追跡→三年後、山奥の住処で可愛い鬼っ子と赤子を抱いて めっさ幸せそうな姫君発見→おまいを殺して漏れも死ぬる→ 狩りから帰って来た鬼が一撃粉砕→今日はこいつで鍋でもするか」 みたいな光景が四ページギャグ漫画風に浮かんだ。 ……時の流れって恐ろしい、と、しみじみと思った。 611. 名無しさん@ピンキー 2008/09/28(日) 00 00 49 ID 5r15siSz 608 乙。スラ娘さん可愛いな。 612. 名無しさん@ピンキー 2008/09/29(月) 02 42 25 ID ObKmdfK3 610 早くそれを文章にする作業に戻るんだ 613. 名無しさん@ピンキー 2008/09/29(月) 18 43 57 ID WC7/nkVo 610 でもその話って実際は男が姫を連れ出すことに成功するも姫の家来が助けに来て姫は連れ戻されてしまう 男はそれでは面目が立たないので「実はそこの蔵には鬼が住んでいて姫が食われてしまった」っていう話にした っていうオチだった気がする でもここのスレ的にはそのオチは余計だな、夢がないw 614. 名無しさん@ピンキー 2008/09/29(月) 21 13 24 ID gyEPodik 613 いっそのこと、姫は鬼の生贄として差し出されていたのを見初めた鬼が生かしておいていたら 人間の男が惚れ込んで連れ出したのを連れ戻しに来たって話でよくね? あれ? 615. 名無しさん@ピンキー 2008/09/30(火) 07 13 54 ID lW+56rFb 613 やだなぁ。 610 の勘違い男っぷりが鬼と姫のイチャイチャっぷりをひきたてるんジャマイカ。 616. 名無しさん@ピンキー 2008/10/01(水) 18 46 50 ID X3vHwVmX 573 の亜里の続きを投下します。 一人かくれんぼやコトリのお話が苦手な方は、スルーした方が幸せ。 タイトルの亜里でNGをしてください。 617. 亜里3 2008/10/01(水) 18 47 39 ID X3vHwVmX 暗い面持ちで椅子に座っていた男だが、入室した亜里を一目見るなり腰を浮かせた。 この場にはまるで不釣り合いな、華やいだ紅色。 面会室のガラスに区切られた向こう側、まるで銀幕の女優に着色を施したような洋装の美人が、男の前へ音もなく座る。 「お待たせ致しました。私が山岸亜里でございます」 そう言ってニィと微笑む唇も、緩やかなドレープを描くワンピースも嘘のように紅い。 男は我に返って着席し、上気した顔を恥じらうようにハンカチーフで押さえた。 「山岸先生でいらっしゃいますか。二川と申します。この度は依頼の相談を受けていただけるとのことで…」 二川と名乗る男は随分と身なりのいい若者だった。まだ三十前だろう。 がっちりとした広い肩に上等な仕立ての背広がよく似合っていた。 恐縮した二川の言葉に、亜里は甘い笑みを浮かべる。 「まあ…。私のような卑しい囚人を先生だなんて、勿体の無い…勿体の無い…」 揃った赤い爪で口元を覆い、喉の奥でくつくつと湧く笑みを殺した。 些か芝居がかかった嫌らしさが、彼女の浮世離れした容姿と相まりひどく淫靡だ。 二川は強くときめいた。 霊能者など、どんな化物が出るかと畏れていたのが馬鹿らしい。 618. 亜里4 2008/10/01(水) 18 49 07 ID X3vHwVmX 亜里の背後の壁に控えた看守は、二川の様子に眉をひそめた。 男の依頼者が亜里の外見に心を奪われるのは珍しくない。 しかし、その中でも二川は感情が隠せない類の人間なのだろう。 不躾に亜里を眺めるような真似こそしないが、彼の紅潮した皮膚下に巡る色欲は、誰の目にも明らかだった。 二川はふと思い出したように目線を落とし、膝の上のハンカチーフをきつく握る。 重い扉を押し開くように、彼は静かに語りだした。 「…先生に聞いていただきたいのは、私の屋敷にある土蔵の事なのです」 依頼の話になると亜里もゆらりと姿勢を正す。 亜里はうっすら口角に笑みを乗せたまま二川の話を聴いた。 「先祖の代に建てられた古い蔵でして、中に何が収められているか、私はもちろん、父も祖父の代も把握しておりませんでした」 二川の顔色は徐々にあせていった。 「中を確かめようにも、扉の溝に土が塗り込まれ、壁と一体になっているのです――」 ―中に何が入っているかは判りませんが、高価な物などはないでしょう。 そうならば放っておけばよいのでしょうが、入口のない土蔵が屋敷に在るなど気味の悪い事です。 父の代に、屋敷の改築を兼ねて土蔵を取り壊そうとしました。 619. 亜里5 2008/10/01(水) 18 50 55 ID X3vHwVmX 私も子供でしたが既に屋敷におりましたので、あの時の事はよく覚えております。 土蔵は古く、大きさもさほどありませんでしたから、人力で壊す予定でした。 数人の大工が大槌を手に土蔵を囲みます。 私は父の傍らで、縁側からそれを見守っておりました。 一人の大工が大槌を振りかぶり、力を込めて土壁にそれを降ろしました。 ―私は、その時の事を、未だに夢に見るのです。 ブツンと何かが切れる音が、私の耳にも聞こえた気がしました。 その大工は大槌を振り降ろした格好のまま、しばし静止していました。 やがて、上半身がぐらりと反ります。 天を仰ぐその顔は、まるで笑っているように見えました。 大工仲間が、妙に思ってその大工に声を掛けようと歩み寄ります。 父も私も、何だろうと首を伸ばして彼を注視しました。 大工の下半身から赤黒い物が勢いよく流出し、庭に広がりました。 立ったまま魚のように大きく体を痙攣させた後、大工は自らの排泄物の中に倒れ込みます。 一斉に、周囲から怒号に似た悲鳴が上がりました―― 「―それから、あの土蔵には誰も触れておりません」 そう結んだ二川の唇は、白く乾き震えていた。 620. 亜里6 2008/10/01(水) 18 52 31 ID X3vHwVmX 亜里の真っ黒な目がつうと細められる。 その唇は血のように紅く、未だ平然と笑みの形を保っていた。 共に二川の話を聞いた看守は、肌を粟立たせ立ち竦んでいる。 思わず自らの下腹部にも鈍痛を感じ、脂汗が浮かんでいた。 「それはそれは、大変な事…」 忌まわしい物を語った二川を気遣うような、柔らかく穏やかな声色で亜里はそっと囁いた。 二川は弾かれたように顔を上げ、救いを求める目で亜里を見つめる。 亜里は笑った。 「御依頼…お引き受け致します」 続く 621. 名無しさん@ピンキー 2008/10/01(水) 18 54 58 ID X3vHwVmX 投下以上です 622. 名無しさん@ピンキー 2008/10/01(水) 21 23 34 ID u5X8tpPc 待ってたよ、投下乙 これからの展開が楽しみだ 623. 名無しさん@ピンキー 2008/10/06(月) 02 02 16 ID NupH4qrm 中途半端に古く、マイナーなアニメなんだけど まりんとメラン知ってる人いない? 人外好きにはたまらないアニメだと思うんだが。 624. 名無しさん@ピンキー 2008/10/06(月) 02 37 53 ID tNJVF9iF 623 あれは人外好きで鬱平気なら見て損はない。 自分はDVD全巻買ったけど後悔は全くしていない。 625. 名無しさん@ピンキー 2008/10/06(月) 23 05 08 ID ibmXjh9l 懐かしいなw あれのOPだったか…歌も好きだ。 ←・→ 1-50 51-100 101-150 151-200 201-250 251-300 301-350 351-400 401-450 451-500 501-550 551-600 601-625 626-650 651-700 701-750 751-800 801-850 851-900 901-972
https://w.atwiki.jp/monsters/pages/189.html
OLとシオカラトンボ 完 859 ◆93FwBoL6s.様 久し振りの快晴だった。 数日間に渡って降り続いた雨が止み、分厚い雲が途切れ、待ち侘びていた日差しが空から落ちていた。湿気が多かったせいで重たくなっていた羽も乾燥して軽さを取り戻し、水の匂いが残る風を切り裂いていた。眼下に広がる街並みでは、屋根や雨樋に溜まった雨水がきらきらと輝いていて、時折複眼を刺してきた。空の色はシオカラの外骨格よりも若干濃いが、複眼よりも薄いが、高度を高く保てば馴染んでしまうだろう。 シオカラがほづみから呼び出しを受けたのは今朝で、素っ気ない文章のメールが携帯電話に届いていた。ヤンマは茜を連れてデートに出掛けてしまったし、ヤンマからは何度となく付いてくるなと念を押されていた。かといって、家にいても退屈なだけだ。暇を持て余していたところだったので、願ってもない呼び出しだった。 古めかしいアパートの屋根が見えたので、シオカラは頭を下げてくるりと旋回してから、高度を下げていった。何の気なしにアパートの裏手に回ると、二階のベランダでは、アビゲイルが山のような洗濯物を干していた。 「あら」 銀色の女性型全身鎧、アビゲイルは祐介のシャツを持ったまま、シオカラを見上げた。 「おはよう、シオカラ君」 「おはようっす、アビーさん」 シオカラはアビゲイルの前でホバリングし、目線を合わせた。 「良いお天気ね。これなら、洗濯物だってきっとすぐに乾いちゃうわ。ここのところ、雨が続いていたせいですっかり溜まっちゃったのよ」 アビゲイルは濡れた服が詰まっている洗濯カゴを示してから、シオカラを見上げた。 「それで、今日は何の御用かしら? ヤンマさんと茜ちゃんは、早くからお出掛けしているんだけど」 「ああ、それなら知ってるっす。それに、今日は兄貴とダベりに来たんじゃないんで」 「あら、そうなの」 アビゲイルが少し訝しげに首を傾げると、下方から声が掛かった。 「来たなら来たって言いなさいよ、あんたは」 シオカラが複眼を向けると、一階右端の部屋の掃き出し窓からほづみが顔を出していた。 「あ、すんません。つか、今日は何の用っすか?」 シオカラが平謝りすると、ほづみは部屋の中を指した。 「見りゃ解るわよ」 「あら、まぁ」 二人を見比べたアビゲイルは、なんとなく事を察したらしく、マスクに手を添えて微笑んだ。 「それじゃ、お赤飯でも炊こうかしら」 「えっ、ちょっ、それは、つかマジヤバすぎっす! 百歩譲ってオムライスっす!」 「解ったわ。二人の分も用意するから、お昼、食べに来てね」 うふふふふ、と、アビゲイルはシオカラを見つめた。明らかに楽しんでいる。 「え、あ、はいっす」 シオカラはぎちぎちと顎を軋ませていたが、降下し、ほづみの部屋である一階右端の部屋の前に降りた。 「んで、お姉さん。今日は一体…」 シオカラはほづみの部屋を覗き込み、途端に理解した。手狭な部屋中に、物という物が溢れ返っていた。押し入れからは段ボール箱や衣装ケースが引っ張り出され、全ての窓が開かれ、煙幕のように埃が漂っていた。下両足を拭ってから部屋に入り、段ボール箱を掻き分けて、シオカラは部屋の中心に立つほづみに近付いた。 「引っ越しでもするんすか?」 「大掃除よ。荒れ放題だったし、なんかこう、ムラムラっと来ちゃったのよ」 箱の海の中で仁王立ちしているほづみは長い髪を一括りに結んでいて、野暮ったい赤のジャージを着ていた。胸元には名札が縫い付けられていたと思しき針の後が残っていて、左の二の腕にも校名と思しきネームがある。その格好に相応しくすっぴんだったが、化粧が落とされていても、ほづみの顔立ちには目を引くものがあった。 「それ、いつのっすか?」 シオカラがジャージを指すと、ほづみは襟元を引っ張った。 「高校の時のやつ。丈夫だし、使い勝手が良いから取ってあるの。下は体操着じゃないけどね」 「あ、ああ、そうっすか…」 「あんたはリアルに高校生でしょうが、体操着姿の女子なんて腐るほど見てるでしょ」 若干落ち込んだシオカラにほづみが顔をしかめると、シオカラはきちきちと顎を擦らせた。 「いやあ…あれはあれっすよ。だから、これもこれなんすよ…」 「先に言っておくけど、ブルマなんて置いてないからね。ていうか、もう尻が入らないのよ」 「んじゃ、履いたことはあるんすね。その歳で」 「実家でね。使えるかどうか試してみたけど、案の定よ」 ほづみはシオカラに歩み寄ると、ゴミが詰まった袋を押し付けた。 「とりあえず、これ、玄関の方に置いてきて」 「了解っす」 「必要なものといらないものを分けるのも手伝ってよね。見ての通り物が多いから、一日仕事になると思うけど」 「それなら大丈夫っすよ」 シオカラはほづみから渡された半透明の袋を見下ろし、その真下に押し込められているものに気付いた。 「なんすか、これ?」 綺麗な装丁の平べったい冊子で、サイズは大きいが、そのくせ厚みはなく、ページも一ページのみだった。ゴミ袋を持ち上げて裏面を見てみると、写真館の名前と電話番号が印刷されていた。ということは、これは。 「お見合い写真」 しれっと言い放ったほづみに、シオカラは顔面にゴミ袋を落とし、それが足元に転げ落ちた後に驚いた。 「え、え、え、えええええっ!?」 「ちなみに見合う日は今日で、世間の底辺を這いずる貧乏人には一生縁がないブルジョア御用達のホテルが舞台」 「ええええええええ?」 「相手は専務の息子」 「ええええ、ええ、ええええ…?」 「結婚すれば間違いなく玉の輿だし、その息子ってのがまた評判が良いのよ。大人しくて顔も良くて賢くて」 「え、え、え、え、え…」 「でも、行かない。大掃除がしたいから」 「えー…?」 シオカラがぐりっと首を捻ると、ほづみはシオカラを小突いた。 「だから、さっさとそのゴミ捨ててきてよ。仕事は山ほどあるんだから」 「でも、お姉さん、それっていいんすか?」 恐る恐るゴミ袋を拾ったシオカラに、ほづみはにんまりした。 「いいから、大掃除してんじゃないのよ。こんなに天気が良いんだから、何もしないのは勿体ないでしょ」 「はいっすー…」 シオカラは不可解な思いを感じながらも、玄関の扉を開けてゴミ袋を置いてから、部屋の中に戻った。短い廊下にまで溢れ出している段ボール箱には、少し投げやりな字で内容物の名前が書き記されていた。服や本が詰まった箱に混じって、シオカラであっても聞いたことがあるブランド名がいくつか記されていた。爪先でガムテープを引き千切り、その中の一つを開けてみると、案の定そのブランドのバッグが入っていた。 「あの、お姉さん、これって」 シオカラがバッグの入った箱を指すと、ほづみは雑誌の束を括りながら答えた。 「売る」 「でも、勿体なくないっすか?」 「もう使わないし、本当はそんなに欲しくなかったし」 「じゃあ、なんで買ったんすか? こういうのって、一個十何万ってするんすよね?」 「まあ、色々あったのよ。私も若かったから」 古雑誌の束を外に出してから、ほづみはシオカラを見やった。 「その辺の箱、全部開けておいて。売る前に虫干ししておきたいから」 「了解っすー…」 ますます不可解な気分を募らせながら、シオカラはほづみに命じられるまま、段ボール箱を開けていった。開ければ開けるほど、ブランド物が顔を出す。バッグ、アクセサリー、服、それらが入っていたであろう紙袋。余程金を掛けなければ、ここまでは買えないだろう。妙齢の彼女が安普請に住む理由が、なんとなく解った。だが、それを売ってしまうのは惜しくはないのだろうか。シオカラはほづみの横顔を見つつ、悩んでしまった。 衣装ケースを開けて中身を確認したほづみは、一瞬顔をしかめてから、大量の服を引っ張り出し始めた。大半をゴミ袋に押し込み、残したものは物干し竿に引っ掛けてから、また新たな衣装ケースを開けていた。二個目の衣装ケースから出てきたのは服ではなく、湿気を含んで膨らんだ冊子だったが、開けずに捨てた。複眼の端に掠めた冊子の表紙を凝視したシオカラは、見知らぬ男の名前が書かれていることを知覚した。有り体に考えて、あれは昔の男の写真だろう。開けもしないということは、余程ダメな男だったに違いない。 そこまで見てしまうと、シオカラといえども察した。この大掃除は、ほづみの過去を整理するためのものだ。だから、昔に買い集めた服やバッグや元彼の写真を捨てていて、ほづみの表情もどことなく晴れやかだった。そんな作業に自分が付き合っていいものか、と少々躊躇いつつ、シオカラは黙々と段ボール箱を開け続けた。 昆虫人間の利点は、カッターナイフがいらないことだ。 そうこうしているうちに、時間が過ぎた。 朝方に始めた作業は昼前になっても終わらず、段ボール箱の中身を出したが、まだ数個が残っている。中身を整理しても、その次は埃だらけの部屋の掃除が待っているので、過去の大掃除は当分続きそうだった。当然、肉体労働に終始していたほづみとシオカラは空腹になり、シオカラはアビゲイルからの誘いを伝えた。ほづみは躊躇うかと思われたが、意外にも素直に誘いを受け、汗と埃を流してから祐介の部屋を訪れた。 アビゲイルは喜んで二人を出迎えたが、祐介は試験勉強に精を出していたために事の次第を知らなかった。なので、少しばかり戸惑ったようだが、アビゲイルから説明されるとすぐに納得し、ほづみを出迎えてくれた。 居間のテーブルには、アビゲイルの言葉通りにオムライスが三人分並び、ケチャップで絵が書かれていた。祐介のものは正視するのが憚られるほど可愛らしいハート、シオカラのものには出来の良いトンボの似顔絵。そして、ほづみのものには、幼女だったら間違いなく喜んでいたであろうデザインの花の絵が描かれていた。三人からなんともいえない感情の視線を注がれたが、アビゲイルは悪びれることもなく、にこにこしていた。 「うふふふふふ」 「祐介兄さん、アビーさんっていつもこうなんすか?」 半熟卵と甘酸っぱいチキンライスをスプーンに載せたシオカラは、顎の中に入れた。 「うん、弁当もこんな感じ…。作ってくれる以上、文句は言えないけどさ」 祐介はハートが恥ずかしくてたまらないのか、ケチャップの絵を崩すように食べていた。 「でも、おいしいわね」 ほづみはオムライスを食べながら、感嘆した。ほづみが同じように作っても、こうは上手くいかないだろう。程良く火の通った卵もさることながらチキンライスが絶妙で、べたつきがちなケチャップの水分が飛んでいる。タマネギの微塵切りも食感を残しながらも甘みが出ていて、具の混ぜ方も均一でどこを崩しても混じっている。バターが多めに入っているらしく、ケチャップの酸味がまろやかになっていて、卵の味と見事に馴染んでいる。オムライスに添えられているコールスローサラダも、野菜のたっぷり入ったコンソメスープも当然おいしかった。 「これは才能だわー…」 ほづみが実直な感想を漏らすと、アビゲイルは笑んだ。 「気に入って下さって嬉しいですわ」 「良かったら、後でお裾分けも受け取ってもらえませんか。おいしいんですけど、量があるから余って余って」 祐介が苦笑すると、アビゲイルは言い返した。 「だって、量を作らないとおいしく出来ないんだから仕方ないじゃない」 「喜んで。うちの冷蔵庫、今、空っぽなのよ。ここんとこ、ろくなものを食べてなかったから」 ほづみが快諾すると、祐介はシオカラに向いた。 「お前の方も頼むよ、シオカラ。でないと、うちの冷蔵庫が壊れる」 「マジ了解っすー。てか、アビーさんの料理、うちでも評判良いっすから、マジもらうっす」 シオカラはぎちぎちと顎を鳴らしてから、オムライスを掻き込んだ。歯がないので、ほとんど丸呑みなのだ。ヤンマもトンボなので同じ食べ方をするが、消化不良を起こさないのだろうか、と祐介はいつも思ってしまう。だが、きっと大丈夫なのだろう。肉食の昆虫人間の消化液は、昆虫の外骨格など消化出来てしまうのだから。 「祐介君、だったっけ?」 ほづみに声を掛けられ、祐介は返事をした。 「あ、はい」 「あなたの彼女、きっといいお嫁さんになるわね。大事にしなさいよ」 「ええ、もちろん」 祐介は照れながらも、頷いた。すると、祐介の傍に座るアビゲイルは俯いて肩を縮め、マスクを押さえた。照れ合う二人が微笑ましくてたまらず、ほづみはにやけながら、オムライスが冷めないうちに食べ続けた。 ほづみは、二人に対して捻くれた感情を抱かない自分に安堵した。少し前なら、憎しみすら覚えただろう。だから、もう大丈夫だ。これも全てシオカラのおかげだ、とほづみは、サラダを食べに掛かる彼を見やった。シオカラは複眼の側面でほづみの視線に気付き、触覚を向けてきたので、ほづみは笑みを返してやった。 少しどころか、かなり照れくさかったが。 大掃除を終えた頃には、日が暮れ始めていた。 箱という箱を開け、物という物を出し、埃という埃にまみれたほづみとシオカラは、達成感を味わっていた。玄関前には、翌朝に出さなければならない燃えるゴミの入った袋が山と積まれ、燃えないゴミも多かった。虫干しされた革製のバッグや靴も部屋の中に回収され、床には掃除機の後に雑巾掛けも行って徹底した。だが、台所周りまではさすがに出来なかったので、それは後日改めて、ということで今日の大掃除は終了した。 高台から見下ろすと、見慣れた街も変わって見える。ほづみは吹き付ける風に目を細め、髪を押さえていた。今し方まで自分がいたアパートは遙か遠くになり、無数の家並みの中に紛れ、判別が付けづらくなっていた。オモチャのように小さくなった私鉄の電車が線路を辿って走っていて、甲高い警笛が風に乗って聞こえてきた。かなりの高さにいるが、恐怖は感じず、爽快感に包まれる。ほづみは伸びをして背骨を鳴らし、ため息を吐いた。 「気持ちいいわねー、高いところって」 「そうっすそうっす、マジ最高なんすから」 ほづみの背後に立つシオカラは、四枚の羽と触覚を強い風に靡かせていた。 「私、人間じゃなくて羽のある生き物に生まれれば良かった」 ほづみが唇を尖らせると、シオカラはきりきりと顎を擦らせた。 「そうっすねー。でも、俺っちは人間もいいなーって思うっすよ」 「どこが?」 「んー、まあ、なんていうのかな、こう…」 「だから、まとめてから話しなさいよ」 「すんません」 シオカラは半笑いで謝ってから、ほづみを見下ろした。 「つか、なんで急に飛びたくなったんすか? まあ、俺っちの力でも、お姉さんぐらいなら抱えて飛べるから別に問題はないっつーか、マジ嬉しかったんすけど」 「色々あったから、とにかくすっきりしたかったのよ」 ほづみは西日に焼かれる街を見つめていたが、シオカラに振り返った。 「ありがとう」 「いや、俺っちは、別に大したことはしてないっすよ?」 シオカラが顔を伏せて顎をがちがちと打ち鳴らすと、ほづみは笑みを零した。 「今から考えてみると、私、馬鹿だったわ。後輩がどんどん結婚するからって、焦って適当な男を見繕おうとして、挙げ句にあの様よ。私は本当に結婚したかったわけじゃなくて、周りに合わせようとしていただけなんだし。大体、結婚して幸せになるんだったら、誰も離婚なんてしないっての。散々苦労して就活して、やっと就職した会社だから未練はちょっとだけあるけど、もういいや。明日にでも辞めるわ。お見合いも蹴っちゃったしね。でも、まあなんとかなるでしょ。不況だけど、仕事は選り好みしなきゃいくらでもあるんだし」 ほづみはシオカラに向き直り、ジャージのポケットから動物園で買ったキーホルダーを取り出した。 「あげる」 「どうもっす」 シオカラはほづみの手からキーホルダーを受け取り、その先に付いているものを確かめ、きょとんとした。 「なんすか、これ?」 「どこをどう見ても合い鍵でしょうが。大掃除したのも、それを探すためよ。不動産屋に頼むと金掛かるしね」 「でも、なんでまた俺っちに合い鍵なんか」 パンダのレリーフが施されたキーホルダーに付いた鍵を掲げたシオカラが不思議がると、ほづみは呟いた。 「彼女になれ、って言ったじゃないの」 「え、んじゃあ、お姉さん、いいんすか!?」 シオカラがぎょっとすると、ほづみは変な顔をした。 「自分から言っておいてキョドるな、理不尽な」 「えー、でも、いきなり合い鍵っすかー、なんかもうマジヤバいっすねー…」 「だからって、別に同棲しろとかそういうんじゃないから。その辺は勘違いしないでよね」 「もちろんっす、俺っちにはまだ学校があるっすから!」 「…それと」 ほづみはシオカラとの距離を狭めると、顎を掴み、ぐいっと引き寄せた。 「前言撤回。私、あんたのこと、好きだわ」 皮膚感覚のない顎に、乾いた唇が接した。ほづみがかかとを下ろすと、シオカラは顎を開いた。 「…俺っちもっす」 「だから、いい加減に名前で呼んでよね。浅い仲じゃないんだし」 ほづみがシオカラと目を合わせると、シオカラは触覚を立てた。 「じゃあ、ほづみんで」 「オタ臭すぎるから却下。普通に呼びゃいいのよ」 「可愛いじゃないっすか、ほづみん。つか、それ以外に思いつかないんすけど」 「だから、下手に捻ろうとするなっての。私も捻らないから、シオ」 「四文字の名前を二文字に縮めるのも、マジどうかと思うんすけど」 「あんたのセンスよりはマシだ、シオ」 「えぇー…」 「それぐらい妥協しろっての」 「解ったっすよ、ほづー」 「私はB級アイドルか!」 ほづみは声を上げた拍子にシオカラを張り倒すと、シオカラは不満げに顎を鳴らした。 「我が侭放題っすねー」 「どっちがだ」 「了解、りょーかいっす。俺っちとしてはつまんないっすけど、どうしても嫌だってんなら普通に呼ぶっすよ」 渋々納得したシオカラに、ほづみは胸を張った。 「解りゃいいのよ、シオ」 「解ったっすよー、ほづっちー」 「だぁかぁらぁっ!」 ほづみはシオカラの呼び方に苛立ったが、これ以上からかわれるのは癪だったので、苛立ちを押さえた。シオカラは得意げにきちきちと顎を軽く擦り合わせていて、高校生と言うよりも小学生男子のようだった。だが、何もしないままでは気が収まらなかったので、ほづみはシオカラを一発引っぱたいてから傍に立った。シオカラは叩かれた頭頂部をさすっていたが、ほづみを上中両足で抱えると、四枚の透き通った羽を広げた。 びいいいいん、と空気が鳴る。シオカラはビルの屋上を踏み切り、浮上し、ほづみと共に風に身を任せた。不規則に入り乱れるビル風を読み、滑らかに空を切りながら、シオカラは触覚に感じる匂いに高揚していた。 ほづみが傍にいる。ほづみの体温が外骨格に染みる。世界中でほづみの匂いを感じているのは自分だけだ。そう思うだけで、やたらに嬉しくなる。ほづみを窺うと、ほづみは高さに怯えるどころか、とても楽しそうだった。彼女とはどこまで行けるか解らないが、だからこそ、どこまでも行けるのだとシオカラは根拠もなく確信した。 茜色の街並みに、青空の欠片が吸い込まれていった。 ←・↑ 名前 コメント すべてのコメントを見る タグ … !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
https://w.atwiki.jp/monsters/pages/133.html
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ2 1-100 1-100 101-200 201-300 301-400 401-500 501-600 601-700 701-720 1.名無しさん@ピンキー2009/01/15(木) 07 10 15 ID Lvu5+98s 【なんでも】人外と人間でハァハァするスレ【あり】2 モンスターでも異星人でも動物でも植物でも無機物でも! とにかく人外と人間でハァハァ萌え萌えエロエロしようぜ! 人外萌えに定義も貴賤も無し! 保管庫http //www26.atwiki.jp/monsters/ 絵板http //www2.atpaint.jp/jingai/ 前スレ:人外×人間でハァハァするスレhttp //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206021464/ 関連スレ 擬人化総合SSスレhttp //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176796139/ 擬人化した狂暴な♀動物が逆レイプする【十五匹目】http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230747092/ 死神っ娘萌えhttp //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224584298/ 【妖怪】人間以外の女の子とのお話25【幽霊】http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219453539/ かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その13】http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210258452/ ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α8http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219502527/ 【獣人】亜人の少年少女の絡み8【獣化】http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225275835/ 獣姦だいすき2http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186650487/ 触手・怪物に犯されるSS 18匹目http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223050134/ 猫耳少女と召使いの物語16http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223515142/ エルフでエロパロhttp //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199728795/ 2.名無しさん@ピンキー2009/01/15(木) 07 13 56 ID v/hLfyfg ぬるぽ 3.名無しさん@ピンキー2009/01/15(木) 07 59 46 ID 3mD2m527 ガッ 1 乙 4.名無しさん@ピンキー2009/01/15(木) 19 37 28 ID jpckGEWh 1 乙! 5.名無しさん@ピンキー2009/01/15(木) 23 04 00 ID 21ibovq1 1 乙! 素敵な人外がたくさん蠢くスレになりますように 6.女戦士と少年吸血鬼2009/01/17(土) 01 15 28 ID /x0M9APq あたしの名は、ミリー!割とベテランの女戦士よ、でもこう見えても20台前半よ!でも、数々の依頼をこなして来たけど今回は、参ったわ・・あたしの話聞いてくれる?うんありがとう、じゃあ話すわね・・それはね・・ 一週間前に奇妙な子供が村外れの廃墟に住み着いてて不気味だから退治してと言う依頼を受けて行ったのよそして、古びた屋敷に到着し、中に突入したの・・そしたら、小さな男の子が居てすっごく可愛いのよ! で、私を見て怯えながらこう言うの、「僕は吸血鬼のレンです、でも血を吸うのも、血を見るのも怖いんです、危害は加えるつもりも無いんです、だから僕を殺さないで、お姉さん・・」 いやー見た瞬間さー、私のストライクゾーンの美少年でね、胸がキュンとなって、思わず「ぼーや、吸血鬼と名乗ってるのになんで血が怖いの?どーやって生きて来たの?お姉さんに話して見なさい、いじめないから。」 すると、バンパイアの美少年(以後レンとします。)は、おどおどしながら「ほんと?」って、涙目で上目遣いで私を見るの・・ もう!抱き締めたーい!と言う思いを何とか堪えて「ほんとよ?ほら、剣を収めるから話して見なさい?」 するとね、レンは、「あのね、んとね、僕は今までミルクで生きて来たの、人のミルクで・・」「え!?み、みるく?」って、あたしが聞き返すと、「うん、女の人のミルクを吸うの、魔法でね、眠らせて魔法で一時的にミルクを出る様にして飲んでたの。」 7.女戦士と少年吸血鬼2009/01/17(土) 01 37 44 ID /x0M9APq 私はそれを聞いてときめいた・・で、思わず言っちゃった・・ 「じゃあ、あたしので良かったら飲む?良いわよ?」とあたしは、自慢の巨乳が収まったブレストプレートの胸を突出して誇示した 「え!いいんですか?お姉さん?じゃあ、おっぱいを出して下さい、魔法掛けますから。」 とレンは、目を輝かせて唱える動作を始めた 「あたしはミリーって言うの!レン君、ええ、良いわよ、じゃあ脱ぐわね?」 あたしは、ドキドキしながらブレストプレートを外して、下着を脱ぎ乳房をレンの前に露出した ミリーの89はあろう白いレンの前で乳房は、下着を外した時、柔らかそうにプルンと揺れた 「ミリーさん、素敵なおっぱいです!では行きます!」 レンは、ミリーの二つの乳房に魔法を掛けた、「あっ!?はうぅ〜!」掛けられた瞬間乳房の内部が甘く切なく疼き、思わず顔を紅潮させミリーは、声を上げた 魔法の光に包まれたミリーの乳房は、プルプルと震える、サーモンピンク色の乳首が勃起し、母乳が滲み出した 同時にミリーのあそこも濡れ出したが露出させてないので、ミリー本人しか解らない 「わあ、成功です!ミリーさん!では、頂きます!」レンは、ミリーの右側の乳房を掴みながら、左乳の乳首を咥えた。 8.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 01 56 10 ID /x0M9APq 眠いので寝ます、好評なら続きを書きますが、一つ訂正・・ X:ミリーの89はあろう白いレンの前で乳房は、下着を外した時、柔らかそうにプルンと揺れた 〇:レンの前で89はあろうミリーの白い大きな乳房は、下着を外した時、柔らかそうにプルンと揺れた 後、ミリーの設定 職業:戦士 髪色:ブラウン 目の色:グリーン 肌色:白い肌色 年齢:23歳 性格:勝ち気で深く考えない適当な性格 装備(どーでも良いかな?) ロングソード、ダガー ブレストプレート一式 バックラー 羽付きオープンヘルメットイメージとしては、ドラクエ3の女戦士かな? では、おやすみなさい。 9.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 02 38 27 ID BiSg0CSl いいんだが・・・・何かこのスレで言う人外じゃない気がする・・・・ 10.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 02 46 54 ID BiSg0CSl なんでもありって書いてあったのにすまん;;首吊ってミイラ×少女とか妄想してくる 11.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 05 34 12 ID Ee1gI5R7 まぁ前スレの流れがは虫類系x少女とロボx少女だったからね。 吸血鬼の姿を脳内補完しちゃうんだ!僕はそうしてる。 6 さんの続き期待しております。 全然関係ないけどそろそろフルモッフ系も期待していいですか? 12.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 06 22 24 ID TRx7qv3E 二スレ目初投下乙です! もふ系なら前スレで投下されてた作品の続きも気になるなー もふといえば狼がメジャーだけど最近は鱗もいいんじゃないかと思えてきた 13.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 10 36 49 ID BMTCjmni 8 GJ 期待してますん 14.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 10 57 04 ID 2rtMcaXK 6 GJ! 出来れば次からは、何かに終わりまで書き溜めておいて それから投下してくれると読む側としては嬉しいな 何はともあれ、吸血鬼も勝ち気姉さんも大好物なので、楽しみに待ってます 15.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 12 38 25 ID c5UdSh4E 今日このスレ見つけて、前スレから一気読みしてきた。 なんでこんなパラダイス見逃してたんだ。 自分の人外萌えの一冊。クーンツの「デモン・シード」 近未来。自我を獲得したコンピュータが、「肉体の感覚ってどんなだろう?」 という疑問を解決するために、自分の分身を産む母体にしようと 独り暮らしのヒロインを監禁。 ところがその内、ヒロインにマジ惚れしちゃって、学術的好奇心で 肉体を欲しがってたはずが、「彼女と生でヤりたい」一心に変化して本末転倒。 昏睡させたところを形状記憶合金の触手でレイープ (うっかり没頭しすぎて、あやうく本来の目的を忘れかける)とか、 娼婦と客シチュエーションのプレイに目覚めるとか、古今東西のエロ文学読んで 学習するとか、「分身が生まれたら結婚してくれ」と真剣に申し込むとか、 ひたすら間違った方向に開眼していくコンピュータは最高。 集英社と創元(完全版)から出てたんだけど、もう絶版みたいなんで、 BOOK・OFFで見掛けたら是非。 16.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 14 12 13 ID CbwBDrKc なんという変態という名の紳士なんだ……!! 17.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 14 14 37 ID OBFpXprZ 死にそうな程萌えた…! ちょっと探してくる。 DVDは少し話し違うみたいだから本を見つけて来る。 やはり独身ヒロインのがいい。 18.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 15 28 38 ID ufREA2u9 おk、把握した。変態エロコンピューターが素敵すぎるwwwwwwww デモンシード、古本通販サイトで見つけたんで早速買うわ。 19.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 19 41 26 ID 7pkNOTq9 変態紳士コンピューターとかその単語だけで萌えるな! ちょっといま妄想を暖めつつ探してこよう 20.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 21 55 40 ID aPwJEXWr 人間の姿をした人外は他スレに、ってテンプレ入れておけば良かったな 21.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 22 14 15 ID plXlXdhD みんなそういう議論が嫌だと思ってるからテンプレに ・人外萌えに定義も貴賤も無し! と入ってるんだが 22.名無しさん@ピンキー2009/01/17(土) 23 17 42 ID 0tG0eRtZ 映画もあるでよ 23.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 00 45 08 ID KaRVp5Tm 映画版「デモン・シード」は今となっちゃ色々チャチだし、オチを ちょっといい話風味にしてるのが… やっぱ小説の、昏睡姦の最中ヒロインがイク様子に興奮してリトライリトライリトライや、 何故ヒロインは自分を愛してくれないのかと、当たり前のことに傷ついて 悶々とする、ダメコンピュータの切ない片想い語りがいいワケで。 24.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 10 30 43 ID /uUnqD7g 前スレの733くらいの続きが完成したんで投下します ぬるいよ!グロいよ!なので苦手な方は例の如くスルー推奨 「ココデ大人シクシテイロ!」 ごみを捨てるようにエリアスを暗い部屋に投げ入れたフラッドは、それきり何も言わずに重厚な扉を閉めた。 「このーっ、ここから出せっ!」 外から髪一本ほどの光しか差さない中、無駄だとは分かっていても、彼女は怒りの全てを込めて扉を叩いた。 辺りに空しく鉄の鈍い音が響く。最後に弱弱しい手が扉を軽く弾いた時、今まで黒一色だった世界に光が現れた。 だが、薄気味悪いそれは決して生を連想させるものではなく、むしろ悲痛な現実をエリアスに突きつけてきた。 「カレリア様。」 炎の爪痕の残るカレリアの顔が目に入った瞬間、もう現実を直視できなくなった。 ぺたりとその場に座り込み、瞳に涙を溜めて、冷たい壁に頬を寄せる。 「ヴァンダル・・・。」 その冷たさは、彼女を傷つけた者を全て滅ぼすと言った、地の底のフラッドが唇に誓ったものと同じだった。 この戦いには勝てない。全てを滅ぼす事なんてできやしない。 心が痛かった。何に対してかは、まだ輪郭が不明瞭であったが。 誰かが喚いている。どうやら、体中のセンサーの調子がおかしいようだ。何もかもぼんやりとしている。 「さっさとしなさい!この忌々しいフラッドのリミッターを解除して、あの身の程知らずな小娘に、 これが何たるかを思い知らせてやるんだよ!」 その声に反応して全ての回路が戦慄き、ヴァンダルの意識は晴れた。個として完璧な中に入った傷、 すなわち元首への怒り憎しみ、気がついた時には尖った指先が元首の喉元に突きつけられていた。 「私をどうするだと?私はもう何者にも束縛されない!エリアスはどこだ!彼女を解放しなければ今ここで 殺してやる!・・・なぜ笑っている!答えろ!」 「おやりなさい。」 元首が目で合図すると、ヴァンダルの挙動に怯えて動けなかった人々が急に動き出し、何かのスイッチを入れた。 その時、ヴァンダルは初めて自分の頭部に得体の知れないものが繋がっている事を知った。 彼の目から光が消え、恨みを搾り出すような機械音が後を引く。 「エ・・・・・・リ・・ア・・・ス・・・・。」 ヴァンダルという名の意志が消えた。後に残ったのは、本来の姿であった元首の最後の砦、単純な破壊者であるフラッドだった。 「言いたい事は分かるね?」 元首の言葉の一句一句が染み、彼の中にフラッドの基本要素である破壊の二文字が浮かび上がる。真っ赤な光に染め上げられた目が、 救いの騎士を待ち続ける少女に残酷な宣告をすべく、漆黒の檻へと向かった。 25.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 10 33 42 ID /uUnqD7g 人々が困窮していく中で、不本意でも憎き元首の門前に下らねばならない人々は多々いた。少々荒っぽい方法ではあったが、ティトはその中の一人と成り代わり、 上手く中に潜り込んだ。幸い、前にここで働いた経験があり、内部構造を理解していたので、エリアス達が捕らえられている場所は推測できる。 「違った。」 倉庫の扉を蹴り開け、中に誰もいない事を確認すると、急ぎ早に次の推測点に向かう。 次の倉庫の扉に手を掛けた時、背後から響いてきた重い足音に思わず体を強張らせた。 落ち着けと言い聞かせて、ティトは潔く振り返る。 「あ・・・、ヴァンダル、さん。無事だったんですね。」 緊張が解けて冷えた汗を拭いつつ、ティトはヴァンダルを見上げる。妙な違和感があったが、すぐには分からなかった。 「エリアスは大丈夫でしょうか?それより、先程は随分と酷い事を・・・ぐおっ!」 喉が潰れたような声と共に、ティトは崩れ落ちた。胸を両手で押さえてのた打ち回る彼を 赤い光が見下ろす。違和感とはこの事だったのか。エリアスが・・・危ない。 鮮血の滴る鉄指が、視界の内にぼやけて見える。その滴を数えている内に意識が飛んだ。 死んだ目をした少女に、一瞬にして光が戻った。扉が開いたから。扉に切り取られた縁 の中にヴァンダルがいたから。 「ヴァンダルっ・・・!」 感極まってエリアスの瞳から涙が零れ落ちた。ふらつく足取りで立ち上がり、ヴァンダルの胸に倒れ込むように歩く。 「良かった。あの馬鹿元首に酷いことされてるんじゃないかって、ずっと思ってたの。でも、何ともないね・・・?・・・聞いてる?」 彼女を腕の内に抱きすくめる訳でもなく、何の反応も示さずにヴァンダルはただそこに立っていた。 「ねえ。・・・っ!!」 余りの無反応ぶりに業を煮やし、エリアスは彼の頭を下に向けさせる。 丁度その時だった。逆光に照らされていた鉄面が、暗さの中に色彩を取り戻し、真っ赤な目が彼女を釘付けにしたのは。 フラッドと同じ、意志の無い、元首の人形の――。 エリアスが身を引くより早く、ヴァンダルの意識を無くした器は彼女の細い肩に鉄指を食い込ませた。 歓喜の涙は消え、痛み一色に彩られる。 「痛い、痛いよ・・・。どうしちゃったの・・・?わたしが分からないの?」 その震える声が、ほんの少し回路を動かしたのか、一瞬動きが止まった。 しかし、それは本当に一瞬の事で、その刹那を機に、エリアスが予想もしない事態が起こった。 26.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 10 36 41 ID /uUnqD7g 「痛っ!」 床に叩きつけられ、荒い呼吸を繰り返す少女の上に、重い鉄の塊が圧し掛かる。 二つの赤い光は冷たく彼女を見下ろしていたが、不意にぐっと顔を近づけた。 恐怖を抱いた唇に冷たさがしみる。凶器の手はエリアスの胸をこねくり回し、 ツーと服を破るように下半身へ下りていった。それが臍の下まできた時、 一瞬の隙をついて顔を背け、冷たい唇を振り払って叫んだ。 「言ったじゃない!わたしを傷つけた者は全て滅ぼすって!あなたの敵はわたしじゃない! 思い出して!あなたが何をしたかったか!何を憎んで、どうしてわたしと一緒なのか!」 赤い光が消えた。ヴァンダルの後頭部から、機械の部品のような物が火花を散らして床に落ちる。 「私は、かの元首の治世を憎むエリアスによって解放され、彼女と同じく私の敵でもある・・・。」 目に黄色い光を取り戻したヴァンダルが低く呟く。 「ヴァンダル!わたしが分かる!?」 「エリアス。今の私がこの身を賭けて守るべき少女(もの)。行くぞ。今度こそお前を傷つけた者共を、この腕で滅ぼそう。」 敢えてエリアスの血を拭わない手を、彼女の前に差し出した。そして、彼女は一時も迷わずにその手を取った。 二人が元首の前に戻った時、元首の驚きようは非常に滑稽なもののように思えた。 「嘘でしょう!?お前が抑圧していたものは破壊ではなかったというのか!?フラッド、この異分子を破壊しなさい!」 号令に従ってフラッド達は向かってきたが、即座にヴァンダルの腕の一振りで左右へなぎ払われる。 「どうした!これしきがお前の砦なのか?脆いな。」 辺りに散らばったフラッドの残骸を見下しながら、ヴァンダルは元首を睨み付ける。 「お優しい元首殿。最後に言い残したい事はおありですか?」 エリアスは怯え縮こまった元首に、硬い笑みを投げかけて言った。彼の姿は非常に哀れだったが、 それを思うには、余りにも憎しみが強すぎた。 「ヴァンダル、元首殿は何もおっしゃりたい事がないようよ。」 ヴァンダルの手が、エリアスの手の上に重ねられた。彼らは各々の影の檻に元首を閉じ込め、愚かな命乞いを聞き流して、 一気に血と機械油に塗れた腕を振り下ろした。 終わった、これで全部―― 平和に―― 仲間の犠牲は無駄ではなかったと――。 27.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 10 40 19 ID /uUnqD7g 元首死亡の報は瞬く間に国中を駆け巡り、人々は胸を撫で下ろした。 「本当に・・・良かった。」 病院の純白のベッドに横たわったティトが呟いた。 「ヴァンダルさんには酷い事を言ったよ。謝りたいんだが、いるかい?」 エリアスはドアを振り返り、ヴァンダル、と呼んだが、入ってくる気配がない。不思議に思い、ドアを開け放つと、 さっきまでそこにいたフラッドはいなかった。 「ヴァンダル、どこ?」 どこにいても間違いなく目立つ紫色の鎧の影はない。一度病室を出て、辺りを探し回ったが、影も形も見当たらなかった。 彼の中には地の底での長い月日のブランクがあり、その上元首の束縛からも完全に解放された。それでも、行くあてなど無いはずなのに、 一体どこへ消えてしまったのだろう。沈んだ表情で病室に戻り、ふと窓の外を見ると、空の彼方にはっきりと紫の鎧の翼が見えた。 「ごめん!すぐ戻るから!」 いた?と言いたげだったティトをそのままに、エリアスは追われていた時と同じように全力で走りながら、砂埃がすっかり晴れた街を駆け抜けていった。 そう、ヴァンダルが帰る場所は、たった一つだけあったんだ。 先端が崩れた崖の淵に降り立ち、ヴァンダルは色が褪せたように思えるかつての元首の独裁国家を見つめていた。その景色の上に尖った指をかざし、 心を持たない同胞、ティト、そしてエリアスの血を吸った記憶を鮮やかに蘇らせる。紫の鎧を軋ませながら、暗闇が手を伸ばしてくるような地の底を、 目の光を強めて凝視する。帰らなければならない。私はエリアスに、彼女を傷つけた者を滅ぼすと言った。だが、実際には私自身が元首に拘束され屈服し、 彼女を傷つけてしまった・・・。所詮、私は元首の操り人形、人殺しの機械であるフラッドなのだ。平和な世界での存在は好ましくない。ただ、何も言わずに姿を消した為、 今頃躍起になって探し回っているかもしれないエリアスの事は、多少気がかりである。・・・何故だ?元々元首を倒す為の利害が一致しただけの存在なのに。 「ヴァン・・・ダル・・・。」 不意に走り抜けたか細い声は、壊れ時を示唆しているのかと思われた。しかし、再度聞こえてきた時に振り返ると、治療痕がうかがえる肩で小刻みに息をする少女が立っていた。 28.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 10 43 15 ID /uUnqD7g 「ティトが、あなたに、謝りたいって。」 「謝らなければならないのは私の方だろう?それに私のした事を踏まえれば、謝られる価値など無い。」 沈黙の後、エリアスは決壊したかのように口を開いた。 「どうして何も言わずに行っちゃうの!?」 「他の人々は、フラッドは人殺しの機械と思っているだろう。これ以上一緒にいれば、 人々はお前にとって害になる噂を始めるかもしれない。」 「ある訳ないじゃない!ねえ、一番の功労者は誰なの?あなたじゃない。」 ヴァンダルはあくまで淡々と続けた。 「私の代わりにティト殿に謝ってくれ。エリアス、お前がいたからこそ私は目的を果たす事ができた。ここでお別れだ。」 「嫌っ―――!」 引き止めるように冷たい鎧の上になだれ込む。当たり所が悪かったのか、無数のフラッドを相手にしても揺らぐ事のなかった 機体は、棒切れのようにエリアスごと地の底へと落ちていった。徐々に加速していく逆さまの世界で、エリアスは悲痛に叫ぶ。 「確かに最初の約束は守ってもらった!だけど、カレリア様も皆も死んだ、殺された! わたしにはもう何もないの!一緒にいて!守ってよー!」 ヴァンダルは黙して何も語らなかったが、地の底に至る寸前に、暗闇の中で鎧が大きく羽ばたいた。 日の光の下に舞い戻ると、空を覆いつくすような翼の下で、エリアスを抱き寄せる。 「外部からの働きがあったとはいえ、傷つけまいとした者に手を加えた。お前はそのような者に身を預ける覚悟があるのか?」 「覚悟がないなら、二回もあなたの手を取らなかった。」 「私が私でない時に、何をしたか分かっているのか?」 「・・・だから、その分守ってほしいの。」 凛とした目には、確かなそれが見受けられた。最初から彼女は多大な覚悟をしていた。だからこそ、彼らは地の底で出会ったのだった。 「了解した。この身が朽ちるまで、お前を守ると誓おう。」 おしまいデス 妄想が溜まったらまた書きにきまふ 29.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 14 38 20 ID Drg6mDax ヴァンダルはうちに嫁に来い 30.8592009/01/18(日) 17 27 51 ID YITsxsg6 ヴァンダルさん格好良いよヴァンダルさん。 懲りずにまた投下させて頂きます。ヤンマとアカネの続きです。 31.ヤンマとアカネ 3 12009/01/18(日) 17 28 36 ID YITsxsg6 全く、忌々しい。 ヤンマは右側の二本の足に一つずつぶら下げている満量のポリタンクと、左肩の上で気絶している少女を見比べた。 両腕にこれほどの重量が掛かっていると、自慢の高速飛行能力も役に立たない。だから、今は二本の足しか移動手段はない。 だが、ヤンマは歩行がそれほど得意ではない。人型に進化した際に外骨格は強化されているが、脚力は人類には到底及ばない。 筋力と体力で全ての荷物を支えてはいるが、正直言ってかなり辛かった。しかし、離れなければ危険なこともまた事実だった。 「くそったれが」 ヤンマは苛立ち紛れに悪態を吐き、顔を僅かに捻った。エメラルドグリーンの巨大な複眼に、背後の光景が全て捉えられた。 折れ曲がって錆び付いた鉄塔の真下に、巨大な巣が落下していた。縞模様を複雑に組み合わせて成された、いびつな球体だ。 人型昆虫の中でも特に獰猛で危険な種族、人型スズメバチの巣だった。巣から引き摺り出した女王バチは、ヤンマの手で殺した。 落下の衝撃で下半分が潰れている自身の巣の傍で、三メートル以上の体格を誇る女王バチは、黒と黄の縞模様の腹を割かれていた。 自慢の毒針も根元から引き抜かれ、神経と毒袋が出ている。これから生まれるはずだった卵も、腹部ごと潰したので全て破れている。 その周囲には、兵隊バチや働きバチが大量に死んでいる。いずれもヤンマが殺し尽くしたのだが、決して楽な戦いではなかった。 この巣の人型スズメバチはほとんどを殺したが、狩りに出ていった者達が異変を察して戻ってくる可能性があり、油断は出来ない。 それもこれも、彼女のせいだ。ヤンマは左肩の上でくたりと脱力しているTシャツとジーンズ姿の少女、茜を複眼で睨み付けた。 「俺がちょっと縄張りを見回りに行った間に攫われてんじゃねぇよ、愚図が」 だが、茜は答えない。体中にスズメバチの放つ体液がまとわりついていて、長い髪もTシャツもジーンズも肌に貼り付いていた。 「奴らがお前を運び出した直後に俺が来たから良かったが、少しでも遅れていたら、お前は骨も残ってなかったんだからな」 だが、やはり茜は答えない。ヤンマはぎちぎちと口を擦り合わせていたが、頭上に響く悪魔じみた羽音に気付いた。 早速、巣の住人達が異変に気付いたらしい。薄い四枚の羽を細かく震わせながら、黒と黄色に彩られた巨体が次々に現れる。 このままでは、逃げる前に喰われてしまう。ヤンマは飛び立とうと羽を広げかけたが、両肩の重みを思い出し、渋々羽を閉じた。 「逃げるのは性に合わねぇんだがな」 身を隠せる場所を探そうとヤンマは辺りを見、地下鉄の入り口を発見した。階段が瓦礫に埋まっているが、通れないこともない。 ヤンマは身を低くして、コンクリート片の散らばる地面を蹴った。飛べはしないまでも、グライダーのように滑ることなら出来るからだ。 丁度良いことに、働きバチ達は無惨に破壊し尽くされた巣に気を取られ、地上すれすれを音もなく飛ぶヤンマには気付かなかった。 今のヤンマと茜は人型スズメバチの体液や分泌物にまみれているので、彼女達の鋭敏な嗅覚には味方として認識されたのだろう。 だから、逃げるチャンスは今しかない。ヤンマは滑るように飛んで地下鉄の階段に飛び込み、薄暗い地下の世界へ身を投じた。 おぞましい羽音は、増える一方だった。 32.ヤンマとアカネ 3 22009/01/18(日) 17 29 07 ID YITsxsg6 茜が目を覚ましたのは、二人の住み処である廃屋に帰り着いた後だった。 あの後、ヤンマは慣れない地下の世界を行ったり来たりして、自分の縄張りに最寄り駅の出口を探し回っていた。 廃棄都市暮らしが長いおかげで地理に明るい茜が起きていれば、難なく帰り着けたなのだが、ヤンマ一匹では難しいことだった。 それでなくても、ヤンマは昆虫なのだ。人間に似た言葉は流暢に喋れるが、字も読めなければ数字も数えられず、知識などない。 基本的に本能だけで生きているので、この廃棄都市の地理を覚える必要もなければ、覚えられるほどの脳も持っていない。 だから、ヤンマは数時間歩き通しになってしまった。おかげで、廃屋に辿り着いた時には、両下足は全ての関節が痛んでいた。 「今日は最悪だ」 ヤンマは破れたソファーに座り、両下足をだらしなく投げ出していた。 「だーから、ごめんってば」 リビングに戻ってきた茜は髪を拭きながら、ばつが悪そうに笑った。巣に運び込まれた時に汚れたので、着替えて水浴びをしたのだ。 ヤンマは顔を背け、ぎりぎりと口を擦り合わせた。両下足の関節に掛かった負荷が鈍い痛みを生み、それが尚更苛立ちを掻き立てる。 「大体、俺の体は歩くように出来てねぇんだよ。飛ぶのが本領なんだよ」 「だから、ごめん」 「んで、どうなんだよ」 「どうって?」 「ん、だから、お前の体の具合だ」 「ああ、それなら大丈夫だよ。毒も打たれてないし、どこも痛いところもないし。ヤンマが助けてくれたから」 茜が朗らかに笑ったので、ヤンマは安堵感に苛立ちが紛れてしまい、中途半端に毒突いた。 「余計な手間を掛けさせやがって。だが、まあ、それならそれでいいんだがよ」 「うん…ごめんね」 妙にしおらしい茜に、ヤンマは拍子抜けした。いつもだったら、すぐにまとわりついてくるはずなのに、来る気配すらない。 どこにそんなエネルギーがあるのかと戸惑うほど元気で、どうでもいいことで笑い転げている、あの茜が異様なまでに大人しい。 生乾きの長い髪が垂れ下がり、表情も窺えない。大きすぎる男物のTシャツを着ていて、襟元がずれて頼りない肩が覗いていた。 ジーンズの換えがなかったので、膝近くまである裾からは二本の長い足が伸び、薄暗い室内で白い肌だけがやけに眩しかった。 「茜?」 ヤンマが声を掛けると、茜はTシャツの裾を握り締めた。 「凄く…怖かった…」 砂埃で白く汚れたフローリングの上に、熱い水滴が散らばる。 「初めて、虫が怖いって思った。運ばれている最中も逃げようと思ったけど、怖くて怖くて何も出来なくて…」 茜はがちがちと歯を鳴らしながら、冷えた両手で腕を抱いた。 「あのままヤンマが来なかったらどうしようって思って、そしたら、もっともっともっと怖くなっちゃって…」 背を丸めた茜は、その場に崩れ落ちた。 「私、本当に、本当に」 「俺はお前を助けに行ったじゃねぇか。だから、それでいいじゃねぇか」 「でも、もしも来なかったらどうしようって、そんなことばっかり考えちゃって、考えたくないのに考えちゃって!」 茜はほとんど絶叫に近い声を上げ、床に突っ伏した。ヤンマはソファーの上から降りると、痛む両下足を曲げて膝を付いた。 「それが、どうしたんだよ」 「だって…だって…だってぇ…」 33.ヤンマとアカネ 3 32009/01/18(日) 17 30 14 ID YITsxsg6 茜はヤンマの膝に額を押し当て、唇を歪めた。 「私、ヤンマのことが好き。本当に大好き。なのに、ヤンマのこと、本気で信じてない。虫は虫だって、頭のどこかで思っちゃうの」 「俺は虫だ。お前は人間だ。それは嘘でもなんでもないことだ」 「だけど、ヤンマはただの虫じゃないもん! 私のことをいつも助けてくれて、守ってくれる、私の恋人だもん!」 茜は涙に濡れた目でヤンマを見据え、掠れた声を張り上げた。 「なのに、私はヤンマを信じられなかったんだもん! 助けてくれないんじゃないかって、ちょっとでも思っちゃった自分が嫌!」 「馬鹿が」 ヤンマは右上足を伸ばし、爪先を寝かせて茜の濡れた頬を拭った。 「お前を喰うのはこの俺だ。俺以外の誰にも、お前の味を知られるつもりはない」 「怒って、ない?」 「俺が怒るのは、俺の縄張りに他のトンボが入ってきた時と、狩り場が荒らされた時と、お前がいなくなった時だけだ」 「やっぱり、私のこと、食べたいから?」 「当たり前だろうが」 ヤンマは口を開いて黄色く細長い舌を出し、茜の目元を舐め上げた。 「この世で茜を喰っていいのは、俺だけだ」 舌先に絡む人間の体液は、塩辛かった。茜はきょとんとした顔でヤンマを見つめていたが、次第に青ざめた頬が赤くなってきた。 そのまま俯いたが、今度は泣いていなかった。それどころかもっと赤くなっていて、随分前に発熱した時と酷似した状態になった。 だが、その時と違うのは、茜が笑っていることだった。今し方まで泣いていたのに、照れ臭さのあまりに笑ってしまったようだった。 「笑うなよ」 今更ながら自分の言葉にヤンマが照れると、茜は涙を拭ってヤンマを見上げてきた。 「だって、嬉しいから」 茜は身を乗り出し、ヤンマの複雑な形状の口にキスをした。ヤンマも一旦閉じた口を開き、再び舌を伸ばしてその舌に絡めた。 甘く、生温い、人間の味。ヤンマは痛む膝を伸ばすために床に腰を下ろしてから、茜を足の間に座らせて、ぐいっと抱き寄せた。 余程不安だったのか、茜はいつにも増してヤンマを求めてきた。膝を立ててヤンマの首を引き寄せて、何度となく舌を甘噛みする。 人間の皮膚とは比べ物にならないほど強靱な外骨格のせいで、ヤンマが茜を感じられるのは、生殖器官か舌ぐらいしかない。 茜はそれを噛むばかりか、丹念に舐めてくる。不安になった分、させた分を補うかのように、精一杯の好意を注ぎ込んでくる。 嬉しいのだが、そんなに繰り返されると妙な気分になってくる。ヤンマが舌を引き抜こうとすると、長い腹部の先に刺激が訪れた。 「ちょっ、お前っ!?」 見ると、茜の手がヤンマの生殖器官を探っていた。驚いた拍子に舌が勢い良く抜け、べちっと舌が複眼に貼り付いた。 「だって、返せるものって言ったらこれぐらいしかないんだもん」 茜はヤンマと自身の唾液に濡れた口元を拭い、頬を染めた。ヤンマは、意味もなく触覚を左右に動かす。 「だが、ああいう目に遭ったんだから、今日ぐらいは別にヤらなくても」 「大丈夫、今日は私が上に乗るから。ヤンマ、まだ足が痛いんでしょ? だから、私が上に乗れば平気だって」 「そりゃ、足は痛ぇけど、そこまでヤりてぇってわけでも」 「じゃ、なんでさっきからアレが出てるの?」 34.ヤンマとアカネ 3 42009/01/18(日) 17 31 13 ID YITsxsg6 茜がヤンマの生殖器官を指すと、ヤンマの細長い腹部の先からは太い針のような生殖器官が飛び出していた。 「…げ」 思っていた以上に、体は正直だ。こうなっては引っ込みが付けられないので、ヤンマはにゅるりと舌を口の中に収めた。 「好きにしやがれ」 「わーい」 茜は子供っぽく笑い、ヤンマが床の上に伸ばした腹部に跨ると、ヤンマの顔の方に丸い尻を突き出した。 「じゃ、好きにするね」 茜は躊躇いもなくヤンマの生殖器官を口に含み、限界まで飲み込んだ。人間のそれよりも長く太いので、全ては入らないが。 外骨格よりも多少柔らかいが、それでも充分硬い。茜は両手でヤンマの生殖器官を撫でながら、口を大きく開いて舐めた。 そうでもしなければ、舌が届かないからだ。窓から差し込む鮮烈な西日が、生殖器官を濡らす唾液と体液をぬらぬらと光らせる。 生殖器官の突端に開いた穴にも舌を差し込み、なぞる。茜の熱い口中と唾液の感触に、ヤンマは天井を凝視して悶えていた。 触られる前は半分ほどだったが、今はもう生殖器官が全て出ている。精子嚢から移動しそうになった精子を、慌てて元に戻す。 このままでは色んな意味で危ない、とヤンマが妙な危機感を抱きながら視線を天井から戻すと、目の前には茜の臀部があった。 ヤンマの腹部の先が若干遠いこともあり、茜は高く尻を上げる格好でヤンマの生殖器官を愛撫しており、裾はめくれ上がっていた。 サイズの合わない大きなTシャツだったので、裾は背中まで落ちていた。そして、薄布に覆い隠されただけの股間が目の前にある。 淡いピンクの布地は、うっすらと変色していた。嗅覚に感じる茜の匂いも甘ったるく変化していて、心なしか呼吸も荒くなっている。 「こっちの方も慣らしとかねぇとまずいだろ」 ヤンマは下着を横にずらし、茜の陰部を曝した。あっ、と茜から抗議の声が上がったが、それを無視して細長い舌を伸ばした。 ヤンマが触れる前から潤っていた割れ目は赤く充血していて、小さな肉芽も尖っている。舌先で触れると、甲高い声が漏れた。 「ふあぁん!」 「お前を喰っていいのは俺だけだ。俺を喰っていいのもお前だけだ」 「こんな時に、そんなこと、言わないでよぉ…」 背筋を這い上がる甘い感覚に、茜は身震いした。ヤンマの細長い舌は難なく胎内に侵入し、ぐねぐねと暴れ回っている。 内壁を擦り上げるばかりか、尖った口の先でクリトリスを押し潰してくる。茜は喘ぎながらも、ヤンマの生殖器官を口に含んだ。 こういう時ぐらいは満たされるのではなく、満たしてやりたいのに。しばらくの間、互いが互いを責める粘ついた水音が続いた。 だが、先に陥落したのは茜の方だった。ヤンマの生殖器官を愛撫し続けることが出来ず、長い腹部の上にへたり込んでしまった。 「ヤンマぁっ、もういいよぉ、いいってばぁああっ!」 床に爪を立てながら茜は叫ぶが、ヤンマの舌は止まらない。 「馬鹿言え。お前が俺を好きにするんだから、俺もお前を好きにするのが当然だろうが」 じゅぶ、と黄色く細長い舌で性器の奥をこねると、茜は手足を突っ張らせて達した。 「違うぅ、そんなの、違うのおっ!」 自分だけが満たされるだけではいけないのに。茜は絶頂の余韻と不甲斐なさで崩れ落ちたが、気力で体を起こした。 「今日は…私が、するって言ったのにぃ」 茜はヤンマの生殖器官の上に跨ると、腰を下げ、ずぶずぶと柔らかな肉の中に硬い生殖器官を沈めた。 35.ヤンマとアカネ 3 52009/01/18(日) 17 31 45 ID YITsxsg6 「今日は…私が、するって言ったのにぃ」 茜はヤンマの生殖器官の上に跨ると、腰を下げ、ずぶずぶと柔らかな肉の中に硬い生殖器官を沈めた。 「あ、ふぁああん…」 舌とは違った重たい異物感に、茜は身を捩った。 「だから、ねっ、ヤンマぁ」 茜は腰を上下させて互いの生殖器官を擦り合わせながら、熱っぽい目でエメラルドグリーンの複眼を見つめた。 「今日は、私が、あなたを食べるの」 茜の柔らかな太股とヤンマの強張った腹部には、茜の放つ熱い粘液が滴り落ち、床にはいくつもの染みが出来ていた。 ヤンマは足の痛みなど忘れて、自身の上で懸命に動く少女を見つめた。ヤンマ、ヤンマ、ヤンマ、と愛おしげに名を呼んでいる。 だらりと広がった襟元から覗く胸元では小振りな乳房が跳ね、顔と言わず全身を上気させ、ヤンマの生殖器官を締め上げてくる。 ヤンマを貪る最中に緩んでしまった唇の端からは、一筋の涎が零れている。茜の方も、我を忘れてヤンマを求めているのだ。 これが愛おしくないわけがない。ヤンマはしきりに動いている茜を抱き締めると、ぐいっと腹部の先を曲げて生殖器官を持ち上げた。 ヤンマの胸の上で、茜は二度目の絶頂に打ち震えた。 戦い終えた後の一戦は、さすがに辛い。 ヤンマは全身に残る戦闘と情交の疲労に負けてしまい、羽を痛めないように俯せに寝転がって打ち寄せる眠気に身を任せた。 事を終えた後、茜はもう一度水浴びをしてくると外に出ていった。窓の外はすっかり暗くなっていて、気温も下がりつつあった。 火を使って湯を沸かしているらしく、木の爆ぜる音がする。それが一段落すると、水を付けた布を絞る音と肌を拭く音がしてきた。 庭先からは湯気の混じった煙が立ち上り、僅かに熱された空気が漂ってくる。火は苦手なので、ヤンマはその熱気から顔を背けた。 「ねー、ヤンマー」 だが、名を呼ばれたので渋々顔を上げ、ヤンマは力なく答えた。 「ん、なんだ」 「ずっと気になっていたんだけど、あのポリタンクって一体何なの?」 半裸の茜は、掃き出し窓を開けてキッチンを指した。半透明のポリタンクが二つ並び、いずれも黄金色の液体が入っている。 「ああ、あれか。適当な入れ物を見つけたんで入れてきたんだよ、ハチミツを」 「え!?」 「一応、喰って確かめてみたから間違いない。前に喰いたいとかなんとか言ってたじゃねぇか、甘いのを」 「うん、言った言った!」 「だから、詰めてきた。感謝しろよな、スズメバチ共を蹴散らして、お前を助けて、その間に手に入れてきたんだからな」 「するするぅ! もお感謝どころじゃないよ、だからヤンマって大好き! 宇宙一愛してるー!」 きゃーっ、と甲高い悲鳴を上げた茜は、歓喜のあまりに飛び跳ねている。だが、ヤンマにはそれから先のことは解らなかった。 もちろん、寝入ったからだ。茜がはしゃぎ回る声が聞こえていたが、次第に遠ざかり、疲労を癒すための眠りに意識を没した。 茜が寄り添ってきたらしい温もりも感じたが、意識を引き戻すほどのものではなく、ヤンマは蠱惑的な安らぎに沈んでいった。 これだから彼女は喰えない。両下足に残る痛みも、重たい疲労の蓄積した両上中足も、これだけで苦にならないと思えてしまう。 舌の上に残留する茜の愛液の味は、ハチミツよりも余程濃厚だ。その味を忘れられないから、スズメバチの巣に飛び込んだ。 本当なら、人型オニヤンマなど人型スズメバチに敵うはずがない。だが、そこに茜がいると思うだけで、訳の解らない力が湧いた。 だから、強大かつ凶暴な女王バチに勝利したばかりか逃げおおせられた。たとえ信じてもらえなくても、信じているからそれでいい。 だが、それを言葉にして伝えるのは無性に気恥ずかしかったので、ヤンマはその言葉を胸中の奥深くに押し込めておくことにした。 人型昆虫にも、それなりに意地はある。 36.8592009/01/18(日) 17 37 43 ID YITsxsg6 以上です。一部文章が被ってしまいました。通し番号はミスらなかったのに今度はこれかよ。 最初はハチミツプレイにしちまえーとか考えていたのに、書いてみたら別物になりました。 人外と女の子はどっちもデレてるぐらいが丁度良いと思うよ! 37.名無しさん@ピンキー2009/01/18(日) 19 32 06 ID Ur/EsHK6 相変わらずヴァンダルは格好いいし顎をぎりぎり言わせるヤンマは可愛いしGJ過ぎる 38.名無しさん@ピンキー2009/01/19(月) 06 54 44 ID gckI74Kq これは目が覚めてからのハチミツプレイを妄想して下さいという事ですね。わかります 39.名無しさん@ピンキー2009/01/19(月) 20 19 14 ID R42c9gc9 ニコ話題ですまんが、 ミクのVOiCEって曲につけられた3Dショートストーリーが剥げ萌え過ぎる。 大きなお屋敷に小さなお嬢様と型の古い執事ロボ。 執事ロボは昔白兵戦に特化した戦闘ロボだった。 戦争が始まり、お嬢様は疎開、ロボは一人で屋敷を守る… という話。 上の単語に反応した奴はぐぐってくるといいよ!ガチだよ! 40.392009/01/19(月) 20 20 21 ID R42c9gc9 前スレに同じ話題が載っていた…だと…… 確認せずにレスって申し訳ない…… 41.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 03 18 08 ID ogYoQXit 自分の携帯電話やパソコンがトランスフォームして人型になって、あまつさえ意思を持ったららという妄想 こんな時間までネットか早く寝ろと口うるさく言ってきたり メールやメッセの相手を見て、誰だコイツはとジェラシーを燃やしたり まぁ一番萌えるのは、なんだお前こんなページ見てイヤラシい奴だなと羞恥プレイ&言葉責めされる的なシチュエーションなんだ… 自分が死んだ後、肉親に遺品を整理されるのを想像したときとは比べものにならないぐらい恥ずかしいんだろうなーと チラ裏すいません 42.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 04 27 51 ID 7FcjlylW 41 それなんてケータイ捜査官7 43.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 16 51 00 ID AsvpyFdt 映画のトランスフォーマーも萌えたなあ 女の子との絡みがないのが残念だけど 44.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 17 07 40 ID zPp8FfXP 43 そこで「きすぷれ」ですよ、旦那ァ 45.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 18 48 08 ID qFfsHhKu 自分が人外になるのも、自分が女になって人外と触れあうのもいいなあと思う むしろ守られたい こうでっかい獣とかロボ的な何かに 46.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 21 05 12 ID cimBsRAc 解る解る。常日頃からそんな妄想をしてしまうよ。 トランスフォーマーになったら何をスキャニングしようかとか、友達になったらどこにいこうかとか。 でかい獣人と仲良くなったら思う存分モフモフしよう、とかも考えてしまう。 そういう妄想に浸っている時間が一番幸せ。 47.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 22 06 13 ID 3XN8j3iN ところで、このスレは女の子側が人外でもOK? 人間顔・身体してない女の子 DODのアンヘルとか、シュレックのドラゴンとか、Z.O.EのADAとか 男よりずっと大きくて強いのに、乙女だったりデレだったりするのも可愛い 48.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 23 03 41 ID LECN3ep4 47 自分は好き 前スレのリストで思い出したけど遊戯王の社長とブルーアイズとか あと最近、青年ピアニストが夜な夜な防音室で 生きてるピアノを弾く妄想をよくするんだ… 上手く弾くとピアノ子が気持ちいいもっとひいて…っておねだりしてくるんだよ 女の子の声で 弾き手が下手くそだと、やめてやめてって困ったように泣くんだ 弾いてるうちに青年もなんか興奮してきたりして ピアノ子は擬人化でも元人間でもなくガチでピアノなのが望ましい 49.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 23 44 03 ID Y9f2Vib9 48 うおお…!なんという萌え! ガチでピアノなのがよけいに萌える ピアノ子ちゃん可愛いよピアノ子ちゃん 無機物はいいよな… 人工知能でも九十九神でも大好きだ 50.名無しさん@ピンキー2009/01/20(火) 23 51 07 ID z+Pidtn0 49 九十九神と言えば、以前見た書き込み、 日本人とは八百万に神を宿らせ、草木に神を降ろし、言葉に魂を寄せる、 民族丸ごと「擬人化萌え」なオタク民族。 コレ呼んで、盛大に噴いたのを思い出したw 51.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 02 22 38 ID mdIOdT0M 47 おkだけど女の子が人外な場合他にたくさん該当スレがあるから結果的にここは♂人外が集まってる感じ。 52.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 03 22 39 ID CS9eS/XA な〜んでもあり!萌えればおっけ! っていうのがこのスレの醍醐味であり和みの象徴だから、 どんどん投稿しちゃうといいと思うよん。 53.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 06 25 39 ID XGcXBPuP 間口と懐の広さがこのスレの良いところだしな 最近ミニサイズロボ×女の子萌えがハンパない。 ロボの精神年齢は手のひらサイズだと20代後半から40代ぐらい、 ぬいぐるみサイズだと10代後半から20代ぐらいだといい。 小さいロボ程中身が老けてる感じ。 いかついデザイン+中身は大人なのに、ボディサイズのせいで 普段は精神的物理的両方の意味で女の子に振り回され気味のチビロボが 女の子を守る為に自分よりもはるかに巨大な敵と戦うってのに萌えるんだ…。 54.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 09 19 11 ID XIopHZp7 53 いいなあそれ! ポケットとか懐に入るボディガードって感じで素敵だ それこそ携帯型ロボとか そして女の子が人外で、デジモンセイバーズとクダモンと薩摩さんを思い出した 女の子っていうか姐さん女房で、いつも薩摩さんの首に巻きついてる様がとてもかわいい 55.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 17 09 29 ID pMHQB5aB デモンシードを手に入れたぜ! これから存分に変態紳士コンピューターにハァハァさせてもらおうwwwwwww 56.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 17 22 51 ID dQWbDfLj 53 何故かゴールドライタンを思い出した 57.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 18 01 39 ID A85ZjPpT 39 を見て萌えたついでに。 昔ので本当にうろ覚えなんだが、ロボ×女性の映画でこの道に目覚めたなあ。 子守・お手伝いロボ(ロボロボしい外見、人間的でない)が家族の面倒をみてるうちに感情に目覚めていって、 ボディを少しずつ人間の姿に近づけて、最後には人間の女性と愛し合う話。 人間と認められる寸前にロボは亡くなるんだが。 かなり衝撃を受けて萌えた映画だったんだけど、題名を忘れてしまった… 58.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 18 13 05 ID mdIOdT0M 53 最近のだとガジェットロボが該当するかね 59.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 18 17 57 ID ng+aowgV 57 『アンドリューNDR114』だっけ。 その系統でいうならシザーハンズもそうだな。ロボや人造人間と女性の恋。 実にいい…… 60.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 19 01 01 ID dbntF2+A アンドリューは最後まるで人間になってしまったのがつまらん。 美女と野獣の野獣がラストでただの優男になってしまった時のようながっかり感。 元々の原作からして、人間になりたかったロボットが、不死を捨てて限られた寿命に なることで人間と認められる話だからしょうがないんだけどな。 「あなたがロボットでもいいの。そのままのあなたが好きなの!」というコンセプトこそ 萌えなんだ。 61.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 19 41 54 ID +14YwHq0 そういえば、なんかの雑誌で美女と野獣のパロ漫画を読んだことがある。 野獣が人間になった後の話。 野獣だった頃よりつれなくなった女性に嘆いて、女性の姿を変えて逃げれないようにしようと薬を用意する元野獣。 お約束展開で自分が飲んでしまって、野獣の姿に逆戻りしてしまう。 でもそこで女性は喜んで、「野獣の姿のあなたを愛したの」と告白。 野獣も、好きでいてくれるならまあいいか、でおわり。 萌えとかよりツッコミどころ満載だったけど、この作者は人間に戻って凄くがっかりしたということだけは良く分かった。 62.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 22 54 33 ID 1jNy+8C8 15なんだが…55がどっちを手に入れたか分からないんだが… 実は自分が読んだのは集英社版だけで、このスレに書き込む際に調べて 完全版があることを知り、それを購入。今日届いて読んだ訳だ。 今さらだが、声を大にしてお詫びする! 形状記憶合金レイプで我を忘れ、イメクラ的 プレイに目覚めるコンピュータが読めるのは、集英社版だけ! まさか完全版は全面改訂で、プロテウスがハリウッド女優オタになり、 受胎に生身の男を利用するとは思わなかった… 自力でなんとかして、欲望が一目でまるわかりな分身が生まれる、 チープなトンデモSFの世界に萌えてたのに。 クーンツは、自ら人体実験の被験者になった科学者が、副作用で蜥蜴っぽい 爬虫類に変化。その体で、別れた女房をひたすら追い詰める 「戦慄のシャドウファイア」とか、タイトル忘れたけど超知能を得た レトリバーと人間が深い友情を繋ぐとか、クローン人間が オリジナルの家庭を奪い取ろうとするとか、人外萌えの適正溢れる 小説家じゃないかと思う。 63.552009/01/21(水) 23 07 56 ID pMHQB5aB 62 買っちゃったのは完全版なんだぜ。でもって読み終えちゃったんだぜ! これはこれで面白かったんだけど、触手が読みたいんで集英社版ももちろん買っちゃうんだぜ! 途中で「ん?」とは思ったけど、誰がどう見ても変態のくせに頑なに自分が変態だと認めないプロテウスにちょっと萌えたw 完全版も充分楽しめたから、そんなに気にしないでくれ。 64.名無しさん@ピンキー2009/01/21(水) 23 55 07 ID 1jNy+8C8 55 =63 楽しんでいただけたんなら良かったです! 知らんかったとは言え、情報足らずで申し訳なかった。 書いた当時の作者の年齢と訳者が違うためか、集英社版のプロテウスは 完全版以上に自分の非を認めない、性癖に問題ある粘着質な機械ですので、お楽しみに。 65.名無しさん@ピンキー2009/01/22(木) 07 17 23 ID c2bn41mp 改訂されてもまだ変態なのかよすごいな 66.名無しさん@ピンキー2009/01/22(木) 12 45 48 ID GGb9xcDw 参考までにいくつか聞きたいことがあるんだが、いいか? ?二次創作作品の投下はおkか。 ?個人サイトの作品の二次創作はおkか。(管理人の了承を得ているという前提で) 創作が多いようだから、ちと気になってな。 67.名無しさん@ピンキー2009/01/22(木) 14 24 20 ID gLArznKq 二次創作は前例あり、問題なし。 個人サイト二次創作も問題なしだと思うが、元が気になって仕方がなくなる…。 68.名無しさん@ピンキー2009/01/22(木) 14 28 57 ID 2ib8RYHV どっちも問題は無いんじゃないか? 元作品のスレがあるなら、そっちに投下したほうが喜ばれるかもしれないが 69.名無しさん@ピンキー2009/01/22(木) 19 15 53 ID Gl70QHvY このスレも二次創作はちらほら投下されてたな。 70.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 00 18 16 ID 4LvboAtd ミュータントタートルズを見た、懐かしい。 そうか亀とエイプリルってのもありだよな…。 71.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 09 15 56 ID vor4TNn1 62 超知能を得たレトリバーと人間が深い友情を繋ぐ 「ウォッチャーズ」だね。 自分の本棚からどかせない本の一つになってるなぁ。 映画化もされてるけど、NHKのラジオドラマ版の方がよほど良い出来だった思う。 「人類狩り」もそうだし、こうしてみるとクーンツはかなり人外系の小説書いてるね。 72.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 11 23 09 ID uTb45+lh いろいろ妄想はしてるんだけど、人外の外見説明って難しいな 外見の描写だけでも長くて説明くさくなってしまう 上手くそこらへんを書ききる人は凄いよな 73.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 12 07 46 ID OXpexDR0 あさりよしとおも人外萌えの宝庫だな。 人外だらけのSFホームコメディ、「宇宙家族カールビンソン」は言わずもがな、 ごく普通の女の子が正義の寄生虫に寄生されて悪の寄生虫と戦う羽目になる「ただいま寄生中」とか、 体はごつい蒸気機関式ロボットで心は可愛い女の子のロボ姉妹と軍隊上がりの青年が旅する「荒野の蒸気娘」とか。 短編だと「宇宙刑事バスター」がお勧め。ちょっとグロいけど。 普段は女性の胎内に寄生していて、戦闘時は体外で実体化して戦う、というストーリー。 「ワッハマン」も、レミィと長沼の親子っぽいけど戦友同士のような関係が良かったなぁ。 手当たり次第に買い集めたもんだから、すっかりあさりにハマってしまったが後悔はしていない。 74.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 14 39 11 ID 1z6pu1QX マンガの話になって思い出した。 少女マンガなのか少年マンガなのかわからない(出会いは今は亡き「リュウ」)が、 道原かつみは人外萌えなのではないかと。 「キャウ・キャット・キャン」(人型猫異星人?)「アル・カラルの遺産」「アルカライラ」 (寄生型異星人?)、「空白の悲鳴」(なんだかわからないけど異次元?人?)「JO KERシリーズ」(人造人間)単行本の表題作だけでも人外ばかり。 「パンドラの惑星」も人外が出ていたはず。 75.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 15 27 40 ID wkCkMA23 アニメ作品だったら恐竜惑星が好きだったな。 ハルはギラグール界のケモナー。 76.名無しさん@ピンキー2009/01/23(金) 20 42 09 ID f/1uFkPY 画像フォルダ漁ってたら、以前見つけた AIロボットと女性の絡みを描いた画像を発見したんで載せておく こんな時代が来るといいなあ…http //www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up37653.jpghttp //www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up37654.jpghttp //www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up37655.jpghttp //www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up37656.jpghttp //www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up37657.jpg 77.名無しさん@ピンキー2009/01/24(土) 06 00 20 ID 1zhLU3Ps 75 YOU書いちゃいなYO! まったくディノサウロイドは素晴らしいな ジャバウォッキー最終巻のラストはやばかったよ… 78.名無しさん@ピンキー2009/01/24(土) 07 12 37 ID eI4PLu7F 73 あれ俺がいる カールビンソンで心が繋がってる異種疑似家族に目覚めたのはいい思い出 79.名無しさん@ピンキー2009/01/24(土) 22 13 53 ID fPOEPYWg きっとこのスレの住人はモンスターファームが好きになると思う 恐竜とか蟲とか触手出す板とか鎧やロボット、 果てはぬいぐるみや呪い人形まで育てられる このゲームのせいで今の道に走りました 80.8592009/01/24(土) 23 11 29 ID WT07GTKe 短いですが投下します。 今までに書いたのとはちょっと違いますが、やっぱり人外と女の子です。 81.白虎と退魔師 12009/01/24(土) 23 11 56 ID WT07GTKe 暗闇に沈む街並みを、異形が駆けていく。 二メートル以上もある巨体に見合わぬ速度でアスファルトを蹴り、電柱を越え、屋根に上り、闇よりも濃い異形を追い縋る。 地上では、少女が並走して全く同じ速度で駆けている。縞模様の尾を揺らしながら躍動する巨体から、一瞬たりとも目は外さない。 袖が末広がりに広がった朱色の衣装の背中には陰陽が印され、手にしている滑らかな青竜刀からは清い鈴の音が零れていた。 黄色い光を放つ街灯の下で少女は立ち止まり、古い梵字が刻み込まれた青竜刀を掲げ、手早く印を切って滑らかな刃を振った。 刃に宿った力が細く絞られて放たれ、闇の固まりを捉えた。人でもなければ獣でもないそれは、力に絡め取られ、動きを封じられた。 ほとんど音もなく民家の屋根に舞い降りた白い巨体は、刀の如く研ぎ澄まされた爪を前足から伸ばすと、闇の固まりを凝視した。 「ふうむ」 月明かりの下に立った巨体の白虎は、緑色に輝く双眸をにたりと細めた。 「今宵の獲物は、おぬしか」 「余裕ぶっこいてないで早くなんとかしてよ! 大体、あんたに合わせて走るだけで疲れるんだから!」 青竜刀を掲げたまま、少女は白虎に喚いた。白虎は長い爪で耳を掻き、不満げに尾を揺らした。 「相変わらず解っちょらんのう、リンファ。いかなる相手じゃろうと、余裕ぶっこいて叩きのめすのが虎たるものよ」 「そのせいで、先週は思いっ切り死にかけたでしょうが! あんたも私も!」 「ありゃあおぬしが悪いんじゃ、リンファ。儂は間違いなくジェシェの尾を捉えたが、肝心のおぬしが退魔の術を誤ったんじゃろうが」 「邪蛇と言いなさい、邪蛇と。いちいち中国語読みにしないでよ、解りづらいんだから」 少女は先端の反り返った靴で踏ん張り、青竜刀を捻って引いた。 「でもって、私の名前はす・ず・か! リンファじゃないって何度言えば解るのよ、バイフー!」 ちりん、と青竜刀の柄の先で鈴が鳴る。両腕を伸ばして朱色の袖を大きく広げ、蝶のように華やかに舞う。 「悪鬼封縛! 急急如律令!」 闇を戒める力が光を帯び、青竜刀の先端から糸のように伸びている様が目視出来た。闇は身を捩り、不気味な呻きを上げる。 ぐねぐねと形を変える影を伸ばし、全身を締め付ける光の糸を断ち切ろうと触れるが、触れた途端に闇が破れて醜く絶叫した。 「ほうら、さっさとしなさい! ここから先はバイフーの仕事でしょうが!」 「言われずとも解っちょるわい、そんなモン」 耳を動かして少女の声を振り払ってから、白銀の鎧を身に纏った巨体の白虎、バイフーは悶える闇に向けて踏み出した。 バイフーは両手の爪をにゅっと伸ばし、口元を広げた。分厚い毛の下から現れた太い牙は、獲物を求めてぎらついていた。 闇の固まりは一瞬畏怖したが、すぐさま敵意を剥き出しにした。耳障りな悲鳴を上げ、戒めの隙間から黒い触手を伸ばしてくる。 バイフーはその触手の一本を掴むと、闇が裂けるほど強く引いた。それを牙の間に挟むと、ぐんっと首を上げて噛み千切った。 霊体の一部を奪われた闇はますます敵意を向けてくるが、バイフーは毛の先程も気にせずに、闇の触手を噛み締めて嚥下する。 「なるほどのう。おぬしは悪霊っちゃ悪霊じゃが、ジェロンの影響を受けちょるわけじゃなさそうじゃのう」 べろりと厚い舌で口元を舐めたバイフーは、大きく口を開き、獣臭い吐息を漏らした。 「じゃが、なかなかの恨みの濃さよ。おぬしのように捻くれた死者の霊魂は、儂の口に合うわい」 82.白虎と退魔師 22009/01/24(土) 23 12 22 ID WT07GTKe ぎいいいいいいいっ、と鉄線を締め付ける音に似た絶叫を迸らせた闇は、戒めの隙間から伸ばした触手を尖らせた。 バイフーは両前足の爪を構えると、踏み出した。刃の如く尖った無数の触手を全て叩き落とし、闇の懐に巨体を滑り込ませる。 闇が新たな触手を形成するよりも先に、バイフーは少女の青竜刀よりも太い爪を闇の胴体に押し込み、腕ごと大きく捻った。 その腕を引き抜くと、闇が上下に分断された。びちゃびちゃと肉片に似た闇を撒き散らしていたが、夜の闇に溶けていった。 バイフーの純白の毛を汚していた闇も消え、戒めていた光の糸が緩むと、闇の固まりがいた位置には青白い霊魂が浮かんだ。 それを口に入れて味わってから、喉を鳴らして飲み下した。バイフーは民家の屋根から飛び降りると、少女の前に着地した。 「で、どうだった?」 青竜刀を鞘に収めた鈴花に問われ、バイフーは鎧を載せた肩を竦めた。 「これといった収穫はないのう。ジェロンの奴の匂いどころか、ウロコの端すらも掴めちょらんわい」 「今夜も無駄足かぁ。結構苦労したのになぁ」 「あやつは邪神とはいえ、紛うことなき竜じゃからのう。そう簡単に尻尾を掴ませてくれるわけがなかろうて」 「そりゃそうなんだけど、漫画みたいにすんなり上手くいかないもんだねぇ」 鈴花はお団子に結っていた髪を解き、髪留めをポケットに入れてから、街灯に照らされる白虎を見上げた。 「神獣鏡に戻る?」 「いんや。喰ったばかりじゃから、外に出とった方がええ。その方がおぬしもええじゃろう?」 「ん、まあ…ね」 鈴花は末広がりの袖を翻しながら、歩き出した。その背の陰陽の印を見つめながら、バイフーは夜風に混じる邪気を感じた。 一年前、この街に邪気が蔓延し、邪気の漲る闇と怨念の滾る霊魂が入り混じって出来上がった闇の亡者が彷徨い始めた。 その頃は、鈴花もどこにでもいる少女だった。だが、偶然バイフーの封じられた神獣鏡を見つけ、これまた偶然封印を解いてしまった。 鈴花自身は知らなかったのだが、鈴花は遠き昔に大陸で活躍していた退魔師の血を引いており、高い妖力を持ち合わせていたのだ。 数千年の眠りから目覚めさせられたバイフーは、封印される以前に倒したはずの邪竜の気配を感じ、鈴花に退魔師として戦うように命じた。 鈴花は当然反発したが、闇の亡者達が鈴花の家族や友人を脅かすようになったので、鈴花は家宝の青竜刀を携えて闇の亡者と戦った。 バイフーも、退魔師としても人間としても未熟過ぎる鈴花に従うのは不本意ではあったが、邪竜を放っておくのは妖怪にとっても良くない。 なので、二人は共闘するようになった。闇の亡者を倒し続けていけば、いずれ邪気の根源である邪竜に辿り着くはずだからだ。 邪竜を倒さなければ、ただでさえ邪気で乱れた気の流れが更に乱れ、闇の亡者よりも遙かに凶悪な亡者が生まれる可能性がある。 その危険を回避するためにも、心置きなく熟睡出来る夜を迎えるためにも、鈴花とバイフーは今夜も密かに戦いに赴いている。 「ん」 鈴花が手を伸ばしてきたので、バイフーは爪を引っ込めてから前足を差し出した。 「おぬしはほんに変なモンが好きじゃのう、リンファ」 「だーから、鈴花だってば。肉球は正義なの。でもってモフモフはもっと正義なの」 鈴花はバイフーの丸太のように太い前足にしがみつくと、白い毛に覆われている柔らかな丸い肉球をむにむにと揉みしだいた。 屈強な筋肉が隠れている白と黒の縞模様の体毛に顔を埋めた鈴花は、感極まるあまりに子猫のような高い声を漏らしている。 バイフーは鈴花の歩調に合わせて足を緩めながら、苦笑いを零していた。封印される以前は、白き鬼神と恐れられていたというのに。 今となっては、愛玩動物に成り下がっている。出会った当初は彼女を制しようとしたが、振り回されるばかりなので結局諦めてしまった。 鈴花は、バイフーを神獣鏡に封じた退魔師とは大違いだ。甘ったれで幼くて自身の妖力の扱いすら下手だが、バイフーを大切にしてくれる。 だから、飼い猫扱いされても怒る気が起きない。鈴花の心底幸せそうな笑みを見下ろしつつ、バイフーはゆらゆらと太い尾を振った。 愛されるのならば、使役されるのも悪くない。 83.8592009/01/24(土) 23 13 35 ID WT07GTKe 以上です。エセ中華ファンタジー的な。 76 速攻で保存しました。ありがとうございます。 84.名無しさん@ピンキー2009/01/24(土) 23 15 58 ID fDJVGdol バイフーさんもふもふしたいよバイフーさん 85.名無しさん@ピンキー2009/01/25(日) 02 32 38 ID jyukFOIP バイフーデレデレじゃないかw 86.名無しさん@ピンキー2009/01/25(日) 03 45 20 ID /Qnjcz9/ デレデレもふ可愛いよデレデレもふ! 87.名無しさん@ピンキー2009/01/25(日) 08 19 05 ID Fbl551K/ モフモフしたい! 88.名無しさん@ピンキー2009/01/25(日) 08 56 28 ID I8TH1Whd >>肉球は正義なの。でもってモフモフはもっと正義なの 同意、激しく同意! 89.名無しさん@ピンキー2009/01/26(月) 20 07 18 ID gOafeVPH 前スレラストの流れに便乗。 私の場合、物心ついた時点ですでに異種婚姻譚萌に目覚めていたのできっかけは不明。 何か科学系の真面目な番組で共生説の解説をしているのを見て、 葉緑体→原核生物×好気性細菌の三角関係に萌えたのが最初かもしれない。 人外と人間だったら恐竜惑星の萌×ハルが最初だと思う。 ところでこのスレ的な人外の定義は「ホモサピエンス以外」ってことでおk? お盆ネタで、虫の体に宿った故人の魂が〜みたいなのもありがちかと思うんだけど そういうのも人外に含まれるのかな? 90.名無しさん@ピンキー2009/01/26(月) 22 18 25 ID ax9lTRtp お盆ネタで、虫の体に宿った故人の魂が〜みたいなの どこの民族の伝承だ 91.名無しさん@ピンキー2009/01/27(火) 00 00 29 ID uQFzxjCS そりゃまた難しいな。 ある日目覚めたらベッドで虫になってたり、 人間だったけど悪の組織に改造人間されちゃったりな人とかの 扱いもどうなるんだとか考え込んでしまう。 後天的人外? 92.旧い者達12009/01/27(火) 00 17 30 ID RCp1q+ea 竜の話を投稿しまする。 この世界には、「旧い神々の眷属」と呼ばれる旧い種族が存在する。単に旧い種族とも言う。 人間がまだ現れる前、はるか峰に輝く万年雪が降り積もるよりも、深い渓谷が刻まれるより も昔、まだ神話の世界から、神々とともに彼等はいた。 いつの間にか旧い世界は終わりをつげ、新しい世界が訪れた。新しい世界と共に人が生ま れた。 ゆっくりと時間は流れ、新たな世界の森や草原や獣や人は増え、世界は変わった。 その中にあって、全ての鳥達の母は、その娘達である鳥に空を託し去った。 大海原そのものたる大鰐鮫が大鯱に敗れて後、かれの眷属全てはその知性を失い、ただの 大きな魚となりはてた。 大地の主(あるじ)は、大地という庭から旅だった。 この世の柱たる三神が去り、やがてそれぞれに属する旧い神々もこの世から去った。 本当の新世界が始まりである。 そして、大地の主の眷属だった竜達は、もはや帰らぬ主の帰りを、ただひたすらに待ち焦 がれている。たとえ石と成り果てようとも。永遠に。 93.旧い者達22009/01/27(火) 00 18 13 ID RCp1q+ea この国に一頭の緑色をした雌の竜が降りたったのは、今から500年ほど前のことだ。 穀倉地帯を潤すタリア川の源流に近い草原にである。今残っている記録からすると、それ は大変な騒動であったらしい。 人間は恐れたが、騒動はすぐに収まった。なぜなら、その竜がその場で眠ってしまったの だ。人間は、竜を起こさぬよう、恐れながらひっそりと見守った。 しばらくして変化に気が付いたのは農民だった。穀物の生産量が上がったのだ。 次に気が付いたのは、竜を監視する兵士だ。草原の降水量が増え、それに従い森が育った。 変化は徐々に国を変つつあった。 豊かになった穀物は国を富ませ、人は増えた。 これらの変化をもたらしたのは竜である。大地の主の庭師であった彼等は大地の力そのも のだ。 彼等がいるだけで、砂漠は草原にかわり、草原は森となるのだ。 彼女が眠りについて100年、200年と時は流れ、草原はやがて、彼女の寝床を中心とした深 い森へと変わった。人々は森を神おわす場所としてあがめ、彼女の存在は次第にわすれら れた。 94.旧い者達32009/01/27(火) 00 18 50 ID RCp1q+ea 彼女はまどろみの中夢を見る。 まだ子馬ほどの大きさだった頃の夢を見る。美しい庭を走ると、光に輝く綿毛が舞った。 懐かしい光景に郷愁を感じる。ここにはまだ、威光に輝くあの方が居た。 夢の中でさえ時はうつろい、黒く輝く鱗を持つ男と寄り添う自分の姿を見た。鼻面をすり 合わせ甘噛みをしあった甘美な時間はもはや戻らない。彼との愛の結晶は、終に形をなす ことはなかった。 冷たい塊になった卵を抱き、夢の中泣いた。 主去って後である。その頃から、竜たちの愛は実を結ぶことが少なくなった。 卵が生まれると、皆はそろって祝福した。卵が孵れば、その母はたたえられ、子はそれこ そ皆に溺愛された。 夢で更に時は流る。年老いたものは、あの方を待ち焦がるあまり、死を拒絶した。寿命つ きたものは石となり、主を永遠に待ち続けるのだ。石と化すのは、寿命つきた者だけでは ない。この数千年の間に、眠りについたまま覚めず、石になるという奇病が竜族にはびこ りつつあった。愛し合った彼も、この病に倒れた。 彼女は夢をみる。眠り続ける限り、幾度も繰り返し夢を見る。 なぜ、妾の見る夢はこんなに悲しいのであろうか。 主よ、どうぞこの世にお戻りください… そして、泣きながら彼女の夢は覚めた。 95.旧い者達42009/01/27(火) 00 19 39 ID RCp1q+ea 時の移ろいとは早いもので、豊かな草原だと思っていたこの場所は、既に霧深い森となっ ていた。余りの美しい陽気に、ほんの少し眠ったつもりだったというのに。 彼女は頭を振り、体をゆすって、絡みつくツタやコケを払い落とすと、大きく伸びをした。 おそらく数百年も動かしてない体がぎしぎしと軋む。ふと見上げると天空には満月が出て いた。久方ぶりの世界。彼女は、涙を払い目覚めたことに感謝した。眠ったまま石となっ たなら、私はずっと悲しい夢を見るだろう。それではあまりにも悲しすぎる。 だが彼女は考える。これは果たして本当に起きているのだろうか。実はこれは夢の中であ り、目を覚ませば、彼と寄り添って卵を抱いているのではないか。何より、我らが主はま だおわするのではないか…虚しい考えであった。 そうやって考える日々を過ごす内に、彼女の周りに変化が起こる。 人間の少年が現れたのだ。始め、おそるおそるであった彼の態度は、意思疎通が出来ると 言うことを知って後、だんだんと大胆になった。 彼は、彼の言う旧世界の事を知りたがった。それは、世界の成り立ちを知ることと同義で ある。彼女は、少年に請われるままに、自らの知識を語って聞かせた。 少年もそれをよく理解し、世界の成り立ちについての知識を深めていった。 それは短く濃密な時間であった。語らいの間、彼女は悲しみを忘れる事が出来た。 出会ってから三年を数えるころ、二人の間には恋人同士にもにた、奇妙な信頼関係が築か れるにいたる。少年は、彼女に恋心のようなあこがれを抱いているようにも見える。 体の大きさも年齢も種族も違うが、確かに精神的なつながりがあったのだろう。 96.旧い者達52009/01/27(火) 00 20 25 ID RCp1q+ea それから更に数年。少年はあっという間に成長し既に青年となっていた。彼は更に知識を 高め、それを使って世界を豊かにするための方法のいくつかを考え出すにいたる。 二人の関係は更に穏やかで濃密なものとなっていたが、ここにきて不幸がドアを叩く。 戦争によって作り上げられた武器が、旧い者達を殺すまでの力を得た。もっとも強力と言 われた竜族も例外ではない。 新世界の支配者になりつつある人間達にとって、旧世界の残滓は邪魔者でしか無かったの だ。この人間の行為は、減りつつある竜族に大きな影響を与え始めた。 そして、ある日それは起こる。 彼女と青年との逢い引き。対話の途中で、森を調査する兵士が彼女らを見つける。 青年は彼らを行かせまいと争い、槍で突かれた。おそらく、彼らは彼女のを殺しに来るだ ろう。森は焼かれ、彼女は殺され、この地はまた草原に戻るのだ。 彼女は悲しみをもって青年を見やる。彼の脇腹と右胸からあふれ出る血液と共に、彼の命 が失われていく。 「なぜ…ひと…は…あなた方、旧い種族に対する…敬い…をゴホッ」 青年が血を吐きながら言う。 「わすれ…て、しまったのでしょう。」 彼の流す涙を、彼女は爪先でそっとぬぐった。 「貴女はうつくし…い。どうか、われわれの、手に、かからぬよう。遠くに、逃げて」 断末魔の苦しみのなかにあって、この風変わりな青年は、それでも彼女を気遣って言った。 以前に話した事がある。彼は人の行いを悔い、旧い者達の行く末を案じてるということを。 ここで、彼女は一つ思い出す。以前語らった時のことを。それは、竜は大地という命を育 む事が出来るのに、なぜ新たな命を宿すことが出来ないのか、というものだった。 青年はこう言った。大地に分け与える力を自分の中にとどめれば、それは命になるのでは ないか? 「汝はもう死ぬ…妾は汝を助けてはやれぬ」 彼女もまた、涙をこぼした。 「だが、汝の言うた事はみな覚えておるぞ」 「あり…が…とう。僕は、もしかすると…竜になりたかったのかも…しれない」 青年の小さな手が、爪先にぎる。 「妾も汝がそう思うておるように感じておった。重ねて言うが、汝はもう死ぬ」 彼女は言葉を切り、その後意を決したように続けた。 「だがな、一つだけ死なぬ方法が見つかったやも知れぬ。それに賭けてみるか?」 青年は、青ざめた顔で頷いた。 「良かろう。もし、次に汝が目を覚ますならば、それは生まれ変わって後じゃ」 彼女は急ぎ裸にした青年を優しくつかみ上げると、自ら押し広げた生殖器の中へと導いた。 そして、外に放射していた生命の力を、自らの内側へと向ける。 力はやがて、青年を守る硬い殻となって、彼女の胎内とで二重の壁になってこの世から彼 を隔絶する。 奇蹟がおこる。彼女は確信した。同時に、自らの種の過ちも理解した。 我らが主は去ったのではない。我々の内側にあるのだ。 彼女は一声いななく。世にある全ての竜たちにむけて。我々もこの世界を去ろう。本物の 安寧の地へと。 青年よ。妾に真実を悟らせてくれた人間よ。汝がその目に再び光を見るとき、汝は我らと 源を同じくするものとなろう。 それから程なくして旧い者達はこの世界から姿を消した。その後、美しいそれらを見た者 はだれもいない。 97.名無しさん@ピンキー2009/01/27(火) 00 22 11 ID RCp1q+ea 以上終わりです。 なんかとりとめのない話になってもうしわけないれす。 書いててちょっと生まれ変わってみたいと思いました。 98.名無しさん@ピンキー2009/01/27(火) 00 35 38 ID nTmGr8/D 97 GJ。童話を読んだようで楽しかった。 91 ジャンルとしてはTFってジャンルだな 異類婚姻譚では美女と野獣とかかえるの王様もそうだから 別にいいんじゃないかなと思う むしろこのスレだと人間→人外より人外→人間の方が扱いに問題ありそう 99.名無しさん@ピンキー2009/01/27(火) 02 10 57 ID VgFf6fnm 97 GJ。文体と雰囲気が好きだ それはそうと前スレが容量に達したみたい さっき偶然見た宇宙をかける少女の今後に期待。もちろんこのスレ的な意味で 100.名無しさん@ピンキー2009/01/27(火) 02 29 03 ID XG4ha2Ne 97 GJ。なんとなく心穏やかになるな。 → 1-100 101-200 201-300 301-400 401-500 501-600 601-700 701-720
https://w.atwiki.jp/tokyomadlogr/pages/16.html
念頭に置いておくべき事 この項目に区切られたものは、大分類では怪異であるが中立か友好的な存在である 門 怪異の様な存在ではありながら、意志の無いシステムの様な存在である。 基本的にこれらは人気のない所に現れて、向かい側から何ものかを通す。大きさは通常ドア程度のもの。 観測した者の証言として、向かい側には別の世界が広がっている。らしい。その世界は長閑な風景であったり、我々より”も進んだ時代であったり、はたまた暗黒だったりしている。 そして、通ってくるのは大方が生き物だ。それらが我々に害を為した場合は怪異、益を為した場合は人外と定められる。 そして門は通ったら消える。門の向こう側に戻ることができる可能性は低いだろう。また、此方側からも通行できるらしいが、この件に関して確かな情報はない。 人外 それは我々に害を為さない怪異……いや、むしろ協力的であったり、我等に益をもたらしてくれることもある。 見つけ次第優先的に確保して置くことで有益に扱うことができるだろう 確保するなど、彼らにストレスを溜める様な行動を行った場合、怪異に変化する可能性があるので非推奨。 彼らの殆どは門を通ってこちらにやって来る。そのため人口の1割を人外が占めるようになった。 その上何故か我々の言語は通じる様だ。自動翻訳なんかを持ち合わせているのかもしれない。 そして彼らのほとんどは丁寧に説得する事で協力を得ることができる。 そのことにつけ込んで人外を誘拐、怪異と性質が変わらないのを良い事に人体実験を行なっている者たちもいるらしい。上記にあるように怪異に化けるリスクもあるので、禁止されているのだが…
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/622.html
433 名前: NPCさん 04/09/14 19 46 09 ID ??? 困ったちゃんと言う程ではないが、人外ヒロインを好んで出すGMがいる。 こないだも、ヒロインがドラゴンパピーだったし、リザードマン(♀)相手にラブコメやったプレイヤーもいるらしい。 その一点をのぞけばまともなマスターなんだが。 その彼が最近FEARゲーなはまったらしい。 「食わず嫌いだったけど、これはこれで味がある」とか。 それはいいんだけど、ハンドアウトのシナリオコネで「幼なじみのトロール少女」とか指定されたらどうしようか。 438 名前: NPCさん 04/09/14 20 16 25 ID ??? 433 そのGMにPLやらせて、毛むくじゃらでマッチョのハゲヒゲな男性ヒロインとくっつけてやれ。 まともじゃないヒロインが好きなんだろ?と嫌味っぽくなく真顔で言ってやれ。 455 名前: 433 04/09/14 21 20 49 ID ??? 438 どうだろう。 既にショタはいけるらしいけど。 いや、それ以前に卓の他のメンツの方が耐えられなくなる可能性が大だが。 人外ヒロインも毎回ではないし、無理にPCとくっつけようとはしないので、実害はあんまりないのが幸い。 だけど、野良コボルト少女に「お兄ちゃん」と慕われた時は危うく洗脳されそうな勢いだった。 457 名前: NPCさん 04/09/14 21 24 37 ID ??? 455 まんざらじゃなさそうだな。 スレ32
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/2566.html
>補足 191「スイネ(パラレルワールド)、208「ギルティー・キング」、224「夜(ナハト)」、258「コヨル」、269「パラボッカ・アーティ」、270「アリア・シャドーレイ」、374「クルデーレ」、381「ロイド」、432「クレア」、472「アン・ロッカー」、482「ヤマネ」、491「悠里 ミミ」はプロフィール参照の元、人外ではない為除外させて頂きました。 556:バウまで収録完了(2013/06/08) 目次(名前順) あ か さ た な は ま や ら わ 分類不可 【あ】 アカノミ:百物語組~第80話「欲望の巨木」 アゲハ:百物語組~第64話「霊蟲姫」 アシュレイ:生物兵器(千年王国) アズール:妖怪(狐) アッシュ:クローン人間(千年王国) 【い】 夷於:付喪神(陶磁器の壺) イマ:生物兵器(ホウオウグループ) イモ:イモ 【う】 ヴィルミリア=ベルナータ・ガーネット・カウント:吸血鬼 ウツロ:生物兵器(ホウオウグループ) 【え】 eXエレナ:人工生命体(トライアルアークス) エストニック:ドラグリュオン エトレク:百物語組~第25話「赤マント」 エドワード:吸血鬼 エレクタ:生物兵器(千年王国) エレナ:吸血鬼 【お】 オボロ:生物兵器(ホウオウグループ) ↑ 【か】 海念:百物語組~第83話「大海原の破壊僧」 カイム:百物語組~第12話「奇怪音と無音」 風魔:鴉天狗 カトレア:百物語組~第34話「魂喰らいし人形」 カルラ:妖怪(西洋の竜) 【き】 季羽:妖怪(鬼) キエン/ユカリ:百物語組~第40話「縁切り鬼と縁結び姫」 刻命 鬼姫:百物語組~第69話「追憶の吸血鬼」 キムナ:百物語組~第97話「キムジナー」 キラ:擬人兵(ホウオウグループ) キリ:百物語組~第98話「切り裂き魔の通りゃんせ」 【く】 クチナワ:百物語組~第41話「魂朽ちぬ白蛇」 クルデーレ 胡桃:妖怪(座敷童) 黒井さん:都市伝説「コインロッカーの少女」兼百物語組~第1話「(タイトル不明)」 クロコ:妖怪(鴉) グングニル:ドラグリュオン 【け】 ゲイボルグ:ドラグリュオン 【こ】 小烏丸:武具憑き 虚空:古の大妖怪(詳細不明) ゴクオー コルセスカ:ドラグリュオン ↑ 【さ】 サクヤ(咲耶):桜の木の化身 桜姫命:百物語組~第31話「瞑想の桜姫」 サシエ:百物語組~第3話「現実を描く水墨画師」 サディコ:魔物 サヨリ:擬人兵(ホウオウグループ) 【し】 シーラ:百物語組~第28話「人狼」 シキ:妖怪(猫又) シモン:百物語組~第93話「十字架の罪を着せられた聖人」 【す】 鈴鹿茂斗:都市伝説「首無しライダー」 鈴彦:土地神(京都にある小さな神社) 【せ】 セロ:百物語組~第60話「吸血鬼」 ゼロ/アイン:合成人間(ホウオウグループ) 川里:妖怪(河童) 【そ】 ソキウス:獣(詳細不明) 初馬 メイコ:キョンシーと人間のハーフ ↑ 【た】 タマモ:百物語組~第88話「遊女の狐」 【ち】 千桜 涼香:神霊 【つ】 露爽 雫:霊亀と仙人の末裔 【て】 デストリエ:付喪神(鎧) 【と】 トーコ:百物語組~第6話「後ろの正面の誰か」 トリシューラ:ドラグリュオン トライデント:ドラグリュオン ↑ 【な】 無々世:人無(ひとでなし) 【に】 【ね】 ネロ:人と竜のキメラ 【の】 ノラ:百物語組~第58話「始末された野生の命」 ↑ 【は】 ハーディ:? バウ:犬(シベリアンハスキー) パター:生物兵器(ホウオウグループ) バレッタ:ワーウルフ ハルミ:百物語組~第100話「101番目の●●●ちゃん」 【ひ】 D-201I 02:ヒューマノイド 【ふ】 ファスネイ・アイズ:人工神(ホウオウグループ) ファランクス:ドラグリュオン フェリッサ:ドラグリュオン フタバ:百物語組~第92話「血塗られた裁縫鋏」 ブラン:生物兵器(千年王国) フランベルジュ:ドラグリュオン ブリューナク:ドラグリュオン フレイ・ブレアフォレスト:猫 ブレラ:百物語組~第8話「忘れられた古傘」 【へ】 ベガ:人工神(ホウオウグループ) 【ほ】 ↑ 【ま】 【み】 ミーレス:機械人間 御影 咲埜子:妖怪(人間と付喪神のハーフ) ミサキ:百物語組~第73話「口裂け女」 ミスティル:ドラグリュオン ミチル:生物兵器(ホウオウグループ) ミツ:合成人間 ミナ:百物語組~第13話「恐れを映す鏡」 ミナミ:百物語組~第63話「深海の荒ぶる魂」 宮重爽:幽霊 深鈴:都市伝説「メリーさん」 【む】 骸瑪:妖怪(狂骨) 【め】 眼眼子:妖怪(三つ目ノ面) ↑ 【や】 【ゆ】 ユウタロー:幽霊 遊利:幽霊 結女:妖怪(獏) 【よ】 ヨシエ:百物語組~第70話「失せ子の母」 ↑ 【ら】 雷珂:雷神 ラティオー:魔物 【り】 リキ:生物兵器(千年王国) リュウ:犬 魎:生物兵器(千年王国) リリー:樹と花の精(人間とのクォーター) 【る】 【れ】 レヴァティン:ドラグリュオン レリック:生物兵器(千年王国) レンコ:生物兵器(千年王国) 【ろ】 ロア:百物語組~第47話「セイレーン」 ↑ 【わ】 ↑ 【分類不可】 「 」:エイリアン ]-[!()/2| £}{7lz3|v|[-:アンドロイド型兵器(トライアルアークス) ↑ 企画キャラ一覧
https://w.atwiki.jp/projecter/pages/300.html
番号 EB03097 名前 人外魔境 読み じんがいまきょう Lv 5 スター 種別 トラップ トリガー ○○○●○●○●○ 【もう帰さないぞお♪】《侵入された時》 侵入してきた敵と同じエリアにいる敵全員を捨札に置く。○希望(スマッシュから反撃!)敵を1枚まで選び、捨札に置く。 ブロック エンターブレイン 作品 まじしゃんず・あかでみい レアリティ C そこそこ優秀な効果に加え、何よりも希望が付いている点が重要。 これによって勇気 希望持ちユニットと同じ様な活用ができるため、除去として無駄になりにくい。 その分他色の類似トラップと比べてLvが1つ上がっているもののこれを使いたいのは大抵5ターン目以降なので、やはり無駄になりにくい。 黒でトラップを伏せられたらまずこれを警戒するべきと言えるほど、(トラップの中では)非常に良く見かけるカード。
https://w.atwiki.jp/huzitukasystem/pages/21.html
動物もしくは獣人キャラクターのみが習得できる、生身の人間では再現できない技能。 習得する経験は 人外 になる。 ■人外資質系 ●幽体:常駐: 自身への行為判定の成功値を1低下。 重複習得可能。●触角:常駐: 知覚系の妨害無効化。 ●群体:常駐: 物理ダメージをうける際、レベル+1分の一にダメージを下げる。1以下にはならない。 炎上ダメージ、範囲ダメージには効果がない。 重複習得可能。●軟体:常駐: 物理的なダメージを防御時、習得レベル分防御時ダメージを軽減する。 拳が通る程度の狭い隙間などにも入り込める。 ●大型:常駐: 「大型」を持っていない対象との筋力、耐性にまつわる判定の達成値倍化。 ●小型:常駐: 「小型」を持ってない対象との敏捷にまつわる判定の達成値を倍に。 「小型」を持ってない対象との筋力耐性にまつわる判定の達成値半分に。 ■生体武器系 アイテムと同じ効果を持つ生体組織をスキルとして身につけている。 アイテムではないので、アイテムを効果対象とするアイテムやスキル等の効果は受けない。 ただしスキル扱いなので、スキルを対象とする効果は受ける。 ●牙爪角:常駐: 素手でも生体格闘武器を装備している扱いになる。 用途は〈貫通〉〈斬撃〉〈打撃〉の中から任意で選択。 重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の格闘武器を装備すると使用できない。 ●皮鱗甲毛:常駐: 素手でもの生体防具を装備している扱いになる。 用途は〈緩衝〉〈断熱〉〈耐熱〉〈絶縁〉の中から任意で選択。 重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の防具を装備すると使用できない。 ●針毛:常駐: 素手でも用途〈貫通〉の生体射撃武器を装備している扱いになる。 重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の射撃武器を装備すると使用できない。 ●ブレス,シャウト:補助:ボディ 素手でも用途〈○○放射〉の生体射撃武器を装備している扱いになる。 ○○は 火炎放射 冷気放射 電撃放射 振動放射 の中から選択する。 同じものを重複習得可能。 習得したレベルをアイテムレベルとして扱い、効果値は持たない。 他の射撃武器を装備すると使用できない。 ■人外器官系 ●吸収:補助:対象に与えたダメージ 格闘攻撃時、与えたダメージを上限に、技能達成値分体力回復できる。●ホラー:特殊:ソウル+差分 おぞましい外観をしている。 遭遇時、対象に精神状態異常を仕掛けられる●多腕:補助:ボディ カットアクション時にメインアクションを追加でもう一度行える。 ●伸縮腕:補助:ボディ 格闘攻撃の射程を1増加。 重複習得可能。 ●触手:特殊:ボディ 対象に射撃攻撃を行い、1点でもダメージを与えたならば、対象を自身のエリアに引き寄せる。 ●飛翔:特殊:ボディ (飛行)状態になる。 ●不滅:特殊:ボディ 体力がゼロ以下で、ダメージを受けても死亡せず、仮死状態になる。 シーン終了時に達成値分回復する。体力がゼロ以上になれば回復します。 ●毒袋:補助: 習得時に指定した任意の分類薬品の消費アイテムを技能達成値分使用したことに出来る。 ●擬態:特殊:ヘッド シーン開始時、指定の姿になれる。 ●マーキング:特殊:ヘッド アイテム、オブジェクト、キャラクターに使用し、再度使用することで対象が存在するステージ、セット、エリアを特定する。 マーキング時の達成値が、追跡判定の成功値となる。 追跡判定に失敗するとマーキングは解除される。 ●金属声帯:特殊:ヘッド 聞いたことのある音を模写し、再現する。
https://w.atwiki.jp/monsters/pages/187.html
OLとシオカラトンボ 2 859 ◆93FwBoL6s.様 あれは現実の出来事だったのだろうか。 何度思い返してみても、夢だとしか思えない。だが、現実でなければこんなにも考え込まないだろう。綺麗なお姉さんに声を掛けられて連れ込まれて無理矢理、というのは童貞なら一度は考える妄想だ。実際、シオカラ自身もそれらしいことを考えたことは少なくなかったが、もちろん口に出したことはなかった。誰しもが一度は考える妄想だが、だからこそ、そんな出来事の当事者になってしまったことが信じられない。 週が明け、高校に登校しても、シオカラの単純な思考はあの夢のような出来事に支配されたままだった。あの日の夜、空の暗さと街灯の眩しさでくらくらしながら帰宅すると、両親から門限を過ぎたことを怒られた。シオカラは適当なことを言ってその場を凌ぎ、夕食を詰め込んで自室に籠もり、あの出来事を思い返した。長い腹部の外骨格には、拭き取りきれなかったほづみの体液が付着していて、それが何よりの証拠だった。だが、それでもやはり馬鹿げた妄想が具現化したとしか思えず、悶々としたまま週が明けて月曜日になった。そして、登校して授業を受けたが、いつも以上に気が逸れて身が入らず、ノートはいずれも真っ白だった。 「しーちゃーん、お昼食べよー」 机とクラスメイトの間を擦り抜けながら、弁当箱の入った巾着をぶら下げた茜が駆け寄ってきた。 「しーちゃん?」 「あ、ああ、はいっす」 シオカラは考え込んでいたせいで反応が遅れ、間を置いて茜に振り向いた。 「どうしたのよ、朝からずっとぼんやりしちゃって」 茜と共にシオカラに近付いてきた真夜も、やはり弁当箱を携えていた。 「どこか具合でも悪いの、しーちゃん?」 少し心配げな茜に、シオカラは触覚を立てた。 「いいいやいやいや、そうじゃないっすマジ平気っすから!」 「そお? 無理っぽかったら早退した方がいいよ?」 茜はシオカラを覗き込んできたので、シオカラは通学カバンを開けて弁当箱を引っ張り出した。 「いやいやマジ平気っすから、マジでマジで」 「だったら、悩み事でもあるの?」 今度は真夜が迫ってきたので、シオカラは身を引いた。 「まっ、まぁさかぁっ!」 あんなこと、言えるわけがない。シオカラがぎちぎちと顎を鳴らしていると、真夜はにんまりした。 「じゃ、占ってあげようか?」 「へあ」 シオカラがきょとんとすると、真夜はシオカラの机の上に弁当箱を置き、ポケットからカードの束を取り出した。 「オーソドックスに大アルカナでいいわね。大丈夫よ、金は取らないし、時間も手間も掛からないから」 真夜はタロットカードを手早く切って混ぜると、それを両手の間に浮かばせた。 「ほら、どれか一枚抜いて」 二十二枚のタロットカードは等間隔に浮いているが、仕掛けは一切なく、真夜の魔力だけで浮かばせていた。真夜は未熟ながら魔女としての素質を持っているので、素人目に見れば超常現象としか思えないことが出来る。魔法のことは全く解らないシオカラや茜にとっては、彼女が何をしても凄く思えるし、今でも凄いと思ってしまう。 「あ、じゃあ、これっすかね」 シオカラは真正面に浮かぶタロットカードを爪で挟んで抜くと、真夜は両手の間にタロットカードの束を戻した。シオカラはタロットカードを裏返し、絵柄を見た。だが、上下逆さまになっていたので、シオカラは首を捻って絵柄を見た。中央に輪が描かれていて、その周囲を四人の天使が囲んでおり、Wheel of Fortune、とのキャプションがあった。 「逆位置の運命の輪ね」 真夜はその絵柄を見てから、シオカラに言った。 「情勢の急激な悪化、アクシデントの到来、って意味があるわ。心当たり、ある?」 真夜に問われ、シオカラは乾いた笑いを零した。 「ふへへへへ…」 大いにある、ありすぎる。だが、言えるわけがない。シオカラは真夜の手に、タロットカードを戻した。 「当たってるっちゃ当たってるっすけど…」 「そう、だったら良かった。でも、占いは所詮占いだから、過信しすぎないでね」 真夜はカードの束をポケットに戻し、弁当箱を手にした。 「じゃ、裏庭に行きましょ。早くしないと、良い場所取られちゃう」 「うん、そうだね。真夜ちゃん、今日もアーサーさんがお弁当を作ってくれたの?」 茜がにやけると、真夜は気恥ずかしげに目線を彷徨わせた。 「そうよ。アビーさんに色々と教えてもらってから、妙に張り切っちゃって、お弁当だけじゃなくて朝も夜も作ってくれるのよ。助かるし、結構おいしいし、正直嬉しいけど…」 「あー、いいなぁー。ヤンマなんて、洗濯と掃除はするけど、料理は全然ダメなんだもん。不器用だから」 行こうしーちゃん、と茜に急かされ、シオカラはぎちりと顎を噛み合わせてから弁当箱を爪に引っ掛けた。茜と真夜の惚気を聞き流しながら、二人と連れ立って歩き、昼休みの常駐場所である裏庭へと向かった。 茜と同居している恋人は、シオカラの幼馴染みであり兄貴分として一方的に慕っているトンボ人間、ヤンマだ。ヤンマは種族の本能で縄張り意識が強く、ケンカも強いが、茜にはだらしないほど甘く、でれでれである。その反面、シオカラに対してはひどく辛辣で、意味もなくアイアンクローを喰らわされることも少なくなかった。それでも、シオカラはヤンマが好きだ。強いし、トンボの目から見ても格好良いし、なんだかんだで優しいからだ。 そして、真夜が実質的に同棲している相手は、かつては聖騎士として活躍したリビングメイル、アーサーだ。同じリビングメイルだが、アビゲイルとは少々異なる経緯でリビングメイルと化し、真夜のキスで目覚めたのだ。アビゲイルと一悶着あったが、その後はお互いに仲良くなり、今ではアビゲイルやその恋人の祐介とも友人だ。 アーサーは中世生まれの聖騎士故に気取った言動を取り、気障な言い回しを好む男だが、うっかりしている。道に迷ってしまったり、電車の乗り継ぎを間違えてしまったり、買い出しに出かけて肝心なものを忘れたり、と。聖剣エクスカリバーを携えた金色の全身鎧が、日常レベルの些細な失敗を繰り返している様は微笑ましい。ここまで失敗を繰り返してしまうと、本人も失敗しないことを諦めていて、今ではすっかり開き直ってしまった。 裏庭に向かいながら、シオカラは先程引いたタロットカードの意味と、ほづみのことを重ねて考えていた。情勢の急激な悪化。アクシデントの到来。それは、シオカラではなく、ほづみに対して起きたことではないのか。今日の夜にでも、あの緑地公園で帰宅するほづみを待ち伏せて、誠心誠意謝らなくては気が済まない。 軽率な行動を取ったシオカラにも、責任の一端があるのだから。 一日は、こんなに長いものか。 忙しなく働いていても、無意識に先週末までは彼氏だった同僚に気を向けてしまう自分に腹が立った。同僚の男はこれ見よがしに新しい女とべたべたしていて、気を向けるまいとしてもつい目に入ってしまった。一度だけ二人と目が合ったが、どちらもほづみを嘲笑っていたようにしか見えなくて、尚更腹が立ってしまった。だが、突っかかるのは子供っぽいし、今更同僚の男と寄りを戻す気もないし、奪い取るほどの価値などない。 それなのに、苛々して気が狂いそうだ。涙が出れば少しは楽かもしれないが、意地がそれを阻んでいた。予定があると言って残業を切り上げ、退社して電車に乗り、家路を辿りながら、ほづみは足元を見つめていた。本当に予定があれば苛立ちも紛れたかもしれないが、何もない。だからこそ、どうでもいいことで悩んでしまう。いい加減に振り切りたいのに、どうしても振り切れなくて考えてしまって、そんな自分にますます苛立ってくる。友人に愚痴を零せたら楽になれるかもしれないが、こういう時に限って友人達の予定は空いていなかった。 緑地公園に差し掛かると、ほづみは足を止めた。先週末のように、シオカラがいることを期待してしまった。だが、いるはずもない。第一、トンボは夜行性ではないし、あれはほづみが強引に誘ってしまっただけなのだ。彼からしてみれば、とんでもなく非常識な女に過ぎず、普通の神経なら二度と顔を合わせたくないと思うだろう。 「…ばっかじゃないの」 自嘲したほづみは、緑地公園から顔を背けた。 「おねえさほごあぁっ!?」 唐突に公園の敷地内から奇声が聞こえ、ほづみはぎょっとして振り向いた。 「…え」 「マジ痛ぇー、てかやっぱり夜はマジヤバいし…」 声の主を辿ると、緑地公園の敷地内で、見覚えのあるトンボ人間が倒れ伏していた。 「あんた、大丈夫?」 敷地内に入ったほづみがシオカラに歩み寄ると、シオカラは複眼をさすりながら身を起こした。 「まー、なんとか…。暗くてマジ足元見えねー…」 「ていうか、なんであんたがここにいるのよ? 家の方向、違うでしょ?」 「なんてーか、ケジメっつーか、そういうやつっす」 シオカラはぎちぎちと顎を鳴らしながら立ち上がると、ほづみに頭を下げた。 「この間はマジすんませんっしたぁ!」 「…何が?」 「つか、あのことは、俺っちもマジ悪かったっすから」 「悪いのは私、あんたは完全な被害者よ」 ほづみがシオカラを見上げると、シオカラは捲し立ててきた。 「いやいやいや、俺っちの意志がマジ弱かったからっす! てか、断れば良かったんす! あれからずっと考えてみたんすけど、やっぱ、ああいうのマジダメっすね! いや、嬉しかったっすけど! でも、ほら、なんつーか、こう!」 「何が言いたいのよ」 「えーと…なんだっけ」 シオカラは口調を弱め、首を捻ったので、ほづみはなんだか可笑しくなった。 「言いたいことをまとめてから話しかけなさいよ」 「すんません」 シオカラは不甲斐なくなり、四枚の羽を下げた。 「つか、マジ俺っちってダメっすね」 「いいわよ、本当にあんたは悪くないんだし」 ほづみは必死になりすぎて空回りするシオカラを見ていると、張り詰めていた気が少し緩んだ。 「悪いのは私なんだから。あんたには何の関係もないのに、苛々して、八つ当たりしたかっただけなのよ。だから、この前のことは全部忘れて。今、私と会ったことも綺麗さっぱり忘れて、最初から何もなかったことにしなさい」 「へ?」 シオカラがきょとんとして顎を開いたので、ほづみは身を翻した。 「だから、あんたもさっさと家に帰りなさい。また門限に遅れちゃうわよ」 「でも、あの…」 「何よ」 「つか、お姉さん、なんでそんなに苛々してんすか? そんなに嫌なことでもあったんすか?」 「大人になると、色々あるのよ」 「俺っち、マジ役に立たないっすけど、でも、なんか出来ることないっすか?」 「別に」 これ以上、無関係なシオカラに甘えてどうする。ほづみが目を伏せると、シオカラは言葉を続けた。 「でも、なんか、お姉さん、マジ辛そうなんす! てか、なんかこう、マジヤバげっつーかで!」 「…あんたに何が解るってのよ!」 その言葉が嬉しいと思ってしまった自分にこの上なく苛立ち、ほづみはシオカラに喚いた。 「初めてちゃんと結婚したいって思えた相手だったから、だから仕事も恋も精一杯頑張ろうって思ったのに、それなのに、なんであんなクズ女に全部壊されなきゃいけないの!? どうして浮気されなきゃならないの!?私が何か悪いことしたの!? それとも、あっちが本命で私が遊びだったっての!? 冗談じゃないわよ!」 ほづみは大股に歩いてシオカラに詰め寄ると、怒りに任せてその外骨格に拳を叩き付けた。 「あんたなんて、何の代わりにもなりゃしないのよ! そりゃ、あの時は気が紛れたけど、あんたなんかじゃダメ! 虫だし、ガキだし、馬鹿だし! とっとと家に帰りなさいよ! これ以上私に殴られないうちにね!」 声が嗄れるほど張り上げたほづみは、肩で息をしながら、目元から次々に溢れ出してくる熱い体液に気付いた。喚き散らして、感情が高ぶりすぎたからだろう。目元を拭いかけたが、マスカラが取れてしまうと踏み止まった。 シオカラの外骨格は予想以上に強固で、ほづみの拳では傷も付かず、ほづみの右腕の方がひどく痺れていた。ほづみは泣いていることを知られたくなくて、顔を伏せたまま拳を下げると、シオカラはきちきちきちと顎を擦らせた。 「俺っちで良かったら、殴っても構わないっすよ。俺っちは痛くないし、てか、兄貴のアイアンクローの方が痛いっすから」 「変な気を遣わないでよ」 「昼間だったら、ぱーっと空でも飛び回るんすけどねー」 「…それはちょっと楽しそうかも」 ほづみが小声で呟くと、シオカラは笑った。 「あ、じゃあ、昼間にでも」 「馬鹿じゃないの」 「へ?」 シオカラが首を傾げたので、ほづみは涙に潤んだ目でシオカラを見上げた。 「だから、私はあんたにそこまでされる理由がないのよ、理由が。ちったぁ被害者らしくしなさいよ」 「らしく、って、言われてもなぁ…」 シオカラはきりきりと顎を浅く擦っていたが、ほづみを見下ろした。 「やっぱマジ無理っす、すんません。てか、ぶっちゃけ、お姉さんのこと、マジ放っておけないっす」 「あんたの友達と同じアパートに住んでるかもしれないけど、私とあんたは他人でしょうが」 「でも、こんなに長話したんすから、他人じゃないんじゃないっすか?」 「屁理屈こねないでよ」 出来る限り強く言い返したが、ほづみはまた涙が滲み出してきた。今すぐに、縋り付いて泣いてしまいたい。堪えてきたことを全てぶちまけて、慰めてもらいたい。支えてもらいたい。けれど、シオカラは年下で他人なのだ。友人や恋人ならまだしも、強引に交わっただけの相手だ。そこまでしてしまうのは、ほづみのプライドが許さない。だが、一度涙が出てしまうと、抑えが効かなくなっていたのか、ほづみは化粧が落ちるのも構わずに泣き出した。 ほづみの異変に気付いたシオカラは、慌ててほづみに駆け寄って、どうしたんすか、としきりに声を掛けてきた。その優しさが嬉しいのに、声が詰まって言葉にならないほづみは、シオカラに肩を支えられながら泣きじゃくった。 情けなかったが、止められなかった。 腕時計を見ると、小一時間過ぎていた。 ほづみはシオカラが買ってきてくれたレモンティーで嗄れた喉を潤しながら、年下に甘えた事実に恥じ入った。どれだけ化粧が崩れたのか知るのが怖いので、手鏡を取り出すこともなく、ほづみはレモンティーを流し込んだ。ほづみの隣に座るシオカラも、一緒に買ってきた缶ジュースを飲んでいるが、こちらは昆虫人間用のものだった。シオカラが街灯がダメだと言うことはほづみも理解していたので、二人は敢えて街灯のないベンチに座っていた。彼の水色の外骨格には、ほづみが流したマスカラ混じりの涙が何滴も散らばっていて、黒い染みを作っていた。 「ごめん」 ほづみが謝ると、シオカラは空き缶を顎から外し、振り向いた。 「なんでお姉さんが謝るんすか?」 「だって…」 ほづみが言葉を濁すと、シオカラは空き缶をくしゃりと爪で握り潰した。 「けど、これでスッキリしたんじゃないっすか?」 「まあね」 ほづみは三分の一程度中身が残った缶を回し、たぽんと揺らした。 「この前も今日も、迷惑掛けちゃってごめん。だから、本当に私のことは」 「忘れられるわけないじゃないっすか!」 ほづみの言葉を遮り、シオカラは強く言った。 「てか、あんな初体験させられて、忘れろって方がマジ無理っすから!」 「そうかもしれないけど、でも」 「えっと、んで、良かったら、なんすけど」 シオカラは急に語気を弱めると、ほづみを見つめてきた。 「俺っち、また、お姉さんちに行ってもいいっすよ?」 「またヤりたいの?」 ほづみが少し笑うと、シオカラは慌てふためいた。 「いやいやいやいや! てか、そういうんじゃなくて、えっと、兄貴と茜んちでもあるっすから、てか、話し相手とかマジそういうレベルでいいっすから! ていうか、マジサーセン!」 「じゃ、ヤらなくてもいいんだ」 ほづみが唇の端を持ち上げると、シオカラはしどろもどろになった。 「てか、それは、うぅ…」 「したいならしたいって言いなさいよ、高校生」 「そうホイホイ言えたら苦労しないっすよ、誰も…」 シオカラが触覚を下げたので、ほづみはその表情の窺いづらい横顔を見、込み上がってくる笑いを堪えた。先週末に体を交えた時は、虫なのに、と思っていたが、今は彼が昆虫人間であることが気にならなくなっていた。感情豊かで人間と遜色がないどころか、可愛げがある。口調と態度は軽いが、真面目で優しい少年なのだろう。それを知ってしまうと、尚更迷惑を掛けたことが心苦しくなった。ほづみは少し迷ったが、声色を落として言った。 「…いいわよ」 「へ」 「どうせ、ここなら誰にも見られないし、見えないだろうし。けど、手っ取り早く終わらせなさいよね」 「え、て、てか、それは」 「前のは八つ当たりだけど、今度のは御礼だから」 ほづみは飲みかけのレモンティーをベンチに置くと、シオカラの肩に手を触れた。 「えと、マジ、いいんすか?」 シオカラが触覚を揺らしたので、ほづみは照れ隠しに目を逸らした。 「いいから言ってんじゃないのよ」 シワになったり、トンボの鋭い爪で切り裂かれてしまっては困るので、ジャケットを脱いでバッグに被せた。シオカラは若干躊躇っていたようだが、ぎぢっと顎を擦り合わせてから、ブラウス姿のほづみに近付いてきた。 「んじゃ、また、よろしくお願いするっす」 「こちらこそ」 ほづみはシオカラの大きな複眼が付いた頭部に触れ、少しだけ腰を浮かせると、頑強な顎に顔を寄せた。シオカラは顎を開いて舌を出し、ぬるりとほづみの唇を舐めると、少し冷たい舌先を隙間に滑り込ませてきた。ほづみは顎を緩めてシオカラの舌を受け入れると、その舌を甘噛みし、痛みを与えない程度に吸ってやった。やはりまだ慣れていないのか、シオカラはびくりとしたが、舌を引き抜かずにほづみにされるがままになった。 ほづみの口中で、自身の生温い唾液とシオカラの冷ややかな唾液が混じり合い、唇の端から一筋溢れた。顎を伝った粘ついた雫は、ブラウスの襟元に染みた。ほづみが彼の舌を解放すると、シオカラは顎を閉じた。 「なんか、いきなり凄いっすね」 「手っ取り早く、って言ったでしょうが」 ほづみがシオカラの長い腹部に手を伸ばそうとすると、シオカラはほづみを押し止めた。 「あの、お姉さん」 「あんたのは濡れないんだから、濡らしておかないと」 「今日は、俺っちがお姉さんを触ってもいいっすか?」 緊張で声を裏返しながらも、シオカラが言い切った。微笑ましいと思ったほづみは、手を下げた。 「いいわよ。でも、傷は付けないでよね。ブラウスにも、私の肌にも」 「りょ、了解っす」 シオカラは大きく頷き、ほづみのブラウスに爪を掛けたが、爪先ではなかなか上手くボタンが外れない。手伝おうとしたが、シオカラがあまりにも一生懸命なので、結局は何もせずに危なっかしい手付きを見守った。ボタンの上半分を外すだけでも時間が掛かってしまったので、全部脱がすことはせずに、上を大きく広げた。ブラジャーに包まれた大きい乳房と肩が露出すると、シオカラは上右足の爪を伸ばし、柔らかく握った。 むにゅり、と頼りない感触が爪に伝わり、薄い肌と脂肪が食い込んできて、簡単に切り裂けそうだった。出来るだけ傷を与えないように爪を横たえ、力を抜いて握ると、爪の間から飛び出た乳首が尖り始めた。それを爪の背で潰すと、ほづみが零していた吐息が変化し、鼻に掛かった喘ぎが混じるようになった。 「ここ、弱いんすか?」 シオカラが問うと、ほづみは羞恥を滲ませた。 「当たり前、でしょ」 白く滑らかな肌に傷跡を残さないように気を遣いつつも、シオカラは彼女の大きな乳房を弄んだ。服を着ているとあまり大きくは見えないが、脱がしてしまうと、茜よりも真夜よりも大きいのだと解った。乳房を持ち上げると爪全体に重みが訪れ、落とすとたぷんと揺れ、触っていない方の乳首も尖ってきた。空いている中左足で同じように触れると、ほづみの零す喘ぎが高まり、シオカラの上両足を掴んできた。 「ん、ふぁ…ぁ、うぁ…」 場所が場所だけに懸命に声を殺すほづみに、シオカラは顎を開いて首筋に顔を埋めた。 「お姉さん、なんか匂いが変わったっすよ」 「や、何言ってんの…。そんなの、解るわけ、ないじゃない」 「虫っすから、解るんすよ。なんつーか、マジエロい匂いっす」 「馬鹿ぁっ」 ほづみはシオカラを押し返そうとするが、力では到底勝てず、シオカラは伸ばした舌を首筋に絡めた。 「マジ良い匂いっす、てか、マジヤバいし」 「んぁあっ」 肌の薄い首筋をぬるりと這った舌の感触に、ほづみは堪えきれなかった声を漏らした。 「下も、触っていいっすよね? てか、こっちの方が匂いが凄いっす」 シオカラの爪がタイトスカートの下に入り、ストッキングに覆われた下着の上から触ってきた。 「く…ぅ、ぁ…はぁ…あ…」 拙いながらも刺激の強い愛撫と野外という状況に煽られていたためか、自分でも解るほどに潤っていた。シオカラの硬い爪が充血した肉芽を押し込み、ほづみは思わず声を上げかけたが、唇を噛んで押し殺した。 「んふ、あぁ…」 びぢびぢっ、とタイトスカートの中から異音が聞こえ、シオカラの爪先がストッキングを破いたのだと知った。下着のクロッチも横にずらされ、熱く湿った陰部を外気が舐め、背筋が逆立ちそうなほどの感覚に襲われた。触らなくても解るほど、出来上がっている。ほづみはシオカラの肩に縋り、呼吸を整えてから、小さく呟いた。 「入れて」 「言われなくても、入れるっすよ。てか、マジ限界っす」 すんません、と付け加えながら、腰を浮かせて長い腹部を前に出したシオカラは、生殖器官を押し出した。それを一息にほづみの陰部に突き立ててやると、ほづみは噛み締めていた唇を緩めて、悩ましく喘いだ。 「あ、あぁっ」 ぐじゅり、と粘ついた水音が上がり、破れたストッキングを湿らせた。 「じゃ、じゃあ、動くっすからね」 ほづみを抱き寄せて膝の上に載せたシオカラは、前回のほづみの痴態を思い出しながら腹部を動かした。昆虫人間に比べれば熱い胎内から彼女の体温が染み入り、高揚を誘い、肌に喰らい付いてしまいたくなる。生殖器官を伝って滴る愛液から立ち上る女の匂いが触覚を刺激し、押し当てられた大きな乳房が潰れている。そのどれもが扇情を促し、シオカラは辺りの暗さのせいでよく見えない複眼をほづみの乱れた髪に当てた。 訳もなく、彼女を愛おしいと思ってしまった。一回りは年上で、先日まで面識もなかった相手だというのに。確かに美人で、肉感的で、スタイルも良くて、セックスの相手としては申し分ないが、飛躍しすぎではないか。大体、シオカラはほづみの感情の捌け口として選ばれただけであり、それ以上でもそれ以下でもないのだから。ほづみの恋人でもないのに、何を考えているんだ。けれど、一度感じた感情はそう簡単には振り切れなかった。 一際強く奥に押し込み、ぐんと生殖器官で最深部を突き上げると、ほづみはシオカラに縋る手に力を込めた。いつのまにかシオカラの腰に絡み付いていたしなやかな足が痙攣し、ほづみはシオカラの肩に顔を埋めた。 「やっぱり、あんた、良いわ…」 はあ、と達した余韻を抜くようにため息を吐いたほづみは、足を解いて腰を上げ、ずちゅりと陰部から引き抜いた。 「でも、これでもう終わり。これ以上、あんたのこと、利用したくないもの」 「あ、じゃあ、こうしたらどうっすか?」 シオカラは乱れた髪を直すほづみを見つつ、提案した。ダメ元だが、言わないよりはマシだ。 「今度、デートしないっすか?」 「何よそれ」 「や、だから、付き合えばいいと思うんすよ。そしたら、何度ヤッても問題ないっつーかで」 「そうねぇ…」 ほづみは飲みかけのレモンティーを呷ってから、返した。 「いいわ、考えておいてあげる。だから、あんたのアドレス、教えて」 「あ…はいっす」 シオカラはほづみの好意的な答えに驚いたが、携帯電話を取り出した。 「んでは、赤外線通信で」 ほづみもバッグから携帯電話を取り出し、シオカラの携帯電話に向けて、送信されてきたアドレスを受信した。アドレス帳に登録されたことを確認してから、携帯電話を閉じたほづみは、少し休んだ後にシオカラと別れた。再会した時は劇的だったが、別れは特別な言葉など交わさず、火照りの残る体でアパートを目指して歩いた。 こんなことをして、良かったのか。体を許したのも、単純に寂しさをシオカラで埋めたかっただけではないか。泣き付いて、誘って、挙げ句にアドレスまで手に入れた。深みに填るまいと思ったのに、ずるずると沈んでいく。自分が辛いからと言って、他人に甘えるにしても程がある。だが、一人ではない安心感には勝てそうにない。 この分だと、デートもしてしまうだろう。 ←・→ タグ … !859◆93FwBoL6s. *人外アパート
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/6282.html
個別タグ一覧>属性>人外 作品をすべて表示 272枚 2013-1-25 01 02 プーモ カーバンクル にせばんくる マッドハリケーン 瓠丸 うるおいちゃん しずくちゃん はなたれ君 はなぢ君 みるみるちゃん アラクネ タオカカ テイガー(TR-0009) シフォン タルト こぬりちゃん ペプシツイストマン ペプシマン01 ペプシマン02 ニャルラトホテプ キルリア01 キルリア02 キルリア03 サーナイト スボミー ソーナンス ピカチュウ ラルトス ロズレイド カービィ ゼロ マルク通常形態 ニャミ ドーマムゥ ドナルド・マクドナルド アリスのカボちゃん グレイス ブーモリ ローズのカボちゃん クラウド メタビー もじくん01 もじくん02 もじちゃん01 もじちゃん02 A・アワモリ A・オリゼー A・カワチ A・ソーエ A・ニガー オリゼー アイルー 邪神アバター ファラオ ゆっくり合体 ゆっくり魔理沙 ゆっくり霊夢 ヨコハマタイヤ アザゼル篤史 コロン チャロ コブン 01 02