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「涼宮ハルヒの鬱憤」の続編です。 狼が牙を研がせる襖から 蕾み開いた蓮の花。 散っては散っては夢の中。 暴れる時の移ろいは もはや誰にも止められぬ――― 先週までのハロウィン調査(正確にはパーティー)も当たり前の事だが、 特に成果もなく一旦中止となり、俺は期末テストに向けて部室で 鬼教官・ハルヒの超スパルタ教育を受けている。 「ハルヒ。お前、その竹刀どこから持ってきたんだ?」 「つべこべ言わずに覚える!」 鼻先に突きつけられた竹刀に怯みながら俺はようやく ハルヒの鋭い剣筋を教科書で受け止める反射神経を身に付けたようだ。 今日は日本史。 俺の最も苦手な教科の一つだ。 「日本史は覚えようと思っても頭に入ってこないんだよな。 教科書の文字が漢字ばっかりで…。 大体、試験範囲は幕末、明治維新だけって言ったってこの時代の奴ら、 色んな面倒事を起こし過ぎだ。」 「覚えられないのはあんたに気合いと根性と脳みそが足りないだけ!」 くそっ…反論の余地無し…。 目の前にいる古泉はニヤニヤしながらお茶を飲んでいる。 「しばらく一緒にゲームが出来ないのが実に残念です。」 勉強しなくても余裕と言った古泉の佇まいが許せない。 神様はなんて不公平なんだ。いや、神様はハルヒだからえ~と…? 「はい、今から10分の休憩を入れるわ。」 最初で最後の休憩時間。 「キョン!はい、これ。」 手渡されたのはカカオ99%の苦~いチョコと緑茶。 ハルヒは「チョコと緑茶は記憶力を良くしてくれるの!」と言っていたが、 俺は胸焼けを起こして集中力を刈り取られそうだ…。 朝比奈さんの入れてくれるお茶が恋しい…。 長門はいつものように読書をしている。 まぁ、こいつに試験勉強は必要無いだろう。 「今回は何を読んでるんだ?長門。」 長門はそっと本を上げて表紙をこちらに向けた。 しまざき…ふじむら?なんで名字が2つ並んでるんだ? 「ほぅ…島崎藤村の『夜明け前』ですか。」 良かった…口に出さなくて…。 「キョン、どうせあんたの事だから『どっちが名字だ?』とか思ったんでしょ?」 そういう勘は本当に鋭いな、ハルヒ。 苦いチョコを緑茶で流し込もうとしたその時、部室の扉が開き、 最近またグッとセックスィ~さを増したSOS団のプレイメイツッ!!こと、 朝比奈さんのご登場だ。 「こんにちは。新しいお茶の葉も見つけたんで皆にも、と思って。 だから今日はここでお勉強しようかなって。」 と、何故かメイド服を手に取る朝比奈さん。何故!? 朝比奈さんが「今日は珍しいお茶の葉が手に入ったんです~。」と 入れてくれたのは蓮(はす)の花茶という最高級品らしく、 なんでも舟で池に咲いてる蓮の花の蕾みを一つずつ摘んで作るものらしい。 う~ん、フローラルな香り…。 さっきまで「歴史っていうのは流れで覚えるの!」と 解説用のノートを竹刀で差しながら叫んでいたハルヒは 俺が黙々と教科書に向かっているのをジーッと見ていたか思うと 夕陽の暖かさに耐えられなかったのか頬杖を付きながら ちょっと遅めのお昼寝タイムに入っていた。 俺もさっきの蓮の花茶の香りに当てられたのか眠くなってきた…。 「ここでサボったら後で涼宮さんに何をされるか分かりませんよ。」 俺の心を見透かしたように古泉はニヤついていた。 分かってるよ…俺もハルヒに竹刀でぶっ叩かれるのはごめんだ…。 その時、部室内がフッと暗くなったので窓の外に目をやると さっきまでの夕陽が消え、灰色の空間が押し迫ってきていた。 「古泉、これは…」 古泉に目をやるとさっきまでのニヤケ顔と違い、真顔で驚いたような表情をしていた。 「閉鎖空間のようですね。しかし、涼宮さんは眠り込んでおいでのようですが…」 と、古泉が喋り終わらないうちに眩しい光が部室を包んだかと思うと、 俺は気絶しそうな目眩に襲われた。 業火に焼かれる月の都の闇の中。 踊る金魚は池の中。 降り注ぐ血の色煙る雨の音。 想う心は一つでもあちらこちらと相容れぬ――― 「ぐおっ!!」 なんか思いっきり腹を踏まれた。痛い…。 「おめぇ何者じゃ?妙な格好しおってからに。」 何だ?ここはどこだ?あれ?谷口???ハルヒ達はどこ行った? 「何しやがんだ?谷口。大体、お前こそ変な格好しやがって…」 「お前、何故わ、わ、わしの名を?怪しい奴じゃ!どこのもんか知らんが、 毛唐みたいな服着よってからに不届千万!攘夷じゃ!この奸賊めが!」 はぁ?と思う間もなく、この着物とちょんまげ姿の谷口は でっかい刃物を取り出し、俺の鼻先に突きつけてきた。 朝倉の時といい、今といい、俺は先端恐怖症にでもなってしまいそうだ…。 冷や汗が背中を伝う、まさにその時だった。 「いたぞ!!こっちだ!!」 と、何人もの集団が大声を出しながらこちらに向かってくる。 「しもうた…。」 一言呟いてちょんまげ谷口は刀を納め、逃げ出していた。 「おい!待てよ!」 俺はとりあえずこの場の空気を読んでちょんまげ谷口と一緒に走っていた。 「お、お前!何故ついてくるんじゃ!?」 「うるせぇ!とりあえず逃げとけみたいな流れだったからだ!」 狭い路地裏に飛び込み、弁慶と牛若丸が出てきそうな橋を渡り、 寺の境内を抜け、走り続けているとそこは昔、修学旅行で行った 太秦映画村のセットのような屋敷の裏門だった。 「くそっ!袋小路か…お前のせいじゃぞ、毛唐!」 表の大通りから声が聞こえてくる。 どうやら相当な人数が追い掛けてきているようだ。 お前は一体、何をやらかしたんだ?谷口。 と、その時、屋敷の通用門が開くと俺と谷口は襟首を掴まれて引きずり込まれた。 これは一体、何の冗談なのでしょうか? まぁ、百歩譲って長門有希と朝比奈みくるに挟まれているのはまだ理解出来ます。 しかし……何故、僕らはちょんまげを付けて妙なはっぴを着た連中に 大人数で囲まれているのでしょうか? 「お前ら、何者だ!?」 それはこちらの台詞ですよ。 「いきなり目の前に現れよって!妙な格好をしている所を見ると毛唐か?」 「この人達は一体、何なんですか~!?」 会話が噛み合ってませんね。この方達が何者なのか僕が知りたい所です。 「…新撰組。」 おやおや? 「日本において残存する歴史的資料のデータと彼らの姿形が一致している。 理由はわからないが、今は彼らが新撰組だと認識するのが妥当。」 「ふぅ~…理由はわかりませんし、信じたくもありませんが、 確かに彼らは新撰組としか見えない格好をしていらっしゃいますね。」 「そして彼らはこちらを敵性と判断している。」 「キョンくんと涼宮さんはどこにいるんでしょうか~?」 「まずはこの場を切り抜けるのが先決。その後、2人の捜索を開始する。 2人の存在も微弱ながら感知出来る。」 「長門さん、どうやらここでは僕の能力が僅かながらですが、発揮出来るようです。 何故かはわかりませんが、少々お力添えは出来そうです。」 「…助かる。」 「先程から何をごちゃごちゃと!!」 キラリと光ったと思うと四方八方から刃が切り込んできた。 「私が障壁を作る。攻撃はあなたに任せる。 ただし、殺さない程度に力を抑えて。」 「分かっていますよ!」 障壁に雷のような電気が走ったと同時に逃げ道を作る為、攻勢に転じた。 「さぁ、長門さん、朝比奈さん。この爆発の煙幕に紛れて逃げましょう。」 この山、登りゃ何見える? あの谷、降りりゃどこへ行く? 誰にも分からぬ獣道。 草をかき分け、野を抜けて道なき道をただひたすら――― 「不逞浪士に逃げられただと?馬鹿野郎!」 屯所内に怒号が響く。 「すみません…しかし、一緒にいたのが妙な格好をした奴でして 西洋人だと思うのですが何故、攘夷浪士が毛唐共と話をしていたのか? 何か繋がりでもあるのかと思いまして…」 その時、外の廊下から誰かが走ってくる足音が聞こえた。 「副長!副長はおられますか?」 激しく襖が開くと一人の小柄な美男子が立っていた。 彼は八番隊組長・藤堂平助。 北辰一刀流の使い手で常に闘いを一番手で先んじる所から 隊士達の間では『魁(さきがけ)先生』と呼ばれている。 「うるせぇな。今度はなんだ?」 不機嫌な顔と鋭い眼光を藤堂に向けながら目の前に座っている男は答える。 この周囲を沈黙せしめる威圧感と凄みを振りまいている男こそ、 京の攘夷浪士から新撰組隊士までをも震え上がらせる 新撰組・鬼の副長、土方歳三その人である。 「それが副長。先程、三条大橋の辺りで 毛唐みたいな妙な格好をした3人組を見つけやして…。 連行しようとしたところ、抵抗していざこざになりそうな時に それがまた奴ら、天狗みたいに不思議な術を使いやがるんでさ。 突然、目の前に現れたかと思うと、火の玉出したり、雷が落ちたみたいに 影も形もなくなって消えちまったり…。 あいつらは天狗みたいな鼻してると聞いた事がありますが、 本当に天狗みたいな妖術を使いやがるんですね。」 副長は溜息を付いてやれやれ…という顔をしながら 「お前もまたそんな訳の分からん報告を入れんのか、と言いたい所だが、 さっきの島田の話と合わせると攘夷浪士達が何らかの理由で方針を変えたのか、 その妙な格好をした西洋人共と何らかの繋がりがありそうな雰囲気だな。 この前の桝屋古高俊太郎への取り調べや山崎の報告から 今はこの京に不逞浪士が多数、潜伏し、何かを企てているらしい。 浪士と毛唐が手を組むなんざ考えられんし、考えたくもないが…。 ちっ…。ったく、面倒臭ぇ。 そいつらも浪士共と一緒にふん捕まえて縛り上げるか、叩っ斬るか、 徹底的にやらねぇといけねぇみたいだな。」 風もなく、太陽がギラギラと輝いている。 メイド服を冬用に衣替えしていたのでとても暑いです。 3人でなんとか狭い路地の片隅に身を潜める事が出来ました。 「情報統合思念体とのコンタクトに成功。 私の持つデータと情報統合思念体の持つデータの間に生じている齟齬は改善された。 侵入コードを解析…。 やはり時間と空間の位相がずれている。 現在の日付は地球時間に換算して、1864年7月7日。 空間座標は京都。 涼宮ハルヒの力により何らかの原因で、 5人がこの時空間に転送されたと考えるのが妥当。」 その言葉を聞き、私は自分でも驚くような大声を出しました。 「そんなはずありません!」 古泉君にシッと声を沈めるように促されながら、2人に説明しました。 「そんなはずありません…。涼宮さんが原因となった時間震動により 時間平面同士の間に大きな時間の断層が出来ているはずです。 私達がいたあの時間より4年以上過去には行けない状態だったはずです!」 そう、そんな過去には行けない。これはもう何回も確認されている事。 「でも、これは事実。恐らく、涼宮ハルヒの力により その時間の断層を飛び越えて転送されたと考えるべき。 元の時間平面上に戻るには…」 「…涼宮さんの力が必要と言う訳ですね。」 「…そう。」 「と言う事はまずはやはりあの2人の捜索が肝要。」 「…そう。」 「原因の究明はその後ですね。」 「あんちゃん達!」 急な背後からの声に3人の動きが止まった。 くそっ…今日は踏んだり蹴ったりの厄日だ。 俺は上に乗っかった谷口をはね除けて、服に付いた泥を払った。 「おい谷口。さっきから言おうと思ってたんだが、お前、袴の帯、解けてるぞ。」 「えっ!?くそっ!お前のせいで今日は踏んだり蹴ったりの厄日じゃ!」 その時、ふと横目にちらりと入ったものに気を取られた。 ポニーテール……ハルヒ!? しかし、目の前に立っていたのはハルヒと同じくらいの眩しい笑顔をした大男だった。 「おまんら、さっきから大騒ぎし過ぎじゃきに。ちくっと大人しゅう出来んかえ。」 あれ?この人ついさっき、どっかで見たような…。 「行ったようじゃの…。しっかし、おまんら…新撰組相手に何やらかしたんじゃ?」 し…新撰組? 「あんな大人数に追い掛け回されるっちゃよっぽどの極悪人かいのぉ~?」 言葉とは裏腹にこの状況を楽しんでいるかのような笑顔をしている。 「き、貴様こそ何者じゃ!?」 谷口は虚勢を張ったが、目の前の大男に威圧され、逃げ腰になっている。 「おんや?おまん、長州の桂んとこに、よう出入りしちょう谷口じゃなかか?」 「か、か、桂さんを呼び捨てとは何たる無礼者!!」 「まっ、ええわ!ところでおまん…」 大男の鋭い眼光に睨まれて俺は少し怯んだ。 「変な格好しちょるのぉ~!ひょっとして、こんが西洋のジャケッツっちゅう着物かい? あ!エゲレス人には英語しか通じんかの?あぁ~…アーユージャケッツ?」 あ…いえ…日本語で大丈夫ですから…。 むしろ、日本語しか通じませんから。 それに「あなたはジャケットですか?」ってどういう意味ですか? 「いっや~!あんちゃん達のさっきのアレ、めがっさ凄かったにょろ!!」 聞き覚えのある声に見覚えのある顔。 ただその人は着物姿で、こちらを好奇心いっぱいの目で見つめていた。 「鶴屋さん!?」 3人は何故、ここに?と思ったに違いない。 「あっれ~?あんちゃん達、うちの事知ってんのかいっ!?」 彼女はニコニコと微笑んでいる。 「…彼女はこの時代の有機生命体。恐らくは私達の時代にいる彼女の祖先。」 なるほど…あのハイテンションは遺伝だったんですね。 「3人だけでごにょごにょ内緒話とは聞き捨てならないさっ! 何で新撰組に追われてたんだいっ!? そんな悪そうな人達には見えないっけどな~! まっ!こうして会ったのも何かの縁さっ! うちに来なよ!あんちゃん達みたいな変わった人達は大歓迎にょろ!」 3人は顔を合わせた。 「ほらっ!早くっ!そんなとこに突っ立ててまた見つかっても知んないよっ! 大丈夫っ!ここらへん一帯はうちの庭みたいなもんさっ!」 3人の背中を押しながら鶴屋さんはずんずん進んで行く。 「ところであんちゃん達のあの雷や火の玉みたいなのってうちにも出せるのかいっ!?」 「…それは不可能。」 「そっかい!あんなの出せたらやりたい放題にょろ?」 何をやりたい放題なんですか? 煩悩は花の種。 人の心に咲く花は悩みの種から芽を吹いて 育つは人煩いの涙の雨と笑うお天道様の声。 煩悩を捨ててはつまらぬ人生。 時は移ろい全てのものは変化する。 それが諸行無常と言うならば、 我を捨て空に達しては開いた悟りも過去のもの――― 「いやっはっはっ!!すまんぜよ! まっさか、言葉の通じるエゲレス人がおるとは思わんかったきに!」 いや、だから…なんか、つっこむのも面倒臭くなってきた…。 「おい!お前、何者じゃ!桂さんやわしの事まで知っとるとは看過出来ん!」 大声を張り上げながら谷口は刀の鍔に手を掛けていた。 「おまん、何をいきっとるんじゃ?わしは…」 谷口は刀を抜き、俺達に剣先を突きつけてきた。 「やめとき…。おまんの腕じゃわしには勝てんぜよ。」 2人は世界を止めたように静かに睨み合っている。 その一瞬、火花が散ったかと思うと、 谷口は転がされ逆に鼻先に剣を突きつけられていた。 「の?言うたじゃろ?」 刀を納めると彼はまた太陽のようにニカッと笑い、 「さぁ~て、おまんら変な奴らじゃきに、ちくっとわしについてこい。 な~に、悪いようにはせんて。」 俺はこういうマイペースな人に巻き込まれてしまう性分なんだろうか? この日、土方歳三は苛立っていた。 「場所は祇園にある実成院という寺の門前にある会所。 隊の羽織から防具に至るまでなるべく全て今日中に運び込んでおけ。 目に付かないよう一遍にではなく、いくつかに分けてな。」 そのように屯所内を動かしながら三条通付近に隈無く探索方の配置を徹底していた。 日の暑さと相まって精神的にピリピリしているだろう。 なにせ京は盆地の為、風が無い。 「少しでも多くの報せが欲しいが…しかし、妙な毛唐共とは一体、何者なんだ?」 庭で子供の笑い声が聞こえる。また、あいつか…。 縁側に出ると子供達に混じって少し猫背の男が大はしゃぎしていた。 「おい、何やってやがる?」 猫背の男がボーッとした顔でこちらを振り返ってきた。 子供達は雀のように飛び散っていった。 「あ~ぁ…土方さんがそんな鬼のようなしかめっ面で出てくるから 皆、怖がって逃げちゃいましたよ。」 ニヤニヤと笑いながらゆるりとこちらに歩いてきた。 気が抜けて隙だらけのようにも見えるが、底を読ませない怖さがある。 「俺も気が張ってんだ。少し気を落ち着けたいんで碁に付き合ってくれんか?」 「良いですよ。ところで先生は?」 「ここでは先生ではなく、局長と呼べ。近藤さんは会津の藩邸だ。ところでな、 探索に出していた島田と巡回中の藤堂から入った報告なんだが、 何でも三条近くで妙な毛唐共が攘夷浪士共と一緒にウロウロしていたらしい。 何の因果か知らんが、もし毛唐と不逞浪士が手を組むなんて事になったら一大事だ。 しかもそいつら、変な火の玉や雷を出すんだとよ。」 「土方さん、熱でもあるんですか?」 「真面目に聞け、馬鹿。」 「フフ…じゃあ、斬っちゃえば良いんじゃない?」 「無茶言うな。」 この時代、幕府は開国させられただけでなく、外国と不平等ながら条約を結んでいた。 いわば攘夷運動はゲリラ的なテロ活動である。 京都守護職である会津藩の預かり、新撰組も外国人の横柄な態度を すんなり受け入れている訳ではないが、立場上、外国人を斬りつけるような 行動は取れない組織である。 ただ、この2人が話している怪しい奴らは宇宙人、未来人、超能力者であるのだが…。 「あぁ~!駄目だ。総司、俺はちょっと散歩してくる。」 「いってらっしゃい。」 碁の相手をしていたこの飄々とした男。 新撰組の中でも一、二の使い手と言われた一番隊組長・沖田総司である。 城? 「ここがうちの屋敷にょろ!さっ!入った入った!」 門をくぐり、様々な季節の木や草花の生い茂る庭を歩いている。 玄関はまだ見えない。 「無駄にだだっ広い家さっ!うちでも時々、迷子になるからね!アッハッハッ!」 人影が見える。…も、森さん? 「お帰りなさいませ、お嬢様。」 「やっほ~!また池の掃除してんのかいっ!」 「旦那様お気に入りの池でございますから。」 鶴屋さんは鼻歌交じりに庭の飛石を一足飛びで駈けていく。 「さっ!入りなよ!たっのも~!」 自分の家に何を頼むんだろうか? 「お帰りなさいませ、お嬢様。」 居並ぶ人、人、人。 「そんな堅っ苦しい挨拶は抜きさっ!この人達を居間に通しておっくれ! あと、お腹空いたから何か食べ物も出して欲しいにょろ!」 「畏まりました。」 凄っ…。 池に小舟を浮かべましょ。 折り紙折った小さな舟を。 蓮の小島に辿り着きゃ 仏と居眠り暇潰し。 もじゃもじゃ頭でポニーテールの大男は2人を引っ張って歩いていく。 そういや…SOS団の皆は、ハルヒは今、どこで何をやってるんだろうか? そもそもこれは夢か?それとも俺だけ閉鎖空間に飛ばされたのか?等と思案していると 大男は俺を問い質した。 「ところでおまん、名はなんと申す?」 今更ですか…。 「なんじゃ言えんのか?エゲレス人の名くらい儂にだって分かるきに。 ジョン・スミスとかそんな感じじゃろ?」 本当に人の話、聞いてませんね。 じゃあもう、それで結構です…。 「ほぅ~!正解か!?ジョンじゃな!ジョン!」 なんか犬みたいで小馬鹿にされてる気分だ…。 大男は立ち止まった。 「さぁ!入るぜよ。」 促されるように小さな門をくぐると庭で2人の男が話をしていた。 「いや~!勝さん、陸奥。ただいま帰ったぜよ。暑い暑い! 海軍操練所の新しいスツーデンツを連れて来たきに。」 この、もじゃポニー男の突然の言葉に俺も含めた4人は呆れたような顔をしている。 ハルヒ並みに無茶苦茶な人だ。 「龍さん、おめぇはまたこんな訳の分からん輩を…」 「いや、勝さん。こいつらは見込みあるきに。のぅ!谷口!ジョン!」 谷口は暴れている。 「なんだ?ジョンってぇのは?」 「この変な服着たエゲレス人の名ぜよ。ジョンじゃ!」 「そいつぁ西洋人には見えんが…」 「ところで陸奥、ここにはおまんしかおらんのかえ?亀達はどうした?」 「望月さん達は人に会う約束があるとかでどっか出て行きましたよ。」 「ほぅか…今の京は危ないきに。あんまウロウロしてたらいかんぜよ。 ちくっとあいつらにお灸据えとかんとな。」 あなたはどうなんですか?もじゃポニーさん。 「おめぇの言えた事かい!龍さん。おめぇも色んな嫌疑掛けられて追われる身だ。」 「儂ゃ何もやっとらん。ただ船で海に出たいだけぜよ。あ!ところで勝さん、 新しい船の話はどうなったきに?黒船が欲しいぜよ!」 「無茶を言うない!まっ、黒船とはいかんが、それなりに当てはあらぁ。 その話はまた後でするとして、それよりもだ、龍さん。 おめぇ、薩摩の西郷って知ってっかい?」 「あの寺の釣り鐘みたいな男じゃろ?」 「よくわっかんねぇ例えだな。俺も会った事はねぇんだが、 おめぇは土佐の脱藩浪士で色んな厄介事も抱えちまってる。 もし、これから京で動き辛くなったらそいつを頼んな。 薩摩が守ってくれるさ。話は付けといた。」 「そりゃありがたいのぉ~。さぁて!おまんら、とりあえず飯じゃ!陸奥も食うぞ。」 未だに俺はこの状況が飲み込めん…何なんだ、一体。 「これから私達はどうしましょう~?」 朝比奈みくるはお茶を飲みながら話を切り出した。 「あ!このお茶、美味しい♪」 「…この時空間は特殊。私の能力もいくつか制限されている。 …あの2人の位置座標までは特定出来ない。でもこの時間にいるのは確か。」 「どうにかして捜索しないと、こんな物騒な所に飛ばされたとあっては 僕らが襲われたと言う事から考えると、彼らの身にも危険が迫ってると 考えてもおかしくはないでしょう。」 「…そう。」 その時、襖が凄い勢いで開いた。 「食べてっかい!御三人。おっや~、なんだか随分と暗い顔してっけど!?」 ここはやはりこの方に頼るしか手はありませんね。 「鶴屋さん。実は僕ら、外国から来た旅の者なのです。」 鶴屋さんは目をぱちくりさせながらこちらを見ている。 「5人でここへ来たのですが、一緒に来たあとの2人とはぐれてしまいました。 どこへ行ってしまったのか皆目、見当も付かないのです。 あとの2人の捜索のお手伝いを頼んでも宜しいでしょうか?」 鶴屋さんは何かを考え込むような顔をして、 「私が知ってる外の国の人達は雷や火の玉を出したりはしなかったにょろ? あんちゃん達の顔も西洋の人より私達に近いし、言葉も通じるし、 うちはまた、妖術使いかなんかだと思ってたさっ! まっ!深い事情がありそうだから詳しくは聞かないでおくよっ!」 あの異常に勘が鋭いのも遺伝ですか…。 「その2人ってのもあんちゃん達と同じような格好してんのかいっ!?」 「えぇ、まぁ…。」 「じゃあ、簡単さっ!そんな格好してる人なんて他にいないから目立つしさっ! すぐに見つかると思うにょろ!森ちゃん!皆に言ってこのあんちゃん達と 同じような格好した2人を探して欲しいにょろ!頼んだよっ!」 やはりいつの時代も只者ではありませんね、鶴屋さん。 「ぷっはぁ~!食った食った!ん?どうした?谷口。 おまん、ほとんど箸を付けとらんな。要らんなら儂が貰うぞ。」 谷口は急に立ち上がって大声を張り上げた。 「儂ゃ、これから大志をなさんといかんのじゃ!大切な用事もある! こんな所で呑気に飯を食っとる時じゃないんじゃ!」 もじゃポニーさんは呆気に取られたような顔をしたかと思うとポツリと語り出した。 「おまん…大志の為に死ぬんか?おまんらが何をするつもりかは大体、分かっちょう。 その覚悟はえぇ。しかし、死んだら元も子もない。 全て終わりじゃ。おまんらがやろうとしちょるんは大志じゃなく、ただの無謀じゃ。 事を成すなら生きて事を成すべきじゃ。 こんな狭い島国の中で仲間同士、いがみ合っておってもせんない。 陸奥や望月、おまんらみたいな若い者がこの先の日本には必要なんじゃ。 1人でも多くの有能な人材が必要なんじゃ。 儂ゃそういう奴らを集めて外国と貿易するんじゃ。 その貿易で得た財で私設艦隊を作り、こん国を外国にも負けん強い国にしちゃる。 まっ、その前に船を手に入れにゃいかんがの! 時代は否応なく変わるぜよ…。 そん時を見られんっちゅうはつまらんじゃろ?」 谷口は拳を握り締めた。 「さきほどの小男は幕府軍艦奉行の勝であろう? あの西洋かぶれと通じておるとは貴様、何者じゃ!?」 もじゃポニーさんは頭を掻いている。 「ありゃ?まだ名乗っとらんかったかのぉ~?そりゃすまんかったわい。 儂ゃ、土佐脱藩浪士、今は神戸海軍操練所の塾頭をしちょる坂本竜馬っちゅうもんじゃ。 ところでおまん、舟は大丈夫か?あれは体が揺れて酔うけんのぉ~。 儂も未だに船酔いには慣れん。そんな奴が海軍の頭っちゅうのもおかしな話じゃがの!」 彼は快活に笑い飛ばした。 この、もじゃポニーさんが坂本竜馬?どっかで見たと思ったのは日本史の教科書か…。 ますます事態が呑み込めん…。 「さぁ~て、と。じゃ、行くか。」 もじゃポニーさんこと、坂本竜馬は刀を手に立ち上がった。 谷口はさっきから黙って俯いている。 「あの坂本さん…どちらへ?」 「船じゃ。ジョンと谷口もついてこい。陸奥はここで待っちょいてくれ。 勝さ~ん、行ってくるぜよ!」 奥からの『おぅ!』という声に見送られ、俺は坂本さんについていった。 太陽がギラギラと輝いている。 谷口は未だに納得がいかないのか、少し離れて歩いている。 その時、バラバラと男達に囲まれた。新撰組だ。 「おい、貴様。名を名乗れ!」 坂本さんはニコニコしながら 「薩摩藩士、才谷梅太郎じゃ。」 と、ネーミングセンスゼロな名前を名乗った。 「訛りが薩摩の者とは違うようだが…。」 「ふ~ん…きっとずっと京におったからでごわす。」 怪し過ぎです。無理矢理過ぎですよ、坂本さん。 「そうか、ところで才谷とやら。おまん、ここで何しちょうぜよ?」 「ちくっと知り合いの所に顔を出しに行くきに。」 「やはり、土佐の者か!!」 バレバレ過ぎです、単純な罠に引っ掛かり過ぎです、坂本さん。 「あっちゃ~…なんで分かったんじゃ?」 この人、アホだ…。 「見た所、妙な格好の毛唐もいるな。副長が言っていた不逞浪士と毛唐というのは こやつらの事か。とりあえず斬っとくか。」 一斉に刃が斬り掛かってきた。 俺はひたすらに避けては逃げる。 期末テストの鬼教官・涼宮ハルヒの竹刀に鍛えられた反射神経、舐めんな! 坂本さんは刀を縦横無尽に舞わせている。 「ジョン!谷口!逃げるぞ!」 必死で走っていた。夢ならそろそろ覚めてくれ!!! 「永倉隊長、逃げられましたね。」 「あのもじゃもじゃ頭、あいつはきっと強いぞ。やり合ってみたかったわ。」 鶴屋さん…何をやってらっしゃるのでしょうか? 「だって、これ凄いよ!何なのさっ!この乳!」 朝比奈みくるはどこの時代に行っても同じ扱いを受けるんですね。 「止めて下さ~い!」 「良いではないか、良いではないか。ウッヒッヒッヒッ。」 ふと襖に影が降りたかと思うと声を掛けてきた。森さんだ。 「お嬢様。」 「どったぁ~?」 「ただいま、旦那様に御客人が御出でなのですが、その中に 偶然なのか、旅の御三方とよく似た格好をした者がおりまする。」 3人は顔を見合わせた。 「キョンくんと涼宮さんです!」 「これは凄いですね!探す手間が省けたと言うものです。 それにしてもどうして彼らは僕らがここにいるのが分かったのでしょうか?」 「行ってみりゃ分かるさねっ!」 僕らは鶴屋さんについて応接間に向かった。 応接間の中には3人の人間が座っていました。そこには確かに彼の姿がありました。 しかし… 「キョンくん!」 「朝比奈さん!長門!古泉!お前ら、どうして!?なんでここに?」 「なんじゃ?ジョン、おまんの知り合いか?」 「こちらの方につれられてここにお邪魔しています。」 「鶴屋さん!」 「あっれ~!君もうちの事、知ってんのかいっ!? 有名になったもんだね、鶴屋さんも!」 「涼宮さんはいないようですね…とりあえず、詳しくお話しましょう。」 浮き世の旅は当ても無く、 時の縛りも無い故に ちょっと一服、笹団子。 見つめる先は鈴の音と旅人行き交う東海道。 朝比奈さんの「禁則事項です♪」と言う言葉に従い、 他の皆さんには席を外して貰う事も考えたのだが、 この時代の彼らの協力無しにはハルヒの捜索は行えない、 という古泉の意見を採用し、俺達は外国から旅をしてきた人間だ、 という設定で、まずはお互いの状況を簡潔に説明し合った。 まずここが1864年7月7日の京都だと言う事、 ハルヒもここのどこかにいるが行方不明だと言う事、 3人は新撰組に追われた事、そこでここの鶴屋さんと出会った事、 家に隠まってもらってた事、 鶴屋さんに2人の捜索を依頼した事。 そして俺はクラスメイトの谷口にそっくりな男と一緒に新撰組に追われた事。 その時この、もじゃポニーの坂本さんなる男に助けられた事。 その坂本さんに無理矢理、勝という人の所に連れて行かれ、海軍に入れと言われた事。 今も新撰組に追われている事。 坂本さんの船購入に出資してくれるのが鶴屋さんである事。 「僕は涼宮さんはてっきりあなたと一緒にイチャついてるのかと思っていたのですが…」 「誰がイチャつくか!?俺もハルヒはお前らと一緒なんだと思ってたよ…。」 また振り出しか…ハルヒ、お前は一体、どこに行っちまったんだ? 「ジョン!おまん、人探ししとったんか!?なら、はよ言や良かったんじゃ!」 坂本さん、あなたが喋らせてくれなかったんでしょうが…。 坂本さんは長門に興味を惹かれたようだ。 「ところで、そこのおなご。おまん、航海士かぇ!? その着物、セーラーじゃろ!?セーラーは海軍の証拠じゃきに! どうじゃ!?儂の海軍に入らんか!?しっかし、随分と破廉恥なセーラーぜよ! 外国じゃ、おなごはこげに肌を露にするもんかぇ!?」 話がややこしくなる。静かにしといて下さい、坂本さん。 あとスカートの中身をあまりジロジロ見ないで下さい、坂本さん…。 「それにしても俺達はなんでこんな所に…朝比奈さんの話では、えぇ~と、 ここらへんに来るのは不可能だったんじゃないんですか?」 「それが私にも不思議なんです~…。」 古泉が笑いながら制止した。 「それはまた後ほど。」 「しっかし、おまんらの話はどっか、芯のよう掴めん話じゃのぉ~…。 なんか気になるし、面白そうぜよ!儂もおまんらについていこうかの!」 えっ!? 「じゃあ、うちも行くにょろ!」 「谷口、おまんはどうする?」 谷口は返事をしなかった。 「ふ~ん…まぁ、納得いかんのに無理矢理引っ張るのもあれじゃきに。 おまんの好きにせぇ。」 谷口は無言で何かを思案しながら、俺達と別れた。 古泉が俺の耳元に囁きかけてきた。気持ち悪っ!!あ…息は吹きかけるな…。 「先程の何故、僕らがこの時代に飛ばされたのか?というお話ですが、 恐らく…涼宮さんが願ったからではないか、と。 あなたの覚えがあまりに悪いのを改善するにはどうすれば良いのか? と、涼宮さんは思案し、あなたの身体に覚え込ませる為に ここへ直接、放り込めば良いのではないか?と彼女は考え、 そして、閉鎖空間とはまた違う世界が構築された。 それに部室にいた全員が巻き込まれたのではないかというのが僕ら3人の意見です。 この世界では不完全ながら僕の力も有効化されますし。」 ハルヒ…あんまり無茶させんな…。 「ところであの天然パーマの方、ひょっとしてあの坂本竜馬ですか?」 「あぁ、みたいだな。どうやら本物らしい。色んな意味で信じられんがな。」 「これは凄い!坂本竜馬、勝海舟、新撰組と、 本当に歴史の教科書の中に飛び込んだ世界のようだ。」 笑ってる場合じゃないだろ…。 「あんちゃん達は皆、三条大橋の近くで離ればなれになったにょろ? じゃ、もう1人もその近くにいるかもしんないよ?皆で行ってみようさっ!!」 次の行動が決まらない俺達は鶴屋さんの提案に賛同したが1人、 坂本さんだけは渋い顔をしていた。 「三条大橋の周りは今はちくっと危ないぜよ。 京にいる攘夷志士から新撰組まで一斉にあの辺り一帯に集まっちょる。 それにジョン達の格好は目立ち過ぎる。服だけでも着替えておくべきじゃきに。」 確かにこの時代にセーラー服やメイド服は目立ち過ぎる…。 それにもうこの格好であの町には出たくない…。斬られるのはごめんだ。 「じゃ、うちにある着物を貸してやるさっ!その服は風呂敷にでも包むんだね!」 まるで夏祭りにでも行くようですね、と古泉は笑いながら呑気な事を言っている。 「あん破廉恥なセーラー服も堪らんけんど、それもなかなか悪くないっちに。」 と、坂本さんは長門に冗談を飛ばしている。 森さん達にも捜索してもらっている事もあり、ひとまず全員で固まって動き、 現地で二手に分かれる事とした。 ハルヒ~…早く出てきてくれ…。 アケビ、椎の実、銀杏(いちょう)に蓮の実。 供物捧げる盂蘭盆(うらぼん)にゃ、 仏様の蓮の葉座布団、摘んどけ、買っとけ、載っけとけ。 言う事聞かないお転婆娘は蓮の葉女にされちゃうよ――― 京都は夏真っ盛りである。 風鈴も音を鳴らさないほど風もなく、制服で歩き回るのは確かにしんどい。 6人は三条大橋に着いたものの、東海道の終点である宿場町と言う事もあり、 人がごった返していた。 「凄い賑わいですね~。」 朝比奈さんは物珍しそうな顔をしながらキョロキョロしている。 落ち着きの無い俺に古泉がニヤニヤと笑いながら話し掛けてくる。 「涼宮さんの捜索という目的がなければ、京の風情を味わいたい所ですね。 まぁ、心配しなくても涼宮さんなら大丈夫ですよ。僕には分かります。 正確には分かってしまうと言った方が正しいのですが…。」 長門が呉服屋の店先に置いてある鈴の付いたかんざしを見つめている。 「お!おまん、仏頂面の割には可愛いもん欲しがるの!買っちゃろか?」 「…ユニーク。これは何という武器?」 武器じゃありませんっ!! 6人でどう二手に分かれようか相談していると、急に町が騒がしくなった。 喧嘩でも起きているのだろうか? 「どうやら新撰組がおるようじゃ…。また攘夷の連中が暴れちょるんかの?」 おいおい…また斬り掛かってこられるのは勘弁だ…。 遠くの方で土煙と怒声が舞っている。 「こりゃ大捕物さねっ!」 人のごった返す通りをかき分けながら何十人という大所帯の 新撰組が抜き身の刀を振り回し、こちらへ駈けてくる。 「ここは危ないようです。ひとまず身を隠しましょう。」 横の路地に入ると大声で喚き散らしているのが聞こえる。 「副長!!副長!!」 「あっちに逃げたぞ!!!」 「待て!コラッ!!!」 「囲め!逃がすな!!」 「叩っ斬れ!!」 こりゃあ、ヤバいんじゃないか?やれやれ…物騒な所に来ちまったもんだ…。 「儂ゃ近眼じゃきに、よう見えんがどうやらこっちに来るようじゃの。」 「バレてしまったのでしょうか?」 「いんや!誰かが追われてるようにょろ!」 俺はふと大通りに目をやり、騒ぎの中心を覗いてみるとあまりの驚きに目を疑った…。 ハルヒッ!? 「……どうやら涼宮さんのようですね…。」 ………………。 今度は何をしでかしやがったぁぁぁあああ~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??? ハルヒィィィイイイ~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 土方歳三は沖田総司の一番隊を借りて京の街を歩いていた。 ここの所、探索や暗殺、拷問と立て続けに面倒事が舞い込み、 諸々の準備にも時間を取られるのと蒸し暑いのとが相まって 気が張って苛立っているようだ。 だが、これも新撰組を最強の武士集団とする為には仕方の無い事。 ちょっとでも気を抜いて取り締まりを緩めれば何が起こるか分からない。 こっちの命があっさり取られかねない事も重々、承知している。 「副長!!」 声を掛けられて振り向くと永倉新八率いる二番隊の連中がそこにいた。 「ちょうど良い所で会いました。先程、妙な浪人2人と西洋人に出くわしました。 やはりあいつら、毛唐共と手を組み、何かを企んでいるやもしれません。」 ちっ…。ったく、つくづく面倒臭ぇ…。 どうも攘夷の連中は俺の神経を逆撫でする為だけに 生きているような連中が多いようだ。 「斉藤の三番隊も今日はこの辺りを巡回中だったよな? 一度合流して配置し直すか…。」 三条大橋の近くで斉藤一率いる三番隊と合流すると、こいつらは何人か 斬ってきた後のようだった。気が荒れて、ささくれ立っている。 「おめぇら、息を整えろ。これから一番隊、二番隊、三番隊の配置を決める! どうやら攘夷志士の連中は毛唐共と手を組んで何かを企てているという 報告が入っている。いいか!!怪しい輩は生かしておかんでもいい!! 局中法度を思い出せ!気を引き締めろ!!俺達の任務は京都の治安を守る事! 面倒な奴らは徹底的に根絶やしに…ん??………はべしっ!!!!!!!」 「…副長??…副長!!!!」 目を覚ますと私は見た事もない川縁の土手に寝転んでいた。 部室にいたのは夢だったのかしら?あれ?こっちが夢? しぱしぱした目でキラキラ光る川を見ると一枚の葉っぱが流れてきた。 「ここ、どこ!?」 周りを見渡すと変な格好をした人達で溢れかえっていて私をジーッと見つめていた。 「何、見てんのよ!?」 手元にあった竹刀を振りかざすと皆、散っていった。 「キョンはどこ?自分から頼んどきながら勉強サボって 私を一人にするなんて、マジあいつ罰金と死刑をダブルで宣告するわ!」 立ち上がって歩いてみると本当に不思議な町だった。時代劇のセットのような町。 むぅ~…なんかジロジロと視線が気になる…。 「おい!そこのおなご!」 声を掛けられて振り向くと全員お揃いのダッサいはっぴを着た男共がいた。 アイドルオタクか何かかしら?気持ち悪いわ…。 「何よ?」 「お前、何者だ?何だ、その格好は?」 あんた達に言われたくないわよ。 「何よ?文句あんの!?マジ殺すわよ!!」 そう言うとそいつらは無礼者だなんだ言い掛かりを付けてきて刀を突きつけてきた。 そんなおもちゃの刀でこのSOS団団長、涼宮ハルヒ様に逆らおうなんて 良い度胸じゃないのよ!?目にもの見せてやるわ!! 30秒もかからなかった。 雑魚ばっかね…そんな腕で私に挑んで来ようなんて100万年早いのよ!! 倒した連中を踏んづけてるとアイドルオタクの仲間らしき連中が 30人近くの大人数でこちらへ向かってきた。 さすがにあの人数を相手に真正面から1人で闘うのは戦略的に不利だわ。 ここはゲリラ的戦術の採用決定ね。 引いては押し、押しては引いて、 路地に身を隠しては迂闊に飛び込んでくる馬鹿の鳩尾に一発! 屋根に上って近付き下でうろちょろしてるアホの脳天に一発! 身を伏せ通り過ぎた所を背後からフルスイングで顔面に一発! 「ふぅ~…何とかかなりの人数を仕留めるのに成功したわ。 全く何なのよ?あいつら、SOS団を脅かす悪の組織か何かで 真っ先に団長たる私を狙ってきたのかしら? それとも、ただ単に気持ち悪いアイドルオタクとして 可愛い女の子に襲い掛かってるってのなら可愛いのも罪よね。」 屋根の上であぐらをかきながら次の戦略を練っていると アイドルオタク達はどこかへと去って行った。 「ふん!逃がさないわよ!この私に喧嘩をバーゲンセールで売りつけるなんて とことん敗北と後悔にまみれさせて服従させてやらないと気が済まないわ!」 屋根伝いにアイドルオタク達を尾行すると 集まって何やら話し合いの真っ最中のようだった。 「私を倒す為の相談かしら?どうやらあの一番前で偉そうに突っ立ってる 陰気そうな奴がアイドルオタクのリーダーって訳ね。」 屋根の上からそ~っと近付き、アイドルオタクのリーダーの真上にまで来た。 「ふふん…まだまだ甘いわね。隙だらけだわ!」 竹刀の構えに力を込めた。 「ていやっ!!!」 「…ん??………はべしっ!!!!!!!」 「…副長??…副長!!!!」 何よ?副長って事は二番手?じゃあ、真の黒幕はまだ他にいるって事ね! 見てなさい!アイドルオタク共! この涼宮ハルヒ様を敵に回した事を後悔させてやるわ!! 俺が今、頭痛と目眩で倒れそうなのはこの町の暑さのせいだけではないだろう。 何故なら、あの涼宮ハルヒが目の前で大人数の新撰組を相手に 大立ち回りを演じているからだ。 「助けに行きましょうか?」 あぁ…そうだな…。 「あれがおまんらの探しちょう者かぇ?こん大人数の新撰組を相手にあん体裁き。 只者じゃないぜよ。」 えぇ…確かに只者じゃありません…。 「ひゃ~!凄い暴れっぷりさっ!」 「でも、涼宮さんが危ないです~。」 「…私が前線に出て障壁を張る。その隙にあなたは涼宮ハルヒを保護して。」 ラジャー、長門。 「行くぞ!」 さすがに緊張するよ…俺は何の術も持たない一般人なんだ。 6人で一気に飛び出し、暴れるハルヒの元に駆け寄った。 「何すんのよ!?離しなさい!」 助けに来てやったのに竹刀で殴られるとは…。 「キョン!?あんた何やってたのよ!?遅いわよ!」 お前こそ何やってんだよ、ハルヒ…。 「SOS団では遅刻は厳禁!罰金よ!」 やれやれ…。 長門が前線を抑え、坂本さんと古泉が襲いかかってくる新撰組を撃退してくれている。 「さぁ!ハルヒ行くぞ!」 「ちょっと!!待ちなさいよ!!真の黒幕はまだ存在してるの!! SOS団を脅かす悪の組織たるアイドルオタク達との闘いはまだ終わってないわよ!」 何を言っとるんだ、こいつは…とりあえずさっさと行くぞ。 俺達は布と剣を目の前にして暴れる闘牛のようなハルヒを 俺と朝比奈さんと鶴屋さんの3人は力ずくで鶴屋さんの家まで引きずっていった。 遅れて長門と古泉、坂本さんが走ってきた。 「何とか撒いてきたぜよ。もうあんな大人数に襲われるのはごめんじゃきに。」 古泉はまたニヤニヤ顔に戻っていた。 「でも、さすが涼宮さんですね。あの人数を相手に一歩も退かないとは。」 「何なのよ!?あともう少しで全員ぶっ倒す必殺技でも出そうだったのに!!」 こいつは本気で言ってるんだから困る…。 「ハルヒよ…お前、今度は一体、何やらかしたんだ? あんな大人数に追い掛けられて逃げ回るなんて余程の事だぞ。」 ハルヒは竹刀を俺に突きつけ叫んだ。 「私はあんなアイドルオタクの雑魚共から逃げてた訳じゃないわよ! さすがの私にもあの大人数相手に1人では多勢に無勢だったから 体勢を立て直す為の戦略的な一時撤退よ! 前にも言ったでしょ!SOS団に敗北主義者は要らないの! それをあんた達が邪魔するから! 次やったら全裸になって校庭で組み体操の刑よ! 八本足の宇宙人に連れ去られる~!って叫びながらね! あのアイドルオタク共、次、会ったらボッコボコにしてやるんだから!」 おいおい、こいつは日本最恐と言われた暗殺集団にまで喧嘩を売るつもりかよ…。 鶴屋さんの家の居間でこれからの善後策を練る事にした。 ハルヒは汚れた制服を着替える為に鶴屋さんと奥へと入っていった。 とりあえずさっさと元の時代に戻りたい…。 「ふふ…どうやら涼宮さんは随分と楽しんでいらっしゃるようですね。」 古泉、呑気な事を言ってる場合じゃないだろ。 長門と朝比奈さんは何事もなかったかのようにお茶を飲んでいる。 2人共、違う意味で鈍感だから羨ましい。 坂本さんは森さんと何やら話をしている。 「それは失礼しました。ですが、涼宮さんは過去に飛ばされたというのに 気が付いていらっしゃらないのが救いです。 悪の組織か何かの陰謀に巻き込まれたと本気で信じているようですから。」 長門がぽつりと口を開いた。 「…大丈夫。ここは改変された世界。元の時代に帰還した際、 完全とは言えないまでも情報統合思念体の力により ある程度の記憶の情報操作、改変、再構成、再構築する事は可能。 例え、涼宮ハルヒが時空間移動の事実を認識したとしてもそれは消去出来る範囲。 但し、行動の記憶までは消去出来ない。 あくまで認識の部分に於いてのみ、改変可能。」 って事は悪の組織と闘った~、みたいな記憶だけ残るって事か? 「…そう。だから戦闘等の行動に問題は無い。」 いや、大有りだ。生まれるよりも前の時代で死ぬなんざ、ごめんだからな! 「ところで俺達が元の時代に戻るにはどうすれば良いんだ? 朝比奈さんの力でも無理なんでしょうか?」 「そうなんです…。私達がいた時代より4年前の涼宮さんを中心とした 時間震動による時間断層が存在しています。 私達が過去に飛ばされてしまったので今度は あの時間より未来にはどうしても行けなくなってしまっています。」 「長門はどうにか出来ないのか?」 「やってはみる。ただし、初めての事例で保証は出来ない。 結局は涼宮ハルヒの力を利用するしか無い。」 「涼宮さんに元の時代に戻りたいと願ってもらう以外に方法はなさそうです。 と言う事はやはり、今回もあなたの力が不可欠な訳です。」 3人の視線が一斉に俺に突き刺さる…そんなに期待しないでくれっ! ハルヒが楽しそうな笑顔で居間に入ってきた。 黄色地にピンク色の蓮の花が施してある着物に着替えたハルヒは 茶道か華道でも習う着物美人なお嬢様にしか見えない。 竹刀さえ持ってなかったら、の話だが…。 隣に座った坂本さんが声を上げた。 「いんや~!さっきの破廉恥なセーラーも悪うなかったけんど、 浴衣着て竹刀を持つおなごとはなかなか。剣の腕と言い、気迫の強さと言い、 まっこと、さな子さんにそっくりなおなごぜよ!」 さな子とはかつて龍馬が通っていた江戸にある北辰一刀流桶町千葉道場の当主、 千葉定吉の娘、千葉さな子の事であろう。 「ジョン!おまんもおなごにゃ尻に敷かれる男かぇ!?」 古泉が意味ありげに笑う。 「さぁ!これからSOS団緊急ミーティングを開始するわよ!」 闇夜に蠢く蛇一匹。 池に浮かぶや蓮一輪。 泳ぐ蛙は睨まれて慈悲を乞う為、蓮の上――― 頭が痛ぇ…。 くそっ…あのアマ!一体全体、何者だ? 大衆の面前で人の脳天に思いっきり一本振り下ろしてきやがって! 次、見つけたらただじゃおかねぇ! 「どうした?歳。随分と苛立ってるようだが…。」 近藤勇は笑顔で訊ねる。沖田総司が代わりに、からかうように答えた。 「今日、土方さんね、三条大橋なんて人の大勢いる目の前で 女の人に竹刀で脳天かち割られてぶっ倒れちゃったらしいんですよ。」 近藤は豪快に笑う。 「歳、お前は昔から女たらしのくせに冷たくあしらう所があるからな。 またどこぞの女にでも手を出して恨みでも買ったんだろうよ。」 土方は益々、不機嫌になった。 「要らねぇ事くっちゃべってんな、総司。それよりも明日の事だ、近藤さん。 桝屋古高俊太郎への取り調べから明日、攘夷浪士共の会合があるのは確かだ。 長州、土佐、肥後あたりの面子だろう。ただはっきりした場所が分からねぇ。 探索に出している山崎や島田からの報告によるとやるとすれば四国屋丹虎か池田屋。」 近藤は先程までの笑顔を解き、真顔になっている。 「隊を二手に分けておくか。」 「あぁ、そうした方が良いだろう。 会津や桑名だけに手柄を持ってかれるのはごめんだからな。」 「しかし、事実なのか?歳。いくら過激な攘夷浪士共とは言え、 御所に火を放ち、一橋公と容保公を暗殺、天子様を長州に連行するなど 正気の沙汰とは思えんぞ。」 「事実かどうかは問題じゃねぇ。事は始まってからじゃ遅ぇんだ。」 ハルヒは 「SOS団の未来を守る為、敵対する悪の組織は徹底的に根絶やしにすべきだわ!」 と強く主張していたが、全員の説得でなんとか踏みとどまらせた。 「じゃあ、仕方ないわね。今日は一旦補給の為、休戦!明日の決戦に備えなさい!」 どこの何と決戦なんだ…教えてくれ。 俺は坂本さんが浮かない顔をしながら言った 「明日か…。」という言葉が引っ掛かっていた。 眠りにつきながら俺は祈った。 目が覚めたら部室かベッドの上に戻っていて欲しい…… ……俺の祈りは通じなかったようだ。 低血圧で目覚めの悪い俺は一番遅い目覚めだったようだ。 ハルヒは物凄い勢いで白飯をかき込んでいる。 「今日は決戦よ!長い一日になるわ。十分に補給しときなさい!」 お前が何もしなかったら何も起きん。 ボーッとした頭で朝飯に手をつけていると森さんの声が聞こえた。 「皆様、おはようございます。坂本さん…少々お時間を。」 坂本さんは森さんと話し込んだかと思うと、浮かない顔つきで戻ってきた。 「…儂と同じ土佐者で今は共に海軍操練所におる亀と北っちゅうもんがおるんじゃが、 昨日、見当たらんかったきに、ここの者に捜索を願ったんじゃ。」 望月亀弥太と北添佶摩の事であろう。 「どうやらあんの阿呆共、面倒な厄介事に首を突っ込んどるようぜよ。 過激な尊王攘夷の連中とは手を切れと何遍も言うたんじゃが…。 おまんも知っちょる谷口もおるらしい。 ジョン、すまんがこの後、ちくっと手伝うてくれんかの?」 「手伝う?」 「あいつらをここに引っ張ってくる。」 新撰組の屯所では土方が部隊を2つに分け編成を行い、一人一人に指示を出していた。 「何度も言うが、場所は祇園にある実成院という寺の門前にある会所。 固まっては動くな。通常の巡回や町に遊びに出てきた態を装ってそこへ集まれ。 今夜は生死を分つ時になるやもしれん。覚悟と準備を怠るな。 全員集まった後、もう一度そこで編成の確認をする。」 三条大橋で出会った妙な輩共とあばずれ女の行方も気にはなるが、 隊士の言う所では攘夷浪士と一緒にいた毛唐共とはあいつらの事らしい。 そう言えば確かに見慣れない妙な格好をしていた。 女に至っては肌を露出させたふしだら極まり無い着物だ。 もし、攘夷浪士と毛唐が手を組んでいるのならば 今夜の会合にはあいつらの姿もあるだろう。 まとめて叩っ斬っちまえば良い。 今夜は新撰組の浮沈を懸けた決戦だ。 土方は刀を持って屯所を出た。 ハルヒは目を輝かせていた。 「事件の匂いがプンプンするわ!その依頼、我がSOS団が引き受けましょう!」 こいつが出てくると何でも無い事まで大事件に発展する。 「ほぅか!おまんみたいな、強かおなごの力が必要かもせん! おなご2人が破廉恥なセーラー着て航海士やって戦闘員まで兼ねるとは 外国はほんに不思議な所ぜよ!」 面倒だ…誰か、俺とツッコミ役を代わってくれる方、メールしてくれ。 「まっ、とりあえず飯じゃ!」 長門はこういう和食の朝は初めてなのだろうか、 興味を惹かれたのかしきりにおかわりしている。 朝飯が終わり、一服しているとハルヒが袖を引っ張ってきた。 「ねぇ、キョン。あのもじゃもじゃの人、坂本さんだっけ? なんであの人、あんたの事、ジョンって呼んでるの?」 そうか…ハルヒにジョン・スミスの事は言えないな…。 「いや、なんか聞き間違えをそのまま勘違いしてるみたいだ。 キョンとジョンって響きが似てるからな。」 納得したようなしてないような顔をしている。 「まっ、良いわ。さぁ!SOS団捜索隊、任務開始よ!」 頭の中で坂本さんの言葉が鳴り響いていた。 『事を成すなら生きて成せ。死んだら終わりじゃ。時代は変わる。』 儂ゃ何がしたいんじゃ…。 「…口。おい、谷口!!」 ハッと顔を上げると座を占めていた面々がこちらを見つめている。 「お前は普段から締まりの無い男じゃが、こういう場くらいしゃきっと出来んか? これから長州藩のひいては尊王攘夷の行く末が決まる時なんじゃ。」 上座に座る男が鋭い言葉を放つ。 「今夜にでももう一度集まろう。その時には桂もおるじゃろうて。」 その言葉で各々、散って行った。 尊王攘夷、か…。 はっきり言うと尊王攘夷とはどんなものなのか自分自身、未だによく分かっていない。 なんだか祭りの熱に乗せられて京まで出てきてしまった気がしている。 「里に帰ろうかのぉ~…。」 そんな事を考えながら歩いていると、見覚えのある集団に取り囲まれた。 「その亀とか言う変な名前の奴らをふん捕まえれば良いのね!楽勝だわ!」 とハルヒは楽しそうに鼻歌を歌いながら歩いている。 またあの橋の所まで行くのか?絶対に襲われる…絶対に新撰組に捕まる。 俺の勘はもはや百発百中なのか、そりゃそうだろう。 こんな怪しげな集団が7人連なって歩いていたら 誰だって気になるに決まっている。 「お前ら、どこへ行く?」 坂本さんと古泉はニコニコと笑っているが、 ハルヒは今にも竹刀で飛び掛かって行きそうな勢いだ。 「このあんさんらが、ちょいと祇園はんにでも顔出そか、言わはりましてなぁ~。」 気が付くと鶴屋さんが艶っぽい京訛りで新撰組の連中にしなだれかかっていた。 「もうすぐ祇園祭でっしゃろ?舞妓はんらの踊りもそりゃ幽玄なもんでっせ? どや?お侍はんらも、うちと一緒に来はりまへんかぇ?」 くっ…朝比奈さんとはまた違うセックスィ~さだ…。 「い、いや。遠慮しておく。任務があるからな。あまりうろちょろするなよ!」 と、新撰組は立ち去って行った。 「アッハッハッ!!東のお芋さんは京訛りの女に弱いのさっ! ちょいと色で仕掛けるとすぐにこうさねっ!ちょろいもんにょろ!」 確かにあれは男としては堪らない…。 「ちょっと、キョン!何、鼻の下伸ばしてんのよ!?このスケベ面!」 …悪かったな! 望月と北添は会合が一旦解散となった後、京の町をブラブラと練り歩いていた。 「龍さんにはなんと言おうかの?」 亀こと望月亀弥太はぽつりと口を開いた。 「おまん、そげに気になるかぇ?確かに海軍を作るっちゅう龍さんの言には 一理も二理もある。けんど、今すぐやらにゃいかんっちゅう事もあるぜよ。」 北添は身近な仲間が抜けて1人になるのが嫌だったのであろう。 引き止めるように言葉を続けた。 「確かにおまんは龍さんから航海術を習い、腕もよう磨いちょう。 でんも、その術を活かすには活かすだけの世が必要じゃ。 今の海は毛唐共に支配されちょる。 こん国から海に出るにはまずこん国から毛唐を追い出し、 天子様を芯に据えた強き国を作らにゃいかんぜよ。」 亀はその意見も分かるし、龍馬の言葉も分かる。 要は優先順位の問題だ。 「とりゃっせぃ!!」 亀と北の脳天に衝撃が走った。 「坂本さん、とジョン。」 はいはい…ジョンですよ。 そしてハルヒ、暴れるな。 「まだ生きちょったの、谷口。」 坂本さんはにこやかに話し掛けた。 「あれ?土佐の亀と北じゃ。」 亀と北はさっき、ハルヒの竹刀を脳天に喰らって気絶している。 「ちくっとこいつらとおまんに話があっての。少し行き違いがあったが、 まぁ、こいつら儂の仲間じゃ。そして、おまんもな。来い。」 坂本さんはぶらりと歩き出した。 「何よ?3人に話があるから引っ張ってくるっていうのは のして無理矢理連れてくるって意味じゃなかったの?」 そんな訳ないだろ、ハルヒ。 気絶して抱えられている亀と北の目を覚まして 突然、脳天をかち割った事を何とか誤魔化し、鶴屋さんの 「さっ!歩いて喉も渇いたし、団子とお茶で一休みにょろ!」 の言葉により、茶屋に入った。 「さぁ!おまんら。これからどうするんか、ちゃっと決めぇ!ちゃっと!」 坂本さんは珍しく熱くなっている。 「悩む事は良ぇ事ぜよ。悩み考えんと出てこんもんもある。 しっかし、何も考えんと事を始めるのはただの馬鹿じゃきに。」 その言葉に北が、 「儂らは今やるべき事をやって、きっちりけじめを付けたいぜよ。」 と言い返した。 「亀、おまんもか?」 という坂本さんの言葉に亀は眉間に皺を寄せて頷いた。 「谷口は?」 谷口はうんともすんとも言わずにただ黙って俯いている。 それにハルヒがイラついたらしい。 「あんた、男らしくないわね!さっきから黙ってないで何か言ったらどうなの!? どうせそんなんじゃどこ行ったって使いっ走りがせいぜいなんでしょうけど!」 お前は黙っとけ。話がややこしくなる。 しかし、ハルヒの煽りに谷口は我慢出来なかったらしい。 「儂ゃ元々、坂本さんとは昨日初めて会っただけの縁じゃ。 助けて貰った恩はある。それはいつか必ず返す。でも、それとこれとは別じゃ!」 坂本さんは大きく溜息をついた。 「おまんら、揃いも揃って頑固者ばかりぜよ。分かった。もう何も言わん。 ただ、一つだけ覚えとけ。必ず生きて帰ってこい。 おまんら、帰ってきたらまた海で遊ぼうぜよ。」 坂本さんは少し寂しそうな笑顔を浮かべていた。 唸る狼、群れをなし、 牙を尖らせ、鼻磨き、 眼は爛々と輝いて 闇夜の獲物を取り囲む――― 昼に3人の探索をしたせいで着物を汚してしまった事を謝って 俺達は制服に着替えた。(朝比奈さんだけはメイド服だが…) 夕方、鶴屋さんの家に戻ると坂本さんは縁側で寝仏のように横になりながら 微動だにしなくなった。何かを考え込んでいるようだった。 俺達も考えなくてはいけない。元の時代に戻る方法を。 蒸し暑い夜だった。 長門は漢字ばかり並んでいる鶴屋家の蔵書を読みふけっている。 ハルヒと鶴屋さんは朝比奈さんに 「みくるちゃんが着物を着てると帯を回したくなる悪代官の気持ちが分かるわね。」 等と、セクハラ三昧のいたずら放題をしている。なんて羨ましい…。 俺と古泉は将棋を指している。3連勝中。 森さんが勢い良く駆け込んできた。 「皆様!どうやら新撰組の方々が三条木屋町の池田屋さんに踏み込んだようです。 尊王攘夷の方々が多数、集まり会合を開いていたようですが、 坂本さんのお知り合いもいらっしゃるのではないかと思いまして…」 その話を聞いた坂本さんは刀を手にして縁側からもうすでに外へと駆け出していた。 「僕らも様子を見に行ってみましょう。」 「ハルヒ!」 ハルヒはもう竹刀を手に外に出ていた。 「分かってるわよ、みくるちゃん!有希!行くわよ!」 「はい!」「……。」 5人で走り出した。………戻ってきた。 「鶴屋さん!森さん!池田屋ってどこ!?」 森さんと野次馬根性丸出しの鶴屋さんに案内され、池田屋のある方向へと来たのだが、 闘いの真っ最中なのだろう、街中の路地と言う路地に兵が蠢いていた。 森さんの話では新撰組だけでなく、会津、桑名の藩兵も出てきているらしい。 「こちらです。」 森さんが全員を近くの家の屋根の上へと導いた。 この時代の森さんも得体の知れない人だ。 騒がしい大声の聞こえる方へと進み、屋根の上から池田屋の見える位置に移動した。 入り口で一人の男が抜き身の刀を手に仁王立ちしている。 新撰組の人間以外は敵だろうが、味方だろうが入れる気はないらしい。 「あぁ~!!あいつよ!アイドルオタクの副リーダー!!」 飛び出していきそうなハルヒを全員で押さえつけた。 坂本さんはどこだ? 「一度、三条大橋に行ってみましょう。」 森さんの言葉に一斉に屋根の上を動き出した。 こちらにも何百何千という藩兵が道を固めていた。 坂本さんはどこだ? 「…待って。」 突然、長門が立ち止まった。 「…こっち。」 長門が歩き出した方角へ進んで行くと 路地の陰に坂本さんに抱えられた谷口と亀が見えた。 2人とも重傷のようだ。 坂本さんにも多少の切り傷が付いている。 「おぅ…おまんら、やっと来たかぇ…。さすがに2人抱えて逃げるのはしんどいぜよ。」 しかし、長門。なんで居場所が分かったんだ? 3人を屋根の上へ乗せようとしたその時であった。 側面から火が噴いた。 「キャッ!!」 「ハルヒッ!!」 一番手で屋根に登ろうとしたハルヒは屋根の上から 真っ逆さまに地面へと叩き落とされた。 「ハルヒッ!!大丈夫か!?ハルヒッ!!」 「こっちだ!!」 藩兵が駆け込んできたのが見えて俺は倒れているハルヒを抱えて 全員で大通りに逃げると三条大橋の目の前で四方全てが囲まれてしまった。 くそっ…万事休すか。 「…橋の上を突破する。」 長門が一歩前に出てきた。 「では、僕が後方の抑えを担当しましょう。」 「…助かる。」 「おい!大丈夫か、長門。」 「…問題無い。 対有機生命体コンタクト用インターフェースの力は物質を介在する事で増幅され、 更に一方向に集中させる事で拡散しているエネルギーを圧縮する事が可能。」 どういう事だ? 「…大丈夫。…本気を出すから。」 ちゃりんと鈴の音がした。 あれは…坂本さんに買ってもらってたかんざしだ、と思った瞬間、 朝が来たのかと思う程の眩い光が辺りを包み込んだ。 突然の眩しい光に眼を開けていられなかった。 ようやく眩しさに慣れて眼を開くとそこには信じられない光景が広がっていた。 橋の上にいた何百人、何千人という人間が跡形もなく、消えていたのである。 いや、一人だけ橋の手前で倒れていた。 長門である。 「長門っ!!」 くそっ…ハルヒと長門、2人も…。 「古泉っ!!!!!!!長門を頼む。逃げるぞ!!撤退だ!!」 「はい!」 全員で逃げようとした時だった。 「亀っ!!」 坂本さんに抱えられた望月亀弥太の背中に刀が突き刺さっていた。 「……何しょるんじゃ、貴様ら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 刀を抜いて斬り掛かって行こうとした坂本さんに誰かが飛びついた。 谷口だ。 「行かせんぞ…。生きて事を成せ、言うたのはお前じゃろうが…。 時代が変わるのを見せてくれるんじゃろうが…。 お前がおらんのうなったら誰と一緒に海で遊ぶんじゃ!!」 「坂本さん!!」 坂本さんは歯噛みしながらこっちへ駈けてきた。 横を走っていた古泉の息が乱れている。 「ここまで来れば何の問題もなく、逃げられそうですね。」 と、橋を渡り終えた瞬間、急に身体が重くなって倒れて込んでしまった。 目を覚ますと、橋の横の土手にいた。 しかし、後ろから追ってきていた藩兵達はいなくなっている。 鶴屋さん、森さん、坂本さん、谷口の4人の姿も見当たらない。 夜の帳が下りて物音一つしない。 「どうやら僕らだけのようです。」 声を掛けられて振り向くとドキッとした。 目の前に古泉のニヤケ顔があったからだ。近いんだよ、顔が! 「そうだ…皆は!?」 「…問題無い。」 うおっ!長門。 「涼宮ハルヒは落下の衝撃により気絶しているだけ。特に損傷等は見られない。 朝比奈みくるも、じきに目を覚ます。」 「お前も倒れてたが、もう大丈夫なのか?長門。」 「…問題無い。瞬間的に全エネルギーを開放した為に起きた反動。 動作用のエネルギーが注入されれば問題は無い。」 「ところでさっき、橋の上で人が消えたのって…」 「…空間座標を移動させただけ。命までは取っていない。 数が多かったのでエネルギーを消耗した。」 こいつのエネルギーの源って何なんだろう?飯は普通に食ってるよな? 「ふぁ~い…。あれ~?どうしたんですか~?」 朝比奈さんがお目覚めだ。 「ところで一体全体、何が起きたんだ? 坂本さんとか鶴屋さんや森さんはどこに行った?」 古泉と長門が目を合わせた。 「どうやらここは先程までいた時代とはまた別の時代に来てしまったようです。」 は? 「空間の位置座標に変化は無い。但し、時間の位相がずれている。 地球時間に換算すると1867年12月10日。先程の時間座標から3年後の未来。」 …嘘だろ。 「なんで、今度はそんな時間に飛ばされちまったんだ?」 「長門さんのお話ですと、あの時、三条大橋を渡り終えた時にですが、 何でも僕らの元々いた時代に戻る時空間移動の震動が波形として現れたらしいのです。」 じゃあ、なんで…。 「…そう。理由が分からない。 何故、時空間移動の最中にこの時間座標に落下してしまったのか。 涼宮ハルヒの力によるものなのか、外的要因によるものなのか、原因は不明。」 朝比奈さんが真剣な顔つきで聞いている。 「それはひょっとすると…」 「何かご存知なんですか?朝比奈さん。」 「う~ん……禁則事項です♪」 おい…。 これからまた面倒事に巻き込まれるごめんだぞ…。 と思っていると、長門が歩き出した。 「…こっち。」 え? 長門は何も言わずにどんどん進んで行く。 俺はハルヒを背負ってついていった。 「ちょっと待てよ、長門。どこへ行く気だ?」 「…すぐに分かる。」 そのまま5人で歩いて行くと、とある店の前についた。 醤油屋さん???どうした、長門。また腹減ってんのか? 長門がその店の番頭と話をしたかと思うと、二階の部屋へと通された。 そこにいる人を見て驚いた。 「坂本さん!!」 確かに坂本さんである。もう一人、見た事の無い人がいた。 「おぉ!!ジョン!!久し振りぜよ!!」 久し振り?あぁ~…そうか、坂本さんにとっては3年振りか…。 「おぉ、中岡!!こいつらはジョンとその航海仲間じゃ。以前、話した事があろう?」 その中岡という人は頷いた。 「こいつは中岡。同じ土佐者で一緒に色々、やっちょうきに! いんや~!懐かしい!おまんらとは三条大橋で離ればなれになったきりぜよ。 ところでおまんら、今日はなんじゃ?」 長門、何かあるんじゃないのか? 「おぉ!そうじゃ!そこの仏頂面の女航海士!」 と、坂本さんは懐から何かを取り出した。 「おまんから預かっちょったかんざしの鈴、返しとくぜよ。」 綺麗な鈴の音が長門の手の平で鳴った。 「実は儂、女房を持ってのぉ~!さすがに女房の前で他のおなごからの贈り物じゃ なんて言うたら何されるか分からんきに!」 と、坂本さんは快活に笑った。 俺達は知らなかったのだが、かんざしには二つ鈴が付いていたらしい。 長門が坂本さんに買って貰った時に一つ、お礼としてあげていたらしい。 実に長門らしいお礼の仕方だ。 「あっ!そうそう!ところでエゲレス人のジョンなら知っちょるじゃろ。 実はの……今日はこの坂本龍馬のバースデーなんじゃ!!」 へ? 「それはおめでとうございます。」 「バースデーとは西洋では、なんじゃ祭り開いて盛り上がるんじゃろ?」 中岡さんが口を出してきた。 「龍さん、いかんぜよ。風邪引いちょる言うちょったじゃろ?」 「中岡はほんにつまらん男じゃきに。」 俺はふと思い付きを口に出してみた。 「でも、鍋とかだったら身体も暖まりますよ。」 「おぉ!それじゃ、ジョン!藤吉!藤吉!」 と、坂本さんが誰かを呼ぶと階段を登って相撲取りのような巨漢の男が入ってきた。 「藤吉。すまんが、鶏を買うてきてはくれんかの? 儂のバースデーに皆で鶏鍋をしたいぜよ!風邪にも効くしの!」 と、中岡さんの顔を見た。仕方が無いと言う感じだ。 すみません、余計な事言ってしまって…。 随分とお世話になったのだし、俺が言い出してしまったと言う事もあり、 せめて俺達で買い出しくらいには行こうとその藤吉さんに 鶏を売っている店の場所を教えてもらった。 「いんや~!ジョン、すまんの!積もる話はまた鍋の時じゃ!」 眠っているハルヒを置いて行こうとしたら朝比奈さんに止められた。 「いつまた何が起こるか分からないんだから 涼宮さんをひとりぼっちになんかしちゃ駄目です!」 と、怒られた。反省…。 疲れた…本当に疲れた…。 眠たい…布団に入ったら思いっきり寝てやる。 通りの向こうから提灯の灯りが歩いてくる。 今夜は鶏鍋か、美味そうだ。 提灯の灯りがすれ違った瞬間、ふと何かが引っ掛かった。 あれ?坂本龍馬の誕生日って…。 「なぁ、長門…。」 「…何?」 「今日って何月何日だったっけ?」 「…さっきも言った。1867年12月10日。」 「もう一回。」 「1867年…」 「違う!旧暦で!」 「…旧暦に直すと…慶応3年11月15日。」 俺は振り返って、今来た道を引き返そうとした。 しかし、朝比奈さんが必死にしがみついて俺は止めていた。 「駄目です!!キョンくん!!」 無視だ…関係無い…今はそんな言い争いをしている場合じゃない…。 「絶対に駄目です!!それにキョンくんが行っても何も変わらない!! これから起こる事は規定事項なんです!!」 規定事項という言葉に心臓を掴まれたような衝撃が走った…。 「さっきから規定事項だなんだって……… 大切な人1人、守れもしないで何が規定事項ですか!!!」 「規定事項なんです!!!!!」 朝比奈さんは泣いていた…。 「ごめんなさい……。でも、あなたが今やろうとしている事は、 禁則事項なんてレベルの問題じゃない。歴史の改変です。 皆で坂本さんを助けたのも規定事項なら今日の事も規定事項なんです。 あなたがどうしようとやっぱり歴史は変えられない……。」 霞む目の前で坂本さん達がいた部屋の灯りが消えた…。 冷たい風に長門の持つかんざしの鈴が鳴り響いていた――― 全員押し黙って歩いている。 冷たい風が身に染みる。 ハルヒが目を覚ました? 「ねぇ、キョ~ン…今日はもう帰りましょうよ…。皆、疲れてるのよ…。」 またハルヒの寝言か…… いずれ、この身が滅ぶとも 魂までは滅びやせん。 終わり結末、如何なれど 運命共にし、一蓮托生――― ……はべしっ!!! 「ちょっと、キョン!!あんた、何サボってんのよ!?日本史覚えたの!?」 …舌が噛んだ…目の前がチカチカする…涙出てきた。 「痛ぇな!!何しやがんだ!?」 パンッ!! 「へぇ~…この私にいつからそんな大口叩けるようになったのよ? 言ってご覧なさい!キョン!」 「おやおや、またですか?」 頼む!とめろ、とめてくれ、古泉。 「暖かいお茶入れますね♪」 ハルヒ、竹刀で顔をグリグリするな! ―ちゃりん。 新しく読み始めた本に合わせて、 新しいしおりを手に入れました。 二つの鈴が付いた澄んだ綺麗な音の鳴るかんざし。 島崎藤村『夜明け前』ページは今、開かれたばかり――― 「キョン。随分、元気ないわね。テストやっぱり駄目だった?」 「いや。今回の日本史は覚えるのにまさに命を懸けたからな。 ハルヒのお陰でほぼ完璧だ。」 ハルヒは満面の笑顔になった。 「じゃあ、もっと嬉しそうな顔しなさいよね!」 今回のテスト勉強はいつも以上に疲れたんだよ…。 「私に感謝しなさい! お礼はきっちりして貰うから!さっ!行きましょ!」 と、ハルヒは俺の手を取って歩き出した。 「どこへ?」 「どこでも良いわ!お礼!」 また何か奢る羽目になるのか。 ん?雪か…。 「今日は冷えると思ったら雪が降ってきたわね。天気予報も当てにならないわ…。」 「あぁ…そうだな…。」 「ねぇ、キョン。雪って下から見上げると幻想的で綺麗よね…。」 「あぁ…綺麗だな…。」 もうすぐクリスマスか…。 The End 涼宮ハルヒの歓喜~サンタが町にやって来た~へ続く
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D言語ゲームライブラリ「dHell2」 これは何? D言語で簡単にゲームが作れるようにライブラリ「dHell」の続編です。 OpenGL使っているのに、2Dゲーム専用だったりします。 謝辞 このアプリはD言語を使ってます。(version 1.0.0) SDL(Simple DirectMedia Layer)を使っています。 OpenGLを使ってます。 shinichiro_hさんのD - porting(http //shinh.skr.jp/d/porting.html)のD言語用SDL/OpenGLヘッダファイルを使っています。 hell.bmpはtaroさんの著作物です(http //www5.atwiki.jp/yaruhara/pages/45.html) おめがさんの「RectWinderNTGL」のコードをかなり使わせていただきました。 フォントにはおめがさんの「font.bmp」を使わせていただきました 目次 D言語ゲームライブラリ「dHell2」これは何? 謝辞 ダウンロード 更新履歴 既知の問題 dHellであった機能 dHell2の新機能 Dコンパイラのインストールなど ビルド方法 使い方 特殊なキーの動作 「dHell2」リファレンスHell_init(char[] caption, int width, int height, bool fullscreen=false) Hell_quit() Hell_setCaption(...) Hell_write(...) Hell_write(Exception e) Hell_loadTexture(char[] key, char[] filepath, int[3] mask=[-1, 0, 0]) Hell_drawTexture(char[] key, float cx, float cy, int ox=0, int oy=0, int ow=0, int oh=0, float dx=1.0f, float dy=1.0f, float rot=0, int r=0xFF, int g=0xFF, int b=0xFF, int a=0xFF) Hell_drawTextureEx(char[] key, float cx, float cy, int ox=0, int oy=0, int ow=0, int oh=0, float dx=1.0f, dy=1.0f, float rot=0, int r=0xFF, int g=0xFF, int b=0xFF, int a=0xFF) Hell_hasTexture(char[] key) Hell_capture(char[] key) Hell_setAlpha(char[] key, int alpha) Hell_getMouseX Hell_getMouseY Hell_isPressMouse Hell_isPushMouse Hell_isPressKey Hell_isPushKey Hell_loadWAV(char[] key, char[] path) Hell_playWAV(char[] key, int loops=0, int channel=-1) Hell_stopWAV() Hell_disposeWAV(char[] key=null) bool Hell_isPressJKey(int id) bool Hell_isPushJKey(int id) bool Hell_isPressJButton(int id) bool Hell_isPushJKey(int id) Hell_isPressEnter()/Hell_isPushEnter() Hell_isPressCancel()/Hell_isPushCancel() Hell_isPressMenu()/Hell_isPushMenu() Hell_isPressUp()/Hell_isPushUp() Hell_isPressLeft()/Hell_isPushLeft() Hell_isPressDown()/Hell_isPushDown() Hell_isPressRight()/Hell_isPushRight() Hell_playBgm(char[] path, int loops=-1, int ms=0) Hell_stopBgm(int ms=0) Hell_isPlayBgm() Hell_drawRect(float x=0, float y=0, float dx=0, float dy=0, float width=0, float rot=0, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) Hell_drawRectEx(float cx=0, float cy=0, float dx=0, float dy=0, float width=0, float rot=0, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) void Hell_drawLine(float x1, float y1, float x2, float y2, int width=1, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) Hell_drawTriangle(float x, float y, float radius, float rot=0, int width=1, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) Hell_drawCircle(float cx, float cy, float radius, int width=1, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xff) Hell_drawFont(char[] msg, float x, float y, float zoom=1.0f, int r=0xff, int g=0xff, int b=0xff, int a=0xff) Hell_drawFontEx(float x, float y, float zoom=1.0f, int r=0xff, int g=0xff, int b=0xff, int a=0xff, ...) Hell_sin(float rad) Hell_cos(float rad) Hell_atan2(float y, float x) Hell_sinEx(float deg) Hell_cosEx(float deg) Hell_atan2Ex(float y, float x) Hell_deg2rad(float deg) Hell_rad2deg(float rad) Hell_randSeed(uint seed, uint index) Hell_rand(uint range) Hell_randf(float range) Hell_randInt(int begin, int end) Hell_choice(int[] array) Hell_shuffle(int[] array) Hell_MessageBox(wchar[] message, wchar[] caption="", uint type=MB_OK) ダウンロード ここからライブラリ一式をダウンロードします。 更新履歴 2010.01.21 -- 1.0.8 色々更新OpenGLのportingを更新にして、最新のDコンパイラでもコンパイルを通るようにした キーユーティリティを追加(Hell_isPressEnter,Hell_isPushEnter,Hell_isPressCancelなど) BGMが再生中かどうか調べる「Hell_isPlayBgm」を追加 線分の描画座標の指定がおかしかった不具合を修正 drawTexture()/drawTextureEx()でα値が指定できなかったので、引数を追加した 現在の描画内容をキャプチャーする「Hell_capture()」を追加 乱数周りのユーティリティ「Hell_rand()」「Hell_randf()」「Hell_choice()」「Hell_shuffle()」を追加 メッセージボックス表示「Hell_MessageBox()」を追加 2007.07.25 -- 1.0.7 drawTexture()/drawTextureEx()でテクスチャを切り取ったときに描画がおかしくなる不具合を修正。 2007.03.07 -- 1.0.6 loadWAV()で既に存在するキーを指定した場合、既存のWAVを破棄して読み込むように修正。 2007.02.22 -- 1.0.5 キャプション文字列の変更関数Hell_setCaption()を追加。数学・乱数関連の関数を追加。 2007.02.21 -- 1.0.4 Hell_write()/Hell_drawFontEx()でprintf()っぽい書式を使えるように 2007.02.20 -- 1.0.3 SDL_FreeSurface()でSurfaceをちゃんと破棄するように修正。F9キーでウィンドウ・フルスクリーン切替。F12でスクリーンショットをBMPで保存。 2007.02.19 -- 1.0.2 loadTexture()で既に存在するキーを指定した場合、既存のテクスチャを破棄して読み込むように修正。「F4」キーで全てのテクスチャを読み込みなおす処理を追加。 2007.02.16 -- 1.0.1 円描画命令「Hell_drawCircle()」の追加 2007.02.13 -- 1.0.0 公開開始 既知の問題 画像ファイルはBMPで、2^nのサイズのみとなっています。 60枚くらいテクスチャを読み込みウィンドウを最小化・元に戻すと、CPU使用率が100%近くなってしまう。 dHellであった機能 dHellではこんな感じでした。 画像読込・描画(BMPのみ) BGM読込・再生(WAV/OGGのみ) 効果音読込・再生(WAVのみ) キーイベント(マウス・キーボード・ジョイスティック)のハンドリング フォントの描画(asciiのみ) dHell2の新機能 こんな機能が追加されました。 画像の拡大縮小・回転(Hell_drawTexture/Hell_drawTextureEx) 画像の加算合成(Hell_setAlpha) 線分/三角形の描画・回転 円の描画 それぞれの描画をRGBAを指定して描画できるように (ようやく、普通のゲームライブラリっぽくなった……?) Dコンパイラのインストールなど 「D言語ゲーム開発入門」 http //www5.atwiki.jp/yaruhara/pages/74.html などを参考にインストールします。 ビルド方法 build.batをテキストファイルで開いて、 D言語コンパイラ・リンカのパスを設定します。 (パスを通してあるのであれば、必要ありません) で、build.batを実行します。 使い方 「test.d」を編集していきます。 なんか色々ありますが、最低限必要なコードはこれだけです。 import hell; void main() { try { // Hellシステム初期化(キャプション"Hell" 640x480) Hell_init("Hell", 640, 480); // ゲームループ開始 while(true) { // 描画エリアの消去 Hell_begin(); // 画面更新 Hell_update(); // 33ms待つ Hell_wait(33); } } catch(Exception e) { // 例外をログに書き込み Hell_write(e); } finally { // Hellシステム終了 Hell_quit(); } } 注意が必要なのは、「try~catch~finally」です。 ウィンドウが閉じられたときには、Hell_wait()が例外を返します。 その場合、catchして、ログの出力をし、Hell_quit()で終了します。 画像ファイルが存在しなかった場合など、「run.log」にエラーが書き込まれるので、 それを参照します。 特殊なキーの動作 F4キー:登録しているテクスチャを全て読み込みし直す F5キー:ボスが来た! ⇒ウィンドウ最小化 F9キー:ウィンドウモード・フルスクリーン切替(たぶん使えます) F10キー:マウスカーソル表示切替 F12キー:スクリーンショットをhell.bmpで保存(たぶん使えます) ESCキー:アプリケーションを終了します。 「dHell2」リファレンス Hell_init(char[] caption, int width, int height, bool fullscreen=false) dHellを初期化します。 パラメータcaption ウィンドウタイトル文字列 width 画面縦サイズ height 画面横サイズ fullscreen フルスクリーンフラグ Hell_quit() dHellの終了処理を行います。 Hell_setCaption(...) キャプション(タイトルバー)の文字列を変更します。 (※ただし日本語は表示できません) C言語のprintf()のような書式で書くことが出来ます。 Hell_write(...) ログファイル「run.log」にメッセージを書き込みます。 C言語のprintf()のような書式で書くことが出来ます。 より詳しい記述方法は、std.format.doFormat http //www.kmonos.net/alang/d/phobos/std_format.html を参考に。 Hell_write(Exception e) ログファイル「run.log」に例外情報の書き込みを行います。 Hell_loadTexture(char[] key, char[] filepath, int[3] mask=[-1, 0, 0]) BMPをテクスチャとして読みこみます。 パラメータkey 画像のキー(Hell_drawTextureで使います) filepath 画像ファイルのパス mask 抜き色(mask[0]に「-1」で抜き色なし。「-2」で座標指定) Hell_drawTexture(char[] key, float cx, float cy, int ox=0, int oy=0, int ow=0, int oh=0, float dx=1.0f, float dy=1.0f, float rot=0, int r=0xFF, int g=0xFF, int b=0xFF, int a=0xFF) BMPを描画します。 ox,oy,ow,ohにそれぞれ「0」を指定すると、BMP全体を描画します。 ※抜き色を有効にする場合、Hell_setAlpha()に「HELL_ALPHA_NORMAL/HELL_ALPHA_ADD」を指定する必要があります。 パラメータkey キー(Hell_loadTextureで読み込み済みのもの) x X座標 y Y座標 ox 切り取り開始X座標 oy 切り取り開始Y座標 ow 切り取る幅 oh 切り取る高さ dx 拡大サイズ(X) dy 拡大サイズ(Y) rot 回転角度(0~360。左回り) r マスク色(赤) g マスク色(緑) b マスク色(青) a α値 Hell_drawTextureEx(char[] key, float cx, float cy, int ox=0, int oy=0, int ow=0, int oh=0, float dx=1.0f, dy=1.0f, float rot=0, int r=0xFF, int g=0xFF, int b=0xFF, int a=0xFF) Hell_drawTexture()は左上座標を指定ですが、これは中心座標を指定して描画する関数です。 Hell_hasTexture(char[] key) 指定のキーのテクスチャが存在するかどうかチェックします パラメータkey 画像のキー 戻り値キーが存在すれば「true」を返します Hell_capture(char[] key) 現在の画面の内容をキャプチャーします。例えば、前の描画内容を半透明で消しながら重ね合わせることでクロスフェードっぽいことができるようになります。 ただし、重たい処理なので毎フレームキャプチャーするのはオススメできません。 Hell_setAlpha(char[] key, int alpha) アルファ値を設定します。 パラメータalpha アルファ値(HELL_ALPHA_DISABLE/HELL_ALPHA_NORMAL/HELL_ALPHA_ADD)HELL_ALPHA_DISABLE αブレンドしない HELL_ALPHA_NORMAL 半透明 HELL_ALPHA_ADD 加算 Hell_getMouseX マウスのX座標を取得します。 戻り値 --- マウス座標X Hell_getMouseY マウスのY座標を取得します。 戻り値 --- マウス座標Y Hell_isPressMouse マウスを押し続けているかどうかを判定するフラグを取得します。 戻り値 --- マウスを押し続けているかどうかのフラグ ●使い方 if(Hell_isPressMouse() HELL_BUTTON_LEFT) { printf("press left"); } if(Hell_isPressMouse() HELL_BUTTON_MIDDLE) { printf("press middle"); } if(Hell_isPressMouse() HELL_BUTTON_RIGHT) { printf("press right"); } Hell_isPushMouse マウスをそのフレームに押したかどうかを判定するフラグを取得します。 戻り値 --- マウスをそのフレームに押したかどうかのフラグ ●使い方 if(Hell_isPushMouse() HELL_BUTTON_LEFT) { printf("push left"); } if(Hell_isPushMouse() HELL_BUTTON_MIDDLE) { printf("push middle"); } if(Hell_isPushMouse() HELL_BUTTON_RIGHT) { printf("push right"); } Hell_isPressKey キーを押し続けているかどうかを判定するフラグを取得します。 戻り値 --- キーを押し続けているかどうかのフラグ ●使い方 if(Hell_isPressMouse(HELL_DOWN)) { printf("press down"); } if(Hell_isPressMouse(HELL_RIGHT)) { printf("press right"); } if(Hell_isPressMouse(HELL_LEFT)) { printf("press left"); } Hell_isPushKey キーをそのフレームに押したかどうかを判定するフラグを取得します。 戻り値 --- キーをそのフレームに押したかどうかのフラグ ●使い方 if(Hell_isPushKey(HELL_RETURN)) { printf("push return"); } if(Hell_isPushKey(SDLK_z)) { printf("push z"); } if(Hell_isPushKey(HELL_UP)) { printf("push up"); } Hell_loadWAV(char[] key, char[] path) SE(WAVファイル)を読み込みます パラメータkey キー(Hell_playWAVで使います) path サウンドファイルのパス Hell_playWAV(char[] key, int loops=0, int channel=-1) SE(WAVファイル)を再生します パラメータkey キー loops ループ回数。0で1回再生。(-1で無限ループ) channel チャンネル番号(-1であいているチャンネルを自動で使う) Hell_stopWAV() SE(WAVファイル)の再生を全て停止します。 パラメータchannel 停止チャンネル番号(-1で全て停止) Hell_disposeWAV(char[] key=null) SE(WAVファイル)を破棄します。 パラメータkey キー(Hell_loadWAVで指定したもの)※nullで全てを破棄します bool Hell_isPressJKey(int id) ジョイスティックの十字キーを押しているかどうかを調べます。 戻り値---ジョイスティックの十字キーを押しているかどうか ●使い方 if(Hell_isPressJKey(HELL_J_UP)) { printf("press up"); } if(Hell_isPressJKey(HELL_J_DOWN)) { printf("press down"); } if(Hell_isPressJKey(HELL_J_LEFT)) { printf("press left"); } if(Hell_isPressJKey(HELL_J_RIGHT)) { printf("press right"); } bool Hell_isPushJKey(int id) ジョイスティックの十字キーを押したかどうかを調べます。 戻り値---ジョイスティックの十字キーを押したかどうか ●使い方 if(Hell_isPushJKey(HELL_J_UP)) { printf("push up"); } if(Hell_isPushJKey(HELL_J_DOWN)) { printf("push down"); } if(Hell_isPushJKey(HELL_J_LEFT)) { printf("push left"); } if(Hell_isPushJKey(HELL_J_RIGHT)) { printf("push right"); } bool Hell_isPressJButton(int id) ジョイスティックのボタンを押しているかどうかを調べます。 戻り値---ジョイスティックのボタンを押しているかどうか ●使い方 if(Hell_isPressJButton(0)) { printf("press 1button"); } if(Hell_isPressJButton(1)) { printf("press 2button"); } if(Hell_isPressJButton(2)) { printf("press 3button"); } if(Hell_isPressJButton(3)) { printf("press 4button"); } bool Hell_isPushJKey(int id) ジョイスティックのボタンを押したかどうかを調べます。 戻り値---ジョイスティックのボタンを押したかどうか ●使い方 if(Hell_isPushJButton(0)) { printf("push 1button"); } if(Hell_isPushJButton(1)) { printf("push 2button"); } if(Hell_isPushJButton(2)) { printf("push 3button"); } if(Hell_isPushJButton(3)) { printf("push 4button"); } Hell_isPressEnter()/Hell_isPushEnter() Zキー、Returnキー、Spaceキー、Joystickの1ボタン、マウスの左クリック のいずれかが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_isPressCancel()/Hell_isPushCancel() Xキー、Joystickの2ボタン、マウスの右クリック のいずれかが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_isPressMenu()/Hell_isPushMenu() Cキー、Joystickの3ボタン、マウスの真ん中クリック のいずれかが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_isPressUp()/Hell_isPushUp() 上キーが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_isPressLeft()/Hell_isPushLeft() 左キーが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_isPressDown()/Hell_isPushDown() 下キーが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_isPressRight()/Hell_isPushRight() 右キーが押されていれば/そのフレームに押したら「true」を返す Hell_playBgm(char[] path, int loops=-1, int ms=0) BGMを再生します パラメータpath ファイルパス loops ループ回数(-1で無限ループ) フェードイン時間(ms) Hell_stopBgm(int ms=0) BGMを停止します パラメータフェードアウト時間(ms) Hell_isPlayBgm() BGMが再生中かどうか 戻り値再生中であれば「true」 Hell_drawRect(float x=0, float y=0, float dx=0, float dy=0, float width=0, float rot=0, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) 矩形の描画 パラメータx,y 左上座標 dx,dy 幅,高さ width 線分の太さ(0で塗りつぶし) r,g,b,a RGBA値 Hell_drawRectEx(float cx=0, float cy=0, float dx=0, float dy=0, float width=0, float rot=0, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) 矩形の描画(中心座標を指定) パラメータcx,cy 中心の座標 それ以外はHell_drawRectと同じ void Hell_drawLine(float x1, float y1, float x2, float y2, int width=1, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) 線分の描画 パラメータx1,y1 開始座標 x2,y2 終端座標 width 線の太さ r,g,b,a RGBA値 Hell_drawTriangle(float x, float y, float radius, float rot=0, int width=1, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xFF) 三角形を描画します。 パラメータx X座標(中心) y Y座標(中心) radius 半径 rot 回転角度(0~360) width 線の太さ(0で塗りつぶし) r R成分 g G成分 b B成分 a A成分 Hell_drawCircle(float cx, float cy, float radius, int width=1, int r=0x00, int g=0x00, int b=0x00, int a=0xff) 円を描画します。 パラメータcx 中心座標X cy 中心座標Y radius 半径 width 線の太さ(0で塗りつぶし) r R成分 g G成分 b B成分 a A成分 Hell_drawFont(char[] msg, float x, float y, float zoom=1.0f, int r=0xff, int g=0xff, int b=0xff, int a=0xff) フォントの描画(asciiのみです) パラメータmsg ascii文字列 x,y 描画開始位置 zoom 拡大サイズ(1.0fで32x48) r R成分 g G成分 b B成分 a A成分 Hell_drawFontEx(float x, float y, float zoom=1.0f, int r=0xff, int g=0xff, int b=0xff, int a=0xff, ...) Hell_drawFont()をC言語のprintf()のような書式で書くことが出来ます。 より詳しい記述方法は、std.format.doFormat http //www.kmonos.net/alang/d/phobos/std_format.html を参考に。 Hell_sin(float rad) サインを求めます。パラメータはラジアンです。 Hell_cos(float rad) コサインを求めます。パラメータはラジアンです。 Hell_atan2(float y, float x) アークタンジェントを求めます。戻り値はラジアンです。 Hell_sinEx(float deg) サインを求めます。パラメータは度を指定します。 Hell_cosEx(float deg) サインを求めます。パラメータは度を指定します。 Hell_atan2Ex(float y, float x) アークタンジェントを求めます。戻り値は度になります。 Hell_deg2rad(float deg) 度をラジアンに変換します。 Hell_rad2deg(float rad) ラジアンを度に変換します。 Hell_randSeed(uint seed, uint index) 乱数を初期化します。 わざわざ呼ばなくてもプログラム開始時に乱数は初期化されます。 再現性のある乱数を生成したい場合にコールします。 パラメータseed 種 index 次の乱数インデックスへの増分 Hell_rand(uint range) 0~(range-1)の範囲で乱数を生成する Hell_randf(float range) 0~rangeの範囲で乱数を生成する(float版) Hell_randInt(int begin, int end) begin = x endの範囲で乱数を生成します。 パラメータbegin 開始値 end 終了値 Hell_choice(int[] array) 指定の配列からランダムで値を取り出す パラメータ配列 戻り値配列の中のランダムな値 Hell_shuffle(int[] array) 指定の配列の値をランダムに入れ替える パラメータ配列 Hell_MessageBox(wchar[] message, wchar[] caption="", uint type=MB_OK) Windowsダイアログを表示する パラメータmessage メッセージ文字列 caption キャプション文字列 type メッセージボックスの種類
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「涼宮ハルヒの鬱憤」の続編です。 狼が牙を研がせる襖から 蕾み開いた蓮の花。 散っては散っては夢の中。 暴れる時の移ろいは もはや誰にも止められぬ――― 先週までのハロウィン調査(正確にはパーティー)も当たり前の事だが、 特に成果もなく一旦中止となり、俺は期末テストに向けて部室で 鬼教官・ハルヒの超スパルタ教育を受けている。 「ハルヒ。お前、その竹刀どこから持ってきたんだ?」 「つべこべ言わずに覚える!」 鼻先に突きつけられた竹刀に怯みながら俺はようやく ハルヒの鋭い剣筋を教科書で受け止める反射神経を身に付けたようだ。 今日は日本史。 俺の最も苦手な教科の一つだ。 「日本史は覚えようと思っても頭に入ってこないんだよな。 教科書の文字が漢字ばっかりで…。 大体、試験範囲は幕末、明治維新だけって言ったってこの時代の奴ら、 色んな面倒事を起こし過ぎだ。」 「覚えられないのはあんたに気合いと根性と脳みそが足りないだけ!」 くそっ…反論の余地無し…。 目の前にいる古泉はニヤニヤしながらお茶を飲んでいる。 「しばらく一緒にゲームが出来ないのが実に残念です。」 勉強しなくても余裕と言った古泉の佇まいが許せない。 神様はなんて不公平なんだ。いや、神様はハルヒだからえ~と…? 「はい、今から10分の休憩を入れるわ。」 最初で最後の休憩時間。 「キョン!はい、これ。」 手渡されたのはカカオ99%の苦~いチョコと緑茶。 ハルヒは「チョコと緑茶は記憶力を良くしてくれるの!」と言っていたが、 俺は胸焼けを起こして集中力を刈り取られそうだ…。 朝比奈さんの入れてくれるお茶が恋しい…。 長門はいつものように読書をしている。 まぁ、こいつに試験勉強は必要無いだろう。 「今回は何を読んでるんだ?長門。」 長門はそっと本を上げて表紙をこちらに向けた。 しまざき…ふじむら?なんで名字が2つ並んでるんだ? 「ほぅ…島崎藤村の『夜明け前』ですか。」 良かった…口に出さなくて…。 「キョン、どうせあんたの事だから『どっちが名字だ?』とか思ったんでしょ?」 そういう勘は本当に鋭いな、ハルヒ。 苦いチョコを緑茶で流し込もうとしたその時、部室の扉が開き、 最近またグッとセックスィ~さを増したSOS団のプレイメイツッ!!こと、 朝比奈さんのご登場だ。 「こんにちは。新しいお茶の葉も見つけたんで皆にも、と思って。 だから今日はここでお勉強しようかなって。」 と、何故かメイド服を手に取る朝比奈さん。何故!? 朝比奈さんが「今日は珍しいお茶の葉が手に入ったんです~。」と 入れてくれたのは蓮(はす)の花茶という最高級品らしく、 なんでも舟で池に咲いてる蓮の花の蕾みを一つずつ摘んで作るものらしい。 う~ん、フローラルな香り…。 さっきまで「歴史っていうのは流れで覚えるの!」と 解説用のノートを竹刀で差しながら叫んでいたハルヒは 俺が黙々と教科書に向かっているのをジーッと見ていたか思うと 夕陽の暖かさに耐えられなかったのか頬杖を付きながら ちょっと遅めのお昼寝タイムに入っていた。 俺もさっきの蓮の花茶の香りに当てられたのか眠くなってきた…。 「ここでサボったら後で涼宮さんに何をされるか分かりませんよ。」 俺の心を見透かしたように古泉はニヤついていた。 分かってるよ…俺もハルヒに竹刀でぶっ叩かれるのはごめんだ…。 その時、部室内がフッと暗くなったので窓の外に目をやると さっきまでの夕陽が消え、灰色の空間が押し迫ってきていた。 「古泉、これは…」 古泉に目をやるとさっきまでのニヤケ顔と違い、真顔で驚いたような表情をしていた。 「閉鎖空間のようですね。しかし、涼宮さんは眠り込んでおいでのようですが…」 と、古泉が喋り終わらないうちに眩しい光が部室を包んだかと思うと、 俺は気絶しそうな目眩に襲われた。 業火に焼かれる月の都の闇の中。 踊る金魚は池の中。 降り注ぐ血の色煙る雨の音。 想う心は一つでもあちらこちらと相容れぬ――― 「ぐおっ!!」 なんか思いっきり腹を踏まれた。痛い…。 「おめぇ何者じゃ?妙な格好しおってからに。」 何だ?ここはどこだ?あれ?谷口???ハルヒ達はどこ行った? 「何しやがんだ?谷口。大体、お前こそ変な格好しやがって…」 「お前、何故わ、わ、わしの名を?怪しい奴じゃ!どこのもんか知らんが、 毛唐みたいな服着よってからに不届千万!攘夷じゃ!この奸賊めが!」 はぁ?と思う間もなく、この着物とちょんまげ姿の谷口は でっかい刃物を取り出し、俺の鼻先に突きつけてきた。 朝倉の時といい、今といい、俺は先端恐怖症にでもなってしまいそうだ…。 冷や汗が背中を伝う、まさにその時だった。 「いたぞ!!こっちだ!!」 と、何人もの集団が大声を出しながらこちらに向かってくる。 「しもうた…。」 一言呟いてちょんまげ谷口は刀を納め、逃げ出していた。 「おい!待てよ!」 俺はとりあえずこの場の空気を読んでちょんまげ谷口と一緒に走っていた。 「お、お前!何故ついてくるんじゃ!?」 「うるせぇ!とりあえず逃げとけみたいな流れだったからだ!」 狭い路地裏に飛び込み、弁慶と牛若丸が出てきそうな橋を渡り、 寺の境内を抜け、走り続けているとそこは昔、修学旅行で行った 太秦映画村のセットのような屋敷の裏門だった。 「くそっ!袋小路か…お前のせいじゃぞ、毛唐!」 表の大通りから声が聞こえてくる。 どうやら相当な人数が追い掛けてきているようだ。 お前は一体、何をやらかしたんだ?谷口。 と、その時、屋敷の通用門が開くと俺と谷口は襟首を掴まれて引きずり込まれた。 これは一体、何の冗談なのでしょうか? まぁ、百歩譲って長門有希と朝比奈みくるに挟まれているのはまだ理解出来ます。 しかし……何故、僕らはちょんまげを付けて妙なはっぴを着た連中に 大人数で囲まれているのでしょうか? 「お前ら、何者だ!?」 それはこちらの台詞ですよ。 「いきなり目の前に現れよって!妙な格好をしている所を見ると毛唐か?」 「この人達は一体、何なんですか~!?」 会話が噛み合ってませんね。この方達が何者なのか僕が知りたい所です。 「…新撰組。」 おやおや? 「日本において残存する歴史的資料のデータと彼らの姿形が一致している。 理由はわからないが、今は彼らが新撰組だと認識するのが妥当。」 「ふぅ~…理由はわかりませんし、信じたくもありませんが、 確かに彼らは新撰組としか見えない格好をしていらっしゃいますね。」 「そして彼らはこちらを敵性と判断している。」 「キョンくんと涼宮さんはどこにいるんでしょうか~?」 「まずはこの場を切り抜けるのが先決。その後、2人の捜索を開始する。 2人の存在も微弱ながら感知出来る。」 「長門さん、どうやらここでは僕の能力が僅かながらですが、発揮出来るようです。 何故かはわかりませんが、少々お力添えは出来そうです。」 「…助かる。」 「先程から何をごちゃごちゃと!!」 キラリと光ったと思うと四方八方から刃が切り込んできた。 「私が障壁を作る。攻撃はあなたに任せる。 ただし、殺さない程度に力を抑えて。」 「分かっていますよ!」 障壁に雷のような電気が走ったと同時に逃げ道を作る為、攻勢に転じた。 「さぁ、長門さん、朝比奈さん。この爆発の煙幕に紛れて逃げましょう。」 この山、登りゃ何見える? あの谷、降りりゃどこへ行く? 誰にも分からぬ獣道。 草をかき分け、野を抜けて道なき道をただひたすら――― 「不逞浪士に逃げられただと?馬鹿野郎!」 屯所内に怒号が響く。 「すみません…しかし、一緒にいたのが妙な格好をした奴でして 西洋人だと思うのですが何故、攘夷浪士が毛唐共と話をしていたのか? 何か繋がりでもあるのかと思いまして…」 その時、外の廊下から誰かが走ってくる足音が聞こえた。 「副長!副長はおられますか?」 激しく襖が開くと一人の小柄な美男子が立っていた。 彼は八番隊組長・藤堂平助。 北辰一刀流の使い手で常に闘いを一番手で先んじる所から 隊士達の間では『魁(さきがけ)先生』と呼ばれている。 「うるせぇな。今度はなんだ?」 不機嫌な顔と鋭い眼光を藤堂に向けながら目の前に座っている男は答える。 この周囲を沈黙せしめる威圧感と凄みを振りまいている男こそ、 京の攘夷浪士から新撰組隊士までをも震え上がらせる 新撰組・鬼の副長、土方歳三その人である。 「それが副長。先程、三条大橋の辺りで 毛唐みたいな妙な格好をした3人組を見つけやして…。 連行しようとしたところ、抵抗していざこざになりそうな時に それがまた奴ら、天狗みたいに不思議な術を使いやがるんでさ。 突然、目の前に現れたかと思うと、火の玉出したり、雷が落ちたみたいに 影も形もなくなって消えちまったり…。 あいつらは天狗みたいな鼻してると聞いた事がありますが、 本当に天狗みたいな妖術を使いやがるんですね。」 副長は溜息を付いてやれやれ…という顔をしながら 「お前もまたそんな訳の分からん報告を入れんのか、と言いたい所だが、 さっきの島田の話と合わせると攘夷浪士達が何らかの理由で方針を変えたのか、 その妙な格好をした西洋人共と何らかの繋がりがありそうな雰囲気だな。 この前の桝屋古高俊太郎への取り調べや山崎の報告から 今はこの京に不逞浪士が多数、潜伏し、何かを企てているらしい。 浪士と毛唐が手を組むなんざ考えられんし、考えたくもないが…。 ちっ…。ったく、面倒臭ぇ。 そいつらも浪士共と一緒にふん捕まえて縛り上げるか、叩っ斬るか、 徹底的にやらねぇといけねぇみたいだな。」 風もなく、太陽がギラギラと輝いている。 メイド服を冬用に衣替えしていたのでとても暑いです。 3人でなんとか狭い路地の片隅に身を潜める事が出来ました。 「情報統合思念体とのコンタクトに成功。 私の持つデータと情報統合思念体の持つデータの間に生じている齟齬は改善された。 侵入コードを解析…。 やはり時間と空間の位相がずれている。 現在の日付は地球時間に換算して、1864年7月7日。 空間座標は京都。 涼宮ハルヒの力により何らかの原因で、 5人がこの時空間に転送されたと考えるのが妥当。」 その言葉を聞き、私は自分でも驚くような大声を出しました。 「そんなはずありません!」 古泉君にシッと声を沈めるように促されながら、2人に説明しました。 「そんなはずありません…。涼宮さんが原因となった時間震動により 時間平面同士の間に大きな時間の断層が出来ているはずです。 私達がいたあの時間より4年以上過去には行けない状態だったはずです!」 そう、そんな過去には行けない。これはもう何回も確認されている事。 「でも、これは事実。恐らく、涼宮ハルヒの力により その時間の断層を飛び越えて転送されたと考えるべき。 元の時間平面上に戻るには…」 「…涼宮さんの力が必要と言う訳ですね。」 「…そう。」 「と言う事はまずはやはりあの2人の捜索が肝要。」 「…そう。」 「原因の究明はその後ですね。」 「あんちゃん達!」 急な背後からの声に3人の動きが止まった。 くそっ…今日は踏んだり蹴ったりの厄日だ。 俺は上に乗っかった谷口をはね除けて、服に付いた泥を払った。 「おい谷口。さっきから言おうと思ってたんだが、お前、袴の帯、解けてるぞ。」 「えっ!?くそっ!お前のせいで今日は踏んだり蹴ったりの厄日じゃ!」 その時、ふと横目にちらりと入ったものに気を取られた。 ポニーテール……ハルヒ!? しかし、目の前に立っていたのはハルヒと同じくらいの眩しい笑顔をした大男だった。 「おまんら、さっきから大騒ぎし過ぎじゃきに。ちくっと大人しゅう出来んかえ。」 あれ?この人ついさっき、どっかで見たような…。 「行ったようじゃの…。しっかし、おまんら…新撰組相手に何やらかしたんじゃ?」 し…新撰組? 「あんな大人数に追い掛け回されるっちゃよっぽどの極悪人かいのぉ~?」 言葉とは裏腹にこの状況を楽しんでいるかのような笑顔をしている。 「き、貴様こそ何者じゃ!?」 谷口は虚勢を張ったが、目の前の大男に威圧され、逃げ腰になっている。 「おんや?おまん、長州の桂んとこに、よう出入りしちょう谷口じゃなかか?」 「か、か、桂さんを呼び捨てとは何たる無礼者!!」 「まっ、ええわ!ところでおまん…」 大男の鋭い眼光に睨まれて俺は少し怯んだ。 「変な格好しちょるのぉ~!ひょっとして、こんが西洋のジャケッツっちゅう着物かい? あ!エゲレス人には英語しか通じんかの?あぁ~…アーユージャケッツ?」 あ…いえ…日本語で大丈夫ですから…。 むしろ、日本語しか通じませんから。 それに「あなたはジャケットですか?」ってどういう意味ですか? 「いっや~!あんちゃん達のさっきのアレ、めがっさ凄かったにょろ!!」 聞き覚えのある声に見覚えのある顔。 ただその人は着物姿で、こちらを好奇心いっぱいの目で見つめていた。 「鶴屋さん!?」 3人は何故、ここに?と思ったに違いない。 「あっれ~?あんちゃん達、うちの事知ってんのかいっ!?」 彼女はニコニコと微笑んでいる。 「…彼女はこの時代の有機生命体。恐らくは私達の時代にいる彼女の祖先。」 なるほど…あのハイテンションは遺伝だったんですね。 「3人だけでごにょごにょ内緒話とは聞き捨てならないさっ! 何で新撰組に追われてたんだいっ!? そんな悪そうな人達には見えないっけどな~! まっ!こうして会ったのも何かの縁さっ! うちに来なよ!あんちゃん達みたいな変わった人達は大歓迎にょろ!」 3人は顔を合わせた。 「ほらっ!早くっ!そんなとこに突っ立ててまた見つかっても知んないよっ! 大丈夫っ!ここらへん一帯はうちの庭みたいなもんさっ!」 3人の背中を押しながら鶴屋さんはずんずん進んで行く。 「ところであんちゃん達のあの雷や火の玉みたいなのってうちにも出せるのかいっ!?」 「…それは不可能。」 「そっかい!あんなの出せたらやりたい放題にょろ?」 何をやりたい放題なんですか? 煩悩は花の種。 人の心に咲く花は悩みの種から芽を吹いて 育つは人煩いの涙の雨と笑うお天道様の声。 煩悩を捨ててはつまらぬ人生。 時は移ろい全てのものは変化する。 それが諸行無常と言うならば、 我を捨て空に達しては開いた悟りも過去のもの――― 「いやっはっはっ!!すまんぜよ! まっさか、言葉の通じるエゲレス人がおるとは思わんかったきに!」 いや、だから…なんか、つっこむのも面倒臭くなってきた…。 「おい!お前、何者じゃ!桂さんやわしの事まで知っとるとは看過出来ん!」 大声を張り上げながら谷口は刀の鍔に手を掛けていた。 「おまん、何をいきっとるんじゃ?わしは…」 谷口は刀を抜き、俺達に剣先を突きつけてきた。 「やめとき…。おまんの腕じゃわしには勝てんぜよ。」 2人は世界を止めたように静かに睨み合っている。 その一瞬、火花が散ったかと思うと、 谷口は転がされ逆に鼻先に剣を突きつけられていた。 「の?言うたじゃろ?」 刀を納めると彼はまた太陽のようにニカッと笑い、 「さぁ~て、おまんら変な奴らじゃきに、ちくっとわしについてこい。 な~に、悪いようにはせんて。」 俺はこういうマイペースな人に巻き込まれてしまう性分なんだろうか? この日、土方歳三は苛立っていた。 「場所は祇園にある実成院という寺の門前にある会所。 隊の羽織から防具に至るまでなるべく全て今日中に運び込んでおけ。 目に付かないよう一遍にではなく、いくつかに分けてな。」 そのように屯所内を動かしながら三条通付近に隈無く探索方の配置を徹底していた。 日の暑さと相まって精神的にピリピリしているだろう。 なにせ京は盆地の為、風が無い。 「少しでも多くの報せが欲しいが…しかし、妙な毛唐共とは一体、何者なんだ?」 庭で子供の笑い声が聞こえる。また、あいつか…。 縁側に出ると子供達に混じって少し猫背の男が大はしゃぎしていた。 「おい、何やってやがる?」 猫背の男がボーッとした顔でこちらを振り返ってきた。 子供達は雀のように飛び散っていった。 「あ~ぁ…土方さんがそんな鬼のようなしかめっ面で出てくるから 皆、怖がって逃げちゃいましたよ。」 ニヤニヤと笑いながらゆるりとこちらに歩いてきた。 気が抜けて隙だらけのようにも見えるが、底を読ませない怖さがある。 「俺も気が張ってんだ。少し気を落ち着けたいんで碁に付き合ってくれんか?」 「良いですよ。ところで先生は?」 「ここでは先生ではなく、局長と呼べ。近藤さんは会津の藩邸だ。ところでな、 探索に出していた島田と巡回中の藤堂から入った報告なんだが、 何でも三条近くで妙な毛唐共が攘夷浪士共と一緒にウロウロしていたらしい。 何の因果か知らんが、もし毛唐と不逞浪士が手を組むなんて事になったら一大事だ。 しかもそいつら、変な火の玉や雷を出すんだとよ。」 「土方さん、熱でもあるんですか?」 「真面目に聞け、馬鹿。」 「フフ…じゃあ、斬っちゃえば良いんじゃない?」 「無茶言うな。」 この時代、幕府は開国させられただけでなく、外国と不平等ながら条約を結んでいた。 いわば攘夷運動はゲリラ的なテロ活動である。 京都守護職である会津藩の預かり、新撰組も外国人の横柄な態度を すんなり受け入れている訳ではないが、立場上、外国人を斬りつけるような 行動は取れない組織である。 ただ、この2人が話している怪しい奴らは宇宙人、未来人、超能力者であるのだが…。 「あぁ~!駄目だ。総司、俺はちょっと散歩してくる。」 「いってらっしゃい。」 碁の相手をしていたこの飄々とした男。 新撰組の中でも一、二の使い手と言われた一番隊組長・沖田総司である。 城? 「ここがうちの屋敷にょろ!さっ!入った入った!」 門をくぐり、様々な季節の木や草花の生い茂る庭を歩いている。 玄関はまだ見えない。 「無駄にだだっ広い家さっ!うちでも時々、迷子になるからね!アッハッハッ!」 人影が見える。…も、森さん? 「お帰りなさいませ、お嬢様。」 「やっほ~!また池の掃除してんのかいっ!」 「旦那様お気に入りの池でございますから。」 鶴屋さんは鼻歌交じりに庭の飛石を一足飛びで駈けていく。 「さっ!入りなよ!たっのも~!」 自分の家に何を頼むんだろうか? 「お帰りなさいませ、お嬢様。」 居並ぶ人、人、人。 「そんな堅っ苦しい挨拶は抜きさっ!この人達を居間に通しておっくれ! あと、お腹空いたから何か食べ物も出して欲しいにょろ!」 「畏まりました。」 凄っ…。 池に小舟を浮かべましょ。 折り紙折った小さな舟を。 蓮の小島に辿り着きゃ 仏と居眠り暇潰し。 もじゃもじゃ頭でポニーテールの大男は2人を引っ張って歩いていく。 そういや…SOS団の皆は、ハルヒは今、どこで何をやってるんだろうか? そもそもこれは夢か?それとも俺だけ閉鎖空間に飛ばされたのか?等と思案していると 大男は俺を問い質した。 「ところでおまん、名はなんと申す?」 今更ですか…。 「なんじゃ言えんのか?エゲレス人の名くらい儂にだって分かるきに。 ジョン・スミスとかそんな感じじゃろ?」 本当に人の話、聞いてませんね。 じゃあもう、それで結構です…。 「ほぅ~!正解か!?ジョンじゃな!ジョン!」 なんか犬みたいで小馬鹿にされてる気分だ…。 大男は立ち止まった。 「さぁ!入るぜよ。」 促されるように小さな門をくぐると庭で2人の男が話をしていた。 「いや~!勝さん、陸奥。ただいま帰ったぜよ。暑い暑い! 海軍操練所の新しいスツーデンツを連れて来たきに。」 この、もじゃポニー男の突然の言葉に俺も含めた4人は呆れたような顔をしている。 ハルヒ並みに無茶苦茶な人だ。 「龍さん、おめぇはまたこんな訳の分からん輩を…」 「いや、勝さん。こいつらは見込みあるきに。のぅ!谷口!ジョン!」 谷口は暴れている。 「なんだ?ジョンってぇのは?」 「この変な服着たエゲレス人の名ぜよ。ジョンじゃ!」 「そいつぁ西洋人には見えんが…」 「ところで陸奥、ここにはおまんしかおらんのかえ?亀達はどうした?」 「望月さん達は人に会う約束があるとかでどっか出て行きましたよ。」 「ほぅか…今の京は危ないきに。あんまウロウロしてたらいかんぜよ。 ちくっとあいつらにお灸据えとかんとな。」 あなたはどうなんですか?もじゃポニーさん。 「おめぇの言えた事かい!龍さん。おめぇも色んな嫌疑掛けられて追われる身だ。」 「儂ゃ何もやっとらん。ただ船で海に出たいだけぜよ。あ!ところで勝さん、 新しい船の話はどうなったきに?黒船が欲しいぜよ!」 「無茶を言うない!まっ、黒船とはいかんが、それなりに当てはあらぁ。 その話はまた後でするとして、それよりもだ、龍さん。 おめぇ、薩摩の西郷って知ってっかい?」 「あの寺の釣り鐘みたいな男じゃろ?」 「よくわっかんねぇ例えだな。俺も会った事はねぇんだが、 おめぇは土佐の脱藩浪士で色んな厄介事も抱えちまってる。 もし、これから京で動き辛くなったらそいつを頼んな。 薩摩が守ってくれるさ。話は付けといた。」 「そりゃありがたいのぉ~。さぁて!おまんら、とりあえず飯じゃ!陸奥も食うぞ。」 未だに俺はこの状況が飲み込めん…何なんだ、一体。 「これから私達はどうしましょう~?」 朝比奈みくるはお茶を飲みながら話を切り出した。 「あ!このお茶、美味しい♪」 「…この時空間は特殊。私の能力もいくつか制限されている。 …あの2人の位置座標までは特定出来ない。でもこの時間にいるのは確か。」 「どうにかして捜索しないと、こんな物騒な所に飛ばされたとあっては 僕らが襲われたと言う事から考えると、彼らの身にも危険が迫ってると 考えてもおかしくはないでしょう。」 「…そう。」 その時、襖が凄い勢いで開いた。 「食べてっかい!御三人。おっや~、なんだか随分と暗い顔してっけど!?」 ここはやはりこの方に頼るしか手はありませんね。 「鶴屋さん。実は僕ら、外国から来た旅の者なのです。」 鶴屋さんは目をぱちくりさせながらこちらを見ている。 「5人でここへ来たのですが、一緒に来たあとの2人とはぐれてしまいました。 どこへ行ってしまったのか皆目、見当も付かないのです。 あとの2人の捜索のお手伝いを頼んでも宜しいでしょうか?」 鶴屋さんは何かを考え込むような顔をして、 「私が知ってる外の国の人達は雷や火の玉を出したりはしなかったにょろ? あんちゃん達の顔も西洋の人より私達に近いし、言葉も通じるし、 うちはまた、妖術使いかなんかだと思ってたさっ! まっ!深い事情がありそうだから詳しくは聞かないでおくよっ!」 あの異常に勘が鋭いのも遺伝ですか…。 「その2人ってのもあんちゃん達と同じような格好してんのかいっ!?」 「えぇ、まぁ…。」 「じゃあ、簡単さっ!そんな格好してる人なんて他にいないから目立つしさっ! すぐに見つかると思うにょろ!森ちゃん!皆に言ってこのあんちゃん達と 同じような格好した2人を探して欲しいにょろ!頼んだよっ!」 やはりいつの時代も只者ではありませんね、鶴屋さん。 「ぷっはぁ~!食った食った!ん?どうした?谷口。 おまん、ほとんど箸を付けとらんな。要らんなら儂が貰うぞ。」 谷口は急に立ち上がって大声を張り上げた。 「儂ゃ、これから大志をなさんといかんのじゃ!大切な用事もある! こんな所で呑気に飯を食っとる時じゃないんじゃ!」 もじゃポニーさんは呆気に取られたような顔をしたかと思うとポツリと語り出した。 「おまん…大志の為に死ぬんか?おまんらが何をするつもりかは大体、分かっちょう。 その覚悟はえぇ。しかし、死んだら元も子もない。 全て終わりじゃ。おまんらがやろうとしちょるんは大志じゃなく、ただの無謀じゃ。 事を成すなら生きて事を成すべきじゃ。 こんな狭い島国の中で仲間同士、いがみ合っておってもせんない。 陸奥や望月、おまんらみたいな若い者がこの先の日本には必要なんじゃ。 1人でも多くの有能な人材が必要なんじゃ。 儂ゃそういう奴らを集めて外国と貿易するんじゃ。 その貿易で得た財で私設艦隊を作り、こん国を外国にも負けん強い国にしちゃる。 まっ、その前に船を手に入れにゃいかんがの! 時代は否応なく変わるぜよ…。 そん時を見られんっちゅうはつまらんじゃろ?」 谷口は拳を握り締めた。 「さきほどの小男は幕府軍艦奉行の勝であろう? あの西洋かぶれと通じておるとは貴様、何者じゃ!?」 もじゃポニーさんは頭を掻いている。 「ありゃ?まだ名乗っとらんかったかのぉ~?そりゃすまんかったわい。 儂ゃ、土佐脱藩浪士、今は神戸海軍操練所の塾頭をしちょる坂本竜馬っちゅうもんじゃ。 ところでおまん、舟は大丈夫か?あれは体が揺れて酔うけんのぉ~。 儂も未だに船酔いには慣れん。そんな奴が海軍の頭っちゅうのもおかしな話じゃがの!」 彼は快活に笑い飛ばした。 この、もじゃポニーさんが坂本竜馬?どっかで見たと思ったのは日本史の教科書か…。 ますます事態が呑み込めん…。 「さぁ~て、と。じゃ、行くか。」 もじゃポニーさんこと、坂本竜馬は刀を手に立ち上がった。 谷口はさっきから黙って俯いている。 「あの坂本さん…どちらへ?」 「船じゃ。ジョンと谷口もついてこい。陸奥はここで待っちょいてくれ。 勝さ~ん、行ってくるぜよ!」 奥からの『おぅ!』という声に見送られ、俺は坂本さんについていった。 太陽がギラギラと輝いている。 谷口は未だに納得がいかないのか、少し離れて歩いている。 その時、バラバラと男達に囲まれた。新撰組だ。 「おい、貴様。名を名乗れ!」 坂本さんはニコニコしながら 「薩摩藩士、才谷梅太郎じゃ。」 と、ネーミングセンスゼロな名前を名乗った。 「訛りが薩摩の者とは違うようだが…。」 「ふ~ん…きっとずっと京におったからでごわす。」 怪し過ぎです。無理矢理過ぎですよ、坂本さん。 「そうか、ところで才谷とやら。おまん、ここで何しちょうぜよ?」 「ちくっと知り合いの所に顔を出しに行くきに。」 「やはり、土佐の者か!!」 バレバレ過ぎです、単純な罠に引っ掛かり過ぎです、坂本さん。 「あっちゃ~…なんで分かったんじゃ?」 この人、アホだ…。 「見た所、妙な格好の毛唐もいるな。副長が言っていた不逞浪士と毛唐というのは こやつらの事か。とりあえず斬っとくか。」 一斉に刃が斬り掛かってきた。 俺はひたすらに避けては逃げる。 期末テストの鬼教官・涼宮ハルヒの竹刀に鍛えられた反射神経、舐めんな! 坂本さんは刀を縦横無尽に舞わせている。 「ジョン!谷口!逃げるぞ!」 必死で走っていた。夢ならそろそろ覚めてくれ!!! 「永倉隊長、逃げられましたね。」 「あのもじゃもじゃ頭、あいつはきっと強いぞ。やり合ってみたかったわ。」 鶴屋さん…何をやってらっしゃるのでしょうか? 「だって、これ凄いよ!何なのさっ!この乳!」 朝比奈みくるはどこの時代に行っても同じ扱いを受けるんですね。 「止めて下さ~い!」 「良いではないか、良いではないか。ウッヒッヒッヒッ。」 ふと襖に影が降りたかと思うと声を掛けてきた。森さんだ。 「お嬢様。」 「どったぁ~?」 「ただいま、旦那様に御客人が御出でなのですが、その中に 偶然なのか、旅の御三方とよく似た格好をした者がおりまする。」 3人は顔を見合わせた。 「キョンくんと涼宮さんです!」 「これは凄いですね!探す手間が省けたと言うものです。 それにしてもどうして彼らは僕らがここにいるのが分かったのでしょうか?」 「行ってみりゃ分かるさねっ!」 僕らは鶴屋さんについて応接間に向かった。 応接間の中には3人の人間が座っていました。そこには確かに彼の姿がありました。 しかし… 「キョンくん!」 「朝比奈さん!長門!古泉!お前ら、どうして!?なんでここに?」 「なんじゃ?ジョン、おまんの知り合いか?」 「こちらの方につれられてここにお邪魔しています。」 「鶴屋さん!」 「あっれ~!君もうちの事、知ってんのかいっ!? 有名になったもんだね、鶴屋さんも!」 「涼宮さんはいないようですね…とりあえず、詳しくお話しましょう。」 浮き世の旅は当ても無く、 時の縛りも無い故に ちょっと一服、笹団子。 見つめる先は鈴の音と旅人行き交う東海道。 朝比奈さんの「禁則事項です♪」と言う言葉に従い、 他の皆さんには席を外して貰う事も考えたのだが、 この時代の彼らの協力無しにはハルヒの捜索は行えない、 という古泉の意見を採用し、俺達は外国から旅をしてきた人間だ、 という設定で、まずはお互いの状況を簡潔に説明し合った。 まずここが1864年7月7日の京都だと言う事、 ハルヒもここのどこかにいるが行方不明だと言う事、 3人は新撰組に追われた事、そこでここの鶴屋さんと出会った事、 家に隠まってもらってた事、 鶴屋さんに2人の捜索を依頼した事。 そして俺はクラスメイトの谷口にそっくりな男と一緒に新撰組に追われた事。 その時この、もじゃポニーの坂本さんなる男に助けられた事。 その坂本さんに無理矢理、勝という人の所に連れて行かれ、海軍に入れと言われた事。 今も新撰組に追われている事。 坂本さんの船購入に出資してくれるのが鶴屋さんである事。 「僕は涼宮さんはてっきりあなたと一緒にイチャついてるのかと思っていたのですが…」 「誰がイチャつくか!?俺もハルヒはお前らと一緒なんだと思ってたよ…。」 また振り出しか…ハルヒ、お前は一体、どこに行っちまったんだ? 「ジョン!おまん、人探ししとったんか!?なら、はよ言や良かったんじゃ!」 坂本さん、あなたが喋らせてくれなかったんでしょうが…。 坂本さんは長門に興味を惹かれたようだ。 「ところで、そこのおなご。おまん、航海士かぇ!? その着物、セーラーじゃろ!?セーラーは海軍の証拠じゃきに! どうじゃ!?儂の海軍に入らんか!?しっかし、随分と破廉恥なセーラーぜよ! 外国じゃ、おなごはこげに肌を露にするもんかぇ!?」 話がややこしくなる。静かにしといて下さい、坂本さん。 あとスカートの中身をあまりジロジロ見ないで下さい、坂本さん…。 「それにしても俺達はなんでこんな所に…朝比奈さんの話では、えぇ~と、 ここらへんに来るのは不可能だったんじゃないんですか?」 「それが私にも不思議なんです~…。」 古泉が笑いながら制止した。 「それはまた後ほど。」 「しっかし、おまんらの話はどっか、芯のよう掴めん話じゃのぉ~…。 なんか気になるし、面白そうぜよ!儂もおまんらについていこうかの!」 えっ!? 「じゃあ、うちも行くにょろ!」 「谷口、おまんはどうする?」 谷口は返事をしなかった。 「ふ~ん…まぁ、納得いかんのに無理矢理引っ張るのもあれじゃきに。 おまんの好きにせぇ。」 谷口は無言で何かを思案しながら、俺達と別れた。 古泉が俺の耳元に囁きかけてきた。気持ち悪っ!!あ…息は吹きかけるな…。 「先程の何故、僕らがこの時代に飛ばされたのか?というお話ですが、 恐らく…涼宮さんが願ったからではないか、と。 あなたの覚えがあまりに悪いのを改善するにはどうすれば良いのか? と、涼宮さんは思案し、あなたの身体に覚え込ませる為に ここへ直接、放り込めば良いのではないか?と彼女は考え、 そして、閉鎖空間とはまた違う世界が構築された。 それに部室にいた全員が巻き込まれたのではないかというのが僕ら3人の意見です。 この世界では不完全ながら僕の力も有効化されますし。」 ハルヒ…あんまり無茶させんな…。 「ところであの天然パーマの方、ひょっとしてあの坂本竜馬ですか?」 「あぁ、みたいだな。どうやら本物らしい。色んな意味で信じられんがな。」 「これは凄い!坂本竜馬、勝海舟、新撰組と、 本当に歴史の教科書の中に飛び込んだ世界のようだ。」 笑ってる場合じゃないだろ…。 「あんちゃん達は皆、三条大橋の近くで離ればなれになったにょろ? じゃ、もう1人もその近くにいるかもしんないよ?皆で行ってみようさっ!!」 次の行動が決まらない俺達は鶴屋さんの提案に賛同したが1人、 坂本さんだけは渋い顔をしていた。 「三条大橋の周りは今はちくっと危ないぜよ。 京にいる攘夷志士から新撰組まで一斉にあの辺り一帯に集まっちょる。 それにジョン達の格好は目立ち過ぎる。服だけでも着替えておくべきじゃきに。」 確かにこの時代にセーラー服やメイド服は目立ち過ぎる…。 それにもうこの格好であの町には出たくない…。斬られるのはごめんだ。 「じゃ、うちにある着物を貸してやるさっ!その服は風呂敷にでも包むんだね!」 まるで夏祭りにでも行くようですね、と古泉は笑いながら呑気な事を言っている。 「あん破廉恥なセーラー服も堪らんけんど、それもなかなか悪くないっちに。」 と、坂本さんは長門に冗談を飛ばしている。 森さん達にも捜索してもらっている事もあり、ひとまず全員で固まって動き、 現地で二手に分かれる事とした。 ハルヒ~…早く出てきてくれ…。 アケビ、椎の実、銀杏(いちょう)に蓮の実。 供物捧げる盂蘭盆(うらぼん)にゃ、 仏様の蓮の葉座布団、摘んどけ、買っとけ、載っけとけ。 言う事聞かないお転婆娘は蓮の葉女にされちゃうよ――― 京都は夏真っ盛りである。 風鈴も音を鳴らさないほど風もなく、制服で歩き回るのは確かにしんどい。 6人は三条大橋に着いたものの、東海道の終点である宿場町と言う事もあり、 人がごった返していた。 「凄い賑わいですね~。」 朝比奈さんは物珍しそうな顔をしながらキョロキョロしている。 落ち着きの無い俺に古泉がニヤニヤと笑いながら話し掛けてくる。 「涼宮さんの捜索という目的がなければ、京の風情を味わいたい所ですね。 まぁ、心配しなくても涼宮さんなら大丈夫ですよ。僕には分かります。 正確には分かってしまうと言った方が正しいのですが…。」 長門が呉服屋の店先に置いてある鈴の付いたかんざしを見つめている。 「お!おまん、仏頂面の割には可愛いもん欲しがるの!買っちゃろか?」 「…ユニーク。これは何という武器?」 武器じゃありませんっ!! 6人でどう二手に分かれようか相談していると、急に町が騒がしくなった。 喧嘩でも起きているのだろうか? 「どうやら新撰組がおるようじゃ…。また攘夷の連中が暴れちょるんかの?」 おいおい…また斬り掛かってこられるのは勘弁だ…。 遠くの方で土煙と怒声が舞っている。 「こりゃ大捕物さねっ!」 人のごった返す通りをかき分けながら何十人という大所帯の 新撰組が抜き身の刀を振り回し、こちらへ駈けてくる。 「ここは危ないようです。ひとまず身を隠しましょう。」 横の路地に入ると大声で喚き散らしているのが聞こえる。 「副長!!副長!!」 「あっちに逃げたぞ!!!」 「待て!コラッ!!!」 「囲め!逃がすな!!」 「叩っ斬れ!!」 こりゃあ、ヤバいんじゃないか?やれやれ…物騒な所に来ちまったもんだ…。 「儂ゃ近眼じゃきに、よう見えんがどうやらこっちに来るようじゃの。」 「バレてしまったのでしょうか?」 「いんや!誰かが追われてるようにょろ!」 俺はふと大通りに目をやり、騒ぎの中心を覗いてみるとあまりの驚きに目を疑った…。 ハルヒッ!? 「……どうやら涼宮さんのようですね…。」 ………………。 今度は何をしでかしやがったぁぁぁあああ~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??? ハルヒィィィイイイ~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 土方歳三は沖田総司の一番隊を借りて京の街を歩いていた。 ここの所、探索や暗殺、拷問と立て続けに面倒事が舞い込み、 諸々の準備にも時間を取られるのと蒸し暑いのとが相まって 気が張って苛立っているようだ。 だが、これも新撰組を最強の武士集団とする為には仕方の無い事。 ちょっとでも気を抜いて取り締まりを緩めれば何が起こるか分からない。 こっちの命があっさり取られかねない事も重々、承知している。 「副長!!」 声を掛けられて振り向くと永倉新八率いる二番隊の連中がそこにいた。 「ちょうど良い所で会いました。先程、妙な浪人2人と西洋人に出くわしました。 やはりあいつら、毛唐共と手を組み、何かを企んでいるやもしれません。」 ちっ…。ったく、つくづく面倒臭ぇ…。 どうも攘夷の連中は俺の神経を逆撫でする為だけに 生きているような連中が多いようだ。 「斉藤の三番隊も今日はこの辺りを巡回中だったよな? 一度合流して配置し直すか…。」 三条大橋の近くで斉藤一率いる三番隊と合流すると、こいつらは何人か 斬ってきた後のようだった。気が荒れて、ささくれ立っている。 「おめぇら、息を整えろ。これから一番隊、二番隊、三番隊の配置を決める! どうやら攘夷志士の連中は毛唐共と手を組んで何かを企てているという 報告が入っている。いいか!!怪しい輩は生かしておかんでもいい!! 局中法度を思い出せ!気を引き締めろ!!俺達の任務は京都の治安を守る事! 面倒な奴らは徹底的に根絶やしに…ん??………はべしっ!!!!!!!」 「…副長??…副長!!!!」 目を覚ますと私は見た事もない川縁の土手に寝転んでいた。 部室にいたのは夢だったのかしら?あれ?こっちが夢? しぱしぱした目でキラキラ光る川を見ると一枚の葉っぱが流れてきた。 「ここ、どこ!?」 周りを見渡すと変な格好をした人達で溢れかえっていて私をジーッと見つめていた。 「何、見てんのよ!?」 手元にあった竹刀を振りかざすと皆、散っていった。 「キョンはどこ?自分から頼んどきながら勉強サボって 私を一人にするなんて、マジあいつ罰金と死刑をダブルで宣告するわ!」 立ち上がって歩いてみると本当に不思議な町だった。時代劇のセットのような町。 むぅ~…なんかジロジロと視線が気になる…。 「おい!そこのおなご!」 声を掛けられて振り向くと全員お揃いのダッサいはっぴを着た男共がいた。 アイドルオタクか何かかしら?気持ち悪いわ…。 「何よ?」 「お前、何者だ?何だ、その格好は?」 あんた達に言われたくないわよ。 「何よ?文句あんの!?マジ殺すわよ!!」 そう言うとそいつらは無礼者だなんだ言い掛かりを付けてきて刀を突きつけてきた。 そんなおもちゃの刀でこのSOS団団長、涼宮ハルヒ様に逆らおうなんて 良い度胸じゃないのよ!?目にもの見せてやるわ!! 30秒もかからなかった。 雑魚ばっかね…そんな腕で私に挑んで来ようなんて100万年早いのよ!! 倒した連中を踏んづけてるとアイドルオタクの仲間らしき連中が 30人近くの大人数でこちらへ向かってきた。 さすがにあの人数を相手に真正面から1人で闘うのは戦略的に不利だわ。 ここはゲリラ的戦術の採用決定ね。 引いては押し、押しては引いて、 路地に身を隠しては迂闊に飛び込んでくる馬鹿の鳩尾に一発! 屋根に上って近付き下でうろちょろしてるアホの脳天に一発! 身を伏せ通り過ぎた所を背後からフルスイングで顔面に一発! 「ふぅ~…何とかかなりの人数を仕留めるのに成功したわ。 全く何なのよ?あいつら、SOS団を脅かす悪の組織か何かで 真っ先に団長たる私を狙ってきたのかしら? それとも、ただ単に気持ち悪いアイドルオタクとして 可愛い女の子に襲い掛かってるってのなら可愛いのも罪よね。」 屋根の上であぐらをかきながら次の戦略を練っていると アイドルオタク達はどこかへと去って行った。 「ふん!逃がさないわよ!この私に喧嘩をバーゲンセールで売りつけるなんて とことん敗北と後悔にまみれさせて服従させてやらないと気が済まないわ!」 屋根伝いにアイドルオタク達を尾行すると 集まって何やら話し合いの真っ最中のようだった。 「私を倒す為の相談かしら?どうやらあの一番前で偉そうに突っ立ってる 陰気そうな奴がアイドルオタクのリーダーって訳ね。」 屋根の上からそ~っと近付き、アイドルオタクのリーダーの真上にまで来た。 「ふふん…まだまだ甘いわね。隙だらけだわ!」 竹刀の構えに力を込めた。 「ていやっ!!!」 「…ん??………はべしっ!!!!!!!」 「…副長??…副長!!!!」 何よ?副長って事は二番手?じゃあ、真の黒幕はまだ他にいるって事ね! 見てなさい!アイドルオタク共! この涼宮ハルヒ様を敵に回した事を後悔させてやるわ!! 俺が今、頭痛と目眩で倒れそうなのはこの町の暑さのせいだけではないだろう。 何故なら、あの涼宮ハルヒが目の前で大人数の新撰組を相手に 大立ち回りを演じているからだ。 「助けに行きましょうか?」 あぁ…そうだな…。 「あれがおまんらの探しちょう者かぇ?こん大人数の新撰組を相手にあん体裁き。 只者じゃないぜよ。」 えぇ…確かに只者じゃありません…。 「ひゃ~!凄い暴れっぷりさっ!」 「でも、涼宮さんが危ないです~。」 「…私が前線に出て障壁を張る。その隙にあなたは涼宮ハルヒを保護して。」 ラジャー、長門。 「行くぞ!」 さすがに緊張するよ…俺は何の術も持たない一般人なんだ。 6人で一気に飛び出し、暴れるハルヒの元に駆け寄った。 「何すんのよ!?離しなさい!」 助けに来てやったのに竹刀で殴られるとは…。 「キョン!?あんた何やってたのよ!?遅いわよ!」 お前こそ何やってんだよ、ハルヒ…。 「SOS団では遅刻は厳禁!罰金よ!」 やれやれ…。 長門が前線を抑え、坂本さんと古泉が襲いかかってくる新撰組を撃退してくれている。 「さぁ!ハルヒ行くぞ!」 「ちょっと!!待ちなさいよ!!真の黒幕はまだ存在してるの!! SOS団を脅かす悪の組織たるアイドルオタク達との闘いはまだ終わってないわよ!」 何を言っとるんだ、こいつは…とりあえずさっさと行くぞ。 俺達は布と剣を目の前にして暴れる闘牛のようなハルヒを 俺と朝比奈さんと鶴屋さんの3人は力ずくで鶴屋さんの家まで引きずっていった。 遅れて長門と古泉、坂本さんが走ってきた。 「何とか撒いてきたぜよ。もうあんな大人数に襲われるのはごめんじゃきに。」 古泉はまたニヤニヤ顔に戻っていた。 「でも、さすが涼宮さんですね。あの人数を相手に一歩も退かないとは。」 「何なのよ!?あともう少しで全員ぶっ倒す必殺技でも出そうだったのに!!」 こいつは本気で言ってるんだから困る…。 「ハルヒよ…お前、今度は一体、何やらかしたんだ? あんな大人数に追い掛けられて逃げ回るなんて余程の事だぞ。」 ハルヒは竹刀を俺に突きつけ叫んだ。 「私はあんなアイドルオタクの雑魚共から逃げてた訳じゃないわよ! さすがの私にもあの大人数相手に1人では多勢に無勢だったから 体勢を立て直す為の戦略的な一時撤退よ! 前にも言ったでしょ!SOS団に敗北主義者は要らないの! それをあんた達が邪魔するから! 次やったら全裸になって校庭で組み体操の刑よ! 八本足の宇宙人に連れ去られる~!って叫びながらね! あのアイドルオタク共、次、会ったらボッコボコにしてやるんだから!」 おいおい、こいつは日本最恐と言われた暗殺集団にまで喧嘩を売るつもりかよ…。 鶴屋さんの家の居間でこれからの善後策を練る事にした。 ハルヒは汚れた制服を着替える為に鶴屋さんと奥へと入っていった。 とりあえずさっさと元の時代に戻りたい…。 「ふふ…どうやら涼宮さんは随分と楽しんでいらっしゃるようですね。」 古泉、呑気な事を言ってる場合じゃないだろ。 長門と朝比奈さんは何事もなかったかのようにお茶を飲んでいる。 2人共、違う意味で鈍感だから羨ましい。 坂本さんは森さんと何やら話をしている。 「それは失礼しました。ですが、涼宮さんは過去に飛ばされたというのに 気が付いていらっしゃらないのが救いです。 悪の組織か何かの陰謀に巻き込まれたと本気で信じているようですから。」 長門がぽつりと口を開いた。 「…大丈夫。ここは改変された世界。元の時代に帰還した際、 完全とは言えないまでも情報統合思念体の力により ある程度の記憶の情報操作、改変、再構成、再構築する事は可能。 例え、涼宮ハルヒが時空間移動の事実を認識したとしてもそれは消去出来る範囲。 但し、行動の記憶までは消去出来ない。 あくまで認識の部分に於いてのみ、改変可能。」 って事は悪の組織と闘った~、みたいな記憶だけ残るって事か? 「…そう。だから戦闘等の行動に問題は無い。」 いや、大有りだ。生まれるよりも前の時代で死ぬなんざ、ごめんだからな! 「ところで俺達が元の時代に戻るにはどうすれば良いんだ? 朝比奈さんの力でも無理なんでしょうか?」 「そうなんです…。私達がいた時代より4年前の涼宮さんを中心とした 時間震動による時間断層が存在しています。 私達が過去に飛ばされてしまったので今度は あの時間より未来にはどうしても行けなくなってしまっています。」 「長門はどうにか出来ないのか?」 「やってはみる。ただし、初めての事例で保証は出来ない。 結局は涼宮ハルヒの力を利用するしか無い。」 「涼宮さんに元の時代に戻りたいと願ってもらう以外に方法はなさそうです。 と言う事はやはり、今回もあなたの力が不可欠な訳です。」 3人の視線が一斉に俺に突き刺さる…そんなに期待しないでくれっ! ハルヒが楽しそうな笑顔で居間に入ってきた。 黄色地にピンク色の蓮の花が施してある着物に着替えたハルヒは 茶道か華道でも習う着物美人なお嬢様にしか見えない。 竹刀さえ持ってなかったら、の話だが…。 隣に座った坂本さんが声を上げた。 「いんや~!さっきの破廉恥なセーラーも悪うなかったけんど、 浴衣着て竹刀を持つおなごとはなかなか。剣の腕と言い、気迫の強さと言い、 まっこと、さな子さんにそっくりなおなごぜよ!」 さな子とはかつて龍馬が通っていた江戸にある北辰一刀流桶町千葉道場の当主、 千葉定吉の娘、千葉さな子の事であろう。 「ジョン!おまんもおなごにゃ尻に敷かれる男かぇ!?」 古泉が意味ありげに笑う。 「さぁ!これからSOS団緊急ミーティングを開始するわよ!」 闇夜に蠢く蛇一匹。 池に浮かぶや蓮一輪。 泳ぐ蛙は睨まれて慈悲を乞う為、蓮の上――― 頭が痛ぇ…。 くそっ…あのアマ!一体全体、何者だ? 大衆の面前で人の脳天に思いっきり一本振り下ろしてきやがって! 次、見つけたらただじゃおかねぇ! 「どうした?歳。随分と苛立ってるようだが…。」 近藤勇は笑顔で訊ねる。沖田総司が代わりに、からかうように答えた。 「今日、土方さんね、三条大橋なんて人の大勢いる目の前で 女の人に竹刀で脳天かち割られてぶっ倒れちゃったらしいんですよ。」 近藤は豪快に笑う。 「歳、お前は昔から女たらしのくせに冷たくあしらう所があるからな。 またどこぞの女にでも手を出して恨みでも買ったんだろうよ。」 土方は益々、不機嫌になった。 「要らねぇ事くっちゃべってんな、総司。それよりも明日の事だ、近藤さん。 桝屋古高俊太郎への取り調べから明日、攘夷浪士共の会合があるのは確かだ。 長州、土佐、肥後あたりの面子だろう。ただはっきりした場所が分からねぇ。 探索に出している山崎や島田からの報告によるとやるとすれば四国屋丹虎か池田屋。」 近藤は先程までの笑顔を解き、真顔になっている。 「隊を二手に分けておくか。」 「あぁ、そうした方が良いだろう。 会津や桑名だけに手柄を持ってかれるのはごめんだからな。」 「しかし、事実なのか?歳。いくら過激な攘夷浪士共とは言え、 御所に火を放ち、一橋公と容保公を暗殺、天子様を長州に連行するなど 正気の沙汰とは思えんぞ。」 「事実かどうかは問題じゃねぇ。事は始まってからじゃ遅ぇんだ。」 ハルヒは 「SOS団の未来を守る為、敵対する悪の組織は徹底的に根絶やしにすべきだわ!」 と強く主張していたが、全員の説得でなんとか踏みとどまらせた。 「じゃあ、仕方ないわね。今日は一旦補給の為、休戦!明日の決戦に備えなさい!」 どこの何と決戦なんだ…教えてくれ。 俺は坂本さんが浮かない顔をしながら言った 「明日か…。」という言葉が引っ掛かっていた。 眠りにつきながら俺は祈った。 目が覚めたら部室かベッドの上に戻っていて欲しい…… ……俺の祈りは通じなかったようだ。 低血圧で目覚めの悪い俺は一番遅い目覚めだったようだ。 ハルヒは物凄い勢いで白飯をかき込んでいる。 「今日は決戦よ!長い一日になるわ。十分に補給しときなさい!」 お前が何もしなかったら何も起きん。 ボーッとした頭で朝飯に手をつけていると森さんの声が聞こえた。 「皆様、おはようございます。坂本さん…少々お時間を。」 坂本さんは森さんと話し込んだかと思うと、浮かない顔つきで戻ってきた。 「…儂と同じ土佐者で今は共に海軍操練所におる亀と北っちゅうもんがおるんじゃが、 昨日、見当たらんかったきに、ここの者に捜索を願ったんじゃ。」 望月亀弥太と北添佶摩の事であろう。 「どうやらあんの阿呆共、面倒な厄介事に首を突っ込んどるようぜよ。 過激な尊王攘夷の連中とは手を切れと何遍も言うたんじゃが…。 おまんも知っちょる谷口もおるらしい。 ジョン、すまんがこの後、ちくっと手伝うてくれんかの?」 「手伝う?」 「あいつらをここに引っ張ってくる。」 新撰組の屯所では土方が部隊を2つに分け編成を行い、一人一人に指示を出していた。 「何度も言うが、場所は祇園にある実成院という寺の門前にある会所。 固まっては動くな。通常の巡回や町に遊びに出てきた態を装ってそこへ集まれ。 今夜は生死を分つ時になるやもしれん。覚悟と準備を怠るな。 全員集まった後、もう一度そこで編成の確認をする。」 三条大橋で出会った妙な輩共とあばずれ女の行方も気にはなるが、 隊士の言う所では攘夷浪士と一緒にいた毛唐共とはあいつらの事らしい。 そう言えば確かに見慣れない妙な格好をしていた。 女に至っては肌を露出させたふしだら極まり無い着物だ。 もし、攘夷浪士と毛唐が手を組んでいるのならば 今夜の会合にはあいつらの姿もあるだろう。 まとめて叩っ斬っちまえば良い。 今夜は新撰組の浮沈を懸けた決戦だ。 土方は刀を持って屯所を出た。 ハルヒは目を輝かせていた。 「事件の匂いがプンプンするわ!その依頼、我がSOS団が引き受けましょう!」 こいつが出てくると何でも無い事まで大事件に発展する。 「ほぅか!おまんみたいな、強かおなごの力が必要かもせん! おなご2人が破廉恥なセーラー着て航海士やって戦闘員まで兼ねるとは 外国はほんに不思議な所ぜよ!」 面倒だ…誰か、俺とツッコミ役を代わってくれる方、メールしてくれ。 「まっ、とりあえず飯じゃ!」 長門はこういう和食の朝は初めてなのだろうか、 興味を惹かれたのかしきりにおかわりしている。 朝飯が終わり、一服しているとハルヒが袖を引っ張ってきた。 「ねぇ、キョン。あのもじゃもじゃの人、坂本さんだっけ? なんであの人、あんたの事、ジョンって呼んでるの?」 そうか…ハルヒにジョン・スミスの事は言えないな…。 「いや、なんか聞き間違えをそのまま勘違いしてるみたいだ。 キョンとジョンって響きが似てるからな。」 納得したようなしてないような顔をしている。 「まっ、良いわ。さぁ!SOS団捜索隊、任務開始よ!」 頭の中で坂本さんの言葉が鳴り響いていた。 『事を成すなら生きて成せ。死んだら終わりじゃ。時代は変わる。』 儂ゃ何がしたいんじゃ…。 「…口。おい、谷口!!」 ハッと顔を上げると座を占めていた面々がこちらを見つめている。 「お前は普段から締まりの無い男じゃが、こういう場くらいしゃきっと出来んか? これから長州藩のひいては尊王攘夷の行く末が決まる時なんじゃ。」 上座に座る男が鋭い言葉を放つ。 「今夜にでももう一度集まろう。その時には桂もおるじゃろうて。」 その言葉で各々、散って行った。 尊王攘夷、か…。 はっきり言うと尊王攘夷とはどんなものなのか自分自身、未だによく分かっていない。 なんだか祭りの熱に乗せられて京まで出てきてしまった気がしている。 「里に帰ろうかのぉ~…。」 そんな事を考えながら歩いていると、見覚えのある集団に取り囲まれた。 「その亀とか言う変な名前の奴らをふん捕まえれば良いのね!楽勝だわ!」 とハルヒは楽しそうに鼻歌を歌いながら歩いている。 またあの橋の所まで行くのか?絶対に襲われる…絶対に新撰組に捕まる。 俺の勘はもはや百発百中なのか、そりゃそうだろう。 こんな怪しげな集団が7人連なって歩いていたら 誰だって気になるに決まっている。 「お前ら、どこへ行く?」 坂本さんと古泉はニコニコと笑っているが、 ハルヒは今にも竹刀で飛び掛かって行きそうな勢いだ。 「このあんさんらが、ちょいと祇園はんにでも顔出そか、言わはりましてなぁ~。」 気が付くと鶴屋さんが艶っぽい京訛りで新撰組の連中にしなだれかかっていた。 「もうすぐ祇園祭でっしゃろ?舞妓はんらの踊りもそりゃ幽玄なもんでっせ? どや?お侍はんらも、うちと一緒に来はりまへんかぇ?」 くっ…朝比奈さんとはまた違うセックスィ~さだ…。 「い、いや。遠慮しておく。任務があるからな。あまりうろちょろするなよ!」 と、新撰組は立ち去って行った。 「アッハッハッ!!東のお芋さんは京訛りの女に弱いのさっ! ちょいと色で仕掛けるとすぐにこうさねっ!ちょろいもんにょろ!」 確かにあれは男としては堪らない…。 「ちょっと、キョン!何、鼻の下伸ばしてんのよ!?このスケベ面!」 …悪かったな! 望月と北添は会合が一旦解散となった後、京の町をブラブラと練り歩いていた。 「龍さんにはなんと言おうかの?」 亀こと望月亀弥太はぽつりと口を開いた。 「おまん、そげに気になるかぇ?確かに海軍を作るっちゅう龍さんの言には 一理も二理もある。けんど、今すぐやらにゃいかんっちゅう事もあるぜよ。」 北添は身近な仲間が抜けて1人になるのが嫌だったのであろう。 引き止めるように言葉を続けた。 「確かにおまんは龍さんから航海術を習い、腕もよう磨いちょう。 でんも、その術を活かすには活かすだけの世が必要じゃ。 今の海は毛唐共に支配されちょる。 こん国から海に出るにはまずこん国から毛唐を追い出し、 天子様を芯に据えた強き国を作らにゃいかんぜよ。」 亀はその意見も分かるし、龍馬の言葉も分かる。 要は優先順位の問題だ。 「とりゃっせぃ!!」 亀と北の脳天に衝撃が走った。 「坂本さん、とジョン。」 はいはい…ジョンですよ。 そしてハルヒ、暴れるな。 「まだ生きちょったの、谷口。」 坂本さんはにこやかに話し掛けた。 「あれ?土佐の亀と北じゃ。」 亀と北はさっき、ハルヒの竹刀を脳天に喰らって気絶している。 「ちくっとこいつらとおまんに話があっての。少し行き違いがあったが、 まぁ、こいつら儂の仲間じゃ。そして、おまんもな。来い。」 坂本さんはぶらりと歩き出した。 「何よ?3人に話があるから引っ張ってくるっていうのは のして無理矢理連れてくるって意味じゃなかったの?」 そんな訳ないだろ、ハルヒ。 気絶して抱えられている亀と北の目を覚まして 突然、脳天をかち割った事を何とか誤魔化し、鶴屋さんの 「さっ!歩いて喉も渇いたし、団子とお茶で一休みにょろ!」 の言葉により、茶屋に入った。 「さぁ!おまんら。これからどうするんか、ちゃっと決めぇ!ちゃっと!」 坂本さんは珍しく熱くなっている。 「悩む事は良ぇ事ぜよ。悩み考えんと出てこんもんもある。 しっかし、何も考えんと事を始めるのはただの馬鹿じゃきに。」 その言葉に北が、 「儂らは今やるべき事をやって、きっちりけじめを付けたいぜよ。」 と言い返した。 「亀、おまんもか?」 という坂本さんの言葉に亀は眉間に皺を寄せて頷いた。 「谷口は?」 谷口はうんともすんとも言わずにただ黙って俯いている。 それにハルヒがイラついたらしい。 「あんた、男らしくないわね!さっきから黙ってないで何か言ったらどうなの!? どうせそんなんじゃどこ行ったって使いっ走りがせいぜいなんでしょうけど!」 お前は黙っとけ。話がややこしくなる。 しかし、ハルヒの煽りに谷口は我慢出来なかったらしい。 「儂ゃ元々、坂本さんとは昨日初めて会っただけの縁じゃ。 助けて貰った恩はある。それはいつか必ず返す。でも、それとこれとは別じゃ!」 坂本さんは大きく溜息をついた。 「おまんら、揃いも揃って頑固者ばかりぜよ。分かった。もう何も言わん。 ただ、一つだけ覚えとけ。必ず生きて帰ってこい。 おまんら、帰ってきたらまた海で遊ぼうぜよ。」 坂本さんは少し寂しそうな笑顔を浮かべていた。 唸る狼、群れをなし、 牙を尖らせ、鼻磨き、 眼は爛々と輝いて 闇夜の獲物を取り囲む――― 昼に3人の探索をしたせいで着物を汚してしまった事を謝って 俺達は制服に着替えた。(朝比奈さんだけはメイド服だが…) 夕方、鶴屋さんの家に戻ると坂本さんは縁側で寝仏のように横になりながら 微動だにしなくなった。何かを考え込んでいるようだった。 俺達も考えなくてはいけない。元の時代に戻る方法を。 蒸し暑い夜だった。 長門は漢字ばかり並んでいる鶴屋家の蔵書を読みふけっている。 ハルヒと鶴屋さんは朝比奈さんに 「みくるちゃんが着物を着てると帯を回したくなる悪代官の気持ちが分かるわね。」 等と、セクハラ三昧のいたずら放題をしている。なんて羨ましい…。 俺と古泉は将棋を指している。3連勝中。 森さんが勢い良く駆け込んできた。 「皆様!どうやら新撰組の方々が三条木屋町の池田屋さんに踏み込んだようです。 尊王攘夷の方々が多数、集まり会合を開いていたようですが、 坂本さんのお知り合いもいらっしゃるのではないかと思いまして…」 その話を聞いた坂本さんは刀を手にして縁側からもうすでに外へと駆け出していた。 「僕らも様子を見に行ってみましょう。」 「ハルヒ!」 ハルヒはもう竹刀を手に外に出ていた。 「分かってるわよ、みくるちゃん!有希!行くわよ!」 「はい!」「……。」 5人で走り出した。………戻ってきた。 「鶴屋さん!森さん!池田屋ってどこ!?」 森さんと野次馬根性丸出しの鶴屋さんに案内され、池田屋のある方向へと来たのだが、 闘いの真っ最中なのだろう、街中の路地と言う路地に兵が蠢いていた。 森さんの話では新撰組だけでなく、会津、桑名の藩兵も出てきているらしい。 「こちらです。」 森さんが全員を近くの家の屋根の上へと導いた。 この時代の森さんも得体の知れない人だ。 騒がしい大声の聞こえる方へと進み、屋根の上から池田屋の見える位置に移動した。 入り口で一人の男が抜き身の刀を手に仁王立ちしている。 新撰組の人間以外は敵だろうが、味方だろうが入れる気はないらしい。 「あぁ~!!あいつよ!アイドルオタクの副リーダー!!」 飛び出していきそうなハルヒを全員で押さえつけた。 坂本さんはどこだ? 「一度、三条大橋に行ってみましょう。」 森さんの言葉に一斉に屋根の上を動き出した。 こちらにも何百何千という藩兵が道を固めていた。 坂本さんはどこだ? 「…待って。」 突然、長門が立ち止まった。 「…こっち。」 長門が歩き出した方角へ進んで行くと 路地の陰に坂本さんに抱えられた谷口と亀が見えた。 2人とも重傷のようだ。 坂本さんにも多少の切り傷が付いている。 「おぅ…おまんら、やっと来たかぇ…。さすがに2人抱えて逃げるのはしんどいぜよ。」 しかし、長門。なんで居場所が分かったんだ? 3人を屋根の上へ乗せようとしたその時であった。 側面から火が噴いた。 「キャッ!!」 「ハルヒッ!!」 一番手で屋根に登ろうとしたハルヒは屋根の上から 真っ逆さまに地面へと叩き落とされた。 「ハルヒッ!!大丈夫か!?ハルヒッ!!」 「こっちだ!!」 藩兵が駆け込んできたのが見えて俺は倒れているハルヒを抱えて 全員で大通りに逃げると三条大橋の目の前で四方全てが囲まれてしまった。 くそっ…万事休すか。 「…橋の上を突破する。」 長門が一歩前に出てきた。 「では、僕が後方の抑えを担当しましょう。」 「…助かる。」 「おい!大丈夫か、長門。」 「…問題無い。 対有機生命体コンタクト用インターフェースの力は物質を介在する事で増幅され、 更に一方向に集中させる事で拡散しているエネルギーを圧縮する事が可能。」 どういう事だ? 「…大丈夫。…本気を出すから。」 ちゃりんと鈴の音がした。 あれは…坂本さんに買ってもらってたかんざしだ、と思った瞬間、 朝が来たのかと思う程の眩い光が辺りを包み込んだ。 突然の眩しい光に眼を開けていられなかった。 ようやく眩しさに慣れて眼を開くとそこには信じられない光景が広がっていた。 橋の上にいた何百人、何千人という人間が跡形もなく、消えていたのである。 いや、一人だけ橋の手前で倒れていた。 長門である。 「長門っ!!」 くそっ…ハルヒと長門、2人も…。 「古泉っ!!!!!!!長門を頼む。逃げるぞ!!撤退だ!!」 「はい!」 全員で逃げようとした時だった。 「亀っ!!」 坂本さんに抱えられた望月亀弥太の背中に刀が突き刺さっていた。 「……何しょるんじゃ、貴様ら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 刀を抜いて斬り掛かって行こうとした坂本さんに誰かが飛びついた。 谷口だ。 「行かせんぞ…。生きて事を成せ、言うたのはお前じゃろうが…。 時代が変わるのを見せてくれるんじゃろうが…。 お前がおらんのうなったら誰と一緒に海で遊ぶんじゃ!!」 「坂本さん!!」 坂本さんは歯噛みしながらこっちへ駈けてきた。 横を走っていた古泉の息が乱れている。 「ここまで来れば何の問題もなく、逃げられそうですね。」 と、橋を渡り終えた瞬間、急に身体が重くなって倒れて込んでしまった。 目を覚ますと、橋の横の土手にいた。 しかし、後ろから追ってきていた藩兵達はいなくなっている。 鶴屋さん、森さん、坂本さん、谷口の4人の姿も見当たらない。 夜の帳が下りて物音一つしない。 「どうやら僕らだけのようです。」 声を掛けられて振り向くとドキッとした。 目の前に古泉のニヤケ顔があったからだ。近いんだよ、顔が! 「そうだ…皆は!?」 「…問題無い。」 うおっ!長門。 「涼宮ハルヒは落下の衝撃により気絶しているだけ。特に損傷等は見られない。 朝比奈みくるも、じきに目を覚ます。」 「お前も倒れてたが、もう大丈夫なのか?長門。」 「…問題無い。瞬間的に全エネルギーを開放した為に起きた反動。 動作用のエネルギーが注入されれば問題は無い。」 「ところでさっき、橋の上で人が消えたのって…」 「…空間座標を移動させただけ。命までは取っていない。 数が多かったのでエネルギーを消耗した。」 こいつのエネルギーの源って何なんだろう?飯は普通に食ってるよな? 「ふぁ~い…。あれ~?どうしたんですか~?」 朝比奈さんがお目覚めだ。 「ところで一体全体、何が起きたんだ? 坂本さんとか鶴屋さんや森さんはどこに行った?」 古泉と長門が目を合わせた。 「どうやらここは先程までいた時代とはまた別の時代に来てしまったようです。」 は? 「空間の位置座標に変化は無い。但し、時間の位相がずれている。 地球時間に換算すると1867年12月10日。先程の時間座標から3年後の未来。」 …嘘だろ。 「なんで、今度はそんな時間に飛ばされちまったんだ?」 「長門さんのお話ですと、あの時、三条大橋を渡り終えた時にですが、 何でも僕らの元々いた時代に戻る時空間移動の震動が波形として現れたらしいのです。」 じゃあ、なんで…。 「…そう。理由が分からない。 何故、時空間移動の最中にこの時間座標に落下してしまったのか。 涼宮ハルヒの力によるものなのか、外的要因によるものなのか、原因は不明。」 朝比奈さんが真剣な顔つきで聞いている。 「それはひょっとすると…」 「何かご存知なんですか?朝比奈さん。」 「う~ん……禁則事項です♪」 おい…。 これからまた面倒事に巻き込まれるごめんだぞ…。 と思っていると、長門が歩き出した。 「…こっち。」 え? 長門は何も言わずにどんどん進んで行く。 俺はハルヒを背負ってついていった。 「ちょっと待てよ、長門。どこへ行く気だ?」 「…すぐに分かる。」 そのまま5人で歩いて行くと、とある店の前についた。 醤油屋さん???どうした、長門。また腹減ってんのか? 長門がその店の番頭と話をしたかと思うと、二階の部屋へと通された。 そこにいる人を見て驚いた。 「坂本さん!!」 確かに坂本さんである。もう一人、見た事の無い人がいた。 「おぉ!!ジョン!!久し振りぜよ!!」 久し振り?あぁ~…そうか、坂本さんにとっては3年振りか…。 「おぉ、中岡!!こいつらはジョンとその航海仲間じゃ。以前、話した事があろう?」 その中岡という人は頷いた。 「こいつは中岡。同じ土佐者で一緒に色々、やっちょうきに! いんや~!懐かしい!おまんらとは三条大橋で離ればなれになったきりぜよ。 ところでおまんら、今日はなんじゃ?」 長門、何かあるんじゃないのか? 「おぉ!そうじゃ!そこの仏頂面の女航海士!」 と、坂本さんは懐から何かを取り出した。 「おまんから預かっちょったかんざしの鈴、返しとくぜよ。」 綺麗な鈴の音が長門の手の平で鳴った。 「実は儂、女房を持ってのぉ~!さすがに女房の前で他のおなごからの贈り物じゃ なんて言うたら何されるか分からんきに!」 と、坂本さんは快活に笑った。 俺達は知らなかったのだが、かんざしには二つ鈴が付いていたらしい。 長門が坂本さんに買って貰った時に一つ、お礼としてあげていたらしい。 実に長門らしいお礼の仕方だ。 「あっ!そうそう!ところでエゲレス人のジョンなら知っちょるじゃろ。 実はの……今日はこの坂本龍馬のバースデーなんじゃ!!」 へ? 「それはおめでとうございます。」 「バースデーとは西洋では、なんじゃ祭り開いて盛り上がるんじゃろ?」 中岡さんが口を出してきた。 「龍さん、いかんぜよ。風邪引いちょる言うちょったじゃろ?」 「中岡はほんにつまらん男じゃきに。」 俺はふと思い付きを口に出してみた。 「でも、鍋とかだったら身体も暖まりますよ。」 「おぉ!それじゃ、ジョン!藤吉!藤吉!」 と、坂本さんが誰かを呼ぶと階段を登って相撲取りのような巨漢の男が入ってきた。 「藤吉。すまんが、鶏を買うてきてはくれんかの? 儂のバースデーに皆で鶏鍋をしたいぜよ!風邪にも効くしの!」 と、中岡さんの顔を見た。仕方が無いと言う感じだ。 すみません、余計な事言ってしまって…。 随分とお世話になったのだし、俺が言い出してしまったと言う事もあり、 せめて俺達で買い出しくらいには行こうとその藤吉さんに 鶏を売っている店の場所を教えてもらった。 「いんや~!ジョン、すまんの!積もる話はまた鍋の時じゃ!」 眠っているハルヒを置いて行こうとしたら朝比奈さんに止められた。 「いつまた何が起こるか分からないんだから 涼宮さんをひとりぼっちになんかしちゃ駄目です!」 と、怒られた。反省…。 疲れた…本当に疲れた…。 眠たい…布団に入ったら思いっきり寝てやる。 通りの向こうから提灯の灯りが歩いてくる。 今夜は鶏鍋か、美味そうだ。 提灯の灯りがすれ違った瞬間、ふと何かが引っ掛かった。 あれ?坂本龍馬の誕生日って…。 「なぁ、長門…。」 「…何?」 「今日って何月何日だったっけ?」 「…さっきも言った。1867年12月10日。」 「もう一回。」 「1867年…」 「違う!旧暦で!」 「…旧暦に直すと…慶応3年11月15日。」 俺は振り返って、今来た道を引き返そうとした。 しかし、朝比奈さんが必死にしがみついて俺は止めていた。 「駄目です!!キョンくん!!」 無視だ…関係無い…今はそんな言い争いをしている場合じゃない…。 「絶対に駄目です!!それにキョンくんが行っても何も変わらない!! これから起こる事は規定事項なんです!!」 規定事項という言葉に心臓を掴まれたような衝撃が走った…。 「さっきから規定事項だなんだって……… 大切な人1人、守れもしないで何が規定事項ですか!!!」 「規定事項なんです!!!!!」 朝比奈さんは泣いていた…。 「ごめんなさい……。でも、あなたが今やろうとしている事は、 禁則事項なんてレベルの問題じゃない。歴史の改変です。 皆で坂本さんを助けたのも規定事項なら今日の事も規定事項なんです。 あなたがどうしようとやっぱり歴史は変えられない……。」 霞む目の前で坂本さん達がいた部屋の灯りが消えた…。 冷たい風に長門の持つかんざしの鈴が鳴り響いていた――― 全員押し黙って歩いている。 冷たい風が身に染みる。 ハルヒが目を覚ました? 「ねぇ、キョ~ン…今日はもう帰りましょうよ…。皆、疲れてるのよ…。」 またハルヒの寝言か…… いずれ、この身が滅ぶとも 魂までは滅びやせん。 終わり結末、如何なれど 運命共にし、一蓮托生――― ……はべしっ!!! 「ちょっと、キョン!!あんた、何サボってんのよ!?日本史覚えたの!?」 …舌が噛んだ…目の前がチカチカする…涙出てきた。 「痛ぇな!!何しやがんだ!?」 パンッ!! 「へぇ~…この私にいつからそんな大口叩けるようになったのよ? 言ってご覧なさい!キョン!」 「おやおや、またですか?」 頼む!とめろ、とめてくれ、古泉。 「暖かいお茶入れますね♪」 ハルヒ、竹刀で顔をグリグリするな! ―ちゃりん。 新しく読み始めた本に合わせて、 新しいしおりを手に入れました。 二つの鈴が付いた澄んだ綺麗な音の鳴るかんざし。 島崎藤村『夜明け前』ページは今、開かれたばかり――― 「キョン。随分、元気ないわね。テストやっぱり駄目だった?」 「いや。今回の日本史は覚えるのにまさに命を懸けたからな。 ハルヒのお陰でほぼ完璧だ。」 ハルヒは満面の笑顔になった。 「じゃあ、もっと嬉しそうな顔しなさいよね!」 今回のテスト勉強はいつも以上に疲れたんだよ…。 「私に感謝しなさい! お礼はきっちりして貰うから!さっ!行きましょ!」 と、ハルヒは俺の手を取って歩き出した。 「どこへ?」 「どこでも良いわ!お礼!」 また何か奢る羽目になるのか。 ん?雪か…。 「今日は冷えると思ったら雪が降ってきたわね。天気予報も当てにならないわ…。」 「あぁ…そうだな…。」 「ねぇ、キョン。雪って下から見上げると幻想的で綺麗よね…。」 「あぁ…綺麗だな…。」 もうすぐクリスマスか…。 The End 涼宮ハルヒの歓喜~サンタが町にやって来た~へ続く
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登録日:2019/11/11 Mon 19 49 20 更新日:2024/06/19 Wed 21 08 43NEW! 所要時間:約 58 分で読めます ▽タグ一覧 シチュエーション 兄弟 兄弟対決 姉妹 家族対決 対決 対決シチュエーション 所要時間30分以上の項目 燃え要素 読んで字のごとく「兄」と「弟」の対決。 現実においても創作においても、バトルやスポーツ等のジャンルにおいては特別な位置付けとなる場合も多い、いわゆる「燃え」要素のひとつである。 女兄弟が絡んだ「姉弟」「兄妹」の組み合わせも読みは変わらず「きょうだい」、女同士の場合は「姉妹対決」となる。それらについても本項目では取り上げる。 【至るまでの展開】 【創作の例】漫画編 アニメ編 特撮編 ゲーム編 その他 【現実の例】スポーツ界編 歴史編 【至るまでの展開】 最も身近なライバルとして ジャンルを問わず、血を分けた兄弟がやがて同じ道を歩むというのはよくある話。 この場合、生まれた年月による経験の差で兄が壁として立ちはだかるパターンが多い。 弟の視点では「いずれ兄を越えてみせる!」として成長していく過程が、兄の視点では「弟には負けていられない」としてそれに負けじとさらなる研鑽を積むなどの展開が描かれ 互いが互いの実力を高めあい,満を持して最高の舞台で対決する…というシチュエーションは非常に燃える。 価値観や思想の相違 兄弟とはいえ別々の人間。それぞれに譲れない考えや思いは当然ながら存在する。 そうした決して相容れない面で対立する事もあるが、対決することによってお互いの真意を知って和解できるパターンもあり、決して憎悪のような物を含んでいるとは限らない場合もある。 兄が悪に堕ちてしまう場合 弟と比較されたり、「先に生まれたから」という理由だけで蔑ろにされたり厳しくされ、肉親からの愛情を感じられられなくなり、やがて人格が歪んでしまう…等、兄の方が越えるべき壁として、敵となって立ちはだかるパターンは多い。 それでも兄弟としての情が残っていれば打倒した後に和解できる場合もあるが、完全に取り返しのつかないところまで悪に染まってしまった場合はそれも叶わない事もまた然り。 弟が悪に堕ちてしまう場合 優秀な兄の影で劣等感に苛まれたり、そんな兄の存在により肉親から疎まれる等… 兄の場合と同様に、兄弟で対立するきっかけとなるのは幼少期の周囲の環境がかなり大きな比重を占めているとも言える。 以上のようなパターンが、創作においてはよく見られる。 現実だとお家騒動の類になり本人たちよりも環境の方が影響を帯びたりするものだが、こちらは創作だと少ない。 以下ネタバレ多数。 【創作の例】 漫画編 ケンシロウ vs ラオウ(北斗の拳) 「もはや次の一撃が、我らの最後の別れとなるだろう。俺もトキも、同じく目指した…偉大なる長兄ラオウ」 「ならば砕いてみせよう!!この拳に我が生涯の全てを込めて!!」 作品そのものが「全世界を巻き込んだ兄弟喧嘩」とも表現されるジャンプ黄金期を代表する兄弟対決。 師父を抹殺し拳王として世紀末の世に君臨するラオウに、数々の強敵との闘いを経た兄弟弟子であるケンシロウが挑む。 互いに北斗神拳の究極奥義「無想転生」によって全ての技が意味を成さなくなり、まるで幼い子供の喧嘩ような純粋な拳での勝負となった壮絶な死闘は、ケンシロウの勝利に終わる。 ラオウは「見事だ、我が弟よ」と兄を打ち破ったケンシロウを称え、「我が生涯に一片の悔い無し!!」という今日まで語り継がれることとなる名言を遺し、自ら秘孔を突いて天に還った。 ケンシロウも「俺にはあなたが最大の強敵(とも)だった」とラオウの墓前で語り、彼の遺した愛馬・黒王号を伴ってユリアと共に旅立っていった。 ラオウ vs トキ(北斗の拳) 「誓いの時は来た。今、私はあなたを越える!」 「トキよ、これが俺がこの生涯で流す最後の涙となろう…さらば我が生涯最強の敵!さらば我が最愛の弟よ!これが、お前が目指した兄・ラオウの拳だ!!」 引き続いて同作品からの対決だが、作中の設定を鑑みれば、真の意味での兄弟対決はこの2人にこそ当てはまると言える。 (修羅の国編では3人とも実の兄弟になっていたりするが) あくまで兄弟弟子・義兄弟であるケンシロウとは異なり、ラオウとトキは血を分けた実の兄弟。柔の拳を操り「北斗2000年の歴史で最も華麗な技を持つ男」と評されたトキも、実は幼い頃から兄・ラオウの剛拳に憧れ、その背中を追い続けていた。 トキは秘孔・刹活孔を突いて一時的にラオウに匹敵する剛拳を得るが、死の灰を浴びて患った病により弱った肉体では遂にラオウの剛を上回ることは出来なかった。 だが、自らの命を賭してまで兄である自分を追い求めたトキの心を知ったラオウは「病に冒されてさえいなければ…」とトキの運命を呪い、涙を流す。 そして、最愛の弟であり生涯最強の敵に向けて惜別の拳を放ち決着。ケンシロウとの北斗練気闘座での闘いに臨むこととなる。 ラオウが単なる悪役ではなく、人間臭い兄弟愛を持った武人、後に立ちはだかる強大なライバルとしてのキャラクターを確立する名エピソードであり、そこに至るまでのバトルやストーリー展開により、ファンによってはこの対決こそが作中最高のベストバウトと評する意見も多い。 宮本明 vs 宮本篤(彼岸島) 主人公明さんと、吸血鬼になってしまった明の兄篤による、501ワクチンを賭けた戦い。 篤は実は薙刀装備時が一番強い でも持ち歩きにくいから普段は丸太や日本刀で戦う 明さんの想像力がチートすぎ 呑気に馬鹿デカイ教会で結婚式してる人間ども 教会がホントに馬鹿デカすぎる 篤が泣きながら命乞い など、突っ込みどころと感動シーンがシームレスに襲ってくる名勝負。 ガッ ポイッ ゴーン ガッ 「階段があったよ!」 ラディッツ vs 孫悟空(ドラゴンボール) 新しい惑星を征服する際の戦力とするべく、幼い頃に地球に送り込まれていた弟のカカロット(孫悟空)を迎えに地球を訪れる。 しかしカカロットは幼い頃の事故でサイヤ人としての自覚を失っており、孫悟空として成長しているため彼の誘いを拒絶してしまう。 そのため怒りを感じたラディッツは悟空に仲間に加わるよう要求し、悟空の息子(ラディッツの甥)の孫悟飯を人質に取る。 悟空は悟飯を救出すべくライバルのピッコロと共闘。 最後は悟空に羽交い絞めにされ、悟空ごとピッコロの魔貫光殺砲で体を貫かれ死亡した。 ガッシュ vs ゼオン(金色のガッシュ!!) 「私とゼオン、一緒に…家族一緒に暮らせるのだ」 「あぁ。一緒に暮らしてくれるか、ガッシュ?」 魔界の王子として生まれ、幼い頃より王になるために虐待とも言えるほど厳しい教育を受けてきたゼオン。 死に物狂いの努力の甲斐あって、魔界の王を決める戦いにも順当に選出されるが、落ちこぼれで何の努力もしていない(と思い込んでいた)弟のガッシュに父の最強呪文・バオウが継承された事や、この戦いにガッシュも選出された事が重なり、父と弟への憎悪は決定的な物となる。 戦いが始まった後、すぐさまゼオンはイギリスに降り立ったガッシュを襲撃し、あえて本を燃やさずに魔界に関する記憶を全て奪い取り、訳も分からず他の魔物に襲われ続ける恐怖を味わわせようとする。 だが、この事が結果的にガッシュがパートナーである清麿と心身ともに大きく成長するきっかけとなり、人間界に召喚されたファウード内部で遂に直接対決を迎える。 戦いの中で、平民の元でのうのうと生きていると思っていたガッシュもまた、自分と同じ様に苦悩を抱えながら日々を過ごしていた事を知ったゼオンは憎しみに囚われた自分の愚かさに気付き、最後の勝負をガッシュに持ちかける。 父からガッシュヘ継承された最強の呪文「バオウ」と、ゼオンが自ら編み出した最強の呪文「ジガディラス」の激突。結果は消えていった仲間達の想いを背負ったガッシュがゼオンを上回った。 敗北したものの、父の真意を理解したゼオンの中にもはや憎しみは無く、ガッシュとも和解を果たして奪った記憶を返還。兄として「王になれ」と激励の言葉を与えて魔界へと送還された。 風間真 vs 神崎悟(エリア88) 「シン! お前に引き金なぞ引けるものか!! 引く資格なぞあるものかーーっ!」 「あ……ああああっ……!!」 孤児院で偶然出会い、兄弟同然に育ち、共にパイロットを志した二人。主人公シンより神崎の方が4つほど年上である。 当初は共に育ったというだけと思われていたが、謎の多かったシンの出生の秘密が明かされた事により、 彼らは系図上の兄弟(神崎の実の父が、シンの実の母の結婚相手と同一。ただしシンの父は別人なので彼らに血縁は全く無い)だった事が判明する。 愛によって産まれ、涼子という恋人を得て更なる愛を育もうとするシンに引き換え、 神崎の母は愛を掴み損ねたばかりに人生を狂わされ死に、自身もまた愛を得られないでいる――。 神崎がシンの謀殺を図ったのは、全て「シンばかりが愛を独り占めにできること」への嫉妬であった。 アスラン内戦は終結し、神崎の企みが全て潰えた後、神崎はシンに決着を持ち掛ける。 その最中、神崎はシンの出生にまつわる最後の秘密を明かすと、上記の台詞を叫びながらシンのの機体に激しい銃撃を浴びせる。 しかしここに至りシンもトリガーを引き、神崎の乗機を撃墜、満身創痍になりながらもシンは帰還する。 神崎の死と同時に神崎の情婦ジュリオラが出産した男児は、彼と同じサトルと名付けられる。 愛を信じない男を本気で愛してしまった女が生んだ子供、まだ何も知らない「無垢なるサトル」はまるで神崎の生まれ変わりの様であった……。 花菱烈火 vs 紅麗(烈火の炎) それぞれ違う母親の元で生まれた異母兄弟。 しかし、紅麗は呪われた子として扱われたことで母子共々辛い生活を強いられ、その原因の一端である烈火を憎むようになる(実際は逆だった)。 その後、2人は陽炎の時空流離に巻き込まれ現代へ流れつき、紅麗は森光蘭の養子として引き取られることになるが、そこでも紅麗は愛する人を殺されたり、現代に流れ着き困惑していた自分に優しくしてくれた義母を人質にされたりと悲惨な人生を送る。 そんなある時、治癒の少女(佐古下柳)を取り返しに来た烈火とまさかの再会。因縁の戦いが繰り広げられることになる。 メリオダス vs ゼルドリス(七つの大罪) 魔神王の息子兄弟。決して兄弟仲が悪かったわけではなく、魔神族の精鋭<十戒>統率者のメリオダスはゼルドリスにとって憧れの兄であり、メリオダスも弟想いの良き兄であった。 ところが、エリザベスを巡りメリオダスが魔神族を裏切ったことをきっかけに、ゼルドリスは恋人のゲルダを反逆者一味として処刑することになってしまう。これにより、ゼルドリスはメリオダスに憎悪を抱くようになってしまった。 それでも、心の底では兄を憎んではいなかったのか、メリオダスがゲルダを助ける手引きをするという交渉には素直に応じ、兄の目的のために協力している。 一方、メリオダスはゼルドリスのことを終始「 世界にたった一人の弟 」と大切に思っていたようで、ゼルドリス率いる十戒と対立する裏で、自らの身勝手を詫び、償おうとしていた模様。……彼らにはもう一人兄弟がいる? そんなはずは…… 余談だが、この二人、アニメではどちらも声が同じである。 真田幸村 他多数 vs 真田信之(殿といっしょ) 関ヶ原の戦いにて敗軍の将となった幸村と父昌幸は、信之と本多忠勝のとりなしもあり、死罪は免れ九度山への蟄居となっていた… はずだったが、本作一フリーダムといっても過言ではないこの父子が素直に引きこもっているはずなどなかった。 変装し、家康・秀忠親子をおちょくりまくり、更にはお江の方にバツ3に恐怖を与え、戦国の怖い人トップ3嫁の小松姫(*1)や舅である忠勝をも巻き込み 確実に信之の胃をマッハで殺しにかかっていた… 神楽 vs 神威(銀魂) 戦闘民族の夜兎族らしく血を求める兄の神威と戦闘民族の生き方を嫌う妹の神楽。 神威の部下である阿伏兎曰く「血のままに生きる夜兎(ケモノ)と血と戦い生きる夜兎(ケモノ)」。 母である江華の死を発端に神威がその原因となった父星海坊主こと神晃と対立し、家族関係は崩壊した。 その後最終決戦の際、壮絶な直接対決を経て改めて家族であることを再認識。 以前の関係は復元できなかったものの、敵よりもよっぽど頼りになるという関係で落ち着いた。 戦闘中に兄妹喧嘩を始めるなど相変わらず非常に物騒な関係だが、神威は一族最強の両親の下に生まれた兄妹だからこの程度では死なないとして神楽をある面で信頼している。 2人の和解を機に神晃と神威の対立関係も解消。神晃は父として息子の自由な生き方を認めるに至った。 猿野天国 vs 雉子村黄泉(Mr.FULLSWING) 週刊少年ジャンプのギャグ野球マンガより。 奇行まみれの破天荒スラッガー(※ど素人)である主人公・猿野天国。普段の明るい振る舞いからは想像しがたいが、保育園入園前に両親が離婚した母子家庭で育っている。その生き別れた兄が、全国制覇を為した豊臣高校のエース・雉子村黄泉である。 メジャー志向が強く日本野球を見下す雉子村と、惚れた少女のため県代表の主砲にまで急成長を遂げた猿野。 球速160km/hのエースと怪力スラッガーの兄弟は県対抗総力戦の決勝で激突する。 ジャック・ハンマー vs 範馬刃牙(バキシリーズ) 「これ、最後の技です…この技を最後に俺、倒れます。その時あなたが立っていたら…あなたの勝ちだッ!」 地上最強の格闘士を決めるべく地下闘技場で開催された「最大トーナメント」に参加した2名の超雄。 かたや17歳にして現役の地下闘技場チャンピオン範馬刃牙、かたやカナダから来た無名の喧嘩屋ジャック・ハンマー。 しかし、実は彼らは共に地上最強の生物と畏れられる男・範馬勇次郎の血を引く異母兄弟。 互いに横暴な父によって母から引き離された過去を持つ。 おそらくは初対面であるはずだが2人は意気投合し、ジャックは本気で殺し合いをすることに涙を流した。 宿命や因縁など眼中になく、ただ自身が最強たるべく目の前の戦いを勝ち抜いた結果互いの前に立ったのは血を分けた兄弟であった。 そして一切の悪感情なく、互いの力を純粋にぶつけあう「地上最強の兄弟ゲンカ」が幕を開ける… 鎬紅葉 vs 鎬昂昇(バキシリーズ) どちらもかつて主人公刃牙の対戦相手として立ちふさがり、そのユニークな闘技で彼を追い詰めた実力者同士。 しかし、幼いころから健康優良・頭脳明晰な優等生であった紅葉は同時に弟・昂昇にプレッシャーと紙一重の 過保護な兄弟愛を以て接し、昂昇はその劣等感を跳ね返す為に武術に打ち込んできたという複雑な間柄にあった 今こそ自分の最も輝ける場で兄を乗り越えて見せるという弟の決意を鼻で嗤い、自分の保護下にいるべきだと 一時は昂昇を圧倒する紅葉。しかし… 作者である板垣恵介も幼少時、自分の上に理不尽に君臨する兄の存在にコンプレックスを持ち 自分を鍛え追い込んで強くなろうとした青春時代を背負っており、そうした生々しい情念が注ぎ込まれた試合。 生の感情をぶつけあい、険悪な人間関係を恐れないバキシリーズの中において 一歩間違えば甘いと受け取られかねないほど純粋なドラマ描写は現在も異質な煌めきを放っている。 宮沢静虎 vs 宮沢鬼龍(高校鉄拳伝タフ) 「鬼龍を倒すのは家長であるワシの務めや」 禁術「呪怨(じゅえん)」を我が物にせんとする兄・鬼龍と、それを阻止しようとする弟・静虎。 二つに分断された禁術の秘伝書を懸け、かつて祖先が灘神影流の継承権を賭けて闘った夜叉河原にて双子の兄弟が激突する。 灘神影流の奥義を出し合う一進一退の攻防が繰り広げられるが、鬼龍が何故かハゲて覚醒したことによりその場のノリで真正呪怨を成就。 ジイチャンに放った未完成の呪怨とは違う真正の呪怨を静虎に喰らわせ、形勢は一気に鬼龍へと傾く。 トドメを刺しにかかる鬼龍だが、土壇場で静虎が灘神影流の歴史で誰も成し得なかった極限究極の技「幻朧(げんろう)」を体得。 鬼龍の殺意をそのまま返し、大きすぎる自身の殺気にさすがの鬼龍も狼狽える。 それでもなお執念で殺意の壁を打ち砕くが、すでに静虎は力尽きており、鬼龍の拳が届く前に倒れた。 勝負に勝った鬼龍だったが、敗北に似た屈辱を味わい、呪怨の秘伝書を踏み潰して立ち去っていく。 静虎も鬼龍の呪怨を受けた影響で廃人と化し、結果的に見れば両者痛み分けという形で死合いは幕を閉じる。 長岡龍星 vs 鬼塚姫次(TOUGH 龍を継ぐ男) 龍の血を継ぐ異母兄弟の戦い。主人公である龍星にとって最初の強敵との死合いでもある。 初めて接触したときに龍星が姫次の顔面に一撃食らわせたことで因縁が生まれる。 そしてこのファースト・コンタクトから一ヶ月の修行期間を経て、静虎立ち会いのもと六本木ヒルズで激突した。 犬夜叉 vs 殺生丸(犬夜叉) 大妖怪を父に持つ二人だが、兄の殺生丸は人間との混血である弟を見下し、幼少の経験から出自にコンプレックスを抱える犬夜叉も兄に反発。 加えて、父の遺産である二振りの妖刀・天生牙と鉄砕牙の所有権をめぐる争いでもあった。 生者を切れない天生牙を与えられたことを不服と感じる殺生丸は、強大な力を有する鉄砕牙を欲して幾度となく犬夜叉の前に立ちはだかる。 うちはサスケ vs うちはイタチ(NARUTO‐ナルト‐) 許せ、サスケ……これで最後だ 一族を根絶やしにした兄と、一族で唯一生き延びた弟の激突。 第一部でイタチに挑んだときは全く相手にならなかったサスケだったが、大蛇丸の元で力をつけ、第二部で再び相対した際には互角に立ち回る。 弟のサスケは兄のイタチを殺すためだけに生きてきたが、兄の真意を知る由も無かった… 大筒木インドラ vs 大筒木アシュラ(〃) 作中における忍術の原型となった「忍宗」を創始した、大筒木ハゴロモの息子達。 もともとは仲の良い兄弟だったが、兄インドラは第三者の介入によって徐々に力に傾倒していき、「力こそが世界を平和にする」と考えるようになる。一方弟のアシュラは、仲間と協力して困難に打ち克っていくことで「愛こそが世界を平和にする」と考えるようになる。 ハゴロモはアシュラの思想に希望を感じアシュラを後継者に指名するが、インドラはこれに反発。忍宗を離れて自分を慕う者達をまとめ上げ、力を至上とする一派を作り上げアシュラ率いる忍宗に戦いを挑む。 2人の代では決着は付かず、インドラの子孫であるうちは一族とアシュラの子孫である千手一族の1000年以上の戦いとなり、2人の魂は度々それぞれの子孫に転生して争い続けた。 転生者である千手柱間とうちはマダラの代で一応は和解するものの蟠りは消えず、両者が真に和解するのはその次の転生者であるうずまきナルトとうちはサスケの代となる。 継国巌勝/黒死牟 vs 継国縁壱(鬼滅の刃) 武家に生まれた双子の兄弟の対決。 跡取りとして育てられるも弟の才能に嫉妬し鬼になった兄・巌勝と、天賦の才を持ちながらそれを驕らない人格者である弟・縁壱の対決。 巌勝が鬼となって数十年たったある夜、本来ならば「痣」という能力の代償(*2)で死んでいるはずの縁壱と対峙する。 涙を流しながら兄を哀れむ縁壱に込み入るものを感じながらも、刃を向けるなら殺さねばならないと巌勝は殺気を放つ。 だが、縁壱は老体でありながら反撃どころか反応も許さず瞬く間に、次の一撃で死ぬと思わせるほどに巌勝を追い詰める。 巌勝は嫉妬心と敗北感に押し潰されそうになるが、その一撃を放つ前に縁壱は寿命で息絶えてしまった。 最後まで縁壱に追いつけなかった巌勝こと黒死牟は勝ち続けることを選び、最終的に全てを捨ててしまうこととなる。 ナツ・ドラグニル vs ゼレフ・ドラグニル(FAIRY TAIL) FTにおける兄弟対決。 アルバレス帝国編で二度戦い、最終的にナツが勝利する。 ちなみに、作風と複雑な設定により意識されにくいが、アルバレス帝国編をゼレフを中心にして考えれば、自分&息子vs事実上の妻&実弟と見ることもでき、これを昼ドラとかでやったらドロドロすぎる話になりそうである。 また部下は部下で別に家族喧嘩をやっていたりする。 ボボボーボ・ボーボボ vs ビビビービ・ビービビ(ボボボーボ・ボーボボ) 主人公であるボーボボとその兄ビービビとの毛の5兄弟同士の戦い。『ボーボボ』第一部のラストバトルであり、同時に毛の王国滅亡の現況であるビービビとの因縁の決着でもある。 ビービビは一度はボーボボの命を奪うも、仲間たちの尽力により復活、最後は今まで積み重ねてきたボーボボと仲間の力によりビービビは敗北した。 なお、毛の5兄弟の対決はこれ以前の裏マルハーゲ編でベーベベとの戦いがあった。 長男バーババも悪ではあるようだが結局最後まで戦わなかった。 ゴールドマン vs シルバーマン(キン肉マン) キン肉王家に伝わる伝承として、かつて戦いの神ゴールドマンと平和の神シルバーマンという兄弟神がいた。 しかし、ある日どちらが強いのかという口論の末戦いとなり、見かねた神々によって裁きの神ジャスティスが派遣され、 ジャスティスの提案によって真剣で戦いが行われた結果、両者が首を切り落とす相打ちで戦いは終結した。 このことは、天上兄弟喧嘩という伝説として現代まで残っており、二人の切り落とされた首は金のマスク銀のマスクとしてキン肉大神殿に祀られている。 だが現代、相打ちという決着に納得のいかないゴールドマンは大魔王サタンと結託して悪魔将軍として蘇り、シルバーマンの子孫たちである正義超人に戦いを挑んでくる。 と、いうのが表向きの歴史であったが、実際は違っていたことが後に明らかとなる。 太古の昔、地上の超人を導くために下界に降りた完璧超人始祖ゴールドマンとシルバーマンに対して、 彼らの師であるザ・マンが完璧超人始祖陸式ジャスティスマンを派遣し、二人が超人墓場に戻るか、さもなくばどちらかの首を差し出せと迫ったことが兄弟喧嘩の真相であったのだ。 そして現代において、兄弟のライバル関係は正義超人と悪魔超人に受け継がれ、互いの切磋琢磨によってザ・マンの目指した超人の進歩につながっていくことになる。 【A-S】シグナル vs 【A-P】パルス(TWIN SIGNAL) パルスが音井信之助を逆恨みする梅小路博士より盗み出されて、洗脳プログラムを植え付けられた末の戦い。 しかし、シグナルとの戦いでこのプログラムを取り込んで無効化してしまい、そのまま音井家に居座ることとなる。 なお、音井博士曰く「変に取り込んでしまい、修正プログラムすら流せない」との事。 その後も、何かと衝突することはあるが最初のようなお互いの破壊すら問わぬような対決ということはなくなった。 【A-S】シグナル vs 【A-O】オラトリオ(〃) シグナルの未熟さとオラトリオ自身の強さを証明するために行ったゲーム。 オラトリオはオプションの冷却コート(*3)を脱いでハンデを与えたうえで、自分の帽子を奪ってみろとシグナルを挑発する。 シグナルは本気でかかるも、オラトリオの長期稼働時間による経験および、本来の役割であるオラクルのガーディアンという立場からの防衛能力の高さ そして何より、膨大な情報処理能力を生かした行動パターンの把握により、まったくシグナルを寄せ付けない(*4)。 しかし、家の中で暴れまわったため信彦のくしゃみでちびシグナルにされてしまい、これで勝負ありかなと思われたとき ちびがオラトリオの頭の上で遊び始め、そのまま足を滑らせ帽子ごと落下… 軍配上はシグナル(ただしちびシグナル)の勝利となった(*5)。 アディン・バーネット vs オデル・バーネット(新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT) 「コロニーで最強の兄に勝つ」事を目的にパイロットとしての腕を磨いていたアディンと、そんな弟に期待を寄せながらも、模擬戦ではコクピットに銃を突き付けて「死んだな」と妙に悪役っぽく格の違いを見せつける兄オデル。 この兄弟は作品最序盤から模擬戦という形で戦いあっているが、憧れや期待はあっても嫉妬や失望と言った負の感情が無いという仲良し兄弟であった。 しかしOZプライツがコロニーに襲撃し、兄オデルは行方不明となる。 それでもアディンは唯一残されたMSパイロットとしてOZプライツに対抗するが、そんな折新型ガンダムに乗った謎の男が登場。 バーネット兄弟にしか使えない「PXモード」を使いこなす男を見て、アディンはそれが行方不明となった兄と確信する。 だが、同作者の4コマでもバレバレだと突っ込まれる変な仮面をつけて、ついでにゲームだと超ノリノリのギターサウンドまで引っ提げて「シルヴァ・クラウン」と名乗るその男にはオデルのような高潔さは存在せず、あれほどまでに大事にしていたコロニーを襲い、非戦闘員の避難すら妨害する非道な男になっていた。 アディンは変わり果てた兄の姿に絶望するが、それでもコロニーを守る為 …そして「兄を超える為」もはや兄とは思わぬと戦い続けるのだが…。 と、ここまで書けば最終的に兄オデルはアディンの超えるべき壁となって打倒されるものだと思いきや、実はオデルは裏切った振りをして敵の内情を調べ、更に凶悪な上官から非戦闘員を守ろうとしていたのである。 というわけでこの兄弟は互いに敵同士となりながらも本格的な殺し合いになる前に和解することとなった。 それ以降兄弟対決は無く、アディン、オデル共にそれぞれの宿敵を打倒する事は出来たのだが「兄を超える」という目的に関しては叶ったかどうかは不明。 漫画の最終シーンは、最初のシーンのようにこの兄弟の模擬戦(*6)で〆になるのだが、その勝敗については伏せられている。 「超えるべき壁」である兄が生存した挙句、描写されている範囲内では弟に超えられなかったというのは結構なレアケースであると言えるだろう。 しかし漫画内では決着はつかなかったものの、「兄オデルの成長は頭打ち」「オデルですら敵わなかったラスボスをアディンはほぼ一騎打ちで倒した(向こうにもイレギュラーはあったが)」「アディンはまだまだ成長中」という、既に兄を超えている、もしくは超えると思わしきフラグは多い。 ただニーサンの方も明らかな死亡フラグ全部へし折る色々規格外の人物なんでやっぱりわからない。 ミドリマキバオー vs ブリッツ(みどりのマキバオー) ロバか小犬かと見紛う程小柄ながら数々の出会いや経験・根性で実力をつけG1馬となった主役馬と、見た目は兄にまったく似ず(競馬的には兄弟扱いしないが)無敗2冠の異母兄と似た容姿で芝G1を蹂躙したその異父弟。 生まれた場所から違うため、互いに実力ある異父兄弟の話を聞かされ強く意識はしても直接的接点は無かったが、最終回にてついに対決が実現。 この時ブリッツがG1無敗10勝と絶好調だったのに対し、マキバオーの方はかつてドバイ戦で限界を超え昏倒・両前脚骨折した後遺症から戦績が大きく低下し、ファンからは「全盛期に戦って欲しかった」「もういいのでは…」と不安の声が上がる状態(*7)。 だがそんな声をものともせず、前脚からギブスを外せない状態でも「自分のドバイ敗退で委縮した競馬界に再び(海外への)挑戦へ挑む思いを取り戻させる」という強い根性からマキバオーは奮闘。 結果は兄越えを強く意識していたブリッツと負傷したレースで雌雄を争った海外馬エルサレムに敗れたものの、海外遍歴で鍛えて来た同期最後の現役仲間ベアナックルには勝利しマキバオー3位。 その後マキバオーは走り続けるため海外へと旅立ち、ブリッツのその後は不明だが、白い奇跡と無敗三冠が歴史となった10年後の続編にてマキバオー似の2頭の甥(ブリッツの双子の姉マキバコの仔)が活躍し、最終的に海外へも挑戦する名馬となった。 ちなみにブリッツに関しては「マキバコとの姉弟対決」という案も浮上していたが、尺の都合からか実現することは無かった。 ウルトラの父 vs ウルトラマンジャック(ウルトラ兄弟物語) ウルトラマンキングの推薦で宇宙警備隊大隊長に選ばれたウルトラの父と、 実力では上回り厚い支持者もいるその兄ウルトラマンジャック(*8)。 「新宇宙警備隊」として独立し、目に余る過激かつ非道な作戦で悪の星人や怪獣を殲滅していくジャックに、 ついにウルトラの父率いる宇宙警備隊が立ちはだかる。 詳細は作品項目参照。 トリコ vs スタージュン(トリコ) 主人公トリコと、敵組織美食會の幹部。 作中では2度に渡って死闘を繰り広げた。 その後新たな敵の出現に伴いトリコ達と美食會が和解し、かつての強敵と共闘するという熱い展開の中、2人が実はNEOの黒幕であるアカシアの息子で、兄弟だったということが明かされた。 500年前、アカシアの目的におそれを抱いた(*9)母・フローゼにより、2人は時間の流れを遅くする特殊な空間に胎盤ごと入れられ、現代に生まれた、というのが真相であった。ちなみに何の因果か、2人ともアカシアとフローゼの養子が率いる組織に所属している。 兄弟だと判明したのが和解後……というか終盤も終盤の、ラスボス戦の真っ只中という珍しいパターン。 ちなみに、本来は双子として生まれるはずだったが、何らかの要因でスタージュンの方が2年ほど早く生まれている。 菫雷乃 vs 菫天乃(六道の悪女たち) 「私はお兄ちゃんになりたかったわけじゃない!」「私という人間をお兄ちゃんに認めてほしくて追いかけてきたんだ!」 珍しい兄妹対決。雷乃は弟の風乃と共に天乃の背中を追い続けていたが、ただ兄に着いていくだけの自分と決別して鬼島連合からの離反を決意。 変装のメイクも喧嘩の仕方も全て俺が教えたもの、俺の真似をしているに過ぎないと高を括る兄に対し、自分なりに成長して“菫雷乃”となった姿を見せる。 アニメ編 西住みほ vs 西住まほ(ガールズ&パンツァー) 「西住流に後退はない。ここで決着をつける」 「…受けてたちます!」 戦車道の名門・西住流の後継者として産まれたまほとみほの姉妹。 共に高校戦車道の強豪である黒森峰女学園に進学するが、みほが1年生時の全国大会決勝で彼女が事故を起こした味方を救出に向かった事が原因で敗北し、黒森峰は10連覇を逃してしまう。 それを母・しほから厳しく叱責されたみほは逃げるように黒森峰から戦車道のない大洗女子学園に転校した。 その後、紆余曲折あって再び戦車道に向き合うことになったみほは、未経験者ばかりの弱小にすぎなかった大洗女子をその類い稀な手腕でまとめあげ、全国大会の決勝戦にまで駒を進める。 立ちはだかるのは、戦車道と西住流から逃げ出したことで疎遠になってしまった、黒森峰を率いる姉・まほ。 圧倒的な戦力差を奇策に次ぐ奇策によって互角に渡り合い、ついにフラッグ車であるまほの車両を分断して1対1の状況に持ち込む。 そして、部を結成して初めての練習試合で聖グロリアーナには通用しなかったドリフトからの至近距離での砲撃によりまほの駆るフラッグ車を撃破。全国優勝を果たした。 まほは母の目もあって表向きはみほに対して冷徹な態度を取っていたものの、根底では常にみほの事を気にかけており、彼女が西住流に縛られない自由な戦車道を見つけた事を喜び、握手を交わして和解。 劇場版では転校手続きを書くために母の印鑑を貰おうとしていたが実家に入るのを迷っていたみほに対してまほが母の名前を記入して印鑑を押してあげたり、廃校を阻止するために他の高校の面々と共にまほが大洗女子に1日限り転校して姉妹のコンビネーションで大学選抜チームを相手に戦うなど、もはやわだかまりは完全に無くなっていた。 ドモン・カッシュ vs キョウジ・カッシュ(機動武闘伝Gガンダム) 「ハハハハハハハ…フハハハハハハ!!!」 「キョウジ…いや、兄さん…もう終わらせるよ。キングオブハート!シャイニング…フィンガァァァーーーッ!!!」 母を死に追いやり、デビルガンダムを奪って行方を晦ました兄キョウジと、それを追うためガンダムファイトに参加した弟ドモンの兄弟。 数多の強敵と戦いや、恩師に裏切られたりした末にようやく見付けたデビルガンダムを駆るキョウジに対し、最初は怒りのまま感情的に突っ込んでしまい敗北を喫したドモン。 しかし謎の男、シュバルツ・ブルーダーの激しい修行の末に会得した明鏡止水の境地に至る事で、兄を憎むだけではなく解放するという結論に至り、真のスーパーモードによる黄金のシャイニングフィンガーで兄もろともデビルガンダムを倒した。 しかし、この時のキョウジは何故か魂の抜けた人形のような雰囲気であったが… その理由は、ドモンとキョウジの後々の意外な形での再会から切なく悲しい兄弟の絆に繋がる事に… Dボウイ(相羽タカヤ)/テッカマンブレード vs 相羽シンヤ/テッカマンエビル(宇宙の騎士 テッカマンブレード) 「これで最後だ……ブレード! ボルテッカァァァァァァッ!!!」 「ボルテッカァァァァァァッ!!!」 11時58分59秒という時間に双子の弟として生まれ、兄を追いこすため努力を惜しまなかったシンヤと、その努力を認めながら最愛の家族のひとりとして受け入れていたタカヤ。 ラダムという侵略者によって歪められた兄弟の愛憎は、数奇な形を経てオービタルリングでの決戦へと持ち込まれる。 方やブラスター化による記憶障害、方やブラスター化による組織崩壊で両者の命は風前の灯火となっていた。 最期の決闘に挑む光と闇の兄弟、その決着は……。 詳細は該当項目にて。 Dボウイ(相羽タカヤ)/テッカマンブレード vs 相羽ケンゴ/テッカマンオメガ(宇宙の騎士 テッカマンブレード) 「どうした、タカヤ! 貴様の怒りと憎しみとは、その程度のものなのか! ええ!? タカヤよおぉ!」 「ラダムゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」 双子の弟にして宿敵だったシンヤを下し、愛する者に別れを告げたタカヤはラダムの司令官となった長兄ケンゴの待つ月へ向かう。 だが後一歩の所でブラスター化の副作用により脳が限界を迎えてしまい、ついに全ての記憶を失ってしまった。 しかしその心と魂に刻み付けられたラダムへの怒りと憎しみは決して消えることはなく、ラダムの本能に支配された暴走状態に突入していたブレードは復活を果たす。 人としての心すら捨て去り、ラダムへの憎悪と殺意に任せて暴れ狂う白い魔人は残された命を燃やし、たった一人残された家族にして最大の敵となった兄を討つため最後の戦いに挑む……。 詳細は該当項目にて。 切札勝太 vs 切札勝舞(デュエル・マスターズ) 「うぉおおおおっ!今こそ兄貴を越えてやるッ!!!」 漫画、アニメともに稀にデュエマすることがあるが、弟の勝太は偉大なデュエリストである勝舞と比べられるのが嫌で初期はデュエマを避けていたという過去がしばしば掘り起こされる。 カードプールの都合勝太が有利だが、勝舞も《ボルバルザーク・エクス》《切札龍ボルシャック・マスターズ》《超竜キング・ボルシャック》といったかつての切り札の派生カードを使用する。 バグラモン vs スカルナイトモン(デジモンクロスウォーズ) 「弟よ……貴族を名乗り、恰好ばかりつけて生きてきた哀れな弟よ。最後に教えてやろう…… お前に足りないのは理想、そしてそれを支える信念だ……」 「そんな……そんな! ここまで来ておきながら!」 主人公タイキ達と敵対するデジモン達の悪の軍団、バグラ帝国を率いる魔王とその弟である暗黒騎士の兄弟。 デジタルワールドを支配すべく覇道を邁進するバグラモンに対し、弟であるスカルナイトモンは内心嫉妬と野心を宿しており バグラ軍の一員として暗躍しながらも兄を出し抜き、自身が成り代わろうとしていた。 そしてタイキ達がバグラモンとの決戦を繰り広げていた時、突如後ろから兄を槍で貫くという裏切りを働き、その力を手に入れる。 だがパワーアップしたダークナイトモン(スカルナイトモン)がタイキ達からの反撃を食らった時の隙をつきバグラモンが復活。 実はすべて掌の上で踊らされていたに過ぎず、主導権を取り戻したバグラモンに始末され消滅するという呆気ない結末を遂げた。 内心ではバグラモンも身内に向ける情と期待はあったようだが、結局は失望し見捨ててしまう事となる。 その後バグラモンがデジモンハンター編で「時計屋のおやじ」として転生していた事が判明。 過ちを悟り世界を救う側に与するようになった彼は、「弟と再会するまではただの時計屋でいるだろう」と語っていた…… プリンス・ハイネル vs 剛健一・剛大次郎・剛日吉(超電磁マシーン ボルテスV) 「宇宙で最も優れた人種、角を頭に抱くボアザン貴族の戦いは最後のひとりまで続くのだ!!」 「それが間違っているんだ、ハイネル! 角のある者もない者も、みんな同じなんだっ!!」 ボアザン星の誇り高き貴族と、その血を引きながら地球を守る三兄弟。 ボアザン星を舞台に角なき者と共に自由のために立ち上がるボルテスチームの前に、ハイネルが駆る守護神ゴードルが立ちはだかる。 決闘の末、ゴードルとボルテスⅤは相討ちとなり、ハイネルと健一による生身の一騎打ちに移る。 両者ともに剣が折れても、ハイネルは母の形見である短剣を取り出し健一を倒そうとするが、剛博士が制止する。 柄部には剛博士=ラ・ゴールが妻であるロザリアと共に平和を願うために刻んだ白い鳩が彫られており、ハイネルと剛三兄弟は血を分けた兄弟だということが明らかになった。 知らなかったとはいえ、兄弟同士で血で血を洗う戦いを繰り広げてしまったことにハイネルは罪悪感を覚え、短剣を投擲し諸悪の根源であるザンジバルを倒す。 やがて、ハイネルの名を呼ぶ剛博士と「兄さーん!!」と呼ぶ剛三兄弟の声に背を向け、巻き起こった爆炎の中に自ら身を投げるのだった……。 スバル・ナカジマ vs ギンガ・ナカジマ(魔法少女リリカルなのはStrikerS) 「ギン姉に怪我させちゃうから振動破砕は使えない…!」 ナンバーズに腕をもぎ取られ連れ去られてしまうギンガ。 そして彼女がスバルと再開したときはナンバーズに洗脳され、ドリルに変形する腕を付けられた姿になっていた。スバルは彼女の洗脳を解くために彼女の戦うのだった……。 特撮編 ティラノレンジャー/ゲキ vs ドラゴンレンジャー/ブライ(恐竜戦隊ジュウレンジャー) 「兄さん!!そんなに俺が憎ければ…斬ればいい!!」 「出来ない…許してくれ…ゲキ…」 スーパー戦隊シリーズ16作目『恐竜戦隊ジュウレンジャー』における、古代恐竜人類のヤマト族の騎士の家に生まれた兄弟。 遥か太古の昔、王家に背いた裏切り者として二人の父は命を落としたが、弟ゲキがその王家に引き取られプリンスとなった事で兄ブライがそれを恨み、深い確執が生まれたまま双方が眠りに付き1992年の現代に蘇った。 当初、弟への怒りと憎しみのまま行動していたブライは、バンドーラ一味に手を貸したりしつつジュウレンジャー5人を大いに苦戦させた。 しかし、戦いの中で憎しみや確執も消えていき、ゲキも「ブライを殺せ」とスパルタ神…もとい大獣神に言われるも、それを拒否。 その隙を突いて斬りかかろうとしたブライだったが、一切の反撃をしようとせず自ら兄に斬られる覚悟を決めた弟を前に、上述のやり取りの末、兄の長い間凍り付いてた心の氷は溶け、1億数千万年ぶりに兄弟同士は再び和解する事が出来、ジュウレンジャーは6人となった。 しかし、それは二人の兄弟の哀しい別れにも繋がっていくのだが、それはまた別の話… アンドロス/レッドスペースレンジャー VS カローン/アストロネマ(パワーレンジャー・イン・スペース) ダーコンダの手によって生き別れとなった兄妹は、兄がパワーレンジャーとして悪の勢力と戦い、 妹は悪の勢力の有力者に後継者として育てられ、お互いの正体に気付かないまま対峙していた。 それまでのパワーレンジャーシリーズのヴィランは人気キャラだったリタやロード・ゼッドも含めて「倒すべき敵」としか扱われていなかったが、 『イン・スペース』以降はより敵の内情が掘り下げられるようになった。 ディロン VS テナヤ(パワーレンジャー・RPM) たまたまヴェンシックス・ウィルスの拠点に近い所に住んでいた2名は人を素体にしたアタックボット「ハイブリッド」として改造される。 マインドコントロール前に隙を見て脱出を試みたものの妹は脱出し切れず、記憶を消されハイブリッド「テナヤ15」として完成してしまい、 パワーレンジャーとなったディロンと対峙する。 サソリオレンジ/スティンガー VS スコルピオ(宇宙戦隊キュウレンジャー) 「兄貴ィィィィィィィッッッ!!!」 「スティンガァァァァァァァッッッ!!!」 サソリ座系・惑星ニードルに住む宿命の兄弟。 かつては弟思いの優しい兄だったが、宇宙最強の支配者となるために一族を裏切り宇宙幕府ジャークマターに与したスコルピオ。 実弟であるスティンガーは兄を追いながらも、心の底ではかつての優しい兄の面影を振り払えずにいた。 兄弟として決着を着けるため、スティンガーは毒を用いた一族の秘術「アンタレス」によって狂戦士となるが力及ばずスコルピオに敗北。 逆に兄の操り人形にされてしまうが、スティンガーの弟的存在・コグマスカイブルー/佐久間小太郎の奮闘で解毒剤を注入され元通りになり、修復されたオウシブラック/チャンプの参戦もあって形勢逆転。 最終的に兄弟対決に持ち込まれ、スコルピオは敗北した。 「兄貴!!兄貴ィッ!!」 「強くなったな、スティンガー……」 「『守るもの』を得たから、強くなれた……。昔の兄貴みたいに……!」 『守るもの』=仲間ではなく『強さ』に魅入られた自身の愚かさを悟ったスコルピオは、アンタレスの副作用に苦しむ弟を解毒。 そして、ドン・アルマゲの制裁から弟を庇う形で最期を遂げるのだった。 「最期に、お前を守れてよかった……」 その後、スコルピオの槍はスティンガーの手で惑星ニードルの丘に墓標代わりに突き立てられている。 クワガタオージャー/ギラ VS オオクワガタオージャー/ラクレス・ハスティー(王様戦隊キングオージャー) 「ラクレス・ハスティー。勝利の暁に何を望む?」 「反逆者ギラを王家から追放。永久に牢で生きてもらう!」 「ギラ・ハスティー。勝利の暁に何を望む?」 「貴様の……玉座をもらおう!!」 シュゴッダム王家でありながらもかたや独裁者、かたや反逆者の道を歩んだ兄弟。 ある事件の後孤児院の子供たちを人質にされ、ギラは強制的に決闘裁判に挑むことになる。 ラクレスの勝利はすなわちキングオージャーが彼のものとなる。これを良しとしないヒメノ・ランは「すこピ」ことゴッドスコーピオンの毒(と見せかけた麻酔薬)をカグラギ・ディボウスキに忍ばせ彼をモノにしようと目論んだ。 戦闘に対しては王を名乗るだけのことはあってラクレスが優位に立っていたが、「貴様はたかが子供の俺様に恐怖し、王の座を守るために追放した!!」とギラが煽り立てたことで逆上。 その後互角の勝負を繰り広げるが、ヤンマ・ガストに化けたゲロウジームの猿芝居介入で最悪な状況となる。 「やはり貴様は……人類の敵だ!!」と怒りの逆鱗と共に繰り出したロードフィニッシュを受け、ギラは敗北。 谷底へと落ちるが幸いにも一命をとりとめた。 ゲーム編 ユリア セリス vs ユリウス(ファイアーエムブレム 聖戦の系譜) 「いいえ、これで良かったの。わたし、自分がこれまで生きてきた理由を、初めて知ったの」 「そうか…ユリアは強いな。でも、きみの言うとおりだ。悲しい運命だけど、逃げるわけにはいかない。ぼく達、最後まであきらめてはだめなんだ」 「フッ、セリスか…光の皇子だと?わらわせるな。バルドの戦士など、私の相手にもならぬ!死ぬのはおまえの方だ!!」 FEシリーズ意欲作の最後を飾るきょうだい喧嘩。 近親相姦という禁忌的な表現を盛り込んだ物語であると同時に、「戦争の悲惨さを伝えること」という趣旨が込められたこの作品では、 セリスたちの世代に至る前から親兄弟である者たち同士が戦い、傷つけあい、時には運命に残酷に引き裂かれ、 時が流れ世代が変わったころには大陸を救った十二聖戦士の血族も光と闇に分断され、肉親同士が相打つ悲惨な戦いが続いたものである。 ミレトスで引きはがされた後、終章も最終局面にしてようやくセリスと再会したユリア。その過程で彼女はあまりにも多くのことを思い出していた。 その中には自分が闇を封ずる聖者ヘイムの血脈の持ち主であったこと、優しかった兄・ユリウスはもはや闇に魅入られてしまったことも含まれている…。 ユリアとセリスは上記のセリフと共に決意する。この、呪われし血がもたらした戦いに、終止符を打つために…。 ユリアVSユリウスはユリアの持つナーガの魔道書が強すぎて実質イベント戦なのはナイショ。 セシル・ハーヴィ vs ゴルベーザ(FINAL FANTASY Ⅳ) バロンの暗黒騎士からパラディンへとジョブチェンジしたセシルと、バロンを裏で操り牛耳っていたゴルベーザとの戦い。 しかしストーリーの終盤、ゴルベーザがゼムスの思念に操られていたこと、またゴルベーザが実の兄であることを知る。 ゼムスとの決着をつけるべく月へ向かうゴルベーザに対し、今まで敵としていがみ合っていた相手が実の兄という事実に複雑な感情を抱くセシルだったが、ゼムス(ゼムロス)との最終決戦でゴルベーザを兄と受け入れ、完全に和解する。 ザルバッグ・ベオルブ&ラムザ・ベオルブ vs ダイスダーグ・ベオルブ(FINAL FANTASY TACTICS) 「ベオルブは正義のために剣を振るう者にのみ与えられる勇者の称号!兄上にはその資格がないッ!!」 「“正義”だと?そんな言葉、口に出すのも恥ずかしいわッ!!」 ベオルブ家のイヴァリース支配のために暗躍する長男ダイスダーグと そんな野望は知らず兄は主君のために戦っていると誰よりも信じていた次男ザルバッグ、早々に出奔し兄達と対立しながらも戦争の真の黒幕達と戦う三男ラムザ。 当初はラムザの言葉に耳を傾けることのなかったザルバッグだったが、ダイスダーグはザルバッグの目の前で主君ラーグ公を暗殺したことで兄への疑念が生じ、 ダイスダーグはかつて密かに父バルバネスを毒殺していたという真実を知って遂に反旗を翻す。 そんな事情は知らず戦争の黒幕達とダイスダーグが接触した情報を得たラムザが二人の元に現れたのは ザルバッグがダイスダーグに剣を向けたその瞬間であり、ラムザの言葉が正しかった事を認めて共闘し、 遂にダイスダーグを討ち取ったが、直後にダイスダーグは「憤怒の霊帝アドラメレク」に転生しザルバッグを即座に葬り去る。 続いてラムザも殺そうとするが返り討ちに遭い、ここにベオルブ家は終焉を迎える事となる。 だが、ラムザにとっての最大の悲劇はまだ終わってはいなかった…… ラムザ・ベオルブ vs ザルバッグ・ベオルブ(FINAL FANTASY TACTICS) 「頼む……ラムザ……このオレを…殺してくれ……」 「あきらめないでッ!お願いだから、あきらめないでッ!」 アドラメレクによって葬られたザルバッグだったが、その後ルカヴィの眷属とされておりラムザへの刺客として差し向けられる。 なんとかザルバッグを救おうとするラムザだが、ザルバッグは僅かに残った自我で自らがラムザを殺す前に自分を殺すよう懇願する。 そして自らを討ち取った弟にザルバッグは「辛い思いをさせた」と労い、 最後に残った妹アルマの救出を託して安らかな死を迎えるのであった…。 ダンテ vs バージル(Devil May Cry3) 「俺達がスパーダの息子なら、受け継ぐべきは力なんかじゃない!もっと大切な―――――誇り高き魂だ!」 「その魂が叫んでる!アンタを止めろってな!」 「ハハハ…!悪いが俺の魂はこう言ってる」 「―――――もっと力を!」 母・エヴァが魔帝ムンドゥスの配下の悪魔の手にかかり殺されたダンテとバージルの双子の兄弟。 今際の母と、父である魔剣士スパーダから譲り受けた剣から受けた言葉により名を変えてデビルハンターとなり「人間」として生きる事を選んだ弟・ダンテと、自分が無力だった故に母を死なせてしまった自責の念から圧倒的な力を追い求め「悪魔」として生きる事を選んだ兄・バージル。この時より既に2人は対照的な道を歩み始めていた。 突如として現界した巨搭・テメンニグルでバージルが魔界への扉を開こうとしている事を知ったダンテは「バージルが気に入らないから」という理由で、この野望を阻止するためにテメンニグルに乗り込む。 搭頂での戦いで心臓を貫かれてダンテは一度死亡してしまうが、これにより悪魔として覚醒しデビルトリガーの力を獲得。儀式の間において再び激突するが、アーカムの介入によってこの場は痛み分けに終わる。 その後、利害が一致したダンテとバージルは一時共闘してアーカムを撃破した後、人界と魔界の境目で最後の決戦に望む。 互いの信念をかけてぶつかり合う2つの魂。上回ったのは、人間として生きることを選んだダンテの魂であった。 バージルは魔界への鍵ともなる母から託されたアミュレットを拾い上げると、閉ざされようとする魔界への入り口に身を投げる。 ダンテはそれを止めようと手を伸ばすが、バージルはそれを拒むように彼の手をわずかに切り裂き、悪魔として、父の故郷である魔界へと落下していった。 DMC3は、2の評価が散々で存続の危機にすら立たされていたシリーズを救った名作として評価が高い。 それはこの2人の対立を主軸としたストーリーの完成度の高さもその一因と言って間違いない。 真田幸村 vs 真田信之(戦国無双4) 石田三成と徳川家康が対立した際に西軍に付くか東軍に付くかで意見が対立、結果幸村と信之は決別することとなった。 その後大坂の陣で幸村は豊臣、信之は徳川側につき二人は戦う事になる。 ちなみに幸村と信之が敵同士になるのは史実でも同じなのだが、戦国時代においては「家(血族)を残す事」事が最優先であり、どちらが勝つかわからない勢力同士が争った場合は兄弟や家族を振り分ける事も多かった。 その為家族同士の悲惨なエピソードは多く、後世では創作のネタによく使われている。 曹家分裂(コーエー三國志) 一部作品に登場する仮想シナリオ。 赤壁の戦いに敗れた曹操が落命し、後継者の座を巡って曹丕、曹植、曹彰が争い始めたという設定で、史実において彼らに近しかったとされる武将たちが付き従っている。 曹丕が頭一つ抜け出てはいるものの、全体としては突出した大勢力が存在せず勢力間のバランスが均衡しているため、兄弟たちだけでなく劉備や孫権、馬騰などでも普段とは一味違うプレイが楽しめる。 三國志14では曹熊も独立している。国力は悲惨の極みだがなぜか玉璽は彼が押さえていたりする。 ウルザ VS ミシュラ(Magic The Gathering) それ以前の戦いとは異なり、ウルザとミシュラの戦いでは、ドミナリアそのものさえも戦争の犠牲となった。 ―「露天鉱床」フレーバーテキスト 数世紀前、ある男の復讐が世界を氷と闇の内に閉じ込めた。 ―「ウルザの殲滅波」フレーバーテキスト カードゲームのフレーバーテキスト由来にして、MTGが誇る迷惑兄弟。 同じ両親の元に産まれ同じ師の下で学んだ兄弟であったが、あるアーティファクトを切っ掛けにした事件で師を失い決別。 その後ウルザはある国の王女と結婚し、一方のミシュラも別の国の王子の教育係になることで双方が国を動かす力を得る。さらにミシュラは上述のアーティファクトと縁が深い邪悪な次元、ファイレクシアの手先となり力を得ていく。 そしてウルザとミシュラが身を寄せていた国は対立関係にあったこともあり開戦。兄弟の諍いはとうとう大陸、ひいてはドミナリア次元を巻き込む戦争となっていった。40年以上も続いた兄弟戦争と呼ばれる大戦である。 戦争は次元全体を荒廃させ、最終的に両軍はアルゴス島にて激突。その最中でウルザはファイレクシア次元の手先となって肉体を機械へと改造したミシュラと再会。既に肉体も魂もファイレクシアへと売り渡したミシュラを前にウルザはアーティファクト「ゴーゴスの酒杯」の力を解放。自身やミシュラ、アルゴス島にいた殆どの者とアルゴス島そのものを吹き飛ばして兄弟戦争を終結させた。 その余波は次元全体に及び、ドミナリア次元全体が氷河期に突入する、次元全体が他の次元から隔離されるなど多大な影響をもたらすことになった。 こうしてウルザとミシュラの兄弟戦争はここに一応の終結を迎えるが、その後もウルザのプレインズウォーカーとしての覚醒、ドミナリア次元とファイレクシア次元の戦争など兄弟がMTGの世界にもたらした影響は計り知れない物があり、背景世界を語るには欠かせない人物となっている。 マリオ VS ルイージ(スーパーペーパーマリオ) 赤いからって強いとおもうな!カクゴしろ!! マリオとルイージといえばカートにスポーツ、スマブラと様々な場面で対決してるが、 そこに触れても意味はないので割愛。マリオブラザーズも割愛。 しかしスーパーペーパーマリオでは明確かつ敵意のある対決がある。 なにせルイージが洗脳されミスターLとして立ちはだかるからだ。 洗脳されたルイージはかつてないほどの敵意をマリオに向けてくる。普段兄を尊敬しているルイージの対抗意識を極限まで高められたのだろうか。 ただし、マリオ一行はミスターLの正体を把握しておらず、どこかで見たことがあるという程度しか認識していない。 直接戦闘が1回、自前のロボ「エルガンダー」での戦闘が2回の計3回の戦闘後、洗脳が解ける。 しかしラスボス戦にて… ギレン・ザビ(ジオン公国軍) vs キシリア・ザビ(正統ジオン軍)vsガルマ・ザビ&ドズル・ザビ(新生ジオン軍)(ギレンの野望) 「兄上、これ以上勝手な真似は許せません。 我々正統ジオンがあなたの野望を阻止して見せましょう」 「兄さん…あなたのしていることはジオン公国国民に対する裏切りでしかありません。 我が新生ジオンがあなたの野望を阻止し、地球圏に真の平和をもたらして見せましょう」 「兄貴!すまんが俺はガルマにつくことにした、兄弟同士で戦うなんて馬鹿げている! しかし、俺は兄貴のやり方にはついていけん!」 「クックックックック…面白い。我がジオンに立ち向かえるだけの戦力は 存在しないと思っていたが…これは予想できなかったな!」 地球圏をかけ、ジオン軍を3つに割った壮大な兄弟喧嘩。巻き込まれる地球圏の住民はたまったものじゃない。 ギレンの野望ジオンの系譜のボーナスシナリオの一つである。 原作においてもギレンとキシリアの仲は良いものとはいえず、勝利のために父・デギンをギレンが謀殺したことで完全に決裂。 その場でキシリアによる兄殺しが行われ、これがジオンを敗戦に追い込むほどの指揮系統の大混乱の引き金になってしまった。 ジャンゴ VS サバタ(ボクらの太陽シリーズ) 3作品全てで1度は何らかの形で戦う事になっている兄弟。 (4作目ボクらの太陽 Django Sabataではメインキャラクターの名前にこそ同じ名前が引き継がれているがそもそも兄弟ではないので「ジャンゴとサバタの兄弟対決」は発生していない) 1作目ではクイーン・オブ・イモータル『ヘル』に育てられ配下として動いていたサバタが誘拐・幽閉している『マーニ』が実母であると知り・ヘルを裏切り力を集め打ち倒そうとしていたが ヘルの手勢に誘拐された母『マーニ』を追ってきたジャンゴに対して『両親に愛情を注がれていた』と嫉妬を抱いてか、ヘルを倒す前の力試しかでジャンゴと一騎打ちに。 2作目では直接は敵対しないものの吸血鬼化しつつあるジャンゴを浄化する為にサバタがパイルドライバーで浄化を行う際に「吸血鬼としてのジャンゴ」とサバタが戦う格好に。 3作目ではプロローグの時点で「裏切った(実際には操られていた)サバタによってジャンゴが倒される」という所から始まり、ヴァナルガンドの破壊衝動に支配されつつあったサバタと再びの一騎打ち。 更に最終決戦で戦う事となるヴァナルガンドはサバタと融合しつつある相手でありこちらも半ば兄弟対決である。 なおヘルとマーニは姉妹なのでジャンゴ・サバタから見れば伯母にあたり「月下美人となった妹・マーニと月下美人になれなかった姉・ヘル」という関係がこの兄弟対決の原因となっている他、更に2作目には父親であるリンゴとも戦う事となっており、身内との戦い全般が多い作品な模様。 (兄弟対決の他に・実母を取り込んだ状態の伯母(兼サバタの義母)・意識を無くした状態の父親・乗っ取られている状態の父親とも戦っている) またその場面が描かれた事は無いもののヘルの夫であるキング・オブ・イモータルはリンゴの手で倒されており、こちらも「義理の弟が義理の兄を倒す」格好となっている。 ノクス VS マタン(Blind Justice ~Torn souls, Hurt Faiths~(ゼクトバッハ叙事詩)) BEMANIシリーズを中心に展開されていたメディアミックス作品「ゼクトバッハ叙事詩」の一編「Blind Justice ~Torn souls, Hurt Faiths~」で語られた物語。 楽曲の初出がゲーム作品「beatmania IIDX GOLD」なので、便宜上「ゲーム」カテゴリとして扱う。 幼少期の頃に生き別れになったノクス、マタン兄妹はそれぞれ異なる境遇で育ち別々の思想を持つようになった。 しかし、ある出来事を境に対立するハメになってしまい… ルドガー・ウィル・クルスニク VS ユリウス・ウィル・クルスニク(テイルズ オブ エクシリア2) 精霊が人類に課した試練。「道標」を集め、「カナンの地」にたどり着くことが出来れば、どんな望みも叶える。しかし、たどり着く前に時間切れとなれば、人類は消滅する。 試練に挑む権利のある「クルスニクの一族」である主人公のルドガーは、様々な犠牲のもと、道標を集めることに成功する。 だが、カナンの地へ行くには、クルスニクの一族の命で道を作るしかなかった。 残されたクルスニクの一族は、ルドガーと兄であるユリウスのみ。 クルスニクの力を使い続けたユリウスは、残りの命が短いこともあり、弟ルドガーのために犠牲となる覚悟を決める。 しかし、その前にルドガーが、この先の試練を超えるだけの力と覚悟があるのか、命を掛けた一騎打ちという形で、兄として最後の試験を弟に課す。 一騎打ちに敗れたユリウスに、ルドガーは涙ながらとどめを刺す。 そんな弟に、優しい笑顔と激励の言葉、そして二人の仲を紡ぐ「証の歌」をハミングして、彼の背中を押して消滅していった。 その他 だんご三兄弟(楽曲) 焦げ目のことで喧嘩。 でもすぐに仲直り。 【現実の例】 スポーツ界編 若乃花 vs 貴乃花(大相撲) 「複雑。言葉では言い表せない」 「普通にやろうと思った。でもやりにくかった。もういいです」 こちらは創作ではなく、実際の大相撲で起こったケース。1995年11月場所にその対決は成った。 平成初期の相撲界を牽引していた若貴兄弟。 弟・貴乃花は横綱として最も脂が乗り、大関の兄・若乃花は前場所10勝5敗とまずまずの成績を残して臨んだ今場所は、貴乃花が初日、曙が二日目と両横綱が黒星を喫する波乱の幕開けとなった。 若乃花も三日目に湊富士に敗れ、大関・武蔵丸に優勝の期待が高まったものの、こちらも六日目に敗れて10勝5敗で場所を終了。曙も九日目に土佐海との取組で左腿を痛め、十日目以降は休場を余儀なくされた。 千秋楽を終えた頃には若乃花、貴乃花が共に12勝3敗で並び、ここに大相撲史上初の兄弟による優勝決定戦が行われる事となった。 同部屋に所属し、幼い頃から同じ釜の飯を食ってきた兄弟対決に相撲ファンの盛り上がりは最高潮に達していたものの、取組の内容自体は平凡なもので、若乃花が下手投げで二度目の優勝を飾った。 激しい取組を期待していた一部のファンは失望し、また取組後の貴乃花の「やりにくかった」という発言と「貴乃花の顔に覇気がなかった」という言いがかりとも言える理由により、この一番を八百長と断ずる者も出るなど、様々な物議をかもした。 陽耀勲 vs 陽岱鋼(プロ野球) 2012年、二軍で好投し一軍登板を重ねていた福岡ソフトバンクホークス所属の投手であった兄・陽耀勲と、既に一軍主戦力として活躍していた北海道日本ハムファイターズ所属の野手であった弟・陽岱鋼(2009年に陽仲壽から改名)の対決。 プロ野球における兄弟は同ポジションや同チームが多く、兄弟対決というのは稀。 7回からリリーフで登板した耀勲は一死走者なしという場面で岱鋼を迎えるも、初球をセンター前へ弾き返されヒットとなり弟の陽岱鋼に軍配が上がった。 しかし二度目の対決となったクライマックスシリーズでの試合は、耀勲が岱鋼に四球を1つ許したものの三打席無安打と封じ込め、見事リベンジを果たす。 現在兄の陽耀勲は野手に転向して台湾プロ野球のLamigoモンキーズでプレイ。弟の陽岱鋼はFAで日本ハムから読売ジャイアンツに移籍している。 余談ではあるが、陽一家の血縁者はスポーツエリートが多い。 次男の陽品華は日本の独立リーグ、叔父の陽介仁は台湾プロ野球でプレイし、妹の陽詩慧は女子バスケットボールチャイニーズタイペイ代表、従弟の張奕はNPBのオリックス・バファローズでプレイしている。更に縁戚にも台湾プロ野球入りを果たした人物が複数人いるなど、物凄い一族である。 江村将也 vs 江村直也(プロ野球) 2013年、東京ヤクルトスワローズ所属の投手であった兄の江村将也と千葉ロッテマリーンズ所属の捕手であった弟の江村直也による兄弟対決。ライトスタンドのロッテファンからは「兄貴に負けるな江村!」というコールが起き、ロッテファンの江村コールに対しヤクルトファンが江村コールを合わせるという珍しい光景も。 結果として弟・直也に対し兄・将也は全球ストレートで挑み、3ボール1ストライクから高めの球を打たせてショートゴロに打ち取った。しかしこの時は緊張からか制球が定まらず、高めのボール球に手を出した直也に対して「優しい弟だな」と振り返った。 兄の将也は現役を引退し、現在はヤクルトの打撃投手兼広報。弟の直也はロッテで現役である。 ダイワメジャー vs ダイワスカーレット(競馬) 2007年、6歳を迎え、衰えと戦いながらも春秋マイル連覇を成し遂げた兄のダイワメジャーとこの年の牝馬二冠とエリザベス女王杯を勝ち、同期の女傑ウオッカとともに牝馬の時代到来か?と世間を賑わせていた新進気鋭の妹ダイワスカーレットが暮れの有馬記念で激突。話題を集めた。 レースでは妹が先頭で並んで逃げ、兄は離れた好位を進む。そして最後のコーナーで兄妹揃って仕掛け、直線で抜け出そうとするも、内をスッと抜けていった中山専用機マツリダゴッホにあっという間に置いてけぼりにされ、妹が2着、兄が3着になった。なんというKY その後、メジャーはすぐに引退式を行い、ターフに別れを告げた。スカーレットは翌年も現役続行。この時の雪辱を晴らし、37年ぶりの牝馬による有馬記念制覇をやってのけた。 ちなみに両馬に騎乗したことがある安藤勝己騎手曰く「兄妹とは思えないくらい全く別の馬」とのこと。兄は重量感のある力強い走りをするのに対し、妹はふわふわとした軽いバネを持っているらしい。 またこの時勝ったマツリダゴッホは、実は遺伝子的な意味でのメジャーの異母弟にしてスカーレットの叔父。競走馬界隈で異母をきょうだい扱いしないとはいえ結果的には別な意味での兄弟対決だったとも言える。 歴史編 保元の乱崇徳上皇方崇徳上皇(天皇家・兄)、藤原頼長(藤原摂関家・弟)、源為朝(源氏・弟) 後白河天皇方後白河天皇(天皇家・弟)、藤原忠通(藤原摂関家・兄)、源義朝(源氏・兄) 日本史上、兄弟対決はいくつも例があるが同時に3家で兄弟対決になったのはこれくらいだろう。 平安時代末期、院政を敷いて長らく権力を保持していた鳥羽法皇の死後に起こった朝廷の権力争いだが… 権力の中枢にいた天皇家と摂関家が真っ二つに割れ、さらには双方が武力として源氏と平氏の一族をかき集めた結果、平氏以外の3家が兄弟対決になるというとんでもない構図(*10)になった。 ちなみに、崇徳上皇は父である故・鳥羽法皇に蛇蝎のごとく嫌われており、藤原兄弟の父・忠実は弟の頼長の方がお気に入り。源氏は義朝・為朝兄弟の父・為義も崇徳上皇方に付いたので、3家とも兄弟対決だけでなく父-兄の親子対決の様相も呈している。 なお、戦そのものは後白河天皇方が夜襲を仕掛けた(*11)ことにより、一晩で後白河方の勝利に終わった。 観応の擾乱足利尊氏・足利義詮 VS 足利直義・足利直冬 少し変則的だが二代同時に渡る兄弟対決にして南北朝時代及び室町時代最初期に起こった内乱。まだ幕府を開いて間もないのに割れるのが早すぎる。 足利尊氏と直義の兄弟は非常に仲が良かったとされ、とても戦が強く人望も厚いが少しいい加減で情緒不安定な一面がある尊氏ととにかく真面目で政治力に長けた直義、といったとても相性のいい兄弟でかつて直義が敵に襲われ危機に陥ると尊氏は後醍醐天皇に逆らう形で助けに行ってしまうなど尊氏は弟を「直義がいなければ生きる意味がない」と言うほど大事にしていた。 だがしかし、詳細は省くが尊氏の側近の高師直と直義が政治のスタンスの違いで対立が発生。この争いは尊氏の庶長子で直義の養子でもある足利直冬の挙兵や直義が南朝と手を組むという大胆な判断で尊氏もろとも師直に勝利にして直義が勝利するが、結果的に尊氏に歯向かったことで派閥の問題もあり兄弟の関係が悪化してしまった。 その後は先の戦いで負けた尊氏が征夷大将軍として論功行賞を行ったうえで直義派の武将に処罰を与えて元師直派の武将に恩賞を与えるといったとんでもないムーブ(*12)やそれによる直義派の縮小と尊氏派の拡大により立場が悪くなった直義が京都から鎌倉に逃げるという形で再度争いが起こる。 そこで後顧の憂いを断ちたい尊氏は北朝をあっさり見捨てて南朝と和睦をするというこれまたとんでもないムーブで大義名分を得て(正平一統)関東に出陣して直義に勝利、直義は幽閉されることとなりこの日本中を巻き込んだ兄弟喧嘩は収束した。なお直義はその1年後に師直の命日に亡くなったため尊氏の毒殺説もあるが真偽は不明。 しかしその後も足利直冬が未だ反抗を続けたり南朝が和議を破って幕府勢力を攻撃したりと南北朝及び室町幕府のグダグダは三代義満の代まで続くのであった…。 織田信長 vs 織田信勝(信行) 戦国の世において兄弟で対立することはよくあることだがおそらく特に有名なのはこれ。 父・織田信秀の死により家督を継いだ信長であったが完全に盤石であるというわけではなく、 織田家の家臣の一部が信勝につく、叔父の織田信次が事件を起こす、尾張守護が滅ぶなどの出来事によって次第に対立していく。 なおこのとき柴田勝家、林秀貞といった後の織田家の重臣も信勝側だった。 やがてこの抗争を信長が制する。信勝は一度は許されるもまた反抗の機会を伺っていたとのことで謀殺される。(*13) 彼の子である信澄は許されるがこちらも本能寺の変の直後に悲劇的な死を迎えることになる。 伊達政宗 vs 伊達小次郎 戦国の兄弟対立の中で有名であると同時に不可思議な例。 元々、兄・政宗は弟の小次郎を厚遇しており、弟を蘆名家の跡取りにゴリ押しして佐竹・蘆名両家と全面戦争を招いた程。 蘆名家を滅ぼし、その領土を併呑した直後に同盟していた北条家が豊臣秀吉に追い込まれ、伊達家は秀吉に服従すべく政宗が出発・・・する直前に小次郎が急死。 小次郎を立てようとした一派が政宗を毒殺しようとして失敗し、その責を取ったと言う説が良く知られている。 なお「実は伊達家中をまとめるために一芝居買った形で、小次郎はこっそり生きていて関東で僧をやっているのではないか」という説もある。信憑性はかなり薄いだろうが。 御館の乱 これもまた戦国時代における有名な兄弟対決。ただしこちらはどちらも養子同士の対決である。 上杉謙信は生涯妻を持たず養子として兄である長尾政景の子である景勝、宿敵である北条家の北条氏康の子であり、同盟を組んだ際に送られた景虎を迎えており、謙信の死後後継者争いが勃発。家中を二つに割るお家騒動となった。後述の袁家、孫家の争いと同じく明確な後継者を定めていなかったのが原因とされている。 最終的にかつてのライバルであった武田家を味方に付けるなどした景勝側が勝利したものの、およそ1年に渡った争いにより上杉家の国力は大きく減退。北陸戦線では織田家に反撃を許し、東では恩賞に不満を持った新発田氏が反乱を起こし、景虎の実家であった北条氏とも敵対することになりと、外交関係も著しく悪化してしまう。 唯一の味方であった武田家の滅亡後は文字通り全方位が敵という絶望的な状況に陥ったが、本能寺の変の発生によりギリギリのところで生き永らえることに成功する。 しかしもはや謙信時代の国力は取り戻すことができず、上杉家は豊臣家傘下の一大名として戦国時代末期を生きることになる。 真田昌幸、信繁(幸村)VS 信之(信幸) 上記とはかなり事情が異なるケース。 関ケ原の戦いにて、どちらが勝っても家と一族を存続出来るように、仕方なく兄弟で争うことになったケース。 新町薬師堂というこぢんまりとした小さい建物で行われた話し合いにより、真田昌幸と真田幸村は西軍に、信之は東軍に就くことになる。 「犬伏の別れ」とも称される教科書にも載らない歴史の一コマに過ぎない場面ではあるが、真田家は後世に血を残すことに成功する。 信之は徳川秀忠率いる中山道部隊に合流し、真田攻めにも参加していたが支城を攻めており、上田城攻めには加わっていないため直接の兄弟対決、親子対決には至らず。 信繁は後に大阪の陣にも参戦するが、信之が病に臥せっていたためこの時も兄弟対決には至らなかった。代わりに派遣された息子たちも信繁とは別の戦場を担当していたため直接の戦闘は行っていない。そして毛利勝永に叩きのめされた。 宇和島藩 VS 仙台藩 上の伊達政宗の子供世代以降の争い。 政宗と正妻の愛姫の間には長らく男の子が生まれず、側室が生んだ秀宗を豊臣秀吉に跡取り息子として届け出た。 秀宗は秀吉に気に入られ、「秀」の字を与えられ、秀次事件で政宗が失脚しそうになった際には秀宗に跡を継がせて伊達家を伊予で存続させる案が決定寸前になる程の厚遇を受けていた。 しかし、関ケ原の合戦が起こる直前に愛姫が男児・忠宗を出産。 忠宗は徳川秀忠に優遇され、1607年には秀忠の妹(=家康の娘)市姫、市姫死後は姪の振姫との縁談を進められ、1611年には松平姓を与えられ、秀忠の養女として振姫が正式に嫁ぎ、伊達家の跡取りとなった。 秀宗には大坂の陣の恩賞として与えられた伊予宇和島の飛び地で大名として独立させる段取りを整えたものの、秀次事件や関ケ原の合戦の時に人質として苦労したにも拘らず、跡取りの座を弟に奪われた不満は後々まで残り、江戸城で忠宗の上座に座る等、宇和島藩こそが伊達家の本家との態度を終生崩さなかった。 忠宗は自身に直接の落ち度が無いにも拘らず兄に嫌われた反動か、弟の宗良・宗勝を可愛がり、死後の仙台藩を託すが、末弟の宗勝が兄の遺言と大老・酒井忠清との親交を盾に仙台藩の内政に口を挟み続けた事が伊達騒動の原因となってしまった。 なお伊達家は政宗の祖父・晴宗と曾祖父・稙宗も「天文の乱」と呼ばれる南東北中を巻き込んだ親子喧嘩をしている。一応それなりの名門のはずなのだが血の気が多すぎる……。 徳川家光 vs 徳川忠長 権力者の家に生まれた兄弟としての悲劇として有名な例。 幼いころより、病弱でやや問題児だった兄(後の家光)と優秀かつ容姿端麗で父母に可愛がられる弟(後の忠長)という形で愛情のない兄弟として育ち、 やがて二人の対立を見かねた家康によって長男である家光が正当後継者に選ばれるまではよく知られている。 将軍となった家光は並外れた浪費家であったが、幕府の財政はビクともせず、彼の治世は順風満帆であった。また、家光は武術を好み、自身も柳生新陰流の免許皆伝の腕前になっている(*14)。 一方、忠長はやさぐれてしまったのか元からそうだったのか次第に凶行を繰り返すようになった(*15)。 こうした素行の悪さや将軍・家光の家臣になるという自覚のなさから幼い頃は可愛いがっていた父秀忠からもほぼ勘当に近い扱いをされるようになる。 しかしその後も両者の間の対立は残り、忠長は後ろ盾である母お江の死後に家光により切腹に追い込まれてしまう。 家光にも思うところはあったのか、異母弟である保科正之の存在を知った際は彼を厚遇している。 ただし、保科正之の子孫である会津松平家に残る伝承では失脚直前まで忠長は兄に嫌われている事を理解していなかった節が有り、自身を訪ねて来た異母弟・正之を歓迎した上に、自分の口利きで兄姉達が正之を弟として受け入れてくれるだろうと後の結末を考えるとあまりに自身の立場を楽観視していたとされている。 袁家三兄弟(三国志) 二宮の変(三国志) 単独項目のあるお家騒動の例であり、どちらも三国志がらみ。 本人たちの関係以上に周囲を取り巻く家臣・重臣たちの対立がひどく、その後の勢力を傾けるほどの傷を残してしまった。 後継者を決めるはずの親たる存在が指名前に死去したり、優柔不断ぶりを発揮したりと、決断力不足が招いたフシがあるという嫌な共通点がある。 ちなみに袁紹と袁術も従兄弟もしくは異母兄弟の関係であったが仲は最悪であり、董卓死後を争っている。 追記・修正は兄弟で戦いながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ ライダーだとアデルとアラン、スウォルツとツクヨミかな -- 名無しさん (2019-11-16 12 00 28) ロックマン(無印) ワイリーに改造された(兄)弟がステージボス -- 名無しさん (2019-11-20 12 41 56) 一応Wのフィリップ対わかな姫(クレイドール・エクストリーム)も存在するけど、こちらは敵同士のカップルにも含まれる様子。 -- 名無しさん (2019-12-01 21 18 45) スーパー戦隊シリーズでの兄弟対決はキュウレンジャーでのスティンガーVSスコルピオも存在します。なお、スコルピオ兄さんは過去に仮面ライダーでも兄弟対決していました。 -- 名無しさん (2019-12-01 21 21 27) 史実なら伊達、織田、上杉も -- 名無しさん (2019-12-02 01 00 26) 餓狼伝説のテリーとアンディは頑なに公式じゃ描写されなかったね。格ゲーだとBBのラグナvsジンもあるけど、あれは複雑すぎてなあ。ハクメンとかも絡むし。単純にジンがヤンホモこじらせてるだけなら良かったのだが、そっちのほうがまだマシっていうね -- 名無しさん (2020-02-15 22 17 57) 家光忠長兄弟は大人しいだけが取り柄の家光に対して容姿端麗才気煥発忠長の方に期待集まって世継ぎ忠長でも良いかという流れになりかけたのを家康に相談して家康に判断委ねたのでは? -- 名無しさん (2020-02-19 13 23 10) ↑3 戦国時代までは家督やらなんやらで兄弟対決は多い。有名な戦国武将だと今川義元なんかも該当している。 -- 名無しさん (2020-02-22 10 41 25) 麻倉葉vs麻倉ハオ 源輝二vs木村輝一 キューティーハニーvsミスティーハニー -- 名無しさん (2020-10-13 21 52 01) 洗脳済みがアリなら、ドラクエ10のアンルシアVSトーマとか -- 名無しさん (2020-10-13 22 05 16) ライガーvsギンギンライガー(アニメ版モンスターファーム) トーマvsシュバルツ大佐(アニメ版ゾイド) -- 名無しさん (2020-10-26 18 24 12) ログ化を提案します。(反対意見が無ければ7/16に実行します) -- 名無しさん (2021-07-11 00 46 17) ログ化しました。 -- (名無しさん) 2021-07-16 21 56 29 神話や昔話は意外と思い付かない。兄弟同士でもめたり一方的に攻撃する程度。アマテラスとスサノオが玉と剣を噛み砕くあれは対決じゃなくて無実の証明だし -- (名無しさん) 2021-07-17 04 37 47 ウマ娘でのビワハヤヒデVSナリタブライアンもここに入りそうだな -- (名無しさん) 2021-07-27 12 49 42 兄弟対決のみのトーナメントが開かれていた聖闘士星矢。ただし兄弟だと発覚したのは大会終了後 -- (名無しさん) 2021-10-09 17 55 21 犬夜叉と殺生丸、ガッシュとゼオンが戦う原因を作ったのは父親のせいだな。だけど、殺生丸とゼオンはデュフォーとりんちゃんの存在で救われたし、殺生丸にはりんちゃんを庇って死ぬ予定だったと言う没設定がある。 -- (名無しさん) 2021-11-02 21 00 56 ↑3 初期PVにオルフェーヴルモチーフと思わしきウマ娘がいたことが話題になってるけど、もしドリームジャーニー共々来るなら同じ「決して凡百の才ではなかったが、弟(妹)が三冠馬だった」立場繋がりはどうなるんだろうなあ…… -- (名無しさん) 2021-12-02 10 10 02 鬼龍と静虎はまだ追加されてないッスね -- (名無しさん) 2021-12-05 22 07 57 ストファイⅢのギルVSユリアンもこれ? -- (名無しさん) 2022-02-28 21 27 46 ブルーVSルージュ、鬱ブレイカーに定評のあるヒューズ編でもこの死闘は避けられない… -- (名無しさん) 2022-03-01 18 46 43 トリコvsスタージュンも実は兄弟対決だったという -- (名無しさん) 2022-04-05 11 34 59 あとは月並みだがレッツ&ゴー -- (名無しさん) 2022-04-25 19 51 39 燐VS雪男(青エク) -- (名無しさん) 2022-06-01 22 38 12 犬伏の別れ、なんなのこれ仕方なく別れたの?それとも名誉を賭けた言い争いの末に別れたの? -- (名無しさん) 2022-07-03 14 00 31 ヒロアカの焦凍vs荼毘 -- (名無しさん) 2022-11-02 08 16 35 ↑13 カインとアベルとか? 対決っつーか、一方的な殺害だけど。 -- (名無しさん) 2023-04-30 09 57 27 織田も伊達も徳川も背後にいる母親が「余所の女の子供を倒して自分の子を!」じゃなくて両方自分の子というのが凄まじいな -- (名無しさん) 2023-05-01 20 57 38 ゲームの対人戦での話なんだけど、リアル兄弟対決だと「開幕1発とった行動がお互い全く一緒」なんてことが割と普通に起こりうる。ゲームの実力差が同程度だと尚更だ。 -- (名無しさん) 2024-03-31 18 46 47 マキバオーならたいようの方でカスケード産駒対決があったけど競走馬的には異母兄弟は兄弟じゃないから項目の範囲外になるのかな -- (名無しさん) 2024-03-31 18 58 37 名前 コメント すべてのコメントを見る
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21 57 GM_Cran さて、ちっと早いけど 21 57 GM_Cran みんな揃いましたね。 21 57 GM_Cran 準備できてない人は挙手してくださいー! 21 58 GM_Cran 飲み物とつまみはあるかー 21 58 Sawil10_1 もう飲んでる 21 58 GM_Cran はやい 21 58 Alethea17_1 すやぁ 21 58 Vieri_20_1 飲んどる 21 58 GM_Cran 前回のあらすじ」:がろるさんのせい 21 58 Rado_19_1 酷い 21 58 Alethea17_1 」: 21 58 Vieri_20_1 ひどい 21 59 GM_Cran さて 21 59 Garol20_1 すまんのぉ 21 59 GM_Cran 大魔王クォートの温情により一晩の休憩を得たみんな。 21 59 GM_Cran 「あったーらっしぃ、あーさがきた! きぼーうのそらーだ!」 21 59 GM_Cran という放送が流れるところから始めよう。 21 59 Rado_19_1 朝の体操しなきゃ… 22 00 kiel-9-1 もぞもぞ 22 00 GM_Cran 個室でもこっちでもええでよ。というわけで開始。 22 00 Vieri_20_1 よろしくおねがいしまーす 22 00 GM_Cran よろしくおねがいしまーす。 22 00 kiel-9-1 おねがいしまー 22 00 Rado_19_1 よろしくおねがいします 22 01 Alethea17_1 よろしくお願いしますー 22 01 Garol20_1 よろしくおねがいしますー 22 01 Sawil10_1 よろしくおねがいします 22 01 Sawil10_1 しまったラドさんと被っている 22 01 GM_Cran かぶったなら殺せば良いのさ… 22 02 Rado_19_1 ひい 22 02 GM_Cran とりあえずは戦況というかステータスの確認とかからするといいんじゃないかな。>両チーム 22 04 GM_Cran とりあえず起床時間は10分までくらいでよろしくおねがいします 22 09 Rado_19_1 というわけで出ていく 22 10 Sawil10_1 伸びをしながら部屋から出てこよう 22 10 GM_Cran では、扉を開けた両チーム。 22 10 GM_Cran ばったりと出会う。 22 10 Vieri_20_1 「おう、おはよーさん」 22 10 Alethea17_1 とてとて 22 10 GM_Cran 目の前には一本の通路で、お互いの個室の扉がある感じね。 22 10 Sawil10_1 「ん。今度は何日経ってんのかな」 22 10 kiel-9-1 「だいたい何日経った、って俺たちに関係ねえ気もするな」 22 10 GM_Cran 体感6時間位 22 11 Vieri_20_1 「ってあれ、前みたいな広間じゃねえのな」 22 11 kiel-9-1 帰るときは元の時間軸にかえるんだろうし。 22 11 Vieri_20_1 うむ 22 11 GM_Cran あと後ろで「腕を前からー」とか聞こえるね 22 11 Vieri_20_1 ラジオ体操しおる 22 11 Rado_19_1 体操しなくや… 22 11 Vieri_20_1 魔王の声かな? 22 12 GM_Cran 何か見知らぬイイ感じの声。 22 12 Vieri_20_1 アナ=ウンサーさんか 22 12 Vieri_20_1 声の方を見る 22 12 GM_Cran うむ。 22 12 GM_Cran とりあえず通路が続いているんだけど 22 12 GM_Cran そこには大きな扉が見える。 22 12 GM_Cran ちょっと遠くてよくわからないけど扉だね。 22 13 Vieri_20_1 「あっちかなクォート。行ってみようか」 22 13 Rado_19_1 なるほど 22 13 Rado_19_1 遠いのか 22 13 GM_Cran 50mくらいかな。 22 13 GM_Cran 視力8.0とかあれば色々見えるかも。 22 13 Garol20_1 「意外と遠いの」 22 13 Alethea17_1 微妙な遠さ。 22 13 kiel-9-1 とりあえず行く。 22 13 Vieri_20_1 きーちゃんの足なら35秒くらいだね 22 13 kiel-9-1 はっ 22 13 Sawil10_1 「凝ってるねぇ。意味あるのか分かんないけど」 22 14 Sawil10_1 遊牧民は眼が良さそう(偏見 22 14 GM_Cran おそくね…?>35びょう 22 14 kiel-9-1 機敏の試練でここで罠が!!!! 22 14 kiel-9-1 まぁ行こう。 22 14 GM_Cran では 22 14 Vieri_20_1 てくてく 22 14 GM_Cran 通路の先には、重厚な扉がある。 22 14 GM_Cran そこには、……大きくて威厳のある「機敏の間」という看板のうえに、真っ赤なテープでばってんが貼ってる。 22 14 GM_Cran そのうえで、ダンボールをチョキチョキして作ったような粗末な張り紙に「⇒あっち」と書いてある。 22 14 Garol20_1 「ま、とりあえず向かってみるかの」 22 14 Vieri_20_1 「あっちかー」 22 14 Sawil10_1 ああ 22 14 Garol20_1 「……」看板を見上げて 22 14 Sawil10_1 急遽レギュレーションを変更したのか…… 22 14 Alethea17_1 「んー」 22 15 Vieri_20_1 あっちを見る 22 15 Vieri_20_1 通路かな 22 15 Alethea17_1 突貫工事。 22 15 kiel-9-1 無理やり扉を開けたくなる。 22 15 Rado_19_1 予算が 22 15 Garol20_1 「これ、おれの所為なのかの?明らかに次のやつを急遽取りやめたみたいに書いてあるがの」 22 15 Rado_19_1 予算がないのです 22 15 GM_Cran 右見ると、なんていうかスタッフ通路的ななにかにかろうじてちょっとランプとか付けたような道がせせこましく伸びている。 22 16 Rado_19_1 (ふと思ったけどここで闇討ちしたらどうなるんだろうな…流石に失格扱いになりそうだが) 22 16 Rado_19_1 「んじゃ行くか」 22 16 Vieri_20_1 「ガロルのせいじゃないだろ。だいじょぶだいじょぶ」 22 16 GM_Cran GM「おぅ、やるかい?」 22 16 Rado_19_1 てってってと進んでいく 22 16 Vieri_20_1 「ごーごー」 22 16 Sawil10_1 だれだいまの 22 16 Rado_19_1 なんかいたぞ 22 16 GM_Cran 大明神 22 16 kiel-9-1 いこういこう。 22 16 Alethea17_1 「いきましょうー」 22 16 Vieri_20_1 ラドさんの後を進もう 22 17 GM_Cran では 22 17 Alethea17_1 とてとて 22 17 GM_Cran 非常用扉みたいな粗末な扉に、やっぱりダンボールみたいなのに「こちら」って貼ってあるところにつく。 22 17 Garol20_1 では、てくてくのしのし行こう 22 17 Rado_19_1 矢印がないってことは開けていいってことか 22 18 Rado_19_1 「誰か罠とか分かるやついるか 22 18 Rado_19_1 冒険者病 22 18 kiel-9-1 「いや気持ちはわかるけどよそれ……」 22 18 Vieri_20_1 「えーと、一応そういうの担当したりはするけど、この扉にはないんじゃないか……?」 22 19 Rado_19_1 「まあ、だよな」 22 19 Rado_19_1 開ける 22 19 Garol20_1 「取り敢えずいこうかの」 22 19 Vieri_20_1 「正々堂々たる魔王だと信じようぜ」 22 19 Sawil10_1 「っていうかアレ、敵扱いで良いのかね」 22 19 GM_Cran では開ける。 22 20 Rado_19_1 「笑いのために爆発する罠とか仕掛けるのでは?という気持ちが少しあるんだよなあ 22 20 GM_Cran しつれいな 22 20 GM_Cran 魔王はまじめだよ 22 20 GM_Cran ではガチャリ 22 20 Vieri_20_1 「敵……敵、かなぁ? なんか違う気もしつつ」 22 21 GM_Cran 「ふぅはっはっはっは、はーっはっはっは! 22 21 GM_Cran 皆のもの、俺は徹夜だがよくねみゅれたようだな!」噛んだ。 22 21 GM_Cran クォートが何か錆びたパイプ椅子に座っている。 22 21 GM_Cran 場所は概ね従業員用控室くらいのスペースで、どこぞの東夷の風体の部屋で、なにか書物が壁に貼ってあるその上座にいる。 22 21 GM_Cran 目には隈がある。 22 21 Sawil10_1 せめて錆びてない椅子に座って 22 21 Alethea17_1 隈取り 22 21 GM_Cran びりびり 22 22 Vieri_20_1 「おはよ。大丈夫? ちょっと寝る?」 22 22 Garol20_1 「おれら待つぞ?」 22 22 GM_Cran 「いや、この空間を維持するのもなかなかに大変でな…、俺が寝ると色々と、その、困る」 22 22 Vieri_20_1 「そっかぁ」 22 23 Rado_19_1 「じゃあちゃっちゃと進めるか」 22 23 kiel-9-1 「よっしゃ、次はなんだ」 22 23 Vieri_20_1 「じゃあ大団円の大宴会めざして、次の試練に挑みますか。今日はなにして遊ぶ?」 22 23 GM_Cran 「うむ、障害物付きパン食い競走(武勇と機敏)だ!」ドヤァ。 22 24 Vieri_20_1 まとめてきた。 22 24 Sawil10_1 「まとめて来たね」 22 24 Alethea17_1 「えぇ……」 22 24 GM_Cran まとめなきゃキミら勝手に場外で殲滅するじゃん… 22 24 Garol20_1 「まとめてきたの」 22 24 Vieri_20_1 つっこみもまとめてきた 22 24 Sawil10_1 殴り合いにならないようなルールにすればええよ 22 24 Vieri_20_1 せやな>殲滅 22 24 Vieri_20_1 殴り合いを禁じればHPそんなにへらないよ 22 24 kiel-9-1 有利になりそうならやはり殴るつもりは確かにあった。 22 25 GM_Cran いいや、やるね! 22 25 GM_Cran 減るね! 22 25 Sawil10_1 「えーっと」 22 25 Sawil10_1 「で、何をするって?」 22 25 Vieri_20_1 「これも代表者1名?」 22 25 GM_Cran 「では、開帳!」 22 25 Rado_19_1 「パン食い競走 22 25 GM_Cran ごごごごと、クォートの後ろの壁が開いていく。 22 25 Vieri_20_1 ごごごごごご 22 26 GM_Cran そこには陸上競技のような舞台と、4つのハードル(周囲にマキビシとかが散らばっている)、で、奥にはデカイ骨付き肉がぶら下がっている紐のあるゴール地点がある。 22 26 Vieri_20_1 パン…… 22 26 Garol20_1 パン…… 22 26 kiel-9-1 「なんだこれ」 22 26 Vieri_20_1 きーちゃん空とぶ? 22 26 Garol20_1 「わし、パンと聞いた覚えがあるんじゃが」 22 27 Sawil10_1 「いんじゃない?」 22 27 Alethea17_1 「ああ見えてパンなのかもしれません……?」 22 27 Sawil10_1 「美味そうだし」 22 27 Vieri_20_1 「ええと、ここを……?」コースを見回す 22 27 kiel-9-1 人種。 22 27 Sawil10_1 「パンってほら、味あんましないじゃない?」 22 27 GM_Cran 「うむ、毎ターン機敏で判定し、1個めから8/10/12/14の機敏判定に成功するとハードルを越えられる!失敗したら1d2のダメージを受ける! 突破後、武勇にてパンを食い、クリアを先にしたほうが勝利だ!」 22 27 Sawil10_1 子供舌 22 27 Vieri_20_1 メタァ! 22 27 GM_Cran メメタァ 22 28 Garol20_1 メタァ! 22 28 Alethea17_1 小首傾げ 22 29 Vieri_20_1 「とゆーと、障害をかわして、ぶら下がってるのに食らいついて、そのあと走って速く着いたほうが勝ち、と」 22 29 GM_Cran 「飛ぶのはありだが、我が魔王軍の精鋭が撃ち落とす準備はできている」と、何かの特殊部隊的なボウガンを構えたチームがちらりと背景に映る。メタ的にはとんでもイイけど1回ずつ攻撃を受ける。 22 29 Rado_19_1 「あーうん、なるほど」 22 29 Rado_19_1 「俺には無理そうだな?」 22 29 kiel-9-1 ゆうよく人はいるが飛行のないゆるよくなのだよね 22 29 Garol20_1 「おれに跳べるとでも?」重武装ドワーフ 22 30 Alethea17_1 きーるさんとべないですからね 22 30 Vieri_20_1 そうだね、きーちゃんとべないものね 22 30 GM_Cran 応援も可能であり、今回は達成値10以上で、精神の場合は1。武勇か機敏の場合は対応する能力に+のボーナスを得る。タイミングは毎判定ごとに可能だが、1ターンに一人1回まで。 22 30 kiel-9-1 はえてないし。 22 30 Sawil10_1 「まぁ要するに速さ比べで良いんだよね」 22 31 Rado_19_1 「そうなるな」 22 31 GM_Cran +2でした。>武勇か機敏 22 31 Vieri_20_1 精神で応援したら武勇か機敏か選べる、武勇か機敏は+2 22 31 GM_Cran うぃ。 22 31 GM_Cran その後は決闘です。 22 31 Vieri_20_1 びえりんはちょっと嫌な予感がしている>速さ比べでいいんだよね遊牧 22 32 GM_Cran さーて 22 32 GM_Cran 相談は個室でOK- 22 32 Vieri_20_1 はあい 22 32 Alethea17_1 はいはい 22 32 GM_Cran 決闘は走者がそのままでござる。 22 32 Garol20_1 もう、引っかかる事前提で突撃すべきか悩んでる 22 33 Vieri_20_1 ああそうか 22 33 kiel-9-1 4/4/1がいればな。 22 33 Vieri_20_1 引っかかってダメージ受けても走り抜けられるんです?>GM 22 33 GM_Cran ちょっと子供が泣いているのでいってくるです 22 33 Vieri_20_1 てらーてらー 22 33 GM_Cran いけない 22 33 Alethea17_1 てららー 22 33 GM_Cran >飛び直し 22 33 Vieri_20_1 いけなかったよがろるん 22 33 Vieri_20_1 まあなんだ、ぱぱってらー 22 33 Rado_19_1 てらっしゃいませ 22 34 GM_Cran 応援は重複可能ね。 22 34 GM_Cran ノシ 22 34 Garol20_1 いってらー 22 54 GM_Cran ただいまぐっってり 22 54 Vieri_20_1 おかえりおかえり 22 54 Rado_19_1 おかえりなさい 22 54 Vieri_20_1 クランさんのHPMPは大丈夫かい 22 55 GM_Cran だいじぜうぶ 22 55 Alethea17_1 おかえりおかえり 22 55 GM_Cran パンについて質問あったのでここで書くね。最初に書いておけば良かったね 22 55 Sawil10_1 ういうい 22 55 GM_Cran 武勇に+2武勇でボーナスもらっての早食いという名の 22 56 GM_Cran HPのある塊を一方的に毎ターン殴って倒す(食い尽くす) 22 56 Vieri_20_1 やはりそんなかんじか! 22 56 Rado_19_1 おーう 22 56 GM_Cran というチャレンジです 22 56 GM_Cran 特に禁則事項はなし。『とにかく早く肉を消滅させる』だけ。 22 57 GM_Cran ステータスは精神判定の鑑定ですな。 22 57 Vieri_20_1 消滅 22 57 GM_Cran >ステータス暴露は確認は。 22 57 Vieri_20_1 防御判定もあるんですかパン 22 57 Alethea17_1 鑑定しても別にやることかわらないような…… 22 57 GM_Cran あるある 22 57 GM_Cran >防御判定 22 57 Rado_19_1 防御有りか…! 22 58 Vieri_20_1 パン食い競走とはそこまで恐ろしい競技だったのか 22 58 GM_Cran パンってケーキと同じで肉とかも定義に含む場合があるらしいし… 22 58 GM_Cran 肉食系パンということで… 22 58 Garol20_1 なるほど 22 59 Sawil10_1 セブンイレブンの惣菜系カスクートおいしいよね 22 59 Alethea17_1 人喰いパン 22 59 Vieri_20_1 ぴぃ 22 59 GM_Cran それ実はちょっと考えたけどあれそうだったからやめました>人食いパン 22 59 Vieri_20_1 妖精をパンに挟んではいけない 22 59 GM_Cran パンを食うか、食われるかしたら勝ち。 22 59 Rado_19_1 魔王の鑑賞する遊びというと 22 59 Rado_19_1 それっぽい気も>人食いパン 22 59 Vieri_20_1 この魔王は良い魔王だから! 23 00 GM_Cran この魔法は魔王()だからな 23 00 Vieri_20_1 市民さんと違って! 23 00 GM_Cran 市民さんは真の魔王だからな。 23 00 Rado_19_1 そんな ひどい 23 00 GM_Cran はい いいえ 23 00 GM_Cran さてー 23 01 GM_Cran そろそろ走りて決まりましたかね 23 01 GM_Cran きまったひとー 23 01 Sawil10_1 はいはーい。俺でーす 23 01 Rado_19_1 彼でーす 23 01 kiel-9-1 がんば。 23 02 Vieri_20_1 ぉ、ぉれさまですー 23 02 Garol20_1 予想通り 23 02 Sawil10_1 まぁ残当 23 02 GM_Cran ではどこぞの競馬場のようなファンファーレが鳴りながら 23 02 Sawil10_1 とんとんと軽くジャンプしながら身体をほぐしている 23 03 Vieri_20_1 ちょっとラジオ体操第一の動きをしつつ 23 03 GM_Cran クォートが「晴天、草場、ハードル四本、えー、どちらのランナーも健康……。? 健康です」 23 03 Vieri_20_1 「俺様サウィルより速く走れる気ぃしないんだけどー」 23 04 GM_Cran 「ハードルをすべてこえ、パンを食べてゴールインした側が勝利となります。それでは、位置について…」 23 04 Vieri_20_1 位置につこう 23 04 Sawil10_1 「いやぁ、そっちも速そうだからなぁ」 23 04 Sawil10_1 「出てきてくれて良かった」 23 04 Sawil10_1 位置につく 23 04 GM_Cran 激しい闘いになりそう 23 04 GM_Cran 「ヨーイ、スタート!」 23 04 GM_Cran 何故かメガネかけたクォートが号令をぱーん・ 23 04 Sawil10_1 メガネェ 23 04 GM_Cran 最初の障害は、帰任判定8です! 23 05 Vieri_20_1 でもそこは真面目に走り出しますね 23 05 GM_Cran 機敏 23 05 Vieri_20_1 帰任するよ! 23 05 Alethea17_1 おかえりー 23 05 Sawil10_1 どこに……? 23 05 Rado_19_1 実家 23 05 GM_Cran 倉庫かな 23 05 Sawil10_1 2d6+8 かるわざはどういう扱いなんだろうと思いつつ 23 05 Toybox Sawil10_1 - 2d6+8 = [3,6]+8 = 17 23 05 Vieri_20_1 応援って、毎回できるかんじなんです? 23 05 Vieri_20_1 2d6+6+1 23 05 Toybox Vieri_20_1 - 2d6+6+1 = [3,6]+6+1 = 16 23 05 GM_Cran 毎回おkよ 23 05 Vieri_20_1 らじゃらじゃ 23 05 GM_Cran 軽業は演出くれればいくらでも 23 05 Sawil10_1 ひととびで超えていこう 23 06 Vieri_20_1 ふええ遊牧こわいよう 23 06 Alethea17_1 ぽけーっと見ている 23 06 GM_Cran 「どちらも危なげなく突破しましたー! 次は、泥沼のハードルとなります! 23 06 GM_Cran 魔王ノリノリ 23 06 Vieri_20_1 ノリノリだ 23 06 Garol20_1 「どろぬま」 23 06 Sawil10_1 「沼ねぇ」 23 06 Sawil10_1 あんま荒野にはなさそう 23 06 GM_Cran ルーディウスとか言っちゃいけない。 23 06 Vieri_20_1 「流石にこのくらいは……えええ沼かぁ」 23 06 Rado_19_1 「ハードルとは」 23 06 GM_Cran 泥沼地形のハードルね。 23 07 Alethea17_1 ぬっとり 23 07 GM_Cran ぐちゃぐちゃ。 23 07 GM_Cran 応援は判定前にお願いいたしまする。 23 07 Sawil10_1 了解 23 07 Vieri_20_1 はあい 23 07 Sawil10_1 もう判定して良いのかなするね 23 07 GM_Cran 次の目標値は10です。 23 07 Sawil10_1 2d6+8 23 07 Toybox Sawil10_1 - 2d6+8 = [2,6]+8 = 16 23 07 Vieri_20_1 とはいえこの目標値は、うん 23 07 GM_Cran つょぃ 23 07 Vieri_20_1 2d6+6+1 23 07 Toybox Vieri_20_1 - 2d6+6+1 = [1,3]+6+1 = 11 23 07 Vieri_20_1 あぶあぶ 23 07 Sawil10_1 「まぁ跳べば関係ないか」ひととび 23 07 GM_Cran つまさきあたり引っ掛けたかもね。 23 08 Vieri_20_1 ファンブル以外はいけるので、次から考えよう 23 08 Vieri_20_1 「俺様お外はあんまり得意じゃないのよね」 23 08 GM_Cran 「とっぱ! サウィル選手危なげない! 一方、ヴィエリ選手は幸運の女神にそっぽを向かれたかぁ!?」 23 09 Sawil10_1 そろそろ怖くなってきたな 23 09 Sawil10_1 よし次だ 23 09 Rado_19_1 応援入れるか 23 09 Vieri_20_1 つぎ12だね 23 09 GM_Cran 次はそこら中マキビシのハードル。しかも丈が高い。 23 09 Vieri_20_1 応援をお願いできるとうれしいっ 23 09 Sawil10_1 それマキビシなんですかね 23 09 GM_Cran 画鋲でもいいよ。 23 09 Alethea17_1 五寸釘 23 09 Vieri_20_1 いたいいたい 23 09 Garol20_1 応援入れるか 23 09 Sawil10_1 デメリット無いと思うのでください 23 10 GM_Cran がんばー 23 10 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 23 10 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [5,5]+3 = 13 23 10 GM_Cran 余裕だな 23 10 Sawil10_1 安定している 23 10 Rado_19_1 なんだよ…意外と出るじゃねえか10… 23 10 Vieri_20_1 鍛冶屋はやはり精神型の職業 23 10 Sawil10_1 2d6+8+1 ファンブル以外 23 10 Toybox Sawil10_1 - 2d6+8+1 = [3,3]+8+1 = 15 23 10 GM_Cran おかしい… 23 11 Sawil10_1 こえー 23 11 kiel-9-1 あぶなげなく。 23 11 GM_Cran いったいった 23 11 Alethea17_1 2d6+7 せーしんおーえん 23 11 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [1,4]+7 = 12 23 11 Vieri_20_1 ありがとうー 23 11 Alethea17_1 あやうい 23 11 GM_Cran あぶなげない 23 11 Vieri_20_1 2d6+6+1+1 応援1ふくみー 23 11 Toybox Vieri_20_1 - 2d6+6+1+1 = [2,1]+6+1+1 = 11 23 11 Vieri_20_1 あっ 23 11 kiel-9-1 あ 23 11 GM_Cran こけた 23 11 Rado_19_1 あ 23 11 Sawil10_1 あっ 23 11 Alethea17_1 「あっ」 23 11 Vieri_20_1 すてん 23 11 Vieri_20_1 「あいたっ」 23 11 Rado_19_1 五寸釘の床に尻もちを 23 11 Sawil10_1 いたそう 23 11 GM_Cran どごしゃあ (ぶすぶす 23 11 kiel-9-1 おしりがふえてしまう。 23 11 GM_Cran 1d2をどうぞw 23 11 Garol20_1 「ぬおっ」 23 12 Vieri_20_1 1d2 23 12 Toybox Vieri_20_1 - 1d2 = [2] = 2 23 12 Sawil10_1 そりゃ痛いよ 23 12 * nick Vieri_20_1 → Vieri_18_1 23 12 Alethea17_1 合掌 23 12 Vieri_18_1 「あいたた」 23 12 GM_Cran ささったささった 23 12 GM_Cran お尻に 23 12 Vieri_18_1 お尻は2ダメージで済まない気がするよ! 23 12 Rado_19_1 下手に床に手をつくと手にも刺さるから 23 12 Rado_19_1 ここからどう起き上がるのか注目が集まります 23 12 GM_Cran 「ここでヴィエリ選手こけたああああ! サウィル選手は次のハードルへ! ヴィエリ選手はやり直しだあ!」 23 13 Vieri_18_1 転びかけて手をついたときに腕をかすめよう 23 13 Sawil10_1 ぴょんぴょん飛びつつ、マキビシの隙間に人差し指で立ってダメージを回避しながら進む 23 13 GM_Cran んではサウィルんは14へ。ヴィエリんは12のやり直しね。 23 13 Garol20_1 取り敢えずびえりんに応援しよう 23 13 kiel-9-1 おうえんします。 23 13 Garol20_1 2d6+1 機敏応援 23 13 Sawil10_1 おねがいします 23 14 GM_Cran ずざーっと黒子が集まってハードルと釘を設置し直す。 23 14 Garol20_1 2d6+1 機敏応援 23 14 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [5,5]+1 = 11 23 14 Alethea17_1 もいっかいおーえん 23 14 Sawil10_1 おお 23 14 Vieri_18_1 おおう 23 14 kiel-9-1 んー。 23 14 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 23 14 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [5,6]+3 = 14 23 14 Alethea17_1 2d6+7 せーしんおーえん 23 14 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [4,6]+7 = 17 23 14 kiel-9-1 14か……いや欲張らずに精神でおうえんしようね。 23 14 Vieri_18_1 たかい 23 14 kiel-9-1 2d6+7 23 14 Toybox kiel-9-1 - 2d6+7 = [1,4]+7 = 12 23 14 Sawil10_1 ありがたし 23 14 GM_Cran つょぃ 23 14 Sawil10_1 2d6+8+2 えいっ 23 14 Toybox Sawil10_1 - 2d6+8+2 = [6,6](6ゾロ)+8+2 = 22 23 14 Alethea17_1 「落ち着いて行けば大丈夫大丈夫、がんばーです」 23 14 kiel-9-1 うわ。 23 14 GM_Cran うひょお 23 14 Sawil10_1 なにごと 23 14 Rado_19_1 わぁお 23 14 Alethea17_1 なんかすごい。 23 14 Vieri_18_1 「がんばるー」 23 14 Sawil10_1 ちなみに何のハードルですか最後の 23 14 Rado_19_1 ものすごい華麗な飛び方してる 23 14 Vieri_18_1 2d6+6+1+1+2 アレシアさん1ガロルさん2 23 14 Vieri_18_1 2d6+6+1+1+2 アレシアさん1ガロルさん2 23 14 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+6+1+1+2 = [3,6]+6+1+1+2 = 19 23 14 GM_Cran かるがる。 23 15 Vieri_18_1 ふぅ 23 15 Alethea17_1 かんがるー。 23 15 Vieri_18_1 遊牧がすごいとんでる 23 15 Vieri_18_1 14のハードルなんになるんですかGM 23 15 GM_Cran 「とうとう、パン(?)に到着したサウィル選手! 一方ヴィエリ選手は最後のハードルだ!! 23 15 GM_Cran あー。 23 15 GM_Cran そういや描写してなかったね・ 23 15 Sawil10_1 うむ 23 16 Vieri_18_1 うん。 23 16 GM_Cran 溶岩。 23 16 Alethea17_1 ひどい。 23 16 Vieri_18_1 溶岩だったのか 23 16 kiel-9-1 溶岩。 23 16 GM_Cran マリオの城みたいなイメージ。 23 16 Vieri_18_1 ほんとにそれ1d2ダメージですむんです? 23 16 Garol20_1 ようがん 23 16 GM_Cran きっとギリギリで回避するんだよ。 23 16 Vieri_18_1 機敏だものね 23 16 GM_Cran うむ。 23 16 Vieri_18_1 (こわいよう 23 16 GM_Cran ちょっとバブルに当たるだけだよ。 23 16 kiel-9-1 マリオ35…… 23 16 Sawil10_1 ジャンプ、途中で溶岩を蹴ってもう一度ジャンプ 23 17 Vieri_18_1 では次ターン、こっちが先に跳んじゃったほうが描写的に良いかな? 23 17 GM_Cran そうだねー。 23 17 Rado_19_1 すげえアイツ溶岩を使って飛んでやがる 23 17 GM_Cran びえりんからごー 23 17 Sawil10_1 一瞬靴を気にする 23 17 Vieri_18_1 応援をお願いしたいです!! 23 17 Vieri_18_1 かよわいおれさまに愛の手を! 23 17 GM_Cran オイオイオイ死ぬわアイツ>溶岩を使って 23 17 Alethea17_1 2d6+7 ふぁいおー 23 17 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [3,1]+7 = 11 23 17 Alethea17_1 なんかあやうい 23 17 GM_Cran あやうい 23 17 Sawil10_1 まぁ 23 17 Sawil10_1 成功すれば何でも良いよ 23 17 Garol20_1 2d6+1 ふぁい、おー 23 17 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [1,3]+1 = 5 23 18 GM_Cran ほろい 23 18 Alethea17_1 しっぱいしている 23 18 Vieri_18_1 流石にに連続とはいかないか 23 18 Sawil10_1 そんなもんだよ 23 18 Garol20_1 & 23 18 Sawil10_1 まぁ 23 18 Vieri_18_1 2d6+6+1+1 ではごー 23 18 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+6+1+1 = [5,3]+6+1+1 = 16 23 18 Vieri_18_1 ほっ 23 18 Sawil10_1 問題ないね 23 18 Vieri_18_1 ぴょーい 23 18 GM_Cran いったいった 23 18 kiel-9-1 あー 23 18 Sawil10_1 よしでは武勇でお肉食うんだね 23 18 Sawil10_1 +2だっけ 23 18 Vieri_18_1 「ふへぁ……なんだよ溶岩って」 23 18 kiel-9-1 あれつかっていいすかあれ 23 18 Rado_19_1 ん 23 18 Sawil10_1 ん 23 18 Alethea17_1 「がんばー」 単調になっている応援 23 18 GM_Cran では、ハードルを飛び越えたびえりんの目に見えたさうぃるんの姿は… 23 18 kiel-9-1 あれもらったじゃんあれ 23 18 Vieri_18_1 と言ってる間にパンとサウィルくんの邂逅 23 18 GM_Cran >+だよ 23 18 Alethea17_1 羽毛 23 19 GM_Cran +2 23 19 Vieri_18_1 きーちゃん羽毛もらう? 23 19 Rado_19_1 ええよ 23 19 Garol20_1 「きばれーい!」 23 19 kiel-9-1 じゃあさうぃるくんにおうえんしとこう 23 20 Rado_19_1 2d6+5 武勇応援ー! 23 20 Toybox Rado_19_1 - 2d6+5 = [4,3]+5 = 12 23 20 GM_Cran とりあえず 23 20 GM_Cran まものかんていしよっか 23 20 Sawil10_1 ああそうか 23 20 Rado_19_1 GM 23 20 Sawil10_1 手番使うんですか 23 20 GM_Cran うい 23 20 kiel-9-1 まもちは手番使います? 23 20 GM_Cran つかわない 23 20 Rado_19_1 鑑定は現場の皆さんだけでよろしいですか 23 20 Vieri_18_1 まもちしき、手番つかわないでいいのか 23 20 GM_Cran 現場のお二人三 23 20 GM_Cran さん 23 20 kiel-9-1 我々はみれない! 23 20 Sawil10_1 応援はもらえる? 23 20 GM_Cran もらえるー 23 20 kiel-9-1 ここで応援すると 23 20 kiel-9-1 飯食いに応援使えないのではないか 23 20 Alethea17_1 現場のヴィエリさんから中継です 23 20 GM_Cran ですね。 23 20 kiel-9-1 1ターン1回よね。 23 20 Sawil10_1 どうする? 23 20 GM_Cran うむ。 23 20 Sawil10_1 とにかく食う? 23 20 kiel-9-1 めしくうのにおうえんするよ。 23 20 Sawil10_1 おっけい 23 21 Sawil10_1 2d6+1 じゃあダメ元でいくね精神鑑定 23 21 Toybox Sawil10_1 - 2d6+1 = [6,5]+1 = 12 23 21 Sawil10_1 出目は良い 23 21 GM_Cran おお 23 21 kiel-9-1 かしこい。 23 21 kiel-9-1 かしこいぞ。 23 21 Sawil10_1 本番でコケそうだなぁ 23 21 Vieri_18_1 かしこい! 23 22 Garol20_1 かしこい 23 22 GM_Cran Bにデータ貼っときました 23 24 Sawil10_1 「なるほど?」 23 24 Sawil10_1 確認だけどさ、と 23 24 GM_Cran ほう 23 24 Sawil10_1 何事か審判に聞く 23 24 Sawil10_1 Bの奴ですね 23 24 GM_Cran 何か帽子かぶった赤鉛筆耳に付けたクォートに聞くということだな。 23 24 kiel-9-1 なんか 23 24 Vieri_18_1 魔王なにしとん 23 24 kiel-9-1 細かい文字が並んだ薄い灰色の紙束を手に持ってそうだな 23 24 Rado_19_1 競人 23 24 GM_Cran あるある 23 25 kiel-9-1 あとメモ帳。 23 25 GM_Cran あるある 23 25 Vieri_18_1 さんれんたんさんれんたん 23 25 GM_Cran ちなみに肉は2つぶらさがっている。 23 25 GM_Cran それぞれAとBの札があるね。 23 25 Vieri_18_1 ほう 23 26 GM_Cran さってー 23 27 GM_Cran そろそろいいかなー? 23 27 Sawil10_1 あい 23 27 Sawil10_1 応援ください 23 27 GM_Cran じゃあこれからイニシ 23 27 kiel-9-1 ほい。 23 27 Sawil10_1 あるんだイニシ 23 27 kiel-9-1 パンが 23 27 Rado_19_1 まずイニシからの応援かな? 23 27 kiel-9-1 反撃するかもしれんからな 23 27 GM_Cran 応援はイニシいらないかな 23 27 kiel-9-1 パンだって生きている。 23 27 GM_Cran ややこくなるから 23 27 Vieri_18_1 あるんだ…… 23 27 Rado_19_1 りょかりょか 23 27 Sawil10_1 1d20+8 えいっ 23 27 Toybox Sawil10_1 - 1d20+8 = [2]+8 = 10 23 27 Sawil10_1 おっそい 23 27 GM_Cran ほろい 23 27 kiel-9-1 1d20+1 一応私もふっておく。 23 28 kiel-9-1 1d20+1 23 28 Toybox kiel-9-1 - 1d20+1 = [11]+1 = 12 23 28 Garol20_1 いにしあるんだ 23 28 GM_Cran 食べる人だけな 23 28 Sawil10_1 おっけい 23 28 kiel-9-1 あぁたべるひとだけか。 23 28 kiel-9-1 ほいほい。 23 28 kiel-9-1 そうか、最後横並びなった時に 23 28 GM_Cran いえっす 23 28 kiel-9-1 イニシ順とかになるからかな 23 28 Sawil10_1 じゃあまぁ 23 28 Vieri_18_1 こっちも振っておく? 今回うごかないけど 23 28 Sawil10_1 びえりんもかな 23 28 GM_Cran びえりんはつぎだな 23 28 Vieri_18_1 はあい 23 28 Sawil10_1 じゃあ 23 28 Sawil10_1 おうえんください 23 28 Rado_19_1 では改めて 23 28 kiel-9-1 2d6+7 精神で。 23 29 kiel-9-1 全角! 23 29 kiel-9-1 2d6+7 23 29 Toybox kiel-9-1 - 2d6+7 = [5,5]+7 = 17 23 29 Vieri_18_1 つよい 23 29 GM_Cran つょぃ 23 29 Vieri_18_1 やはりウォーザードはさいつよ 23 29 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 23 29 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [6,6](6ゾロ)+3 = 15 23 29 GM_Cran ひゃあ 23 29 kiel-9-1 もっと強いのは 23 29 Sawil10_1 おおう 23 29 Rado_19_1 聞こえますか 23 29 kiel-9-1 そう、鍛冶屋です。 23 29 Vieri_18_1 鍛冶屋は最強 23 29 Rado_19_1 今貴方の頭の中に応援しています 23 29 Alethea17_1 応援ガチ勢こわい 23 29 Vieri_18_1 応援団こわい 23 30 GM_Cran 応援団ガチ 23 30 Rado_19_1 詰め襟になってそうだわ俺ら 23 30 Sawil10_1 よしじゃあ 23 30 Sawil10_1 機敏で肉に攻撃しますね 23 30 GM_Cran おk 23 30 kiel-9-1 「手段はどうあれ消せって話だ! 終わってからゆっくり食おうぜ!!」 23 30 Sawil10_1 2d6+10+2 「ん。了解」 23 30 Toybox Sawil10_1 - 2d6+10+2 = [1,1](1ゾロ)+10+2 = 14 23 30 Sawil10_1 ああー 23 30 GM_Cran わらった 23 30 Vieri_18_1 あっ 23 30 kiel-9-1 肉のカウンターが。 23 30 Sawil10_1 うむ 23 31 Sawil10_1 ファンブルは失敗かな 23 31 GM_Cran うん 23 31 Sawil10_1 了解 23 31 Sawil10_1 じゃあ 23 31 GM_Cran ころんだ。 23 31 Sawil10_1 素直に次のラウンド行こうか 23 31 GM_Cran 対等になったw 23 31 Sawil10_1 うむ 23 31 kiel-9-1 よこにならんでしまった。 23 31 Vieri_18_1 ならんだ 23 31 GM_Cran びえりんが突破したとき 23 31 Sawil10_1 いにしは固定でいいんですよね 23 31 Rado_19_1 もう終わりだ…おしまいだあ… 23 31 GM_Cran さうぃるんが何か転けた。 23 31 Vieri_18_1 1d20+6+1 いにしるよー 23 31 Toybox Vieri_18_1 - 1d20+6+1 = [12]+6+1 = 19 23 31 GM_Cran です>固定 23 31 Sawil10_1 よし 23 31 Sawil10_1 いこうか 23 31 GM_Cran ごー 23 32 Vieri_18_1 「うおっ!?」さうぃるんが転げているので 23 32 GM_Cran お互いそれぞれのお肉が決まっておるね 23 32 Sawil10_1 「やぁ」 23 32 Vieri_18_1 「えっなにそんなに手強いの、そのお肉」 23 32 GM_Cran 手強いお肉… 23 32 Vieri_18_1 という流れでまもちきにいきたい 23 32 Vieri_18_1 どうしようアレシアさん、精神応援いただけますでしょうか? 23 33 Alethea17_1 おーえん 23 33 Vieri_18_1 せっかくふるならがんばりたい 23 33 Alethea17_1 どう応援したらいいんだろう…・…なぞい…… 23 33 GM_Cran にくのくいかたのかがくてきかいせつ 23 33 Sawil10_1 肉ソムリエ 23 33 Vieri_18_1 なぞだね・・・ 23 33 GM_Cran 謎肉の食い方とか。 23 33 Garol20_1 なぞにく 23 34 Vieri_18_1 「どっからナイフをいれたものか」 23 34 Alethea17_1 とりあえずおーえん 23 34 Alethea17_1 2d6+7 23 34 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [1,1](1ゾロ)+7 = 9 23 34 Alethea17_1 ぽけー 23 34 kiel-9-1 そう 23 34 Vieri_18_1 ふ 23 34 Vieri_18_1 謎でしたね 23 34 kiel-9-1 銅応援をしたらいいか 23 34 Alethea17_1 やっぱり謎だった 23 34 GM_Cran ああ 23 34 kiel-9-1 分からなかったんです。 23 34 Vieri_18_1 ではふるだけふるぞー 23 34 Rado_19_1 何だこのサイコロ 23 34 GM_Cran なぞい 23 34 Vieri_18_1 わからないよね、ごめんね 23 34 Vieri_18_1 2d6+2 ちしきー 23 34 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+2 = [5,6]+2 = 13 23 34 Vieri_18_1 がんばった 23 34 kiel-9-1 でもわかるんだよね。 23 34 Vieri_18_1 がんばったよ 23 34 Sawil10_1 だが問題はない 23 34 GM_Cran 2d6+2 23 34 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [5,4]+2 = 11 23 34 kiel-9-1 みんな肉に詳しいね。 23 34 GM_Cran こちーん 23 35 Sawil10_1 ちしきでは 23 35 Alethea17_1 チシキダヨ 23 35 GM_Cran A肉-2 23 35 Vieri_18_1 ちしきに対抗くるの? 23 35 GM_Cran ちしきか 23 35 Sawil10_1 公開でいいっすね 23 35 Rado_19_1 知識だよ 23 35 GM_Cran 鑑定判定? 23 35 Sawil10_1 うむ 23 35 GM_Cran しつれい 23 35 Vieri_18_1 魔物知識でした、宣言きちんとしないとだめだね、ごめんよう 23 35 GM_Cran 肉(パン):2/2/2 HP30 耐性:打+2 23 36 kiel-9-1 皆肉に詳しいなあ 23 36 GM_Cran こちらこそ 23 36 Vieri_18_1 なるほどぉ 23 36 Sawil10_1 肉にくわしい 23 36 Garol20_1 にく 23 36 Sawil10_1 そんではびえりんのたーんかな 23 36 Rado_19_1 肉は美味しいからな 23 36 Garol20_1 このにくなんのにく 23 36 Sawil10_1 まぁ 23 36 GM_Cran きになるにく 23 36 Sawil10_1 びえりんは肉詳しそう 23 36 Garol20_1 謎の信頼 23 36 Garol20_1 でもわかる 23 36 Vieri_18_1 いやー知識はあまり。 23 36 Alethea17_1 木に生る肉 23 36 GM_Cran ひばりていで労働しているから 23 36 GM_Cran ハムとベーコンの区別はつけられるはず 23 36 Vieri_18_1 そしてええと、出来たらガロルさん機敏応援ためしてみてくれるとうれしいっ 23 37 Garol20_1 了解ー 23 37 Vieri_18_1 武勇の出番が少なくてすまない 23 37 Garol20_1 2d6+1 23 37 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [4,1]+1 = 6 23 37 Vieri_18_1 くっ 23 37 Vieri_18_1 ではいくぞー 23 37 Garol20_1 ふっふっふ、しってた 23 37 Vieri_18_1 2d6+6+1+2 機敏突 23 37 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+6+1+2 = [2,2]+6+1+2 = 13 23 37 Garol20_1 がんばえー 23 37 Vieri_18_1 きたいちがでないっ 23 37 Alethea17_1 こっちの応援団はいまいち 23 37 GM_Cran 2d6+2 23 37 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [1,6]+2 = 9 23 37 Sawil10_1 かてぇ 23 37 GM_Cran A-4ね 23 37 Vieri_18_1 だねだね 23 37 GM_Cran 意外と肉質的で筋がこう…ってカンジダ 23 37 GM_Cran 感じだ 23 37 Sawil10_1 さては安物だなこの肉 23 37 kiel-9-1 さうぃるんに精神で応援する。 23 38 Rado_19_1 同じく 23 38 kiel-9-1 私歯ごたえある程度ある方が肉好きだなあ。 23 38 Vieri_18_1 「なるほど……専用の包丁が欲しいとこだ。ラドー、持ってないー?」 23 38 kiel-9-1 2d6+7 23 38 Toybox kiel-9-1 - 2d6+7 = [6,4]+7 = 17 23 38 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 23 38 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [1,5]+3 = 9 23 38 Vieri_18_1 さうぃるんがんばい 23 38 Sawil10_1 オーストラリア辺りだと脂身無いほうが人気あるらしいっすね 23 38 kiel-9-1 「なんか筋張ってるからよ、そこのこう筋に沿う感じで……」 23 38 Rado_19_1 「持ち歩いてはないぞー」 23 38 Rado_19_1 こう 23 38 GM_Cran キエエィさんのが有効か 23 38 Vieri_18_1 きーちゃん筋張った肉くってそうだものな…… 23 38 Rado_19_1 話しかけられてそっちの応対してたら応援忘れちゃった 23 38 Rado_19_1 ごめんね 23 38 GM_Cran カンガルーとかあるしね 23 38 Sawil10_1 2d6+10+1 機敏切「調理済みの獲物はあんまりなぁ」 23 38 Toybox Sawil10_1 - 2d6+10+1 = [2,2]+10+1 = 15 23 39 kiel-9-1 ささみなら食べる。 23 39 GM_Cran 2d6+2 23 39 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [3,4]+2 = 9 23 39 GM_Cran B-6~ 23 39 Sawil10_1 いい勝負ではある 23 39 Sawil10_1 これ何の競争だ 23 39 Vieri_18_1 さうぃるんは普通に強いんだよう 23 39 GM_Cran ダイス勝負になってるねー 23 39 Vieri_18_1 肉切り分け競争 23 39 Vieri_18_1 後で皆でBBQしようぜ 23 40 Sawil10_1 そろそろびえりんが爆発しそうでこわい 23 40 Garol20_1 しおならあるぞい 23 40 Vieri_18_1 ばくはつしないよ! 23 40 Sawil10_1 リア充だし 23 40 Vieri_18_1 ではいくぞー、応援をおねがいしたいっ 23 40 Alethea17_1 はーい 23 40 Alethea17_1 2d6+7 せーしんおーえん 23 40 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [4,3]+7 = 14 23 40 Sawil10_1 あんてい 23 41 Vieri_18_1 あんていだー 23 41 Garol20_1 機敏応援 23 41 Garol20_1 2d6+1 23 41 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [2,1]+1 = 4 23 41 Alethea17_1 「あせらずごーごーです」 23 41 GM_Cran ほろい 23 41 Garol20_1 ふっ 23 41 Rado_19_1 よくある 23 41 Vieri_18_1 2d6+6+1+2+1 機敏突 あれしあさん+1 23 41 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+6+1+2+1 = [4,5]+6+1+2+1 = 19 23 41 GM_Cran 2d6+2 23 41 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [6,4]+2 = 12 23 41 GM_Cran Aさらに-7 23 41 Vieri_18_1 がろるさんはがんばってるよ! 23 41 Vieri_18_1 GMはがんばらなくていいのよ! 23 41 GM_Cran 割と順調 23 41 Vieri_18_1 さくさく 23 42 GM_Cran 今んとこA-11だね 23 42 Sawil10_1 んではー 23 42 Sawil10_1 おうえんおくれ 23 42 Vieri_18_1 「たぶんここが切れたら……よし行けた」 23 42 Rado_19_1 ほいほい 23 42 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 23 42 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [5,1]+3 = 9 23 42 Rado_19_1 よし 23 42 Sawil10_1 よし 23 42 GM_Cran よし…? 23 42 Sawil10_1 よし? 23 42 Sawil10_1 よし 23 42 Rado_19_1 あの頭に語りかけたのが俺の最後の応援パワーだった 23 42 Sawil10_1 よし 23 42 Alethea17_1 よくわかんないけどよし 23 42 Vieri_18_1 よし 23 42 Sawil10_1 きーるくーん 23 42 kiel-9-1 2d6+7 23 42 Toybox kiel-9-1 - 2d6+7 = [6,4]+7 = 17 23 42 kiel-9-1 精神で応援します。 23 42 Sawil10_1 ありがとう 23 43 Sawil10_1 2d6+10+1 おらー! 機敏切り 23 43 Toybox Sawil10_1 - 2d6+10+1 = [1,3]+10+1 = 15 23 43 Sawil10_1 やる気が! 23 43 GM_Cran 2d6+2 23 43 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [3,6]+2 = 11 23 43 Vieri_18_1 やはり調理済に対しては情熱が! 23 43 Sawil10_1 ほぼ互角 23 43 GM_Cran B合計-10 23 43 kiel-9-1 うーむ。 23 43 Sawil10_1 まー 23 43 Sawil10_1 ダイス勝負はどうしようもない 23 43 Rado_19_1 うむ 23 43 Sawil10_1 次行きましょう 23 43 Garol20_1 うむ 23 43 GM_Cran じゃあつぎだ 23 43 Vieri_18_1 サウィルさんがスタンとか使わない限りはダイス勝負よな 23 44 Alethea17_1 先手とれたのがちょっと有利 23 44 Sawil10_1 うむ 23 44 GM_Cran がち 23 44 kiel-9-1 ここでいきなり 23 44 kiel-9-1 びえりんにスタンをいれてだな。 23 44 Vieri_18_1 応援たのみますー 23 44 Vieri_18_1 えっ 23 44 Alethea17_1 2d6+7 せーしん 23 44 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [4,1]+7 = 12 23 44 Vieri_18_1 かよわいおれさまになんてことを! 23 44 Sawil10_1 無くはないけど普通にかわされるとおもう 23 44 GM_Cran あれしあさんが念じた 23 44 kiel-9-1 かわされちゃうんだよねえ 23 44 Garol20_1 2d6+1 きびーん 23 44 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [6,6](6ゾロ)+1 = 13 23 44 Garol20_1 お 23 45 Sawil10_1 おお 23 45 GM_Cran すごいな 23 45 kiel-9-1 びっくりしたわ。 23 45 Vieri_18_1 どわっふ!! 23 45 Rado_19_1 おお 23 45 Rado_19_1 すげえ応援だ 23 45 Alethea17_1 覚醒するドワーフ 23 45 Sawil10_1 熱を感じる 23 45 GM_Cran どわっふ口に突っ込んだ 23 45 Sawil10_1 というか今日ぞろいな 23 45 Vieri_18_1 2d6+6+1+2+1+2 機敏突 アレシアさん+1 ガロルさん+2 23 45 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+6+1+2+1+2 = [4,1]+6+1+2+1+2 = 17 23 45 Rado_19_1 ぞろいぞろい 23 45 Rado_19_1 すげえ 23 45 Vieri_18_1 出目がおちた 23 45 GM_Cran 2d6+2 23 45 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [5,3]+2 = 10 23 45 Rado_19_1 -7 23 45 GM_Cran 7- 23 45 Alethea17_1 あんていのじーえむだいす 23 45 Sawil10_1 いい感じだなぁ 23 45 Sawil10_1 よしおうえんくれ 23 45 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 23 45 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [5,5]+3 = 13 23 45 Vieri_18_1 じーえむ、肉がかたいです 23 45 Sawil10_1 よしよし 23 45 kiel-9-1 2d6+7 23 45 Toybox kiel-9-1 - 2d6+7 = [3,1]+7 = 11 23 45 GM_Cran A-18だね肉 23 45 kiel-9-1 あぶなす。 23 46 Rado_19_1 サウィル…サウィル…聞こえますか…今貴方の頭に応援をしています… 23 46 Sawil10_1 2d6+10+2 なんかすごいランクの低いお肉みたいな 23 46 Toybox Sawil10_1 - 2d6+10+2 = [1,4]+10+2 = 17 23 46 GM_Cran 2d6+2 23 46 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [1,3]+2 = 6 23 46 Sawil10_1 頭の中に話しかけるのやめてもらっていいですか! 23 46 GM_Cran あいたぁ 23 46 Rado_19_1 ああ 23 46 Alethea17_1 お肉のやる気が落ちた 23 46 Vieri_18_1 おにく! 23 46 GM_Cran -11きましたわぁ 23 46 GM_Cran B-21だね 23 46 Rado_19_1 2桁は珍しい 23 46 Sawil10_1 固定値だけ見ると割と順当な数字なんだよなこれ 23 47 Garol20_1 おー 23 47 Vieri_18_1 今までのお肉が固かっただけで、うん 23 47 GM_Cran お肉の頭にも話しかけているのかも 23 47 Vieri_18_1 普通はこうよな 23 47 Vieri_18_1 お肉の頭 23 47 Sawil10_1 よし次じゃ 23 47 GM_Cran そろそろ決まりそうだな 23 47 Rado_19_1 お肉…お肉…はよ死ね… 23 47 GM_Cran お肉「ヒッ」 23 47 GM_Cran もう死んでる。 23 47 Alethea17_1 2d6+1 やわらかくなーれ(せーしん 23 47 Toybox Alethea17_1 - 2d6+1 = [6,3]+1 = 10 23 47 GM_Cran やわやわ 23 48 Sawil10_1 なぞの1 23 48 Vieri_18_1 やわらかくなった 23 48 Vieri_18_1 なぞの1 23 48 Alethea17_1 ななだった 23 48 Garol20_1 2d6+1 こまぎれじゃー(きびーん 23 48 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [6,3]+1 = 10 23 48 Rado_19_1 おお 23 48 Sawil10_1 おお 23 48 Alethea17_1 機敏にすれば良かった…? 23 48 Garol20_1 おけおけ 23 48 Vieri_18_1 おお 23 48 Alethea17_1 おけおけ 23 48 Vieri_18_1 2d6+6+1+2+1+2 機敏突 アレシアさん+1 ガロルさん+2 23 48 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+6+1+2+1+2 = [4,5]+6+1+2+1+2 = 21 23 48 Sawil10_1 これは勝負がついてもおかしくない 23 48 Rado_19_1 お 23 48 GM_Cran 2d6+2 23 48 Toybox GM_Cran - 2d6+2 = [1,5]+2 = 8 23 48 Rado_19_1 これは 23 48 Vieri_18_1 がんばったぞ 23 48 GM_Cran 13 23 48 kiel-9-1 たけえ。 23 48 Sawil10_1 うむ 23 48 Vieri_18_1 あ 23 48 Sawil10_1 負けた 23 49 GM_Cran ほろい 23 49 Sawil10_1 まぁ 23 49 Vieri_18_1 では細かく切って流れるように飲み込もう 23 49 Sawil10_1 そんなもんよ 23 49 Vieri_18_1 でもほら、このあとボッコボコにするんでしょう? 23 49 Vieri_18_1 (ふるふる 23 49 Sawil10_1 いやぁまぁ 23 49 GM_Cran 「はーっはっはっはっは!!」 23 49 GM_Cran 「まさかまっとうにどちらも食うとは思わなんだ!!」 23 49 Sawil10_1 使用能力値かぶってるし固定値ほぼ差無いし 23 50 Vieri_18_1 「……っぷへぁ……って、え?」 23 50 Sawil10_1 びえりん回避あるから普通にやるとHP差で負けるよ 23 50 Vieri_18_1 「まっとーじゃない方法、なんかあったの魔王?」 23 50 GM_Cran 「此度のレースはヴィエリの勝ちとする!」 23 50 Sawil10_1 「相手の肉持って走るとか?」 23 50 kiel-9-1 消し去る方法。 23 50 GM_Cran 具体的には肉を溶岩に投げ込んだりとか 23 50 Sawil10_1 転移魔法も 23 50 Sawil10_1 ありだな 23 50 Sawil10_1 でも 23 50 Vieri_18_1 ああ 23 50 kiel-9-1 あぁ。溶岩あったなあ。 23 50 Vieri_18_1 お前を消す方法 23 51 GM_Cran こわい 23 51 Sawil10_1 考えたんですけどサウィルの武勇だと変なところに落としそうでなぁ 23 51 Garol20_1 早食い(食うとは言ってない) 23 51 GM_Cran 相手を食うとかもありだね 23 51 Vieri_18_1 でもその肉、溶岩におとして本当に消えるんですかね・・・? 23 51 Rado_19_1 え 23 51 GM_Cran ぐつぐつ 23 51 Sawil10_1 だって 23 51 Alethea17_1 増えるおにく 23 51 Rado_19_1 ヴィエリ君を…? 23 51 Sawil10_1 溶岩の攻撃力1d2じゃろ? 23 51 Vieri_18_1 えっ!? 23 51 Sawil10_1 え、そうじゃない? 23 51 GM_Cran 流石に全部浸かったら溶けるんじゃないかな… 23 51 Vieri_18_1 ヴィエリくんは消したらだめだよ 23 52 GM_Cran っ 消しゴム 23 52 GM_Cran 「さて、このまま決闘となるが…」 23 52 Sawil10_1 まぁ 23 52 Vieri_18_1 溶岩に落として肉が回避行動をとったら1d2ダメージになるかもしれないじゃないか 23 52 Sawil10_1 負け負けだ 23 52 Sawil10_1 「で、このまま決闘?」 23 52 kiel-9-1 動く肉 23 52 Vieri_18_1 「腹ごなしの運動にしてはハードな気がするんだけど」 23 52 Sawil10_1 「食ってないしなぁ」 23 53 GM_Cran 「代表者変えてもいいかな……。このあと、総合戦だし……」とか日和ったこといってる。 23 53 Sawil10_1 「あのさぁ」 23 53 Sawil10_1 「競争だってんならそういうのは無しにしようよ」 23 53 Vieri_18_1 「そーごーせん」 23 53 Sawil10_1 こだわるほう 23 53 Vieri_18_1 「こわい」 23 53 GM_Cran 「ううむ」 23 53 GM_Cran 「では、ファーストブラッドとしよう」 23 53 Sawil10_1 「なにそれ」 23 53 GM_Cran 最初に血を流したほうが負け。 23 54 GM_Cran 決闘の手法の一種ね。 23 54 Sawil10_1 なるほど 23 54 Vieri_18_1 なるほど 23 54 GM_Cran つまり応援とダイスの走ったほうが勝ち。 23 54 Sawil10_1 まぁ同じ能力値同士でやりあうと 23 54 Sawil10_1 グダるしな 23 54 GM_Cran せやね(メタァ 23 54 kiel-9-1 なんせ違う能力でやっても 23 54 Garol20_1 ですなぁ 23 54 kiel-9-1 倍加ないからね我々。 23 54 Rado_19_1 「まあいいんじゃねえの、どっちも得意分野同じだろ」 23 55 Alethea17_1 長期化すると場外で乱闘起きたりするから…・… 23 55 Sawil10_1 「ま、そうだね。ちゃっちゃと行こうか」 23 55 kiel-9-1 おこすよ。 23 55 Vieri_18_1 「だな」 23 55 Vieri_18_1 やめれ 23 55 GM_Cran 場外乱闘はあれは面白かった(こなみ 23 55 kiel-9-1 アレシアさんとガロルんあいてなら 23 55 kiel-9-1 ダメージうけないからな!!!! 23 55 Alethea17_1 かもんかもん 23 55 Sawil10_1 よっしゃー 23 55 Sawil10_1 やるか! 23 55 Vieri_18_1 鉄壁のきーちゃんを溶岩に落とそう 23 55 kiel-9-1 殺せ!!! 23 55 GM_Cran 「ふむ、では、リングに案内しよう」 23 55 kiel-9-1 殺すんだ!!!! 23 55 Sawil10_1 イニシからですかね! 23 55 kiel-9-1 私は血が見たい!!! 23 55 Sawil10_1 おお 23 55 Vieri_18_1 イニシかな! 23 55 Sawil10_1 リングあるのか 23 55 GM_Cran 周囲溶岩グツグツのボクシングリングみたいなところに、ヒュンとふたりとも転移する。 23 55 Vieri_18_1 「リングわざわざあるんだ。用意いいなあ魔王」 23 56 GM_Cran イニシだね!! 23 56 Vieri_18_1 「ぅお」 23 56 Sawil10_1 障害物走のコースで殴り合うのかと 23 56 Sawil10_1 「え、これ負けたほうが落ちるやつ?」 23 56 Vieri_18_1 「やめてっ」 23 56 Alethea17_1 マキビシの上で殴り合うやつ 23 56 GM_Cran 「それファーストブラッドじゃなくてデスマッチというんだぞ」 23 56 Vieri_18_1 「単に雰囲気作りじゃねえかな!」 23 56 GM_Cran あ、今回はルールは「最初に1ダメージ以上受けたら負け」 23 56 GM_Cran だけです。 23 57 Sawil10_1 うい 23 57 Vieri_18_1 はあい 23 57 Sawil10_1 では 23 57 Sawil10_1 あれ 23 57 Sawil10_1 まぁいいや 23 57 GM_Cran (^^ 23 57 GM_Cran イニシアティブは全員お願いします 23 57 Vieri_18_1 1d20+6+1 きびんぬー 23 57 Toybox Vieri_18_1 - 1d20+6+1 = [20]+6+1 = 27 23 57 Garol20_1 はーい 23 57 Rado_19_1 1d20+1 イニシ 23 57 Toybox Rado_19_1 - 1d20+1 = [18]+1 = 19 23 57 Alethea17_1 1d20+1 ぽけー 23 57 Toybox Alethea17_1 - 1d20+1 = [13]+1 = 14 23 57 kiel-9-1 はっやい。 23 57 Garol20_1 1d20+1 きびんぬー 23 57 Sawil10_1 1d20+7+1 23 57 Toybox Sawil10_1 - 1d20+7+1 = [13]+7+1 = 21 23 57 Garol20_1 1d20+1 ええい 23 57 Toybox Garol20_1 - 1d20+1 = [18]+1 = 19 23 57 Sawil10_1 悪くねぇんだけども 23 57 Rado_19_1 そもこれ応援入らんな? 23 57 kiel-9-1 1d20+1 23 57 Toybox kiel-9-1 - 1d20+1 = [3]+1 = 4 23 58 GM_Cran 応援はイニシ無視していいよ 23 58 Vieri_18_1 27び>21さうぃる>19らど=がろる>14あれしあ>>>4きーちゃん 23 58 Rado_19_1 やったー1 23 58 GM_Cran びえりんが早すぎる 23 58 Vieri_18_1 でも確実に当てられるわけではない! 23 58 GM_Cran 流れ星になって太平洋に落ちるくらい。 23 58 Alethea17_1 おーえん。 23 58 kiel-9-1 あれだな 23 58 Vieri_18_1 攻撃に応援をもらえるとうれしい! 23 59 kiel-9-1 溶岩あついんだな私…… 23 59 kiel-9-1 鎧で肉が焼けそう。 23 59 Vieri_18_1 きーちゃん厚着だから 23 59 Alethea17_1 せいしんにせいしんしたほういい? 23 59 kiel-9-1 「あっつ……」 23 59 GM_Cran ウェルダンで勘弁してあげよう 23 59 Vieri_18_1 あー 23 59 Vieri_18_1 さうぃるさん機敏防御10か 23 59 Sawil10_1 うむ 23 59 Vieri_18_1 精神だなこれ 23 59 Sawil10_1 うむ 23 59 kiel-9-1 なるほどなー。 23 59 Sawil10_1 つらい 23 59 Vieri_18_1 精神におねがいしたいです 00 00 Alethea17_1 2d6+7 精神に精神応援みみみみ 00 00 Toybox Alethea17_1 - 2d6+7 = [3,3]+7 = 13 00 00 Vieri_18_1 33みみ 00 00 GM_Cran みみみ 00 00 Sawil10_1 みみぃ 00 00 Garol20_1 自分も精神行くかー 00 00 Alethea17_1 精神応援力は向こうの方が強いのが何だけども 00 00 Garol20_1 2d6+1 精神応援ぬぬぬぬぬ 00 00 Toybox Garol20_1 - 2d6+1 = [3,1]+1 = 5 00 01 Vieri_18_1 ぬぬぬ…… 00 01 GM_Cran ほろい 00 01 kiel-9-1 じゃあ防御に応援する。 00 01 Sawil10_1 まぁ 00 01 Rado_19_1 同じく応援を 00 01 kiel-9-1 2d6+7 00 01 Toybox kiel-9-1 - 2d6+7 = [6,3]+7 = 16 00 01 Sawil10_1 向こうの攻撃出てからだな 00 01 kiel-9-1 あぁそっか。 00 01 kiel-9-1 さきばしってしまった。 00 01 Sawil10_1 ルール上そうなる 00 01 GM_Cran ふったもんはしかたないな 00 01 Rado_19_1 あっぶねえ 00 02 kiel-9-1 まぁ相手がファンブル出ようと応援したという扱いで。 00 02 Sawil10_1 よし 00 02 Sawil10_1 こいやーこいやー 00 02 GM_Cran えー、精神応援ですが 00 03 GM_Cran さっきの+1は競技場のやつだけなので、今回は武勇等に対応する応援+2です。精神なら精神判定に+2です。 00 03 Sawil10_1 こいやーこいやー 00 03 Vieri_18_1 「こーいうの、柄じゃぁねえんだけど……」 00 03 Vieri_18_1 護符剣を軽く振ると、軌跡がぼんやりと光り魔法陣が描かれる 00 03 Vieri_18_1 その中心から突風がサウィルさんに向かいますが当たるかどうか 00 03 GM_Cran いけやーいけやー 00 04 Vieri_18_1 2d6+2+1+2 精神空+1 アレシアさん+2 00 04 Toybox Vieri_18_1 - 2d6+2+1+2 = [6,2]+2+1+2 = 13 00 04 kiel-9-1 こっそり影のほうで 00 04 Sawil10_1 うーんしねる 00 04 Alethea17_1 きわどい。 00 04 Vieri_18_1 でもそっちの精神応援あついじゃない 00 04 GM_Cran 応援が重要ね 00 04 kiel-9-1 ちょいちょいと指先で陣を書いて防御を…… 00 04 Sawil10_1 ラドさん防御くれます? 00 04 Alethea17_1 ハンドサイン 00 04 Rado_19_1 了解 00 05 Rado_19_1 2d6+3 精神応援 00 05 Toybox Rado_19_1 - 2d6+3 = [6,2]+3 = 11 00 05 Rado_19_1 「おーいなんか来るぞ― 00 05 GM_Cran らどうえんはいりました 00 05 Sawil10_1 2d6+1+2+2 出目しょうぶ! 00 05 Toybox Sawil10_1 - 2d6+1+2+2 = [3,3]+1+2+2 = 11 00 05 kiel-9-1 あぁん。 00 05 Sawil10_1 ぐえー 00 05 Vieri_18_1 らどうえん 00 05 * nick Sawil10_1 → Sawil08_1 00 05 Sawil08_1 「えー」 00 05 GM_Cran ぴちっと傷入ったね 00 05 kiel-9-1 びえりん今回ダイスよいよね。 00 05 Vieri_18_1 がんばったよ! 00 05 GM_Cran 期待値以上多い 00 05 Vieri_18_1 でも画鋲の上でころんだよ! 00 05 GM_Cran 「よし、そこまで!」 00 05 kiel-9-1 藻っと転べ。 00 05 kiel-9-1 藻ッ 00 05 Vieri_18_1 藻 00 05 GM_Cran と、魔王クォート。 00 06 Vieri_18_1 「ふぃー」 00 06 GM_Cran Aチームさらに+3ptか… 00 06 Alethea17_1 「お疲れ様ですよー」 00 06 Sawil08_1 うむ 00 06 kiel-9-1 やはり結界を持っておくべきだったな…… 00 06 kiel-9-1 肉結界を 00 06 kiel-9-1 しておくべきだった…… 00 06 GM_Cran にくへき 00 06 Sawil08_1 いかんともしがたい 00 06 Sawil08_1 というか 00 06 kiel-9-1 まぁ結果論。 00 06 Sawil08_1 このルールさぁ 00 06 Vieri_18_1 「ふ、普通に殴っても当たらないと思ったから……ありがとうね」 00 06 Sawil08_1 がろさんが自己犠牲し続けたら我勝ち目ないよね 00 06 Vieri_18_1 ああ 00 06 kiel-9-1 あー。 00 06 GM_Cran そっすね 00 07 kiel-9-1 それは思いついてなかったな。 00 07 Vieri_18_1 でもほら、リング溶岩に囲まれてるから乱入不可なのかなっておもってた 00 07 Alethea17_1 さすがにしないようなきがしていた 00 07 Rado_19_1 やはり補助技能は強い 00 07 kiel-9-1 その場合 00 07 kiel-9-1 ガロルさんをやはり 00 07 kiel-9-1 殴り続けるしかないな。 00 07 Rado_19_1 ひでえ 00 07 GM_Cran 自己犠牲は盾かざしと違って汎用性高いからな 00 07 Vieri_18_1 あと、チームの誰かの血が流れた時点で負けないめーじもあった。 00 07 Garol20_1 ひえっ 00 07 kiel-9-1 クォート君がそこまで!!っていってもうるせえ!!!!私的な喧嘩だ!!!!!って…… 00 07 Vieri_18_1 Bちーむやっぱり血元が悪いよう 00 07 Vieri_18_1 治安がわるい 00 07 GM_Cran ちもとww 00 07 Vieri_18_1 しくしく 00 07 Sawil08_1 「んー。消化不良。ま、しょうがないか」 00 08 Sawil08_1 「帰ったら続きって事で」とびえりんに笑顔を向けつつ 00 08 GM_Cran 「さて、これから1休憩してから、最後の勝負になるが……。休憩前に、対戦相手の顔見せと行こうか」 00 08 kiel-9-1 びえりんが次々と恨みを買う。 00 08 Vieri_18_1 「普通に素早さ勝負っていうのが好みだったかもしれないけど……えっ続き!???」 00 08 kiel-9-1 恨み? 00 08 Sawil08_1 伸びをしてリングを……降りれるの? 00 08 Rado_19_1 「うん?」 00 08 GM_Cran 要するに今日のセッションはここまでで、次回は総合戦になるが 00 08 Vieri_18_1 はあい 00 08 Rado_19_1 「別にいるのか対戦相手」 00 08 GM_Cran ああ、魔王が指ぱっちんしたら体育館に戻る。 00 08 Garol20_1 「お、もどったぞい」 00 09 Vieri_18_1 「お、協力してやれるんなら助か……わっ」 00 09 GM_Cran 「三つ巴とも言うし、協力戦とも言う」 00 09 Vieri_18_1 「三つ巴ともいうのか……」 00 09 Alethea17_1 「んん……?」 00 09 kiel-9-1 つまり 00 09 kiel-9-1 ボスモンスターがいて、与えたダメージ多い方が勝ちとかそういう 00 09 Rado_19_1 「最後に立っていたやつが勝者だ」 00 09 kiel-9-1 「俺そういうの得意だな」 00 09 GM_Cran 「俺が持つこの剣を先に手にしたもの、例えば、俺を最初に倒したものが勝ちとなるわけだが、障害がなければ詰まらんよな?」 00 10 Vieri_18_1 「キールかってぇもんな」 00 10 Alethea17_1 ドロップでいいのを出した人が勝ち 00 10 GM_Cran いいなそれ 00 10 Vieri_18_1 「障害を用意したわけか」 00 10 GM_Cran っ 苔 00 10 Vieri_18_1 発見つかえますか! 00 10 kiel-9-1 ザコ敵がめっちゃたくさんいて 00 10 kiel-9-1 規定数のドロップを獲得するまで倒すようなやつ…… 00 10 kiel-9-1 はんいまほー!! 00 10 Vieri_18_1 応援→薙ぎ払い 00 10 Garol20_1 うーん、範囲使っちゃったな 00 10 GM_Cran 気がついたらみんな体育館の中でテーブルを囲んで座っている。ところに、空席が2つ。 00 10 Vieri_18_1 ちょこん 00 10 kiel-9-1 肘をつく。 00 11 kiel-9-1 頬杖。 00 11 GM_Cran 悪魔城ドラキュラの月下の夜想曲のボス戦ばりに、何か効果音を立てながら、空席に、 00 11 GM_Cran 黒いの「あー、皆さん、お久しぶりですー」と、お茶とお菓子を配りつつ。 00 11 kiel-9-1 「なんだおめえ」 00 11 kiel-9-1 あれ 00 11 kiel-9-1 くらんくんクォートくんの配下ってことは 00 11 Alethea17_1 なんかでた 00 11 kiel-9-1 やっぱり魔族なんじゃない? 00 11 Vieri_18_1 魔族ですね 00 11 GM_Cran 赤いの「あー、どうもどうも、珍しいところでお会いしますねえ」 00 12 kiel-9-1 魔族二号来たな…… 00 12 Vieri_18_1 「あれっおひさ……」赤いのを見て固まる 00 12 kiel-9-1 「なんだおめえ」 00 12 Alethea17_1 「うーんー?」 00 12 GM_Cran 黒いの「あっ、はじめましての方ははじめまして。クランと言いますー」 00 12 Vieri_18_1 「うわぁ会いたくないタイミングで」 00 12 Rado_19_1 「俺は顔を知ら…知らんな!」 00 12 Sawil08_1 「ん。え」 00 12 GM_Cran 赤いの「僕はまあ、通りすがりの赤いのでいいですよ」 00 13 Vieri_18_1 「そのまま通りすがって帰っていいんだぜ赤いの」 00 13 Sawil08_1 「えーっと?」 00 13 Rado_19_1 赤と黒とかカジノか 00 13 Garol20_1 「なんぞい知り合いかの」 00 13 GM_Cran 赤いの「あっはっは、嫌ですねえ、こんな面白いことをスルーできるわけないじゃないですかびえりん」 00 13 Vieri_18_1 「腐れ縁的な、まあ、うん」>ガロルさん 00 14 Garol20_1 「なるほど」 00 14 Vieri_18_1 「家に帰って緑と交代しようぜ」 00 14 kiel-9-1 酒場でなんか見覚えがなくもねえな…… 00 14 kiel-9-1 緑のは普通に知ってるな…… 00 14 Alethea17_1 あしぷらぷらしつつ様子見 00 14 GM_Cran というわけで次回は赤いのと黒いのとオマケがありながら、使命を達成することになります。ptの差は最終的に配分される経験点とかに影響されますが、全敗でもゼロ報酬とかはないです。 00 14 Vieri_18_1 はあい 00 15 Vieri_18_1 オマケあるんだ 00 15 GM_Cran なお、性能はキャラウィキ参照です 00 15 kiel-9-1 まんまか…… 00 15 GM_Cran がんば☆ 00 15 Alethea17_1 3・3・3の乱戦になるのかしら…… 00 15 Rado_19_1 能力値は初期状態と見て良いのかな 00 15 Vieri_18_1 まんまは恐ろしいことになるからやめるんだ 00 15 GM_Cran まんまになったら1体全員で負けるんじゃないかしら… 00 15 kiel-9-1 ガチで行くと赤いのがまんまくると一人で全員行ける。 00 15 Vieri_18_1 うん 00 15 GM_Cran ご参考レベルでどうぞどうぞ 00 16 Sawil08_1 うむ 00 16 GM_Cran というわけで今回は終了! 00 16 GM_Cran あとは雑談タイム! 00 16 Vieri_18_1 おつかれさまでしたー 00 16 Garol20_1 お疲れ様ですー 00 16 Sawil08_1 ちなみに次のごよていは 00 16 Rado_19_1 お疲れさまでした! 00 16 Alethea17_1 おつかれさまでしたー
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リンク先はリンク切れがあっても掲載時のままです。 デモ・抗議開催情報(2018年3月アーカイブ)から続き デモ・抗議行動日程別一覧 月日 都道府県 タイトル 時間 URL 4/1(日) 千葉 もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!(船橋駅南口) 15 00~ 告知 〃 千葉 オスプレイ配備反対緊急街頭宣伝行動(木更津駅東口) 11 00~ 告知 告知2 〃 東京 月例・在沖米軍新基地建設反対抗議街宣(首相官邸前) 12 00~ 告知 告知2 〃 東京 定例街頭演説会 檄!小異を捨て大同に「日米地位協定」の全面改定を(有楽町マリオン前) 13 30~ 告知 告知2 〃 東京 高江辺野古スタンディング (新宿駅西口小田急百貨店前) 13 00~ 告知 告知2 告知3 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール・怒っていいとも」第357回 唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、3000万署名 (新宿駅東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 3000万署名 〃 東京 エイプリルフール特別デモ『こどもたちへ~うそばっかりで、ごめん~』 14 45~ 告知 告知2 告知3 デモコース 〃 東京 第105回池袋スタンディング(池袋駅西口広場) 14 00~ 告知 Facebook 〃 東京 草の根アピール@池袋西口 14 30~ 告知 〃 東京 『やっぱりアッキード!安倍昭恵さん、証人喚問 カモンカモン!』スタンディング(ゆるふわプロ私人邸近辺) 15 00~ 告知 告知2 〃 東京 私たちも怒っています!街頭宣伝第二弾 リレースタンディング(高幡不動駅南口国分寺駅南口吉祥寺駅北口) 11 00~13 30~15 00~ 告知 告知2 Facebook 〃 京都 4.1安倍政権打倒デモファイナル@京都 13 30~ 告知 Blog 詳細 〃 大阪 DIVERSITY PARADE 2018 13 00~ 告知 Website 〃 大阪 公園を盗むな!お花見有料化粉砕デモ! 11 00~ 告知 詳細 〃 大阪 安倍さん、松井さん、もうヤメテ!前に進むのは私たちだ★デモ 16 20~ 告知 フライヤー Facebook 〃 大阪 森友問題の西の本丸である大阪府知事 松井一郎に向けて抗議活動(久宝寺駅前) 17 00~ 告知 4/2(月) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 草加スタンディング(草加駅東口) 16 00~ https //twitter.com/ppaakkuu/status/980422088912613377 〃 東京 辺野古に基地をつくらせない!防衛省への抗議・申し入れ行動(防衛省前) 18 00~ 告知 Website 〃 東京 3月31日“主要農作物種子法”廃止!~全国会議員に問う!“食料主権”をどうするんだ?!永田町アクション(衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 0402官邸前抗議 0402官邸前ライヴ 17 00~ 告知 時間 〃 東京 Stop!辺野古埋め立て大成建設入社式抗議(新宿西口新宿センタービル本社前) 8 00~9 00~ Blog 〃 神奈川 カラフル教育クラブ街頭アピール(JR戸塚駅地下) 14 00~ 告知 告知2 〃 静岡 #0402安倍内閣総辞職を求める静岡緊急行動 17 30~ 告知 〃 沖縄 安倍政権退陣!森友徹底究明!9条改憲NO!辺野古新基地建設阻止!県民集会(集会後デモ) 18 00~ 告知 4/3(火) 全国 「アベ政治を許さない!」ポスター一斉掲示 13 00~ 告知 告知2 詳細 Website 〃 栃木 「アベ政治を許さない」ポスター全国一斉掲示(足利市みずほ銀行前) 13 00~ https //twitter.com/unehiro/status/980335149995909120 〃 千葉 さくらのseason 改憲のこえ 沈ん(season)でいくように 改憲NOのこえあげます(JR新検見川駅南口) 19 00~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 告知2 〃 埼玉 「アベ政治を許さない」の3の日行動(所沢駅ビル東口) 12 30~ Facebook 〃 東京 「アベ政治を許さない」スタンディング(新宿西口地下広場) 13 00~ 告知 告知2 行動予定 〃 東京 GAZA plus,世界に平和を!火曜定例会(新宿西口小田急百貨店前・雨天中止) 19 00~ 簡易告知 〃 東京 4.3安倍政権改憲NO!渋谷パレード 18 00~ 告知 〃 東京 3/27TPP関連法案/承認案閣議決定!~TPP国会再承認絶対!水道法改悪案、PFI法改悪案、卸売り市場法改悪案(農水関連11法案)絶対反対!新自由主義はいらない!永田町アクション(衆議院第2議員会館前(衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 告知2 〃 東京 0403官邸前抗議 0403官邸前ライヴ 17 00~ 告知 時間 〃 東京 0403財務省前行動 市民が財務省職員を励まそう 19 30~ 告知 〃 東京 春の安倍昭恵証人喚問要請祭 アッキーカモン証人喚問 シールアンケート(新宿駅西口小田急デパート前{喫煙所横}) 16 30~ 告知 〃 東京 安保法制廃止をめざす中野アピール(中野駅北口) 18 00~ https //twitter.com/kazsoul/status/981093719850942465 〃 東京 Stop!辺野古埋め立て戸田建設抗議(京橋戸田ビル{本社ビル}前) 12 30~ Blog 〃 神奈川 アベ政治を許さないスタンディング(茅ヶ崎駅北口ペデデッキ) 13 00~ 告知 4/4(水) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 南越スタンディング(南越谷駅前) 13 00~ https //twitter.com/ppaakkuu/status/981114175731593217 〃 東京 残業代踏みたおし法案(働き方改革一括法案)の撤回を求める連続国会行動(衆議院第二議員会館前) 12 15~ 告知 告知2 〃 東京 “築地市場解体予算可決成立”大抗議!“築地市場破壊”絶対反対!都議会前アクション 17 30~ 告知 〃 東京 0404官邸前抗議 0404官邸前ライヴ 17 00~ 告知 時間 4/5(木) 千葉 市川・浦安市民連合 定例街宣(新浦安駅南口) 18 00~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 杉戸平和アクション(杉戸高野台駅西口・雨天中止) 17 30~ 告知 Blog 〃 東京 森友学園疑惑徹底追及!安倍内閣は総辞職を!4.5国会議員会館前行動(衆議院第二議員会館前) 18 30~ 告知 告知2 Blog ライブ予告 ライブ予告2 〃 東京 主権者が政治を変える!さくら祭り(上野賜恩公園野外ステージ水上音楽堂) 16 00~ 告知 告知2 告知3 ML 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 告知2 〃 静岡 #0405安倍内閣総辞職を求める静岡緊急行動 17 30~ 告知 Facebook 4/6(金) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 千葉 戦争ロック!原発ロック!ロックアクション(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 0406官邸前大集合 全部明らかにしてください 森友学園公文書改ざん問題の真相解明を求める緊急行動 19 30~ 告知 告知2 Website ライブ予告 ライブ予告2 エリア告知 〃 東京 官邸前大集合 「サイレントエリア」 19 30~ 先行告知 〃 東京 NO WAR KITAKU ACTION(JR王子駅北口) 19 00~ 告知 〃 東京 安倍9条改憲NO!3000万署名街頭宣伝(上野駅 広小路口) 18 30~ 告知 Blog 生中継 〃 東京 警察庁ゲリラ抗議 19 30~ 告知 告知2 〃 東京 オスプレイ配備反対抗議集会(福生フレンドシップパーク) 17 00~ 告知 告知2 告知3 Facebook 生中継 〃 大阪 戦争あかん!ロックアクション& おおさか総がかり御堂筋デモ 18 30~ 告知 告知2 Blog 〃 山口 安倍総理退陣要求in下関緊急行動 15 40~ 告知 4/7(土) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 17 00~ 告知 〃 千葉 アベ9条改憲NO!千葉県民集会(集会後パレード) 13 00~ 告知 告知2 Website フライヤー(pdf) Blog 〃 埼玉 南越スタンディング (南越谷駅前) 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 4.7「表現の自由を!権利のための行動」まともな政治を求める0407新宿デモ(集会後サウンドデモ) 16 00~ 告知 告知2 告知3 告知4 デモコース 詳細 Blog Website ライブ予告 生中継 〃 東京 築地市場解体予算可決成立?!築地市場を解体?!こんなに賑わう築地市場を?!~“築地市場”は後まだ100年!波除神社前勤労感謝&激励アクション 10 00~ 告知 〃 東京 訪米するなら国会来てね❤春の安倍昭恵証人喚問要請祭 アッキーカモン証人喚問 シールアンケート(銀座歩行者天国) 15 00~ 告知 〃 東京 9条変えるな!杉並市民アクション街宣(荻窪駅南口) 15 00~ 告知 〃 東京 オスプレイCV22の横田基地配備強行に対し立川駅北口で抗議情宣 14 00~ 告知 〃 京都 安倍内閣総辞職を求める緊急デモ 15 45~ 告知 〃 大阪 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(JR大阪駅南バスターミナル) 15 30~ https //twitter.com/Osakakodo/status/981120571239903232 4/8(日) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 15 00~ 告知 〃 千葉 常盤平お花見・島じまスタンディング 13 00~ 告知 〃 東京 訪米するなら国会来てね❤春の安倍昭恵証人喚問要請祭 アッキーカモン証人喚問 シールアンケート(新宿駅南口~東南口) 13 00~ 告知 〃 東京 高江辺野古スタンディング(新宿駅西口小田急前) 13 00~ 告知 告知2 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール・怒っていいとも」第358回 唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、3000万署名 (新宿駅東口アルタ前) 15 00~ 告知 3000万署名 〃 東京 第106回池袋スタンディング(池袋駅西口広場) 14 00~ 告知 〃 東京 草の根アピール@池袋西口 15 10~ 告知 〃 東京 平和の森公園 署名と4/16傍聴参加の呼びかけ(新井薬師公園中野通り側) 11 00~ 告知 〃 東京 「安倍退陣!板橋アクション」スタンディング(成増駅北口) 13 30~ 告知 告知2 〃 東京 3000万署名宣伝(蒲田駅西口) 16 30~ 告知 〃 東京 9条変えるな!杉並市民アクション街宣(新高円寺伊勢丹側) 15 00~ 告知 〃 東京 やっぱりアッキード!安倍昭恵さん、証人喚問 カモンカモン!』スタンディング(ゆるふわプロ私人邸近辺) 15 00~ 告知 告知2 〃 東京 高尾山街頭宣伝、3000万署名(高尾山口駅前) 10 00~ 告知 〃 大阪 安倍は終わりだ! 平和と民主主義をつくりだ4/8御堂筋デモ 13 00~ 告知 4/9(月) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 〃 東京 訪米するなら国会来てね アッキーカモン証人喚問 シールアンケートin 新橋(新橋SL広場) 19 00~ 告知 告知2 4/10(火) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 〃 東京 TPP関連法案/承認案国会上程近し!~TPP国会再承認絶対!水道法改悪案、PFI法改悪案、卸売り市場法改悪案絶対反対!新自由主義はいらない!永田町アクション (衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 GAZA plus,世界に平和を!火曜定例会(新宿西口小田急百貨店前・雨天中止) 19 00~ 簡易告知 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 4/11(水) 千葉 原発ゼロ!戦争ゼロ!の「ゼロアクション」(津田沼駅パルコ側デッキ) 19 00~ 告知 告知2 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 南越スタンディング(南越谷駅前) 13 00~ 告知 先行告知 〃 東京 残業代踏みたおし法案(働き方改革一括法案)の撤回を求める連続国会行動(衆議院第二議員会館前) 12 15~ 告知 告知2 〃 東京 労働法制改悪阻止! 春闘勝利!国会前行動(衆院第二議員会館前) 12 30~ https //twitter.com/zenroren/status/982069194026921985 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 〃 東京 TPP関連法案/承認案国会上程近し!~TPP国会再承認絶対!水道法改悪案、PFI法改悪案、卸売り市場法改悪案絶対反対!新自由主義はいらない!永田町アクション (衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 4/12(木) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 杉戸平和アクション(東武動物公園駅西口・雨天中止) 17 30~ 告知 Blog 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 〃 東京 森友学園疑惑徹底追及!安倍内閣は総辞職を!4.12国会議員会館前行動(衆議院第二議員会館前) 18 30~ 告知 Blog 生中継 〃 東京 小池“迷惑都知事”百合子は恥をしれ!~“築地市場破壊”先行絶対反対!都議会前アクション (都議会前) 17 30~ 告知 〃 静岡 安倍内閣総辞職を求める静岡緊急行動 (JR静岡駅北口地下道) ※12日,13日で連続行動です!! 17 30~ 告知 〃 大阪 森友学園問題を考える会〜「豊中市内 駅前アピール」(阪急・蛍池駅) 18 00~ 告知 4/13(金) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 うたデモおどりデモみんなデモ(国会正門前) 18 00~ 告知 〃 東京 外務省ゲリラ抗議(外務省前) 19 00~ 告知 告知2 〃 静岡 安倍内閣総辞職を求める静岡緊急行動 (JR静岡駅北口地下道) ※12日,13日で連続行動です!! 17 30~ 告知 〃 沖縄 安倍内閣の退陣を求める沖縄ACTION (県民広場) ※19時から国際通りをデモ 18 00~ 告知 4/14(土) 北海道 安倍やめろ緊急デモin札幌 0414札幌抗議行動 13 45~ 告知 〃 青森 戦争する国づくり反対!市民と野党の共同でアベ改憲阻止!集会とパレード 11 00~ 告知 〃 宮城 0414仙台抗議行動(仙台平和ビル前) 14 00~ 告知 〃 群馬 安倍政権は退陣を!あたりまえの政治を市民の手で!4.14群馬集会(集会後デモ) 15 00~ 告知 暫定告知 詳細 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 17 00~ 告知 〃 埼玉 南越(なんこし)で安倍政権に抗議行動(「新越谷」と「南越谷」の乗り換え通路) 15 00~17 00~ 告知 〃 東京 プチ東京マーチ(JR四谷駅・上智側出口に集合・国会正門前へ) 13 00~ 告知 〃 東京 安倍政権は退陣を!あたりまえの政治を市民の手で!0414国会前大行動(国会議事堂正門前) 14 00~ 告知 告知2 告知3 プラカード Website Blog ライブ予告 ライブ予告2 〃 東京 「アベ政治を許さない」キャンドルデモ(国会正門前) 18 00~ 告知 告知2 告知3 Blog 〃 東京 「平和の森公園の緑と広場を守ろう」第5回スタンディング(中野駅北口) 15 00~ 告知 〃 東京 4.14築地でええじゃないか! かわら版くばりまつり in 築地4丁目交差点 10 30~ Blog 〃 新潟 安倍政権は退陣❗️まともな政治を市民と立憲野党の手で‼️ 「0414新潟緊急行動」(古町十字路) 11 00~ 告知 〃 石川 安倍内閣総辞職を要求する緊急行動 金沢(金沢駅東口) 11 00~ 告知 〃 愛知 0414国会前大行動に呼応 安倍政権いますぐ退陣!大街宣 (栄スカイル前) 11 00~ 告知 Facebook 〃 愛知 昭和区ジャンプ集会&パレード 10 00~ 暫定告知 Blog 〃 三重 0414伊勢抗議行動(伊勢庁舎前交差点) 16 20~ 告知 〃 京都 安倍ヤメロ デモ 京都 安倍退陣デモ 13 30~ 告知 〃 奈良 緊急抗議行動 IN NARA/0414奈良緊急抗議行動 (近鉄大和八木駅前近鉄大和西大寺駅北口JR王寺駅北口) 11 00~15 00~16 00~ 告知 告知2 Facebook 〃 大阪 総がかり集会 パレード 0414大阪大行動 15 00~ 告知 告知2 Facebook 〃 大阪 大阪都構想反対 第6回街宣・署名活動(天満橋OMMビル前) 11 30~ 告知 Facebook 〃 大阪 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(JR大阪駅南バスターミナル) 15 30~ https //twitter.com/Osakakodo/status/983924311344824320 〃 兵庫 3000万署名市民アクション東灘 緊急街頭宣伝(JR住吉駅南側広場) 11 00~ 告知 告知2 詳細 〃 兵庫 安倍政権は退陣を!当たり前の政治を市民の手で!「4・14全国一斉神戸デモ」(三宮花時計前:神戸市役所北側) 12 20~ 告知 告知2 〃 福岡 安倍政権に退陣を求める緊急街宣 0414天神PARCO前街宣 17 30~ 告知 〃 宮崎 0414みやざき行動 当たり前の政治を!市民の手で!安倍政権は退陣を!(山形屋デパート前 ) 13 30~ 告知 Blog 〃 鹿児島 鹿児島県民怒っちょいもす「安倍政権の退陣をもとめる かごしま抗議集会」(みなと大通り公園) ※19時〜デモ 18 00~ 告知 4/15(日) 北海道 アベ9条改憲を許さない小樽市民アクション (小樽中央公園:三山病院前) ※13時半デモ出発 13 00~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 15 00~ 告知 〃 千葉 千葉4区市民連合 野党共同宣伝(JR船橋駅北口) 11 00~ 告知 〃 千葉 アベ政治を許さない!市原市民パレード 15 00~ 告知 〃 東京 最賃・ディーセントワークデー 4.15グローバル・アクション(新宿駅東口街宣) 12 00~ 告知 告知2 Facebook 〃 東京 過労死合法化の働き方一括法反対! 最賃あげろ!4.15サウンド☆デモ 13 30~ 告知 Facebook 〃 東京 高江辺野古スタンディング (新宿駅西口小田急百貨店前) ※荒天の場合は地下に移動の場合も 13 00~ 告知 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール・怒っていいとも」第359回 唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、3000万署名 (新宿駅東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 3000万署名 Facebook 〃 東京 草の根アピール@池袋西口 15 10~ 告知 〃 東京 第3回「安倍退陣!板橋アクション」スタンディング (東上線 成増駅南口) 13 30~ 告知 告知2 〃 東京 『やっぱりアッキード!安倍昭恵さん、証人喚問 カモンカモン!』スタンディング (代々木八幡駅、代々木公園駅歩8分) 15 00~ 告知 告知2 〃 東京 Peace9 sGear 三千万署名(蒲田駅西口) 16 30~ 告知 告知2 〃 東京 脱原発と平和を求める武蔵野市民デモ第70回 13 30~ 告知 〃 東京 ディーセントワークデー宣伝行動(吉祥寺駅北口)★ 延期! 13 00~ https //twitter.com/SantamaRouren/status/978245330226495488 〃 東京 第33回NO WAR!八王子アクション(八王子駅北口東急スクエア前)※15時~3000万署名行動 14 00~ 告知 告知2 Website 〃 東京 横田基地撤去を求める座り込み(福生市フレンドシップパーク) 13 30~ https //twitter.com/SantamaRouren/status/978486697171103744 4/16(月) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 沖縄連帯行動 オスプレイの横田配備反対も訴え、宣伝行動(首相官邸前) 12 00~ 告知 告知2 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 〃 東京 トランプ側がTPP復帰を検討/日米FTAを強く要求している「今」!~安倍晋三「破滅的カモネギ訪米」絶対反対!永田町アクション(衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 鴨ネギ晋三を訪米させるな!「安倍政権を支える嘘つき政党、自民党前抗議アクション」 19 00~ 告知 プラカード 〃 東京 「財務省ガンバレ?!」アクション(財務省前) 18 00~ 告知 告知2 4/17(火) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 東京入管抗議・激励・面会アクション 13 00~ 告知 告知2 詳細 〃 東京 GAZA plus,世界に平和を!火曜定例会(新宿西口小田急百貨店前・雨天中止)★※中止※ 19 00~ 簡易告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 トランプ側がTPP復帰を検討/日米FTAを強く要求している「今」!~安倍晋三「破滅的カモネギ訪米」絶対反対!永田町アクション(衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 鴨ネギ晋三を訪米させるな!「安倍政権を支える嘘つき政党、自民党前抗議アクション」 19 00~ 告知 告知2 プラカード 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 〃 東京 Stop!辺野古埋め立て大成建設抗議(新宿センタービル本社前/その後西新宿地下スタンディング) 17 30~ 暫定告知 Blog 〃 東京 安保法制廃止をめざす中野アピール(中野駅北口) 18 00~ https //twitter.com/nakano_unite/status/986122430459478016 〃 東京 被害者に献身を求める社会はおかしい!財務省前 サイレントスタンディング 18 00~ https //twitter.com/nudy_kataoka/status/986097047861248000 〃 神奈川 ハマ弁やめませんかアピール(横浜市教育委員会ビル前) 14 30~ 告知 4/18(水) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 安全保障関連法廃止に向けた街頭宣伝行動(有楽町駅前交番裏・交通会館脇・雨天中止) 17 30~ 告知 詳細 〃 東京 “既定路線”の継承→暴走!小池“迷惑都知事”百合子は恥をしれ!~“築地市場破壊”先行絶対反対!都議会前アクション 17 30~ 告知 〃 東京 4.18麻布米軍ヘリ基地撤去集会(集会後パレード) 18 30~ 暫定告知 Website Facebook 〃 東京 財務省セクハラ次官更迭要求行動 0418先行財務省しばき(財務省南門前) 19 00~ 告知 地図 〃 東京 ピースアクション(武蔵小金井駅) 18 00~ https //twitter.com/heiwa_koganei/status/986528340839317504 〃 神奈川 「カジノは横浜にいらない」宣伝行動(JR横浜駅前) 15 00~ 告知 4/19(木) 茨城 安倍総理いつ辞めていただけますかー内閣退陣を求める集会 デモ 17 30~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 杉戸平和アクション(東武動物公園駅東口・雨天中止) 17 30~ 告知 Blog 〃 東京 官邸前抗議&ライブ 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 安倍9条改憲NO!森友・加計疑惑徹底追及!安倍内閣退陣!4.19国会議員会館前行動(衆議院第二議員会館前) 18 30~ 告知 告知2 Blog 行動予定 生中継 〃 東京 脱被ばく実現ネット 官邸前抗議 19 30~ 告知 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 〃 東京 財務省前抗議(日本婦人団体連合会) 16 45~ 告知 当初告知 〃 東京 セクハラ野郎に告ぐ 0419財務省前抗議 19 00~ 告知 当初告知 プラカード タイトル変更 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(下赤塚駅前板橋区役所前 駅前) 13 00~15 00~ 告知 4/20(金) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 うたデモおどりデモみんなデモ (国会正門前) 18 00~ 告知 告知2 〃 東京 マイナス成果!安倍晋三の“破滅的カモネギ訪米”土産をゴミ箱に叩き捨てろ!~日米FTA交渉開始絶対反対!TPP承認案/関連法案審議やめろ!永田町アクション(衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 海が泣いてる辺野古の海が! 海が泣いてる暴力で! 霞ヶ関警察庁前抗議 19 00~ 告知 告知2 時間 〃 東京 日本会議と安倍晋三と麻生太郎を守り抜く自民党は恥を知れ!自民党本部前抗議集会 18 30~ 告知 告知2 〃 東京 イスラエルはパレスチナ人虐殺をやめ、帰還権を認めよ!4.20 大使館前抗議アクション 18 30~ 告知 告知2 ML Facebook 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(中板橋駅前地下鉄赤塚駅ジョナサン口) 11 00~16 30~ 告知 〃 東京 安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一3000万署名(渋谷 宮益坂方面のビックカメラ前) 18 00~ 告知 場所変更 4/21(土) 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 17 00~ 告知 〃 東京 Yes Peace! ハッピーアースパレード 13 30~ 暫定告知 Website Facebook 〃 東京 戦争させない1000人委員会東京南部 4.21駅頭大パフォーマンス(JR蒲田駅東口) 13 00~ 告知 詳細 〃 東京 Peace9 sGear 三千万署名(蒲田駅東口) 18 30~ 告知 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(新高島平駅前本蓮沼駅前西高島平駅前・志村三丁目駅前小竹向原駅前上板橋駅北口・地下鉄成増駅前板橋本町駅前) 11 00~12 30~13 00~15 00~16 00~18 00~ 告知 告知2 〃 東京 ゆんたく井の頭(吉祥寺駅まえ街宣井の頭公園ステージまえでゆんたく) 14 00~15 00~ 告知 告知2 詳細 〃 大阪 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(JR大阪駅南バスターミナル) 15 30~ https //twitter.com/Osakakodo/status/986098134257287168 4/22(日) 茨城 牛久入管前・収容者待遇糾弾アクション(牛久入管収容所前) 13 00~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁!安倍総理、麻生大臣!最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 15 00~ 告知 〃 東京 うたデモおどりデモみんなデモ(新宿西口小田急前) 13 00~ 告知 〃 東京 新宿西口高江辺野古スタンディング(小田急百貨店前) 13 00~ 告知 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール・怒っていいとも」第360回 唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、3000万署名 (新宿駅東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 3000万署名 〃 東京 第107回池袋スタンディング★池袋駅西口広場 14 00~ 告知 〃 東京 草の根アピール@池袋西口 15 10~ 告知 〃 東京 入国管理局による収容者への虐待に対する抗議と、収容者たちが行っているハンガーストライキに連帯するためのスタンディング FREEUSHIKU(渋谷駅ハチ公前) 18 00~ 告知 告知2 趣旨 告知3 プラカ プラカ2 プラカ3 moments 〃 東京 「安倍退陣板橋アクション」スタンディング 成増駅北口 13 30~ 告知 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(下板橋ヨークマート前東武練馬駅北口) 11 00~13 30~ 告知 〃 東京 安倍9条改憲NO!国政を私物化するな!荒川市民パレード 13 30~ 告知 暫定告知 イベント情報 〃 東京 戦争反対!平和がいいな!憲法をいかそう!葛飾の集い(集会後パレード) 13 00~ 暫定告知 Website Facebook 〃 東京 アースデイ東京2018で島じまスタンディング 10 00~ 告知 告知2 Facebook 〃 東京 『やっぱりアッキード!安倍昭恵さん、証人喚問 カモンカモン!』スタンディング(ゆるふわプロ私人邸近辺) 15 00~ 告知 告知2 〃 東京 (不当逮捕に対し)小金井警察署前で要請行動 16 00~ 告知 告知2 〃 東京 5.26国会包囲行動アピール連鎖情宣(立川駅北口) 12 00~ 告知 〃 神奈川 「いらない!原子力空母」2018.春パレード 13 30~ 告知 Blog 〃 京都 安倍政権打倒デモ頂上決戦@京都 13 30~ 告知 動画告知 詳細 4/23(月) 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ (首相官邸前) 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 0423財務省前大抗議 19 00~ 告知 告知2 〃 東京 第33回大井町デモ 18 50~ 告知 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(蓮根駅前板橋本町駅前) 16 00~17 00~ 告知 〃 東京 三菱電機は防空レーダーを売るな!タイは買うな!4.23緊急アクション(三菱電機本社前タイ大使館申入れ) 11 45~14 45~ 告知 告知2 ML 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 告知2 〃 東京 TPP(11)承認案/関連法案ボンボクラ~!(※ジャマイカ英語:「消え失せろ」の意)永田町アクション(衆議院第二会館前) 18 00~ 告知 〃 大阪 第14回怒りのデモ 森友問題の核心は安倍昭恵と晋三だ! 18 00~ 告知 Website 〃 沖縄 辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動(キャンプシュワブゲート前) 8 00~ 告知 告知2 詳細 告知動画 4/24(火) 千葉 松戸アクション(松戸駅東口) 13 30~ 告知 告知2 〃 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ (首相官邸前) 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 豊洲新市場開設認可に向けて行程、日程の調整?!~豊洲新市場開設認可/築地市場移転(=破壊)絶対反対!農水省前アクション 17 30~ 告知 告知2 〃 東京 緊急アクション!『4/24本会議にて野党抜きで法案趣旨説明もしくはそのまま審議入り!~卸売り市場法改悪案絶対反対!永田町アクション』(衆議院第2議員会館前) 18 30~ 告知 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(新板橋駅前) 17 00~ 告知 〃 東京 「GAZA plus,世界に平和を!火曜定例会」サイレントデモ 新宿西口小田急百貨店前(雨天中止)★ 中止! 19 00~ 告知 〃 東京 Stop!辺野古埋め立て 五洋建設抗議(飯田橋駅東口) 17 30~ 暫定告知 Blog 〃 東京 安保法廃止・森友疑惑徹底追及4.24神保町パレード 18 15~ 告知 〃 沖縄 辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動(キャンプシュワブゲート前) 8 00~ 告知 詳細 4/25(水) 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 官邸前抗議&ライブ (首相官邸前) 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 4.25辺野古海上座り込みに呼応する官邸前行動 18 30~ 告知 暫定告知 Facebook Website 〃 東京 JKS47 廃炉招福月例祈祷会(経済産業省 正面玄関前) 15 00~ 告知 Website 〃 東京 3000万署名 4.29集会成功へ 板橋区内全駅アピール行動(高島平駅前・板橋区役所前駅前) 17 00~ 告知 〃 東京 豊洲新市場開場再延期で小池“迷惑都知事”百合子は失脚だ!~“築地市場破壊”先行絶対反対!都議会前アクション 17 30~ 告知 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 告知2 告知3 〃 沖縄 4・25海上座り込み 事前申込み 7 00~ 告知 Blog 〃 沖縄 辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動(キャンプシュワブゲート前) 8 00~ 告知 詳細 4/26(木) 宮城 内閣総辞職を求めるスタンディング (仙台駅西口 ペデストデッキ南端) 18 30~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 埼玉 杉戸平和アクション(杉戸高野台駅西口・雨天中止) 17 30~ 告知 Blog 〃 東京 官邸前抗議&ライブ (首相官邸前) 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 森友学園疑惑徹底追及!安倍内閣は総辞職を!4.26国会議員会館前行動(衆議院第二議員会館前) 18 30~ 告知 行動予定 生中継 生中継2 〃 東京 国会前オープンマイク第1回永田町の中心で◯◯を叫ぶ(仮)(国会議員会館前) 20 00~ 告知 〃 東京 守ろう!築地市場 都庁前スタンディング行動 18 30~ 告知 告知2 〃 東京 0426テレ朝応援スタンディング (六本木ヒルズ テレビ朝日けやき坂スタジオ前集合) 19 00~ 告知 〃 東京 5.26国会包囲行動アピール連鎖情宣(高幡不動駅南口) 14 00~ 告知 〃 神奈川 横浜カジノいる?いらない?シール投票(戸塚駅東口地下) 13 30~ 告知 告知2 〃 静岡 #0426安倍内閣総辞職を求める静岡緊急行動(JR静岡駅北口地下道) 17 30~ 告知 〃 大阪 森友学園問題を考える会〜「豊中市内 駅前アピール」(北急・緑地公園駅) 18 00~ 告知 〃 沖縄 辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動(キャンプシュワブゲート前) 8 00~ 告知 詳細 4/27(金) 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 19 00~ 告知 〃 東京 モリカケ定期街宣「うたデモおどりデモみんなデモ」(新宿駅東南口) 17 00~ 告知 告知2 〃 東京 安倍9条改憲NO!3000万署名街頭宣伝・黒い服でmetoo街頭宣伝(新宿駅西口) 18 30~ 告知 告知2 Blog 生中継 〃 東京 検察庁HEROになれ!激励スタンディング(検察庁前) 16 00~ 告知 告知2 告知3 〃 東京 日米FTA交渉開始絶対反対!TPP(11)承認案/関連法案審議やめろ!主要農作物種子法復活断固支持!永田町アクション(衆議院第2議員会館前) 17 30~ 告知 〃 東京 海が泣いてる辺野古の海が! 海が泣いてる暴力で! 霞ヶ関警察庁前抗議 19 30~ 告知 告知2 告知3 〃 沖縄 辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動(キャンプシュワブゲート前) 8 00~ 告知 詳細 4/28(土) 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 17 00~ 告知 〃 埼玉 杉戸平和アクション (東武動物公園駅東口8分、ベルクス杉戸店前・雨天中止) 13 30~ 告知 告知2 地図 Blog 〃 埼玉 南越スタンディング(南越谷駅~新越谷駅駅連絡通路) 17 00~ 告知 〃 東京 “豊洲新市場開設認可”行程/日程調整開始?!築地市場を解体?!こんなに賑わう築地市場を?!~“築地市場”は後まだ100年!波除神社前勤労感謝&激励アクション 10 00~ 告知 〃 東京 脱被ばく実現ネット 新宿アルタ前街宣 15 00~ 告知 告知2 〃 東京 私は黙らない0428 街宣(新宿アルタ前) 16 00~ 告知 告知2 告知3 告知4 プラカード 〃 東京 「安倍改憲NO+辺野古新基地建設反対をアピールします!」※11:45 石神井公園石神井池井草通り(三宝寺池)側から公園に入った所に集合 12 00~ 告知 〃 東京 Peace9 sGear 三千万署名(JR蒲田駅東口) 18 30~ 告知 告知2 〃 東京 「安倍退陣板橋アクション」スタンディング (成増駅北口) 13 30~ 告知 〃 東京 5・26国会包囲行動街頭宣伝(池袋西口) 14 00~ 告知 〃 大阪 辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(JR大阪駅南バスターミナル) 15 30~ https //twitter.com/Osakakodo/status/989098062617329664 〃 沖縄 辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動(キャンプシュワブゲート前) 8 00~ 告知 詳細 告知動画 〃 沖縄 悲しみの記憶を忘れません。あなたのことをおもいます。 17 00~ 告知 4/29(日) 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 15 00~ 告知 〃 東京 高江辺野古スタンディング (新宿駅西口 小田急百貨店前辺り) 13 00~ 告知 告知2 〃 東京 街頭宣伝「新宿アルタ前アピール・怒っていいとも」第361回 唄い場&喋り場 スピーチ、スタンディング、音楽、3000万署名 (新宿駅東口アルタ前) 14 00~ 告知 告知2 3000万署名 〃 東京 草の根アピール@池袋西口 15 10~ 告知 〃 東京 安倍9条改憲NO!板橋大集会(集会後パレード) 14 00~ 告知 告知2 〃 東京 羽田低空飛行計画撤回パレード 14 00~ 告知 フライヤー Blog 〃 東京 羽田新ルート 絶対反対! 第13回 怒りのアピールパレード 13 00~ 告知 〃 東京 4.29 反「昭和の日」デモ ★ 場所変更 14 00~ 告知 Blog 〃 東京 アベNO THANK YOU 銀座パレード 17 00~ 告知 フライヤー Website Facebook 〃 東京 アベさん やめろデモ (西蒲田公園) 16 00~ 告知 告知2 〃 東京 改憲阻止!新橋駅まえ街宣 13 00~ 告知 Blog 〃 東京 『やっぱりアッキード!安倍昭恵さん、証人喚問 カモンカモン!』スタンディング(ゆるふわプロ私人邸近辺) 15 00~ 告知 告知2 〃 東京 「安倍退陣板橋アクション」スタンディング (小竹向原駅3番出口) 13 30~ 告知 〃 東京 (3000万人署名不当連行事件について)小金井警察署前抗議行動 16 00~ 告知 告知2 先行告知 〃 沖縄 うるま市上空での米軍機飛行禁止を求める うるま市民集会(与那城庁舎横) 14 00~ 告知 4/30(月・祝) 茨城 茨城反貧困メーデーIN常総「2018非正規と貧困はここにある」(集会後デモ) 14 00~ 告知 〃 千葉 「もう勘弁! 安倍総理、麻生大臣! 最期は国民の声で政権退陣へ!」船橋南口シャウト(船橋駅南口) 11 00~ 告知 〃 東京 アッキーカモン証人喚問 シールアンケート(上野駅公園口付近) 14 00~ 告知 告知2 〃 東京 佐川不起訴はあり得ない!第3回検察庁激励スタンディング 18 00~ 告知 告知2 デモ・抗議開催情報(2018年5月アーカイブ)へ続く
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PluginFrameBufferのキー(2) Category = PluginFrameBufferで、SampleAlbumJacketプラグインを使用する場合のフィールドのキー一覧です。 キー名が赤字と青字のキーは必須のキーです。(青字のキーは他のキーの設定状況などによっては省略することも可能です) キー名が緑字のキーは、作成するアイテムの種類によっては必須になるキーです。(該当するアイテム以外を作成する場合は省略してもかまいません) キー名の左の欄に*があるキーは、ModifyItemコマンドで後から設定を変更することができます。 このプラグインでのみ設定できるキーの項目は項目の見出しが青字になっています。 フィールド名についての注意 SampleAlbumJacketプラグインでアルバムジャケット画像を表示する場合 フィールド名は必ず[AlbumJacket]にしてください。 (このため、1つのフェイスに複数設置することはできません) カテゴリの設定 キー名 値 内容 Category PluginFrameBuffer カテゴリをPluginFrameBufferに指定 アイテムを表示するタイミング・アイテムの機能の設定 キー名 値 内容 初期値 Type 【※1】 1:uLilithの再生モードなどの状態に応じた アイテムを表示するタイミング2:アイテムの機能 (スライダアイテムかWindowResizerアイテム)のどちらか1つ ViewType 【※2】 ファイルの再生状態に応じたアイテムを表示するタイミング AlwaysVisible * ActiveType 【※2】 uLilithのアクティブ状態に応じたアイテムを表示するタイミング ActiveAndInactive ※1 SpectrumAnalyzer以外。Type一覧表(1)・Type一覧表(2)を参照。 ※2 Type一覧表(1)を参照。 アイテムの表示サイズの指定 キー名 値 内容 初期値 * Width 数値 アイテムの表示サイズ(幅) * Height 数値 アイテムの表示サイズ(高さ) ☆アイテムの表示サイズより小さいサイズのアルバムジャケット画像を表示する場合、 アルバムジャケット画像はアイテム表示領域の中央に等倍サイズで表示されます。 逆に、アイテムの表示サイズより大きいサイズのアルバムジャケット画像を表示する場合は アルバムジャケット画像はアスペクト比を維持したまま、アイテムの表示領域に縮小表示されます。 アイテムの画像表示サイズの指定 ☆通常、ジャケット画像でスライダアイテムを作ることはないとは思いますが スライダアイテムを作成する場合は これらのキーでつまみ部分の幅・高さを決めるのでこの2つのキーは必須になります。 キー名 値 内容 初期値 * FrameBufferWidth 数値 プラグインが実際に生成する画像の幅スライダアイテムの場合はつまみ部分の幅 Widthの数値 * FrameBufferHeight 数値 プラグインが実際に生成する画像の高さスライダアイテムの場合はつまみ部分の高さ Heightの数値 アイテムの表示位置指定 ☆通常は『PosX・PosYキー両方とも』 ウィンドウの特定位置(四隅・四辺の中央など)からの相対位置にする場合は 『TopLeftAnchorキー』が、それぞれ必須キーになります。 (PosX・PosYは省略してもエラーにはなりませんが TopLeftAnchorキーが未設定のときにPosX・PosYも省略すると PosX・PosYがどちらも0扱いとなり、アイテムがフェイス左上端に配置されてしまうので 基本的にはPosX・PosYを省略せずに記述するようにしてください。 なお、OriginItemキー設定時で 基準アイテムと同じ位置に配置する場合は省略してもかまいません。) キー名 値 内容 初期値 * PosX 数値 アイテムの左上端位置のX座標 0 * PosY 数値 アイテムの左上端位置のY座標 0 OriginItem 基準になるアイテムのフィールド名【※1】 アイテムの表示位置がキーの値に指定したフィールド名のアイテムの表示位置からの相対位置になる【※2】 * TopLeftAnchor 【※3】 アイテムの表示領域の左上座標を指定した原点からの相対座標に固定する【※4】 None * BottomRightAnchor 【※3】 アイテムの表示領域の右下座標を指定した原点からの相対座標に固定し、ウィンドウサイズの大きさに応じて表示サイズを自動調整する【※5】 None Priority 数値 アイテムの表示の優先度 0 ※1 iniファイル(定義ファイル)内で、 このキーを記述するフィールドの前に記述されているフィールド名のみが対象。 (このキーを記述するフィールドの後にあるフィールド名や iniファイル内に存在しないフィールド名はエラーになります。) ※2 OriginItemキーを記述した場合、 アイテムの左上端位置のX座標は、 「OriginItemで指定したアイテムのPosX+このアイテムのPosX」に、 Y座標は「OriginItemで指定したアイテムのPosY+このアイテムのPosY」になります。 PosX・PosYキーの数値にマイナスの数値を指定することで、 OriginItemで指定したアイテムよりも上や左に配置することもできます。 PosX・PosYキーの数値がどちらも0の場合(または、キーを省略した場合)は OriginItemで指定したアイテムと同じ位置に配置されます。 ※3 〔原点〕, 〔相対X座標〕, 〔相対Y座標〕の3つを半角スペースとカンマで区切って指定します。 原点はTopLeft(左上端)・TopCenter(上端中央)・TopRight(右上端)・ CenterLeft(左端中央)・Center(中央)・CenterRight(右端中央)・ BottomLeft(左下端)・BottomCenter(下端中央)・BottomRight(右下端)・ None(自動補正を行わない)のうちどれか1つ。 相対X座標と相対Y座標はピクセル単位だけでなく、 ウィンドウの幅や高さに対する割合でも設定が可能です。 割合で指定する場合は数値の後に半角で%を記述してください。 (%表記の場合、10.0%というふうに小数表記も可能です) ※4 このキーはPosX・PosYキーの代わりに設定します。 また、OriginItemキーの設定は無視されます。 ※5 このキーはTopLeftAnchorキーとともに設定します。 アイテムの表示サイズはウィンドウサイズに応じて自動的に調整されますが、 初期サイズとしてのWidth・Heightキーは設定しておいてください。 マウスオーバー/クリックへの反応の設定 キー名 値 内容 初期値 * TipHint 文字列 マウスカーソルがアイテムの表示位置に一定時間置かれたときに表示されるチップヒントの内容 * Enable TrueかFalse True:クリックに反応するようになる Commandキーが設定されている アイテムの場合、 クリック時にそのコマンドが実行される False アイテムの初期表示状態の設定 キー名 値 内容 初期値 * IsHided TrueかFalse True:初期状態でアイテムを非表示にする【※】 False ※HideItemコマンドで非表示にしたのと同じ状態です。 後からShowItem・SwitchShowItemコマンドで表示させることはできます。 アイテムの透明度の設定 キー名 値 内容 初期値 * ConstAlpha 数値(整数)(0~255か-1) アイテムの定数α(不透明度)を指定【※】 -1 ※「0」で完全透明、「255」で不透明になります。 ただし、不透明扱いにするのならキーを省略(-1に設定)するほうが高速に描画されるので このキーで透明度を調整する必要が無い場合は、キーを省略してください。 ボタンとして動作する場合の各状態での定数アルファ値 ☆ConstAlphaキーが同時に設定されている場合は ConstAlphaキーでの透明度設定を置き換えずに、乗算した形で表示されます。 キー名 値 内容 初期値 NormalAlpha 数値(整数)(0~255) 通常時の定数アルファ値(255で完全不透明) 255 PushedAlpha 数値(整数)(0~255) クリック時の定数アルファ値(255で完全不透明) 255 MouseOverAlpha 数値(整数)(0~255) マウスオーバー時の定数アルファ値(255で完全不透明) 255 アイテムの表示エリアの差分描画の設定 キー名 値 内容 初期値 DisablePartialUpdate TrueかFalse True:差分描画が行われなくなる False コマンドの設定 ☆Typeキーの設定でスライダアイテム・WindowResizerアイテムにした場合は コマンドの設定は無効になります。 キー名 値 内容 初期値 * Command コマンド名 クリック時に実行するコマンド名 * CommandParamType 【※1】 コマンドのパラメータの種類(パラメータが必要なコマンドのみ) * CommandParam 【※2】 コマンドのパラメータの内容(パラメータが必要なコマンドのみ) CommandTargetWindow ウィンドウ名【※3】 コマンドを実行する対象のウィンドウ(別のウィンドウに対して実行する場合のみ。省略した場合はCommandキーを記述したウィンドウ自身が対象になる) CommandTargetPlugin プラグイン名 コマンドを実行する対象のプラグイン名(プラグインに対して実行する場合のみ) * CommandCount 数値 実行するコマンドの数(複数のコマンドを設定する場合のみ【※4】) UseAsyncCommand TrueかFalse True:コマンドを非同期実行するようにする False ※1 Int・String・Double・Bool・RandomInt・RandomString のうちどれか1つ (コマンドによって使用できる種類が異なる) ※2 文字列や数値など、コマンドによって異なる ※3 CreateSubFace・ToggleSubFaceコマンドで開くときにパラメータで指定した「ウィンドウ名」。 サブウィンドウに記述したコマンドで、メインウィンドウを対象とする場合は 「uLilith MainWindow」と指定する。 ※4 1つのアイテムに複数のコマンドを設定する場合、 CommandCountキーを設定した上で Command・CommandParamType・CommandParam・ CommandTargetWindow・CommandTargetPluginの全てのキーの末尾に (スペースは入れずに)連番をつける必要があります。 例:「Command2」「CommandParamType2」など コマンドはキー末尾につけた連番の番号の順に実行されます。
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トランプ大統領と金正恩委員長は、史上初の米朝首脳会談が、両国間の数十年に及ぶ緊張と敵対を乗り越えて新たな未来を開くのに重要な意味を持つ画期的な出来事であったと認識し、この共同声明の諸条項を全面的かつ迅速に履行するよう努める。米国と北朝鮮は、米朝首脳会談の成果を履行するため、マイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮側の対応する高官の主導による後続交渉を可能な限り早期に開催するよう努める。 トランプ大統領と金正恩委員長は、新たな米朝関係の発展と、朝鮮半島と世界の平和、繁栄、安全の促進に向け協力すると約束した。 ドナルド・J・トランプ アメリカ合衆国大統領 金正恩 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長 2018年6月12日 セントーサ島 シンガポール ■ 第2回米朝首脳会談‘決裂の効用’ 「万国時事周覧(2019-03-04 12 39 04)」より / 米朝首脳会談は「成功」 米大統領補佐官が擁護 ベトナムの首都ハノイで開催された第2回米朝首脳会談は、事実上の‘決裂’によって幕切れとなったため、同会談を失敗とみる辛口の評価も見受けられます。その一方で、交渉の席に同席したジョン・ボルトン大統領補佐官は逆の見方を示し、会談は成功であったと評価しております。物事の是非の評価はその最終的な結果を見なければ下すことはできないのですが、首脳会談の決裂は、幾つかの意味において国際社会に効用をもたらすように思えます。 第1の効用は、コペルニクス的な転換とまではいかないまでも、‘合意=成功’というステレオタイプの評価に関する固定概念が崩れたことです。これまで、国際社会では、問題解決の平和的な手段として‘話し合い’を絶対視する風潮が強く、信仰にも似た対話重視の姿勢が見られました。このため、現実的な目的の実現よりも‘合意’という表面的な形式が優先され、しばしば、国益を損ねたり、法や正義を曲げるような‘悪しき妥協’や‘不条理な犠牲’も散見されたのです。現実の歴史を振り返れば、必ずしも‘合意=成功’とは限らないのは、ミュンヘンの宥和の事例を見ても明らかです。常識に立ち返る、並びに、解決手段の選択肢を広げると言う意味において、今般の決裂には効用が認められるのです。 (※mono....中ほど略、詳細はサイト記事で) / 以上に主要な二つの効用について述べてきましたが、今般、米朝首脳会談がご破算となったことで、アメリカは、軍事制裁オプションを含め、対北朝鮮政策において取り得る手段を増やすと共に、国際社会は、国際の平和に対する重大な脅威となってきた北朝鮮が、‘合意=成功’の構図の下で、一部であれ全面的であれ経済制裁が解除され、‘甘い汁を吸う’モラル・ハザードを避けることができました。悪しき合意は不合意よりも劣るのであり、この側面は、米朝間のみならず全ての交渉ごとにおいて言える普遍的な真理とも言えましょう。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) 【ドナルド・トランプ】 ■ 北朝鮮の期待を打ち砕いたトランプ大統領を待つ地獄 「JB-press(2019.3.4)」より / トランプ流の「取引(ディール)は崩壊した」 (※mono....前半略) / ロシアゲート疑惑を払いのけるために打ったトランプ大統領の「博打」も金正恩朝鮮労働党委員長に足元を見られたようだ。 ところが見透かしたはずの金正恩委員長はちょっと図に乗りすぎた。トランプ大統領は値踏みすらしなかった。そして「席を立った」。 もっとも米国内には米朝首脳会談の決裂を「評価」する声が少なくない。 (※mono....続き略) / 拡大協議に米側16人、北朝鮮側5人が同席 (※mono....詳細略) 米国民は「コーエン証言」に高い関心 米朝首脳会談が開かれていた同日、ワシントンでは、「コーエン爆弾」が炸裂した。 トランプ氏の私的顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏は下院査察・政府改革委員会公聴会でトランプ氏の犯罪容疑を追及するうえで新たな人的・物的証拠を差し出した。 コーエン氏はすでに有罪判決を受けて服役が決まっている。これまで集めた財産はすべて没収された。怖いものはない。 コーエン証言について、米国民の37%が「信用できる」、25%が「信用できない」、25%が「分からない」と答えている。 民主党支持者では58%、共和党支持者では15%、無党派層では35%が「信用できる」と答えている。 (※mono....続きは略) / 民主党は別件・選挙違反で攻める構え 7時間にわたるコーエン氏と下院監視・政府改革委員会メンバーとの質疑応答は全米テレビ・ラジオで実況中継された。 米国の一般大衆は、米朝首脳会談などそっちのけで、テレビ中継に釘づけになった。 トランプ大統領もハノイ滞在中、コーエン氏の証言内容を逐一チェックしていたという。 コーエン氏は、トランプ氏が大統領に就任する直前まで10年間顧問弁護士を務めていた。しかし、大統領としてのトランプ氏に仕えたことはない。 (※mono....続きは略) / 「米史上に残る証言だった」 コーエン氏を議会に引っ張り出したのは、下院監視・政府改革委員会のエリジャ・カミングス委員長(民主党・ニューヨーク州選出)。同委員長はテレビカメラを前にこう宣言した。 「200年後、後世の史家はこの日を米史上に残る日として取り上げるだろう」 のちに大統領になる人間の顧問弁護士を10年間務めた側近がカネに関する疑惑を米国民の前にすべてさらけ出した日。 (※mono....続きは略) / 捜査費用はクリントン不倫捜査の3分の1 (※mono....この項前半略) / これらの人物がトランプ氏にどう結びつき、どのような指示で動いたのかを探り出すための駒だ。本命はあくまでの「大統領の犯罪」の有無だ。 「弾劾よりもトランプ再選の芽を摘め」 (※mono....この項前半略) / 遠回りだが、失敗する可能性のある弾劾よりもトランプ大統領の再選を阻む方が確かだという読みだ。 勝つか負けるかは、すべて選挙が決めるのが民主主義だからだ。 民主党の女性指揮官はあくまでも冷静だ。 ★■ 米朝首脳会談 食い違う「全面制裁解除」と「部分制裁解除」 「朝日新聞GLOBE(2019.03.03)」より (※mono....前半数行略) / トランプの交渉前のロジック トランプ大統領が席を立ったのは、二日目の拡大閣僚協議から加わったボルトン安保担当補佐官の存在が大きいという見方が多数ある。確かに、それまでのトランプ・金正恩の1対1会談や夕食会(ポンペオ国務長官、マルバニー首席補佐官代行が同席)では、相対的に和やかな雰囲気があり、トランプ大統領も交渉に前向きな姿勢を見せていた。しかし、拡大閣僚協議でボルトン補佐官が参加してから(北朝鮮側は金英哲党副委員長と李容浩外相に限られ、夕食会と同じ顔ぶれ)大きく流れが変わったように見えるだけに、ボルトン補佐官の役割が大きかったと考えるのは自然である。 (※mono....中略) / 非核化を巡るすれ違い (※mono....数行略) / 北朝鮮側が提示したのは寧辺核施設の破棄であると伝えられるが、これは交渉に入る前からずっと北朝鮮の立場であり、首脳会談で事前の予告を超えて何か新しい提案が出てくるかどうかが焦点だったが、結局出てこなかったことが合意出来ない原因の一つとなった。寧辺核施設は大きな施設であり、この施設が破棄されればプルトニウムの抽出が難しくなり、北朝鮮の核開発の一つのルートは閉じることが出来るとは言える。しかし、それは「完全な非核化」にはほど遠く、カンソンにあると言われるウラン濃縮施設をはじめ、まだ知られていない施設での核開発は続けられることになる。さらに言えば、既に北朝鮮が保有している核弾頭は温存されたままとなる。その意味で寧辺核施設の破棄は「完全な非核化」ではない。 (※mono....中ほど略) / すれ違う「制裁解除」 本来予定されていた昼食会もキャンセルし、早々に会談を切り上げた後の記者会見では、トランプ大統領は、北朝鮮が「全面制裁解除」を求めてきた、という認識を示した。それに対し、北朝鮮は異例の緊急記者会見を招集し、李容浩外相が、制裁は「2016-17年に採択された国連安保理決議のうち5件、国民生活に直結する制裁の解除」を求めたと「部分的制裁解除」であったことを明らかにした。それに再反論する形でポンペオ国務長官は「ほとんど全ての制裁解除であった」と述べ、北朝鮮の要求が何であったのかが話題となった。 このやり取りの解釈は色々あるだろうが、トランプ大統領、ポンペオ国務長官の発言を聞いている限り、どうやら米朝両者の間に「制裁」を巡るイメージのズレがあるように感じている。アメリカ側は北朝鮮に圧力をかけるために、北朝鮮の核・ミサイル実験に対して行って積み上げてきた、国連安保理における「経済制裁措置(石炭や石油精製品の禁輸、海産物の輸出禁止など)」を制裁の「全て」とみているのに対し、北朝鮮は、過去数十年にわたる米国の独自制裁(アメリカは1950年の朝鮮戦争以来、北朝鮮に対して制裁をかけている)、2006年からの安保理制裁を含めた全てを制裁の「全て」とみているため、今回の要求はあくまでも「部分」であるという認識だったのだろうと思われる。 (※mono....中ほど略) / 第三回米朝首脳会談はあるのか (※mono....前半略) / 本来ならば、そのプロセスは第一回目の首脳会談の後に行われるべきであった。しかし、シンガポールでの首脳会談が予想以上にうまくいってしまったこと、トップダウンで大枠を決めるということは可能だということで、北朝鮮から見ればトランプ大統領と交渉すれば問題解決するという幻想を抱いてしまった。そのため、ビーガン特別代表やポンペオ国務長官が北朝鮮と交渉しても、北朝鮮は実務者レベルでの協議に応じず、北朝鮮の望まない要求(例えば核・ミサイル施設のリストの提出を要求するなど)に対しては、トランプ大統領に直接掛け合うような素振りを見せてビーガン特別代表やポンペオ国務長官を牽制した。 さすがに第二回の首脳会談で席を立たれたことで、こうした北朝鮮側の甘い幻想はなくなったであろう。また、アメリカが寧辺核施設の破棄だけでは満足しないことも学んだと思われる。そのため、第三回があるとすれば、北朝鮮は寧辺核施設の破棄以上の提案をしなければならない。しかし、核戦力が自国の存続に絶対的に必要だと認識している以上、核施設のリストを申告し、それによって攻撃される場所を伝えるというリスクはことのほか大きく感じるであろうし、また、もし虚偽の申告がバレれば、更なる交渉は不可能になることを考えると、いい加減な申告をする訳にもいかないだろう。北朝鮮にとって第三回の首脳会談へのハードルは高い。 (※mono...以下略、詳細はサイト記事で) ..................................................... 鈴木一人 北海道大学公共政策大学院教授 北海道大学公共政策大学院教授。1970年生まれ。2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2011年。サントリー学芸賞)などがある。 ★ 北、トランプ氏に反論 「制裁解除は一部のみ要求」 「CNN(2019.03.01 Fri posted at 13 35 JST)」より (※mono....前半大幅に略) / 李氏は北朝鮮側の提案について、米朝間の現在の信頼の水準からみて「現段階でわれわれが取れる最大の非核化措置だ」と説明。核・長距離ミサイル実験を永久停止する方針も表明したと述べた。 しかし、米国側は「寧辺(の廃棄)の他にもうひとつ」追加することを要求し、この時点で「米国にわれわれの提案を受け入れる準備がないことが明白になった」としている。 ★ 「日本が気がかり」…鄭東泳代表、米朝会談決裂の裏として安倍首相名指し 「中央日報(2019年03月03日11時23分 )」より / 民主平和党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)代表が2回目の米朝首脳会談決裂の背後として日本を名指しした。米朝会談前に日本の妨害工作があったという疑いが提起されていたが韓国政府が対応しなかったという主張だ。 鄭代表は2日、自身のフェイスブックに「日本が気がかりだ」として2回目の米朝首脳会談直後の日本の反応に注目した。 彼はフェイスブックへの書き込みで、「ハノイ会談決裂の裏に日本の影が見え隠れする。世界の指導者のうちハノイ会談失敗に歓呼した人は安倍首相1人だ」とした。 続けて「安倍首相は昨年のシンガポール会談後に終戦宣言NO、制裁緩和NO、経済支援NOを叫んだ。この3つは韓国の保守勢力の主張であると同時に、ハノイ会談撃沈を狙ってきたワシントン強硬派の考えと軌を一にする」と説明した。 その上で、2月中旬に国会議長と与野党5党代表団がワシントンで米下院外交委員会に参加した時を振り返った。 鄭代表は「当時討論でマイクを握った下院議員ごとに米朝会談に対する懐疑論を出し、日本を持ち出した。エンゲル下院外交委員長はなぜ韓国が朴槿恵(パク・クネ)政権と安倍政権間の慰安婦合意を破ったのかと難詰したりもした」と明らかにした。 彼は当時の雰囲気を「ピリピリしていた」としながら日本の妨害工作があったと主張した。「日本はワシントンでのロビーに注ぐ人的・物的資源総量が韓国の60倍に達する。ハノイでの外交惨事が安倍政権の快哉につながる北東アジアの現実こそ冷厳な国際政治の隠れた実状だ」と指摘した。 合わせて「韓国内部にも安倍首相のように快哉を呼んだ勢力が少なくないのが悲劇」と付け加えた。 【アジア情勢】 / 【中印パ関係】 ■ 二階堂ののんびり日和 「北朝鮮・インド・中国がここ数日、熱い!」 「二階堂ドットコム(2019/03/02 07 37)」より / さて、昨日の分析が良かったらしいので今日もその方向でいってみます。 北朝鮮とアメリカの会談なんてのは、バカな朝日新聞がトンチンカンな分析をしていますが、あんなもの、そもそも合意できるわけがない。核開発をやめないのだもの。無理。 合意すると思ってた奴なんて、インテリジェンスで誰もいませんけど、カスゴミの人は合意すると思ってたんですか?相当おめでたいなぁ。(※mono....以下略、詳細はサイト記事で) https //www.j-cia.com/archives/15043 ←※有料課金記事 (※mono....中国、インド、パキスタン関連の記事です。ポイント購入で読めます。) ■ 二階堂ののんびり日和 「朝鮮半島・非鮮三原則」 「二階堂ドットコム(2019/03/01 13 08)」より / 米朝会談がコケた、ということで、報道はなぜか「まさかの決裂、協定結べず」と、期待していたような報道が目立つが、最初からうまく行くわけないだろう。予想通りだ。北朝鮮はカネほしいだけだし、アメリカはトランプがいいとこ見せたいだけなんだから。世の中、物事は難しくなく簡単なのだ。トランプは「どっちでもいいけど、俺儲かるかな」だし、北朝鮮は「カネくれ」だし。あんなもん、永遠にまとまらないよ。 どう考えても、話がつくわけがないだろう。で、マスゴミとか左翼はまたなぜか「安倍が悪い」とかいうんだろうな。 (※mono....中略、詳細はサイト記事で) / 話は変わりますが、 https //www.j-cia.com/archives/15041 ←※有料記事 ■ 2回目の米朝首脳会談、合意に至らなかった本当の理由 海野素央(明治大学教授、心理学博士)「WEDGE(2019年3月1日)」より (※mono....前半略) / 米朝の「高い要求レベル」 2回目の米朝首脳会談の交渉に影響を及ぼしたのは、同日にワシントンで開催されたトランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の議会証言です。トランプ大統領はベトナムのハノイに到着すると、早速「コーエンは刑期を減らすためにうそをついている」と自身のツイッターに投稿しました。コーエン被告の公聴会にかなり神経質になっている様子が窺えました。 コーエン被告は公聴会で、ロシアのハッカー集団が盗み出したクリントン陣営の情報を、告発サイト「ウィキリークス」が大量に流すことを、トランプ大統領は事前に認識していたと証言しました。 (※mono....中ほど略) 一方、北朝鮮はコーエン被告の証言を分析した結果、完全な制裁解除を要求しても、証言によって傷つけられたトランプ大統領は譲歩してくると判断したのでしょう。北朝鮮は完全に読み間違えました。 トランプ大統領にとって、経済制裁は北朝鮮との交渉を有利に交渉を進めていくためのレバレッジ(てこの力)であり、取引材料ではありませんでした。 結局、コーエン被告の公聴会が影響し、米朝が互いに高いレベルの要求を行ったために、譲歩ができなくなり、会談は決裂したといえます。 (※mono....後半長文略、詳細はサイト記事で。副題のみ転記) 会談と公聴会が同日になったワケ 2020年米大統領選挙の新たな意味 ★■ 米朝会談 非核化合意に至らず 外交の原則を貫いたトランプ氏 「the Liberty web(2019.02.28)」より (※mono....前半略) / 外交の原則を貫いたトランプのディール 会談直後に行われたトランプ米大統領とポンペオ米国務長官の記者会見によると、寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄や査察を受け入れる見返りとして、「完全な制裁の解除」を求めてきた。 しかし、寧辺の核施設廃棄が行われたとしても、それ以外のミサイルや核弾頭、高濃縮ウランを生産する未申告の他の核施設などが温存されるため、今回は合意に至ることはふさわしくないと判断したという。 トランプ氏は、「早くやるより、正しいことをしたい」、「いつでも立ち去る準備ができている必要がある」と述べている。 (※mono....中ほど略) / つまりトランプ氏は、外交交渉の基本である「譲歩できない点は守り抜く姿勢を持つ」という原理原則を貫いたということだ。この交渉は、1986年10月にアイスランドのレイキャビクで、当時のレーガン米大統領が、ソ連のゴルバチョフ大統領からミサイル防衛計画の中止を求められた際、退席するだけの精神的な強さをもっていたことに比肩されるだろう。 北朝鮮の「非核化」は楽観視できない アメリカ側は、今後も交渉を継続するとしている。トランプ政権が期待するように、交渉は進むのだろうか。 この点について、米情報機関トップのダン・コーツ国家情報長官や、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は、非核化の先行きに厳しい見方を示している。 (※mono....以下詳細はサイト記事で) ★ 米朝首脳会談、合意に至らず トランプ氏「北朝鮮が制裁解除要求」 「ロイター(2019年2月28日 / 15 32 / 7時間前更新)」より / [ハノイ 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談後の記者会見で、北朝鮮が制裁解除を要求したため、合意することができなかったと明らかにした。 トランプ大統領は「北朝鮮は全面的な制裁解除を要求したが、われわれはそれはできなかった」と説明した。 トランプ大統領は、会談では関係構築や非核化で進展はあったが、拙速に悪い合意を結ばないことが重要と考えたと語った。 会談は予定より早く切り上げられた。両首脳は予定していた昼食会を行わずに会談会場を離れたという。 +続き トランプ大統領は、2日間の会談は非常に生産的だったとした上で「調印する文書を用意していたが、(調印は)適切ではなかった」と述べた。ホワイトハウスは、28日の会談終了時に「合意文書の調印式」を開催すると発表していた。 トランプ大統領は、金委員長は核・ミサイル実験は行わないと約束したと述べた。 トランプ大統領によると、会談では寧辺の核施設の解体を協議し、金委員長も意欲を示したが、委員長は制裁緩和を望んだという。 ポンペオ米国務長官は会見で「(金委員長に)一段の措置を求めたが、彼にはその準備ができていなかった」と語った。 トランプ大統領は、米国は北朝鮮の一部施設について査察を行うことができるとしたが、具体的な内容には触れなかった。 米朝首脳会談が合意に至らなかったとのニュースが伝わると、韓国ウォンは下落、アジア域内の株式市場は売りが膨らんだ。韓国株市場は1.8%安で終了、2018年10月以来の大幅な下落率を記録した。 国家安保戦略研究所(INSS)のシニアリサーチフェロー、リム・スホ氏は「両首脳が昨夜、微笑みを浮かべていたことを考えると、合意に至らなかったのは驚き」と話す。 「きょうは合意しなかったが、数カ月以内に合意しないというわけではない。シンガポール会談でのような実のない声明文を再び出すことができないほど、両首脳にとって重大事ということだ」と指摘した。 シンガポールで開催した初の米朝首脳会談後の共同声明では、金委員長が朝鮮半島の非核化に向けて努力すると表明するにとどまった。 トランプ大統領と金委員長が再び会談する可能性については、具体的には示されなかった。ただ、ホワイトハウスは「それぞれのチームは将来の会合を楽しみにしている」とした。 安倍晋三首相は28日にトランプ大統領と電話協議した後、記者団に対し、安易な合意を見送ったトランプ大統領の決断を支持すると表明。拉致問題の解決に向け「次は私が金正恩委員長と向き合わなければいけないと決意している」と述べ「今後とも日米でしっかり連携していく」と語った。 中国国営テレビによると、王毅外相は、中国を訪問した北朝鮮の李吉聖外務次官に対し、米朝協議において困難は避けられないとの認識を示した上で、中国として両国の対話継続を希望すると述べた。 ーーー ★ 正恩氏一転、不機嫌に去る=トランプ氏「関係継続」 「時事ドットコム(2019年02月28日19時27分)」より / 【ハノイ時事】第2回米朝首脳会談は合意に達することができないまま幕を下ろし、わずか数時間で両首脳は劇的に表情を変えた。会談2日目の28日午前、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「私の直感では良い結果が出ると信じている」とトランプ米大統領に語り掛け、余裕すらうかがわせた。しかし、午後に会場のホテルを後にする際は一転、不機嫌そうな様子を隠さなかった。一方のトランプ氏は、会談後の記者会見で「正恩氏との関係を継続したい」と未練をのぞかせた。 (※mono....以下略) ーーーーー ■ 【詳報】予想外だった米朝会談 トランプ氏は得意の一言 「Yahoo!news[朝日新聞](2019/2/28(木) 16 10)」より / ■「いつでも立ち去る」在日米軍撤退でも言及(佐藤武嗣編集委員の速報解説) 合意に達しなければ、いつでも交渉の場から立ち去る――。トランプ大統領が「ビジネスマン」としての手腕を自負し、大統領選の時から度々口にしていた言葉が、米朝首脳会談後の記者会見でも飛び出した。 トランプ氏は大統領選のさなか、在日米軍基地撤退の可能性について、米メディアのインタビューに「交渉は、いつでも打ち切る準備がなければだめだ。我々はいつも(日本などに)米軍を派遣し、多額の出資をしている。(米軍撤退は)そうしたいと思っているわけではないが、その準備はしなければいけない」と語ったこともある。 今回の米朝首脳会談では正恩氏と合意に至らず、当初想定した共同文書は発表できなかったが、両国が緊張関係に逆戻りするのではなく、次のステップへの一里塚だと位置づけた。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ーーーーー 【文在寅(ムン・ジェイン)】 ★ 韓国、楽観から落胆へ…南北経済協力、完全に霧散 「Yahoo!news[産経新聞](2019/2/28(木) 21 35)」より / 【ソウル=名村隆寛】米朝首脳会談での成果を両国の仲介役として期待していた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、「楽観から180度反対の結果」(韓国メディア)となった会談の事実上の決裂に落胆を隠せない様子だ。 28日に和やかな雰囲気で始まった2日目の会談に、韓国政府周辺では合意が当然視され、関心はその中身だった。しかし、会談結果を受けた韓国大統領府の記者会見は沈痛な雰囲気で、報道官は「残念だ。米朝の活発な対話が続くことを期待する」などと述べるにとどまった。 南北交流を進める文政権は、経済協力事業である北朝鮮の開城(ケソン)工業団地の再稼働や金剛山観光事業の再開などを構想していたようだ。また、朝鮮戦争の「終戦宣言」への関心も強く、メディアや専門家の間では「宣言には韓国も含むべき」との主張も出ていた。 しかし、韓国の期待は完全に霧散。昨年9月の平壌での南北首脳会談で合意した金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「早い時期のソウル訪問」の見通しも一層不透明になった。今回の米朝首脳会談後、北朝鮮最高指導者の初訪韓を目指していた文在寅大統領の描くシナリオはかき消されたかたちだ。 文氏の期待に反し、会談に臨んだトランプ米大統領と金委員長の眼中に文氏がなかったことを、会談結果が物語っている。トランプ氏からその努力を感謝された文氏は「後続協議でのよい成果を期待する」と伝えた。文氏としては、米朝対話が途切れていないことに期待を託し、米朝の仲介役に徹し続けるしかない。 韓国では、文在寅政権を支持する世論で評価されている政策のトップは南北関係改善や対北政策だ。だが、北朝鮮をめぐる情勢が後退したことが、経済政策などで国民の批判を受ける文政権に微妙な影響を及ぼす可能性もある。 ■ どうなる!?第2回米朝首脳会談「てぃか、なんでも代表に聞いちゃいます!」(その4) 原田武夫国際戦略情報研究所 2019/02/26 に公開 代表・原田武夫に第2回米朝首脳会談と5G6Gについてお伺い致しました。 代表・原田武夫は、小泉政権時代に外務省北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)として訪朝し、拉致問題の解決に尽力した北朝鮮問題の専門家でもあります。専門家の見地からざっくばらんに語って頂きました。皆様、是非ご覧ください!! ■ 米朝首脳会談~日本が北朝鮮と交渉する糸口はあるのか? 「ニッポン放送(2019/02/27 11 48)」より / ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月27日放送)に電話ゲストとしてデイリーNKジャパンの高英起が出演、2回目の米朝首脳会談について解説した。 きょう2月27日から2回目の米朝首脳会談 (※mono....中ほど大幅に略、詳細はサイト記事で) / 高)アメリカはそこがいちばん問題なわけですから。もちろん北朝鮮が核を持っているのが問題ですが、それが届くか届かないかということは別問題です。パキスタンも核爆弾は持っているけれども、特別にアメリカと対立しているわけでもないし、アメリカに届くわけでもない。アメリカがそのことにそれほど神経を尖らせていないとなると、いちばんの問題はICBMと長距離弾道ミサイルになると思っています。 高橋)その通りですよね。そもそもアメリカとロシアは、中距離のところはフリーにする方向になっています。アメリカもロシアも中国もフリーだと、北朝鮮だけ制限するのはロジカルには難しいですよね。 経済解除された場合、北朝鮮にとって日本と付き合うメリットがなくなる (※mono....前半および後半略) / 高)制裁解除もしくは緩和されれば、積極的に経済活動に出るでしょうが、それで北朝鮮が経済大国になるということはないと思います。問題はそうすることによって、北朝鮮にとって日本と関係を築くメリットが少なくなってしまう。北朝鮮が日本に求めているのは、拉致など何らかの問題の見返りですから。見返りが必要なくなるということになると、どんどん北朝鮮と日本の間が離れて行くのではないかと思います。 トランプ大統領が再選しない場合も考え、日本は前のめりにならない方が良い 高)アメリカが直に話しているので、日本のつけ込むすきがないという現実もあるのですが、だからと言って私は日本で言われているほど焦る必要もないのではないかと思います。今回の米朝会談で丸くまとまる可能性が高いと思っていますが、これはあくまでも金正恩氏とトランプ氏の関係だけであって、トランプ氏が再選するのかどうか。しないで別の大統領になったらわからないですよね。そうなったときに変に前のめりになってしまうと、あとで不都合なことが起こるかもしれません。もうちょっと落ち着いても良いと思います。 日本が北朝鮮と交渉する糸口 飯田)日本が独自に北朝鮮とやって行くとしたら、どうしたらいいですかね。どういう糸口があるとお考えですか? 高)糸口ははっきりしています。水面下で日朝は交渉を進めているわけですから。問題は拉致問題などを日本がどこまで北朝鮮とその部分について話し合えるかです。先日、拉致被害者の田中実さんの話も出て来ましたが、それについても、いまの安倍政権はスルーしているのかどうなのか分からないのですが、そういったことを着々と進めるべきですよね。 ■ 米朝首脳会談、日本は「最悪のシナリオ」に備えを - 在韓米軍撤退の可能性を真剣に検討すべし 「JB-press:長島 昭久(2019.2.26)」より / 二度目の米朝首脳会談が開かれる。会談の結果次第では、現在改善の兆しが見えない日本と韓国の関係を一層難しくする可能性もある。東アジア情勢が流動化し始める中、われわれ日本人はどのような備えをしておかなければならないのか。元防衛副大臣の長島昭久衆議院議員に聞いた。(構成:阿部 崇) (長島昭久:衆議院議員、元防衛副大臣) (※mono....以下副題のみ、詳細はサイト記事で) レーダー照射事件で切れた「最後の信頼の糸」 朝鮮半島の連邦国家化を目指す文在寅大統領 金正恩は核を手放さない 朝鮮戦争「終戦宣言」の先に待っている事態 極限状態で日韓の防衛協力は成立しえるのか / 情緒的に韓国に反発しても、何も解決しません。だからといって、韓国に譲歩に譲歩を重ねても、問題は解決しません。しかも、かつてのような日本の政治家の「妄言」によって日韓関係が軋んでいるのではなく、今回は、米朝、南北関係の融和ムードによって地政学的な土台が構造変化をきたしていることが日韓関係悪化の原因ですから、事はそれほど簡単ではありません。私見では、とりあえず現状がこれ以上悪化しないよう状況を管理しつつ、先ほど触れたような「最悪のケース」に備え我が国の安全保障政策を根本から見直す可能性を視野に入れて具体的な準備作業に入ることが肝要だと思います。 ★ 「米朝首脳会談」融和にクギ 官邸は“北支援拒絶” 拉致問題解決へ警戒強化 「zakzak(2019.2.27)」より / ドナルド・トランプ米大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は26日、2回目の米朝首脳会談(27、28日)に向け、ベトナムの首都ハノイに乗り込んだ。事前の実務者協議では、「北朝鮮の非核化」に向けた具体的進展はなかった。両首脳の直接交渉が注目されるが、外交的成果を焦るトランプ氏が「危険な妥協」に応じる恐れも指摘される。北朝鮮の狡猾さを熟知する安倍晋三政権は「警戒姿勢」を崩していない。拉致問題の解決も見据え、今回の会談で何らかの合意があったとしても、対北支援に応じない考えを米側に通知した。 「具体的に『北朝鮮の非核化』と『拉致問題の解決』が進まない限り、北朝鮮に対する経済制裁を緩めてはいけない。日本政府の姿勢は当然だ」 朝鮮半島情勢に詳しい麗澤大学の西岡力客員教授はこう語った。 +続き 日本政府の毅然とした姿勢は後述するとして、米朝首脳会談に向けた両首脳の言動に世界が注目している。 正恩氏は26日朝、特別列車で中国から国境を越えてベトナム北部ランソン省ドンダン駅に到着した。儀仗(ぎじょう)隊が整列するなか、ベトナム政府高官や、先にベトナム入りしていた正恩氏の秘書役、金昌善(キム・チャンソン)国務委員会部長らが出迎えた。 正恩氏の姿が見えると、沿道に集まった市民から「オオッ」という歓声が上がった。 北朝鮮最高指導者のベトナム訪問は、正恩氏の祖父、故金日成(キム・イルソン)主席(当時は首相)が1964年に訪問して以来、約55年ぶり。正恩氏は黒塗りの特別車に乗り換え、同日午後、ハノイに到着した。 一方、トランプ氏は25日午後、大統領専用機(エアフォースワン)から《正恩氏との会談のためベトナムに向かっている。とても生産的な会談となることを楽しみにしている》と、ツイッターに投稿し、26日夜にハノイに到着。 米朝首脳会談を前に、現地では、米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表が、北朝鮮国務委員会の金革哲(キム・ヒョクチョル)特別代表らと詰めの協議を行っている。 ただ、実務者協議では大きな進展は見られない。トランプ政権としては「核施設の廃棄や査察への合意」を取り付け、「非核化の行程表づくり」に道筋をつけたいが、北朝鮮が「相応の措置」を求めているからだ。 北朝鮮が熱望する「相応の措置」には、国際社会による「経済制裁の解除」や、休戦中の朝鮮戦争の「終戦宣言」があるとみられている。 難航する実務者協議を反映したのか、ニューヨークの不動産王としての駆け引きか、トランプ氏の対北姿勢が「軟化」している。 トランプ氏は、ベトナム出発前の24日、ホワイトハウスで「北朝鮮が(核や弾道ミサイルの)実験を行わない限りは満足だ」と語ったのだ。 ロイター通信も25日、《米政府、2度目の首脳会談で北朝鮮に「要求切り下げ」か》という分析記事を掲載した。 記事では、トランプ政権が限定的な合意を受け入れる姿勢のようだと伝え、朝鮮戦争の終戦宣言や北朝鮮の観光特区設置など南北朝鮮間のプロジェクト承認など譲歩を示す可能性もあるとした。 一方、マイク・ポンペオ国務長官は24日のCNNテレビの番組で、司会者から「北朝鮮は今も核の脅威だと思うか?」と尋ねられて、「イエス」と答えた。対北制裁については、「完全な非核化」が実現しなければ解除しない考えを示した。 米情報当局や米軍高官も、北朝鮮がすべての核廃棄に応じることはなく、米国が譲歩すればアジアでの国益が損なわれると懸念しているという。 北朝鮮がひそかに核開発を進めているとの報告は後を絶たない。 米スタンフォード大学の国際安全保障協力センターは12日、北朝鮮が核燃料製造を継続し、18年に核兵器5~7個分に相当するプルトニウムや高濃縮ウランを生産した可能性があると発表した。 こうしたなか、安倍政権は前述のように警戒を強めている。 毎日新聞の26日朝刊によると、今回の米朝首脳会談で何らかの合意があっても、北朝鮮が動く保証がないため、米側との事務レベルの折衝で、「ただちに経済協力や人道支援を行うのは時期尚早だ」と伝えたという。 同紙によると、政府には、対北朝鮮支援を拉致問題解決に向けた「交渉カード」にしたい思惑があるようだ。 前出の西岡氏は「米朝首脳会談では、ミサイルで進展があるかもしれないが、日本としては『核問題』と『拉致問題』も重要だ。例えば、南北共同事業である開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の再開を認めれば、北朝鮮に外貨が入って、これまでの国際社会の制裁が骨抜きになる。米国に『制裁を解除すべきではない』と伝え続けるべきだ」と語っている。 ーーー ★ トランプ氏と金委員長、27日からハノイで2度目の首脳会談 「ロイター(February 26, 2019 / 11 59 PM)」より / [ハノイ 26日 ロイター] - トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日にベトナムの首都ハノイで2度目の首脳会談を行う。 +続き 米国は、北朝鮮の非核化に向けた具体的な措置を引き出すことを目指している。 米ホワイトハウスは、トランプ氏と金委員長がハノイのメトロポールホテルで現地時間27日午後6時30分(日本時間午後8時30分)から20分間の1対1の会合を行うと明らかにした。 その後約1時間半の夕食会が予定されている。ホワイトハウスの先の発表によると、夕食会には側近2人と通訳が参加する。首脳会談は28日にも行われるという。 トランプ氏は26日遅くに大統領専用機でハノイに到着。その後、滞在先のJWマリオット・ホテルに向かった。 金委員長は26日、トランプ氏よりも先にベトナムに到着。滞在しているハノイのメリアホテル周辺は厳重な警戒態勢が敷かれている。 トランプ氏はロシア疑惑などの国内問題を抱える中、外交問題での成果に意欲的とされる。 過去の歴代共和党政権で対北交渉に携わった、元ホワイトハウス当局者のビクター・チャ氏は「国内の関心を(米朝首脳会談から)そらす問題があり、大統領が譲歩しすぎて、米国がこれまでよりも安全でなくなる悪い取引をしないかが大きな懸念材料だ」と指摘した。 ーーー ★■ アングル:米朝首脳会談、両国の狙いと「落としどころ」 「ロイター(February 25, 2019 / 8 46 AM )」より / 米朝両国の主な狙いと落としどころをまとめた。 <米国> ●主要な目標 米国が実現を目指している最優先課題は北朝鮮の非核化だ。「非核化」はすべての大量破壊兵器の放棄、つまり同兵器および、同兵器の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の生産中止を意味する。 ●落としどころ 複数の米当局者は21日、首脳会談では「非核化」の定義について北朝鮮との間で理解の共有を目指すと述べた。米政府が首脳会談後の非核化交渉について、見通しや進め方の青写真を描こうとすることも予想される。 北朝鮮の大量破壊兵器やミサイル開発計画の凍結も議題になりそうだ。スタンフォード大国際安全保障・協力センターは先に、北朝鮮が昨年、核兵器5─7個分に相当するプルトニウムや高濃縮ウランを生産した可能性があるとの報告書を発表した。 <北朝鮮> ●主要な目標 北朝鮮は公の場で米国と国連による経済制裁の停止を求めており、首脳会談ではこの点が主な目標となる。 ただ、北朝鮮が抱く朝鮮半島の非核化の概念には、米国が韓国への「核の傘」提供を取りやめ、韓国から核搭載能力のある軍を引き上げることが含まれる可能性がある。 韓国の当局者や米議会関係者などからは、北朝鮮が韓国の駐留米軍の規模修正を求めるとの懸念が出ている。しかしトランプ大統領は22日、首脳会談で在韓米軍の縮小は議題にならないと述べた。 北朝鮮は以前から米国と平和協定を結んで関係を正常化し、朝鮮戦争終結を宣言することも望んでいる。 ●落としどころ 米政府は北朝鮮の完全な非核化に先立って包括的な和平協定を結ぶことには消極的な姿勢を取っている。ただ米当局者は、より限定的な合意により緊張を緩和して連絡事務所を開設し、関係の正常化を目指すことに前向きになり得ると示唆している。 金委員長は1月、北朝鮮は「ケソン工業団地と金剛山観光事業について、いかなる前提条件や対価もなく再開する用意がある」と述べた。また委員長は、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けてさまざまな措置を講じており、米国がこうした措置に相応する具体的な行動を取るよう求めるとも述べた。 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は昨年12月、北朝鮮が米国に求める「相応な行動」には、北朝鮮に対する敵対的政策の中止や制裁の解除が含まれると報じた。「敵対的政策の中止」が具体的に何を指すのかは不明。 ★ ボルトン大統領補佐官、訪韓を中止 「産経新聞(2019.2.23 18 31)」より / 【ワシントン=黒瀬悦成】ロイター通信は22日、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、今月末の米朝首脳会談に先立ち、週明けに予定していた韓国への訪問を中止したと伝えた。 ボルトン氏の報道官によると、「人道支援物資の搬入をめぐり軍部が重要な決断を迫られるなど、さまざまな事態が展開している南米ベネズエラ情勢に注力するためワシントンにとどまることにした」としている。米朝の首脳再会談には出席する予定。 ボルトン氏は北朝鮮の非核化に向けた連携を確認するため、谷内正太郎・国家安全保障局長や韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)・大統領府国家安保室長と24日に釜山(プサン)で会談する方向で準備を進めていた。 ★ トランプ大統領、米朝会談に正式合意 在韓米軍縮小や撤収否定 「毎日新聞(最終更新 2月4日 16時45分)」より / 【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は3日放映された米CBSテレビのインタビューで、在韓米軍の縮小や撤収について「計画はない。議論もしていない」と否定した。2月下旬に予定する金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との2回目の首脳会談で、在韓米軍の縮小などを譲歩策として提案するのではとの懸念もあったが、それを払拭(ふっしょく)した形だ。 一方でトランプ氏は「(在韓米軍の)4万人の兵士を維持することは大きな財政負担だ」とも語り、将来的な撤収構想に関しては含みを持たせた。 トランプ氏はまた、米朝首脳会談が「設定された」と述べ、北朝鮮と開催に正式合意したことを明らかにした。日時と開催地については「(5日の)一般教書演説かその前」に発表するという。開催地にはベトナム中部ダナンが有力視され、米朝会談に続いてダナンでトランプ氏が中国の習近平国家主席との米中首脳会談に臨むとの観測もある。 トランプ氏は「金委員長も私も会談を楽しみにしている。我々は素晴らしい人間関係を築いている」と述べ、停滞する非核化協議をトップ会談で進展させることに自信を見せた。「中国、ロシア、韓国に囲まれる北朝鮮は経済強豪国になるチャンスを秘めている」とも語ったが、一方で「核兵器を保有したままでは無理だ」として、北朝鮮の非核化実現の必要性を強調した。 ■ 米朝首脳会談の延期―トランプ大統領は足元を見られることを回避した? 「万国時事周覧(2018-10-20 12 45 31)」より / 2度目の米朝首脳会談 来年初めに開催か トランプ大統領が第二回米朝首脳会談の開催の可能性について言及した時、その思惑として真っ先に指摘されたのが、秋の中間選挙を前にした外交上の実績づくりでした。再度、北朝鮮の金正恩委員長との会談の場を設け、その席において初回の会談で曖昧にしてきた諸点をクリアにし、アメリカの要求に沿う形の合意で両首脳が固く握手すれば、これ程、アメリカの有権者に訴える効果的な政治ショーはないからです。 仮にこの説が正しければ、第二回米朝首脳会談は、北朝鮮側の譲歩を以ってしか、トランプ大統領が描くシナリオ通りに成功裏に導くことはできません。ところが、会談相手の当の北朝鮮は、同会談をアメリカとは全く逆の意味でのチャンスとして捉えたようです。乃ち、北朝鮮側は、共和党は中間選挙にあって不利な情勢にあると分析し、同党に属するトランプ大統領が第二回首脳会談を自党勝利に向けた起死回生の絶好の機会と位置付けているならば、その弱みを利用して、アメリカ側に自らの要求を呑ませるチャンスと捉えたと推測されるのです。先の国連総会での演説等において、北朝鮮側が、従来の段階的核放棄論を堂々と主張し、アメリカに対して自国の要求に応えるよう強気の姿勢で臨むようになったのも、この推測からすれば頷けます。 しかしながら、北朝鮮側は、ここで重大な判断ミスをしているように思えます。アメリカにとっての第二回米朝首脳会談の成功とは、たとえ両首脳が笑顔で握手しても、実質的にはアメリカに対して北朝鮮が屈服する構図を要する点です。アメリカが北朝鮮に屈する形で合意では、それは、中間選挙にあって有利に作用するどころか、むしろ、アメリカの屈辱外交として共和党に不利に働きます。つまり、アメリカにとりましては、核廃棄に向けて北朝鮮側が折れることこそ重要なのです。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ■ 中国が独占していた北朝鮮のレアアースをアメリカに持っていかれた? 「日本や世界や宇宙の動向(2018.6.13)」より / 今回のトランプと金正恩の米朝首脳会談に関しては様々な意見があります。 日本側としては反日国の北朝鮮を今後も警戒すべきと思います。 北朝鮮には大量のレアアースが眠っているようです。アメリカは北朝鮮のレアアースが欲しくて仕方ないようです。何しろ、アメリカの財政が破たんするのも時間の問題であり、北朝鮮のレアアースの採掘権をアメリカが得たなら、大きな利益を得ることになるため、トランプも急いで金正恩と商取引をしているのかもしれません。 ただし、北朝鮮のレアアースを日本が狙う必要はありませんね。日本も大量のレアアースが埋もれているのです。 「日本の最東端にある南鳥島(東京都)周辺の排他的経済水域(EEZ)の海底に世界需要の数百年分に相当する1600万トン超のレアアース(希土類)が存在することが分かった。日本近海でのレアアースの詳細な資源量が確認されたのは初めて。」ということですから、一日も早くこれらのレアアースを効率的に採掘する方法を編み出すべきと思いますが。。。 http //beforeitsnews.com/opinion-conservative/2018/06/china-just-saw-their-secret-rare-earth-stockpile-in-north-korea-taken-by-trump-video-3384528.html (一部) By Capt. Dave Bertrand, Ret. 米朝和平合意で今後どうなるのでしょうか? トランプが考えている素晴らしい商取引とは。。。アメリカが選択した国々との10兆ドル規模の商取引であり、密かに行った金正恩との6兆ドルの商取引です。つまり、北朝鮮のレアアース(希土類鉱物)がアメリカによって採掘されることになります。 その見返りに北朝鮮は中国が北朝鮮にやらせた核開発プログラムを断念するとアメリカに約束しました。北朝鮮の核開発プログラムは、何十年も前から中国が北朝鮮で採れるレアアースを独占する(採掘はほぼ北朝鮮が行ってきた)目的で利用されていました。 中国のパペット国の北朝鮮は、特定の目的のために多くの国々からの制裁を受けてきました。 中国は北朝鮮との貿易を継続したくて仕方ないのです。中国は特定の資源に対する独占権を持ち続けたいのです。 北朝鮮の核開発プログラムは、中国が不干渉戦略を強制的に実施しながら、北朝鮮を追い詰め続けるための手段だったのです。 米朝和平合意が維持されたとして、北朝鮮が、アメリカとの貿易を開始し、近代化が進み、米企業の投資が行われ、自由な国になれば、北朝鮮は核の脅威で脅し続けるよりも経済的強国になる可能性が高いのです。 北朝鮮には世界のレアアースの3分の2が埋まっています。アメリカが北朝鮮のレアアースの採掘権を獲得すれば、中国を介して世界の天然資源を支配しようとしているグローバリストの顔に平手打ちをくらわすことになります。 北朝鮮のチョソングルには2憶トン以上(数兆ドルの価値がある)のレアアースが埋まっており、世界中のレアアースの2倍以上の量になります。 チョソングルで採れるレアアースの副生物としてはホタル石、リン灰石、ジルコン、霞石、長石、チタン鉄鉱などが考えられます。 自分たちが欲しいものは何でも手に入れることができるという特権を有していると主張するイルミナティ13氏族が戦争を始めさせているのですが、今、その戦略も失敗に終わっています。 トランプは、世界を巻き込みながらNWO計画を弱体化させる貿易協定を先導し、クリントン、ブッシュ、オバマが試みた戦略を破壊しました。 同時に、アメリカ自体も、北朝鮮との自由貿易を可能にすることで非常に繁栄することになります。 民主党は今回の米朝会談は不十分だったとして批判していますが、それは、今回の会談が成功したことにより、トランプは2020年の大統領選に勝利しNWOの専門家らを暴露できるようになるからです。 世界貿易協定に関するチェスゲームの勝敗が変わり、レアアースの株価が急騰するでしょう。 トランプはノーベル平和賞を与えられるかもしれません。しかしトランプはオバマに与えたノーベル平和賞がNWOのプロパガンダの一環であると言うことを知っていますから、平和賞はデニス・ロッドマン(北朝鮮に何度も渡ったバスケットボール選手)が受け取るべきと考えています。トランプはロッドマンに平和賞を与え、すごい政治的声明を行うでしょう。 ■ 金正恩委員長との一蓮托生を選んだトランプ大統領 「万国時事周覧(2018-06-13 13 16 04 )」より / 【米朝首脳会談】米与党は「歴史的」と評価も金正恩体制に強い警戒 6月12日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化の実現が期待されていただけに、発表された共同声明の内容については落胆の声が広がっています。米国内でも手厳しい批判があり、同会談が、トランプ大統領の目論み通りに外交成果として今秋の中間選挙において有利に働くのか、怪しい雲行きともなっております。 共同声明においてとりわけ不評を買っているのは、“CVID”や具体的な措置に言及した文言は見当たらないばかりか、北朝鮮の「完全な核放棄」に先立って既にアメリカ側が北朝鮮に対して‘安全保障’という見返りを与えている点です。事実上、トランプ政権が基本方針を転換したに等しく、中国やロシアが主張してきた段階的な非核化措置の度に見返りを与えるとする、「段階的核放棄」に移行したと報じるメディアまで登場する始末です。この展開を歓迎するのは中国やロシアぐらいであり、他の諸国や一般の人々は、トランプ大統領の‘変わり身’の速さ、あるいは、仮面の裏の真の顔に唖然とさせられたことでしょう。常識や理性を備えた人であれば誰も、全世界を騙す‘平和’と云う名の‘茶番劇’ではなかったかと疑うレベルです。 (※mono...以下略) ■ 北朝鮮の核と拉致は軍事力でしか解決できない!交渉は時間の無駄!思い出せトランプ!核武装しろ日本 「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現(2018.6.13)」より / トランプは「クリントンもブッシュもオバマも失敗したが、私は失敗しない」と豪語していたが、残念ながら大失敗した! ただ、援助せず、制裁を継続することは、良かった! トランプは2017年10月にツイッターで「交渉は時間の無駄」!「ロケットマンに優しくしても25年間うまくいかなかった。なぜ今うまくいくだろうか。クリントンもブッシュもオバマも失敗したが、私は失敗しない」 と豪語した! あの頃のトランプは、歴史を良く知り、冷静かつ正確に北朝鮮を分析し、正しい対処法を知り、公言していた。 それにもかかわらず、結局トランプはロケットマンと交渉し、時間を無断にし、大失敗した! 情け無さ過ぎる。 トランプは正気に戻れ! 歴史を思い出せ! / <>その上で「この問題はトランプ氏の強力な支援をいただきながら、日本が北朝鮮と直接向き合い、解決していかなければならないと決意している」と強調し、日朝首脳会談への意欲を改めて示した。 これも完全な的外れだ! 日朝首脳会談などやっても拉致問題は解決しない! なぜ歴史や最近の現実を学習しないのか?! 北朝鮮に取られた自国民を取り戻すために必要なのは、交渉やカネではない! 軍事力増強(核武装)と軍事的圧力だ! ■ せんりゅー 「二階堂ドットコム(2018/06/13 09 51)」より / トランプは サイナラカードで 裏返し 元の木阿弥 デブは高飛び 買い転じ 高値売り切り 飛ばしにげ 後の祭りは 安倍日本のみ ちょっとまて 残り根こそぎいただきだ プーさん横で ひくぞ手ぐすね ★ 【米朝会談】北朝鮮ミサイルはまた日本に飛んでくる! 何も決まらず、単なるトランプの選挙対策だった会談を分析! 「TOCANA(2018.06.13)」より / 世界中の注目を集めた初の米朝首脳会談が終わった。しかし、その成果は非常に乏しい、何も決まっていないに等しいものであったと筆者は見る。それは、トランプと金正恩が署名した共同合意文書から読み解く事が可能だ。 +続き まず、核問題に関しては、共同合意文書には米国を含めた周辺国が求めていた核問題の「検証可能かつ不可逆的な解決(CVID)」が盛り込まれていない。単に、4月27日の南北首脳会談で合意された板門店宣言を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向けた努力をする旨が記されているだけだ。今までと何も変わっていないに等しい内容である。 弾道ミサイルや拉致問題といった日本にとり重要な案件は、そもそも合意文書内で言及がなされていない。唯一注目すべきは、朝鮮戦争時の米将兵の遺骨の発掘調査に北朝鮮側が応じている点だ。北朝鮮側は今後、これを外交カードの1つとし対米交渉を行っていくと見られる。 首脳会談終了後のトランプの記者会見を見るに、両者の会談では弾道ミサイルや拉致問題といった共同合意文書には盛り込まれていない事項も一応議題には上がったようであるが、金正恩から明確な返答は無かったものと見られる。核のみならず、弾道ミサイルや拉致問題に関してもやはり、今までと何も変わっていないに等しいという評価を下さざるを得ない。米韓合同軍事演習の中止や在韓米軍の縮小、撤退に関する発言もあったが、やはりこれも将来的なものだ。 この何も決まらなかった米朝首脳会談で、トランプと金正恩は何を得たのであろうか? トランプ側は、ただ単に「米朝首脳会談を行った」という外交的な成果を得ることとなった。これは、秋に予定される米議会中間選挙において、共和党側に追い風となる事となろう。この会談は、トランプの選挙対策という意味合いが非常に大きいものであったのだ。 他方、金正恩側は「交渉が継続する限り米国から体制保証を受ける」という成果を獲得する事となった。要は、北朝鮮側は時間稼ぎに成功したのである。では、この首脳会談は日本にどのような影響を与えるだろうか? 何も決まらず、かつ北朝鮮側が時間稼ぎに成功した事そのものが、日本にとり重大な問題である。これはすなわち、北朝鮮の核・弾道ミサイルの脅威が存続する事を意味するからだ。融和ムードに乗じ、北朝鮮が核・ミサイル戦力の更なる増強を行う可能性も十分に考えられる。 (文=塩原逸郎) ーーー ★ アングル:拉致提起に安堵の日本、日朝首脳会談にはなお時間 「REUIERS(2018年6月12日 / 21 52 )」より / [東京 12日 ロイター] - 12日の米朝首脳会談でトランプ米大統領が拉致問題を提起したことに、日本の政府内では安堵(あんど)の声が聞かれた。しかし、会談で北朝鮮の非核化に向けた具体的な進展はなく、すべてはこれから。 日本は北朝鮮との首脳会談を早期に実現したい考えだったが、まだ米朝協議の行方を見極める必要がありそうだ。 <日朝会談は「危険」> +続き 「日本にとって重要な拉致問題について、しっかりと言及していただいたことを高く評価する。トランプ大統領に感謝したい」──。米朝首脳会談後、安倍晋三首相は記者団にこう語った。 トランプ氏は米朝首脳会談後の会見で、金正恩朝鮮労働党委員長に日本人拉致問題を提起したと明言。共同文書に拉致の文言は盛り込まれなかったものの、「米国の大統領が北朝鮮との会談で取り上げたことに意味がある」と、日本の政府関係者は胸をなでおろした。 拉致問題を最重要課題と位置づける安倍政権は、米朝会談で拉致問題を提起してもらったうえで、早期の日朝首脳会談につなげることを狙っていた。核・ミサイル問題と歩調を合わせて拉致問題を解決し、国交正常化を目指すことを考えていた。 狙い通り拉致問題は米朝会談の議題に載ったものの、拓殖大学海外事情研究所長の川上高司教授は「このまま日朝首脳会談を開くのは危険だ」と指摘する。米朝の間で非核化に向けた成果がないまま、日本が拉致問題を前進させようとすると「日米の離反を招く。北朝鮮の狙い通りになる」と話す。 米朝は12日の首脳会談で「北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に取り組む」ことで合意したが、具体的な道筋は合意文書に盛り込まれなかった。トランプ大統領は会談後の会見で「極めて迅速に」非核化のプロセスが始まるとの見方を示したものの、詳細には踏み込まなかった。 「(合意文書には)何も新しいこと、具体的なことがなく、非常にがっかりした」と、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は言う。「トランプ大統領や側近は、過去の過ちは繰り返さないとは言っていたが、これではうまく行かないのではないか」と指摘する。 <米韓演習は取りやめ> 金政権の体制保証を約束したトランプ大統領は会見で、北朝鮮と協議をしている間は韓国との合同軍事演習は行わないと話した。「米側が具体的な行動を示したわけだから、金委員長にはプレッシャーになる。非核化に向けた具体的な行動を取らざるをえないだろう」と、海上自衛隊の元一佐で、笹川平和財団上席研究員の小原凡司氏は予測する。 しかし、金委員長がトランプ大統領に約束したとされるミサイルエンジン試験施設の破壊も、文書には明記されていない。北朝鮮が本当に核とミサイルの廃棄を進めるのか、不明なままだ。 自民党外交部会長の阿達雅志参議院議員は「交渉しようとこれまで間接的に言ってきた2人が、直接顔を合わせ、交渉に入りましょうと確認するための会談だった。すべてはこれからなのだろう」と言う。「日本が北朝鮮と会談をするには、もう少し米朝協議の行方を見る必要がある」と語る。 久保信博、ティム・ケリー、竹本能文 編集:田巻一彦 焦点:米朝首脳会談、ニクソン訪中とは似て非なる政治イベント [ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米大統領が12日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と行った史上初の米朝首脳会談は、1972年のニクソン大統領による初の中国訪問を彷彿させるかもしれない。しかし今回、北朝鮮から非核化に向けた具体的な約束を何一つ獲得できなかった様相から、この二つは外交的意義の点では似て非なる政治イベントと言えそうだ。 トランプ氏は正恩氏との会談の成功を早速広言したとはいえ、2人が署名した「シンガポール共同声明」はほとんどが、北朝鮮が歴代の米政権に対して守れなかった約束の焼き直しにすぎない、と専門家は断定した。 そうなるとトランプ氏が国際社会もしくは米国内で政治的な追い風を受け続けるには、次回以降の北朝鮮との交渉で、同氏が「非常に迅速に始まる」と大見得を切った非核化プロセスが、目に見えて進むことを示す必要があるだろう。 トランプ氏は12日の会談で北朝鮮の長距離核ミサイルから米国を安全にするという面で何か成果を得たわけではないが、今後国内で北朝鮮を外交交渉の席に引っ張り出したことが、「米国第一」政策の一環として国土を守る仕事をしている証拠だとアピールする公算が大きい。 与党の共和党も11月の中間選挙をにらみ、有権者に首脳会談成功を売り込むとともに、このまま同党に多数派を維持する方が得策だと訴える可能性がある。 それでも多くの専門家は、正恩氏が核武装を放棄するのは疑わしいと考えている。 米シンクタンク「ファウンデーション・フォー・ディフェンス・オブ・デモクラシーズ」のアンソニー・ルギエロ上席研究員は「残念ながら、正恩氏が核武装を放棄するという戦略的決断を下したかどうかは不明だし、今後の交渉が非核化という最終目標につながるかも分からない」と語り、今回の動きは目立った進展がなかった10年前の交渉の再現を思わせるとの見方を示した。 <なし崩しの懸念> トランプ氏と正恩氏が約束した朝鮮半島の「完全な非核化」については、北朝鮮側が米政府の核武装解除の定義を受け入れたわけではないとの解釈が広がっている。 かつて米政府当局者として北朝鮮との外交交渉を担当したエバンス・リビア氏は「共同声明には重要な要素がほぼゼロで、新鮮味にも乏しい。願望込みの目標が列挙されている。これは北朝鮮にとって勝利で、何の意義も生み出さなかったと見受けられる」と手厳しい。 トランプ氏はツイッターで、大統領が北朝鮮トップと会談すること自体が米国にとって大損だという主張を「負け犬の遠吠え」になぞらえた。また同氏は、会談後の記者会見で「正恩氏が本気で非核化を望んでいると思う」と述べ、北朝鮮側の主要な要求である米韓合同軍事演習の中止にも前向きな姿勢を表明した。 ただ直近の3代の大統領はいずれも北朝鮮から非核化の約束を得たが、すべて反故にされてきた。 専門家の間でも、今回の首脳会談は、1972年にニクソン大統領が中国を訪れて長年にわたる米中対立の打開に道を開いた動きには、到底及ばないとの声が聞かれる。 トランプ氏の主張では、北朝鮮が非核化に実際に取り組むまで米国は制裁を続けることになる。だが緊張が緩和されることで、中国と韓国は北朝鮮に約束を確実に守らせる上で不可欠な制裁措置を完全に履行し続けそうにない。 今年に入って米国務省の対北朝鮮交渉担当者を辞めたジョセフ・ユン氏は、北朝鮮が近く「米国がわが友人であるなら、制裁を緩めてくれても良いではないか」と言い出し、非核化プロセスの枠組みそのものがなし崩しになってしまう事態を懸念している。 (Matt Spetalnick、David Brunnstrom記者) ーーー ★ まさか非核化費用のツケを日韓に回すとは!...「段階的廃棄」もあっさり認めてしまった… 「東洋経済(2018年06月13日)」より ★ 「朝鮮戦争終結も協議した」 トランプ氏の発言全文・・・米朝首脳会談に関し 「日本経済新聞(2018/6/2 13 08)」より / トランプ米大統領の米朝首脳会談に関する発言の全文は次の通り。 「会談はとてもうまくいった。(金正恩委員長と)6月12日にシンガポールで会う。今はお互いのことをよく知ろうとしている段階だ。マイク(・ポンペオ米国務長官)が2日間取り組んできた。我々は相手のことをよく知ることができた。あなたたちも出張することになる。6月12日にシンガポールにいなければいけないからだ」 「これはプロセスだ。1回の会合で済むとは決していわない。だが関係はできつつある。重要な進歩だ」 ――北朝鮮は一気に非核化を進めようとしているのか。 「私は北朝鮮が非核化を望んでいると思う。その過程では他のことも実現したいと思っている。国として発展したいと思っている。これは実現できると思う。疑いはない。日本も関与し、韓国も深く関係している。米国はすべてを実現するために関わっている。みんなが米国に関わることを希望している。だから(北朝鮮との交渉を)手伝っているのだ。米国なしでは実現はなかった」 「たくさんの成果があったと思う。中国もそうだ。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はこの件に関していろいろと助けてくれて多くの成果があったと思う。今後の進展に期待しよう」 「我々は6月12日にシンガポールに行く。それは始まりにすぎない。1回の会合で成果があるとは決して言っていない」 「多くの国の間に長年にわたる敵対心や問題、嫌悪感がある。だが最終的にはとても良い結果をもたらすと思う。1回の会談からではなく(複数回の会談を通じて)多くの良いことがある」 ――先週、金委員長への手紙で彼の誠実さに疑問を持っていた。疑問はなくなったのか。 「私の手紙は北朝鮮からの手紙に答えたものだ。メディアはそのことを忘れていた。メディアは『会談の計画があった。私はそれをキャンセルした』という。私は会談をキャンセルしていない。北朝鮮側の厳しい声明に反応して会談を取りやめたのだ。私はもう機会は完全に失われたと思っていた。だが今からディールを始める」 「12日に金委員長に会う。とてもうまくいくと思う。最終的には取り組み全体もうまくいくと思う。今後に期待しよう」 「私の言ったことを覚えておいてほしい。今後の成り行きを注視するが首脳会談は開くのに値する過程になるだろう。それは重要なことだ。もし会談がなければそれは大きな間違えだ。関係を築けると思う。6月12日から始めよう」 ――12日の会談で何を達成できるのか。なぜ北朝鮮が非核化に前向きだと考えるのか。 「(金英哲・党副委員長との)会談は良かった。この会談で金委員長からの書簡を受け取ったことを思い出してほしい。しかも良い書簡だった。何が書いてあったか見てみたいと思うか」 ――教えてほしい。 「(私が教えるのに)いくら払うのか。いくら払うのか。いくら払うのか」 ――部分的にでも教えてほしい。 「とても興味深い書簡だった。いつか、たぶん、適切なときに渡せるだろう。おそらく公開できるだろう。近い時期かもしれない。書簡を渡すだけのはずの面会が結果的には2時間の会談に発展した」 ――なぜそんなに会合が延びたのか。 「話題が興味深いと感じたからだ。彼らが本気で前進したいと思っていると感じたからでもある。可能であれば我々もそうしたいと思っている」 ――北朝鮮側は何を要望したのか。 「我々がやることの全容は6月12日に分かる。何が起きるか見てみよう。彼らはマイクはとてもうまくやった。これはとても興味深いことだ。会談は単なる書簡の受け取りだったが最終的に北朝鮮で2番目の権力者と2時間の会談になった」 ――在韓米軍の規模に関して議論したのか。 「我々はほぼ全てのことについて話した。たくさん話した。経済制裁についても触れた」 ――金委員長とは直接話していないのか。 「それに関しては言及を控える」 ――北朝鮮は完全で検証可能かつ不可逆的な非核化に合意したのか。 「多くのことに関して話し合った。その中で最も大切なことは6月12日に会談するということだ。だがこれは過程だ。6月12日に過去にない署名をするようなことはない。取り組みを始めるだけだ。私は金英哲氏らに(非核化は)ゆっくりやっても良いと伝えた。早くもできるしゆっくりもできる。ただ北朝鮮はなにかが動きだしたことを感じたいと思っていると思う。それがうまくいけば良い。その取り組みは6月12日にシンガポールで始まる」 ――金委員長は非核化に本気だと考えているのか。 「そう思う。金委員長もそうなった場合に何が起きるのかみてみたいと思っている。彼は注意深い。彼がそそくさとかけだして対応することはない。だが、私は金英哲氏に『正直に言おう。我々は経済制裁を科している。とても強い制裁だ。君たちが行動するまで経済制裁を解除することはない。経済制裁がどのぐらい強力なのかはあなた方が知っているはずだ』と伝えた。ある時点で経済制裁を解除できる日を楽しみにしている」 ――(拉致問題などを含めた)人権問題に関して議論したのか。 「話していない」 ――首脳会談では協議するのか。 「ありうる。おそらく取り上げて詳細について話すだろう。きょうは人権問題に関して議論しなかった」 ――北朝鮮は制裁緩和を求めたのか。 「議論した。彼らは制裁に関して要望をしてきた」 ――最大の圧力を加える制裁は終わったのか。 「いまのまま続く。ただ『最大の圧力』という言葉はもう使いたくない。我々はうまくやっているからだ。良好な関係が視野に入ってきた」 「最大の圧力(の実行)に変更はない。現状のままだ。どこかの時点でディールをしたいと思う」 ――今日の会談を踏まえて現在の米朝関係をどうとらえているのか。 「良いと思う。たしかに米国と他国の関係のようにはいかない。ただ米朝関係がこんなに良好だったことは長年なかった。オバマ前政権では全く関係がなかった、なにもなかった。なにもなし遂げなかった」 「この問題は私が取り組むべきではなかった。もっと早く解決すべきだった。(北朝鮮の核問題は)重大な局面まできてしまった。オバマ前大統領だけではなく、その前の大統領たちもこの問題を解決すべきだった。いまでなくもっと前に解決すべきだった」 ――12日の首脳会談で北朝鮮に経済支援を約束するのか。 「米国が資金提供することはないと思う。韓国がすると思う。正直にいうと中国も支援すると思う。日本もすると思う。米国が多額の資金支援をすることはないと思う。北朝鮮は3人の米国人の人質を抱えていた。私が人質1人あたりにいくら使ったと思うのか」 「米国は(北朝鮮から)とても遠い。日中韓は近い。隣国だ。我々は6000マイルも離れている。日韓には(支援を)準備するように伝えた」 「日中韓は何かいいことが起きるのを楽しみにしている。日本はそうだ。韓国もそうだ。中国も同様だと思う。彼らは隣国だ。米国はそうではない」 ――ロシアのラブロフ外相と金委員長の会談に懸念を昨日は示していた。 「そうだ。好ましくない」。 ――その考えはきょうも変わらないのか。 「好ましくない。ただこれはポジティブとも言える。ロシアが昨日、会談したことは良いと言えない。『目的は何なのか』と思った。しかし肯定的な会談だったかもしれない。もし肯定的な会談なら良いことだ。そうでなければとても満足できない」 ――12日の首脳会談で朝鮮戦争を終結する考えはあるのか。 「可能かもしれない。それについて(金英哲氏と)話し合った」 ――詳細を教えてほしい。 「我々は戦争を終結することについて話し合った。この戦争はずっと続いている。70年間も続いている。文書に署名するような大事なものだ。歴史的に非常に重要なことだがどうなるだろうか。朝鮮戦争の終結について協議した。朝鮮戦争の終結を議論するなんて信じられないだろう。70年間も続いたのだから」 ――朝鮮戦争の終結に関する文書は準備済みなのか。 「首脳会談前に議論する。会談の結果、そうしたものが出てくるかもしれない」 ――朝鮮戦争の終結に関して中国の位置づけをどう考えているのか。 「中国は前向きな結果を望んでいるはずだ。私は習主席と良い関係にある。良い人だ。中国を愛している。ただ彼は中国にとって最善のことをする。中国と習主席は米朝会談で何か起こることを望んでいると思う」 ――金委員長の体制保証をどう実現するのか。 「保証できるようにしっかりと確認する。戦争が終結したらそれは完全な終わりだ。二度と始まらない」 「北朝鮮は立派な国になる可能性がある。韓国もそれを援助するだろうし、日本も大いに援助するだろう。中国も大いに手助けするだろう」 ――昨年11月のソウルでの講演で北朝鮮が望むなら近代国家に加われるという非常に明るい約束をしていた。 「そうだ。それはうまくいくだろう。どうなるか見てみよう」 ――2回目や3回目の首脳会談の日程についても議論したのか。 「12日以外にも首脳会談はあるだろうと伝えた。でも数時間の会談で突然すべてが決まるというのはすばらしいとは言えないだろう。そうなるとは思わない。時間をかけてどうなるか見てみよう」 「私は『(非核化は)ゆっくりで良い』と伝えた。『制裁は続くがゆっくりで良い』と伝えた」 「多くの追加制裁のメニューがある。ただ金英哲氏は尋ねなかったが私は対話が決裂するまでは発動しないと伝えた。良い対話をしているのに発動するのはおかしい」 ――12日はお互いを知り合うだけの会談になるのか。 「お互いを知り合うというだけでなく、追加できるものもあるだろう。それはとてもポジティブなものだ」 ――金委員長の書簡に対して返信したのか。 「していない。まだ書簡を見ていない。意図的に書簡を開けなかった。金英哲氏の前では開けなかった。『いま開けてほしいか』と聞いたら『後でどうぞ』と言われた。大きなサプライズがあるかもしれないな」 ■ 軍事ジャーナル【5月28日号】米朝会談の行方 「鍛冶俊樹の軍事ジャーナル(2018.5.28)」より / 一旦は中止と宣言された米朝首脳会談は再び実施の方向で動き出した。米朝の取引外交にマスコミが振り回されるのは、時々刻々の事象を報道するのがマスコミの責務であるから仕方がないが、ここで力量を問われたのは有識者の見識であろう。 例えば元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、一旦中止と宣告された25日にツイッターでこう述べた。 「米朝会談の中止は米国大統領が会談の結果として北の核放棄を実施させることはできないと判断したからであろう。会談に応じたが何ら成果が得られないのではアメリカのメンツは丸つぶれになる。ロシアや中国は初めからそれを狙っていたのではないかと思う。北の核放棄はないと我が国も腹を固めた方がよい」 だが、翌日にはトランプは会談実施の可能性を示唆した。駆け引きの一環としてのブラフを本決まりと即断したのは、完全な読み違えである。 これに対して 特定失踪者問題調査会の代表、荒木和博氏は25日のメルマガで 「トランプ大統領の米朝首脳会談中止通告が新聞の1面を飾っています。まあ、まだまだ二転三転するでしょう。あるいは七転八倒か。外交もまた戦争です。」 www.chosa-kai.jp/ まさに、その後二転三転した訳で、見事な見識を示している。田母神氏は公職選挙法違反の裁判中の身であり、国際情勢の分析どころではないのかもしれないが、同じ空自出身者として些か恥ずかしい。 本誌が前号すなわち5月11日号「習近平、悪夢のシナリオ」以後、今日まで更新しなかったのは、この号で示した米朝中の関係に基本的に変化がないと判断した為である。とはいえ荒木氏の言うが如く、これから七転八倒が来るかもしれない。 具体的にはロシアの動きである。トランプは3月20日に「近い将来にプーチンと会談する」と表明しているが、いまだ実現を見ていない。3日前にサンクトペテルブルクでの経済フォーラムでプーチン、安倍総理、マクロン仏大統領が一堂に会した。 安倍総理とマクロンは今やトランプ外交の指南役として双璧をなしている。韓朝に米国が入って二転三転、これに日中露仏が加わって七転八倒。まだまだ米朝会談の行方は予断を許さない。 ■ トランプが米朝会談中止の大バクチを平気で打てた理由 「DIAMOND-online(2018.5.28)」より 上久保誠人:立命館大学政策科学部教授 / (※mono....前半略、詳細はサイト記事で) 結局、米朝首脳会談は当初の予定通り、シンガポールで6月12日に開催されることになる見込みだ。筆者は、突如首脳会談中止を表明し、相手が慌てたところで「やっぱりやろう」と揺さぶったトランプ大統領に、「ディールの達人」の恐ろしさを見た。そして、金委員長は、完全に逃げ場を失い、「袋小路」に追い込まれた。 「アメリカファースト」のトランプ大統領は既に「ディール(取引)」を終えている トランプ大統領にとって、「朝鮮半島の完全な非核化」や「北東アジアの紛争回避」など、実はどうでもいいことなのではないだろうか。そもそも、トランプ政権が「北朝鮮の核・ミサイル開発問題」に介入し始めたのは、北朝鮮が米国を直接核攻撃できる大陸間弾道弾(ICBM)を持つ可能性が出たからだった(本連載第155回)。 トランプ大統領は、口を開けば「朝鮮半島の完全な非核化」、「拉致問題を解決する」などといろいろ言ってはいるが、実は自国の安全保障のことしか考えていない。北朝鮮が核実験場を爆破して、核弾頭を搭載したICBMを開発できないということを確認した、まさにその日に首脳会談中止を表明したのは、そのことを象徴的に示している。 首脳会談を流すという、既存の政治家には絶対にできない「挑発」は、いかにもトランプ大統領らしい。だが、1つ言えることは、大統領にとって、「完全な非核化」など、所詮「オマケ」に過ぎないということだ。やはり、大統領の行動は、あくまで「アメリカファースト」なのだと、あらためて示したといえる(第170回)。 トランプにとって「完全な非核化」以外に会談実施の意味はない +続き トランプ大統領にとって、米朝首脳会談とはどういう意味を持つのか、もう少し考えてみる必要がある。まず、金委員長が「ICBMの実験中止」を表明し、「核実験場」を爆破したことの持つ意味である。 端的にいえば、北朝鮮が「米国を直接攻撃できる」懸念が消えたことを意味するだろう。つまり、米朝首脳会談の開催前にして、トランプ大統領が本当に欲しいものは、既に手に入ってしまったことになる。 その上、北朝鮮に拘束されていた米国人3人も取り戻し、米国世論にアピールできるオマケも得た。「朝鮮半島の非核化の実現」とは、それができれば「ノーベル平和賞」級の偉大な成果となり、そういう意味での関心はあるだろう。だが、「アメリカファースト」の大統領の本音としては、実現してもしなくても、どちらでもいいこととなる。 一方、この連載で指摘したように、「朝鮮半島の完全な非核化」の実現が「在韓米軍の撤退」を意味することは想定される。だが、これは米国の長期的方針としては既に決定していることであり、その実行のタイミングだけの問題である(第180回・p5)。そういう意味では、トランプ大統領が是が非でも米朝首脳会談をやりたいという動機付けにはなるものではない。 あえていえば、トランプ大統領にとって米朝首脳会談は、デメリットの方が大きいものかもしれない。大統領は「ディールの達人」として名をはせているが、そのイメージが崩れるかもしれないからだ。 例えば、米朝首脳会談の席上で、「ICBMの実験中止」「核施設爆破」を金委員長に宣言させるならば、その他が「段階的核廃絶」など曖昧な決着になったとしても、トランプ大統領が「ビッグディール」を成功させたということになるだろう。だが、金委員長は、既にそれを宣言し、実行してしまったのだ。そうなると、首脳会談で話し合うことは「朝鮮半島の完全な非核化」のみとなってしまう。 言い換えれば、トランプ大統領にとって、首脳会談での「ディール」の成功を示すものは、「朝鮮半島の完全な非核化の実現」だけになってしまった。だが、それは北朝鮮にとって簡単に飲めることではなく、実現は難しい。そうかといって、北朝鮮が望む「段階的非核化」を大統領が認めたら、それは単なる妥協ということになる。大統領のタフなイメージが壊れるだけである。 それでは、首脳会談の席上でガチンコで「完全な非核化」で揉めて決裂したら、どうなるか。あまりにその衝撃は大きすぎる。「ディールの達人」というトランプ大統領の評価が完全崩壊するだけでなく、北朝鮮がブチ切れて「最悪の事態」を招くリスクもある。 要するに、金委員長が「ICBMの実験中止」「核施設爆破」というカードを先に切ってしまったことで、トランプ大統領にとって、米朝首脳会談で「ディール」を成功させるハードルが一挙に「完全非核化」に上がってしまったのだ。しかし、大統領は既に得るものを得てしまっているので、米朝首脳会談をやる意味が希薄になっていた。 それにもかかわらず、金委員長はいささか調子に乗ったのか、首脳会談での「ディール」の「落としどころ」は「段階的核廃絶」だと、楽観的に考えていたのだろう。部下に米国を「挑発」するような、軽はずみな言動を繰り返させてしまった。 また、金委員長と米国の「仲介役」を務めてきた韓国の文大統領や、金委員長の「後ろ盾」である中国の習近平国家主席も、同じように楽観的に構えているようであった。 トランプ大統領からすれば、それは許せないということになったのだろう。そこで、「完全非核化を北朝鮮が飲まないのであれば、別に米朝首脳会談など無理にやる必要などないのだ。それで北朝鮮が逆ギレするなら、軍隊を出して簡単に叩き潰すぞ」という脅しをかけた。 トランプ大統領は、金委員長や、韓国、中国に「俺は圧倒的に強い立場にあるのだぞ。それを忘れるなよ」ということを、強く知らしめたかったのではないだろうか。 金正恩も事実上の「核保有国」となるために会談を回避したほうがいいと考えるか? 一方、金委員長の立場から見れば、事前に大統領に対してカードを切りすぎたことは大失敗だったように見える。米朝首脳会談を通じて、トランプ大統領から「体制維持の確約」を得て、「段階的核廃絶」を約束することで事実上の「核保有国」になれればよかったのに、トランプ大統領の「アメリカファースト」を読み間違えて、自ら首脳会談のハードルを「完全な非核化」に上げてしまったからだ。 金委員長は慌ててトランプ大統領の機嫌を取って、予定通り首脳会談を実施する方向に一応向かってはいる。だが、金委員長は本当にこのまま、首脳会談を行ったほうがいいのだろうか。 そもそも論だが、北朝鮮が目指してきたのは「核保有国」になることだ。それが「体制崩壊」を防ぐ唯一の道だというのは、金委員長の父・金正日氏の「遺訓」であった。金委員長が融和の姿勢を示し、韓国の文大統領との南北首脳会談で「核なき朝鮮半島の実現」を約束したが、それは本気ではないはずだ。 本音は「段階的非核化」という曖昧な着地点を勝ち得て、実質的に「核保有国」になることが目標だったはずだ。だが、既に欲しいものを手に入れてしまい、あわよくば「ノーベル平和賞」でも取れれば儲けものくらいに考えて、思い切り「ディール」のハードルを上げてきたトランプ大統領と、どう渡り合ったらいいのだろう。金委員長は、これから非常に頭を痛めるはずだ。 それならば、むしろ米朝首脳会談を流したほうがいいという判断はあり得るだろう。そうすれば、「朝鮮半島の完全な非核化」は議論する場がなくなり、中距離核ミサイルは日本に向けてズラリと並んだままとなり、北朝鮮は実質的に「核保有国」となることができる。そして、中国、ロシア、韓国も、本音では北朝鮮が核保有国となることは悪いことではないと思っている(第166回)。 米国は、「アメリカファースト」なので、ICBMさえ持たなければ、北朝鮮を攻撃することに関心は持たないだろう(第155回)。もちろん、米国はいまや「世界の暴力団」なので、トランプ大統領を怒らせたら何をされるかわからない(第181回)。ただ、たとえ首脳会談が流れても、北朝鮮は自ら「段階的核廃絶を行っていく」と宣言したりして、慎重にトランプ大統領の機嫌を取っていけばいい。 要するに、トランプ大統領が既に「ディール」で「実」を得たことで強硬姿勢に出たように、今度は金委員長があえて首脳会談を流して、事実上の「核保有国」となる「実」を得ようと、動く可能性があるかもしれない。 「ディールの達人」トランプは、金正恩を完全に「袋小路」に追い込んだ だが、金委員長が米朝首脳会談を流して核保有国になるという「実」を得ることは、相当に難しいかもしれない。それは、トランプ大統領は強硬姿勢を示すことで、韓国の文大統領の首根っこもガッチリと掴んでしまったように思うからだ。 韓国の文大統領は、米朝首脳会談で北朝鮮が「体制維持の保証」と「段階的核廃絶」をトランプ大統領から勝ち取れば、一挙に南北首脳会談で金委員長が求めてきた経済協力を進めるつもりだった。だが、トランプ大統領が米朝首脳会談の「ディール」を、北朝鮮が簡単に飲めない「朝鮮半島の完全な非核化実現」に引き上げたことで、簡単に「ディール」が成立することはなくなり、南北の経済協力を進める思惑は棚上げせざるを得なくなるだろう。 米朝首脳会談が流れれば、北朝鮮は事実上の「核保有国」になれるが、国連の経済制裁は解除されないことになる。金委員長にとって、南北間の経済協力が非常に重要になるが、トランプ大統領を無視して、文大統領が経済協力を進めることは、難しいのではないだろうか。 北朝鮮に対する国連の経済制裁は、非常に効いているとされている。北朝鮮は米朝首脳会談を流して「核保有国」となれても、経済制裁が解除されなければ、早晩行き詰まることになる。かといって、米朝首脳会談を行えば、トランプ大統領から「完全な非核化」を強く要求されることになる。 金委員長は、結局経験不足だったのだろうか。軽率にも首脳会談の前に、トランプ大統領の欲しいものを渡してしまった。結果、米朝首脳会談は「退くも地獄、進むも地獄」となってしまった。「ディールの達人」トランプ大統領は、完全に金委員長を袋小路に追い込んだように見える。 (立命館大学政策科学部教授 上久保誠人) ■ <山本太郎>米国の植民地は日本たった1カ国、世界中で!と発表したようなもの!安倍首相がトランプ氏の米 「運気上々(2018/05/28 19 19 )」より / (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ★ 文大統領が米朝首脳会談参加の可能性=韓国大統領府 「BBC-news(2018年05月28日)」より / 韓国の青瓦台(大統領府)は28日、開催への努力が続けられている米朝首脳会談に文在寅(ムン・ジェイン)大統領も参加する可能性があると明らかにした。 青瓦台は、文大統領が実際に参加するのかどうかは、米国と北朝鮮の間で現在進められている準備協議の進展によるとしている。 ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の歴史的な首脳会談は、来月12日にシンガポールでの開催が予定されている。 ーーー ★ 日米首脳が電話 「米朝前に会談」で一致 「日本経済新聞(2018年05月28日 23時46分)」より / 安倍晋三首相は28日夜、トランプ米大統領と電話で約30分協議し、6月12日のシンガポールでの開催で調整が進む米朝首脳会談の前に、日米首脳会談を開くことで一致した。北朝鮮の非核化実現に向けて「米朝首脳会談が意義あるものとなるように協力していく」との方針も確認した。首相は日本人拉致問題について「解決が絶対に必要だ」と伝え、改めて協力を要請した。 両首脳の電話は今月10日以来。両首脳は6月8日からカナダで開く主要国首脳会議(シャルルボワ・サミット)で会談する見通し。日本政府内にはサミット前後に首相が訪米する構想もある。北朝鮮情勢を巡る緊密な連携をアピールする狙いだ。 首相は電話協議後、首相公邸前で、米朝首脳会談に向けて「認識を共有し、共通の方針のもと」で協力していくと強調した。日米両首脳は北朝鮮に「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」を求めていく考えだ。トランプ氏は電話で、米朝首脳会談の調整状況などを説明した。 拉致問題では、首相は28日に拉致被害者家族と面会したことをトランプ氏に伝え、米朝首脳会談でも拉致問題を取り上げるよう求めた。 トランプ氏は米朝首脳会談の前提として北朝鮮に「完全な非核化」を求めている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長も韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との26日の会談で「完全な非核化」の意思を示しているが、米朝双方の認識の溝は大きい。 米側は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」を求めているが、北朝鮮側は段階的な非核化とその見返りとしての体制保証を要求している。日米両国は、北朝鮮が完全に非核化しない限り、経済制裁などの圧力を続ける方針を確認している。 ★■ 金正恩氏が実力過信し外交『惨敗』か トランプ氏の会談中止通告を受け文在寅氏と会談 「デイリーNKジャパン[Nifty](2018.5.29)」より / 金正恩外交は「すでに惨敗」している…自分の実力を過信か 5月26日は、金正恩党委員長の外交戦術が「惨敗した日」として歴史に刻み込まれるだろう。 トランプ米大統領が24日に米朝首脳会談の中止を通告したことを受けて、金正恩氏は26日、電撃的に韓国の文在寅大統領と2回目の首脳会談を行った。朝鮮中央通信によると、金正恩氏は「6月12日に予定されている朝米首脳会談のために多くの努力を傾けてきた文在寅大統領の労苦に謝意を表して歴史的な朝米首脳会談に対する確固たる意志を披れきした」という。 「確固たる意思」とは、なんとしてでも米朝首脳会談を行いたいという、いわばトランプ氏に対するラブコールだ。北朝鮮の最高指導者がここまで下手に出るのは極めて異例である。 今年1月からの対話姿勢を前面に出した金正恩外交は、半年もたたずに敗北を喫したといっていい。 ただし、この敗北は自滅でもある。トランプ氏が会談中止を通告した理由の一つとして挙げられるのが、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官が24日に発表した談話だ。崔次官は談話の中で、「われわれは米国に対話を哀願しないし、米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めないであろう」と断言しながら米国を非難した。これが米国に「怒りとあからさまな敵意」として捉えられた。 これに先立ち、北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官は16日、米国が非核化のハードルを高め過ぎれば「われわれはそのような対話にこれ以上興味を持たず、近づく朝米首脳会談に応じるかを再考慮するしかない」とする談話を発表。対北朝鮮強硬派として知られるボルトン米国家安全保障担当大統領補佐官に対して「拒否感を隠さない」と不快感を強調した。 北朝鮮は、トランプ氏が米朝首脳会談に前向きな姿勢を示してから、米国に対する露骨な非難を控えていた。ここに来ていきなり態度を変えた理由として考えられるものが2つある。ひとつは、米国が非核化の要求レベルを吊り上げたこと。そしてもうひとつが、中国との関係改善や南北首脳会談を通じて、金正恩氏が自らの外交手腕を過信してしまったことだ。 金正恩氏は3月26日、電撃的に習近平国家主席と会談を持った。百戦錬磨の習氏を前に、首脳会談デビューの金正恩氏は、まるで借りてきた猫のように大人しく、指導者としての格の違いを見せつけられた。それでも会談自体は概ね成功したといえる。 金正恩氏は4月27日、文在寅氏との南北首脳会談を経て、今月9日には習氏と2回目の会談を行った。わずか2ヶ月の短期間で3回もの首脳会談を持ったことで、金正恩氏は相当ストレスをもっただろう。そうでなくても、国内では頻繁に現地指導で地方を訪れているが、特殊な動線の問題から多大なストレスを強いられており、とりわけトイレ問題は深刻だとされる。 金正恩氏が、精神的に厳しい時間を過ごしていることは想像に難くない。とはいえ、金正恩氏はその最大にして数少ない武器の一つである若さ(34歳)で3度の首脳会談を乗り切った。まだまだ未熟さは見え隠れするが、端から見ても、最初に比べその振る舞いは堂に入りつつあるようだ。本人も手応えを感じていただろう。こうした中、金正恩氏は中国との関係改善に自信を持ち、米国にも強気に出られるのではないかと思い込んだのではなかろうか。 実際、北朝鮮が米韓に対して高飛車な姿勢を打ち出し始めるのは習氏との2回目の会談直後からだ。今月16日には、米韓合同軍事演習を理由に南北高位級会談をいきなり中止した。それに続き、北朝鮮外交のキーパーソンである2人、金桂冠氏と崔善姫氏が米国に対して強硬姿勢を打ち出したのだ。 金正恩氏は米朝首脳会談前に、うまく中国との関係を改善できたことで、自分の外交手腕に自信をもった。そして韓国の仲介がなくても米国に対して強気な姿勢で臨めると思った──ひらたく言えば「調子に乗ってしまった」というやつだ。 しかし、今回ばかりは相手が悪かった。これまでの米国の指導者なら、歴史的な会談の実現を優先して譲歩したのかもしれない。しかし交渉上手を自認するトランプ氏は、会談中止を表明して金正恩氏を無慈悲に突き放した。これに金正恩氏は相当なショックを受け、焦りを感じただろう。翌25日に、即座に外務次官の談話を発表したが、その中身は言い訳に終始している。 いきなり劣勢に追い込まれた金正恩氏は26日に急きょ、文在寅氏との首脳会談を持ち、「米朝会談の実現に確固たる意思」を表明した。もはや、会談を強く望んでいるのは金正恩氏であり、トランプ氏が「会ってやる」という構図ができあがった。 この間、金正恩氏の外交手腕は「したたか」「交渉上手」と評価されてきた。筆者も金正恩氏が合理的で実利的な一面を持っていることは認める。しかし、トランプ氏という型破りな人物に対して、金正恩氏の交渉術は通用しなかった。金正恩氏はたった2ヶ月で経験不足を露呈し、最初にして最大の大惨敗を喫してしまったのだ。 ーーー ★ 正恩氏“悪あがき” 文氏と組んで『非核化条件』小出しに 米は「イエス」か「ノー」のみ 「zakzak(2018.5.29)」より / 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、悪あがきをしている。ドナルド・トランプ米大統領の「米朝首脳会談(6月12日)打ち切り通告」におびえ、とりなしを求めて韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談に踏み切りながら、条件を小出しにしているのだ。米国の求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」や「拉致問題解決」に応じない限り、正恩氏に明るい未来はない。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ★ 外交官の代わりに情報機関 トランプ大統領のために「世界最高の合意」のための場所を準備する米朝 「Sputnik(アップデート 2018年04月11日 21 55)」より / 米国と北朝鮮は、5月に予定されているトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談の開催場所を選んでいる。驚くべき事実は、交渉における重要な役割を、米国側からは国務省ではなく、中央情報局(CIA)が担っていることだ。CNNが報じた。CNNによると、米朝両国の情報機関職員はすでに数回にわたって秘密協議を行っている。 今後の交渉を担当するのはトランプ米大統領に新国務長官として指名されたマイク・ポンペオCIA元長官。外交官の役割を情報機関の職員が務めていることは、今後の協議に策動を加えるだけだ。 なお米上院外交委員会は4月12日にポンペオ氏の国務長官への指名承認に関する公聴会を行う。これも交渉プロセスにとって重要だ。ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ主任研究員はこのような見方を表し、次のように語っている- +続き 「会談に向けた事前準備は部外者にはわからないように行われているが、誰が新国務長官になるか、そしてその人物が北朝鮮に対してどのような意見を持っているかが考慮されている。しかし、秘密協議が行われているという事実について、朝鮮半島問題で飛躍的な進展が起こる証拠だというにはあまりにも時期尚早だ。すべてが変わる可能性があるため、これはまだ重要ニュースには至っていない。これがセンセーションとなるのは、交渉プロセスで何らかの具体的なことが起こったときだ。現時点では情報騒ぎの一部にすぎない。米国は自分たちが何かをしていることを示そうとしており、ニュースがトップニュースで報じられるように仕向けている。」 プロセスが停滞から動き出したことにおいて重要な役割を演じたのが韓国だ。当初は、すべてを決めるのは米国であり、韓国は何も影響を与えないかに思われた。なぜなら北朝鮮関係で韓国指導部は常に米国の政策方針におとなしく従ってきたからだ。だが結果的にこの韓国が北朝鮮と2007年以来となる南北首脳会談の実施について合意した。ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮モンゴル課のアレクサンドル・ヴォロンツォフ課長はこのように指摘し、次のように語っている- 「最近韓国で開かれたオリンピックが韓国にとって大きな助けとなった。米国は当初、南北の接近に断固反対していた。だが世界のオリンピック休戦がその役割を完全に果たした。その後、韓国特使団は北朝鮮での会談に関する報告書を持って米国を訪れ、会談結果についてトランプ大統領に直接報告した。トランプ大統領はその報告が気に入った。そしてその時、トランプ氏は金正恩氏と個人的に会う可能性を開いた。米国人は自分たちのアプローチを見直さなければならなくなった。彼らは和平プロセスが自分たちのシナリオで展開し始めるのではなく、プロセスに対する制御を失う可能性が高いことを理解した。情報機関が加わったという事実は予期せぬものであり、情報機関職員がサミットの主催者であることは稀だ。また起こっていることはすべて実際に外交官には秘密にされている。両国の情報機関が準備作業をどれだけ上手く行ったかは、間もなくわかるだろう」。 大きな力が注がれているのは、米朝首脳会談の開催場所の選択だ。北朝鮮は平壌での開催を提案しているが、米国がこのような会談を外国で行うことに同意することは恐らくないだろう。だが金氏がワシントンを選ぶことも恐らくないだろう。決定までの時間は、会談実施の願望と同じように、まだある。ヴォロンツォフ氏はこのように強調し、次のように語っている- 「中立的な場所の一つとしてモンゴルの首都ウランバートルが検討されている。スイスも外交活動の中心地としてその役割を果たす用意があることを申し出た。さらに金氏がかつてスイスに留学していたことも知られている。北朝鮮にあるスウェーデン大使館は、長年にわたって北朝鮮で米国の利益を代表する役目を正式に果たしている。またサミットの開催場所候補として、ロシアのウラジオストクも挙がっている。すなわち、仲介役の希望者はたくさんいる」。 なおヴォロンツォフ氏は、トランプ大統領と金氏の会談が行われる場所は、もしそれが頓挫しなければ、恐らく直前に発表されると考えている。今はその時を待ち、金氏と大きな合意を結ぶというトランプ氏の願いが実現するかどうかを見るだけだ。 だが、書面による具体的な合意なしに金氏が核兵器を放棄するというのは、今でもやはり、あまりにも楽観的なシナリオのように思われる。 ■ 米朝首脳会談平壌開催のリスク 「万国時事周覧(2018-04-08 14 19 39)」より / 北朝鮮、平壌で開催希望か=首脳会談めぐり米と秘密接触―CNN 報道に拠りますと、北朝鮮の金正恩委員長は、予定されている米朝首脳会談の開催地について、同国の首都である平壌を提案しているそうです。しかしながら、以下の理由から、トランプ米大統領がこの提案を受け入れるとは思えません。 第1の理由は、アメリカ大統領が北朝鮮の地に足を踏み入れたら最後、暗殺リスクに晒されるからです。北朝鮮は、1983年に全斗煥韓国大統領の暗殺を狙ったラングーン事件を起こすなど、過去においても敵対国の要人の暗殺を企ててきました。一昨年のクアラルンプールでの金正男氏暗殺事件も記憶に新しいところですし、同盟国である韓国においてさえ、マーク・リッパート前米国駐韓大使が危うく暗殺されかけております。朝鮮半島にあっては伝統的に暗殺というテロ的手段が許容されており、こうした国柄を考慮しますと、トランプ大統領の暗殺リスクは十分に考慮されて然るべきです。 第2の理由は、米朝首脳会談の交渉にあって、トランプ大統領の生命が対米脅迫材料となることです。北朝鮮国内にアメリカ大統領の身柄がある限り、北朝鮮は、その生殺与奪の権を握ったに等しい有利な立場に自らを置くことができます。金正恩委員長は、米国大統領を人質として、自らの要求をアメリカに側に呑ませるために、“命が惜しければ、○○せよ”と大統領自身や米国政府に迫る可能性も否定はできないのです。 第3に挙げられる点は、米朝首脳会談が不調に終わり、決定的な決裂を迎えた際に起き得る不測の事態です。 (※mono....以下略) / 第4に指摘し得る点は、歴代中華帝国との間で冊封関係を結んでいた朝鮮半島の認識では、訪問する側であるアメリカが格下として位置付けられるリスクです。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) 【米朝関係】 ■ ボルトン元米国連大使、「北朝鮮との会談は時間の無駄」 「社会科学上の不満(2018-03-30 00 00 56)」より / 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領の国家安全保障問題担当補佐官に就任するボルトン元国連大使は米政府系放送「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)とのインタビューに応じた。ボルトン氏は、5月末までに実施予定の米朝首脳会談について「真の目的は北朝鮮の非核化であるべきだ」と述べた上で、「もし北朝鮮が(非核化に向けた)真剣な議論をする用意がないのであれば、会談は極めて短時間で終わるだろう」と警告した。 インタビューはボルトン氏が補佐官に指名される前の19日に行われ、RFAが23日に内容を公開した。 ボルトン氏は、北朝鮮に対する軍事攻撃について「好ましくないし、誰も望んでいない」としつつ、「北朝鮮に核兵器を持たせたままにするのも誤りだ」と強調。米朝首脳会談の見通しについては「北朝鮮はこの25年間、約束を破り続けてきた。彼らが(非核化に)真剣なのかは疑わしい」との見方を示した。 また、「北朝鮮はこれまで、交渉を核・弾道ミサイル開発の隠れみのに使ってきた。同じ策略に再びはまってはならない」と指摘。2003年にリビアのカダフィ旧体制に完全核放棄を受け入れさせたときと同様に、北朝鮮の核開発に関する全ての機器や資材を米政府が接収することを北朝鮮に認めさせるべきだと強調し、「それができないのであれば、会談は時間の無駄だ」と語った。 2018.3.24 10 45 産経ニュース http //www.sankei.com/world/news/180324/wor1803240028-n1.html 流石ボルトン氏、その通り時間の無駄である。北朝鮮に時間を与えたが故にミサイルや核の脅威が顕在化して来た事実がある。 これ米国民主党政権のつまりオバマ元大統領の失政の故である。 口だけの凍結や放棄なんて、戦争回避しても危機の先送りに過ぎないって アメリカも気づいただろう。との書き込みが秀逸であり全て。 北朝鮮より先に韓国に制裁するのが効果的wとの書き込みに座布団1枚。 朝鮮民族に世界が辟易しているが日本のマスゴミはその事を報じない、何故か?お察しを。 コリア狩が世界的に流行っている事がその証左でもある。勿論日本のマスゴミは、この件について「報道しない『自由』」を行使中である。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) 【中韓関係】 ■ 韓国、「米朝仲介」真相は米の地下工作が北朝鮮を引き寄せた 「勝又壽良の経済時評(2018-03-19 05 00 00)」より / 蚊帳の外に置かれた中国 清国時代の意識で振舞う 米朝首脳会談は、5月末までに行なわれるという。ここに至るまでのプロセスが謎だ。3月8日午後5時過ぎ米ホワイトハウスで、韓国の鄭義溶国家安保室長は北朝鮮の金正恩労働党委員長による米朝首脳会談提案を伝えた。すると同時に、トランプ大統領は「OK。早期にしようと伝えてほしい」と述べた。 鄭室長が「4月に南北首脳会談が予定されているが…」と話すと、トランプ大統領は突然「4月の同時会談」を持ち出したという。 以上のやり取りは、『中央日報』(3月13日付)、「米朝会談、45分で決定、トランプ大統領は45日間の水面下作業か」と題する記事の一節である。この記事は、次のように続ける。 「トランプ大統領はペンス副大統領、ケリー秘書室長、マティス国防長官、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)の方を見つめて、『どうだ、私が言った通りにそうなっただろう』と誇らしげに語った」のだ。 前記の、トランプ氏の発言から窺えるように、ホワイトハウスはCIAを通じて、北と地下で連絡し合っていたと見られる。前記の『中央日報』記事は、次のように報じた。 (※mono....中略、詳細はサイト記事で) / 文大統領の発言では、前述のように米ホワイトハウスが北朝鮮と地下工作をしていた事実を全く知らされていないことが分る。米朝首脳会談が成功して、北の核もミサイルも放棄されればこれに超したことはない。ただ、米朝会談の先行きは楽観も悲観もできず、米朝が「地下ルート」を持っていたことに一縷の望みをつなぐほかない。 実は、今回の米朝会談の準備において、中国が完全に「蚊帳の外」にあったことが注目される。次の記事でそれが読み取れる 蚊帳の外に置かれた中国 『朝鮮日報』(3月12日付)は、「過去最悪の中朝関係、韓国から北朝鮮情報を入手する中国」と題する記事を掲載した。 http //www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/03/12/2018031202774.html?ent_rank_news 中朝関係の悪化は、習氏が国家主席に就任してからだ。この間の事情については、私のブログで詳細に取り上げてきた。これまで、北を支援してきた江沢民一派は、北に膨大な鉱物資源の利権を握っていた。それを媒介に、中朝は密接な関係を築いたのだ。初期の核やミサイルの技術は中国提供である。江沢民一派は、習氏の「反腐敗闘争」により一掃されてしまい、金正恩氏にとって習氏が敵役になっている。だから、昨年11月の北朝鮮労働新聞では大々的な「中国批判」を展開した。もはや、中朝の関係修復は不可能な状態である。 中朝関係悪化を背景に、北が米国へ接近したとすれば、ごく自然な道行きである。かつて、中ソが争っていたが現在は、中朝関係が抜き差しならぬ事態に入っている。まさに、「骨肉の争い」である。こうなると、「他人同士」の話し合いの方がスムースにいくものだ。米朝が、地下で結びついていたとしてもなんら不思議はない。 (※mono....中略) / 北がこれまで、ミサイルや核の実験を行なった背景には、習近平氏を困らせるという明白な意図が感じられた。北は江沢民一派と連携しており、江戸(北京)の敵を長崎(平壌)で討つという趣が強かった。それほど、江沢民一派と金ファミリーの関係は深いのだ。ここで、北には絶対に座視できぬ事態が起こった。習氏が、「終身国家主席」になれば、もはや中国との「復縁」はあり得ないのだ。北が、米国を頼って接近した裏事情は、おぼろげながらも浮かび上がるであろう。 (※mono....中略) / ここで、韓国は重大な点に気づくべきであろう。米朝関係は、これから吉と出るか凶と出るかは分らない。一つだけはっきりしている点は、中朝関係は修復不可能ということだ。かつて中ソが、修復不可能な事態に陥った実例を考えれば理解できるはずだ。となれば、韓国の対中外交を見直す絶好の機会が訪れている。中国から朝貢国扱いされており、「一人前」 に遇して貰えないのだ。この際、過去のしがらみを捨てて、北のように「堂々」と振る舞うことである。韓国が絶えず、中国の視線を気にしてビクビクしているのだ。独立国家として恥ずかしい限りである。 清国時代の意識で振舞う 『中央日報』(3月13日付)は、「中国習氏、韓国特使と面談した上座に、また外交欠礼論争」と題する記事を掲載した。 http //japanese.joins.com/article/486/239486.html ① 「韓国大統領の特使として訪中した鄭義溶国家安保室長は、習近平国家主席と面談した際、中国が席順で再び外交的な礼を欠いたとして、韓国メディアで「欠礼論争」を呼んでいる。「3月12日午後、北京人民大会堂で行われた面談で、習主席はテーブルの中央上座についた。鄭室長は習主席よりも格が落ちる下座につき、外見上、習主席主宰の業務会議に参加したような格好になった。これは昨年5月、李海チャン(イ・ヘチャン)元首相が特使として訪中した時と同じ席順である。当時は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系問題で韓中間に葛藤があった時だったので、習主席が韓国の大統領を故意に冷遇したという指摘が出ていた」 (※mono....中略) / デイビッド・シャンボー教授の中国論は、3月18日のブログで取り上げている。今日は、韓国と中国の関係だけにスポットを当てて論じたい。韓国の「86世代」が抱く「反米・親中朝」論の誤りを的確に指摘しているのだ。印象的な点は、習氏の中国が近代化に背を向けており将来、韓国へ害を与える存在であると強調している。 日本は遣唐使時代(630~894年)、中国の文化・政治・法律と幅広く導入してきた。その意味では、中国の存在は極めて大きいものがある。だが、長い日中の歴史において、日本は中国と疎遠であったときの方が社会は安定していたという指摘がある。例えば、中西輝正著『帝国としての中国』(東洋経済新報社 2004年)がそれだ。江戸時代は中国と没交渉であった。薩摩潘がわずかに、琉球を通じて中国と間接的な貿易をしていた程度である。 シャンボー教授は、韓国に対してできるだけ中国と疎遠になるよう薦めている。これは、習氏の中国が「朝貢国の原理」へ立ち戻り、周辺国を一方的に支配する政治構造になると危惧しているのだ。その片鱗はすでに始まっている。韓国がTHAAD(超高高度ミサイル網)を設置したところ不条理なまでに反対している。韓国の安全保障という防衛権を踏みにじる行動だ。これは、「中国にとって嫌いなことをするな」という一方的な命令である。こういう中国とは疎遠になる方がベストの選択になる。 (※mono....中略) / ここでは、日本やアジア諸国との関係強化が説かれている。THAAD問題で、韓国は今なお中国から経済制裁を受けている身だ。中国の訪韓旅行客は減ったままである。2月の平昌五輪では、中国観光客が前年比40.2%減という締め付けである。4年後の冬期五輪は北京開催である。そういう配慮はゼロという「血も涙もない」圧政国家である。他国のこととは言え、義憤を感じざるをえない。 韓国は今、中国への貿易依存度の引下げに動いている。ASEAN(東南アジア諸国連合)への市場開発では、日本に先を越されており、その差は広がっている。TPP(環太平洋経済連携協定)では、中国に遠慮してオリジナルTPP参加を見送った。いつも、中国の顔色を窺うという独立国にあるまじき行動を取っている。気の毒なほど、中国の存在に気を使っているのだ。 ■ 北朝鮮、「米朝会談」正恩氏実妹・与正氏を特使派遣?「利点は」 「勝又壽良の経済時評(2018-03-17 05 00 00)」より / 金氏が米朝会談を提案した 金与正氏が特使の可能性は 北朝鮮労働党委員長の金正恩氏が、破格的な外交手段で米国トランプ大統領へ会談を申入れた。これまでの「米帝国主義打倒」を叫んでいた本人とは思えない豹変である。それだけに、正恩氏の意図がどこにあるかを巡って、種々の見方が出ている。韓国大統領府は、真剣であると言い、一方では核やミサイル開発の時間稼ぎ、制裁撤廃が目的と甲論乙駁の状態である。 米国も、今度こそは北に騙されない、と慎重な姿勢を崩さない。当然であろう。仮に、北が裏切り行為をしたとなれば、トランプ大統領の直情径行ぶりから見て、そのリアクションは相当なものになろうと見られる。すなわち、有無を言わせない軍事行動開始だ。こうなると、北が米国を「だまし討ち」にするリスクは格別の物となろう。 金氏が米朝会談を提案した 『中央日報』(3月11日付)は、「ホワイトハウス、米朝首脳会談、平壌での開催望まない」と題する記事を掲載した。 http //japanese.joins.com/article/427/239427.html この記事では、北朝鮮が一方的に米国との首脳会談を提案したことが分る。北が何らかの条件をつけて、それに米国が譲歩するという妥協が一切されていないことだ。これは、極めて重要な点である。北朝鮮が逆に、米国に対して前提になる「ある行動」を約束したようである。米国は、この提案を受け入れたに過ぎない。よって、米国は北の「ある行動」を実現せよ、と言っている。そうすれば、米朝の予備会談に応じるという立場だ。 (※mono....中略、詳細はサイト記事で) / 金与正氏が特使の可能性は 米朝予備会談に当たって、北は誰を特使にするだろうか。これが、今後の米朝首脳会談の鍵を握る。 私は3月9日のブログで急転直下、米朝対話が始まる理由として、金与正氏の役割について、次のように記した。 「第三は、金正恩氏の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏の役割である。与正氏は、金ファミリーの中では、最も『聡明』との噂がある人物だ。父親の金正日(キム・ジョンイル)に、「男だったら後継者」と言わせた切れ者である。その与正氏が、平昌五輪で韓国へ来て、北との格差の余りの大きさに驚愕してのでないか。また、母親としての目線で韓国の実態に触れて、北が「核保有」と頑張っていることの虚しさを実感したのでないか。正恩氏は、与正氏が最大の相談相手と言われる。となれば、妹による韓国の実態報告に、心を動かされたと考えられる。女性は、戦争よりも平和を望む。今が、平和的解決の最後の機会と見たとしても不思議はない」 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ■ 米朝会談決裂は、戦いの合図 「suzukikenzouのブログ(2018年3月14日)」より / 米朝会談は、融和の始まりのようなことを言ってますが、会談決裂は、休戦終了、戦争再開のような気がします。 対話優先派は、ことごとく解任されています。対話優先派の元軍人のケリー主席補佐官、さえも解任の噂が流れました。自信家のトランプさんは、「俺の考えが政策になる」と言い切ってます。 ティラーソン国務長官を解任して、国務長官にはポンペオCIA長官を充てますが、強硬派です。予て噂のあった元軍人のマクマスター補佐官(安全保障担当)も解任されました。 北朝鮮は、現状を凍結して核査察を受け入れる、あるいは北朝鮮の安全が完全に保障されれば核廃絶のようなことを思い描いているのでしょうが、トランプさんは、短気でノラリクラリは大嫌いです。核ミサイルはすべて廃棄しない限り会談は妥結しない。 これは北朝鮮にとって最初から無理な相談です。丸裸になれというものだからです。 トランプさんは、会談決裂オーケーです。会談決裂を奇貨として戦争再開です。元々戦って北朝鮮を踏み潰し東部エスタブリッシュメントの鼻を明かしたいのですから。 トランプさんを抑えていた対話派を排除した現在は、大義名分のある戦いのキッカケが欲しいだけです。首脳同士が会談する重みを金正恩は失念しています。 北朝鮮は、米国の計画通り、煮え湯を飲まされる会談になる筈です。飲める筈もなく、戦いのリングに引っ張りだされますが、ことは、トランプさんの思うようにはいかない筈です。 トランプさんにしてみれば、国防予算を年間67兆も使って北朝鮮一つ叩き潰せなくてどうするというものでしょう。根性見せてみれというもです。対する軍産複合体は、対立を煽るので予算が使える訳で理屈の分からない奴というものです。 しかし、北朝鮮の実力を見くびりすぎてます。北朝鮮は、ベトナム、アフガン、イラクとまったく違う核ミサイルを保有する軍事大国です。トランプさんは、北朝鮮は、大日本帝国が水爆を持ったような国であることを側近の再三の忠告にもかかわらず失念あるいは無視しており、泥沼にはまること必死の情勢です。 日本への被害が憂慮されますが、何もできることはない。ミサイル防衛システムが有効であることを願うだけです。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ■ 米朝会談、北朝鮮からまだ返事が無いと焦る韓国 「社会科学上の不満(2018-03-16 00 00 36)」より / 昨日アップしたvlogの続報になるのだが、 韓国は12日、ドナルド・トランプ米大統領が今月8日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談の要請を受諾したことについて、北朝鮮側から回答がないことを明らかにした。トランプ大統領は会談場所や協議内容などの合意がないなかで会談の要請を受け入れており、アナリストの間ではこの会談の意義を疑問視する声も出ている。 韓国統一省の報道官は「北朝鮮政府から、米朝首脳会談に関する公式回答を得ていない」とコメント。「北朝鮮側はこの件について慎重な姿勢を示しており、立場をまとめるのに時間を要しているとみられる」と述べた。 5日に平壌を訪れ、金委員長と会談した韓国特使団は、金氏の親書をトランプ大統領に渡した。韓国側によると、金委員長はトランプ大統領との直接対話とともに、核・ミサイル実験の停止を提示したという。 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、北朝鮮との対話は「恒久的な平和」を迎えるための「貴重な機会」だと述べた。トランプ大統領と会談した韓国特使団は現在、中国と日本を訪れており、米朝首脳会談に向けた報告を行っている。特使団の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は習近平国家主席と、国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長は日本の安倍晋三首相とそれぞれ会談している。中国は北朝鮮に対する経済支援を行っているとみられている一方、米国の同盟国の日本は、韓国と同様、北朝鮮の軍事的脅威に最もさらされている。 いかそーす http //www.bbc.com/japanese/43381814 また嘘か、韓国人はいい加減にしろよ! トランプが即答するとは思わなかったんだろwとの書き込みに座布団1枚、しかし北朝鮮からの返事が無いと言う事ね。 (※mono....中ほど数行略) / 米朝会談なのにてめえらに言うわけないじゃんとの書き込みに座布団1枚。 北朝鮮にも相手にされてないんだよ気付け! 【トランプ政権】 ■ ティラーソン国務長官解任 「日比野庵本館(2018/03/15 10 00 )」より / 3月13日、アメリカのトランプ大統領はティラーソン国務長官を更迭し、後任にポンペオCIA長官を充てると発表しました。 トランプ大統領は解任の理由として「長い間話し合ってきたことだ……われわれは実際には非常にうまくやってきたが、複数の案件で意見が異なった」と説明しました。 (※mono....中略) / 首脳会談が行われる前には事前協議として実務者レベルでの会合が行われるのが普通です。そのタイミングで対外強硬派のポンペオ氏を国務長官に据えた。もう明らかに意図が感じられますし、外交メッセージも含んでいるものと思われます。 実際、ホワイトハウス高官によると、トランプ大統領は金委員長との会談前に自身の新しいチームを整えたかったと述べていますから、そういうことでしょうね。 ところが米朝首脳会談合意が報道されてからは、何時どこで行うのかといった具体的な動きはまだありません。 (※mono....中略) / 先日、金正恩は韓国の大統領特使と会談していますけれども、その際、「軍事的な脅威が解消されて体制が保証されるならば、核を保有する理由はない」と表明したということで、北朝鮮が非核化の条件として、アメリカ軍の撤退を要求するのではないかという見方が出ています。 それをこのタイミングで改めて出したということは、前日13日にポンペオ氏の国務長官就任に対する牽制の可能性があります。対北強硬派が出てきたとて、要求は従来通りだ、妥協はしないぞ、という訳です。 既に水面下で米朝双方の牽制が始っています。米朝首脳会談が実現したとしてそれで問題が解決するとは限りませんし、そもそも首脳会談が流れる可能性だってないとはいえません。 ■ 米朝会談、ロシアは歓迎、中国は緊張、日本は若干警戒 -栗原茂男 「純日本会(BY JUNNIHONJIN, ON 3月 11TH, 2018)」より / 1) 米朝会談、ロシアは歓迎、中国は緊張、日本は若干警戒 2) 外務省ホームページ新着情報 3) ブルックヘブン慰安婦像と桜祭り-公開書簡 他[2018年3月10日号] 4) SDHF 南京事件48人の証言 8 軍人の見た南京 2、海軍 5) インターネット情報 (※mono....中略、詳細はサイト記事で) / ところで本題だが、トランプ大統領が北朝鮮の親分の金正恩と会うという情報が伝わってきている。東北アジアの情勢を考えれば当然の流れだろう。 北朝鮮は日米との戦争を望んでいない。それどころか経済交流を望んでいる。 恐らくロシアも同様。と言うより、ロシアはかつての東欧衛星国のような北朝鮮を日米と経済交流をさせて極東ロシアを経済開発をしたいのではないだろうか。 現代世界の主要国で主要国同士の戦争を本気で考えるのは中国だけ。中国は巨大人口を持て余し、エネルギーも食料も自給できない。 それで中国は国内の困難の打開策として対外侵略を志向している。それは今に始まった事ではなく、大昔からの習性。 普通の国は犯罪者は国外に出さないが、中国は積極的に犯罪者を移民させ迷惑を世界中に撒き散らすだけでなく、合法的な侵略を合法、非合法移民によって多数の支那人を住み着かせてしまう事で戦略的に対外侵略を行っている。 支那民族は朝鮮民族と同じで外国に帰化しても民族帰属意識を変えない。 アメリカも最近になってその事にやっと気が付いたようだ。アメリカは欧州系人が主要民族なので、なかなか理解しがたかったのだろう。 欧州やその他の諸国も特アの異常性に早く気付いて欲しいもの。 北朝鮮は日米と経済交流を望み、北朝鮮の支配国のロシアも喉から手が出るほど日米との経済交流を渇望している。 国境を越えた勢力のユダヤ勢力も環日本海経済圏構想を狙っている。その際は北朝鮮の羅津、ロシアのウラジオストックが大陸側の拠点となる。 更に北朝鮮を独立国としてみないで、ロシアの一部と見ることが重要だ。中国は関係ないのである。 そんな事を頭に入れて米朝接近を見ると世間で言われている事とは違った景色が見えてくる。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ★ 米、北との首脳会談で前提条件 非核化への「具体的な行動」要求 「CNN-news(2018.03.10 Sat posted at 10 10 JST)」より / ワシントン(CNN) トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談に応じる意向を示した件で、ホワイトハウスのサンダース報道官は9日、北朝鮮が非核化に向けた「具体的かつ検証可能な行動」を取るまで会談は行わないと述べた。 サンダース氏はこの中で、北朝鮮が非核化や核・ミサイル実験の停止を約束したと主張。「北朝鮮のこうした言葉に具体的な行動が伴うまで会談は行わない」と述べた。 サンダース氏の今回の発言は、トランプ氏が正恩氏との会談に同意したとの発表に疑問符を投げかけるものだ。ホワイトハウスは、前日にはなかった新たな条件を課しているようにも見える。 +続き 韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長は、正恩氏が「非核化に取り組む」姿勢を示したと述べたが、首脳会談実現のため非核化に向けた措置を取ると北朝鮮が約束した形跡はない。正恩氏が約束したのは核・ミサイル実験の停止のみで、米韓が合同軍事演習を今年実施することに理解を示したともされる。 サンダース氏の発言はまた、米朝首脳会談をめぐりホワイトハウスが初めて前提条件を課した形となった。 サンダース氏は前日夕の声明で、首脳会談の要請に応じるトランプ氏の意向を明らかにするととともに、米国は「北朝鮮の非核化を期待している」と述べていた。しかし今回は、北朝鮮が非核化を「約束した」と再三強調。北朝鮮政府は首脳会談実現に向けて「具体的かつ検証可能な行動」を取る必要があるとした。 サンダース氏の発言はホワイトハウスの立ち位置を調整し、トランプ氏が首脳会談に同意する前の政権高官の立場に合わせたものとも言えそうだ。ティラーソン国務長官はトランプ氏の同意の数時間前、直接対話に応じるにはまだ長い道のりが残されていると述べていた。 ■ 北朝鮮、「核放棄?」米との対話認めた裏に経済制裁「音上げる」 「勝又壽良の経済時評(2018-03-09 05 00 00)」より / 北の軍部も軟化し始めた 核放棄見届けて講和条約 「核放棄を前提にした、米国との対話には絶対に応じない」。こう主張してきた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏が、前言を翻して米国との対話に応じる姿勢を見せた。もっとも、百戦錬磨の士であるだけに、この発言も額面通りには受け取れない。時間稼ぎに使っている可能性もあるからだ。噓か誠か。この背景を探ってみた。 先ず、金正恩氏の韓国代表団に発言した内容を見ておきたい。 (※mono....以下長文につき略、詳細はサイト記事で) 【日米朝関係】 ■ あっと驚くトランプの大どんでん返し 「逝きし世の面影(2018年03月09日 )」より / 『トランプ大統領、金正恩氏と会談へ 韓国発表』5月までに実施へ 2018年03月09日Huffington Post Japan https //www.huffingtonpost.jp/2018/03/08/trump-will-meet-kim_a_23381081/ (※mono....中略) / 『金正恩氏と会談へ トランプ大統領「大きな前進だ」とツイート』金正恩氏が非核化に言及したことや、北朝鮮のミサイル実験中止を評価 2018年03月09日Huffington Post Japan https //www.huffingtonpost.jp/2018/03/08/trump-tw-about-mtg-with-kim_a_23381100/ (※mono....中略) / 『すべては筋書きの通りに進行する出来レース』 ★注、 マスコミとか有識者の全員が考えているらしい『米朝チキンレース』ですが、この『逝きし世の面影』ブログでは180度逆に、実は米朝政府当局馴れ合いの八百長プロレス『出来レースだ』と一貫して主張していたのですが、トランプ政権成立から1年2ヶ月目にとうとう正しさが証明されたようです。 可哀想なのがトランプの脅しを信じていたらしい安倍晋三であり、40年来のお友達の『国政の壟断』で与野党のアッと驚く国共合作で弾劾され現在獄中の韓国のパク・クネ大統領と同じで、少し遅れたがモリ加計など安倍お友達の『国富の簒奪』での訴追は免れないでしょう。 【日米朝関係】 ★■ 初の米朝首脳会談、5月までに実現へ:識者はこうみる 「REUTERS(2018年3月9日 / 12 01)」より / [9日 ロイター] - トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の要請に応じ、5月までに史上初の米朝首脳会談を実施する意向だと、訪米中の韓国特使が8日明らかにした。 実現すれば、北朝鮮の核問題を巡るこう着状態を打開する劇的な展開となる可能性がある。 政府関係者や外交専門家、市場関係者の見方は以下の通り。 ●失敗のリスクヘッジを <クリントン政権で北朝鮮と交渉したペリー元国防長官> これは、お互い侮辱し合うことで成り立ってきた外交の大きな前進だ。 だが、この会談では鍵となる疑問が2つある。 まず何を話し合うのか、ということだ。つまり、米国は何を得ようと考え、何を差し出す意思があるのか。 次に、対話が行われている間どうするのか。米国と同盟国は、北朝鮮に現在かけている圧力を維持するのか。北朝鮮は、ミサイル・核兵器の開発や実験を継続するのか。 +続き 最初の疑問点について、米政府の発表を見ると、米国の目標は、北朝鮮が核兵器を解体し、核の非保有国となることにある。北朝鮮にそこまでする意思があるのか疑う理由は十二分にある。仮に北朝鮮にその意思があったとしても、根本的な問題が残る。そのような合意の遂行を、どうやって確認するか、ということだ。 対話には十分な理由がある。だがそれは、合理的に確認でき、実行する価値があるものについて話し合う場合に限る。さもなければ、われわれは大きな外交的失敗のお膳立てをすることになる。そうした失敗のリスクをヘッジするには、対話が続く間は(核実験などの)良からぬ行為を制限する合意を事前に取り付けておくのが賢明だろう。 ●意外だが歓迎すべき進展 <ロバート・ガルーチ元国務次官補 1994年の北朝鮮危機で米国側の交渉役> 意外だが歓迎すべき進展だ。米朝両国の代表者が会い、最終的には首脳会談が行われれば、緊張と戦争リスクを低下させる上でかなり進展が見られることになるだろう。 交渉によって、北朝鮮による核兵器プログラムの放棄と長距離弾道ミサイルの開発停止を目的とする検証可能な取り決めがなされるならば、北朝鮮と米国、そして他の世界との間の緊張と敵対心の主たる原因も取り除かれることになるだろう。 ●平和的解決に向けた希望に <米共和党リンジー・グラハム上院議員のツイート> トランプ大統領と何度も議論を経て、北朝鮮と核の脅威に対する大統領の断固とした姿勢が、この数十年で一番の平和的解決に向けた希望を与えてくれると私は固く信じている。 私はナイーブではない。過去が未来の指標だとするなら、北朝鮮は言葉ばかりで行動しないだろう。しかし北朝鮮はいま、トランプ大統領が必要に迫られれば軍事行動を起こすと考えていると思う。 北朝鮮の金正恩氏に1つ警告しておこう。トランプ大統領と直接会って、欺こうとするのは、最悪の行動だ。もしそれを試みるなら、あなたはとあなたの政権は終焉を迎えるだろう。 ●リスクとチャンス両方が存在 <ボニー・グレイザー氏、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で中国安全保障問題などを担当> トランプ大統領はディールメーカーであり、恐らく独力で金正恩氏に核兵器放棄を説得できると考えているのだろう。トランプ大統領が正恩氏と会うことには、リスクとチャンスの両方がある。米国側は、極めて周到に準備して、何を達成したいのか明確に自覚する必要がある。見返りに何を提供する意思があるのかも、だ。 ●米韓は圧力維持を <米下院外交委員会のエド・ロイス委員長> 金正恩氏が対話の意欲を示したことは、制裁が効果を上げつつあることを示している。われわれは、外交を追求しつつ、圧力をきっちりとかけ続ける。 北朝鮮政権は、譲歩を引き出し時間を稼ぐために繰り返し対話や空約束を繰り返してきた。そうすることで、核とミサイルプログラムを前進させてきた。 このサイクルを破らなければならない。米国と韓国は肩を組み、この脅威を平和的に終わらせるために圧力を維持しなければならない。中国も、やるべきことをやらなければならない。 ●米国は慎重になるべき <ダニエル・ラッセル氏、米国務省の元アジア・太平洋担当次官補> 北朝鮮が何を提案し、何をする意思があるのか直接聞こう。これまでの経緯を踏まえれば、慎重になるべき理由は十分にある。次に、詳細な点まで綿密に点検しよう。北朝鮮はこれまでにも平和への歩み寄りを見せたことがあるが、結局は精査に耐えられなかった。 北朝鮮はこれまで何年も、米大統領と北朝鮮指導者とが核保有国同士として対等な立場で会談することを提案してきたことを、思い出す必要がある。今回新しいのは、(首脳会談の)提案ではなく、(それを受け入れた米側の)対応だ。 ●非核化、過去の経緯から疑問 <SMBC日興証券 金融財政アナリスト 末澤豪謙氏> トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と5月までに会談する意向を示したことが明らかになった。 平昌冬季パラリンピック終了後の米国の軍事オプション行使を警戒して、北朝鮮の「微笑み外交」が積極化している。経済制裁の効果が出てきている。 米朝会談でトランプ大統領は、非核化について要求を突きつけるはずだ。会談が行われるまでは緊張が緩和した状態が続くと思うが、会談で非核化に関して議論が決裂すれば、その後のリスクは高まるだろう。 米朝が合意して朝鮮半島の非核化が進むかという点は、過去の経緯を考え合わせると、疑問符が付く。 ●ドル安基調転換には至らずも安心材料 <みずほ証券 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏> 金正恩・朝鮮労働党委員長が今後、核・ミサイル実験を控えると表明したと伝わっている。現在、地政学リスクは旬のテーマではなかったが、去年はたびたびこの問題でリスクオフになったことを考えると、為替市場にも悪い話ではない。とりあえずは円安材料と言えそうだ。 旬なテーマの米通商政策も、トランプ政権のやり方が見えてきた。当初、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税について「どの国に対しても例外を認めない」と発言していたが、だいぶ例外がある話になってきた。国内経済に保護的な姿勢を示しながらも、例外などを散りばめて、世界経済への影響や貿易戦争への突入は避けようとしている。 今回の鉄鋼・アルミ関税措置も、有権者へのアピールや北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡る取引材料として打ち出した可能性がある。今後も選挙を控えて保護主義姿勢を強めることには警戒が必要だが、世界を巻き込んだ「貿易戦争」には至らず、その都度の瞬間的なドル売り材料にとどまるのではないか。 貿易戦争の先鋭化を背景としたドルの105円割れはいったん回避できたとみるが、107円台にしっかり乗せ、108円を試すような展開にならないと、ドル安トレンドが完全に転換したとは言えない。 ●緊張緩和より米関税懸念の後退が日本株支援 <野村証券 エクイティ・マーケット・ストラテジスト 伊藤高志氏> 昨年から北朝鮮の態度は強硬なものとなっていた。北朝鮮がミサイルを発射した後の日本株の反応を振り返ると、一回だけ大きく下げた時があったが、ほとんどなかったと言っていい。北朝鮮情勢を憂慮して株価が下落し、緊張緩和により(下落分を)取り戻す動きがあるかというと、そもそも取り戻すものがない。 北朝鮮という国家が存続するという前提で、これからも市場は動いていかなければならないが、何か強いリスクを市場が感じた際にはリスクの低い資産に資金が流れる。過去を見ても条件反射的な円買いが頻発してきた。足元では円安が進み、日本株も動きやすくなっている。 ただ、今日の株高・円安の動きは、米国の関税の問題が思ったよりは交渉の余地がありそうだ、といった見方によるところが大きい。直近の株価が、関税を巡る米トランプ大統領の姿勢と、EU(欧州連合)と中国による対抗姿勢を嫌気していたのは明白だった。 通商リスクと地政学リスクは同じリスクでも性格が異なる。地政学リスクが完全になくなり、本当に安心して投資できる環境が実現したことなど人類の歴史上存在しない。永遠に付き合わなければならないリスクに対し、株式市場は鈍感にならざるを得ない。 通商リスクは国家間の交渉など、ある程度先が読める側面がある。報復の応酬やブロック経済化など最悪のシナリオに対し市場は身構えていたが、米国があくまで交渉の材料として使っていたと確認できたことで、投資家の心理的な負担が軽くなったとみている。 ●「コリア・ディスカウント」を緩和 <韓国財務省ディレクター KO KWANG-HEE氏> 市場にとっては安心材料となり、センチメントを押し上げることは確かだが、外国の投資家は、(米朝首脳会談で)実際に何か進展が示される5月まで大きな投資判断を行うのは控えるだろう。 いわゆる「コリア・ディスカウント」を緩和させる可能性のあるポジティブな兆候だと言える。 ●今後の進展次第では長続きしない可能性 <キウム証券(ソウル)チーフエコノミスト HONG CHUN-UK氏> 良いニュースであることに間違いない。だが、さらに強力な行動が後に続かない限り、これも長続きしないだろう。今日の韓国株式市場はいつもより強く反応しているが、これはすべて北朝鮮に関するニュースに起因するものではなく、韓国企業の決算が予想より悪くない兆しが見え始めているからだ。 ●過剰な熱狂には慎重 <ナティクシス(香港)シニアエコノミスト TRINH NGUYEN氏> 緊張緩和がどの程度実現されるかはまだ分からないが、これは金融市場にとって、とりわけ韓国市場にとって明らかに良いニュースだ。 たとえ緊張が今にも爆発しそうでも衝突が起きる可能性は低いため、北朝鮮危機が実質的に韓国への投資に影響しないと、われわれ投資家は常に考えてきた。 投資家は、最近の緊張の高まりに対する過剰な悲観主義と同様、過剰な熱狂にも慎重に構えるだろう。 今回のニュースは、韓国成長回復にとって問題の1つを少なくとも短期的に改善する。言い換えれば、2018年は2.8%成長というわれわれの見通しが変わることはないとみている。 ーーーーー ★ 「金正恩氏、トランプ氏との面会熱望」 訪米の韓国高官 「朝日新聞(ワシントン=香取啓介2018年3月9日11時47分)」より / 米ホワイトハウスで8日、韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)・国家安保室長が記者団にした説明は以下の通り。 +続き 本日、トランプ米大統領に対して、私の最近の北朝鮮・平壌訪問について、報告する栄誉にあずかった。トランプ大統領、副大統領、私の友人のマクマスター将軍(国家安全保障担当大統領補佐官)をはじめとする素晴らしい国家安全保障スタッフにお礼を言いたい。トランプ氏のリーダーシップと、国際社会と連帯した「最大限の圧力」政策でここまで来られたと説明した。そして、トランプ氏のリーダーシップに対する文在寅(ムンジェイン)大統領の感謝をお伝えした。 トランプ氏に対し、北朝鮮指導者の金正恩(キムジョンウン)氏が面会で、非核化に取り組むと言ったことをお伝えした。金氏は北朝鮮がこれ以上の核実験やミサイル発射実験を控えることを約束した。また、通常の韓米合同軍事演習が続けられることに理解を示した。そして、トランプ氏にできるだけ早く面会することを熱望していると表明した。 トランプ氏は報告に感謝し、恒久的な非核化のために、金氏と5月までに会うと言った。韓国は米国、日本、その他の多くの世界のパートナーとともに、朝鮮半島の完全なる非核化に断固として取り組んでいく。 トランプ氏とともに、我々は平和的解決の可能性を探る外交プロセスが続くことを楽観している。韓国と米国、我々のパートナーはともに立ち向かい、過去の過ちを繰り返さないと強調する。そして、北朝鮮がその言葉に見合う具体的な行動をするまで圧力をかけ続ける。(ワシントン=香取啓介) .
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前ページ次ページルイズと無重力巫女さん トリスタニアを覆う巨大な城壁、かつては王家同士の内戦や他国との戦いで見事に敵軍を押しとどめた立派な防壁。 それぞれ方角ごとにある城門とは別に、これまた大きな駅舎が街側の方に建てられている。 今現在に至るまで何回かの増改築を繰り返した駅舎は、上級貴族の豪邸にも引けを取らぬ立派な造りの建物であった。 外側には馬車を停める為の厩や駐車場もあり、建物としての規模では相当大きな部類に入る。 国内外から駅馬車や個人の馬車で来る者たちは皆一度はこの駅舎の中へと入り、役員たちと軽い話をするものである。 勤務する者たちも今となっては平民の方が多く、特に近年稀にみる人材不足の影響で平民もデスクワークをするようになっていた。 かつては平民がそのような職業に就いてはならぬという法律があったものの、先王の代で愚法として廃止されている。 そのお蔭で辺境地に暮らす平民の子供たちの中には、地元の教会などで神父から文字や数字を覚えて街へ出稼ぎに行く者たちも増えていた。 魔法学院で働くメイドたちもそういった者たちが多く、トリスタニアは若者が集まる街として最近他国でも話題に上がっている。 しかしそれが原因で一部地域では若者が返ってこず、年寄りだらけの過疎地域が増えているのもまた事実であった。 そして出稼ぎに出た若者たちほど、多くの人員がいなければ成り立たない駅舎の様な建物で雑用係やデスクワーカーとして働く運命なのである。 トリステインだけではなく、今ハルケギニアの各国で起きている地方問題に関わっているその駅舎の内の一つ。 ゲルマニア側にある北部駅舎では、貴族平民問わず多くの人々が受け付け窓口に並んでいた。 一応貴族と平民とで受付窓口は二つに分けているものの、その列は窓口から十メイルも離れた出入り口まで続いている。 ガリア側への交通ルートがある南部駅舎と同じく、休日祝日はごった返すことで有名であるが、ここまで並ぶことは滅多に無い。 その原因はたったの一つ。それは先日大々的に報じられたアンリエッタ王女とゲルマニア皇帝アルブレヒト三世の結婚式中止にあった。 理由はまだ明らかにされていないものの、そのお触れが出されてからはこうして返金に来る者たちが駅舎へと訪れている。 「はい、返金ですね。承りました、少々お待ちを…」 「うむ…よろしく頼むよ」 いかにも裕福な貴族がチケットを受付窓口で渡し、窓口に座る受付嬢がチケットの番号と貴族の名前を元に返金対応を進めていく。 彼は有事の際の返金対応をしっかりとしてくれている駅馬車会社からチケットを買っていたので、後は黙っているだけで良い。 それよりもその貴族が最も心配している事は、急に中止のお触れが出たアンリエッタ王女の結婚式の事であった。 成り上がりのゲルマニア皇帝と結婚せずに済んだのはまぁ良かったが、それでも結婚式が中止になるという事例は滅多にある事ではない。 歴史的にも王族の関わる結婚式が中止になったという事例は、この六千年の中で指を数える程度しか起こっていないのだ。 先のアルビオンの裏切りといい、王女殿下の結婚式の中止といい、今年は何故か妙に騒がしくなっている。 「これまで自分の人生はずっと平凡だと思っていたが…」 「……はい?」 「あっ…何でもない、ただの独り言だよ。…ゴホン、君は職務に戻りたまえ」 先の見えない不安からか、無意識のうちに口走った胸中の言葉を誤魔化すように、わざとらしい咳をした。 彼だけではなく、この場へ来ている貴族の大半が皆似たような不安を抱えている。 中には貴族派に乗っ取られたアルビオンとの戦争が始まるのではないかと、そう推測する者もいた。 確かにそうだろう。タルブ村で裏切ったアルビオンの訪問艦隊が全滅した後、アルビオン側の大使が宣戦布告の通知を王宮へ突きつけたのである。 そしてトリステイン王国もその通知を快く受け取り、今では神聖アルビオン共和国と名を変えたあの白の国とは戦争状態にある。 しかし、これをゲームに例えればアルビオン側はボロボロなのに対し、トリステイン側は殆ど無傷と言っても良い状態にあった。 トリステイン側は親善訪問に出ていた主力艦隊はほぼ無傷であり、損失した艦の補充も既に準備できている。 地上戦力は件の化け物騒ぎでそれなりの損害が出ているものの、致命的と呼ぶには程遠いくらいであった。 対してアルビオン側は親善訪問に出ていた『レキシントン』号含めた、主力艦隊を丸ごと喪失。 加えて輸送船に載せていた地上部隊を合わせて、計四千もの戦力がトリステイン軍の捕虜となったのだ。 このご時世ここまで損害が出過ぎると、アルビオン側の指導者がトリステインへの裏切りを謝ったうえで指導者としての座を辞すべきであろう。 だが宣戦布告以降アルビン側からの連絡は一切なく、まるで死んでしまった仔犬の様に黙ってしまっている。 不特定多数の者たちが、共通した悩みを抱えている空間と化した駅舎一階受付口の丁度真上にある、二階待合室。 全三階である北部駅舎の二階は、貴族専用ではあるが馬車の発車をゆっくり休みながら待てる場所となっている。 一階とは別の貴族専用のお土産売り場や、お茶や軽食が食べれるカッフェに小さいながらもブティックや本屋も設けられている。 既に夏季休暇の時期に入っているので、平日や虚無の曜日などよりも多くの貴族たちが出入りしていた。 その一角にある『麦畑の片隅』という、一風変わった名前でありながら洒落たレストランがあった。 トリステインの地方にある農家をイメージをした外観に似合った、トリステイン地方料理と紅茶がウリの店である。 王都や都市ではお目に掛かれぬような素朴で、悪い言い方をすれば田舎者が食べるような料理の数々。 それでも味は決して悪くは無く、むしろ珍しい地方料理が食べれるという事で王都の貴族達も時折足を運ぶ程である。 パンも街で食べられているような白パンではなく、雑穀や胡桃が入った変わり種のパンが厨房の窯で焼かれている。 そして各地方から取り寄せた茶葉で淹れた紅茶は、国外からやってきた観光客にも一定の人気があった。 はてさて、そんな店の隅には四つほどの個室が設けられている。 主に貴族の家族や数人単位で観光に来た外国の貴族たちが自分たちのペースで楽しく食事を楽しめるようにと用意されているのだ。 部屋のつくりは平均的な中流貴族が暮らすような部屋より少し上程度ではあるが、掃除はキッチリとされている。 既に昼食の時間帯に差しかかった店内は忙しく、当然のように個室も全て満室となっていた。 その内の一室、右端にある『風の個室』というネームプレートが扉に取り付けられた個室の中でルイズたちがいた。 当然の様に霊夢と魔理沙の二人もいたが…意外な客も一人、彼女たちの食事に同席していた。 「にしたって、駅舎の中にこんな豪華な店があるなんてなぁ~」 先程店の給士が運んできてくれたチキンソテーをナイフで切り分けた魔理沙が、天井を軽く見上げながら呟いた。 シーリングファンが回る夏の個室はやや暑いと思っていたが、そこはやはり貴族様専用の店というところか。 店で雇っているメイジが造った氷から放たれる冷気がファンで室内に充満していて、ほんの少しではあるが涼しかった。 氷は溶けた水滴が落ちない様に器に入れられており、今のところ氷の真下にコップを置く必要はなさそうである。 「それにしても、この前ルイズと一緒に行った店には、これよりもっとスゴイマジックアイテムがあったような…」 「あぁ、そういえばあったわね。あぁいうのが神社にもあれば、一々゙アレ゙を用意する必要が無くなるのに」 魔理沙の言葉に、タニアマスのムニエルを食べていた霊夢が思い出したかのように相槌を打つ。 二人の会話を聞いて、上座の席にいるルイズが呆れた風な表情で会話に入る。 「そんなの出来るワケないじゃないの。あのマジックアイテム、幾らすると思ってるのよ?」 「へぇ、アレってそんなに高いんだ。結構簡単に作れそうなもんだと思ってたけど…」 「アレを一つ購入しただけでも、波の貴族なら半年分の給料がフッ飛ぶレベルよ」 「成程、それならこのレストランの天井にある氷とシーリングファンの方が安く済むというワケか」 割り込んできたルイズに不快感を抱くことなく、彼女の方へと視線を向けた霊夢が意外だという感じで呟く。 ついで魔理沙も笑顔で会話に混ざりながら、大雑把に切り分けたチキンソテーを豪快に頬張る。 バターと一緒に炒めたピーナッツの風味と塩コショウがうまいこと鶏のモモ肉とマッチして、口の中を小さな幸せで包んでくれる。 ウェイトレスはこの料理を「田舎農場の平民夫人が作る、バターとピーナッツのチキンソテー」という長ったらしい名前を読み上げていた。 その名の通り、メインにモモ肉に炒めたピーナッツに付け合せは茹でたトウモロコシだけといういかにも田舎らしい料理である。 しかしその地味な見た目とは裏腹に味はしっかりしており、これを作ったシェフの腕の良さをこれでもかとアピールしていた。 (ふぅ~ん…まぁ確かに、ちょっと素朴な味付けで悪く無いが。……これだけだとご飯とは合わないだろうな~) 嬉しい気持ち半分、この世界へ来てから一口も食べていない白飯への想いを募らせながら、 見た目とは裏腹な美味しい料理に、舌鼓を打っていた。 「それにしても、まさかアンタ達三人とこうして食事する羽目になるなんてね」 そんな三人の食事風景を見ながら、丁度ルイズと向かい合う席に座っていた意外な客こと…モンモランシーが口を開いた。 メインに頼んだ猪のスペアリブを半分ほど食べ終えたところで、彼女は神妙な面持ちで言う。 一方の三人…特にルイズは何を今更と思ったのか、怪訝な表情を見せて自分と向かい合っているモンモランシーに話しかける。 「どうしたのよいきなり?」 「いや、だって…そこまで深い関わり合いが無かった貴女とそこの二人と一緒に、こうやって食事をするなんて思ってもいなかったから」 ルイズからの質問に彼女はそう答えると、薄いレモンの輪切りが入ったソーダをクイッと一口飲んだ。 豚肉の匂いとソースの風味で占領されていた口の中へと、弾けるような炭酸水の甘味が綺麗に洗い落していく。 そして程よく主張するレモンの爽やかな風味が、やや鈍くなりかけていた食欲をもう一度促進させてくれる。 一口飲んだところでコップを離し、ホッと一息ついたモンモランシーが残り半分の豚肉を食べようとした直前、 付け合せのコーンサラダを食べ終えた霊夢が、ティーカップを持ったまま口を開いた。 「っていうか、元を正せばアンタが無理言って私達との相席を頼んできたのが原因じゃないの?」 「……それは言わないで頂戴、私だってできればやりたくなかったんだから」 容赦ない指摘にフォークとナイフを持った手を止めたモンモランシーは、ジロリと霊夢を睨みながら言った。 まるでカエルを睨む蛇の様なモンモランシーの目つきに対し、ジト目の霊夢も全く引く様子を見せない。 両者互いに軽く睨み合う中、蚊帳の外であるルイズと魔理沙は亜互いの顔を見あいながら似たような事を思っていた。 「私思うのよ。霊夢の言葉って、誰にでも容赦しないからすぐ火が点いちゃうんだって…」 「それには同意しちまうな。霊夢のヤツはあぁ見えて、人付き合いが少ないから慣れてないんだよ」 両者互いに思っていた事を口にした後も、二人のにらみ合いはそれから一分ほど続いていた。 そもそも、どうしてルイズたちはこうしてモンモランシーと食事をする事となったのか。 時を遡れば今から一時間前、幾つかの諸事情で王宮を離れる事となったルイズが二人を連れて故郷に帰る時に起こった。 結婚式も中止となり、ひとまずは大丈夫という事で長かった王宮での生活が終わる事となった。 出ていく際の荷造りの時、王宮の図書室から本を持ち出していた魔理沙のせいで、時間が大幅に遅れたものの、 給士たちの手伝いも借りて荷造りを終えたルイズは、二人を伴って故郷のラ・ヴァリエールへと一旦帰る事となった。 既に夏季休暇の時期に入っており、キュルケやギーシュたちも一旦は故郷へと帰る予定であった。 彼女たちも大丈夫だという事で解放され、多少後ろ髪惹かれつつもキュルケとタバサは一足先に王宮を後にしている。 ギーシュの方は荷造りを終えた後、給士から手渡された手紙を見て慌てて出て行ったのだという。 一体どこからの手紙かと興味津々な魔理沙が聞いてみた所、トリスタニアにあるアウトドアショップからだという。 テントやキャンプなどに使う器具や道具などの販売、レンタルを行っている店でルイズも店の名前くらいは知っていた。 唯一残っていた…というより、慌てて出て行ったギーシュに放って行かれたモンモランシーが詳しい話をしてくれた。 「あぁ…多分アイツがレンタルしてたテントの延滞料金ね。キュルケの提案でアンタ達のいた王宮を監視してた時に使ってたから…」 ギーシュに置いていかれたせいで多少怒り気味に話した彼女に、ルイズはあぁ…と納得した。 一応監視の話はキュルケから聞いていたので驚きはしなかったが、テントの話までは初耳であった。 その後、モンモランシーも故郷に帰るという事で魔法衛士隊員が学院から持ってきてくれた荷物片手に王宮を後にした。 少しして、ルイズ達も執務を途中で抜け出してきたアンリエッタにお礼と挨拶をしてからブルドンネ街へと入っていった。 王宮と外を繋ぐ大きな門を歩いて出てから暫くして、街中に充満する茹だるような暑さに霊夢が呻き声を上げた。 「クッソ暑いわね…」 「そりゃ夏だしね。暑いのは当たり前じゃないの」 『いやー娘っ子、街中に陽炎がでる程暑いのが当たり前とか言われたらお手上げさね』 自分の荷物が入った旅行鞄を左手に、そしてデルフを背中に担いで汗だくの顔を右手で煽る霊夢にルイズがそう返すと、デルフがすかさず突っ込みを入れた。 トリステイン、特に王都はこの時期になると外国から来た観光客が気温の高さに驚くのはいつもの事である。 道幅の狭さもあるが、ブルドンネ街だけでも人口の密集率が多さと合わさって街全体が熱気に包まれるのだ。 「にしたって、この前来た時はこんなに熱くなかったぜ?」 黒い服を着てるせいか、霊夢以上に熱さで茹だっている魔理沙が帽子を仰ぎながら涼しい顔をしているルイズに苦言を漏らす。 「だって、あの時は初夏だったでしょ?あれくらいで音を上げてたら、タニアっ子にはなれないわよ」 「こんなに暑い所で暮らすなら、ならなくてもいいぜ…」 『全くだな。オレっちは別にそういうのは感じはしないが、見てるだけでも暑いって分かるよ』 うんざりした風に言ってから、ハンカチで顔の汗を拭く魔理沙を見てルイズは内心ホッとしていた。 てっきりこんな暑さどうってこと無いとか言うと予想していたが、思っていた以上に彼女たちは人間らしい。 (正直に言えば、まぁ確かに暑いっちゃあ暑いわよねぇ…) 一見汗をそれ程掻いて無さそうに見える彼女であったが、着ているブラウスの内側は既に汗だく状態であった。 何せそのまま着ている魔法学院の制服は長袖なのだ、それで暑くないとか言ってたら頭がおかしい思われるだろう。 魔法学院指定のブラウスには一応半袖のモデルはあるし、ルイズも予備のブラウスにと一着持っている。 しかし、王宮で匿われる際に魔法衛士隊員が持ってきてくれた鞄の中にはそれが無かったのだ。 おそらく入れ忘れか何かなんだろうが、そのお蔭てこうして体の内側から蝕んでくる汗に苛なむ羽目になっている。 (ラ・ヴァリエールとかなら、こんなに暑い思いはせずに済むんだけど…) そろそろ額から滲み出てきた汗をハンカチで拭いつつ、トリステイン最北端にある自分の故郷をふと想った。 これから二人を連れて帰るべき場所、王都から駅舎の貴族専用長距離馬車で最低でも二日は掛かる距離にある遠き我が家。 広い草地を通り抜けていく涼しい風を想像しながらも、ルイズは暑さでバテかけている二人を励ます。 「まぁ暑いのは王都とか都市部ぐらいなもんだし、地方に行けばちゃんと涼めるわよ」 「えぇ…?あぁ、そういえばこれからアンタんとこの家に帰るんだったっけ?確か…ラ・ヴァリエールだったわよね」 ルイズの言葉に、王宮を出る前に彼女が言っていた事を思い出した霊夢がその名を呟く。 「ラ・ヴァリエール。…トリステインの北側の端に位置する領地で、私の父ヴァリエール公爵が治めている土地よ」 霊夢の言葉にコクリと頷いた後、ルイズはヘトヘトな二人を伴ってブルドンネ街を歩き始める。 ここから歩いて一時間近くも掛かるであろう、北部駅舎へ向かって。 それから後は、色々なトラブルに見舞われ到着が遅れに遅れる事となった。 ただでさえ気温が高いというのに、最短ルートで北部駅舎行くためには人口に比べて道幅が狭い大通りを歩くしかないのである。 流石のルイズも歩き始めて十五分程度でバテてしまい、他の二人はそれより前に暑さでどうにかなりそうな状態にまで追い詰められた。 止むを得ず通りを出た広場で小休止しようにも、木陰や日陰の場所は占領されてまともに涼めずじまい。 幸い屋台や広場を囲うようにしたレストランや果物屋では冷たいジュースなどを売っていた為、街中で行き倒れる羽目にはならなかった。 三人とも二本ずつ絞りたての冷たいジュースを飲み、広場を出た後も苦難の道のりであった。 通行人同士の喧嘩で通りが一旦封鎖されるわ、平民が干していた洗濯物のシーツが三人の頭に覆いかぶさってくるわでトラブル続き。 一体全体、どうして駅舎へ行くだけなのにこうも大変な目に遭わなければいけないのかと…ルイズは駅舎に辿り着いた時にふと思った。 そうこうして北部駅舎の玄関に辿り着き、一部窓口で物凄い行列を横目で一瞥しつつルイズは別の窓口で切符を購入した。 行先は無論ラ・ヴァリエール着の長距離切符三人分。長旅で疲れない様にランクの高い馬車をその場でチャーターしたのである。 「馬は二頭で屋根付き、国産シートとシーリングファンにクールドリンク及び食事付き。それを一両貸切でお願いね」 最初、彼女からの注文を聞いた受け付け嬢は「は?」と言いたげな表情を一瞬浮かべ、ついで彼女がヴァリエール家の人間だと理解した。 本当ならば切符の値段も去る事ならば、高ランクの馬車を予約も無しに借りるなど…並みの貴族であってもお断りされる事間違いなしだ。 しかし、行先であるラ・ヴァリエール領を治める貴族の家の者ならば断ることは失礼に当たる。 「は、はい。かしこまりましたミス・ヴァリエール…!ただいま業者に問い合わせますので暫しお待ちを…!」 受付嬢の近くにいた駅舎の職員数人がルイズの注文を急いでメモして、慌てて何処かへと走っていく。 予約も無しに高ランク馬車の貸切りは相当無茶な注文であったが、当然その分の支払いも相当な額になる。 しかし、ルイズの要望に応えるとなるとそれ相応の負担も付くために、業者側も上げたい手を中々上げられない依頼であった。 数分後、業者への問い合わせが終わった一人の職員がシュルピスに本社を置く馬車会社が要望通りのモノを貸し出せるとルイズに報告した。 「ただ…先程のメンテナンスで車軸の交換が必要と診断されたので、修理に時間が掛かるとの事です」 「そうなの?でもまぁ大丈夫よ、乗せてくれるのならいくらでも待てるから」 まるで自分の足を踏んでしまったかのように必死に頭を下げる職員に、ルイズは軽く微笑みながら言う。 彼女の後ろにいた霊夢達は、まだ十六歳であるルイズにヘコヘコと頭を下げる職員を見て軽く驚いている最中であった。 「なんていうか…ルイズの家って本当に凄いんだな~…って改めて思うわ」 「そりゃあなんたって、ここの王家と相当繋がりが深いし当然だろ?」 『まぁぶっちゃければ、娘っ子ぐらい名家じゃないとあぁいう事はできそうにないしな』 改めてルイズが公爵家の人間だという事を改めつつ、二人と一本が軽い驚きと関心を示しているのを横目で一瞥し、 思いの外、自分の家が特別なのだと再認識していた。 その後、二階のレストランで食事を摂りつつ時間を潰して欲しいと言われた。 持ってきていた荷物は受付で預かって貰い、当然ながら安全面を考慮してデルフもお預かりされる事となってしまった。 「多分、暇を持て余したらペチャクチャ喋ると思うし、その時は鞘に納めて黙らせといて頂戴」 このクソ暑い中、それまで喋っていたデルフと暫しの別れが出来る霊夢は遠慮も無く、鞘に収まったデルフを差出し、 カチャカチャとひとりでに動くデルフを見て、給士は大変な仕事を任されたと感じつつそのインテリジェンスソードを預かるほかなかった。 「は、はぁ…かしこまりました」 『ひっでぇコト言うな~…、まぁでも許す。何せお前は俺の久方ぶりの゙相棒゙だしな』 一方のデルフは相も変わらず冷たい霊夢にそんな軽口を叩きつつ、『まぁ楽しんで来い』と心の中で軽く手を振る。 それが通じたのかどうかは知らないが、荷物と一子に金庫へと運ばれていくデルフに巫女も小さく手を振っていた。 そうして、身軽になったルイズたち三人は古い階段を上って二階のフロアへと入った。 貴族専用の待合スペースでもあるそのフロアは、流石『貴族専用』と謳うだけあって、中々綺麗な造りをしている。 「土産売り場に小さな本屋…後はレストランまであるとは。こりゃあちょっとした小さな通りが、宙に浮かんでる様なもんだぜ」 「そういえばそうよね、…だからって道幅の狭さに対して人の多さまで再現しなくたっていいのに」 店や廊下を出入りする国内外の貴族達を見ている魔理沙の一言に、霊夢が余計な一言を入れつつ頷く。 彼女のいう事もあながち間違っておらず、お昼の掻き入れ時という事もあってか、多くの貴族たちが廊下を行き交っている。 多少なりとも二階は涼しかったが、人ごみだけは相変わらずな廊下を歩いて、席の空いているレストランを探していた。 しかし時間が時間という事もあってかどこも満席であり、空席があっても予約済みの席と言う有様。 一度すべてのレストランを見て回り、二階のロビーへと戻ってきたルイズたちはどうしようかと頭を抱えるほかなかった。 「どうするのよ?このままだと、食べずじまいで此処を出る羽目になるわよ」 「う~ん…一応、馬車側の方でも軽食は出してくれると思うけど…ちょっと勿体ないような気もするし」 こういう場所で食べれる物と言うのは、基本的に外国の貴族でも満足できるような美味しい料理だと相場が決まっている。 ロマリア人の次に食を愛するトリステイン人のルイズにとって、この様な場所で食事を摂れないというのには不満があった。 「とりあえずもう一回巡ってみようぜ?もしかしてたら空席が出来てるかもよ」 そんな彼女の内心を察したのかもしれない魔理沙の言葉に彼女は頷き、もう一度レストランめぐりをしてみたところ… 見事『麦畑の片隅』という看板の店で、丁度空きができた所を彼女たちは目撃する事が出来た。 恐らくロマリアから来た観光客の貴族たちが食事を終えた直後なのだろう。 ルイズと然程年が離れていない様に見える貴族の少女達が各々「チャオ!」と言って入口の給士に手を振って立ち去っていく。 今がチャンスと感じたルイズは、貴族の子達が離れたのを見計らって、頭を下げていた給士に声を掛けた。 「ちょっと良いかしら?そこのギャルソン」 「…!はい、貴族様。当店でお食事でございましょうか?」 何かと思い頭を上げた彼は、目の前にいる少女が貴族だと知って再度頭を下げて要件を尋ねてくる。 ひとまずは「申し訳ございませんが…」と言われなかったルイズは、後ろにいる霊夢達を見やりながら「三人、いけるかしら?」と聞き返す。 ルイズの目線に気付き、彼女の肩越しに霊夢達を見た給士はあぁ…と納得したようにうなずく。 「丁度今、外国からいらした貴族様方が使用していた個室が空きましたので…よろしければそちらをご案内いたします」 接客業を務める人間の鑑とも言える様な眩い笑顔を浮かべて、給士は三人を店の入口へと案内した。 ひとまずは店へ入った彼女たちは、食器等の片づけで少し待ってほしいと言われ、 まぁそんなに時間は掛からないだろうと、大人しく順番待ちの時に座るソファに腰を下ろしていた時…。 「ちょっと!どういう事よ!?二重予約しでかして私の席が無くなってしまうなんてッ!」 「大変申し訳ありませんお客様…!こちらの手違いでこの様な事になってしまうとは…」 先ほど給士が笑顔で頷いてくれた店の出入り口から、ヒステリックな少女叫び声が聞こえてきたのである。 何だ何だと既に食事を頂いている貴族たちの何人かが入口の方へと顔を向け、ルイズたちもそれにならって入口の方へと視線を向ける。 自分たちのいる順番待ちの部屋からは先ほど叫んだ少女の姿は見えず、このレストランのオーナーであろう中年の貴族が、平民の給士と一緒に頭を下げているのが見えた。 二人そろって年下のお客に頭を下げる姿を見つめながら、霊夢が苦虫を食んでいるかのような表情を浮かべつつ口を開く。 「何なのよ?せっかくの昼食時にあんな金切り声で叫んでるのは?」 「さぁ…?でも何となく、聞き覚えのあるような声だな」 魔理沙が興味津々といった様子でそう呟くとおもむろに立ち上がり、入口の方へと歩き出した。 何の迷いや躊躇も無くスタスタと軽い足取りで入口へ向かう彼女を見て、咄嗟にルイズが止めようとしたが間に合わず、 「ちょっと…!」と言ってソファから腰を上げた時には、入口の方へと戻った魔理沙と叫び声の主がほぼ同時に声を上げた。 「ちょっ…!何でアンタがこんな所にいるのよ!?」 「おぉ、もしやと思って顔を見てみれば…やっぱりお前さんだったかモンモランシー!」 お互い暫しの間、顔を見せる事は無かったと思っていたのだろう。 まるでもう二度と出会わないだろうと誓った矢先に街中で鉢合わせしたかのように、二人は奇遇な再開に驚いていた。 魔理沙が声の主の名を呼んだことで他の二人も入口へと向かい、そしてあの金髪ロールが特徴の彼女もルイズたちを見て目を見開く。 「はぁ…?ちょっと待ってよ、一体どういう事があれば…こんな茶番みたいな事になるワケ?」 ――――それを言いたいのは私の方よ、モンモランシー…。 思わず口から出しそうになった言葉を何とか口の中に閉じ込めつつ、ルイズは大きなため息をついた。 ルイズの後に歩いてやってきた霊夢も、ルイズと同じく魔法学院の制服を着た彼女を見てあぁ…と二回ほど小さくうなずく。 「あぁ、道理で聞き覚えがあると思ったら…随分とお早い再会を果たせたわね?」 「全くだわ…あぁもう」 唖然とするモンモランシーを見つめながら、他人事のような言葉を吐く霊夢にルイズは頭を抱えたくなった。 やっぱり自分は色々な厄介ごとに直面する運命を始祖ブリミルに『虚無』の力と共に授けられたのであろうか? 現実逃避にも近いことを考えつつ、ルイズは目を丸くしているモンモランシーに次はどんな言葉を掛けたらいいか悩んでいる。 そして、先ほどまでモンモランシーに誤っていた店長の貴族と給士は何が何だか分からず困惑していた。 予期せぬ再会であったものの、モンモランシーの怒りはこちらに向くことは無かった。 話を聞く限りモンモランシーが予約していた普通のテーブル席の様で、自分たちが運よく入れた個室席ではないようである。 無論ルイズも食事を取り上げられた彼女の前でうっかりそれをバラす事はせず、穏便に立ち去ってもらいたかった。 しかし…またもやそんなルイズの前に災難は立ちはだかったのである。霧雨魔理沙という快活に喋る災難が。 「しっかし、お前さんも災難だな?こっちは運よく個室席とやらを―――…ウグ…ッ!?」 「この馬鹿…!」 口の中に拳を突っ込まんばかりの勢いで彼女の口を塞いだものの、時すでに遅しとは正にこの事。 黒白を黙しらせてモンモランシーの方へと顔を向けた時、そこにば野獣の眼光゙としか言いようの無い目つきでこちらを睨む彼女がいた。 その目つきは鋭く、獲物を見つけた肉食動物の様に体に力を入れてこちらへゆっくりと近づくさまは、紛う事なき野獣そのものである。 流石の魔理沙や、一人離れて様子を見ていた霊夢もモンモランシーが何を考えているのか気づく。当然、ルイズも…。 「ル――――」 「何でアンタと一緒に昼食を食べる必要があるのよ?」 「まだアンタの名前を言いきってすらないじゃない!…っていうか、私が腹ペコみたいな決めつけしないで頂戴!」 「あっ…御免なさい。じゃあアレね、私達の個室席に無理矢理入りたいっていうのは私の勘違いだったのね」 「いや、ワタシはそれを頼もうとしたんだけど…」 「アンタ腹ペコどころか、物凄い厚かましいわねぇ」 そんな会話の後、当然と言うか定めと言うべきか…二人の口喧嘩が『麦畑の片隅』の入口で繰り広げられた。 ルイズは「アンタに席を分けてやる義理はないじゃないの!」と言うのに対し、モンモランシーは「アンタ達の事助けに行ってあげたじゃないの!」と返していく。 流石にタルブでの顛末を詳しく話すことは無かったものの、当事者であったルイズも彼女があの場で治療してくれたのは知っている。 しかし、だからといってそれ以前――少なくとも霊夢を召喚するまで彼女から受けた嘲笑や罵りが帳消しになったワケではない。 それを指摘してやると、それを思いだしたモンモランシーは「グッ…」と一歩引いたものの…暫し考えた素振りを見せて再び口を開いた。 「わ、若気の至りってヤツよ!…あの時はアンタがあんなにスゴイって知らなかったんだもの!」 「去年と今年の春までの事を若気の至りって呼ばないわよ!」 双方とも激しい罵り合いに、モンモランシーに頭を下げていた給士とオーナーの貴族は震えあがっていた。 給士はともかくとして今まで人間相手に杖をふるったことの無い中年のオーナーにとって、火竜と水竜が目の前で喧嘩している様な状況に何もできないでいる。 店の内外にいた貴族たちも何だ何だと口喧嘩を聞いて駆けつけてきて、ちょっとした人だかりまでできている始末。 下級、中級、上級。単身、カップル、家族連れ。そして老若男女に国内外様々な貴族たちがどんどん近寄ってくる。 そんな光景を目にして、この騒動を引き起こした魔理沙は無邪気に騒いでいた。引き起こした本人にも関わらず。 「おーおー…何だか騒がしい事になってきてるじゃないか」 「アンタがバラさなきゃあ穏便に済んだ事じゃないの、全く…」 流石にこれ以上騒いでは昼食どころではないと察したか、ようやく博麗の巫女が重い腰を上げる事となった。 人間同士のイザコザは完全に彼女の専門外ではあったが、解決方法は知っている。 「ほら二人とも、口げんかはそこまでしときなさい」 いよいよ口喧嘩から髪の掴み合いに発展しそうになった二人を、霊夢がそう言ってサッと引き離す。 突然の介入は二人同時に「何するのよッ!」と丁寧にタイミングを合わせて叫んで来たので、咄嗟に耳を塞ぎながら霊夢は二人へ警告する。 「アンタ達ねぇ、そうやって喧嘩するのは良いけどそろそろやめとかないと食事どころじゃなくなるわよ?」 「はぁ?一体何を……あっ」 彼女に指摘された初めて周囲の状況に気が付いたルイズは目を丸くして困惑し、モンモランシーも似たような反応を見せていた。 どうやら本当に周りが見えていなかったらしい。霊夢はため息をつきたくなったが、辛うじてそれを押しとどめる。 (まぁルイズの性格であんなに怒ったらそうなるのは分かってたし、モンモランシーも似たような性格だからね…) そんな事を思いながらも、ようやっと頭が冷えてきた彼女たちに霊夢は至極落ち着きながらも、まずはモンモランシーに喋りかける。 「まず聞くけど、どうしてこの店に拘るのよ?予約してた席が無くなったんなら、さっさと他の店で空いた席を探せば良いじゃない」 「え?…えっと、それは…うぅ」 至極もっともな霊夢の言い分にモンモランシーは何か言いたげな様子であったが、悔しそうに口を噤んでいる。 それを見てルイズは自分の味方になってくれている霊夢にエールを送り、店の者たちはホッと胸をなで下ろしていた。 マントを羽織っていないのでルイズの従者という扱いの彼女であったが、平民であれ何であれこの騒ぎを鎮めてくれるのであれば誰でもよかった。 一方で、店の外にいる貴族たちの何人かがモンモランシーを止める霊夢を見て「平民が貴族を諭すなどと…」という苦々しい言葉が微かに聞こえてくる。 霊夢はそれを無視しつつも、何か言いたそうで決して口外できない風を装っているモンモランシーを見て、何か理由があるのだと察していた。 彼女のもどかしそうな表情と「気付いてほしい…」と言いたげな目つきを見れば、誰だって同じように気づくであろう。 一体何を抱えているのか?面倒くさそうなため息をついた霊夢はモンモランシーの傍に近づくと、すぐさま彼女が耳打ちしてきた。 耳元から囁かれるモンモランシーの神経質な声にむず痒さを覚えつつ、彼女が大声で言えない事をヒソヒソ声で伝えていく。 「この店ってさぁ、北部駅舎の飲食店の中で比較的安い店だって知ってる…?」 「知らないわねェ?でもまぁ、ルイズなら知ってそうだけど…」 「そう…。それでね、この時間帯に出るランチセットは…一応値段的にはそれなりに働いてる平民でも気軽に頼めるお手軽価格なの」 ま、平民はここへは入れないけど。…最後にそう付け加えて、ご丁寧に説明してくれた彼女に霊夢は「…で?」と話の続きを促す。 「それで、まぁ…アンタに話すのも恥ずかしいけれど、世の中にいる貴族にはそういう低価格で程よい豪華な食事を楽しみたい層がいるのよ」 「それがアンタってワケ?何処かで聞いたけど…アンタの家は領地持ちなんでしょう。だったら金なんていくらでも持ってるんじゃないの?」 霊夢の指摘にモンモランシーは暫し黙った後、巫女さんの顔を気まずい表情で見つめながらしゃべり始めた。 「この際だから、アンタにも話しておこうかしらね?貴族には、二通りの存在がいる事を…」 「…?」 突然そんな事を言い出したモンモランシーに首を傾げると、彼女は勝手に説明を始めていく。 「このハルケギニアにはね、お金と仲良しな貴族と…お金に縁のない不幸な貴族がいるの。 例えば前者を挙げるとすれば、ルイズのヴァリエール家や、キュルケの所のツェルプストー家が良い例よ?」 「…あぁ、確かに何となく分かるわね」 唐突に始まったものの、やけに丁寧なモンモランシーの説明に霊夢は納得したように頷きつつ、引き続き話を聞いていく。 「そして、後者の例を挙げれば…私の実家のモンモランシ家や、ギーシュのグラモン家ね。 グラモン家は代々軍人の家系で、アイツの父親はトリステイン王軍の元帥の地位にいる程の御人よ。 だけど、過去に行われた山賊やオーク鬼退治のなんかの出征の際に見栄を張り過ぎて、金を殆ど使い果たしてると言われてる… あと…モンモランシ家は、えーと…干拓に大失敗して領地の半分がペンペン草も生えぬ荒野になっちゃって、経営が大変なのよ」 自分の家の経営事情を気まずそうに説明したところで、彼女は霊夢に説明するのを止める。 とはいえ、この説明だけでも十分にモンモランシーの財布が小さい理由が分かってしまった霊夢は、多少なりとも同情しそうになった。 「何ていうか…その、貴族って意外と大変なのね」 「やめてよ。嬉しいけどそういう同情の仕方はやめてよ」 気休めにならないが、すっかり気分が萎れてしまった霊夢からの慰めにモンモランシーは複雑な気持ちを抱くしかなかった。 その後、更に詳しくモンモランシーから話を聞くとどうやら彼女も帰省する為にここの馬車を利用するのだという。 とはいえルイズの様にチャーターできるワケもないので比較的安く、尚且つ長旅となる為にせめてここで美味しいモノを…と思ったらしい。 席自体は数日前に手紙で予約していたモノの、店側のミスで一般席は全て埋まってしまい、彼女以外の予約席もあって二時間待ちという状態。 それに輪をかけてチケットを取っている馬車の発車時刻は一時間半後という、不幸としか言いようのない状況に陥っているのが今の彼女であった。 モンモランシーの口からそれを直接聞いた霊夢は、大分落ち着いたものの未だご立腹なルイズに丁寧に伝えた。 「…というわけで、個室の席は四つあるから相席させて欲しいって言ってきてるけど…どうするの?」 「何よそれ?そんなら同じフロアの土産売り場で売ってるサンドイッチやジュースとか買って、食べとけば良いじゃないの」 非の打ちどころの無いルイズの正論にしかし、モンモランシーはそれでも必死に食い下がる。 まるで絞首台の前に立った罪人が必死に抵抗するかのように、彼女はルイズを説得しようとしていた。 「そんなの味気ないじゃない!それに…アンタだって知ってるでしょうに?ウチの領地の特産物がジャガイモぐらいしか無いの!?」 今にも怒り泣きしそうな忙しい表情で叫んだモンモランシーの言葉に、ルイズはそういえばそうだったわねぇ…と思い出す。 諸事情で干拓に失敗したあの領地で安定して育てられる野菜と言えば、ジャガイモぐらいしか耳にしたことがない。 年に何回かは別の野菜が王都の市場にまで運ばれては来るが、同じく運ばれてくるジャガイモの出荷量と比べれば小鳥の涙程度。 そのせいかモンモランシー領で暮らす人々の食事は貴族平民問わずジャガイモはメインの野菜である。というかジャガイモしかない。 時折他の領地から運ばれてきて、高い値段が付く他の野菜を食べる事はあれど、朝昼夕の基本三食には必ずジャガイモがついてくる。 魚はともかく、肉類などは十分に領地内での確保に成功しているが、それらがどんなに美味そうな料理になっても忌々しいジャガイモが隣にいるのだ。 茹でたジャガイモ、マッシュポテト、ポテトサラダ、フリット(フライドポテト)…。ゲルマニア人もびっくりなくらい、モンモランシー領はジャガイモに塗れていた。 だからこそ彼女は必死なのだろう、夏季休暇で芋地獄の故郷へ戻る前に王都の華やかな食事にありつきたいのだと。 有名ではない地方から来た貴族程、王都へ足を運んだ際には食事にはある程度金を惜しまないと聞く。 そこには、モンモランシーの様に偏った食事しかない地方に住まう自分の待遇を一時でも忘れたいが為の現実逃避でもあるのだ。 ルイズは悩んだ―――確かにモンモランシーは、あの時タルブへ嫌々来ながらも、キュルケ達と共に残ってくれていた。 それに、王宮で自分の『虚無』を明かそうとした時、まあつっけんどんながらも口外しないという約束までしてくれたのである。 以上の二つの事を思い出してみれば、なるほど彼女と相席になってもまぁ別に悪くは無いと思えてしまう。 だが、そんな考えが出てきたところでハッとした表情を浮かべたルイズは、慌てて首を横に振った。 先程自分が言ったように、入学当初からは暫く彼女から散々嫌味を言われていたのだ。 それもついでに思い出してしまうと、不思議と体の奥底から゙許せない…゙という意思が湧き上がってくる。 自分を馬鹿にしていた入学当初のモンモランシーと、自暴自棄ながらもアルビオン艦隊と戦うと決めてくれたタルブ村のモンモランシー。 二人のモンモランシーの内どれを選んだら良いのか…?それに悩んでしまい、ついつい無言になってしまう。 そんな彼女を見かねてか、はたまた空腹が我慢できないレベルになってきたのか…それまで黙っていた魔理沙がその口を開いた。 「別に良いんじゃないか?この際昔の事を忘れて、これからの事を考えながら食事っていいうのも?」 今に至る騒動を生み出した張本人は、脱いでいた帽子を手で弄りながら葛藤するルイズにそう言った。 その言葉にモンモランシーがハッとした様な表情を浮かべて魔理沙を見遣り、一方のルイズはそれでも不満気なまま彼女に反論する。 「つまりアンタは、今まで馬鹿にされてた事を水に流せって言いたいワケなの?」 「そう言ってるワケじゃあないさ、偶にそんな事言う奴もいるけど、人間自分が馬鹿にされた事は中々忘れられないもんさ」 自分が過去に、どれだけ『ゼロ』と揶揄されてきたのか知らないくせに。そう言おうとしたルイズに対し、 普通の魔法使いは彼女の内心を読み取ったかのような言葉を、彼女に投げかけた。 そんな事を言われてしまうと口の中から出ていきそうになった言葉を、出そうにも出す事が出来なくなったルイズ。 魔理沙はルイズが静かになったのを確認した後、手に持っていた帽子をかぶり直して一人喋り出す。 「でも、お互いそうやっていがみ合ったままじゃあ色々と疲れちまうもんだぜ? ワタシだって霊夢の事は今でもライバル視してるけど、いつもは仲良く接してるのをお前は見てるだろ? それと同じさ。いざとなったらアンタの頬を抓ってやる覚悟だが、 今はその時じゃあないからお互い仲良くいきましょう…って感じだよ お互い鉢合わせたら即喧嘩なんて…モンモランシーもお前も、疲れててしまうじゃないか」 魔理沙の言葉にルイズは「そもそも喧嘩を起こした張本人のアンタが言う事…?」という疑問を抱いていたが、 小さな頭で少しだけ考えてみると、確かに彼女の言う通りなのかもしれないという確信もゆっくりゆっくりと浮上してくる。 「ちょっと魔理沙、何で私がアンタといっつも仲良しみたいな事言ってるのよ?」 「なーに言ってんだよ霊夢。私が遊びに来た時には良くお茶と茶菓子を分けてくれるじゃあないか」 何やら言い争いをしている霊夢達を余所に、ルイズは再びどうするか悩んでいた。 多生揉めてでも店から追い出すか、それとも一時の間だけ昔の事を忘れて彼女と同席するか…。 二つの内一つしか選べぬ選択肢を目の前に出された彼女は、あともう数分だけ時間が欲しいと言いたかった。 しかし、これ以上は店側も待てないのか「お客様…」と蚊帳の外にいたオーナーがおずおずとルイズに声を掛けてくる。 自分を含めて霊夢や魔理沙たちも腹を空かせてているだろうし、何よりチャーターしている馬車の事もある。 もうこれ以上の猶予は無い。そう悟ったルイズは…以前デルフが言ってくれたあの言葉を思い出した。 ――――ちっとは大目に見てやろうぜ。そうでなきゃいつまでも溝は埋まらねぇぞ? 以前霊夢と喧嘩になった際、いつもはからかう側のインテリジェンスソードが自分に語りかけてくれたあの言葉。 それが脳裏を過った後、待合室の天井を仰ぎ見たルイズは軽い深呼吸をした後にモンモランシーの方へと顔を向ける。 モンモランシー…入学当初は自分を『ゼロ』と呼んで自分を馬鹿にしていた彼女であったが、今ならそんな事さえしないだろう。 何故なら彼女は目撃したのだから。二度と指を差して笑えぬ、自分の中に隠されていたあの怖ろしい『力』を。 (…確かにコイツには色々と嘲笑われたけど、あの時はまだ何も゙知らなかっだものね…キュルケや、私さえも…) そう思うと、不思議と彼女のしてきた事がほんのわずかだが゙些細な事゙だったのだと思えるようになってくる。 「……ルイズ?――――…っ!」 こちらのをジッと見つめたまま黙っているルイズに、モンモランシーは声を掛ける。 その声で止まっていた自分の体が動き出したかのように、ルイズは右手の中指と人差し指でピースを作り、モンモランシーの眼前へと出した。 突然のことに少し驚きを隠せなかったものの、そんな事お構いなしにルイズは彼女に話しかけた。 「モンモランシー、二よ?三分の二で手を打つわ」 「三分の…二?アンタ、急に何を言ってるのよ…?」 イマイチ彼女の真意を把握できぬ事に、モンモランシーは首を傾げてしまう。 自分でも何を言っているのかと呆れたくなる気持ちを抑えて、ルイズはもう一度口を開いた。 「割り勘よ。アンタが予約してた席代をそのまま、私達の個室料金にぶち込みなさい。 アンタには一年生の頃から色々とされたけど、今回は…今回だけはそれを別の所に置いといて上げるわ… ――――後、絶対に勘違いしないでよね?アンタと今から仲直りしようってワケじゃない。お店の事を考えてそれで丸く収めるって事よ」 忘れないで頂戴。右手の指二本を震わせながら、ルイズは最後にそう付け加える。 それはルイズなりに決断した、モンモランシーへの譲歩であった。 ――――時間は戻り、食事を終えて支払いも済ませた彼女たちはモンモランシーを先頭に歩いていた。 食欲を満たし、イライラも落ち着いた彼女は満足げな笑みを浮かべ、自慢のロールを揺らしながら駅舎一階のロビーを進んでいく。 個室の席代はやや高くついたものの予算の範囲内であったし、何より楽しみにしていたランチセットよりも上の料理を食べる事が出来たのである。 不幸中の幸い、という言葉こういう時の為にあるのだろう。幸せな満腹感に満たされながら、モンモランシーはそんな事を思っていた。 「…ふぅ~…全く、店側の手違いで昼食が食べ損ねるかと思ってたら…まさかこうもアンタ達と偶然再会するとは思ってなかったわ」 「偶然は偶然だけど、望まぬ偶然よ。全く…」 そんな彼女の後をついて行くように、浮かぬ顔で歩くルイズは思わず苦言を漏らしてしまう。 本当ならば、霊夢と魔理沙の三人で軽くこれからの事を話し合いながら食事をするつもりだったというのに… 偶然にもあの店で予約を取っていて、手違いで無かった事にされたモンモランシーと出会ったせいで色々と予定が狂ってしまった。 一応出てきた食事には満足したものの、自分よりも幸せそうな彼女を見ていると今更ながら苛立ちというモノが募ってきてしまう。 好事魔多し…という言葉を何かの本で目にしたことがあるが、正に今の様な状況にピッタリな言葉には違いないだろう。 (まぁ予想はついてたけど…思ったよりちょっとは溝が深いようね) 一時は和解できたと思っていたモノの、少し浮かれているモンモランシーの背中をジッと睨んでいるルイズの後姿。 それをジト目で見つめながら後に続いていた霊夢が心中でそんな事を呟いていると、先程返却してもらったデルフが話しかけてきた。 『にしたって奇遇なモンだねぇ?あん時の金髪ロールの嬢ちゃんとこうやって再会するとはねェ』 「まぁお互いそそれを嬉しいとは思ってい無さそうだけどね?」 先ほどまで駅舎で預けられていて、魔理沙からいきさつを聞いたテン入りジェンスソードに霊夢は相槌を打つ。 てっきり預けられていた不満が出てくるのかと思いきや、きっと荷物を預かってくれた職員が話し相手にでもなってくれたのだろう。 預ける前よりかは少しだけ良くなった機嫌を剣の体で表しているのか、時折独りでにカチャカチャと動いている。 (まぁそれ程気になるワケではないけど、鬱陶しくなったら鞘越しに刀身を殴って黙らせりゃあ良いか) デルフにとってあまり穏やかではない事を考えながら、ルイズとモンモランシーの後をついていく。 ふと自分の後ろを歩く魔理沙を見てみると、しきりに視線を動かして駅舎一階の中や造りを興味深そうに観察している。 霊夢は然程気にはしないものの、こういういかにも洋風な造りの建物など幻想郷では指で数えるほどしかない。 一番大きい洋風の建物と言えば紅魔館ぐらいなものだし、人里でもこういう感じの建物は本当に少ないのだ。 だから、まだまだ好奇心が旺盛な年頃の彼女が夢中になる気持ちは分かる。分かるのだが… 天井やら人列が並ぶ受付口に目がいってしまう余り、そのまま別の所へ行ってしまうのは…流石に声を掛けるべきなのだろう。 「ちょっと魔理沙、アンタどこ行くつもりよー」 「…え?おぉ…っと、危ない危ない!」 霊夢の呼びかけで、ようやってルイズ達から離れかけた彼女は慌てて彼女の方へと駆けてくる。 ルイズもそれに気づいたのか、はぐれかけた黒白に「何やってるのよ?」と軽く呆れていた。 それから少しだけ歩いて、ルイズたちはロビーを出た先にある三番ステーションへと足を運んでいた。 全部三つあるステーション――つまり駅馬車の乗り降りをする場所の中で、唯一国外へと出ない馬車の発車場である。 その分割安ではあるが、いかにもグレードの低そうな駅馬車ばかりが集められていた。 無論ルイズがチャーターした馬車があるのは、国内外の行き来可能で一流業者が集められている一番ステーションだ。 なら何故ここを訪れたのかと言うと、これから領地へ帰るモンモランシーがここの馬車に乗るからであった。 「チケットを予約していたモンモランシーよ。馬車の準備は出来ているかしら?」 ステーション内に設けられた別の受付を担当している職員に、モンモランシーはそう言ってチケットを見せる。 まだここで働き始めたであろう青年職員は、チケットに書かれた氏名、番号、有効期限を確認するとモンモランシーにチケットを返す。 「確認が終わりました。ミス・モンモランシーの予約している駅馬車は二番プラットホームの馬車です」 「うん、有難うね」 良い旅を、チケットをしまって受付を後にした彼女の背中に担当職員は声を掛けた。 彼女がその声に軽く右手を振った後、ルイズたちも多くの人が行き交う三番ステーションの通路を歩き始める。 ステーションの左側は外へ直結しており、真夏の太陽の光と照りつけられている地面がその目に映っている。 外と繋がっているせいか夏の熱気も流れ込んできて、駅舎の中であるというのに再び肌からじわりじわり汗が滲む程に暑かった。 ハルケギニアの夏に未だ慣れていない霊夢と魔理沙の二人は、この建物の中では感じることは無いと思っていた熱気に怯んでいるものの、 ステーション内で客の荷物を詰め込む馬車の御者や書類片手に走る職員に、客の貴族や平民たちは平気な様子で行き来している。 「あーくそ…、折角涼しい場所で食事できたと思ったら、まさか外の熱気がここまで来るとは…」 「いっその事メイジの魔法なりでここに冷たい風でも吹かせてくれればいいのにね」 幸せな気分から一転、またもや汗だくとなっていく二人の愚痴を後ろから聞きながら、 ルイズと自分が乗る馬車の方へと歩いていくモンモランシーの二人も、少しワケありな会話をし始めていた。 「それにしても、アンタはともかく…ワタシまでこんな数奇な出来事に見舞われるなんてね」 「は?何よイキナリ…」 突然そんな事を呟いたモンモランシーに、ルイズは怪訝な表情を浮かべる。 まさかちょっと過去の事に目をつぶって、昼食を共にしただけで自分と仲良くしたいと思っているのか? 本人の耳に聞こえたら間違いなく決闘騒ぎになるような事を思っていたルイズであったが、それを口に出す事は無かった。 「だってそうじゃない?アンタが使い魔召喚の儀式で異世界出身の巫女さんを呼んじゃうし、アルビオン王国が倒れて… お次は魔法学院で色々と騒ぎがあった末に夏季休暇の前倒し…かと思えば、キュルケ達と一緒にアンタ達の素性を調べたり、 そんでテントの中で籠ってたかと思えば、シルフィードの背に乗ってレコン・キスタの艦隊が上空に浮かぶタルブ村まで連れてかれて… んでなし崩し的に私までアンタ達と一緒にその艦隊と戦う羽目に成ったり…と思いきや、アンタのあの゙光゙で艦隊が全滅…してからの王宮での監視生活」 …これが数奇な出来事じゃなくて何になるの?最後にそう付け加えて喋り終えた彼女は、何となく肩をすくめる。 まぁ確かに彼女の言っている事に間違いはないだろう。ルイズはひの顔に苦笑いを浮かべつつ軽くうなずいて見せた。 それでも、自分や霊夢達が直に体験してきた事と比べれば幾分か優しいというのは、言わない方が良いのだろうか? 頭の中でそんな二者択一の考えを巡らせている中、喋り終えたばかりのモンモランシーがまたもやその口を開いた。 「あぁでも…私にとってその中でも一番衝撃な事といえば……数日前に聞かされだアレ゙よね?」 「……!あぁ、あの事ね」 彼女が口にした『数日前』という単語で、ルイズもまだアレ゙を思い出す。 それはトリステイン人であり、この国の貴族でもある二人にとって最も衝撃であり、何よりもの朗報であった。 先王の遺した一人娘であり、他国からもトリステインに相応しき一輪の百合とも称される美しき王女。 そしてヴァリエール家のルイズとは幼馴染みであり、トリステインの女性たちにとっての憧れでもある、アンリエッタ・ド・トリステイン。 以前は王女として北部の隣国帝政ゲルマニアへの皇帝へと嫁ぐはずだった彼女は、近いうちに女王として戴冠式を挙げる予定である。 つまり、永らく座る者のいなかった玉座へと腰を下ろすために、アンリエッタは王冠を被りこの国を背負う女王陛下となるのだ。 ゲルマニア皇帝との結婚式が中止になったのもこれが原因であり、トリステインが彼女を留まらせる為の救済策。 そして、これからレコン・キスタもとい…神聖アルビオン共和国との戦争の為に、国内の結束力を高める為に必要な儀式でもあった 惜しくも王家の嫁を迎え入れられなかったゲルマニアだったが、代わりにトリステインはゲルマニアとの軍事同盟を結んでいる。 その為ゲルマニアはトリステイン王国に武器、兵器等を正規の手続きをもって売れるようになり、 トリステイン軍も王軍、国軍を再編して同盟国と同様の陸軍を創設する為のノウハウを教える為の人材をゲルマニアに要求できるようになった。 伝統を保守し、尊重するトリステインではあるものの軍部は先のラ・ロシェールでの戦闘で意識を改めており、 新式とは言えないが比較的新しいゲルマニア軍の兵器を買えるうえに、陸軍創設の際にもゲルマニアと言う大先輩が教えてくれる。 トリステインは新しい女王が就任し、ゲルマニアは軍事的にもトリステインを指示できる立場となり、互いに面子を守れるという結果に終わった。 …とはいえ、王宮内部では既に戴冠式の予定日まで決まっているが、未だ民衆や王宮で働いていない貴族達には知らされていない。 ルイズたちが聞いた話では夏季休暇の終わる数週間前に戴冠式が発表され、丁度長い夏休みが終わると同時に式が行われるという。 その為街中では結婚式が中止になった事でそれを不安に思う者たちが大勢いたが、そこまではルイズたちの知る所ではなかった。 「まさか、あの姫さまがいよいよ女王陛下にならなれるなんて…段々遠くなっていくわね…」 流石のルイズも声を抑えつつ、自分の幼馴染が色んな意味で高い場所にいるべき人となっていく事に切ない感情を抱いていた。 マザリーニ枢機卿からその事を聞かされた時は嬉しかったものの、時間が経ってしまうと妙なもの悲しさが心の中に生まれてくる。 先王亡き当時…マリアンヌ王妃は戴冠を拒み、アンリエッタはまだ幼すぎるとして戴冠の事はこれまでずっと保留にされてきた。 その為トリステイン王国は、今まで玉座に座るべき王が不在という状態の中で大臣や将軍たちが一生懸命国を動かしていた。 特にロマリアからやっきてた枢機卿の働きぶりは凄まじく、彼がいたからこそ今日までトリステイン王国は生き残る事が出来たと言っても過言ではない。 だから冠を被るのに充分な年齢に達したアンリエッタが王となるのは喜ぶべきことであり、落ち込む理由は何一つ無いはずなのである。 「ちょっと、なーに暗い顔してるのよ?」 そんなルイズを慰めるように、刺すような視線を向ける霊夢がポンポンとルイズの背中を軽く叩いてきた。 突然のことに目を丸くした彼女は思わずその口から「ヒャッ…!」と素っ頓狂な悲鳴を上げてしまう。 一体何をするのかと後ろにいる巫女さんをを睨んだが、彼女はそれを気にせず言葉を続けていく。 「アンタとアンリエッタが幼馴染なのは知ってるし、まぁ遠い人間になるのは分かるけど…アンタだってアイツからあの書類を貰ったじゃないの?」 その言葉に、ルイズは受付で預かってもらっている旅行鞄の中に入れた『あの書類』の事を思い出した。 そう遠くないうちに女王となる幼馴染から頂いた、一枚の許可証。 書面にアンリエッタ直筆の証とも言える花押がついた、女王陛下直属の女官であるという証を。 それは数日前の事、キュルケやモンモランシー達と共にアンリエッタと『虚無』の事について話していた時であった。 一通り喋り終えた後、魔理沙の口から出た何気ない一言のお蔭で彼女はルイズたちに話をす事が出来たのである。 「残念な事に…敵は王宮の中にもいるのです。―――――獅子身中の虫という、厄介な敵が」 女王になる前だというのに、既に悩みの種が出来つつある彼女は残念そうに言ってから、その゙獅子身中の虫゙について説明してくれた。 古き王政を打倒し、有力な貴族による国家運営を目指しているレコン・キスタの魔の手はアルビオン王国が倒れる前から世界中に伸びていたのである。 ゲルマニアやガリア王国、果てにはロマリアの一部貴族達は貴族派の内通者として暗躍し、国が表沙汰にしたくない情報を横流ししていたのだという。 トリステインもまた例外ではなく、既に一部貴族が貴族派に加担している者が出ており、挙句の果てにスパイまで逮捕している。 各国と自国の状況から考えて、不特定多数もしくは少数の貴族たちが貴族派の者と接触しており…最悪彼らの企てに協力している可能性があるというのだ。 「そんな事になってたのですか…?ワルド元子爵の様な裏切り者が他に…」 「まだ断定できるほどの状況証拠があるワケではないのだけれど…決していないとも言いきれないのが今の状況よ」 その話を聞いたルイズはふとアルビオンで裏切ったワルドの事を思い出し、アンリエッタも悲しそうな表情を浮かべて頷く。 彼女にとってワルドは恋人の仇であり、ルイズは自分の一途な想いを裏切った挙句、タルブで霊夢の命を奪おうとまでした男だ。 実力差はあるものの、あの男と似たような思考で裏切ろうとしている者たちがいるという可能性に、ルイズは自然と自分の右手を握りしめる。 「…だからルイズ。貴女はこれから自分の覚醒した力を公にせず、ここにいる者たちだけの秘密として心の中にしまっておいてください」 「!―――殿下…」 アンリエッタの言葉にルイズが反応するよりも先に驚いたのは、マザリーニ枢機卿であった。 彼はルイズの今後について知らなかったのか、アンリエッタの口から出たルイズへの指示に目を丸くしている。 枢機卿に続くようにして、ルイズも「しかし、姫さま…!」と信じられないと言いたげな表情で幼馴染に詰め寄った。 「私は…自分の力となった『虚無』を、姫さまの為に役立てたいと思っています…それなのに…」 「分かってるわルイズ、貴女の気持ちは良く分かる。けれども…いいのです。恐らくその力は、貴女の身に災いを持ってくるやも知れませぬ」 「構いません。既にこの身は『虚無』が覚醒する前から幾つもの災難を体験しています…今更災いの一つや二つ…」 拒否の意を示す為に突き出したアンリエッタの右手を、ルイズは優しく払いのけながら尚も詰めかける。 咄嗟にアンリエッタは枢機卿へと目配せするものの、老齢の大臣は静かに自分の目を逸らしてみて見ぬふりを決め込んでいた。 「枢機卿!」 「姫殿下、誠に失礼かと思いますが…今は一人でも多く信頼できる人材が必要だと…私は申し上げましたぞ」 これ以上心許せる友を巻き込みたくないアンリエッタと、今はその気持ちを押し殺して仲間として加えるべきと進言するマザリーニ。 友の為に国益を損する事に目を瞑るのか、それとも国益のために友の身を危険な場所へと赴かせるのか。 どちらか一つを選ぶことによって、ルイズの今後は大きく変わる事になるかもしれない。 「いやはや、ルイズの奴も苦労してるんだな~」 「そうね。幾つもの災難に見舞われてきただなんて…まぁ私に身に覚えがないけれど」 「多分ルイズの言う『災難』の内半分は、絶対にアンタ達が原因だと思うわよ?」 緊張感漂う部屋の中で、二人仲良くとぼけている霊夢達にモンモランシーはさりげなく突っ込んでいた。 その後は色々あり、役に立てぬというのなら杖を返上するというルイズの発言にアンリエッタが根負けする事となってしまった。 『虚無』が覚醒する以前は、魔法が使えぬ故に『ゼロ』という二つ名を持っていた彼女が、自分の為に働きたいとという気持ちが伝わったのだろうか。 アンリエッタは安堵している枢機卿に丈夫な羊用紙を一枚用意するよう命令した後、自分の前で跪いているルイズの左肩をそっと触る。 「ルイズ、貴女は本当に…私の力となってくれるのね」 「当然ですわ、姫さま。これまで姫さまに与えて貰って御恩の分、きっちりと働いて見せます」 顔を上げたルイズの、決意と覚悟に満ちた表情を見て、多少の不安が残っていたアンリエッタも力強くうなずいて見せた。 「……分かりました。ならば、『始祖の祈祷書』と『水のルビー』は貴女にもう暫く預かってもらいます。 しかしルイズ。貴女が『虚無』の担い手であるという事はみだりに口外しては駄目よ。それだけは約束してちょうだい それと、何があったとしても…タルブの時に見せた様な魔法とは言えぬ超常的な力も、使用する事は極力控えるようにして」 アンリエッタからの約束に、ルイズは暫しの沈黙の後…「分かりました」と頷いた。 その頷きにホッと安堵のため息をついたと同時に、マザリーニが持ってきた羊皮紙を貰い、次いで机に置いていた羽ペンを手に取る。 「これから先、貴女の身分は私直属の女官という事に致します」 羊皮紙にスラスラと何かしたため、最後に花押を羊皮紙の右端につけてから、ルイズの方へと差出した。 「これをお持ちなさい。ルイズ・フランソワーズ」 自分の目の前にあるそれを手に取ったルイズは、素早く書面に書かれた文章を読んでいく。 後ろにいた霊夢と魔理沙も肩越しにその書類を一目見たが、残念な事にどのような内容なのかは分からなかった。 しかしルイズにはしっかりと書かれていた内容を読むことができ、次いで軽く驚いた様子で「これは…!」と顔を上げる。 「私が発行する正式な許可証です。これがあれば王宮を含む、国内外のあらゆる場所への通行が可能となるでしょう」 それを聞いて霊夢達の後ろにいたギーシュやモンモランシーは目を丸くしてルイズの背中を凝視する。 アンリエッタ王女が正式に発行した通行許可証。それも王宮を含めた場所の自由な出入りができる程の権限など並みの貴族には滅多に与えられない。 例えヴァリエール家であってもセキュリティーの都合上、王宮への訪問には事前の連絡が必要なのである。 その過程丸ごとすっ飛ばせる程の権限を、あの『ゼロ』と呼ばれていたルイズのモノとなったことに、二人は驚いていたのである。 一方のキュルケは、トリステイン貴族でなくとも喉から手が出るくらい欲するような許可証を手にしたルイズを見て、ただ微笑んでいた。 実家も寮の部屋も隣であった好敵手が、自分の目の前でメキメキと成長していく姿を見て面白いと感じているのであろうか? タバサは相変わらずの無言であったが、その目はジッとルイズの後姿を見つめていた。 そんな四人の反応を余所に、アンリエッタは説明を続けていく。 「…それと警察権を含む公的機関の使用も可能です。自由が無ければ、仕事もしにくいでしょうから」 既に許可証を受け取っていたルイズは恭しく一礼した後、スッと後ろへ下がっ。 一方で、アンリエッタの話を聞いて大体の事が分かった魔理沙はまるで自分の事の様に嬉しそうな表情を浮かべてルイズに話しかける。 「おぉ、何だかあっという間にルイズと私達は偉くなってしまったじゃないか?」 「凄いわねぇ…私はともかく、魔理沙には渡さない様にしておきなさいよ」 次いで霊夢も興味深そうな表情と「私はともかく…」という言葉に、ルイズはすかさず反応した。 「正確に言えばこの許可証が効くのは私だけであって、アンタ達が持ってても意味ないわよ?」 この二人の手で悪用される前に最低限の釘を刺し終えた彼女は、最後にもう一度確認するかのように許可証に目を通す。 アンリエッタのお墨付きであるこの書類が手元にある以上、自分はアンリエッタと国の次に位置する権力を手に入れたのである。 ルイズとしては、ただ純粋に苦労しているアンリエッタの為に何かお手伝いができればと思っていたのだが…。 (流石にこんなものまで貰えるだなんて、思ってもみなかったわ…) そんなルイズの気持ちを読むことができないアンリエッタは、最後にもう一度話しかけた。 「ルイズ…それにレイムさんとマリサさん。貴方達にしか頼めない案件が出てきたら、必ずや相談いたします。 表向きはこれまで通りの生活をして、何か国内外の行き来の際に困ったことがあればそれを提示してください 私の名が直筆されたこの許可証ならば例え外国の軍隊に絡まれたとしても、貴女たちへの手出しは出来なくなるはずです」 そして時間は戻り、モンモランシーがこれから乗る馬車が駐車されている二番プラットフォーム。 四頭立ての大きな馬車はもうすぐここを出るのか、平民や下級貴族と見られる人々が続々と馬車の中へと入っていく。 馬車の後部にある荷物入れには、御者と駅舎の荷物運搬員が積み込んだ旅行鞄などの大きな荷物がこれでもかと詰め込まれている。 鞄の持ち手などにしっかりと付けられたネームタグがあるので、誰がどの荷物なのかと混乱する手間は省けられそうだ。 そんな馬車を前にして、モンモランシーは昼食を共にしてここまで見送りに来てくれたルイズ達三人と向き合っていた。 ルイズはこれまで彼女に嘲られていた事を思い出してか渋い表情を浮かべており、どう解釈しても好意的な表情には見えない。 「まぁ今日は…色々と世話になっちゃったわね。…ともかく、夏季休暇が明けたらこの借りはすぐに返すことにするわ」 「本当ならアンタに今まで笑われた分の借りも請求したいところだけど、正直ここで数えてたらキリがないからやめておくわ」 「…!そ、そう…助かるわね」 まだ気を許していないルイズの刺々しい言葉にムッとしつつも、今度はレストランで仲介役をしてくれた霊夢に視線を向ける。 ルイズの使い魔であり、こことは違う異世界から来たという彼女の視線はどこか別の方へと向いている。 何か彼女の興味を引くものがあったのか、はたまた単に興味が無いだけなのか…そこまでは流石に分からなかった。 これは普通に声を掛けた方が良いのか、それとも無視した方が良いのだろうか?モンモランシーはここへ来て、些細な葛藤を覚えてしまう。 「………え、え~と…あの―――」 「あぁ、ゴメンゴメン…てっきり私の事は無視するかと思ってたからつい…で、何よ?」 「…挨拶するつもりだと思ってたけど、気が変わったから良いわ。御免なさい」 「別に謝る必要なんて無いんじゃないの?」 「それアンタが言うの?普通は逆じゃない?…はぁ、もういいわよ!」 と、まぁ…然程自分の事を気にしていなかった霊夢に詰め寄りたい気持ちを何とか堪えたモンモランシーは、 最後に三人いる知り合いの中で、唯一笑顔を向けてくれている魔理沙へと顔を向けた。 まぁどうせ碌でも無い事を考えてるに違いない。そう思いながらも口を開こうとするよりも先に、魔理沙が話しかけてきた。 それは、先にルイズと霊夢に話しかけていたモンモランシーにとって、少しだけ意外な言葉を口にしてきたのである。 「いやぁー悪いな。折角タルブの時には助けに来てくれたっていうのに、コイツラが色々と不躾で…」 「え…?」 右手の人差し指で前にいるルイズたちを指さしながら言った魔理沙に、モンモランシーは思わず変な声が出てしまう。 てっきり先の二人に負けず劣らずの失礼な言葉を投げかけられると思っていただけに。 「ちょっとマリサ、アンタ自分の事を棚に上げて私を不躾な人間扱いするとはどういう了見よ?」 腰に手を当てて怒るルイズに同意するかのように、霊夢も「全くだわ」と相槌を打つ。 しかしモンモランシーからして見れば、この場で最も不躾なのは今の二人に違いは無いと思っていた。 一方の魔理沙も二人がご立腹という事を気にすることなくカラカラと笑った。 「ハハッ!まぁこんな風に自分の事を省みない二人だが、ここは私の笑顔に免じて穏便にしておいてくれないかな?」 「ん…ま、まぁ別にそれ程…一応は昼食の際に同席を許してくれたし、最初から起こるつもりなんて無かったわよ」 ルイズ達とは違う無邪気な子供が見せるような笑みと、利発的な魔理沙の声と言葉に自然とモンモランシーは気を許してしまう。 昼食を摂ったばかりで気が緩んでしまっているという事もあるのだろう、今の彼女には黒白の魔法使いが『自分に優しい人間』に見えていた。 仕方ないと言いたげな表情でひとまず熱くなっていた怒りの心を冷ましてくれたモンモランシーに、魔理沙は「悪いな」と礼を述べてから、再度彼女へ話しかける。 「まぁ…お前さんには夏季休暇が終わった後にでも、ちょいと頼みたい事があるしな」 「頼みたい事ですって?」 突然彼女の口から出た言葉にモンモランシーは怪訝な表情を浮かべる。 気分を害してしまったと思った魔理沙は少し慌てた風に「いやいや、そう難しいことじゃないさ」とすかさず補足を入れる。 「ちょっと前にアンタが『香水』って二つ名で呼ばれるくらい香水やポーション作りに精通してるってのを聞いてさ、それで興味が湧いてね」 「ふ~ん、そうなの?…で、その私に頼みごとって何なのよ」 少し警戒しつつも、そう聞いてきたモンモランシーに魔理沙は元気な笑顔を浮かべながら、゙頼みごどを彼女へと告げた。 その直後であった。モンモランシーの乗る馬車の御者が、出発を告げるハンドベルを盛大に鳴らし始めたのは。 モンモランシーを含めた貴族、平民合わせて計八名を乗せた中型馬車がゆっくりと駅舎から遠ざかっていく。 魔理沙は頭にかぶっていた帽子を手で振りながら、どんどんと小さくなる馬車へ別れを告げていた。 正確に言えば、彼女にとって大事な゙約束゙を漕ぎ着ける事の出来たモンモランシーへと。 「じゃあまたな~!ちゃんと約束の方、忘れないで覚えておいてくれよぉ!」 満面の笑みを浮かべて帽子を振り回す魔法使いの背を見ながら、ルイズはポツリと呟いた。 「レイム、私思うのよね」 「何よ?」 「多分私達三人の中で、今一番『悪魔』なのはマリサなんじゃないかなって」 ルイズの言葉に霊夢は暫しの沈黙を置いてから、「そりゃあそうよ」とあっさりと肯定の意を示した。 馬車が出る直前、御者が鳴らすハンドベルの音と共にモンモランシーは魔理沙とそんな約束をしたのである。 「この夏季休暇が終わったらさ、アンタがポーションや香水を作ってる所とか見せてくれないか。 それに、ここの世界のそういう関連の本も詳しく知りたいしな。美味しいお菓子も私が用意するし、どうかな?」 気分を良くしていたモンモランシーには、魔理沙との約束を断る理由など無かった。 彼女は知らなかったのだろう。霧雨魔理沙と言う人間が、借りると称してどれだけの本を持って行っているのを。 霊夢はともかく、ルイズもまた学院の図書室や王宮の書庫からごっそり本を持って来た彼女の姿を何度も目撃している。 そして、彼女の次のターゲットとなるのは…三年生や教師等を含めても魔法学院の中で最もポーションに詳しいであろうモンモランシーなのだ。 人の皮を被った悪魔の様な魔法使いの背中を二人の話を聞いて、それまで黙っていたデルフが哀れむような声で呟いた。 『あらら、あのロールの嬢ちゃん可哀想に。一体どんなことをされるのやら…』 「人聞きの悪いこと言うなよデルフ。私はアイツに何もしないさ、本を借りたいという事を除いて…だけどな?」 デルフの声で魔理沙は帽子をかぶり直し、振り返りながらそう言った。 その笑みは先ほどモンモランシーに見せたものと変わらない、実に純粋な笑顔であった。 それから十分も経つ頃には、今度はルイズたちがここを出ていくべき立場となっていた。 もう馬車の修理も済んでいるだろうという事で、ルイズは他の二人を連れて一番ステーションを目指している。 「チケットとかは無くてもいいのか?モンモランシーののヤツは用意してたけど…」 「私達の場合ヴァリエール領までチャーターしてるから、そういうのは駅舎の人たちが用意するから大丈夫よ」 魔理沙からの質問に手早く答えつつ、ルイズは持つべき荷物が無い身軽な足取りでドンドン前を進んでいく。 預かってもらっている荷物ならば既に馬車へ運ばれているだろうし、無かったら無かったで持って来させればいいだろう。 そんな事を考えながら足を動かしていると、ふと一番後ろにいた霊夢が声を掛けてきた。 「…それにしても、アンタんとこの実家に帰ってきてるのかしらねぇ?」 霊夢の言葉にルイズは顔を後ろにいる彼女へ向けつつ、足を動かしたまま口を開く。 「まだ分からないわ。…けれど、ここ近辺にいないとすれば…ラ・ヴァリエールに帰ってる可能性は否めないわね」 『?…一体何言ってるんだお前ら、オレっちは単なる帰郷だけとしかマリサから聞いてないが…』 「あぁ、ごめんごめん。そういやぁお前には詳しく話してなかったっけか」 そこへすかさず割り込んできたデルフに魔理沙がそう言うと、お喋り剣は「ひでぇ」とだけ呟いて刀身を震わせた。 「そう簡単に震えないでよ。ちゃんとアンタにも分かるよう説明してあげるから」 自分の背中でブルブルと微振動するデルフを軽く小突きつつ、ルイズが故郷へと帰るもう一つの理由を彼に話し始める。 ルイズが霊夢達を連れて故郷ラ・ヴァリエールへと変える理由。それは彼女の一つ上の姉、カトレアを探す為でもあった。 ヴァリエール家の次女として生まれ、幼い頃から不治の病と闘い続けている儚くも綺麗な女性。 あのルイズも彼女には愛情を込めて「ちぃ姉様」と呼んでおり、ヴァリエール家の中で一番愛されている人と言っても過言ではない。 その彼女が父から貰ったラ・フォンティーヌを出て、タルブ村へと旅行に行ったという話は長女のエレオノールから聞かされていた。 しかし、不幸にもタルブ村は親善訪問で裏切ったアルビオン軍との戦闘に巻き込まれ、カトレアも従者たちと共に戦場のど真ん中で取り残されてしまったのである。 ルイズは彼女を助ける為、そして大事な姉と敬愛するアンリエッタと母国を傷つけようとするアルビオンと戦う為、霊夢達と共にタルブ村へと飛び込んだ。 その後はキメラを操るシェフィールドと言う女との戦い…カトレアの知り合いだという、霊夢と所々似ている服を着た謎の黒髪の女性の加勢。 裏切り者ワルドの急襲に呼んでもいない加勢に来てくれたキュルケ達と――――艦隊を吹き飛ばす程の力を持つ、『虚無』の担い手としての覚醒。 たった一夜にしてこれだけの事が起こり、エクスプロージョンを発動してアルビオン艦隊を沈黙させたルイズはあの後すぐに気を失った。 目が覚めた後、トリステイン軍に保護されたルイズはタルブの隣にある町ゴンドアで目が覚め、援軍の総大将として来ていたアンリエッタと顔を合わせる事が出来た。 最初こそ「なんという無茶な事を…」と怒られてしまったが、その後すぐに「けれど、無事でよかったわ」と優しい抱擁をしてくれた。 霊夢やキュルケ達も無事保護されており、ホッと一息ついた後…ルイズはアンリエッタに「あの…ちぃ姉様はどこに…?」と訊いてみた。 タルブ村の領主、アストン伯の屋敷の前でキメラを操るシェフィールドとの戦いで加勢してくれたあの黒髪の女性が屋敷の中にカトレアがいると言っていた。 戦いが終わった今ならばきっと彼女も屋敷から連れ出され、自分と同じようにこの町で休んでいるかもしれないと、ルイズは思っていた。 しかし、現実はそう簡単に二人を会わせることは無かった。 確かにカトレア他屋敷の地下室に籠城していた者たちは救出部隊によって保護されていた。 だが彼女自身はルイズが近くにいたことはいらなかったのか、もしくは迷惑を掛けられまいと思ったのだろうか。 アンリエッタも知らぬ間にカトレアは従者たちを連れて、町の中で立ち往生していたトリスタニア行きの馬車でゴンドアを後にしていたのである。 その事を知ったアンリエッタがすぐさま使いの者を出したものの時既に遅く、その馬車を発見したのは王都の西部駅舎であった。 彼女を乗せた馬車の御者に聞いてみるも、確かにトリスタニアでカトレアらしき人物を乗せたという情報を掴むことができたが、 何処へ行ったかまでは聞く事が出来なかった為、カトレアの行方はそこで完全に途絶えてしまったのだ。 「姫さまは引き続き人を使って探してくれるって言ってるけど、もしかしたら自分の領地に帰ってるかもしれないし…」 「あー、それはあるかもな。こういう時に限って、流石にここにはいないだろうって所に探し人はいるもんだしな」 やや重い表情で゙もしかしたら…゙の事を喋るルイズに、魔理沙も申し訳程度のフォローを入れる。 確かにそれはあるかもしれない。ルイズはラ・フォンティーヌでゆっくりとしている一つ上の姉を想像しつつ、コクリと頷いた。 本当ならば実家に手紙でも送ってカトレアがいるかどうか確かめて貰えばいいのだが、そうなれば両親まで彼女の身に何が起こったのかを知ってしまう。 彼女の事を大事にしている両親の事だ。きっと父親である公爵は驚きのあまり気絶して、母親はそんな父を引っ張って王都までくるかもしれない。 何よりカトレア自身が、たかが自分の為にそこまで心配しないで欲しいと願っているかもしれない。 やや自棄的とも言える彼女の献身的な性格をしっているルイズだからこそ、敢えて手紙での確認は控えたのである。 長女のエレオノールなら何か知っているかもと思い、アカデミーに確認の手紙を送ったりもした。 しかし、ここでも始祖ブリミルはルイズを試してきたのかアカデミーから返ってきた返信は、エレオノールの同僚からであった。 ヴァレリーという宛名で送られてきた手紙によれば、エレオノールは数日前にとある遺跡の調査でトリステイン南部へと赴いているのだという。 『風石』を採掘する前の地質調査の際に発見されたものらしく、どんなに早くても来月までは王都に帰ってこないのだという。 更に、遺跡はかの始祖ブリミルと深く関っている可能性が高い為にロマリアの゙宗教庁゙との合同調査として機密性のグレードが上げられ、 仮に遺跡の場所を教えて手紙を送ったとしても、手紙はその場でロマリア人に絶対燃やされる。…との事らしい。 「となれば、一刻も早くラ・ヴァリエールに帰って…ちぃ姉様がいるかどうか確認しないと…」 身近に頼れる者が霊夢と魔理沙、そして自分では動く事ができないインテリジェンスソードのデルフという二人と一本という悲しい状況。 しかし彼女らのおかげで何度も危険な目に遭いつつも、今こうして生きていられているという実績がある。 だからこそルイズは決意を胸にラ・ヴァリエールへと帰る事を決めていた、行方をくらましたカトレアを探すために。 しかし現実はまたしても、ここでルイズの足を止めようと新たな防壁を展開しようとしていた。 それは彼女の『エクスプロージョン』でもってしても消し飛ばせない…否、したくてもできない王家の花押付きの手紙として。 しっかりとした足取りで、ルイズたちが一番ステーションへと続く観音開きの扉を開けた先で待っていたのは、 入ってすぐ横にある御者たちの休憩スペースにいた、一人の若い貴族であった。 「失礼。ミス・ヴァリエールとその御一行と御見受けしますが…」 「…ん?」 突然横から声を掛けられたルイズは足を止めて、そちらの方へと顔を向ける。 まだ二十歳を半ば過ぎたかそうでない年頃の貴族の姿を見て一瞬、ルイズはナンパか道を尋ねてきた旅行者かと最初は思った。 しかし初対面である男が自分をヴァリエール家の人間だと知っていたうえ、霊夢と魔理沙たちの事まで知っている。 という事は即ち、自分たちが何者であるかしったうえで彼は声を掛けてきた…という事になる。 見た感じレコン・キスタからの刺客、という風には見えない。 「一体どなたかしら?これから故郷へ帰る前の私に一声かける程の用事があって?」 「えぇ。アンリエッタ王女殿下から直々のお手紙を、貴女様に渡すようにとの事で急遽こちらへ来ました」 「…!姫様から?」 聞き覚えのあり過ぎる名前を口にすると共に、青年貴族は懐から一通の封筒をルイズの前に差し出した。 封筒には宛名が書かれていないものの、その代わりと言わんばかりに大きな花押が押されている。 それに見覚えがあったルイズはすぐさまそれを手に取ると封筒を開けて、中に入っている手紙を読み始めた。 その一方で、何が何やら良く分からぬ霊夢は突然声を掛けてきた青年貴族に話しかける事にした。 「ちょっと、アンタは誰なのよ?これからこんなクソ暑い街から出ようって時に邪魔してくるなんて」 「それは失礼。しかしながら、ミス・ヴァリエールと貴女達は今からこのクソ暑い街でやってもらわねばならぬ事がありますので…」 遠慮のない霊夢の言い方に動じる事無く、涼しい表情を浮かべた青年貴族は肩を竦めてそう言った。 彼が口にしだやって貰わねばならぬ事゙という意味深な言葉に、彼女は怪訝な表情を浮かべる。 そして同時に思い出す。以前虚無の事を離した際、ルイズがアンリエッタ直属の女官になった時のことを。 (そういえばアンリエッタのヤツ、何か用事があれば任せるとかなんとか言ってたけど…いやいやまさか) いくら何でもタイミングがあまりにも悪すぎる。そんな事を思っていた霊夢の予感は、残念なことに的中していた。 手紙を一通り読み終えたルイズが最後にザっと目を通した後、彼女は手紙を封筒に戻し、それを懐へとしまい込んだ。 そして自分に手紙を渡してくれた青年貴族へ向き合うと、キッと睨み付けながら鋭い声で話しかけた。 「この手紙に書かれていた最後の報告文とやら…間違いないんでしょうね?」 「その点に関してはご安心を。特定多数の者たちからの証言と、市街地での目撃情報が合致していますので」 「………そう、分かったわ。ありがとう、わざわざ届けに来てくれて」 ほんの一瞬の沈黙の後に来たルイズからの礼に、青年貴族は「どういたしまして」と頭を下げる。 そして今度は、一体何が起こってるのかイマイチ良く分からないでいる霊夢達へと体を向けてからルイズは二人へある決定を告げた。 「帰郷は中止よ」 突然告げられたルイズに対し、先に口を開いたのは魔理沙であった。 「は?それって…一体…」 「文字通りの意味よ。ちぃ姉様を探すためにも、そして姫さまからの願いを叶える為にも、帰郷は中止するわ」 聞き間違う事の無いように、ルイズがはっきりとそう告げた直後――――13時丁度を報せる鐘が駅舎の中に鳴り響いた。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
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蛍の記憶 一.送りましょうか 送られましょうか 寺が鼻まで 時雨に濡れて 昔ゃお六と 昔ゃお六と桂姫 二.月が出たぞえ 木陰に入ろか ままよ渡ろか 坂戸の橋を お六甚句で お六甚句で水鏡 三.吹雪く窓なりゃ 届かぬ想い 心細かな 縮の綾を 織って着せたや 織って着せたや 主が肩 四.百姓大名じゃ 兼続様は 尻をからげて 田草もとりゃる 峰にゃ松風 峰にゃ松風玉日和 五.おらが娘の 器量を見やれ 燃えて溶かした 高峰の雪を 袖に掬って 袖に掬って玉の肌 六.お六恋しや 姫様桂 会えぬこの身が 川瀬を焦がす 蛍呼ぶなら 蛍呼ぶなら寺が鼻 (新潟県民謡:お六甚句) 戦国の乱世も豊臣秀吉の小田原攻めにて収束し小康状態を得た時分。 越後国の春日山城下にある上杉家家老、直江兼続の屋敷を珍しい客人が訪ねて来たのはそんな頃だった。 一日の政務を終えて自邸へ戻り書斎で書き物をしていた兼続が俄かに騒がしくなった邸内と、廊下を進んで来る家人の慌てたような足音にふと書きかけの書状から目を上げる。 「騒がしいな。何があったのだ」 いそいそと歩いて来た家人が膝を折って書斎の主人に声を掛けるよりも早く、兼続の落ち着いた良く通る声が彼に尋ねた。 「は、それが京からお客人が参られまして、ご主人様にお目通り願いたいと」 「客人。どなただろう」 兼続は手にしていた筆を硯箱に置くと廊下に膝をついている家人をちらと見た。 「それが…お名前は故あってどうしても明かせぬと仰るのです」 弱りきった様子の家来の様子に、兼続がふむ、と文机を押し退けて家人と真っ直ぐに向かい合う。 「そなたその者の顔は見たか。いつもこの屋敷に出入りする者ではないのだな」 「は、私もちらとお姿を拝見いたしましたが覚えがありませんでした」 兼続は生真面目に重ねて問うた。 「名を明かせぬような者が一体何用で私の所へやって来るのだろう。そなたが覚えていないだけではないのか」 主の言葉に、まだ若い家人は滅相も無い、と大きく左右に首を振る。 「あのような美しい方、一度でも目にしたら忘れられようもありませぬ」 む、と兼続の秀麗な眉が顰められた。 「その言い様は、もしやお客人とは女人なのか」 兼続の問いに、家人はお心当たりがおありで?と顔を輝かせたが、生憎と愛だ愛だと騒ぐ割には色恋に疎い朴念仁で通っている兼続には京から遥々名を伏せてまで自分に会いに来る様な佳人にはとんと心当たりがなかった。 それでも余り客人を待たせるのは不義だ。 「よい。会おう」 兼続は狐に抓まれたような気分になりながらも腰を浮かせた。家人は一足先に『美しいお客人』を客間に案内するため小走りに下がって行く。 庭に面した廊下を歩きながら、兼続は客人について思いを巡らせた。 京にいる知己の女性。 真っ先に思い浮かべたのは太閤秀吉が愛妻、ねねの方であるが彼女にはわざわざ越後までやって来る必然性がない。兼続は秀吉だけでなくねねにも気に入られており、常々顔を見せに来いと言われる一人ではあったが、身分の差を考えればどう考えても会いたければ兼続を京まで呼びつけるのが筋だ。 他には幸村の忍びのくのいちと、北条の臣下でありながら今回の小田原仕置きで特別に赦された甲斐姫がいたはずだが、家臣の言っていた『一度でも目にしたら忘れられない』程の美人かと言われるとどうだろう。兼続の眼から見ればまだ少女の域を出ない『可愛らしい』彼女らなのだけれども。 猛将の誉れ高い本田忠勝の娘御の稲姫は確かに見目麗しいと兼続も思うが良人の真田信之と共に嫁ぎ先である上田の城に戻った筈だ。 と、なればあと京に居るのはまだ国元に戻っていないと聞く立花誾千代か。 兼続は戦場を駆けるあの凛とした横顔を思い出して少し頷いた。確かに彼女は美しい。戦場での彼女の勇姿を一度見たら忘れられないというのも頷ける。 しかし彼女がわざわざ越後くんだりまで自分に何用だろうかとやはり釈然としないものを感じながら、既に客人が通されている客間の襖を開けた時、兼続は客人が誾千代でもないことを知った。 兼続の視界に飛び込んで来たのは眼にも綾な美しい装束を身に着けた女。京から来たと聞いていたが、彼女が纏っているのは質素な旅姿等ではなく大名家の姫君が身に着ける様な美しい絹だ。 煌びやかな衣装と好対照に、女は楚々とした仕草で控えめに手を突き礼をしたまま俯いているため兼続からは顔立ちは窺えない。 しばし呆然と立ち尽くしていた兼続は、先程の家人の控えめな咳払いで我に返った。兼続が上座に座らなければ彼女はずっと頭を下げ続けていなければならない。 柄にもなく取り乱したようになりながら、兼続はすっと低頭する女性の向かいに座った。 「お待たせいたした。私がこの屋敷の主、直江兼続」 兼続の名乗りに、女は低頭したまま涼やかな声で応える。 「存じあげておりまする。直江様とわたくしとは一方ならぬ間柄にございますれば」 兼続がはっとしたのと同時に、がた、と縁側で大きな音が上がった。使用人の誰かが驚いて音を立てたのに違いない。 兼続は家人の躾を厳しくせねばなるまいと苦々しく思いながら人払いを命じた。 「さて、これで宜しいか?」 そう訊ねる兼続の口元は笑っている。 「愛と義を標榜する兼続様のご家人にしては不調法なことですこと」 涼やかな声に痛烈な皮肉を乗せながら、女が顔を上げる。 抜けるような白い肌、整った目鼻立ち、薄く紅を引いた唇。鴉の濡れ羽のような漆黒の長い髪は髢だろう。 そこに美しく座しているのは紛れもなく。 「三成」 兼続が女装した三成の手を取らんばかりに喜んで親友の名を唇に乗せた。それをさっと帯から抜き取った女物の雅な扇で打ち据えて、直江兼続の親友石田三成は澄ました顔で首を左右に振って見せる。 「さても面妖なことを仰いますな。石田治部少輔様がどこにいらっしゃると仰るのですか兼続様?」 聡明な兼続はそれだけで三成の意図を汲んだらしく大人しくじりじりと下がって客と主の距離として妥当な位置に腰を据えた。 「いやすまない。ふとあなたを見ていたら遠く離れた大切な友のことを思い出しまして」 構いませぬ。三成はしれっとそんな風に返して暫くこの遊びを続けるつもりらしい。他愛無い言葉遊びだけれども、それは兼続にとっても久方振りに面白いと思える遊びだった。 「確かにあなたとは私が京に上洛した折、いやそれ以前よりの間柄。なのに何故でしょう。私にはあなたのお名前一つ思い出せないのです。きっと先の上洛の折、去り難い想いが私にあなたに関する一切の想い出を京に残して来させてしまったのでしょう」 三成は先程兼続の顔を打ち据えた扇をざっと開いて口元を隠し、よよと泣く真似をしてみせる。 「ああ兼続様。わたくしの事など覚えておられないと仰いますのか。あれ程この先を固く約した二人だというのに」 無論兼続と三成が約したのはこの日の本の行く末についてだが、兼続はそう来たか、と笑いを噛み殺すのに苦心した。 「忘れてなど。どうしてあなたのことを忘れられましょうか。先程もあなたを想って、あなたに宛てる恋文を認めていたのですよ、桂姫」 「なんだ、朴念仁だとばかり思っていたが、なかなか歯の浮くような台詞も吐けるではないか」 そこで興を削がれたか、三成は急にがらりと口調を変えていつものようにややもすると尊大と受け取られかねない態度でぱちん、と扇を閉じた。 兼続は三成の豹変振りに声を上げて笑いながら弁解する。 「まさか。相手がお前だと思うから言えるまでだ。このような言葉、生まれて初めて言ったぞ」 どうだか、と何故だか不機嫌そうな三成を無遠慮にじろじろと凝視して、兼続は感嘆の声を漏らした。 「いや、どんな事情があったかは解らぬが、これは上手く化けたものだなあ。不覚にもお前の声を聞くまで解らなかったよ。先程のように猫を被っておれば誰もがおなごと思うだろうな」 声で解った、という兼続に、三成は幾分機嫌を直したらしい。 「猫を被るというのが気に食わないがまあ許してやろう」 「被っておったではないか、特大の猫を」 くすくすと笑う兼続につられて三成も紅を引いた口元を柔らかく綻ばせた。 「久しいな。息災であったか」 「見ての通りだ。三…桂姫も恙無いようで何より」 姿は女性にしか見えないが、中身はいつもと変わらぬ三成だ。兼続はつい名を呼びそうになって、先程咎められたのを思い出して言い直す。それへ三成が怪訝そうに眉を顰めた。 「さっきから気になっていたのだが、その『桂姫』というのは俺のことか」 「他に誰かがいるか?」 「何故『桂』なのだ」 問われて、兼続はうむ、と腕組みをした。 「何故と言われても困るが、お前を見てふと浮かんだのがその名だった。名を呼んではならぬと言われたがやはり呼び名がないと不便と思いそう呼んだまでのこと」 三成は兼続が自分を見て、どうしてその名が浮かんだのかを知りたいと思った。それは常日頃周囲から言われ、また自分でも納得している、何事にも執着しないという彼の性格に少しく反することである。 むすっと黙り込んだ三成を余所に、兼続はつらつらと立て板に水の勢いで纏まらぬ頭の中を整理するかのように良く回る口に出してその理由を考え出す。 「そう言われて見れば何故だったのかな。お前のその装いと容姿にはもっと華やかで艶やかな名が相応しかったかも知れぬのにな」 何気ない調子で話す兼続の言葉を聞いている内に、三成が突然扇を開いて口元を隠した。兼続はというと三成の様子には頓着せずにじっと女装姿の三成を見つめたまま尚も喋り続けている。 「うん、恐らく見た目では無かったのだろうな。私はお前の容姿が少しく変わった所に名をつけたのではなくて、お前の中身に名をつけたのだろう」 三成は扇で顔半分を隠したまま兼続を見つめている。 「多分、京で共に見た桂川。名の元はあれではないだろうか。あの時見た桂川の流れは大変に美しかったし、流れの速い所とゆっくりな所、一筋の同じ流れでありながら様々な表情を見せてくれたであろう?それをお前のようだと思ったのだ」 そこまで一気に言い切って、すっきりした、とでも言いたげににこ、と笑った兼続からとうとう三成は顔を背けた。また機嫌を損ねたかと思った兼続は三成に向かって更に言い募る。 「悪い名ではないと思うが。明国の古い書物にも桂について書かれているぞ。こちらは植物の桂ではあるが、月に輝く高き理想を示す木なのだという。これもお前にぴったりではないか」 「ええい何時もながら貴様の物言いは恥ずかしいのだよ!」 耐え兼ねたように扇を外して三成が怒鳴ったが、露わになったその美しい顔は一面朱を刷いたように真っ赤だった。 「恥ずかしいものかな。私はそう思ったからそのままを口にしているだけなのだが」 まるで天気の話をするかのようにそう自然に返して来るものだから、三成は心中でこのど天然が!と思う様悪態を吐いた。 「もうよい。疲れた。何とでも呼ぶがいい」 げんなりした様子の三成を気遣って、兼続は払っておいた家人を呼ぶと茶と菓子を運んで来させた。そしてまた人払いをすると改まった様子で三成に向き直る。 「さて、そろそろお前が来た用件を聞かせて貰おうか。そのような姿で遥々京からやって来たと言うのはただ事ではあるまい」 三成は出された饅頭を一口齧り、出された茶を殊更ゆっくりと飲んでから落ち着いた態で話し始めた。 「何か大事が起きたという訳ではない。豊臣では小田原の仕置きが終わり一息ついた所だ。後は小さな抵抗勢力を一つずつ鎮撫していけばよい」 抵抗勢力。 兼続の脳裏に一人の男が浮かぶ。 「…伊達の…」 「政宗の扇動したと思われる一揆では当然伊達に沙汰がある筈だったが、奴の花押入りの書状という動かぬ証拠がありながらあの男図太い神経で偽物と言い逃れお咎めなしだ」 三成がさばさばした口調で端的に答えると、兼続は束の間口を噤んだ。 山犬らしい。沈黙の後そう呟いた兼続の浮かべた表情は、付き合いの長い三成から見てもどのような感情が篭っていたのか解らなかった。 しかしそれも一瞬で、直ぐに兼続は三成の眼を真っ直ぐ見つめる。 「それで、上杉も領内を良く治めよと、そう言いに来たのだな」 「まあ、そんな所だ」 「しかしそれ位のことならば書簡で事足りるではないか。直接お前が来て釘を刺されるほど我ら上杉の忠義は薄いと思われているのか」 秀麗な眉を顰めた兼続に、呆れたように三成が大きく溜息を吐いた。相変わらずこの風変わりな所のある友は骨の髄から義に染まっている。 「そうではない。秀吉様は上杉…分けてもお前には全幅の信頼を置いている。今回俺がこうしてやって来たのは別の理由だ」 「別の?」 全く思いもつかないといった様子の兼続を三成は憮然と睨みつける。長い付き合いで慣れたつもりではあったがやはりこの男の、人の心の機微に関する鈍さには苛々させられる。 三成は半ば自棄のようになりながらまた扇をざっと開いて直ぐに閉じ、殆ど喧嘩腰で兼続に言った。 「俺がお前に会いたかったのだよ!悪いか!」 突然の三成の告白に眼をぱちくりさせていた兼続が、ふっと愁眉を開いて破願する。 「そうだったのか。それならそうと早く言ってくれれば良かったのに。会いたかったのは私もだ、遥々会いに来てくれて本当に嬉しい」 何の衒いも無くさっぱりと言う兼続に、今度こそ真っ赤に顔を染めた三成はぽつりぽつりと事のあらましを語りだす。 「小田原までずっと働き詰めだったろうと秀吉様とおねね様が仰ってくれたのだ。小田原仕置きも終わったし、天下も粗方治まった。少しは休んではどうかと言われたのだが京ではどうにも仕事が気になってゆっくり休む気にはなれん。かと言って行きたい所があるでなし。しかも遠くまで行くと時間がかかる」 そこで三成は言葉を切って照れ隠しのように手にあった残りの饅頭を一口に放り込んだ。そんな三成を微笑を湛えて見つめる兼続を半ば睨みながら、饅頭を嚥下した三成がぽつりと零す。 「しかしただ一人、会いたいと思った奴がいたのだ」 こくりと、兼続が頷いた。 「しかしその者は遠く越後に居り、会いに行くとなれば一月は京を空けねばならんだろう。石田治部が京を空けて長く不在というのもまだ千代に磐石とは言い難い現状では巧くない。そこで、京には影を置いて行くことにした」 「成る程、石田三成は京にいる。越後になど居てはならぬとそういうことか」 「それだけではないぞ。徳川の狸がちらちらと天下を窺っているのだ。奴に俺とお前が越後で密談していたなどと知られて見ろ、でっち上げも甚だしく何かの火種にならぬとも限らん。あれはそういう食えん狸よ」 然り。と兼続が頷いて大分温んだ茶を啜った。 「それでおなごの形をしてきたと言う訳か。家の者達もお前には幾度も会っている筈だが誰一人気付いた風も無かったな。本当に上手く化けたものだ」 三成はそれには答えずにずず、と茶を飲んだ。傍から見るとまるで男とは思えないその姿を、兼続はううむと唸ってじろじろと眺めている。 「その策はお前一人で考えたのか?」 途端に三成の美しい顔が渋くなった。 「それとも左近殿の献策かな?」 何の悪気もない兼続に、三成は不機嫌そうにしながらも肯定を返す。 「半分は当たりだが、もう半分の発案者はおねね様だ」 三成の語る所に拠れば三成が女装するに至った経緯はこうだ。 小田原攻めの後、京に戻った豊臣家はいつになく平和な空気が流れており、御台所たるねねが忍びとして良人の秀吉を支える必要もなくなっていた。つまるところねねは暇を持て余していたのである。 そこへ降って湧いたような三成のお忍び越後旅行が持ち上がり、三成の影武者を立てるという左近の献策が採用された。それを聞き及んだ聡明な『母』ねねは、念には念を入れるべきだと力説し三成に変装を薦めたのだが、何のことはない退屈しのぎに三成を着せ替え人形にして遊びたいというのが本音である。 ねねには頭が上がらないばかりか意見も出来ないというのは子飼いも含めた豊臣家の伝統であり、かくしてねねは三成で心ゆくまで人形遊びを堪能したのだが。そこで終わらないのが流石天下人の奥方と言うべきか。ねねの暇潰しは着せ替えだけに留まらず、三成は政務の合間を縫って化粧の仕方や着物の着方、女性らしい所作に至るまでみっちり叩き込まれ、その様は普段三成と衝突する事が多い加藤清正、福島正則ですら同情したとかしないとか。 その稽古を思い出してかげんなりしている様子の三成に、思わず兼続が快活に笑う。当然の様に三成がむすっと膨れると、兼続は慌てたように話題を変えた。 「それで、桂姫。越後へはどの位滞在の予定なのだ?」 二人で語り合いたいことはそれこそ山のようにある。先程兼続が恋文を書いていたと言うのも満更嘘ではなく、三成宛の書状を認めていたのだ。 三成はうむ、と小さく頷いて紅を引いた形の良い唇を開く。 「今宵一晩城下に泊まり、明日には立つつもりだ」 「何、明日だと!?」 兼続は驚いて三成の方へいざると上質の綾から覗く白い手を掴んだ。三成がもう少しで茶碗を取り落としかけたのにも気付かぬように、兼続は年端の行かぬ子供のように熱心に三成の眼を覗き込むようにして言い募る。 「なんと!たった一日!?聞かせたい話も聞きたい話も山のようにあるのだぞ!しかも城下に泊まると言ったな。何故だ、此処に泊まれば良かろう!」 そうまで言われれば三成とて悪い気はしない。しないが、呆れたように己の手を握って離さない兼続の手をぺしり、と叩いた。 「阿呆か。中身はどうあれ俺の形はこうなのだぞ」 解っていない様子の兼続を諭すように三成はこんこんと言い聞かせる。 「誰とも知れぬおなごが直江兼続の屋敷に泊まってみろ、明日には春日山城下は驚天動地、大変な騒ぎになるに決まっている。お前とてあらぬ噂を立てられて肩身の狭い思いをするぞ」 「何だ、そんなことか。私は全く気にしないぞ。言いたい者には言わせておけばよいし、例え本当に私が美しい女人と懇ろになったとして、それが悪いこととは思えんな」 だから、どうしてもここに泊まって欲しいと手を握り締めて懇願されては流石の三成も嫌とは言えなかった。心中では三成とて折角会えた兼続と夜更けまで語り合いたいと思っているのは同じなのだから。 「どこに宿を取ったのだ?供回りのものはそこに?使いをやって迎えに行かせよう」 ここぞとばかりにてきぱきと話を進めようとする兼続に、三成は大袈裟に溜息をついて、諾の意を伝えた。ぱっと顔を輝かせた兼続だが三成は構わず淡々と付け加える。 「しかし、明日出立するのは変えぬぞ。やはり京が気になるのだ。お前にも会えたし、今宵は語り明かせるならばそれで良い」 兼続は少し残念そうな素振りを見せたが次の瞬間にはからりと笑って頷いた。 「解った。そうしよう。だが、明日の出立は朝早いぞ」 「何故だ」 即座に三成が問い返すと兼続は三成の手を右手で握り締めたまま、空いた左手で美しい三成の姿を指差した。 「陽が高くなってから屋敷を出れば事情を知らぬ皆の好奇の視線にお前が晒されよう。私が何を言われるのも構わぬが、お前にそのような思いをさせるのは不義だ」 だから、まだ夜が明け切らぬ内に出立しよう。 その言葉尻を捉えて三成が訝しげに訊いた。 「何だ、お前も一緒に出掛ける様な口振りだな」 その通りだと兼続が笑う。 「私も明日はお前と共に送れる所まで送って行こう。さすればお前と少しでも長く居られるからな」 まるで恋人同士のような言い草に、顔を赤くした三成は今度こそ兼続の手を振り払った。それを一向に気にしない兼続はにこにこと邪気の無い笑顔を三成に向ける。 「早く出る分、急がずとも良かろう。少し遠回りにはなるが是非お前に見せたいものがあるのだよ、三…桂姫」 「お前がそこまで言うなら好きにするがいい」 まだ顔を赤らめたままの三成の口から出て来るのは可愛らしくない言葉だったが、兼続は嬉しげになって家人を呼んだ。 おらが娘の 器量を見やれ 燃えて溶かした 高峰の雪を 袖に掬って 袖に掬って玉の肌 その後、有能な上杉家筆頭家老殿は実城に走り主君である上杉景勝に五日の休みを願い出て許されると共に瞬く間に『桂姫』の客間の用意、城下にいる供と荷の迎えと実に手際よく一切の手配を済ませてしまった。 主人を愛する直江家のご家来集は美しい『桂姫』と仲睦まじい様子の兼続を見て皆諸手を上げて歓迎し、これで直江家も安泰と『桂姫』を下にも置かぬよう丁重にもてなした。中には喜びの余り涙ぐむ老婆さえ居て『桂姫』こと三成は酷く居た堪れない想いで長年の友人について考える。 兼続は雪国の生まれらしく男ではあるが肌の肌理も細かく鼻梁の通った整った顔立ちをしている。慶次と並ぶ事が多いから余り際立って目立ちはしないが背丈も高く、戦場で剣を振る兼続の身体は無駄の無いしなやかな均整の取れた身体つきだ。 性格は清廉で真っ直ぐ。時に義だ愛だと煩いことこの上ないが頭の回転はこの自分が認めるほどに早いし、主君である上杉景勝のみならず天下人・太閤秀吉の覚えもめでたい。 やっかみを含めて欠点を多めに差し引いて見たとしても男として申し分無いと思うのだが、本人にはその自覚は全く無いようで京で慶次と孫市に遊郭に連れて行かれたときも酒席で飲んでそのまま帰って来たらしい。 衆道の気でもあるのかと思ったが見目美しい若い小姓を傍に置いているという話も聞かないのでどうもそういう訳でもなさそうなのだ。 しかし兼続は樋口家から直江家へ養子に来たのだから直江の家を存続させるためにも妻を娶って子を成すべきなのに当の本人が一向にそんな素振りを見せないのだから家人達は随分気を揉んでいる様子。 主である景勝も兼続の世継について何も言わないらしいので家人は相当困っていたのだろう。 これは、だからだ。そうに決まっている。 と、三成は湯殿から上がって女物の浴衣を纏い自分の部屋と決められた部屋へ戻って来た所で頭痛を覚え、こめかみを抑えて障子に凭れた。 「ああっ、お方様お加減がお悪いので?」 嬉々として三成の世話を焼いていた使用人頭の老女がふらりと眩暈を起しそうになった三成を見て医師と薬師を呼びに行こうとするのを慌てて止めて、三成は演技でなく顔を真っ赤に染めて蚊の鳴く様な声で頼む。 「あの、その『お方様』と言うのは止めて頂けないでしょうか…」 「なんの、こちらではもう準備万端に御座いますよ。旦那様も直ぐに参られます」 なんの準備が万端なのだ!と心の中で喚いたが詮無き事。家人の誤解は止まらない。 「いつになれば旦那様はこの老体に若様を抱かせて下さるのかと気を揉んで参りましたがほんに今日は良き日ですこと!お方様のようなお美しい方をお連れになって、皆喜んでおります」 このままでは本当に兼続の嫁にされてしまう。三成は真っ赤な顔で部屋の中央に敷かれた一組の布団に眼を遣った。 そこには上等な羽二重の褥が延べてあり。 当然の様に枕が二つ並べられている。 「いえ、そうではなくて…」 「姫。どうされた?」 折悪しく(と、三成には感じられた。)廊下の先から同じく湯浴みを終えたらしい兼続が寛いだ部屋着姿でやって来たので老婆は訳知り顔に一礼すると下がって行った。 恐らく明日の朝まで誰もこの部屋の周囲には近づかないのだろうなと思うと三成はどっと疲れて兼続に当り散らす元気もなく大人しく部屋に入る。そんな三成に続いて部屋に入った兼続が、障子を閉めながらふと気がついて三成に向き直った。 「どうした、顔が赤いな。湯当たりでもしたか?」 すっと兼続の大きな掌が三成の額を覆って心配そうな兼続の顔が間近にある。何かが三成の中でぷちっと切れて、思わずいつものように癇癪を起こす。 「どうもしない!だがそれもこれも皆貴様のせいなのだよ!」 「はっはっは、おかしな奴だな。どうもしないのに私のせいか。まあ少し落ち着いて座ったらどうだ桂姫。お前のために取って置きの酒を用意したぞ」 これぞ正に馬耳東風。兼続はからからと笑って一つしかない布団になど眼もくれず畳の上に直に胡坐をかいて座ると朱塗りの杯を一つ三成に差し出した。 最早鈍いのかなんなのか。三成は呆れてしまって怒りも忘れる。この男に憤っても仕方あるまい。そもそも自分が女の形をしてやって来たのが悪かったのだろう。 そう自分に言い聞かせたが、それでもちくりと厭味の一つも言いたくなる。 「貴様は本当に朴念仁だな。家人達が気の毒になってくる」 「うん?」 「こっちの話だ」 まあ呑めと兼続が三成の杯になみなみと越後の酒を注ぐのに、大きな溜息を零した三成は気紛れに朱杯に満たされた酒を三度に分けて飲み乾した。 返杯にと銚子を取って兼続の杯に注ぎながら平静を装って聞いてみる。 「時に、お前妻帯せぬのか。直江の家を継ぐ者が必要であろう」 「それはお互い様と思うがな」 一息に杯を空け悪戯っぽく笑う兼続に、それもそうかと納得しかけた三成だったが慌てて首を横に振った。 「皆が俺をおなごと思って喜んでいるのをみて本当にお前何も思わんのか。それは不義ではないのか」 兼続は手酌で自分の杯に酒を注ぎながら常に無く大人しく頷いた。 「解っている。しかし、まだ私には他に成すべき事が山とあるのだ。いつか真に天下泰平の世が来たら、その時は次の世代を育てることを考えねばならぬと思っている」 ちくりと、胸に棘が刺さったような気がして三成はついと眼を伏せた。 当然だ。兼続とて今のままでいいとは思っていない。いつかは妻を娶り、子を成すのだろう。それが自然で、そうあるべきだ。 なのに、それを喜べない自分は何なのだろう。 『いつかお前に嫁を紹介される日が来るのかな』 喉まで出掛かった馬鹿げた言葉は酒と一緒に呑み下した。 「いい呑みっぷりだ。さあ呑もう。我らに残された時間は長くないぞ」 兼続が珍しく茶化すようにそう言って、いつもの空気が二人を包む。 一を語ると十伝わる。十を語ると百伝わる。まるで己の半身であるかの様に自然にそこに在る。 とても一晩では語り切れない積もる話がふと途切れた時、兼続はまじまじと三成を見つめた。視線に気付いて三成が眼を上げれば、真摯な眼差しの兼続と眼が合った。 「私は最近思うのだ。遠き国で別々に生を受けた我らがこうして知遇を得、一方ならぬ友誼を交わした。これも前生での縁の賜物だろうか」 「袖振り合うも他生の縁、か?ならば来世はどうなっているのだろうな」 仏教の教えでは命は巡る。輪廻という輪を廻り続けて、命は始まって終わる度に転生を繰り返す。そして近しい魂は次の生でもまた近しい縁を結ぶという。 三成は何故だか可笑しくてふふ、と声を上げて笑った。今の自分が前生を覚えていないのと同じように、来世の自分も今生を覚えてはいないだろう。 三成は自分の想いに気付き始めている。 多分、これは簡単に名を付けてしまえる想いだ。 しかしこの想いは今生では叶う事は無いだろう。 今生で結ばれることが無くとも、来世でまた会えるといい。 そして、願わくば今この時のこの想いを覚えていたい。 「来世でも、私はお前に会えると信じているよ」 そう言ったのは三成ではなく兼続の方だった。微笑んだ兼続の顔は月明かりに照らされて例えようも無く美しかった。 「お前がそれを言うのか」 全く、お前には敵わんな。 華が綻ぶように三成が笑った。 百姓大名じゃ 兼続様は 尻をからげて 田草もとりゃる 峰にゃ松風 峰にゃ松風玉日和 翌日、『桂姫』とその従者、そして直江兼続はまだ夜も明けやらぬ内に春日山の直江屋敷を出立した。 眼にも綾な絹から質素な旅装束に着替えた三成は市女笠を目深に被り、見た目には唯の旅姿の女にしか見えない。馬が一頭、供の者が二人。それに兼続と彼の愛馬の道行きである。 馬に揺られながら三成は疲れたように溜息をついた。 「どうした、桂姫。流石にまだ眠たいか」 東の空が白々と明けて来たのを見ながら、兼続が笑いを含んだ声で聞く。 「眠いのなら眠ってしまっても構わないのだぞ」 返事をする気も起きなくて、三成がそっぽを向いたまま黙っていると兼続の快活な笑いが直ぐ傍でした。 それもその筈、三成は兼続に横抱きにされてぴたりと密着した姿で兼続の愛馬に揺られているのだから。自然、手綱を取る兼続の腕の中に閉じ込められているような体勢になる。 「私がちゃんと手綱を握っているから眠ってしまっても落ちたりはせぬぞ」 京から連れて来た馬と従者は少し遅れて付いて来ているようで、三成からは姿が見えない。 何故こんなことに。 三成は昨夜の酒が残っているせいか、それとも他の理由があってか白い頬を染めながら出掛けのやり取りを思い出す。 結局遅くまで延々語り合った兼続と三成が短い仮眠の後起き出したのはまだ月が出ている内だというのに耳聡く出立の準備の音を聞きつけた家人は揃って起き出して来て、三成の出立を引き伸ばそうとあの手この手で引き留めようとしたが屋敷の主たる兼続がやんわりとたしなめると不承不承引き下がってくれたのだが。 いざ出立という段になり、来た時と同様に従者の一人に馬の轡を取らせて騎乗しようとした時家人達が悲鳴を上げた。 『お止め下さいませお方様!お一人で馬に乗られるなど!もし馬が躓いて落馬でもしたら如何致します!!』 ではどうしろと言うのかと困り果てて兼続を見上げると、既に馬上の人となっている兼続が三成に向けて手を差し伸べている。 その手を取ったのが果たして自分自身だったのか三成には自信が無い。気付けば三成の身体は軽々と兼続に横抱きにされて掌中の玉を慈しむが如くに優しく腕の中に閉じ込められていた。 それからずっと、兼続は抑えた声で他愛の無い話をしながら馬を歩かせている。何しろまだ夜も明けやらぬ内なのだ。春日山の城下を抜けるまで、町民の眠りを妨げぬよう控えた声は優しく触れ合った身体伝いに響いて来る。 それらの全てに上の空の相槌を打ちながら、三成は段々明るくなる辺りに落ち着かな気に顔を伏せている。その様子をどんな風に曲解したのだか、民家も疎らになった頃合を見計らって兼続がすっと三成の市女笠を取り去った。 ぱっと広くなる視界。驚いて見上げるその先に、嫌になる程明るい笑顔の兼続の整った顔があって。元からほんのり紅みがかっていた三成の顔にぼっと火が燃えるように朱が差した。 「笠が邪魔で風通しが悪かろう。顔が火照っているぞ桂姫」 「な、ち、お、兼続!」 動転した三成は赤い顔のまま何事か意味を為さない言葉を発しようとして結局己の顔を至近距離で覗き込んで来ている男の名しか満足に声に出せなかった。兼続はというと平然と三成の従者に市女笠を手渡してまた何事も無かったかのように馬を歩ませる。 赤い顔を恥じて顔を俯かせたまま黙ってしまった三成に、兼続は早、見渡す限りの田畑になった越後路を示す。 「桂姫、そう俯いてばかり居ないで私の愛する越後を見てくれないか。まだ田はようやく穂が揃ってきた所で収穫には遠いが、今年の実りは上々なのだ」 そう言う兼続の声に三成が眼を上げると朝日を受けて何とも言えぬ色合いで輝くまだ青い稲の海が広がっていた。 越後のことは兼続から今まで幾度と無く話には聞かされていた。しかし、こうして己の眼で見、己の耳で聞き、己の五感全てで感じるのは三成にとって殆ど初めての体験だった。 これがこの男の愛する土地。 そう思うと三成には眼の前の景色が尚のこと特別に思えて来る。 「…美しいな」 ぽつり、と零した言葉に兼続が嬉しそうに大きく頷く。 「そうであろう!お前にこの地を見て貰いたかったのだ!」 清々とした良く通る声が本当に間近で聞こえる。まだ明け方の涼やかな風が三成の結った髢を揺らした。 「お前が言っていた、私に是非見せたいものというのはこの越後のことか」 昨夜の会話を思い出し、ようやく顔から朱が引いた三成が兼続を見上げると、薄灰色の聡明な瞳と眼が合った。 しかし兼続は口元に笑みを乗せながらゆっくりと首を横に振る。 「これも確かにお前に見せたかったものの一つではあるが、目的のものとは少し違う」 「ではそれはなんなのだ」 尚も訊く三成に答えることはせず、兼続は笑いながらそよ風が乱して行った三成の髢のひと房を細く筋張った指で梳く。 「それは着いてのお楽しみという奴だ」 「随分気を持たせるな」 「そうせっかちにならずたまの休み位ゆったりと構えていたらどうだ、桂姫」 馬上の二人は一瞬互いに眼を見合わせて、それからさやかに笑い合う。 「そうかもな。では楽しみに待つとしようか」 三成が先程までとは打って変わって随分と気楽な様子になったのに、兼続は満足気に微笑んだ。どうせ周りには一面に田畑が広がるばかりなのだ。何を恥じることもない。供に連れて来た二人も、行きは手持ちだった荷物を今は三成の馬に載せて貰えるので徒歩といえども足取りは軽い。 「今日の内に山向こうまで行くつもりなのだ。松代の街には私の父が城主を努めている直峰城がある」 何気ない兼続の口振りに、直江屋敷で懲りたのか三成が血相を変えた。 「まさか今日はそこへ泊まるつもりなのか!?」 血の気の引いた三成の様子が面白く、兼続が快活に笑い飛ばすと触れ合っている三成の肩を伝って暖かな振動が伝わって来る。 「いいや。父上には悪いがどこか城下で宿を取ろう。お前を連れて行けばお小言の雨あられであろうからな」 直江屋敷の皆の小言は気にならなくても流石に父親の小言は嫌と見える。三成はそんな兼続の様子に笑みを零した。 「お前にも人並みにそのような感覚があったのだな」 意地悪く話を蒸し返してつついてやると、当然だと言わんばかりに兼続が頷く。 「当たり前だ。いつまでも身を固めず父上に孫の顔一つ見せてやれぬのは不義だし不孝だ。私とて父上に孫の顔を見せてやりたいとは思っているのだが、な…」 自分で振った話の筈が、何故だかちくり、と三成の胸の辺りが痛んだ。珍しく言葉尻を濁す兼続の様子もこの話題では余り見たくはないものだった。 この胸の痛みも、この何とも言い難い切なさも、名を付けるのは簡単だ。 もう、開き直ってしまおうか。半ば投げ遣りに三成は思う。 己がおなごであったならば良かったのだろうか? もしも、己がおなごであったら兼続は己を妻としただろうか。またその逆で、兼続がおなごであったら己は兼続を妻としただろうかと考えて、三成は埒もないと自分でその考えを打ち消した。 もしも同じ土地に生を受けていたならばそうなっていた可能性も無いとはいえない。しかし二人が生まれ育ったのは遥か遠い越後と近江の二国である。例えどちらかがおなごとして生まれていてもきっと出会うことは無かっただろう。 けして結ばれず、何も残せぬ二人だからこそ出会えたのだとしたら何と皮肉なことか。 三成の脳裏に兼続の昨夜の戯言が浮かんで消える。 『来世でも、私はお前に会えると信じているよ』 そうだといい。 次があるというのなら今度は友情以上の絆で結ばれることが出来るようにと三成は祈らずには居られなかった。 道中他愛も無い会話を続けながら、一行が休憩にと馬を止めたのは山越えの間際の開けた野原であった。陽は調度中天に差し掛かりかけている。 「ここから先は山道になる。少し休んで日暮れ前に超えてしまおう」 さっと下馬した兼続が、極自然な動作で三成を馬から抱え降ろした。 三成の供の者が荷の中から昼食にと直江の家人が包んで持たせてくれた竹の皮に包んだ握り飯の弁当を二つ持ってくる。 「すまんな。越後の山はなかなか厳しいぞ。お前達もゆっくり休んでおけ」 兼続の人好きする笑顔に、京から伴った家臣もつられて微笑んでいる。その様子を視界の隅に納めながら三成は座るに調度良い倒木を見つけてそこへ腰掛けた。 春日山は既に遥か遠くへ過ぎ去って、何枚もの薄い紗を掛けたように小さく薄ぼんやりとしている。今まで歩んできた道を振り返ってみれば、昨夜兼続の申し出を受け入れて良かったと心の底からそう感じた。 もし今ここに兼続が居なかったとしたら、きっと自分は小さく、遠くなって行く春日山を振り返ってばかりいただろう。 三成の中には呆れたように、天下の治部少輔が何をという理性もまだなけ無しながら残っていて自嘲するしかない。 「何を笑って居るのだ?」 頭上から聞き慣れた声が降って来て、今汲んできたばかりらしい冷たい竹の水筒を渡される。別に、と素っ気無く答えて水筒の中の水を口に含めば身体の中に一筋の涼やかな流れが出来た。 「唯の水でも旨いだろう。越後は雪深い国だがその降り積もった雪はやがて融けて水となって人の暮らしを潤すのだ」 ひょい、と三成の手から水筒を取り上げた兼続はそれを己の口元に運びながらそう言って笑う。その屈託の無い笑顔が眩しくて、三成も思わずつられて微笑んでしまう。 「この水で作る米も旨いぞ。ほら、みつ…桂姫、お前の分だ」 もう辺りには誰も居ないというのに律儀に三成と呼ばない兼続が可笑しくもあり、好もしくもある。手を伸ばして竹皮の包みを受け取ると、兼続が釘をさして来た。 「旨い米で作った握り飯なのだから、残さずに食べるのだぞ。お前は食が細くていかん」 「お前は俺の親か」 呆れたように呟いた言葉に驚いたらしく、兼続は鳶色の瞳を真ん丸にして三成を見つめている。それから俄かに可笑しみが込み上げて来たようで、三成の隣に腰を降ろしながらくすくすと笑う。 「親か。酷いな、私とお前は同い歳だっただろうに。せめて兄位に留めておいて欲しいものだな」 「親でも嫌だがこのように口煩い兄も願い下げだな」 「そうだな、私もこのように可愛げのない弟は願い下げだよ」 軽口を叩き合いながら二人仲良く並んで昼飯に齧り付く。 青空の下で食べる握り飯は旨かった。 三成は竹包みの中の大ぶりの握り飯二つをぺろりと平らげ兼続を喜ばせただけでなく、もっと喰えと勧められるまま兼続の食べ掛けの握り飯まで難なく胃に納めた。 「食の細いお前がそれ程に喰うとは珍しい」 次の新米が収穫出来たら京に送ってやろうかと兼続が眼を細めて笑いかけて来るが、三成は多少のバツの悪さを感じてふいとそっぽを向いた。 握り飯が旨かったのは確かだが、二つ半も食べる程に旨く感じたのは多分越後の米だからだけではない。 隣に兼続が居たからだ。 兼続の前では上方に居る時の様に気を張っている必要も、気忙しくあれこれと考える必要も無い。兼続の傍では三成は様々な重荷を負わずに居られるのだ。 出来る事なら兼続とずっと共に居たいと三成は思う。 しかし己が秀吉の下を離れる事が出来ないように、兼続もまた上杉家を離れる事は出来ないだろう。もしも兼続が全てを捨てて上京し三成と共に生きる事を選んだとしても、多分それは三成の望む『兼続』ではないだろうとも思った。 直江兼続は上杉謙信の薫陶を受け、上杉家と上杉家の貫く義の為にのみ働く。 何故だか知らないが己はそんな男に惚れたのだ。 「難儀な事だ」 三成はそうぽつりと呟いて、兼続に聞き返される前に立ち上がる。 「陽が暮れる前に山を越えるのだろう?」 草と水を貰って充分に休んだらしい兼続の愛馬の鼻面を撫でながら三成は兼続を振り返った。 一行は山と山との谷間や山を流れる清水のほとりを縫うようにして続く、決して平坦ではない隘路をゆっくりと進んでいた。 山育ちの兼続でもこの辺りの山越えには細心の注意を払う。雪が融けたばかりの春先や雨の多い梅雨等は足場も悪く道も細いので崖から沢へ転落する危険が高いのである。 幸い今は地面も乾いているし足場は悪くは無いが山道に慣れない都会人を三人連れている。兼続は騎乗のまま上手く愛馬の手綱を操り隘路を進んで行くが、平地の様にとは行かない。 「桂姫、足場が悪くて揺れるからしっかり私に摑まっていろ」 言うが早いか兼続は三成の肩を引き寄せ己の胸に三成の身体を密着させると自分は手綱に集中した。 三成はといえば顔を真っ赤にして離れようとする素振りを見せたがその時兼続の愛馬が地面に落ちている小枝を嫌がって避けようと大きく向きを変えたため振り落とされそうになったので三成は慌てて兼続の腰に手を回してぺたりと顔を兼続の胸につける。 自分の心臓ははちきれんばかりであるのに、兼続の心音は彼の人柄と同じように力強く、規則正しく脈打っている。そんな違いを忌々しく思いはしたが、三成は揺れる馬上を良いことに兼続の身体に抱きついて眼を閉じた。 暖かい体温が二人の着衣越しに伝わって、二人の間の温度は同じになっていく。 ―来て、良かったのだろうかな。 三成は兼続の胸に顔を埋めたまま考える。 秀吉に休めと命じられ、すぐに脳裏に浮かんだ男。会いたいと思ったのは友情と思って遠い越後にまでやって来た。しかし実際に会って見て認めざるを得なくなったのは友情とは呼べない兼続への感情だった。 会いに来なければ兼続に対して抱く感情は友情のままで居られたのに。 三成は自問した問に答えを出す事が出来なかった。 兼続の言葉通り、一行は陽が沈むぎりぎり前に山を越えて松代の街へ至った。 松代の街は京の次に栄えているとまで言われる越後の春日山城下とは比べるべくも無いが、それでも春日山へ抜けるための宿場町として数軒の宿は見て取れた。 「今日はここで一泊だ。明日は山は越えぬが山裾をずっと北上するぞ」 兼続が一軒の宿の厩舎に愛馬と三成の伴ってきた馬を並べて繋ぎながら三成に微笑んだ。供の者は二人とも宿に荷を運び、部屋を都合してもらいに行っていてここには居ない。 「北上?おい、兼続、俺は上方へ帰るのだぞ」 怪訝な声を出した三成に、二頭の馬の鼻面を撫でてやっていた兼続が何でもないことのように振り返る。 「良いではないか。このまま南下しても信濃へ出るが信濃から京までは山越えが続く。多少遠回りだが少し北上して上野国に出てしまえば後は関東平野を行くばかりだ」 勿論日の本の地図なら三成の頭の中に入ってはいるが、詳細な地形については土地の者に訊くに如くはない。 太陽は今越えて来た山の向こうへ没しようとしている。そして東の空には薄蒼い幕が降り始め、じわじわとその領域を広げ始めていた。 「さあ、姫。早く中へ入ろう。越後は夏でも朝晩は冷える事があるのだ」 兼続の腕が自然に三成の肩を抱いて促した。極々自然にそれをやって退ける兼続に他意が無いのは三成には痛い程解っている。真っ赤になってその腕を振り払おうとする自分の方が嫌になる程兼続を意識してしまっているだけで。 「姫?」 これ以上の醜態を晒す前にと三成は返事もせずにそそくさと宿の木戸を潜った。 「いらっしゃいませ!」 御免と声を上げるまでも無く奥から上がった快活な歓迎の声が兼続と三成を迎え、声のした方を見れば乳飲み子を背中に背負ったまだ若い女が甲斐甲斐しく今宵の客のために忙しく立ち働いている。 「一晩世話になる」 よろしく頼むと兼続が人好きする笑顔で言うと宿屋の女将は思わずぽっと顔を赤らめた。まさか女将も眼の前の人物が自分達の国主上杉景勝の家老であるとは夢にも思わないだろう。 「お口に合うか分かりませんけど直ぐに夕餉にしますわね。なあんにもありませんけどそれまでゆっくりなさってて下さいな、お侍様」 「ありがとう」 あからさまに媚を売る女将もそれに笑顔で答える兼続も三成には何となく面白くない。付き合いの長さがなせる業か、三成の機嫌が悪くなったのを察した兼続がついと後ろを振り返る。 「どうした?桂…」 おなごの様に悋気を起こした等と誰が言えようか。いや、例え言えたとしてもこの男にだけは絶対に言ってやらんと心に誓いながらも女将の手前、三成はにっこりと微笑んでゆるゆると首を横に振った。 「いいえ。どうと言うことは無いのですけれど、少し疲れたようですわ」 巨大な猫を被った三成の言葉に反応したのは兼続よりも女将の方が早かった。 「まあまあそれはいけませんね、横になった方がいいでしょう。床を延べましょうか奥様」 墓穴を掘るとはこのことか。三成は本当にくらりと眩暈を感じて慌てて腕を伸ばした兼続に支えられてしまった。 自分の耳が悪くなったのでなければ、奥様と、そう呼ばれなかったか、俺は。 思わず反駁しようとした所を兼続が額に手を当て熱を測る振りをして三成の口を塞ぐと如才ない笑みを女将に向けて言う。 「熱は無いようだ。少し座って休めば大丈夫だろう。気遣い痛み入る」 心配そうな女将の視線に見送られ、三成は兼続を置いて宛がわれた部屋へ入った。遅れて入って来た兼続が腰に帯びていた大小の太刀を傍に置いて座るのを、そっぽを向いていた三成は気配で感じた。 「全くお前は妙な所で意地を張る」 兼続なりに三成の不機嫌の理由を考えてみたらしい。またどうせ見当違いも甚だしいことを考えて一人納得しているのだろうから、三成はふんと鼻で笑って問うて見た。 「俺がいつ意地を張った。お前、俺の機嫌が悪いのは何故だか解っているのか」 無論理由など教えてやるつもりはさらさら無いが、兼続は当然だとばかりに大きく頷く。 「宿の内儀に私と夫婦者と思われたのが癪に障ったのだろう?」 やはりこいつには男女の機微なんてものは一生掛けても解らないのに違いないと三成は確信した。それと同時にまだ見ぬ兼続の嫁になる女に同情すら覚える。 三成が返事をする気も失せて黙っていると兼続はそれを諾と取ったらしい。 「仕方が無いではないか。私と、お前と、供が二人の道行きではその筋書きが一番普通だろう。もしもそうでなかったとして、何と説明するつもりだ?」 甚だ不本意ながら、また、三成の不機嫌の理由とは全く関係ないながら兼続の言い分は尤もだ。三成自身兼続ののんびり具合に感化されて忘れかけていたが、京を離れて遠く越後に来ている今の己は世を忍ばねばならぬのだった。 往路では行く先々で、供を二人も連れたうら若い女人が一体何用で旅をと宿一つ取るにも散々勘繰られたものだったが、そう言えば今日は兼続が傍に居たせいでなんの問題も無かった。 中身はどうあれ、三成の見掛けが女人に見えて、尚且つ兼続と夫婦に見えるというのであればそのように振舞う方が周囲の目もかわしやすいし賢い選択と言えた。 「…何か上手く言い包められた気がせんでもないな」 「気にするな」 腕組みをした三成が首を傾げてぽつりと言うと、兼続が笑って応える。その暢気な笑い顔が勘に触って、三成はまたちくりと刺した。 「言っておくがな、俺が機嫌が悪かったのはお前と夫婦と思われたからではないからな」 「違うのか?なら、どうしてだ」 きょとん、と兼続が見返してくるのを意地悪く笑って流し、三成はぺしりと兼続の肩を叩いて立ち上がる。 「自分で考えてみるのだな。お前が自力で答えが解ったら答えを教えてやっても良い」 兼続は三成を見上げて呆れ声を上げた。 「自力で答えが解ったらお前に答えを聞く必要など無いではないか」 そうだろう、お前がそう思っていてくれる限り、俺はこの無様な想いをお前に打ち明けずに済むのだよ。 三成は心の中でそう呟いて、華が綻ぶように微笑んだ。 夫婦に見えるならばまあそれも一興。どうせこの道行きが終わるまでの遊戯なのだから。 吹雪く窓なりゃ 届かぬ想い 心細かな 縮の綾を 織って着せたや 織って着せたや 主が肩 翌朝、一行はまた次の宿場を目指して出立した。兼続の言った通り、山裾を縫うようにして北へ北へと進路を取る。道は悪路だが山越程ではない。 今日もまた、三成の馬が運んでいるのは主ではなく主の荷物。もうとやかく言う直江屋敷の家人達は居ないというのに兼続は当然の様に馬上から三成の手を取って、三成もその手を握り返す。 『本当に美男美女のお似合いのご夫婦で。道中、お気をつけて』 見送りに出た宿屋の内儀が仲睦まじい二人の様子を見てほう、と感嘆の溜息を漏らしながら見送ってくれるのを背に、兼続の愛馬はゆったりと歩き始めたのだった。 旅の恥は何とやらというが、傍から見て夫婦に見えるならばそれで良いではないかと思う程には夕べの一件で三成も吹っ切れていた。何よりそれは兼続の傍に居る大義名分にもなって、生き辛い三成の性分に言い訳を与えてくれていた。 他愛無い会話を交わしながらの急ぐ風でもない道行きは、兼続の目論見通り次の宿場に着くとほぼ同時に陽が暮れ始める。 「この辺りは十日町というのだ。毎月十が着く日に市が立つからその名がついたのだが、市が立つ日は大層賑やかなのだぞ。市はこの辺りを順繰りに移動するからこの辺りには二日町だの五日町だのという名の町が多いのだ」 三成に語って聞かせる兼続の穏やかな言葉には故郷への深い愛情が込められていて、思わず三成も薄く微笑む。 「この辺りは春日山よりももっとずっと雪深いのだ。冬になれば雪に降り込められて町々の往来は殆ど無くなる」 「それは不便な事だな」 「うむ。だが、越後の民達はそれでも強く生きているのだよ。ほら、あれもその一つだ」 兼続が指差す方を三成が見遣ると、呉服屋が店仕舞をしている所である。店の小僧が店の前を掃き清めているのが見えた。 「冬の間雪に降り込められた農民はせっせと機を織る。それを藍で染めて、一反一反雪の上に晒すのだ。それで織物は目が詰まり丈夫な布になる。けして華やかなものではないが、実用に向く紬になるのだ」 熱く語る兼続の腕の中から友の顔を見上げれば、そこには越後を治める上杉家執政という立場の男が居た。民を慈しみ、土地を慈しみ、越後に住まう人間の営みを慈しんでいる顔がそこにはあった。この男の、こういう表情は嫌いではない。 「お前は本当に越後の事を話す時は嬉しそうな顔をするな」 三成が常に無く何のけれんみも無くそう笑ったので、兼続はそれに大きく笑って頷き返した。それからふと良い事を思いついたと言う様にぽん、と膝を打つ。 「そうだ。お前に何の土産も持たせずにここまで来てしまったな。少し待っていてくれないか」 そう言うが早いか兼続はひらりと馬を降りると店仕舞をしている呉服店に入って行った。 そして待つ事暫し。 暖簾を掻き分け出て来た兼続は小脇に濃紺の縮の反物を二巻き抱えていた。 後から店主と奥方らしき夫婦が往来に出て来て深々と頭を下げるのに世話になったと声を掛け、兼続は三成に反物を預けるとまた馬上の人となった。 手渡された反物を三成がまじまじと見つめていると、再び手綱を取った兼続がいつものように良く通るよい声で言う。 「京では流行らぬ織物であろうが、部屋着にでも誂えると良い。汗も良く吸うし、なかなか着心地も良いものだぞ」 にこにこと笑っている兼続と、反物とを見比べながら三成は小さく頷いた。 「心遣い、痛み入る」 何時に無く素直な三成に、兼続が明日は雨かも知れぬな等と軽口を叩くと二反の縮を腕に抱いた三成はまた兼続から顔を背けて頬を染めた。 「俺とて礼くらい言う」 そんな三成の様子に笑みを零した兼続が、ふと気付いてまだ明るい東の山を指差す。 「ほら、見ろ桂姫。明日はあの峠を越えるのだ。あの峠を越えたら坂戸の城はすぐそこだ」 「坂戸城か」 薄々解っていた事ではあった。 上杉家の家老ともあろうものが何日も主君の傍を離れて容易く出掛ける事が出来る場所などそう多くは無い。 坂戸城は関東からの守りの拠点となる堅固な山城で、長尾氏の居城であった城である。先の城主は長尾正景、上杉謙信の姉である綾御前を娶った武将。そしてその嫡男は長尾喜平次景勝―兼続の主君である上杉景勝であり、坂戸城は今でも景勝の名代が景勝に代わって治めており、国境の要所と言う事もあって春日山とも頻繁に行き来のある場所である。 坂戸城は景勝の生まれた育った場所であり、その城下の上田の庄では樋口与六が生まれた。言わば坂戸は景勝と兼続の故郷である。 俺に何を見せたいと言うのだろうな。 夕暮れの中、三成は別れの時が翌日に迫っていることを唐突に理解した。きゅう、と胸の奥が痛む。 本来なら一昨日にもう別れていた筈なのだと、自分に言い聞かせても無駄だった。 もっとずっと一緒にいたいと思ってしまう。 もっとずっと話していたいと思ってしまう。 女々しい自分を嘲りながら、三成は旅籠の前で下馬した兼続が三成を馬から下ろそうと差し出した両手に大人しく抱かれて眼を閉じた。 夢の終わりはいつも切ない。それが楽しければ楽しかっただけ、美しければ美しかっただけ、夢の終わりが見えてしまうと胸の奥に取り去れない重たい塊が現れてぎゅうぎゅうと心を押し潰そうとする。 明日で兼続と別れなければならぬと解ってしまえば三成には残された時間を楽しむ余裕すら無くなってしまった。そんなのは馬鹿げている。今まで会えない事の方が断然多かったのだ。元通りの生活に戻るだけなのに。 段々言葉少なになる三成に流石の兼続も気付いたらしい。敢えて何も言いはしないが、三成の思い違いでなければ兼続も自分との別れを惜しんでくれているのだと知れた。それでもいつものように話してくれる兼続が有り難かったが、最後まで目的地を明かさないで居てくれたら良かったという我儘も三成の心の中にあった。 夕餉を終えると勧められるまま三成が先に風呂に入り、入れ替わりに兼続が風呂に行ってしまうと部屋の中は途端に静寂に支配される。京は遅い時間でも繁華な通りであれば人の往来もあるが、拓けている方とは言え山間の集落では人が居るのかも怪しく思えて来る程に静かだった。 しかしそれは人が立てる音の話。涼を求めて縁側へ出た三成の耳に水田に住む雨蛙達の大合唱が届く。宿の傍を流れる小川の絶え間ない水音が三成の無聊を慰めた。 どれだけそうしていたのだろうか、三成は兼続の呆れた声で我に返った。 「姫。おなごがそのように浴衣姿で端近に出るものではない」 湯上りでさっぱりした顔をしている兼続の手には酒の入った徳利と杯が一つ。流石の兼続でも『桂姫』の分の杯までは借りて来ないだけの常識はあったらしい。 促されるまま部屋に入った三成は兼続と二人静かに語り合いながら一つの杯で順番に酒を呑む。 ふと、話が途切れた合間に何気なく兼続の顔を見ると酷く真面目な眼差しをした兼続と眼が合った。どきりと胸が跳ねたが平静を装って訊く。 「どうした、俺の顔に何かついているか」 己の真意を隠すのは得意だ。三成は少し笑って兼続の眼を見返した。 兼続は杯を畳の上に置き、まじまじと三成の顔を…というよりも髪を見つめている。 「その髢は取るのが大変か?」 「なんだと?」 予想外の言葉に、三成は思わず聞き返してしまった。 「まさか酔った訳ではあるまいな。こんな少しの酒に」 そう言ってやると兼続が口元を緩めて微笑んだ。 「いや、酔った訳ではない。ただ、その髢を取って見せて欲しかっただけなのだ」 「おかしな奴だな、そんなにおなごの髢が珍しいか。まさかお前が付けてみたいとでも言うのではないだろうな」 胡乱な目付きで三成に見られて、兼続は慌てて首を横に振った。 「違う違う。私が見たいのは髢ではなくお前の髪だ」 「なんだと?」 またも兼続の口から飛び出した予想外の言葉に、三成は再び聞き返す。 対して兼続はどこまでも真面目に答えるのがちぐはぐで滑稽なのだが三成にそれを笑う余裕は無い。 「お前が女人に身をやつしてまで会いに来てくれたのは本当に嬉しかった。姿形が多少変わった所でお前はお前なのだが、やはりここに来て少し惜しくなった」 三成はともすれば意味を取れないまま右から左へ抜けてしまいそうな兼続の言葉を反芻しながら一体何を言い出すのかとどくどくと煩く喚く心臓を殴りつけたい衝動に駆られた。 「折角お前が会いに来てくれたのだから、桂姫ではないお前のままの姿を見たいのだ」 さらりと言い切る兼続に、殴るならこいつの方かと思いつつ、三成は紅く染まった顔を誤魔化すようにわざと手荒に髢を取った。はらり、と見慣れた赤茶の髪が肩の上に零れる。 「これで満足か」 照れ隠しのためにぶっきらぼうな口調になるのを止められない。兼続は嬉しげにああ!と頷くと三成の方におもむろに手を伸ばした。三成が避ける暇もなく、兼続の長い指が三成の乱れた髪を手櫛で梳きはじめる。 「黒髪も似合っていたが、やはりお前にはこの髪の色が似合うな」 三成は天然は始末が悪い、ここまでくれば国宝級だと心の中で思う様毒づきながら兼続の好きにさせている自分も大概だと大きく溜息をついた。 髪を梳いていく兼続の手の暖かさが心地よい。しかし三成の口は心とは裏腹に動く。 「こんな赤い髪などいいものか。正則の馬鹿など未だに俺の事を赤鬼だなどと呼ぶぞ」 「誰が何と言おうと関係ないではないか。私はお前のこの髪が好きなのだから」 今度こそ返す言葉を完全に失った三成はぺしり、と兼続の手を払い除け、仕返しとばかりに最後に徳利の中に残った酒を皆呑んでやった。 「ああっ!最後は半分と約束していただろう!」 「知らんな!馬鹿なことばかり言っていないでさっさと寝てしまえ!」 恨みがましい兼続の視線から逃げるように、三成は真っ赤に染まった顔を見られる前に二つ並べて延べられた布団の片方に潜り込んだ。 翌朝宿を発つ時から三成は言葉少なだった。 それを知ってか知らずか解らぬが一方の兼続はといえば朝から普段の倍ほどに喋り続けている。 道は山道。一行は傾斜のついた道をゆっくりと進んでいた。 ―十日町から上田の庄へ抜けるには八つの峠を越えねばならぬ。だからこの道を八箇峠と言うのだよ。 何時も通りの良く通る声で紡がれる兼続の話を聞きながら、三成は悪路を良いことにして兼続の腕の中に大人しく納まっている。揺れる馬上でなら許されるだろうと、三成の繊手は兼続の袂をきゅっと握り締めて離さない。 兼続はそんな三成を一度だけ馬が怖い童のようだと言って笑ったがそのまま好きなようにさせている。 一刻程も進んだのだろうか。周囲の高い山に遮られ、陽の位置がわからない。 そう言えば越後へ来てからというもの、時間の感覚がおかしくなってしまっていることに三成は今更ながらに気付いた。物凄く一日が長いような、あっという間に過ぎ去るような奇妙な感覚。こんな俺は全く俺らしくないと三成は兼続の胸に抱かれたまま自分に対して毒づいた時、殊更張りのある声で兼続が三成の注意を引いた。 「もう峠も半ばだ。そろそろ向こうの盆地が見えて来るぞ」 兼続の声は心なしか浮き立っている。三成が返事をしなくとも、ちゃんと聞いているのは承知していて問わず語りに昔話を始めた。 「お前も知っているだろうが私は四つの頃から景勝様にお仕えしていてな。景勝様が謙信公の御養子となられて春日山にお移りになる際に私も随行したのだ。幼き頃の話しゆえ、もうずっと昔のことではあるのだがな」 兼続の胸にぴたりと左耳をつけている三成には、照れたような兼続の声が直接響いて来る。 「それでも、生まれ育った場所と言うのは特別なのだな。時折無性に懐かしくなることがある。一つ一つは大したことの無い思い出なのだ。山であけびを採って喰ったり、とんぼを捕まえたりとかな。なのに、何故かな。時折無性に帰りたいと、そう思うのだ」 珍しく感傷的な兼続の言葉に、三成はやはり沈黙を守った。 その内に尾根に沿って登り下りを繰り返す坂戸への峠は徐々に下りが多くなって来る。 「ほら、もうその山裾を回り込めば上田の庄が一望出来るぞ!」 兼続の浮き立つ言葉が解るのか、二人を乗せた兼続の愛馬は主人の意を汲んで心持ち歩みを早めたような気がした。 兼続の指した山裾を回るとさっと開ける視界。 平地を挟んで同じ高さに坂戸山の山城が見えた。 こちらとあちら、二つの山に挟まれた盆地には縦に一筋大きな川が流れていて、見渡す限り一面に広がる水田を分断しているのがまだ遠いここからでも解る。 平地には水田の他にぼつぼつと粗末な農家が点在しており、三成には素朴な人の営みが見えるような気すらした。 兼続が見晴らしの良い尾根で駒を止めて三成に一つ一つ指を指して教えてくれる。 「正面の山が坂戸山。本丸はあの山の麓にあって、山の五合目、八合目、山頂にそれぞれ物見櫓と屋敷がある。謙信公と景勝様は良く連れ立って山頂まで登って居られたよ」 穏やかな兼続の声は耳に心地良い。静かに語る兼続の声は坂戸の景色に眼を奪われている三成の邪魔にはならなかった。 「ずっと坂戸山の山裾を行くと私が景勝様の近習として共に学ばせて頂いた越後一の名刹雲洞庵がある。お師匠様は行儀作法に厳しいお方でな。私なぞは何度物置に放り込まれたか解らぬよ」 兼続が昔を思い出したか笑みを含んだ声音で呟き、三成はその腕に抱かれたまま眼前に広がる一幅の絵のような風景を飽かず眺め続けている。 「私の生家はあの、上田の庄の真ん中を流れていく川の近くにあるのだ。あの川は魚野川といって、何れ海へと流れ込む大河の支流なのだ。良く与七と鮎を獲って遊んだな。二人とも着物をずぶ濡れにして帰るものだから良く母上に叱られもした」 兼続の声に釣られて眼を移した川縁に幼き日の兼続の姿が見える気がして、三成はくすくすと笑いを零した。 「今では澄ました顔で上杉の家老を勤めている直江山城守殿も、子供の時分はやんちゃだったと見える」 兼続も三成に釣られて笑う。 一頻り笑いの波が引いたところで穏やかな微笑みで三成を見つめた。 「これを、お前に見て貰いたかったのだ」 見せたかったのは兼続が生まれ育った家、土地、山。 直江兼続という人間の根幹を成す原風景。 それら全てを視界に納めながら、三成がぽつりと呟く。 「お前を育んだのはここなのだな」 何故だろう、柄にも無く今ここに居る直江兼続を形作ってきた全てのものに感謝したい気分になる。 「美しいな」 三成が零した一言に、兼続は少し驚いたような顔をして、それから弾ける様な笑顔を見せた。 二人は暫し言葉もなく上田の庄をただ見つめていた。 兼続の生家は今でもまだ手元に残してあるのだと言う。 「どうだ、少し寄って行かないか。家のことは人に任せているが急に行っても茶くらいは出せるだろう」 そんな風に言われてしまっては、三成が断れる訳が無い。 「お前はいつも狡いな」 急にツンとそっぽを向いた三成に、兼続が不思議そうな顔をする。 「私がいつ狡かったというのだ」 「常にだ!」 三成が言い放つのを聞いて、兼続は真面目に三成に向き直った。 「それは心外だがお前にそう見えているのならそうなのだろう。すまなかった。改めねばならんな」 「そういう所が、狡いというのだよ」 それきり口を噤んでしまった三成に、兼続は困ったように笑い掛ける。 「やはり私には解らぬ」 「解らんでも良い」 取り付く島も無くばさりと斬り捨てながらも三成は狡いと感じるのは自分自身に含む所があるせいだと良く解っている。三成は目を伏せて手綱を取る兼続の手を八つ当たりのようにぺしりと叩いた。 三成の八つ当たりは照れ隠しのようなもので親愛の表れだと解っている兼続は構わず愛馬の手綱を引いて小さな茅葺の家を指す。 「ほら、あれが私の生家だ。もう父も母も兄弟達も居らぬのだが、どうしても手放し難くて上田に来る時の住まいにしているのだ」 俄かに門前が騒がしくなったのを聞きつけて顔を出した老爺が兼続を見て眼を丸くする。 「若様!」 兼続は微笑んで老爺に声を掛ける。 「連絡もせずに突然来て済まない。今宵一晩泊まって行くから準備を頼む」 「ここはいつでも若様の御家でございますよ。何の気兼ねがありましょうや」 しかし―、と、老爺は兼続の陰に隠れる様にして立っている三成を興味津々といった態で凝視した。 「若様、そちらの大変美しいお方は…」 兼続が後ろを振り返り、三成に向かって手を差し伸べる。何故だか、三成は大人しくその手を取ってしまった。ゆっくりと手を引かれたまま兼続に並ばされ、遠慮の無い老爺の視線に顔を紅くして俯いた。 「桂姫と言って、京からいらしたやんごとなき姫君だ。故あって坂戸まで旅のお供に加えて頂いたのだよ」 兼続がぼかした言葉の端々を、老爺は想像で補完したらしい。きっと兼続の想い人とでも思っているのだろうと三成はまたげんなりしたが、老爺は相好を崩すとそうでありましたかと何度も口の中で唱えながら嬉々として一行を庭に招じ入れた。 「そうでありましたか。八箇峠越えでさぞお疲れでしょう。大したお持て成しは出来ませんがどうぞお上がり下さい。さあさ今盥に湯をお持ち致しますから」 老爺が大きくは無い家の中に向かって呼ばわると、中から彼の連れ合いらしき老婆が喜色満面で姿を現した。 「若様。暫く振りで御座いました。ご健勝のご様子何よりに御座います」 今度も兼続はまた三成を同じように紹介したが、老夫妻は同じような誤解をしたらしい。お茶を、湯をと、立ち働く二人は心底嬉しそうで三成はそれを否定するのも気が引けた。 部屋に通された三成は兼続と共に客間に上がらず庭に面した縁側に座った。 春日山の兼続に与えられた直江屋敷とは比べ物にならない程の猫の額ほどの広さの庭だが良く手入れが行き届いている。きっとあの老爺が生き甲斐のようにして日々大切に手入れをしているのにちがいない。 庭の垣根の向こうには、難攻不落の山城と言われる坂戸山と坂戸城が見える。 兼続は三成と二人並んで縁側に座り、懐かしそうに微笑んだ。 「ここに居る頃は朝な夕なにあの山を見ていたよ。いつか父上の様な武士になってあのお城を護るのだと思っていた」 三成の視線の先を辿ったか、兼続はそう言って少し笑った。 「実際は綾御前に見出され景勝様にお仕えする事になったわけだが。…人生何があるか解らぬものだな」 老婆が出してくれた茶を啜りながら、三成は小さく頷いた。 自分の人生が変わったのも、秀吉に茶を献じたあの時からだ。どこに人生の転機が落ちているかは解らない。 三成は温かい茶で喉を潤して、ほう、と一息溜息をついた。 ここは時間の流れが緩やかだ。 上田の庄も、兼続の家も。本来どこに居てもどのように過ごしても同じ筈の時間というものが、ここだけはゆるりと流れているような、そんな錯覚を覚える。 兼続の生家は大きくは無かったが、そこに住まう家族が居なくなって尚家庭の温かみを残していた。 「お前に、会えて良かった」 唐突に三成が呟いた。 それは直江兼続という人間と、石田三成という人間の出会いについての言葉であったのだが兼続は今回の旅の事だと意味を違えて取ったらしい。 「私もだ!私が上洛する事はあってもお前が越後に来る事など殆ど無いからな」 三成は敢えてその言葉の擦れ違いを指摘せずに微笑んだ。 「この数日、お前にとって掛け替えの無いものを沢山見せてもらった。お前の愛する越後を」 「お前に、見て貰いたかったのだ。私の愛するもの達を」 笑みを深くした兼続に、こくりと、三成が頷いた。 ふと、兼続が空を見上げて呟いた。 「雲の流れが速い。一雨来そうだぞ」 二人並んで流れ行く鉛色の空を見上げていると、兼続の言葉通り庭の石にぽつりと当たるものがある。それは見る間に数を増やして、越後の大地に柔らかく降り注ぐ霧雨となった。 「遣らずの雨という奴かな」 兼続がぽつりと呟く。珍しく兼続が何かを言い掛けて、途中で口を噤んだ。三成は兼続が何を言おうとしたのかぼんやり解っていながら、兼続本人の口からその言葉が聞きたくて素知らぬ顔で促した。 「お前らしくない。言いたいことがあれば言え」 三成の想いを知ってか知らずか兼続は困ったように微笑んで、三成の顔を覗き込んだ。柄にも無く少し遠慮がちに言うその様子は彼にしては酷く珍しい。 「雨が降ってはこの先難儀だろう。今宵はここに泊まってはどうだ」 三成は少し俯いて、嬉しさと遣り切れない切ない思いが綯い交ぜになった複雑な心境で返事を返す。 「…いや、もう帰らねば」 お互いに解っていた問答。 それでも三成は兼続に引き止めて欲しかったし、兼続は三成を少しでも長く引き止めておきたかった。 不毛なのは理解している。三成は音を吸い取るような霧雨を見つめながら兼続との最後の時間を無言で過ごした。 語り合うことは互いに尽きてなどいない。それでも今は何も言葉にしたくなかった。 送りましょうか 送られましょうか 寺が鼻まで 時雨に濡れて 昔ゃお六と 昔ゃお六と桂姫 それでも別れの時はやって来る。 老夫婦が夕食の準備に取り掛かる前に、三成は供回りの二人に馬と荷を連れて先に出立するようにと言い付けた。 主一人残して行く訳には行かないと言う家臣二人に、隣町との境にある稲荷神社で待つよう言い含めて送り出すと、三成は途中まで送るといってどうしても聞かない兼続と共に徒歩でわざとゆっくり歩き出す。 道々話す言葉ももう無い。口を開けば離れ難い想いが口を衝いて出て来てしまいそうで、三成は無言のまま兼続と並んで歩く。 途中までとは一体何処までだ。 いつ別れを告げられるかと思うと気が気ではなく、もういっそのことここまでで良いと三成は何度も思った。 霧雨は雨脚を弱めたものの未だ静かに降り続けている。 「見送りはここでいい」 兼続の脚が止まった。お互いに傘で隠れて表情は窺えないが、聞き慣れた深い声が降って来る。 「今少し。もう少しだけ送らせてくれ」 俯いている三成には、兼続がどんな想いでそう言ってくれているのか解らなかったし、知るのが怖いとも思った。 己と同じ想いならば良い。しかし、もしそうでなかったら。 「この先に寺が鼻と言う地名がある。せめてそこまで」 三成にはそこが遠いのか近いのかさえ解らない。二人はまた無言で時雨の中を歩き出す。 月が出たぞえ 木陰に入ろか ままよ渡ろか 坂戸の橋を お六甚句で お六甚句で水鏡 殊更ゆっくりと歩く内にいつの間にやら雨は上がっていた。流れが速かった雲は現れた時と同様にあっという間に流れ去り、気の早い月が天空に太陽を追いかける様に姿を現わす。 辺りはすっかり薄闇に包まれている。それでも灯り無しで歩いて行けるのは煌々と明るい月のせいだ。傘を閉じた二人は遮るもの無く月明かりに照らされている。 「兼続。お前、誰ぞ坂戸の城の者に俺と一緒の所を見られては拙いのではないか」 松代、十日町は良くても故郷に浮名を流すのは如何にも拙かろうと三成は少し兼続から距離を取った。 「馬鹿なことを。やましい事は何も無いのだから堂々としていればいい。違うか?」 常に無い低い声で呟く兼続の横顔を見上げ、三成は困ったように笑う。 「その通りだな」 本心では多分違う事を望んでいるのだろうなと三成は自分のことをまるで他人のように感じてそう思った。 自分は、例え他人から後ろ指を指されようとも、親友ではない兼続の特別で居たいのだ。 言葉少なな二人の道行きは昼間見た川に架かった橋へと差し掛かる。 「坂戸の城へ行くには必ずこの橋を通るのだ」 兼続の言葉を聞き流しながら、ふと、三成は橋の上から満々と水を湛えた水面を見つめた。 そこには一組の美しい男女の姿が映っており、それは一幅の絵のような完成された美しさを持っていた。 けれど三成は知っている。絵は人の心まで写し取りはしない。だからこのように美しく見えるのだと。 もしもこの、己の抱くどろどろとした葛藤を絵に表せたとしたらその絵はたちまちの内に台無しになるだろう。 橋を渡り切って暫くして、三成は半歩先を行く兼続の背中を見つめて立ち止まった。 直ぐに兼続も気付いて振り返る。 三成は努めて普段通りに聞こえるように言葉を発するのに苦労した。 「もうここまでで良い。際限ない」 もう兼続には引き止める理由も言葉も無い。 一瞬の間の後、兼続は大きく頷いた。 「そうか、次の上洛まで息災にな」 「ああ」 そう、これが今生の別れという訳ではないのだ。次の春にはまた景勝は上洛するだろうし、兼続もまた景勝と共に上洛するに違いない。 「一人で大丈夫か」 ここから随人達を待たせている稲荷社までは少し距離がある。 今宵は月が明るい上、道は開けた街道故危険も少ないとは思うが女人の一人歩きはやはり物騒だと兼続が言う。三成は強張る口元を叱咤して普段通りに返事を返す。 「直ぐに二人に追付く。もしも賊が出たとしても野武士等にやられるほど柔ではない」 くすり、と兼続が笑った。三成はその笑いを流してそれに、と言葉を継ぐ。 「関東に出たら途中まで左近が迎えに来る事になっているのだ」 また一瞬の間。 「そうか。左近殿がついていて下さるなら安心だな」 兼続は頷いて三成の顔を正面から見た。 「また、文を送る」 「ああ」 「達者で。京に戻ったら文をくれ」 「ああ」 「絶対だぞ」 「ああ」 三成は兼続の言葉と対照的に気の利いた返事すら出来ない自分に苛立つ。しかし苛立った所で言葉の出ない事には変わりなく。 「…もう、ゆくよ」 ただそれだけしか言えない自分が歯痒い。 頷いた兼続はもう何も言わなかった。手を振って、別離の言葉は飲み込んだ。 一人歩き始めた三成の脚は鉛の様に重い。それでも後ろ髪引かれる自分を叱咤して、三成は一歩一歩兼続の愛する越後路を歩いていく。 後ろを振り向くと、兼続がまだ別れた場所に立ったままこちらを見つめているのが見えた。 いつまでああしているつもりだ、といつものように毒づいて、三成は歩調を上げた。 一歩進むごとに薄闇の紗が一枚掛けられて、兼続の姿を曖昧にしてしまう。 いつの間にか三成は駆けていた。もう後ろを振り向いても兼続の姿は闇に溶けて見えない。 三成の薄茶の瞳からぽろりと水滴が零れ落ち、白い肌にふた筋の流れを描いた。 街道の両脇に広がる水田には、仄明るい黄色い灯りが飛び交っている。 明滅しながら或いは飛び交い、或いは草の葉にとまっている蛍を三成は溢れて止まらない涙を拭くのも忘れて見つめた。 お六恋しや 姫様桂 会えぬこの身が 川瀬を焦がす 蛍呼ぶなら 蛍呼ぶなら寺が鼻 何が哀しいというのだ、俺は。 三成は暫しその場に佇んで、兼続の愛する越後に別れを告げた。 不意に三成の胸に、兼続と交わした約束が飛来する。 『来世でも…』 約束を破るのは不義だ。 だから、絶対に守らねばならぬのだぞ、兼続。 そう心の中で呟いて顔を上げた三成の涙はもう乾いていた。 すっかり夜になった空には満天の星が輝いている。 三成は再び凛として歩き始めた。 終わり。 あとがき はじめまして、こんにちは。野間喜孝と申します。 この度は本書を手に取って下さりありがとうございました! 普段はネット界の片隅で専らウェブ小説を書き散らしているのですが、実はこの本が野間にとって初めての同人誌です。歴史好き(と、兼続好き)が高じてこうして本を出す事になりました。少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。 コンセプトは電車の中でも読める同人誌!文庫本と同じサイズで程々の厚さなら、カバーを掛けてしまえば解らない!と信じたい。 YOUやっちゃえばいいじゃん!と背中を押してくれた友人達に感謝です。 さて。兼続への愛でも語らせて頂こうかと。友人が戦国無双2にハマっているのを見ておいらもやってみるかなと中古で手に入れたのが戦国無双との出会いでした。ファーストインプレッションでは浅井長政と孫市が好きかなー。でも腐までは行かないなーとか思っていたのですが。段々余所様の二次創作を読んだりゲームを進めていく内に最初は全然興味ナッシングだった兼続にハマっておりました。 兼続と野間とは同郷ということもあり。今では可愛いなあコイツ。とかニヤニヤ妄想しておりますよ。2では大人気だった彼も3での変貌振りもひっくるめて愛しています。きっぱり。 今回のお話は、野間と兼続の地元(新潟県旧六日町)に伝わる民謡をモチーフにしました。昭和初期に作られた民謡と聞いたことがありますが、兼続(お六)の悲恋を謡ったもので、三日に渡って開催される夏祭りの二日目のメインイベントでは通りをこの民謡を踊りながら歩く『お六流し』という行事を行います。その他にも小学校や中学校では体育祭で踊るので×十年経った野間も未だに踊れたりします。 歌に出て来る桂姫とは、一説には景勝の腹違いの妹姫だと言われています。戦闘員さまおっと間違い仙桃院さま(綾御前)の娘ではなく母親が身分の低い女性だったため本邸に住む事叶わず坂戸山の南裾、寺が鼻と呼ばれる地区に住んでいたそうで。 兼続は上杉の重臣という身分を隠して桂姫と逢引していたのでしょうか。その真偽は今となっては解らない事ではありますが、今回は無理矢理三成に桂姫になって頂きました(笑)野間は兼続は受けの方だといいと思ってはいますが三成は兼続にさえ負けると思うんだ。 何だか寂しい感じで終わってしまった(ような気がする)『蛍の記憶』ですが、実は最初から現代パラレルに続く話にしようと思っておりました。そちらは兼三ではない上にやりたい放題のお話ですがまたその本でお会い出来たら甚幸です。 ここまで読んで下さいまして本当にありがとうございました! 野間喜孝 拝