約 1,036 件
https://w.atwiki.jp/orbiscountry/pages/26.html
(国旗) (国章) 国名 泰緬連合王国 国歌 タイ国歌 国の標語 未来は我らの為に 産業 農業 観光業 国家元首 ダッサコーン王 首相 首長会議 実質なし 政治体制 ポピュリズム 立憲君主制 与党 消滅 人口 1億1000万 GDP 300万 通貨 バーツ ฿ 所持CD 25k 軍隊 晒さん 国教 上座部仏教 概要 タイとビルマの2国による連邦制を採る王国である。 軍隊 歩兵と自動車化 外交 アフラジア会議加盟 インド並びに東インドで東インド洋同盟を形成中 日本と同盟 王国慨史 2325/4/6トンブリー朝タークシン王が処刑され、アユタヤ王家の地を継ぐラーマ一世が即位した後、首都をクルンテープに移し、成立。 同年~2352年 複数回にわたって進行してきたビルマ軍を駆逐。 2352/9/7 ラーマ一世、崩御。 トンブリー朝の大将軍は一国の王となり、多くの臣民に愛された。享年72歳。 同日 ラーマ二世、即位。 2367/7/26 ラーマ二世、病により崩御。現在でもシャムを代表する文豪の一人である彼は、国内の整備を実施し、現在のシャムの繁栄の礎を築いたが、政治的実権をあまり持たなかった。享年52歳。 同日ラーマ三世、即位 中略 (2563/12/5 建国) 2563/12/8 太平洋安全保障圏条約加盟 2563/12/9 カンブリア=シャム戦時援助協定締結 2563/12/11 太平洋安全保障圏条約崩壊 2563/12/16 カンブリアヴォルガノフ審査法の可決を受け 上記戦時援助協定を一部破棄 2563/12/17 アジア協力会議設立 2563/12/25 ロシアと軍事同盟締結 2563/12/25 インドと軍事同盟締結 2563/12/29 内戦勃発 2563/12/30 内戦終結 連邦国家となる 2564/1/18 インド並びに東インドと東インド洋同盟を形成 2564/2/9 カナダと軍事同盟を締結 2564/2/20 日本と軍事同盟を締結 政治事情 第二次内戦とビルマの併合を経て現在は共に連合王国臣民として団結している。更なる内戦の可能性は低いだろう。 構成国 タイ連合王国 (国旗) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) (国章) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 国名 タイ連合王国 国歌 タイ国歌 国の標語 未来は我らの為に 産業 農業 観光業 国家元首 ラーマ九世 首相 選挙中 政治体制 ポピュリズム 立憲君主制 与党 消滅 人口 1億1000万 タイ内部の構成国 + ... クルンテープ・マハーナコーン連合王国直轄地域 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 1,568.737km² 人口 1456万人 下位区分 50区 連邦王国首都 通称バンコク またはクルンテープ 主要施設 ラーマ3世記念空港 スワンナプーム国際空港 クルンテープ港 中央政府追悼公園(仏歴2550年12月5日国王陛下御年80歳記念政府総合庁舎跡地) 内戦記憶公園(王宮跡地) + かつての情報 構成国の概要 反独裁民主戦線 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 中央にあるのはガルーダです いいですね? 実質的な中央政府の後継陣営 かつての主目的はタイをまとめあげ、タクシンを帰還させること。 リーダー シンタウィーチャイ・ウィーラワットノドム 本拠地 アユタヤ 都市 + ... クルンテープ・マハーナコーン都 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 1,568.737km² 人口 1456万人 下位区分 50区 連邦首都 反独裁民主戦線首都 通称バンコク またはクルンテープ 儀礼的正式名称 クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット 主要施設 ラーマ3世記念空港 中央政府追悼公園(仏歴2550年12月5日国王陛下御年80歳記念政府総合庁舎跡地) 内戦記憶公園(王宮跡地 民主市民連合 共産派陣営 共産党の後援団体 かつての主目的は王政を打倒し共産主義の要塞とした後世界革命を成し遂げること。 元々はただの反タクシン派勢力であったが国内の共産主義者により共産主義勢力へと変貌した リーダー バークリック・ソーヂャトルング 本拠地 コーンケン #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 都市 + ... コーンケーン特別区 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 10,885.991 km² 人口 1232万人 下位区分 25郡 民主市民連合首都 主要施設 コーンケン国際空港(IT集積所有) コンケンオルビスウォーターパーク セントラルプラザ パタニ共和連合 元イスラム原理主義陣営 元過激派組織 元テロリスト かつての主目的は全アジアをイスラムの元に統一すること。はっきり言って某ISよりやばい 上記二組織よりも歴史のある集団である リーダー アーデル・ビン・ラシード 本拠地 パッターニー #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 都市 + ... パッターニー特別区 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 1,940.356 km² 人口 1100万人 下位区分 12郡 パタニイスラム連合首都 主要施設 連邦記念空港 企業 シャム中央航空 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 本社 コーンケン 航空事業 就航路線 発着地 収益 ラーマ三世記念空港 カンブリア ロンドン空港 10% ドーバー空港 10% エディンバラ空港 10% プロビア ンジャメナ 10% フィンランド ヘルシンキ 10% 東インド ジャカルタ空港 10% フランス パリ空港 10% コーンケン国際空港 国内線 ラーマ三世記念空港 10% スワンナプーム国際空港 10% 連邦記念空港 10% カンブリア エディンバラ空港 10% ドーバー空港 10% ロンドン空港 15% オーストラリア シドニー空港 15% オーストリア ウィーン空港 15% 北イタリア ヴェネツィア空港 15% フランス パリ空港 15% 協会自治区 M-01空港 15% 南アフリカ プレトリア 15% プロビア ンジャメナ 15% フィンランド ヘルシンキ 15% 東インド ジャカルタ空港 15% コート・ヴェスターヌ ラゴス空港 15% ソンガイ コナクリ 15% インド ハイデラバード 15% 連邦記念空港 国内線 ラーマ三世記念空港 10% スワンナプーム国際空港 10% カンブリア ロンドン空港 10% ドーバー空港 10% エディンバラ空港 10% プロビア ンジャメナ 10% フィンランド ヘルシンキ 10% 東インド ジャカルタ空港 10% フランス パリ空港 10% スワンナプーム国際空港 プロビア ンジャメナ 10% フィンランド ヘルシンキ 10% 東インド ジャカルタ空港 10% フランス パリ空港 10% 海運事業 就航路線 発着地 種別 収益 クルンテープ港 ドイツ ??? 重工業 80万 小琉球 台南 軽工業 40万 プーケット港 カナダ M-01 軽工業 40万 インフラ 道路 路線図 国道一号 総延長432.2km クルンテープ=コーンケン道 国道二号 総延長760.9km(内重用区間102.3km) クルンテープ=チェンマイ道 国道三号 総延長624km(内重用区間96.3km) コーンケン=チェンマイ道 国道四号 総延長976.7km クルンテープ=パッターニー 鉄道 線路地図 運賃体系 1駅間ごとに最低運賃の+50% +32% +17% +10%と増えていく。 シャム国有鉄道東北本線コーンケン夜行鉄道 最低運賃 基本料金100バーツ 特急料金(運賃増加対象外) 特等客車A寝台200バーツ 特等客車B寝台170バーツ 一等客車140バーツ 二等客車110バーツ 三等客車80バーツ 四等客車30バーツ 運行区間 クルンテープ~ノンタブリ~ナコーンナーヨック~ナコーンラーチャシーマー~コーンケン シャム国有鉄道北本線チェンマイ夜行鉄道 最低運賃 基本料金100バーツ 特急料金(運賃増加対象外) 特等客車A寝台200バーツ 特等客車B寝台170バーツ 一等客車140バーツ 二等客車110バーツ 三等客車80バーツ 四等客車30バーツ 運行区間 クルンテープ~アユタヤ~カムペーンペット~ラムパーン~チェンマイ シャム国有鉄道東北本線コーンケン弾丸鉄道 最低運賃 特等客車220バーツ 一等客車120バーツ 運行区間 クルンテープ~ナコーンナーヨック~コーンケン
https://w.atwiki.jp/trinity_kristo/pages/334.html
キリスト教との関連などから考えていく。 より広範なものとしては、他の神話との関係を参照。 宗教の分類 宗教の系統 宗教には大きく分けて三つの源流があり、①アブラハムの宗教、②アーリア人の宗教(インド宗教)、③東アジアの宗教 である。ここではこれらに、④神秘主義 を加える。 ①アラビアの多神教→メソポタミア神話→ウガリット神話→ユダヤ教→キリスト教、イスラム教(→シク教) ②インド・ヨーロッパの祖多神教→インド・イラン神話(→ゾロアスター教)、ギリシャ神話(→ローマ神話)、バルト神話、スラブ神話、ゲルマン神話(→北欧神話)、ケルト神話 ②サンスクリットの多神教→ジャイナ教、ヒンドゥー教(→シク教)、〔上座部〕仏教(→大乗仏教) 宗教の特性 同じ系統の宗教であっても、教義が相いれないことはある。ここでは、宗教の特性ごとに分類する。 1.アブラハムの宗教 シュメール神話、アッカド神話、ウガリット神話(カナン神話)に起源を持つ。 ユダヤ教 神…ヤハウェ(主) 信仰の対象…神 預言者…モーセ(前13世紀頃)、エリヤ(前9世紀)、イザヤ(前8世紀)、エレミヤ(前7世紀末~前6世紀前半)など 聖典…旧約聖書(前7世紀頃編纂) 開祖…特になし(強いて言えばモーセ) 成立…原始的な形態は前12世紀頃とされるが、現在の形になったのは前539年のユダヤ帰還後 地域…イスラエル 70年にエルサレム神殿が破壊されて以来、預言者はユダヤの民に下されなくなったのだと考えている。この世に預言者がなくなれば、神との契約は更新されることはありえないとし、ユダヤ教徒はモーセの「旧い契約」に対して、キリスト教で神と結んだ「新しい契約」と主張される新約聖書の内容を認めていない。 キリスト教 神…三位一体(父(ヤハウェ)、イエス・キリスト、聖霊) 信仰の対象…三位一体たる神 預言者…ユダヤ教の預言者、ザカリア、洗礼者ヨハネ 聖典…旧約聖書、新約聖書(1世紀中盤~2世紀中盤) 開祖…イエスの弟子たち(特にパウロ) 成立…紀元30~33年頃(イエスの活動期~十字架刑) 地域…イスラエル→ローマ帝国→全世界 神の子イエス・キリストの磔刑による死を以て、人間の原罪が赦されたと考える。 イスラム教 神…アッラー(ヤハウェ) 信仰の対象…神 預言者…ユダヤ教の預言者、キリスト教の預言者、イーサー(イエス)、ムハンマド 聖典…クルアーン、ハーディス、(旧約聖書のモーセ五書、新約聖書の福音書) 開祖…ムハンマド 成立…622年(メディナにウンマ(イスラーム共同体)ができたヒジュラの年) 地域…アラビア→北アフリカ、中東、東南アジア ユダヤ教から分化した宗教であるため、神はキリスト教と同じだが、イエスをキリストとして認めず、預言者の一人に含める。また、ムハンマドを最大にして最後の預言者と考える。聖典には聖書も含まれるが、改竄されて信用できないものであると解釈するため一般的には読まない。 クルアーン4 157-158の記述から、現代イスラム教では「イーサーは十字架の上で死なず、替え玉とすり替わり、昇天した」という立場をとる。しかし、クルアーンの記述のみを考えると、本来想定していたのはグノーシス主義やマニ教のように「肉体としてのイエスは十字架刑により死んだが、「真のキリスト」は死なずに昇天した」という捉え方をしていたと推察される。 バーブ教(新宗教) 神…ヤハウェ? 預言者…イスラム教で認められる預言者に加え、バーブ 聖典…バヤーン(Persian Bayán) 開祖…バーブ 成立…1844年 ムハンマド以降の初の預言者を標榜している。 バハーイー教(新宗教) 神…ヤハウェ? 預言者…バーブ教で認められる預言者に加え、ゾロアスター、釈迦、バハーウッラー。 聖典…クルアーン、バハーウッラーの著作(「キターブ・アクダス」など 開祖…バハーウッラー 成立…バーブが処刑された1850年以後 イスラム教から分化した宗教だが、多神教を網羅する一神教で、多神教の神も全て唯一神が、地域と時代により伝え方がその民族にあった伝え方をしたためにおきた現象であり、ゾロアスターや釈迦などを含めて、全て同じ事を言っている、そのため、他の宗教を批判する事は誤りである、としている。 2A.アーリア人の宗教(ゾロアスター教系) インド・ヨーロッパ神話に起源をもつもののうち、ペルシャで普及したゾロアスター教に関するものである。 ゾロアスター教 神…多神教(最高神以外は被造物) 最高神…アフラ・マズダー 信仰の対象…最高神 預言者…ザラスシュトラ(前7世紀頃とするのが定説だが、前13世紀頃とも言われ、はっきりしない) 聖典…アヴェスター(紀元3世紀) 開祖…ザラスシュトラ 成立…少なくとも紀元前6世紀以前 地域…イラン ゾロアスター教はアーリア人の祭司だったザラスシュトラによって開かれた。彼が30歳の時、天使ウォフ・マナフ(Vohu Manah)に導かれて正義の神アフラ・マズダ(Ahura Mazda)に出会い啓示を受けた。アーリア人は多くの神を信じていたが、ザラスシュトラは、アフラ・マズダこそが唯一の神であると説き、アフラ・マズダの言葉を人々に伝え始めた。ゾロアスター教の教えである一神教、天国と地獄、最後の審判などの概念は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教あるいは仏教に大きな影響を与えたといわれている。 ミトラ教 神…多神教 最高神…太陽神ミトラス 信仰の対象…最高神 開祖…特になし(イランのゾロアスター教教の神官?) 成立…前1世紀 流行:後1世紀~4世紀 地域…ローマ帝国 ミトラ教は牡牛を屠るミトラス神を信仰する密儀宗教である。信者は下級層で、一部の例外を除けば主に男性で構成された。信者組織は七つの階級があり、上から①父、②太陽の使者、③ペルシア人、④獅子、⑤兵士、⑥花嫁、⑦大鴉であった。それぞれは①土星、②太陽、③月、④木星、⑤火星、⑥金星、⑦水星の守護下にあった。七つの星界を経て魂が上昇して不死にあずかるという教義があったらしい。入信には試練をともなう入信式があった。 マニ教 神…光の王国の光明の父・偉大なる父(ズルワーン)、闇の王子 人間の創造主…「光明の父」が呼び寄せた「第三の使者」を模倣して、大悪魔と大女魔が創造した。 信仰の対象… 預言者…イエス(西方)、釈迦(東方)、ザラスシュトラ(中央世界)、マニ(最後の預言者) 開祖…マニ(3世紀) ゾロアスター教を背景に、キリスト教グノーシス派の流れを汲んでおり、啓典宗教の特徴をもつ。かつては北アフリカ・イベリア半島から中国にかけてユーラシア大陸で広く信仰された世界宗教であった。 ユダヤ教、キリスト教、仏教、ゾロアスター教の考えを引き継いでおり、それぞれの開祖を預言者と位置付けているが、イエスに関しては、肉体を持たない「真のキリスト」と、それとは対立する十字架にかけられた人の子イエス(ナザレのイエス)とを区別する。すなわち、十字架刑により人の子イエスは死んだが、「真のキリスト」は父の元へ帰ったと考えている。 2B.アーリア人の宗教(インド神話系) インド・ヨーロッパ神話に起源をもつもののうち、インドで普及したバラモン教に関するものである。 バラモン教 神…雷神インドラ、火神アグニ、水神ヴァルナなどを重要視する多神教 聖典…ヴェーダ(前15世紀頃) 開祖…なし 成立…前15世紀頃 インドに侵入してきたアーリア人によってつくられた宗教。 ヒンドゥー教 神…多神教 最高神…三神一体の神(創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァ) 信仰の対象…三神一体たる神 聖典…ヴェーダ(前15世紀頃) 開祖…なし 成立…前5世紀頃 ヒンドゥー教は西暦4世紀以降のインドで隆盛となった宗教である。しかし、その起源は古く、紀元前10世紀以前のインドに起こったバラモン教(ヴェーダの宗教)の流れを汲むものだといわれる。 ヴェーダの宗教とヒンドゥー教の間には数々の違いがあるが、終末論的な観点からいうと、ヒンドゥー教が輪廻転生の思想を基本にしていることだといえる。輪廻転生とは、この世に生きているものは人間も動物も死後に再び生まれ変わって誕生し、これが永遠に繰り返されるという考えである。このような考えは、ヴェーダの時代にはなく、ヴェーダの時代が終わってから紀元前500年頃までの間に誕生したものである。 インド生まれの宗教として、ヒンドゥー教の他に仏教やジャイナ教があるが、これらはみなこの時代以降に成立したので、いずれの場合も輪廻転生の思想を持っている。 なお、近世以降、ヒンドゥー教では「三神一体論(トリムルティ)」とよばれる教義が唱えられた。この教義では、本来は一体である最高神が、三つの役割「創造、維持、破壊」に応じて、三大神「ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ」として現れる。 シク教 神…イク・オンカール・サト・ナーム(「唯一の神は真理である」の意味、アッラーもヴィシュヌも同じ存在) 信仰の対象…神との合一(ムクティ) 聖典…グル・グラント・サーヒブ(教典にして、生ける永遠のグル) 開祖…グル・ナーナク イスラム帝国がインドを征服した歴史の中で、「ヒンドゥー教徒もイスラーム教徒もいない」人類すべてが分かち合える『唯一なる真理』のメッセージを人々に送るためにつくられた宗教。 ヒンドゥー教と同様に輪廻転生を肯定している。カーストを完全否定しているがこれにはイスラム教の影響もあると考えられている。神は一つであるとして、唯一神を標榜している。神には色々な呼び名があり、それぞれの宗教によって表現のされ方の違いはあるが諸宗教の本質は一つであるとし、教義の上では他宗教を排除することはない。アラーもヴィシュヌも同じ神の異名にすぎないという立場である。 シク教の最終目標は、輪廻転生による再生を繰り返した末に、神と合一するムクティである。ムクティに至れるかどうかは他人への奉仕とグルの恩寵にかかっており、ムクティと個人の性やカーストは無関係とされている。人の一生を精神の超越への行程と考えるヒンドゥー教に対し、シク教では人は自分の事ばかり考える人間は5つの煩悩(傲慢、欲望、貪欲、憤怒、執着)に負けてしまうため、真のシク教徒は一生を常にグルに向け、神を究極の師(サド・グル)として仰ぐ。 2C.アーリア人の宗教(仏教) インド・ヨーロッパ神話に起源をもつもののうち、バラモン教から発生した仏教に関するものである。 原始仏教・上座部仏教 神……不可知論的だがバラモン教と共有 最高神…創造神ブラフマー〔梵天〕(その他に、軍神インドラ〔帝釈天〕など重要) 信仰の対象…なし(強いて言うならブッダ(覚醒者)) 聖典…パーリ仏典 開祖…ブッダ〔仏陀〕=ガウタマ・シッダールタ〔釈迦〕 成立…前5世紀 輪廻転生が言われていた古代インドにおいて出現した思想。出家して厳しい修行を積んだ僧侶だけがさとりを開き、輪廻転生から解脱して、死後、天へ行くことができる。したがって、悟りを開くための修行をしたわずかな人が救われ、一般の人々は救われない。小乗仏教では、さとりを開いた35歳以上の釈迦を崇拝する。 大乗仏教(顕教) 宇宙仏〔神〕…毘盧遮那仏〔ヴァイローチャナ〕 人に姿を変えた宇宙仏…釈迦如来 信仰の対象…釈迦如来(日蓮宗など)、阿弥陀如来(浄土宗) 聖典…『華厳経』『法華経』『般若経』『涅槃経』など。(浄土宗は『大無量寿経』) 開祖…龍樹〔ナーガールジュナ〕 成立…2世紀 ブッダとは歴史上にあらわれた釈迦だけに限らず、過去にもあらわれたことがあるし未来にもあらわれるだろうとの考えはすでに大乗以前から出てきていたが、大乗仏教ではこれまでに無数の菩薩たちが成道し、娑婆世界とは別にある他方世界でそれぞれのブッダとして存在していると考えた。この多くのブッダの中に西方極楽浄土の阿弥陀仏・阿弥陀如来や、東方の浄土とされる浄瑠璃世界の薬師仏・薬師如来(阿閦如来)などがある。ただし、密教とは異なり、衆生を教化するために姿を示現した「釈迦如来が、秘密にすることなく明らかに説き顕した教え」である。 大乗仏教の仏とは、宇宙そのものであり、宇宙の真理とでもいうべき仏陀(宇宙仏)である。(一般の宗教での「神」に当たるのが宇宙仏とも言える)この宇宙仏が真理を説き、教えを説く。しかし、宇宙仏は姿、形が無く、そのままでは教えを説く事が出来ない。そこで宇宙仏が人間である釈迦に姿を変えてこの世に登場した、と考える。 しかし、宗派によって最高位の仏は異なり、毘盧遮那仏が人となって表れた釈迦如来を最高位に置く宗派と、西方極楽浄土の仏である阿弥陀如来を最高位に置く浄土宗系の宗派に分かれる。 3.東アジアの宗教 シンクレティズム(syncretism, 習合)は東アジアの宗教に共通の特徴である。シンクレティズムとは、相異なる信仰や一見相矛盾する信仰を結合・混合すること、あるいはさまざまな学派・流派の実践・慣習を混合することである。そのため、個々の信仰を認識するのが困難な場合が多い。 また、東アジアでは宗教を権力正当化のよりどころとしなかったため、宗教的統一が図られなかったという事情もある。 道教・中国伝統宗教 神…多神教 最高神…神学的には元始天尊だが、時代により変わる 信仰…道(タオ)と一体となること 開祖…老子? 道教は漢民族の土着的・伝統的な宗教である。中心概念の道(タオ)とは宇宙と人生の根源的な不滅の真理を指す。道の字は辶(しんにょう)が終わりを、首が始まりを示し、道の字自体が太極にもある二元論的要素を表している。この道(タオ)と一体となる修行のために錬丹術を用いて、不老不死の霊薬、丹を錬り、仙人となることを究極の理想とする。それはひとつの道に成ろうとしている。 全真教と正一教が主要な宗派。全真教は古代(三国志の時代の太平領王道辺り)の初期道教を継承したものでこちらが玉皇大帝を最高神とする場合が多い。正一教は明代以降に「老子」の教えを取り込んだものでこちらが三清などが最高位に来る場合が多い。 儒教 神…『天』という曖昧な概念だけがあり、人格は存在しない。 信仰…「礼」を尽くすことで、君子の政治を実現させること 開祖…孔子 君子の政治を実現させ、「仁義」という理念と「礼」という作法を強調し、年齢や身分による上下関係を説くものである。儒教は一見、為政者の理念を説いているようでいて、それ以上に民衆の義務を強調していることから、施政者によって利用されてきた。 神道 神…多神教ですべての者に神が宿る、祖霊崇拝性により祖霊も神に含まれる 最高神…天照大神(あまてらすおおみかみ)だが、神学上は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ) 開祖…なし 神道(しんとう)は、日本の宗教。山や川などの自然や自然現象、また神話に残る祖霊たる神、怨念を残して死んだ者などを敬い、それらに八百万の神を見いだす多神教。自然と神とは一体的に認識され、神と人間とを取り結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされた。 4.神秘主義系統 一言でいうならば、神(絶対者)を直接認識し、直接つながり、合一することができると信じる宗教形態である。各地の大宗教からも生み出されている。 プラトン哲学 根本原理…諸々のイデア(ものごとの真の姿) 物質世界の創造主…デミウルゴス 提唱者…プラトン プラトンは、我々の属する物質世界、現象世界の上にイデア界(叡智界)をおいた。このイデアという概念は、プラトン哲学の中心概念ともいえる。イデアとは言ってみれば、完全にして普遍、永遠の真実性であり、物体としては捉えられない存在である。我々の感覚的世界の事物はこのイデアを原型とする模造であり、イデアを分有してのみ存在する。イデアは、我々の感覚的知覚の対象とはならず、理性的認識の対象である。 グノーシス主義(キリスト教グノーシス派) 神…至高神 物質世界の創造主…偽の神ヤルダバオート(=デミウルゴス、=YHWH) 信仰の対象…至高神、至高神の送られた霊的存在イエス 預言者…イエス(至高神により天の国バルベーローから送られてきた存在) 聖典…独自の聖書 開祖…特になし ユダヤ教的な唯一絶対の創造神を設定した場合、それだけでは、善なる唯一神が存在していながらその一方で人々を不幸に陥れあるいは破壊する悪が絶えないのはどうしてかという解決不能な問題が持ち上がる。グノーシス主義はこの問題に様々な解答を試みたが、その中には物質的な宇宙の創造は全能の神によるものではなく、サタン(悪)もしくは「神の不完全な代理人」が神の意図を誤解しておこなったものであるというものがあった。すなわち、善なるものは霊的なものに限られ、物質は悪に属するという考え方である グノーシス主義では、『旧約聖書』に登場するヤハウェと名乗っているデミウルゴスを、固有名で「ヤルダバオート」と呼んでいた。『旧約聖書』において愚劣な行為を行い、悪しき行いや傲慢を誇示しているのは、「偽の神」「下級神」たるヤルダバオートであるとした。しかしヤルダバオートは自らの出自を忘れ、自らが唯一の神であると信じている。 グノーシス神話では、神の国・天の国はバルベーローである。バルベーローとは至高神の似姿からつくられたアイオーン(至高の最初のイデア)の国である。イエスとは至高神により、バルベーローから送られてきた存在という位置づけである。 物質界が不完全であるのは、物質界が至高神のバルベーローから零れ落ちた存在であり、したがって物質界はバルベーローから最も離れた場所にあるからである。これを「流出説」と呼ぶ。 新プラトン主義(=神秘主義) 根本原理=神…一者(ト・ヘン/to hen) 信仰の対象…我々の魂を「一者」と合一させること 提唱者…プロティノス プラトン哲学と基本的には同じだが、従来のプラトン哲学のイデア界以上の究極の原理を求める。 すなわち、このイデア界にも様々な階層がある。そして、この究極の原理を求めるのならば、一切の多様性を取り除いた原理が求められなければならない。これは、多様性どころか存在や思惟すらも超えた所にある原理でなければならない。これこそが「一者(ト・ヘン)」であり、様々な物に分化する前の統一体でもある。 この「一者」は空間や時間を超越した存在であるから、どこにあるわけでも、いつあったわけでもない。動きもしないし、静止もしていない。形も大きさも重さもない。意識すら当てはまらない。意識は「見るもの」と「見られるもの」という対立から生じるのだが、「一者」には、そういった区別も無い。また「一者」は、神とも呼ばれるが人格を持っているわけでもない。要するに、あらゆる規定や法則に縛られない根本原理のことである。 新プラトン主義も「流出説」をとる。つまり、流出したということは、完全な存在である『一者』から、こぼれ落ちた存在だということになる。『一者』からの流出は、『ヌース(知性、精神、理性。イデアを認識するための理性的能力のこと)』から『魂』を経て、段階を踏んで『質料(物質的な存在)』に行き着く。 しかし、人間は本来は、天上的な存在であり、我々の「魂」の故郷はイデア界にある。よって、「魂」を解放してイデア界に帰り、そこからさらに「ヌース」へと高まり、ついには「一者」そのものと合一する。 狭義の新プラトン主義の定義としては、①超有的超知性的な最高始元(つまり『一者』のこと)を設定していること、②イデア界において『ヌース』と『魂』を区別していること、③流出説を承認していること、④我々の魂の最高始元との合一の可能性を承認していること、この4つの条件を満たしている哲学思想のことを言うという。 ヘルメス思想 神…「一者」(=YHWH) 聖典…ヘルメス文書 信仰の対象…「一者」からの万物の流出や、神を認識することを救いとする。 開祖…ヘルメス・トリスメギストス ヘルメス文書に由来する思想。ヘルメス文書には紀元前3世紀に成立した占星術などの部分も含まれるが、紀元後3世紀頃までにネオプラトニズム(新プラトン主義)やグノーシス主義などの影響を受けて、エジプトで成立したと考えられている。内容は複雑であり、占星術・太陽崇拝・ピタゴラスなどの要素を取り入れている。他にも、「一者」からの万物の流出(ネオプラトニズム的)や、神を認識することが救いである(グノーシス主義的)などの思想もみられる。 ヘルメス主義とグノーシス主義は互いに共通のイメージ(神話、プラトン哲学、聖書など)を用いるが、前者が親宇宙的(Pro-cosmic)であるのに対して、後者が反宇宙的(Anti-cosmic)である点が異なる。創造主の否定につながるグノーシス主義が正統派のキリスト教と相容れないのに対し、ヘルメス主義は必ずしもキリスト教と矛盾するものではない。 大乗仏教(密教) 宇宙仏〔神〕…大日如来〔ヴァイローチャナ〕(日本密教)、本初仏(チベット仏教) 人に姿を変えた仏…釈迦如来 信仰の対象…大日如来(日本密教)、本初仏(チベット仏教) 聖典…『大日経』『金剛頂経』『理趣経』など。 開祖…龍猛(伝統的に龍樹〔ナーガールジュナ〕であると言われるが時代が異なる) 成立…伝承によれば2世紀? 顕教では釈迦を通じて教えを得ようとするが、密教では直接、大日如来に教えを聞こうとする。宇宙仏(神)と直接つながろうとする点で、神秘主義の一種である。顕教とは異なり、真理そのものの姿で容易に現れない「大日如来が説いた教えで、その奥深い教えである故に容易に明らかにできない秘密の教え」である。全ての諸仏は宇宙仏が現れたものだと考えるため、どのような仏像を祀っていても、信仰の対象は宇宙仏である。 チベット仏教では、大日如来をも超える根源的な存在となる法身の「本初仏」を崇拝する。 カバラ 神…エイン・ソフ(YHWH) 聖典…聖書に加え、独自の聖典 開祖…3-6世紀頃自然発生 カバラはユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想である。独特の宇宙観を持っていることから、しばしば仏教における密教との類似性を指摘されることがある。しかし、これはもっぱら積極的な教義開示を行わないという類似性であって、教義や起源等の類似性のことではない。 カバラでは世界の創造を神エイン・ソフからの聖性の10段階にわたる流出の過程と考え、その聖性の最終的な形がこの物質世界であると解釈をする。この過程は10個の「球」と22本の「小径」から構成される生命の樹(セフィロト)と呼ばれる象徴図で示され、その部分部分に神の属性が反映されている。したがってカバラは一神教でありながら多神教や汎神論に近い世界観を持つ。 『エイン・ソフ』は、自らの姿を見ようと欲してこの世を創られたとあるが、『エイン・ソフ』から私達の住む現象世界は、直に発生させることはできなかった。そこで『エイン・ソフ』は、自らと現象世界を媒介とさせるために「セフィロト」を放射したといわれている。この世に存在する自然万物はすべて「セフィロト」の力によって発生したものである。『エイン・ソフ』は、全宇宙の統治者であり、自然万物の中に秘められて存在しているといわれている。 スーフィズム 神…アッラー 聖典…クルアーン 開祖…9-10世紀頃自然発生 スーフィズム教団間を統括するような教理体系は現れなかったが、おおむね一致する教理として次のようなものがある。つまり、創造者である神と被創造物である人間の内的な繋がりを仮定し、強い愛の力によって両者の隔たりを消滅させ、精神的合一を目指すというものである。 スーフィーの修行は階梯にたとえられ、神の与えてくれる心的状態(アフワール)を経験するとひとつ上の段階に移行できる。すべての階梯を登り切ると忘我の境地に至り、霊知(マアリファ)と真理(ハキーカ)と呼ばれる高い意識を永続的に得られると考えられた。 スーフィズムでは禁欲的で厳しい修行を行う。 修行法は様々だが、もっとも重要な行はズィクルと呼ばれる祈祷句を読み上げる儀礼である。神に思念を集中し一心不乱に連祷することでファナー(消滅・消融)と呼ばれるトランス状態に入り神秘体験をする。 ファナーに入るために音楽や踊りも盛んに用いられた。たとえば、白い布状の服を身につけて一心不乱に回る、回旋舞踊(セマー)と呼ばれるものを行い、神との一体化を求めた。スーフィーは導師の指導の下、決められた修行(マカーマート)を段階的にこなし、準備を進める。最終段階では、雑念を捨て去り一心に神の事をのみ考え、神と合一したという悟りが訪れるのを待つ。この境地に至った者は、時として聖者に認められ、崇拝の対象となった。 オカルティズム 「隠されたもの」 occultaを認める思想およびそれに基づくいろいろな行動をさす。通常の認識では解明できない自然現象、人間的事象などがその対象となる。占星術、呪術などをさすが、歴史的には近代科学を準備したともみられる面がある。 近代においてはバラ十字団やシェリングの学徒ケルナー、ツェルナーなどが、学問的復権をはかり、19世紀以来の神智学もこの系統に数えられる。特定の思想を指す言葉ではないため、宗派によって神や世界観は異なる。 5.無宗教・不可知論 不可知論 神…神の有無について知ることはできない 不可知論(agnosticism)は、ものごとの本質は人には認識することが不可能である、とする立場のこと。神の存在を知るとか、証明することは不可能であると考えており、原始仏教に近い立場ともいえる。 無神論 無神論(atheism)は、世界観の説明に神の存在、意思の介在などが存在しない、または不要と主張する考え方である。 「無宗教」と混同されがちだが、無宗教は特定の宗教を支持しない状況を指しており、積極的に神を否定する無神論と厳密には区別して考えられるべきである。唯物論や機械論を無神論とみなす者もいるが、これらの理論は霊魂や物質世界への超越的な力の介入を否定しているのであって、必ずしも神の存在を否定しない。 神の比較 イスラム ユダヤ・キリスト ゾロアスター バラモン・ヒンドゥー 仏教 アッラー YHWH - - - - - - ブラフマー ブラフマー〔梵天〕 - - アフラ・マズダー ヴィローチャナ ヴァイローチャナ〔毘盧遮那仏〕 サタン サタン 暗黒神アーリマン - - 大天使ミーカール 大天使ミカエル ミスラ ミトラ マイトレーヤ〔弥勒菩薩〕 リンク キリスト教と他宗教との関係(Wikipedia) List of religious populations(Wikipedia) 信者数が多い世界の宗教ランキングとその宗教の概要 世界の諸宗教 世界の宗教人口 宗教とは(Religion) 世界の宗教の聖典を日本語で読む ユダヤ教関連 ユダヤ人が長い間迫害されてきた理由が良く分かるまとめ ヒンドゥー教・バラモン教関連 バラモン教の神々 仏教関連 PCCM 3rd Ed(東洋の学問研究サイト) 大乗仏教にみられるキリスト あるキリスト教者の仏教誤解 正しい教えの白蓮 大乗仏教と上座部仏教 歴史的宗教 http //zatugaku.jp/reli-3.htm ゾロアスター教関連 世界史講義録よりゾロアスアー教 道教関連 道教の神々 新プラトン主義 http //www5e.biglobe.ne.jp/~occultyo/shinpi/sinpuraton.htm
https://w.atwiki.jp/kigurumi-novel/pages/98.html
大学の夏休みの時のことです。 友人から電話があり、ある場所へ行ってほしいとお願いされた。 その日は非常に暑い日だった。 私は訳も分からず友人のため、指定された場所へ向かった。 そこは遊園地の従業員入口で名前を言うと友人の根回しがあったようで、すんなりと中へ通してもらえた。 間もなく女性スタッフがやってきて、ある部屋へと案内してくれた。 部屋の中には緑色をしたトカゲの様なものがいくつか吊られていた。 そして、部屋の中央の長机の前に並べられたパイプイスには、部屋に吊られているものと同じものを着た男性が腰部分までそれで覆われ座っていた。 私が「おはようございます」と少しビビりながらも挨拶をすると、「よろしく」と声が返ってきた。 女性スタッフは私に身長を尋ね、それに答えると部屋に吊られている緑色のトカゲの様なものを取り、私に手渡すとわからないことがあったら、彼らに聞いてと言い残すと部屋を足早に出て行った。 つまり、これを着ろということだろう。 近くの男性に話を聞くと、子ども向けの番組のイベントで自分たちは悪役であるトカゲの着ぐるみを着て、正義のヒーローにやられるという役まわりであることを教えてもらった。 確かに上座に座っている人だけはタイツのような衣裳で、いかにも正義のヒーローぽかった。 早速、渡された悪役のトカゲの着ぐるみを着てみることにした。 しかし、これがなかなか大変。 着ぐるみの素材が分厚く足が通りにくい。 それでも何とか履くことができたが、このクーラーのよく効いた部屋でも汗が噴き出していた。 「この着ぐるみ着るの大変ですね」と漫画を読み座っている男性に話しかけると、チラッとこっちを見て「全身着るともっと大変だよ、それに外はもっと暑いよ」と言うと、すぐに漫画へ視線を戻した。 ”え!これ着て外でやるの!?” 私の心はトカゲの様な着ぐるみを腰まで上げただけですでに折れてしまった。 座っておのおの自由行動だったが、時間がきたようで音楽が流れると、おもむろに立ち上がると着ぐるみを着始める。 慣れない私は手伝ってもらいながら、何とか腕が通った。 次に頭を入れると、汗の臭いと暑さが急激に増す。 目の前の暗闇の先に見える光を目指し頭を埋めていく。 体が着ぐるみの中に収まると、背中にある着ぐるみのファスナーが閉められていく。 「チョット待って、苦しい」私のそんな言葉は届かず、ファスナーは完全に閉じられた。 呼吸は若干苦しいながらも次第に慣れていった。 しかし、汗の量だけはハンパではなかった。 出番はまだ、ひと足先に正義のヒーローは舞台へ飛び出していった。 準備の出来た悪役トカゲは部屋で待機。 私は着ぐるみに包まれた体を触ってみたが、ほとんど感触がなく、これなら蹴られても殴られても大丈夫だと、変な安心をした。 その時、一番奥のドアが開いて別のトカゲが出てきた。 しかし、この部屋にいるトカゲとは色も大きさも違う。 明るい黄緑色をしていて、小さい。 そして何より細く見た目に華奢で、中身は女性であることは明白だった。 「よろしくお願いします」と挨拶をしたその声は女性、それに若い感じの声だった。 なぜか私はドキドキしていた。 そしていよいよ舞台へ。 舞台に上がると小さな覗き穴から、子ども連れの家族が多く見える。 ゾロゾロと登場したトカゲの後、最後にボストカゲである黄緑色をした小さなトカゲが登場。 子どもたちは正義のヒーローに必死に声援をおくっている。 トカゲのボスは下っ端のトカゲに指示を出し正義のヒーローを襲わせる。 次々に飛びかかる下っ端トカゲ。 戦闘を繰り広げた後、下っ端トカゲは床に転がる。 当然、私もやられて寝転がるがとにかく暑い。 エアコンの効いた控え室で、着ぐるみを着ただけで既にかなりの暑さだったのに、舞台は屋外しかも転がったところが悪く直射日光。 舞台に上がった時は多くの観衆を前に緊張していたこともあり、暑さをそれほど感じていなかったのだが今は全身の水分が抜けてしまうのではないかと思うほどの暑さを感じる。 そんな中での戦闘、倒されて少し経つと再び立ち上がり、ヒーローへと立ち向かうが、2度倒されると舞台裏へとはけていく。 こうして下っ端トカゲの役目は終了。 トカゲをすべて倒したヒーローはいよいよボスとの戦闘へ。 ボストカゲは小さな体ながら、機敏に動き戦闘を繰り広げるが、時間とともにはっきりと分かるくらい動きが鈍くなる。 それも当然だろう、自分たちは代わる代わるヒーローと闘い倒されて休憩できたが、彼女はそうではない。 演出上、次第にボスは劣勢になっていく。 最後は蹴られ殴られふらふらになったところを思いっきり放り投げられ、小さなボストカゲは舞台裏まで転がってきた。 その時「キャッ!」と近くにいた私には彼女の声が聞こえた。 その直後、遠くでヒーローの決め台詞と子どもたちの声援が聞こえてきた。 疲れ切った足取りで戻ってきたトカゲたちのファスナーをスタッフが順番に開けていく。 下っ端トカゲからは、汗をかいた男たちが、湯気と共に飛び出してくる。 ボストカゲはというと、パイプイスに座り頭を項垂れている。 スタッフはボストカゲのファスナーを開けることなく、ペットボトルにストローを刺して彼女の前に置いて控え室を出て行った。 私はトカゲの着ぐるみを腰まで脱いで、少し離れたところでその様子を眺めていた。 彼女はペットボトルのストローを着ぐるみの口の中へと入れると、ドリンクがみるみるなくなっていった。 もうすっかり着ぐるみを脱いで、シャワーを浴びに行こうとしている人を捕まえて聞いてみた。 「彼女かなり辛そうですけど、着ぐるみ脱がないんですか?」と。 答えてくれた人は「この後、握手会があるから脱げないだ。まぁ、彼女はいつも脱ごうとはしないけどね」そういうとさっさとシャワーへ行ってしまった。 確かに周りを見渡すと、ヒーロー役らしき人が、仮面を外して暑そうにうちわで自分の顔をあおいでいた。 トカゲの着ぐるみを着た彼女の横に座ってみると、トカゲの口からは大量の汗が滴り落ち、床に水溜りができていた。 その口からは辛そうな呼吸も聞こえてくる。 「大丈夫ですか?」思わず声をかける。 「はい!ありがとうございます」しっかりとした返事は返ってきたが、その声に元気はなかった。 でも、着ぐるみの中の彼女のことが気になり横に座って様子を眺めていると、別の人が声をかけてきた。 「彼女のこと気になるのか?」 「ええ、まぁ」私が返すと、その人は「実は俺たちも誰も彼女の顔見たことないんだよ」とだけいうとどこかへ行ってしまった。 そんなやりとりの後、スタッフがヒーロー役と疲れ切った彼女を連れて、会場へと戻っていってしまった。 彼女はあんな状態で大丈夫なのかといろいろ心配してみたが、自分が心配してみてと我に帰ると周りには誰もおらず、自分だけが着ぐるみを半分着たまま取り残されていた。 握手会場にヒーローが到着した様で歓声が聞こえてきた。 私もシャワーを終え帰る準備をしている時、ヒーローに支えられながら、小さなトカゲが戻ってきた。 子どもたち蹴られたのであろう、着ぐるみには土のついた足形がいくつも付いていた。 そのまま小さなトカゲは奥の部屋へと姿を消した。 部屋に入ると、鍵を閉める音がしたのを聞いた後、私は家路についた。 実は近くで小さなボストカゲを観察していて分かったことがあった。 それは彼女の着ぐるみだけはファスナーがないこと。 だから、控え室で着ぐるみを脱ぐこともできずひたすら堪えるしかなかった。 それを知っているスタッフは飲み物だけを差し出していたことも合点が行がいく。 そして、下っ端トカゲとは別室で着ぐるみに着替えていたことも。 彼女は誰よりも早くトカゲの着ぐるみに着替え、じっと出番を待ち、誰よりも遅く帰っていくのだろうと想像ができた。 初めはなぜ、彼女だけが別室で1人着替え、同じ女である私は男の中に放り込まれて着ぐるみを着なければいけないのか納得いかなかったが、彼女の大変さと諸事情でなんとなくだが、納得できた。 end 上へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8869.html
前ページ次ページゼロの円卓の騎士団 「……」 「あー……えー……と、いうことなんですがの……キング殿?」 先ほどまでの草原、魔法学院校庭から学院長室に彼らは場所を移していた。教師コルベールは猛るキングガンダムをどうにか説得し、事情を説明するということで新たに学院長オスマンを加えて話し合いに臨んでいた。 そしてオスマン丁度今、トリステイン、引いてはハルケギニアの説明と、使い魔の儀式についてのあらましを喋り終えた。しかし喋り終えて返ってきたのが深い嘆息だったためうろたえた。 「ど、どうしましたかの? なにかご不明な点でも……」 「不明な点、どころではない!!」 突然キングガンダムの横から怒声が上がる。続いて机を叩く音。 僧正ガンタンクR。法衣と二振りのロッドを身に付け、先代の王の頃より仕えている円卓の騎士たちの古株だ。 普段は温厚な彼が、このときは珍しく怒気を顕わにしていた。……まあ、王への忠誠心の深い彼である。その彼を使い魔にしようなどと言われれば不思議ではないだろうが。 「おぬしたちはふざけておるのか!? 我々はこのような場所で使い魔などというものをしている暇など無い! そも我らが王を使い魔などというものに貶めようなど、言語道断!!」 「あ、いや、それは、その……」 めずらしくオスマンがあわてている。ガンタンクの怒りに面食らったというのもあるが、事実として一国の王をこの世界に連れてきてしまった、という罪の意識もあった。 ちなみに当事者の一人であるルイズもこの場にはいるのだが、場の雰囲気の重さとガンタンクの剣幕の激しさに飲まれて何も言えずにいる。 (スダ・ドアカワールド……まさかそのような世界があるとはの……) その世界においては、目の前にいる彼らのような種族、MS族というものが普通に存在し、生きている世界らしい。そして彼らは、その中のひとつの国、ブリティス王国を治める王なのだと彼らは説明した。 ……まあ、説明されて事情が分かった分、問題の大きさも浮き彫りになったのだが。 召喚された当人たちからすれば、これはもう国際問題以外の何者でもないわけで…… (うう……マジで王族なんかい……ミス・ヴァリエールも何ちゅうもんを召喚してくれたんじゃ……) 生徒に心の中で愚痴をもらす。 一応彼らには賓客ということで学院内において最上の部屋である客室の上座に座らせ、少しでも機嫌を直させるために贅をつくした食事を運ばせたりしているのだが 「「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」」 それでも説明した後に返ってくるのは、冷たいまなざし×12である。 ちなみに残った一人、ガンタンクRはもっと激しく怒りの視線と怒声を上げていた。 「聞いているのですかな、オスマン殿!?」 「ひゃい!? ああ、いえいえもちろん聞いていますとも!!」 意識がそれていたことを咎められ、あわてて背筋を伸ばす。それにどうもオスマンとしては、目の前のガンタンクRが苦手である。 飄々とした態度で相手の怒りをのらりくらりとかわすのがオスマンのやり方なのだが、どうにも通用しない。それだけ相手が怒っているというのもあるのだろうが、こういったことに対する年季の差もあるのかもしれない。 「しかも我々を送還する魔法すらないと!? どうすればよいというのだ、王にとり残された我らの臣民は! 貴族を名乗るあなた方ならば、分かるはずだ。これがどれほどの大事であるのかが!!」 「い、いえ! それは勿論承知しております! 承知しておりますとも! ですがそのための魔法がない、いや、少なくとも我々は知らないというのも事実ですし、ともかく一旦落ち着いて……」 「これが落ち着いてなど……!」 「……そこまでにしておいてくれ、ガンタンク」 それまで口を閉ざしていたキングガンダムが、そこでガンタンクを抑えた。 「しかし……!」 「ガンタンクの言うことももっともだ。私を信じてくれている民たちを思うと、 私も心底申し訳がない。だが彼が言う返す魔法がない、もしくは知らないとい うのも事実なのだろう。それぐらいは彼の様子を見れば分かる。ならばこれ以 上彼に怒りをぶつけても仕方が無いのは、普段のガンタンクなら分かるはずだ」 「む……」 「勿論、使い魔などという話に怒ってくれたのも分かっている。だが、こういっ たときに一番頼りになるのがガンタンクだ。そのあなたがこう怒ってばかりでは 話がすすまない。違うか?」 たしなめると共に、深い信頼を宿した声を彼に向ける。その様にほう、とオスマンはうなった。 なかなかに懐が深い……しかも、一般的にプライドの高いといわれる王族でありながら、使い 魔にするなどいう説明をされてなお冷静さを保っていられるとは。 キングガンダムにたしなめられ、少し考えていたガンタンクだったが、やがて彼に頭を垂れた。 「……失礼いたしました。確かに、少し冷静さを欠いていたようです。申し訳ありません、キング様」 「いいさ。……だが」 恥じ入るガンタンクから目をオスマンに移すキングガンダム。 一直線に、何のごまかしも許さないと無言の圧力をかけてくるその眼力に、オスマンは肝が冷えるのを感じた。 「ガンタンクが言ったことも、本当のことなのだということは理解してもらいたい。……事実、我ら円卓の騎士団が欠いたことで、故国は滅ぼされるという憂き目に一度逢っている。今は再興しているが、我が臣民をそのような目には二度と合わせたくない」 「……」 「我らを賓客として歓迎してくれたことには感謝しよう。だが、それならば早急なるこの事態の解決もお願いしたい。今後全力でもって、帰還の方法を探してくれること……誓ってくれるな?」 「あ、い、いえ、そ、それは勿論ですが、しかし……」 オスマンは口ごもる。自分たちがやる分にはやぶさかではない。それほどこの問題を軽視しているわけではないからだ。 だがキングガンダムが言った『全力で』の意味……おそらく国を挙げて、というものには、躊躇が入る。 どうするか迷っていると、コルベールが弁明の声を上げた。 「し、しかしですな、わ、私たちは魔術学院の院長、教師をしていますが、いってしまえばそれだけの存在でして。私たち個人ならともかく、国で以って、というのは我らの一存では……」 「……そう硬くならずとも良い。全力でとは言ったが、王といっても私は異世界の存在なのだし、突然このようなことを言われて国を挙げて探すなどできるはずもないことは理解している」 「……」 「だが、繰り返すがそうであっても我らの事情も理解してもらいたいのも事実なのだ。この際あなた方だけでもよい。……改めて問う。誓ってくれるな?」 「は、はい! 勿論です!」 勢い込んで返事をしつつ、内心ほっと息をつく。彼は物の分別もある王らしい。 先ほどの懐の深さといい、部下を抑える冷静さといい、かなりの名君であることがその行動の端々から伺える。 (惜しいのう……これほどの分別がウチの貴族どもに少しでも備わっていれば……) ふと、そんなことを考えてしまう。とはいえ、誓ってしまった以上こんなことを考えている暇などこれからは無いだろう。明日から本気で、全力で以ってことにあたらなければなるまい。 もっとも、ここでの会話などたかが口約束だ。その気になれば無視する、ということもできなくもないだろうが…… 「なぜか、それだけはしちゃいかんとつげとるんじゃよなあ……わしの勘が」 「ええ、それは私も同じです。彼らを怒らせてはいけない……それだけは、はっきりと分かる」 小声で隣に座っているコルベールと話す。そう、何故かそのことだけははっきりと二人には理解ができた。 ともかく今後、トリステイン魔法学院は全力でもって彼らの帰還する方法を探すことが決定し、かつ今後彼らがどうするかの確認をある程度して、この話し合いは終わることになる……はずだったのだが 「ま、待ちなさい!!」 ルイズの声が、そこで部屋に響いた。 前ページ次ページゼロの円卓の騎士団
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/1025.html
白 青 黒 赤 緑 多色 アーティファクト 土地 白 修道院のグリフィン/Abbey Griffin 空翔ける雪花石の天使/Angel of Flight Alabaster 天使の監視者/Angelic Overseer アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest 信仰の縛め/Bonds of Faith 教区の勇者/Champion of the Parish 礼拝堂の霊/Chapel Geist 修道院の若者/Cloistered Youth + 不浄の悪鬼/Unholy Fiend 安らかに旅立つ者/Dearly Departed 神聖なる報い/Divine Reckoning 宿命の旅人/Doomed Traveler 上座の聖戦士/Elder Cathar 精鋭の審問官/Elite Inquisitor 戦慄の感覚/Feeling of Dread 絞首台の守部/Gallows Warden 無形の美徳/Intangible Virtue 霊廟の護衛/Mausoleum Guard 弱者の師/Mentor of the Meek 深夜の出没/Midnight Haunting 勇壮の時/Moment of Heroism 金輪際/Nevermore 幻月/Paraselene 墓場の浄化/Purify the Grave 農民の結集/Rally the Peasants 叱責/Rebuke 無私の聖戦士/Selfless Cathar 銀筋毛の狐/Silverchase Fox 忌まわしきものの処刑者/Slayer of the Wicked 大物潰し/Smite the Monstrous 邪悪の排除/Spare from Evil 幽体の乗り手/Spectral Rider 石のような静寂/Stony Silence スレイベンの純血種/Thraben Purebloods スレイベンの歩哨/Thraben Sentry + スレイベンの民兵/Thraben Militia 物騒な群衆/Unruly Mob 村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer 声無き霊魂/Voiceless Spirit 青 甲冑のスカーブ/Armored Skaab 瀬戸際からの帰還/Back from the Brink 戦場の霊/Battleground Geist 礼儀正しい識者/Civilized Scholar + 人殺しの粗暴者/Homicidal Brute 閉所恐怖症/Claustrophobia 好奇心/Curiosity 血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome 秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets + 昆虫の逸脱者/Insectile Aberration 錯乱した助手/Deranged Assistant 雲散霧消/Dissipate 要塞ガニ/Fortress Crab 恐るべき妄想/Frightful Delusion 恐慌盲/Hysterical Blindness 不可視の忍び寄り/Invisible Stalker 研究室の偏執狂/Laboratory Maniac ランタンの霊魂/Lantern Spirit 霧の中の喪失/Lost in the Mist ルーデヴィックの嫌悪者/Ludevic s Abomination その場しのぎのやっかいもの/Makeshift Mauler 月鷺/Moon Heron カラスの群れ/Murder of Crows 屋根の上の嵐/Rooftop Storm ルーンの反復/Runic Repetition セルホフの密教信者/Selhoff Occultist 感覚の剥奪/Sensory Deprivation 静かな旅立ち/Silent Departure スカーブの大巨人/Skaab Goliath 幽体の飛行/Spectral Flight 縫い合わせのドレイク/Stitched Drake 縫い師の見習い/Stitcher s Apprentice 熟慮/Think Twice 黒 肉切り屋のグール/Abattoir Ghoul 祭壇の刈り取り/Altar s Reap 忌むべき者の軍団/Army of the Damned 血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon 夜の衝突/Bump in the Night 死の支配の呪い/Curse of Death s Hold 忘却の呪い/Curse of Oblivion 死の重み/Dead Weight 戦墓のグール/Diregraf Ghoul グリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand 終わり無き死者の列/Endless Ranks of the Dead ファルケンラスの貴族/Falkenrath Noble グール呼びの詠唱/Ghoulcaller s Chant グール起こし/Ghoulraiser 陰惨な醜さ/Gruesome Deformity 心なき召喚/Heartless Summoning 荘園の骸骨/Manor Skeleton マルコフの上流階級/Markov Patrician ぬかるみの大口/Maw of the Mire 神聖を汚す者のうめき/Moan of the Unhallowed モークラットのバンシー/Morkrut Banshee 夜の恐怖/Night Terrors 深淵からの魂刈り/Reaper from the Abyss 腐敗した沼蛇/Rotting Fensnake 金切り声のコウモリ/Screeching Bat + 忍び寄る吸血鬼/Stalking Vampire 骸骨の渋面/Skeletal Grimace スカースダグの高僧/Skirsdag High Priest 流城の巡回兵/Stromkirk Patrol 飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger チフス鼠/Typhoid Rats 堀葬の儀式/Unburial Rites 吸血鬼の侵入者/Vampire Interloper 夜の犠牲/Victim of Night 村の食人者/Village Cannibals 歩く死骸/Walking Corpse 赤 古えの遺恨/Ancient Grudge 灰口の猟犬/Ashmouth Hound 災火のドラゴン/Balefire Dragon 冒涜の行動/Blasphemous Act 血に狂った新生子/Bloodcrazed Neonate 燃え立つ復讐/Burning Vengeance 交差路の吸血鬼/Crossway Vampire うろつく餌食の呪い/Curse of Stalked Prey 夜毎の狩りの呪い/Curse of the Nightly Hunt 貫かれた心臓の呪い/Curse of the Pierced Heart 捨て身の狂乱/Desperate Ravings 小悪魔の遊び/Devil s Play ファルケンラスの匪賊/Falkenrath Marauders 残忍な峰狼/Feral Ridgewolf 噛み傷への興奮/Furor of the Bitten 霊炎/Geistflame ハンウィアーの砦守り/Hanweir Watchkeep + ハンウィアーの災い/Bane of Hanweir 収穫の火/Harvest Pyre 業火への突入/Infernal Plunge 地獄の口の中/Into the Maw of Hell ケッシグの狼/Kessig Wolf クルーインの無法者/Kruin Outlaw 夜の歓楽者/Night Revelers 夜鳥の手中/Nightbird s Clutches 燃え投げの小悪魔/Pitchburn Devils 憤怒を投げる者/Rage Thrower 自堕落な後継者/Rakish Heir 無謀な浮浪者/Reckless Waif + 無慈悲な捕食者/Merciless Predator 暴動の小悪魔/Riot Devils 轟く激震/Rolling Temblor ガイアー岬の災い魔/Scourge of Geier Reach スカースダグの信者/Skirsdag Cultist 流城の貴族/Stromkirk Noble 苛まれし最下層民/Tormented Pariah + 猛り狂う狼男/Rampaging Werewolf 裏切りの血/Traitorous Blood 吸血鬼の怒り/Vampiric Fury 村の鉄鍛冶/Village Ironsmith + 鉄牙/Ironfang 緑 待ち伏せのバイパー/Ambush Viper アヴァシンの巡礼者/Avacyn s Pilgrim 骨塚のワーム/Boneyard Wurm 茨潰し/Bramblecrush 暗茂みの狼/Darkthicket Wolf 月桂樹の古老/Elder of Laurels 荒れ野の本質/Essence of the Wild ただれ皮の猪/Festerhide Boar 昇る満月/Full Moon s Rise ガツタフの羊飼い/Gatstaf Shepherd 墓所の茨/Grave Bramble 灰毛ののけ者/Grizzled Outcasts + 爪の群れののけ者/Krallenhorde Wantons 小村の隊長/Hamlet Captain ホロウヘンジのゴミあさり/Hollowhenge Scavenger ケッシグの檻破り/Kessig Cagebreakers 赤子捕らえ/Kindercatch もつれ樹/Lumberknot 願い事/Make a Wish アヴァブルックの町長/Mayor of Avabruck 黴墓の大怪物/Moldgraf Monstrosity 根囲い/Mulch 帰化/Naturalize 果樹園の霊魂/Orchard Spirit 似通った生命/Parallel Lives 捕食/Prey Upon レインジャーの悪知恵/Ranger s Guile ソンバーワルドの蜘蛛/Somberwald Spider 蜘蛛の掌握/Spidery Grasp 旅の準備/Travel Preparations 解放の樹/Tree of Redemption ウルヴェンワルドの神秘家/Ulvenwald Mystics + ウルヴェンワルドの根源/Ulvenwald Primordials エストワルドの村人/Villagers of Estwald + エストワルドの吠え群れ/Howlpack of Estwald 森林の捜索者/Woodland Sleuth 霊の花輪/Wreath of Geists 多色 邪悪な双子/Evil Twin アーティファクト 肉屋の包丁/Butcher s Cleaver 地下室の扉/Cellar Door 継ぎ当ての翼/Cobbled Wings 不気味な人形/Creepy Doll 悪魔の長帷子/Demonmail Hauberk 霊捕らえの装置/Geistcatcher s Rig グール呼びの鈴/Ghoulcaller s Bell 墓地のシャベル/Graveyard Shovel 荘園のガーゴイル/Manor Gargoyle アヴァシンの仮面/Mask of Avacyn 片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow ルーン唱えの長槍/Runechanter s Pike とがった三つ叉/Sharpened Pitchfork 銀の象眼の短刀/Silver-Inlaid Dagger 旅行者の護符/Traveler s Amulet 土地 断崖の避難所/Clifftop Retreat ガヴォニーの居住区/Gavony Township 幽霊街/Ghost Quarter 内陸の湾港/Hinterland Harbor 孤立した礼拝堂/Isolated Chapel ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto ステンシアの血の間/Stensia Bloodhall 硫黄の滝/Sulfur Falls 森林の墓地/Woodland Cemetery
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4843.html
「岡部先生」 放課後、日誌をつけていると苦々しい表情で三年進路指導の主任が声をかけてきた。 用件はだいたい察しがつく。俺だって教員生活が板についてきた頃なのだ。先日全学年で進路指導の個人面談があったばかりというタイミングで、この人がこの表情で俺に話しかけてくるってことは…… 「先生のクラスの、涼宮ハルヒについてですが」 うむ、予想通り。 「聞いたところ三年の朝比奈みくるを何だか妙な同好会に引きずり込んだとか」 だいぶ前の話を今更おっしゃる。こういう教員が進路指導の主任に就けるのだ。俺がそれなりのポストに就くのも夢じゃないかもしれないな。 「朝比奈と面談しましたが、辞めろと言っても『辞めたくない』の一点張りですよ。先生のところの涼宮に脅されでもしてるのでは?」 ……スポーツマンはどんなに呆れても溜息をつかないものだ。 「理由は何か言っていましたか?」 「何のです?」 「辞めたくない理由です」 「あぁ……楽しいからとか何とか言っていましたけどどうだか」 そうですか。 確かに、今だから言えるけれども教師は生徒の事をそう簡単に信じるべきじゃない。信じようと努力して信じられるか吟味してから信じるべきなのだ。だがこのオッサンは最初から信じていない。経験がそうさせるのかもしれないが、こんな教師にはなりたくないもんだ。 「涼宮と面談します」 「そうしてください、頼みますよ。何とかあの同好会を自主的に解散させる方向に」 「私からもお願いします。ウチの古泉ももっと上位が期待できるだけにね……」 「僕のクラスの長門もその同好会に巻き込まれているみたいですね」 さぁ、面倒な事になってきた。 -------------- 「おはよう、朝比奈。ちょっといい?」 「はぁい……あ、岡部先生」 「おや、岡部先生までみくるをナンパかい?」 それはちょっとシャレにならんぞ鶴屋……。しかし確かに朝比奈はふわふわとしていて……コホン。気を取り直して、と。 「涼宮との同好会の事なんだが……」 「SOS団の事ですか?」 そう、その団の事。一体何をする団なんだ? 「涼宮さんは……えと、宇宙人とかを見つけて一緒に遊ぶのが目的って言ってました」 あのビラはマジだったのか……見つかった? 「見つかったというか、あっ、あの見つかりません!」 何だこの慌てぶりと隣の鶴屋のニヤリという笑いは……。まぁいい。 それでその団、楽しいか? 「すごく楽しいですっ。たまに恥ずかしかったり……しますけど」 あのバニーガールの時とか……と言った途端に朝比奈の顔が破裂するのではと思う程紅潮したので切り上げる事にした。 「ありがとう、朝っぱらから悪いね。それじゃ今日も一日頑張って」 「はぁい」 -------------- 「やぁ長門」 「……」 今、会釈を返したのだろうか。不思議な子である。無口だが暗いわけではなく、かといって明るくもなく……ありゃすたすた行ってしまう。 「あ、ちょっと待って……今大丈夫か?」 「…………大丈夫」 「涼宮と一緒にSOS団っての、やってるよな?」 「……」 首肯。 「どうだ?」 「……」 「……」 「どうって」 「あー……楽しいか?」 「……」 首肯。 「辞めたいって思う事とかない?」 「ない」 「どうして?」 「………………楽しい」 「そうか」 「そう」 「ありがとな」 「いい」 やはり不思議な子だ。遠ざかる小さな背中は、存在感があるようでない……いや、ないようで強烈にあるという感じだ。 -------------- 「おう、古泉」 「おや、岡部先生。僕に声をかけるとは珍しいですね」 爽やかな笑みを返してくる。この物腰とルックスだ、さぞかしモテる事だろう。 ……何だこの気持ちは。生徒に妬いてどうする。 「それで御用件は?」 「ん?……あぁ、お前がやってる部活の事なんだが」 「SOS団の事ですね」 「そうそう」 「先日の進路指導でも色々とご教授を受けましたよ」 「正直なとこ、どう?」 「……難しい質問ですね。僕としてはSOS団に入ったのは最初は予想外の事で、正直不本意でしたよ」 「今は?」 「大変面白く過ごさせてもらっています。彼と涼宮さんのおかげで」 微笑のニュアンスが変わったような気がした。 「辞めろって言われたらどうする?」 「どうもしませんよ、そもそも僕たちはSOS団という集まりであるだけです。普通の部活のように辞めるか辞めないとかは関係ないんですよ、僕たちにはね。 便宜上SOS団を『辞めた』としても、涼宮さんがいる限り結局僕たちは彼女のもとに集まるでしょうね」 ……そうか。わかった。 「では失礼します」 「あ、今から文芸部室行くんだろ?俺も一緒に部室まで行かせてくれ」 「僕は構いませんが」 大丈夫だ、中には入らん。 -------------- 「お待たせしました」 「遅いわよ古泉くん、今日は夏休みの、ってあれ?」 教室では見たことのない涼宮の晴々とした笑顔がキョトンとした表情に変わる。 「すまん涼宮、ちょっとキョン借りていいか?」 「何言ってるのよ、別にキョンはあたしのじゃないわよ……あ、あたしのか。あたしの雑用」 面白い表情でキョンがこっちに向かってくる。『しょうがないやつだなハルヒは』と言っているようでほほえましい。 「あ、待ちなさいよキョン!あたしはまだ」 「いいじゃないか、わざわざ岡部先生がここまで来たんだから相応の用事があるんだろ」 「……むぅ、手早く済ませなさいよ!5分以内」 はいはい、と手を振り部室のドアを閉めたキョンがこちらに向き、 「岡部先生、あなたまで俺をキョンと呼びますか」 とうんざり顔を見せた。ありゃ、親しみをこめたつもりだったのだが。 「まぁ、もう慣れたんでいいっすよ」 そうかじゃあキョン、少し話させてくれ。 -------------- 「辞める辞めないは俺が決めることじゃないっすよ。ハルヒが作った団なんだし、ハルヒが決める事だ」 いやそうじゃなくて、お前は団についてどう思ってるんだ? 「……最近は楽しくなってきてます。困ったことに」 って事は辞めたくない? 「だからそれは俺が決める事じゃないですって」 ……はて? 心底俺の質問の意図がわからない、という顔をしているキョンを見ていると段々わかってきた事がある。こいつは俺たち教員や、他の生徒たちが思っている『部活』の範疇にSOS団は入らないと当たり前のように思ってるんだ。 SOS団という入れ物の中に涼宮、朝比奈、長門、古泉、そして自分が入ってるんじゃなく、五人で一つの共同体を作っているんだと信じている。 だから辞める=抜けるという感覚がない。こいつにとって『SOS団を辞める』という言葉は自分が抜けるという意味ではないんだな……。 「そういうことか……」 「……? もういいですか」 随分長々と顔を見つめてしまっていたらしい。気付けば『やれやれ』という表情でキョンは佇んでいた。 「あ、あぁ、ありがとう。もういいから、涼宮を呼んでくれ」 キョンは浅い会釈とともにふぅと一つ溜息をつき、ドアを開ける。 「遅いのよキョン、何でもっと適当にあしらわないわけ?」 上座に座っていた涼宮が楽しそうにわめく。少しも動じずキョンが親指で俺を指し、 「お呼びだ」 と一言。その言葉にぶぅぶぅ言いながらも素直にこちらに来る涼宮を見ていると思わず笑みがこぼれてしまう。 そしてこんな事を思う、進路指導部の奴ら、ざまぁみろ。俺はこいつらの本音がわかるぞ。お前らが厄介者としか思っていない奴は、俺の生徒だ。 こいつらが正しいって事は俺も正しいって事だ。 バタンとドアが閉まり、全校生徒一の厄介者がキッと俺を睨む。 「涼宮」 「何よ」 「……」 「……」 「いい友達を持ったな」 おしまい
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3957.html
487 :ナイ神父MK-2:2016/09/21(水) 22 51 16 大陸SEEDネタ C.E30年 巡洋艦「和泉」医務室にて 現在、和泉内部の医務室には男が一人怪我をして運び込まれていた。 怪我は頭部を強く打った事による脳震盪で有ったが幸いにも命に関わる様な自体では無く、男は目を覚まそうとしていた。 「こ、ここは?・・・」 「目を覚ましたか、君は先ほどの事故で頭を強く打って気を失っていたのだよ。何処か痛む所は無いかね?」 男はまたこのパターンかと思いながらも、現状を確認すべく医務官らしき人物に現状を尋ねた。 「大丈夫です。しかし、外が暗くなっているようですが、私は夜まで気絶していたのですか?」 この言葉に医務官は一瞬怪訝な顔をするも、直ぐに納得した様な表情を見せ、再び話始めた。 「やはり、少し記憶が混乱しているようだな・・・まあ、ついこの間まで海軍に所属していたんだ。記憶が飛んでいれば夜だと勘違いするのも無理は無いな、此処はL2宙域付近だ。そして、今はユーラシア連邦と大洋連合が合同で建造中のコロニー群の警備の真っ最中だよ。」 「ユーラシア連邦」、「コロニー」この言葉に幾代か前の前世で聞いた覚えのある男は、恐る恐るその疑念を確信に変える為の言葉を紡ぐ。 「すいません、まだ記憶が混乱しているようです。今は何年何月でしょうか?」 「今はC.E30年の6月だが・・・大丈夫か神埼少尉、顔が青いぞ?まだキツイなら休んでいなさい、艦長には私から伝えておこう」 血の気の引いた顔をしながらベットへと倒れ込んだ神埼少尉、前世では嶋田繁太郎だった男は気が遠くなる中、心の内で叫んだ。 (寄りにも寄ってガンダムSEEDかよー!) 誰にも聞き取れない心の声で叫びながら気絶した神埼が起きたのはこの1時間後である。 そして、それからの神埼は積極的にPCや携帯端末を通して情報の収集を始めた。 その理由は、自分が現在乗っている巡洋艦「和泉」の大凡の船体形状や武装が明らかにこのファーストガンダムのチベ級重巡洋艦を思わせる見た目であり、大洋連合製の作業ポットとして使用されている機体が武装の無いオッゴであったり、ジョージグレンが製作したMSを元に改良、大型化したといわれるコーディネーター用のMS「ガザA」と新型である「ガザB」の存在である。 (明らかにジオニストな転生者のせいだよなー。古株の三菱やなんかの財閥に並んで倉持技研やなんかあるし・・・しかも誰だ?村雨研究所なんて作ったのは、良く人権団体に叩かれなかったな・・・) そして、航海任務を終えて地球へと帰還した神埼は、その後も細々とした情報収集を行いつつ勤務を続けていたが、ある時上司から呼び出され、同僚の山本と共にとある場所へと向かう事となった。 そして、其処に居たのはある意味で予想道理な人物であり予想通りな人選であった。 「お久しぶりですねえ嶋田さん、そして山本さん。いや今は神埼さんでしたっけ、何年振りですかね?」 「流石にアレから何年か具体的には俺達にも解からん、だが久しぶりなのは確かだな。辻、お前がいるという事は何時ものメンバーも?」 「今は辻本なんですけどねえ・・・まあ良いです何時ものメンバーが何時もの部屋に居ますよ。」 そう辻本が話すと神崎達は料亭へと入っていった。そして其処に居たメンバーもまた、予想道理の人選であった。 「久しぶりだな神崎君」 「その話し方は東条さんですか?そして、上座に居るのは宮様と近衛さんで?」 「そうだな、今は林と言う名前だが、近衛さんと宮様は変わらずあの世界で転生した家の直系に当る家に成るな。」 「そうですか皆さんお変わりなくて何よりです。今日は顔合わせの為ですか?」 489 :ナイ神父MK-2:2016/09/21(水) 22 51 47 再開を一頻喜び、何時ものペースへと戻ったメンバーを代表して伏見宮が嶋田の疑問に対して話始める。 「それも有るんだが、今回は以前のメンバーが揃った事を契機に今後の大まかな方針を考えたいと思っているんだよ。しm・・・神崎君は此処がガンダムSEEDの世界、或いはそれに近しい平行世界である事は把握しているかな?」 「はい、最初に聞いた時は驚きましたが・・・」 「それは我々もだ、そして理解していると思うが、此処に将来コーディネーターやジョージ・グレンの問題が絡んで来ればどうなるかを」 「将来建造され得るプラントとそれに纏わる一連の独立戦争、そして新兵器MSの登場ですか?」 「そうだ、先人が頑張って基盤を用意してくれていたお陰で、我々は元から大西洋連邦などの他国に対抗できるだけの力は出来ている。しかしプラント等に関連しては他国の意図も絡んで来るため、恐らく完全な阻止は不可能だからな」 「仮にエイプリールクライシスが起きれば、大被害は免れませんからね」 「それだけではない、もし仮にMSが物語り道理の性能を持つならそれだけでも脅威だ。対抗策を作るまで何人の将兵が犠牲になるか・・・」 「そこでジオン系の艦艇開発とガザシリーズですか?」 「ああ、我々とていきなり戦闘用MSを開発なんて出来んよ、今の情勢だと良い的だ。そこで工作用の機体で技術を蓄積させているんだ。 それに新型のMAとしてドラッツェを考えている。」 「ドラッツェ?」 今一ピンと来ていない神崎に林が伏見宮の補助の為に話しに入ってくる 「そう言えば神崎君は、この手の話題には疎い方だったね。それなら知らなくとも無理は無い」 「すみません。流石に皆さんほどの知識は・・・」 「それは仕方が無い。我々だってまさかこんな知識が役に立つとは思わなかったさ。 簡単に説明すると航空機の下半身にMSの上半身をくっ付けた簡易MSだよ。簡易でも加速性や機動性は甘く見ることは出来ない、スペック道理に完成すればジン位なら対抗できるだろう。 後はオールレンジ攻撃機を研究する為のエルメス、ユーラシアとの共同でアルテミスの傘の研究。ここら辺が初期目標だな」 そこまで話していたとき、話についていけなくなっていた山本が神埼に説明を求めてくる 「ううむ・・・今一宮様が言っているMSとやらが何か解からん」 「ああ、そう言えばお前はあの時代出身だからな。そりゃ知らない訳だ、後で教えてやる。今はそうだな・・・WW1が起こる前に戦車や戦闘機の前身と運用の為の空母について計画していると思っていれば良い」 納得の行っていない山本への説明を行いながら会合を続けていく夢幻会の面々は、その後も意見とネタと各派閥の作りたいMSをぶつけ合わせながら会話を続けていく。 そんな中、ふとある事に気が付いた神埼は辻本にある質問をぶつける。 「そう言えば、何でL2にコロニー群を作ったんだ?他でも別に良かっただろ」 「その事ですか、あそこは最終的な中継点とする予定の場所ですよ」 「中継点?」 「火星や木星ですよ」 「火星や木星って言ったって今は何も・・・ってまさかNJCか?」 神埼のハッとした表情に、してやったりといった表情で辻本は話し始める。 「あそこは今の所フリーな土地ですし、何れNJCを作るならベースマテリアルは必要です。 それにガンダム世界の世界観は実は繋がっていると言う話も有りますから、太陽炉や核融合炉も全くの眉唾と言うわけでは無い可能性もあります。そうした事を研究する為の火星や木星です。その内計画が進めば、木星船団ならぬ火星船団も計画していますよ」 そう言って勘定を始める辻本に、神埼はある種の懐かしさと胃痛と頭痛が出てきた事を感じながら、他のメンバーの下へ打ち合わせを始める為に向かってく。 その後C.E35年中頃、ユーラシア連邦と日本の合同で開発したコロニー群は順調に稼動を初め、同時に日本は次の計画として、他国同様宇宙軍の大規模拠点の開発に向けて万進していく事と成る。 490 :ナイ神父MK-2:2016/09/21(水) 22 52 18 以上ですWIKIへの転載は自由です。
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3989.html
ボルボX 130 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 21 07 ID xIyUkfrg 「王宮の晩餐会? 呼ばれた?」 こちらに背を向けてクローゼットで服を選んでいるルイズの背後で、才人は首をかしげた。 「姫さまって、あまりそういう贅沢しないんじゃなかったか?」 「全くそういうことしないわけじゃないでしょ。それに、今回はちょっと事情があるみたいよ。 わたしの知り合いも呼べって言ってるし、とりあえずモンモランシーとか声かけるわ。 水精霊騎士団にはあんたから伝えといて。そうそうメイド。あんた来る?」 「え、わたし!? あの、わたしなんかが行っていいんですか?」 「言っとくけど同席はさすがに無理だかんね。給仕とか手伝いなさいよ。本当はそれも駄目だけど、今回は内輪の集まりらしいから」 「あ、はい、嬉しいです! そういうパーティーだと召使にも、貴族の方々の食べ残しとかでいっぱい料理がもらえるんです」 現代日本人の感覚からすると、なかなか切ない発言だが、シエスタは本気で喜んでいる。 きっとそれがこっちの普通なんだろーなーと思いつつ、才人はおそるおそる訊いてみた。 「あの……俺は?」 ぴたりとルイズの動きが止まった。ややあって後姿が、なんだかぎしぎしと動き出す。 「置いていきたいところだけど、呼ばれてるわよ。 『あ、サイト殿も』って、いかにもついでですって感じで姫さまが仰ったわよ。でもなんでそこで頬を赤くするのかしらって思ったわ」 「あ、ああ……そうか」 「犬」 「はい」 「なにかフラチな問題を起こしたら、誓ってあんたを料理するわ。皿に盛って、地獄めがけて円盤投げするからね」 平坦な声なのが怖い。才人はカタカタ震えながら、一も二もなくうなずいた。 131 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 21 49 ID xIyUkfrg 「ロマリアから海沿いの地の領主が、トリステインに旅行に来たのですわ。 自らの領地で取れた産物を、わざわざ運んできてわたくしに送ってくれたのですが……ちょっと生ものが多くて。 氷雪系魔法で凍らせてあるのですが、やはり早く片づけてしまわないと。 ごく内輪で食事会にしようかと思いまして」 アンリエッタの説明を聞いた後、晩餐の時間まで王宮で待機。 マリコルヌがわかりやすく満面の笑みである。程度の差はあれ多くの人間が、南国の領主が持ってきたという食材を楽しみにしているらしかった。 さっそく、晩餐会に出るであろう食事について、水精霊騎士隊も輪になってしゃべりはじめた。 「贅沢な餌で育った豚のリブの塩漬けを、ハーブといっしょに水から煮こみ、蜂蜜と赤ワインで味付けしたもの!」 「ロマリア産の肥育鶏を丸ごと、オリーブ油を表面に塗って岩塩をすりこみ、タマネギをつめてオーブンでじっくり焼くに違いない。定番だが素晴らしい味だよ」 「ロマリアのチーズはこちらとはまた一味違うというぞ。きっと幾種類も出るだろう。ワインもやっぱりそれに合わせて、種類を変えて出されるにちがいない」 「いやいや、領地でとれたならやはり野生の獣だろう。猪、野牛、鹿、ツグミやウズラや白鳥など……」 「王宮の厨房には三十年ものの秘伝のソースがあるというぞ。 使ったら、減った分をそのたびにちょっぴりずつ補充して熟成させるんだけど、毎日火を通して、腐らないようにしているんだとか」 男だけでなく、女性陣も楽しみにしているらしく、あっちはあっちできゃいきゃい騒いでいる。 このすべての熱から、才人は精神的に一番遠ざかったところにいた。 これまでの滞在で、こっちの上流階級の料理も多少は食べたことがある。 肉や乳製品が基本で、こってりしたソースがかけられることが多い。 (たまに食うならいいけど、毎日食ってたら食傷するんだよなあ……こっち魚は種類少なくて、タラ、カレイ、サケやマスばかりだし。何かってーとすぐ塩漬けかバター焼きにするし。 いやいや、贅沢を言ってはいけないよな。 ……あー、でも日本はほんと魚に恵まれた環境だったよな……もっと食っとけばよかった……) 132 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 23 18 ID xIyUkfrg 要するに、才人はそろそろ日本食が懐かしくなっていた。 そんな彼の耳に、ふと会話が飛びこんだ。アンリエッタがルイズに話しているのである。 「ええ、南海の変わった魚もありますわ。人間が横に手をひろげたよりずっと大きいのよ」 「まあ、料理される前にちょっと見てみたいですわ、姫さま……ってサイト、いきなり何よ!」 「姫さま! その魚俺にも見せて!」 「え、ええ……今頃は厨房で解凍していると思うのだけれど」 稲妻のようにすっとんでいって少ししてから、才人は駆け戻ってきてアンリエッタの肩をがっしとつかみ、目をぱちくりさせている女王に血走った目で懇願した。 「頼みます姫さま! あの魚の一部をください!」 「え? え?」 「ちょっとサイト! あんた女王陛下になんてことしてんのよ!」 ルイズに叱責され、はっと周囲の目に気づいて我にかえるも、才人の興奮はおさまらない。手を放しはしたが、土下座しそうな勢いでなおも食い下がる。 「お願い! これを逃したらきっと一生後悔するんです!」 「あ、あの……でも晩餐会で出ると思うのですが……慌てなくても」 「そこを何とか! 両手のひらに載るくらいの魚肉でいいんです!」 「は、はい……」 133 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 23 58 ID xIyUkfrg 夜。 女王主催、「宮廷料理人謹製、ところどころ南国風」の晩餐会はつつがなく進行した。 南国で取れた香りのよい茸のスープ。レモンやオリーブやさまざまなベリーをふんだんに使ったタルト。 マッシュルームと角切りベーコンを白ワインで蒸し焼きにし、濃厚なクリームソースであえたもの。 十日間吊るしていたという鴨はローストする。南国の上質な赤ワインに半日漬けてから。 ムール貝やハマグリは、オリーブ油と白ワインで煮溶かしたトマトのシチューの具。そこには小麦粉を練って丸めたパスタの一種と、乾燥したオレガノとバジルの粉も入れる。 ローズマリーやタイムで臭みを和らげた南国産の猪の焼き肉には、砕いたナッツと塩をふりかけて。 子羊の肉は胡椒をふって串にさし、炭火で表面をじっくりとあぶったもの。黒のとろりとしたソースにつけて。 燻製ハムは薄切りにして野菜やハーブの上にのせられてある。オレンジやオリーブも丸ごと盛られている。リンゴは中をくりぬいてバターを入れ、オーブンで焼いてあるらしい。 厚い子牛の腰肉は、勝手に切って食えとばかりにでんと大皿に盛られてナイフが添えられてある。 車輪型の大きなチーズも、テーブル上にざっくばらんに数種類(一つは凄まじい臭いを放っているため、ふたをかぶせられて好事家用にとって置かれた)。 魚もちゃんと出た。 パン粉をつけて揚げたスズキのフライに、塩味をつけたアーモンドミルクを回しかけたもの。 北の海でとれたヒラメを、オリーブ油でソテーし、南国産バジルでソースを作ってかけたもの。 そしてもちろん、「あの魚」。ステーキのように分厚い切り身が焼かれて出てきた。 才人は決して、これらの料理を食べたくないわけではない。むしろ、いざ食事が始まればしっかり人一倍はつめこんでいただろう。 しかし、今日ばかりはそわそわして、どうにも普段ほど食がすすまなかった。酒もひかえてある。 そんな落ち着かない才人を、隣のギーシュがせっついた。 「なんだね君! 食べないのかあ! じゃ、そこのカタツムリをくれ」 「嫌だ。ギーシュお前、そろそろ飲みすぎじゃないか? テンション高いぞ」 「君はいったいなにを言っているんだね? 見ろよこの幾種類ものワイン! この赤なんか、父上の秘蔵の酒蔵にも置いてある逸品だ。さすがにあれは飲んだら後がこわいので手を出せなかったが、ここで見つけたからには飲まないという手はない。 なんと芳醇な大地の香り、鮮烈で力強い太陽の味! 南の酒は不思議と飲めば陽気になるね!」 「お前が陰気な酒を飲むのを見たことがねえぞ。それは後から飲むからとっといて。 ……俺ちょっと出てくるから」 134 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 24 33 ID xIyUkfrg 才人が出て行くのを視界の端に見たルイズは、どうにも気になって仕方なくなった。 あいつは何をしに行ったんだろう。順当に考えればトイレにでも立ったのだろうが、どうも出て行く間際のあの顔はそんな感じじゃなかった。 なんだか落ち着かない、けれど楽しみで仕方がないというような顔だった。 逢い引き、という言葉が浮かび上がってきたが、いやいやそんなこともあるまいと思い返す。 (だって姫さまならここにいるし……って、あれ? そういえば……) 「あーっ!!」 絶叫して、ルイズは椅子をけたてて立ち上がった。 隣のモンモランシーが蜂蜜酒を吹き、上座にいるアンリエッタがワインにむせこんだ。 向かいの席のキュルケが「ちょっと、落ち着きないわよ」とたしなめてくるが、それどころではない。 (メイド! メイドを忘れてた!) まだむせこんでいるアンリエッタに、「すみません、ちょっと犬料理を」とかなんとか言って席を離れる。 才人の後を追って走り出す。 ほどなくして、足取りも軽くせかせかと歩く少年の後ろ姿が目に入った。 なにをそんなにウキウキしてんのよ、と毒づいて、そっと見つからないように後をつける。 やがて、彼は立ち止まった。 厨房の前である。 ルイズの覚えている限り、召使は晩餐のあいだ厨房にひかえているし、そこで下げられた料理をつまんだりしているはずだ。 つまりシエスタもここにいる。 よし死刑。 135 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 25 04 ID xIyUkfrg しかし、事態はルイズの想像を超えた。 才人は、剣をすらりと抜いて中に入っていったのである。 「な、何してんのよあいつ……」 足音を立てないように、抜き足差し足で厨房の入り口に近寄る。 そろそろと首を伸ばして入り口から中をうかがおうとしたとき、ちょんちょんと背中をつつかれ、ルイズは飛び上がりそうになった。 悲鳴をこらえて振り向くと、けげんそうな顔をしたシエスタがいた。 「なにしてるんですか? ミス・ヴァリエール」 「あ、あんたね、もうちょっと人にわかりやすく近寄って……まあいいわ。 あんた、あの犬と待ち合わせしてるんじゃなかったの?」 「え? サイトさんですか? ちがいますよ。わたしたち召使は、あっちの第一厨房にいるんです。 こっちは第二厨房、今日は南国の食材が運びこまれて、食材置き場になってますね。 ……サイトさんそこにいるんですね?」 「そうなんだけどね、なんだか様子が変なのよ」 そこまで小声で話したとき、厨房の中からぎゃー! と悲鳴が聞こえた。 「ほ、ほんとにあいつ何してんの!?」 「あ、わたしも見ます、ミス・ヴァリエール!」 136 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 25 36 ID xIyUkfrg 才人は至福の瞬間を迎えようとしていた。 手にした冷たい赤いカタマリに、かぶりつく前にほくほくと見入る。 しかしそこで、重要なことに気がつき、一気に青ざめた。 「忘れてた、畜生! 醤油がねえ!」 この重要な瞬間に、それはわりと致命的だった。が、無いものは無い。 ポジティブ思考で、何か代わりになりそうなものを探す。 このボウルの中の、デミグラスだっけ? これでいーやと思いさだめ、手の中の肉塊にそのソースをちょっとかけてかぶりつき……そして、入り口に立っている二人組と目が合った。 「へ? ルイズ、それにシエスタ? お前らなにしてんの?」 「……なにしてんのか、ってね。こっちが聞きたいんだけど……あの……その、魚……」 ルイズの指し示したほうを振り向き、ああこれ? と才人は苦笑する。 「まあ、でかい魚の解体しかけってインパクト強いよな。俺が食ってるのは、姫さまにもらった部分だから。大トロって言うんだぜ、これ」 背は非常に濃い青色で、腹は銀白色。高度な遊泳生活に適応して、丸々と太った紡錘形の体型。 クロマグロ。別名ホンマグロと呼ばれる巨大な魚だった。 その魚の横にはデルフリンガーが置かれ、『サカナ! サカナ斬りやがった! 俺でッ!』と震えている。人間なら泡でも吹いている状態なのだろう。 先ほどの悲鳴は無論この剣である。 「あーいやデルフ悪い、だって包丁よりお前持ったときのほうが力出るし」 『ガンダールヴの力を、サカナ斬るために発揮してんじゃねえ! 魚臭い! 誰か洗って! 今すぐ洗って!』 剣の絶叫を聞き流し、才人はぱくっと手ににぎりしめた大トロにかぶりついた。 「んむ……おお、なんという柔らかさ……すげえ、口の中で溶けるって本当だったんだな! というか手の中ですでにふるふるいってやがる!」 感極まって叫ぶ。大トロの塊にかぶりつけるなんて……ああ幸せ、と才人は感涙した。日本でもこんなことはたぶん出来まい。 137 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 26 12 ID xIyUkfrg そこで、唐突に我にかえった。目の前で、二人の少女が手を取りあって震えている。 自分の状況を整理してみた。 夜中、厨房で、生の魚から腹のあたりの身をえぐりとってかぶりついている。 「サ……サイト……アンタ何ヤッテルノ……」 「ソソソソレ、生デスヨネ?」 「……いや……あの……待って? 生魚って美味しいよ?」 才人は前に手をのばす。 すすすすす、という感じで、手をとりあったままルイズとシエスタが才人から距離をとる。その目は完全に、恐怖をたたえていた。 「あのね、サイト……生魚はさすがにないわ……」 「だって生魚ですよ、生の魚……」 「マッテヨ! 美味しいんだよ本当に! くそう、現代だと世界に認められてるのに! いやこれは刺身ですらねえけどさ!」 シエスタがはっ、という感じで目を見開いた。 「そういえば、うちのひいおじいちゃんも、時々川でとった魚を生で食べる奇癖があったって聞きました」 それを聞いて、ルイズがなにやら想像したのか顔をしかめた。 「ルイズ! 違う! 『妖怪ガンギ小僧』みたいなのが頭から魚をかじっている光景を思い浮かべんな! 切るから、普通は綺麗に切るから!」 138 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 26 51 ID xIyUkfrg ルイズを連れ、ぐったり疲れて食卓に才人がもどると、となりのギーシュが酒で赤い顔をしかめた。 「……ん? 魚臭くないか?」 「気にするな……しかしなあ、こうして考えるといろいろ食べたいものが出てきたなあ。 梅干とかすげー懐かしくなってきた」 味噌汁。納豆。漬け物各種。海苔巻き。寿司。というか白米。 ほこほこと湯気の立つ、炊き立てのご飯を思い出したとき、我知らず心底からの声が出ていた。 「米食いてぇなぁ……」 間が悪いというべきか、食卓での周囲の会話の多くがいったん途切れていたときだったので、そのしみじみした声はテーブルの上をすべって響いていった。 しんと座が静まりかえる。 才人は慌てた。 「あれ? いや、すみません、聞き流してください。ちょっと故郷の食べ物で」 と、上座のアンリエッタが「あのう……」と発言する。 「お米なら、南国の方から送られた食材の中にありましたけど」 「マジデスカ!?」 才人の声がひっくり返る。アンリエッタはなるほどとうなずいた。 「そうね、お米ってハルケギニアの南のほうの一部でしか作らないですから、北のトリステインではちょっと見つけるのも困難ですわね。 サイト殿、お米が食べたいのですか?」 「YES! 断じてYES!」 139 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 27 23 ID xIyUkfrg アンリエッタはにっこり微笑んだ。 「それなら、もうすぐ出てきますよ」 才人はとりあえず、始祖だか神だかに感謝した。食前の祈りよりよっぽど敬虔な感情である。南国の領主とやらにもGJと親指を立てておく。 もちろん才人とて、必ずしもジャポニカ米に似たものが出てくるとは思っていない。 だが、今は米でありさえすれば何でもいいという気分である。 念のために、隣のギーシュに聞いてみる。 「なあギーシュ、お前米って食ったことある?」 「ん? ああ、あるぞ。何度か、こうした晩餐会で食べた」 「どんな感じ?」 「どうって……ムール貝、鶏肉、タマネギなどの具を入れてパラパラって感じで炒めてあったり、鍋に入れてたっぷりのスープでふやけるまで煮込んであったりな」 なるほど、と才人はうなずいた。欲を言えば一番食べたいのは何をおいても白米だが、どうやらただ炊いただけというのは無いらしい。 まあ、それでもいい。チャーハンみたいなのだろうが雑炊みたいなのだろうが、とにかく米が食えるのだ。 だが、晩餐会のメニューの皿は進んでいくが、じりじりとその時を待つ才人をあざ笑うように、米料理はなかなか出てこない。 いい加減にしびれが切れたころ、アンリエッタが才人をちらりと見て、給仕している召使に声をかけた。 「そろそろデザートを持ってきてくださいまし」 才人に微笑む。 「待ちくたびれている人もいるようですから」 女王陛下の好意をたまわるという、ギーシュあたりだったら感激で座ったまま失神しそうなシチュエーションだったが、才人は猛烈に嫌な予感がした。 ……デザート? 140 名前: アンリエッタの晩餐会 [sage] 投稿日: 2007/09/05(水) 01 28 28 ID xIyUkfrg 「お米のプディングでございます」 「ぷ……ぷでぃんぐ……?」 才人は目の前に置かれたものを一目見て、言葉を失った。 およそ、少なくない日本人にとって悪夢の結晶といえるだろう料理が目の前にあった。 横ではギーシュがばくばくとそれをスプーンで口に運んでいる。 「そうそう、プディングにするという料理法もあったな。うん、いい卵と生クリームを使っている。砂糖もたっぷりだ」 あまりのことに茫然自失しながらも、恐る恐る才人は震える手でスプーンを持ち、口に運んだ。 アンリエッタが嬉しそうに手をあわせて、訊いてきた。 「サイト殿、いかがでしょうか?」 「……………………スゴク…………甘イデス……」 「なんだサイト、きみ泣いてるのかね? 陛下の温情にほだされたかね、それとも故郷を思い出したのかね?」
https://w.atwiki.jp/garmteam/pages/95.html
アカトルイス連邦 Federal of Akatlouis 概要 アカトルイスは、ルスラン共和国の南に位置する、連邦共和制国家である。 世界屈指の海洋国家として成長し、世界中に植民地を拡大したが、1453年のファーニケス独立によって海洋国家ではなくなり、実質的にそこで海洋国家としての成長はストップすることとなったが、植民地を拡大していくことは継続された。 エポニック地方の中心であるエポナを首都としている。 国名 ヴァローカ神話における五大神の一つ、平和と豊穣を司る神、「アカト=ルイス」から名付けられた。 歴史 古代・中世 紀元前5世紀ごろから紀元前4世紀ごろにかけてコルタ系民族が移住してきた。現在の首都、エポナ周辺に大規模な集落群を構成したと言われている。 202年頃、エポナ周辺の集落が合併し、エポナ王国が成立する。これに習い次々と集落が合併、その地域にエポナ王国を中心とする、小国家が成立していった。 小国家自体も次第に合併されていき、エポナ王国を中心として、トータティス国、タラニス共和国、エスス共和国、ルゴス国、スッケルス共和国、ケルヌンノス国の、7つの王国が形成された。この7ヵ国は後にアカトルイス7国と呼ばれる。 832年、620年に建国してから破竹の勢いで国力を付けていくリュドスカヤ王国がエポナ王国に宣戦布告し、王都が戦場になったことがあったが、特に同盟等を組んでいたわけでもないエポナ王国を除く6カ国が、揃ってエポナ王国へ援軍を送った。 予想外の事態にリュドスカヤ軍は退却せざるを得ず、結局国境線が動くことは無かった。この事から当時の7カ国の関係は非常に親密だったことが分かる。 連邦の形成 832年のエポナ侵攻から、7カ国において同盟を結ぶ、もしくは連邦を形成したほうがいいのではという声が高まっていき、834年、アカトルイス7国の君主が集結して会議が開かれた。 この会議は円卓を囲んで行われ、後に円卓会議と呼ばれるようになる。上座下座のない円卓が用いられたのは、卓を囲む者すべてが対等であるとの考えからである。 結果として、連邦を形成することが決定され、現在でも続くアカトルイス連邦が形成された。首都はこの頃からエポナである。 そして850年頃から、海に面しているケルヌンノス国の海軍力増強計画によって、アカトルイス連邦の海洋国家としての道がスタートしていった。 植民地の拡大 900年頃からアカトルイスは他国に対して攻め入ることも増えてきた。時には海を越えて侵攻し、植民地を増やしていった。その頃にはリュドスカヤ王国に肩を並べる大国として世界を動かしていた。 さらに軍の規模も大きくしていき、軍事の分野ではリュドスカヤを超えて、世界一の軍事国家となる。 1423年、アカトルイスの商船「レッド・ホーカー号」が、現在のグレートレリア王国の領土となるグレートレリア島を発見し、海軍はその島に侵攻するが、原住民の反撃が想像以上に激しく、多数の戦死者を出した。 この時期、アカトルイスは過剰な植民地拡大により、戦費や、植民地に派遣している軍の費用を賄えなくなりつつあったが、それをエポナ王国を除く6カ国への増税で解決しようとし、各王国の怒りを買うことになった。 ファーニケス公国の独立 1451年の記録的冷夏の影響で、1452年、隣国のリュドスカヤ王国で独立運動が起きると、アカトルイスを含む周辺諸国はチャンスと捉え、一斉にリュドスカヤへ侵攻することになる。 この侵攻の影響でアカトルイスでは、戦費を賄うためにさらなる増税を余儀なくされ、冷夏で影響を受けた上での増税に各国の首脳、国民は激怒。 1453年、ケルヌンノス国、トータティス国、エスス共和国、ルゴス国の4カ国が独立し、ファーニケス公国が成立した。 各国が所有していた植民地もファーニケス領となり、結果的にアカトルイス連邦は領土を3分の2も失うこととなった。 ファーニケスへの侵攻 1630年、領土を取り戻すことを目的とし、ファーニケス公国に対して宣戦布告、侵攻するも、逆に東に位置する芹華国に攻撃を受けてしまう。 実は1615年にファーニケスと芹華は、アカトルイス国にどちらかが攻撃を受けた際、逆側から攻撃することを条約とした密約を交わしており、芹華の行動はそれに従ったものだった。 この侵攻によってファーニケス公国の領土を一部奪還することができたが、皮肉にも東側領土を大きく失ってしまうこととなった。 近年 1940年3月3日にファーニケス公国とリュドスカヤ王国がアストラル帝国に宣戦布告、8年戦争が勃発し、アストラル帝国に侵攻すると、アストラル帝国とロルクスタン公国を占領した次は、ファーニケスとリュドスカヤがこの勢いのままアカトルイスに攻め込んでくる可能性は否めなかった。 実際、ファーニケスとリュドスカヤにはそういった案もあった。それを恐れ、領土も欲していたアカトルイス連邦はアストラル帝国、ロルクスタン公国に対し宣戦布告、連合軍に参加する。 ただ、予想に反してアストラル、ロルクスタン率いる枢軸軍の抵抗は激しく、連合側は多大な被害を被ることとなったが、枢軸軍は1940年当時の国境線以降の領土には侵攻してこなかった。結果、同盟軍側は資源が尽きて連合側が勝利、アカトルイスはアストラル帝国の半分を占領した。 しかし1983年、アストラル帝国の首都であったユジノブルグにおいて、8年戦争時のルスラン騎士団パイロットの息子であり、リュドスカヤ空軍所属のオスカー・エールリヒ中佐を筆頭とする大規模なクーデターが発生した。 彼らは「ルスラン騎士団」を名乗り、リュドスカヤ軍人、ファーニケス軍人が多数参加した。旧アストラル帝国領地であるレーク空軍基地を占拠し、同時に旧ロルクスタン領地であるフリッグ空軍基地を占拠。 領土を統治していた三国は同時に内戦状態へと陥る事態となった。 「ルスラン騎士団」は奪取した航空戦力を用いて、次々と旧枢軸軍領地の陸軍駐屯地などを占拠、次々と戦力を大きくしていった。三国の各軍内部からも決起するものが現れ、精鋭部隊全員が決起するという事態も起き、混乱を極めた。 3年後の1986年、「ルスラン騎士団」は旧枢軸軍領地内全ての軍事基地を掌握し、「ルスラン騎士団」と両地方住民は、三国側に対し国家として独立することを承認するように求めた。 戦場の真っ只中であった両地方の住民のほとんども「ルスラン騎士団」を支持するという、クーデターという事柄においては稀に見る事象であったため、時代の流れもあり、過去のように無闇に手を出し難いという状態だった。これらは地域に残る文化の根強さを証明している。 そしてリュドスカヤ王国は、今まで奪取、破壊してきた兵器等を追々賠償することを条件に、国家として独立することを承認し、ファーニケス、アカトルイスもこれに同意、クーデターは終結し、1987年、アストラル、ロルクスタンを領地とした、「ルスラン共和国」が成立した。 さらに1988年、8年戦争時の連合軍による国家ぐるみの略奪行為を非難する運動が世界規模で活発化し、ファーニケスでは過激派がテロを起こし、アカトルイスとリュドスカヤでは王家の人間が暗殺されるなど、事態は過激になっていった。 現在 リュドスカヤの首都ペトロスクで、2003年におきた地下鉄爆破テロが発生して以降、対テロリストを目的とした特殊部隊が創設されるなど、対テロ組織に関して意欲的であり、リュドスカヤ、ルスラン、ファーニケスと対テロ包囲網を展開するなど、周辺諸国との関係を強めている。 軍事 アカトルイス連邦軍は、陸軍、空軍の二兵科で構成されている。近年では統合任務部隊であるJTF109にも参加した。 1941年から実戦投入されている陸軍の特殊部隊、AAS(Akatlouis Air Service)は非常に優秀な特殊部隊として有名である。 陸軍 約10万人の兵員で構成されており、近年ではファーニケス軍などの周辺諸国との連合作戦が慣例となっている。 空軍 航空機の黎明期より機体開発・研究を行っており、近年退役したジャギュア・トーネードは周辺国で広く使われていたほか現代に入っても設計の大部分を担ったEF-2000がJTFの主力機の一角として運用されるなど、産業として国家ぐるみで力を入れている。 建国者:Kinzie Founding of a country by Kinzie JTF109構成国家一覧 国旗 国名 モデル 国旗 国名 モデル ファーニケス連邦 米 ルスラン共和国 東独・宇 リュドスカヤ連邦共和国 露 扶桑皇国 日 アカトルイス連邦 英 芹華国 中 グレートレリア王国 英、豪 アル=シオン首長国連合 中東 タノランガ 新 ノーベレン王国 北欧 フルシア公国 仏 イタリカ共和国 伊・西
https://w.atwiki.jp/dngprofile/pages/36.html
リボンねこ「K.T」 ■キャラクター名:リボンねこ「K.T」 ■読み方:りぼんねこけーてぃー ■性別:女性 特殊能力『ドキ☆ドキcollaboration(クソコラボ)』 両手に持ったAの物質とBの物質をぶつけることで、二つを融合させる能力。生物と無生物、どちらにも効果は及ぶため、ワーウルフやリザードマン、果ては岩人間や機械人間も造ることが可能。融合したものにチョップをぶつけることによって、融合解除が出来るが、解除能力は周りに隠している。 設定 多摩ニュータウンエリアを牛耳る地下組織「チャンリオ」の首領。表の顔は屋内遊園地「チャンリオリボンねこランド」のメインキャラクター。同施設のキャラクター「ボムボム犬」「ジャイメロディー」「信濃凶手」は直属の幹部。 身長は大巨人の果実(キュクロプスアップル)五個分(約2m)、体重は大巨人の果実(キュクロプスアップル)三個分(約210kg)の恵体ボディ。耳元の赤いリボンがトレードマーク。筋力、握力はゴリラ並み、大人一人をアイアンクローで軽く浮かせるほど。その異常な筋力ゆえか、防御力も同様に高い。散弾や拳銃弾では彼女の装甲を抜くことは難しいだろう。 可愛いマスコットキャラ「リボンねこ」としての顔と、残忍で非情な「K.T」としての顔を使い分ける狡猾さ、一代で多摩ニュータウンを掌握した辣腕ぶりから、「悪のカリスマ」と称賛される。 プロローグ 東京都下、多摩市で開園31年目を迎える、屋内遊園地「チャンリオリボンねこランド」。当時日本初の屋内型テーマパークとして産声を上げた同施設は、キャラクターショーを中心としたアトラクションや、グッズの売り上げで業績を上げ、この地域の定番プレイスポットとして定着していった。 だが、リボンねこランドは「チャンリオ」の真の活動のカモフラージュに過ぎなかった。巨大犯罪組織「チャンリオ」。闇金、特殊詐欺、武器、麻薬密売等、多摩ニュータウンエリアで起こる重大犯罪のほとんどが、「チャンリオ」絡みの案件である。 組織のボスである「K.T」は、その単純暴力の強さと、様々な局面において多彩な顔を使い分ける狡猾さによって裏社会を恐ろしいスピードで駆け上がり、多摩ニュータウンエリアを表裏で完全掌握、今なお組織の勢力を拡大させて行きつつある。 ◆ ◆ ◆ 殺風景な会議室は、剣呑な雰囲気に包まれていた。 「おうジャイメロ。K.T様が何かご立腹の様じゃねぇか」 「ああ、多分あの案件でしょう。ヒガシナカノの裏スカウトの件」 「うちの構成員も何人か引き抜かれ始めてるみてぇだ。調子に乗りやがって」 殺伐とした会議室の雰囲気に見合わない、ゆるいビジュアルの二人が、ひそひそ話をしていた。巨大犯罪組織「チャンリオ」幹部であり、リボンねこランドの人気キャラクターでもある、「ジャイメロディー」と「ボムボム犬」である。 多摩ニュータウンエリア内で、「チャンリオ」構成員が謎の失踪を遂げる事件が相次いで確認された。しかも決まって魔人能力者ばかりである。調べを進めていると、どうやら「ヒガシナカノ」と呼ばれる場所に、全国各地から引き抜かれた魔人ばかりが集められているらしい。今の「チャンリオ」の規模ならば、構成員が数名引き抜かれたところで痛くもかゆくもないが、複数の魔人が集まり結託されれば、いずれ「チャンリオ」を脅かす存在にもなりかねない。 「失踪した構成員については、俺の方で既に数名拘束して、始末をつけている」 横から口を挟んだのは、「チャンリオ」暗殺部隊のトップ、「信濃凶手」である。こちらも例にもれず、ゆるい白犬のビジュアルをしている。 「流石ですね。シナノン。相変わらずの手際の速さだ」 「だが、桜ヶ丘支部や連光寺のガキ共など、依然姿を消している連中も多数いる。K.T様もそのあたりを案じておられるのであろう」 「どちらにせよ、ナメた野郎はぶっ殺す。逃げた奴も、誘った奴もな!」 「―—あらあら、頼もしいことね」 会議室の扉が開く。同時に、凄まじいまでの「圧」が、中の三人を襲った。 「!!」 「け、K.T様……!」 姿を現したのは「チャンリオ」の首領。自らの名前を冠した遊園地のメインキャラクターであり、多摩ニュータウン裏社会の「顔」でもある「リボンねこ」ことK.T。 彼女の登場により、会議室の空気はさらに凍り付く。万が一でも言葉を違えれば、たとえ幹部である彼ら三人であろうと、容赦ない粛清が待っている。かつてボムボム犬の部下であったある構成員は、怠け者というレッテルを張られ、ぐでっとした卵人間にされた(・・・・・・・)。 三人の幹部は、神妙な顔つきで上座に座ったK.Tの様子を伺う。表情こそ柔らかなものであったが、滲み出るどす黒い攻撃的なオーラが、彼女の怒りを表している。 (ぬう……っ! 何というプレッシャーだ) (やべぇぞ。こいつは相当頭にきていらっしゃるぜ。心臓を鷲掴みにされてるようだ) 「下らない前置きは置いときましょう。今日、何故私がお前達を呼んだのか分かって?」 信濃凶手が恭しくK.Tに報告を始める。 「……ヒガシナカノの件でしょうか? 恐れながら、引き抜かれた脱走者数名は即座に拘束し、処分しましたが、まだ行方を追えない者もおりまして……」 「ああ、そのこと? それはどうでもいいわ」 (ヒガシナカノの件では……ない?) (ジャイメロの野郎、テキトーなことを言いやがって……) 静かな怒りの炎を燃やすK.Tの口から出た、次のフレーズは意外なものであった。 「冷蔵庫のプリン。誰が食べたのかしらね」 三人の幹部の内、一人の心拍数が急激に撥ね上がる。まさか、そんな筈はない。 冷蔵庫に入っていたプリンは、3個パックの安物。シュクレペール(多摩センター店)のバニーユならともかく、K.T様ともあろうお方が、そのような駄菓子同然のプリンを食べるとは、夢にも思わなかった。そもそもK.T様、ヨーグルト派じゃなかったっけ? 幹部の一人は顔にこそ出さないが、背中に冷や汗が伝うのを感じた。動揺を悟られれば、怒れる彼女の制裁が待っている。 「あれ、うちに来てくれた小さなお客さんの差し入れだったのよね」 その可能性は失念していた。致命的なミス。だが、まだ詰みではない。まだプリンを食べた者が誰なのかはーー 「まあ何にせよ、誰のものか確認を怠った時点で、私的にはアウトなんだけど。ねえ、ボムボム犬(・・・・・)」 ーー余裕で詰んでた。 「も……申し訳……ございません」 「貴方がそんなにプリン好きだったとは知らなかったわ。上司失格、ね!!」 K.Tがボムボム犬の前頭部を掴む。脱出不能のアイアンクロー。白い指がボムボム犬の頭蓋に食い込む。リンゴ程度なら瞬時に握りつぶすその握力が、彼の脳天を締め上げる。ボムボム犬はK.Tの腕をつかんで必死に抵抗を試みるが、彼女の圧倒的な腕力の前ではその努力は空しいものであった。 「あ……ががががっ!」 「フフ……貴方の好みを忘れないように、相応しい姿にしてあげるわ」 K.Tの左手には、いつの間にか安物のプリンが握られていた。K.Tは右手にボムボム犬を掴み、左手にプリンを掴んだまま、両腕を左右に広げた。 「K.T様!?」 「まさか!!」 そして、大きく一丁締めを打つ様にそれらを身体の目の前でぶつけた。 ーードキ☆ドキcollaboration!(クソコラボ) 空気を裂くような乾いた音が会議室に響く。二人の幹部が、目の前の光景に戦慄する。制裁を受けた哀れな同僚は、「リボンねこ」K.Tの魔人能力によって、プリンと融合させられてしまったのであった。 「お……俺は……一体?」 「あら、キュートな姿になったじゃない。ボムボムプリン(・・・・・・・)」 「え……あ、ヒイイッ!!」 融合前と比べて、でっぷりとした体形、プルプルとした肌の質感、焦げ茶色のベレー帽が、彼をプリン犬へと変貌させたことを物語る。こうなってしまえばもう後戻りはできない。彼は生涯、この姿で生きて行くこととなるのだ。 (愚かな。冷蔵庫のものを勝手に食べるなど、浅慮にもほどがある) (しかし恐るべきはK.T様。ボムボム犬ほどの用心深さなら、プリンをくすねるとき、周囲に誰かいないか確認をしているはず。我々の動きなど、お見通しというわけですか) 変わり果てた姿となったボムボムプリンが項垂れる。しかし一つだけ、納得がいかないことがあった。 「K.T様。俺がプリンを奪ったのを、どうやって知ったのですか?」 「知らなかったけど?」 「「「え?」」」 幹部三人が一斉に声を上げる。 「いや、一人目が下手人じゃなかったら、二人目三人目とプリンにしてけばいいだけでしょう?」 ジャイメロディーと信濃凶手の血の気が引く。この理不尽ともいえる恐ろしさこそ、彼女が暗黒街の女帝たる所以であった。 ◆ ◆ ◆ 多摩ニュータウン裏社会の女王、「リボンねこ」K.T。彼女率いる「チャンリオ」が、ヒガシナカノとの全面抗争(コンクリフト)に至るまで、残り50日。 ここまで書いといてなんだけど、このキャラDIYカードにイラスト描き起こすの、アウト寄りのアウトじゃね?