約 1,036 件
https://w.atwiki.jp/worldhistory20/pages/16.html
インドの古典文明 東南アジアの諸文明 中国の古典文明 南北アメリカ文明 [部分編集] インドの古典文明 インダス文明 インド古典文明 アーリア人の移動 西側(大移動開始)→カイバル峠→インド東の順に 前2000→前1500→前1000年の順で隔500年。 案外適当。カイバルを"中"と考えるとイメージしやすい ウパニシャッド ブラ(ブラフマン)ボー(梵)! 私(我)はart(アートマン) バルダマーナ 勝者のジャイアン(ジャイナ)、ダルマになる ※釈迦に近い経歴(30歳で出家)を送った インド古代国家の変遷 ヴァルダナ朝 ヴァルダナ朝(606~) ムレムレするぜヴァルダナ朝 南インドの王朝 [部分編集] 東南アジアの諸文明 インド・中国文明の受容と東南アジア世界の形成 パガン朝 破顔しながら十一発目。上に座って陰部をスリスリ。 パガン朝 十一世紀 上座部仏教 スリランカから伝わる チャンパー ①二発目ベトベト、中出しちゃったー! 二世紀ベトナム中部 チャンパー ②いい国作ろうチャンパーだ! 1 92 192~ in 東南アジアのヴェトナム 扶南 こうし(孔子)ろ あーしろってウルサイよ。今までいい子(性善)だったけど、もうし(孟子)らない。ジュンコ(筍子)、グレてやる(性悪)から。 アンコール=ワット 六発直後にクンニで舐めーる。あん? こーれは……っと、貧乳陥没じゃん! 六世紀 クメール人 アンコールワット造営 ヒンドゥー教 カンボジア [部分編集] 中国・朝鮮の古典文明 中国文明の発生 殷と周 中国の王朝 ①ドングリころころに合わせて いん→しゅう→しん→かん→さんごく→しん→なんぼくちょう→ずい→とう→ごだい→そう→げん→みん→しん→ちゅうかみんこく→ ちゅうかじんみんきょうわこく ②「アルプス一万尺」(アルプス一万尺、小槍の上で♪) 殷 周 東周 春秋 戦国 秦 前漢 新 後漢♪ 魏 蜀 呉 西晋 東晋 宋 斉 梁 陳 隋っ♪ 五胡十六(国) 北魏 東魏 西魏 北斎 北周♪(ここで息辛くなるかも) 隋 唐 五代十国 宋 金 南宋 元 明 清♪ 西晋から二手にわかれて、隋で合流ってこと ニコニコ動画に歌ってる動画がある 「初音ミクがネギを振り振り世界史を教えるよ」 ttp //www.nicovideo.jp/watch/sm1617371 (普通に、いんしゅうしんかんぎごしょくしんそうさいりょうちんずいとう って感じで呪文っぽく覚えたほうが早いかもしれません) ③殷周秦漢三国晋 (もしもし亀よ亀さんよ) 南北隋唐五代宋 (世界のうちにお前ほど) 元明清中華民国 (あゆみののろいものはない) 中華人民共和国 (どうしてそんなにのろいのか) ④いしぐぬむふぁぐちゅれいおます かぐついうぶりふまおぺれやじゅ くばづついかすきおじゃぱめんなにがしろじょそん ⑤淫乱行為は楽遊なら寛容!超安心! (殷墟)(鎬京)は(洛邑)なら(咸陽)!(長安)しん! 殷~前漢までの都、多少強引か・・。 ⑥飲 酒運転 瞬間銃殺 死んだ かさなった。 殷 周 春秋戦国 秦 漢 出典(②):実況中継シリ-ズ 春秋・戦国時代 社会変動と新思想 戦国の七雄 ①戦国の七雄 斉 楚 秦 燕 韓 魏 趙 催促新年歓喜の朝(お年玉もらうイメージで) ②新議長 関西 疎遠 秦魏趙 韓斉 楚燕 ③まず秦楚斉燕趙魏韓を反復音読! これ左からクルンと 半時計回りの順番(∨) (適当だから地図で確認を) ④清楚な秦と官議長が援交 斉、楚、秦、韓、魏、趙、燕 戦国の七雄 清楚な晋の感想文 斉→桓公 楚→荘王 晋→文公 覇者 ⑤斉楚韓趙(チョウ)魏燕秦 清楚な人にかんちょうしたら「ギエン!」って言って死んだ ⑥先生、粗チンで感じちゃう! 燕斉 楚秦 韓魏趙 (中国、戦国時代、戦国七雄) 孔子誕生 孤高に生きるぜ孔子さん (552魯で孔子誕生) 五経 ①将来駅で思春期に 書経、礼記、易経、詩経、春秋 ②『来週師匠が優しくなる』 礼記 春秋 書経 詩経 書経 易経 ③シショエキシュンライ ④五経 駅(易経)で詩(詩経)を書(書経)く、春秋・礼記 四書 孟子が大学で論語を教えてるっちゅーよう(中庸) 諸子百家 仁を実行し(じっ孔子)。 生前(性善)を申し(孟子)上げます。 性格悪いので(性悪)、殉死(荀子)した。 儒家 こうし(孔子)ろ あーしろってウルサイよ。今までいい子(性善)だったけど、もうし(孟子)らない。ジュンコ(筍子)、グレてやる(性悪)から。 道家 ①童貞 早漏 夢精する 道家 荘子老子 無為自然 ②どうか(道家)と思うが、浪死(老子)したけりゃそうし(荘子)なよ。 無為自然 道 路 掃除 道教 老子 荘子 掃除したら自然がキレイになるから 「無為自然」 法家 放火(法家)したってしょう(商鞅)がないから かんぴょう(韓非)たべて立志(李斯)しろ。 助言した法家・儒家 「高尚な尻で舞踏会♪」 高尚…孝公 商鞅 尻…始皇帝 李斯 舞踏…武帝 董仲舒 合従・連衝 早朝(蘇張)から合唱(合従)して連勝(連衝) 秦の統一 始皇帝の秦統一 ①全身でふうふういって中国統一、始皇帝 前 2 2 1 (秦の統一) ②フーフー言ってしこってる BC221 始皇帝が即位 ③筒井紀前(のりまえ)が語る「真の四股って?」 221紀元前 秦の始始皇帝即位 ④じじいの始皇帝 前2 2 1年 皇帝 ⑤突いたら死んじゃった 221 秦 焚書・坑儒 にッ……にいさん何してんの?!焚書坑儒 (221始皇帝の焚書坑儒 儒家v.s.法家) 陳勝・呉広の乱 辛くとも闘え陳勝・呉広 (209陳勝・呉広の乱、しかし咸陽陥落ならず) 前漢 前漢 ①フレッツ光で前漢建てろ! (202劉邦が項羽に勝利し前漢建てる 都は長安) ②劉邦は誰より前ににわかに興す漢王朝 前 20 2 (劉邦(高祖)が前漢を興す) 前漢と後漢 ①カンチョー娯楽(ブスッ!!) 前漢:長安 後漢:洛陽 ②前漢後漢は超楽よ! 前漢→長安 後漢→洛陽 ③前漢・後漢は超楽よう 前漢 後漢 長安 洛陽 出典:『世界史でるとこ攻略法(文英堂)』 秦と漢の制度 真剣な韓国 【秦】→郡【県】制 【漢】→郡【国】制 ※ただし武帝の時代から中央集権化が進み郡県制に再び戻り始める 呉楚七国の乱 ①いこーよ郡県制つぶしに呉楚七国 (154呉楚七国の乱、しかし鎮圧) ②引越しごそごそ 154 呉楚七国の乱 ③154 呉楚七国の乱 (ひっこしごそごそ) 漢の全盛期 ①いよいよ来たよ武帝の時代 (141漢の全盛期はじまり、郷挙里選など実施) ②前漢の武帝(141~87) →いよいよやな(´,_ゝ`)フッ ③BC141 武帝の在位年代 BC87 (いよいよ武帝のはなみち) 前漢の匈奴討伐 前129年 前漢、衛青や霍去病の匈奴討伐 男:言いにくいんだけど…今日どう?(129 匈奴) 女:衛生的なら…病は今日平気よ(衛生 霍去病) 武帝朝鮮侵略 BC108年 テンパの武帝朝鮮侵略 張騫と甘英の区別 全部頂戴、五歳半にゃ甘いマロンもしょっぱい 前漢:武帝、張騫を大月氏に派遣 後漢:西域都護の班超が甘英をローマへ派遣→失敗 マロン→ローマは無理やりだけど… ちなみに張ケンが派遣されたところが烏孫(ウソン) 新 ①やぁ兄さん!新しいホモがいい性器? 8~23 新 王莽 外戚 ②前漢滅ぼし王莽やっと新起こす 8 後漢 後漢 光武帝、にっこり笑い後漢を興す 2 5 甘英 97 甘英、条支(シリア)に到着 甘英、こっちくんな! ※シリア派遣後に、大海の航海が困難な事を聞き、引き返したと『後漢書』西域伝にある。 黄巾の乱 ①184年 いやよ黄巾の乱 黄巾‥後漢 黄巣‥唐 ②太平かつみ、黄頭巾チョーかっくいー。(太平道・黄巾の乱・張角) ③一発返済高金利。 黄巾の乱 ④日はしずむ、後漢を揺るがす黄布の乱 184 ⑤いやよ後漢黄巾の乱 184年 黄巾の乱 黄巾の乱と紅巾の乱の区別 「黄色は嫌よ、紅はいざ来い」 184年 黄巾の乱 1351年 紅巾の乱 漢代の文化 蔡倫 強姦星人、再臨ッ! 後漢 製紙法 蔡倫
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/144.html
バルカン枢機卿は、我々をある大扉の前まで連れてきた。 一見してかなり分厚い扉である事がわかるが、その厚みを持ってしても中の声を完全に遮断しきれずにいた。 「・・・だから私がどれだけ心配したと思ってんの! 大体ね・・・」 何だか元気のいい女性の声が中から響いている。 ドンドン、とバルカンが大きくドアをノックした。 「・・・・どうぞ」 中から先程の声がして、バルカンが扉を開ける。 「はっはっは、皇姫様もうその辺にしておいてあげなさい。お客人をお連れしましたぞ」 促されて中へと入る。 広い応接間だ。部屋の中央の応接用テーブルにベルナデットと一人の女性がいた。 女性は立ち上がると、こちらへ優雅に一礼した。 「メリルリアーナ・ラハ・パーラドゥアでございます。皆様には我が友人ベルナデットの救出にご尽力頂きました事を心より御礼申し上げます」 そう言って柔らかく微笑む皇姫。 こちらもそれぞれ頭を下げて自己紹介する。 「・・・・とにかく助かったわ。メリルの愚痴に押し潰される所だった」 ふーっとベルナデットが大きく息を吐いた。 「なによぅ! もう私は心配して心配して・・・」 尚も食ってかかろうとする姫をバルカンがまあまあと留める。 「今夜は大宴会になりましょう。皇姫様も色々とご準備がおありではないのかな?」 む、と皇姫が唸る。 「・・・そうね、担当者達と打ち合わせしてきます。御機嫌よう皆様、また後ほど」 そう言って微笑んで一礼すると皇姫が出て行った。 「・・・・あの子、大人になったわね」 その後姿を見送ってベルナデットがぽつりと呟いた。 「4年前は私の後ろをついて歩いてばっかりの子供だったけどね」 「皇姫様も一月後には18歳だ。大人にもなる。・・・お主がいなくなった後、皇姫様は必死に頑張ってこられた」 そう言ってバルカンが感慨深げに遠い目をした。 「それでヨアキムの術は解いてもらえたわけ?」 ベルナデットに問われて私はうなずいた。 しかし術は解けても何かのショックがなければ元に戻らないらしい、と告げる。 「ふむ。ショックか・・・・」 バルカンが考え込む。何か嫌な予感するぞ。 「こういうのはどうだ。ワシのバックドロップを食らってみるとか」 元に戻る前に死んでしまうわ。 「・・・元に戻るって何の事なんでしょう?」 マチルダが聞いてくる。 「ウィルには悪い魔法使いの魔法がかけられているのよ。解けると本当の姿に戻れるっていうわけ」 ベルがそう返事をするとマチルダは瞳を輝かせてぽん、と手を合わせた。 「素敵ですねぇ。おとぎ話の王子様みたいです!」 どっちかってとお姫様じゃないのかな・・・。まあどっちみちそんないいものじゃないが。 その夜はベルナデットの帰還を祝う宴が皇宮で催された。 私たちも全員招待されて出席する。 宴は立食形式であり、豪華な料理と酒がテーブルを埋めていた。 踊り子が舞い、楽隊が演奏し、賑やかな夜が更けていく。 多くの要人に自己紹介を受けたが、正直多すぎてとても記憶しきれなかった。 ただ、主席しているかと注意していた未だ会った事の無い黒と紅の将軍と神皇は出席していなかったようだ。 「楽しんでおるかな。ウィリアム」 グラスを手にバルカンが声をかけてきた。 「なんだ。飲み物はないのか?」 流石にこの姿で酒をやるのは抵抗がある、と答える。 「そうか、ではこれを飲め。ミルクにプロテインを混ぜたものだ」 宴の席で何飲んでんだこの老人は。 「・・・しかし、めでたい話が続くものだ。今この時期にベルナデットが戻ってきたのは本当によかった」 そう言って上座のベルを見てバルカンが瞳を細める。 ほう?何かあるのかな。 「一月後に皇姫様には婚礼の儀が控えておる。一世一代の晴れ姿だ。皇姫様もきっとベルに見せたいと思っていたであろうからのう」 何と・・・・。 ご結婚されるのか。という事がその新郎が次の・・・。 「うむ、神皇様にはメリル様以外の御子はおらぬ。従ってその新郎が次の神皇となる」 それはおめでたい話だ。新郎はこの場にいらっしゃるのかな。 「いや、新郎の名はラシュナーダ・ラータ・ルファード。この神都を囲む6都市のうちの一つ、ダナンの都の太守のご子息だ。今はダナンの都におるが、ここ1年程は頻繁に神都に訪れておる。遠からず会う機会もあろう」 なるほど、守護六都市の人か。 「人柄も含め全てに秀でた素晴らしい若者だ。皇姫様とは幼馴染での。皇姫様は幼少時より許婚であるラシュナーダ殿を一途に慕い続けてきた」 ・・・・それは、幸せな事だな。 権力の世界に生まれて好いた相手に嫁げる事などこの世界では極稀にしか無い。 往々にして政治の世界の「婚礼」は強力な外交手段であるからだ。 まあ神都の姫と大都市の太守の息子では多分にそういう意味合いもあるのかもしれないが、少なくとも当人同士が好きあっているのなら幸せな事だろう。 次代の皇の誕生か・・・さぞかし盛大なお祭りになるだろ・・・う・・・。 私の言葉は突如ズズン!!という皇宮を揺るがせた大きな振動に遮られた。 パリン!と食器の落ちて割れる音と、ご婦人方のいくつかの悲鳴が重なる。 なんだ・・・地震か!? ざわざわと周囲が騒がしくなる。 数名の兵士たちが慌しく宴の間を出入りし始めた。 そして息を切らせて一人の兵士が宴の間へと駆け込んでくる。 「・・・も、申し上げます!! 第二層『工業区』にて『ガ・シア』が出現致しました!!!」 その一言は衝撃となって宴の間を駆け巡った。 「防衛隊を出撃させよ!!」 「市民の避難を最優先にするのだ!!!」 怒号が飛び交い、辺りが騒然とし始める。 「・・・ぬうう・・・まさかこの夜にガ・シアが現れるとは!! こうしてはおられぬ!!ウィリアム、来るのだ!!」 有無を言わさずにバルカンに連れられて宴の間を出る。 ルク達と合流してないんだが・・・。 『ガ・シア』とは一体? 先導するバルカンに問う。 「ガ・シアとは狂皇ラシュオーンの眷属・・・恐るべき巨大なる魔影だ。人を殺め、破壊をもたらす闇の化身よ」 バルカンが答える。 「・・・む! カーラ!!」 廊下を進むバルカンが上を見上げて叫ぶと手を振った。 バサッ!と翼をはためかせて一匹の飛竜が降りてくる。 「何用だ、枢機卿。非常時で急いでいる」 凛とした女性の声がする。鞍上には黒い鎧姿があった。 そしてその顔は仮面に覆われていた。 「カーラ、彼を連れて行ってくれ」 バルカンに肩を押されて一歩前に出る。 な、何だ一体。 「遊びではない。何故子供を・・・」 言いかけてカーラと呼ばれた女性がぴくりと止まる。 「ウィリアム・バーンハルトか」 「そうだ・・・いずれこの皇国を救うことになるやもしれん男だ」 そうなのか・・・自覚ないぞ・・・。 乗るがいい、とカーラが手を差し出した。 何だかよくわからないうちに、私はその手を取って飛竜に跨った。 「私は神護天将・・・黒の将カーラ・キリウスだ。工業区まで飛ぶ。振り落とされるな」 そう言ってカーラは手綱を引く。 飛竜が舞い上がる。 瞬く間に遠くなる眼下の景色を見ながら、私は黒の将カーラと大空へ飛び立った。 第10話 3← →第10話 5
https://w.atwiki.jp/coharu/pages/492.html
「と言う事で皆で全力を尽くして応援しに行こう!」 ポテトチップを3袋同時に開けて味比べしながら寝返りを打っている夏奈の脇で仁王立ちの冬馬が気合の言葉を響かせている。 「トウマ、話はちゃんと整理してから落ち着いて伝えるんだ。何が何だかさっぱり分からない」 「その言葉、普段のお前にもそう言い聞かせろ、バカ野郎」 眠たげな眼で二人を見つめる千秋の手元には『練り物の歴史』という訳の分からないタイトルのやたら分厚い本が携えられている。 「藤岡から聞いてないのか!? あいつ、U-15ユースの日本代表に選ばれたんだぞ!」 「藤岡はカナと違って日本代表に選ばれるほどのバカ野郎じゃないぞ、バカ野郎」 「千秋、野菜パフェでも作ってやろうか?」 家の玄関がガチャリと開く音とともに楽しげな話し声がする。 「あら?トウマいらっしゃい」 部屋に入ってきたのは夕飯の買い物から戻った春香と今、噂の渦中真っ只中の台風の目、藤岡だ。 「お邪魔します」 「よぅ! よく来たな、日本代表!」 藤岡の嬉しそうな爽やかな笑顔が眩しい。 「ありがとう、南。もう知ってたんだ?トウマから聞いたの?」 「すっげぇな、藤岡! マジですっげぇよ! ポジションはもう決まってるのか?」 冬馬は興奮を隠し切れない様子でまくし立てた。 「まだこれからだよ。来週から合宿に入るからそこで決めるんだと思う。 さすがに日本代表ともなるとポジションどころかレギュラーだって保障されている訳じゃないからね。 熾烈な闘いになると思うよ」 いつの間にか藤岡にしがみついていた千秋は藤岡の顔をジッと見つめている。 台所から顔を出した春香はもうエプロンを身に着けていた。 「今日は皆、夕飯食べてく? 藤岡君のお祝いもしてあげたいし」 「すき焼き!」「カレー!」「ハンバーグ!」 夏奈と千秋と冬馬の声が同時に響く。 「今日はトンカツよ」 「すみません。ハルカさん、御馳走になります」 「しかし、藤岡。お前は日本代表に選ばれるほどのバカ野郎だったんだな」 夏奈は真顔で藤岡を見つめている。 「おい、カナ。お前にも代表に召集掛ってるんじゃないか?」 千秋は指定席である藤岡の膝の中から夏奈に冷めた眼差しを向けている。 「話の流れで察しろ、代表とはサッカーの話だ、バカ野郎」 「そうなのか!? 藤岡!」 藤岡は日本代表に選ばれた事より夏奈に関心を向けてもらう事の方がよほど嬉しいようだ。 「年棒はいくらだ?」 「代表はプロって訳じゃないから年棒はないぞ、カナ」 冬馬のクールなツッコミが冴える。 「でも将来プロになれるんだろう?」 「それはこれからの頑張り次第かな」 藤岡は嬉しそうに笑っている。 「よし! 藤岡がプロになった暁にはこのカナ様が藤岡のプロデュースを手掛けてやろう!」 「本当に!?」 どうやら藤岡は夏奈の今の言葉を何故かプロポーズ的な言葉として受け取ったらしい。 「じゃあ、試合の日には皆で応援に行くわね。 ほら、カナ、藤岡君とトウマを送ってきてあげて」 「でも、もう夜も遅いですし」 「お~い早く行くぞ~」 もう先を歩き始めている夏奈の背中を見つめながら 藤岡はこの日、一つ覚悟を決めた。 「じゃあな!藤岡、絶対にレギュラー取れよ!」 「あぁ、ありがとう、トウマ」 トウマと別れた藤岡と夏奈、結構な時間を一緒に過ごしているが、二人っきりでこうして歩くのは初めてかもしれない。 「な、なぁ、南…」 「ん? ろうひは? ふひほは」 夏奈は春香に見つからないよう冷蔵庫からそっと拝借してきたチーズ入り魚肉ソーセージを咥えている。 「南はこれからずっと俺のプロデュースをしてくれるの?」 夏奈はゴクリと魚肉ソーセージを呑み込み振り返った。 「ふっふっ…契約金は高いから…な…!?」 不意をつかれた夏奈は微動だに出来ず、目を見開いている。 ドクンという心臓の鼓動だけがやたらに鳴り響きながら… 「ハルカ!! 千秋先生!!」 玄関の扉から激しい音が聞こえてきたかと思うと、夏奈が猛スピードで部屋の中に駆け込んできた。 「い、今、ふ、ふ、ふ…」 「落ち着け、カナ。まずはハルカ姉さまの入れたお茶で心を静めるんだ」 「これがまた落ち着いていられないんだ!」 そう言いながら夏奈はお茶を一気に飲み干した。 「どうしたの? カナ、顔が真っ赤じゃない?」 「ちゃんと服を着ないとバカでも風邪を引くんだな」 「今さっき、角にあるあの店の前で藤岡に…」 そこまで言うと夏奈はまた顔を真っ赤にして俯いて黙り込んでしまった。 「どうした? また太ったのがバレたのか? バカ野郎」 夏奈は突然、両腕を振り上げたかと思うと後ろにバタッと倒れ込んだ。 「…ふ、藤岡にキスされました」 三姉妹はTVも消して今、目の前にある最重要案件についてそれぞれ詳細且つ、綿密な考察、検証を行っている。 春香はどこか引きつったような顔をして「妹に…妹に抜かれた…」とぶつぶつ独り言を呟いている。 夏奈はただ頭を抱えて床の上でのたうちまわっている。 「それでカナ、どういう状況だったのかもう一度詳しく話せ」 「千秋! お前は私の乙女の恥じらいを何回もほじくり返そうと言うのか!?」 そう言いながら夏奈は情感たっぷりに再現VTRを回し始めた。 「おい、バカ野郎。私はこの前、内田に借りた漫画で知ったのだが、キスにも味があるとは本当なのか?」 「そ、それは経験者であるカナから是非、直接、意見を聞きたいわ。キスってどんな味がするのかしら? ねぇ、カナ」 二人とも赤面しながらもかなり興味津津である。 「ん~…どんな味と言われてもな…」 「漫画にはレモンの味と書いてあったぞ」 「く、詳しいのね、千秋」 夏奈は腕組みをして考え込んでいたかと思うと急に何かを閃いたように 「魚肉ソーセージ! チーズ入り!」 と叫んだ。 「それはカナ、お前の食べていたチーズ入り魚肉ソーセージを藤岡も食べたかったのではないか? ちゃんと分けてあげたのか?」 「ん? 一人で食べたよ」 「やはりな…藤岡はカナにキスをした訳ではなく、チーズ入り魚肉ソーセージを奪いかかってきたと考えてまず間違いはない」 「そ、そうなのか? 千秋先生」 「日本代表でレギュラーを取る為にはテクニックだけでなく身体も鍛えないといけないらしい。 だから食事の量も質もこれまで以上に高める必要があると藤岡は言っていた。 栄養バランスを考えた際、藤岡はきっとどうしてもチーズ入り魚肉ソーセージを食べなければならなかったのだろう」 「あいつはそんな理由でこの私の、乙女のファーストキスを奪ったと言うのか!? でも明日からどんな顔して藤岡に会えば良いんだよぉ~!」 夏奈はまた床の上を回転し始めた。 翌日、あまりにも拍子抜けするほど夏奈はあっさりしていた。 そして放課後、南家に呼び出された藤岡だが、そこには夏奈も春香も千秋もおらずその代わりに春香の同級生であるマキ、アツコに加え速水先輩、そしてどこから聞きつけてきたのか冬馬の兄で春香の後輩、ナツキまでもが 居間で藤岡が来るのを今か今かと待っていた。 瞳孔までブラックホールのように見開いている速水が切り出した。 「ふふ…お姉さん達はね、藤岡君に色々と聞きたい事があって今日こうして集まったのよ…」 「とりあえずこれ、ハルカからの餞別」 そう言うとマキは上座で正座している藤岡の目の前にチーズ入り魚肉ソーセージを1本そっと差し出した。 名前 コメント 9-371氏 9スレ目 保管庫
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2967.html
あけましておめでとう御座います。 短すぎますが一つ投下します。 新年小ネタ 嶋田・ユーフェミア。 ゴーン…… 鳴り響く鐘の音は百八つ。 人間が生まれながらにして内に持つとされる煩悩の数。 ただ静かに、心の奥へと染み渡るかの如き静謐なる音が、深夜0時を越えても尚、帝都に響き渡っていた。 「あけましておめでとう御座います」 折り曲げた脚部。膝を揃えて畳に手を突き深々と頭を下げるのは神聖ブリタニア帝国第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニア。 下げた頭に桃色の髪が流れ、畳へとこぼれ落ちている。 「あけましておめでとう」 その挨拶を受け、彼女と同様に揃えた膝に向い頭を垂れるのは、大日本帝国元宰相――嶋田繁太郎。 「我が身はブリタニア皇族という身の上故に、ご迷惑をお掛けする事も多きことかと存じますが、どうかこの一年、公私共々に宜しくお願い致します」 ブリタニア第三皇女という己が身の上。 特殊な身分にあるが故に嶋田へ掛かる某かの負担や物事もあろう。 それを承知で今年も宜しくという彼女は、何があってもけして離れはしないとの意思を込めて新年の挨拶とした。 「いえ私の方こそまだ不慣れな日本での生活を送り、駐日大使補佐官という大役をお勤めなされますユーフェミア殿下を公私共に支えられる一年と致したく」 元宰相。現在表向きは民間人である自身は、少し肩の荷が軽くなっている。 夢幻会という大役には未だ就いているとはいえ、ブリタニア皇女として第一線にて働く年若い彼女に比べれば。 そう考えている故に嶋田は年長者として。そして政治の世界に於ける先達として、彼女を支えて上げたいとの思いを告げる。 それは一年の始まりの挨拶。 仲睦まじき普段の二人からすれば余りにも他人行儀とならざるを得ない挨拶は公としての物。 目下の嶋田は目上のユーフェミアが頭を上げるのを待ち、彼女に次ぐ形で頭を上げる。 どんなに仲が良くとも公私を分ける。共に持つ肩書きを考えれば当たり前のこと。 元宰相であり日本帝国伯爵と、ブリタニア皇女。 目上はどちらなのか? 上座に座るべきは? 無論、それはユーフェミアに他ならない。 だがそれは公に於ける挨拶であって、本来在るべき私での挨拶ではないからだ。 だからこそ、そんな堅苦しい公の挨拶はいち早く済ませて、普段通りに接しようという思いが―― 「ユフィ、今年も宜しく」 「わたくしの方こそ、宜しくお願い致します」 続く挨拶には込められていた。 玉城・クララ。 威勢良く髪を逆立てた青年が、深夜0時を過ぎた寒い屋外を震えながら歩いていた。 「ああくそっ、寒いなあァ」 片手にはウイスキーの瓶が握られている。 外が寒ければ懐も寒い青年には過ぎたる買い物であったが、この寒い夜に呼び出されて、何も口にせずに歩くなどできそうもない。 「ったく、あのピンクちびめ……」 ぶつくさ文句を言いながら酔いの回った身体でふらふら。 足下のおぼつかない様子だが、それもそのはずだ。ついさっきまで友人と飲んでいたのだから。 どうせ明日は元旦で碌に店も開いてないし、外へ行く予定もなかったので夜通し飲んでやるつもりだった。 高校卒業後に知り合った気の合う連中で杉山と南というのだが、彼等と飲んでいたときに電話が入ったのだ。 断る……という選択肢は無い。 正確に言うのなら、その選択肢を真っ先に潰されてしまった。 「何が“今すぐ家に来なきゃもうお金貸して上げない”だ畜生……」 死活問題だ。 電話の相手が融通してくれたから先月もどうにかなった。 財布の紐を握られているではなく、正しく“生殺与奪の権利が向こうにある”状態。 ぎりぎりの生活を続けている青年には冗談では済まされない。 サラ金に走らないで済んでいるのはその電話相手と電話相手の父親のお陰なのだから。 「お~に~い~ちゃんっ!」 「うわァ!!」 電話相手の家近くまで来たとき、何者かに背後から飛び付かれた。 酔いが回る頭では後ろに気をやる余裕もない為に、突然の衝撃を喰らいびっくりしたのだ。 「あけましておめでと~」 振り返るまでもなくこんなことをする知り合いは一人しか思い当たらない。 「てめっクララっ!! いつもいきなり沸くなって言ってるだろっ!!」 電話の相手こと、クララ。 「沸くってなに沸くって。こんな可愛い女の子捕まえてボウフラみたいに言わないでよ」 「言われるのが嫌なら気配消して後ろから飛び付くなっ!」 振り返ると其処に立っていたのは頭一つ分低いピンクのロングヘアと瞳が特徴的な予想通りの少女。 「む~り! だってクララはスニーキングのプロだよ? お兄ちゃんをスニーキングするなって、それ死ねと同義だから」 「怖いんだよ! なんだよスニーキングのプロって!」 そう、こんな少女だクララ・ランフランクというのは。 「まあそこは置いといて」 「置くなっ!」 「呼んだのはね。初詣行こうって思って」 「初詣だァ~?」 初詣。年明け一日に神社へと参ること。 青年は良く嶋田神社へ行くことが多い。 なにしろ官僚やら政治家やらを目指す手前、大宰相を輩出した神社へ行けば御利益があると思う故に。 しかし、こんな真夜中から行くことはなかった。 「早すぎるだろお前。いま何時だと思ってんだよ馬鹿」 0時30分。草木も眠る丑三つ時よりも前だ。 「早く行った方が御利益も大きいよ多分。だってほら早行きは三文の得って」 「早起きだろ。勝手に作るな」 「それにお参りの後に、初日の出観たいもん」 どうせ行くなら両方とも行こうというらしい。 勿論大好きなお兄ちゃんと――というのが、クララが彼を呼び出した理由であった。 「ったくしょうがね~な~気持ち良く飲んでたのによォ~。ま、いいわ。おっさんには?」 「もちろん許可取ってきたよ。パパも誘ったんだけど、こんな寒い日に真夜中出掛けるとか年寄りにはキツイんだってさ」 「なりはガキみたいな身体してる癖に……。やっぱ中身はジジイだなあのおっさん」 「お兄ちゃん、クララの肩に捕まって。そんなふらふらじゃ転げちゃうよ?」 「お、おう…、悪い」 千鳥足の青年を慮り肩を貸すクララ。 (お? 風呂上りか? 髪から石鹸の匂いがする…って、だからなんでクララ相手にんなこと考えてんだ俺ェ……!) 煩悩を討ち払う鐘。 それはこの青年とは無縁のようであった。 V.V.・ロロ・ゲンブ。 「それでは行ってまいります」 玄関に佇むのは自らの護衛も兼ねる少年。 「うん。まあ楽しんでおいで」 「しかし、本当にいいのですか? 僕は父さんの護衛でもあるのですが……」 「気にしなくていいよ。この平和な日本で誰が僕を狙うっていうのさ。それに僕は不死身だよ?」 兄さんに誘われた。 滅多なことでは自己を優先しない彼だが、こと兄と慕う甥の言葉は父である自分よりも優先する帰来がある。 無論甥の妹ナナリーも大事に思っているのは生活をともにしている関係でわかっていたが。 「逆に君やルルーシュの方が心配だよ僕は。ナナリーには最強のナイトが付いている分安心だけど」 「父さん、僕やジェレミア卿を舐めないでくださいよ?」 本音は心配など杞憂であると知っている。なにせ、彼らにはヴィ家の精鋭が護衛についている。 共に行動するナナリーのナイトこと、枢木スザクも居るのだから心配するだけ無意味。 「風邪だけは引かないように」 「わかってますよ」 「いってらっしゃい──ロロ」 玄関を出る息子の向こう側には大勢の人が列をなしていた。 (枢木家とヴィ家の護衛……物々しいな) 娘を先に外に出したのは正解だった。 娘が惚れているあの駄目ニートにこれを見せる分けにもいかないから。 「特に、あの車に現役総理が乗ってると知ったら、あの馬鹿のことだから紹介してとかいうに決まってるしね」 官僚・政治家を目差している駄目ニートには刺激が強すぎるだろう。 「まさか新年一発目が枢木神社へ初詣とは思わなかったよ」 夜中にお忍びとはいえ現役総理大臣である枢木ゲンブが訪ねてきたのだから、ここら一帯は戒厳令さながらの事態になっていた。 “宜しければV.V.殿も如何ですか? 我が枢木神社は──” といった感じで自身も誘われたのだが、こんな寒い日に外に出る気はしない。 「そう考えると、僕も年取ったな……」 肉体年齢は10前後のころに停止したままだが、感性というか感覚的に年を取ったと思う彼は、一人静かにコタツへ潜りテレビをつけた。 「老人は老人らしく、暖かな家でのんびりとした正月を楽しむことにしますか」 終わりです。 即興ネタ失礼しました。 できればこの手のネタは山本・リーライナ、嶋田・モニカ、南雲・ドロテアといった別の組みも書きたいですね リクエスト頂いた分も少しずつ書いておりますので気長にお待ち頂けたら幸いです。 それでは、良きお正月をお過ごしくださいませ。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/302.html
ひぐらしのなく頃に 女明し(めあかし)編 ■夜の宴 ――その日、園崎魅音は憂鬱だった。 彼のことを考える度に、自分はスタート地点にすら立っていないのだと思い知らされるからである。 空一杯に星が浮かんでいるその日の夜、園崎本家では軽い宴会のようなものが開かれていた。参加者は、お魎・茜・葛西・魅音・詩音と、ほとんどが園崎の親族だ。普段は興宮に住んでいる詩音らが用事で本家まで来ており、丁度だから少し食べていけとお魎が気を利かせたのだった。 しかし、軽い宴会とは言ってもそこはさすが園崎家。マグロ。カニ。アワビなど。一般家庭の夕食ではとてもお目にかかれないような素材を使った料理が、十数畳の部屋に一つ置かれたテーブルの上で踊っている。園崎家の重鎮ばかりが揃うこの席に、お手伝いさんも一層気合いを入れて用意したのかもしれない。 そんな宴会も、始まってから結構な時間が経つらしく、テーブルの片隅には空のビール瓶が八升ほど置かれている。当然、その頃には酔いが回った参加者も何人か出てくる訳で、始めのいかにも旧家らしい静かな雰囲気とは打って変わり、少々下品な会話のやりとりがされていた。 「で、どうなんだい魅音? 圭一くんとの仲は、何か進展したのかい?」 茜は、持っていたコップをテーブルに叩きつけ、反対側に座っている魅音へ据わった目を向けながら言った。相当酔っているのか、耳まで真っ赤に染まっている。 「だ、だからお母さん、別に圭ちゃんはそんなんじゃないんだって……! 」 その言葉に対して、魅音は今にも泣きそうな表情で抗議した。 「お姉~、どの口がそんなことを言いますか? 電話で圭ちゃんのことを話している時のお姉の嬉しそうな声、私はしっかり記憶しているんですからね~?」 が、すかさず隣に座っている詩音からの援護射撃が入り、魅音は体を強張らせる。 詩音も結構な量の酒が入っているようで、頬を薄らと赤く染め、言葉の調子も何処か上機嫌だ。反対に、魅音は数分前からずっと続いている自分の恋愛に対する詰問の緊張で、すっかり酔いが醒めてしまっている。とは言え、強い羞恥心で、顔は酔っている状態よりも真っ赤だったが。 (どうして私がこんな目に……) そう思いながら魅音は、尚も繰り返される酔っ払いからの問い詰めにげんなりとした表情を浮かべた。 宴の始めは取りとめもない雑談ばかりだったのだが、酒が進むにつれ、段々男がどうのという話になり、いつの間にかその矛先が魅音と圭一の関係に向けられたのだ。性質の悪い酔い方をした者(主に約二名)にとって、いつまでも煮え切らない魅音と圭一の話は、格好の絡み相手だったのかもしれない。 「……茜さん、魅音さんが嫌がっていますよ。そろそろ止めておいた方が……」 その様子を見かねたのか、茜の隣で静かに料理を食べている葛西がやんわりと諭す。園崎家随一の酒豪と噂されるだけあって、飲んだ量の割に冷静さを保っていた。 「うるさいよ葛西っ! 私ゃ、全く関係を進展させない魅音に親として叱ってやっているんだよ! あんたはすっ込んでなっ!!」 だが、酒を飲んで勢いづいた鬼姫には、葛西の言葉など焼け石に水である。こうなると茜は誰にも止められない。そのことを知っている葛西は、それ以上何も口を開かなかった。 「しかし、何でお姉は恋愛に対してこんなに意気地が無いんですかね。もっと気合いを入れないと、いつまでたっても圭ちゃんと仲良くなれませんよ?」 「……そ、そんなこと言われても」 詩音の言葉に、魅音は気弱な声を上げた。 「本当さね。園崎の血筋を継いだ女は、どの世代も色恋沙汰については豪快に立ち回るジンクスがあるんだけどね~。私は鬼婆様とポン刀でやり合ってまで旦那を手に入れたし、鬼婆様だって父さんと結ばれるまでに色々派手なことをしでかしたんだよ?」 ちらっとお魎へ視線を流す茜。 「…………けっ。余計なことを言うんじゃないよ蒐ぇ……。ほんにぁんじょうすったらん……」 上座に座ってお茶をすすっているお魎は、バツが悪そうに悪態をついた。が、顔は満更でもない表情を浮かべている。一種の武勇伝なんだろう。 「……でも、本当にそろそろ押していかないとマズいですよお姉。何て言ったって、お姉のライバルはあのレナさんなんですから。のんびりしていたら、二人が仲良くごにょごにょやっている所を偶然お姉が目撃! ……なんて可能性も十二分にあるんですよ?」 詩音が大げさな素振りで魅音を脅す。 「……え、えぇえっ!? や、やだよそんなの~!!」 どんな想像をしたのか、魅音に対する効果は抜群だった。 「だったら、さっさと圭ちゃんにアタックするべしです」 「……ぅ……で、でも私、その……圭ちゃんに女の子として見られていないみたいだし……。そ、そんなんじゃ……いくらこっちからアプローチしても……」 今にも消え入りそうな魅音の言葉に、詩音は大きなため息をつく。 「何言ってんですかお姉……。いくら普段の態度が女の子らしいと思われていなくても、お姉にはその体があるじゃないですか。何処をどう見ても女の子その物の」 「え……、え……?」 パチクリと瞬きを繰り返す魅音。何が何やら理解できない、といった感じだ。 「そうさねそうさね。どんな男だって、こっちから押し倒して乳の一つも揉ませれば、あっという間に転んじまうもんさ。特に圭一君みたいなウブな年頃だったらねぇ」 「……ぅ、……ごほっ! ……ごほっ!」 茜のその言葉に反応して、咽る声が上がる。葛西だった。何か想像したらしい。 当の魅音はと言うと、湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にし、プルプルと体を震わせていた。詩音と茜の言っていることを理解して、あまりの恥ずかしさに大きなリアクションを取ることもできないようだ。 「ぉ、ぉ、ぉ、ぉしたお……?」 魅音の口から、掠れた声が零れる。 「そう、お姉から押し倒すんですよ圭ちゃんを! そして、あんなことやそんなことをして、お姉のことを片時も忘れられなくしてやるんです!」 ずいと魅音に迫りながら詩音が言った。 「……そ、そんなのダメだよっ!」 「あ~ら? じゃあ、圭一くんをレナちゃんに取られても良いのかい? はっきり言うけどね、あんたじゃ普通にやってもあの子にゃ勝てないよ? 圭一くんにとって、あんたは女の子という土台も作られていない状態らしいからね?」 「…………ぅ」 「えぇ、母さんの言う通りです。だから、お姉は多少強引な手を使ってでも、圭ちゃんに女の子だと認識されないといけないんですよ。レナさんとの仲が進展する前に」 「……………………ぅ」 親子の見事なコンビネーションに、魅音は唸る以外に何も言えなくなってしまった。 圭一に女の子だと認められたい。だけど、押し倒すなんて恥ずかしくてできない。でも、それ以外の方法が浮かばない……。そんな葛藤が魅音の頭の中で渦巻く。 普段なら、こういう話も恥ずかしがるだけで流すだろうが、今回はレナを比較に使われたのが効いたようだ。そういう、部活的な負けず嫌い精神を恋愛面でも無意識に残しているのが、魅音らしいと言えばそうかもしれない。 詩音と茜は、そんな魅音の様子を見て嬉しそうに唇の端を吊り上げる。最初から、魅音がこうやって戸惑う姿を見るのも目的だったらしい。外道である。 「…………ぅうわ、わ、わ、私、部屋に戻ってるっ!」 散々悩んだ挙句、こんな所で結論を出せないと判断したのか、魅音は顔から蒸気を噴き出しながら宴会場から逃げ出した。 「くっくっく……。あの様子だと、魅音も今回は攻めに行くかねぇ?」 「ひょっとすると、ひょっとするかもしれませんね。こりゃあ、その内朝帰りをする日が来るかもしれませんよ? くっくっく……。」 魅音の姿を見て、酒の入ったコップを持ちながら、実に仲良さそうに嗤う二人。 その横では、葛西が呆れた顔で二人を見つめていた。 昼の非日常へ続く
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5163.html
「岡部先生」 放課後、日誌をつけていると苦々しい表情で三年進路指導の主任が声をかけてきた。 用件はだいたい察しがつく。俺だって教員生活が板についてきた頃なのだ。先日全学年で進路指導の個人面談があったばかりというタイミングで、この人がこの表情で俺に話しかけてくるってことは…… 「先生のクラスの、涼宮ハルヒについてですが」 うむ、予想通り。 「聞いたところ三年の朝比奈みくるを何だか妙な同好会に引きずり込んだとか」 だいぶ前の話を今更おっしゃる。こういう教員が進路指導の主任に就けるのだ。俺がそれなりのポストに就くのも夢じゃないかもしれないな。 「朝比奈と面談しましたが、辞めろと言っても『辞めたくない』の一点張りですよ。先生のところの涼宮に脅されでもしてるのでは?」 ……スポーツマンはどんなに呆れても溜息をつかないものだ。 「理由は何か言っていましたか?」 「何のです?」 「辞めたくない理由です」 「あぁ……楽しいからとか何とか言っていましたけどどうだか」 そうですか。 確かに、今だから言えるけれども教師は生徒の事をそう簡単に信じるべきじゃない。信じようと努力して信じられるか吟味してから信じるべきなのだ。だがこのオッサンは最初から信じていない。経験がそうさせるのかもしれないが、こんな教師にはなりたくないもんだ。 「涼宮と面談します」 「そうしてください、頼みますよ。何とかあの同好会を自主的に解散させる方向に」 「私からもお願いします。ウチの古泉ももっと上位が期待できるだけにね……」 「僕のクラスの長門もその同好会に巻き込まれているみたいですね」 さぁ、面倒な事になってきた。 -------------- 「おはよう、朝比奈。ちょっといい?」 「はぁい……あ、岡部先生」 「おや、岡部先生までみくるをナンパかい?」 それはちょっとシャレにならんぞ鶴屋……。しかし確かに朝比奈はふわふわとしていて……コホン。気を取り直して、と。 「涼宮との同好会の事なんだが……」 「SOS団の事ですか?」 そう、その団の事。一体何をする団なんだ? 「涼宮さんは……えと、宇宙人とかを見つけて一緒に遊ぶのが目的って言ってました」 あのビラはマジだったのか……見つかった? 「見つかったというか、あっ、あの見つかりません!」 何だこの慌てぶりと隣の鶴屋のニヤリという笑いは……。まぁいい。 それでその団、楽しいか? 「すごく楽しいですっ。たまに恥ずかしかったり……しますけど」 あのバニーガールの時とか……と言った途端に朝比奈の顔が破裂するのではと思う程紅潮したので切り上げる事にした。 「ありがとう、朝っぱらから悪いね。それじゃ今日も一日頑張って」 「はぁい」 -------------- 「やぁ長門」 「……」 今、会釈を返したのだろうか。不思議な子である。無口だが暗いわけではなく、かといって明るくもなく……ありゃすたすた行ってしまう。 「あ、ちょっと待って……今大丈夫か?」 「…………大丈夫」 「涼宮と一緒にSOS団っての、やってるよな?」 「……」 首肯。 「どうだ?」 「……」 「……」 「どうって」 「あー……楽しいか?」 「……」 首肯。 「辞めたいって思う事とかない?」 「ない」 「どうして?」 「………………楽しい」 「そうか」 「そう」 「ありがとな」 「いい」 やはり不思議な子だ。遠ざかる小さな背中は、存在感があるようでない……いや、ないようで強烈にあるという感じだ。 -------------- 「おう、古泉」 「おや、岡部先生。僕に声をかけるとは珍しいですね」 爽やかな笑みを返してくる。この物腰とルックスだ、さぞかしモテる事だろう。 ……何だこの気持ちは。生徒に妬いてどうする。 「それで御用件は?」 「ん?……あぁ、お前がやってる部活の事なんだが」 「SOS団の事ですね」 「そうそう」 「先日の進路指導でも色々とご教授を受けましたよ」 「正直なとこ、どう?」 「……難しい質問ですね。僕としてはSOS団に入ったのは最初は予想外の事で、正直不本意でしたよ」 「今は?」 「大変面白く過ごさせてもらっています。彼と涼宮さんのおかげで」 微笑のニュアンスが変わったような気がした。 「辞めろって言われたらどうする?」 「どうもしませんよ、そもそも僕たちはSOS団という集まりであるだけです。普通の部活のように辞めるか辞めないとかは関係ないんですよ、僕たちにはね。 便宜上SOS団を『辞めた』としても、涼宮さんがいる限り結局僕たちは彼女のもとに集まるでしょうね」 ……そうか。わかった。 「では失礼します」 「あ、今から文芸部室行くんだろ?俺も一緒に部室まで行かせてくれ」 「僕は構いませんが」 大丈夫だ、中には入らん。 -------------- 「お待たせしました」 「遅いわよ古泉くん、今日は夏休みの、ってあれ?」 教室では見たことのない涼宮の晴々とした笑顔がキョトンとした表情に変わる。 「すまん涼宮、ちょっとキョン借りていいか?」 「何言ってるのよ、別にキョンはあたしのじゃないわよ……あ、あたしのか。あたしの雑用」 面白い表情でキョンがこっちに向かってくる。『しょうがないやつだなハルヒは』と言っているようでほほえましい。 「あ、待ちなさいよキョン!あたしはまだ」 「いいじゃないか、わざわざ岡部先生がここまで来たんだから相応の用事があるんだろ」 「……むぅ、手早く済ませなさいよ!5分以内」 はいはい、と手を振り部室のドアを閉めたキョンがこちらに向き、 「岡部先生、あなたまで俺をキョンと呼びますか」 とうんざり顔を見せた。ありゃ、親しみをこめたつもりだったのだが。 「まぁ、もう慣れたんでいいっすよ」 そうかじゃあキョン、少し話させてくれ。 -------------- 「辞める辞めないは俺が決めることじゃないっすよ。ハルヒが作った団なんだし、ハルヒが決める事だ」 いやそうじゃなくて、お前は団についてどう思ってるんだ? 「……最近は楽しくなってきてます。困ったことに」 って事は辞めたくない? 「だからそれは俺が決める事じゃないですって」 ……はて? 心底俺の質問の意図がわからない、という顔をしているキョンを見ていると段々わかってきた事がある。こいつは俺たち教員や、他の生徒たちが思っている『部活』の範疇にSOS団は入らないと当たり前のように思ってるんだ。 SOS団という入れ物の中に涼宮、朝比奈、長門、古泉、そして自分が入ってるんじゃなく、五人で一つの共同体を作っているんだと信じている。 だから辞める=抜けるという感覚がない。こいつにとって『SOS団を辞める』という言葉は自分が抜けるという意味ではないんだな……。 「そういうことか……」 「……? もういいですか」 随分長々と顔を見つめてしまっていたらしい。気付けば『やれやれ』という表情でキョンは佇んでいた。 「あ、あぁ、ありがとう。もういいから、涼宮を呼んでくれ」 キョンは浅い会釈とともにふぅと一つ溜息をつき、ドアを開ける。 「遅いのよキョン、何でもっと適当にあしらわないわけ?」 上座に座っていた涼宮が楽しそうにわめく。少しも動じずキョンが親指で俺を指し、 「お呼びだ」 と一言。その言葉にぶぅぶぅ言いながらも素直にこちらに来る涼宮を見ていると思わず笑みがこぼれてしまう。 そしてこんな事を思う、進路指導部の奴ら、ざまぁみろ。俺はこいつらの本音がわかるぞ。お前らが厄介者としか思っていない奴は、俺の生徒だ。 こいつらが正しいって事は俺も正しいって事だ。 バタンとドアが閉まり、全校生徒一の厄介者がキッと俺を睨む。 「涼宮」 「何よ」 「……」 「……」 「いい友達を持ったな」 おしまい
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/8332.html
738:635:2023/01/11(水) 06 30 30 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp 銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ サセボ異界紀行十九冊目 side:元憂鬱山本五十六 映像が終わり会議室の明かりが再び灯される。 溜息や咽び泣く声が自分の耳に入る。 「フゥ…サイッコー…(遠くを見る瞳)。」 「この世界で史実の平成の創作の続編やリメイクを見ることが出来るとは…(感涙)。」 自分の眼前ではいい年こいた大の男達が呆然と天井見上げたり涙を流してる。 慣れたがハッキリいってキモい…慣れたくはなかったが自分も夢幻会の一員何度も転生していれば嫌でも慣れる。 まあしょうがないとも思う、柏木大臣が持ってきた向こう側の日本の文物を見ればそうもなろう。 夢幻会の大半は平成と呼ばれ、二度の核の投下され敗戦した日本の生まれ懐かしがるのも無理はない。 「クッ!海防艦だと…よつにみと…迎えたかった…。」 「型月の世界さらに描かれてるとか…なんで俺はそこまで生きられなかったんだ…。」 一部の者は自分が死んだ後の伝聞ではない映像や現物付きの生の情報、 但し自分の手で出来ないを齎され絶望していたりするがまあどうでもいいだろう。 「いやはやしかし平成世界の黒澤明監督が総指揮、円谷英二氏が特殊効果に関わった特撮が見られるとは思わなかったな。」 「本当に向こうの世界どうなってるんでしょう?」 会議室の上座では辻や東條が今程に見た映画に関してそんな話をしている。現在この集まりは東條が臨時で取り仕切っていた。 本来であれば宮様がこの世界に現れなかった嶋田の代わりに取り仕切っているのだが現在この場にはいない。 宮様は現在、戦艦金剛の船霊(艦娘とか言うらしい)が生み出した霊剣を帝国として拝受するための儀式に出る為に現在伊勢神宮まで出向いている。 他にも両陛下やオランダの皇帝陛下夫妻、二藤部総理にオランダ宰相、OCU加盟国首脳、戦艦陸奥の船霊やイゼイラの神?も参加している。 なお、先程ここで行われたあの映画世界初上映を見れないと知った時の宮様の顔は忘れられない。 「しかし宮様気の毒でしたねえ…。」 「ああ…黒澤明監督総指揮、円谷英二氏が特殊効果担当に加え庵野氏他著名な映画監督や俳優が参加しているし…。」 「昭和の名優や戦前の銀幕スター、著名人…挙げ句創作の登場人物まで出るとは思いませんでした…。」 「お陰で今回の初上映見れなくて宮様、絶望の顔だったな…」 東條と辻は会話を続ける。 「少女が戦車指揮してたり戦闘機乗ってたり、爆撃機を若い女性が率いてたり…。」 「どっかで聞いた声の軍人とかいると思ったら…。」 「エンドクレジットで戦車隊指揮官:西住みほ、戦闘機パイロット:宮藤芳佳、爆撃隊司令官:高町なのは…」 「軍人その一:フランク・イェーガー、軍人そのニ:モンティナ・マックス、科学者:香月夕呼…。 まさかそこらの因果持ち込んではおらんだろうな?(汗)」 最初の人生のアニメーション作品で聞いた名がちらほらと聞こえるが後半のドイツやアメリカ系と思しき名はなんぞや? 加え因果持ち込むとか一体…? 739:635:2023/01/11(水) 06 31 07 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp 「あ、もう時間的に儀式終わってますね。」 「その後直ぐにオンラインでエストシナと繋いでCIS首脳やBC首脳交えて首脳会談だったか?両国がFFRの演習や緊急観閲式に抗議していたし。」 「ええ、当初のリシュリュー出現騒動で展開していた緊急展開部隊や在エストシナ軍。 だけじゃなくくGIGN(国家憲兵隊治安介入部隊)や陸と外人部隊の落下傘連隊に軌道空挺連隊、 とかいう特殊部隊欲張りセットに加え各軍の重装備部隊…。 挙げ句、最精鋭のリシュリューの懐剣(BBFM)までも装備含めて観閲式のためだけにエストシナに輸送機総動員して緊急展開させたでしょう? なので当初はリシュリューを出汁にした宣戦布告、開戦と同時に奇襲の為の準備。 リシュリューの存在が明るみに出た今は総力戦を行う為の演習だという疑惑が各国から大きいのですよ。 そこらの落し所探ってる筈ですよ。」 実際にマフタン大統領の真意やFFRの感情面での暴走の事実知ってる我が国や蘭帝以外から見ればそうなるだろう。 あの全軍全力展開がただリシュリューに捨てられそうになったと思ったから、 おかわり展開が観閲式に全力出すためとかリシュリュー信仰知っててもそうは思わんだろ、普通。 ただ、総力戦の演習となったのも事実だろう。 「しかしどうなることやら…。」 「他の国ともかくFFRの暴走やFFRによる開戦はあり得ないのは救いですね。リシュリューという重しがいますし。」 「ホンーっとあのリシュリューが理性的で良かった…世界は違えど我らが指揮官様々といった所か…。」 その時ドアが大きな音と共に開かれた。 「閣下!一大事です!!」 何事かと全員が目を向け、戦場経験者は腰を浮かせ懐の銃に手を居れていたが転生者な東條の従卒の姿を認めるとなんだと全員が腰を下ろす。 何ともまあ焦った様子で走ってきたのか肩で息をしていたが息を整え東條の下へと行くと紙切れを差し出す。 東條はコップを手に取りコーヒーを飲みながら差し出された紙切れに目を通す。いやアレはメモか? 「何事だ。焦ってッ!?ブフォッ!?ゴッホ!!ゴホ!?」 コーヒーを吹き出し咽る東條、その吹き出されたコーヒーは辻の顔面を直撃する。 その光景を見て東條よくやった!、辻ざまあwwという表情の者多数、普段の辻の誠実さ(必要コスト以外コストカッター)の現れだろう。 辻は無表情で顔に付いたコーヒーを拭う。 「ゴッホ!ゴッホ!…ハァ。」 「東條さん、落ち着きましたか…。」 「あ、すまない(汗)。」 無表情の辻に気圧される東條であった。 「で、君…コレほんとかね(汗)?」 「本気と書いてマジです、閣下。 OCU、FFR、CIS、BCの首脳会談でマフタン大統領の発言中に乱入したFFRの戦艦リシュリューが提案、全会一致で採択されました。」 「いや、まあコレなら各国共納得するが…本気か…(汗)?」 「保管中、使用期限間近の兵器在庫一掃、FFRと同様の経験出来る上、 ティ連が違反国潰すと安全保障確約したのが効いてるみたいです。」 「ティ連が?」 「他の発達過程文明見る機会と乗り気です。消費したものは造成して補填するとも言ってるくらいです。」 「こりゃ大事だぞ!すぐ行かなくては!ああ、みんなこのメモ回し読みして直ぐに行動始めてくれ!!」 740:635:2023/01/11(水) 06 31 57 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp そのまま東條は足早に会議室を出て行くと隣に座っていた辻がメモ読んでムンク画伯の叫びの様な顔するとorzという体勢になった。 他の者も何だ何だとメモに目を通すと顔色を変えて足早に会議室を出ていく。 「やっべ!空軍にスクランブルの訓練ねじ込まにゃならん!!」 「装備の点検もう一度せねば!!」 「おい、備蓄食料や避難経路の計画は大丈夫だったか!?」 orzでザマァな辻を無視して行くとは余程のことだろう。 「物資兎も角、人を動かすにも予算がいるんですよ…予算が…いえコレもいつかは行わなくてはと思ってたので必要経費というの分かりますが…。」 項垂れる辻を横目にメモに目を通す。 【首脳会議、OCU、CIS、BCによるFFRが行ったのと同規模の総力戦演習の個別実行を採択】 「は…?」 我が目を疑ったが真実である。 我が国のティ連加盟式典後に各国とも己の力を誇示する総力戦(演習)の季節を迎えることとなる。 これが後の世に言う総力戦オリンピックの始まりであり、後にヂラールとの戦いで役に立つとはこの時は思わなかった。 なお、事の真相。 艦娘リシュリュー「総力戦演習って…これホントに提案するの(汗)?」 艦霊リシュリュー『これなら皆納得するわ!!』 艦娘リシュリュー「戦争にならないのかしら(汗)?」 艦霊リシュリュー『大丈夫!各国ともその辺は弁えているわ!!』 艦娘リシュリュー「…何ともまあ…羨ましいホドの相互理解ね…。」 741:635:2023/01/11(水) 06 34 10 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp 以上になります。転載はご自由にどうぞ。 各国でOCUの最後の大隊なる秘密部隊の隊長さんがウキウキした様子で高笑いしているとか噂される模様。
https://w.atwiki.jp/henghengcoco/pages/19.html
職場のほうれんそう ・れん:連絡 事前連絡 ・ほう:報告 事後報告 ・そう:相談 物事決定の相談 ◆仕事の経過や結果を報告し、新しい事柄などは連絡し、大事な物事の決定や処理は相談して行うということです。 自己紹介のコツ ・配属部署、氏名はハッキリと。 ・ふだんより、ゆっくり大きな声で。うつむいたり、キョロキョロしたりするのは禁物。 ・これまでの経歴を簡略に述べる。苦労話やグチは禁物。 ◆仕事にかける夢や意気込みをイキイキと語り、最後に指導や協力をあおぐことばでしめくくる。ことばづかいは丁寧に。 上司から指示を受ける時 ・指示は最後までさえぎらずに聞き、質問はあとで。 ・要点をメモする:指示を受ける時は必ずメモをとる。 5W1H(WHATなにを・WHYなぜ・WHENいつ/いつまでに・WHEREどこで・WHOだれが・HOWどうやって)を確実に把握すること。 ・カラ返事はしない:できそうもない時は、状況を説明して優先順位など判断を仰ぐ。 ・最後に復唱して確認:指示の要点はくりかえして確認を。とくに数字や固有名詞は正確に。 上司に報告する時 ・タイミングよく報告:上司に「あれはどうなった?」と聞かれてからでは遅すぎる。指示事項が完了したらただちに報告を。ただし、いま話してよいかどうか、上司の都合を聞いてから話し出す。 ・必要とあれば中間報告:仕事が長引く場合は中間報告が絶対必要。約束の期限までにできそうにない時も、即刻上司に報告をして、指示を受けること。 ・報告は簡潔に:まず最初に結論を。次に原因、経過の順に述べる。前もって報告事項をまとめる習慣をつけよう。 ◆悪いニュースほど早く伝える 仕事でミスした時は素直に間違いを認め、早めに上司に報告をして指示をあおぐこと。仕事が遅れそうな時も同様。期限直前になって「できません」と報告するのでは、相手は対処のしようがない。 ことばづかいの基本 ・依頼する時:「おそれいりますが」で始めて「~をお願いできますか」「~をしていただけませんか」。 ・同意する時:「はい、かしこまりました」「承知いたしました」。 ・ことわる時:「いたしかねます」「わかりかねます」と婉曲に。「できません」「わかりません」ではあまりに不愛想になる。 ・謝罪する時:「申しわけございません」が最適。「ごめんなさい」「すいません」。 ・礼を述べる時:「ありがとうございます」「おそれいります」。 ことわり方・謝り方・頼み方のマナー ことわり方のマナー ◆人と人、会社と会社とのつきあいのなかで、ことわることほど難しいものはない。ムッとさせるか、納得させるかはことわり方次第。 ・まずよく相手の申し出を聞くのが第一。ことわりのことばは誠意をこめて「申しわけありませんが」と頭を下げて言えばやわらか。 ・「私どもの力不足で」「社の方針ですので」など、ことわる時にも相手の責任ではないというニュアンスが必要。 謝り方のマナー ◆たとえ自分のミスではなくても言いわけ無用。会社を代表して謝る気持ちがポイント。 ・「失礼があったそうで」の「~そうで」は、どこかで責任逃れしようとしている証拠。自己弁護は会社全体の評価を下げることに。 ・姿勢を正し、恐縮した態度で。 「申しわけございません」とはっきりと頭を下げること。 頼み方のマナー ◆頼みごとをするときは「恐れいりますが」「恐縮ですが」で始めて、あくまでも謙虚に。 ・教えを請う時:「ご都合のいい時、10分ほどお時間いただけませんか」と、まず相手の都合を第一に。 ・協力を頼む時:時と場合によっては上司からの援護射撃も必要。書類で、電話で、会ってと事の重要性を考えて手段を選ぶ。押しつけがましい、身勝手ととられないよう、相手の意見も充分聞く態度でのぞみたい。 電話のマナー 電話をかけるとき ・ダイヤルする前に、相手の会社名や名前、用件をチェック。用件はあらかじめ整理して、メモにまとめておくとよい。 ・いきなり用件に入らない、「~の件でお電話いたしました」とまず前おきを。用件が多い時は「いまよろしいでしょうか」と相手の都合を確認するくらいの配慮がほしい。 ・電話を切る時、ひと呼吸置いて静かに受話器を置く。ガチャンと切るのは感じが悪い、気をつけよう。 電話を受けるとき ・電話のベルは2回までベルが鳴ったらできるだけ早く受話器を取ること。ベルが3回以上鳴ってから取った時には「お待たせしました」のひと言をそえる。 ・「もしもし」は不要、第一声は「はい」と答えてから、会社名、氏名を名乗る。外線ならば「○○会社の○○部でございます」、内線ならば「○○部の○○でございます」。 ・相手を必ず確認する、相手が名乗らない場合には、「失礼ですが、どちら様でしょうか」と、相手の名前や会社名を確認する。 ・挨拶も忘れずに、相手が社外の人の場合は、たとえ自分と直接関係のない相手でも「いつもお世話になっております」とひと言挨拶を。 ・メモは正確に、相手の会社名、名前、日時は正確にメモ。用件は復唱して確認、特に数字は間違えないように。不明瞭な点や聞き取りにくい場合には、「失礼ですが」と聞きかえして、確実に用件を把握する。 来客案内・誘導のマナー ・廊下 来客の斜め少し前を歩いて誘導。来客に廊下の中央を歩いてもらう。歩く速度も来客に合わせる配慮を。 ・階段 上りは自分が来客の後ろにつき、下りは先に立って降りる。来客を見下ろす位置にならないよう心掛ける。 ・エレベーター 「上位者先乗り、先降り」が原則。ただし「開」ボタンを押す必要がある場合は先導者が先に乗って来客を迎え、来客のあとから降りる。 ・応接室 案内する時は、押し開きのドアの場合は誘導者が先に入室。からだの向きを変えて「どうぞ」と中に招き入れる。手前開きの場合は、先に来客を通してから入る。 名刺交換のマナー 名刺を出す時のポイント ・相手が来たら、まず立ち上がって挨拶。訪問先では相手より先に名刺を出すようにする。その場になってあわてないように、訪問の際にはあらかじめ名刺入れを用意しサッと出せるようにしておく。 ・ぞんざいに机の上に突き出したりしては失礼。「○○会社の○○と申します」と挨拶しながら、先方が読めるような向きにして差し出す。 名刺を受け取る時のポイント ・名刺は来客の存在そのもの。扱いはくれぐれも慎重に。出された名刺は両手で受け取る。この時も文字に指をかけないように配慮をすること。 ・名刺はしばらくテーブルの上におき、覚えてから名刺入れにしまう。相手が複数の場合は、並んでいる順にテーブルの上に名刺を並べておいてもよい。 紹介の基本 ◆初対面の二者を引き合わせる時には原則的に守る順序がある。 ・年少者や地位の低い人を先に紹介し、年長者や地位の高い人をそのあとに紹介する。 ・身内の人を先に紹介する。 訪問予約のルール ・ポイントを取る:電話または手紙で事前に訪問の了解をとる。いきなり訪問するのは、相手にとって迷惑にもなりかねない。やむをえず突然訪問する時も、5分前でもよいので1本電話を入れよう。 ・訪問日時は相手に合わせる:「この日に伺います」とこちらの都合を押しつけるのではなく、あくまで日時は先方の都合に合わせること。 ・時間帯を考慮する:昼食時や深夜、早朝の訪問は非常識。用向きが勤務時間内に終るように、退社時刻直前も避けたい。 ・時間厳守はマナー以前の問題。5分前必着が原則。はじめての場所に行く時はゆとりをもって出発すること。 ・万一遅れそうな場合は、必ず事前に連絡を入れる。 他社訪問先ルール ・受付に到着した時から訪問ははじまる。社名・氏名を名乗り、約束の有無・相手の部署や名前を正確に礼儀正しく伝える。 ・応接室に案内されたら、まず下座に。すすめられてから上座に移る。多少待たされても、室内をウロウロ歩きまわったりせず、静かに待機すること。 ・たずねた相手が来たら、立ち上がって挨拶。貴重な時間をさいてくれたお礼を述べる。初対面の場合はここで名刺交換。同行者がいる時は紹介となる。 ・「本日は○○の件でまいりました」と用向きを伝えてから本題へ。話は要領よく簡潔に。ダラダラした前おきやあいまいな表現は誤解のもとになるので気をつけよう。
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/202.html
そして一夜が明け、2人はオルブライトの用意した船で出航した。 その船は最新式の大型蒸気式貨物船だった。 「コイツはうちの商会でも最高の船だ。最新鋭蒸気エンジンを搭載して今世界でもトップレベルの巡航速度が出せる」 オルブライトが胸を張って言う。 「確かに言うだけあって見事な船だと思うわ。・・・けど、この船でその巨大生物とやり合えるワケ?」 サムトーが問うと、オルブライトが肩をすくめて見せる。 「実際確認してみん事には何とも言えんが、聞いてる通り本当にこの先に待ち構えてるのが蟹竜だとしたらこの船じゃどうにもできんな。この船はそのまま軍用に使えるほどの装甲と火力を持ってるが、それでも蟹竜が相手じゃ甲羅の表面にちゃちな擦り傷付けるのが精一杯ってとこだろうさ。反対に向こうは特に攻撃してこなくたって動くだけで高波が起きてこっちは巻き込まれて船は沈み、俺たちは海の藻屑となって一巻の終わりって事になる」 さらりと絶望的な事を言うオルブライト。 「・・・え・・・。それじゃどうするんですか?」 不安げな表情を浮かべるセシルにオルブライトは白い歯を見せて笑った。 「決まってるだろう・・・避けていくんだよ」 結局、船は前方に待ち構えている巨大生物を探知機で見つけると同時に大きくそれを迂回する航路を取った。 「まあ時間のロスにゃなるがね。それでも勝ち目のない怪物の待つ死の交差点を通るよりはずっとマシだろう」 オルブライトの言葉にセシルは肯いた。 「前方に雨雲も無いようだ。ここからは快適な船旅を楽しんでくれ。2日ほどでセントコーラル諸島へ着く。そこで補給を行ったら後はアンカーの町までノンストップだ」 そう言うとオルブライトは急にぐらりとよろめいた。 「・・・!・・・オルブライトさん!!」 甲板に倒れそうになるオルブライトを慌ててセシルが支えた。 「どうしたんですか!?」 オルブライトはハァハァと荒い息を吐きつつ、真っ青な顔でセシルを見た。 「・・・船酔いだ・・・。自慢じゃないが俺は船に弱いんだ。・・・そして泳げない!!」 「ええええええええええだって船乗りだったんでしょ!!!!?」 思わずセシルが絶叫する。 「・・・難儀なオッサンねぇ・・・」 そんな2人をやや離れた場所で眺めていたサムトーがそう言って嘆息した。 オルブライトが口にした通り、それから2日後に船はセントコーラル諸島が一望できる海域へと到着した。 「補給は半日程だが・・・この辺は暗礁が多くて夜に船出するのは危険だ。翌朝を待って出航する。今日一日は観光を楽しんでく・・・・おえっ!! おええええええええ!!!!!!」 船の縁からゲーゲーと吐いているオルブライトの背を必死にクルーがさすっている。 しかしセシルはそっちを見ていなかった。 船の縁に手をかけて身を乗り出すようにしてセントコーラルの島々を見ている。 「・・・凄い・・・」 その口から呟きが漏れた。 「驚いた? セントコーラルはその名の通り、珊瑚礁の島なのよ」 その隣でサムトーが説明する。 目の前に広がる海には、転々とピンク色の島々が連なっている。 当然島には草木は無く、木造の建物が並んでいた。 「後は魚人たちの楽園としても有名ねぇ」 「魚人? 魚人ってあのサハギン種族の事?」 サムトーが肯く。 「そうよ。でも一口にサハギンと言っても海には実に多種の魚人がいるのよ? ま、それはこれから自分で目にして確かめてみるといいわ」 やがて船が静かにセントコーラルの一島の桟橋へ着く。 セシルは真っ先に船を下りた。 すると早速そのセシルに声をかけてきたものがいる。 「やあ人間のお嬢さん。ようこそセントコーラルへ」 それは魚人であった。随分身体に赤みを帯びた魚人だ。 「私はシオダと申します。仲間内では『ゴールデンアイズ』なんて呼ばれてもいますが」 (・・・金目鯛の魚人さんだわ・・・) ほっほっほと笑い声を出しているシオダを見てセシルが思う。 「お嬢さんはこの地は初めてですね? それでは長老の所へご案内しましょう」 「長老さま・・・ですか?」 するとそこへややフラつく足取りでオルブライトが下りて来た。 「ここへ初めて来た奴は全員長老に面通しする仕来りなんだ」 そう言うとオルブライトはシオダに片手を上げて挨拶した。 2人は顔なじみらしい。 「俺もここはしばらくぶりだし、挨拶しとく事にしよう」 そう言うオルブライトとサムトーを伴ってセシルは長老に挨拶に行く事になった。 シオダが一行を案内したのは、浜辺に面した比較的大きな小屋の中だった。 (・・・ご不在?) セシルが小屋の中を見回すが、人影は無い。 上座には大きなサザエの様な貝が置いてある。 「よう、爺さんしばらくぶりだ。ちょっと厄介になるぜ」 無人の部屋へオルブライトが挨拶する。 すると・・・。 「・・・なんじゃ、懐かしい声がするのう」 貝の中からしわがれた老人の声がしたかと思うと、何かがヌッと貝から顔を出した。 驚いたセシルがキャッと悲鳴を上げる。 「おおっと・・・こりゃ失礼したのう。お嬢ちゃんは『貝人』を見るのは初めてのようじゃな」 半人半貝の老人はそう言ってふぉっふぉと笑った。 「ワシゃマルーダと言う。この辺りの取り纏め役みたいなジジイじゃよ」 そう言ってマルーダ長老はキセルを取り出してスパーッと吹かした。 セシルも丁寧に長老に名乗って頭を下げる。 「そうかしこまらんでもええ。一応この地域の代表として訪れる者の顔と名前くらいは知っておこうとその程度の話じゃて」 「この辺りは相変わらず平和そのものだな」 窓から外を見てオルブライトが言う。 窓から見える浜辺には漁をする魚人や観光客らしい海水浴客が見える。 「ところがそうでもないんじゃよ」 長老がフーッとため息に紫煙を混ぜて吐き出した。 「・・・財団が来とるよ」 「!!!」 長老の言葉にセシルが弾かれた様に顔を上げた。 「・・・何だぁ? 何で財団が? 一大リゾート施設でも作ろうってのか」 訝しげな表情を浮かべるオルブライト。 「・・・さてのぅ。そんな生易しい話なのかどうか・・・。来ておるのはシュヴァイツァーじゃよ」 全員が絶句する。 3人ともその名前には聞き覚えがあった。 財団のリヒャルト・シュヴァイツァーと言えば知らない者は少ないだろう。 「財団の『軍事部門』の統括者ね」 サムトーが静かに言った。 世界中に広がる巨大組織ロードリアス財団。 その傘下の全企業は『総務部門』『軍事部門』『金融部門』『情報部門』『研究開発部門』の総責任者5人によって統括されている。 『ハイドラ』と特務部隊が財団の裏の顔とするなら彼ら5人は財団の表の顔である。 一行の上に思い沈黙が舞い降りたその時、いきなりその空気をブチ壊しにするのんびりした女性の声がした。 「おはようございます・・・あふ・・・今何時でしょうか。私ちょっと寝すぎてしまったみたいで・・・」 セシルが顔を上げると、そこにはエルフの女性が立っていた。 切れ長の瞳の美人だ。胸にはピンクのリボンを首に巻いた子豚を抱いている。 「あら、お客様でしたか。これは失礼しました。私はパルテリース・ローズマリーと言います。そしてこの子は愛馬のアントワネットちゃん」 そう言ってパルテリースは子豚を皆の前に差し出した。 子豚はつぶらな瞳で一行の顔を眺めると 「ぷぎー」 と一声鳴いたのだった。 その珊瑚の島々より遥か南西のシードラゴン島。 アンカーの町にも財団の5人の統括者の内の1人が今滞在している。 アンカーグランドホテル最上階、ロイヤルスイートルーム。 弱冠17歳にして財団系大銀行7つの頭取に名を連ねる財団金融部門の総責任者エトワール・D・ロードリアスである。 そのエトワールの机の上の電話がけたたましく鳴り響く。 「あー、ハイハイもしもし、こちら無慈悲な金利と容赦無い取立てで皆様の生活を奈落の底へと一直線、いつもニコニコエトワールローンです」 エトワールが電話に出る。 「は!? 何!? 拙者拙者って何だ拙者拙者サギかオイ!!! そーゆーのは間に合ってますよゴルァ!!!」 受話器に向かって叫ぶエトワール。 「・・・ああ、何だお前かよ。 何? もう殺ったん? ・・・っていつまでたっても連中が来ない? 知らねーよそんなの。 ・・・え? ぶっ!!!!! お前クラブドラゴンで街の近くで待ち構えてんのかよ!!? アホかそんなもんノコノコ近付いてくる奴なんかいるはずねーだろ!! は!? 武士は正々堂々!? ・・・やかましいわお前共和国産まれの共和国育ちの生粋のファーレンクーンツ人だろうが!!! この元銃士が!!!!」 ガチャン!!!と乱暴に受話器をフックに叩きつけるエトワール。 そして何事かと見ているアイザックと大龍峰の2人に 「・・・リチャードのバカが、やり過ごされやがった」 と顔をしかめて言ったのだった。 第20話 2← →第20話 4
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/4731.html
白 青 黒 赤 緑 アーティファクト 土地 白 修道院のガーゴイル/Abbey Gargoyles 純白の秘薬/Alabaster Potion 動く壁/Animate Wall アレンスンのオーラ/Arenson s Aura 信仰の鎧/Armor of Faith アイゼンの官吏/Aysen Bureaucrats ベナリアの勇士/Benalish Hero 聖別された葡萄酒/Blessed Wine またたくスピリット/Blinking Spirit 洗脳/Brainwash 城壁/Castle ダブナントの射手/D Avenant Archer 死者の代弁者/Death Speakers 神への捧げ物/Divine Offering 神性変異/Divine Transformation 塵は塵に/Dust to Dust 応急手当/Heal ヒッパリオン/Hipparion アイケイシアの密集軍/Icatian Phalanx アイケイシアの斥候/Icatian Scout アイケイシアの都市/Icatian Town 象牙の守護者/Ivory Guardians 宿命/Kismet キイェルドーの近衛隊/Kjeldoran Royal Guard キイェルドーの飛空隊長/Kjeldoran Skycaptain メサ・ファルコン/Mesa Falcon メサ・ペガサス/Mesa Pegasus 聖なる灯火の騎士団/Order of the Sacred Torch 白き盾の騎士団/Order of the White Shield 真珠色の一角獣/Pearled Unicorn 長槍兵/Pikemen 悔悟せる鍛冶屋/Repentant Blacksmith 高潔のあかし/Righteousness 聖なる加護/Sacred Boon サマイトの癒し手/Samite Healer セラの聖騎士/Serra Paladin 盾持ち/Shield Bearer 盾の壁/Shield Wall 魂の絆/Spirit Link 休戦/Truce ツンドラ狼/Tundra Wolves 剣の壁/Wall of Swords 白騎士/White Knight 青 上天の嵐/AEther Storm 大気の精霊/Air Elemental 蒼穹のドレイク/Azure Drake 捕縛/Binding Grasp ブーメラン/Boomerang 渦まく知識/Brainstorm ダンダーン/Dandân 暗黒の迷路/Dark Maze 偏向/Deflection 魔力流出/Energy Flux 脱力/Enervate 洪水/Flood 魔力の乱れ/Force Spike ガス化/Gaseous Form 氷河の壁/Glacial Wall ハーキルの召還術/Hurkyl s Recall 水流破/Hydroblast 迷宮のミノタウルス/Labyrinth Minotaur 生命のタップ/Lifetap アトランティスの王/Lord of Atlantis 記憶の欠落/Memory Lapse 真珠三叉矛の人魚/Merfolk of the Pearl Trident 幻影の軍団/Phantasmal Forces 幻影獣/Phantom Monster 放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer 浅瀬の海賊/Reef Pirates 霊魂放逐/Remove Soul 大海蛇/Sea Serpent 海の精/Sea Spirit シー・スプライト/Sea Sprite セゴビアの大怪魚/Segovian Leviathan 風鳴りの精/Sibilant Spirit 魂の障壁/Soul Barrier 上昇気流/Updraft ヴォーデイリアの兵士/Vodalian Soldiers 大気の壁/Wall of Air 風の精/Wind Spirit 西風の隼/Zephyr Falcon 黒 深淵の死霊/Abyssal Specter 灰は灰に/Ashes to Ashes 黒騎士/Black Knight 沼インプ/Bog Imp 沼ネズミ/Bog Rats 沼の悪霊/Bog Wraith 増殖槽/Breeding Pit 屍肉蟻/Carrion Ants 死の掌握/Deathgrip デレロー/Derelor 蠢く骸骨/Drudge Skeletons オームズ=バイ=ゴアの邪眼/Evil Eye of Orms-by-Gore 堕天使/Fallen Angel 凍てつく影/Frozen Shade 葬列/Funeral March 大いなる人狼/Greater Werewolf 漆黒の手の信徒/Initiates of the Ebon Hand キイェルドーの死者/Kjeldoran Dead ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald クロヴの呪物/Krovikan Fetish レシュラックの秘儀/Leshrac s Rite 迷える魂/Lost Soul 精神のほころび/Mind Ravel 精神歪曲/Mind Warp 闇に住まいし者/Murk Dwellers ネクライト/Necrite 夢魔/Nightmare 地獄の蠍/Pit Scorpion 疫病ネズミ/Plague Rats 人さらい/Rag Man スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies センギアの従臣/Sengir Autocrat 魔術師の女王/Sorceress Queen ストロームガルドの陰謀団/Stromgald Cabal 卑劣なる者/The Wretched 従者スラル/Thrull Retainer 拷問/Torture 死の接触/Touch of Death 吸血コウモリ/Vampire Bats 骨の壁/Wall of Bone ゾンビ使い/Zombie Master 赤 待ち伏せ部隊/Ambush Party エイトグ/Atog 鳥の乙女/Bird Maiden 真鍮爪のオーク/Brassclaw Orcs 火の兄弟/Brothers of Fire 征服/Conquer 真紅のマンティコア/Crimson Manticore ドワーフのカタパルト/Dwarven Catapult ドワーフ兵士/Dwarven Soldier 単独行/Errantry 永遠の戦士/Eternal Warrior 炎のドレイク/Fire Drake 炎のブレス/Firebreathing 火炎の精/Flame Spirit 火炎/Flare 巨人の力/Giant Strength ゴブリン穴掘り部隊/Goblin Digging Team ゴブリンの勇士/Goblin Hero ゴブリンの王/Goblin King ゴブリン・ウォー・ドラム/Goblin War Drums ゴブリンの巣穴/Goblin Warrens 丘巨人/Hill Giant ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur 威圧の容貌/Imposing Visage 火葬/Incinerate 鉄爪のオーク/Ironclaw Orcs ジョークルホープス/Jokulhaups ケルドの大将軍/Keldon Warlord モンスのゴブリン略奪隊/Mons s Goblin Raiders シロイワヤギ/Mountain Goat オーク弩弓隊/Orcish Artillery オークの隊長/Orcish Captain オークの農夫/Orcish Farmer オーグ/Orgg 紅蓮破/Pyroblast 発火/Pyrotechnics 剣歯虎/Sabretooth Tiger 粉砕の嵐/Shatterstorm シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon 石の精/Stone Spirit 粗暴/The Brute 炎の壁/Wall of Fire 石の壁/Wall of Stone 変化の風/Winds of Change 倒壊の言葉/Word of Blasting 緑 アン=ハヴァの治安官/An-Havva Constable オーロクス/Aurochs 甲殻/Carapace 猫族の戦士/Cat Warriors チャブ・トード/Chub Toad 大喰らいの巨人/Craw Giant 大喰らいのワーム/Craw Wurm 崩壊/Crumble ダークウッドの猪/Durkwood Boars 上座ドルイド/Elder Druid エルフの騎手/Elven Riders エルフの射手/Elvish Archers 大地の怒り/Force of Nature 狐火/Foxfire キノコザウルス/Fungusaur フィンドホーンの古老/Fyndhorn Elder ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre 大蜘蛛/Giant Spider 灰色熊/Grizzly Bears 血に飢えた霧/Hungry Mist ハリケーン/Hurricane 鉄の根の樹人族/Ironroot Treefolk ジョータル・ワーム/Johtull Wurm 殺人蜂/Killer Bees 草原のドルイド僧/Ley Druid ルアゴイフ/Lhurgoyf 生の躍動/Lifeforce ラノワールのエルフ/Llanowar Elves 寄せ餌/Lure マーシュ・バイパー/Marsh Viper 自然の知識/Nature s Lore プラデッシュの漂泊民/Pradesh Gypsies 原初の秩序/Primal Order ラジャンの精/Radjan Spirit 甲鱗のワーム/Scaled Wurm ゴミあさり/Scavenger Folk スクリブ・スプライト/Scryb Sprites シャノーディンのドライアド/Shanodin Dryads 縮小/Shrink スタンピード/Stampede ターパン/Tarpan 茂みのバジリスク/Thicket Basilisk 毒牙/Venom 新緑の女魔術師/Verduran Enchantress 茨の壁/Wall of Brambles 放浪熱/Wanderlust ウォー・マンモス/War Mammoth 北風/Winter Blast クズリの群れ/Wolverine Pack ワイルーリーの狼/Wyluli Wolf アーティファクト アラジンの指輪/Aladdin s Ring クルーグの護符/Amulet of Kroog ミシュラのアンク/Ankh of Mishra アシュノッドの供犠台/Ashnod s Altar アシュノッドの人体改造器/Ashnod s Transmogrant バールの檻/Barl s Cage 破城槌/Battering Ram 粘土像/Clay Statue サルディアの巨像/Colossus of Sardia 踊る円月刀/Dancing Scimitar 悪魔の機械/Diabolic Machine ドラゴン・エンジン/Dragon Engine フェルドンの杖/Feldon s Cane 友なる石/Fellwar Stone 若返りの泉/Fountain of Youth ぶどう弾カタパルト/Grapeshot Catapult チャザックの兜/Helm of Chatzuk ジェイラム秘本/Jalum Tome ジャンドールの鞍袋/Jandor s Saddlebags 道化の帽子/Jester s Cap ジョーヴンの泥棒道具/Joven s Tools 弱者の石/Meekstone 石臼/Millstone 再帰のオベリスク/Obelisk of Undoing 羽ばたき飛行機械/Ornithopter 星霜のペンタグラム/Pentagram of the Ages 髑髏カタパルト/Skull Catapult タウノスの武具/Tawnos s Weaponry 蜂の巣/The Hive ウルザの報復者/Urza s Avenger 槍の壁/Wall of Spears 冬の宝珠/Winter Orb 土地 ウルザの鉱山/Urza s Mine ウルザの魔力炉/Urza s Power Plant ウルザの塔/Urza s Tower