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東方Projectシリーズ・幻想郷住人(2) 535 名前:水先案名無い人 :2008/08/25(月) 20 55 30 ID DonMkA+g0 神主「幻想郷の少女達を見たいかーーーーッ」 観客「もうこれで何度目だーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 神主「だったらこういうのはどうですか?ウフフフフ…」 少女入場中… 新参殺しは生きていた!! 更なる狂気を積むも緋想天で弱体化した!!! 座薬!! うどんげだァ――――!!! 総合ぶっ放しスペルはすでに我々が完成している!! オンバシラ拳法ガンキャノンだァ――――!!! 顔を出ししだい叩かれまくってやる!! プリズムリバー代表 ξ・∀・)めるぽだァッ!!! スペカの撃ち合いなら我々の歴史がものを言う!! 黒白の魔法使い 兼盗っ人 レザマリ!!! 真の春の訪れを知らしめたい!! 妖々夢4面中ボス 春ですよ~だァ!!! 本編では3ボス止まりだがニコニコ動画なら全階級私のもの!! 友達募集中 ごっすんだ!!! 黒白対策は完璧だ!! 引きこもり魔女 むらさきもやし!!!! 全東方キャラのベスト・カリスマは私の中にある!! 永遠に紅い幼き月が来たッ おぜうさま!!! TVゲームなら絶対に敗けん!! ニートのケンカ見せたる ぐーたら隊長 蓬莱ニートだ!!! /射命丸\(ガヤ)ならこいつが怖い!! 幻想郷のピュア・ブン屋 あややややだ!!! 永夜抄EXから炎の鳥が上陸だ!! 富士山ヴォルケイノ もこたん!!! ルールの無い豊胸がしたいからパッド(付け胸)を身につけたのだ!! メイドのケンカを見せてやる!!PAD長!!! めい土の土産に仕事放棄とはよく言ったもの!! 閻魔の説教が今 三途の川でバクハツする!! 赤髪の死神 サボリ魔だ―――!!! 幻想郷ヘヴィ級スメルこそが地上最強の代名詞だ!! まさかこのオバサンがきてくれるとはッッ 加齢臭!!! バカじゃないからEXまできたッ 元祖バカとの関係一切不明!!!! 守矢のピョコット(カエル)ファイター ケロちゃんだ!!! 私たちはこれでも男の子ではないれっきとした女の子なのだ!! 御存知こんな可愛い子が… G!!! 剣術の本場は今や白玉楼にある!! 私に斬れぬものはないのか!! みょんだ!!! 太ましィィィィィいッ説明不要!! 冬の妖怪!!! WAWAWA忘れ物!!! 黒幕だ!!! 弾幕はニコニコで使えてナンボのモン!!! 超出血多量!!(主が) マヨヒガからちぇぇぇぇぇぇぇぇんの登場だ!!! お賽銭は私のもの 入れないやつは思いきりボコり思いきり夢想封印!! ボンビラス統一王者 腋巫女 幽霊に食われに幻想郷へきたッ!! 2ボス全屋台持ちチャンプ みすちー!!! 闇スペカに更なる磨きをかけ ”紅魔郷1ボス”そーなのかーが帰ってきたァ!!! 今の自分に胸はないッッ!! シュート・貧乳つるぺた西瓜!!! 中国四千年のスペカが今ベールを脱ぐ!! そのまんま 中国だ!!! 永夜抄3面でなら私はいつでも先生キャラだ!! 燃えるワーハクタク きもけーね EXバージョンで登場だ!!! 医者の仕事はどーしたッ 不死の炎 未だ消えずッ!! 治すも壊すも思いのまま!! _, ,_ ∩ ( ゜∀゜)彡 えーりん!えーりん! ⊂彡 特に理由はないッ 呼び方からして恥ずかしいのは当たりまえ!! ちぇぇぇぇぇぇぇぇんにはないしょだ!!! 妖々夢EX開山! スッパテンコーがきてくれた―――!!! EXステージで磨いた実戦破壊術!! 紅魔郷のデンジャラス・ヴァンパイア 妹様だ!!! 旧作だったらこの人を外せない!! 超A級フラワーマスター ゆうかりんだ!!! 超一流閻魔の超一流の説教だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 花映塚の大ボス!! 山田!!! 大食いキャラはこの女が完成させた!! SE○Aの切り札!! @だ!!! 若きバカが帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 自称最強ッッ 俺達は君を待っていたッッッ⑨の登場だ――――――――ッ 加えて負傷者発生に備えゲーム外から超豪華なリザーバーを3名御用意致しました! ふんどし一丁 こーりん!! 伝統派ジャケ絵 あっきゅん!! CDの苦労人!うさ耳連呼! ……ッッ どーやら今回は枠の関係で有名キャラ数名がハブられている様ですが、 その方々はこれと言った呼び名が無かったということでッ勘弁してくださいッッ 関連レス 540 名前:水先案名無い人 :2008/08/25(月) 21 09 42 ID it5WWQ5H0 これ東方なんとか? 説明もしないでなんべん既出ネタやりゃ気がすむんだ? 541 名前:水先案名無い人 :2008/08/25(月) 21 11 13 ID NiwOzz580 既出なのは結構だけど何で略称 542 名前:水先案名無い人 :2008/08/25(月) 21 14 41 ID zyu/Fl6Y0 本名でなくてユーザー主体のニックネームならば初出場ってことだろ 544 名前:水先案名無い人 :2008/08/25(月) 22 24 54 ID cOROTQSx0 東方は同人界隈でもガキが多いってウザがられてるジャンルですんで 551 名前:水先案名無い人 :2008/08/26(火) 02 44 50 ID epkkJDazO 544 >東方は同人界隈でもガキが多いってウザがられてるジャンルですんで あー、何か聞いた事あるな。 マナーが非常に悪い奴が多数いるとかいないとか。 552 名前:水先案名無い人 :2008/08/26(火) 11 00 01 ID OPZXs9HJ0 ニコニコ新参のおかげで東方厨全体の評判がもりもり悪くなっていく、 そんなふうに自称古参東方厨が嘆く1年間でした 例大祭がたった1年で大量のガキの遊び場に変貌するという有様 553 名前:水先案名無い人 :2008/08/26(火) 11 18 29 ID iamYilKx0 「厨」の時点で終わってるだろ コメント 名前
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~こなたが遠くで手を振っている。 よく晴れていて、時折雲が日差しを隠す。気持ちいい。 ふと、何か重要な事を忘れている気がした。 気持ちがいい風。目を閉じて、ゆっくりと思い出してみようか。~ 私はバイクに跨りながら、こなたの家にやって来た。 今日は土曜日で時間が空いていた。 かと言って勉強をする気にはなれず、ごろごろと部屋を転がっていたときに、都合よくこなたから遊びに来ないかと誘われたのだ。 明日は私とつかさの22回目の誕生日。喜ぶべきなのか悲しむべきなのか、どうにもむんむんとした気分になっていた。 重低音を轟かせ続ける私の大型バイク。ハヤブサと言う名の、かつて世界最速の称号を欲しいがままにしたレーサータイプのバイクだ。 エンジンを切り、バイクを路肩に寄せて停め、窮屈なヘルメットを脱いだ。 高校を卒業してからもこなたの家には週一度程度で遊びに来ていたため、ここまで来る道順を体が覚えてしまった。 私の妹のつかさは今日、料理教室のため来なかったが、つかさも一緒にここへ来る事は多い。 「よ、こなた」 私が泉家の電話にワン切りすると、こなたがひょっこりと玄関から顔を出した。 「やあやあ、いらっしゃい」 相変わらず身長が伸びないままのこなたを見ると、何故か安心感のようなものを感じるものだ。 私はこなたの部屋に案内され、いつもと変わらない散らかった部屋を見て、また安堵を感じた。 「かがみ、このゲームしない?」 こなたが取り出したのは、いわゆる「ホラーゲーム」だった。こなたは人差し指を立てながら説明する。 「ほら、夏と言ったらホラーじゃん?死者のさ迷う島から、無事に脱出する事は出来るのか!?」 「ほう、面白そうじゃない。ちょっくらやらせてもらうわよ」 ゲームを起動するとおどろおどろしいBGMと共に、ホラー風味な書体で書かれた作品のタイトルがテレビ画面いっぱいに映し出された。 こなたも今日初めてプレイするらしく、新規でセーブデータを作成することになった。 「やっぱり変わらないわね」 「んー?」 画面内ではオープニングムービーがこのゲームのストーリーを演出していた。 私は目線をそこに向けたまま、こなたに言った。 「だって、多少ラノベをかじったくらいの人だったら、ほとんどがこなたの名前を知ってるくらいに有名になったのよ?」 「そだねー」 「お金だって沢山入ってくるんじゃないの?なのにこなたの生活って、昔と今で何にも変わってないじゃない」 「んー。いや、ほら。フィギアが増えたよ?」 「それだけ?」 こなたが小説界に名を現したのが、高校を卒業してすぐの事だった。 なんとなく書いてみた、と言って私とつかさに見せてくれた小説を出版社に持って行ったそうだ。 そのデビュー作がファンタジー小説で、なんともこなたらしい摩訶不思議な内容だったが、人をひきつけ放さない独特の力も宿していたらしい。 アイデア満載の変化球的なストーリー展開。続きが気になってしまう、ハラハラする戦闘シーン。 これらの才能を出版社が認めたらしく、これまたこなたらしい文法間違いや誤字脱字を修正して、全国の本屋にライトノベルとして出版された。 こなたの小説を読んだ人からの口コミや、ネットでの書き込みなどから評判が広がり、あれよあれよと言う間にこなたはラノベ界の頂点に達した。 「確かにあんまり変わってないかもね。昔も今もやりたい事は同じだからじゃない?」 「まあ、そんなもんかね」 ~私は野原に寝そべっている。 こなたがこちらに向かおうとしているが、私とこなたの間には川が流れていて渡れない。 仕方がない。私が向こうに行ってみようか。 しかし、いまいち気合が入らない。どうしたものだろう?まあいいか、特に何かあるわけでもなし。 こなたならマイペースに、私のところへやってくるだろうし。 プレッシャーをストレスとは感じず、褒められても受け流してしまう程、まるで目の前の川のように自由に流れていく体質。 こなたがマイペースだからこそ、周りの環境が変わろうとも、今までどおりでいられるんだろうと思った。 そう言えば、高校の卒業式の日がその逆パターンだったのかも知れない~ 春。まだ寒さを残していて、体育館の中ではストーブが活躍していた。 卒業式を終え、皆が塵々に下校していく中で、私たち四人は集まっていた。 この学校を卒業したからと言って、私たちは会えなくなる訳ではない訳だが、今までのような当たり前の生活が出来なくなるのも事実。 教室で四人弁当囲んで、毎日しょーもない雑談にいそしむ事も、もうないだろう。 そういったなか、こなたが泣いていた。 つかさもみゆきも泣いていないのに、この中で、言っちゃ悪いが一番泣きそうにもないこなただけが泣いていた。 「こなちゃん泣かないで、会おうと思えば明日でも会えるよ」 「んっ、うん……。ぐす……」 「そうですよ泉さん。寂しい事は無いですよ」 「う、うん……」 たまにはこなたも泣く事があるのかと思い、その時は納得していた。 しかし数ヵ月後、こなたとつかさと私でレストランへ行く機会があったため、ここぞとばかりにこなたにその時の事を聞いてみた。 「いや、大したことじゃないって……」 「あの時はまさかあんたが泣くとは思わなかったわ」 「んー、そうだね。高校生活がさ、なんだかんだで楽しかったのかな~?と」 「ほう、あんたにしちゃ、まともな事を考えてたのね」 「お父さんの受け売りなんだけどさ、『人生は夢』って言ってね、つまり夢の中なんだから覚めるまでに楽しんだもの勝ちってわけさ」 「だからこなちゃんは、高校のときに目いっぱい楽しんでたの?」 「そだよ、卒業式に流した涙は、その反動ってことさ」 「はは~ん、だからあんたは楽しようと、平気で宿題を見せてもらおうとしてたわけね」 「か、かがみ様?ちょっと顔が怖いっすヨ?そ、そ、そうだ、ちょっとさ、実は私、小説書いてみたんだけどさ、読んでみない?」 ~こなたが船を用意している。 さすがこなた。どこかの橋を渡ってくるのかと思っていたら、まさか船でこっちへやって来るとは~ ホラーゲームは徐々に盛り上がりを見せていた。 雰囲気は和風と言った感じか。マップの中には椿の生垣があったり、瓦屋根の小屋が並んでいたり。 ついさっきはおまわりさんの幽霊と戦い、なんとか成仏させる事ができた。 どちらかと言うと、謎を解く事に重点が置かれているようで、なかなかヒントを見つける事が出来ない。 そのため主人公はさっきからマップの中をうろちょろ動き回っているばかりだ。 「明日はかがみんの誕生日だよね、しかも七夕で。短冊は今年は飾るの?」 「多分つかさが準備するんじゃないかな?と、言っても、つかさ一人にやらせる訳にはいかないけどね」 「つかさだから、竹を一本切るのに苦労してそうだね。ところで今日はつかさはどうして来なかったの?」 「あの子は料理教室を開いてるのよ。第一土曜と第三土曜はね」 「ああ、そう言えばそうだったね」 つかさは家に近所の人を集めて、アイデア料理を教えていた。 腕前はまだ学生とは言え、やはりプロを目指しているだけありそこら辺の主婦よりも断然料理が上手だった。 アルバイトの代わりとして開き始めた料理教室だが、こなたが小説家になった時と同じように、つかさが料理教室をやると言い出したときは驚いたものだ。 あのつかさが人に物を教えるようになったのだから、その時はつかさが別人になってしまったのではないかと思えたほどだ。 「そうだ、待ってて。今アイス持ってくるから」 「お、サンキュ」 そう言って隣に座っていたこなたが立ち上がった。こなたの長い髪の毛からやさしい香りがした。 誰もいなくなった部屋を見渡すと、棚の上に置かれた写真の中のこなたの母親と目が合った気がした。 こなたもつかさも変わった。いや、本質的には変わっていない。しかし、確実に成長している。 みゆきも、アメリカへ留学していて、今頃私よりずっとレベルの高い勉強をしてるんだろう。 その中で、私だけが取り残されてしまっているようだった。 「ほい、バニラとチョコどっちがいい?」 「あ、ありがと、こなた。ねえ、みんな変わったわよね、なんかさみしいな、なんて」 「……」ニヤリ 「お、おまっ」 「さみしんぼかがみん、萌え~。やっぱりウサギみたいでかわいいの~!」 昔と全く変わらず、今もこなたと同じようにはしゃいでいた。 もう帰らなくてはならない。そんな時間になるのはあっという間の事だった。 日が沈んだばかりでまだ若干明るかったが、やはりつかさの事を考えると少し早めに帰ったほうが良いだろうと思った。 「じゃあ、またねこなた」 「ほい、またねー」 私のハヤブサのアクセルを少しだけ回すと、スムーズに加速していき徐々にこなたの家が遠ざかっていく。 少し暗いが、まだ少しは時間があった。せっかくの休みなのだから、山に走りに行ってみようかと思い、少し遠回りをして帰る事にした。 山の一角に、夜景のきれいなスポットがあった。気晴らしにはちょうどいいと思ったのだ。 前々から風を切って走るこの乗り物は楽しそうだとは思っていた。 しかしバイクの免許を取ろうと決断する事が、一番ハードルが高いものだ。 そこに、こなたの『人生は夢』と言う言葉が頭をよぎったのだ。我慢するより、楽しまなくては。 バイクの免許を取ってしまえば、あとはするすると魅力にはまって行くばかりだった。 そしてとうとう、バイクの一つの到達点とも言える、ハヤブサを購入するに至った。 後ろからスポーツカーが私の後ろにピッタリと付いて走っている。のんびりと走っていた私を、いつ追い抜こうか見計らっているらしい。 車体が小さいためか、バイクは自動車から甘く見られやすいため、こんなことは良くあることだった。 赤信号で止まると、先ほどのうなりを上げるスポーツカーが私の隣に並んだ。信号が青になり、スポーツカーが発進する。 私も強くアクセルを回すと脳味噌がずれそうになるほどの強烈な加速Gと共に、あっという間にミラーに写るスポーツカーを小さな点にしていってしまう。 どんな自動車でも、加速力でこのバイクに勝てるわけが無いのだ。 まったくこんな事にむきになるなんて。その時は自分が何かに置いていかれる事に敏感になっていたのかもしれない。 高校の時にはこなたやつかさに勉強を教えていたし、面倒を見ていたのは私だった。なのにいつからだろう。 みんなかが変わっていく中で、私だけはさなぎになったまま春を過ごそうとしてるのだ。 3秒もしないうちにメーターの針は100kmを超えていた。そのスピードのまま私は山道に突っ込んだ。 見通しが悪く、くねくねと曲がる山道を高速で私とハヤブサが登っていく。 明らかに危険なのは分かっていたが、何かに追われているような気がして、スピードを緩めようとはしなかった。 日はすっかり沈み、あたりは暗くヘッドライトで照らされた部分しか視界はない。 竹がぶんぶんと通り過ぎていく。明日は七夕。短冊にはなにを書こうか。 皆は私と違って、短冊に書くべき事はすでに叶っていると言える。そして更に高みを目指すのだ。 私が願いを書けば、皆に追いつく事が出来るだろうか? 天を望めば、生い茂る木々の隙間から、ベガとアルタイルが時折姿を現す。 流石にここでは天の川は見えないが、織姫と彦星が川を隔てて離れ離れになっているのだ。 ~こなたが船を漕いでやって来る。 織姫と彦星みたいに、橋を渡って来れたら良かったのに。 そうか、七夕は明日だったっけ。まだ橋は架からない。仕方が無いのかもしれない~ もう少し行けば、夜景のきれいな場所に到着する。 あたり一面を見下ろしてみたい。ベガとアルタイルを見てみたい。 そうだ、短冊には「自信が欲しい」と書いてみよう。 22歳にもなって、短冊に願いを書くなんて、やっぱり私たちは根本的には変わっていないのだろう。 きついコーナーを曲がり終わると、直ぐ先で光る点が動いているのが見えた。。 その時はなんなのか分からなかったが、少し近づくとウサギの目が光っていたのだと気が付いた。 ウサギが私のバイクの進行方向で立ち止まる。危ない、このままでは轢いてしまう! 私は何かを叫んだ。こなたが私の事をウサギに似ているといっていた事を一瞬だけ思い出した。 ハヤブサがウサギに襲い掛かる。私はパニック状態のままブレーキをかけた。 しかし強くかけすぎたらしく、バイクはバランスを失い、私を放り出した。 宙に浮いている私は、ウサギが山に隠れていくが分かった。 大きな音を立てて地面を道路を滑っていくバイクと私。 その先には、切り立った崖がある。 人生は夢。いつかは覚めるものだ。 ~船が近づいてくる。 驚いた。 船に乗っているのはずっとこなただと思っていたが、こなたのチャームポイントのアホ毛、泣きボクロ、猫口がない。 こなたの部屋に置かれた写真の中で、いつも微笑んでいたこなたの母親が、今私の目の前にいるのだ。 名前はかなたと言うのだとこなたから聞いているが、確かこなたが幼い時に亡くなっているはずだ。 気持ちのいい風が、私の髪の毛を悪戯に乱し、かなたさんのワンピースをひらひらと揺らし、太陽の光が私とかなたさんを照らしている。 「かがみちゃん、今までこなたと仲良くしてくれて、ありがとう」 「お迎えに、来てくれたんですか?」 「そうです。この川は三途の川といって、この向こう岸があの世ですよ」 「そんな、やっぱり私、死んじゃったんですか?」 「残念だけれど、そうなんです。私が抱いてあげますよ。その体じゃあ立てません」 そう言われて気が付いた。私の下半身がない。きっと事故のせいだろう。こんな体じゃあ、生きていられるはずが無い。 「さあ私に掴まってください」 私はかなたさんに抱かれたまま、三途の川を渡っていく。 かなたさんの髪の香りは、こなたと同じやさしい香りだった。 それから三年後、こなたは一つの小説を書き上げたらしい。 それは、バイクに乗った女の子を主人公にした、日常と非日常を組み合わせた、わくわくするような物語だという。 タイトルは「かぜのゆめがたり」
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あ~あ、そろそろ魔導書に辿り着かないかなぁ。 こんなグダグダ展開、誰も望んでないでしょ。 …………ふぅ、やっと神社に着いたわ。 それじゃあチャッチャと魔導書を…。 「もうおしまいですよ、諏訪子様。信仰も何もかも失って野垂れ死ぬ運命なんです」 「弱気になっちゃダメだよ。早苗は強い子じゃないか。こんな事で終わったりしないよ」 …………何この空気。 「あ、あの~…」 「悪いね。今日の営業は、もう終わってるよ」 何の店だよ。 「そうではなく魔導書を返してほしいのですが」 「魔導書……ねぇ。………何だったかなぁ。ちょっとそれどころじゃなくて、よく思い出せないや」 ここに来て、まさかの手詰まり!? マズいわ。 文を始末してしまったから、他に手掛かりはないし…。 だからと言って協力してくれそうな雰囲気じゃないものねぇ。 どうしよう。 「…………あれ? あんたの持ってるそれ…」 「あ、これですか?」 戦利品、文のカメラよ。 さすがに殺して奪ったとは言えないから、拾ったって事でいいや。 「此処に来る途中で拾ったんです」 「そ、それ! ネガ入ってない!?」 「え?」 入ってるでしょうね。カメラなんだから。 それがどうかしたのかしら。 「頂戴!」 「どうぞ」 「………………よっしゃあ! ビンゴ!」 はい? 「早苗! あったよ! これでもう大丈夫さ!」 あ、消し飛ばした。 「え? それじゃあ…」 「そうだよ! 今のが例のフィルムだよ!」 「………あああ…よかった。これで諏訪子様も神奈子様も消えずに済みます」 ……一体何が写ってたんだぁー! 中途半端に話されると、かえって気になるじゃない! 変に興味が湧くいい方すんなぁー! 「これもそれも、あんたのおかげだよ! 本当にありがとう!」 「いえ、お礼はいいですから写真に何が…じゃなくて魔導書を返してください」 「え~と、ちょっと待ってね。確か境内に落ちてた奴だよね? あれは……」 うわぁ、この展開は…。 「ああ、地霊殿の物だと思って渡しちゃったんだ」 もうやだぁー! しかも地霊殿なんて最悪じゃない! あそこには覚りがいるでしょ!? 私は心を読まれちゃ、いろいろとマズいのよ! キャラ的に! 「どうにか、なりませんか?」 「う~ん、そうだねぇ。じゃあ早苗、行って来てくれるかい?」 「えっ」 何その顔、怖いんだけど。 なんか雨に濡れて帰って来た同居中の幼馴染に、突然家を出て行くって言われたかのような顔してる。 「………分かりました、行って来ます」 「麓のエレベーターで行けば、すぐだからねー」 無事に持って来れればいいけど……まったくそうなる気がしないわね。 私、今の状況を後悔してる。 よくよく考えたら神社なんてアウェイもいいとこじゃない! それも祟り神と二人っきり! 滅茶苦茶居づらいわ! 「早苗はさぁ、本当にいい子なんだよ。よく空回りするけどさ」 しかも祟り神は祟り神で、反応に困る話するし! 私、今日が初対面なんだけど!? あんたの巫女の事、全然知らないんだけど!? 「だから………あ、早苗おかえええええぇぇー!?」 何そのリアクション! でも先に反応してくれたおかげで、私は余裕を持って振り返れるわ! さぁ、どんな光景でもかかって来んかぁい! 「ははは、驚きすぎええええぇぇぇー!?」 あ、ありのまま今起こった事を話すわ! 『私は山の巫女の方に振り返ったと思ったら、そこには全身ずぶ濡れで半裸で手錠と首輪をされてる巫女が立っていた』 な…何を言っているのか分からねぇーと思うが、私も何があったのか分からなかった…。 頭がどうにかなりそうだった。地底サバイバルだとか集団リンチだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ…。 「もう……もう二度と地底なんか行くもんかぁー!」 『何があったんだぁー!』 マズい! このままじゃ、また相手のペースに持ってかれる! ここは強引にでも、こちらのペースに巻き込まなくては! 「そんな事より本はどうした!」 「そんな事!?」 「私は魔導書さえ返してもらえりゃ、それでいいのよ!」 「………それでしたら誰かが無意識に持ち出したと…」 「ありがとうございましたぁー!」 『もう出てったぁー!』 ヴァカめ! 魔導書がないと分かれば長居は無用よ! あんた達はそこで再現映像でも流してな! ウキャキャキャキャキャぼえええぇ!? 「あ、キスメさんです。ついて来てたんですね」 「それにしても綺麗にぶつかったねぇ。何処から落ちて来たんだろ」 さて、今更だとは思うけどパチュリー様は偉大な魔女よ。 パチュリー様の知識は幻想郷最高レベルで、幻想郷の殆どの妖怪の事を知っているわ。 そんなパチュリー様によれば地底には覚りや鬼の他に、無意識を操る妖怪もいるらしい。 つまり本を持ち出したのは、そいつの可能性が高いのよ! ていうか無意識って言ってたからね、あの巫女。 そんな訳で無意識妖怪を探してるところなんだけど、無意識相手に必死こいて探しても見つかりっこないわ。 そこで私も無意識になる事で、無意識妖怪の無意識の力に自然と引き寄せられるようにすればいいのよ! 私だって知恵には自信があるわ。これでもパチュリー様の司書デスから! ……………あら? 此処って魔法の森? どうやら戻って来たみたいね。 「ぽぴいぃぃぃー!!」 な、何!? 突然キノコが喋……あ、違った。 キノコかと思ったら全身キノコ塗れの妖怪だったわ。 「ぴっぽぽぴーぽぴっぴぴぽー!」 これは会話になりそうもないわね。 脳味噌、寄生されてるんじゃないかしら。 ……………焼くか。 「ポピイイィィィィィー!!」 はいはい、アイスランドポピー。 「………ごふっ……た、助かったぽぴ」 「どういたしまして」 「でもお姉さん、さっき会った時無視したような気が…」 「気のせいじゃない?」 無事か……半殺しぐらいにするつもりだったんだけどなぁ。 というより『ぽぴ』? あ、頭の上に一本残ってた。 「実は私、地霊殿の妖怪で無意識のうちにこんな事に…」 何かよく分かんないけど、探してた妖怪みたいね。 丁度よかったわ。 「魔導書返せ」 「それなら私が無意識のうちに行った中有の道で、無意識に買い物してる間に無意識に落としちゃったみたいぽぴ」 それ明らかに、ぶらりと立ち寄った出店に夢中でなくしただけでしょ。 あと会話中に胸を揉むな。 無意識か? 無意識って言えば何でも済むと思ってるのか? 「だから中有の道まで取りに行ってほしいぽぴ。そうすればぽぴがぽぴぴのぽっぴっぽー!」 ああ、こいつはもうダメだ。 なんか、くるくる回ってるし。 あ、滑り落ちた。 仕方ない。私が行こう。 なんかもう盥回しにされてる気しかしないけど、こいつに任せるより遥かにマシよ。 …………………ああ! 無意識のうちにカメラがブブゼラに! ふう、やっと中有の道ね。 途中でプリズムリバー三姉妹が決めポーズとって壁にめり込んでたけど、もう知るか! 「………………………」 って誰もいないじゃない! 道には落ちてないし、誰かに手掛かりを訊くしかないってのに! それなのに誰もいなかったら、私はどうすればいいの! マズいわ。兎に角、誰か探さないと。 …………………三途リバー到着! 此処まで順調に誰もいなかったわ! 畜生ッ! でも三途の川なら船頭の死神がいる筈よ。 早速、話を訊き…。 「……………う~ん………えへへ、ダメですよ~…」 はい、シエスタ入ってましたぁー! ……なるほど、今なんでこんな幻想入りしたアイテムを無意識に手に入れたか分かったわ。 これはここで使う為の物だったのよ! 喰らえ! 零距離ブブゼラを味わうがいい! 「なぎっ!? ななな何事ぉ!?」 よし、ミッションコンプリート! いい夢、見れたかよぉ! このサボり死神がぁ! いい加減、魔導書出て来いやぁ! 「魔導書」 「ああ、それなら里の方で落とし主を捜すって鼠が持ってったよ」 やっぱりねー! 本日2回目の八つ当たりいっくよ~! 「ふぅざぁけぇるぅなああぁぁぁー!」 「きゃん!」 見たか、私のソウルシュートを。 ただ人魂を掴んで投げたようにしか見えないけど、重さのない人魂を真っ直ぐ飛ばすのは意外と難しいのよ。 これも魔界時代、先輩に扱かれた結果の産物。 弾幕勝負では何の役にも立たないのが偶に傷ね。 そんな先輩も今じゃ中級悪魔に出世し……って話が逸れたわね。 「……………………」 あれ? 起き上がって来ない? もしかして打ち所が悪くて死んじゃったとか? …………………………。 さ~て、次は人里ね。 「……待ちやがれぃ!」 あ、起き上がった。 意外と元気そうじゃない。 よかったわね。 ………でもなんかおかしいような…。 「俺の本能が叫ぶのさぁ。貴様を殺せとぉ!」 あ、あんた誰だああああぁぁぁー! なんかヤバイ! 状況的にもキャラ的にも! もしかしたら変な魂、憑依させちゃったかも! と、とりあえずここは穏便に逃げる事だけを考えて…。 「あ、あはは~……すぐに帰りますぅ。ですから…」 「余裕かましてんじゃねえ!」 「ぎゃああああああああああ!!」 あ、あれ? 私、何か対応を間違えた? そんな筈は………兎に角このままじゃ死ぬわ。 一旦、回復アイテムで怪我の治療を…。 「アイテムなぞ使ってんじゃねえ!」 「ぎゃひいいいいいいいいい!!」 し、死ぬ! 殺されるぅ! 何か……何か打開策は…。 「いつまで寝てんだぁ!?」 「ぎゃおおおおおおおおおん!!」 ああ、三途の川が見えて来た……。 …って違う! 元から此処は三途の川よ! とりあえず早く逃げましょ! このままじゃ命が幾つあったって足りないわ! ………………あら? 追って来ない? 「今日の俺は紳士的だ。運がよかったな。……分かったら軟弱者は失せろぉ!」 な、なんか……もの凄い者を蘇らせてしまった気がするわ。 ……ねぇ、そろそろ終わりでいいんじゃない? 体力的にも、もう限界だし。 何が悲しくて、私は幻想郷中を飛び回ってるのよ。 ………はぁ、帰りたい。 「……………………」 ああ、遂に幻覚まで見えて来たわ。 そうよ、これは幻覚なの。 そうじゃなきゃ地面に頭から突っ込んでる輩と、それを挟むように立ってるアニマルズなんて見える筈ないわ。 「う~ん、困った」 「困りましたね」 「本当に困った」 「困りますね」 …………えぇい! 私をチラチラ見るな! 言いたい事があるなら直接言え! ……………分かったわよ! 聞くわよ! 聞きゃあいいんでしょ! 「どうしたんですか?」 「いやぁ、それが困った事になってねぇ」 「これこれ、ナズーリン。見ず知らずの方にこんな話…」 「しかしだね星、私のダウジングによれば彼女は私達の探している物を持っている筈なんだ」 「なんと奇遇な! ですが彼女が私達にそれを譲ってくれるでしょうか」 「大丈夫、わざわざ命蓮寺を訪れるような者だ。きっと協力してくれるさ」 「そうですね。彼女もきっと他者の事を思える心優しき者でしょう」 うぜえ。 くだらない小芝居はやめろ。 さっさと用件を話せ。 「何か困ってるんですか?」 「おお、聞いてくれるかい?」 「………………はい」 「実は私達の仲間が地面にスッポリはまってしまってねぇ」 それは見りゃ分かるけど……どうしてこうなった。 「引っ張り出そうにもスッポリはまってしまっているので抜けないのです」 「そこで出来れば君に協力してほしいんだけど…」 「…………………」 どうせ最初から選択肢なんかないんでしょ? 「………………分かりました。何をすればいいんですか」 「まず彼女を救出する方法だが、腰まで埋まってるんで引っこ抜くのは無理そうだ」 「そこで私の妖気を彼女に流し込み、彼女自身の力で周囲の地面を液状化して救出します」 唐突にとんでもない事言い出したわよ、こいつら。 「その為には細長く先が広がっていて中が空洞の………丁度ブブゼラっぽい物があるといいんだ」 豪くピンポイントで来たわね、おい。 「私のダウジングによれば君はブブゼラっぽい物を持っている。それを貸してほしい」 「借りると言わず持ってってください」 もう回収作業は嫌なんで。 「いいのかい? 君は親切だね。きっと極楽浄土に逝けるよ」 悪魔に言う事かねぇ…。 「じゃあ早速渡してくれるかい?」 「はい」 「…………ブブゼラかぁ…」 「ブブゼラ『っぽい物』じゃありませんねぇ……」 「………いや、ここは素直に彼女の協力に感謝しよう」 「…そうですね。ありがとうございます」 何が不満なんだ……。 「じゃあ星、頼んだよ」 「ではいきます………うわらば!」 掛け声かっこ悪っ! あ、でも上手くいった。 「………イヤッッホォォォオオォオウ!! 復ッ活ッ! 私復活ッッ! 私復活ッッ!!」 「来た! 船長来た! これで勝つる!」 『(テッテレテテ~レ~レ~テレレテ~テレレ♪ テッテレテテ~レ~レ~テレレテ~テレレ♪ テッテレテテ~レ~レ~テレレテ~テレレ♪ テッテレテテ~レ~テレッテレッテレッテレッテレレレレテ♪) 激流では勝てぬそれは道連れアンカー~♪ 主~役も震える~見たかシンカーゴースト~♪ 大地が溶~ける効いたかディープヴォーテックス~♪ 畏~怖が授けしこれぞ舟幽霊の力~♪ ああ~聖が与えたミラクルシ~ップ♪ 行くぞ~せめて~スペルで~葬ろう~♪(幽霊船長期停泊!) 操縦席勝手に離れストロング船長立ち上がる~♪ 柄杓を振って錨に乗って魔界まで突き進め~♪ 慧音が知る妹紅が知る里にも恐怖知れ渡る~♪ さあ呼べその名を呼べああ~ぼくらのキャプテン・ムラサ~♪』 あんたら、いい加減にしろよ。 しかも歌詞、酷いし。 「ありがとう! これもすべて君のおかげだ!」 「お礼と言っては何ですが、このテトリスの縦棒を持って行ってください!」 「これで縦一列の隙間も怖くない!」 …………は? 何これ。 どうすりゃいいの? そもそも魔導書はどうなった。 「魔ぁ!!」 「それなら三人組の妖精が持ってったよ」 「落とし主が見つかるまで読みたいそうです」 ち、畜生おおおおぉぉぉぉぉ!! ………私は一体何をやっているのかしら? 魔導書を探しているのに、手に入るのは訳の分からない物ばかり。 これは誰かの陰謀? それとも魔導書が帰るのを嫌がっているとでもいうの? そんな馬鹿な…。 …………ああ、やっと着いた。 此処が噂の妖精トリオの住み家ね。 「すみません」 「あら、こんな黄昏時にどちら様?」 「妖精の住居にお客とは珍しいわね。人間でも妖怪でもないみたいだけど」 ん? 話じゃトリオなのに暖色系と寒色系しかいない? まぁ、いっか。 「ま」 「魔導書? それならルナが持ってるんじゃない?」 「ルナ?」 「私達の仲間よ。今は………あっちの方にいるみたい」 「はぁ……」 「ところでそれ、テトリミノよね? よかったらこのグレネード弾と交換してくれない?」 「もう勝手にしろよ…」 「丁度支えになる物が欲しかったの。これで家の補修も無事終われそうよ。ありがとう!」 「……………」 もうなんで妖精がグレネード弾とか、どうでもいいわ。 それにしても、また移動かぁ。 しかし妖精トリオねぇ。 単独行動の多い妖精にしては珍しい。 落ち物パズルとか得意そうね。 「さてと、これで補修は完りょ………消えた……だと…?」 「わ、私達の家が……木の上半分だけに………」 なんか後ろで聞こえたけど気にしなーい。 さっさと目的のルナとやらを目指しましょう。 ………あ、噂の3人目はあいつかしら。 「お願いよ! 貴方の力があれば人間を恐怖で支配する事も出来るのよ!」 えー。 なんか物騒な事、言ってるー。 「それは昔の話よ。今の私にそんな力ないわ」 「それでも貴方の力は妖精トップクラスよ。ねぇ、一緒に人間に一泡吹かせましょうよ!」 な、何この話は。 あの説得してる白いのがルナとして、もう一人は湖にいた奴よね? 何を企んでるの? 「私は……あの日々に疲れたの。もう血を被るのはごめんよ」 「………かつては鎖鎌を巧みに操り多くの妖怪を葬って来た貴方が……随分腑抜けてしまったようね」 「腑抜けた? 違う。今の時代の妖精のあるべき姿になっただけよ」 え? このノリは一体…。 「時代のせいにして……昔の貴方はもっと勇敢だったわ! あの頃は暗殺妖精の…」 「やめて。その名前は捨てたわ。今の私は名も無い大妖精よ」 「………そんなにあの氷精が大事なの?」 「………………」 「あいつの『最強』に付き合う為に、敢えて弱者を演じてるんでしょ!? 貴方程の妖精が! どうして!?」 「………チルノちゃんの笑顔が見たいから、かなぁ」 「!!」 ねぇ。 私はどうしたらいいのよ。 「昔は私が血を被る事で誰かが幸せになれると信じてた。でも違ったわ。争いが生むのは憎しみだけ。 それに気付いて刀を置いた私の前に現れたのが、チルノちゃんだったの。……チルノちゃんは凄いわ。 私がどんなに戦っても見る事の出来なかった笑顔を、誰も傷つけずに作り出してしまった。 間違いないわ。チルノちゃんは最強の妖精よ。これからは恐怖ではなく笑顔が世界を統べる時代なのよ」 「…………それでも私は諦めないわ。必ず貴方を引き込んでみせる!」 !! 何か渡そうとしてる! まさかテロ計画の予定表とか!? 人間がどうなろうと知ったこっちゃないけど、もしパチュリー様が巻き込まれるような事があるなら…。 「貴方が来るのを待ってるわ……………………お化け屋敷で」 えっ? 「私にお化け役なんて出来ないわ」 「貴方の瞬間移動能力があれば、予想外の所から驚かす事が出来るのよ!」 「…………血糊はやだなぁ。落とすの大変だもの」 そんなオチかい! 無駄に引っ張ってこれか! ………………あれ? でもかつて暗殺妖精だったって話は本当…? 「ってそんな話はどうでもいい!」 「だ、誰!?」 「M!」 「湖の館の司書なのね。でも生憎、魔導書はないわ」 わ、私は何回回されるんだ!? 次はど…どこへ…い…いつ行かされるんだ!? 私は! 私はッ! パチュリー様の魔導書を返せえーッ!! 「魔導書はちょっと前に、魔理沙に持ってかれちゃったのよ」 チッ! またあのゴキブ…………………………ん? 「魔~理~沙~さ~ん」 「ああ、小悪魔か。ちょっと待っ…」 「お断りだああぁぁぁー!」 「うおおおい! ドアを吹き飛ばすなぁ!」 「さすがグレネード弾だ、防御魔法がかけてあっても何ともないぜ!」 「なんて事すんだよぉ…。でも丁度よかった! 見つかったんだよ、魔導書! ベッドの下にあったぜ!」 「ふっふ~ん♪ それはよかったね!」 「ああ! あはははは!」 「死ぬがよい」 「へ?………う、うわあああぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」 ふう、最初からこうしてればよかったわ。 まったく手間掛けさせやがって、ゴキブリめ。 まぁ、いろいろあったけど無事魔導書は取り返せたわ。 これでパチュリー様も満足してくださる筈! 「パチュリーさ…」 「遅い!」 「ぶぎゃあああ!!」 ぱ、パチュリー様が肉弾技…? いきなりこんな技を使って来るなんて、一体何が…。 「いつまで歩き回ってるのよ! あんまり遅いから魔法陣、消えちゃったじゃない!」 マズいわ。 どうやらパチュリー様は大分ご立腹みたいよ。 ここは如何に私が必死に探し回り、あのゴキブリが屑かをキチンと説明しないと。 「実はこれには深い訳が…」 「言い訳なんか聞きたくない! そこの魔導書片付けたら出てって! 暫く一人にさせて!」 あああ……なんでこんな……。 畜生。 畜生。 私が……私が何をしたって言うんだ。 私はパチュリー様に言われて魔導書を回収しに行っただけじゃない。 それがなんで………畜生。 今日は吐くまで飲んでやる。 ………? このカクテルは? 「私こんなの頼んでない」 「そいつはわっちの奢りさ。何があったか知りゃあせんが、今夜は好きなだけ飲んでってくりゃれ」 畜生。 妖精メイドにまで同情された。 畜生。 畜生。 涙が……涙が止まんない……。 カオスすぎて目眩が… -- 名無しさん (2010-11-23 12 46 09) ゴキブリェ…… -- 名無しさん (2010-11-24 11 28 04) この作者好きだったんで新作出してくれる事が うれしいわwww -- 名無しさん (2010-11-25 21 11 28) 悪魔の目にも涙・・か -- 名無しさん (2011-01-26 18 17 11) こぁさんが可哀想です。 -- 名無しさんでいいやー (2013-11-24 18 10 07) ノリが銀魂 -- 名無しさん (2014-08-14 22 48 07) 「さすがグレネード弾だ、防御魔法がかけてあっても何ともないぜ!」 グレネード弾すげぇ! -- 名無しさん (2015-06-23 17 44 39) 名前 コメント
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尾刈斗 黒上 呪 三途 渡 鉈 十三 月村 憲一 円谷 未知 人形 幻 不死 祀 屍 藤美 武羅渡 牙 不乱 拳 魔界 崇雄 木乃伊 魔美 八墓 崇 柳田 しげる 幽谷 博之 霊幻 道久 黒上 呪 シュート成功 「呪い… 成功…。」 失敗 「呪い… 失敗…。」 OG 「な なんてことだ…。」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 試合終了勝利 「オレたちの恐ろしさがわかったか!」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 三途 渡 シュート成功 「キミたちも 幽体離脱を体験してみるかい?」 失敗 「今のは 何が起きたのだ!?」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「キミたちも 幽体離脱を体験してみるかい?」 同点 「そ そんなバカな…。」 不利 「そ そんなバカな…。」 試合終了勝利 「キミたちも 三途の川を渡ってみるかい?」 引き分け 「 」 敗北 「そ そんなバカな…。」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 鉈 十三 シュート成功 「イッツ パーフェクト! さすがオレ!」 失敗 「オーノー! このオレとしたことが…!」 OG 「イッツ ミステイク! ありえなーい!」 外し 「 」 キャッチ成功 「オーケー!」 失敗 「アンビリバボー!このオレが 点を決められるなんて…。」 敵OG 「オー! バカめ!」 敵シュート外し 「オーケー!」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「アンビリバボー!このオレが 負けてるなんて…!」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「アンビリバボー!このオレが 負けるなんて…!」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 月村 憲一 シュート成功 「アオオオオオーン! 暴れたりないぜ!」 失敗 「これ以上 オレを怒らすとオオカミになってしまうぜ!」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「アオオオオオーン! 暴れたりないぜ!」 同点 「 」 不利 「 」 試合終了勝利 「アオオオオオーン! オレたちの勝ちだぜイ…!」 引き分け 「 」 敗北 「アオオオオオーン!そ そんなバカな…。」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 円谷 未知 シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 人形 幻 シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 不死 祀 シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「…い・た・く・な・い。」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 屍 藤美 シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「まさか ここまでしぶといとは…。」 不利 「ぐふ… ぐふふっ… や・ら・れ・て・る…。」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「ぐふ… ぐふふっ… や・ら・れ・た…。」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 武羅渡 牙 シュート成功 「今日は 血の香りがいいですね。」 失敗 「少し… 血が足りませんね。」 OG 「 」 外し 「少し… 血が足りませんね。」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「そ そんなバカな…。」 不利 「 」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 不乱 拳 シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「うがー! うがうがうがー!負けないうがー!」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「うがー! うがうがうがー!負けちゃったうがー!」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 魔界 祟雄 シュート成功 「魔界の住人の恐ろしさがわかったかい?」 失敗 「ま 魔界の住人を なめるなよー!」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 木乃伊 魔美 シュート成功 「 」 失敗 「こんなこともたまには あるもんだね…。」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「自分たちの ふがいなさをうらみな!」 同点 「 」 不利 「そ そんなバカな…オレたちが 負けてるだと…!?」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「そ そんなバカな…オレたちが 負けただと…!?」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 八墓 祟 シュート成功 「呪われたくなければ このまま 大人しくしてることだね…。」 失敗 「の 呪うぞ… ぼそぼそ…。」 OG 「な なんてことだ…。」 外し 「の 呪うぞ… ぼそぼそ…。」 キャッチ成功 「つまらない… ぼそぼそ…。」 失敗 「そ そんなバカな…」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「呪われたくなければ このまま 大人しくしてることだね…。」 同点 「呪ってやる… ぼそぼそ…。」 不利 「の 呪ってやる…。」 試合終了勝利 「呪いの成果だ… ぼそぼそ…。」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 柳田 しげる シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「うらまないでくださいよ…。」 同点 「まさか ここまでしぶといとは…。」 不利 「 」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「そんなバカな…。」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」 幽谷 博之 シュート成功 「くっくっく…まだまだこんなもんじゃ すまないよ。」 失敗 「こんなこともたまには あるもんだね…。」 OG 「な なんてことだ…。」 外し 「こんなこともたまには あるもんだね…。」 PK 「もう 遊びは終わりにしてあげるよ。」 キャッチ成功 「この程度かい?」 失敗 「そ そんなバカな…。」 敵OG 「ザコは 何をしてもザコだな。」 敵シュート外し 「この程度かい?」 前半終了有利 「くくく…。 後もう少しで ジゴクだな。」 同点 「さあ 一気にきめようか。」 不利 「なかなか やるじゃないか…。 だが 遊びはこれまでだ。」 試合終了勝利 「くっくっく… まあ 当然だよ。」 引き分け 「くくく… なかなか やるね。」 敗北 「そ そんなバカな…オレたちが 負けただと!?」 延長突入(敵) 「もう 遊びは終わりにしてあげるよ。」 延長前半終了有利 「くくく… これが オレたちの実力だよ。」 同点 「くくく…。 今度は ジゴクを見せてあげるよ。」 不利 「なかなか やるじゃないか…。だが 遊びはこれまでだ。」 練習試合敗北 「くっくっく…。 フットボールフロンティア優勝校が オレたちに負けていいのかい? またジゴクを見たいのなら いつでも再挑戦まってるぜ。くっくっく…。」 霊幻 道久 シュート成功 「 」 失敗 「 」 OG 「 」 外し 「 」 キャッチ成功 「 」 失敗 「 」 敵OG 「 」 敵シュート外し 「 」 前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「そ そんなバカなアル…。」 試合終了勝利 「 」 引き分け 「 」 敗北 「 」 延長突入 「 」 延長前半終了有利 「 」 同点 「 」 不利 「 」
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Report.09 涼宮ハルヒの復活 土曜日はわたしと彼女で、衣服等を買いに行った。もちろん彼女は、行く時は北高の『女子』制服を着て行った。わたしの私服は、彼女には小さい。 「二人で、行った先で買った服に着替えよ!」 【二人で、行った先で買った服に着替えましょ!】 という彼女の発案で、わたしも同じく制服で出掛けた。 マンションから外に出た時、彼女は潜伏者の存在など、最初から気にしていなかった。 「有希が大丈夫って言(ゆ)うたんやから、間違いないやん!」 【有希が大丈夫って言ったんだから、間違いないじゃん!】 彼女は完全に、わたしのことを信用している。素直に『嬉しい』と思った。 西宮北口駅前のショッピングモールに向かう道すがら、彼女は終始楽しそうな表情をしていた。それは、『SOS団団長』涼宮ハルヒが、何か面白いことを考え付いた時のような、何かを企んでいる表情ではなかった。彼女は純粋に、『少女』涼宮ハルヒとしての表情をしているように見えた。 それは、これまでの常に誰かに見張られているという緊張から開放された反動なのか。あるいはそれが、わたしのことを完全に信じて、心から安心しているからなのか。とにかく彼女は、彼女本来の、素直な表情を浮かべているのだと思えた。 もしその表情の原因が、『長門有希がそばにいること』であったなら、わたしはとても嬉しい、と思う。 駅前のショッピングモールで、まずは服を探す。 「せっかくやし、お礼も兼ねてあんたに似合う服探したるわ!」 【せっかくだし、お礼も兼ねてあんたに似合う服探したげる!】 わたしには、人間の『ファッション』なるものはよく分からないが、何をやらせても器用にこなす彼女のこと。わたしに似合う『おしゃれ』な服なのだろう。 ……今度、ファッション雑誌でも読んでみた方が良いのだろうか。 そんなこんなで、服を買って着替え、様々なものを見て周った。 「有希の部屋に合いそうな小物とか、色々あるな~」 【有希の部屋に合いそうな小物とか、色々あるわね~】 わたしの部屋を彼女色に染める計画が始まった、かもしれない。 散々見て周り、時々買い周ったあと、一階のオムライスの店で少し遅めの昼食を取る。 「ん――――……今日は久々に思いっきり動き回ったわ~」 【ん――――……今日は久々に思いっきり動き回ったわね~】 彼女はデザートのパフェを頬張りながら、心底満足した時の表情で言った。買い物中の彼女の表情は、それはそれは明るいものだった。 「……楽しかった?」 「うん! めっちゃ楽しかった!!」 【うん! すっごく楽しかった!!】 「そう。」 子供のように無邪気な満面の笑顔で答える彼女を見ていると、わたしも釣られて笑ってしまいそうだと思ってしまう。そのような『感情』は、本来持っていないはずなのに。 「!?」 突然、彼女の顔が驚愕の表情に変わった。そして次の瞬間には、照れたときの真っ赤な顔に変わった。 「……なに。」 「……私服のあんたの……笑顔に……ヤられた……」 わたしは釣られて笑っていたようだ。微笑。 「ハルヒが嬉しいと、わたしも嬉しいから。釣られて笑ってしもた。」 【ハルヒが嬉しいと、わたしも嬉しいから。釣られて笑っちゃった。】 「はぅ!? ……有希の生の声……私服で……反則……」 彼女の反応がおかしくて、わたしはついに、くすくすと笑ってしまった。また新たな笑い方を覚えた。彼女は口をぽかんと開けて、うっとりとわたしの方を見ている……見とれている。 今のわたしの状態。これが、いわゆる『ギャップ萌え』というものだろうか。萌え……こうまで人間の精神に大きな影響を与えるものなのか。興味深い。 「どうしたの。」 と、わたしはいつもの平坦な声で問い掛けた。 「……!? はっ!? ……はぁ、はぁ、はぁ……思わずお花畑で三途の川を渡る準備しとったわ……」 【……!? はっ!? ……はぁ、はぁ、はぁ……思わずお花畑で三途の川を渡る準備してたわ……】 「おかえり。」 「昨日今日と、あんたには驚かされっぱなしやわ……調子狂うなぁ……」 【昨日今日と、あんたには驚かされっぱなしだわ……調子狂うなぁ……】 「たまには、ええやん。」 【たまには、良いじゃない。】 と、わたしは片目を閉じながら言った。 彼女がスプーンを取り落とした音が響いた。彼女はスプーンを持っていた時の姿勢のまま目を見開き、口を開けたまま硬直していた。ユニーク。 食後は、かさばる物、重そうな物を買って、帰途についた。と言っても、荷物はそんなに多くはない。女子高生二人が普通に持てる程度の量。 「結構買(こ)うたな~」 【結構買ったわね~】 「……わりと。」 今のわたし達は、周囲からはどのように見えるのだろうか。仲の良い女子高生二人組だろうか? 実際は、仲が良すぎる関係になってしまったが。 マンションの部屋で荷物を降ろし、二人の物を分ける。 「ほな、今日は帰るわ。」 【じゃあ、今日は帰るわ。】 自分の荷物を持って、彼女が戸口で言った。 「今日のデート楽しかったで。」 【今日のデート楽しかったわ。】 デート……やはり今日の買い物はそう定義されるのだろうか。 彼女は、わたしを抱き締めると、そっと唇に口付けをした。別れを惜しむような、でもすぐにまた会えるという確信の篭った、暖かい接吻。 わたしの中に、あるものが湧き上がる。昨日まで『エラー』と呼んでいたもの。 『寂しい』『嬉しい』『切ない』『気持ち良い』『愛しい』『幸せ』 たくさんの『感情』が一度に湧き上がった。 これが……『愛情』なのだろうか。分からない。分からないが、決して嫌いじゃない。この『感情』は、嫌いじゃない…… 「ほな、また月曜日、部室で!」 【じゃっ、また月曜日、部室で!】 「……ばいばい。」 元気に手を振りながら帰る彼女を、部屋の外の廊下で見送った。 「……また、部室で。」 それが、彼女が取り戻したかった生活なのだろう。彼女の仲間と過ごす、彼女の、『SOS団団長』涼宮ハルヒとしての生活。 月曜日になれば、色々するべきことがある。忙しくなる。だから日曜日は、ゆっくりしよう。買ったものを飾りながら、彼女のことを考えよう……彼女とのこれからの関係も。 そして月曜日。いつものように登校する。昼休みには部室へ。すぐに読書を開始する。これがわたしの日常。 一日三食取るという決まりはない。三食取る日もあれば、取らない日もある。必要なエネルギーは、朝食、昼食又は夕食でまとめて摂取してしまっても構わない。単に、周囲から怪しまれないように人前では三食取っているに過ぎない。過ぎなかったが。ふと、彼女と一緒に昼食を取るとどうだろうかという考えが浮かんだ。 例えば、わたしが弁当を用意し、部室等で一緒に食べるのも新鮮で良いかもしれない。彼女の好きな食べ物は何だろうか。嫌いな食べ物はなさそう。卵焼きに砂糖は入れる派だろうか。ちなみにわたしは入れない派。それから弁当に半熟卵は危険。痛みやすい。巨大な重箱に日の丸弁当……は、味気ない。却下。せめて『海苔段々』くらいはしないと。 そのようなことを考えていると、部室の扉が開く音がした。彼女が入ってきた。 「お、やっぱり有希はここにおったんやね。」 【お、やっぱり有希はここにいたのね。】 そう言いながら彼女は部室に入ってきた。そして扉を閉めるとすぐに鍵を掛けた。 「これでこの部室は密室。もう逃げられへんでぇ~」 【これでこの部室は密室。もう逃げられないわよ~】 両手を広げ、わきわきさせながら、怪しい笑顔で彼女は言った。 「学校で……けだもの。」 「いやいやいや、さすがに学校ではせえへんって!」 【いやいやいや、さすがに学校ではしないって!】 彼女は笑いながら言った。 「ちょこーっと、二人でいちゃいちゃするだけ♪ 読書の邪魔にはならへんように……まあ善処するし。」 【ちょこーっと、二人でいちゃいちゃするだけ♪ 読書の邪魔にはならないように……まあ善処するし。】 彼女は一度わたしを立たせると、わたしが座っていた椅子に腰掛けた。 「ほんで、有希はあたしの上に座って。」 【それで、有希はあたしの上に座って。】 わたしが彼女の太ももの上にちょこんと腰掛けると、彼女に後ろから抱かれる格好となった。 「時間まで、有希を抱っこさせてな?」 【時間まで、有希を抱っこさせてよね?】 「……当たっている。」 「当てとぉねん♪」 【当ててんのよ♪】 彼女の腕は、わたしの胸に回されている。時折撫で回されもする。しかしそこには、性的衝動の類は感じ取れない。彼女の脈拍も呼吸も落ち着いている。 体重を彼女に預けてみる。彼女の膨らみがより強く感じ取れる。彼女に強く抱き締められた。暖かく柔らかく、それでいて力強い何かに包まれる感覚。このように密着すると、なぜかとても『安心』する。 これが、人間が肉体接触を求める理由の一つなのかもしれない。もしかしたら、日頃彼女が朝比奈みくるにいたずらをするのは、このような肉体接触への欲求が現れたものなのかもしれない。 つまり、彼女はいつも『不安』。そして『寂しい』。そしてわたしは、そんな彼女の……支え、になりたいと思っている。 おかしい。本来あり得ない、というより、あってはならない考え。 彼女は、観測対象。そしてわたしは観測者。観測者が観測対象に干渉してしまっては、観測結果がおかしくなってしまう。やはりわたしは処分されることになるのだろうか。今は、『彼』の『威嚇』が効いているだけで。あるいは、このようなわたしの行動も含めて、壮大な観測なのだろうか。わたしは観測しているつもりで、実は同じく観測されているのだろうか。 そんな懸念も何もかも、彼女の感触ですべて消えてしまう。無知で無力で脆弱な有機生命体である人間が、とても頼もしく感じる瞬間。それは、肉体を持つ有機生命体にしか感じることのできない感覚なのかもしれない。作り物とはいえ、同じく肉体を持つわたしにも感じることができる。これも人間の、奇妙な魅力。 どちらが甘えているのか分からない奇妙な昼休みも、予鈴と共に終わりを告げる。 「もうちょっとこうしてたいけど、しゃあないな。」 【もうちょっとこうしてたいけど、仕方ないわね。】 そう言うと彼女は、名残惜しそうにわたしを解放した。背中を支配していた感触が消失する。背中が寂しい。わたしも残念。 「ほな、放課後に。いよいよSOS団も今日からは団長も復活や! これまでの遅れを取り戻すで!!」 【じゃあ、放課後に。いよいよSOS団も今日からは団長も復活よ! これまでの遅れを取り戻すわ!!】 彼女は握り拳を固めて宣言した。 団長復活。 いよいよ、本格的に日常が再開する。彼女達と彼達の、わたし達の。 『SOS団』一同の日常が。 放課後。ついにこの時がやってきた。わたしが部室に入ると、既に彼女は所定の位置についていた。 「団員一番乗りは有希かあ。」 『団長』と書かれた三角錐が置かれた、彼女の席。彼女は来るものすべてを真っ向から受け止めようとするかのように、腕組みをしながら真っ直ぐ前を見据えて座っていた。 わたしはいつもの窓辺の席に座って、本を読み始めた。これがわたしの日常。 「こんにちは……!? あ、ああっ!?」 「よっ! みくるちゃん、久しぶり!」 「す、涼宮さん!?」 「いよいよ今日から団長復活や!」 【いよいよ今日から団長復活よ!】 「は、はいっ! あ、すぐに着替えてお茶淹れますね!!」 朝比奈みくるは、手際よく着替えを終え、いそいそとお茶をハルヒに渡す。 「ぷっは~!! いやー、みくるちゃんのお茶飲むんも久しぶりやわ~」 【ぷっは~!! いやー、みくるちゃんのお茶を飲むのも久しぶりだわ~】 ノックの音。朝比奈みくるが返答する。 「おや、これはこれは。いよいよ団長も復活でっか。」 【おや、これはこれは。いよいよ団長も復活ですか。】 「古泉くん、お待たせ! あたしがおらへん間、副団長としてよう働いてくれたわ!」 【古泉くん、お待たせ! あたしがいない間、副団長としてよく働いてくれたわ!】 「いえいえ、それほどでも。何にしても結構なことですわ。」 【いえいえ、それほどでも。何にしても結構なことです。】 古泉一樹は、いつもの爽やかな笑顔で答える。そして更にノックの音。再び朝比奈みくるが返答する。 「うーっす……!?」 「どないしたん、キョン? そんな、鳩が豆で狙撃されたような顔して。」 【どうしたのよ、キョン? そんな、鳩が豆で狙撃されたような顔して。】 「いや……」 と、『彼』はわたしに視線を泳がせた。わたしは『彼』にしか分からないほど小さく頷いた。 「そうか……もう、大丈夫なんやな。」 【そうか……もう、大丈夫なんだな。】 そして『彼』は一言、こう告げた。 「おかえり、ハルヒ。」 多くの言葉は必要ない。SOS団は、この一言で、ついに日常を取り戻した。 「いよいよSOS団も完全復活! まずは団長不在中の活動報告から行ってみよか!!」 【いよいよSOS団も完全復活! まずは団長不在中の活動報告から行ってみましょ!!】 ←Report.08|目次|Report.10→
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『ぐっ……や、やっぱりそうかよ……オレは未確認生命体第2号……そりゃ、こんなナリで こんなバケモノと五分にケンカしてりゃあ、そう見えるのが自然っ……当然っ……! で、 こうして銃口を向けられることはむしろ必然っ……解ってた、解ってたけど……っ!』 と黒沢が歯軋りしてる内にコウモリ男はというと、回転灯とヘッドランプの光に苦しみ、 大きく羽ばたいて高く高く飛翔。あっけなく逃げてしまった。 何人かの警察官が発砲するが、数秒とかからずコウモリ男の姿は夜空の彼方へと消える。 「もういい、3号はほっとけ! それより2号だ!」 「了解!」 改めて、全員の銃口が黒沢に向けられた。慌てて野明が、 「待って下さい! この人は……」 「まだガタガタ言ってるのか! さっさと逃げろっ!」 杉田警部が苛立ち紛れに叫ぶが、野明は逃げない。 「違うんです、話を聞いて下さい! 今、3号に襲われていたあたしを助けてくれたのが、」 「バケモノ同士の仲間割れだ!」 「ですから、2号は違っ……」 「聞け、泉巡査!」 有無を言わさぬ杉田警部の気迫が、野明を抑え込んだ。 「今のそいつや3号、1号はそうやってバケモノ然としているからまだいい! だが、 もしそいつらが人間の言葉を覚え、人間に化けて、人間社会に潜り込んだりしたら どうなる! どれだけの犠牲者が出るか、考えてみろ! それに、」 杉田警部の鋭い視線が、未確認生命体第2号・黒沢に突き刺さる。 「そいつと1号が暴れた日、何があったか忘れたわけではあるまい! あの場にいた 作業員たちを逃がす為に、俺たちの仲間が……多くの警察官が……もう、二度と、 あんな悲劇を繰り返させるわけにはいかん! 未確認どもは俺たち警察が根絶せねば、 市民の安全はない! それが死んでいった奴らへの供養であり、仇討ちでもある!」 「……っ」 「解ったらそこをどけ、泉巡査!」 圧倒されて何も言えなくなり、しかしそれでも野明は逃げない。どころか、黒沢の前に 出て大きく両腕を広げ、杉田たちに向かって立ちはだかった。壁に、盾になる格好だ。 この時、杉田が部下の桜井に小声で指示したのを、変身の効果で感覚が 超人化していた黒沢の耳に届いていた。 【仕方ない。俺が合図したら、一斉に撃て。既に3号を逃がしてしまった以上、ここで2号 まで逃がすわけにはいかん。全責任は俺が負うから、絶対に躊躇するなと皆に伝えろ】 『……っ! こ、こいつら、この子ごと俺を殺す気か……っ! ……いや、確かに、オレが 1号や3号となんら変わらない、殺人鬼バケモノなら……逃がすわけにはいかないって のは正論っ……まして、この子は警察官であって一般市民じゃない……となりゃあ、 2号を撃つ為に犠牲になるのも……第一、今この子は、そのバケモノ2号の味方を してるという……端から見りゃあ、撃たれても仕方のないことをしてるわけで……!』 黒沢の体に、絶望的な悪寒が走った。 まごまごしてたら、自分だけではない。何の罪もない(自分もないのだが)野明が巻き添え になって撃ち殺される。無論、今のこの力で警察官たち相手に戦うわけにはいかないし、 といって慌てて背を向けて逃げ出したら、やはり一斉射撃で野明が巻き込まれるだろう。 そして、今そういう状況であることを、おそらく警察官である野明も自覚している。自分が 撃たれる可能性があることを、承知の上だろう。それでもズラリと並ぶ銃口の前に一人、 立っているのだ。自分が撃たれることさえ厭わず、黒沢を護ろうとして。 こうして後ろから見れば、頼りない小さな背中。それが今、銃弾の盾になろうとしている。 ほんの数日前まで何の関係もなかった、あえて言うならこっちが勝手に一目惚れ しただけの女の子が、だ。 『ぐっ……な、なんてこった……っ! ガキの頃から、ろくに女の子と会話したことも なかったのに……告白も失恋も手作り弁当も手編みのマフラーも三角関係の修羅場も、 何もかもすっ飛ばしていきなりこんな……こんな……状況かよ……っ! オレなんかの 為に、こんなオヤジの為に、しかもバケモノ化してる奴の為に命を張って……っ……!』 もう、黒沢に迷いはなかった。嗚咽で籠もった声を、野明の背中にかけていく。 「い、いぃ、泉……野明、ちゃん……だったよな……オレ、この名前を忘れない。 あんたの顔も、声も、言葉も、してくれたことも、全部……絶対忘れない……っ」 「えっ?」 「あの世に行ったら……三途の川で、鬼たちに自慢する。もし天国にいけたら、天使にも 神様にも自慢しまくってやる。オレは、こんな素晴らしい女の子に会えたんだぞって……」 「く、黒沢さん? 何を言ってるんです?」 野明が黒沢の方に振り向く。杉田が叫んだ。 「泉巡査! これが最後だ、そこをどけっ!」 野明が向き直って、叫び返す。 「嫌ですっ! だってこの人は黒さ……いえ、その、未確認生命体ですけど、 でも彼は違います! 2号はあたしたちの味方で、」 もはや野明を説得するのは無理かと諦めた杉田の手が、上がりかける。黒沢が言った。 「……さよならだ」 野明の体が綿毛のように軽々と持ち上げられて、紙飛行機のように投げつけ られた。真正面にいる警察官たちに向かって、黒沢の手で。 数名の警察官が慌てて銃を捨て、野明を受け止める。と同時に、 「今だ撃て! 撃ち殺せええええええええぇぇぇぇっ!」 絶え間ないノズルフラッシュが、辺りを昼間のように照らしだす。 膨大な硝煙が、まるで煙幕のように周囲に立ち込める。 轟き響く無数の銃声が、野明の悲鳴をかき消した。
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1 中有の道。 そこは幻想郷から死者が渡る“河”へと繋がる唯一の通り道であり、多くの霊が行き来する場所だ。 そんな道だ、人が聞けばさぞ寂しい場所なのだろうと思うだろうが、どっこい実のところそれほどでもない。むしろ賑わっているくらいである。 中有の道には多くの出店が立ち並んでおり、その様は縁日を思わせる。 出店を目当てに生者もやって来ることがあるほどだ。 そしてもちろん店を開いているのも死者である。 店をやっている者の中には、こわもての顔がちらほらあったりする。 それは彼らが地獄に落とされるほど悪人であった頃の名残だろうか。 出店をやっている者たちは全て、地獄で生前の罪を償っているものたちだ。 何故、そんな彼らがここで出店をしているのか。 理由は至極単純だ。 ここでの働きが次の転生へと繋がるからである。 要するにここは“地獄の卒業試験”の場でもあるのだ。 そして、彼――シン・アスカもまた、この中有の道で店を開く死者の一人だった。 「ほら、銃身と視線を真っ直ぐ……そう。で、真ん中の下辺りを狙って撃つんだ」 シンの教えに従い、隣で鉄砲を構える少年は引き金を引いた。 パンッ――そんな弾く音と共に打ち出されたコルクは、なだらかな軌道を描きながらキャラメルの箱に命中する。 箱が倒れるのを確認してから、シンは手元に置いておいたベルを振り回した。 ベルの高い音が周囲に響き渡る。 「おめでとう! はい、景品な」 そう言ってシンは倒れたキャラメルの箱を拾い上げると、カウンターの向こう側から少年に手渡してやった。 少年は自身が打ち落とした景品を受け取ると嬉しそうに笑みを浮かべた。 「ありがとう、にいちゃん!」 「次はもっと歳を取ってから来いよ」 手を振りながら来た道を戻っていく少年の霊に手を振り返しながら、シンはちょっとした満足感が胸に満ちるのを感じる。 そんなシンの背後から声が投げ掛けられた。 「お前さんバカだねぇ。そんなことしてたら儲けにならないだろう?」 振り向けば、そこには大きな鎌を持った物騒な少女が立っていた。 見た目はシンと同じか少し上くらいの、凜とした顔つきの赤髪の少女だ。 肩ほどまで伸ばした髪の両端をツーテールのように括っている。 服装は青を基調としたスカート姿で、帯で締められた腰や細い手足は華奢な体つきを表していた。 とはいえひ弱な印象はなく、女性として丸みを帯びた身体はむしろ健康的と言ってもいいくらいだ。 それだけなら、まだ美人で通っただろう。 だがやはり真っ先に目が行ってしまうのは彼女が肩に担いだ大きな鎌だ。 まるで死神が持つようなその鎌は、事実そのまま彼女の身分を表していた。 小野塚小町。それが死神である彼女の名前であった。 もっとも、死神と言っても彼女は幽霊を三途の川の先へ渡らせるだけのただの船頭なのだが。ちなみに鎌はあくまでただの飾りらしい。 なんでも死者の死神のイメージへの配慮らしいのだが、シンとしてはむしろあのボロ船を配慮した方がいいんじゃないかと思わざるをえない。 三途の川に落ちれば浮かぶことはできないのだから。 閑話休題。 シンはこの顔見知りの死神に向き直るといつも通りの挨拶を口にした。 「ちゃんとお金はもらってるよ。それより小町、また仕事をサボったのかよ」 「サボりじゃなくてただの休憩だってば。川渡しは力仕事だからねえ」 小町の台詞もいつも通りだ。 この死神、巷ではよくサボると有名だ。あまりに有名なので、シンは彼女をサボりマイスターと呼んでいる。 「……ねえお前さん、なんか失礼なこと考えてないかい?」 「いや、別に……」 ジト目で見つめられたシンは素知らぬ顔で――つい目を逸らしてしまったが――否定する。 しばしそうしていたが、やがて小町も飽きたのか肩をすくめる。 「まあいいけどね……ほら」 「うん? っと、と!」 不意に小町が何かを続けて投げ渡してきたものをシンは咄嗟にキャッチする。 彼女が投げたのは何枚かの小銭だった。 「しょうがないからあたいが遊んで行ってやるよ。だから四季様にはあたいがここに来たことは内緒にしておくれよ?」 「やっぱりサボりなんじゃないか。このサボりマイスターめ」 「うるさいねー。ほら、早く弾寄越しなよ」 すでに小町はカウンターで鉄砲片手にスタンバっていた。 金を受け取った以上、客には違いない。 仕方なくシンは小町の手元に五つのコルクが乗った皿を置いてやった。 一発目。射ち出されたコルクは狙いの景品――チョコレートだ――の上方をあっさり素通りした。 「む……意外と当たらないね」 そうして再び射ちだされた二発目もまた外してしまう。 早くも焦れたのか、小町がこちらへ顔を向けてきた。 「ちょっとお前さん。あたいにもコツを教えておくれよ!」 「そんなことしたら儲けにならないんだろ?」 「いいじゃないか。お前さんを渡してやったよしみじゃないか」 「…………はぁ」 今度はシンが肩をすくめる番だった。 三途の川を渡るシンを担当したのは小町だった。 舟が彼岸に着くまでの長い距離を進む間は、小町が一方的に喋るだけだったのだが、なぜかシンが地獄に落ちた後もこうして付き合いは続いていた。 なんでもシンほど長い距離を渡り切った死者はかなり稀らしく、普通は途中で渡し賃が切れ足りなくなって船から落とされてしまうらしい。 川の距離は罪の重さは表し、渡し賃は生前の徳を表す。 つまりシンは多くの人を殺めながら多くの人を助けた今どき変わった罪人だったらしい。 そんな珍しい客だったからか、小町もシンを覚えていたらしく、以来今でもこうして軽口を叩き合う関係が続いている。 そんなわけで、シンが世話になったと言うのもあながち間違ってはいない。 「……まず鉄砲の両端辺りにとんがってるところがあるだろ。そこと視線が真っ直ぐになるようにすれば少しは当るようになるよ」 「これかい?」 「そ。後はまあ、肘でもついて狙いがズレないよう固定してみれば?」 「ふんふん……」 「て、それじゃあ当たらないだろ。ほら、もっと銃口を下側にして……」 とうとう見ていられなくなり、シンは小町の腕に触れる。 最初は半ば投げやりに教えていたはずが、いつの間にか手取り足取り教えるようになっている。 そんな時だった。 ――むにっ。 そんな感触に、シンの肩がビクリと跳ねた。 小町の豊満な胸が腕に当たったのだ。思わず後退ったシンに、小町は怪訝な視線を向けてきた。 「? どうしたんだい?」 「べっ、別に……ほら、もういいだろ。早く撃てよ」 自分の顔が熱くなるのを感じて、バレないよう小町から背を向ける。 耳まで真っ赤になっていたが、幸い小町は気づなかったらしい。 体勢をそのままに再び景品へと狙いを定める。 三発目は、景品の右上を擦ったが一瞬揺れただけで倒れることはなかった。 「おっ! ちょっとコツが掴めてきたよ」 「そうかよ」 続けて四発目が射たれるより前に、まるで今ふと思い出したように小町が口を開いた。 「そういえばさ、決まったらしいよ」 「なにが?」 「お前さんの冥界行きが」 「……え?」 四発目は見事景品に命中し、チョコレートは棚から落下した。 「よっし!」 小町はぐっと握りこぶしで喚声をあげるが、シンはそれどころではなかった。 ベルを鳴らすことも忘れ、シンは動揺をそのまま口にした。 「な、なんで……?」 「なんでって、そりゃあたいだって弾幕ごっこで鍛えてるんだからこれくらい……」 「そうじゃなくて!」 よく分からないといった顔をする小町に、シンは声を張り上げる。 「俺が冥界行きって……」 「そりゃあ、お前さんは真面目に地獄での務めを果たしてきたからね。当然っちゃ当然だろ」 「で、でも……」 「何をそんなに狼狽えてるんだい。嬉しくないのかい?」 そんな訳はない。冥界とは転生を待つ魂が住む場所だ。 いわば地獄に落ちた者にとっての最終目標だ。嬉しくないはずがない。 はずなのだが、何故かシンの胸が焦りでざわついている。 それは小町の顔を見ているとますます強まっていくようだった。 だが彼女は相変わらずあっさりしたものだった。 「ほらほら、早く景品をおくれよ」 「…………うん」 釈然としないまま、渋々とシンは景品を拾うためしゃがみこんだ。 ベルを鳴らす気にはなれなかった。 そうして立ち上がった時だった。 ――パンっ! 「いてっ!?」 突然、後頭部に何かが当り、シンは振り向いた。 そこには案の定、鉄砲を構えた小町がその銃口をこちらへと向けていた。 「なにするんだよ?」 すると小町はこちらへ指差すと陽気な笑みを浮かべた。 「当てたからお前さん、ちょっと付き合いなよ」 「…………はぁ?」 意味が分からず首をかしげるシンに、小町は気にせず続ける。 「今日は盆だろ? 里で盆踊り大会があるんだよ。ちょっと見に行ってみないかい?」 「…………や、なんで?」 確かにお盆といえば幽霊が多く里帰りする日だが、地獄の罪人である自分まで行ってもいいものなのだろうか。 というか“外”から来た自分にとっては里帰りでもなんでもないのだが。 だが小町はその辺どうでもいいらしい。 「いいじゃないさ。たまには息抜きは必要だよ。四季様には黙っておいてあげるからさ」 「…………まさか、俺を共犯にしようとしてるんじゃよな」 「うっ」 シンの呟きに、小町がぎくりと呻いた。どうやら図星だったらしい。 「…………はぁ」 ため息を吐くシンだったが、先ほどまで胸にあったざわつきやもやもやは幾分か晴れていた。 (ああ、そうか……) ようやく気づいた。 どうやら自分が思っていた以上に、ここでの生活は気に入っていたらしい。 ふっと、自分の顔が和らぐのを感じる。 「仕方ないな……」 それだけ言った途端、ぱっと小町の顔が明るくなる。 「そうこなきゃ! じゃ、早速行こうか!」 ぐいっと小町に手を引かれ、シンは店から引っ張りだされてしまった。 「て、今からかよ!? せめて店をたたんでから……」 「そんなの後々! 善は急げって言うじゃないか」 勢いに流されるまま、シンは為すがまま連れていかれていく。 何事もいつかは終わりがやってくる。それは死者も変わらない。 いずれは今の自分も終わって、また新しい自分が始まるのだろう。 だが生まれ変わった自分は、果たして本当に自分なのだろうか? 「………………」 隣を見てみれば、馴染んだ死神の横顔がある。 そう言うと物騒だが、その死神は陽気に笑いながら喋り続けている。 自分が生まれ変わることをこの死神がどう思っているのか、何故か気になっている自分がいるのを自覚する。 だが―― (…………まぁいいか) その横顔を見ているとなんだかどうでもよく思えてきて、考えるのをやめた。 せめてもう少しだけ、この可笑しな死神との付き合いを楽しむとしよう。 ――むにゅっ。ぽよん、ぽよん。 「…………っっっ! 分かった……分かったから、ひっつくなああっ!!」 今日も幻想郷は平和だった。 2 霊夢「・・・」(めちゃくちゃ不機嫌) シン「どうしたんだ?あいつ」 デス「あー・・・マスター、あまり今の彼女に触れないほうがよろしいかと」 シン「なんでだ?」 デス「まぁ、乙女の事情といいますか、僻みとでも言いますか・・・」 シン「乙女の、ねぇ・・・とはいえ、同居人があぁだと俺もつらいからなぁ」 魔理沙「おーい、シーン」 シン「お、魔理沙じゃないか。どうしたんだ?」 霊夢「!?」 デス「あー・・・最悪のタイミングで・・・これはどうなるかみものですねー」 魔理沙「あぁ、ちょうど美味しいきのこを見つけたんでな。よければ、その・・・一緒に・・・」 シン「きのこ?あぁ、お前好きだもんな。でもいいのか?俺も食って」 魔理沙「いやぁ、いつも世話になってるしな。それに、その、えと、シンのきのこもご賞味させていただければ・・・ゴニョゴニョ」 シン「は?俺のきのこ?んなもん持ってないぞ?」 デス「またまた・・・立派なマツタケをお持ちの癖に・・・」 魔理沙「な!?そ、そんなにでかいのか!?」 デス「えぇ。なにせ国産最高級のマツタケがかすむほどの太さと長さとそして・・・」 魔理沙「そ、そんなにか!?わ、わたしで入るかな・・・」 デス「大丈夫です。あの八頭身状態になれば」 シン「お前ら、いい加減に」 霊夢「・・・なさい」 シン「?どうした、霊夢」 霊夢「今すぐその裏切り者を追い出しなさい!!」 魔理沙「うわ!?ど、どうしたんだよ霊夢?」 シン「あれか?俺だけが食えると思ったのか?」 魔理沙「あぁ、大丈夫だぜ。量はさすがに面子を集めるのには不安だけどここに居るだけなら十分」 霊夢「だったら!!そのきのこだけ置いて帰りなさい!!」 魔理沙「どんな横暴だよそれは!?」 シン「霊夢、どうしたんだよ。一体」 霊夢「うるさい!あんたもどうせでかい方がいいんでしょ!?あれか?埋めることが出来なきゃ、はさめなきゃいけないのかーーー!!?」 シン「・・・おーい、霊夢さーん」 魔理沙「どうしたんだ?お前」 霊夢「あんたは、あんただけは同じだと思っていたのに・・・エグエグ」 魔理沙「うわ、ガチ泣きだよ」 シン「どうしたんだよ霊夢。なんかあったか?ポンポン痛いのか?」 霊夢「ふん!あんたもどうせ、ぼん!きゅ!ぼん!がいいんでしょ?」 シン「だから、頼むから俺にもわかるように説明してくれ」 魔理沙「あー・・・ひょっとして・・・」 デス「おや、さすがに当事者だと気がつくのもお早いですね」 魔理沙「ていうか、お前知ってたろ」 デス「いえいえ、私は知りませんよ?せいぜい、お胸が無いのがネタだったのをお捨てに成られたことくらいしか」 霊夢「グサッ」 シン「おい、本当に大丈夫か?」 霊夢「う」 シン「う?」 霊夢「うるさーーーい!!」 シン「どわぁ!?い、いきなり攻撃はなしだろ!?」 デス「しばし、非難していたほうがいいようですね」 魔理沙「だな・・・まぁ、ある程度シンにぶつけたら納まるだろう・・・気に入らないけど」 霊夢「そもそも!あんたは私の監督下にいるんだから!!少しは遠慮しろーーー!」 シン「だから、なにをだぁ!?って、針はだめだろうが!!」 デス「恋敵を応援するとは、殊勝なお心がけですね」 魔理沙「まぁ、親友、だからな」 霊夢「でぇい!ちょこまかと。食らえ!『夢想天生』!!」 シン「あ!?スペカはひきょぎゃあああーーーーーーー!!」 3 シン「だいぶ涼しくなってきたなぁ・・・」 霊夢「そうね。なまじ猛暑が続いたから寧ろ寒くなるわね」 デス「・・・寒すぎます・・・コタツはまだですか・・・」 シン「・・・なんで一番寒さにも暑さにも強いお前が参ってるんだよ」 霊夢「仮にも神様でしょうが・・・そんくらい耐えなさいよね」 デス「ううう・・・私は別に平気と言うだけであって嫌いではないというわけではないんですよ・・・」 シン&霊夢「「よほどひどいわ!!」」 霊夢「はぁ・・・シン。いいからこの粗大ごみを日向ぼっこでもさせてやって」 シン「いいのか?」 霊夢「働かないだけならまだしも、邪魔になるならどかすだけよ」 シン「すまん」 霊夢「ほら、いいからさっさともっていきなさい」 シン「本当に悪い。ほら、行くぞデスティニー」 デス「うぅもっと、こう、お姫様を抱きしめる王子様のごとく・・・」 霊夢「まったく・・・シンもいつまでも甘やかすからこうなるって言うのに」 紫「そうねぇ、でも貴方も結構甘やかしてるように見えたけれども?」 霊夢「んなことないって、紫、いつも言ってるけどいきなり『すきま』から出てくるのはやめてよね」 紫「あら?そんなこと言ってたかしら?次からは気をつけるわね」 霊夢「どうせ口だけでしょうが」 紫「まぁ、いいじゃない。けど・・・あれが噂の彼?」 霊夢「どんな噂かは知らないけど。家で面倒見てる異邦人という意味でならそうね」 紫「あらあら。確か、寝取って囲っていちゃついてるんでしたっけ?」 霊夢「よしきたそこになおれ!!」 紫「冗談よ」 霊夢「冗談に聞こえなかったわよ」 紫「でも、へー。いい子そうね」 霊夢「まぁね。なんだかんだで結構慣れてきたみたいだし。手伝ってくれるしね色々と。それに、家賃も入れてくれるみたいだし。 ・・・まぁ、弱冠一柱邪魔なのが憑いてるけど」 紫「そうねぇ、ねぇ霊夢」 霊夢「なによ」 紫「あなた・・・あの子との子供作ろうとなんて思ってないわよね?」 霊夢「っぶ!?は、はぁああああ!?」 紫「その慌てぶり、もしかしてビンゴ?」 霊夢「んなわけないでしょうが!!ありえないから驚いてるのよ!!所帯じみててわけがわからないへんな神様が憑いてて! しかもその上異邦人よ!?ありえないでしょ!そ、そりゃあシンは意外と家事も手伝ってくれるし、優しいし、でもでも、結構頼りがいはあるけど」 紫「・・・そう、なら安心したわ」 霊夢「え?」 紫「わかっているんでしょ。あの子に憑いている娘。あれは禍神(マガツカミ)よ。それも飛び切り極悪な」 霊夢「それは・・・」 紫「あの子の中には憎しみと恐れと怒り、尊敬、畏怖、そういった負の魂で満ち満ちているわ・・・恐ろしい娘。 あんなにヘラヘラ笑っているようだけど、あの娘の中には何万、何億といった魂が満ちているわ だからこそ、あの娘はこの幻想郷でもかつてと同じ神威を振るうことが出来る。自分が喰らった魂を使って、ね」 霊夢「それは判ってるわ。だからこそ、シンをここにとどまらせているのだし」 紫「それは正しいわね。でも、だからこそ貴方はあの子、シン君っていったかしら?シン君との間に子供を作ってはいけないわよ」 霊夢「・・・それは、中間の巫女である博霊の立場を崩す、か・・・」 紫「判っているなら、それでかまわないわ。貴方は女の子よ。でも、そうである前に貴方は博霊の巫女なの。その立場を忘れないでね」 霊夢「・・・用件は、それだけ?」 紫「えぇ、そうよ」 霊夢「そう、なら今掃除で忙しいから帰ってくれる?」 紫「お邪魔したわね。それじゃあ」 霊夢「・・・わかってるわよ・・・そんなこと。 あいつ(シン)が禍神の本体であることも、あいつ(デスティニー)がそのお社であることも・・・判ってるわよ・・・」 霊夢「でも」 霊夢は、涙を隠すようにして下を向く。 歯を食いしばり漏れ出す何かを必死にこらえようとして、しかしその言葉は口からもれ出てしまった。 霊夢「好きに・・・なったんだもん・・・仕方ないじゃないの・・・」 秋の気配を見せ始めたこの幻想郷。 その空に吸い込まれるように、その言葉は彼女以外の耳には一柱にしか届くことは無かった。 4 霊夢「ただいまー」 シン「ああ、おかえり。ごはんできてるよ……て、すごい汚れてるな。すぐ準備するから先に風呂に入れよ」 霊夢「そうするわ。あ、そうだ。いつも家事してくれるお礼に一個あげるわ」 シン「これ……チョコレート? ああ、そういえば今日はバレンタインだっけ」 霊夢「なにそれ? 外の行事かなにか?」 シン「知らずに買ったのかよ……いやまて霊夢。その右手の包みはなんだ?」 霊夢「なんか退治した妖怪たちが持ってたのよ」 シン「すぐに返してきなさいっ!!」
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幻想入りの一覧/001-200幻想入りの一覧/201-400幻想入りの一覧/401-600幻想入りの一覧/601-800幻想入りの一覧/801-1000幻想入りの一覧/1001-1200 名称 作者 形式 地域 ジャンル クロスオーバー 編集 601 僧侶が幻想郷に侵入 僧侶の人 紙芝居 博麗神社→可能性空間移動船 フリー 編集 602 強引な勧誘で幻想入り ノベル 紅魔館→霧の湖→紅魔館→永遠亭→迷いの竹林→紅魔館 編集 603 撃墜されて幻想入り xotakk 紙芝居 妖怪の山→紅魔館(予定) 条件あり 編集 604 ドラゴンボールin幻想郷 猿沢 トーク 博霊神社→マヨヒガ→白玉楼 版権(ドラゴンボール) 条件有り 編集 605 幻想郷殺人事件 ノベル 博麗神社→迷いの竹林 編集 606 ジャック・Oが幻想入り M.I.Bというらしい。 ノベル 妖怪の山 版権(ARMORED CORE - LAST RAVEN) 編集 607 新種の妖怪が幻想入り Q(うさねこの人) 紙芝居 博麗神社 編集 608 紙粘土で幻想入り 罪袋 紙芝居 博麗神社→香霖堂 編集 609 科学者が幻想入り ノベル 魔法の森→博麗神社 編集 610 ヴァンパイアが幻想入り AAA 紙芝居 紅魔館(道中) 編集 611 - - - - - 編集 612 幻想入りしたい 狗 トーク 霧の湖→博麗神社→魔法の森→香霖堂 編集 613 幻想なんでも屋 こいわ トーク 編集 614 幻想 異界神 統神の人 紙芝居 魔法の森 編集 615 - - - - - 編集 616 蒼き鬼の幻想入り 甘辛党 トーク 白玉楼→香霖堂→白玉楼→永遠亭→迷いの竹林→守矢神社→紅魔館→三途の川→太陽の畑 ギャグ、シリアス、版権(新鬼武者) フリー 編集 617 牛乳飲んで幻想入り みるくねこ ADV 紅魔館 エロゲ風 フリー 編集 618 - - - - - 編集 619 東方星戦争 クローンコマンダー トーク 拠点 墜落した戦艦 霧の湖→永遠亭→博麗神社→香霖堂→紅魔館→白玉楼 版権(スターウォーズ) 編集 620 竜になりかけて幻想入り ドSマンV ノベル 魔法の森 厨二病 編集 621 旅人が幻想入り 毛布 トーク 太陽の畑→無名の丘→霧の湖 編集 622 - - - - - 編集 623 悪意ある者の幻想入り アミル トーク 霧の湖 シリアス・バトル傾向 条件付き 編集 624 入れかわり幻想入り つゆ 紙芝居 永遠亭→人里 条件付き 編集 625 幻想郷での一週間 ノベル 魔法の森? 編集 626 - - - - - 編集 627 - - - 打ち切り - 編集 628 作業着で幻想入り。 紙芝居 編集 629 AAで幻想入り 味噌 紙芝居 博麗神社 編集 630 - - - - - 編集 631 - - - - - 編集 632 ゲーマーが幻想郷入り BULLET OF THE PATRIOTS モアイ像(131・444人目) ノベル 紅魔館→人里→魔法の森 ひがしがたMGS 編集 633 ドラまたが幻想入りせざるを得ない ノベル+変則ADV 迷いの竹林→永遠亭→太陽の畑→博麗神社→紅魔館 版権(スレイヤーズ)、完結 編集 634 警備員の俺が拉致られて幻想入り トーク 紅魔館 編集 635 しがない錬金術師のボーダー商事奮闘記 三隈 小説 マヨヒガ→香霖堂 フリー 編集 636 - - - - - 編集 637 キノの幻想入り 影雪、夜子 紙芝居 香霖堂 版権(キノの旅) フリーです。 編集 638 犬が幻想入り 手描き小説 霧の湖 編集 639 神域が幻想入り ハニタッカ 紙芝居 紅魔館 版権(アカギ) フリー 編集 640 - - - - - 編集 641 バイオのレオンさんが幻想入り トーク 霧の湖→人里(慧音宅)→魔法の森→紅魔館→人里(慧音宅) 版権(BioHazard 4)、完結 編集 642 民俗助手が幻想入り Kei/DJ⑨/coil ノベル 冥界 編集 643 東方釣眼面 つり目 紙芝居 魔法の森→香霖堂→紅魔館 フリー 編集 644不死者が幻想入り 薫 トーク 迷いの竹林(妹紅宅)→人里(稗田邸)→マヨヒガ→妖怪の山(犬走宅)→守矢神社→稗田邸→魔法の森→紅魔館→博麗神社→迷いの竹林 版権(Baccano!) フリー 編集 645 - - - - - 編集 646 ソーセージ食わせに幻想入り!! ハム ADV 魔法の森→猫の棲む里 フリー 編集 647 ぬくりとVS幻想入り キサイ 紙芝居 永遠亭 ほのぼの、たまにバトル、コメディまれにシリアル 条件付きで有り 編集 648 幻想暴走録 くじら 紙芝居 永遠亭→紅魔館 条件付 編集 649 ちるとも にかわ 手描き動画 人里→迷いの竹林 編集 650 あなたが幻想入り ADVゲーム 編集 651 アンパン好きも幻想入り 紙芝居 フリー 編集 652 幻想旅苞物語 天森 ADV+紙芝居 守矢神社 編集 653 ネガティヴ少女が幻想入り お姉さまの人 ノベル マヨヒガ→紅魔館→人里→慧音宅→博麗神社→永遠亭 ネガティヴ 編集 654 無頼者幻想伝 兄やん ノベル 慧音宅 編集 655 俺が見た幻想郷 サツキ 紙芝居 人里(過去) 編集 656 知らずに彼も幻想入り ジョンジョン 紙芝居 妖怪の山 編集 657 バッグ背負って幻想入り ノベル 妖怪の山 編集 658 黒猫と幻想郷 うずらの人 ノベル 紅魔館→永遠亭 ほのぼのハートフルストーリー、完結 編集 659 未来から飛ばされて幻想入り 眠井 犬 手描き絵+ノベル 霧の湖→紅魔館 フリー 編集 660 ウホッ 俺も幻想入り カスピ界 紙芝居 フリーダム 普通のギャグ フリー 編集 661 正義の歯車が幻想入り ノベル 八雲家→博霊神社 版権(ギルティギア) 編集 662 愛煙家が幻想入り CABIN ノベル 基本シリアス フリー 編集 663 コンビニが幻想入り バケツの人 紙芝居 コンビニ幻想郷店 フリー 編集 664 見事な幻想郷 ノベル 迷いの竹林→人里→博麗神社 短編、ほのぼの、完結 編集 665 下半身全裸で幻想入り 焼肉 紙芝居 永遠亭 変態&カオス フリー 編集 666 まどろみ Pen 紙芝居+動画 迷いの竹林 編集 667 毛玉と屋台と幻想入り ノベル 八目鰻屋台 ギャグ&カオス 条件付 編集 668 幻想水瓶宮 た~りゃん ノベル+手書き絵 妖怪の山→霧の湖→紅魔館 基本的にシリアスで進みたい希望。版権(アクエリアンエイジ) 条件付 編集 669 こなたさんが幻想入りしたそうです ±アルカン トーク 博麗神社→紅魔館→魔法の森→人里→永遠亭→白玉楼→彼岸→旧都→妖怪の山→守矢神社→玄雲海→聖輦船 版権(らき☆すた) フリー 編集 670 幻想郷バイト(?)日記 Georges ノベル 編集 671 - - - 全話削除 - 編集 672 廊下を全力で駆け抜けて幻想入り ノベル 博麗神社 編集 673 最もつまらない幻想入り ノベル 魔法の森 編集 674 青針鼠が幻想入り ウニと友人 紙芝居 魔法の森 版権(ソニック) フリー 編集 675 テイルズキャラが幻想入り 尻尾 ノベル ジェイド一行⇒紅魔館 クラトス一行⇒人里 版権(テイルズシリーズ) フリー 編集 676 射命丸が現代入り tomoi トーク 現代 現代入りシリーズ完結 条件付き 編集 677 ドMが幻想入り 紙芝居 編集 678 スタンド使いが幻想入り トーク 紅魔館 版権(ジョジョの奇妙な冒険) 編集 679 ロリコンが幻想入り 紙芝居 編集 680 暇を持て余して幻想入り 紙芝居 編集 681 俺だって幻想入り 紙芝居 博麗神社付近 フリー 編集 682 袴男の幻想郷 カントク 紙芝居 白玉楼 ほのぼのメイン フリー 編集 683 - - - - - 編集 684 盲目と幻想郷 お茶の人 ノベル 魔法の森→魔理沙の家→霧の湖→紅魔館 ギャグ&シリアス(予定) フリー 編集 685 自由に幻想入り 紙芝居 妖怪の山→人里 コミカル&ギャグ、厨二病 編集 686 - - - - - 編集 687 幻想郷は異邦人の夢を見るか 弟子の人 ノベル 屋台・人里→紅魔館 ほのぼの/シリアス、異変 編集 688 つかまれて幻想入り ハモ 紙芝居 守矢神社 ほのぼの フリー 編集 689 - - - - - 編集 690 折ってみたin幻想郷 Dr.オリィ 動画? 湖→空? 折り紙 フリー 編集 691 ひぐらしのなく頃に 幻想物語 セミ ノベル [圭一] アリス宅 → 湖 → 紅魔館 [レナ] 紅魔館 版権(ひぐらしのなく頃に) フリー 編集 692 高校2年のオレが幻想入り アイマスクの人 紙芝居 魔法の森→八雲邸 EXルーミアメイン フリー 編集 693 新聞記者が幻想入り 紙芝居 編集 694 東方怪遊録 サガモ ノベル 魔法の森→白玉楼→八雲邸→人里→永遠亭→白玉楼 シリアスノベル 完結 条件付 編集 695 - - - - - 編集 696 長物使いが幻想入り ノベル 版権(ウルティマオンライン) 編集 697 ナナシが幻想入り 紙芝居 編集 698 実に白衣な幻想入り 紙芝居 編集 699 花火打ち上げに幻想入り ふくろう ノベル 太陽の畑→迷いの竹林→永遠亭→紅魔館→永遠亭→博麗神社 幽香メイン、シリアル&変態、完結 フリー 編集 700 幻想救聞記 ノベル 編集 701 武器職人が幻想入り 紙芝居 編集 702 強キャラが幻想入り ノベル 編集 703 オービタルなフレームと幻想入り ノベル 版権(ANUBIS) 編集 704 Dから幻想入り 月夜野(月夜野 椛) 紙芝居 魔法の森⇒竹林 版権(Quest of D) フリー 編集 705 シアワセノツカイカタ 紙芝居 編集 706 スマキで幻想入り 紙芝居+動画 編集 707 - - - - - 編集 708 幻想入り異変を追う ノベル 編集 709 イャッハァアーー幻想入り K.ミスタ 紙芝居 カオス&変態 編集 710 ふでぺんがトイレから幻想入り。 紙芝居 紅魔館 カオス 編集 711 永月物語 ノベル 編集 712 アコライトが幻想入り 紙芝居 版権(ラグナロクオンライン) 編集 713 仙八が幻想入り 紙芝居 編集 714 - - - - - 編集 715 廊下を全力で駆け抜けて幻想入り ノベル 編集 716 フナムシが幻想入りだYO! 紙芝居 版権(ピューと吹く!ジャガー) 編集 717 ダメガネの幻想奮闘譚 おはじき 紙芝居 洩矢→? ギャグ風味 フリー 編集 718 妄想狂が幻想郷へ トーク 編集 719 気がつけばそこは幻想郷 Jum 紙芝居 博麗神社→魔法の森 裏;→紅魔館 ギャグカオス フリー 編集 720 魂だけが幻想入り ノベル 編集 721 闇の帝王が幻想入り ノベル 多人数視点なのでいろいろ 版権(ハリーポッター) 編集 722 - - - - - 編集 723 赤いチルルン滞在記 紙芝居 編集 724 刀を持って幻想入り 女性アレルギーの人 ノベル 博麗神社居候 シリアス コメディ フリー 編集 725 死にかけて幻想入り 紙芝居 編集 726 ヤケ酒して幻想入り 紙芝居 編集 727 背後から幻想入り 紙芝居 編集 728 幻想歪悠帳 ノベル 編集 729 台湾人が幻想入り 昏 紙芝居 編集 730 薬を飲まされ幻想入り 封神 ノベル 編集 731 - - - - - 編集 732 零戦が幻想入り 自作絵+トーク 編集 733 迷宮幻想異聞 トーク 版権(ウィザートリィ) 編集 734 幻想入りした途端これだよ!! 紙芝居 編集 735 ハードボイルドなおっさんも幻想入り 紙芝居 編集 736 冗談のつもりが幻想入り カツヲ 紙芝居 魔法の森→博麗神社 フリー 編集 737 陸上自衛隊が幻想入り 佐藤高雄 紙芝居 フリー 編集 738 幻想郷奔走記 O3・潮 紙芝居 白玉楼 コメディ フリー 編集 739 幻想入りしても動じない 紙芝居 編集 740 風に吹かれて幻想入り sorai 紙芝居 三途の川~妖怪の山 フリー 編集 741 転んだら幻想入り 夜片 紙芝居 編集 742 東方妖怪記 ノベル 編集 743 逝き先は幻想郷 紙芝居 編集 744 - - - - - 編集 745 スケアクロウが幻想入り ふくろう(699人目) ノベル アリスの家→紅魔館→人里 上海メイン、完結 フリー 編集 746 - - - - - 編集 747 一期一会? 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紙芝居 編集 794 紅 美鈴が現代入り トーク 現代入りシリーズ 編集 795 エバラ焼肉のたれが幻想入り 紙芝居 編集 796 テロ牧師が幻想入り 誤字の人 ADV 彼岸→魔法の森→香霖堂→彼岸→人里→博麗神社→白玉楼→永遠亭→紅魔館→永遠亭→彼岸→無縁塚 シリアス&コメディ&バトル 版権(トライガンマキシマム) 編集 797 三次元嫌いの俺が幻想入り 紙芝居 編集 798 銃使いが幻想入り 紙芝居 作者と友人の合作 編集 799 幻想郷~合縁奇縁~ 紙芝居 編集 800 厄神と弟子@幻想郷 雛メイン!!の人 紙芝居 雛メイン フリー 編集
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ミフネ組 SF世界の構想15参照 任侠道を追及する愛国者。 紅白。三本足の鶴の家紋。 御舟備前は組織のボスだけど、直接「敵」って感じさせない憎めない造形にしたい。 もう最前線で戦う歳でもないだろうしな。 基本的に主人公たちと対立することもないだろうし、 ミフネ組の目的を邪魔した場合に火の粉を払われるだけ、という感じだろう。 ときには共闘することだってあっていい。 でも、やはりある程度の脅威ではなくちゃいけない。 何人か掃除屋(クリーナー)を設定しよう。 鉄砲玉。両手武器とダイナマイト腹巻。死んでも3日で生き返る。 「おお姐さん方、お久しゅう!へへ、恥ずかしながら冥土の旅から帰ってまいりやした」 そんな懲役すませてきた程度のノリでいいの!?とかw 毎回、わざわざ凝った辞世の句を読む。 武士。トレンチコート日本刀。不自然でない程度に漢字で喋る。漢語を和語に読み下す。 「――推参(おしてまいる)」とか「御免(ごめん)」とか「心配御無用」とか。 無限の住人っぽい恰好いい必殺技で敵を切る。御命頂戴致。 忍者。マジで忍者。ミフネ組の日本誤解の最たるものw 割った竹槍の先に直訴状。血で描いた連判状。矢に結んだ果たし状。メッセンジャー。 本人はずっと口元に人差し指(「しー」のポーズ)で喋らない。 マクガフィンを追う理由。 他の組織のように「エネルギーを集めて利用する」という動機ではない。逆。 御舟備前は「すべての日本人に自分の魂を与えて愛国心に触れて欲しい」と思っている。 もちろんそうすれば本人は死ぬ。 短剣を手に、死に装束で切腹しようとする直前のシーンまでは書きたい。 SF世界の構想47 時代劇っぽい仕草、展開メモ。 敵に斬られて血まみれの武蔵。雷鳴の夜明け前。雨と共に流れる赤。 這い進むが力尽き、川に流される。 朝。雨上がり。河川敷。起伏のある道のむこうに動き始めた街。 スズメ。すこしラフな格好の播磨。薪を抱えてる。 武蔵発見。ハッとして薪がらがら落とす。駆け寄る。 傷を検分。死にかけ。一瞬パニックになりかけて慌てるけどぐっと堪える。 顔の下半分を覆っていた布を(劇中はじめて)外す。かわいい唇。 腰の小刀で武蔵の着物を裂く。 竹筒を取り出して歯で栓を抜く。 口に含んで→傷口に吹く。焼酎?なんかの酒か薬→武蔵うめく。 腰の布袋から乾燥した薬草を出し、噛む。咀嚼して戻す方法。傷に盛る。 破った武蔵の着物で傷を巻く。応急処置。 途中で意識を取り戻した武蔵が憎まれ口きいたり「逃げろ」と言うが、 播磨は涙目+無言でイヤイヤ首を振る。 血が抜けて動けない武蔵をムリヤリ運ぼうとしてぺしゃっと潰れたりする。 敵が追ってくる。 必死でずりずり引っ張って逃げたり、草陰に隠れたり。 自分も武蔵の血にまみれながら、ぎゅっと抱く。武蔵の言葉も頑として聞かない。 …とか。で、敵に追いつめられてピンチ!からの助っ人飛騨登場までテンプレ。 ミフネ屋敷の領内はかなり時代劇テーマパーク的。日光江戸村。 交通手段は馬、連絡手段は矢文、通貨は和同開珎w ポリスは岡っ引きだし、娯楽は花札や将棋やサイコロ遊び。相撲や歌舞伎。 でも自動販売機があったりして、微妙にミスマッチ。 飛んでるスズメは監視機械。でも馬糞が落ちてる…とかw 竹槍をもったカラクリロボ出したい。一本足でふぁーって追っかけてくる奴。 あと狛犬。でかくて乗れる奴。しめ縄と鈴で操作するような奴w アサ達の元に地蔵スタイルで現れるメッセンジャー富士。 風にひるがえる黒衣。紅い網代笠。前掛け。鈴(リン)と鳴る錫杖。数珠。 「おやめなせぇ、そいつは死にいくようなもんだぜ姐さん方」とか ちょっと恰好つけた喋り方がいいかな。もっとガキっぽい方がらしいかな。 「一つ積んでは母の為」とか「三途の川の渡し賃」とか、その手の語彙多用。 あと、風車とか投げさせたいなw 障子の向こうに、ゆらめく蝋燭に照らされたボスのシルエット。 最初は二つ、老人と少女(神)の影が見えるが、 ぶつぶつと会話をしたあと二つの影が重なる。 すると小柄な老人のシルエットが不意に妖怪のごとく増大する。憑依合体! 幾重もの襖がシャカカカカカカカカッ!と開いて、その奥、座敷に、ボス。 (※自動ドアです) 最終兵器、ミフネ屋敷玄関にライトアップされてる巨大ロボ。 ボスが魂の共鳴をしてエヴァ的に動かす。 部下たちが三種の神器でどうのこうの…って発動シークエンスも作るか。 神我一体!とか天孫降臨!とか、山口貴由作品っぽくw なんか『機神エルベラ』書いてる気分だな…w あ、ミロク製薬社が仏教モチーフだから、差別化のために ミフネ組は神道モチーフにするよ。 スサノオとかアマテラスとかツクヨミとか。伊邪那岐、伊邪那美。 武御雷とか八岐大蛇とかヤタガラスとか。イワナガヒメとコノハナサクヤヒメとか。 草薙の剣とか勾玉とか鏡とか破魔矢とか…。 祝詞もうまく使いたいな。ソテナテイリサニタチスイイメコロシテ。 これらの戦いは、基本的に黄龍家を敵として展開されるはずだ。 ホワン達の立場からの攻め手/守り手も考えておこう…。 最後は虐殺機関もすこし絡めて、本能寺の変みたいにミフネ屋敷を焼くか。 手下もみんな息絶えて、夢は途上で枯れ果てて、あとは燃え盛る最上階で すべての原因となった魔剣(マクガフィン)を振るいボスが切腹。 で、件の剣は…ううむ、虐殺機関に横取りさせるか、黄龍家に獲らせるか。 ま、そのへんはもっと煮詰めてから決めよう。 御舟 備前――組長 播磨――唖の忍者 武蔵――盲の剣士 飛騨――聾の銃使い 富士――不死身の鉄砲玉 果心居士――薬使い
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【渓流】SSその2 緑なす木々から降り注ぐ柔らかな日差しが、渓流のしぶきを白く輝かせた。 荒い砂利の敷き詰められた木陰にて、表情に幼さのかけらを残した少女はひとり耳を澄ませる。 彼女――石油王アブ・ラーデル18世が聞く音はしかし、谷川のせせらぎではなく、自らの内に流れる血潮の脈動であった。 王は太陽に手のひらをかざした。 陽光を通して、皮膚の下を漆黒の血液が巡っていた。 《アグア・イグニス》。 それは石油王の体内より湧き出る、大地の真髄たる神秘の原油。 先祖代々受け継がれてきた、王の証である。 「父上……」 そっとつぶやくと、王は意を決した表情で一歩足を進め、彼女の血の色と同じ黒色に染まった大剣を高く掲げた。 剣の名を、原油採掘剣ドヴァット・デマクールという。 「さあ! 聞こえておるのだろう、卑しき暗殺者よ。正々堂々と姿を見せよ! 我こそは、石油王アブ・ラーデル18世! ユデン王国の正当なる王位継承者にして、最も偉大なる……」 その時、清閑な谷に乾いた破裂音が響きわたると同時に、漆黒の血しぶきが咲いた。 朗々と謳われる口上は、一発の銃弾によって遮られた。 『……殺ったの?』 暗殺者、河渡六文(かわたりろくもん)の手の内で、小銃が白煙を上げた。 銃口から響く甲高い問いかけに彼は答える。 「いや、浅い。ああ見えて狙撃を警戒している」 川を挟んだ山間の草木に身を隠しながら、様子をうかがう。 大剣で守られた頭部を避けて少女の心臓を狙った銃弾は、とっさに身をひねった左肩を貫通した。 彼我の距離は、およそ200メートルといったところか。 38口径のリボルバーでは致死の間合いとはならないだろう。 『でもでも、一発(・・)あたったよね!』 「ああ」 しかし彼にとっては、その限りでない。 「残りあと五発(・・)」 河渡六文の、六発の弾丸。 それは命あるものを冥府へといざなう《三途の川の渡し賃》。 死という現象そのものを強制する、絶対のルールである。 彼岸(あちら)と此岸(こちら)。 両岸の距離は果てしなく遠いようでいて、驚くほど近い。 『楽勝ね! さあバキュンバキューンと殺っちゃいなさい、六文!』 「わかってるさ、論華。だからもう少し静かにしてくれ」 論華(ろんか)と自称する己の銃と場違いな会話を交わしつつ、殺し屋は膝をつく標的に狙いを定め、再び六分の一の死を放った。 『……えっ!? 何あれ!』 だが、銃弾が少女の体に届くことはなかった。 それは王の前方を守るように突如出現した黒色の石壁に、ひび割れひとつだけを残した。 壁の中心には、河原の砂利に突き立てられた大剣があった。 「あの剣だ。一瞬で原油からアスファルトの盾を精製した! これが石油王の力か……」 そのまま王は剣を手に、転がるように茂みへと身を隠し木々の中へと消えた。 「……誘われているか。どちらにせよ、もっと近づかないとダメだな」 『そうね、賛成。ゴーゴー、六文ちゃん! サクッとぶっ殺しちゃいましょ!』 耐えかねたように、六文は眉をひそめる。 「あのなあ論華。さっきから、一国の王様とはいえ14歳の女のコだぞ? それを躊躇なく殺れだのぶっ殺せだの、いくらなんでもさ……」 『ふーん……そういうこと言うんだね、六文さん』 急激に空気が冷え込むような感覚を、六文は肌で味わった。 論華と名乗る声は、怒りもあらわに彼に吐き捨てた。 『あたしのことは、殺せたのに』 六文は大きくため息をつき、失言を後悔した。 先日の亜門との会話を聞かれて以来、『彼女』の機嫌はすこぶる悪い。 「わかったよ。真面目にやろう」 彼は腰を上げ、敵のあとを追った。 論華は死を望む。 そして六文は、殺すことが人より少しばかり得意だった。 彼は彼女の欲するままに、他人の命を奪い続けてきた。 「しかしまあ、社長も全く人が悪い。フリー時代の経歴まで掘り返されるとは」 河原に点々と残された常ならざる漆黒の血痕に、彼は見覚えがあった。 死神の脳裏に蘇った光景。 それは黒き血を滂沱と流して斃れ伏す老王と、その体にしがみついて泣き叫ぶ幼い少女の姿であった。 「大きくなったもんだ。シエル王女……それが今や石油王、アブ・ラーデル18世、か」 おびただしい量の黒血を零しながら、少女は激痛に歯を噛みしめた。 撃たれた左肩から先が、だらりと垂れて動かない。 銃創には、方形の穴が穿たれた真円の痣がくっきりと浮かび上がっている。 それは三途の川の渡し賃、六文の冥銭が内のひとつ。 コスモ・デ・ル=ユデン……彼女の父、アブ・ラーデル17世を殺めたものと、同じ。 「はぁっ……ぐ……河渡、六文ッ……! やはり、あいつが……!」 稀代の暗殺者、河渡六文の実力と能力は裏社会に広く知れ渡っている。 黒幕たる雇い主は未だに不明ながら、彼が先王暗殺の下手人であることはもはや間違いない。 亜門洸太郎が支援の見返りとして魔人闘宴劇への出場を要求した際、彼女は何かの冗談と考えた。 しかし六文の名を聞いたとき、それは彼女にとって越えねばならぬ試練へと変わった。 父を失った悲しみに暮れる中、何もわからぬまま王位を授かり、傀儡とそしられ。 それでも己に流れる血と天賦の才を信じ、傾きかけた王国を復興させた。 今再び訪れたこの苦難を乗り越えてこそ、かつての傀儡は真に民から認められる王になるだろう。 後ろを振り返ると、地に流れ落ちた血液が、少女の足跡を黒く染めていた。 「父上。どうか、天国(ヘイヴン)よりシエルを見守っていてください。アブ・ラーデルの名に懸けて、必ず成し遂げてみせます」 たとえ己自身を餌としようとも。 そう言いかけたとき、何ゆえか、目に涙をためた侍女の顔がまぶたの裏に浮かんだ。 「……たわけが。心配など要らぬぞ。我は死なぬ。死んでたまるか……なにが六文。なにが冥府への渡し賃だ。高貴なる我が命、たかが六文程度であがなえるはずもなし!」 王は、吼えた。 「この命もらい受けたくば、5000兆円を持ってまいれ! ……石油王だぞ!」 獲物を追い、死神は草土を踏みしめて山間に分け入る。 血痕を辿り歩みを進めるごとに、鼻をつく油の異臭は濃くなっていく。 「……さて、どこで仕掛けてくるか」 『えー? なになにどういうこと、六文? あたしにも教えなさいよ!』 「ああ、わかったから。もうちょい静かに。見つかっちま……」 彼の視界の隅に、赤い光が揺らめいて見えたのはその時だった。 蛇のようにくねり迫るその光は、彼の周囲を取り囲むと、一瞬ですべてを紅に染めた。 「……やはりな! 油を撒いて火を放ったか!」 足元から吹き上がる炎を避け、支流の水辺へと逃げ込む六文。 暗殺者の目は、その水流の中に細く渦巻く黒い汚濁を見逃さなかった。 (ってことは――) 山が燃える。 王の印たる黒き血の流れを遡り、六文は浅い水の上を駆ける。 そしてただちに彼はその源にたどり着いた。 だが、そこに少女の姿はなく。 川の中央にはただ……黒く輝く大剣が、突き立っていた。 剣から流れ出す漆黒の油が、渓流を染めていたのだ。 (――本命は後ろだ!) 六文は振り返り、燃えさかる炎の中に銃を向けようとした。 しかし既にその目前。 「……河渡六文!」 燃え立つ怒りを全身にまとう暴君が、拳を固く握りしめていた。 六文は少女の瞳の奥に燃ゆる憤怒を見据えた。 「父上の……仇だッ!」 (ああ。惜しいな。こいつには……) 石油王の拳は、六文の手中の銃をしたたかに打った。 (……人を殺す覚悟はない) 『ちょ、ちょっと!? 六文ーっ!?』 「悪いな、論華!」 論華の声をさえずるリボルバーは彼の右手を離れ、砂利の上を転がって水中に没した。 死神はその唯一の武器、命を刈り取る大鎌を失ったかに見えた。 「ひとつだけ忠告だ、石油王」 だが、もう一方の左手。 その手のひらの内には、河原の小石が握り込まれていた。 「殺し屋は、道具を選ばない」 彼女がその言葉を理解した時には、手遅れだった。 六文は親指をはじき、手の中の小石を次々と無防備な姿勢の少女へと撃ち出した。 「二。三。四。五。ああ……惜しい」 王はかろうじて、飛んでくる石つぶてのひとつを袖の端で払った。 だが、四発。 痛みすら感じないほどのかすかな――それでいて致命的な弾丸を四発、体に受けた。 「冥府の渡し守は意外と気前がいい。弾だろうと石だろうと区別はないんだ」 「くッ……」 川に突き立てた原油採掘剣を手に、石油王は暗殺者と正面から相対した。 その肌には今や、左肩の銃創に加えて、死への渡しを勘定する四つの銭紋が新たに刻まれていた。 両者の距離は、およそ3メートル。 「……残り、あと一発。頼むぜ、論華(・・)」 抜いた剣を上段に構える石油王に対し、六文は懐から二連装のデリンジャーを取り出した。 不測の事態に備えるための、予備の隠し銃である。 『ふん! もっと他に言うことがあるんじゃないの?』 再び響いた甲高い声は、川に沈んだリボルバーではなく、その銃口から聞こえた。 「すまん。いや、悪かったと思ってるよ。でも囮に使うのが一番確実だったんだ」 『あーそうですか! 結局六文ったら、論華ちゃんがいないと何もできないんだから!』 ……論華とは、銃の名ではない。 それは河渡六文の手を介して人々に死をもたらす、冥府の川の渡し守である。 『ほら! さっさとぶっ殺して!』 「ああ。俺がしくじるわけないだろ。黙って見ててくれよ」 『六文。殺して。あいつも……あたしみたいに』 「わかってる」 そして、河渡六文の、かつての恋人の名でもあった。 「……貴様」 石油王は剣の構えを解かぬまま、目の前で語られる会話を咎めた。 「さっきから、なにを一人で(・・・)ぶつぶつと!」 死神は、悲し気に目を細めると、薄い笑いを口の端に作った。 「仕方ないだろ」 河渡六文は、戦闘において、ひとつだって無意味な動きはしない男だった。 「俺だって本当は怖いんだよ。人間の命を奪うなんてさ」 殺し屋はつとめて己の思考をシンプルに保った。 手中のデリンジャーには、弾丸が二発。 あと一発で、終わる。 その時。 「さあ」 『さあ』 それは偶然だった。 『殺して!』 「殺してみよ!」 銃口から響く論華の声と、敵が発した声が、重なりあった。 目の前に立つ少女の上に、なぜだか似ても似つかない女性の姿が浮かんで見えた。 かつて彼が命を奪った、それが。 「論――」 刹那にも満たない、一瞬の戸惑い。 生じた隙の間に、石油王は大きく踏み込んでいた。 上段から振り下ろされる漆黒の大剣。 その刀身に、赤く炎が燃え上がった。 (ならば……!) 銃声が響く。 放たれた銃弾は剣の側面を撃ち、少女の手元から弾き飛ばした。 死神の目前には、大きく開かれた無防備な的だけがあった。 (終わりだ。石油王――) だが、その指が再び引き金に掛かるより早く。 「が、ハアッ……!?」 六文は、自らの身体が砕ける音を聞いた。 肋骨が折れ、肺に食い込むほどの衝撃が、彼の胸に打ち込まれていた。 それは、銃弾ではなく。 剣でもなく。 「……石油王拳撃(オイル・ショック)」 漆黒の血に濡れた、王の左手だった。 彼自身が少女に刻み込んだ左肩の銃創から先が、ちぎれかけて黒煙を上げていた。 (……傷口から流れる油に、自ら火を。ハ、ハ……なんて奴だ) 膝折れ地に倒れる彼の元に、王は立った。 「殺せ」 血の混じった咳を吐きながら、河渡六文は言った。 「……父親の仇をとるんだろ。あんたにはその権利がある」 だが、石油王は凛とした声で彼にはっきりと告げた。 「ふざけるな。貴様のような下賤な者と一緒にするな。己の利欲や激情に任せて人を殺めるなど……そんなものは真の王のありかたではない。真の王とは、民を導くものだ」 六文は、二度まばたきをした。 「貴様を裁くのは、法であり、民だ」 「はは……」 彼は、この幼い少女に人を殺す覚悟などないと、そう判断した己の過ちを悟った。 その小さな両肩には、彼が抱え込んでいたものよりずっと重いものが背負われていたのだ。 論華の声が、なぜだか今は、聞こえなくなっていた。 「――『自然派』だ」 「……なんと言った?」 耳慣れないその単語に戸惑い、王は聞き返した。 「石油王アブ・ラーデル17世の暗殺。依頼主は、自らを『自然派』と……そう名乗った。それが、あんたの敵さ。おそらくは、今も――」 渓流に、一陣の冷たい風が吹いた。 「……ええ。計画に遅れはありません」 人気のない、荘厳な城の一室にて。 重厚な鎧に身を包む男の声が暗がりに残響した。 「共に祝福いたしましょう。我らが『太陽王』の帰還を……!」