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i 私が詩音という名を捨て、再び魅音を名乗ってからもう数年が経ちました。昭和58年の6月のあの日から私を取り巻いていた世界は劇的に表情を変えていきました。 その当日、私は自宅で惰眠に耽っている所でした。夢を見ていました。燃え上がっていく、真っ赤な炎に自分の身を焼かれるという恐ろしい夢だったのを憶えています。私ははっとして目を覚ましました。まるで自分の体が本当に焼かれたように熱くなっていました。何か嫌な感じが私の体を包んでいました。どういうわけか額が割れるように痛んでいました。その感じを振りほどこうとベッドから身を起こしたときでした。 電話のベルが鳴っていました。人間には第六感というのが存在していると聞いた事があります。それをはっきりと実感した初めての瞬間でした。今思えば、それは虫の知らせと言うものだったのでしょうか。 「詩音さん……魅音さんが……」 私の側近の一人の葛西からの電話でした。 雛見沢分校篭城事件は大体的に報道された事件ですので、記憶に残っている方もいるでしょう。お姉はその事件に巻き込まれました。お姉だけではありません。私の大切な仲間たちが全員、巻き込まれて死んだのです。 雛見沢に到着し、直後にお姉の遺体の検分に私は立ち会いました。大規模な爆発が起きたと聞かされていたので、凄惨な有様を覚悟していました。灰色を基調とした霊安室だったのを微かに記憶しています。お姉は眠っていました。綺麗なものでした。あれだけの爆発に巻き込まれたのにも関わらず、お姉の体にほとんど傷は付いていなかったのです。警察の方が珍しいとも言う程でした。少しだけ煤を被って服や肌が黒色にくすんでいただけでした。 「どうしちゃったんですか、お姉。まだ眠り足りないんですか?」 私はそのような感じで問いかけていました。死んでいるとは到底思えずに、本当に眠っているだけに見えたからです。それほどおhは綺麗な顔でした。前髪に手をかけると額に縦一文字に傷が走っていました。 「ははっ。お姉、かっこいい傷できちゃいましたね。早く起きて、診療所で診て貰いましょう?」 何も言ってはくれませんでした。ただ隣で、お母さんのすすり泣く声が代わりに聞こえてくるだけです。この時、お母さんが泣くのを初めて見たような気がします。 お葬式は大体的に行われました。大勢の弔問客が全国から訪れてきました。私の生まれた園崎家は表筋も極道と人が呼ぶような裏の世界にも名の知れた一家です。その次期頭首が死んだのですから当然といえば当然でしょう。お姉の背負っていた頭首というものが 重いものかと実感させられた瞬間でした。しかしながら、そのような実感が湧いても悲しいという感情が全く起きては来ませんでした。悲し過ぎると人は涙を流さないと聞いた事があります。まさに聞いたその通りでした。ぽっかりと穴が抜けたような感覚だけが私にはあったのです。 お葬式が済んだ後、即座に親族会議が開かれました。なにしろ、古手家の頭首と園崎の次期頭首が倒れたのです。御三家の崩壊を防ぐため、大人たちは躍起になっていました。筆頭頭首の園崎の血を継いでいる存在は婆様とお母さんと私だけです。私に次期頭首の白羽の矢が立ちました。その日から、私は詩音という名を捨てる事になったのです。 魅音を名乗ってから、しばらくは私の仲間達との思い出がまざまざと浮かんでいました。悟史君の事も例外ではありません。昭和57年の、まだ詩音だった頃の話です。私にとって悟史君は太陽のような存在でした。あの柔らかな微笑や気丈でいて、不器用な所、仲間思いの優しい性格、全てが私を優しく包んでくれる光でした。彼が窮地の陥ったときも私は身を挺して救いました。恋人同士だった言うわけではありませんが、私の操はあの人に捧げました。 当時、精神的に苦しんでいた悟史君の心労を少しでも和らげたい、忘れてもらいたいという想いが私を突き動かしていました。人から見れば盲目的な恋の慕情だと思うでしょう。それでも良かったのです。彼が優しい笑顔を見せてくれるなら良かったのです。 「……いくよ……魅音」 悟史君は悲愴を忘れるかのように私の中に突き入れてきました。ろくな前戯も知らなかった頃ですから痛みは激しいものでした。でも悟史君が満足できるなら、心の安寧と静謐が一瞬でも得られるのなら、寧ろその痛みは快感へと昇華していきました。 「はっ……はぁ……来て……悟史……」 そのまま私の体の中は悟史君の精液に満たされました。熱くて粘度のある流動が私の中から感じ取れました。 「はぁ……あぁ、ごめんよ、魅音……」 「いい、の……悟史……」 中に出されてしまったから妊娠してしまう事も考えました。でも、悟史君のなら孕んでも良いと思える位でした。残念と言うか幸運だったのか、授かる事は無かったのですが。 そんな悟史君との邂逅も私一人の手では得られる事は不可能でした。当時の家柄の都合上、私は詩音という名を隠して接しなければならなかったのです。だからお姉の力を借りる事にしました。魅音という名を借りて私は悟史君と過ごしました。悟史君は疑う事なく私をお姉として見ていました。あの時、悟史君に抱かれたときにも私は魅音として抱かれていたのです。 一度だけ詩音という名を打ち明けた事はあります。良い名前だねと言ってくれました。本来は忌むべき詩という名前を褒めてくれました。嬉しさで心が満たされました。 こんな幸福も長くは続きませんでした。悟史君は57年の綿流しの祭りの日からどこかへと失踪してしまったのです。 頭首代行の座についた私は魅音の重みを身をもって知る事になりました。礼儀や品行を叩き込まれ、園崎家の関係を熟知し、親族会にも漏れなく足を運ばなくてはなりませんでした。お姉がこんなに重いものを背負っているとは考えた事もありません。 なのに、私は自分の都合だけでお姉にわがままを言っていたのです。悟史君と過ごしたい一心だけで、迷惑をかけていたのです。姉は一つも嫌な顔をせずに承諾してくれました。学校の事も頭首としての仕事も気にしなかった日など無かったでしょう。それなのに私は、私欲だけで動いてしまったのです。 悟史君がいなくなってしまった時、私は自棄になりお姉にひどく当たりました。私のために爪まで剥いでくれた、ただ自分のために力を尽くしてくれた唯一の姉なのに……お姉の気持ちなんて微塵も考えていなかったのです。愚かな妹でした。 頭首代行を務めてそれを痛いほど実感しました。 「お姉……どうして……いなく……なったの……?」 初めてお姉の大きさに触れ、私は心苦しさで涙が止まりませんでした。 数年たった今、私はがむしゃらに頭首として励んでいます。それはお姉への懺悔の気持ちがあったからなのかもしれません。感じていた心痛をお姉たちの記憶ごと打ち消すように尽力して努めました。 私の務めや側近たちの協力のおかげで園崎はさらなる発展を遂げました。園崎のために、対抗勢力や反乱分子を力ずくで押さえ込んだ事もあります。私の生まれ持った激しい気質もそれに拍車を掛けました。末端の構成員の家族に手を掛けた事も何度だってあります。悪魔だと鬼だと罵られた事もありました。それで良いのです。お姉たちの記憶をかき消す事が出来たから。結局私は、記憶を消すために奔走していたのです。 「葛西、私を抱いてください」 側近の葛西に体を求めた事もあります。葛西は何も言わずに抱いてくれました。快感が圧し込める僅かな時間、お姉の記憶を忘れる事が出来たのです。葛西が理由を聞いてくる事は一切ありませんでした。無骨な人間です、葛西は。公私共に彼にはどれだけ感謝しても仕切れないでしょう。 しかしお姉との記憶が消えないのです。どんなに頭首の仕事に傾倒しようと体を快楽に溺れさせようとも、それが思い返されてきました。毎日のように夢枕にお姉が立ってくるのです。あの変わらないお姉の優しい顔を携えてくるのです。 「お姉!!」 毎晩はっとして目が覚めるのです。お姉を夢で見る度に涙が自然と溢れました。顔を洗いに洗面台に立ってようやく気が付きました。私はお姉と同じ顔をしている事、お姉が名乗っていた魅音を継いでいる事をです。 「ううっ……お姉……どうして……」 お姉との記憶が私を苦しめるのです。仲間達との思い出が残像となって私の心に入り込んで来るのです。雛見沢でのあの57年と58年の記憶が私の心を締め上げて離してくれないのです。 引き裂かれそうな心と体を震わせながら私は懸命に生きています。いなくなってしまったお姉たちにとっては運命に翻弄された灰色の世界なのかもしれません。でも、その中で残された人達は必死に生きようと、もがいているのです。過去を顧みながら、生の充足を得ようとしています。 宙空に一人取り残された私にまた6月が訪れようとしています。後何回、毎年訪れる6月を過ごせばお姉たちとの記憶は消えてくれるのでしょうか。 足の付かない地面を懸命に疾走し続けていれば、その答えを見つける事ができるのでしょうか。 fin
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腕 絹の手袋 (キヌノテブクロ) 【手甲】 基本性能 絹の手袋 【手甲】 価値 8 攻撃力 0 命中補正 - 重量 3.9 防御力 21 回避補正 - 容量 0 耐久度 45 物理耐性 +2 鍛錬 0/15 耐久性 100% 妖術耐性 - 装備区分 腕装備 必要Lv 装備可能 僧神陰忍薬 Lv35以上 付与効果 生命力 ---- 腕力 ---- 土属性 ---- 気合 ---- 耐久力 ---- 水属性 ---- 器用さ ---- 火属性 ---- 特殊効果 妖力 知力 ---- 風属性 ---- ---- ---- 魅力 ---- 生産可能職 職業 技能 侍 籠手作成之は 価格 買値 売値 PC値 --文 --文 --文 材料 絹の手袋 1 キツネ革 3 絹 2 備考 名前 コメント
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儲け話で手に入れる財宝は骨董品だ。それは古と呼ばれる時代のものであったり、それよりも前であったり…。 この大人のパンのレシピもその一つだ。 今は誰も作る者がいなくなったであろうこのパンの味を知りたいと言いだしたのは他ならぬラムザであった。 「アグリアスさん。パンを作ってください」 「はぁ?」 紅茶を手に持ったまま間抜けな声を出す。 普段、ラムザが呼ぶ時には隊の事だ。プライベートの事はあまり話した事がない。 お互い気を遣いすぎているのかその機会に恵まれないのだ。 「あ…やっぱり、嫌ですか?」 「い、いや。そんな事はないぞ」 ラムザの前で間抜けな声を出した自分に恥ずかしさを覚え狼狽する。 コホン と咳払いをし、動揺を隠す。 「ただ、突然の事でビックリしてな」 「あ、すみません。状況を説明すればよかったですね。えーと、ラッドがこの度の儲け話でパンのレシピを手に入れたんです」 「パンのレシピ?」 パンはイヴァリースだけでなく、隣国の国々も主食とするものだ。 パン作り――それは母から子へと伝えれていく伝承の技。 だから今までレシピを見て作るなんて事はした事がなかったし、パンにレシピがあることに少し違和感さえ覚えた。 ラムザから渡されたレシピは昔のもので、薄い本になっている。 名は『大人のパンの作り方とその応用』 「パンのレシピなんて初めて見たな」 「…じゃあ、パン作れないんですか?」 「な、アグ姐に料理が出来るわけないって」 「どこから湧いた、ムスタディオ」 失礼な口を叩くムスタディオを睨みつける。 「湧いたとは酷いなぜ」 「パンは主食だぞ?作れるに決ってるだろう」 「ホントですか!?」 「あぁ。作るのは子供の時以来だがな」 「本当にそれで大丈夫かぁ~?」 「一度覚えた事を忘れる私だと思うか?ムスタディオ」 「だって子供の時だろ?何年前だと思ってるんだよ」 「貴様っ!」 「ムスタディオ、失礼だよ!」 殴りかかろうとするアグリアスを制止ながら、ムスタディオを諌めるラムザ。 「ならお前はアグ姐が料理してるの見た事あるか?」 「う…それはないけど」 「だろ?そんな奴が料理できるなんて、しかも小さい頃に作った経験しかないなんて俺は失敗するに賭けるね」 「よかろう、ラムザ起っての願いだ。パンを焼いてやる。失敗したら不器用な女だと笑うが良い だが、美味くできた暁には…覚悟しておくがいい!」 「上手く焼けたら、残飯でもなんでも食ってやるよ」 へへっと卑下た笑いを洩らすムスタディオ。 こうしてアグリアスはパンを焼く事になった。 ―2話 夕食にはパンが焼けそうだとのアグリアスから聞いたラムザは、夕食を抜きにして待ってる。 本当は財宝の整理などやることが沢山あるのだが、今日くらいは良いだろう。 今、アグリアスは厨房でパンを焼いているところだ。 一朝一夕でできるものではないので、結局次の日になってしまったが、それでもアグリアスは夜を徹して仕込みをしてくれた。 だから頼んだ張本人として待つのは当たり前だ。 だが―― 「あ~早くパン持ってこないかな~」 「ラッド。アンタさっき夕食、食べたばかりじゃない」 「夕食は夕食。アグ姐のパンはアグ姐のパンだ」 「おぃおぃ、お前、アグ姐の作ったパンが食えると思うのか?」 「お前こそ大丈夫かムスタディオ。お前の話だと、美味く出来たら残飯食うんだよな?」 「アグ姐に美味い料理が作れるかよ。きっと石みたいなパンか、別の物体になるな」 「失礼ね、ムスタ!アグリアス隊長だって料理位できるわよ(きっと)」 「そうですよ。アグリアス隊長は何でもこなせる方なんですから(たぶん)」 「ヘっ。まぁ、せいぜい石でも食ってな」 「お前こそ残飯食うなんてモノ好きな奴だぜ」 いつの間にか隊全体に話が広がり、"アグリアスPresents-大人のパン試食会-"に発展していた。 しかし待ち切れず酒まで飲みだして、もういつもの飲み会である。 …なんでこんな展開になってるんだろう? 被害者は少ない方が…って訳じゃないけど 折角アグリアスさんの手料理を一人占めできると思ったのにな~。ハァ いつもはアルマの事やメンバーの事を考えている頭を、"一人でアグリアスの手料理を食べるにはどうすれば!?"を議題にフル回転させたのだが…。 何が失敗かと言えば、やはり自分の欲を出したのがいけなかったのかなぁ… アグリアスさんって競争率高いしなぁ…上手くいかないな 作戦が失敗し落ち込んでいるラムザを笑うように、メンバー達の笑い声が聞こえてくる。 ラムザは恨めしそうに酒を飲むメンバー達をみる。 酒まで持ち出して…楽しそうだな。 でも何でムスタディオ達は酒を飲むんだろう。あんなに不味いのになぁ… 僕には理解できないや グゥゥゥ はぁ…お腹すいた。アグリアスさんまだかなぁ… そんな落ち込んでいるラムザに、ある人物が近寄る。 「ね~らむざ。一緒に飲もうよ~」 「ラファ、それはお酒じゃないか!?」 お酒は二十歳になってからとラファからエールを取り上げようとする。 「い~や~っ!!」 「よこしなさい。お酒は大人の飲み物だよ」 「あたしはもう十分オトナだわっ!!」 ドンッとカウンターを叩き胸を張るラファ。 異国の衣装がピンと張り、体のラインを表す。 白い衣装だからか。 しっかりと双丘が見てとれる。 「―――うん…知ってる。もぅ、だいぶ大人だよね」 「エヘヘ♪だよね、だよね」 「でも、お酒は二十歳になってから だよ」 「じゃあ、らむざも飲んで」 「いや、僕はいいよ」 「の~ん~で~ぇ~っ!!」 ラファはエール片手に暴れだした。 「わかった。飲むから、ラファ落ち着いて!」 ラムザはラファから渡されたエールをじっと見つめる。 酒を飲むのは傭兵時代、ガフガリオンに飲まされていらいだ。 『酒ってのは豪快に飲むンだ。特に最初の一杯目は一気に飲むンだよ!』 そう言われて無理して飲んだ結果、次の日は最悪のコンディションになった。 横目でラファを確認する。 期待に目を輝かせているラファが見えた。 もぅ、こうなっては腹を決めるしかない。 ラムザはエールをグッと飲んだ。 口の中に苦みと、弱い炭酸の痺れが広がる。 不味い!まずいよーー!!! この胃にしみわたる感じは間違いなく酒だ! 大人の味だ!! それに苦い!!苦いぞ、コンチクショー!!!! 心の中で悪態をつきながらエールの味に耐えていく。 なんとか空にする事が出来たが、息も絶え絶えである。 「すご~い。らむざってお酒飲めるんだね」 「あ、ははは…ありがと」 「これでらむざもあたしと同じだ~☆」 ラムザの腕に抱きつくラファ。 フニュ こ、これは―――(゚∀゚)――――!!!!!!!!!!! その時ラムザの中で何かが目覚めた。 ラムザとて年頃の男である。普段は、持ち前の冷静さと理性で様々な欲望を抑えつけているのだ。 そう、間違いない。この上腕部にあたる感触。 肌や腕では表せないこのやぁらか~い感触はあの双丘に間違いない!!! さっき眺めた白い双丘―――それは神秘とロマンに満ちた丘。 それが腕に当たっているのイメージは容易に想像できる!! 妄想モードに入ったラムザだが、ラファは酒を飲んでくれた事がそんなに嬉しいのか、体を左右に振る。 フニュ フニュ 更なる感触に酒も良い感じに加わって、顔がニヤける。 あぁ―――この感触 お互いの服の上からでも判るこの感触はイイ!d(≧∀≦)b 最高だ!! こ、これを直に触れられたら、そ、そ、そ、そそそれはどんな――――イカン!!! このままでは理性の箍が外れて、手を出してしまいそうだ! ――駄目だ駄目だ!僕にはアグリアスさんがガガガ゙ガガ 必死に欲望と戦うラムザ。 理性の箍が外れるのは時間の問題だった。 「ラファ、ラムザに迷惑かけるな!」 「なに、兄さん。ほっといてよ」 「放っておけるか!ほら、向こうでお茶でも飲め」 「あ~ん、らむざ助けて~」 ズルズルと引きずって行かれるラファ。 た、助かった―――ような残念のような。 だけど、マラークも大変だな。妹を持つ者同士として同情する。 アルマが酒を飲んだ所を見た事がないが、アルマも酔うとあんな感じになるのだろうか? そう疑問に思いながらも、腕に残る感触が蘇る。 アヘヘ…柔らかったなぁ―――って違う!しっかりするんだラムザ! 自分に活を入れるため席を立つ。 …あれ?何だろう。視界はハッキリしているのに何だか立っている感じがしない。 両手で顔を抑えてみる。 熱い。確実に紅潮している。 もしかして――― ラムザはサロンの出入り口に向かって歩いてみる。 ―――歩ける。だが、気を抜くと右や左に体が動いていく。 ちょっと休んだほうが良いかな フラフラする体を精神を奮い立たせて歩く。 ちょっとでも気を抜けば落とされる…そんな断崖を歩いている心持で部屋まで戻って行った。 ―3話 「だいぶ待たせてしまったな」 だが待たせたかいがあり、大人のパンは美味しく仕上がった。 アグリアスはパンかごを抱えながらサロンへと向う。 そして部屋に入るなり今、一番会いたくない人物と最初に目が合う。 「んぉ?いょう!遅かったじゃねえか!」 「ムスタディオ…随分とご機嫌だな」 「あぁ、アグ姐ェが長い時間かけて残飯作ってるんでな。ウハハハハ」 「アグリアス様、もうパンは焼けたのですか?」 「アグ姐!待ってたぜ!」 「あ、良い香りがする~」 「お、来たな」 「何だ?皆、私のパン待ちだったのか?」 「そーでぇーーす!」 「アグリアス様の初手料理ですからね!食べない手はないですよ」 アリシアの発言につられて、ラッド・ラヴィアン・マラークとぞろぞろと近寄ってくる。 「で、どうです?出来栄えは」 ラヴィアンが若干、不安がかった表情で聞いてくる。 説明するより目で見た方が早いだろうと、パンかごに掛っているナプキンを取る。 とうとう明かされるアグリアスの初手料理、大人のパン。 ナプキンをとったことでパンの香りがいっそう強くなる。 色は濃い琥珀色、大きさは掌より若干小さめの、丸いパン。 「うわぁ、美味しそうですね!」 「あぁ。レシピに乗っていたのはパン型に居れるタイプだったのだが、生憎パンが他がなくてな。仕方ないから小分けにしておいた」 「ま、まぁやるじゃん。でも匂いや見た目だけなら誰も出来るぜ」 「そうだな。皆、待たせたな。食べてみてくれ」 「わーい、いただきまーす」 「アグリアス様、頂きます」 「アグ姐、頂きます」 「一つ貰うよ」 「…」 それぞれが籠からパンを一つずつとり口に運ぶ。 「うめー!うーまーいーぞー!!」 「ん~!おいしい!!」 「これの葡萄はラムレーズンか。美味いな」 「ああ。しかも、ラムレーズンから出た酒がパン全体に広がってる…まさに大人のパンだな!」 「流石、アグリアス様です!」 「これなら何個でもイケルぜ!!」 「美味い美味い。ラファお前も…ってアレ? ラファ、何処行った?お~い」 様々な称賛の声をあげるメンバーを余所に、どんどんと立場がなくなるムスタディオ。 自分の予想を大きく裏切った結果に何も言えないでいる。 「…」 「どうした、ムスタディオ?私の作った"残飯"はどんな味かな?」 「………めぇ」 「ん?」 「…うめぇ。だが、小さくて食った気がしねぇな!!」 勢いに任せてパンを口に放り込むムスタディオ。 自分の立場を保持するために悪態をつくとは……哀れな男だ 「何いってんの!十分美味しいじゃない!!」 「そうよ、それにあんた夕食食べてたでしょ!!」 「諦めろ。男らしく残飯食え」 「ま、ガンバレ。ムスタディオ」 「ぐぅ……」 ラヴィアン達からもう反撃を受け、青くなるムスタディオ。 身から出た錆とはいえ、このままでは本当に残飯を食わされそうだ。 「まぁまぁ、皆。あまりムスタディオを責めるな。私は今まで料理を作っていなかったのだ。 それでは料理下手だと想像する者もでるのも当たり前と言うもの」 「な…アグ姐ェ」 まさかの見方に驚愕の表情をあげるムスタディオ。 「とはいえ、人を中傷するのはお前の悪い癖だ。直せよ」 「くぅ…アグ姐ェ、俺が悪かった!すまん!!」 ムスタディオが目を潤わせて頭を下げる。 それはまるで罪人が女神に許しを乞うている絵画のようなシーンだ。 ―――さぁ、賭けの代償を払って貰おうか? 「は?」 部屋一杯に広がる黒いオーラ。 ルカビィを超えるアグリアスから発せられる恐怖。 さっきまで目を潤ませて謝っていたムスタディオの表情が凍りつく。 「アリシア、ラヴィアン。すまないが厨房からパンを持ってきてくれ」 「はい。了解です」 「な、何を?」 「何って賭けの代償だ、ムスタディオ。残飯食えとは言わないが、ある物を食って貰おう」 ラヴィアンとアリシアが厨房から"ある物"を持って来た。 それはパンの山―― 「ちょっと沢山作ってしまってな」 「た、タスケ――」 「ラッド」 「おう」 「な、止めろラッド!離せッ!!」 「さっきラッドも言ってただろう?"これなら何個でも食える"って」 ふいにパンを一つ手に取る。 「フフフ…お前は"小さくて食った気がしない"と言っていたな。望み通りほら、大きいぞ」 さっきまでのパンと比べて見せるアグリアス。 大きさは約2倍。 またアグリアスは笑ってはいたが、その顔は笑い掛けるアルテマデーモンのよう。 「さぁ、存分に食うが良い」 「いーーやーーだーーーーッッ!!!!」 暴れ出すムスタディオ。 「さぁ、ムスタ。食べさせてあげるから☆」 「そうそう、全部食べないと、明日の朝食は拝めないよ~」 「お酒も一杯あるから、食べやすいよ~。ほら、ドンドン入ってく~」 「た、助けてーームグゥ!!」 ラッドに抑えつけられたムスタディオは逃げる事も出来ずにパンを食わさせられる。 またラヴィアンとアリシアは嬉々としてムスタディオの口にパンと酒を詰め込んでいった。 愚かなとこだ。自分で自分の首を絞めるとは―――あ 目の前で繰り広げられる"賭けの精算"を嘲笑していたアグリアスだったが、ある事に気がついた。 折角パンを焼いたのに、食べたいと言った張本人はどこに行ったのだろう? 私がここに来た時にはもう居なかったな。 「ラヴィアン、ラムザはどこに行ったのだ?」 「あ~、隊長ですか。なんか部屋に戻ったみたいですよ」 「ふむ。そうか」 仕方ない。私が部屋まで届けてやろう。 アグリアスはもぅ興味はないとばかりに、さっさと部屋から出ていった。 ―4話 なんとか部屋へと戻ったラムザ。 部屋へ戻る途中にも壁に柱にと体をぶつけて歩く。 表現を悪くすればランプにぶつかってくるヤママユガ… もしくは、ガラスに気が付かずぶつかる蜂のようだ。 「う~ん。ヤバいよ~」 立っていては危ないのでベットに座り顔を抑える。 さっきより熱いように思う。 なんでー?たった一杯なのに(しかも飲みかけ) ラムザは酔いのまわっている頭で必死に考えた。 僕ってこんなにお酒弱かったのかなぁ… 状態を起こしているのもキツくなってきたので、そのままベットに横になる。 しかし、空きっ腹に酒。 ちょっと休むだけのつもりだったが、いつの間にか寝入ってしまった。 スー スー 部屋に響くは寝息のみ。 その部屋にノックもなしに入ってくる者がいた。 「らむざ居る~?あ、らむざはっけぇ~ん」 フラフラしながらラムザを探していたラファだ。 「確かラムザの部屋は奥から2番目の部屋だったな」 アグリアスは忙々と部屋に向かう。 思えば男のために料理をするのはこれが初めてだ。 幼いころから"男のために料理をする"というのは結婚している者がする行為だと思っていた。 ―――フフ。まるで、夫婦のようだな。 一人、笑みがこみ上げてくる。 だが、その笑みはラムザの部屋の近くに来て突如として失われた。 ラムザの部屋のドアが開きっぱなしになっている。 今だイヴァリースは治安の悪い状況で、宿と言えども部屋のドアを開けっ放しにするのは防犯上好ましくない。 またアグリアスの記憶上、今までラムザがドアを開けっ放しにしていた事はない。 しかも人の話し声がする。 "――っけぇ~ん" ――教会の手先か、賊か? アグリアスに緊張が走る。 が、その声には聞きおぼえがあった。 "もぅ~、らむざねてる~。あははははっ!" 「ラファ?」 ラファが何故ここに?それにいつも以上に明るい。 それにラファが言うにはラムザは寝ているらしい。 では、ラファは何のためにラムザの部屋に??? "寝るならアタシと一緒にねよ~?" 「!」 アグリアスの体に衝撃が走る! ――寝る?ラムザとか!? アグリアスは電光石火の勢いで部屋に飛び込む。 そして目に映ったのは眠っているラムザと、布団をめくりムザの隣に入り込もうとするラファの姿。 「ラファ、待て!」 「いや~!らむざとねるぅぅぅ~~!!!」 部屋にあった机にパンを置き、ラファをベットから引き離す。 そして気が付く酒の香り。 「酒?ラファ、酒を飲んでるのか!?」 「2人はしあわせになるのぉ~!!」 「一体誰だ、ラファに酒を飲ませたのは!!」 質問に答えないラファを何とかベットから引き離そうと力を込める。 強引に引き離したため、ラファは床に突き飛ばされる形になった。 「いった~い」 「す、すまんラファ。だが、お前も悪いのだぞ?」 「あぐりあすさんなんかもうしらな~い!」 「大声を出すな、ラムザが寝ているのだぞ」 「いりあいのかねのひびきぃ~!」 「だから、静かにせんか!」 歌いだしたラファを一喝する。 しかし、ラファは嫌がらせの様に歌うのを止めようとはしない。 「てんにぃひかりきゆるとき~」 「悪かった。私が悪かったから先ずは歌うのを止めてくれ」 「いまありしはまぼろしとしるぅ~」 まさか――これは歌ではない!? 気付いた時には遅かった。 「だいこくうぞうぉ!」 「ぐ!」 大虚空蔵に耐えるため、全身に気合を入れるアグリアス。 そして、間髪いれずに世界が青で包まれる。 真言ー大虚空蔵ー ダメージと共に、暗闇・沈黙・毒など様々なステータス異常も起す厄介な技。 しかし、真言は狙いの定めにくい技で当たらない事もある。 「?」 アグリアスの周りから大虚空蔵が消えたが、物的ダメージがない。 詠唱が未完全だったため、光だけで失敗か?? その後も大虚空蔵はアチラコチラで光を散らす。 「わ~。きれいね~」 まるで他人事のように自分の唱えた術に見ほれるラファ。 そしてその光はアグリアスの後方でも光を散らした。 「!?」 アグリアスは慌ててラムザに振り返る。 ダメージは無くともステータス異常を受けている可能性もある。 振り返ったアグリアスの目に入ったのはカエルになったラムザだった。 しかも仰向けの状態で、少々グッタリしている。 「ラ、ラムザっ!?」 アグリアスはラムザが死んでしまったのではないかと思い、慌てて手に取ってみる。 ――大丈夫。カエル状態になってはいるが、生きている。 「もぅ、あぐりあすさん!おおきい声だしちゃだめなんですよぉ!???」 「えぇい、うるさい!元はと言えばお前が大虚空蔵など唱えるから――」 「うーん、わかった。私の魔法とくと見てください!えい、トード!!」 「わ、馬鹿――」 制止する前にラファがトードを唱えた。 アグリアスの目の前で発生する緑の煙。 ご存じの通り、カエル状態にトードを掛ければ元に戻る。 手の上に乗せている状態でトードを掛ければ、当然全体重が両手に圧し掛かる。 アグリアスは重さに耐えきれず、ラムザをベットに落とし、自身もベットに突っ伏していった。 当然酒に酔っているとはいえ、ベットに落とされれば相当深い眠り出ない限り、目は覚める。 「うぁ!――な、何が!?」 突然の事にビックリしながらも状況を把握しようとするラムザ。 (敵かもしれない!やっぱり酒なんか飲むんじゃなかった!―――っっっ!!) 後悔と同時に何かが顔の上に覆い被さってきた。 (な、なんだっ!一体何がッ!?―――?攻撃してこない???) 視界は完全に塞がれたものの、以降何も起きない為とりあえず顔を動かしてみる。 (…布?それに何だろう。暖かい…それに柔らかくて何だか心地いいような――?) つい心地よくて、顔で感触を確かめ続けているラムザ。 だが、突然覆いかぶさっていたものが無くなった。 そしてラムザは見た。 羞恥心と怒りで顔を真っ赤にしたアグリアスを。 「な、アグリアスさん!?」 「ラァァムザァァァ!!!」 怒りと共に繰り出された拳が脳天にヒットする!! ―――ヘッドブレイク!! 薄れゆく意識の中…ラムザは悟った。 あぁ――覆いかぶさっていたのはアグリアスさん――― ということはさっきの柔らかく温かかったのは――― アグリアスさんの―――蒼い―――双山――――― 「だ、ダイナマイ――」 ラムザはベットに深く沈んで 逝った。 ―5話 翌朝、ラムザは目が覚めた。 「―! いててっ!…頭が痛い?何でだ?」 昨日の事が良く思い出せない。 「確かアグリアスさんにパンを作ってもらう予定で…暴れているラファを沈めるため酒を飲んだんだ。そして…」 ――思いだせない。 思いだそうとすればする程、酷く頭が痛むのだ。 だが、何か大事な――何かを忘れているような気がする。 痛みに耐え必死に昨夜の事を思い出す。 「―!」 刹那――まさに一瞬の出来事だが、美しい光景が頭に浮かんだ。 それは、白い双丘と―――蒼い双山―― どこで見た光景なのか。 イヴァリースのどこかの風景なのかもしれない。 もしくは只の夢か。 その後必死に思いだそうとしたが思いだせない。 だが、それでもいい。 夢ならばまた見る事も出来るだろうし、どこかの風景ならばまた目にする事もできる。 考えるのを止めると、頭の痛みも和らいだ。 グゥゥゥ すると腹の虫が鳴いた。 そう言えば、昨日は夕飯を食べてない。 ふと視界に机の上に置かれたパンが目に入った。 「あ…」 きっとアグリアスが持って来てくれたのだろう。 食べたいと言った本人が居なかったのだ。 きっと怒ってるに違いない。 アグリアスが作ってくれたパンを手に取る。 冷めてしまっているが、良い香りがしてくる。 一口割いて、口に居れる。 程良い甘さが口に馴染む。 ただのパンとは違い、香気良い香りが食欲をそそり沢山食べれそうだ。 アグリアスの作ってくれた大人のパン。 香りよく、甘く―――そして大人の味がした。 fin
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しゅ~ん………… 「え?」 急に音が止み、どうしたのかとシンジは困惑する。 そしてオリジナルのレイは即座に立ち上がり、様子を見に駆け出した。 「あの……綾波、危ないから……」 そう言いながらシンジは身体を起こそうとするが、発熱のために身体が言うことをきかない。 両脇からコピー二人に支えられてようやく立ち上がった、その時である。 『やりました!使徒は完全に活動停止し、殲滅は完遂しました! 成功です!我々の開発したポジトロンライフルが見事に使徒のATフィールドを打ち破ったのです!』 ラジオから聞こえてくる驚喜のアナウンサーの声。 もう間違いないだろう。ジェットアローンが使徒殲滅に成功したのだ。 だが、それはレイへの援助が打ち切られ、立ち退きを要求されることを意味していた。 =- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- シンジはコピー二人の支えで、オリジナルが向かった方へゆっくりと歩いていく。 行き着いた先はシンジがさっきまで寝ていた六畳間。 シンジはその有様を見て驚愕した。 天井が丸ごと無くなっていたのだ。 どうやら、丁度そこが使徒の侵入ポイントだったらしい。 天井にぽっかりと丸い穴が開けられ、遙か彼方の夜空まで綺麗に見渡すことが出来る状態だ。 しかし、壊された時の破片が一欠片も残っていない。 使徒は吸い上げながら掘削したのか、それとも熱で焼却してしまったのか。 オリジナルのレイはそこにいた。天井から差し込む月明かりに照らされながら。 そして携帯電話を耳に当てて何やら話し込んでいる。 その相手はシンジには知るよしもないが、間違いなく話の内容は自分達の今後についてだろう。 とりあえずシンジは改めてそこの布団に寝かされたが、しかし部屋の明かりが失われている。 月明かりだけでは心許ないために、シンジは何か明かりを持ってくるように頼んでいた時、 ようやくレイは電話を切ってシンジに向き直った。 「私達が立ち退く必要は無くなった。ただし……」 レイは相変わらずの無表情ながら、憔悴しきった様子で説明する。 「ただし、日本政府は今後の援助は行わない。自分達で殲滅が可能となり、私達は必要なくなったから。 立ち退くつもりがないなら、私達の安全は保証できない。戦闘に巻き込まれても関知しない、と。」 「綾波……それじゃ……」 「ここの電力の供給や作戦の協力と引き替えに援助を要求したけど、それも駄目だった。 今後、エヴァのメンテナンスに必要な費用の援助や資材の搬入は無い。 これでは、私達はいずれやってくる使徒と戦い続けることが出来なくなる。」 レイはシンジの寝ている隣りにペタリと座り込んで話を続ける。 「彼らが出来るという援助は只一つ。ここの立ち退きと、その後の生活保障の費用だけ。 でも、それは出来ない。私達はここで戦い続けなければならないのに。」 「……どうして?彼らに任せてしまっては駄目なの?」 そう問いかけたシンジだが、しかしレイは何も答えない。 かたくなに自分が使徒に勝つことに執着しているのか、それとも何か事情があるのか。 しかし、レイはシンジの問いかけには答えず、上を見上げてつぶやいた。 「ここで寝るのは良くない。やはり別の部屋で寝て貰うわ。コピー達の大部屋が無事だから……」 「いや、今日はここが良いよ。こんな天井で寝るのは初めてだから。」 ポッカリと空いた天井の穴。そこに丁度さしかかっている月を眺めながら、シンジはそう答えた。 普通に考えれば、その天井の窓から新たな使徒が侵入を果たす危険を感じられる。 しかし、レイはそれを言わなかった。 そしていつも通りにコピーを一人おいて自分の寝床に去っていく。 今日の当番は5番だった。 =- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- -=- シンジはしばらく朦朧としながら寝付くことが出来ずにいた。 隣で横になっているコピーもまた入眠せずにいる。 そして時折、コピーが熱を測ったり氷嚢を取り替えたりするため起き上がる。 そんな看病を受けながら、シンジはしきりと考えていた。 綾波レイの失策について。 明らかに組織力不足である。 コピーをどれだけ引き連れていたとしても所詮は一人。 どれほどの資金力や技術力を保有していたとしても、所詮は一人である。 エヴァの製造とメンテナンスだけではなく、政治的な交渉まで一人で行っていては追いつくはずはない。 しかし、それだけでエヴァを作り上げて使徒と戦う力を得るに至ったのは実に驚異であるが、 しかしここまでだ。そう考えざるを得ない。 人手さえあれば金や力は幾らでも沸いてくる。 金や力があっても、それらを使う手が足りなければ意味がない。 そして巨大な組織の力で、その金と力をも奪われつつある。 まあ……実のところは、その金と力は巨大な組織を利用して得ていたのではあるのだが。 その巨大な組織、国連や日本政府を冷たい目で見つめていたレイ。 その組織の中に一人でも良い、レイにとって信頼できる者が居たら違ってきただろう。 そうした者が居なかったというよりも、あるいはレイが心を開かなかったためだろうか。 レイはその組織を、いうなれば人類を背に向けて戦っていたに等しい。 彼女が共に戦うことを選んだのはシンジ一人だけ。無力な14歳の少年ただ一人。 レイとシンジ。ただ二人だけで使徒と戦い続けるなど、初めから無理が有りすぎる。 レイはいったい何のために戦っているのだろう。 レイは何を相手に戦っているのだろう。 日本が、国連が戦いたいと言うなら、任せておけばいいのではないか。 何故、かたくなに自分の手で戦うことにこだわっているのだろう…… そこまで考えていたシンジは、思わず歌を口ずさみ始めた。 「♪貧しさに……負けた?……いえ……世間に……負けた……」 隣で寝ているコピーは、それを聞いて起き上がる。 しかし、何か命じられたわけではない、と判断したのだろう。 シンジの歌声を聞きながら、再び自分の布団に戻り天井の月を見上げた。 これから先、もはや資金の援助も断たれて資材や生活用品の発注も出来なくなるだろう。 世間に負われて只二人で貧しい生活を強いられる。 そんなところから、シンジはそんな歌を連想したのだろうか。 そして今度は一変して、陽気なメロディーで歌い始めたシンジ。 「♪ちゃららったったったったったー♪ちゃららったったったっらったー ♪ちゃららったったったっらららー♪ちゃららっちゃっちゃっちゃっちゃー」 シンジの突然のはっちゃけぶりに、今度は跳ね起きて驚くコピー。 もはやシンジは高熱で精神が侵され始めたのではないか、と。 そのメロディー、文字で書いただけでは判りにくいが実はチャップリンの映画の挿入歌だったのである。 それはモダンタイムズという映画で、貧しい男女が身を寄せ合って共に暮らし始めるという話。 しかし運良くレストランでの仕事にありつき、そこで主役のチャップリンが客に披露した歌がそれである。 そしてその映画の顛末というのは、結局その二人は人々から負われて逃げていくハメになるのだが、 しかし最後のシーンでチャップリンが何て言っていただろう。それが上手く思い出せない。 その台詞ひとつで、不幸な顛末をハッピーエンドに変えてしまったかのような…… コピーがシンジの脇の下に体温計を挟もうとした時、シンジはようやくそのラストを思い出した。 「そうだよ、綾波。こんなときは笑えばいいんだ。」 今日の当番、コピー5号はキョトンとした顔でシンジを覗き込む。 しかし、ようやく彼の命令を理解したらしい。 忠実なコピーは命令に従い、シンジに優しく微笑みかけたのだが…… 既にシンジは目を閉じて眠ってしまい、その笑顔を見ることは出来なかった。 すーすーと寝息を立てるシンジをコピーはそのまま見守り続ける。 天井の崩れた和室六畳間に差し込む、蒼く美しい月明かりの下で。
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デュオ オールフォーワン ツヴァイ バミューダ△ -マーメイド グレード〈3〉 ノーマルユニット (ツインドライブ!!) パワー 11000 / シールド - / クリティカル 1 起【V】:【双闘20000】「Duo 一人は二人 ツヴァイ」(相手ヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットは1度だけドロップゾーンから4枚山札に戻し、山札から指定カードを探し、双闘できる) 自【V】:[CB(1)]このユニットが【双闘】した時、コストを払ってよい。払ったら、あなたの山札からあなたの(V)にいるユニットと同名のカードを1枚まで探し、(R)にコールし、その山札をシャッフルし、そのターン中、そのユニットのパワー+5000し、そのターンの終了時、そのユニットを手札に戻す。 自【V】:[あなたの手札からあなたの(V)にいるユニットと同名のカードを1枚選び、公開する]このユニットがヴァンガードにアタックした時、コストを払ってよい。払ったら、あなたのリアガードを1枚選び、手札に戻す。 フレーバー:二人が踊れど足音一つ、どちらも虚像でどちらも実像。 Duo 一人は二人 ツヴァイ デュオ ワンフォーオール ツヴァイ バミューダ△ - マーメイド グレード〈2〉 ノーマルユニット (インターセプト) パワー 9000 / シールド 5000 / クリティカル 1 自:[CB(1)]このユニットが(R)から手札に戻された時、あなたのカード名に「Duo」を含むヴァンガードがいるなら、コストを払ってよい。払ったら、1枚引く。 フレーバー:一人が歌えど吐息は二つ、孤高の歌姫は孤独に非ず。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 強いと思う 1 (100%) 2 使ってみたいと思う 0 (0%) 3 弱いと思う 0 (0%) 4 面白いと思う 0 (0%) その他 投票総数 1 コメント
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- 東京女子流TOPに戻る 「僕の手紙」東京女子流 2011年08月10日「僕の手紙」編集版
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《若き二人の再会()/》 「お、レインドはっけーん」 一人の少女がレインドに向けて言った 「お前は…」 「え?忘れちゃった?幼馴染の名前忘れちゃった?」 「いや、待て……レイミィ!レイミィか!」 「…久しぶり」 それが二人の再会だった 関連ページ レインド レイミィ 関連画像 過去ドラマへ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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登録日:2011/10/20 Thu 12 51 30 更新日:2024/06/30 Sun 22 43 06NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 …ずえ! あべし ぐわし のだめカンタービレ リアルタイムあべしシステム 中田氏との共通点はイク(逝く)こと 伝説的叫び声 北斗の拳 叫び声 台詞 名言 安倍氏 安部氏 断末魔 迷言 阿部氏 ピプー もしかして: ファミリーコンピュータソフト『北斗の拳』で赤い雑魚を正拳突きで倒すと出る文字。取るとスコアが3000点加算され、ケンシロウが最大7段階までパワーアップして服が破れる。 『北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝』でジャギ(北斗の拳)に秘孔を突かれて自分の名前が言えなくなった男。「俺の名はひでぶ。隣の息子はあべしって言うんだ」 『北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ』でかつてファルコが治めていたロザリアに住む男。ミスミの畑があるレジェンダに住むひでぶの息子。「ぼくあべし ひでぶの おやじなら レジェンダにいるよ」 『北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章』でマイダラの妖術にかけられて周りつづける女。 これらの元ネタ。この項目で説明します。 世紀末救世主と言う名の鬼畜がヒャッハーなモヒカンを虐殺するハート様フルボッココメディ、北斗の拳。 この漫画には数多くの断末魔が存在するが、中でも「ひでぶ」と並び他とは一線を画す知名度を誇る断末魔が有る。それが、 あ べ し ! である。別にノンケでも構わず食っちまうイイ男や映画『真救世主伝説』での世紀末救世主の演者の名前ではない。 PS版『北斗の拳 世紀末救世主伝説』にて「秘孔 リアルタイムあべしシステム(正式名称)(*1)」や、それをフル活用したおまけモード「THE・あべし」まで出来る程の断末魔だが、それは果たしてどのように産まれたのか? それは南斗爆殺拳(火薬に頼って何が拳法だ)の使い手、ジャッカル様の部下である元プロボクサーから話は始まる… バットの義母トヨの居る村に立ち寄ったケンシロウ一行、そこは捨てられた孤児達がババア(バット談)一人の手で養われていた。 この村には堅い岩盤の下に眠ったままの水源が有り、そのためジャッカル一行に密かに狙われていたのであるが、 そんなことは露ほども知らぬケンシロウは拳であっさり岩盤を砕き水源を見つけてしまう(*2)。 野盗に水がある事を知られぬように口外しないことをトヨに忠告しケンシロウ一行は村を去るが、 当然ジャッカルには既知の話であり魔王が去ったのを確かめてからジャッカル一行は村を襲撃。 「われわれのオアシスがみつかった!!」 そして隠し持っていたライフルで抵抗するトヨを、子供を人質に撃破してしまう。 ついに ねんがんの みずを てにいれたぞ! しかし…! そこには世紀末救世主の姿が! 銃声を聞きつけ舞い戻ったケンシロウだが、その強さを知るジャッカル様は意外や意外、人質を使い撤退を宣言。 北斗では珍しい聡明な判断で全ては過ぎ去るかと思われたが、 「ちょっとまってくださいよジャッカルさま」 「なんであんな青二才ひとりに逃げなきゃいけねぇんです」 「どんな拳法をつかうかしらねぇが、おれが殺ってやりますよ」 チャレンジャーが 現れました 止せばいいのに好き好んでケンシロウに挑むと言う屈強な男が。 ジャッカル様に忠義を尽くすが故、魔王相手でも撤退を良しとしない彼は元プロボクサーを名乗り華麗なジャブで挑発するが、 ケンシロウ「おい、こいつから殺していいのか」 ジャッカル様「フ…好きにしろ」 と、主人公らしからぬセリフで完全無視。 それに腹を立てたのかプロボクサー、怒りの右ストレート! プ「なっ!? このガキャ~死ねぇ!!」 その轟腕は凄まじく、かの世紀末小パン王すら彷彿させた。 が、相手が悪かった…… ピピッ クルッ 北 斗 断 骨 筋 顔の横を通り抜けたプロボクサーの腕にチェケラッチョした世紀末救世主。呆けるプロボクサーだったがやがて、 ゴキッ バキッ プ「ゲッ!!」 ベキッ ゴキッ バキッ グシャッ プ「あ~~~!!あ~~~!!」 なんと腕が潰れ、体にまで押し寄せて来た! 嗚呼、有能な元プロボクサーの命も最早これまでか…そして次の瞬間! あ べ し ! 顔が潰れたと同時、彼は最後の力を振り絞って断末魔の叫びを放ち息絶えた。偉大な名言だけを我々に残して……… ともあれこうして残った叫び声が、未だに根強く残っている。 原作者曰わく、あの特徴的な断末魔には全てシチュによって意味が有るらしい。 例えば「ひでぶ」は、ハート様が残した断末魔だが、あれは「ひでぇ」+「でぶ」を略して「ひでぶ!」になったらしい。 ではあべしは……? 謎は尽きないが、北斗を代表する有名な断末魔。 それはジャッカル様の部下、元プロボクサーの偉大な功績だと言うことを忘れてはならない…… 追記・修正をお願いしま…あ…ああ… あ べ し ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 残念ながら(?)プロボクサーの彼はアニメ未登場 -- 名無しさん (2013-08-07 23 52 46) 柳田理科雄先生の本にあったあの説はワロタw主にその力説にw -- 名無しさん (2013-11-30 14 25 47) ひでぶは誤植らしいな -- 名無しさん (2013-11-30 14 33 28) 個人的にはあんまアレだけど2013年5号機スロに革命をもたらした「あべしシステム」はスロットの歴史に残るだろう。 -- 名無しさん (2014-02-22 00 25 27) あべしとかひでぶとかは有名な断末魔だが実際は1回しか言ってないのが多い。それだけインパクトが強いんだろうな。 -- 名無しさん (2014-11-15 23 45 28) たわばは? たわばはいつどこで? -- 名無しさん (2015-02-10 17 04 00) ↑×6 実はアミバ編で出てる -- 名無しさん (2015-02-10 17 07 48) 阿部敦「呼んだ?」 -- 名無しさん (2015-02-10 17 21 14) PS版北斗にリアルタイムあべしシステムなるものがあったことやモヒカン共の断末魔を楽しむザ・あべしなるモードがあったことも記述すべきでは? -- 名無しさん (2016-09-27 17 34 05) そして、パワーアップアイテムにもなる。とても便利な言霊だ「あべし」 -- 名無しさん (2017-07-04 13 17 46) あ べ し オ ー デ ィ シ ョ ン 開 催 -- 名無しさん (2017-12-05 09 29 15) 如くPVであべしをケンシロウが振り回してて草生えた -- 名無しさん (2018-01-13 10 17 06) 核戦争が起きて世紀末な世の中になったら使いたい台詞 -- 名無しさん (2018-06-29 09 08 53) 「たわば」は、大佐(カーネル)の部下、マッド軍曹(サージ)が倒されるときの台詞だね。 -- 名無しさん (2019-10-24 10 33 05) あー!→顔と口が潰れてべしっ!なんだろうけど実際に発音するとあぶひっ!とかになりそう -- 名無しさん (2019-10-24 22 22 24) 世紀末ドラマ撮影伝にて「過激な爆死表現を抑えたのでインパクトを強めるため断末魔が欲しいと要求され、実際に特撮セットが潰れていくのを見ながらアテレコした結果、言葉に悩んでの「あ、あ~?」から潰れる擬音をつい口に出してしまい「あ、べし!」になった」と解釈された -- 名無しさん (2022-05-15 07 23 31) 哀★絶章の雑魚の断末魔でもある。ボイスつきで「あぁっべっしっ!」と弾けてくれるので爽快感がある。 -- 名無しさん (2022-11-22 18 03 46) 名前 コメント
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逆まる 図書館島個室閲覧室。 床にズボンと下着をズリ下ろした姿でソファーにふんぞり返るネギの前で、 全裸の美少女が二人ひざまずき、中央にそそり立つネギの幼い男に舌を這わせていた。 二人ともに誇る豊かな膨らみは背中の陰でふるふると震え、 自然に下ろされた髪が流れる白い背中、どっしりとした尻がうごめくのに興奮を覚えながら、 ネギの視線はどこか遠かった。 その時、こんなグラマー美少女二人が素っ裸になってこのハーレムをやってやっても、 こんな時のネギの瞳には一人の少女の小憎たらしい笑顔しか映っていない、 それが分かっていてもそれ責める資格なんて無い、こうやって慰める事しか出来ない、よく分かっていた。 「ネーギくんっ」 どちらともなく、明るい声でネギを自分に振り向かせる。 「あうっ」 「男の子も気持ちいーと乳首立つんだよねー」 「ほーら、ちっちゃいピンクの乳首がつんつんしちゃってるー」 「ちょwwwパル、オヤジィwwwww」 四つの膨らみの中心に埋め込まれ一杯に膨らんだネギの急所を押し潰す柔らかな弾力、 ワイシャツの前が開かれ時折唇が寄せられる乳首、 ネギは、刻一刻ビクビクと伝わるその痺れる様な快感柔らかな感触に、只うっとりとその身を委ねていた。 「キタキタキタ―――――――――」 「ほらー、ネギくーん、ハルナの眼鏡にぴゅっぴゅーっだってー、ツボだねーネギ君」 ぺろりと唇を嘗めながら和美が笑う。 「さー、ネギくーん…」 「あーうー…」 逞しいとはいえまだまだ小柄なネギの両腕を、スタイル抜群の美少女二人が胸に押し付ける様に抱えて シャワー室へと連行する。 「あーうー…」 前半戦、組んずほぐれつの丸洗いが展開されていたが、 「ネギ君、ネギくぅん」 「ネギ君のっ、ネギ君の頂戴、早く頂戴ぃ」 「ネギ君の、なんですか朝倉さん?(にっこり)」 「朝倉甘いってぇっ、ネギ君ネギ先生御主人様の逞しいオチ○ポを 早乙女ハルナめのオマ○コにぃぃぃぃ」 「ちょっ、ハルナ、ハルナっ、ネギ君、お願いネギ君私、私に頂戴、ネギ君のオチ○チン 私のオマ○コにぃっ!」 「大丈夫ですよ」 ネギがにっこり笑ったのは、壁に手を着いたままの二人には見えなかった。 ぷりんと突き出された豊かな尻に掌が這うだけで、二人の美少女はシャワー室に甲高い声を響かせた。 「はひあぇへー…」 そして、有言実行、その声は一人ずつけたたましい程のものとなり、 二人揃って自慢の豊かな膨らみを押し潰し ヨダレを垂らしてタイルの上に伸びるまでさ程の時間は掛からなかった。 煙草にしては甘ったるい煙の匂いがきつく漂うマンションの一室に、 また一人若い美女が姿を現した。 しかし、その現れたグラビアアイドルは、珍しくパートナー連れだった。 「なーにぃ、その子?」 「ちょっとー、ショタに目覚めたとかー?」 「実際その通りなんだけどねー、かーいいでしょー、新しいペットでーす」 周りは、さほど馬鹿げた番組とは縁の無いネギでも知っている顔ぶればかり、 確かに、綺麗と言えば綺麗だとネギは思った。 そして、その中でも驕慢そうに腕を組んで笑みを浮かべている一人の若い女、 可愛い事をネギは否定しなかった。そう、愚かな可愛さであると言う事を、 ハルナと和美に感謝していた、二人が少しでもその気持ちを呑み込んでくれなかったら、 彼女はここで肉片になっていたに違いない。そんなのじゃ全然足りない。 「あ、あの、レイ・サウザーです」 おどおどした仕草でぺこりと頭を下げるネギを前に、くすくすと笑みが漏れた。 「ま、テキトーに食べて、呑んで」 「駄目よー、お子ちゃまにお酒呑ませちゃー」 「あんたが言うー」 既に部屋は異様なテンションに包まれ、砕けた格好、中には本当に下着姿の面々の中で、 きょろきょろとうつむくネギをアイドル達はくすくす笑って見ていた。 「ヒョーッ!」 バカドルの一人が奇声と共にブラとショーツだけの姿になりネギに迫る。 「あっ、あう、あうっ」 ズンズンと迫るバカドルを前に、後退したネギが尻餅を着いた。 そのネギのズボンにバカドルがぎゅっと掌を押し付ける。 「ほうこーっくっ、レイ君ビンビンなってまーすっ」 「やっだー、キャハハハー」 「もーっ、スケベーッ」 「レイ君おねーさんとベッドいこっかー」 バカドルが肩ひもを肩脱ぎにして笑った。 「ちょwww」 「いけいけwwwww」 ネギがぷるぷると首を横に振る周囲でドッと爆笑が起こる。 「もーっ、困ってるでしょー、はいこっちはいこっちー」 「飼い主」のグラドルがネギの手を取り、椅子に座らせる。 そして、ハンカチで後ろ手に縛った。 「あっ、何?」 「なんでしょー」 周辺では、アイドルたちがニヤニヤ笑みを浮かべ頷き合っている。 「ほらー、あんたやんなさいよーっ」 お姫様に肩を突かれ、先ほどから部屋の隅っこの方にいた高校生くらいの少女がネギの前に立つ。 「レ、レイ君、見て」 少女は、にっこり笑って服を脱ぎ始めた。 ブラウスを脱ぎ、ブラジャーを外す手は震えていた。 「どーう、けっこーおっきーでしょこいつのパイオツ」 後ろからお姫様が少女の乳房を持ち上げる。 「ああ、そうそう、この子はちょっと外してあげてね」 和美の声がネギの脳裏に蘇る。 「事務所の後輩なんだけどさー、ハッキリ言って巻き込まれちゃったんだよね。 いきなしパーティー連れ込まれて恥ずかしい写真バンバン撮られて、完璧ストレス解消用って感じでさー」 「ほらほらほらー、もっとビッと決めなよーっ」 ヤジがネギの頭を今の現実に呼び戻し、少女は腰を振りながらスカートを、そして、ショーツを下ろし始めた。 「うわー、もじゃもじゃー」 「ちゃんと中まで見せる中までーっ」 ネギの目の前では、少女が右脚を上げて右膝を曲げ、身を震わせながらにっこりと笑っていた。 「キャハハー、やったーっ」 「素っ裸でショタゆーわくってあいっかわらず変態変態変態でございますぅーっキャハハハーッ!」 「さー、レイくーん」 ニカッと笑った「飼い主」とお姫様がネギのズボンを下ろした。 「ほらー、レイ君パンツもっこりー」 「窮屈そー、パンツ下ろしちゃおっかーキャハッ♪」 「やっ、やめてっ」 そう言ってやめる相手ではなかった。 「きゃー、かわいいー」 「ビンビンしちゃってるーっ」 「白っぽくてちょこんってぇ、うわぁー」 「まだまだよー、まだまだよーっ」 ネギの正面でテレビが操作されDVDプレイヤーが作動する。 「あっあっあぁーーーーーーんんん♪」 突如として髪振り乱した裸女を目の当たりにし、ネギは目をばちくりさせる。 「どーう?裏よ裏ー♪ガチ本番オンリー裏DVD滅多に見れないんだからねー。 ほらーっ、しっかり観るしっかりーっ、あんたも二次に負けないでガンガン見せるーっ」 やむ事なき喘ぎ声とそのためだけの行動がひたすら映し出される横で、 全裸の少女もまたそのためだけのポーズをとり続け周囲のアイドルたちがゲラゲラ笑い続ける。 画面の中でもだえ、喘ぎ、剥き出しにされたネギのもの等到底及ばぬ男性そのものを 美味しそうに口に含みそして自分の女と繋がりぐちょぐちょ音を立て欲望を浴び続ける。 「くすくす…」 「キャハハハ…」 その横で、全裸の少女も又、声を上げて剥き出しの女の中心を指でまさぐっていた。 「見て見てー、レイ君のー、先っぽトロトロ溢れて来てるー」 「やっぱちゃんと先っちょ出て来るんだー」 「やっぱお子ちゃまでもこーふんするんだねーっ、どーう?痛い?」 言いながら、お姫様は剥き出しに反り返った幹をパチンと指で弾く。 顔をしかめたネギに、飼い主となったグラドルが何か囁いた。 青い顔で首を振るネギに、グラドルは更に囁く。 手首のハンカチが解かれる。 「きゃー♪」 「やだーっ♪」 アイドルたちは、わざとらしく叫びながらわざとらしく手に当てた指の隙間から ネギが自分の中心でそそり立っているものを握った手を上下されるのをのぞき見る。 「あっ、あっ…お願い、許して下さい…」 「だーめっ、やめたらお仕置きだからねーっ」 飼い主がニヤニヤ笑いながら言い、ネギは目を閉じてしごき続けた。 「あううっ、見ないでっ、あっ、あーっ…」 「キャー♪ワー♪ヒー♪」 「お子ちゃまなのにぴゅっぴゅーっていっぱい出るんだねー、 ばっちり撮っちゃったからねー、これで完璧奴隷クンでございますーっ♪」 うつむくネギの横でお姫様がケタケタ笑っていた。 「すっごいでしょーっ、かわいー顔してさーっ。 凄いの量だけじゃないのーっ」 「どゆ事?」 ロリ系の少女グラドルが聞き返す。 「試して見る?ベッドの上じゃ、私の方がド・レ・イ、かもねー♪」 飼い主が唇をぺろりと嘗めて言った。 「えー、マジー?」 「犯罪だってそれー♪」 「あ、あの、よろしくお願いします」 「こちらこそ」 リビングに用意されたマットの上で、三つ指を突いたネギにお相手のグラドルは思わずならった。 だが、周囲のくすくす笑いは長くは続かなかった。 「んっ、んんっ!」 ネギがグラドルの唇を奪った。 僅かな抵抗の後、グラドルの頬が紅潮し、とろんとした目で舌を貪る。 唇が離れた途端にすとんと脱力し、既に軽く達している有様に周囲が息を呑む。 その自慢のパーツをしっかり見せびらかすワンピースを手際よく脱がしたネギは、 目の前にそそり立つ自慢の膨らみを後回しに、肩から背中から繊細な指でじっくり責める。 ネギの掌がその膨らみの弾力を堪能し、乳首を吸った時には、グラドルは悲鳴に近い甲高い声を上げていた。 「あっ、あんっ、もうっ、あっ、あひっ…」 長針が一回りするかと言う時間が過ぎ、 ネギの掌は、観客を飽きさせない程に断続的にトーンの違う叫び声うめき声を上げ続けたグラドルの 太股の上にあった。 そして、また、何度目かと言う、蜜に濡れて半ば黒い塊となった所を過ぎ、そろそろとそこに指が這う。 「あんっ、いっ、いいっ、ああっ、いいっ、い…」 ネギは、すぽんと指を引き抜き静かに笑うと、顔を近づけ音を立てて吸い始める。 グラドルは大股開きのまま悲鳴を上げて首を左右に振っていたが、 いつの間にかネギは顔を上げてそれを静かに見下ろしていた。 「お、お、お願い、早く、もう、もうおかしく、あっ、ああっ…」 周囲のアイドルたちが最早言葉もなく息を呑む中、マットのグラドルは 大きく広げマットに滴らせながら切羽詰まった悲鳴を上げていた。 「では」 「はひっ!」 ネギがにっこり笑うと、突き入れられたグラドルがガクンと体を揺らした。 「はっ、はひっ、はひっ、はひいぃぃぃぃっ!!」 泡を吹いてマットの上でガックリ首を折ったグラドルの前で、ネギはふーっと息を吐いて悠々と引き抜く。 その周辺は、水を打った様に静まりかえった後、一拍おいて怒号と罵声が響き渡った。 「次、次私いっ!」 「ちょっ、私だってえっ!」 「レイくーんっ、私のぉ、私のおっぱいいいでしょーっ!」 「ざけんじゃねぇこのイレチチ!!」 「レイ君私のぉ、私のオマ○コぐちゅぐちゅうううっ!!」 「レイ君のオチ○チンいっぱいいっぱい気持ち良くしてあげるからあぁーっ! 経験ほーふなのよおねーさんっ!!」 「ヘルス歴十年でしょオバサンッ!!」 つかみ合いを展開していたアイドルたちは、突如部屋を吹き抜けた風に目を覆った。 「大丈夫ですよ」 いつの間にか、修羅場のただ中にたっていたネギがにっこり笑ってアイドルの一人の手を取った。 ネギが跪いて手の甲にキスをすると、余りに決まった所作に相手はぽっと赤くなる。 だが、ネギの手の指が相手の手の甲でうごめき始めると、アイドルは悩ましい声を上げ始めた。 「えっ、ちょっ、何?手だけで?あっ、手だけで?こんなの、こんなのセックスでもあっ…」 ネギは、左手で相手の右手を取り、指で刺激し続けながら右腕で相手を抱き、背中に右手を這わせる。 「いっ、あっ、手と、手と背中、手と背中こんなに、こんなにいぃぃぃぃぃぃっ!!!…」 ネギの右腕の中で、アイドルの小柄な体がガックリと重くなった。 ネギの「応急処置」に部屋の全員が腰を抜かした後、ネギは「飼い主」となっていたグラドルに近づく。 グラドルは、ワンピースのざっくりと開いた前に向き出しの谷間にネギが顔を埋め、 すりすりと頬を擦り付けながらワンピースの前を開き、かぷっとくわえるのをうっとり眺めていた。 「はっ、はあっ、いいっ、やっ、やめないで、やめたら殺すうっ!」 死屍累々の裸女の群れのただ中で、 マットの上に横たわるお姫様は覆い被さり巧みに動きながら前後するネギを前に悲鳴を上げ続ける。 「ああっ、いいっ、レイ君のオチ○チンすっごくぅ、すっごく最高、すっごくめちゃめちゃ 最高ああいぃっ!」 いつの間にかネギの上に覆い被さり、背中を反らして上下にその身を揺すり 天井を見るネギにぷるぷると揺れる乳房を見せながら繋がる快感を貪っていたお姫様が絶叫と共に 改めてネギの上に覆い被さる。 「ラス・テル、マ・スキル…」 「え?はっ、はひいいっ!」 まだ余裕があったネギはぐったりしたお姫様を繋がったままひっくり返し、 自分の体の下にお姫様を寝かせてずんずんと突き入れ始めた。 「あっ、またまたっ、あっ、すごい、すごいレイ君すごいっ!!」 「…禍々しき…闇の血…暗い光…術式…戒め…タマシイノカギ…」 「はっ、はうううううっ!!!」
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壁の手紙 遂行地域 ベルテロン - バルボア農場 適正レベル 取得 12 / 遂行 12 報酬 経験値 11,900 / 7,820 ギーナ 関連クエスト --- 進行順序 1.バルボアの家にある怪しい文書をクリックし盗賊団の手紙をダブルクリックしてクエスト獲得2.NPCスパタロスと会ってクエスト完了