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エレメンタルホール用デッキ 初級用 ・魔女アタック用パーティー ・グリフォン1、リリパット4 チーム1には魔女アタックパーティーをそのまま使います。グリフォンがアタッカーなら2チーム目を組むのは難しいので諦めましょう。 チーム2にはグリフォン1とNリリパット4(兵士数は100でよい)で戦います。パッション日なら勝ちが見込めます。 1回戦がお供付きならグリフォンパーティーを出しましょう。グリフォンにとっては魔女単体で出てくるパターンが1番の強敵です。 パッション日以外ならウェーブのダメージで除々に削られるのでスキル発動率とバーストするかによります。 基本的にこの難易度で覚醒素材を集めるのは無理だと考えていいでしょう。集まったとしても覚醒失敗を考えればここでの素材集めはほぼ無意味です。中級に行けるように実力を付けましょう。 中級用 ウェーブのダメージが約3000食らうので一気にキツくなりますが、ここをクリア出来なければ基本的に覚醒素材を集めることは出来ないと思っていいでしょう。しかし、覚醒していない状態ではクリアが難しいと言う袋小路状態の難易度です。 ここからは基本的にアタッカーはHUR以上を使いたいです。イベントカードでURが2枚集めれそうなら積極的に集めて下さい。 基本戦略は魔女アタックパーティーと他の2チームはゴリ押しパーティーで組みます。 ウェーブは無視するのでどの属性日でもいいです。 ・HURオート攻撃バフ1、行動停止4 アタッカーには事前に攻撃のアルカナを振って攻撃MAXにしておきます。 あとはひたすら魔女を攻撃攻撃します。魔女さえ落とせば勝ちです。 行動停止の発動率に自身があるなら攻撃アルカナ無しでも行けます。 ・HURオート攻撃バフ1、GSRハイヴァンパイア4 アタッカーは攻撃MAX ほぼ勝ちが貰えるパーティー。 問題はGSRハイヴァンパイアを作るのがしんどいこと。 しかし、中級に長く滞在することになるので覚醒素材に余裕が有れば作っていきたい。 ・パッション属性の全体(自身)攻撃バフ1、ウミネコor風林火山4 パッション日限定 R単体起動は属性を属性を合わせないとすぐにウェーブで落ちるのでパッション日にのみ勝ちが見込めるパーティーです。 ライト日にロマンスでも同じようにできますが、ロマンスを複数体作るのはしんどいです。 上級 ウェーブがキツイので属性を合わせるか、行動停止させるかですが、行動停止は発動しなければ即落ちする危険があるので上級からかほぼほぼ属性を合わせる必要があります。 基本的にここに挑む時点で上級者なので自分でデッキを作って下さい。 注意点はお供がダメキャンを使う場合はやたらと発動率が高く、しかも複数回発動するので注意してください。 オーバーキル用デッキ パーティー構成の単体起動の部分は全体起動の方がよいので持っていれば1体全体起動にするとさらに安定します エレメンタルホールは討伐ポイントにボーナスがかかっているので、オーバーキルするとさらに討伐ポイントが多く貰える。 ランキングを目指すならオーバーキル出来るデッキを作る必要がある。 ・一斉攻撃1、攻撃バフ1、単体3 一斉攻撃の威力が高いので魔女フィールドが来ても立て直せます。 問題は攻撃アップ状態では敵を殴ると倒してしまう可能性があるということです。 ・一斉攻撃1、属性攻撃バフ1、単体2、属性違いの単体1 一斉攻撃が4回攻撃になりますが、属性違いの単体が敵を殴れるので多くの連撃を叩き込める。 デメリットは魔女を素早く落とさないと属性違い単体が落ちる可能性があるということです。なので、魔女に一斉攻撃を叩き込めるかは運ですがこちらの方が慣れれば多くのポイントを安定して稼げます。 ・連続攻撃1、攻撃バフ2、単体2 連撃に攻撃アップが多く必要なので攻撃バフを多く起動出来るようにしたい。 ・一斉攻撃2、全体起動1、攻撃バフ1、全体起動or連続攻撃 全敵をオーバーキルするデッキ。 これを同じ属性で組まないといけないので、組むのはかなり辛い。 ダメキャンを使うお供がいる場合は上級では無理です。 序盤用のオーバーキルデッキ ・自身攻撃バフ1、単体4 魔女を倒すまで全力。 落としたらカンストダメージが出るまで単体起動カードで殴ります。300%バフならだいたい4回です。
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【元ネタ】ヴァルターの歌(ワルタリウス)、ワルデレなど 【CLASS】セイバー 【マスター】 【真名】ヴァルター 【性別】男性 【身長・体重】183cm・107kg 【属性】混沌・善 【ステータス】筋力B+ 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運C 宝具B+ 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 【固有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 戦闘続行:C 窮地における生命力の強さ。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 【宝具】 『絶ち頒つ疆界の剣(ワスケ・ミーミング)』 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人 北欧最高の鍛冶師ヴェルンドが鍛えた名剣。 剣の内部で空間断裂を引き起こし、刀身を“境目”とすることで、 対象の頑強さを無視して切断することを可能とする。 ……が、実のところ、これはオリジナルの境目剣のレプリカに過ぎず、 長時間戦闘における連続使用の後には、権能の領域にも迫る空間断裂の特性に 剣自体が耐えきれず、刀身が自壊するほど劣化してしまう。 【Weapon】 『獅子号』 エッツェル王の宮廷から盗んだ名馬。 『無銘・鎖帷子』 ヴェルンド作の逸品。 特殊な能力はないが、頑強さ・耐久力はCランク宝具に匹敵する。 【解説】 中世ラテン詩「ヴァルターの歌(ワルタリウス)」の主人公。 ドイツの国民的叙事詩「ニーベルンゲンの歌」の前日譚に当たり、「ニーベルンゲンの歌」作中でも ヴァルターについて言及されている(ただし、両作には細部の設定差異がある)。 フン族のアッティラ王の征服から逃れる為、フランク王とブルゴント王とアキタニア王は 貢物と人質を差し出し、アッティラと盟を結んだ。 アキタニアからの人質こそがヴァルター王子であり、同じく人質身分のハーゲンとヒルトグント姫と共に フン族の地で手厚く養育され、前者二人は全てのフン人を凌ぐほどに成長し、将軍として活躍した。 ある時、ヴァルターはフン人との婚姻の話を持ち掛けられたのをきっかけに、 元々の婚約者であったヒルトグンドと共にアッティラ王の財宝をくすねて逃亡した。 ひょんなことからこの逃亡劇が、先にフランク国に戻っていたハーゲンと新フランク王グンテルに知られ、 グンテルは財宝と姫を欲して、選りすぐりの12人の家臣を連れてヴァルターを襲撃した。 しかしヴァルターは11人を次々と返り討ちにし、グンテルとハーゲンの二人がかりを相手にしても互角に戦った。 最終的にはヴァルターによってグンテルは片足を、ハーゲンは片目を失い、 ヴァルターもまたハーゲンによって片腕を切り飛ばされて、戦いは終わった。 ハーゲンとヴァルターは互いに負わせた傷について冗談と皮肉をかけあいながら和解し、 ヴァルターは故国へ戻ってヒルトグンドを妻に迎え、王位に着いた。 【コメント】 宝具については既にあるのをパク……参考にした。 ハーゲン(ハゲネ)との勝負の決着はつかなかったが、二人がかりを相手にしても引き分けたから、 ハーゲンより強かったのだと思われる。 この辺りの伝承の主役の強さ序列としてはジーク≧ディートリヒ>ヴァルター≧ハゲネという印象。 ヴェルンドのことを北欧最高と書いたが、神代のドヴェルグ達には流石に及ばないという設定。 適正クラスはセイバー・ランサー・ライダー。
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クール属性/ハイレア 【HR】ハイレア(最大Lv50) サムネイル キャラ 進化段階 コスト 事故 合体 初期攻撃力 初期防御力 初期兵士数 最大攻撃力 最大防御力 最大兵士数 スキル 備考 勇者 ★ 35 -0 -0 3355 3355 2970 ----- ----- ----- ブレイブ ハッカー ★ 34 -- -- 3355 3355 2640 ----- ----- ----- ファイアウォール アンドロイド ★ 34 -0 -0 3300 3300 2640 ----- ----- ----- コンバットモード 侍 ★ 35 -0 -0 3355 3190 3135 ----- ----- ----- 武士道 未取得 ★ -- -- -- ----- ----- ----- ----- ----- ----- 雑誌購入特典 女神エウロパ ★★★★ 32 -0 -0 3245 2695 3400 ----- ----- ----- ホットスポット 【曜日イベント】 ソルジャー ★ 35 -0 -0 3050 2800 2700 ----- ----- ----- 制圧射撃 ライトニング ★ 28 -0 -0 3050 2800 2450 ----- ----- ----- 轟雷 妖狐 ★ 27 -0 -0 2900 2850 2400 ----- ----- ----- 神隠し ヴァンパイアハンター ★ 27 -0 -0 3000 2700 2450 ----- ----- ----- 銀の弾丸 シルフ ★ 27 -0 -0 2850 2850 2400 ----- ----- ----- ウインドブラスト メリッサ ★ 27 -0 -0 3000 2700 2450 ----- ----- ----- スティンガー アクアナイト ★ 28 -0 -0 2900 2800 2700 ----- ----- ----- アクアドライブ 探偵 ★ 27 -0 -0 2800 2850 2300 ----- ----- ----- 推理力 未取得 ★ -- -0 -0 ----- ----- ----- ----- ----- ----- スプライト ★ 32 -0 -0 3300 2915 2640 ----- ----- ----- マジックリボン 貧者 ★ 38 -0 -0 3030 3030 2660 ----- ----- ----- 小銭拾い ミリオネア進化事故 占星術師 ★★★★ 26 -0 -0 2550 2950 2350 ----- ----- ----- 星読み エージェント ★ 27 -0 -0 2950 2550 2600 ----- ----- ----- スニーキング 水兵 ★ 27 -0 -0 2800 2700 2600 ----- ----- ----- 海戦 地神レア ★ 27 -0 -0 2550 2950 2500 ----- ----- ----- アースクエイク 【進化魔女 星神ガイア】 シャーマン ★ 26 -0 -0 2850 2600 2450 ----- ----- ----- 祈祷 バンシー ★ 27 -0 -0 3050 2400 2600 ----- ----- ----- バンシーボイス ネイレス ★ 27 -0 -0 2600 2800 2750 ----- ----- ----- ビッグウェーブ アルラウネ ★ 26 -0 -0 2850 2550 2400 ----- ----- ----- 誘惑 ウンディーネ ★ 26 -0 -0 2700 2650 2500 ----- ----- ----- スプラッシュ 花魁 ★ 30 -0 -0 2915 2915 2475 ----- ----- ----- 極楽の宴 ソーサラー ★ 26 -0 -0 2950 2300 2400 ----- ----- ----- アイシクルエッジ 音楽家 ★ 25 -0 -0 2300 2850 2400 ----- ----- ----- 高揚の旋律 サイエンティスト ★ 25 -0 -0 2500 2600 2350 ----- ----- ----- 人体実験 歌姫 ★ 24 -0 -0 2200 2700 2350 ----- ----- ----- バラード なまけもの ★ 15 -0 -0 1600 1600 1400 ----- ----- ----- なまける
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職業説明 神々に愛されし女神を召喚する職業 解放条件 解放Lv:300 ジョブマスター覚醒職:エンペラー/マジェスティ 特徴 スキル 各スキルLv2からは習得したパッシブスキル「女神の祝福」と同Lvまでしか習得できない。 ビューティフルスクリュー 神竜と樹狼との連携で、正面に特大ビームを照射する 最大Lv:5 習得条件:女神の祝福Lv5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:無 スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 200 250 300 350 400 レベル制限 400 二重召喚:神竜・樹狼 統合召喚獣である神竜と樹狼を同時に召喚する 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 消費SP:1500 スキルタイプ:アクティブ スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 レベル制限 300 325 350 375 400 召喚獣を呼び戻す 召喚獣をプレイヤーの位置に呼び戻す 最大Lv:1 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ スキルLv 1 レベル制限 300 ターゲットアロー ヒットした敵に対しバハムートが攻撃を仕掛ける 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:無 スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 30 40 50 60 70 レベル制限 300 325 350 375 400 ジャッジメントライト 広範囲の光の竜巻を発生させて行動速度を下げた後、 光の柱が下りてきて敵にスタンと光属性耐性減少デバフをかける 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:光; スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 70 90 110 130 150 レベル制限 300 325 350 375 400 天上の光 地上にある全てに審判を下す天上の光 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:光 スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 200 300 400 500 600 レベル制限 300 325 350 375 400 超・新獣協攻 強力な召喚獣であるバハムートとヴァルキリーを同時に召喚し、その驚異的な力を解き放つ 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:無 スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 100 150 200 250 300 レベル制限 300 325 350 375 400 ミーミルゲイル 前方に突風を巻き起こし攻撃しPTメンバーには攻撃速度上昇、敵には攻撃速度減少をもたらす 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:風 スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 30 40 50 60 70 レベル制限 300 325 350 375 400 スパイラルソーン 茨の防壁で邪悪なものを閉じ込め抹消する 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:風 スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 200 300 400 500 600 レベル制限 300 325 350 375 400 氷庭園 自身の周囲に花を咲かせ、範囲内の味方のVITとMENを上昇させる さらに巻き起こした吹雪により敵の移動速度を低下させ、氷の花びらが周りにダメージを当てる 最大Lv:5 使用可能武器:魔具 スキルタイプ:アクティブ 属性:水 スキルブースト効果:威力アップ スキルLv 1 2 3 4 5 消費SP 100 150 200 250 300 レベル制限 300 325 350 375 400 女神の祝福 女神の祝福により潜在能力を引き出す HP、SP、INTが上昇する 最大Lv:5 使用可能武器: スキルタイプ:パッシブ スキルLv 1 2 3 4 5 ステータス;上昇値 HP+SP+INT+300 HP+SP+INT+400 HP+SP+INT+500 HP+SP+INT+600 HP+SP+INT+700 レベル制限 300 320 350 375 400
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バーレーンに入港してからというもの、美奈代達女性士官が、代わる代わる見に行く場所がある。 “鈴谷(すずや)”に接続された真水の供給装置だ。 “鈴谷(すずや)”の舷側につけられた取り込み口が開かれ、専用のクレーンに取り付けられたホースがそこに接続されている。 このホースが取り付けられている限り、真水タンクは一杯になるし、艦内では水が潤沢に使える。 美奈代達は、そのホースがつながっていることを確かめては、腕時計を見て仕事に戻る。 一体、何を楽しみにしているのか? 風呂だ。 “鈴谷(すずや)”の空いた居住ブロックには、整備兵がメサイアの廃棄パーツを流用して 作り上げたという伝説の大浴場がある。 大浴場を持つ軍艦なんて、実際“鈴谷(すずや)”くらいなものだろう。 そして、こういう階級組織では、一番最初に使えるのは、当然ながら最も階級の高い者となる。 一番風呂に意気揚々として入ったのは、美夜と二宮だ。 次にMC(メサイア・コントローラー)達と士官、そして下士官と兵達が順番に入ることになる。 女性の長風呂で消費される水量は半端ではない。 外部から水を入れて、常に湯を作らなければ、湯が不足するし、何より汚れて入れたものではなくなる。 美夜と二宮が二人で夕食前1時間、次にMC(メサイア・コントローラー)と女性士官と来て、例えパイロットだろうがなんだろうが、士官候補生でしかない美奈代達は、軍隊士官兵牛馬猫鼠油虫士官候補生のヒエラルキーの最下層に属する者として、当然ながら最後だ。 一度、湯を抜いて、みんなで掃除して、再び浴槽に湯が満たされたのは、夜の9時過ぎだ。 皆が脱衣所で服を脱いで、風呂に入れる喜びを語り合っている時、不意にドアが開いて当然という顔をして入ってきたのは、フィアだ。 皆に優雅な仕草で一礼し、美奈代を殺気立った目で睨み付けると、さっさと服を脱いで風呂場に消えた。 「……まだ、警戒されてるんですかねぇ」と、美晴は少し寂しげに言った。 「私、お昼一緒だったんですよ?」 「あの子、スゴい人気高いんだよねぇ」さつきは服を脱ぐ手を止めて言った。 「明るいし、礼儀正しいし、物腰優雅だし。ちょっといないタイプだよね」 「……おかげで染谷がロリコン扱いされているがな」 宗像は興味がないといわんばかりに服を脱ぐ手を止めない。 「“幻龍改(げんりゅうかい)”のSTRシステムに高圧電流を流そうとした整備兵がいたらしい」 「ロリータ染谷って、都築あたりが喜んで言いふらしていらるらしいよ?」 「あいつ、うらやましいだけじゃないのか?」 「それより……」 さつきは言った。 「貯まっていた下着、あの子の前で洗濯したくないんだけど……」 美奈代達は、パンパンに膨れあがった袋を前に、互いに顔を見合わせた。 裸のおつきあい。 それが、お風呂での日本人の礼儀。 真偽の疑わしいことを言って、さつきと美晴がフィアと戯れている。 “鈴谷(すずや)”乗組員の中では最も年齢的に近いせいもあるだろう。 フィアも楽しげに会話に参加している。 キャーキャーという、楽しげな黄色い声が大浴場に響く。 それと距離をとるのは、宗像と美奈代だ。 元々が長湯だという宗像は、ゆったりと湯船の中で見事すぎるスタイルをさらけ出している。 反面、お腹のあたりが気になる美奈代は、誰を見てもため息ばかりだ。 「あの子、はやく出てくれないかな」 「宗像……お前は本当に」 美奈代はあきれ顔で言った。 「興味のない女の子には恐ろしいくらい冷淡だな」 「……そういうものだろう?」 「そういうものか?」 「うむ」 二人の視線の先ではフィア達三人が背中を流しあっている。 「それにしても……」 白い陶磁器のような肌。折れそうなほど細く長い手足。くびれたウェスト。 そして、服の上からでは想像も出来ないほど豊かな双丘。 「……うっ」 そこまで見た美奈代は、その視線を自分の体に向け、そのまま浴槽の中に沈んだ。 結局、消灯時間が近いことを理由に、さつき達はフィアを浴場から追い出した。 親密になりたいが、それよりもたまった洗濯物をどうにかしたいという本音が勝ったのだ。 「では、失礼します。お休みなさい」 一礼して大浴場のドアを閉めようとしたフィアの手が、不意に止まった。 「あっ。瞬、ごめんなさい。待った?」 「―――まぁ、待て」 顔を真っ赤にして大浴場から飛び出そうとした美奈代を羽交い締めにして止めたのは宗像だ。 「洗濯物、どうするんだ?」 「……っ!」 「明日から履ける下着がなんだろう?」 事態が動いたのはそれからすぐのことだ。 皆が残り湯で洗濯物を洗っていた。 もう誰もいないと思い、こっそりと下着を洗いに来た女性士官や兵が、それぞれの洗い場に陣取り、風呂場は奇妙に賑わっていた。 とても男共には見せられないわねぇ。 誰かがおどけて笑いをとる。 そんなのどかな光景ではあった。 フィーッ! フィーッ! 不意にそんな音が艦内に響き渡ったのは、本当に消灯時間が間近になり、皆が風呂場から出なければならなくなった時だ。 もう、真夜中に近い時間だ。 少なくとも、美奈代達は、その音を聞いたことがなかった。 「何?」 洗い終えた洗濯物を袋に詰めようとしていた美奈代は、その手を止めた。 「侵入者警報です」 誰かが言った。 すると、それを証明するかのように、艦内放送が流れた。 「憲兵隊より警告!艦内に侵入者あり!各ブロックを緊急閉鎖、各員はマニュアル所定の対応をとれ。各憲兵隊員は自由発砲許可、各騎士は憲兵隊の指揮下にて対処せよ」 結局、侵入者は見つからず、徹底した調査の結果、艦内での破壊工作等は確認されなかった。 ただ一つ、犠牲者が出ただけだ。 山科教官だ。 一体何故、その場にいたのかわからないが、普段は閉鎖されている物資貯蔵Fブロックから外部に通じる“F45”緊急脱出用ハッチの間近にある隔壁に頭を潰される格好で死んでいた。 物資貯蔵Fブロックは、メサイアのパーツを保管するための区画であり、深夜、人がいるべき場所ではない。 それが問題になった。 憲兵隊が、各通路に仕掛けたセンサーの反応を確認した結果、侵入者が入り込んだのは、その“F45”緊急脱出用ハッチだと断定したのだ。 根拠は十分にある。 “F45”緊急脱出用ハッチの真下は5メートル程の高さで海面に接している。 不時着水時に艦内から脱出するために用意されたもので、普通は使用されることはない。 そのハッチ周辺から複数の海水に汚れた靴痕と、脱出用のハシゴを引っかけるフックに何かロープのようなモノで擦ったような痕が発見されたのだ。 さらに、ハッチの操作レバー付近に、拭き忘れたと思われる山科教官の指紋が残されていたことが決定打となった。 山科教官がハッチを操作し、外部からの侵入者を招き入れたとしか思えない。 しかし、その理由は? それを解き明かしたのも憲兵隊だった。 山科教官の部屋を徹底的に調べた結果、ベッドのフレームにガムテープで貼り付けることで隠されていたのは、白い錠剤の入った袋だった。 「簡易検査の結果、合成麻薬であることが確認されました」 憲兵隊長の鬼塚軍曹が独特の塩辛声で美夜に告げた。 美夜は、顔をしかめながらテーブルに置かれた錠剤を睨み付ける。 「……鬼塚軍曹」 「はっ?」 「全員の簡易検査を。反応が陽性だった者は構わないから営倉にぶち込め」 「了解であります」 「……頼む」 「……それと」 普段なら、命令があればすぐに動く鬼塚軍曹がその場に立っている。 軍人にとって憲兵は関わりたくない兵種の最たる連中だ。 鬼塚軍曹もそれがわかっており、仕事の用件を除いては、普段から誰とも関わろうとしない。 それはつまり、まだ話が終わっていないことを意味した。 「どうした?」 「米軍憲兵隊からの協力要請がありました。同行を願いたいのですが」 「同行?どこへだ」 「米軍憲兵隊本部です」 美夜と副長の高木は、鬼塚軍曹をつれてバーレーン米海軍基地内部にある憲兵隊本部の正面玄関をくぐった。 憲兵隊を率いるマーロウ大佐がオフィスで出迎えてくれたかと思うと、すぐに美夜達は地下にある死体安置室に連れて行かれた。 清潔感とは違う、言いようのない飾り気のない内装をした死体安置室。 ステンレス製の筒がいくつも壁に詰め込まれて並んでいる。 その一つ一つが、死体を保管するための冷凍ケースだと、さすがに美夜も知っていた。 「こちらです」 鬼塚軍曹同様の寡黙な人物で、鍛え抜かれたフットボール選手を連想させるいかつい体格の持ち主のマーロウ大佐は、部下に命じて、美夜達の前に台に乗せられた死体袋を6体、引き出した。 「死体を見たことは?」 「私は軍人です」 美夜の答えに納得したのか、マーロウ大佐はあごで部下に指示を出した。 部下は、無言で死体袋のジッパーを下げた。 「……うっ」 死体袋をのぞき込んだ美夜が思わずうめいたのも無理はない。 真っ白にふやけてた肉塊がそこにあった。 人間の頭部だが、ザクロのように裂けた頭から青白くなった脳漿がみてとれる。 胃液が逆流しなかったのは幸いだ。 「今朝、スズヤの近くの海で発見された―――黄色人種であることは間違いない」 マーロウ大佐の部下が、すぐに死体袋のジッパーを戻した。 「遺留品はこれです」 ストレッチャーが音もなく運ばれてきた。 銀色に輝くストレッチャーの上には、着衣だろうウェットスーツや酸素ボンベなどが並べられていた。 「さすがに身元を示すようなモノはなにもない。物好きがダイビングでもして、スクリューに巻き込まれでもしたか?普段ならそうとも考えたが」 マーロウ大佐が手にしたのは、酸素ボンベの脇に置かれていたゴム製のケース。 「状況が状況だ。しかも」 マーロウ大佐はゴム製のケースを開いた。 中からはゴルフボール大の黒いブロックがいくつも出てきた。 「こんなものをダイバーが持っているはずがない」 「……これは?」 マーロウ大佐は、慣れた手つきでブロックを指に挟んで美夜達に見せた。 「爆薬です―――他にも」 爆薬をストレッチャーに戻すと、さらに横に置いてあったモノを美夜達に見せた。 銃身をすっぽりと覆うサイレンサーのバケモノのような銃だった。 「64式消音短機関銃です」 「……その名前が来るということは」 「そうです」 マーロウ大佐は頷いた。 「昨晩、スズヤに侵入を試みたのは、中華帝国軍ということになるでしょうな」 「我々としても情報が欲しいのです。出航を差し止めることはしませんが、ご協力を」 マーロウ大佐にそうオフィスで告げられた後、 「艦長」 憲兵隊からの帰り道、高木が問いかけた。 「どうされますか?」 「司令部には報告する」 車に乗り込んだ美弥はそっけなくそう答えたが、 「だが……辻褄が合わん」と、腕組みをして唸りだした。 「……は?」 「考えてみろ、高木少佐」 美夜は言った。 「仮に山科がチンク共に買収された内通者だったとして、奴を用済みだと殺したのがチンク共だと見なしてもいい」 「だが……何故、奴らが殺されるんだ?誰に殺されたんだ?」 「そ……それは」 「山科?バカな。あいつは頭を潰されたんだぞ?いくらなんでも、頭を潰されてなお、相手を殺す?ありえた話ではない。何より」 「……」 「……銃ではない。あれは何か、鈍器に近い武器で殺された痕だった」 「では……相手は騎士」 「……鬼塚軍曹」 ハンドルを握る鬼塚軍曹に、美夜は訊ねた。 「聞き忘れていた」 「―――はっ」 「侵入者は、どこから逃走をはかった?」 「D区画と思われます」 「……思われる?」 「D区画での目撃情報を最後に、行方をくらませています」 「待ってくれ軍曹、D区画とは」 「……部隊には箝口令を敷いています」 鬼塚軍曹は、後ろを振り返ることもなく、まっすぐ前だけを見ながら答えた。 「佐官以上の高級将校向け居住区画。そこから海に逃れたとしか考えられません」 「なっ……」 「何しろ、ハッチを開かずに脱出するためには船窓が必要です。船窓があるのは、あの辺りだけです」 「しかし!」 高木は信じられないという顔で、鬼塚軍曹と美夜を交互に見るだけだ。 「現在、D区画を使用している佐官は一人だけです」 鬼塚軍曹は乱れることもなく言う。 「誰か、報告しましょうか?」 「いらない」 「……いかがなさいますか?」 しばらくの沈黙の後、美夜は言った。 「二人共」 「はっ」 「……はい」 「この件は、私に任せてもらいたい」 「……はっ」 「……憲兵には、難しい依頼ですな」 「個人的感情を交えるつもりはないが……今、彼女を失うことは、“鈴谷(すずや)”にとっては自滅を選ぶようなものだ」 「……戦時の特別判断としましょう」 鬼塚軍曹は言った。 その言葉には、美夜達も頷くしかなかった。 「“白百合の守護者”が銃殺台の露に消えたなんて話は、自分も聞きたくないですからな」 アメリカ海軍バーレーン基地近くの貧民街。 ビルの廃墟の中で、数名の、見るからに貧民とわかる服装をした男達が暖をとっていた。 流れ者が寝るところもなく廃屋に入り込む光景は、この辺りでは見慣れたものだ。 彼等に誰も注意を払う者はいない。 ただ、もし、彼等に注意を払えば、その中に一人だけ、金髪の貴公子然とした白人系の男が混じっていることに気づいたろう。 エーランドだ。 「まさか」 たき火に手をかざしながら、エーランドは苦笑した。 「始まりから人類と鉢合わせするとはな」 「悪い冗談でしたよ。少佐」 派手なくしゃみをして、シグリッド大尉が鼻をすすった。 「水ん中は得意ですけど、向こうだって武器をもっていた」 「水の中なら百人力だといっていたのは、大尉ではなかったか?」 「モノにゃ、限度というものがありますよ」 「……そうだな」 エーランドはそういうと、ポケットから取り出した酒瓶をシグリッド大尉に手渡した。 潜入工作に慣れたシグリッド大尉の部下と共に敵艦へ侵入し、“鍵”を奪取することを目指したエーランド達は、水中から敵艦に接近。甲板から乗り込むつもりだった。 水中移動用の装備で、ゆっくりと敵艦に接触したエーランド達は、すぐに侵入に適した場所を見つけた。 開けっ放しになったハッチがあったのだ。 エーランド達がそのハッチの真下へと移動して―――人類と鉢合わせした。 狼狽したのはお互い様だったらしい。 ただ、人類もすぐに水中でナイフを抜いて襲いかかってきたが、水に慣れた種族であるシグリッド大尉の部下達に勝てるはずがなかった。 彼等により、即座に人類側を仕留め、エーランド達は、人類のフリをして敵艦に乗り込んだ。 ハッチを開いて待っていた人類側の士官の唖然とした顔は、今でも忘れられない。 悲鳴をあげようとしたので、口を押さえて力任せにハッチに叩き付けた。 問題は、それからだった。 「人類の艦の中」 シグリッド大尉は、酒を舐めるように飲みながら言った。 「一体、どうして俺たちが侵入したことがばれたんでしょうね」 「……さぁな」 魔族であるエーランド達が、監視カメラやセンサーを知らなくても当然だ。 「まるで、俺たちがそこにいることが分かっていたように、人類は兵隊を送り込んできた。俺たちは“姿隠し”のスーツを使っていたんですよ?」 「……あれには参った」 「司令部に報告すべきですな」 シグリッド大尉は真顔で言った。 「姿を隠すだけでは通じないなんて、冗談じゃありません。対策を練らなければ、犠牲が増えるだけです」 「―――うむ」 通路の各所に仕掛けられた赤外線センサーの反応を頼りに憲兵隊がエーランド達を追いかけたのだ。 そして、エーランド達は二手に分かれた。 大人数で移動することは極めて危険であるし、しくじった以上、シグリッド大尉とその部下を危険にさらすのはエーランドの美学に反したのだ。 転移魔法により脱出するシグリッド大尉達と分かれた直後、尚も“鍵”を探すエーランドの目の前で開かれたドアから顔を出したのは、妙齢の女性士官だった。 「なっ!?」 驚きの声を上げた女性士官の口を押さえ、エーランドはその部屋に転がり込んだ。 抵抗する女性の手をねじ上げた時、エーランドは奇妙な感覚に囚われた。 この相手とは―――どこかで出会っている。 室内は、最低限度の照明しかない。 その中で、夜目の効くエーランドは、相手の女性士官の顔を再び見ることで、その奇妙な感覚に答えを見いだした。 ソコトラ島で自分めがけて銃を撃った、あの女性士官だった。 薄暗い照明の下 引き裂かれた衣服から除く女の肌 恐怖におびえ、屈辱に泣きそうになる表情 鼻腔をくすぐる女の香り そして―――女の生殺与奪さえ自由になった自分。 エーランドは男として言った。 「あの時の続きを楽しもうか?」 その翌日 艦長室に二宮が現れた。 「侵入者に殴られたってわけね?」 「……そう」 二宮は、腫れた頬に残る痣を湿布で隠した顔で、美夜の前に立つ。 「それで、殴られたショックで昏倒して気がついたら逃げられた?」 「……そう」 「何で早く言わないの」 「無理言わないでよ。目が覚めたら朝だったのよ?それに」 二宮は頬を指さした。 「殴られたこの顔を見られたいと思う?」 「……」 じっ。と二宮の顔を見た美夜は、ため息混じりに言った。 「もういいわ―――下がっていい。不問にしてあげる」 「……失礼します」 二宮は敬礼すると足早に艦長室を出ようとした。 「……真理?」 不意にかけられた声に、二宮はその場に立ち止まった。 「……ごめんなさい」 美夜は言った。 「あなたとは友達だと思っている。何でも助けることが出来る、いい友達だと、そう思っている」 「……」 「でも、ダメね。こういう時、上手い慰めの一つも言えない、ヒドイ奴だって、自分自身でそう思う」 「……」 「―――何があったか聞かないし、言わなくていい」 「……」 「ただ、悔しかったら、その感情は敵にぶつけて頂戴。それだけは立場上、言っておく」 「……」 「……」 二宮が、か細い声で言葉を紡ぎ出したのは、それからかなりの時間がたってからだ。 「……ありがとう」 こんなことがあっても――― いや、あろうがなかろうが――― 二宮達には、戦いの運命から逃れる術はなかった。 侵入者の騒ぎが一段落した、さらにその翌日。 この時点まで、“鈴谷(すずや)”乗組員達は、艦長の美夜でさえ黒海か地中海に出て、ヨーロッパを横断して北極海経由で国に帰ることが出来ると本気で思っていた。 搭載しているメサイアの数は足りず、“鈴谷(すずや)”は単艦での戦闘が可能に設計はされていない。 戦えないのだ。 護衛艦なしで空母に戦いを求める司令部は存在しないはずだ。 今回を最後に、数千キロの範囲内に自国からの補給が望めない“鈴谷(すずや)”に何を望むというのか。 候補生の生き残りと教官二名しかいないメサイア部隊だ。敗残兵の部隊と言われても反論さえ出来ないが、もう、自分達は十分戦ったんだ。 誰もがそう思っている。 だからこそ、自分達の針路には、皆が楽観していた。 俺たちは、もう役目を終えたんだ。 しかし――― その時、艦橋にいた全員が同じ考えを抱いたという。 曰く――― 平野艦長が発狂した。 本当に、そう思ったという。 それは、美夜が通信兵から受け取った、一枚の通信文を美夜が読んだ時に起きた。 読み終えるや、美夜は周りが凍り付いた程、甲高い声で笑い出したのだ。 泣きながら、 その細い体をしならせて、 そして、 笑い続けた。 謹言実直の手本のような厳格な人物の、突然の振る舞いに、艦橋にいた全員が、どうしていいのかわからなかった。 否、 どうするべきかを考えることさえ、出来なかった。というべきだろう。 笑うだけ笑って、泣くだけ泣いた美弥は、息を整えつつ、ハンカチで目頭を押さえたまま言った。 「……おい、高木少佐」 クックッと鳴っている喉は、泣いているのか笑っているのか、高木少佐にもわからない。 「……はっ」 「司令部は……我々に、死ねと命じてきたぞ?」 「……は?」 高木は、それでも美夜が何を言いたいのかを察した。 察したが故に、高木は目を見開いた。 「ま、まさかっ!?」 「そう……そのまさかだ」 高木は本気で自分こそが発狂したい。いや、何故、今、この瞬間に自分は発狂出来ないのかが知りたかった。 狂って、イカれて、鎮静剤でもブチ込まれて、それでも後方に下げられるなら、俺はさっさと狂いたい! いや――― 誰か、俺を狂わせてくれ!! 高木の心の叫びをかなえてくれる者は、高木自身を含めてこの“鈴谷(すずや)”の艦橋には誰もいなかった。 美夜は高木に通信文を手渡そうとして、その手を止めた。 「どっちだと思う?」 「どちらでも同じです」 高木は答えた。 「どちらも、靖国までちょっと遠いか近いかの違いでしょう」 「……上手いことを言うな」 「……どうも」 高木は通信文を受け取った。 「……なるほど?」 そして、高木もまた笑った。 「人生46年生きてきましたが、これほどの皮肉を喰らったのは、あなたの下への配属命令以来ですな」 「私もだ」と、美夜は頷いた。 「私も、旦那のプロポーズを聞いて以来だ」 「……では、やりますか?」 「目標は―――靖国だな」 「アフリカに戻れ!?」 “鈴谷(すずや)”艦内でその命令を聞いた途端、司令部の正気を疑わなかった者はいなかったろう。 司令部は、“鈴谷(すずや)”にアフリカに戻ることを命じてきたのだ。 艦隊を潰され、逃げてきた立場の美奈代達にとって、アフリカに戻れというのは、死ねというのと同じ意味を持っていた。 司令部が“鈴谷(すずや)”をバーレーンからすぐに発進させたのも、脱走兵を出さないための措置だ。 かなりの乗組員が本気でそう思ったという。 「国連軍は、まず」 やり場のない怒りと不満を抱える乗組員達をハンガーデッキに集め、美夜は説明した。 「中華帝国を叩く前に、邪魔なアフリカ大陸の魔族軍を叩くことになった」 「……」 美奈代はその話をほとんど聞いていなかった。 ただ、美夜の斜め後ろにぼんやりと立って沈痛そうな表情を浮かべる二宮が心配で仕方なかったのだ。 そんな美奈代の心境に構うことなく、美夜は続ける。 「ヨーロッパからの物資輸送のルートを考える上で、そして、今後の戦争継続の上で、アフリカ大陸はやはり極めて重大な意味を持つ。 紅海を経由し、インド洋を経由、太平洋に至る海上交易ルートを確保しない限り、我々に勝利はない! そのため、昨日、EU各国元首達による極秘会合が開かれ、アフリカ大陸全土における、すべての国境紛争の無期限休戦条約が締結に至った。 これにより、国連軍はアフリカ大陸の全戦力を動員した本格的な魔族軍狩りに転じる。 メサイアの他、使える兵器はすべて投入されるだろう」 「ま……まさか」 ―――すべての兵器。 柏美晴の脳裏を横切ったのは、その言葉に対する、嫌な予感だった。 「……反応弾が」 「つい先ほど、ロシア帝国空軍空爆隊から派遣されてきた決死隊が、超大型水素爆弾“ツァーリボンバ2”10発を投下した」 RDS-222“ツァーリボンバ2”。 爆弾の皇帝を意味するその爆弾は、かつての実験で人類最大の50メガトンの破壊力を示したRDS-220“ツァーリボンバ”の発展改良型だが、この時点では美晴達がその性能を知るよしもない。 「人工衛星から確認された限りでは、北アフリカ周辺の魔族軍防衛陣地は、壊滅的な打撃を被ったという」 そりゃそうだろう。 美晴は思った。 ツァーリボンバは、爆弾が目標から離れた地点に投下された場合でもお構いなしに、目標を含む周辺の施設を「余すところなく」消し去ることができるように設計された代物だ。 致死性の熱線の効果範囲は実に58キロに達したという。 その発展版を10発も喰らって無事で済むはずがない。 一体、人類は地球を守りたいのか、それとも破壊したいのか。 魔族に問いかけられたら、美晴はどう答えるべきか、答えが思いつかなかった。 「現状、魔族軍にこの打撃から立ち直る間を与えることがないように、国連軍はメサイア部隊を中心に攻勢に出ている。我々は、アラビア半島と紅海を越えてエチオピア高原に侵攻中のラムリアース帝国軍と共同でこの地を制圧する」 ●アフリカ キリマンジャロ 「どれくらい」 神音はユギオに訊ねた。 「どれくらい、もちそうですか?」 「持たせろといわれれば、いくらでももたせます」 ユギオは肩を軽くすくめた。 「そう―――言いたいのですが」 「無理ですか?」 「無理です」 ユギオは頷いた。 「敵は、アハガル高原からエチオピア高原至る一帯に戦力を集中しています。こちらもケニア・タンザニアに配置していたメース部隊が頑張っていますが……」 「魔界との補給ルートさえ叩かれなければ……?」 「それで2ヶ月と報告を受けています」 「人類は、砂漠と知ってかアハガル高原に反応弾を使用しました。 通常、この手の大型爆弾は、空中爆発させる関係上、パラシュートを開傘します。 我々は、そこを弓兵達によって狙撃し、地面に叩き付けることで破壊、もしくは地面に叩き付けることで、破壊力を減衰させるのですが」 ユギオが悲しげなまでに首を横に振った。 「一発が―――地面どころか地面を貫通して、妖魔の巣の中に飛びこんだのです」 「―――あらま」 神音は天を仰ぎ見た。 妖魔の巣は地下の広大な空間にある。 その密封された空間に巨大な反応弾が飛び込んで炸裂したらどうなるか。 興味はあるが、被害者の立場には立ちたくなかった。 「巣は完全に崩壊。中にいた妖魔部隊は壊滅です」 「戦力はかなり落ちた……と?」 「我々も商売ですから」 ユギオは笑って言った。 「そろそろがアフリカからの引き時と」 「……その方が、懸命かもしれませんね」 「ただし」 「諦めたわけではない?」 「―――その通りです」
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とりあえず、ざっくりと作成。これで合ってます? - 名無しさん 2013-07-17 23 45 46 ご苦労様です - 名無しさん 2013-07-17 23 56 43 乙女9が2-4ボスでした - 名無しさん 2013-07-18 00 10 15 乙女5.3-1ボス - 名無しさん 2013-07-18 00 20 44 乙女3は2ー1でも出てたと思います(*´ー`*) - 名無しさん 2013-07-18 02 45 56 乙女8は2-3雑魚 - 名無しさん 2013-07-18 06 45 32 乙女8は2-4でも遭遇しました - 名無しさん 2013-07-18 14 17 00 シービショップはエリア1じゃなくね?何周まわってもでねー - 名無しさん 2013-07-19 15 30 54 シービショップは、1-3ボス、3-3、3-4ででました。 - 名無しさん 2013-07-19 15 41 05 サンクス。3-3で確認した。全域ってのは外した方がよさげさな。 - 名無しさん 2013-07-20 00 38 53 ダイバーを4-3で確認。 - 名無しさん 2013-07-22 15 44 45 ウンディーネからもリヴァでるん? - 名無しさん 2013-07-23 02 10 24 出たよ、というかウンディーネさんが出てくれない - 名無しさん 2013-07-27 21 35 43 こうやって見ると、乙女3と乙女7が何なのか凄い気になるな…持ってる人居ないのかな? - 名無しさん 2013-07-24 00 43 16 乙女3の名前はガンナーです - 名無しさん 2013-07-24 00 49 46 乙女の名前コンプリート。ミスがあったらお願いします - 名無しさん 2013-07-24 03 34 29 最後の乙女の名前を教えて下さい - 名無しさん 2013-07-30 09 38 13 表の通り、サルガッソーです - 名無しさん 2013-07-30 09 56 54
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《ヴァル()/Val》 アイコン ゲスト(緑or黒) 種族 古代竜 性別 秘密(女の子の格好をしている) 性格 無邪気、素直 年齢 4歳(人間年齢) 転生ヴァルガーヴ ヴァルガーヴの生まれ変わり。 その後、義理の母であるフィリアと義理の父、ジラスによって育てられていた。 しかし、ある日フィリアとはぐれ、知らない間にこの世界に迷い込んでしまったらしい。 そこで、同種族のナズナと出会い、彼女と共に両親を捜す事になった。 因みにナズナとは姉妹の様な関係である。(性別は秘密だが。)そしてようやく、フィリアに会うことが出来たそうだ。 だが、容姿が全てだとは限らない。 関連ページ ナズナ ヴァルガーヴ フィリア=ウル=コプト キャラクター紹介へ戻る|キャラクター紹介 【ゲスト②】へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ヴァルキュリア・サーゲ@ウィキのページへようこそ。 ここは、空想科学機兵 ヴァルキュリアの設定を構築するサイトです。 このサイトは、メンバーのみ閲覧・編集できます。気軽に編集してください。 コメントは、その他のコメント板に自由に書き込んでください。 このページの内容に関する著作権は、管理者に委ねられます。 初めて来られた方はこちら
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バルキリー 外見 効果 2世代以下のみ効果が発動。戦闘で追撃効果 入手方法 ビギナーエッグ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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●東京都内 天原骨董品店 「……それで?」 王侯貴族顔負けの応接室。 そのソファーにふんぞり返った少女は、目の前に立つ、背広姿の男を見下したような眼で睨んだ。 絹のような艶やかな長い髪に透き通るような白い肌。黒くつややかな髪。十代半ばに達しているかさえおぼつかない、華奢な体を包むゴシック調のドレス。 あどけない顔に浮かぶその表情は、あからさまなまでに、目の前の相手を歓迎していない。 名を、天原神音(あまはら・かみね)という。 一方、少女の目の前に座る一流企業の社員(マシン)然とした男は、少女の視線を受けても、能面のような顔に浮かべた営業スマイルを崩さない。 どんなに笑顔を浮かべていても、それが偽りだとわかってしまう。 心の中では何も笑っていない。 オールバックにまとめた髪に仕立ての良いスーツ。やや細く角張った顔。その皮膚の下に、血が流れているかさえわからない。 そんな男だ。 少女―――神音は、そんなタイプの男が大嫌いだった。 「ユギオ……殿、ですか」 名刺を名刺盆に、優雅だが無造作に近い仕草で置いた。 「そんなご大層な御方が、こんなちっぽけな店になんの御用で?」 「これはご謙遜を」 予測はしていたのだろう。 その突っ慳貪な言葉に、ユギオと呼ばれた男は小さく笑った。 その笑い方が気に入らないのか、神音の端正な眉が少しだけつり上がった。 「天下の天原商会総帥のお言葉とも思えませんな」 「愚かなイヤミにしか聞こえないわ。もう一度聞きます……ここに、何をしに来たのですか」 「ビジネスです」 「それはおあいにく様」 神音は、心底楽しい。とばかりに、ころころと笑った。 「ビジネスの基本は、信頼のおける相手と信頼の取引を行うこと。わが商会は、一見(いちげん)様との取引は行わないことにしているわ」 その言葉には、不思議な威厳があった。 「お引き取りを」 「紹介状はここに」 どこから取り出したのか、ユギオは封筒をちらつかせて見せた。 封鑞に押された印章に、神音は嫌でも見覚えがあった。 「―――ご用件は?」 差し出された封筒を受け取ろうともしない。 「お力添えをいただきたい」 ユギオは黙ってテーブルに紹介状を置いた。 「お力添え?」 「はい」 「……」 神音は、恐ろしいほどの形相で相手を睨み付けた。 「アフリカでの馬鹿騒ぎに加担しろと?」 「馬鹿騒ぎとは随分ですな。犠牲がどれほどかご存じで?」 「知ったことですか。私には何の関係もないです―――で?」 その顔つきは未だ厳しい。 「要点を」 「……アフリカの部隊を魔界へ撤収させたいのです」 「何故?」 「戦力建て直しのため」 「つまり、一時的撤退?」 「捲土重来はすぐですが」 「永劫に人間界から手を引くんじゃなくて?」 「……部隊という表現は使いましたが」 ユギオはティーカップに手を伸ばした。 「……いいお茶ですね」 「どうも」 「心が和みます……ここ10年間、南米及びアフリカで暴れたのは、単に“妖魔の群れ”に過ぎません」 「……組織戦ではなかったと?」 神音の顔が、きょとん。となった。 「人類側は魔族軍と呼称していますが?」 「本当に興味がなかったようですね。あれは、我々の流した情報が変な形でリークしたのが、人類のマスコミに伝わった結果で」 「魔族軍の残党にもならない、妖魔部隊が単に暴走しただけ?」 「ええ。数だけはいましたがね。軍としての組織戦はしていません。なにしろ、指揮官が司令部ごと不在でしたから。 ご存じでしょう? 先の戦乱の後、天帝軍によって魔族はすべて一カ所に集められ封印されています。 妖魔部隊を指揮する者がいるのは」 ユギオは、まるで試すように神音を見た。 「アフリカではありません」 「妖魔でも、オークやライノサラス程度なら、単独、もしくは群れで行動しても、人類には十分脅威でしょう」 「最初はそうでした。人間の言う、狩野粒子が人類に与えた混乱から人類が立ち直り、メース……じゃない、メサイアを投入するまでは」 ユギオは、思い出したように顔をしかめた。 「それからは、我々にとっては悪夢の日々でしたよ」 「成る程?妖魔部隊のみを開放し、あなた達が指揮官を自前で用意すればいいと思っていたけど、実際やってみたら……」 「……認めましょう」 ユギオは力無く頷いた。 「妖魔を“呪具”で単にコントロールするだけで済む。そんな安易な目論見は見事に覆されました」 「そんな幼稚な発案が通るあたり、あなた方のトップのおつむの程度が知れますね。で?どれほどの犠牲を被ったのです?」 「既に約8割。占領地域は、最大時の9割近くを喪失」 軽く百万に達する犠牲ということだ。 「妖魔の繁殖力から考えても、それだけの戦力を復旧するのに何年かかると思ってます?他人の軍隊をそうも浪費して。ヴォルトモード卿が聞いたら、黙ってませんよ?」 「無様な話です。確かに」 ユギオは、自分に言い聞かせるように頷いた。 「指揮官の不在は、我々の予想以上に大きい打撃でした。 いえね? 指揮官は用意していたのです。 ところがこの連中、せいぜい小隊規模を運用した経験は豊富ですが、それ以上となると未経験。つまり」 「なんて無茶な。大型妖魔を組織戦で使いたければ、熟練した大隊級以上のクラスの指揮官を筆頭に、熟練した各クラス指揮官が」 「経験のある人材の確保が出来ませんでした」 「部隊の運用に混乱を来した挙げ句、自滅したと?」 「それともう一つ。失敗のもう一つの原因に、補給がありました」 「……まさか」 神音は、額に手を当てた。 「人間界との、あんな細い正規ルートを経由して補給を通したのではないでしょうね」 「その通りです」 「……」 「……」 「……悪いことは言いません」 暫しの時間が過ぎた後、神音はようやく口を開いた。 「もう二度と、この分野に関わらないことです」 「この分野とは?」 「それさえわからなければ、社会に出ないことです。世の中は怖いんですよ?」 「……我々の失敗は」 ユギオはソファーの背もたれに倒れかかるような勢いで体を預けた。 「その全てを外部委託していたことです」 「どこへ?」 「もう言っても良いでしょう」 投げやりな仕草で言った。 「レンファ商会ですよ」 「レンファへ?」 レンファ商会 魔界の民間軍事コンサルタント会社。 魔界軍最高レベルの将校が多数雇用されており、商会幹部に言わせれば、「一平方フィート当たり将軍の数は、魔界軍司令部よりレンファの方が多い」となる。 それ故、軍事関連企業では、一流どころとして知られている。 「そうです。御社のライバル会社ですね」 「言葉を選びなさいっ!」 神音は、ムッとした顔で怒鳴った。 「あんな高級将校(むのうども)の天下り先と、ウチを同格に扱うなんて!」 「そうです。その通りです。我々は、業務委託先を間違えた。最大の失敗がそれでした」 「まったく」 神音は衣擦れの軽やかな音と共に、軽く姿勢を正した。 「実戦経験もなく、部下の功績をかすめ取ることと、司令部の椅子を暖めることしか能のない軍高官(ばかども)を、レンファ商会が血眼になって雇っているのは、そんな連中でも、軍内部に圧力をかけやすいからです。 補給部隊と工兵隊だけで戦争が出来ると勘違いしてるような、軍の動かし方すらロクに知らない幹部共は、責任ですら部下任せにして当然な組織。 それがレンファ。 ウチのように、戦争の規模を問わず、開戦から戦後復興まで。戦争に関する全てをコントロールすることを目的として、それを可能にするだけのスタッフを抱えているところとは、何もかも違うのです」 「そうです。事情があったとはいえ、我々が馬鹿でした。おかげで大損だ」 「魔界からの物資輸送に、規制だらけ正規ルートを使ったのも、連中の利権が絡んでいるどころか、それ以外に、人間界との交易方法を連中が知らなかったからでしょう?」 「こちらの手配した補給物資の9割が届かず仕舞でした。ほぼ全てが横流しされた形跡があります。こちらが裁判沙汰に出来ないことを良いことに好き放題」 「ザマみなさい。でも、あなた達はあの馬鹿社長との繋がりがあるみたいね。政治的な繋がりでしょう?そんなことで」 「故人の悪口は止めましょう」 ユギオは軽く首を横に振った。 「訃報は明日の朝刊に載るでしょう。とにかく、我々はレンファとは手を切りました。我々独自の別ルートで確保した部隊を、すでに現地へ派遣しています」 「傭兵を?」 「民間軍人会社というべきですな。失礼ながら、神音様のコネクションは外させていただきました。理由はお察しください。 本音を言うなら、今すぐにでもあなた方に全業務を委託したい。 しかし、当局の警戒の目は動いている。人間界に対する過度の介入は、天界との関係もあり、当局は神経を尖らせていますからね」 「当たり前でしょう?大陸規模で人類が皆殺しにされたなんて、先の戦争を最後になかった事。あの時の終戦協定に抵触するか否かで、天界と魔界は10年近く議論は平行線のまま。両界の重大な政治問題化しているのですよ?」 「単なる妖魔部隊の暴走で片づけたい魔界と、人間支援による妖魔掃討を主張する天界……まぁ、両勢力共に」 「平行線で終わっているのは、両勢力に、あなた達が政治的介入を続けてきたからだ。そういうのですか?」 「―――ご明察」 「ますます手を貸せなくなったわね」 神音は横を向いた。 「政府は馬鹿じゃないわ―――こちらからの人的支援は、絶対に無理よ。情報省が動いたらアウトですからね」 「情報省は抑えています。ご心配なく。問題はマスコミです。神音様にお願いしたいのは、人的な支援ではなく、兵器と物資の販売、そしてお持ちの門(ゲート)を用いた魔界からの輸送の方でして」 「それこそお断り」 神音はきっぱりと即答した。 「うちの門(ゲート)は、はっきり非合法。いい?人間界で門(ゲート)が使えるのは、魔族または神族が、その地域を明確に保有していることを宣言した地域に」 「すでに、その辺の手配は出来ています」 ユギオはブリーフケースから書類を取り出した。 「政府公式の人間界側、門(ゲート)設置許可証です」 「……かなり影響力のあるということですか?」 「何とでも」 「でも、あなた達、今更、アフリカに何の未練があるのです?」 「まさか!」 ユギオは首を横に振った。 「人間がどれほど残っているがご存じですか?」 「人類を絶滅させるつもり?」 「そこまではやりません」 ユギオの晴れやかな顔は、少女には狂気にさえ見えた。 「我々の目的は、時計の針を戻すことだけです」 「……針?」 「人類は進歩しすぎました。人類のあらゆる技術、思想……諸々全ての進歩の針を中世に戻します」 「……」 「そうでなければ、人間界に未来はありません。人間の技術的進歩が、多くの種族を絶滅に追い込み、人間界そのものを苦しめています……ご理解いただけるものと」 「……先の戦争の終結において」 神音はため息混じりに答えた。 「人類の精神的進歩を、我々魔族と、神族は共に期待した。ところが」 「技術は進歩しましたが、精神面では劣化し続けている……ここ数百年、変わることのない魔界・天界双方の共通見解です。 ―――例えば、 人間界の技術的進歩が21世紀なら、精神的進歩は? わかりますか? 6世紀にも満たないのです。 しかも、現実の6世紀の人類の方が、精神面を含め、あらゆる面で優れていた。 科学技術の進歩と共に精神はすさむ一方。 むしろ類人猿(プロトタイプ)の方が今の人類よりマシだと、そう主張する学者も多い位でして」 「……」 「ですから」 ユギオは声を少しだけ高めた。 「我々は、人類の精神面と技術のバランスをとるべく動いている。時計の針を戻すとは、精神面に相応しい技術力のみを人類に与えることに他ならない」 「そのために、数を減らす?」 「当然です。まだ多すぎます。その数そのものが人類の罪です。1億で十分です」 「……物騒な考え方だけど」 神音は言った。 「それに加担する見返りについて、何の説明もないけど?」 「―――正直」 ユギオは、わざとらしく両手を広げた。 「我々が成そうとしていることは、“結果”に過ぎません」 「結果?」 「そうです。予め、決められたシナリオ通り。と表現するのが最も適切でしょうな。レンファの無能という、シナリオの狂いを矯正するのが神音様の元へおうかがいした、その意味では最大の目的」 「……どこで、何をしようとしているのです」 神音は、その明晰な頭脳のどこかで理解しつつ、拒んでいた答えがユギオの口から出るのを覚悟した。 「ヴォルトモード軍をわが手中に。そのためには本隊、つまり、封印されている魔族軍部隊を解放させる必要がある」 「お断りするわ」 神音は即答した。 「リスクが高すぎる。通常価格ではとても無理。あの弓状列島の大半は、わが商会の排他的活動区域」 神音は、そこまでいいかけて、あっ。となった。 「……それで私に接触した」 神音の瞳は、ユギオに敵対的な色を含んでいた。 「ようやくつながりました」 「わかりました?」 「あなた達がアフリカを放棄した後、どこに出るか。アフリカなんて後回しでいい。問題は、あの弓状列島。そこでの活動をやりやすくするために、天界と魔界双方に認めさせた、当該地域におけるわが商会の排他的経済活動権が欲しい」 「排他的経済活動権は」 ユギオはしてやったり。といわんばかりに、嬉しそうに頷いた。 「当該地域においては、保有者の経済活動を阻害する全ての存在の行動を阻止、排撃する権限を認めるものですから」 「―――帰りなさい」 神音は言い切った。 「一杯食わされたことは認めましょう。しかし」 「我々は、リスク込みの金額でお取引を願い出ているのです」 ユギオは言った。 「滝川村の安全は、何としても護りたいのではありませんか?」 「―――」 ぴくり。 神音の動きが止まった。 「どういう、ことです?」 「ヴォルトモード卿が、どこに封印されているかは、もうご存じでしょう?」 「……先代と先々代の記録は残っているわ」 「心強い」 パンッ。 ユギオのクセらしい。 まるで柏手を打つように、楽しげに手を叩いた。 「“それ”をご存じなら、私が何を言いたいのかもおわかりで」 「―――私と取引したいなら」 その外見からは想像も付かない威厳ある重々しい声が、ユギオの言葉を遮った。 「脅しじみた物言いはやめなさい」 「―――失礼」 パンッ。 ユギオは、まるで挑発するように再び手を叩いた。 「どうも予想通りに事が運ぶと興奮するクセがありまして」 「悪い癖ね」 「恐れ入ります。神音様」 「―――で?」 「そうなれば、滝川村……下手すれば消滅ですからねぇ。ご子息のご家族、お孫さんはまだ14でしたっけ?」 「何を、いくらで、どれだけほしいの?」 「それはもう!」 ユギオは楽しげに言った。 「とりあえず、人間界への裏輸送ルートの確保。そしてこちらのリストの物資を」 ユギオは、席を立って神音に近づく。 「裏ルートを使う以上、取引はウチの独占と判断してよいのね?」 神音はリストを受け取った。 「勿論」 「“サライマ”……メースまで?」 「人類の格言にあります―――“目には目を”」 「……メサイアのことですね」 「そうです。アレは、人類の唯一に近い対抗手段です。対する我々の現有戦力では……」 「……他の業者のブツを扱うなら、ルートは即座に閉鎖します。違約金は天文学顔負けのケタになりますから、覚悟しておいて。事前に断っておくわ。よろし?」 「―――はい」 「滝川を抑えられたら私は交渉に乗るしかないじゃない。ったく、由忠がふがいないから」 「ハハッ……感謝します」 「大盤振る舞いね。何です?他だと困るのですか?」 「裏表いずれにも、神音様ほど影響力のある所はございません。下手に動くと天界までも」 「……面白くもないけど……で?何て言ったかしら?あなた達」 「―――中世協会」 男は言った。 「第四計画とお呼びいただいても結構です」 「これは、確認と、そしてあなた達の誠意を試すためのテストです」 神音は言った。 「返答次第で品質が決まります」 「―――どうぞ?」 「時計の針を戻して、何をするの?」 「人類の進歩の停止……人間界に永遠の中世を」 「……どう答えるべきかは」 神音は答えた。 「後の行動によって代弁させてもらうことにしましょう」 部屋から出たユギオに、控え室で待っていた部下らしき男達が恭しく頭を下げた。 「商談は成立だ」 その中の一人にブリーフケースを手渡しながら、勝ち誇った顔でユギオは言った。 「かなりの代償は支払うことになるが、やむを得まい」 「レンファの失態が痛く付きましたな」 「アレを使うことを主張したコウカク達は?」 「死罪」 「レンファのアホ共、誰がアフリカの家畜を皆殺しにしろと命じたのだ」 ユギオは吐き捨てるように言った。 「我々は、アフリカを支配下に置けと命じたのだ」 「妖魔の“呪具”コントロールではそこまでは無理ですよ」 「出来ると豪語したのは、コウカクとレンファだ」 「コウカクは所詮、レンファの犬です―――それで?」 「撤退完了まで、アフリカの中央高原一帯は死守する。せっかくの橋頭堡だ。そう簡単に放棄してはならない。 今までは猊下が躊躇されていたが、メースを投入する許可が下りたばかりだ」 「メースを?」 「ああ。目には目を。巨人兵器には巨人兵器を―――メース相手なら、人類側も我々に対する攻勢を止めるだろう」 「アフリカを一時放棄して」 部下は言った。 「ヴォルトモード軍の魔族を発見次第、そこへ新たに門(ゲート)を作るだけでも」 「そうはいかん」 ユギオは苦笑しながら肩をすくめた。 「ここまでの失態は、すべてレンファに背負ってもらう。アースフィールドに世論対策はどうなっているか報告させろ。 レンファの失態で、百万の妖魔部隊を失った大失態だ。 マスコミ、特にレンファの息がかかった連中が弁明に動き出す前に先手を打つ必要がある。 人類に一矢報いた彼らの功績を無に帰したのはレンファだと世論に認めさせねば、全てが我々の責任となって、我々を苦しめることになる―――それにさえしくじったら」 「しくじったら?」 「―――あの小娘に頭を下げに来た意味がなくなるぞ」 「……小娘で悪かったわね」 イヤホンを耳から外した神音は、不機嫌そうに毒づくと、窓辺に立った。 魔法で合成された木漏れ日が目に眩しい。 「……かのん」 「はいじゃ」 後ろに控えていた、少女そっくりな人形が頷く。 「すぐに、連中に届けられるメースは?」 「在庫からして」 うーん。 “かのん”と呼ばれた少女は腕組みした後に答えた。 「即時待機モードのツヴァイは500、サライマが1500……在庫は豊富じゃ」 「思ったより少ないのね」 「ツヴァイはとっくの昔に正規軍を退役したロートルじゃ」 かのんはあきれ顔で言った。 「辺境の貧乏国家に売りつけるための代物じゃ。サライマは退役が始まっておる。 クリーヌランド方面での反乱もあって、市場ではタマ数が少なくなっておるんじゃ。 むしろ多いのじゃ」 「戦争する上ではどう?」 「人類のメサイアは大したことない」 かのんは馬鹿にしたような顔で言った。 「装甲、動力、すべての面でツヴァイより落ちる」 「……そうね」 「しかも、在庫ストックは豊富じゃ。ネットワーク使えば騎数は何倍にもなる」 「……」 「いかほど用意するんじゃ?」 「連中の提案額から送り出せる騎数の最大数を割り出しなさい。継戦期間は1ヶ月。グレードは低くていいわ」 「ううむ」 かのんはしばらく唸った後、 「……150騎。他パーツの用意も含めて、それ以上は無理じゃ」 「いいでしょう―――輸送艦を用意して。門(ゲート)を使います」 「ご……ご主人様?」 「―――何?」 「まさか―――人間界へ?」 「私も少し」 少女は薄ら寒い笑みを浮かべた。 「―――人類への恨み辛みがありますからね」 「由忠へは?」 「―――由忠より、遥香さんの方がいいわ。天界情報統括軍に恩を売っておくのも悪くない」 言いかけて、神音は黙った。 「どうしたのじゃ?」 「……やめましょう」 「何故?」 「こちらの動きは全て読まれているはず。下手な行動はこちらの命取りになるわ」 「じゃが、それでは由忠達が危険じゃ」 「……そうね」 うーん。 神音は、腕組みをした後、しばらく考え込んだ挙げ句、ぽん。と手を叩いた。 「かのん」 「はいじゃ」 「―――悠理は、どうしていたかしら?」 「それは非道じゃ」 「何が」 「孫を隠れ蓑にするとはヒドい話じゃ、そう言ったのじゃ」 ポカンッ! 神音の一撃がかのんの脳天に炸裂した。 「本当のことじゃ!」 頭に出来たたんこぶを押さえながら、滝のような涙を流したかのんが抗議する。 「よく考えなさい。かのん」 「ううっ……妾の脳みそはご主人様の8割じゃ。そんなに遜色は」 「私と悠理は祖母と孫」 「悠理はまだ14じゃ。まだまだ子供じゃ。ピッカピカの童貞君じゃ。反抗期はまだのようじゃが」 童貞。 その言葉に、なぜか神音の眼には剣呑な光が宿った。 「そうね……あの年頃は難しいものね」 「そうじゃ。悠理は素直ないい子じゃが、馬鹿正直過ぎる。女でも知れば別かもしれんが」 「女を……知る?」 「ご……ご主人様!?」 「……何?」 「な、何だか、背筋が痛い程寒いんじゃが!?」 「ちょっと」 神音はうっすらと恐ろしい笑みを浮かべた。 かのんを見る目が完全に据わっている。 「由忠の、同じ頃を思い出して」 「あれはやりすぎた!」 かのんは即座に言った。 「妾は十分反省しとる!じゃが、あの頃は、妾は妾で、由忠のことを本当に心配したからこそ、ああいうことをしたと、最後はご主人様もお認めになって、手打ちにしてくださった!」 「……そうね」 「そうじゃ!」 「ただ、やっぱり母親として、筆降ろしの件からはじまって何から何まで、由忠のことは、あなたにはいろいろ言いたいことはあるの」 ギロリ! 神音の眼光を前に、かのんは背筋を伸ばしたまま、凍り付いたように動かなくなった。 「あなたのおかげで、親としてどれ程恥をかいたか……とか」 「落とし前はつけた!日本にいられなくなって、海外を二人で放浪したんじゃ!散々苦労したんじゃ!それで十分じゃとおっしゃった!」 「……はぁ」 神音は脱力気味なため息をついた。 「かのん、あなたも言うようになったわね」 「分解されたくないからの」 「まぁいいわ。悠理を呼ぶ時に、こう伝えなさい。おばあちゃんが“鬼ころしが飲みたい”と言っていたと」 「鬼ころし?」 「言えば分かるわよ―――伝えなさい」 「了解じゃ」 かのんはまるで逃げだそうとするかのようにきびすを返した。 「―――まちなさい」 神音はその背中に言った。 「かのん?あの連中にメースのカタログ持っていって、こう伝えなさい。水中型と母艦にお買い得がありますよ?って」 end