約 2,473,956 件
https://w.atwiki.jp/thewitness/pages/33.html
庭園と塔屋外とツリーハウスの中間あたりに立っているオベリスク。 上記エリアの他、難破船のパズルも管轄となっている。 面1 庭園と塔エリアのパネル踏みの迷路で完成したパズルを塔の頂上よりなぞる(5本)。 ただし、障害物や黒いインク(?)にぶつからないようにパズルを完成させなくてはならない。 下から2つ目のオベリスクは解答が2種類ある模様(2本のオベリスクに対して解答が3種類?)。 面1の具体的な答えはこちらも参照のこと。 面2 同じく庭園の塔の頂上よりなぞる(2本)。 但し、こちらは塔の頂上にさえ辿り着けば無条件で解く事が出来る。 面3 庭園の塔の外壁側より森林の根が大量に生えているエリアに進むとある(2本)。 この2本は位置や角度がシビアなので注意。 もう1本はツリーハウスエリア上層、跳ね橋とは正反対の位置にある離れ小島からなぞる。 面4 船をプレイヤーから向かって右向きに泊め、水面からポール上空に向かってなぞる。 ポールはゆっくり回転しているため、最初と途中で2度時間経過を待つ必要がある。 ツリーハウス上層のパネル橋(橙と緑)を適切な方向に切り替え、 緑パネル橋を渡った先にある小屋から、紅葉を始点としてなぞる。 同じく上層のパネル橋(橙)を適切な方向に切り替え、 面3のオベリスク2本を解いたエリアから、紅葉を始点としてなぞる。 面3と面4の具体的な答えはこちらも参照のこと。 面5 難破船の最初のエリアに3本。 ツリーハウス、湿地方面から港方面に船を走らせ、難破船エリアの下に入り込み、そこからなぞる。 低速状態でないと障害物にぶつかったり途中で途切れたりするので注意。 難しい場合は、難破船の外側、港側に出ている状態で難破船内部を走らせ、 難破船内部から出る前に停止(1速orマップ操作)→港方面へ指定→低速(2速)とする事で比較的安定して解ける。 難破船の最深部に1本。 難破船内部の上層、ICレコーダーのあった場所からなぞる(2本)。 面6 採石場やツリーハウス等から難破船を遠隔操作し、急いで難破船エリア入口のベンチ近くまで向かう。 あらかじめ始点にオートロックがかかる位置につき、船が来たタイミングでなぞる。 なお、船を前者から始める場合は最高速(5速)でないとオベリスクを解くのに極めて時間がかかり、 後者から始める場合は低速(2速)でないと船に追いつかない。 更に、前者から始める場合は船の速度の関係でなぞるタイミングがシビアになるので注意。 港からツリーハウス、湿地方面に船を走らせ、船で進みながら難破船の外側をなぞっていく。 全オベリスク中、距離最長となるが、なぞるタイミングがシビアなため低速(2~3速)推奨。 5速でもポイント速度を変える等の工夫をすれば一応解けるが。 同じく港からツリーハウス、湿地方面に船を走らせるが、今度は難破船内部を通る。 その際、穴があいてる箇所を始点として内側をなぞっていく。 一見するとカメラワークがギリギリだったり、なぞる箇所が難破船内側から上空方面に移ったりするように見えるが、 最後までなぞればきちんと解いた事になる。
https://w.atwiki.jp/yamiorica/pages/852.html
《ミステリーハンド・リメーカー》 効果モンスター 星2/闇属性/悪魔族/攻 500/守 500 このカード名の①の効果は1ターンに2度まで使用できる。 ①:このカードが除外されている場合、自分・相手のメインフェイズに500LPを払って発動できる。 除外されているこのカードを特殊召喚する。 ②:このカードが墓地へ送られた場合に発動する。 自分フィールドの全てのレベル2以下のモンスターの攻撃力は500アップする。 概要 闇属性・悪魔族の下級モンスター。 オリカ作成者 hayabusa(はやぶさ) このカードを使用する代表的なデッキ 関連リンク OCG関連
https://w.atwiki.jp/winterfate/pages/170.html
【クラス】シールダー 【真名】ウィンチェスター・ミステリー・ハウス 【出典】史実 【マスター】トニー・スターク 【性別】???(仮人格:女性) 【身長・体重】???・??? 【属性】混沌・中庸 【ステータス】筋力E 耐久A++ 敏捷E 魔力A 幸運E 宝具EX 【クラス別スキル】 対魔力:A Aランクでは、Aランク以下の魔術を完全に無効化する。 事実上、現代の魔術師では、魔術でシールダーに傷をつけることは出来ない。 騎乗:- 騎乗の才能。家であるシールダーが、何かに乗れるはずがない。 【固有スキル】 我が体は秩序を止めて:A 建築基準や建築の理念、果てはあらゆる常識などに囚われずに設計され増築されていく。 設計さえ受けられれば、材料や工程を不要として増殖する。 その主が製作図に手を加えるたびに、新たな部屋や施設・装備を作り出していくことも可能。 我が庵は安堵を添えて:A 恐怖心を感じていたり、現実からの逃避を願ったりするほど深くこの家に引き寄せられる。そして、外界に出ようという意識を妨げられる。 対抗には精神(MEN)の判定が必要となる。失敗するごとに屋敷の外に対する方向感覚を失っていく。 我が褥は恐怖に濡れて:A 人々の不安を与える迷宮としての知名度。噂の伝搬度合い。 外にいる人間にはその正体が噂――つまり真実以外の不純物や根も歯もない憶測などを交えた“不正確”な恐怖体験として伝わり、 中で生活する人々には、彼らの悪夢や焦燥・恐怖などの感情が増幅され、付与される。 対抗には精神(MEN)の判定が必要となり、失敗するごとに屋敷に対する恐怖心が増幅されて真実から遠ざかっていく。 【宝具】 『女神神殿・防衛本能(ウィンチェスター・ミステリー・ハウス)』 ランク:EX 種別:対城宝具 レンジ:- 最大補足:- 一種の固有結界であるシールダーの正体。 外部の「拒絶」の為の城壁ではなく、真相に届かせない「迷走」の為の閉鎖空間。 内部は異界化しており、外見は変わらなくともその中の空間は増築に合わせて無限に広がっていく。 ウィンチェスター銃による犠牲者の霊――――つまりある種の戦死者の霊が集まるこの屋敷は、北欧神話のオーズの妻フレイヤの住む屋敷と同じ条件を満たしている。 フレイヤは戦いや死を守護する神であり、この屋敷は戦いに伴うもの……恐怖を餌として成長する神殿。 内に住む人間の恐怖が強ければ強いだけ、屋敷はより強固により強靭に、神の住む屋敷へと近づいていく。 その強度から外界からは相応強力な攻撃でなければ破壊できず、しかし強力な攻撃に感じる内に住む人々の恐怖で即座に再生するという矛盾。 事実上、外界からの破壊は困難。 『女神神殿・防衛機構(マイ・ネーム・イズ・フライデイ)』 ランク:A 種別:対界宝具 レンジ:- 最大補足:1 #65374;9999人 ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの内外の概念を反転。 屋敷の外部にあるあらゆる人々の恐怖の源となるものを内に閉じ込め、そして内外問わず人々へ安堵をもたらす。 その時、屋敷の住人も屋敷の外へと放り出される為に存在意義が消滅し、この家は崩壊し内に向けて爆縮する。 二重の「壊れた幻想」。 【weapon】 防衛アンドロイド。対空砲火。ミサイル他。 軍事企業の社長であり、優れた開発者であるトニー・スタークが手を加えた為に最新科学の要塞と化している。 魔力により生み出されているため、サーヴァントにも通用する最新科学兵器。 【解説】 ウィンチェスター銃の開発者、その夫人が作り出した屋敷。 ウィンチェスター銃による死者の霊から逃れるべく増築・改築を重ねたそれは、訓練された案内人でなければ内部で遭難を起こすほど。 現代で最高峰の知名度を持つ――そして今なお存在する“迷宮”。 シールダーとして呼び出された彼女は、防衛と障壁の意味を持つ一種の固有結界である。 【特徴】 家そのもの。 室内に限り語り掛けるとき、つぎはぎのメイド服に身を包んだ洋装の幸薄く儚げな美女として現れる。 決してそれを作ったのは自分ではない、これは断じて浮気や移り気、VR趣味ではないとはトニー・スターク談。 【聖杯にかける願い】 人を、守りたい。 恐怖を、和らげたい。
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/4663.html
ストーリーハウス・ステージ アトラクション:Storyhouse Stage 上海ディズニーランド オープン:2016年6月16日 所属:アドベンチャー・アイル 2016年から2019年まで「ターザン:コール・オブ・ザ・ジャングル*」を上演していたステージ。現在は休演している。
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/260.html
2020年8月16日 松川良宏(非英語圏ミステリ研究家) [日本推理作家協会・本格ミステリ作家クラブ会員] 「フランス・ミステリ」を特集した探偵小説研究会の機関誌『CRITICA』第15号[summer 2020](2020年8月13日発行)で、当サイトにご言及いただきました。ありがとうございます。 ただ、当サイト内のフランスミステリ関連情報は、どこにどの情報があるのか、いまいちまとまっておりません。そこでこの機会に、当サイト内のフランスミステリ関連情報の一覧を作成しておくことにいたしました。 当サイトは頻繁に更新していたのは2015年の夏ごろまでで、それ以降はあまり情報を更新できていません。今回、更新・整理のきっかけを作ってくださったことに感謝いたします。 探偵小説研究会 公式サイト『CRITICA』第15号は2020年8月16日現在、古書店・盛林堂書房(東京、西荻窪)およびその通販サイトでのみ購入可能 『CRITICA』第15号で当サイト(及び筆者が実施した企画)に言及してくださった論考横井司氏「ささやかな読書量でフランス・ミステリの十傑を選んでみよう」 嵩平何(たかひら なに)氏「フランスミステリの紹介者たち」 Index 2014年の企画「フランスミステリベスト100」関連2020年の日本におけるフランスミステリの《位置》と、2014年の企画「フランスミステリベスト100」の背景 フランスミステリ必読リスト フランスミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳状況 フランスミステリの日本での評価本格ミステリ・ベスト10(原書房) このミステリーがすごい!(宝島社) 『週刊文春』ミステリーベスト10(文藝春秋) ミステリが読みたい!(早川書房) 『IN☆POCKET』文庫翻訳ミステリー・ベスト10(講談社) 東西ミステリーベスト100(1985年版、2012年版) フランスにおける日本ミステリ 関連ページ 2014年の企画「フランスミステリベスト100」関連 フランスミステリベスト100(2014年8月14日)Les cent meilleurs romans policiers français de tous les temps(「フランスミステリベスト100」の結果をフランス語原題で示し、英語で企画について簡単な解説を加えたページ) 関連:非英仏語圏ミステリベスト100(「フランスミステリベスト100」と連続して実施した相互補完的アンケート企画) Webサイト「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿したもの実施要項Twitterにて「フランスミステリベスト100」アンケート実施!(2014年7月31日) 「書影付き」順位発表 ※ただし書影はamazonにデータがあるもののみフランスミステリベスト100結果発表!(その1)【1位~30位】(2014年8月20日) フランスミステリベスト100結果発表!(その2)【31位~69位】(2014年8月20日) フランスミステリベスト100結果発表!(その3)【70位~100位+作家ランキング】(2014年8月20日) リアルタイムの結果発表の模様Togetter「フランスミステリベスト100」結果発表(2014年8月13日) フランスミステリベスト100概要 2014年7月17日、当時筆者がWebサイト「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で月一回の連載をしていた「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると」の記事内で実施予告。7月31日、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で実施要項公開。同日21時より8月12日24時までの約2週間弱のあいだ、Twitterにてアンケート回答を募った(ハッシュタグ #ATB仏ミス)。1人最大10作品まで(順位はつけてもつけなくてもよい)。高名な小説家や評論家、翻訳家のかたも含め、締切の8月12日までに67名の方から投票をいただき、翌8月13日に予定通りTwitterにて結果を発表した。 実施要項の公開などで「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の場をお借りしたが、企画・主催者は筆者(=松川)個人であり、実施要項の策定や集計・発表も筆者が個人でおこなったものである。 なお、このアンケート企画の結果をフランスの人にも見つけてもらえたらいいなという思いで、拙いフランス語と英語で欧米向けページを作ったところ、実施半年後の2015年2月になってフランスのミステリ専門図書館「BILIPO」のFacebookアカウントにより捕捉され、「日本の読者が一番好きなフランスミステリはピエール・シニアックの『ウサギ料理は殺しの味』」という情報がフランス中に拡散され(てしまっ)たようである。(該当のFacebook記事) さて、本ページは本来、当サイト内に分散している「フランスミステリ関連情報」にアクセスしやすくするため、単にページの一覧(羅列)を作成して終えるつもりだった。ただ、2014年に筆者が実施したアンケート企画「フランスミステリベスト100」に関しては、2020年現在と当時(6年前)の状況の違いを踏まえた解説を新たに書いておく必要があると考え、以下に記しておく。 2020年の日本におけるフランスミステリの《位置》と、2014年の企画「フランスミステリベスト100」の背景 2020年現在でこそ、フランスミステリは集英社文庫やハヤカワ・ミステリ(いわゆる「ポケミス」)などで毎年ある程度の点数が翻訳出版され、そのなかで注目を集め、ミステリの年間ベスト10にランクインするような作品もある。今年度(2019年11月以降)でいえば、集英社文庫のギヨーム・ミュッソ『パリのアパルトマン』(吉田恒雄訳、2019年11月)および『作家の秘められた人生』(吉田恒雄訳、2020年9月予定)、ポケミスのエルザ・マルポ『念入りに殺された男』(加藤かおり訳、2020年6月)、ジャン=クリストフ・グランジェ『ブラック・ハンター』(平岡敦訳、2020年9月予定)、ほかにベルナール・ミニエ『魔女の組曲』(上下巻、坂田雪子訳、〈ハーパーBOOKS〉ハーパーコリンズ・ジャパン、2020年1月)などが刊行され、(来月刊行予定の2点はまだ分からないが)どの作品も高い評価を得ている(タイトルのリンク先はすべて、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」内「書評七福神の今月の一冊」の該当月のページ)。 しかしこのアンケート企画を実施した2014年7~8月当時はフランスミステリの邦訳がほとんどなくなっていた時期であった。フランスミステリは日本では1970年代までは盛んに訳されていたものの、その後は急激に翻訳点数が少なくなっている*1。2014年当時の日本の若いミステリ読者にとって《フランスミステリ》とは、ごく一部の語り継がれる名作を除き、「過去に大量に訳されているらしいので読もうと思えば読めるけど、そもそもどんなものが訳されているか分からないし、入手困難なものも多いようだし、どの作品から手を付けていいかも分からない」ものだったといっていいだろう。 なお当サイトでは、「どんなものが訳されているか分からない」という状況を打破するため、2012年に「ポケミス非英語圏作品一覧」と「創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧」、2013年に「ハヤカワ・ミステリ文庫非英語圏作品一覧」を公開した。「非英語圏作品一覧」といっても、実質的にはフランスミステリがリストのほとんどを占めていたわけである。 *1 +ポケミスで見るフランスミステリの刊行点数(クリックで展開) ポケミス(1953年9月創刊)でのフランスミステリの刊行点数は、1950年代が20点、1960年代が31点、1970年代が35点であったのに対し、1980年代前半は8点、1980年代後半は1点(フランソワ・ラントラード『バルザック刑事と女捜査官』高野優訳、1989年8月)、1990年代は10年間でたった1点(ロジェ・ラブリュス『罪深き村の犯罪』高野優訳、1991年8月)である。ポケミスではその後、ポール・アルテ『第四の扉』(平岡敦訳)が2002年5月に刊行されるまで、実に10年以上もフランスミステリの刊行がなかった。 つまり見方を変えれば、1985年1月~2002年4月の約17年間で、ポケミスではフランスミステリが2点しか刊行されなかったということである。(もっとも、ポケミスの刊行ペース自体が年代によって異なることにも留意する必要があるし、ポケミスだけで日本におけるフランスミステリの隆盛を判断するのも無理がある) 『ミステリマガジン』2003年7月号に「フランス・ミステリ必読30冊」(選者の記載なし/レビュー:小木曽郷平、香川勇人、川出正樹、不来方優亜、杉江松恋、南波雅、羽取慶治、福井健太、古山裕樹、村上貴史、与儀明子)が載っているが、雑誌のバックナンバーを入手または閲覧するのは必ずしも容易ではない。2012年に新版が出た『東西ミステリーベスト100』(『週刊文春』臨時増刊号 文藝春秋 / 2013年文春文庫)のように書店に行けばすぐに入手できるものではないのである。つまり2014年当時、フランスミステリを読む「指針」になるようなものはほぼ存在しなかったといっても過言ではないだろう。むろん、その「未知の沃野」へと徒手空拳で挑んでいくことこそ読書の醍醐味ではないかと考える読者も多いのではないかと思うが、個人的には、過去に邦訳された膨大なフランスミステリを読むための、なんらかの「指針」がほしいと思ったのも事実である。筆者は2012年版『東西ミステリーベスト100』を発売日の2012年11月21日に購入したが、その翌日、以下のようにツイートした。 東西ミステリーベスト100に続いて、投票対象をフランスミステリだけに限った『仏蘭西ミステリーベスト100』をどこか出してくれないかな。 午後11 13、2012年11月22日 2014年に実施した「フランスミステリベスト100」は、約1年8か月を経てこれを自分で実現した形であった。なお、上に引用したツイートにすぐさまリプライをくださったのは、探偵小説研究会の一員(当時および現在)である千街晶之氏であった。千街氏のリプライを以下に引用する。 ルルーやジャプリゾは当然ベストテンに入るとして、ピエール・シニアックがいきなり票を伸ばしたりとかカオスな結果になりそうです。 午後11 18、2012年11月22日 これはまさに慧眼としかいいようがない(千街氏は、当時も今も、筆者が最も信頼しているミステリ評論家のひとりである)。実際、2014年に実施した「フランスミステリベスト100」では、おおかたの予想を裏切り、ピエール・シニアックの怪作『ウサギ料理は殺しの味』が1位を掻っ攫ったのである(ルルーは3位、ジャプリゾは5位)。 このアンケート企画を実施した2014年当時、筆者は特にフランスミステリに詳しかったわけでも、たくさん読んでいたわけでもなかった。むろん、投票するに際してそれなりの冊数をまとめて読んだわけだが、「フランスミステリベスト100」は、そんなフランスミステリの初心者だった筆者が、「かつて邦訳されたフランスミステリ」について、どの作品がお薦めなのか、どの作品から手に取っていけばいいのか、なんらかの指針が作れないものかと思って実施したものである。 なお、「フランスミステリベスト100」の結果発表の約3週間後、文春文庫からピエール・ルメートル『その女アレックス』(橘明美訳)が刊行されて大ベストセラーとなり、以降、日本でのフランスミステリの翻訳出版状況は一変することとなった。集英社文庫からはエルヴェ・コメール、ミシェル・ビュッシら、新たなフランスのミステリ作家の紹介が続き、また《その女アレックス以前》に紹介されていたポール・アルテやジャン=クリストフ・グランジェらの作品の邦訳も再開され、まさに日本における《フランスミステリ再興(ルネサンス)》の様相を呈するようになったのである。*2 *3 *2=集英社の果たした役割/なぜ『その女アレックス』というヒット作が「潮流」の起点になり得たか【2020年8月17日追記】 +クリックで展開 もっとも、エルヴェ・コメールの初訳作品『悪意の波紋』(山口羊子訳、集英社文庫)が刊行されたのは2015年3月、つまり《その女アレックス以後》ではあるが、この作品の刊行は2012年12月刊の『このミステリーがすごい! 2013年版』に掲載された「我が社の隠し玉」で、『水の波紋』としてすでに予告されている。日本の翻訳ミステリ界が『その女アレックス』旋風に沸く中で、集英社の編集部がそれに続けとばかりに版権を取ったわけではないということである。また、ミシェル・ビュッシの初訳作品『彼女のいない飛行機』(平岡敦訳)は2015年8月に刊行されている。これもおそらくは、『その女アレックス』旋風以前に版権を取得したものだろう。 つまり、2014年以降の《フランスミステリ再興(ルネサンス)》は『その女アレックス』が一つの起爆剤となったとはいえるだろうが、それがピエール・ルメートルという作家の単発の人気で終わらず「フランスミステリ復権」へのひとつの流れとなったのは、時間的にはあとになったが、集英社文庫の支えがあったからこそだといえるだろう。集英社文庫が「点」を「線」に、あるいは「局所的爆発」を「一つの潮流」に変えたのである。 そもそも、『その女アレックス』を出版した文藝春秋は、ほかのフランス作家のミステリを続けて刊行したりはしていない。その点からみても、2008年に邦訳出版が始まった《ミレニアム》シリーズに端を発する北欧ミステリ・ブームや、2011年に邦訳されたフェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』を契機とするドイツ語圏ミステリ・ブームと、2014年からの日本における《フランスミステリ再興(ルネサンス)》はかなり質の違うものである。北欧ミステリ・ブームとドイツ語圏ミステリ・ブームにもまた明確な差異があるが、この3つの違いについては時間があれば改めて述べたい。 *3=ポール・アルテの復活/《フランスミステリ再興(ルネサンス)》の成立過程【2020年8月17日追記】 (※注3は注2の内容を前提に書いたものです) +クリックで展開 ポール・アルテの邦訳が再開されたことも、『その女アレックス』のヒットとは関係がない。ポール・アルテは2002年から2010年にかけて、ポケミスで平岡敦氏の訳で9冊が刊行されたが、2010年10月の『殺す手紙』を最後に邦訳が止まっていた(短編の邦訳が『ミステリマガジン』に載ったことはあった)。そして2018年7月、福岡の小出版社・行舟文化(ぎょうしゅうぶんか)から、『あやかしの裏通り』を皮切りに、同じ平岡敦氏の訳で、日本では未紹介だった《名探偵オーウェン・バーンズ》シリーズの翻訳出版が開始された。この「アルテ復活」は、本格ミステリマニアで日本語も堪能なある福岡在住の中国人夫婦のミステリ愛と行動力によって実現したものである。筆者が知っている限りで、ざっと経緯を書いておく。(前にTwitterで書いたこともある) その福岡在住の中国人夫婦というのは、麻耶雄嵩作品や三津田信三作品の中国語訳を手掛け、霜月蒼『アガサ・クリスティー完全攻略』や権田萬治『謎と恐怖の楽園で』などの評論書の中国語訳もおこない、さらには自ら推理小説も上梓しており、またミステリ賞の審査員として陸秋槎らを発掘した張舟(ちょう しゅう)氏のことである(公開されていることだが、夫妻2人の筆名である)。 筆者が張舟氏から、なぜ日本ではポール・アルテの翻訳が出なくなったのかを尋ねられたのは、2016年6月のことだったと思う。東京で本格ミステリ大賞受賞者のトークショー&サイン会が開催され、張舟氏はこれに申し込んで上京してきていたのである。 筆者はそれ以前に、平岡敦氏が雑誌でポール・アルテをまた訳したい旨書いていたことを覚えていたし(『ミステリマガジン』2013年11月号[ポケミス60周年記念特大号]だと思うが、実家に置いてあるため、確認できない)、なにかのミステリ賞の授賞式に参加させていただいたときに平岡氏とお会いする機会があり、そのときにもご本人からそのご意向を伺っていた。そこで、それを張舟氏に伝えたわけである。 次に張舟氏に会ったのはその1年後、2017年6月の本格ミステリ大賞イベントのときだが、そのときに張舟氏から、「自分が設立する出版社でアルテを出すことになった。版権はすでに取れており、翻訳は平岡敦氏が引き受けてくださった」というようなことを言われて、その行動力に仰天することになった(その1年のあいだに、関連するメールはもらっていたのだが、見逃していたのである)。そしてさらに1年後の2018年7月、張舟夫妻が設立した行舟文化からポール・アルテ『あやかしの裏通り』が刊行された。そして見事、年末の各種のミステリランキングで上位に入ったのである。 長くなってしまったが、つまり2014年以降の《フランスミステリ再興(ルネサンス)》は、『その女アレックス』に端を発するひとつの流れというわけではなく、実際には、『その女アレックス』でルメートルを大人気作家にした文藝春秋、それ以前から着実にフランスの実力派ミステリ作家に目を付けていた集英社、そして並外れた行動力でアルテを復活させた行舟文化、といった別々の出版社の別個の動きが、なにか一つの大きな潮流に「見えた」ということなのだと筆者は考えている。とはいえ、それも「最初はそうだったのだろう」という話である。ジャン=クリストフ・グランジェの邦訳が再開されたのは、やはりその「潮流」(のように見えたもの)が影響しているのかもしれないし、ポケミスからサンドリーヌ・コレット『ささやかな手記』(加藤かおり訳、2016年)やソフィー・エナフ『パリ警視庁迷宮捜査班』(山本知子、川口明百美訳、2019年)が刊行されたのも、この「潮流」なくしてはありえなかったかもしれない。いまや《フランスミステリ再興(ルネサンス)》の潮流は、翻訳ミステリ界を形作る重要な要素のひとつとなり、厳然として存在しているといえるだろう。 このアンケート企画を『その女アレックス』邦訳刊行直前に実施したのは単なる偶然だったが、振り返って考えると2014年版「フランスミステリベスト100」は、ちょうど《その女アレックス以前》の日本のフランスミステリの状況を切り取ることができており、まさにベストなタイミングだったのではないかと考えている。仮に今後同趣旨の企画が実施された場合、《その女アレックス以後》の邦訳作品群により、ランキングの結果は一変することになるだろう。次はどこかの出版社や雑誌の企画で「正式」に実施していただきたいところだが、《その女アレックス以後》を反映した新たな「フランスミステリベスト100」のランキングを見られる日が来ることを期待している。 なお、「フランスミステリベスト100」はそれ単独で企画したものではなく、続けて実施した「非英仏語圏ミステリベスト100」と合わせて1つの企画となっている。後者では北欧ミステリやドイツミステリ、中南米ミステリなどが上位を競っているが、華文ミステリは非常に影が薄い。2014年当時、「華文ミステリ(ー)」という言葉は日本のミステリ読者のあいだではまったく一般的ではなく、邦訳もまだ少なかった。この言葉が日本のミステリ読者に広く知られるようになったのは、2017年9月に刊行された陳浩基『13・67(いちさん ろくなな)』(文藝春秋)の「帯」で使用されたのがきっかけであり、その後、陸秋槎(りく しゅうさ)の『元年春之祭(がんねんはるのまつり)』や『雪が白いとき、かつそのときに限り』などの邦訳が続いたことで、「華文ミステリ(ー)」、あるいは「華文推理」という言葉が日本のミステリ読者のあいだに定着することになったのである。「非英仏語圏ミステリベスト100」を仮にまた実施することがあれば、華文ミステリももっと存在感が強まっていることだろう。 完全に脱線するが、筆者は2016年ごろから、「非英語圏ミステリ3年周期説」というものを唱えている。 日本では3年に一度、非英語圏から界隈を席捲するミステリ小説が翻訳出版され、翻訳ミステリ出版業界を一変させる という、まあ冗談みたいなものである。 2008年、スティーグ・ラーソン《ミレニアム》三部作(スウェーデン作品)の邦訳が開始され、それ以降、スウェーデンのみならず北欧ミステリの邦訳が急増する 2011年、フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(ドイツ作品)が邦訳され、それ以降、ドイツ語圏ミステリの邦訳が急増する 2014年、ピエール・ルメートル『その女アレックス』(フランス作品)が邦訳され大ベストセラーになったことにより、フランスミステリが再度注目され、邦訳がコンスタントに出るようになる ここから勝手に「3年周期」という法則を読み取り、「じゃあ来年(2017年)あたりに中国語圏ミステリ・ブームを引き起こす大作でも訳されないかな」という単なる冗談に過ぎなかったわけだが、2017年に陳浩基『13・67』が邦訳され、実際に華文ミステリへの注目度が一変することになるとはまさか思ってもいなかった。いや、『13・67』という作品のポテンシャルは当時原書で途中まで読んで知っていたので、『13・67』が邦訳出版されると知った際に、早くも「3年周期説」の実現を確信した、というのが実際に近いが。 そう考えると、今年、2020年はまさにその「3年周期」の年に当たる。今年は、2020年8月現在のところ、新たなブームを巻き起こすような非英語圏ミステリは翻訳されていないように思う。ただ、今年の翻訳ミステリ界で気になるのは、イタリアミステリの邦訳が増えていることである。把握している限りで、 イーゴル・デ・アミーチス『七つの墓碑』(清水由貴子訳、〈ハヤカワ文庫NV〉早川書房、2020年2月) アントニオ・マンジーニ『汚(よご)れた雪』(天野泰明訳、〈創元推理文庫〉東京創元社、2020年2月) マウリツィオ・デ・ジョバンニ『集結 P分署捜査班』(直良和美訳、〈創元推理文庫〉東京創元社、2020年5月) アンドレア・プルガトーリ『裏切りのシュタージ』(安野亜矢子訳、〈ハーパーBOOKS〉ハーパーコリンズ・ジャパン、2020年8月17日発売予定) の4点がある。あくまで「3年周期説」を唱え続けるとしたら、今年は「なにか飛び抜けた一作があったわけではないが、イタリアミステリが続々と刊行されるようになった年」として日本の翻訳ミステリ史に刻まれるべき年なのかもしれない。もっとも、「今年」はまだあと4か月半残っている。今年の終わりまでに、思わぬところから優れた一作が現れることもあるかもしれない。自分がちょっと発した冗談に囚われるのもおかしな話だが、今後も翻訳ミステリには引き続き注目していきたい。 フランスミステリ必読リスト 「フランスミステリ」の必読リストと、フランスの「ミステリ必読リスト」。 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号)(2013年5月16日)附:2000年以降に日本で出版された主なフランス・ミステリ(~2013年) 附:森英俊編(編著)『世界ミステリ作家事典』で扱われているフランス語圏作家一覧 フランスのミステリ編集者が選んだ必読ミステリ100(2014年8月27日)フランスで2008年に刊行された『Le guide des 100 polars incontournables』(必読ミステリ100作ガイド)で選ばれている100作品の一覧。選者はフランスのミステリ編集者でありミステリの翻訳や創作も手掛けるエレーヌ・アマルリック(Hélène Amalric)。 100作品中、英語圏の作品が74作品、フランス語圏の作品が16作品、それ以外が10作品。英語圏の名作と並べて自国のどの作品を選んでいるのかという観点で興味深い。 関連:ポーランドのミステリ評論家が選んだ最重要ミステリ100(2014年8月28日)ポーランドで2007年に刊行された『Krwawa setka. 100 najważniejszych powieści kryminalnych』(ブラッディー・ハンドレッド: 最重要ミステリ100選)で選ばれている100作品の一覧。選者はポーランドのミステリ研究家・評論家であるヴォイチェフ・ブルシュタ(Wojciech Burszta)と、ミステリ研究家でミステリの創作も手掛けるマリウシュ・チュバイ(Mariusz Czubaj)の2人。フランス語圏の作品が4作選ばれている。 フランスミステリ邦訳一覧 当サイトでは、「北欧ミステリ邦訳一覧」(最終更新:2017年3月)、「南欧ミステリ邦訳一覧」(イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ / 最終更新:2014年)、「ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧」(最終更新:2014年)など、全邦訳を網羅することを目指して作成したリストを公開しているが、フランスミステリに関してはあまりにも量が多すぎるため、網羅的なリストは作成していない。 ただ、当サイトでは「ポケミス非英語圏作品一覧」などレーベルごとの非英語圏作品のリストを作成・公開しており、事実上、それがほとんど「フランス語圏の作品のリスト」であることが多い。 ハヤカワ・ミステリ(ポケミス)非英語圏作品一覧(2012年1月14日 / 最終更新:2020年8月17日) ハヤカワ・ミステリ文庫非英語圏作品一覧(2013年6月22日) 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧(2012年9月1日 / 最終更新:2018年11月6日) 文庫で刊行されたフランスミステリの一覧(2014年8月6日) - 「フランスミステリベスト100」のために作成した参考リスト また当サイトでは、日本で翻訳出版された非英語圏ミステリの年度ごとの一覧を作成していたが、2013年からスタートし、2015年秋ごろにストップしてしまった。 非英語圏ミステリ2013年の邦訳出版一覧 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 非英語圏ミステリ2015年の邦訳出版一覧 関連オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳状況 フランスのミステリ賞(2013年5月16日) - 受賞作の邦訳一覧 フランスミステリの日本での評価 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧(2012年9月9日 / 最終更新:2020年8月17日) 本格ミステリ・ベスト10(原書房) 順位 タイトル 作者 国 備考 2003年 第1位 第四の扉 ポール・アルテ フランス このミス4位、文春2位 第8位 死者を起こせ フレッド・ヴァルガス フランス 2004年 第1位 死が招く ポール・アルテ フランス 2005年 第1位 赤い霧 ポール・アルテ フランス 文春10位 2006年 第3位 カーテンの陰の死 ポール・アルテ フランス 2007年 第3位 赤髯王の呪い ポール・アルテ フランス 2008年 第1位 狂人の部屋 ポール・アルテ フランス このミス7位、早ミス3位 2009年 第3位 七番目の仮説 ポール・アルテ フランス 2010年 第3位 虎の首 ポール・アルテ フランス 第7位 騙し絵 マルセル・F・ラントーム フランス 2011年 第6位 殺す手紙 ポール・アルテ フランス 2013年 第10位 彼の個人的な運命 フレッド・ヴァルガス フランス 2015年 第10位 その女アレックス ピエール・ルメートル フランス このミス1位、文春1位、早ミス1位、IN☆POCKET1位 2016年 第7位 悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル フランス このミス2位、文春1位、早ミス5位、IN☆POCKET7位 2017年 第10位 傷だらけのカミーユ ピエール・ルメートル フランス このミス6位、文春1位、IN☆POCKET6位 2018年 第4位 黒い睡蓮 ミシェル・ビュッシ フランス このミス5位 2019年 第2位 あやかしの裏通り ポール・アルテ フランス このミス6位、文春8位 2020年 第5位 金時計 ポール・アルテ フランス このミステリーがすごい!(宝島社) 順位 タイトル 作者 国 備考 1996年 第10位 パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない ジャン・ヴォートラン フランス 2003年 第4位 第四の扉 ポール・アルテ フランス 本ミス1位、文春2位 第9位 グルーム ジャン・ヴォートラン フランス IN☆POCKET10位 2008年 第7位 狂人の部屋 ポール・アルテ フランス 本ミス1位、早ミス3位 2015年 第1位 その女アレックス ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、文春1位、早ミス1位、IN☆POCKET1位 第6位 ハリー・クバート事件 ジョエル・ディケール スイス(フランス語) 文春4位、早ミス9位 2016年 第2位 悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル フランス 本ミス7位、文春1位、早ミス5位、IN☆POCKET7位 第9位 彼女のいない飛行機 ミシェル・ビュッシ フランス IN☆POCKET9位 2017年 第6位 傷だらけのカミーユ ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、文春1位、IN☆POCKET6位 2018年 第5位 黒い睡蓮 ミシェル・ビュッシ フランス 本ミス4位 2019年 第6位 あやかしの裏通り ポール・アルテ フランス 本ミス2位、文春8位 第8位 監禁面接 ピエール・ルメートル フランス 文春5位 『週刊文春』ミステリーベスト10(文藝春秋) 順位 タイトル 作者 国 備考 1997年 第10位 眠りなき狙撃者 ジャン=パトリック・マンシェット フランス 2002年 第2位 第四の扉 ポール・アルテ フランス 本ミス1位、このミス4位 2004年 第10位 赤い霧 ポール・アルテ フランス 本ミス1位 2012年 第6位 ルパン、最後の恋 モーリス・ルブラン フランス 2013年 第9位 HHhH プラハ、1942年 ローラン・ビネ フランス 2014年 第1位 その女アレックス ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、このミス1位、早ミス1位、IN☆POCKET1位 第4位 ハリー・クバート事件 ジョエル・ディケール スイス(フランス語) このミス6位、早ミス9位 2015年 第1位 悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル フランス 本ミス7位、このミス2位、早ミス5位、IN☆POCKET7位 2016年 第1位 傷だらけのカミーユ ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、このミス6位、IN☆POCKET6位 2018年 第5位 監禁面接 ピエール・ルメートル フランス このミス8位 第8位 あやかしの裏通り ポール・アルテ フランス 本ミス2位、このミス6位 2019年 第8位 わが母なるロージー ピエール・ルメートル フランス ミステリが読みたい!(早川書房) 順位 タイトル 作者 国 備考 2008年 第3位 狂人の部屋 ポール・アルテ フランス 本ミス1位、このミス7位 2015年 第1位 その女アレックス ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、このミス1位、文春1位、IN☆POCKET1位 第9位 ハリー・クバート事件 ジョエル・ディケール スイス(フランス語) このミス6位、文春4位 2017年 第5位 悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル フランス 本ミス7位、このミス2位、文春1位、IN☆POCKET7位 2019年 第7位 黒い睡蓮 ミシェル・ビュッシ フランス 本ミス4位、このミス5位 『IN☆POCKET』文庫翻訳ミステリー・ベスト10(講談社) 順位 タイトル 作者 国 備考 1998年 第9位 鉄の薔薇 ブリジット・オベール フランス 2002年 第10位 グルーム ジャン・ヴォートラン フランス このミス9位 2003年 第6位 夜鳥(よどり) モーリス・ルヴェル フランス 2004年 第7位 蜘蛛の微笑(のちに『私が、生きる肌』に改題) ティエリー・ジョンケ フランス 2014年 第1位 その女アレックス ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、このミス1位、文春1位、早ミス1位 2015年 第6位 悪意の波紋 エルヴェ・コメール フランス 第9位 彼女のいない飛行機 ミシェル・ビュッシ フランス このミス9位 2016年 第7位 悲しみのイレーヌ ピエール・ルメートル フランス 本ミス7位、このミス2位、文春1位、早ミス5位 2017年 第6位 傷だらけのカミーユ ピエール・ルメートル フランス 本ミス10位、このミス6位、文春1位 『IN☆POCKET』休刊(~2018年8月号)のため、2017年11月号での発表分をもって終了 東西ミステリーベスト100(1985年版、2012年版) 1985年 第16位 黄色い部屋の謎 ガストン・ルルー フランス 第23位 わらの女 カトリーヌ・アルレー フランス 第41位 813 モーリス・ルブラン フランス 第67位 シンデレラの罠 セバスチアン・ジャプリゾ フランス 第83位 男の首 ジョルジュ・シムノン ベルギー(フランス語) 2012年 第28位 黄色い部屋の謎 ガストン・ルルー フランス 第41位 シンデレラの罠 セバスチアン・ジャプリゾ フランス 第53位 わらの女 カトリーヌ・アルレー フランス 第92位 奇岩城 モーリス・ルブラン フランス フランスにおける日本ミステリ フランス語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ(最終更新:2013年) 2012年に欧米で翻訳出版された日本の推理小説(2013年4月17日) 日本の小説の海外での受賞一覧(2014年7月7日) 『このミステリーがすごい!』過去のベスト10作品の英・仏・独訳状況(2018年12月11日)筆者は『このミステリーがすごい! 2019年版』(宝島社、2018年12月)に「日本ミステリー、世界へ――あるいは、ミステリー小説の真の国際化」(pp.134-135)を寄稿しているが、このリストはその記事と合わせて『このミス』に載る予定だったものである。残念ながらページ数の都合で掲載はされなかった。 なお、2013年以降については、当サイトのトップページで時系列順に日本ミステリの欧米での翻訳出版情報を載せている。日本ミステリのフランス語訳については、トップページを「【フランス語訳】」でページ内検索していただきたい。 関連ページ インターナショナル・ダガー賞 受賞作・候補作一覧英国推理作家協会賞(CWA賞)の最優秀翻訳長編部門の受賞作・候補作の一覧。フレッド・ヴァルガス、ピエール・ルメートルが何度も受賞している。 非英語圏ミステリ各種リスト
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/70.html
■■韓国で2008年に刊行された韓国オリジナルミステリ27タイトル全紹介(1)■■ アンソロジー編 2010年4月3日 2009年11月、講談社の「アジア本格リーグ」から韓国の美術ミステリ『美術館の鼠』が刊行されました。 それに関連して、韓国ではどのような推理小説が刊行されているのかを調べてみる企画です。 全27タイトルというのは、韓国の推理小説専門誌『季刊ミステリ』2008年冬号によるデータです。 実際に作品を読んではいません。内容についてはネット書店などで情報を得ています(ハングルはまあまあ読めますが、小説を読めるほどではないので…)。 2008年に韓国で刊行された韓国オリジナルミステリ27タイトルのうち、アンソロジーは以下の4つです。 (1)韓国推理作家協会『首陽大君殺人事件 2008今年の推理小説』 한국추리작가협회『수양대군 살인사건 2008 올해의 추리소설』 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8962030101 (2)『韓国推理スリラー短編選』(第1回ブロガー大賞 国内文学部門5位) 『한국 추리 스릴러 단편선』 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8960171557 (3)『私の人食いルームメイト 韓国恐怖文学短編選3』 『나의 식인 룸메이트 한국 공포 문학 단편선 3』 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8960171565 (4)『韓国スリラー文学短編選』 『한국스릴러문학 단편선』 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=8901083027 (1)『首陽大君殺人事件 2008今年の推理小説』収録作 「首陽大君殺人事件」イ・サンウ(李祥雨、協会常任顧問) 「ヌードモデルは誰が殺したのか」チェ・ジョンチョル(崔鐘澈) 「青い鱗の上で」シン・ジェヒョン(2007年秋新人賞受賞作家) 「デスノート」ソル・イニョ(ソル・インヒョ、2007年冬新人賞受賞作家) 「趣味と職業」キム・ジュドン(2008年春新人賞受賞作家) 「誰が私のラーメンを食べたんだ?」ソン・ソニョン(2008年夏新人賞受賞作家) 「新婚旅行、今回で何度目だ?」カン・ヒョンウォン(現役弁護士、中堅作家) 「彼女のペット」バン・ジェフィ(SF作家) 「毎日死ぬ男」ジョン・ミョンソプ 「낭이전」(ナンイジョン、人名か??)イ・スグァン(李秀光、協会会長) 10作品収録。韓国推理作家協会が毎年刊行している『今年の推理小説』の2008年版。 「首陽大君殺人事件」と「낭이전」は歴史ミステリ。バン・ジェフィはSF作家で、「彼女のペット」はペットボトルをペットにするという奇想作品だとか。なんでSF作家が?という気もするが、日本推理作家協会が毎年出している『ザ・ベストミステリーズ』も、以前は巻末に1年間のSFを振り返る解説が載っていたようで、「文学」に対してミステリやSFなどのジャンル小説が連携するのはどこも同じなんでしょう。「毎日死ぬ男」は、繰り返される無残な死から脱することができない男の苦痛を描いた作品。 季刊ミステリ新人賞受賞作家も4人参加している。「誰が私のラーメンを食べたんだ?」は、2008年春の季刊ミステリ新人賞最終候補作品。選評では、「90年代に日本で生まれた日常の謎ミステリに通じる」作品だと言われており、消えたラーメンを探す1人称話し手の推理過程を見せる作品だという。ソル・イニョ(ソル・インヒョ)の「デスノート」は、最先端の殺人方法を描いた作品だというが、一体…。日本にも『絶望ノート』があるが、韓国でもオマージュだかパロディだか的な作品がすでにあったとは。 収録作家10人のうち、4人は邦訳がある。イ・サンウ(李祥雨)、チェ・ジョンチョル(崔鐘澈)、イ・スグァン(李秀光)は『コリアン・ミステリ』(98年版『今年の推理小説』の邦訳)に短編が載っており、ソル・インヒョは『季刊ミステリ』掲載の短編が『ハヤカワミステリマガジン』に掲載されている。(イ・スグァンはほかにも邦訳あり) (2)『韓国推理スリラー短編選』収録作 「フーコーの一生」チェ・ヒョッコン(1970年生、2003年『季刊ミステリ』からデビュー、韓国推協会員) 「アリババのアリバイと不可思議なヒトデ」イ・デファン(1980年生、2007年春季刊ミステリ新人賞受賞者) 「暗殺」キム・ユチョル(1971年生、『オシリスの指輪』で第1回(2002年)インターネット文学賞大賞受賞) 「シンクホール」リュ・サム(1979年生) 「こんにちは、わたしの星」ナ・ヒョクジン(1979年生) 「嘘」カン・ジヨン(1978年生) 「火の殺人」ジョン・ミョンソプ(1973年生) 「七番目の停留所」パク・ジヒョク(1978年生) 「피가 땅에서부터 호소하리니」ハン・イ 「オリエントヒット」キム・ジェフィ(『色、写楽』作者) 韓国推理小説100周年(李海朝『双玉笛』から100年)を記念して刊行された新世代作家10人のアンソロジー。2009年には第2巻が刊行されている。 密室ものや日常の謎作品もあるとのこと。コピーライター、新聞社勤務、編集者、漫画編集者、図書館司書などなど、普通に職をもっている兼業作家が多い。やはり、専業作家としていきていくのはなかなか厳しいのでしょう。 (3)『私の人食いルームメイト 韓国恐怖文学短編選3』 (4)『韓国スリラー文学短編選』 この2つは、狭義の推理小説ではなさそう。戦前の広義の「探偵小説」ではあるのかな。 「韓国恐怖文学短編選」は、韓国のホラー作家イ・ジョンホを中心とする韓国マッドクラブの作家たちによるアンソロジー。2009年の第4巻まで刊行されている。第3巻にはイ・ジョンホ「赤い雨」などを収録。イ・ジョンホは日本でも公開された映画「コックリさん」の原作者であり、『コックリさん』は角川ホラー文庫から邦訳が刊行されている。 「韓国スリラー文学短編選」は、2010年に第2巻が刊行されている。 現在までに邦訳されている韓国ミステリの短編アンソロジーとしては、『コリアン・ミステリ 韓国推理小説傑作選』(バベル・プレス、2002年5月)があります。これは韓国推理作家協会編「今年の推理小説」98年版の邦訳です。 ただ、この98年版は、読んでみるとあまり出来がいいとは思えず…。韓国のミステリ作品集が邦訳されていて日本語で読めるということ自体は非常に嬉しいことですし、ほとんど邦訳がない8年前の段階でこのような翻訳本が出ているということはなかなかの偉業だと思いますが、日本で読める韓国ミステリのアンソロジーがこの本だけというのは、結構不幸な状態のような気がします。 韓国推理作家協会のソン・ソニョン氏によれば、上で書いたこの年の韓国推理作家協会のアンソロジー『首陽大君殺人事件』は、新世代作家10人のアンソロジー『韓国推理スリラー短編選』にブログでの言及数などでぼろ負けしたそうで、韓国ミステリ短編集の新たな邦訳が出るのならぜひこの『韓国推理スリラー短編選』をお願いしたいところです。 韓国推理作家協会編のアンソロジーについて言えば、ソン・ソニョン氏は2009年版が今までで最もいいと言っていますから、ぜひ2009年版の翻訳をお願いしたいですね。 残り23。 次回は現代を舞台にした長編ミステリ編。 韓国ミステリ紹介 目次へ
https://w.atwiki.jp/majokuro/pages/108.html
ミステリー神殿 ミステリー神殿-1 ※AP30 バトル6火属性と氷属性 経験値 3300 戦利品 ゴールド 4417 カード フレイム・ゴブリン、アイス・グリフィン バトル HP 敵カード構成 1 4600 アイス・アーマー(1200)、フレイム・ウィザード(401)、アイス・フェアリー(401)、ラバ・ジャイアント・ベアー(401) 2 4600 アイス・ストーン・ガード(1200)、フレイム・アラケネ(3879)、フレイム・ウィザード(401)、エリート・フローズン・アーチャー(401)、フレイム・ボール(401) 3 4600 アイス・スピリット(1200)、フレイム・イーグル(3879)、フレイム・ウィザード(401)、アイス・エレメント(401)、ファイアー・フェアリー(401) 4 4600 フローズン・ユニコーン(1200)、フレイム・タイタネス(3879)、フレイム・ウィザード(401)、フローズン・ボール(401)、フレイム・エリート・アーチャー(401) 5 4600 フレイム・タイタネス(3879)、フローズン・グリフィン(3879)、フレイム・ウィザード(401)、アイス・フェアリー(401)、ラバ・ジャイアント・ベアー(401) 6 23200 フレイム・アーク・エンジェル(6466)、フローズン・グリフィン(6466)、ラバ・ジャイアント・ベアー(669)、アイス・フェアリー(669)、フレイム・ボール(669) ミステリー神殿-2 ※AP30 バトル6無属性と火属性 経験値 3330 戦利品 ゴールド 3,823 カード ラバ・グリフィン、ゴブリン バトル HP 敵カード構成 1 4700 フレイム・スピリット(1222)、フェアリー、エリート・フレイム・アーチャー、ゴブリン・ウォリアー 2 4700 ラバ・リザード(1222)、フェアリー、ファイアー・エレメント、ゴブリン・ウォリアー、アラケネ(3954) 3 4700 フレイム・アーマー(1222)、エリート・アーチャー、フレイム・ボール、ゴブリン・ウォリアー、イーグル?(3954) 4 4700 フレイム・ユニコーン(1222)、エレメント、ファイアー・フェアリー、ゴブリン・ウォリアー、タイタネス(3954) 5 4700 タイタネス(3954)、アルカン・ボム、エリート・フレイム・アーチャー、ゴブリン・ウォリアー、フレイム・ストーン・ガード(1222) 6 23500 アーク・エンジェル(6592)、フェアリー(680)、ファイアー・フェアリー、ジャイアント・ベアー、フレイム・グリフィン(6592) ミステリー神殿-3 ※AP35 バトル7氷属性と木属性 経験値 3920 戦利品 ゴールド 5,236 カード アイス・ゴブリン、ウッズ・グリフィン バトル HP 敵カード構成 1 4600 ウッズ・スピリット(1244)、エリート・フローズン・アーチャー、エリート・ウッズ・アーチャー、アイス・ウィザード(414) 2 4600 ウッズ・ユニコーン(1244)、アイス・フェアリー、ウッズ・エレメント、アイス・ウィザード、フローズン・アラケネ(4030) 3 4600 ウッズ・アーマー(1244)、エリート・フローズン・アーチャー、エクスプロード・シード、アイス・ウィザード、フローズン・イーグル?(4030) 4 4600 ウッズ・ストーンガード(1244)、アイス・エレメント、ウッズ・フェアリー、アイス・ウィザード、フローズン・イーグル?(4030) 5 4600 6 4600 フローズン・タイタネス(4030)、アイス・フェアリー、ウッズ・フェアリー、アイス・ウィザード、ジャングル・グリフィン(4030) 7 27700 フローズン・アーク・エンジェル(6718)、エリート・フローズン・アーチャー(692)、エリート・ウッズ・アーチャー、スノー・ジャイアント・ベアー、ジャングル・グリフィン(6718) ミステリー神殿-4 ※AP35 バトル7無属性と雷属性 経験値 3955 戦利品 ゴールド 4,482 カード グリフィン、サンダー・ゴブリン バトル HP 敵カード構成 1 4600 マジック・アーマー(1266)、エリート・サンダー・アーチャー、エレメント、サンダー・ウィザード 2 4600 ストーン・ガード(1266)、サンダー・エレメント?、アルカン・ボム、サンダー・ウィザード、サンダー・アラケネ(4106) 3 4600 ユニコーン(1266)、サンダー・ボール、フェアリー、サンダー・ウィザード、サンダー・ロック(4106) 4 4600 リザード(1266)、サンダー・フェアリー、エリート・アーチャー、サンダー・ウィザード、サンダー・ロック(4106) 5 4600 サンダー・タイタネス(4106)、エリート・サンダー・アーチャー(422)、エレメント、サンダー・ウィザード、スピリット(1266) 6 4600 サンダー・タイタネス(4106)、サンダー・エレメント(422)、アルカン・ボム、サンダー・ウィザード、ウォー・グリフィン(4106) 7 28000 サンダー・アーク・エンジェル?(6844)、エリート・サンダー・アーチャー(704)、フェアリー、サンダー・ジャイアント・ベアー、ウォー・グリフィン(6844) ミステリー神殿-5 ※AP35 バトル7木属性と雷属性 経験値 3990 戦利品 ゴールド 4656 カード ライトニング・グリフィン、ウッズ・ゴブリン、アイス・フェアリー・ラビット バトル HP 敵カード構成 1 4700 ライトニング・スピリット(1290)、エリート・ウッズ・アーチャー、サンダー・スピリット、ゴブリン・シャーマン 2 4700 サンダー・ストーン・ガード?(1290)、ウッズ・エレメント、サンダー・ボール、ゴブリン・シャーマン、ジャングル・アラケネ(4182) 3 4700 ジャングル・ロック?(4182)、エクスプロード・シード、サンダー・フェアリー、ゴブリン・シャーマン、ライトニング・ユニコーン(1290) 4 4700 ジャングル・ロック?(4182)、ウッズ・フェアリー(430)、エリート・サンダー・アーチャー、ゴブリン・シャーマン、ライトニング・マジック・アーマー(1290) 5 4700 6 4700 ジャングル・タイタネス(4182)、ウッズ・エレメント(430)、サンダー・ボール、ゴブリン・シャーマン、サンダー・グリフィン(4182) 7 28300 ウッズ・アーク・エンジェル?(7170)、エリート・ウッズ・アーチャー(716)、サンダー・フェアリー、ウッズ・ジャイアント・ベアー、サンダー・グリフィン(7170) コメント 情報提供お待ちしております。 ミステリー神殿-2 エンジェル泥。 -- 2014-05-16 20 02 46 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/medadictionary/pages/2319.html
ミステリーダー メダロット一覧 ⇒ ま行 - S 探偵型メダロット(DTT) 登場作品 S ミステリーダー 機体概要 メダロット探偵団関連施策メダたん メダロット謎 機体説明メダロットS 登場人物としてのミステリーダー漫画「メダたん」、メダロットS 関連機体 機体性能メダロットS 機体概要 メダロットS初出の探偵型メダロット。 メダロット探偵団として公開された、3体のメダロットのリーダーである。 探偵モチーフのメダロット自体は、メダロットRにて登場したパイプブレインに次いで2体目。 こちらはシャーロック・ホームズがモチーフのパイプブレインとは異なり、探偵という職業そのものがモチーフという違いがある。 共通点は、いずれも索敵に関する行動および技を扱う点である。 上半身は探偵ーー恐らくはシャーロック・ホームズのイメージが投影されている。 頭部側面や脚部には、レンズの様なパーツが装着されている。 頭部左側面には虫眼鏡が付いていて、後頭部のマニピュレータで保持されている。 後述のメダたんでの描写によると、マニピュレータは自由に動かせる。 また、頭部パーツ使用時には虫眼鏡が顔前面に移動する。 下半身は19世紀の自動車を思わせ、パーツ名もそのままクラシッカー。 メダロット探偵団の3体は共に、本作にてシリーズ初参加となる倉持キョーリュー氏によってデザインされている。 メダロット探偵団関連施策 ミステリーダーをはじめとするメダロット探偵団のデザイン画公開と共に、様々な施策が行われた。 メダたん あかうめ氏作、イマジニア監修による、メダロット探偵団3体の活躍を描いた漫画、全10話。 タイトルは、「メダロット探偵物語」の略である。 作中の台詞や背景が示している様に、世界観はメダロットSメインストーリーと同一である。 メダロット公式チャンネル内メダロットニュースで3話までが先行公開。 その後、週刊メダロット通信、メダロット社公式Twitter(現X)、メダロット公式チャンネルで公開。 なお本作の後日談は、メダロットSリリース2.5周年イベント「祝祭!ロボトル〜2.5th Anniversary編〜」にて描かれる。 メダロット謎 メダロット社公式Twitter(現X)アカウントで公開された、謎解きゲーム、全10回。 毎週火曜日21時にツイートされ、正解発表は翌週のメダロットニュース内で行われた。 機体説明 メダロットS ピックアップガチャで入手出来る期間限定初期ランク☆3メダロットとして登場。 探偵メダロットの元祖たるパイプブレインとは異なり、多数の格闘能力を備えた武闘派メダロットとなっている。 各パーツの技は、探偵の推理をメダロットの技で再現したものとなっているが、 格闘攻撃が多い点に関しては シャーロック・ホームズの作中にて名前が出たのみの格闘術、バリツを意識した可能性もある。 頭部パーツは本作初出の新技となる、ファイターコア。 レーダーサイトとファイトブーストの効果を同時に付加する効果を持つ。 成功値に2つの技による補正が掛かることで、マイナス症状の付与を回避するカスリの発生を抑えられる。 この点もあって、両腕パーツと相性が良い。 右腕パーツはプラス症状を消し去り真実を暴く、エフェクトクリア。 男性型のエフェクトクリアは、オリンディアースに次いで2体目である。 左腕パーツは閃きで難事件の解決を狙うフラッシュで、ヘヴィパーツに該当する。 初期ランク☆3かつ、腕パーツのフラッシュは珍しい。 冷却値が高めのため、フラッシュの弱点である攻撃後のペナルティが比較的少なく済む。 味方のクーラーやクーラープラントで補うと、隙を減らせる。 またパーツ単位なら、脚部特性アブスコンドとの組み合わせも良い。 右腕のエフェクトクリアとは妨害クリアを解除して強力な妨害効果を与えられるため、相性が良い。 脚部特性はランドクルーザー。 車両型脚部の苦手地形を補える上、通常の地形相性ではAまでが最高のため、草原では地形相性で有利に立てる。 ヘヴィリミットは左腕を支えられる1。 加えて充冷値も、男性型車両脚部の中ではビーストキメラに次ぐ高水準。 素早く現場に駆けつけて謎を解き明かそう。 強力な妨害効果を相手に与えることが出来るメダロットだが、直接戦闘能力においては、さすがに単体では力不足である。 ワトソンーー強力な格闘攻撃を使うメダロットを入れてやると、自身の持つファイターコアもあって、ロボトルを解決に導けることだろう。 ▲ページ上部へ▲ 登場人物としてのミステリーダー 漫画「メダたん」、メダロットS メダロットのみで構成された探偵団、メダロット探偵団のリーダー。 通称はリーダー。 キッキーとベルと共に、地道な活動で実績を上げており街の人々からの評判も良い。 しばしば何もしゃべらない長考モードになるが、この時はキッキー曰く、灰色の電子頭脳がシャカシャカしてるとのこと。 ホームズだけでなくポワロの要素も持ち合わせていたようだ。 メダたんを経て、メダロットSリリース2.5周年イベント「祝祭!ロボトル〜2.5th Anniversary編〜」にて登場。 アラセとクロス、そしてメダロットシリーズにおける探偵の先輩、ソルトとアニスがキッキーを助けたところに姿を見せる。 この時、一時はソルト達とアラセを自分のライバルと見なしてしまう。 だが同じ探偵なら協力した方がいい、というアラセの言葉を受け入れ、ロボトルでその実力を測った。 + メダロット探偵団の真実 リーダー達メダロット探偵団のボスは、タイサン達新ロボロボ団だった。 メダロット探偵団は、怪事件を探ることでその渦中にあるであろうレアメダルを手に入れられると踏んだ、新ロボロボ団に利用されていた 明言されてはいないが、メダたんの時点で新ロボロボ団に利用されていた可能性がある。 だが、アラセ達の説得でタイサン達と袂を分つこととなった。 ▲ページ上部へ▲ 関連機体 (機)械傑メダロット探偵団 ミステリーダー メダロット探偵団のリーダー ワンダーベル メダロット探偵団のエージェント サイドキッキー メダロット探偵団の名犬 マスターの名にかけて!探偵メダロット パイプブレイン 真実を索敵で解く安楽椅子探偵?ホームズ型 ミステリーダー 証拠は手と足で探す武闘派探偵?探偵型 ▲ページ上部へ▲ 機体性能 メダロットS 名称:ミステリーダー (パーツ性別:男) アルバム メダロットによる探偵団のリーダーをコンセプトに開発されたメダロット。物事に隠された謎を解くことを得意とし、ロボトルにおいては相手の弱点を突くトリッキーな戦いを好む。 ※ステータスはLv90時のものです。 頭部:ディテクトール(DTT00) 装甲 成功 威力 充填 冷却 回数 Hv スキル 技 3599 - - 761 789 2 - たすける ファイターコア 右腕:ソルブアリドル(DTT00) 装甲 成功 威力 充填 冷却 Hv スキル 技 2999 909 1119 525 607 - かくとう エフェクトクリア 左腕:サドゥンイデア(DTT00) 装甲 成功 威力 充填 冷却 Hv スキル 技 2999 1289 1114 681 828 ○ かくとう フラッシュ 脚部:クラシッカー(DTT00) 装甲 射対 格対 回避 充冷 タイプ Hvリミット 脚部特性 3949 917 1276 947 933 車両 1 ランドクルーザー 地形相性 荒野 砂漠 山地 岩山 草原 森林 市街地 アリーナ 凍土 水辺 サイバー C D C D S D A S C D S ▲ページ上部へ▲ メダロット一覧 ⇒ ま行 - S
https://w.atwiki.jp/mystery2ch/pages/32.html
2010年10月25日作成 最終更新:2011年6月15日 講談社ノベルスと雑誌『メフィスト』、およびメフィスト賞の話題を扱うスレッドの過去スレリスト。 すべて、2ちゃんねる公式html版か、それがない場合はmimizunにリンクをはって、誰でもログが読めるようにしてあります。(16と20のみ、mimizunのログが900未満しか記録されていなかったため、他のサイトで代用) 初期のスレッドはミステリー板ではなく、その前身の「文学、本雑誌板」に立てられたスレッドです。 スレタイの後ろの数字は、リンク先のログに記録されているレスの数です。実際のレス数とは多少食い違いがあるかもしれません。 (メフィストの姉妹誌、『ファウスト』のスレッド総覧も作りました。 → 【ファウスト】【講談社BOX】【パンドラ】@ライトノベル板 過去ログ) 短期スレ乱立時期 スレッドタイトル スレ立て日時 備考 最近の講談社ノベルスはいかがなものか。 (22) 1999/12/21 01 05 ※「文学、本雑誌板」時代 講談社ノベルスに一言 (14) 2000/02/10 11 32 「メフィスト」について一言 (3) 2000/02/15 10 00 メフィスト賞の歴代受賞者とその作品を教えて (41) 2000/05/07 10 15 講談社ノベルスの背表紙 (10) 2000/05/07 10 18 最近の講談社ノベルス (23) 2000/07/14 22 28 『メフィスト』巻末の編集者座談会って (26) 2000/08/14 20 26 メフィスト (5) 2000/08/27 02 44 メフィスト賞の作家について (70) 2000/09/08 17 12 現在に連なるスレッド スレッドタイトル スレ立て日時 備考 メフィスト (1001) 2000/12/11 22 10 19 舞城王太郎(3月)、20 秋月涼介(6月)、21 佐藤友哉(7月)、22 津村巧(9月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達 (1001) 2001/12/12 13 19 23 西尾維新(2月)、24 北山猛邦(3月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達 (956) 2002/04/05 21 21 メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達4 (955) 2002/06/08 19 09 25 日明恩(6月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達5 (1001) 2002/08/16 13 48 26 石黒耀(9月) メフィスト賞と講談社ノベルズの愉快な仲間達6 (1001) 2002/11/29 09 34 27 生垣真太郎(1月) メフィスト賞と講談社ノベルズの愉快な仲間達7 (1001) 2003/03/08 17 16 28 関田涙(3月)、29 小路幸也(4月) メフィスト賞と講談社ノベルズの愉快な仲間達8 (966) 2003/06/12 20 48 メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達9 (1001) 2003/11/05 17 27 メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達10 (997) 2004/03/16 22 28 30 矢野龍王(4月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達11 (1001) 2004/05/26 20 55 31 辻村深月(6月-8月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達12 (996) 2004/09/04 21 22 メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達13 (980) 2005/03/04 00 39 43 32 真梨幸子(4月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達14 (988) 2005/06/30 22 03 10 33 森山赳志(12月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達15 (989) 2006/01/30 23 53 02 34 岡崎隼人(6月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達16 (1001) 2006/11/06 15 43 26 35 古野まほろ(1月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達17 (1001) 2007/03/05 11 03 08 36 深水黎一郎(4月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達18 (990) 2007/05/10 20 42 37 メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達18 (1001) 2007/05/10 20 38 59 Part.19として10月15日~6月7日に使用/37 汀こるもの(1月)、38 輪渡颯介(1月)、39 二郎遊真(5月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達19 (990) 2007/10/15 21 58 43 Part.19として10月15日~5月1日に使用/37 汀こるもの(1月)、38 輪渡颯介(1月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達20 (1001) 2008/06/07 02 44 58 メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達21 (1001) 2008/10/23 23 05 57 40 望月守宮(1月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達22 (990) 2009/04/16 18 05 35 41 赤星香一郎(8月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達23 (1001) 2009/09/09 23 31 10 42 白河三兎(12月)、43 天祢涼(2月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達24 (491) 2010/03/07 14 50 12 ※サーバーダウンのためスレッドが消滅、中断/44 丸山天寿(6月) メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達25 2010/09/10 20 57 08 おまけ - メフィスト学園 スレッドタイトル スレ立て日時 備考 メフィスト学園・開校です! (1001) 2001/09/08 23 34 メフィスト学園・二年生です! (1001) 2002/09/16 17 15 【まだまだ】メフィスト学園3期目です!【2年生】 (1001) 2002/11/27 22 29 【ますます】メフィスト学園4期目です!【絶好調】 (795) 2003/01/14 20 33 スレッドの容量オーバーにより795レスで中断 【連作短編劇場】メフィスト学園5期目です! (849) 2003/02/14 17 56 スレッドの容量オーバーのため次スレに移行 【連作短編劇場】メフィスト学園6期目です! (1001) 2003/04/29 09 45 【連作短編劇場】メフィスト学園7期目です! (980) 2004/02/23 00 33 【連作短編劇場】メフィスト学園8期目です! (794) 2005/07/22 23 14 47 2010年9月7日のサーバーダウンまで存続。後継スレッドなし。
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/108.html
2011年2月3日 2011年8月7日:増補(詳細はページ最下部の「第二章 更新履歴」参照) 『中国ミステリ史 第二章』では、1910年代から1940年代まで(中華民国時代)の中国の探偵小説(偵探小説)/推理小説/ミステリの歴史を紹介している。 目次 第二章 1910年代~1940年代: ホームズ、ルパンからフオサン、ルーピンへ第一節 中国ミステリ草創期: 上海の「青」と「紅(あか)」(1)程小青(てい しょうせい)/名探偵フオサン (2)孫了紅(そん りょうこう)/怪盗紳士ルーピン (3)同時代の中国探偵作家 第二節 中華民国時代の探偵雑誌(1)中国初の探偵雑誌 (2)終戦後の探偵雑誌創刊ブーム 第三節 同時代の日本から見た当時の中国探偵小説界 第四節 邦訳された19世紀末~1940年代の中国探偵小説 参考文献 第二章 更新履歴 第二章 1910年代~1940年代: ホームズ、ルパンからフオサン、ルーピンへ 第一節 中国ミステリ草創期: 上海の「青」と「紅(あか)」 (1)程小青(てい しょうせい)/名探偵フオサン 【主要参考文献:老蔡(ラオツァイ)(2009)「百年華文推理簡史 二、程小青与霍桑(上)」、「二、程小青与霍桑(下)」】 中国で探偵小説の創作及び理論面での基礎を築いた人物は、程小青(てい しょうせい/チョン シャオチン)(1893 - 1976)である。 1893年、上海生まれ(日本では甲賀三郎、イギリスではドロシー・L・セイヤーズ、アントニイ・バークリーが同年生まれ)。12歳の時にコナン・ドイルのホームズものを偶然目にして虜になり、16歳で創作を開始。1914年、上海の新聞『新聞報』(新闻报)の文芸特集ページ「快活林」で行われていた公募に短編「灯光人影(とうこうじんえい)」が入選。この作品の主人公の霍桑(かくそう/フオサン)はシャーロック・ホームズ型の探偵で、ワトソン役は包朗(ほうろう/バオラン)。この作品が読者の好評を得たため、霍桑が探偵を務める物語はシリーズ化され、30年以上にわたって愛される人気シリーズとなった(ほぼ同時期の1917年、日本では岡本綺堂の半七捕物帳シリーズの掲載が始まっている)。 「灯光人影」の入選の前にいち早く彼の才能を見抜き小説創作の指導をしていたのは、小説誌の編集長を務め、西洋作品の翻訳で名高かった医師の惲鉄樵(うん てっしょう/ユン ティエチャオ)(恽铁樵)である。 1919年、霍桑シリーズの「江南燕(こうなんえん)」が当時の人気俳優・鄭君里(てい くんり/ジョン チュンリー)(郑君里)主演で映画化されたことから、このシリーズはさらに知名度と人気を高めた。 1915年、大学付属中学の臨時英語教師になった程小青は、そこでアメリカ人教師と知り合って英語の能力を格段に高め、英語で小説が読めるまでになる。翌年には、程小青ほか数名が翻訳した『ホームズ事件簿全集』(福尔摩斯探案全集、全12巻)が刊行されている。これは中国語の文語に訳したものだったが、1930年には程小青らにより口語訳の『ホームズ大全集』(福尔摩斯大全集)も刊行されている。程小青が翻訳に携わったのはホームズシリーズのみにとどまらず、ヴァン・ダイン、レスリー・チャータリス、エラリー・クイーン(『ギリシャ棺の謎』)、さらには中国人探偵が活躍するアール・デア・ビガーズのチャーリー・チャンシリーズなど、大量の作品を翻訳している。 程小青の探偵小説への貢献は創作および国外ミステリの翻訳にとどまらず、その能力は探偵小説論でも発揮された。また彼はアメリカの大学の「犯罪心理学」、「探偵学」などを通信教育で受講するなどして、当時の最先端の知識を得ていた。 1946年には、程小青の探偵小説74編を収録する『霍桑事件簿全集』(霍桑探案全集袖珍丛刊)全30巻が刊行された。1949年の新中国成立後は旧来の探偵小説を書くことは禁止されてしまったが、1957年からは実際の事件に題材を採った大衆向けスリラー小説を書くようになり、どれも20万部を越える大ヒットとなる。中国で名高い映画「徐秋影案件(じょしゅうえい あんけん)」(1958)は、程小青の小説に基づくものである。(日本では1957年、松本清張が『点と線』の連載を開始し、いわゆる「社会派推理小説」の時代が幕をあける) 晩年の10年間は、中国で知識人が迫害にあった文化大革命の時期に当たり、彼も迫害を受けることになった。かつてともに探偵小説の翻訳などを手掛けた仲間が病死したり、あるいは自殺に追い込まれたりする中で、1975年には妻をもなくし、彼も自身の作品の改訂版全集を出すという夢をかなえられないまま、1976年、北京にて没。享年83歳。 近年中国では、1997年の『霍桑探案集』(全6巻)など何度か作品集が刊行されているが、ほとんど品切れになっているようだ。現在新刊で入手できるのは、10編収録の短編集『血手印(血の手形)』(華夏出版社、2008年)。また、2007年には『近現代偵探小説作家程小青研究』という研究書が刊行されている。 また、2006年にはハワイ大学出版からフオサンものの英訳短編集"Sherlock in Shanghai Stories of Crime And Detection"が出ている(著者名の表記は Cheng Xiaoqing )。翻訳はほかに少なくとも、イタリア語訳"Sherlock a Shangai"(2009年)が刊行されている。 (2)孫了紅(そん りょうこう)/怪盗紳士ルーピン 【主要参考文献:老蔡(ラオツァイ)(2009)「百年華文推理簡史 三、孫了紅和他的“反偵探小説”」】 1920年代から40年代末までの中国探偵小説界を支えたもう1人の人物として、孫了紅(そん りょうこう/スン リャオホン)(孙了红)(1897 - 1958)が挙げられる。 1897年、上海生まれ(程小青の4歳年下/日本では海野十三、木々高太郎が同年生まれ)。彼は紙とペンさえあればどこでも小説を書き始めるような男で、喫茶店で小説を書いては、周りの人に見せて喝采を浴びていた。雑誌に小説などを発表していたが、1923年のある日、『アルセーヌ・ルパン全集』(亚森罗苹案全集、1925年出版)の翻訳に誘われ、そこから探偵小説創作の道へと入る。1923年11月には、ルパン(Lupin)をもじった魯平(ルーピン)(鲁平、Luping)という怪盗紳士探偵が登場する短編「傀儡劇(かいらいげき)」(傀儡剧)を雑誌『偵探世界』に掲載する(日本ではこの年、乱歩がデビュー)。この作品は好評を得てシリーズ化され、怪盗紳士ルーピンはこの後約25年間にわたって活躍することになる。探偵小説の創作以外に、いくつかの探偵小説雑誌の編集長も務めた。また恋愛小説も執筆している。 孫了紅の作品は「反探偵小説」(反侦探小说)と呼ばれている。これを聞くと、日本に少なからずいる「アンチ・ミステリ」ファンは色めき立ってしまうかもしれないが、これは単に彼の作品が当時の一般的な探偵小説と異なり、探偵ではなく怪盗を主人公にしていることからきた名称である。 程小青とは交流があり、探偵小説論を交わし互いに刺激し合った。霍桑(フオサン)が登場する作品を孫了紅が書いたこともあった(「鴉の鳴く声」(鸦鸣声))。当時上海では、二人の名前にそれぞれ「色」が含まれていることから、二人のことを「青紅(あおあか)コンビ」(青红帮)と呼んでいた。ただ、老蔡(ラオツァイ)(2009)によれば、孫了紅の創作の量は程小青ほど多くはなく、また孫了紅の作品は出来不出来の差が大きいという。 1949年の新中国成立後は、旧来の探偵小説雑誌や探偵小説は発行が禁止されてしまったため、劇団の劇の脚本を書いたり、新聞でスリラー小説(驚険小説/惊险小说)を連載したりした。若い頃から病弱であったが病状が悪化し、1958年没。享年61歳。同年に書きあげ新聞連載された反スパイ小説『青島迷霧(チンタオ めいむ)』(青岛迷雾)が最後の作品となった。 現在中国で手に入る孫了紅の単行本は、5編収録の短編集『血紙人(血染めの紙人形)』のみである。 同時代のアジアの動向 インドネシアでは、1926年に程小青の霍桑(フオサン)ものが翻訳されている。1929年には、代表作の1つである「江南燕」が訳された。(柏村彰夫(2010)) 上海でルパンの名をもじった怪盗紳士ルーピン(魯平)が活躍していた頃、朝鮮半島ではルパンシリーズの作者ルブランの名をもじった探偵ユ・ブラン(劉不乱)が活躍していた。探偵ユ・ブランを創造したのは、早稲田大学留学中の1935年に日本の雑誌『ぷろふいる』でデビューし、江戸川乱歩とも親交があった韓国ミステリの始祖・金来成(キム・ネソン、1909-1957)である。探偵ユ・ブランは『ぷろふいる』1935年12月号に掲載された「探偵小説家の殺人」で劉不乱(りゅう ふらん)として初登場。金来成は1936年に朝鮮半島に戻り、以降はユ・ブランが活躍する探偵譚や乱歩風の変格短編を朝鮮語で執筆していた。(金来成についての詳細は、「韓国ミステリ史 特別編 - 金来成(キム・ネソン)(1909-1957)」) (3)同時代の中国探偵作家 【主要参考文献:老蔡(ラオツァイ)(2009)「百年華文推理簡史 四、民国時期的其他原創作品(上)」、「四、民国時期的其他原創作品(下)」】 程小青、孫了紅と同時期に中国で活躍した探偵作家に以下のような人たちがいる。 陸澹安(りく たんあん/ルー ダンアン/陆澹安)(1894 - 1980)程小青のフオサンシリーズ、孫了紅のルーピンシリーズとともに「中華民国時代の三大探偵小説シリーズ」と呼ばれる李飛(リーフェイ)シリーズの作者。当時の探偵小説作家の中で唯一、法律の専門教育を受けた人物だった。1923年に創刊された中国初のミステリ雑誌『偵探世界』では、程小青らとともに編集を担当。作品数があまり多くないため、後世に与えた影響は程小青や孫了紅ほど大きくはない。 兪天憤(ゆ てんふん/ユー ティエンフェン/俞天愤)(1881 - 1937) 張碧梧(ちょう へきご/ジャン ビーウー/张碧梧)(1897 - 没年不明) 趙苕狂(ちょう ちょうきょう/ジャオ ティアオクアン/赵苕狂)(1892 - 没年不明) 中国では2002年に、20世紀に発表された中国ミステリの傑作短編を集めたアンソロジー『20世紀中国偵探小説精選』(全4巻)が刊行されている。この時期を対象とする第1巻の収録作品は以下のとおりである。 『20世纪中国侦探小说精选(1920-1949) 少女的恶魔』(少女的悪魔)程小青「案中案」 程小青「白紗巾」(白纱巾) 孫了紅「藍色響尾蛇」(蓝色响尾蛇) 陸澹安「夜半鍾声」(夜半钟声) 兪天憤「白巾禍」(白巾祸) 張碧梧「箱中女屍」(箱中女尸) 趙苕狂「少女的悪魔」(少女的恶魔) 何朴斎(か ぼくさい/ホー ピャオジャイ/何朴斋)「鸚鵡緑」(鹦鹉绿) 徐卓呆(じょ たくがい/シュー ジュオダイ)「臨時強盗」(临时强盗) 同時代のアジアの動向 タイでは1912年にホームズが初めて翻訳されたのに続いて、モーリス・ルブランのルパンものや、エミール・ガボリオ、ガストン・ルルーの探偵小説などが多数翻訳・翻案され、圧倒的な人気を博した。創作では、前述のラーマ6世『トーンイン物語』に続いて、ホームズものの翻訳者だったルアン・サーラーヌプラパンによる『黒い絹と悪霊の顔』(1922)、シーラット・サパーポンワット『それから永久に』などが発表された。1930年代に入るとこのジャンルはやや下火になったが、パイサーン・サーンブット『私の王女』(1937)、アルンプラサート『邪悪な巣窟』(1938)、タンマティアンの〈探偵チューチュープシリーズ〉(1938~)、ディンソー『探偵チェム博士』(1941)などが書かれた。(宇戸清治(2009)) 第二節 中華民国時代の探偵雑誌 【主要参考文献:老蔡(ラオツァイ)(2009)「百年華文推理簡史 五、民国時期的偵探雑誌(上)」、「五、民国時期的偵探雑誌(下)」】 【2011年8月7日加筆】 (1)中国初の探偵雑誌 少し時間をさかのぼって話を始めるが、1923年というのは日本のミステリ史においても、そして中国のミステリ史においてもエポックメイキングな年であった。この年、日本の雑誌『新青年』は4月号を初の「創作探偵小説号」とし、翻訳ではなく日本のオリジナルの探偵小説を特集するという新たな試みに出る。そしてこの号に掲載された「二銭銅貨」で華々しくデビューしたのが、江戸川乱歩である。この号では乱歩の作品を含め4編の創作短編が掲載されたが、その中には上海を舞台にした松本泰の短編「詐欺師」もあった。 日本人がイマジネーションの中の魔都・上海を描き出していたとき、現実の上海でも、今まさに中国ミステリ史における重大事件が起ころうとしていた。1923年6月、中国初の探偵小説雑誌『偵探世界』(世界書局)の創刊である。中国の作家によるオリジナル作品を重視し、中華民国時代の探偵小説界の三大巨頭、程小青(てい しょうせい)・孫了紅(そん りょうこう)・陸澹安(りく たんあん)の作品を多く掲載したほか、探偵作家以外の小説家にも積極的に声をかけ、探偵小説を依頼した。ただし、この雑誌自体は探偵小説専門というわけでなく、探偵小説が一番多いとはいえ、ほかに武侠小説や冒険小説も掲載していた。小説以外に、程小青による「科学と探偵術」、「探偵小説作法の管見」等のコラムも掲載された。程小青の名前は編集委員としてもクレジットされていたが、実際には程小青は編集に参加していないと言われている。彼の名前がクレジットされているのは、当時すでに探偵作家として名声を博していた彼の名前を借りて売り上げにつなげようと出版社が考えたからである。月2回刊という刊行ペースに創作小説の供給が追い付かなくなり、次第に作品の質が低下したことで読者離れを招き、全24冊、1年という短命に終わったが、この雑誌が後の中国ミステリ界に与えた影響は大きかった。 その後の中国の探偵小説雑誌としては、1938年9月創刊の中国第二の探偵小説雑誌『偵探』があった。当初は月刊、のちに月2回刊となったこの雑誌は、バックナンバーが散逸しており研究はまだ進んでいないとのことだが、1941年刊行の第54号の存在が確認されており、現在知られている中華民国時代の探偵雑誌では、最も刊行号数が多いものである。 なお、日本初の探偵雑誌は、1916年から3年ほど刊行された『探偵雑誌』(実業之世界社)というタイトルの探偵雑誌だとされている。 (2)終戦後の探偵雑誌創刊ブーム 終戦後、日本では1946年3月創刊の『ロック』を皮切りに、探偵雑誌が多数創刊された。1946年には『ロック』に続いて、『宝石』(3月)、『トップ』(5月)、『ぷろふいる』(後に『仮面』)(7月)、『探偵よみもの』(11月)が、1947年には『黒猫』(4月)、『新探偵小説』(4月)、『真珠』(4月)、『妖奇』(後に『トリック』)(7月)、『Gメン』(後に『X』)(10月)、『フーダニット』(11月)が創刊されている。もっとも、これらの雑誌はほとんどが2~3年ほどで廃刊になっており、1940年代に創刊された雑誌で1950年代になってまだ刊行が続いていたのは、『Gメン』(『X』)(~1950年)、『探偵よみもの』(~1950年)、『妖奇』(~1953年)、そして『宝石』(~1964年)だけである。 中国でも戦後になると探偵雑誌の創刊ブームが訪れる。中国で戦後最も早く創刊された探偵雑誌は、程小青が編集長を務めた『新偵探』だが、この創刊は日本の『ロック』創刊よりも早い1946年1月のことだった。続いて同年のうちに、『大偵探(だいていたん)』(4月)、『藍皮書(らんひしょ)』(7月)が創刊されている。 『新偵探』は月2回刊。編集長の程小青は、創刊号から毎号のように霍桑シリーズを掲載し、またレスリー・チャータリスのセイントシリーズを翻訳するなど、自ら健筆をふるった。雑誌は創作が大部分を占めたが、翻訳ではほかに、エラリー・クイーンの短編「アフリカ旅商人の冒険」なども掲載された。創作作品の不足のため次第にページ数が少なくなり、約半年、全17号を刊行して廃刊となった。 『大偵探』は、孫了紅が初代編集長を務めた月刊の探偵雑誌。『新偵探』とは異なり、こちらは翻訳作品を主軸としており、欧米黄金時代のアガサ・クリスティ、エラリー・クイーン、ジョン・ディクスン・カーの作品や、ジャック・フットレルの作品などを翻訳掲載した。また、犯罪実話も人気を博した。『新偵探』が休刊になると創作も載せるようになり、次第に創作の割合の方が多くなっていった。孫了紅もルーピンシリーズの「藍色響尾蛇」(蓝色响尾蛇、別名「1947年の怪盗ルーピン」(一九四七年的侠盗鲁平))を連載している。 『藍皮書』は不定期刊。探偵小説のほか、ホラー小説、武侠小説も掲載された。創刊号には、当時『大偵探』の編集長だった孫了紅も小説を寄せており、孫了紅はのちには『藍皮書』の編集長にもなっている。孫了紅は、金庸などに影響を与えた当時一番人気の武侠作家、還珠楼主に執筆を依頼し、これにより『藍皮書』の売り上げは大幅に上がった。さらに程小青のフオサンシリーズの連載や、孫了紅のルーピンシリーズの掲載もあり、『藍皮書』当時の一番人気の探偵雑誌となった。 1949年1月には、探偵小説雑誌『紅皮書』が創刊された。この雑誌にも孫了紅のルーピンシリーズが掲載され、またたく間に『藍皮書』と並ぶ人気雑誌となった。そして、中国の探偵小説界はこのままの形で発展していくかに思われたが、1949年、新中国=中華人民共和国の成立により、状況は一変する。(以降、第三章) 第三節 同時代の日本から見た当時の中国探偵小説界 【2011年8月4日新設】 日本の雑誌『新青年』は、1930年代に中国の探偵小説を4編訳載している。この4編は、江戸川乱歩編「翻訳短篇探偵小説目録」(『探偵小説年鑑 1951年版』岩谷書店、1951年 巻末)に記載されていない。 (タイトルに付した振り仮名は、実際に『新青年』で振られているもの) 掲載号 ページ タイトル 作者 翻訳者 1930年夏季増刊号(11巻11号) pp.100-113 「白玉環」(はくぎょくくゎん) 武進呂侠 記載なし 1931年新春増刊号(12巻3号) pp.278-290 「無名飛盗」(ウー ミン フェイ タオ) 張慶霖 記載なし 1933年夏季増刊号(14巻10号) pp.125-138 「賭場母女」(トゥ チャン ムー ヌー) 幸福斎 呂久餘七 1935年夏期増刊号(16巻10号) pp.161-169 「絶命血書」(チュエ ミン シェー シュ) 呂侠 阿羅本洋 どれも初出情報や作家の経歴等の親切な情報は付されていないが、調べてみると、このうち呂侠(ろきょう/リューシア)の2作品は、1907年に刊行された呂侠『中国女偵探』(商務印書館)に所収のものであることが分かった。1907年というのは、中国で次々とホームズ物やその他の欧米探偵小説が翻訳され、また中国の作家が見よう見まねでオリジナルの作品を発表しはじめていた時期である。この本には、原題で示すと「血帕」、「白玉環」、「枯井石」の3短編が収録されているが、このうち1作目と2作目が『新青年』に訳載されている(2作目の「白玉環」の方が『新青年』では先に掲載されている)。なおこの『中国女偵探』は、「こちら(中国のサイト)」で全ページを画像ファイルで見ることができる。作者の呂侠は、中国の史学家の呂思勉(ろ しべん、1884-1957、中国語版Wikipedia)と同一人物だという説があるようだ。 張慶霖(ちょう けいりん/ジャン チンリン)と幸福斎(こうふくさい)は、1923年に創刊された中国初の探偵小説雑誌『偵探世界』などに作品を発表していた作家のようだが、『新青年』に掲載された作品の原典は分からない。この4作品については、のちに別ページでまとめる予定である(※現在未公開「アジア推理小説翻訳史 中国編(1) 『新青年』掲載の忘れられた四短編」)。 上で示したように、早くも1930年代には中国の探偵小説が日本で翻訳されていたわけだが、これらの短編は発表年も作者のプロフィールも付されず、ただ翻訳されて掲載されただけだったので、これでは中国の探偵小説界について知りようもなかった。中国の探偵小説界についてある程度まとまった情報が入ってくるのは、戦後になってからである。 戦後、江戸川乱歩を中心に探偵作家が集まって、土曜会という探偵小説を語る会が毎月1回開かれるようになった。1946年6月に始まったこの土曜会では、1947年から1950年の間に計3回、中国の探偵小説についての講演会や座談会が行われている。 (1)東震太郎 講演「中国の探偵小説界」(第13回土曜会、1947年6月21日) 1947年6月21日、すなわち探偵作家クラブ(現・日本推理作家協会)創設の日に開かれた第13回土曜会では、探偵作家クラブ会員で作家の東(あずま)震太郎氏が「中国の探偵小説界」と題する講演を行っている。最初に日本のミステリ界で中国の探偵小説について詳しく紹介したのは、おそらくこの東震太郎氏だと思われる。 東震太郎 講演「中国の探偵小説界」要旨 (「第13回土曜会記録」『探偵作家クラブ会報』第2号(1947年7月))「ビガース(米)の伸査礼(チャーリーチャン)探偵は、人物が温厚謙遜なので好まれている。」 「ルパン、ドイルは夙に翻訳され、わが乱歩の「D坂の殺人事件」「二銭銅貨」「白髪鬼」「蜘蛛男」等も訳されている。」 「創作は至って少く、張恨水、耽小適等の作品も、人情本又は之に類するものであり、曹禹も実録物を書いている。」 「種本は、康煕年間に多い公案物(裁判物)が主で、中にも「龍図公案」(包公案)はその模倣が多い。この本は例の「棠陰比事」と同じくわが「本朝桜陰比事」の淵叢で大岡政談的な物語が六十三種も収録されている。又、謎々的な一種の暗号めいた「柏案驚奇」と云った本も好まれている。」 上記の第13回土曜会記録が掲載された号には、東震太郎氏のエッセイ「中国の探偵小説」も掲載されている。東氏はそこで、中国の探偵小説を3つに分類している。(判読不明の文字は■で示す) 中国の探偵小説(1)実録もの(耽小適(人情本作家)曹禹(劇作家)その他) (2)公案もの ― 棠陰比事(明末■■) ― 龍図公案(一名包公案)(清■) ― その亜流 (3)翻訳もの ― ルパン物、ドイル物、乱歩もの(二銭銅貨、D坂の殺人事件、白髪鬼、蜘蛛男等) アメリカの推理作家アール・デア・ビガーズが創造したチャーリー・チャンは、ホノルル警察の警部で中国系アメリカ人という設定。このころには少なくとも、程小青訳のものが刊行されていた。現在ではチャーリー・チャンの中国語表記は陳査理(チェン・チャーリー/陈查理)が普通だが、このころは伸査礼(シェン・チャーリー)と書いていたんだろうか。 中国のオリジナル作品の現状や発展については、東氏はかなり悲観的な見方をしている。東氏は戦前はジャーナリストとして大陸におり、終戦前後には上海にいたそうだが、残念ながら程小青や孫了紅の活躍や、終戦後の探偵雑誌の隆盛については、東氏の耳には入らなかったようである。東氏が挙げている中国の三人の作家は、推理小説関連の文献では名前を見掛けたことがない。今ほど情報が手に入りやすい時代ではないので仕方がないが、中国における創作探偵小説の実情の紹介としては、やや的外れのものだったと言わざるを得ないだろう。(ここで名前が出ている張恨水、耽小適(耿小適?)、曹禹については、のちに別ページでまとめるかもしれない) (2)柴田天馬 講演「中国文学に現れた犯罪、探偵」(第18回土曜会、1947年11月22日) 東震太郎氏の講演から5か月後には、『聊斎志異(りょうさいしい)』の完訳者である中国文学者の柴田天馬が土曜会に招かれている。この回では主に中国の古典文学作品に現れる侠盗についての話がなされたようで、19世紀末以降の中国探偵小説の話題は出なかったようである。(『探偵作家クラブ会報』第7号(1947年12月)) (3)江戸川乱歩、ロバート・ファン・ヒューリック、辛島驍、魚返善雄ほか 座談会「中国の探偵小説を語る」(第47回土曜会、1950年5月27日) この前年に『狄公案(てきこうあん)』の英訳を出したロバート・ファン・ヒューリックと、中国文学者の辛島驍(からしま たけし)、同じく中国文学者の魚返善雄(おがえり よしお)を招いて座談会が行われた。その模様は、『宝石』1950年9月号に座談会「中国の探偵小説を語る」として掲載されている。ここで辛島氏は、中国の探偵小説史を第一期から第七期に分類して説明しているが、ここで「第七期」とされているのが19世紀末から20世紀初頭のホームズなどの西洋文学の翻訳時期のことであり、その後の程小青や孫了紅の登場についてはこの座談会では触れられていない。 結局、この時期には中国の創作探偵小説の実情について、正しい情報は伝わらなかったようである。 乱歩は中国以外にも、インドや韓国などアジア各地の推理小説に興味を持ち、情報を集めていた。しかし、1965年に乱歩が死去して以降は、アジアの推理小説に目を向ける人はおらず、日本のミステリ界において「アジア」の存在は忘れられたものとなった。日本のミステリ界においてアジアが「再発見」されるのは、21世紀になり、島田荘司がアジア各地の本格ミステリに目を向け始めてからのことである。 第四節 邦訳された19世紀末~1940年代の中国探偵小説 【2011年8月4日訂正】 清末から中華民国時代の中国探偵小説で、一般流通の書籍・雑誌等で翻訳された作品は、第五節で紹介した『新青年』掲載の4編以外には見当たらない。 2004年の第4回本格ミステリ大賞で評論・研究部門の候補になった井波律子『中国ミステリー探訪 ― 千年の事件簿から』(日本放送出版協会、2003年)は、中国ミステリの歴史を4世紀にまでさかのぼり、そこからの歴史を丁寧にかつ読みやすく紹介した好著である。基本的に19世紀以前の作品を紹介しているが、最後の方で程小青と孫了紅にも言及があり、フオサンシリーズの中編「舞宮魔影(ぶきゅうまえい)」と、ルーピンシリーズの「血染めの紙人形」(血紙人、1942)のあらすじが詳しく紹介されている。 ネット上では、この時期の上海の探偵小説については、ブログ「中国推理小説研究会」の上原草さんが、作品のあらすじを詳細に示しながら丁寧な紹介をしていらっしゃいます。程小青のフオサンシリーズや孫了紅のルーピンシリーズのほかに、趙苕狂(ちょう ちょうきょう)の失敗探偵シリーズなどにも言及があります。 また、Webサイト「翻訳書肆・七里のブーツ」では、フオサンシリーズの「別荘の怪事件」(別墅之怪)が全訳されて公開されています。(程小青のフオサンシリーズの英訳が出ていることは、このサイトで知りました) 参考文献 中国ミステリ史 参考文献 (新しいウィンドウで開きます) 第二章 更新履歴 2011年2月3日:公開 2011年8月4日~7日「第三節 同時代の日本から見た当時の中国探偵小説界」を新設。 中華民国時代の探偵雑誌についての記述を第三章から第二章に移動して「第二節 中華民国時代の探偵雑誌」とし、大幅に加筆。 『中国ミステリ史 第一章』(19世紀末~1910年代) 『中国ミステリ史 第二章』(1910年代~1940年代) ←今見ているページ 『中国ミステリ史 第三章』(1940年代末~1970年代) 『中国ミステリ史 第四章』(1970年代末~1990年代) 『中国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭) 『中国ミステリ史 第六章』(現代)