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共通ルート 聖エルミン学園|御影町2D|御影サンモール|ジョイ通り|御影総合病院|異界化御影総合病院 セベク編 御影警察署|地下鉄御影駅構内|廃工場|セベクビル|聖エルミン学園・異世界|聖エルミン学園???|御影町・異世界2D|御影サンモール・異世界|地下鉄御影駅構内・異世界|ブラックマーケット|カーマ宮殿|迷いの森|マナの城|幽霊屋敷|デヴァ・ユガ|アラヤの岩戸|アヴィデア界|御影遺跡 雪の女王編 氷の城1F|ヒュプノスの塔|ネメシスの塔|タナトスの塔|氷の城|悪魔の山 出口 上り階段 下り階段 エレベータ 宝箱 アガスティアの木 回復 ベルベットルーム 消耗品ショップ 装備品ショップ カジノ 交換屋 トラップ 落とし穴 スイッチ スライド ターンテーブル ランプ ダークゾーン ワープ ダンジョンへの扉 イベント / ボス戦 \ PS PSP 初期 カ|マ宮殿後 ※幽霊屋敷を攻略すると入れなくなる コンビニYIN YAN|ロッサ・カンディーダ|よろず屋千年万年堂|薬局サトミタダシ|ジャッジメント1999 コンビニYIN YAN 初期 迷いの森後名称 価格 名称 価格 グレイゴースト 30400 デザートイーグル 33480 ストライクガン 34000 ダラーショット 37800 飛燕連発砲 24800 M134バルカン 31320 ファントムキラー 29600 アヴェンジャー 35640 SPAS15 36800 鬼雷砲 46080 MADMAX 40000 スレイブハンター 65520 ステアーAUG/A1 30000 HK G11 41400 FA-MASカービン 36000 ゲパードM2 51840 麻酔弾 6400 サークルバレット 9360 メイジキラー 9000 キューピット 11700 上へ ロッサ・カンディーダ 初期 迷いの森後名称 価格 名称 価格 風読の兜 10000 パレードヘルム 11520 パレードヘルム 12800 暁の兜 14400 暁の兜 16000 ヤクトヘルム 27000 金色の鎧 26000 パレードアーマー 28080 パレードアーマー 31200 暁の鎧 30960 暁の鎧 34400 ヤクトアーマー 54000 はまがりの篭手 9200 パレードガード 10800 パレードガード 12000 暁の篭手 13320 暁の篭手 14800 ヤクトガード 25200 鈴なりの具足 8400 パレードブーツ 9720 パレードブーツ 10800 暁の具足 12600 暁の具足 14000 ヤクトレッグ 21600 上へ よろず屋千年万年堂 名称 価格 つるつるドロップ 300 かめかめキャンディ 500 チューインソウル 500 銀のマニ車 900 マジカルガード 15000 フィジカルガード 15000 反魂香 6000 コアシールド 2000 封魔の鈴 1200 ヒランヤ 1200 アギダインストーン 800024000 ブフダインストーン 800024000 ガルダインストーン 800024000 マグダインストーン 800024000 ザンダインストーン 1000030000 ジオダインストーン 1000030000 クリーンソルト 10000 非常口 10000 交換アイテム 必要宝石 宝玉 ダイアモンド マラカイト 地返しの玉 ダイアモンド ターコイズ 反魂香 ダイアモンド エメラルド ディストーン オパール ターコイズ ディスパライズ オパール エメラルド ディスポイズン オパール トパーズ ディスシック オパール ガーネット つるつるドロップ ターコイズ トパーズ かめかめキャンディ ターコイズ エメラルド 銀のマニ車 エメラルド マラカイト チューインソウル パール オパール 魔石 マラカイト ターコイズ 封魔の鈴 ガーネット マラカイト コアシールド トパーズ ダイアモンド ヒランヤ マラカイト パール ソーマ ダイアモンド オパール マハラギストーン ルビー ムーンストーン マハラギオンストーン ルビー アクアマリン マハブフストーン アクアマリン ムーンストーン マハブフーラストーン アクアマリン アメジスト マハガルストーン アメジスト ムーンストーン マハガルーラストーン アメジスト オニキス マハマグナストーン オニキス ムーンストーン マハマグナスストーン オニキス ルビー メギドストーン アレキサンドライト ムーンストーン メギドラストーン アレキサンドライト ルビー マハザンストーン タンザナイト ムーンストーン マハザンマストーン タンザナイト アクアマリン マハグライストーン ダイアモンド ムーンストーン マハグライバストーン ダイアモンド アメジスト マハジオストーン サファイア ムーンストーン マハジオンガストーン サファイア オニキス 交換アイテム 必要宝石 月齢 STRインセンス アレキサンドライト ガーネット NEW~2/8 ダイアモンド アメジスト 3/8~5/8 アクアマリン パール 6/8~FULL VITインセンス アレキサンドライト トパーズ NEW~2/8 サファイア ガーネット 3/8~5/8 アクアマリン ルビー 6/8~FULL TECインセンス アレキサンドライト マラカイト NEW~2/8 エメラルド トパーズ 3/8~5/8 アクアマリン エメラルド 6/8~FULL AGLインセンス アレキサンドライト オニキス NEW~2/8 ルビー マラカイト 3/8~5/8 アクアマリン サファイア 6/8~FULL LUKインセンス アレキサンドライト ターコイズ NEW~2/8 パール オニキス 3/8~5/8 アクアマリン ダイアモンド 6/8~FULL HPインセンス アレキサンドライト オパール NEW~2/8 アメジスト アレキサンドライト 3/8~5/8 ムーンストーン アクアマリン 6/8~FULL SPインセンス アレキサンドライト タンザナイト NEW~2/8 アメジスト アクアマリン 3/8~5/8 ムーンストーン アレキサンドライト 6/8~FULL 上へ 薬局サトミタダシ 名称 価格 傷薬 100 宝玉 2000 ガラガラドリンク 200 マッスルドリンコ 300 地返しの玉 3600 反魂香 6000 ディストーン 300 ディスパライズ 300 ディスポイズン 300 ディスシック 500 三日月の石版 8000 半月の石版 1400028000 ポズムディストーン 14000 パララディストーン 14000 ペトラディストーン 14000 シシリディストーン 14000 上へ ジャッジメント1999 コイン交換名称 枚数 水天宮のお札 2500 黒いガーターベルト 3000 雷おこし 3500 迦桜羅像 4000 フレイダインストーン 1000 グラダインストーン 1000 影破の石版 3000 愚詩の石版 3000 黒縄の石版 3000 ペトラマストーン 1000 パララマストーン 1000 ポイズマストーン 1000 シシリッカストーン 1000 光破の石版 3000 聖文の石版 3000 満月の石版 5000 コードブレイカー回数 景品 左 中央 右 1 メタルカード99枚コイン100万枚 インセンスセットコイン100万枚 お楽しみセットコイン100万枚 2 光破の石版コイン5000枚 影破の石版コイン5000枚 閃光の石版コイン5000枚 3 ソーマメタルカード1枚 ヒランヤメタルカード1枚 悪魔の棲む家メタルカード1枚 4 マグダインストーン チューインソウル ディスポイズン 5 マジカルガード - ディスシック 6 フィジカルガード - マッスルドリンコ 7 魔石 - ガラガラドリンク 8 チューインソウル - 傷薬 コードブレイカー景品 レディースセット フィーバークラウン / セブンズコート / プラチナクィーン / ルージュノワール ジュエリーセット 16種の全宝石(アレキサンドライト・ダイアモンド含む) インセンスセット 7種の全インセンス ストーンセット 50種の全魔法石 ジョイ通りおたのしみセット(計15個) 傷薬 / ガラガラドリンク / 宝玉 / 地返しの玉 / 反魂香 /ディストーン / ディスパライズ / ディスポイズン / ディスシック /つるつるドロップ / かめかめキャンディ / 銀のマニ車 / マジカルガード / フィジカルガード / 魔石 ブラックマーケットおたのしみセット(計18個) 7種の全インセンス / 封魔の鈴 / コアシールド / マッスルドリンコ / ヒランヤ / ソーマ /数多の鐘 / ゴッドボイス / ミリオネアボム / 悪魔の家 / 悪魔の棲む家 / チューインソウル 上へ
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【アンドゥ】 自分が一つ前に発言したものを消すことができる。 ただし、コマンドの連発コマンド制限があるので注意。 このコマンドは参加者全員が使うことができる。 使うには[UNDO]と発言することが必要である。 実行例)○○さんによってUNDOが行われました。 【クリア】 自分が入室後に発言したものを消すことができる。 ただし、コマンドの連発コマンド制限があるので注意。 このコマンドは参加者全員が使うことができる。 使うには[clear]と発言することが必要である。 実行例)○○さんによってクリアが行われました。 【ユーザー指定クリア】 ユーザー名を指定し、その者が発言したもの全てを消すことができる。 これは管理者などの一部の物にのみしか施行できない。参加者の問題発言を消すことに使われる。 余談だが、実際に無い者のユーザー名を指定してもクリアは実行される。 実行例)○○さんによって●●さんの発言がクリアされました。 【オールクリア】 チャットに発言されたログを一掃することができる。 ただし、これは管理者等にのみにしか施行できない。 問題があった場合、ログを一掃したい時、施行者の気分で使われるようだ。 実行例)○○さんによってオールクリアが行われました。 現在、一般参加者に使えるのは[UNDO]と[clear]のみである。 他にも、管理者等に使えるコマンド等がある。 それは一般参加者には使えない・・・が、コマンドを抜かれたら終わりだろう。
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走る。ただひたすらに走る。 平安京の街並みを眺める余裕もなく、二人の少女は背後から迫る恐怖から逃げる。 片方は透明感のある灰色のショートヘアの少女。 もう一人の少女は綺麗な黒のロングヘアを三つ編みにしていて、眼鏡をかけ優等生然としていた。 デザインは異なるが学生服を着ていることから、二人とも高校生くらいだろうとは見て取れた。 いくつかの角を曲がったのち、疲労から一度足を止める。 既に二人とも肩で息をしていたため、呼吸が整うまで少しその場で休んだ。 ようやく呼吸が落ち着いてきたところで、黒髪の少女のほうが背後を振り返る。 「……さっきの化け物、振りきれたでしょうか?」 「あー。……どうだろ。」 走ってきた道を最後に曲がった角まで戻り、ひょっこりと顔を出す。 一見するとそこは何もないまっすぐな道。だが、すぐに異変が発生する。 何もないはずの通路の真ん中の空間が、突然縦方向に裂ける。 風景と同じ柄が描かれたカーテンが左右に開くように。 そしてそのカーテンの向こうは何も見えない漆黒の闇。 違う。アレはただの闇ではない。本当はそんなこと二人もわかっている。 そのまま首を上へ向けると、そこには―――巨大な白の仮面があった。 まるで都心の高層ビルのような高さ。例えるならば、巨大な真っ黒の風呂敷を被って、顔の部分だけ外側から鼻の長く平べったい骸骨のような仮面をつけた化け物。 胸元には不自然な丸い空洞が開いている。仮面の下あたりに大きな首輪がついていなければ、参加者だとは誰も思わなかっただろう。 「……追いかけてきてるね。アレ。」 「――逃げましょうっ!」 敵の顔を確認した二人はそのまま振り返り走り出す。 囲碁の碁盤のように縦横の道が交錯する平安京を、行き止まりに当たらないようにジグザクに走破する。 しかし、ここはただの平安京にあらず。近代的な建物や見たこともない謎の施設が乱立する時代錯誤、世界錯誤の平安京。 二人の逃走劇は、長くは続かなかった。 「―――行き止まり!?」 何度目かわからない角を曲がった先は、行き止まりだった。 普通の平安京ならば、おそらくそこもまた一本の道だったであろう。 だが今は、三階建ての建物で道が塞がれていた。本来ならばそれほどの大きさではない建物が、あえて道をふさぐよう斜めに歪な形で平安京に置かれているのだ。 一階には靴屋、ペットショップ、本屋の看板がそれぞれ掲げられていた。 二階には大きな窓があり、黄色いテープで「283」と書かれている。建物が見えれば、この数字が真っ先に目に入るだろう存在感だ。 ショートヘアの少女はこの建物に見覚えがあった。いや見覚えなんてレベルではない。 家や学校に次ぐレベルで、少女にとっては見慣れた建物だった。 「……え。283プロ?」 「知ってる建物なんですか?」 「うん。この事務所のアイドルなんだ。私。」 反応にはあまり出ていないが、これでも彼女としてはかなり驚いている。 平安京に所属する事務所の建物があるなんてどういうことだろう。 二人で少し考えるものの、答えが出る前に今が大ピンチだということを思い出す。 戻って別の道を行かなければ―――と思い後ろを振り返った二人の前には、既に縦長の空間の亀裂が走っていた。 行き止まりに追い詰められた。 もし後ろの建物に隠れたとしても、相手のサイズを考えれば建物ごとつぶされて終わりだろう。 つまり、生き残るには目の前の敵をなんとかして突破する以外にない。 だが二人はアイドルとスクールアイドル。そんな力など持っているはずもなく。 「えーと。ごめん。武器になりそうなのはなかった。私の支給品。」 ショートヘアの少女にあっけらかんとそう言われ、黒髪の少女は藁にもすがる思いで自分の支給品を漁る。 出てきたのは、ハンドガンのような小型の拳銃らしきものだった。それも3つ。 おそらく全て同じ銃だろう。しかし可笑しなことに弾丸を装填するマガジンが見当たらない。 もし装填できても、このサイズの銃では今まさに姿を現そうとしている化け物に効くかは微妙な気がした。 これでどうやって戦えばいいんだ、と思っていた時一緒にデイバッグに入っていたメモ用紙が目に入る。 ―――力を求めるならば、己の頭に向けて引き金を引け。素養と反逆の意志あらば、自ずと道は開かれるだろう。 紙にはそのようなメッセージが書かれていた。 自分の頭に向けて引き金を引く。常識的に考えてあり得ない銃の使い方だ。 マガジンが見当たらないとは言ったが、だからと言って弾丸が射出されないとは限らない。 もし素養とやらがなかった場合どうなってしまうのか。考えたくなかった。 しかし、普通に銃として使用できたとしてもあの化け物に効かなければ意味がない。 銃をひとつ手に取り、化け物と自分のどちらに向けるべきか逡巡する。 化け物が完全に姿を現すまでもう時間がない。迷った末、自分のこめかみに銃口を向ける。 だがその銃を握る手は、だれが見てもわかるくらいガタガタと震えていた。 恐怖から、引き金にかけた指を動かすことができない。額から嫌な汗が流れてくるのを感じていた。 「……あー。ごめん。それ、ひとつ借りるね。」 後ろにいたショートカットの少女が、残りの銃をひとつ拾い上げてそう言った。 恐怖で回りが見えなくなっていた黒髪の少女は、その言葉にハッとして相手の顔を見上げる。 相変わらず涼しげな顔で、彼女は銃を握っていた。 「そういえば。まだ名乗ってなかったよね。私、浅倉透。」 言われて思い出す。 出会ってから自己紹介する間もなく化け物から逃げ続けていたので、お互いの名前もまだ知らなかった。 「何かあった時、そばにいた人に名前くらいは憶えててほしいな。って思って。」 「そ、そんな遺言みたいなこと言わないでくださいっ!」 「……大丈夫。私も、こんなところで死にたくないし。死ぬ気もないから。」 そう言ってこちらに背を向け、落ち着いた動きで同じようにこめかみへ銃口を向ける。 自分と違って落ち着いている、と思った時に気づく。ほんの少しだが、透の手も震えていることに。 こんな状況で、怖くないわけがない。にも拘らず彼女が行動を起こしたのは、どう考えても震えていた自分のため。 その行動力とやさしさに涙が出そうになる。だが涙が流れるよりも前に―――透が何かを呟きながら引き金を引いた。 「――――――ペルソナ。」 瞬間、何かが砕け散る甲高い破裂音が響く。 それは透の頭蓋が砕け散る音―――ではなかった。 反対のこめかみから何か光の欠片のようなものが飛び散ったのは見えた。 しかし透の頭部には何の異常も見受けられない。 異変はすぐに訪れた。ちょうど透の後方頭上の空間。 そこに何か人影のようなものが現出する。それは間もなく具体的な形をとった。 白髪で片目を隠し、首から下が人形のような作り物になっている人型の存在。 背中には巨大な竪琴を背負っており、さながら吟遊詩人のような風貌だ。 ―――我は汝……汝は我……。 ―――我は汝の心の海よりいでし者……。 ―――幽玄の奏者『オルフェウス』なり。 「……ふふ。いいじゃん。オルフェウス。」 突如聞こえた謎の声に反応する透。 人影に目をとられている間に、透の体にも変化が起きていた。 先ほどまでは学校の制服を纏っていたのに、いつの間にか白と水色を基調とした衣装に服が変わっている。 それを見た少女は、スクールアイドルのステージ衣装みたいだと思った。 当たらずも遠からず。今の衣装は透にとって最もなじみ深いもの。 ノクチルの4人でステージに立つときの共通衣装。クリアマリンカームの名で呼ばれているのと同じ衣装だった。 何故衣装が変化したのかはわからないが、この力ならあの化け物にも通用するかもしれない。 そう思った透は精神を集中し、自らのペルソナに攻撃を命じる。 姿を現した直後の化け物に肉薄し、その白い仮面に向けて背負っていた竪琴を振り下ろす。 あ、その竪琴ってそうやって物理的な攻撃に使うんだ―――と思わず二人が心で突っ込んだ直後、化け物の甲高い悲鳴が木霊する。 どうやら攻撃はちゃんと効いているらしい。 チャンスとばかりにペルソナに追撃を命じる。 今度はちゃんと竪琴を弾いていた。それに連動するように化け物の周辺に強い炎が吹き上がる。 魔法のようなものだろうか。これも化け物に効いているようだ。 こちらからの攻撃手段を得たとはいえ、生身の自分たちが化け物に攻撃されればどうなるのかは日の目を見るより明らか。 相手に攻撃の隙を与えるわけにはいかない、と連続で攻撃を仕掛ける。 2回、3回と竪琴を弾く。その度に炎が増え、勢いも増していく。 このままならいけるかも―――そう思った直後に、透の姿がステージ衣装から元の制服姿に戻った。 透の体がふらつき、その場に倒れそうになる。 とっさにその体を支えた。額には嫌な汗が浮かび、顔色は真っ青だった。呼吸も荒く、肩で息をしている。 「……ごめん、使いすぎたかも。さっきのやつ。」 能力の使い過ぎによるガス欠のようなものだろうか。そう少女は思った。 ゲーム的に言うなら魔力切れやSP切れ、MP切れ。 先ほど初めて使った力なのだ。それにあれだけ炎の魔法を連打していたなら無理もない。 だがこのガス欠による攻撃の空白は、化け物に体勢を立て直す時間を与えてしまった。 受けたダメージこそ残っているものの、化け物は既にこちらを見据えている。 仮面の口元に、何か赤黒い光が少しずつ収束していくのが見えた。 直感でわかる。あの禍々しい光の攻撃をマトモに喰らってしまえば自分たちの命はないと。 自分が何とかするしかない。透をかばうようにして一歩前に出る。 だが、透のように自分も戦うことができるだろうか。 もし自分には素養がなかったら?と思うとまだ少し手が震える。 それでも、このまま何もできないのは嫌だった。半ばヤケクソ気味に銃口を自分の頭に向ける。 そして震える指をトリガーに引っ掛けたその時。 ―――――せつ菜ちゃんやみんなのうたを聞くと、元気がもらえるんだよね。 頭の中に、そんな声が聞こえた気がした。 ハッとして目を開く。その声の持ち主を忘れるはずもない。 夏休みの合宿の時に、同好会の高咲侑と夜の音楽室で交わした会話。 自分が今でもスクールアイドルをできているのは彼女のおかげだと、改めて語った時の記憶。 その記憶をきっかけに、今まで同好会のみんなと過ごした記憶がよみがえる。 自分のせいで一度バラバラになってしまった同好会。 そんな自分を引き戻してくれた侑と同好会のみんな。そこから愛、璃奈、果林と仲間が増えていって。 ダイバーフェスに同好会が呼ばれて、合宿もして、そして沢山の人の力があって成功したスクールアイドルフェスティバル。 なんだかこれではまるで死ぬ直前の走馬灯のようだ、と思ってしまう。 だが今せつ菜の胸を占めているのはむしろ逆の感情。 この、仲間との絆と思い出がある限り、あんな化け物に負ける道理などないと。 そんな気持ちが胸の内から湧いてくる。不思議と、手の震えは止まっていた。 「……透さん。私、まだ自己紹介してませんでしたよね。」 先ほどの自己紹介は透からの一歩通行だけだったことを思い出し、そんな風に語り掛ける。 後ろの透の様子はわからないが、おそらく私の声を聴いてはくれているだろう。 「私の名前は―――優木せつ菜ですっ!」 中川菜々ではなく、あえて優木せつ菜と名乗る。 今この場所においては、そちらのほうがふさわしい名前だと感じたからだ。 そして今度こそ化け物のほうを見据え―――トリガーを引き絞った。 甲高い破裂音が今度は自分の脳髄に響き渡る。 一瞬、自分が死んでしまったかのような感覚が頭の中を通り過ぎた。 しかしそれも刹那の間。直後に自分の中から力が湧き上がってくるような高揚感。 初めてだが、なんとなくわかる。己の四肢の感覚がペルソナ能力の発現を伝えている。 いつの間にかせつ菜の衣装も変化していた。虹ヶ咲学園の制服から、赤を中心に所々黒を交えたステージ衣装へと。 髪型も中川菜々の時の三つ編みから優希せつ菜としてのロングヘアに変わっていた。眼鏡もいつの間にか消失している。 そのペルソナは例えるなら、学ランを纏って白い鉢巻を巻いた応援団長もしくは喧嘩番長のような外見をしていた。 全身は黒一色で、鉢巻・仮面の白とコントラストがハッキリとしていてメリハリのある印象を受ける。 右手には刀身よりも持ち手のほうが長い長得物を軽々と握っている。 透のペルソナと違い自ら名乗りこそしなかったが、せつ菜にはわかる。 頭の中に不思議と浮かび上がってきた、そのペルソナの名は――― 「――――――イザナギッ!!!」 呼びかけに呼応してイザナギの左手に雷が収束する。 透のオルフェウスが火炎を操るように、せつ菜のペルソナは電撃を行使するのだ。 化け物の口元に収束していた光があふれんばかりに増大している。 それが決壊するかと思われたその時、鋭い破壊の閃光が二人に向けて放たれた。 イザナギの電撃が迎え撃つように放出される。ちょうど中間地点で、赤黒い光と青白い光が衝突した。 余波が衝撃波となって周囲を襲う。背後の283プロが地震のように揺れていた。 もう少し近くで衝撃波が発生していたら窓が粉々に割れていただろう。 その場でしばらくの間互いの攻撃が拮抗する。だがそれも長くは続かない。 双方の攻撃が打ち消しあって消滅する。一度技を出し切ったからかペルソナも姿を消した。 初めてのペルソナ能力行使で、せつ菜の額には大量の汗が浮かんでいた。 こんな魔法を初めてで何度も使っていたのか。透はすごいなと思ってしまう。 だけど今こそ千載一遇のチャンス。 おそらく先ほどの光線は、もう一度光を収束してからでなければ撃てないはず。 相手の攻撃にタイムラグがあるこのタイミングで仕留めなければ。消耗すればこちらが圧倒的不利だ。 「ペルソナッ!」 無茶を承知でもう一度こめかみに向けトリガーを引く。 再びイザナギがその姿を現した。右手の獲物を構え、化け物の足元へと肉薄していく。 そのまま、化け物の両足を横なぎの一閃で両断した。イザナギの斬撃によって、足の一部が削り取られたようになくなる。 まるで達磨落としで一番下の積み木が弾き飛ばされた後のようだ、と思った。 両足を失った化け物は当然体勢を崩し、少しずつ倒れてくる。崩れる直前のジェンガのように。 そこへ追撃のイザナギの斬撃が、今度は下から縦に一閃される。 一撃目の斬撃と合わせて、まるで漢字の「十」を描くような斬撃。イザナギの物理攻撃スキル「十文字切り」が炸裂した。 体勢を崩していた化け物の仮面に、縦の斬撃が直撃する。 化け物が今までで一番大きな悲鳴を上げた。その甲高い悲鳴は、化け物の最後の断末魔だと直感的に感じた。 おそらく、あの仮面が化け物の弱点だったのだろう。 ヒビが入った仮面がそこから徐々に砕けていく。それに呼応するように化け物の体も隅から塵のように霧散していった。 【大虚(メノスグランデ)@BLEACH 死亡】 「―――ふふ。やるじゃん。」 そんなせつ菜の戦いを見ていた透は、そう呟いた。 直後、安心感からか透の意識が遠のいていく。 振り返ったせつ菜が透の名前を呼ぶ声は何とか聞こえたが、それも徐々に遠ざかる。 やがて透の意識は完全に闇に落ちていった。 ◇◆◇ 「――――――え。ここどこ?」 意識を取り戻したとき、透の前に広がっていたのは先ほどまでとはまるで正反対の光景だった。 全てが真紅に染まっていた平安京に対して、ここは見渡す限りすべてが真っ青だ。 どう見ても平安京の町並みではない。今まで自分たちが生活していた普通の町にある公園と同じような光景が広がっていた。 ―――中心にそびえ立つ大きなジャングルジムと、その前にあるテーブル、そして椅子に腰かけている奇怪な老人を除けば。 ……どうやら、自分はテーブルをはさんで老人の向かいの椅子に腰かけているようだ。 「―――おやおや。これはまた、珍しいお客人ですな。」 「ようこそ、我がベルベットルームへ。私の名はイゴール。お初にお目にかかります。 ……いつもならばもうひとりここの住人がお客人を出迎えるのですが、今は出払っておりましてな。」 そう、目の前の老人が名乗り始めた。 ベルベットルームとはいったい何だろう。住人? そもそも、なぜここは公園なのだろうか。……後ろにあるジャングルジムに、嫌でも目が吸い込まれる。 「ここは夢と現実、精神と物質の狭間にある場所。」 「この部屋のありようは、お客人の心によって変化します。 過去にはエレベータールーム、リムジン、珍しい方ですと牢獄という場合もございました。 私よりも貴女様のほうが、この部屋の様相には心当たりがあるのではないですかな?」 ……そう言われると、心当たりしかなかった。 今は自分から言葉を発するよりも、老人の言葉に耳を傾けることにする。 「本来は何かの形で契約を果たされた方のみが訪れる部屋。 ……とはいえ、貴女様は既に現在進行形で困難な壁とぶつかっておられるようだ。」 「どれ……まずは、お名前をうかがっておくといたしましょうか。」 何を言っているのかは全然よくわからなかったけど、名前を聞かれたので素直に答えた。 浅倉透、と。 「……ふむ。確かに受理しました。 今宵から貴女は、このベルベットルームのお客人だ。」 名前を名乗っただけで契約したことになるのだろうか。 不思議に思ったので訪ねてみた。 「貴女様はペルソナ能力と“ワイルド”の力にお目覚めになられた。 必ずや、私の力が必要になりましょう。」 ペルソナ能力、と聞いてハッとする。 先ほどの力とこの部屋には関係があるのだろうか。 ……ワイルドの力、というのには聞き覚えがなかったが。 「複数のペルソナを使い分けてゆける力のことです。 お連れ様も同じ力の素養はお持ちのようですが、まだ目覚めてはおられないようだ。 ……まずは、これをお持ちなさい。」 老人がそう言うと、何やら頭上から回転しながら一枚のカードが落ちてきた。 タロットカードだろうか。詳しくはわからないが戦車と書かれているように見える。 反射的にそちらに手を伸ばして、それを受け止めた。 ―――戦車のペルソナ:ホワイトライダーを入手した。 これは、新しいペルソナ? 理屈はわからないが、それが自分のうちに宿ったであろうことがなんとなくわかる。 「ペルソナ能力は心を御する力。心とは絆によって満ちるもの。 これは、先ほど共に戦われたお連れ様との間に絆が芽生え始めた証とでも思っていただければ。」 「他者と関わり、絆を育むこと。 その力こそがペルソナ能力を伸ばしてゆくのです。」 「ペルソナとは、貴女が外側の事物と向き合ったときに表に現れ出る人格。 様々な困難と相対するために自らを鎧う“覚悟の仮面”とでも申しましょうか。」 「ペルソナ能力を発言した際の貴女方の姿もその一片。 あれは貴女様の反逆の意思の具現であり、同時に戦うための鎧でもあるのです。」 「その姿も貴女様の心のありようで決まるもの。 過去のお客人は、怪盗のような出で立ちだったりしましたな。」 つまり私は何かに反逆して戦う時の鎧に、無意識でノクチルの衣装を選んでいるということか。 服装が変わる理由はよくわからなかったが、そう言われると悪い気はしなかった。 ―――と、そんな風に話し込んでいるとどこからか声が聞こえてきた。 この声は聞き覚えがある。さっきの優木せつ菜さんだ。 ……これは、もしかして私の名前を呼んでいる? 「貴女様はあくまで夢としてこの場所を訪れているにすぎません。 おそらく現実の貴女様が目覚めかけているのでしょう。」 「心配なさらずとも、貴女様は必ずまたここを訪れます。 ……では、再び見えます時まで。ごきげんよう―――」 そんな老人の言葉が終わるかどうかというタイミングで私の意識はまた暗闇の中へと落ちていった。 ◇◆◇ 「―――さん! 透さん!」 そんな悲痛な叫びを聞いて目が覚めた。 周りを見渡してみると先ほどと同じ真紅の空が広がる平安京だった。 上を見ると、せつ菜が今にも泣きそうな顔でこちらをのぞき込んでいる。 「……あー。もしかして、心配かけた?」 「当たり前ですっ!」 そんなやり取りをするが、お互いに相手が無事だとわかってどこか安心した。 しかし、初めてペルソナを使ったことによる精神的消耗はかなり大きいようだ。 まだちょっとふらふらする気がする。透ほどじゃないにしても、せつ菜もそれは同じようだった。 「……じゃあ、一旦そこで休む? 建物の作りが同じなら、ちょっとくらいは案内できると思う。」 そう言って後ろにそびえ立つ283プロを示す。 このままやみくもに歩き回るよりはそこで休んだほうがいい、とせつ菜も思ったのだろう。 二人のアイドルは、休息のため歪にそびえ立つ283プロの中へと入っていった。 【中川菜々@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会】 [状態]:健康、ペルソナ使用による精神的疲労(中) [装備]:召喚器@ペルソナ3 [道具]:基本支給品、余りの召喚器ひとつ [思考・状況] 基本方針:殺し合いなんてしない。 1:まずは透さんと一緒に体力の回復に努めます。 2:ペルソナ、っていったい何なんでしょう? 3:透さんは無茶しすぎです! [備考] ※参戦時期はアニメ最終回の後です。 ※優木せつ菜本来のアルカナは戦車ですが、愚者:高咲侑とのコミュによる絆及び 目の前でワイルドに覚醒した浅倉の影響で後天的に愚者のペルソナ:イザナギに覚醒しています。 ワイルドの素養も目覚めかけてますが、まだ覚醒していないため今はイザナギしか使えません。 ※高咲侑とのコミュによる絆の影響で、イザナギの力はブーストされています。 ※ペルソナを呼び出すと、中川菜々の姿から優木せつ菜としての姿に容姿が変化します。 (アニメ虹ヶ咲でソロ曲「DIVE!」を歌っているときと同じ姿です。) 原理はペルソナ5で怪盗団が怪盗服に変化するのと同じ理屈になります。 ※本来この場所でのペルソナ召喚に召喚器は不要ですが目覚めたばかりの二人はまだ能力が不安定なため 召喚のために召喚器が必要になります。 ※所持しているペルソナとスキルは以下の通りです ・愚者:イザナギ(電撃耐性、疾風弱点、呪怨無効) ・ジオダイン ・十文字切り ・タルカジャ 【浅倉透@アイドルマスターシャイニーカラーズ】 [状態]:健康、ペルソナ多用による精神的疲労(大) [装備]:召喚器@ペルソナ3 [道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3 [思考・状況] 基本方針:殺し合いなんてしない。 1:……疲れた。ちょっと休みたい。 2:ペルソナ、ワイルドって何なんだろう。 3:せつ菜さん、良い人そう。 [備考] ※参戦時期は後続の書き手にお任せします。 ※ランダム支給品に武器になるものはありません。 ※先天的にペルソナ能力とワイルドの才能があります。 ※ベルベットルームに客人として招かれています。 ※ペルソナを呼び出すと服装がノクチルの衣装であるクリアマリンカームに変化します。 原理はペルソナ5で怪盗団が怪盗服に変化するのと同じ理屈になります。 ※本来この場所でのペルソナ召喚に召喚器は不要ですが目覚めたばかりの二人はまだ能力が不安定なため 召喚のために召喚器が必要になります。 ※所持しているペルソナとスキルは以下の通りです ・愚者:オルフェウス(電撃弱点、祝福耐性、呪怨弱点) ・アギラオ ・タルンダ ・ディア ・戦車:ホワイトライダー(火炎無効、氷結弱点、祝福無効、呪怨反射) ・マハエイガ ・マハスクカジャ ・トリプルダウン 【召喚器@ペルソナ3】 ペルソナ召喚の為のアイテム。拳銃の形をしている。 自分の頭部に向けて引き金を引くことで、現実でもペルソナを発現させることができる。 辺獄でのペルソナ召喚には本来不要だが、ペルソナ召喚が不安定な場合は安定させるのに有効。
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第二十三章 スイートルーム 灰色一色の、現実味のない空間。豪奢なシャンデリアや大画面テレビなどが配置された部屋。 俺は今、キングサイズのダブルベッドに座っている少女を見ている。 白いコートを肩に掛け、ロングヘアをポニーテールに纏めている。 少女は手元の携帯電話を取り出し、何処かへと電話を掛けた。 「……」 「……」 「……」 「……やっと出てくれた」 「……」 「どうしちゃったの?どうしてパーティに来てくれなかったの?」 「……」 「ウソ!だって、発車時刻まで3時間もあったじゃない!」 「……」 「そんなに佐々木さんとデートしたかったの?まあいいわ。今日は大事な発表があったのよ。それなのに」 「……」 「……一番上の階」 「……」 「うん」 「……」 「……来てくれないの?アタシ、キョンのこと待ってるんだよ?」 「……」 「……何よ」 「………………」 「な……」 「……」 「キョン!」 静寂に満ちたスイートルームの中に、ツーツーという電話の音だけが響く。 「……なんで……どうして……」 携帯を見つめたままの、少女の声が嗚咽に変わる。 「……待っているのに……どうして来てくれないの……キョン……」 携帯電話を畳み、俯く少女。その手と膝の上に大粒の涙がこぼれた。 「……お願い……来て……あたしもう、待つの疲れちゃったよぉ……」 ぽふ、とベッドに倒れ込んだ少女は、そのまま泣き始めた。 その光景が暗転し……そしてまた、冒頭に戻る。 延々と、その繰り返し。 少女が携帯電話で何度も同じ会話をしていると言うことは、おそらく暗転した時点で記憶がリセットされて いるのかもしれない。何度も……何度も何度も。少女の嗚咽と泣き声が耳から離れない もしかしてコイツは、ひと月前に倒れてからずっと、こんなシーンをエンドレスで再生していたのか? しかもこれは現実世界で有った事実じゃない。夜行列車の中で、俺が見た『閉鎖空間』内での出来事だ。 だが、これは見ていても辛かった。いくら相手が誤解したままの俺自身とはいえ、だ。 おそらく下のパーティルームにいるだろうその時の俺を、首根っこ捕まえて引きずってきたかった。 だが、それは無理だと言うことは俺にも十分に分かっている。 ハルヒの電話の相手は、俺の『影』だからだ。あの時の、俺の『影』。 じゃあ、俺はどうすればいい?『影』じゃない『本物』の俺は? やることは、決まっているさ。 何十回目かの再生の時。携帯電話を取り出そうとした少女に、俺は声を掛けた。 「よう」 びくぅ、と少女……ハルヒはベッドの上で跳ね上がった。 まさか、すぐ側に人がいるなんて思っても見なかっただろうからな。 「来てやったぜ」 恐る恐るこちらを振り向くハルヒに、俺は努めて明るく話しかけた。 「………な、な、な、な……なんでこんな所にいるのアンタは!」 ハルヒは驚きのあまりなのか、微妙に喧嘩腰だ。 「いや、お前が呼んだんだぜ?ここにな」 「……えっ……呼んだって……でもここは、あたしの夢の中なんでしょ?」 「ああ、そうだったな。あれ、お前これが自分の夢の中だって事を認識してるのか?」 俺はベッドの脇のソファーに腰掛けた。ハルヒは俺の行動をじっと視線で追っている。 「当たり前でしょ。以前にもこんな感じの夢を見たことあるし、すぐにわかったわ」 「そうか。察しの良いことで」 「ってことは、アンタも夢の中の登場人物、つまり幻ってことじゃない」 「う~~ん、実はそうじゃないんだが」 「……えっ……どういう事よ?説明しなさい!」 「そうだな、たっぷり説明してやるさ。向こうでな」 「向こう?向こうって……」 「そろそろ起きる頃合いだと思うぞ」 その言葉を聞いたハルヒは、俺から視線を外し俯いた。 「……イヤ。戻りたくない」 「みんな心配してるぞ」 「だって……向こうに帰っても、あたしの居場所は無いもの。だったら、いっそのことずっとここにいるわ」 「何言ってるんだお前?自分の居場所がないって……」 「アンタのせいよ!」 ハルヒは顔を上げ、びしっと人差し指を俺の方に向ける。 「アンタが、その……佐々木さんと一緒にいるところを見てね、あたし分かっちゃったの。あたしの居場所はもう無いんだって。心変わりされちゃったんだって、あの時分かった」 「お、おいそれは……」 「いいの、言わないで。言い訳なんか聞きたくない。当然と言えば当然よね。これからの人生を決める大切な時期に、キョンの側にいたのはあたしじゃなくて、佐々木さんだもの。高校受験、大学受験、どちらもね」 「高校受験の時はしょうがないだろう。その頃まだ俺たちは出会ってなかったんだから」 そんな俺の突っ込みを無視して、ハルヒは話を続ける。 「それでも、アンタと同じ大学になればまた一緒の道を歩めると思っていたわ。でもアンタがパーティに出てくれなくて、勢い込んで連れ戻しに行ってみれば……あの時、あたしがどんな気持ちだったか判る?一年間、アンタを待っていたあたしの気持ちが?だからあたしは、向こうには帰らないし、帰りたくない。向こうに帰っても、あたしの居場所には佐々木さんが居る。それだけはイヤ、認めたくないのよ!」 こんな自虐思考のハルヒを初めて見た。良くない方へ良くない方へ、考えが及んでいる。人の話を聞こうともしないのは変わりないが。まあ、俺もあの時そうだったから、あまり人のことを言えないかもしれない。 「……そうだ!アンタもここで一緒に暮らさない?ここでなら……」 ハルヒはベッドの上で座り直し、俺の座っているソファーににじり寄ってきた。 「ね?」 懐かしいハルヒの笑み。だがその瞳には悲しみの感情が澱んでいる。ちらちら見えるのは、狂気の炎か。 「ハルヒ」 俺はソファーから立ち上がり、ベッドの上に座るハルヒを見下ろした。 「まず、お前の誤解から解かなければいけない。俺の話を聞いてくれ」 「……イヤよ」 これも懐かしいアヒル口になったハルヒは、ぷいと横を向いて腕を組んだ。 「いいから聞け。まず、向こうにお前の居場所がないというのはお前の思い違いだ」 「……」 「俺だけじゃない。古泉や長門や国木田達だって、お前が帰ってくるのを待っているんだ」 「……ふん」 流石にこれだけじゃ説得は無理か。 「大体、俺と佐々木は恋人同士でも付き合ってもいない。確かに今年一年は佐々木と朝倉と一緒に受験勉強をしたし、一緒の塾にも通った。一緒の大学も受けた。でもお前が考えているような事は、何もなかったぞ」 「……『親友』だから、とか言うんでしょ?」 「ああそうだ。あいつは俺の『親友』だ。だからこそ、お前に言えるんだ」 「……何をよ?」 「俺は、ずっと前から、心変わりなどしていない」 「……え?」 ハルヒは驚いたような顔でこちらを向く。既にアヒル口ではなくなっていた。 「俺は今でも、お前のことが好きなんだ。でなきゃ、わざわざこんな夢の中にまで出て来るもんか」 「え、でもそれは……これがあたしの夢だから……」 「だから最初にいっただろ?今ここにいる俺はそうじゃないって。お前の探していた不思議体験の一種かもしれないぞ?ま、向こうに戻ったら説明してやるが」 「……むう」 「大体、お前と同じ大学を受けるために1年間勉強を頑張って来た俺の想いを、お前は忘れちまったわけじゃ無いだろ?俺の告白と、お前との約束の話だ」 「……覚えてるわ。じゃあ、やっぱりアンタは本物のキョンなの?あたしの夢じゃなくて」 「だから、さっきからそう言っているだろうが」 「……何だか納得いかないけど……解った。本物のアンタがそこにいるなら、あたしは戻ってあげてもいい」 「そうか。だが、先に謝っておくことがある」 「……えっ?」 「一年前の約束……その約束は果たせそうにない」 「!?……どういうこと?」 「……俺、落ちちまったからな」 「えっ……アンタ大学落ちちゃったの?って、あれ?今、いつなの?」 「向こうじゃもう、あれからひと月以上経っているな」 「そうなんだ、アタシそんなに寝てたんだ……えっ、あっ、えーと、アタシは……」 「心配するな。お前は受かったそうだ」 「そっか、当然よね……佐々木さんは?」 「アイツも受かった。古泉と長門もな」 「……じゃあ、アンタだけ落ちちゃったって事?」 「ああ」 「……そんな………」 再び俯くハルヒ。しばらくぶつぶつと何かを呟いていたが、ぱっと顔を上げた。 「やっぱり、ここで暮らそうよ。ここなら大学も何も関係ないし、アンタもアタシとずっと一緒に居られる じゃない?いい考えだわ!」 「ダメだ」 俺はハルヒの細い両肩を掴み、大きな瞳を見つめた。 「ハルヒ」 「……何よ?」 「俺は、向こう……現実の世界が良いんだ」 「……なんで?向こうだとアンタはアタシと一緒にいられないのよ?それでも良いの?」 「良くない。良くはないさ。でもな、ここにいるのはもっと良くない」 「……でも」 「お前も充分に分かって居るだろ?ここは現実逃避の夢の中だってことをさ」 「……」 「いずれ夢は覚める。早かろうが遅かろうがな。夢ってのは、現実に立ち向かって行くための心のオアシスなんだから、いつまでもここに居られる訳じゃない。いや、居ちゃいけないんだ」 「……でも」 「確かに、現実の世界じゃ辛いこともいっぱいある。いや、辛いことの方が多いだろうな。でも、だからこそ楽しいことが楽しいと思えるんだ。俺は、お前と出会ってからのこの3年間色々あったけど、後悔したことはない。それにな、もしお前が俺と一緒に向こうに戻ってくれるなら、辛いことなんて吹き飛んじまう。俺は、そんなお前じゃなきゃ駄目なんだ……だから、俺はここにいる」 そこで改めてハルヒの顔を見た。その大きな瞳からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた。 「俺は向こうに帰ると決めたんだ。お前を連れてな」 「……バカ……」 「一緒に帰ろう?」 「……うん」 ハルヒの肩から手を離し、左手で髪を触る。 ポニーテール。 あの日、おそらくハルヒはこの髪型で俺のことを待つつもりだったんだろう。 スイートルームで、二人きりの再会を祝うために。 たまらなくハルヒのことが愛おしくなってきた俺は、右手でハルヒの顎をちょっと上げた。 もう、止まらない。 「ハルヒ、大好きだ。愛してる」 「……遅いわよ、バカキョン……」 そして俺たちは……… 「『位相変換フィールド』の対消滅を確認。同時に閉鎖空間の消滅も確認した」 長門の声で我に返った。俺の目にはドアップのハルヒの顔。 え~~と、今の俺は何を……って、あれ?? そうか、昏睡状態のハルヒにキスしたんだっけ。 確か側には長門が居て、古泉が医者を連れてくる音が聞こえていたんだが、いてもたってもいられずに強引にキスした……んだな。おーけー、思い出した。 だがちょっと待って欲しい。 何かが違う。唇に当たる柔らかな感触と、少し塩辛い味に変わりはない。じゃあ、何が……キスをしたそのままの格好で、俺は目だけを動かしてみた。 ハルヒの頬が赤い。真っ赤になっている。そして……ハルヒと目が合った。 目が合った?? 「うわ」 慌てて俺はハルヒから離れた。飛び退いたと言っても良いかもしれない。いつの間にかハルヒは目を覚まし、こちらを凝視していたからだ。 「涼宮さん!気付かれましたか?」 「……体温及び心拍数上昇、ただし正常範囲内」 もそもそと身を起こそうとするハルヒに、古泉と長門が駆け寄る。古泉の側に立って、こちらを凝視していた 医者と若干頬を赤らめた看護師も、慌てて検査の準備を始めた。 もしかして、みんなに見られてた?古泉や長門はともかく、医者と看護師にまで……一生の不覚! ベッドの上に上半身を起こしたハルヒは、幾分照れの入ったような怒ったような視線でこちらを睨み付け、わなわなと震えながらこう言い放った。 「……こ……この……バカキョン!乙女が寝ている間に唇を奪うって、どういう事なの?説明しなさい!」 真っ赤になって、部屋の隅に呆然と立ち尽くす俺を糾弾するハルヒ。ついさっきまで昏睡状態にあった入院患者とは思えないね、全く。 「まあまあ涼宮さん、落ち着いて。まず検査が先です。彼への糾弾は、そのあとでゆっくりと」 まだ何やらぎゃんぎゃん言っているハルヒを宥めながら、古泉が俺と長門に外に出るように促した。 医者が看護師に合図を送り、看護師が検査表を開いたあたりで俺たちは廊下に出た。 第二十四章 約束へ
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ロストルームなのか? ◆7ediZa7/Ag ──じゃあ次は、こういうのはどうでしょう。 【壱】 鬼はすべての元凶であり、この世の悪のすべてであり、生きとし生けるものに対する脅威。 そんな鬼と人間の戦いが、この国ではずっと存在していた。 それは日本各地に残る鬼殺の伝承が証明してくれる。 とはいえ、そう、その事実はあくまで最初に一歩にすぎない。 大事なのは昔から人間は鬼と戦い続けていて、その結果得られた数少ない「功」として鬼に関する技術があったということ。 それは武器だったり、道具だったり、あるいは呪術的なものでもあった。 鬼は悪しきものであるが、それによって得られたテクノロジーを否定する必要はない。 例を挙げれば日輪刀という特殊な日本刀がある。あれも、鬼との戦いのなかで研鑽されたテクノロジーだ。 そしてその技術を鬼殺以外にも使おうとした人が──ここは詳しい時期をあえて書くと──1940年代ぐらいになって現れ出した。 いやもう少し前だったかもしれないけど、実際に記録としてで始めたのはそのあたりだった。 その時この国は戦争まっさかり。 鬼神兵計画。 そう名前づけられた大日本帝国軍の一つの計画があった。 それはもうすごい計画で、資料自体はかなり散逸しているが、鬼によって得られた技術を当時の最新技術にて「人間」に与えるとか、そんなコンセプトだったのだろう。 鬼の神の兵、とすごい名前を書くだけあって、鬼も神もついでに人間も恐れない計画で、それによってなんだろう?戦争に勝とうとしたんだろうか。 とはいえ知っての通りそんなものは世には出ていないから、結果はわかるだろう。 鬼なんてものを材料に使うから、出来上がるものもロクなものではなく、計画はロクな方向には向かわず、最終的には鬼神兵など関係ないところで大日本帝国は敗北した。 ──というどうしようもない未来があった訳なんだけど、実は、この未来を観測していた人間が、戦国の世の段階でいた。 このまま鬼と戦い続けると、たとえ鬼を討ち滅ぼすことができたとしても、やっぱりこの国は滅びる。 そんな未来を、とある刀鍛冶がどういうわけか視てしまった。 それから鬼と人間の戦いの影で、未来と現在の戦争まで始まり出していた。 「そちら側」に未来がいくのを止めたい一心でその刀鍛冶は頑張っていて、そのためには未来の技術をふんだんに使った刀を生産する始末。 大正期に一つのピークを迎えていた鬼殺の技術や、その後の大戦期の鬼神の呪術まで反映した刀まで出回っていたという。 その頑張りもあって、歴史はうまくズレ始めていたんだが──そうは問屋が卸さなかった。 人類史を変な方向に向かわせた結果、また別の勢力の目に止まってしまった。 時間警察的なもの、というと乱暴だが、人理継続保障機関カルデアと呼ばれる機関の介入によって、歴史と歴史の戦いはさらなる局面へ突入。 その特異点となったその時代では、鬼殺、鬼神、剣士達、刀鍛冶が集結し、各々の思惑で動き始めていた。 加えてそこには端麗人と呼ばれる、時代を超える者の影が── ◇ うーん、ダメ。 バトロワからの脱線、そのまた脱線を重ねすぎて、意味不明になっています。 ◇ 【肆】 西暦201X年。 この地球に突如として異星人が襲来した。 彼らはラブデスター星人を名乗る彼らが、第一次接触に際して求めたものは「愛」であった。 彼らがどのような思考回路を取っていたのか、部外者であった私には判別することができない。 それでも一人のジャーナリストとして、この問題に切り込んでいきたい。 このところ起こっていた「学園丸ごとを拉致する」という奇怪な、そして陰惨な事件が彼らによって引き起こされたものであることは確かだった。 拉致された学園は全国各地に散らばっており、そのレベルも市井の一般校から、エリートたちが集う名門校、創立100年を超えるマンモス校まで多岐に渡る。 一切関連性のない学生たち数多く集められ、彼らはその中である「実験」をさせられていた。 その実験とは、「恋」を求める異星人たちは、学生間の間で恋愛が成立すれば生還、失敗すれば死亡、という奇妙なものだった。 地球人である我々には、彼らが何を求めていたか理解はできない。 とはいえ異星人たちの思想──および異星人から「返礼」として持たさられた技術──については、生還した学生たちから得られた意見を基に、すでに多くのメディアで語られている。 故に私はここであえて、2000年代に東京で起きたとある怪事件との関連性についても触れたいと思う。 正義のない戦い。あれも奇怪なルールのもと、常識を超越した技術を基に殺し合いが起きていた。 あの事件と、今回の異星人とのファーストコンタクトの間に、実は何か関連性があるということはないだろうか。 (原稿はここで止まっている。代わりに殴り書きの乱暴な筆致でこんな口が書かれている) ……どっかで買ってくれねえかなぁ。無理だよなぁ、今日日OREジャーナルみたいなのが流行る時代でもないし。あーあ ◇ バトロワという形には近いですが、まだまだすべてを語り切るには遠いような。 うーん…… ◇ 【参拾参】 かつて、ムゲンという伝説のチームがこの一帯を支配していた。 その圧倒的な勢力により、かえってその一帯は統率がとれていた。 だが、そんなムゲンの支配に唯一、屈することなく、たった2人で互角に渡り合った兄弟がいた。 ──雨宮兄弟。 決着がつかないまま、ある事件をきっかけに突如ムゲンは解散し、雨宮兄弟も姿を消した。 そして、その地区に5つの組織が頭角を現した。 各チームの頭文字をとってSWORD地区と呼ばれ、そこにいるギャングたちはこう呼ばれている──G-SWORD。 そんな危うい均衡の下に成り立つSWORD地区。 その一角、無名街に一人の少女が迷い込んだことから、事態は一気に動き出していく。 少女を追っていたのは、九龍グループ。裏社会の支配者、9組の極道組織からなる極道連合組織。 ──この地下にあるんです。 無名街の地下、そこには国内トップレベルの製薬企業、野座間製薬の旧研究施設があった。 そこに一体何が研究されていたのか、何故その秘密をこんな少女が知っているのか、野座間の、そして九龍の思惑は一体何なのか。 幾重に謎が散らばるなか、SWORD地区にアマゾン・亜人といった異形たちまで集結する。 鍵となる少女が元総理大臣の娘と判明。その誘拐を目論む亜人種や野座間製薬、九龍グループの影。 そうした驚異の中、G-SWORDたちはSWORDすべてを、そして国をも揺るがす大事件に直面することとなる。 一方、マイティウォーリアーズは湾岸地区にて着実に勢力を伸ばしつつあった…… ◇ チェンジ ◇ 【弐拾参萬陸千弐佰七拾壱】 ──遥かな神代、人がまだ、神の庇護下にあったとされる時代。 生命の木の下に、最小<ナノ>の叡智がもたらされた。 だが忘れてはならない。智慧と災厄は表裏一体であることを。 それは存在するはずのない、「ほんとうのはじまり」であり、このバトルロワイアルさえも── ◇ 疲れてきたのでシミュレーション中断します。 ◇ この奇怪な催しが始まり、一人の幼子と出会い、そしてそれも死んだ。 波裸羅がこの島にて遭遇したのはその幼子のみであった。 「──ふむ」 波裸羅は顎をそっと撫でる。 肌艶の良い麗しい肌が、ぱちぱちと明滅する照明に照らされ妖しく光る。 ──波裸羅はその時、研究所と呼ばれる施設に足を踏み入れていた。 この混沌とした殺し合いの片隅に位置するこの施設には、当然のように波裸羅以外の何者もいなかった。 島の外れもいいところだ。 今後も何か特別な意図がなければ、他の参加者が足を踏み入れることはないだろう。 波裸羅とて、たまたま最初に立っていたのが目の前でなければ無視していたに間違いない。 だが波裸羅は目を開けた時、研究所の前に立っていた。 ここに立つ参加者が誰であったにせよ、こんな場所に誘われれば、目の前に意味ありげに立つこの施設を調べることは自然だろう。 その「研究所を間違いなく最初に調べるだろう」参加者が波裸羅であったという、それだけの話である。 ──それが偶然であるか、必然であるかは置くにせよ。 「意味がわからぬな」 言いながらも、その口角は僅かに、僅かにであるが吊り上っており、存外、その機嫌が良いことを示していた。 今目の前に広がっているのは艶艶と白く塗られた部屋であり、そこには無数の資料が置かれている。 波裸羅からすればそれも奇妙なものであったが、そんなものはどうでもよかった。 波裸羅の興味を引いたのはこの光景ではない。その直前である。 ──施設の一室に足を踏み入れた途端、波裸羅は視せられた。 まず最初は、波裸羅もよく知る別の鬼との時代を超える戦いであった。 その中で見知らぬ刀、見知らぬ兵器、見知らぬ時代も視えた。 かと思うと一転、次はあの月や鏡を舞台にした奇妙な遊戯とも遭遇した。 意識は次々と明滅し、変わっていく。曖昧でありながら明瞭な視界は、次に人食いの異形たちの姿も見せた。 勝次の言っていた光景に近しいものも、その中にはあった。 「あの桃太郎卿、端麗人の姿も見えたが」 視覚的な感覚が、純然たる情報として意識に流れ込んでくるという奇怪な現象だった。 時間にしてどれほどのものだったか。一瞬だったのか、あるいは悠久に等しい刻であったかもしれない。 どちらであれ、その間に無数の“何か”を視せられた波裸羅は、少しだけ愉しげであった。 「果たしてな」 この施設が何であるかは無論何一つわからなかったが、おそらく、最も大切な事象は先の光景だろう。 そんな確信があったからこそ、波裸羅は部屋を後にする。 明かりが消えた部屋は再び静寂に包まれる。 静かにただ次の来訪者を待ち望むように── 【A-3・研究所/1日目・黎明】 ※研究所には各種資料が転がっています 紙だったり、データだったり、ホログラム的な何かだったりと保存方法は多岐に渡ります。 それぞれにはなんだかとても重要そうなことが記されていますが、置いてある資料同士で大きく矛盾してしまっています。 ただもしかすると、この中には、真実の…… 【波裸羅@衛府の七忍】 [状態]:健康、胸に傷 [装備]:派手な和服 [道具]:基本支給品一式、真田の六文銭@衛府の七忍、ナノロボ入り注射器×2@ナノハザード、ホログラム@ラブデスター [思考・状況] 基本方針:びぃびぃの企画には現状惹かれていないが、割と愉快になってきた。 1:勝次のことは忘れぬぞ。 2:彼岸島勢に興味。 [備考] ※第十四話以降からの参戦。 Next 始まりと終わりどっちが強いのか実験だよ実験 Previous 食物語・とがめアマゾン 前話 お名前 次話 最初の試験が神州無敵の場合/最初の試験が現人鬼の場合 波裸羅 あけないたたかい 目次へ戻る
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理想のアルティメットルーラ ■一人称 私 2回 (二大怪獣 夢の国大決戦 p.7 8) ■二人称 お前 1回 (二大怪獣 夢の国大決戦 p.7) ■三人称 こいつ 1回 (二大怪獣 夢の国大決戦 p.8) ■スイムスイム スイムスイム 3回 (二大怪獣 夢の国大決戦 p.7(2回)8) ■理想の究極将軍プキン お前 1回 (二大怪獣 夢の国大決戦 p.7) こいつ 1回 (二大怪獣 夢の国大決戦 p.8) ■技名 ルーラガード! (二大怪獣 夢の国大決戦 p.8) ルーラバリア! (二大怪獣 夢の国大決戦 p.8) ルーラデストラクション! (二大怪獣 夢の国大決戦 p.8) バーニング・ソウル! (二大怪獣 夢の国大決戦 p.9)
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《スイートポテトルーム》 フィールド魔法 植物族モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。 「秋」と名のついたモンスターは戦闘では破壊されない。この効果は1ターンに1度のみ適用される。 「Fairy Overdrive」で実装されたフィールド魔法。 フィールド上の植物族の攻守力を微増させる効果と、秋と名のついたモンスターに戦闘破壊耐性を付与する効果を持つ。 植物族のみをパワーアップさせるフィールド魔法はこれが初めてのカードとなる。 植物族には地属性モンスターが多いため《ガイアパワー》で事足りる場合も多いが、昨今では《椿姫ティタニアル》《四季のフラワーマスター 風見幽香》といったように地属性以外の強力な植物族モンスターも増えている。 また単独で採用されるような植物族アタッカーがほぼ存在しない事から一方的にこちらが恩恵を甘受できる点は、相手のカードをもパワーアップしてしまう可能性が大きい《ガイアパワー》に比べてこちらが上回っていると言える。 上昇値は200と僅かであるが、《ボタニカル・ライオ》が単独でも《サイバー・ドラゴン》と相討ちでき、 《ギガプラント》《四季のフラワーマスター 風見幽香》が《スターダスト・ドラゴン》を一方的に戦闘破壊できるようになるのは決して無視できないメリットである。 二つ目の効果は秋と名のついたモンスターに破壊耐性を与える事ができる。 現在、秋と名のつくカードは《豊穣の神 秋穣子》、《紅葉の神 秋静葉》、《豊穣の秋神チーム》の3体。 どのモンスターも基礎ステータスに不安を残しているため、1ターンに1度とはいえ戦闘破壊耐性は有り難い。 特に真価を発揮できるのは、《豊穣の秋神チーム》が自分フィールドに存在する場合だろう。 このカードのステータスアップと合わせて、相手は上級ボーダーラインの2400を超えるモンスターを2体以上召喚しなければ《豊穣の秋神チーム》を突破できなくなり、存在しているだけで毎ターンドロー効果を発動できるこのカードがさらに場に残りやすくなる。 ドローによって増えた手札でさらに防御を磐石にしたり、焦ってフィールドモンスターを増やしてきた相手を狙い撃つ事が出来るならば理想的だろう。 このカードの効果が適用されるのは1ターンに1度。自分の全ての秋モンスターに《ゴッグ》の耐性を持たせるのではなく、1ターンに全体を通して1回のみの戦闘破壊耐性。つまり《BF-孤高のシルバーウィンド》と同じである。読み間違えないように注意しよう 元ネタにおいて 東方projectの傍流ゲーム「ダブルスポイラー」において《豊穣の神 秋穣子》が使用するスペルカード。 お菓子のスイートポテトとホテルのスイートルームを掛けた名称となっている。
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ロットルールに関しては、オーソドックスな形にしたいと思います。 (1)欲しい装備品の事前申告 (2)参加回数に対する従量ポイント (3)ポイントでの攻略エリア&コース選択 (4)取得時に一定ポイントの支払い (1)欲しい装備品の事前申告 各メンバーが欲しい装備品(完成品)を事前申告 優先順位を付けて3品を申告 以前5品申告という案を出しましたが、多すぎても管理が面倒になるだけなので、3品程度で。 欲しい物が取れ次第、既存の希望品の優先順位を上位にシフトし、空いた第3希望の枠に新規に希望品を申告する。 (2)参加回数に対する従量ポイント 1回活動する毎に定量ポイントを参加した各メンバーに加算 早退者へのポイントはどうするか? 管理の都合で、欠席を事前連絡してくれた人にも少量ながらポイント加算したい 早退者のポイント サルは基本少人数攻略なので、1人抜けると進行が困難になる場合が多くなると思われます。 その意味で、最後まで居てくれないと意味が無いという視点でポイントは加算しない。 一方で、事前にアサルトポイントを支払ったり、途中まで自前の薬品や食料を使用しているので、何らかの対価が支払われるべきだと考えると、少量でも加算する。 どちらがいいか? 欠席連絡者 サル部では、活動開始時間を最大で30分延長して、遅刻者を待つ事にしています。 しかし、待った挙句、人が集まらなくてメリポやナイズルと言った課外活動をせざるを得ない場合もあります。 この時、事前に欠席の連絡をもらっていれば、30分待つ事無く課外活動に移行できます。 この意味で、欠席者でも事前連絡してくれた人には少量でもポイントを付けたいけど、どうだろうか? (3)ポイントでの攻略エリア&コース選択 ポイントが一番多い人の希望のエリア&コースを攻略する。 ポイントが一番多い人の第一希望、35/25の順でエリア&コースを決定する。 同ポイントの人が複数いる場合はダイスで決定する。 ポイントトップの人と、2位以下の人の第一希望が同じで、その装備品のドロップがあった場合、ポイントトップの人が取得する。 名前 ポイント 希望品 第一 第二 第三 Aさん 100 モリ胴 スカ足 マル頭 Bさん 50 モリ胴 マル頭 アレス足 この状態で、モリ胴のドロップがあった場合、ロット出来るのはAさん 2人とも第一希望だが、Aさんの方がポイントが高いため。 複数の人が希望している装備品のドロップがあった場合、「希望順位」/「ポイント」の順で比較してロット出来る人を決める。 名前 ポイント 希望品 第一 第二 第三 Aさん 100 モリ胴 スカ足 マル頭 Bさん 50 モリ胴 マル頭 アレス足 Cさん 60 アレス胴 マル頭 薄足 この状態で、マル頭のドロップがあった場合、ロット出来るのはCさん Aさんはポイントは一番高いが第三希望にしている。 これに対して、BさんCさんは第二希望なので優先度は上になる。 BさんとCさんの比較では、Cさんがポイントが高いので優先度が高くなる。 (4)ポイントの支払い 装備品を得られた場合、一定額のポイントを減ずる。 35/25/15の支払い額の差別化 15の扱い、雑魚ドロップとNM(とくにカードNM) 第一/第二/第三の支払額の差別化 エリア決定時点での支払い
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合計 - 今日 - 昨日 - これからは、ここに書き込んでください。 -- イルカ (2006-11-18 16 46 36) 私は、コレカラここで住む。 -- ぴー (2006-11-18 17 15 56) 名前 コメント
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わらのパルベッド 拠点にいるパルは夜にベッドで寝てSAN値を回復する。 ベッドがないと寝心地が悪くSAN値が回復しない 必要アイテム 木材10 繊維5