約 2,102,430 件
https://w.atwiki.jp/wiki15_you/pages/13.html
は ハーゼ パラノイア ハル 氷雨 フィフス フランソワ ブリッツ ブリュンヒルデ プルウィウス ベアトリス ベオウルフ ベスティア
https://w.atwiki.jp/gods/pages/29657.html
アドラスティア アドラステイアの別名。
https://w.atwiki.jp/cryunidb/pages/271.html
デスティアーズ デスティアーズ 装備部位 手 レベル 40 完成までの所要時間 7日09 09 05 カードスロット数 2 グレード 普通 上等 高級 至高 伝説 必要素材 きれいな羽×24黄金×24悲嘆の切れ端×40悲哀の装飾片×26嘆きノ薔薇×13 武の紫晶石×24武の紫星石×12悲嘆の切れ端×10悲哀の装飾片×6嘆きノ薔薇×3 武の紫晶石×44武の紫星石×22悲嘆の切れ端×20悲哀の装飾片×13嘆きノ薔薇×6 武の紫晶石×70武の紫星石×35悲嘆の切れ端×30悲哀の装飾片×19嘆きノ薔薇×9 武の紫星石×65絆の虹輝石悲嘆の切れ端×40悲哀の装飾片×26嘆きノ薔薇×13 アビリティ 英雄移動速度 20.8%対灼炎龍攻撃力 83.3%騎兵タイプ訓練速度 6.7% 英雄移動速度 31.2%対灼炎龍攻撃力 125.0%騎兵タイプ訓練速度 10.0% 英雄移動速度 41.7%対灼炎龍攻撃力 166.7%騎兵タイプ訓練速度 13.3% 英雄移動速度 52.1%対灼炎龍攻撃力 208.3%騎兵タイプ訓練速度 16.7% 英雄移動速度 62.5%対灼炎龍攻撃力 250.0%騎兵タイプ訓練速度 20.0% 必要魔石数 13,009,400 3,252,350 6,504,700 9,757,050 13,009,400 ※完成までの所要時間は、鍛冶屋lv1(2.0%生産速度UP)の値です。
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/146.html
■ミスティア1 「今夜は僕のためだけに歌ってくれないかな、みすちー」 1スレ目 5 ─────────────────────────────────────────────────────────── 夜雀の歌が聞こえる。 「―――」 それは実に騒がしい歌だった。 聞いてて癒されることなど絶対にありえない、ハードなリズムと歌詞の歌。 だから俺は目を覚ました。 「……」 今は夜。夜というより真夜中。人間は寝る時間だ。 「安眠を妨害する奴はシメてもいいよな。死ぬほど」 呟いて俺は外に飛び出す。 そして歌の発生源を弾幕で追い払い、寝た。……あまり眠れなかった。 夜雀の歌が聞こえる。 「―――」 それは実に騒がしい歌だった。 聞いてて癒されることなどまずありえない、ハードなリズムと歌詞の歌。 だから俺は目を覚ました。 「またか……ッ!」 俺は外に飛び出していき、歌の発生源を弾幕で追い払い、寝た。しかし――― 「―――」 今日の夜雀はしつこかった。またこの近辺に舞い戻り、歌を歌い始めたのだ。 「……上等だよ」 俺は外に飛び出していき、歌の発生源を弾幕で追い払い、寝た。 だが、夜雀はまた舞い戻ってきて歌い始めた。俺は飛び出していき――― それの繰り返しは朝まで続いた。ほとんど眠れなかった。 その日から、俺の夜は変わった。 夜雀の歌を合図として目覚め、弾幕で追い払い、寝る。次に夜雀が歌い始めるまで。 朝が来るまでそれの繰り返し。 そんな生活が、一月以上続いた。 ……体の一つや二つは壊して当然だったが、しかしまったくもって体調は良かった。 「何でだろうな……」 体が壊れない事、夜雀がしつこい事、―――そして、自分が一思いにやってしまわない事。 疑問だらけだった。 夜雀の歌が聞こえる。 「―――」 それは実に騒がしい歌だった。 聞いてて癒されることなどありえない、ハードなリズムと歌詞の歌。 いい加減聞きなれた、綺麗な声の歌だ。 だから俺は目を覚ました。 「……外は雨だぞ? 土砂降りだぞ?」 雨音の間を縫って、夜雀の歌は聞こえてくる。 「……」 気づくと俺は外に飛び出していた。 「おいっ! 今日はやりあう気は無い! だから話を聞け!」 俺の姿を認め攻撃態勢へ入った夜雀に、俺は声を張り上げる。 「……」 夜雀は攻撃態勢を解かないものの、しかし攻撃を仕掛けてくる様子は無かった。 さて何を言おうかなと俺は考え―――すると自然に口が動いた。 「お前、名前はなんていう?」 「ミスティア。ミスティア・ローレライ」 「そうか。―――ミスティア。歌うなら俺の家の中で歌え」 それだけを言って俺は夜雀に背を向け、家のほうへと歩きだした。 夜雀―――ミスティアはその後を飛んで着いてきた。 (何で、だろうな……) 横になりながら、俺は考えた。 「―――」 ミスティアの騒々しい歌を枕元で聞きながら、思った。 (……いい歌じゃないか) そして俺は眠りについた。 翌朝、俺はひとつの質問をした。 「ミスティア。なぜお前は歌う?」 なぜあそこまでしつこく、雨にも負けず、弾幕にもめげずに歌えるのか。 「好きだから」 「……そんなに歌が好きか?」 「あなたが好きだから」 なるほどな、と思い、俺はようやく自分の気持ちを理解した。 「俺もどうやらお前のことが好きらしいぜ?」 ―――今日もミスティアの歌が聞こえる。 いつの間にか俺は、この歌が聞こえないと眠れなくなっていた。 おわり ……うむ。どうやら俺には甘いの書く才能が欠如してるようだぜ。 1スレ目 759 ─────────────────────────────────────────────────────────── 生きるために、生きる… そんな絶望にも等しい状況に、わけもわからず叩き落され、早一ヶ月。 今日も俺は、生きるために摂取せねばならぬモノを求め、森を彷徨っている。 昼でも日の光が通らない、うっそうとした森林。 気がつけばそのド真ん中にいた俺は、混乱する頭を抱えながら歩き続け、ほどなくして小さな無人家を見つけた。 中央に囲炉裏、裏手に水場と井戸、というその家は、まるでおとぎ話の日本家屋をそのまま持ってきたようだった。 そして、それから一日もしないうちに、俺は恐ろしい現実を思い知らされた。 ここは「別の世界」であるということ。帰る方法など見当もつかないこと。 そして、力のない人間は、“妖怪”に捕食されるという、俺の世界の常識を超えた食物連鎖が存在すること…。 俺が今仮宿にしているこの家の主も、おそらくは…と思うと、すぐにでもここから逃げ出したくなった。 だけど、それすらもできない。そもそも、この森がどこまで続くのかすら、俺にはわからなかった。 松明を手に夜通し…いや、何日でも歩いていいから、とにかく森を抜けようとしたこともある。 だが、なぜかこの森を夜歩いていると、明かりを持っているはずなのに視界が極端に狭くなる。 しかも、不可視の暗闇から何者かが俺を“攻撃”してくるのだ。…そう、捕らえて、喰う、ために。 何もかもを忘れて走り続け、仮宿にほうほうの体で逃げ帰ったその日から、 誰とも触れ合えず、誰かから命を狙われ続ける、地獄のような日々が始まり… …そして今に至る。 「……」 俺の脳裏には、常に“死”が張り付いていた。 肉体的にも精神的にも一部の隙なく緊縛されたに等しい俺は、もう呼吸することにすら意味を見出せなくなっていた。 それでも、カラダは正直だ。魂を収める器だけが、ただひたすらに生を渇望している。 この空腹感と喉の渇きも、きっとその発露なのだろう。 この一ヶ月、俺は食べられる山菜やキノコの類を食することで生き長らえてきた。幸い、井戸のおかげで水には困らない。 だが、正直なところ、人間のカラダはタンパク質でできているのだ。 食物というカタチでそれを補わなければ、徐々に肉体は疲弊し…ああもういいや、カンタンに言おう。 肉が食いてぇ。そういうことだ。 でも、今の俺には、それすらも幾千とある叶わぬ望みの一つに過ぎない。 硬貨を数枚出せば簡単に十分な量の食べ物が手に入るであろう俺の元いた世界が、今では桃源郷にも等しかった。 …だからこそ、家路に着こうとした俺を待っていたその光景は、何よりも信じがたいものだった。 それはあたかも、俺の幻想の中でしか存在し得なかった「元の世界」が、ほんの少しだけ現実になってはみ出したようだった。 目の前に、鳥肉が落ちている。 それも、ヒトひとりぶんくらいのバカでかいカタマリで。 俺の脳がこの現状を認識した瞬間、盛大に胃が鳴った。もちろん、空腹感で、だ。 となると、このカタマリを両手に抱きかかえ、仮宿に向かって猛ダッシュするのはもはや必然であるといえる。 「…! ……!!」 何か声みたいな歌みたいなのが聞こえなくもないが、今の俺にはもう鳥肉しか聞こえない。無視無視。 ああ、なんかまた視界が徐々に暗くなってきたぞ。でも関係ない。走れ走れ俺、一ヶ月ぶりの動物性タンパク摂取に向けて。 だが、仮宿に帰ってみて、幻想はやはり幻想であったと思い知らされた。 「うう…食べないでよぉ…」 持ち帰った“鳥肉”の正体は、身体のあちこちにケガを負った、妖怪だった。 どこからどう見ても鳥肉以外のモノであるこの妖怪を、なぜ鳥肉と見間違えたのか… 俺の精神状態はそこまで追い詰められていたのかと思うと、軽く苦笑せざるをえなかった。 「あ、やっぱり食べようとしてる!う~ん、ケガが憎いわ…今こそ人狩りチャンスタイムなのに~…」 眼前に寝転がされながら、自然体で物騒なことを言う妖怪。 どうやら俺の苦笑を、食べないでよーを否定したものと捉えたらしい。 さて、どうしてくれようかと思って、床に横たわっている妖怪の姿を良く見てはみたが… 正直、かわいい。 鋭い爪と羽と耳からは、紛れもなくこの元鳥肉がおそらくは鳥の妖怪であることがわかるものの、 その点さえ除けば人間の女の子と何ら変わらない。いや、むしろ羽とか耳とかもかわいさを引き立ててる気がする。 …だけど、それでもこの子は妖怪。自分は捕食される立場なのだ。 今はケガで動けないみたいだけど、動けるようになったらすぐにでも俺を襲うことだろう。 ならば、当然、今のうちにどこか遠いところへ運ぶか……逆に、本当に俺が食べてしまうか。 そのどちらかが、今から俺が取るべき“常識”的な行動だろう。 だが、今いる世界は、俺から見ると全てが“非常識”なのだ。 それゆえに、なのだろうか。こんな非常識な思いを浮かべたのは。 (…この子になら、食われてもいいか…) それは、脳裏に張り付いていた死への願望と、この世界の非常識が生み出した結論だった。 どうせこうしていても、待っているのは緩やかな死か、精神の崩壊か、想像することすら恐ろしい末路だけなのだから。 この家には、おそらく前の持ち主が残したであろう救急箱のようなものがある。 それを家の奥から持って来て彼女の横に置き、フタを開けて消毒薬と脱脂綿のような布片と包帯を取り出す。 「ちょ、ちょっと、何してるのよ!?」 驚く彼女にかまわず、俺は傷の応急処置を始めた。…まあ、さすがに服をめくるのははばかられるので、見える傷だけだが… 「何って、これが傷を治してあげてる以外の何に見える?食材の下ごしらえにでも見えるかい?」 「…いや、そりゃ、見えないけど~…でも、あんた…」 彼女が次に何を言うかはだいたい予測がついたので、俺は手を動かしながら言葉を上乗せした。 「信じてくれるとは思えないけど、俺、たぶんこの世界の人間じゃないんだよね。 でも、なんでここに来たかはわからないし、帰る方法もわからない。神隠しにでもあったのかもね。 で、ここんとこずっと誰にも会わず、誰かに襲われかけたり色々ギリギリなわけ。キミが始めてだし。ここに来て誰かと話したの。 だから、もういいんだ。正直、キミみたいにかわいい妖怪になら、食われてもいい」 「……え?え~?何?よくわかんないけど、つまり外来種ってこと?」 「そう、輸入モノ。国産よりもお手ごろ価格。まあ、どこでどうやって税関通ったかはわかんないけど。…よし、終わり」 口を動かしながら、俺は見える範囲で応急処置を済ませた。 …なんだか、傷口が何か弾みたいなので撃たれたような感じがしたが、きっと気のせいだろう。この世界にそんな文明の利器があるとは思えない。 「じゃ、俺は逃げも隠れもしないし、抵抗もしないから。傷が治ったら、ご自由にどうぞ、ってね。 あ、でも、せめてあんまり苦しまないようにヤっちゃってくれると嬉しいかも」 投げ捨てるように言いながら、俺は寝床代わりにしているワラの中に飛び込んだ。 正直、ここまで彼女を走って運んで来て、いい具合に身体に麻酔がかかっている。…疲労感という名の、心地よい麻酔が。 「キズが治るまではそのへんにいてていいから。じゃ、おやすみ…」 目を閉じると、即座に意識が急降下していくのがわかった。 「あ、ちょっと待って!私はね… … 」 彼女の言葉が途切れる。眠りに入った証拠だ。…ひょっとしたら、次に目覚めるときは天国か地獄かもしれない、眠りに。 「~♪ ~♪♪」 どれくらい眠っていたのだろう。 最初に耳に入ってきたのは、歌声だった。 それに混じって、トントンと何かをリズム良く叩く音が聞こえる。…家の奥の、台所からだ。 「……ちんちんぱっぱー、ちーぱっぱー♪ すーずーめーの学校はー、もーりのーなかー♪ そーっとのぞいてみてごらん~♪ みんなで人狩りしているよ~♪」 歌声とともに、意識が引き戻される。目を開けると、まだ外は真っ暗だった。というか家中真っ暗だ。 (…早いな…もう動けるようになったのか?…ということは、今やってるのって、ああ、やっぱり、アレかな…) おそらく、今度こそ“食材”の下ごしらえだろう。音はまな板を叩く音に違いない。…まあ、今度は立場が逆転しているが… 「すーずーめーの学校のー先生は~♪ ムーチをふりふりちーぱっぱー♪ …あれ?」 台所のほうに目をやると、満面の笑顔をたたえた彼女の姿が、月明かりに照らされて浮かび上がった。 その笑顔のかわいさに、心の臓がどきりと音を立てたような気がした。 「なんだ、起きてたの?…あ、もうちょっと待ってて。もうじきできるから」 「ああもう、さっき言っただろ?俺のこと食うなら、あんまり痛くしないようにって…」 自分で言った台詞ながら、自分で驚いてしまった。今から命を奪われるというのに、あまりに冷静だったからだ。 だが、それに対する彼女の返事は、それよりもさらに俺を驚かせるものだった。 「ああもう、私もさっき言ったでしょ!あんたのこと食べる気なんかないって!」 「……は?」 「もうほとんど忘れちゃったけど、つまりあんたは迷子で死にたがりな外来種なんでしょ? 死にたがってる人間をさらっても私が楽しくな~い」 「………じゃ、死にたがるのやめます。やめますから食べちゃってください」 「言ってること矛盾してない?…とにかく、あんたを食べる気はさらさらないわ~。 あーきにメイドがさらさらいくよ~♪ きーしかいせいのナイフを放ち~♪」 彼女は機嫌よく歌いながら、また台所にひっこんでしまった。 俺はしばらく呆然としていたが、今彼女に言われたことを噛み砕いていくにつれて、 半分安心したような、半分がっかりしたような、複雑な気分になっていった。 しばらくすると、台所から何かを焼く音と、香ばしい匂いがただよってきた。 正直、もし肉系を焼いてる感じがしたら、高確率で“共食い”になるんじゃないかと不安でしょうがなかったが 匂いからしてどうやら焼いてるのは魚介類系らしかった。よかった。 …それにしても。 「おーきなちかーらでー、そーらに浮かんーだらー♪ るーなさー、うつーの風にのーるー♪」 さっきからずっと歌ってばかりだ。それこそ、歌い続けてないと死んじゃうんじゃないかってほどに。 そう思った矢先に歌が止み、台所から彼女がお皿を持って現れた。 よく見えないが、串に何かが刺さったようなモノがたんまり乗っている。それに、この匂いは… 「…もしかして、蒲焼き?これ」 「違う違う。カバなんて食べないわよ~。これは串焼きよ、八目鰻の。 本当は串揚げにしたかったけど、油があんまりなかったからこれで我慢我慢」 「や、やつめうなぎ…?」 さすが妖怪。俺が思いつきもしないモノを平然と調理してのける。そこにしびれ…はしないしあこがれもしないが、 とにかく驚いた。そもそも、ドコからこんなのを調達して来たのだろう。こんな短時間に。 「そうよ~。最近八目鰻ってなかなか捕れなくてねぇ。貴重なんだから。このご時世、なかなか口にできるもんじゃないのよ?」 いや、どちらかというと口にしたくないタイプだが。 …でも、どうやら俺のために作ってくれたみたいだし、食べないわけにはいかない。 思い切って一口かじりつく。 …… 何かこう色々と、お食事中の茶の間には見せられない光景を展開してしまうかも…と、食べた瞬間はそう思っていた。 だけど。 「……うわ、ごめん、おいしい。すっげーおいしいこれ。……っていうか美味い!ホントに!すげー!!」 思わず叫んでしまった。この世界に来て、はじめて出した大声だった。 「え……あの、本当に?」 「うん、うん、おいしいってこれ、本当に…なんつっても、この、味付けが…あー、なんか目の前まで明るくなってきた感じ」 「あ、それは私が…いや、ううん、なんでもない。 じゃあ、いい感じに盛り上がってきたところで、歌のサービスいくよ~! ちなみにこのサービスは拒否できません。あと、歌の邪魔もしないように」 一ヶ月ぶりの動物性タンパクの摂取に身も心も打ち震えてた俺を、今度は歌のサービスが包み込んできた。 「くーれないーにそーまったー、こーの門番を~♪ 名前で呼~ぶやーつーはー、もーいーなーい~♪」 そのサービスは、夜明けまで続いた。 串焼きを頬張りながら聞く、楽器も何もない歌だけのソロステージ。 「帽子を脱ぎ捨て~、ふーくを脱ぎ捨て~♪ 全てを脱ぎ捨てーたらー、てんこー♪」 歌詞の意味はさっぱりわからないし、歌も正直、うまいとは言えないものかもしれない。 でも、底なしに元気な彼女の歌声は、俺を長い間蝕んでいたココロの暗闇を奪い去ってくれるようだった。そりゃもう容赦なく。 「にゅーくれらっぷー♪ そしてこーんがーりーとー♪ やーきあがるのーよー♪ 愚かな人間と妖怪~♪」 あと、彼女の歌を聞いていると、やっぱり不自然に視界が狭くなる。 つまりそれは、目の前の彼女が、俺を今まで死の恐怖に陥れていた元凶であることに他ならない。 …だけど、それすらももうどうでも良かった。 かつて感じていた絶望を全部清算しても余裕でお釣りが来るくらいの元気と希望を、今彼女に貰っているのだから。 「わーはくたくーがやってくる~、満月背負ってやってくる~♪ あーいつはーグールメじゃなーい、なーんでーもけい・ぶ・ど~♪」 そして、そのお釣りは俺の中で、思いもよらない方向に昇華していった。 それがなんなのかは言うまでもない。そりゃ、こういう状況になったら、こう思わない男のほうがどうかしてる。 「がんばれみすちー♪ がんばれみすちー♪ わたしは人攫いー♪ 喰らわせろ♪ 喰らわせろ♪ わたしも知らないなぞーの小袋、80ぷーくーろー♪」 「…ふー、ちょっと休憩」 相変わらずよく見えないが、外からやけに雀の鳴き声が聞こえることから、夜が明けたことはわかる。 空っぽのお皿の前で、ぺたんと座って一息ついている彼女に、俺は力の限り拍手を贈った。 「……へ?あの、その、え…?」 俺を見つめてきょとんとする彼女に、今度は言葉で感謝の意を告げる。 「歌、ありがとう。なんか、すっごい元気になったよ。今まで死のうとしてたのがバカみたいだ。 串焼きも美味しかったよ。美味しいものを食べられることがこんなに幸せなんて思わなかった」 「…う。う~…そ、そう?…その、あ、こちらこそありが…って、そ、そういうわけじゃないの! だって、歌は元気の素なのよ?あんたが発してる“歌”って、今にも消えちゃいそうだったし~。 そんなのもってのほかよ!歌は楽しむ物!同じアレなら歌わにゃソンソンってもんよ!」 「いや、俺はアレじゃないつもりだけど。…でもまあ、確かにその通りだと思う。今は。 で、今はこうして活き活きとした、迷子で外来種の人間がいるわけだけど、どうする?やっぱ、攫う?」 「へ?迷子はあなたのことだろうけど、誰が外来種だって?」 「……ひょっとして、キミ、やっぱり鳥頭?」 「ぐ。し、失礼ね!大切なことはちゃんと覚えてるの!それに虫頭とか氷頭よりマシでしょ!?」 「(氷頭?)…そういうのを五十歩百歩と人間は言うのです。じゃあ、自分の名前とか覚えてる?そもそも、名前、あるの?」 「名前くらいあるわよ、そこらの人間じゃあるまいし。私は夜雀よ?夜の雀。闇夜にひそむ恐怖たぁ、私のこと。 名前はミスティア。ミスティア・ローレライ。長いからみすちーでいいわ~」 「ミスティア…?」 正直、ちょっと意外だった。もし名前があるにしても、なんかちゅん子とか雀美とか、ベタなもんかと思ってたからだ。 それが、まさかこんな綺麗な名前が出てくるなんて。しかも「みすちー」って愛称もいい。なんか、語感がかわいい。 「そ。そういえば、あんたこそ名前あるの?」 彼女にそう聞かれて、俺は自分の名前を口にする。たったこれだけでも、生きてることを実感できた。 あいにく、彼女の反応はいまいちだったが…もっと奇抜な名前のほうが良かったかなと少しだけ思った。 彼女はしばらく休憩してから、朝になったから帰って寝る、と言って去ろうとした。 それを俺は呼び止め、また来てくれないかとおそるおそる尋ねた。 正直なところ、まだ捕食されるかもしれないという不安は完全には消えていなかったが、 それよりも遥かに、彼女から貰ったモノの大きさが勝っていた。ちっぽけな不安など打ち消すほどに。 彼女は立ち止まり、しばらく考えてから…ゆっくりと首を縦に振ってくれた。 家をあとにする彼女の姿をそっと窓の隙間から見送ったが、 小さくなっていく彼女の後姿は、俺の前で見せていた元気さが嘘のように痛々しかった。 「…やっぱり、ムリしてたのか…」 俺にケガを治してもらったお礼に、あの歌つき料理を振舞ってくれた… 結局本人はそうは言わなかったが、彼女がそういうつもりだったことを改めて実感し、嬉しくなった。 それから。 みすちーは毎夜欠かさず、俺のところに歌を歌いに来るようになった。 彼女のコンサートの合間に、色々とこの異世界のことも尋ねることができた。 ここは幻想郷と呼ばれる場所であること、現実世界との境界になっている神社が存在すること、 この森は中央を分断するように獣道があり、その道は昼間ならたまに人間が往来するものの 夜は妖怪の襲撃を恐れてかほとんど人は通らない、ということ。 その“妖怪”とは、おそらくみすちー本人のことだろう。まあ、本人は口にしないが。 そしてこの話を総合すると、獣道で誰かこの世界の人間に出会えれば、その“神社”の場所を 聞くことができるかもしれない、イコール現実世界に戻れるかもしれない、ということもわかった。 かつての俺なら、すぐにここを離れて獣道に潜伏することだろう。 でも、今の俺はそんなことをする気にはなれなかった。 なぜなら、それはみすちーとの別れを意味することになるから。 「こほん。いいかねキミ?キミのような鳥頭では明日になったら忘れてるだろうけど 仕方がないからこの聡明にしてかつ賢哲たる人間様がキチンと説明してあげよう」 「もう、だから本当だってば~。なんで信じてくれないのよー」 「信じてくれるも何も、根底からおかしいの。いいかい?幽霊ってのは、すでに死んだ者が 現世に何かしらの未練を残して魂だけがさまよってる状態のことを言うんだよ? だから肉体もないし、だいたいは未練が悪い方向に突っ走ってしまって凄く生きてる奴に恨みを持ったりするわけ。 それが何?ぼけーっとして何考えてるかわからない幽霊にいつも食べられそうになる? そーんな生に対してポジティブな幽霊がいるわけないでしょ。そもそも、霊はモノを食べません。ってか食べれません」 「……あ、そうそう、こういう時は歌よね歌。歌に乗せたらきっとわからずやのあんたにも伝わるわ! さわーやーかーな生霊~♪ 照りーつーけーる蝶々~♪」 「あーもう、そこでまたそんな歌にするから余計胡散臭くなるんだよ。第一生霊は幽霊とはまた別だぞ」 「細かいことは気にしないの!あんたは人間なのに細かいことばっか考えすぎ! 私の知ってる人間はもう、自分以外はどーでもいいやーって奴ばっかりなのに。それに幽霊の話は本当に本当! だって、いかにも幽霊的な白い物体だっていっぱいぷかぷかしてるのよ?おまけに隣にはいつもおっきな包丁持った 物騒な人間っぽい生き物が『斬り潰すみょん!絶対斬り潰すみょん!』って言いながら…」 「あー、そのなんだごめんみすちー、ボクにはもうどこから突っ込んだらいいかわからないよ」 「庭師がーすずめー斬るー♪ みょんみょんみょ~ん♪ かぁーっ!」 「あ、いてっ!」 「って感じでいつも斬られそうになるの!おかげで最近商売も人攫いもあがったりよ~」 「…商売はとにかく、人間の身からすると人攫いはほどほどにして欲しいんだけどなぁ。っていうか商売って何?」 「ひみつ」 いつも、こんな他愛のないやりとりを挟みながら、俺は彼女の歌を聴くのである。 文字通り鳥頭で、忘れっぽい彼女のことだから、この話も翌日にはすでに大部分を忘れてるのだろう。 でも、俺のことは忘れないでいてくれている。だからこうやって毎日来てくれている。 “大切なことはちゃんと覚えてるの!”と、はじめて会った日に言っていたという事実を加味すると、 思わずにやけてしまいそうな結論が紡がれてくるのである。 おまけに、たまに料理もしてくれる。普段の歌しか頭にない彼女からは想像もつかないほど、 彼女の料理は美味しい。食べるたびに、彼女の底なしの明るさを分けてもらってるようだった。 死の瀬戸際をあてもなくふらつくような生活が、彼女のおかげで逆転した。 俺をこの世界にひっぱりこんだ何者かがもしいるならば、そいつに礼を言ってもいいくらいだ。今なら。 そんな生活が、さらに一ヶ月ほど続いた。 同じ環境のままこれだけの時が経つと、その環境が日常化し、当たり前のようになってくるものだ。 だから、俺にとって今、そばにみすちーがいるのはもう当たり前のことになってしまっていた。 そして、それが「当たり前」であればあるほど、喪失した時の喪失感や悲しみは大きいもの。 …それを思い知らされたのは、それから程なくのことだった。 突然、みすちーがばったりと来なくなってしまった。 1日、2日ならまだいい。7日、8日と経ってくると、文字通り頭がどうにかなりそうになってきた。 また、戻ってしまうのだろうか?…彼女に会う前の、あの一条たりとも光の射さない生活に。 いや…それよりも。 彼女の姿を見れない、声を聞けないことのほうが、何百倍も苦しい。胸が焼き焦がされるように痛い。 泣き言すらも吐けないまま、ただただ俺は呆然と時間の流れを傍観することしかできなかった。 それでも俺は、虚ろな心の奥で、たった一つだけ思うことがあった。 ああ、俺は本当に彼女のことが好きだったんだな、と。 抜け殻のような身体を横たえながら、彼女がいなくなって10日目の夜になった。 今日は霧が深い。俺をあざ笑うかのように、窓から室内にどんどん入り込んでくる。 …でも、なぜか、この霧を見ていると妙な気分になる。 まるで、どこかにどうしても行かないといけないような、そんな気分に。 「……そうだ…あそこ、あそこに行けば、ひょっとしたら…」 みすちーに始めて出会った場所を思い出した俺は、跳ね起きるように身体を起こし、家から飛び出した。 正直なところ、正確にその場所を覚えている自信はなかった。 だが、遠くに赤い光が見えてからは、光源に向けて一直線だった。まるで、足が吸い寄せられるように。 そして赤い光を間近に捉えた俺は、また何かおかしな幻想にとりつかれたのではないかと思った。 「…屋台?」 それは、どこからどう見ても屋台。俺の元いた世界の人間が屋台と聞いて想像する物体そのものだった。 赤提灯に照らされた屋台には、店主と思われる人影と、客と思われる人影が一人ずつ。 その店主の姿を見た俺は、足元から何かが沸きあがってくるような、激しい高揚感に襲われた。 (みすちー…!) 店主はまぎれもなくみすちーだった。 そうなると、一刻も早く駆け寄って彼女の姿を確認することこそが、今の俺がしなければならないこと。 …の、はずだった。…だが。 もう一人の客の後ろ姿。それが目に入った途端、俺の足が止まった。 明らかに人間の姿ではない。人間が、あのように禍々しく捻じ曲がったツノを生やしているわけがない。 背丈は子供並みだったが、それでもなお、俺のようなただの人間は迂闊に近寄ってはならないような、そんな雰囲気があった。 動かない足をなんとか動かそうとしていると、二人の話し声が聞こえてきた。 「もー、わかったわよー!あんた、夜雀に歌うなって言うのは死刑宣告にも等しいのよ?」 「まーたそんなこと言って~。そもそも、八目鰻をここにアツめてあげてるのは誰だったっけ~? これくらい当然の権利ってやつよね」 聞き慣れたみすちーの声と、背丈相応の女の子そのものの声が交錯する。 どうせ動かない足だと半分開き直って、俺はそのまま息を潜め、二人の会話を聞くことにした。 「権利って、歌を歌うくらいいいじゃないのよー…」 「だってうるさいんだもん、あんたの歌。まるで騒音。まあでも、最近はなんかおかしいみたいだよねぇ?」 「騒音って、失礼ね!私は単に私の元気を歌にしてるだけよ!おかしくなんてないわ!」 「嘘。…面白いね。人間も妖怪も、なんで図星突かれるとこうもイライラするのかなぁ?」 「嘘じゃないってばー!イライラしてるのはあんたのせい!」 「じゃあ、なんであんたの歌、最近苦しそうなのさ?」 「………!」 「私にはわかるよ。ただ自分のために歌を歌うことと、人間を攫うことだけが楽しみだったあんただけど、 最近、それ以上の楽しみができている自分に気がついている。そして、あんたは妖怪という立場上 その新しい感情を素直に受け入れられない。だから苦しい。…そうよねぇ?」 「…う、そ、そんなわけわからないこと言って、今までのツケをうか、浮かせようたって、私はね…!」 「いい?この世界ってのは、大多数の常識人と、一握りのイレギュラーで動いているの。人間も妖怪もね。 決められた真理をなぞるのが、常識人。彼らが世界を動かし、支え、未来へと世界をつむいでいく。 でも、それだけだとどこかで行き止まりになってしまう。空気が澱み、流れなくなってしまう。 だからイレギュラーが必要なのよねぇ。真理の行き止まりを、さくっと破れるイレギュラー。 あの人間なんかは、まさにイレギュラーね。今のあんたにはすごくお似合いだと思うけどなぁ」 「……。よ…よくわかんなかった…けど、なんであいつの話が出てくるのよー…あいつは…」 「あーなんか説教臭くなっちゃった。要は、あんたみたいに思う妖怪がいてもいいんじゃない?ってこと。 他にもいるわよ?妖怪のくせに、人間とばっかり友達になりたがってる奴とか~」 「そ…そうなんだ…ふ~ん…じゃ、じゃないの!わた、私はそんなこと…」 「あ、それとね。私がアツめられるのは鰻だけじゃないのよ~。客もアツめることができるの。 次に来る客は、あんたにとって忘れられないものになると思うよぉ?あんたさえ素直になればね~。 じゃ、そゆことで~」 その瞬間、確かに俺は見た。 ツノの女の子の身体が、瞬く間に霧の中に溶け、消えるのを。 口から漏れそうになる悲鳴を、必死で俺は呑み込んだ。 こう言ってはなんだが、みすちーの存在を遥かに超える非常識を見せられた気がした。 そして、非常識の奔流に飲まれながらも、痺れた頭で俺は確固たる決意をする。 どういうつもりかわからないけど、あの女の子はきっかけを作ってくれたに違いない。 なら、このチャンスを決して無駄にはしない…と。 そう思った時、家を出たあたりからずっとまとわりつくようだった霧が、いつの間にか晴れていたのに気がついた。 「……」 一人残されたみすちーは、ただ無言でうつむいていた。彼女が声を出さず沈黙していることなど、今まで見たことがない。 それほどまでに悩んでいるのかと思いながら、俺は何事もなかったかのように歩を進める。 自分から声をかけようと思っていたが、先に気がついたのはみすちーだった。 「あ、いらっしゃー…あ」 「ども、ひさしぶり」 「う、うん…ひさしぶりー。どうしたの~?あ、また肉食いてぇーとか思ってるんでしょ? 残念でした、ここは焼き鳥屋じゃなくて焼き八目鰻屋なんだからね!」 そう言って、勝ち誇ったようににこにこ笑う彼女の姿は、いつも俺が見て来た明るく元気なそれと変わりはないように見えた。 だけど、それが“素直じゃない”ことを、今の俺は知っている。 ここで俺まで素直にならないままだったら、ずっと同じことの繰り返しだ。 だから、先に俺から繰り出すことにした。たとえ伝わらなくてもいいという覚悟の上で。 俺は自分を鼓舞するように、どかっと音を立てて座った。さっきまでツノの女の子のいた所に。 「あのさ、今更だけど俺、すごくみすちーには感謝してるんだ」 「え?感謝…?」 「たぶん覚えてないと思うけど、俺は外来種で、はじめてみすちーに会った時は食われたがってたじゃない、俺。 誰かに襲われたりしてギリギリだからもうどうにでもしてーって感じで」 「うーん、そうだったような気もする」 「それくらい絶望してた。なんで俺がこんな目に、いっそ死んでしまいたい、そうずっと思ってたんだ。 でも、みすちーと会えて変わった。むしろ、ここに来たのはみすちーに会うためなんじゃないかと思うようになった」 話しているうちに、どんどん顔が紅潮していくのが自分でもわかった。 10日間ぶんの日常会話と、1ヶ月前から秘めてた言葉。それらはココロのダムにいっぱい、いっぱい溜まっていた。 堰を切ってしまうと、もう自分でも止められない。 「いつも来てくれて、歌ってくれて、ごはんとか作ってくれて。毎日が凄く嬉しかったよ。 だから、これはそのぶんのお礼。今まで、本当にありがとう。 …で、あの、その、…できれば、これからもさ…」 いよいよ本題に入ろうとしたとき、か細い言葉が俺の堤防を塞いだ。 「ちょ、ちょっと、ちょっと待ってよー… …」 だが、そのまま彼女は目線を逸らして押し黙ってしまう。まるで嘘をついてる子供が親に叱られているかのようだった。 彼女の言葉が待ちきれず、俺が口を開こうとしたその時だった。 「…あれ、私のせいだったんだよねぇ、実はさ」 早口で、つぶやくように彼女は言った。そのまま、彼女は言葉をつむぎ始める。 「だって、久しぶりのヒトネギだったんだもん。夜雀たる私としてはそりゃー襲わなきゃって感じよ~。 このへんの森ってなかなか人間通らなくて、通るのはいっつも普通の人間以外か普通じゃない人間ばっかりだったし。 だから、まあ、あんたのこと襲ったわけ~。でもさ、それでもあんたは、その… …その、知らなかったみたいじゃない?だから…」 ここまでいつものようにノー天気に言ってきた彼女だが、ここでまた言葉を詰まらせた。みるみるうちに表情が暗くなる。 「…だから…ごめんなさい、って言いたかったんだけどね… でも…いざ言おうと思ったら、なんでかわからないけど、胸がぎゅーって痛くなってくるから… どうしても言い出せなかったの。なんでだろうねー…。あんたは人間で、私は妖怪なのに」 だんだんと言葉からも、普段のみすちーらしさが消えていく。別人の独白を聞いてるようにすら思えた。 「で、それも我慢してると、今度はあんたに会うだけで、胸がちくちくするようになってさ… もう、ぎゅーとちくちくがすごいことになっちゃったから、しばらくあんたから離れて治そうかなって… …かなって、ぐすっ、思ってたんだけどね…」 「みすちー?」 彼女の声が泣いているように聞こえて、つい聞き返してしまう。そっと顔を見てみると、瞳には涙が溜まっていた。 「でも、おかしいのよー…あんたに会わなかったら会わなかったで、どんどん痛くなるの。 いつもみたいに、あんたに会う前みたいに歌いながらヒトを呼ぶつもりでも、ぐすっ、 どんどん苦しくなって、歌うこともできなくなっちゃって、ひっく、ぐすっ、もう、どうしていいか… とにかく、もう痛いの嫌だから、ちゃんと言うから…ごめんなさい。ごめんね…」 絞り出すように彼女はそう言って、涙を拭いながら泣きはじめた。 だけど。俺はもちろん知ってる。彼女のごめんなさいの理由を。 そして、それを承知の上で自分はみすちーが好きだってことも知ってる。だから。 「知ってたよ?最初から」 「…ふぇ?」 できるだけやさしく、だけど力強く俺は言った。 「ごめん、それだったら最初から言えばよかったね。俺ははじめてみすちーと会ったときから知ってた。 ていうか歌聴いてたらすぐわかったよ。でも、そんなこともうどうでもいい。 俺はみすちーと会えた事が今は素直に嬉しいし、そんな想い出も全部何もかもひっくるめて、 その、みすちーのことが、好き」 「え…好き…?」 ぐいっと涙を腕の一薙ぎで拭い去り、ぴこんと羽を動かしながら彼女は顔を上げた。 俺としても勢いで言ってしまった感じはするが、今更後には引けない。一気にまくしたてる。 「うん。あ、いや、その、まあ…好きっていうのは、つまり、いっしょにいると嬉しいとか楽しいとか安心するとか、 そういうことなわけ。だから俺も、みすちーと会えない間はずっとちくちくが止まらなかった。だから…」 「あ、やっぱり、そうなんだ…」 俺の告白にも等しい想いの迸りに、彼女はあっさりさっぱりと口を挟んできた。 「そう、そこなのよー。私もね、あんたと…ううん、あなたといっしょにいると嬉しい楽しいだった。 今まで私は自然の声とか、自分の中の声とかを勝手に歌って一人で盛り上がっちゃってただけで、 さっきもそうなんだけど、色々邪魔されてばっかりだったのよ~。 ちょっと前なんかせっかくお空でソーレイがソーラーレイしてたのに、合わせて歌ってたら撃ち落とされちゃったし。 あ、思い出した。そこをあなたに助けられたのよね~」 いつものようにそう言った彼女の顔には、もういつもの笑顔が戻っていた。そう、みすちーはやっぱりこうでないと。 にこにこ笑いながらよくわからないことを楽しそうに言ってるくらいでちょうどいい。 「でも、あなたは歌も料理もほめてくれたじゃない?それが、その、最初は変なネギだなーって思ってたけど、 だんだんそれが嬉しくなってきて、あなたのために歌うのが一番楽しみになってきてた。 だからずっとあなたのとこに行ってたんだけど、謝らなきゃいけないなーと思ったらああなっちゃって~。 というわけなので、 …」 そこで、彼女はいったん言葉を置いた。笑顔がまた神妙な面持ちになる。 「だから、私もあなたのことが好き、なんだと思う。 …よかったー。私だけこんなんだったらどうしようかって思ってたのー。…あ、あれ?また涙が…おかしいなぁ?」 そう言って彼女は、今度は涙を見せながら笑った。 「よかったのはこっちだよ。ありがとう。なんか、こっちも凄く嬉しい。 で、さっき言いかけたことなんだけど、いい?」 「…うん」 涙を拭いながらうなずいた彼女の微笑んだ顔は、今まで見たみすちーの中で一番綺麗だった。 「よかったら、これからもずっと、俺のために歌を聴かせて欲しい。みすちーの歌が聴きたい」 「……。それ、こっちの台詞よ~。私のほうこそ、あなたのために歌を歌わせて欲しいんだから。 えっと、これからも、ずっと」 みすちーは俺の返事を待たず、歌を歌いはじめた。 「…♪ ……♪♪」 今までの彼女の歌は、俺に聴かせるのが楽しみであるとはいえ、肝心の内容はみすちー本人にしかわからない、 悪く言えば独善的なものだった。だが、この歌は違った。 さっきまでの胸の痛みと、思いが通じた今の嬉しさを俺に伝えるための、ラブソングだった。 おそらくみすちーは、今夜生まれてはじめて自分以外のためだけを思って歌っているのだろう。 「……~♪」 歌い終わった後の彼女は、いつもの笑顔の奥に大きな喜びを湛えているように思った。 俺は手のひらが破れんばかりに拍手してから、席を立って自分の知ってる歌を歌いはじめた。もちろん、内容はラブソングだ。 俺の歌をみすちーは、目を閉じて真剣に聴いていた。きっと、これも彼女にとってはじめてのことだと思う。 そう、歌は確かに元気の素。でもそれは決して、今までのみすちーが歌っていた歌のような一方通行ではない。 誰かのために心を込めて歌えること、それこそが“歌”の持つ一番の元気パワーだと俺は思う。 「……ふぅ」 歌い終わった俺に、みすちーはぱちぱちと拍手してくれた。 そして、ひらりと調理台を飛び越えて―― まだ拍手の余韻に浸りながら立っている俺に、ぎゅっと抱きついてきた。 自分の心臓が跳ね上がる音を一瞬聞いたような気がしたが、すぐに愛しさが湧き上がってきた。 それに俺は身を任せ、彼女の身体を羽ごとぎゅっと抱きしめ返した。 「…へぇ、人間って、あったかい」 照れているのか、風が鳴くような小さな声で彼女は言った。 甘いよみすちー。これからもっとあったかくしてあげるから。 …って言おうとしたのだが、 さすがにこの台詞は俺の恥ずかしさメーターの針を飛ばしてしまいかねないので言えなかった。 ただ無言で抱擁することでもきっと伝わる。そう思って俺はこのままみすちーを抱きしめていた。 …… どれくらいこうしていただろう。 「さ、そろそろ帰るわよー!もちろんあなたの家に~」 唐突に俺の抱擁を振りほどいてみすちーは叫ぶように言った。照れ隠しだろうか。 「ほらほら早く早く。今日はあなたと私のユニゾン記念日よ~。だから朝まで歌い明かすんだからねー♪」 宙に浮かび羽をぱたぱたさせながら、みすちーは屋台を放置して俺の腕をひっぱる。 「わかったわかった、わかったからそんな引っ張らない。俺は人間なんだから。飛べないの。キミみたいに」 「あーあ~、やっぱり地を這うだけの人間じゃ駄目駄目よね~。あなたも飛べるようにならなきゃ」 「ありゃ、まーた始まった。いいかいみすちー、人間はね、空を飛べないように出来てるのです」 「でも、ここでは空を飛ぶ人間もいるわよ~? 黒い人間、なぜ黒い~♪ おっなかかなぁ♪ おっなかだねぇ♪」 いつものようなやりとりができる幸せを噛みしめながら、俺はみすちーに引っ張られつつ家に帰るのだった。 これまたいつものように、狭まる視界を感じながら… もう、歌しか聴こえない。 1スレ目 766 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今日も一人で夜の道を歩いてる。 そう、私は1人(?)の鳥妖怪(夜雀)・ミスティアを探している。 彼女は気まぐれで歌える場所を探していつも幻想郷中を飛び回ってる。 博麗神社での宴会でたまたま彼女を見たときに、心がときめいた。 そして数日が経って私はいてもたってもいられなくなって、彼女を探すことにした。 しかし私が今知ってることは「彼女はたまに宴会に来て歌うだけ」と「主に夜にどっかで歌ってる」だけだった・・・・・・。 もっと彼女のことを知りたくて霊夢や魔理沙、紅魔館の人々に聞いても居場所につながる情報はもらえなかった。 そこで自分で直接彼女を探してみようと思い、このように夜に歩き探してるのだ。 探し始めてさらに3日が経ち、私は改めて幻想郷の広さを思い知った。 でもその探してる間にも、会った妖怪にいろいろ彼女のことを聞いた。 だけど彼女のことに詳しく知ってる妖怪に出会えることもなく一人さまよい続けてる。 その日の夜のこと、私は彼女に出会った。しかし自分の想像してたこととは違う形で。 ――『何よ!。何時そんなこと言ったのよ』 ――『また忘れたのですね。ではもう1度あなたの体に教え込むとします』 そういう風な台詞が聞こえるや否やいきなり少し先で弾幕戦が始まった。 少し近づくと片方はすぐに分かった。そうあの探していたミスティアだ。 (もう一人は・・・・・・誰だろう・・・?。今まで見たこと無い人だな) -雀弾幕中- しばらくするとミスティアが負けたらしく、そのまま落ちていく。 私はあわてて走った。そうするといきなりもう一人の女性が目の前に立ちふさがった。 『私の名前はヤマザナドゥ四季映姫』 『あなたがずっと見てたことも、あの雀を探してたことも知ってます』 『さぁ行きなさい。それが貴方にできる善行ですよ』 そういわれて私はすぐに彼女の横を通ってミスティアに駆け寄った。 『がんばるのですよ』 とボソッとつぶやいたけど、それは私の耳には届かなかった。 そばに着いて確認したら、ミスティアは気絶していた。 (さすがにあれだけの弾幕を食らったんだからな・・・。) 『待ってろ。今手当てするからな』 そう言ったものの、この場に治療できる物なんて無い。 『ここから一番近いのは紅魔館か・・・・・』 私はそうつぶやいてミスティアを背負って走り出した。 そして紅魔館に着いた。 着いたと同時に門番には叩き飛ばされそうになるわ、メイド長の咲夜さんに「どうしたの?」とか問い立たされた。 経緯を説明して何とか客用の寝室1つと治療箱を借りることができた。 治療箱を持ってきた咲夜さんが 『怪我の手当ては私がしますから、その間ドアの外で待ってください』 そう言われると半強制的に部屋の外に出された。 ドアが閉まったと思いきや、すぐにまた開いて 『手当ては終わりましたので、後はあなたにお任せします』 そう言って咲夜さんはどっかに行った。 時計の音のみが部屋に聞こえる。 しばらくするとノックする音が聞こえる。 私は返事をしてドアを開けると、咲夜さんがいた 『ほら、あなたもここ2・3日探し回って疲れてるでしょ。これでも食べて栄養をつけてください』 そういうと2人分の食事を持ってきてくれた。 『ありがとう』 私は食事をして、ミスティアが起きるのを待った 食事を食べ終えたころにミスティアが目を覚ました 『ここは・・・・』 『ここは紅魔館。そしてあなたは四季映姫という人にコテンパにされて気絶したので、私がここに運んで手当てしてもらった』 『そ~。で、何であの場所にあなたが居て、あたしを手当てまでするの?。別にほっといても問題なかったでしょ』 『それは・・・・・』 『それは?』 『それは、あなたを探し回ってたから・・・・・』 『あたしを?。何で何で』 『前に1度見かけたとき、きみの魅力にひかれた。だからもう1度歌を聞きたくて探し回ったのだ』 『今まで私の歌をそういう風に言ってくれる人は居なかったのに、珍しい人ね』 『私に歌ってほしい。場所が無いなら私の家でもいいから』 『本気なのね。でも今はこの怪我で無理なの。今度気が向いたら行かせてもらうね。そうそう、あたしのことはミスティアでもみすちーでも好きなほうで呼んでいいから』 『ああ』 私はそう言った後に部屋を出て、彼女を紅魔館の人に任せて家に帰宅した。 彼女は忘れっぽいということも聞いてたので心配だったけど、数日後彼女は約束通り歌いに来てくれた。 また数日が過ぎた時、次着たときに私は彼女に想いを告白しようと思った。 そして今日みすちーが来て、いつも通り歌を歌ってくれた。 一通り曲が終わったところで私は話かけた。 『みすちーご苦労様。実は今日は話があるんだ。』 『なんだ~?』 『前からずっと言えなかったけど、みすちー・・・・・きみが好きなんだ』 そう言いながら彼女の手を握り締めた。 『そ・・・・そんな・・・急に言われても・・・・』 彼女は恥ずかしそうに目を外した。 『私は本気だ。きみのためなら毎日でも歌を聞く。ほかの場所で歌いたいなら一緒についていってやる』 『そこまで・・・・じゃぁあたしの飛行に一緒に移動できるようになったらね』 『分かった』 翌日から私は一緒に飛べるようになるために飛行のことと、彼女を守るためにスペルカードというものについていろいろ調べ始めたのだった。 1スレ目 910 ─────────────────────────────────────────────────────────── 918 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/11/09(水) 09 46 12 [ XxIqmElk ] スレタイは 911がしゃれが利いてていいなと思った。 このスレの雰囲気が大好きなのであまり強い反対はしたくないのですが キャラ×キャラだけはNGだと思いました。それは他の場所でもできる。 あと、ここはSSスレじゃないのだから 上手いとか下手とか文章構成とかネタとか相手とか気にせずにどんな告白も自由に投稿できる。 そういう意味でSSスレとは一歩距離をおきたいなぁ。 今のノリが好きだからドンドン手を広げることに不安を感じる俺ミスチー 愛してるからこそ不安なんだ! お前らに愛を感じたときから僕の心は弱くなってしまった。 癒してほしいミスチー、君の歌で、その熱くて甘い振動で変らぬリズムで僕の心を震わせ続けておくれ! あーなたーーーの燃える手で~~~ アヂーーーーーーーー 慧音「鳥目で気がつかなかったようだが、それはミスティアではなく妹紅の鳥だ」 ゜(゜´Д`゜)゜。ウァァァン ─────────────────────────────────────────────────────────── 「巫女巫女レイム~♪」 どこかで誰かが歌っている。…こんな危ない場所で誰が歌っているんだろう? しばらくその歌声に聞きほれていた。正確には面白い歌だなと楽しく聞いていたのだが。 何曲歌ったかわからなくなった後、妙に聞き覚えのある曲が耳に入った。 「大地を駆け抜ける風に~♪」 (あれ?この曲って…) 俺が好きな曲。いつもカラオケで歌ってたな、この曲…。 「やがて愛するもののすべてに注がれていけばいい~♪」 そして俺は自然に体が動いてしまった。 「ちぎれてはぐれてく雲が―」 元々歌っていた相手は、はじめ少し驚いたようだったがやがて一緒に歌いだした。 …心なしか最初より楽しそうに聞こえた。 そして曲が終わる。 「やがてあなたの心の中に注がれていけばいい~♪」 …歌が終わったあと、歌っていた人物が目の前に現れた。…人物というより鳥だったが。 すぐに妖怪だとわかったが、なぜか恐怖感や嫌悪感を抱かなかった。 「あれ~?よくこの歌知ってるね~?」 「ああ、この曲俺の好きな曲なんだ」 「へぇ~…実はね、この曲前人に教えてもらったんだ~。気に入っちゃった♪」 教えたのはおそらく俺と同じ外の人間だろう。…できれば会ってみたいものだ。 「そいつもこの歌が好きみたいだったみたいでね、なんか仲良くなっちゃって… ほんとは私、人を食べる妖怪だけど、この歌に免じてあなたを食べるのは止めとく♪」 …命拾いしたな、俺。歌ってなければ今頃彼女の胃の中だ。 「あ、そういえば君の名前は?」 「私はミスティア・ローレライ。あなたの名前は…聞いても忘れるから、またその曲歌って呼んで♪」 こっちの世界に来たときはもうお先真っ暗かと思ったが、この笑顔と歌を聴いたらこの世界も悪くはないと思ってしまった。 告白までいっていないけどみすちー書いてみました! みすちー可愛いよみすちー(*´Д`*) 歌はもちろんあの曲です( A`) というか自分で考えるほどのスキルを持っていないのですorz 夢に出てきたらこの続きを書いてみようと思いますw 2スレ目 308 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「鳥目にするんなら、鳥目になっても君が見えるように…傍に居てくれないか?」 127 ─────────────────────────────────────────────────────────── みすちーで花映塚やりすぎて目を閉じるとみすちーが見えるぜ みすちーかわいいよみすちー 3スレ目 504 ─────────────────────────────────────────────────────────── みすちー。いや、ミスティア・ローレライ。俺は君が好きなんだ 「え、でもそんな……」 嫌なのか?だったらハッキリ『嫌』って言ってくれれば俺も諦めがつく 「違う!違うけど!だって、私鳥頭だし……」 忘れたくない事があったら、俺がそれを覚えていてやる 「それに体もこんなだし……」 女性の価値が体で決まるなら、そんな価値観を壊してやる 「それにあんまり強くもないし……」 強さなんて求めていない、求めているのは君自身だ 「それに、それに!私は妖怪なんだよ!?」 人間と妖怪が相容れないなら、俺は人間を捨てて妖怪として生きてやる 「……本当に良いの?」 本当だ 「ありがとう……」 「それで、その熱々なお相手の人間は何処なんですか?」 「んー、ブンブンになら教えても良いかな。その後彼も妖怪になったんだけどさ」 「うん、うん」 「何を何処でどう間違ったのか、人面樹になっちゃってね」 「つまり森で静かに生えてると?」 「いやー、そのー、実はね、これなのよ」 「これって、屋台ですか?」 「んー、実際に見せた方がいいかな。○○ー」 あいあい、ミスティアが俺の事を誰かに教えるなんて珍しい事だな 「うおっ、屋台が喋った!?」 「ま、こう言う事なのよー。あ、記事にはしないでね?色々五月蝿いの来るから」 「うーん、みすちーの頼みでは仕方ありませんね」 「ありがとー、今日は特別に私が奢るわー♪」 「ところで、夜の生活とかはどうなんです?(ニヤニヤ)」 「えー?それはまぁ、木だしねぇ?(ポッ)」 4スレ目 222 ─────────────────────────────────────────────────────────── というわけで、家無き子でもないのに野宿を始めた俺だったが……。 「……寒い」 夏になろうかというのにこの寒さはなんなんだ。 毛布に包まっても寒いぞ。自宅前で凍死とか本気で笑い話だ。 「止め止め。俺が持たん」 さっさと結論付けて毛布を脱ぐ。迷いは死を招くのだ。 というわけでいざ鎌倉。我が理想郷へレッツゴー。 しかし、この時間で気軽にいける場所か……。あるか? 「……あるじゃん」 いきなりお誂え向きな場所を思いつき、俺は仕事道具その一、チャリンコに乗り込んだ。 さて、行こうか。アディオス我が家。 ――十数分後。 「ようミスティア。さっきぶ 「夜雀の屋台へようこそー……って○○!? どしたの? やっぱり家が壊れちゃったの?」 ミスティアの屋台に足を運んで、挨拶をした瞬間、思いっきり同情されてしまった。 可哀想な目で同情された。それも見た目年下の少女に。結構きついものがある。これはさっきの皮肉と応酬と同じくらいクる。 「……orz」 「やっぱり……元気出してよ。今日はタダにしてあげるから」 なんかミスティアまで落ち込んでしまった。 俺のせいで少々気まずくなった。これではいかん。 即座に立ち直る。空元気だが。 「いや、本当は壊れてない。ただ、三人ともダウンして俺の家で寝て、俺の居場所がね」 「そっかあ……壊れたわけじゃないんだ。よかった♪」 完全に人事だというのに、ミスティアは本当に嬉しそうに微笑む。 ……全く。そんなにコロコロ表情を変えて。純粋というか、なんというか……。 「可愛いなあコンチクショウ!」 「わひゃっ?」 ……いかん。余りの可愛らしさに思わず抱きしめてしまった。 「まいっか」 「!?!?」 即断即決。可愛いものは可愛いのだ。何が悪い。 驚くミスティアを尻目に俺はひたすら頭を撫で続ける。 ――わしわし。 「ね、ねえ、○○。くすぐったいよ……」 ――わしわし。 「……うぅん」 ――わしわ……ピタッ。 「……ふぅっ、んっ?」 愛でるのにも満足した俺はミスティアを放してやる。 怒ってくるかと思ったんだが、当の彼女は上目遣いで俺を見上げてくる。 「……もう止めちゃうの?」 「なんだ、まだやって欲しかったのか?」 「……うん」 モジモジと照れくさそうに言ってくる。 なんか調教してるみたいだ。愛い奴め。 まあ、俺も断る理由は無い。可愛いし。それに、 「じゃあ、後少しだけな」 「……うんっ♪」 こんな笑顔を見れるならお安い御用というものだ。 ――青年かいぐり中。 というわけで、俺はその日の夜が明けるまでこんな事をして過ごした。 次の日から俺の屋台の代金が「ミスティアの頭撫で」になったのは言うまでもない。 備考:これまでの流れは咲夜2→修羅場? 2。 4スレ目 248 ─────────────────────────────────────────────────────────── 流れ切って投下してみる… 拙文なのと、恐らく矛盾とかそういうのがあることは事前に謝っておく。 「…うー、さぶ… おーいみすちー、いつものと熱燗ー…」 冷え込みが厳しい冬のある日。 俺はいつもの屋台…と言うよりも、居酒屋に足を運んだ。 以前、偶然見かけた時からずっと通っている。 当初は八目鰻の蒲焼と酒くらいしかない正に「屋台」といった風情だったのだが、 お客から教わった色んな料理やつまみ(無論鳥肉は無い)をメニューに追加していった結果、 料理の品数に関しては比類が無くなったという、「成長する店」だ。 無論、彼女の持つセンスもあるのだろうが。 ちなみに、俺の好物は八目鰻の甘露煮。 こういう手間のかかる料理も用意してあるから助かるんだよな、本当。 「…あれ、みすちー?」 ところが、見慣れた彼女の姿がカウンターにない。 外に出っ張った所に居なかったのはこの冷え込みだからだと納得させたが、 中にも居ないというのはどういうことだろう。 …と、後ろに入り口があり、布団が覗いている。 確かに彼女は夜雀だが、夕方にまだ寝ているという事は無いハズなんだが… 「…みすちー?」 不法侵入なんだろうが、気になったので上がりこんでしまった。 そして当の彼女は、真っ赤な顔で布団に横たわっていた。 「…うー…あー、○○…ごめんね、今日は、屋台は、お休み…」 「いや、それ所じゃないだろ!?一体どうしたんだよ!?」 彼女は複雑な笑みを浮かべて答える。 「あはは…風邪、こじらせちゃって… うつったら、いけない、から…早く、帰ったほうが、いいよ?」 ちょっとの言葉さえ途切れ途切れになっている。 つまりは、そうしなければいけないほど苦しいという事だろうか。 それに、ゲホゲホと咳き込んでもいる。 このまま放っていては、治るのには時間もかかってしまうだろう。 「馬鹿、病人ほったらかして帰れるか!」 そう言うと、急いで近くの井戸から水を汲んできた。 手拭いを浸して、絞って、彼女の額に乗せる。 手が悴んだが、そんな泣き言は言ってられない。 「ごめん、ね、○○…こんなことまで、して、もらっちゃって…」 「謝る事じゃない。 俺がやりたいからやってるだけなんだ、素直に受けとけって。 それじゃ、俺、少し出かけてくるから。」 「…?」 屋台が竹林の近くでよかった、と心底思った。 何をどうやったのかさえ覚えていないが、 驚異的な勘で迷いもせずに向かった先。 「…風邪薬?」 永遠亭・八意永琳の部屋。 「ええ、とびっきり強力なのを。」 「それは勿論あるけれど…どうしたの?貴方はどう見ても健康体だけど…。」 「知り合いが酷い風邪を引いちゃいまして… 出来れば一刻も早く直してやりたいんですよ。」 「分かったわ。はい、それじゃこれ。 これを飲ませてあげれば、良くなるのにあまり時間はかからないわ。」 「あ…ありがとうございます!」 「お礼はいいわ、私は医者だもの。 ほら、早く行ってあげなさい。てゐに近道を案内させるから。」 「…うえー、苦ーい…」 「よし、そんな無駄口叩けるなら大丈夫だな。」 ぽんぽん、と頭を叩いてやる。 が、矢張り叩いた頭はまだ熱を持っており、 また水を汲んできて、手拭いを濡らして冷やしてやった。 「…」 と、彼女は何を思ったのか、徐に俺の手を掴むと、 「!?」 「わー…つめたーい…」 …いや、そっちは冷たくて気持ちいいんだろうけど!? こっちは直に頬に触れてるんだから焦るって! 「ちょ、ま、みすちー!?」 「…あ、ごめん…迷惑、だよね…」 しゅん、と項垂れる彼女を見ていると、 罪悪感と一緒に別の感情も湧き出してくる。 …いや、「思い出して」くる。 …ぎゅっ。 「…!?」 「迷惑じゃないさ、焦っただけ。」 「え、あの、」 「俺、みすちーの事が、その、」 肝腎なときに声が裏返って出てこない。 「…好き、だから。」 出ない声の代わりに、彼女の声が響いた。 「…うん、好き…だから。」 暫く二人で見つめ合った後、 どちらとも無く唇を重ねていた。 そして、疲れが出たのか、彼女は直ぐ眠りについていた。 薬もきいたのか、起きた後の彼女は大分調子が良くなっているようだった。 「…あのさ、○○。ちょっと…」 ごにょごにょ、と最後はあんまり言葉になっていなかったが、 俺にはちゃんと聞こえた。 「ん、了解。」 ひょい、と所謂「お姫様だっこ」をして店の椅子に座らせて、 台所でお粥を作ってやる。 彼女のセリフの最後、『おなかへった』、と『…食べさせて』と言うのが聞き取れたから。 …ちなみに、彼女は本来人を取って食うハズなのだが、 普通の魔法使いにお握りを貰って食べた所「人<米」になったらしく、 以後米を主食にして食べているらしい。 「ほい、あーん。」 「…あーん。」 熱のせいなのか照れなのか、顔を真っ赤にして口を開ける。 「ほらほら、相思相愛なんだから照れるなって。」 ぶほっ、とむせる様を見て、けらけら笑ってやる。 「ちょ、もー!」 「あははは…」 数日後。 「○○ー、小皿3枚取ってー!」 「分かったー!」 俺も彼女の屋台で住み込みで働く事にした。 と言うより、彼女に頼まれたのだが。 彼女曰く、「出来るだけ一緒にいたい」からだとか。 非常に照れたが、勿論快諾した。 何でかって?そりゃ勿論、俺だって「出来るだけ一緒にいたい」からな。 それに、彼女の手料理がいつも食べられるなら、それに越した事は無い。 …え、それはもう同棲か夫婦だって? それ、彼女には言わないでくれよ、照れて料理をめちゃくちゃにしかねないから。 4スレ目 319-320 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「…あ゛ー…う゛ー…」 「何と言うか…その…お約束?」 みすちーが枕元で苦笑いしている。 古今東西、風邪の相手といちゃつくと、 遅かれ早かれ手ひどく風邪を引くのは良くあるベタな展開だ。 が、それ故に自分がかかることは視野に入れていなかったが… ここは幻想郷だ。外の世界で幻想になった物… そういう展開も流れ込んでくるのだろうか? …何故か矢鱈潜伏期間が長かった気がするが、 音速と一緒に進行速度まで遅かった事にしよう。 「…い゛ー…」 …とか何とか考えてる間もあまり無く、 繰り返し起こる酷い頭痛と悪寒に耐え切れなくなる。 「んしょ…」 彼女に俺がやったように、 彼女も濡らした手拭いを絞って俺の額に乗せる。 こういうことに慣れていないのか、 少したどたどしい手つきがなんとも愛らしい。 と言うか掛け声が凄まじく可愛い。 彼女の持ち味の一つたる、くりくりした声でああいう声を出されると、 一瞬理性が崩壊しそうになるから恐ろしい。 「んー…困ったな、汗で枕がぐしょぐしょ…」 「あ…ああ、大丈夫、だって。」 「大丈夫じゃない。少しでも悪くする元は失くさないと…」 といって枕を引っこ抜いて干してしまった。 幸いまだ結構日は照っているので、 暮れるまで干せば多少は乾くだろう。 …が、枕を失った俺の頭は若干落ち着きなくゴロゴロ布団の上を転がっていた。 「もー。ほらほら、ちょっと体起こしてー。」 ?と疑問符を浮かべながら体を持ち上げると、 枕元でもぞもぞと動く気配がある。 「いいよー。」 判断能力や思考能力が大分鈍っていたのか、 疑う事も無く頭を下ろした。 多分、代えの枕でも持ってきてくれたのだろうと。 …もう一つの枕も既に干しているのを思い出したのは、 位置エネルギーが粗方落下速度に変わった時だった。 ぼふ、という擬音がありありと頭の中で聞こえた気がした。 「ひゃっ…」 「…へ?」 焦って目を開けると、直ぐ近く…と言うより、 ほぼ真上に若干赤い彼女の顔が見えた。 …って、え、コレ、まさか!? 「…えと、あの…どうかな、寝心地。」 ………膝枕。 「あ、うん、いいよ、すごく、楽…。」 …焼き切れそうになる理性を只管繋ぎ止めながら、 暫く寝てる振りをした。 本当にゆっくりと、時間が過ぎた気がした。 何も邪魔することの無い、二人だけの、穏やかな時間。 …無論、二人とも気恥ずかしさは感じているようだった。 俺は熱より別の要因で顔が真っ赤だったし、 彼女も薄目で確認すると耳まで赤くなっていた。 「…それじゃ、雑炊作ってくるねー。」 「おーう…」 流石に膝枕をずっとしている訳にもいかないらしく、 みすちーは仕方なく、といった様子で座布団を枕にしてくれた。 ぐしょぐしょの枕で寝るのとそんなに差があるかな、とも思ったが、 乾いてるだけいいだろうと納得した。 症状の方は大分収まってきたと思う。 永遠亭から貰った薬が残ってて良かった。 「お待たせー♪」 「待ってないぞー。」 「あ、ひっどーい。」 と、くすくす笑いながら台所から湯気の立つ小鍋を持って戻ってくる。 中身をレンゲで運ばれるままに食べていたが、矢張り美味い。 こういう単純な料理だからこそ、 作り手の腕が顕著に出るんだと思う。 「えへへ、○○に合わせて味付けしてみたんだけど…どうかな?」 「…っ。あ、うん、美味いよ、すごく。」 …訂正。腕と言うより、もうこれは愛だと惚気ていいですか? 「…あ、そうだ。」 ぼけーっと時計を見ていた時に、そんな声が聞こえた。 彼女の声には何処となく悪戯っぽい色が宿っている。 「…?」 ふー、ふー、と冷ます音は聞こえるのだが、 一向に運ばれてこない。 疑問符を浮かべながら横の彼女の方に顔を向けようとした、その時だった。 「むぐ…っ!?」 柔らかい物で口が、肌色で視界がそれぞれ塞がれる。 そして、さっきと少し味の異なる雑炊が口に流れてくる。 ……ナンダコレハナンダコレハナンダコレハ? 頭の回転が一時的に凍りつく。 一瞬後に我に返ると、 風邪を引いている俺よりもさらに赤く、 それこそリンゴかトマトのような顔をしたみすちーの姿。 「え、えへー…」 照れを隠すかのように笑う彼女の口には、一粒の米がくっついていた。 その事実が物語ること、それは、 「口、移、し…?」 「……。」 真っ赤な顔で頷く。 その姿もたまらなく愛らしく、そして愛しい。 そして俺は、躊躇わずに彼女を強く、強く抱きしめる。 「あう…ちょっと、苦しいよ…」 「…悪戯のペナルティだと思え。」 そして少し離して唇を奪う。それも、とびっきりにディープなキスで。 「…むぐ……っぷは。」 「ははは、ざまみろ。 みすちーに主導権握られっぱなしなのは俺の沽券に関わる。」 …が、みすちーはその辺には反応を示さずに、 黙って布団の中にもぐりこんで…って、ちょ、それは待て! 「…。」 「…えと…みすちー?」 きゅっ、としがみついてくる。 「………。」 「…あー、うん。俺の負けだ、負け。 やっぱみすちーには敵う気がしないよ…。」 結局、あの後は一緒の布団で寝ていた。 …といっても、決してRとかX指定が必要なことは断じてしていない。 ただ単に、枕が一つしか残ってないから共用しただけだ。 そしてその後暫く、どっちも風邪は治ったというのに二人して何かと顔を真っ赤にしていた。 世の男どもは常に妙な妄想をしやすいんだろうけれど、 俺としてはこうやってゆっくり進めて行きたいな、と、そう思った。 あ、そうそう。これはあくまで余談だが。 「○○ー、ちょっと中から日本酒取ってきてー。」 「あいよー。」 屋台の方は変わらず繁盛している。 が、メニューに何故か「雑炊」の項目はない。 それについて聞いてみたところ、 「えーっと…愛する人に対する特別な料理って、 やっぱりあるじゃない?」 …みすちーにはいろんな意味で勝てないと、 前にも増して悟った気がする。 でも、勝てなくていいとも思う。 純真で、無邪気で、そして明るくて。 有り触れた形容詞だが、彼女は俺の太陽なんだろうな、と思った。 と言うことで、後日談兼逆バージョン。 自己満足なのかもしれないが、みすちーを動かすのは楽しい… 個人的にみすちーの行動は天然物で、 狙いとかも無くやってると思う。 4スレ目 337-338 ─────────────────────────────────────────────────────────── 冬も本番。 雪のあまり振らない地域だから冬でも客足が激減するということは無いのだが、 それでも矢張り寒いことは寒い。 「うーさむ…おーいみすちー。 調味料とか材料、仕入れてきたぞー。」 トントントン、と包丁が小気味よいリズムを響かせている。 恐らく、開店前の下ごしらえだろう。 「あ、おかえりー。ごめんねー、キツい仕事任せて。」 そりゃまあ確かにこの気温の中、里まで買出しに行くのはちとキツい。 が、 「おいおい、キツいのは俺じゃないだろ。こないだの風邪だって、 こんの寒いなか八目鰻獲るのに気張りすぎたそうじゃないか。」 「え!?し、知ってたの?」 「鰻の冷凍保存の協力者に聞いた。」 「…あうー。冬場が旬なんだよー、八目鰻。」 そうなのである。 一般的な鰻は夏場が基本なのだが、 八目鰻は(少なくとも本来は)冬の味覚なのである。 …それ故に、これの温かい料理と熱燗、という冬ならではの極上の味が楽しめるのだが。 「いや、それは分かってるが。 無茶してもらっても困るからなあ。」 「うん、気をつける。」 「素直でよろしい。 さて、この荷物はどこに仕舞えばいい?」 「えーと、調味料はまだ台所にあったハズだから倉庫行きで… 材料は冷蔵庫かな?」 ちなみにこの冷蔵庫、上の段に氷を入れるタイプである。 本来なら氷代もバカにならないのだが、 氷精を買収してあるのでコストは殆どかからない。 「へいへい、りょーかい。」 てきぱきと整理しながら仕舞っていく。 こういうことが簡単に出来るようになってきたあたり、 この屋台で過ごし始めてから大分時が経ったんだなあと思う。 「さて、これで下ごしらえは大丈夫…と。 それじゃ、開店まで休憩しよっか?」 「おーう。」 ずずずず。 「ふぃー、あったまってきた。」 「うん。あ、美味しいね、この羊羹。」 熱めに淹れたお茶と、買出しついでに里で買ってきた羊羹で一息つく。 「炬燵でもあればもう少し暖を取れるんだがなぁ。」 「んー、マヨヒガか神社くらいにしかないと思うよ?コタツ。」 「だよなぁ…」 どう見ても寒そうな格好をしている巫女から借りるのは絶望的だし、 何より法外なレンタル料を取られそうな気がする。 マヨヒガは…ダメだ。どこにあるかさえ分かったもんじゃない。 行けさえすれば在庫の一つや二つあるかもしれないが。 「となると、やっぱり…」 すたすた。 「?」 むぎゅ。 「~!?」 「あー、あったかい。 鳥は人間より体温高いって言うしな。」 後ろから抱きすくめる格好でみすちーを懐炉代わりにしてやる。 みすちーと一緒に暮らし始めてから結構経っているが、 未だに何かしてやると初々しい反応が返ってくるのがとても愛らしく、愛しい。 「あうー…」 耳まで真っ赤になって俯くみすちー。ふと出来心が芽生えてしまう。 「…こちょこちょ。」 「うひゃっ!?」 敏感に反応している。矢張り腋の辺りは人妖共通の弱点のようだ。 「こちょこちょ。」 「あう、や、やめてぇ~。」 ぶんぶんと腕を振り回すみすちー。 ああもう、可愛いったらありゃしない。 でもまあ、流石にこれ以上暴れられても困るからやめておく。 「~~。」 あらら、どうも機嫌を損ねてしまったようだ。 「あ、うん、悪かった…おーい?」 「…お返し!」 くるっ、と向きを変えて俺に擽り攻撃を仕掛けてくる。 が、俺とて小さい頃はこういう勝負を何度と無く潜り抜けて来た猛者だ。 「わははは、効かん、効かんぞ!」 「このこのー!」 実際は結構ヤバいラインなのだが。 と言うかあの爪で引っかかないように擽ってくるあたり、 やっぱり器用なんだなあと妙な所で合点する。 結局、暫く擽りあいの珍妙な勝負を繰り広げていた。 「…疲れた…」 ぼて、と大の字に畳に寝転がる。 結構長いことやっていた気がする。 四半刻、といったところか? 「ふにゃ~。」 ぼふ、と俺の上に倒れこんでくるみすちー。 少しやりすぎたんだろうか? 「おーい、大丈夫かー?」 「…ぬふふー、いい位置ー!」 げ、このやろ確信犯でいやがった! 「…と言いたいとこなんだけど、冗談抜きに疲れた~。」 俺の上で転がっている。若干苦しいが、悪い気分じゃない。 「えへへー、あったかーい。」 「そりゃまあ人を布団にしてりゃな。」 「んふー。」 ごろごろ、とばかり擦り寄ってくる。 いや、お前さん鳥だろうて。猫とか犬の仕事だぞそれは。 「…すー。」 あら、寝付いてやがる。動くと起きちまうかな…っても、 流石に風邪引くか。 「よっこいしょ…っと。」 極力動かさないように一旦畳に下ろして、 とりあえず手近な座布団を並べて寝かせてやる。 んでもって、 「ほれ。」 ぼへ。 という珍妙な擬音と一緒に、掛け布団を放り投げてやる。 「わっぷ!?」 あ、しまった。顔に当たったらしい。 「悪い悪い。大丈夫か?」 「だ、だいじょーぶー。…あー、でも今ので目が覚めちゃった。」 「そか、そりゃ悪い事したな。」 頭を掻き掻き謝る俺。 「むー、悪いと思ってるなら行動で示してよねー。」 「行動?」 ちょいちょい、と手招きをしてのたまったセリフは、 「添・い・寝♪」 …ダメだ、相変わらず勝てる気がしない。 悶々としながらそういうことを考えたのは、 みすちーに抱き枕代わりにされて身動きが取れなくなってからだった。 初心に返ってひたすらイチャついてみますた。 ついムシャクシャしてやった、 だが反省も後悔もしていn(コーラスマスター 4スレ目 397-398
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/16804.html
らでぃすてぃあ【登録タグ CD CDら アル†カナCD】 前作 本作 次作 - ラディスティア AOINO アル†カナ 流通 即売 同人 発売 2011年6月12日 価格 ¥1,000 ¥1,500(税込) サークル アル†カナ CD紹介 タロットカードの大アルカナのキーワードをテーマにした22連作を収録。 倒せぬ魔物の王と邪勇者の戦いを描いた物語音楽。 全曲リマスタリング、一部再調声、ボーカル変更あり。 非公開だった隠し歌詞や挿入された物語、伝承まで完全記載した24Pのブックレット付属。 KAITO、MEIKOが中心だが、他にも多くのVOCALOIDを使用している。 THE VOC@LOiD M@STER 16(ボーマス16)で初頒布。その後、とらのあなで委託販売が行われた。 曲目 魔術師 -始まり- 声戦のラディスティア 女教皇 -知性- 深き争いの底より 女帝 -実り- 贖いの鐘 皇帝 -権力- 四大麗人の茶会 教皇 -援助- 草原の出会い 恋人 -絆- AIの言葉 戦車 -勝利- 勝利への旋風 力 -意思- 古の王ラザに 隠者 -探究心- 失風の海賊 運命の輪 -輪廻- 影幽の円舞曲 正義 -均衡- 不死の依代 吊された男 - 自己犠牲-蛮勇の犠牲 死神 -死と再生- 死の産声をあげよ 節制 -秩序- 伝承のラグナロク 悪魔 -激烈- 創りの楽章 塔 -悲嘆- 終わりの虚無 星 -希望- 一切の希望を捨てよ 月 -不安- 東の青麗人 太陽 -生命力- 黄金色の奇跡 審判 -復活- 最後の希望 世界 -達成- 栄光の夜明け 愚者 -旅立ち- 無知と既知の罪 リンク ピアプロコラボ・アル†カナ とらのあな コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1608.html
ミスティア11
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1385.html
ミスティア10
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1609.html
ミスティア12
https://w.atwiki.jp/memotyors/pages/162.html
アガスティアの葉(-は)は、紀元前3000年頃に実在したとされるインドの聖者アガスティアの残した予言を伝えるとされる葉のこと。 概要 聖者アガスティアが太古に残した個人の運命に対する予言が書かれているとされる葉。南インドのタミル語文化圏に保管されている。その葉は、古代タミル語で書かれており、ナディ・リーダーと呼ばれる人たちが現代タミル語に翻訳する。この葉を読むことができるのは、10歳前後から6年以上かけて特別な訓練を受け、代々ナディ・リーダーとして運命づけられた人だけという。その数は、総数800人といわれ、読むレベルに個人差があるため、信頼できるナディ・リーダーを選ばないとアガスティアの予言が曲解される可能性が否定できないとされる。日本においては、1993年青山圭秀の著作『理性のゆらぎ』で一躍ブームとなり、マスコミも大々的に取り上げたが、トリックであると指摘する懐疑説が広がったこともあり、現在そのブームは沈静化している。しかし、変化が速くて先行きの見えない不安な時代に、自分の未来が描かれているとされるアガスティアの葉に助けを求める人は後を絶たない。 葉の検索 アガスティアの葉の取り出しに際して男性の場合は右手の親指、そして女性の場合は左手の親指の指紋が必要となる。指紋の部分だけをナディ・アストロジャーに渡し、ナディ・アストロージャーは、それを持って葉の保管されている倉庫へと1人入っていく。その時点で相手にはプロフィールはおろか、依頼者の名前すら話さない。向こうもそういった情報は一切必要としない。葉は、指紋のパターンによって108種類に分かれていて、依頼者の指紋のパターンの葉が集められた束を持って、再度現れる。次に、その束に中に、依頼者の葉があるかどうかを検証するプロセスが始まる。 例えば「きょうだいは1人である」「それは、女性である」「父親は、生きている」こういった簡単なことに対して、依頼者が「イエス」「ノー」で答えていく。少しでも違えば、次の葉に進む。その束すべてが合わない場合には、別の葉の束を再度取り出しに行くことになる。見つかれば、最後には「彼の名前は〇〇」といった具体的に依頼者の名前、あるいは両親や祖父母、離婚した相手の名前など具体的な固有名詞を言い当てる。さらに条件を詰めていき、依頼者の生年月日を述べ、葉の検索の作業は終了となる。何分で葉が見つかるかは、開けてみないと分からないが、長い場合には、5時間かけても見つからなかった場合もあれば、3〜4の質問の後、すぐに本人の名前が出てきた例もある。 実際に現地に行くと、イエスノーだけではなく、「あなたの名前は4音からなる」「いいえ」「では3音」「イエス」「最初の名前の音は、アイウエオからなる」「いいえ」「じゃあ、カキクケコのどれかだ」「イエス」……というような調子で行われることもある(ヴァティスワランコイル・シバサミーの館)これらの質問から、結果として導かれる答えを「もともと書いてあった」と主張するアガスティアの館もあるようだ。 葉の種類 アガスティアの葉は、一人に対して普通14種類存在するが、それ以外にも特別な葉がある。第1の葉に人生全般が記載されていて、まずこの葉を開くことから運命を知る作業が始まる。その内容は、個人差があるが、指紋の名前や特徴、生まれた時の星の配置から今生の基本的性格が述べられ、これまでの人生を軽く概観した後、現状と未来についての解説が始まる。多くの場合、大きな流れだけが語られるのでピンと来ない人も多いという。その場合には、第2から第12の葉を読むことで明確にする必要があるらしい。あるいは、プラチナ(質問)の葉を開けることで、どんな質問にもアガスティアが答えてくれるという。第1章の中で、アガスティアにだいたい共通して勧められることは、第13章と第14章を開けることである。第13章は、前世のカルマ(悪行)について語られ、その悪影響の厄払いをするために、何が必要か書かれている。第14章は、今生における悪運から身を守るために「御守り」を作成し、身につけることが勧められる。それには、別途料金がかかり、その額はアガスティアの葉を開けるまで分からない。それが高額で、アガスティアの勧めを拒む人も少なからずいるという。 第1章:生まれてから死ぬまでのおおまかな人生 第2章:財産、家族、家庭生活、教育、視覚 第3章:兄弟や姉妹関係 第4章:母親との関係、土地、家、車、財産、人生の喜び 第5章:子供の誕生、子供に恵まれない理由など子供に関すること 第6章:病気、借金、訴訟、敵 第7章:結婚の時期や問題点、配偶者との関係 第8章:死期、事故、寿命 第9章:父親との関係、富、幸運、健康、信仰 第10章:職業、仕事、転居 第11章:利益、再婚について 第12章:出費、政治活動、外国との関係、来世、解脱 第13章:前世とそのカルマ(罪)とその解消方法 第14章:今生でのトラブルを回避するお守りの作成方法 予言の内容について アガスティアの葉に書かれたとおりの人生を送る人もいれば、違った人生を送る人もいるという。そこからアガスティアの予言に対して不信感を抱く人たちが出てくるが、もともとアガスティアは、運命を決め付けるために予言をしているのではなく、道に迷わないようにナビゲーションを行っているだけだという。どんなバラ色の未来を描かれても、何の努力もせずにその未来がやってくるわけではないが、未来はすでに決まっているのだと誤解する人がいて、利用者は気をつける必要があるという。インドでは、このような誤解がほとんどなく、90%以上の確率で、葉に書かれたとおりに実現していくらしい。素晴らしいことが書かれていれば、それを神に感謝して、実現に向けて努力するのが当たり前であるインドに対して、日本での実現率は、かなり低いらしい(一説によれば30%程度)。素晴らしいことが書かれていても感謝することなく、疑いながら何の努力もしないので、実現しない確率が高いらしい。そして実現しなかったときに、葉に書かれていたことは嘘だったと思う人が、日本ではかなり多いらしい。運命は、決まっているのではなく、自分で作って行くものだということを理解しなければ、葉に書かれた預言を無駄にしていることになるから、気を付ける必要があるという。アガスティアは、人生の75%(50%の南インド占星術+25%の前世のカルマ)を知っているだけで、残り25%は人間に自由意思に任せている、ことを理解した上で活用しないと、時間もお金も無駄にすることになるので注意する必要があるらしい。
https://w.atwiki.jp/19353/pages/102.html
登録日:2017/2/25(日)7 12 更新日:2018/03/06 Tue 00 47 11 ▽タグ一覧 キュルティロン銀河系 セニレイン系統人属 天狗 出身天体:キュルティロン銀河系 出身惑星;ケラステア 根源系統:人属 中系統:セニレイン系統人属 スペック:雌雄2性型、平均身長2m、平均出力gex5.5、平均寿命800年 評価:能力4、知性5.5、社会6、合計16.5 森林や山岳の多い惑星ケラステア出身の長身なヒューマノイド種族。 セニレイン系統に属する種族でその姿は背中から翼を生やしたいわば翼人の姿と 正にキシュキリアンに類似した姿であり、実際に間違われることもあるのだが セリュエジアスやフィルネイス同様に同系統内でも原始的な形質を残した古い系統にある為角を生やしておらず、 身長も平均で2mを超えるキシュキリアンより小さい(それでも2mはあるのだが) 平均寿命800年、ザイオノイドという程ではないにしろそれでも中堅以上で歴史も相応に長い準監視者であり 高位体となれば1000年以上を生きる事もある等キュルティロン銀河系の数ある準監視者に 相当する種族の中でももっとも監視者に近いとされる高貴な種族の一つだが その経歴は複雑なものであり、出身惑星であるケラステアも実は発祥の惑星ではない。 というのも彼らのルーツは驚くなかれ、かの勇猛な戦神族オウグレアスと同じオウグレンであり、 オウグレアスが監視者に進化した後に発生した言わば後発文明種に相当するのだ。 同じセニレイン系統に属する両種族だが遺伝子的にはオウグレアスよりも キシュキリアンに近い事が判明している。 また、全身の筋力が強く攻撃的な波動制御に長けるオウグレアスに対し攻撃よりも幻術等を得意とし より繊細な波動制御が得意なのも特徴と言えるだろうか。 深い山奥と険しい山岳地帯での生活の賜物か背中の翼を使って鬱蒼と生い茂る木々の間を 高速で飛び回る事が可能であり、その機動力は誇張こそあれどセニレイン人類の中で最速とも言われる程だ。 同じ星を発祥とする両種族に対立が全くなかったと言えば嘘になるとはいえ相手も 勇猛ではあるが理性的な監視者種族であったため深刻な紛争がなかったのもまた事実である。 これは両種族の住む環境が異なっていた事が幸いしており、沿岸部や山地でも麓の方に居住区を築いて 生活していたオウグレアスに対してケラスティアンは深い山奥や高地に好んで居住し住み分けができており 長らく干渉しないで生活してきた為である。 とはいっても両種族の邂逅はオウグレンの深い山奥に調査に入ったオウグレアスが"異民族"に 襲撃された事が始まりであり、ここからオウグレアス側の調査団による調査が進んだのだ。 山の民で長らく他種族と交流をしなかったケラスティアンはオウグレアスを警戒しており、 彼らとコンタクトを取ろうとする調査団を幻術で翻弄し、時には捕らえてしまう事さえあったという。 ただそれでも大きな紛争には発展せず、急速に和解した事でも知られその年代こそ65万年前と キュルティロン銀河大戦が終わって間もない時である。 この経歴はリーヴァス超銀河系におけるラハレクシスとカーティサスの関係にもよく似ているが それ以上の速度で急速に和解した理由は当時キュルティロン大戦が終わって久しく、 まだ戦後の火の粉が燻っており対立しているどころではなかったのが何よりの要因であるとされる。 出力では大きく優位に立つオウグレアスが苦戦した原因としてはホームの環境もそうだが 先述した様にオウグレアスが攻撃的な術式に特化していたのに対し、ケラスティアンが幻術に特化していた事も原因にある。 和解後はオウグレアスと手を取り合いながら経験を重ね、和解から1万年と比較的早くに宇宙進出を果たし、 当時無人であった惑星ラスカノールを開拓し、新たな新天地とする事となるのだが 再びオウグレアスと緊迫した関係に陥った事態が起きる。 移民を始めてから間もなく平和に暮らしていた彼らを当時悪名を轟かせていたオリュフィオス達が襲撃したのである。 ホームを生かしたゲリラ戦で翻弄するもののさしものケラスティアンもパワーに加えてトリッキーさも併せ持つオリュフィオスの侵攻部隊に押され始め、 もはや自分達では対処しきれないとフォルヴレイン同盟へ駆け込んだが盟主である当の フォヴレイロンや先輩種族であるオウグレアスは 戦後の処理に手が回っている事を理由に本気で対応する事をしなかった。 しかし根気強く彼らは説得しようやく重い腰を上げた時には時すでに遅し、 ラスカノールはオリュフィオスに攻め落とされてしまった。 フォルヴレインの間の悪さや対応の遅さによって結果的にせっかく得た新天地を 失ったケラスティアンはその先見性からこのまま所属していても自分達に明るい未来はないとみて フォルヴレインを見限り、離反したのである。 とりわけ、この時に盟主であるフォヴレイロンだけでなくかつて恩を 受けた種族であったオウグレアスの実力に伴わない対応の遅さを目の当たりにしており、 後述する通りある意味では和解前以上に冷え切った仲となってしまっている。 だがここで新天地を失い意気消沈した彼らを受け入れたのがヘイロニアス銀河共同体であった。 現在でこそ良好な関係を築いているフォルヴレインとヘイロニアスの二大勢力だが当時は 銀河大戦でフォルヴレインの対応の遅さによってヘイロニアスが被った被害が原因で冷戦下にあり、 炙り出された彼らが外交のカードになると見込んだのである。 勿論ヘイロニアスはフォルヴレインと違ってきちんと受け皿を用意しており、 さらなる新天地として紹介したのが現在のケラステアというわけだ。 基準年現在では種族的に和解が成立してこそいるが個体レベルでは現在でも かつては大恩ある種族であったオウグレアスや同盟の盟主フォヴレイロンに対して露骨に 感情的にはならないとはいえ冷淡な態度をとる個体がいるようである。 感想 モチーフは鬼と並んで日本の妖怪の代名詞として知られる天狗。 シャルバロン銀河系にもテガルラという天狗をモチーフにした種族がいるが こちらは顔つきは比較的人間に近く、長身で背中に翼を生やす等差別化している。 ポジションとしてはセニレイン人類兼キュルティロン版ネヴィリアンだが 性格面には博識ではあるが同時に高慢な一面もあるところを本家天狗からトレースしている。 ザイオノイドではなく準ザイオノイド扱いではあるがこれは攻撃的な能力を持つセニレイン人類が 多い事から差別化として幻術や機動力に優れた種族としている為である。