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ドールリペア・マイスター R 闇 5 呪文 ■S・トリガー ■コスト4以下のデスパペットを2体、自分の墓地からタップしてバトルゾーンに出す。 作者:玄露 フレーバーテキスト 人形に込められた怨念さえも修復してしまう禁忌の技術。 評価 あ -- 名無しさん (2013-07-31 05 04 26) コメントミス。 ジェニー2体蘇生できるのは強いな。 -- 名無しさん (2013-07-31 05 05 03) 名前 コメント
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登録日:2010/03/24(水) 22 24 48 更新日:2024/06/19 Wed 19 57 41NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 36話 トラウマ トラウマイスタ トラウマンガ 中山敦支 小学館 打ち切り 漫画 狂気 王道 週刊少年サンデー 「トラウマは、 逃げるためにあるのじゃなく、 乗り越えるためにある。 乗り越えるための力こそ、 勇気なのよ。」 トラウマイスタは中山敦支作の漫画。 週刊少年サンデーで連載されていた。全47話で、単行本は全5巻。 ジャンルとしては王道の能力系バトル漫画……ただしモチーフはトラウマと少年漫画としては珍しい。 作品のモチーフと並んで特徴的なのが絵。 高い画力を持ち、ハッタリを効かせた魅せ方、キュビズムを多用した表現が印象的。 そこが好き嫌いの別れるところなのだが…… 連載当初のラブコメ色や若干寒いギャグ、特徴的な絵の為人気が伸びず、わずか47話で打ち切りになってしまった。 が、36話(打ち切りが決まって作者の好き勝手に描けるようになったのが36話以降らしい)からは毎週毎週読者の予想を上回る鳥肌ものの展開を見せた。 狂気すら感じる展開から感動の最終回…… 急展開のためにピカソとだびん以外のキャラが空気になったが、それでも読者に中山敦支の狂気と本気を見せつけた。 最終回の掲載順位的には結構扱いも良さそうだったため、終盤はアンケートの結果も良かったのかも……? 25話のダヴィンチの登場で一部(2ch等)で話題になり始め、36話以降の超展開で一部からある種のカルト的な人気を得た。続編を希望する声も多い。 36話に何があったのかは、漫画自体が全5巻と手軽に手に入るため、是非とも自分の目で確かめて貰いたい。いや本当に。 【あらすじ】 鬼が怖くて仕方がなかった主人公比何ソウマ。電車と併走する綺麗なお姉さんスジャータにより、反魂香によって具現化した自身のトラウマである巨大な鬼と戦う羽目になる。 そして自身のトラウマを克服し、自身のトラウマである鬼を真実の自己(アートマン)として使役出来るトラウマイスタとなった。 【用語】 ◆真実の自己(アートマン) 人の心の奥に潜むトラウマが具現化した存在。 基本的にどのアートマンも初めて出現した際には、トラウマの主と対峙して、正々堂々戦う。 トラウマの主がアートマンを10分以内に打ち破ることが出来れば、トラウマは克服され、アートマンの主はそのアートマンを僕として使役することができるトラウマイスタとなる。 ただし、10分以内に打ち破れなかった場合、トラウマの主はアートマンに身体を乗っ取られる。 自分の僕となったアートマンは普段は実態を持たない思念体で主にしか見えず、具現化するには反魂香が必要。 ◆反魂香 アートマンを呼び出すために使う特殊な線香。 使っても再生するが、再生には燃焼時間の3倍の時間がかかる。 形は一般的な線香以外にも、蝋燭のようなものや、宙に浮く球体などが作られている。 ◆勇気の剣 アートマンと共に反魂香から具現化される武器。これをアートマンに突き刺すことで、アートマンを打ち破り、自分の僕にすることが出来る。 トラウマ克服後は、一度克服したトラウマの再発(フラッシュバック)に耐える精神力を試す試練をクリアすることで、自分の武器として使用可能になる。トラウマイスタによって形が違う。力の源は「自己暗示力」。弱いと思えば弱くなり、強いと思えば強くなる。そのイメージ次第で力が左右される。 ◆チャンドラ・カンパニー 反魂香とアートマンで全ての価値観を統一した永久平和国家「シャングリラ」の創造を企む秘密結社。 表向きにはアロマ関連のものを販売していると思われる。 【主な登場人物】 ◆比何ソウマ(ひかソウマ)/ピカソ 主人公。「器量良し、ファッションセンスも悪くない。どっから見ても普通にイケてる高校生!」 ……なのだが、鬼に対する強烈なトラウマがあり、それが原因で通算13人の女性に振られている。 痛ましいほどの音痴(本人曰わく「機械なんぞにオレの歌の素晴らしさはわからんのです!!!」)。あと粗チン。 粗チンの剣……じゃなくて勇気の剣はフォーク→三叉の大剣 ◆ゲルニカ ピカソのアートマン。鬼に鳥と獣を合わせた様な姿。初めて具現化した際には、強大な力を持つが、精神がついて行けずに自我をもたず、ただ暴れ回った。 ピカソの僕となってからは自我を持ち、言葉も喋るようになった。それ以降は外見に似合わない程の臆病で甘えん坊。 能力は胃にいれた物質の原子配列を組み換えて撃ち出す「嘔吐カノン(オートカノン)」。 それとは別に、思念体の状態でもピカソが触った物には干渉できる。 また、「ヴォ」だけで歌ったカラオケで100点を叩き出す脅威の歌唱力を持つ。 ◆スジャータ 外見は綺麗なお姉さんだが、れっきとしたアートマン。幽閉されている主、漆原シエナの意志を継ぎ、チャンドラに対抗出来る者達を集める旅をしていた。 能力は「審議眼」。 電車と併走するほどの脚力を持つ。 ピカソと知り合ってからは彼の家である寺院に修行僧として住み込みで家事の手伝いをしている。 ◆茶風 倫太郎(さふ りんたろう)/チャップリン スジャータにスカウトされたトラウマイスタの一人で不良(浮浪者)。 トラウマは「笑い」で、勇気の剣はハリセン。トラウマを克服するきっかけをくれたスジャータに惚れているため、スジャータと一緒にいるピカソに敵対心を持つ。 ◆ライムライト チャップリンのアートマン。赤ん坊のような見た目だが、顔がコロコロ変わる。語尾に「ライ」を付ける。 能力は寒いギャグを言い、長い袖を振り回して冷気を放出し、当たったものを凍らせる「サブリザード」。 ◆羽生 瑠々花(はぶ るるか)/ファーブル スジャータにスカウトされたトラウマイスタの一人でピカソの後輩。 トラウマは「芋虫」。 胃下垂体質で超大食い。百合→ツンデレになった。 よくよだれを垂らしている。 勇気の剣は虫取り網。 ◆昆虫器(こんちゅうき) ファーブルのアートマン。芋虫のような姿で、鳴き声は「ミー」。触るとひんやりしていて気持ちいいらしい。 能力は頭部の注射器のようなもので物質の原子情報を吸い上げ(10個までストック可)、一度だけそれに擬態できる「チューチュードレーン」、ダメージを負った箇所を切り離し、再生させる「自切」。 ◆センゴ スジャータにスカウトされたトラウマイスタの一人で、SENGOという芸名でアイドルをしている。 トラウマは「刃物」、勇気の剣は日本刀。トラウマが原因で他人を信用できなくなったため友人がいなかったが、後にピカソが初めてのトモダチになる。 友情と愛情を履き違えてる節がある。 ◆村正(ムラマサ) センゴのアートマン。武器は日本刀。 ……3コマくらいしか出てないため、このくらいしか書くことが無い。 ◆ダヴィンチ クソアーメンな変態で、ある意味この漫画を象徴するような人物。 リンクを参照。 追記、修正お願いするびん △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] この作品の良さが「ねじまきカギュー」で生きてる。 -- 名無しさん (2014-06-04 19 13 27) これは瑠々花が最初めっちゃウザかったなー。もし自分がピカソだったら瑠々花をボコボコにしてたかなって思うぐらい -- 名無しさん (2015-02-09 15 08 31) あれから、集英社移ってカギューちゃんとか維新の読み切りとか書いてるんだけどYJ関係者には明らかに中山敦支の絵柄とか作風に影響受けてる人いるよなぁ…。久米田といい、サンデー本誌から他小学館雑誌や他出版社に移動して成功した癖のある漫画家は結構多い。 -- 名無しさん (2015-04-10 13 22 21) 終盤になるとアートマンよりトラウマイスタ本人のほうが強いっていう そういうの好きだけど -- 名無しさん (2015-09-26 17 36 21) 中山氏自体もエルフェンリートのファンで岡本倫の影響受けてるとおっしゃった -- 名無しさん (2016-05-22 11 14 49) ファーブルのトラウマが正直一番きつかった(可愛がってた虫のさなぎを酔っぱらった父親に食われる) -- 名無しさん (2018-10-19 19 44 28) あらすじ欄の「自信」て「自身」の間違いじゃない? -- 名無しさん (2020-03-06 14 52 09) 伝説になった終盤から題名がはじけてくる -- 名無しさん (2024-06-19 19 57 41) 名前 コメント
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別名「魔導大国」と呼ばれる、アーリアで最も魔導術の歴史が古い国。 聖王国の西に隣接し、人と自然が昔のままの姿で共存している。その為、幻想生物や精霊の姿が多く確認され、未だ未開拓の地も多い。 かといって、けして近代化が遅れているというわけではなく、各所に魔導技術が用いられた施設や道路も多い。 王都はヒエログリフ。 魔法の力で空中に浮いた島に建設された皇帝の居城が中心にあり、その周りには深い森と民家が入り交じった街が円形に広がる。 その中に、世界的に有名な魔導術の学院や魔法研究施設が建ち並ぶ。 国民性としては個々の自立心が強く、向上心に溢れた者が多い。そのためしばしば内乱勃発し、あまり統制が取れていない国としての認識が強い。 そして、その国民のほとんどが、精霊魔導術を使うことができる。 ノーブルは精霊と人の交わりから産まれて続く新人類であり、寿命も老化速度も千差万別である。 彼らは精霊魔導術を生まれつき使う事が出来るものの、その強さは血統に左右される。 その中でも王家の一族は、始祖と同じく銀の髪と金の瞳を持ち、またそれがより純血に近い証ともなっている。 そしてその色を持つ者は最高位の精霊、精霊王の力を行使する事が出来る。精霊王の顕現にはある条件があるが、王家のみに伝えられる秘伝である。
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グレニウス (3) 例によって例のごとく、これは、これ、でひとつ。 黒騎士のルキアニスごろ、帝國歴1096年春ごろの話と考えている。 エル・コルキスと、アル・レクサの国境の河は、ディ・スランかどうかははっきりしないが、仮にディ・スラン河の名を借りることとする。 1 見やる先をディ・スラン河が流れゆく。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は馬上よりその流れを見やっていた。 ディ・スラン河は、ペネポネソス海より出で、遥か南の多島海へと向かってゆく。アル・レクサ王国の西の守りでもある。王国は、河と水とに育まれ、守られる国でもある。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、アル・レクサ王国の諸王の一人にすぎないけれど。 北の地平、きらめくディ・スラン河は、地平線の北に横たわる内海、ペネポネソス海より発する。ペネロポセス海は大陸内海で、対岸の「帝國」とアル・レクサ王国を隔てる守りの内海でもある。また多くの河が流れ込む。それら河の一つには、アル・レクサの心臓と言ってよいディ・アミス河もある。その源流パラミティア湖からの水は、ペネポネソス海の一部を成し、そこから流れ出すこのディ・スラン河となり、アル・レクサを守っている。王国は、河と水とに育まれ、守られている。 西の守りディ・スランは、アル・レクサと、エル・コルキスの国境と定められてきた。ディ・スラン河は、川筋をあまり変えることが無いからだ。ただ、それでも、稀に川筋が大きく変わることがあり、それは、双方の国を大きく戸惑わせる。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王が見やる流れも、北の地平線で、二つに分かれている。一つは、大きく西にうねるディ・スランの本流、一つは、より細くこちら側に流れ来て、丘の下を流れる支流。かつてはこちらの流れが本流であったという。アル・レクサではディ・キケランと呼び、ディ・スランとは違うものと見なしている。ディ・スランとディ・キケランの間には大きな中洲島があり、これはキケロの森と呼ばれていた。そしてディ・スランとディ・キケランは南の地平で再び一つの流れとなる。 ディ・スラン河は、東西両岸に森を育んできた。特に、西の森は大きく豊かであり、さらに西に続く森と合わせて、森族の版図、エル・コルキスとなっていた。東の森は、アル・レクサの封土であり、その心臓たるイグメニツァ高原に圧されて、西の森よりは小さいものの、アル・レクサの船を養った森でもあった。とはいえ、この数百年の間に、森の多くは切り倒され、すっかり耕地に変っている。 そして、疎らな木々残る耕地の道を、諸侯軍は行軍してくる。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王はそれを見やる。うねりながら進む道から、土煙は絶えず上がり、空で交わり、青い空を砂色ににごらせている。その先頭には国軍旗を掲げられている。国軍旗の下に招集された諸侯軍勢だ。 キケロへの集結であるならば、いくさが本物となることは、あまりない。よって諸侯は、これを箔付けに良く使っていた。子弟がよく送り込まれてくる。諸隊が掲げる諸侯旗には、帯旗が伴われれている。帯旗は諸侯直卒ではないことを示している。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王にとっては、それはひどく歯がゆいものなのだ。なぜ備えぬ。 帝國は、帝國の軍勢は、この程度ではない。この程度では、戦いにすらならぬだろう。北のペネロポセス海はまさに守りだ。その対岸にある、帝國は、強い。魔術に優れた、あの森族の軍勢すら、帝國の放つ砲火と、押し進む機装甲らに、あるいはその先頭に立つ機神らに、退かざるを得なかったのだ。アル・レクサ王国も、それらと戦ったはずだ。そしてコリントスの都を奪われた。鷹揚さを示して見せる帝國より、屈辱とともに取り戻した。その帝國と戦うはずなのだ。諸侯軍勢がこの様では、目も当てられぬ。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、馬上よりこの軍勢をながめる。 若さは、諸王の中ではかならずしも重んじられるものではないことは、十分に判っている。むしろ軽くみられるものでもあることも知っている。己が西方総督の位は、王と王太后との特別な計らいであるとも見なされていることも知っている。 グレニウスの王位即位は、王と王太后による、許しの証しであるのだから。すなわち、王国大乱は過去のことであり、今の王国のものらことごとくは、アル・レクサ王を正しく戴く臣民であり、また諸王であるべきなのだ、と。 正しき諸王は、国軍を指図することはできない。国軍は、アル・レクサ国王のものなのだ。よってグレニウス・アル・ユルゲネアス王もまた、進みくる国軍旗の下の諸侯軍を指図することはできない。参与であって参陣ではない。己の機に乗らぬことで、ありようを示す。乗馬はそれが故だ。 しかし乗馬でも王は、王。護りとなる神聖騎士を伴う。グレニウス・アル・ユルゲネアス王も、今、二人の神聖騎士を伴っている。双性者を侍らす方便としてではない。常人に行えぬ戦いを行わせるため、気性の良い双性者を選んできた。 気性の良い、すなわち戦う事を自ら望む気質の、双性の者は数多いとは言えぬ。このところ、気質の良い神聖騎士は、近衛軍が囲い込んでいる。もってアル・レクサ王は近衛軍の力を増そうとしている。グレニウス・アル・ユルゲネアス王もまた同じく、そのように図っていた。 いま伴う二人の内の一人、イル・ルスパリディオスは血筋も、気性もいずれも良い。見た目の幼さと、その力とは、双性者には関わりが無い。 もう一人、イリアスは血筋は野の者だが、気性は極めてよい。在野の双性者は、親が拒むことも多く、神殿に入るのも遅くなることもある。イリアスはその手の者だった。神殿のくらしでも、その気性は保たれ、神聖騎士となった。神聖騎士であることは、イリアスの性に合っているらしい。外套頭巾と面紗を面倒がっている他は。 だが、身体を覆うことと、首帯を着けることは、双性者の決まりごとでもある。外套と面紗に隠していれば、どのような格好をしていても構わぬ。 問題は、イリアスが身も心もすべて、グレニウス・アル・ユルゲネアス王に侍るかどうか、だ。 この双性者は、何か底意を隠している。グレニウス・アル・ユルゲネアス王はそう感じていた。双性として神殿に捧げられ、神聖騎士として侍るべきものが、底意を持つなど、王には許しがたい。 まあ、よい。こちらの方は、いくらでも手を打てる。王に対するあざけりは、その身をもって正されるべきなのだ。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、イリアスの外套姿から、ディ・キケランの流れへと目を向ける。そして、その先のキケロの森へと。 キケロの森は、今でも豊かな森のままだ。長くディ・スランの西にあって、森族のものであったからだ。ディ・スラン河は、アル・レクサと、エル・コルキスの国境の河、と定められていた。 二百年ほど前、ディ・スランの川筋が変わったとき、キケロの森は流れのこちらに取り残された。よってアル・レクサ王国は、このキケロの森を王国の物となったとみなした。一方、エル・コルキスは森を諦めなかった。浮橋を作り、軍勢を送り込み、キケロの森を守ろうとした。 アル・レクサはこれを侵略とみなし、軍勢をもって激しく戦った。一時は王国の機神が参陣することともなった。しかし、キケロの森は、王国の手中に落ちたとは言えなかった。旧の川筋に、再び水が流れ込んできたのだ。森族の魔術によるものともいう。 旧の川筋に流れた水は、もとよりはるかに少ないものであったけれど、ディ・スラン河の川筋こそアル・レクサとエル・コルキスの国境であるのなら、キケロの森は、アル・レクサのものではなくなる。しかしキケロの地はすでにアル・レクサ臣民の血を吸いこんでおり、これを手放す事など、王国にはあり得ぬ。王国は旧の川筋の流れに、ディ・キケランの名を与えた。 キケロの森は、長く係争の地となった。キケロの森より木を伐りだし、アル・レクサに運び出そうとすると、どこからともなく矢が放たれ、それを許さなかった。アル・レクサは、矢を防ぐことは出来なかったが、兵を退くこともなかった。 キケロの森の岸辺には、キケロの森の木々と石で造られた砦が建てられ、アル・レクサの兵が留まることとなった。アル・レクサと、エル・コルキスの間に、諍いが起きた時、そしてそれが一方のいら立ちをかきたてた時、キケロは「かきむしられる傷」となった。一方の軍勢が、岸辺に集結し、キケロ奪還を思わせる動きをする。一方がそうするなら、他方も応じざるを得ない。河とキケロとを挟んだ双方は、にらみ合いのみを行い、やがてアル・レクサと、エル・コルキスの双方の間に約定が結び直され、しかしキケロの森がどちらに在るべきかは相変わらず定められることもなく、いかさまないくさは、終わりを告げる。 この出兵もまた、いかさまないくさだった。アル・レクサはエル・コルキスと戦うつもりなどない。もし、エル・コルキスがやって来ぬのならば。もし、エル・コルキスが軍勢を立てぬなら、アル・レクサはキケロに踏み込む。アル・レクサにとっても、エル・コルキスにとっても、キケロはそういったところなのだ。 いくさを行うつもりが無いとしても、一軍を発するのは、アル・レクサにとっても楽ではない。この意を、エル・コルキスの女王は解するだろうか。解するはずだ。女王もまた王器であるはずだ。 女王は解している。帝國と戦わねばならないことが。ペネロポセス海沿岸諸国のことごとくが帝國との戦いを諦めても、女王は戦いを止めない。今のエル・コルキス水軍は、もはや対岸へ乗り込むことができなくなっているとしても。帝國は力を増している。いや、内戦前を越えたのではないかと言うものもいる。エル・コルキスも圧されつつある。帝國の水軍は急速に数を増し、備えた砲によって、エル・コルキスの船そのものを打ち砕く手をとっている。今のままでは遠からず、エル・コルキスの水軍はペネロポセス海から姿を消してしまう。残るはアル・レクサの水軍のみとなる。アル・レクサ王国が約定によって帝國と戦わぬ今、帝國はペネロポセス海の覇者のごとく振る舞うだろう。 解していても、退けぬことはあろう。しかしそこを退いてこその王器ではないか。王としての構えの広さ、王の器そのものではないか。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は思い、そして、自らへも戒める。それこそが己の王器を計るものなのだ、と。 アル・レクサを統べるなら、アル・レクサだけを見ていてはならぬのだ。今はアル・レクサのひとところに納められていても、王器は広くあらねばならぬ。 アル・レクサの軍勢によって、エル・コルキスの水軍を抑える。アル・レクサの裏切りにはあたるまい。女王にとっては水軍退きを、アル・レクサに故を求められるだろう。もちろん、この底意は、アル・レクサ王も、その嫡子にして王太子ペレウス・アル・カルケディアスも、承知している。ゆえの国軍旗の下の諸侯軍である。 「陛下」 イル・イリアスが馬を寄せ、控えめながら呼びかける。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は振り向く。双性者の側から王へと呼びかけるのは本来ありえぬ非礼であるが、王を守る神聖騎士には許されている。そして臆することなく声を発するイル・イリアスの気性を、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は佳しとしていた。 そのイル・イリアスが示すのは、この丘の下、国軍旗とともに、機装甲と、騎馬の一段とが登ってくる姿だった。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、それを待ってもいた。この丘は、出兵の度に本陣の置かれた丘であるからだ。石畳が敷かれ、すぐに本陣の天幕が張れるようにもなっている。 重い足音、蹴る砂埃に、白の機体も薄汚れて見える。それでもなお、美しい機体であった。重魔道機メムノス・クリュプトスだ。国軍旗とともに、招集された諸侯軍勢を率いる将軍に下賜されたものだ。機装甲として高い体機能と魔導能とを併せ持つ。 それらは、諸王にはけっして膝を着かぬ。今も、あえて離れたところに膝を着いた。その背の甲蓋が開かれ、乗り手の将が姿を見せる。もちろん、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は知っていた。強健な体つき、褐色の肌、整えられた顎鬚、鋭い瞳が、丘より行軍する軍勢を見やる。 ヨルゴス・アル・ハス将軍。この西部をアル・レクサ国王より任せられた男だ。すぐに従兵が駆け寄り、水筒を差し出し、それを受け取りながらアル・ハスはまた本陣役の者らへと指図を下す。散る者を満足げに見送ってから、アル・ハスはグレニウス・アル・ユルゲネアス王へと歩きはじめる。 国軍旗を賜った将軍は、諸王に膝を屈することはないが、諸王に示すべき敬意はある。馬上のグレニウス・アル・ユルゲネアス王へ、アル・ハス将軍は軍人らしく礼を行う。王はうなずき返す。 「任務ご苦労である、ヨルゴス・アル・ハス将軍」 「痛み入ります、グレニウス・アル・ユルゲネアス陛下」 「軍勢の移動、どうなっておろうか」 「常より少ないゆえ、さほど時を費やさずとも、集結しようと考えております」 やむを得ない。ここで真のいくさになろうとは、誰も考えていない。丘の下を行く軍勢は、常の布陣の位置へと流れるように進んでゆく。ディ・キケラン川の細い流れには、浮橋がかけられており、対岸には木造の砦がある。アル・レクサの砦だ。しかし国軍旗により招集された諸侯軍勢は、決してディ・キケラン川を渡らない。国軍旗により招集された軍勢を指図するのはアル・レクサ国王であり、しかし常に、ディ・キケラン川を渡るべからずと命じているだけだ。 しかしグレニウス・アル・ユルゲネアス王は、アル・レクサ王に止められぬ限り、総督として、アル・レクサ西方のどこへでも赴く。もちろん、ディ・キケラン川を渡った先の、キケロの森であっても、だ。 「任を果たすがよい。アル・ハス将軍」 「はい、陛下」 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は鷹揚にうなずき返し、馬首を巡らせる。駆けさせれば、護りの二人の神聖騎士と、側役らの馬も、同じく駆けて追いかけてくる。諸王の旗を掲げる馬を、阻む軍勢の列は無い。常の布陣へ向かう軍勢の列は足を止め、ディ・キケランの浮橋へと向かう騎馬の一団を見送るばかりだ。 「イル・イリアスは、初めてであったな」 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は問うた。馬の蹄は、拍子をとるように、浮橋の踏み板を鳴らす。 「はい陛下。わたくしを伴われるのは、これが初めてのことと存じます」 「キケロの森は、狩場として気に入っている。いずれ、お前も伴なおうと考えていた」 「ありがたきお言葉」 浮橋は、河を渡る浮橋そのものより、そこへの取り付けの橋の方がずっと長い。しかし渡った先では、元の川床にもすでに木々が茂り、取り付けの橋も、木々の切通しを進むようになっている。その先に、キケロの砦と、その城門がある。城門を守る立哨の衛士たちが背を伸ばす。 拍子をとるような蹄の音を響かせながら、グレニウス・アル・ユルゲネアス王と、その一団は、城門をくぐる。 「イル・イリアス」 「はい、陛下」 「この先を、見たかったのであろう?」 肩越しに見るイル・イリアスは図りかねたかのように押し黙る。その面は、面紗頭巾に覆われて、グレニウス・アル・ユルゲネアス王にもうかがえない。 けれど、彼には判っていた。 獅子の巣を求めねば、獅子の子は望めぬ。その千載一遇の機を、イル・イリアスが逃せるはずがない。 このキケロには、アル・レクサの王土には置けぬものが置かれている。イル・イリアスと、イル・イリアスを心酔させ、さらにグレニウス・アル・ユルゲネアス王へと送り出したものは、それを知りたいと望んでいたのだ。 良く鍛えられた、良い気性の神聖騎士、それを賭けて知ろうとするに足る、秘め事であることは、もちろんグレニウス・アル・ユルゲネアス王には判っていた。 イル・ルスパリディオスは、Isopalia(引く)dyos(2)から。すなわちプルツー イル・イリアスは、イリア・パゾム ヨルゴス・アル・ハスは、arhat(羅漢)から。ラカン・ダラカン
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おっぱいマイスターになるには 女性のブラを100枚集める 秘密結社貧乳同盟を壊滅させる おっぱいに関するスキル(鑑定眼、ブラのみを引きぬく手、など)を神技レベルで習得 のどれかを満たす あくまで「やる夫の目標」なので、「読者の目標」と同じようには考えてません。
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グレニウス (5) 4 イグメニツァ、その高原はアル・レクサの心臓と言っていい。 緑の香りかすかに含む風に吹かれながら、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は思う。水を掻く櫂の音、節を取るように軋る船べりの音が、ただ繰り返される。 特にペネロポセス海側は内海風によって雨も多い。かつては森も深く、質の良い木々が良く採れた。今もまだ多くの森が残っている。王都アクロティウスも、その緑のイグメニツァの高原にある。ここには緑の香りがする。そしてそれは、キケロの森とは何か違うものに感じる。グレニウスの血が、そう感じさせるのだろうか。 このディ・アミス河こそ、いまのアル・レクサを形作った父なる河だ。グレニウス・アル・ユルゲネアス王の櫂船はディ・アミス河を行く。諸王の船の船首にある衝角は、かならずしも敵に向けてあるだけではない。諸王の船に立ちふさがる船あるならば、相手は問わない。ゆえに船首に掲げたグレニウス・アル・ユルゲネアス王の旗を前に、小舟どもも商船も、逃げるように道を開ける。 初めて己の船を得たときは、これを面白いと思ったものだ。若さでなく、幼さを捨てきれぬ時に、そう思う。今では、道行が滞らぬくらいに避けてやれ、と船長に命じてある。本当に沈めれば沈めたで、王としての補いをつけてやらねばならない。それは構わぬのだが、無用に民に労を掛けずともよかろうと思うくらいにはなったのだ。 それよりも、今は一刻が惜しい。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、踵を返し、涼しい船室へと戻る。イル・イリアスが付き従って、扉を閉じる。御前会議を前に、まだ目を通しておきたい資料がある。ほとんどのことは役目の者に任せればいいが、アル・レクサ王御前会議には、西方総督としての報告がある。エル・コルキス情勢についても、西方総督としてその情勢に通じておらねばならぬ。意見を求められることもあろう。役目のものに任せきりというわけには行かない。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は覚書を繰る。帝國の水軍作戦について、まとめさせたものだ。 帝國の行ったペネロポセス海での水軍作戦は、予想より大きかった。帝國沿岸沿いだけでなく、一部は西隣アル・ダキア沿岸でも戦闘が行われたという。グレニウス・アル・ユルゲネアス王の知る限り、エル・コルキス王国は敗北を喫した。エル・コルキス王国を擁護してやる気もない。エル・コルキス女王の失策を犯したのだ。その失策そのものから、アル・レクサを守らねばならない。そのための御前会議だ。またアル・レクサ王が王国の方針を諸総督諸将に示す場でもある。 エル・コルキス水軍海賊部隊が、どれほどの損害を受けたのか、はっきりわからないままだ。おそらく、王国も把握できていないだろう。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は多くの間者を、エル・コルキス王国に放っていたが、海賊港へ入り込んだものはいない。表向き、エル・コルキス王国の水軍と海賊とは違うものとしている。したがって海賊は、水軍港に近寄ることも無い。水軍港を見ても、海賊部隊の受けた損害は明らかにならない。しかも、海賊港は魔術によって隠されているらしい。その数すら定かでない。だがペネロポセス海沿いの森にいくつもつくられている、といわれている。海賊船の建造も、どこで行われているか、定かではない。 帝國もまだ、それら海賊の根城を見つけられないでいるらしい。帝國ならば、見つけ次第どんな手を使ってでも、その海賊軍根城を攻撃しただろう。 その帝國では、先の水軍の動きについて、すでに広く知られているという。知られている、というより、知らしめられている、という。つまり、辻高札や、刷物で配られているというのだ。間者の報せのなかには、刷物の実物もあった。ペネロポセス海沿岸、南方辺境を統べるフェルヌス・ユリウス・マクシムスは、民草にまで、戦果と損失を知らせている。損失した船の数、軍勢の戦死行方不明についても、刷物の中に記されていた。つまり、すでに皇帝にも元老院にも知らせているはずであった。 フェルヌス・ユリウス・マクシムスは水軍に損害が出たことを率直に認め、しかし作戦としては成功したとしているという。損失した軍船については、北方辺境からの長期供給計画の範囲内であり、南方で建造される船と相まって、補充のつく範囲である。ゆえに臨時予算措置は不要であると言ったともいう。 帝國の長期軍船供給計画については、他国には概要が知られているのみだ。年によっては十隻近くの大型櫂船が増える。数年前は、ペネロポセス海の漕ぎ合いに不向きと思われるほどの、喫水の深い船だった。北方ゴーラ湾の波に耐える、北方型の船そのままであったらしい。船の数だけ満たそうとした、とペネポネソス海沿岸諸国は笑ったが、その顔も長くは続かなかった。今では、アル・レクサの快速通報船に追従して離れない軽やかな物さえあるという。帝國は、着実に力を取り戻しつつある。ほんの五年ほど前まで、血で血を洗う内戦に明け暮れていた国が、だ。 内戦の間、エル・コルキスの海賊はペネポネソス海を制する勢いであった。帝國領内に、秘密の海賊砦を置いていた、とも言われている。秘密の徴税を行い、沿岸の村々の離散もあった。しかし帝國のフェルヌス・ユリウス・マクシムスは、それらことごとくを退けた。そして内戦を終えた帝國は、南方辺境のみならず、遠く北方辺境で船を作らせ、河を使って送り寄越させ、船の数を一気に増やしていた。船員についても、増やす策があるらしい。船長格の資質は、高いとは言えないが、しかし砲戦にあたっては巧みに位置を取り、砲撃を有効に行なう術は身に着けているらしい。砲列、とでもいうべきか。砲列を組んだ帝國水軍は極めて手強く、 帝國の水軍は、ペネポネソス海の北岸を十分に守り得るようになっている。それどころか、西岸のアル・ダキアに港を窺う勢いですらある。 アル・レクサ水軍はその帝國に勝ち得るのだろうか。ペネポネソス海覇権を失えば、帝國はいつでもそこを渡り、アル・レクサの心臓を突き得る。エル・コルキスの失策は、エル・コルキスのみの物ではない。 もちろん、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、アル・レクサ水軍と、その提督らを信頼していた。近衛軍もまた、しかりだ。たとえあのペレウスが指揮していたとしても、だ。たとえペレウスであっても、敵ではない。アル・レクサの行く末をめぐって違うものを見ているかもしれぬが、しかし敵ではない。 近衛軍は、良く鍛えられ、また新しくあろうともしている。諸王諸侯には、おいそれとできないほどに、気性の良い神聖騎士をそろえ、それらを新しく作らせた重魔道機に乗せる。その神聖騎士の囲い込みによって、諸王は神聖騎士の質の維持にも苦労している。また諸王国の力では、重魔道機を立て続けに新造することも難しい。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王が、ラージャニウスのような重魔道機を作りうるのも、あるいはイル・イリアスに新機を与えられるのも、アル・ユルゲネアス王領の豊かさゆえだ。それでも、近衛軍のような厚い軍備など行いようもない。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は息をつき、椅子の背に身を預ける。待っていたかのように、イル・イリアスが、茶を持ちくる。気性は良いが、育ちが良いとは言えぬ。香りが飛ぶほど熱い茶を、そのまま出してくるのだ。その辺の機微は、まあ仕方あるまい。口を着けねば気落ちした風になるし、熱いと言えば次は妙に温い茶になる。だが、すするように飲むのはグレニウス・アル・ユルゲネアス王のやり方ではないのだ。 イル・イリアスは、あれよりグレニウス・アル・ユルゲネアス王に侍っていた。イル・ルスパリディオスをキケロの森に残してある。重魔道機ラージャニウスに加える改修を監督させるためでもある。ラージャニウスを、重甲のまま使うのは、おそらく不可能だろう。グレニウス・アル・ユルゲネアス王も認めざるを得ない。使えるように使うしかない。 イル・ルスパリディオスが姿を見せなくなっても、イル・イリアスがそばにある限り、不審を招く恐れは小さい。神聖騎士とはいえ、諸王に侍るもの。寵が移ることはあるのだ。そして、そうなれば、諸々の始末も要る。もちろんイル・イリアスを伴うことには訳がある。 むしろ御前会議よりも、そちらのほうが、グレニウス・アル・ユルゲネアス王には重い用件であった。 ペンテシレイア・エル・レクサ王太后、その思惑を確かめねばならない。 「・・・・・・!」 考え事をしながら、茶に口をつけ、熱さに放り出しかけた。振り返るイル・イリアスに向けて、まるで茶の器を掲げて見せるような姿になる。 「・・・・・・いや、何でもない」 イル・イリアスが己が口元に手を寄せたのは、笑いを隠すためだろう。いや、別にかまわぬ。グレニウスとて、鬼のつもりは無い。アル・ユルゲネアス王なのだ。 やがて王船は、パラティア湖へと進みゆく。 父なる河ディ・アミスのひととき安らう湖だ。今のアル・レクサの源でもある。滅び去った古のレクサ、それがよみがえったところでもある。遥かな昔、ペネロポセス海北岸にわたって広がっていたのが、古のレクサだ。北岸を帝國に平らげられたとき、古のレクサは滅び去った。そこより生まれ変わった新しいレクサ、今のアル・レクサ王国の生まれた地だ。 ここより、父なるディ・アミスより送り出される血が、アル・レクサに力を与える。グレニウスもまた、その血の一筋であり、一滴でもある。古のレクサより続く血筋を、グレニウスもまた誇っていた。だが、誇りは、それだけでは力になりえぬ。 「・・・・・・」 アル・レクサの内にも、諍いは絶えずあった。国王に諸王が集うありようも、それゆえだ。諸王は、正しきありようを、王より示され、それに沿うゆえに、諸王であることを許される。 しかし、王は、そのような下らぬ決め事から作ることなどできぬ。 王は、王器を持つもののみがなりうるものだ。そして、グレニウスは、アル・ユルゲネアス王なのだ。王の船は、パラティア湖を行く。その岸辺に広がる、王都アクロティウス、その城壁が、日差しに白くきらめいている。近衛軍の快速軍船が舳先を揃え、さらにはるかに多くの商船が、高い帆柱を競い合うように集まっている。その間を小舟が行き交い、水鳥が飛ぶ。船は行く。諸王の船が待たされることなどない。諸王の水門へ、王の船は、吸い込まれてゆく。 そこから先は、常の事と言っていい。諸王のための港に、いまはまだ他の船はやってきていない。アル・ユルゲネアス王のための桟橋には、すでに王都詰め役らが待ち受けている。巧みな舵とりと、櫂さばきで、王の船はその桟橋へと寄せられてゆく。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は渡し掛けられた豪華な踏み板から、桟橋へと移る。あとには外套と面布をつけたイル・イリアス、さらに諸々の役が付き従う。王都アクロティウスに軍勢を伴うことはできない。しかし諸王は、神聖騎士の護りを伴う権利もある。 迎えは、王都詰め役らだ。馬車もすでに待っていた。磨き上げられ、王旗を掲げたグレニウス・アル・ユルゲネアス王のためのものと、王に付き従う者のための馬車らだ。供奉が足置きを据え、馬車の扉を開く。乗り込むグレニウス・アル・ユルゲネアス王に続くのは、イル・イリアスと、それから王都詰め役の二人のみ。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、無為に時を過ごすのが嫌いだった。王都役宅へ向かう間、王都詰め役の報告を受けるためだ。聞いておかねばならぬことは多い。下らぬ噂話から、相場の新しい動きまで、だ。王たるものが、いちいちすべてを知る必要はない。だが動きを知り、それが何を示すかを知らなければ、行く末など見通せるはずもない。時には、下らぬ噂話ばかりで、より苛立ちが募るのだが。しかし、宮廷政治では、それはやむを得ない一面でもある。 王が与え、また取り上げる、宮廷での力は、いちいちつまびらかにされるわけではない。人のありようは、相対する間柄の中にこそ真の姿がある。どうしても、相対せねば見通せぬものもある。 そう、グレニウス・アル・ユルゲネアス王の心中に、いつもそれがあった。エル・レクサ。ペンテシレイア・エル・レクサ王太后、その人と相対せねばならない。 だが、王太后は、王位禅譲の後、モウサの離宮へひきこもったままとされている。調べさせたかぎりでは、王太后との面会を果たしたものもいない、という。 「・・・・・・」 そんなことがあるはずがない。王都役宅前で馬車を居り、役宅付きの者らの迎えの列の前を通り過ぎながら、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は思っていた。ペンテシレイア・エル・レクサ王太后のひきこもるモウサの離宮まで、王都より半日とかからぬ。俗世から真に離れたければ、もっと遠くに、あるいはパラティア湖のマイナウ島にでも引きこもれば良いのだ。 しかし、グレニウス・アル・ユルゲネアス王が、気軽に行けるところでもない。何者かを使いに出すこともできない。使いに出しても追い返されるのが落ちだろう。 女官どもを呼び、旅装を解く。だが私室に行くわけにはゆかない。キケロに費やした時が長すぎ、諸々のことを滞らせていた。滞るなら、役目のものにやらせればよい。だが、その末は、王の目で見届けねばならない。それが使うものと、使われるものとの違いだ。恐れるものと、怖れさせるもの、許しを請うものと、許すものとの違いでもある。ここでも、若さは必ずしも良きことではない。もう一つ、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、こうしたこまごまとしたことを、然るべく行うのも好きなのだ。 夜までかかって、それらの仕事を終える。帝國の都は、魔術の灯りや、灯明を使って、夜でも闇に浮いて見えるのだと言う。 しかし夜は、冥界神の刻。闇の中で、冥界神の眷属は働く。季節が移ろい、風が吹き、雨が降りあるいは雲が蓄えられる。草木も、動物らもその闇の中ではぐくまれる。人もまた同じだ。大地母神より得た作物を摂り、また休み、自らを育む。 何より、人にとっては、冥王の扉の開かれるべき刻だ。昼間の働きに疲れ果てたものは父神の庇護の下でやすらい、あるいは父神の示唆の下で思索にふける。酒精は、冥界神の息吹を導く、などともいう。王のための酒の味がわかってきたのは、このところのことだ。 また人の父は、父としての務めを果たす刻でもある。もっとも、グレニウス・アル・ユルゲネアス王にはまだ子がいないし、妃を王都に伴ってはいない。グレニウス・アル・ユルゲネアス王の即位と、正妃の輿入れをもって、レクサの大乱にかかわる、すべての始末がつけられた。 それは、許しであるのだと、受け止められていた。 「・・・・・・」 許しなどではない。 正しき形へ、一歩だけ立ちかえったのだ。 グレニウスは、アル・レクサの心臓より出でる、正しき血筋の一筋なのだ。 それは、グレニウス・アル・ユルゲネアス王が、王として、示す。これまでも、これからも。 グレニウスは、レクサ大乱の生き残りではない。祖父と言っていいほど歳の離れた、父の代に起きたことだ。父の顔など、知らぬ。父からの教えなど無い。そもそも父は諸王にすらなりえなかった。血筋さえ、失いかけた。 「・・・・・・」 いや、グレニウスは、ここに在る。 グレニウス・アル・ユルゲネアス王として、レクサの父なる河ディ・アミスを遡り、レクサの心臓たるここに在る。 ディ・アミス河と、イグメニッツァ高原については、カスピ海南岸のイラン北部の気候を参照した。 これはこれで、でお願いしたい。
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グレニウス (4) 3 淫臭、汗と、汁とにまみれた体を抱いてやらねばならぬ。 薬と、調教役の手練手管によって、責めぬかれ、さらに捨て置かれ、身も心も疲れ切ったイル・イリアスを、救わねばならない。抱いて快苦を共にし、そして、イル・イリアスの秘め事を、グレニウス・アル・ユルゲネアス王が飲み下してやらねばならぬ。 それこそ、イル・イリアスのすべてを従える、ということなのだから。 それは、調教役などには聞かせられぬ。 「!」 嬌声が響く。十二日に渡って終わりなく責め抜かれ、それでもこの声を上げるのだ。そして、期を逸してはならない。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、動きを止める。気取られぬように、息を整える。枕元の魔道灯の光に、イル・イリアスの瞳にゆっくりと生気の光が戻ってくる。 「イル・イリアス、余の、ものと、なれ。すべて」 「陛下・・・・・・」 「余こそ、お前の、すべての主」 「はい」 「前の、主も、また我が内のものとなる。お前のものであったからだ」 「・・・・・・」 イル・イリアスの瞳が宙を泳ぐ。霞んだ脳裏で、言葉がつながらぬからだ。この期をずっと待っていたのだ。どのような言葉にも抗えぬ時を。 「恐れず、告げよ。余はもってすべての主となる。イリアス。汝が胸に秘めた、かつての主の名を、告げよ」 「・・・・・・」 小さく、けれど、確かに唇が動いた。 「エル・レクサ」 むしろ驚いたのは、グレニウス・アル・ユルゲネアス王であった。だが、それは、悟られてはならぬ。すべてを、王が内なるものとせねばならぬ。イル・イリアスの唇は動く。 「ペンテシレイア・エル・レクサ陛下・・・・・・」 確かだ。イル・イリアスは偽り事を言っていない。 「果てよ」 イル・イリアスの男根を締めつけていた、性具に掛けられていた呪、それを解き放つ。イル・イリシアの体が跳ねる。背を逸らし、びくびくと震えながら果てる。強く淫臭が立ち込める。その臭いの中で、けれどグレニウス・アル・ユルゲネアス王の脳裏には、先の名が巡っていた。 ペンテシレイア・エル・レクサ王太后。 アル・レクサの表舞台から、姿を消して、すでに久しい。死んだのではない。今のアル・レクサ王へと王位を禅譲し、モウサの離宮へ隠遁してしまったのだ。それも、グレニウスが生まれるはるか前に起きた、レクサ大乱の後に。ペンテシレイアこそ、レクサ大乱にて有象無象を討伐し、大乱を鎮め、帝國、アル・ファロス、アル・カルナイの介入を阻んだのだ。 「・・・・・・」 しかし、そのペンテシレイア・エル・レクサ王太后が、何故に。 「風呂の用意を。あれも清めてやれ」 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、イル・イリアスより離れ、寝台より起き上がる。 離れて控えていた調教役が、扉を開き、部屋に明かりが差す。部屋を抜けると女官どもがやってきて、グレニウス・アル・ユルゲネアス王に長裾の室内着を掛ける。風呂の用意はもうできていた。 身を沈め、さらに人を遠ざけ、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は考えに耽る。 驚きだった。 予期していた名は、ペレウスだった。だが、違っていた。ペレウス・アル・カルケディアス王。アル・レクサ諸王の一人であり、アル・レクサ王の嫡男であり、アル・レクサ王太子でもある。近衛軍を統べてもいる。 近衛軍は、アル・レクサの神聖騎士の多くを、囲い込んでいる。アル・レクサ王は、諸王への神聖騎士を渡したがらないとも言われている。近衛軍に神聖騎士を集め、新式の重魔道機メムノス・クリュプトスを使わせ、さらに騎士団として使う事で近衛軍の力は高まる。そのためだ、と。 覇気のあるイル・イリアスのような、気性の良い神聖騎士が、グレニウス・アル・ユルゲネアス王へと渡ったのだ。ペレウスの息がかかっている、と考えたのは、自然な流れだ。 では、これまでのペレウスへの注意は、無駄であったのだろうか。 いや、それはそれだ。ペレウスとは、いつかは雌雄を決しなければなるまい。いつか戦う相手への注意は、いくら払っても無駄にはならない。ただ、ペンテシレイア・エル・レクサの名は、意外であった。王太后が、いまだにアル・レクサ諸王の中に間諜を放っているとは、思わなかった。 そう、間諜だ。神聖騎士を間諜とするなど、誰に出来ることでもない。 「・・・・・・」 つまり、初めからのはかりごとであったのだろうか。グレニウスを、アル・ユルゲネアスの王としたことすら。 「!」 お湯を払って、グレニウス・ユルゲネアス王は立ち上がる。慌てて、女官どもがぬぐい布をもて集まる。 いや、だとしても構うまい。王になることと、王であることとは、異なることなのだ。 偉大であろうとするものが、尊大でないはずはない。尊大でないものが、余人を自在に使えるはずもない。王たろうとするものは、自らそうならんとするものだ。グレニウスは、そうあらんと自ら定めた。 グレニウス・アル・ユルゲネアスが王であるのは、グレニウス・アル・ユルゲネアスがそうであろうとするからだ。身を拭わせ、着替えをさせ、さらに女官を下がらせる。 やはり疲れていた。 「寝所へ、イル・ルスパリディオスを呼べ」 女官は、寝台の天蓋の紗を開き、グレニウス・アル・ユルゲネアス王が入るのを待つ。そして礼とともに黙って退いてゆく。魔術によって、暑きときには涼しく、寒きときには暖かな天蓋の下で、グレニウス・アル・ユルゲネアスは静かに目を閉じ、待つ。眠りかけて、ふと目を覚ます。 イル・ルスパリディオスの姿が、紗の外にある。うなずきかけると、ルスパリディオスは、紗を開き、寝台に上がってくる。 「怪我は」 「もとより大したことは無い」 ルスパリディオスの言葉に、そうか、と応じて、グレニウスは身を寄せる。その膝を寄せさせ、頭を寄せる。すこししてルスパリディオスはつぶやく。 「あいつの臭いがする」 「うるさい、黙れ」 ルスパリディオスは答えず、代わりに、そっとグレニウスの髪に触れる。 「状況は、整理されたのか」 「そんなはずがなかろう」 「そうか」 ルスパリディオスは動かない。膝にグレニウスが身を寄せるままでいる。そっと吸い込み、そっと吐く。ただそれだけを繰り返す。目を閉じ、しずかに、ゆっくりと。吸い込む息の中に、彼女の臭いがする。 「眠るがいい。私が、お前を守ろう」 その声は聞いた。そのまま眠りに落ちた。久々に、夢を見た。 母の夢だった。 昔のままに、小柄で、美しく、そして悲しげに見えた。判っていた。母の姿は、遠い昔のことだ。今の彼はグレニウス・アル・ユルゲネアス王なのだ。 目覚めれば、ルスパリディオスは、グレニウス・アル・ユルゲネアス王の頭を掻き抱くように眠っていた。その手をはらいのけて、起き上がる。守りと言っても、この程度のものだ。いや。褥の守りが本当に役立つときが来るとしたら、それは、王命の尽きかけたときであるのだが。 ともに果てるのが、イル・ルスパリディオスでも悪くは無い。 寝台の紗を払って抜け出せば、すぐに控の間から、人影が姿を見せる。 驚きはしなかった。 イル・イリアスの姿だ。昨夜までの蕩けたようすはどこにも見られない。ただ青の瞳は、熱を込めてグレニウス・アル・ユルゲネアス王を見つめている。王は問う。 「体は」 「一晩、休みを頂きましたゆえ」 「ならば我がもとにあれ。お前は我がもの」 「承知」 「まずは朝の湯あみの支度させよ」 イル・イリアスは一礼とともに退く。 たとえ、裂け目の館であっても、グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、常の行いを保つこととしていた。常の行いを怠れば、それは積み上がって他を圧する。今、ここで行えることは限られており、常の居城で行っていることでも、ここでは行えないことも多い。ここより持ち出せぬ物も多く、ここで始末をつけねばならぬことも多い。 たとえば、先に事故を起こし、壊れた機装甲ラージャニウスの始末だ。 「以前に増して、壊れている、というのはいかなることか」 工部らは平伏し、たどたどしく言い訳を述べ立てる。いわく、使える鉄の質に問題があり、あの巨体を支えきれぬ、と。それは判っていたことではないか。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は重ねて怒りを示したくもなる。判っていたことなのだ。 悲しいかな、アル・レクサで作れる鉄は、帝國にはるかに劣る。 いや、鉄のみではない。機体の中核も、魔力回路も、いずれもが、ことごとく帝國に劣る。だが、要るのだ。なんとしてでも、帝國の機神らと真に戦いうるものが。アル・レクサの手のみでは、作れぬとしても。 裂け目の館の中庭に作られた格納庫には、ラージャニウスの巨体が納められている。背丈で、並の機装甲より頭一つ二つ大きい。見た感じでは倍にも思える。それは、肩の左右に、花びらのような大きな結界装置を持っているからだ。それは、肩より上から、地に届くほどあり、機体に左右から覆いかぶさるようにしてある。魔力を注げば、強い風の魔術を成し、ラージャニウスの巨体を吊り上げ、は宙を舞う事すらできる。また結界装置は、雷撃を放ち、導くこともできる。アル・レクサにして、空前絶後の重魔道機となるはずであった。しかしラージャニウスに今あるのは、目算ばかりだ。 気に入らない。そう、気に入らない。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、日陰に腕組みをして、苛立たしくその巨大な機装甲ラージャニウスを睨みつける。 結界装置を支える機体は巨大で、機体のみでは、己を支えきれないありさまだった。ラージャニウスは背後に、交差した磔架のような機体支えを持っている。いちおう、風の魔術を助けるようにはなっているのだと、工部たちは言っていた。 しかし機が、機を支えきれない無様さは覆い隠せない。左の脚は、昨日にへし折れたところだ。今は仮の骨材が繋がれているだけだ。右腕に至っては、肘から下が取り外されている。転倒した時に壊れたという。まるで廃兵のようだ。しかしまだ、この機装甲ラージャニウスは完成すらしていないのだ。何より腹立たしいのはイル・ルスパリディオスを死なせかけたことだ。 機装甲ラージャニウスには、いくつもの特別なものを与えている。乗り手のイル・ルスパリディオスもそうだ。グレニウス・アル・ユルゲネアス王のもっともすぐれた神聖騎士だ。容易には手放せぬ。それ故に、機装甲ラージャニウスの開発が遅れたのも事実ではある。 それ以前に、中枢と、二つの巨大な結界装置に合わせて、機体そのものが無駄に大型化している。そのための機構開発が上手く行っていない。先の転倒も、収縮帯の継手がねじ切れたからだ。工部とて無事では済んでいない。幾人もが巻き添えですでに死んでいる。だが、これは作らねばならないのだ。 ラージャニウスは、森族が秘密裏に送り込んだ重魔道機の兄弟機を、直接の母体にしている。その兄弟機は、森族の隠密のものがトイトブルグに持ち込んだという。人族の騎士団を傀儡に、人族の双性者を載せて、帝國軍と戦い得たともいう。ただ帝國軍の部隊を圧倒することはできなかった。その重魔道機が、その後どうなったのかは知られていない。傀儡の騎士団が奪ったとも、隠密とともに失われたともいう。 ラージャニウスは、その兄弟機の中枢を入れ替え、両肩にあった結界装置を大型の者取り換え、もってこれらを支えるための足腰を作りなおしている。 中枢は、特別なものだ。王国では作り得ず、持ち込んできた森族すら、完全な作動を見られなかったという。内部の結界装置には、滅び去った古代魔導帝國の魔術陣を模倣したものが、取り付けられているという。森族が作動させられなかった、ということは、術具として不具同然ではないか、とグレニウス・アル・ユルゲネアス王は、森族の遣いに問いただした。 森族の遣い、それこそが、ラージャニウスの中枢を運んできた女だった。工部ではなく、ただの遣いであるという。森族の行うことは一事が万事、こうだ。冠を脱がずに頭を掻くようなことばかりをさせる。 遣いの女、銀灰色の長い髪を持つ女は、底意ありげな笑みを浮かべ、グレニウス・アル・ユルゲネアス王の問いを打ち消した。 「古代魔導帝國には、失われた魔術の体系がございました」と。 それらは、彼ら自身の作りだした双性者によってのみ極められ、その術を縦横に操れるものは、時を越え、無間を越え、言葉に寄らず感応し、炎よりさらに熱い熱を、氷よりさらに冷たく閉じるという。聞き飽きた戯言だが、森族は言った。それら術があったればこそ、機神なるものを作りえたのです、と。機神は、それらの術を行うためのものであった、と伝えられております、とも。 「我ら森族からも失われたその術、もはや模倣のみしか行えませぬ。我らにとっては、術として発することも叶いませぬ」 しかしながら、と女は言うのだ。 「人族のアールヴには、それらの術を操るに足る、覚醒がかなうことも、これある、と言われております」 その言葉を、頭から信じたわけではない。森族は、ただ信じるには危うすぎる相手だ。ラージャニウスの作りにしても、別の機装甲から作り変える形をとったのは、完全に動く物同士を組み合わせねば信じる事もできないからだ。中枢は、これまで通りの形で動かせる。結界装置それぞれもそうだ。組み合わせて動かすこともできる。ただ、それを戦いに使うには、機体が持たぬのだ。大きさと重さに。 そして、遣いの女はやってきた。 「御機嫌麗しう、ユルゲネアス陛下」 白々しいあいさつとともに、遣いの女は、グレニウス・アル・ユルゲネアス王へと恭しく礼をする。銀灰色の長い髪を持つ女。 ルーリカと名乗る。ラージャニウスの元となる機を持込み、新たな中枢を持込み、結界装置を持ち込んだ、しかし工部ではなく、ただの遣いという女。グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、沈黙をもって迎える。 ルーリカもまたこうべを垂れたままで待つ。 何を言っても、つるつると言いぬけるばかりなのだ。問うだけ無駄でもある。問えば問うたことのみを答え、問わねば何も言わずに帰ろうとさえする。もっとも、今ならば帰らせて構わぬのであるが。 「我が女王陛下より、アル・ユルゲネアス陛下へ、お言伝がございます」 「聞こう」 「お伝えいたします」 女は顔を上げる。口を開き、語り始めた言葉は、先までのルーリカの声ではなくなっていた。それは言う。 「此度のアル・ユルゲネアス陛下の警句、活かす事叶わなかったことは、慙愧に耐えぬ」 声は続く。 「王と王との友誼として送られた警句に感謝を示す」 「頂戴した」 グレニウス・アル・ユルゲネアス王は、やや意外に思っていた。常に心をうかがわせぬエル・コルキスの女王が、人族に、率直に聞こえる言葉を使っている。それそのものが、何か思惑ではないか、と思うくらいには、グレニウス・アル・ユルゲネアス王はエル・コルキスの女王を知っていた。 あと数度の大敗があっても、エル・コルキスの水軍は耐えうるだろう。しかし敵たる帝國は大敗したとしても、同勢以上の力を得てくるだろう。では、エル・コルキスはいかにするか。アル・レクサから船を借りるか。いや、それはアル・レクサ王の名において禁じられた。それは船員も同じだ。船や船員が失われたときに払われる抛金すら、エル・コルキスの船には禁じられている。エル・コルキスを支えるものは、この南方にはない。 エル・コルキスは、森族全体にとっては、飛び地のようなところだからだ。そして、森族の全体がどう考えているのか、人族には知るよしも無い。エル・コルキスの女王すら、どのように考えているかわからない。だが、森族と言えども、大地そのものを変えることはできないでいる。彼らは広大で豊かな森とともにある。 エル・コルキスは、中原から見て東の果ての森になる。これより東は、帝國領内でなければ森族を育むような森はなく、帝國領内では、むしろ闇族の方が多いのだ。闇族は森族と同系と言われているが、不倶戴天の敵でもあるという。 その東の果てのエル・コルキスが力を減じたとき、森族は如何に振る舞うだろうか。いや、エル・コルキスの女王は如何に振る舞うだろうか、それはグレニウス・アル・ユルゲネアス王にも察しがついていた。言葉には出さぬけれど。 アル・ダキアであろう。ペネロポセス海の西岸、今は混迷の中にある国だ。彼ら森族、というより、エル・コルキスにとっては、つなぎの線として、あの地を手放せない。 つまり、エル・コルキスの女王の先の謝意は、そこへとつながっているのだろう。もっとも、グレニウス・アル・ユルゲネアス王にとっては、それほど簡単なことではない。 アル・レクサ王と、王太子は、ともに帝國と事を構えるつもりはない。それだけでなく、何者が敵であり、使えるものなのか、見分けづらい様相を呈している。 なにより、エル・レクサの名。 ペンテシレイア・エル・レクサ王太后。 イル・イリアスの唇より放たれたその名のほうが、今のグレニウス・アル・ユルゲネアス王には重かった。 ペンテシレイア王太后については、アル・カディア、アル・レクサと表記があった。 が、今回は、これまでの通説のように、エル・レクサと表記することとした。 ペンテシレイア王太后が、実はアル・カディア出身だとすると、現行の王権は、アル・レクサ古来からの王権とは、若干違うものになった可能性はある。 レクサ大乱は、そう言った事件であったかもしれないが、今回は追及はしない。
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サーヴァント 【クラス】バーサーカー 【真名】リーゼロッテ=ヴェルクマイスター 【容姿】黒いゴシックドレスのような衣装に身を包んだ銀髪碧眼の少女。 【英雄点】40点(ステ20点・スキル20点):令呪2画消費 【HP】25/25 【筋力】C:3 【耐久】A:5 【敏捷】E:1 【魔力】EX:8 【幸運】E:1 【スキル1】狂化(低) 10点:物理攻撃と物理防御と魔術防御時、補正値3を得る。 【スキル2】始原の焔(オムニウム・プリンキピア) 魔術攻撃時、補正値5を得る。相手の対魔力を無効にする。 【スキル3】幻燈結界(ファンタズマゴリア) 移動フェイズで現在地のエリアで陣地を作成出来る。 陣地内では物理防御と魔術防御時、補正値5を得る。 【宝具】奈落落とし(ケエス=ビュトス) 1/1 【ランク・種別】ランクEX→A+:対界宝具→対城宝具 【効果】魔術攻撃時に相手前衛全てに攻撃でき、補正値5を得る。 【その他】
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サーヴァント 【クラス】バーサーカー 【真名】リーゼロッテ=ヴェルクマイスター 【容姿】黒いゴシックドレスのような衣装に身を包んだ銀髪碧眼の少女。 【英雄点】40点(ステ20点・スキル20点):令呪2画消費 【HP】25/25 【筋力】C:3 【耐久】A:5 【敏捷】E:1 【魔力】EX:8 【幸運】E:1 【スキル1】狂化(低) 10点:物理攻撃と物理防御と魔術防御時、補正値3を得る。 【スキル2】始原の焔(オムニウム・プリンキピア) 魔術攻撃時、補正値5を得る。相手の対魔力を無効にする。 【スキル3】幻燈結界(ファンタズマゴリア) 移動フェイズで現在地のエリアで陣地を作成出来る。 陣地内では物理防御と魔術防御時、補正値5を得る。 【宝具】奈落落とし(ケエス=ビュトス) 1/1 【ランク・種別】ランクEX→A+:対界宝具→対城宝具 【効果】魔術攻撃時に相手前衛全てに攻撃でき、補正値5を得る。 【その他】