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ギコタクシリーズからNPCとして登場。 原作ではある種最強の孔明。 彼の所業を見返してみると・・・ エー?が保留していたサイバーギコの修理を勝手に一人で完遂。おまけに妙なパーツや波動砲なんていらんオプションまで増やす。 魔力無効化装置なる妖しげな装置で結界を消滅させる。 ドア型空間移動装置で他の次元への扉を作る。 ・・・おい。誰かこいつのチート性能を止めろ といいたいが原作でもこんなんだからどうしたらいいのかよくわからない。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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オーバーロードは名称カテゴリのひとつ。 初出はDMWD-07 「ザ・ビッグバン・オリカデッキ OVER LORD」で、構築済みデッキの基礎を成す役割を担っていた。 DMWD-07 「ザ・ビッグバン・オリカデッキ OVER LORD」《オーバーロード・マスケット》 《オーバーロード・エンフィールド》 《オーバーロード・ピッピー》 《オーバーロード・ルピア》 《オーバーロード・アイニー》 《オーバーロード・スプリングフィールド》 《超時空 オーバーロード・ブローニング》/《超覚醒 キング・オブ・オーバーロード》 DMW-26 「テンプレア編IV ジ・エンド・オブ・ウォーズ」《砲竜凰オーバーロード・レヴォルキャノン》 《神羅オーバーロード・ベルチェー》 《闘竜覇神オーバーロード・<T>・タウルス》 この名称を参照するカード 《オーバーロード・マスケット》 《オーバーロード・エンフィールド》 《黒神龍フランジブル》 《フルデッド・ジャケット》 《オーバーロード・ピッピー》 《オーバーロード・ルピア》 《オーバーロード・アイニー》 《闘翔提督フレシェット》 《オーバーロード・スプリングフィールド》 《弾滅竜凰ドラノイア・ベータ》 《超時空 オーバーロード・ブローニング》/《超覚醒 キング・オブ・オーバーロード》 《砲竜凰オーバーロード・レヴォルキャノン》 《闘竜覇神オーバーロード・<T>・タウルス》 関連 その他一覧
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マウスオーバーによるアイテム表示の応用(1) LinkedItemキーとPushed~~・MouseOver~~系のキーを組み合わせて クリック/マウスオーバーで他の複数のアイテムを表示・非表示させる例を説明します。 マウスオーバーで文字表示を変化させる まずは、複数の文字アイテムを連動させ、文字色を変えることにより マウスオーバー/クリック時に内容を切り替えるような表示にする例を紹介します。 ↓のzipファイル内にあるフェイスを表示してみてください。 mouseover_test1.zip ボリュームバーが2つ表示されます。 上のバーは特に仕掛けはありません。 それに対して、下のバーはクリック/マウスオーバーすると 左側の「Volume」の文字列アイテムが消え、同じ場所にボリュームの数値が表示されます。 この仕掛けは、以下の3つの設定をすることにより実現可能です。 『「Volume」の文字列アイテム』は、クリック/マウスオーバー時の文字色を透明にする(キーを省略するのではなく、PushedTextColor・MouseOverTextColorどちらも0x00000000に設定する) 『ボリューム数値の文字列アイテム』は、通常時の文字色は透明に(TextColorキーを省略するか、0x00000000に設定)し、クリック/マウスオーバー時のみ文字色を設定する ボリュームバーのLinkedItemキーに、『「Volume」の文字列アイテム』と『ボリューム数値の文字列アイテム』を指定する こうすると、『「Volume」の文字列アイテム』の文字色は クリック/マウスオーバー時は透明なので消えますが、 『ボリューム数値の文字列アイテム』のクリック/マウスオーバー時の文字色は 通常の色で設定されているので、クリック/マウスオーバー時のみこのアイテムが表示されます。 ※見た目では色が透明なのでどちらかが消えているように見えますが、 フェイスアイテムとしては常にどちらも「表示されている」状態になっています。 マウスオーバーでボタン画像を変化させる 今度は、画像アイテムで作った操作ボタンを組み合わせた例を紹介します。 ↓のzipファイル内にあるフェイスを表示してみてください。 mouseover_test2.zip 左右バランスを操作するバーが2つ表示されます。 バーの右の「Pan Reset」の部分は画像で表示しています。 先ほどの例と同じく、上のバーは特に仕掛けはありません。 「Pan Reset」部分のバランスリセットボタンも普通に表示・動作します。 それに対して、下のバーはクリック/マウスオーバーすると 右側の「Pan Reset」の画像アイテムが消え、同じ場所に左右バランス数値が表示されます。 (この数値表示はStringImageFileキーを指定した、画像による文字表示になっています) 「Pan Reset」部分のリセットボタンをクリックすると上のものと同じく 普通通りにクリック時の色に(画像に)変化します。 この仕掛けは、以下の設定をすることにより実現可能です。 1.まず、『「Pan Reset」の画像アイテム』(リセットボタン)を2つのアイテムに分ける 「通常時のみ表示されるアイテム(A)」と 「マウスオーバー/クリック時のみに表示されるアイテム(B)」の2つに分けます。 「通常時のみのアイテム(A)」は、 ImageFileには普通に画像ファイルを指定 PushedImageFile・MouseOverImageFileはキーを省略せずに透明の画像ファイル(サイズは小さくても可)を指定 「マウスオーバー/クリック時のみのアイテム(B)」には、 ImageFileキーは省略する PushedImageFile・MouseOverImageFileには、普通に画像ファイルを指定 上記のように画像を指定します。 そして、どちらか一方をクリック可能にして(コマンドを設定し)、 もう一方のアイテムをLinkedItemキーで表示を連動させておきます。 (サンプルフェイスでは(B)のほうにコマンドを設定しています) ※アイテムを2つに分けないと、 バーとの連動を優先して「マウスオーバー/クリック時の画像」を透明にしただけの場合、 バー操作中は問題なくても バランスリセットしようとしてこのボタンを押したときも画像が消えてしまうことになります。 2.『左右バランス数値の文字列アイテム』の画像を設定する 通常時は透明に、マウスオーバー/クリック時のみ見えるように設定します。 PushedStringImageFile・MouseOverStringImageFileには、普通に文字表示に使用する画像ファイルを指定する StringImageFileキーは、キーを省略せずに、PushedStringImageFile・MouseOverStringImageFileで指定した画像ファイルと同じ大きさの透明の画像ファイルを指定する ※通常時のみ非表示にしようとしてStringImageFileキーを省略するとエラーになります。 また、文字画像の1文字あたりの表示サイズはStringImageFileの画像のサイズで決まるので StringImageFileに指定する透明画像は PushedStringImageFile・MouseOverStringImageFileの画像とあわせた縦横サイズにしてください。 3.左右バランスバーのLinkedItemを設定する バーのLinkedItemキーには、 『通常時のみに表示される「Pan Reset」の画像アイテム(A)』と 『左右バランス数値の文字列アイテム』を指定する 以上の設定をすることにより、 左右バランスバーの操作中は バーと連動してリセットボタンの画像を透明にして(消したように見せかけて) バランス数値を表示するようにしつつ、 リセットボタンを押したときは普通通りに操作・画像を表示させることができます。
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「私たちにも、アイツが何者なのかは詳しくは知らない……」 変身を解いたキュアピーチこと桃園ラブは、同じく変身を解いた士を真剣な目で見据えながら言葉を放っていく。 それは士にだけでなく、その当時仲間ではなかったキュアパッション、東せつなにも伝える意味を持っている。 「あの銀色の怪人は、『全てを一つに』って言ってた。 そして、その言葉の通りプリキュアを吸収しようとしていたの。一度は街を壊して、その街に住む人達も吸収しちゃった……」 その時のことを思い出したのか、ラブは僅かに肩を震わせる。 ラブにとってはあれはある種敗北の記憶、だが同時に成長したと実感出来る戦いだった。 だが、士はそんなラブを気遣うことなどせずに目を鋭くして顎をしゃくり続きを促す。 「前は、他のプリキュアたちと力を合わせて撃退したの。そのプリキュアとは今日会うことになっているんだけど……」 「ちなみに、その時に使ったのがこのレインボーミラクルライトだナツ!」 そう言いながらナッツは肩から下げたポシェットから一つのミラクルライトを取り出す。 一見するとただのペンライトにしか見えない。 だが、これはただのペンライトではないと士にも分かる。 「これはプリキュアの力を引き出す道具だナツ」 「なるほどな、海東の奴が欲しがりそうな分かりやすい『お宝』だな」 「海東……仮面ライダーディエンドのことナツか!?」 ナッツの言葉に士は驚きに顔を染め、直ぐに呆れに染まる。 手の早い奴だと思っていたが、まさかもう『お宝』に手を出しているとは思わなかった。 「もう手を出してたのか、相変わらず手の早い奴だ。で、あの馬鹿は何処だ?」 「……それが、仮面ライダーディエンドはあの怪人に負けて、吸収されてしまったナツ」 「……またか、アイツは」 士は驚いたような、けれども呆れたように呟く。 確かに海東大樹、仮面ライダーディエンドは強いが、どうにも慢心する嫌いがある。 まさかシンケンジャーの世界と同じようなことが起こるとは。 「全く、面倒ばかり運んでくる奴だ」 「多分、ディエンドの力へと手に入れてアイツは強くなってるナツ! 一刻も早くプリキュアたちが合流しないと……!」 ナッツが汗を流しながら力説する。 ディエンドの力とフュージョンの力の両方を知っているのは今のところナッツだけだ。 その唯一の人物だからこそ、現状の恐ろしさがよく分かるのだ。 自分が持つ情報をプリキュアに伝えるために犠牲になったシロップのためにも、一刻も早くプリキュアとの合流しなければならない。 「でも、ナッツ。思ったよりも早く集まりそうだよ」 「ナツ?」 だが、そんなナッツへとラブは落ち着かせるように笑顔で答える。 次に放たれたナッツの疑問の言葉、その言葉に答えるように呑気な声が響きわたった。 「おーい! みーんーなー! やっほーい!」 その呑気な声は士とせつなを除く四人は良く知った声。 声の主はラブたちと同じプリキュアの仲間、プリキュア5のリーダーポジションの夢原のぞみだ。 ナッツは目を輝かしてのぞみの姿を見つめる。 「ナツ! みんなー!」 「ナッツさん!? いつの間に来てたんですか!?」 「シロップは一緒じゃないんですか?」 ナッツの姿にキュアミント、秋元こまちが驚いたように声をあげる。 彼女たちの頭の中ではナッツはまだナッツハウスに居るはずなのだ。 それにナッツが居るのにシロップが居ないのもおかしいとうららも声をあげる。 「夏みかん、何でお前まで居るんだ?」 その横で、何故かのぞみたちと居る夏海に対して士が呆れたように尋ねる。 夏海はそんな士の様子に若干むっと顔をしかめるが、直ぐに慌てたように口を開く 「士くん、大変なんです!」 「仮面ライダーの偽物が出たんだろう、それぐらい分かる」 「……ひょっとして、士くんの所にも出たんですか?」 「ああ、ナイトとゾルダらしいのがな。動きは悪い上に頭まで悪そうだった」 「こっちはキバでした……なんか、銀細工の人形みたいでしたけど、あれはキバでした」 そう答えて、夏海は考えこむように顎に手をやる。 一方で士は軽く息をつき、先程聞いたプリキュアの敵について説明してやる。 その敵には形を変える特質があり、しかも力を収集するのが目的である。 収集の方法は、とてもわかりやすく人間を取り込むようにして吸収すると言うことだ。 それでこの世界にきて早々海東が取り込まれ、仮面ライダーの力を知られてしまった、というのが今の状態。 「つまり、その敵はプリキュアだけじゃなく士くんとユウスケも狙ってる……ということですか?」 「恐らくだが、まあそんなに外れてはいないだろな。多分さっきのは様子見か、それとも別の目的があるのか…… まあ、とにかく敵は十中八九、プリキュアたちが戦ったとか言うそいつだろうさ」 士が断定するような口調で言い放つ隣では、ナッツが慌てたように口を開く。 「ナ、ナツ……大変なんだナツ! ナッツハウスにあの時の銀色の変なのが出て……シロップが助けに来てくれたナツけど追ってきた奴に襲われて……!」 「ナッツ、一先ず落ち着くココ! とにかくシロップが危ないってことココ!?」 ナッツは動揺しているのか、焦るように早口で言葉を口にする。 そのナッツを諌めるようにのぞみの胸に抱かれたココが口を開く。 幼い頃から共にいたココの言葉にようやくはっとしたのかナッツは軽く深呼吸をした後に頷く。 「仮面ライダー……そういう力を新しく手に入れたアイツに襲われたナツ。 ナッツはシロップのおかげでラブたちと合流出来たけど、シロップは……」 そこで言葉を切るナッツに、ココは顔を真っ青にする。 シロップは仮面ライダーなる怪人の襲撃を受けて……死んだしまったかもしれない。 もちろん助かった可能性もあるが、それはあくまで希望的観測というものでしかない。 どうしても頭に過ぎってしまう嫌な予測に、ココは顔を青ざめたのだ。 「なるほどな、だいたい分かった。 つまり、とりあえずは他のプリキュアとそのシロップとか言うのを探すわけだな」 その話に聞き耳を立てていたのか、士は割り込むように口を開く。 ナッツの姿に気を取られすぎていたのか、驚いたようにプリキュア5の面々は士に視線を合わせる。 そこでラブが慌てて前に出て説明をする。 「えっと、こっちはさっきのナッツの話でちょこっと出てた味方の『仮面ライダー』さん。 それで、この子が新しいプリキュアの東せつな!」 「よろしく」 「門矢士だ」 「……どうもよろしくお願いします」 軽くかれんが頭を下げ、それに釣られるように他のメンバーも頭を下げる。 本来ならもっと盛り上がるはずなのだが、とラブは表情を暗くする。 「ちょっと、嫌なタイミングになっちゃったね」 たははー、と笑いながらラブは溜息をつく。 突然現れた敵と仮面ライダーと言う未知の存在によって新しい仲間と言う明るい話題も台無しだ。 出来る事なら、もっと和気あいあいとした場にしたかった。 「そうだね、だから早く、解決して一緒に遊んで仲良くなろっか!」 ラブのそんな気持ちを読み取ったのかのぞみが声を張り上げる。 何も考えていないような、それでも不思議と頼りになる表情を張り付けている。 一瞬ぽかんとしてしまうが、ラブは釣られるように笑顔になる。 やっぱり仲間と言うのは素敵だ、そしてその輪にせつなも入って欲しい。 それがラブの気持ちだった。 「……お前らプリキュアはあのライダーもどきを倒すんろう?」 その空気を断ち切るように、士は口を開く。 のぞみの言葉である程度場の雰囲気が良くなったと見て、次は現実的な話に持ち込もうとしたのだ。 空気を悪くする、と言ってしまえばそれまでだが、そういう役割が必要なのも事実だ。 「うん、またあんなことするだろうから、放っておくわけにはいかないよ」 のぞみはやはり深く考えていないように軽く返事をする。 この迷わない即決する態度は彼女の長所なのだろう。 そして、それを周りのメンバーがかばい合う。 りんはのぞみを自重させ、うららはのぞみに同調しつつも自分の考えを持ち、こまちはそれを見守り、かれんは冷静に問題を対処し、くるみはのぞみと競争しながら成長していく。 無駄のない良いチームとなっているのだ。 「出来るなら、力を持っている貴方にも手伝って……」 「……まあ、いい」 士はひどく鬱陶しそうな顔をしてかれんの言葉を遮る。 仲間になって欲しい、その言葉はあまり聞きたくないと言わんばかりに。 「俺には俺なりの考えがある、お前らと敵対することはないだろうがな。 今言えるのは、あのライダーもどきが俺の力を奪おうとか言うなら叩き潰す。それだけだ」 否定しているようなキツイ口ぶりで、結局は協力すると肯定の言葉を放つ士。 のぞみとはまた違うベクトルで変人だとプリキュアの面々は判断した。 そして、夏海は『はぁ……』と疲れたように息を吐いて親指を立てる。 光家秘伝の笑いのツボを突く際の構えだ。 「相変わらずめんどくさいな、士は。素直に協力するって言えばいいじゃないか」 だが、夏海が士の首筋に親指を立てるよりも早く、呆れたような言葉とバイクの排気音が響き渡った。 士と夏海にとっては聞き慣れた排気音だ。 二人の予想通りにそこにはスマートな流線を描くバイク、トライチェイサー2000に跨った青年・小野寺ユウスケの姿があった。 なにか続々と集まってきたな、と士は思いながら軽くため息をつく。 「元々、そういうつもりなんだろ? わざわざツンケンとした態度を取る必要なんかないじゃないか」 「別に俺はそんなつもりはない」 まるで出来た兄が駄々をこねる弟を諌めるようなユウスケの口調にカチンと来る。 士は士なりに考えがあり、それをわざわざ言う必要もないからそれなりの態度を取っているだけだ。 ゴマをする必要もない、だから自然と嫌な奴と取れる態度になってしまうというだけ。 「んー、ひょっとしてその感じだとその子たちもプリキュアなのか?」 「……その子たち、『も』?」 ユウスケの発言にその場に居る全員が不思議そうに声を揃える。 当のユウスケは相変わらず好青年という言葉が似合う表情で声を出す。 「俺もプリキュアに会ったんだ、もうそろそろ来ると思う。 しかしすごいな、まさか変身しなくても空を飛べるとは思わなかったよ」 「変身しないで空を……? でも、そんな人居たっけ?」 「ちょっと、知らないですね……」 「あれ、でも確かに変身して……キュアブルームとキュアイーグレットだったかな……」 「咲と舞は変身したら空を飛ぶけど、変身しないと飛べないわね」 『あれぇー? おかしいな』とユウスケは言いながら首を捻る。 その様子からユウスケが嘘をついているようには思えないが、変身もせずに空を飛べる仲間は居ない。 そんな中で、新入りのせつなが躊躇いがちに口を開く。 「新しい仲間、っていう人じゃないのかしら?」 「ああ! ええっと……満さんと薫さんだっけ?」 「そうそう、そんな名前だった!」 「だったらそいつらは今何をしてるんだ……!」 さすがだ!と言わんばかりにラブがせつなの言葉を受け入れ、ユウスケもうんうんと頷きながら肯定する。 士がいらついた様に非難の、だが確かに親愛のある言葉、いわゆるツッコミというものを入れる。 そして、お約束と言うべきか、それに答えたのはユウスケではなく空から響く甲高い声だった。 「ちょ、満、薫! 速いよ幾らなんでも! 落ちちゃう! 落ちちゃうぅ!」 その声には士と夏海とせつなを除く全員に聞き覚えのある声だった。 ソフトボール部のエースとして活躍している日向咲、腹から出る良く通る大きな声だ。 全員が空を見上げる。 鳥か?飛行機か?いいやプリキュアだ!と言わんばかりにゆったりと飛んでいる二つの影。 同じような速度でゆったりと着地する。 そこには暗い青色のセーターとロングスカートを着た二人の少女が日向咲と美翔舞を背負っていた。 「舞、ここで良いの?」 「え、ええ……ここがタコカフェ、よ……」 「大丈夫、咲」 「ダメかもしんない……」 ぐったりとした様子で、だが自分の足で咲と舞は立つが、直ぐに備え付けの椅子に座り込む。 空の旅は決して快適ではなかったようだ。 「って、皆居るの!?」 ぐったりすること、数分。 そこでようやく気づいたように咲は半ば叫びのような声をあげる。 まるでコントのようなやりとりに苦笑しながら、ココが頷く。 「久しぶりココ! そっちの子たちが咲と舞の仲間の女の子なのかココ?」 「そうムプ!」 「満と薫だフプ!」 ココの声に反応したのはその当事者でなく、肩に乗っかかっていた妖精のムープとフープ。 二匹の妖精が懐いていることから、決して悪い人間ではないようだ。 「えっと、こっちが霧生満で、こっちが霧生薫。その、空を飛んでたのは……」 「良いの、咲」 「プリキュアなんでしょ? だったら、私たちが自分で言うわ」 説明をする咲が何かを含むような言い方しているのに、勘の良い面子が僅かに顔をひねる。 そして、満と薫は顔を俯かせながら声を振り絞る。 まるで神様に懺悔する人間のようだ、と士は他人事のように思った。 「私は……かつて咲と舞、プリキュアに敵対してた、普通の人間じゃない人間」 「滅びの力を持った、生身でプリキュアとも戦えるような人間。 咲と舞が居なければ、間違いなくこの世界を壊してたような奴よ」 「で、でも、満と薫は私たちの友達だよ!」 「そうよ、満さんと薫さんは、私たちの大事な友達!」 咲と舞が慌てるようにフォローをする。 ここに居る皆がそんなことで満と薫を迫害するような人間ではないと知っている。 だが、それでも心配だった。 場が固まる、どう言えば良いのか分からないのだろう。 その口火を切ったのは、新たな仲間である東せつなだった。 「私と一緒……」 「そうだね、せつなと一緒だね」 せつなが思いつめたように口を開き、対照的に柔らかくラブが笑う。 次に美希と祈里が笑い、ラブが説明するように口を開く。 曰く、せつなは最初はラブたちの敵だったと。 曰く、ラブを騙すために近づいたがやがて友情を覚えたと。 曰く、その暖かいものに耐えきれなくなり攻撃を仕掛けるがそれでもプリキュアは受け入れたと。 その言葉に咲と舞、薫と満は唖然としたように口を開ける。 何故ならせつなのプリキュアになる成り立ちは満と薫と全く一緒だったから。 また、この場に居ないキュアブラックとキュアホワイト、美墨なぎさと雪城ほのかが居れば同じく唖然としていただろう。 そして、ほのかは思わず沈んでしまうかもしれない。 かつて親愛の情を覚えたキリヤという少年も、ひょっとしたらふたりと肩を並べて戦っていたのかもしれない、と。 「のぞみ……?」 「うん、大丈夫だよココ。ちょっと思い出してただけ」 一方で、のぞみはかつて鏡の奥に存在する世界で出会った、生まれたばかりで何も知らなかった友達のことを思い出す。 その友達は今はもう居ないが、満と薫とせつなと同じで敵だが友達になった女の子。 プリキュアのメンバーの空気がしんみりとするが、のぞみは笑顔を見せてそれを振り払う。 「いい話だなぁ……なあ、士」 「俺に振るな」 「そうですね……」 僅かに涙ぐんでいるユウスケに、士は冷たく突き放し、夏海は聞かれても居ないのに頷き返す。 こんなのばかりか、と思いながらも海東のようなのばかりというのよりはマシかと考え直す。 根はいい奴だがひねくれている士が居る分、割合は取れているのかもしれない。 「あかねさん、あかねさん! もう皆来ちゃったりしてますかー?!」 まるで空気読んだような、場の雰囲気が切り替わった瞬間に声が響く。 何度目ともなる、一部の人間以外には聞き覚えのある声。 弾むようなこの声は美墨なぎさだろう、そう思いながら全員がそちらを向く。 やはりそこには美墨なぎさと雪城ほのか、九条ひかりの姿があった。 だが、唯一予想外だったのはひかりが抱えている一匹の妖精の姿。 「シロップナツ!」 「無事だったんココね!」 「……」 ココとナッツが目に涙を浮かべながら喜びを示す。 ブラックとホワイトとルミナスの三人と一緒なら無事だろう、そう素直に思うことが出来るのだ。 この三人はバランスの取れたチームだ。 圧倒的な破壊力を持つブラックとホワイトに、プリキュア一の後方支援役のルミナス。 偏ったバランスではあるが、優れたチームであるのは間違いない。 「大丈夫ですよ、今は眠っているだけです」 返事をしないシロップを心配そうに眺めるココとナッツにひかりは優しく微笑みながら答える。 「あー、皆もう来てたのかー……」 「大変なんです、それが……」 なぎさは肩を落とし、ほのかは顔を引き締めて全員に話を始める。 だが、士はそれを聞かずに屋台へと向かう。 「聞かなくて良いのか、士?」 「いい、多分同じだろう。このことに関しては、だいたい分かったしな」 ユウスケの言葉に簡単に答えて士は腰に手を当てて、空を眺める。 「この空が唐突に曇ったのも、アイツの仕業ってことだ」 およそ数キロ先の、曇り切った空を眺めて、士はポツリと呟く。 余人ではその瞳の奥に眠る真意を探りきれない。 その瞳はこの世界で何を映し、何を思うのか。 仮面ライダーディケイド×プリキュアオールスターズDX みんなともだち☆奇跡の全員大集合! 【闇の戦士のライダーパワー! プリキュア最後の日!?】 . 「あれって……!」 なぎさが唇を噛み締めながら呟く。 見覚えのある風景だ、友達が増えた素晴らしい日であったが、同時に許せない敵を目の当たりにした日。 その敵は生きており、また悪事を企んでいる。 友人との変哲もない日々が大好きななぎさとしては見過ごせるものではない。 そして、それはなぎさだけではなく他のプリキュアも同じだったようだ。 全員が顔を見合わせ、頷き合い変身アイテムを手にとる。 「落ち着け」 「そ、そうやでー! 今はとにかく落ち着くんや!」 だが、それを諌めるように士とタルトが口をはさむ。 士はたこ焼きを作りながら、プリキュアたちへと言葉を投げかける。 タルトは止めたは良いものの、言葉が上手く見つからないのかオドオドとしているが。 「あれが敵の攻撃なんだろう? だけど、ここまでは届いてない。 そして、前も似たようなことがあったけど元に戻ったんだろう? なら、今は落ち着いて対策を練るべきだと思うがな」 「せやでぇー。勇み足で飛び出してそのまま落とし穴に落ちたら洒落にもならへん!」 「そうナツ……」 士の言葉にタルト、それにナッツも同調するように頷く。 そして、ミラクルライトを取り出しプリキュアたちに話しかける。 「推論に過ぎないナツけど……多分、アイツはプリキュアの力が天敵なんだと思うナツ。 ディエンドは簡単に吸収されちゃったけど、ピーチたちの吸収にはちょっと時間がかかったナツ。 プリキュアたちはそれぞれが持つ特性は違ってもベクトルは同じ光の力……それがアイツの弱点なんだと思うナツ。 そして、ここまであの曇り空が完全に届いていないのはプリキュアたちが集まってるからナツ」 ナッツの言葉にプリキュアたちは完全に足を止める。 士とタルトとナッツ、一人と二匹の言葉を合わせるなら確かに今は急ぐ必要などないのかもしれない。 だが、フュージョンを野放しにしてはおけない、という気持ちが嫌と言うほど表情に現れている。 士は僅かにため息をつき、たこ焼きをひっくり返す。 「たこ焼きが余っていたんだ。そのついでに新しいのも出来たから、せめてこれを食っていけ」 「……あかねさんがバイトが入るって言ってたけど、ひょっとして士さんなんですか?」 ほのかが目を丸くしながら、人数分のたこ焼きを持って外に出てきた士に尋ねる。 そうだ、と士は短く答えテーブルにたこ焼きを置いていく。 「あの……あかねさんは?」 その言葉に、状況が状況なだけに聞きたかったが聞けなかったひかりがオドオドとした様子で士に尋ねる。 「……さあな、買出しに行ってそのまま敵に飲み込まれたのかもな」 「そんな!」 たこ焼きを並べながら士はタンパクに答える。 「落ち着け、話を聞く限り前は敵を倒したら元に戻ったんだろう? 吸い込んだものは敵が倒されれば元に戻る、それが分かっている以上今は落ち着いて対策を取る時だ」 「そうは言っても……」 なぎさが僅かに顔をしかめる。 直接の後輩として可愛がっているひかりを煽るようなことをいう士の言葉を簡単に肯定はできない。 言っていることは正しいとは思う、だが言い方というものがあるのではないか、ということだ。 「ほれ、とりあえず食べろ。腹が空いてはなんとやら、だ」 そう言って焼きたての大量なたこ焼きをテーブルの上へ置き終わった。 ほかほかの湯気がたち、上に載せられたかつお節がゆらゆらと風にゆられまるで生きているようだ。 ついでと言わんばかりにジュースをジューサーごとテーブルに置く。 「ああ、金は払えよ」 「え、ええ!?」 「ひどいマッチポンプね……」 祈里が士の言葉に叫びを上げ、美希がたこ焼きを引くついた顔で眺めながら呟く。 確かに勝手に作って金を払えとはひどい話だ。訴えられても何の文句もできない、というか訴えられるべきだ。 元々集まってたこ焼きを食べるつもりだったが、こんなやり方はどうも納得できない。 とは言え、こちらを落ち着かせるための行動だと思うとこういう強引なのも悪くはない。 「おお、えらい美味いなぁ!」 「プリプー!」 沈んだ雰囲気の中、先に声を上げたのはフェレットのような妖精、タルトと赤ん坊型の人形を思わせる妖精、シフォンだった。 元々食い意地の張ってあるタルトと赤ん坊そのものなシフォンには美味しそうに漂ってくる香りは我慢できなかったのだろう。 その二人の言葉に、釣られるように妖精たちが食べていく。 「美味しいメポー!」 「いつものと違って、なんか新しい感じがするポポ!」 「本当……美味しい……」 まずは我侭な妖精の代表格であるメップルとポルンが食べ、次にパン作りが好きな満が興味津々に口へと運ぶ。 それにつられて他の面々もたこ焼きを食べていき、それぞれが感嘆の声をあげる。 自分のたこ焼きをほめる声に鼻高々な士は、一方で一角に座っている一団へと近寄る。 ほのか、かれん、美希、ナッツのこの状況で食い意地を張らずに何かを考えている一団だ。 最も、美希はたこ焼きが苦手なだけなのだが。 「で、そいつはどういう奴なんだ」 「士さん……」 ほのかが驚いたように声を上げるが、直ぐに顔を引き締め直して口を開く。 「一度、私たちの前に現れた敵は攻撃を仕掛けてきました、何の警告も発さずに。 そして、一度技をくらって飛散せずに空に逃げて行った」 「その後に空が突然暗くなったところがあって……そこに向かっていると敵の襲撃にあった。 最初みたいに一体だけの化け物じゃなく、徒党を組んだ化け物の集団に」 「私たちは、最初に敵とあって戦ったんですけどその時に敵が力が足りない、みたいに言ってたわね。 しばらくは何もなかったけど、そんなに間を空けずに街が破壊されて……明らかに力を増したアイツと戦って、一度は押された」 順にほのか、かれん、美希の順番の言葉だ、そしてそれを整理して士は考える。 恐らく敵の最初に襲いかかってきた、というのはナイトとゾルダのポジションだろう。 不完全なコピーで弱かったのではなく、技を受けて力を手にいれるために弱くしていた、と考えるのだ自然か。 聞いた話では、他のプリキュアの対応も士と変わりはなく真正面から撃破したらしい。 つまり見事に士たちは敵の作戦に引っかかったというわけだ。 「……士、聞きたいことがあるナツ」 「ナッツ?」 「仮面ライダーの力は恐ろしいナツ。それはディエンドとディケイドを見たからこそ、ナッツはそう思うナツ」 突然口を開いたナッツにかれんは不思議そうに問いかけるが、真剣な瞳をしたナッツは士を見据えたままに言葉をつなげる。 やがて、その隅の一団に気づいたのかこの場に居る全員の視線が士とナッツに映る。 「ナッツが読んだ文献にはディケイドは世界の破壊者、言うなら憎むべき敵として書かれてたナツ。 もちろんナッツはこうして味方をしてくるディケイドの印象が悪いわけじゃないナツ。 でも、あの文献はちゃんとした信用出来るものナツ。その文献に書かれてた、ということは何か理由が……」 「ナッツさん、その、士くんは」 「俺は過去の記憶がない」 夏海が耐えきれずと口を挟むが、それを封殺するように士が言葉を重ねる。 そして、ナッツの真剣な瞳を見返しながら、言葉を続ける。 「俺が何者なのか、俺がどこから来たのか、俺が何をするべきなのか、俺が休める場所はどこなのか。 ……それは分からない。だが、俺はここに俺として居るし、俺だけの考えで考えることが出来る。 そう出来る以上、俺は俺のやりたいようにやるだけだ」 ぶっきらぼうに言い切り、ジュースに口を含む。 その言葉は決してナッツの聞きたいことに対する答えではなかったが、不思議な説得力を持った言葉だった。 ナッツはもう何も聞かずに、たこ焼きに口をする。 それだけで良い、という意思表示なのだろう。 「それに、俺の勘が正しければお茶はそろそろ終わりだ」 「えっ? なんでラピ?」 口元をぬぐいながらディケイドライバーを取り出す士に長い耳が特徴的な妖精フラッピが尋ねる。 だが、士は答えずに曇った空を眺める。 士の視線に釣られるように全員が空を眺める。 その瞬間、雷のような閃光が降り立った。 「これって……!?」 ラブは見覚えがある光景に、震えるような声を出す。 そして、降り立った場所には、一つの銀色が、確かに居た。 『プリキュアァ……』
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「モンスターなどに屈し…、人の心を忘れ…、 仲間を売ったと言うのか! 何という奴なんDA…。」 ADVENTURERに登場した奴だYO! フルネームはジョアル=アイスバーグ、青い甲冑で身を包んだ騎士崩れの冒険者DA! 昔は荒れていたらしいNE! きっと口調と分厚い唇からしてB系ギャングスタだったに違いないZE! メ~ン!? HPと防御力が高い耐久型、奥歯ガタガタ。 即死が効き難く防御半減も無効化、逝こうか!? 氷の力を持っているので、氷系の技が存在し炎に弱いが氷に強い、効率よい。 また、一定の体力になると自身の防御力が高くなるのでその時はもう物理面に関しては鉄壁と化すと言ってもいいだRAW-チェケラウマザファカ。 誰がアヒャックのマネージャーだこのやろう。 お前ジョアルさんディスってんのか。 同じ防御型でもあんな奴やこんな奴と一緒にすんな。 パワーは悪くないんだぜ、頭も悪くないんだぜ、メ~ン!? そんなわけで上記の通り高い耐久力を持つキャラ。 HP500、防御400と748やモナニール以上の耐久力である。 特性発動後の防御力は450。並みの物理攻撃でこいつを落とすことは難しいだろう。 攻撃力も悪くないが精神と敏捷が低い典型的な鈍足アタッカー。 が、特技の効果がいまひとつ。 防御半減攻撃と味方全体の防御力を上昇させる騎士道精神は便利なのだが。 氷斬属性のレイバンドは威力の割りに燃費が悪く 氷属性のヘルダルと光属性のジャッカルは燃費はいいのだが精神依存の技のため、精神力の低いこのキャラにはいまいち。 100消費技も防御無視のx1.5斬属性と書けば聞こえはいいが正直燃費と威力がつりあっていない。 なので、主な仕事は肉の壁だろう。 上記に書いてある通り、攻撃力はそこまで悪くないのが救い。 性格は心優しい騎士で弱き者の味方。 チトルト村では子供達や村人からも信頼されている様子。 子供の面倒見もよくまさに良いお兄さん。兄貴に欲しい。 イケメンなぼるじょあである。ぼるメン。 騎士とは仲間を守る存在。ジョアルも何かを守るために騎士となった。 そのため、最後はアヒャックを庇ってブランドー先輩のロードローラーに潰されて行方不明となる。 最後まで騎士として仲間を守ったのだ。乙。 以上が通称「青ジョアル」の説明。 後に荒れていたころの本人だが別個体としてdatの世界に存在する「赤ジョアル」が登場。 (赤ジョアルはMemorys of Joaruからの出演) 赤ジョアルは青ジョアルが自分とは別に存在していることを認識していたが、青ジョアルが赤ジョアルの存在を知っていたかどうかは不明。 同一人物が複数存在しているというギコーゼ&プレシオスのような数少ないケースである、いやそうあってほしい。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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□ 薄暗い研究所のような場所で黒い高級スーツに身を包み、右眼を眼帯に隠した男が歩いていた。 弟切ソウが目当てのドアの前で足を止める。 ドアに備え付けられた電子パネルから声が聞こえた。 『弟切さん? 準備なら出来ていますからどうぞ、お入りください』 「わかった」 弟切は短く答えて、パネルを操作してドアを開く。 薄暗い室内の中の淡い光りに弟切は眉をしかめた。サイバーエルフがカプセルに保存されている。 大きなモニターはこの研究所のメインコンピューターとつながっていた。 弟切の左眼に揺れる金のポニーテールが映る。赤いジャケットの上に白衣をはおった見た目だけなら二十代前の女性が、弟切へと近寄ってくる。 綺麗というよりは可愛らしいと記憶していた顔には白いのっぺりとした仮面が覆っている。 細身の身体を弟切に向けて対面してきた。 「ライブメタルはどうなった? ドクターCL」 「モデルH以外は意識を封じ込めたまま力を引き出すことに成功したわ。ゼクターと一緒よ」 「再調整のためには意識を戻さないといけない……面倒だ」 「それもこれで最後。きてみる?」 ドクターCLは立ち上がって隣の部屋へと誘った。弟切は頷いてあとをついていく。 ドアをくぐるとカプセルの中でエネルギーを送られている緑のライブメタルがいた。 『キサマら……パンドラたちの仲間か!?』 モデルHが怒りに任せたまま叫ぶ。弟切はニヤリと笑うが、モデルHの抵抗が激しくなった。 カプセルがピシリ、とヒビが入って弟切が尋ねる。 「おい、本当に大丈夫なのか?」 「問題はないわ。それに……」 ドクターCLはあっさりと弟切に告げてモデルHへと歩み寄る。 モデルHへ向けて仮面を外し、笑みを浮かべて優しく話しかけた。 「モデルH、アナタたちの力を私に貸してくれないかしら?」 『……ッ!? あなたは……そんなバカな!?』 ドクターCLはフフ、と笑みを浮かべる。驚愕に満ちて隙ができたモデルHへとエネルギーが送られていった。 モデルHから悲鳴が上がり、ドクターCLは仮面を再びかぶる。 鈴を転がすかのような美声でドクターCLはつぶやいた。 「たとえ影でもアナタたちは私に力を貸すことになる。なぜなら、かつて影に仕えたのはアナタたち自身なのよ?」 歌うように紡がれる言葉。 含むような笑いとモデルHの悲鳴が暗い室内に響いた。 □ うっすらとペンテが目を開くと、木目調の天井が視界に入った。 身体にかかるシーツが上半身をあげると同時に剥がれた。素肌に巻かれた包帯を触り、手当てを終えていることを知る。 じくり、と傷口が痛む。周囲を見回すとどうやら民家のようだ。 木の家というアンティーク調に仕立てられた周囲を見回し、回想する。 崖から落下して地面に叩きつけられてながらも、倒れるまで全速力で逃げたのだと思い出した。 血の跡を誤魔化した覚えはあるが、どこで意識を失ったかはわからない。 モデルVAはどこにある? とペンテは思考して首を回した。 とたん、ドアが開いてペンテは視線を向け直す。そこには見知らぬ女性が一人立っていた。 「目を覚ましたんだ? よかったぁ……」 若い声だ。外見はペンテと歳の差はないように見える。 柔らかい栗色の髪が腰まで届いている。童顔で大きな瞳には安堵の色が浮かんでいた。 首まで隠す柔らかい布地の白いセーターに淡い桃色のプリーツスカート。 黒いタイツがスラッとした足を包んでいる。可愛らしいデザインの手袋を脱ぎながらペンテに歩み寄ってきた。 「アタシはリーネ。お兄さんは?」 「…………ペンテだ。礼を言うが、俺の荷物はどこだ?」 「せっかちね。そんなに大事なものが入っていた?」 そういってリーネは籠に入ったペンテの荷物を渡してくる。 目的のライブメタルも紛失していない。確認を終えながらも、手にとったモデルVAが不機嫌なのを感じ取った。 まあいいか、と脇に籠を置いてリーネに向く。ペンテが現状確認をする前にリーネが話しかけてきた。 「ねぇ、ペンテさんお腹すいていない?」 ペンテが「ああ」と頷くと同時に嬉しそうに隣の部屋へと移動する。 もっともすぐに戻ってきたが。持っていたトレイにはスープとパンが乗っていた。 「アタシの特製よ。後で味の感想を聞かせてね!」 そういってリーネが押し付けた料理をペンテは受け取った。 体力を回復するため食事は必要だ。リーネはおしゃべりらしく食事中にも話しかける。 適当にあしらい、モデルVAの苛立が増していっているのを感じた。 あれは他者とのコミュニケーションを破壊以外でとることがない。会話を続けるという行為を嫌悪している節すらあった。 とはいえ、ペンテは他者との会話は苦痛ではない。 (フィオもお喋りだったしな) 自分をこんな目に遭わせた敵との思い出を浮かべて、ペンテは心の中だけでつぶやいた。 『ハンター時代の先輩だった?』 「と、いうよりは先生だな。俺に生きる術をすべて教えていた」 モデルVAへとコールドエンプレスとの関係を問われ、ペンテはあっさりと答える。 もっとも特に隠し立てするような内容ではない。今まで話さなかったのはモデルVAがペンテの過去に興味を持っていなかったからだ。 モデルVAとしてはロックマン以外に傷つけられてコケにされたことが気にくわないのだろう。 ペンテが不甲斐ない、とすら考えている節がある。常に飢えているペンテと、それを諌めるモデルVAの立場が逆になっていた。 それほどモデルXたちに拘っているということだ。 『ところでだ、ペンテ』 「なんだ?」 『キサマ、いつまでこうしているつもりだ?』 モデルVAが指摘すると、ペンテは右手に下げた買い物袋を持ったまま肩をすくめて「さあな」と答える。 いつもの紫色の毒々しいジャケットではない。雪の降る商店街で街灯に背をあずけるペンテは青いセーターを着けていた。 今は世話になっているリーネの死んだ父親ものらしい。彼女曰く、もともとのジャケットより似合っているとのことだ。 雪原エリアに接しているだけあって、街一面銀世界。 ペンテが顔をあげると、街で保管されている旧化石燃料所が視界に入る。大きな施設だが可動はしていない。 別のエネルギーが開発され、捨てるわけにもいかず昔から放置されていたらしい。 この街を案内した時のリーネの言葉だ。 「ペンテさん、待った?」 店から出てきたリーネが尋ねるが、ペンテは首を横に振る。 待つことは慣れていた。数分寒空の中立つことは苦痛ではない。 馴れ馴れしくひっつくリーネにも億劫だが、拒否することもなかった。 これがモデルVAがいらついている理由であることは充分にわかっていたが、互いに互いのことを想いやるような関係ではない。 イザというときだけ力を貸し合う。モデルVAとはドライな関係だと思うが、このくらいが丁度いい。 リーネが荷物を持って前をいくのをペンテはついていく。 ケガの治り具合は順調といったところか、と内心つぶやいた。 ペンテがリーネの手当を受けて一週間経つ。 もともと生命力の高いペンテは二日で動けるようになった。 その間なにをしていたかというと、ペンテにいわせればなにもしない。 「おう、新入り。リーネも一緒に買物か?」 「トーマスおじさん。そうよ」 大柄でガテン系の男の野太い声がペンテの耳に届き、リーネが返した。 ペンテは軽く挨拶をして男へ向く。世話になっている間、目の前の男の仕事に加わったこともある。 ゆえにペンテは『新入り』と呼ばれているわけだ。ちなみにリーネは昼はウェイトレスとして暮らしている。 独り身なのに自分のようなものを担ぎ込むとは無防備だと呆れたものだが、彼女の父親が目の前のたくましい男と友人だったらしい。 手を出せばどうなるかは考えなくてもわかる。遺跡の発掘作業を請け負っているトーマスは現場監督のようなものか、とペンテは把握した。 「しっかし、リーネと一緒に暮らしているのに手を出さないとはな。まあ、色気は足りないのはわかるがな!」 「ちょっと、おじさん!」 ガッハッハ、と大口開けてトーマスはペンテの背を叩いた。どういうわけかペンテは彼に気に入られている。 黙々と仕事をこなすのがよかったのだろうか。よくわからない。 仕事を通してこの街に知り合いが増えた。モデルVAはそのことが気に入らないようだが。 「そういえば新入り。お前さんを探しているって奴がいたぞ」 ペンテは首を傾げる。とはいえ、相手は想像ついていた。 「どこにいましたか?」 我ながら陰気な声だ、とペンテは感想を抱きつつもトーマスに尋ねる。 リーネを家へ送ってから向かおう、と思考してトーマスと別れた。 星がまたたき、月が淡く光って地面を照らす。 雪が積もり、白くなった木々が少しだけ光を反射していた。 雪景色は美しいものだ、とフィオは感想を抱く。 やがて雪を踏みしめる一定のリズムの音が聞こえてきた。来たか。フィオは笑みを浮かべて振り向いた。 「やっぱり一人ね」 「フン。こいつもいるさ」 そういってペンテがライブメタルを見せたが、フィオは笑う。 相変わらずの様子にいくらか安堵した。 「……覚えているかい? アタシたちが離れた日のことを」 「唐突だな」 ペンテが答えてフィオは当時を思い返す。 あの日は珍しくフィオがドジって敵に捕まってしまった。 ペンテは人質をとられた形となったが、フィオは心配していなかった。 自分ごと殺す。そういう男だと知っていた。なのに、ペンテは撃たなかった。 「あの日なんでアタイごと撃たなかったんだい?」 フィオが尋ねてもペンテは沈黙を返す。そう簡単に本心を明かす男ではない。 特別な感情を抱いてもらっていると期待していいのか、などとは聞かない。今は敵だ。 『いいかげんにしろ、キサマ。用件をいえ』 モデルVAがイライラした様子で忠告する。今にも暴れかねない。 ヤレヤレ、とフィオは肩をすくめて本題に入った。 「最後の忠告だよ、ペンテ。ライブメタルをアタシに渡しな。そうすればあんたに干渉しないように取り計らう」 『ふざけるな。すぐに鉄くずに変えてやる。ペンテ、準備しろ』 「あんたには聞いていないよ、モデルVA。これはアタイとペンテの問題さ」 そういってフィオはペンテを見るが、来たときと変わらず黙っていた。 フィオとてすぐに片付くとは思っていない。これは自分の未練といってもいい。 殺し合いを一度、交わしたとはいえだ。 「三日だけ待つよ。三日後のこの時間にもう一度答えを聞く。ペンテ、またね」 フィオはそういってあっさりと踵を返した。 ロックオンされればすぐに殺されるような真似だ。 しかし、ペンテは動かない。森の闇に消え、フィオはやがて消える足音だけを残した。 ペンテは消えていったフィオの後ろ姿を見届け、微動だにしない。 モデルVAの刺すような殺気を受け流し少しだけ昔を思い出した。 イレギュラーに襲われ、孤児となったペンテを引き取ったのは彼女だった。 当時のフィオは若いながらも、周囲に一目置かれている違法ハンターの一人だ。 ペンテの前を歩き、圧倒的な力を見せつけた彼女に憧れていた時期もあったと回想した。 今はどうか知らない。ただ、モデルVAがイラつく事実、人質となった彼女を撃てなかったのは本当だ。 ペンテは少しだけ微笑む。自分がとる手は決まっている。 しばらくは雪を踏む自分の足音だけが耳に入った。 □ 風が吹いてエールは思わず身体を抱きしめた。 モデルXがエールの心配をするが、エールは問題ないと応えた。 エリファスと会ってよかったと思っている。後ろを振り返るのはここまでにしたい。 転送装置まで歩く道のりの中、エールは思考を切り替えた。 ガーディアンの研究所からライブメタルが盗まれた。 ワームの首領ですら囮に使った作戦に驚き、悔しく思う。 自分がめげてさえいなければと考えたのは一度や二度ではない。 だけど、エールの瞳は前を向いている。もう二度と後悔はしない。 (待ってて、モデルHたち。アタシが絶対助ける!) エールは内心そう決意して一歩踏み出す。 すべてを守るロックマンになる。その想いに微塵も偽りはないのだから。 □ リーネが用意した夕食を平らげ、時計をみてペンテは席を立った。 あれから三日経ち、約束の時間が来たのだ。ペンテは隣の部屋で黒いインナーに紫のジャケットと、いつもの服装へと着替える。 モデルVAはいまだ不機嫌だが問題ない。頑丈なブーツをはき外へ出る。 「ペンテさん、いくの?」 後ろでリーネが声をかけてきた。バレないようにするつもりだったが、予想外に勘がいいらしい。 首だけ動かして顔を見ると不安そうにしていた。 本当にフィオといい女とは面倒だとペンテは感想を持つ。 「アタシ……少し不安で……」 ペンテは自分になにを期待しているんだろうか、と呆れた。 ペンテは普通とは違う。モデルVAのように日常を送るのに支障が出るほどではないが、それでも穏やかな日々では生きていられない存在だ。 モデルVAが自分のそうした特性に疑いを持っているのは笑えるのだが、ペンテは自分の異常性を痛いほど自覚している。 だから彼女が期待するように、「必ず戻る」とも「一人にはしない」とも告げない。 「今日はずっと家に入っていろ」 なぜなら、これは別れの言葉だから。 ペンテは彼女に特別な感情を持ちはしない。一人で強くある。 それこそがペンテを支える信念であったからだ。 風が強く雪が舞う。吹雪が近いのか、とペンテは感想を抱いたがもうどうでもいい。 三日目の約束の場所へたどり着き、ペンテは現れた女性とわかるシルエットに近づいた。 肩で切りそろえられたショートボブのキツメの美人。 かつてペンテが「フィオ」と呼び、生きる術を授かった存在。 「答えは出たかい?」 フィオの声に僅かに期待の色が混ざっていることにペンテは嘆息した。 答えなどわかっているはずなのに、僅かな可能性に縋っている。 教え教えられる関係など戻れはしない。ペンテは静かにライブメタルを取り出して構えた。 「……そうかい」 僅かに落胆した声にペンテは眉を上げる。それ以外の答えなどありはしないのに、と。 ペンテの口が動いたのと、フィオの全身がうごめいたのは同時だった。 「ロックオン」 あがる戦いのゴング。二人の激突に、雪が積もった木々が揺れた。 カミナリが落ちたような轟音が周囲に轟く。 紫色の装甲を纏ったロックマンVAVAと、漆黒の鋭利な装甲を持つコールドエンプレスの拳が激突した音だった。 ギシギシと音が鳴り、数秒の間拳が拮抗する。先にコールドエンプレスが舌打ちをしてロックマンVAVAに力負けをした。 吹き飛び、地面を滑るコールドエンプレスを見届けてロックマンVAVAは踵を返す。 『どういうつもりだ、ペンテ?』 「今は黙っていろ」 そうつぶやいて後ろから襲う氷の散弾を右手のバルカンで迎撃する。 逃げきるほど全力の速度は出さず、追いかけることが可能の速度を保つ。 引きつけているとはわかるほどわざとらしくロックマンVAVAは駆けた。 『キサマ……』 モデルVAが不機嫌になる。それもそうだ。ロックマンVAVAは今、街から離れるコースを取っているのだ。 コールドエンプレスが突進してきて、その刺突を捌いた。 「妬けるねぇ。あの街に未練があるのかい?」 コールドエンプレスの言葉にロックマンVAVAは低く笑った。 コールドエンプレスはロックマンVAVAに付き合い、街から離れる軌道を追ってくる。 まったくもって甘い奴である。その昔から変わらない甘さが、 「モデルVA、いくぞ」 命取りである。ロックマンVAVAは急に旋回してコールドエンプレスに接近した。 突然の方向転換にコールドエンプレスは反応できない。 ロックマンVAVAは仮面の下で薄く笑い、コールドエンプレスの四肢にガッチリと組み付いた。 虚をついた、たった一度の機会。癖を読まれている以上、この手しかない。 「準備はいいか? モデルVA、フィオ。地獄の炎へ一緒に逝こうぜ」 『……クックック。そういうことか』 ロックマンVAVAの背中からブースターの炎が吹く。 加速し続け、途中でコールドエンプレスが殴りつけるが距離が近すぎて威力がでない。 森と街は近い。インナーに入り、深夜とはいえヒトがロックマンVAVAたちを目撃するが関係なかった。 目的へ一直線だ。ロックマンVAVAが進む先には化石燃料を保存しているタンクがある。 「まさか、あんた――――」 コールドエンプレスが焦るが関係ない。この距離では氷の散弾も使えないのも計算済み。 いや、たとえ使われてもこの手は離さない。コールドエンプレスの身体をタンクの表層に叩きつける。 反動の衝撃がロックマンVAVAの全身にも届き、仮面の下で血反吐が出るが獰猛な笑みが消えない。 「ペン……テ……」 「ここからが地獄だ」 右肩のキャノン砲を向ける。コールドエンプレスのぶつかりひび割れたタンクから漏れている化石燃料ごと狙い撃つ。 光が走り、ロックマンVAVAの視界を炎が占拠した。 真っ白い閃光とともに爆発が轟いて一つの街が炎に飲まれた。 「が……くはっ……」 コールドエンプレスは全身にまとわりつく炎をそのままに、四つん這いになって喘ぐ。 燃え盛る瓦礫の上で呼吸を整えることが、今できる唯一の手段。 震える四肢に活をいれ、膝立ちになった瞬間コールドエンプレスの周囲に影が落ちる。 「よう、元気そうだな」 ロックマンVAVAの低い声を耳にして、振り向いた瞬間鉄パイプが視界を覆う。 コールドエンプレスの腹部に鉄の棒が埋まり、強制的に身体が浮いた。 『クッハッハ……ハハハハハハハッ! ペンテ、やれ!』 「いわれずとも……」 ロックマンVAVAはモデルVAに応えて、中空に浮くコールドエンプレスへ回し蹴りを放った。 コールドエンプレスの頭部の装甲が凹み、地面を数メートルバウンドする。 顔だけを上げてロックマンVAVAを見ると、彼も傷が深い。 装甲にヒビははいり、左肩のミサイルランチャーはとても使える状態ではない。右肩のキャノン砲は半壊し、使えて二、三発という状態である。 鉄仮面の左側が四分の一破損して、ペンテの狂気に満ちた瞳が覗いていた。 「相変わらず……タフだ……ねぇ……」 ロックマンVAVAが僅かに覗いた口の端を持ち上げて両手のバルカンを掃射した。 体表を跳ねる銃弾にコールドエンプレスはうめきながら、してやられたことを実感する。 コールドエンプレスは名が示す通り氷属性のフォルスロイドである。 炎の攻撃には極端に弱い。ゆえに化石燃料の炎はコールドエンプレスに深い傷を負わせた。 とはいえ、街のほとんどを覆うほどの爆発だ。間近にいたロックマンVAVAとて無事ではすまないはずである。 いや、ロックマンVAVAなら……ペンテなら不思議じゃないとコールドエンプレスは回想した。 傷つけば傷つくほど、ペンテの動きは鋭さを増していった。 まるで傷つくことを望むように。なにかを満たしたように。 「どうした!? フィオ、お前の力はそんなものか!?」 「余計なお世話……さねぇ!!」 コールドエンプレスが氷の散弾を作り出し、ロックマンVAVAへ直撃させる。 距離は三メートルもひらいていない。遠くなら周囲の熱で氷が溶けるが、近距離なら威力はそこまで落ちない。 なのに、ロックマンVAVAは当たった場所から血を流しながら盛大に笑った。 「そうだ、それでこそ俺に生きる術を教えた女だ! さあ、残った命で抵抗しろ!!」 一瞬でロックマンVAVAはコールドエンプレスの懐に潜り、固めた拳が鳩尾を襲った。 胃の中身が込み上げてくるが、どうにか飲み込んでコールドエンプレスはその場に踏みとどまった。 両手に氷の刃を作り、ロックマンVAVAを斬り裂く。 パッ、と花火のようにロックマンVAVAの斬り裂いた箇所が血を吹くが、ロックマンVAVAは加速して右つま先を左頬に打ち込む。 視界が衝撃につられて揺れ、全身をバルカン砲が撃ち抜かれた。 マズイ、とコールドエンプレスは距離をとるが、ロックマンVAVAは離さない。 狂おしいほど愛するようにロックマンVAVAが笑う。そうだ、こいつはこういう奴だ。 少しだけ、コールドエンプレスは嬉しくなった。 足を止めてロックマンVAVAの拳を受け止める。炎で弱まった装甲が歪んだ。 『観念したか?』 「モデルVA、アタイとペンテの間に割って入るな。そうさね、結局これが互いに一番好きなことさね。ペンテェェェェ!!」 コールドエンプレスは愛する者を呼ぶように叫び、蹴りを放った。 ロックマンVAVAが応え、互いの右足がぶつかり合う。 力負けし、コールドエンプレスの足から血が流れるが構わない。 そうか、そうだ。このペンテをコールドエンプレスは、フィオという名の女性型レプリロイドは、愛したのだ。 ロックマンVAVAの右拳が右脇腹の装甲を砕き、衝撃に地面を転がる。 コールドエンプレスはすぐに立ち直って、ロックマンVAVAの頬を斬った。 かすっただけだ。ロックマンVAVAの頭突きに打ち据えられ、泥を顔からかぶった。 泥の味が口内に広がるが、それ以上に過ごすロックマンVAVAとの時間の甘美さが胸に満ちる。 泥を吐き捨てながら、氷のショットガンを放った。 ロックマンVAVAは気にせず進み、膝蹴りを腹に叩きつけてきた。 後ろに倒れるコールドエンプレスの首をつかんで、熱せられた壁に押し付けられる。 コールドエンプレスは悲鳴をあげながらも、ロックマンVAVAを何度も何度も殴り続けた。 まるで喜んでいるようだ、と頭の隅で自分の悲鳴を評する。 ロックマンVAVAは仮面の下で微笑み、貫手の形を右手で作った。 「楽しいなぁ、フィオ!」 ペンテにとって最高の褒め言葉を受けて、コールドエンプレスの腹部が貫かれる。 血反吐がロックマンVAVAの鉄仮面を赤く染めて、だらりと両手が垂れた。 ドサ、とやけに倒れた音が大きく響く。ああ、そうか。コールドエンプレスは蜜月が終わったことを知った。 (終わりか……) コールドエンプレスは地面に伏せながら、そう思考した。 レプリロイド用の血に染まった右手を引き抜くロックマンVAVAの顔を見つめて、一つだけ納得がいないことを思い返す。 あの日、人質にとられたのはコールドエンプレスのミスだ。 ペンテならば自分ごと殺すだろうと期待していた。だけど事実は逆。 その事実が、コールドエンプレスの愛したペンテに傷がついていた。 首を動かしロックマンVAVAを見る。そのことだけは確かめたい。 そう思考したコールドエンプレスの耳に、ペンテの名前を呼ぶ声が聞こえた。 コールドエンプレスは無理して身体を跳ね上げ、ペンテの名前が聞こえる場所へ跳躍する。 『チッ、しぶとい!』 モデルVAが吐き捨てるが、コールドエンプレスが早い。 栗色の髪を腰まで伸ばした女性をつかみ、追ってきたロックマンVAVAへ盾として向ける。 「ひっ!」 「お嬢ちゃん、黙りな。さて、ペンテ。……あのときの答えを聞かせてくれないかね?」 『俺を渡すということか? そんなの――――』 「違う、そんなことじゃない。ねぇ、ペンテ?」 「ペンテ……さん……?」 リーネが戸惑ったように視線をロックマンVAVAへと向ける。 対するロックマンVAVAは無言。コールドエンプレスは知りたかった。 なぜ自分が人質になったときは撃たなかったのか。なぜ自分をねじ曲げたのか。 ロックマンVAVAはコールドエンプレスへ視線を向けて、右肩のキャノン砲を光らせた。 熱線がリーネの腹部とコールドエンプレスの胸を貫く。リーネは即死だ。助かりはしない。 「だから家に入っていろと忠告はした」 ロックマンVAVAは興味なさげにつぶやいて、右手をコールドエンプレスの頭へ向けた。 高価な宝石についた傷が埋まったような感覚に包まれ、コールドエンプレスは微笑む。 よかった、これでこそペンテだ。 銃弾がコールドエンプレスの頭部に降りそそぎ、トマトのように砕け散る。 コールドエンプレスの想いも、思考もそこで途絶えた。 ロックマンVAVAは標的が沈黙したことを悟り、踵を返す。 低く笑って満足であることを示した。 あの日、コールドエンプレスを……フィオを撃たず、今回リーネを撃った理由は単純だ。 フィオは生きていれば戦う相手として申し分ない。 リーネは生きていたところで、倒すにあたいすることは一生ない。 ただ、それだけ。 事実フィオはフォルスロイドへと改造を施し、裏切り者となったロックマンVAVAと戦った。 リーネにはそれを望むべくもない。 血で血を洗う死闘。 これこそがロックマンVAVAを満足させ、気持ちを昂らせた。 『フン、ペンテ。この調子でモデルXたちを殺すぞ』 ロックマンVAVAはモデルVAに適当に返事をする。 モデルVAと、ロックマンVAVAことペンテの目的は似ているようで違う。 モデルVAはモデルXたちに“勝ちたい”のだ。 だがペンテは一人でどこまでも強くなれる自分と死闘を繰り広げる“過程を味わい続けたい”だけ。 自分と同じ理由で強くあるフィオは倒せた。 ならば、自分とは真逆の理由でどこまでも強くなれるエールと天道と死闘を演じることこそ、今のペンテの最大の楽しみだ。 モデルVAとは違う。 ただ戦うことで乾きが癒されるペンテは、地獄の道を修羅となって歩み続けた。 死が確定したその道。ペンテは恐れはしない。 行き着く先には興味ない。ただその過程を実感できれば、それでいいのだから。 To be continued……
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フィールド上で開けると現在のメンバー全員に経験値をランダムで追加してくれるアイテム。 ゲストに対しても有効だが、エディタを開いている際には使えない。 5000ペリカで売却も可能だが正直もったいない。 ウララーのレベルが上げ辛いプレイヤーを救済するために走者が仕込んだ説が有力。 マスクデータである「ラッキーモード/アンラッキーモード」いずれかに突入している際には獲得経験値が大きく減ったり増えたりするので、この時やたら少ないからといってF12を押してやり直してもやはり少なかったりするため、アンラッキーを脱却するまで使用を控えるのが吉。 また、テナイアンがいる時にも当然加算されるので数値弱体化に注意しよう。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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(こ、このクソがぁあああ…!) 素直四姉妹より出演。 勝利石の欠片で変身できる。 カビンと名前は似ているが何の関係もない。 またも出た悪役の欠片である。 今後喋る機会があればディガルツよろしくきれいなキャビンが見れるかもしれない。 初期レベルだと能力値は低く、非戦闘要員ということを痛感させられる。 最大レベルでもどの能力も低すぎはしないものの決して高くないため運用には注意が必要である。 技は能力依存度の低いものが多いが羽の弾丸(連射)やエンゼルカッターは消費の割に威力が出る。 自己回復や半減や麻痺にする技もあるため、うまく使ってあげよう。 ちなみに何故か最後に覚える技は最強技でなく風属性の全体攻撃である。なんだこいつ。 一定レベル以上でハイライトと一緒に組むとハイライトの性能が大幅に変化するため、うまく活用しよう。 何故か顔グラに名前の元となった煙草の箱デザインまである。 明らかに特性が名前負け。最強の天使(笑) 「これから俺は俺のために…、破壊神ギコエルの力を 利用して…、ヤりたい放題ヤらしてもらうぜぇ!」 素直四姉妹より登場したボス。 ギコエルを不意打ちとはいえ動きを封じ、その力を自分のものにする意外とすごいやつ。 まあ性格はガチクズの小物なわけだが。 実はかつてセブンストーン帝国?の構成員だったが、メビウスはともかく素直琉とはそりが合わなかった模様。 最強の天使を自称するだけはあり、能力は非常に高い。 攻撃は700越え、精神は900を、防御は950を超えるほど。 HPも12900と高く、ほぼ全ての属性と全ての状態異常に耐性を持っているのでソウ以外の攻撃がほとんど通らない。 上記の欠片と同等の技に加え、強力な風属性の全体攻撃であるシュルデバイスによって愁以外に致命的なダメージを与えてくる。 更に全体の攻撃を下げ半減状態にする無力の波動まで使ってきて非常に厄介な相手である。 イイアジャンによる3ターンに一度のサポートでよろめき状態や能力を半減させるアク禁状態にしたりダメージを与えられたりするので、うまく活用しよう。 ソウの通常攻撃や追加された技が3倍のダメージを与えられるため、ダメージはそれらに任せてほかのキャラでサポートするといい。 ちなみにソウのMP99消費技である伝杯判破で4桁ダメージを与えられる。 ニラ茶Mを使って連発すれば、割とあっさり勝てることも。 ウィークメイクでも使おうものなら早ければ5ターンで沈む。 最強の天使(笑) アメザールを壊滅させた張本人である。 よくやったと思う人もいるかもしれない。 でもこいつ司祭や関係ない人まで殺してるからやっぱだめだ。 設定そのものから消え失せるべき汚物。 -- (名無しさん) 2022-05-18 21 28 14 名前 コメント すべてのコメントを見る
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キュアパッションの持つピックルン、アカルンの瞬間移動の力で場所を移したディケイドとプリキュアたち。 全く見覚えのない現在位置を確かめるように、プリキュアたちは痛む身体に鞭を打ち周囲を見渡す。 空は相変わらず曇ったままだが、この場所には先程のタコカフェと同じでフュージョンの持つ嫌な雰囲気を感じない。 恐らく、ここも何らかの原因でフュージョンの吸収から逃れた場所なのだろう。 このまま考えてもしょうがない、と比較的に冷静だったホワイトが瞬間移動の力を持った本人であるパッションに尋ねる。 「パッション、ここは……?」 「分からないわ。大人数での移動だったから、とにかく移動しやすい悪い力の少ない場所を 選んだの」 「ここは……」 パッションを始めとするプリキュアが戸惑う中、変身を解いた士がプリキュアたちの疑問に答える。 そう、士はここが何処であるか良く知っている。 当然だ、何故ならばここは、記憶のない士にとって、つまりは生まれ育った家に帰ることが出来ない士にとって最も安心出来る場所なのだから。 「夏みかんの……夏海の家だ」 強く唇を噛み締め、顔を伏せながら士は苦々しく呟く。 ここは周囲のようにフュージョンの力で荒らされていなかった。 いつものように古びた、どっしりとした造りをした写真館だ。 (ここが無事なのは世界と世界が繋がる場所だからか……? それともたまたまか……?) 士たちが世界を移動するとき、常にこの写真館を伴って世界観を移動している。 もちろんマシンディケイダーを使えば『世界の壁』を超えることが出来るが、全ての世界を回る際には必ず写真館と共に移動してきた。 そのため、この写真館自体にも何かしらの力があるのかもしれない。 その力を持っているからこそフュージョンの吸収から逃れることが出来たのだろう、と士はとりあえず納得しておく。 または、世界と世界を繋ぐ時に、このプリキュアの世界に溢れる多大なプリキュアの力の影響を受けたのか。 キュアブルームやキュアイーグレットは世界に溢れる精霊の力を扱い戦っていることから、世界にあふれるプリキュアの力の影響を受けたという話はそれほどおかしなものではないだろう。 とにかく、この写真館は無事で、無事だからこそパッションは無意識にここを選び、結果士は写真館に戻ってきたということだ。 「……くそっ!」 士は地面を思い切り蹴りつけながら悪態を突く。 この中では最も年長である自分がそんな態度を取れば、貴重な戦力であるプリキュアの心を削ってしまう。 そんなことは分かっているが、悪態を突かずに入られなかった。 『おかえりなさい』 日は暮れているわけではないが、曇り空で太陽の光は見えない。 だが、写真館の扉を見る度に、士の頭にはシンケンジャーの世界での夏海の言葉が思い出される。 『私も、待っていることにしました。士くんが帰ってくるのを』 『何処の世界に行っても、士くんが帰ってくるのはここですもんね』 『だから、”おかえりなさい”』 「お前が居なくなってどうする……!」 「士……さん……?」 世界の破壊者、ディケイド。 フュージョンに対する怒りと自分の不甲斐なさに対する怒りで燃えるその瞳。 その瞳はこの世界で何を映し、何を思うのか。 仮面ライダーディケイド×プリキュアオールスターズDX みんなともだち☆奇跡の全員大集合! 【仲間が消えた日、明日を探す日】 「――――それこそが世界の破壊者であるディケイドの持つ業そのものなのだ」 「えっ!?」 「だ、誰!?」 いつの間にか士の後方に背中合わせに立つように現れた謎の男。 地味な色の帽子と、同色の丈の長いコートを初老の身体で覆っており、眼鏡の奥に見える瞳には怒りと嫌悪の色に染まりきっている。 突然すぎる登場を果たしたその謎の男に、プリキュアたちは身構える。 いつだって彼女たちの敵は瞬間移動を思わせる唐突さで現れるのが原因だろう。 が、士は軽くため息を吐きながら、それでいて怒りに溢れた声を男へと向かって放った。 「お前か……鳴滝」 「ディケイドよ。お前という存在が訪れたがために、それだけのためにプリキュアの世界も破壊されていく……」 「またそれか、それしか言うことがないならさっさと出て行け。今の俺は気が立ってるんだ」 邪険に扱う士に対して士が鳴滝と呼んだ謎の男はそれでも怒りに満ちた声を投げつける。 まるで親の敵か、あるいはそれ以上の存在に対するかのような態度。 それだけでこの二人が敵同士なのだということが分かるが、それにしては好戦的という印象をあたえる士が仕掛けないのはおかしい。 「本来、プリキュアの世界には存在するはずがなかった仮面ライダーが生まれる……その不確定要素こそが世界を滅ぼす原因になるのだ。 その不確定要素を世界に導いたのはディケイド、全ては貴様が原因なのだ!」 「黙れ……それなら俺がアイツを倒しに行くだけだ」 その一も二もなく仮面ライダーディケイド、門矢士を責め立てる口調にプリキュアたちは顔をしかめる。 僅かな間しか共に居ないが、それだけだが士は悪い人間ではないように思える。 フュージョンと戦っている姿や、夏海を庇おうとする姿にユウスケと共闘する姿。 それらは決して我が侭に人を滅ぼそうとする破壊者の姿には見えなかったのだ。 鳴滝は言葉を止めることなく、怒りのままに口を開き続ける。 「夏海くんとクウガも貴様と出会わなければこんなことになりはしなかった……ディケイド、貴様が二人を不幸にしたのだ」 「そんなことない!」 その様子に口を挟まずにはいられなくなったのか、キュアドリームが口を開く。 ボロボロの身体だとは思えない強い視線で鳴滝を見据えたまま、口を開く。 「士さんは世界の破壊者なんかじゃない! 士さんは……そんな悪い人なんかじゃない!」 「君は何も知らないだけだ、だからそんなことが――」 「確かにそうかもしれない。けど、夏海さんは士さんを頼ってタコカフェに行った。 そして、士さんと会った時、本当に嬉しそうに、安心したように笑ったんだよ! だから……だから、夏海さんとユウスケさんは不幸なんかじゃない! 士さんたちは友達なんだもん!」 「確かに、私たちは士さんたちのことを何も知らない……」 それを受け継ぐようにキュアブルームがドリームの言葉を続ける、やはりドリームと同じく強い眼差しで。 「だけど、私たちを助けてくれたユウスケさんが本当に士さんのことを信頼していたから。 それに士さんは二人のことを心配しているから、だから私は士さんを悪い人だとは思わない!」 「…………ディケイドは世界の破壊者。関わったものは全て破滅する。 それを君たちプリキュアが覚悟しているというのなら、私はここから立ち去ろう。 だが、ディケイドよ! 今の光景は貴様の業の一つだ! 彼女たちがなんと言おうと、それだけは変わりはしない!」 鳴滝はそれだけを言うと、コートを軽く翻す。 それだけで鳴滝の身体は霧散していき、まるで瞬間移動のようにその姿を消してしまった。 プリキュアたちは驚きを示すが、士はいつものことだと何も反応しはしない。 ただ、曇り空の下で誰も居ない写真館の玄関だけを眺め続けている。 背中越しからでも様々な感情が渦巻いていることがわかり、プリキュアたちに話しかけることを躊躇わせる。 「その……士」 そんな中で一人、ナッツだけが士へと声を投げかける。 士は振り向かず、声も返さずにただ一つの場所を眺めている。 ナッツはそんな反応を予想していたのか、何も言わずにポシェットの中から一つのペンライトを取り出す。 レインボーミラクルライト、ある一面ではこの騒動が大きくなってしまった最初の要因とも言える。 「このミラクルライトはプリキュアをパワーアップさせるための道具ナツ…… そして、士。ディケイドが使っていたあの大きなタッチパネルの変身アイテム、あれも仮面ライダーに力を与えるものナツ」 「……何が言いたいんだ」 そこでようやく士がナッツへと言葉を返す。 ナッツは神妙な顔つきのまま、ゆっくりと頷いて言葉を続ける。 全員が全員その言葉に現状を打開できる何かがあると思い、息を沈めてナッツの言葉に集中する。 ナッツの技術力は優れていることを、特にプリキュア5の面々は良く知っているのだ。 時間こそ掛かっているが、本来ならば異世界であるパルミエ王国とのぞみたちの住む世界を通信できる機械を独力で作りあげたほどだから。 「……思うにナツ、その変身アイテムとミラクルライト。 この二つが組み合わされば、仮面ライダーの力を手に入れたフュージョンにも対抗できるんじゃないかと思うナツ」 「そんなことが出来るんですか、ナッツさん?」 ミントが不思議そうに首をかしげながらナッツに尋ねる。 その言葉にナッツは僅かに間を空けてからゆっくりと頷く。 ナッツの肯定の様子に士は苛立ったように言葉を続ける。 「それでどうなる……その間にもアイツは力をつけてくるぞ。 たとえミラクルライトとかいうのとケータッチを組み合わせても、それ以上にアイツが強くなっていたら――――」 「大丈夫だよ!」 確実な解決にはならないナッツの言葉に士は苛立を深くする。 だが、士の苛立ちを感じさせる言葉を正面から否定し、それでいて勇気づけるような声をドリームがあげる。 士もその言葉でようやく反応を見せて、プリキュアたちの方へと振り返る。 「ナッツ、他のミラクルライトはナッツハウスの中にあるんだよね?」 「そ、そうナツ。あの後で改良を重ねるために皆から回収して、ナッツの部屋のあるナツ」 「じゃあ、私たちがそれを取ってきて、ミラクルライトをいーっぱい士さんの変身アイテムにつければいいんだよね!」 簡単に言うドリームに、士や妖精たちは目を丸くして見つめる。 確かにそれならなんとかなるかもしれないが、言うほど簡単ではない。 移動方法としてはパッションの瞬間移動があるが、恐らくフュージョンも警戒しているはずだ。 「ド、ドリームの言うことは間違ってはないナツ。 ミラクルライトはプリキュアの力になるものだから、それを使えば仮面ライダーだけでなくプリキュアもパワーアップするはず…… だ、だけど、取りに行くのは危ないナツ……」 前の戦いではミラクルライトで遅れをとった以上、ミラクルライトの保管場所であるナッツハウスは最も警戒されている場所だ。 クウガと言う巨大な力を手に入れた今、恐らくナッツハウスの前で待ち構えているだろう。 何故ならフュージョンの不安要素はあのミラクルライト以外に存在しないのだから。 「……そうだね、そうだよね」 「それじゃあ、行っちゃおうか」 やがて、その言葉に虚を突かれていたブラックとピーチも笑いながらドリームの言葉に答える。 肯定の意、二人に続くように他のプリキュアも弱々しく、だがしっかりと笑みを浮かべながら立ち上がる。 フュージョンからディメンションシュートを受けた身体が無事なわけではない。 そんなプリキュアを気遣ってか、タルトが俯きながら話しかける。 「そんな! その身体で行こうなんて無理があるで、プリキュアはん! せめてもう少しだけでも身体を回復させてからでもええんとちゃいますか!?」 「プリップー……」 タルトだけでなく、心配そうな顔をして宙に浮かぶシフォンの姿。 その二人や他の妖精たちにも対してピーチは優しく笑みを浮かべて答える。 「ちょっと行ってくるだけだから、せっかく皆で集まったんだから早く終わらせないとね」 「せやかてなあ、ピーチはん……」 「大丈夫大丈夫! まだ動けるし、ほらほら!」 「ラブゥ……」 自分はまだ動けるとピーチはアピールするかのように、軽く力こぶを作るような動作で笑顔を浮かべる。 それでもまだ心配そうな顔をする二人に、困った顔をしつつも笑いかける。 管理国家ラビリンスとの戦いと言う密度の濃い付き合いをやってきた二人にはその笑顔で止めることは難しいと悟る。 タルトは『はぁ』と軽くため息をつき、それ以上は何も言わない。 他のプリキュアのやりとりも同じだったのか、メップルたち他の妖精も同じように笑いを浮かべている。 そして、僅かに顔をしかめている士に対して向き直る。 十七人全員に見つめられていることに圧迫感は覚えていないようで、士はただ一瞥するだけだ。 それを何か用かと言う無言の問いだと判断し、ブラックが口を開く。 「士さん」 「……なんだ?」 「たこ焼き、美味しかったです、もう一回食べたい。出来ればアカネさんのと食べ比べしたいぐらい」 「……」 「世界の破壊者とか、あたしにはよくわかんないけど……士さんのたこ焼きは美味しかったです。 だから今度は、士さんの仲間の人と一緒に食べましょうよ」 士は何も言わずにただブラックの言葉に耳を傾ける。 そして、ブラックの言葉を受け継ぐようにピーチは相変わらず柔らかく微笑んで言葉を続ける。 「罪を憎んで人を憎まず。大事なものを守りたい、って気持ちはみんな一緒だから」 「そうか……」 「だから、私は私の見た、友達のことを思っている士さんの力になりたいと思います」 ピーチはそれだけを言って、背中を向ける。 そしてリンクルンを手に持ったパッションへと言葉を放つ。 「パッション、お願い」 「分かったわ」 パッションはゆっくりと頷き、リンクルンを両手に持ち目を瞑る。 そのパッションを中心にプリキュアたちは集まっていき、強い眼差しのままに空を見つめる。 「ナッツハウスへ!」 強い言葉とともに、パッションを中心にプリキュアたちは消えていった。 取り残された、変身アイテムでない妖精たちと士は何も言わずに黙り込んでいる。 いつだってプリキュアに任せるしかない妖精は歯がゆさを感じているのだろう。 士はそこでようやく顔を上げ、ポツリと呟く。 「そうだな」 えっ、と不思議そうな顔で妖精たちは士を眺める。 すがすがしい顔、とは言えないが先程よりは吹っ切れた顔をしている。 その瞬間にケータッチを取り出してナッツへと手渡した。 目を丸くしているナッツに向かって、士は言った。 「……なるべく早く頼むぞ」 「ナツ!?」 「アイツらを見ていると考えるのが面倒くさくなっただけだ」 ◆ ◆ ◆ キュアパッションの持つピックルン・アカルンの瞬間移動能力によってナッツハウスの門前まで訪れたプリキュアたち。 空は当然のように暗黒に曇っており、心なし周辺の林に生える木々も萎びれた印象を覚える。 見慣れた風景に渦巻く邪悪な気配にプリキュアたちは僅かに顔をしかめるが、直ぐにその表情を引き締める。 「ミラクルライトはナッツの部屋にあるんだよね」 「ええ」 全員が顔を見合わせて頷き合う。 ミラクルライトを取るだけという目的だが、実際はそれほど簡単なものではない。 ナッツが言ったようにミラクルライトはプリキュアの力を倍増させる物、それをフュージョンはよく知っている以上は邪魔が入るはずだ。 『プリキュアァ……!』 その予想は不幸にも外れておらず、当然のように曇った空から水銀色の怪人・フュージョンが降り立ってくる。 必ずこのナッツハウスに来ると読んで待ち構えていたのだろう。 今のままのプリキュアになら勝てる、恐れるのはミラクルライトだけということをフュージョンは認めているのだ。 逆に言えば、ミラクルライトさえ手に入れてしまえばプリキュアの勝利の目も見えてくる。 フュージョンに向かい合ったプリキュアたちは静かに構える。 十七組の鋭い眼光を受け流しながらフュージョンは姿を変えて行く。 『ここで、私と一つに……!』 フュージョンが取った姿は仮面ライダーディエンドではなく、金色の禍々しい装飾を施した黒い複眼の仮面ライダー。 プリキュアたちにも分かる。 この姿・この力は小野寺ユウスケ、仮面ライダークウガのものだ それをフュージョンが操ると言うことは、すなわちユウスケはフュージョンに取り込まれたと言うこと。 『この姿こそ最も邪悪な仮面ライダー……ライジングアルティメットクウガ、究極の闇そのものだ』 力を確かめるように手を握りながらフュージョンは呟く。 そして、プリキュアたちへと向かってゆっくりと指先を掲げる。 その瞬間だった、プリキュアたちの足元に激しい爆発が起こったのは。 「きゃあああああ!!!」 クウガ、いや究極の闇が持つ力の一つである発火現象を用いた攻撃。 触れることすら許さない最強の力だ。 『プリキュアよ……私と、一つに……!』 ◆ ◆ ◆ 「ああ、帰っていたのかい士くん。いや、ちょっと空が曇ってきたからねえ。 泣き出す前に洗濯物を畳んでおこうと思って……あれ?」 「士だけェ? ユウスケたちはぁ?」 写真館の前で立ち尽くしていた士の前に現れたのは、一人の老人と真っ白な奇妙な形をしたコウモリ。 老人はそこに居るだろうと考えていたはずの二人の姿が見えないことに不思議そうに首を捻る。 「夏海とユウスケは……今は居ない」 「そっか、出かけてるのか……まあ、ちょうどいいや。もう少しかかるからね」 その疑問に答えるように士は口を開く。 妖精たちはケータッチを改造しているナッツの所にいる。 今は待つだけの身がひどくもどかしい。 「いやね、今日は美味しいパンが焼けたんだよ。 ほら、このチラシに書いてあった『パンパカパン』ってお店のパンが美味しそうでね。 思わず作りたくなっちゃって……後で二人が帰ってきたら一緒に食べよう」 「栄次郎ちゃん、わたしの分はぁ?」 「ちゃんと作ってあるよ。皆で食べた方が美味しいからね、こういうのは」 「やったぁ♪」 甘ったるい声を出しながら白いコウモリ・キバーラが周囲を羽ばたく。 それを見て老人・光栄次郎も好々爺そのものの落ち着いた顔に笑みを貼り付ける。 普段と変わらないそのやり取りを眺めながら、士ふと思いついた。 「そうだ、こっちで知り合いが出来た。十七人ぐらいいるが……なんとかなるか?」 「十七人!? そりゃ多いねえ……まあ、一人の分が凄く少なくなるけどなんとかなるよ」 「大丈夫だ、他の食べ物も持ち込むからな」 驚愕に顔を染めながらも栄次郎は何かを確かめるように指を折り始める。 士の顔には苛立ちは薄くなっていた。 先程士自身も言ったように、考えるよりもフュージョンを殴りたいという気持ちが強くなっている。 フュージョンを倒してしまえば今の状態が元に戻るということは、プリキュアたちから話を聞いたので知っている。 「士……士……」 大変だなあ、と呟きながら栄次郎が写真館へ入っていくのと入れ替わりに声変わりを済ましていない甲高い声が響く。 声のする方向へと視線を移すと、そこにはココの姿が見えた。 メップルたちのようにプリキュアの変身に必須でない妖精たちは今この場に残っているのだ。 「終わったらしいココ」 「そうか」 士は短く答えてケータッチをいじっているだろうナッツのいる場所へと向かっていく。 思ったよりも早かったな、と思いつつそっとカードホルダーに触れる。 コンプリートフォームの空白のカードに対して、ある考えが浮かんでいるのだ。 ミラクルライトはプリキュアの力を増大させる、そしてコンプリートフォームは仮面ライダーの力を集めたコンプリートフォームへと姿を変えさせる。 この二つはどこか似ている、そう士は感じたのだ。 「士、終わったナツ……」 そんな士へとナッツが僅かに俯きながら声を掛ける。 小さなナッツの手には見慣れたケータッチがあり、特別変わったようには見えない。 「ケータッチ……それはナッツじゃ良く分からないほど複雑なものだったナツ。 かろうじてミラクルライトの核となる機能をつけることが出来たナツけど……正式な力が出せるかどうかは分からないナツ」 「いや、構わない。あの時間で頭が落ち着いた」 士はそっけなく答えて、ナッツから奪い取るようにケータッチを手に取る。 ケータッチを軽く眺めた後に、何も言わずただマシンディケイダーに跨りヘルメットを被る。 戦いに行くのだ、妖精たちにだってそれぐらいは分かる。 完全にケータッチが戻ったわけではないのに、戦いに行く士へと向かって思わずココの口が開く。 「士……君は、君は一体何者ココ?」 ココはそう尋ねる。 異世界の存在を知っているココとナッツでも知らない、仮面ライダーという存在。 そして、世界の破壊者と呼ばれるディケイド、そのディケイドが目の前の青年だという。 だが、その青年からはそんな分かりやすい悪意は感じない。 だからこそ、聞かざるを得なかった。 たとえ青年の記憶がないと分かっている、残酷な問いだとしても。 しかし士は、大したことではない、というような表情のまま答えた。 「俺か? 俺は――――」 士はココの言葉に答えながらホルダーから一枚のカードを取り出す。 手に取った一枚のカードを前へと突き出し、勢いよくディケイドライバーに差し込んだ。 ―――――― KAMEN RIDE ―――――― ――――――― DECADE ――――――― ◆ ◆ ◆ 「くっ……あぁ……!」 場所は変わってナッツハウス周辺の森林。 ナッツハウスの被害を嫌ったプリキュアたちが場所を移したのだ。 フュージョンとしても圧倒的な力を得た今では地の利を考える必要はない。 おとなしく位置を変え、全力で向かってくるプリキュアを全力で叩き潰していた。 『傷は癒えていない……何故そのような姿で強大な力を得た私の前に立つ……?』 「アンタには……分かんないでしょうね!」 「もうこれ以上、私たちの世界を貴方の好きにはさせたくないの!」 「虹の園の美しい風景……そこに住む優しい人々……そのどれもが、私の大切なものなんです!」 フュージョンの問い掛けにブラック、ホワイト、ルミナスの三人が立ち上がる。 かなりのダメージが蓄積しているが立ち上がる、その不気味な様子にフュージョンは眉を顰める。 「そうよ……! 私たちには大事なものを抱えて生きてるの!」 「……貴方の物じゃない! 私たちは、私たちで居たいの!」 「最初から一つなら……私と薫はあんな辛い思いを抱かなかった」 「だけど、それを乗り越えたときに一つならあんなに嬉しくなかった……咲と舞という別の人間が居たから、私たちは嬉しかった」 ブラックたちに答えるようにブルーム、イーグレット、満、薫の四人も立ち上がる。 あれほど叩き潰したというのに、瞳には強い敵対の色は一向に消える様子はない。 「一つになるって私には良く分からない……だけど、私は皆と喧嘩しても、皆と一緒に居たい!」 「そういうことよ……! 喧嘩もしなければ、相手の心が分からない……」 「そんな未熟な人間でも、私たちは別々の人間としても一緒に居たいんです!」 「別々の道を目指しながら、お互いに励まし合う……」 「それで私たちは良いわ……! そうやって、頑張ってこれたんだから……!」 「皆が一緒だなんて……あのナイトメアとの時を思い出して気持ち悪くなるだけだわ……!」 全員がボロボロの身体だというのにプリキュア5とローズがゆっくりとだが確かに立ち上がる。 やはり折れないその瞳に、思わずフュージョンは一歩だけ後ずさる。 「皆が皆……違うから……それを仲良くなれたときに幸せを感じることが出来る……!」 「私たちは……張りあうように競いあって……お互いが完璧になるの!」 「他人を信じること……私は、好きだから……!」 「皆が笑っている姿を見れるなら……私、せいいっぱい頑張るわ……!」 ピーチとベリー、パインとパッションも立ち上がる。 その瞳には、フュージョンへの敵意しか存在せず、折れるという様子を見せはしない。 『貴様らぁ……!』 攻め上げていたフュージョンが苦しそうな声をあげる。 プリキュアたちは強い眼差しのままにフュージョンを睨みつける。 そして、揃い合わせたかのように同じタイミングで口を開き同じ言葉を投げつけた。 ――――だから! 私たちは貴方なんかに負けない!―――― 『だがぁぁぁ! 私の力の前に倒れるのだぁ!』 それ以上、プリキュアの姿を見たくはないと言わんばかりに発火現象での攻撃を行う。 そして、ひるんだ隙に体勢を低くする。一撃必殺であるライダーキックの構え。 直撃すればしぶとすぎるプリキュアでも死んでしまう、そんな一撃だ。 ジリッと音を立てながら足の踵から土踏まずまでを地面から離していく。 後は助走をつけて、空中で回転するように回りながら蹴りを叩き込む。 それだけで、プリキュアは打倒出来る。 だが、本当に死ぬのか? そんな不安もある。 そんな不安も抱えたまま、フュージョンが走り出した瞬間。 『なっ――――!?』 フュージョンの身体に強い衝撃が叩き込まれた。 何が起こったのか分からないと言わんばかりに、着地も忘れて衝撃が襲ってきた方向に眼をやる。 「待たせたな、プリキュア」 聞き覚えのある声と、いまさらながら気づいたバイクの排気音。 バイクで吹き飛ばされた、と瞬時にフュージョンは理解する。 フュージョンをバイク、マシンディケイダーで吹き飛ばした衝撃を物ともせずに軽く降りてくる。 その姿を、プリキュアたちとフュージョンはよく知っている。 『仮面ライダー――――』 「――――ディケイド!」 目に痛いほどに光を反射するマゼンダ色のスーツと、奇抜な仮面をつけたバイクに跨った戦士の姿。 世界の破壊者、だが今はフュージョンを倒そうとする仮面ライダーディケイドだ。 「プリキュア! 大丈夫ロプか!?」 「シロップ!」 「ココや……他の皆も居る!」 ディケイドが現れた瞬間、天空に巨大すぎる怪鳥の影が舞う。 その背中にはメップルたちのようにプリキュアの変身アイテムとなれなかった妖精の姿が見える。 相も変わらずに一つとなることを阻むその集団の姿に、フュージョンは憤りながら大きく怒鳴りつける。 『貴様ぁ……まだ私の前に立つか……! 最大の力を失った今でも、私に勝てると思っているのかぁ!?』 フュージョンの言葉にディケイドはバイクから降りながら、ふん、と鼻で笑う。 「こいつらの単純なほどに真っ直ぐな姿を見てたらな、考えるのが馬鹿らしくなる。 だから今はとにかく……イライラさせるお前をぶん殴る、それだけだ!」 『それだけ……それだけだとぉ? それだけのために死にに来たのか?』 その声に今度はフュージョンが鼻で笑う。 だが、ディケイドはそれに対して何も返さずに、効果を示さなくなったはずのコンプリートカードを取り出す。 そして、そのカードをケータッチに差し込むと、フュージョンに吸収されて以来全く起動しなかったケータッチが光を放ち始める。 その光は士以外の、フュージョンすらも知っている光、ミラクルライトの光そのものだった。 「やった! 起動したでぇ!」 「プリキュアのカードとミラクルライト……この組み合わせだから起動したんだナツ!」 タルトとナッツがその様子に驚きの声をあげるのを聞きながら、ディケイドは素早くボタンを押していく。 光の影響か、タッチパネルに表示されるイメージは普段の九個よりも格段に多い、十七個ものイメージだ。 ――――― BLACK ――――― ――――― WHITE ――――― ―――― LUMINUS ――――― ――――― BLOOM ――――― ――――― EAGLET ――――― ――――― BRIGHT ――――― ――――― WINDY ――――― ――――― DREAM ――――― ――――― ROUGE ――――― ―――― LEMONADE ――― ――――― MINT ――――― ――――― AQUA ――――― ――――― ROSE ――――― ――――― PEACH ――――― ――――― BERRY ――――― ――――― PINE ――――― ―――― PASSION ―――― ――― FINAL KAMEN RIDE ――― 十七枚のカードがディケイドの周辺を回り、肩から胸へと通り肩を結ぶホルダーに収まっていく。 低い機械音とともに光を放ちながら、ディケイドのカードが額へと装着される。 ―――― DECADE ――――― プリキュア・コンプリートフォーム。 光を放つその姿は、ディケイドのコンプリートフォームに姿こそ同じだが、力の性質が僅かに異なる。 その力の性質は仮面ライダーのものではなく、プリキュアのもの。 そして、そのベクトルはミラクルライトの影響かプリキュアへと向かって力を『与える』ことが主だ。 「力が……!」 「凄い……」 「力が湧いてくるよ……!」 ディケイドの腰に嵌められた、ミラクルライトが内部に仕込まれたケータッチから輝く光が放たれる。 そして、その光がプリキュアたちが包んでいき、プリキュアたちもその光を抗うことなく受け止める。 悪い光ではなく、自分たちに利する暖かいものだと感じたからだ。 「ミラクルライトの光だココ!」 「なんや……!? プリキュアはんらの姿が!」 その光はプリキュアたちへと力を与える光。 光を受け取ったプリキュアは力を新たに、姿を変えていく。 鳳凰の火を受けてさらなる力を得た『スーパープリキュア』、ディケイドの放った光によりその姿となったキュアブラックとキュアホワイト。 人と人の繋がりに寄り、絶えることなく輝き続ける光に包まれた『黄金』のシャイニールミナス。 満と薫を精霊の力も得ることで『花鳥風月』の四人が揃ったキュアブルーム、キュアイーグレット、キュアブライト、キュアウィンディ。 繭を破るように光の中から現れた背中にそれぞれの色の『蝶』の羽をつけたスーパープリキュア5。 全ての人の心の力によって、姿を得た白い羽を持ち微弱だが優しい光を放つ『天使』の姿をしたキュアエンジェル。 『これ、は……!』 その姿に気圧されるように、フュージョンは一歩後ずさる。 先程とは違う圧倒的な力、それどころかこちらの力を奪われていくそれにフュージョンの脳は疑問で埋め尽くされる。 『その光が……その光が原因なのか……! 私の力が……私から離れていく……!』 ディケイドの放った光によって集めたその力がどんどんと分裂していく感覚を覚える。 今のこの姿を、フュージョンは保つことができなくなる。 ライジングアルティメットクウガの姿が霧散していき、かつてプリキュアたちと戦った特徴のない姿へと変わっていく。 『何故だ……私は、力と一つになったはずだというのに……!』 「お前はユウスケや夏海、海東と一つになったんじゃない、取り込んだだけだ。 ちょっと刺激を与えてやれば……力が逃げ出していく程にな!」 霧散して行く力を追いかけるように、フュージョンは前方へと手を差し伸ばす。 だが、無くなっていく力は取り戻せない。 クウガの力を完全に逃がすことはかろうじて避けたが、その力を引き出すことは叶わない。 フュージョンの馬力自体は落ちてはいない、未だ強大な存在であることに変わりはないのだ。 だが、力を引き出せないと言うことにフュージョンへと強い動揺を与える。 『何だというのだ……! 何なのだ、貴様は!!』 その存在を知っているというのに、フュージョンは叫ばずにはいられなかった。 先程までプリキュアをライジングアルティメットクウガで圧倒していたはずなのに、あっという間に形勢が逆転している。 それもこの仮面の男が現れたからこそだ。 「知らないのか? だったら教えてやる」 ディケイドはふんと鼻で笑い一歩踏み出す。 それに呼応するようにプリキュアたちも一歩、踏み出す。 「通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!」 ディケイドが放った言葉は、妖精たちに放った言葉とそっくり同じだった。 To Be Next――――――――――――――――
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「いいだろう。 殺し合いの中で、貴様も魔神の本質を思い出すがいい!」 プチリレーより出演。 ディガルツ=アヒャンティアがフルネームらしい。 緑色の水晶で変身できる。 ちなみにこの欠片はデフラグさんを起動させるエネルギー源である。 風の魔神であり、封印状態でもMP100消費技を使える。 通常攻撃は風属性つきなので、見た目以上に火力がある。 HPは430と高め、攻撃は381と低くなく、全体攻撃まで使える。 だが、クリティカル率が低く全体的に能力はパッとしない。 闇属性の術を覚えるが精神は低い。 固定ダメージの技を覚えるが、通常攻撃の方が強い。 装備がさほど強くない。 等、微妙なキャラである。 早い話が技と装備に恵まれていない魔神。 使いづらい。 ちなみに本来ガチガチの悪役だが、主人公側になったことで台詞が悪役っぽくなくなっている。 きれいなディガルツである。 ボスとしても登場。 四体の無限に復活するお供を連れて現れ、襲いかかってきた。 が、直前の三バカやその後に控えるジラネーヨの方が強く、微妙な印象しか残らない。 同時期のゲストが強力な斧使いであるため、比較してなおさら弱く感じる。 これはひどい。 原作初期のモナンとモラーンだけで戦わなければいけないバージョンでは鬼畜だったなぁ…メッセージが流れてようやく勝利かと思ったら「ここから本気出す」展開だし -- (名無しさん) 2016-11-05 16 52 31 名前 コメント すべてのコメントを見る