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トルネコの大冒険 21-613~614 613 トルネコ sage 2006/03/07(火) 14 22 09 ID 77a5Uro2 遅くなったが、反応があったので一応投下します。 訂正、補完は随時受付中。 プロローグ 世界を救う冒険(DQ4)も終わり、家族とエンドールで商売を営みながら生活していたトルネコ。 平和で順風満帆な暮らしに満足しながらすごして…はいなかった。 世界を旅して数多くの体験をしてきたトルネコは、穏やかな毎日をどこか物足りなく感じていたのだ。 そんなある日、いつもの様に店に立っていたトルネコはとある噂を耳にする。 それは、「この世界の何処かに入るたびに姿を変える不思議なダンジョンがあって、その奥には誰も見たことのない 未知の宝が眠っているらしい」といった内容の話だった。 世にも不思議なダンジョンとそこに隠された宝。日常に辟易していたトルネコは「不思議のダンジョン」を 冒険してみたいと思うようになる。しかし、妻のネネと息子のポポロを置いていくことは出来ない。 そんなとき、ネネはトルネコに「私は夢を追いかける貴方が好き。不思議のダンジョンを探しに行きましょう。 私たちも貴方についていく(意訳)」と夢を追いかけるように言う。 家族と共にエンドールを離れることを決意したトルネコ。野を超え、山を越え、海を越え (この辺りのエピソードを書いた漫画が旧エニックスから出版されてる。一つのパラレルストーリー) とうとう不思議のダンジョン(正確にはダンジョンがある村。お城もある)にたどり着く。 ポポロが無邪気に父、トルネコに尋ねる。「ねえ、お父さん、この村の名前はなんていうの?」 このプロローグは電源をいれて放置していると流れるデモで紹介されていて、実際の始まりは トルネコ親子三人が村の大きな木の下で会話している部分(プロローグ最後の一行)から。 トルネコはポポロに村の名前を教え(プレイヤーが入力、4文字まで)城にダンジョンで宝探しをすることと 新しく店を出すことの許可をもらいに行く。 ダンジョン探索がメインでトルネコシリーズ他作品のように細かなストーリー性があるわけではない。 ダンジョンから持ち帰ったお金や店で売った品物に応じて店が成長したり新しく従業員をやとったり、隣村の 武器屋がやってきたりと攻略には全く関係ないサブイベント(?)も用意されている。唯一関係があるのは、 店の成長に応じて倉庫が使えるようになる位か。この時代にはまだ壺が存在しないので結構お世話になる。 進度にあわせてアイテムの活用法を教えてくれるお助けキャラやダンジョンの宝について語ってくれる おじいさんなんかもいたり。別に村人と一切話をしなくても問題はないが。 宝を取るまでの話の流れやもっと不思議のダンジョンについては次に。蛇足だがこの話、小説もでてる。 614 トルネコ sage 2006/03/07(火) 14 24 13 ID 77a5Uro2 書き忘れてたけど、ライドウの人乙です。 タイトルがタイトルだからストーリー気になってたんだよね。 以下トルネコ 短いので詳しめに。 城に行き、ダンジョンに潜る許可をとろうとするトルネコ。しかし、王はなにやら思案顔。 不思議のダンジョンはとても危険で、自分も若いころに挑んだことがあるが(この辺りの設定は将来2でも 使われることになる)ついに攻略できなかった。そんな場所を冒険することをおいそれと認める訳には いかないらしい。しかし、そこで食い下がらないはずもないのが我らがトルネコ。 そこで王は「ちょっと不思議のダンジョン」という不思議のダンジョンよりも浅くて(地下10階)簡単な ダンジョンがあるから、そこに行って王家の人間(王本人か、その先祖の王)が以前落としてきてしまった 宝石箱を取って来い、そうすれば認めよう、と条件を出す。 ダンジョンパートは潜るだけなので飛ばすが、無事宝石箱を持って帰ってきたトルネコ。 商人なのに腕っ節の強いトルネコの事を信頼してくれて、ようやく不思議のダンジョンに入れるようになる。 家に帰ると早速商売を開始したネネ。これからは上記の通り店を成長させつつダンジョンの宝「幸せの箱」を 求めて挑戦することになるが、実は店を成長させる必要は無い。 と言うより、箱を持ち帰った時点で最高段階まで成長するので、一回目の冒険で箱を持ち帰ることに成功すると 木で出来た小屋みたいだった家がいきなり石造りの二階建ての豪華な家になっているというネネマジックを 披露してくれる。余談だが、2での家の形とは全く違う。1で建てた建物の殆どが2では影も形も無い。 本当は多彩なサブキャラたちがいるのに、上手であればあるほど彼等の話が聞けないという不条理な罠が 仕掛けられているので、じっくり楽しみたい場合はわざと負けたり途中で帰ったりする必要がある。 店は最初は家に直接カウンターをつけたようなものだったのが、段々と広がっていき、遂には店と家が分離。 バー「ネネ」が出来たりポポロが温泉を掘り当てたりしながら(この辺りの順番は上下している可能性あり) 最終的にはちょっとしたデパート並の広さで天井も高く、なおかつ一階建てという奇妙な石造りの建物を 作って、そこに幸せの箱を飾ることになる。 幸せの箱の正体は聴く者全員を幸せにする不思議なオルゴールで、トルネコが持ち帰った箱を店内に飾り 一般公開、皆幸せになってひとまず終了。エキストラダンジョンである「もっと不思議なダンジョン」に 挑戦できるようになる。ちなみに箱があるのは地下27階。 もっと(ryの挑み方は、幸せの箱の蓋をあけてオルゴールを鳴らすだけ。今までは装備品(剣、盾、指輪) と杖が未識別状態で装備して効果を確かめる必要があったが、今度は草と巻物まで効果が分からなくなる。 更に難度の上がったダンジョンの地下30階には奇妙な箱が落ちている。 今度は村人全員が奇妙に…なるのではなく、中には伝説の入浴剤が入っていて、温泉(ポポロが掘り当てた ものを商売にした)に持っていくと、番頭が一層商売に励むこととなる。 ストーリーに関わる(村人が新たなリアクションをおこす)のはこの奇妙な箱で最後だが、 ダンジョンのもっと奥には「証明の巻物」「最後の巻物」などダンジョンの奥深くまで到達したことを 示すためのアイテムが存在しており、当時それを持っている状態の写真を写してチュンソフトに送ると 特典として様々なグッズが貰えたらしい。証明の巻物は50階、最後の巻物は99階に落ちている。 ストーリーというか、半分攻略みたくなってしまった。
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前ページトルネコの大冒険・不思議な使い魔 学園の人間がトルネコに対して抱く印象は大きく偏りがあった。 大部分は、トルネコをただの商人、平民だととらえている。教師と生徒の大部分は、『あの』ルイズが呼び出した使い魔が平民だという事実に失笑を浮かべるか同情を覚えた。 学園で働く平民は、そのほとんどがトルネコに対して同情した。弱者である平民たちから見ても、トルネコの立場はさらに低いものだったからだ。 そしてごく一部の人間が、トルネコの特異性に気づいていた。 キュルケはトルネコが『旅の武器商人』であるという事実に着目した。 平民が強い国の出だからこそ気がついた。常識的に考えて、そのような職業は成立のしようがないのだ。 武器・防具というのは極めて需要が限られる商品だ。売買や所持について国が制限をかけることも珍しくない。製造から販売にいたるほぼ全ての過程ががっちりと囲い込まれ、よそ者が付け入る隙など普通はない。 トルネコが旅の武器商人であるということは、彼が嘘をついているか、とてつもないやり手か、相当の有力者の支援があるか、 ――それともそんな商売が成り立ってしまうほど武器の需要が多い地域、つまり治安の悪い地域で生活していたことを意味している。 そして、最後の可能性が示すのは、トルネコがそのような治安の悪い地域を一人旅できる、自衛できるだけの実力を持っていることを意味している。 キュルケの友人のタバサは、まったく違う道筋でキュルケと同じ答えに達していた。 彼女は単純にトルネコの戦闘力に気がついた。 召喚の際、トルネコは自身の倍はあるかばんを背負っていた。そこに詰め込まれているのが武器・防具であるというのはトルネコの主張と、かばんの生地にうかぶ影から知れた。 つまり、トルネコは、自分の倍ほどの容量のかばんに金属製品をたっぷりと詰め込み、確かな足取りで歩けるような人間なのだ。 それに気がついたタバサはトルネコを見る目を変えた。そしてすぐに、身のこなしと、ごつごつとした大きな手に気がついた。 あの手は、とタバサは思った。武器を扱うことに、それも本来の用途で扱うことに慣れた手だ。 オスマンはトルネコの交渉のしかたから彼が只者ではないことに気がついた。 トルネコは召喚後すぐに、コルベールとの話し合いで最低限必要な情報を集めていた。 そして、自分が召喚されたのが異常事態であることを把握し、コルベールが友好的な雰囲気に油断しているところに大きな衝撃を与えて正常な判断力を奪っていた。 端的に言ってしまえば、トルネコがオスマンとの交渉で主張したのは、『舐めるな』ということに尽きる。 本来が無茶なのだ。証明できない有力者とのつながりを主張し、責任者と顔を合わせる。 そして責任者――オスマンが無視できない程度の主張をしつつ、オスマンが強硬手段に出ない程度には譲歩してみせる。 実際、オスマンにしてみればトルネコの主張を嘘と断じて強硬手段に出るのは簡単なのだ。 だが、そうしたところでオスマンに何の得があるのか。 強硬手段の結果は、生徒と使い魔の関係を著しく悪くするか、最悪生徒から使い魔を奪うことになる。 そして問題の生徒はあのルイズなのだ。彼女が使い魔召喚の儀式に再度挑戦して成功するという保証はない。 つまりあの交渉において、トルネコの最初の主張はただの口実にすぎなかったのだ。 そしてオスマンはそのことに気がついており、トルネコは気づかれていることに気づいている。 さらに言えば、トルネコは交渉相手が短絡的で強硬手段に訴えたとしても、それを退けるだけの自信があったのだ。でなければあんな主張ができるはずがない。 さて、その自信はどこから来るのか。オスマンはその点に注目していた。 *** ルイズにして見れば、トルネコの存在はまだ自分の中で確かな答えが出ない難問だった。 ゼロだった自分が始めて成功した魔法の成果。ただの平民の癖に、貴族に対して臆した態度を見せない大人。そして何よりも、ルイズのことを、心の奥底ではどう思っているのだろうという不安。 最初の印象こそひどかったが、立場が落ち着いて以降のトルネコは本来の明るく朗らかな性格を見せ、かいがいしくルイズの世話を焼いていた。 朝には眠っているルイズを起こし、半分眠っているルイズをきちんと着替えさせ、笑顔で彼女を送り出す。 食事は学園の使用人とともに取る。旅先での話を面白おかしく話すトルネコはすぐに使用人たちの間に居場所を作ることに成功した。 女ばかりの国での人質生活と、牢屋番の女兵士とのやりとりに、メイドたちが黄色い声を上げマルトーをはじめとする男連中が品のない笑いを上げる。 ルイズはトルネコとの生活が嫌いではないことを認めざるを得なかった。だが、最初の印象のためになかなか素直になることができないでいる。 教室での爆発騒ぎのときもそうだ。何も言わないトルネコの態度が不安で、内心馬鹿にしているのだろうと理不尽な怒りをぶつけてしまった。 だが、トルネコはルイズがどんなにきつい態度をとろうと、辛抱強く聞き役に徹して、最後はきちんというべきことをいう。 ルイズは、自分が優しいおじに世話される、すねた子供になったような気分になっていた。 *** 「決闘だ!」 という声が食堂に響いたときも、ルイズはスープをかき回しながらトルネコのことを考えていた。 そして決闘がギーシュという生徒と自分の使い魔のあいだで行われると知り、椅子をけるような勢いで立ち上がった。 シエスタというメイドが香水のビンを拾ったのが発端だった。 そこからギーシュが複数の女性と付き合っていたことが発覚し、ギーシュがシエスタに当り散らした。 そして、シエスタをかばおうとしたトルネコに対し、ギーシュが決闘を申し入れたのだ。 野次馬を掻き分けてヴェストリの広場の中央に出るまでの間に、ルイズが耳にした話を総合するとそういうことになる。 信じられない、とルイズは思う。ルイズの知る限り、トルネコは最初の交渉以降自分から厄介ごとに近づくようなまねはけしてしなかったからだ。 「おお、これはルイズ様!」 いつものようにルイズを迎えたトルネコは、鎖帷子を身にまとい、銅の剣と木の盾を持ち、まびさしをあげた傷だらけの兜を被っていた。 突き出した腹を鎖帷子が覆う様子は、どこか田舎の祭りの仮装のようだ。実際、広場のあちこちからクスクスという失笑の声が聞こえる。 「何を考えているの!」 ルイズは怒鳴った。 「わ、私に何も言わずに、勝手に! だいたい平民がメイジに勝てるわけないじゃない!」 「ルイズ」 振り返ったルイズは、そこにキュルケが申し訳なさそうに立っているのに気がついた。 「ごめんなさい、ギーシュの態度があまりだったから、からかってやったんだけど」 キュルケが経緯を説明した。 食堂でのギーシュの行動ははたから見ていても気持ちのいいものではなかった。 シエスタと、シエスタをかばいただひたすら頭を下げるトルネコに気がついたキュルケは、ギーシュの失敗を自業自得と指摘し、大げさにため息をついてみせ、周囲の人間とともにギーシュを嗤った。 プライドを傷つけられたギーシュがキュルケに決闘を申し入れようとしたのはある意味当然のことだった。 だが、キュルケが学園の規則で決闘ができないことをいうと、ギーシュはかなり品のない罵倒をキュルケに浴びせたのだという。 「それを聞いて、トルネコがかわりに決闘を受けるといって」 「いえ、もともとは私の問題でしたから」 トルネコがなんでもないというように言う。傍らで、シエスタが不安そうにトルネコの様子を伺っていた。 「それに、うれしかったのですよ。キュルケ様は、私たちを庇ってくれた。なかなかできることではありません」 もうひとつ、とトルネコは付け加えた。 「キュルケ様を見て、古い友人のことを思い出しまして。彼女たちだったらば、誇りのために戦うのをよしとするだろうと思ったのですよ」 トルネコの脳裏に浮かんだのは、父親をなくした二人の姉妹。踊り子の姉と、占い師の妹。 *** 野次馬がはやし立てる中で、トルネコは広場の中央へと歩いていった。 「よく来たな、逃げ出さなかったことは褒めてやる!」 薔薇の杖を持ったギーシュが言う。 トルネコがぺこり、と頭を下げると、その道化じみたしぐさにまたしても大きな笑い声が起きた。 ギーシュがにやり、と笑っていう。 「僕の二つ名は《青銅》、《青銅のギーシュ》だ。君に僕のワルキューレが倒せるかな?」 現れた青銅製のゴーレムにトルネコは驚いた表情を浮かべたが、すぐに気を取り直したかのように剣を構えた。 「では」 トルネコがまびさしに手を当てて言う。 「正々堂々とした戦いを」 ばちん、と音を立ててまびさしが下がった。 顔が完全に隠れたとたん、田舎祭りの仮装戦士は、歴戦の戦士へとその雰囲気を一変させた。 *** いきなり、トルネコが駆け出した。その巨体からは想像できないほどの踏み込みの早さだ。大上段に振りかぶった銅製の剣が一直線に相手を切り下ろしにかかる。 その相手――ギーシュはかろうじて振り下ろされた剣をかわすことに成功した。ギーシュの顔色が変わる。あんな剣をまともに受けたら、まともな防具も身に着けていないギーシュはどうなるか。 トルネコにしてみれば簡単な計算だった。相手が複数いた場合、弱いものからつぶしにかかる。敵を減らしたぶんだけ相手の手数が減るのだからそれが当然だと思っていた。 もちろん、銅の剣でギーシュを倒すのが危険であることはわかっている。 最悪の場合は一枚だけ持ち込んだ世界樹の葉を使うことになるかもしれない。 後ろから襲い掛かってきたワルキューレの剣を盾で受け、攻撃を流しながらゴーレムに一撃を加えて距離をとる。 やはり、銅の剣では攻撃力が低すぎるのか、ワルキューレの表面を削るだけに終わってしまう。 「ワルキューレ!」 背後でギーシュが叫んでいた。次々と呼び出される新たなゴーレム。七体のワルキューレがそろうにいたり、トルネコは先の一撃でギーシュを殺せなかったことを後悔した。 *** トルネコがギーシュを狙ったことに驚いた野次馬たちも、七体のワルキューレにトルネコが防戦一方になったのを見て品のない野次を再開した。 むしろ、圧倒的に有利と思われていたメイジのギーシュを危険にさらしたために、トルネコをけなす言が目立ち始めている。 「ルイズ様、キュルケ様、この決闘を止めてください! このままではトルネコさんが」 シエスタが必死の表情で二人に言う。 ギーシュのゴーレム操作は巧みだった。三体のワルキューレが前後からトルネコを攻め立て、その間に他の四体が位置取りをしてトルネコを追い詰めていく。 攻め手と位置取りが柔軟に入れ替わり、トルネコには息を整える暇もない。 二体のワルキューレが、トルネコの死角から頭とひざ裏を同時に刈りに来た。 トルネコはほとんど超人的な身のこなしでひざに来た剣をかわし、頭に来た剣を首をひねることで兜のもっとも丈夫な部分を用いて受け流した。 うなり声を上げると、渾身の力で正面のワルキューレに体当たりをし、やっとの思いで包囲を抜けた。追撃に備えて振り返る。 追撃は来なかった。ゆっくりとギーシュの周囲に集まるワルキューレたち。ギーシュの表情を見て歯を食いしばる。勝利を確信し、トルネコをなぶっているのだ。 「息を整えたまえよ、平民くん」 ギーシュが明らかな蔑みをこめて言う。 「よくがんばったといっておこう。だが、メイジに逆らったのが運のつきだね。次で終わりにしてあげよう」 「おお! ありがたい言葉です」 トルネコがいつもの調子で返事をする。 「では、仕切りなおしということで私も別の武器を使わせていただきましょう」 「武器を変えたぐらいで」 ギーシュが嗤おうとしてとめた。 トルネコはそれまで使っていた銅の剣をその場に突き立てると、腰から一束の鎖をとって両手で構えた。鎖の両端には、それぞれ鋭い鎌と分銅がついている。 「ほう、距離をとって戦おうということか。少しは考えているみたいだね」 「恐縮です」 では、とトルネコは言った。 「決闘を再開しましょうか」 *** トルネコがその全身を使って鎖鎌を振り回し始めた。頭上で円を描き、周囲の土をはじきながら高速で鎖がうなる。 裂帛の気合とともに、トルネコが鎌のついた先端をギーシュめがけて走らせた。 蛇のように地を蹴りながら迫る鎖鎌に、ギーシュはワルキューレを盾とすることでこたえようとした。 だが、トルネコがその巨体をひねるたびに蛇の頭は向きを変え、ワルキューレの間を縫うようにしてギーシュを目指す。 何とか鎖の先端を避けたギーシュは、鎖の端を持つトルネコがさらに複雑な動きをしていることに気がついた。 伸びていた鎖がワルキューレを横なぎにしようと動く。 「よけろ、ワルキューレ!」 だが、数体のワルキューレが足元をすくわれ、逃げ遅れた一体がまともに鎖を受けてしまう。鎖はそのワルキューレに幾重にも巻きつき、身動きを取れなくした。 トルネコがいきおいよく鎖を引いた。金属と金属がこすれる不快な音と、飛び散る火花。 鎖により表面を削られたワルキューレが崩れ落ちて動かなくなった。 すぐに第二撃が放たれた。今度は鞭のようにうなりながら飛んでくる鎖鎌を、ワルキューレたちはすばやく左右に散って逃れた。 と、引き戻された鎌がワルキューレの一体を引っ掛け、そのまま空中へと跳ね上げる。 空中で身動きの取れないワルキューレを、一直線に伸びる鎖分銅が貫いた。 前ページトルネコの大冒険・不思議な使い魔
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登録日:2021/10/24 Sun 22 02 51 更新日:2024/05/19 Sun 09 10 20NEW! 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 1000回遊べるRPG 1993年 SFC ゲーム スピンオフ スーパーファミコン チュンソフト トルネコ トルネコの大冒険 ドラクエ ドラゴンクエスト ローグライク 不思議のダンジョン 伝説の始まり 何故かなかなか立たなかった項目 外伝 幸せの箱 1000回遊べるRPG 概要 1993年9月19日にチュンソフト(現:スパイク・チュンソフト)より開発・発売された、スーパーファミコン専用ローグライクゲーム。 『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』のスピンオフ作品である。 今では数ある『不思議のダンジョン』シリーズだが、本作はその記念すべき第一作であり、同時にドラゴンクエストシリーズ初の外伝作品でもある。 当時はマイナーで、一般的なRPGと比べ取っ付きにくいローグライクゲームをドラクエの世界観を用いて改良を加えた上、家庭用ゲーム機でリリースすることで馴染みやすさを出した。 また主人公がトルネコであることについても、ローグライクの「アイテムを駆使して地下深くの宝を手に入れる」というコンセプトがマッチしていたため。 のちにPlayStationで続編となる「トルネコの大冒険2」が発売された。 姉妹作に『不思議のダンジョン2 風来のシレン』があり、開発元が同じくチュンソフトということで一部システムやデータを流用していたりもする。 あらすじ かつてエンドールに店を構え、勇者一行と共に魔族の王を打ち倒した武器商人トルネコ。ある日彼はものすごい宝が眠ってあるとされる「不思議のダンジョン」の噂を耳にする。居ても立っても居られなくなった彼は、妻のネネと息子のポポロを連れ旅に出る。 数年後ついに不思議のダンジョン近くの村にたどり着いたトルネコ一家。物語はここから始まる…。 主な登場人物 トルネコ ごそんじこのシリーズ通しての主人公。王様に許しをいただき不思議のダンジョンへ潜ることとなる。 ネネ トルネコの奥さん。 トルネコがダンジョンに潜る時はいつも大きいパンを持たせてくれる。店が発展するとバーを経営する。 ポポロ トルネコ夫妻の一人息子。 今作(及び次作)ではまだ影が薄め。彼が本格的な活躍をするのはトルネコ3まで待つことになる。 ちなみにこの名前は今作が初出。 王様 不思議のダンジョン近くの村を治める。トルネコにちょっと不思議のダンジョン(後述)で宝石箱を取ってこいと試練を課す。見事制覇すると不思議のダンジョンに潜る許可と基本テクニックが書かれた本を貰える。 エド・モンド 大工の二人組。トルネコの店の増築担当。 エンディングでコンビを解消するが、次作では戻っている。 システム 不思議のダンジョンシリーズ第一作ということもあり、ここでローグライクゲームの基本をおさらいしよう。 入る度に地形が変わるランダム生成ダンジョン 戦闘パートと移動パートが一体化した、セミリアルタイムで行われる戦闘 武具はもちろんアイテムをフル活用するゲームバランス 再度挑戦する際はレベルリセット 満腹度の概念 モンスターハウス …などなど。 不思議のダンジョンではこれらに加え、ローグにはなかったキャラの向きの概念、家庭用ゲーム機に合わせた操作性、クリア後の裏ダンジョンなど様々な改良が加えられている。 なお、シリーズ1作目なのでこの時点では壺やダンジョン内の店、装備品の合成といったシステムは無かった。 これらはまとめて不思議のダンジョンシリーズ2作目の風来のシレンから実装され、後にトルネコシリーズにも逆輸入された。 今作独自のシステムとして店の発展がある。ダンジョン内で持ち帰ったゴールドの総額によって店がだんだんと発展していき、途中段階で持ち帰ったアイテムを保管できる倉庫も完成する。 ちなみに幸せの箱をいきなり持ち帰れば、途中段階をすっ飛ばしていきなり最終段階一歩手前へと発展し、なかなかにシュール。そのため本作でのゴールドの存在意義は実質存在しない。 アイテム トルネコの冒険を支えるアイテム類を一部紹介。なお今作は後発作品から登場した壺のシステムはない。当然保存の壺なんてないため一度に持てるアイテムは20個まで。アイテム管理は計画的に。 パン 食べると満腹度が大きく回復する、まさに生命線とも言えるアイテム。 普通のパン、満腹度を全快する大きいパン、力が下がってしまうくさったパンの3種類。 パンは50以上満腹度が減ったらキープしておく理由はない。早めに食べてしまおう。 なお、本作のみくさったパンの満腹度が大きいパンと同じになっている。 草・種 飲むと満腹度を少し回復する他、様々な特殊効果をもたらす。混乱効果のメダパニ草や眠り効果のラリホー草など一部は敵に投げて有効活用しよう。 巻物 読むとある効果を発揮する。 フロア全体を見渡せるレミーラの巻物や武具を強化できるスカラ、バイキルトの巻物、部屋にいる敵にダメージを与えるイオの巻物など様々。中には床に敷いて敵の通常攻撃を無効化する聖域の巻物という変わり種も。 杖 振ると敵に様々な効果をもたらす魔法弾を発射。何回か使える。直接投げて当てても効果を発揮する。 敵をどこかに飛ばすバシルーラの杖、特殊効果を封じる封印の杖など。敵を一撃で倒すザキの杖はレアで、拾った直後は振って使えない。 指輪 装備して使う。トルネコに様々な効果をもたらす。ときには呪われていることも。この場合は呪いを解かないと外すことはできない。 満腹度が一切減らないハラヘラズの指輪、寝ている敵を起こさないとうぞくの指輪など数々。中にはその逆で満腹度が減りやすくなるハラペコの指輪、敵を起こしてしまうザメハの指輪などマイナス効果を持ったものも。 武器・盾 RPGには欠かせない必需品。 武器は正義のソロバンとはぐれメタルの剣の立ち位置が本編と逆転しているほか、特殊効果を持つものはドラゴンキラーのみ。 一方盾は満腹度消費を抑える皮の盾、そのままでもさびないみかがみの盾、炎のダメージを軽減するドラゴンシールドと特殊効果を持ったものが多め。 どちらも指輪同様呪われていることがある。 矢 遠距離から攻撃できる。同種は99本までまとめることが可能。 標準の木の矢、威力が高い鉄の矢、敵や壁を貫通する銀の矢の3種類。 ゴールド 店の発展のために必要。それだけ。 今作にはダンジョン内に店がないため、ゴールドの使い道はこれのみ。 鉄の金庫があれば倒れてもゴールドが半減しない。 モンスター 愉快なモンスターたちを一挙紹介。 全員がファミコン作品出身であり、同系の色違いモンスターは一切登場しない。そのためメタルスライムが本作では登場していない。 なお、今作にはラスボスを含めボス敵が一切存在しない。 + 長いので格納 スライム シリーズ皆勤賞のアイドル。もちろん今作でも最弱の存在。 おおなめくじ 2より出演。スライムに毛が生えた程度の強さ。 ドラキー 1より出演。ふらふらと動きの読めない行動をしながら近づいてくる。 ゴースト 1より出演。倍速移動をしてくるが、攻撃は1回のみ。 ももんじゃ 4より出演。普通にダンジョン内に出現する他、倒れたトルネコをダンジョン外へ叩き出す役目を果たす。 リリパット 4より出演。遠距離から木の矢を放って攻撃してくる。 まどうし 1より出演。こいつのラリホーで眠ったままやられるのは誰もが通る道。 倒すとアイテムを落としやすいが、ある程度強くなるまではスルーした方が良い。 おばけキノコ 3より出演。毒を吐いて力を下げてくる。うろこの盾か毒消し草があると安心。 スモールグール 4より出演。攻撃を受けて生存すると分裂してくることがあり、タコ殴りにされてしまうのは誰もが(ry ミイラおとこ 2より出演。アンデッドである故か、薬草か弟切草を投げつけると一撃で沈む。 序盤の敵の中ではステータスが高く、装備が貧弱だと苦労するだろう。 わらいぶくろ 3より出演。ゴールドを盗んでいくことがある。倒すとゴールドを大量に落とす。 きめんどうし 3より出演。バシルーラを唱えてくる。ピンチな時に受けるとラッキー。 ベビーサタン 3より出演。アイテムを盗んでいく。 盗まれる前に倒せば必ず何かしらのアイテムを落とすが、HPが高いので注意。 キメラ 1より出演。特殊能力はないが、中盤までのモンスターの中では攻撃力が際立って高い。 うかつにHPが減った状態で戦わないようにしたい。 ちょっと不思議に出現するモンスターはここまで。 さまようよろい 3より出演。 防御力とHPが高く攻撃力もそこそこあるため、殴り合いではキメラより脅威。 くさったしたい 2より出演。腐った液を吐いてこちらの盾の修正値を下げてくる。どの盾でもメッキの巻物で完封可能。 はぐれメタル 2より出演。シリーズお馴染み経験値の塊。例によって素早く1ダメージしか与えられない。 おまけに追い詰めるとワープもする。 経験値はそこまでだが、倒すと必ずレベルを1上げる幸せの種を落とす。 イエティ 4より出演。普段は4匹がまとまって眠っているが、こちらが起こすと全力で集団リンチを仕掛けてくる。 能力はHP以外低いものの同時に相手をするのは厄介。 経験値やアイテムドロップ率も低いのでスルーしても良い。 うごくせきぞう 3より出演。さまようよろいより硬くて強い。 石像に擬態して近づくと奇襲してくる。倒すとアイテムを落としやすい。 ばくだんいわ 3より出演。ある程度HPを減らすと爆発する物騒なやつ。囲まれ誘爆されたら死亡コースまっしぐら。 ゴーレム 1より出演。うごくせきぞうよりさらにタフで、何より攻撃力がバカ高い。 見つけたら逃げるのも手。倒すとアイテムを落としやすい。 どろにんぎょう 2より出演。ふしぎなおどりでこちらのMP…ではなくレベルを下げてくる。 もっと不思議なら人形よけの指輪を用意してると安心。 マドハンド 2より出演。近づくと足元を掴まれ歩いて逃げれなくする。意外にも今作は仲間を呼んでこない。 ミミック 3より出演。アイテムや階段に化けており、こちらが乗ろうとすると正体を現し襲いかかる。 ありえない擬態をしてバレバレな個体もいる。 シャドー 3より出演。そのままでは姿が見えない。目薬草かシャドーの指輪で正体を暴こう。 今作のみ地獄耳の巻物でもOK。 おおめだま 4より出演。ステータスはHPの上がったゴーレムという感じ。 同じ部屋にいると遠距離から混乱させる厄介者。 今作には混乱よけの指輪がないため早めの対応を心掛けること。 ギガンテス 2より出演。耐久力はゴーレムとほぼ同等だが攻撃力は深層で登場するアークデーモンに匹敵する。 出現時期を考えるとかなり危険な相手。 マネマネ 4より出演。お得意のモシャスで他のモンスターに化けている。対応は常に化けている敵と同じように。 ミステリードール 4より出演。こちらのHPと力の最大値を下げてくるおっかないヤツ。 タフなので特技を使う前に倒すのも難しい。人形よけの指輪は持ったか? シルバーデビル 2より出演。倍速行動をするが、攻撃も1ターンで2回してくる。 下手に歩いて逃げるのは避け、ボミオスの杖などで上手く対応するべし。 アークデーモン 2より出演。特殊能力こそないものの、ステータスはドラゴンに次いで高い。 モンスターハウスで囲まれた時の絶望感といったら… ドラゴン 1より出演。全モンスター中最高のステータスに加え炎を吐いて攻撃してくる、本作最強のモンスター。時には吐いた炎で敵を倒して自身がレベルアップしてしまうことも。 こいつと対峙する時は鍛えたドラゴンキラーとドラゴンシールドをお忘れなく。目的によってはまともに戦わずやり過ごすのも手。 倒すとアイテムをとても落としやすい。 ダンジョン ちょっと不思議のダンジョン(10階) いわゆるチュートリアルダンジョン。ダンジョン内では簡単な操作説明がメッセージで表示される。 10階には王様の宝石箱が落ちており、それを持ち帰るのが目的。クリアに関わるアイテムを拾うと階段が上向きに変わる。 何度も失敗すると王様からはぐれメタルの剣と盾を貰えるが、それでも何度か失敗すると匙を投げられたのかクリア扱いとなる。 クリアしたら二度と潜れない。 不思議のダンジョン(99階) メインダンジョンその1。 10階に鉄の金庫、20階にリレミトの巻物、27階にしあわせの箱が必ず落ちている。 この幸せの箱を持ち帰ることが目的となり、クリアすれば見事エンディングとなる。まずは20階でリレミトの巻物を手に入れるまでを目標にしよう。 倉庫が完成すれば最大5個までアイテムを持ち込める。 27階以降も進めるが、出現する敵は変わらない。99階にはさいごの巻物が落ちており、これを入手するのを最終目標としてやり込むのも一興。 もっと不思議のダンジョン(99階) メインダンジョンその2。 クリア後に行けるようになる。しあわせの箱を開けた状態でダンジョンに入るとこれに変化する。 アイテムの持ち込みは一切不可、ほぼ全てのアイテムが未識別と、元となったローグに一番近いルールの高難易度ダンジョンにして本番戦。 30階に奇妙な箱がありそれを持ち帰る事が目標。また50階には証明の巻物が落ちている。発売当時はこの巻物を倉庫に入れた状態の写真をチュンソフトに送るとプレゼントをゲットできるキャンペーンを実施していた。 余談 本作は日本国内においてローグライク作品の礎を築いた作品ではあり入門編にはもってこいの作品であるが、風来のシレンはリメイクされたりWiiのバーチャルコンソールで購入可能だったのに対し、本作そのものが他機種にリメイクや配信されたことは過去一度もない(*1)ため、プレイするためにはスーパーファミコン実機を用意するしかなく、実はプレイするための環境を整えるのが若干大変な作品でもある。 追記・修正はさいごの巻物と証明の巻物を手に入れてからするべし! おわりじゃ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 子供のころやってましたけど、クリアできなかったんだよなあ。懐かしい。 -- 名無しさん (2021-10-24 22 38 08) このゲームのターン制戦闘はリアルタイムとは呼ばないのでは? -- 名無しさん (2021-10-24 22 54 18) 出た当初はめちゃくちゃ遊んだけど、今やるとかなり戦略性に欠けるよね。戦闘も力押しの部分が多いし。 -- 名無しさん (2021-10-25 00 19 27) 最強の敵はゴースト。1F最初の時点で複数現れると死が確定する。開幕運ゲーなので対策不可能 -- 名無しさん (2021-10-25 03 40 43) メタルスライムが登場しない唯一のDQ -- 名無しさん (2021-10-25 08 38 34) 運もあるけど慣れると5回くらいでもっと不思議のダンジョンまで行けちゃうよね -- 名無しさん (2021-10-25 09 20 35) いまだにアスカ見参プレイしてるような狂ったアニヲタ諸君なら初回27階クリアなんて余裕でしょ -- 名無しさん (2021-10-25 09 46 39) 初代トルネコと言えば、不思議のダンジョン素潜りに毎日挑戦してるブロガーさんが凄い。今見たら挑戦回数4595回になってた。 -- 名無しさん (2021-10-25 12 01 08) あえてトルネコをチョイスしたところが素晴らしい -- 名無しさん (2021-10-25 18 57 24) 間違いなく名作なのだけど、今までに一度も配信とかされたことがなくてプレイするには実機でするしかなくて今の環境では若干プレイするのにハードルが上がってるんだよねぇ。 -- 名無しさん (2021-10-25 22 22 33) ↑そうなんだ意外。その旨項目に書き足してもいいんじゃないかな -- 名無しさん (2021-10-25 22 39 52) 配信が一切ないのは版権の都合でもあるのかな? -- 名無しさん (2021-10-26 08 41 15) ドラクエ4の後日談だったのか パラレルかと思ってた -- 名無しさん (2021-10-26 16 59 16) 革のたてが別次元の便利さを誇る -- 名無しさん (2021-10-31 17 45 40) 幸せの箱持ち帰ったらいきなり最終段階手前まで発展するの思い切ってるよな。当時はマイナーなジャンルだし一発クリアする人はそうそういないと踏んだのだろうけど、実際目が点になった人もいるんだろうなぁ -- 名無しさん (2021-10-31 18 11 17) リメイクとか無いのか ビックリだわ -- 名無しさん (2021-11-02 01 02 38) ユーザーからの声があれば配信ぐらいはしてくれそうだけどシレンとか他で満足しちゃってそこまで声が上がらないのかもね -- 名無しさん (2022-04-02 10 16 00) 名前 コメント
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トルネコの大冒険 21-613~614 613 トルネコ sage 2006/03/07(火) 14 22 09 ID 77a5Uro2 遅くなったが、反応があったので一応投下します。 訂正、補完は随時受付中。 プロローグ 世界を救う冒険(DQ4)も終わり、家族とエンドールで商売を営みながら生活していたトルネコ。 平和で順風満帆な暮らしに満足しながらすごして…はいなかった。 世界を旅して数多くの体験をしてきたトルネコは、穏やかな毎日をどこか物足りなく感じていたのだ。 そんなある日、いつもの様に店に立っていたトルネコはとある噂を耳にする。 それは、「この世界の何処かに入るたびに姿を変える不思議なダンジョンがあって、その奥には誰も見たことのない 未知の宝が眠っているらしい」といった内容の話だった。 世にも不思議なダンジョンとそこに隠された宝。日常に辟易していたトルネコは「不思議のダンジョン」を 冒険してみたいと思うようになる。しかし、妻のネネと息子のポポロを置いていくことは出来ない。 そんなとき、ネネはトルネコに「私は夢を追いかける貴方が好き。不思議のダンジョンを探しに行きましょう。 私たちも貴方についていく(意訳)」と夢を追いかけるように言う。 家族と共にエンドールを離れることを決意したトルネコ。野を超え、山を越え、海を越え (この辺りのエピソードを書いた漫画が旧エニックスから出版されてる。一つのパラレルストーリー) とうとう不思議のダンジョン(正確にはダンジョンがある村。お城もある)にたどり着く。 ポポロが無邪気に父、トルネコに尋ねる。「ねえ、お父さん、この村の名前はなんていうの?」 このプロローグは電源をいれて放置していると流れるデモで紹介されていて、実際の始まりは トルネコ親子三人が村の大きな木の下で会話している部分(プロローグ最後の一行)から。 トルネコはポポロに村の名前を教え(プレイヤーが入力、4文字まで)城にダンジョンで宝探しをすることと 新しく店を出すことの許可をもらいに行く。 ダンジョン探索がメインでトルネコシリーズ他作品のように細かなストーリー性があるわけではない。 ダンジョンから持ち帰ったお金や店で売った品物に応じて店が成長したり新しく従業員をやとったり、隣村の 武器屋がやってきたりと攻略には全く関係ないサブイベント(?)も用意されている。唯一関係があるのは、 店の成長に応じて倉庫が使えるようになる位か。この時代にはまだ壺が存在しないので結構お世話になる。 進度にあわせてアイテムの活用法を教えてくれるお助けキャラやダンジョンの宝について語ってくれる おじいさんなんかもいたり。別に村人と一切話をしなくても問題はないが。 宝を取るまでの話の流れやもっと不思議のダンジョンについては次に。蛇足だがこの話、小説もでてる。 614 トルネコ sage 2006/03/07(火) 14 24 13 ID 77a5Uro2 書き忘れてたけど、ライドウの人乙です。 タイトルがタイトルだからストーリー気になってたんだよね。 以下トルネコ 短いので詳しめに。 城に行き、ダンジョンに潜る許可をとろうとするトルネコ。しかし、王はなにやら思案顔。 不思議のダンジョンはとても危険で、自分も若いころに挑んだことがあるが(この辺りの設定は将来2でも 使われることになる)ついに攻略できなかった。そんな場所を冒険することをおいそれと認める訳には いかないらしい。しかし、そこで食い下がらないはずもないのが我らがトルネコ。 そこで王は「ちょっと不思議のダンジョン」という不思議のダンジョンよりも浅くて(地下10階)簡単な ダンジョンがあるから、そこに行って王家の人間(王本人か、その先祖の王)が以前落としてきてしまった 宝石箱を取って来い、そうすれば認めよう、と条件を出す。 ダンジョンパートは潜るだけなので飛ばすが、無事宝石箱を持って帰ってきたトルネコ。 商人なのに腕っ節の強いトルネコの事を信頼してくれて、ようやく不思議のダンジョンに入れるようになる。 家に帰ると早速商売を開始したネネ。これからは上記の通り店を成長させつつダンジョンの宝「幸せの箱」を 求めて挑戦することになるが、実は店を成長させる必要は無い。 と言うより、箱を持ち帰った時点で最高段階まで成長するので、一回目の冒険で箱を持ち帰ることに成功すると 木で出来た小屋みたいだった家がいきなり石造りの二階建ての豪華な家になっているというネネマジックを 披露してくれる。余談だが、2での家の形とは全く違う。1で建てた建物の殆どが2では影も形も無い。 本当は多彩なサブキャラたちがいるのに、上手であればあるほど彼等の話が聞けないという不条理な罠が 仕掛けられているので、じっくり楽しみたい場合はわざと負けたり途中で帰ったりする必要がある。 店は最初は家に直接カウンターをつけたようなものだったのが、段々と広がっていき、遂には店と家が分離。 バー「ネネ」が出来たりポポロが温泉を掘り当てたりしながら(この辺りの順番は上下している可能性あり) 最終的にはちょっとしたデパート並の広さで天井も高く、なおかつ一階建てという奇妙な石造りの建物を 作って、そこに幸せの箱を飾ることになる。 幸せの箱の正体は聴く者全員を幸せにする不思議なオルゴールで、トルネコが持ち帰った箱を店内に飾り 一般公開、皆幸せになってひとまず終了。エキストラダンジョンである「もっと不思議なダンジョン」に 挑戦できるようになる。ちなみに箱があるのは地下27階。 もっと(ryの挑み方は、幸せの箱の蓋をあけてオルゴールを鳴らすだけ。今までは装備品(剣、盾、指輪) と杖が未識別状態で装備して効果を確かめる必要があったが、今度は草と巻物まで効果が分からなくなる。 更に難度の上がったダンジョンの地下30階には奇妙な箱が落ちている。 今度は村人全員が奇妙に…なるのではなく、中には伝説の入浴剤が入っていて、温泉(ポポロが掘り当てた ものを商売にした)に持っていくと、番頭が一層商売に励むこととなる。 ストーリーに関わる(村人が新たなリアクションをおこす)のはこの奇妙な箱で最後だが、 ダンジョンのもっと奥には「証明の巻物」「最後の巻物」などダンジョンの奥深くまで到達したことを 示すためのアイテムが存在しており、当時それを持っている状態の写真を写してチュンソフトに送ると 特典として様々なグッズが貰えたらしい。証明の巻物は50階、最後の巻物は99階に落ちている。 ストーリーというか、半分攻略みたくなってしまった。
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大会ページテンプレ(大会名を入力して使用してください) 開催期間が終了したトルネコの大冒険の大会はこちらに追加してください。 大会名 主催者 コミュニティ 開催日時 備考
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前ページ次ページトルネコの大冒険・不思議な使い魔 学園の責任者であるオールド・オスマンは、美しい秘書をからかうという至福の時を過ごしていた。 秘書のロングビルは清楚で実務能力に優れた才媛であり、さらに目に楽しい曲線を描く腰の線を冷やかしても本気では怒らないという、まさに男にとってひとつの理想の結晶だった。 そんなオスマンのもとに難題を持ち込んだのは、学園の教師の一人であるミスタ・コルベールその人だった。 オスマンは軽く片眉をあげると少し考える表情をし、件の難題と直接向き合うことをコルベールへと伝えた。 つまり、使い魔となった平民、武器屋トルネコとの直接交渉に乗り出したのである。 *** 「なるほど」 トルネコの主張を一通り聞いた後、オールド・オスマンはヒゲをしごきながら思案の表情をして見せた。 場所はトリスティン魔法学園の学園長室だ。来客用のテーブルの片方にはオスマンとコルベールが座り、反対側には『穏やかな表情』を浮かべたトルネコと、青い顔をしたルイズが座っている。 ミス・ロングビルは部屋の隅に控え興味がないように見えるが、優秀な秘書である彼女が事態の推移に興味を持っていないはずがなかった。 オスマンはすでにトルネコの表情の真の意味に気づいていた。 コルベールからの報告によれば、トルネコはトリスティンから遠く離れた場所から――少なくともサモン・サーヴァントが知られていないほど遠方からの被召喚者だった。 そんな彼が、本来、文化習俗のまったく違うここトリスティンでそんな余裕のある笑みを浮かべられるはずがないのだ。 トルネコの表情は、彼が自分たちにまったく気を許していないこと――商人として、足元を見られないために余裕の表情という鎧をまとっていることを意味していた。 そして、それがまったく自然なものに見えている。 手ごわい相手じゃな、とオスマンは思った。 「トルネコ君、だったか」 オスマンは言った。 「君の主張は筋が通っている。だが、現実問題として契約の儀式は済み、君にはルーンが刻まれている。ここまではいいかね?」 はい、とトルネコが首肯する。実際、トルネコの左手にはルーンが……ひどく特徴的な、珍しい形のルーンが刻み込まれている。 「正直に語ろう。我々としては、生徒の将来と君の主張を天秤に書けた場合、生徒のほうが重くなってしまうのは仕方がない」 ルイズが始めて希望を見出したかのように視線を上げる。 「それに、君が他国の有力者の庇護下にあったとしても、君が今いるのはここトリスティンであり、問題の解決には時間がかかる。ここまでは?」 またしてもトルネコは鷹揚に首肯した。 ルイズ以外の全員が気づいていた。これは、トルネコとオスマンの、言葉を介した戦いなのだ。 トルネコは、自身が他国の有力者の庇護下にあり、今回の件がある種の犯罪であると断じている。 それに対し、オスマンはトルネコが何を言おうとここトリスティンにいる以上いくらでももみ消せるとほのめかしている。 もちろん、双方の言葉にはそれぞれの正しさと嘘がある。トルネコのために他国の権力者が動く保証はない。 だが、トルネコの処遇が政治的問題になる可能性が否定できない以上、学園側は軽率な行動に走ることはけっしてない。 また、トルネコの主張を保証するものがない以上、学園側にはトルネコの主張を無視して問題を押しつぶすという選択が常にある。 結局のところ、双方が揉めているのはトルネコがこの学園でどのような処遇を受けるかという交渉に過ぎない。妥協し、調整し、双方の面子を守る。 「こうしよう」 とオスマンは提案した。 「我が学園は、その全力を持って君が元の場所へ帰るための方策を探す努力をすると約束しよう。その間、君はどうかミス・ヴァリエールの使い魔を勤めてはくれないか」 ここらあたりが現実的な妥協点だろうとオスマンは思った。もちろん、オスマンに正直にトルネコが帰還するための方策を調べる気などない。 これは時間稼ぎそのものであり、トルネコがここトリスティンで使い魔として生きていくための方策を探る、そのための先延ばしの手段に過ぎない。 この露骨な提案にトルネコがどうこたえるのかと身構えたが、トルネコは肩をすくめてオスマンの提案を受けた。 「わかりました」 穏やかな声に肩透かしを食らう。ずいぶんと素直だな、と思ったところで反撃が来た。 「では、進捗状況の報告について話し合いましょうか。いえ、私が皆様を信頼していないわけではないのです」 トルネコは言った。 「ですが、私が遠く離れた地でひどく不安である点はご理解いただけると思います。どうか、調査の進捗状況について報告していただくという、その点については是非にお願いしたい」 ふん、とオスマンは内心に思う。なかなか食えない狸じゃわい。 *** 結局のところ、話し合いは学園側がトルネコの帰還手段を探すこと、その間トルネコがルイズの使い魔を勤めることで落ち着いた。ただし、その立場はただの使い魔というよりは、ルイズと契約した平民の使用人という立場に極めて近い。 「助かりました」 ミスタ・コルベールがお礼を述べるのに、苦い顔をしてみせる。 「何を言う。我々がどれだけのものを譲歩させられたか」 さすがは歴戦の商人だとオスマンは思う。 学園に呼び出された際、トルネコには拠るべきものは何もなかった。そこから口八丁手八丁だけでどれだけ多くのものを引き出したか。 本来、平民であるトルネコは文句ひとついえずにルイズの使い魔となってもおかしくなかった。そこで、いるかどうかもわからない権力者の庇護をほのめかし条件交渉のテーブルに着いた。 そこからはトルネコの独壇場だった。トルネコの出方を探るためにオスマンがあえて敵対的な出方をしたことすら逆手にとった。 オスマンがトルネコの主張を認める代わりに使い魔になれと脅したのに対し、それを受け入れることで極めていい条件での使い魔生活を約束させた。 特にトルネコが主張したのが、彼が個人として他者と交渉する権利だ。 ルイズの使い魔ではなく、あくまでもトルネコ個人として物事を解決する権利。 もちろん、他者はトルネコをルイズの使い魔としてしか扱わない。そのなかで、どれだけのことができるのか。 さて、とオスマンは思う。あの百戦錬磨の商人を、ルイズは御することができるだろうか。 トルネコとの付き合いは、ルイズに普通の使い魔を相手にする何倍もの経験をつませることになるだろう。努力家の生徒のことを思い、オスマンはまぁなんとかなるわい、とそれ以上の思考を放棄した。 オスマンも、国中の権力者の子弟があつまる学園の責任者だ。オスマンの普段のふざけた言動も行動も、いざとなれば大抵の問題は解決できるという自負ゆえだった。 *** そのころ、トルネコは学園の使用人用の部屋のひとつを与えられ、持っていた荷物の整理をしているところだった。 ルイズと同じ部屋に暮らすという事態は何とか回避した。なんといっても彼は妻帯者であり、子供とはいえ妻以外の女性と同衾するような気はなかった。 というのはもちろん学園側に伝えた嘘だ。 トルネコは始終浮かべていた表情を消した。妻と子供、そして仲間以外の前では見せたことのない、素の表情。 トルネコも商人として大成するまでの間、ただ遊んでいたわけではない。苦労もし、屈辱も覚え、不安に怯えた夜もあった。 常にある、商売が失敗する不安。旅に出ている間に、美しい妻が変心して自分を捨ててしまう不安。魔物に狙われるようになってからの、自らの命に関する不安。 そして、ただの商人に過ぎない自分が、あの頼もしい仲間たちの足かせになってしまう不安。 その全てを押し殺し、あるいは克服して歩んできたのがトルネコだった。トルネコは自分の両手を見た。ごつごつと硬くなり、多くの傷を持つ大きな手。 ただ金勘定をしていただけではこうはならない。時には剣を取り、時には盾を握り戦ってきた両手。妻を愛した手。子供を抱き上げるための手だ。 その手を見ているうちに、トルネコはざわついていた心を落ち着いていくのを覚えた。 冷静に、広げた荷物の確認に入る。 付き合いのない街で、いきなり高価な武器を売買するのは現実的ではない。信用を築き、互いの気心がつかめてから商売を大きくしていくのが常道だ。 そのため、トルネコが持ち込んだ武器防具はそれほど特別なものはなかった。 これらを換金し、この国の商人の間に食い込み、商売を広げていく。 事実上、まったくのゼロから始めることになる。その困難さと挑戦しがいを考え、トルネコはゆっくりと、商売用ではない笑みを浮かべていった。 窓の外には、二つの月が昇っている。 前ページ次ページトルネコの大冒険・不思議な使い魔
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369 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 21 59 06 ID mkQNPWUs0 test 370 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 21 59 57 ID 3LnEoc7E0 ff3(ds版) 三回目w 371 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 21 59 57 ID oARI+lUIO 天外魔境3 372 名前:ゲーム好き名無しさん[やっぱ時刻ずれてる] 投稿日:2009/08/08(土) 21 59 59 ID mkQNPWUs0 RPGツクールSUPER DANTE 373 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 00 00 ID nPJYtQW50 トルネコの大冒険 374 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 00 00 ID Mld+5dT10 CardWirth 375 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 00 00 ID 6NPpob+H0 スターオーシャン セカンドストーリー 376 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 00 00 ID s+XsXtcr0 FinalFantasy3 377 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 00 01 ID fg5nRyRt0 ワルイドアームズ 378 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 00 02 ID 1ZBR5VmP0 サンサーラナーガ2 379 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 01 57 ID nPJYtQW50 『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』(トルネコのだいぼうけん ふしぎのダンジョン)は、 1993年9月19日にスーパーファミコン(以下SFC)用としてチュンソフトから発売されたゲームソフト。 ジャンルはダンジョンRPG(ローグライクゲーム)。 ドラゴンクエストシリーズの外伝的作品である。 概要 『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場した武器商人トルネコの後日譚である。 敵キャラクターはドラゴンクエストシリーズに登場したモンスターたちであり、 同シリーズに登場したアイテムや呪文も登場するなど、同シリーズの世界観を踏襲している。 キャッチコピーは「1000回遊べるRPG」。 1993年度日本ソフトウェア大賞受賞作品である。 後に、続編として『ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン』、 『ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン』が発売されている。 本シリーズのダンジョン内の楽曲は全て、『ドラゴンクエストIV』で登場した トルネコのテーマ『武器商人トルネコ』のアレンジで構成されている。 380 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 02 18 ID s+XsXtcr0 22時ジャストに4人か…… 381 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 03 05 ID Mld+5dT10 お題取り、六回連続成功させたことのある俺が、まさか負けるとは…… 382 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 14 15 ID s1dCz0u30 372 早くツクールを語れる日が来るといいな 383 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 16 39 ID hvRFmX6GO もうむやみに魔導士を起こしたりしないよ スモールグールが超分裂して大変だった記憶があるなぁ 384 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 17 40 ID 1UYGTPOU0 金の剣+99 革の盾+99が消滅してやめたなぁ。 385 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 26 06 ID zn26LJYs0 倉庫がパンだらけになった 386 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 42 10 ID Oh4nKHY/0 バグってダンジョンのグラが崩壊した時は 子供心に大きな傷をつけた マジで怖かったw 387 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 22 46 35 ID oARI+lUIO トルネコ1ってボス的なもんいたっけ? セミの幼虫のデカイヤツだっけか 388 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 23 12 20 ID migl4e7u0 以降のシリーズと比べるとシンプルだけど好き 2周目で村を発展させる前に一気にクリアして寂しくなって、 3周目では敢えてゆっくり発展させて台詞の変化を堪能するゲームだよな 攻略本に書いてある謎のアイテム(証明の巻物)を求めて もっと不思議なダンジョンを99階から虱潰しに探したなあ。 389 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 23 15 55 ID ILFgenUo0 387 1はいないよ。潜って発展させるゲーム。 ゴザル剣士、杖だか昆虫だか大好き青年だの、凄いメンツだったな。 でも一番印象深いのは、説明書が異常に分厚かった事。 そして難しかった事・・・orz 今は大好きだけど。 390 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 23 43 23 ID 7LQLFRT+O カードワースで取るつもりだったのかwww トルネコ1はやらなかったんだよなぁ。 おっさんが主人公は子供心に微妙に響かなかったんだ。ドラクエのキャラって事も知らなかったし 391 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 23 48 56 ID o43C4YTG0 最初のダンジョンで10回以上失敗して 心機一転はじめからしたが、 下手用にイベントがあるなら続けるべきだった。 392 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 00 39 36 ID UR3gvhle0 アイテム持ち帰れる時点でどこがローグなんだこれと思ったな その後もチョコボとかローグライクと言われてるゲームいくつか囓ったけど結局全部どれも同じで閉口した 393 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 00 44 32 ID VAlU43Iv0 ところが初代トルネコに限れば、倉庫の存在も「何度も冒険を失敗しないと表れない」救済措置だったりする。 ちょっと不思議のダンジョンにおける装備品レンタルと本質的には同じ。 394 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 00 46 24 ID 2MNwZEUr0 392 やりこんでないな もっと不思議のダンジョンこそ本編なのに 395 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 01 40 05 ID Y/OJOInkO このシリーズはもっと~で難易度上がりすぎてなげちゃう 未鑑定のアイテムとかあほかと 396 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 02 00 53 ID SDb4j9rk0 不思議のダンジョンまではチュートリアルだからな。 397 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 02 19 27 ID v0NBLug70 不幸自慢で盛り上がるゲーム 398 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 05 22 52 ID rO5smV75O リプレイ眺めてたら自分が進めてた以上にトルネコが勝手に進んでいって敵に倒された… 本編もダンジョンに居たはずが町に戻ってた バグだったんかなぁ 399 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 05 43 39 ID FBrPfSBF0 配偶者選びは大事なんだと考えさせられたゲーム。 何日もふらふらとダンジョンに潜ってても、店を守り笑顔で出迎えてくれるネネは良い嫁。 未鑑定のアイテムにあたりをつけて名前を付けるのが楽しかったw 400 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 07 07 49 ID iTgM3/EN0 「~である!!!」「いらっしゃいませええ!!」 サブキャラの濃いキャラ付けがウザかった記憶が 401 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 08 40 20 ID SDb4j9rk0 どうせ登場人物少ないんだからあれくらいしてくれたほうがいいよ 4コマのネタにもしやすかったみたいだし 402 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 09 02 50 ID 2eF2Aw0zP 分裂と合成の壷がなかったおかげで もっと不思議は俺がやったシリーズの中では一番難易度高かった記憶がある 403 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 11 28 59 ID ZwHEQWwwO あれ、初代トルネコって壷あったっけ? シリーズで一番アイテム管理が大変だった印象があるんだが… 404 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 11 47 46 ID ONsqufcO0 403 壷自体がなかったな もっと不思議はザキの杖の回数を増やすのに気合を入れたなぁ 405 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 14 16 41 ID 9CD/0CeA0 そもそも合成のシステム自体がない。 406 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 14 25 56 ID tdsX6k9aO 404 この「振っても効果がない杖」は念願のザキの杖か、それとも転ばぬ先の杖か…ゴクリ 407 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 17 57 25 ID Y/OJOInkO このシリーズって階層によって 拾えるアイテムの種類・出現率が違ったりすんの? 深部だからって良いものが落ちてるとは限らないが、 浅い階ではぐメタとか拾った記憶もない 408 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 19 46 04 ID iTgM3/EN0 聖域の巻物が好きだった。 モンスターハウスも安全に全滅。 石につまずいて落とした時は・・・ 409 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 20 33 45 ID pRbc9dfZ0 チュンソフトは以降のシリーズに合成要素とか印とか新要素増やしてるけど シンプルゆえの難しさ・楽しさって意味ではこれが好きかな。 でも合成とかが悪いって意味ではない。一長一短。 410 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 21 35 18 ID 4l3pZw2f0 初プレイで王様からはぐメタ装備借りたなぁw 411 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2009/08/09(日) 21 54 36 ID a+8vxSnW0 しかしなんでこんな人気があったかどうかもよく分からないオッサンを主人公に据えて ローグライクなんて作ろうと思ったんだろう
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トルネコの大冒険・アイテム 334 名前:水先案名無い人 :2007/09/03(月) 22 03 02 ID EsF4GbdO0 全トルネコの大冒険(SFC)アイテム入場!! トルネコ殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積み指輪凶器が甦った!!! 空腹は最高のソース!! ハラペコの指輪だァ――――!!! 総合回復技はすでに我々が完成している!! 定番アイテム 薬草だァ――――!!! ピンチになりしだい脱出しまくってやる!! アイテムテイクアウト代表 リレミトの巻物だァッ!!! 素手の殴り合いなら我々の歴史がものを言う!! 武器が落ちてないから!! 力の種!!! 真の地獄耳を知らしめたい!! はぐメタ逃さん 地獄耳の巻物だァ!!! おいしいパンは3階級制覇だが妻の愛なら全階級オレのものだ!! ハラヘリ対策 パンの巻物だ!!! 毒対策は完璧だ!! 意外と必要 毒消し草!!!! 全アイテムのベスト・ディフェンスは私の中にある!! 防御の神様が来たッ スカラの巻物!!! 目力なら絶対に敗けん!! 商人の視力見せたる スッキリ隊長 目薬草だ!!! バーリ・トゥード(なんでも鑑定団)ならこいつが怖い!! ダンジョンのピュア・鑑定団 インパスの巻物だ!!! 不思議のダンジョンから炎の草が上陸だ!! 唐辛子か!! 火炎草!!! ルールの無いダンジョン探索がしたいからバウンサー(罠だらけ)になったのだ!! プロの罠を見せてやる!!ワナの巻物!!! めい土の土産にザキの杖とはよく言ったもの!! 達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! 1回限り ザキの杖先生だ―――!!! 攻撃されないことがダンジョン最強の代名詞だ!! まさかこの巻物がきてくれるとはッッ 聖域の巻物!!! まどわされてここまできたッ キャリア一切不明!!!! ダンジョンのピット(切り札)ファイター まどわし草だ!!! オレたちは吉野家最強ではないダンジョンで最強なのだ!! 御存知諸刃の剣 もろ刃の杖!!! 盗賊の本場は今やダンジョンにある!! モンスターを驚かせる奴はいないのか!! 盗賊の指輪だ!!! 嬉しィィィィィッ説明不要!! はぐメタ!!! 貴重!!! 幸せの種だ!!! 杖は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦ラリホー!! 本家ドラクエからラリホーの杖の登場だ!!! アイテムはオレのもの 邪魔するやつは思いきり殴り思いきり蹴るだけ!! アイテム拾い統一王者 千里眼の巻物!! 自分を試しにダンジョンへきたッ!! ダンジョン全マゾチャンプ クチナシの巻物!!! 不眠症に更なる磨きをかけ ”ラリホー対策”眠らずの指輪が帰ってきたァ!!! 今の自分に死角はないッッ!! モンスターハウスもお見通し レミーラの巻物!!! チュンソフトのサウンドノベルが今ベールを脱ぐ!! 日本から 弟切草だ!!! ファンの前でならオレはいつでも全盛期だ!! 燃える闘杖 いかずちの杖 本名で登場だ!!! ことわざの仕事はどーしたッ 杖の炎 未だ消えずッ!! 転ぶも振るも思いのまま!! 転ばぬ先の杖だ!!! 特に理由はないッ ハラが減らないのは当たりまえ!! ネネにはないしょだ!!! 日の下開山! ハラヘラズの指輪がきてくれた―――!!! 暗黒ダンジョンで磨いた実戦草!! ダンジョンのデンジャラス・食い物 毒草だ!!! 実戦だったらこの指輪を外せない!! 超A級指輪 ちからの指輪+3だ!!! 超一流魔法の超一流の巻物だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ ドラクエの謎魔法!! パルプンテの巻物!!! 正義のソロバン+127はこの巻物が完成させた!! 武器強化の切り札!! バイキルトの巻物だ!!! 幸せの王者を拾ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 俺達は君を拾いにいくッッッしあわせの箱の登場だ――――――――ッ 加えて(モンスター側の)負傷者発生に備え超豪華なモンスターを4匹御用意致しました! 二回攻撃 シルバーデビル!! 伝統派モンスター ドラゴン!! ダンジョンの巨人!ギガンテス! ……ッッ どーやらもう一匹は到着が遅れている様ですが、到着次第ッ…しまった逃げられたーッッ!!! 関連レス コメント 名前
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トルネコの大冒険 不思議のダンジョン 【とるねこのだいぼうけん ふしぎのだんじょん】 ジャンル ローグライクRPG 裏を見る 対応機種 スーパーファミコン メディア 12MbitROMカートリッジ 発売・開発元 チュンソフト 発売日 1993年9月19日 定価 9,600円 書換 ニンテンドウパワー1997年9月30日/1,000円/F×3・B×4 判定 良作 ポイント 『ドラクエIV』のサブキャラを主人公にしたローグライクドラクエの世界観とローグライクの戦略性を融合チュートリアルや店拡張システムなどで遊びやすさを補強後年の作品と比べるとシンプルだが、充分要素は多いゲーム機におけるローグライク作品の礎となった ドラゴンクエストシリーズ 不思議のダンジョンシリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 バグ・不具合 総評 その後の展開 余談 概要 チュンソフトの手掛ける『不思議のダンジョン』シリーズの第1作。 『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場するキャラ、商人トルネコが主人公であり、幻の宝物「しあわせの箱」が眠るという洞窟「不思議のダンジョン」に挑戦する。 入る度にダンジョンの構造が変わるユニークなシステムを持つダンジョン探索RPG『ローグ』をベースとした作品で、日本国内における『ローグライクゲーム』の普及に貢献し、本作と同様のシステムを「不思議のダンジョン系」と統括的に呼称させるほどの知名度の高さを持つ作品となった。(*1) 特徴 本作は「主人公がアイテムを駆使してダンジョンを攻略する」という部分に特化した、1人用の俯瞰視点2Dダンジョン探索ゲームである。 ランダム生成ダンジョン メインゲームの舞台となるダンジョンの構造や落ちているアイテムは、ダンジョンに入るたびにランダムで変わる。 基本構成要素として、一定の広さがある四角い「部屋」、1キャラ分の幅の「通路」、入り組んだ形をした通路の「迷路」がある。見通しが明るいのは部屋だけで、それ以外の場所ではトルネコの周囲1キャラ分より先は敵やアイテムの姿が見えない。 フロア内のどこかに、下の階へ下りる「階段」がある。そのダンジョンの目的を達成するまで登り階段は現れず、基本的に後戻りはできない。 床には時折、落とし穴などの罠が設置されている。実際に踏むか、罠のあるマスに攻撃を素振りするか、罠が見えるアイテムを使用する(*2)までは見えない。 ターン制 本作は完全なるターン制RPGである。「1マス分歩く」「攻撃する」「アイテムを使う」などで1回分の行動順を消費する。 一見すると自分と敵が同時に動いているアクションRPGのようだが、実際は自分の行動の直後に敵が行動しており、「プレイヤーフェイズ→敵フェイズ」でローテーションしている。 何らかの方法で2回行動する場合も各自のフェイズ内で処理され、割り込んだり割り込まれたりする事は絶対にない。 食糧と「満腹度」の概念 トルネコにはHPの他に「満腹度」が設定されている。 食事を摂らずにいると「満腹度」が減少していき、満腹度0の時は1ターンごとにHPが減り、最後は力尽きて冒険失敗となる。そのためプレイヤーは食糧にも気を配る必要がある。 ゲーム開始時、トルネコの満腹度は100。標準では10ターンで1ポイント減る計算となっていて、1000ターン(およそ2~3フロア分)動ける。 パン類を食べると満腹度が回復する他、草類を食べてもほんの少しだけ回復する。アイテムがランダム配置の本作では冒険全体を通じてパンが安定供給される保障はないので、草類も馬鹿にできない存在となる。 経験値&レベルアップ制 本家DQ同様、敵を倒すごとに経験値が増え、レベルアップしてキャラクターの素のステータスが上昇する。 ステータスは「HP最大値」「基礎攻撃力」「力の値」「盾の強さ」の3つ。基礎攻撃力は隠しパラメータで、「盾の強さ=守備力」となっている。 レベルアップで上昇するステータスは、HP最大値、基礎攻撃力(加えて矢の威力)のみで、力の値はアイテムでしか強化できず、守備力も盾の強さ依存なのでアイテムでしか強化できない。 本作では1つのレベルごとに必要な経験値が早い段階で増加していくためレベルが上がり難く、最大37レベルで打ち止めとなる(基礎攻撃力の値はレベル36でカンストするため実質36まで)。 通常のダンジョンゲームと異なり、レベル上げよりも強力な武器やアイテムをいかに集めていくかの方がより重要となるが、強敵に備えるにはトルネコ自身のレベルを上げてHPや攻撃力をしっかり底上げしておくことももちろん重要である。 モンスター 本作に登場する敵の特徴は、そのほとんどがDQ本編での設定に基づいたもの。 見た目通りのパワーキャラ「ギガンテス」、ダメージの与え方がまずいと爆発して甚大な被害を与えてくる「爆弾岩」、多くの経験値と幸せの種(飲むとレベルアップ)を落としレベルアップに最適だがマップ上を逃げ回って倒しにくい「はぐれメタル」など、各モンスターの特性が敵側の行動パターンとして上手く取り入れられている。 DQ本編には無い「お金やアイテムを盗む」といった行動は、「わらいぶくろ」「ベビーサタン」といった愛嬌のあるモンスターに割り振っている。 弓矢で遠距離攻撃を仕掛けてくる「リリパット」、普段は石像の振りをしているが近づくと高い攻撃力で殴ってくる「うごくせきぞう」のように、本編ではシステム的に表現しきれなかった個性を発揮しているモンスターも多い。 本作の本家ともいえる『ローグ』での敵の出現テーブルへのオマージュ成分もかなり強いためか、宝箱ではなくアイテムそのものに化ける「ミミック」、仲間は呼ばずにトルネコの足を掴んで動きを封じてくる「マドハンド」、トルネコを睨みつけて混乱状態にしてくる「おおめだま」など、本編と全く異なる能力を持つ敵も存在するが、どれもモンスターの特徴を生かしており違和感は感じさせない。 フロアごとに出現する敵の種類は決まっており(数は決まっていない)、当然下層に行くほど強力な敵が現れる。 一定階進むと、部屋の中に大量のモンスターがひしめく「モンスターハウス」がフロアに登場し始める。非常に危険な一方でアイテムも大量に落ちているという、ダンジョンのハイリスク・ハイリターンの象徴である。 アイテムが重要 本作を含む不思議のダンジョンシリーズは総じて、普通に敵に近付いて考えなしに殴りあう感覚でプレイすると、あっさり力尽きてしまうシビアなゲームバランスに仕上がっている。 そこで生死を分けるのが、ダンジョン内にランダムで落ちているアイテムである。 + アイテム紹介 剣と盾 剣と盾は装備することで「武器の強さ(攻撃力)」や「盾の強さ(守備力)」が上がる他、特殊な効果が付いているものも存在する。 「修正値」と呼ばれる値が付加されている場合がある。拾ったばかりの段階では値は不可視だが装備や鑑定を行うと値が判明し、アイテム名の横に「銅の剣+2」のように±数字表記で示される。この値が付加されているものは、装備本体の強さに付加された数値が加算される。つまり、たとえ同じ装備品であっても、数値が大きいほど装備した時の威力が変わってくるということである。 武器の強さは下がることはないが、盾の強さについては罠や敵の特殊攻撃で低下し、強さが0になると防具の意味をなさなくなってしまう。 修正値を1プラスする「バイキルトの巻物」「スカラの巻物」で鍛えることが可能で、武器防具の強化もやりこみ要素のひとつとなっている。また、盾の強さの低下は「メッキの巻物」で防ぐことが可能。 逆に数値の表記が最初からマイナスであるものは呪われており、「シャナクの巻物」、もしくは前述した3種類の強化アイテムを使用して呪いを解かない限り外せなくなる。 武器と盾の修正値の値は、「+3」から「-1」までの間でランダムで決定される。「+0」が最も出やすい。 修正値が増えるほど持ち帰った際の売値が上昇し、修正値がマイナスの場合は値に応じて売値に下方修正がかかる。 指輪 ほとんどが特殊効果を持っており、装備中は効果が持続する。 「ちからの値が+3上がる」「罠にかからなくなる」「お腹がへらなくなる」など嬉しい効果はもちろん、「倍の速度でお腹がへる」「室内の敵を強制的に起こす」などの純粋なマイナス効果を持つものもある。 剣と盾同様、呪われている場合がある。未識別の指輪をインパスの巻物で鑑定しても、呪いの有無までは判別できない。 指輪に強化アイテムは存在しないため、呪いを解く方法は「シャナクの巻物」を読む以外に無い(ちからの指輪のみ、パルプンテの巻物の修正値+3効果でも外せる)。 「ちからの指輪」のみ修正値が確認でき、「+3」か「-3」で入手できる。 「-3」だと呪いと共にちからが減少するマイナスアイテムとなるが、解呪できれば限定ながらも使い道はある。 数値に直接影響が出るちからの指輪以外も見えないだけで修正値は存在するが、呪われた指輪を身に着けても外せなくなるだけで指輪の効果は普通に発揮される。 矢 遠距離攻撃用の武器。剣・盾とは別枠で99本まで装備でき、トルネコが向いている方向に1本ずつ射って攻撃する。 その場から動かずに遠距離攻撃でき、なおかつ状態異常「混乱」(*3)の影響を受けない。 「○○本の○の矢」のように数がまとめられており、同種の矢を拾った場合はそこに加算されて一枠のアイテムとして扱える。また、射って当たらなかった、もしくは射程分飛んで地面に落ちた矢は拾うことで再回収できる(射程分飛んだ後そのまま消滅する「銀の矢」は除く)。 狭い通路の末端から斜め方向に向けての攻撃が可能。また、威力はレベルに応じて上がっていく。 剣と違い消耗品であるため数に限りがある上、落ちた矢を回収するのにも手数を要するため無駄撃ちは避けたい。 草 ダンジョン内に落ちている草。主に「やくそう」「弟切草」などの回復系と、「ラリホー草」「目つぶし草」「火炎草」などの攻撃系の効果に分かれており、後者は敵に対して投げることで有効活用できる(火炎草の場合は投げるより飲む方が威力が高まる)。 また、いずれの草も飲むと満腹度がわずかだが回復する。食料事情によってはマイナスアイテムの草を飲むことも立派な戦略の内である。 杖 魔法の効果が込められた杖。使用回数が設定されており、振ることで敵に対して様々な効果を発揮する(一部例外あり)。 使用回数は拾ったばかりの段階では不可視で、インパスの巻物を読まないと分からない。 使用回数が0になると振っても何も起きなくなるが、直接投げつけれぱ0でも効果を発揮できる。 また、射程距離は無限(壁は貫通しない)であり、飛び道具扱いとなっているので矢同様に混乱の影響を受けない。 中には「転ばぬ先の杖」のように、振るのではなく所持することで効果を発揮する特殊な杖もある。 巻物 魔法をはじめとする様々な効果が書き記された巻物。基本的には読むことで発動し、1回使うとなくなる。 「聖域の巻物」のように、読むのではなく置くことで効果を発揮する巻物もある。 パン 食料。満腹度を大幅に回復させる。中には、満腹度は回復するもののマイナス効果を発生させるものもある。 ダンジョンで生きていくのに必要な生命線なので、無駄食いは厳禁。 とはいえ、あまり多くのパンを持ち歩くのもアイテム欄の圧迫になるため、たくさん手に入った時はいくつか早めに食べるという選択肢もある。 ゴールド 拾ってもアイテム欄には入らないが所持金が増え、持ち帰って規定額に達するごとにトルネコの店が発展していく。 そのほか、スコアの役割も兼ねており、ランキングでは獲得ゴールドが多いほど上位にランキングする。 その他 「しあわせの箱」などのクリア目標アイテムや、ダンジョン内で力尽きても所持金が半減しない「鉄の金庫」などがある。 アイテムの呪いについて 前述の通り、武器・盾・指輪は呪われている場合があり、装備すると「シャナクの巻物」や強化アイテムで解呪するまで外せなくなる。 特に指輪は呪われている可能性が高い上に解呪手段が少ないため、うかつに装備するにはリスクが大きい。 これも前述の通りだが、呪われた武器・盾は修正値が最初から「-1」であり、「シャナクの巻物」の他、「バイキルトの巻物」「スカラの巻物」「メッキの巻物」でも解呪可能。 また、硫酸のワナやくさった死体の特技で強さを下げられて-1以下になった場合、その時点で即座に呪われるわけではなく問題なく装備できるが、持って帰ると呪われたアイテム扱いとなり呪マークがつく。 ダンジョンから出れば自動的に呪われた装備も全て外されるが、呪い自体は解呪するまではそのままであり、倉庫(後述)から持ち込んでダンジョン内で装備すると再度呪われてしまう。 また、いったん解呪した装備の扱いが少々特殊で、ダンジョン内で解呪しても持ち帰った時点で呪いが復活する(後述)。 未識別状態のアイテムについて 不思議のダンジョンでは武器・盾・指輪・杖、もっと不思議のダンジョンではそれに加えて草・巻物も未識別状態で出現する。 未識別のアイテムは「赤い草」「ウマの絵の巻物」といった不定名が表示されていて、使ってみるまで名前・修正値・呪いの有無が分からない。 武器・盾は名前は分かるものの、前述のとおり拾った段階では修正値・呪いの有無は不可視。 「インパスの巻物」を使えば、即座に完全識別が可能。草・巻物は、使ってみると自動的に名前が分かる。 指輪・杖に関しては、一度使ってみてプレイヤーが正体を推理した上でアイテムに名前をつけるというテクニックもある。 一度識別されたことのあるアイテムは、同一の冒険中では種類が識別されたものとして出現する。自分でアイテムに名前を付けた場合も同様で、名前を付けたアイテムと同種のものであれば、つけた名前で落ちている。ただし、指輪の呪いの有無や、杖の使用回数までは判別できない。 アイテムの投擲 所持アイテム全般は「投げる」ことが可能(射撃武器である矢を除く)で、足元に置き場がない時に遠くに投げ捨てるもしくは敵にぶつけて不要なものを処分したり、前述の通り投げることで攻撃用途としても使える。 前述の草・回数0の杖などの他、武器・盾も敵に向けて投げることで修正値に応じた若干のダメージを与えることが可能。 アイテムの投擲に際しては、全てのアイテムに10マス分の射程が設けられており、障害物や壁に当たる、敵に到達したがミスした場合は床に落ちる。落下地点と周囲8マスが壁・アイテム・罠で埋めつくされていて落ちる余地がない場合、「地面に落ちて使い物にならなくなった」と表示され消滅する。また、矢や杖同様、アイテムの投擲は混乱状態の影響を受けない。 視界の概念 本作には視界の概念があり、トルネコの視界に入っている部屋や通路は明るく(*4)なり、モンスターの姿が視認できる。視界から外れている場所は暗く閉ざされモンスターの姿も視認できなくなるが、例外として落ちているアイテムは視界外からでも必ず見える(上にモンスターが乗っていた場合も同様)。 アイテム「レミーラの巻物」を使うとダンジョン全体が明るくなって視界の制限が一切なくなる。逆に「目つぶし草」を誤って飲んでしまうとフロア全体が真っ暗になって地形以外何も見えなくなってしまう。 なお、『DQ1』のダンジョンと違い、地形そのものは視界の状態に関わらず常時わかるようになっている。 倒されたらやり直し 不思議のダンジョンシリーズは「倒されたらゼロからやり直し」が基本である。本作でも1度ダンジョンから出ると冒険の大部分がリセットされ、再挑戦する際は初期状態の「レベル1、所持アイテムは大きなパン(満腹度を100回復)1個のみ」から始めることになる。 トルネコが倒されると、拾ったゴールドの半分と、所持アイテムの全てを失う(持ち帰って事前に倉庫に預けていたアイテムはそのまま)。 常に全てのアイテムを失う恐怖と隣り合わせの緊張感と共にプレイすることになる。 但しDQ本編のような「死亡」扱いではなく、あくまで「力尽きて冒険失敗」とみなされてダンジョンから追い出されるだけである。 その際の「ももんじゃの群れに担ぎ上げられて運び出され、ダンジョンの外に蹴り出される」という演出がなんとも屈辱的。その後、自宅で無事目覚めて再び冒険へ……という流れとなる。 ダンジョンから離脱したい場合は、「リレミトの巻物」で戻ることも可能。この場合はお金もアイテムも全て持ち帰ることができる。 本作は完全なオートセーブ。トルネコが何らか行動を取る毎に全ターンの行動が随時セーブされ、リセットしてやり直した場合もその行動後から再開される。つまり、やられそうになったからといってリセットしても手遅れである。 例えば、まどうしのラリホーで眠らされている最中にリセットしても、ラリホーの効果中の敵のターンが処理された状態から再開となる。もしこのターン処理中にHP0になると再開時に力尽きて冒険失敗になる。 店の拡張 トルネコの店はダンジョンから持ち帰ったゴールドで拡張することができる。『DQIV』でトルネコが主人公を務めた3章をモチーフにしたようなシステム。 前述の通り、最悪力尽きても所持ゴールドの半分は持ち帰れる。何度力尽きてもその都度、少しずつでも店の発展が進行していくため、プレイヤーの挑戦意欲を維持してくれる。「リレミトの巻物」で生還した際には持ち帰ったアイテムも換金され拡張資金となるため、もっとお得。 条件 冒険への恩恵 第一段階(初期) ちょっと不思議のダンジョンクリア 不思議のダンジョンへ行ける 第二段階 500G調達 第三段階 1000G調達 第四段階 3000G調達 第五段階 5000G調達 倉庫が新築されるアイテム10個保管・不思議のダンジョンにアイテム1個持込可能(*5) 第六段階 10000G調達 倉庫拡張アイテム20個保管・アイテム2個持込可能 第七段階 30000G調達 倉庫拡張アイテム40個保管・アイテム3個持込可能 第八段階 50000G調達 倉庫拡張完了アイテム60個保管・アイテム4個持込可能 第九段階 しあわせの箱を持ち帰る もっと不思議のダンジョンへ行ける 第十段階(最終) 奇妙な箱を持ち帰る 更に、店が拡張されると、持ち帰ったアイテムの保管・持ち出しができるようになる「倉庫」が作られる。持ち出しの個数も、店の拡張に応じて増えていく。 また店の発展に応じて、さまざまな来客からゲームの攻略に役立つ情報を聞ける。 「その場を動かずに体の向きを変える方法がある」「斜め移動は縦横移動と比べて省エネ」「真っ暗な通路では矢を撃って敵の存在を確かめると安全」「回数の切れた杖は投げ当てると同じ効果が出る」など、本作の攻略の上で基本的かつ必須事項ばかりである。 ダンジョン構成 「ちょっと不思議のダンジョン」 全10Fの初心者向けダンジョン。ゲームを始めて最初に向かうダンジョンで、若かりし頃の王様の落とし物を持ち帰ることがクリア条件。 チュートリアルのテキストが頻繁に挿入される他、装備品に「呪い」が存在しないなど、操作はもとよりゲームシステムやゲームバランスを理解しやすいよう工夫されている。 このダンジョンのみ不思議・もっと不思議とはモンスターテーブルが異なる。「ゴースト」「リリパット」「スモールグール」など一部の敵が出現しない一方で、アイテムを稼げる敵でもある「ベビーサタン」は以降のダンジョンより浅い階層から出てくる。 最下層の10Fは少々特殊な仕様で、「地下10Fが氷のダンジョン(他は19~21Fに使用)」、「地下10Fの階段が最初から上りで、11F以降に絶対行けない(*6)」となっている。10Fで地震を発生させると、何故かまた10Fに辿り着く。 「行きはよいよい、帰りは恐い」のフレーズの通り、帰り道はアイテムが一切落ちていない。ただし、ベビーサタンなどの敵がアイテムを落とすことはある。 帰り道は満腹度が減少しなくなるため、空腹の心配は無用になる。 10Fと浅いため、ちょっと不思議のダンジョンは比較的楽に帰れる。 「不思議のダンジョン」 「ちょっと~」のクリア後に向かう、本作の冒険のメインとなるダンジョン。モンスター、アイテムの種類もより豊富になる。 10Fにある「鉄の金庫」を持った状態だと、倒れてもゴールドが半減せずに済む。20Fにはリレミトの巻物が必ず落ちている。 アイテムやゴールドを保持したまま生還することが難しい。 冒険を切り上げるために必要な「リレミトの巻物」を手に入れるのがまず第一となるが、「リレミトの巻物」の入手率はやや低めでハマるとなかなか入手できない。必ず落ちているフロアもあるが、20Fと後半の階層である。 しかも、「しあわせの箱」を手にした状態では「リレミトの巻物」が使えず、来た時と逆に階段を上ってダンジョンの入り口まで戻らなくてはならない。 27Fにあるという「しあわせの箱」を持ち帰ればストーリーはエンディングを迎える。最下層は99Fだが、エンディングを目指す事だけを目的にすればそこまで進む必要はない。 「もっと不思議のダンジョン」 エンディング到達後に向かうことができる上級者向けのエクストラダンジョン。倉庫からのアイテムの持込が禁止される。 システムのベースとなった「ローグ」の特徴をおおむね受け継いでおり、ある意味「ここからが本番」と言える位置づけとなる。 指輪と杖に加えて、新たに草と巻物が未識別状態で出現(「赤い草」「ウマの絵の巻物」といった不定名で手に入る)する。 一度使う(飲む/読む)と確実に識別されるが、普通に使うとマイナス効果のものも少なくないので注意が必要。 入手可能なアイテムの種類が更に増えるが、「不思議のダンジョン」にあった強力なアイテムの一部は出現しなくなる。 満腹度の減少を防止する「ハラヘラズの指輪」が出現せず、「いかずちの杖」「火炎草」「イオの巻物」などシンプルな攻撃アイテムも出現しない。 「リレミトの巻物」も出ないため、一度入ったら最後、30Fのお宝を持ち帰って生還するしかないという、まさに一発勝負の挑戦となる。 一方で、「不思議のダンジョン」には無かった極めて有益なアイテムも多数登場する。 寝ている敵を起こさずに部屋を出入りできる「とうぞくの指輪」、入手時の使用回数は必ず0だが敵を一撃で倒す効果がある「ザキの杖」、透明な状態で落ちていて普通には読めない「パルプンテの巻物」など、非常に個性的。これらのアイテムは「不思議のダンジョン」に持ち込むことが可能。 30Fにはしあわせの箱に負けないお宝がある他、更に下層には特別な巻物が落ちている。こちらも「不思議のダンジョン」同様に最下層は99F。 公式ガイドブックにある中村光一氏(チュンソフト社長)の談話によると、最初に製作したのは「もっと~」だったが、難易度が高かったという見解から初心者向けに調整を加えた「不思議~」が作られ、さらに入門用として「ちょっと~」が作られた。『作り手としても「もっと~」を一番やってほしいんです』とのこと。(*7) その他 中断した後、データ再開時に「リプレイ」を選択すると、それまでのプレイ経過を見返すことができる。 リプレイ内容は直前にした冒険の書における、最後の階の行動。村にいる場合は倒れた階あるいは脱出した階の行動のリプレイととなる。 長時間1フロア内に滞在していると、定期的に地震が発生し、3回目で地割れが発生して強制的に下のフロアへ落される。 これは長期的に粘って経験値やアイテムを稼ぐことでバランス崩壊に至ることを防ぐための措置である同時に、一行動ごとにオートセーブされる仕様上、容量の都合でデータ保存に支障をきたさないようにするための措置である。 ただし、「下の階に落とされるだけ」であり、落とし穴と違ってダメージは発生しない。 公式ガイドブックには「ちょっと不思議のダンジョンでは地震は発生しない」と書かれている(*8)が、これは誤り。条件を満たせば、ちょっと不思議のダンジョンでも地震は発生する。 地震の発生条件はフロアの滞在ターン数とは関係なく、コマンドの入力回数を表す「行動数」が一定値になることで発生する。 例えば、普通に5歩移動すると5ターンで行動数5を消費するが、5マスの直線の通路をダッシュで移動すると、5歩移動して5ターン経過したにもかかわらず行動数1しか消費されない。 「未識別アイテムの推定名を変える」など、ターンは経過しないが行動数をカウントする行動もあり、これを悪用すると全くターンを経過させないまま地震を起こしてしまうことすら可能。何十回と名前を変える必要があるのでかなり面倒だが。 戦闘要素のあるDQシリーズでは珍しく、ラスボスに当たる敵がいない。 目的のアイテムを守っている敵などはなく、理論上はすべての敵・罠をスルー出来たら(ほぼ不可能だが)一切戦わないでもクリアは可能である。 最後の試練となるのは、全ダンジョン共通で「補給アイテムほぼなしでの地上まで帰還」という地味にじわじわくるもの。 評価点 一般的なRPGに比べると高難度なバランスであるが、本作の発売時期を鑑みて特筆するべきはその取っ付きやすさ・遊びやすさへの配慮である。 設定・演出 DQシリーズの世界観・キャラの中でも、トルネコのキャラクター性は相性が良いものだった。 世界中の珍しいお宝に目が無く、いつか自分の店を持つ事が夢の、家族を愛するちょっとおデブなヒゲオヤジ。魔王を倒すのではなくダンジョンで宝探しをするという、勇者の冒険譚と比べれば下世話な目的の冒険という舞台立てにトルネコは非常に馴染みやすく、既存キャラではこれ以上になかなか見つからない逸材である。 電源を入れてしばらくしてから始まるプロローグ画面では、本家FC版『DQIV』時代のドット絵を再現しており、本家をプレイした人にとっては懐かしさ溢れる演出となっている。たったこれだけのために、流用ではなく新規につくられている。 見た目と特徴を一致させやすいDQシリーズお馴染みのモンスターたちを起用したことで、敵の特徴が非常に分かりやすくなっており、対処法の連想し易さなど、遊びやすさにも繋がっている。 直接攻撃が取り柄のモンスターは階層に応じてだんだんサイズが大きくなり、ゲームの進行度と初見でのインパクトがぴったりシンクロしている。 上述の通りオリジナルとは異なる攻撃手段を持つモンスターもいるが、どれもモンスターの特徴を生かしており違和感は感じさせない。 特殊な効果を持つアイテムなどもDQのアイテムや呪文の名前が流用されていて、本作に触れたプレイヤーの大半を占めるであろうDQシリーズ経験者には把握しやすい。本作オリジナルの名称も、(多少ダサかろうと)覚えやすく判りやすいネーミングばかり。 全体的にルールの厳しいゲームだが、「太っちょの主人公が腹ペコで倒れる」「身包みはがされてダンジョンから蹴り出される」といったコミカルな演出が、殺伐とした雰囲気を和らげている。 家族や町の人達といったサブキャラクターたちの温かく微笑ましい様子やトルネコとの会話のやり取りなども、適度な息抜きになる。しあわせの箱を手に入れることで見られるエンディングも、試練を乗り越えた達成感を十分に満たしてくれるだろう。 グラフィック オリジナル版のローグはテキスト表示しかできないパソコンで作られたため、全ての視覚情報を記号に置き換えて(*9)おり、以降に出たローグライクゲームもそれを踏襲した表現を用いていたが、本作では全てのキャラクターやダンジョンの外観などに明確なグラフィックが用意された。 通常時は2~3コマでアニメーションする他、斜めも含めた8方向の絵が用意されていて、キャラクターの向き・状態といった大事な情報が一目で感覚的にわかる。 モンスターたちの個性的な攻撃・特殊行動も、すべてアニメーション付き。種類こそ限られているが、DQシリーズの人気モンスターたちが生き生きと動く様は、ファンを喜ばせた。 ちなみにDQ本編においてモンスターがアニメーションするのは本作より遅い『DQVI』から。後ろ姿などは本作で初めて見られたという例も多い。 奥へ進むごとにダンジョンの外観が変わっていく。浅い階は城内のような石造りから木造と文明の痕跡が見られるが、深部に潜るにつれて洞窟や遺跡のような背景に移り替わるようになる。未開のダンジョンを探索していく雰囲気作りに貢献している他、出現モンスターの種類が変わる際の判りやすい目安でもある。 音楽 本作のBGMを担当したのはシリーズおなじみのすぎやまこういち氏。 本作のBGMは大部分がトルネコのメインテーマである『DQIV』第3章のフィールド曲「武器商人トルネコ」のアレンジで構成されている。原曲の作曲者本人によるアレンジだけあって、その質は折り紙付き。これは以後のシリーズ作品でも伝統となり、すぎやま氏の職人技を楽しむのもシリーズの醍醐味の一つとなっている。 ダンジョンの下層へ一段階進む度に異なるアレンジに変わる。深部へ進むほど曲調も暗く緊張感が増し、後半は別の曲かと思うような大胆なアレンジになる。この演出は『DQI』以来で、効果的にダンジョンの冒険感をかき立てている。 ダンジョンだけでなく、タイトル画面のファンファーレや冒険の書選択画面時のBGMなど、ほぼすべてが『DQIV』のトルネコのテーマのアレンジであり、統一感を出している。 唯一、トルネコの家のBGMのみアレンジではない新曲となっているが、これも質が高く、以後のシリーズでも用いられトルネコシリーズのもう一つの顔になっている。 ストイックなゲーム性 不思議のダンジョンのストイックさは、従来のDQシリーズとは一線を画す。 序盤から曲者の敵が続出する。 普段は眠っているが起こすとラリホーでトルネコを眠らせハメ殺す「まどうし」、攻撃すると(ミスになっても)一定確率で分裂する「スモールグール」、トルネコの力を下げてジリ貧に陥らせる「おばけキノコ」などなど。これらのいやらしいモンスターの対処法を知ることがクリアするための近道である。 中盤になると「キメラ」「さまようよろい」「ゴーレム」など、特殊能力はないが単純にパラメータが高いモンスターも出てくるので強い装備がないと苦戦は免れない。 しかしながら、ランクの高い装備が早い段階で手に入るとは限らず、強化用の巻物以外に鍛える方法が存在しない上に巻物の入手確率自体もそうそう高くはないため、運が悪いと弱い防具のまま下層まで進行しなければならないという事態もありうる。 多くのモンスターとアイテムが出現するモンスターハウス。 一度にたくさんのモンスターを一斉に相手にしなければいけないが、うまく突破すればアイテムと経験値を大量獲得できるチャンスでもある。 しかし、突入した直後の状況やプレイヤーの采配が悪いと有利なアイテムを豊富にそろえていても追い詰められる場合もあり、一筋縄ではいかない。 レベルを稼いで備えようにも満腹度の都合で悠長な稼ぎはできず、本作には「食料を必ず落とすボーナス敵」がおらずパンの入手率も決して高くないため、運が悪いと飢えやすい。いかにプレイヤーが熟練していようと、飢える時は本当に飢える。 「不思議の~」であれば「ハラヘラズの指輪」さえ手に入れば格段に冒険が楽になるものの、入手率は低め。 「大きなパン」と「ハラヘラズの指輪」が出現しない一方で、アイテムを大きなパンに変える「パンの巻物」がある「もっと~」が一番満腹度のやりくりをしやすいかもしれない。 これらの要素のために、クリアには有用な武具やアイテム・食糧を引く「運」だけでなく、「プレイヤーの技量」も要求される。 中毒性の高いゲーム性 本作のキャッチコピー「1000回遊べるRPG」の通り、ローグライクゲームの魅力であるリプレイ性をきちんと踏襲している。 毎回ランダムでダンジョン構成が変わるためプレイする度に違う展開となり、思いも寄らないアクシデントが幾度となく起こる。 気の緩みは後々まで長く尾を引き、1手のミスによる冒険失敗も珍しくない。これらが独特の緊張感を生み出している。 単純に強いモンスター以外にも、様々な特殊能力を持つ敵が階層ごとに配分されていて、臨機応変な対応が求められる。 モンスターハウス以外にも、「HPが1桁まで減ると自爆してこちらのHPを1にしてくる爆弾岩」と「姿の見えないシャドー」が同じ階層に出現するなど、いい意味での嫌らしさも満載で、プレイヤーの的確な判断力を試してくるので歯ごたえがある。 RPGで強力なアイテムを惜しんで死蔵させてしまうのは誰しも経験するところだが、本作の場合は「主人公がDQの戦士系キャラのような強靭な性能ではない」にもかかわらず「アイテム無しだと基本動作と通常攻撃以外行えない」というゲームバランスであるため、アイテムは出し惜しみせずに使うべきもの(アイテムを活用しないと生き残れない)。 このジャンル以外のRPGにはあまり見られない新鮮なプレイ感覚であり、ピンチをチャンスに変えて窮地を脱するスリルも本作の醍醐味である。 冒険を終えるとトルネコのレベルは1に戻ってしまうが、プレイヤーはその冒険で学んだ教訓があるはず。 プレイヤーが経験を積めば積むほど様々な知識が身に付き、自然とダンジョン深層まで潜ることができるようになる。 こういった点から、「プレイヤーが成長するゲーム」「プレイヤーのレベルを上げるゲーム」とも言われる。 本作は上述の通り難易度は高い部類だが、調整はしっかりしており、バランス自体は原作と比してよく整えられている。 そもそも元ネタである『ローグ』は本作以上に厳しいゲームバランスである(ピンポイントでいえば、倉庫が存在しないので死んだら完全に0からやり直しである)。 賛否両論点 リリース当時は、特有のストイックかつシビアなバランスが賛否両論だった。 1Fからいきなり倍速モンスター「ゴースト」が出てくる。アイテムが全く揃っていない1Fでは逃げる事もかなわず、囲まれると対処が難しい。 「まどうし」のラリホーで起きた直後に再びラリホーをかけられると、トルネコが自由に行動できる隙が全くなく何もできずにハメられる。 これは「やっと目が覚めた!」と表示されてトルネコの眠りが解除された直後に、敵のターンになってしまうのが原因である。 1ターンで2体の「爆弾岩」から爆発をくらうと、どんなに鍛えた盾を装備していても問答無用で即死する。 爆弾岩の爆発に巻き込まれると、トルネコのHPが1になる。HPが1の状態で再度爆発に巻き込まれると、トルネコは問答無用で死亡する。さらに爆弾岩は「他の爆弾岩の爆風で誘爆する」性質を持つため、一度に2匹を誘爆させてトルネコが2回爆発に巻き込まれたらアウト。本作には爆風ダメージを軽減する手段や死亡した時に復活できるアイテムがなく、爆弾岩の爆風の範囲が周囲2マスに及ぶ(後発作品では周囲1マス)ため誘爆が起きやすい。 「初見殺し」「対策を知らないと好き放題やられる」「同階層に極端に強いモンスターと弱いモンスターが混在する」など、感覚的なパワープレイが通用しにくいバランスになっていることも大きい。幸いモンスターの種類は少ないのですべて覚えきるくらいの気概があればクリアは難しくない。 「ちょっと~」のハードルがやや高い。10Fまでとはいえ登場するアイテムが少なくなっていることも一因。 20回以上冒険失敗すると王様が強力な武器と盾を貸してくれる(ゲームシステム的にはそのまま貰える)という救済措置があり、30回失敗すると自動的にクリア扱いになり、そのまま「不思議~」に進むことができる。 アイテム所持数の制限が厳しい。 持てるアイテムの数が20個と少なく、続編以降の『壺』のように持ち数を増やす手段も存在しない。 基本装備の時点で、武器、盾、指輪、矢3種類と、かなりのスペースがとられることになるため、その他のアイテムの取捨選択に悩まされやすい。どのアイテムが役に立つか、その時の状況に応じて見極める必要がある。 トルネコのレベルを上げにくい。 レベルが37で打ち止めとなっている都合で、1レベル当たりに必要な経験値の幅がかなり早い段階で大きくなっていくため、レベル19以降あたりからレベルが上げづらくなっていく。 後半になってからレベルを上げにくくすることで終盤の手応えを上げているとも言えるが、レベルアップはゲームの醍醐味でもあるため、賛否両論な点である。 「時の砂の巻物」 この巻物を読むと、トルネコのステータスや所持アイテム、道具の識別状態を含めた全てがフロア開始時の状態に巻き戻る(使った「時の砂の巻物」は無くなる)。 一つのフロアで長時間稼ぎ、階段の上でアイテムを使用識別している時に未識別の時の砂の巻物を読んでしまうと、そのフロアで重ねてきた苦労がなかったことになってしまうので、精神的に少々きつい。 ただし、この巻物を利用して未識別アイテムを最小限のコストで識別するといった使い道もあるので純粋にマイナス点ばかりというわけでもない。 セーブデータが複製可能 コピー先のセーブデータは常にトルネコの自宅から再開となるため、「死亡後にコピー先のデータから再開してダンジョンの途中からプレイを続行する」ことは不可能になっている(これを実行した場合、ダンジョン内で所持していたアイテムが全て消滅してしまうため実質的なペナルティとなっている)。 ただし、当然ながら倉庫の中身はそのままなので、貴重なアイテムを持ち帰った際に予めデータをコピーしておけば万が一の保険として利用できてしまう。 一般的なRPGと比べて「攻撃のミス」が発生しやすい。解析によるとトルネコ・敵ともに攻撃命中率は87.5%(7/8)。つまり外れる確率は12.5%(1/8)もある。 本作に限らず、不思議のダンジョンシリーズ全体でよく言われる不満点。後発シリーズでは主人公の攻撃命中率が90%以上に引き上げられた作品もあるが、それでも「攻撃がよく外れる」と言われやすい。 素手や武器による通常攻撃だけでなく、矢による遠距離攻撃や、草などのアイテムを投げる投擲攻撃も同様の確率で外れる。 肝心な時に限って攻撃を外して返り討ちにされることもザラであり、本来なら一撃で倒せる弱い敵が相手でも、攻撃ミスが原因で思わぬ反撃をくらうこともある。 起きている敵ならまだしも、眠っていたりかなしばり等で動きが止まっていて普通は避けようの無い状況であってさえ空振りすることもあるため、先制攻撃で一気に倒そうとして失敗したり、なけなしのアイテムでせっかく作ったチャンスを台無しにされてしまうことさえあり得る。 1回だけならまだしも、2~3回連続でトルネコが攻撃を外すという光景も珍しくはない。酷い時は4~5回連続で外れることさえあり、その空振りが原因でピンチに陥ったり冒険が失敗したりすると、非常にストレスが溜まる。 さすがに5回連続ミス(1/32768)は滅多にないが、2回連続ミス(1/64)はそれなりに発生し得る。 「さまようよろい」などのタフな敵が相手だと、倒すのに必要な攻撃回数も多いのでその分空振りする回数も多くなるし、「スモールグール」は一撃で倒せば分裂しないが、攻撃が外れても分裂する可能性があるので、性質が悪い。 しかし、必中攻撃である杖の魔法弾・巻物の魔法効果で攻撃のミスをカバーすることもできる。アイテムが少ない序盤はともかく、アイテムが充実している終盤では攻撃ミスをアイテム消費で補うことは十分に可能。 ランダム要素ではあるが、「次の攻撃が外れても大丈夫なように高めのHPをキープしておく」「次の通常攻撃が外れたら死ぬので必中攻撃の杖で対処する」といった戦略も生み出しており、理不尽な攻撃ミスにいかに対処できるかがプレイヤーの腕の見せ所であるとも言える。 敵モンスターも同じ確率で攻撃を外すので、プレイヤー側だけが損をしている仕様というわけでもない。 ただ、ゲームの性質上「モンスターが攻撃する回数」よりも「トルネコが攻撃する回数」の方が多くなるし、肝心な状況での空振りほどプレイヤーの印象に残りやすいので、「トルネコの攻撃ばかり外れる」と誤解しがちである。 本家『ローグ』そのままの要素が非常に多い 本作も本家側『ローグ』で多数存在するクローンゲームである『Rogue Clone』のひとつと考えると分かりやすくはあるのだが、本作公式ガイドブック等の公式媒体上ではそのあたりの事情に一切触れられていない。 敵の出現テーブルや、階層による特殊能力の配分なども似通っている。序盤から「こちらから手を出さない限り眠っているが、主人公の動きを停止させる厄介な敵」がいる点も同じ。作中の最終的な敵出現テーブルが「プレイヤーの移動を封じる敵」「混乱能力を持った敵」「ステータスを下げる敵」「倍速行動の敵」「頑丈な直接攻撃系の敵」「飛び道具を持つ最強の敵である『ドラゴン』」の6種類で構成されている、という点も全く同じ。 罠の構成、消耗品のアイテムの効果等についても共通点が無いものを探す方が難しい。特に「もっと不思議のダンジョン」が顕著。 もっとも、もとより一般大衆へは認知度の低かったゲームであり、「本家の面白さを家庭用ゲームに浸透させる」を命題として開発されているため、本家の面白さが直に伝わるようにあえて多くの要素を踏襲したとも考えれば一概に悪い点とは言えない。また、本家と比べてゲームバランスが絶妙に整えられている点が大きなポイントである。 モンスターに関しては、本作オリジナルの能力を持った敵も多い。バシルーラを唱えてトルネコをワープさせる「きめんどうし」、常に4体組で出現する「イエティ」などは、ローグに元ネタと言えるモンスターがいない。 問題点 トルネコの店の発展は各段階ごとに設定された目標ゴールドを稼ぐことによって大きくなっていくが、この店拡張は一段階ずつしか増築されず、ダンジョン探索を一気に進めて目標金額を大幅にオーバーした金額を集めたとしても、一気に段階を飛ばして発展したり次回の拡張に持ち越されたりもせず、余分に貯めたお金は全て切り捨てられてしまう。 このため早期から必要以上にゴールドを集めたり、アイテムをたくさん持ち帰っても大半が無駄となってしまう。 エンディングを見ずに倉庫・アイテムの持ち込みを手早く解禁したい場合には、浅い階層で程々にゴールドを集めて死に戻りするか、運よく拾えたリレミトの巻物で定期的に帰還することを強制され、どんなに理想的な成果を上げたとしても最低4回はダンジョン突入を強いられる。 「不思議のダンジョン」27Fにある「しあわせの箱」を持ち帰るとエンディングになるが、その際、トルネコの店がまだ発展途上(1~7段目)だった場合、「不思議~」攻略中に設定されている上記の各段階をすっ飛ばし、一気に最終段階直前の9段階目まで発展してしまう(最終の10段階目は「もっと」クリア達成を要する)。 ストーリー展開も盛大にぶっ飛ばしてしまい、見たことも無いキャラが親しげに話しかけて来たりする。 初めて「しあわせの箱」を持ち帰った後はエンディングとなるが、所持していたアイテムは持ち込んだものも含め完全に消滅してしまう。特にクリアのために鍛えた装備を失ってしまうのが痛い。 次の目的地である「もっと不思議」では倉庫からの持ち込みが不可能なので、もうアイテムは不要という判断からと思われるが、「もっと」への挑戦はあくまで任意で通常の「不思議」をそのまま遊び続けることも可能であり、アイテムの収集や強化を楽しむプレイヤーも多いためやはりこの点は不親切である。 トルネコの店が8段目まで発展すれば、ゴールドと鉄の金庫の冒険時の存在意義が無くなる(*10)。 「わらいぶくろ」はゴールドを盗むと同時にワープして逃げる能力を持つが、所持金が0ゴールドであれば近寄ってくるだけで何もしなくなる。つまり、意図的にゴールドを拾うのを回避したほうが、わらいぶくろが出現するフロアで有利に働く。 ゲーム的には通常のRPGのような経験値稼ぎはそこまで必要とされないが、高難易度の「もっと不思議のダンジョン」の攻略においては経験値稼ぎも重要な要素になるため、ゴールドの存在が無意味なばかりか邪魔な存在にもなってしまう。 加えて、換金専用のアイテムで特殊効果が一切ない「きれいな指輪」も冒険時には無価値となる。「もっと不思議」には登場しないが通常の「不思議」をクリアする前や続けて挑戦する際は他の指輪との識別の邪魔になるばかりか、アイテム配置の候補に選ばれる都合上、他の指輪が配置される可能性が低くなってしまう点でも邪魔にしかならない。 1つのフロアに初期配置されるアイテムの数には限りがあるため、ゴールドが多数出現した場合、その分他アイテムが割を食う形になり苦しいことになる。特に浅い階層では死活問題に。 足元に関するコマンドの仕様が不便 本家ローグの仕様がほぼ踏襲されており、トルネコの足元に落ちているアイテムを直接使ったり、その場で手持ちのアイテムと入れ替える(「交換」コマンド)、といったことができない。 例えば持ち物がいっぱいの状態で足元にあるアイテムを使いたければ、一旦隣の床に何かを置いてから元の場所に戻って拾わなければならない。 フロア内の長期滞在ペナルティが軽すぎる。 同じフロアに留まり続けると地震によって下の階に強制的に落とされるのは前述の通りだが、演出だけなら恐ろしげなものの、次のフロアへ移動させられるのみでダメージは一切受けないため、ペナルティとしては軽すぎる。 満腹度が減らなくなる「ハラヘラズの指輪」が出現する「不思議のダンジョン」では、限界まで居座って経験値やアイテムを稼ぐことが可能になっている。 本作は「未識別アイテムの名前のつけ直し」も行動数にカウントされるため、ひたすら名前を変えまくることで回数を超過させ、意図的に地震を起こしてモンスターの包囲を切り抜ける、という芸当もできてしまう。 もっとも、本作の時点では同じフロアに長時間滞在されると困る理由は「セーブデータの容量の都合」であって、過剰な稼ぎはおそらく問題扱いされていなかった(*11)。過剰な稼ぎがゲームバランスを崩すと認識されて、ペナルティを重く課すべきという考えになったのは後の風潮である。 本作に登場する罠は部屋内であればどこにでも設置される可能性があり、部屋の出入口にも設置される可能性がある。 部屋の入口が複数ある場合は遠回りして回避することもできるのだが、問題は行き止まりや一方通行の部屋だった場合。その部屋の入口に罠が設置されていた場合は必ずその罠を踏まなければならず、罠がある床を回避することができなくなってしまう。 罠は1/4の確率で不発することもあるが、分の悪い賭けである。確実に通行するには罠を無効化する「ワナ抜けの指輪」が必要になる。 同様に「聖域の巻物」を持っていて転び石の罠が入口に設置されていれば、貴重なアイテムを失う可能性が高くなる。 被害が小さい・対処が可能な罠(矢や硫酸)ならば幾分マシである、…が問題は被害が大きい罠だった場合である。 複数の強敵がいたり、モンスターハウスなのに眠りガスやトラばさみ、地雷といった罠を入室一歩目で踏んでしまえば、プレイヤーに圧倒的不利を強制されてしまう。 最悪なのは階段がある部屋なのに入室一歩目のワープゾーンで別の場所に飛ばされてしまうケース。次の階に進めるかどうかが完全な運次第になる。しあわせの箱などを入手するまでは地震発生までフロアに長居し強引に降りることも可能だが、地上に自力で戻る際はそれも不可能になるため地震で下階に戻って仕切り直しを強制されてしまう可能性がある。 出入口に落とし穴が配置されるケースも極めて悪質。運次第で部屋に入ることもできず下階に落とされてしまい、プレイヤーにかなりの理不尽を強いる。特に、貴重なリレミトの巻物が確定で配置される不思議20Fで発生し取り逃したとあれば被害は甚大である。 後のシリーズでは、壁を掘るアイテムやワナを壊すアイテムの追加によって徐々に改善されている。 帰り道が作業になりがち。 不思議のダンジョンでは「しあわせの箱」。もっと~では「奇妙な箱」を取得し持ち帰るのが目的だが、ここまでくればまず死なないという階層まで登れば階段を探すだけのゲームになる。12Fまで来れば爆弾岩が登場しなくなるので、まず死ぬことはない。初回は強くなった自分を実感できて楽しい要素になるのだが、繰り返すとただの作業で面倒。後作では、目的を達成した段階でクリアーとなる。 モンスターは全32種存在するが、最後の敵「ドラゴン」が出てくる25F以降は、あまり変わり映えしない敵構成のまま99Fまで続く。 しあわせの箱などのクリアアイテムを持ち帰る分には、27F~30F前後で引き返すことになるので気にならないが、やりこみプレイで99Fを目指すとなると、フロア背景、BGM、敵の顔ぶれのいずれも変わり映えの無さにマンネリしがち。 ドラゴンは遠距離からトルネコに向かって高威力の火炎攻撃を繰り出す強敵だが、与ダメージの高いドラゴンキラーと火炎ダメージの半減効果を持つドラゴンシールドをしっかり鍛えておけば有利に戦える。 むしろ同じ階層に出る、力の値や最大HPを減らす「ミステリードール」、同じ部屋に居ると離れていても混乱させられる「おおめだま」の方が遥かに危険度が高い。 ただし、ドラゴンはステータスがかなり高いため、ドラゴンキラーをもってしても中途半端な鍛え方では危険であり、安全性を重視するのであればその他のアイテムを駆使して対処した方がよい。 バグ・不具合 「ワナの巻物」を読んだ際、「フロアに新規に罠を設置できるスペースが29マス以下しかない」という特殊な条件で完全にフリーズしてしまうという致命的な不具合がある。通常フロアでは連続使用でもしない限りは滅多に起こらないが、罠が存在できない大迷路フロアで読むと確実にアウト。 初期版にみられるバグであり、後期版では修正されている。 トルネコの店の中(ダンジョンの外)でゲームを中断し再開した場合、 所持しているアイテムが全て無くなってしまう。 倉庫が解禁されるまでは帰還時にネネが全アイテムを自動で売り払うので問題ないが、倉庫が使えるようになった後は持ち帰ったアイテムを売るか倉庫に預けるかを選ぶようになる。この際、倉庫から取り出したアイテムを持ったままうっかり店内でゲームを中断した場合、そのまま消滅してしまう(売り払われたわけではないので当然資金にも還元されない)。 この件に関しては説明書にも記載がないが、「 倉庫から取り出したアイテムはちゃんと倉庫に戻っている 」というケースもあるため、恐らく「倉庫に戻される」が本来の仕様で「アイテム消失」はバグである可能性が高い。 事前に要らないアイテムを利用して挙動を確認し、もし上記の現象が確認された場合は中断する前に必ず倉庫に預けておくようにしよう。 特殊な呪いの仕様 シャナクの巻物の効果は装備中の武器防具・指輪の呪いを解くことだが、呪いを解いたアイテムを持ち帰るとなぜか呪いが復活する。剣と盾は呪いマークが復活し、指輪は呪いマークは復活しないが持ち込んで装備すると再度呪われてしまう。 恐らくは「修正値-1以下のものは常に呪われている」扱いで、なおかつ修正値と呪いの有無が同じフラグで管理されていることが原因である模様(つまり「修正値がマイナスだが呪われていない」という状態が存在しない)。 このため、実質的な効果は「冒険中の間だけ一時的に呪いを解く」であり、剣・盾・ちからの指輪は強化用の巻物や「パルプンテの巻物」の効果(*12)で修正値を0以上にあげることで完全解呪が可能だが、この効果が意図した仕様なのかどうかは不明。 マイナス効果でさえなければさほど大きな問題にならずに済むものの、つけ外しが不自由だと有効活用しにくくなってしまう。 武器と盾を極端に鍛え過ぎると様々な不具合が生じる。 「バイキルトの巻物」や「スカラの巻物」で上げられる装備の修正値は+99が限界だが、「パルプンテの巻物」の効果の一つ「手持ちの武器・盾・ちからの指輪の修正値と杖の使用回数を+3」の効果が発動すると修正値がその仕様上の限界を超えてしまうバグがあり、それが原因で更なる重大なバグに遭遇する危険がある。 修正値が+128を超えるとオーバーフローを起こして数値がマイナスとなり、呪われた装備と化してしまう(表記上がマイナスなだけで、内部データ上はそのまま数値が強さに反映されている)。 「剣の強さ」と「ちから」の値の合計値が136以上の状態でレベルを上げていくと、攻撃力が減少するという現象が発生し、更に鍛え続けて合計値がちょうど248になると、数値の桁落ちにより攻撃力が0になってしまう。 その上、単に攻撃してもダメージが与えられないのではなく、「トルネコは様子を見ている」と表示されるだけとなって攻撃そのものができなくなってしまう。 「鍛えすぎて装備すると攻撃力が0になってしまう剣」と「鍛えすぎて敵から0ダメージしか受けない盾」が両方呪われて外せない状況になってしまった場合、敵に挟まれて身動きできない状況下では、相手を倒すことも倒されることもないまま、ただ餓死を待つだけの状態となってしまう。 とはいえ、よっぽどゲームをやりこんで装備を集中的に鍛えまくらない限りは起こらないため、危険性は非常に低い。 タイトル画面でトルネコの顔の焼印が押される瞬間にスタートボタンを押すと、メニュー画面やトルネコの村の配色が一時的におかしくなる。 明らかにバグだが、見た目がおかしいのみでフリーズ等の被害報告はなく、ダンジョンに入れば正常に直るので、危険性は低い一発ネタである。 総評 荒削りではあるものの、馴染み深い『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターを使った世界観はローグライクゲームを一般に浸透させることに成功した。 ハードルの高いジャンルに遊びやすくなる様々な要素を盛り込み普及させたという点では、初心者に対する配慮を重視するドラクエシリーズらしいゲームともいえる。 敵味方両面でバランスブレイカーが存在しないため、堅実に進めれば攻略は決して難しくはない。純粋にプレイヤーの腕と多少の運が試される、『不思議のダンジョン』シリーズの原点である。 その後の展開 1995年12月1日には本作のシステムを流用したオリジナル世界観の『不思議のダンジョン2 風来のシレン』がリリースされたが、こちらも以後の基礎を作っている。 また、トルネコシリーズも後に『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険2 ~不思議のダンジョン~』、『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 ~不思議のダンジョン~』とシリーズ化する。 続編では、本編中に小規模なダンジョンをいくつか攻略していくスタイルが基本となった。 続編は出ているが、本作そのものはニンテンドウパワー(*13)で書き換え可能となったのみでその後は移植もリメイクもされず、デジタル配信も行われていない状態である。 エニックスは当時の中古ゲームソフト訴訟の影響もあり、ニンテンドウパワーには参入しなかった関係で、ドラクエの正規ナンバリングシリーズはリメイクを含めて一切配信されなかった為、本作はドラクエ関連作品として唯一名を連ねたことになる。 余談 プロローグでは他の導かれし者達の絡みといった『DQIV』の根幹に関わる部分(第5章)の活躍は描かれていないものの、内容から考慮する(*14)と本作がIVより後の話という説が有力視されていたが、『トルネコ3』のオープニングで明確にIVの後日談であることが明示された。 実は外伝作品全てを含めて「メタルスライム」が登場しない唯一のドラクエシリーズである。 本作には色違いモンスターが存在しないため。そのため、全作品通しての皆勤モンスターは「スライム」のみとなっている。 回復アイテムの1つ「弟切草」。DQシリーズにも登場しないその風変わりな名称の由来は、本作開発元のチュンソフトが制作した同名のサウンドノベル作品である。 古くから薬草の一種として知られている植物なので、回復アイテムとして登場するのは妥当でもある。 発売当時、「しあわせの箱」を獲得した証があるセーブデータの画面写真をチュンソフトに送ることで、順位ナンバーが刻印された認定証がもらえる「早解きキャンペーン」が行われていた。 さらにこれとは別に、「もっと不思議のダンジョン」に出現する「証明の巻物」を持ち帰った写真を撮ってチュンソフトに送るとプレゼントが贈られる、裏キャンペーンも行われていた。 同様のキャンペーンは以降のシリーズでも見られるが、本作の場合は完全に非公開だった。 当時少年ジャンプで連載されていた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』で、不思議のダンジョンをモチーフとしたダンジョンに挑むエピソードが存在する。 あくまで「不思議のダンジョンをモチーフとした」止まりでありオリジナルのダンジョンだが、罠に注意、奥深くの階層に到達して新記録達成などといったゲーム本編の要素をさりげなく盛り込んでいる。 原作者の三条陸氏は、当時週刊連載中という多忙な状態にも拘らず、上記の早解きキャンペーンでなんと認定3000人中2742番に入賞している(*15)。 3DSのDL専用ソフト『不思議の国のラビリンス』は本作のゲームバランスと似通った点が多く、オマージュとも呼べる内容になっている。 初代トルネコに触れてみたいがゲーム環境を整えるのが難しいという人は代わりとして遊べたが、現在はニンテンドー3DSダウンロードソフトの購入が不可能になっているため、今では本作以上にプレイするのが困難となっている。 本作のキャッチコピー「1000回遊べるRPG」は、以降の不思議のダンジョンシリーズでもたびたび使われている。 『不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物』ではゲーム内に「冒険回数が1000回を超えた」というパスワードがある。 『不思議のダンジョン 風来のシレンDS』では「1000回では遊びつくせない奥深さ!」「今度の冒険……1000回どころじゃ終わらない!」といった宣伝文句が使われた。 3DSで発売された『世界樹と不思議のダンジョン』では本作のキャッチコピーをもじって「1000回遊べるダンジョンRPG」と謡っていた。
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前ページ次ページトルネコの大冒険・不思議な使い魔 召喚時に吹きあがった大量の煙が、キュルケの視界を悪くしていた。あのルイズが、ついに何者かを召喚したのだ。キュルケは、からかいがいのある友人の成功に内心喝采を送りたい気分だった。 ルイズの努力も、憤りも、全てがキュルケの好みだった。さんざんからかっておきながら、キュルケは本心ではけしてルイズのことが嫌いではなかった。 ルイズの成功を本心から喜んでいるのは、彼女を除けば担任のコルベールくらいのものだろう。しかし、そこはキュルケだった。喝采のかわりに、何かしらいってルイズをいじってやろうと笑みを浮かべる。 だが、煙の中から現れた影を見て、キュルケはからかいの言葉を呑み込んだ。 キュルケ以外の生徒の反応はもっと露骨なものだった。 固唾を呑んでいた中で、誰かが我慢できないように噴出したのが引き金になった。 どっと巻き上がる笑い声。 「ぜ、ゼロのルイズが平民を喚(よ)びやがった!」 「いい加減にしてくれよな、俺たちを笑い殺す気かよ!」 ぎゅっと両手を握ってうつむくルイズ。その姿を見て、キュルケは思わず駆け寄って抱きしめてやりたい衝動に駆られていた。 *** 巻き上がる笑い声を、ルイズは手のひらにつめを立て、唇を噛むことで耐え抜いた。 落ち着け、と自分に言い聞かせる。屈辱に耐えろ。慣れるのではない、耐えるのだ。 今までの失敗よりはましなはずだ。何もないよりは、ゼロよりはましなのだ。 何しろ、彼女の召喚にこたえて、何かが来たのは事実なのだから。 ルイズは自らが呼び出した相手を観察した。 彼女の召喚に応じたのは、たっぷりと突き出した腹ときちんと手入れをされた口ひげを持つ、穏やかな顔つきの中年の男だった。 縦縞のシャツにベストを羽織り、足元はたっぷりと余裕のあるズボンに靴。頭には平たいパンケーキのような帽子を被り、体の倍はありそうな、はちきれそうに膨らんだ大きなかばんを背負っていた。 と、驚いたように周囲を見回していた男がルイズの視線に気がついた。男はにっこりと笑うと、確かな足取りでルイズのほうへと歩いてきた。 思わず後ずさるルイズに気をつかったのか、絶妙な距離で立ち止まると言葉を発した。 「こんにちは、お嬢さん! 見たところ、あちらで楽しげに笑っている方々も、お嬢さんもどうやら人品卑しからぬ身分のご様子。私はこのあたりは初めてなのですが、今日はお祭りか何かなのでしょうか?」 「――あんた、誰」 「これは申し遅れました」 愛想よく男が言った。 「私の名はトルネコ――旅の武器商人をしております」 ぶっちぎりで平民だった。 *** ルイズは猛烈な勢いで抗議をした。コルベールに食って掛かり、召喚のやり直しを訴え、その全てを拒否されてうなだれた。笑い転げる生徒たち。 ルイズはやるしかない、と覚悟を決めた。 その間、トルネコは一切口を挟まなかった。興味深そうに黙り込み、時々考えるような表情を浮かべるほかは何もせずにいた。 いや、一度だけ奇妙な行動をとっていた。後ろ手にかばんを探ると、美しい羽根で作られた装身具のようなものを取り出し、エジンベア、とつぶやいて空に投げた。 なにもおこらずに落ちてくる羽根を片手で受け止め、なるほど、とだけ口にする。 覚悟を決めたルイズがトルネコの前に立つ。 「かがみなさい」 「何故ですか?」 「いいから!」 かんしゃくを起こしかけたルイズに笑みを浮かべて、トルネコは片ひざをついてルイズと同じ高さまで視線を下げた。 「"我が名はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール"」 ルイズの呪文が響き渡る。 「"五つの力を司るペンタゴン。かの者に祝福を与え、我が使い魔となせ"」 ルイズは両手を伸ばして、トルネコの顔をとらえようとし―― がっちりとトルネコの手で押さえられた。 「な、何をするのよ! 平民の癖に!」 「今、口づけをしようとしたでしょう」 トルネコがすまなそうにルイズにいう。 「私は妻帯者でして。たとえお嬢さんのような歳の方であっても、妻以外の女性と口づけをするのには抵抗が」 「なにそれ!?」 トルネコの言葉が聞こえたのか、周囲の生徒たちがさらに大きな声で笑う。 「いいから放しなさい! 命令よ!」 「そうは言っても」 そのとき、後ろから来ていたキュルケがトルネコの腕をつかんだ。 「今よ、ルイズ!」 笑いながらキュルケが言う。 「ちょ、ちょっとお嬢さん!?」 「ルイズ! 男の人はね、なんだかんだ言って既成事実を作ってしまえばこっちのものよ!」 「妙に生々しくないですか! もしもし!?」 「ありがとうキュルケ! 今日だけはお礼を言うわ!」 ルイズは飛んだ。己の全人生がかかっているこの瞬間のために飛んでいた。 キュルケに押さえられているトルネコに向かって飛んだ。その唇を奪うために飛んでいた。 *** 結局、一度学園に戻ってコルベールが説明をすることになった。 なぜか和やかな雰囲気になってしまった召喚の儀式に、コルベールも苦笑を隠しきれない。 他の生徒たちが空を飛んで学園へと戻る中で、ルイズ、トルネコ、コルベールの三人が並んで歩いていく。 「ほう! つまり私はある種の魔物のように召喚され、こちらのルイズさんと使い魔の契約をしたということですか!」 「ええ」 適切なタイミングで入る質問と感嘆の声に、コルベールは気持ちよく説明を続けていた。 「私もこの仕事について長いですが、人間が召喚された例は初めてです。色々と困ることもあるでしょうが、学園も、そして私個人も協力を惜しみません」 「ありがたいことです」 なるほど、なるほどとつぶやきながら、トルネコはあごに手を当てて考えるような表情を浮かべていた。 ルイズは中年男たちの会話を上の空で聞いていた。冷静になって、少しずつ状況に対する理解が芽生えてくる。色々と問題はあったが、ついに彼女は使い魔を手に入れたのだ。 つまり、私は平民を使い魔にしたわけね、とルイズは思う。他の生徒に比べれば見劣りするが、それでも使い魔を手に入れたのは事実。これで、誰にもゼロとは言わせない。 と、そこでルイズは本来の頭の回転を取り戻し、問題がそれだけではないことに気がついて青ざめた。 「もういくつか質問をしてもよろしいでしょうか」 というトルネコの声が遠く聞こえる。 コルベールがルイズの様子に気づかずに気安くトルネコに 「どうぞ」 と言った。 トルネコが穏やかに言った。 「今回の犯罪に関する責任は、結局どなたが負うことになるのでしょうか」 *** トルネコの説明を聞くにつれ、コルベールの顔も青ざめていった。 「ええ、確かに平民は貴族の方々には逆らえないでしょう。ですが、『私が平民である以上、どこかの領民である』という当たり前の事実を無視なされたのは問題ではないですかな?」 トルネコは穏やかに続けた。 「私がこの国の人間であるならばまだ問題は簡単でしょう。ですが、私はそうではない。あなた方は、他国の人間に内容を知らせないままに契約を強要し、それが当然と言う態度をとった」 トルネコは背負っているかばんをゆすって見せた。 「私は武器商人です。武器を商う以上、最大の顧客が誰かはおわかりですね? ――そう、軍隊であり、軍隊をもつだけの領主さまがたです。わたしも幾人か懇意にさせていただいている方々がいます」 いまやコルベールの顔は蒼白だった。反対に、トルネコはにこやかな表情を崩さない。 ルイズは、自分が呼び出したのがどういう男なのかを理解していなかった。 トルネコは商人だった。武器を商う人間だった。 戦争間際にある二国家間で、人殺しのために使われると知りつつ武器を売りさばき、利益を上げられる男だった。 武器という極めて市場の限られる商品を、ほぼ囲い込みが完成している商品を、旅先で商い利益を上げられる男だった。 血のにじむような努力の果てに得た資金を、トンネル採掘や町の発展といった公共の利益のために投資できる男だった。 魔物に命を狙われ、各地を転々としながら、それでも生き延びられる男だった。 そして。 美しい妻。可愛い息子。あの、故郷を失った少女。勇者と言われた少女。 トルネコは夫であり、父であり、勇者の、英雄の仲間だった。 「では、話し合いましょうか」 トルネコは穏やかにコルベールに言った。 前ページ次ページトルネコの大冒険・不思議な使い魔