約 579,025 件
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/383.html
仕返し後の二人を妄想 「くやしい…またククールにしてやられたわ…!」 「ゼシカがこっち方面で俺に勝てるわけないだろ。甘い甘い」 「うう…いつか絶対倍返ししてやるんだから!」 「お、マジで?そいつは楽しみだなあ」 「何よその妙にニヤけた顔は」 「だってゼシカ、俺が今ゼシカにした事をいつか倍にして、俺にやってくれるんだろ?」 「ククールが今私にした事を、私がククールに……。───…ッ!!」 「一体ゼシカは俺にどんな事してくれるのかな~。あんな事やこんな事…」 「マ、マジックで身体中に落書きしてやるってだけよ!」 「身体中?ゼシカやらし~~」 「!!もおぉ~…バカー!」
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/235.html
今、目の前でちょっとした惨劇が起きている。 机に突っ伏したままピクリとも動かないのは、かつての旅仲間であるククール。 ぼんやりと見ていると、力なく投げ出されていた指先がググッ…と渾身の力をこめて動きだし、 脇にあるカップを掴んだ。土気色の悲惨な形相でその中身を飲み干した彼は、しばらくすると ようやくまともな顔色を取り戻し、ふうっ、と一息つく。 「あぶねぇあぶねぇ…やっぱゼシカの弁当には上毒消し草ブレンドが一番合うな…」 なんか、一仕事やり終えた男のいい笑顔でひたいの汗をぬぐっている。 合うとか合わないとかの問題じゃないと思うよ。 「ククールさぁ…。…前から言おうと思ってたんだけど」 「なんだよ…って、やらねぇぞ!これはゼシカがオレのためにつk」 「いらない。あのさ、ゼシカは知ってるの?ククールが毎回毎回こんな風になってるってこと」 「オレがハニーの手作り弁当にメロメロメロンになってるってことか?」 「………あぁ、いや、それもだけど。じゃなくて、こうやって毎回毎回、死にかけてるってこと」 旅が終わったあとも、俺達は時折こうして顔を合わせ、近況を報告し合っている。 どうやらククールとゼシカは、すったもんだの挙げ句なんとか納まるところに納まったらしい。 女と見ればのべつまくなし口説きにかかっていた最強の色男も、今ではぶっちゃけ軽く引くぐらい ゼシカ一筋。ゼシカ命。ゼシカにぞっこん。彼女もさぞかし迷惑がって…と思いきや、ククールが 出かける時には一生懸命手製のおべんとうを作って持たせる かいがいしさだ。 まったく2人とも旅中はあんなに素直じゃなくて、見てるこっちまでなんだかやきもきさせられたのにね。 特にククールは、どっかネジでも一本吹き飛んだんじゃないの?っていうぐらいの はっちゃけぶりで 正直 き も ち わ る ……いや、恋は盲目。俺にだって身に覚えはあるから、なんにも言えないや。 今日はヤンガスとゼシカが来られなかったので、俺とククールだけで酒場に入った。 注文もそこそこにククールはうきうきして、色男に似つかわしくないファンシーな巾着から ご自慢の手作り弁当を取り出す。持参した上毒消しブレンドも忘れずにカップに注ぎ。 …その後はまぁいつもの通り、あやうく死にかけたわけです。 「あー、いや、知らないね。ハニーを悲しませるようなことオレがわざわざ言うと思うか?」 「だろうね…。じゃあ、君たち2人でゼシカの弁当食べる時あるだろ?その時は?いくら君でも 演技で完璧にごまかせるレベルの代物じゃあないよね、この呪いのアイテム」 「呪われてねぇよ!!………そうだな、さすがにゼシカも自分の腕前がイマイチなのわかってるから、 オレがどく状態になったらすぐブレンド飲ませてくれるぜ。でも瀕死になるほどだとは思ってねぇかな。 前に一回平気なフリする間もなく昇天しかけた時、”もうククールったら慌てて詰め込みすぎよ、 食べ物のどにつまらせて瀕死なんて、子供みたいなんだから☆”って背中をたたいてくれたもんだぜ」 「…………。」 ゼシカは自分の作る料理の破壊力のほどをわかってないわけだ。もはやちょっとした兵器なのにね…。 「でもほら問題ねぇって。あいつザオリク使えるし」 そんなこと嬉しそうに言われても。使えるからって手製の弁当で恋人殺してもいいわけじゃないよ。 「………あのさ」 「でもさ、そうやってオレが具合悪そうになった時のさ、ゼシカがまたかわいいんだよ。 普段がアレだろ?それが大慌てで手当してくれてさぁ、時にはひざまくらで頭なでてくれたりさぁ、 そんで落ち着いてから、しゅんとうなだれて ”ごめんね…私どうしていつまでたっても 上手にできないんだろう…ククールにおいしいお弁当作ってあげたいだけなのに…” ときたもんだ、あのゼシカが、だぜ??!!くううぅぅ、たまんねぇなコンチクショウ!! しかもほら、いつもピョンピョンしてる愛しいツインテールがさ、しゅ~んって 元気なく垂れ下がってるの見ると、もうそれだけで押し倒したくなるんだよな、わかるだろ?」 ククールウザい。 あのさ、他人の色恋沙汰にクチ突っ込むのは趣味じゃないけど、 それ そろそろどうにかした方がいいと思うんだよね、絶対」 ククールのきょとんとした顔がなんだかものすごくバカに見える…。 「常識的に考えて、べんとう1つで人一人瀕死状態にするってあり得ないよね。 控えめに見ても殺人未遂だよね。ていうかオレ何度かククールにザオラルかけた記憶あるし、 すでに殺っちゃってるよね。訴えたら多分法廷でも勝てるよククール」 「オイオイ、その場合被害者と弁護人と証人はオレだな。ゼシカが愛ゆえにやらかしたかわいいドジ☆ だって証言してやるよ。そして真の加害者は、ゼシカをそこまで夢中にさせたこ・の・オ・レ」 「オレはゼシカが悪いって言ってるんじゃないよ。彼女が努力家なのは知ってるし、精一杯頑張ってる んだろうってわかってるから。だからね、悪いのは確かにククールだよ」 旅の途中でも、ゼシカが料理当番の日はそりゃあもうみんなしてガクブルだった。でも彼女が本気で真面目に 悪戦苦闘してる姿を後ろで見てたんだ。真剣に取り組んだ末にあのウェポンクッキングと呼ぶべき代物 (一度こっそりスライムに食べさせたらドロッと溶けた)ができあがるのは、才能なんだろう、きっと。 「ククールがいつまでもそうやって甘やかすから、上達しないんじゃないか。はっきり言って この上達しなさかげんは異常だよ?ゼシカは賢い人なんだから、ちゃんと教えてあげれば 今の破壊的な才能を生産的な才能に生かせるはずだ。…わかってるんだろうけどね」 「お察しの通り…。毎回毎回うまくいかねぇで落ち込んでる姿がかわいいって思っちゃってるからなぁ。 オレのためにさ、必死で大騒ぎして作ってくれてるんだぜ?それに水差すような真似できねぇよ。 お前だってわかるだろ?姫さんがお前のために破壊爆弾みたいな卵焼き作ってくれたってさ…」 「ミ ー テ ィ ア は 料 理 上 手 だ」 おっと…いけないいけない、思わずハイテンションな顔つきになってしまった。でもそれは本当だ。 「まぁ、確かにミーティアは、食事はあまり自分で作ることはないけど… お菓子は得意だよ。しょっちゅうクッキーやケーキを作っては食べさせてくれるんだ。 あぁそうだ、この間なんて∞LOVEと象った手作りパンを…」 「でゼシカがなんだって?」 …………くっ…ちょっとぐらい聞いてくれたっていいだろうに。 普段いかに自分のノロケ話が相手を退屈にさせているか少しは思い知ったか。 「そうそう…ゼシカだけど。だからね、確かに気持ちはわかるよ。でもさ、ほら。 君たちそのうちもし結婚でもして、子供ができたらさ」 「ベイビーか…そうだなぁ、今はハニーだけでオレの両手は塞がっちまってるからなぁ。 でもかわいいだろうなオレとゼシカのベィビーなんて。まさに天使そのもの…」 「その子供も食べるんだよ? あ の おべんとうを」 夢想にひたっていたククールがうっ、と言葉をつまらせた。 「まずいよね?」 「…………確かにまずいな」 「だから、料理上手な美人ママに軌道修正するなら今のうちだよ」 「………………う~~~ん」 ククールが今日はじめて真面目にオレの話を聞いた気がする。 ”子供”と”美人ママ”のキーワードが効いたかな。でも自分で言っておいてなんだけど、 この2人に子供が生まれたりしたら、ククールのウザさと気持ち悪さと面倒くささが 今の数倍増しになるのは目に見えてるなぁ。今から頭が痛いや… でも生まれてくる子供に罪はないよね。ママが料理上手であるにこしたことはないし。 だからククール、さっさと彼女に指南しておいでよ。君的に言えば優しくエスコート、ってとこ? …………ま、どうせ君がまだ当分そんな気にならないだろうってことは、わかってるんだけどね。 *** 「ゼシカ」 リーザスに戻ると、村の用事をすませたらしいゼシカの後ろ姿を見つけた。 いつもと違う清楚なワンピース姿はいかにもお嬢様然としていて、惚れ直すほど美しい。 「ククール!どうしたの?今日はエイトと会ってきたんでしょう?」 「あぁ、今おひらきにしてきた。相変わらずだったよ。朝、わざわざありがとうな、これ」 オレがおべんとうを掲げると、ゼシカはわずかに顔を赤らめた。 「やだ、こんなの…今度会った時でよかったのに」 「会いたかったから、さ」 ダメだなオレ。ゼシカに対しては、ろくな口説き文句が思い浮かばねぇ。 こんなストレートな言葉しか出てこないのは、何よりこれが本心だからなんだよなぁ。 ますます赤くなった彼女の頬に手を当てて、触れるだけのキスをすると。 「……バカ。やめてよね、こんなところで」 「じゃ、2人きりになる?」 「ねぇ…」 半分本気で言ったんだが、ゼシカはそれをスルーして、オレの服のすそをキュッと掴んできた。 「あの…。………ぉ、おいしかった?」 うつむいた顔は見えないが、言葉には不安な響きがにじんでいる。 オレが答える前にゼシカはまくしたてるように話し始めた。 「あ、あのね。今回はけっこう頑張ったのよ。いつもよりマシにできたんじゃないかなって。 たまごやきがね、ちょっと自信作で…見かけは今イチだけど、あ、あとハンバーグが、 ハート型なの…わかった?うさぎのリンゴも、時間はかかったけどなんとか形に…」 握りしめられた彼女の手をとる。いつもはしない白いレースの手袋は今の姿の可憐さを より際だたせているが、オレは直に彼女の白く細い指を触りたかった。 「あ、だめククール」 ゼシカはわずかに抵抗して見せたが、気にせず手袋を取り去ってしまう。 現れた指先には、思った通り、たくさんの傷とばんそうこうだ。 オレは指先に口づけ、そのまま静かにホイミを唱えた。小さな切り傷がなくなっていく。 彼女の顔を見るまで、なんて言えばいいか。「実のところ何回か死にかけてるんだ」とか 「今日の卵焼き爆発したんだ」とか「オレが教えてやるから今度一緒に作らないか」とか… 色々考えていたんだが、もう、そんなことどうでもいい。 こんなに愛しいのに、何を諫めて改める必要があるってんだ。オレのために指先を 傷だらけにしてお弁当を作ってくれる。そんな恋人に、これ以上何を求めるものがある? 「ククール…」 「最高においしかった。ありがとう、ゼシカ。愛してるよ」 ほらな。また、こんな、ありふれた言葉しか出てこない。 忠告してくれたアイツには悪いけど、オレはやっぱり彼女の弁当を食べ続けるよ。 大丈夫。まだまだ当分の間は、ゼシカの弁当を食べるのは、このオレだけだから。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/499.html
桜。満開。お花見。お酒。過酷な旅の途中とはいえ、時には息抜きも必要だ。たいして強くないくせに調子に乗って飲みまくるトロデ。皆のそばに座り、共に桜を愛でるミーティア姫。主君の相手をしながらも楽しく飲んでいるエイト。上機嫌に酒瓶をあおるヤンガス。甘いカクテルチューハイを飲むゼシカ。いつものように淡々と杯をかたむけるククール。以前ククールに強い酒禁止令を出されたゼシカは、缶の表示を見て「これならいい」、とククールに渡されたアルコール度数4%のとろけるチューハイ旬果搾りピーチ味を飲んでいた。2缶、そろそろなくなろうかという頃合い。少しだけフワフワしてきて、まさにホロ酔い。見上げると満開の桜。ヒラヒラと舞い散るピンクの花びら。ポカポカ陽気。あぁ…なんて平和。暗黒神の存在なんか忘れてしまいそう…あははうふふ「――――ゼシカ」ふいに場にそぐわない強張った声音で名を呼ばれ、ゼシカは声の主を振り返った。「…なぁにククール、怖い顔して」「ちょっとこっち向け」「…なに?」「話がある」「…なによぅ…」せっかくいい気分なのに、景気の悪い不機嫌顔。無駄に美形なだけに、この男が凄むとけっこう怖いのだ。ゼシカは口唇をとがらせてククールと向き合う形でペタリと彼の前に座った。「…お前、いい加減その服やめろ」「は?」唐突すぎて一瞬理解できない。大胆に肩と背中と胸元を出した紫色のカットソーに、ボリュームのある赤いドレススカート。今日はとくに目立つような装備も付けていない。「服って…いつものじゃない」「それをヤメロっつってんの」「いきなり何?まさか酔ってるんじゃないでしょうね」「これくらいで酔うかよ。これは真面目な話だ」確かに…ワイン一本くらいでククールが酔うわけもないことはゼシカも知ってる。「どこが真面目よ。何度も言うけどね、これは私が好きで着てるの。アンタにつべこべ言われる筋合いなんかこれっぽっちもな…」「オレも何度だって言うけどな、無駄に露出ばっか高くて防御力もなくて、 なんのために着てるんだって話だよ。いらねんだよそんな露出。やめろよ」「なっ…」あんまりな言い草に乙女心が傷つき、ゼシカは思わず声を詰まらせる。「な、なにがよ…っ!あ、アンタに見せるために着てるんじゃないもの…ッ …っ、……関係ないでしょ!」「ウソついてんじゃねぇ。オレに見せるために着てるんだろ、関係大アリだろうが」「はあぁ!?何を偉そうにうぬぼれてんのよっ!!」「うぬぼれじゃない」キリッwと視線を向けて見つめられ、わけのわからないままゼシカは口をつぐむ。「それよりもっと実用的なのあるだろ、全然肌の出ないヤツとか分厚いヤツとか。 オレが何回言っても聞きゃしねぇし、オレが何渡しても着ねぇし。いい加減にしろよ」まくしたてるように言われ、まるで自分が悪いような気にさせられる。そんなはずはないのだけど。「…だ、だって、アンタの渡してくる装備ってみんな、ブカブカだしゴツイし、可愛くないんだもん」「当たり前だろうが。カワイイカワイクナイで装備を選ぶな」「だって…!」「だってじゃない」「く、ククールの言う通り、ビキニとか、ビスチェとか、もう着てないじゃない…! アンタが着るなって言うから、わたし…」そう、その合意に至るまでにも散々衝突したのだ。なぜそこまでククールが必死になるのか全く理解できないまま、だけどあまりにもうるさいのでゼシカの方が折れてしまい、今に至る。それなのに、今度はいつものこの服まで?「あんなもん着ないのは当たり前だろ。ビキニとかバカか。あんなんで戦うとか」「防御力高いじゃないっ」「うるさい。お前の反論は聞かない」「……ッ」ピシャリと切り捨てる強引さが、理不尽なはずの流れをククールに有利にする。こんなに傲慢に振る舞うククールははじめてで。ゼシカは怒りより戸惑いばかりで、ろくに言い返すこともできない。「とにかくその服も認めない。オレが認めない」まるで君主のように見下ろしてくる鋭い視線。ねめつけるような視線がまるでこの姿を蔑まれているように感じて、ゼシカは悲しくなる。「…なによ…」「そんな胸出しすぎの服、着る必要ないだろ。今すぐ替えろよ」「……なによ、ククールのバカ…」「バカはお前だ。背中も肩も、ちゃんと隠れるヤツにしろ。なんだってそんな」「なによっ!!アンタの好みじゃないだけでしょっ!!」「そんなこといつ言った?」「悪かったわね可愛くなくてっ!!どうせ私は可愛くないわよっ!!」「だからんなこといつ言った!?」「バカッ!!ククールなんか大嫌い!!似合ってないならそうはっきり言えばいいでしょ!!」「オレの好みドストライクだし最高にカワイイし世界一似合ってるに決まってるだろ!!」……!?完璧な真顔でハッキリキッパリ言い切る色男。「ほんっとバカじゃねーのお前!?カワイイんだよ最高に!当たり前だろ!? オレのゼシカなんだから!!誰が誰の好みじゃないだと!?ふざけんな!!」「あっ…、……あ、アンタ、ちょ」「似合ってるよ!あぁ最高にな!萌え萌えだよ! お前は何着たってカワイイよ!!」「…………」変なものを見る目で固まっていたゼシカの顔が徐々に真っ赤に染まっていく。…これは、赤くならざるを得ない。ククールはひたいに出を当てて大げさにため息をつく。「あぁチクショウ、ほんっとお前バカ。わかってねぇ。なんっっにもわかってねぇ」「な、な、な、なにがよ…っ!あ、アンタ頭どうかしちゃったんじゃないの…!?」「どうかしてんのはお前だよ。なんでわかんねぇの?何回同じこと言わせんの? なんでオレの言うことがきけねぇんだよ」「だっ、だからっ!なんで私がククールの言うことを聞かなきゃいけないのよ!!」「オレがお前に惚れてるからだろうがッ!!」ドンッと叩きつけられたワインボトル。相変わらず凄まじいまでに、―――真顔。でも、言ってることはおかしい。…ん、ワインボトルじゃなくって…にほんしゅ…?「だ・か・ら・イヤなんだよ!いい加減わかれよこのニブ!!鈍感女!!ガキ!!」「んなっ、なんですってぇ!?」「世間知らずで箱入りで井の中の蛙!!身体ばっか成長しやがって手に負えねぇ!!」「アンタねええぇえぇええええ!!!!!!!」もはや完全に頭に血が昇った2人は臨戦態勢で立ち上がる。「だから何が言いたいのよこれ以上バカにしたら承知しないわよ!!!!」「じゃあ言ってやるよ!!他の野郎の前で露出高い服着るな!!絶対着るなッッ!!! 今度着たらもう許さねぇ、裸にしてオレの部屋に閉じ込めるぞ!!!!」「や…っやれるもんならやってみなさいよこの変態!!!」「あぁ、あぁ、やれるもんならとっくにやってるよ!!ムカつくんだよ、めちゃくちゃムカつくんだよ、カワイイお前を他の奴に見られるのが!!その胸とか!ケツとか!!太ももとか!!!顔も、声も、全部ッッ!!!! 誰にも見せたくないんだよ!!オレだけのものにしときてぇんだよッッ!!」「……っ、バカッ!!わがまま!!だからって、そんなわけにいかないでしょ…ッ!!」ゼシカももう、彼が一体どんなトンデモナイことを堂々と叫んでいるのか、深く考える余裕もなく、とにかく無我夢中で反論するしかない。「…そうだよ、そんなわけにはいかねぇよ…」ガッと、ククールがゼシカの肩を掴んだ。ゼシカはビクリと身体を震わせる。間近に見つめてくる彼の瞳はとても切なくて、とても苦しそうで…「…だから…」「…ぁ…っ」強く抱きしめてきた両の腕に、ゼシカは硬直する。そのまま背後の大きな桜の木に背中ごと押し付けられた。「オレのために着てるんだろ…?…オレのためだけに着とけばいいんだよ。… ……そういうことに、してくれよ…なぁ、ゼシカ」「く、クク…?」「頼むから…」うなじに彼の熱い息がかかる…「…。…………じゃねぇと、……オレ……」「えっ、やだっ、ククール?」「…………嫉妬で狂いそうに…………」「ちょっ、なに、危な…、きゃ…っ!!」ククールが全体重をゼシカに傾けてきたので、抱きしめられた状態だったゼシカは桜の木をバックに、そのままズルズルと倒れるように座りこむ羽目になった。「……ククール?」呆然と見下ろすと、人の膝の上でいびきをかいて眠りこけている…バカ。なに?ここまで来て、そういう逃げ方する?呆れ果てたゼシカが信じらんない、と呟くと、どこから聞いていたものか(多分最初から)、ヤンガスが苦笑いを浮かべて頭をかいた。「いやー悪かったでげすなゼシカのねえちゃん。渡した酒がまずかったみてぇだ」「え、…お酒?」「日本酒っつって、どっか東の方の国の酒らしいでげす。まさかククールが こんなわけのわからねぇ酔いかたするとは…」「や、やっぱり酔ってたの!?…でも、この人お酒強いのに」「あっしも強えぇが、これだけは体質に合わねぇとか悪酔いするとかいうのがあるでげすよ」「ククールにとっては“にほんしゅ”がそうだったってわけね…」ようやくことの次第が把握できたゼシカは、大きなため息をつくしかなかった。さっきまでこのスカした色男が、恥ずかしげもなく大真面目に、大声で主張していた口上を思い返して、こめかみを押さえて顔を赤くする。よくもあんな恥ずかしいことを、間違ったことなんて何一つ言ってない、とでも言わんばかりに、堂々と、偉そうに、真剣に言えるものだ。…だけど、しょせんは酔っ払いの戯れごと。そんな風に片付けてしまうのも、面白くないけれど。膝の上で幸せそうにむにゃむにゃと寝言を言っているククールを脱力して見下ろす。そのほっぺを軽くひねってやりながら、「……まったく、もう、ホントに…」素直じゃないんだから…誰にも聞こえない小さな呟きは、どこか幸せそうに春風にまぎれて消える。彼の耳元で、言い聞かせるようにそっと囁いた。夢の中にも聞こえるように。「―――……起きたら全部忘れてるなんて、許さないわよ?」こんなやり方、卑怯すぎるもの。「今度はぜーんぶ、シラフで言ってもらうんだから、ね」ピンク色の桜の花びらが、そんな2人の周囲を包み込むように、優しく舞った。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/283.html
呪われし杖からゼシカを取り戻し、俺達は一路北へと向かっていた。ヌーク草のおかげで寒さは しのいでいるが、慣れない雪道やモンスターとの戦闘に、予想以上の苦戦を強いられていた。 もう皆の体力も魔力も心許ない。そろそろ次の町に着かなくてはまずい、と誰もが思っていた矢先、 厄介なモンスター集団に出くわした。残る体力と魔力とアイテムを振り絞ってボロボロになりつつ、 なんとか最後の一匹を倒せるか、と思った時だ。 そいつが、HPの残り僅かなゼシカを狙って攻撃をしかけたのが視界の端に見えたんだ。 だから、彼女の前に躍り出て、その攻撃を受けた。 条件反射だった。 * 「…道らしきものがあるから、もう少しでどこかの町に着くはずだって。…エイト達が先に行って、 キメラの翼とやくそうを買ってすぐに戻ってきてくれるわ」 一面の雪の上、仰向けに寝ているオレの横にペタリと力なく座り込み、ゼシカは覇気のない声でそう言った。 2人とも瀕死に近い。無駄に動くより大人しく助けを待った方がいいと、エイト達は俺達の周囲に 聖水をまき散らしてから急ぎ足で先に進んだらしい。オレが気付いた時には、彼女と2人きりだった。 おいしいシチュエーションなんだが、身体が言うことをきかない。…死ななかっただけマシか。 うつむいたまま微動だにしない彼女の顔は、見上げる形のオレからも影になってよく見えない。 しかし珍しく静かだな。経験上こういう時は決まって「かっこつけるからこんなことになるのよ!」と 手厳しいお叱りを受けたあと、素直じゃない「…ありがと」が聞けるんだが。 …あ、そういやHP少ないんだった。そんな元気もないんだな、かわいそうに。 そんなことを考えながらぼんやり彼女を見つめていたら、ふいに上げた視線同志がぶつかった。 怒ってるような、悲しんでるような、わずかに眉を寄せて…苦しげに、何かを言いたげにしている… でも、言えないでいる、そんな表情に、不覚にもドキッとする。 ゼシカはなんでも顔に出る。でも、おかしくねぇ?ゼシカがオレに対して言いたいことを 我慢したことなんて、今まで一度たりともなかったと思うんだが。 どうした?そんな顔するなよ、襲っちまうぞ? そう口に出そうとして笑いかけた瞬間、頬に鋭い痛みが走って思わず眉をしかめた。 「…っつ」 痛みのある箇所に手で触れると、縦に走った深い切り傷があるのがわかる。当然血も出ている。たちまち脱力し、 「あーあ…オレの唯一の取り柄が…」 情けない声音をあげると、 「…………バカ」 ゼシカの顔が、少しいつもの勝ち気なものに戻った。 「バカってお前、世界の損失だぜ…あつつ」 「黙って」 ピリ、と傷口に痛みが走り、次にはひんやりと冷えていく感覚が気持ちいい。ゼシカが雪で濡らしたハンカチを オレの頬にあててくれている。もう片方の頬や、まぶた、額と、傷以外の場所も彼女は優しく拭ってくれた。 「……………役得」 「バカ」 ニヤけたオレの一言に、間髪入れない鋭い切り返しが心地いい。それでも白く細い指先は、 なすがままのオレの頬をゆっくりとすべる。…まるで慈しむように。 残り少ない力が身体の奥から徐々に抜けていくのがわかる。 …なんだろう。すごい気持ちいい。 「……………あーー…。………なんか、このまま、死にそう」 目を閉じたまま呟くと、彼女がピクリと反応するのを感じた。 怒るかな。「女々しいこと言わないでよ!」「情けないわね!あんたそれでも男なの!?」ってね。 しばらく待ったけど返答がなかったから、オレはボソボソと続ける。 「……別にいいかな………なんか今、最高にいい気分だし」 死の際ってのはこんなもんなのかな。 「まったく…ロクでもない人生だったし。………ホント、最悪なことばっかで………… オレなんか、まともに、死ねるのか…なんて、思ってたけど」 頬にある小さな手を片手でそっと掴むと、顔だけを横に向けてまぶたを開き彼女を見上げた。 「…………こんな風に、愛しいハニーに看取られて……愛しいハニーのために死ねるなら、悪くねぇかな」 ”君のために” それは無意識に出た言葉で。 どうしようもなく迂闊だった。 「…………………………本気で言ってるの?」 聞いたこともないような強張った声音に、ハッとして目を見開いた。 蒼白とも言える顔でオレを凝視している彼女の瞳を見つめていると、いきなりボロリとこぼれ出る透明なしずく。 「!」 オレは言葉もなく無理矢理ガバッと上半身を起こし、すぐにその涙を拭おうとしたがなぜかできなかった。 行き場をなくした手がどうしようもなく宙を泳ぎ、結局彼女の肩におそるおそる置かれる。 嘘だろ、なんだよ、オイなんで?てっきり怒って怒鳴られるか一発殴られるかと思ってたのに、 ちょっと待てよオイ、意味がわかんねぇ。どうしたらいいんだどうしたら。ゼシカ、ゼシカ泣くな。 焦りだけが空回りするオレを瞳の中に映さず、ただハラハラと流れ落ちる涙にも気付いてすらいないように、 ゼシカはぼう然とした表情でかすれた声を出した。 「…………やめてよ」 その目は何かちがうものを見ている。 「……死ぬ…なんて、簡単に、言わないでよ」 細い肩が、震えた。 「わたしのためにとか」 「わたしのせいで」 「わたしのせいでこれいじょう」 ふいにゼシカの表情が崩れた。引き歪んだ瞳からは今度こそ止めどなく大粒の涙が溢れ出る。 「わたしのせいでまただれかが死ぬなんて…ッッ」 こらえていたものが堰を切って放たれたように、ゼシカは声を出して泣き始めた。 オレは肩に置いた手を背中に回し、ようやく彼女をそっと、そして次第に力をこめて抱きしめた。 今になってようやく気付いた自分のニブさに怒りがわく。 ゼシカが脅えているものの正体。彼女の心から未だ拭えない恐怖。 呪われた杖、操られ、多くの人達を傷つけた自分自身を許せない思い。守れなかった命。罪の意識… 平気なフリをしていても、彼女の心の傷は決して癒されていなかったんだ。 彼女が誰かにつけてしまった傷は、その何倍もの痛みをもって彼女自身に返っていた。 オレがとったただの条件反射も、惰性で紡いだ何気ない一言も、同じように今の彼女を傷つけていた。 オレが彼女をかばって目の前で傷を受けた瞬間、どれほどの恐怖を感じたことだろう。 耳元で聞こえる嗚咽に、その大きさを痛いほど感じて胸がしめつけられる。抱く腕にさらに力をこめる。 「……………ごめん」 はじめて見たゼシカの涙。 それはオレに強い後悔と、新たな決意を与えた。 * 彼女の涙が少しおさまり、お互い身体を離してから。 「…でも、オレはお前を守るのはやめねぇよ」 「……それで2人してこんな状況になってたら世話ないじゃない。かっこつけるからこんなことになるのよ」 「ははっ まったくもって」 涙に濡れた真っ赤な瞳で、それでもきっぱり言い切るゼシカがなんともかわいい。 「………だから、強くなるよ。ゼシカを守ってもケガ1つしないように。 ゼシカがオレに、安心して守られることができるように」 「そんなの頼んでないわ」 「オイオイ」 「ただ守られてるなんてごめんよ。私だって強くなるわ。………もう、誰も傷つけたりしないように。 ククールを、今度は私が守れるくらいに」 「え、それはちょっと…。騎士及び色男としてどうかなぁと…」 「いいのよ。あなたは背中を貸してくれれば、それでじゅうぶん」 上目遣いの少しいたずら気なほほえみに、毒気が抜かれた思いがして、不覚にも言葉が返せなかった。 もう、平気。その目はオレにそう告げていて、やられた、と思うと同時に安心する。 ゼシカは視線を自分の手許に落とし、しばらくしてから戸惑いがちに顔を上げた。 「…………ねぇククール。………最悪の人生でも最高の人生でも、みんな必ずいつか死ぬのよ。でも、 だからこそ、私がそばにいる間は絶対にククールを死なせないわ。私はあなたに…死んでほしくないから」 「……………マジで?」 思わぬ言葉にあっけに取られて聞き返すと、真っ赤になった顔で悔しそうに目線をそらし、 「ククールはあの時敵に襲われたのが私じゃなくても、かばったでしょう? あなたの取り柄は顔だけなんかじゃないわ。私はそれを知ってるもの。…私だけじゃないけど」 そうかなぁ、ゼシカじゃなかったら反応が2秒くらいは遅れてたんじゃないかなぁ、と考えながらも、 一生懸命こんなオレを諭そうとしてくれる彼女の不器用な優しさが嬉しくて、素直にありがとうと告げた。 もう一度抱きしめたい。そういやさっきはけっこ長い間抱き合ってたな。まぁあれは特殊イベントだった ってことであきらめよう。今同じことをすればMPが足りないから燃やされることはないが、確実に殴られる。 「ありがとう、ゼシカ」 もう一度ゆっくりとそう言うと、彼女もさっきのことを思い出したのか再び顔を赤らめながら、思い切り 顔を下に向けた。そして、 「………………………私も、ありがと」 聞き取れないくらいの小さな声でそう言った。 *
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/49.html
ククゼシスレ1 ククゼシスレ2 ククゼシスレ3 ◇ククゼシスレ3◇ 日焼けネタ 夏祭り妄想 リレーSS? スレ順が… ◇ククゼシスレ4◇ 並び順談義 ククゼシ障害話 料理ネタ ◇ククゼシスレ5◇ 寝言 ◇ククゼシスレ6◇ 相性考察 いたスト話から発展 ホワイトデー妄想 自分だけが萌えたシーン どちらが支えるか ククゼシ二人旅 相性考察2 アイスダンスとか似合いそう 夏祭り 二人に子供がいたら やきもち談義 二人の装備について サーベルト兄さんの面影 ◇ククゼシスレ7◇ ククールの抱き枕 身長差 ククゼシを部屋に押し込めたい ゼシカの胸が縮みました 女の涙は武器 ククゼシがくっつく時 寝惚けゼシカさん 誰かが病気になったら ゼシカのうしろのククール プロポーズ 身長差2 夏 ククが夏の暑さにやられたら EDらぶらぶ妄想 ライバル撲滅 ククールのお仕置き キス ふともも肩車 髪を結う ◇ククゼシスレ8◇ カリスマとお色気 バカッップルのちぱふぱふ、そしてインターネッツ ハロウィン 湯上りゼシカ 室内ルーラ ナチュラルにセクハラ 乳触り魔 仲間達公認 ◇ククゼシスレ9◇ ◇ククゼシスレ10◇ 両思いを自覚した二人を妄想
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/71.html
『Honey for My Honey』 「オレは僧侶じゃなかったのか?聖堂騎士団員ククール?」 ベッドサイドに腰掛け、聞こえないくらいの声でククールは自嘲の言葉を吐く。 目の前のベッドにはゼシカが横たわっていた。 暗黒神が封じられた杖の呪縛から、ゼシカの命を失うことなく解放できたことは幸いだった。 それは分かっているつもりだ。ドルマゲスの時は殺すことでしかそれが叶わなかったのだから。 しかし、心身共にやつれ果て眠り続けるゼシカを見ていると、自分にもっと何かできたのではないか?とククールは思わずにはいられなかった。 ハワード邸の庭で杖に呪われたゼシカと相対した時、ククールは後悔した。 僧侶が修行を積んで身に付ける技能には様々なものがある。 蘇生術や毒の治療術が代表的なもので、これらは教会を訪れる旅人に神父が施すものでもある。 しかしその中に、ククールには扱えない術があった。 それは、呪われた装備の解呪をする術。 もっと真面目に修行をしていれば、あるいは修得できていたかもしれない。 ゼシカと戦わずして、その手から杖を離させる事ができたかもしれなかったのに…。 「サボっていた事を今更後悔しても仕方ないよな。今のオレに出来ることは、このくらいか…」 フッ、と苦笑してそう呟き、ククールは腰に下げていた剣を外して背後に放り投げた。 剣を持っていては自分自身に感じられることが少ない痛みを、この手で受け止めよう。 これからゼシカに与えてしまうであろう苦痛を、せめて共有したい…。 そんなククールを見てエイトとヤンガスは驚きの表情を見せたが、その一瞬後には二人ともククールの意図を悟ったようで、それぞれ背負う武器を同じように背後に投げ捨てた。 三人は互いを見合い、無言で頷く。 そうして、今に至った。 「…いい奴らだよな」 ククールは手袋越しに、戦いの余韻が残る拳をさすった。 ゼシカは相変わらず眠り続けている。 その肌には血の気が無く、燃えるような緋の髪からも、さくらんぼのような唇からも、いつもの艶は失われていた。 あまりに痛々しいその姿を見て、ククールは眉をひそめる。 ただ見守っているだけだなんて耐えられない。 何でもいい。今の自分に何か出来る事はないのか? 「おとぎ話だったら、眠り姫はナイトのキスでお目覚めになるんだけどな」 呟きながらククールは、やや乱れていたゼシカの毛布を整えた。 (…そういや、最近誰ともキスしてないよな) いつからだ?と記憶を手繰るまでもない。そう、この旅に出てからだ。 町で女の子に色目使おうものなら、間髪を入れずに風紀係殿から容赦のない罵倒が浴びせられるのだ。 「何してるの!?物見遊山でここに来てるわけじゃないのよ!」 と。 いつもそれで調子を狂わされてしまっていた。 修道院を抜け出し、ドニの町で気ままに遊んでいた時は挨拶代わりという程だったのに。 「やあ、今日もキレイだね」 と言いながらバニーの頬に軽くキス。 「ありがと。今日も楽しんでいってね」 と腕を回してククールを座席に誘うバニー。 「いつデートに誘われてもいいように、私には元気のもとがあるのよ」 うふふと笑いながらバニーがそう言っていたのを、ふと思い出した。 (…元気のもと……) 「休める時に休んどいた方がいいでげすよ」 看病の交代に来たヤンガスにそう言われたが、ククールの耳にその言葉は入らなかった。 「すぐ戻るから。その後で休ませてもらうさ」 ククールはルーラを唱えてドニの町に降り立ち、脇目もふらずに酒場に入った。 「もうもうもう!来るなら来るって言ってよ!今日、お化粧手抜きなんだからっ!」 一階で客の相手をしていたバニーに目ざとく見つけられ、問答無用でカウンターに連行される。 こういった歯に衣着せぬ物言いや接され方がククールには心地よかった。 「プロなら手抜きはいけないんじゃないのかい?」 「もぉ~。ククールは特別なのよ!」 「またまた、嬉しい事言ってくれるじゃないの」 ククールはそんな軽口を叩きながら、出された酒を口にした。 飲みたい気分ではなかったが、ここに来て飲まないわけにもいかない。 ましてや、これから頼み事をするのだから。 そんな状態でひとしきりバニーの質問攻めに応じ、ククールはようやく切り出した。 「あのさ。前話してくれた元気のもとのハチミツを分けてもらえないかな?」 「え?ククールってばお肌の曲り角なの?」 飲んでいた酒が気管に入り悶絶してしまった。 「ちっ…ちが…オレじゃ…な、…ぃ」 「ごめん、だいじょぶ?」 「…な…なんとか」 「でもククールも顔色あんまり良くないよ?疲れてるんじゃない?」 「オレはいいんだ。仲間が…ちょっと…」 ククールはまだ呼吸が苦しいようで、ところどころ言葉が途切れる。 「…で、分けてもらえるかな?今ここでオレに出来る事なら何でもするからさ」 咳き込むククールの背中をさすりながら顔を覗き込んだバニーは、しばし絶句した。 その語気とは裏腹に、瞳の光があまりに切実だったのだ。 「いいわよ。他ならぬククールの頼みだものね」 「ありがとう。恩に着るよ」 ふう、と、ククールは息をついた。バニーはその顔を再び覗き込む。 「ねぇ。ククールの頼みを聞いたんだから、今度は私のお願い聞いてくれる?」 「あ…ああ。給仕でも皿洗いでも、何でもするよ」 真面目な顔でそう答えるククールに、バニーは噴き出した。 「準備ができるまでの間、そこで飲んでてくれればいいわ。売り上げに貢献してちょうだい」 ククールが待たされたのは時間にして30分くらいだっただろうか。 バニーはカウンターの中のかまどを一か所占領して小さな瓶を煮沸消毒し、そこにハチミツを移し替えてククールに渡してくれた。 「ありがとう」 「今日はもう行っちゃうのね」 「ああ。また来るよ」 「またね。約束よ」 それじゃ、と手を振り、ククールは酒場を後にした。その直後。 ドゴーン!!と、外で派手な衝突音が鳴り響いた。 「なっ…ククール!!?」 慌ててバニーが外に飛び出すと、ククールの姿は既にそこには無かった。 「ふぉっふぉっふぉっ」 テラスを指定席にしている常連客の老人は笑いながらバニーに言った。 「あれはあれなりに苦労してるようじゃの。ま、結構なことじゃわい」 ルーラでリブルアーチに戻ったククールは、着地をも失敗してエイトに激突してしまった。 何でそこにいやがるんだよ…と思ったが、馬車の様子をこまめにエイトが見に来るのは、ククールがこの一行に加わる前からのエイトの日課なので仕方が無い。 後頭部やら肘やら膝やら、とにかく身体のあちこちが痛かったが、そんなことはどうでもいい。 エイトの肩を借り、急いで宿屋に向かう。階段の多さと宿屋の位置にククールは苛立った。 一刻も早くゼシカの所に行きたいというのに…。 ようやく宿屋に辿り着くと、ヤンガスに出迎えられた。 ゼシカはベッドに起き上がっており、見ると少し食事を取れたようだった。 着地失敗をエイトが暴露して笑い者にされてしまったが、まぁいいか、とククールは思った。何よりゼシカの笑顔が見られたのだから。 失敗談が一息ついたところでエイトとヤンガスにはご退場願って、ククールはゼシカのベッドサイドに座った。 「お酒くさっ!」 全く、一言目からこのお姫様は容赦がない。 が、これがゼシカらしさでもあるので、ククールは安心した。 「参ったな。そんなに匂うか?」 事の成り行きで酒を口にはしたが、大した量は飲んでいない。 もしや、咳き込んだ時にでも服に付いたのか? 試しに袖口やケープの匂いを嗅いでみたが、よく分からない。 「ばっかじゃないの?飲んだ本人には分からないわよ」 そういうものなのか、と、感心している場合ではなかった。 …ヤバい。 これは、明らかに腹を立てている状態だ。 ゼシカが冷めたスープの皿を抱えたままだったので、ククールはとりあえずそれを片付けた。 酒くさい事だけで咎められるのなら、それは筋違いだ。 酒を飲む事こそがハチミツを分けてもらう為の交換条件だったのだから、やましい事ではないはずだ。 「ドニの町へ行ってきたんだ」 そう言いながらククールは、今度は奥のベッドに腰掛ける。 「知ってる。ヤンガスが教えてくれたわ」 ヤンガスの奴、余計な事を…。 とククールは思ったが、続くゼシカの言葉で全てを理解した。 「バニーさんたちは元気だった?」 これは、嫉妬だ。 途端にククールの悪戯心に火がついた。 「ああ、元気だったぜ。その元気を分けてもらいに行ってきたんだ」 「はぁ?」 嘘は言っていない。 いや、それどころかこの上無く正直に状況を説明しているのだが、慎重に言葉を選んだ成果で誤解に拍車がかかったようだ。 「おかげでこんなに飲まされちまった。まったく、酒酔いルーラなんてやるもんじゃないな」 これも本当の事だ。 ゼシカはしばし呆然とした後にため息をつく。 「ふーん、良かったじゃない。元気を分けてもらえて」 そう言ってそっぽを向いてしまった。 (…さてと。悪戯はこのくらいにして、そろそろ本題に入らなきゃな) 見られていないことを幸いとばかりにニヤついていたククールは、ゼシカに気付かれないようにそっと深呼吸をした。 素早く気持ちを切り替える。 「あのさ。目、つぶっててくれないか」 「なっ…なんでよ?」 向き直ったゼシカは、いつになく真面目なククールの表情を見て動揺を隠せない様子だった。 普段の気力が発揮できないせいもあっただろうが、何しろ目の前の男…ドニの町でその名を轟かせていたククールの表情作りは半端なものではない。 この顔で女もギャンブラーも、数えきれないほど翻弄してきたのだ。 戸惑うゼシカの様子を見てククールは内心ほくそ笑む。 しかしその表情はもちろん、髪の一筋すら乱れることは無かった。 「秘密。すぐ分かるけどな」 ゼシカは思いのほか素直にククールの要求に応じ、その瞳を閉じた。 ククールは手袋を両手とも外し、腰掛けていたベッドに置いた。 ポケットから小瓶を取り出し一瞬悩んだ後、左手の中指でハチミツをすくう。 自分の側に向き直らせようとゼシカの顎に指をかけたククールは、その肌の予想以上の冷たさに驚いてしまった。 肌は未だ青白く、指先には微かな震えが伝わってくる。 「なっ…なにす…」 「動かないで、そのまま」 ゼシカの唇を人さし指で制し、ククールは暫しの間ゼシカの姿を見つめた。 自分よりはるかに華奢なその身体で暗黒神の強大な力を耐え切ったゼシカ。 彼女の兄は七賢者の末裔で、封印を継ぐ者であったがために殺されたのだと言っていた。 その兄と同じ血を持つゼシカもまた紛れもない賢者の末裔なのだ。 賢者の末裔…。 その存在の何と大きい事だろうか。 『ゼシカ。これからオレは片時も離れず 君を守るよ。君だけを守る騎士になる。』 出会いの時に言ったこの言葉。 あの頃は誰にでも言えた言葉だった。 それがいつの間にか、ゼシカにしか言えない言葉になっていた。 この言葉がこんなに重くなるとは、夢にも思わなかった。 まさか賢者の末裔の騎士を志願したことになっていようとは…。 ククールは左手の中指でゼシカの唇にハチミツをそっと撫で付けた。 強くなろう。 この言葉に負けないように。 ゼシカを二度とこんな目に遭わせないように。 この先ゼシカがその内に秘めた才能を存分に発揮できるように。 そして、二度と後悔をしないように…。 役目を終えた中指をククールは軽く口に含み、静かに目を伏せる。 …今は、これでいい。 そしていつの日か、この旅の目的を果たした後。 その時には全ての想いを込めて、ゼシカの唇にキスを贈ろう。 ククールはその想いを胸の内にしまい込み、ゼシカに呼びかけた。 「もういいぜ」 ~ 終 ~
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/337.html
143名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/16(日) 22 39 51 ID aO42PM+x0 初キスとかデートとか、絶対こいつらに監視されてるよねククゼシw 「ククールとゼシカが そろって泉にでかけたようじゃ たまには気をきかせて わしらは陰からこっそり 様子をうかがうとするかの」 「…って毎回毎回付いてきてんのバレバレなんだよッッ!!!!!!!」 いい加減キレるククさん 144名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/16(日) 23 08 17 ID j0Zh17Hg0 もちろん初×××までな。w 145名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/16(日) 23 09 12 ID Xiza1ZNI0 仲間達の視線があろうと構わんいちゃつこうぜとするククに対し、 ゼシカは「みんなに見られてるのにそんな気分になれないわよ!」と拒否し、 それが積もりに積もってとうとうキレるクク…というのが間にエピソードにありそうだw 146名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/17(月) 02 41 15 ID RmHzF+QB0 144 さすがにそれの監視は……w もうこうなったらククゼシは何が何でも監視の目を掻い潜って 完全2人きりになれる時間と場所を確保しないとな 147名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/17(月) 21 07 16 ID 2CqPk8fd0 煉獄島脱出時のククゼシエスコートシーンって今思えば 主人公とヤンガスがニヤニヤしながら二人を観察していたのかもしれない 148名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/17(月) 22 24 44 ID aOflzWuQ0 それでもおいしいけど、あの終盤だとむしろ「この瀬戸際でまたイチャこいてるでげす…」「空気読めよ」 というあきらめツッコミの方が正しい気もする ていうかさ、個人的にあのシーン何が萌えるって、ククが「両手を」とってることなんだよね 片手だけなら女性に対する礼儀としてスマートにポーズとっただけ、ともとれるけど、 ゼシカが落ちたりバランス崩さないようにものすごい大切そうに手ぇ取ってるんだよアレ 何十回も巻き戻してコマ送りまでした私が言うんだから間違いない 149名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/17(月) 23 19 45 ID iPLXY4jY0 ウィキに煉獄島脱出時のキャプあった ttp //www20.atwiki.jp/kkjs/pages/258.html もうこれは完璧できているでしょ 扱いがただの仲間に対するものじゃないw どう見てもゼシカ、ククの女状態じゃんwww …と、フィルター全開の自分が言ってみる 151名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/18(火) 02 01 13 ID Zd1aG40F0 主人公とヤンガスがさっさとそのまま籠から飛び降りたのに対し、 ククールのエスコートでゼシカが降りるシーンだけゆっくりやっていたもんなw 煉獄島脱出の際は既に仲間公認カップルだったという訳か 152名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/18(火) 22 14 40 ID 7Sfcm2hf0これ序盤だったら 「ほら、手を貸して。俺が受け止めてやるよ、ハニー」 「けっこうよ!これくらい一人で降りれますーっ」となったんだろうな。 終盤の二人はククが「ほら」と一言発して手を伸ばしただけで ゼシカも素直に手を重ね、なんかいい雰囲気で 見つめ合っちゃったりしているんだろうな。 それでいてまだ恋人未満というおいしすぎる関係。 153名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/18(火) 22 15 31 ID K/AjnAeI0 ほんとアレいらないシーンだよね。いやーいい意味でね しかし何回見たって、ゼシカが飛び降りられないほどの高さじゃ全然ないよなぁ あんなのポルマルでもぴょんっと降りられるじゃないのさ。何やってんだかこいつらときたら ククが両手を取った瞬間にバランス崩してククの胸に飛び込む形になったゼシカを 「おっと」とか言いながら当たり前のように受け止めて抱っこしながら地面に降ろして 2人ともなにごともなく主ヤンのところに走るんだろうな! 154名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/18(火) 23 53 52 ID af7RGCH/0 153 下3行いいねーw 気がつくといちゃついている(ようにしか見えない)二人。 だけど仲いいねーとかつっこむと全力で否定。 だけど次の瞬間にはやっぱりいちゃついている。 「もうヤダ、この二人…」と呟く主人公 155名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/19(水) 01 18 59 ID AJTTL71X0 いちゃついている自覚が二人には全くなかったりするといい 156名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/19(水) 14 02 32 ID T7qe72yw0「きゃっ…」滑るゼシカ。 「おっと。大丈夫か、ゼシカ?」すかさず抱きとめるククール。 「うん、ククールが支えてくれたから…。ありがとう、ククール」 「当然だろ。俺はゼシカだけを守る騎士なんだから」微笑むククに 「もう、またそんな事言って。色んな女の子に言ってるくせに」ちょっと唇を尖らすゼシカ。 「ゼシカにしか言ってないよ」 「嘘」 「嘘じゃねーよ。俺はゼシカだけを……」魅惑の眼差しで見つめ 「ククール…」うっとりした表情で見つめ返すゼシカ。 そのまま見つめあい、手を握り合たままの二人…を 「二人ともーーー(い・い・加・減にしないと)置いていくよーー?」大きな声で呼ぶ主人公。 157名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/19(水) 22 51 55 ID JqGx56hm0 バカップルスキル91のククゼシだな 他のスキルと違ってククが浮気を疑われるような行動に出たり 仲が拗れたりするとスキルがちょっと下がるからご用心 158名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/19(水) 23 52 34 ID rkkx1peh0 わざとこじれさせてもよかですか わざとケンカさせてもよかですか ククを暴走させてもよかですか ゼシカに意地を張らせてもよかですか ククに女の子にちょっかいかけさせてもよかですか ゼシカにお色気ふりまかせてもよかですか ……………ふぅ 159名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/11/20(木) 00 04 07 ID cgT0OoRT0 158 よかとです、よかとです。どんどんやっちゃってください ゼシカをククールのバカー!と涙目で怒らせちゃってくださいとです
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/101.html
694 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/18(月) 22 59 14 ID UwX2g+Sf とりあえず、浴衣姿の2人に萌えてみる(;´Д`) 697 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/19(火) 19 08 33 ID cW6NocnO 694 ククの髪型だと浴衣似合いそうだよね。 色が問題だがw 698 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/19(火) 19 36 12 ID d1NabsYJ やっぱ赤の浴衣でWw ゼシカは白か赤の浴衣が似合いそうだなぁ 699 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/19(火) 22 40 20 ID 7MQvZCDe 白地に朱の和金と藍の波紋でヨロシコ ククは射撃や金魚掬いが神憑り的にうまいに一票 ゼシカは悪魔的にヘタクソに一票 銃をもたせりゃ暴発 網をもたせりゃ焼き魚 701 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/20(水) 00 12 44 ID QQWG03Hr 699 射撃上手いのは本当にありえるんじゃないかな。 左利きの人って空間認識能力が優れてるって聞いた事があるので となると的狙いモノは上手いはず。 で、「ヘッタクソだな~、どれ俺が代わってやるよ」と言われて 「きーっ!何よ馬鹿にしないでよ!ちゃんと上手くやれるもん!」と意地を張るゼシカたん。 「素直に言う事聞いとけよ。…ほら、あれが欲しいんだろ?」彼が指差す先には何かアクセサリーとか。 なんてね…(;´∀`)ヘヘ 702 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/20(水) 02 15 16 ID nAk+UMCZ 萌え。ハァハァ アクセサリーよりぬいぐるみとかのが意外に子供っぽくて(ry 703 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/20(水) 06 29 45 ID oTzNq5fh 可愛い飾りの付いた髪ゴムしとめて、 「ほら、じっとしてろよ」 と小器用にゼシカの髪をいじるの希望 705 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/20(水) 07 27 11 ID /fJ998r+ 702 あ、それイイ(・∀・)! それとか女性用のきわどい衣装とか水着が景品にあったりして。 ゲームは、的当てでも糸を一本選んで引っぱるやつ(何て言うんだ?)でも何でも可。 彼にしては珍しくムキになって「(…っくそー!あれを取るぞー!!)」 その様子を見て何を狙ってるか見当が付き、ゼシカ一言「…あんたねぇ……(呆)」 706 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/20(水) 12 45 21 ID 2kZ/jmrw 705 ムキになるククと呆れるゼシカ、イイ(・∀・)!!! 射的だと弓の心得のあるククは多分サクサクやっちゃうだろうから 純粋に運だけで決まる糸引きくじゲーム(漏れも正式名称シラネ)の方がいいなー。 駄菓子屋だと糸の先に飴がついてるよね。あれも燃える。 707 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 00 46 35 ID WeVr9OKo ゼシカが不器用ちゃんみたいな扱いが気になる。 ゲーム内では不器用とか、そういう風な説明はなかったような希ガス カタヌキとか得意なんじゃないかな。カタの急所を短剣スキルで狙い撃ちとか。 それで失敗したカタを食べるククールの隣で得意げにかたぬきをやってほしいなあ ヨーヨーが割れて水がかかった裾から足チラリしたり屈んだうなじにドキリするククゼシ それか金魚すくいに夢中になって袖をぬらして欲しい(以下妄想) 「あーあ。ククール袖が水に付いてるわよ」 「何?…ちっ、しょうがねぇな」 「うふふ、金魚に夢中になりすぎよ」 「そういうゼシカだって袖落ちてるじゃねえか」 「えっ嘘ぉ!あ~んおろしたばっかりだったのに…」 「今のでどれ狙ってたのか判らなくなったぜ、しょうがないあいつを狙おう」 「赤い出目金?難しいんじゃない、大丈夫?」 「ゼシカに似てるから大丈夫だよ」 「なっ、どういう意味よソレ!」 夏祭りはイイ! 709 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 01 24 34 ID YHNsCVNc 707 まぁキャラ観とかは個人の解釈なんだからさ。 「ゲームじゃそんな描写なかったぞ」みたいに言われても… そう言ったらどんな妄想もできなくなってしまう。 各自色々な見方があって、それから「ゼシカはぶきっちょタイプかな?」と想像を広げる人がいる訳で それを真っ向否定みたいにされるのってちょいと悲しいものがある。 「個人的にはそれとは逆でこう思っている」ぐらいに言ってみてはどうかな? でも、言われてみれば確かにそういう逆パターンもいいよね。 特に最後から4行目あたりから最後行、最高!思わずクスリと来ますた(´∀`) 710 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 01 48 00 ID jx10QYHF 正直、どちらのパターンでも萌えるぜ 711 707[sage]2005/07/21(木) 03 12 06 ID WeVr9OKo 709 読み返すと喧嘩売ってるような文だった;;テラゴメス ゼシカは運のよさ高そうだから、チョコバナナとか3本あたったりするんだろうな。 それで1本をククにあげたりするんだろうな。 もう1本ををポルクにあげたらそこにマルクがやってきて、仕方がないから自分の分をあげたりするんだろうな。 そんで最終的にはククと間接キスなんだろうな。 712 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 04 40 31 ID lpftEZnZ やばっ!チョコバナナ萌えっ!ハァハァ 713 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 06 01 08 ID Kz6CAToz 小器用なゼシカか 金魚すくいに射的に輪投げにヨーヨー釣りに… ああ、ギャーギャー言いながらククールとケンカ勝負してる姿しか想像できん(笑) 714 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 11 41 10 ID Oh2mhrHY 自分は4コマでなんか植え付けられた<不器用ゼシカ 錬金窯がうまくいかない奴 715 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 11 49 54 ID Oh2mhrHY あと回復魔法を覚えないところとか 最初人の話を聞かずに問答無用で攻撃してきたり、謝らずにパーティ加入するところとか 表面的にはガサツというか直球勝負というか融通がきかないというか 回りくどいことや細かいことは無視というか だ が そ こ が い い 。 716 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 12 00 48 ID jx10QYHF 見た目が可愛いだけにね~ 717 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/07/21(木) 12 11 04 ID GhHrjvKb 自分は、ゼシカはお嬢様だからククの方が器用に何でもこなせて・・・ みたいな感じに考えてる。 ゼシカが不器用ってんじゃなくて(及第点は出る器用さ)、ククが 異様に器用で、それを見てゼシカがむきー!って感じね。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/410.html
「ゼシカの事好きなんでしょ?」 「好きじゃない」 「いやいやどう見てもゼシカの事好きだよね?」 「好きじゃないって」 「えー、またまたあ。ゼシカの事好きなくせにぃ」 「好きじゃ好きじゃねーから」 「嘘だー。本当はゼシカの事好きじゃないんでしょ」 「しつけえ!だから好きだって言ってるだろうが!!!!! …………ん?」 誘導尋問
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/90.html
北海を望む美しきトロデーンへ続く階段道を上りながら、ゼシカはうんと伸びをした。 「気持ちいいわね!」 二歩遅れてゆっくり上っていたククールは、その仕草に笑む。 「はしゃぎすぎて足踏み外すなよ?」 ゼシカはむぅっとふくれた。 「なにそれ、失礼ね。久しぶりのトロデーンだっていうのに、そんなことしか言えないわけ?」 返されて、ククールはクックッと意地悪く笑った。 「もうっ」 「…いやごめん。俺、今ハニーしか見えてねーから」 冗談めかして巫山戯ると、ゼシカがジト目になり、少し頬を紅潮させて「………バカ」と呟く。 ぷいと向こうを向いてしまった。 しかたがないので、ククールは肩をすくめるとまっとうな話に流れを向ける。 「ほんと久しぶりだな。あいつも姫様と結婚してしばらく立つがどうしてんのかね? ったく、忙しいには違いないだろうが、友達がいのないやつだぜ。 こっちがわざわざ出向いてやらねーと、顔も会わせられない」 「それは、ククールが悪いんじゃない。いっつもふらふらしちゃってさ。 一体どこで何してるんだか。 おかげで、連絡取るのも一苦労だって彼困ってたわよ?」 「そりゃ悪かったな」 今度は彼がむくれる番だった。 ゼシカはそれで気分が良くなり、階段を上っていた足を止めて、くるりと振り向く。 「ねえ? この階段を初めて上った時のこと、覚えてる?」 「あ?」 唐突な話題に、ククールは間抜けな声を上げた。 「だから、古代船の手がかりを求めてこの城を目指したじゃない」 「…ああ」 彼はとたんに不機嫌なコトを思い出したのだろう。 たしかに、あの時トロデーン城は呪われていて、冗談ではすまされない凶悪なモンスターが徘徊していた。 しかも、あの頃の自分達はまだとても弱くて、そのうろつくモンスターの群れに不意打ちをくらい、あわや全滅しかけたのだ。 「ククールがいなきゃ、あたしここにいなかったかも」 そう、懐かしげにしみじみとした表情で思い出を語るゼシカとは対照的に、ククールはますます不機嫌な記憶を思い出していた。 本当に、死んでしまうかと思ったのだ。 目の前でどんどん体温が奪われていくゼシカと、覚えたてで使い慣れず、何度も失敗し続ける己のザオラル。 「それで?」 嫌な気分がダイレクトに伝わる低い彼の声に、ゼシカはすこし思い出す仕草をする。 「んー。お礼してなかったから、しとこうかな~って」 「お礼?」 ククールは眉を上げると、階段の先に立つ彼女を見上げた。 彼女は聞いてくる。 「覚えてる?」 「何を?」 「ほら、ククール言ったじゃない」 「何か言ったっけ?」 本気で覚えていないらしいククールの様子が、ゼシカはおかしくてくすくす笑った。 「なんだよ?」 覚えていないのも無理はない。 彼はその台詞を、深く意味を持たせずいつも口にするのだ。 -お礼なら、ハニーの熱い口づけを希望するね- ま、たまにはね。 ゼシカはくすくす笑いながら、上った階段をとんとんと下りる。 降りると、彼の顔が丁度、目の前に来た。 ククールの肩にそっと手を添えると、やっと、彼の青い目に理解の色が灯った。 「マジ?」 「思い出した?」 「…ああ」 まだ信じられないという当惑した顔を瞼に、ゼシカは瞳を閉じると。 ククールの腕が彼女の背中と腰を抱き寄せ。 ゼシカはククールに『熱い』口づけをした。