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(疲れた…) 上条は電車の手すりに掴まりながら、眠気と戦っていた。 外はもう暗く、窓には自分のやつれた顔が映っている。 射撃訓練を夕方まで行った後、片付けやシャワーを浴びたりしていると夜になってしまった。 悲鳴を上げる身体を引き摺り、電車に乗ったが風紀委員の試験帰りの生徒たちもいたせいで電車は満員状態。 今はかなり空いているが座席はうまっている。 (本当に不幸ですよ) 電車に乗って以来何度目かわからない溜め息をつく。 そもそも今日は人生で溜め息を一番ついた日かもしれない。 そんなことを考えているうち、電車が駅に止まる。 まだ降りる駅は先なので、ドアの前に立っていた上条は乗降する人の邪魔にならないよう少し横によける。 と、ドアの外に立っている人を見て上条は止まった。 肩までかかる茶髪、髪止め、都市内の人なら誰でも知っているベージュのブレザー。 そして、胸元にハートのアクセサリー。 相手も自分に気がついたようで、微妙ではあるが表情が変わった。 電車のドアが開く。 「こんばんは。とミサカは意外な出会いに心踊らせながら挨拶します」 御坂美琴のクローン。 そしてその10032号、御坂妹は電車に乗りながら言った。 いつもの軍用ゴーグルは手に握られている。 「あまり嬉しそうに見えないんですけど。何してたんだ?こんな時間まで」 注意放送が入りドアが閉まったので、上条はドアに体を預ける。 「それはアナタにも言えることでは?とミサカは…」 御坂妹はそこまで言って上条をじっと見つめる。 途中で言葉を切ったことを含めて不思議に思っていた上条だったが次の御坂妹の行動で凍りついた。 御坂妹は上条に顔を近付けて、傍から見ればキスをするような体勢になっていた。 しかし御坂妹の顔は上条の横を通過し、首元で止まった。 少しホッとする上条。 もちろん今の体勢でも傍から見れば十分怪しいのだが。 「あ…あの~」 「微量ではありますがあなたから硝煙の臭いがします。とミサカはこの理由を考えながら報告します」 「─ッ」 上条は咄嗟に後ずさりした。 が、電車の壁にごつんと頭をぶつける。 「臭いからして学園都市のアンチスキルが使用している銃器である可能性が高いです。とミサカはネットワークを使って手に入れた情報を報告します」 上条から顔を離し、正面から見る御坂妹。 (どんだけ鼻いいんですか、シャワー入ったのにそこまでわかりますか普通!?) 「硝煙の臭いは他の衣服にも移り易いです。 硝煙の着いた服を抜いだ際今の服の所に置きませんでしたか? それだけで臭いは移ってしまうものなのでご注意を。とミサカは的確なアドバイスをしてできる女をアピールします」 シャワールームと更衣室は一体だったため、最低限の肌着だけ取り出し、戦闘服はロッカーに入れてシャワーを浴びた。 その際ロッカーに入れてあった私服に臭いが移ったのだろう。 自分の行動を後悔すると共に再び起こさないようにと心に誓う。 (しかし、だ) この状況をどう打開すべきか。 現に御坂妹はほとんど気付いているだろう 上条はしばらく考えた後、諦めたような溜め息を吐いた。 「御坂妹、ちょっと話がある」 「なんですか?とミサカはベタなゲーム的展開に期待を膨らませます」 「誰にも聞かれたくない、降りる駅は一緒だよな?電車を降りてからでいいな」 「わかりました。とミサカは秘密のお話を聞く準備をします。お口チャック」 御坂妹は人差し指で自分の唇をなぞった。 そんな行動を見て上条が微笑んだところで、アナウンスが駅にもう到着することを告げる。 駅は上条と御坂妹以外誰もいなかった。 駅のホームを歩きながら、上条は自分の今の状況を話す。 御坂妹は無言のまま聞いていた。 最後に 「まぁ、御坂妹には隠しきれないくらい鋭い質問されたから話したけど、他言無用だからな」 御坂妹に話してよかったのかと思った。 だが彼女が疑問を持ったまま 『上条当麻からアンチスキル使用銃器の硝煙の臭いがした』 などと噂を立てられるより、こうして訳を知ってもらって黙っといてもらうほうが善作だと上条は考えた。 「わかりました、これはアナタとミサカだけの秘密事です。とミサカは他の妹達に対し優越感を感じます」 「はぁ?」 「いえ、何でもありません。それより、お姉様はこのことをご存知なのですか?とミサカは無理矢理話題を変えます」 「さっき説明した時にも言ったように、このこと知ってるのはほんの一部だ。御坂が知ってるはずねーだろ」 「そうですか…とミサカは意味深に呟きます」 御坂妹の声色は嬉しそうで、どこか悲しそうな、たしかに意味深な呟きだった。 「こんなことアイツが知ったらすぐに飛び込んできそうだからな… 迷惑掛けたくないし、いくらお姉様の御坂でもお口チャックで───」 「迷惑を掛けないことが… お姉様のためになるとは限りません。とミサカは自分勝手な発言をします」 え、と上条の思考が止まる。 「それってどういう…」 「それではミサカはこちらですので。とミサカは強引に話を切り上げます」 立ち尽くす上条を置いて御坂妹は歩いて行く。 上条は一瞬追いかけようかと考えたが少し言葉の意味を考えることにした、と言うより考えなければならない気がした。 (あの御坂妹があそこまで言う事だもんな…) いろいろな予測が立つが、どれもピンと来ない。 自分の吐く白い息のように、出てきては消える。 (お馬鹿な上条さんにはわかりませんよ) 一際大きな溜め息をつく、大量の白い息が風に流され消える。 と、そこで 「─っくしゅん!」 可愛らしいくしゃみが聞こえた。 御坂妹も、上条と別れてから考え事をしていた。 (ミサカは何がしたいのでしょう…) 歩きながら夜空を見上げる。 (お姉様があの人に好意を持っているのは周知のことです。 そして、ミサカも含め多くの妹達もあの人へ好意を持っています) かじかんだ手を擦り合わせる。 (ミサカはお姉様のクローンです。 仮にあの人がお姉様に好意を持った場合、そっくりなミサカ達にも好意を持つのでしょうか?) もしくは逆の場合も… (いえ…彼ならそんなことはしないでしょう。 仮にそんなことされてもミサカは嬉しくありません) お姉様には負けたくない、それでも、自分とお姉様に感じる壁は何なのだろうか。 (やはり、クローンと人間の壁なのでしょうか?) 幻想御手事件というものがあった、 ネットワークで得た情報によると、高能力者に負い目を感じた低能力者が、能力が上がる装置を使った事件らしい。 その低能力者たちも、今の自分のように何かの壁を感じていたのだろうか。 (…難しく考えるのは止めましょう) 御坂妹は一度立ち止まって溜め息をつく。 (お姉様の幸せは妹達の願いです。 今回はミサカが朴念仁なあの人に少しでもお姉様を意識させるために一役かった、ということにしましょう) はー、と自分の息で手を温めてから御坂妹はまた歩き出した。 「あとは上手くやってくださいツンデレ姫のお姉様。とミサカは皮肉をこめてお姉様を応援します」
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ジャッジマン サポーター illus.Kouki Saitou おたがいのプレイヤーは、それぞれ、手札をすべて山札にもどし、山札を切る。その後、それぞれの山札からカードを4枚引く。 サポーターは、自分の番に1枚だけ使える。使ったら、自分のバトル場の横におき、自分の番の終わりにトラッシュ。 その他の情報 レアリティ:なし おたがいの手札を強制的に交換してしまうという、なかなか厄介な効果を持つサポーター。手札を交換したかったときにも使える。 こういった喧嘩両成敗といったタイプのカードは発動のタイミングを選べる方のプレイヤーが使った方が有利。 HG・SSのバトルタワーには、ジャッジマンと呼ばれる個体値判別マンが出てくるが、そのキャラかどうかは不明。
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このページ要らんわ (2018-08-28 16 40 54) これ例の人本人が否定してたぞ 誰が書いたんや… (2018-08-28 16 48 23) 例の人とは? (2018-08-28 17 52 50) 例の人って誰やねん (2018-08-28 18 49 05) ほんまくだらないわ 一人の意見書くならブログにでも書いとけクソが (2018-08-29 19 10 38) 叩かれてるが9人野良村500戦してきたワイ視点なかなか面白い記事やぞ 確率の数字とかは文系やからわからん (2018-09-02 10 38 06) 2-1進行が運ゲーのクソつまらん作業ゲーやし3-1流行れ (2018-09-02 10 39 00) 3-1流行れば自ずと狂潜伏の2-1真-狼が流行って面白くなるぞ (2018-09-02 10 39 53) 3-1まじで狼勝率高えわ そして今日遂に理想の2-1真-狼盤面作れたで 潜伏狂と相方も有能で3Dで村同士殴り合わせたの快感やったわw (2018-09-10 17 42 38) まあ、3人占いCOなんて長期BBSだったら、即、脳死・三人吊り切りの進行になるんだけどねw (2019-05-26 06 31 41) 所詮確率での話なんだよなぁ… (2020-11-25 19 05 30)
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頑張ります。 SSはよく書きますがこう言った形で書くのは初めてなので 至らぬところが多々あるかと思います 完結させて徐々にうpさせたかったのですが 8割くらい書いたところでHDDが吹っ飛んだため書きながらあげることにしました 遅筆です 完結はさせます 上琴になるつもりです 性的描写入るかもです よろしくお願いします。 12月学園都市 学園都市第七学区に存在する「窓のないビル」 培養液が満たされたビーカーに逆さまに浮かぶのは学園都市統括理事長アレイスター・クロウリー。 「その格好はどうかと思うが…」 彼の眼前にはアロハシャツの上から学生服を羽織る男、土御門元春。 「年中培養機に詰まって衣替えしないアンタには言われたくないぜい」 土御門はサングラス越しにアレイスターを睨む。 「…忙しいんだ、手短にしろ」 「仕事だ、手筈はもう整っている」 土御門は舌打ちをして、顔を歪める。 「またか…お前も懲りない奴だな」 アレイスターが視線で何かを促す。 土御門が視線の先を見ると束ねられた書類が目に入った。 やれやれといった様子で書類を手に取り、それから何も言うことなく去っていった。 一人になったアレイスターは、培養機の中で静かに笑う。 「さて、今回は…どう動いてくれる?」 とある高校の職員室。 この学校の教師である黄泉川愛穂は椅子に腰掛けながら終業のチャイムを待っていた。 今はちょうど6限の途中。他の教師は授業のため全て出払っていたが、自身の授業が無いので、コーヒーを飲みながらぼんやりと考えごとをしていた。 考えているのはここ最近学園都市と騒がせているある事件。 警備員でもある彼女は最近その事件に引っ張りだこだった。 「能力の暴走…か…私にはわからないことじゃんよ」 と、そこへ一通の電話が掛かってくる。 電子音を鳴らす電話へ手を伸ばし受話器を取る。 「はい、こちら…」 学校名を告げようとしたところで止まる。 聞こえてきたのはビープ音、FAXを知らせる音だった。 「ったく…メールですればいい物を、資源の無駄じゃん」 そう言いながら黄泉川は送られてきた書類に目を通す。 送られてきたのはどうやら警備員関連の書類らしく、紙に小さな警備員の紋章がある。 「──え…」 驚きで時が止まった。手に持っていたマグカップを落としそうになる。 何かの見間違いだ、ともう一度ゆっくりと読みなおす。 しばらくして黄泉川は書類を机の上に置き 「ふ…ざけんな」 ガタン。と黄泉川は書類の上から机を力任せに殴った。 終業チャイムと共に伸びをするのは不幸少年こと上条当麻だ。 「ふぁ~~」 伸びをしながら本日これからの予定を考える。 夕飯の買出し、帰宅、夕飯。 (自由の身になってもやる事は変わらないか…) 自由の身…というのも、上条家の居候シスターインデックスは、昨日イギリスへ帰国したためである。 年末に大掃除を行うのはどの国でもお馴染みの習慣らしく、インデックスはイギリス清教内の大掃除の手伝いとやらに駆り出される羽目になった。 人手不足、というのが表向きの理由だが、 結局は彼女の絶対記憶能力が目的なのだろう、とステイルはつまらなさそうに言っていた。 魔術的な意味を持って配置させた物を掃除するために動かした後、それを元に戻す時少しズレが生じただけでもよろしくないのだとか。 そこで役に立つのが彼女の絶対記憶能力。 そして何しろ大きな組織だけあって大掃除にも1ヶ月といった時間が掛かるらしく、 それに合わせてインデックスも回収された。 あまり詳しいことはわからないし、裏の思惑も無いように感じられた上条はインデックスをすんなりと渡すことにした。 『まぁ僕が着いている限り、この子の心配をする必要は無いよ』 空港では何やらステイルが嬉しそうだったのを思い出すと、上条の背中に冷たい物が走った。 そして今日に至る。 終礼までの時間雑誌でも読もうと、今朝購入した雑誌のページを適当に捲ったところで。 「にゃ~カミやん。今日この後どうするんだにゃ~」 ボーっとしていたところを背後から土御門に手を回され、軽いヘッドロック状態となる。 「いっつもカミやんは用事がある言うて帰る割には女の子とドキドキイベント満喫してるみたいやからなー今日は逃がさんでー!」 青髪が手をワキワキしながら迫ってくる。 「そんなわけねーだろ!大体俺だっていつもいつも不幸事に巻き込まれたくて巻き込まれてるんじゃねー!」 「ふーん…だそうですよ土御門サン!」 「そうらしいですにゃー」 ニヤニヤとしている二人を見て嫌な予感しかしない上条。 「あの…一つ聞きますが。なにを根拠にそのような不敵な笑みを浮かべてるんでせうか?」 二人は顔を見合わせた後、視線を下に落とす。 その先には先ほど上条が開いた雑誌がある。問題はその記事だった。 『能力者がまた暴走!一般学生にも負傷者!』 ここ最近噂になっているニュースだ。 ニュース番組をあまり見ない上条に詳しい事はあまりわからないが、どうも能力者の能力が暴走しその周囲の人間に危害を加えているとかいう。 無能力者であり、仮に能力者が近くで暴走しても幻想殺しの宿る右手がある自分にはあまり関係の無いニュースだった。 「にゃーどうせカミやんは暴走した能力者を助けだそうとか思ってるんじゃないのかにゃー?」 「なんやて!?それでその可愛い能力者を救った後、カミやん色に染めていくってわけやな?わかったで!なんて極悪非道なやつや!」 「助けるとして、何でその能力者が可愛い設定なんだよ!」 と、見事な突っ込みを入れたつもりだったが。 「にゃー!とりあえず助けるつもりだったんだにゃー」 違ったように解釈されたらしい。 別の言い訳を考えようとするが暴走した二人は言っても聞かない。 こうなると小姑のごとく、言うこと言うことに突っ込んでくる。 「不幸だー!」 やはり自由の身になっても変わることは何も無かった。 両手をワキワキさせながら迫る青髪を前に上条は初めからロックされたままの土御門の腕の中でジタバタと暴れる。 クラスの連中は連中で 「いつものことだ。平和だー!」 と言わんばかりに遠巻きに見ている。 頼れるはずの吹寄も姫神と会話していて知らないふり。 やはり自分は不幸だ。いつも通りだ。平和だ。 などと諦めかけたところで。 「はーい終礼を始めますよー」 その時上条にとっては、教室へ入ってきた担任、月詠小萌が本当に天使のように思えた。 そしてその天使は上条たち一行を見るなり、少しムっとした顔をして歩いて来る。 よかった。と上条は心の底から思った。 これから自分を含めて小言をグチグチと言われるのはいただけないが、この状況を打開できる唯一の手だった。 しかし、 「上条ちゃーん。さっき黄泉川せんせーが何やら怖い顔で上条ちゃんのこと呼んでましたよー何か悪いことでもしたんですか? せんせーも黄泉川せんせーとは長い付き合いですがあそこまで怖い顔は見たことが無いのです」 え、という上条の反応よりも先にバカ二人が反応する。 「にゃー!なんという、黄泉川先生言うたらあの爆乳美人教師だにゃー!カミやん、今回は一体どこでフラグを立てんだにゃー!」 「ホンマやで!きっちり話してもらおか!」 遂に攻撃体勢に移る二人。 「だー!不幸だー!」 やはり自由になっても何も変わらなかった。 職員室 「だからっ!わけがわからないじゃん!」 放課後の職員室で携帯に向かって怒鳴り声を上げるのは黄泉川愛穂。 電話の相手はさっきFAXを送ってきた彼女も所属する警備員の支部である。 「どう考えてもおかしいじゃん!上条当麻は学生、それがなんで…」 支部のほうからは上の決定としか言われなかった。 黄泉川自身も抗議の電話を入れているが、支部のほうでもその「上」に相当抗議したはずだ。 抗議もしないような腐った支部ではないのは、所属する黄泉川自身が一番わかっている。 わかってはいるが… 「…」 黄泉川は少し黙りこみ、冷静に考える。 「わかった…ただこの件は、私に任せてもらうじゃんよ」 相手の返事も待たず、黄泉川は電話を切った。 溜め息を付き、両手で頭を掻く。 「あ、あのー」 その時後ろから少し怯えたような声が掛かった。 バカ二人から逃げ出した上条は、 職員室で電話に怒鳴り散らす黄泉川愛穂に恐る恐る声を掛けて、 素晴らしい睨みを受けた後、校長室へ連れられた。 (いやいやいや…校長室しつってもうどう考えてもヤバい話しかしないでしょう… 遂に留年…出席日数がやっぱりアウトだったのか!?くそう…不幸だ) きっと豪華であろうソファーに座らされ、目の前にはジャージ教師黄泉川と名前の知らない校長が座っていた。 (あーでもゴリラじゃないだけマシだよなぁ…あのゴリラならひと通り話が終わったら鉄拳喰らわされそうだし) いろいろ考える暇があるのは、黄泉川と校長が何やらヒソヒソと話しているからだ。 それほど自分の留年が急な話だったのだろうかと考えていると。 「上条当麻!」 「はっ…はい」 突然黄泉川に声をかけられ肩を大きく震わせる。 突然黄泉川に声をかけられ肩を大きく震わせる。 と、黄泉川のほうは上条の名前を口に出したきり、何やらうんうんと考え込んでいる。 「あ、あのー」 しびれを切らせた上条から逆に声をかける。 しかし黄泉川は黙り込んだまま。 微妙な空気が流れる校長室。 校長は窓の外を見たままで「今日も部活動が盛んですな」とでも思っていそうだ。 「あー!もう!」 黄泉川が頭をぐしゃぐしゃと掻きながら叫ぶ。 上条は全く以て意味がわからない。 そこまで留年決定者に留年を告げるのが苦な仕事なのだろうか。 「上条当麻!今から言うこと、よく聞くじゃんよ!」 ようやく話が始まるのか、と上条は背筋を今一度伸ばす。 「先に言っておくけど、これは十分拒否可能!少しでも嫌だと思ったら嫌って言うじゃん!わ か っ た ?」 あまりの気迫に上条が小さく「はい」と返事をすると、 バン! と机の上に何やら書類を突き付けられる。 見るのが恐ろしかった上条は突き付けられた瞬間閉じていた目を、恐る恐る開いていく。 と、そこにあったのは。 「任命状…?」 まず目に入ったのは大きく書かれた文字。 それをそのままを口に出す。 理解できず尋ねたつもりだが、黄泉川は腕を組みながら目を閉じている。 訳の分からない上条は、仕方なく読み進める。 「ここ最近学園都市内で多発している能力者暴走事件について以下の者を臨時のアンチスキルとして任命する。上条当麻。え…」 何かの冗談かと思ったが、書類の最後に書いてあった「学園都市警備員総本部」という文字とその判子は本物の証拠だろう。 「近頃騒がせてる事件は知ってんじゃんよ」 黄泉川がようやく口を開いた。 「近頃の…事件?」 「ニュースでよくやってるじゃん。能力者が暴走して周りに危害が及ぶっていう」 「あぁ…そういえば」 さっきの雑誌にも載っていた事件だ。 「確かに現状、アンチスキルでも抑えきれてないじゃん。それで何を血迷ったのか、上はアンタに助けを求めることにしたらしいじゃん」 「俺に…」 ちらりと、上条は自分の右手を見る。 どんな異能も打ち壊す、幻想殺しが宿った右手。 学園都市上層部が指示を出したのはその情報を知っているためだろうか。 「で、どうするじゃん?」 「え…」 あまりに急な話だったので、心の整理がうまくできない。 「悩んでるのか?それならやめるじゃん。アンチスキルは危険な仕事、そもそも学生に押し付けるって考え自体間違ってるじゃん」 「いや、そのー」 きっとこの黄泉川はこの話には猛反対なのだろう、一度ゆっくりと考えてから…とはいかないようだ。 あまり考えることなく、上条は答えを出した。 「やらせてください」 上条の答えに黄泉川は大きく目を見開く。 「なっ!何言ってるじゃん、アンチスキルの仕事は遊びじゃ無いじゃんよ!この事件だって、実際にアンチスキルが何人もやられてる。ウチの隊の奴もだ。アンタに例外なんて無いじゃんよ!」 「わかっています。でも、こうやって…… アンチスキルの上層部から必要とされているのに、断って、そのせいでアンチスキルの人や一般人が傷ついていくのを傍観していくつもりはありません。 やらせてください」 「ッ…!」 黄泉川は上条の胸倉を掴み、その手とは逆の手に力を込め、上条の頬を殴った。 校長が制止しようとするが、睨みで返す。 転がった上条をもう一度持ち上げ、 ギリギリと歯を鳴らしながら上条を睨む。 対する上条も黄泉川から目を逸らさずに、もう一度言った。 「やらせてください」 「─…」 やがて黄泉川はゆっくりと上条を下ろした。 「わかった…でも、アンタの活動は常に私の監視下で行うじゃん」 「…はい!」 「こうなった以上、アンチスキルでの私の命令は絶対じゃん。逆らったらそれで終わり、さっさと抜けてもらうじゃん」 さっきまでの力強さは無く、黄泉川はふらふらとした足取りで校長室を出て行く。 「あの…俺はこれから…」 上条も承諾したものの、これからどうすればいいのかまったく分からない。 と、既に校長室のドアを開けた黄泉川が囁くように言った。 「この後、そのまま支部に行くじゃん。いろいろ手続きもあるじゃんね、帰る準備ができたら駐車場に来ること。あとこのことは他言無用じゃん」 気を抜くと聞き逃してしまいそうなほど小さな声を聞き、それを頭の中で整理することで上条の頭はすでにパンク状態だった。 「返事は!?」 鬼のような形相で睨まれ、上条は固まった。 「はっ…はい!」 ぎこちない返事を上条がすると、黄泉川はまるでリストラを告げられたサラリーマンのように、校長室から出て行った。 上条もさっきから冷や汗ダラダラな校長に軽く会釈をして校長室を出たが、 「にゃー!」 「うぉわ!土御門!」 出て早々に土御門に捕らえられた。 「はっはーカミやん。校長室に呼ばれて、遂に留年決定かにゃー?この時期に伝えられる奴も珍しいぜよ」 「ちげーよ。ただの呼び出しだった」 「その呼び出しで何を言われたんだにゃー?」 「…」 「あれれー?もしかして留年決定じゃなくて留年予備軍だったのかにゃー?」 「そ、そうだよ。とにかく課題貰ったから、この後上条さんは忙しいんです!」 「そうかいそうかい、なら悪いことしたにゃー」 ぱっ、と今まで拘束していた上条を放す土御門。 「じゃ、その課題とやら…がんばるんだにゃー」 「お、おぅ。じゃぁな」 一瞬、あらゆる方向で活動する土御門にはこの件を話そうかと考えたが、後が怖い。 それに土御門ならもしかしたら既に何かを知っていたのかもしれない。 (とにかく…) 廊下を走りながら上条は今一度、右手を見つめる。 (そうだよ…今まで傍観してたなんて俺らしくなかったじゃないか。 俺が無能力者だからって、幻想殺しがあるからって… 俺の周りには御坂や白井、一方通行みたいに能力者がいる… それにクラスの奴が被害を受けないなんて保証もない。 そいつらが暴走した時に止められるのは、そいつらを守れるのは…俺の右手じゃないか) 右手を一度ゆっくりと開いてから、力強く握る。 (やってやるぜ…アンチスキル!) と、熱い決意を胸に教室へ走るが 「廊下を…走るなー!」 「だー!不幸だー!」 早速ゴリラに出鼻を挫かれる臨時警備員、上条当麻だった。 上条が去った校長室前で、土御門は学校では見せない笑みを作っていた。 「ふふん…なるほどにゃー」
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裁きを下す者 直也エンジェルジャッジ 光属性 コスト1 光直也 【ジャッジメントマジック】呪文を発動したとき、カードを1枚ドローできる。 【ジャッジメントマジック】呪文が発動したターン、ターンの終わりまでこの直也のアタックを+1000する。 アタック/2000
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-ジャッジ- 著者 ゴルド氏 時間なんて止まればいい・・・・・ こんなつまらない人生なんて止まればいい・・・・・ -なら死ねば?- お前の応えはいつもそうだった・・。 それに付け加え、いつもこう言ってたな・・・・・ -大丈夫・・死ぬ事は生きる事より簡単だから・・・- それが、お前の口癖でもあった・・。 確かにそりゃぁ妥当な事だよな死ぬ事なんてホンの数秒で終わるし・・・ 何せ人間なんて脆いモノだからよ・・・ -ねぇ、本当に死ぬ気あるの?- ハァ?なんで俺にそう迫るんだ? 他の奴もいるだろうに・・・・・ まぁ・・無理ねぇか・・・・・・ お前は・・・・・・俺に殺されたのだからな・・・ -言いたいことはそれだけ?- あぁ、お前に言うことなんてこれだけだ・・。 -そうかい・・・・・・・・- おい・・・何すんだ!!! ヤメ・・・・・・ グシャ・・・・ -お望みドウリ時間を止めてあげたよ・・・・- 時間は止めることができるもの・・・・・ しかし・・代償として何かを失うものであることを忘れてはいけない・・・・ たとえそれが間違っていようとも・・・・ ・・生きる事は大変 死ぬ事は簡単・・ ジャッジをくだすのもアナタ次第・・・。 -終-
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「1日30分」を続けなさい! 目的 勉強の効率化 継続方法の発見 回答 食事をコントロールする 食べ過ぎない 英会話はフレーズ暗記 具体的なアクション 同上 回答 思いついたアイディアはすぐに活用法を考える 出てきた課題はすぐに解決法を考える 人と会ったらひとつは何かをほめる 月に一度は知らない人とのみに行く 回答 家族協力シート 回答 アロマを体に塗る ピースオブマインド Remedies to roll 質問 英語勉強法 回答 NHKラジオ英会話
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一覧へ戻る sn011.jpg 名前 しっち ニックネーム ジャッジマン ジャンル URL 年齢 22 性別 男 守備位置 ライト 口癖 Comment
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autolinkTOP>【し】>ジャッカー電撃隊 ジャッカー電撃隊 (じゃっかーでんげきたい) 分類5【題名】 ジャンル5【その他・作品・番組】 ジャッカー電撃隊ホームページ http //www.super-sentai.net/sentai/jakqr.html 秘密戦隊ゴレンジャーに続くスーパー戦隊シリーズ第2弾。 エンディングの「いつかは花も咲くだろう」は渋すぎる。 ささき節の王道的な曲だった。 国際科学特捜隊・日本支部に所属する特別サイボーグ部隊。 4つのパワー・サイボーグ。 核のスペードエース、電子のダイヤジャック、重力のクローバーキング、磁力のハートクイーン。 燃える闘志と哀しみが冷たく硬いメカの中でスパークする最後の切札4枚。 しかし真の最後の切札は、宮内洋が熱く演じたビック・ワンだ。 最初の指揮官の黄色い軍服のお髭がりりしいジョーカーは、後半出たビック・ワンのインパクトの強さのせいで印象を薄くされたか完全に忘れさられた存在に…、可哀相だったなあ。 登録日 2004/07/27 【し】一覧 CSS CGI G3 G3-X G3-MILD G4 Gメン75 JFK ジェット風船 ジェフ・ウィリアムス 事件記者チャボ! 次元大介 地獄大使 しこしこ 仕事 地震・雷・火事・オヤジ 実況パワフルプロ野球 69 失敗 ジップアップウエア 死神博士 死のロード 柴田恭兵 シミュレーションゲーム シムシティ 下柳剛 下柳の五島うどんちゃんぽん風 ジャッカー電撃隊 ジャッジメント・タイム シャドーチェイサー じゃりん子チエ 柔よく剛を制す 14番目の標的 16人の容疑者!? 純情 城茂 上新電機 丈夫 ジョージ・アリアス 徐行 ショッカーライダー ジョディ・サンテミリオン 白鳥警部 素人 ジン【じん】 神敬介 伸縮自在サスペンダー 新庄剛志 新必殺からくり人 新必殺仕置人 新必殺仕事人 ■ トップページへ移動 ▲ このページ上段に移動
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英国 聖ジョージ大聖堂 「はぁ…」 煙草を咥え、煙と共にステイルは溜め息をついた。 溜め息の理由は 「おなかすいた…」 「…」 「おなかすいたって言ってるんだよ!」 服の裾をぐいぐいと引っ張るのは、暴食シスターインデックス。 彼女は霊装を運ぶステイルの後ろを歩きながら 「せっかくお手伝いで来たっていうのに、大したおもてなしもされないまま、すぐに掃除なんて酷いかも」 「君は元々イギリス清教のシスターなんだから、掃除を手伝うのは当然だろう。 それに、さっき昼食を食べたばかりじゃないか」 「もうおやつの時間なんだよ!」 はぁ、とまた溜め息をつく。 しばらく地下通路を歩いていると少し開けた広場へ出た。 あちらこちらに霊装やら書物が置いてあり、それを整理する人員もちらほらといる。 今、ステイル達は地下の霊装保管庫から霊装を運び出しているところだ。 聖ジョージ大聖堂はとある一戦により地下まで崩落しており、復旧作業が行われているが地下はとても使える状態ではない。 しかし、地下保管庫には普段使う霊装から貴重な物まであるので、復旧するまでそのまま… というわけにはいかない。 そして霊装の中には配置を覚えとかなければならないとか、厄介な物もある。 そんなわけでステイルはインデックスと霊装を運び出しているのだが 「これが運び終わったらおやつにしてほしいかも!」 「はいはい、わかったよ」 途端にインデックスの表情が明るくなる。 「やった!それじゃぁさっさとするんだよ!」 今まで後ろを歩いていたインデックスだが、ステイルの服を引っ張りながら前を走る。 両手に霊装を抱える彼からすれば正直迷惑な話だが、実際は満更でも無いようだった。 「これはここで、その箱はこっちなんだよ!」 霊装を並べる広場に、インデックスの元気な声が響いた。 そんな元気な声の響く広場の一角。 「う~ん」 男たちが何かを考えているのか、難しそうな呻き声を上げていた。 「この服…どう考えても、考案者と俺たちには同じ血が流れていると思うんよな」 建宮斎字は、静かに呟く。 「これはやっぱり、着てもらうしかないんよな」 周りの男たちもうんうんと頷く。 彼らは天草式十字凄教(の男衆)である。 イギリス清教の傘下に入った彼らもまた、例外なくこの大掃除に参加させられていた。 そして今、彼らが円形に立つ中心にあるのは… 「どう見てもメイド服よな」 そう、いつの時代のものか、古ぼけたメイド服があった。 しかもどこかの義妹が着ているような由緒正しきメイド服とは違う。 胸の辺りは大きくひらけていて、付属品では頭の上に着けるわっかのような物がある。 それは… 「これこそ堕天使エロメイドの元祖だったのよな!」 おぉ…と、その場にいる男衆がざわめく。 「でも、どうやって女教皇様に着てもらうんすか?」 男衆の中でも小柄な少年、香焼が尋ねる。 「それを今から考えるんよ。よし、班をわけるぞ」 おぉ!と無駄な団結力を示す男衆を対馬は遠巻きに見ていた。 「ったく…くだらないことで時間を…って五和?」 隣に目線をやると、対馬の隣にいた五和はなにやらモジモジと胸のあたりを見ていた。 「はっ…そうですね!さっさと片付けましょう!」 そそくさと去っていく五和。 対馬は小さく溜め息を付いた後… 「…」 チラリと、 自分の胸に視線を動かした。 「はぁ…」 こちらの一角では金髪碧眼の少女が溜め息をついていた。 彼女の格好は、別に運動をするわけでもないのにラクロスで使うような服を着ている。 「なーんで私たちがこんなことしないといけないかなぁ」 「仕方ないわ、むしろこれくらいで済むのなら安いものでしょ」 銀髪の少女は荷物を抱えながら言う。 彼女たち『新たなる光』のメンバーは、ある年齢詐欺女から 「あれほどの騒ぎを起こしけるのだから、これくらいは手伝いべくものよ」 と、笑顔の威圧を受け今に至っている。 「あんの女狐め…」 「それよりフロリス、ランシスは?」 「ん、くすぐったさと戦ってる」 フロリスの指差す方向では、ランシスがピクピク肩を震わせながら他の修道女と荷物の整理をしていた。 「危なっかしくて荷物を運べないからねぇ」 「困ったものね…レッサーは?」 あれ?とフロリスは首を傾げる。 「さっきベイロープと一緒にいたじゃない」 「見失ったの。まったく…あんまり仕事しないくせにすぐどこか行くんだから… ま、後ででいっか」 ベイロープは溜め息をついて、荷物運びを再開した。 「それじゃぁよろしく頼むよ」 「はい。よろしくお願いします」 上条は差し出された手を強く握った。 黄泉川の車で警備員の支部に到着した後、ふらふらな足取りのまま連れられたのは支部長室という部屋。 そして、さっきの校長室と同じようにソファーに座らせられ、いくつかの書類を記入させられた。 初めはここの支部長の男性からいくらかの謝罪を受けたが 上条はむしろ感謝していると言うと、困ったように笑われ黄泉川からは拳骨を食らった。 「ったく…そう思ってるのはアンタぐらいじゃん」 ともあれ、書類を記入した後簡単ながら規則などの説明を受けて今に至る。 「まぁ習うより慣れろです。以後のことは黄泉川に従ってください」 支部長は言いながら黄泉川のほうを見た。 「さ、それじゃさっさと行くじゃん。失礼しました」 「あ、失礼しました」 何やら書類を見ながら歩く黄泉川の後ろを上条は付いて行く。 「っと…まずはココじゃん」 黄泉川が立ち止まる。 自動扉には「男子更衣室」と書かれていた。 「さて…と」 黄泉川は上条に視線で何かを促す。 「?」 何かを求められているようだが、何をすればいいのか分からない上条は首を傾げた。 「私は女だから男子更衣室のIDは無いじゃん。さっさと手出して」 「あ、あぁはい」 上条が扉の横に付いていたパネルに手を触れるとロックが解除される音がして扉が開く。 「誰もいないか見てきて欲しいじゃん」 中に入るとロッカーがいくつも並んでいて、人は誰もいなかった。 誰もいませんよー と入り口に声を掛けると黄泉川も入ってきた。 「アンタのロッカーは…ここじゃん」 黄泉川はロッカーの一つを指差した。 上条が手を掛けると、ここでも指紋か何かを読み取っているのか自動的にロックが解除される音がした。 ロッカーの中には警備員が普段の警邏活動で使用しているジャケットと、有事の際に着ている戦闘服が入っていた。 「へー手際がいいじゃん。サイズ合ってるか、着てみるじゃん」 「はい…」 と、上条が着替えようとして止まる。 「どうかしたじゃん?」 「あのー黄泉川先生は出るか、少なくともむこうを向いてくれないのでせうか?」 「なんでじゃん?今の男子はそんなに人目を気にする程デリケートだったっけ? ウチのクラスの奴でも女子がいるところで堂々と着替えてるじゃんか」 「それは他の男子もいるし、女の子だってまじまじと見ないからいいんです!」 上条は叫びながら黄泉川を回れ右させた。 黄泉川は納得がいかないようで、何やらぶつぶつ言っていたが聞かないことにした。 「着替えました」 「お、まぁまぁ似合ってるじゃん」 上条は近くにあった鏡を見る。 警備員の戦闘服。 「重い…」 「何言ってるじゃん?今は装備付けてないからいいけど、作戦時はそれより更に重くなるじゃん。 あとアンタにはあまり持たせたく無いけど、場合によってはライフルだって装備するし…」 あぁそれと…と黄泉川は言って。 「これ、現場に行く時は付けるじゃん」 「フェイスマスク…」 「警邏活動の時は第七学区から離れるから付ける必要は無いじゃん。 でも緊急の時はそうはいかない、第七学区かもしれないし、カメラだってある」 要するに、知り合いに警備員をしているのを知られないための措置らしい。 とはいえ、別学区で知り合いに会わないとも限らない。 御坂美琴が22学区の温泉へ通っていたように、土御門元春が諜報員として様々な学区を駆け巡っているように、学区の移動は自由だ。 加えて、上条は知らないが風紀委員は都市内のカメラを自由に見れる。 頭に花畑を営む少女が所属する風紀委員の支部でも例外は無い。 むしろ一般の支部よりも深部の情報を手にしている。 「でも俺だけコレ付けてたら不自然じゃ…」 「隊員の中には付けてる奴もいるからそうでもないじゃん」 ま、いざと言う時は何とか言い包めるから安心するじゃん。 という答えを聞いて、案外知られたくないのは一部の警備員だけで、上層部はそうではないのかもしれないという適当な予想をする。 気休め程度だろう。 「サイズが大丈夫なら次行くじゃん。着替えて」 「…」 この後、上条はもう一度突っ込みを入れることになった。 更衣室を出た後もいろいろな所に案内された。 広い施設だったので、少し歩き疲れたなーとか上条が思っていると。 「ま、だいたい案内するところはしたじゃん。あとは使う時に教えるじゃん」 黄泉川は腕時計で時間を確認しながら言う。 「今日は以上、もう帰るじゃん」 上条も携帯電話で時間を確認する。 気がつけばここに着いてから2時間以上も経っていた。 「明日から訓練所でみっちり鍛えてやるじゃん。 だから今日は早く帰って明日に備えて寝る!」 「は…はい」 あ、それと。 と黄泉川は何かを思い出し、手元の書類をあさる。 「これ、IDカードじゃん。 この支部やアンチスキル関連施設に入るのに指紋と声紋とこれが必要だから、無くさないように。 あと身分証明証にもなるじゃん」 IDカードと言われたが、定期入れのような物を渡された。 つまりはドラマのように相手に、警備員だ!と言って見せる物にもなるらしい。 IDカードには書庫に登録されていた写真を使われたのか、やる気のない目でレンズを見る自分に、さっきの警備員の制服が合成されていた。 「明日からは学校終わったら第二学区の訓練所に来ること。 あ、明日は学校休みか… とにかく、電車ならそのIDでタダじゃん」 「わかりました」 「まぁ…学校のある日なら私が送ってやったほうがいいんだけど、どうする?」 「えっと…」 上条はしばし考える。 毎日のように黄泉川の車に乗るところを青髪や土御門が黙って見ているわけがない。 「電車にします…」 本当なら黄泉川に車で送ってもらったほうが楽なのだが、ここは泣く泣く電車を選んだ。 (不幸だ…) 上条がいつもの言葉を心で呟いていると、ピピピピピと無機質な電子音が鳴った。 音のするほうを見ると黄泉川の携帯電話が音を上げていた。 黄泉川は携帯電話のサブディスプレイで相手を確認すると、ニヤリと笑う。 「アンタの担任からじゃん。 多分アンタを心配してのことだろうけど」 2つ折りの携帯電話を開け、黄泉川は電話に出る。 「はい、黄泉川」 『あっ…あのっ!黄泉川せんせー!ウチの上条ちゃんは…』 声が高いためか、焦っていて大きいためか電話から声が漏れて上条にも聞こえる。 「大丈夫じゃん。 別にやましい事したわけじゃないし…」 と、ここで黄泉川は黙って何かを考える。 電話から何か声が漏れるが、相手はもう落ち着いているためか上条は聞き取れない。 ただ、この状況からして相手も困惑しているだろう。 「月詠先生、話したいことがあるじゃん。 この後、いつもの場所で」 『え…えぇ!?あの、状況が少し』 再び焦ったのか、声が鮮明に漏れていた。 だが、黄泉川は電話を耳から離し通話を切る。 黄泉川の行動に上条も怪訝な表情で見ていたが、黄泉川は上条に笑いかけながら。 「前言撤回。今日は帰りが遅くなるじゃん」 「はぁ?」 突然の前言撤回と共に意味の分からないことを言い出す黄泉川に、上条は間抜けな顔でしか反応できなかった。 「こんなのまだあったのか…」 上条が黄泉川に連れて来られたのは、 昭和の雰囲気漂う屋台、赤い提灯、頑固そうな親父、おでんと書かれたのれん。 黄泉川愛穂御用達のおでん屋だった。 「何してんのさ、早く席着くじゃん」 屋台を見て呆然と立っている上条に、黄泉川は席に着きながら声を掛ける。 「あ…あぁ、はい」 「じゃ、親父。まぁいつもどおり適当に頼むよ」 頑固そうな親父は無言のままカチャカチャと食器を準備し始める。 しばらくして、おでんと一升瓶が出された。 「ちょ、先生車じゃ…」 「代理頼むじゃん。 あぁ、アンタはどうしようか」 「水で大丈夫です」 コップとボトルに入ったミネラルウォーターが出される。 「あの、黄泉川先生… さっきの電話で小萌先生に言ってたことは…」 コップに入れた水を飲みながら上条は聞く。 「んー?」 黄泉川はおでんを頬張っているのですぐには答えてくれない。 ハフハフと熱さを我慢しつつ、途切れ途切れに話す。 「じき…に、あつっ…わかる、じゃん」 答えになってない答えに、上条は納得しないながらも、自分も出されたおでんを食べようとする。 すると 「黄泉川せんせー!」 遠くから聞こえる幼い声。 「ほらな」 しばらくすると、学園都市七不思議とされる幼女先生がのれんを揺らさず登場した。 「あれ?上条ちゃん!どうしてこんな所に?」 「私が連れて来たじゃん。ホラさっさと座って」 よいしょ、という可愛らしい掛け声。 「今日は一体何事だったのですか?」 小萌も黄泉川と同じように親父におでんを頼みながら首を傾げる。 「ま、そのことで呼んだわけじゃん」 「まさか…上条ちゃんが留年? でも先生はそんなこと聞いてないのです!」 早くも涙目になる小萌。 「違う違う。 上条、自分から言うじゃん」 「え、いいんですか?」 さっきあれほど周囲に知られるのを嫌っていたので、上条は少し驚いた。 「月詠先生はアンタの担任。 そうでも無い私が知ってるのに、一番近い先生が知らないのはおかしいじゃん」 それに、と黄泉川は続け 「こういう心配性な人がいれば、アンタ少しは無理しないじゃん?」 「…」 黙って考える上条を見て、小萌はオロオロする。 「あの、上条ちゃん? そんなに言いにくいことなら、無理して先生に言う必要は無いのですよ?」 「先生!」 「はっ…はい!」 まるでプロポーズを受けるかのごとく、背筋をピンと張る小萌。 「俺、今日呼ばれたのは…」 そこまで言って、上条はカウンター越しにいるおでん屋の親父を見た。 親父は上条に目を合わせなかったものの、黙って小型ラジオを取り出し耳にイヤホンを挿し込んだ。 イヤホンから音が漏れて聞こえたところで、上条はさっき貰ったIDカードを見せる。 「アンチ…スキル?」 小萌は不安そうに呟いた。 「臨時ですが… アンチスキルになったんです」 「…どうして、ですか?」 小萌は下を向いたまま、机の上でキュッと小さな手を握りしめる。 「上条ちゃんは…ただの生徒なのに…」 「その経緯に関しては私から説明するじゃん」 その後、黄泉川から上条が臨時警備員として選ばれた経緯が話された。 上層部からの命令であったこと。 支部も含めて必死に抗議したこと。 激情したあまり上条を殴ってしまったこと。 中には上条に伝えられていないこともあった。 そして、最後に黄泉川は上条を責任を持って護ることを約束した。 小萌は話を聞いている間、ずっと俯いたままだった。 「そう…ですか…」 話が終わり、しばらくの沈黙があったが小萌がそれを破った。 「先生からは何も言うことは無いのです」 顔を上げる小萌、いつもの笑顔を見せるがその目は潤んでいた。 そんな小萌を見て、妙な罪悪感に駆られる二人。 「確かにとても不安です。 でも、上条ちゃんはいつも誰かを助けるために全力を尽くして、今回だってこうして立ち上がってくれました。 それは先生にとっては凄く嬉しいことなのですよ」 小萌はコップのお酒をぐい、と飲み。 「いつも通り独りで突っ走っちゃうのなら、先生は止めていたかもしれません。でも…」 目が潤んでいるのに気付いたのか、ごしごしと両手でこする。 「今回は、黄泉川先生がいるので安心なのです!」 ぐっと手に力を込めて、自分に言い聞かせるように言う小萌。 それを見て、黄泉川は上条を全力で護らなければならないということを、改めて実感した。 「黄泉川先生、ウチの上条ちゃんをよろしくお願いします」 黄泉川に向き直り、丁寧に頭を下げる小萌。 対する黄泉川は自信に溢れた笑みを漏らした。 「まかせるじゃん。 私だって、こんな生徒が持ちたかったんだ」 「さ、それでは今日はお祝いってことで先生の奢りなのです!」 「何言ってるじゃん。 私だってお祝いするじゃんよ」 がやがやと騒ぎ出す二人を見て上条は、自分は不幸とは言ってられないな、と思いながらコップに手を伸ばす。 黄泉川が説明している間は水を飲む気が引けたので我慢していた。 その結果、乾いた喉を潤すためにコップを一気に傾けたのだが。 「あ、上条。そのコップは私の…」 小萌との話に夢中になっていた黄泉川は、上条が自分のコップを取ったのに反応が遅れた。 「ぶっ!」 上条は口に入って初めて酒だと気付いたが、吹き出すのも汚いので必死に堪える。 口に入った酒を徐々に喉に通していく、アルコールがキツイのか、喉元が焼けるように熱い。 「お、案外いける口じゃん?」 「教師兼アンチスキルが未成年者飲酒を公認でせうか!?」 ぜぇぜぇと息を荒くしながら上条は叫ぶ。 なんとか言ってくれよと小萌を見るが。 「うへぇ今日は無礼講なのですよ」 既に潰れ始めていた。 彼女の横には既に空になった一升瓶。 「え、あのしんみりとした空気から何分経ちましたよ? 明らか小萌先生コップで飲んでませんよね! なんとか言ってください!お願いします!」 頭を抱える上条を尻目に、黄泉川は特に気にした様子もなく 「親父、もう一本頼む」 顔を青く(なった気がした。実際は赤い)する上条。 親父は何の気兼ねも無く、黄泉川に一升瓶を手渡した。 おい親父、未成年者の飲酒を黙認するっていうのなら、 まずはそのふざけた幻想をさっそく警備員という立場を使ってぶち殺そうか、 とか上条は考えながら親父を睨むが。 親父のほうは、 若い頃を思い出すわ、ちなみにコイツらの感性はわしが育てた。 と目で語っていた。