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アガーノ イタリアのトスカーナ辺境伯の一。
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PvPモード プレイヤー同士が戦うゲームモード 实战対抗はプレイヤーとbotが混じっているので実績やデイリーが進みません。 バトルロワイヤル ラッシュチームデスマッチ 人狼モード サーチアンドデストロイ(S D) チームデスマッチ(TDM) プロップハント(かくれんぼモード) 人質救出モード(?) 週替りモード原始战争 狙击战 致命一发 手枪战 疯狂小黑屋 枪械游戏 その他据点争夺(DOM) 科技爆破 熱点争夺(HardPoint) 机械公敌(感染) 捜索救援(S R) 首领团队竞技 刀锋 バトルロワイヤル PUBGに乗っかってきたゲームモード。17~18人でやる。 広大なMAPの中からスポーン地点を決め、落ちている武器やPerk,防弾チョッキなどのアイテムを集めて戦う。 一定時間が経過するとダメージを受け続ける範囲が広がり、活動可能範囲が狭くなる。 最後の1人になれば勝ち。途中で撃ち負けると倒されたプレイヤーの視点で見ることができる。 負けた後は退出してもペナルティがない。 双人がデュオ(2人組)でするゲームモード、単人がソロ(1人)でするゲームモードになっている。 ラッシュチームデスマッチ スポーン地点固定、復活時3秒間無敵のチームデスマッチ。 实战対抗は6v6で行い合計25キルでスポーン地点交代になっている。50キルで勝ち。 また、ボットが含まれているのでデイリーミッションなどのカウントがつかないようになっている。 9v9が一番人気。試合時間最大20分で先に合計150キルしたチームの勝ち。 人狼モード 6~18人で行う、市民と警察vs狼。 狼は市民と警察を全滅させて誰かが生き残ると勝ち。 市民と警察は狼を全滅させて誰かが生き残ると勝ち。 死亡するとそのラウンドでは復活できない。 6ラウンド制だったはず(修正が必要) スタートと同時にMAP内に武器、弾薬、投擲物が落ちているので回収する。 一定時間が経過すると自分が警察なのか狼なのか市民なのか分けられる。 他のプレイヤーに標準を合わせるとレティクルがオレンジになるが、これは全く関係ない。 死亡したプレイヤーの上でプレイヤーの身分を調べることが可能。 狼と警察には特殊スキルがあり、一定時間経過ごとにスキルが開放される。 警察には回復スキル、犬による死亡したプレイヤーからの犯人探し、他のプレイヤーへの防具提供ができる。 狼はダメージアップバフ(?)、火炎瓶、1発だけしか撃てない即死スナイパーライフル、爆発四散ランチャーの使用が可能。 市民が市民を倒した場合、両方が死ぬ。またその場合倒した方の評価値が下がる。 サーチアンドデストロイ(S D) 一般的な爆破モード、死亡するとそのラウンドでは復活できない。 このゲームでは防衛側と攻撃側をラウンド終了後交代して行う。最大8~9ラウンド(?)。 攻撃側は爆弾を拾い、A地点かB地点に設置し爆破させるか、相手を全滅させると勝ち。 防衛側はA地点とB地点を防衛し、設置させず時間経過もしくは相手を全滅、設置された爆弾を解除で勝ち。 攻撃側の爆弾は1つしかないので防衛側が落ちているのを見つけた場合、攻撃側は不利になる。 实战対抗はボットを含む爆破モード、6v6で行われる。 チームデスマッチ(TDM) 一般的なチームデスマッチと同じで変動スポーン、復活時無敵なし。 試合時間は最大10分。 实战対抗は9v9でボットを含む試合なので、デイリーミッションのカウントが進まない。 6v6は75キルしたチームの勝ち。 9v9は100キルしたチームの勝ち。 プロップハント(かくれんぼモード) 探す側と隠れる側に分かれて戦う。隠れる側は色々なオブジェクトになれる。 試合の終了時間が近づくと隠れる側から音がするようになるので探す側はそれを見つけることができる(?) マッチングしないので詳細不明。 人質救出モード(?) よくわからない、詳細不明。 特殊なカスタムクラスを使って戦うらしい。 週替りモード 1週間で中身が変わるゲームモード。 基本的にFFA(個人戦)になっていてキルストリークは使用不可。 原始战争 BOシリーズにあったスティックアンドストーン(S S) 狙击战 SR戦(要カスタムクラス) 致命一发 One in the Chamber 1発のみのハンドガン戦。どこを狙っても一撃でキルできる。弾はキルすると1発だけ回復する。 手枪战 ハンドガン戦。ヘッドショットのみでキルが可能でどの武器でも一撃でキルできる。(要カスタムクラス) 疯狂小黑屋 クレイジーダークルームモード。真っ暗な小さい部屋に閉じ込められた状態で戦う無茶苦茶なゲームモード。(要カスタムクラス) 枪械游戏 Gun Game キルする度に武器が変わるゲームモード。ナイフキルされると1段階下がる。 20武器が種あり、最後はバリスティックナイフで射撃キルが必要。 SMG5 → .44 Magnum → Beretta M9 → Judgment → Justice → AK117溶岩 → ACR → Type95 →Tesla ElectricEEL → MAG43 → Fate → RPD → SPAS-12 → Freedom → GPAS-12 → M21 EBR → Arctic .50 BMG → Compound Bow → バリスティックナイフ の順になっている。特殊武器触ってみたい人は1度はやるべき。 その他 色々なゲームモードがここに入っている。 アップデートによって削除されたり追加されたりと大変なことになっている。 据点争夺(DOM) ドミネーション。他のシリーズと同じような感じ。ラウンド交代あり。 科技爆破 Counter-Strikeシリーズのような爆破。相手をキルすることによって武器、perk、投擲物、キルストリークの購入ができるようになる。 9ラウンド勝利したほうの勝ち。 熱点争夺(HardPoint) ハードポイント。他のシリーズと同じような感じ。 マッチングしにくい上に時間制限がない(長いだけかもしれない)ので談合試合になることが多い。 机械公敌(感染) マシンインフェクション(Infection)。 他のシリーズのようなインフェクションではなく、ロボットになることが可能。 ロボットになった場合、3人称になり視野が広く持つことが可能。 捜索救援(S R) サーチアンドレスキュー(S R)。Ghostsにあったあのモード。 サーチアンドデストロイにキルコンファームドをかけ合わせたもの。 首领团队竞技 MW3にあったチームジャガーノート。 チームメンバーの一人がジャガーノートを着てライトマシンガンをぶっ放せる。 刀锋 ナイフ戦。通常のナイフの仕様と違う。 TPS視点、FPS視点、TPSキャプチャーザフラッグの3つがある。 連続キルで武器が光ったりする。
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トップページ カードリスト(コスト6以上) 《ブロブ》 《ブロブ》 基本情報 カード名 ブロブ コスト/パワー 6/0 テキスト 公開時:自分のデッキのカードを吸収し、パワーを加算する。(+15以上で停止)永続:このカードは移動できない。 収録シリーズ シリーズ5 特徴 自分の山札(デッキ)にあるカードを、その合計パワーが15以上になるまで上からめくり、めくったカードをすべて、このカードの下へ重ねて融合します。 基礎パワーは貧弱ですが、デッキにパワー10以上のカードを3〜5枚積むだけで、簡単にパワー15以上にできます。パワーを初期化する《シャドウキング》は天敵です。このカードを早期にプレイすると、「後出し」で対応される可能性があります。 融合後のパワーにもよりますが《シャン・チー》にも注意が必要です。 デッキ吸収は公開時効果です。誤って【ノーウェア】などにプレイしないよう、注意しましょう。 効果解決後、ロケーションへ出ている《ブロブ》を直接タップすると、《ブロブ》の下に重なって融合したカードを確認できます。これは「もう手札には来ないカード」を確認できるという意味でもあります。 また、このカードは、「カードを移動させる」効果を無効にする永続効果を持っています。「強制移動の対象には選ばれるが、強制移動の効果は効かない」というタイプの効果です。 例外として、自分のこのカードが裏向き状態で、相手の《ジャガーノート》の公開時効果の対象になった場合、弾き飛ばされます。 「まず移動を試み、移動できなければ破壊する」という効果を備えた《キャノンボール》は大きな脅威となります。事前に《カイエラ》などで対策しておくと安心です。 ▶︎2024年1月の変更について 2024年1月の更新にて、このカードの公開時効果には「融合後のパワーが、融合前よりも15以上増えた時点で、融合は終了」という制限が追加されました。このカードの初登場時は、融合1回で山札(デッキ)内のカードをすべて使い切っていましたが、現在の仕様では、使いきれなかったカードがデッキ内に残る場合もあります。 この仕様変更による最大の影響は、相手のデッキに《ダークホーク》が積まれている場合の勝ちやすさです。前述のように、山札(デッキ)にカードが残る可能性が出てきたため、以前のように圧倒的有利ではなくなっています。特に、《ブロブ》と《サノス》を一緒に採用しているデッキの場合は注意が必要です。 基礎パワーが0であるため、《ラヴォーナ・レンスレイヤー》の効果でコスト軽減されます。これにより、「ターン5に《ブロブ》をプレイ後、ターン6に《アーニム・ゾラ》を用いて《ブロブ》を破壊・複製する」という新戦術が可能になりました。 特殊な状況について ▶︎《ミスティーク》でも融合能力をコピー可能 《ミスティーク》の公開時効果は、直前にプレイされた自分のカードが永続効果を持っている場合、そのカードの効果テキストをすべてコピーします。 自分が《ブロブ》→《ミスティーク》という順序でカードをプレイすると、自分の《ミスティーク》は直前にプレイされた《ブロブ》の効果をすべてコピーするので、融合が起こります。 ▶︎相手の《ローグ》でコピーされることがある 《ローグ》の公開時効果も、《ミスティーク》と同じように、対象となる相手のカードの効果テキストをすべてコピーします。 相手の《ブロブ》に対して自分の《ローグ》の公開時効果が作用した場合、自分の《ローグ》は相手の《ブロブ》の持つすべての効果をコピーするので、融合が起こります。 【重要】デッキ枚数の確認方法 ▶︎画面上部のアバター画像をタップして確認 各プレイヤーのデッキの残り枚数は、画面の左上または右上に表示されているキャラクター画像をタップすると確認できます。画面の左上が自分、右上が対戦相手です。 ▶︎それ以外で確認できる情報 「デッキの残り枚数」以外にも、さまざまな情報が確認できます。中でも、下記に挙げるものは対戦で特に重要です。手札:各プレイヤーの、現在の手札の枚数です。 破壊:復活効果の対象となる、対戦中に破壊されたカードの総数です。 廃棄:復活効果の対象となる、対戦中に廃棄されたカードの総数です。 アップデート履歴 2023/12/12 ・「シリーズ5」のカードとして入手可能になりました。 2024/01/18 ・パワーが「4→0」と変更されました。・融合によるパワー増加の数値に上限がつきました。(無制限→パワーが15以上増えた時点で停止) ▶︎カードリストへ戻る カードリスト(コスト1以下) カードリスト(コスト2) カードリスト(コスト3) カードリスト(コスト4) カードリスト(コスト5) カードリスト(コスト6以上) ▶︎トップページへ戻る
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プロフェッショナル(The Professionals) プロフェッショナル(The Professionals)概要 装備オンラインでの活躍 メンバー 概要 オンライン限定で登場する犯罪組織。日本語テキストでは一貫して「プロフェッショナル」でなく「プロ」と表記されている。ボスはザ・ボス。 麻薬取引、車両密輸、武器密輸、プライベートセキュリティ、銀行強盗(*1)やカジノ強盗(*2)、連邦保管庫の襲撃(*3)などプロの名に恥じない仕事ぶりを見せる。 オンラインでスーツを着用した敵NPCは漏れなくコイツら。 データ流用元のメリーウェザーをそのまま犯罪組織にしたものと思って良く(あちらもほとんど犯罪組織のようなものだが)、メンバーはメリーウェザー同様元・海兵隊員であり戦闘中に「俺はクソ海兵だ!(I'm a fucking marine!)」や海兵隊のモットーである「常に忠誠を!(Semper fi!)」と叫んでいる。 装備 大半のメンバーがボディーアーマーを着用しており、SMGやアサルトライフル、改良型ライフルなどの強力な武器を装備している上、射撃の精度は大変高いなどそこら辺のチンピラとは一線を画した戦闘能力を持つ。 各種調達ではカンペやロストなどと並びよく登場する存在だが、先述の通り戦闘力はそれらより遥かに高く、迂闊に戦いを挑むと一瞬で蜂の巣にされる。 車両もフュージティブやグレンジャーなどの比較的高性能な車でプレイヤーを苦しめつつ、バザードやカーゴボブ、果てはテクニカル・カスタムや戦闘機まで使用してくる。一部ビジネスでは重装備まで持ち出すなどやりたい放題。 オンラインでの活躍 先述の通りかなり強力な組織だが、基本は装備の供給源として搾取される存在である。 またカジノ強盗の調達では警察に捕まっており、戦闘が始まった瞬間一目散に逃げ出すなどマヌケな一面も見せる。 カヨ・ペリコ強盗では未登録の武器と道具を盗まれて使われているため、ルビオに疑いの目を向けられて粛清されるとばっちりを受けている可能性がある。 カンペやロストなどと違い、いつもプレイヤーと敵対しているわけではなく、カジノ強盗で買い手に『上級』を選ぶと資金洗浄の手数料を取らずに戦利品を買い取って換金してくれるありがたい存在でもある。 後のアップデートで登場したダガンファミリーとは同盟関係となっているようで、要所でファミリーの護衛を請け負ったり共に仕事をしているのが見られる。 チョップショップアップデートではクルーザーを所持していることが判明しており、立地的に調達が楽なこともあり、毎度のように武器とアーマーを奪われ、逃走用の乗り物としてスポーツカーも強奪される憂き目に遭っている。 リーダーである「ザ・ボス」はカジノの裏仕事「警備班」にて登場。ミニガン装備のジャガーノート姿で、ご丁寧にメッセージを送ってくる。 しかし同ミッションの殺害対象のため、メッセージ画像で顔が確認できるのみで細かな素性は不明のまま。 組織名の元ネタはイギリスの刑事アクションテレビドラマ「特捜班CI-5(原題 The Professionals )」。 メンバー ザ・ボス(本名不明)
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夜空を切り取るように高くそびえるオフィスビル。 不夜城と称されるその区画だが、この時間帯は最も明かりがまばらだ。 ガラス貼りの塔の足元に広がったスクランブル交差点。 ロクに通る自動車もないのに、信号機は律儀に交通整理を続けている。 やや離れた高架では、貨物列車がゴウゴウと線路を駆け抜けている。 つい数時間前の終電では満載の人間たちを運んでいた路線だ。 『ライダー。仕事の時間だ』 その初老の男と思しき声は、機械のようだった。 古びた内燃機関が静かに唸るような声だ。 冷たい鉄の殻の中に、確かな熱を有するような。 『作戦領域に進入。始めるぞ』 ビルの隙間から、機械のような、虫のような異形が、二つ。大きさは、肢を含めて普通自動車ほど。 迎え撃つように、スクランブル交差点の舗装がごっそりと持ち上がり、人の姿をした黒い影がワラワラと、ざっと百ばかり。 虫のような異形――大砲を背負った、白骨色の四つ足の蜘蛛と表現するのが的確か――は、 鋏角に当たる部位に備わった機関銃で、黒い人影を一つ一つ粉砕してゆく。 二機掛かりの機銃掃射で"影"を砕いてゆくが、影は人体にあるまじき頑強さと、 その数の圧力で二匹の"蜘蛛"に肉薄してゆく。 『 スノウウィッチ 、火力支援を行え。投射座標は任せる』 男が言い切らぬうちに、ビルの頂上から火の尾を引いて飛来した榴弾が交差点の中央に着弾。 影の群れの過半数が吹き飛び、その穴に前線を張っていた二機が切り込む。 ヴェアヴォルフ ――人狼のエンブレムの機体が正面から機銃の弾幕で影を足止めし、 ラフィングフォックス ――笑うキツネのエンブレムの機体がワイヤーを用いた蜘蛛さながらの三次元機動で死角を衝く。 黒い影の軍勢が着々と削り取られてゆくのをよそに、男は新たな指示を下す。 『 ガンスリンガー 、敵目標――"キャスター"の位置を傍受した。座標を送信する』 スノウウィッチの対岸道路、近辺で最も高いビルで息を潜めていた機械の蜘蛛が、背負う砲を構えた。 スコープの先には、21世紀の東京のオフィスビルの屋上には場違いな、黒いエナンに黒いローブを纏った女性の影。 ガンカメラ越しにその姿を認めた男が、 『その女だ。…撃て』 わずかに逡巡した男の指示と"同時"に、影に着弾。わずか数秒の猶予時間で、直線距離およそ1kmの狙撃を成功。 口径57mmの徹甲弾だ。人体に命中すれば跡形も残らない。 ――だが。 『――ガンスリンガー、退避しろ!』 弾着の煙の中に、人の姿が残っている。 煙が女を避けて半球状に流れている――防がれた。障壁[シールド]のような何かで。 そしてこちらに、ガンスリンガーに、右手で指鉄砲を向けている。 その指先が光ると一拍置いて、バキン、ごおん、と金属が折れる音が男に響いてきた。 装甲兵器としては、あまりに軽すぎる破壊音が。 コンソールに表示されるアラートは、ガンスリンガーの左前後の脚部の破損を告げている。 戦闘は不能だ、撤退しろ、と指示するまでもなく、ガンスリンガーはビル陰を盾にワイヤーで降りる。 男が息をつく間もなく、ジャリリ、と缶詰を裂くような金属音と、 けたたましい、二機分のアラートが鳴り響いた。 ヴェアヴォルフと、ラフィングフォックスのアラート。 男は偵察ドローンの暗視画像から二機の姿を探す。 そこには、右の前肢を切り飛ばされた蜘蛛と、鋏角の片方を折られた蜘蛛、そして、 身の丈ほどの槍を両手に携えた鎧武者の影――シャドウサーヴァント、"ランサー"の姿があった。 『事前情報のとおりか。…"ランサー"がいるとはな』 足を奪われたヴェアヴォルフがなおも機関銃の弾幕をランサーに浴びせる。 ランサーは左手でプロペラのように槍を振り回して、事もなげにそれを防ぐ。 ほぼ同時、ワイヤーでビルの壁に張り付いたラフィングフォックスが背後後方から57mm徹甲弾を見舞った。 ランサーは後ろ回し蹴りでそれを持ち主に返却した。 新たに灯るアラート、ラフィングフォックス、主砲使用不能。 さらに無理な射撃と落下のダメージで、前肢の片方も破損。 ランサーが鬨の声が大気を震わすと、残り半数で散り散りになっていた影たちが統率を取り戻し、 戦列を立て直した。こちらは前衛、後衛ともに4機中2機が戦闘不能。 男の耳に聞こえるのは機体のアラート音、最後の抵抗よろしく響く機関銃の射撃音、 そして影たちがジリジリと包囲網を狭める足音――そして、ゴウゴウ唸る貨物車の走行音だけだ。 『 アンダーテイカー 、定刻通りだ。座標は――』 不要、と短い返答。当然のことだろう。 元はといえばこの戦闘は、――この状況を作るように戦闘プランを構築したのは――。 ゴウゴウと貨物車が鉄軌を走る音が流れてゆく。 コンテナや、シートで覆われた荷物が流れ去ってゆく。 走行音を拭い去るように最後尾の荷台が流れゆく。 小型車のようなシルエットの荷物を覆うシートがバラリと吹き飛び、5機目の"蜘蛛"が姿を現し、跳ぶ。 緩やかにカーブする路線から跳び出した蜘蛛――アンダーテイカーが貨物列車の速度を乗せてランサーに飛び掛かる。 鋏角に機関銃はなく、節足動物さながらの1対のブレード。 ランサー、二本の槍を交差で構え、正面から迎え討つべく跳躍する。 2者の交錯の直前、アンダーテイカーの主砲が轟く。ランサーが右の槍を薙ぎ、砲弾を弾き飛ばす。 空中射撃の反動で、アンダーテイカーの機体全体が後方に傾く。 武装もろくに施されていない、蜘蛛の弱点たる腹が晒される。 そこにランサーの左の突きが迫る――狙いが外れ、掠めるだけに留まる。 開いた右腕に、アンダーテイカーの射出していたワイヤーアンカーが絡みついていた。 すかさず全速稼働する巻き上げウインチ。一瞬にして距離が詰まる。 1対のブレードを備えた鋏角と、ランサーの首筋の距離が。 ワイヤーで絡まれた右腕、突き出した左の槍は蜘蛛の肢の二本掛かりで挟みこまれた、 ならば蹴りで――ランサーが脚を振り上げ――それより一瞬だけ早く、ランサーの首が鋏角のブレードで挟み斬られた。 決着は、空中での一瞬の交錯だった。 アンダーテイカーが、ボコボコのアスファルト舗装の上を四足で滑りながら着地。 スコップを担いだ、首のない骸骨のエンブレムが信号機に赤々と照らされていた。 指揮官を失った影たちが都市の闇の中に溶けて消えてゆく。 『ライダー。よくやった。今日の仕事は終わりだ。…帰って、休め』 新たに灯ったアンダーテイカーの脚部損傷アラートを横目に、男は五機に向けて告げた。 『了解しました。ハンドラー・ウォルター』 アンダーテイカーが、五機の代表として答えた。 静かな声だった。声変わりをようやく終えたばかりの少年の、澄んだ声。 死線をくぐった直後とは思えないほど、落ち着いた声だった。 ◆ ◆ 大都会の雑踏の只中のように、あるいは孤島を囲む海のさざめきのように、幾人もの亡者たちの声が渦巻いていた。 『619 生体反応ロスト』 人間の聴覚には多数の声が重なる中から、当人にとって重要な声だけを聞き取る機能があるという。 俗にカクテルパーティー効果というものだったか。 俺にも拾うことができた。重要な声を。俺の与えた仕事を果たして、死んだ者たちの声を。 宇宙政府軍――惑星封鎖機構の防衛線を穿つために、俺が送りこんだ猟犬たち。 619は仕事をした。幾重にも張り巡らされた防衛線の第一ラインを破るため、 満載したミサイルを一斉射して、刺し違えるように集中砲火を浴びた。 機動兵器を操る機能と引き換えに、名前さえも奪われた強化人間たちの最期の声は、 死の残酷を即時正確に伝えるよう調整された人造のシステムボイスだ。 『620 反応ロスト』 コンソールのディスプレイから光点がまた一つ消えるのを想起する。 620は仕事をした。猟犬たちの行く手を塞ぐ超大型戦車、その旋回砲塔の標的を引き受け、粉砕された。 620の作った隙を突いて回り込んだ617が、戦車の制御ブロックに激突するように取り付いた。 そして、回転する銃身がめり込む勢いで銃弾を叩き込む。 617は真っ赤に焼け付いたガトリング砲を引き換えにして戦車を破った。 『ターゲット情報更新 フェーズ3 パターンE』 僚機と手持ちの兵装をすべて失った617だが、まだ仕事は終わりではない。すかさず俺が新たな命令を下す。 防衛線の最奥には、直径100メートルほどの目玉のような大型レーザー砲が、未だに睨みを効かせている。 『617 ロスト』 そして617も仕事をした。 最後に残った武装、機体の胴体[コア]部分から内蔵エネルギーを爆発させ、防衛線の目玉たる大型レーザー砲を道連れにした。 『ハンドラー・ウォルターに報告 ミッション完了』 幾人もの強化人間を機動兵器に詰め込んで、消耗品のように使い潰し、惑星ルビコン3にたどり着いた。 そこへ送り込むことのできた新たな1人の奮戦が、ルビコン3の最奥への道を切り開いた。 ――ようやくたどり着いた、俺の故郷。今は亡き友人たちとの、約束の地。 そこは、高度計がマイナスに振り切れるほどに大深度の地下空間。 分厚い氷床を通り抜けた日光を浴びて、砂塵にまみれたビル街が煤けた輝きを放っている。 遺[す]てられた都、ルビコン技研都市。 最奥には鋼の漏斗と形容すべき巨大構造物[メガストラクチャー]が、傾いて地下空洞の底に突き刺さっている。 眼前に広がる数百メートル級の高層ビル群をミニチュアに見せるほどの、狂ったスケール感。 まっすぐ立て直せば惑星の大気圏外へと達する鋼の漏斗―― バスキュラープラントと呼ばれる、それの根元にたどりつくこと。 それが、今まで俺を導いてきた独立傭兵に与えた最重要任務、"集積コーラル到達"である。 行く手を阻むのは、惑星ルビコン3で発見された新物質・コーラルの、 狂った研究過程で産まれた狂った産物と、それらを塞き止める安全弁。 半世紀も前に作られたコーラル兵器群が、現行兵器を遥かに凌駕するスペックを以て、 俺の最も信頼する傭兵へと襲いかかった。 その時ハンドラーとして俺は、ウォルターは、あいつに何をしてやれた? せいぜいフットボールの試合で駆け回る子供に、観客席から無意味な激を飛ばすことくらいのものだった。 恋人の一人も作っていそうな年頃の子供の父親みたいな面をして、俺は。 だがともかく、あいつは勝った。勝ったところで――背中を刺された。 用心深く息を潜めていた刺客――コーラルの独占を目論む、企業付きの傭兵に。 激戦を経て損傷したあいつの機体の足元に、氷原の化け物殺しの電撃砲弾が着弾。 完全に機能を停止し、頭垂れる機体。 それが俺の見た、コンソール画面越しの最後の光景だった。 あいつの激戦と、その後に急襲される様子に取り乱した俺は、 オペレーティングルームに企業の手の者が押し入ってくることさえ気づかなかった。 ――そこで俺は死んだのだろう。 死んだから、俺の与えた仕事で死んだ猟犬たちの声が聞こえるのだろう。 「…621」 思わず口に出したあいつの呼び名。だがしかし、あいつの声だけは聞こえてこない。 ならば、あいつはきっとまだ生きている。希望だけは、残っている。 あいつの仕事――あるいは"選択"を見届けられないことだけが、わずかな心残りだった。 『――問おう。貴官が本官たちのマスターか?』 ◆ ◆ 俺達、スピアヘッド戦隊がこの"東京"という街を訪れてまる一日が経とうとしている。 特別偵察任務に出ておよそ一ヶ月、武器弾薬がほぼ尽きた状態でレギオンと交戦し斃れたはずの俺達は、気づいたらここにいた。 俺達5人の中に、"活きている"街の記憶はほとんどなかった。 12歳まで良心ある"白系種[アルバ]"のバアさんに匿われていた俺――ライデン・シュガは、まだマシな方だろう。 他は皆、物心ついた頃から強制収容所のクソみたいな環境で育ってきた。 かつて人間の街だった廃墟を、特別偵察中に偶然見つけたくらいのものだ。 見たこともない人波だった。黒い瞳に明るい色の肌、極東黒種[オリエンタ]が多いように見える。 人の密度だけなら強制収容所にも劣らないだろう。 だが、皆が皆小綺麗な身なりをして、憲兵に怯える様子もなく、ある者は道端で談笑し、 ある者は書類鞄を抱えて小走りに、ある者は美味そうな何かを食べ歩き、ある者は板状の情報デバイスを熱心に睨みながら、 ――思わず右手が腿のホルスターに伸びた。 それは他の連中――"シン"こと、シンエイ・ノウゼンを除く3人も、同じようだった。 俺たちは、"平和"というものを知らなかった。 現状に理解の追いつかない俺達は、背中合わせで周囲を警戒した。 銃を抜きそうになった仲間の一人――クレナ・ククミラを制止した。 それはいけないことだと、そういう知識がいつのまにかあった。 数分もしないうちに濃紺色の服に身を包んだ壮年の男がこちらに近づいてきた。 それがこの街の警察であるという知識があった俺達は、 シンの手を引いて、一目散に駆け出した。人のいない方へ。人のいない方へ。 ――どこまで行っても人がいた。 ともかく、警官を撒くことはできた。 たどり着いた先、路地の奥まったところは流石に人も少ない。 「シン。ここに敵はいるのか?」 ここに来てからずっと、ぼうっとした様子のシンに、俺達は口々に問うた。 「いない。――少なくとも、この近くには」 シンが言うには、この東京23区は周りを亡霊の群れで埋め尽くされている。 内側にも亡霊がいて、そいつらは特別に強い、らしい。 シンが有する異能だ。シンは100km以上離れた死者の声を聞くことができる。 大型哺乳類の神経系や、人間の脳をコピーして情報中枢としている機械仕掛けの亡霊・レギオン。 そいつらの声も死者のうちに入っており、俺たちはシンの異能に大いに助けられてきた。 話が逸れたが、何のことはない。 ここは死者の国で、俺たちもそこに迷い込んだというだけのことだった。 それから俺たちは、死者の国・東京の観光に洒落込んだ。 俺達は生まれて初めて海を見た。書き割りのイルミネーションに輝く水面。セオト・リッカは画材がないことを悔しがっていた。 ショーウィンドウの中で輝くドレスに、クレナと、それからアンジュ・エマの視線は釘付けになっていた。 不思議と腹は減らなかったし、眠気もなかった。 東京を野戦服で徘徊する少年少女の集団に対して、奇異の目を向けられることもあったし、 警官にも何度か追い回された。だが少なくとも、肌や瞳の色で敵視してくる者はいなかった。 そうしてまる1日ほど東京をぶらついているうちに、終わりがくるのがわかった。 髪が、指の先が、服の裾が、光の粒子を吐き出してうっすらと透けてきている。 "時間切れ"らしい。何の時間かは、ともかくとして。 俺たちはここで消えてなくなり、外側にいる亡霊たちと一緒になるのだろう。 ここの街が俺たちの終着点というなら、それも悪くない。 「――いる」 シンが声を上げた。東京を彷徨っているあいだずっと所在なさげにしていたシンが。 弛緩していた俺達4人の空気がギュッと引き締まった。 「敵か?」 「ハンドラー、いや、"葬者[マスター]"の声が聞こえた」 ◆ ◆ 『――問おう。貴官が本官たちのマスターか?』 ウォルターは首の後ろ、脊椎から脳幹に繋がる部分がジリジリと熱を持つのを感じた。 聞こえてくる声は、声変わりを終えたでばかりであろう少年の、澄んだ声。 「それは、俺に対しての問いか?」 『生きている人間の声は、あなただけだ』 「ならば、…多分そうなのだろう」 知識が植え付けられていた。 聞こえてくる少年の声が、サーヴァント。俺がそのマスター。 役割を与えられて、ここに喚ばれていた。 身を起こしたウォルターが今まで横たわっていたのは、シンプルな造りのベッドの上だった。 部屋は広く清潔で、外に見える市街の様子と比較しても高級さを感じさせる。 だが殺風景な部屋だった。数日間生きるのに最小限のモノが片隅に集まっているだけの。 『あなたが俺のマスターであるというなら、正式な契約を結びたい』 マスターになり、聖杯戦争を勝ち抜けば、使命を果たすことができる。 コーラルを焼き払うという、俺に課せられた使命を。 ――いや。コーラルという物質を最初から存在しなかったことにすることさえできる。 それが叶うならば、コーラルによる強化手術という狂気の産物は―― 俺が使い潰した強化人間は最初からいなかったことになり、 ただの人間として、普通の人生を送ることができていたかもしれない。 迷う余地などない。 しかし。 ――621。正式名称、強化人間C4-621。その名で呼んできたあいつも、存在しなかったことになる。 『戦わないというなら、それでも構わない。――ただ、早く決めてほしい』 俺によぎった迷いを看破したかのように、少年が続けた。 また命令されて戦うのかよ、と、声変わりの済んでいない少年の愚痴が聞こえた。 このまま消えてしまうのも惜しいかしらねぇ、と、育ちの良さそうな少女の声が聞こえた。 「…わかった。まずはサーヴァントとしての契約を結ぼう」 話はそれからだ――。 ◆ ◆ サーヴァントとしての契約を結んだシンたちにまず与えられたのは、家だった。 『サーヴァントとしての契約はしたが、仕事の契約は別だ。 これからお前たちに依頼を出す。受けるかどうかはお前たちの意志で決めろ』 サーヴァントとして契約したとき、マスター――ハンドラー・ウォルターはそう言った。 そして程なくしてこの場所へ行け、指示を出し――歩いて到着した時に飛んできたドローンの運んで来たものは、 眼の前の家の鍵だった。 次いで、衣服や家具が山と送り込まれ、これで足りなければもっと買え、とばかりに通販のカタログがおまけで付いてきた。 「何のつもり?」 とセオトが口火を切ったが、それはシンたち全員の総意だった。 『ここでどう振る舞うにせよ、拠点は必要だろう。 …この家はサーヴァントとして俺と契約を行った時の契約金だと思え』 というハンドラーの言葉は正論であり、嘘はなかった。 だが、依頼を受けてもいないのに、あまり待遇が良すぎるのも不信を招くものだ。 半地下に備えられたガレージは、ジャガーノート5機とスカベンジャー1機が収まるほど広い。 周囲の家がスライスしたパウンドケーキのような形状なのに比較すれば、ここは破格の豪邸だ。 シンたちはガレージで各人の乗機に搭乗し、通信用モニターに目を光らせていた。 出撃ではない。通信のためだ。 『これは …ある友人、いや、俺からの私的な依頼だ。 俺やお前たちの拠点の近辺で、シャドウサーヴァントと思しき存在が戦闘を行った形跡が見つかった』 モニターにはクレーターのようにくぼんだアスファルトや、真っ二つに切断された電柱の画像が届いていた。 『今回お前たちには、これらの交戦跡を残したシャドウサーヴァントの偵察に行ってもらいたい』 次いで映る画像。街灯の下を闊歩する黒い影たちの空撮暗視画像。 『シャドウサーヴァントは、東京23区の外から亡霊を集めて率いていると見られる。 …放っておいても交戦は避けられん相手だ。戦力が揃う前に始末したい』 依頼を受けるべきか否か、わざわざ質問のダイアログをよこしてきた。 Yes、とシンが返信。 『ライダーとお前たちの技能については、ここまでの道程であらかた聞かせてもらっている。 …だが、気を付けて行って来い』 案じる声色は、なぜか生前のハンドラーである銀鈴の転がるような声を思い出させた。 そうして、最初の任務は何事もなく終了した。 機体に乗るまでもない。というか、偵察に目立つ機体は不要だ。 おまけに、シンたちは生身ではサーヴァントと認識されないらしい。 ともかく、なんということはなく終わった任務だった。 帰り道に買い物ができたくらいには気楽だった。 報告。 近辺に潜んでいるのは、キャスターのシャドウと思しき存在が1体。 死霊の兵士は、普段道路の下、地下に隠れている。 そしてもう1体、シャドウがいる。恐らくは三騎士。 『よくやってくれた。…そうだ、"これ"を忘れていたな。』 ハンドラーが言うと、いくつものリードを握りしめる筋張った手のアイコンが届いた。 調教師[ハンドラー]たる彼のシンボルとなるエンブレムである。 『俺の、俺たちの知る傭兵の流儀だ。お前たちにシンボルマークがあるかどうかはわからないが』 少し時間を置いて、シンたちはそれぞれに返信した。 牙剥く人狼のエンブレム、 ヴェアヴォルフ 。 箒にまたがる魔女のエンブレム、 スノウウィッチ 。 2丁の銃が交差したエンブレム、 ガンスリンガー 。 やや遅れて、口角が釣り上がった狐のエンブレム、 ラフィングフォックス 。 そして、スコップを担いだ首なし骸骨のエンブレム、 アンダーテイカー 。 たった今機外に降りて撮影してきた。 シンたちのパーソナルマークの画像データだ。 そして、動物が鳴くような抑揚の電子音とともに、 大きな単眼カメラアイの写真画像。ファイドと名付けられた、支援ユニット。 『それから、今回の任務の報酬だが――』 「報酬は不要です、ハンドラー・ウォルター。顧みられることなく消え去るはずの俺たちが、 英霊の座にたどり着いていた事を知ることができた。今は――それで十分です」 俺たちの総意として答えたシンとは別に、 事前にアンケートを受けていた料理のフードデリバリーと、 直方体状になるまで紙幣が詰まった封筒が家に届いていた。 ハンドラーから次の依頼が届いたのは、その数時間後のことである。 『ライダー 仕事だ。 これは…俺からの、私的な依頼だ。先刻見つけたシャドウサーヴァントたちを討伐する。 まずはブリーフィングを行い、戦闘プランを確認する。 俺からたたき台となる案を提示するが――偵察に行ったお前たちの視点で忌憚のない意見をもらいたい』 ◆ ◆ 「今日の仕事は終わりだ。…帰って、休め」『了解しました』 通信を切ったウォルターは、自動操縦中だった観測用ドローンたちに帰還指示を下し、 大型スクリーンの電源を落とすと、泥のように濃いコーヒーをすすって息をついた。 「あんなものを、"ジャガーノート"と呼ぶとはな」 ジャガーノートと名付けられた、彼らの搭乗する多脚戦車の概要を知ったときウォルターは耳を疑った。 歩兵の小火器さえ防げるか怪しい装甲、重量に対して過小な火力、 それらは歩行兵器を装輪兵器と比較した際の宿命的な弱点としても―― 唯一の強みのハズの運動性さえ、あの脆弱な脚部では満足に発揮できずにいる。 本来、消耗品の無人機として扱うべき代物に何らかの事情で人間を詰め込み、 敵前に放り出して合法的に抹殺する。――そういう破綻した設計思想が見て取れた。 ブリーフィングにおいても、彼らライダーたちは武装や得意とする兵種については詳しく話してくれたが、 本名をはじめ、出自について話そうとはしなかった。 彼らは一種の懲罰部隊だったのか? そうだとしても、あの兵器は。 人としての尊厳を与えられなかったのだろうか、彼らは。 本来、あんなものに詰め込んで殺していい人間ではないことは、今までの短いやり取りで十分にわかった。 あまりにも若く、善良で――普通の人生を送り、普通の幸せを掴むべきはずだった彼らが 英霊となり果てるまで戦わざるを得なかった理由とは――。 しかしもはや英霊となってしまった彼らを救う方法も義理もなく、 今までの猟犬に対してそうしてきたように、使い潰すしかないのだろう。 ウォルターは、ひとまずそう結論づけて、ベッドに身を横たえた。 ◆ ◆ 「今回のハンドラーは、こんな感じか?」 セオト――ラフィングフォックスのプロセッサーである少年が 液晶タブレットに描いたのは、オールバックに整えた白髪、三つ揃いのスーツ、 左手にステッキ、右手にいくつも犬のリードを握った老紳士――を豚の頭で戯画化したイラストだ。 ちなみにリードの先には首輪だけがぶら下がっている。 「もう。今回は強制されて戦ってるわけじゃないんだから、豚扱いは……」 そう言いつつ、クレナ――ガンスリンガーはけらけらと笑っていた。 令呪という命令権をマスター、あのハンドラーが握っている以上、立場はそう変わっていない。 いくら傭兵として雇うという体でいても、だ。 「あなた達、あまり騒ぐと近所迷惑でしょう……ね?」 真夜中の任務を終えてからの、リビングでの馬鹿騒ぎである。 アンジュ――スノウウィッチは笑顔で諭すが、胸元で握った右拳には血管が浮き出ている。 リビングの灯が消えた。 寝室にはそれなりに上質なベッドが5つ並んでおり、そのうちの二つを少年たちが占拠していた。 「正直、契約なんてしないと思ってたぜ」 ベッドに寝そべって、スマートフォンでWordleに挑んでいたライデン――ヴェアヴォルフが隣の少年に話しかけた。 この亡者の街、東京に流れついてからというもの、こいつはどこかぼうっとして、気力が抜けているように見えた。 もっともそれはそれ以前、――あの特別偵察任務の最初の交戦からだっただろうか。 憑き物が落ちたようによく笑うようになった、と思ったら、現世への興味を一切失ったように勝手に一人で死にに向かった。 俺達を少しでも長く生かすためとはいえ、一緒に行けるところまで行こうと誓った俺たちを置いて。 「あのハンドラーが、俺たちを必要としていたから」 ベッドの上で壁に背を預け、難解そうな本のページをめくっていたシンことシンエイ――アンダーテイカーが応えた。 サーヴァントの召喚とは、そういうシステムだ。何らかの"縁"が、互いを引き寄せる。 戦うことでしか自己を定義できなかった俺達に必要だったのは、戦いの意味。 戦いに意味を与えてくれるマスターこそがふさわしい。 今までの俺たちの闘いに意味はなかった。 レギオンから共和国を守るというのは建前で、実質は俺たちを死なせるために敵前に突き出されていただけのことだった。 それでも俺たちが闘い続けたのは、クズばかりの共和国の中にもマシなやつがいたのを知っていたからで、 俺たちもそのマシな側でいたい、という――ある種の自己満足に過ぎないからだった。 「あのマスターは、戦いしか持たない俺たちに意味を与えてくれる――それだけでも、大したものだと思うんだ。 そう思わないか、みんな?」 俺と、寝室に入ってきたアンジュ、そして(アンジュに首根っこを掴まれていた)セオト、クレナに対して シンが問いかけた。その時の俺たちの中に異論を唱える者は、一人もいなかった。 【CLASS】 ライダー 【真名】 アンダーテイカー@86 -エイティシックス- 【ステータス】 (サーヴァント本体) 筋力D 耐久D 敏捷D 魔力C 幸運E 宝具E (M1A4ジャガーノート搭乗時) 筋力C 耐久E 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具E 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 騎乗:B(陸上を走行する機械に限りA++) 【保有スキル】 直感:B 世が世なら、不世出の英雄になると評される戦闘センスの持ち主。 それはジャガーノート搭乗時のみならず、生身の際も発揮される。 パラレイド(感覚共有):C 人類が普遍的に有するとされている集合的無意識を利用した、精神感応能力の一種。 マスターとライダーたちで五感を共有することができる。 但し、視覚の共有は過度の使用で失明する、五感すべてを共有すると過剰な情報量で廃人化するなど、 マスターが感覚を共有するリスクは非常に大きい。 通常は聴覚のみを共有し、妨害・傍受されづらい無線通話機能としての運用に留まる。 サーヴァント化にあたって、魔力のパスをどんな距離でも支障なく繋ぐことができるという恩恵が付随している。 コード「バーレイグ」:A ライダーが有する、死者の声を聞く異能。 有効範囲は半径100km以上。この聖杯戦争の会場である東京23区をすっぽり覆うほど。 遠距離であればその数や距離・方角を把握するに留まるが、近距離ならば擬似的な読心能力のレベルまで精度が上がる。 この能力は英霊の写し身たるサーヴァントにも有効であり、索敵や哨戒、直接戦闘に大いに役立つ。 但し、生きた人間である他のマスターなどの声は当然、聞けない。 上述のスキルであるパラレイドの感度を上げすぎると、マスターにも死者の声が聞こえて精神的な負荷が掛かり、最悪、発狂する。 ライダーのこの異能の発現となったきっかけが瀕死の状態から息を吹き返したことであるためか、冥界化した領域に対する耐性をほんのわずかだけマスターに付与する。 プロセッサー:E ライダーはweaponの項目に記載される機動兵器、ジャガーノートに搭乗していない限り、 サーヴァントとして認識されない。『無力の殻』に類似するスキル。 但し、本来サーヴァントに傷を与えられないはずの神秘を有さない攻撃で負傷するリスクを負う。 人間としての本名が明かされている対象には、認識阻害は機能しない。 グラン・ミュールの境界:E ライダーたち、サンマグノリア共和国の防衛線外に追いやられた者が抱える呪い。 生前のライダーは共和国での戦いにおいて、一度も防衛線内の指揮管制官(ハンドラー)と顔を合わせることがなかった。 ゆえにこの戦いにおいても、ライダーたちとマスターは何らかの因果が働いて 面と向かって会うことができず、互いの素顔を知ることもできない。 代わりに、このスキルがある限りマスターは敵対するサーヴァントからの攻撃対象とされることがない。 対象を取らない攻撃(流れ弾や無差別の範囲攻撃)までは防げない。 このスキルはマスター、サーヴァントともに所持していることを自力では認識できない。 マスターとサーヴァント、両者の同意の下で直接会うことができたとき、このスキルは解除される。 【宝具】 『我らが死神、アンダーテイカー』 ランク:E 種別:対"物"宝具 レンジ:なし 最大捕捉:580 兄を含む576のプロセッサーの形見と、サンマグノリア共和国における最終任務・特殊偵察に赴いた4名、 計580名の魂を運ぶ宝具。 ライダーが生前から集めてきた、機体の装甲片をはじめとする形見の品である。 ライダーがライダーというクラスを得たゆえんは、この宝具にある。 人である事を否定され、ドローンの処理装置として戦地に赴いたプロセッサーたちは、 その死さえも本国・サンマグノリア共和国に否定され、現地での死体の回収、葬儀も厳しく禁じられた。 そんな中で始まった友軍の形見の回収という習わしは、かつてのライダーの所属隊長から始まり、 その死後はライダーに引き継がれた。 どんな過酷な戦地に赴いても生き残り、友軍の形見を残さず回収して持ち歩くライダーはやがて アンダーテイカー(葬儀屋)のパーソナルネームを得て、我らが死神と親しみを込めて呼ばれるようになり、 プロセッサーたちの魂の最後の拠り所となっていった。 共に戦った全ての仲間を、その心を、行き着く果まで連れて行くのが、ライダーである。 故に、ライダーが召喚されたなら、共に戦った仲間が勝手に現界するのも道理である。 この聖杯戦争においても当初召喚されたのはライダーのみであったが、 特殊偵察任務まで同行した4名は既に乗機を連れて現界している。 【weapon】 ○サンマグノリア共和国製 無人戦闘機械 M1A4 ジャガーノート 全長5.4m。全高2.1m(主砲除く)。 主兵装 57mm滑腔砲×1 副兵装 格闘用高周波ブレード×2、ワイヤーアンカー×2 4本脚の蜘蛛が大砲を背負った形状の、多脚戦車型無人式自律機械。 本来は自律兵器群・レギオンの侵攻に対抗するための無人兵器(ドローン)として開発されたが AI開発の実用化に失敗したため、人権を剥奪した"有色種(コロラータ)"を"情報処理装置(プロセッサー)"として 搭乗させることで、"無人機"として運用している。 その開発経緯から生存性は劣悪で、アルミ合金の装甲は小銃弾に耐えられるかどうかの脆弱さ。 加えて、主砲はレギオンの主力である戦車型の正面・側面装甲に通用せず、 細い4本の脚は、接地圧の高さから走破性に不安を抱える上、無理な機動をとると頻繁に故障する。 要は、走・攻・守が揃ってダメな欠陥兵器である。 この動く棺桶未満、アルミの棺桶をあてがわれて戦場に放り出されたプロセッサーたちの1年生存率は0.1%未満とされている。 ライダーのジャガーノートは各所のリミッターがカットされているなどのピーキーな調整がなされており、 他と隔絶した運動性を発揮する一方で、通常の3倍の早さの脚部損耗率を誇る特別仕様である。 なお、副兵装としてブレードを使用する変態はライダーのみ。他はみな機関銃を使う。 ○スカベンジャー ファイド ジャガーノートと共に戦地に赴く支援機。 給弾や搬送、そして破損したジャガーノートからの部品や形見の回収も行う。 こちらは自律稼働だが、AI技術の未熟さから戦闘に耐えるものではない。 ファイドとはシンが与えた個体名であり、シンと共に長く転戦していた。 ○レイドデバイス プロセッサーたちの首の後ろにインプラントされた疑似神経結晶素子と、右耳のイヤーカフ。 これらの機器によって、限られた者の異能だった感覚共有は誰にでも発現できるものとなった。 ○アサルトライフル・ハンドガンなど、小火器 気休め。 【人物背景】 人間としての本名、シンエイ・ノウゼン。愛称、シン。 年齢、16歳。 黒い髪に赤い瞳を持つ。彼らの世界でいう、黒系の貴種・夜黒種(オニクス)と赤系の貴種・焔紅種(パイロープ)の混血児。 常に空色のスカーフを首に巻いており、その下には斬首跡のような傷跡がある。 寡黙で、関心のない事柄には極端に無頓着かつ、雑。仲間を思う気持ちもあるにはあるが、その出力は不器用。 自身では耳を塞ぐこともできない死者の声をごまかすため、読書を趣味としている。 サーヴァントとしての真名、 アンダーテイカー (葬儀屋)とは、プロセッサーとしてのパーソナルネームである。 パーソナルネームは、1年生存率0.1%未満の戦場を生き抜いたプロセッサーに与えられる歴戦の証であるが、 その中でもシンが所属していたサンマグノリア共和国 東部戦線 第一戦区 第一防衛戦隊「スピアヘッド」は、 戦歴4年以上のベテランが属する。 そんなベテランの中でなお、シンの操縦技量と戦闘力は飛び抜けて高い。 参戦時系列:アニメ版 シーズン1 11話、原作小説 第1巻 第七章 終了直後 【サーヴァントとしての願い】 無い。 仲違いしたままレギオンに取り込まれた兄を討つことだけを考えて戦いに身を投じ、 その宿願を果たして特別偵察任務という死出の旅路に出た。 そのような時期であった彼は、生きる意味さえ失っていた。 【マスターへの態度】 必要とする人がいるのなら、戦うことでそれに応えたい。 【マスター】 ハンドラー・ウォルター@アーマード・コアⅥ ファイアーズ・オブ・ルビコン 【マスターとしての願い】 コーラルの焼滅あるいは抹消。可能であれば、最初から存在しなかったものとする。 【能力・技能】 機動兵器、アーマード・コア(AC)の戦闘を後方から支援するオペレーターとしての技能。 他にも、ドローンでの偵察、惑星封鎖機構に対する通信妨害、相手の心理を突いた話術による傭兵の売り込みなど、 長らく傭兵を支援してきたことが伺える、多岐に渡るスキルを有する。 自身もACに乗って出撃することがあるが、相当無理が掛かるのか、最後の手段としているようである。 なお、この聖杯戦争で東京に呼び出されるにあたって、独立傭兵の仲介者として、 あるいはオーバーシアーの一員として保有している資産(企業合意通貨)を日本円で持ち込んでいる。 その額、推定数百億円。人の人生を買い取ることさえできる額だが、"戦争"をするのには心もとない。 【人物背景】 壮年から初老の男性だが、その容姿は明かされていない。トレイラーPVで杖を突いて歩く影が描写されるのみである。 開発惑星ルビコン03において50年前、「アイビスの火」と呼ばれる、新物質・コーラルの異常増殖に起因する大災害が発生。 その後設立されたコーラルの動向を監視し、増殖の予兆があれば焼き払う 秘密結社・オーバーシアーの一員として活動を続けてきた。 能力・技能の項のとおり、主に子飼いの独立傭兵を雇って活動する。 彼の傭兵は廃棄寸前の状態で保管されていた旧式の強化人間だが、「あのウォルターの子飼い」 「さんざん苦渋を舐めされられてきた」など、その評価は高い。 ACを駆って戦う以外の機能を失った強化人間に対して、情緒や自主性が育つよう仕向けて 自由意志に基づいた活動を促すなど、あくまで一人の人間としての尊厳を以て扱おうとする姿勢が見られる。 不測の事態で傭兵が危機に遭遇したら特別手当を給付し、 自身の依頼でもないのに想定外の事故で任務不履行が発生した場合は報酬を補填するなど、 過酷な任務に放り込む使命と、それに相反する善性が隠しきれていない。 参戦時系列:チャプター4 最終ミッション 集積コーラル到達(通常) 終了直後 以下は、原作中の断片的な情報からの推測を含む情報である。 人類が恒星間移動を実現した時代、惑星ルビコン03で発見された新物質・コーラルを研究したナガイ教授の 第一助手の息子としてウォルターは生を享けた。 第一助手は息子である彼を無視して研究に没頭し、コーラルを用いた脳改造など、非人道的な研究に没頭するようになる。 彼がまだ少年と呼ばれていた頃にアイビスの火が発生。 以来、ウォルターはその人生を次なる"火"を防ぐことのみに捧げてきた。 現在の年齢は推定60代と思われる。 【方針】 勝ち残り、使命を果たす。 【サーヴァントへの態度】 あくまで、傭兵として対等な立場で扱う――が、マスターとサーヴァントという主従関係はどうしようもないし、 サーヴァントに現金の報酬を与えてもあまり意味がない。どうしたものか。 ちなみに令呪の位置は首の後ろを中心として、首を一周する形状。 86-エイティシックス-に登場するハンドラー用レイドデバイスを模した形である。
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人間の思い付きと言うのは、いつの時代もろくでもないものを生み出すものだ。 ベイラム同盟企業、大豊核心工業集団の機戦傭兵隊《金剛》の名目隊長、白毛は四体目の四脚MTをバズーカで仕留め、口をへの字に曲げながら思った。 ルビコン解放戦線の最重要防衛拠点―――通称、壁。交通の要衝に鎮座するこの要塞は、ルビコン解放戦線の逆襲によりまたもや彼らの根城となっている。一筋縄ではいかないこの大要塞を攻略するために、ベイラムとアーキバスはまた頭を悩ませ、そしていつもの如くベイラムが最初にろくでもないことを思いついた。 曰く、墜ちるまで何度も軽めにぶん殴る。ついたあだ名は、壁殴り突撃便。 「儂でももうちっとは頭柔らかいと思うわい」 攻撃先頭集団の只中にありながら、愛機の正黄旗GIIの中で白毛は苦笑し、今しがたBAWSのMTを二機仲良く粉砕したばかりの機体に眼をやった。 怒り狂って二本足で歩き始めた黒鉄の闘牛のような機体。あるいは、白く塗り忘れたパンダみたいな機体。ひたすらあたりを爆発させまくる万年春節ロボとか最近思ったりもする、蘇華龍の駆る呲鉄。 玉石混交の機戦傭兵隊《金剛》の中で一番使える奴を出せと言われたら、白毛が両手で差し出すのは蘇華龍だ。自分より若いし強いし、なにより物忘れが少ない。 『白隊長、敵性反応は残り僅か。砲撃も少ない。市街地への侵攻を具申します』 「そうじゃな。雇われさんたちに追加の駄賃をやって付き合って貰うかのう」 『小粒共ですが、弾避けにはなりますからな』 知らずに弾避け呼びされている傭兵たちは実際、蘇華龍の言う通り小粒ばかりだった。 遮蔽物から遮蔽物に飛び回ってろくな攻撃もできていないショートテイルのゲッコー、撃破した敵MTの残骸を器用にビル影に持ち込んでコクピットを解放して謎の奇声をあげているフライ・アガリック、そしてその隣でずっと疑問形の言葉を誰かに喋っているあとるちゃん。 火鍋並みに油の乗った小粒揃いで白毛は最初面食らっていたが、年の功だ。慣れた。蘇華龍は胸焼けが止まらなかった。 「小蘇が悪役みたいなこと言い出して儂、ちょっとびっくりじゃ」 『……事実ですので』 蘇華龍のとても釈然としていないむすっとした声を聞き、白毛はけたけたと笑いながら正黄旗GIIを前へ進める。 調子は良い。頭が煮え立つような感触も最低限で、戦況も良い。こうなれば気分も良く、機嫌も良い。けれども、心は晴れ時々曇りといったところ。戦闘開始からこのかた、歯に小骨が挟まったような違和感がずっとある。 なんじゃろうな、なんなんじゃろうな、とぶつぶつ呟きながら《壁》に設置されたBAWSの移設型砲台の砲撃を、飛んできた球を避けるようにひょいっと機体を捻って避けながら、白毛は唸る。唸って、気づいた。 「重裝機動炮台巨摯!! 華龍、那个混蛋去哪儿了!?」 しまった、つい全部口から出た。 白毛がそう思ったときには、呲鉄が足を踏ん張って急停止して《壁》を見た。白毛の言ったことを把握した蘇華龍の呲鉄が、一歩、後ずさる。 『ジャガーノートがいない』 「こりゃ駄目じゃな、小蘇。このまま行ったら、儂ら堀を超えても帰れんくなる」 『撤退しますか?』 「ほじゃな。なんか言われたら儂が聞いて全部忘れてやるわい」 参加傭兵各位に任務達成を送信させなければならなかった。 面倒じゃ、と思いつつも白毛は砲弾を避けつつ遮蔽物の陰に入り、周波数を弄って上司に繋ぎ、言った。 「儂らは敵の第一陣を殲滅して戦力漸減に成功、任務達成で良かろ?」 『戦況はモニターしています、市街地への侵攻は可能だと思いますが』 「ジャガーノートがおらんのじゃ。戦況も良すぎる。ここで一発ぶち込むのもええが、儂は行ったら帰ってこれん気がする」 『ふむ。しばしお待ちを』 「十秒待っちゃる」 蘇華龍が傭兵たちに堀を超えずに適度に応戦しろと命令を出しながら、壁の移設型砲台めがけて手動照準でバズーカを発砲した。 戦ってるように見せなきゃならんのも仕事の内。帰って酒が飲みたいと思いながら、正黄旗GIIは先頭へ飛び出し両腕のバズーカを砲台目掛けて交互に撃つ。二発撃って、一発しか当たらなかった。 そうして次の遮蔽物へアサルトブーストで退避すると、返信が来た。ちらりと時計を見ると三十八秒経っていた。 「遅い。儂が死ぬぞ」 『―――ベイラムの監視役のスヘルデから任務達成の認定をもらいました。任務達成で構いません』 「了解じゃ。敵の追撃がないことを祈るわい」 ほんなら最後に様子見を、と正黄旗GIIをブースターで滑らせ砲撃を避けながら、白毛はさらに前へ進む。 そしてまあ、橋の向こう側に二門の防盾つき移設型砲台と、金ぴかに輝く嫌なものを視た。悪目立ちしていて、正気とは思えないそのカラーリングをしたものは、ACだった。 「ああ駄目じゃ、こりゃ駄目じゃ」 『隊長?』 「小蘇、儂らもすぐ逃げるぞ。タングステンの奴がおる」 『了解。隊長は、戻れますか?』 「戻る。来んな」 金ぴかの逆間接AC、タングステンのブラスゴールドが飛び上がり、アサルトブーストの火球を背負いながらこちらに突撃してくるのを白毛は冷めた目で見ていた。 頭が煮え立つような感触を覚えながらも両腕のバズーカを交互に撃つ。避けられるが、一発は近接信管でACSに衝撃を蓄積させた。即座に後退しながらウェポンハンガーからガトリングガン、虎賁に持ち換える。 来るなら来ればいい、と白毛はブラスゴールドに照準を合わせる。だが、こちらが後退するのを見てブラスゴールドは逆噴射し、その場で停まった。そして、派手に地団太を踏み始めた。 「………こんまま突っ込んだらウォルフラムの姉ちゃんも出てきたかもしれんのう。報告盛るべきじゃな」 肝が冷えたと、ふうと息を吐き、白毛は作戦エリアぎりぎりで自分を待っていた蘇華龍の呲鉄と共に戦域から離脱する。 報告書にはしっかりと企業派私兵集団「ウルヴス」の存在を書き、その存在を情報部が把握していなかったことを非難する内容にしておこうと白毛は思い、頭痛に耐えながらスキットルを開け中身を煽った。 密造の蒸留酒は火のように喉を焼き、腹を温め腑に落ちていった。 関連項目 大豊核心工業集団 機戦傭兵隊《金剛》 白毛 蘇華龍 同雇用独立傭兵 ショートテイル フライ・アガリック あとるちゃん ルビコン解放戦線『壁』防衛部隊 タングステン ウォルフラム(言及のみ)
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OK!! 「へへっ、燃えたろ?」 「アハハハ、やったぁ!」 「日本一ぃ~っ!」 ラウンド終了時に勝利したキャラが取るポーズの事。「勝利ポーズ」、「決めポーズ」などとも呼ぶ。 古くは『ストリートファイター』の時代から存在し、キャラクター性を表現する要素の一つとして定着している。 小学生の頃にリュウの腕組みや、テリーの帽子投げを真似した人も多いだろう。 基本的に対戦内容とは直接関係ない動作なため、イントロや挑発などと並んで格闘ゲームの中でも表現の自由度が高い。 その内容はかっこいいポーズを取る、たそがれる、勝利を喜ぶ、相手を罵倒する、狂い笑う、制御出来ない力に苦しむ、 傷つけた相手を心配する、自分の成長を感じる、逃げ出す、ワープして消える、腰を抜かす…などなど様々。 中には倒れた相手にさらに攻撃を加えるような非道な奴らもいる(山崎竜二、ロレント、ジャガーノートなど)が、 もちろんFINISH HIM!!などとは別物である。 昨今の格闘ゲームでは1キャラにつき複数の勝利ポーズが用意されている事がほとんどだが、 特定のキャラに勝利する、特定の技でKOする…など、条件を満たす事で見る事が出来る特殊勝利ポーズも存在する。 豪鬼などの瞬獄殺KO、ケンシロウの北斗百裂拳などもその一つ。 また『月華の剣士 二幕』の高嶺響には、相手を斬り殺していくと勝利ポーズが変化し、 エンディングの分岐条件になるというフィーチャーも取り入れられた。 MUGENにおける勝利ポーズ 通常State180番台が勝利ポーズ用のコモンステートと定められている。 State180で勝利ポーズの分岐条件などを記述し、181~189でそれぞれのモーションを設定するのが一般的。 もちろん特殊イントロ同様、特定の相手に対して専用のポーズを設定したり、 ラウンドによって違うポーズを取らせたり、台詞付きのカットインなどを再現する事も可能。 体力の残量に応じて圧勝や苦戦といった演出を設定する事も可能で、アフロン氏製のアルカナハートのキャラクターはこの演出が使われている。 原作には無い、オリジナルのポーズや演出が用意されている事も珍しくなく、 これもMUGENならではのお楽しみ要素と言う事が出来る。 黄昏フロンティアの作品の多くは勝利演出はイラストによるカットインで、ドット絵によるアクションを起こさないので、 MUGEN用にドット絵でアクションを製作する作者も少なくない。 また、声が無いキャラにボイスパッチを作る際、イントロと勝ちポーズが追加されている事もある。
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ジル・バレンタイン(1、4、5、9、18、19、22、51、56、81、87、89、91、93、104、108、123、126、237) ウルヴァリン(28、33、50、52、55、56、211、254) ソンソン(32、35、40、56、62、67、82、114、160、211) シュマゴラス(47、59、77、81、88、102、122、125、130、140、141、147、148、165、168、171、175、180、181、185、248、259、269) ハルク(75、76、80、86、89、91、94、207) コブン(77、83、95、107、111、125、132、172、191、213、249) アイスマン(94、102、104、105、294、340) ストライダー飛竜(114、115、123、127、129、131、137、139、140、145、150、152、169、173、175、180、186、196、200、205、211、216、221、276)、 キャプテンアメリカ(116、119、122、129、132、133、139、147) スパイダーマン(118、126、129、161、168、177、287) バージル(9、12、31、36、42、45、48、55、63、115、212、218、220、354) ダンテ(115、130、132、136、160、304) キャプテンコマンドー(151、152、156、157、168、210、249、318) ケーブル(161、173、176、179、188、193、357) シルバーサムライ(170、172、173、176、180、181、192、196、197、203、334)、 ガンビット(182、185、191、198、214) サイクロップス(186、193、196、199、205) ジャガーノート(201、214、218、226、233、236) ソー(218、225、227、228、231、290) アイアンマン(229、237、248、252、254、258) ハヤト(241、253、262、270、289、291、354) ロールちゃん(281、286、289、297) マロウ(289、303、308、328) サイロック(293、300、301、303、307、308、310、314、340、353) スパイラル(322、323、330、333、338、345、346) コロッサス(328、339、341、343、350、353、357、363)
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ニコニコ動画/ピューと吹く!ジャガー 2007-12-14 【ジャガー】こどものじかんED×クヤシス【手書き】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1525298 さよならジュン市先生 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1187194 【マサルさん】 セクシーコマンドー部主題歌(ロック)「さよなら!!マサル先生」 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1752042 マサルさんは大変なめそ…あ、いや、何でもない http //www.nicovideo.jp/watch/sm905919 マサルさんは大変なカセットテープを持っていました http //www.nicovideo.jp/watch/sm724989 戻る