約 495,172 件
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/103.html
2人きりの時間は。 未だに、少し緊張したりするけれど。 その緊張も嫌なものじゃなくて、すごく楽しく感じるもので。 隣でハミングしながら、食器を片付けてくれているシェリルさんを横目に。 なんだか、頬がどんどん緩んでいくのが自分でもわかる。 (いつものことだけど、この状況ってすごく、贅沢だよね。) ハミングでさえ、すごく耳に心地よく響いて、思わずうっとり。 そんな私を見つけたシェリルさんと視線が合えば、ニッコリと笑ってくれる。 直視できずに一旦、視線を逸らして、もう一度ゆっくりと視線を合わせれば。 いつものことに、おかしそうに笑うシェリルさん。 「いつになったら、なれてくれるのかしらね?ランカちゃんは。」 少し意地悪な口調でわざとらしくそんなことを言って。 食器洗い機にあった最後のお皿を手にとって、さらりと額にキス1つ。 以前なら、それだけで気を失いかけてたけど。 最近は、真っ赤になって少しふらつくだけで大丈夫。 私だって、日々、成長してるんです。 キスされた額を押さえながら、シェリルさんを見れば。 悪戯好きの子どもみたいな笑顔を浮かべていて。 「もう、シェリルさん!」 なんて、叱ってみようとするけれど。 にやけた笑みに、嬉しそうな声じゃ、ただ喜んでいるようにしか聞こえない。 そんなの自分でもわかってるけど、文字通り、嬉しいんだからしかたがない。 案の定、シェリルさんは楽しそうな笑みを浮かべたままで、食器を片付ける。 いつの間にか、シェリルさんの部屋に増えていった、お揃いの食器。 今、私が手にしてるマグカップは、一緒に買いに行ったお揃いのもので。 今、シェリルさんが手にしていたお皿は、シェリルさんが選んでお揃いで買ってくれたもの。 他にも、気づいたら自分のものが、シェリルさんの部屋にどんどん増えていって。 今では、『同棲』なんて言葉が浮かんでくるほどに、一緒の時間が増えて。 「ランカちゃん、真っ赤。」 そんなことを考えていたら、シェリルさんの顔が私のすぐ傍に。 「ふぇっ・・・」 思わず出てしまった変な声に、恥ずかしくなって俯こうとしたら。 頬に手を添えられて、やんわりと顔を固定されてしまう。 そんなことをされたら、俯くこともできなくて。 近づいてきた、意地悪な笑顔を前に、ゆっくりと瞳を閉じた。 片付けを終えて、お揃いのマグカップには、ほどよく熱いミルクティー。 ソファに並んでまったり時間。 その日のことを話したり、仕事の話をしたり、ただくっついて座ってるだけだったり。 今日は、ただくっついて座ってる時間かなって思っていたら。 不意にシェリルさんが、私の膝の上に頭を乗せてきた。 「シェリルさん?」 不思議に思って名を呼べば。 私を見上げるシェリルさんの顔に、なんとも言えない甘えた笑みが浮かぶ。 その破壊力に、心臓が大きく脈打った。 「ラ~ンカちゃん。」 人前では、絶対に聞けないような甘えた声に、真っ赤になりながらも。 その意味を理解した私は、シェリルさんのふわふわの髪にソッと手で触れる。 「どうかしたんですか?シェリルさん。」 「ん~?べつに。なんでもないわよ。」 返ってくる答えはわかっているけれど、そう尋ねれば。 予想通りの返事。 「そうですか。」 「ええ。」 互いにわかっていたやりとりに、笑みを浮かべて。 ゆっくりと瞳を閉じたシェリルさんの髪を優しく撫でる。 そうしているうちに、シェリルさんは本格的にソファの上で眠る態勢。 「ダメですよ、こんな所で寝ちゃ。」 撫でる手を止めて、そう言ったら。 シェリルさんが不機嫌そうにこっちを見てくる。 かと思えば、髪を撫でていた手を両手で掴まれて。 もっと、撫でろと言わんばかりに頬を擦りつけてくるシェリルさん。 その行動に思わず呆然としてしまう。 だって、あまりにも・・・その・・・かわいかったから・・・ 身動きもできず、ただ魅入ってしまっていた私に。 ますます不機嫌になったらしいシェリルさんが、親指と人さし指の間を噛んできた。 「んっ・・・」 少しだけ感じた痛みは、なんだか甘くて。 零れてしまった甘い声に、自分で驚いてシェリルさんを見れば。 それで気を良くしたのか、ニッコリと笑ったシェリルさんが、噛んだ所を舐めてきた。 何がなんだかわからないけれど、自分の体が一気に熱をもっていくのがわかって。 きっと体中真っ赤だろう私のことを、楽しむみたいに。 シェリルさんは、私の右手を両手でやわやわと揉んでくれたかと思ったら。 悪戯な笑みを浮かべて、私の親指を口に含んだ。 体中に電気が奔る。 つま先から頭のてっぺんまで。 ケトルで沸かされる水って、こんな感じなのかな? なんて。 よくわからないことを、まったく働かない頭で考えながら。 一瞬で熱せられた体に戸惑う。 どうしたらいいのかわからない。 ただ、ジッとシェリルさんのことを見つめることしかできなくて。 そんな、私のことを見つめながら。 シェリルさんは、右手の親指から順番に小指まで、丹念に口に含んで舐めてくれた。 最後に手のひらに“ちゅ”っと。 音を鳴らしてキスすると、シェリルさんが私に言った。 「もっと。」 微かに甘く聞こえた声は、私の耳を犯すみたいに響いて。 一瞬、止まった呼吸を再開するべく、息を吸ったつもりが、喉を鳴らしてしまう。 「ちゃんと、撫でなさい。ランカちゃん。」 濡れて光る艶めかしい唇に、甘くねだる声。 妖しいまでの色気を感じるのに、その瞳は子どもみたいに輝いて。 くらくらするけれど、勝手にシェリルさんの言うことを聞いて。 掴まれた右手はそのままに、左手でシェリルさんの髪を撫でる。 そうしたら、シェリルさんの表情が満足そうに微笑んで。 もう一度、“ちゅっ”と手のひらにキスしてみせて。 私の右手を胸にぎゅっと抱きしめるシェリルさん。 なんだかもう・・・わけがわからないけれど、シェリルさんがかわいすぎることは確か。 上機嫌に戻ったらしいシェリルさんは、私の膝に何度か頬を擦りつけて。 落ち着く場所を見つけると、ソファの上で丸まった。 心臓はうるさいくらいに暴れているけれど。 いつ見てもかわいらしいその姿に、思わず笑みが零れる。 「・・・なんだか今日は・・・いつも以上に・・・ネコみたいですね・・・」 思わず口にしてしまった言葉は、思っていても言えなかったことで。 なぜかと問われれば、怒られると思っていたから。 銀河の妖精、シェリル・ノームを『ネコみたいでかわいい』なんて。 それこそ、シェリルさんのご機嫌を損ねてしまうと思って。 だから、言ってしまったことに後悔してしまう。 瞳を閉じて気持ちよさそうにしていたシェリルさんが、こっちを見たことに。 慌てて「違うんです・・・あの・・・」と、言い訳をさがすけれど、見当たらず。 結局は、項垂れて、謝ることしかできなかった。 「変なこと言って・・・ごめんなさい・・・シェリルさん・・・」 しゅん、としてしまった私の頬に、ソッと触れてくれる優しい手。 閉じた瞳を開いて、シェリルさんを見れば、楽しそうな笑顔があって。 「シェリルさん?」 怒られると思っていたのに、そんな表情を見せられたから。 首を傾げて、名を呼んだ。 そうしたら、シェリルさんが・・・ 「にゃあ。」 「・・・・・・」 「にゃ~」 「・・・・・・」 なんて、楽しそうに、おもしろそうに、うれしそうに。 甘えた声で鳴いてみせるから。 「シェリルさんっ!!!!!」 だから、おさえられなかったんです。 「ランカちゃんたら強引。」 からかうような余裕めいた声が耳に聞こえて、ランカの顔が真っ赤に染まる。 「・・・だ、だ、だって・・・シェリルさんが・・・」 「私は何もしてないじゃない。ランカちゃんのリクエストに応えただけよ?」 そんなことを言って、シェリルが顔の横でネコの手を真似てみせると。 顔どころか、体全体を真っ赤に染めていくランカ。 その様子をシェリルは、楽しそうに眺める。 「ず、ず、ずるいですよっ!!!そんなのっ!!!シェリルさんっ!!!」 ムキになってランカはそう返すけれど、シェリルはやっぱり余裕の笑顔。 その笑みに、悔しさを感じたランカは、小さな声で強く言った。 「もう・・・いいです。」 「え?」 ランカの反応を楽しんでいたシェリルの肩に手を置いて、動けないようにしたら。 強引に、そのまま唇を重ねるランカ。 最初はちょっと驚いたシェリルだったが、すぐにそれを受け入れる。 薄く開いたシェリルの唇に舌を差しいれたランカが、遠慮がちに舌を絡めれば。 その遠慮を取りさるように、シェリルの舌がランカのそれに絡んできた。 少し驚いて、でもすぐに。 それに甘えるように、ランカはシェリルとのキスに没頭する。 深いキスのあと、2人を繋ぐ透明な糸を拭うように。 もう一度、シェリルと唇を重ねて軽く吸い上げる。 そうして、唇を離せば、ランカがシェリルを見下ろした。 少し弾んだ息づかいで、ゆっくりと閉じた瞳が開かれれば。 シェリルの潤んだ瞳がランカをとらえる。 それにランカが微笑み返せば、頬を染めたシェリルは、慌てて顔を背けた。 「どうしたんですか?シェリルさん。」 シェリルが恥ずかしがっているのは、わかっていたけれど。 さっきまでのことがあるから、ちょっと意地悪をしてみせるランカ。 そうしたら、シェリルが不服そうにランカを睨む。 「ランカちゃんの意地悪。」 「先に意地悪したのは、シェリルさんだから、謝りませんよ。」 「・・・いつから、そんなに生意気になったの?ランカちゃん。」 「シェリルさんに、教わったんですよ。」 「嘘ね。そんなこと、教えた覚えはないわ。」 「いいえ、教わりました。」 言い合う2人の顔には、笑みが浮かんでいて。 シェリルがランカに手を伸ばし、やんわりと引き寄せれば。 それに誘われるがまま、ランカはシェリルの上に身を重ねて、もう一度、口付けた。 すぐに離れた唇が、今度はシェリルの首筋に下りていく。 甘い吐息を耳に感じて、嬉しくなったランカの顔に笑みが零れた。 それは、シェリルが感じてくれている証拠だと。 ランカはちゃんと、わかっていたから。 一生懸命なランカの愛撫に翻弄されながら、露わになった胸に吸いつかれた時。 シェリルは、快感に声を上げた。 「んっ!!!・・・にゃあ・・・」 聞こえた声に、思わずその動きを止めてしまうランカ。 シェリルの胸から顔を上げて、まじまじとシェリルを見やれば。 自分であげてしまった声に気づいて、肩で息をしながら真っ赤に染まっていくシェリル。 「シェリルさん、今の・・・」 「・・・空耳よ・・・」 弱々しい声がそう言えば。 ランカの頬は、見る見る間に綻んでいって。 “ガバッ”と音がしそうな勢いで、シェリルを抱きしめた。 「かわいいっ!!!!!シェリルさんっ!!!!!」 「う・・・うるさい・・・」 「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。ネコ、かわいいですよ。」 「・・・それ以上言ったら、怒るわよ・・・ランカちゃん・・・」 それが恥ずかしさからくる強がりだということは。 シェリルがランカにしがみついてきた、力具合ですぐにわかる。 だからランカは、ただシェリルにニコニコと微笑みかけた。 それが少し気に入らなくて。 シェリルは、ランカの耳元で言ってやる。 「ランカちゃんの、バカ。」 「はいっ!!!」 そのままの笑顔で、元気よく、嬉しそうに肯定してきたランカ。 それに、シェリルの方がなぜだかとても恥ずかしくなってきて。 そんな反応を見せるシェリルに、ますますランカの頬は緩んでいく。 逆に、ますます恥ずかしくなってきたシェリルは、それを隠すように。 ランカの右肩に噛みついてみせた。 「も~、痛いですぉ、シェリルさん。」 「う、うるさいわよ・・・ランカちゃんのくせに・・・」 ぜんぜん痛くも痒くもないといった、デレデレの声でランカが言えば。 シェリルは、恥ずかしそうにそう言い返して、ランカの首筋に顔を埋めた。 実は、ランカに攻められると、とたんに弱くなってしまうシェリル。 それに、最近気づいたランカが“かわいがられる”だけではなくて。 “かわいがる”ことに、喜びを覚えはじめてからというもの。 こうやって、シェリルを翻弄することもしばしば。 それが嫌というわけでは、ぜんぜんないけれど。 素直にそれを受け入れてしまうのは、シェリルにはできないことで、強がってしまう。 その強がりがまた、ランカにとってはかわいらしくて。 「シェリルさん。」 柔らかな髪を撫でながら名を呼ぶけれど、シェリルは顔を上げずに、ただランカに強く抱きつく。 その返事に微笑んで、ランカはさっきの続きを始める。 胸に優しく手を這わせれば、すぐにまた、シェリルの口から甘い吐息が零れた。 抱きついてたシェリルの力が弱まって、動けるようになると。 ランカはそっと、その胸に唇を寄せた。 主張する尖端を口に含めば、シェリルの体が小さくのけ反る。 その反応に自然と笑みが零れて。 ソッと舌を這わせて、チュッと吸い上げて、カプッと歯を立ててみる。 右が終われば、今度は左、空いた方には、手を這わせ。 「く・・・んんっ・・・」 「・・・シェ・・・リル・・・さん・・・」 互いに余裕がなくなっていくのがわかると、ランカの手がシェリルの腿に辿り着く。 「・・・シェリルさん・・・すごい・・・」 そこがもう濡れていることに、思わず零れてしまう言葉。 息の上がったシェリルは、何も返せず、ただ恥ずかしくてランカにぎゅっと抱きついた。 抱きついてきた、シェリルの髪にソッと口づけて。 ランカの手が腿を撫でれば、閉じようとしていた脚が自然と開いていく。 抗えぬものにシェリルは、ランカに抱きついたまま、ぎゅっと目を閉じた。 ランカの指が蜜の溢れだすそこに触れると、シェリルは大きく息を吐く。 「シェリルさん・・・その・・・いれてもいいですか・・・?」 「・・・いちいち・・・聞かないで・・・」 「だって・・・この前・・・急にって・・・怒ったじゃないですか・・・」 「あ、あれは・・・その・・・だから・・・」 言われたことに思わず顔を上げれば、そこには、ランカの笑顔。 それを見たシェリルは、一瞬驚いて、それから眉間に皺を寄せた。 「わざとね・・・ランカちゃん・・・」 「えへへ・・・だって、シェリルさんの顔、見たかったから。」 「・・・卑怯もの・・・」 「シェリルさんだって・・・私に・・・するじゃないですか・・・」 顔を近づけながら、そんな言い合いをして。 そのまま唇が重なれば、ランカの指がシェリルの中に挿入された。 あまりの快感に、唇が離れるも、直ぐさまシェリル自らまた唇を重ねる。 ランカの拙い2本の指の動きに、快感を呼び起こされて。 自分でも驚くくらい、あっと言う間に果ててしまうシェリル。 きつくランカに抱きついていた力が弱まると、シェリルの体がソファに沈む。 荒い呼吸を繰り返し、いまだ快感に震えるシェリルに嬉しくなるランカ。 シェリルの頬や、額、目尻にキスを繰り返す。 やがて、少し落ち着いてきたシェリルがランカに微笑みを向ければ。 嬉しそうに笑ったランカが、いまだにシェリルの中におさまっていた指を動かし始めた。 「ちょ・・・ランカちゃん・・・んん・・・」 「まだまだ、いーっぱい、気持ち良くなって下さいね、シェリルさん。」 そう言って、無邪気な笑みを浮かべるランカ。 どうやら、スイッチが入ってしまったらしいランカに。 シェリルはその身を委ねることしかできなかった。 結局、朝をソファの上で迎えてしまった私たち。 「ランカちゃんのエッチ。」 シェリルさんの言う通り・・・その、なんというか・・・ シェリルさんのかわいさに、止まらなくなって・・・ ランカ・リー、大暴走してしまいました。 「だ、だ、だって・・・シェリルさんが・・・かわいいから・・・つい・・・」 やりすぎてしまいました、ごめんなさい。 反省しつつも、昨日のことを思い出したら、顔がニヤけてしまうのがわかった。 「ぜんぜん反省の色がみえないわね、ランカちゃん。」 ニコッと笑ったシェリルさんに、両頬をやんわりとつねられて、左右に伸ばされる。 それなのに、ニヤけた顔はもとに戻ろうとはしなくって。 「ふぉふぇんふゃふぁい」 そのままの状態で謝ってみたら、シェリルさんが大きく溜息を吐いてみせた。 「ほんとに・・・ランカちゃんは、困った子なんだから。」 そう言いながら、つねられた頬を解放してくれれば。 シェリルさんが、私のことをぎゅっと抱きしめてくれる。 突然のことに驚いて、でも、その柔らかで温かな感触に、また笑みが零れて。 抱きしめてくれるシェリルさんに、ぎゅっと抱きつき返した。 「大好きです、シェリルさん。」 「知ってるわよ、ランカちゃん。」 頭を撫でてくれる優しい手に、微笑みながら。 シェリルさんに、さらに抱きつく。 「ねぇ、ランカちゃん。」 呼びかけられて、顔を上げれば。 そこに、シェリルさんの艶やかな笑顔。 それに魅入っていたら、耳元で囁かれる。 「今夜は“おしおき”だからね。」 言われた言葉を理解して、真っ赤になって固まれば。 ものすごくご機嫌な笑みを浮かべたシェリルさんが、私にキスをしてくれた。 おわり
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/72.html
「今日のライブ・・・すごかったですねぇ、シェリルさん。」 放心状態のランカが、お風呂上がりのパジャマ姿で、窓の外を眺めながらそんなことを言うと、 シェリルは窓に映る自分に微笑みを映して返し、ベッドに腰掛けた。 シェリル&ランカの超銀河横断マクロスピードライブ、最終日最終公演。 そのせいもあってか、今日のライブは本当にすごかった。 異様な熱気と声の津波。 それに負けず劣らない、2人の歌姫たちの歌とパフォーマンス。 それに呼応するべくボルテージも最大限に上がっていき、今日のライブは後々、歴史に残るほどのライブだった。 歌い終え、挨拶や軽い打ち上げも済んで、ホテルの部屋に戻った頃には、とっくに次の日になっていて。 2人に用意されていたのは1つの部屋。 「デカルチャー!!!すみません、2人とも。部屋が手違いでダブルの1室になっちゃってまして・・・」 申し訳なさそうなエルモに対して、シェリルとランカは顔を見合わせ、嬉しそうに笑いあった。 もともと、別々の部屋だったならどちらかの部屋で一緒に過ごそうと思っていたから。 エルモには笑って気にしないように伝えて、キーカードを預かると、2人は仲良く部屋に向かった。 疲れきった体で、互いに体重を預け合うようにして部屋に入った2人は、そのまま豪華なソファに座り込む。 しばらく静かな時間が過ぎて、どちらともなく微笑み合うと、じゃれあうようにキスを交わす。 それが合図になって、シェリルとランカは心地いい疲れと一緒に浴室に向かう。 広めの浴室で一緒にお風呂タイムを過ごし、そして今現在の状況に至っていた。 「ずーっと・・・シェリルさんと一緒にライブできたら・・・いいのになぁ・・・」 ランカがポロリと零した願望に、シェリルは目を丸くする。 ランカは自分が何を言ったのか気づいてないようで、窓にコツンと頭をくっつけていた。 それぞれに仕事があるのは当たり前。 ランカとシェリルは銀河中の人気の歌姫だ。 それぞれに人気が高く、忙しい毎日に別に文句があるわけではないだろう。 それは自分の望んだ日々だから。 歌をみんなに届けたい。 その明確な意志を持って、ランカもこの大きなステージに上がってきた。 シェリルにだって、プロとしての心意気をその姿を持って教えてもらい、 ランカなりに公私は分けているつもりだ。 それはシェリルにもわかっている。 けれど、実際の本音が今の言葉なのだろう、そう思うとシェリルの顔に笑みが浮かぶ。 (ランカちゃんは、ほんとにかわいいわね。) ちょうど、この銀河横断ツアーを共演することになったということが2人の耳に届いた時は、 すれ違いの毎日だったことを思い出すシェリル。 互いのオフは合わず、顔を合わせても挨拶と軽いキスだけで終わってしまい、 触れあうことすら叶わなかった。 収録が同じになったところで、シェリルとランカが仲良くイチャイチャできるはずもなく。 いつかの共演番組では、他の共演者の中のお調子者の男性歌手がシェリルに触れたりしながらしゃべるのを 出番を終えたランカがもの凄い形相で後ろの席から睨んでいたことを思い出す。 (ああ、あの時はおもしろかったわね。オンエアでも不機嫌なのが少しわかるくらいだったもの。) クスッと笑ったシェリルに気づいたランカが振り返って、小首を傾げる。 そんなランカに、笑みだけ返して、何でもないと視線で告げると、ふにゃっと笑ったランカは、 再び視線を窓の外に移して、「一緒がいいなぁ」と呟いていた。 (そうそう、その収録の時・・・) 出番を終えて、座ったのはランカの隣。 たぶん、ディレクターの2大歌姫共演の売りも考慮しての配置だろう。 「ランカちゃん・・・顔。」 カメラが向けられているのがわかっているシェリルは、仲睦まじい姿を見せるべく、 ランカを誘惑するような素振りで耳元に囁く。 「へ?」 慌てたランカのかわいらしさも計算してのシェリルの行動だった。 「顔、変な顔になってるわよ。」 「だって・・・」 不服そうに俯くも、その目はだけはいまだに男を睨んでいる。 その姿に苦笑を漏らすシェリル。 プロなんだからと言いながらも、ランカのその気持ちが嬉しいのは確か。 だがしかし、その嬉しい感情を表に出さないのはシェリルのプロとしての意識。 どうしようかと思っていたシェリルの手に温かな感触が触れる。 一瞬、何かと思ったが、それがランカの手だとわかると、シェリルはその手をつなぎ、 そしてカメラの死角で指を絡めた。 それが嬉しかったのか、シュンとしていたランカの緑の髪が立ち上がる。 わかりやすいその感情に、シェリルは堪らなくなって俯いて笑った。 そして、ランカは小さく、本当に小さくシェリルにだけ届く声で囁いた。 「シェリルさんは・・・私のなんです。」 自分の顔が熱くなって行くのがわかるシェリル。 緩み出そうとする頬をなんとか抑えて、そのままいつもと変わらぬシェリルの表情を保ちながら、 絡めた指に力をこめた。 そんなことを思い出しながら、ランカの背を見つめていたシェリルは、 目を閉じて口元に笑みを浮かべると歌いはじめた。 『会えないときこれを聴いて わたしだけのものって歌わせて』 ランカがその声にハッとして振り返る。 口ずさんでいるだけなのに、それはとても綺麗な歌声で。 ライブと何ら変わりないその歌声と、こちらを見て微笑んでくれたシェリルに、真っ赤になるランカ。 そんなランカを招くように、自分の腰掛けたベッドの隣をポンポンと叩きながら、歌を続けるシェリル。 『そばにいると言えないから』 誘われるように、ふらふらとした足取りでシェリルの元に行き、 叩かれたその場所にシェリルを見つめながら腰掛けるランカ。 そんなランカに微笑んだまま軽く口づけるシェリル。 それだけで、ランカの顔はさらに真っ赤に染まった。 『その甘いkissわたしのもの』 絶妙のタイミング。 ここしかないようなタイミングを計って、シェリルは歌を口ずさみ続ける。 ランカは触れられた唇に手を当てて、シェリルを熱に浮かされたような表情で見つめる。 『たいせつだから 時々イジワルをしたくなるの』 そんな歌詞を茶目っ気タップリに歌われてしまったら、誰だって敵わない。 シェリルのいつもとは違うかわいらしい一面。 それを、シェリルは今、ランカにだけ見せていた。 悪戯っぽい笑みに息をすることさえ忘れ、シェリルから目を離せないランカ。 『いろんなことして』 『いろんなとこ触って』 ランカの耳に口元を寄せて、囁くように歌うと、ランカの心臓はもう爆発寸前になる。 シェリルはランカのピョコピョコと動く髪を優しく撫でて、あいたもう片方の手で、ランカの頬や唇、 首筋、そして胸元辺りに柔らかく触れていく。 やがて髪を撫でていた手がランカの弱点の一つである背を撫で上げ、 もう片方の手でランカの手を取ると自ら自分の胸元に導く。 触れたその胸の柔らかさに、甘い吐息を漏らすランカ。 そんなランカを見て、悪戯な笑みをうかべたままのシェリルはその耳に息を吹きかけた。 体中がゾワゾワと震えるその感じに真っ赤になってシェリルから離れるランカ。 そんなランカにクスクス笑って見せ、シェリルはランカの頬に手を伸ばした。 『困るところ もっと見たいナ』 微笑んでそんなことを言われたら、いや、歌われてしまったら、もうランカにはどうすることもできない。 胸の内に湧き上がる想いに、どうしたらいいのかわからない。 何も考えられず、ただ気持ちが高揚するのを感じるランカ。 そこにあるのは、目の前にいるこの美しくて、かっこよくて、綺麗で、 そしてかわいいシェリルという存在が“大好き”だという、とてもとても強い気持ち。 ランカは頬に触れられた手に、愛しそうに頬を擦りつける。 そんなかわいらしいランカの姿に、シェリルもただ微笑んで、愛しい気持ちを歌にのせる。 『どうしよう離れたくなーーーい』 もう本当に堪らなくなったランカは、シェリルの腰に抱きついた。 歌は聴いていたいけれど、このままシェリルと触れあいたい。 そんなせめぎ合いの中で、ランカはシェリルのお腹辺りに顔を擦りつける。 そんなランカの頭を撫でながら、シェリルはランカの耳元に唇を寄せる。 『ランカちゃん アイシテル』 本当はすぐに言葉が続くのだけれど、シェリルはわざとそこで溜める。 自分の想いを伝えるように。 ランカの動きが止まり、ゆっくりと顔を上げたその表情は熱を帯びていて。 瞳が潤み、今にも涙が零れそうだ。 そんなランカに微笑んでシェリルは歌を続けた。 『って・・・・・・ もっと 言っとけばよかったナ』 額にキスを送り、ランカの脇に手を入れると、その体を起こそうとするシェリル。 それに逆らうことなどせずに、その身を起こすと、真正面からシェリルと向き合う形になるランカ。 ベッドに横座りして、二人して見つめ合う。 そして、シェリルは最後のフレーズをゆっくりと口ずさむ。 『大好きよ』 囁きかけるように言って、綺麗に微笑んでくれたシェリルに、ポーっと見惚れてしまうランカ。 『大好き・・・・・・ランカちゃん』 言われた時には、ランカはシェリルに飛びつき、押し倒していた。 「シェリルさん!!!シェリルさん!!!」 「感謝しなさい。こんなサービスめったに・・・ランカちゃんだけにしかしないんだから。」 胸に顔を擦りつけて名を呼ぶランカの髪を撫でながら、優しい笑みを浮かべてシェリルが言う。 やがて興奮が少し治まったランカが、シェリルの胸から顔をあげた。 視線が合うと互いに幸せそうに微笑み合う。 「シェリルさん・・・」 「なぁに?ランカちゃん。」 熱を帯びた声に呼ばれ笑顔でそう返すと、顔の横に両手をついてランカに見下ろされるシェリル。 「私も・・・私も、大好きです・・・シェリルさん・・・愛してます・・・」 恥ずかしそうに、でも幸せいっぱいな笑顔を浮かべて、そう言うランカ。 シェリルはそっとランカの頭に手をやると、その頭を引き寄せた。 引き寄せられるまま、ランカはシェリルの肩口に顔を埋める。 「知ってるわ、ランカちゃん。」 そう耳元に囁かれた声に幸せそうに微笑んで。 やっぱり嬉しくなったランカはシェリルの肩に顔を擦りつけた。 そんな犬みたいにかわいいランカの背を撫でながら、シェリルはその耳元に囁きかける。 「ねぇ、ランカちゃん。」 それは、悪戯天使の誘惑。 「いろんなことして。いろんなとこ触って。」 シェリルがわざと艶めいた声で甘くおねだりしてみせると、 ランカは真っ赤になりながらもそれに誘われるように、シェリルの唇に自らの唇を重ねていた。
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/57.html
「ただいまぁー」 ドアが開く音と共にシェリルが仕事から帰ってきた。 「シェリルさん、お帰りなさい!」 ランカは声に反応しすぐにシェリルの待つ玄関まで飛び出してきた。 最近仕事でもなかなか一緒にいられずにいた寂しさの反動もありランカは駆け寄り、シェリルに抱きつこうとして固まる。 「シ、シェリルさん…?」 ランカが呼び掛けてもシェリルは全く動かないどころか徐々にランカの身体に寄りかかってきた。 「ええっ!シェリルさん。そんな、嬉しいけどこんな玄関でなんてっ。えーと続きはベッドの上でっ!」 慌て過ぎて一人相撲を取り始めたランカだったが、寄りかかった状態のまま動かないシェリルにようやく気付いて顔を近付ける。 (寝てる…) 勘違いで先ほど口走った自分の言葉を思いだし一人赤面してしまうランカだった。 しかし重い… 女性とはいえ意識がない人を支えるには小柄なランカでは厳しい。 シェリルに押し潰されかけていたランカは、どうにかシェリルを起こさないようにと気を配りつつ下敷きになっていた場所から抜け出した。 「シェリルさん、起きてください!ベッドまででいいですから頑張ってください!」 「う、ん。ランカ、ちゃん…?」 ランカはシェリルに声をかけてみるが、シェリルからはぼんやりしたあやふやな答えが返ってくるだけだ。 仕方ない。 ランカは起こすのを諦め、肩を貸して引きずるようにしてどうにかシェリルをベッドまで運んだ。 「ん~、ランカちゃーん…」寝ぼけつつもランカの名前を呼んでくれるシェリルにランカは鼓動が早くなる。 「むー、そんな無防備な姿してると襲っちゃいますよ?」 シェリルが帰ってきたら何を話そうか何をしようかといったことをずっと指折り数えながら楽しみにしていたランカにとって、ようやく会えたシェリルが全く相手をしてくれない状態なことに落ち込んで寂しく感じていたこともあり、勇気を出して寝ているシェリルに近づいていく。 ふざけた言い方をしていても胸の鼓動の高鳴りは止まらない。 2人の唇が触れ合う直前 「ん、ん…」 寝返りをうつシェリルに慌てて我に返ったランカはシェリルから離れた。 仕事で疲れてたんだなぁ、でもちゃんと私のところに帰ってきてくれて安心して眠ってくれている。 願わくは彼女が落ち着ける場所は今後もずっと私の隣でありますように、とランカは思いつつシェリルの額に唇を落とした。 「明日は2人とも久々のオフだし1日付き合ってもらいますからね!シェリルさん!」 終わり。
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/11.html
スレ1 1-108(アルト×シェリル) *小ネタ 付き合い始めた二人 1-116(シェリル×アルト) 女王様シェリル×女装アルト 1-136(アルト×シェリル) 良いから、早くキスしなさい! 1-157(アルト×シェリル) アルトの自慰 ※シェリルの命令で… 1-222(シェリル×ランカ) ねえ、聴きたいの。あなたの歌を ※百合もの 1-237(アルト×クラン) 大クラン出撃中! ※永井豪先生風味 1-272(アルト×シェリル) キス…ちゃんと、できるの? 1-295(アルト×シェリル) アイランド・ワンへ帰投、シェリルのコンドミニアムで 1-305(アルト×シェリル) *微エロ 京鹿子娘道成寺を舞うアルト 1-324(アルト×シェリル) *微エロ 7話イヤリングを喪失 1-365(ランカ×シェリル) *微エロ 二人のデュオ 1-370(ミハエル×クラン) *微エロ 休日に二人で非番 1-373(ミハエル×クラン) *微エロ 小さい頃から女体探検 1-390(アルト×シェリル) 今度のアルバム・ジャケット 1-475(クラン←ミハエル) 通りすがりの女にクランの面影を重ねる 1-512(アルト+シェリル+ランカ) *小ネタ 美星学園芸能科の課題 二人の会話が気になるアルト 1-532(アルト×シェリル) ホテルで逢引 1-546(アルト×ランカ) *エロなし 5話のショッピングモールでのランカを見て 1-551(アルト×ランカ) *小ネタ エロなし 携帯君を握り… 1-554(アルト×シェリル) *小ネタ アルトにこんな趣味があったなんて… 1-564(アルト×シェリル) *微エロ 7話の後の2人 1-573(アルト×シェリル) *小ネタ 無くしたイアリング 1-578(アルト×シェリル+ルカ)*小ネタ 俺、溜まってるのかな… ※1-554の続き 1-584(アルト×シェリル) *エロなし 美星学園の学食 1-585(アルト×シェリル) *エロなし アルトのあだ名 1-590(アルト×シェリル) *小ネタ 5話から 1-600(アルト×シェリル) 「#08.5 ヴァージン・クイーン(パイロット版)1/2」*エロなし 1-602(ミハエル×クラン+アルト×シェリル) 「いちゃいちゃ競争、あるいはルカ・アンジェローニの憂鬱」*微エロ 1-616(アルト×シェリル) 「#08.5 ヴァージン・クイーン(パイロット版)2/2」*エロなし※1-600の続き 1-618(アルト×シェリル) アルト風邪を引くの巻 *微エロ 1-645(アルト←(シェリル+ランカ))「作戦」*エロなし 1-686(ミハエル×クラン) 「奇襲」*エロなし 1-693(ミハエル×クラン) 「女体探検再び」*小ネタ、微エロ 1-696(アルト×シェリル) 「ヴァージン・クィーン(完全版)」※続きは2-6 1-736(グレイス単体) 「電脳マネージャー、グレイスさんのある一日」*エロなし 1-744(アルト×シェリル) *エロなし 約束の歌をもう一度聴くために… 1-750(シェリル+アルト+ミシェル+ルカ) 「一日艦隊司令」*エロなし 1-765(アルト×シェリル) 「美星学園の学食(2)」※1-584の続編-お笑い編 1-768(ミシェル×クラン) 「プラスティック・ムーン」*エロなし ※1-686の続編 1-785(ミシェル×クラン(小)) 「kiss kiss kiss」 1-793(VF-171×VF-25) 「マクロスFuck」*小ネタ、微エロ? 1-798(アルト×ネネ) 「主人公人妻地獄~さおとめあるとひとづまじごく~」*微エロ 1-810(ミハエル×クラン) 「おいかけっこ」*微エロ 1-819(アルト×シェリル) 「夜明け前」*微エロ 1-832(ナナセ×アルト×ランカ)*小ネタ ニンシ~ンな心意気で、ですね! 1-834(ミハエル×クラン) 「愛に時間を」*エロなし 1-846(アルト×シェリル) 「財布落として落ち込むアルトと励ますシェリル」*エロなし ※続きは2-101(*エロあり) 1-861(アルト総受け?) 「ボビーのメイクアップ講座」*小ネタ、エロなし? 1-866(アルト×シェリル)*小ネタ、微エロ キスくらい、何てことないんでしょ? 1-874(アルト×シェリル) 「映画」*エロなし ※パラレル設定 1-906(ランカ+シェリル) 「眠れぬ夜の独り言」*微エロ 1-919(アルト祖母+シェリル) 「早乙女家の伝統」*小ネタ、エロなし 1-997(アルト受け?)*小ネタ SMS小隊で →スレ1ログ
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/85.html
『白も黒もおいしく頂いちゃいます?』 「だから、言ったじゃないですか。」 ベッドの上、シェリルの腰に抱きついたランカが嬉しそうに楽しそうに言った。 「今度はぜーーーったい、私の番だって。」 呆気にとられているシェリルを見上げるランカ。 「覚悟してくださいね、シェリルさん。」 そしてランカは、シェリルに向かって無邪気に微笑んでみせた。 「ちょ・・・ランカちゃん、やめなさいったら・・・」 「やです。シェリルさん、この前、私が嫌だって言ってもぜんぜんやめてくれなかったじゃないですか。」 少し頬を膨らませてそう言うと、ランカはシェリルの白くて綺麗な肌に口づける。 「それと・・・これとは・・・話が・・・」 「別じゃないですよ。一緒がいいって言ってるのに・・・ いっつもシェリルさん、私のことばっかり気持ちよくするんだから。 今日は、絶対私がシェリルさんを気持ちよくさせるんです。」 いつにもましてやる気なランカに、内心焦るシェリル。 けれども、その焦りを表に出すことはせず、なんとか余裕をみせようとする。 「こんなことして・・・あとでどうなるか・・・わかってるの?ランカちゃん。」 なんとか頑張って呼び寄せた“黒うさぎ”たる存在で、そう言えばどうにかなると思っていた。 お腹に何度もしていたキスを止め、顔を上げたランカにシェリルの“黒うさぎ”たる微笑みが炸裂する。 本来ならば、ここで怯むはずのランカ。 それから、この前のことを謝って、じゃれあいながら“一緒に”と考えていたシェリル。 けれど、今日のランカはシェリルのその考えの上をいっていた。 「いいですよ。」 「え?」 「あとでどうなったっていいんです。私、シェリルさんに負けっ放しは嫌なんです。」 「ランカちゃん・・・」 その力強いセリフに「この子も言うようになったものね・・・」などと感慨にふけりながらも、 シェリルは気づく。 「ちょ・・・こういう事に、勝ち負けとかってないでしょう?」 「そうかもしれませんけど・・・でも、やっぱり、負けたくないんです。シェリルさん。」 そう言って微笑むランカは、ただ自分の気持ちに正直なだけだった。 そんなかわいらしいランカに返す言葉も見つからず、シェリルが呆然としていると、 ランカがまたお臍あたりに口づける。 「ぁんっ・・・」 油断していたシェリルの口から甘い声が漏れると、シェリルのその場所に何度も口づけるランカ。 「ちょ・・・ランカちゃん・・・」 くすぐったさと快感の境目で、漏れそうになる声を、 “プライド”という名の盾でなんとか我慢するシェリル。 そんなシェリルにおかまいなしに、ランカはシェリルのお腹に口づけを続ける。 「ちょ・・・ランカちゃ・・・ん・・・いい加減に・・・」 ランカの口づけがだんだんと中心から外へとずれていったその時。 止めようとしたシェリルの口から一際大きな声が上がった。 「あんっ!!!」 その声に思わず驚いて、顔を上げるランカ。 自分でも驚いているシェリルの視線とぶつかると、ランカは嬉しそうに微笑んだ。 「シェリルさん、もしかして・・・」 「ちょ・・・」 制止の声もままならないまま、ランカがシェリルの右脇腹をかわいらしい指で撫で上げる。 すると、責めさせまいと頑張っていた“プライド”が糸も容易く崩れ去るように。 その口から甘い声が零れた。 「やぁん・・・」 聞こえた甘く艶めいた声に、ランカの背を言い知れぬものが奔り、思わずその身を震わせる。 (・・・わぁ・・・) なんだかよくわからない気持ち。 けれど、その気持ちはとてもランカを昂揚させた。 見やったシェリルの視線とぶつかると、シェリルが顔を真っ赤にして慌てて俯く。 どうやら、自分でも予想だにしていなかった反応に、 驚いてしまったらしいことに気づいたランカの口元に、自然と笑みが浮かぶ。 「シェリルさん・・・かわいいっ!!!!!」 感動したようにそう言うと、ランカはシェリルの右脇腹をさらに撫で上げる。 「ふぁ・・・」 漏れ出そうになる声を、唇を噛んで何とか抑えるシェリル。 しかし、それも脆く崩れ去る。 上がる声を我慢しながら、なんとか撫でる手を止めようとしていたのが、 逆にシェリルにはよくなかった。 その隙をついて・・・というよりも、ランカの本能的な行動とでも言った方がいいのか。 シェリルの左側が、がら空きになっているのを見つけると、 ランカはそこを舌でなぞるようにして舐めあげた。 「あ・・・ふ・・・ああんっ・・・」 シェリルの口から零れた声に、ランカは言い知れぬ悦びを感じる。 (シェリルさん・・・やっぱり・・・) 「ほこ・・・よふぁいん・・・れすね?」(ここ弱いんですね?) 舐めながら発した言葉に、シェリルは大きく首を横に振る。 「ちが・・・そん・・・な・・・こと・・・な・・・いわ・・・んんっ!!!」 否定の声を上げるも、ランカにまた舌で撫で上げられると、甘い声が零れる。 まるでおもちゃを見つけた幼い子どもみたいに、ランカはシェリルの弱点であろう脇腹を、 舌と指を使って執拗に責め始めた。 最初はなんとかしようとして、その背を枕に預け、片手で口を覆い、 もう一方の手はランカを引き離そうと緑の髪に沈む。 強く押しつけて覆った口から漏れ出ていた声も、くすぐったさと快感に、 だんだんとその手が離れ、漏れ聞こえていた声が、零れるような声に変わった。 やがては、口を覆っていた手もランカの緑の髪の中に埋まり、 零れる声は明らかな喘ぎに変わってしまう。 泣き声にも似た甘い喘ぎを漏らすシェリル。 (シェリルさんの感じてる声・・・かわいい・・・) 純粋にそう思ったランカは、さらにシェリルのそこを責めながら、 自分がいつもされていることを思い出して、それを実行に移した。 脇腹を柔らかく指の腹で撫で上げながら、黒の豪華なブラジャーの上からでも、 少し尖ってるのがわかるそこに、吸い付くランカ。 思わぬ快感に軽くイッてしまいそうになるシェリル。 「待って・・・ラン・・・カ・・・ちゃ・・・」 なんとか口にしたシェリルの制止の声など耳に入らないランカは、 一生懸命に黒のブラジャーの上から、尖端を吸い上げた。 交互に丁寧に。 両手はいまだ、シェリルの脇腹を柔らかく撫で上げる。 ランカはシェリルに感じてもらおうと思って、必死に奉仕していた。 けれど、その責めはシェリルをただただ苦しめる。 あまりにも優しく柔らかな責めに、イッてしまうこともできず、 ただただ、焦らされて虐められているような感覚に襲われるシェリルの体。 自らの“プライド”が、それをなかなか許そうとはしなかったが、 それも我慢の限界となったシェリルはランカに自ら告げた。 「ラ・・・ンカ・・・ちゃ・・・ん・・・も・・・お・・・ねが・・・い・・・」 シェリルの潤みきった瞳から、与えられた快感と恥ずかしさのあまりに流れる涙。 それを見たランカの口からも、思わず甘い声が漏れてしまうほどに、 シェリルのその弱々しくもかわいらしい姿に、ランカはその身を震わせ感じてしまう。 それは“黒うさぎ”が、快感に落ちたのか。 それとも“白うさぎ”が、快感に溺れたのか。 懇願するシェリルに応えるように、ランカは少し乱暴にブラジャーをたくし上げると、 直ぐさまそのピンクの突起に吸い付いた。 直に触れる唇と舌の感覚に、シェリルは声を上げる。 そんなシェリルにランカは脇腹を撫でていた片方の手を、吸い付いた方とは反対の胸に添え揉む。 柔らかく弾力のある胸がランカの手によって形を変えた。 しばらくすると、シェリルの一際大きい声が上がり、その背がしなやかに反る。 強張った体から力が抜けると、ランカにしなだれかかるように身を預ける形になるシェリル。 耳元で聞こえるシェリルの荒い息にランカは思わず尋ねてしまう。 「シェリルさん・・・もしかして・・・イッちゃったんですか?」 その問に答える声はなく、ただランカの肩に小さな痛みが感じられた。 それがシェリルの“答え”だと、わかった時には、 ランカが犬耳のような緑の髪をピンと立たせ、その頬をピンクに染めて喜びの笑みを浮かべる。 「シェリルさんっ!!!!!」 興奮したようにその名を呼ぶと、ランカはシェリルを抱きしめるようにして押し倒した。 シェリルの黒のショーツの上から、シェリルの中心を撫でるランカ。 「わー・・・」 ランカが思わず声をあげてしまうほど、そこは濡れていた。 シェリルは漏れ出る声を我慢するようにランカの肩に顔を押し付ける。 別にそれを意図してやっているわけではないが、感動を抑えきれずランカの指は、 シェリルの中心を何度も何度も撫で上げる。 それは、シェリルにとってはどうしようもなく“たちの悪い責め”だった。 「ちょ・・・と・・・ラン・・・ぁん・・・」 ランカの指が意図しないところで、膨らみ硬くなったシェリルの蕾を、撫で上げてしまい、 シェリルの口から堪えきれずに甘い声が零れた。 「シェリルさん?」 「もぉ・・・いやぁ・・・」 泣き声にも近い声でそう言われて、ランカは思わずその手を止めてシェリルを見た。 「ラン・・・カ・・・ちゃ・・・もう・・・もぅ・・・やぁ・・・」 上目遣いの潤んだ瞳から涙を零し、許しを乞うようにそう告げるシェリル。 そんな今までに見たこともないようなシェリルの姿に。 ランカの緑の髪の犬耳がぴんと立ったまま硬直した。 その顔に赤みが帯びる。 そして、ランカの中に生まれる初めての感情。 (・・・イジワルしたい・・・) この目の前にいる、あまりにかわいらしい“うさぎ”のような存在に。 そう思った時には、ランカの口から言葉が零れていた。 「何がいやなんですか?」 「ちゃーんと言えたら、許してあげますよ、シェリルさん。」 とても、いつものランカからは考えられようもない言葉。 浮かべる笑みは、少し意地悪で、でも、無邪気な子どものようでもあって。 シェリルが戸惑っていると、ランカの指がまたやわやわと中心を撫でる。 ふいに訪れた快感にまた艶めいた声をあげるシェリル。 それまでのことで、もういっぱいいっぱいだったシェリルは、気づけばその言葉を口にしていた。 「・・・もう・・・いや・・・なの・・・ちゃんと・・・」 「・・・ちゃんと・・・イかせて・・・ランカちゃん・・・」 シェリルの懇願に、言いようのない感情が溢れ、ランカの心を打ち震わせた。 「ふぇふぃる・・・さん・・・」 シェリルの秘所を夢中になって舐めあげながら、声にならない声でその名を呼ぶランカ。 ただただ、ランカの舌や唇の感触に、声を抑えることもできず喘ぐシェリル。 ランカの髪を掴む両手は、突き放そうとしているのか、もっととねだっているのかもわからない。 溢れる蜜を啜りながら、ランカの舌が顔をのぞかせていた蕾をとらえると、シェリルの腰が跳ねた。 「ああっ・・・」 零れる涙に、喘ぐ声。 跳ねて逃げようとする腰を追うように、ランカはシェリルの秘所に口づけ、 その蕾を唇でとらえると、吸い上げた。 「―――っ!!!!!」 声にならない声を上げ、ベッドの上でその背をしならせるシェリル。 しばらくして、ゆっくりとその背がベッドに沈む。 ランカの髪をくしゃくしゃにした両手も力無くベッドに落ちた。 訪れた大きな波に小さく体を震わせながら、荒い呼吸でベッドに身を預けるシェリル。 そんなシェリルの秘所から顔をあげると、 ランカのその瞳は、大きく上下するシェリルの胸元にすぐに釘付けになった。 目を閉じて快感に浸る無防備なシェリルの姿に、自分の中心も熱くなって溢れ零れるものを感じるランカ。 気づけば、両腿を擦り合わせ、自らも快感を欲っしたランカは、 シェリルの体に覆い被さるように、四つん這いになって上へと進む。 「シェリルさぁん・・・」 猫のように甘えた声がランカの口から漏れる。 その声に、シェリルは快感の淵から、ゆっくりと目を開けた。 何度か瞬きをすると、ぼやけていた瞳に自分を見下ろすランカの顔が映る。 切なそうなランカの表情に、シェリルは右手を伸ばして頬に触れた。 触れたその手に、ランカは頬だけではなく顔を擦りつけるようにして甘えてみせる。 「シェリルしゃん・・・」 「・・・ランカちゃん・・・」 ランカの甘くせつない声に、シェリルの少し掠れた艶めいた声が返す。 ランカが何を求めているのか、ボーっとする頭でもなんとなくわかったシェリルは、苦笑を浮かべた。 視線を少し下ろせば、自分の脚の間に両膝をついたランカが、太股を擦り合わせているのが見える。 その脚に流れるものがキラリと光った。 「シェリル・・・しゃん・・・いっしょ・・・にぃ・・・」 シェリルをもっと感じさせたいけれど、自分の火照りもシェリルに鎮めて欲しくてたまらないランカは、 切なく甘えた声でそうシェリルに告げる。 そんな姿に微笑んで、シェリルは両手を伸ばし、その手をランカの背に回すと、少し力をこめて引き寄せる。 抵抗なくシェリルの上にランカが重なる。 重なる肌の温もりに、どちらともなく甘い吐息が零れた。 「・・・ん・・・そうね・・・一緒に・・・ランカちゃん・・・」 シェリルの声が耳元で聞こえると、ランカの切なげな表情が一気に緩んだ。 「はい・・・シェリルさん・・・」 ぎゅーっとシェリルに抱きついて、ランカは嬉しそうにその名を呼んだ。 ランカが身に纏っていた下着を簡単に脱がせたシェリルは、ランカの腿に流れる蜜を拭うようにして、 人さし指と中指をたっぷりと濡らしていく。 それから、ランカの秘所にソッと指をあてがうと、濡らす必要もないほどに濡れていたそこに、 ゆっくりと2本の指を沈める。 待っていた快感に、ランカはその身を震わせ軽い絶頂を味わった。 「んんっ・・・シェ・・・リル・・・さ・・・」 互いの身を抱き合うように横たわるベッドで、思わずシェリルの両腕を掴むランカ。 甘い快感にしばらく身を浸していると、シェリルの声が耳元で囁く。 「気持ちいい?ランカちゃん・・・」 その問いに何度も何度も頷いて、小さな波が収まるのを待つと、ランカはシェリルに微笑み、 掴んでいた片方の手を離す。 その手が、さっき自分がしてもらった動きを真似るようにして、シェリルの腿を何度もなぞる。 たっぷりと蜜で濡らした指を、シェリルの秘所にあてがい、ゆっくりとそこに沈めていくランカ。 さっきイッたばかりの敏感な体は、それだけでもシェリルに大きな快感を与えた。 「ん・・・はぁ・・・」 やり過ごすことのできなかった喘ぎが零れ、その身がさらにランカの体にピッタリとくっつく。 「シェリルさん・・・」 「ランカちゃん・・・」 互いに潤んだ瞳で見つめ合いながら、名を呼び合うと、どちらともなく唇を重ねる。 深く激しく重ねた唇に呼応するように、互いの秘所に沈んだ指が激しく動き出す。 「はぁ・・・はぁっ・・・」 「ふぁ・・・ああっ・・・」 合間に零れる声を奪い合うように、絡まる舌と重なる唇。 どちらも待ちわびていた快感に、待っていた時はすぐに訪れる。 「シェ・・・リ・・・さ・・・もっ・・・」 「ラン・・・ちゃ・・・わ・・・もっ・・・」 途切れ途切れに伝えあって、あいた片方の手で互いに強く抱きしめ合う。 シェリルの豊満な胸と、ランカの小ぶりな胸が強く重なり形を変える。 体全体を擦りつけ合うように抱き合いながら、互いの指も中で激しく暴れる。 「ランカちゃんっ!!!!!」 「シェリルさんっ!!!!!」 声にならない声で叫ぶようにその名を呼び合うと、2人は同時に絶頂に達した。 訪れた大きな波に身を預けるように、きつく抱き合うシェリルとランカ。 その波が過ぎると、2人の体から力が抜けていく。 激しい呼吸を繰り返しながら、2人は視線を交わすと同時にそこから指を抜いた。 その瞬間、互いの口から漏れる甘い声に、顔を見合わせて笑う。 言葉を発するのも億劫で、ただ笑みだけを交わし、互いの蜜で濡れた指を絡めて繋ぐ。 そして2人は、快感の余韻と心地のいい疲れの中、波に攫われるように眠りに落ちた。 「えへへ~」 「なによ、ランカちゃん。」 目が覚めてから、2人して余韻に浸りベッドの中でだらだらとしていると、 自分に向かってゆるゆるの笑みを浮かべるランカに、シェリルが怪訝そうに尋ねる。 「やっと、1勝ですよね?シェリルさん。」 言って、ランカはシェリルに抱きつく。 その言葉に夜のことを思いだし、頬を赤く染めながらソッポを向くシェリル。 「な、何言ってるの?あれは・・・引き分け・・・そうっ!!!引き分けよっ!!!」 間違いなく負け惜しみの思いつきでそう言うシェリルに、一瞬きょとんとして声を上げるランカ。 「えーっ!!!だってシェリルさん、あんな・・・」 続けようとした言葉がなんとなくわかったシェリルは、ランカの口を自らの唇で塞いだ。 突然のことに大きく目を見開き頬を染めるランカ。 「う、うるさい。このシェリル・ノームが引き分けだって認めてあげてるのよ。」 「こんなサービスめったにしないんだから、ランカちゃんは何も言わずに納得してればいいの。」 理屈も何も通らないような言葉を、いつもの口調で言うとベッドから起きあがるシェリル。 「あ・・・」 離れた温もりを追いかけるように、体を起こすランカ。 惜しげもなく晒された体にはランカが咲かせた赤い花が、所々にうっすらと咲いているのがわかる。 「お風呂にするわ・・・」 「あ・・・はい・・・」 告げられた言葉に、ランカは曖昧に返事を返し、浴室に向かうシェリルの背を見送る。 浴室に向かう足を止めたシェリルが、何か言いたそうに後ろを振り向くと、 不思議そうに小首を傾げるランカに、何も言わずまた背を向ける。 「シェリルさん?」 「ほっんとに、わかってないわね、ランカちゃんは。」 「え?」 「こういう時は“一緒に”でしょう!!」 怒ったような声に、少し早口気味のシェリル。 けれど、ランカはそれがシェリルの照れ隠しだということを知っている。 そんなかわいらしいシェリルに破願して、ランカは近くに落ちていたシェリルのTシャツを着ると、 ベッドから降りて『とてとて』と駆け寄り、シェリルの背に抱きついた。 「もー・・・大好きです、シェリルさん。」 素直じゃない意地っ張りなシェリルがたまらなくかわいくて、愛しくて。 ありったけの思いをこめてそう告げるランカ。 その言葉と背に感じる温もりに、腕をくみ、あさっての方向を向いていたシェリルの頬は、 うっすらピンクに染まり、口元には幸せそうな笑みが浮かんでいた。 終わり
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/170.html
674 :最後のデート [↓] :2013/12/01(日) 11 56 17.96 5話を再放送で見た頃に思いついた、TV版その後です。 勘違いうじうじシェリルを徹底してみたので、鬱陶しい人もいるかもしれません。 ※加筆・修正して保管しました 201406 最後のデート フロンティア船団が惑星に降り立って約2ヶ月。 バジュラ戦役の終末期、病身を励まして歌い続けたシェリルは、 V型最細菌の脳への影響がなくなった戦後も、それまでの無理がたたり2週間ほど臥せっていたが、 今では発症前程とまでではないが、日常生活を送り、復学する程度まで体力を取り戻しつつあった。 しかし、彼女の生業である歌手業は並大抵の体力では行う事も出来ず、歌う為の場が整っていないこともあり、 再開された学校に通いながら、トレーニング、楽曲作りや契約の整理など復帰の準備をしていた。 そして、彼女とともに戦ったフロンティア船団もまた、戦役で傷ついたコロニーや人々の生活を、新たな惑星に根を下ろして復旧させていった。 彼女の故郷であるマクロス・ギャラクシー船団の生き残りの人々もフロンティア船団に身を寄せており、 実質的に母船団に合流している状態であったため、シェリルは戦中から住んでいたフロンティア船団の母艦であるアイランド1のコンドミアムに居を構えている。 船団では惑星に根を下ろした新たなドーム型プラントも作られてはいるが、惑星の気象が十分に観察されていないため、 やはりまだ、宇宙への避難が可能な宇宙船型プラントが建設の主流である。 戦いとともに人々は多くを失い、元通りに戻る事はないが、新たな街として生まれ変わりつつあった。 復興の様子を見ていると、人間の生命力にシェリルは驚かされる。 傷ついたフロンティアの人々も、失ったものの空洞を抱えたまま未来へ向かって生きているのだろうと、シェリルは勇気づけられるのだった。 シェリルが退院した直後までは完全配給制となっていた食料も、現在では、以前に比べるとまだまだ小さい規模ながらも再開した市場に出回るようになった。 戦中から彼女の住むサンフランシスコエリアにも、暮らし始めた頃のエネルギーが管制されていた薄暗く肌寒い風景とは異なり、 本来の明るい風景とともに商店が戻って来ていた。 「世話人」に言い使った買い物を終えたシェリルは、ようやく慣れて来た買い出しを終えて自宅で紅茶を飲んでいた。 復帰準備中の彼女よりも、復興のためにVFを操る彼の方が忙しいのだ。 再開した高校へも、シェリルはほぼ出席しているが、彼は半分ほどしか出席していない。 彼がシェリルの部屋を訪れる機会も、戦中よりも減っていた。 シェリルの体が回復し、彼女自身に生活力が付いて来たことも理由の一つだろう。 今飲んでいるこの茶葉は戦中からこの部屋にあった缶で、この茶葉で紅茶の淹れ方を彼に教えてもらったものだ。 この茶葉ももうすぐなくなりそうな今では、シェリルも及第点の紅茶を淹れられるようになっていた。 これなら、もう大丈夫。 彼が思いを寄せる愛らしい少女が戻って来た事も理由にあるだろうとシェリルは考えていた。 彼は、自分の部屋に出入りしている間は、少女に思いを告げる事もできず、きっと今も一人で飛んでいる。 人は一人じゃ飛べないと言ったのは彼自身だ。 彼を一人で飛ばせてはいけない。 私は、もう大丈夫なんだから。 シェリルが紅茶を啜りつつ雑誌をめくっていると、新たに建設されているショッピングモールの広告が目についた。 「新生 フォルモ」 シェリルにとって思い出深いショッピングモール「フォルモ」は、前の戦役中に艦もろとも消滅してしまっていた。 新たな惑星の大地に建築物を直に建築することは事はまだ許可されておらず、既存のバイオプラント・コロニーの一部に建設されているらしい。 フォルモももうすぐ生まれ変わるのね。 私も、生まれ変わろう。 * 「魚を捌くのは…まだいいよ。お前はこれをしっかり刻んでくれ」 色違いのエプロンをまとった二人は並んでキッチンに立っていた。 夕方、シェリルの部屋に姿を現したアルトが、明日の日勤までフリーとの事で、 シェリルに料理を教えているのだ。 アルトは時間のある時には、彼の得意とする家事をシェリルに教えてくれる。 元来、世話好きなのだろう。 機会は減っていたが、忙しさの間を縫って、精力的に世話を焼いてくれていた。 シェリルは、言われるままに、副菜用のニンジンをピーラーで剥いて切り、苦手なタマネギのみじん切りはフードプロセッサーへ。 そして、4日前にも教わった合わせ出汁を取ってみそ汁の復習。 出汁の味見をするシェリルは誇らしげに微笑むと、アルトに差し出した。 「良く出来てるじゃないか」 「当たり前じゃない。私を誰だと思ってるの」 「「私はシェリル、シェリル・ノームよ」」 「ってもう、アルト!」 出来上がった温かい食事を二人でテーブルに並べ、向かい合って一緒に食事をする。 他愛も無い会話で彩る食卓が、シェリルには夢の中にいるような幸せな時間に感じられた。 「フォルモがオープンするらしいのよ」 「ああ、結構、出来上がってたな。空から見たぜ。ゼントランの隊員達もゼントラモールがあるとないとでは違うと言っていたよ」 彼は調査で惑星の空を飛び、シェリルの知らない世界を見ている。 フォルモのあるコロニーの近傍を通った際に見たのだろう。 「そっか、そうよね。クランと行けばいいんだわ」 「クランも俺に負けず劣らず忙しいぞ。そうだな、いけそうな日は…」 彼は、シェリルに、約束という名の温かな痕跡を残していく。 温かくて、切ないものでシェリルを満たし続けて来てくれた。 いつの間にか、シェリルの中から彼が消える事がなくなっていた。 でも、こんなにも多くのものを与えてくれた彼からもうこれ以上奪うことなど出来ない。 「後は俺が片付けておくから、先にシャワー浴びてろよ」 食後の片付けもそこそこのところで彼が言った。 さりげない彼の言葉の意図を汲もうとシェリルが横目にアルトを伺うと、 洗う皿を見つめたまま、シェリルと目を合わせようとしない。 少し照れが隠せていないのが、初心な彼らしい。 どうやら、今夜はここに泊まっていくつもりのようだ。 彼が自分を抱くというのなら、シェリルには拒む理由がなかった。 今までは。 しかし、彼を開放しようと言うのなら、この関係は清算しなければならないと シェリルは心に決めていた。 シェリルに続いてシャワーを浴びて来た彼をベッドの上から出迎えたシェリルは、 膝の中程までの白いレースのネグリジェとそろいのサイドストリングのショーツを纏っていた。 その出で立ちからシェリルのOKサインを見て取ったアルトは微笑み、シェリルを見つめたまま慣れた寝室のドアを背中で閉め、灯りを落とす。 ゆっくりとシェリルに近づき、隣に腰を下ろした。 「中々来れなくてごめんな」 そう言いながら、シェリルを抱きしめた彼は、熱を伝えるようにぴったりと抱き寄せた。 風呂上がりの香りと熱を持ったアルトの体から、ドクドクとした鼓動がシェリルに伝わってきた。 今にも雰囲気に飲まれそうなシェリルは、素直に身を委ねる都合のいい女になりたくないと、わざと強がってみせた。 「たかが4日ぶりじゃない。私の生活力って、そんなに信用ないの?」 抱きしめられているため顔は見えないが、軽口でも返そうとしたであろうアルトの言葉を、シェリルは挑発的な言葉を重ねて封じた。 「そんなに私に触れたかった?」 でも、あの子にはもっと触れたいんでしょう? 言いたくなる言葉を飲み込んで、アルトの背中に手を回し、ぎゅっとしがみついた。 だから、体を重ねるのはこれで最後にしようと思うの。 「シェリル…」 ネグリジェごしに背中を撫でながら切なげにささやく彼の声が促している事が、シェリルにも分かるようになっていた。 彼の求めるままに、うつむいていた顔を上げると、大好きな彼の琥珀色の瞳が真剣な眼差しを向けるのを見れたのは一瞬だけで、 すぐさま視界は近づいた彼によって遮られてしまった。 シェリルは、まぶたを閉じてうっとりと彼の口づけを受け止めた。 軽く唇をあわせていると、彼が唇に軽く舌を差し入れていた。 唇で味わうように啄んでいると、アルトはシェリルの後頭部を固定して、やや強引に口腔内に舌を割り入れた。 ベッド上での濃厚なキスを好む彼を焦らしすぎたかしらと、シェリルも答えるように舌を絡めると、 二人の交わりはますます深くなった。 角度を変えながら少し強引な程にシェリルの口を吸っていたアルトは、シェリルが蕩けだしたのに満足したのか 背中を撫でていた大きな手で、ネグリジェの裾を潜り、弾力のあるヒップや柔らかな胸をまさぐって、更に感覚を高め始める。 グリップを握って固くなったアルトの手は、優しくシェリルの肌に馴染み、シェリルの体に火をつけていった。 今日までは、あなたを感じさせて欲しいの。 意地を張るのをやめたシェリルは彼に溶かされるままに感覚に溺れた。 いつの間にか、シェリルのネグリジェは脱がされて、ベッドへと押し倒された体勢となっている。 覆い被さり首筋を舐め上げられ、耳元から聞こえてくる彼の粗い吐息と舌の音がシェリルの耳を犯す。 彼の度重なる愛撫によって今ではすっかりと性感帯になってしまった乳房を揉みしだかれると、シェリルはさらに蕩けて体がぴくりぴくりと反応してしまう。 「ん、ん、」 シェリルの吐息に甘さが混じりだす。 誘われるようにアルトが胸の頂に口を寄せて、ぺろぺろと舐めたり、ころころと舌で転がしたりすると、 シェリルの吐息はよりいっそう高く甘くなり、呼吸とともに悩ましく震えた。 乳房に吸い付くアルトを見下ろしていると、その一生懸命さが可愛らしく思えてくる。 ちらりとこちらの反応を伺う視線はオスのものであるというのに、シェリルの母性本能を刺激するのだろう。 アルトの頬を撫でると、この可愛らしい自分だけの彼を手放したくないと、つい思ってしまう。 閉じた脚の隙間から手を入れ、中心を確認するように下着の上から撫であげられると、シェリルは敏感な部分の刺激に反射的に身をよじる。 「ああっ」 シェリルの脚を掴んで開き、アルトは中心に顔を寄せて感嘆するようにつぶやいた。 「こんなに濡れてる」 快楽に蕩けたシェリルはとろんとして、最早されるがままになっていたが、正直に彼を求めすぎる自分の体が恥ずかしくて溜まらない。 「…やあ、やだっ」 閉じようとしてしまうシェリルの足を手で掴んだまま、アルトはショーツの紐を口で片方ずつ解いていく。 そして、最後に布を口にくわえて、シェリルの体から引きはがすと、てらてらと露に濡れた花弁がアルトに散らされるのを待っていた。 アルトはむせ返る女の芳香を味わいながら、ぷっくりとしたシェリルの花弁を舌で愛撫でる。 気の赴くまま蜜を舐め上げ、ひくひくと動く花弁の上に舌を這わせた。 華奢な体とは裏腹の、このむちっとした肉襞がアルトを包んで快感を与えるのを知っているアルトは、丹念に唇で辿り、その形を味わう。 色素の薄いシェリルのそこは、男を求めるようにぴくりぴくりと誘っているのに、淡くピンク色がいかにも可憐だ。 花弁を押し開くと、奥には、初めての頃と比べるとアルトに馴染んでは来たが、きゅっと締まってキツい泉がとろりと蜜を零す。 逸見に人差し指をつぷりと差し入れると、ぬかるんではいたが、アルトの熱を受け入れるにはまだまだ狭い。 「狭いな…」 アルトから与えられる刺激がまた代わり、びくりと体を震わせたシェリルには、良く呟かれるアルトのその言葉をぼんやりと聞いていた。 その言葉を聞くと、今度は指で中からの愛撫が来るのを経験上知っているシェリルは、 その何も考えられなくなる刺激がくる前に、アルトにその言葉の意味を聞いてみる事にした。 「狭いの、困る?」 「いや、解せばすぐ馴染むよ。お前こそ、痛くないか?ちゃんと言えよ」 「大丈夫」 シェリルのふんわりとした微笑みを見て、アルトも微笑むと、 唇を重ねて、人差し指を挿入した。 「ん」 シェリルのつやを含んだ吐息をアルトが飲み込む。 日頃は無言で事に没頭する二人だったが、今日はなんとなく会話が続いていった。 アルトが指を折り曲げて、中を刺激する。 「ここ、気持ちいいか? 左手でシェリルの頬を撫でて、自分の方を向かせながら、アルトは右の指の刺激を続けた。 「うん、あ、ん、ん」 眉をひそめるシェリルの表情を気にしてアルトが尋ねる。 「痛いか?」 「気持ちいい、あ、あ」 シェリルは勝手に漏れる喘ぎ声を殺すと、「声を聞かせてくれ」と彼からの口づけが降ってきた。 彼に求められれば、従ってしまう。 力を入れた唇から力を抜けば、彼の愛撫を感じるままに、自然と淫らな声が絶えず溢れた。 挿入する指が増えると、シェリルを更に深い快感が襲う。 「中、動いてるの自分で分かるか?絡み付いてくる」 妖艶な微笑みを向けるアルトを見ていたいのに、全身を襲う感覚に耐えられずシェリルは目を閉じてしまう アルトに陰部を弄られるだけでも恥ずかしいのに、更に自分の淫らな声に羞恥を感じると、 シェリルは体はもっと快楽に沈んでいった。 シェリルの中がほぐれた頃には、シェリルは体の全てが敏感になり、彼の唇に触れられるだけでびくりと体が跳ねるようになっていた。 シェリルに覆い被さるアルトの胸板が、シェリルの乳首を刺激する。 しっとりと汗ばんだアルトの肌が心地よくて、シェリルはアルトを求めて縋り付いてしまう。 熱く灼けた彼がねっとりと洪水となったい陰唇を探るように表面を上下する。 「んんんっ」 シェリルは思わずアルトに縋り付く手足に力を込める。 「入れるぞ」 熱い塊が淫門をぐちゃりとくぐると、シェリルはそれだけで一瞬意識が遠のく。 「あぁっ」 彼の質量と熱が、ゆっくりと彼女の中へとぎちぎちと侵入してくる。 シェリルは彼にすがりついて、その感覚に耐える。 「シェリル」 頭を撫でられ、アルトの方に埋めていた顔を離すと、目の前に、色に歪んだアルトの美しい顔があった。 本当に美しい男だとシェリルは思った。 「お前の中、気持ちよ過ぎ」 艶を含んだ声でぶっきらぼうに言い放ちながら、アルトは不敵に笑った。 「この四日、抱きたくて仕方なかったよ」 体だけでも自分を求めてくれるのなら、精一杯答えようと、 シェリルはアルトに口づけ、アルトが動きやすいようにと、しがみついていた足をベッドに下ろし開脚した。 奥へと行き着いた彼がゆっくりと律動を開始すると、絶えず快感の波が押し寄せて来て、シェリルはどんどん高みへと押し上げられた。 「シェリル」 アルトに呼ばれシェリルが目を開けると、腰を振る彼の顔が目の前にある。 日中は遠くの空を見ている彼の、淫らで熱っぽい瞳と見つめ合っていると、求められていると実感できる。 目と目があうと、どちらからとも無く、二人は本能の律動に揺れながらも口づけた。 「あ、あ、アルトッ、飛んじゃうっ」 シェリルの体がしなり、勢いでシェリルの中に埋まっていたアルトが抜ける。 アルトの形を残した愛壷からとろりと愛液が吐き出された。 「お前、感じやす過ぎ」 シェリルの滑らかな尻をなで上げて楽しんだ後、嬉しげに口づけたアルトが再び、シェリルの中に入ってくる。 「ねっとりして、熱い」 達したばかりで、体の中にアルトがいるだけで快感になるシェリルが息も絶え絶えに返した。 「アルトだって熱いわ」 「4日分だからな。お前良すぎるし」 アルトがシェリルの乳房をこねながら、苦しげに微笑んだ。 シェリルは愉悦で白く霞んだ頭で、精一杯の冗談を言った。 「銀河で一番?」 「比較対象が無いから分かるわけないだろ」 あの子とはまだシてないのかしら。 それで、自分との行為が続いてるのかもしれない。 恥ずかしげにいるアルトがの言葉が、いつか自分が言った言葉だとシェリルは気付かず、シェリルは心の端で思った。 もはや、快楽に支配されたシェリルの思考に、悲しいとか苦しいとかいった感情は伴わなっていない。 ただ、思考がなされるだけだった。 さらに、思考すらを吹き飛ばすように、アルトが律動を始めた。 彼と抱き合うのはこれで最後と思うと、枷が外れたようにシェリルは今までになく快楽に溺れた。 「やあ、あん、もっと」 今まで聞いた事の無かったシェリルの求めに応じて、アルトも日頃、シェリルを慮って自制している激しさを解き放った。 衝動のままに彼女の中を大きくえぐると、シェリルは再び絶頂でびくりと跳ね上がる。 間もおかず、シェリルの華奢な両膝を抱えると、再び感じるままに抽送の速度を上げてシェリルをぎりぎりの高みへと連れて行く。 「やめて、ムリ」 「もっとって言ったのはお前だろ」 感じているシェリルの膣壁の蠕動がアルトを絶えず刺激するが、アルトは吐精感を耐えてシェリルを貫く。 「うう、うう」 激しい獣のような動きと唸る男の声とは対照的に、滑らかな黒髪が涼しげにさらりさらりと揺れる。 交わりの激しさを映した二人の肉がぶつかり合う音を聞きながら、シェリルは愛する男に深く犯されるのを感じていた。 首を降って圧倒的な感覚に抵抗するシェリルの豊かなブロンドは、既に彼に乱されてもうぐちゃぐちゃだった。 絶頂とともにぎゅっと締めつけた彼女に最後の刺激を与えられ、彼も耐えてきた熱を吐き出した。 荒い息を整え二人は余韻に浸る。 彼は、シェリルの髪を大きな手で梳いて流す。 その優しい動作をシェリルは穏やかに受け止める。 体も心も満たされて、今はただ、愛する男に身を委ねていた。 シェリルのその健気な様子に誘われて彼は若い熱を取り戻しつつあった。 「シェリル」 掠れた甘い声で彼女を誘う。 とろんとしたシェリルは心地よい彼の声にうっとりとしていたが、彼はそれを了承と受け取って 髪を梳きながら唇を重ねる。 今までアルトは、シェリルの体を慮って、行為がなるべく短く済むように心構えていた。 後戯も若い体に再び欲をともさないようにとほどほどにしていた。 二人の相性が良く、アルト自身も感じやすい事もあり、満足していたのだが、 今日のシェリルの媚態と強い快感を得て、もっと欲しいという欲求を押さえられない。 「シェリル」 髪を撫でていたアルトの手は、いつの間にかシェリルを逃がすまいと、髪に手を差し入れて後頭部を深く包んでいた。 そして、深くシェリルの口腔内を味わう。 とろりと従順にアルトと舌を触れ合わせるシェリルは、いつもよりもずっと熱く感じる。 やがて思いのままに彼女の全身を再び味わい始めた彼の手によって、 シェリルは悶えはじめ、ブロンドを再び乱し始めた。 「するの?」 全身が性感帯となっているシェリルは、全身を桃色に染めて、早くも淫らな表情をしている。 「嫌か?」 「…イイ…」 シェリルのうっとりとした言葉を受けて、箍が外れたように彼女のふわりとした胸の膨らみにかぶりついた。 「ああっ」 先ほどの行為で散々嬲られた唾液と汗にまみれた乳首は相変わらず敏感で、 アルトの首を撫でてくれるシェリルの手が心地いい。 アルトは元気を取り戻しつつある熱を擦り付けて徐々に膨らませていく。 先ほどの行為で充分にぬかるみ解れている彼女の中に、固くなった彼が再び入ってくる。 彼に与えられた快感に酔っているシェリルは抵抗無く股を開き、秘路もまた、大きく膨らむ彼を優しく撫でるようにうねり動き迎え入れる。 ただ繋がるだけで二人とも果てて溶けそうな感覚に陥った。 どちらからともなく、唇も繋げあって抱き合った。 その快感を味わったのち、もっと深く溶け合い混ざり合おうと、アルトは腰をゆらし始めた。 「シェリル、シェリル」 揺さぶられるままに絶えず矯正を上げるシェリルの耳に聞こえてくる唸るような呼び声は、自分の喉から出た声ではない。 大好きな彼の呼ぶ声。 境界が分からなくなるほどに体を重ねても、二人は別々の体のままで、いつまでも一緒にいるわけにはいかない。 「ああ、いやあ、ああ」 何度目かの絶頂とともに意識を失ったシェリルを彼の腕が包んでいた。 目覚まし時計のベルでぼんやりとまぶたを開いたシェリルの横にもう彼はいない。 遠征があると言っていたので、既に出社している時間だった。 ゆったりと満たされた感覚から覚醒すると、けだるい体をおして、ガウンをまといリビングへと向かった。 シェリルも今日は1限目から授業なのだ。 リビングのカーテンをあけると、嫌に朝日がまぶしい。 時計を確認する余裕はなかったのだが、昨夜は結構遅くまで耽っていたのかもしれない。 まだ彼が入っている感覚すらある。 自分の痴態を思い出して、シェリルは赤面する。 (あいつ、好き勝手やってくれちゃって…ちゃんと事故らずに飛べてるのかしら…?) 朝日を受けたテーブルの上には、流暢な走り書きがあった。 「みそ汁の飲んだ残りは極力冷まして冷蔵庫へ」 アルトも夜に耽ったツケなのか、珍しく朝の時間に余裕がなかったようだが、 朝食を昨日の残り物とはいえ、それなりに準備しているのが彼らしい。 手際よい彼が朝食の準備すらままないまま出かけていた戦時は、余程追い込まれていたのだろう。 あの頃は辛くもあったが、アルトと二人きりになったように感じられ、ささやかな幸せを感じていたのも確かだった。 (ミソシルの事なんて言われなくても、分かってるわよ) 随分家事も上達したのに、手に力も入らず何かと不慣れな戦時にしでかした事を何かとまだ引きずられていてシェリルは面白くない。 もう大抵の事は一人で出来るし、フロンティアの復興に伴って、様々なサービスの提供が再開されてきてるので、どうにでもなるのだ。 グレイスに管理されていた頃にはする事のなかった雑事を試して学ぶ時間も、幸か不幸か、シェリルの人生に今までかつてなかったほどにある。 自分の力で安々と日常生活を送り、ステージに復帰する自分が想像出来る。 家事が出来るようになって、アルトも世話を焼かなくなって。 彼女の隣で笑う彼を、誇らしげに見つめる自分。 その気持ちを歌に託して、観客をきっと魅了しよう。 未来も開かれたというのに、なんでこんなに切ないのだろう。 あの苦難をなんとか二人で身を寄せ合い支え合って乗り越えた。 そして、生き残り、フロンティアには平和が訪れた。 彼ももう大丈夫。 彼女が帰って来て、もう私が抱きしめる必要もなくなったのだ。 全身全霊で愛した記憶を洗い流すほど割り切れないが、 きっと乗り越えることは出来る。 私ももう一人でも大丈夫。 だから、次に会う時が最後のデート。 後編へ続く
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/129.html
萌えスレのプロポーズ話、滝version… あんな低レベルSSなのに、読みたいって言ってくださった方ありがとう゚(゚´Д`゚)゚ 全然滝部分は考えてなかったんだけど、せっかくなので妄想振り絞って書いてみた うん…がっかりさせちゃいそうな出来なんですがね… ノリと勢いだけなら仕方ないよ!って生暖かい目で見ていただければ (*´∀`*)ハゥ ごめんね、また長くなっちゃったんだ… 「……うーん」 午後のフライトシュミレーションを終えたアルトは、適当にシャワーを済ませると、メディアルームでアグレッサーについての資料を読み漁っていた。 「アグレッサー、か…」 誰に言うともなしに呟いて、アルトは凝り固まった肩を回した。 ふぅと息を吐いて、傍らに置いてあった紙コップを手にする。すっかり冷えてしまったコーヒーを口に含んで、そこで、ハタと気が付いた。 「……今、何時だ…」 明け方近くに帰宅したシェリルは、殆ど休む間もないまま朝一で次の仕事に行ってしまった。 「今日はアルト早番なんでしょ?夕方には帰れるから、ディナーは一緒にとりましょ!素敵な和食屋さん見つけたのよ。絶対、アルト気に入ると思うの!」 慌ただしく支度をして、玄関先で振り返りウィンクをくれたシェリルに、アルトは笑った。 「了解。俺も夕方には戻ってるから。気を付けて行ってこいよ」 嬉しそうに微笑んで、小走りで出ていったシェリルの後ろ姿を思い出して、アルトは青ざめる。 「…やっべ……」 時刻は既に夕食時を過ぎていた。 慌ててポケットから取り出した携帯には、シェリルからの着信が残っていた。 アルトは急いで携帯を耳に当て、残されていた留守電を再生する。 『今終わったわ!これから急いで帰るわね。アルトはまだ仕事なのかしら?』 『もうすぐ着くわ。お腹すいちゃった。アルトは帰ってる?仕度して待っててね』 『ただいま。もしかして緊急出動かしら?シャワー浴びて支度しておくから、そっち出るとき連絡ちょうだい?』 『ごめんなさい。今日は忙しかったみたいね。…また誘うから、気をつけて帰ってきて』 留守電を聞いてアルトは血の気が引くのを感じた。 楽しげだった声が、だんだん不安を滲ませていき、最後の留守電に残されていたのは寂しそうなシェリルの声だった。 やっちまった…! アルトは大慌てで立ち上がると、ジャケットを掴んで駆け出していた。 玄関前に立ち、呼吸を整えてから、そっとドアを開ける。 「…シェリル?」 真っ暗な玄関を抜け、リビングの電気を点けると、ソファの上にバッグとワンピースが投げ掛けられているのが見えた。 和食屋だとシェリルは言っていた。店の雰囲気に合わせたのか、落ち着いた色味のそれらにアルトは眉を下げた。 久しぶりに二人ゆっくり食事に出掛けられるのを、楽しみにしていたのだろう。 「まずいな……」 連絡もなしに何時間、待たせてしまったのか。 音をたてないように慎重に寝室のドアを開けて、明かりの点いていない中の様子を伺い見る。 部屋の中心にあるダブルベッドに、膨らみが見えた。 「シェリル?」 囁くように名を呼び、足音を忍ばせてベッドサイドに近寄ると、ベビードール姿のシェリルが小さな寝息を立てて眠っていた。 胎児のように丸くなって眠るシェリルの姿に、アルトは申し訳なさでいっぱいになる。 きっとなかなか帰ってこない自分を、眠気と不安と戦いながら待っていたのだろう。 投げ出された白い手の傍らにシェリルの携帯が転がっていた。 「わりぃ…」 屈み込み、シェリルの髪を撫でると、長い睫毛がふるりと震えた。 「……ん」 「シェリル…。ただいま」 「……ある、と?」 ふわふわとした、夢心地のようなシェリルの声。 「ごめん、遅くなっちまった…」 お互い夢中になると周りが見えなくなるタイプなのは承知しているし、何度か約束をすっぽかしたりしたこともある、が。 シェリルがこうして身体を丸めて眠るのは不安を抱えていた証だ。 「ん…、遅いわよ……ばか…」 拗ねたような潤んだ瞳に、アルトの雄が騒いだ。 誰にも渡したくない人。離れたくない人。 ひと呼吸の後、アルトは徐にジャケットとタンクトップを脱ぎ捨てると、シェリルの眠るベッドに乗り上げた。 「えっ、アルトっ?」 それでやっと眠気が覚めたのか、シェリルは驚いたように目を見開く。 アルトは無言のまま、起き上がろうとしたシェリルをベッドに組み敷くと、ベビードールの上から彼女の豊かな乳房を揉みしだいた。 「あっ、…ん、ちょっと……夕飯は」 慌ててアルトを押し返そうとするシェリルの細腕を捉え、指を絡ませる。 「シェリルがいい」 アルトはそう言うと、シェリルのふっくらとした桜色の唇をペろりと舐め、薄く開いたそこに舌を滑り込ませた。 「んっ……、ふ」 舌先で歯の裏側を舐め上げれば、シェリルは身体を震わせ吐息を漏らした。 「ぁ…、っ……ん」 苦しげなシェリルの吐息に、アルトは一旦唇を離し身体を起こす。ここで止める気など、毛頭ない。 「シェリル…手、上げて」 アルトは、グイとシェリルの腕を引き上体を起き上がらせると、ベビードールの裾に手をかけた。 身を焼くような焦燥に、アルトの声が掠れる。 アルトの熱が伝染ってしまったのか、瞳を潤ませたシェリルは、彼が脱がせやすいように素直に腕を持ち上げる。 アルトは手早くシェリルからベビードールを引き抜くと、手にしたそれをベッド下に落としながら、向かい合い座るシェリルの腰に腕をまわした。 その動きに呼応するように、シェリルはアルトの首に腕をまわすと、口づけをせがむ。 アルトは焦らすように唇を開くと、シェリルの舌を咥内に導き入れ深く絡めた。 深い口づけを交わす、淫らな水音が寝室に響く。 口づけに夢中になるシェリルの細腰を撫で上げ、ショーツのサイドリボンを解いた。 スルリとシーツに落ちたそれは、シェリルの愛液で染みを作っていた。 それを、唇を合わせたままチラと見て、アルトは満足げに笑うと、蜜を滴らせるシェリルの奥に指を潜らせる。 「あっ……」 アルトの不埒な指の動きに、シェリルは唇を離すと、彼の肩に縋り付いた。 「…ん、シェリル…身体、起こして」 アルトは己の言葉に素直に従い、ゆるゆると身体を起こしたシェリルの甘い香りを肺いっぱいに吸い込むと、顔を傾かせ白い乳房の、ぷくりと立ち上がった頂にむしゃぶりついた。 「あっ……!ん…」 的確に、シェリルが悦ぶポイントだけを狙う内部への愛撫に、シェリルは勝手に動く腰を止められない。 シェリルから溢れ出した愛液がアルトの指を濡らし伝い落ち、シーツに幾つもの染みを作った。 「…あ、んっ……やぁ」 シェリルは啜り泣きのような声を漏らすと、中に入ったアルトの指ごと締め上げて果てた。 力を失いしな垂れかかる柔らかな身体を抱きしめてから、アルトはシェリルをそっとベッドに横倒しに寝かせる。 絶頂の余韻に、シェリルは軽く意識を飛ばしている。 彼女の最奥を己の白濁で汚したい欲求を抑え、アルトはボトムと下着を脱ぎ捨てると、ナイトテーブルの抽斗からスキンを取り出し、手早く屹立に被せていく。 アルトはぼんやりとしているシェリルの頬を軽く撫でてから、彼女の上の足に手をかけると、グイと抱え込み秘部を曝させた。 「あっ…ん、や……」 自分の恥ずかしい格好に、意識を覚醒させたシェリルは、頬を染め羞恥に身を捩る。 そんなシェリルに構うことなく、アルトは己の天を衝く屹立を彼女の濡れた花弁に擦りつけた。 鈍い快感にシェリルが身震いする。逃げを打つシェリルの太腿と腰を固定すると、アルトは一気に彼女を貫いた。 「…っあ、…ぃ、やぁん…!」 最奥を突かれ、シェリルは白い喉を反らした。 「…あっ、そんなに、しちゃ…だ、め……」 容赦ない律動に、シェリルは甘い声で啼く。 「…ある、と……あ、るっ…も、あぅ…っ」 弱いポイントを集中して穿たれ、シェリルは譫言のようにアルトの名を呼ぶ。 「ぐっ…」 絶頂を迎えたシェリルの容赦ない締め付けを、アルトは下腹部に力を入れて耐えた。 呼吸を乱しながらも、弛緩してシーツに沈む彼女の身体を裏返し、うつ伏せにさせる。 「あっ、待、って…イッた、ばっかり…なの、にっ…」 シェリルの抗議を無視し、アルトは彼女の腰を高く上げさせると、律動を再開した。肌がぶつかり合う音が響く。 「うっ、あん…」 シーツに押し付けられた胸の先端が擦れるたび、ジン…とした快感が身体を痺れさせる。 シェリルは自分が上げるはしたない声に耐えられず、手近にあった枕を手繰り寄せると顔を埋めた。 くぐもったシェリルの喘ぎに、アルトが焦れる。 「おい…シェリル、声、殺すな…」 穿つ動きに声を弾ませながらアルトは言うと、シェリルの腰を掴んでいた手を離し、彼女の二の腕を捉えた。 「えっ…あ、あぁ…っ!」 掴まれた二の腕をぐいと引き上げられたシェリルは、悲鳴のような声をほとばしらせる。 「あっ…あ、い…やぁ、…っ」 閉ざすことが出来なくなった唇からは、嬌声が零れ落ちた。 突き上げる動きに、シェリルのツンと上を向いた乳房が揺さ振られる。 「あっあ…、ん…ある、と…」 抉るように穿ちながら、アルトは捉えていたシェリルの二の腕から、背中から抱き込むように腕をまわすと、真っ白な乳房を鷲掴んだ。 指の平で頂を捏ねまわし、キュッと摘み上げるとシェリルは堪らないと言ったふうに髪を振り乱した。 「あるとぉ…」 肩越しに振り返り見る、泣き濡れた青い瞳に、アルトの雄が脈打つ。 「…ぁんっ、も…イッ、ちゃ…う」 「いいよ、イけよ…」 容赦ない突き上げに、シェリルの上げる嬌声が一層の熱を帯びた。 「あっあ……、あっ、ると、キス、して…」 快感に涙を零しながらシェリルは懇願する。 アルトは身を屈めると、シェリルの唾液に濡れた唇をひと舐めした。 「やぁ…ちゃんと、してぇ…」 「ごめん。お前、が、イくときの、声が、聞きたい…」 熱を孕んだ甘い声で囁くと、アルトはシェリルの首筋に軽く歯を立てた。 「あっあぁ…!んぅっ……」 それが呼び水になったのか、シェリルは高く啼くと中のアルトを締め上げ果てる。 「くっ…、シェリルッ……」 奥歯を噛み締め、呻くように声を漏らすとアルトは最奥を穿ち射精した。 スキンを隔てて拡がるアルトの熱に、シェリルは一抹の寂しさを感じながらも快楽の果てに意識を飛ばした。 荒い呼吸が整わぬまま、アルトはシェリルからズルリと陰茎を引き抜くと大きく息を吐いた。 ヒクヒクと震え愛液に塗れる花弁に、すぐに鎌首を擡げそうになる自分を律し、アルトはナイトテーブルからティッシュを数枚抜き取ると、ベッドサイドに腰掛けた。 強すぎる快感にシェリルは動くことも出来ず、ベッドにうつ伏せのまま手足を投げ出して息を整えていた。 ベッドサイドに腰掛け、自身の後始末をするアルトの背中に話し掛ける。 「ねぇ…」 「ん…?」 けだるげなシェリルの声に、アルトは振り返り彼女を見る。 「なにか、あった?」 シェリルの空色の瞳に見つめられたアルトは、驚いたように目を見開いた。 「え…」 「いつもと違ってちょっと乱暴だったわ」 拗ねたように言うシェリルに、アルトは頬を赤らめた。 「…ご、ごめん。痛かったか?」 「うぅん。たまにはこう言うのも、刺激的で悪くないけど」 そう言ってシェリルが瞳を細めて笑えば、アルトは苦笑いを浮かべる。 「なんでお前にはすぐに分かっちまうんだろうな…」 そう独り言のように口にすると、アルトはベッドに潜り込みシェリルを腕に抱き込んだ。 オズマにアグレッサーを目指すことを勧められたと話すアルトの横顔を、シェリルはじっと見つめる。 どこか遠くを見るような、己の内側を見つめるようなアルトの表情に、シェリルは瞳を伏せ微笑んだ。 アグレッサーかぁ…とシェリルは心の中で呟く。 「誰もがなりたいからってなれる職種じゃないんでしょ?せっかくオズマにも認めてもらったんだし、目指す価値、あるわ」 彼の心はもう、結論を出している。各船団にあるSMSの基地を転々としてパイロットの指導にあたると言うならば、彼はきっと、自分を置いてどこかの空へ飛び立ってしまうのだろう。 彼と一緒に空を舞う翼を持たないあたしには、地上から見つめることしか出来ない。枷になっているのは、あたし。 それでも、彼が帰る場所があたしのところならば、自分は笑って背中を押すまでだ。 空を飛ぶような天女の舞に憧れ、空に焦がれるあなたに恋したのだから。 「空バカなあなたが好きよ」 ひとしきりじゃれ合ったあと、シェリルは己を組み敷くアルトを見上げ微笑んだ。 「分かってるわよ。あんたのことは、あたしが誰よりも…。あんたが何を目指しても応援するわ」 そんなシェリルの言葉に、アルトは一瞬切なげな表情を浮かべ細く息を吐いた。 バカね、そんな顔しないでよ。 迷子の子供のようなその表情に、シェリルは思わず苦笑を浮かべそうになる。 ずっとそばにいてくれなんて言ったくせに、ずるいわ。 結局、置いていくのはあなたじゃない。でもね、引き止めたりなんてしないから。 「…シェリル」 切なげな声で名を呼ばれ、覆いかぶさってくるアルトを腕に抱きとめると、シェリルは瞳を閉じた。 アルトは腕の中で眠るシェリルのあどけない寝顔を見つめていた。 結局自制が利かず、シェリルに無理をさせてしまった自覚はある。 約束もすっぽかして、仕事続きで疲れていたであろう彼女は、それでも自分を受け入れてくれた。 愛おしくて泣きたくなってくる。 もし、アグレッサーへの道が開けたとき、彼女は一緒に来てくれるだろうか。 ここではない別の船団の、まだ知らぬ惑星へ出向することもあるだろう。 それでも離れずに一緒に居てくれるだろうか。 なんと言っても『銀河の妖精』なのだ。自分一人のものではない。それでも。 一緒にいたい。離れたくない。 護りたい誰かのために飛ぶなんて詭弁に過ぎないかもしれない。 ただ空が好きで、大気のある空を飛びたいという子供のような夢。 そんな夢すらも認めてくれ、後押ししてくれるたった一人の大切な人。 SMSのロッカーに置いてある、彼女への想いを込めた小さなビロードの箱を思い浮かべた。 ずっと前から用意して、なかなか渡せないでいるシルバーのリング。 アグレッサーへの夢を叶えたら、彼女に少しは釣り合うだろうか。受け取ってくれるだろうか。 今は閉じられたシェリルの瞳を思い浮かべ、アルトは微笑んだ。 きっと大丈夫だ。護るべき空はいつだってここにあるじゃないか。 END もはや、何を書きたかったのかよく分からないorz アルトさんの性技が無駄にねちっこくて…ww お粗末様でした(脱兎
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/49.html
727 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/12/05(金) 11 46 54 ID C/8Q+TT7 二人で部屋で映画鑑賞してたら可愛いなぁ。 ランカを怖がらせるつもりでホラー映画を借りて来たのに、 シェリルの方がびびっちゃって、 膝の上に乗ってたランカを無意識にぎゅーっと抱き締めちゃったり。 「ん・・・シェリルさん?」 「な、なんでもないわ。この部屋少し冷えるわね」 「あ、じゃあ暖房付けてきましょうか?」 「いい!いいから此処にいて!!」 「?」 ってな感じでw 728 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/12/05(金) 16 37 47 ID 9VHiSkhN 727ヘ ハァハァ ランカ「…!(もしかして…シェリルさん怖いのかなw)…シェリルさん、ちょっとお手洗いに行きたいんですけど」 シェリル「そ、そう?じゃぁっちっと止めておくわね!いってらっしゃい!」 ランカ「はぁ~い、すぐ戻ってきますね!」 ー数分後ー ランカ「(そーと…近づいて)」 シェリル「…(おかしいわ、怖がらせるはずだったのに私のほうが…)」 ランカ「(今だ!)ツツー(←人差し指で背中を辿ってる)」 シェリル「!!!!!???????????えdrftgyふjきl;:(硬直)」 ランカ「(耳元で低い脅かす声)しぇぇーりぃーるぅーさぁーん」 シェリル「んきゃぁあああああああああああああああああああ!!!!」 ランカ「わわっ!!!」 シェリル「ひぃ!」 ランカ「ご、ごめんなさい!そんなに驚くなんて!!!」 シェリル「…っ!??!!??!??!」 ランカ「シェ、シェリルさん???;」 シェリル「ふぇ…」 ランカ「ぇ」 シェリル「ふぇぇぇぇぇえええええん!!!!!!」 以下、きっと下の人が落ちをつけてくれるはず。 ↓ 729 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/12/05(金) 20 12 11 ID kqody7tl ランカ「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!!!!」 730 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/12/05(金) 23 28 59 ID U3e98+1J 729ヘ おっとこ前というかオカンなランカにフイタwwww 731 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/12/06(土) 00 01 20 ID 9VHiSkhN 729ヘ ムツゴロウさんワロタ 728ヘ パターン2で! ランカ「驚かせてごめんなさい、シェリルさん」 シェリル「ぅ・・・ぁ…///」 ランカ「怖かったんですね?」 シェリル「こ、怖くなんて!」 ランカ「ちゅっ!(マブタに)」 シェリル「!」 ランカ「無理しなくても良いんです、無理して意地はってるシェリルさん、凄く可愛いですし」 シェリル「ぁん」 ランカ「だからね・・・怖かったらこうして、まぶたにキスして、ぎゅぅって抱きしめてあげます。これからずっと・・・」 シェリル「ランカちゃん・・・///」 ランカ「シェリルさん・・・だから、私にもっと甘えて?」 シェリル「・・・ありがと、ランカちゃん・・・じゃぁ早速・・・ガバッ!」 ランカ「きゃぁ!しぇ、シェリルさん!え、映画!」 シェリル「映画は怖いからもういいの!でも、まだ怖いの残ってるからぎゅぅってして?甘えさせて?」 ランカ「ぁ・・・ん、そんな胸にほっぺたすりすりしちゃ駄目ですぅ・・・」 シェリル「だって、甘えていいんでしょ?だから、パクっ(どこをパクしたかは秘密)」 ランカ「はぁっ・・・!」 シェリル「…ありがとうランカちゃん・・・私の弱い部分も受け入れてくれて」 ランカ「・・・ぅ・・・ん?何て言ったんですか?シェリルさ・・・」 シェリル「もっと沢山あまえさせてもらおうかなぁvってv」
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/35.html
3スレ241 250物語2 241 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 21 04 47 222ちょっと勝手に文章にしてみた。 シェリルは、日の光に目を覚ました。 あたりを見回すが、当然、あの黒髪の男はいない。 「アルトは?」 「昨晩はシェリル様がお休みになられていたので、すぐお帰りになられました」 朝から落胆している自分に笑いがこぼれる。 たった一回寝ただけなのに。 その存在を欲してしまえば、自分はこんなにも脆い。 仕事がはかどらない。 全部あの男のせいだ。 『話すことがあるから、今日は30分早く来なさい』 都の早乙女家別邸か使用を許可している王立図書館にでもいるだろうか、 署名のない手紙を奴隷に持たせて、職務に集中した。 日も翳って来た頃、アルトが見つからないので、 手紙は早乙女家に託してきたと、奴隷が帰ってきた。 都の周覧は一通り終わっている頃だと思ったのに、あの男はどこほっつき歩いてるのかしら。 やっぱり、王宮で何か仕事をさせよう。 家督の件を見極めるにも、あの男には悪いが少しは窮屈な思いをしてもらわなければ。 アルトの自由な瞳を閉じ込めることに、シェリルは罪悪感と少し安堵をおぼえた。 いつもやってくるよりも、やや早い時間。 いつもよりも早く入浴を済ませ、自室で資料に目を通すがシェリルは落ち着かない。 しかし、アルトがやってきたのはいつもの時間。 「こんな時間まで、あんた、ドコで何してんのよ」 「いきなり、何だよ?ハスフォード先生のトコで話してきたんだよ」 「アンタね、この女王陛下が、早く来いって召喚してたのよ!」 「そんなんいきなり言われても知るかよ!」 「昨日だってさっさと帰ったくせに!」 「・・・お前寝てたじゃないか」 「そんなの、起せばいいじゃない」 「俺は、お前の体を心配してだな――」 「あんなんで、私がへばるわけないでしょ!」 (『あんなん』とか、俺がどれだけ、反芻したかもしらないで…!) アルトがシェリルをベッドに押し倒し、ストロベリーブロンドがシーツに散らばった。 「なによ、いきなり押し倒すの? アルト、あんた一回寝たくらいで調子に乗るんじゃないわよ」 シェリルは腕に囲まれ下からアルトを睨みつけた。 「初めてだったくせによく言うよ」 「たまたま、初めてだっただけじゃない」 「じゃあ、お前は誰でもよかったって言うのかよ!」 シェリルはアルトの頬を叩き、アルトの下から抜け出した。 「そんなわけ、ないじゃない!バカ!!」 シェリルの瞳から雫がこぼれた。 (この女王様は、もしかして俺に会いたかっただけなのか) アルトはシェリルを左手でしっかりと抱きしめ、右手で顎を引き、そのまま深く口づけた。 シェリルは抵抗するが、力かなわず、アルトは成すがままに口腔内を蹂躙した。 シェリルの抵抗がなくなって、息遣いが妖しくなって来た頃、 アルトも満足して唇を開放した。 「俺だって、早く来たかったんだ」 「だったら、なんで来ないのよ、バカ」 シェリルが首に手を回し、思いっきり抱きついてきた。 「おい、調子にのるぞ?」 抱きついたものの、顔を見られるのが恥ずかしくて シェリルは腕を解くことができなかった。 一方で、アルトの細身とはいえ厚い胸板や女とは違う匂いが、 先ほどのキスでヘンになった体をますますヘンにしてしまうので、離れたくもあった。 先日男を受け入れた部位がヒクヒクし、 胸の先端が妙に敏感で、腰のあたりがむずむずする。 早鐘のような鼓動や、体の火照りは きっと、この男にも伝わっているだろうと思うと、ますます恥ずかしい。 急いで離れれば、顔を見られることもないだろう、とも思ったが 男の手がしっかりと自分を抱きしめていて、それもかなわない。 男の興奮を示す、若干荒い息と自分同様に早く打つ心臓の音が伝わってきて、 シェリルは先日の夜の男を思い出し、ますます、いたたまれない気持ちになった。 あの夜は酒を飲んでいて、あまり意識がしっかりしていなかった。 ただ、アルトと一緒にいたくて、アルトを感じたくて仕方なかった。 物語の恋人たちのように寄り添えたらいいのに、と 彼の声を聴きながらぼんやりと妄想していた。 いつか失ってしまうと思うと、悲しかった。 そして、彼の瞳を見てしまったら、飲み込まれるだけだった。 初めての時は痛い、と教育されていたが、 もともと酒で体がふわふわとしていたせいで痛みはあまり覚えていない。 翌日に違和感を感じる程度で済んだのだが、今はその部位がうずいている。 アルトに揺さぶられ、こすられ、吸われ、触られた、怒涛のような刺激に 何がなんだか分かず記憶もはっきりとした形では残っていなが、 その突かれる快楽とともに、心に刻み込まれたアルトの匂いや息遣い、 やっとのことで開いた瞳に映った琥珀色の瞳が思い出されたのだった。 シェリルは、今まで、どんな恐怖も飲み込んで、立ち向かって、 誇り高く生きてきたつもりだが、 「自分が自分でいられれなくなる」という直感的な不安が襲ってきて、 彼に縋りつきたいのか、逃げだしたいのかわけがわからくなっていた。 「シェリル」 アルトがシェリルの耳元で囁いて、白い耳の裏を撫でると シェリルがびくりと身を固くした。 そっと身をはがすと、シェリルが不安そうな顔をしている。 安心させてやりたいと、頬に撫でながら、額に、頬にキスを送った。 「大丈夫だから」 背中を撫でてやると、シェリルがギュッと目をつぶったので、唇を軽く重ね、 匂い立つシェリルを堪能したいという一心で、 手に柔らかさを堪能しつつ、重力に逆らうように寄せると ナイトガウンの合わせからこぼれそうなシェリルの豊かな乳房に顔を埋めた。 「ま、待ちなさい!アルト!!調子に乗るなと言ったでしょう」 シェリルがアルトを突っぱねて身を引いた。 「へ?」 思いがけない制止にアルトがぽかんとしている隙に、シェリルがベッドから降り、 少し体勢をを崩しつつも、そそくさと距離を広げていった。 「つ、続きを話しなさい!そのために、あんたここに来てるんでしょ? 喉が渇いたから、葡萄酒を飲んでくるわ。ちゃんと、準備してなさい」 シェリルは精一杯の不敵な笑みをアルトに向け、リビングへ足を運んだ。 シェリルは葡萄果汁で心を落ち着けていた。 アルトは、ここを離れるために、話をしに来ているだけだ。 そう、彼のする話は、興味深く、包み込むように広く、時に厳しく現実的で しかし、夢があってロマンチックで、そして、優しい。 (うふふ、ツメは甘いんだけどね) 彼の、優しい声で紡がれる、夢の世界の安らぎを寵愛するのは至極自然だ。 それに、女王陛下に若い男が夜伽をしても不思議はない。 別段、特別なことではない。 シェリルは平静を保つために考えたことに苦々しさを感じつつも、 やはり、鼓動はごまかせないままに、アルトの待つベッドへと戻る。 彼と愛を交わそうが、交わすまいが、私はシェリル、この国の女王なんだもの。 「アンタにもこれあげるわ。」 持ってきた果汁をサイドテーブルに置き、シェリルはベッドに潜った。 アルトは、その薄絹一枚をまとっただけのシェリルの無防備さを恨めしく思いながら シェリルの横に横臥し、話しを始めた。 前回とはうって変わって、アルトが話し始めたのは冒険活劇だった。 夜、話すには不向きだが、前回からシェリルの様子が変だったので 新章は、明るく快活にしようと思っていた。 自分も、シェリルが無邪気に驚いたり、笑ったりして、毒気を抜いてくれなければ 何をしてしまうか分からないので、敢えて色気は抜いて話をした。 「ということで、続きは、次回な」 今日もシェリルを楽しませた達成感で、アルトもすっきりとした気分だ。 喉を潤していると、随分と興奮して聞いていたシェリルも、喉が渇いたのだろう。 自分にもよこせと、上半身を起こして、手を伸ばす。 シェリルの薄いガウンに透けた乳首の膨らみから目をそらしつつ、 アルトは杯をシェリルに渡した。 その拍子にそっと手が触れあい、アルトはついシェリルを見てしまう。 シェリルもふっと困ったように赤面したが、白い喉をのけぞらせて、一気に飲みほした。 「ご苦労さま。今日はもう帰って良い――」 その扇情的な光景に、アルトは杯を返すシェリルの腕を引きよせそのまま、抱きしめた。 「このままで帰れるかよ」 会いたかったと、抱きついてきた女を置いて帰る男がどこにいるというのだ。 それも、こんなにも気持ち良さそうな可愛い女。 実際にこの前の快楽を体が覚えているというのに。 シェリルの両肩に手を置き、アルトは勇気を振り絞って、 シェリルの意思を伺うべく瞳を見つると、シェリルも一生懸命に見つめ返して来た。 吸い寄せられるように、ゆっくりと顔を近づけると、シェリルも瞼を閉じた。 ジワリと、甘い切なさがアルトの胸に広がった。 シェリルが、受け止めて受け入れてくれる。 アルトが舌を絡めると、シェリルも稚拙ながら応じてきた。 「調子に乗るけど、いいんだな?」 アルトが問うと、シェリルが照れを隠しているのが見え見えの様子で答えた。 「今日はとっても面白かったから褒美を取らせるわ」 この前の晩と違い、シェリルの体がこわばっている。 そうか、この前は、酒が…。 女王陛下と言っても、男を初めて受け入れたばかりの少女なのだ。 その少女を、自らの手で快楽に染め上げ、膝をもじもじとすりよせては 殺すあえぎ声がたまらずに漏れるまで高めたアルトは、興奮の色を隠せない。 「シェリル、指、いれるぞ」 熱い息を吹きかけた耳たぶを甘噛みすると、首をのけぞらせたシェリルがうなづいた。 アルトはシェリルのへそに舌でくすぐりながら、シェリルの潤いつつある割れ目に指を差し入れた。 中の狭さを感じつつ抜き差してこすりあげると、嬌声とともに水音も増してきた。 徐々に指の数を増やしていき、我慢も限界にちかいアルトが、 シェリルの膝を割って間に入った。 くたリとしたシェリルを抱き起こし、 アルト自身とシェリルの水をたたえた泉をその手に触れさせた。 その刺激に耐えかねたシェリルがアルトの肩に顔を埋め、長い髪がさらりと流れた。 「ゆっくり入れるから、力を抜いて…」 アルトがシェリルの頬にキスをすると、シェリルも唇にキスを返してきた。 潤っているとはいえ、中の狭さは変わらず、 きつい抵抗を感じながら、アルトはゆっくりと腰を進めた。 シェリルが苦しげな声を出すのだが、アルトはそれすらも快感に感じてしまい、 背筋に電撃が駆け上った。 アルトをすべて受け入れたシェリルの中は 体を動かさずともうねり、アルトに耐えがたい刺激を与える。 慣れないにシェリルに出来るだけ快感を与えるべく、腰使いも我慢しようと思っていたが、 そんなの考えも吹き飛んでしまうほどに気持ちが良かった。 普通がどれほどかは知らないが、早く果ててしまったような気がする…。 並んで汗ばんだ体を休めて息を整えながら、アルトは自己嫌悪に陥っていた。 しかし、行為後の余韻に浸りつつも、シェリルは慣れない行為にぐったりとした様子で 日ごろの果敢な様子からのギャップが、色情を煽る。 「シェリル…大丈夫か……もう一回…」 まだ桃色に染まったままの乳房の柔らかさを味わいながら、 アルトは再び硬さを増してきたものをシェリルに押し当てた。 「褒美はここまでよ。また、明日来なさい」 苦しげに言うシェリルの言葉を無視し、 アルトは、突っぱねようとするシェリルの腕を掴かみ、ベッドに縫い付けた。 「こんな状態では男はやめられないんだよ、女王様」 「命令無視なんて、良い根性してるわね」 余韻で色っぽい表情をした女王が、さらに顔を赤らめて目をそらしつつ脅しても アルトには逆効果だった。 あまり深入りしないようにと戒めていたにも関わらず、 求められる喜びでアルトを許してしまったことを シェリルが後悔するのは、翌日の朝だった。 おわり 体は重ねていても、心の交流がまだまだなので、 命張るくらいまで、さらに恋に堕ちてもらいたい。 ネタも書き手も常時募集中。 保管に関しては、自分の文はするならば、どうぞ。
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/77.html
戦いが終わって。 すれ違って、行き違って、間違って・・・ ほんとにいろんなことがあって・・・ そして、心を通わせあった私とシェリルさん。 悲しくてつらい日々を乗り越えて、結ばれた絆は確かなもので。 これは、そんなとある日の私とシェリルさんの出来事です。 『シェリルさんばっかりずるいです!!』 それは私が思わず口にしてしまった言葉。 シェリルさんはいつも私の主導権を握る。 惚れた弱みと言われればそれまでだけど、たとえペットだってたまにはご主人様に逆らいたくなる時だってあるのだ。 そんな思いが募って言ってしまった言葉。 だって、シェリルさんたら、いっつも私のことイジメて楽しんでるんだもん。 自分の弱いところなんて絶対見せようとしないくせに、私の弱いところは遠慮なく探し当てて、責めてくる。 この前なんて、泣くまで許してくれなかったんだよ!!! 『ちゃんと言わないとわからないわ、ランカちゃん。』 なんて言って微笑む姿は、まさに女王様だったんだから。 思わず私の脳裏に「ユニバーサル・バニー」が流れ出して。 黒ウサギシェリルさんの姿を思い出しちゃった。 そんな姿を思い出してしまったら、私が逆らうなんてことは絶対無理で・・・ 結局はシェリルさんの言うとおりにしちゃったんだぁ。 『・・・シェリルさんが・・・ほしいです・・・もっと・・・かわいがって下さい・・・』 今、思い出しただけでも顔から火が出るくらい恥ずかしいよぉー・・・ でもね、それを聞いた時、シェリルさんの顔が一瞬、キョトンとしたの。 あの時のシェリルさんはすごくかわいらしかったなぁ。 見たこともないような可愛らしい顔だったんだよ!!! きょとん・・・って!!! あの顔は、絶対私しか知らないと思うんだ。 他の誰かが知ってたら、すごく嫌だなぁ・・・。 『・・・ランカちゃんてほんとにかわいいわよね・・・羨ましいわ・・・』 そう言って微笑んでくれたシェリルさんの笑顔がとても優しくて。 涙を流す私の両方の瞳にキスをくれると、そのまま耳元で囁いてくれたの。 『ちゃんと言えたから、ご褒美をあげないとね、ランカ。』 なんて、シェリルさんの少し低めの声で言われちゃったら、もうどうにかなるしかないよね?! 私、これでもかっていうくらいシェリルさんに抱きつこうとして・・・ そしたら、シェリルさんは余裕の笑みを浮かべたまま、私の触れて欲しかった部分に、触れてくれたの。 ずっと焦らされてたから、少し触れられただけで声が出ちゃって。 涙も溢れちゃって。 でも、シェリルさんが触れてくれたことが嬉しくって。 抑えられない声を上げて、シェリルさんに伸ばした手はそのままベッドに落ちて、変わりにシーツをこれでもかっていうくらいきつく握りしめてたんだ。 抑えようとしても漏れる声が恥ずかしくて、なんとかしようとして、口に腕をあてたら、やんわりとそれを、シェリルさんに止められて。 『声、別に出してもかまわないでしょう?2人だけなんだし。』 言われたことに、私が大きく首を横に振ったら、可愛らしく首を傾げられたんだ。 だから、私、必死で答えたんだよ。 “恥ずかしいから、嫌”って。 そしたらシェリルさん、クスッて笑って私のこと抱きしめてくれたの。 『あたしは聞きたいけどなぁ。ランカちゃんの歌声。でも、どうしても恥ずかしいなら・・・』 シェリルさんが髪を撫でながら、耳元で囁いてくれた言葉に、私、真っ赤になっちゃって・・・ 『あたしの唇で塞いであげる。』 『ふぇ?』 情けない声を上げた私の唇に、シェリルさんの柔らかい唇が重なって・・・ 唇に当てようとしてやんわりと払いのけられた手は、そのままシェリルさんの手に捕まって指を絡まされて、強く握られた。 シェリルさんのもう片方の手は私の弱い部分に触れていて・・・ 私のもう片方の手は、ぎゅっとシーツを掴んだままで・・・ 上がる声も、跳ねる体も押さえ込まれて・・・ そしたら、何がなんだかわからなくなって・・・ 気づいたらいつも、シェリルさんが与えてくれる快感に溺れちゃってて・・・ 『ランカちゃんかわいい。こんな姿、私の前でしか見せちゃダメよ。』 って言われるんだけど・・・ シェリルさん以外の前でなんて、こんな姿、絶対見せらんないよぉ。 絶対、そのことをわかっててそんなこと言うんだもん。 ほんとにシェリルさんて、意地悪なんだから!!! 『・・・はひ・・・シェリルしゃん・・・』 なんて、呂律の回らない口で答えたら、シェリルさんはその魅力的過ぎる笑みをくれて。 『約束ね。破ったら、きつい“おしおき”だからね、ランカ。』 なんて言うんだよ。 あんな笑顔で、そんなことを言われてしまったら、 約束は絶対破らないけど・・・ ついつい “おしおき”されちゃいたくなっちゃう自分がいて・・・ そのことわかっててやってるんだよね・・・シェリルさん・・・ ほんとに、たちが悪いんだから・・・ でも、そんなところも“大好き”なんだけど・・・ だけどね。 『たまには、私だってシェリルさんを気持ちよくしてあげたいですっ!!!』 って、突然言ったことに、シェリルさん目をパチクリさせて。 かわいかったなぁ。 鳩が豆鉄砲くらったような顔ってあんな感じなのかな? そしたら、シェリルさんの笑顔が急に何かを思いついたみたいに楽しそうなものに変わって。 『じゃあ、今日はランカちゃんに甘えていいの?』 なんて、無邪気な笑顔の甘えた声でそんなことを言ってきたんだよ!!! 私の脳裏にまた「ユニバーサル・バニー」が流れ出して。 今度は白ウサギシェリルさんが現れたの!!! いつもみたいな女王様なところなんてどこにもなくて。 ただ甘える子どもみたいなシェリルさんの破壊力といったらないよ!!! アルトくんっ!!! 『じゃあ、遠慮なく甘えちゃおうかしら・・・ランカちゃん!!』 ぎゅっと抱きついてきてくれたシェリルさんをしっかりと抱きしめて。 そのふわふわの髪に顔を埋めて深く息を吸い込んだ。 同じシャンプーを使っているはずなのに、シェリルさんの方が断然いい匂いがする。 『シェリルさぁん・・・』 思わず漏れ出た私の甘えた声に、シェリルさんはクスッと笑って。 それから、私の控えめな胸に顔を埋めると、シェリルさんが上目遣いでこっちを見てきたの!!! ――― !!!!!??? わかるよね? この時、私、死んでもいいってほんとに思ったよ!!! シェリルさんの上目遣い、本当にかわいいんだから!!! 限界超えて昇天1000%だよ!!! 絶対、他の子になんて見せたくないけど、見て欲しい!!! でも、絶対見せないけどっ!!! 『ランカちゃん、優しくしてね。』 なんて、甘えた声でシェリルさんがっ!!! 白ウサギシェリルさんがおねだりしてくるからッ!!! そんなお願いされたら聞くしかないよねっ!!! 『シェリルさんっ!!!!!』 叫ぶようにその名を呼んで、気づいたらシェリルさんを押し倒してたの。 それからは、もう・・・ シェリルさんのかわいいおねだりに応えるべく、ランカ・リー頑張りました!!! あんなかわいいシェリルさん見たことなくて・・・ ちょっと、シェリルさんが自分をイジメたくなる理由がわかった気がしたよ。 シェリルさん・・・すっごいかわいいのっ!!! ほんとにかわいいんだからっ!!!!! 気持ちよくって泣いちゃったり、“もっと”ってその口で言わせてみたり・・・ ちょっと、何かに目覚めちゃって、シェリルさんのことだいぶイジメちゃいました。 ごめんなさい、シェリルさん。 でも、シェリルさんがかわい過ぎるのもいけないと思うんです。 うん、だからおあいこってことでいいですよね? 「ランカちゃんのバカ・・・優しくしてって言ったのに・・・」 って思ってたら、言われちゃいました。 こっちに背を向けて少し頬を膨らませた、ご機嫌斜めなシェリルさんに。 でも、そんな姿すらかわいくて。 思わず背中からぎゅっと抱きしめずにはいられなくて。 「そんなんじゃ誤魔化されないんだから・・・」 なんて、ぶつぶつ言いながらも、なんだかその声は嬉しそうで。 「ごめんなさぁい、シェリルさん。」 謝る私の声もぜんぜん悪いと思ってないような、嬉しそうな声になってしまって。 「絶対、許してあげない。」 なんて言うシェリルさんの声は笑っていたから、顔を覗き込んでみたら不意打ちでキスされちゃって。 真っ赤になった私に、シェリルさんは艶やかに微笑んでくれる。 「でも、今回だけは許してあげるわ。次やったら“おしおき”なんだからね。」 いつもの口調でそんなことを言って、そっぽを向くシェリルさん。 でも、髪からのぞく耳は赤くなっているのがわかった。 なんだかそんなやりとりがとても楽しくて、嬉しくて。 肩を揺らしてクスクスと笑っていたら、こっちを向いてくれたシェリルさんも同じように笑い出して。 視線が合うと二人して声を上げて笑いあった。 「シェリルさぁん・・・」 思わず呼んでしまったその声は、自分でもびっくりするような甘えた声で。 チラリと視線だけをシェリルさんに向けてみると、シェリルさんも驚いたように目を丸くしていた。 「ランカちゃん・・・誘ってるの?」 けど、直ぐさま悪戯な笑みを浮かべてそんなことを言われてしまって・・・ 「ち、違いますっ!!!」 「違うの?」 可愛らしく小首を傾げて見せたその顔に、ちょっと残念そうな表情を浮かべるシェリルさん。 絶対、わかってやってる!!! 「ち、違わないけど・・・違うんです!!!」 よくわからない返事を返す私を見ながら、心底楽しそうに微笑んでいるシェリルさん。 あれ? 今日の主導権は私にあったはずなのに・・・あれ?あれ? 「ランカちゃんて、本当にいつもかわいくておもしろいわね。見てて飽きないわ。」 私の頬に触れてシェリルさんがそう言ってくれる。 目の前には、さっきまでの悪戯な笑みじゃない、優しくて暖かくて、少し憂いを帯びたようなそんな笑みがあった。 そんな笑顔を見ると、私はいつも幸せなのに心配になる。 シェリルさんは胸の内をあまり明かさない人だから。 ヴァジュラとの戦いが終結したあと。 シェリルさんのことを何も気づけないで、独りきりにしてしまった・・・ あの日のことを思い出すから・・・ あの戦いが終わって。 私やアルトくんには家族がいて。 傍にはシェリルさんもいて、毎日笑ってたから気づけなかった。 シェリルさんが本当に独りきりだったこと。 あんなに傍にいたのに、それだけで。 帰るところがある私たちは、シェリルさんのことなんてちっとも考えてなかった。 ギャラクシーも、家族も、信頼していたただ1人の人も失って・・・ シェリルさんには、帰るところがなかったこと。 そして、気づけた時には随分と長い間、シェリルさんのことを独りきりにしていたから・・・ だから、そんな笑顔を見た時には、ギュッとシェリルさんを抱きしめる。 絶対に逃がさないように。 “ひとり”じゃないってわかってもらえるように。 できるだけの力でシェリルさんを包み込むの。 「なぁに?ランカちゃん。痛いわよ。」 クスクス笑いながら私の髪を撫でてそう言うシェリルさん。 “痛い”なんて言いながら、ぜんぜん引き離そうとしないのは、シェリルさんもこうして欲しいってことですよね? 「シェリルさんの傍にいます。」 不意に呟いた言葉にシェリルさんの体がびくっと反応した。 顔を上げてシェリルさんを見て微笑むと、シェリルさんも微笑んでくれる。 「・・・ほんとに?」 「ずっと、ずっと、傍にいますから。」 「仕事中は無理でしょう?」 「うっ・・・仕事以外ではずっと傍にいます!!!」 「ランカちゃんを独り占め?それは嬉しいわね。」 からかうような口調でシェリルさんが言葉を続ける。 「でも、ダメよ。ちゃんとお家に帰らないと。ランカちゃんには家族がいるんだ・・・」 優しい笑みを浮かべながら私を嗜めようとする唇を、自分の唇で塞ぐ。 シェリルさんが驚いて目を見開いているのが見える。 お互いに目を開けたままのキスなんて、ちょっとルール違反だけど・・・ 「・・・ちょっと黙って下さい・・・シェリルさん・・・」 笑みを浮かべてそう言うと、頬を薄くピンクに染めて視線を逸らすシェリルさん。 「ランカちゃんのくせに・・・生意気ね・・・」 いつもみたいな強気な言葉じゃなくて、かわいらしいシェリルさんの言い方に、更に頬が緩んだ。 「生意気でいいです。シェリルさん・・・」 そう言って、シェリルさんを体全体で抱きしめる。 「もちろん、ちゃんと家にも帰ります。友達とだって遊びます。仕事だってちゃんとします。でも・・・私が帰ってくるのはここですから。シェリルさんのところですから・・・。」 恥ずかしいけれど、ちゃんとわかってほしくて言葉にする。 「だから、シェリルさんもちゃんと・・・ちゃんと私のところに帰って来て下さい。シェリルさんの帰る場所は・・・ここですから。」 そう言って、シェリルさんのふわふわの髪をソッと撫でた。 そしたら、腕の中のシェリルさんがおずおずと背に手を回して、顔を胸に擦りつけてその身を私に預けてくれる。 「・・・うん・・・ランカちゃん・・・」 子どもみたいなシェリルさんのしぐさと声。 ほんとに、ほんとに、大切にしたい人。 両親も信頼してた人も亡くしてしまったシェリルさんに、 自分が独りきりだなんて二度と思わせないように・・・ 私は、私の全てをもって、シェリルさんを幸せにしてみせますから。 だから、大丈夫です、シェリルさん。 「シェリルさん・・・大好き・・・」 ギュッと抱きしめてその耳に囁くと、シェリルさんが擽ったそうに肩を竦めた。 それがかわいくて、軽く息を吹きかけてみたら、笑いながら怒られた。 「もう・・・ランカちゃん。」 「えへへ・・・」 零れる笑みが止まらない私を見たシェリルさんも笑ってくれる。 「ランカちゃん・・・」 ソッと名を呼ばれたかと思ったら、シェリルさんの顔が近づいてきた。 いつ見ても綺麗だなぁ、なんて思いながらゆっくりと目を閉じる。 「・・・ありがとう・・・大好きよ・・・ランカちゃん・・・」 そんな言葉が聞こえたかと思うと、唇に柔らかな温もりが訪れた。 おわり