約 3,454,733 件
https://w.atwiki.jp/misyeru/pages/404.html
種類 スラッシュアックス 武器名 バンカーバスター レア度 4 攻撃力 200 スロット 2 会心率 0% 作り方・派生 素材生産:費用 - 強化生産:費用 35,000z 強化生産:武器 アサルトアックス改 使用可能時期 上位 強化可能武器 バスチオンバスター
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/324.html
仮面の奥で静かに嗤う ◆VvWRRU0SzU 「フ、フフ……フハハハハハハハハハハハハッ!」 ブラックゲッターのコックピットに、通信機から漏れた哄笑が響き渡る。 敵を前にして頭がイカれたのか……アキトがそう思うのも無理はないほどの大笑だった。 泥の中でもがくような時間が過ぎ、ようやっと本調子に――アキトに取っては、だが――戻り、移動を再開しようとしたところで、いきなりこの機体は現れた。 白銀の光沢、力強さを感じさせる翼。空を斬り裂いて舞い降りたのは機械仕掛けの大鳥―――魔装機神サイバスター。 本調子ではないとはいえ、アキトに油断していたつもりはなかった。 だがこの機体は、レーダーが捕らえたと思えばまさしく瞬きする間に目視できる距離に到達してきた。 凄まじいスピード。アキトが迎撃の姿勢を取ろうとした瞬間、だがそいつは前方で停止し、一瞬にして人型……戦闘用と思しき形態に変形した。 戦えない「ゼスト」とやらが足手まとい。切り捨てる? 薬は欲しい、だが自分が墜ちては意味がない。 ユーゼスを囮にしてやつを破壊する。ビームが使えない現状、有効な手段は――― そこで、アキトの思考を遮るようにユーゼスの笑い声が聞こえた。 「ハハハハッ! よもや、こんなところで……! こうも容易く現れるとはな、サイバスター!」 「知っている機体か?」 「ああ、あれはいいものだ……。テンカワ、ここは私に任せてもらおう。手を出すなよ」 ユーゼスはアキトにそう言い置き、通信を切る。といっても、落とされたのは映像回線のみで音声は聞こえていたが。 アキトが目覚めたことにより、ブラックゲッターの操縦権もアキトへと戻っている。何か細工をされたかと警戒したが、変化と言えばエネルギーが補給されていたことくらいだ。 とはいえ炉心が破損している以上、完全に補給されたというわけでもなかった。動作に支障はないものの、あと数回でエネルギーは枯渇する、それは確実。 手札が限定されている以上、先に手を見せるのは好ましくない。 ここはユーゼスの言うとおり、まず様子を見ることに決めたアキト。 どうやらサイバスターなる機体もこちらとの交渉を望んでいたらしく、攻撃するそぶりは見せなかった。 「こちらはゼスト、ユーゼス・ゴッツォと、ブラックゲッター、テンカワ・アキト。サイバスターの操者よ、応答を願う。我々に戦闘の意志はない」 「……こちらはサイバスター、レオナルド・メディチ・ブンドル。私も争いを求めて来たのではない。対話を求める、ユーゼス殿」 アキトには聞こえてきた声に覚えはない。だが、どこか研ぎ澄まされた刃を連想させる鋭い声だった。 油断ならない相手だと認識し、手は出さずともいつでも行動に移れるようにサイバスターの挙動を注視する。 回線を繋げ双方が軽く自己紹介を行う。その際、アキトは負傷していて声が出し辛いという説明も交えて。 目がいくつもある怪しさ満点の仮面を被った男など問答無用で射殺されても不思議ではないとアキトは思ったが、このブンドルという男は特に何とも思わなかったようだ。 「そういう美しさもあるな」という一言で、こいつもどこかおかしいのか……と軽い疲労を感じた。 「まず……そうだな、何故この機体を知っているのか。そこから話していただきたいな。会ったことはないはずだが」 「何、『私の世界』で見たことがあるからだよ。といっても、遠くから眺めた程度のものだがね。その機体は単なる兵器の枠に収まらない優美さがある。一度見れば忘れんよ」 「ふむ……然り。サイバスターにはおよそ兵器とは思えぬ美がある。『私の世界』にはこうも心を震わせる兵器などなかった。 一度設計者ともお会いしたいものだ。さぞかし美の女神に愛されたお方なのだろう」 どうやらユーゼスの掴みは上手くいったようだ。固かった声がいくぶん和らいだ。 「うむ、私も同感だ……が、サイバスターの真価はそこではない。そうだろう?」 「ラプラスコンピューターのこともお見通しか。そう、確かにこの機体にはある。最新のスーパーコンピューターなど比べ物にならないほどの演算装置が。 それを持って私はサイバスターこそこの戦いを終息させる鍵と考えている」 「ラプラスコンピューターを完全に操れるなら、因果を操り未来を知ることもできる……なるほど、確かに鍵と言えるな。 どうかね、ブンドル―――と、呼ばせてもらうが、サイバスターを私に預けてはくれないかね?」 「あなたに?」 「失礼ながら君には念……魔力的な素養は感じられない。私なら君よりある程度は上手くラプラスコンピューターを操れるだろう」 「魅力的な話だが……今は否、と言わねばならん。私にもこのサイバスターが必要だ。当面、ラプラスコンピューターの解析よりも優先してやることがあるのでな」 「ほう。それは?」 「基地を確保することだ。殺戮者たちへの備えとして、生存者の集結地として。そして」 コンコン、と軽い音。おそらくは首輪だろう。 「なるほど、我々と同じ……か。だが、一足遅かったようだ、ブンドル」 「どういう意味だ?」 「戦いに乗った者に攻撃を受け、基地は壊滅した。我々の仲間が足止めを行っていたが、先程一際大きな爆発があった。おそらくは……」 ユーゼスは悲しみのあまり消沈したように言う。演技とは知っていても、その仲間を売っておいてよく言えたものだとアキトは失笑した。 そしてそこに続くブンドルの声は今度こそ本物の落胆を滲ませていた。 「なんということだ……。事態は私の予想をはるかに超えていたということか」 「生存者は、いない。基地に向かうのは諦めた方がいい。奴が生きているかはわからんが、もし健在なら我々が束になっても一蹴されるだろう。それほどに強力な敵だ」 「また、無辜の命が散ったというのか……私が、もっと早く―――」 「酷なことを言うが、君一人いても状況はさして変わらなかったろう。君さえいればなんとかなったなどと言うのは、死力を尽くして敵に抗った私の仲間に対する侮辱だ」 「……そうだな、あなたの言う通りだ。後悔している暇などない……進まねばならん」 「うむ……我々はナデシコなる艦との接触を目指している。どうかね、我々とともに行かないか?」 「ナデシコ? あの艦か。ふむ……いや、済まないがそれならそれで私は北で仲間との合流を目指す。 基地での合流を約束したのでな、もしそんな危険な敵がいるのなら捕捉される前に私がピックアップする」 「そうか……残念だ」 どうやらブンドルなる男は仲間と合流するつもりらしい。集団を形成されては面倒だ。ユーゼスの思惑がどうであれ、こいつはここで――― アキトが殺意を解き放とうとした瞬間。 「お―――いブンドルさ――――――ん! もういいだろ―――!?」 大音量の声が響いた。 新たに接近する機影、1。映像―――雷を思わせる黄色のボディ。 「待ってろって言われたけどよ、そう長々と話してるってことは敵じゃないんだろ? だったら俺も混ぜてくれよ!」 聞こえてきたのは、活力溢れる少年の声。 「甲児君……待っていろと言ったろう」 「だってよ、俺だけのけものなんてひどいじゃねえかよ。仲間なんだからブンドルさんだけに危ない橋渡らせることはできねえしさ」 やがて、黄色の機体―――ストレーガというらしい―――が合流し、改めての会談となった。 どうやら向こうに先に捕捉されたらしく、万が一の事態に備えて機動力に優れるサイバスターが斥候役を務めることになったということだった。 「フ……その用心深さは頼もしいな。ユーゼス・ゴッツォだ。よろしく頼む、甲児君」 「甲児でいいぜ、おっさ……ユーゼスさん。それで、そっちが……ってあれ? その顔、ゲッターロボじゃねえか! ん、でも黒いしなんかずんぐりしてるな。どういうこった?」 「……この機体はブラックゲッター、俺はテンカワ・アキトだ。こいつはお前の知ってる機体とは多分別物だ」 喋る必要があったわけではないが、一々追及されるの面倒だと思ったアキトは甲児の疑問に答えた。 それきりまた口をつぐみ、二機の隙を探る作業へと没頭する。 甲児はしきりにブラックゲッターの周囲を旋回し、観察している。トマホークを叩きこまんとする手を抑えるのに苦労した。 「ブラックゲッター……へへ、俺の知ってるゲッターとは違うけど中々カッコイイじゃん。ま、俺のマジンガーには負けるけどよ!」 「マジンガー? それも詳しく聞きたいものだな」 「いや、先にこちらの話を進めさせてくれ。我々は仲間と合流する、君たちはナデシコと合流する。 では首尾よく双方が仲間と合流できたのなら、そのとき改めて手を取り合おう」 「異論はない。だが、我々はナデシコの航路を知らないのだ、合流できるという保証はない。君たちはナデシコがどこに行ったか知らないか?」 「……いや、何処に行ったかまでは知らないな。私も先程すれ違ったくらいで―――」 「何言ってんだよブンドルさん。シャギアさんたちならガロードの機体を探した後北東4ブロックを回るって言ってたじゃねえか」 何故か急に言い渋ったブンドルに甲児の声が被さった。 「……そうだったかな? 済まない、なにせ君に撃たれた衝撃が強かったもので少し気が緩んでいたようだ」 「むぐっ……そ、それは言いっこなしだぜブンドルさん!」 「北東4ブロック、か。ふむ、礼を言う。おかげでこのフィールド中を飛び回らずに済んだよ」 「へへっ、いいってことよ! ああそうだ、シャギアさんたちに会っても、その、アンタ達人相っていうか仮面相……とかが悪いからさ。 俺が紹介したって言いなよ。卵焼き、って言えば俺と会ったってわかるはずだから」 まっすぐ過ぎる少年は仮面に対しても忌憚のない意見を述べてくれた。 ユーゼスはともかく俺は好きで被ってるんじゃない、と胸の内で反論するアキト。 「……了解した。では、合流地点はE-1の水上都市はどうかね? 君らは北に行く、我々は南下して光の壁を通過して北東へ向かう。中間地点としてE-1が適任だと考えるが」 「了解だ」 ブンドルの言葉を区切りとして、手短かに情報を交換していく。 それが一段落したところで、ユーゼスは甲児にゲッターロボ、マジンガーZなる機体の話を求めた。 甲児も愛機の蘊蓄を語れるのがうれしいのか、上機嫌で説明している。 二人は機体を降り、地上で生身を晒している。今なら殲滅は容易い――― しかし、優勝を考えると無闇に消耗するのはまずい。今はまだ機ではない、と判断したアキトにこちらは機体から降りなかったブンドルが話しかけてきた。 「テンカワ・アキト。どうやら向こうの話は邪魔してはいけないようだ、君と話そう。戦いに乗った危険人物のことだ」 「……俺に、話すことはない」 いずれ誰も彼も殺すのだから、と胸中で呟く。そんな相手のことなど知りたくないし、話していたくもなかった。 だが。 「私の話を聞いてくれるだけでいい。ガウルンという男のことだ」 瞬間、息が止まった。 ガウルン。 奴の名を、ここで、聞いた? 「奴とは二度交戦したが、決着は付けられなかった。品性は最悪だが、強い。まさに戦争を体現したような男だ」 ブンドルの言葉など頭に入らない。奴はまだ生きている。生きていてくれた。アキトに、殺されるために。 「奴は今も戦いを巻き起こそうと暗躍しているだろう。だが次こそは逃さん。必ずや奴を討ち取って―――」 「俺だッ!」 アキトの喉から怒声が迸る。 「誰にも渡さない……奴は、ガウルンは、俺が殺す! 俺がこの手で、必ず……!」 「……君も、以前に奴と?」 「奴は俺が殺す。邪魔をするなら誰であろうと容赦はしない」 それは通告。ガウルンを殺すのは自分であり、ガウルンに手を出す者は等しく殺すという殺意の言葉。 無差別に襲いかかってくる狂人に、それを狩ろうとする男。介入すればどちらからも狙われる――― 「無茶を言う。襲われても抵抗するなということか?」 「俺の知ったことじゃない」 「……ふぅ。わかった、もし遭遇してもなるべく撤退するようにしよう。できれば、の話ではあるが」 返事をする余裕などなく、胸の内の殺意を押さえつける。これはここで放つものではない。 溜めて、溜めて……あの男に叩きつけるその時まで、どこまでも純度を高めていく。そこへ、 「あの男の機体はガンダムというらしい。私の―――認めるのはいささか抵抗があるが―――仲間が乗っていた機体と同タイプのようだ。 接近戦を主眼に開発され、小型とはいえ驚異的な格闘能力を有する。操縦方法が独特のもので、操縦者の体技をそのまま反映できるらしい。 あの男は軍人上がりのようだが、腕は相当のものだ。機体とパイロットの相性が良すぎる」 冷めた声が投げかけられる。ガウルンの機体の情報だ。 意図が掴めず答えないアキトに構わず、ブンドルの声は続く。 「更に、私との戦いでは見せなかったが、もう一つ二つは切り札があるようだ。掌部にエネルギーを纏わせる技と、機体の出力が一気に高まる機能。 ギンガナム……私の仲間が後者を発動させたときは君の機体とほぼ同サイズの強力な機体を片腕で圧倒した。この二点に特に留意したまえ」 「……どういうつもりだ」 「君が奴を排除してくれるならそれに越したことはない……それだけだ。何かを奪われたのなら、報復するのは当然の権利だと私は思う」 大事なのはガウルンと戦うことではなく、ガウルンを殺すこと。アキトにとってこの情報は―――有益だった。 「……礼を言う」 「不要だ」 一瞬だけ―――昔、仲間と共にいた頃の記憶を思い出し、気がつけば礼の言葉を口にしていた。 いずれ殺すのに……矛盾しているとは思ったが、それでもアキトにはもうここで戦う気は失せていた。 ガウルンの情報を手に入れただけでアキトとしては上々だ。こいつらのことは次に会ったときに考えればいい――― それからしばらくして。 「待たせたな、テンカワ。出発するぞ」 「すまねぇな、ブンドルさん。待たせちまって」 ようやく話を終えた二人が戻ってきた。甲児はもちろん、ユーゼスも心なしか満足げだ。 「いやあ、見た目と違っておっさ……ユーゼスさんって話せるなぁ! やっぱ男はスーパーロボットだぜ!」 「うむ。合体変形、厚い装甲、全身に装備された兵器、そしてロボットなのに必殺技……科学者が一度は夢見る王道だ。これを好かずして何が男か」 すっかり意気投合したらしい二人をやや引き気味の目で見ていたブンドルが、出発を告げる。 「では、いずれまた会おう。さらばだ」 「じゃあまた後でな、ユーゼスさんにアキトさん! 死ぬんじゃねえぞ!」 サイバスターとストレーガが北へ飛び去っていく。 対して自分達は真逆、南へと針路を向ける。 未だ再生しきらぬゼストを抱えてブラックゲッターが飛んで行く。 「よく自制したものだな。別れ際に仕掛けるのではないかと私は内心穏やかではなかったよ」 「……いずれまた会う。そのとき殺せば結果は同じだ。貴様こそ、見逃していいのか? あの機体が必要なのだろう」 「サイバスターか。確かに本音を言えば確保しておきたいが……今の状況では破壊はともかく捕獲は困難だ。万一ラプラスコンピューターが破損しては目も当てられん。 何、保険はかけておいた。サイバスターは私のもとへ来る、必ずな。早いか遅いかの違いだよ。 あのブンドルという男、中々に切れる。すでに我々が違う世界から集められたということも理解していたしな。我々の重要性はしっかりと認識しているだろうさ」 上機嫌なユーゼスの声。アキトもこの接触は価値のあるものだと認めざるを得なかった。 ナデシコの行き先がわかり、市街地を探し回らずに済んだ。これは薬を飲まねばろくに動けないアキトには好都合だ。 そして何より、ガウルン。 ブンドルの話では、奴は相当の手練と戦って深手を負ったらしいが、生きていることには変わりない。 そして今も積極的に行動しているらしい。このまま当て所なく彷徨うよりも、人の集まるところ、獲物の多い場所に奴は現れるだろう。 ナデシコは集団を纏める旗と成り得る。奴が来る確率は決して低くはない。 もうすぐ、もうすぐ会える。ユリカを殺したあの男に――― キョウスケ・ナンブのことも、共に進む信用ならないユーゼスのことも、今この瞬間はどうでもいい。 ブラックゲッター。復讐を体現する機体の中で、まるで恋焦がれるように―――アキトは宿敵との邂逅を願い続けた。 【テンカワ・アキト 搭乗機体:ブラックゲッター パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭、疲労状態 機体状態:全身の装甲に損傷、ゲッター線炉心破損(補給不可) 現在位置:E-7 北東部 第一行動方針:ナデシコの捜索(南の光壁を抜けて北東4ブロックへ) 第二行動方針:ガウルンの首を取る 第三行動方針:キョウスケが現れるのなら何度でも殺す 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に"ボソンジャンプの使用"が追加。 備考2:謎の薬を3錠所持 備考3:炉心を修復しなければゲッタービームは使用不可 備考4:ゲッタートマホークを所持】 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス パイロット状態:若干の疲れ 機体状態:全身の装甲に損傷、両腕・両脚部欠落、EN残量20%、自己再生中(コックピットの完全修復まで残り数十分程度) 現在位置:E-7 北東部 第一行動方針:ナデシコの捜索、AI1のデータ解析を基に首輪を解除 第二行動方針:他参加者の機体からエネルギーを回収する 第三行動方針:サイバスターとの接触 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第五行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 備考4:機体の制御はAI1が行っているので、コックピットが完全に再生するまで戦闘不能】 □ 「俺達にナデシコにブンドルさんの仲間にユーゼスのおっさんとアキトさん。へへっ、なんかイケるんじゃないかって気がしてきたぜ!」 ユーゼス達と別れた後、基地から北部の市街地へと針路を変えて進む二人。 甲児は純粋に仲間が増えたことを喜んでいるようだ。しかしブンドルは彼とは逆に、喉元に棘が刺さったような気分だった。 「……甲児君。彼らのことをどう思う?」 「どうって……頼もしいじゃねえか。見た目はともかくユーゼスさんはすげえ頭がいいぜ。光子力の理論をちょっと話したらスイスイ理解してた。 ゲッターロボのエネルギー……ゲッター線とかってのも、ここに来てからの調査だけでだいぶ深く理解してたみたいだしよ。 アキトさんはなんか殺し屋みたいで……ま、まあ頼りになりそうだよな。ブラックゲッターっつーあの機体だって、俺が見たゲッターは強かったぜ。 一人乗りってことは変形とかはできないんだろうけど、どう見ても戦闘用だったしな。あの化け物を倒すのに大きな力になるぜ、きっと!」 甲児は微塵も彼らを疑っていない。その純粋さが彼の美点でもあるのだが、ブンドルはそう甘く考えることはできなかった。 基地の情報や首輪を解除しようとしていること、何より自分たちをあっさり見逃したことから、たしかに戦いに乗ってはいないのだろう。 だがどうにも―――信用しきれない。 これはドクーガ情報局局長として裏の世界を嫌というほど見てきたからこその勘なのだ、甲児に理解できるはずもないが。 表面的には友好的なユーゼス。寡黙だが内にガウルンへの激烈な殺意を抱えたアキト。 アキトはまだいい。大事な誰かを殺されて、復讐に走る。理解できないことではない。 ギンガナムのように、暴力に訴えるタイプなら制御するのは容易い。だからこそガウルンの情報を与え、矛先が万一にもこちらへ向かないように仕向けた。 だがユーゼスは違う。 言葉は穏やかながらも、仮面の奥にある瞳は冷徹にこちらを観察していた気がする。 人を見る目ではなく、フラスコの中の液体を、檻の中を走り回るネズミを、それらが起こす変化を機械的に観察している……そんな印象を受けた。 何より、サイバスターだ。 彼がサイバスターを自身に預けないか、と言ったとき。この機体―――機体に宿る精霊―――は、拒絶の意をブンドルに送ってきた。 こいつにサイバスターを委ねてはいけない。漠然と思っていただけのブンドルを、その意志は強く後押しした。 ユーゼス・ゴッツォは、今はまだ信頼すべきではない。ブンドルはそう決めた。 だからこそ同行の申し出を断り、ナデシコの行方もぼかしたままにしようと思ったのだが。 そこで甲児が介入してきたのは計算外だった。共に過ごした時間は長くないものの、多少なりとも理解できた彼の性格を考えれば予測できたことではあったが――― (私は、手を指し損ねたのかもしれん) その思いを抑えられなかった。もし彼らが戦いに乗っていて、自分達から情報を引き出すために友好的に接したのだとしたら……ナデシコが危うい。 急ぐ必要がある。この位置からなら彼らがナデシコと合流するより、自分達がアムロと―――願わくばアイビスとも―――合流する方が早いはずだ。 こちらが大きな集団となり、彼らより先にナデシコと接触する。 勘という曖昧な理由しか示せない自分よりも、人の意志を感じ取るニュータイプたるアムロならユーゼスの真意を看破できるかもしれない。 (どのみち、もう一度彼らと接触する必要があるか。こんなものを見せられては、な) モニターに表示されるデータを見て嘆息する。 首輪を解析した結果だ。ユーゼスがあの基地で解析したものらしい。 脱出の際のどさくさで一部が破損したらしく、そのデータは不完全なものらしい。復旧に全力を挙げているとのことだったが、信用できたものではない。 なんとなれば自分に都合のいいように改竄したものかもしれないのだから。 しかし首輪の解除が脱出の絶対条件なのだ、不完全とはいえこのデータを導き出したユーゼスは不可欠な人材ということになる。 これを見せることで、ある程度ブンドルの行動を誘導する。上手いな、と思った。 アムロならこのデータからでも首輪解除の糸口を掴むだろうか? パイロットとしてではなく技術者としての彼に期待することにしたブンドル。 「甲児君、少し急ごう。我々も予定を早めなければならん」 「え? ああ、まあいいけど。……あ、だったらストレーガをサイバスターにのっけてくれよ。その方が速く移動できるはずだぜ」 「却下だ。もし敵に奇襲を受けたとき共倒れになっては目も当てられん。何よりこのサイバスターの上に乗るなど美しくない」 「ちぇっ。ストレーガじゃサイバスターについてくのだって一苦労なのによ……」 愚痴る甲児に微笑を返し、ブンドルも気を引き締める。 既に30人以上の命が失われ、基地でもまた幾人かがその命を散らしたという。他にもこの広大な世界で理不尽な死を迎えた者がいるだろう。 ガウルン、基地を壊滅させたという殺戮者。いずれ討伐に赴かねばならない。 ここから先は一手の打ち損じも命取りになる。ギンガナムの時のように、目前でむざむざと仲間を失うことはもう二度と許さない。 「サイバスター、我々を導いてくれ……この世界を壊し、あの醜悪な主催者を断罪するために」 サイバスターの応えはない、だが構わない。仮初とはいえ、今だけはブンドルがこの美しき白鳥の操者なのだから。 蒼穹を風と雷が駆け抜ける。その行く先に待つのは、果たして――― 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好(主催者に対する怒りは沈静、精神面の疲労も持ち直している) 機体状態:サイバスター状態、各部に損傷、左拳損壊 ビームナイフ所持 現在位置:E-6 第一行動方針:他の参加者との接触 第二行動方針:中央の市街地へ向かいアムロと合流、その後E-1へ。可能ならナデシコと合流 第三行動方針:サイバスターが認め、かつ主催者に抗う者にサイバスターを譲り渡す 第四行動方針:閉鎖空間の綻びを破壊 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ 備考1:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能 備考2:空間の綻びを認識 備考3:ガウルンを危険人物として認識 備考4:操者候補の一人としてカミーユに興味 備考5:ユーゼスが解析した首輪のデータを所持(ただし改竄され不完全なため、単体では役に立たない)】 【兜甲児 搭乗機体:ストレーガ (スーパーロボット大戦D) パイロット状態:良好 機体状態:右肩に刺し傷、各部にダメージ(戦闘に支障無し) 現在位置:E-6 第一行動方針:ブンドルに同行 第二行動方針:ゲームを止めるために仲間を集める 最終行動方針:アインストたちを倒す 】 【二日目 11 00】 BACK NEXT 最後まで掴みたいもの 投下順 揺れる心の錬金術師 交錯線 時系列順 遺されたもの BACK NEXT 最後まで掴みたいもの ユーゼス 天使再臨 最後まで掴みたいもの アキト 天使再臨 風と雷 ブンドル 破滅の足音 風と雷 甲児 破滅の足音
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/7375.html
■バスタード進化―このクリーチャーをバトルゾーンに出す時、自分の(種族)1体の上に置いてもよい。このクリーチャーは、このクリーチャーの下に1枚以上カードが置かれている間、進化クリーチャーとして扱い、下に重ねたカードのパワーの合計をこのクリーチャーに加える。 作者:焼きナスオ 備考 DMA-05で登場。 2013-03-02現在では特殊種族シンフォニカのみが有する能力。 普通の進化のように自分のクリーチャーの上に重ねて出す他に、進化元を選ばずそのまま通常クリーチャーとして出すことも可能。 注意点として、この能力を持つクリーチャーそのもののカードタイプは、進化クリーチャーではなく通常クリーチャーであり、進化元を選ばず出した場合は召喚酔いが発生し、手札や山札などバトルゾーン以外の場所にある間は進化クリーチャーを対象とする効果の適用外である。 「このクリーチャーの下に1枚以上カードが置かれている間、進化クリーチャーとして扱い~」の部分は常在効果であり、進化元の上に置いて出した場合でも、何らかの効果でこのクリーチャーの下に置かれたカードが無くなった瞬間に進化クリーチャーではなくなる為、攻撃宣言前にこのクリーチャーの下に置かれたカードが無くなれば、召喚酔いも発生する。 関連 能力一覧 進化 シンフォニカ 超無限バスタード進化 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/iruna_ss/pages/125.html
トップ→装備→剣→剣/強化あり(ドロップ)→バスタード 賢い人のお得なサイト | ハピタス バスタード imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (バスタード.jpg) ATK:82~92~97 スロット:1確認 ※トレード× ☆スケルトン Lv30,32(忘れられた洞窟) ;
https://w.atwiki.jp/pikukirby/pages/413.html
/(スラッシュ)バスター//Assault Mode 「/バスター」と名のついたモンスター 《A・O・J カタストル/バスター》 《BF-アーマード・ウィング/バスター》 《BF-アームズ・ウィング/バスター》 《パワー・ツール・ドラゴン/バスター》 「/バスター」に関する効果を持ったカード 《バスター・アウト》 《バスター・サポート》 関連項目 ・フリー投稿 ・カードの名前 ・/バスター
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/390.html
「分かってるけど……一応聞いとく……生きてるよな?」 「生きてるよ……まだ……死んじゃいない……」 「あたしも、なんとか……」 大空洞の地面にうずくまる三機のマシン。 その前には、傷一つ付いていない巨体でノイ・レジセイアが見下ろしている。 ノイ・レジセイアの放った一撃を、カミーユたちはどうにかバリアを全開にすることでやり過ごせはした。 しかし、それの結果受けた三機のダメージは深刻なレベルに達している。 「ごめん、やっと治ったのにまたぼろぼろになっちゃったね、ブレン」 「再生も、追いつきそうにない、かな……」 それでも、三機ともなお健在。 立ち上がることはできるし、武器を持つこともできる。 ノイ・レジセイアは、何をするわけでもなく三機を無言で見下ろしている。 「くそっ……余裕のつもりなのかよ」 「いや、たぶん違う。待ってるんだ。俺たちが、自分の望んだ力を見せるのを」 「なんだよそれ、倒されたがってるのか?」 「そう……とも言えるのか……?」 カミーユは、感情を移すことのないノイ・レジセイアの瞳の奥を初めて見た。 ノイ・レジセイアに会ってから、激情に駆られ続けていたカミーユは、今の今まで見えなかった。 ――ノイ・レジセイアは純粋だ。目的意識を持って、ただ愚直にそれを守ろうとしている。 そのためなら、自分の身など二の次三の次なのだろう。 悪意や打算を滴るほど織り交ぜて近付いてくる人間は、山ほどいる。 だが、そんな人間とはまるでノイ・レジセイアは違う。純然たる、善意から全ての行動が来ている。 だからこそ、余計にカミーユには最悪の気分だった。 顔色一つ変えず人を殺せるのは、己の正義に酔った人間か狂人だという。 それは、正義感で罪悪感を塗りつぶしごまかしているか、純粋に人間としての軸が狂っているかのどちらか。 ノイ・レジセイアは後者なのだ。命の価値など、最初からノイ・レジセイアの中に勘定されていない。 故に罪悪感など最初からなく、正しいと信じることを妄信している。 立ち上がったサイバスターの横に、イェッツト・ヴァイサーガが吹き飛ばされて戻ってきた。 どうやら、カミーユがノイ・レジセイアのことを考えている間に仕掛けて、返り討ちにされたのだろう。 「きっついな……けど、諦めるわけにはいかないんだから、大変だ……」 それでも、なおイェッツト・ヴァイサーガが立ち上がり、剣を構える。 『やはり……闘争を望むか……』 「違うさ。ただ………」 『…………?』 「最後はやっぱり主人公が勝ってハッピーエンドじゃないといけないだろ!?」 まっすぐに。一直線に。愚直に。 ノイ・レジセイアへイェッツト・ヴァイサーガが向かっていく。 しかし、それも四方八方から押し寄せる触手に行く手を塞がれ、追撃に放たれる声に押し返される。 全身から煙を上げ、倒れ伏すイェッツト・ヴァイサーガ。 「主人公だって……?」 「ああ、そうだよ。主人公だ」 膝を抑え、イェッツト・ヴァイサーガは何度でも立ち上がる。 自分に酔っているのかともカミーユは思ったが、統夜から伝わってくる気配は全く違う。 むしろ、不安を必死に抑えようとしているように感じた。 「人の命を、勝手な都合で奪って……なにが主人公だ」 「お前だって人を殺したんだろ。お互い様だよ」 「俺は、自分が物語の主人公なんて思いあがっちゃいない」 そう吐き捨てるカミーユに、統夜は、小さく笑いを返してきた。 「ハハハ、別に、物語の主人公じゃなくていいさ。ただ、俺は……俺を主人公と信じてくれる人の、主人公を演じたいんだ」 カミーユにイェッツト・ヴァイサーガの背を向けたまま、統夜は静かにとつとつと話し始める。 「皆、言うんだよな……俺は、ガウルンと同じだって。人を殺して喜ぶような奴だって。 俺だってそんなの嫌だよ。認めたくなんてない。けど、結局俺のやってきたことってそういうことなんだろうな。 でもさ……そんな俺を、主人公だって。ヒーローだって言ってくれたんだ」 心の奥に秘めたものを、静かに組み上げるような調子で、統夜の声は続く。 「だから、俺は……テニアが望んでる主人公になりたい。別に、誰からも尊敬されるような主人公じゃなくていい。 俺が、俺の望んだ俺でありたいから、俺はテニアが望んでる主人公になりたいんだ」 テニア。カミーユはその名を知っている。 自身が殺されかけたのだ。忘れるはずがない。どろどろとした悪意がうねっていた少女、それがカミーユのテニアの印象だった。 目の前の統夜は、テニアが死してなお騙されているのではないかと思った。 しかし、統夜の声からは、そんな推測を挟むことが無粋に感じるほど真摯なものを感じた。 「だから、俺はテニアにもう一度会う。生き返らせる」 「……死人が生き返るかよ」 「だろうな。そんな当然のことを自力でひっくり返そうとしてるんだから自分でも自分が馬鹿だと思うよ」 「……ごめん、さっきはそんなことも知らないであんなこと言って」 アイビスの、小さな謝罪の声。 それがなにを意味するのかカミーユには分からなかったが、統夜はアイビスの声に頷いて了承していた。 「それより、大切なのは目の前のあれを倒すことだろ」 イェッツト・ヴァイサーガが、斬艦刀を自分の脇に立てる。 サイバスターも、アイビスのブレンパワードも、まだ戦える。 自分は、どうか。一度冷めた思考が、冷静に自分の現状を教えてくれる。 震えっぱなしの腕。霞み始めた視界。身体が冷たくて、冷水の中にいるようだ。 どこまで、戦えるのか全く分からない。 それでも、やらなければいけない。 ノイ・レジセイアを見上げ、カミーユは思考する。 目の前にいるノイ・レジセイアを倒す方法はおそらく一つ。 相手が再生する暇など与えず、一撃で本体を丸ごと抹消する。 幸いと言うべきか、今のノイ・レジセイアは明らかに本気ではない。 うまく最大級の一撃を叩き込むことさえできれば、けして無理ではないはずだ。 だが、カミーユの思考に影を落とす要素があった。 サイバスターの最大攻撃は、コスモノヴァ。炸裂すれば、世界の新生すら推し進める究極兵器だ。 これを、ノイ・レジセイアには一度防がれている。しかも、空間転移という手段で。 下手に撃てば、前回の二の舞。 しかも、 (俺も……きっと……) 痛む心臓をパイロットスーツの上からカミーユは抑えた。 小さなデータウェポンたちが、カミーユを心配そうに見上げている。 次にコスモノヴァのような技を使えば、その時が最期であろうことはなんとなくわかった。 先程のアカシックバスターも、データウェポンたちの支援があってこそ撃てたし、当てることが出来た。 実は、あの一瞬カミーユは操縦すら困難な状況だった。それをデータウェポンたちが支えてくれたのだ。 どこまでも、俺一人じゃ何もできないんだなと自嘲気味にカミーユは笑う。 エマさんに自分の都合で大人と子供を使い分けるなと言われたが、自分がどれだけ子供だったのかいまさらながらに思う。 サイバスターの、何処か猛禽類を思わせる尖った細い指を見る。間違いなく、それはサイバスターのものだ。 けれど、カミーユにはあの時見えたのだ。 何故ジオン兵を殺したと問われた時、それがいつか見た血のついたガンダムMkⅡ三号機の指に。 「殺すことは……なかったんだ。殺すことはなかったんだ」 誰もが、手を取り合うことを望んでいる。 なのに、人を信じないから疑い、疑うから他人を悪いと思いはじめる。人間を間違わせる。 そしてちょっとしたすれ違いや運命に翻弄されて人は、遠く離れてしまう。 そんな離れた手と手の間を埋め合わせるのは、時として武器なのかもしれない。 ニュータイプだってスーパーマンじゃないと言っていたのはジェリドだったか。 それは本当だ。アムロ大尉も、クワトロ大尉も、そのことに悩み、足を止めてしまっていた。 けど、最初から人は拒絶しているのではない。人を否定するために出会うんじゃない。 「そうだろ……フォウ」 サイバスターの内燃機関が、燃え上がる。 パイロットの思念を受け止め、精霊と電子の聖獣は応えてくれる。 サイバスターの白い羽が、再び身体を空に舞い上げる。 「なあ……ノイ・レジセイアの動きを止めることはできるのか?」 「ブレンじゃ……難しいかも」 「……できないことはないさ」 「なら……」 「ちょっと待て。できないことはないってだけだ。 やれば最後、あいつの力を全部奪ったって質はともかく量が足らなくなる。そうなったら、結局意味がない」 言葉面だけ聞けば、拒絶の言葉。 だが、統夜の言葉の微妙なニュアンスをくみ取り、カミーユは聞いた。 「でも、やるつもりなんだろ?」 「ああ。単なる障害物のつもりだったけど、今は違う。あいつは、俺をガウルンと同じだって呼んだんだ。 感情って意味でもあいつを倒せって、俺が、俺自身に言ってる。違うってことを見せてやるさ」 最後に、「もしもの時のあてもあるしな」と付け足すと、統夜は、地面に突きたてた斬艦刀を握る。 イェッツト・ヴァイサーガがなにをするのか分からない。だが、確かにやってくれるという温かみを感じた。 それを信じるしかない。 「ただ、準備に時間がかかるんだ。それまで、時間稼ぎはそっちでやってくれ」 「分かった」 ノイ・レジセイアが全力でこちらを叩きつぶす前に決める。 そのため、一瞬に全てを賭ける。狙いは、空間転移で回避できない超至近距離からの、コスモノヴァの直撃。 正直、分の悪い賭けとしか言いようがない。だが、カミーユはその賭けに全てを賭けることにした。 「勝手に話進めて、悪い」 「気にすることなんてないよ。統夜に攻撃がいかないようにすればいいんだね」 「……頼む」 二機が構える同時に、ノイ・レジセイアが口を開く。 『人間同士の接触によって生まれる可能性……我に見せてみるがいい……!』 それが第二回戦の始まり。 ノイ・レジセイアが再び触手を伸ばす。同時に身体の周りに生えた砲身による援護射撃も。 隙間なく放たれる悪意を、サイバスターはくぐりぬけ、ノイ・レジセイアへ接近を試みる。 目の前に現れる妨害物を、ドラゴンフレアの炎やカロリックミサイル、ディスカッターで散らし、 ノイ・レジセイアの巨大な頭へ果敢に攻撃を仕掛けた。 ダメージを与えるわけではない。ただ、ノイ・レジセイアの意識をこちらに回すための攻撃だ。 カメラで少しだけ後ろを見る。そこでは、アイビスのブレンがイェッツト・ヴァイサーガの前で壁のようなフォトンシールドを作っている。 これなら、多少の流れ弾が向こうに行っても問題ないはずだ。 サイバスターの炉心の温度がさらに上がる。 カミーユの体温が比例して下がる。 攻撃をしかけながらも、いつでもコスモノヴァを撃てる体勢を作らなければいけない。 それは、巨大な爆弾に細心の注意を払いつつ、それを抱えて激しく踊るようなものだ。 下手な衝撃であっさり力は爆発し、直結されたカミーユの身体にも影響を与えるだろう。 震える腕に、カミーユは、爪を立てる。 流れる血と、痛みがどうにか自分をまだこちら側に縛り付けてくれる。 ノイ・レジセイアが腕を直接振り回してきた。 しかし、大きさ故にサイバスターから見ればその動きは鈍重だ。 下から回り込むと、一気にノイ・レジセイアの角をディスカッターで横一文字に叩き切る。 剣の軌跡が走ったかと思うと、塔の崩壊のようにゆっくりと角が横に滑って落ちる。 だが、それを眺めている暇はない。 カミーユは先に何があるのかすら目を向けず、上方にミサイルを放つ。 そこには、空から生まれ落ちようとしていた下位アインストの群れ。 完全に作られる前の段階でミサイルを撃ち込まれため、なにもできず下位アインストは砕け散る。 一斉砲撃が、サイバスターに向けられる。 だが、砲撃が着弾するより早く、サイバスターは一瞬でノイ・レジセイアの顔の側面へ。 それも、ノイ・レジセイアには読まれていた。砲台の隙間から触手があふれ、さらにサイバスターへ追撃してくる。 サイバスターには当たらない。いや、正確には――無数にいるサイバスターの影を貫いたに過ぎない。 『この力……聖獣の……』 ノイ・レジセイアの呟きが、最期まで言い切られることはない。 首を掻っ切るかたちで、巨大な水晶の刃物が生えたのだ。 動きを止めることなく、胸のあたりから声を放つノイ・レジセイア。 しかし、破壊の声は、空中で停止。そのまま、一ミリも動くことはない。 ――パイパーウィップの高速移動、分身。 ――ブルホーンの構成物質の結晶化。 ――ガトリングボアの時間停止。 不死鳥に姿を変えたサイバスターの突撃。 ドラゴンフレアの存在情報すら破壊する光を纏った突撃は、ノイ・レジセイアの腕を粉々に粉砕した。 「ごめんな……頼りっぱなしで……」 カミーユは、データウェポンに声をかける。 サイバスター自身の力は、ぎりぎりいっぱいまで温存しなければならない。 そのため、今のサイバスターはデータウェポンの力を借りてほぼ戦っている。 だが、データウェポンを装着し武器として使う本来の契約機である凰牙と違い、 サイバスターは、巨大なデータウェポンの存在をそのまま力に変換して戦っている。 つまり、データウェポンの存在を、命を削って戦っているのだ。 データウェポンたちは何一つ不満を漏らさない。 「え……仲間を……そうか、お前たちも……」 音はない。それでも、カミーユにはデータウェポンの声が聞こえる。 データウェポンたちも、仲間をノイ・レジセイアに殺されたのだ。 最後の、七体目のデータウェポンを。その仇を、データウェポンたちも取ろうとしているのだ。 「ありがとうな」 気を抜けば、時間稼ぎすらできない。 何度となくサイバスターが分身し、 何度となくサイバスターはノイ・レジセイアを結晶化させて、 何度となくサイバスターは時間を止め、 何度となくサイバスターはノイ・レジセイアの存在を削る。 それでも、ノイ・レジセイアは再生してしまう。 失われた存在の力すら復元してしまう。 データウェポン四機の力を結集しても、ノイ・レジセイアを揺るがすことすらできない。 命を賭けても、それでも意味がない。 「まだなのか……」 必死にカミーユはノイ・レジセイアの攻撃を避け、ノイ・レジセイアに攻撃を当て、データウェポンの命を削り生き延びる。 「まだなのか……!」 結着を付けるための時間を、ただ待ち続ける。 力が身体から抜ける。 力が手の先に集まっている。 力の全てが、斬艦刀に集まっていく。 統夜が貯め込んだ力の全てを、斬艦刀に注ぎ込む。 今は変化を命じていないため、大きさは目に見えて変わっていないが、重さは先ほどとは段違いの重量だ。 イェッツト・ヴァイサーガの力が下がっていることを加味しても、無茶苦茶な質量が剣に圧縮されている。 せっかく、剣から身体に流し込んだ力を、逆に剣に戻して使う。 もったいない、と思う気持ちはないわけじゃない。 けれど、ノイ・レジセイアを倒せるだけの威力を持った攻撃は、イェッツト・ヴァイサーガにはこれしかない。 倒せなければ、全ておじゃんだ。やれることを残して死んでは死んでも死にきれない。 結局、統夜にはカミーユにもったいぶらずとも、この手段しか残ってなかった。 動きを止める、すなわち、一撃で息の根を完全に止める。 統夜の考えはそれだ。 「ねえ……最初、なんで殺し合いに乗ったのさ」 自分の前で角突きの馬と一緒に、バリアを張って自分を守っている少女が聞いてきた。 集中をあまり乱したくないが、ひたすら同じ場所に立って力を込め続ける以上、話そうと黙っていようと対して変わらない。 「別に……最初はただ死にたくなかった。帰りたかった。だから、乗ったんだ」 少女はただ「そっか」と呟くと、またバリアのほうを向いてしまった。 流れ弾が何発もバリアに当たるが、揺らぐことはない。恐ろしく強固な防壁だと感心した。 「あたしとさ……おんなじだね」 「同じ?」 「うん。あたしもさ、最初死にたくない、帰りたいって一心で人を襲ったんだ」 意外な事実に統夜は驚く。目の前の、どんな現実にもへこたれそうにない少女がそうだとはとても思えなかった。 だからか、その続きが少しだけ気になってしまった。 「……それで? それからどうしたんだ?」 「返り討ち、かな。あたしは弱かったから。それで、いまいち踏ん切りつかなくて。 ただ、ぼんやり色んな人と一緒にいるうちに色々分かったんだよ。やっぱり、殺し合うのは間違ってるって」 「そこらへんも俺と同じだな。俺も弱かったよ。何度も負けたし、決心もつかなくて…… ただ、俺はやっぱり殺すしかないって思ったけどな」 いまさらながら自分が情けないと統夜は息を吐く。 何かにつけてすぐに悩んで、ふっ切ったと思えばまた悩み、ガウルンといつの間にか一緒にいて。 今、統夜はここにいる。 「もしかしたら……あたしたち、逆だったかもしれないんだね」 「逆?」 「あたしは、会う人に恵まれたからさ。こうやっていられたけど、もし違う人と会っていれば、 私が殺すしかないって結局決めて、統夜が人殺しはよくないってキラたちと一緒にいたかもしれない」 会う人に恵まれていたとはうらやましい話だと思う。 こっちはよく考えてみろ。戦う相手はこっちの説得なんてろくに考えず、叩きつぶしにくるような連中がほとんどだった。 挙句の果てに、会って一緒にいたのがガウルンだ。そのあとも、ユーゼスやらなんやらかんやら。最低最悪としか言いようがない。 唯一、よい出会いと言えたのは、テニアと再会できたのと、あのグラキエースって娘くらいだ。 『あはは……そんな慌てなくてもいいのにさ。それで? それで統夜は今までどうしてたの? 統夜のことだから、またどこかで女の子でも助けてたりしたんじゃない?』 ふと、思い出すテニアの声。 あの時、テニアは、アイビスが今言ったような、逆の道を進んだ統夜の姿を想像していたのだろうか。 自分の横に、大勢の仲間がいる。一緒に、ノイ・レジセイアに立ち向かう仲間がいる。 そして、その中には、テニアがいる。それだけじゃない、カティアやメルアもいる。 皆で、笑い、同じものを目指す。そんなヒーローの中の一人に自分がいる。 アルフィミィとかいう少女が見せた妙な夢のような、自分。 そんな、自分。 だが、そんなifは意味がない。統夜の周りには、誰もいない。 統夜は、皆のヒーローではなく、たった一人の少女のためのヒーローとなることを選んだのだから。 そのことに、後悔なんかしちゃいない。けど。 もしも、そんな道を進んで、テニアの望む形で出会えたなら、もっと良い可能性があったのだろうか。 「結局、ここまで来てこんなこと考えるんだから……筋金入りだな、俺」 悩んで、悩んで、悩んで、なお悩む。それが、統夜にとってのバトルロワイアルだった。 自分は、強くなった。色々と常識外れの力を得た。 後悔するつもりはないが、これが正しい進化なのかは分からない。 流れ弾の数が増え始める。 当然、バリアが被弾する数も増える。 空に目をやれば、サイバスターの動きが悪くなり始めていた。 もう、向こうも限界が近いのだろう。 だが、こちらの準備も完了している。 統夜は、斬艦刀の柄の部分を最大まで伸ばし、肉の地面にしっかりと突き立てた。 「アイビス、どけ! 準備が出来た!」 「わかった!」 その声に、弾かれるようにブレンが後ろに飛び退る。 それと同時に、斬艦刀に統夜が望んだとおりの変化が現れる。 『まさか……我の力を………ぉ―――――!!??』 「そうだ! あんたの力を、そのままあんたにぶち当てる!」 地面に立てられた柄が、植物の根のごとく、ノイ・レジセイアの力を吸い上げる。 ノイ・レジセイアの本体も、すべてのこの肉の地面や壁と繋がっている。 だからこそ、ひとたび突きたてればそこからノイ・レジセイアの力を奪うこともできる――! 斬艦刀の切っ先を、ノイ・レジセイアへまっすぐに向ける。 奪った力は、そのまま斬艦刀に貯められる。 もっとも、純粋にただの力の塊では液体金属と言うれっきとした物質である斬艦刀を伸ばすことは不可能。 しかし、事前に統夜の、イェッツト・ヴァイサーガの力を斬艦刀内部に移動させ物質に変換してある。 斬艦刀の封印が解かれた。 内部に圧縮してあった超重量の圧縮金属が、ノイ・レジセイアから奪った力で膨張する。 しかし、 「ぐ、あああああああああああああああ!!!?」 斬艦刀が剣の形すら維持できない。 あまりも膨大すぎる力が、統夜の精製した物質に収まらないのだ。 風船に、過剰な空気を送り込むに等しい。その先に待つのは、破裂のみ。 ―――愚かな……我の力を人として完全に超越することなく受け止めるのは……不可能…… 統夜の脳に直接響くノイ・レジセイアの声。 力とともに、意思が流れ込んでいる。接続された統夜とノイ・レジセイア。 しかし、意思が、存在が強固なのはどちらか言うまでもない。統夜は力こそ常人離れしているが、所詮基準点は人間。 生まれたての進化したアインストである統夜と、何億何兆何京年と悠久の時を生き続けたノイ・レジセイアの差は、埋められるものではなかった。 「大丈夫!? あたしのこと分かる!?」 かすれた意識に、アイビスの声が入り込む。だが、その声にこたえる余裕が統夜にはない。 どんどん、自分が削られていく。自分の存在が暗くなる。自分の存在がなくなる。 イェッツト・ヴァイサーガの足元の肉が蠢き、イェッツト・ヴァイサーガの全身を飲み込んだ。 このまま、丸ごと自分を取り込むつもりなのはすぐ分かった。 ちくしょう、こんなところで終わるのか。よりにもよって、こんな奴に食われて。 今までだってだましだましやってきたのに。こんな終わりなのか。 冗談じゃない。まだ、俺はテニアを生き返らせてないんだ。 その後なら、百歩譲ってやって死んでもいいさ。 けど、まだ死ねないんだ。 機体と肉の境界が薄くなる。 俺の中に、いやなものが流れ込んでくる。 ひどく冷たい。 こんな苦しいところが終点か。 自業自得かもしれない。 でも、こんな終わりはないだろう。 神様なんているのか知らない。 けど、いるなら頼む。 あと一発。 この一発さえ成功すれば。 きっとあいつを倒せるんだ。 それでほとんどのことはすむんだ。 あと一回だけを剣を振らしてほしい。 ああけど。 俺が殺してきた連中もやっぱり。 同じように祈ったんだろうなあ。 でもどうしようもなくて。 死ぬしかなかったんだよな。 いや、ガウルンだけは別か。 あいつはむかつくくらい満足して死んだ。 なんで思い出すのがガウルンなんだ。 もっと思い出したい顔があるのに。 もうそれも出てこない。 俺が、俺でいられなくなる。 誰かの声が聞こえる。 うるさいな。 でもこうやって考える俺も消えるのか。 嫌だなあ。本当に嫌だ。 もう、指も動かせない。 目が見えなくなってきた。 これが、最後の光景か。 せめて、それを目に焼き付けよう。 俺が最期に見るのは赤髪の少女。 細部は霞んでわからない。 彼女は誰だっけ。 大好きだった少女。 俺が俺である理由をくれた人。 生き返らせなくちゃ。 だから動かなくちゃ。 俺は。 俺が。 「――統夜! 起きて! お願いだから起きて!」 赤髪の少女の声が聞こえる。 この声に、応えるんだ。 動け。 動け。 動け。 動け。 「動けえええええええええええええええええええええええええええええええッッッッッ!!!!」 ■ ――イェッツト・ヴァイサーガが、動いた。 イェッツト・ヴァイサーガが手に握ったものを振り上げる。 物質と言う形を維持できず、霧散した金属片がエネルギーを伝達する。 紫電を纏い、どこまでも伸びる虹色の荒々しいエネルギーの塊が、まっすぐ伸びてノイ・レジセイアに突き刺さった。 その一撃は、ひたすら伸び続け、星を貫通してもなお止まらない。 伸びるに従って、刀身も厚みも増していく。 巨大な杭を叩き込まれたノイ・レジセイアの身体に、蜘蛛の巣状にヒビが入っていく。 ヒビから光が漏れる。 それは、知る人がいればこう呼んだだろう。 斬艦刀・星薙ぎの太刀と。 統夜の放った一撃は、星を薙ぐことはなかったが、確かに星を貫いた。 ■ モニターの向こうの赤髪の少女に、統夜は拳を突き出す。 「やったよ、テニア……」 イェッツト・ヴァイサーガが、肉の中に埋もれて消えた。 それが、統夜が見た最後の光景だった。 統夜は知らずに済んだ。 最期に自分が最愛の人と信じた少女が、別人だったことに。 【紫雲統夜 吸収】 『これが……可能性……!』 ノイ・レジセイアの身体をアインストとなった人間の力が縛り付ける。 自分の力を削がれ、撃ちこまれたとはいえまだノイ・レジセイアの死は遠い。 最後にあの人間から感じられたのは、間違いなく他者との交わりを求める感情だった。 やはり、ノイ・レジセイアの予測は正しい。人間が他者と交わる時に生まれる可能性、その力。 それは、時に我すら揺るがす。しかし、その力ももはや今は自分へ取り込まれた。 さらなる進化の躍動を感じ、ノイ・レジセイアは高揚する。 だが、そんな至高の瞬間に水を差す存在が一つ。 「ノイ・レジセイア!!!」 電子の聖獣の力を借り、我と戦おうとする愚かなる人間。 聖獣たちの力は、どうしようと我を超えることはない。なぜなら、成長の可能性、完全へ至る要素を持っていないのだから。 だというのに、そんな力を使って戦おうとする愚者。もはや、このサンプルを生かす理由もない。 「こんなことをやるから、みんな死んでしまうんだよ! お前がいなければ、こんなことにはならなかったんだ!」 ノイ・レジセイアは体内からエレガントアルムを無数に精製。体外に放つ。 音の壁すら超える触手の群れ。しかし、これで倒せるとはノイ・レジセイアも思っていない。 だからこそ、ノイ・レジセイアは別の攻撃も加えることにした。 先程まとめて吹き飛ばしたオメガ・ショックウェーブとも、一斉砲撃のミッドライトともまた別の力。 放つ力の名はエルプスユンデ。全力で放てば、銀河すら粉砕する力。 もっとも、それだけ過剰な破壊力は必要ない。ノイ・レジセイアの全身から光弾が、数m置きに正確に設置される。 その隙間を抜けることは、風の魔装機神でもできない。 そして、その一つ一つが風の魔装機神を百度砕いて余りある力を封入している。 それでも、人間は感情のまま突撃してくる。 エルプスユンデの力を過小評価している。一二度当たってでも、いや何度当たってでも突破する心づもりと予想。 それがいかに無駄な行いか知るノイ・レジセイアは、それ以上なにをすることもなくただ傍観。 一瞬後には、風の魔装機神は砕け散る。 はずだった。 エルプスユンデに風の魔装機神が被弾。起こる爆発。すなわち、粉砕。そのはずだった。 しかし、風の魔装機神はエルプスユンデで起こった極光の爆発を超えて、なおこちらに向かってくる。 『何故……?』 ノイ・レジセイアは何が起こったのか見極めようとする。 思念をノイ・レジセイアが向ければ、エルプスユンデの群れが風の魔装機神に殺到。 やはり、爆発。ノイ・レジセイアはそれで倒せたと判断せず、光の向こうに意識を集中する。 『理解した……』 ノイ・レジセイアは、光の向こうで起こったことを知る。 風の魔装機神から、電子の聖獣の気配が一つ消えた。風の魔装機神が宿している聖獣の気配の数を探れば、残りは二つ。 先程の爆発で一つ消費し、今の爆発で二つ目を消費した。 ノイ・レジセイアのエルプスユンデは相手の存在すら抹消する力。いくら情報存在と言えど、死は免れない。 風の魔装機神は、聖獣を防壁として利用し、エルプスユンデを防いでいる。 ならば、対処は簡単。まだ風の魔装機神がノイ・レジセイアへ到達するには距離がある。 エルプスユンデを操作。風の魔装機神が被弾。光の中で、蛇の形をした聖獣が塵に還る。あと一つ。 エルプスユンデをよけようともせず、最短距離を飛び続ける風の魔装機神。 さらに、エルプスユンデを操作。風の魔装機神が被弾。光の中で、牛の形をした聖獣がさらに塵に還る。これで守りはない。 最後に、数個のエルプスユンデを、風の魔装機神の真路上に設置。 これで終わり。 「人のつながりが力になるって言ったな………!」 しかし、それでもノイ・レジセイアの力が風の魔装機神を砕くことはなかった。 今度こそ、理解できない出来事に、ノイ・レジセイアは戸惑った。 今や風の魔装機神を守る力はないはず。それなのに、何故。 「それは、誰かだけが持ってるものじゃない、誰でも持ってる力なんだよ! それがあるから人も生きていける! 命っていうのはそういうものなんだ!」 まさか、何かの防御手段を隠していたのかと思い、先程と同じように見極めるためエルプスユンデを操作。 「生きること自体が、人を繋ぐなら! 繋がりあえる人の心が奇跡なら誰も踏みにじっちゃいけないんだ!」 弾かれるエルプスユンデ。 進化した人間特有の精神感応能力の応用だと推測するが、風の魔装機神にはそういった能力に対応し防壁を張る力はない。 だとすれば、原因は何か。ノイ・レジセイアは、風の魔装機神の力をあらゆる方向から検討する。 「黒歴史がなんだろうと、俺は……俺は―――!!」 サイバスターの身体から、透き通るような空色の波動がにじみ出ている。 波紋のように広がる空色の力。光の粒子。それは、風の魔装機神の持つ力の一つ、サイフラッシュ。 あり得ない。サイフラッシュは、周囲に力を撹拌させ、敵意のみを破壊する力。 一瞬でも消耗が莫大なそれをこのような防壁として、長時間維持することなどできはしない。 「ここから……」 ひとまず、攻撃を防ぐことにノイ・レジセイアは専心する。 力場そのものであるエルプスユンデで阻止できないというのなら、物理的に質量をもつエレガントアルムで作った盾で防ぐ。 詳細が何であれ、サイフラッシュやそれに類するものならば、大量の質量を破壊することは不可能だ。 ナノマシンのせいで再生を阻害されていたが、除去も完了しつつある。もうすぐ、あの刀による攻撃の傷も再生できるようになる。 どんな種類の力であれ、長時間は維持できない。一度防ぎ、体勢を立て直せば終わる。 「ここから―――」 それでも、なおノイ・レジセイアの予測は裏切られる。 一息で、厚さ何百mとあるエレガントアルムの防壁を食い破られた。 ノイ・レジセイアは即座に歪曲フィールドを自身の前に張る。空間をねじり固めたこの防壁は、あらゆる攻撃を半減する最硬の盾。 風の魔装機神の動きが、そこで止まる。 「ここからぁぁっ!!」 やっとノイ・レジセイアは知った。 風の魔装機神の周りにいる存在を。全ての存在は、新しい世界に統合されたと思っていた。 しかし、違っていたのだ。この世界で死したものたちは、いまだこの古い世界に残留していたのだ。 ノイ・レジセイアは初めて人間一つの一つの個体の名前を思い出そうとする。 風の魔装機神の側にいる存在の名は―― シャギア=フロスト。 キラ=ヤマト。 「ガンダム」の歴史を紡いできた者たち。 ノイ・レジセイアはエルプスユンデを一点に集めることで、空間の門を開き、サイバスターを外世界に放逐しようとした。 空中で一つになり、黒い空間転移の力場に変化するエルプスユンデ。 だが、ノイ・レジセイアの行動が終了するよりも早く、サイバスターは世界の新生に匹敵するその力を解放しようとしている。 これもまた――人の繋がりが生む力か。 精霊光の輝きがサイバスターの周りを飛ぶ。 サイバスターが眩い光に包まれていく。 ノイ・レジセイアがこれを見るのは、三度目。 一度目は、あの依り代の中で。二度目は、宇宙の新生の時に。そしてこれが三度目。 地獄のような肉にあふれた赤い大空洞が澄んだ青に染まる。 青と緑の中間に近い色合いのそれが、輝きを増す。 その光はやがて黄金を越え、色を超越し、ただひたすらに、どこまでも眩く輝き始める。 やがて輝きは四つの光の玉に収束される。 サイバスターの組んだ腕が、集積した力の大きさに震えた。 世界の理を塗り替える、局地的な宇宙の新生――コスモノヴァ。 だが、ただのコスモノヴァではない。 サイバスターが変形し、サイバードへ変わる。 自分の作り出した力をその身に纏う。 「ここからいなくなれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 ノイ・レジセイアを、サイバードごとコスモノヴァが包み込んだ。 ■ サイバードから変形し、サイバスターが落下する。 あたしは、慌ててそれをブレンにキャッチさせた。 そのまま、ふらふら地面にブレンは着地する。 カミーユから、声はない。焦点定まっていない瞳を何処かに向けたまま震えている。 けど、生きてる。あたしは、ノイ・レジセイアがあった場所を見た。 そこには、ノイ・レジセイアの本体は少しもなく、えぐり取られている。 間違いなく終わったんだ。 今度は統夜が消えてしまった肉の地面を見る。 あたしは悲しくなった。 統夜は、最後にあたしのことをテニアと呼んだ。 コクピットにも、ノイ・レジセイアの気持ちの悪い肉が入ってて、統夜の身体に張り付いていたのに、 それでも笑って自分へ拳を突き出してそうつぶやいたのだ。 そして、統夜は、肉に包まれて見えなくなった。 なんでこんなことになったんだろう。 自分と真逆の道を進んだ統夜だけじゃない。 結局、あれだけいた人たちも、残ったのは私とカミーユだけ。 殺し合いを心から望んでた人なんて、ほとんどいなかったのに。 「なんで殺し合わなきゃいけなかったんだろう……」 ただ、悲しいばかりだった。 ショシュアも、シャアも、アムロも、クルツも、キラも、ロジャーも、コウジも…… 殺し合いが始まってから、出会った人を一人ずつ思い出す。 けれど、みんなもういない。 「う……あ……」 「カミーユ!?」 サイバスターから、うめき声が漏れた。 通信を繋げるが、カミーユは意味のある言葉を漏らそうとはしない。 ただただ、かすれたうめき声を上げるだけだ。 カミーユの手が、操縦桿を引く。サイバスターが、ミサイルラックの影から何を掴みブレンに差し出した。 差し出された手の中にあるのは、Jジュエル。最初の時に、自分がサイバスターに渡したものだ。 「これで……どうすればいいの?」 カミーユのやることが無意味とは思えない。 これを使って何をしろとカミーユは言っているのだろうか。 アイビスはそう考えながらも、ひとまずブレンから降りて、カミーユをコクピットから出し看病しようとした。 けれど、アイビスがブレンを降りるより早く、サイバスターにブレンが突き飛ばされた。 かなりの力が込められたひと押しは、体格差もあって ブレンを大きく後ろに転ばせた。 「いったい、なんのつもり―――」 そこまで言って、アイビスは言葉を失った。 地面から巨大な柱が浮き上がり、サイバスターのコクピットを突き刺さして左右に広げる。 左右に肉の地面が開く。真っ二つに割れたサイバスターを、肉の地面が飲み込んだ。 カミーユがどうなったのか、一瞬考えられなかった。 「え、あ……!?」 ブレンがアイビスの意思をくみ、サイバスターがいたはずの場所に飛ぶ。 しかし、そこにソードエクステンションを放つが、えぐれた地面の中にはいない。 『ここまで……我を追い詰めるとは予想できなかった……故に……取り込む価値も……ある』 ノイ・レジセイアの本体があった場所から、声が聞こえる。 アイビスが振り仰げば、そこにはあの骨の騎士姿のノイ・レジセイアが肉の隙間からのぞいていた。 その胸には蒼い宝玉が輝いている。 【カミーユ・ビダン 吸収】 →ネクスト・バトルロワイアル(8)
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/16422.html
【文明】 全文明 【命名ルール】 - 【多種族冠詞】 「星鍵士~」 【進化冠詞】 - 作者:Orfevre リトルバスターとはビーツを持つクリーチャーの中でも星鍵を扱う力を持っていると認められたものに与えれる勲章の1つで種族の一種。星鍵使いとも呼ばれ、プラネタリアンを呼び出して戦う。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/317.html
風と雷 ◆ZbL7QonnV. 蒼く、高く、どこまでも澄み切った空の下、大地を駆ける機影があった。 風の魔装機神サイバスターに、雷の魔女ストレーガ。 ナデシコと行動を別にして、およそ小一時間。他の参加者と接触する事も無く、二機の行程は何事も無く進んでいた。 幸いにも、と言うべきか。その平穏な時間は二人にとって、大きなプラスとなっていた。 お互いが持つ情報の確認と、機体特性を掴んだ上での、基本的な戦術の構築。 そして、なによりも機体の慣らし。 ストレーガを駆る兜甲児にとって、ぶっつけ本番の戦闘を行わずに済んだ事は、幸運と言って良いだろう。 「へへっ……こいつの操縦にも大分慣れてきたぜ! ナデシコの艦長席も悪くはなかったけど、やっぱり俺にはロボットを乗り回してる方が性に合ってるらしいや」 初めて乗り込むタイプのロボット。 操縦方法自体は首輪からの情報伝達で身に付ける事が出来ても、実際に乗りこなすとなれば話は違う。 実戦経験や身体能力は勿論の事だが、その機体に対する“慣れ”も大きく物を言ってくるからだ。 例えば、こんな話がある。 アルバトロ・ナル・エイジ・アスカとゴステロが存在していた次元において、地球はグラドス星の侵略を受けて支配される事になった。 それを不服とする地球人の抵抗組織が、グラドスに対する抵抗の術として選んだ方法。 それはグラドスの兵器であるSPTを原型として、地球製SPTを造り出す事であった。 だが、ここで面白いデータが出ている。 戦闘機や戦車と言った既存の地球兵器に乗り慣れた人間ほど、SPTに対する適正が低かったのである。 むしろ素人に訓練を積ませた方が、SPTを乗りこなすまでに要した訓練時間は短かったと言われている。 これはSPTが独自の曲線運動による機動を行う為、直線的な機動に慣れた人間ほど戸惑いや困惑が大きかったせいとされている。 ストレーガの設計思想は、兜甲児本来の愛機であるマジンガーZと似た所がある。 すなわち装甲と出力に重きを置いた、多彩な武装を有する近接戦闘機体。 そう、スーパーロボットと言われる機体が持つ特徴を両機は共に有していた。 そのおかげもあって、甲児は新しい機体に思ったより早く馴染む事が出来ていた。 甲児の運動能力と反射神経があれば、あまり相性の良くない機体でも充分に乗りこなす事が出来たろう事は想像に難くないが。 「その機体、どうやら君との相性は悪くないらしいな。僅かな間に、見違えるほど動きが良くなっている」 機体の動きを確めるように、時折遠くの岩を撃ったりしながら、ストレーガはサイバスターの後ろに続く。 もちろん、サイバスターは全速力を出してない。 全支給機体中でもトップクラスのスピードを誇るサイバスターと、むしろ鈍重な方に位置付けられるストレーガ。 両者の足並みを合わせるとなれば、サイバスターが速度を落とすしかない。 そのおかげで予想以上の時間が掛かってしまい、未だ目的地である基地に二機は辿り着けていなかった。 もっとも、それは承知の上だ。 アムロ・レイ。彼ほどの男が、そう簡単に死ぬ事はまずあるまい。 おそらくは彼もまた、今の自分と同じように、独自に行動を起こしているはず。 焦る事は何も無い。 だからこそ多少の時間が遅れる事は承知した上で、ブンドルは甲児に機体の慣らしを行うよう勧めていた。 もちろん、甲児も最初は渋った。 だが、不満足な状況で戦闘に突入したところで、出来る事は限られている。 そう冷静に諭されて、ブンドルの意見に甲児も最終的に納得したのであった。 「ああ。これだったら、いつ敵に襲われたって怖くはないぜ! よろしく頼むぜ、相棒!」 ガッツ・ポーズを決めながら、大きく頷いてみせる甲児。 これまで自分の周りには居なかったタイプの人間だな、とブンドルは思う。 幼い頃から名門の家系に生まれ育ち、ドクーガ最高幹部の一人として裏社会の頂点に立ち続けてきた、そんな彼だ。 このように真っ直ぐな熱血少年と時間を共にする事は、これまでの人生で数えるほどにも存在しなかった。 だからこそ、多少の新鮮味を感じないでもない。 だが、それにしても……。 「……相棒、か」 「? どうしたんだい、ブンドルさん」 「いや、なに。私の知っている人間に、今の君と同じような事を言っている少年が居たのでね」 メカは友達。 自分の機体を“相棒”と呼ぶ甲児の姿に、そんな言葉を思い出した。 真田ケン太。 ビムラーの大いなる意思によって選び出された新人類。 悪意の集合体であるネオネロスと戦いを繰り広げ、そして宇宙に飛び立った少年。 ……そういえば、良く似ている。 真田ケン太とネオネロス。二つの相反する巨大な力を戦い合わせ、その勝敗によってビムラーは“人類の代表”を選定した。 ならば、もしかすると、この殺し合いも……。 「……なあ、ブンドルさん」 「ん……?」 ふと思い出したような甲児の声に、耽り掛けていた思考を中断する。 「そういえば、この機体……ストレーガって、確か魔女って意味の名前なんだっけ?」 「そうだが……」 「ふ~ん……だけど、それにしちゃあ“女の子”には見えないよなぁ、コイツ。 俺が知ってる女の子型ロボットって言えば、もっとこう……」 アフロダイA。 兜甲児のガールフレンドである、弓さやかの愛用機。その姿を思い浮かべて、甲児は冷静に考える。 もし、このストレーガが、ああいった自分が良く知る“女の子型ロボット”と同様のセンスで造られていたならば……。 「……お前の設計者には感謝しなきゃな。 おっぱいサンダーは、流石にちょっと恥ずかしいや」 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好(主催者に対する怒りは沈静、精神面の疲労も持ち直している) 機体状態:サイバスター状態、各部に損傷、左拳損壊 ビームナイフ所持 現在位置:E-7 第一行動方針:他の参加者との接触 第二行動方針:次の放送までに基地へ向かう 第三行動方針:サイバスターが認め、かつ主催者に抗う者にサイバスターを譲り渡す 第四行動方針:閉鎖空間の綻びを破壊 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能 空間の綻びを認識 ガウルンを危険人物として認識 操者候補の一人としてカミーユに興味】 【兜甲児 搭乗機体:ストレーガ (スーパーロボット大戦D) パイロット状態:良好 機体状態:右肩に刺し傷、各部にダメージ(戦闘に支障無し) 現在位置:E-7 第一行動方針:ブンドルに同行 第二行動方針:ゲームを止めるために仲間を集める 最終行動方針:アインストたちを倒す 】 【二日目10 00】 BACK NEXT 黄金の精神 投下順 すべて、撃ち貫くのみ 生き残る罪 時系列順 獲物の旅 BACK NEXT 判り合える心も 判り合えない心も ブンドル 仮面の奥で静かに嗤う 判り合える心も 判り合えない心も 甲児 仮面の奥で静かに嗤う
https://w.atwiki.jp/7kaede7/pages/48.html
バスター 必要ソウル マンティス or キャット ステータス変更 CON+2 MP+30 習得魔法 フィジカルエンチャント:STR フィジカルエンチャント:DEX アンキャニードッジ アクティブスキル なし パッシブスキル クロウマスター クロウ装備時、25%の確率で自分中心とした1セル内に範囲攻撃。 ダブルヒット+15% ダブルヒット発生率 33% →48%
https://w.atwiki.jp/irosumass/pages/432.html
概要 ヒカリアンシリーズに出てくるヒカリアン。 声優は 一条和矢。(電光は有馬克明) アニメでのバスターセブン 超特急第119話から登場(700系としては第98話から)。700系からヒカリアンチェンジする。爽やか系の青年で非常に強いが、それを自慢せずに皆をさりげなくサポートしている。 ひかり隊長とコンビを組んでいることが多く、皆がさんざん苦戦したスカイシャーダンもあっさり倒した。 続編の電光超特急でも登場する ヒカリアンの中でトップクラスの強さ。それゆえか、一人で戦おうとする。性格が若干変わり、さわやか系だった性格が多少自信過剰な性格になっている。ただし後半ではウエスト達を自分達の切り札と称したり、のぞみ隊長を励ましたりするなど、仲間を信頼するようにはなった。また、かつての爽やかな部分も垣間見えるようになった。 本名、ライトニングバスターセブン。 SSにおいてのバスターセブン シーズン2章から登場。 SS内でもとても強く、敵を何度か倒している。 武器 武器は超特急時代がワームホールブラスター(アニメ未使用)、電光時代が自分の身長の2倍近い長剣。(設定画によると七支刀。正式名称は神剣ナナツサヤノタチ) 一人称 一人称は「オレ」だがSS内では「私」になることがある 趣味 趣味は手品、カラオケ、編み物である。 補足 心底では人々に親切でありたいとも思っている 覆面を被って「レールセブン」(レールスターがベースではあるが、カラーリングや帯の長さは実機とは若干異なる)を名乗り困っている人を助けたこともある。 技 ライトニング・ワイバーン 七支刀から放つ技。 ライトニング・スライサー ウルトラセブンのアイスラッガーに似た尾翼から発射する技。 【関連】 ウエスト のぞみ N700系 ひかり隊長 都営5300形:因縁のライバル