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エネミー・ゼロ 【えねみー・ぜろ】 ジャンル インタラクティブ・ムービー 対応機種 セガサターンWindows 95/98 発売・開発元 ワープ 発売日 【SS】1996年12月13日【Win】1998年11月28日 価格(税抜) 【SS】6,800円【Win】9,800円 特別版 【SS】20万円限定版BOX 206,000円(税3%込) 廉価版 【SS】サタコレ 1997年12月11日/2,800円(税抜) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント ガチで生きるか死ぬかの高難易度セーブどころかロードも有限シナリオには疑問符伝説の『20万円限定版BOX』飯野「プレデターもエイリアンも知らなかった」 ワープ作品 概要 ストーリー 特徴・ゲームシステム 賛否両論点 問題点 評価点 総評 20万円限定版BOX PS EXPOを巡る騒動 余談 概要 飯野賢治が手がけた、独自のジャンル「インタラクティブ・ムービー」を自称するゲーム。 彼及び彼が立ち上げたゲーム会社「ワープ」の代表作である『Dの食卓』を発展させたかのような内容で、性質としてはアクションアドベンチャーに近い。 ストーリー 宇宙を航行する貨物宇宙船ヴィークル・ジ・アキ。ジ・アキは地球への帰途にあり、航行は長年に渡るため乗組員はコールドスリープに入っていた。しかし突如ジ・アキに非常事態が発生し、搭乗する乗組員は強制的にスリープを解かれてしまう。船員の一人である女性乗組員ローラもスリープから目覚め、状況を把握するために他の乗組員と連絡を取ろうとするが、映像が繋がった乗組員パーカーの部屋との回線は不調で、彼にローラの声は届かない。音声によるコミュニケーションが取れない中、突如パーカーは何かに怯えるようにモニターの前を離れてしまう。そして彼はローラの目前で、姿の見えない謎の「なにか」に惨殺されてしまった。非常事態の原因は、生物兵器として利用するために乗組員にも知らされず輸送されていた「エネミー」と呼ばれる宇宙生物が、檻から脱走したことだった。次々とエネミーに殺されてゆく乗組員たち。ローラはジ・アキの状況を把握するため、エネミーが徘徊する船内の探索に臨む。 特徴・ゲームシステム インタラクティブ・ムービー 本作のマップはリアルタイムレンダリングの3DCGで描かれたジ・アキ船内の通路と、プリレンダムービーのCGで構成された各船員の個室内や特定の船室内部に分かれている。後者は『Dの食卓』を踏襲し、室内を探索するシーンを全て3DCGのムービーで構成している。 視点は主人公であるローラの一人称で、特定のムービーでのみローラの全身像を見ることができる。 後者の室内探索は形式としてはLDゲームに近く、室内の移動や何かを調べるたびに対応したムービーが流れる。移動や探索のたびに若干のロードを挟むので、レスポンスは遅い。 戦闘 戦闘はリアルタイムレンダの3DCGで描かれたジ・アキ船内のみで行われ、序盤のあるイベントを過ぎると船内に出現する「エネミー」を、エネルギー銃で倒すことができる。 エネミーはオープニングで示されている通り一切姿を見ることはできず、ローラ(プレイヤー)は敵の生体反応を感知し、音で知らせる「VPS(VEXX Positioning System)」を装備することでエネミーの位置を知ることができる。 VPSは「プレイヤーに対するエネミーの位置(前方・横方向・後方)」によって異なる音階の音を出し、「プレイヤーとエネミーの距離」に応じて音の間隔が狭まる。エネミーとの距離が至近距離になるとVPSは警告ブザーを発する。エネミーが複数出現すればエネミーの数に応じて異なる音が複数鳴るため、プレイヤーはエネミーの位置関係を把握することが難しくなる。 プレイヤーの武器はエネルギー銃。構えた後にボタン長押しでエネルギーを溜め、離すと撃つ。このエネルギー銃は極端に射程が短く(*1)、エネミーをギリギリまで真正面に引きつけて撃つ必要がある。その上溜めが長すぎても短すぎても不発になるので溜め始めるタイミングも見計らう必要があるという、かなり癖のあるシロモノである。 エネルギー銃は命中すれば一撃でエネミーを倒すことができるが、こちらもエネミーに接触すれば即死し、ゲームオーバーとなる。銃を外す~溜めすぎて不発になってもギリギリ仕切りなおす余裕はあるが、相当慣れないと難しく、基本的には「銃を外す≒死ぬ」と考えてよい。まさに「生きるか死ぬか」のやりとりである。 エネルギー銃には弾数があるがプレイヤーが予備のエネルギーを携行することはできず、マップの各所にある「ガン・チャージャー」でエネルギーを補充する必要がある。エネミーはマップを切り替える毎に復活するため、エネルギー銃の仕様もあっていちいちエネミーを倒して回る訳にはいかない。生き残るためには、「エネミーをうまく避けて進む」技術と判断も求められる。 その他 セーブはボイスレコーダーにローラが録音するという設定で行われるのだが、セーブまたはロードするたびにバッテリーを消費し(*2)、バッテリーが尽きるとセーブもロードもできなくなる。ゲームオーバーまたはリセットしてロードするだけでも消費するので、何度もやり直すということはできない。 一応、パワーメモリーにセーブデータをコピーした上でサターンから抜いておくことでバッテリーが残った状態のバックアップを確保しておくことは可能。 もちろん、このボイスレコーダーのバッテリーも難易度によって初期残量が全然違う。ハードモードだとなんと16しかない。 賛否両論点 極悪な難易度 前述の通り、エネミーとの戦闘は常に命がけ。戦闘そのものがハイリスクな上、ゲームを進めても「エネミーとの戦いを楽にするような装備・アイテム」は終盤の無限エネルギー銃(後述)くらいしか出現しないため、ゲーム全体を通じてゲームバランスはシビアで、しかも進めるごとにより難しくなっていく。 命綱となるVPSもあくまで「エネミーを感知できるようにする」だけで、具体的にどの位置に敵がいるかは自分である程度推測して動く必要がある。VPS自体も「前方・横・後方の3方向にしか音は対応しておらず、『斜め方向』に対応する音はない」「横方向に対応する音に左右の区別がない」など不親切。また複数エネミーがいれば音も複数同時に鳴るため、確実に混乱する。 もう一つの命綱・エネルギー銃もかなり頼りなく、前述の通り至近距離でしか役に立たない上弾数も少ない。基本となる難易度ノーマルでさえエネルギー銃の弾数は最多でも5と心もとなく、ハードモードだとさらに入手時は残弾ゼロ、さらに全ての銃の最大弾数が少なくなると、高難易度に追い討ちをかける。マップを切り替えるとエネミーが復活するという仕様も相まって、探索系バイオハザードのような感覚でプレイしていると確実に弾が切れてジリ貧になる。 生き残るためには必然的にしょっちゅう銃のエネルギー充電に戻ることになるのだが、チャージャーの設置場所はあまり多いとはいえず、シナリオの進行具合によっては充電のためだけに長い距離をエネミーに怯えながら進んだり戻ったりしなければならない。 「装弾数5発の銃」は最初期に手に入るのだが、序盤のイベントでなんと敵の襲撃で落としてしまう。幸いストーリーを進めていけばすぐに次の銃が手に入るのだが、その銃は装弾数がたった3発しかない。ハードでは泣く子も黙る装弾数1。とことんシビアである。 ゲーム後半では、「見えるエネミー」が登場。見えるエネミーは小さなイモムシのような姿をしており、姿が見える上に銃をさほど溜めていなくても殺せる。しかし、見えるエネミーはVPSに反応しない。しかも姿も小さいため、終盤のエリアは視覚にも注意して探索する必要がある。 ゲーム終盤は今までの「見えないエネミー」の数も増え、「見えるエネミー」と「見えないエネミー」が混在する階層も出てくる。見えないエネミー、あるいは見えるエネミーしかいない階層はまだいいものの、混在する階層では常に緊張と集中を強いられる。 さらに厄介なことに、終盤はマップの大半が細い通路で構成されており、戦闘を回避できない局面が発生することも多い。そのためか、救済措置として装弾数無限の銃が手に入るのだが、それでもキツい。 この鬼畜めいた難易度のせいでクリアできなかったプレイヤーも多く、ストーリーの核心に辿りつけなかったプレイヤーからは「難易度調整が狂っているクソゲー」の烙印を押されることに。 一応、ディスクの中には本編とは関係ない「トレーニング」を収めたものが入っており、それで独特な戦闘に慣れたり、練習したりすることはできる。 ワープ側もこのユーザーの声は認識していたのか、サタコレ版・PC版では難易度を下げたモードが実装された。 問題点 ムービーの演出 インタラクティブ・ムービーで流れるムービーやイベントは演出のテンポが遅く、挟まれるロードとスキップできないこともあってじれったい。 一例を挙げると、閉まった扉(専用のアイテムやイベントを起こすことで開く扉)を対応するアイテムを手に入れる前・イベントを起こす前に調べると反応があるのだが、ローラは場所によって「開かないドアを撫でる」「やけくそ気味に叩く、蹴る」などの動作を起こす。普通に『バイオ』のように「鍵がかかっている」などのメッセージを表示するだけではダメだったのだろうか。 特定の人物に会う・会話するなどのイベントは必要以上に演出がくどい。特に悲痛なシーンでは悲しさを強調するためなのか、くどさが顕著。演出のテンポの悪さも相まって、人によってはイライラする。 こちらも一例を挙げると、ある重要なキャラクターの死体を目にしたシーンでは「死体の顔を映す→悲しむローラを映す→死体を別アングルで映す→悲しむローラを別アングルで映す→死体を~」というくどい演出がある。 + ネタバレ注意 ゲーム後半でローラも寄生されていた事が発覚するが、その部位が何故かよりによって首の皮下である。(*3) サイズも結構な物なので、皮下に存在したら検査するまでもなく見た目でわかるはずだが…。 ラストは脱出用の小型艇を使って脱出する。その際にもムービーが挿入されるのだが、小型艇用のカタパルトはやたら長い上に曲がりくねっていて、まるでジェットコースターである。ここで「脱力してラストの緊張感が削がれた」「台無し」というプレイヤーも。 ジ・アキのサイズ的にも、あんな蛇行だらけのカタパルトが収まるはずがない。設定的にも矛盾している。 インタラクティブ・ムービー 前述したように、本作は『Dの食卓』のシステムを踏襲し、室内では「移動」「調べる」など全ての行為がムービーとなり、スキップする事は出来ない。『Dの食卓』の既プレイ者なら察しがつくと思うが、あらゆる行動を取る度に一定のロードを挟むためテンポは最悪で、イライラを感じる場面も少なくない。 ムービーのクオリティは当時としてはなかなかのもので、最初は見応えがあるものの、ダレるのも早い。 前述したガン・チャージャーによる銃のエネルギーチャージにもムービーがいちいち挿入される。銃のチャージは頻繁に行う必要があるので、かなりイライラ。 『Dの食卓』同様、人間のモデリングはまだ粗さ・固さがある。特にローラの同僚であるキンバリーの顔面のモデリングがアヒル口に見えることは当時からネタにされた。唇をつきだした時のモデリングはもろにアヒルである。 ストーリー 詳しくは後述するが、ひとことで言えばリドリー・スコット監督の映画『エイリアン』の劣化コピーである。『エイリアン』を先に見てしまっていると、全く新鮮味は感じられない。 『エイリアン』の影響なのか、やたらめったら人が死ぬ。「個室に入ったら既に死体だった」「再会したはいいものの次に会った時は死体だった」などということもザラにある。終盤まで生きているのは中盤でローラと行動をともにするキンバリーぐらいしかいない。 主人公・ローラは無口で、いかなるシーンでも言葉を発さず、身振り・ジェスチャーなどの動作、叫びなどで感情を表す。各キャラクターと出会った時や、悲痛なシーンの時も、頑なに言葉を発しようとしない。このせいでキャラが掴みにくく、心情の理解に手間取る。感情移入もしにくい。 無口なのには設定上の理由があるのだが、一切喋れないのかと思いきや、ロード時のボイスレコーダー再生やエンディングでは普通に言葉を喋れることがわかる。それなら喋ってください。 走るとやたらと視界が上下に揺れる。慣れないうちは酔うこと必死。 評価点 戦闘 「音で敵との位置関係を把握し、超至近距離で『やるかやられるか』の命のやりとりをする」というシステムの独自性は高く、一部のゲーマーからはこの緊張感が評価された。中盤~終盤では文字通り「心臓が破裂しそうな緊張感」を味わえる。これほどの緊張感を味わわせてくれるゲームは他にはないだろう。 音声に関するこだわりは評価されている。室内の微細な環境音やノイズなどはゲームの「雰囲気作り」に強く貢献しており、「不可視の敵に囲まれながらの命がけの探索行」というゲーム内容に非常にマッチしている。 基本的にゲーム中のBGMはないが、映画『ピアノ・レッスン』などで知られるピアニストのマイケル・ナイマンのピアノがイベント要所を盛り上げてくれる。 飯野氏はナイマン氏をホテルの一室で約6時間かけて口説き、このゲームのサウンドを担当させたらしい。 「エヴァンゲリオンのように世界観を作り込みたかった」という細かい設定。ゲーム内の端末に表示される情報などかなり作りこまれており、室内探索はだるいものの「ゲームの本筋と関係ない場所を調べるのも楽しい」という声もある。 ストーリーも『エイリアン』の存在を考えなければ、決して「ひどい」と言えるほどの内容ではない。よくできたシーンもちらほらある。 + ネタバレ注意 終盤では「ボイスレコーダーのバッテリー切れの恐怖に怯えさせた上で、ストーリー終盤で命綱のVPSのバッテリーが尽き、脱出を前にして絶望することになる」というゲームシステムを生かした演出がある。この終盤における電池切れの絶望から、デビッドの導きにより探索艇を目指すラストシーンの流れは「ベタだが悪くはない」という意見もある。 総評 アクションアドベンチャーというジャンルの中でも屈指の難易度の高さを「クリアさせる気のない狂った難易度調整」と取るか、「緊張感を楽しませてくれるシビアなバランス」と取るかで極端に評価が分かれる難しい作品。 一見パクリのつぎはぎにも見える設定や探索のダルさなど問題は多く決して良作とは言い難いが、シビアで手応えのある戦闘システムは本ゲーム唯一無二の特徴であり、そこさえ楽しめれば人によっては名作に化ける可能性があるかもしれない。 20万円限定版BOX 一部で有名ではあるが、この作品には『20万円限定版BOX』という恐らく業界No.1の値段を誇る限定版が存在する。注文は電話のみ、20個限定で値段はもちろん20万6000円(消費税3%込み) 限定版に関しては飯野賢治氏が直接購入者の自宅に出向いて手渡しと言う物で、2tトラックの荷台に飯野氏とスタッフの皆さんと限定版を載せて各地の購入者の家を回っていたとの事。 こちらのブログで"購入時の様子、中身の一部、限定BOXの外観"を確認することが出来る。 PS EXPOを巡る騒動 今作を語るうえで欠かせないのが、1996年のプレイステーション エキスポで起きた一連の騒動。下手したら作品そのものより有名かもしれない…。 当時、PSソフトの出荷はSCEが完全に管理していたのだが、PS版『Dの食卓』ではワープの要望を大幅に下回る本数しか出荷しなかった。 それどころか飯野氏の独自調査によると、当初約束されていた本数すら出荷されていなかったとされる。 3DOからの移植と言う事で需要を大きく見誤ったのと、増産の速度を過信したためであったが、結果として年末商戦で売り切れが続出、販売機会を大きく損失してしまう。これによりワープはSCEへ極めて強い不信感を持つ事となった。 その後セガとの交渉を経て、当初プレイステーションで発売する予定だった本作はプラットフォームをセガサターンに変更する事となったのだが…。 なんとそれをSCE主催の「プレイステーションエキスポ」でPSのマークがSSのそれにモーフィングする挑発的演出で発表してしまった。 しかも各メディアでのPS・ソニーに対する批判意見を引用して映し出した後、セガの入交昭一郎社長(当時)による「セガサターンへようこそ」というメッセージビデオまで流すという、(もちろん悪い意味で)常識ではとても考えられないプロモーションを行っている。 この件が影響したのかは不明だが、同年夏にソニーは出荷本数の一律管理を撤廃するようになった。 ソニーは『Dの食卓』以前にも、あまり出来の良くなかった『ビヨンド・ザ・ビヨンド』を40万本出荷する失態をやらかしていたため、総合的な判断の可能性もある。 飯野氏は「流通体制の改善によっては今後再びPSソフトを出す可能性もある」という姿勢だったものの、流石にこの一件が響いたか、氏は2013年に死去するまでソニーハードでゲームを出す事は無かった。 ただでさえ過激な言動の多かった飯野氏に対し、風当たりが強まったのは言うまでもない。 氏がコラムを連載していた「ゲーム批評」には沢山の意見が寄せられたが、その内容は否寄りの賛否両論だったという。 この件を特集したコラムでは、かなり強い口調で批判する意見や、ファンの視点からとがめる意見などが挙がっていた。 ただし流通に対して一石を投じた事を評価する意見もあり、本件や作品の反響を肯定的にまとめた「E0事件の真相」という書籍も存在する。 1997年7月18日には映像の無い音だけの作品『リアルサウンド ~風のリグレット~』を発売したが、「10点満点か評価不能か」発言とともにさらに物議をかもすことに。 余談 飯野氏もコラムを書いていた「ゲーム批評」の誌上では2記事にわたって本作が酷評され、飯野氏は連載を取りやめた。 正確に言うと、酷評するレビューが書かれた号を境に、休載や連載終了の告知が一切ないまま掲載されなくなり、本誌で触れられることもなくなった。 2000年ごろ「ゲーム批評」公式サイトの掲示板にて編集長が当時の事情の説明を行ったところによると、「酷評する内容のレビューを掲載することになったので、その旨を飯野氏に説明するために連絡を取ろうとしたが、その時にはもう連絡が取れなくなっていた」とのこと。 もちろんこれは「ゲーム批評」誌の言い分であり、飯野氏側はこの件に関して何も語っていないため正確なことは分からない。ちなみに、編集長は「現在の本誌と飯野氏は仲がいい、悪いの関係ではない」とも語っており、これ以降両者が没交渉になったのは間違いないようである。 ゲーム批評は直前まで「飯野賢治の本」という増刊を出すなどして彼をプッシュしていたのだが、結果的に「広告による忖度を一切入れない」という雑誌コンセプトを貫く形になったと言える。 『サイレントデバッガーズ』からの影響 「一人称視点で、相手を音のセンサーで探知して戦闘を行う」というシステム・アイディアは本作の約5年前に発売されたデータイーストの『サイレントデバッガーズ』が既に行っており、飯野氏も「エネミー・ゼロの制作にあたり『サイレントデバッガーズ』を参考にした」という発言を行っている。 「敵が全て透明で姿が見えない」というのも、サイレントデバッガーズの「すべての敵を透明化してゲームの難易度が上がる」裏技が参考になっている。 名作のパクリ疑惑 本作は『エイリアン』やその他有名SFの影響を受けすぎたと思しき描写が多い。 「謎の生物を捕獲し地球に持ち帰ろうとするものの、生物は恐ろしい力で乗組員たちに牙を剥き、乗組員と謎の生物の戦いが始まる…」これだけのあらすじからもわかるように、ストーリーの骨子はかの有名な『エイリアン』そのままである。 あらすじのみならず、導入部の1シーンにおいて「宇宙服のヘルメットにコンソールパネルの光が映り込む」等、『エイリアン』そのままの演出まで用いられている。 シナリオの重要なシーンもエイリアンからほぼコピーされてしまっている。 「ステルスを用いるエイリアン」という設定も『プレデター』『禁断の惑星』を思い起こさせる。シナリオ・設定に関してはさながら有名なエイリアン系映画のキメラとでも例えられる状態であり、独自性は皆無。 これに対し、飯野氏は「パクリではない」「『エイリアン』や『プレデター』を知らなかった」という弁解をしている。 クリーチャーデザインは、後に『ゴジラ FINAL WARS』『牙狼-GARO-』『仮面ライダー電王』などで有名になる韮沢靖。ナイマンといい、地味ながら本作には豪華スタッフが参加している。 ちなみにその韮沢デザインのエネミーの全体像だが、まともに全身像を拝めるのはある一つのムービーのみで、劇中で拝めるのはムービーで登場する半透明のぼやけた姿か、エネルギー銃で倒した時のペラペラのポリゴンで描かれた死体(これも半透明で解像度も低く、しかもすぐに消えてしまう)くらいしかない。 起用した意味はあったのか? 宇宙船の外観は人間の心臓をイメージした独特のものであり、血管などをあしらった四つのタワーに宇宙船の機能が分散しているという設定は劇中でも生きている。 『ゼビウス』等、様々な作品を手掛けた遠藤雅伸氏に問題点について指摘されたものの、聞き入れなかったという。 数々のヒット作を輩出し、後に『モンスターストライク』にも携わる岡本吉起氏にも「遊ぶ客のことを考えるべき」と指摘を受けたが、やはりこちらも聞き入れなかったとか。
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TIS-100 【ティーアイエスワンハンドレッド】 ジャンル シミュレーション 対応機種 Windows XP/Vista/7/8/10Macintosh OS 10.9, or laterUbuntu 10.10+, SteamOS 発売元 Zachtronics 発売日 2015年7月21日 定価 698円 判定 なし ポイント プログラミング知識が必要なパズル 概要 仕様 代表的な命令 その他重要な仕様 評価点 問題点 総評 概要 偶然手に入れた奇妙なコンピュータ、「TIS-100」をデバッグして、謎を解くという設定のパズルゲーム。 最大の特徴はパズルを解くためにプログラミング言語(アセンブリ言語)を使う必要があるということ。実在のアセンブリ言語と比べて命令の数は少なめで簡略化されているとはいえ、使われている用語や文法は本物とほぼ変わらない。ゲームのマニュアルも謎のコンピュータ「TIS-100」の仕様書という形式をとっている。 仕様 ゲームはノードと呼ばれるコードを書くことのできる四角形の箱が12個並んだ画面がメインとなる。 ノードは横4列縦3段の並びになっており、個々のノードには他のノードと数値をやりとりするためのポートが上下左右に4個ついている。 問題では、一番外側のノードに、テスト用の数値を受け取るIN(入力)ポートと答えとなる数値を送り出すOUT(出力)ポートが最低ひとつ存在する。INから受け取った数値をもとに、問題の条件にあった数値をOUTに送り出すことがゲームの目標となる。 また、各ノードには数値を記憶するためのレジスターが2つある。 ひとつはACCというメインとなるレジスター。自由に数値を変更することができる。数値の加算や減算を行う際はこのACCを利用することになる。また、条件分岐にも使用される。 もうひとつはBAKという予備のレジスター。こちらはACCの数値をコピーしたり、ACCと数値を入れ替えることができる。しかしACCと違い、直接数値を指定したり、加算、減算を行うことはできない。 問題を解くときはこれらの要素をノードの中に書き込んだ命令(インストラクション)で操作していくことになる。 代表的な命令 MOV 読み込み元 , 書き込み先 …… 読み込み元 の数値を 書き込み先 に書き込む。レジスターに数値を記録するのに使う他、ポートからポートに数値を渡すことができる。もっとも代表的な命令。 (例)MOV UP,RIGHT 上(UP)のポートの数値を右(RIGHT)のポートに渡す。 ADD 数値 ……そのノードのACCに 数値 を足す。 SUB 数値 ……そのノードのACCから 数値 を引く。 掛け算、割り算を行う命令は 存在しない 。しかしゲーム中には容赦なく掛け算、割り算を要求する問題が出てくる。つまり、プレイヤーは自ら掛け算割り算の回路を作成することになる。 JMP ラベル ……ノード内のコードに書いたラベルの位置からプログラムを続行するジャンプ命令。通常、ノード内のコードは上から順番に実行されるが、JMPを使うことでその流れを変えることができる。また、JMPの亜種として、ACCの状態が0と同じか、小さいか、大きいかに応じてジャンプするかどうかを決定する条件分岐用のJEZ,JGX,JLZという命令もある。 SAV……ACCレジスターの数値をBAKレジスターにコピーする。ACCレジスターは計算や条件分岐に多用されるため、ノードに数値を保存しておきたいときなどにはこの命令が有用。 SWP……BAKレジスターとACCレジスターの数値を入れ替える。BAKレジスターはSAV命令とSWP命令以外で直接アクセスすることはできない。 その他重要な仕様 ノード内に書いたコードは最後の行まで実行された後、自動的に一番最初の行に戻って続行される。どの問題でもテスト用の数値は無数にあるが、自分でわざわざループさせる必要はない。 各ノードのコードは基本的には全て同時に、並列に実行される。プログラミングのやり方によっては、ノード同士がやりとりをするタイミングを調節し、同期させなければならないこともある。ただし、後述のポートの仕様によってある程度ノードが動作する順番を操作できる。 ポートに書き込まれた数値はMOV命令などで読み込まれると自動的に消滅する。 ポートに数値を書き込むためにはそのポートに何も数字がない状態でなければならない。逆にポートから数値を読み込むためにはそのポートに数値がなければならない。 もし前述の状態でポートから読み込みや書き込みができない場合、そのノードは読み込み、書き込みができるようになるまでその後のコードの実行を待機する。これによりノードがコードを実行する順番をある程度コントロールできるが、プログラムが完全に動きを止めてしまうデッドロックの原因にもなる。 隣接する二つのノードがお互い同時につながっているポートに同じ命令(MOVによる読み込み、書き込みなど)を行った場合、デッドロック状態になりそれ以上動かなくなってしまう。 評価点 自由度の高さ プログラミングがゲーム性の中心になるので、ひとつの問題でも解き方は無数にある。ひとつの問題につき3つまでプログラムを保存できるので、様々な解法を試すことができる。 問題クリア時にはすべてのテストを行うのにプログラムが何回動いたか、コードの長さ、使用したノードの数などの統計が表示される。自分が全プレイヤーの中でどのあたりの位置にあるのかもわかるので、より短い時間で実行できるプログラムを作ったり、できるだけ短い行数でコードを書くなど、よりスマートな解法を求めてチャレンジすることができる。 ゲームには問題作成機能もついている。問題を解くだけでなくオリジナルの問題を作ることも可能。 快適なUI ゲーム自体は難解だが、UIは直感的でわかりやすい。全命令の簡単な説明はF1キーでいつでも参照可能。コピーペーストやノード間を移動するショートカットキーは複雑にならない程度に充実している。 デバッグ機能も使いやすい。コードを順番に実行するSTEP実行機能や、特定の命令が来たら一時停止するブレイクポイントなど、実際のデバッガーとそん色ない機能が用意されている他、数値の流れが視覚化されているので、どこがバグの原因になっているのか(普通のプログラミングよりは)分かりやすい。 問題点 ハードルの高さ かなり簡略化されているとはいえ、ゲーム性の大部分がプログラミング、それもアセンブリ言語というそれほど触れる機会のないものなので、まずゲーム性を理解するためのハードルが高い。 チュートリアルといえるようなものもなく、マニュアルも「TIS-100の仕様書」という体裁をとっているのでまずどのようなゲームなのかが実際に試行錯誤してみないと分かりづらい。 総評 基本的なアセンブリ言語の知識が必要になるという点で敷居が高いのがネック。しかしゲームの仕様自体はかなり単純化されており、実際のアセンブリ言語に比べて覚える命令や仕様の数は少なく、仕様書(マニュアル)も数ページでまとまっている。 問題文もたいてい数行で「入力Aと入力Bの数を足して出力Aに結果を送れ」や「入力Aと入力Bを掛け算して出力しろ」のような小学生でも簡単に理解できるものなのに、実際に作ってみると考えなくてはいけないことがいくつもありなかなか難しい。 それだけに自分が作ったプログラムがすべてのテストを突破して問題をクリアしたときの達成感は高い。万人にオススメできるゲームではないが、プログラミングやコンピュータに興味がある人は、あるいはアセンブリ言語の基礎を学んでいて腕試ししてみたいという人にはうってつけのゲームになるだろう。
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首都高バトルシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 シリーズ初期作 SFC 首都高バトル 94 ドリフトキング 土屋圭市 坂東正明 知る人ぞ知るあのBPS(*1)から突如として出たレースゲーム。レーサーの土屋圭市氏(*2)と、日本を代表するレース監督の坂東正明氏(*3)が監修したシリーズの原点。 首都高バトル2 ドリフトキング 土屋圭市 坂東正明 上記の続編。レース中に画面のおよそ半分を占める謎のカメラ視点が何故か健在している。 PS 首都高バトル DRIFT KING 土屋圭市 坂東正明 BPS製『首都高バトル』シリーズ3部作の最終作。ハードがPSになり3Dが使用可能となったことでより首都高らしく、さらにリアルな高低差も生まれた。ジャレコとTHQから『Tokyo Highway Battle』のタイトルで初めて海外展開されたシリーズ作品でもある。 SS 首都高バトル 97 上記の移植だが発売元がイマジニアになったためか、オリジナルのPS版とは若干内容が異なる。SSで発売された唯一の『首都高バトル』シリーズ作品でもある。 PS 首都高バトル外伝 スーパーテクニックチャレンジ メディアクエスト製唯一の『首都高バトル』シリーズ作品。 首都高バトルR シリーズ初期の集大成とも言うべきPS版『首都高バトル』シリーズの最終作。イメージガールには水沢かな氏を、イメージソングにはD/FORCEの『ENDLESS HIGHWAY』を採用。 シリーズ後期作 DC 首都高バトル DCで首都高を「完全再現(*4)」した作品。以後に続くゲームシステムはこのタイトルで固めていった。 良 首都高バトル2 前作から約1年後に発売された上記の続編。本作以降、ごく一部だがSEをPSの『R』から引き継いでいる。 PS2 首都高バトル0 シリーズ最多の収録車種のラインナップとチューニング。DCの『2』がベースの作品。 良 首都高バトル01 シリーズ初の実車採用。以後例外を除きホンダ車が収録されなくなった。航空写真・レーザー計測によるデータを取り入れたコースなど、リアル路線へと舵を切った一作。 良 Win 首都高バトルOnline 『0』がベースの作品。2005年9月1日にオンラインサービスが休止したまま、復活はしなかった(*5)。 PSP 首都高バトル シリーズで唯一の携帯機作品。内容はコンパクトに纏まっているが、処理落ちが目に余る。 360 首都高バトルX カスタマイズの幅は広がったものの、湾岸線と横羽線が廃止となる等、ボリューム自体は大幅ダウン。さらに日産車のカスタムカーがライバルで一切登場しなくなり、あの迅帝もその煽りを受けてしまう。 街道バトル PS2 街道バトル ~日光・榛名・六甲・箱根~ 峠版『首都高バトル』と言える作品。有名な4峠を収録。 街道バトル2 CHAIN REACTION 厳しいゲームバランスと充実した収録要素。 スルメ KAIDO -峠の伝説- 大量の魅力的な要素と大量の蛇足な要素。そして自重しない工事現場。 なし 関連作品・関連シリーズ SFC 峠・伝説 最速バトル PS『DRIFT KING』の発売およそ2ヶ月前に出た、バイク版『首都高バトル』とも言うべき作品。SFCの『首都高バトル2』までにあった画面上部のカメラが廃止になったことで視界が広くなった。開発にオートバイ雑誌である『バリバリマシン』が関わっている。 SS 湾岸デッドヒート 1990年代のギャル達が実写で登場するレースゲーム。発売をパック・イン・ビデオが、開発を元気が担当している。 [セガ審査 推奨年齢 年齢制限18歳以上] 海外版である『HIGHWAY 2000』も発売されており、あの「ナツメ」(現:ナツメ アタリ)から発売された。 SS 湾岸デッドヒート+(プラス)リアルアレンジ 上記の難易度調整版だが、中身は若干異なる。ディスク2枚組となっており、2枚目のディスクには…? PS かっとびチューン REVSPEED監修。レースだけでなくアルバイトや彼女とのデート等シミュレーション要素もある。登場キャラは実写。『首都高バトル』シリーズよりライバルが登場する他、レース中のBGMに『R』のアレンジ曲も収録。 PS2 レーシングバトル -C1 GRAND PRIX- 実在サーキットコースや首都高C1と阪神高速1号環状線が舞台のコースでグランプリ(C1GP)を目指す。『首都高バトル』『街道バトル』シリーズからもライバルが多数登場する。 GBA Tokyo Xtreme Racer Advance 任天堂ハード初の『首都高バトル』シリーズだが... ク 湾岸ミッドナイトシリーズ いずれも元気が開発に関与しており、一部データも流用されている。
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弟切草 蘇生篇 【おとぎりそう そせいへん】 ジャンル サウンドノベル 対応機種 プレイステーション 発売元 チュンソフト 開発元 ネクセス 発売日 1999年3月25日 定価 4,800円(税別) 廉価版・配信 PlayStation the Best 2001年4月12日/2,940円ゲームアーカイブス 2011年9月14日/800円(表示定価は全て税5%込) 判定 なし ポイント グラフィック美麗化どんでん返しやヒロイン視点追加でカオス化テキストスキップ不可相変わらず思慮を欠いている作者 チュンソフトサウンドノベルシリーズ 概要 ストーリー(SFCと同じ) SFC版からの主な変更点 評価点 問題点 改善されなかった点 追加要素における問題点 総評 その後の展開・メディアミックス 概要 サウンドノベルの元祖であるSFCソフト『弟切草』のリメイク版。 同社のサウンドノベル『かまいたちの夜』『街』と共に、『サウンドノベルエボリューション』シリーズの1つとしてリメイクされた。 しかし発売されたのは3本の中で最後である為、シリーズは「2」→「3」→「1」の順に出た事になる。 1度エンディングを迎えた後に再びプレイすることで、選択肢が増え新たな分岐が現れると言う、何度もプレイすることを前提としたシステム。 ストーリー(SFCと同じ) 主人公、公平と奈美は山道で車輌の奇妙なトラブルに見舞われてしまい、立ち往生してしまう。 深夜である上に誰も見当たらない山中で、大きな洋館を見付ける。 そこで激しい雨が降って来たため、2人は館に駆け込む。それが悪夢の始まりになる事も知らずに……。 SFC版からの主な変更点 グラフィックは新規。格段に美しくなった。 これにより、逆に想像する楽しみや恐怖が薄れた、という意見も。 主人公に「公平」というデフォルトネームが付けられた。 文章が全て新規に修正されている。 主人公の視点によるシナリオの他、ヒロイン奈美の視点から見たシナリオ「奈美編」にザッピングできる。 SS版『街』のように特定の文章の「奈美」という文字から奈美視点のシナリオにジャンプできる、というもの。ジャンプできる箇所が出現するかどうかは文章によって異なる。 奈美視点から戻る際は、主人公視点へのジャンプ箇所から同じように戻るか、または一定量読み進めると自動で戻る。 ピンクの栞の出現後、1度見たエンディングにもう1度辿り着くと、その続きを見る事ができる「どんでん返しエンディング」システムが採用された。 これら追加シナリオは、本家同様長坂秀佳氏が執筆している。氏は『街』の総監督でもあり、本作には『街』の内容に因んだ小ネタも追加されている。 説明書で長坂は「控え目に言って、30倍は面白くなっている」と語っていた。 評価点 絵やBGMなどは大幅アレンジされ、さらに恐怖感が増した。 ミイラの絵は特に恐怖心を煽るものとなった。 ゲームデータの読み込み速度が少ない PSのCD-ROMはSFC等のROMカートリッジと違い、必然的に読み込み時間が発生するのだが、本作はかなり少なくなっている。 これは、開発スタッフの五戸正明が「SFC版『弟切草』と同じテンポで遊んで欲しくて、努力した」と語っている(*1)。 問題点 改善されなかった点 そもそもSFC『弟切草』は、史上初のサウンドノベルとして話題になった作品だが、システムには粗が多くあった。 今作ではそれは完全に解決できておらずほぼそのままの状態である。 ムービースキップは可能になったが、テキストはスキップできない。 クリアするごとにまた最初からやり直しになるため、同じルートを辿るのにスキップができないのは非常に辛い。 速読み機能は一応有るが、条件を満たさないと使用できず、しかも攻略本を見ないとその機能の存在自体気付けない(ほぼ裏技)であり、使っても文字の表示速度がちょっと速くなるだけ。 使用条件は「ピンクのしおりにした後、『はじめから読む/つづきから読む』の選択画面でL1ボタンを押しながら決定」。 色んな話が入り乱れ、選択肢1つで他のシナリオに即移行してしまうため、シナリオ間の整合性が周回するたびに合わない状態になる。 SFC当時は画期的だと話題になったが、『かまいたちの夜』や『街』、他社のノベルゲームが多数出た後となっては魅力的とは言い難いシステムとなってしまった。 チャート機能がない。ただ一応、1度選んだ選択肢は色が変わりチェックされるようになった。分岐の仕方が複雑怪奇な本作では付けようが無いとも言われている。 もっとも、選んだ選択肢のチェックは前回選んだ・前々回選んだもの、といった区別は存在しないため、他のルートに入るためには色が変わった選択肢であろうが結局は再び選ぶことになる。每プレイ選んだ選択肢をメモでもしない限り、ルート把握が不可能。 エンディングは無数にあるがエンディングリストが無い。 無数、と言っても大まかな話の流れのルートは10に満たない。 周回を重ねるごとに選択肢でエロネタや癖の強いギャグ、メタフィクション的な演出が増えていき、どんどんカオスな状態になっていく。 例:ある場面でヒロインの「私を愛しているか」という問いへの主人公の答え A「愛してる!オレのタマシイを見せたいくらいだ!」 B「大スキだ!コイして!アユして!キスして!」 C「オマエだけだ!新しいオンナができるまではな!」 追加要素における問題点 SFC版も平仮名とカタカナを混ぜ書き(セリフ文に多い。「どうなッてんだ…!?」「うン…ヘンなの」など)している部分はあったが、書き直された際にこの路線がパワーアップ。小説にとって文章は命とも言えるが、そのクセの強さが増した。 新システムである「どんでん返しエンディング」システムがあまり生きていない。 上記の通り、意図的に特定ルートに行くのがかなり難しいため「以前読んだルートのエンディングの続きを見る」というプレイは困難を極める。 「一度読んだルートに来てしまった人へのせめてもの救済措置」と言ったほうが妥当である。 そのどんでん返しも、何度も見ていくとどのエンディングも最終的には「ドッキリだった」「主人公を試すためのテストだった」などのオチに収束してしまう事が多く、興醒め気味になる。 ただし、最終エンディングである「完」にたどり着くにはこのどんでん返しENDも全て埋めなければならない。中には二度三度ひっくり返るものもあるためひたすら面倒なことになっている。エンディングリストが無いことも相まって、コンプリートするのはかなり困難。 多重階層エンディングの中には「特定の選択肢からしかたどり着けない」ものもいくつかあるため、意図的に埋めるためには同じルートに入るように同じ選択肢を選んでいくような必要があるなど、苦行と化している。 ヒロインとのザッピングが、短い上に中途半端。 ヒロイン・奈美の視点で一部のシーンを読めると言うものだが、主人公に比べてあまりに能天気であったり、「お化け屋敷の舞台裏を見せられているようで興醒めだ」という意見も有り、賛否両論。 + 奈美編について 元々のシステムがフラグをアミダのように進む形式のため、奈美編でもそれは変わらず整合性は完全無視のままであり、奈美の視点で見ると意味ありげな彼女の行動の謎が解ける……という訳でもなく、単純にカオスな内容のまま主人公が奈美に置き換わっただけである。 例として、主人公:怪奇現象に怯えている/奈美:この危機を乗り越えれば2人の絆は更に強まると考えて浮かれている、など。 唐突に奈美が行方不明になるシーンがあるのだが、奈美視点でそのシーンを読むと、単純に怪奇現象が頻発するこの屋敷で、1人で出歩いただけだったりする。 そもそも、彼女は全編を通して「プレイヤーの選択(ルート分岐)によって言動がコロコロ変わる」という立ち位置にあるため、そんなキャラクターの視点から物語を読んでも一貫性は保てない。 彼女の心境の変化などを知りたくても、上記のように主人公との仲を深めたいなどと考えたり、舞台となる館の真相を知っているのかいないのか思わせぶりなことを考えたりですぐに主人公視点に戻ってしまうのがほとんど(*2)で、「ヒロインとのザッピング」というアイディア自体に無理があったと言える。 総評 リメイクによりSFC版から劇的に変わったと言えるのはグラフィックが中心で、元々持っていた問題点の多くは据え置き、または問題点であるまま強化されている。 選択肢によって節操なくカラーをかえるシナリオジャンプに慣れたファンであれば許容が出来るかもしれない。 しかし、サウンドノベル式ADVが一般化した後となっては、本作の特徴は「不便」「不自然」と受け取られがちである。 下地がこのような状態であるためか、追加された要素の評判も芳しくない。 オリジナルの持つ個性を捨てなかった事で、『サウンドノベルエボリューション』の一角としては独特のプレイ感を保っている。 しかし1つのADV作品として見ると、内容が混沌としすぎていた。残念ながら、作品を昇華させるには至らなかった惜しいリメイクである。 その後の展開・メディアミックス リメイク版発売以降、様々なメディアミックス展開がなされることになった。 リメイク版の発売と同年、角川ホラー文庫より本作のノベライズ『弟切草』が刊行されている。 小説版の著者はゲームで監修・脚本を務めた長坂秀佳氏だが、主人公が怪奇現象をみて戦慄した直後に何事も無かったかのようにスケベな妄想を始めるなど、ホラーとエロとギャグのどれをやりたいのかわからない内容となっていた。 ある意味、ゲームでのカオスさをそのまま小説にしたものと言うこともでき、その意味ではゲーム版のノベライズとして再現度が高い。 上記の小説版の続編として、『彼岸花』『寄生木』という小説も発売され、3部作となった。 また、『彼岸花』にも続編小説『死人花』『幽霊花』があるため、実質的には5部作である。 後に『彼岸花』も別のメーカーから2002年にGBAとPS2でゲーム化されるのだが…。 PS2版の詳細は『彼岸花 (PS2)』にて。 角川ホラーコミックスより、服部あゆみによる漫画版『弟切草』も存在する。 独自のオリジナルストーリーになっており、こちらはまるで『リング』のような内容となっている。 上記とは別に、小説版を元にしたコミカライズ『弟切草~創世~』(画・小野双葉)もあり、こちらは続編の『彼岸花』も同作者によりコミカライズされている。 実写映画『弟切草』も奥菜恵(奈美と直美の2役)主演で2001年に公開されている。DVDも発売された。 ゲーム版と小説版を混ぜたような内容で、細部の設定は映画独自のものとなり(例として直美が姉ではなく女装した兄など)、小説版の展開とも異なる内容になっている。 肝心の内容はホラーを演出するためかカメラワークや演出加工が過多で見づらく、話自体も設定があまり生かされておらず酷評という散々な結果に終わってしまった。 2005年にゲームノベル(ゲームブック)『八百比丘尼の斎―弟切草オリジナルゲームノベル』も出版された。 著者は原案・脚本の麻野一哉氏で、ゲームの半年後の世界を描いている。 このゲームノベルには誤植が多く、チュンソフトの公式HP(公開終了済)か作者のブログで修正票を見なければまともにプレイできない。
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ウルトラマン Fighting Evolution 【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょん】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション 発売元 バンプレスト 開発元 メトロ 発売日 1998年2月19日 定価 7,140円 判定 なし ウルトラマンゲーム・リンク 概要 登場キャラクター システム 評価点 問題点 賛否両論点 総評 その後の展開 余談 概要 特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する初の3D格闘ゲーム。後に高い再現度と良質なゲーム性でファンを魅了するFighting Evolutionシリーズの記念すべき第一作だが、最初は実験作のような出来であった。 登場キャラクター デフォルトで使用可能 ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウ、バルタン星人、ダダ、エレキング、メトロン星人、キングジョー 隠しキャラ ゴモラ、ゼットン、エースキラー、マグマ星人 システム 『バーチャファイター』、『鉄拳』等の一般的な3D対戦格闘ゲームをベースにしている。 △ボタンでパンチ、○ボタンでキック、□ボタンでガード、×ボタンで軸移動と攻撃はボタン操作が中心。上中下段の概念、小ジャンプ、大ジャンプ、しゃがんでいると投げられない等の要素もある。ただし浮かせ、よろけはない。 ボタンの組み合わせで様々な攻撃ができ、複数のコンボを出す事が出来る。 ウルトラマンでお馴染みのスペシウム光線などの光線技はパンチ+キック+ガードの同時押し。 命中すると体力の半分以上を持っていけるまさに必殺技に相応しい威力である。 勝負が決定するラウンドで相手のライフを0に近い状態にすると相手が「GROGGY状態」になり、必殺技などでとどめを刺せるようになる。『モータルコンバット』のフェイタリティに近いシステムだが、特に特殊な演出はない。 後の作品で高く評価される「ふらふらゲージ」の元になったと言えるシステムである。 評価点 3DCGによるビジュアルの一新 ウルトラシリーズのゲームとしては初のフルポリゴン導入によって、ドットでは表現しきれなかった番組中の独特な質感が表現されている。 背景にあまりポリゴンを裂いていないため、当時としては比較的美麗なCGを実現している。 ウルトラマンゲームとしての魅力 キャラクターの動きは実際に円谷プロ監修のもとスーツアクターからモーションキャプチャーしており、かなりリアルな動きを実現している。 格ゲーとしては全体的にモーションが大きく重い。一見「もっさり」と形容しそうなただの欠点のようだが、この仕様がウルトラマンらしい重厚な動きによる格闘を再現しており、巨大な者同士の戦いのリアルさを良く演出している。 このリアルな挙動の重さは後のシリーズ作品にも脈々と受け継がれており、本シリーズの大きな特色のひとつ。ただし格闘ゲームのシステムと相性が良くないのは事実であり、一作目である本作ではそれが顕著に表れている(詳しくは後述)。後のシリーズはこの大きな良点と格闘ゲームとしての魅力の両立に試行錯誤していく事となる。 登場キャラクターごとに固有のステージが存在し、各作品のOPや劇伴がテーマ曲として流れる。音楽もゲーム用にアレンジされたものでまずまずの完成度。 特にメトロン星人のステージは『セブン』の中でも人気の高い挿入歌「ULTRA SEVEN」が採用されており、シリーズ中で今作でしか聴けない。 効果音やボイスは原作と同じものを使用。ウルトラマンは残り体力が少なくなるとカラータイマーが点滅するという再現もされている。 問題点 格ゲーとしては微妙な出来。 前述の通り一般的な対戦格闘ゲームを踏襲しているが、実際のところウルトラマンの原作再現という要素にさっぱり噛み合っていない。技のバリエーションが乏しい上、ガード、ダッシュの各行動の硬直も長く、キーレスポンスも良くない。 その上ウルトラマンたちの技は基本的に大振りでスローのため、コンボの工夫が出来ない。結局、システムは対戦格闘ゲームに近いがそのようには戦えず、通常技の連発と投げでチマチマと戦う事になる。 必殺技の仕様が酷い。 必殺の光線技は各キャラ一つしか持っておらず、事実上の死に技。発動までかなり隙が大きい上にほとんどが直線上に発動する技のため、通常攻撃で相手を「ピヨピヨ状態」にしないと軸移動で余裕で避けられてしまう。その上ガードされても削りダメージを与えられない。対人戦、対COM戦共に使えば窮地に陥る可能性が高い。 飛び道具を使えないゴモラは必殺技自体実装されていない。この頃は超振動波(*1)の設定がなかったので仕方ないがなぜプレイアブルに採用したのか疑問である。 ウルトラマンの代名詞である光線技がこんな扱いでは台無しであり、格ゲー以前にウルトラマンのゲームとしての面白さも著しく削がれている。 前述したGROGGY状態でのフィニッシュが「必殺技でトドメをさす」原作要素の再現といえなくもないが、特別な演出があるわけでもないのでかなり微妙である。 バトルモードでは敵の登場する順番は決まっている。後に登場する敵ほど強くなるため、初期の敵に配置されているバルタン星人などは常に弱く設定されている。つまりCOM操作の強いバルタンとは戦えない。 COMの反応がやたら良く、難易度が比較的高い。EASY以上で間合いギリギリの攻撃を受けるなんてよくあること。特に挙動の素早いダダやメトロン星人は驚異的な強さを誇る。 ただ難易度は段階が多く、クリアできないほどではない。 試合時間を30秒にし、開幕に一発当てて逃げ回るという方法が一番クリアしやすい。やはりチマチマした戦法だが。 ストーリーモードや固有のエンディングが存在しない。このキャラ数ではストーリーの作りようがなかったのかもしれないが…。 登場キャラのチョイスが謎。ラスボスにゼットンを選んだのは極めて妥当と言えるが、タロウがいるのにその敵怪獣は1匹もおらず(*2)、逆にエースキラーとマグマ星人は主役を差し置いて出演している(*3)。 特に、マグマ星人は戦闘用BGMとして前期主題歌「ウルトラマンレオ」が収録されている。主役出てないのに。 一見第1期~2期ウルトラシリーズから選抜されたように見えるが、『帰ってきたウルトラマン』からは敵味方含め1体も出演していないとあからさまに冷遇されている。 その割になぜかキャラクター選択時のBGMには同作品のMATのテーマ(所謂ワンダバ)が採用されている。 今作での冷遇の反動なのか、次作以降のジャックは高性能のキック技を多数持つ強キャラに仕上がっている。 賛否両論点 原作の描写を無視したモーションの数々。 動きがリアルであると上記で書いたが、格闘のモーションについては逆に再現度が低い。全体的にゲーム向きの派手な挙動が多く、原作のウルトラマンや怪獣のイメージにそぐわないものが多いのである。 膝蹴りを繰り出すゴモラやサマーソルトキックを決めるダダ、ハイキックを連発するゼットンなど、単純に一般的な格ゲーの動きを安易に落とし込んだようなキャラが特に目につく。 その中でもキングジョーは鈍重なロボットらしい動きが印象的な怪獣だったが(*4)、今作では軽やかなステップで宙返りやターンをこなし、パンチや回し蹴りを繰り出すという従来のイメージと全く異なる仕様になっている(*5)。 勝利ポーズでセブンがアイスラッガーを刀のようにブンブン振り回して頭に納めたり、戦闘前のモーションで三人とも必ず手招きの挑発を挟むなど、ウルトラマンにも随所におかしな挙動が見られる(*6)。 しかし、原作では肉弾戦のイメージが薄い怪獣の個性付けにもなっており、ダイナミックで個性的な動きがゲーム独自の魅力を引き出しているとも言えるため一概に問題とは言い難い。実際、バルタン星人やダダは原作準拠のモーションが増えた次作以降も本作オリジナルのモーションが基準になっている。原作無視と取るか、あくまでゲームだからと割り切るかはプレイヤー次第。 評価点に書いた通りステージはポリゴンではなく、3D格ゲーによくある正方形の更地のフィールドに書き割りの背景をくっつけたもの。 キャラクターCGの犠牲になったとはいえ、どうしても貧相で違和感のある外見になってしまっている。キングジョーのステージである神戸港はまるで用水路のような見た目である。 従来のウルトラマンゲームは背景の作り込みでウルトラマンの巨大なスケールを再現した作品が多かったが、今作ではオミットされているためいまいちスケール感を感じにくい。 セブンのステージが雪山だったりマグマ星人のステージが名前通りのマグマ地帯だったり、原作のキャラ設定を考えると首を傾げるチョイスも見られる(*7)。 総評 本格対戦格闘ゲームのシステムをベースに置いてしまったのが、そもそもの間違い。対戦格闘ゲームとしても格闘アクションゲームとしても、中途半端な出来となってしまった。 動きの重さや硬直のため、対戦格闘ゲームのような戦いはできない。かと言ってアクションゲームとしてもストーリーモードがない点や、ウルトラマンや怪獣の派手な必殺技が死に技と化しているなど、こちらも面白味がない。 ただ、酷く不快なゲームというほど出来は悪くないのが救い。大味ながらもなんとか遊べる。 あえて本作の意義を考えるなら、一般的な対戦格闘ゲームのシステムと、ウルトラマンは相性が悪いと明らかになった点だろうか。 本作で出た評価点、問題点、賛否両論点は後の作品にも課題として受け継がれており、ナンバーを重ねるごとに「ウルトラマンゲームとしての魅力」と「格闘ゲームとしての魅力」を両立させるよう改良されている。後の良作に繋がる事を考えれば、本作の存在意義は小さくなかったといえる。 その後の展開 4年後の2002年。シリーズ第2作『ウルトラマン Fighting Evolution 2』が発売。 登場キャラに関しては、初代~レオの各番組の主役と対になる有名怪獣は揃ったが、本作に出ていたエレキングとメトロン星人はリストラされた。 前者は『Rebirth』で復活するが、後者は本作のみの登場に終わっておりゲーム作品の再登場は『大怪獣バトル』まで持ち越しとなった。 余談 時間切れで敗北した際、各キャラがリアクションを取るが、全員妙に人間臭い動きをする。 ウルトラマン達は地面をバンバン叩いて悔しがり、キングジョーはその場でバッタリ倒れ込み、ゼットンは地団駄を踏む。中々見られない光景なので一見の価値あり。
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TRON 【とろん】 ジャンル ミニゲーム集 対応機種 アーケード 発売・開発元 Bally Midway 稼働開始日 1982年 判定 なし ディズニーシリーズ TRON 概要 システム 評価点 問題点 総評 余談 概要 世界で初めて全面にコンピューターグラフィックスを採用した映画『TRON』をモデルにしたゲーム。 (映画と同時企画だったのかどうかは定かではない) ストーリーはプログラマーである主人公がコンピューターの世界に吸い込まれ、反乱をおこしたプログラムと戦うというもの。 映画版のストーリーと細部は異なるが大筋は同じであり、プレイヤーは映画のイメージをゲームに投影する事ができた。 日本での認知度は低いが、アメリカでは大ヒットしたゲームで、80年代初頭レトロゲームの象徴的存在。 システム 操作体系は1レバー1トリガーとダイヤルデバイス。レバーは移動用、ダイヤルデバイスは射撃方向もしくは速度の制御用に用いられる。 交代制での2人プレイも可能。 プレイヤーは、合計12のレベルを攻略していく。 各レベルにはプログラミング言語をモチーフにした名前がつけられている。(RPG, COBOL, BASIC, FORTRAN, SNOBOL, PL1, PASCAL, ALGOL, ASSEMBLY, OS, JCL, USER) 各レベルにおいて、4種類の世界から一つを選択し、ミニゲームに挑戦する。4つのミニゲームをクリアすると次のプログラムと戦う。 Battle Tanks アタリの『アタリコンバット』をモチーフとしていると思われるゲーム。見下ろし型の任意方向転化型STGで、敵戦車を全て破壊するとクリアになる。 Light Cycles 筐体にも描かれ、映画にも登場する特徴的なデザインのバイクを使ったレースを模したゲーム。プレイヤーと敵が移動した軌跡が障害物になり、それに触れるとミスになる。 似たシステムのゲームとして『Wit s』があげられる。 I/O Tower 出現する敵をショットで攻撃し、画面中央の陣地に到達する。 MCP Cone 画面上部から降りてくるコーンに到達するとクリア。コーンの周辺には虹色の壁があり、ショットで破壊する事ができる。 評価点 それまでだれも疑問に抱かなかったであろう「コンピューターとの対戦」という図式に合理的な設定を持ち込むことで、プレイヤー=主人公の図式をアピールし、ゲームとしての臨場感が増した。 映画と内容を合わせることで、主人公を追体験できるようにもなる。 要するに、従来までのゲームと異なり、「映画」を用いる事で今まで「設定」に過ぎなかった世界観に奥行きと彩りを得た。 その斬新なデザインの専用筐体は大きな話題を呼んだ。 アメリカのアーケードゲームはほぼ全てに専用筐体が存在する。(国内メーカーの製造/販売のゲームでも) 黒地に発行する青のレバー、全面に機械的に張り巡らされた赤いライン、覗き込むように配置されたモニター。特徴的な装飾が施されているものの、全体的には飾り気の無いデザインだが、それが返ってコンピューターらしさ を感じさせる。 問題点 当時のプレイヤー達が疑問に抱いたかどうかは不明だが、難易度は最初のステージをクリアすると飛躍的に上昇する。 単純に敵の数が増えることで難易度を増やしているが、Light Cyclesは敵と自分の性能に差が無く、二つ目のステージで敵の数が三人に増加する。 総評 「映画とゲームの融合」を地で行くゲーム。おそらく、企画段階から「ゲームと映画を融合させよう」と考えたものとしては最初のタイトルに分類される。 元々1982年にしてはプログムを題材とする斬新なストーリーと、コンピューターグラフィックを多用して新しい映像を見せた映画『TRON』は、今になって見ればヒットして当然の物であり、それに合わせて作られた本作『TRON』も、ヒットして当然のゲームだったと言えなくも無い。 余談 米国での本作の評価や知名度は高く、アメリカのゲーム雑誌Electronic Games magazineのゲームオブザイヤーに選ばれている他、2010年には映画『トロン:レガシー』と共にリメイクされている。 本作の権利は映画版同様、ウォルト・ディズニー・カンパニーが所有している。 『ロボトロン2084』を商標権の侵害で訴えたが、敗訴している。
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Star Wars Jedi Knight Mysteries of the Sith 【すたー うぉーず じぇだいないと みすてりーず おぶ ざ しす】 ジャンル FPS 対応機種 Windows 発売元 LucasArts【Steam】Disney 開発元 LucasArts 発売日 1998年2月17日【Steam】2009年9月16日 定価 【Steam】310円 配信 Steamにてダウンロード販売中 判定 なし ポイント 『ジェダイナイト』拡張パックマルチプレイキャラ増加劣悪なジェダイ縛り要素 スター・ウォーズシリーズ ジェダイナイトシリーズDark Forces / 1 / MotS / 2 / Jedi Academy ストーリー 概要 ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 ストーリー A Long Time Ago, in a Galaxy Far, Far Away... 遠い昔、遥か彼方の銀河系で… カイル・カターンが父モーガンの使命を受け継ぎ、ジェダイの谷でダーク・ジェダイのジェレクを倒してから5年後。 カイルは帝国軍残党の掃討を試みる共和国軍に協力しつつ、ジェダイの一員として元帝国軍、今は若きパダワンであるマラ・ジェイドと師弟関係を結んでいた。 惑星アルティールVの前哨基地で訓練を行っていた二人は、突如帝国軍残党の強襲を受ける。残党は小惑星に偽装した2つの砲撃基地によって基地の破壊を目論んでいた。 敵シャトルを奪取し潜入を果たしたカイルは砲撃でもう片方の小惑星を破壊し、融合炉を暴走させて脱出する。しかしその過程でシスの神殿が惑星ドロムンド・カースにあるという情報を掴んだカイルは、単独でドロムンド・カースへの調査に赴くことを決意する。 凄腕の傭兵としてフォースに覚醒しながら、新共和国の手の及ばぬ無法地帯で多くの任務をこなすマラ。しかし復讐を糧にジェダイとなったカイルは神殿の調査中、シスの誘惑に抗えなくなっていく。 概要 ルーカスフィルムのゲーム部門であるルーカスアーツによる1997年発売のFPS『Star Wars Jedi Knight Dark Forces II』のスタンドアローンの拡張パック(*1)として、翌年の1998年初頭に発売された作品。 前作同様にFPS形式となっているが、主人公は前半を前作主人公のカイル・カターンが、後半を弟子のマラ・ジェイドが務めている。 ゲームエンジンも引き続き「Sith Engine」が使われている。 ゲームシステム 操作方法 前作から大部分を流用しているため、基本的な点は同じ。 WASD移動、ファンクションキーによるフォース発動、ジャンプ、発砲といった動作も同じ。唯一の変更点としてライトセーバーがデフォルトで右端の0キーから左端の1キーに変更されており(素手の上位互換扱い)、不便すぎたライトセーバー選択が幾分か快適になった。 ゲーム進行 前作同様の直線構造であり、全14ステージ。オートセーブはなく、任意セーブを駆使して進んでいく。前作と変わって特定箇所に設置する爆弾やタスケン変装グッズといったキーアイテムが追加され、一部ステージではクリア必須となる。 また、「ハイジャンプ」「フォース・プル」「フォース・シーイング」「フォース・パースエイジョン(透明化)」といった一部フォースは自動取得へと変更され、「看守の鍵を格子越しに奪う」「隠されたエリアを見つける」「遠距離からレバーを引く」「透明化で監視装置をすり抜ける」といった、任意取得の前作にはなかったフォース利用を前提とした地形パズルが複数盛り込まれた。 前作に存在したジェダイとのボス戦は終盤以外削られ、前半~中盤はオーソドックスなFPS形式となった。 フォース Q/Eキーで選択してFで実行する、もしくはファンクションキーで実行するおなじみの特殊能力。前作と異なり最初から利用可能であり、一部フォースは自動取得・他のフォースもカテゴリ分けされ、シークレット発見数に応じてカテゴリごとの最大取得可能数が増加していくといった形に変更されている。 ステージクリア時に戦績として「スター」が与えられ、そのスターを各種フォース能力に割り当てることでフォース能力が強化される。フォースには移動やアイテム取得に向いた中立・防御や回復を行うライトサイド、攻撃に特化したダークサイドの3つのバリエーションがあるが、前作のように「どちらかしか取れない」ということはなく、両サイドのフォースを同時に取得することが可能。 フォース取得画面は随時Escキーで確認でき、スターの割り振りも可能。上限は最大4つ。 使用武器 それぞれに1~0の数字キーが割り当てられているのは前作と同じだが、幾つか同一カテゴリの上位互換扱いで新武器が追加されたほか、ライトセーバーが素手に統一された結果0キーが空いたことで新カテゴリの武器も登場した。 + 仕様変更・追加された武器 DL-44ヘビー・ブラスター・ピストル ステージ1からスカウト・トルーパーがドロップする、映画でハン・ソロが愛用したことで有名なモーゼル拳銃型ブラスター・ピストル。発射速度は相変わらずだが、非常にブレが少ないため狙撃も可能。ただしスコープは使えない。 ストームトルーパー・ライフル(スコープ付き) スコープを取得することで狙撃銃に変更可能に。消費弾薬が増えるが威力が高くブレのないヒットスキャン狙撃武器として使えるようになる。スコープシステムは同社の『Outlaws』のものをベースとした切り替え方法となっており、使い勝手はやや不便。 フラッシュバン サーマル・デトネーターと同カテゴリに分類される手投げの手榴弾。威力のあるグレネードの下位互換的なポジションであり、使い勝手は悪い。 シーカー・レール・デトネーター 一部ステージで利用可能なレール・デトネーターの別種類弾。追尾性能があり、偏差射撃なしでも当たるようになる。 カーボナイトガン 敵にカーボナイトを浴びせてカーボン凍結させる珍兵器。凍結させた敵は粉々に砕けるが、ダメージ覚悟で何度も浴びせなければ凍らない、射程がライトセーバー並みと凄まじく使い勝手が悪い産廃武器。 ライトセーバー 0キーから1キーに変更されより取り出しやすくなった、映画でおなじみの近接武器。ドロムンド・カース到着時に他の武器が利用不可となるため、使用頻度は高い。 固定砲台 ごく一部のステージに設置された砲台。一撃でタイ・ファイターを粉砕するなどすさまじい威力を持つ。 評価点 フォースパワーを生かしたパズル要素の登場 全フォースが任意取得の前作にはなかった、予め取得されたフォースを利用した、普通のFPSにはない頭を使うギミックが盛り込まれている。やや難しすぎる部分もあるものの、差別化は図られており一風変わったギミック重視のFPSとして楽しむことが可能。 味方NPCの登場 ステージ1やステージ9といったごく少数のポイントのみだが、新たに味方NPCが出現するように。AIは賢くないため誤射も多いが、目の前でストームトルーパー対反乱軍の戦闘が再現されるなど前作には無かった光景が楽しめる。 新たな敵の登場 AT-ATドライバー、スカウト・トルーパー、タイ・ファイター・パイロット、アサシン・ドロイド、巨大生物ランコア、ワンパ、シス・ジェダイ像、シス・アンデッドなど前作以上に多くのキャラクターが登場。特に圧倒的劣勢状態で挑むことになるランコアのインパクトは強く、唯一死亡時の演出が丸呑みになるなどインパクトのある敵となっている。 喋る主人公 友好的なNPCに対して危害を加えないことを話したり、犯罪王ハットを前にしてジョークを飛ばしたり、ドアを開けたアストロメク・ドロイドを褒めたりと随所に挟まれるボイスによって人間味溢れるプレイヤーキャラクターを描いている。 元々『Star Wars Dark Forces』でも主人公の声は多く、それを受け継いだ結果これまのシリーズ同様にただの主人公に留まらないキャラクター性を得ることに成功している。 雰囲気を盛り上げるBGM 前作同様のオーケストラ演奏。映画でお馴染みの曲が流れ、雰囲気の演出に貢献している。 前作同様の場面ごとの転調も健在。ずっと同じ曲が流れ続けるのではなく、戦闘中などと探索で曲が変化するなどゲームに沿った調整が施されている。 AIの改善 フォースプルで手持ち武器を奪っても素手で攻撃してくるようになるなど、わずかではあるが一部AIが改善された。 映画本編の再現 ボーナスステージとしての登場ではあるが、ベスピンのクラウドシティを舞台にしたマップが登場。クラウド・シティ内部の光景や原作通りの終盤展開など開発チームのスター・ウォーズ愛に溢れており、オマケ要素ではあるものの出来が良い。 終盤ではダース・ベイダーも登場。原作通り飛び降りることでクリアできるが、敢えて決闘を挑んで倒すこともできる。 オンライン対戦の改善 前作で好評であった最大32人のオンライン対戦は本作でも健在。新モードが追加されたほか、上述の面子が流用されたことで帝国軍vs反乱軍やダース・ベイダーvsルークといった前作や前々作でプレイヤーが望んでいた対戦がついに実現した。 ウーキーやハン・ソロといった戦闘キャラクター、スノートルーパーなどの派生トルーパーの不在など依然キャラセレクトは完全とは言えないものの、前作と比較しての改善点として評価された。 帝国vs反乱軍の本格的な大規模戦は本作を経て、2004年に『スター・ウォーズ バトルフロント (2004)』という形で結実することになる。 賛否両論点 相変わらず使い勝手の悪いライトセーバー 射程が短く使い勝手が悪い前作のものをそのまま受け継いでしまっており、かなり使い辛い。以下の様々な難点が放置されている。 振る速度が素手並み 攻撃反射能力の有効範囲も狭く連続したレーザー攻撃は防げない 何もしていない時しか攻撃を反射できない 反射した弾が撃った敵に当たるかどうかは完全ランダム ロックオンできないため視界操作が面倒 唯一、0キーから1キーに移されたことで構えること自体は簡単になった。戦闘でなくても金網を破壊するなどパズルで利用する部分も多いため、面倒さがやや軽減されている部分もある。 三度の武器没収 一度目はカイル・カターンからマラ・ジェイドにプレイヤーが変更された時、二度目は任務中に捕まった時、三度目はドロムンド・カースに到着した時から最後までとゲーム中に三度も全武器没収イベントが仕込まれており、武器を集め温存するプレイヤーの努力が無駄になっていく。 この仕様によりせっかく追加されたはずの武器がシングルプレイでほとんど役に立たないという事態に陥っており、特にブラスター・ライフル用スコープとシーカー・レール・デトネーターは二度目の没収以後通常プレイでは取得できないなど扱いが悪い。 エンディングの一本道化 シスに転向しようとするとカイルに殺されバッドエンディングではなく死亡扱いとなるため実質ライトサイド一本道となっている。前作のような分岐ムービーがなく周回要素が減った反面、分岐の制約なく自由に取得するフォースを選べるといった利点もあり一長一短。 攻略法が分かりづらすぎるラスボス戦 本作のラスボスは倒すことが出来ず、武器をしまい素手になることでムービーが挟まれエンディングとなる。しかしそれが本編中で説明されることはなく、唯一のヒントは「ライトセーバーを地面に置いて座るジェダイの壁画」。怪しく光ってはいるため目には付くがヒントとするには遠まわしすぎる上に、シスの宮殿にしては壁画の内容がおかしいという突っ込みどころもある。 仮に倒せないとしても一定時間耐えれば自動的にムービーに移行するといった展開であれば初心者でも気付けただろうが、そういった救済要素はない。ステージ14道中が凄まじい難易度を誇るのもあり、そういった演出重視の手法だと見抜けずに戦ってしまうことになる。 問題点 戦略性のないライトセーバーでの決闘 本作のライトセーバーは振っていない間だけ、正面からのレーザーとセーバー攻撃のみ防ぐという自動防御式であり、任意で防御体制にすることが出来ない(*2)。実質的に「距離を取りつつ隙を見てライトセーバーを振るだけ」と単調であり、追従カメラもないため隙の読みあいによる高度な剣戟には程遠い。 同時に最大4体のライトセーバー持ちと対峙するなど前作よりもさらに難易度が上昇しており、結局のところ攻撃と防御を駆使するというよりは防御されないよう相手の周りを回りながらライトセーバーを振り続けるのが最適解の戦闘が多い。 性能が悪過ぎる新武器 ピストルやライフル、グレネードといった各カテゴリの互換枠としていくつか武器は追加されたものの、ライトセーバーのカテゴリ統一で空いた枠に追加された唯一の新カテゴリ武器「カーボナイトガン」があまりにも産廃すぎるとして突っ込まれた。 敵を凍らせるというアイデアまでは良かったが、その短すぎる射程距離がゲーム性と全く噛み合っていない。その上登場するステージが遅すぎた結果遠距離攻撃を行う敵と即死級の近接攻撃を放つ敵の登場するステージでしか利用できない。本作ではガモーリアンも強化されているため、全ステージで登場したとしても有用な使いどころは皆無。 後述の仕様もあり、殆どの場合一回使われた後は射程距離の近いライトセーバーにその座を奪われる。 シス神殿の異様な敵配置 ステージ12からステージ14(ラスト)までの舞台である惑星ドロムンド・カースではシスの暗黒パワーによりこれまで入手した全銃器が利用不可となり、プレイヤーはライトセーバーとフォースのみでラストまで辿り着かなければならなくなる。今まで集めた武器弾薬が全て使えなくなる上に今まで利用する機会の少なかったライトセーバーに持ち替えなければならないなど唐突にゲーム性が変化するため、プレイヤーの多くが戸惑うことになる。 ステージ12では一撃が重いワンパが大量出現し、ステージ13ではライトセーバーを使うシス・ジェダイ像が同時に複数体出現、ハズレ部屋では高速移動し即死攻撃を繰り出す虎型生物ヴォンスクルがプレイヤーを葬る。それらを乗り越えたステージ14でも攻略ルート上にヴォンスクルが大量に配置され、遠距離の電撃攻撃を繰り出すシス・アンデッドまでこれまた複数体登場する。 これらを武器なし・回復アイテム補給ほぼなし・ライトセーバーとフォースのみで切り抜けなくてはならない。難易度最低のイージーならまだしも標準難易度のミディアムではかなり厳しく、前作以上にフォース・ヒーリング一強となっている。 総評 『スター・ウォーズ』ファンも納得のFPSとしてその完成度を評価されたジェダイナイトシリーズの1作目『Star Wars Jedi Knight Dark Forces II』の後日譚を描き、拡張パックとして単品販売された作品。 荒削りのジェダイ要素はそのままに終盤ステージを実質的なジェダイ要素縛りに変更した結果、システムの不完全さが余計に足を引っ張る形となってしまっている。ただしそれ以外の前半~中盤までの出来は『Dark Forces II』の正当進化とも言える内容に仕上がっており、マルチの強化や前半部分の完成度を評価するか、後半のゲームバランスを酷評するかで評価は分かれている。 余談 現在で言うDLC的立ち位置ではあるが、本作は単品でパッケージ発売されていた。後に前作とカップリング発売もされたものの、Steamでも独立作品(半額ではある)として販売されている。 前作から各種チートコマンドワードが変更されているため、前作のものを入力しても恩恵は得られない。 前作のダーク・ジェダイには爆弾ダメージが効かなかったが、本作のボーナスステージに登場するダース・ベイダーには爆風ダメージが入るようになっており爆発武器でベイダー卿を倒すことも可能。 本作のジェダイ戦はどれも爆発武器利用不可ステージでの登場のため、AI設計段階で対爆風ダメージを設定し忘れたまま気付かずに放置され、そのAIをダース・ベイダーに流用した結果爆発ダメージが入るようになってしまったのだろうと考察されている。このため、この調整ミスが本編内容に影響することはない。 イースターエッグ要素として本作中盤に前作の悪役である8t88の頭部と前々作の敵キャラであるダーク・トルーパー・フェイズ2の頭部が飾られている。通常プレイで通る場所にあるため見つけやすいが、特にストーリーに関わってくるわけではない。 前作でカイル・カターンを演じたジェイソン・コートの引退もあり、声優は変更されている。また、ムービーも実写ではなく3DCGへと変更されており、グラフィックも高性能機を利用したプリレンダリングではなく、本編と同等の粗いポリゴンとなっている。 マルチプレイとボーナスステージのみの登場にもかかわらず、ドイツ版のカップリング版パッケージにはダース・ベイダーが起用されている。 北米版パッケージはマラ・ジェイドとなっているが、小説発のマイナーキャラだったため原作ファンに受けないと考えられた可能性が高い。同様に『Star Wars Dark Forces』のパッケージもオリジナルキャラのカイル・カターンではなくストームトルーパーが勤めている。
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かいぞくポップ 【かいぞくぽっぷ】 ジャンル アクション 対応機種 Windows/Mac OS X(Steam)Newニンテンドー3DSWii UNintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売元 【PC】13AM Games【3DS/WiiU/Switch】レイニーフロッグ 開発元 dadako 配信開始日 【PC】2016年11月4日【3DS/WiiU】2017年2月22日【Switch】2018年8月9日 定価 【PC】498円【3DS/WiiU/Switch】500円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし 備考 3DS版はNew3DS専用 ポイント バブルを消していく攻撃固定画面アクション某レトロ携帯ゲーム機の外観再現とカスタマイズボリュームは価格相当の小粒さ 概要 ゲームルール 評価点 問題点 総評 概要 日本のインディーゲームスタジオであるdadakoが開発したダウンロード専売ソフト。海外におけるタイトル名は『Pirate Pop Plus』。 ジャンルは横視線による固定画面アクションゲームで、クリアの概念が存在しないエンドレスゲームとなっている。 「ビートJr」率いる4人の主人公が、悪名高き「バブル海賊」の放つ泡を愛用のイカリで消していくというストーリー設定。 本作はモノクロ画面による架空のゲーム機「ポケットゲーム」で作られたゲームソフトという設定でもあり、作中においてその設定が反映される。 ゲームルール ゲームの流れ 「ノーマル」と「ハイパー」の2段階の難易度があり、好きな方をプレイしていく。ただしハイパーに関してはコイン25枚の消費が必要。 ハイパーはバブルの出現率や分裂状態が非常に激しく、生き残るのが極めて困難。一方で常時スコアに倍率がかかり、コイン関係のアイテムの出現率が非常に高い。 本作にはクリアの概念はなく、ゲームオーバーになるまで延々とゲームが進行していく。時間経過でレベルが上がり続け、徐々に難易度が上昇する。 ゲームオーバー後はそれまでに稼いだスコアがベスト5のランキングとして記録される。ランキングは両難易度共通でネームエントリーに対応。 ステージルール 『ポンピングワールド』などで知られる「ワイヤーでバウンドするバブルを攻撃する」タイプのアクションゲームである。 主人公は左右移動とワイヤーにあたる上方向へのイカリ攻撃の操作を行う形となり、そこから無限に湧いてくるバブルに対する対処をしなければならない。 イカリは「攻撃の持続時間は長いが隙も大きい」という特性があり、バウンドするバブルを潜り抜けつつもタイミング良く攻撃する必要がある。 本作のステージフィールドは非常に狭いため、ただ適当にイカリを放つだけでは袋小路に追い込まれやすい。ここをどう耐え抜くかが本作における課題となる。 バブルは攻撃を加えるたびに2段階まで縮小分裂し、もっとも小さい状態でないと消滅しない。難易度やレベル進行によっては分裂がより激しくなってくる。 時間経過で「重力が上下左右のいずれかに変更される」というギミックが発生する。 重力の向きが変わる影響で主人公が空中に放り出される現象が起きるが、この間の主人公は無敵で、さらには踏み付けでバブルを消せる攻撃判定が発生する。 重力変更の際には事前に警告表示がされる。どの方向に重力が働くかは完全ランダムで、場合によっては警告後も重力がそのままに留まるケースもある。 新たなバブルの出現や重力変更の際にはバブル海賊が出現し延々と妨害を繰り返してくる。この時、攻撃を当てるとひるませられるものの倒す事はできない。 バブルに触れるとダメージによる「ハート」が消費され、すべてのハートを失った後にダメージ受けるとゲームオーバー。 ハートの初期数はノーマルでは3~4ポイント(使用キャラによる)、ハイパーでは1ポイント固定。コンティニューの機能は搭載されていない。 操作体系 アナログスティック等左右で主人公の移動、ボタンで主人公の上方向にイカリ攻撃を行う。空中にいる状態では若干の移動制御も行える。 アイテムについて 「泡を消す」「自然出現」等の条件で以下のアイテムが出現し、主人公に様々な効果をもたらす。 リバース以外のアイテムは大小様々なスコアボーナスも同時に入る。原則として出現頻度の低いアイテムになるにつれ入手スコアが高くなる傾向がある模様。 攻撃アイテムの併用はできず、別のアイテムを取得すると前の効力が初期化されてしまう。また同じ攻撃アイテムを連続取得すると使用回数が増える。 + アイテムの種類一覧 コイン もっとも出現率の高い通貨アイテムで、溜めておくと後の買い物などに使用できる。 宝箱 触れると大量のコインが噴出する。出現頻度は非常に低いが、ハイパーにおいては出現率が上がっている。 フルーツ スコアアイテム。複数種類のフルーツあり。 パネル 「B」「O」「N」「U」「S」の5種類あり、すべて集めるとコインが爆発的に噴出され、さらにはフリーズの効果も発動される。 クランプ 攻撃アイテム。放たれたイカリの攻撃判定が画面内に残り続ける。バブルに触れる消滅。回数制限あり。 エアガン 攻撃アイテム。イカリの代わりに銃攻撃が行える。イカリではありえないレベルの連射が可能。回数制限あり。 倍率 攻撃アイテム。バブル攻撃時におけるスコア倍率を2倍にする。回数制限あり。 シールド 主人公周りにシールドが張られ、体当たりでバブルを消せる。制限時間制。 フリーズ 一定時間、バブルの動きが停止する。ただし無敵ではないため、泡に触れるとダメージを受ける。制限時間制。 矢印 4種類の矢印があり、取得後にすぐさま矢印の方向へと重力が働く。 リバース マイナスアイテム。主人公に黒くなった上で操作が反転してしまう。制限時間制。なぜかハイパーでは出現しない。 ハート ライフが1ポイント回復する。 買い物について ゲーム画面の外枠にはポケットゲームがはめ込まれる形で表示されており、買い物をする事により外観のカスタマイズが行える。 カスタマイズできる素材は「本体の色」「画面のモノクロの色」「フレームの色」「十字ボタンと攻撃ボタンの色」「ステッカーの貼り付け」が存在する。 各素材には複数の色及びステッカーがあり、消費されるコインはピンキリに設定されている。どの色やステッカーを選んでもゲームそのものに変化はない。 ゲーム中に使用できる主人公(3キャラ)や楽曲(3曲)の購入も行え、一度購入したキャラや曲は自由に選択可能となる。 使用キャラにはそれぞれ「ハートの数」「移動速度」「スコアの稼ぎやすさ」の差別化がなされている。ただしハイパーでのプレイは全員同じハート数となる。 その他にも「ハイパーのプレイ料金(上記)」や「実績獲得のヒント表示(下記)」においてコインの消費が必要。 実績について ゲーム中にとある条件を満たすと「実績」を獲得できる。全12種類あり。未達成の実績はコインを支払う事によりヒント表示の確認が可能。 評価点 バブルを消していく爽快感 プレイ感覚は『スーパーパン』と同様の、「イカリを放ってバウンドするバブルを延々と消していく」という分かりやすいもの。 ステージフィールドが非常に狭いために大掛かりな行動が行いにくいが、それ故に「限られた範囲でどう行動していくか」という緊張感が生まれる。 分裂したバブルは確実に行動範囲の妨げと化してくるので、「どのタイミングでバブルを攻撃するか」という駆け引きが重要となってくる。 定期的に出現するアイテムの活用もゲームを有利に進めてくれるため、「危険な状態でも一発逆転」というカタルシスが存分に感じられる局面も多い。 重力方向変更の概念により、状況次第でピンチにもチャンスにもなる意外性も含まれている。空中におけるバブル踏み付けはなかなかに豪快。 嬉しいやり込み要素の数々 集めたコインで買い物をするという二次的な目的があり、ゲーム本編とは違った方面でのお楽しみがある。 ゲームの本質と直接関わるものではないが、ポケットゲームのカスタマイズにより様々な色変更やステッカー貼りで外観を変更できる機能が凝っている。 購入分含め主人公が4キャラおり、気分一新で色々なキャラを使用できる。なお一部のキャラは別のゲームからのゲスト参戦である。 ゲーム中に流れるBGMは購入分を含め4曲存在するが、そのどれもが某携帯ゲーム機を意識した良質なピコピコサウンドで演奏される。 問題点 ハイパーの絶対優勢ぶり 圧倒的にスコアの入手効率の良いハイパーの方がハイスコアが出しやすく、ノーマルの不公平感が激しい。 「常時スコア倍率がかかる」「スコアの効果も兼ねたコイン系アイテムが大量出現する」といった優遇さで、確実にハイパーの方がスコアが稼げてしまう。 スコアランキングはノーマルとハイパーの一括で記録される。よほどの長期戦でもない限りはノーマルがハイパーに追いつく事はできないにもかかわらず。 ハイパーのプレイはコイン25枚の消費が必要だが、普通にプレイすれば一瞬で25枚以上を稼げてしまう。一方のノーマルはコイン稼ぎにかなりの時間を食う。 モノクロ画面の見辛さ 本作はレトロゲームの再現という事でモノクロベースの色使いで画面が映されるが、状況によっては事の状況が分かりにくい場合がある。 特に顕著なのが「小さいバブルやコインが大量同時出現している」状態で、お互いのグラフィックが非常に似通っているため何が何なのかが非常に見極めにくい。 またカスタマイズにおける画面の色変更によっては、非常にギラギラした色使いで視覚的に疲れる配色のものもある。 ゲームとしての小粒さ やり込み要素があるとはいえ、基本は変わり映えの乏しいゲームの繰り返しでしかないため、ある程度やり込むとマンネリを覚えてしまう。 価格を考慮すれば十分なボリュームではあるものの、あまりがっつりとやり込むタイプのゲームでもないため、熱が冷めるのもまた早い印象。 総評 『スーパーパン』系列の派生系としては上手く作られている一作で、バブルを消す爽快さやスコアを稼ぐ面白みがコンパクトながらも詰まっている。 アクションゲームとしては良くも悪くもライト趣向の内容で、無難に楽しめる反面飽きやすさも否めない。それをどう捉えるかはプレイヤー次第であろう。
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ワイリー ライトのロックボード ザッツ☆パラダイス 【わいりーあんどらいとのろっくぼーど ざっつぱらだいす】 ジャンル ボードゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ 開発・発売元 カプコン 発売日 1993年1月15日 定価 6,500円 判定 なし ポイント ロックマン版モノポリーロックマンの出番はほぼ無い ロックマンシリーズ 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 広大なフィールドを駆けめぐり、理想の世界にするのは誰?運命のルーレットは、奇想天外なドラマへと導いてくれる。これから体験する様々な出来事は、理想の世界にするための試練なのだ。お金の使い方、土地売買の駆け引き、カードが導く意外な出来事etc...これらすべてをクリアした君だけに、運命の女神が微笑む。THAT S PARADISE!! (パッケージ裏より) 『ロックマン』シリーズのキャラクターが登場するボードゲームで、一言で表わすと「ロックマン版モノポリー」。 マップ上の土地を買い建物を建ててゆくことで資産を増やし、目標を達成する(または対戦相手を破産させる)ことを目指す。 『ロックマン5』と『6』の間の時期に発売された。既にSFCが普及していた時代であり、ややマイナーな存在。 特徴 「土地を買う→建物を建てる→建物を増築する」の手順で自分の物件を強化し、その物件のマスに止まった他プレイヤーから使用料を徴収するのがゲームの基本。ときには他プレイヤーの物件を高値で無理矢理買収することも必要。 破産制(いずれかのプレイヤーが破産するとその時点で終了、順位付けをする)・バトルロイヤル(破産者が出ても、残り1人にならない限りは続行する)の2種類のルールがある。どちらのルールであっても、いずれかのプレイヤーが勝利条件(土地数、建物数、総資産額)を達成した状態でターンを終えることでも決着する。 決着が付いた後は勝利キャラクターの画面表示後に次のステージに進んで再びゲームが開始され、メガロポリスで決着が付くとエンディング(後述)が流れても流れなくてもタイトル画面に戻り完全なゲーム終了となる。 モノポリーで言う色・いたストで言うエリアに類似した独占要素がある。 隣接するマスの土地を所有することで使用料が急増し、3マス以上を繋げられればさらに効果アップ。建物の場合も同様のボーナスがつく。 自分の土地に自分の建物を建てた場合も使用料ボーナス。 逆に言うと、他のプレイヤーの土地に建物を建てることも可能。建築費用が余計にかさみ(そして地権者に手数料として取られる)、地権者には通常より安価に買収されるというリスクはあるが、そんな贅沢は言っていられない。 人間・CPU合わせて2~4人までプレイ可能。 プレイヤーキャラクターはワイリー博士・ライト博士・ロールちゃん・コサック博士・カリンカの5人から選択する。 ロックマンは冒頭の解説役とカード、エンディングのみの登場とシリーズでは珍しい脇役。 「研究所を建てて世界征服」のDr.ワイリー、「研究所を建てて世界平和」のDr.ライト、「病院を建てて人々を幸せに」のロールちゃん、「研究所を建てて思う存分研究」のDr.コサック、「お城を建ててお姫様になる」のカリンカとそれぞれ個性的な目的で参戦している。 各キャラクターには顔アップグラフィックが用意されており、イベントに応じて表情を変える。 マップは4種類存在する。その1つ「グリーン大陸」のBGMは、『2』のウッドマンステージのアレンジ。 ロックマンの他、ブルース・ラッシュ・エディーはアイテムカードとして出演。また敵側のマスコットキャラクター(?)「レゲー」のデビュー作でもあり、「引いたプレイヤーに損をさせるカード」として出演している。 この他、各作品のボス敵もカード化されて登場している。出典は『1』から『4』まで。カードを使用すると本当にそのボスが現れ、攻撃アクションを行う。 更に『ワールド』シリーズのボス・エンカーとクイントまでカード化。原作とは違い強力なカードである。 なぜか『3』のザコ、ピッケルマンブルまでカード化されている。名前に「マン」が付くからボスと間違えられたのか? バブルマンのカードを使用すると地価が暴落するあたり、時代を感じさせる。 「変身マス」に止まると、お馴染みのボス登場SEとともにプレイヤー自身がガッツマン・ダストマン・シャドーマンのいずれかに変身する。変身状態では使用料の支払いが発生せず、他プレイヤーの建物に止まった時に損害を与えることができる。 建物を破壊してランクを下げるガッツマン、使用料を逆に吸い取るダストマンは優位に立っているプレイヤーにとって脅威。 所有者のカードを盗み取るシャドーマンはぶっちゃけ地味。 次に変身マスを通過するまでずっとそのままであり、変身中は土地や建物の購入ができず周回ボーナスすら得られない。建物がほとんど存在しない序盤に踏むと悲惨。 自ターン、ルーレットを回す前に限り他プレイヤーと物件を売買するなどの交渉が可能。ただしCPUは交渉を一切仕掛けてこないため、存在が忘れられがち。 モノポリーでは重要な要素なのだが、取っつきづらさの最大の要因でもある。キャラゲーでもある本作でのこの扱いはある意味妥当。 単にハード性能の関係かもしれない。毎ターン長考されたりしても困るし。 他キャラクターが建物に止まった場合低確率で発生するイベントにおいて、キャラクター間の性能差がある。 たとえば、止まった相手にカードを引かせてあげるライト博士は弱キャラ、入院と称して1回休みを強要するロールちゃんは強キャラと言える。発生頻度の関係上大した差にはならないが、裏を返せばハンデとしてもあまり機能しないということである。 エンディングを見る為には最も規模の大きいマップ「メガロポリス」をプレイ(*1)し、土地の保有率(ゲーム中の表記はとうちりつ=統治率)を70%以上にしてクリアする必要がある。 達成するのは人間プレイヤーでもCPUでも構わない…のだが、CPUはまず条件を達成できるプレイングを行わない。またCPUが勝利した場合、キャラクターの勝利画面は表示されない。 ちなみに「他のプレイヤー全てを破産に追い込む」という条件はガセ。 本作の地名度はあまり高くはなく、攻略本も発売されなかった為、正確な条件がほとんど認知されていなかった模様。 評価点 原典シリーズのサブキャラクター達が主人公として登場するゲームは貴重である。 特にコサック父娘をプレイヤーキャラクターで使用できるのは本当に貴重。カリンカは後の『ロックマンXover』で再登場したが、コサック博士は初登場の『4』以外で活躍した唯一の作品である。 池原しげと・有賀ヒトシ・出月こーじの3氏の各コミカライズでは、その後も出演している為に誤解されがちだが、ゲームでは出演作が殆ど無い2人なのである。 ちなみに本作でのライト博士のCPU操作時の性格は「ワイリーだけでなくコサックも敵視する」とされている。何とも意味深である…。 また、ロールちゃんが喋った初のゲームだったりする。 各カードの効果やマスの演出など、ネタのリスペクト度はなかなか。 ワープマスではラッシュコイルが登場、マップによっては競馬ならぬ競メットールも開催される。 モノポリーベースのゲームとしては非常に初心者に優しい。 上述の交渉の件のほか、株や抵当なども存在しない。最低限独占のルールだけわかっていればそれなりに楽しめる。 インターフェースが良好。所持金やマップの状況を確認する操作も容易で、無駄な待ち時間も少ない。総じてストレスの溜まりにくい作りになっている。 勝利条件を自由に変更可能。目標資産額をとんでもなく高い値に設定すれば、破産による決着のみという形式にもできる。エンディングを見たいならこうするのが手っ取り早い。 問題点 パスワードやセーブ機能は無い。 マップクリア後すぐに次のマップでのゲームが始まるが、4マップの通しプレイにはかなりまとまった時間が必要。 ただし、戦績などが記録されているわけではないので通しプレイ自体に特に意味はない。 勝利条件を変更しても、1プレイの所要時間は「ある程度」調整できるにとどまる。ハードルを下げ過ぎると面白くなる前に終わるし、上げ過ぎてもそのうち破産によりゲームが終わるため。 CPUの強さを設定できず、やや弱いという程度で固定。 買収や競売、カード使用対象の選択といった局面では疑問手をしばしば打つ。特にカード使用はイマイチ。 お金の使い方がへたくそ。このゲームは『いかに土地を買い占め連結させるか』が勝利の近道なのだが、CPUはやたらと「人の土地に使用料を払ってまで」建物を建てたがる。結果、大した土地占有ができないまま金欠になり、その後の動きが鈍ってしまう。 弱すぎて相手にならない、とまでは行かないのが救い。 逆転要素に乏しい。 一応「独走状態のプレイヤーはレゲーカードを引きやすい、変身による被害を受けやすい」といった対策はなされているが、それでも劣勢からの挽回は難しい。 競技性の高いモノポリーであれば問題ないが、パーティゲーム色の強い本作としては欠点と言って差し支えない。もう負けが決まっているのにルーレットを回し続ける状況は確実に熱が冷める。 それを避けるために勝利条件というシステムがある、とも言える。対人戦をやるときは破産制、かつデフォルト以下の勝利条件でのプレイが無難だろう。 総評 モノポリーをベースに大幅な平易化を施して方向性もやや異なるものになっているが、ボードゲームとして十分なゲーム性を維持している。 またキャラゲー的な意味でも良質なスピンオフ作品と言える。シリーズファン向けのパーティゲームとして十分勧められる出来だろう。 同時代の桃鉄(SFC)では既にキングボンビーが登場していたことを思うと、さすがにボリューム的に劣る感は否めないが。 余談 外注開発によるゲームボーイ版の発売も予定されていたが、未発売に終わっている。
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脱出アドベンチャー 旧校舎の少女 【だっしゅつあどべんちゃー きゅうこうしゃのしょうじょ】 ジャンル 脱出ゲーム 対応機種 ニンテンドー3DS メディア ダウンロード 発売元 アークシステムワークス 開発元 インテンス 発売日 2012年8月1日 定価 734円(税込) プレイ人数 1人 セーブデータ 1個 レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 なし ポイント アイテムを改造・修理できる登場人物消化不良気味なシナリオ 概要 登場人物 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 アークシステムワークスの脱出ADVの第一作。 時計や機械の分解が大好きな女子高生を主人公に、学校にある旧校舎での冒険を描く。 登場人物 時野若留 本作の主人公で、赤ぶち眼鏡をした女子高生。若留は「わかる」と読む。 両親が事故で他界しており、祖父が時計屋に引き取られる。本人も時計の修理技師の資格を有している。中学のときは内気な性格だったが、現在では若干無鉄砲な性格になっている。 時計修理用の工具を内蔵する特別な腕時計をしている。腕時計からは必要に応じて、精密ドライバー・ルーペ・こじあけ用のナイフが出てくる。 鍛冶野彦道 幼馴染。けだるげでだらしない雰囲気をしているが熱血漢で道理の通らない話しを嫌う。 若留の心理面の弱さを理解しており、大事なときには付き従うパートナーのような存在。 ゲーム中でも、体格の良さや力を活かした行動をしてくれる。 千波鏡華 大人しめの同級生。若留の旧校舎探索に同行する。 須佐見秀ノ介 静養のための転入してきた、理知的な眼鏡の男子学生。とある家族の写真を大切に持ち歩いているようだが…。 システム 物語を読むパートと、パズルを解くパートと分かれている。 各自登場人物が、身上の話やこれからの目的を語ったり行動するパートを読んだ後、閉所や閉ざされた扉からの脱出を試みるパズルパートを交互に繰り返す内容。 十字ボタンの上入力することで、常にバックログ確認可能。下入力で、既読箇所を早送りできる。 密室の調査 脱出パートでは、基本見回し可能な開かずの間をタッチペンで探索することになる。 基本、3DS下画面に表示される部屋の怪しい箇所・気になる箇所をタッチしていく。 そしてアイテムを回収・行使したり、扉に秘められたギミックを解除して先に進むという流れ。 持ち物 攻略中に拾ったアイテムは、持ち物の一覧から確認できる。 持ち物は「観察」「手に持つ」「他のアイテムと合体させる」のいずれかができる。 手に持った状態で適切な場所を調べると使うことができる。画面右上に、現在何のアイテムをもっているかが表示される。 持ち物を観察することで、登場人物たちが先に進むには何が必要なのか閃いたり、アイテムそのものを分解・修理する画面に移行することもある。 アイテムの分解・修理 特定の物体を調べると移行する。物体を画面いっぱいに観察しながら何かしらの操作をするモード。 タッチ操作を活用して、ねじを外して分解したり、心臓部を観察して修理をしたりなどできる。 修理などの目的達成で、適宜上記の密室探索のパートへともどる。 その他 全4章で最後にセーブしたところからスタートするか、あるいは一度クリアした章の最初からチャプターセレクト可能。 ストーリーチャートは1本道。寄り道のために別の謎を解くといったことは無い。 原則いつであっても、Startボタンをおすとセーブできる。またセーブ画面にてヒントを閲覧可能。ヒントを選ぶと若留たちが攻略方法に関して、何かしらのヒントを喋る。 評価点 各キャラクターのかけあい ひとつのアイテムを調べるにあたっても、各キャラクターが掛け合いをするのでゲームが殺風景にはならない。 またアイテムや怪しい場所を2回目以降調べると、こういった攻略に直接関係の無い会話も省略され端的になる。逆に2回目以降に重要なヒントを言うこともある。 主人公の若留は、とりあえず怪しい物事には片っ端からトライしてみる性格があり、無鉄砲なところが鼻につくプレイヤーはいるかもしれないが、システム面でプレイヤーに対して不利益をもたらすことは原則なく、ゲームの進捗に一役は買っている。 ゲームタイトルについて タイトルにもなっている「旧校舎の少女」についてはゲームシステムを利用したからくりが仕込まれている。からくりについては気づいた人からは概ね好評。 アイテムを分解・修理できる 主人公が機械に強く、さらには機械をいじくるための道具一式を所持している、という設定は脱出ゲームとしては案外珍しい。ドライバーも標準装備として持っているので、ドライバーを探すという他ゲームでありがちな工程をスルーできるのはある意味斬新。 本作は手に入れたアイテムそのものを、分解したり内蔵されているパズルを解いてみたりとできるので、プレイ中のアクセントにはなっている。 タッチという簡単な操作だけで、機械内部を結構細かく動かせるのもポイント。 中断のしやすさ いつでも(イベントや会話中であっても)Startボタンでセーブ可能。 賛否両論点 ヒントがあまり役に立たないことが多い。 「どこかまだ調べてない場所を探して見たらどうか」といったものが多く、的確なヒントを出すのは特定のパズルを解いている時のみ。謎解きゲーである以上、完全な答えを出してしまうのも問題だが。 シナリオが全体的に急展開 値段相応の短めなシナリオの中で多少強引に起承転結を作ろうとしている事もあり、説明不足だったり心情の変化に違和感を感じるような展開も多い。 ただ短い中にしっかりシナリオが詰まっているとも言え、シナリオ展開が間延びする事なく最後まで楽しめるシナリオになっている。 未解決の謎が多い ホラー寄りのシナリオという事もあり、そういうものでは定番である残った謎で後を引くような終わり方となっている。 どうしてもこういった展開については、それが味と取る人と、中途半端でもやもやするという人で意見は分かれる要素。 最終的にこのシリーズは7作目まで続いたこともあり、本作で振った伏線については凡そ続編で解決したものの、一部は明確な答えが出ないままとなっている。 問題点 描写不足が感じられるキャラクター達 + ネタバレ注意 悪役となる人物の描写が安定していない 序盤から妙に怪しい雰囲気を醸し出し、中盤で毒ガス攻撃して監禁してきたかと思ったら、主人公の説得であっさりと主人公サイドに鞍替えしたりと、行動に一貫性が無いように見える。 内面でかなり悩んでいたのは読み取れるが、それにしても極端すぎる展開は気になりやすい。 もう一人についても本作時点ではキャラ描写が薄い。 かっこいい回想シーンが描かれたりはするのだが、終盤は謎を解く若留や事件に深く関わる犯人と異なり、若留の為についてきている形である為、半ば蚊帳の外に追いやられてしまう。 タイトルギミックへの誘導が甘く、全く気づけないプレイヤーが発生 ゲーム中で気づけなくてもシナリオ上で違和感を感じてクリア後に調べて気づいて驚いたという声もあるが、逆に言えば明確な答えをゲーム中で気づけない人は最後まで気づけない。 ホラー要素のあるゲームでは謎を残すのも定番だが、そもそもギミックの存在にすら気づかせないのはゲーム構成に問題があると言える。多少強引にでもギミックへ誘導すべきだっただろう。 + ギミックのネタバレ注意 タイトルの「旧校舎の少女」に関して、バックログにギミックが仕込まれている。 主要人物に一人、人外の存在が紛れ込んでいる。 当該人物は主人公以外との会話が成立していなかったり(他の人物は主人公だけに話しかけている)、「数人寄れば文殊の知恵」のように違和感のある言葉が使われているが、これをバックログで確認すると、該当人物が存在していなかったり、代わりにある動物の存在が描写されていたり、「三人寄れば文殊の知恵」と正しい言葉が使われている等、「バックログが本来の出来事」というギミック。 ただし、バックログは使わない人は全く使わない機能である為、最後までバックログを見ず、シナリオが変だとは思ったがギミックの存在に全く気付かなかったというプレイヤーもいた。 また、このギミックの都合上、間違えて読み飛ばした場合に読み飛ばした部分を確認しようと思っても変化部分は確認できないという本来のバックログ機能に求められる物が欠けている問題もある。 一部の謎解きの判定がシビア 特に3DS画面の端っこに描かれているネジはタッチペンに反応しにくく外しづらい。 総評 機械に強い主人公を引っさげ、アイテムを直接分解修理できる脱出ADV。寄り道要素はなく、価格相応に小粒で無難にまとまっている一作である。全体的にストーリーは急ぎ足で、舞台となる旧校舎について謎は多く残る。