約 3,287,410 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6603.html
3D少女 カスタムエボリューション 【すりーでぃーしょうじょ かすたむえぼりゅーしょん】 ジャンル 3Dリアルタイムカスタムエッチライフシミュレーター 画像掲載自粛 http //www.amazon.co.jp/dp/B00F32VEIW 対応機種 Windows XP~8(32bit/64bit) 発売元 Bullet 発売日 2013年11月15日 定価 8,800円(税別) レーティング アダルトゲーム 配信 2014年12月5日/7,639円 判定 クソゲー ポイント 前作ユーザーによって作成されたMODの全否定単体で見ても内容スカスカのゲー無 概要 ゲーム中でできること 問題点 一応評価できる点 総評 余談 概要 『3Dカスタム少女』(以下、カス子)の事実上の続編。 前作と同様にパーツを選択することで好みの女の子を構成してエッチすることを基本としている。 前作発売から5年が経ち、インターフェースや仕様の面などでの問題点が改善された次世代作と期待されていたのだが…。 ゲーム中でできること 以下ではユーザーが自由にエディットできる女の子キャラをエボ子、システム側で配置される女の子をモブ子と称する。 エボ子についてはカス子と同様に服装や髪型、体型をカスタマイズすることができる。ゲーム中で1人だけ設定可能。 また、エボ子だけはAIを持っており、自律的にゲーム内で行動する。 プレイヤーは男性キャラを操作してマップを歩き回る。その際にはエボ子を連れて歩き回ることができる。 街中などにいる任意のモブ子とエッチしたり、好きな場所でエボ子とエッチしたりする。 決められたストーリーは一切ない。プレイヤーのしたいようにエッチするだけ。 問題点 カス子MODが使用できない 前作もソフト単体では大したことのないものであったのだが、ユーザー製作のMODが無数に作られたことによって、版権キャラの再現や公式のものよりクオリティの高い衣装などを使うことができた。 だが今作は前作向けのMODがすべて使用不可能となっている。データの変換を補助するツールがいくつか有志によって作られたものの、MOD製作に関する高度な知識を以てついていけたユーザーが非常に少なかった。 細部の仕様が異なるため、変換したとしても挙動の差がついて回ることになる、というのも一因だったと思われる。 これにより、カス子ユーザーの移行に大きくブレーキがかかったうえ、なお悪いことに今作向けのMODを作ろうというユーザーもほとんど現れなかった。一応皆無ではなかったのだが、今作向けのMODは有料販売されているものが結構多めだった(*1)。 言う慣れば、良くも悪くも「エディットに関して半ばユーザーMOD頼り」というの一面が悪い方に出てしまったのが、このソフトシリーズの大きな問題点だったと言える。単体では表現の幅が狭いだけに、新規ユーザーにも嬉しくない。 マップがゴーストタウン状態 移動できるマップは自宅、商店街、学校、病院など計10箇所ある。しかし配置されているモブ子の人数がそれに比して異様に少ない。そのためマップは広いのに人がいないゴーストタウンと化している。 学校、病院などの建物は内部に入って歩き回れるため、そこそこマップは広いこともこのスカスカ感を助長している。 マップ各所にイベントがあるわけでもなく、ver1.07パッチで、サンタコスチュームが取得アイテムとしてマップに配置されるまではマップの探索の楽しみすらほぼなかった。 モブ子を連れて歩くこともできるが、配置されているマップの外には出せない。よってプレイヤーの手で女の子を一箇所に集めて賑わせることもできない。 喋るダッチワイフやマネキンだらけの世界 各マップにいるモブ子は人妻・学生・ロリなどそれぞれ個性を持っているが、見た目だけであり固有のイベントなどはない。 話しかければ何の抵抗もなくエッチシーンに移行することが可能であり、恋愛の駆け引きさえない喋るダッチワイフである。 ver1.10パッチにて自分がカスタマイズしたキャラを町に配置できるポーズエディタ機能が追加された。 しかし名前の通りポーズをとっているだけでマネキン状態なので、精々枯れ木も山の賑わいという程度でしかない。 エッチシーンについて 体位やモーションにカス子の使いまわしが多く、ボイスパターンも少ない。 好きな場所でエッチできるのだが、場所によってはソファやテーブルと重なってしまう。 ライトなエッチしかできない。所謂「調教」や「ハードSM」のためのアイテムなどがない。 有名なバグとしてオートでエッチシーンを進めている状態のときに動作を早くすると「気持ちいい」が連続ぶつ切り再生されて「キモッキモッキモッキモッ」となるものがある(*2)。 一応評価できる点 カス子と比べてできることが増えていたり、改善されていることがある。 女の子を連れてマップを歩いたり、自分で場所を決めてエッチできる、モブ子を入れた3Pができるなど。 カス子に比べてモデリングに若干の改善が見られる。 カス子では仕様上無理だったロングスカートを動かすことや左右の手に別々のアイテムを持たせることができるようになった(*3)。 3Dゲームとしては比較的低スペックでも動作する。 といってもビデオカードは必須。ミドルクラスのPCに対応、といったところか。 総評 カス子ユーザーが期待していたのは「カス子のMODという極めて大きな財産をそのまま継承できる発展形」であった。 それさえ為されていれば良作たりうるゲームだったのだが、そこを完全に放棄したが故にユーザーの失望は著しいものになってしまった。 ゲーム単体としてはやることが少なすぎる上にMODの製作もろくに行われないので、新規ユーザーにとっても中身のないクソゲーになるという始末であった。 仕様上、互換性が重視されるべきソフトにおいて後方互換性がないがしろにされるとどういう結果になるのかを示したCGツールと言えるだろう。 余談 一部のユーザーは公式による継続的なアップデートで内容が改善されると期待していた。 しかし、アップデートは2014年4月のver1.20aを最後に音沙汰がなくなってしまった。 その後、2017年春にブランドの親会社が事業停止となったことで改善の可能性は潰えた。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6700.html
※用語集/全般の項目名は「名作・良作まとめwiki」から引用しています。 姉妹Wikiから文章を整え直して流用してもOKです。 名作・良作まとめ 用語集/全般(一部に「ジャンル」カテゴリも含む) クソゲーまとめ 用語集/全般……あ行 / か行 / さ行 / た行 / な行 / は行 / ま~わ行 注意事項は用語集を参照。 用語集/全般/ま行以降 ゲームに関する専門用語や、当Wikiの記事中に登場する固有名詞に関する一覧。 新たに項目を作成したい場合は、必ず用語集スレへ相談して下さい。相談無く追加された項目は発見次第、削除します。 また、編集を行う場合は過剰な個人叩き・企業叩きを控えてください。 用語集/全般 - あ行 / か行 / さ行 / た行 / な~は行 / ま行以降 [部分編集] マイナーゲーム マイナーチェンジ 負けイベント マスターアップ マラソン マルチエンディング 真エンディング / 隠しエンディング マルチプレイ マルチプラットフォーム マンネリズム 見えない壁 ミニゲーム ミリオンヒット 無印 無敵 ムービー プリレンダリングムービー リアルタイムレンダリングムービー メアリー・スー(Mary Sue) めくり メタ メタゲーム メタ推理 / メタ行動 メタ発言 メタフィクション メタスコア メディアミックス展開 メモリーカード モーションキャプチャー モーションコントロール 萌え擬人化 萌えゲーアワード もっさり モンゴリアンスタイル ロシアンスタイル やりこみ やりこみ要素 ユーザーインターフェース ライセンス ラグ ラジコン操作 乱数 乱数種(ランダムシード) 乱数調整 ランチャー ランボースタイル RMT(リアルマネートレード) 公式RMT リーク リージョン リストラ リスポーン リスキル リセット ソフトリセット リソース 離脱 リブート リプレイ リマスター版 / Redux リメイク リモートプレイ 理論上 理論値 レアゲー レーティング CERO IARC ソフ倫 レベル レベル上げ レベルキャップ レベル差補正 レベルデザイン(Level Design) 廉価版 連打・連射 シンクロ連射 ローカライズ ロード ローディングスクリーン ロール ロールプレイ 悪人プレイ ローンチ ローンチタイトル ロイヤリティ ロケーションテスト(ロケテスト / ロケテ) ロストテクノロジー ROM ロックオンシステム ワールドマップ ワゴン ○○ゲー マイナーゲーム 売上が少ない、または作品の人気が低いゲームのこと。「マイナーゲー」とも呼ばれる。 このようなゲームは出荷数の少ないゲームが多いが、ATARI2600/2800版『パックマン』等、出荷数が一定以上あっても、ゲーム自体の平均的な評価が高くないという理由でユーザーからの人気が低い作品もそれなりに存在する。 また、ゲーム自体の完成度としてはクソゲーや微妙ゲー、凡作や佳作に該当する作品が多いが、必ずしもそうではなく、たまに良作が該当する場合もある。 上記の通り、これに属するゲームは出荷数の少ない作品が多いため、出荷数の少ない作品の一部はプレミア価格が付くほど入手困難になってしまう。 2010年代以降はゲームのダウンロード販売が台頭し、インディーゲームを中心にDL販売のマイナーゲームが多く配信されるようになった。 そのため、パブリッシャーがゲームのDL販売を続けている限り、DLゲーム限定とは言え昔に比べてマイナーゲームを入手しやすくなった。 マイナーチェンジ 規模の小さな手直しのこと。 ゲームソフトにも、通常版とは別にマイナーチェンジ版が出る場合がある。 要素追加や不具合の修正を中心とする、通常版よりも上位に位置付けられたものは、概ね「完全版」「バージョンアップ(アップデート)版」と呼ばれる。 マイナーチェンジ版は、パッケージイラストの違い程度であったり、先発作品の要素を網羅していなかったり、プレイヤーに有利な要素が下方修正されていたりと、必ずしも上位互換ではないことも多い。 通信・交換要素を売りにしたRPG『ポケットモンスター』では、先発で登場するモンスターが異なるソフトを複数バージョン出し、後発でボリュームアップしたマイナーチェンジ版を出すという独自の手法を2017年までとっていた。 この場合、後発版単体では理解しにくい要素がある、先発版でしか出現しなくなったポケモンがいるなど純粋な上位互換とは言い難い面もあるが、それ故に先発版と後発版で互換性を持たせてやりとりさせることにより、通信仕様を活かしやすくなっている。 両方買えば費用も当然2~3本分かかるが、変化した要素を含めてポケモンのコンテンツを長く楽しめる……ということになる。 完全版同様、ゲームハードのインターネット接続が普及してきた現在では、オンラインアップデートやDLCにシフトしつつある。 ポケモン以外では家庭用ゲーム機において、ハードのマイナーチェンジ(コストダウンによる値下げ等)が有名か。 例として本体の形状・サイズが変化したり、使用頻度が低い機能・端子が削除されたりする。また、外観は同じでも内部の設計が出荷時期により異なる場合がある(*1)。 負けイベント 通常であれば敗北してしまうとゲームオーバーになってしまうが、例外として戦闘に敗北することでシナリオが進む演出の一つ。「負け戦(いくさ)」「負けバトル」「強制敗北イベント」等とも。 その時点ではどうしても倒せない強大な敵として印象づけることで、後々成長してから勝つことでカタルシスを得ることができる。 だが、プレイヤーは勝つことを前提として戦闘に臨むので、単純に時間が無駄になる、ラストエリクサーなどの貴重なアイテムを消費した上で敗北したら負けイベントで無駄になったなどの悲劇や、勝てない戦い・実績中の負け数に強制カウントされる仕様があるとモチベーションが下がるとして嫌うプレイヤーも少なくはない。 中には負けイベントと見せかけて、敗北したらそのまま本当にゲームオーバーという罠も……。 やり込みプレイの一種としてこの負けイベントに「何とか勝つ」というプレイヤーもいる。負けイベントに勝った場合のパターンが用意されていたり、勝つのを想定していないので負けた物としてストーリーが進むものや、中にはバグったりすることも。 ゲーム側も勝利対策として強力な自動回復を備えていたり、そもそも無敵/不死である場合もある。 その他、勝敗は関係なくシナリオが進むか一定時間が経過するとイベント等が発生して強制的に戦闘が終了するケース、変則的なものとして敵HPを一定まで自分で削るとイベントになるが、その前にやられると本当にゲームオーバーになるものもある。 負けイベントの例 『ドラゴンクエストIV』の第4章キングレオ戦……毎ターンHP999回復するので改造でもしないと倒すのは不可能。リメイク版では対策次第で倒せるが、負けたものとして話が進む。 『ロックマンX』のヴァヴァ戦……敵がライドアーマーに乗っている間はHPの概念がないためどれだけ攻撃しても絶対に倒せず、こちらのHPが一定以下になることでイベントが発生。一方、本作の再現版及びリメイク版では負けイベントがなくなって普通に倒せるようになっており、オリジナル版のようにわざとダメージを受けた結果普通にミスになった人も多かったと思われる。 『ファイナルファンタジーIX』のベアトリクス戦……途中まではなんとか戦えるが、ある程度戦うと強力な技で強制的に戦闘を終了させられる。1度だけではなく全編を通して3度も負ける。この敗北はターン経過で起こるイベント的なもので、それより前に全滅すると本当にゲームオーバー。なお、シナリオ後半に一時的に仲間になるが、彼女に勝つことは全編通して一度もできない。 『クロノ・トリガー』の古代ラヴォス戦、『デビルメイクライ5』のユリゼン戦……ラスボスとの初対決という典型的な負けイベントだが、なんとここで倒してしまうことも可能。そのまま特殊なEDへ……。普通の人なら「強くてニューゲーム」で見ることになるが実は1周目から撃破可能である。 『鬼畜王ランス』の体験版……プレイした雑誌編集者がプロローグの負けイベントに勝ってしまったために急遽勝ちイベントも追加された。ただし、本編は負けイベントの仕返しから始まるストーリーなので「ガハハ、これで良し」とだけ表示されて終了となる。 マスターアップ ゲーム開発の最終段階。製品版として完成したデータを納品した状態のこと。 なお「マスターアップ」は和製英語で、海外では「Gone Gold」と呼ばれる。 残る工程はマスターデータを元にゲームソフトを量産し、無事発売日を迎えるのみ……。 が、まれにマスターアップ後に致命的なバグが見つかり、発売日を延期したりワンデイパッチの配布をしたりといった措置を取る必要が出てくることも。 ROMカセット時代においては、ROMカセットの性質上ソフトの短期間での量産が不可能だったこともあって納期厳守の傾向が強かったが、低コスト・ハイスピードでソフトの量産が可能となったCD-ROMメディアがメジャーとなって以降はマスターアップをギリギリまで遅らせるケースが多くなった。 ゲーム機器がインターネットに繋がるのが当たり前になった現代ではマスターアップ後もさらに開発や修正が続けられ、特大のギガパッチをワンデイパッチとして配信することもあり、批判の対象になったりする。 マラソン 長距離走を走る陸上競技のことであるが、文脈によって以下の意味で語られる。 1.MMOにおける戦法の一種。敵を連れ回して被害を最小限に抑えつつ、その間に遠距離攻撃か範囲攻撃を浴びせて倒す。 敵を連れ回している様子が列車や凧揚げに似ていることから、「トレイン狩り」や、海外では「カイティング」とも呼ばれている。 これを敵を倒すことが目的でなく、他の(主に無防備状態の)プレイヤーに誘導して殺させるPKが目的として実行する場合は「MPK」と呼ばれ、PKがシステム的に制限されたゲームでPKを実行する手段として嫌われている。 2.ある目的のために、同じことを延々と繰り返すこと。 ゲーム開始時に有利な状況になるまで「リセット&スタート」や「キャラクター作成 消去」を繰り返す「リセットマラソン」や、レアアイテムが出るまでひたすら同じ敵を倒し続ける「●●(敵の名前orマップ名)マラソン」など。 3.単調な展開を延々と続ける、ひたすら単調なゲーム、特にエンドレスゲームへの揶揄。 インベーダー時代からしばらくのアーケードゲームなどが該当する。時代背景的には、78年~83年頃に特有のものである。 元々賭博機(ゲーミングマシン)から始まったアーケードゲームは、エンディングという「強制的な終わり」が定着するまで結構な期間を要した。 特に『スペースインベーダー』で確立された「ミスをしなければずっと遊べる」システム(*2)が足を引っ張り、結果マラソン化してからエンディングが導入されるまでの間「長時間プレイ」が店舗運営者から問題視されることとなった。 ちなみに、それ以前のアーケードゲームはだいたい90秒+αで終わるように設計されており、+αがリプレイだったりエクステンドだったりプライズだったりした。 大昔のエレメカでは、店舗運営者がゲーム達成時の特典を「リプレイ」か「プライズ払い出し」か選べたり、「リプレイ」を「プライズ払い出し」の下位の賞としたりといったこともあった。 「リプレイ」と「プライズ払い出し」を同一のプレイで両方獲得出来たりすると結構まずいことになったりもしたが。 「リプレイ」もピンボール等を除けば大抵は1回きり(*3)なので、短時間で終わるゲームとなり単純なゲームでも冗長なゲームとはならず単調さを感じることはなかったのである。 『ドルアーガの塔』あたりからどのアーケードゲームでもエンディングが付くことが普通になり、90年代に入るとエンドレスのマラソンゲーはほとんどなくなった。 4.基本的に実力よりプレイ回数の方が重要な点数加算式ランキング。「回数ランキング」とも揶揄される。 『QMA』シリーズの「魔法石ランキング(*4)」や、『アイドルマスター』の「有名Pランキング」等。Wonderland Warsのようにマッチング帯に影響するものは批判が大きい。 特に基本無料ゲーム等では、プレイランキングの上位報酬を釣り餌として課金を誘導できるので(*5)大概採用されている。 ソーシャルゲーム版アイドルマスターシリーズがその代表例で、「1000位以内を目指していて、イベント終了半日前に300~500位だからと安心して出社、家に帰ったら(昼休みにスマホを覗いたら)1001位以下に落とされていて爆死」はあるあるネタ扱いされるほど。 そのため、いわゆる「コンコルド効果(*6)」に陥るプレイヤーも少なくない。 マルチエンディング マルチエンドとも。プレイ中に取った行動などで物語の結末が変わる演出。プレイヤーの裁量が大きいゲームならではともいえる。 マルチのパターンも複数あり、プレイヤーが選んだ人物や組織にちなんだエンディング、プレイ中に回収したフラグによってベスト → ノーマル → バッドと分かれるパターンなどがある。また、人物の好感度などによって細かな違いが生じるものもある。 珍しいパターンでは『クロノ・トリガー』の「ラスボスを倒したタイミング」でエンディングが決まるものなど。 全てのエンディングを見るには周回プレイをするか、分岐地点前でセーブしておくなどが必要。いずれにせよプレイ時間の長いゲームだと総プレイ時間が増え続ける要因になり、相当な労力が必要。 マルチエンドを採用したゲームの続編が出た場合、前作のエンディングの扱いに苦慮することも。 真エンディング / 隠しエンディング マルチエンドの一種だが、一旦エンディングが流れた後にプレイを続けてフラグを回収したり、隠しボスを倒すことで見ることのできるエンディングのこと。 通常のエンディングでは回収されなかったフラグが回収されたりと、ハッピーエンドであることも多いが、たまに蛇足でノーマルのほうがよかった、なんてものも。 マルチEDの続編のゲーム例 『真・女神転生II』……前作から数十年後、主人公の選択に関わらず、大衆は秩序を求めてLAW勢力が支配した世界となったところから始まる。 『The Elder Scrolls III Morrowind』……前作から遠い土地の話なので直接には影響していないが、神の介入により前作の各EDの出来事が全て起こったという形で辻褄を合わせている。 マルチプレイ または「マルチプレイヤー」と呼ばれる。同じゲームを複数人で遊ぶこと。対義語は「シングルプレイ」である。 主にゲームで競い合う「対戦ゲーム」のことを指すが、協力しあうゲームの場合は「CO-OP (協力プレイ)」と呼ばれる。 マルチプレイがあると他のプレイヤーと関わることでランダム要素が生まれる為、自然と作品のコンテンツ寿命が延びることになる。 マルチプラットフォーム 通称「マルチ」と呼ばれ、幅広いユーザーが楽しめるようにするために複数のハードで同じ作品を発売する販売戦略。「クロスプラットフォーム」とも呼ぶ。 移植と異なり、こちらは発売日が各ハード間でほぼ同一(*7)にある。 据置機でのマルチはPS2の頃から各ハード間(特にPS/Xbox/PC)の性能差が小さくなってきたためか、徐々にマルチ販売のソフトが多くなった。 特にPS3からPS4の移行期は、近年の据置機版『ゼルダ』がしばしば行っているように前世代機と次世代機の両方で同じ作品を販売する「縦マルチ」と呼ばれるスタイルも流行した。 これはPS4からPS5への移行期も同じで、SIEに至っては当初は出来る限り縦マルチはしないという方針をPS5の発売から1年も経たない内に転換し(*8)、2023年まで自社タイトルは全てPS5/PS4の縦マルチにすると発表した(*9)。 また、海外大手メーカーは最新世代機の発売から3年を目処に旧世代機でのリリースを終了する傾向があるのに対し、国内メーカーやインディーメーカーは限界ギリギリまで縦マルチを続ける場合が多い。 現在はハードウェアの高性能化に伴い開発費の高騰が避けられないという事情が重くのしかかっていることもあり、据置機だけでなく元々環境の自由度が高いPCにも同タイトルの作品が出ることが珍しくない状況になっている。 弊害として、各ハードに特有の特徴的な機能や性能を完全に無視し、ミドルウエアで実現可能な範疇までしかマシンパワーを生かされない(*10)ことが挙げられる。 その関係もあり、通常はアーケードを含めたマルチは行われない(*11)。 プロジェクトが後から動いたのか、元から予定には含まれていたが手間取ったのかあるいは大人の事情か、発売から数ヶ月~1年以上経ってから別のプラットフォームでリリースされるケースも多々ある。 レトロゲームの復刻でお馴染みの有限会社M2は「Switch/PS4どちらのハードでも移植・開発しやすくするために、マルチプラットフォームライブラリーを自社で作っている」と雑誌『ゲームラボ』2022年春夏号84ページでコメントしている。 同社が担当したタイトルはSwitch/PS4だけでなくOne/Win(Steam)でも配信されているタイトルがあるので、同社には複数のハードで開発できる環境が整っていると思われる。 関連 独占 マンネリズム 英語で「型にはまり独創性や新鮮味が無いこと」を意味する。 日本では「マンネリ(化)」と呼ばれることが多く、ゲームでは主にシリーズ作品(特に長期的に続いている人気タイトル)に対して使われる。 主な要因は、ゲームシステムの根幹がほぼ変わらないまま引き継がれ続けていること、シナリオ展開やキャラクター描写などが長期的に続くことでワンパターン化している……などである。 昨今のゲーム業界はこのマンネリズムを気にする傾向にあり、マンネリズム化を打破するべく、システムや作画等が大きく変わるなどのテコ入れが図られることが多い。 無論、必ずしもそれらが功を奏するとは限らず、システムを変えたりフルモデルチェンジをした結果、売り上げが大きく落ち込んだり賛否両論を招く場合も多い。 それだけならまだいい方で、最悪の場合そのままシリーズが終焉を迎えることもある。 また、マンネリズムは否定的に捉えられることが多いが、ファンの中には「マンネリズムでもいいから過去作から受け継がれてきた要素はそのまま維持してほしい」と思っているユーザーも少なくない。 とはいえ、マンネリズムの長期化はシリーズそのものの低迷に直結するのもまた事実(*12)で、開発側にとっては難しい問題である。 シリーズ物の最新作において、シリーズのマンネリズム打破を目指してシステムやキャラクター等を変えたとしても、その変更要素がシリーズ内外の他作品(*13)の特定の要素の安易な焼き直しだった場合、原則としてマンネリズム打破に失敗したとみなされる。 マンネリズム打破に成功した作品の例 『バイオハザード4』 『バイオハザード7 レジデント イービル』 『龍が如く7 光と闇の行方』 『ASSASSIN S CREED ORIGINS』 『ファイナルファンタジーXV』 『ポケットモンスター サン・ムーン』 『モンスターハンタークロス』 『モンスターハンター ワールド』 『スーパーマリオ オデッセイ』 『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』 『星のカービィ ロボボプラネット』 マンネリズム打破に失敗した作品の例 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 『ララ・クロフト トゥームレイダー 美しき逃亡者』 『New ガンダムブレイカー』 『真・三國無双8』 見えない壁 ここから先に行けそうなのにキャラクターが見えない壁に阻まれたように進めなくなる現象。 2Dゲームにおける画面の端っこなどでよく見られ、主に格闘ゲームにおいてはぶっ飛ばされたキャラがこの現象によって壁も無いのに弾かれたりする。 3Dゲームでは、崖際やマップの果てなどに設置されている場合が多い。 ここから先に行けないことを示すのに「見える壁」だと閉塞感が生まれるため、室内など狭い空間であることを意図したデザインでない限り見えない壁が立ちはだかる。 フェンスのような不自然でない形で囲うこともあるが、その場合「この程度のものをなんで越えられないんだ?」という不自然さが逆に出てくるという問題が生じる。 そればかりかマップ内の膝の高さにも満たない段差を乗り越えられない作品もあり、特に『Sniper Elite 3』では段差越しに投げようとした手榴弾すら見えない壁に跳ね返されて手元に落ちるため、一見開けた場所がかえって自爆しやすいという例も。 作品によっては、壁そのものは(見えない壁を含め)存在しない代わりに、外に出ると継続ダメージを受ける(戻れば止まる)、敵前逃亡と見做されて即敗北になる、と言うパターンも存在する。 古今東西様々なプレイヤーが見えない壁の向こうへ行こうとあらゆる手を尽くしてきた。 行けたところで大抵は何もない虚無の空間が広がっているだけだったり、地面の判定が無いので無限に落ち続けたりするなのだが…。 稀にテストプレイ用のステージがあったり、配置ミスしたであろうオブジェクトや宝箱があったりする場合も。 特にTPS『メビウスオンライン』では普通に作りこまれていた(*14)……が「ゲームが重い理由はこれだろ」と突っ込まれたりも。 ミニゲーム ゲーム内で遊べる短いゲームのこと。 大抵の場合本編とは無関係の寄り道要素として手軽でさくっと遊べて、クリアするとなんらかのご褒美がもらえたりする。 一方で、『グルーヴ地獄V』や『メイド イン ワリオ』のようにミニゲームの詰め合わせ的な作品もある。 やりこみ要素として実装されているものもあり、やりこみすぎて本編よりプレイ時間が長くなる、なんてこともしばしば。 寄り道要素として認識されている場合が多いので、クリア必須でさらに難易度が高かったりすると批判の対象になることもある。 もらえるご褒美が強力すぎてバランスブレイカーだった場合でも批判が起こるが、「やらなければいい」「あること自体が問題」といった議論に発展してしまう場合も。 ミニゲームの例 『ドラゴンクエスト』シリーズのカジノ 『ファイナルファンタジーVII』のゴールドソーサー、『ファイナルファンタジーVIII』のカードゲーム 『The Witcher 3 Wild Hunt』のグウェント 批判されたミニゲーム 『真・女神転生III NOCTURNE』のアサクサパズル 『ビビッドレッド・オペレーション あかねとマヨっとオペレーション!』 関連 おまけ要素/サブ要素 ミリオンヒット 販売本数100万本のこと。キリのいい数字ということもあって国内販売における大ヒット作の指標のひとつになっている。 200万本はダブルミリオン、300万本はトリプルミリオンと呼ばれる。50万本だとハーフミリオンとなる。 ゲームバブルと言われた1990年代のスクウェア(現スクウェア・エニックス)ではミリオン達成するかしないかで続編を作るか否かを決めていたと言われていた時期があり、『ゼノギアス』はぎりぎり100万に到達しなかった為に続編作成には至らなかった。 また『機動戦士ガンダム 一年戦争』のように無理に100万本出荷してしまったがために値崩れを起こしてしまったケースもある。 『オプーナ』は「100万本が目標」という開発者の大言壮語が有名になり、過小評価されている。 このように「ミリオン」という言葉には販売・制作側を狂わせる何かがあるらしいが、ゲーム市場の縮小のみならずダウンロード販売が一般化してきている為、たとえ今後ゲーム市場がV字回復をしたとしてもパッケージだけで100万達成するというのは厳しくなってきている。 なので任天堂では「セルスルー」という用語を使い、DL販売数とROM販売数を合計した数字を出すようになっている。 また、全世界が市場となった現在では、国内の販売数よりも世界での累計販売数をアピールすることも増えている。 無印 1.移植や完全版が出た時、元のタイトルにサブタイトル的な言葉が付いたりして、なおかつオリジナルから追加や修正が施されたりすると、比較のためにオリジナルを「無印」と呼んだりする。 2.続編が出た後に第1作を便宜上「初代」「無印」と呼ぶこともある。 なお読み方は「むじるし」だが、読み易さを考慮して「むいん」と読まれる場合もある。 無敵 相手からの攻撃などが当たっても無効となる状態。 様々なゲームにおいて主人公を一時的に無敵にできるアイテムがあったりするだけでなく、特にアクション系のゲームにおいてはゲームバランスの微調整に役立てられる要素。 たとえば敵に囲まれても過剰な袋叩き(いわゆるハメ殺し)にされないように、敵からダメージを受けた後に主人公が数秒間だけ無敵になったり、逆にボス敵などを単純なゴリ押しで突破できないように敵側に無敵判定がついたりする。 対戦アクション、対戦格闘ゲームなどでは無敵時間がどうプログラムされているかがキャラクターや攻撃技のバランスに影響を与える。 FCの時代には裏技として、コマンドを入力すると無敵状態で遊べる物もいくつかあった。有名な所では『ゼビウス』や『スターフォース』等。 中には『謎の村雨城』の「残機数を100にすると無敵になる」という、もはややり込みのご褒美的なものも。 なお、無敵状態でも穴に落ちたり地形に挟まれると死ぬことが多い。この事に関しては「無敵であっても不死身ではない」と説明されることが多い。 穴から這い上がったり地形をすり抜ける等の復帰能力があるのならともかく、復帰能力が無いのに不死身ではハマリ状態に成ってしまい逆に困る(リセットするしかなくなる)ので、ある意味当然と言えよう。 ムービー 狭義には映画のことだが、ゲーム用語としてはゲームプレイの合間に挟まる映像のこと。ムービーシーンとも。 ゲームの節目節目に流れることでゲーム中では実現困難な演出を取り入れたり、ご褒美的役割を果たしている。 3DCGムービーが多いが、たまに2Dアニメーションや実写のムービーを使用するゲームもある。 ゲームの大容量化が進んだPS以降、特に『ファイナルファンタジーVII』以降はイベントシーンにムービーを多用するゲームが増えていった。 ストーリー性を重視しているゲームではムービーの内容も力が入っているものが多く、現在ではゲームの演出方法としては欠かせない物となっている。 ただ、QTEでもない限りムービー中はプレイヤーが介入できないため、あまりに頻繁だったり長すぎたりすると「ムービーゲー」「映画を作ればいい」と揶揄される要因になったりする。 演出の一つとしてムービーの質は重要だが、ゲーム部分がおざなりになっていると評価を落としやすい(*15)。 なお、英語圏を始めとした海外ではゲーム内のムービーは主に「Fullmotion-Video (フルモーションビデオ)」と呼ばれており、ムービーと呼ばれることはほぼない。 プリレンダリングムービー あらかじめ作成されたムービーデータを「再生」させたムービーのこと。 ハードの性能にあまり左右されないのでPS1~PS2の頃は美麗な映像表現のためによく使われた。 レンダリング画質や解像度の向上に伴い、プリレンダムービーはゲームの容量を大きく圧迫するようになったという欠点がある。 特に『ファイナルファンタジーXIII』はプリレンダムービーがゲームの全容量の大半を占めていた。 また、ムービーシーンの発生の前後で読み込みが入ることでゲームの流れにぶつ切れ感を生じさせてしまう他、ムービーとゲーム本編双方のモデリングのがしっかり作りこまれていないとギャップが目立ってしまうという欠点もある。 近年ではハードとグラフィックの進化により、プリレンダリングのムービーはオープニングの導入部やエンディングなどの限定的な場面でしか見ることはなくなっている。 また、ムービーはあくまで映像であり、映像そのものの表現形式は問われないため3DCGムービーだけがムービーのすべてではなく、2Dアニメーション映像が使われることもある。 リアルタイムレンダリングムービー プリレンダムービーと逆に、あらかじめ作成したムービーを流すのではなく、プレイ中のキャラクターそのものを非操作に切り替えシーンに沿った演技をさせることで進行させるものがリアルタイムレンダリングムービーである。 プレイ中のゲームシーンから途切れることなくムービーシーンに移行できるため、ムービー発生の前後で映像のぶつ切れ感がなくなり、ポリゴンモデリングの質の差からくるギャップも抑えられる他、キャラの見た目や装備を変えるとムービーにも反映されるというギミックを導入できる。また、プリレンダムービーより多少の容量削減が見込める側面もある。 半面、3D技術が高度に発達した今では、3Dモデリングや待機モーション、口パクなどの細部の挙動の作りこみがきっちりなされていないと出来の悪い人形劇に見えてしまうという欠点もある。 キャラモデルを普段のプレイ用とムービーシーン用のモデルで使い分けるということをしているゲームもある。マシンパワーの向上したPS3/360以降で積極的に取り入れられるようになった。 メアリー・スー(Mary Sue) シナリオでの扱いやキャラ性能が異様に優遇されたり、あからさまに製作者の自己愛が投影されていたりする二次創作のキャラクター。 元々はTVドラマ「スタートレックシリーズ」の二次創作作品(*16)に登場したキャラクターの名前であり、 この時点では「作り手側の願望が込められた、ありがちな万能キャラ設定を揶揄する目的で書かれたパロディ小説」的なものであった。 それが転じて、「ぼくのかんがえた理想の完璧キャラを他人の作品にねじ込む」意味を含む用語となった。 基本的に一次創作物を紹介している当Wikiとは一見無関係そうだが、上記は言葉が生まれた頃の定義で、現在はもう少し幅広い意味で使われている。 公式のリメイクや続編での追加キャラはもちろん、時には原作の登場人物でも、作者のお気に入りが露骨に透けて見えると「公式~」「~化」という表現で批判されることが多い。 公式作品でも原作者が関わっていない場合は広義には二次創作なので、唯の「メアリー・スー」呼ばわりしても問題はない。 類義語も多数存在。やたら冷遇される等他キャラを優遇する為の踏み台でしかない「Anti-Mary (逆メアリー・暗黒メアリー等と訳すらしい)」、男性版を指す「ゲイリー・ストゥー(Gary Stu)」または「ゲイリー・スー(Gary Sue)」等。 関連 用語集/全般「俺得」「厨二病」 商業作品におけるメアリー・スーの例 『サンダーフォースVI』……会社が版権を持ち、旧作とは異なる制作スタッフが手掛けた作品。「ぼくのかんがえた最強最悪のラスボス」と言える存在が登場。 『俺の屍を越えてゆけ2』『テイルズ オブ ゼスティリア』『ランス・クエスト』……俗に言う「公式メアリー・スー」がいる作品。後者二つは公式逆メアリーも。 スパロボシリーズの一部 (『スーパーヒーロー作戦』『α』等)……商業作品だがシリーズ自体が狭義の意味で二次創作作品なので、問題のキャラは狭義のメアリー・スーに当て嵌まる。勘違いしている人も多いが、よく問題にされる『K』の主人公などはメアリー・スーの定義とは外れる。 『超次元大戦 ネプテューヌVSセガ・ハード・ガールズ 夢の合体スペシャル』……以上3点の「狭義のメアリー・スー」「公式メアリー・スー」「公式逆メアリー」が全て存在した作品。 めくり 2D対戦格闘ゲーム用語の1つで、相手を飛び越えつつ、相手の背後から攻撃するテクニックのこと。 発祥はゲーム雑誌・ゲーメストの『ストリートファイターII』の攻略記事で、もともとはリュウ・ケンのジャンプ強キックを相手の背中側に当てることを指し(いわゆる「ケツ蹴り」)、そこから他のキャラ・ゲームに対しても使われるようになった。 背中をギリギリかすめるその姿が「背中の皮をめくる」ように見えることが語源らしいが、飛び越された相手が向きを変えるさまを本のページやカードをめくる動きに例えた、と言う説もある。 『ストII』やそれに類似するシステムの格ゲーの場合、基本的にガードは自分のキャラの向いている方向とは逆の方向にレバーを入れることで行う。 しかし飛び越しざまに攻撃されると、攻撃された瞬間にキャラがどっちを向いているか判別がしにくく、そのためどちらにレバーを入れればガードできるか咄嗟には分かりづらくなる。 特に多くの2D格闘ゲームの仕様には、振り向いたときキャラの見た目の向きと内部的な向きが一致しない瞬間があり、その瞬間に攻撃されるとキャラが向いている方向にレバーを入れないとガードが出来ない。 これによって、相手を混乱させガード失敗を誘発させるのがめくりの目的である。間合いの調節が難しいので、ダウンした相手の起き上がりに繰り出すのが一般的。 また、キャラが攻撃を受けた時は、その方向に関わらず後ずさるため、めくり攻撃がヒットした場合は相手のキャラはこちらに近づいてくることになり、その後の連続技が決めやすくなるというメリットもある。 『ストII』でのめくりは偶然の産物ではあったが、めくり攻撃をするか普通に前から攻撃するか、はたまた攻撃せずに着地して投げ技を出すか……という選択肢の存在により新たな読み合いが生まれることになった。 そして、以降のゲームでも特にジャンプからの攻めを重視したゲームでは意図的に入れられることも多くなった。ゲームによっては、最初から背後の相手を攻撃することが前提の「めくり専用技」を持つキャラも存在する。 ただし、2D対戦格闘であればすべてのゲームで上記のめくり戦法が使えるわけではない。 振り向きが手動のゲームやボタンでガードするゲームでは意味をなさないし、ガードの揺さぶりは可能でも「めくり攻撃を受けると相手ののけぞりベクトルが反転し、自分の方に近づいてくることがない」調整がされているゲームもある。 また、対策として、移動起き上がりが実装されていたり(*17)、ある程度起き上がりタイミングを任意で調整できたり、ガードを試みずひたすら攻撃入力を連打する「暴れ」や、あるいは最速で無敵状態付きの迎撃技を出す「リバーサル」が強い設計にされているタイトルもある。 TCGにおいては、手札リソースが尽きて、引いた札を即座に使うような状況を指す。山札のカードをめくるようにしてプレイ宣言をするところから。互いに手札がなく、盤面が拮抗している場面を「めくり合い」と呼ぶ。 メタ 英語で「高次の」と言う意味。本サイトの趣旨では「現実世界(ゲームキャラクターから見ての高次世界=作者やユーザーが居る世界)」を指す場合が多い。 メタゲーム 対戦ゲームにおけるキャラクター選択やチーム構成、TCGでのデッキ構築など、ゲームのプレイ開始前から行われる駆け引き。いわゆる「勝負は戦う前から始まっている」と言う奴である。 『Wonderland Wars』など、野良でチームを組まれることを前提としたゲームでは編成時点で勝敗の予想がついてしまう状況もあり得るので、キャラクター選択や、編成に合わせたリビルドといったメタゲームも実力のうちである。 『ガンスリンガーストラトス』のようにローカルでチームを組んで参戦する「バーストマッチング」前提のゲームともなると更に高度なメタゲームが可能となっており、チーム内で最適な編成が組まれるのが当然といった趣である。 特に有名なのは(アナログゲームだが)TCG『マジック:ザ・ギャザリング』の1996年世界大会(通称:ネクロの夏)で、当時の最強デッキ「ネクロディスク(黒デッキ)」を倒すことに特化した「白単12Knights」で参戦した人物が優勝したこと。なんと対戦相手全員がネクロディスクだったのだ(*18)。 なお、「白単12Knghits」は黒に対して強いだけで他の色に対しては並みの強さでしかない。ネクロディスクが最強デッキとして大流行していたからこそ優勝出来たのだ。 一方でこの話の最後のオチは「決勝戦の相手が『白対策も施されたネクロディスク』であり、自分のデッキ登録で大ポカをやらかしていたが(*19)、それでも勝てた(*20)」だったりする。 メタゲームの時点で既に劣勢だったとしても諦めないことも大事。 ある意味、高校野球等の「組み合わせ抽選会」も(唯のクジ/運ゲーではあるが)この類だろう。 メタ推理 / メタ行動 ゲーム内で示された内容以外のデータを元に推理や行動を行うこと。 例を挙げると「テレビドラマで重要キャラ以外にまで出演料の高い有名俳優をあてがう余裕は無い」という制作側の事情を知っている者が「探偵もので、レギュラー陣以外に1人だけ有名俳優が演じている役があったら、そいつが犯人」と推理する…というようなもの。 ゲームで例えるなら、「原作が攻略本」と揶揄されている『修羅の門 (MD)』や『AKIRA』等だろう(逆に引っ掛けに使う作品もあるが)。当然原作を読んでいない(読んでいても無視する)ならメタ行動とはならない。 プレイヤーが犯人役の『金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼』では、原作で使われたトリックを使うと必ず金田一少年に見破られてしまうので、「原作では使われていないトリックを使う」という逆方向でのメタ行動を求められる。 TRPG等のボードゲームでも、シナリオの元ネタを推測して事件解決を図るメタ推理、キャラクターが知らないはずの知識(プレイヤー知識)を元に行動するメタ行動等が存在する。 他にも『人狼ゲーム』では、ゲーム中の推理に盤外要素を加味して考慮する(PLがどのような性格であるかを推理要素に加味する等、メタ推理を行うプレイヤーも居る。 メタ発言 「メタ発言」は「メタフィクション発言」の略で、登場キャラクターが「はっはっは、アニメだからね」「勝ったッ!第三部完!」「テレビの前の皆も一緒に考えてネ」等の、主に自分達の存在が作り話だと自覚したり、登場人物がプレイヤー自身に呼びかける台詞がそれにあたる。 ただし、安易に導入したり使いどころを間違えると作品への没入感を下げたり製作者の独りよがりと見られることが多いため、扱いが難しい手法でもある。 近年のゲームだとチュートリアルやヘルプで作中の登場人物に「メニューの○○から××を選ぶんだ」「画面のここをタッチするのよ」「〇ボタンを押すと攻撃できるぞ」等とゲームシステムや用語の解説をさせている物が多いが、これもメタ発言にあたる。 なお、ゲームの生声実況やゆっくり実況動画では「安易なネタとして入れやすい」「メタとパロディのネタでとりあえず安定して笑いが取れる」という使い勝手の良さもあり、すっかり頻繁に使われるネタとなった。 ボードゲーム分野でもメタ発言と呼ばれるものは存在し、TRPGではロールプレイ(キャラクター発言)ではない発言(プレイヤー発言)がメタ発言と呼ばれる。 ただし、このメタ発言に対し規制を施すTRPGも存在しており、例えば『ワープス』で「こいつ怪しいな」と言った場合は、プレイヤー発言のつもりだったとしても自制心チェックに成功しない限りキャラクターが口に出してしまう(当然、NPCの心証が悪くなる)ルールが存在した。 『ウィッチクエスト』では自制心チェックさえ無く問答無用で発言の責任を取らされる場合も(*21)。 メタフィクション 日本で単に「メタ」と言ったらこのことを指すことが多い。 登場キャラクターがメタ発言を行う、ナレーションや天の声に反応する、画面に撮影機材等を態と映り込ませる等、フィクション(作り話)であることを意図的に演出することを指す。いわゆる「楽屋ネタ」の一部もここに含まれる。 極端な例だとアメコミの『デッドプール:キル・ザ・マーベルユニバース』は冒頭が「デッドプールが編集部に乗り込んで無理やり描かせた」となっており、「この話はジョークだよ、次回からは元通りだぜ」で〆ている。 源流は16世紀の「ドン・キホーテ」まで遡ることが出来、かなり古くからある物語手法である。 似たようなもので「演劇オチ(*22)」というのもある。 エンディングで主人公役と敵役が笑顔で共演するシーンを描ける(一種のファンサービス)等の利点はあるが、これは上手くやらないと夢オチと同類とみなされ、興醒めされることになる。 メタスコア 様々なウェブサイトからレビューを取得し、その評価を数値化する海外のウェブサイト「Metacritic」が公表する総合点。 ゲームのみならず、映画、テレビ番組、ミュージック・アルバム等幅広い分野を手がけている。 多くのレビューサイトが出している点数などを平均化しているので信頼性も高く、ゲーム制作側からも高得点をアピールすることもある。 レビューサイトからの評価以外にも別個にユーザーの投票によって評価を決めるユーザースコアもあるが、こちらは誰でも書ける。 そのため、日本のAmazonレビューのように荒らしによって平均点が極端に下がる、または極端に上がることもザラである。 メディアミックス展開 1つの作品をゲーム・漫画・小説・アニメ・映画・音楽・イベント・ホビー等々、様々な形態に広げて発表していくことを指す。 ゲームはゲームを遊ぶ環境を整えなければ触れられないが、間口の広い別媒体で発表すればその分ファンの裾野を広げる事ができる。 また、各メディアはそれぞれに特長があり、同じ作品に対し異なる切り口から異なる魅力を楽しめるとして既存ファンにも強くアピールする手法である。 ゲームのみならず映像作品や書籍なども嗜んでいる層も多くいる為、当たればメーカーにとってはさらなる利益増大・人気拡充につながる。 別メディア作品のゲーム化、発売されてから人気の出たゲームの他メディア進出、最初からメディアミックスを想定して同時進行……等々、企画の出発点は様々である。ゲーム以外の作品がゲーム化した場合は「キャラゲー」にも当てはまる。 後発のメディアミックス作品が、元作品の内容の補完や、ゲームの容量や開発期間の都合で入りきらなかった要素を含んでいる場合もあり、当Wikiでも時折、他メディアの情報に一部触れている記事がある。 ゲームが中心となっているメディアミックス展開としては「.hackプロジェクト (Project.hack)」が挙げられ、第1期は『.hack』で第2期は『.hack/G.U.』が中心になっている。 1つの作品に収められる情報量に限界があるのは仕方のない事だが、事前の断わりなく他作品の視聴や読了が必要であったりすると強く批判されるは場合も。 上に挙げた『.hack』シリーズもシリーズ内のアニメ等にも目を通しておかなければ置いてけぼりを食らうというハードルがプレイする敷居を高くしてしまっている。 なお、ゲーム原作のアニメが逆輸入という形でゲーム化されることもあるが、この時に権利上の問題が発生することも多々ある。 例えば、『Pokémon Puzzle League』はアニメ『ポケットモンスター』準拠のゲームであるが、海外版のアニメ主題歌の権利で問題が発生したため国内未発売となった。ちなみに、『パックランド』もアニメ版準拠である。 『パックマン』がそうであった様に、国内未公開のアニメも意外に多い。 アニメを見ておかないと理解不能……『シャイニング・ウィンド』『AKIRA』 原作の謎を補完している……『新世紀エヴァンゲリオン2』『ラーゼフォン 蒼穹幻想曲』 原作の後日談や前日談……『武装錬金 ようこそパピヨンパークへ』『とある魔術と科学の群奏活劇』 ゲームの続編がゲーム以外に移行……『ダンガンロンパ』シリーズ ゲームとアニメで一部登場人物のキャラ設定まで違う……『serial experiments lain』 ゲームの人気が原作を遥かに上回った……『キャプテン翼II スーパーストライカー』 ゲームが原作であるアニメのゲーム化……『F-ZERO ファルコン伝説』『ボンバーマンジェッターズ』 アニメ版が抱える問題点を逆輸入したゲーム……『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』 アニメ版との関連性を匂わせるも、実は全く無関係な内容……『がんばれゴエモン ~天狗党の逆襲~』『時空の旅人』 メモリーカード セーブデータの保存に必要な外部ツール。 不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)を使うことでデータ保存のための電池・電源が不要となっているため、バッテリーバックアップに比べてセーブデータ消失の悲劇が起きる可能性はかなり低い。 通常は問題にならないとは言え、書き換え回数に限度があったり、物によっては衝撃に弱かったりするため完全とは言えないが、耐久性に関しては比べ物にならない。 メモリの高性能化が劇的に進んでいったため、次第にデータ量の大きなものやゲームそのものもメモリーカードに保存できるようになり、運用の幅が広がった。 一方でダウンロード販売が普及し、HDDの方がいくつか欠点はあれど安価・大容量・高速アクセス可能なため、第7世代(PS3/360/Wii)以降の据置機ではメモリーカードは使われなくなり、本体内蔵のストレージに保存するのが当たり前になった。 ゲーム機によっては専用のストレージが用意されることがあり、特にソニーの携帯機におけるPSPからPSVの移行期において、汎用のソニーメモリースティックから専用カードに変更されていた。 アーケードゲームにおいては、現行はほぼ完全に非接触型ICカードが主流となっている。 過去には『ドラゴンクロニクル』『アイドルマスター』のように接触型の磁気カードが使われ、ゲームデータの他に再印刷型のカードで視覚情報も書き込まれていることもあった。 しかし、現在ではIDのみが記録された読み取り専用型のICカードを使用してセーブデータはサーバ上に保管するのが主流である。 以前から使われていた磁気カードではどうしても記録域の劣化が避けられず、データ破損対策としてカードの使用回数に制限を設ける必要がでて、ユーザーに大きな負担を強いていたというのが原因。 サーバ保存の利点はデータ書き換えによるメディア破損を発生させないようにし、万一破損や紛失した場合の復旧も容易にする(*23)ことが出来、何よりセーブデータの改ざんを防げるという意味合いが大きい。 一方で欠点としてはオフラインでは何もできないので、サーバメンテナンス中(*24)やサービス終了時にデータにアクセスできなくなり、特にサービス終了すると有無を言わさず全てが失われることが挙げられる。 また、ID保護やIDに紐づけされた個人情報保護のために相応のセキュリティ対策も求められる。 磁気カードの場合はこの逆で、オフラインでも最小限プレイ出来てデータへのアクセスもできる環境が確保できるが、カードが消耗品となり破損するとデータロストとなる。 また、『DERBY OWNERS CLUB』では、磁気カードの複製による不正行為も行われた。折衷案としてはカードに書き込んだデータのバックアップをサーバーにも保管するという方法がある。 これによって、破損したカードデータの復元を「再発行」という形で行えたり、サーバ上のデータと矛盾するカードデータ(*25)の読み込みがあった時に不正データとして検出できたりするようになる(*26)。 モーションキャプチャー 現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術。モーキャプ(mocap)と略される。 関節や頂点部分の位置をカメラや慣性センサでデータに取り込む方法が主流。 キャラクターの動きをより人間らしくすることでリアリティのある映像になり、かつ大幅な省力化(*27)にもなるため様々なCGメディアで導入されている。 ただし、あまりモーキャプにこだわり過ぎると「走って止まって振り返る」などの動作がもっさりして見えるという弊害もあるため、上手くデフォルメする技術も求められる。 ゲーム業界で使われ始めたのはポリゴン描写が容易となったPS/SS世代からであり、ムービーシーンだけでなく3D対戦格闘ゲームで実在する武術をその道の熟練者に演じてもらう等の利用方法がある。 この技術を顔の動きに応用した「フェイシャルキャプチャー」によって、リアルな表情の変化をCG描写することも可能となっている。 モーションコントロール プレイヤーの動きでゲームをコントロールすること。 ジャイロ/加速度センサーも参照。あれもコントローラ自体を動かすことで入力を行うモーションコントロールの一つ。 Wiiの「Wiiリモコン」やPS3の「PSMOVE」が代表的で、マイクロソフトの「Kinect」で遂にプレイヤーはコントローラーを持たないまでに至った。 このように第7世代で一躍主流になりつつあったモーションコントロールだが、その後の世代では主軸ではなくコントローラーを動かすことでAIMできたり『リングフィット アドベンチャー』のようにコントローラーの位置からプレイヤーがどう動いたかを検出するようなサブの機能として取り入れられている。 萌え擬人化 漫画・アニメ・ゲームにおいて人間以外の生物や無生物を人間の姿にして萌えの対象にすること。 美少女(幼女含む)・美女化が大半だが、イケメン化される事も在り対象層は男女を問わない。 擬人化対象は古典的に擬人化されていた猫や犬などの動物もあれば、植物・宝石・ゲームハード・OS・兵器・国家だったりと無節操にも程がある位枚挙にいとまがない。“八百万の神々”を信仰してきた「日本人ならでは」と言える……のだろうか? (同じ動物でも)「元ネタの姿を基調として人間体に描く(『ミッキーマウス』等)」「見た目は元ネタのままだが人間のそれにのっとった行動や心理表現をする(『ジャングル大帝』等)」という古典的な擬人化とは少々趣が違い、概要の通り「対象を(コスプレじみた)人間の姿にする(『けものフレンズ』等)」というのがポイント。 「元ネタを想起させるデザインの服装やアクセサリーを身に着けた人間(*28)の姿(*29)」で描かれ、いわゆる「獣人」等とも違い顔は人間そのものである(*30)。 古くから『MS少女』(大日本絵画)や『OSアイドルWinちゃん』(エンターブレイン)等の作品が存在していたが、2004年ごろに「備長炭」を萌え擬人化した『びんちょうタン』(アルケミスト)が産地の公式マスコットに採用されたのがブームの奔りと言われている。 更には「キャラを作る際に元ネタの逸話やデザインを参照出来て楽」「まとまった数のキャラクターを作れる」と言う事情もあってか、2010年代に入ると特にソーシャルゲームを中心に人気のジャンルとなった。 実在した軍艦を美少女化した『艦隊これくしょん -艦これ-』(DMM)や、実在する刀剣を美男子化した女性向け作品『刀剣乱舞』(DMM)はその代表例と言えるだろう。 また、実在する有名剣士や武将の男性を美少女化した『行殺(はぁと)新選組』『恋姫†無双』や、実在した男性エースパイロットを美少女化して「ミリタリー×美少女」ブームの奔りになった『ストライクウィッチーズ』等を肇とした「女体化(にょたいか)」と言うジャンルも並行して存在する(*31)。 萌え擬人化との違いは元ネタが人間(主に男性)であること。 逆に女性の美男子化をメインとした男体化商業作品は2017年現在存在しない(*32)。 なお、単に「元ネタより美形にした・若々しくした」と言う場合は、よほど極端にやらない限りこのジャンルに含まれない。 そもそも演劇や実写映像作品でも役者の方が元ネタより美形になるのは普通である(*33)。 萌えゲーアワード 元は「美少女ゲームアワード」と言う名で各種ゲームをユーザー投票も参考にしつつ評価するというもの。 大賞の他にも部門毎の賞もあるので思わぬ良作を発掘する材料になることもままある。 大雑把に言えば美少女系のPCゲームで製作会社が萌えゲーアワードへの参加を申請しているものが対象。 少なくともとんでもないクソゲーが大賞などに選ばれることはまず無いのでこれで上位となる作品は比較的安心して購入出来る。 参加対象に大手の作品などは少ないので片手落ちでもあったが、現在では大手の参加も増えた。 欠点としては、仕方ない話ではあるが熱心な(投票に参加する)ファン・購入数の多い作品・メディア展開や宣伝が激しい作品程上位に来る傾向にある。 好き嫌いが非常に激しい作品や肩透かしや微妙……という意見が多い作品等も大賞含めて多く上位にランクインしている。 審査委員の意見が評価が怪しく、そして強過ぎるのでは?という感じがする場合も割とある。 よく宣伝や評価にも使われているが(当Wiki内でも記載されていることが多い)、アワードを盲信せずに自分好みの作品であるかどうかを判断することが大切である。 もっさり 元々は「野暮ったい、垢抜けない」という意味の言葉。 ゲームでは快適な進行を阻害されてテンポの悪い様子を指し、「爽快感」「サクサク進む」の対義語のようなものとして「もっさり感」と表現する。 以下はもっさり感の原因となる例。 無駄に長い演出・ムービー 妙に硬いザコ敵 自キャラの鈍重な動き 入力遅延(ラグ) 長いロード時間 処理落ち アクションゲームやシューティングゲームといった、スピーディな動きや快適なレスポンスを重視されるジャンルでは特に問題となりやすい。 プレイヤーの入力操作と意識がゲーム中のキャラの動きと一致し、テンポよくバッタバッタと敵をなぎ倒していく魅力は、もっさり感を指摘されるゲームにはおよそ望めない。 その代わりになりうる魅力がない限りは「アクションゲームとして欠陥がある」と言われているに近い。 もっとも、この演出の重さも使い所による。「ごっつい大男がハンマーを速いとは言えないスピードで振り回し、攻撃が多段ヒットするのにその1段1段に長めのヒットストップがかかる」という場合は確かにテンポが煩わしいとはいえ、重量級武器での攻撃の迫力が出ている(重厚感)と認識される場合もある。 もちろんこの場合「ヒットストップ終了後に敵に大ダメージが入り、他の攻撃より遠くに吹っ飛ぶ」等、それなりの爽快感がなければ単なるもっさりである。 そういう意味でも、世の中にはもっさり感が魅力になってしまった稀有な例もあるが、やはり例外的な存在である。 「もっさり」として批判された例。 『エースコンバットX2 ジョイントアサルト』 『スーパーストリートファイターII』 『デビルメイクライ2』 モンゴリアンスタイル PCゲーム、特にFPS/TPSの操作スタイルの1つで、「コントローラー + マウス」でプレイすること。 通常PCゲームを遊ぶ時は「マウス + キーボード」か「コントローラー」でプレイするのが一般的だが、このスタイルでは左手にコントローラーを、右手にマウスを持つ。 「マウス + キーボード」の場合、マウスによるエイム操作が優れている一方でWASD移動が難しく、ゲームにおけるほとんどの操作を左手で行う必要があり、加えて左手への負担が大きい。 一方で「コントローラー」は左スティックによる移動は快適で操作も両手で満遍なく行うことが出来るが、右スティックでのエイム操作が難しくFPS/TPSでは思い通りの攻撃が出来ないという問題がある。 この2つのスタイルの問題点を解消しなおかつ長所をいいとこどり出来るのがモンゴリアンスタイルであり、CSからPCへ移行して来るユーザーにもオススメなスタイルである。 ただし、当然ながらこのモンゴリアンスタイルにも欠点があり、プレイ時に操作する為のキー及びボタンが必然的に足りなくってしまう。 その為、使用するマウスをボタン数の多いゲーミングマウス(*34)にするか、CS用に販売されているマウス付属型のコントローラーを使用することで欠点を補う必要がある(*35)。 また、レレレ撃ち(*36)と言ったWASD操作時に本領を発揮する技術の効果が半減してしまうという欠点もある。 また、PC向けのFPS/TPS作品ではほとんどないが、1台で複数人のローカルマルチプレイをサポートするゲームの場合、1人分ではコントローラーとマウスの同時操作には対応していない。 なお、「モンゴリアンスタイル」という名称の由来は一切不明であり、モンゴル人が本当にこのようなスタイルでPCゲームをプレイしているかは定かではない。 ロシアンスタイル キーボードを膝の上に置きマウスを横向きに構えてプレイすること。 この名称は『QUAKE』のロシア人プレイヤー「Cooller」がやりだしたことに由来する。 机の上の障害物を無くし、マウスを広くぶん回せるという利点がある。ただしなぜマウスを横向きに持つかは永遠の謎。 折衷案としてマウスは普通に持つがキーボードは膝の上に置く「セミロシアンスタイル」というプレイヤーも存在する。 やりこみ プレイヤーがゲームに設定された目的を超えてプレイすること。 主に育成要素のあるゲームに多く、「レベル60もあれば十分クリア可能なのに全員のレベルを99まで上げる」「逆に可能な限り経験値を取得しない低レベルクリアを目指す」等が挙げられる。 ゲームのジャンルにもよるが、「一切攻撃せずに(弾を撃たずに)クリア」「アイテムを一切使用せずにクリア」「ノーミスノーボムでクリア」「全アイテムを取得」「タイムアタック」「ランキング上位を目指す」等もメジャーなやりこみプレイとして人気。 楽しくて仕方ないうち気づいたらなのか、単に暇なのか、ゲームを骨の髄までしゃぶりつくすその姿勢はいつしか称賛の対象となった。 『ファミ通』の人気企画に「やりこみ大賞」というのものがあり、そこに投稿されたやりこみの数はゲーム猛者集団であるファミ通編集部をして唸るほどのものが企画のたびに大量に送られてきたとか。 そんな中、「FF5やりこみ大賞」の募集中に、本来なら選考外であるはずの『星をみるひと』をただクリアしただけ」というものが投稿、掲載されるという珍事が発生。 やりこみ猛者の縛りプレイなどが犇く中、ただの1ゲームをクリアしただけでやりこみと認められた超難易度ゲームは非常に珍しい存在であろう。 ましてや黎明期の高難度風潮が過ぎ去ったRPGなどなら尚更のことである。 関連 縛り やりこみ要素 骨の髄までしゃぶりつくしてくれるプレイヤーの存在に開発者としても感じ入るものがあったのか、あるいはゲームソフト容量に余裕が出てきたからなのか、たった一度クリアしただけで即中古屋行きにされるのを憂えたのか……。 ゲームの中におまけ要素として仕込まれたアイテム&モンスター図鑑を始めとする蓄積型の要素は、セーブ環境の整った時代から数を増すことになる。 内容も次第にエスカレートしていき、総プレイ時間のように分かりやすいものから、何かをした回数まで事細かく記録されるようになり、 ついには実績/トロフィーのように、もはやハード単位の標準機能として搭載されるまでに至った。 ただし、それも当然ながら程度による。このやりこみ要素の回収が面倒か苦行、かつ報酬が「超強力な要素」「ゲームバランスの根幹」か「コンプリートに必須」など無視できない部類になってくると、そういうものは「やりこませ要素」として問題視されることになる。 他、ゲーム自体に問題はないがトロフィーなどの数で「上下関係」を構築しようとするプレイヤーが現れ、問題視される事もある。 特にプレイヤー同士の交流が盛んなゲームでは、そういった「上下関係」の是非を問う論争が繰り広げられる場合も多い。 ユーザーインターフェース 略称:UI。ユーザーとゲーム(システム)が情報をやり取りするための場所。メニュー画面やステータス表示画面等を指す。 ゲームプレイ中はUIを見る時間が長いため、UIの快適さ=ゲームの快適さといっても過言ではなく、UIが見にくい・使いづらいとそれだけでゲームそのものの評価を落とす要因になりえる。 逆にUIが優秀で使いやすいというのは半ば前提でもあるため、それだけではゲームの評価には大きく影響しない(もちろん評価点としては挙げられるだろう)地味ながら重要な点。 『Fallout』シリーズのPip-boy等、主人公が身につけるガジェットがUIの役割になっていたり、FPSでは兵士のヘルメットに映されるHUDがUIとされていたりと、場合によってはゲーム世界への没入感を高める役目も担っている。 アーケードゲームでは、筐体そのものやコンパネの構造までUIに含まれる。 また、開発会社が同じ場合、別の作品にそのUIを使い回す場合がある。 ライセンス ざっくり言うと「○○していいですよ」という許可のこと。 ゲームにおいては、各種権利の使用料を払って他社作成のフォントやゲームエンジンなどを使用する「ライセンス使用許諾」を指すことが多い。エンドロールなどにもその会社の名前が記載される。 大昔は実在の車も平気で出してしまうことが多かったが、車のデザインなどにも権利は発生する。 そのため実在の車を多数登場させるレースゲームは、スタッフロールのライセンス部分が「車そのもののライセンス表記に加え、レースカーに貼り付けてあるリバリーに関連する企業」と膨大になるため、物凄く長くなるのはご愛嬌。同様に『スーパーロボット対戦』も参戦作品数(と、声優の多さ)故にライセンス数も多い。 また、社のポリシーや独占契約により「AメーカーのBという作品にはライセンスを提供するが、Cには提供しない」「D社以外のゲームには一切ライセンスを出さない」「E社以外にもF社のゲームにもライセンスは提供するが、他の車と混走出来なくする」等、ライセンスに制限がつくこともあり、プレイヤーからは批判の対象になる場合もある。 スポーツゲームでも題材や内容によってはその競技を統括する団体/法人の許諾を得る必要がある。特に放映権がビジネスとなっているオリンピックを題材としたゲームは顕著。 また、サードパーティによるコントローラーやアクセサリなどの販売もライセンス制度を取っている場合が多い。 特にコントローラーは実際に純正品とほぼ同じ機能・動作をするという保証を付けてくれるので、相性問題に悩まなくてすむというのが利点。 逆にこのせいで「Xbox WindowsとPSどちらにも対応した共用コントローラーが実質的に生産不能」というネックを抱えている(*37)。 一応、両対応の非ライセンス商品は存在するが、それらは「純正Xboxコントローラーチップを内蔵し偽装」や「コントローラーに純正のコントローラーを接続し、信号を偽装して接続」などの手段を取っている。 ラグ 英語で「遅延」のこと。主にプレイヤーが入力してから入力が反映・実行されるまでの時間差を指しており、「入力遅延」または「Input Lag」とも言う。 主に格闘ゲームやアクションゲーム、シューティングゲームではこれがあることで「自分の攻撃が当たらない」「相手(敵)の攻撃を避けられない」等と言った要因につながりやすいため、時折シビアに見られる傾向がある。 近年は液晶モニターと無線コントローラーが主流になったため、ブラウン管に比べるとどうしても機材側でのラグが出やすく、開発やゲーマー双方の悩みのタネとなっている(*38)。 特に無線コントローラーは当初の性能が尾を引いてか、無線コン全てでラグが出ると思い込んでいる人が結構いるが、少なくともSwitchやPS4以降の純正機種を含むBluetooth接続コントローラーはなぜか逆に無線のほうがインプットラグが少ないという実験結果が出ている。 また、オンラインゲームにおいては相手プレイヤーやサーバとの通信になんらかの問題が起きて遅延が生じている状態を指す。 多少の遅延なら問題のないこともあるが、重度になると相手が突然ワープしたり、移動した場所から戻されたりとプレイに支障が生じることもある。 FPSや格ゲーを中心としたアクション物ではこの通信ラグが問題となり、「世界中に繋がる」はずのネット対戦でも、海外勢とはまともな試合にならない場合が多い。 このラグは「アンテナ」や「Ping」で大体どのくらいと判別出来るが、無線LAN使用者は「ロビーではアンテナが3本立つのにゲームになるといきなり悪くなる(*39)」人も多い。 「無線と分かった瞬間即キックされる」「無線に人権は無い」とまで言われ、不特定の人とのマルチプレイは有線接続が鉄則とされるのはこれが原因。 地方を中心に「有線接続でもパケットロスはしないのでアンテナは3本立つし動作は遅くならない、でも人より0.08秒遅れるので、見えた位置に撃っても当たらない」なんて人もいるが、単に反応が遅いだけかも知れないので無線野郎と罵るのはやめるのが無難。 ラジコン操作 3Dゲームにおけるキャラクターの操作方法の1つ。 「方向キーを右に入力するとキャラクターが画面の右側に移動する」というような操作ではなく、「キャラクターを前に進めさせるのは方向キーを上に入力したときだけ」「進みたい方向を変更するときはキャラクターをその方向へ転換させる必要がある」という操作方法。 一見ややこしいが『バイオハザード』のように固定カメラが場面によってしょっちゅう切り替わるゲームにおいては場面によって方向キーをいちいち入力し直す必要がないという利点がある。 また、同作においては直感的に操作できないことで恐怖感を増幅させるという効果も担っている。 ラジコン操作のゲームの例 『ぼくのなつやすみ』 『鬼武者』 『ゼノブレイド3』のバウンダリー 乱数 ゲームの「確率」「ランダム性」を実現するために、ゲーム内部で設定、または計算される数値のこと。 多くのゲームには「1/64の確率で手に入る」「1/4の確率で失敗する」などの確率判定が存在するが、コンピューターのプログラムは命令に忠実に動くものであり、確率、つまり「同じ状況で同じ命令を出しているのに違う結果が出てくる」という動きは本来実現できない。 そのために、ゲーム内部では常に変化する数「乱数」を持っておき、この数を処理に組み入れることで、プレイヤーが同じ操作を行ってもこの乱数の数値によって異なる結果が生まれることで「確率」という概念を実現している。 ゲーム内部で振るサイコロのようなものと思えばいい。 これの存在によりゲームに意外性が生まれるが、乱数の要素が強すぎると「運ゲー」と批判される。 なお、現代の技術ではコンピューター上で完全な乱数を再現する事は限りなく困難であり、すべてが何かしらの計算式を使って算出する疑似乱数である。例としては「円周率の各桁の数字」等。 乱数種(ランダムシード) 上記の乱数を抽出するためのキーワード(*40)。 乱数種を引数として乱数関数を呼び出すことで乱数を生成する。乱数種が一意であれば、生成される乱数テーブルも一意である。 そのため、乱数種を保存することで過去の抽選結果を完全再現することが可能である。 近年のゲーミングマシンは、ティルトスイッチが反応するなどで中断されたゲーム結果が再開後に完全再現されるが、それは乱数種が保存されているからである。 N88BASIC(86)で乱数種の宣言をせずに乱数を発生させるとプログラム実行毎に毎回同じ結果が出たりするのもこれ。 乱数種の生成規則の中に現在時刻を用いるなどで疑似乱数を完全な乱数に近づける工夫はBASIC時代から行われている。 乱数調整 前述のとおりコンピューターの扱う乱数は乱数発生器(計算式)を使って算出する疑似的なものである。 つまり算出される乱数には一定の法則が存在する。その法則を解析して思い通りの結果を出すのが乱数調整である。 チートと混同される事も多いが、乱数調整はデータを直接改ざんしない点でチートとは区別される(*41)。 有名な例を出すと『ポケットモンスター』シリーズの一部の作品は乱数調整を行うことで、短時間で高い能力を持ったポケモンや色違いポケモンの入手が可能。 ただし仕様の穴を突いた遊び方であること、ポケモンの育成効率や色違いの入手難易度に格差が生まれることから賛否両論があり、肯定派と否定派による論争が繰り広げられている(*42)。 作品によっては乱数調整を防ぐために乱数発生器に高精度の時計を絡めることも多い。 この仕様であれば1/60秒単位の正確な操作ができないかぎり乱数調整が不可能なので、乱数調整=反則(TAS等の外部ツールを使っている)と言える。 逆に『スーパーロボット大戦』シリーズ等のターン制ゲームは「リセット技」を防ぐ為「ステージスタート時に乱数を固定、乱数は1行動で1つしか進まない」とするシステムを導入している(*43)物もある。 逆に考えればその行動の前に「別のユニットを移動させる」と乱数が進み、違う結果を出せるため、乱数が時間で進むよりも乱数調整をやり易くもなっているのだが、ポケモンと違い対人戦が無い作品が多いのであまり問題視はされていない。 一方で『勇者30』シリーズの様に乱数調整前提のゲームも存在する。 セガシステム16版『テトリス』や『ぷよぷよ』『バトルガレッガ』等で知られる「電源パターン」も乱数発生器を初期化する事により、CPUに常に同じ動きをさせる(*44)ことが目的なので乱数調整に近い。 最初期のゲームである『スペースインベーダー』や『パックマン』は、乱数の精度が低いうえプレイの度に自動的に初期化されるので、実質的に常に電源パターン状態になっている。 メダルゲームやパチンコ・パチスロなどの遊技機や、オンラインポーカーやオンラインカジノなどでは乱数精度を高めるために専用チップを使用したり、外部機関の認証を受けた乱数発生器を使用したりして乱数調整を防いでいる。 特にパチンコやパチスロでは過去に電子メトロノーム(*45)を用いた乱数調整による攻略を受けたり、ソフト内部に意図的にバグを設けて乱数調整することで違法な仕様を実現したりしたため、現在では専用のチップを用いて乱数調整防止を図っている。 ランチャー 英語の「launcher」のこと。同じ「launch」でも、「ローンチ」と読むと全く異なる意味になるので注意(詳しくは「ローンチ」の項を参照のこと)。 パソコン黎明期に於いては「ランチャーソフト」といえば、メニューにconfig.sysやautoexec.batを登録して、メニューからソフトを選ぶだけで最適環境に切り替えて起動してくれるソフトで、NEC機全盛期にはサードパーティ製のハードディスクに付属しているのが普通だった。 これの出来の良し悪しでハードディスクの売れ行きに影響し、とりわけPC-9821発売時にはPC本体に「98ランチ」というランチャーソフトが付属するなどの流行になった。 これがWindowsのかつての標準シェル「プログラムマネージャー」となり、そして「エクスプローラー」などのファイルマネージャーと融合。 スマホや現行ゲーム機ではアイコンの多数並ぶメニュー画面へと進化し、現在ではランチャーは標準装備となったともいえる。 ゲームのダウンロード販売においては、各認証サービスプラットフォームがゲームソフトを起動するランチャーを配布し、ランチャーからゲームを起動するようになっている。 Steamのクライアントソフト、GOG Galaxy、Epic Games Launcher、UBISOFT connect(旧名:Uplay)、EA Originなどがある。 SteamやEpic Games StoreにおいてUBIやEAのゲームを購入すると、SteamクライアントやEpic Games LauncherからさらにUBISOFT connectやOriginを起動することになる。 なお、Epic Games Storeで購入したUBIの一部ソフトにおいては、最初の起動はEpic Games Launcherから行ってUBISOFT connectへ紐付ける必要があるが、2回目以降はEpic Games Launcherを飛ばしてUBISOFT connectから起動できるようになるものもある。 GOG Galaxyは他プラットフォームのアカウントを紐付けることで、プラットフォームをまたがった所有ゲーム一覧を作成できる。 その一覧画面から、GOGで所有していないが他のプラットフォームで所有しているゲームの起動を行うと、GOG Galaxyが他プラットフォームのランチャーを経由してゲームが起動する。 この方法でEpic Games Storeのゲームを起動すると、Epic Games Launcherの使用リソースが少なくて済むという裏技がある。 Unityゲームエンジンを使ったインディーズ製のPC向け作品においては、表示解像度やキーバインドを設定する機能を具備した個別のUnityゲームランチャーを経由してゲーム本体を起動するというまどろっこしい仕様になっているものがある。 そういうゲームはゲーム本体では表示解像度やキーバインドの設定が出来ないものも多い。 『Stellaris』においては、発売から数年後にアップデートによってランチャーが追加され、そのランチャーの不具合によって以前より不便になったという本末転倒な事態となった。 Kalypso製のWin版『Railway Empire』や『Tropico 4』等は起動時に「Kalypsoランチャー v2.0.11」なるランチャーが起動し、それの「Launch Game」をクリックすると「Kalypsoランチャー v2.0.4」なる別のバージョンのランチャーが起動するというクソ仕様のまま放置されている。 ランボースタイル 実銃や実際の戦争を元にしたFPS/TPSであるにもかかわらず、「主人公が大量の敵を正面から打ち倒す」という場面を揶揄したもの。 これは、同様の様相でヒットした映画『ランボー / 怒りの脱出』『ランボー3 / 怒りのアフガン』のように感じる事からこの名前がついた。 あくまでも揶揄なので、『Serious Sam』や(TPSではなくTPAだが)『無双シリーズ』のように最初から狙っていたり、架空の世界だったりする場合はそう呼ばれる事が少ない。 リアルな戦争物をプレイしていたはずが、リアルさのかけらもない映画的な展開になったとしてFPSプレイヤーからは基本的に嫌われる存在。 『Medal of Honor Allied Assault』で製作陣がランボースタイルに不満を持ったために大量退社、Infinity Wardとして独立したというのはその筋では有名な話。 しかし、あまりにもリアルに寄せすぎると「敵が少数かつすぐ隠れる」や「FPSなのにSの部分がほとんど無い」となってしまう。 それ故ゲームとしての面白さに乏しいことから、Infinity Wardが手掛ける『Call of Duty』シリーズもランボースタイルとなっており、市場を見てもランボースタイルのFPSが主流となってしまっている。 とはいえ、ランボースタイルを嫌がりInfinity Wardを立ち上げたコアメンバーのほとんどが既に退社済み(*46)という事情もあり、単純に「Infinity Wardだからランボースタイルが嫌い」というのは既に過去の話となっている。 ちなみに、2021年5月には当時の『CoD』シリーズ最新作である『Black Ops Cold War』において、DLCで公式にランボーがオペレーターとして登場している。 + 『Call of Duty』に登場したランボー 同様の語源で、本来は隠れたり暗殺しながら進むものであるステルスゲームを、真正面から敵をなぎ殺しながら進む力押しプレイも「ランボープレイ」などと呼ぶ。 RMT(リアルマネートレード) MMORPG等においてリアルマネー(現実世界の通貨)でゲームマネー(ゲーム内通貨)を買う行為。 ゲームマネー以外のゲーム内財産をリアルマネーで買う行為も含まれる。 楽して強くなろうと言うプレイヤーが買い手になりやすい。「プレイ時間が少なくなってしまう真面目な社会人よりも、無駄にプレイ時間が多いニートの方が有利なんておかしい」と自己正当化することも。 昔はそれほど問題視されていなかったが現金収入になることから、迷惑行為やアカウント強奪をしてでもゲームマネーを稼ごうとするいわゆる「業者」が登場。 ゲーム内でインフレを起こしたり、アカウントを奪われたプレイヤーが引退したりと言う問題が起き、大概のゲームで禁止されることになった。 終いには運営側のゲームマスター(*47)が己の権限を使ってプレイヤーのゲームマネーを奪いRMT業者に売って数千万円儲けたなんて話も。 なお、よく業者の中身は外国人だと騒がれるが、そもそも日本人プレイヤーが買うから成立するビジネスだと言うことを忘れてはならない。 ゲームマスターがRMT目的で不正アクセス禁止法を犯し逮捕された例 『ラグナロクオンライン』 『剣と魔法のログレス(ブラウザゲーム)』 公式RMT 運営自身が主催するRMT。 「赤の他人(RMT業者)を儲からせるよりは」と言う考えの下に運営自身が主催するようになったもので(*48)、当然ここでのRMTは規約違反にならない。 RMT業者に対して「公式より安くないと売れない → RMT業は美味しくない」と言う圧力を掛ける事もできる。 例として、ハクスラ系アクションRPG『Diablo3』は公式で「オークションハウス」としてRMTが出来る環境を用意しており、ユーザー同士でリアルマネーを用いたアイテム交換が推奨されていた。 転じて、運営がリアルマネーで売っているアイテム(課金アイテム)を買い、それをゲーム内で他のプレイヤーに売ることでゲームマネーを得る行為を指すことも。 主に「課金アイテムばかりに力を入れてゲーム本編はおざなり」と言う揶揄での運営批判に使われる。 リーク 「漏れる」という意味の英単語だが、文脈によっては情報漏えいのことを指す。新作ゲーム情報から役員人事や会社合併など、まだ公開していない情報が第三者によってすっぱ抜かれること。 リークと一言に言っても関係者から噂を聞いたという取るに足らないものから、機密情報が書かれた資料が何らかの理由で公に出てしまうといったクリティカルなものまで情報の濃度は様々。 事前に情報が漏れるということは情報の鮮度が公式発表時に薄れてしまう、売上にも影響を与えるということなので各社リークには神経を尖らせている。 特にE3等の大きなイベントの前には真偽綯い交ぜになった様々な情報が飛び交うためか、近年ではイベントで大々的に発表する前にTwitterなどの大規模SNSで前もって予告してしまう、といった手法も見受けられるようになってきた。 しかし、それでも近年は悪質なリークが後を絶たない。そして、インターネットが発達した現代では昔のソレとは拡散スピードが比べ物にならない。 「Xbox Series S」や『Half-Life Alyx』は公式発表の直前に全情報がリークされ、『FORTNITE』のチャプター2に至ってはテスターが守秘義務契約を平然と破り自身のSNSで全情報をリークした。 前述したE3直前のリークも、近年では毎年のように発表される全タイトルがリストアップされてリークされるため、「企業内部にリーカーが買収した内通者が存在するのではないか」という憶測もある(*49)。 実際、『バトルフィールド2042』正式発表直前にリークされた映像はEAの社内プレゼンテーション用に制作されたものであったらしく、企業内部にもリークする人間が存在するのは事実のようである。 このような現状からPSのSIEのようにE3参加を取り止める企業も年々増えており、リークされた作品は発表の前倒しを余儀なくされるなど、ゲーム業界にとって頭の痛い問題となっている。 そもそもの話、リークは企業の情報を盗んで勝手に暴露する行為であるため、法的措置を取られかねない違法行為であることをユーザーもしっかりと認識するべきであろう。 その一方で、未だに毎年新作が発売されている『Call of Duty』シリーズのリークは、発表される半年ほど前からあまりにも詳しい情報が毎度のようにリークされているため、「公式が話題作りでわざとリークしている」という噂がある。 他にも、『Magic the Gathering』は一定ランク以上のプロプレイヤーに「スポイラーリスト」と呼ばれる全カード一覧を、一般プレイヤーより一足早く渡していることが公然の秘密となっている。 それを故意に流出させたとして、出場停止などの重いペナルティを課した事実を公式記事で上げたこともある。 稀に公式が予定よりも早くHPを更新したり、Twitterでつぶやいてしまったり、といったうっかりリークしてしまう事例もあったりして「お漏らし」と呼ばれている。 リージョン DVDやBD、ゲームソフトの販売・利用がされる地域のこと。 地域を示すコードのことをリージョンコードといい、対応地域外の機器ではソフト等を再生/使用できないようにすることをリージョンロックと呼ぶ。 逆にリージョンロックされていない状態のことをリージョンフリーと呼ぶ(*50)。 複数地域にまたがって販売する場合、ローカライズにかかる時間等で遅れが生じるため、ローカライズされたものが流通する前に輸入で手に入れて販売ロスが生じないようにするための仕組。 デジタルメディアが一般的になってから普及した仕組だが、ROMカセット時代のゲーム業界ではカセットの形が物理的に違うことで互換性を消す措置を取っていた(例:FC/NES、SFC/SNES)。 さらにFC用のソフトにはセキュリティチップが入っていないため、セキュリティチップの必要なNESでは絶対に動作しないが逆はチェックしないので、FC本体にゲタ(中間ハーネスの役割を持つ特殊カートリッジ)を噛ませ、その上にNESのカートリッジを挿すことでソフトが起動可能だったりする。 同様にSFC/SNESやN64においてもゲタを用いることで相互に動作させることができた。 MDもBIOSによってロックがかかっているが、ユニバーサルアタプターと呼ばれるゲタや、メガキーと呼ばれる改造BIOSで相互に動く場合が多い。 しかし海外版とは映像出力の違いにより垂直同期周波数が異なる(*51)ため、ゲームテンポに違いが出るので注意。 特例にNG(MVS/AES)のROMカセットがある。これは業務用と家庭用とで完全な互換性があり、ゲタ使用で接続すればあとはBIOSを以て判別するので、家庭用カートリッジをそのまま業務用基板として動作させられることも可能という思い切った仕様だった。 近年はオンラインストアによる世界同時発売が当たり前になったうえ、仕様地毎に設定を変えるコストを嫌い、完全リージョンフリーの場合が多い。 ただ海外ストアでソフトを購入するためにはドル建てやユーロ建てが可能なクレジットカードを用意する必要があるうえに、SteamなどのPC版移植については他機種市場を含む様々な利権が絡んでいるせいか、パブリッシャーによるもののリージョンフリーは徹底されていなのが現実である。 詳しくは「おま国」の項目を参照されたし。 リストラ 英語で組織の再構築を意味する。 正式には「リストラクチャリング」だが日本では「リストラ」と略され、「解雇(=クビ)」の意味で言われる場合が多い(*52)。 ゲームやアニメでは専ら過去の人気キャラを続編やリメイクなどで登場させない行為を指す。 長期シリーズを展開する上でキャラは時に新規展開を妨げる枷となることも少なくない。 しかし、長く続くシリーズ程キャラに対するユーザーの愛着は増えていくものであり、そんな愛着のあるキャラが突然いなくなれば反発が起きるのは当然。 特に続投されたキャラがいて削除されたキャラがいる場合、ファン内で大きな不公平感を生みいらぬ対立を煽ることにもなりかねない。 低人気キャラなら削除のリスクも低い様に思えるが、その場合いわゆる濃いファンが多い傾向があるのでそれはそれでリスクが高い。 実際、「○○がいるからプレイ意欲が湧く」というのはあっても、「○○がいないからプレイ意欲が湧く」というのはよっぽどのことがない限り存在しない。 キャラの削除が受け入れられるかどうかは、そのシリーズのキャラがどう変遷してきたかが大きく影響する。 例えば『ストリートファイター』シリーズなどの格闘ゲームでは一部の御馴染キャラ(リュウ・ケン・春麗など)を除き、登場キャラはシリーズ初期からタイトル毎に大きく入れ替わっている。 シリーズとしてそれが常態化しているため、ユーザー側の認識も「キャラは毎回変わるもの」との向きが一般的である。 逆に旧作のキャラが全員続投してシリーズ展開を続けている作品は「キャラはずっと変わらないもの」という固定観念がつくため、削除で大きな反発を呼ぶことになる。 また、キャラの削除はユーザー側からは見えないいわゆる「大人の事情」で片付けられることも反発を大きくする理由である。 その一方で、『サクラ大戦3』等の例にあるようにキャラの入れ替えが成功を収める場合もある。 このケースは「前作のキャラにもきっちり見せ場がある」「新キャラの役割がそれまでの作品と被らない」などといった新旧双方の描写を大事にしている場合が多い。 ちなみに、実際の英語において「解雇」を表す正しい言葉は「レイオフ (layoff)」である。 当然ながらゲーム業界でも「リストラ」に相当する解雇はよく行われることであり、2023年には1年間でスタジオ閉鎖も含め6000人以上が解雇された模様(参照)。 リストラが問題視された作品の一例 『アイドルマスター2』 『クイズマジックアカデミーVII』 『THE KING OF FIGHTERS XII』 『戦国無双5』 『バイオハザード RE 2』 リスポーン 再登場・復活といった意味。 主に敵が再び登場することを指したり、自分が死んだ時の復活地点を指す。 リスキル 「リスポーン・キル (Respawn Kill)」の略。 倒されて復活したプレイヤーをリスポーン直後に殺すこと。 これができてしまうと死亡 → 復活 → 死亡……を延々と繰り返すことになり、特定プレイヤーの動きを著しく制限させることができるが、プレイヤーのゲームへの参加意欲を削ることになってしまうため問題になりやすい。 ゲームによって復活後に無敵時間があったり、復活地点が狙えないようになっているなど様々な対策がなされている。しかしそれでもどうにかしてリスキルしたりと、そう簡単に無くならない問題。 リセット もう一度(RE)セット(SET)すること。プレイ中のゲームを再スタートしてやり直す行為。 ゲーム機についている「リセットボタン」を押すと瞬時にリセットできる。 下記ソフトリセットとの対比で「ハードリセット」と表現される場合もある。 本来はフリーズ等でゲームが進行できなくなった時に電源を落とさずにリブートできるよう本体に設置されているリセットボタン(*53)を使ってゲームを読み込み直すための機能なのだが、ゲームでよくない結果が出たときや、特定のセーブデータで選択肢等を間違えた時にも使われる。 なお、実行中のプログラムを終了させずに再起動するのでデータの破損を招く場合があるため無闇に行ってはいけない。 FCではバッテリーバックアップの故障を防ぐために「リセットボタンを押しながら主電源を切る」という行為が推奨されていた。 SFC以降では電源断時に保護機能が付いたが、リセットを押しながら電源を切るとこの保護機能が働かないため、逆に「リセットボタンを押さずに電源を切ってください」となった。 近年のゲーム機では「ホーム画面」という概念が生まれ、起動中のゲームを電源を落とさずに直接終了することができるようになっている。この関係で、Wiiを最後に本体にリセットボタンはつけられなくなった(*54)。 ソフトリセット 本体にある「リセットボタン」を押さずに、コントローラーのボタンを特定の組み合わせで押したときにリセットされるようゲームソフトウェア側でプログラムされている仕組みのこと。 「リセットコマンド」もしくは「パッドリセット」等とも呼ばれる。 本体まで移動しなくても手元でできる利点があるが、ソフトウェア側にプログラムが搭載されていないとリセットできない場合も多々あった。 乱数の初期位置が戻らない等、ソフトリセットとハードリセットで挙動が違うゲームも多かったが、ハード側の内部機能として「ホーム画面」やアプリリセットなどが実装されてからは影が薄くなった。 リソース 英語で「資源」を意味する「resource」のことで、主にIT用語として見かける言葉だが、ゲームでは「運用すると何かを得られるもの」のような意味で用いられる。 判り易い例はアイテムやお金。消費と引き換えに魔法を使う「マジックパワー」や、カードゲームなら手札そのものがリソース。時にはキャラクターもリソースになりうるし、ターン制SLGのターンも一種のリソースである。 使えば減少し、無くなると行動に制限を受けるため、どう上手く使うかがカギとなる。 この仕組みはゲームデザインの基本とも呼べるものなので、ゲーム記事の解説文にもこの用語が時折登場する。 リソースが無くなるのは問題だが、余らせておくのも「資源を戦力に変換せず無駄に溜め込んでいる」だけであり逆に問題なため、RTS界隈では「リソースは回収=消費がベスト、さらには貯蔵資源も0が理想」と言われている。 もちろん「高コストのユニットを作るため」だとか、「文明を進化させて強いユニットで強襲する」などの理由で溜め込むのは戦術なので問題にはならない。 ただし、それを読まれて生産前に仕掛けられたら元も子もないので、その辺りは臨機応変に放出を決断すべき。 ゲーム理論的な話以外では、マシンパワー、メーカーの人的資源、開発予算や期間もリソースと言える。 「グラフィックにリソースを割く」とする場合は、グラフィックをゲームの売りとして、数・バリエーション・演出などに力を入れていることを表す。 「特定ジャンルにリソースを割く」とする場合は、その特定ジャンルに力を入れていることを意味する。 メーカーで見ると、東亜プランならばシューティングに、SNKならば対戦格闘アクションに開発リソースを割いている典型例である。 しかし、大抵のリソースは有限なのが現実。多く割り振れなかった要素には、その作品の欠点が浮上しやすい。 ならば、さらに多くのリソースを追加しよう…そうやって発売日を延ばしたり、PCの要求スペックを上げたりしたゲームが、ユーザーの目にどう映るか。こういうのは、限られたリソースを上手く使えなかった例である。 また、特定ジャンルの流行が廃れると、そのジャンルにリソースを傾けすぎた場合は方向転換がうまくいかずそのまま経営破綻してしまうメーカーもあり、先述の東亜プランやSNKはその代表例である。 よくあるクソゲーの誕生パターンとして、ゲームの本質から離れた要素にリソースを割き過ぎた結果、肝心のゲーム本体に使えるリソースがほとんど残らなかった、というものがある。 シリーズが長くなり過ぎた作品の場合、外注の人物(*55)がキャリアに応じたギャラを要求することで、末期にはギャラでリソースが枯渇するなんてことも。 離脱 味方ユニット・キャラクターがパーティーメンバーからいなくなること。 主にシステムよりもシナリオ重視の作品において用いられる用語であり、入れ替え前提、かつ加入の任意・自由度が高いシステム(*56)には用いられない(*57)。 同じキャラクターが仲間 → 離脱 → 再び仲間へというパターンは「一時離脱」と、ユニークキャラが仲間からいなくなって以後二度と戻ってこない場合は「永久離脱」と称される。離脱前提で一時的に仲間になることを「スポット参戦」とも呼ぶ。 なお、『ファイアーエムブレム』や『Wizardry』ライクゲームでの死亡・消失(Lost)に代表される、敗退/戦闘不能時にそのままキャラが永久離脱してしまう場合はキャラロストと呼称される。 『スーパーロボット大戦』シリーズでは時々寺田Pが「今回はサングラスの人は裏切りません」というコメントをすることがあるが、これはシャア・アズナブル(*58)のことを指している。 シャアは原作で敵 → 味方 → 敵と立場を入れ替えていったキャラであり、スパロボでもこれに沿った展開を行うことが何度かあったが、能力が高く即戦力となる人気キャラが抜けるどころか敵になって出てくると愕然とするプレイヤーも多かった。 結果、以降の作品でも離脱を警戒して使わないプレイヤーが続出したため、その事前処置として販売前にこのような告知を行うようになったのである。 この一時離脱期間をめぐって、よくユーザーからは文句が漏れてくる。 再加入時の状態は大きく分けて「抜けたときのまま」「プレイヤーに合わせて成長」「既定値」の3パターンにわかれる。 だが、「既定値」で再加入して一時離脱以前の経験値が無駄になるだけならまだしも、「抜けたときのまま」はレベルや装備次第では非常に危険なことになる場合がある(*59)。 ちなみに、初期値に戻されるのも「既定値」の一種だが、この場合は完全に「要介護」である。 永久離脱の場合は、やはりプレイヤーが育てたのを無駄にするのは忍びないのか、最初から育てる必要がないほど強い・経験値が入らない・装備変更や一部操作が不能などといった仕様での暗示があったり、離脱者の所持アイテムが何らかの形で自動的に戻ったり、あるいは入れ替わりで仲間に入る新メンバーにその経験値や装備品が引き継がれる等の救済措置があったりする。 装備などが自由に付け替えできる場合は持ち逃げされる恐れもあるが、「知っている」場合は逆に装備を剥かれて即2軍行きという対処法があったりする(*60)。 中には中ボスやラスボス(!)として出てくる場合や、プレイヤーが育てたレベルに強化が上乗せされた上で敵になるという恐ろしいパターンもある。 オンラインゲームでは、複数のプレイヤーで編成されたパーティの構成員が何らかの理由(回線不良やマシンフリーズ、管理者によるペナルティ等)でログアウト(退出)となった場合に離脱が発生する。 対戦ゲームではCPUによる代打ち(離脱したプレイヤーに成り代わってCPUの操作するNPC)が入る場合があるが、それ以外ではそのままゲーム上から消滅することになる。 特に人狼系ゲームなどは「突然死」として扱うなど、ストーリー的な意味合いを含めた処置を行う場合もある。 リブート 英語の「Reboot」のことで、本来はPC等機器の「再起動」を意味する言葉。 近年では「シリーズの仕切り直し」と言った意味でも用いられることが多い。 新しく作り直す、ということで「リメイク」と混同されがちだが厳密には異なる。 リメイクが過去に出た作品を元にして作り直す、に対してリブートは過去作の設定を受け継いだ上で登場人物を一新したり、過去作をなかったことにしてまた新しく再開するなど様々な形でのリブートがある。 ナンバリングタイトルの場合、リブートを境にナンバーが外されることも多い。 リブートした作品 『Call of Duty Modern Warfare』……舞台を現代に移しナンバリングと世界観をリセット。 『トゥームレイダー』……冒険家ララ・クロフトの原点を描きつつシリーズを一新した。 『Saints Row』……世界観をリセットし、キャラクターをリニューアル。 『ソウルキャリバーVI』……時代設定を初代に戻し世界観をリセット。ナンバリングは継続。 『戦国無双5』……時代設定及び世界観をリセットし、キャラクターをリニューアルしたが……。ナンバリングは継続。 『スターフォックス ゼロ』……64版をベースにしながら世界観をリセット。 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』……15周年記念に原点回帰で新生ソニックをやろうとしたが……。 『HITMAN』……世界観はほぼそのままに、ストーリーをゼロから刷新し、過去作のストーリーは無かったことになった。 リプレイ 再ゲーム。昔のアーケードゲームで好成績を出した時の褒賞として用いられた。近年では『三国志大戦(新)』の「無料進軍」がこれに近い。 再生。ゲームプレイ(試合)を、プレイログを元に再現したもの。最近の対戦ゲームではこの機能が搭載されることが増えており、動画化してダウンロード保存できるタイトルもある。 一度クリアしたゲームをまた最初からプレイすること。何度もやりたくなるようなゲームは「リプレイ性が高い」などと言われたりする。1回のプレイが短く何度も遊びたくなる中毒性の高いものや、分岐があって展開やEDが変化するシナリオ、ハクスラ系で強くなりすぎたのでもう一度最初からなどリプレイする理由は様々だが、ひとつ言える確かなことはそのゲームにどハマりしたということ。 リマスター版 / Redux 過去ハードや携帯機の作品を据置機・HD画質に対応するよう改修した移植版。 元々4 3比率の画面であったものは16 9に直されたり、元の画面モードを選べるものもある。価格は完全新作に比べ安く設定されていることも多い。 大半はゲーム内容はそのままだが、プラットフォームを移したことで操作性が大きく改善されたり、中には更に要素を修正したりすることもある。 例えば『メタルギアソリッド ピースウォーカー』の場合、PSPではかなり悪かった操作性が改善されただけでなく画面レイアウトが変更され見やすくなっている。 また、『キングダム ハーツ』のように少しながら追加要素がプラスされている場合もあり、この手の追加要素の場合は元のゲームのDLCが最初から存在している、海外版が遊べる、倍速モード等を追加するなどといったものが中心となっている。 ただし、オリジナル版からの忠実な移植を求めるユーザーも少なくないため、360版『斑鳩』『電脳戦機バーチャロン』シリーズのようなオールドスクールスタイルのゲームは業務用のパターンと若干異なるだけで批判の的になりかねない。 移植作業は外部のデベロッパーに任され、オリジナル版スタッフは監修程度にとどまることが多く、その場合各デベロッパーの技術力の差が表れることがある。 その為、本来上位のスペックのハードに移植することでグラフィックの向上やフレームレートの改善がされるはずが、グラフィックの劣化やフレームレート低下に加え処理落ちの頻発、さらにはオリジナル版にはないバグまで発生してしまうことがある。 リマスター版の例 『メタルギアソリッド ピースウォーカー HDエディション』……操作性の改善に加えフレームレートが向上し、オンラインマルチプレイが可能に。 『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』……発売時にはオリジナル版から大きく劣化していたが、アップデートで大幅に改善した。 『デビルメイクライ HDコレクション』(PS3)……中途半端なHD化に加え、『3SE』においてバグが頻発。完全な劣化移植となってしまった。 リメイク 過去に発売された作品を現行ハード向けに作り直した作品のこと。 単に別の機種に移植した場合や上記のリマスター版等もここに含んでしまう場合も多々あるが(*61)、あえてこの言葉を使う場合は何らかの大きな改変要素があることが基本である。 場合によっては「フルリメイク」「再構成」「リニューアル」等という表現が使われることもある。 リメイクと一口に言っても一定の制作方法で作られる訳ではないため、原作に忠実なものから原作とは別物レベルまでピンキリである。 例を挙げると、最低限の改変(ゲーム性の再調整・グラフィックやサウンドの変更)に留めて忠実にリメイクしたもの、一部以外大幅に改変したもの、当時最新作のシステムでリメイクしたもの等が挙げられる。 + 詳細 忠実リメイクの場合 原作を踏襲したリメイク。ただし、差別表現などには修正が入る。公式では最新作と区別するような扱いも少なくない。 リメイク元の趣旨を再現する意図があり、グラフィック・BGMは原作を踏襲しつつアレンジしたものとなり、当時になかった快適に遊ぶためのシステムが入れられているのが基本。 ゲーム性は基本的にリメイク元の作品に依存するため、特に目新しさ重視のユーザーから様々な感想が飛び交う。 大幅に改変するリメイクの場合 「大規模な再構築」である。公式での扱いは最新作相当の扱いを受けることが多い。 ゲーム性やグラフィック、UI等は発売時点の最新のものである場合が多い。 リメイク元の趣旨を再現する意図はなく、ストーリーやキャラクター、世界観等を原作として引用してきただけで、ゲーム自体は全くの別物となる。 原作と違う展開にすることで独自性を出せる上、プレイする側からも原作とは違う展開であれば、原作をプレイ済みであっても、未知の展開となり新鮮な驚きを得られることもある。 しかし、原作に準拠したリメイクを作ってほしいユーザーからすれば歓迎できないモノである。 このため、ゲーム自体は良作でもリメイクとしては意見にバラつきが出やすい傾向にある。 最新作ベースリメイクの場合 公式での扱いは最新作相当、もしくは最新作の延長線上の扱いを受けることも多い。 主にシリーズ通してシステムや世界観を共有する作品で行われている。 ゲーム性は基本的に流用元の作品に依存する。『スターオーシャン1 First Departure』のようにシステム流用元が最新作でないというパターンもある。 システムは流用元のそれと同等になる。また、シナリオ面においても流用元とリンクした要素が入れられることもある。 しかし、流用元に何らかの問題点があった場合、リメイクにもその欠点が引き継がれてしまうということも。 オリジナルをプレイ済みでも再度やってみたくなった時にプレイしやすかったりリメイクで不満点が解消される、マイナーな機種で発売されたゲームやプレミア価格で入手し辛いレアゲーを知る1つのきっかけにもなるなどの利点がある。 その一方で、ゲーム性やゲームバランスが当時と異なっていたり、キャラクターデザインやBGMのアレンジまたは差し替えなどが賛否両論になる場合も多い。 特に大幅な改変を行うリメイクは元との比較を受けるため改変箇所がどうしても目立ちやすく、改変部分がネットやSNSで話題になることも少なくない。 さらにリメイクにあたって、倫理的な理由や法的規制の変化などから当時の表現が完全再現できないことも多い。 差別用語、残酷表現、非アダルトゲームでの女性の裸体等はまず間違いなく修正の対象になる(*62)。 オリジナルをVCやゲームアーカイブスでなかなか配信しない方針・ないし配信できない状況にあるメーカーやタイトル(例:『ドラゴンクエスト』シリーズ等)に於いては、粗が多いリメイクは必然的にファンからの評価が厳しくなる。 リメイク製作にあたって主要開発者が退社している等で関わっていないことも多く、この場合も風当たりが非常に強くなりがち。 皆が認める様なシステム改良なら受け入れられやすいのだが、赤の他人が公式なのに無闇に物語やキャラクターの性格の改悪やメアリー・スーを捻じ込む・評価されていた部分を変更するなどをするといった、いわゆる「リメイク版開発担当者による私物化」は当然ながら大バッシング(+原版の中古価格高騰)の原因となる。 リマスター同様、開発チームや各デベロッパーの技術力の差が表れることがある。 特にグラフィックやインターフェイスは当時の最新作と遜色ないものもあれば、オリジナルの延長線上に過ぎないものもある。 特に2D見下ろし型のゲームからフル3Dゲームに移行し4頭身以上に上がったシリーズにおいては、2D時代の原作を尊重して敢えて頭身を抑えたリメイクが多く見受けられる。 原作の再現を重視するユーザーがいる一方で、目新しさや新鮮なゲーム体験等(*63)をリメイクに求めるユーザーも存在するようで、相反する要素を両立し誰もが納得する出来にすることの難しさは想像に難くなく、それぞれに合わせた販売戦略も要求される。 両者の需要の両立は非常に難しいが、「前者向けの原作再現のリメイクと後者向けの原作からのスピンオフをほぼ同時に出す」「原作の移植も配信する」「BGM等をオリジナルのものに切り替えられる」「思い切ってどちらかのみを対象とする」等、様々な試みがなされている。 忠実リメイクの例……『ゼルダの伝説 夢をみる島』『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』『ライブアライブ』 大幅改変リメイクの例……『ワイルドアームズ アルターコード F』『テイルズ オブ デスティニー』『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』 当時の最新作ベースのリメイクの例……『イース -フェルガナの誓い-』『超次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth1』『GOD EATER RESURRECTION』『龍が如く 極2』 優秀なリメイクの例……『バイオハザード』『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』『トゥームレイダー アニバーサリー』『ファイナルファンタジーVII リメイク』 リモートプレイ PCやスマホなど(*64)からインターネットを経由して、自宅のゲーム機にアクセスしてプレイできる機能。PS系列は3以降、Xbox系列はOne以降のハードに搭載されている。 PCやスマホはディスプレイ兼コントローラとして操作情報の送信とゲームの映像の受信・表示を行い、実際のゲームの動作はアクセス先のゲーム機が行う。その意味ではクラウドゲームの形態に近い。 ネット環境さえあれば外出中も自宅のゲームを楽しめるが、当然ながらメディアソフトの入れ替えはできないほか、高速かつ安定したネット環境でないと動作・描画遅延や強制切断が起こりうるため、アクションやマルチプレイには向いていないという欠点がある。 また、常時通信を行うため、スマホでプレイする場合は無線LANを経由するかデータ容量無制限のプランに加入していないと通信制限に引っかかったり使用料が高額になるといったリスクもある。 理論上 元来は科学実験などの場において「こうすればこうなる(はず)」というような意味合いの単語。 が、現代用語では、バニラゲーム上で実現しうる可能性のあること全般を指し、ゲームでは例えば「レベル1でもラスボスに勝つことは理論上可能」などのように用いられる。 TASと認められる条件はまさに「理論上はゲームの実機動作で再現可能なこと」である。 理論値 本来は「理論で得られた数値」を指し、実際にやってみて得られた数値である「実験値」と対をなす言葉だが、ゲームでは作成・入手可能な最高の数値のことを指す。 例えば、装備品の追加ステータス補整としてパラメーターが+1~5される効果を3つ付けられるという場合、計+15されたものを「理論値装備」と称したりする。 「期待値」とは根本的に異なるので注意。また上の「理論上」と同様に科学分野でも意味が異なるのでこちらも注意。 アーケードゲームを中心に、理論上の最大スコアを理論値と呼ぶこともある。 音ゲーであれば、「ミス無くプレイできたなら、このくらいのスコアが出る」という意味の理論値。 また、運の要素が絡むゲーム(一部STGの得点アイテムなど)であれば、乱数も最大の値を引き続ける必要がある。 レアゲー 何らかの理由で出回りが極端に悪かったゲーム。 家庭用ゲーム・PCゲームではゲーム内容にかかわらず中古価格が高騰し入手も困難となり(*65)、アーケードゲームではそのタイトルに触れることが極端に難しくなり設置店舗が聖地化することもある。 英レア社が開発したゲームもレアゲーと言われる事はあるが、別に何の関係もない。 関連 プレミア レーティング ある対象に対し、特定の基準に基づき等級分けや数値化を行ったものを指す英語の「rating」のこと。 ゲームにおいては、その作品に定められた対象年齢を意味する。 ゲームと言ってもその表現は千差万別であり、中には発達段階の子供には不適切なものも存在する。 特にゲームは「プレイヤーが操作して遊ぶ」「自分自身が主人公を演じる」という性質上、何かあった時に槍玉に上げられやすい(*66)。 そのため、業界の自主規制という形式でそれぞれのゲームには対象となる年齢を定めたレーティングが存在する。 1993年にアメリカで残虐格闘ゲーム『Mortal Kombat』が社会問題化したのをきっかけに、翌1994年にレーティング機関「ESRB」が誕生。 その後は世界各国で独自のレーティング機関が誕生していき、日本ではSSのゲームにのみ独自のレーティングが定められていたが、2000年代に入ってから全てのCSゲームを対象にしたレーティング機関が誕生した。 以下の項目では、日本における主要なレーティング機関を解説する。 CERO 特定非営利活動法人「コンピュータエンターテインメントレーティング機構 (Computer Entertainment Rating Organization)」のこと。「セロ」と読む。2002年に発足。 倫理規定などを設けてゲームの年齢制限・対象年齢を決める機関であり、ゲーム内容やメーカーから送られる資料を元に判定している。 これにより、各ハードメーカーが独自に行う従来のレーティングと違い、統一基準の設定が実現した。 英字 対象年齢 帯色 A 全年齢対象 黒 B 12才以上対象 緑 C 15才以上対象 青 D 17才以上対象(*67) 橙 Z 18才以上のみ対象 赤 この他にCERO 教育・データベースのレーティングが存在するが、少しでもゲーム的な要素があればゲームソフトと見なされてしまうため、これに該当するレーティングのソフトは少ない。 初めてCERO 教育・データベースのレーティングに指定されたソフトは、2006年4月20日に発売されたPSP用ソフト『みんなの地図』である。 CERO A以外のタイトルは、含んでいる要素を示す「コンテンツディスクリプターアイコン (コンテンツアイコン)」を表示している。 何をどうすればレーティングが上昇するのかは明確ではなく(*68)、高すぎると広告が打てなくなる等の弊害が生まれ、低い方がプロモーションとしては有利(*69)だが、低いと演出や表現に制限が掛かるといった面もある。 旧作を再販する際はその都度CEROの審査が必要であり、現在の基準に沿わせて修正を入れる(*70)ことがある。 その為、新作もレーティングを意識して描写をマイルドにする例は多いと思われる。 また『メルルのアトリエ』のように発売後、提出資料の不備が発覚しレーティングが取り下げられ、次の出荷分から段階を上げて販売したという例もある。 CEROを考慮した行動が出来に影響したとされるゲームの一例 移植の際にテキストや残酷描写を修正した ファイナルファンタジーVIアドバンス (*71) 天外魔境II 卍MARU (*72) 一旦はCEROを考慮して内容を削減したが、後に対象年齢を犠牲にその内容を復活させた 3年B組金八先生 伝説の教壇に立て! ファイナルファンタジーXII (*73) 表現をマイルドにしたら情けない出来になった みてはいけない CERO Zでも審査が通らなかったので日本国内では正規販売されなかった Dead Space (リメイク版含む) The Callisto Protocol 国内版ではゴア表現規制に加え一部のクエストが削除された Fallout 3 (日本語版) ドイツ版の後追い規制で潜入工作員に棒立ち強要 Call of Duty Modern Warfare 2 (日本語版) 北米版から年単位で発売が遅れた上に、国内版はマルチプレイのサーバーが日本隔離 Gears of War 2 (日本語版) 国内仕様の360本体では海外版ディスクを使用したとしてもゴア表現規制により全実績解除不可能 Gears of War 3 (日本語版) 国内版はWin版も含めゴア表現規制により本来のゲーム性が崩壊し爽快感を損ねる代物となった Bulletstorm (日本語版) 国内版では女性キャラクターが漏れなく胸に布を巻いている The Witcher 3 Wild Hunt (日本語版) 復刻版ゲーム機に収録したかったがCERO Zでも足りないので諦めた ソード・オブ・ソダン (日本語版) CEROが審査した後にメーカーが自社都合で表現を抑えたのでCERO Zなのに見合っていない(*74) ASSASSIN S CREED VALHALLA (日本語版) Call of Duty Black Ops Cold War (日本語版) リメイク時にCERO対策として一部シーンを穏当な表現に変えたのに、再リメイクの際に判定が上がった パワプロクンポケットR ファイナルファンタジーVI (ピクセルリマスター) 実は「対象」となっているだけで、CERO Dのソフトを17歳未満が購入・プレイすること自体は禁止されていない。 これについてCERO側は「基本的に購入・プレイを制限するものではなく、あくまでも参考にしてもらう為に表示している」と説明している。 しかし、CERO Zだけは18歳未満の購入が禁止されている。これに関しては特に厳しく、小売店は18歳未満に売ってしまうと新たに仕入れができなくなるなどの措置が下されることがある。 ヤマダ電機の一部店舗のように、ガラスケースの中に隔離したうえで店員を呼んで身分証明書を見せないと購入できないという対処を行っている所もある。 もちろん、大人が買ったものを子供に貸す分に関しては規制しようがないが、だからと言ってSNSなどで公言するのは避けるべきだろう。 不利益を被るのはメーカーや小売店であり、ゲーム業界にも悪影響を与えかねない。 なお、CERO Zでも容認されるのは暴力表現のみであり性的表現のあるアダルトゲーム、いわゆるエロゲーは対象外となる(*75)。 表現の自由は最大限尊重するとはいえ、どんな表現を使ってもよいというわけでなく、度を越えた暴力表現や性器/乳首/性行為などのストレートな性的表現等、CEROの倫理規定において禁止表現とされる内容に抵触するソフトにはレーティングを付与しない。 なお、アーケードゲームはCERO審査の対象外であり、審査は行っていない。PCゲームは作品によって審査されている場合もあるが、基本的には対象外という扱いとなっている。 その中立性や審査基準には疑問の声もあり、「判断基準が国内の大手ゲームメーカーと中小や海外のゲームメーカーでは基準が違う」「ハード補正疑惑」「基準が曖昧で、いつの間にか変化する(*76)」等の批判も多い。 コンテンツアイコンに関しても「普通に考えて付いてしかるべき項目がない」というのは日常茶飯事(*77)、中には「何故この項目がついているのか分からない」と首をかしげたくなるものもある(*78)。 一般的な傾向としては、海外の審査団体と比較して、文化面ではキスやハグと言った恋愛表現や露出度の高い水着レベルの性的要素・ギャンブル・ナチス(*79)に緩い。 逆に犯罪や人間の部位欠損、特に頭部損壊といった暴力表現やプレイヤーによる非戦闘員の虐殺、実在する国や宗教・企業・民族への侮辱表現に厳しい傾向がある。 その為、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』や、昨今の『ポケモン』でギャンブル描写が削られるなど、「CEROでは問題ないが海外の審査機関に配慮して描写を削る」という事例も見受けられる。 一方で、海外のゲームに比べて国産のゲームに対しては規制が緩くなる傾向もあり、『バイオハザード5』や『龍が如く OF THE END』ではヘッドショットで頭部が吹き飛ぶにもかかわらずレーティングはCERO Dである。 他国の例としては、前述した北米圏の業界団体であるESRB(エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会)、EU圏内を中心にヨーロッパの29か国を対象にゲーム審査を行っているPEGI(汎欧州ゲーム情報)、活動に法的な裏付けのあるドイツのUSK(ソフトウェア事前審査機構)がある。 そもそもCEROは護送船団方式/予防型の「 マスメディアや世論から批判されないための自主規制機構 」であり、「審査基準は『ゲームをよく知らない人が見たらどう思うか』」「審査をするのはゲームをあまり知らない一般人」である点は意外と知られていない。 あくまで一般社会からの反応を重視するスタンスのため「専門の教育トレーニングを施した、ゲームのことを知らない一般人」をその都度用意してゲームの内容を判断してもらっている。よって、同じゲームでも審査のたびに結果が変わることは原理上ありうる。 また前述の『パワプロクンポケットR』のように時間経過で一般社会の側の認識が変化した場合はそれに引っ張られることもある。 この辺りを理解していないと、的外れな批判になりがちとなる。また、CEROがなかった時代は各種ハードメーカーによる独自の表現規制がより厳しかったことも現実として忘れてはいけない。 CEROはいちNPOであり、そのレーティングもゲーム業界内で用いるいわば「内輪の基準」ではあるが、公的機関がその基準を利用することはある。 多くの県はCERO Z指定のゲームソフトを自動でその県の有害図書に指定するように条例を整備しており、条例での裏付けをしていないが指定ソフトを有害図書に近い扱いとみなす自治体はもっと多い。 役所は猥褻な本やビデオを有害指定する経験は積んでいてもゲームは詳しくないのでCEROという基準があるならそのレーティングをそのまま流用すれば審査コストが浮くという考えである。 一方で、そもそもCERO設立の目的の1つはゲームを知らない役人に勝手に規制されないための自主規制なので、CEROが定めた基準をそのまま公的機関が追認するという実績が出来上がるのは、CEROやゲーム業界にとって歓迎すべきこと。 そしてこれらは、それを目指してCERO自体が長年、国や自治体と協議し続けた結果なのである。 なお、「難易度を示す表示」と勘違いしている消費者が一定数存在しているが、CEROレーティングは難易度を示すものではない(参照)。 対象年齢が高めのタイトルは難易度が高い、操作が難しい、ゲームシステムが複雑であるなどでマニア向けが多いため、こうした誤解が生じてしまうと思われる。 IARC 「International Age Rating Coalition (国際年齢評価連合)」の略。デジタルゲームに対してのレーティングを行う国際機関。2013年に発足した対象年齢の審査機関としては比較的歴史が浅い組織。 日本のCEROや北米のESRB、欧州のPEGIのようなそれぞれの国のみでなく、全世界共通で使用できるレーティングを目指しており、既にいくつかの国のレーティング機関と連携をしている。 例えばIARCはESRBやPEGIとの連携を済ませており、IARCのレーティングを取得するとESRBやPEGIのレーティングに変換されてその対象国ではそちらの表示を行うことができる。 CEROは前述のIARCとの連携はまだ実現しておらず、IARCのみ取得したゲームを日本で販売することは出来ないと長年思われていた。 しかし2018年にマイクロソフトが、2020年に任天堂が、2021年にソニーがIARCのみ取得したゲームを国内CS機でダウンロード販売することを解禁した(*80)(*81)。 ただし、IARCはデジタル配信ゲームを想定したレーティングであり実物をパッケージ販売するゲームには適用できないため、(その点を修正しない限りは)パッケージ版を出すゲームについては他の手段でレーティングを取る必要がある(*82)。 また、IARCレーティングの審査は「アンケートのような設問をソフトメーカーが答えてIARCに送信するだけ」と簡素かつ無料となっている。 中小ゲームメーカーにとっては安上がりかつ簡単にレーティングを取得できるので有用だが、ほぼ自己申告のみで世界各国に渡るレーティングを取れることから信頼性には疑問の声もあり、実際に以下のような事例がある。 2022年6月にPLAYSMがSwitchで配信した『常世ノ塔』は、国内で審査を受けていればCERO B(12歳以上対象)くらいとなる性的描写のある作品であるにもかかわらず、IARC 3+(3歳以上対象)で申請してレーティング取得した。 そして配信から数日後に問題となり配信停止、ゲーム内容はそのままレーティングを再取得して2段階上のIARC 12+(性的ほのめかし)で再配信した。 ソフ倫 PCゲームの倫理規制を行う民間団体。正式名称は「一般社団法人コンピュータソフトウェア倫理機構」となっており、1992年に発足。 いわゆる「沙織事件(クソゲーまとめ@ウィキ(跡地))」で起きたエロゲー業界バッシングへの対策として生まれた自主規制団体。 そのため、主にアダルトゲームメーカーで構成され、性表現・暴力表現に対するレーティングを行っている。 昭和末期の映像系ポルノ業界のごたごたから設立された「映像倫(旧・メディ倫)」と比べると、未成年者の表現に厳しい傾向がある。 まぁ、メディ倫の規制が緩いのは「設立当初から長年に渡って警察をはじめとした官僚の天下りを受け入れていたから」というのがもっぱらの噂だが。 レベル 基本的に、キャラクターの強さを示す指標。たいていの場合、これを上げることが「育成」と呼ばれる行為になる。 『ポケットモンスター』シリーズや『ファンタシースターオンライン』シリーズ等のように、この数値自体が明らかにパラメータの計算式に組み込まれている(*83)場合もあれば、『アイドルマスター』のようにパラメータから逆算した単なる指標であることもある。 通常は半永久的だが、MOBAやローグライク、TCG『ヴァイスシュヴァルツ』などのようにゲーム(試合)毎にレベルを初期値に戻されるものもある。 初期値は基本的に1で、「レベル0」は技能を持たないことを意味することが多い。 例外的に『アイドルマスター』では初期/下限値が2として扱われ、レベル1はチュートリアル中の「アイドルになる前の状態」と言う設定がある(*84)。 アタリゲームズ製の作品やパズルゲーム等のように、ゲーム進行に応じた難易度(システムやステージの難易度)上昇を示している(つまり「ステージ」と同義である)場合もある。 例えば『テトリス』や『ガントレット』では、レベルが上がると強くなるのはプレイヤーではなく、ゲームやステージの難易度である。 レベル上げ RPGなどで文字通りレベルを上げるためのプレイ。「レベリング」とも言われることも。 強敵に勝てず、先に進めない場合は少し戻って戦闘を繰り返すことでレベルを上げるのだが、多くの場合は退屈で苦行となる。 昔のRPGではプレイ時間を稼ぐためにこのレベル上げに時間を費やすようなデザインのゲームも多かったが、近年では無理にレベル上げをしなくとも進めるようなデザインになっていたり、レベル上げが簡単に行えるようなアイテムなどが用意されていたりと救済策も多くなってきたためか、レベル上げが必要となるようなデザインは批判されるようになってきた。 レベルキャップ レベルアップできる上限のこと。 MMORPGでは長く遊ばせるためにアップデートによって徐々に上限が引き伸ばされることが多い。 99レベルがキャップというのが一般的だが、ゲームによってそれ以上だったり、60レベルなど中途半端なところがキャップだったりもする(*85)。 MMOでないゲームも近年はアップデートやDLCによってキャップが引き上げられたりすることも。 レベルキャップ自体は存在しないが、モンスターを倒した時に貰える経験値が「レベル差」を考慮して計算されるため、レベルアップがモンスター側のレベルによって制限される(*86)「実質レベルキャップ」を導入しているゲームもある(*87)。 ……と言うか大概のMMOでは両方が導入されている。初級者向けの狩場に上級者(特にBOT)が居座らないようにするためだろう。極端な例だとゴールドさえ落とさなくなる作品も存在したほど(*88)。 レベル差補正 戦闘を行っている者同士のレベル差に応じてダメージなどに補正が入ること。 近年のRPGでは敵もレベルを持っている物が多く、同レベル帯であれば適度に苦戦し、彼我のレベル差が大きい場合は高い方が一方的に勝つ、という調整をされている場合が多い。また自分が相手より低レベルなほど経験値が増える補正と併用していることも。 『ゼノブレイド』のように広大なフィールドに場違いなレベルのモンスターを配置し、後々レベルがあがってから倒すことで成長を実感できたりといったことができるようになっている。 一方で装備や戦略を工夫するよりレベルを上げることの方が効果的であったりするのでレベル差補正のあるゲームは攻略しがいのないゲームという意見もあったりする。 また、通常に進行する場合でも避けられない戦闘でレベルが適正未満だと戦闘に勝てず、レベル上げを余儀なくされるということも。そのため低レベルクリアが極端に難しくなっていることが大半。 レベルデザイン(Level Design) 「一区切りのゲームプレイを設計すること」を意味する言葉で、多くの場合はゲームの1ステージ/1エリア単位のマップ制作のことを言う。 ステージ上のどこにどういう障害物を置き、敵をどう配置し、どこにたどり着いて何をすればそのステージはゴールになるのかなどを設計する。 なお、レベルデザインの「Level」は「段階」という意味から「ゲームの区切り」を表しており、強弱という意味合いはここには存在していない。 日本では上述したようにステージにおける難易度をレベルと呼ぶ文化が古くから定着していた影響か、レベルデザインを「ゲームの難易度を調整すること」と広くとらえて、ゲーム中に出てくる武器や怪物のパラメーターを調整する担当者をレベルデザイナーなどと呼ぶ人も結構いるが、これは誤用である。 レベルデザインはむしろパラメーター調整では表しきれないゲーム体験をデザインする職分である。 ただ、レベルデザイナーの思想が最終的な「ゲームの難易度」に影響を与えることはしばしばある。 廉価版 発売から一定期間経過したソフトを低価格で再販するもの。「ベスト版」などとも呼ばれる。 メーカーが中古市場に対抗しつつ新規購入層を獲得するために行うもので、廉価版と呼ばれるが機能削除などはされていないものが大半である。 それどころか場合によってはバグが修正されていたり、追加コンテンツが初めから入っていたりと太っ腹なものもある。 一方で、なんらかの理由により中古の値崩れが早すぎて「廉価版出すまでもなかった」というソフトもある(*89)。 廉価版にはそのハードにおける公式の廉価版と、ソフトの販売元が独自に発売する廉価版の2種類がある。 公式の廉価版としてはPSハードの「PlayStation Hits」と、Xboxハードの「Greatest Hits」が代表的。 販売元独自の廉価版ならスクウェア・エニックスの「アルティメットヒッツ」や、EAの「EA BEST HITS」などが有名である。 ただし、近年は公式の廉価版はリリースの数が大幅に減っており、販売元独自の廉価版が主流となりつつある。 加えて、ダウンロード販売が普及(*90)してからは各プラットフォームにて定期的に実施されるダウンロード版の激安セールもあるため、廉価版の存在自体が衰退しつつある。 廉価版だと発売時に少し話題になる程度だがセールであれば行われる度に話題になるうえ、ダウンロード版なら製造・流通コストがかからず中古市場に流れる心配もなく品切れもないというメリットがあるため、こちらの方が企業にとっても都合が良いと思われる。 ちなみに、任天堂ソフトは幅広いユーザー向けの良作が多い等の要因で新品自体がロングセラーになりやすく、数か月から数年にかけて新品売上が中古売上に勝るとも劣らない売上を維持しているため、廉価版を出さないことがほとんどである(*91)。 ただしSwitchの場合、有料の「Nintendo Switch Online」加入者限定で購入できる「2本でお得 ニンテンドーカタログチケット(*92)」を販売している。 また、GOTYを受賞した記念に発売される「GOTY版」というものも存在している。 → ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション(参考) また、ハードにも廉価版があり、こちらは通常版の発売日に左右されないことが多く、ゲーム機だとAV仕様FC(*93)/SFCジュニア(*94)/2DS(*95)/Switch Lite(*96)/PS one(*97)/薄型PS2(*98)/薄型PS4(*99)/XSS(*100)当たりが有名であるが、ソフトの廉価版とは違い機械媒体であることを理由に高い製造コストが発生する。 そのため、物理ソフトの導入口(*101)や使用頻度の低い機能/端子が削除/削減される、ハード性能が低下してる等、通常版ハードに比べて特定の要素が劣化してるものがほとんどである。 連打・連射 ボタンを連続で押すこと。 連打を操作性の主軸とした作品、もしくは攻略上多くの連打が必要とされるゲームは連打ゲーの通称で呼ばれており、古くはコナミの『ハイパーオリンピック』が連打ゲーの元祖と言われている。 昔のACTやSTGでもより多く・より早く攻撃するために連打力を要求された。 しかし、連打行為は使用頻度によるがかなり疲れるだけでなく、コントローラーの寿命も縮める。 そのため次第にゲームデザインの核から逸れていき、現在では、簡単操作&短時間プレイのミニゲームや、連打操作を想定した屈強な入力デバイスを持つ一部のアーケードゲームなどでしか見られなくなった。 STGにおいては後述の「シンクロ連射装置」を取り付けたり、セミオート機能を搭載したり、家庭用ハードにて「連射機能」付きコントローラーが発売されるなどしている(*102)。 連打には上述のような問題だけでなく、筋肉系の病気を患っている人が連打に必要な筋力を維持できなかったり、あるいは無理に連打をすることで腕を痛めてしまい、それが原因でクリアできななくなるかゲーム進行に不利になるという問題もある。 2021年4月、『Dead by Daylight』の公式がそれまで生存者側がフックに吊されたときの生存手段が、これまでボタンの連打だったものを回転するポインタを指定の範囲内で止めるという方法に変更すると発表した。 これは筋肉にハンデを負っている人がフックが原因で不利な状況になってしまうという指摘に対応したものである(参照)。 余談だが、連射機能搭載のコントローラーを最初に開発したのは、16連射で有名なあの高橋名人。 「高橋名人の高速連打はコントローラー内部にバネを仕込んで改造しているからだ」と言う都市伝説を受けて本人がネタ半分で実際にやってみたというもの。 ただ実際には、バネ自体の厚みによってボタンが最後まで押し込めなくなってしまい、意味が無かったというオチがついている。 ちなみに実際の測定は17連射だったが、コンピュータ的に16のほうがキリが良いという理由で秒間16連射と銘打っていたという。 なお、FC周辺機器の連射コントローラは最大30連射(*103)なのだが、ソフトウェア上で最大15連射までしか認識しないゲームも一部あるため、それを聞きかじった人がFCのハードウェア上の限界が15連射としばしば誤解することがある。 シンクロ連射 ゲーム内の処理速度に同調(シンクロ)することで、理論上最高効率の連打を実現させること。もしくは先の効果をもたらす(AC基板用の)外部取り付け連射装置基板のことを指す。 それまで一般的だったアナログ連射では、ゲームの進行とは無関係にボタン信号を出力するため、ゲーム内で判定しているfps 60の中間でボタン信号を出力してしまったり、正確に30連でなく29連や31連になってしまい、理想の連射が実現出来なかった そこで垂直同期信号をトリガーとすると、うまくゲームの処理速度と一致させ、最高速での連射が可能になるのである。 本来なら「シンクロ連打」と呼ぶべきだが、主にSTGで使われていたので(*104)「シンクロ連射」と呼ばれている。 秒間60フレーム稼働のゲームの場合、ボタンOn Offを1フレームで交互に出力すれば最高速の連射となるが(*105)、「On Off Off Off On」もしくは「On On Off Off On On」と出力させると秒間15連射と、最高速以外の連射もシンクロさせて動かす事が可能。 それって何に使うの?と思われがちだが、処理落ちしても垂直同期信号はそのまま出力するゲームの場合、外部的には60fpsだが、内部判定が30fpsとなる。 この場合30連のままだと「On off On off (太字が30fpsで内部判定部分)」と入力を拾ってしまい、ボタン押しっぱなしの判定になってしまう。 ここで15連を使うと「On off off off On」で最速連射となる。『Gダライアス』ではとあるステージだけ15連でないとβビームをカウンター出来ないというのが典型例。 過去のACSTGではこれの有無が難易度に直結することも多々あったため(例:『ダライアス外伝』)、そういうゲームにこの装置を取り付けているかどうかでお店側の理解度や店員の知識が窺い知れてしまう、という罪作りな点もあった。 とはいえ自作しない限りはシンクロ基板1つで大体数千円程の費用がかかってしまい、その外部投資はオペレーターにとっては不評であった。 例に上げた『Gダライアス』は「シンクロ連基板に加え、15連と30連が両方無いとダメ」で、『ダライアス外伝』は「On → Off出力の30連と、Off → On出力の30連が必要(*106)」となる。 さらには『バトルガレッガ』では「最低10連、12連、15連の切り替え。究極域のスコアを目指すなら追加で8.6連、20連、30連の6段切り替えが必要」というオペレーター泣かせとなっている(*107)。 そのため最近のSTGではボタン長押しで自動連射するセミオート連射機能や、『首領蜂』シリーズのようにAボタンがセミオート、Cボタンがフルオートなどの連射システムをシステム側で標準実装するようになった(*108)。 なおゲーム本体に組み込まれたソフトウェア連射機能なら、当然(と言うか嫌でも)fpsにシンクロしている。 なお、『バトルガレッガ』など連射速度をソフト側で測定し、それに応じて難易度を自動的に上昇させるようなものや、連打系のスポーツゲームで連射装置を不正として検出するために一定以上の連射速度を不正と判定して極端に遅い連射速度に置き換えられるようなものもたまに存在するので注意。 ローカライズ 外国産ゲームを国内で販売するにあたって「最適化」すること。またはその逆。 マルチリンガルタイトルでも日本語は対象外であることが多い為、権利を買ったパブリッシャーが行うべき必須作業。 表示言語の翻訳、字幕や吹き替えを行う他、表現規制もその国に合わせて内容が変わったりする。 また、PS4以前のPSハードのゲームは日本では◯が決定ボタンだが、海外ではXbox系コントローラーに合わせて×を決定ボタンにするといったUIの変更もされていた(*109)。 PCゲームだとダブルバイトコード(2バイト文字)への対応(*110)や、昔ならばPC/AT特化の仕様をPC-9800シリーズに対応させる(*111)作業も含まれる。 こうした日本へのローカライズ作業はよく語りぐさになっている程の結構な難物である模様で、 かくいうWindowsの初期バージョンも、当初は極東(=日本)だけ「NEC機などのPC/AT非互換機への対応」という問題を背負っていたことがあった。 アーケードゲームでは、リデンプション機能の削除や電気的仕様の変更なども含まれる。 ロード データを読み込みすること。これにかかる時間のことをロード時間といい、頻繁にあったり長かったりすると評価を下げる要因になる。 ゲームの進歩と共に大容量化が進み、ロード時間は年々長くなっているが、開発者の努力で長くならない工夫がされてはいる。 しかしそれでも大作ゲームで十数秒ならまだいいほうで、ひどいと1分近く待たされたりすることも。 余談だが初代PSで遊んでいるときに「カシャ」と音がすると「あ、戦闘始まるな」と思うのは当時のゲーマーあるあるである。 もっとオールドゲーマーになるとロード時のアクセス音の違いで「あ、あの敵が出るな」までわかったとか。 FDのアクセス音はCDの比にならないレベルで大きいので、余計に印象に残りやすいのかもしれない。 現行ではロード時間の速さに関してはシリコンメディアが優勢という状況になっている。 この関係で、2017年発売のSwitchではeMMCまたはmicroSDカード、2020年発売のPS5/XSX/XSSではSSDが標準ストレージとして採用されている(*112)。 ローディングスクリーン ゲームのロード中に表示される画面のこと。単にロード画面とも。 ゲームの大容量化の弊害として一回のロードにかかる時間が長くなったため、ロード時間を紛らわすためにきれいな画像やゲームの豆知識などを表示させている。 ナムコは一時期ロード中に自社レトロゲームをミニゲームとして仕込むことがあり、例えばPSの初代『リッジレーサー』ではゲーム起動中に『ギャラクシアン』で遊ぶことができた。 ロール 「roll (振る)」 「横回転」のこと。いわゆる「ローリング」のことで、特にフライトシミュレーションで飛行機の動きを説明する際に使われる。 「さいころ(ダイス)を振る」こと。いわゆる「ダイスロール」のことで、主にボードゲーム(RPGやSLGを含む)で使われる 「丸めた紙幣=札束(札巻)」の意味。ゲーム(と言うかギャンブル)大会で「参加費無料」のことを「フリーロール」と言う。 「role (役、役割)」 「(役者的な意味での)役」のこと。「ロールプレイングゲーム」のロールはこの意味。 ネットゲーム等の多人数プレイにおける「役割分担」のこと。ソロプレイ用ゲームでも複数のキャラを扱う時には使われるは場合がある。 + MMORPGにおける役割分担の一例 「tank (タンク)」…高い防御力で敵の攻撃を積極的に受け、防御力の低い味方がダメージを受けないようにする盾役。 「DD」…「Damage Dealer(ダメージディーラー)」もしくは「Direct Damage (ダイレクトダメージ)」の略称。前者はアタッカー全般を指し、後者は後述するNukerと同義。 「Melee (メレー)」…近接物理アタッカー。鈍重だが一発は重い両手剣タイプ、一発は軽いが手数の多さで時間当たりの累計ダメージを稼ぐ双剣タイプなど、ダメージの稼ぎ方は多種多様。 「Nuker (ヌーカー)」…遠距離もしくは大火力アタッカー。両手剣より遅く重い魔法タイプが主だが、作品によっては手数勝負の機関銃タイプ等も存在する。 「Healer (ヒーラー)」…回復役。攻撃を行うことはからきしなのがほとんどだが、防御面についてはゲームの傾向によってまちまち。 「Buffer (バッファー)」…味方を強化することで戦闘を優位に運ぶ支援役。語源は「バフ / デバフ」の項を参照。 「Debuffer (デバッファー)」…敵を弱体化することで戦闘を優位に運ぶ支援役。 ロールプレイ そもそもはプレイヤーが特定の役割を担う遊び全般のことで、「おままごと」「お医者さんごっこ」などもロールプレイの一種である。研修業界(?)では「ロープレ」と略す人もいる。 CRPG(コンピューター・ロール・プレイング・ゲーム)においては、システムで縛られているわけではないのに「脳筋戦士だから魔法は一切使わない」「非力な魔法使いだから大剣や鎧は装備せずローブのみ」といった縛りを設けるようなプレイや、物語上で何かを依頼されたときに「正義感の強いキャラだから無償で受ける」「金にうるさいから報酬を引き上げさせる」といった選択肢の選び方をしたり、自分の思い描いたキャラならどう行動するか、ということをシミュレーションしながら遊ぶ方法。 ロールプレイを重視したゲームでは主人公をキャラメイクして作ることになるのに加えゲーム中では一切話さないことが多く、そういった演出上の不自然も脳内で補完できることがロールプレイを楽しむ上で不可欠となる。 逆にこうしたゲームでロールプレイを行わず膨大なクエストを手当たり次第に遊んだ場合、プレイヤーによってはすぐに飽きてしまい最悪の場合「作業ゲー」と感じる自体に陥り、ゲーム本来の面白さを味わえない可能性が高い。 総じてプレイヤーの主体性や想像力が問われる遊びであり、いかに没入感・感情移入を深められるかが肝要となるため、ロールプレイ重視のゲームは人を選ぶ作品であると言えよう。 なお、JRPGの主人公の多くは作者によりキャラ設定を決められている場合が多いが、TRPGではこういうプレイヤーキャラクターを「プレロールドキャラクター(Pre-Roled Character:設定済キャラクター)(*113)」と呼ぶ。 ロールプレイが重要視されるRPGの例……『The Elder Scrolls』シリーズ、『Fallout』シリーズ等 悪人プレイ フリーシナリオのオープンワールド系RPGの様なゲームの進め方が自由度の高いゲームにて、商品・所持品の窃盗や攻撃すべきでないNPCキャラの殺害といった(ゲーム内においても)犯罪行為を主だって行うプレイの総称。反意語は善人プレイ。 当然犯罪行為がやすやすと許される訳もなく、犯罪行為が衛兵や警察に見つかると逮捕されたり攻撃を受けたり、悪名が広まるとNPCに嫌われたり、マルチエンディングであまり良い結末を迎えられない等のペナルティが用意されている事が多く、一種の縛りプレイとなりやすい。 それでも現実で出来ない事をゲーム内でやりたくなるのも人の性だが、あまりに「出来るにもかかわらず」悪人プレイにデメリットばかりだとゲームの批判点となる可能性がある。 なお自由度が高いゲーム性でも『Grand Theft Auto』シリーズの様に主人公がアウトローでメインミッションに犯罪行為が組み込まれている様なゲームにはこの用語は基本使われない(悪人プレイが基本な為)。 ローンチ 「進水」や「発射」を意味する英単語「Launch」のこと。「新商品の発売」という意味を持っており、主に新しいゲームハードの発売のことを指す。 新型ゲーム機の初動は特に重要で、発売初期に十分な出荷台数を用意できなかった、販売タイトルに恵まれなかったなどの理由で躓いてしまうとその後盛り返すことなく短命で終わってしまう……なんてハードもある。 そのため同時発売するローンチタイトルには特に力を入れ、目玉ソフトの開発が遅れた場合はハードそのものの販売も遅らせるということもしばしば。 ローンチタイトル ハードと同時発売のソフトである「Launch title」のこと。 ゲーム機はどんなに性能が良くてもソフトが無ければ宝の持ち腐れなので、ハードの売り上げを牽引する役割を持ったソフトである。 なお、同じlaunchの語でも、「ランチ / ラウンチ」と読むと全く異なる意味になるので注意(「ランチャー」の項参照)。 ローンチタイトル自身から見れば、初動1週間は新ハード特需を見込める勝負時。 出来の方はどうかというと、満を持して発売された力作あり、間に合わせのような駄作あり……という訳で、発売初日に買うのは良い目も悪い目もそれなりに出る博打。 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』等、元々は前世代機で開発されて作り込まれ、それが次世代機のロンチに置き換えられていきなり名作が生まれるパターンもある。 ロンチの名作……『F-ZERO』『スーパーマリオ64』 ロンチのクソゲー……『縁日の達人』『研修医 天堂独太』 その他ソフトの一覧はハード毎のローンチソフトリンクを参照。 ローンチタイトルの中に人気作がなければ、ハード自体が爆死に追い込まれることもある為、メーカーとしても質量共に充実させたいところである。 8ラインスロットやビデオポーカーなど、どう考えても家庭用機でやるものとは思えないメダルゲーム(賭博ゲーム)流用のソースで作った(*114)間に合わせのタイトルでローンチタイトルの水増しを行った為に爆死し、最終的に旧SNK倒産の原因となった(*115)ネオジオポケットのような悲惨な例もあるので、ローンチタイトルの出来はハードの購入を決断するための指標にもなる。 ハード発売前なので、ファーストから開発機を提供されなければローンチに参加できないため、ローンチに参加できるということはそれだけファーストと信頼関係を結んだか、実績のある大手メーカーということになる。 ロイヤリティ 特定の権利を利用する際に権利を持つ者に支払う対価である「Royalty」のこと。該当するものとしては印税や著作権使用料等が挙げられる。 正しくは「ロイヤルティ」なのだが、後述の理由もあり、日本語においては「ロイヤリティ」と書くことが通例となっている ゲーム業界ではサードパーティがゲームソフトをリリースする際にファーストパーティに支払っている。 要は使用料であり、ファーストパーティにとってはこのロイヤリティこそがゲーム事業における収益の要となる。 具体的にいくら支払われているかは契約に関する話(*116)なので公にはされていないが、概ねゲームソフトの価格10%程度だと言われている。 サードパーティのソフトがファーストパーティのソフトより若干高めの価格なのはロイヤリティが絡んでいる(もちろん、それ以外の要因も多々あるが)。 ATARI2600にアタリから離脱した開発者達が「Activision」を立ち上げ、ATARI2600の「カートリッジを交換すれば様々なゲームが遊べる」仕様に目をつけ(*117)、カートリッジだけを販売する商売を始める。 この商売についてアタリと争った結果、サードパーティはロイヤリティを支払うという現代まで続くモデルが形成されることとなる。 その後、ロイヤリティの旨味をしめたアタリが無秩序にサードパーティを受け入れていき、かの有名なアタリショックを引き起こすことになる。 ちなみにPCゲーム市場には原則的にロイヤリティという概念がないため、マイクロソフトは家庭用ゲーム機に参戦する際にPCゲームの感覚でロイヤリティなしにしようとしていたという逸話もある(*118)。 なお、スマホアプリでは30%という高率のロイヤリティがアップル・Google両社によって課せられている。 「Royalty」と似た言葉に「Loyalty (忠義・誠実)」という単語がある。 日本語においては、こちらを「ロイヤルティ」と書いて区別する(*119)ことが多い(*120)。 セガ・バンナム(・サミー)の「All.net」やコナミの「e-amusement」といったネットサービスは、店舗に対してRoyaltyのみならずLoyaltyも要求する。 特にAll.netは厳しく、稼働停止や契約期間中の筐体撤去に違約金を課すなどが行われており(*121)、ゲームセンターの斜陽化を加速させる遠因になっているとも言われている。 ロケーションテスト(ロケテスト / ロケテ) ロケーションとはアーケードゲームが稼働する場所(つまりゲーセン)のことで、メーカーがプレイヤーの反応を調べるために行うもの。 プレイヤーにとっては「正式稼働前の新作アーケードゲームを(開発途中=未完成な場合もあるが)お試しで遊べる場」程度の認識で良いか。 大抵はサイトや店側で告知が行われるが、たまに告知なしで突如行われることもある。 開発側にとっては、作品の最終的なブラッシュアップを行うための情報を得る重要なイベントであり、ここでのインカム、客層、そしてプレイヤーの感想が完成品の出来、ひいては開発進行そのものに影響を与えるは場合も多い。 ロケテにはそこそこ目の肥えたゲーマーが集まることが多いが、中にはロケテに参加してはゲーム批判だけを繰り返す、いわゆる「ロケテ荒らし」も混じっていることがあり、そのため的確なブラッシュアップが出来ない場合もある。 かつてはロケテだけやって正式稼動せずお蔵入りというケースも珍しくはなかったが、現在ではそういったケースは減っている(*122)。 中には、ロケテ中に不適切な表現を指摘されて修正される(*123)例もある。 良い影響の例……『アームドポリス バトライダー』『艦これ アーケード』 初期ロケテ版で厳しい評価を下された結果、実稼働版では大幅改善。 ロケテが裏目に出てしまった例……『ブラストオフ』 ゲーム自体の手直しが必要だと開発側が判断したにもかかわらず、ロケテのインカムが良かったので強行で正式リリースしてしまったという事例。 最終ロケテまで行ってお蔵入りした例:『ハイパークラッシュ』『小僧隊ガッチョ』 前者は最終ロケテ実施店舗にそのまま残されたのでしばらくの間プレイ可能だった。後者は直営店でのロケテ後回収されてそれっきり。なお、コナミはタイトル未定のままロケテを実施することがあり、『ハイパークラッシュ』の他、『エスケープキッズ』等がタイトルなしでのロケテ実施となった。 国内でロケテしながら正式稼働は海外のみとなった例……『スリルドライブ4』 英語名『CRAZY STREETS THRILL DRIVE』としてのみ稼働。 ロケテの影響が都市伝説を生んだ例……『アイドルマスター』 製品版では一部の最下位エンディング(通称Zエンド)の出現条件をどうやっても満たさないように変更された(データ上は残っていた)。このことはPSP版でデータが発掘されるまで都市伝説となっていた。 ロストテクノロジー 直訳すると「失われた技術」であり、現代学においては「過去には存在していたが、代替技術の台頭などの色々な理由で次第に使われなくなり、現在では失われた技術」と言う意味である。 ゲーム業界にもロストテクノロジーは多数存在しており、ファミコンや昔のアーケードゲーム等で使われたハードウェアスプライト、ブラウン管テレビ、固定機能シェーダー(*124)、ラスタースクロール等がロストテクノロジーとして挙げられている。 ROM 「Read Only Memory」の略で「書き込み不可・読み出し専用」の記憶媒体のこと。AC基板のROMやROMカートリッジ,CD-ROMなどがある。 PC黎明期においては、本来書き換え可能なメディアであるフロッピーディスクで提供されるPCゲーもあった(*125)。 FC・SFCではセーブできるソフトがあるので書き込み可能ではと勘違いされることもあるが、ROMとは別に書き込み可能なメモリを用意しているためセーブが可能になっている。 かつてはCS機のほとんどのゲームがROMメディアで提供されていたが、本体側に大容量の書き換え可能記憶媒体を搭載してROMメディアのゲームをインストールできる様になったり、そもそもパッケージ販売ではなくダウンロード販売のソフトも増えて、ゲームの記録される領域がもはやROMとは限らなくなっている。それでもROMが絶滅したわけではなく、現在においてもゲーム機やPCの起動には後述のEPROMを使用している。 MODを使用する場合もほとんどはROMを書き換えるのではなく、改変データの読み込みをROMより優先させることで反映させている。 直接ROMを書き換える場合はハッキングの範疇に入る。なお、RAMであってもセーブデータの書き換えを行ったことによる逮捕者が出ている。 当初の定義は上記の通りなのだが、技術の進歩や定義の変遷もあり、今では消去・書き込みが可能なROMも存在する。 初期のACのゲーム基板では光消去方式の「EPROM Erasable Programmable Read-Only Memory)」が用いられていた。 現在は電気消去方式の「EEPROM(Electric以下同上)」が主流であり、ゲームのデータを保存するUSBメモリ、メモリースティック、SDカード、SSDなどの中身であるフラッシュメモリーもEEPROMの一種である。 他によく目にするところでは、スマホのスペック表でストレージ容量をROMと書くのもこれが由来。 ROMとRAMの違いは現状「データを保持するために電力を必要とするか否か」で分けられている。 要するに今は電力不要がROM、電力必須がRAMとなっている。 なお某掲示板のスラングに「半年ROMれ」というのがある。こちらは「Read Only Member」の略とされる。 下手に書き込まず、半年は掲示板を見るだけにして場の空気に慣れておけ、ということである。 ロックオンシステム → 注目システム ワールドマップ 一部のRPG(特に昔のJRPGに多い)で採用されているマップシステムで規模を縮小した世界全体(または一部)のマップをプレイヤーが自由自在に移動するもの。 マップ上には町やダンジョンへの入り口があり、そこから町やダンジョンに出入りする事が出来る。 また、基本的には平地しか移動できず海は船に乗らなければ渡れない作品が多い上、山はダンジョン等の例外を除いて登れないことが多い。 ワールドマップの概念を初めて採用したRPGは『ウルティマ』とされている。その後、1986年の初代『ドラゴンクエスト』で採用されたことで次第に他のJRPGにも広まった。 昔のゲームはハード的な制約が大きかったため、当時のRPGではこのシステムを採用するゲームが珍しくなかったが、3D技術が大きく発達した2000年代以降になるとこのシステムを採用した作品が次第に減少した(*126)。 俯瞰視点のRPGや一部のSLG/SRPGではこのシステムを採用することは珍しくないが、3D技術でこのシステムを導入すると膨大なコストがかかる上、処理も大変になりやすいので一人称/三人称視点の3DRPGで採用されることは少ない。 いわゆるオープンワールドゲームは、ワールドマップ全てを実際の縮尺で冒険に出来るようにしたフル3Dゲームならではの発想という表現もできるだろう。 ワゴン 車輪付きの荷台。ここでは、ゲームショップのワゴンコーナー(安価で投売りする品用の簡易ディスプレイ)を指す。 パッとしない凡作、宣伝不足で地味な作品、旬を過ぎたキャラゲー、旧世代機のソフト等々、需要に対する在庫過多に陥るとここによく並ぶ。 在庫が溢れる原因はゲームの面白さと必ずしも一致しないので、掘り出し物の良作や人気作品も意外と存在する。「ワゴン入りだから駄作」なんて思わないことも重要。 逆に実際のゲーム内容も人気のないものは、レジ横のワゴン特価ですら売れず、さらなる値引きで駄菓子のような価格になっている場合も。 あちこちの店でワゴン内での目撃報告が寄せられるゲームは、「ワゴンの主」と呼ばれる。 PS4/One/WiiUの頃からはゲームのダウンロード販売が普及したことによりDL版を購入する人が増えてきたため、ワゴン行きしやすいソフトは価格下落が以前よりも顕著になった。 余談だが、2chでAAになるなどしていじられすぎた『オプーナ』は、「ワゴンの主のイメージがつきつつも、息の長いジワ売れによって実際にはワゴンに残っていない」という状態になったという。 特に、PSソフトはワゴンセールになりやすい。 要因として、PSハードの物理メディアはPSVを除いて全て生産速度の早いディスクメディアのため初週の出荷本数が多くなりやすい、発売されるソフトは大人・マニア向けなどの作品が多く(*127)、発売前に予約で購入することがほとんどである等が挙げられる。 また、近年は上記のダウンロード販売一般化の弊害もあり、PSソフトは以前よりもワゴンセールに拍車がかかりやすくなった。 ワゴンゲーの例……『燃えろ!!プロ野球』『エアーズアドベンチャー』『ゼルダの伝説 大地の汽笛』『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』等 ○○ゲー 「○○の(な)ゲーム」のこと。「クソゲー」「バカゲー」など様々あるが、用語集の各項目には含まれないものとして以下のようなものがある。 1. 特定のタイトルで、あるキャラクター・特技・システム等のうちの1つだけがやたら印象的であることを示したり、あるいは性能面で異常に優遇されている事を揶揄する際に使われる別名。後者の場合、「○○無双」とも。 例 『ドラゴンクエストVII』→ どとうのひつじゲー 『モンスターハンター2』→ 双剣ゲー 『電脳戦機バーチャロン マーズ』→ テムジンゲー 2. ある人物やメーカー・開発チームが関わると、シリーズやジャンル等がバラバラでも一定の特徴が表れる時に、その人・団体の持ち味という意味で使う。 例 「桝田ゲー」……桝田省治氏の関わった作品 → 敵による村人虐殺等、鬱展開の描写が凄惨である 「須田ゲー」……須田剛一氏の関わった作品群 → 理解しがたい世界観を舞台とした奇ゲーが多い 「野田ゲー」……お笑い芸人の野田クリスタルが関わった作品群 → ゲーム的な面白さよりもネタ的な笑いを重視したゲームが多い
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8715.html
メジャーリーグ 【めじゃーりーぐ】 ジャンル スポーツ(野球) 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 アイレム 発売日 1989年10月27日 プレイ人数 1~2人 定価 6,000円 判定 クソゲー ポイント まさにダメジャーリーグゲーム性は超絶劣化ファミスタメジャー選手の取り込みが少なく「人気のセ」に頼る始末スカスカ抜けるバット相撲取り体型やエンピツ体型 概要 内容 問題点 評価点 総評 余談 概要 1989年に発売された野球ゲーム。 タイトルに使われているフォントはこの年(*1)公開された映画のものが使われている。 タイトルの通りアメリカのメジャー選手モデルを用いたゲームだが、日本プロ野球モデルの選手も混じっている。 内容 チームは14球団でメジャーモデル4球団とそれぞれのオールナショナル、オールアメリカン、オールメジャーと何故かメジャーなのに日本プロ野球のセリーグ6球団と、オールスターチーム(パリーグの選手も含まれる)がある。 全般的な操作方法は守備、走塁は当時最も売れていた『ファミスタシリーズ』と同じ。 バッティングの場合、基本Aボタンで打つがファミスタのようにスイングを止めたりできないので、バントはBボタンで行う(ただ、これも有効なのは一瞬のみで、すぐ構えを解いてしまう)。 またヒッティングにしても振りぬくタイミングしか有効ではないという、バッティングに関しては独特のクセがある。 ファミスタに倣ってか、1P、2Pの他にウォッチモードがある。また、上記の通りバッティングが特殊なせいか、その練習モードが用意されている。 試合は常に1試合するだけでリーグなどもなく、試合が終わったらニュース風な演出で試合の結果を告知する。 グラウンドの色が8種類用意されており選択可能。 選手のグラフィックが3パターンあり「太り」「中間」「痩せ」の3タイプ。 野手には選手の区分に「捕手」がある(つまり「投手」「捕手」「野手(内野・外野共通)」)。 投手同様これに捕手以外代打を出すと次の守備で交代させられる。 問題点 たった1戦のみで目的意識の持ちようがない。 対戦を重視したゲームと考えようにも、他にいくらでも完成度の高い野球ゲームはいくらでもあるので、これでわざわざ対戦したいと考える人間がどれほどいたことか。 明らかに映画原作のゲームであろうに、映画の展開を再現するストーリーモードが無いのは酷い。 操作にクセがあり扱いにくく、あからさまにおかしい部分も。 バッティングが非常にクセが強く、バットを振りぬく瞬間でしか有効ではない。 そのため、この頃の王道であるファミスタ等の感覚でいると、当たっているはずなのにバットがスカスカすり抜けてイライラさせられる。 当たるタイミングは振り遅れ気味になるのだが、それでも流し打ちになったりする。どの方向に飛ぶかは打った本人にもわからない。 バントもまた、すぐバットを引っ込めてしまったりでかなりやりにくい。しかも、このバントのポーズがまるでバットを前に出してうずくまるような異様なポーズになっている。 守備も守備でファインプレーで取り損ねるとしばらく動けなくなる(たとえば滑り込んでキャッチしたら立ち上がるまでの時間がある)のは自然だが、本作の場合、野手全員(ピッチャーを含む)がまるで金縛りのように動けなくなる(動けるようになるタイミングも同じ)。 こだわりも全く感じられない。 強いてこだわりっぽく感じられなくもないのはバッティングで振りぬくタイミング以降のみが有効となるシステムだが、これはむしろプレイヤーからすれば非常に扱いにくい。 前年発売された単戦限定の野球ゲームでクソゲーと名高い『スーパーリアルベースボール 88』は捕球もAを押さなければならなかったりピッチャーのリリースポイントもボタンを離すタイミングで決めたりと、結果的に操作の煩わしさばかり目立ったが、そのようなシステムを取り入れた点に関しては「小さな動作もすべてプレイヤーマニュアル」という拘りは感じられるものだった。 本作に関してはそれすら感じられず、操作方法を全般的に当時王道路線な『ファミスタ』『ハリスタ』に合わせている点も操作性の良さを求めたというよりも、適当に王道路線を模倣したと感じられる部分が強い。 中途半端なチーム構成。 メジャーリーグと言う割には日本プロ野球のチームが混じっており、しかもセリーグのみ。またメジャーの球団はたった4チームのみでしかも再現も不十分。どっちつかずな印象しかない。 当時はメジャーリーグでプレーする日本人選手がいなかった(*2)こともあってメジャーを含めアメリカ球界そのものの注目度が低く、少しでも馴染みのある選手を入れようとしたにしても、あくまで「メジャーリーグ」なのだから日本球団こそオールスターが1つ、またはセ・パそれぞれのオールスター2つでもあれば充分。 シュールすぎる「痩せ」型選手。 もはや「痩せ」「栄養失調」どころのさわぎじゃないほどのエンピツ体形。 選手がオールひらがな表記。 当時は容量的都合で日常茶飯事だったが、タイトルがメジャーリーグで、アメリカのメジャーメインならばオールカタカナの方が合っていたはず。 日本のチームを多数登録したため日本人選手が全部片仮名になるとおかしい、と判断したのであれば、まさに本末転倒と言えるだろう。 ムダな長い待ち時間。 リセットすると黒一色の画面にタイトルが浮かび、メインのタイトル画面に移行するが、それをスタート等でスキップできない。 バッティング練習モードは終わると特に総評などがあるわけでなく、選手がトボトボと歩いて去っていくのを見て終わるだけ。この時間もやたら長い。 練習時のホームラン数に応じて選手の歩き方が変わり、一定数以上打つと途中で疲れて倒れてしまう演出となっていた。 評価点 捕手を特別枠で扱っている。 捕手は習熟に時間や特殊な技能が要求され安定したリードや送球といった守備が重要視されるポジションであり、打撃では内野手や外野手に見劣りする傾向が強い。そのため黎明期の守備位置の概念が希薄なゲームではすぐ代打を出されるなどあんまりな扱いをされがちであるが、それを防止している。 一応練習モードがある。 バッティングはかなりクセが強いものの、その練習ができるモードがある。 言うまでもないが練習してまでやりたいようなものでもない。 ホームランを打つと『燃えろ!!プロ野球』のような演出が入る。 満塁ホームランだと投手が捕手に泣きつく。 総評 まずボリュームの薄さは致命的。対戦特化したゲームという解釈にしても光るものもオリジナリティも感じられない。 またメジャーリーグというタイトルに反して日本球団のモデルの方が圧倒的に多く、しかもセ・リーグのみというラインナップはあからさまに中途半端で、こだわりも感じられない。 この年は野球ゲームブーム終焉期で野球ゲームはタイトルこそ前年以上に多く発売されたが前年のように発売初週に必ず売上ランキングの1位を取れるほどではなくなってくるなど、衰えが見えていた。 本作もその例の1つに数えられるように、とりあえず「ブームが完全終了しないうちに、そこそこ売れる間に野球ゲームを売るだけを目当てに間に合わせで作った」というイメージが否めないものになった。 余談 本作であのボブ・ホーナーをモデルとした「ほうにあ」が入っている。 ホーナーは1987年シーズンに来日し、ヤクルトスワローズに入団。その長打力を存分に見せつけて「赤鬼ホーナー」という異名で一躍スターとなった。結果的にケガで規定打席に到達できなかったが、その長打力は目を見張るものばかりでヤクルトは翌年も破格の条件で契約する意向だったが、ホーナーは翌年度の契約をセントルイス・カージナルスと格安で契約を結んでしまう(*3)。 アメリカに戻った翌年のカージナルスではその長打力はかけらほども見せられず1988年シーズンはさんざんな成績でその年限りで引退することになったが、ゲームではかなりの長打力打者になっている。このような野球ゲームでは大体前年度準拠だが、それだけ一昨年のイメージが強烈だったと言えよう。 本作の「バットを振り抜く瞬間しか当たり判定がない」という方式は、12月に発売された『ファミコン野球盤』(エポック社)でも使われている。 こちらもかなりのクソゲーで、まさしくこの年急増した粗製乱造野球ゲームの1つに数えられる。 実際の所、野球ブーム衰えの直接的要因は1年前に発売された『スーパーマリオブラザーズ3』の影響から始まっている。 『マリオ3』は申し分ないビッグタイトルながら、予想以上の売れ行きから在庫切れを引き起こし充分な供給ができなかったことから、ユーザーの野球需要をかっさらった格好になった。 そんな状況でも新しい野球ゲームが次々と発売され供給過多気味になってきたことに加え、本作のような粗製乱造に感じられるものも目立ってきたことから、一気に冷え込みムードとなり翌年の春を待たず終焉することとなった。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/5753.html
アクアノートの休日2 【あくあのーとのきゅうじつつー】 ジャンル 海底散策ゲーム(SLG) 対応機種 プレイステーション 発売・開発元 アートディンク 発売日 1999年7月1日 定価 5,800円(税別) 周辺機器 ポケットステーション対応 廉価版 ARTDINK BEST CHOICE2000年8月3日/2,800円(税別) 配信 ゲームアーカイブス2008年8月13日/600円(税5%込) 判定 良作 アクアノートの休日シリーズ1 / MEMORIES OF SUMMER 1996 / 2 / AQUANAUT S HOLIDAY~隠された記録~ 概要 前作からの変更点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 前作『アクアノートの休日』を多くの面でパワーアップさせたゲーム。 環境ゲームであるため、人を選ぶという面は同じ。 前作からの変更点 グラフィックの大幅進化 前作から4年の歳月を経て大きくグラフィックが進歩したことで、よりリアルな海中探索になった。 ターゲットスコープ 海中の生物をロックオンすることで、自動操縦でその生物を追跡するシステムが導入された。 これによって操縦することなく目的の生物を観察できるようになった。 顕微鏡の役割もはたし、ミジンコやエビのフィロソーマをログブックに登録できる。 ログブック 前述のターゲットスコープでロックオンした生物はログブックに記録される。 コレクション要素であり、今作の一応の目的はこのログブックをすべて埋めることである。 ロックオンできる生物や海中のオブジェクトは400種類近くあり、そう簡単には埋まらない。 前作にあった漁礁機能は廃止された。 評価点 前作の問題点をほぼ解消した。 グラフィックが向上したことでほとんど違和感がなくなった。 魚の種類も多く、場所ごとに暖かい海、寒い海、極寒の海、淡水のエリアと種類も分けられている。 ログブックを50%完成させると、ログブック閲覧時△ボタンで女性ダイバーを表示し、生物と大きさの比較ができる。 賛否両論点 古代生物が登場する 古生代、中生代、新生代の生物が登場する海域があるが、ゲーム中では特に何の説明もない(*1)。 問題点 ログブックのコンプリートがかなり大変 なかなか発見できない生物もいる上に、ヒントなどは一切ないためコンプリートは非常に困難。 前作と同様であるが、海底散歩という面を除くと、岩場だらけの荒野を移動するだけのようなもので好みが分かれるゲームである。 コンプリートすると見られるエンディングは、ログブックを終了した時に始まりキャンセルする事はできない。 コンプリート後、ログブックを開く度に見せられタイトルに戻ってしまう。 総評 ゲーム性はログブックのコレクション要素のみ。遊び方はプレイヤー次第なのは変わらず。 しかし圧倒的な水中風景はせわしなく手や頭を動かす必要のあるゲームに疲れたプレイヤーを癒してくれるだろう。 余談 本作は製作途中でディレクターが退職したため、アートティングへ転職したてだった漫画家の田中圭一氏が後を引き継ぎ完成させた。 田中氏は『アクアノートの休日』をアート的な作品として捉えており、転職間もなくディレクターが退職してしまったためにノウハウを引き継げなかったことを理由に挙げて、「『アクア』本来の夢の中を漂う浮遊感が失われた」と自己評価している。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/5234.html
みんなでスペランカー 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 みんなでスペランカー ブラック 概要(ブラック) 特徴(ブラック) 総評(ブラック) その後(ブラック) 元祖みんなでスペランカー 概要(元祖) 評価点(元祖) 賛否両論点(元祖) 問題点(元祖) 総評(元祖) 余談(元祖) みんなでスペランカー 【みんなですぺらんかー】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3(PlayStation Store) メディア ダウンロード専売ソフト 発売元 アイレムソフトウェアエンジニアリング→Tozai Games 開発元 Tozai Games 発売日 2009年3月26日2011年12月21日(Tozai Games移譲後) 定価 1,300円(税込) プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人) 判定 良作 ポイント 最弱ゲームヒーロー復活みんなデスペランカー6人のオンライン同時プレイが売り操作性の悪さ、死にやすさも全部再現クラシックドットでも遊べる1人プレイも充実、でもみんなの方が楽しい スペランカーシリーズ 概要 ゲーム史上最も虚弱体質な主人公が活躍するゲームとして有名な『スペランカー』。その22年振りの続編で、今作は最も有名なファミコン版を元にした作品。 簡単にいうとグラフィックをリメイクしつつ、わざわざ当時の操作感や難易度を再現したスペランカーであり、やりごたえや笑えるほどの死にやすさは健在。 本作の特徴は最大6人のオンラインマルチプレイである。大方の予想通り非常にカオスな連帯責任ゲームができる。 リニューアルグラフィックはPS3相応のグラフィックでありながら、操作感は当時にかなり近くなっており、そのギャップだけでもかなり楽しめる内容である。 なお、クラシックモードと呼ばれるドット絵バージョンのモードも存在。ファミコン版の雰囲気ほぼそのままにプレイ出来る。 ただのリニューアル作品ではなく、新しいギミックや敵キャラが大量に増加しており、既プレイヤーでもやりごたえのあるゲームとなっている。 特徴 スペランカーのアクションには一切追加なし。ジャンプと使用制限のあるポータブルファン・フラッシュ・爆弾で敵をやり過ごしつつ進んでいく。 ただアイテム自体は難易度を上げるという意味合いで増えており、鍵は6種類になった。その他、石板と呼ばれる収集要素があり、全て集める事で絵が完成するという仕組み。 スペランカーの実家のような安心感とは裏腹に、ギミックや敵キャラは大増量。特に敵キャラはオリジナル版ではコウモリと幽霊程度しかいなかったが、今作では10種類以上にまで増加。本気でスペランカーを殺しに掛かっている。 コウモリ:お馴染みのフンを落とす敵。色違いのコウモリはフンを落とす間隔が短く、ゴリ押しの突破が出来なくなっている。 幽霊:ファンを当てて消さないとどこまでも追いかけてくる敵。今回は二回ファンを当てないと倒せない巨大幽霊や、ファンを当てると分裂してくる強化版が出てくることも。強化版の幽霊が出ると音楽が普段と少し違うものが流れてくる。 クモ:糸で天井からぶら下がっており、スペランカーが近づくと落下してくる。爆弾で退治可能。白は上下するが、青はほとんど動かないため、爆弾で撃退しないと進めない局面も。 ヘビ:窪みの中を往復している。近くに爆弾を置くと高度を問わず一時的に画面から姿を消す。タイミングが良ければジャンプでスルー可能。色のバリエーションが豊富で、通常の緑の他に、動きの早い茶ヘビや、プレイヤーに飛びかかって飛び越えを阻止する赤ヘビもいる。 ムカデ:ロープを往復する敵、タイミング良くスルーしたり、爆弾で退治も出来る。青は往復の速度が早い。 カラス:上空を飛んでおり、スペランカーを見つけると降下してくる。フラッシュで撃破可能。赤いカラスはスペランカーに気づく範囲が広く、遠目でも襲い掛かってくる。 操作感は若干差異を感じる部分もあるが、リニューアル・クラシックグラフィック共に殆どそのまま。下り坂で前にジャンプすると死んでしまう仕様等も全て健在である。 最大の追加点・オンライン要素。 本作のタイトルの由来ともなっているマルチプレイ要素。オフラインでは4人まで、オンラインでは6人までプレイできる。 協力プレイの「みんなで探検」と、誰が一番速くゴールに辿り着くかを競う対戦プレイの「みんなで競争」とがある。 「みんなで探検」の場合どういうシステムになるかというと、まず残機はいきなり30くらいと大盤振る舞いなのだが、この残機は全員で共有する。 通常コースならひとりあたりの残機5×6人で30。Tozai版のチャンピオンシップ(高難易度モード)なら残機50×6人でなんと300から始まる。 アイテム等も共有であり、例えば黄色・赤・青の扉があったとしたら、その色の鍵を所持している人が集まらないと突破出来ない。 よって息が合わないと、扉の前で待っている間にエネルギー切れで仲間が死んだり、慌てる余り余計なミスが増えたり、間違えて爆弾を設置して全員吹き飛ぶ等ということがままある。 エネルギーや爆弾、フラッシュといった攻略上必要となるアイテムと石版は、誰かが取っても一定時間で再配置される。それ以外のスコアアイテムや薬等の特殊アイテムは再配置されない。 トロッコ等の操作も難しく、先頭のプレイヤーがトロッコを操縦するのだが、6人乗っている事を考慮しないと、吹き上がる炎に後方のプレイヤーがあたって死亡という事も。むしろ無理に全員で乗るより2、3人ずつ行った方が安全と言える。 尚、共有残機がゼロになってからミスすると、プレイヤーはそれぞれ仮死状態となる。30秒以内に他のプレイヤー仮死状態中のスペランカーに触れると復活するが、間に合わないと脱落となる。 多人数を計算に入れたギミックも仕込まれている、3人以上掴まると切れる赤いロープや、3人以上乗ると沈む船等は知らずに全員で乗り込むと大惨事に。また3人以上掴まると伸びる黄色いロープがあり、これを使わないと収集できない石版もある。 評価点 リメイクとしての質の高さ。 拘り深いプレイヤーからすると挙動がやや異なるようだが、普通に見れば十分過ぎるほど操作感覚が再現できている。 その上で、そこそこ違和感のない程度の追加要素が仕込まれており、新鮮な気持ちでもプレイできる、これまでのスペランカーにはない続編らしい続編である。 オンラインプレイならではのワイワイガヤガヤ感。 本作のオンラインプレイはボイスチャットに対応しており、ファミコンゲームによくあった、足の引っ張り合いでもかなり楽しむ事が可能。扉の鍵を待つ間のハラハラ感すらも楽しめる。 勿論、待っている間、おもむろに爆弾を置いてその場をパニックに陥らせる無理心中プレイ等も可能。野良プレイでは流石に嫌われるが。 ただ足を引っ張り合うだけではなく、残機ゼロのピンチの時はお互い助けあうプレイも可能で、初めてのマルチプレイながら完成度が高い。 1人プレイモードも充実している点。 全10エリア、1エリアにつき10ステージの計100ステージという大ボリューム。 途中セーブ機能もあるので、休みながらの進行も可能。ゲームは一日一時間という主義の人も安心。 100ステージをクリアすると1ステージ目へと戻る周回プレイ。ただし、フラッシュなどのアイテムを使わないとカギが見えない、カギが一切見えない上にジャンプしないと取れないなどの制限がついたハードモードとなるので、見慣れたステージでも一味違ったやりごたえが楽しめる。 Tozai版ではチャンピオンシップモードという1ランク上の難易度にも挑戦可能。最初から残機50も持った状態で始まるが、一筋縄ではいかない。 なお、チャンピオンシップモードのお題はDLCでも配信されている。 グラフィック・BGM共に、リニューアル版とクラシック版をちゃんと用意している隙の無さ。 前者はややリアルな描写になったスペランカーを操りプレイする。これだけでなく、BGMは既存のものが全てアレンジして起用されている。 しかもアレンジの多くはオーケストラ風であり、あの有名なメインテーマも恐ろしく荘厳なBGMとなっている。 後者はオリジナル版とほぼ同じ。本作で追加されたBGMもあるが、ファミコン音源になっており違和感なく溶け込んでいる。 クラシック版はこれまで通りミスすると点滅してお馴染みのBGMが鳴るが、リニューアル版は死んだ要素によって様々なモーションをとる。 フラッシュや爆弾に当たると消し炭となって死亡、炎に当たると黒焦げになって死亡、落とし穴に落ちると打った足を庇いつつ片足で跳ねながら死亡、等々。スペランカーの死にやすさを上手く昇華してシュールな笑いを演出している。 なお、ゲームオーバーになると「何処まで進んだ上でどういう死因で冒険が終了したか」という冒険報告が最後に表示される。 例えば敵に当たって死ぬと「触れてはならないものに触れてしまい…」などと出てきて終わる。シュールの極み。 ちなみにプレイ内容によって称号が付く。アイテムの使用率等によって判定されるが、死亡率が高いとスペランカーをもじったデスペランカーなる称号を与えられる。 初心者に向けた要素の数々。 残機無限のチュートリアルモードを搭載。これで初見で陥りやすい「開始直後エレベーターから落下」があっても理不尽さを軽減できる。 ちなみにその時にちゃんと死因(ミス理由)が出るため、どうするとミスになるのかを自由に学ぶ事ができる。ただ内容は「今のは落下ミスだ!」など、これまたシュールである。 オリジナル版でやり辛かったと評判(?)のロープアクションにはロープアシストを搭載し、細かな操作ミスで落ちないようになった。 オリジナルの理不尽さが良いという人のためにこのロープアシストはオフにもできる。 問題点 やはり若干オリジナルの操作感とは違和感が生じる点。 とは言っても微差であり、よほど拘りのある人でもなければ十分な再現度は確保されているだろう。 リニューアル版とクラシック版とではステージ構成はまったく同じだが、やはり操作感の違いは否めない。 リニューアルグラフィックはやたら画面が暗く、見辛いところがある。 一応スペランカーのヘルメットの明かりで照らすことが出来るため、自分の目前はわかりやすくすることが可能。 対するクラシック版は背景が真っ黒なため逆に他のドット絵がかなり見易くなっており、プレイしやすさという観点でクラシックを選ぶプレイヤーも多い。 一方、リニューアル版はスコアアイテムの隠されている破壊可能な壁がわかりやすいという利点がある。 敵やギミックの増加に対して、スペランカー自身には一切の新要素がなく、そういう意味では目新しさに欠ける。 安心感はあるが、自分で放ったフラッシュや爆弾で死ぬのも変わっていないのはもちろんのこと、天井が低いとフラッシュが発動せず無駄に終わるなど制約も多い。 特に幽霊は強化されたため、1人プレイだと詰んでしまう局面が増えた。例えば岩に追いかけられている時に前から巨大幽霊がくるとどう考えても打破出来ず、幽霊・岩のどちらかに殺される。 総評 レトロゲームリメイクブームに乗っかった便乗ゲームの1つでしかないが、その中でも高い完成度を誇る作品。 誰も想像しなかったスペランカーのマルチプレイはまったく新しい「死んで騒ぐゲーム」という新境地を開拓し、ファンには暖かく受け止められた。 ファミコン版からほぼゲームシステムを変えず、ここまで新たなゲーム性を構築した点は特筆に値するだろう。 複数人プレイはオンラインでも、本作に対応しているインカムや何らかの通話ソフトを使えばワイワイプレイが可能であり、現代の進歩にもよく合っている作品と言える。 余談 「いまさら」みんなでスペランカー体験版が配信されていた。 エリア1のみ全てプレイ出来る(オンライン込み)の体験版が2012年12月19日から配信され、プレイのハードルはかなり下がっていた。 現在は残念ながら配信終了している。 アイレムのゲーム事業縮小化に伴い、開発を担当したTozai Gamesが版権とともに配信を担当することとなった。 2015年にはまさかの続編、『みんなでスペランカーZ』が配信された。 まさかの基本無料で、装備を有料課金ガチャから手に入れる方式となった。 また、キャラクターデザインが旧作を思わせるような可愛らしいデフォルメ系に変化。 2021年には『元祖みんなでスペランカー』として本作がリバイバルされた。販売と開発は同じく『Tozai Games』。 ただのリマスターかと思いきやグラフィックを一新。特に3D版はオリジナル版よりも明るい色彩となり、視認性が向上している。 無限洞窟NEOモードが新規追加。強制スクロール+ランダム洞窟生成というサバイバルモード。 なお限定版にはオリジナル・サウンドトラック、ソフビフィギュア、アーケード版のインストカードを印字した下敷きなど、これでもかという特典を詰め込んだ付属品が同梱されている。 みんなでスペランカー ブラック ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3(PlayStation Store) メディア ダウンロード専売ソフト 発売元 アイレムソフトウェアエンジニアリング 開発元 Tozai Games 発売日 2010年1月7日 定価 1,200円(税込) プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人) 判定 なし 備考 現在は配信停止 ポイント ゲーム画面を暗くした上級者用スペランカーステージ構成などは一切変化なし今では幻のゲームに 概要(ブラック) 自分の周囲以外は見えないようになり、難易度が増したみんなでスペランカーのマイナーチェンジバージョン。 特徴(ブラック) 暗くなって先が見えづらくなった以外は、元の『みんなでスペランカー』とステージ構成を含めて何ら変わらない仕様である。 手抜きと言われてしまえばそれまでのゲームであり、価格が元作品とほぼ変わらず高めであることがネック。 元の作品を持っておらず、それでも骨太なゲームを欲するプレイヤーには薦められるが、流石にそういった需要はニッチ過ぎることは否めない。 総評(ブラック) 文字通り、シリーズの黒歴史となってしまったが、ゲーム自体の出来が良いのはそのままなため、ファンには十分楽しめる内容ではある。 その後(ブラック) アイレムがゲーム事業を縮小した際に配信を停止。版権譲渡後のTozai Gamesでも本作は取り扱われることがなかった。 元祖みんなでスペランカー 【がんそみんなですぺらんかー】 ジャンル アクション 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4 メディア Nintendo Switch専用ゲームカード(Switch)BD-ROM 1枚(PS4)ダウンロード専売ソフト(両機種) 開発・発売元 Tozai Games 発売日 2021年3月26日 定価(税込) 3,300円(通常版)7,480円(限定版)2,640円(ダウンロード版 プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人) 判定 良作 ポイント リマスターに見せかけたほぼフルリメイク内容はほぼ同じだが不便な点を大幅解消Tozai Games初のパッケージソフト スペランカーシリーズ 概要(元祖) 先の『みんなでスペランカー』をSwitch・PS4向けに移植しつつ各部を大幅強化した作品。 販売はみんなでスペランカー以来のTozai Gamesとなった(前二作はスクウェア・エニックス)。 一目ではわかりにくいが、3D版はグラフィックを一新している。当時のグラフィックを元にしたデザインではあるが既プレイヤーにはすぐわかる程に作り変えられている。 『Z』『みんなでワイワイ』で公表を得た要素なども組み込んでおり、『完全版みんなでスペランカー』とでも言うべき内容。 新要素としてZで途中追加された『無限洞窟NEO』を実装しており、さらに遊びやすくパワーアップしている。 評価点(元祖) グラフィックの一新による視認性の向上 オリジナル版ではせっかくの3Dグラフィックでありながら明度が低く、目に悪いと避けられがちだった3D版のグラフィックが一新されている。一新と言ってもデザイン等はオリジナル版と変わっていないが、全体的に明度が増している。 キャラグラフィックだけでなく、アイテムのデザインを豪華にしたり、各種ギミックの映像が綺麗になっていたりと、それ以外の要素も全てが変更されている。 なおスペランカーはオリジナル版だと目元が影で見えなくなっていたが、本作ではパッケージイラストの通りのデザインとして目がよく見えるようになっている。 ファン、爆弾、フラッシュ等は次世代機に合わせてこれもまた視認性の強化や演出の強化が図られている。最早2Dドットの方が遊びやすいとは言い切れないレベルになっている。 良いところは大きく変えていない点 フルリメイクという公式の文言とは外れるが、SEなどのサウンド関連はほぼ当時のものが使用されている。しかし当時からしてこの点は好評だったことからむしろ好意的に取られている。 その他既存シリーズを生かした新要素 大きな変更点としては画面のスクロールがエリア式でなくなり、スクロールに時間を取られなくなったこと。これによりプレイ中画面スクロールした途端いきなり罠とご対面ということがなくなった。 遊びやすくなった無限洞窟NEO 本作におけるチャンピオンシップモードの延長線上にあったモードだったが、本作では「強制下スクロールする中、スペランカーが残機をすべて失うまでに多くのスコア(アイテム)を稼ぐ」というゲームへと一新。ステージクリア型だった『Z』に合わせた仕様から大きく変更されている。 画面外に置き去りにされると即ミスになるなど死因も追加。これまでのチャンピオンシップとも異なる内容となり非常に盛り上がる。ちなみにマルチプレイも勿論可能。 なおBGMも新規で用意されている。 賛否両論点(元祖) 『Z』等にはあったアバター・装備等の要素は廃止 もとにはなかったものなため仕方ないが、せっかくフルリメイクしたなら…という声もある。 もっとも、そういったソシャゲーに近い要素を嫌うプレイヤーの目線ではなくて元々と気にしない声もある。 ロープアシストオフの廃止 これは『Z』以降にあった要素の継続。これによりオリジナル版よりどう足掻いても難易度が下がる仕様となっており、マニアには不評。…が、はしごでは普通に滑り落ちるためこの点はロープとはしごの差別化のための要素と思われる。 無限洞窟NEOのリスポーン位置 強制スクロールということもあり、リスポーン位置はアイテムではまくスクロールに依存しており、そのスクロール段階での安全地点へスポーンする。一人プレイでこの点の問題点は薄い。 問題はマルチプレイ、残機を失ってダウン状態になってもプレイヤーの通り道にスポーンするため、味方による蘇生行動がしやすく、結果永久ループになりやすい。まさに無限。 一応深度が深まるにつれて難易度が上がり、タイミング次第では蘇生がしづらい場面も発生する。とはいえ序盤は完全に死に得状態のヌルゲーとなってしまう。もっともその方が気軽に楽しめて良いという意見もある。 シングルは最初からなかなかシビアな立ち回りを要求されるため、マルチの難易度は大きく異なる。 問題点(元祖) 目新しさが薄いわりに値段は倍加。 基本は移植なので仕方ないと言えるが、値段は先のように妙に力の入った仕様に反映されて二倍近くに上がっている。パッケージ版はさらに高額。 とはいってもハーフプライスに変わりはない。限定版でようやくフルプライスといったところ。ただやはり大勢と楽しんでこそのゲームなため値段の高額化は人を足踏みさせる要素なことには違いない。 バグがある エレベーターの多いステージ5や9で、 エレベーターが途切れて地面に届いておらずクリア不可能になる というバグが起こる。こうなると、ステージ1からやり直す以外に無い。 ステージ9までノーセーブでクリアすれば回避できるが、決して楽ではない。 総評(元祖) 現代に蘇ったみんなでスペランカーとして非常にパワーアップしており、ファンにはたまらない内容となっている。 移植ゲーとしては非常に力が入っており、本作の開発担当であるTozai Games初のパッケージ化ソフトということもあって気合は入っている。 ただ多くの不便な点を解消しているとはいえ、基本的なゲーム性は変わらないため、代わり映えしないというのはやはり難点にはなる。 しかし全体的に問題点は大きく解消されているため、オリジナル版にハマったプレイヤーであれば損はしない内容である。 余談(元祖) 稀に公式がマルチプレイの部屋を立てている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9596.html
超おどる メイド イン ワリオ 【ちょうおどる めいど いん わりお】 ジャンル おどる瞬間アクション 対応機種 Nintendo Switch 発売元 任天堂 開発元 任天堂インテリジェントシステムズ 発売日 2023年11月3日 定価 5,400円 プレイ人数 1~4人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 バカゲー ポイント Wii版『おどる』の後継作Joy-Con2本持ちで臨場感アップ良くも悪くも『おどる』に忠実 ワリオシリーズリンク 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 初代『ワリオランド』が発売されてから30周年となる節目に発売された『メイド イン ワリオ』シリーズの一作。 Wiiで発売された『おどる メイド イン ワリオ』(以下『おどる』)の方向性を引き継いだ作品であり、同じくSwitchで発売された前作『おすそわける メイド イン ワリオ』(以下「前作」)とは異なり、Joy-Con2本持ちの体感型のプチゲームが特徴となっている。 ストーリー ワリオカンパニーの社員旅行で南国リゾート「バリオモロ島」を訪れたワリオたち。その島では200種類以上のプチゲームやクセの強いボスゲームが待ち受けていました。(公式サイトより抜粋) 特徴 基本的なルールはこれまでのメイドインワリオシリーズと同様。 ストーリーモードでは次々登場するプチゲームをクリアし、ボスゲームを突破することが目標。 ステージクリア後は、エンドレスで続くプチゲームとボスゲームをライフがなくなるまでどれだけクリアできるかを競う。 Joy-Conが2セットあれば、前作同様の協力プレイも可能となっている。 3人以上で遊べるパーティモードも存在。こちらはいわゆる1つのJoy-Conをおすそわけしてプレイするため、Joy-Conが2セットあれば最大4人で遊べる。 前作と異なり、プチゲームはJoy-Con2本持ちからの特定の所作によってクリアしていくことになる。 作中ではJoy-Conは「カマエ石」と呼ばれ、プチゲーム毎に決められた体勢(「カマエ」)で挑戦するすることになる。 『おどる』でいうところの「作法棒」と「作法」に相当する。プチゲームが始まる直前には当該プチゲームで取るべき「カマエ」が表示されるのも同様。 新たな「カマエ」が登場するときは『おどる』と同様「カマエ」についての無駄に壮大な解説がなされる。カタコトの日本語であった『おどる』の解説と比べると流ちょうな 無駄に美声な 日本語ボイスであることからシュールさは減少……と思わせつつ、突然ラップや寸劇を始めたりとこちらもこちらではっちゃけた要素は相変わらず。 基本的なストーリーモードの流れはこれまでと同様であり、初回クリアまではボスゲーム突破でクリア。2回目以降はボスゲームの度にプチゲームの難易度やスピードが上がっていく中で、ライフ0までに到達したプチゲーム数を競うことになる。 2人協力プレイについては、基本的に交互にプチゲームをプレイするスタイルに変更されており、1P→2Pと交互にプチゲームをプレイする。 一方のプレイヤーがプチゲームに失敗した場合、もう片方のプレイヤーが同じプチゲームに挑戦することになり、成功した場合はミスによるライフ減少が帳消しとなる「レスキューチャレンジ」のシステムが取り入れられている(レスキューチャレンジが発動した場合はもう一方のプレイヤーがプレイする際に進行数は増えない)。 プチゲームの中には、2人同時に挑戦するタイプのものも存在する。どちらかがミスすると失敗となるものが多く、性質上「レスキューチャレンジ」が使えないため、全体的に難易度は高い。なお、ボスゲームは全て2人同時挑戦タイプである。 ストーリーモードをクリアすると「マッスルエクササイズ」と、2人プレイ専用の「いきぴったり」、「カラクリかわりばんこ」、「ふたりたいせん」が追加される。 「マッスルエクササイズ」は『おどる』のクライゴアステージを彷彿とさせるが、運動量が増えている。ここで一定スコアを出すと従来のエンドレスタワーに相当する「ごちゃまぜ」、「ゲキムズ」、「スリリング」がそれぞれ追加される(いずれも1つずつ規定スコアを達成する必要あり)。 またストーリーモード内ではないが、ストーリーモードをクリアすると2人プレイ専用の「まねしてミラー」が登場する。こちらは1人が画面を見ながら動作を行い、その動作を見てもう一方のプレイヤーがJoy-Con操作をしてプチゲームをクリアしていく特殊なルールとなっている。 評価点 改善されたプチゲーム群 『おどる』ではWiiリモコンでポインティングを行いボタンを押すなど、「おどる」というタイトルに反して「おどっている」感じに欠ける点が多かったが、本作ではJoy-Con2本持ちになったこともあり、全身をくまなく動かすことを求められるプチゲームが大半となっている。 ボタンを押すプチゲームも存在するが、数はそれ程多くない、かつ開始時にボタンを使うかどうかが表示されるため、基本的には体感で動けば何とかなるようになっている。 本シリーズの魅力の一つでもあるが最近欠乏しつつあったシュールさも「ぞうきんの代わりにパンツや地図を絞る『ぞうきんしぼり』」や「マッチョマンの取っている正しいポーズを選ぶ『マッスルロード』」など目白押しとなっている。 単純な動きだけでなく、Joy-ConのモーションIRカメラを用いたプチゲームもあり、Joy-Conの機能はフル活用されている。カマエが混じるステージではカマエの種類によって取るべきポーズが大きく違うため緊張感を否応なく高めてくれる。 「カマエ石」を途中で手放すべきプチゲームも『おどる』で同様のプチゲームが「バンジージャンプ」1つのみだったのに対しかなり多くなっている。なお、ボタンを押すプチゲームと同様「テバナシの印」として手放すべきプチゲームかどうかが表示されるため、この表示がなければ手放す必要が無いと一目で分かるようになっている。 『おどる』の後継といっていい作品だが、プチゲームは多少似ていたとしても明らかに同じプチゲームといっていい程のものはなく、プレイ済みの人であっても新鮮な気持ちで遊ぶことができるだろう。 一貫性のあるストーリー 『おどる』はストーリーに一貫性がなかったが、本作ではワリオカンパニーの社員旅行で訪れた「バリオモロ島」でリゾートを楽しみながら様々な出来事に巻き込まれることで首尾一貫している。 また、オープニングでの伏線はちゃんとエンディングで回収される。 舞台がいつのものダイヤモンドシティではなく南国リゾートなのも新鮮となっている。 前作ではパートボイスだったが、再びフルボイスとなっている。 好評な要素も『おどる』から引き継がれている 各ステージには『おどる』同様サブタイトルが付いているほか、前述通り各カマエの解説も健在。 最初のワリオステージも、原住民に追いかけられるという『おどる』を彷彿させるものである。 ニンテンドー関連のプチゲームは相変わらずの高クオリティで再現度も前作よりさらにパワーアップしており、FC時代系のゲームは勿論、『ファイアーエムブレム エンゲージ』『あつ森』など、令和以降に発売された作品も登場している。ボスゲームは『スーパーマリオ64DS』(*1)。しかもレベル2では、あの隠しルートまで原作再現されている拘りっぷり。 据え置き機ならではの多人数で遊べるパーティーゲームも豊富。 そして、ラストのボスゲームは本作のタイトルをしっかりと回収してくれている。 復活の儀式 本作ではステージを初回クリアするまでの間にライフが0になると復活の儀式が行われる。 復活の儀式では指定された「せいなるポーズ」を3秒間とることが出来れば成功でありライフ4で復活できる。一方、ポーズを取るのに失敗した場合は復活できずゲームオーバーとなる。 2人協力プレイの際は両方が成功しなければならない。……とはいえ、ポーズそのものの判定はそれ程シビアではないため、真面目に挑戦すればまず失敗してしまうことはない。 「せいなるポーズ」についても本シリーズの例に漏れず、明らかにヘンテコなポーズを取らされることもあり、複数名でプレイしていれば盛り上がること間違いなしだろう。 「せいなるポーズ」についてもコレクション要素となっており、ミュージアムで自由に閲覧できるようになる。ステージクリア後は「復活の儀式」として登場することはなくなるが、ボスゲーム後に毎回ポーズが挟まるため、一度もゲームオーバーせずにクリアした場合でもコレクションは可能。なお、ボスゲーム後のポーズについてはやってもやらなくても自由であり、特にメリットもデメリットもない。 賛否両論点 2人協力プレイの仕様 2人協力プレイは基本的に交互にプレイし、交互にプレイする場合は「レスキューチャレンジ」のシステムが適用されるため、前作のように2人でプレイすると難易度が上がるだけであるといった問題は一見解消したように思われる。 しかしながら、実際には、プチゲームの内3,4回に1度くらいの割合で2人同時プレイを要求されるプチゲームが出現し、このタイプのプチゲームは片方が失敗するとプチゲーム全体がミスとなるケースが多く、結果として前作同様2人同時プレイのプチゲームは1人プレイと比べると難易度が上がるだけであるケースが多い。 特にボスゲームは全て2人同時プレイタイプであるため、プレイスキルに差があると、道中は上手いプレイヤーがカバーしたとしてもボスゲームで片方がミスを繰り返しクリアできないケースが普通に起こりうる。 とはいえ、一部のプチゲームは2人同時プレイならではとなる、互いに異なる操作を担当したり、どちらかのみが指定した操作をしたりといった具合に2人同時プレイを上手く活かした仕様にアレンジされており、単純にプレイヤーが2人になり2人ともが成功しなければいけないプチゲームは(ボスゲーム以外は)少なめである。 問題点 『おどる』から引き継いでいる問題点 『おどる』同様開始時に「カマエ」が表示されるため、プチゲームのテンポが若干悪いのは共通。 更に本作ではカマエが「シュッポッポ」1種類しか存在しない最初のワリオステージでも毎回カマエが表示されるためより悪化したといえる。 やりこみ要素の薄さ 本作では「せいなるポーズ」の追加により多少緩和されたが、それだけでは物足りない。 ポーズ自体、ゲームオーバーとボスゲーム後にしか出現しないので、(システム上仕方ないとはいえ)収集には作業感が強くなってしまう。慣れてくればすぐにはゲームオーバーにならないため前者には時間がかかり、後者もボスゲーム到達にはやはり時間がかかってしまう。 『おどる』の「さほうでん」にあたる「ミュージアム」でプチゲームのハイスコアが記録されないのもそのまま。 Joy-Conの持ち替え モーションIRカメラを用いるカマエ「ミギテウツシ」は認識させるためのコツが必要であるため、慣れるまでは失敗しやすい。また、左側のJoy-Conは手放すことが前提となるため、プチゲームが終わった後元に戻すのにも時間が掛かり、次のプチゲームに支障を来すことも。 意図しない持ち方での操作 センサーの精密化や両手持ちのお陰で数は減ったものの、腰に手を当てる「オオイバリ」と手をダランと下げる「キヲツケ」、手を前に突き出す「カタモミ」と太ももにJoy-Conを当てる「シコフミ」など互換のきくカマエは依然として残っている。 カマエの統一性のなさ スポーツマンのジミーに弓引くようなポーズの「アーチャー」、くノ一のカット&アナに忍者刀のような「ニンジャ」とキャラに合ったカマエもあるにはあるが、頭脳派のオービュロンにキン肉マンの肉のカーテンのような姿勢を取る「ゴウワン」とやはり違和感あるカマエも。 新たな問題点 全体的な難易度の上昇 電流に触れずにゴールに辿り着く「ビリビリめいろ」や肉が焼けたタイミングで裏返す「にくやきロボット」など少々精密な動きを要求されるものもある。 上述の通り「ミギテウツシ」はモーションIRカメラに手を映すというものだが、しっかり認識されるように映すには持ち方などにコツがいる。 「きんあつめダンジョン」はボスゲームで精密な動きを要求されるにもかかわらず1回ミスするだけで即アウトという厳しい仕様となっている。 総評 良くも悪くも『おどる』のリブートという感じである。改善された点もあるが、問題点も多くを引き継いでしまっているのが惜しい所。だがプレイ済みの人は懐かしさがこみ上げてくる事間違いなしだろう。 前述通りJoy-Conをフル活用した1人用ゲームは貴重なので、Switchでガッツリ体感ゲームを遊びたいという人にはオススメ。 余談 テレビCMは千鳥の2人がプレイし、プチゲームに突っ込むというもの。 ノブ氏は『ゴージャス』以来の起用となり、今回は顔出し。大悟氏は今回が初起用である。 Youtubeなどで動画配信者が本作をプレイしている動画が投稿されているが、案の定というべきか現実での実際の動きを撮影したりVTuberのアバターに実際の動きが反映されているものが多い。彼らのヘンテコな動きは見る価値有りかもしれない。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9257.html
スーパーファミスタ 【すーぱーふぁみすた】 ジャンル スポーツ(野球) 対応機種 スーパーファミコン 発売・開発元 ナムコ 発売日 1992年3月27日 定価 7,900円 プレイ人数 1~2人 判定 なし ポイント グラフィックやサウンドは順当にクオリティアップで新しい基本形 87以来4年3ヶ月ぶり(公認では初)の実名選手採用でチーム名は初の実名化モデル選手が判別困難なOBチームとメジャーチーム ファミスタシリーズリンク 概要 内容 新しいゲームモード 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 1992年3月にナムコから発売された人気野球ゲーム『ファミスタ』シリーズ初のスーパーファミコン作品。ファミコンを含めてシリーズ作品をカウントした場合8作目となる(他にゲームボーイで1作品あり)。 ファミコンやゲームボーイを含めた並びとしてはファミコンの『 92』とゲームボーイ『ファミスタ2』の中間に位置する。 根本的なゲーム性はファミコンシリーズから引き継いでいる。 内容 旧来通り親しまれた操作性はほぼそのままで、スーパーファミコンならではの操作法も新しく取り入れたものになっている。 同時に新しいシステムやモードも取り入れられている。 ファミコン・ゲームボーイシリーズからのシステム変更点 スーパーファミコン化により使えるボタンが増えたことでできるようになった操作は以下の通り。 Xボタンを使用して瞬時にバントの構えが取れる。 L・Rボタンでバットの持つ長さを変えられる。 バットを短く持つとミートしやすくなり、長く持つと長打が出やすくなる。 ファミコン時代の3作目『 88』以降、選手は変名されてきたが本作でやっと実名に戻すこととなった(ライセンス公認では初) とはいえ5文字までしか表示できないため、それ以上になる阪神のジム・パチョレックは「パチョレク」、近鉄のラルフ・ブライアントは「ブライアン」と不完全な表記になっている。また西武の渡辺久信と渡辺智男は「ひさのぶ」「とみお」と名前のみの表記になっている。 球団名は当初から略号こそ同じながら「ジャイアンツ」→「ガイアンツ」、「ライオンズ」→「ライオネルズ」など変名だったが、それも完全に実在球団そのままになった。 1992年からロッテが「オリオンズ」から「マリーンズ」に愛称を改め略号が「M」になったためか略号が被った「メジャーリーガーズ」は「アメリカンズ」(略号 Am)と改称。 メジャー選手にまでライセンスが及んでいないためか大まかなモデル選手はいるものの名前は全然違うアメリカの地名になっている。 実在12球団、「アメリカンズ」「ナムコスターズ」以外にスペシャルチームが12球団用意されている。これらは『 92』の「ビクトリーズ」(V9時代の巨人)「ダイナマイツ」(1985年の日本一阪神)を含む12球団の最盛期をモデルにしているが、ステータスのみで名前は全然違うものになっている。ライセンス公認で実名が使えるのは現役選手のみでしかないためと思われる。 チーム名は元になったチームのあらゆる要素から着想を得たもので、各選手名はそのチーム名に沿った大喜利的なものとなっている。 + スペシャルチーム一覧 チーム名 対応するチーム 由来と思しき要素 選手名 レッズ(R) カープ チームカラーの赤 赤いもの ユニコーンズ(U) ドラゴンズ 想像上の生物 想像上の生物・妖怪・未確認動物 ペンギンズ(P) スワローズ ペンギン投法の安田猛(*1) 寒さや冷たさに関係するもの ビクトリーズ(V) ジャイアンツ V9時代 戦国武将・源平合戦の武士 オーシャンズ(O) ホエールズ 海のイメージ 魚類・水棲生物 ダイナマイツ(Dy) タイガース ダイナマイト打線 恐竜(ダイナとダイノ繋がり?) アイアンズ(I) ライオンズ 名前の響き親会社の「鉄」道事業 旧日本海軍の戦艦 ジャッカルーズ(J) バファローズ 荒野に生息する動物偽名時代の「バッカルーズ」との名前の響き 哺乳類の動物 サブマリンズ(Sb) ブルーウェーブ 海のイメージサブマリン投法(アンダースロー)の山田久志(*2) 十二天や七福神等の日本伝承の神仏 キングス(K) ファイターズ 中世ヨーロッパのイメージ?(*3) チェスの駒・トランプ用語・将棋用語 イーグルス(E) ホークス 猛禽 鳥類 アストロズ(A) マリーンズ 前身のオリオンズから天体のイメージ 星や宇宙に関係するもの チーム選択画面でL又はRを押すと、球団旗がスペシャルチームのものになる。ユニフォームは後述する紅白戦におけるビジター用を基本としている。 試合開始でナインがポジションに散る描写やホームランを打つと専用のデモ演出が入るようになった。 見逃し三振時に打者が悔しがる、タイム後の選手交代画面で監督とベンチの様子が映し出される等、AC版『ワールドスタジアム』から逆輸入された演出も見られる。 バットスイングの判定が細かくなり、バットを一段階振った状態で打つことでホームランを狙いやすくする戦法(旧来で言う「寝かせ打ち」)がその効力を失った。 クラウチングや神主打法など選手固有のバッティングフォームが取り入れられた。 選手名にカタカナも使われるようになった。 これにより、外国人なのに平仮名と言うちょっとマヌケに見える悪癖が改善。 ただナムコスターズは、何故か全員が平仮名になっている。 試合におけるその他の新しい点。 2打席目以降は、それまでの打席の成績が見られるようになった。 イニング毎の途中結果や最終結果で併殺回数を記録するようになった。同時にその試合でのチーム打率も見ることができるようになった。 フィルダーチョイスをヒットとカウントしなくなった。 守備時の速さが選手ごとに異なるようになった。 この恩恵を受けているのがご存知超俊足の代名詞ナムコスターズの「ぴの」で、驚くほど広い守備範囲を誇る。 球場ラインナップ 球場名 モデル球場 両翼 中堅 ドーム 東京ドーム 100m 122m マリン 千葉マリンスタジアム 91m 118m ろっこう 阪神甲子園球場 97m 120m 選手データの特徴 選手データは発売時期的に1991年オフ~1992年開幕まで取り切るには無理があるためか1991年と1992年の中間のようなものになっている。 1991年シーズン準拠例1991年限りで退団したブラッドリー(ゲームでは「ブラッドリ」)がゲームではまだ読売ジャイアンツにいる。1991年限りで退団したトレーバーがゲームではまだ近鉄バファローズにいる。このオフにオリックスブルーウエーブから読売ジャイアンツにトレードされた藤田浩雅が移籍前のオリックスブルーウエーブに入っている(トレード相手の高田誠は収録漏れ)。 1992年シーズン準拠例このオフに広島カープから大洋ホエールズへトレードされた長内孝が移籍先の大洋ホエールズに入っている(トレード相手の銚子利男は収録漏れ)。このオフに大洋ホエールズから阪神タイガースに移籍したパチョレック(ゲームでは「パチョレク」)が移籍先の阪神タイガースに入っている。このオフにオリックスブルーウエーブから福岡ダイエーホークスに移籍したブーマーが移籍先の福岡ダイエーホークスに入っている。 後述の通り以後『スーパー』のシリーズは3月発売なので、このような形は後々まで引き継がれる。 新しいゲームモード 紅白戦 同じチームの選手をお互いに半分ずつ取り合って、まるでキャンプ中の練習のような試合を行うことができる。 ドラフト 12球団のみが対象でそれぞれのチームに新人を2人入れてから、リーグモードを行う。 候補選手は上述のスペシャルチームの選手と、当モードのために2チーム分用意された選手達(*4)の中からランダムで12名ずつリストアップされる。 ここで明示されるのは、大まかなランク(S・A・B・C・D)とポジションのみ。 まずプレイヤーは希望する選手を指名するのだが、もし他球団と被った場合、抽選になる(ランク上位6名は高確率で指名が重複する)。 当たりくじを引けなかったら、他の選手を選び直しとなる。この場合は他球団(CPU)とは指名が重複しないため、希望の選手を確実に獲得できる。 上記の流れで選手指名を2巡実施したのち、試合前メニューに移行する。入れた選手は、その対象ポジションのスタメンに入ることになる。 そのため、やみくもに最上位ランクの選手を取るばかりが能ではなく、多少ランクが低くてもチームの中で弱点になっている選手のポジションを補強したほうが効果的な場合もある。例えば中日なら落合博満、西武なら清原和博といった元々のファーストの選手が強力なので、打力がウリのファーストの高ランク選手を取っても大幅な戦力アップにならない。 評価点 ファミコン時代から一転スーパーファミコンによってグラフィックやBGMのクオリティが大幅アップ。 それに伴って演出も多くなったが、それも適度なものに抑えられており、これまで通りのサクサク進む試合感は失われていない。 スーパーファミコンになりながらも、増えたボタンで煩雑にならない操作。 定番タイトルらしくファミコンから引き継がれており、スーパーファミコンならではのボタンによる操作は、そこまでリアルタイムを必要としないバットの持つ位置や、バント程度に限られている。 バントに関しては旧来通りでも可能なので、新しい操作が必須ではないため自分に向いた方を選ぶことができる。 これまでになかった新機能。 今までありそうでなかったのが「紅白戦」で1つのチームを2つに分けて戦えるのは新しい試みであり、今までになかった試合ができる。 「ドラフト」もまた、弱いチームに新しい選手で補強したり、またこれ自身も現実のような演出がされるので雰囲気は出ている。 しかも「指名選手が先発陣やスタメン野手にそのまま入れ替わる」というシステムにより、ただやみくもに能力評価の高い選手を取ればいいわけではなく、チーム毎の穴になっているポジションを埋める選手が獲得できればより効果的にチームを強化できる。チームデータを元に戦略を立てる玄人にとってはその強みを生かせる仕組みといえる。 また、敢えてランクの低い選手を獲得し主力選手のポジションを奪わせるという実際にやればファンの暴動が起こるであろう縛りプレイ的な遊び方や、運も絡むが使用チームに対応するスペシャルチームの選手を獲得し、擬似的にOBとの混成チームを作るといった楽しみ方もできる。後者に関しては問題点でも挙げているようにさほど実感が湧かないのがネックではあるが。 ルールが変更できるのは『 92』でも同じことだがイニング数だけでなく、コールドをなしにしたり、その対象点差も操作できるようになった。 イニングを1回、コールド点差を最低の2点にすると、まるでサドンデスのようなゲームができる。 選手の実名化、更にそれの再現性を高めるバッティングフォームの導入。 ただ名前だけでなく外国人選手のクラウチグ打法や落合博満の神主打法なども取り入れられ、再現度はグッと高まった。 賛否両論点 千葉ロッテマリーンズの球団旗・ユニフォームがオリオンズ(及び偽名時代のオリエンツ)をモチーフとした架空デザインとなっている。 チーム名変更に伴う新しい球団旗・ユニフォームの発表が本作開発期間内に行われなかったため、苦肉の策としてこのような措置が取られた。 問題点 スペシャルチームは難点が多く、蛇足感が強い。 通常の12球団とは対戦ができない。 このせいで楽しめる幅を狭めている。 一足先に発売されたファミコンの『 92』と同じ名前の「ビクトリーズ」「ダイナマイツ」がいることや12球団のウラチームとして各々チームに隠れた扱いになっていることもあって、そのチームのOB再現のような一面はなんとなく察せられても、選手名がネタに振り切れているせいで実感がまるで湧かない。 それぞれ現存球団のウラに隠されていることや『 92』の例からそれぞれの最盛期再現というのはなんとなく伝わっても、巨人・阪神・阪急のような最も強かった時代が明確なチームはともかく、中日・ロッテ・南海のように最盛期を明確にできない球団や、今がその最盛期といえる西武などは一体いつの時代の再現なのかがよくわからない。ユニフォームも表チームのビジター用でしかないので、そこから判別することすらできない。ましてプレイヤーの年齢層からすれば、 70年代や 80年代は物心つかず、生まれてすらいないことも珍しくなく、インターネットもない当時にその時代が知っているとすればちょっとした野球マニアで、それでも成績(ステータス)だけでそれを判別するなどまず不可能だったことだろう。 実名化にこだわりながらライセンスはOBに及ばなかったので、ここだけ変名にするのは抵抗があったのかも知れないが、こんなわけのわからないことをするぐらいならばOBだけ変名の方がまだマシだったかもしれない。 旧メジャーリーガーズことアメリカンズもよくわからない。 こちらもモデルのメジャー選手がいても、選手の名前が地名では結局誰なのかわからず本末転倒。OB同様ライセンスに関わる問題ならば変名の方がまだマシだったかもしれない。 当時日本ではメジャーリーグ自体日本人無関係のためほとんど報道されず、さほど詳しくない人が多く興味の対象になりにくかった(*5)ためプレイヤーにとっては旧メジャーリーガーズ時点でも「よくわからないけどとりあえず強いからいい」ぐらいにしか思わなかったのが不幸中の幸い。 広島カープの異常なほど強力な打力補正。 1991年シーズンの広島カープは優勝したとはいえ完全に守り勝ったような形で得点力は極めて低く総得点数ではリーグ5位だった。特にチーム本塁打は88本と少なく打率もリーグ4位の.254と高くない。本塁打はチーム最多は江藤智の11本(*6)ということもあって個人単位でもそれほど光るものはない。 そのため、そのデータのままゲームに組み込んではそれほど強くならないこともあってか実際のデータ以上に打力は相当強力なものになっている。デフォルトで4番に入っている西田真二に至ってはゲームでは14本塁打(因みに実際の成績では7本)と本来ならこれでもせいぜい中距離バッタークラス程度だが、信じられないほどホームランをガンガン打てて、普通にスラッガーと大差ないレベルの打力を持っている。 もちろんエース佐々岡をはじめとした投手陣は現実同様に超強力なものになっているため紛れもなく最強クラスのチームになっている。 打高になりがちなゲームシステムとの整合させるには前年のデータのままではバランス的に弱くなってしまうための措置と思われるが、不公平感は否めない。 あくまで雰囲気重視の紅白戦。 ポジション関係なくピッタリ9対9に分かれる草野球仕様なうえ、投手は1イニングにつき1人ずつ順番に登板していくルールがある。1チームにつき本職投手は5人しかいない関係上、イニング設定を短くしなければ野手が防御率9.90の投手として登板することとなり、大味な打ち合いは必至。 また、試合後の新聞画面における写真や監督のコメントは通常の試合と全く同じであるため、敗戦時には味方に敗れて泣き崩れる選手達の姿と、「あんなチームに負けるなんて…」という監督の苦言が掲載されるという珍妙な事態も起こりうる。 ドラフトモードの問題点。 1人プレイ勝利時にはパスワードが取得できるが、選手の補強状況は記録されない。つまりはドラフトではない通常プレイ時のパスワードと全く同じ。 よってそのときのチームでプレイを続けるならば『 88』同様に中断なし・ぶっ続けでの勝ち抜きを要求される。 野手の入れ替わり対象はあくまでスタメンであり、同じポジションの選手を2人獲得しても一方が控えに回ることはなく、枠を1人分潰すことになる。 投手はさらにやっかいな仕様で、リスト内では先発・リリーフのどちらに該当するかが識別できない。しかも入れ替わり対象は先発陣・リリーフ陣の中での同じ序列の投手となっているため、候補選手の元チームの情報を参照しなければかなりの頻度で枠被りが起こりうる。 ちなみに枠が重複した場合は1巡目で獲得した選手が優先される。 近鉄のユニフォームの珍妙さ。 当時の近鉄のユニフォームは赤いラグランスリーブとトリコロール(紺白赤)を大胆に象った帽子という独創的なデザインを導入していたが、本作では上着が赤一色で下がベージュ(ビジター用は水色)、帽子は紺色地に全面が赤というデザインであり、再現性が低い。 ユニフォームに2色しか使えなかったFC版時代(*7)ならまだしも、スーパーファミコンのスペックならばAC版『ワールドスタジアム』のように各部位のカラーリングを細分化することはできなかったのだろうか? なお、このデザインは続編の『スーパーファミスタ2』でも引き継がれたが、『スーパーファミスタ3』からはより再現性の高いデザインに改められた。 後に実際の近鉄も大阪ドーム移転〜球団消滅までの時期に、このユニフォームに類似した赤基調のビジターユニフォームを導入していた。 球場ラインナップが少なく個性もない。 これは『 92』も同じだが広さの違いのみで特殊なクセのある球場がない平凡なものばかりで、3種類しかないのはスーパーファミコン化による進化を期待したい者からすればガッカリ要素(FC版でも直近の『 91』『 92』では4球場、『 90』では6球場も用意されていた)。 選手の動きが少々鈍くなった感あり。 恐らく走力の影響で相対的に鈍足化した選手が多いためと思われる。 総評 良くも悪くも定番作の新ハード移行版としてベーシックスタイルとして地盤を作ったような形で、馴染んだ操作はほぼそのまま旧来通りの感覚でプレーでき、スーパーファミコンによりグラフィックやサウンドのクオリティはしっかりアップしている。 中身でも選手の実名化だけでなく、紅白戦やドラフトなど、新しい試みも少ないながら行われており、単純なハードに合わせたグレードアップだけでなく新しい試みも見られるのは良い。 その反面スペシャルチームやアメリカンズは無関係な名前ばかりなので存在自体を蛇足に感じるところが強い。 その後の展開 スーパーファミコンでの続編はゲームボーイ同様に数字のみのナンバリングで『スーパーファミスタ2』として1993年3月12日発売。 ユニークな趣向のオリジナル選手作成モード「きみがヒーロー!」など新しい試みがされている。 またナムコスターズはこれまで女子禁制だったがワルキューレやモモといった女性キャラが登場。 だからといって女性型のグラが用意されているわけではない。こんなことならもっと早く起用しても良かったのでは?『 92』では丸尾君じゃなくちゃんと主役のまる子とか… 以後『スーパー』のシリーズは3月頃の発売で『5』(1996年)まで続く。 ゲームボーイでも1992年7月30日に2年越しの続編『ファミスタ2』を発売。 こちらもライセンスを取得により実在球団と実名選手を採用し、ライセンス対象外のアメリカンズは本作同様地名が選手に使われている。 旧来通りのファミコンでの年度ナンバリングシリーズとしては1992年12月22日に『ファミスタ 93』を発売。 本作同様公式ライセンスによる実名を採用しており、野球ゲームのみならずサブゲームとしてクイズを搭載している。 選手の体形がそれまでのずんぐりした姿から一変、実在の野球選手のようにややスリムになった。 その一方でチーム構成は12球団+ナムコスターズのみと少なくなり、『 87年度版』以降常連だったメジャーリーガーズ(アメリカンズ)は完全になくなったが、わけがわからない名前の選手を入れるぐらいならばこれで良かったと言えるかもしれない。 1992年10月に本作のSNES移植作『SUPER BATTER UP』が北米で発売。 当時のMLB全26球団(*8)のデータやユニフォーム(ホーム・ビジター共)が反映されており、チーム選択画面でアメリカンリーグ所属球団とナショナルリーグ所属球団を切り替えられる(リーグを跨いだ対戦ももちろん可能)。ナムコスターズ・アメリカンズ(むしろNPB選抜のほうが適切?)・スペシャルチームは用意されていない。 選手の描写が八頭身のリアル調に改められている。後のアーケード作品『グレートスラッガーズ』シリーズに先駆けた試みともいえる。 試合時のBGMは大幅に変更されており、オルガンを中心としたメジャーリーグらしい雰囲気となった。また、試合前にアメリカ国歌・カナダ国歌(ブルージェイズorエクスポズがホーム側の場合のみ)を静聴する演出が追加された。 特筆すべきは日本産の応援歌「ダッシュKEIO」を原曲とした初代メインBGMがそのままオルガンアレンジされているというもの。オルガンなので曲自体の違和感は抑えられているものの、なかなかにシュール。 チャンス時BGMはアーケード版の初代『ワールドスタジアム』と同じ音程のアレンジとなっている。 国歌静聴後の選手が守備位置に散らばるシーンのBGM(新規)、ホームラン時BGM(『パックマン』のコーヒーブレイクのアレンジ)は上述の『スーパーファミスタ2』で逆輸入された。 余談 本作のナムコスターズには、ついに本シリーズ自身を選手化した「ふぁみすた」が登場。スタメンのクリンナップ(5番)に入っている(*9)。 だからといって能力では別に特筆したものはなく、主役の超俊足の「ぴの」と唯一の長距離バッター「ぱっくまん」を喰うどころか他のザコ選手にも喰われそうな目立たない存在である。 OBをモデルとした選手がドラフト候補生として登場するという要素は、後にコナミの『eBASEBALLパワフルプロ野球2022』でも採用された。 前述の通り、ロッテが愛称を「オリオンズ」から「マリーンズ」に改称したことで現実では「O」のチームはなくなったが、スペシャルチームで大洋ホエールズのウラチームが「オーシャンズ」として「O」になっている。 偶然だが、前年までロッテがホームに使っていた川崎球場は、かつて大洋のホームだった。そう考えると因縁めいたものを感じる部分ではある。 「ろっこう球場」のモデル阪神甲子園球場はこの年からラッキーゾーンが取り払われた。 それを反映してか、ゲーム中でもかつてラッキーゾーンのあった所は芝の色が違っている。 かつてしれっと実名を使っていた頃、恒例の注釈「球団名・選手名はすべてフィクションであり実在の球団・選手とは何ら関係ありません」は本作でも少し形を変えて存在している。 「ゲーム中のセ・パ12球団を除く球団・球場・選手等はすべてフィクションであり実在のものとは関係ありませんので予めご了承ください。」当然、これの指すものはアメリカンズやスペシャルチームのことと思われるが、上記の通り全然違う名前なのでいちいち言うまでもないし、あれだけでモデルがわかる者がいったい何人いるのだろうか? また球場に関しても上記の通り言及されているが、球場選択で見られる写真はモロに実在のモデル球場そのものである。これは上記とは真逆の理由で旧来通りのツッコミどころ。 前年の広島カープ優勝のきっかけとなったのが「炎のストッパー」と呼ばれた津田恒実の脳腫瘍による戦線離脱である(これが原因で後の1993年に32歳の若さでこの世を去った)。 津田は4月の巨人戦で登板するも、上記の影響はいかんともしがたくアウトを1つも取れず降板して敗戦投手となった。監督の山本浩二はそんな病状を知らずその試合直後は「たるんどるぞ!」と言わんばかりに叱責したが、その事実を知るや詫びる気持ちからチームの他の選手にもその事実を伝え「津田のために優勝するぞ」という奮起につながり逆転優勝に繋がったという現在でも語り継がれるドラマチックなエピソードである。 そのため、広島を強くしたいなら不自然な打撃力補正などをするよりは津田を全盛期並みの能力でチームに入れた方がそれらしいし、その方がよっぽど嬉しいファンサービスになっただろう。 とはいえ、この頃の津田は前年シーズンが終った11月に正式にカープを退団しているためライセンスの対象外だったので実名化にこだわった代償ならば仕方ないといえば仕方ない(*10)。 パッケージ裏には12球団の球団旗のアイコンが並んでいるが、ロッテのみナムコスターズに差し替えられている。 上述の通りロッテのみ前時代を基にした架空デザインであったため、それに対する批判を避けようとしたとも考えられるが、実際の狙いは不明。 2018年発売のSwitch作品『ファミスタエボリューション』の初回特典として本作をベースにした「スーパーファミスタレトロ2018」が、2年後の『ファミスタ2020』では「スーパーファミスタレトロ2020」を含むスペシャルコンテンツがダウンロードできるコードが付属していた。2017年発売の『ファミスタクライマックス』の初回特典「ファミスタレトロ」の流れを汲んだファンサービスと言える。 選手データやユニフォームはそれぞれ最新のものを反映している。 スペシャルチームと紅白戦は廃止されている(*11)。ただしスペシャルチーム所属選手は、オリジナル版同様にドラフトモードの候補選手として登場する。 ゲーム内パスワード以外に新しくデータセーブ・ロードのシステムを導入しており、ドラフトモードの「選手の補強状況を保存できない」という問題点が解消された。また、指名重複時の抽選画面でセーブし、くじを外してもロードし直して当たりくじを手にするという不正も可能。(*12) 一方でユニフォームがホーム用のみとなっていたり(*13)、チーム名の略号のフォントがオリジナル版から使い回されている(*14)(*15)等、演出面では「ファミスタレトロ」に比べてやや見劣りする箇所も見受けられる。 「2018」では試合後の新聞でオリックスと楽天のユニフォームがアベコベに描写されているというミスがあった(「2020」では修正されている)。 「2020」では全体的に現役野手陣の能力の底上げが図られており、分かりやすいところではオリジナル版では稀であった守備Sもしくは肩Sの選手が各チーム最低1人含まれている(この傾向は捕手で顕著)。 ただ、その能力インフレの煽りを受けて、ドラフトモードの選手達の魅力が少々薄れてしまった側面も見受けられる。 その中に混じって、日本ハムの中田翔が何故か走力40(カンスト値)に変更されている。現実の中田は強打者ではあるものの俊足ではないため、単なる設定ミスと思われる。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4220.html
メタルギアソリッド HD エディション 【めたるぎあそりっど えいちでぃー えでぃしょん】 ジャンル タクティカル・エスピオナージ・アクション 対応機種 プレイステーション3Xbox 360プレイステーション・ヴィータ 開発元 コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)Bluepoint GamesArmature Studio(PSV) 発売元 コナミデジタルエンタテインメント 発売日 【PS3/360】2011年11月23日【PSV】2012年6月28日 定価 【PS3/360】5,480円【PSV】4,980円 廉価版 【PS3/360】パッケージ版:3,990円ダウンロード版:3,490円ダウンロード単品版:各1,940円【PSV】パッケージ版・ダウンロード版:3,540円ダウンロード単品版:各1,980円※ダウンロードコードは同梱されていません レーティング CERO D(17才以上対象) コンテンツアイコン 恋愛、セクシャル、暴力、犯罪 備考 全機種ダウンロード版は2021年11月7日より販売停止 判定 良作 メタルギアシリーズ 概要 評価点・特徴 共通(評価点) MGS2(評価点) MGS3(評価点) 問題点 共通(問題点) MGS2(問題点) MGS3(問題点) アップデートで修正済みの問題点 総評 余談 概要 PS2用ソフト『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(MGS2)』と『メタルギアソリッド3 スネークイーター(MGS3)』をHDリマスターした移植版。 基本的には両作とも完全版(サブスタンス・サブシスタンス)と同等の内容になっているが、一部の仕様が異なる。 また『MGS3』がサブシスタンス版準拠であることから、付随していたMSX2版『メタルギア(MG1)』『メタルギア2 ソリッドスネーク(MG2)』の復刻版も収録されている。 それぞれの作品内容については個別の記事を参照のこと。 グラフィックとサウンドがHD化(720p・60fps・5.1ch対応)。HD化にあたっては、HDリマスターに定評のあるBluepointGamesが担当。 なお、PSVの解像度は960×544と720pを下回っているため、厳密にはHDではなくQuarterHDである。 とは言え画面サイズがTVと比べると小さいこともあってか肉眼ではPS3/360版と同等に美しく見える。有機ELディスプレイを採用しているPCH1000シリーズであればさらに美しく見える。 PS3/360/PSVでのマルチプラットフォームで、PS3版とPSV版はパワーアップしたトランスファリング機能を実装。 クラウド・Wi-Fi経由によりPWのように毎回データの移動を行わずにデータの共有やトロフィーの連動が可能。 特典としてダウンロードコードが付属し、PS3版はゲームアーカイブス版『MGS』が、360版はメタルギアRAYとシャゴホッドのアバターアイテムが、PSV版には早期予約特典としてオリジナルデザインの保護フィルムが付属している。 評価点・特徴 共通(評価点) グラフィックに関してはオリジナルのPS2版も同ハードの中では高水準の出来だったため、リマスターにありがちな引き伸ばしはそれほど感じられない。 デモシーンは全てリアルタイムレンダリングであり、プレイ部分とムービー部分の極端な画質差もない。また、据置機版のみ迫力のフルスクリーンとドラマチックなレターボックスの2パターンから好みのものが選べる。 画面は全体的に明るく、見やすく調整されている。ワイド画面で、より臨場感溢れるプレイが可能になった。 フォントや装備品アイコンなどのUIもHD化に合わせて調整されている。 360版での操作の変更に伴い操作説明での一部音声の新録。 トロフィー・実績機能に対応し、やり込み要素が増えている。 PSV版では感圧装置を使った操作は主に方向キーや背面パネルに変更されている。オリジナル版を経験していると背伸び・左右ステップなどの一部のアクションに慣れが必要。 方向キー下で銃の構え・下ろしができるようになったため、主に『MGS2』のアサルトライフルでのホールドアップ時の誤発砲を防ぐのに役立つ。 『MGS3』のストーキング移動はLボタンを押しながら左スティックになったため、走りとストーキングをスムーズに切り替えることができる。 PSVのスリープ機能は、デモシーン・無線を一時停止したい時や食糧を腐らせずに中断できるなど便利。 容量の制約がPS3/360より厳しいのにも拘らず『MGS2』『MGS3』共に操作性以外の内容を変えず1枚のゲームカードに全て収録されているのもポイント。その影響で音質が落ちているが聴くに耐えうるレベルには収まっている。(*1) MGS2(評価点) フレームレートについてはPS2版が元々60fpsだったため、他のHDエディションのように目に見えて分かる恩恵は少ない。ただし、処理落ちは改善されており、浸水エリア、ハリアー戦やメタルギアRAY戦などで特に効果が期待できる。 後述の『MGS3』とは違い、こちらはPSV版も60fpsで動作する。 サウンドは全編5.1ch対応となっているが、元が一部デモシーンのみの対応だったことやカメラ視点が固定であるため、3ほどのサラウンド感はない。 サブスタンスの追加要素を含め、全編が日本語音声となっている。完全版をプレイしたいが、やはりスネークは大塚氏でなくては…というプレイヤーには嬉しい点。 ただし、元は英語音声のサブスタンスであるため、口パクが合わないという問題もある。 普通にプレイしていると気付きにくいが、新録されたボイスがある。無印版では「ジアゼパム」だったアイテムが「ペンタゼミン」に変更されたため該当無線でのボイス変更、『SNAKE TALES』では「お前がジェニファーだな?」という台詞が追加されているなど。 同時収録の『MGS3』に比べると、こちらはほとんどの追加要素が収録されている。 MGS3(評価点) 全編がドルビープロロジックIIに対応していたこともあり、サウンド面はPS3の他作品と比較しても遜色ないものとなっている。 フレームレートは60fpsに向上。グレネードの使用や、雨・霧のマップで発生していた処理落ちが改善されている。 PSV版では30fpsとなっているが、PS2版に比べるとフレームレートは安定しており、処理落ちも改善されている。 ダウンロード迷彩は2周目以降、カモフラージュ選択画面で左右ボタンを押すと選択可能に(*2)。ディスクに内蔵されているため、読み込みも高速化された。 トロフィー・実績は『MGS2』と比べて一部を除けば初心者でも獲得しやすいものが多い。 問題点 共通(問題点) 操作性 360コントローラーは感圧装置がないため、一部PS2版と同等の操作ができないアクションが存在する。 武器の使用はLスティックの押し込みで銃を構え、Xボタンで発砲という『MGS4』のような仕様になっている。 ただし、感圧操作がとっつきにくいユーザーからは360版の操作を善しとする声もある。 ハンドガンなどは「Xボタンで構えて離すと発砲」という従来の操作と、新しい「左スティックを押し込んで構え、Xボタンで発砲」操作形態がある。アサルトライフルなどで前者の操作をしようものならXボタンを押しただけで即座に発砲してしまう。 PS3版では特に変更はないが、先に発売された『MGS PW』が3つの操作方法に対応していただけにこの点は少々残念か。 システム関連 読み応えのあった説明書はかなり簡素なものになっている。 詳細なオリジナル版のマニュアルはゲーム内に用意されているが、プレイ中に読むことができない。 さらに一部の説明が誤植されていたり、もとからあったミスがそのまま残っていたり(*3)と手抜き感が否めない。 PS3はゲームの電子説明書に対応しており、その形ならプレイ中に読むことができる。なぜ独自仕様にしたのか疑問である。 PSV版はプレイ中に中断して電子解説書を読むことができる。 細かな点だが、字幕のフォントが一般的なゴシック体に変更されている。 経験者が見るとすぐに分かるだろうが、MGS1の時からずっと続いている、ゴシックに近いながらも味のある字幕ではなくなったことに違和感を感じたり残念に思うユーザーもいる。 ソフトリセットの反応が悪い。 リセットコマンドを数秒間行わないとリセットされず、ロードし直す際のテンポが悪い。 PS2版ではリセット後にKONAMIといった社名のロゴなどを飛ばしてタイトル画面に移れたのだが、本作ではロゴを飛ばせなくなっている。 加えて、リマスター担当のBluePointGamesのもの(PSV版ではさらに移植担当のarmatureのもの)が追加されているため、操作可能になるまで待たされる時間が遥かに長くなっている。 ゲーム内容とは直接関係ないが、HD解像度ではないPSV版も「HD」と銘打って発売されたことに苦言を呈する意見も一部で聞かれた(*4)。 MGS2(問題点) PS2版と比べ、無線の読み込み時間がやや長い。 PSV版では無線のロード時間は改善されているが、逆にエリア切り替えのロードが他機種版と比べやや長め。 一部オブジェクトが正しく表示されていない(ムービー中のM9のレーザーポインター、拷問器など)。 360版でのスプレーが右スティックを上に倒す(*5)に変更されているが、無線での説明が「Xボタンを押し込む」と明らかに間違っている。 トロフィー/実績のコンプリートがあまりに難しい。 中でも「プラント編のドッグタグを90%集めろ(*6)」「VRミッションを全てクリアしろ」というものがあまりに鬼畜。 ドッグタグは各難易度で独立しているので、前者のトロフィー/実績を取得したいなら各難易度(*7)を最低1回ずつ、合計5回は本編をプレイする必要がある。おまけに最高難度のEXTREMEが無茶苦茶難しい(*8)。 後者はさらに難しい。数百ものミッションを全てクリアしないといけない上に、一部のミッションが常人には詰みかねない程の凄まじい難易度。これだけで50時間は軽く掛かる。 ちなみに、『MGS3』のトロフィー/実績は、手間こそ掛かるものの、その気になれば難易度関係なく最低2回(*9)のプレイでコンプリート可能。HD版『MGS PW』もコンプリートにはそれなりに時間がかかるが、さすがにここまでではない。 あくまでやり込み要素の一環であり、必ずしもコンプリートしなければならないものではないが、もう少し何とかならなかったのだろうか。 難易度選択時の「EUROPEAN EXTREME」の説明に誤りがある。 『MGS3』の説明をそのまま記載してしまったのか、「発見即ゲームオーバー」と表記されている。実際にはサブスタンス版と同様、発見されただけではゲームオーバーにならない(*10)。 SKATEBOARDINGが未収録。元が別のゲームなので、収録出来なかったのだろう。 エイムズ接触後に指向性マイクを操作するムービーがあるが、360版でその時の字幕が何故かトイレで独り言を言っているジョニーのものになっている。 また、該当シーンではオルガが来るまで音声が正常に再生されておらず、ジョニーのいる方にマイクを向けると多重音声になってしまう。 該当シーンでは本来はソリダスやオセロットがしゃべっている内容が字幕としてあり、隠し要素のジョニーの独り言は字幕がない。 難易度HARD以上でプラント編のとある場所に髭剃りがありそれを持っているとプリスキンに髭剃りを渡すことになり後に髭を剃ってくれるという小ネタがあるが、360版で髭を剃ってくれないバグがある。 MGS3(問題点) ゲーム仕様そのものはサブシスタンス準拠であるが、ゲームタイトルのベースは廉価版のそれであるため、本編以外の収録内容は過去の廉価版と同等。つまり、BOSS DUEL・猿蛇合戦・シークレットシアターは未収録。 またガイ・サベージと一連の無線イベントもHDエディションで削除された。 猿蛇合戦のクリア特典(バナナ迷彩・猿マスク(*11))は消滅。BOSS DUELの特典はゲーム開始時に「『MGS3』が好きだ」を選ぶと初期装備に加わり、選ばなかった場合も本編をクリアすると2周目以降で初期装備となる。 『MG』『MG2』に関しても、動作クロックが低い点やテキストのフォントが変更されている点はそのまま。 単なるHD化とはいえ、2作とも既にWiiバーチャルコンソールでの配信が行われていたため、そちらを準拠とした移植でも良かったのではないだろうか。 テキストもオプションで切替ができるようにするなど改良の余地はあったはず。そちらはともかくとしてもゲーム自体のカクつきはかなり気になる。 シークレットシアターに関しては、現在ではサブシスタンス新規収録のものも含め(非公式で)ネット上にアップロードされているため、視聴自体は容易である。ゲーム内で視聴することにこだわるなら別だが。 スモークグレネードを使った際の処理落ちは改善されているが、煙幕のエフェクトがオリジナル版よりも薄くなっており、有効範囲がやや分かりにくくなっている。 360版独自の操作性として、拘束中の首切りの操作は「拘束中に左スティックの2回押しこみ」となっているが、尋問も「拘束中に左スティック押し込み」であるため連続で尋問を行おうとするとすぐに首切りを暴発してしまう。 そもそも拘束からの首切りは「拘束中にYボタン」でも可能であるため、左スティックに操作を割り振る意味は実は無い。そのくせマニュアルには拘束中にYで首切りが行えるという説明は一切ない(*12)。 また武器の構えと尋問は同じ左スティック押し込みであるため、ハンドガン装備中に尋問を行うと操作が干渉してしまい、尋問をやめると銃を構えるというおかしな挙動を起こす。似た例では、武器を構えたままクイックチェンジによる着脱を行い、次にクイックチェンジで再装備をすると構えた状態で装備される。 なお、PS2版では尋問は「拘束中に左スティック押し込み」で、首切りは「拘束中に○ボタンを強く押し込む」と(慣れないと拘束から首切りが暴発することがあるものの)干渉しないものであった。 PSV版はハードの仕様上、持ち方が悪いと指が背面タッチパッドに触れやすいので、CQCの尋問や首切りが誤作動しやすい。 PS3/360版のオープニングムービーがオリジナル版と比べて音ズレしている。 オリジナル版は映像に合わせた音楽だったため気になるところ。 PSV版は改善されている。 アップデートで修正済みの問題点 『MGS2』(PS3版)に大統領バグと呼ばれる不具合があった。 大統領が死んだ後、スネークが2年前の話をする直前に100%必ずフリーズするというもの。タンカー編で撮った写真の内容や、PS3のインストールデータや型番が関係しているのではないかという憶測がなされていた。 仮に発生した場合、最初からやり直す以外に対処法はない。今まで集めたドッグタグや解放した隠し要素も全てパーとなる。 2012年2月10日に待望の修正パッチ(Ver1.01)が配布された。憶測通りタンカー編の写真が関係していたようで、PS2版ではタンカー・プラントを通しでプレイするとWebサイト画面に撮影した写真が掲載されるという演出があったが、パッチ適用後はプリセットされたメタルギアの写真が表示されるように変更された。 オンライン環境のある人はアップデートを推奨。ネット環境のない人は、ゲーム起動後にVRミッションや他のゲームモードに入らず、そのままタンカー編又はプラント編を新規スタートするという公式からのアナウンスがなされている。 『MGS3』(PS3版)でもダウンロード迷彩を着たまま、ヴォルギン戦後のデモシーンに入るとフリーズするというバグ報告がされていたが、2012年4月に配信されたVer1.02のパッチで修正された。 総評 1枚のディスクに『MG』『MG2』『MGS2』『MGS3』の4作が収められ、PS3版は『MGS』の無料ダウンロードコードが付属しているため、5つもの作品が遊べるお得なパッケージとなっている。 追加要素こそないが、リマスター自体は丁寧であり、ゲーム進行に影響を与える重大なバグもアップデートによって修正されている。 難点もあるものの、シリーズをプレイしたことがないという人にはオススメ。 なお、HDといっても元はPS2のゲームなので、グラフィック面での過度な期待は禁物である。 余談 PS3/360版共にインストール関係の誤表記があり、PS3版はトランスファリング関係の誤表記がある。 海外版は『MGS』のコードが付属されていない代わりに『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のHD版が収録されている。 PSV版は国内同様に『MGS2』と『MGS3』のみ。 後に360版はOneの後方互換に対応した。 2021年11月7日以降、全機種ダウンロード版の販売が一時停止の状態にある。 原因は資料映像の権利更新作業における遅延であるとのこと。 2023年10月24日にSwitch/PS5/XSX/PS4/Winで発売された『メタルギアソリッド マスターコレクション Vol.1』には本作と同じ内容がまるごと収録されている。 これにはPSハード版以外にも『MGS1』が収録されているのに加え、その『MGS1』も「日本版」「海外版」「インテグラル」の3パターンの豪華収録、バンドル購入特典としてFC版『MG』『Snake s Revenge』と映像特典で『バンドデシネ』2本が付属、合計で9作品も収録された本作以上にお買い得なパッケージとなっている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9051.html
Age of Empires 【えいじ おぶ えんぱいあ】 ジャンル リアルタイムストラテジー 対応機種 Windows 95 発売元 マイクロソフト 開発元 Ensemble Studios 発売日 1997年10月15日 判定 良作 ポイント RTSの金字塔美麗グラフィックで表現された古代世界異様に耳に残る聖職者の声 Age of Empiresシリーズ初代 / II / Mythology / III / Online / IV 概要 内容 評価点 問題点 総評 その後の展開 概要 1997年にマイクロソフトから発売された古代を舞台としたリアルタイムストラテジーゲーム。タイトルの頭文字をとって「AoE」と略される。 同ジャンルでは草分け的な存在であり、世界的に大ヒットし多くの中毒プレイヤーを生んだ。 内容 ゲームの目的・大まかな流れ プレイヤーは操作する古代文明を一つ選択し、自国を発展させ他国に対する勝利を目指す。 文明によってユニット生産コストや生産可能ユニットなどに差異があり、どの文明が何を得意とするか把握するのが第一歩となる。 クォータービューのマップ上で自ユニット一体一体に指示を出し、ゲームを進めることになる。 ゲーム開始時は内政ユニット「町の人」のみが与えられている。彼らで資源を収集し、その資源を使って更なるユニット生産、施設建築、技術研究を行い勢力を拡大していく。 最終的には戦争によって敵を滅ぼすか、「民族の象徴」を建築し一定時間守り切ることでゲームに勝利することができる。 開始直後のマップは自陣周辺以外は真っ暗で、近くに何があるかや相手がどこにいるかが一切わからず、ユニットを移動させることでユニットの周囲のマップがオープンになっていく。 使用可能な文明 12の文明から選択できる。 + 長くなるので格納 アッシリア 町の人の移動速度や射手系ユニットの攻撃速度が高い。 エジプト 戦車ユニットのHPが高く、聖職者の転向範囲が広い。 ギリシア 歩兵系ユニットおよび船の移動速度が高い。 シュメール 投石器の攻撃速度および町の人のHP、畑の生産量が高い。 バビロニア 塔・壁のHPや聖職者の治療速度が高い。 フェニキア 木材の収穫速度が高く、象系ユニットのコストが安い。 ヒッタイト 投石器系ユニットのHPが高く、一部軍艦の射程が長い。 ペルシア 狩猟時の町の人や象系ユニットの移動速度が高い。歩兵育成所を建設できない。 ミノア 射手系ユニットの射程が長く、船のコストが安い。 漢 町の人の生産コストが安い。 朝鮮 戦士系ユニットのHPが高く、聖職者ユニットの生産コストが安い。 大和 町の人の移動速度が高く、射手系ユニットのコストが安い。 時代進化 ゲーム中に時代を進化させることで、新たな施設、テクノロジー、ユニットが解禁される。本作だけでなくAOEシリーズ自体の特徴といえるシステム。 「石の時代」から始まり、「道具の時代」→「青銅の時代」→「鉄の時代」の順に4段階の時代がある。 時代を進化させる条件として、その時代の建物2種+ある程度まとまった量の資源が必要。また、完了まである程度の時間がかかるほか、進化の実行中は町の人が生産できなくなる。 リアルタイムで内政や戦闘が続くなか、この時代進化をどうこなしていくかが勝利の大きなカギとなる。 中でも戦闘系ユニットが大幅に充実する青銅の時代に入ることを「青銅入り」と呼び、どれだけ早く青銅の時代に入るかが腕の見せ所とされた。 主なゲームモード シングルプレイヤー ランダムマップ 対CPU戦。CPU人数やマップの種類・大きさなどの設定が可能。 キャンペーン 民族の歴史を辿っていくシナリオモード。エジプト、ギリシア、大和、バビロニアの全4編。 デスマッチ 各プレイヤーが大量の資源を持った状態から対戦開始するモード。 マルチプレイヤー 多人数でのオンライン対人戦が可能。 評価点 美しいグラフィック 1997年当時としては非常に美麗かつ色鮮やかなグラフィックで、ロマンティックな古代世界を表現している。 基本的には対戦ゲームだが、グラフィックのレベルの高さもあって育っていく自分の王国を眺めるだけでも満足感があり、観賞的な楽しみもできる。 また、テクノロジーの進化に合わせて建物のグラフィックも豪華になっていく。開始直後は原始的な掘っ立て小屋ばかりだった自陣がローマ帝国ばりの文明都市に変貌する様は非常に壮観。 ユニットの描写が秀逸 アニメーションが非常に丁寧に作られており、移動、攻撃といった各動作は非常に滑らか。 特に町の人は制作者の力の入れようが感じられる。採集、採掘、建築、狩猟と彼らの仕事は多岐にわたるが、どれも巧緻なアニメパターンが作られている。 ボイスも力を入れて作られている。 命令時の応答、死亡時の断末魔などのボイスは妙にリアル感があり、臨場感を演出している。 聖職者が相手ユニットを転向させる際の「ウォロロ~」というボイスは非常に耳に残り、プレイヤーの間では半分ネタ扱いである。 馬のひづめの音や投石機が移動する時のカタカタ音など、効果音も出来が良い。 ダイナミックなゲーム展開 時代が進むにつれて戦闘ユニットや要塞が次第に整っていき、小競り合いも増えゲームが段々と盛り上がっていく。まさしく人類の歴史そのものである。 鉄の時代の最終局面ともなると精鋭歩兵や戦象、重戦車や包囲兵器、投石器やバリスタといった強力なユニットが多数生産され、その戦いは壮観。 有利な展開であっても油断はできず、突如建てられた民族の象徴で逆転を狙われることも。こうなると制限時間がある故の凄まじい総力戦は避けられない。 「リアルタイムストラテジー」の名に恥じず、高い自由度とどう転ぶかわからないゲーム展開を以ってプレイヤーを満足させてくれる。 オンラインマルチプレイ 1997年のゲームとしてはかなり珍しく、ネットやPC同士のLAN接続によるマルチプレイが可能。 相手が人間ということで、CPU戦では味わえない緊張感や駆け引きを楽しめる。 幅広い内容のキャンペーンモード シナリオは開始時の状況や勝利条件が多彩で、通常のゲームとは違う展開を楽しめる。 エジプト編は実質的なチュートリアルであり、ごく基本的な操作及びゲームの流れを学ぶことができる。 第1話→食料を集めて町の人を作成する、第2話→木を集めて施設を立てる。といった具合にかなり基本的なことから始まるので始めたばかりの人にも優しい。 また、各話開始前に実際の歴史的背景のそれなりに詳しい説明を読むことも可能。古代史の勉強にもなる。 問題点 操作が忙しい ゲーム中は間を置かず、ひたすらマウスを動かしキーを押しクリックする。後の作品でも解決しない、ジャンルゆえの問題。 今作は後述の畑の仕様があるため作業感も比較的強い。 畑の仕様が不便 マップ上の肉や魚を一通り獲った序盤以降は畑を大量に建設し食料を確保することになるが、枯れた後の貼り直しが自動で行われないため管理が大変煩わしい。 ユニットが畑の上を歩けないのも不便。ギッシリ敷き詰めると町の人の移動が詰まるため配置に気を使う。 ゲームバランスがやや大味 明らかに強い文明の存在。 歩兵が安いうえに移動速度が速く当時最強クラスと言われたギリシア、長射程の軍船と非常にタフな投石機を擁するヒッタイト、低コストな町の人による内政力が強い漢など。 ギリシアは射手が乏しい、ヒッタイトは船と聖職者が弱く、漢は鉄の時代に研究できるテクノロジーが非常に少なく長期戦に向かない(いわゆる青銅文明で、ほかにはミノアが該当)という欠点もある。 ゲームの醍醐味が失われるような戦術もある。 特に槍玉に挙がるのは、町の人の頭数が揃ったら全員で敵陣に殴り込む通称農民ラッシュ。強い弱い以前にゲームとしてつまらないという理由で対人では禁止されること多し。 敵陣の裏にこっそり育成所を立てる「裏小屋」、序盤から敵陣地に塔を建てていく「タワーラッシュ」といった戦法もゲーム的に賛否あり、こちらもコミュニティによっては禁止されていた。 時代差が甚大過ぎる 一つ時代が進むとテクノロジーやユニット性能が大幅に強化されるため、相手に先に時代進化されてしまうと全く太刀打ち出来ない状態になることが多い。 具体的には石壁が無く防衛手段がない石の時代に対する道具の時代の鎧付き軍隊、農民の動きを高速化する「車輪」がまだない道具の時代の農民に対して一方的に攻撃出来てしまう青銅の時代の騎馬ユニット等。 もっとも、大量のコストを費やして時代を進化しているのでメリットが有るのは当然であるが、以降のシリーズ作と比べても先に進化することによるアドバンテージがやたらに大きい。 大和キャンペーンが色々適当 主要人物ユニットが他キャンペーンの使い回しで、徐福が英雄ペルセウス、出雲の長が英雄クセルクセスとして登場する。 ユニットを使い回すにしてもせめて表示名くらいは替えられなかったのだろうか。ここまで適当だと流石に興ざめと言わざるをえない。 また細かいところだが、獅子が動物ユニットとして出現したりする。日本とは…。 研究施設とテクノロジーの組み合わせが一部違和感あり 穀倉で壁・塔、貯蔵庫で鎧・盾関連のテクノロジーが研究可能だが、必然性のある組み合わせでないので最初は戸惑うかもしれない。 史実から大きく外れた文明特性 テクノロジーやユニットの性能などが史実と即していないように見受けられる点がいくつかある。 後述の拡張版での話になるが、「戦車兵」のアップグレードユニットである「重装戦車兵」は説明書にはペルシア発祥の軍隊であると記述されているのにもかかわらずゲーム内でのペルシアには戦車兵はおろか戦車ユニットに必要な車輪すらないというツッコミどころしかない仕様になっている。 ペルシアは強烈な狩猟ボーナスによる速攻文明として位置づけられている分バランス調整のためにそのようなことになったのだと思われるが、もう少し何とかならなかったのだろうか…… 総評 美しいグラフィックと中毒性のあるゲーム性で多くのプレイヤーを虜にしたRTSの名作。 初期作ゆえの作りの粗さも所々見られるが全体的な完成度は高く、AOEシリーズの特長の多くは本作から確立されている。 リアルタイムストラテジーというジャンルの発展に大きく貢献した、ゲーム史に残る一作である。 その後の展開 翌年の1998年11月13日に、拡張版となる『Age of Empires Expansion The Rise of Rome』が発売された。 タイトル通りローマ、カルタゴ、パルミュラ、マケドニアの4文明および新規ユニットが追加されている。 2019年8月20日に、およそ20年ぶりのリメイクとなる『Age of Empires Definitive Edition』が発売された。 グラフィックの4Kリマスター、最大8人のマルチプレイ対応など現代の環境に合わせた変更が施されている。 なお本作は上記『Rise of Rome』をベースにしたリメイクであり、ゲームバランスも一部調整されているため、オリジナルとはプレイ感覚が若干異なる。とはいえオリジナルは最早OS側が対応していないので、今からプレイするのであれば本作一択となる。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2956.html
絶対無敵ライジンオー 【ぜったいむてきらいじんおー】 ジャンル アクション 対応機種 ゲームボーイ 発売元 トミー 発売日 1991年12月28日 定価 3,200円 判定 クソゲー ポイント 無茶苦茶な難易度ゴキファミ通クロスレビュー13点「ボクにはこのゲームの楽しさが理解できません」 概要 問題点 システム 主人公機 敵関係 その他 評価点 総評 余談 概要 当時TVアニメ版が放送されていた人気アニメ作品『絶対無敵ライジンオー』をゲーム化したもの。 十字ボタン+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。全8面。セレクトボタンでメニュー画面となり、武装の選択、機体の変更、合体を行う。 ゲームは横スクロールの対戦格闘アクションで、敵である邪悪獣との1対1との対戦となる。 画面下に表示される敵の耐久力をゼロにすればクリアとなり、次の面へ。こちらの機体の耐久力がどれか1つでもゼロになるとゲームオーバー。 コンティニュー、パスワードは存在しない。 問題点 システム スタートボタンを押すと、ストーリーらしきものが表示されるが、全てカタカナなので非常に読みづらく、その上全部表示されると3秒ぐらいで画面が切り替わってしまう。 又、フォントも非常に形が悪く読みづらい。メニュー画面を開くとブキ(武器)がゴキに見えたり、敵キャラの「アブラー」が「アゴラー」に見えてしまい、当時の小学生のネタにされた。 スコアが一応存在する。武器の攻撃力が高い程、敵に当てた際に高得点。敵を倒せば更に多くの得点をもらえる。ミサイル・バズーカ・フラッシュ・シールドは500点でその他の攻撃は一律100点。 どうやら攻撃力と比例しているらしく、裏を返せばミサイル・バズーカ・フラッシュ・シールドの攻撃力は他の攻撃方法の5倍の威力があるということ。 得点を稼いでも特に意味は無い。更に、ステージクリアの度に得点が初期化されるという謎仕様。 仮に得点を稼いでやり込むと意気込んでも最終面でしか稼ぐ意味は無く、精々10万稼げるかどうかというレベル。また稼ごうにもクリア可能な攻略パターンはほぼ固定(後述)なため、もはや苦行以外の何者でもないだろう。 クリアするとデモが流れるが、ステージ内で流れた合体デモの使いまわしである。 主人公機 原作通り、剣王・鳳王・獣王を使い分けられる…のだが、あまりにも出来がお粗末過ぎる。 こちらの接近攻撃は異様に攻撃判定が小さい上に、本当にダメージを与えているのかと疑いたくなるほど攻撃力が低い(敵体力を1メモリ減らすのに10回程度の攻撃が必要)。当たっているかどうかもわかりにくい。 鳳王、獣王には、それぞれ2発だけではあるが飛び道具のミサイルが搭載されており、当たればそれなりにダメージを与えられる。対して剣王はケンカキック(にしか見えない)とブレードという接近攻撃しか無いため役立たず。仮にも主人公機なのだが。 戦闘中に合体してライジンオーになることができる。合体するとフラッシュ(ライジンフラッシュ)、シールド、R.ソード(ライジンソード)、ジュウリョクハ(重力波)と武装が増えるが…。 フラッシュは2発までしか撃てないし、シールドは敵の攻撃を防ぐ武器かと思いきや、敵に投げつけて使う1回限りの使い捨ての武器である。重力波に至っては、当てた敵の動きを止めるのはいいが、効果中は何故かプレイヤーの体力が減っていく。 R.ソードはライジンオーの必殺武器であるはずなのに、威力と当たり判定がおかしな事になっているらしく、密着して10回ほどぶち込まないと敵の耐久力が減らない。重力波を当てた敵に密着して使うと一瞬で相手の体力を6割ほど奪えるが失敗すると自分が瀕死になる。 ただし、R.ソードの仕様に関しては原作再現ともとれる。原作でも敵を重力波で拘束して一刀両断というプロセスである。 以上のように、飛び道具でないとまるで敵の体力を減らせないので、プレイヤーは「鳳王と獣王の飛び道具を弾数があるだけ当てる」→「ライジンオーに合体」→「飛び道具であるフラッシュとシールドをあるだけ当てる」→「最後は重力波を当てた敵に密着してソード」というパターンを行う事を必然的に要求される。 このパターンでないと、クリアはおそらく不可能。もはや作業ゲーである。 なおこんな調子なので飛び道具を外すと苦しくなる。 6面からは何の説明も無く、ライジンオー、バクリュウ1(バクリュウオー)、バクリュウ2(バクリュウドラゴン)の3機(*1)を使い分けて戦うようになる。 ライジンオーは変わらず、バクリュウオーはドリルとバズーカ(後述)、バクリュウドラゴンはミサイルが使える。 合体すると原作通り「ゴッドライジンオー」になり、G・ソード(ゴッドライジンソード)、バズーカ(ゴッドライジンバズーカ)、シールド、ジュウリョクハ(重力波)が使用できる。 機体は変わっても接近攻撃のダメージは雀の涙で飛び道具はそれなりのダメージを与えられるという点は変わらないためやる事は一緒。飛び道具をあるだけ当てる→最後は重力波使ってソード、である。 バクリュウオーの武器に、腕から出すドリルというものがある。…原作にそんな武器は無い。 というかエルドランシリーズ全部見回してもドリル付きの味方メカなんて出てこない。 ついでに言うとバズーカという名の武器も無いが、こちらはバクリュウカノンのことだろう。 敵関係 原作の邪悪獣は様々な特殊な攻撃でライジンオーを苦しめてきたが、本作ではあまり反映されていない。 敵キャラは左右に動きつつ、時折ジャンプを交えながら飛び道具を出してくるという思考ルーチンのものが大半である。あまりに脳筋すぎる。 また特殊な攻撃を仕掛けてくる敵もいない。どんな攻撃を喰らっても耐久力メモリが1減るだけのものである。 しかし上記の主人公機3体の性能が貧弱なのと合わさり、耐久力メモリを1確実に削ってくる敵の攻撃は驚異以外の何者でもなく、別の意味でライジンオーを苦しめてきてくれる。 例として、ゴッドライジンオーのパンチ攻撃を接近して約20発喰らわして1メモリを減らせるのに対し、敵の攻撃は1発で1メモリ減るという、敵有利な傾倒なバランス。また、お互いの耐久メモリは8しかないため、こちらは7発までしか敵の攻撃を受けられる猶予がない(*2)。結果、敵の攻撃パターンがワンパターンかつ脳筋にもかかわらず上記のパターン以外の勝ち筋が皆無という難易度と化してしまっている。 敵キャラは8体中4体はゲームオリジナル。しかもスケルトーン・マシュマローン・バイオロンと、名前もデザインも適当。 キャククターの動きも上半身はほとんど動かず、下半身が3コマぐらいでヘコヘコと動くだけ。劇中にあった重量感や迫力は皆無である。 画面には段差らしきものがあり、プレイヤーや敵の動きや攻撃を遮る障害物のように見えるが、実際は移動も攻撃も素通りで、意味を成していない。 背景も適当。ステージ2の背景である校舎はライジンオーより遥かにデカい。 その他 クソゲー最後の砦とも言えるBGMだが、担当したのは『ミスティックアーク』等の音楽を担当し「夭折の天才」とも称される森彰彦氏である。しかし、残念ながら本作では彼の手腕を必ずしも生かせてはいない。 タイトル画面の曲は一見かっこよさげ…と思いきや、突然放送禁止用語のごとき耳に痛いピー音が鳴り響く。 氏は本作の約1年前にもGBのゲーム『バリーファイア』のBGMを担当している。こちらもこちらでゲーム内容には不満が多いが、BGMについてはまともに評価されている。 評価点 一部のBGMは良好。 致命的なバグは特に存在しない。仕様通りに出来ているのにクソだという事だが。 総評 人員不足、予算不足があったであろうことは想像に難くないが、それを差し引いても余りに酷い作品。 残念ながら原作のファンであったとしても楽しむのは難しいであろう。 余談 スタッフロールから、本作はアドバイザー1人、デザイナー1人、プログラマー1人、音楽担当1人、スペシャルサンクスの2人の僅か6人で制作された事が分かる。 ファミ通クロスレビューでは13点(4/3/4/2)を獲得。 レビュー内容も「2時間やって1エリアもクリアーできなかった」「はっきり言って、ボクにはこのゲームの楽しさが理解できません」「はじめに設定されているロボットではダメージをぜんぜん与えられないなんて、ヒドイよね」「格闘技というか、ただロボット同士が1対1で戦っているだけのゲーム」という惨憺たるものであった。→参考資料 この作品の翌年、同じトミーから、エルドラン3部作の2作目を題材にした『元気爆発ガンバルガー』が発売。新たな悲劇を生みだしてしまった。 奇しくもクロスレビューも同作品と同じ点数(13点)である。さらに言えば点数の順番、それも3点を付けたレビュアーのコメントが一番辛辣な点も同じである。