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プロレス 【ぷろれす】 ジャンル スポーツ(プロレス) 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売元 任天堂 開発元 TRY 発売日 1986年10月21日 定価 2,500円(片面) プレイ人数 1~2人 判定 良作 ポイント 初のエンディングがあるスポーツゲームこの時期にして早くも確立された王道システム無印系スポーツのタイトルながらファミコン初を逃した 概要 内容 システム 登場キャラクター 評価点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 『テニス』『ベースボール』『ゴルフ』など、任天堂の無印系タイトルのスポーツゲーム。 本シリーズは、ゲーム自身のタイトルにそのままストレートにスポーツの名前をそのまま使ったものであり、いずれもそれぞれのジャンル初作品だが、本作はナムコの『タッグチームプロレスリング』(同年4月2日にロムカセットとして発売)の後塵を拝しているという残念な点がある。 しかし、シンプルながら後のプロレスゲーム王道となるスタイルを早々と築き、後の世につなげたのはまぎれもなく本作である。 またプレイヤーキャラクターが固定の名前を持たない任天堂の無印系スポーツゲームのシリーズながらキャラクターに固有の名前や個性があるというシリーズでも珍しい特徴を持っている。 ただし、タイトルは『ゴルフ』と『サッカー』を除く今までのシリーズ恒例の「スポーツ行進曲」のアレンジ版を使用している。 開発のTRYはヒューマンの前身で、組み合ってからの十字ボタンと複合して技をかけるという『ファイヤープロレスリング』のシステムの地盤が築かれており、同シリーズの原点とも呼ばれている。 そのため同シリーズと共通する部分がいくらか見られる。 内容 プレイヤーは6人のレスラーから1人を選び、FWAチャンピオンを目指す(最初は5位からスタート)。 勝つとランクが1つ上がり、負けると1つ下がる。6位に転落するとゲームオーバー。 チャンピオンになると防衛戦に突入し、10回連続で防衛するとFWFのチャンピオン「グレート・プーマ」とのダブルタイトルマッチに突入。 ダブルタイトルマッチは勝てばエンディング、負ければリターンマッチへ、そのリターンマッチで負けるとゲームオーバー。 システム ルールはシングルマッチのみで5分間勝負。 フォールして3カウントのピンフォール、リング外で20カウント以内に戻れない時のリングアウト、コーナーポスト上で5秒間乗りっぱなしでの反則負けで決着。 体力はゲージなどで表示されるわけではなく、技が決まった瞬間に一定の水準を下回るとSEで知らせる形式。 1回目に笛のような音が鳴り、2回目になるとブザーのような音が鳴る。 2回目が鳴った時はもはや風前の灯火で、やっとこギリギリフォールが返せる程度(その状態で2度ほど喰らったらまずアウト)。 登場キャラクター ファイターハヤブサ 固有技は延髄切り スターマン 固有技はフライングクロスチョップとサマーソルトキック キン・コン・カーン 固有技はモンゴリアンチョップとカラテキック ジャイアント・パンサー 固有技はアイアンクローとヘッドバット ジ・アマゾン 固有技は凶器と噛みつき キング・スレンダー 固有技はシュミット式バックブリーカー FWAチャンピオン(*1) グレート・プーマ FWFチャンピオン CPU専用キャラクター 評価点 任天堂の無印スポーツシリーズのため地味だがエンディングがある。 それまでの同シリーズはあくまでプレイヤー同士の対戦ありきで、相手がいない場合コンピュータが相手になるというためだけのもので、単戦するだけで目的意識が生まれにくかったが、それが解消されている。 実はエンディングのあるスポーツゲームは初だったりする。これまでのスポーツゲームは1戦するだけか、スコアを競うのみでエンディングを持つものは意外にも1つもない。 ファミコン初期のゲームながら技のパターンが多彩 任天堂の無印系スポーツゲームながら、地味ながら立ったままの打撃、走りながらの打撃、トップロープ技、など後のプロレスゲームの大部分を網羅できている。 絞め技や関節技こそないものの、コーナーポストからの飛び技や、果てはリング外に落下した相手に対してのブランチャーまで搭載している。 技も、かなり多彩でそれぞれ固有技も持っている。 しかも、そのかけ方も異なっており、個性が出せている。 ハヤブサの延髄切りのように使いこなすには相当コツが必要で、しかも失敗(空振り)した場合、少ないながら自分がダメージを受ける代わりに、当てれば超強力な威力だったりなど、バランスもいい。 技をかけるコマンドはタイミングが重要で当時のゲームによくあった「なんでも連打連打でゴリ押せばいい」という悪癖を払拭している。 全体的に公平なバランスでお互いに個性を持ったキャラで対戦ができる。 それまでの無印系スポーツシリーズはチームの名前があれども所詮はイコールコンディションだったが、本作ではレスラーそれぞれに固有技がありトータルでは公平ながらも変化のある対戦ができる。 贅沢を言うなら同キャラ戦もできたなら完璧だったが、当時はそれができないのが標準だった。 本作から生み出された『ファイプロシリーズ』でも、それができるようになったのは1992年末に発売された『スーパーファイヤープロレスリング2』なのでそれは無理筋というもの。 問題点 ダブルタイトルマッチには防衛戦を10連勝、つまりタイトル奪取までを含めれば最低15戦、同じ相手と3度も戦うのは若干冗長気味に感じるところがある。 ただ上記の『タッグチームプロレスリング』は同じ相手としか戦えず、ワールドチャンピオンになるためにはそれを35回も繰り返すという極悪なものだったので、それを思えば… 評価点と被る部分だが組んで技をかける(コマンドを入れる)タイミングが感覚で慣れるしかない。 組んだらすぐ技がかかるわけではなく『ファイヤープロレスリング』シリーズのように、腰を落とすような目に見えるものがない。 スターマンにお手軽なハメ技がある。これを使えば誰でも無敗のままエンディングまで行ける。 後に発売されたNES版では出来なくなっている。 総評 まだ草創期ということもあり、登場レスラーの人数も少なく、絞め技もなくピンフォールのみという地味さはあれど後々のプロレスゲームの基礎となるスタイルは早くも築かれている。 順当にクリアを繰り返せば、エンディングに辿り着けるなど、これまでの「スポーツを再現して1戦するだけ」という無印スポーツにはない目的意識を生み出している。 プロレスゲーム自体ファミコンでは3年後の1989年まで発売されず全体でも少ないとはいえ、まだ草創期の作品である本作が最高だと言う声も多いのが頷ける内容。 その後の展開 任天堂の無印系スポーツとしては1988年1月のディスクソフト『アイスホッケー』が最後となる。 上記作品は再び「プレイヤーキャラクターに個人名なし」「1戦限りの対戦ゲーム」というスタイルに戻っている。 上記の通り本作を開発したTRY(後のヒューマン)は後にこのシステムを活かして自社の看板シリーズとなる『ファイプロシリーズ』を作り上げることになる。 1990年にゲームボーイソフトでも同名タイトルの『プロレス』というタイトルのゲームが出ているが、こちらはヒューマン自身が発売している。 2018年9月19日に配信が開始された『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』では、本作が初期ソフトの一つとして収録されている。 本作はバーチャルコンソールでは配信されなかったので、移植としてはこれが初となる。 余談 延髄切りを必殺技としているので察しはつくと思われるが、パッケージにも描かれているファイターハヤブサのモデルはアントニオ猪木である。同様にモンゴリアンチョップを使うキン・コン・カーンはキラー・カーンがモデルである。 + CM「私は誰の挑戦でも受ける!」
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怒りの要塞 【いかりのようさい】 ジャンル アクションシューティング 高解像度で見る裏を見る 対応機種 スーパーファミコン メディア 8Mbitロムカセット 発売元 ジャレコ 開発元 K.K.DCE 発売日 1993年4月23日 定価 8,700円 プレイ人数 1人 配信 プロジェクトEGG 2012年10月30日/500円(税別) 判定 なし ポイント 機種をSFCに変えての第3作目武器の使い分けが攻略の鍵GBシリーズから削除された要素ありボリューム不足なのが難点 怒りの要塞シリーズリンク怒りの要塞 (GB) / 怒りの要塞2 / 怒りの要塞 (SFC) 概要 ストーリー 特徴・システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『怒りの要塞』シリーズ第3作目。本作はプラットフォームを今までのゲームボーイから、スーパーファミコンへ変えての発売となっている。なお、タイトルの正式名称は第1作目と同じく『怒りの要塞』であるが、ゲーム内容は全くの別物である。 敵も亜空間よりやってきた亜空間生物となっており、人間同士の戦いを描いた前2作とは趣きが異なっている。 ストーリー 近年、急速な進歩をとげた次元物理学は、その結晶ともいえる「物質転送」理論を確立した。「物質転送」実験には、莫大な経費と広大な敷地が必要とされたために、研究は国家単位で行われ、その研究施設は機密の漏洩を恐れるかのように岩山に隠れるように建設されていた。 しかし、研究が進み、実用化も目前となったある日、施設からの連絡が突然途絶えてしまう。 国防軍は直ちに精鋭の調査部隊を派遣したが、その部隊も施設に到着したという連絡を最後に消息を絶ち、上空の偵察機も、謎の光点が広がって行く映像を最後に、何者かの手によって撃墜されてしまう。 当初予期していたよりも遥かに重大な事態を向かえた国防軍は、会議によって1人の戦士の派遣を決定する。 彼の名は"HIRO"…強化手術によって高度な戦闘能力と情報解析能力を得た国防軍最強の戦士である。 静まり返った研究施設には殺気が漂い、見る者に不気味な要塞のイメージを与えている。 「ここには何かがいる!」"HIRO"の人間である部分が警告を発した。しかし、彼の肉体はすでに施設の扉をくぐっていた… 全ての謎を解くために"HIRO"の戦いが今、始まる。(※説明書のストーリーより抜粋) 特徴・システム 前作、前々作とおなじく画面見下ろし型のアクションシューティングだが、ハードがスーパーファミコンへ変わった事により、1画面分の固定画面の端の方に行くと隣のマップと切り替わるものではなく、広大なマップをスクロールさせながら移動するものへと変わった。 前作『怒りの要塞2』と同じく、HIROは通常兵器を様々なものに切り替える事ができる。通常兵器はゲームを進めていくと新しいものが手に入っていく。 + 通常兵器一覧 マシンガン 前方に切れ目なく弾を発射する。最も一般的な兵器。最初から持っている。 3-WAY 前方、斜め左右に弾を発射する。広範囲を攻撃でき、直進弾しか撃てない相手を死角から倒す時に有効。最初から持っている。 反射レーザー 壁に当たると反射するレーザーを発射する。敵の攻撃の届かない位置から攻撃を加える事ができる。ゲームの途中から入手。 火炎放射器 攻撃力の高い炎を放出する。射程はやや短め。斜め方向から壁に当てると、壁に沿って炎が進み、敵の死角から攻撃が可能。ゲームの途中から入手。 ミサイル 敵をホーミングするミサイルを発射する。隠し武器であり、ゲームの途中、やや分かりにくい所に置いてある。 通常兵器のほか、「指向性地雷」と「デコイ」という特殊兵器も登場。弾やレーザーを発射する通常兵器とはまた勝手の違うものとなっている。 L、Rボタンを押したままにする事で、HIROの向いている方向を固定しながら移動する事ができる。これにより、特定の方向を攻撃しながら移動、回避ができるようになった。 マップは前作までは簡易なオートマッピングだったが、本作では特定のコンソールを調べる事で、詳細なマップを入手する事ができる。 ゲームの基本的な流れは、敵を倒しつつ各所にある「空間転移装置」を破壊する事にある。これを破壊する事で周りの敵は全滅し、次のエリアに行ける転送機(ワープ装置)が起動する。これを繰り返し施設の最奥へと進む。 評価点 様々な武器を駆使しながら、ステージを進めていくゲーム性。 一般的な武器のマシンガンだけでなく、広範囲を攻撃できる3-WAY、敵の死角から攻撃できる反射レーザー、射程は短いが攻撃力の高い火炎放射器と、様々なものが揃っている。これらの武器の特性を把握し、敵や場面に応じて使い分ける必要がある。前作『怒りの要塞2』のように、グレネードだけ使っていればOK、というバランスではなくなった。 3-WAY、反射レーザー、火炎放射器は、うまく使えば敵の攻撃の当たらない死角から一方的に攻撃を加える事が可能。有利な位置を探し出し、敵を攻略していく楽しさがある。 通常兵器だけではなく、第1作目にあったような特殊兵器が登場、使いこなす事でより戦法が広がる。 「指向性地雷」は、設置していた時に向いていた方向へ一定時間後に爆発を起こすというもの。威力が高く、ボスや中ボスといった耐久力のある敵に有効である。 「デコイ」はHIROのホログラムを映し出し、敵を引き付ける事ができるというもの。ハエのような敵やスライムのような敵のように、こちらに一直線に向かってくる敵に特に有用である。 オープニングシーンや、各所のコンソールや敵の残骸を調べた時に流れるデモシーン。機械的な雰囲気がよく出ており、ゲームの世界観を形作るのに一役買っている。 デモシーンでは会話などの台詞は一切出てこない。やや分かりにくいという問題点もあるが、映像のみで施設で何が起こったかを伝えようとしている。 BGMは前作から引き続き鈴木康行氏が担当。曲数はそれほど多くはないが、ゲームボーイ作品からさらに進歩した良質なBGMが各所と、そしてボス戦で流れる。 前2作と同じくある程度の探索要素も存在、進めない場所は新しく手に入れた兵器をうまく使う事で道が開かれる。一部、少し頭を使わないと進めない場面も。 賛否両論点 ゲームボーイ作品にあった数々の特徴の廃止。キャラクターの切り替えがなくなり、トゲ床や穴やコンベアーといった地形、カギといったアイテム、ジャンプといったアクション、真っ暗な部屋を手探りで探索するといった仕掛けもなくなっている。このため本作は、前2作に比べ、探索要素が薄くなり、アクション要素が強い作品と仕上がっている。 前2作のゲームボーイ作品とはゲーム性が大きく異なるため、タイトルは一緒でも全く別物のゲームとして捉えた方がいいかもしれない。 少々厳しめの難易度。 敵から受けるダメージは一部ボスを除き控えめだが、体力を回復できる場所(*1)が少なめなため、余計な被弾を重ねると厳しい事になっていく。きちんと敵の行動パターンを把握し、ダメージを極力受けないように立ち回らなければならない。 ただし、難しすぎるといった難易度ではない。敵の出現場所や行動パターン、回復できる場所といったものをきちんと把握すれば、安定してノーコンティニュークリアできる程度の難易度である。 問題点 ボリュームが少ない。 クリアするまで大体40~50分、ステージのバリエーションは施設その1、屋外、施設その2、敵空間である亜空間の計4つ、登場するボスキャラクターは3体といったボリューム。携帯機ならいざ知らず、どっしりと腰を据えてプレイする据え置き機だと物足りないと感じてしまう。 このボリュームの少なさもあってか、ゲームボーイ作品にあったパスワード機能はなくなっている。 それに関連して、ゲームボーイの前2作と同様にスコアや2周目といったものもないため、やり込める要素も少ない。 敵の種類が少ない。 雑魚敵は直進弾を放ってくる黄兵、3方向に弾を放ってくる赤兵、施設内のものと屋外のもので種類が違う固定砲台が2種類、スライム、ハエ、無敵だが装置を破壊する事で倒せるケセランパサランのような敵、同じく装置を破壊する事で倒せる無敵の固定砲台、以上。ゲームボーイ作品ではステージによって敵の見た目やバリエーションが変わったりしたが、本作ではそういった事はない。 中ボスも存在するが、カニのような敵とその色違いがいるのみで、かなり寂しい。攻撃パターンのほうもあまり変わらない。 特殊兵器の入手時期が遅い。せっかく面白い機能を持っているのに、それを活かせる機会がやや少なめである。 各所にあるコンソールや敵の残骸を調べるとデモシーンが流れるが、これは飛ばす事ができない。そのため、間違ってコンソール等を2回以上調べてしまった時や、2回目以降のプレイの時などは、かなりもどかしい思いをさせられる。 コンティニュー回数が有限で、3回までしかできない。前述の難易度と相まって、ゲーム慣れしていないプレイヤーにはやや厳しいものとなっている。ちなみに、前2作では無限にコンティニューできた。 前2作のゲームボーイ作品では、通信ケーブルを使う事で2人同時プレイをする事ができたが、本作では2人同時プレイをする事はできず、1人用のゲームとなっている。 総評 スーパーファミコンという新たなプラットフォームで展開された本作。アクション性が強化され、様々な武器を使い分けていくのが楽しい。 しかし、ゲームボーイ作品にあった数々の要素がオミットされ、またいくつかの問題点も存在する。特にボリュームの少なさは、一番目に付く問題点であろう。簡単な調整(受けるダメージが2倍になる、等)でもよかったから、2周目やハードモードが欲しかった、そういった思いが出そうになる作品である。 余談 海外では『Operation Logic Bomb』というタイトルで発売。エンディング曲は日本国内バージョンと海外バージョンでは、若干異なる曲が流れる。また、未使用曲として、このエンディング曲の少々アレンジされたものも存在する。 サウンドトラック、『SUPER ROM CASSETTE DISC IN JALECO』において、この3バージョン全てが収録されている。 海外版『SNES Nintendo Switch Online』で2020年5月20日に配信がされた。
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NieR Automata 【にーあ おーとまた】 ジャンル アクションRPG 対応機種 プレイステーション4Windows7/8.1/10Xbox OneNintendo Switch メディア 【PS4】BD-ROM/ダウンロード【Win】Steam配信【One】ダウンロード【Switch】ゲームカード/ダウンロード 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 プラチナゲームズ 発売日 【PS4】2017年2月23日【Win】2017年3月17日【One】2018年6月26日【Switch】2022年10月6日 価格 7,800円(税別) 廉価版 Game of the YoRHa Edition【PS4】4,800円(税別)【Win】5,280円(税込) プレイ人数 1人 レーティング CERO D(17才以上対象) 備考 PS4 Pro / Xbox One X 対応One版はダウンロード専売 + 全DLC収録Switch版には限定追加コスチュームあり 判定 良作 ポイント アクション シューティングRPG爽快アクション ハイクオリティのBGM ドラッグ オン ドラグーンシリーズ ストーリー 概要 主なゲームシステム 戦闘システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 命もないのに、殺しあう。 ストーリー 突如襲来したエイリアンの繰り出す「機械生命体」の圧倒的戦力を前に、人類は地上を追われ月へと逃げ去った。 地球を奪還すべく、人類はアンドロイドによるレジスタンスを組織。 さらに最新鋭の戦闘用アンドロイドで編成された「ヨルハ部隊」を地上へ送り込む。 荒廃した地で延々と続くアンドロイドと機械生命体の熾烈な戦い。 その争いの中、ヨルハ部隊員「2B」と「9S」は、知られざる真実の扉を開けることとなる。 ※パッケージ裏面より、一部表記を改めた。 概要 エイリアンに侵略され荒廃した地球を舞台に、彼らの配下であるロボット「機械生命体」を殲滅し、地球を奪還するために戦うアンドロイドを描いたアクションRPG。 本作の登場キャラのほとんどは前作『NieR RepliCant』や『ドラッグ オン ドラグーン』で起こったことを知らないため、前作を遊んでいなくても基本的に本作のプレイに支障は無い。 ただし、続投キャラクターや、前作に関わるアーカイブなども多数あるため、前作をプレイしておいた方が理解はしやすい。 開発元のプラチナゲームズは『ベヨネッタ』や『メタルギアライジング』などの「カッコよさを追求したアクションゲーム」で知られており、本作もまた特に『メタルギアライジング』からの影響を受けた気質が全編に渡って発揮されている。 主なゲームシステム 探索 広大なオープンワールドで、「クエスト」をこなすことでメインのストーリーは進んで行く。 クエストはメインのストーリーに関わるものだけでなく、ワールド上の様々なNPCの悩みを解決する「サブクエスト」もある。 サブクエストの報酬にはそこでしか貰えない装備や貴重な素材など、比較的オイシイものが多いのだが、難易度は高めで面倒なことが多い。 ワールド上にはアンドロイドに敵対しない機械生命体もおり、中にはサブクエストを依頼してくる者もいる。 前作に引き続き動物たちが登場し、素材を入手したり移動に使うことができる。 マップに点在する宝箱には武器やお金、素材のほか、「アーカイブ」が入っていることがあり、かつての人類の生活を垣間見ることができる。 周回プレイ 本作は大きく分けて3周プレイすることが前提となっており、その分1周は短めになっている。 1周目と2周目は同時系列であり、それぞれ2B・9Sの視点で、3周目は新たに操作できるA2と2B、9Sの視点が切り替わりながら1周目及び2周目の続きのストーリーを攻略することになる。 本作はマルチエンディングシステムを採用している。最初の2周はA・Bの1つずつしかエンディングを持たないが、3周目は選択肢に応じてC・D・Eに分岐する。 その他にはストーリー上で特定の行動を起こすと発生する、いわゆる「バッドエンド」がF~Zまで存在する。こちらは条件さえ満たせば1周目からでも収集可能。 プラグイン・チップ 本作の大きな特徴として挙げられるのが自由多彩なスキル構成である。 最大で容量が126(*1)あるストレージの許す限り、自由に「チップ」を組み込める。 チップ構成はメニューからいつでも変更でき、いわゆる「マイセット」を3つ作っておける。 チップは店で買えるほか、敵からドロップしたりクエストの報酬や宝箱から入手できる。 チップにはそれぞれ「コスト」が設定されている。 同じチップでもコストの大小があり、スキルを詰め込むためには、コストの安いチップ(*2)を敵のドロップから厳選する必要がある。 チップは大きく分けて5種類あり、以下はその例。 システム HPゲージやミニマップなどのUI。 攻撃 攻撃力アップや武器の射程延長など。 防御 防御力アップや自動回復など。 補助 回避距離アップや取得経験値アップなど。 ハッキング リモート操作強化や敵炎上など。 同じチップ同士は合成することで強化可能で、強化後は当然コストも上がるが、コストの安いチップを合成に使えば効率良く強化チップを作ることが可能。 難易度EASYではオート操作系チップを使用することもできる。 これは移動以外のすべての操作(*3)をプレイヤーのかわりにAIが勝手にやってくれるチップ。 AIの操作はかなり優秀なため、ほとんど無敵モードと化す。アクションゲームが苦手な人でも戦闘をコンピューターに任せることで、ストーリーをノベルゲームのように楽しむことができる。 難易度 難易度は上がると受けるダメージ量が上昇するほか、それぞれに特徴がある。 EASY 敵をロックオンでき、戦闘をプレイヤーの代わりにAI任せにできるプラグイン・チップを装備可能。 NORMAL ロックオン可。 HARD ロックオン不可。 VERY HARD ロックオン不可。敵の攻撃を一撃でも受けると死亡する。 以上の4種類から選択可能で、ゲーム中いつでもメニューから変更可能である。 戦闘システム 地上戦 基本となる戦闘パート。 弱攻撃用武器と強攻撃用武器をそれぞれ設定し、その2本を織り交ぜた「コンボ」で近接攻撃を行う。 ボタン長押しによる溜めやジャンプ、回避を利用して特殊な攻撃を行うことができ、そこから普通のコンボに繋げることも可能。 武器は小型剣、大型剣、槍、格闘(+素手)の4種類があり、それぞれコンボを繋げられる回数が設定されている。 「弱 小型剣、強 大型剣」の組み合わせが基本だが、「弱 小型剣、強 槍」のようなスピードタイプや「弱 大型剣、強 小型剣」のような変則パターン、果ては両方素手という漢の戦闘スタイルも可能であり、多彩なパターンから好きな戦闘スタイルを選ぶことができ、組み合わせでモーションが変化する。 2BとA2の攻撃モーションは同じだが、2Bのみスタン状態の敵に「スタンフィニッシュ」という追撃を行うことができる。 A2は「Bモード」を発動できる。一定時間以内攻撃力が大幅に上昇するが、HPが急激に減少するデメリットを伴う。 9Sのみ武器を1本しか装備できないため攻撃の効率が悪いが、代わりに後述する「ハッキング」が可能。 「ジャスト回避(*4)」を発生させれば、特殊な反撃を行える。回避判定はかなり広めに取られているため、慣れれば簡単に行える。 また、「オーバークロック」というチップを装備していればジャスト回避成功時に数秒だけ自分以外の時間の流れを遅くすることが可能。 離れた敵は随伴する「ポッド」を使って遠距離攻撃ができる。 ポッドは以下の3種類があり、初期装備のポッドa以外はワールド上を探して入手する必要がある。 高速弾を高レートで連射するガトリングを搭載したポッドa 射線上の敵に貫通してダメージを与えるレーザーを装備するポッドb プレイヤーの視界内にいる敵をミサイルで攻撃するポッドc ポッドそれぞれには「ポッド・プログラム」を1つずつセットすることができ、戦闘や探索を補助してくれる。 近距離武器、遠距離武器ではそれぞれ敵の弾を相殺することができる。色の濃い弾は近距離攻撃で、色の薄い弾は遠距離攻撃で相殺することが可能で、これを前提としたとしか思えないほどの弾幕を張ってくる敵もいる。 空中戦 一部のイベントで飛行ユニットに搭乗し、シューティングゲームの要領で敵を破壊するパート。 一般的な縦・横スクロール型シューティングのほかに全方位型のものもある。 ポッドの弾種はここでも反映され、戦闘中に変更できる。 メニューを開くことはできないため、チップ構成を変えたり強化アイテムを使うことはできない。 回復アイテムは十字キー下のクイックメニューから使用することが可能なので、STGが苦手なプレイヤーでも回復アイテムによるゴリ押しが利く。 また敵弾の相殺や回避は地上戦と同様に行えるため、一般的なシューティングゲームよりは簡単である。 ハッキング 近接攻撃力に乏しい9Sの基本的な攻撃手段。 2BとA2も一部のイベントでのみ行う必要がある。 対象の中枢コンピューターに侵入し全方位型シューティングのミニゲームをプレイするというもの。 成功させれば敵は大ダメージを食らい、撃破時には爆発するほか、不意打ちであれば味方にしたり(従属化)、精神を乗っ取り自分で操作する(リモート操作)ことも可能。 3回被弾したり時間切れになると失敗となり、自分がダメージを食らってしまう。 戦闘以外でもハッキングを要求される局面は多々あるが、ネタバレになってしまうので詳細は省く。 当たり前だが生き物には使えない。 前述した通り、難易度EASYの場合にはこれらの戦闘全てが自動化可能である。しかし例外もある(後述)。 評価点 システム 難易度は自由に変えられるため、ゲーム初心者からシビアな難易度を求める層にまで幅広く対応している。 戦闘モーションは非常に快適かつスタイリッシュであり、見ていてとても気持ちがいい。特に、各攻撃モーション後の残心は非常に拘って作られており、隙こそ生まれるものの魅せプレイとして上手く活用できる。 普通にプレイしていても気付きにくいような小ネタ・小技も多く仕込んであり、新しいアクションを模索する楽しみも多い。それなりに時間をプレイしていたのに、うっかり知らないモーションが暴発したということもザラにある。 敵が多数登場したり濃密な弾幕にさらされる局面は少なくないが、いずれも安定して動作しフレームレートの低下は気にならないレベル。ただし、場合によってはプレイに支障のない程度で多少カクつくことはある。 サブクエストや釣りなどのちょっとした寄り道要素もある。 特に釣りは無駄にネタが豊富であり、どう考えても魚いないだろと思うような場所まで釣りポイントになっている。 さらに、釣れる魚はまともな方が少ない。頭が2つある魚やカブトムシが進化した魚にロボ魚やらゴミやらパイプ(*5)やら…。値段も高めなので金策に役立つほか、説明文も極端なためジワジワと笑いを誘ってくる。 もっと言うと、釣り関連のエンディングはなぜか2つも用意されている。 オープンワールド 最初からほとんどの場所へ行くことができ、探索の自由度は高い。 プレイヤーの移動も快速で、ストーリーを進めれば転送装置(ワープポイント)の使用も可能になるため、移動がストレスとなることはほぼ無い(*6)。 グラフィック 人類が去った後の街が錆びつき、ひび割れて廃墟と化していく中を、大木が芽吹き、シカやイノシシなどの動物が闊歩するさまを緻密に描いている。 中でも水の表現は秀逸。川は現実世界さながらのクオリティを誇っており、濡れた場所をキャラが歩けば水に触れた部分が濡れ、時間経過で乾燥もする、といった細部までのこだわりが見られる。 キャラクターのデザインも美麗である。斎藤プロデューサー曰くデザイナーに「コスプレしやすいキャラクター造形にして欲しい」という注文を出し2B・9Sのハチマキで目を隠すという独創的なキャラクターデザインが生まれた。この目論見は成功し、世界中のファンが本作のキャラのコスプレをした。 お色気要素としても、ハイレグレオタードのTバックの姿の2Bに多くのユーザーの心を捕らえた。特に「2Bのスカートの中」が世間を騒がせたことを知っている諸氏も多いだろう。 他にも、とあるシーンである人物が「裸で砂場に倒れた後、お尻に砂が付いている」という非常に細かい演出がなされている。文章では伝わらない不思議な感動があるので、是非、自分の目で確かめて欲しい。 + プレイヤーなら一度はやるであろうこと BGM 前作から続投した岡部啓一氏およびMONACAが担当しており、名曲揃いである。 戦いの興奮を誘う中にどこか、終末的な哀しさの漂うボス戦BGMの「双極ノ悪夢」や、環境BGMでは人間がいなくなった街の寂しさと、廃墟を侵食していく自然の悠久を感じられる「遺サレタ場所/斜光」に加え、美しく楽しそうな雰囲気が物悲しく、そして不気味な「遊園施設」などが特に好評。 また、ワールドマップの曲は同じ曲でも使用楽器の違いやボーカルの有り・無し等によっていくつものバージョンがあり、場面やエリアごとに細かく使い分けられている。 前作で絶大な人気を得たとある曲も、本作では「贖罪」というアレンジで収録され、本作でも非常に好評。 サウンドトラックも発売されており、各販売サイトで視聴できるので、興味があれば是非試聴してみてほしい。 ストーリーとキャラクター 非人間のアンドロイド/機械生命体を主な登場キャラとしつつ、全体を通して「生きる意味」を問うようなストーリーは興味深く、考えさせられるものがある。 アンドロイドや機械生命体たちそれぞれが、機械ならではの独特な「死生観」を持っていることも面白い。 特に「9S」の心理描写にはかなり力が入れられている。 「2B」に対する淡い想いや欲望などがより細かく描かれており、プレイヤー達にとっては感情移入しやすいキャラクターになっている。 さらに、復讐や愛憎のような人間の「闇」に焦点を当てたサブクエストや会話も多く、それについて語るキャラクター達は不気味な程に人間臭い。 その一方、好きなものを見つけて、熱くソレ一筋に生きる漢たちもいる。狂ったように趣味に没頭する機械たちは微笑ましい。 世界設定もきちんと設定されており、オープンワールドながらの自由度が高いシナリオ選択も存在する。特に物語に登場する機械生命体のパスカルから終盤にあるお願いをされるが、それの選択次第で彼の村の環境が変化するなど細かい作り込みがある。 前作のファンにとっては驚いてしまうようなキャラもおり、しかもストーリーによく絡む。こちらは自分の目で確かめてほしい。 世界観とゲームデザインの一致 登場人物がアンドロイドという設定をゲームシステム・世界観ともにうまくマッチさせている。 セーブやオプションといったメタ要素に至るまできちんと設定を活かしており、没入感を高めることに成功している。 ゲームのメニュー画面もあくまでもアンドロイドのシステムという設定なので、アンドロイドが危機的状況だと使用できなくなるなど忠実な再現をしている。 オープンワールドとマルチエンディングの融合。 様々なキャラの視点になって物語を進めるため、周回プレイを経ることで新たに分かる背景もある。 通常のオープンワールドではシナリオは一本道だが、本作はオープンワールドの特徴を活かしてのマルチエンディングとなっている。 イベント中に他の場所に行ったり、特定の人物を攻撃したりなどの通常のゲームではできない、自由度の高いシナリオ分岐を見ることができる。 + 結末に関するネタバレ要素あり 『DOD』や『NieR RepliCant』をプレイした諸氏は不穏な空気を感じるかもしれないが、本作の最終EDは一応ハッピーエンドである。 賛否両論点 シューティング要素の多さ アクションRPGを名乗ってはいるが、飛行ユニットなどのシューティングパートの比重が多い。 さらに、シューティングに関しては事前の告知がほとんどなされていなかった事も物議を醸した。体験版にもシューティングステージは無い。 これらに関してはオート操作系チップを使えば操作する必要もなくなるが、そのパート突入時にわざわざ難易度やプラグインチップをいじるのも面倒であるため、自力操作することのほうが多い。 + 結末に関するネタバレのため格納 最後のエンディング、「Eエンド」でこれが問題になる。 詳細は省くが、ここではゲーム内で一番長く難しいシューティングにスタッフロールの間ずっと付き合うこととなる。 にもかかわらず、オート操作系チップは機能しない。 そもそもこのゲームはアクションRPGなのだが…ん? 似た話をどこかで聞いた?。 一応、PSNアカウントを持っていれば救済措置が得られる。というよりも、演出を見る限りこれの利用が前提(余談項参照)。 余談だが、これの伏線がよく見るとパッケージに書かれている。 詳しく語られないストーリー上の要素が相変わらず多い 「詳しく回収や説明をしない伏線が多く、各々のユーザーが自由に考察を楽しめる」という造りを前作から引き継いでおり、こういったスタンスが好きなユーザーにとっては楽しめるが、合わない人間にとっては馴染めない要素になりやすい。 また、前作は設定資料集にゲーム中で明かされない謎や描かれない設定などが詳細に網羅されていたが、今作は設定資料集でも語られない部分が多く、大部分が不明のままである。 ちなみに、ディレクターのヨコオタロウ氏は今作の前に手掛けた『ドラッグ オン ドラグーン3』の際に、前作の資料集に関して「プレイヤーの考察の余地を無くしてしまった」という旨の反省(?)を述べ、『DOD3』では資料集でも全てを明かすつもりはないということを公言していた。 あくまでライト向けのゲーム性 アクション性は大幅に向上したもののそこまで複雑ではなく、こちらが強くなってきたり慣れてしまうと単調なゲーム性にもなりやすい。 オープンワールド風ゲームではあるが、オープンワールドとしては探索できるフィールドはそこまで広くはない。前作よりは広い程度。 特に「遊園地」や「水没都市」といったロケーションは一見広大のように見えて進入できる箇所が露骨に制限されており、期待していると探索要素の乏しさに落胆しやすい。 一般的なオープンワールドというよりは、そうでないゲームの複数のステージを単にシームレスに繋いだだけといったほうが正確かもしれない。 とは言え、本作はあくまでストーリー重視のアクションRPGであり、あまりにアクションゲーム寄りorオープンワールド特化にしてしまうと取っ付き辛くなりかねないため、ライト向けとしては適度な調整と言える。 結局のところ、オープンワールドゲームというよりは昔ながらのJRPGを3D シームレス化したアクションRPGと言えるだろう。 ウェポンストーリーについて 『DOD』シリーズで好評だった要素を持ち込み、これまでのテイストを崩さず取り入れている点自体は好評である。 しかし、2Bと9Sについては話のバリエーションが「悲惨なオチ」系にやや偏りすぎではないか?という批判意見も見られる。 また、『DOD』シリーズや『NieR RepliCant 1.22』と違って本作はゴシック体のフォントであり、これがウェポンストーリーの内容・雰囲気とミスマッチではないか、という細かな部分への意見はある。 トロフィー・実績の購入 3周目になると、あるショップで全てのトロフィー・実績をゲーム内マネーで購入できてしまう。 いくらゲーム内マネーとは言え、労せずして取得できることに対してトロフィー・実績の獲得を目指すユーザー達にとっては物議を醸した。 ちなみに、本作のトロコンはそこまで難しいものではなかったりする。少々配慮が行き過ぎた印象は否めない。 セーブシステム 今回もセーブポイントはオートセーブはなく、セーブポイントでセーブするスタイルである。これは、アンドロイドの記憶というゲーム内の世界観を重視して良いという意見もある一方で、オートセーブにして欲しいという意見も根強い。 これは前作『NieR RepliCant』の際にユーザーの意見で「手動セーブなんて古臭い」に対して、ディレクターのヨコオが「絶対に次も入れてやる」と反発した結果である 問題点 9Sのハッキングで会話が途切れてしまう。 厳密にいうと、会話のテキストが一定のところで区分けされており、9Sがハッキングをすると現在再生中の区画が中断され、次の区画のテキストに至るまで登場人物が声を発しなくなってしまう。 特にボスは良く喋るため、慌ててハッキングをすると会話を聞けないまま終わってしまうこともしばしば。 感動的なシーンも全て飛んで行ってしまうのは悲しいので、相手が話しているときは静かに耳を傾けてあげよう。 ハッキングについて 特に2周目において強制的に複数回ハッキングを行う場面があり、アクションゲームとかけ離れた強制ミニゲームは「大して気にしない」という意見こそ多いものの、賞賛意見はあまり見られず不評寄り。一方で、ハッキングとしての没入感は仕上がっている。 チップについて 一部のチップが死に性能であり、特にハッキングに関するチップは全てが産廃といっても良い。 「リモート操作した機械生命体を強化するチップ」などは最たる例だろう。そもそも、通常戦闘において未発見状態の敵はほぼいないため使える機会がまず少ない。 いざ使える局面になっても、機械生命体の操作はお世辞にも快適とは言えない。さっさと爆破したり刀を振るったほうが効率的。 一応DLCで「ハッキングした機械生命体を操作して戦う」というサブクエストがあり、全く使い道が無いわけではない。逆に言えばこのサブクエストくらいでしか使い道が無いということにもなるが。 ハッキング中の時間延長や被弾可能な回数の増加などいくらでも作りようはあったと思うのだが。 取り返しのつかない要素 本作はC・Dエンドのどちらかをクリア後「チャプターセレクト」機能が解放され、サブクエストや武器収集などを自由に行えるようになる。しかし、それでも一度取り逃がすと同セーブデータでは二度とコンプリート不可の要素も存在する。 素材「強化パーツ・小」はサブクエストをこなせば計3個入手できるが、その内1つはクエスト内の特定敵がドロップする。拾わないままサブクエストをクリアしてしまうと、その敵は二度と出現せず、入手不可となってしまう。 あるバッドエンドはわざとサブクエストに出現する敵に敗北することで達成できるが、その敵を倒す(=サブクエストをクリアする)と再受注できず、達成不可となる。 処理落ち 本作に限った話ではないが、PS4 Pro発売以降はこれを前提に開発されているため、通常のPS4ではパフォーマンスの低下等を招く。 基本的にはとても滑らかな動作を実現しているものの、一部エリアで大きな処理落ちが発生する。廃墟都市及びその中心部では特に顕著。 カメラワークが悪い 一部場面で見にくい部分が少々ある。 総評 システム面では前作の不評点がほぼ改善され、快適なプレイが可能になり、ストーリーやグラフィック・BGM・プラチナゲームズらしいハイスピードなアクションなど全てが好評で、ゲームとしての完成度は非常に高い。 「宇宙人と手下のロボット達から地球を取り戻す」という単純なストーリーに留まらず、アンドロイドや機械生命体の織り成す「人間」ドラマが大きく扱われる重めのストーリーである一方、随所にユーモアが感じられ、決して鬱々としたゲームにはなっていない。 アクション、シューティング、RPGとしての要素が綺麗に詰め込まれた、初心者から上級者まで楽しめる良作となっている。 余談 本作は前作同様、タイトルに前作の主人公「ニーア」の名を冠しているが、本作にはニーアは登場しない。ヨコオ氏曰く「呪い」らしい。 そもそも「ニーアとはあくまでタイトルであって、前作主人公の名前がニーアだと作中で示した事は無い」とのこと。 資料集では前作主人公の名として記載されてはいるものの、実際ゲーム内ではその発言の通りとなっており、それどころか「ニーア」という言葉自体(作品名として以外では)どの作品においても出て来たことは無い。 本作の前身となったのは2014年にヨコオ氏本人が立ちあげた『舞台ヨルハ』という女性アイドルプロジェクトである。 企画をプラチナゲームズに持ち込む際に「ヨルハ」の世界をより広げ、ゲーム向けにブラッシュアップさせたものが『NieR Automata』として形になった、という流れである。 前作及び『DOD』シリーズに出演していたピーター氏は本作には出演していない。 Steamにおけるリリース当初、2Bのスカートの中を10回覗こうとすると獲得できる実績「何をしているのですか?」の取得率が99.9%である時期があった。 実際は表示のバグだったのだが、当時のこの話題の盛り上がりようからも、注目度の高さが実感できるエピソードである。 前作に引き続き、本作も「とあること」を行うエンディングが存在する。 + ネタバレのため格納 「Eエンド」の最後ではスタッフロールの間、作中におけるハッキングと同じタイプのシューティングゲームに挑むこととなり、長丁場を3ライフで耐え切らねばならない。 しかも、中盤から大幅に難易度が上昇し並のプレイヤーではとても乗り切ることのできない程になる。 5回コンティニューすると世界中の他のプレイヤーがいわゆるオプションとなって自機を取り囲み、攻撃の補助をしたり、攻撃を受ければ身代わりになってくれる。 スタッフロール終了後、セーブデータを消去することで、自分も「ネットワーク上、Eエンドのシューティングを挑戦する他のプレイヤー」の助けになるかの質問を受け、ここで「はい」を選び続けると、全てのセーブデータ(他のスロットも)が消去される。 だが前作と違って、Eエンド自体はデータ消去しなくても到達でき、達成記録も残る。また、消去しても追加セリフ少々(*7)とタイトル画面が変化する程度で、トロフィー取得にも影響しない。 さらに、事前にセーブデータをPS Plusや、自前のUSB装置などにコピーすれば、簡単にデータ復旧をできる。 ちなみにストーリー的に言うと、上記の方法はヨルハ機体の再起動方法の原理と一致している。 本作の発売前のトレーラーには本編には登場していないセリフがある。このトレーラーはゲーム内にも収録されている。 そのセリフがアダムの「機械生命体とアンドロイドは同類と言えるな!」というもの。何故登場しないのかは現在でも不明。 なお、設定資料集内のストーリーガイド及び後述するノベル版ではアダムはこのセリフを喋っている。この後に続くセリフが2周目以降に明かされる真相のネタバレとも取れるため、没になったのではないかと思われる。 ファミ通.comで2019年4月3日~4月8日の期間に「平成に登場したゲームの中から“最高の1本”を読者に選んでもらうアンケート」が実施され、本作が3位の座を獲得した。 ちなみに、2位は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で、1位は『クロノ・トリガー』である。 ヨコオは海外から『スマブラSP』に2Bの参戦要望が多く届いたが、後述するSwitchの移植に乗り遅れたことで参戦の実現ができず後悔したという。 本作の2Bは様々な作品にゲスト出演しており、その中の『ソウルキャリバーVI』において、2Pカラーで黒髪褐色肌に白いコスチューム(*8)の2Bが登場する。 この2Pカラーは後に「2P」とヨコオ直々に命名され、『FFXIV』のコラボ以降は「ヨルハ二号P型」として公式に独自設定が付け加えれている。詳細はこちらを参照。 その後の展開 2017年5月2日にDLC「3C3C1D119440927」が配信開始。本編では入れなかった謎の扉の先で、3種のコロシアムに挑むことができる。 いかにも『NieR』らしい小話や追加エンディングが楽しめるほか、クリア特典として、前作キャラのコスチュームなどの報酬も獲得できる。 一部のバトルでは「その時点では存在しないはずのあの敵」も出現するなどの驚きもある。 また、おまけ要素として、このゲームに関連するとある人物とのバトルも追加される。 この人物の選出理由は「DLC宣伝生放送のための一発ネタが欲しかったが、もう予算が残っていなくて困っていたところ、『FFXV』開発チームからその人物のモデルデータを丸々貰えたため」とのこと。 2019年2月21日(*9)にはこのDLCとポッドスキン、アクセサリー(*10)などが同梱された完全版『NieR Automata Game of the YoRHa Edition』が発売されている。 2017年8月には本編のノベル版『長イ話』が、同年10月には短編集『短イ話』が発売された。著者は両作とも映島巡氏。 前者は本編では明かされなかった主要人物の心情がクローズアップされており、後者は本作の過去話や前作の人物にスポットを当てた話が収録されている。これらを一読してから本編をプレイすると新たな発見や違う感想を抱けたりと評価が高い。 前作に引き続き本作もスクエニ主催でコンサートイベント『人形達ノ記憶』が2017年に東京・大阪の2会場で行われた。 特筆すべきはライブと共に行われた本作声優陣による朗読劇企画で、本編では語られなかったキャラの重要な過去や心情、裏設定、さらには真エンドと言っても過言ではないEエンドのその後の話など、全5公演で全て内容の違うものが語られるというファンにはたまらないイベントとなった。 この公演が収録されたBDはオリコン週間BD総合ランキングで一位を獲得。ゲーム音楽のコンサートというニッチなジャンルが一位を取得したのはオリコン初の快挙であり、小規模イベントとは思えないセールスを記録し関係者をも驚かせる結果となった。 2018年2月にはPS Plus会員向けにPS4用アプリとして配信開始された。こちらは4月6日までDL可能。 2018年の1月から2月に掛け、本作のスピンオフである完全新作舞台『少年ヨルハ』と、上記の『舞台ヨルハ』をさらにゲーム内容とリンクしリファインした『音楽劇ヨルハ』が公演された。 共に本作の前日談にあたり、『少年ヨルハ』はとある男性機体チームに起きた悲劇を男性キャストのみで、『音楽劇ヨルハ』は本作のある人物の壮絶な過去を女性キャストのみで演じているのが特徴。 なお『音楽劇ヨルハ』の主人公を演じたのは本作の主人公である2Bの声を担当した石川由依氏である。 2022年2月に本作の発売5周年を記念したテレビアニメ化が発表された。 2023年1月に『NieR Automata Ver1.1a』のタイトルで放映開始。Cパートではマルチエンディング紹介タスクと称して『にんぎょうげき にーあ おーとまた』が挿入されている。 2022年10月6日にSwitch版『The End of YoRHa Edition』の発売された。他機種版の全DLCに加え、新たにSwitch版限定コスチュームが追加されている。 なお、移植の理由は「海外ユーザーから移植の要望が多かったものの、当初はSwitchに見合うスペックでは無かったのでヨコオがスルーしていたが、それを斎藤に驚かれて移植を決定した」からだという。 2022年11月25日と26日には、発売5周年を記念したファンイベント『NieR Automata FANFESTIVAL12022 壊レタ5年間ノ声』が開催された。 イベント内で披露された朗読劇では、Cルート序盤、商業施設廃墟でのシーンから9Sがレジスタンスキャンプで目覚めるまでのミッシングリンクが描かれた。 2024年2月20日にCygamesのソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』の対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』で、2Bがコラボ参戦を果たした。 開発は『GUILTY GEAR』シリーズでお馴染みアークシステムワークス。なお、ソーシャルゲームの方では一度もコラボしていないので、スピンオフの格ゲー作品が初コラボという異例の状況である。 このコラボ、2D格闘ゲーでありながら本作の2Bを忠実に再現しており、もちろんレオタードと尻も健在で自爆も搭載。レオタードの状態で奥義を使用すると、演出がかなりエロティックになる。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/1109.html
ロックマン エグゼ4 トーナメントレッドサン/トーナメントブルームーン 【ろっくまんえぐぜふぉー とーなめんとれっどさん/とーなめんとぶるーむーん】 ジャンル データアクションRPG 裏を見る 対応機種 ゲームボーイアドバンス メディア 64MbitROMカートリッジ 発売・開発元 カプコン 発売日 2003年12月12日ダブルパック 2004年8月6日 定価 各5,040円ダブルパック 6,279円(共に税5%込) プレイ人数 1~2人 レーティング CERO 全年齢対象 セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ) 配信 バーチャルコンソール【Wii U】2015年3月25日/702円(税8%込) 判定 なし ポイント ソウルユニゾンが対戦の戦略性を大きく深めた計3回の周回前提の仕様に非難が集中周回前提の癖に面倒なお使いやダンジョン多めダークチップなどクセの強いシステムが多い ロックマンシリーズリンク ロックマンエグゼシリーズ ストーリー 概要 変化・追加点 評価点 賛否両論点 問題点 バグ・不具合 総評 注意点 余談 移植 ストーリー WWW(ワールドスリー)との戦いから5ヶ月… WWW本拠地から無事生還した熱斗とロックマンもついに6年生。 あわただしいながらも平和な日常を送っていた。 そんなある日曜日。 熱斗は、パパと一緒に久しぶりの買い物。 朝食をすませ、パパと一緒にデンサンタウンに新しくできた電気屋さんに行くと、偶然買い物に来ていたメイルややいとに出会う。 2人は店頭に置かれたステレオを見ていた。 「熱斗、今このステレオの電脳に、ロールとグライドがいるんだ。熱斗もプラグインしてみたら?」 メイルにすすめられて、ロックマンを電脳に送り込むと、その中には 鋭い眼光とあやしい雰囲気を持つ謎のナビ、シェードマンがいた。 「ククク、そろそろ食事の時間だ…。」 鋭い眼光をギラつかせてつぶやくシェードマン… この出会いが、これから起こる壮絶な戦いの始まりだったのだ… 公式サイトより転載 概要 ロックマン エグゼシリーズの第4作目。『レッドサン』と『ブルームーン』の両バージョンが同時発売された。 今作ではシナリオの間にいくつかのバトルトーナメントが開催され、様々な相手と対戦することになる。また、対戦の前には対戦相手に応じたショートシナリオが挟まれる。 今作以降タイトルの頭に「バトルネットワーク」が付かなくなった。 今作に対応する周辺機器として「バトルチップゲート」「改造カード」(後述)が発売された。 変化・追加点 スタイルチェンジに代わって登場した 新たな変身「ソウルユニゾンシステム」 トーナメントで特定のナビと戦うとロックマンとそのナビのソウルが共鳴し、戦闘中に「ソウルユニゾン」する事ができるようになる。 戦闘中にソウルに応じた属性のチップ(今作からはチップごとに「ソード系」「置物系」「炎系」などの属性が指定されている)を1枚いけにえにして変身。ソウルユニゾンするとロックマンの姿がそのナビを模したものとなり、3ターンの間、チャージショットや基礎性能など様々な面が変化する。 ソウルを共鳴できるナビはバージョンごとに分かれているため、バージョンによってできるソウルユニゾンも以下のように異なる。括弧内は初登場作品/対応チップ。 『レッドサン』 ガッツマン(1/地形) ファイアマン(1/炎) ロール(1/回復) ウインドマン(初登場/風) サーチマン(初登場/インビジブル) サンダーマン(2/雷属性) 『ブルームーン』 アクアマン(初登場/水) ナンバーマン(1/数字) メタルマン(3/ブレイク) ウッドマン(1/木) ブルース(1/ソード) ジャンクマン(初登場/置物) チップの溜め撃ち ソウルユニゾンなど一部の変身中限定で、対応する属性の非暗転チップをAボタン長押しでチャージできるようになった。溜め撃ち時の挙動は、変身によって「チップの威力を2倍にする」か「チップの威力を参照した固有攻撃に置き換わる」のどちらかになる。 ココロウィンドウの導入。 ロックマンの感情を示す物。戦闘中にHPの下に表示され、バトルにも大きく関わる。 普段は「通常」状態だが、ダメージを受け続けると「不安」になってソウルユニゾンができなくなる、強烈なダメージを受けると「怒り」で次のチップの攻撃力が2倍になる、と変わっていく。 また、ソウルユニゾン中はロックマンの顔もその通りに変化し、残りの変身維持ターンも表示される。 設定としては過去のシリーズにもあった「フルシンクロ」も状態として登場。敵の攻撃に合わせてカウンターをすることでフルシンクロ状態となり、次に使うチップの威力が2倍に。 フルシンクロ中はカウンターヒットできるタイミングで相手が赤く光るため、連続フルシンクロも狙える。 ただし、ソウルユニゾン中はフルシンクロ状態になれない。また、前作と違ってバグのかけら入手にも関わらない。 闇の力「ダークチップ」の登場。 バトル以外にシナリオにも絡む重要なアイテム。 通常のチップを遥かに凌駕する性能を誇るが、その分使う度に使用者の「ココロ」が闇に蝕まれ、最後には「ハメツ」が待つという、言ってしまえば麻薬のような代物である。 作中のキャラクターは絶対に使うなと言ってくるので言われた通りにするユーザーが大半、と思いきやタチの悪い事に ダークチップを使わないと絶対に勝てないイベント戦が存在するため、ユーザーはその強さを必ず認識してしまう。 そこまでのバトルで異様なほど苦戦した敵ナビですらアッサリ倒せてしまうという快感を知ってしまえば、ターゲット層である小学生であれば悪の道に走ってしまいたくなるのは道理であろう。製作陣もその辺りを苦悩してもらいたかったと思われる。 ゲーム中盤以降、戦闘中にココロウィンドウが「不安」状態になると勝手にチップフォルダに出現する。 この時ロックマンの「ココロのヤミ」を付け狙うかのように、画面が暗くなると共におぞましい効果音が鳴り響く演出が入る。 当時のCMでは 「ダークチップヲ ツカイナサイ…」「ツヨクナリタインダロウ? ツカイナサイ…」 と男性の独特かつ不気味な声でこのシステムを強調していた。 使用するとココロウィンドウが「悪」状態になる他、使用したダークチップ毎に応じたバグが発生する。その上、 戦闘終了後に最大HPが1減少してしまう。 失った最大HPはHPメモリやナビカスを駆使しても二度と元に戻らない。 永続的にステータスが低下しゲーム内で元に戻す手段が存在しない、という仕様は他のRPG等を見渡してもあまり類を見ない、かなり独特なもの。 使用すると戦闘終了後にロックマンの色が暗くなり、その後もダークチップを使い続けると完全に真っ黒になる「闇のロックマン」に。この状態だと戦闘開始時から「悪」状態になる。 性能も変化。ソウルユニゾンとフルシンクロができなくなる、悪限定チップが使えるなど。また、1度だけ、HPが0になる攻撃を受けるとHPを1残して「ダークソウルユニゾン」状態になる。いわゆる暴走状態で、一定時間操作を受け付けなくなるが無敵状態になってプレイヤーがよく使うチップを自動的に使用するようになる。 悪のロックマンはダークチップを使わずに戦闘を続けても元のロックマンに更生できず、ナビカスパーツ「ソウルクリーナー」を装備する必要がある。一方、通常からダークチップを使わずに、ナビチップやソウルユニゾンを駆使して戦い続けると、光るように色が明るくなる「善のロックマン」になる。フルシンクロやココロウィンドウにも影響を与えるように。 ソウルクリーナーは5+5の巨大な十字型で、装備すると他のプログラムは一切組み込めなくなるため、悪状態を脱するまで一種の縛りプレイを強いられることになる。悪の道に走った罰というメッセージも込められているのだろう。 トーナメントにより進行していくシナリオ。 基本的に一本道なシナリオが展開される本シリーズだったが、本作では3回のトーナメントを基軸としたシナリオになっており、対戦相手によってそれぞれ話の内容が異なる。 対戦相手はまったくのランダムというわけではなく、「ノーマルナビ・ヒールナビなどの汎用ナビ」「固有の外見と名前を持つナビ」「ソウルユニゾンができるバージョン限定ナビ」とそれぞれ1回ずつ戦うこととなっている。 対戦相手ごとのストーリーはあまり長くはないものの、あまり出番のなかった過去作キャラにスポットが当てられていたり、固有のミニゲームや強いキャラ付けによる独自の味がある。 他、バトルに関しての変更点。 暗転チップのカットインシステム。暗転チップとは、使用すると数秒だけ時間が止まるとともに画面の暗くなる演出が発生するもの。これまでは演出でしかなかったが、今作から相手の暗転チップに合わせて自分も使用すると、割り込んで先に使えるようになった。 「バリア」や「インビジブル」も暗転チップになったため、通信対戦では相手のナビチップの使用を見計らって無敵状態の「インビジブル」を使うなど、より戦略的なバトルが可能になった。 相手エリアの最後尾を「エリアスチール」などで奪えなくなった。 ソウルユニゾンの登場に伴い、不要なチップを捨ててその分選べるチップを増やす「ADD」コマンドが廃止された。 ナビチップのランク付けの変化。 これまでのV1~V3のように数字ではなく、「通常」「SP」「DS」の3種類に分けられるようになった。 SPは善のロックマンしか使用できない。インターネット上に徘徊するSPナビのデリートタイムによって威力が変化する。 対して悪のロックマン限定の「DS」はフィールド上に「ダークホール」があると威力が上昇。ダークホールは特定のチップを使用することで生じる。 戦闘中、敵エリア内に「ミステリーデータ」が登場するようになった。壊さないようにして勝利すればリザルト画面で追加のアイテムが得られるが、敵・味方問わず一発でも攻撃が当たると消滅してしまう。 特定の商品を用いた機能やシリーズ外のソフトとの通信要素の登場 「改造カード」によるロックマン強化。 別売の「カードe+(本シリーズでは改造カードと呼ぶ)」と「カードeリーダー+」を用いることで、ナビカスとは別に更にロックマンを強化する事ができる。 単なるステータス強化をするものもあれば、バスターの性能を根本から変化させるものも存在。さらに戦術が豊かに。 これを使用した状態でインターネットの最深部に行くと、本来そこでエンカウントするナビが「最凶のナビ」になる要素も。 VC版では改造カードの要素はないものの、コマンド入力によりそのナビと戦えるようにはなっている。 オペレーションバトルの追加。別売の「バトルチップゲート」を使うとプレイ可能。 オペレーションバトルでは通常のバトルとは異なり、ロックマンを直接操作せずにプレイヤーはオペレーティングに専念する事になる。また、ロックマン以外のナビも操作可能に。 別売の「バトルチップ」をバトルチップゲートに差し込むことでロックマンはそのチップを使用するなど、アニメ版のようなリアリティあるプレイが可能になる。 特典としてそれぞれのバージョンに対応したバトルチップ(*1)が1枚付属する特別版も販売されていた。 後にこのバトルに特化した『ロックマン エグゼ4.5 リアルオペレーション』が発売された。 PETのデザインが変更。よりコンパクトになった他、無線通信が可能なモデルとなった。 前作同様、PETは玩具としても発売された。オペレーションバトルで使うバトルチップに対応している。 『ボクらの太陽』とのクロスオーバー。 『ボクらの太陽』に関わるストーリーがある他、ジャンゴとオテンコサマがゲスト出演。また、太陽銃ことガンデルソル(*2)がバトルチップとして登場している。 逆に『ボクらの太陽』シリーズにもロックマンがゲスト出演している。 このクロスオーバーは新シリーズの『流星のロックマン ペガサス/レオ/ドラゴン』まで続いた。 『ロックマン ゼロ3』との通信機能。 通信するとエグゼ側では「Zセイバー」のチップを入手し、ゼロ側ではサイバー空間に登場する敵がエグゼシリーズに登場するウイルスになる。 評価点 バトルシステムの大幅な見直し。 『1』『2』の対戦バランスはかなり悪く、『3』では大幅に改善されたがそれでも細かい問題が存在していた。本作は「ソウルユニゾン」や「カウンターによるフルシンクロ」「ダークチップと善悪の別」「カットインシステム」、そして「改造カードによる更なる強化」など多数のテコ入れによりバトルの戦術と駆け引きが大幅に増した。 『レッドサン』と『ブルームーン』で変身できるソウルは全く異なり、基本的に『レッドサン』のソウルはテクニカル系寄りで『ブルームーン』のソウルはパワー系が多い(*3)。このため、 今作のバトルは購入前のバージョン選びの段階から既に始まっていると言える。 特に「カットインシステム」のおかげで相手の手を読む熱い駆け引きができるように。「今作から通信対戦が一気に楽しくなった」という声は多い。 次回作の『5』でもこれらの要素はすべて引き継がれ、のちのシリーズの礎を作った。 マップグラフィックの大幅な変化 『1』~『3』は暗めの配色がされていたが、本作以降は明るい色が多用されている。マップ画面での登場人物の頭身も下がった他、顔アイコンはすべてが新たに描き直されてスッキリとしたものになった。 頭身が下がったのは、そうやってドット数を節約する必要があるほどに容量がカツカツだったからとのこと。 このグラフィックの変化も本作以降に引き継がれている。 移動周りの簡略化。 マップ間の移動ではいちいち切符を買う必要はなくなり、駅に入ったら目的地をすぐに選べるように。 電脳世界も様々な場所に「バナー」や「相互リンク」と題したワープポイントを貼れるようになった。自宅のパソコンから様々な場所に行ける。 シリーズでは初めて「ノーマルナビ(*4)」「ヒールナビ(*5)」として、汎用モブのナビが敵キャラクターとして登場する。 攻撃手段も「キャノン」「ソード」「ミニボム」など、いかにもモブらしい攻撃を行ってくる。 ウイルス等と同じく周回に応じて強化されるが、最上位クラスになると「メガキャノン」「ファイターソード」「グレイテストボム」「オウエンカ」と攻撃手段が大幅に強化されるため、下手なネームドナビより厄介な相手となる。 ヒールナビはこれまでウイルスをけしかけてくるだけだったイベントでも、直接本人が襲ってくるという展開が見られるように。 一部のシナリオイベントは非常に評価が高い 特に、序盤の「ポンタくん」イベントは涙腺崩壊イベントとして高く評価された。 シナリオの題材「善と悪」自体は良かった 人によっては「電脳空間が舞台のエグゼに善と悪などのような概念的なテーマはふさわしくない」というプレイヤーもいるが、 主人公たちが行ってきた正義も人によっては悪に見える というのは非常に考えさせられるものがある。 特に、ラストの黒幕が主人公たちに言ったセリフは人によっては思わずドキッとしたのではないだろうか。 賛否両論点 ソウルユニゾンについて 上記の通り、このソウルユニゾンのおかげで戦いの駆け引きや幅が広がったのは事実だが、一方で多少なりともフォルダの構築の自由度が狭まること、レギュラー指定したチップはソウルユニゾンに使用できないという癖があり、過去作のスタイルチェンジや次々回作のクロスシステムに比べると扱いづらいのは否めない。 特にボス戦やクーモス等の手強いウィルスを相手にするとき、上記の癖の強さのせいでソウルユニゾンが発動できず戦局が大きく崩れて死んでしまうことも少なくない。 発動条件以外のシステムの完成度が高いだけに、せめてレギュラーチップも生贄にできていればと思うと非常に勿体無いといえる。 問題点 周回システムの仕様。本作はシリーズでも評価が低めな傾向にあるが、多くはこれが原因。今作ではラスボスを倒すと、再開時に「前回セーブから始める」と「新しい周を始める」から選ぶこととなり、後者を選ぶと新たな周での冒険が始まる。とは言ったものの、本作は3周まで周回することが前提の内容で作られている。 1周目クリアだけではソウルユニゾンは 3種類しか手に入らない 。2周目でさらに2つ、3周目でやっと最後の1つが手に入るため、3周が必須となっている。しかし、最初にガッツソウル(レッドサン)/アクアソウル(ブルームーン)が固定なのを除き、どの周でどのソウルが手に入るかはランダム。よって、サーチソウルやブルースソウルと言った強力なソウルを3周目までお預けにされてしまう事もあり、ゲームの難易度にも決して小さくはない影響を及ぼす。ソウルユニゾンのコンプリートは対戦面にも関わる他、隠しシナリオに進む条件の一つでもある。そもそも売りである要素が3周しないとコンプリートできない時点で明らかにおかしい。 バトルチップやナビカス、サブメモリ・HPメモリなどの強化要素もコンプリートのためには最短で3周することが求められている。次周に進む際、取り忘れた固定ミステリーデータの中身は変化せずにそのまま次周に引き継がれるため、取り忘れがあるとコンプリートに4周目以降が必要になる場合が生じる。(とはいえこの仕様のおかげで取り返しがつかない事態に陥る事はないとも言える) 新しい周で起きることは「冒頭のチュートリアル3連戦での各種解説がカット」「ミステリーデータの中身が変化」「トーナメントの対戦相手がシャッフル」「出現ウイルスのパワーアップ(メットールは2周目だとメットール2に、3周目以降はメットール3になるなど)」だけ。トーナメントの対戦相手イベント以外、ゲーム内容やストーリーの大本は一切変わらない同じゲームをプレイすることになる。 ウイルスは周回性に伴い、EXという強化型が登場。2周目だと「メットール2」とその強化版の「メットール2EX」が出てくると言った具合。しかし、落とすチップは通常もEXも同じ。1周目では強いチップを入手できないし、敵ばかりパワーアップしている感がある。(*6) 攻撃力の強化も著しく、2周目の序盤で出てくる「メットール2」や「ゲイラス」が80ダメージ、「ガルーバー」が90ダメージ、比較的低めの「ビリーズー」「ラウンダラウ」ですら60ダメージと軽く被弾するだけで命取り。 最強形態「○○3EX」となるとウイルスのHPは300前後がザラになり、攻撃は一撃で200ダメージも。シリーズで最高クラスのバリア「ドリームオーラ」すら役に立たなくなる(これ自体、3周目でないと入手できないが)。前作でこの威力を持つのはイベント出現する形態のみのため、通常エンカウントすらちょっとしたボス戦の強さに相当と言える。「クモゲイツEX」「サーキランドEX」「ボムレイバーEX」「ダーダラEX」等は多くのプレイヤーを苦しめた。 このほか、周を重ねるにつれてミニゲームで失敗するたびに受けるダメージも増加し、必然的にそれらの難易度も上がっていく。 2番目のトーナメント会場となる「シェロ・カスティロ」で起こる固定イベントは、どれもテンポが悪く周回制にそぐわない。 「ぬいぐるみロボの電脳」は遊園地で暴走したロボットを止めるために、電脳世界をイカダで移動しながら物語を完成させるというもの。ストーリーの長さこそそれなりだが、イカダ移動も物語の朗読もスキップできない上、合計4つの似たような電脳を攻略しなければならない。これが周回制なので毎回発生するのが最大のストレス要素。もちろん物語が変わるわけでもない。 トーナメントの予選としてバトラーズポイントを集めるというものもあるが、色々な場所を調べたり人物に話したりを繰り返してちまちまと50ポイントも集めなければならない(*7)。攻略サイト等を見ながらでも面倒臭く、周回制でやらされるには不適当として不評。 細い道を通るのに必要な「Cスライダー」やセキュリティ扉の解除に必要な「ネビュラコード」は入手までに手間もゼニーも掛かるが、次周に引き継げない。 トーナメント性のシナリオゆえの弊害。 本作のストーリーは「善と悪」「ダークチップ」を中心にしているが、本編でそこに深く切り込んでいるのは計3話分の固定シナリオとブルームーン限定のブルースイベントくらい。本筋のトーナメントがそれらにあまり関わらないこともあり、単発のストーリーとしてはやや薄味な仕上がりになっている。 対戦相手ごとのイベントは短いとはいえ、おつかいに終始するものが多い。フォルダが弱いサブフォルダに固定されるスパークマン、電脳世界で操作が正反対になってしまうビデオマンなど、わずらわしいイベントも多い。また、全国大会編では2バージョン計8人いる対戦相手のうち半数が「オブジェクトに対処しながらパークエリアの最深部まで向かう」ものだったりする。(*8) 両バージョンで共通して登場する対戦相手のナビ及びそのオペレーターは、ソウルが共鳴しないというシステムの都合上か、勝つために卑怯な手段を用いたり迷惑行為で周囲を困らせたりと、人格面に難のあるキャラが多い。かといって歴代のボスキャラ達のような極悪人というほどでもない(*9)ため撃破してもいまいちすっきりしないうえ、善と悪の対立という本作のシナリオにも余り合っていない。 隠しシナリオのボリュームが前作までと比べて格段に下がっている。 ソウルコンプリート後(要3周)に入れるようになるウラインターネットのエリアが1つ。そこではシリーズ恒例のフォルテ戦や、隠しチップ獲得に関連したイベントが起こる。 それらを完了させると隠しエリアに入れるようになるが、こちらはなんと2エリアで終わってしまう。出てくるボスもこれまでに登場したボスの強化形態だけで、新たな裏ボスは居ないためなんとも味気ない。 過去作のシナリオと照らし合わせると今作のシナリオに矛盾がある。 例えば、3で引っ越していったデカオが何の説明もなく秋原町に戻っていたり、同じく3で逮捕されたヒノケンが何食わぬ顔でシャバに出ているどころか、公式の大会で顔出ししていたりする。 意図的な仕様だが、シナリオにおける悪のロックマンが不遇。 前述の通り、 ダークチップを使うと戦闘終了後に最大HPが-1され、二度と戻らない。 隠しシナリオをクリアすると善のロックマンへの更生を早めるナビカスパーツが貰えるのだが、 失ったHPは取り戻させてくれない。 さらにHPは周回で引き継がれる要素なので、永遠にHPが失われることとなる。 シナリオの都合上、ラスボス戦ではダークチップを使用できず、悪だと非常に難易度が高くなる。ダークチップ連発で簡単に倒せても困るだろうが…… 戦闘でダークチップを使わないとロックマンが善に傾いていくため、悪状態を維持すると最終的に最大HPが1になってしまう。 攻略本で極端な悪状態だと善には向かわない、と書かれてはいるがゲーム中では悪と極端な悪を見分ける方法はない。極端な悪になる参考回数が書かれてもいるが、戦闘回数を数えている人はまずいないだろう。 もっとも、主人公たちは悪を倒すべき立場にあり、それが前提でストーリーが進行する。ダークチップを使わないように忠告されるし、デメリットも存在するなど、シナリオを通して善の立場でのプレイに誘導することで、シナリオとの矛盾を起こしにくくさせている。 一方、通信対戦では悪のロックマンが調整不足により大暴れ。 「ダークソウルユニゾン」中はよく使うチップやプログラムアドバンスをランダムで使用するため、あらかじめ強力なものを大量に使い込ませておくと 無制限に強力な攻撃を使いまくる凶悪戦闘兵器と化す。 このため、やり込みプレイヤー同士の対戦では善の方が不利になる。悪限定のチップの方が善限定のチップよりも軒並み強いことも拍車をかけている。 せっかく通信対戦の駆け引きが増したのに、ダークソウルユニゾンのせいでバランスが崩れてしまった。 ラスボス「デューオ」がシリーズ屈指の強さ。 本作は周回制の採用やゲームバランス調整でチップの威力が低く設定されており、HP2000を削り取るには中々骨が折れる。悪ならダークチップが使えないので尚更。その上、移動直後の一瞬及び攻撃中のコアが赤い時にしかダメージが通らない。ブレイク性能や対インビジ性能を持つチップも例外ではない。適切なタイミングで攻撃できないと無駄打ちで余計にジリ貧になったり、自分が大ダメージを負ってしまいやすい。 デューオは敵エリア後方の縦3マス×横2マス間に存在するが、そのスペースは穴となっているため、「エアホッケー」など強力なチップが性能を発揮できない。元から穴になっている仕様を突いて「カンケツセン」を採用する選択肢はある。 攻撃もかなり凶悪で、広い範囲を対象とし回避の難しいジャイアントフックや、インビシ状態でも被弾するデストロイレーザーが強烈。おかげでダメージを与えられるタイミングは余計に限られてくる。 こんな調子なのに周を重ねるごとにパワーアップまでしていく。3周目のV3ともなるとHP3,000に至る他、すべての証を手に入れると戦えるSPに至っては3,500にまでなる。 そしてそのとんでもない性能のラスボスが 1周目から容赦なく襲い掛かってくる。 こちらは従来作における中盤程度の戦力の上に、フルシンクロによる火力アップもできないため苦戦が必至。(*10) 前座として「ロックマンDS」戦との連戦を、セーブなし且つフォルダ変更なしで強いられる。 性質の大きく違うボスと連戦となるため、一方に効果的だがもう片方には死にチップとなりやすいチップに悩まされる。前述の「カンケツセン」が分かりやすい例であり、ロックマンDS戦では穴がないため、どうにか作らなければカンケツセンは死にチップに。しかし穴を作る手段をチップに任せるとデューオ戦でそれが死ぬ……というジレンマに陥る。特に1周目で顕著。 そのロックマンDSもこちらとHPやナビカスを共有している上に、こちらの使用チップを学習して使ってくるため回避がしにくく、強敵ではないが面倒な相手(*11)。デューオ戦の際には全回復できるのだが、何度も挑戦する際には煩わしい。 バグのかけらの集めにくさ。 『3』では隠しシナリオ攻略に必須なので、特定のナビをひたすらカウンターで倒しまくる必要があったのだが、本作では攻略に一切絡まなくなった。 その代わり ミステリーデータからでしか入手できなくなったため、集めるのが非常に面倒になった。 バグのかけらとの交換でしか手に入らないバトルチップやナビカスパーツは多いので尚更面倒。 この問題は『5』『6』にも同じように引き継がれた。 PET画面が『3』から流用されており、チップ編成時やライブラリで画像データの外側が不自然に空いている。 関連商品「改造カード」「バトルチップゲート」のみのパワーアップが多く見られる。 この傾向は今後のエグゼシリーズ、ひいては『流星のロックマン』にも継がれる問題点となる。 シナリオをクリアしても、現実世界のBGMが平常時のものに戻らず、緊迫時のものに固定されたたままとなる。 前作まではクリアすればBGMが平常時のものに戻り、その場所によって変化するBGMを楽しめただけに残念極まりない。 或いは、緊迫時BGMのままが嫌ならさっさと新しい周に行け、という事なのだろうか? 恐怖のSPナビ ストーリーで倒したボスは特定の場所に行くとパワーアップしたV2ナビ(二周目以降はV3)と戦闘となる。それを倒すとさらにSPナビにパワーアップしたボスがそのエリアを徘徊し、ランダムエンカウントするようになる。ここまでなら前作までのV3ナビと同じなのだが、問題は体力が一番少ないナビですら HP1500以上 ある上に、どのナビも攻撃力がデフォルトで 200は下らない ほど強化されていること。ただでさえロックマンのHPを最大まで強化し、チップの火力を整えた状態ですら油断すると瞬殺されるほどの強敵なのに、条件を満たせばパワーアップもチップの火力を整えるのもままならない一周目で平然とやってくるのだからたまったものではない。せめてロックマンの強化が整う三周目に入ってから出現するようにしてほしかったところである。 倒すだけでもかなり難しいのだが、SPナビチップの入手・強化も考えるとさらに難易度が跳ね上がる。SPナビチップは、対応するSPナビをバスティングレベルS( 被弾無しで30秒以内 )で撃破が条件。これだけでも十分大変なのだが、SPナビチップの攻撃力はデリートタイムで変動する仕様になっている。そして最大火力にするためには 10秒以内 で該当SPナビを撃破しなくてはならない。前作の3も、強いナビチップを手に入れる条件は難しかったが、こちらの場合は今作ほど条件が理不尽ではなかったし、ボスナビのスペックもさほど極端ではなかった。さらにチップの火力が全体的に高めであったため今作ほど問題視されていなかった。 結果として、うっかり戦力が整わない一周目でV2ナビを倒してしまったことで、SPナビと鉢合わせにならないように祈りながらマップを探索する羽目になったプレイヤーが後を絶たなかった。この仕様は次回作の5まで続いたが、さすがにスタッフもやり過ぎと感じたのか、6ではSPナビのスペックは3のV3ナビと同じくらいにまで弱体化した。 一部の徘徊ナビについて 徘徊ナビは特定のエリアで低確率でエンカウントするのだが、その確率を上げる方法はロックマンのHPを高めてシノビダッシュを使うことが主になる。しかし、徘徊ナビの中にはシノビダッシュの効果が発揮できないエリアにいる。当然、一度会うだけでも一苦労。 一応、シノビダッシュ以外で徘徊ナビのエンカウント率を上げる方法はあるがシノビダッシュほど効率がいいわけではないのでやはり面倒なのに変わりはない。 しかも、ブルームーンの徘徊ナビはレッドサンより上記に該当するナビが多い始末である。 前作までのV2に該当する、無印-SP(DS)の中間の強さを持つナビチップが手に入らなくなった。同系統ナビチップの絶対数が減るのは勿論、この1枚の差が「該当ナビチップを引き当てられるか」に大きく影響する。これにより、フォルダに同系統のナビチップをできる限り入れてナビチップを引きやすくするという戦術が使いづらくなってしまった。 バグ・不具合 セーブデータが消失しやすい。 中でも初期版であるカートリッジが赤および青の物はそれが顕著である(*12)。周回制のわずらわしさと合わせて本作の評価を下げる大きな要因となっている。 確固たるソースは無いものの、チート対策の暴発(チェックサム異常)や接触不良が起きやすいことが原因と言われている。 このデータ消失は『ロックマン ゼロ3』との連動にも大きな影響を与えている。『ゼロ3』側から『エグゼ4』にチップ「Zセイバー」を送ってもらう事ができるのだが、『ゼロ3』側からはチップ送信フラグを覚えているのか 一度しか送る事ができない。 (『ゼロ3』のセーブデータを通常の方法で消しても復活しない) バーチャルコンソール版であれば消失の心配はないため、今からプレイする際はそちらを推奨。 バグがそこそこ多い。 ウインドマンシナリオで通常であれば居なくなるNPCに話し掛けるとフリーズ、クラッシャーイベントの悪ナビに話しかけるとフリーズなど、一切操作できなくなるバグが特に多い。念のため調べておくことをお勧めする。 シェードマンSPをダークチップで倒すとリザルト画面で本来存在しない「シェードマンDS S」(通常のチップコードはX)が表示され、何も手に入らないというバグも確認されている。 相手がステルスマインを踏んだ瞬間に暗転させるか、カスタム画面に入ると敵を瞬殺出来るバグがある。リペアーを使うと設置場所にエフェクトが表示されるためボスをその箇所に誘導すると簡単に発動できる。これを使えばナビSPやフォルテでさえも10秒足らずで瞬殺できてしまう。当然、ゲームバランスは崩壊するので使用は自己責任。 バグとは少し異なるが、後述の注意点にも目を通しておく事をお奨めしておきたい。 総評 GBAの「期待外れだったゲーム」という項目になるとよく名前が載る作品である。 これは前作『3』が傑作で期待されていたこと、アニメや漫画などのメディアミックスが盛んだったこと、雑誌やポスターなどで宣伝されていたことなどに起因する。 周回制を採用したことによるさまざまな弊害がプレイヤーのやる気を削いでしまう結果となった。 また、周辺機器と連動しないと出来ない遊びなど商法においても問題点が散見される。 しかし、新しいバトルシステムは好評な物が多く、それらは次作でも多く引き継がれた。 ソウルユニゾンやココロウィンドウは通信対戦の駆け引きを深め、今後のシリーズにてさらに対戦バランスの完成度を高める一躍を担った。 総じて、良くも悪くもロックマン エグゼのターニングポイントとなった作品である。 WiiUバーチャルコンソールが終了してしまったのでフォルテXXと一戦交えるのは絶望的だが、戦いたいのなら素直にレトロフリークかアドバンスドコレクションでプレイしよう。 注意点 ニンテンドーDSでプレイすると正常に動作しない 本作をDSでプレイするとウッドマンのイベントにおいて戦闘終了後などに音楽が流れたまま画面がブラックアウトしてフリーズし、シナリオが一時進行不可になる。 気長に待っていればそのうち正常に進行するが、クリアまでにはかなりの時間を要する。 DSはアドバンスより高い電圧が流れたり、一部のソフトに対応していないため起こる不良とも考えられる。 また、DSでプレイしている際に、ガッツマンなど一部のナビチップの暗転中の動作が重くなる。フリーズと言った支障は確認されておらず、暗転中なので回避されてしまうなどの影響も無いのが救いではある。 国内でDS本体が発売されたのは2004年12月2日。『ダブルパック』発売日より後のため、仕方がない部分もある。 余談 本作の作曲を担当した堀山俊彦氏は、後に同社の『逆転裁判4』における作曲も担当することになる。 特徴の項目でも触れたが、発売当時のCMは相当印象に残るものとなっており話題を呼んだ。 独特且つ不気味な声でダークチップの使用を勧める男性の他に、「ダメー!」「ツカワナイデー!」とダークチップを使わない事を懇願する女性の声も流れる。 エグゼシリーズが完結した現在でも、ファンによってこのCMがネタにされる事がある。男性の台詞で検索すれば割と簡単に動画が見つかるので、未見の方も1回は目を通してみて欲しい。 別Verとしてダークチップを使わないでという女性の声から始まるCMもある。こちらでの男性は ラスボスの格好に扮して ツカエ!と言った後に高笑いするだけと不気味さをより演出している。 発売から18年を経た2022年初頭に「Zセイバー」のロットナンバーが掘り起こされるという異例の発見がなされた。 どうやら救済措置として仕込んでいたようで、やはりロックマン ゼロ3側から一度しか送れないというのは問題があると考えていたのであろう。 移植 Wii Uバーチャルコンソールで『レッドサン』『ブルームーン』の両方が配信されていた。 通信機能を使用できないが、メニュー内の「つうしん」を選択することで、通信機能を使用して入手できるチップを入手できる。 タイトル画面で「十字ボタン左、Lボタン、スタートボタン」を同時に入力することで、本来は改造カードを使用した時のみ戦えた「最凶のナビ」と戦えるようになる。 『4 トーナメントレッドサン/ブルームーン』『5 チーム オブ ブルース/チーム オブ カーネル』『6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー』をセットにした『ロックマン エグゼ アドバンスドコレクションVol.2』がSwitch/PS4/Steamで2023年4月14日にダウンロード販売。 『ロックマン エグゼ アドバンスドコレクション』として『Vol.1』とセットになったパッケージ版も同日販売。 Wii Uバーチャルコンソール版と違い、改造カードもいつでも呼び出せるよう機能追加がなされている。 新規実装されているネット通信対戦においても改造カードを適用したロックマンで対戦ができるが、バランス調整のため「オールガード」は禁止されており、使用中は対戦できないようブロック処理が施されている。 当時のデータはそのまま移植されているため、AIまわりのデータ蓄積による不具合はそのままの可能性がある。
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「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 依頼内容は「良作判定における評価点の補強」または「ゲームバランス・ゲームシステムの問題点を加味した記事内容の見直し」です。 バーガーバーガー 【ばーがーばーがー】 ジャンル 経営SLG 対応機種 プレイステーション 発売元 ギャップス 開発元 メディアミューズリズミックス 発売日 1997年11月27日 定価 5,800円 廉価版 PlayStation the Best 1998年11月5日/2,800円サイクロンズベスト 2001年7月26日/2,000円 判定 良作 概要 特徴 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 本作はハンバーガーショップを経営するSLGであり、商品であるハンバーガーを実際にデザインできるのが最大のポイントである。 プレイヤーは12区からなるマップでハンバーガーチェーンを経営し、ライバル店と争いつつ、100店舗の出店を目指す。 ゲームデザインを手がけたのは、モノポリーの世界チャンピオンに輝いたこともある百田郁夫氏。 ちなみに、百田氏はモノポリーをきっかけに糸井重里氏と知り合い、『MOTHER2』の制作にマネジメントとして関わっている。 また、料理監修とキャラクターデザインには料理研究家・イラストレーターのケンタロウ氏が関わっている。そのためか、本作に登場する社員キャラクターには「ケンタロウ」というキャラが存在する。 特徴 ゲームを開始する際に、チェーンの名前やロゴ、店舗のデザインやユニフォームのカラー、最初の社員(社長室長)などを決めることができる。 店舗のデザインは5種類あり、それぞれ独特な雰囲気がある。1種類を除いて、とてもハンバーガーショップには見えない。 残り4種のうち1つはまだファーストフード店で通るレベルなのだが、それ以外はどう見てもおもちゃ屋か丸型宇宙船にしか見えない。 他の社員は、ゲーム中に定期的に行われる社員面接で雇っていく。 ゲーム内に総勢24人と少なめであるが、普通の会社員からすし職人、宇宙人からうさぎなど、とても個性的である。ゲイのおじさん(*1)もいます。 そんな社員ではあるが、それぞれ能力があり、また後述するようにハンバーガーの食材にも影響するため、極めて重要。 クセの強い面子ばかりだが、室長として雇うと一転、打って変わったように室長に相応しい礼節ある態度でプレイヤーを補佐してくれる。だらけっ放しのうさぎや、言語が理解不能な宇宙人でも、室長にすれば頼れるNo.2に大変身。 ゲームの基本画面はマップ画面(斜め上からの俯瞰視点)。グラフィックは全体的にポップ調である。 マップ上では常に時が流れていて、年月が経つと田舎町にも建物が増え、発展していく。 特定の建物は建設日時が決まっており、建設に立ち会うことでイベントが発生する。 マップ画面時のBGMをはじめ、6~9月のロック調のBGMは評価が高い。 ゲームの所々にパロディがあり、例えばライバルチェーン名は『○クド○ルド』『○スバーガー』『○ァーストキッ○ン』などから採られている。ゲーム中の会話文には下ネタも完備。 システム 経営面に関しては、「ノウハウ」というものが存在し、経営黒字の一部を投資することで獲得できる。 ノウハウに投資することで、「社員の能力を上げる」「バーガーの食材・段数を増やす」「食材のコストを減らす」などの効果があり、良いハンバーガーを作るためにはとても重要な物。 ノウハウの中には本社ビル建設やいかにもな事業拡大内容の他、「政治家とのコネクション」という強力だがちょっと待てと言いたくなりそうな物もある。リアルと言えばリアルだが。また、商品を多少値上げしたぐらいでは売り上げに響かないほど凄いコーラという、なんかヤバそうな成分してそうな物もあったり…。 店舗を出店する際は、それ専用に土地があるのだが、ただ出店すればいいというモノではない。 駅の近くなど人気がある場所に出店するのがベストだが、そこには当然ライバルチェーンも出店してくる。同じ地区に出店すれば、お客を奪い合い、売り上げが下がるため、あまり経営赤字が出るようであれば閉店させる必要がある。 逆にそれを利用して、ライバルチェーンを撤退させる事も可能で、ノウハウを利用すれば、ライバル店の買収もできる。もちろん、ライバルチェーンが強大だとこちらが買収される。 ただしこちらが買収できるようにならなければ(コネクション確立)敵店舗は買収してこないのでその点はご安心を。 評価点 アナログな要素である「味」をコンピュータゲームに落とし込んだ事 本作最大の評価点であり、いかにもまずそうなハンバーガーは実際にひどい評価を受ける。余りにひどい代物だと、室長直々に発売停止するように進言してくる。 とにかく食材が豊富。 パティだけでも40g、60g、ポークと3種類あり(*2)、高級食材のフォアグラや松茸、さらにはチンジャオロースや餃子に北京ダックという、今いち使い道に困るモノまである。 売り上げさえ度外視するなら、厚切りのサーロインステーキを4つ重ねた顎が外れそうなハンバーガーや、タバスコを山ほどふりかけた超激辛バーガーなどの珍妙なハンバーガーを作ることも出来る。 食材を挟むバンズだってよりどりみどりで、ライスバンズやベーグルもある。 賛否両論点 自作のハンバーガーを生かすために経営をするのは、それなりに難易度が高い。 難易度はEASYからHARDの3段階あるが、EASYだろうが、テキトーなハンバーガーでテキトーに経営していれば数年ほどで倒産してしまう。 経営状態を良好に維持するためには、良い評価のうまそうなバーガーを作らなければならない。また、経営が良好だとしても調子に乗って社員を雇いすぎると、経費が上がり、すぐに赤字となる。 慣れないうちは、実在のハンバーガーを参考にすると失敗が少ない。 最初のうちは何回か失敗をしても、慣れればEASYモードは楽にクリアすることは可能。 プロデューサーの百田氏も「出だしはライトにしてありますが、しばらくプレイし失敗をしてから、マニュアルや攻略のヒントを探すのがちょうど良い」という旨のことを語っている。 しかし、HARDモードにすると、難易度は相当なものになる。 具体的には、プレイヤーとは比べ物にならないペースでライバルチェーンがどんどん出店し、どんどん買収をしてくる。油断すればあっというまに倒産してしまったり、先にライバルが100店舗達成して、ゲームオーバーになってしまう。 それでも慣れれば自社シェア独占や肉類使用禁止でクリアといったやり込みも可能となっており、中々のバランスに仕上がっている。 新バーガー発売数日後に行われる調査報告にて、「見栄えが良い」「ローカロリー」などグッド評価になる要素は売上影響が小さい。 ハンバーガーの評価は主に食材自体の評価と食材同士の相性で決まる。実際、問題点で後述するキャビアを挟んだだけのバーガーは見栄え最悪であるにもかかわらず超高評価である。ただ、見た目の色を重視すると葉物野菜の緑、トマトやベーコンの赤、チーズや卵の黄で3つ決まってしまうので、見栄えを気にしなくてよいのはハンバーガーを作る幅が広がるという点でメリットになる。 問題点 運が悪いと作りたいハンバーガーが作れない かなりの数の食材が、「特定の社員が社員旅行で見つけてくる」というシステム(*3)であるため。このような食材の中にはフィッシュバーガーに必須のタルタルソースまで含まれている。 評価が低い食材が多い 食材は野菜を中心に非常に多くの種類があるが、大半は普通にハンバーグやチーズを使うよりも評価が下がってしまう。そのため種類は多くても通常プレイで使用する食材はごく一部の無難なものに限られてしまい、その他はおふざけや縛りプレイでなければ使う機会がない。 出店エリアが狭い 出店時に同じ区の同じ地域に自他問わずハンバーガー店が2つ以上あると自店舗の売上高が激減する。地域の区分数は100未満のため、序盤は競合しない地域を狙って出店することができるが、次第に出店できる場所が減っていくため終盤は自店舗の売上を落として近所に新規出店する必要がある。 チート扱いされるほどのスペックを持つ食材としてキャビアが存在する。 とにかくバンズにはさむだけで飛ぶように売れる。 入手するために必要な社員自体も、チート級の性能。最初に選ぶ社員の役職「社長室長」に必要な開発力と、退職のしにくさに影響するガッツの両方が高いという、まさに最初に採用してくれと言わんばかりの人材である。 初心者救済要素と取れなくもない。実際、慣れるとキャビア封印プレイをするプレイヤーは多い。 ちなみに、キャビア以外の世界三大珍味(トリュフ、フォアグラ)も食材として扱えるが、キャビアの様な吸引力はない。あったらあったでさらにゲームバランスが崩れること必至だが ゲーム後半は、店舗出店を繰り返す作業ゲーになりやすい。 ライバルチェーンがほぼ倒産し、シェア独占状態となってしまうため。 なお、ライバルチェーンを全て倒産させた場合、しばらくは独占が続くのだがそのうちライバル店は桁違いの莫大な資金を持って戻ってくる。 建設イベントや社員面接も数が減ってくる。一応、ライバルチェーンから社員の強奪はできるのだが、条件がシビア過ぎる。 「社員はライバル店舗と共有」という仕様から、食材コンプは極めて困難。 不可能でこそないが、かなり特殊な手法とシビアなイベント吟味と多大な運を要求されるため、通常プレイをしていて偶然食材が全て揃うなどということは絶対に無い。 メニューをこまめに刷新しないと売り上げが落ちてくる。リアルではあるのだが、これも作業感が強い。 サイドメニューが自作できない。 仕方ない部分ではあるが、これも作りたかったというプレイヤーは多い。 破産の際のBGMが暗く、なおかつSEが無駄に爆音。 自転車操業状態だとスキップ中に支出が収入を上回り破産する可能性があるため心臓に悪い。ライバルに関しても撤退ラッシュで虫の息になったら音量ダウン推奨。 経営SLGとしてゲームバランスや根底のシステムが崩壊している部分がある。簡単に言うと「客の数はほぼ一定で、(購入ボーダー価格内なら)メニューの何れかの商品を必ず買う」ことから、突き詰めると「客の購入ボーダー価格ぎりぎりまで商品の価格を上げ、ハンバーガー単品・セットを各1種類だけ販売(単品は超過価格で可)」するのが良いことになってしまう。 + 詳細 本作において1店舗に1か月辺りに来る客の数はなんとほぼ固定。 出店した地区にもよるが概ね3300人で、そこから最大でプラス300人程度の数で推移することが多い。 3000人程度は毎月必ず固定客がいるという状態である。逆に言うと「他店からのシェアを奪って客数を増やす」「他店からの客が流れてくる」といったことはできないし起こりえない。 そしてこの固定客達は、後述する「適正価格」の範囲内、かつ星1以下の商品であれば必ず店のメニューの何かしらを購入してくれる。 作成したハンバーガーには具材に応じてメニューに表示する際の目安の設定金額を教えてくれる「適正価格」が表示される。一見すると親切なシステムだが、実際にはこの適正価格はかなり安く設定されている。 表示された適正価格を鵜呑みにして販売するとほとんど利益を出せず、食材によっては赤字もざらにある。実際は表示される適正価格の2倍程度が妥当なラインな場合が多い。 価格が高くなりすぎると販売個数が逆に落ちそうに感じるが、実は購入する客側にも、一定以下までなら購入するがそれ以上の高額商品には手を出さないボーダーラインが存在しており、その範囲内の金額であれば売り上げが落ちたりすることもなく問題なく売れてしまう。 逆に言うと、このボーダーを超えた金額になると、たとえ僅か10円高くなっただけで月の売り上げが0個になった、などという極端な現象すら発生してしまう。 以上で説明した「客の数は変わらない」「メニューの何かを必ず買う」「適正価格」の3点は本作を攻略、特にHARDにおいては理解しておかなくてはならない要素である。 来店した客はメニューにある商品のいずれかを購入する。基本的に評価の高いハンバーガーが多く買われるが、それ以外のハンバーガーやサイドメニューにも客はどうしても流れてしまう。 そして上記の適正価格の要素を考慮すると、手っ取り早く利益を上げようと思うと「適正価格ギリギリまで値段を上げたハンバーガーだけを買わせる」ということになる。ということはメニューに載せるのは適正価格ハンバーガーを1個だけ、それ以外のサイドメニューの一切は削除するのが最も簡単かつ効率的に稼ぐ方法、ということになってしまう。 さらに稼ごうと思うならより利益率の高いセットメニューを、例によって適正価格まで値段をつり上げ、それだけを客が買うように仕向けることが必要となる。しかし本作はハンバーガー単品は必ず1個以上メニューに載せなければならない仕様の為、前述のサイドメニューと同様の方法は使用できない。 ではどうするべきかというと、メニューは単品バーガーとセット1種類ずつのみ、単品バーガーを誰も手の出さないような価格設定まで吊り上げ、客が全員セットに流れるように仕向けるというのが効率的にry ハンバーガーやセットが1種類のメニューしかない店など客の評価も良さそうには思えないが、本作にはメニューの数によって評価が変化する要素はない。 このように経営SLGとしては穴だらけとしか言いようのないシステムの出来となっており、突き詰めると経営と言うよりは詐欺めいてすらいる。上記の効率的な稼ぎの方法はあくまでもRTAのような効率のみを最重視した際の手段であるし、そもそも適正価格のボーダーを調べる必要があるのだが、これらの点を理解できていなければどんなに真面目に経営しても生き残るのが難しいのである。 「サイドやハンバーガにこだわって様々なメニューを並べても客が買う個数は毎月同じ。売り上げが分散して評価の割に儲けない。」「ライバル店がいるがそれらと競合することなく、自分の店にくる客だけ淡々と相手していればいい」という現象も起こってしまい、本来のゲームの方向性すら否定しかねない要素となっているのが悲しいところである。バーガーバーガーというよりガーバーガーバーである。 総評 味という、ゲーム化しにくい要素に挑んだ意欲作。調整は完璧とは言いがたかったが高いレベルでまとまっており、今なお本作を愛するファンは多い。 その後の展開 続編として『2』も出ている。 シナリオモードの追加やPocketStationなどに対応しているが、内容はマイナーチェンジに近い。 この他に、ボードゲームと化したGB版と、規模縮小版のGBC版が存在する。 ギャップスが倒産してしまい版権の行方が不明のため、続編やゲームアーカイブスでの配信が絶望的である。 フォーウィンズから2000円の廉価版が発売したり、『2』がハムスターから『MajorWave』シリーズとして再発するなど、他社からの廉価版が出た事はある。 余談 テレビCMでは、「レタス、トマト、スライスチーズの上にタコ足とタラコと納豆をのせ、練り辛子とケチャップをしこたまかけてバンズで押し潰した」という無茶苦茶なバーガーを実演で作ってみせ、視聴者をビックリさせた。もちろん、そんなのはゲーム内で作ってもまず売れない。 ※参考資料『バーガーバーガー公式クッキングガイド』(アスペクト)
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ポケットザウルス 十王剣の謎 【ぽけっとざうるす じゅうおうけんのなぞ】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2MbitROMカートリッジ 発売元 バンダイ 開発元 トーセ 発売日 1987年2月27日 定価 5,500円 プレイ人数 1人 判定 シリーズファンから不評 ポイント 橋本名人のファミコン名人としての知名度3番手の座を固めさせたアクションをベースにシューティングありクイズあり本家本元の日用品シリーズとはほぼ無関係なゲーム内容 概要 ストーリー 内容 評価点 問題点 総評 余談 概要 1987年2月にバンダイが発売したアクションゲーム。 「ポケットザウルス」とは1985年3月にバンダイが発売した恐竜をコミカルキャラ仕立てにした文房具や食器と言った日用品のシリーズである。 その名を冠しているが最初のステージの敵キャラをはじめとした一部のキャラがそれっぽいデザインになっているのみであまり関係がなく「バンダイ版ファミコン名人」である橋本名人(本名 橋本真司)(*1)が主役になっており、彼がハシモトザウルスとして戦う。 つまりバンダイにしては珍しい実質的にオリジナルモチーフのゲームである。 「ファミリーコンピュータMagazine(ファミマガ)」1986年17号(11月7日号)「少年ゲームクリエイター大募集」と題して、アイデアを募集し小中学生7人が選ばれ、彼らと橋本名人が中心となってストーリーなどを構築していったゲームである。 第1回コンテストでは「ポケットザウルス」が必須テーマであり、本作のタイトルに冠しているのはこのためである。 審査員は橋本名人、「なんたってファミコン」司会者の関根勤氏、ファミマガ編集長の佐瀬伸治氏の3名で、テーマが「ポケットザウルス」と決まったのは次の18号(11月21日号)でのことだった。 ゲームの全貌が発表されたのは1987年1号(1月2日・16日合併号)。 ある意味『ファミマガゲーム大賞』の先駆けとも言えよう。 ストーリー (説明書1~3ページより引用) サラマンダー伝説はるか遠い昔、時を越え全時代を制圧し、我がものにしようとした怪物がいた。その名を「サラマンダー」といい、彼は自らを時空大帝と名のり、あらゆる生物を 恐竜 (ザウルス)化する魔法を持っていた。一度その魔法にかかると「サラマンダー」の死以外に、この魔法を解くことはできないという。ハシモトザウルス誕生2001年の地球。歴史学者であり、優れた科学者でもある名人「ハシモト」は、図書館で古い文献を見つけた。「サラマンダー伝説」と記されたこの文献は途中の数ページがなくなっていた。好奇心の強い名人「ハシモト」が、この恐ろしい怪物の伝説と、そのなくなってしまっている数ページに記されていたであろう内容に興味を持たないはずはなく、あらゆる文献を集め研究をはじめた。そんなある日、名人「ハシモト」が研究の手を止めて広場を散歩していると、あの怪物「サラマンダー」が突如現れ名人「ハシモト」にあの魔法をかけたのだ。しかし、名人「ハシモト」の強い精神力のため、姿は恐竜化したが心は正義として残り「サラマンダー」の支配をまぬがれた。「ハシモト」は「ハシモトザウルス(ポケットザウルス・PZ)」(強い正義感と勇気を持った恐竜)となり、得意のブーメランを持って、タイムカプセル(自作のタイムマシン)に乗り「サラマンダー」を追ったのだった。はたして、名人「ハシモト」こと「ハシモトザウルス」は恐怖の「時空大帝サラマンダー」を倒し、この魔法を解き、もとの姿に戻ることができるのだろうか?「サラマンダー伝説」で欠落してしまった数ページにはいったい何が記されていたのだろうか? 内容 横スクロールのアクションゲームで、主人公ハシモトザウルスはブーメランで戦う。ブーメランは2連射で横方向だけでなく上方向にも撃つことができる。 画面下部が左が体力やスコア、中から右がメッセージウィンドウになっており、キャラの台詞やヒント(アイテム所持時)、クイズなどが表示される。 主人公キャラはライフ制でライフがゼロになる、または穴に落ちてしまうと1ミスとなる。ミス時は残り人数が減ってその場で復活。ライフは後述のアイテムだけでなくスコアを3万点取るごとに回復(この場合は最大値の半分)。 飛んでいる敵キャラの中には倒しても消滅せずに死骸のまま落下するものがあり、そのタイプは落下中にさらに攻撃を加えることで、完全に倒すことができる。これにより後述のボトラノドンを追加出現も狙える。 また、敢えて倒さず、そのまま落下させ地上(水上)にいるワニやサメに落として巻き添えにすると一気に5,000点の高得点。 残り人数がなくなってミスするとゲームオーバー。 そのまま再開もできるが、その前に「対決しますか?」と聞かれ、YESと答えるとダーククリスタルパレス(最終ステージ)でボスのサラマンダーと戦えるが得点アップしか狙えず、いくら頑張っても倒すことはできない(倒したように見えてもスグ復活する)。 水などに入ると泳ぐ格好になり、体力を消耗する。 道中で「タイムカプセル」というマシンが出てくると強制的に搭乗し、乗っている間は強制スクロールとなり、水平3連射の対空弾(カプセルパンチ)と斜め下に投下する単発の対地弾(カプセル爆弾)を発射して戦う。サメにぶつかるとタイムカプセルのみが破壊される。即ミスにはならないが、泳ぐはめになるため、実質ミス確定になる。 特定の場所に触れると、「トツゼンですが クイズの じかんです!」とクイズが始まることがある。 クイズは全てAボタンorBボタンに対応した二択解答で、正解すると最初に提示された得点が入る(1000点・3000点・8000点)。 道中でダイヤ1つ消費して入ることができる秘密の部屋がある。 ここに入ると、特定の5種類のアイテムから3つが表示され、その中から1つを選ぶことができる。 ダイヤ自身が含まれる場合もありその場合「秘密の部屋に入るためダイヤ1つ消費」→「ダイヤを取って1つ増えて結局元のまま」だが、一応1,000点は入るので、完全なムダというわけでもない(メリットも少ないが) この他に隠し通路や、未来都市でのドラクラの喫茶店など隠し要素が豊富。 アイテムが入っているのは「ボトラノドン」というタテ長の恐竜の顔が付いたボトルのようなもの。 ボトラノドンは最初から配置されているものは黒、敵を倒して出てくるのは七色に光っている。 たまに敵キャラ「ドラクラ」が出現する。まず出鼻の一発でダメージは喰らうが一撃で倒せるので倒すことは難しくない。 タイトルで「バリバリボクモード」「パパモード」が選択でき、後者の方は最初のステージ「恐竜島」のみ難易度が落ちたイージーモードになっている。特徴としては… 水やマグマで体力を消耗しない。 ボトラノドンからドラクラが出ない。 ステージ ステージ1・恐竜島(BC100,000,000年) ボス・ブラックザウルス将軍 ステージ2・エジプト(BC2,600年) ボス・ツタンカーム大王 ステージ3・未来都市(AD5,000年) ボス・バグ大王 ステージ4・妖界魔境(AD1,700年) ボス・魔王ベリアル ステージ5・神々の時代(BC10,000年) ボス・グリーンザウルス皇帝 ステージ6・ダーククリスタルパレス ボス・時空大帝サラマンダー ステージ2・3・4は順不同で選ばれる。その3つをクリアすればステージ5へ。 ボスを倒した時、メッセージで次のボス(ステージ)が告げられ、十王剣の1本が落ちてくる。この時暗号の入力に成功すると最終決戦時のヒントがもらえる。 暗号はステージ途中で降ってくる稲妻に当ると突入するコマンダーとのバトルで、コマンダーを撃破すると教えてもらうことができる。暗号は4文字のアルファベットで構成され、コントローラーの各ボタンに対応している。U(Up=十字ボタン上)、D(Down=十字ボタン下)、L(Left=十字ボタン左)、R(Right=十字ボタン右)、A(Aボタン)、B(Bボタン)。 アイテム種類 ボトラノドンから出るもの。 フラッシュ十字キー下+Bで使用し、画面内すべての敵にブーメラン3発分のダメージ。3つまでストックできる(画面左上に表示)。ただし、ボスには無効。 ダイヤ隠し部屋に入ったり、お金代わりになったりする。また後述の通り「1UP」を取るためにも必要。ストック可能でポーズで確認できる。 ヒントマーク「?」これを持っていて、特定のポイントを通過するとヒントメッセージが出現する。ストック可能でポーズで確認できる。 ダブルスコア「×2」約20秒間、取った点数が2倍になる。 ハシモトマーク「H」体力が最大値まで回復する。 それ以外 コンティニューマーク「C」ゲームオーバー後にそのステージから始められる(ない場合最初の「恐竜島」から)。ストック可能でポーズで確認できるが、持てるのは1個だけ。 高速マーク約40秒間、ハシモトザウルスの動きが速くなる。ゲーム中エジプトステージの1箇所にしかないうえ、取るとその先のエリアで被弾しやすくなる、ある意味罠アイテム。 1UPマーク「1UP」特定の場所に配置。その名の通り1人増えるが取るにはダイヤを5つ消費しなければならない(ダイヤが5つないとスカスカすり抜けて取れない)。 スーパーシールド特定の場所に配置。体力が最大値まで回復し、スーパーザウルスに変身する。変身中はブーメランのスピードが倍速化し、3連射が可能になる。体力が残り2コマになると変身が解けてしまう。(*2) 秘密の部屋で手に入るアイテムは、ダイヤ、ヒントマーク、フラッシュ、ダブルスコア、コンティニューマークの5種類。 評価点 アクション自体の操作性は非常に良い。 ジャンプ時の空中制御がしやすく、ボタンレスポンスも良好。 またパワーアップによるブーメランのスピードアップなども、しっかり見た目で感じられる。 難易度のバランスも全体的に良い。 ステージ2の「エジプト」のみ少々度が過ぎた高難度(後述)だが、それ以外は大体、適度に楽しめるバランスで構成されている。 最初のステージの恐竜島で、大まかな要素は網羅されているので、後々迷いにくいバランスというのも秀逸。 コンティニューをするにはアイテムが必要だが、そのアイテムはステージ道中に置かれているので取りのがすことは少ない(*3)。 スコアアタックの要素もバッチリ。 上記の通り追い打ちにより追加点を取ったり、死骸をぶつけて大量点など、当時のメインだったスコアアタックの幅を広げている。 一定のスコアに到達するごとに体力が回復する点から、攻略面においてもスコア稼ぎは重要な要素になっている。 アクションを根本に据えながらも、時としてシューティングになったり、また突然クイズが始まるなど、変化に富んでいる。 いきなり見つかる隠し通路だったり、噴火で雲の上に飛ばされたりと、急激な展開が多いのも見どころ。 更に所々で発生するクイズにしても一息つきながら、違う楽しみ方を挿入してきている。 そのクイズの内容も、現実のものからゲーム内の設定までバリエーションに富んでいる。 未来都市では、特に隠し要素が多い。 1つが、ドラクラのコーヒーショップで、これは直前、タイムカプセルでの激戦の後で体力が不足気味になっている頃でもあるので回復ポイントとしてもありがたい。 もう1つが映画館で、ハシモトザウルスがサラマンダーを倒すシーンがファミコンながらうまく描けている。 最後の1つが、敵の巣窟だが、これは自体はどうということもないほど簡単だが後述のハマリバグが恐ろしいので入らない方が無難。 ラスボスとのバトル。 実際は倒せないので意味はないようだが、ゲームオーバー後に「対決しますか?」と聞いてきて「Yes」と答えるとラストステージを先に見ておくことができる。 根本的には+αの得点を稼ぐだけだが、最終ステージを先に見ておくことで攻略にも役立つ。 またこのステージのBGMも悲壮感漂うもので、本作中でも最も評価の高いBGMになっている。 問題点 ポケットザウルスを冠しているが、ゲーム全体には関係ない。 ステージ1「恐竜島」の敵こそそれっぽいデザインになっているが、後々のステージではほとんど関係ない。せいぜいステージ3の「未来都市」にそれっぽく見えるのが一部出てくる程度。 最終局面の謎解きが難しい。 暗号入力によるヒントが抽象的でかなり謎めいており、わかりにくい。 暗号入力自体もファミコンのボタンに使われているA・Bは当時の低年齢層にも感覚的に解るものだが、U(Up=十字ボタン上)、D(Down=十字ボタン下)、L(Left=十字ボタン左)、R(Right=十字ボタン右)は当時の低年齢層には馴染みが薄く、解り辛いものだった。 しかもこの暗号を解いただけでは「剣をどうにかする」程度しか分からず、結局ラスボスの正規の倒し方を推察するのは非常に難しい。 説明書に掲載されているクロスワードパズルを解くことでより具体的なヒントを得られるのだが、説明書を紛失するとパズルに挑むこと自体が不可能になる。 またゲームオーバー後で対決する時は、十王剣をついつい投げてしまうので、そのクセがついていると本来の使い方をしないまま終わるので、上記のような使い方の発想に至らないことも。 また、最終ステージでは、5色の十王剣が置かれているのだが、実際にボスを倒して入手する時点では、剣は 全部同じ色 なので、最終ステージでいきなり色分けされても、どれがどれなのか、判別できない。 さらに、十王剣を配置する順番は基本決まっていないのだが、最後に入手した十王剣だけは、配置順が最後と決まっている。剣は配置するまで次を取ることもできないため、間違って最後の剣を途中で取ってしまうと、ハマってしまい、1ミスするしか手がなくなってしまう。最後の1機だとゲームオーバー確定。しかも最終ステージでゲームオーバーになると、コンティニューマークがあっても「神々の時代」の最初まで戻されるという、なかなかの鬼畜仕様。 ステージ2「エジプト」が高難度でボス攻略もノーヒント。 ステージ後半部のスフィンクス内では三択の入り口選択が合計で7回もあり、ノーヒントなので初見ではヤマカンで選ばなければならず(正解自体は決まっているので反復プレイで記憶するは可能)、更に7番目の入り口の1つから1番目に戻されるという理不尽なものまで用意されている。 スフィンクス内ではブーメランを当てるのが困難でしつこく自キャラを追跡する敵「スフィンクスの魂」(*4)がランダムに出現する。フラッシュを使わないと安全に対処することは難しい。 一応出現頻度自体は低く、7つの三択ルートをストレートに突破できれば一度も出くわさないままボスの部屋に着けることも普通にある。とはいえそれだけに現れるとビクッとさせられ、その現れ方と上記の通り対処が難しいことで、その不気味さがより際立ってトラウマになった人も… ボスのツタンカーム大王はブーメランが全く通用せず、落ちてくる赤い栓を拾ってボスの口に入れて詰まらせるという方法で倒さなければならず、これに関してはノーヒント。3兄弟という設定で3体同時に相手することになり、不規則に漂う弾(毒ガス)を吐く上、栓を持った状態で当たると栓を落としてしまう。挙句の果てには時間制限つきでボスのセリフが終わると強制的に1ミスになる。 これが最終面や準最終面という後半ならまだしも、ステージ1の次にいきなり来る可能性がある。 「3兄弟」のくせに全員オネエ言葉で喋っているのも謎。 一発で倒せてしまうメカブロントス。 3ステージ「未来都市」で登場する味方キャラ(一応)で、道中の海(長い水域)で登場し、ダイヤ2つ渡すと頭に乗せてくれて、安全に渡ることができる。 因みに、持っていないと泳いで渡るしかなく、ライフが最大からでも向こう岸に行き着いた時には2コマになってしまう(つまり変身状態を保てない)。 これだけならさして問題でもないが、問題なのは、このメカブロントス自身にも攻撃が効いてしまい、しかもブーメラン1発またはうっかりフラッシュを使っただけでキレイサッパリ消せてしまう(おまけに0点)。これがダイヤを渡した後でも攻撃が効いてしまうので、うっかり誤操作でブーメランを投げただけで意図せず倒してしまってダイヤ2つがパー、なんてこともままある。倒す必要がないので、もっと耐久力があっても良かったのではないだろうか? 「未来都市」で、タイムカプセルエリアが終わった次のエリア。カプセルから降りると同時にドラクラが1匹特攻してくる。タイミング的にかわすことも倒すことも不可能のため、降りると同時に100%ダメージを受けるはめになる。ライフが十分ならたいした問題ではないのだが、残り1だったりすると確実に1ミスになる。ギリギリでも対処可能ならまだしも、どうしようもなく強制的にダメージというのは、無意味でしかなく、酷い仕様。 ヒントなどのメッセージが表示されている時にポーズをすると、メッセージが消えてしまう。特にコマンダー撃破後の暗号が表示される時は注意が必要。 完全ハマリのバグがある。 4ステージ、「妖界魔境」の中盤、雪の積もった長屋のエリアにある隠し通路(*5)に入り、右に進んで画面が切り替わる時にジャンプをしながら抜けると画面がバグって進行不能になる。 ジャンプをせずに歩いて画面を切り替えれば回避は可能。またクリアに必須ではないのでスルーしても問題はない。 3ステージ、「未来都市」でドラクラ数体が襲ってくる隠し部屋に入ると、本来なら全滅させてしばらくすると戻るはずだが、永遠に戻らなくなることが多々ある。 救われない結末。 サラマンダーを倒すと、その呪いが解けポケットザウルスに変えられた橋本名人も元に戻るが、救い出した女の子が実はコマンダーが化けたもので急に正体を現し、再び呪いの魔法をかけられポケットザウルスに変えられてふりだしに戻る。つまりクリアーした果てに待つのは、バッドエンドでしかない。 つまりシステム自体はファミコン初期の頃よくあった、「クリアしたら最初に戻ってエンドレスなスタイルでハイスコアを突き詰めていくゲーム」だが、やっぱり腑に落ちない結末である。 総評 ゲームそのものは最初のステージがチュートリアルになるほどで、更にそのステージにイージーモードまであるなど初プレイでも取っつきやすい。 主軸のアクションだけにとどまらずタイムカプセルによるシューティングに移行したり、突然始まるクイズをはじめとしたイベントも盛り込まれゲームとしてのシステムの出来は良い方と言えるだろう。 その一方で、エジプトステージの理不尽な罠要素などラストでもないのに急激に高いアンバランスな難易度や無限ループプレイのシステムとシナリオの整合性を取るためのバッドエンド設定は少々残念な部分ではある。 またモチーフであるポケットザウルスに関しては半ばどうでもいいような扱いでしかなく、あまり意味のないものになっているので日用品シリーズの愛好者がそれとタイアップしたものに期待したとしたらガッカリに感じるかも。 余談 ステージ開始時のタイムトラベル演出で画面がカラフルに激しく点滅する演出がある。『トランスフォーマー コンボイの謎』のように高画質・高輝度なディスプレイ環境でこれからプレイする人は要注意。 ステージ2の秘密の部屋は、並べられた3つのアイテムの間隔が狭いので、間を狙ってジャンプすれば2つのアイテムが取れる。 恐らく配置ミスと思われる。 神々の時代のボス「グリーンザウルス皇帝」は、説明書や攻略本では「ブーメランでは倒せない強敵」と書かれ、燭台から飛び出す月桂冠を取って投げつけるのが正攻法なのだが、実はブーメランでも倒せてしまう。ただし、かなりの数を撃ち込まなければならない。 パワーアップしたスーパーザウルスは橋本名人自身がデザインしたもので、まだ募集中だった1986年18号の時点で公開されており、既にゲーム実装時の完成形が出来上がっていた。 この時はまるで『聖闘士星矢』のクロスのような部分部分のパーツに分かれている要素を持っていた。 また、この時点ではビームサーベルのようなものやビームガンを持っていたが、これらはボツになったと思われる。 説明書のクロスワードに関しては、上記の企画によるファミマガ読者によるアイデアであり、これには審査員もビックリだったとのこと。 実在の人物が絡んでいるためか、移植や配信などは一切行われていないので、ファミコンカセットの形でしか入手できない。 ただし、当時かなり売れていたため、入手は容易。しかし、上記の通り謎解きに必要な説明書付きとなると、少々難しくなる。 橋本名人自身は1991年にバンダイを退社して、紆余曲折を経て最終的にスクウェアに移籍している。 この当時はメガネをかけていたが、元々視力自体は悪くなかったため伊達メガネで、それは「バンダイの橋本名人」としてのものということで、バンダイ退社後は一切かけていない。 因みに、作中の舞台である2001年では、橋本名人は43歳ということになる。科学者や歴史学者という設定も納得(実際そうはならなかったが)。 1987年1号で全貌が明かされた頃、ゲームの主人公は「橋本名人Jr.」で息子ではなく、孫であるとのこと。 この設定がゲーム本編で残っているか否かはさだかではないが、2001年当時の橋本名人は43歳なので科学者の孫というのは無理がある(*6)。 「少年ゲームクリエイター大募集」は第2回として1986年19号(12月5日)から募集され、この時は特に課題はなく完全フリーだった。 応募は4万5千と殺到し本来ならば1987年2号(1月30日号)で発表するはずが結果的に3号も遅れた5号(3月20日号)での発表となった。 大量の応募作品には当時のブームが如実に現れ、ゼルダやドラクエ風な剣と魔法で戦うファンタジーRPGばかりに偏ったようで「もっと画期的なアイデアが欲しかった」「残念ながら少々レベルが低かった」と芳しくない総評だった。 佳作入選対象も本来は50名の予定だったが実際の表彰では38名に減らされた点からして、その残念度合いが如実に出ていたようだ。そのためか、入選作の表彰こそ行われたが実際の製品化にはつながらず、事実上すべてがボツとなった。 また、発表されたページの挿絵には、そんな入選に至らなかったアイデアをイメージしたイラストがあり、鎧と盾を装備した橋本名人の後ろに剣がズラズラ並んで「RPゲームばかりでちょっと個性が弱かったみたいだ。もう剣がたくさん出てきちゃってたいへん!」と嫌味まがいなものだった。気持ちはわからなくもないが、こういった年少層に向けた企画はその時のブームが出やすいのは仕方ないだろうし、もうちょっとオブラートに包んだ表現にしたらどうだろうか?と思わずにはいられない。 徳間書店から発行されていた漫画雑誌「わんぱっくコミック」に本作の漫画版が連載されていた。 「必勝テクニック完ペキ版」シリーズの25番目として単行本も発売された。 「わんぱっくコミック・リバイバル」として2021年に電子書籍化されたが、現在は配信終了。 「ファミコン名人」といえば前年『スターソルジャー』の対決映画にもなった、高橋名人、毛利名人(*7)両名が特に有名だが橋本名人は活躍期に入るのが早かったことと本作のように自身を主役にしたゲームが発売されたこともあり先述の二人に次ぐ三番目の知名度を誇っている。 そのためか漫画「ファミコン風雲児VSファミ拳リュウ」の「ファミコンオリンピック」のエピソードで、そのままの橋本名人として出演していた(*8)。 ただし作中でプレイしていたのはバンダイのタイトルではなくスクウェアの『キングスナイト』だったりする。彼自身後々スクウェアに移籍したことを考えると現在からすれば運命的なものを感じる。
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桃太郎伝説1→2 【ももたろうでんせつ いちからに】 ジャンル RPG 対応機種 ゲームボーイカラー(専用) メディア 16MbitROMカートリッジ 発売元 ハドソン 開発元 タムタム 発売日 2001年1月1日 定価 4,300円 判定 劣化ゲー ポイント タイトル通り「1→2」強制テンポが悪すぎる 桃太郎シリーズリンク 概要 特徴・オリジナル版からの変更点 問題点 評価点 総評 余談 概要 PCEで発売されたFC版『桃太郎伝説』のリメイク作『桃太郎伝説ターボ』とその続編である『桃太郎伝説II』をカップリングして移植したものである。 特徴・オリジナル版からの変更点 段(レベル)が上がりやすいように変更。金もかなり手に入る。 『I』で一定以上段を上げると『II』での能力に補正が入ったり、『I』で井戸に置いたアイテムが『II』で使えたり変化したりする。 移植に伴う、グラフィックや一部基本システムの変化。 一部の敵の名前が変わった。 買い物をすると、ポイントカードにポイントが貯まる。また、敵から盗み攻撃を受けた場合の保険という役割もある。 必ず『I』→『II』の順番でプレイしないといけない。公式サイトにもわざわざ書いてあり、スタッフがあえてこうしたらしい。 セーブは両作ぶっ続けで一つだけ。 いわゆるモンスター図鑑のような存在である「鬼図鑑」がある。 『2』においてラスボスの地獄王に一定のダメージを与えると、第二形態になる。 『1』にて中ボスに相当する敵との戦闘BGMが『2』の「せんとう2(*1)」に変更された。 また、雑魚戦のBGMが『1』と『2』で異なったアレンジが流れる。 ストーリーは変更されていない。 問題点 端的に言うと、移植によって追加された要素のほとんどが無意味もしくは逆効果になっていることである。 段が上がりやすく、金が入りやすくなったことで難易度が大幅に低下。このこと自体は特に問題ないとしても、新システムが意味を成さなくなっている。 まず『I』の段を上げた結果『II』で得られる能力補正は雀の涙な上、そもそもドーピングアイテムが買えるため普通に戦ってレベル上げ 金稼ぎをしたほうが早い。 当然ポイントもあまり意味が無く、敵が相対的に弱くなっているため盗み攻撃の恐怖も減っている。 かといってさくさく進めるかというとそんなことはなく、むしろUIに難があるといえる。 まず、桃太郎の動く速度が遅い。伝説シリーズ自体、全体的なテンポに難があるものが多いのだが、その中でも本作は飛び抜けて遅い。 メッセージ送りも遅い。しかも旧作ではメッセージ送りの速さが変えられたのに本作では 固定。 メニューの開閉も遅い。シリーズの他作品(というかハドソン製RPG全般)にもいえることではあるが。 これももはやお約束的だが、エンカウント率がやはり高い。 攻撃がよく外れる。そのため、敵が弱いのにザコ敵との攻撃が変に長引く。 そのため道具として使うと、命中率100%のしゃくねつのゆみが人数分あるととてもラク。というかそうでもないとやってられない。 鬼図鑑に敵を登録するための「カード」はボスを除いてランダム入手となっているため、手に入るまで同じ敵と戦わなくてはならない。 一応、終盤になると安価でカードを買える施設が出てくるので取り逃しはそこで買えばいいが、逆に言えば集める楽しみも失われてしまう。 PS版でも同じ鬼を10体倒すと入手と言う面倒な仕様だったが、これでは改善されたとは言い難い。 前述の通り必ず『I』→『II』の順番でプレイしないといけない。セーブデータも共通で一つだけなので、『ドラゴンクエストI・II』のようにどちらかだけをプレイすることはできない。 ちなみに、 最初から始めるを選択した瞬間に前のデータが消える。 戦闘画面の背景が描かれるようになったが、全体的にグラフィックは劣化している。 評価点 PS版で不評だったあしゅらのデザインが従来のものに戻った。 ただし、腰布を巻くというスタイルになっており、従来よりもやはり露出度は抑えられている。 バランス取りに失敗しているわけではない。致命的なバグもない。 井戸にアイテムを保存しておく「タイムカプセル」は有用。 特に『II』の序盤はかなり役に立つ。もっとも、あまり凶悪なものを入れておくと逆につまらなくなるが。 総評 ファミコンで発売された初代以降、どちらかといえばマニア向けであったPCエンジンというハードをメインに展開された本作が現行の携帯ゲーム機で遊べる点が大きな利点となるはずだったが、不親切なUIやシステム周り、そして安定の高エンカウントという粗の多さで劣化してしまった。 名作を手軽に遊べる機会だっただけにつくづく惜しまれる出来となってしまった点が悔やまれる。 余談 本作の発売後、本作の後日談に当たるRPG仕立てのミニゲーム集『桃太郎まつり』がGBAとPSで発売されたが、それ以降、「伝説」シリーズは再び沈黙した。 2011年になってようやく携帯電話向けに『桃太郎伝説モバイル』(初代のリメイク)が配信されたが、家庭用ゲーム機向けの新作は出てい無い。 その後、作者のさくまあきらが「伝説シリーズのプログラムは旧作含めてハドソンに保管されていたはずなのだが、紛失してまった」と明言しているため、過去作のリメイクや新作の発売はほぼ不可能といえる状況である。
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ウルトラマン Fighting Evolution 2 【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょんつー】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション2 発売元 バンプレスト 開発元 メトロ 発売日 2002年10月31日 定価 6,800円(税別) 判定 なし ウルトラマンゲーム・リンク 概要 登場キャラクター システム 評価点 問題点 賛否両論点 総評 その後の展開 余談 概要 特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する3D格闘ゲームの第2作。前作から4年の間を置いて発売された。 ハードがPS2に移ったためあらゆる面でグレードアップした作品となり、後の路線を決定付けた。 登場キャラクター 太字は新規参戦キャラ ウルトラヒーロー 初代マン、ゾフィー、セブン、ジャック(新マン)、エース、タロウ、レオ 怪獣キャラ バルタン星人、ゴモラ、ダダ、ゼットン、キングジョー、ベムスター、エースキラー、タイラント、マグマ星人 システム 前作はウルトラマンのゲームとしての再現性と本格的な3D格闘のシステムが噛み合わず微妙な出来になっていたが、本作では根本的な点から変更され、一般的な3D対戦格闘ゲームとはかなり違う独自のシステムを造りあげた。 操作は全体的に簡略化。 打撃ボタンは□ボタンのみ。方向キーとの組み合わせで多彩な技が出せる。○ボタンは「ふっ飛ばし攻撃」で、後述するシステムで必須となるコマンドになった。 投げも×ボタンのみとなり四種類の投げ技と掴んでからの打撃に繋ぐことができる。掴んでから○ボタン入力で「ふっ飛ばし投げ」となる。 ガードは『バーチャファイター』風のボタン制ではなくレバー後ろ入力に変更。 ガード中に相手の攻撃に合わせ、攻撃ボタンを押すとガードアタックという反撃技を出せる。所謂ガードキャンセル。 さらにガードの瞬間、レバー後ろ入力と×ボタンを同時に入力すると回り込みが可能。成功すると一瞬で回り込む演出が流れ、相手の後ろを取ることができる。 移動は前作同様、前後左右の移動とダッシュ、前方ラン。そしてジャンプ。前転・後転・バク転といった新規動作も追加され、ジャンプの大小は廃された。 「ふらふらゲージ」の導入。 前作では任意で出せる代わりにほぼ役立たずだった必殺技だが、今作から通常攻撃で敵の疲労度を溜め、それに応じて必殺技を出せるというシステムが導入された。 ふっ飛ばし攻撃がヒットすると相手が文字通りふらふらと気絶する。疲労度は「ふらふらゲージ」として視覚化しており、気絶している間に減少していく。その間にボタンを押して「必殺技ゲージ」を溜める。 必殺技ゲージは溜めた時間によって色別に分かれており、タイミング良くボタンを離すとそれぞれの色に対応した必殺技が発動する。相手のふらふらゲージが無くなるまでに必殺技を出せなかった場合失敗する。 通常攻撃では敵の体力が0になっても勝負はつかないので、必ず必殺技を使って敵の体力を0にする必要がある。また、投げも含め通常技の攻撃力がかなり低いので、この必殺技を当てることが勝利への鍵。つまりこのふらふらゲージを溜めることが、本作の重要なゲーム性の一つ。 前作の「GROGGY状態」に必然性を持たせたものとなっており、SFC版『ウルトラマン』の必殺技システムに近い。ウルトラマンの醍醐味である「必殺技による決着」をシステムとして昇華させ、本シリーズを象徴するシステムとなった。 ゲームに深みを持たせる「援軍システム」。 各キャラの体力ゲージには青い部分があり、一定量ダメージを受けて青い部分に到達すると援軍が現れて支援攻撃を行ってくれる。 各作品の防衛隊の戦闘機や同胞の円盤が飛来して攻撃を加える。ダメージソースにはならないが、ふらふらゲージを溜める効果を持つ。 エースキラーやタイラントの場合は怨念が発動し、相手におどろおどろしいエフェクトが纏わり付き自然とゲージが溜まっていってしまう。 ウルトラマン同士の対決では設定を尊重し、援軍システム自体が存在せず青い部分が消える。 ゴモラの場合は援軍が来ない代わりに 何の前触れもなく尻尾が千切れる。 この状態になると、必殺技を含めた尻尾攻撃の攻撃判定が無くなるので、使える技が限定されてかなり不利を強いられてしまう。尻尾が千切れたゴモラで戦えるのは、恐らくこのゲームだけだろう。 新規モードの追加。 「ウルトラモード」 ストーリーに沿って特定の組み合わせによるバトルを行う。一般的な格ゲーでいうストーリーモード。ストーリーに沿った特殊なシチュエーションが多く登場する。評価の概念は存在せずストーリーを楽しむモード。 「リプレイモード」 過去の対戦が自動で記録され、何度でも鑑賞できる。メモリーカードにコピーして保存する事も可能。 鑑賞中にアングルを変更できる。俯瞰で動くアングルやステージ内の特定の地点(電車の中や東京タワーの展望台など)の定点カメラなど実際の映像作品のような臨場感溢れるカメラワークを楽しめる。 これらの措置により、後のナンバリングに繋がる基本システムがほぼ完成した。 評価点 登場キャラ・必殺技の増量 前作はヒーローは初代マン・セブン・タロウのみだったが、本作ではレオまでの兄弟が勢揃いした。 怪獣はタイラントとベムスターが加わり、各ヒーロー毎に因縁の対決が出来るようになった。 前作で一種類ずつしか無かった必殺技も1キャラ最大4種に増量。必殺技演出ではアストラやギラス兄弟も登場する。 「ウルトラマンらしさ」の強化 PS1からPS2になり、グラフィックが大幅に進化。前作で表現しきれなかったウルトラマンの巨大なスケールを十分に出すことに成功している。 キャラクターのCGは非常に高い再現度をほこる。その完成度の高さは続編の『3』のみならず、『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』『ウルトラマン フュージョンファイト!』、『ウルトラ怪獣モンスターファーム』などの10年、20年後の作品でも使われ続けていることからも窺えるだろう。 前作ではかなり違和感のあったステージもフルポリゴンに生まれ変わった。背景も美麗に細かく作り込まれ、リアルな街中で立体的な格闘ができるようになった。 ステージ内のオブジェクトも大幅に増加。ウルトラシリーズらしい建造物の破壊も効果音付きで再現している。例えば電線が掛かっているステージでは電線に引っ掛かると効果音と共に細かく電線が千切れる演出が入る。 特に前作から引き続いた神戸港、水没都市は流れる水のCGもあってかなり見栄えが良く、完全に別物である。 これらの演出は戦闘に影響はないので、気兼ねなく派手に戦っていける。 1つ1つのステージの作り込みに関しては、ボリュームの増加に伴って簡略化された『3』や『Rebirth』よりも完成度が高いといえる。 モーションが大幅に改良。前作では他の格ゲーの動きを安易にウルトラマンのキャラにやらせただけのような不自然な動きが多かったが、今回は前作のモーションを流用しつつ原典の動きを多数取り入れたことでウルトラマンらしい格闘となった。 前作の評価点であったウルトラマンらしい重い挙動・大振りな動きも引き継いでおり、グラフィックの向上によってリアルさが増している。しかし前作同様格ゲーとしては足を引っ張っているのは否めない。 ロード画面では昭和ウルトラマンのOPでお馴染みの影絵風の一枚絵が表示される。次に戦う相手が誰か分かるようにもなっている。 ゲーム用にアレンジされたテーマ曲は今作でも完成度は高い。『エース』の「TACのテーマ」はシリーズ中、今作でしか聴けない。 完成度の高い「ウルトラモード」 「怪獣殿下」「ウルトラ警備隊西へ」は原作のシチュエーションに沿った指示に従って戦うため、ファンなら十分に楽しめる。 途中で詳細なムービーが多く挟まれ、可能な限り原作の構成を忠実に再現している。 この二つは『3』でも引き続き収録されたが、ゲームの構成に沿ったアレンジが加えられているため本作の方が再現度は高い。 オリジナルストーリーの「大地球侵略作戦」は参戦キャラクター総出演で展開される豪華な作り。 このシナリオでしか見られない特殊演出が多数登場するため見応えも十分(*1)。 最終決戦はゼットンにウルトラマンからレオまでのウルトラ兄弟が一斉に立ち向かう燃える展開。更に全員が倒されると真打としてゾフィーが登場するという熱いサプライズも用意されている。 問題点 PS1からPS2になったというのに、キャラ数は12体が16体になっただけなので、あまり増えた気がしない。 怪獣は前作からエレキングとメトロン星人が削られた為、数は変わっていない。 しかも隠しキャラはゾフィーとゼットンの2体だけで、その上条件を満たすと2体同時に入手できてしまう。 おまけにゼットンはウルトラモードの強さそのままの高性能であり一強のバランスになってしまっている。 ゲーム自体の作りの甘さがみられる。 攻撃ボタンが一つだけになったため全体的に技数が少なく、その上コンボ重視のバランスではなくなったので前作以上に単調な戦闘になってしまっている。 特に下段技は発生がかなり遅く、種類が少ないため見切られやすく、ガードの使い分けの意義が薄くなっている。 勝負を決するのに必要なふっ飛ばし攻撃だが、○ボタンとふっ飛ばし投げの2種類しかない。更に通常のふっ飛ばし攻撃は隙の大きい大振りなモーションが多く、当てるのが難しい。通常技同様に空中、ダッシュのバリエーションがあっても良かったのではないだろうか。 必殺技は前作より格段に実用性が増したが、バリア、ダメージ軽減などの逆転要素が無いため、当てたら即・決着となる。このため突き詰めると「早く必殺技を出したもの勝ち」となり、ややゲームとしての面白味に欠ける。 新規アクションである「回り込み」が厄介。相手の攻撃を受け流す格ゲーらしいテクニックだが、前述の通り技の種類が少なく大振りなため高確率で成功してしまう。COMはほぼ確実に連発してくる。 また、回り込む演出が例に漏れずスローなため只でさえ遅いゲームのテンポを阻害してしまっている。 総じて、操作性の簡略化は評価されているが、ゲームに上手く落とし込むまでにはいかなかった。ここに加えて前作から引き継いだ挙動の遅さもあり、まだ格闘ゲームとしては未完成な面が窺える。 ウルトラモードのストーリーは上記の3本だけしかない。ゴモラ・キングジョー以外の因縁の相手は全て「大地球侵略作戦」内でまとめられている。 『3』では大増された代わりに各ストーリーの演出が簡略化されたため、数を絞ったことで演出の完成度が高まったとも言えるが、やはり複数のストーリーを楽しみたかったという声が多い。 必殺技の演出の際、アングルがほとんど動かないためあまり見栄えがしない。レオキックなど、大きくアングルの変わる技は演出が省略されている。 レオキックについては原作のように高く飛び上がるのは同じだが、空中でキックの体勢をとって降下するシーンが映らない。このため敵と密着した状態で発動すると飛び上がった時に敵と激突したようにしか見えない。 賛否両論点 前作から引き続き、原作を無視した挙動を取るキャラがいる。 あからさまに不自然な動作は削除されたもののアクロバティックなバルタン星人やオカマのような挙動のダダはそのまま。この2体については以降のシリーズでも改変されていない。 総評 前作から一変した独特の戦闘システムは、まさしくウルトラマンらしさを十分引き出すもの。特にふらふらゲージは、必殺技の派手さと強さを両立させる卓越したシステム。 美麗なグラフィックとリアルな挙動もあり、本作はウルトラマンゲームとして見事に正当進化を遂げた。 しかし、惜しむらくは本来のジャンルである格闘ゲームとしての精度がいまいち及ばなかったことだろう。 初心者やウルトラマンファンならば簡略化された操作でウルトラマンを扱えるので、ゲーム性を考慮しなければ十分楽しめるはずである。 …と言いたいところだが…。 その後の展開 本作にとっての最大の不幸は、2年後にシリーズ最高傑作と呼ばれる『3』が同じPS2で発売されてしまった事だろう。 『3』は本作の完全な発展型であり、キャラは全員続投した上に大幅増加、ウルトラモードのシナリオも20本に増量され、戦闘面の問題点もあらかた解消されている。 これにより、本作は「PS2ソフトとしての容量を活かしきれていなかった」「『3』が有ればいらない子」と白眼視される不遇な存在となってしまった。 これも『Rebirth』と同じく『3』が神がかりすぎたのが祟った結果であろう。 しかし『3』で容量の都合上オミットされた本作独自の魅力も存在しており(*2)、一概に凡作といえない作品である。 余談 発売当時のCM(後半)が中々にシュールなもので印象的である。※参考動画
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首都高バトル0 【しゅとこうばとるぜろ】 ジャンル レースゲーム 対応機種 プレイステーション2 メディア DVD-ROM 1枚 発売・開発元 元気 発売日 2001年3月15日 定価 6,800円(税別) プレイ人数 1~2人 レーティング CERO 12才以上対象 対応周辺機器 GT-FORCEMicrosoft SideWinder Force Feedback Wheel USB 廉価版 PlayStation2 the Best 初版 2002年6月27日/3,000円(税別) 再販版 2005年2月24日/1,714円(税別) 判定 良作 ポイント 『首都高バトル2』が大部分のベース一つの集大成的な仕上がり異例のロングセラー 首都高バトルシリーズ 概要 評価点 問題点 総評 余談 概要 元気の『首都高バトル』シリーズの一つであり、2000年にドリームキャストで発売された『首都高バトル2』の続編にあたる。 タイトルが『0 (ZERO)』なのは、前作発売後に続編のタイトルを社内アンケートで取ったときの意見を採用したことから。攻略本の開発者インタビューで「響きも良く、原点に帰るという意味合いも含めてこのタイトルとなった」と言及されている。 このタイトルが示すように、今作は『2』までの流れを引き継いだ集大成のような仕上がりになっている。 プレイヤーは一人の走り屋となって首都高を走るライバル達をSPバトルで倒していき、首都高完全制覇を目指す。 評価点 バリエーション豊かな収録車種 収録車種数はシリーズ最大の165車種。前作で収録されていた車種は、すべて今作でも選択可能である。(*1) 新たに今作ではランサーエボリューションVIIや2代目インプレッサ等の2000年以降の最新車の他、A70型スープラやランティス等の旧車、従来は海外版専用だった車(*2)が追加。 一方で前作からモデリングが削除・他年式の流用となった車(*3)が極一部で出たが、前作で元ネタの実車とホイールが異なっていた車はより実車風に修正されている。 最初から内外装と性能の大幅なチューンが施された特殊な車である「カスタムカー」も多数追加され、より個性的な見た目の車で運転する事も可能になった。 各車両に用意された説明文の内容も充実しており、車両開発の経緯や優先してチューンするべき所(その車両の短所)も分かる。前作の後に生産終了した車等、極一部の説明文は前作から手直しされているが、殆どのマイナーチェンジ車の説明文がマイナー前モデルとほぼ同じという点は相変わらずである。 多彩なライバル 本シリーズの売りである個性的なライバルは今作でも健在。 ゲーム制作に協力したパーツメーカー、実在のチューンメーカーのチームや著名人のライバル等も登場する。 今作の全てのボスや一部の WANDERER (ワンダラー)(チームに所属しないライバル)は前述のカスタムカーに乗っており、特別な相手であることがより強調されている。カスタムカーに乗っているライバルを倒すことで、そのカスタムカーが購入可能になる。 特定のボスやWANDERERが操るカスタムカーは、その強烈な外見に何らかの元ネタがあるもの(*4)もあり、その手のファンには堪らないだろう。 様々に変化するプレイヤーの通り名 前作に引き続き、プレイヤーの通り名を判定するB.A.D.(Battle Ability Decision)システムが採用されている。 プレイスタイルによって様々な通り名が付けられ、影響する要素は勝率や最高速度、リタイア回数や車・壁にぶつけた頻度など非常に多岐にわたる。 通り名は"前半部分のフレーズ+後半部分のフレーズ"という構成になっており、例えば「悪夢の天使」や「奇蹟のゴースト」のような通り名がつく。 リタイアばかりするなど悪い走りを続けているとそれを気づかせる単語が並んだり、敵を圧倒するような勝ちを重ねるとプレイヤーを恐れるような呼び名が付く。 それ以外にも、車とステッカーの特定の組み合わせや特定の条件を満たすことで特殊な通り名になることもある。 バトルを魅力的に演出するリプレイ 「リプレイ用の視点1つ+走行時と同じ視点」だった前作から、今作ではさらに3つのリプレイ用の視点が加わった。 前作ではカメラワークのパターンが数種類しかなく、またカメラ切り替えのタイミングも特に工夫されていなかった。(*5) それに対して今作では地点ごとに専用のカメラワークが設定されていて、カメラワークの使い回しもかなり少なくなった。また自車を追跡する構図だけではなく、建物をメインに映して自車がその脇を走るという風な構図もあったりと、全ての走行エリアのカメラワークが作り込まれている。その結果、どこを走っていてもダイナミックなリプレイになるような作りになっている。 デフォルト視点限定だが、ライバルとの距離が非常に近くなった時に、2台をアップで映すカメラが割り込んで接戦を上手く演出している。 ただし、その視点になった場所によっては、壁や植え込みで視界を大きくさえぎられることがある。 上記の通常視点の他に追加されたのは、バンパー視点、自車を様々な角度から映す視点、そして俯瞰視点。俯瞰視点では速度メーターやアクセル・ブレーキ・ステアリングの入力表示もされる為、自分の走りを分析することができる。 タイトル画面で放置することで見れるデモ走行でこのリプレイの視点を体験できるので是非一度は見ておきたい。 『01』以降でも場所に応じた専用のカメラワークは引き続き用意されているが、今作ほどダイナミックなものにはなっていない。 新要素・LPS(Love Power System) 前作までは「まずは最初に手に入る安くて非力な車をチューニング、資金を貯めて物語の進行とともに大パワーの車を購入してまたチューニング」という流れだった。 今作でも大まかな流れは同じだが、走行距離が3000kmを越えた車はLPSが発動、その車限定で、すべてのチューニングパーツが購入可能になる。チューンのメインとなるエンジン・マフラー・ボディチューンの最高レベルは、このLPSを発動しなければ購入できないが、そのぶん効果は非常に大きい。 その他 BGMは新曲のほか、『首都高バトル』『2』のアレンジを多数収録 首都高バトルシリーズでは数少ないボーカル曲「Let me go」もアレンジされ収録されている。 前作をベースに更にリアルになった首都高 前作では割愛されていた料金所が一部に追加され、コース脇のビルの数やそこに掲示されている広告も追加された。 路肩に事故を起こした一般車や工事車両が止まっていたり(*6)オービスによる速度超過の罰金等、細かいながらも現実味を感じさせる演出が追加された。 前作までの不評点の解消や利便性を向上させる要素の追加 前作で多発していた処理落ちは大きく減った。 前作ではバトル終了時にリプレイが強制的に流れていたが、今作では強制的に流れなくなった。すぐにフリーランなどへと移ることが可能となり、若干ながらテンポが改善した。 フリーラン中にセッティングを変更できるようになり、セッティングを確かめることが即座にできるようになった。 問題点 前作と変わり映えがしないゲーム内容 前作『2』からハードが変わり、移植版としての意味合いもあったのか、『2』と似通った部分が多い。 今作の発売時期は『2』発売から9か月程度しか経っておらず、革新的な要素を取り入れるのは難しかったと思われる。 首都高の走行エリアは前作と同じ。グラフィックについても、上記の料金所やビルの追加程度で大差はない。 光の反射の表現などの影響で「前作の方が綺麗に見える」という意見もある。 CPU優位の難易度 前作同様、ライバル車の走りには強力な補正がかかっており、スペック以上の速さを見せるライバルが当たり前のように登場する。 ブロックを徹底し、ライバルが事故を起こしてようやく勝てる…ということも多く、クリアまでのハードルは高い。 補正の内容は前作と異なり、"コーナリングが苦手なAIの弱点をストレートの伸びで補う"という仕様になっている。その為、コーナー勝負がメインの前半は操作技術次第でまだ何とかなるのだが、パワーがものをいう湾岸線・横羽線が解放される後半は厳しい戦いを強いられる。終盤のライバルと湾岸線でバトルしようとすれば、Aクラスの上位車種をLPSチューンしてようやく互角というほど。 一部のライバルについてはブロックを駆使してくる。幸い、ブロックを使うライバルの多くは同時期に出てくる他のライバルに比べて遅いので、僅かな隙をついて一気に抜き去ってしまえば勝つのは易しめ。 問題だらけのLPS 非力な車種でも長く乗り続けたいという要望から生まれたシステムだが、その役目を果たせているとはとても言えない。 LPSチューンは確かに強力なのだが、結局は通常のチューンの延長でしかない。そのため、元々チューンの効果が低い車種ではLPSチューンの効果も知れており、大して攻略の役に立たない場合が多い。結果として「非力な車をさっさと乗り捨て、できるだけ早く将来性のある車種に買い替える」という傾向が余計に強くなってしまった。 また、走行距離3000kmという条件も、得られるメリットに対してあまりに厳しすぎる。 日常的に実車を運転していれば大した数字に思えないかもしれないが、ゲーム内での3000kmという距離は途方もない長さである。 全チームの全メンバーを倒しても、総走行距離が3000Kmに届く事はまず有り得ないと言えば、いかに過酷な条件かお判り頂けるだろう。 バトル後のデモンストレーション走行でも走行距離が加算されることを利用して、対戦終了後放置して距離を稼ぐという抜け道もあるのだが、それでも手間が掛かることには変わりがないうえ、ゲーム機本体に負担が掛かる手法であり、最悪の場合バグが発生して何もない空間に飛ばされて距離が加算されなくなるようになる。 WANDERERと闘う為の条件が厳しい WANDERERは特定の条件を満たしていないと首都高に現れなかったり、現れてもバトルを拒否して戦えないのだが、その条件が厳しいライバルが何人か存在する。 例を挙げると「総走行距離5000km以上」「所持金3億CP以上」「25台以上車を所有」「ゲーム内日付で365日以上経過」など。 今作のラスボスはWANDERER全員に勝利しないと出現しないため、完全制覇の大きな足止めを食らう一因となっている。 これでも前作と比べれば遥かに簡単で現実的な条件になっている(*7)のだが、長い時間や手間を要することには変わりない。 やり込みに対して配慮が十分でない 『2』や『01』にあるような「ガレージデータを引き継いで最初から」という周回プレイのシステムが存在しない。 ラスボス撃破後の特典は、ラスボスの使用車両が購入可能になることだけ。勝利時のボーナスCPも存在しない。せめて『01』以降のようにボーナスCPもあれば良かったのだが…。(*8) 前作から車種・LPSの追加、かつWANDERERの登場条件の緩和がなされただけに、このシステムは非常に痛いものとなっている。 薄すぎるオービスの存在感 バトル中に特定の場所を一定の速度以上で通過すると赤いフラッシュが焚かれ、その日の走行を終えた際に速度超過分に応じた罰金を支払うというシステム。罰金以外のペナルティは無く、罰金自体も少額。 オービスに引っかかるとリプレイにもそれが反映され、速度超過した際の写真が見られる。 判定が行われるのは特定の車線を通った場合のみだが、どの車線が対象なのかは観測地点によってバラバラ。3車線のうち2車線が対象という地点もある。設置場所についてのヒントは無く、オービスを避けるにはあらかじめ覚えておく必要がある。 一定の確率でフィルム切れを起こしていてお咎めなし、という救済措置もある。(*9)また、一部カスタムカーは風圧でナンバープレートが隠れるように細工してあるので罰金の心配が一切無い。…と、プレイヤーに有利になる要素もあるにはあるが、通常車のナンバープレート細工やオービスそのものをオフにするようなゲーム設定は無い。 ただし、バトル中にしか判定されないという事もあってか、実際は「引っかかったらアンラッキー」程度のものでしかない。プレイヤーにメリットが存在せず、ペナルティや演出としてもあまりに目立たない事から「何のために実装したのか」という意見もある。もっとも、設置個所が多かったり罰金が高額だったりすれば、不快感や面倒臭さが勝ってしまい、それはそれで問題点になっていただろうが…。 保存可能なリプレイの個数が少なすぎる 今作のリプレイは大変魅力的なものになったが、リプレイの保存は1つのメモリーカードに3つまでという制限がかかっている。 『01』では個数の制限が緩和されている。 総評 前作までの成果をしっかりと引き継ぎ、またブラッシュアップさせて、一つの終着点にたどり着いたといえる。 次作『首都高バトル01』では多くの要素を作り替え雰囲気も大きく変わっているために、「0の方が好き」として依然今作を称賛するファンも多い。 決して完成度で劣っているわけではなく、プレイする価値の高い作品である。 余談 今作はリリース当時、iモードサイトとの連動サービスが行われていた。 PS2本体と特定機種の携帯電話を繋ぐと、1日1回限定の占いでオービスに引っかかりにくくなったり(悪い結果になることもある)、ナンバープレートの数字を使ったくじで多額のCPを貰える、さらには「無条件で全車種が購入可能になる」「走行距離に関係なくLPSが発動」などの豪華な特典を得る事もできた。 今作で周回プレイが廃止されたのは、上記の特典を前提にしての事かもしれない。仮にそうだとして、全プレイヤーが気軽に利用できたわけではないサービスに依存し、サービス終了時のフォローが(当時の環境では難しかったとはいえ)一切行われなかった点は問題と言える。 『01』以降とは違ってゲーム中に登場する車を実車として登場させておらず(*10)権利関係が緩いためか、今作は廉価版を含めてかなりの期間出荷され続けた。 公式ツイッターによると2013年12月11日に最後の出荷をした模様。ちなみに「『01』はその6年前に廃盤になっている」とも言及している。 今作で用いられたグラフィックの一部は、2001年に同社が開発した『湾岸ミッドナイト』の他、2002年にはセガの『頭文字D Arcade Stage』に流用された。 いずれも車とその外装パーツ(主にメーカー純正・系列会社系)のモデリングを流用、前者は首都高のグラフィックも流用している。後者はもちろん元気の許可を受けての流用であり、スタッフロールのスペシャルサンクス欄には同社の名があった。 両作とも各車・エアロメーカーから正式な許可を受けていた為、今作ではもじられていたディティール類を実物同様に手直しを行ったものが使用されている。 『頭文字D Arcade Stage』では、今作とは年式が異なっていたAE86・S14前期型等はモデリング修正も行われている。(*11) いずれの作品も、2004年の『MAXIMUM TUNE』、2007年の『4』でメーカー独自のグラフィックに一新・統一された。
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Star Wars Jedi Knight Dark Forces II 【すたー うぉーず じぇだいないと だーくふぉーす つー】 ジャンル FPS 対応機種 Windows 発売元 LucasArtsマイクロマウス(日本)【Steam】Disney 開発元 LucasArts 発売日 1997年10月10日1997年10月24日(日本) 定価 10,800円(日本)【Steam】620円 配信 Steam/gog.comにてダウンロード販売中 判定 良作 ポイント 『スター・ウォーズ』FPS第二弾広大な3次元マップジェダイ要素も大幅強化 スター・ウォーズシリーズ ジェダイナイトシリーズDark Forces / 1 / MotS / 2 / Jedi Academy ストーリー 概要 ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 ストーリー A Long Time Ago, in a Galaxy Far, Far Away... 遠い昔、遥か彼方の銀河系で… エンドアの戦いによって第二のデス・スターが破壊され、帝国軍の敗北が決定的となってから1年後。 反乱同盟側は新共和国の樹立に向け協議を進めていたが、辺境は依然として無政府状態となり、残党の中には帝国の首領に成り代わろうとする者たちもいた。 かつて帝国軍士官となったものの謎の帝国軍将校に父親を殺されたことを知って脱走し、 戦争中は反乱同盟側に協力していた傭兵「カイル・カターン」はある時、無法惑星ナー・シャッダで情報ブローカーのドロイドである8t-88にある取引を持ち掛けられる。 カイルを出迎えた8t-88は、父親モーガンを殺したのは「ジェレク」という名前のダーク・ジェダイの男であるという情報を教える。 しかしジェレクの情報を求めようとするカイルに、8t-88は突如銃を突きつける。 彼はジェレク率いる帝国軍残党からカターン家で発見された暗号ディスクの解読を依頼され、唯一の手掛かりとなった息子カイルを脅してディスクの中の情報を手に入れようとしていたのだった。 機転を利かせて反撃し暗号ディスクを逃げる8t-88から奪回したカイルは、故郷スロンの自宅に侵入し父親のドロイドであるWeeGeeを発見する。 暗号ディスクを読み込んだWeeGeeは一本のライトセーバーと、父親の残したある映像を再生する。 カイルの父モーガン・カターンは「ジェダイの谷」と呼ばれる遺跡の守護者として、その情報をシスやダーク・ジェダイから長年秘匿し続けていたのだった。 ライトセーバーを手に入れたカイルだったが、もう一つの贈り物である「ジェダイの谷」の座標が記された天井画は既に残党によって持ち去られ、宇宙船へ積み込まれようとしていた。 相棒ジャン・オースの支援やライトセーバーの持ち主でありフォース・ゴーストとなっていたモーガンの友人クー・ラーンの助言を得て、カイルはジェダイの谷を守るべくジェダイとしての才能を開花させていく。 概要 ルーカスフィルムのゲーム部門であるルーカスアーツによる1997年発売のFPS。 前作『Star Wars Dark Forces』同様にFPS形式となっており、主人公も引き続きカイル・カターンが務めている。 動作エンジンは擬似3Dの「Jedi engine」から3Dの「Sith engine」へと移行、キャラクターグラフィックやマップは立体的なものへと変化した。 ゲームシステム 操作方法 本作からF1キーで視点変更が可能になった。ライトセーバー使用時やジャンプアクション中などにTPS視点に切り替えることで、より安全な立ち回りで動くことが可能に。 WASDで前後左右への移動を行い、マウスで視点操作を行う。Spaceキーでドアやスイッチを稼動させ、Shiftでダッシュ、Cでしゃがみ・潜水、右クリックでジャンプ。 マウス左クリックで射撃(プライマリ)を行い、Zキーで射撃(セカンダリ)、数字キーで武器選択を行う。縦方向ではないものの前作同様射撃はある程度のオートエイムが働き、かなり大胆な立ち回りでも当たるようになっている。また、リロードの概念は存在しない。 Rキーでアイテムを選択し、Enterで選択中のアイテムを使用する。一部装備はファンクションキーに割り当てられており、即座に使用することも可能。 マップはtabキーで平面が、escキーからのメニューで立体が表示できる。 ゲーム進行 マップは探索式から直線構造へと変化し、宇宙船に合流すべくスタート地点に戻ったりといったことはなくなった。クリアは自動で行われるようになった。 残機制から任意セーブへと変化し、一般的なFPSと同一のシステムへと変更された。ただしオートセーブはない。 道中では頻繁にダーク・ジェダイとの決闘チャプターが挿入される。ダーク・ジェダイにはビーム系兵器がどの方向であっても効かないため、ライトセーバーによる一騎打ちを行うことになる。 フォース Q/Eキーで選択してFで実行する、もしくはファンクションキーで実行するおなじみの特殊能力。実家でライトセーバー取得後に利用が解禁される。 ステージクリア時に戦績として「スター」が与えられ、そのスターを各種フォース能力に割り当てることでフォース能力が強化される。フォースには移動やアイテム取得に向いた中立・防御や回復を行うライトサイド、攻撃に特化したダークサイドの3つのバリエーションがあり、中盤でどちらかを選択することが可能になる。 フォース取得画面は随時escキーで確認でき、下にあるメーターの傾きがライトサイド側である程度まで進めるとグッドエンドに、ダークサイド側である程度まで進めるとバッドエンドになる。ライトサイドとダークサイドのフォースを両方取得することができない。 使用武器 素手を含めると合計10種類の武器を使用でき、それぞれに1~0までの数字キーが割り当てられている。 + 武器とその能力一覧 ブライアー・ピストル(*1) 初期装備の拳銃型ブラスター。使用弾薬はエネルギーユニットであり、ブレは少ないが連射できず火力に欠ける。 ストームトルーパー・ライフル(*2) 序盤から終盤まで主力として活躍する機関銃。使用弾薬はエネルギーユニット。ブレは激しいものの、連射速度が高く弾薬供給も多いため非常に役に立つ。 サーマル・デトネーター グランが多用する手投げの手榴弾。プライマリで着発に、セカンダリで時限式になる。チャージによって飛距離が伸びるが、投げる高さも高くなるため天井が低いと自爆する。 クロスボウ(*3) グレイブ・タスケンズが主力として利用する、狙撃に利用可能なウーキー族の高威力エネルギー兵器。チャージすると弾丸が拡散する。セカンダリは誘導弾となる。 インペリアル・リピーター・ライフル 前作でダーク・トルーパー用に開発された機関銃。使用弾薬はパワーセル。プライマリで連射し、セカンダリで3発同時に集中発射する。命中精度が高く弾速が早いためほかの武器に比べて狙撃に向く。 レール・デトネーター 吸着型のグレネードランチャー。プライマリで着発式として発射し、セカンダリで吸着爆弾として発射する。中盤からエリート・ストームトルーパーが使用し、吸着モードで猛威を振るう。 シーケンサー・チャージ 前作における地雷と同等の武器。使い勝手は悪い。 ストゥーカー・コンクションライフル 命中すると爆発を起こす狙撃銃。使用弾薬はパワーセル。命中率は高いため遠距離から敵を倒す際に重宝する。 ライトセーバー 直立状態で正面のビームを弾き、攻撃で相手の腕を切り飛ばす、映画でおなじみの近接武器。威力はそこそこだが射程距離が見かけ以上に狭く、一般兵相手にまともに使用するのは難しい。巨大生物ケル・ドラゴンやレーザーを跳ね返すAT-ST、ダーク・ジェダイとの決闘において強制的に利用しなければならなくなるため、使用頻度はそこそこ。直立状態で通常の攻撃を行い、移動しながらの攻撃で振る方向が変化する。Zキーで隙はあるが攻撃範囲の大きい強攻撃を繰り出すことができ、攻撃していない状態で向いている方向から飛んできたレーザー弾を弾くことができる。 評価点 持ち味を存分に生かした映画的ストーリー演出 前作同様にルーカスフィルム直属のゲームスタジオであるルーカスアーツによって作成されており、そのストーリー演出のクオリティは非常に高い。 各ミッションごとの膨大なテキストは廃止されたものの、合間合間には実写とCGを巧みに組み合わせたムービーが挟まる。声優の格好や演技は悪くなく、CG部分もミニチュアでないためややチープさはあるがそこまで違和感が多いというほどでもなく良好。実質的な『スター・ウォーズ』外伝映画としても見られる。 ストーリー自体は同ルーカス作品の『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の模倣に近い形となっているが、「遺跡を暴き絶大な力を手に入れようとする帝国残党と、父の意思を継ぎ阻止に挑む息子の戦い」として違和感無く本編ストーリーに馴染んでいる。 ジェダイ要素の大幅な増加 前作で問題視された、『スター・ウォーズ』を構成する重大な要素のひとつ「ジェダイ」についても、フォースやライトセーバー、ライトサイドとダークサイドの決闘といったゲームシステム面で積極的に取り入れられることとなった。映画同様の戦いが楽しめるようになり、より『スター・ウォーズ』らしさが前作より増した。 3Dで再現された『スター・ウォーズ』世界 前作の舞台のひとつでもある犯罪惑星ナー・シャッダやカイルの故郷スロンの巨大なダム、AT-STが巡回する帝国軍基地、ジェダイの遺跡群など、前作同様にロケーションはさまざま。谷間に落下し傾いていく艦船からの脱出といったスクリプト演出を駆使したロケーションも登場し、映画さながらの体験を味わうことが出来る。 帝国軍の大型兵器が登場 3DとなったことでAT-STやAT-AT、TIEボマーといった帝国軍大型兵器が複数登場。2Dエンジンの前作では描けなかった巨大兵器との戦闘を楽しむことが出来る。 雰囲気を盛り上げるBGM MIDIだった前作から進化し、映画同様のオーケストラ演奏に変化。映画でお馴染みの曲が流れるようになり、より雰囲気が向上した。 前作同様の場面ごとの転調も健在。ずっと同じ曲が流れ続けるのではなく、戦闘中などと探索で曲が変化するなどゲームに沿った調整が施されている。 最初のチャプターである惑星ナー・シャッダでいきなり「カンティーナ・バンド(*4)」が流れるなど、一部のステージにおける曲のチョイスも原作ファンを喜ばせるもの。 オンライン対戦登場 最大32人のオンライン対戦が実装。前作で不満点の一つとして上がっていた要素であり、「『スター・ウォーズ』を題材とするオンラインFPS」は本作が初となった。 ランキングを上げるとフォース強化用のスターが獲得できるなど、ジェダイ要素もゲームプレイに落とし込まれており、『スター・ウォーズ』らしい独特な対戦を楽しむことができる。 NPCの登場 一般住民や店主、アストロメク・ドロイド、パワー・ドロイド、プロトコル・ドロイド、小柄な種族の整備員など、一部マップに非戦闘NPCが登場するようになった。 AIの出来は悪いものの、駆動音を鳴らしたりグランに殴られていたりと演出の一部として機能している。またこれにより、前作と比較して市街地などの割合が増えた。 反面、プレイヤーを支援してくれるNPCは登場しない(*5)。援護射撃を行うNPCは、本作の拡張パックである『Star Wars Jedi Knight Mysteries of the Sith』にて実現することとなった。 パズル要素の改善 スイッチとギミックを行き来し、正解になるまで押し続ける単純かつ面倒なパズルは廃止され、高低差を活用したダイナミックなパズルが大量に盛り込まれた。分かっていれば容易に突破できるためストレス要因にはなりにくく、またパズル構造自体も倫理的構成のため「パズルをやらされている感」がかなり少ない。 賛否両論点 いまいち使い道が多くないフォース 特殊能力「フォース」が登場したはいいが、初期は中立のみ選択できハイジャンプや一定時間の高速ダッシュ、アイテムの引き寄せといった微妙なものばかり。中盤からはやっとライトサイド/ダークサイドのフォースが解禁されるものの、選択しての使用やファンクションキーでの発動は機敏さに欠ける為それらの使い勝手もあまり良いとは言えない。 使い勝手の悪いライトセーバー 前作で要望の多かったライトセーバーが登場したはいいものの、いまいち射程が短く使い勝手が悪い。振る速度も素手並み、攻撃反射能力の有効範囲も狭く連続したレーザー攻撃は防げない、何もしていない時しか攻撃を反射できない、反射した弾が撃った敵に当たるかどうかは完全ランダム、ロックオンできないため視界操作が面倒、そもそも0キーが遠すぎる、と色々な難点を抱えている。 説明書などでは攻撃範囲が分かりやすいTPS視点が推奨されている一方、ライトセーバーでブラスターの光線を防御したい場合は相手の顔に照準を合わせ続ける必要がある(付属マニュアル)のでクロスヘアの表示されるFPS視点でないと防御が難しい。 当たり前だがライトセーバーの攻撃反射能力に爆風は含まれておらず、本作においては手榴弾を延々投げ続けるグランや吸着爆弾を撃つエリート・ストームトルーパーが天敵となる。ゲーム的には武器を切り替えれば済む話ではあるが、吸着爆弾が剥がせずに爆死するジェダイはかなり滑稽。 問題点 戦略性のないダーク・ジェダイとの決闘 本作のライトセーバーは振っていない間だけ、正面からのレーザーとセーバー攻撃のみ防ぐという自動防御式であり、任意で防御体制にすることが出来ない(*6)。実質的に「距離を取りつつ隙を見てライトセーバーを振るだけ」と単調であり、追従カメラもないため格闘ゲームのような隙の読みあいによる高度な剣戟には程遠い。 敵もプレイヤーも移動速度が速く、移動や大ジャンプを多用した三次元的な挙動を行うダーク・ジェダイも登場する。一定位置に留まりながらの鍔迫り合いはできず、結局のところ防御されないよう相手の周りを回りながらライトセーバーを振り続けるのが最適解のボスが多い。 実質ライトサイドのフォースしか利用できない どちらか一方の側のフォースしか利用不可なシステムを採用しているのだが、ほぼ全てのプレイヤーは初周でライトサイドエンディングを目指すため、ダークサイドのフォースが多くの場合使われずに終わる。 正史もライトサイド側なため、わざわざダークサイド側のエンディングを見る必要がない。無限回復できるライトサイド側のほうが圧倒的に初心者向けという格差も相まって、フォースの数を増やして育成の自由度を上げたはずが結局使われるのはライトサイド側だけという惜しいことになっている。 地雷の処理方法が爆発のみ 敵の設置した地雷は回収手段がなく、前作同様に基本的にサーマル・デトネーターによる爆破処理に頼ることになる。ピストルで狙い撃って誘爆を狙うこともできずやや不便。 ルーカスアーツのFPSタイトルにおいて、何も消費せずに回収できるようになるのは『スター・ウォーズ リパブリックコマンド』からとなった。 微妙すぎるマルチプレイのキャラクターチョイス 要望の多かったマルチプレイが満を持して登場したものの、その参戦キャラクターはかなり微妙なことになっている。 参戦キャラクターは大量のカイル・カターンの色違い、ダーク・ジェダイの人間キャラのみ、ストームトルーパーや士官などの帝国軍兵士、タスケンやローディアンといった賞金稼ぎ種族、そしてマンダロア(ボバ)とCybot(C-3PO)。 映画本編に登場するキャラはボバ・フェットとC-3POのみ(*7)。更に言えばC-3POは本編に登場するキャラクターの色変えであり、実質的な新キャラはボバ・フェット以外に存在しない。原作ファンであればダース・ベイダーやルーク・スカイウォーカー、ハン・ソロ、若しくはストームトルーパーと戦うための反乱軍兵士といったキャラクターを期待するところだが、そういったファンには応えきれていない。 QUAKEのようなスポーツ型のFPSのため、金色のCybotを選択した場合銃を乱射し高速で跳ね回るC-3POというなんともシュールな絵面を見せられることになる。 総評 前作から順当に進化し、3Dとなったことでより高度な演出を実現した続編。 前作『Star Wars Dark Forces』の特色でもあった、ステージ内のスクリプト制御による演出やムービーによるストーリーの補完はスペック向上と共に格段に増え、『Half-Life』の前年ながらストーリーを第一に置いたゲームプレイを実現、『スター・ウォーズ』ファンも納得のFPSとしてその完成度を評価された。 肝心のジェダイ要素は一作目というのもあって荒削りのままであり、FPSに組み込まれたシステムとしてはやや不便な面が目立つ。これらの不満点は、以降の『ジェダイナイト』シリーズにおいて強化・調整されていくことになる。 余談 2012年のディズニーによるルーカスフィルム買収時に非正史(レジェンズ)に分類され、無かったことにされた数多くの『スター・ウォーズ』作品の一つ。ただし本編キャラの絡まない辺境の出来事ということもあり、時系列的には本作のみではあまり本編とかち合う部分はない。 シリーズ中で実写を採用したのは本作のみであり、後のシリーズでは3DCGモデルで表現されるようになった。本作で元傭兵の二枚目新米ジェダイ「カイル・カターン」を演じたジェイソン・コートは、その後2000年に引退しワイン生産者に転職した。 設定上、本作でジェダイとして覚醒した時のカイルは29歳。これはジェダイとしては非常に遅く、エピソードVIのルークすらジェダイとして修行した末で20歳。 設定上はフォースの修行は本来幼少期から行われるはずで、カイルと8歳下のルークですら「青年期にジェダイになった珍しい例」と言われるほど。クー・ラーンの霊体の助言こそあれど覚醒から間髪入れずに様々なフォース能力を会得、最終的にジェレク配下のダーク・ジェダイを全員始末するというとんでもない速度の成長を遂げている。