約 3,069,356 件
https://w.atwiki.jp/todo314/pages/190.html
Finding Influential Nodes in a Social Network from Information Diffusion Data Masahiro Kimura, Kazumi Saito, Ryohei Nakano, Hiroshi Motoda SBP 2009 Social Computing and Behavioral Modeling 概要 ノードの影響力をカスケード情報からランキングしたい ICモデルで確率を見積もるよ! ただし,確率の値は一様 実際のネットワークで実験してみる ヒューリスティクスより精度良い 手法 Prediction of Information Diffusion Probabilities for Independent Cascade Model とほぼ同じように見える 実験 blog |V|=10K, |E|=80K p=0.1 Wikipedia |V|=9K, |E|=245K p=0.01 この設定で一杯カスケードを生成 各ノードの影響力を既存の手法で求めておく 比較対象 次数,closeness,betweenness,PageRank pの推定の精度 カスケード数100とかになると1%以下の誤差らしい ランキングの精度 |(手法の1~r位の頂点)∩(真の1~r位の頂点)|/rで評価 提案手法は良い 最後の新しい中心性としてICモデルを議論して終わり 読んでない まとめ 精度ってなんだろう(アブスト読んだ時点での感想) あ,はい ランキングの精度が提案手法が一番良いのは当たり前だなあ… SBP inference information diffusion 2014-02-14 01 01 11 (Fri)
https://w.atwiki.jp/sevenlives/pages/150.html
フェイルオーバー【fail over】 読み:ふぇいるおーばー 英語:fail over 意味: 接続するサーバに何らかの障害があった場合、代替サーバに引き継ぐ機能。 サーバはそれぞれ同期を取っていてひとつのサーバになんらかの障害が発生したときに他のサーバがすぐさま代替処理をすることでクライアントには障害発生を感じさせず処理を行うことができる。 この機能を2重3重に高めた「カスケード・フェイルオーバー」という機能も存在する。 2011年05月09日 MSCS? カスケード・フェイルオーバー? RDBMS
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/24895.html
術・技:菫色の瞳のエル アスタリア レイズ アスタリア 術・技名 分類 備考 浄心 術技 一閃 術技 無限刀 術技 ブラッドカスケード 秘奥義 レイズ 術・技名 分類 武器・魔鏡 備考 グラシア 術技 アイクラリス アーク 術技 ジュミネステラ ピアッサー 術技 ラクリマ ダブルブレイズ 術技 コンヴィクトス プロージョン 術技 ベンズブレイカー トライデント 術技 タイムアクシス イグニション 鏡装 菫色の瞳 エル(アスタリア) 秘技→イグニションバレット ローリングバッシュ 報酬魔鏡 分史世界の少女 ブラッドカスケード 通常魔鏡 美味しいスープ 上へ 術・技:菫色の瞳のエル(TOtR)を編集
https://w.atwiki.jp/caslive/pages/39.html
ニコ生厨の派遣会社リーク事件により「釣りくせーwズ」を放送ジャックした団体組織である。 現在(2009.10.23)では人数はNo.5まで確認されているが実際はその1000倍居ると推測されている。 マンカスは食べない。ベランダに向かって突然「マンカス流星群ぅううん!!!!」と叫ぶ事がある。 会話の最後は、「〜と、エミに伝えておくよ」で締める事が多い。 ジャック放送においてはエミのことをクソビッチと罵倒しまくることから相当に毛嫌いしていることが想像される。 と言う建前があるが、実際は恐るべき伝説の魔拳【マンカス流星拳】の伝承組織である 天より降り注ぐアレはまさに魔拳の名にふさわしいアレである 正式名称は【ロマンシング・カスケード・流星拳】らしい
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/447.html
右手のレーザーライフル――『カラサワ』が火を噴いた。 絶大なエネルギーを込められた光弾は、遙か前方のパルヴァライザーに着弾、その命を摘み取った。 四脚パルヴァライザーが――崩れる。 体重を支えていた四つの足は、無様に弛緩し、木の根のように地面へ広がった。 両腕がだらんと垂れ下がり、伸ばされていた青いブレードも消滅する。 最後に、頭部で光っていたカメラアイからも、完全に光が失せた。 それは機械に似つかわしくない、極めて生物的な『死に様』だ。 (……案外、生きていたのかもしれないがな) 思いつつ、ジャックはスティックを捌いてフォックスアイの向きを転換、パルヴァライザーに背を向けた。 だがその素早い動きとは裏腹に、ジャックの吐く息は重い。 (それも、どうでもいいこと……か) 彼の表情は、戦闘直後とは思えないほど沈んでいた。だけでなく、戦いの『熱さ』とは無縁の無関心が、倦怠が、全身にまとわりついている。 その空気は、昨日今日で生まれるものではあり得なかった。 長い年月を経て、蓄積し、ジャックと同化していった、慢性的な『衰退』の空気だった。 だがその雰囲気は、ジャックがある事実を思い起こした瞬間、綺麗に吹き飛んだ。 (……そうだった。もう次の戦いに移れる……) 口元を歪める。ごちそうを前にした、子供のような笑みだった。 (これで、気怠さともさよなら、だな……!) 気を取り直し、ジャックはメインモニターから、ざっと機体状況を確認した。 APは七割ほど。弾薬も同じ。 ただ、一度ブレードを受けた際に、左肘から先が吹き飛んでいた。 フォックスアイの装甲は厚く、ブレードとはいえ、二、三撃なら防御スクリーンが弾いてくれるはずだ。 だが、今回はスクリーンの薄い関節部に、斬撃を受けてしまった。 結果フォックスアイは、まだ弾数のあるグレネードといっしょに、左肘から先を喪ったのだ。 それは、傍目には非常に運の悪いことだった。 特に――ジャックは、これから真剣勝負に挑む。 それも、生涯最後の真剣勝負だ。 そんな戦いに、左腕を喪った状態で挑まなければいけないのだ。 (構わない) だがジャックは、興味なさそうに鼻を鳴らした。 レイヴン同士の『真剣勝負』は、平等な条件で行われるとは限らない。 こちらが不利というのであれば、それはそれで真剣勝負の一つの形だ。 それに一々文句を垂れるほど、ジャックは未熟ではない。 『ジャック』 そこで、通信が来た。 付き合いの長いオペレーター――ゲオルグだった。 『パルヴァライザーの足止め、及び撃破、ご苦労さん。 あんたがやってる間に、ファシネイターが中枢の破壊を完遂した。インターネサインは沈黙。あんたの計画はほぼ完遂。 バーテックスの役割は終わった。この二四時間も、じき幕を閉じるだろう。 あとは――』 ジャックは相棒の言葉を先取りした。 「私が死ぬだけ、か」 通信の向こうで、頷く気配があった。 『だが、ジャック。最後に言うが、今ならまだ……』 「止してくれ。 私は、インターネサインについて多くの情報を握っている。だが、あれは人類には不要なものだ。 アライアンスには過ぎた玩具だ。 だから……私はその情報と一緒に、心中しなければならん。これは、すでに決まっていたことじゃないか」 悲惨な話をしているはずなのに、ジャックの口元には笑みが浮かんできた。 一定量の諦観と、やり遂げたという誇り。それらが絶妙にブレンドされた、壮絶な笑みだった。 『……ジャック』 ゲオルグが小さく呟いた。 ジャックは笑みを消して、 「それも、言うな。私とて、全く命が惜しくない、というわけではないさ」 ゲオルグが言葉を飲み込んだ。少ししてから、諦めたような声がくる。 『……本当に、損な野郎だよな』 「そうだな。だが、全て誰かがやらなければならない事だった。 そして、それができたのは――あの状況では、私だけだった。 ならば、やらねばなるまい。私がやらなければ、他の誰がやってくれる」 それは、無意識の内に出た言葉だった。 だがだからこそ、そこからジャックの本音が――嘘偽りのない、誇り高い『責任感』がかいま見えた。 ゲオルグの応答には、尊敬の念が込められる。 『大した男だな、あんたは』 ジャックは笑った。 ゲオルグの言葉を、気の利いたジョークか、あるいは軽い皮肉の類と受け取っていた。 だが直後、その笑みは獰猛なものに変質する。 『ジャック、来たぜ。熱源反応だ』 その言葉を合図に、ジャックの血が沸き立った。 さっきまでの気怠さが嘘のような、飢えた獣のような空気、それが全身から陽炎のように立ち上っていく。 「ゲオルグ、それにな。実は私は……この最期も、そう悪くないと思っている」 『……だろうな』 さすが、付き合いの長いだけあって、ゲオルグはジャックの感情を――彼が生まれながらに持っていた『欲求』を、分かっていたようだった。 ジャックは重々しく頷く。 「そうだ。私は……真剣勝負を行える。 その最中に死ねるというのは……幸福な最期の一つと言えるだろう。 少なくとも、老いさらばえて逝くよりかは、な」 それ以降、二人は口を閉じた。 だがすぐに、言葉が戻ってくる。 恐らく最後になるであろう言葉が、二人の間を満たした。 『最後の勝負だ。悔いがないように行けよ、ジャック。 煙草をやめてまであんたに尽くしたんだ。最期も、きっちり決めてくれ』 ジャックは笑い、 「ああ。しっかり戦い、しっかり死ぬさ。私のためにも、『計画』のためにもな」 それにゲオルグが、慌てて何か言いかけたようだった。 最後の言葉には、『真剣勝負』に相応しくない異物が含まれており、ゲオルグはそれに胸騒ぎを感じたのだろう。 が、ジャックはすぐに通信を切ってしまった。 ゆっくりと息を吐いて、システム・クラッチを踏みつける。 『メインシステム 戦闘モード 起動します』 * 命を賭けた戦いには、当事者の存在全てが集約される。 優れた絵画や音楽が作成者の魂を宿すように、優れた戦いには、当事者の魂が集約されていくのだ。 ジャックはそうした戦いを愛した一人だった。 命を賭けた戦いの中に宿る、剥き出しになった自らの命。その命を感じることに、すっかり魅せられていた。 戦闘。それも、命を賭けた、真剣勝負。 この世界に、これほど純粋に『生きている』ことを実感できる行いが、あるだろうか。 そう自問し、心からノーと答えたのだ。 故に、ジャックはそうした戦いを追い求めた。 彼にとって戦闘とは、唯一にして絶対の自己表現であり、高潔にして冒すべからざる聖域だった。 だからこそ、彼は並の戦いには興味を示さない。 求めるのは常に、命と誇りを賭けた、正真正銘の真剣勝負だ。 それ以外の戦いは余興にもならない。求める戦いに辿り着くための、階段にすぎなかった。 (……だが) ジャックは息を吐き出した。 ここ数年は、そういった戦いに巡り会えていない。いや思い返してみれば、生涯で数度しか巡り会えていない。 それも当然だろう。 命や誇りを賭けるといっても、相手が同程度や、あるいはそれ以上の実力者でないと意味はない。 技量で圧倒するような戦いでは、そもそもこちらの『命』や『誇り』が宿らないのだ。 格下相手では、どう頑張っても本気にはなれない、そういうことだった。 そして、ジャックは仮にもトップに近いランカーだ。彼と同等に張り合える相手など、なかなかいない。 しかも――数年前から、ジャックはネストの主宰になってしまった。 これでは、責任が付きまとう。迂闊に命など賭けられない。 彼が死んでしまえば、ネストは空中分解してしまう。レイヴンそのものを続けることさえ、幹部の説得を要したほどである。 「そうだ」 愛機の中、ジャックは一人呟いた。 今回は、そんな中でようやく巡り会えた、最大級の好機である。 バーテックスは、もはや全ての役目を終えた。 彼らには申し訳ないが――もはや、自分を縛る『立場』はない。 しかも相手は、ドミナントと目されるレイヴンだ。相手にとって不足はない。 どころか、ひょっとすれば生涯で最高の戦いを演じられるかも知れないのだ。 『命』と『命』がぶつかり合い、眩い火花を散らす――そういった戦いが、生涯夢見た戦いが、叶うかも知れないのだ。 (最期にしては、上出来だろう……) 愛機の中で一人思っていると、ガシャンと金属音が連鎖した。 一拍置いて、突き当たりの壁、そこにある扉が――開き始めた。 思わせぶりな速度で、分厚い鉄板が左右に割れていく。 ジャックはその扉が開ききる前に、待ちきれず歓迎の言葉を発した。 「遅かったじゃないか……」 言葉が終わると、ぽっかりと口を開ける暗闇、その中からACが――カスケード・レインジが現れた。 塗装のない剥き出しの金属が、天窓から降り注ぐ朝日に照らされ、メタリックな輝きを放っている。 特徴であるオレンジのモノアイが、フォックスアイを静かに見つめ返していた。 「目的はすでに果たしたよ、彼女がな。全ては私のシナリオ通り、残るは憎まれ役の幕引きだ……。 せめて、最期はレイヴンの手によって迎えたい」 もしこの言葉をゲオルグが聞いていれば、きっと眉をひそめただろう。 ここには、先程ゲオルグが感じた不安が、さらに明確な形で現れていた。 ジャックも、もし違った場であれば、発言――というより価値観――の矛盾に気づけたかも知れないが、状況にはそんな余裕はなかった。 カスケードが、右手のハンドレールをフォックスアイに向けた。 無論、撃ってはこない。傭兵の世界とはいえ、その程度の礼儀はある。 これは――意志表示だった。 御託に興味はない。闘おう。 そういった戦意の当てつけだ。 (……そうで、なくてはな) 笑い、ジャックは最後の言葉を口にした。 思考のねじれを気づかぬまま、 「私が生きた証を……レイヴンとして生きた証を……最後に残させてくれ」 ジャックがスティックを倒す。 フォックスアイが一歩踏みだし、右手の銃を相手に突きつけた。 丁度、お互いが武器を向け合っている恰好だ。 もっとも、この時点でもまだ発砲の意志はない。 だがすでに、二人の間には濃密な殺気が渦を巻いている。空間全体がぐんと密度を増し、全身に重くのしかかってくる。 その懐かしい感覚に、知らず口元が歪んだ。 (これだ……!) 三年。アークの主宰となり、あるいはランカーとなり、求めていた真剣勝負から遠ざかっていた。 特に、この半年はひどいものだった。 バーテックスの主宰となり、人類を救う計画を立案、実行していくに当たって、レイヴンとして任務をこなす機会自体が、極端に減った。 それが止めとなったらしく、ついに彼の世界は、完全に動きを止めた。 全てものが色を失い、鈍色に沈んだ。 若い頃は世界が躍動して見えたものだが、今は死体のように動きを止めている。 先程パルヴァライザーと闘ったが、その中においてさえ、それらは変わることはなかったのだ。 (だが、それもここまでだ……!) 真剣勝負に巡り会えれば、そういった倦怠からは解放されるだろう。 世界は色と躍動を取り戻し、ジャックはかつての興奮を取り戻せるはずだ。 (『殺される』ことを、愉しもうじゃないか……!) ジャックはブーストペダルを踏み込み、カスケードへ特攻した。 彼はその特攻の先に、かつての熱意が、闘争心が、戻ってくるのを予感していたのだ。 だが――その見通しが甘かったことは、すぐに明らかとなった。 * ジャックが戦闘を開始する一方で、司令部は――バーテックスの司令部は、実に無様な混乱を見せていた。 映画館ほどの空間で、多くの人員が駆け回り、喚き合っている。 どの顔にも明確な焦りと、不審が深く渦巻いており、もはや常の冷静さなど欠片も見られなかった。 (……無理もないがな) その一角で、オペレーター――ゲオルグがため息を吐いていた。 彼は、ジャックより様々な情報を知らされていた。だから特に取り乱すこともなく、冷静に状況を受け止めていた。 だが、他の面々はそうはいくまい。 彼らにしてみれば、いきなり組織のボスが司令部の地下空間で、正体不明の敵――パルヴァライザーと戦い始めたのだ。 これだけでも、もはや疑問は山積みだろう。 彼らとて、流石に指令部の地下に、大空洞があるのは知っていただろうが――なぜそこにパルヴァライザーがいるのか、どうしてジャックはそれと闘っているのか、などと訊きたいことは山ほどあったはずだ。 そこに追い討ちをかけるように、今度はアライアンス側のレイヴンと戦闘を始めた。 現在、ジャックは弱っている。これは明らかな死に戦だ。 つまり、組織全体の敗北が決まったというわけだった。 これだけの事実が重なって、むしろ平然としている方が、問題があるだろう。 (てことは、俺は問題があるのかな) 思いつつ、ゲオルグは正面の壁、そこをスクリーン替わりとして放送されている、映像に目をやった。 と、丁度戦闘が始まったところだった。 フォックスアイが、OBでカスケードへ一挙に接近、その極至近距離から武装を打ち込もうとする。 いきなり『止め』に近い攻勢だった。 部屋中が息を呑み、ゲオルグもおっと目を見張った。 だが、それは焦りすぎの感が否めなかった。 実際、カスケードは横に飛んで、難なくその攻勢を回避する。 こういった攻撃は直線的であり、それ故読まれやすい。相手の隙を作って、それから叩き込むべきなのだ。 「らしくねぇぞ……」 ゲオルグは、この時点で不穏な空気を感じていた。 そしてそれは的中した。 ジャックは逃げたカスケードを――追いかけたのだ。 致命的な愚行だった。 自殺行為も甚だしい。 ACの戦いにおいては、常にヒットアンドアウェイが基本だ。常に相手に張り付いていれば、どんな反撃が来るか分かったものではない。 そして追いかけるということは、そこに注意が向くということであり、反撃も回避しづらくなる。 重量二脚では尚更だ。 まるで、死にたがっているかのようだ。 「馬鹿!」 ゲオルグは思わず叫びをあげたが、それはジャックに届かない。 そしてカスケードは、その愚行を見逃さなかった。 オレンジのモノアイが、確かな殺意にぎらりと輝く。 カスケードは、追いかけてくるフォックスアイ、その鈍重な機動を逆手にとって側面に回り込んだ。 こういう場合のために、緊急回避用のOBがあるのだが――ジャックは、近づきすぎていた。OBで逃げる、その余裕さえない。 どころか、カスケードが真っ青なブレードを伸ばしても、受け身の予備動作さえ取れていなかった。 「総帥!」 誰かが悲鳴を上げる。 だが青い刀身は、情け容赦なく振り抜かれた。 左腕だったのが幸いした。 斬撃でAPをごっそり持っていかれたはずだが、新たに破損したのは左肩のエクステンションだけで済んだ。 左腕はすでに破損していたため、そこに新たな斬撃を受けても、状況はそれほど悪くはならなかった。 これが右腕であれば――ひょっとしたら、ジャックは右腕さえも失い、肩武装だけになっていたかもしれない。 フォックスアイの防御はタンク並であり、一度の斬撃で腕が取れるとは考えにくいが――関節を狙われれば、可能性はある。 (何やってやがる……!) ゲオルグは歯ぎしりした。 こんなものではない、という言いしれぬ焦りが渦巻いた。 今の攻防で失望の色さえ浮かべている人員に、ジャックの本当の強さを見せつけてやりたかった。 (こんなもんじゃないだろう、お前は……!) そう激しく思う中で、ゲオルグの思考は原因を探り始めた。 ジャックはハイスペックな男だが、それでも人間だ。どこかしらで道を誤ることもある。 そういう時のサポートは、オペレーターである自分が為すべきだ。 (ブランクか?) それも違う気がした。パルヴァライザーとの戦闘では、相変わらずの力量を見せている。 無論、機体の異常ではあり得ない。 目の前の体たらくは、むしろ――ジャック本人の中身が、『噛みあっていない』という印象だ。 そもそも、ジャックに戦いの心構えが出来ていない。 無論、いい戦いをしようという意欲はあるだろう。 だが、少なくとも『燃えてない』。 パルヴァライザーとの戦いにおいてさえ、そこには指揮官としての、あるいはプロとしての、最低限の戦意があったはずだ。 だが今は、その最低限の戦意さえ感じられない。 闘う前から、死んでいる。そんな印象だ。 戦略も、どころか勝利への意志さえなく、漫然と戦いを挑んでいくゾンビ。 ジャックの姿は、まさにそれだった。 そして心なしか――その背中には、『義務』という名の亡霊が、べったりと張り付いているように見えた。 (とすると……) そこで、ゲオルグの中で瞬時に答が導かれた。 戦闘前に見せていた、あの悲壮な態度。今までの重責。気負い。それら全てを鑑みると――どう考えても、これしかないという答だった。 それは同時に、笑ってしまうような答だった。 「……世話がやけるなぁおい」 ぼやきつつも、ゲオルグはデスクのコンソールを叩いた。 閉じられていた回線を、緊急信号で強引にこじ開ける。 そうやってフォックスアイとの間に、通信回線を復活させた。 ゲオルグは、そこではたと止まった。 最初になんと言うべきか、少し迷ったが――結局、最も正直な気持ちを口にした。 * (……どうなっている) ミサイルから逃げ回りつつ、ジャックは唇を噛みしめた。 これは、最後の戦い。 己が望みうる、最後にして最高のチャンス。 それは理解しているが、どうしても大事な部分が噛みあわないのだ。 最高の戦いをしよう、という気持ちは胸中で煮えているが、それに反して闘争心は燃えない。 いや、燃えていたはずだが、戦闘が始まると雲散霧消してしまった。 今も思考は冷え切り、目の前の景色はくすんだ色に沈んだままだ。 どころか、自分は世にも無様なやられ姿を晒している。 もはや、真剣勝負がどうの、というレベルでさえなくなっていた。 「私は……どうしてしまったのだ……!」 沈痛な呟きが漏れた。 と、カスケードがレールガンを撃ち放った。 無論、避けられない。 コクピットが揺れ動き、フォックスアイが不意の衝撃に膝を突く。 そこに、ずっと追いかけていたミサイルが、全弾命中した。 (こんなことが……!) だが、どうしようもない。 最高の戦いをしようとする意欲が、確かにある。 だが――燃えない。 戦いに不可欠な、闘争心がまるで沸いてこない。 パルヴァライザーとの戦いにおいてさえ、それは僅かに喚起されていたのだが、今は沸いてくる気配さえ感じられなかった。 そんな冷め切った態度を象徴するかのように、機動にキレはなく、攻撃も散漫だった。 故に、敵の攻撃が避けられない。攻撃に踏み切れない。 ばかりか、気づくと無謀な追跡をしていたりする。 近距離戦を仕掛けようとする敵に向かって、ほいほいと近づいていくことさえざらだった。 先程から繰り返されているのは、自分でも信じられない動きばかりだ。 無論、この有様なら確実に死ねるだろう。『計画者』としては、それは喜ぶべきことだ。 その点については、安堵している自分もいる。 だがそれでは――レイヴンとしての望みには、とても届かない。 (……もう戻れないのか?) ジャックの胸に、どす黒い影がヘドロのように沈殿した。 それらに耐えきれず、ジャックは牽制にミサイルをいくつか吐き出すと、そのままOBで物陰に退避した。 レーダーを確認したが、向こうも警戒しているのか、追ってくる気配はない。 (これで、時間稼ぎはできるだろうが……) 体たらくの原因が分からなければ、どうしようもない。 唇を噛みしめていると、通信が来た。 『ジャック』 オペレーター――ゲオルグだった。 心中では激しい焦りが渦巻いていたが、ジャックは無意識の内に、常の冷静な声を紡ぎだしていた。 『総帥』として習慣が、まだ生き残っているのだ。 「どうした」 『いつまで遊んでやがる』 厳しい言葉が、ジャックの胸を打った。 すると、激しい怒りが燃え上がる。 彼にしては非常に珍しい、八つ当たりに近い激情だった。 「……私とて、やりたくてやっているわけではない……!」 口調にも、隠しきれない憤怒が滲んでいた。 『総帥』という仮面から、生の部分がはみ出している。 だがそれ故に――その言葉は、ジャックの状況がいかに深刻かを、逆説的に示していた。 『聞けよ』 だがゲオルグは、動じなかった。 毅然とした態度で、友人を窘める。 『いつまでボス気取りしてるつもりだ。そんなんじゃ、まともに闘えるはずがないだろう』 ジャックが動きを止めた。 本能的な部分が、彼に『聞く価値がある』と囁いた。 口が、知らず言葉を紡ぐ。 「どういうことだ?」 『……ボスでいるのが長くて、すっかり忘れちまったのか? まさかこの期に及んで、「作戦の仕上げ」とか、「死ななければいけない」とか、考えてるんじゃないだろうな』 図星だった。 この戦いは、長い作戦の仕上げ。自分が死ぬための戦い。 バーテックスの首領として、あるいは計画者として、それは当然持つべき価値観だった。 そしてあまりにも長く、重い重責により、ジャックにはそういった視点が楔のように打ち込まれている。 その価値観を当然のように受け止め、この戦いにも持ち込んでいたのだ。 だが、ゲオルグはそれを一蹴した。 『邪魔だろ、そんなもんは。捨てちまえ』 ゲオルグの言葉に、ジャックは怪訝そうな顔をした。 が、直後はっとする。 長い年月に晒され、錆び付き、風化しきった『レイヴンの常識』が、忘却の淵から蘇った。 (……その通りだ) なるほど『指揮官』としては、その考えは――この戦いは死ぬためのものだ、という考えは、正しい。 だが『一レイヴン』として、真剣勝負を興じるのであれば――それは絶対に持ってはいけない価値観だった。 ジャックの真剣勝負とは、お互いの命を全身全霊でぶつけ合い、火花を散らす、そういう戦いだったはずなのだ。 その瞬間には未来も過去も、他のこと全ても一切忘れ、勝つためだけに全ての力を絞るべきだ。 (だというのに……) 自分は、その真剣勝負を、心の底では『計画の仕上げ』と認識していた。『死ぬための通過点』と認識していた。 求めるのは、完全無欠の真剣勝負。にも関わらず、計画者としての『義務感』が先に立ち、最初から『負ける予定』を組んでいた、ということだ。 これで闘志が燃えるはずもない。 (馬鹿か、私は……!) ようやく気づき、ジャックが痛恨の表情を見せた。 三年。 本物の戦いから遠ざかり、計画者として、あるいは責任者として生きてきた歳月で、すっかり『計画者としての考え方』が染みついてしまっていたのだ。 そのせいで、レイヴンとしての価値観を見事に忘れた。 『立場』から自由になったと思ったが、根本の部分では『バーテックス首領』のままだった、ということだろう。 どんな弁明もできない、一生ものの恥だった。 思えば――戦いで見せた無様な機動も、この『死にたがる』気持ちの現れだったのかも知れない。 「……情けないものだ……」 たっぷりと沈黙を置いてから、ようやくジャックはそれだけ言った。 ゲオルグが苦笑を返す。 『……やはり、ブランクは相当だったようだな』 「そうだな。ひどい失態だ。笑ってくれて、構わんよ」 『……笑えねぇよ。お前は、それだけでかい計画をこなしてきたってことだ。 そしてそれは……お前以外の誰にも、できなかったことだろう。そのキャリアは、誇っていいもんだ』 ゲオルグは、それに『だがな』、と付け足した。 『だがな、ジャック。これ以上はダメだぜ。流石に恰好がつかない』 ジャックは頷いた。 その動きに反応し、ドクン、と心臓が大きく波打った。 「分かってるさ」 応えと共に、鼓動が一段と速まり、全身に熱い血が行き渡っていくのを感じる。 ゲオルグもその興奮を察したのか、嬉しげに語る。 『そうだ。どうせ、これは最後の戦いだ。 何もかも忘れて、ただ闘うのが丁度いい。たまには、羽を伸ばしてみろよ』 「……そうだな」 ジャックが応じると、ゲオルグが、声でその背中を叩いた。 『……行っちまえ』 瞬間――ジャックの中で、何かが爆ぜた。 今まで貯め込まれていた、根元的な欲求が、今度こそ全ての束縛を解かれて噴出した。 先程あった、仮初めのものとは比べものにならない。 もはや、それは火山の噴火だった。 真っ赤に滾った、マグマのような情熱が、ジャックの内部で荒れ狂う。 (……これは……) ジャックが息を呑んだ。 体が熱い。心臓が激しいリズムを刻んでいる。口元には、抑えきれない笑みがある。 そしてその全てが、かつての、全盛期のジャック・Oのものだ。 ――帰ってきた。 そう実感した直後、世界が、変わる。 鈍色に沈んでいた世界が、今度こそ、再び彩りを取り戻した。 死体のように静止していた世界が、かつての躍動感を取り戻し、鮮烈なイメージがジャックの目に焼き付いた。 抑えがたい感動が、ジャックの全身を震わせる。 長かった。 だが最後の最後に、再びこの世界に辿り着いた。 積み上げてきた年数も相まって、それはジャックにかつてない程の感動を呼び込んでいた。 同時に――闘争心も、沸き上がる。 多くの年月を、障害を飛び越えて、かつての激情が彼の胸に舞い戻った。 ――闘え。 ジャックが獰猛な笑みを浮かべた。 もはや、「計画」も、「義務」も、そんなつまらないものは吹き飛んでいた。 眼前の敵を打ち砕く――それ以外のことは、何も考えられなかった。 今の彼にとっては、もはや目の前の戦いだけが、この世の全てだ。 「……この感覚……久しく忘れていたな」 ジャックはスティックを握り直した。 足の配置も直し、逸る気持ちを抑えるように、一つ大きな息を吐く。 意を決し、システム・クラッチを踏みつけた。 『メインシステム 戦闘モード 起動します』 フォックスアイに、最期の灯が点る。 * 画面の中で、フォックスアイが動いた。 物陰から颯爽と飛びだし、カスケードの正面に立った。 カスケードがそれに反応し、肩のロケットを構える。 だがそれよりも早く、フォックスアイからミサイルが放たれた。 二つの連動ミサイルが、真正面からカスケードへと殺到する。 ミサイルは速い。 通常でも、回避にはある程度の技術を要する。しかも、この段階では両機の間合いは詰まっていた。 この位置関係で撃たれれば――回避はとても難しい。 だが、カスケードは避けた。 ブースターを全力で起動させ、正面にジャンプ、すさまじい加速で、飛来するミサイルを飛び越えた。 だが、フォックスアイの攻撃はそれで終わらなかった。 着地したカスケードへ、今度は垂直ミサイルが上空より迫る。 先程、連動ミサイルと同時に発射されていた、両肩の垂直ミサイルだ。 カスケードは、こちらも前にダッシュして避けようとしたが――直後、凍りついた。 フォックスアイだ。 OBの加速を受けて、重量ACが正面から突っ込んでくる。 一見、無謀な突撃だったが――それは緻密な計算に裏付けされた、高度な戦術だった。 左肘から先は千切れ、左肩のエクステンションも死に、左腕全体がもはや重りでしかない。ならばタックルを繰り出し、左腕部を相手に衝突させる――つまり、いっそ『武器』に転用してしまおう、という合理的かつ大胆な発想がかいま見えた。 そしてそれは大胆な発想であるからこそ、一瞬ながらも、カスケードの注意を強烈に引きつける『おとり』効果もあった。 その結果――注意を奪われたカスケードは、垂直ミサイルをもらってしまった。 大威力のミサイルが、カスケードの頭部に振り下ろされる。 そしてそれは、機体を地面に押しつけた。一瞬ながら、一切の機動が奪われた。 そこに、フォックスアイのタックルが来たのだ。 カスケードは大質量の突進をもろに喰らった。 それはまさしく、『撥ねられた』という表現がぴったりだ。 決して軽くないカスケードが、吹き飛び、低い軌道を描いて後ろの壁に衝突する。 轟音が響き、途方もない衝撃にインターネサイン全体が打ち震えた。 しかし――フォックスアイは、それでもまだ飽き足らなかった。 右手のハイレーザーライフルを――ミラージュの傑作『カラサワ』を、壁際のカスケードへ向ける。 カスケードはいち早く体勢を立て直し、回避しようと足を沈めていた。 だが際どいタイミングだ。 カスケードが横へ跳ぶのが先か、攻撃が届くのが先か。 フォックスアイから、禍々しい声がする。 『死んでみろ……!』 同時に、カラサワから青いレーザーが放たれた。 戦艦砲に匹敵する、大威力のレーザーだ。そこに込められたエネルギーは、尋常ではない。 光弾が放つ強烈な青光が、フォックスアイを、カスケードを、幻想的なブルーに染め上げた。 そんな中――カスケードが、右へ跳んだ。 間一髪のタイミングで、眼前に迫るレーザーを回避した。 その背後で凄まじい爆発が起こるが、カスケードは構わず、右のレールガンを標的に向ける。 焦げるような、放電音。 レールガンがエネルギーを貯めている。 カラサワと同じ、青いレーザーが今度はフォックスアイを狙っていた。 だが、カスケードと違いフォックスアイは重量級だ。 動きは鈍く、無論、弾速の速いレールガンなど避けられない。 事実、レールガンが青い光を発射したとき、フォックスアイはまだ回避の予備動作さえ取れていなかった。 だが、代わりに――フォックスアイのレーザーライフルが、肩のミサイルが、カスケードに狙いをつけている。 攻撃を避ける気など始めからなかったのだ。 『これしきのこと……!』 愉悦を滲ませた、ジャックの声だ。 直後、レールガンが直撃する。 だがジャックの言葉通り、フォックスアイは揺るぎもしなかった。 コア表面で青の光が炸裂したはずだが、その射撃姿勢は安定し、少しの揺らぎも見られない。 『喰らう』と割り切ってしまえば、反動も操縦者の技量でカバーできるのだ。 『いくら喰らおうと……こちらが死ぬ前に、貴様が死ねばいいことだ!』 言葉と同時に、フォックスアイの全ての武装が、反撃の火を噴いた。 青のレーザーが空中を突き進み、大小のミサイルがカスケードに向かって様々な軌道を描く。 色とりどりの光が、インターネサインを色鮮やかに照らし出した。 それは――まるで祭りだった。 フォックスアイという火薬庫のようなACが、全ての武装を、エネルギーを、全力で展開している。 その結果としての、極めて派手な攻勢だった。 どことなく、『花火』の姿さえ思わせる。 先程の茶番などとは、比べようもない、鮮烈な戦いの姿だった。 「……すげぇ」 そんな様子に、どこかでため息が漏れた。 それは次々と連鎖し、部屋の中で徐々にざわめきが広がっていく。 作業員達は、引き込まれていた戦闘の映像より、ようやく我を取り戻しつつあった。 だが完全に興奮が冷めるはずもなく、いずれの顔も赤く染まっている。 「……確かに、すげぇな」 そんな部屋の一角で、呟くのは――ジャックのオペレーター、ゲオルグだ。 彼らが座り、戦いを観戦している場所は、先程の司令部だった。 そして、その壁一面を占領して、フォックスアイとカスケードの死闘が放送されている。 彼らは、ずっとそれに見入っていたのである。 (……無理もないか) ゲオルグは、視線を正面の壁、そこのスクリーンに戻した。 途端、胸が熱くなる。 目の前の戦いは、モニターを通してさえ、尚も鮮烈なエネルギーを放っていた。 もはやそれは、最初の戦闘とは別物だった。 お互いがお互いを殺すことだけを考え、そこに全力を投じている。 とてつもない殺気が荒れ狂い、戦闘そのものが生き物のように躍動していた。 それは当事者が全存在を賭けて行う、冒しがたい『高潔な戦い』だ。 彼らには、もはや相手以外見えていまい。 未来も過去も忘れ、ただこの瞬間、この戦いだけを生きている。 レイヴンが、アウトローが望みうる、最高の戦いの一つだ。 (いい感じじゃないか) ゲオルグは笑った。 本当は拍手でも送りたい気持ちだったが、それは我慢した。 と、そこで画面に動きがあった。 ついに、カスケードが攻勢に転じたのだ。 ミサイルの雨を縫って、高速で接近、一挙に近距離射程に持ち込んだ。 その左腕からは、青の収束エネルギーが、ブレードが長く伸ばされている。 斬られる。 誰もがそう思った。 どこからか、悲鳴に近い声がする。 「避けて――!」 フォックスアイは――避けなかった。 まるで『その必要はない』とでもいうかのように、傲然と構えている。 そこに、コアを真横に裂く、水平切りの軌道。その一閃が、芸術的に決まった。 全員が息を呑んだ。コクピットを直撃。並のACであれば、致命傷でおかしくない。 だが――フォックスアイは怯まない。揺るがない。 タンク並の防御スクリーンは、ブレードの威力を受けきった。 と同時に、重量二脚が、操縦者の技量が、衝撃さえも完全に殺している。 フォックスアイから、濃密な殺気が立ち上った。 カスケードが、危機的な空気を察したのかバックダッシュで間合いを開けた。 直後――フォックスアイが、鉄の咆吼を上げた。 高威力のレーザーが、ミサイルが、全て一斉に火を噴いた。 引き上げるカスケードに、高威力の攻撃が次々と追いすがっていき、ばかりか幾つかの攻撃がクリーンヒットした。 ブレードで受けたダメージは、きっと倍以上にして返せただろう。 「……すげぇ」 誰かが、再び呟いた。 そしてそれは、ゲオルグも同感だった。 強力なブレードを喰らってさえ、フォックスアイに全く揺らぎは無かった。 まるで冒しがたい何かのように、今もその堂々とした偉容をそびえ立たせ、敵に苛烈な反撃を送り込んでいる。 そしてそれは――希にみる、誇り高い姿だった。 どんな攻撃にも怯むことなく、曲がることなく、受けきり、立ち向かっていく。 今のフォックスアイの姿は、そうした搭乗者の有様が宿っているかのようだ。 心なしか、白い機体が神々しく輝いて見える。 (……珍しいことじゃねぇがな) ゲオルグは、自分に言い聞かせた。 もとより、全力を賭けた戦いでは、搭乗者の内面がもろに出る。 レベルが高ければ高いほど、そういう傾向は強くなっていく。 今回も、その法則に従ったまでだ。 ジャックは、元々これほどまでに誇り高い男なのだ。 「……これが、俺達の総帥……!」 そして、その誇りは部下達にまで伝播した。 初めて見る、ジャックの戦いに、その高潔な姿に――誰もが目を奪われ、頬を上気させていた。 その表情からは、もはや先程までの不信感、失望は吹き飛んでいる。 例え計画の詳細は分からなくとも、この誇り高い男が、何かを為すのを手助けした――その事実は、彼らの中で末永く誇りとして生きることだろう。 そして、その誇りは持ってよいものだった。 何故なら、彼らもまた、ジャックが世界を救う一助を為したのだから。 「……大したやつだよなぁ」 ゲオルグが呟いた。 分かっていたことだ。自分は彼の側にいて、誰よりも彼を知っていた。 だが、それでも――凄いと思う。 ただそこにあり、行動する。それだけで多くの人を引っ張り、導いていく。今のように。 これが、ジャック・Oという男なのだ。 「もったいねぇ」 ゲオルグが顔を歪めた。 この男をこんな場所で使い潰すことが、今更ながらとても惜しいように思えてくる。 ゲオルグは、声を大にして叫びたかった。 何故自分は、ここにいるのか。 どうして今あの白いACに乗り、死につつあるのが自分ではないのか。 あの男のために死ねるのであれば、自分の命も、惜しくないように思える。 無論、それは本当に一瞬の感情であったが――彼をしてさえそう思わせる、何かが存在していた。 (……いや、そんなものを持っているからこそ、あいつはあの場所にいるんだろうな) ゲオルグはため息を吐きだした。 もはや、彼にできることは、彼の最期の時間が一秒でも長く続くことを、祈るのみだ。 「行け、ジャック」 応じるように、フォックスアイがOBを展開した。 * 過去の事例を省みるまでもなく、これはジャックにとって最高の戦いだった。 今や、ジャックは愛機と一体になり、相手を殺すことだけに全力を費やしている。 彼は、まさしく自らの命を全身で感じていた。 その悦びが、声になって喉から飛び出した。 「はぁぁ――――!!」 猛々しい叫びと共に、フォックスアイがOBを噴射した。 突進しながら、決定的な一撃を打ち込むつもりだ。満を持しての、『止め』の動きだった。 体を打つ加速の中で、フォックスアイが右手の銃を相手に向ける。 カスケードも、ロケットでこちらを狙ってきた。 一瞬の勝負に賭けた、撃ち合いである。 (……これだ!) ジャックは心中で快哉を上げた。 この打ち合いの瞬間、全ての感覚が研ぎ澄まされる。 一瞬が永く引き延ばされ、五感が微細な揺れを、戦場の匂いを、相手の動きを、異常なほどの緻密さで伝えてくる。 まさに、若い頃に数度体験しただけの、焦がれ続けた『戦い』の世界だった。 この全存在が相手を殺すために特化される、その感覚を、ジャックは求め続けていた。 (私の、世界だ……) ジャックはそれら全てを感じつつ、ゆっくりと流れる世界の中、状況を観察し続けた。 勝負は一瞬。撃てるのは一発。 ならば、タイミングを限界まで見定めなければいけない。 OBの加速の中、ジャックの目が鋭くを細められた。 反対に、口元には笑みが浮かんでいく。 (――距離、40) ジャックはトリガーの指に力を込めた。 だが、まだ撃たない。もっと近づいてからだ。 (30) 相手が動いた。 ロケットが、肩の筒から発射される。 白い煙が花開き、その中から鋭利な弾頭が飛び出してきた。 しかし――ジャックは撃たない。 どこまでもスローな世界の中で、冷静に、状況を観察し続けた。 (20!) ロケット弾がすぐそこに迫り、相手の機体もかなり近づいて見えた。 瞬間――ジャックに獰猛な笑みが宿った。 全ての条件がクリアーされ、何かが脳裏で『殺せ』と囁いた。 ジャックの指が、自動的にトリガーを絞る。 カラサワが火を噴いた。 濃縮されたエネルギーはロケット弾を消し飛ばし、さらに、その向こうにいるカスケードへと直進する。 すでに距離は近く、避けられないタイミングだ。それに例え凌いだとしても、その直後フォックスアイの体当たりに――OBの加速を受けた、先程のようなタックルに見舞われるだろう。 それは、円熟した二重の仕掛けだ。 通常のレイヴンであれば、これをされた時点で終わっている。 だが――カスケードは、普通ではなかった。 「なっ」 ジャックが目を剥いた。 カスケードが、レーザーを避けた。 両脚を沈めて、激しく体を前に傾ける。ほとんど転ぶ直前の姿勢であり、実際、カスケードはバランスを崩して俯せに倒れ込んだ。そう見えた。 が、直後、ブースターが火を噴いた。 地面にコアが接触する直前で、浮力が発生、カスケードは倒れるギリギリで踏みとどまった。 そしてそのまま――進んでくる。フォックスアイに向かって。 凄まじいスピードで、一直線に。 まるで低空を泳ぐ弾頭だ。 その左腕が突き出され、その先から真っ青な収束エネルギーが――ブレードが伸ばされる。 それは、『斬る』形ではなかった。ただ一点に威力を集中させる、『突き』の構えだ。 (……面白い!) これは、賭だった。 カスケードの目論見通りに行けば、ジャックはコクピットごと貫かれる。 だがフォックスアイはそんなに柔ではない。 的確に命中すればともかく、半端な角度で突きが繰り出されても、きっと防御スクリーンが働き、即死は防いでくれるはずだ。 しかもその場合、カスケードはフォックスアイの突進を喰らうのだ。 突進を真正面から喰らえば、バランスを崩し、倒れ、そこに攻撃を受け続けてしまうだろう。 故に、リスクは非常に高い。だが、成功時の効果は絶大とも言える。 ――いや、もっと厳密に見積もれば、相手に分がある賭だろう。 そもそも、カラサワを避けた時点で人間業ではない。そんな相手が、この攻撃をしくじるとは思えない。もとより、戦力的な差もあったのだ。 (……だが、まぁ……そんなことはどうでもいい。 今ある戦いを、全力でこなすだけさ) 不敵に笑い、ジャックはブーストペダルを踏みつけた。 速度が上昇し、両者の距離は一挙に縮まる。 まさに相手の突きと、フォックスアイのタックルがぶつかり合う瞬間だ。 途端――ジャックの中で、さらなる変化が起こった。 時間が、さらにゆっくりになる。 スローモーションのような世界の中で、相手のブレードがまずこちらに接触、装甲と擦れ合い、眩い火花を上げる。 (……これは……) ジャックが息を呑んだ。 ――美しい。 空中に噴き上がる、オレンジの、鮮烈な火花。 それはジャックとカスケード、お互いが命をぶつけ合った結果、砕け、飛び散った光だ。 二つの命が、レイヴンが、空間でスパークを起こしている。 ジャックの目には、そう映った。 「ああ……」 息が、漏れた。 いい戦いだった。 長い間のブランク、そこで溜まっていた不満を返して余りある、素晴らしすぎる戦いだ。 これから先生きても、恐らくこれ以上のものを感じることはあり得まい。 (これ以上のことが、私にあるだろうか……) 自問し、ジャックは首を振った。 言葉が口をついて出てくる。 「礼を言う……」 カスケードのブレードが、フォックスアイの装甲を食い破った。 * ああ、と全員が同時に息を漏らした。 カスケードのブレードが、フォックスアイのコアを貫いた。 フォックスアイはバランスを失って、突進の勢いそのままに、地面に倒れ込もうとする。 だがカスケードはそれさえも避けた。 左手でフォックスアイの肩を掴み、そのまま重心移動の要領で、二機の位置を素早く入れ替えた。 ジャック・O最後の突進は、虚空に向かって放たれた。白い機体は高速のままで地面に倒れてしまい、道路と擦れて金属の悲鳴と火花をあげた。 直後、爆散。 フォックスアイは無数の破片となって、四方に飛び散った。 操縦者は、生きてはいまい。 バーテックスの敗北は決定した。 だが――司令部は、すぐに反応しなかった。 誰もがスクリーンを見つめたまま、夢をみているような調子で、固まっている。 戦闘に、魅せられているのだ。 「……死んだか……」 ゲオルグは、そんな司令部の隅で呟いた。 次いで、画面に向き直って、 「お疲れさん、ジャック」 涙は出なかった。 他の人員と違い、彼は椅子に座ったまま、スクリーンを静かに見つめ続けている。 無論、彼も感動してはいた。 胸の内からは常に熱いものがこみ上げ、頭の中では先程の戦いが繰り返し再生されている。 その証拠に、彼は無意識の内に胸ポケットに手をやっていた。 そこにあるのは――煙草だ。 その箱の中から一本とりだし、ライターで火をつけ、口の端にくわえる。 激しく心を揺り動かされたとき、煙草に手が伸びるのは、愛煙家の性なのだ。 (……本当に、最後まで……) 大きく薫りを吸い込んで、吐き出す。 真っ白な煙が、もわりと口から立ち上り、やがては空中に溶けていった。 ゲオルグはそれを眺めながら、また薫りを吸い込み、吐き出す。 それを何度か繰り返した。 久しぶりに吸う煙草の薫りが、彼の胸を心地よく満たしていく。 いつしか気持ちも落ち着き、身体の緊張もほぐれ、リラックスしてきた。 (……そういや、煙草を吸うのも久しぶりだな) ゲオルグは職務の関係上、ずっと禁煙していた。 今日は最後の日ということで、愛着のある銘柄を、一箱胸ポケットに突っ込んでおいたのだ。 (……『満足』、か) その愛煙家としての充足感を感じながら、ゲオルグは思った。 自分は長いこと禁煙をしていた。 それ故に――今吸っている煙草が、美味い。この一本の味は、かつて一度だけ吸った葉巻にも勝るだろう。 そして、それはジャックにとっても同じはずだった。 彼もまた、長い間戦いから遠ざかっていた。 だからこそ、先程の戦いは格別に味がしたに違いない。 その感覚は、ジャック本人にしか分からないだろう。 だが――その感動が、彼を快く送り出してくれたに違いない。 そんな気がするのだ。あの戦いを見ていると。 「……安らかにな、ジャック」 ゲオルグは、小さく呟いた。 その言葉を待っていたかのように、長くなった煙草の灰が、ぽとりと床に落ちる。 二四時間の幕が下りた。
https://w.atwiki.jp/seamo1040/pages/18.html
HUB 役割 ツイストペアケーブルを束ねる集線の役割 リピーターとしての役割 特徴 コリジョンを処理する。 波形を整える。 基本的にハブにつながれたポート全てにパケットが送られる。 付加価値的な機能 リンク状況を検知する MDI/MDI-X変換を行う パケット中のアドレスを調べ目的先以外のポートにスクランブルをかけて送り盗聴を防止する ポートごとに使用する機器のMACアドレスを登録しておき、端末を限定する機能 MACアドレステーブルを保持する機能(スイッチングハブ) 接続方式 カスケード接続=普通の数珠繋ぎ スタック接続=スタックケーブルを使いひとつのハブとして扱う 接続制限 5セグメント/4リピーター (セグメントとはコリジョンドメインの通用する範囲のこと) 10BASE-T 4台のリピーターが経路中に存在していい 100Base-TX ClassI=カスケード接続不可 ClassII=PC間のケーブル長が205m
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/5936.html
autolink() VA/WPR-P22 カード名:“カスケーディングスタイル”しばP カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《ビジュアルアーツ》?・《ネット》? 【自】このカードがアタックした時、あなたのキャラすべてに、そのターン中、パワーを+500。 書き換えてやんよ! そのWEBページを!! レアリティ:PR illust.伊倉ナギサ
https://w.atwiki.jp/skatefigure/pages/19.html
世界フィギュアスケート選手権は国際スケート連盟(ISU)が主管轄で行うフィギュアスケート単独の大会としては最大の大会である。 国際スケート連盟のランキング算出ポイントでもオリンピックとともに一番高い格を与えられており、フィギュアスケートにおいてこの大会で優勝することはオリンピックと同等かそれ以上の重みを持つ(国際オリンピック委員会のもとに開催されるオリンピックは4年に1度ということで国やメディアによっては世界選手権より大きく取り上げられることもある)。 各国の大会出場枠は最大3名(組)で、この大会の成績(3名派遣の国は上位2人、その他の場合は全出場選手の成績)で翌年の世界選手権の(翌年にオリンピックがある場合はオリンピックも)出場人数が決められる。男子、女子、ペア、アイスダンスの4種目が行われる。 日程 2009年3月23日~29日 開催地 アメリカ合衆国・ロサンゼルス シングル日本代表 男子 女子 補欠男子 補欠女子 織田信成 浅田真央 1南里康晴 1中野友加里 小塚崇彦 村主章枝 2村上大介 2鈴木明子 無良崇人 安藤美姫 アイスダンス日本代表 選手名 キャシー・リード/クリス・リード
https://w.atwiki.jp/magichappy/pages/1827.html
▼ ラバオ (Quwi Orihbheにジャングルクッキーをトレード) ジャングルクッキー 乾燥した果実の入ったクッキー。 アドゥリン土産人気No.1。 Quwi Orihbhe やった~! 待ってました。 ジャングルクッキーは私の大好物なんです~。 いただきます~! Quwi Orihbhe あ……。 私ばっかり食べちゃってごめんなさい。 [Your Name]さんには コレをあげますね。 フロンティアチョコを手にいれた! フロンティアチョコ 甘すぎないと評判の板状のチョコレート。 アドゥリン土産人気No.3。 マウラ (Zurko-Bazurkoにフロンティアチョコをトレード) Zurko-Bazurko こ、これは……ッ! 漆黒の闇と甘美な輝きに満ちたこの気配は……! Zurko-Bazurko ふっ。 返せと言っても、もう遅い。 なぜなら、もうすでに俺のソウルと 同化しちまった後だから、な。 Zurko-Bazurko あん? なんだその物欲しそうな目は……。 ほらよ、アメちゃんでも舐めてな。 カスケードドロップを手にいれた! カスケードドロップ はじける泡が心地よいキャンディ。 アドゥリン土産人気No.2。 ノーグ (Wistful Bisonにカスケードドロップをトレード) Wistful Bison ああ、助かります。 ちょっと疲れていたところなんですが、 この飴が結構効くんです。 Wistful Bison お返しに…… コレ、あげます。 私、魚がちょっと苦手なもので。 アジェの干物を手にいれた! アジェの干物 アジェを天日乾燥させた保存食。 セルビナ (Jilliaにアジェの干物をトレード) Jillia おおっ!? まさか、こっちの国でアジェの干物に ありつけるとは思いませんでした! ありがたくいただきます。 Jillia あ、そうだ。 お礼に、これなんかどうでしょう? のどごし爽やか。グビッとどうぞ。 クリアソーダを手にいれた! クリアソーダ アドゥリンで採れる天然の炭酸水 。 ▲ ■関連項目 西の国からの調査団 Copyright (C) 2002-2012 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/todo314/pages/206.html
Learning Continuous-Time Information Diffusion Model for Social Behavioral Data Analysis Kazumi Saito, Masahiro Kimura, Kouzou Ohara, Hiroshi Motoda ACML 2009 概要 Continuous-Time Independent Cascade Model r_uv 時間遅延パラメータ κ_uv 伝播確率 時刻tでuがactiveになったら, vを時刻t+δに確率κ_uvでactiveにする δはr_uvからきまる指数分布 学習したいパラメータ パラメータはrとκ カスケードの観測データD_Mは各頂点がactiveになった時刻からなる 提案手法 尤度最大化 L(r,k; D_M) 実験 パラメータ推定と高影響力な頂点の抽出 グラフは2つ 10K頂点,200K辺位 確率は0.1と0.01 訓練データはランダムに選んだ頂点からシミュレート σ(v)はICと解釈しても問題無い 時間遅延があるだけだから,確率は変わらない 推定の実験結果 真の値との相対誤差を見ている カスケード数が100とかで1%未満になっている 高影響力頂点の抽出 真のtop kの頂点集合との一致数を見ている 実世界のブログデータへの適用 トピックの拡散の様子を調べたい! Doblogを使う NTTデータのブログサービス,既に終了している 7,000URLを抽出 200くらいのカスケードを取得 κとrをプロットしてみる ミュージカル・バトンは割りと速い? 迷子に関するものも速い それっぽい傾向はあるっぽい トピック毎の性質を上手く抽出できているはず! まとめ モデルの難しさはどの位が良いのだろう… 簡単すぎるとうまくフィットしないし,複雑だとまともに学習できなさそう このモデルは割りと唐突にこれ使うよ,みたいな感じだった 既に提案されたいい感じのモデルで学習した,だけとかじゃだめかな… inference ACML influence maximization modeling 2014-03-18 00 35 34 (Tue)