約 3,722,283 件
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1448.html
オラーシャ領シベリア上空約10000mを俺は飛び続けていた。 俺「ひぃとーみのぉきれーいなあのーひとがすき~♪ かれぇーはわぁたしーよりおさーけがぁすき~♪」 もう厚木を飛び立って約7時間。距離にして3000km弱を飛んだことになる。 俺「しらーゆきー はくーしか きたぁのほーまれ~♪ きぃりん あさぁひじゅんなま さっぽーろじゃいあんと~♪」 航続距離に優れるストライカーを履いた優秀なウィッチであってもそろそろ疲れを見せる距離であるのだが、なんとまだペテルブルクまでの道程の半分にも満たない。 俺「きのーうもひぐぅーれにあそーびにぃきて~♪ そのーままーあさぁまでよいーつぅぶれ~♪」 にも関わらず問題なく飛び続けるのは、やはり彼の固有魔法の力故である。 俺「おおーぜきぃ けんーびし きんぱい げっけぇいかん~♪ ふくむすめー あけごころ こまぁちむぅすめ~♪」 出発に先立って大量に積まれた『扶桑酒』のうちそれなりの量は既に彼の体の中に流し込まれている。 俺「わたぁしのーとうーさんのみぃすけだった~♪ さけぇのみーのにょうぼうにゃなりーたくないの~♪」 固有魔法で摂取したアルコールを魔力へと変換する……はずなのだが、どうも俺は酔っぱらっているらしく陽気に歌を歌っていた。 俺「きざーくらー しょうちぃくばい きくぅまさぁむね~♪ かもーづるぅ はくぅつる さわーのぉつる~♪」 歌いながらも新しい酒に手を伸ばし、一気に一升瓶を飲み干す。 俺「もうーすぐぅあのひととけっこんーしぃます~♪ かれぇーよりもおさぁーけになかさーれるでしょう~♪」 真っ赤な顔で、空き瓶を振ってリズムを取る姿はそのまんま酔いどれである。 俺「とみーおー びしょぉうねん おとぉーこぉやま~♪ おーしゃん にっか さんとぉりー にほーんさぁかり~♪」 アルコール中毒で倒れたり、気分悪くなって吐いたりしないかと心配になるところだが、そこのところは固有魔法によって体内のアルコール量を調節しているので、気分よく酔っぱらっている。 俺「らんまん~♪」 他人が見たら不安で仕方がない様子ではあるものの、俺はなんとか問題なく目的地へ向かっていた。 (俺が歌っていた歌 ttp //www.youtube.com/watch?v=7S97By9z5jo) 兵士「搬入資材はこれにて全てとなります」 サーシャ「はい、確認いたしました」 第502戦闘航空団に、ウィッチが10人未満の部隊に対しては過剰と思える大量のストライカーユニットが『いつも通り』に運び込まれていた。 某三人のせいだろう、最近痩せてきた気がする部隊の後方参謀主任に対してサーシャは心の中で手を合わせた。 サーシャ「はぁ」 トラックが走り去ったのを見送って、サーシャは堪えていた深いため息をついた。 ガリアが501により解放されて以降、ここの補給状況は安定したものの、それもいつまた覆るかわからないのでこれが普通と思ってはならない。とは言っても一向に壊れるストライカーが減るわけでもない。 まさに板挟みで、責任感の強いサーシャにとっては悩みの種である。 サーシャ「せめて一人だけでも改善されれば……」 クルピンスキー「どうしたの熊さん? ため息なんてついちゃってさ」 サーシャ「……」 背後からかかったのんきな声に、サーシャはまたため息を重ねた。 ちょっと睨むようにクルピンスキーへと振り返るが、当の本人は相変わらず飄々としている。 クルピンスキー「ため息つくと幸せが逃げるらしいよ?」 サーシャ「はぁ……」 あなたのせい、と言ってみ意味がないので肩を少し落としてサーシャはため息で返事をした。 クルピンスキー「おや、またため息。そうだ、私が熊さんに幸せ注入してあげるよ!」 サーシャ「いりません。あと熊さんと呼ぶのはやめなさいクルピンスキー中尉」 名案とばかりに顔を輝かせたクルピンスキーへの返事は一瞬。 冷たい声音で拒否されたのだが、もうこのような扱いは慣れているクルピンスキーはちょっと肩を竦めるだけであった。 クルピンスキー「それは残念だ。でも気が変わったらすぐ言ってね。熊さんの頼みならいつだって私は叶えちゃうからさ! なんなら今夜私の部屋にでも来る?」 ぱあっと顔を輝かせ、なにかを抱きしめる直前のように両手を広げる。 すぐに復活するあたり、楽天的でマイペースなプンスキー伯爵はさすがといったところか。 サーシャ「行きません! それに熊さんはやめなさいと何度も……いえ、もういいです」 真面目に取り合っては相手の思うつぼと思ったか、サーシャは自分を落ち着けるように一度深呼吸をする。 神出鬼没で掴みどころのないクルピンスキーのいろいろ言って人をいじって楽しむようなところなど、もう長い付き合いになりつつある彼女にはわかりきっていた。 サーシャ「前線なんですから気を抜きすぎないように」 クルピンスキー「ふふっ、そこのところは大丈夫だよ。これが私のベストコンディションだからね」 サーシャ(よく言う……あながち間違っていないあたり余計に面倒ですけど) 心の中で愚痴を零しながら、クルピンスキーの横を通り過ぎようとしたのだが、鼻腔に感じたある匂いにぴたりと足をとめる。 クルピンスキー「どうしたの?」 サーシャ「中尉?」 なんとなく嫌な予感がして、匂いの正体を確かめようとクルピンスキーの正面へ回る。 先ほど感じた香りはほんの少しだった。けれど、見逃すわけにはいかない。 15cm少々の身長差のために、サーシャが背伸びするような形でクルピンスキーの口元へ鼻を近づける。 クルピンスキー「あー……」 いつも自分のペースを崩さないクルピンスキーが一瞬目を泳がせ、頬を指でかく。 これは更に怪しいとサーシャは匂いに集中する。 また、同じ匂いがした。 サーシャ(この匂いは!) クルピンスキー「確かにいつでもって言ったけど、こんな真昼間からなんて私うれしさのあまり困っちゃうなぁ」 サーシャ「……は?」 クルピンスキー「これってキスしちゃっていいの? まいったなぁ……遠慮しないよ私は」 サーシャ「ってなななななな、なにを考えているんですか中尉!!」 客観的に現在の自分とクルピンスキーの状態を見て、瞬間的に事態を理解したサーシャは一歩飛びのいた。 無自覚だったとはいえ恥ずかしさのために頬が紅潮している。 サーシャ「あなたは本当に普段からそんなことばかり言って! それに今お酒の匂いがしましたよ真昼間から飲酒だなんて何を考えているんですか!!」 クルピンスキー「えー、オラーシャの人は昼でもお酒飲むって聞くよ? 私はただロマーニャに入ればロマーニャに従えって奴を実践してみたつもりなんだけど」 サーシャ「時と場合くらい選びます!」 クルピンスキー「なら問題ないじゃない」 サーシャ「どこが!?」 クルピンスキー「だってお酒ってのは飲みたい時に飲むものでしょ?」 サーシャ「っ!」 あっけらかんと言い放つクルピンスキーにサーシャは絶句。 相手に飲まれてはいけない、そう思う。思うのだが、我慢はすぐにできなくなる。 ぎゅっと握ったこぶしが小刻みに震えていた。 サーシャ「クルピンスキー中尉はそこに正座っ!!」 大声が響いた。 もはやここ502では日常茶飯事のことだった。 二パ「伯爵もなんでわざわざ怒られるようなことするんだろうな……」 菅野「知らねーよ。というより、オレはあいつの思考回路を理解したいと思わない」 二パ「なんで?」 菅野「理解できた時点でこっちまで変人になってるのが確定だろ」 二パ「あぁ、たしかに……」 納得と二パは頷いた。 二パ「ところで、私たちいつまで正座してればいいのかな?」 菅野「知らねーよ……」 クルピンスキーを引きずるようにしてハンガーの中に入ってくるサーシャは、遠目から見てもご立腹だ。 そろそろ許してくれるんじゃないかと思っていた二人は大きくため息をついた。 二パ&菅野(延長……か) 暑さとは無縁のペテルブルクなのに、冷や汗を流しながら。 もう既に二人の足の感覚は無くなっていた。 ロスマン「ニセ伯爵ったら相変わらずなんだから……」 やれやれといった表情を浮かべるロスマンだったが、その目は今日扶桑から搬入されたとあるストライカーユニットに向けられていた。 扶桑のウィッチは502に二人いるが、菅野と下原の使う紫電ではない。 魔導エンジンのある胴体部分が比較的ずんぐりしているのは似ているが、このストライカーの胴体はより紡錘形に近い。 技術者ではないが、航空ウィッチとして興味をそそられる。 ロスマン「ねぇラル。これなんていうストライカーなの?」 ラル「んー? そうだなぁ、ギガデインだかライデインだかそんな名前だったと思うが手元に資料がないからよくわからん」 ロスマン「……なんでそんなうろ覚えなのよ?」 ラル「ははっ。いやなに、こいつは追加要員のストライカーだから、そいつが来てからゆっくり読めばいいかと思ってな」 呆れたような視線をロスマンに向けられるも、ラルは笑い飛ばしてみせる。 ラル「まあ扶桑のストライカーのことは扶桑人に聞けばいいだろう。同じ海軍みたいだしな。おーい、下原―!」 下原「残念そうに肩を落としてるナオちゃんと二パさんかわいい……」 その下原本人は、ほんのり頬を染めて正座させられている二人を眺めていた。 ラルの声はまったく耳に入っていない様子で、逆に彼女の隣にいたジョゼが慌てている。 ジョゼ「し、下原さん! 隊長が呼んでます!」 下原「ああ、痺れちゃった足を撫でてあげたい……って、隊長が!?」 近くで叫ばれようやく気付いた下原はぱたぱたと小走りでラルのもとへ走ってきた。 下原「すいません隊長!」 ラル「いや、そんな急ぎでもないから楽にしていいぞ」 下原「でも、なにか用事があったんじゃ?」 ちょこんと小首をかしげる下原に答えたのはラルの横に控えていたロスマンだった。 ロスマン「ちょっと下原さんに聞きたいことがあってね。このストライカーのこと何か知ってる?」 下原の視線がロスマンの指の示す先にすっと動く。 一瞬彼女も紫電かと思ったが違う。 そして、彼女の知識と記憶に一致する名前は一つしかなかった。 下原「これは局地戦闘脚雷電ですね」 ラル「おー、そうそう。雷電だ雷電」 思い出したとラルはぽんと手を打つ。 その姿に下原は小さく笑みを零した。 下原「これって、今朝言っていた新しく配属される方のものですか?」 ロスマン「ええ、そうよ。あとまた質問で悪いんだけれど、特徴とかわかるかしら?」 下原「雷電の特徴ですか? そうですね……」 頬に立てた人差し指を当てて下原は少し考え込み、ゆっくりと記憶を手繰るように言葉を紡ぐ。 下原「ちょっといい評判は聞かないですね」 ロスマン「あれ、それはなんで?」 下原「紫電もそこまでエンジン性能がいいわけじゃないんですけど、雷電はエンジンの異常振動が発生しやすいですし、着陸性能や失速特性も悪くて、扶桑のウィッチの中では敬遠する人が多いんです」 ラル「おいおい、それじゃなんでそんな機体がうちに送られてるんだ? まさか人員催促した扶桑の意趣返しか?」 眉の間に皺を寄せ、ラルは腕を組む。同時に大きな胸も寄せられた。 下原「あ、でも最高速度は600km/hを超えますし、上昇性能やダッシュ力、高高度性能は一級品なので、力のあるウィッチが使って慣れさえすれば戦果を出せるストライカーだと思います」 ロスマン「つまり、人を選ぶってわけね……」 ラル「量産には向かなそうなストライカーだな。まあ、うちの部隊にくるようなウィッチならストライカーに振り回されるようなことはないだろうから、いいか」 ロスマン「そうね。あ、下原さんどうもありがとうね」 下原「いえ。では、私は失礼しますね」 ふわりと笑い、一礼してから下原は二人のもとから離れる。 ラル「癖のあって使いづらいじゃじゃ馬ストライカーを駆る奴、か。なんとなく楽しみだな」 ロスマン「色々と頭痛の種になる人じゃなければいいけどね……」 彼女が向ける視線の先には、言外に指し示すウィッチがいた。 伯爵「二パくん、もう結構長く正座してるよね、大丈夫かい?」 二パ「まあ、まだなんとか……ひゃっ!」 伯爵「あれ? どうしたの?」 二パ「どうしたのって今足を触るなんて、ひゃうっ! は、伯爵いい加減にしろよ!!」 伯爵「ふふっ、タイツ越しなのが残念だなー。でもこれはこれでいいかもなぁ」 菅野「あほらし……」 二パの足が痺れているのを知ったうえで撫でて、伯爵が遊んでいた。 ロスマン「……」 ラル「はは、クルピンスキーみたいなのじゃないことを祈るだけか」 ロスマン「こ、このニセ伯爵~!! 罰受けてるくせになにやってるのよ!!」 興奮のあまり使い魔の耳と尻尾を顕現させて、ロスマンは走っていく。 ラル(あ、そういえば新しく来る奴が男だってみなに言うの忘れてた……) クルピンスキーの眉間を指し棒でどつくロスマンを見ながら、実は大事なことをラルは思い出していた。 ラル(ま……いいか) だが、大したことではないと判断し頭の中から消し去った。 ゆっくりと歩み寄ると、肩を上下に震わせているロスマンの肩に手を置く。 ラル「まあ落ち着けロスマン」 ロスマン「で、でもラル!」 さらに言いつのろうとするロスマンを手で制すると、しこたま突かれたのだろう赤くなった眉間を擦る伯爵に一言残す。 ラル「おい、クルピンスキー」 クルピンスキー「なんだい?」 ラル「ちょうどいいから、お前新しくくる奴の迎えに飛んでくれ」 クルピンスキー「ちょっと待って、なんで出迎えに飛ばなくちゃいけないんだい?」 ラル「いや、そいつ扶桑から自力で飛んできてるんだ」 ロスマン「ええっ、嘘っ!!」 素っ頓狂な声をあげたのはクルピンスキーではなくロスマンだった。 とはいえ、彼女の驚きはもっともだ。扶桑からペテルブルクまで飛べるウィッチなどふつうはいない。 ロスマン「ちょっとラル冗談でしょ? 扶桑からここまでどれだけ距離があると思ってるのよ!」 ラル「私もなんの冗談かと思ったんだけどな。どうやら固有魔法のおかげで飛べるらしい」 ロスマン「いや、それってどんな固有魔法よ……」 疲れたように顔を俯け頭を抱えるロスマンの背をラルはぽんぽんと叩き、改めてクルピンスキーへと向きなおる。 いるのは、好奇心に満ちた瞳を輝かせ、口元に笑みを湛えた彼女。 ラル「どうだ?」 クルピンスキー「そうだね……面白そうだし、いいよ」 ラル「そうか、なら任せる」 口角を吊り上げて笑みを小さく浮かべたラルは、そのまま背を向け去っていく。 ラル「とりあえず管制からお前に連絡が行くようにしておくから、夕方以降はハンガーで待機してろ」 クルピンスキー「了解」 俺「あ゛~そろそろ酒が切れてきた……」 厚木飛行場を出てから15時間以上。 扶桑より六時間程遅いペテルブルク周辺とは言っても既に日は落ちている。雲がなく満月が拝めるのは僥倖であるが。 あれだけ酔っぱらっていた俺だったが、飛び続けていたのでアルコールは順調に魔力に変換され素面に戻っていた。 消費する魔力を固有魔法で即座に補うようにしていたので、残存魔力量に問題はないが疲労は隠せない。 俺「残った酒はこれだけだが、何かあったようだし」 言って取り出した酒瓶を月明かりの下で眺める。 俺「そもそも純米大吟醸浦霞を魔力目的で飲む気にもなれねぇ……」 浦霞と言えば銘酒であり、味わうのであればそれに合う場面というものがある。酒を愛する男である俺の譲れない一線だ。 俺「もういい加減、迎えが来てもいい頃だがなぁ」 先ほど連絡を取った502の管制官によれば『誘導として迎えのウィッチを出すから針路はそのままでよろしく』ということであり、確かに距離的にもそろそろ落ち合うころだ。 俺「あーもう疲れた、眠い、たるい……」 だらりと両手を重力に任せ、重い息を吐く。 女性「ありゃ? どんな子猫ちゃんかと思ってたらワンちゃんだったのかな?」 彼の体の上に女性の声が落ちてきた。 女性「ウィッチって女の子だけかと思ったんだけど、君みたいな男性もいたのかな?」 俺「知らなかったのか? 男のウィッチもいるんだぜ」 見上げた先にいたのは満月を背に飛ぶ長身の女性。 制服はカールスラント軍のものだ。 俺「まあ、俺も自分以外は知らねーけどさ」 女性「なにそれ」 くすりと女性が笑い、俺も唇の片端を釣り上げた。 ふいの夜風が女性の短い金髪を吹き上げ、それが月光を反射する。どこか幻想的な輝きだった。 俺「事実を言っただけさ」 女性「ふふっ、君面白いね」 くすくすと口元に手を当て女性は笑う。その姿は妙に洗練されたような気品を感じさせた。 ふと、俺はまだ手に持っていた酒を思い出した。 俺「そういやあんた、扶桑酒って飲んだことあるか?」 女性「扶桑酒かい? 噂には何度か聞くけど、あいにくとまだ飲んだことはないなぁ」 俺「なら、初扶桑酒にどうだ? 味は保証するぜ」 浦霞の瓶を持ちあげて見せてやる。 女性は目をぱちくりと瞬かせたと思ったら、にやりと悪戯っぽく笑った。 女性「君、本当に面白いねぇ。お酒なんて持って飛ぶウィッチなんて初めて見るよ」 俺「そいつぁいい。俺だけの特徴ってわけだ。で、飲むのか?」 女性「ふふっ、もちろんいただくよ」 軽やかにロールをして高度を落とすと、女性は俺の横に並んだ。 一気に距離は近づき、整った顔の造形がまつ毛の一本一本まで見て取れた。くるっと回った癖っ毛が、彼女の勝気そうな顔立ちによくマッチしている。 腕を伸ばして瓶を近づけてやると、女性も手を伸ばした。 俺「そうだ、俺は俺って言うんだが、あんたは?」 女性「私かい?」 酒瓶を受け取った女性は、扶桑酒は初めてと言っていたわりには手慣れた様子で開封する。 色っぽく喉を鳴らしながら一口飲むと、そっと指先で唇を拭い、俺のほうへ向きなおる。 クルピンスキー「ヴァルトルート・クルピンスキーさ」 二人のファーストコンタクトだった。 ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/sv20170102/pages/24.html
ウィッチデッキ一覧 【ドロシーテンポウィッチ】 「次元の魔女・ドロシー」を軸とした圧倒的な展開力を誇り、レジェントカードがドロシーだけでOKな良デッキです。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/598.html
投下スレ:俺「ストライクウィッチーズですから。」785-804 ホーク・アイ 第三話:タカの目 模擬戦の翌日、昼過ぎに基地に警報が響きわたった。 ブリーフィングルームにて出撃メンバーが発表される。 メンバーは坂本少佐、バルクホルン大尉、イェーガー大尉、ハルトマン中尉、クロステルマン中尉、 ルッキーニ少尉、そして僕少尉が選ばれた。 出撃メンバーは各々が愛用の武器を持ち、すでに出撃体勢に入っている。 そして、坂本少佐が先頭になり、ストライクウィッチーズが出撃した。 各々が愛用の武器を持っているが、皆は僕少尉が持っている銃に少なからず驚いていた。 リーネが愛用しているボーイズ対装甲ライフル、形状こそそれに似ているが、 彼が持つライフルはそれよりも一回り長大でずっしりとした存在感があった。 そしてそれに興味を持ったのかルッキーニが話しかける。 ルッキーニ「ねね、僕。その銃なに?リーネのと似てるけどでかくて太いよ?」 僕「これですか?えぇ元になってるのはリーネさんが使ってるボーイズ対装甲ライフルです。 それを無理言って射程と威力強化のために手を加えてもらったんです。」 その言葉にバルクホルンが口を挟んだ。 バルクホルン「そんなことをしたら重量もバカにならないだろう?大丈夫なのか?」 僕「お気になさらず。男ですし、それなりに鍛えてます。 それに、この改造が役に立つこともありますよ。多分ですけど。」 どこかはぐらかすような言葉に、他のメンバーが怪訝な顔をする。 バルクホルン、坂本などが何かを尋ねようとするが、 僕「見えました。前方、18000です。」 坂本「なに・・・?」 そういって彼女は眼帯をずらして先を見通す。 しかし、 坂本「まだ何も見えないぞ?」 ほかのメンバーも肉眼で確認するが、まだそれらしき影は見えない。 僕「雲に隠れてるみたいです。速度は・・・かなり速いです。小型もいます。」 そういって警戒を促した。 数分後、雲の切れ間から巨大な、やや細長いフォルムのネウロイが現れた。 そしてそれを守るように円盤状の小型機も飛び回る。 坂本「各機、まずは散開して小型の数を減らせ!」 一同「了解!」 バルクホルン「行くぞ、ハルトマン!!」 ハルトマン「あ、待ってよー!」 そういってまずは501のエース二人が突入した。 互いに死角を補いあうようにして、少しずつ小型機を撃墜していく。 シャーリー「私たちも負けてらんないなぁ!」 ルッキーニ「だねー!!」 シャーリー、ルッキーニも負けじと攻撃を加える。 ルッキーニの射撃をシャーリーがサポートするようにして、こちらも少しずつ敵を減らしていく。 しかし・・・ 坂本「おかしい・・・。敵の数の減りが悪い。」 その言葉に、少し離れた場所にいた僕少尉が反応した。 巨大なライフルを構え、一機ずつ小型機を減らしながら言う。 僕「少佐。どうやらこの小型はあの大型の中からでてきてるようです。」 ペリーヌ「なんですって・・・!?」 僕「大型の後方から一定時間ごとにネウロイの反応が増えてます。」 坂本は今更のように彼の目の力を思い出した。 そして地道に小型を減らすか、リスクを承知で大型を先に潰すか思案していると、 ハルトマン「え・・・!?」 バルクホルン「こいつ・・・急に・・・!?」 シャーリー「しかも・・・」 ルッキーニ「速い~!」 先ほどから小型に守られながら断続的にビームを放つばかりだった大型が途端にスピードを上げた。 攻撃の頻度こそ変わらないが、戦場を高速で飛び回りながらの攻撃に、ウィッチーズたちは防戦を余儀なくされる。 坂本は眼帯をずらしその魔眼に大型ネウロイを捉えた。 数を減らす戦略が取れない以上、速やかに本丸を潰すしかない。 坂本(コアは後部中央…。そう簡単に狙えない位置だな。) 敵の形状は前部よりも後部の方が太くなっている。コアはその一番太い部分のど真ん中にあった。 しかし、少佐がそれを通信で伝えようとするより先に、 僕少尉が敵が旋回した隙にその後方、コアがある位置にライフルの弾丸をぶち込んだ。 だが、13.9mm徹甲弾の一撃であっても、装甲を破壊こそしたが、コアまでたどり着くにはいたらない。 坂本(もしやあの能力・・・コアの探知までもできるのか…?) しかしそれを確認しているような時間はない。 坂本「全員聞け!大型のコアの位置は今僕少尉が攻撃を加えた位置だ! 邪魔な子機を減らしつつ本体に攻撃をかけろ!」 他「了解!!」 しかし、ただでさえ機動力のある敵なのに加え、子機に守られているのでは、攻撃を届かせるのも難しかった。 エース二人が無理矢理に特攻をかけるが、 バルクホルン「くそっ!堅い・・・!」 ハルトマン「しかもあの位置じゃコア狙いにくいよぉ」 敵は距離を取った後反転しながらウィッチーズたちに突っ込んでくる。 頭にコアがあるならともかく、後方にある以上追走して後方からねらい打つか、 交差した時にタイミング良く攻撃を加えるしかない。 子機に守られてるため、前者の攻撃ではリスクがありすぎた。 しかし、交差した一瞬に加えられる攻撃では、装甲を削りきるには至らない。 坂本「みんな!援護しろ。私が烈風斬で決める!!」 ペリーヌ「少佐、無理です!危険すぎます!」 敵が一機ならともかく、シールドを張れない少佐ではあの中に突っ込むのは厳しい。 坂本「だが、これではジリ貧だ!一か八かでも・・・!」 覚悟を決めたその声に水を差すように、僕少尉が割り込んだ。 僕「少佐。賭けにでるのは少し待ってください。」 ペリーヌ「少尉・・・?」 僕「皆さん。僕があの大型の装甲を削ります。 コアが見えたら、誰か、誰でもいいです。破壊をお願いします。」 弾装を入れ替え、次段を装填し、ライフルを構えなおしながら彼は言う。 僕「クロステルマン中尉。暫くは自分の援護をお願いできますか?」 一瞬の逡巡、だが迷っている暇はない。 坂本「…ペリーヌ、頼む。」 ペリーヌ「少佐・・・!?」 坂本「私が突っ込むよりも確実性は上だろう。いいんだな!?少尉! だが、それでもダメなら…」 僕「その時は僕が責任をもって少佐を援護します。任せてください。 では…、バルクホルン大尉、ハルトマン中尉、イェーガー大尉、ルッキーニ少尉! 子機の数を減らしてもらえますか!?」 一方一撃離脱を繰り返しながら戦闘を繰り広げていた四人は、 ハルトマン「どうすんの?トゥルーデ。」 回避と攻撃を繰り返し、多少の徒労感を滲ませながら相棒たるバルクホルンに言った。 バルクホルン「戦闘指揮は少佐に任せている。少佐が言うんなら従うまでだ。」 シャーリー「へー。『新参の男になんか任せておけない!』とか言うのかと思ったよ。」 軽口を叩いているが、彼女もまたその表情には疲労が滲んでいる。 バルクホルン「先輩たるもの、新人のために骨を折ってやらなければな。」 気を紛らわせようとしているのだろう、とバルクホルンも察し軽口で返す。 そして、一つ息を吐くと、 バルクホルン「僕少尉!こちらは任せろ!」 そう叫び、四人がそれぞれの位置につき、戦闘開始時のように小型機の掃討を開始した。 そして上空で彼がそれを受ける。 僕「クロステルマン中尉」 ペリーヌ「どうしました?」 僕「これから暫く自分の周囲を完全に意識から外します。 申し訳ないですが、後のことは任せます。」 戦場全体に広げている知覚を敵一機に集中させるためだろう。 ならば、せめて彼の狙撃を守る、それが自分の役割だ。 ペリーヌ「わかりました。貴方は私が守りますわ。 だから、必ず決めてください。失敗は許しません。」 僕「…ボーイズ改・対装甲ライフル"ホークアイ"」 独り言のような、注意していなければ聞き逃してしまいそうなほどの声。 ペリーヌ「え…?」 僕「このライフルの名前です。開発者が、目の見えない自分の、敵を見据える目になれと、この名前をつけました。 見ていてください。タカの目(ホーク・アイ)は、見据えたものを絶対に逃さないと証明します。」 ペリーヌは、そのとき彼の猛禽のような目、いや文字通り鷹の目なのであろう、その瞳孔が収縮していくのを見た。 その時、彼の異常とも言える集中力が横にいてさえ伝わってくる。 彼の能力は、外部からの情報を下に、頭の中に球体状のジオラマのようなモノを作ることで空間を知覚する。 そのジオラマを、時に回転させ、時に対象を決めてズームすることで時に俯瞰的な、時に精密な知覚を可能としている。 しかし彼は今、自分とそのライフル、そしてその対象以外のものを意識から押し出した。 常に視界に入れていた子機、そして仲間たちの座標をノイズとして消去し、 そしてその分の脳のキャパシティを、全てこの狙撃のために注ぎこむ。 敵との距離、対象の速度、軌道情報、そこからの軌道予測をすべてを数値化、整理、 更に自分に受ける風の動きから弾道のブレすら予測し、確定した未来としての狙撃を創り上げる。 そもそも、僕少尉は目が見えない以上スコープを覗き込んで対象を捉える通常の狙撃が出来ない。 だが、彼は狙撃手としては極めて優秀と言える。それはここまでの戦闘を見ていたウィッチーズも認めるところだろう。 彼の狙撃のメカニズム。彼は模擬戦の際、後方の銃口の向きから弾道を予測したのと同じように 自分の銃口の向きから、弾丸の軌道を頭の中のジオラマにラインを通すことで照準を合わせている。 しかし、今回はそれだけでは足りない。一発の狙撃では表面の装甲までしか破れない以上、 『同じ場所に連続で』13.9mm徹甲弾を叩きつけなければならない。 そのために、一部の狂いもない敵の軌道予測に加え、自分の弾丸のタイムラグ、 さらに着弾による敵の機動の誤差、その全てを支配下に置く。 その作業は、もはや限定的な未来予知といっていい。 彼はその空間、さらに対象の情報を余すこと無く知覚することで、数秒先の未来までをも知覚する。 僕(視えた…) 準備は整った。次の敵の旋回の際に、まとめて銃弾を叩き込む。 僕「皆さん!少し離れてください!」 その声に射線上に近い位置にいた者が反応し、慌てて距離をとった。 そして、彼の予想通り敵ネウロイが方向転換する。 その瞬間、ダンダンダン!とボルトアクション式のライフルにしては、あまりにラグの少ない銃声が、三発分響き渡った。 その銃声を間近で聴いていたペリーヌはそのあまりに速く、かつ滑らかなその連続射撃に目を奪われた。 引き金を引いてから、次段を装填、レバーを引きもう一度引き金を引くという一連の行程、 それを一切の無駄なく一つの動きのように行うことで、驚異的な発射速度で弾丸を放つ。 そしてその三発の弾丸は、彼の予測と同じ軌道を描き、敵ネウロイの後部に連続で着弾する。 着弾ごとに、少しずつ装甲を穿ち、3発目でその真紅のコアを外部に晒した。 僕「後は、お願いします!」 ルッキーニ「私がいっちばーん!」 バルクホルン「はっ!まさか本当にやるとはな!」 ハルトマン「すっごいねぇ。全部同じ場所に当たったよ。」 シャーリー「ここまでやられたら、さっさと決めないとな!!」 われ先にと四人がコアに殺到した。 コアを護ろうとしているのかわからないが、子機がその前に立ちはだかる。 しかし、彼女たちの勢いを止められるものはいない。 バルクホルンがニ丁の機関銃を構え、中央に向けて掃射すると、他のメンバーもそれに続いた。 一瞬でその防御を貫き、コアへの最短距離に風穴が開く。 シャーリー「おっ先ー!」 スピードでは隊一のシャーリーがわずかに先行してコアに向けて弾丸を放った。 しかし装甲の修復が既に始まり、狙える場所が狭くなっており当たらない。 バルクホルン「だらしないな、リベリアン!」 ハルトマン「まったく、何を張り合ってるんだか…」 二人もコアに向けて弾丸を放つが、それより先に後方から、 ダァン!と甲高い銃声が聞こえた。それがコアに命中し、赤い結晶が砕け散る。 ルッキーニ「やったやった!私の勝ちー!」 後方から射撃したルッキーニが一撃でコアを捉えていた。 シャーリー「やったなぁ!ルッキーニ!」 隊内最年少ウィッチに、大型撃墜数プラス1が刻まれた。 そして上空では、 ペリーヌ「…やりましたわね。少尉?」 ライフルによる超高速の精密三連射、その絶技を目の前で見せつけた彼は、 構えを解き、汗を拭っているのか袖口で顔を拭いている。 あれだけの狙撃だ。その集中力を極限まですり減らすのは想像に難くない。 しかし、さきほど彼の虹彩が、淡く赤色に染まったのは気のせいであろうか? 坂本「ペリーヌ!!そっちに行くぞ!!」 ネウロイの方を振り向くと、本体が白い粒子になり、同時に消えるはずの子機がこちらに向かってきた。 ペリーヌ「少尉!!」 だがその叫びが聞こえていないかのように、彼は動かない。 ペリーヌ「くっ…!」 とっさに彼の前に回り込み、すぐさま子機を狙い撃った。 一機はすぐさまたたき落とせたが、もう一機はぎりぎりまで近づかれてしまった。 銃での撃墜を諦め、右腕を前にかざす。 ペリーヌ「トネール!!」 前方に範囲を絞り必殺の雷撃を放つ。その一撃に為す術も無く子機は破壊された。 そして、飛び散った粒子も瞬時に形成したシールドで防ぎきる。 一先ずの驚異が去ったことを確認すると、シールドを解除した。 体の力を抜き、少し怒ったような顔で振り返る。 ペリーヌ「気を抜き過ぎではなくて?僕少尉、……!」 咎める言葉を重ねようとしたが、バランスを崩しこちらに体を預けてくるのを見て、慌てて受け止めた。 その息は荒く、ただごとではない様子だ。 僕「大、丈夫です。少し、疲れただけですから…」 強がりなのかもしれないが、確かに少しずつ状態が回復していくのを見て、追及することを諦めた。 恐らく、心配をかけまいと誤魔化されるのは眼に見えている。 だから、 ペリーヌ「お疲れさまです。よく、頑張りましたわ…」 そう言って抱きしめながら背中を撫でる。 僕「すいません。いえ、ありがとうございます…」 しばらくして僕少尉から身を離した。すでに呼吸も安定し、つらそうな雰囲気はない。 当然のごとく後から寄ってきたメンバー、特にイェーガー大尉とルッキーニ少尉が絡んできたが、 僕少尉はあまり気にした様子もなく、ペリーヌもあまり騒がないので、 つまらないと思ったのかすぐに引き下がってしまった。 そして任務を終えてウィッチーズたちが帰投する。 皆が僕少尉の功績をたたえ、その狙撃の腕について盛り上がっているが ペリーヌは一人後方からその様子を見ていた。 その目線の先には僕少尉が先ほど顔を拭いていた袖口。戦闘中、彼に攻撃があたったり怪我をした様子はない。 しかし、その袖口はわずかに赤く染みが残っているのが見える。さっき体を預けられたときに気づいたものだ。 ペリーヌ(あの能力…まだ、少尉は何かを隠しているんでしょうか…?) しかし、その問いに答えるものはいない。他の皆は強敵の撃墜に湧いていたが、 ペリーヌは一人得も言われぬ不安のようなものを感じていた。 第二話へ 第四話へ
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/1506.html
アウロラ「……とまあ、こういうところです少佐」 ラル「了解。わかった」 報告を聞き終え、深くため息をつく。 ラル「ああ、もう夜も遅いし、下がっていいぞ。ご苦労様」 アウロラ「はっ、では失礼いたします」 敬礼をしてアウロラが執務室から退室する。 ラル「やれやれ……ストライカーが壊れるのも困るが、隊員に大怪我される方が困ったものだ」 ドアが音を立てて閉まると、ぼやく。 憂鬱そうに再びため息をつくと、ドアがノックされた。 ラル「入れ」 ロスマン「失礼します」 ラル「なにかあったか? 私としてはもう悪い情報は聞きたくないんだが」 ロスマン「ならよかった。今回ばかりはいい情報よ」 ラル「ほう、そりゃよかった。クルピンスキーが更生でもしたか?」 ロスマン「ふふっ、残念だけど違うわ。あのニセ伯爵が更生したらいい情報って程度じゃすまないもの」 ラル「それもそうか」 にやりと笑うラルと、手を口元に当ててくすりと笑うロスマン。 ロスマン「ドクターメンゲレから連絡が入ったわ。俺君が目を覚ましたらしいわ。それと、双子ウィッチの研究をしたいからハルトマン姉妹に会わせろって」 ラル「ほう!」 執務机から思わずラルは身を乗り出す。 ラル「それはよかった。あ、双子の件についてはスルーしろよ」 ロスマン「当たり前じゃない。私のかわいいハルトマンをあんな変態ドクターに渡す気なんて毛頭ないわ」 ラル「だろうな、お前は溺愛していたからなぁ」 ロスマン「で、溺愛って……そこまでじゃないわよ」 ラル「どうだか」 意地の悪い笑みを浮かべ、ラルはロスマンをじっと見つめる。 ラル「クルピンスキーの影響でハルトマンがぐーたらになった時に、涙目で私とバルクホルンに相談してきたのを忘れたとは言わせないぞ」 ロスマン「そ、それは……」 ラル「厳しい曹長が『私の、私のハルトマンがニセ伯爵のせいで……』って言ってたなぁ」 ロスマン「やめてよ、ラル。そんな昔のこと」 ラル「でも、クルピンスキーのおかげで固さも抜けたのか、ぐんぐん才能を発揮していったんだから、あいつは困ったもんだよなぁ」 ロスマン「まぁ、それは否定できないわ」 ラル「でも、保護者としては複雑な気持ちか?」 ロスマン「んもぅ……」 ほんのり顔を赤くして、顔を逸らすロスマン。 それを見て満足したラルは、うんうんと頷くと、ゆっくりと席を立った。 ラル「さて、それじゃあ俺のところへ行って少し話をするか」 ロスマン「……」 抗議の意思の籠った視線を向けられるが、ラルはどこふく風。 さっさと執務室を出て行ってしまう。 502の基地の医務室。俺は医師から話を聞いていた。 メンゲレ「あれだけ酷い怪我だったからね、当分は左腕を使えないよ」 俺「ま、しゃーないっすねぇそりゃ。左腕以外は大した怪我がないだけもうけもんっすよ」 メンゲレ「確かに、聞く限り相当無茶やったらしいしね。まあ一応念のために今晩は医務室に泊まっていきなさい」 俺「わかりました」 メンゲレ「あ、そうだ」 俺「なんすか?」 メンゲレ「扶桑には、双子のウィッチってのはいないのかい?」 俺「双子の、ウィッチ?」 メンゲレ「そう! 双子だよ、それもウィッチの!!」 ずいっと顔を寄せてくるメンゲレ。 なぜか目の輝きがおかしい気がして、俺は思いっきり引いていた。 俺「い、いや。俺の知る限りじゃ、いないっすね……」 メンゲレ「…………そうか」 心の底から残念そうに、メンゲレは身を引いて椅子に座り直した。 メンゲレ「あ、でももし見つけたら是非私に一報くれてくれたまえよ!」 俺「は、はぁ……」 ラル「そいつの双子談義は無視して構わないぞ、俺」 医務室のドアが開かれると同時に、ラルが呆れた声で言った。 俺「あ、隊長」 ラル「おう、俺。案外元気そうだな」 メンゲレ「こりゃこりゃグンドュラ君! 無視していいとはなんだね無視していいとは!」 にこやかに笑って、俺の方へ歩いてきたラルだったが、その直前でぷんすかと怒ったメンゲレに道をふさがれた。 ラル「言葉のまんまだが?」 メンゲレ「君はわかっていない! 私の医学へかけるこの熱き情熱と歴史的意義が!!」 大仰な身振り手振りを入れて説明するメンゲレだが、ラルは面倒くさそうに手のひらを下に向けてストップをかける。 ラル「あーはいはい。すまないね私は戦うことしか脳がない航空ウィッチだよ。あと、すまないけど俺に話があるんだ、いいか?」 メンゲレ「ふんっ、まあいいよ。私の話は終わったからね。では、私は資料整理があるから、なにかあったら呼んでくれ」 口をとがらせた不機嫌そうな表情で、メンゲレは執務室から出て行ってしまう。 ラル「やれやれ……」 メンゲレが見えなくなると、ラルは肩を竦めた。 そして先ほどまで彼が座っていた椅子を引く。 ラル「すまんな、変な医者で。腕は確かなんだが、ちょっと実験実験うるさくてなぁ」 俺「ははっ、まあ実害さえ出なければ」 ラル「まあ、な」 お互いに笑いあうと、ラルは足を組んで椅子に座った。 綺麗な足が強調するように目の前に出され、つい目線が向きそうになるが我慢する。 ラル「とりあえず、大事がなくてよかったよ。腕以外は」 俺「すいません。当分、俺は穀潰しです」 ラル「なぁに、気にするな。怪我に関しては負けない自信があるぞ、私は」 なんでもないことのように言うが、かつてラルは大怪我をして、生死の境を彷徨い、復帰は不可能だとも言われたのに大空へと舞い戻った伝説的な女性なのだ。 今も、魔力繊維で編まれたコルセットを付けて空を飛んでいる程で、腕の一本など比較にならない。 俺「俺はまだまだ下っ端中尉ですからね、隊長にはかないませんよ」 ラル「ふっ、隊長の凄さがわかっただろう。……とまぁ、そういうことは置いておいてだ、シフトの変更などはこっちでやっておくからお前は療養に専念しろ」 俺「了解」 ラル「あと、他に何か聞きたいことなどあるか? 隊員のスリーサイズとか以外なら答えてやるぞ」 俺「それは残念」 にやりと笑みを浮かべるが、すぐに普段に戻る。 俺「作戦はどうなりました?」 ラル「成功半分失敗半分だな。かなりネウロイの航空戦力を叩くことには成功して、こちらへの侵攻を激減させることはできるだろうが、制空権を奪える程ではなかった。 ガリアが陥落してカールスラント・ガリア国境方面に戦力が振られているだろうから戦力は大したことないと踏んでた上層部は、戦略の見直しらしい」 俺「なるほど、大変ですねぇ」 ラル「まあな。で、聞きたいことはそれだけか?」 俺「あ、そうだ伯爵はどうなりました?」 ラル「ふーん……気になるか?」 「伯爵」という単語を聞いて、ラルはにんまりと気味の悪い笑みを浮かべた。 こっちをいじってくる時の師匠赤松とよく似た表情に、俺の脳裏に嫌な予感がよぎる。 ラル「まあ、そりゃ確かに体張って助けた王子様にしてみたら気にならないわけがないよなぁ」 俺「なんすか、その気持ち悪い呼び方は……」 ラル「だってなぁ、翼を失ったお姫様を墜落の危機から救い、その上襲い掛かる魔の手を一人で撃退したんだろ? よっ、色男!」 なにかを期待するような視線を向けてくるラルに、俺は呆れた表情を返す。 俺「そんなロマンティックなもんじゃないっすよ。それに、伯爵がお姫様って柄ですか……」 ラル「性格はそりゃ癖が強いってもんじゃないけど、あれはあれで女って感じのとこあるだろ?」 俺「ありましたっけ?」 記憶を色々と掘り返していく。 ――酒を一緒に飲んだクルピンスキー。 ――502女性隊員にセクハラするクルピンスキー。 ――正座をするもののあまり反省の色が見られないクルピンスキー。 俺(女性……らしさ?) 眉をひそめる俺。 その表情から内心がわかったのだろう、ラルが口に出す。 ラル「あれ? お前、いつだったか休暇にクルピンスキーと出かけた時、あいつを背負って帰ってこなかったっけ?」 俺「……」 言われると、勝手にその時のことが思い出されてしまう。 ――酒臭いかと思ったら意外にも甘く感じた吐息。 ――冬の寒さをも忘れる温かみと、柔らかさ。 ラル「お、なんか思い出してきたか?」 俺「ぐっ……」 否定できず、俺は逃げるようにラルから視線を逸らすだけしかできなかった。 くつくつと喉を鳴らしながら、ラルのにたにたとした笑みは消えることなく続いている。 ラル「はっはっは! ま、ほどほどにしろよ」 笑い飛ばすと、ラルは席を立つ。 ラル「ま、隊員が元気なのも確認できたことだし、私は帰るとするよ。しっかり養生しろよ」 俺「はいはい、了解しました」 ラル「ふっ」 やる気のあまりない俺の敬礼に、機嫌を悪くすることもなくラルは軽く手を振って、医務室から出て行った。 ドアが閉まり、足音も遠のいてしまうと、音はなにもなくなる。 俺「……寝るか」 特にやることもなく、怪我して気絶して目覚めてすぐのくせに出歩くわけにもいかず、仕方なく俺は寝ることにした。 俺「……ん?」 大して夜が更けぬうちに眠ったからだろうか、深夜の時刻に俺は廊下を歩く足音に目を覚ました。 カーテンを引き忘れていた窓からは満月の煌々とした明かりが部屋に差し込み、不便ない証明となっている。 俺「やれやれ、寝てばっかってのもあれなもんだなぁ」 それでも寝る以外に選択肢がないので、布団をかぶり直す。 しかし、外の足音が医務室の前で止まった。 なんだ、と思うと同時、ゆっくりと医務室の扉が開く。 クルピンスキー「……」 ゆっくりと部屋に侵入してきたのは、クルピンスキーだった。 俺「なに、やってんだ?」 クルピンスキー「わっ! なぁんだ、起きてたんだ、残念」 声をかけると、どうやらこちらが寝ていたと思ったらしく少し驚いていたが、すぐにいつも通りの表情になる。 クルピンスキー「寝てたなら、寝顔でも見てから起こそうと思ってたのに」 俺「そいつは起きててよかったぜ……」 やれやれと苦笑いを浮かべながら、俺は上半身を起こす。 クルピンスキーは椅子を見つけるなり、ベッド横へと移動させ座った。 クルピンスキー「もっと重傷かと思ったけど、君も結構丈夫だね」 俺「まあ、確かに目立つ怪我は左腕だけだからなぁ……それでも、カタヤイネンや、お前さん程じゃあないな」 クルピンスキー「ふふっ、私にはどうやら女神様がついてるらしいからね。いやぁ、モテる女は困っちゃうよ」 俺「はっ、他の女に手を出し過ぎて嫉妬されないように気を付けろよ、ただじゃすまないぜ」 クルピンスキー「そうだね、ご機嫌伺いはちゃんとしとくよ」 くすり、と笑みを零した。 月光に照らされたクルピンスキーの表情が、どこか神秘的に思えてしまう。 ラル『よっ、色男!』 突然、ラルの言葉が俺の脳裏で思い出され、なぜだかクルピンスキーから目をそらしてしまった。 クルピンスキー「どうかした?」 俺「いや、なんでもない。それより、こんな時間にどうしたんだ?」 とっさに話題を変える。 特にクルピンスキーは疑問にも思わなかったようで、俺は内心ほっと胸をなでおろした。 クルピンスキー「君の寝顔を見に来ただけ……ってのは?」 俺「その言い方はどう聞いても他の理由があるって言ってるようなもんじゃねぇか」 クルピンスキー「あはは、まぁその通りなんだよね。今日の用事はこれさ」 言って、クルピンスキーが俺の目の前に出したのは、一本の酒瓶だ。 クルピンスキー「スコッチだよ、しかもロイヤル・ブラックラのさ」 俺「おうおう、またいい酒が出てきたじゃねえか」 ロイヤル・ブラックラとは、1853年に蒸留所として初めてロイヤル(王室御用達の称号)を冠することが許された蒸留所だ。 俺「って、待て待て。そんないいのを飲めるのは嬉しいけど、こんな時間になんでわざわざ?」 クルピンスキー「え、だって約束したじゃない」 俺「約束?」 クルピンスキー「あれ、忘れちゃった?」 俺「ん~?」 顎に手を当て、いつそんな約束をしたかと頭を悩ます。 だが、すぐに思い出された。 俺「あぁ、今日の出撃前か」 クルピンスキー「ご名答。まぁ、本当はお酒の方は君が用意するって約束だったんだけどね。私、約束をちゃんと守れない男の人は嫌いだなぁ」 俺「はは……」 拗ねたような表情でじっと見つめられ、なんとなく苦笑いでごまかしつつ目線を逸らすことしかできなかった。 振る舞うと約束していた「北の誉」は未だに俺の部屋で眠っている。 俺「すまんすまん。今度ちゃんと埋め合わせするから許してくれ」 クルピンスキー「そう? なら、怪我もしちゃったし、情状酌量の余地ありってことにして今回はおおまけにまけて許してあげるよ」 俺「ありがとさん」 クルピンスキー「ふふっ、何をしてもらおうかなぁ」 俺「おいおい、お手柔らかに頼むぜ?」 クルピンスキー「それは、保証できないかな」 俺「やれやれ……」 なにを考えているのか、楽しそうに笑うクルピンスキーに、俺は肩を竦めてみせるが、表情は笑っている。 クルピンスキー「ま、それはいつかのお楽しみにとっておくよ。それよりもはやく飲もうよ」 俺「そうだな、まずは飲むか」 クルピンスキー「うんうん」 スコッチが開けられると、クルピンスキーの口元に瓶が傾けられ―― 俺「待った!」 そこへ俺の静止が入った。 クルピンスキー「なんだい?」 俺「コップは?」 クルピンスキー「ないよ?」 それがどうしたんだい、とばかりに軽く首をかしげながら言い放つクルピンスキー。 俺「なんで?」 クルピンスキー「別に、回し飲みすればいいじゃない。私たち、仲間なんでしょ?」 俺「うーん、まぁ、そんなもん……なのか?」 クルピンスキー「そんなもんさ」 なんだか半分納得できないが、スコッチ片手ににこにことご機嫌そうなクルピンスキーを見ていると、なんだかそれでいい気になったので、俺は納得することにした。 クルピンスキー「ん……んく……」 瓶に直接口をつけ、クルピンスキーがスコッチを飲む。 上下に動く喉仏の白さがどこか色っぽかった。 クルピンスキー「ぷはっ……ふぅ、やっぱり美味しいね」 服の袖で口元をぬぐうと、瓶を俺へ向かって差し出す。 クルピンスキー「はい。次は君の番だよ」 俺「おぅ」 瓶を受け取り、飲もうとするのだが、瓶の口が目に入り、動きを止めてしまう。 そう、先ほどクルピンスキーが口を付けていた部分だ。 クルピンスキー「どうしたの?」 俺「ん、あ、いや……」 やばい、と思ったのだが、 クルピンスキー「あ、そっか。右手だけじゃ飲みづらいよね。私が支えようか?」 俺「ああ、いやそれは大丈夫だ」 なんとかクルピンスキーはいい具合に勘違いしてくれたので、またまたほっとする俺だった。 俺「つーか、お前に支えられたら、一気飲みさせられかねないだろうが」 クルピンスキー「あ、ばれた?」 俺「やっぱりか」 おどけて見せるクルピンスキーを横目に、もう色々深く考えるのはやめてスコッチを傾ける。 漂う香りは、フルーツやシロップなどのどこかあまそうであり、その中に混じるアルコールがいいアクセントと感じた。 俺「んっ……」 飲み口は結構クリーミーでなめらか。 青リンゴの味わいなどジューシーなフルーツ感が一気に押し寄せるが、スパイシーな刺激が舌を包み込んでいく。 重厚な味わいだ。 俺「はっ……」 流れるスコッチが、喉に熱を感じさせる。 飲み終われば、熟成された深い甘みが鼻を抜ける。 俺「うん……うまい」 クルピンスキー「でしょ?」 にこりとクルピンスキーが笑みを浮かべる。 クルピンスキー「じゃ、次はまた私だね」 俺「ああ、ほらよ」 クルピンスキー「ん、ありがと」 月明かりだけが照明の深夜、二人はスコッチの瓶が空になるまで順番に飲み続けた。 濃く甘い味わいは、スコッチのもともとの味だけではなかったが、それにはどちらも気づくことはない。 もう深夜も遠に過ぎ、明け方と呼ばれる時間帯。 窓から白む東の空の光が差し込んでいる。 クルピンスキー「……」 酒盛りを終えて部屋に帰ったはずなのに、再び医務室にクルピンスキーが現れる。 俺「……」 今回は、いい具合にアルコールが回っているのか、俺は気持ちよさそうに眠ったまま起きることはない。 クルピンスキー「ふふっ」 声を抑えた笑みを零す。 クルピンスキー「ぐっすり寝てるね」 俺の顔の上で手をひらひらと振ってもなにも反応は返ってこない。 深い眠りに俺がついていることを確認すると、置きっぱなしだった椅子に座り、寝顔をじっと見つめる。 クルピンスキー「今日は、いやもう昨日かな? とにかく、色々迷惑かけちゃったよね」 普段の飄々とした彼女からは想像がつかないほど、静かで弱々しい声だ。 クルピンスキー「だけど、本当にありがとう」 浮かべられた笑みは、優しいものだ。 クルピンスキー「でも、君も無茶するよね。私は墜落し慣れてるんだから、放っておけばいいのに」 静謐な医務室に、俺へと語りかける言葉だけが響く。 クルピンスキー「もしかしたら、私が君をかばったから?」 すっとクルピンスキーの右手が俺の頬に伸びる。 クルピンスキー「もし理由がそれだけだとしたら、それはそれでちょっと残念かもしれないな」 最も冷え込む、明け方に人肌の温かさは心地よい。 クルピンスキー「ねぇ、君は私のことをどう思ってる?」 返事はなく、彼女も期待していない。 クルピンスキー「嫌いってことはないと思うけど」 言葉は途切れることなく続く。 クルピンスキー「同僚? 戦友? 酒飲み仲間? それとも……」 そこで、クルピンスキーは口をつぐみ、黙り込んでしまう。 外で、せっかちな小鳥のさえずりが聞こえた。 クルピンスキー「……一緒だよね」 俺の頬に手を添えたまま、立ち上がる。 クルピンスキー「間接キスをやっちゃえば、もう一緒だよね」 もう片方の手も俺の頬にそえられる。 クルピンスキー「起きないよね?」 どこかむずがゆそうに一瞬身をよじる俺だったが、それだけだ。 クルピンスキー「ねえ、そのままで聞いてくれる?」 徐々に、ゆっくりと彼女の顔が下がっていく。 クルピンスキー「本当に正直に言うとさ」 吐息のかかる距離、もうお互いが触れ合うまで数ミリという距離で静止する。 クルピンスキー「私は、好きだよ……俺」 うっすらとした、二つの影が一つになった。 ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/lonelyjourneyku/pages/55.html
言わずと知れた(?)リッチモンドホテル。ロイヤルホストと運営会社が同じといえばピンとくる人もいるかも。 シティホテルに片足突っ込んだホテル。グレードとしてはドーミーインと同じかちょい上。勝手に部屋をグレードアップしてくれるのはシティホテル譲り。 寝具はシティホテルと遜色ない。部屋の清潔感も非常に良いもので、ちょいちょい設備を更新しているのか、施設は常に新しさを感じる。繁華街に程近いため価格帯は高め。言い換えると駅からはあまり近くない。 朝食は流石リッチモンドという感じ。当然値は張る。 資金的に余裕があれば積極的に選んでいきたい。
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/468.html
異世界のウィッチ ――――――――ロマーニャ基地にて ・・・俺は、ミーナとか言う女に抱えられたまま空飛ぶ10人に自己紹介され、 こいつらの基地だというところに連れてこられた。 俺を支えてくれたミーナに感謝しつつ、俺は信じられないことを耳にした。 ・・・ここはロマーニャという国にある自分たちの基地で、 自分達は『ウィッチ』として空を飛び、人類に牙をむくネウロイという不思議な生命体と戦っている、というのだ。 (・・・なんで俺はここにいるんだ、という質問には答えてもらえなかった。当たり前か。答えようがないしな) 俺「・・・」ボーゼン 坂本「どうした?」 ゲルト「それほど驚くことでもないだろう」 俺「驚くに決まってんだろ!」 サーニャ「!」ビクッ エイラ「サーニャを(ry」 俺「信じられるわけないだろ!ウィッチって、ようするに魔女だろ!? 魔法使ったりするあれだろ!?そんなもの今も昔もいるわけない! ネウロイなんて、そんな生き物聞いたこともない!ロマーニャって国も聞いた事ないぞ!」 エーリカ「・・・」 シャーリー「んなこと言われてもなぁ・・・」 ミーナ「・・・俺さん」 俺「なんだよ・・・」 ミーナ「あなたは、この世界のことについての基本的なことすら知らないということになります。・・・妙です」 俺「あんたらみたいな魔女ってもののほうが妙だろ」 ゲルト「貴様!口の利き方には気をつけろ!」 俺「・・・」 ミーナ「・・・あなたの生まれた国と、生年月日を教えていただけますか?」 俺「・・・生まれは日本、生年月日は1994年6月1日だ」 宮藤「え?」 リーネ「・・・何年って、言いましたか?」 俺「1994年だ」 ペリーヌ「・・・えーっと・・・なんと言えばよろしいのやら」 言葉に困るほど妙なことか? シャーリー「・・・おい、俺。・・・ニホンだな?・・・本当にそんな名前か?」 俺「ああ。そうだよ」 シャーリー「・・・どこだ?」 この胸の大きいシャーロットという女は世界地図を広げているようだが・・・日本を知らないのか? 俺は、地図の日本列島のところに指をさした。 俺「ここだ」 ルッキ「え?そこ扶桑だよ?」 俺「は?」 俺はルッキーニとかいうガキの言葉に耳を疑った。シャーロットから地図を引ったくり、そこを見た。 そして俺は、次は目を疑った。 ・・・フソウ?日本じゃなく、扶桑? ミーナ「あのね俺さん、非常に言いにくいことなんだけれど・・・」 そして、俺は、またもや耳を疑うことになった。 ミーナ「今は、1945年なの」 ――――――― 理解が追いつかない。 俺「・・・なんだよそれ」 今は2010年のはずだ。 ゲルト「なんだよ、とは言われても、これは本当のことだ」 バルクホルンって言ったか。・・・ズバッと言ってくれるのはありがたいけど、 この状況じゃ更に絶望するしかなくなっちまうよ。 俺「・・・おかしいだろ、こんなの」 サーニャ「・・・そんなこと言われても」 エイラ「困るよナァ」 何言ってんだ。困ってるのはこっちだよ。お前らより、ずっとな。 エーリカ「ねえ。君の言ってたことは、本当?」 俺「・・・お前らの言ってることのほうが本当かどうか疑わしいぞ」 エーリカ「ふーむ・・・」ジー 確かこいつはハルトマンとかいったか。何だよ。 エーリカ「嘘ついてるようにはみえないよ、ミーナ」 嘘つく必要なんかないからな。 坂本「つまり、何か・・・君は・・・」 ミーナ「・・・本当に、未来の世界から来たの?」 俺「・・・俺がいた所は魔法なんてなかったけどな」 宮藤「へ・・・へー・・・」 リーネ「信じられません・・・」 ペリーヌ「全くですわ・・・」 この三人は、宮藤とリネットとペリーヌだったっけ。 俺「俺だって信じられない。俺は学校に行こうとしてただけなんだ。 ・・・それが、なんでこんなことになってんだよ」 坂本「・・・君のいたところでは、扶桑のことを日本と言うのか」 俺「・・・ここでは日本のことを扶桑っていうんだな・・・そこだけは理解したよ・・・はぁ」 それ以外のことは理解できない。 魔法使いが人間以外の奇妙な生命体と戦っている過去の世界にいきなり飛ばされて・・・ ・・・クソッ、誰がこんなこと頼んだんだよ。俺は頼んだ覚えはないぞ。 ・・・いや、頼んだかもしれない。中学生くらいの頃、何もかもつまらなくなって、『剣と魔法の世界に行きたいなぁ』 なんて思ったことがある。・・・かも。だからって本当にこんなことになるとは・・・ 俺は頭を抱えた。・・・これからどうすればいいんだよ? ミーナ「・・・」 ゲルト「ミーナ、彼をどうするつもりだ?」 ミーナ「・・・俺さん、ちょっと話をしてもいいかしら?」 俺「なんだよ・・・?俺を元居た世界に戻してくれるってのか?」 ミーナ「いいえ、そうではないのだけれど・・・」 俺「だったら断る」 ゲルト「なっ!?」 坂本「即答だな・・・」 エーリカ「・・・」 ミーナ「・・・どうしてかしら?」 俺「俺は元居た世界に戻りたいんだ。こんな妙ちきりんな世界になんて居たくない。 だからそれ以外のことなんて聞きたくもないし、あんたらとも一切関わりたくない」 ゲルト「・・・貴様は、これからどうするつもりなんだ」 俺「あんたらが俺を戻すことができないなら、あんたらとはオサラバして俺は一人で戻る方法を見つける」 ペリーヌ「当てはあるんですの?」 俺「家族も友達も、一緒にこの世界に飛ばされてきた奴もいないんだ。あるわけねえだろ」 シャーリー「・・・あー、この世界に連れてこられたきっかけとかは?」 俺「交差点で待ってたら異世界に飛ばされるなんて納得いかねえよ」 シャーリー「・・・そりゃ、なんつーか、理不尽だな」 エーリカ「つまり手がかりゼロでしょ?・・・詰んでるようなもんじゃん」 俺「・・・でも、探すしかないんだよ。俺一人でさ」 ミーナ「・・・一人で・・・ねぇ。そんなことはないかもしれないわよ」 え? ミーナ「・・・あなたを抱えたとき、あなたのなかに魔法力を感じました。どういうことかわかりますか?」 俺「わかんねえよ」 ミーナ「あなたも、ウィッチになれるかもしれないってことよ」 は? 俺「・・・俺が?」 宮藤「え!?」 リーネ「・・・俺さんがですか?」 ペリーヌ「男性なのに?」 ミーナ「ありえない話ではないはずよ。女性しか魔法力を持っていないなんてことはないわ」 シャーリー「・・・ストライカーを履かせてみるのか?」 ミーナ「ええ」 すとらいかー? 俺「なんだそりゃ」 ルッキ「あたし達がさっき履いてたやつだよー!」 ああ、あれか。すとらいかーっていうのか。 俺「・・・」 ミーナ「あなただけで元の世界へ戻る方法を探すとは言うけれど・・・ 行く当ても帰る場所もないなら、私達と一緒に戦いながら探すほうが、良いと思わない? 全力でやるほどの余裕はないけど、できる限りは協力するわよ」 俺「・・・遠慮する」 ミーナ「え!?」 坂本「・・・何故だ」 俺「・・・あんたらと一緒なら、確かに見つかる可能性は少しは高くなるだろうな。 でも、俺なんかのためにあんたらに迷惑はかけられない。 それに、あんたらと一緒に『探す』ってだけでも迷惑をかけるみたいで嫌なのに、まして『戦う』なんて無理だ。 俺は銃なんて持ったこともないし、ましてや生き物に向けるなんてできない。ただの学生なんだ。 俺に出来ることなんて、あんたらに比べたら無に等しい。戦うことなんてできない。足手まといになるだけだろ」 ゲルト「確かにな」 ミーナ「トゥルーデ!」 サーニャ「・・・あの」 エイラ「お、おいサーニャ?」 俺「ん?」 こいつらは、確かサーニャとエイラっていったか。イチャイチャイチャイチャと目障りな二人だ。 サーニャ「・・・使うのは、銃だけじゃなくて、剣でもいいんですよ?」 ・・・剣? そういえば。 俺「・・・昔、剣道をやっていたけど」 坂本「おお!」 この眼帯をつけた女は坂本だったっけ。なんで嬉しそうな顔してんだよ。 剣を使うって言っても、竹刀じゃ無理だろ?それに本物の刀って重いんだろ? 俺「途中でやめたんだ」 坂本「ん?何故だ?」 俺「・・・挫折した。どうしても、壁を乗り越えられなかった」 ・・・部の中では上手いほうだ、と顧問は言っていたが、 俺は剣道における何かをどうしても掴むことができず、やめたんだ。 坂本「・・・ならば」 なんだよ? 坂本「今からもう一度やって、壁を越えればいい」 俺「・・・そういうもんか?」 坂本「そういうものだ。それに、訓練さえすれば、お前も戦える」 俺「そんな簡単に言い切れるのかよ?」 坂本「ああ。言い切れる」 なんでだよ。 坂本「何故かって?」 俺「人の心を読まないでくれないか」 坂本「・・・ごほん。お前は、そもそも何か勘違いしているようだな。 今ここでネウロイと戦っている私達も、初めから今のように戦えていたわけではない。 訓練と実践を重ねてここまでやってきたのだ。・・・何も今すぐ飛んでネウロイと戦えと言うのではない。そこは安心しろ。 訓練せねば、どんなに素質があっても結局のところどうにもならんからな。 それにお前一人で帰る方法を探すといっても、正直言って見つかるとは思えない。おまえ自身もそう思っているだろう?」 ・・・だから心を読まないでくれるか。 坂本「だったら、・・・飛ぶことを試してみる価値はあると思わないか?」 俺「・・・あのさ、俺が飛べるって前提で長々と話してんじゃねえよ。失望したって知らないぞ」 エーリカ「!」 ミーナ「では俺さん。来ていただけますね?」 俺「ああ。やってみるよ。試してみなきゃ始まらないしな」 ―――――――― 俺「・・・これを、履くのか」 ミーナ「ええ」 俺「・・・」 言われるままに、俺は目の前の機械を脚に装着した。 俺(・・・これで、飛ぶ、のか) そう思った瞬間、足元に光が現れ、プロペラのようなものが回り出した。 ブウウウゥゥゥゥン! 俺「!?」ピョコンッ 俺の頭から何か出てきた。・・・犬耳? 俺「・・・」 誰が得するんだよ。 俺の複雑な心情なんてお構い無しに、周りの女共は騒いでいる。 宮藤「おお!凄い!」 リーネ「おっきい魔法陣・・・」 ペリーヌ「まさか・・・」 シャーリー「凄いぞ俺!史上初、男性ウィッチ誕生の瞬間だ!」 ルッキ「おお~」 ゲルト「魔法力は問題ないのか・・・」 エーリカ「結構強力みたいだよ」 サーニャ「・・・凄い」 エイラ「ま、マア最低限の条件はクリアしたみたいダナ」 坂本「うむ」 ミーナ「俺さん、ありがとうございました。・・・飛行状態を解除してください」 俺「え?」 そんなこと言われても。 俺「どうすりゃいいのか・・・」 ミーナ「飛ぶのを止めるって思えば止まるわ」 適当だな、おい。 ピタッ 俺「・・・こんなんでいいのか?」 エーリカ「『こんなん』?なに言ってんの、上出来じゃん!」 マジか。 ミーナ「・・・さて俺さん。あなた、どうするの?」 俺「・・・」 ミーナ「たった一人きりで寝食をし何時来るかもわからないネウロイの脅威から逃げながら、当てもなく元の世界へ戻る方法を見つけるのか、 それとも私達と一緒に生活しネウロイの脅威に立ち向かいながら、私達と一緒に元の世界へ戻る方法を見つけるのか」 こういうのをなんというのだろうか。『八方ふさがり』?違うな。この場合一方だけ開いてるからな。 俺「・・・俺がいちゃ迷惑だろ?」 坂本「心配するな。お前が来る前からここは騒動が多いからな」 シャーリー「一人くらい増えたからってそんなに変わんないんだ」 エーリカ「むしろ、話した感じだとしっかりしてるみたいだし、迷惑だなんて思わないよ」 俺「・・・そうか」クスッ ルッキ「おお!笑った!」 エーリカ「君はそうして笑ってるほうがいいよ。せっかくのいい男なんだからさ」ニコッ 俺「余計なお世話だ」 エイラ「中佐、ホントにこんな奴を501に入れるのか?」 サーニャ「エイラ・・・失礼よ」 ミーナ「大丈夫・・・だと思うわ。登場の仕方こそ変だったけど、内面自体は問題あるようではないみたいだし。(口は悪いけど) 上層部に言っても追い出したりはしないでしょう。史上初の男性ウィッチなんだもの、データを採りたいっていうに決まってるわ。 私たちにとっては・・・後々の戦力の増強になると思うし、上層部は得するし、俺さんも損をしない。誰も損をしないのよ」 ・・・ま、一人で野垂れ死ぬよりはマシか。 ミーナ「俺さん。・・・良いわね?」 俺「・・・仕方なくだけど、世話になることにするさ。帰るまではな」 あ、思い出した。こういうのって、『選択の余地がない』って言うんだったな。 ミーナ「じゃあ・・・待っててね。正式にあなたが『ストライクウィッチーズ』に入隊できるよう働きかけるわ」 ――――――――― ・・・次の日。上層部にはミーナから言ってくれたらしい。ありがたいことだ。 これで正式に俺は『ウィッチーズ』の一員ということになった。 あの人には世話になりっぱなしだ。当然礼を言いに行った。上手くいえなかったから『ありがとう』ってだけだけど。 ――――――――――― それから俺は、坂本って女にも、それはもうってほど世話になった。体力づくりや射撃や飛行の訓練の他に剣道の稽古でたくさんしごかれたり、 わざわざ扶桑から戦闘用の刀を届けてもらったり、(・・・これってやっぱり『日本刀』じゃなくて『扶桑刀』って呼ばなくちゃいけないのか?) ・・・ちなみに魔法力を発現させていると不思議と武器を重く感じない。魔法力のおかげらしい。 実戦では刀と銃を持ち、後衛として援護をしつつ前衛の奴らから戦い方を学んだりして・・・戦うための力を付けていった。 ・・・でも。 ミーナ「彼の固有魔法がはっきりしない?」 坂本「ああ。刀を振っても、銃を撃っても、飛んでいても、全くわからないんだ。本人も、特に感じないらしい」 ミーナ「・・・」 坂本「ま、そのうちわかるとは思うがな」 ミーナ「そうだといいけれどね・・・。」 ―――――――――― ミーナ「それより、もっと心配なことがあるのよね」 坂本「なんだ」 ミーナ「この三ヶ月、襲撃してくるネウロイがみんな少数の小型だけだってこと」 坂本「・・・」 ミーナ「不自然よね・・・なにか悪い予感がするのよ」 坂本「・・・確かに、な」 異世界のウィッチその3
https://w.atwiki.jp/naridan_x/pages/62.html
ウィッチ ウィッチ説明 入手方法 術技 スキル 説明 系統 魔術系 ランク 中級 防御属性 雷 耐性 水 弱点 風 多くの魔術を扱い、敵をまとめて倒すことができるコスチューム 入手方法 精霊の洞窟・ノーム戦後 術技 RANK 名称 消費 属性 効果 威力 タイプ 備考 1 通・きっくー 0 物理 空中可 25 通常技 連携回数1体重を乗せた(重くないよ!)精一杯の蹴り 1 通・メルボム 0 火 - 25 通常技 連携回数1特製爆弾を取り出し、投げ落とす技 1 通・突撃飛行 0 物理 - 25 通常技 連携回数1勢いをつけて、一気に飛びかかる体当たり攻撃 1 ファイアーボール 1 シャンパーニュ 1 トラクタービーム 3 アイストーネード 5 ファイアストーム 6 魔障壁 9 ブラッディハウリング スキル RANK 名称 効果 1 エクステンドスペル 1 麻痺軽減 2 封印軽減 4 ルーズレスソウル 7 ガーディングキャスト 8 エンドラッキー ★ マジカル
https://w.atwiki.jp/mamumisamon/pages/101.html
No. No.64 召喚コスト 280 属性 なし 召喚条件 森レベル1クリア 解説 魔法使いらしくHPや攻撃力が低めだが、CPが高い。アイス、サンダー、メテオを使える魔法使い系は案外少なめ 技 攻撃 使用CP 有効範囲 属性 アイス 7 2 2 氷 サンダー 6 2 3 雷 メテオ 19 9 3 地 レベル 最大HP 最大CP 攻撃力 物理防御 素早さ 1 9 15 1 0 9 2 12 20 1 0 12 3 15 25 1 0 15 MAX 18 30 2 0 18 フォーム ファイアが無いのが難点だが、攻撃力低いのでファイアはなくてもいい。 -- 名無しさん (2008-09-11 16 54 20) あとマジエンの素材にもなる -- 水都 (2011-02-06 12 42 13) マジエンって男のほうじゃなきゃ駄目? 一番後ろのマスに移動出来ない状態で追い込まれると何も出来ずに死ぬ -- 名無しさん (2011-03-25 12 10 55) ウィッチかすいから使えない -- 神系好きな人 (2011-10-07 16 03 22) コスト500で先に倒さないとメテオが来て痛い -- 無色店長 (2019-08-31 03 21 37) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/334.html
413 :俺のキャラは変えずに平和な日常を・・・って需要あるのか[sage]:2010/10/04(月) 22 14 00.19 ID wGjNW/YW0 眠い。 どうやら長い間寝ていたらしい。 俺は誰かの背中におぶさっている。鼻から息を吸った。懐かしい、匂いがした。 『・・・・・・、俺、起きてるか。見てみろ。夕日が綺麗だぞ』 起きてはいるが、如何せん瞼が重い。 『もう疲れて寝てしまったのかしら』 今度は聞き覚えのある優しい声で、そう聞こえた。 俺はゆっくりと、重い瞼を押し上げた。 俺「・・・・・・」 目を開けると、そこには天井があった。 俺「・・・・・・ああ、またやっちまったか」 体が鉛のように、いや、それ以上に重い。 しかし、その重さとは別の重さが、左腕に感じられた。 414 :ナイトウィッチな俺[sage]:2010/10/04(月) 22 19 16.57 ID wGjNW/YW0 なんとか首だけを起こして見ると、 サーニャ「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」 と、静かに寝息を立てているサーニャさんの姿があった。 またエイラの説教を食らう羽目になりそうだ、と考えながら、俺は再び目を閉じた。 俺「・・・・・・・・・・・・」 扉が開くような音がした気がするが、その確認よりも眠気が勝った。 足音が僅かに聞こえる。 隣に座ったようだ。 『・・・・・・約束のサービスだ』 唇に、柔らかいものが触れた。 だが次の瞬間には、俺は深い眠りに吸い込まれてしまった。 415 :エピローグ終わり[sage]:2010/10/04(月) 22 20 38.96 ID wGjNW/YW0 -------------------------------------------------------------------------------------- 私は静かに、暗い部屋から暗い廊下へと出た。 『これでよかったのか』 と問われれば、私は自信を持ってこう答える。 「・・・・・・これでいいんだ」 私にハッピーエンドは似合わない。私がこの選択をしたことで、『相手』がハッピーエンドを迎えるなら、 私はバッドエンドでいい。これは『相手』には絶対に言えないことだ。 もし言ってしまえば、なんと言われるかわからない。だから怖い。 少し歩いた後、今度は暗い廊下から、暗い自室へと入る。 ベッドの上では、ルームメイトが幸せそうに寝息を立てている。 私は静かに元の位置に戻り、ルームメイトの頬を人差し指で撫でる。 ルームメイトは「うじゅ」と声を漏らしながらも、寝息を立て続けた。 私はこみ上げてくる感情を抑えながら、最後にこう呟いた。 「・・・・・・馬鹿野郎」 -------------------------------------------------------------------------------------- 416 :ナイトウィッチな俺[実はトゥルーデが一番好き]:2010/10/04(月) 22 22 25.60 ID wGjNW/YW0 なんか中途半端だよなー・・・・・・ 別のエピローグも書かねばならんか・・・・・・ 417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/04(月) 22 22 47.75 ID 8sJvk5b50 とにもかくにも乙
https://w.atwiki.jp/fragoria-wiki/pages/91.html
Last up date 2010-01-04 05 59 15 (Mon) 目次 ウィッチ解説 スキルパッシブ アクティブ コメント ウィッチ 解説 レベル9-14 ヴェドゥン(魔法使い)になる場合、キャラクターは理性、賢者と寄生の集中の道を選び、魔法の力によって相手を攻撃し味方を癒す技能を獲得する。 武器:ナイフ 防具:レザー 盾:不可 次職:ウィザード、ヒーラー 魔法職。 使用感などマジックアロー→スパーク の魔法コンボのみで序盤の敵は粉砕できるので次の転職まで楽に素早く育成できる。 ▲ スキル スキル詳細ページへ パッシブ スキル名 必要最低レベル マナの再生 Lv9 クイックマジック Lv16 クリティカルヒット Lv20 パッシブ Lv20 アクティブ スキル名 必要最低レベル マジックアロー Lv9 ▲ コメント 名前