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オープニング -開演- ◆MAKO.0z9p. ”――勝ちもせず生きようとすることがそもそも論外なのだ” ■ 重く沈みこむ意識の中に波のような音が少し、少しずつと届いてくる。 まどろみの身を揺り起こす為にか、それは少しずつ大きく確かな音へと変化し意識を叩く。 簡単な言葉にすれば”ざわ……ざわ……”。少し難しく言えばとらえどころのない猥雑な音の波というそれ。 頭の中を虫が這うようなその感触に、こらえきれないといった感じにか少女は覚醒し愛らしい目を静かに開いた。 どことも知れぬ暗闇の中で少女――原村和(はらむらのどか)は眠りの中から目を覚ました。 セーラー服の中を少女らしからぬ魅惑で満たす彼女はぼうっとした顔で周りを見渡し、少ししてそこが寝所でないと気付く。 「(これは……、いったい……?)」 彼女は実に少女らしく暗闇が得意でない。 故にその心中を侵してゆくのは恐怖であるが、さりとて微睡に逃げるには床は固く、半ば諦め気味に彼女は周囲を推し量る。 しかし、手を伸ばせばもうその先は確かでないという暗さの中に得られるものは無く、あるのは耳に届くざわざわという音だけ。 だれか――と、声を出す勇気は彼女にはなかった。 自分の他にも多数の人がいるのだろうということは気配で分かる。 声をかけてみればなにか分かるかもしれないということも理解しているのだが、しかし暗闇に呼びかけることはできなかった。 聞こえてくる音の中には少年少女の声といったものだけではなく、 狂気を孕んだ笑い声や獣の唸り声のような得体の知れないものまで混ざっていたのだから。 ざわ……ざわ……と、寄せては返す猥雑な音の波。 しばらくの間、深い狂気の海底で和は膝を抱えて黙することしかできなかった。 それからどれほどの時間が経っただろうか。 長く感じたのは恐怖のせいで、おそらくは僅かの後、唐突に、刺すような真っ白い照明の光が暗闇の中に灯った。 「んっ……!」 強い刺激に和の口から小さい悲鳴が漏れる。 目を強く瞑り涙を拭いそしてまた開いた時、その視線の先にあったのは彼女の見知らぬひとりの壮年の男性の姿だった。 自分達が座している床の上よりかはひとつ壇の上、スポットライトの下に立つスーツ姿の男性はぐるりとこちらを睥睨する。 それはまるでこちら側を値踏みしているような、そんな薄ら寒いものが心に浮かぶそんな眼差しだった。 「――原村さんっ!」 かけられた声にハッと振り返る。 すぐ後ろに同じ麻雀部の部員であり親しくしている少女――宮永咲(みやながさき)の姿があった。 「宮永さん。いったいどうしてここに?」 「わかんない。でも原村さんだって――きゃっ!?」 気付けば、原村和は同じセーラー服に身を包んだ彼女の身体をぎゅうと抱きしめていた。 背中に回した腕から感じる細い身体の感触も、顔をうずめた髪からの香りも、耳朶をくすぐる吐息もよく知るもので、 そのあたたかさに心の中の不安が解けてゆくのが感じられる。 意味不明な状況だというのは変わらないのに、彼女がすぐ傍にいるという事実が自分に力を与えると、それが再確認できた。 「――皆さん。私の話をお聞きください」 丁寧な声に和は彼女と一緒に壇上へと振り返る。 そうしていればまるでどこかの校長先生の風だといった男性は、その通りになにかを話し、おそらくは説明してくれるらしい。 いつもどおりの理性を取り戻し、この状況を理解しようと和はその声へと耳を傾けた。 ■ 「はじめまして皆さん。今回の催しのオープニングの進行役を務めさせてもらいます利根川幸雄です」 そんなありがちな挨拶から男――利根川幸雄(とねがわゆきお)は話を始め、丁寧に一礼した。 壇上からの明かりで真っ暗から薄暗がり程度には見渡せるようになった一室の中は、先ほどとは逆にしんと静まり返っている。 和も、その手を強く握る咲も、周りの誰もが彼の一言一句を聞き逃すまいと舞台へと集中していた。 「まずは皆様方をここへと無理に招待したこと……言葉を濁さすに言えば拉致したということに対し謝罪いたします」 言って、利根川は再び頭を下げる。 しんとしていた人の波がにわかにざわついた。 無論、現状を少しでも認識していればそういう発想が出てくるのは当然だったが、いざ言葉にされると動揺してしまう。 拉致――そこから続く言葉やイメージによい印象を持っている者などいないからだ。 「どうか落ち着いて私の話を聞いてください。 今回お集まりになっていただいたのはとある”ゲーム”をしていただく為であり、 それをクリアしていただければ、……クリアしただけに限りではありますが、無事にお帰しいたします」 ゲームと聞いて何人かが、そして和がピクリと反応した。 穏やかな状況ではないが興味をそそる単語だ。 もしそのゲームとやらが麻雀やそれに類するものだというなら自分や咲がここにいるのも理解できると、そう彼女は思った。 「その”種目(ゲーム)”の名前は――バトルロワイアル」 聞き覚えのない言葉に和はきょとんとする。 どうやら近くにいる者達の中でもそれを知っているという者はいなかったようだ。 だがしかし、その人物達はなにかを覚ったのか舌打ちや唸る声が離れた場所より耳に届いた。 「皆さんがご理解いただけるよう簡単に言いますと、それは敵も味方もない”殺し合い”。 これは比喩でも言葉のあやでもなく文字通りにそのまま。ここにいる皆さんで殺し合いをしてもらうと、そういうことです」 それが、”バトルロワイアル”。 投げつけられた言葉に人の波がよりざわつく。 だがしかしそれは穏やかなものであった。何もかもが急すぎて、誰の中でも理解と実感はまだ遠いところにあった。 「……実感できないのはもっともでしょう。 それはおいおいとして、では冷静なうちにルールの説明をさせていただきたいと思います。 後で繰り返すことはいたしませんので、どうかお聞き逃しのないようご注意ください」 そう言って、利根川はまだ落ち着かない人の波をよそに粛々とゲームの説明を開始した。 ■ 「まず第一に、殺し合いそのもにルールはございません。 どのような手段や、卑怯と言われるような手を使っても、 主催側がそれを咎める――ルール違反と見なす場合はありませんのでご安心ください。 ゲームの会場へとはこの後、またこちら側の手はずで移動していただくことになります。 どのような場所かというのは現地についてからお確かめください。 そこそこの広さがある場所に、バラバラに配置されて始まると……今はそれだけを告げておきます。 開始は現地の時刻にて0時。 到着し向こうで気付いた時にはちょうどその時間となっていますので、そのまま即ゲームがはじまることになります。 また気付かれた時には傍に黒いデイパックが置かれているはずですので、それをお手に取りご確認ください。 中には会場の地図や腕時計。筆記具や方位磁石などに、最低限の食料と水。懐中電灯などなど、皆様を助けるものが入っています。 加えて、ゲームに参加するメンバーの名簿が入っていますが、これには記載されている人物とそうでない人物とがおります。 これは一種の駆け引きの材料とお考えください。 それと、これらの共通した支給品とは別に皆様方がゲームの中で使用する武器や道具なども併せて入っております。 これは各人に一つから三つ。それぞれ別のものが用意されていますので、各自ご確認の上ご使用下さい。 さてこれでゲームが開始されるというわけですが、開始されましたら6時間ごとに主催側から放送を会場に流します。 つまり最初の放送が6時。次に12時。その次に18時と、そういう風に。 そしてその中で、それまでの間に死亡した参加者の名前を呼び上げます。 また、ゲームの中に新しいルールを加える場合もあるかもしれません。先に述べました支給品でメモを取るとよいでしょう。 では最後に、ゲームの決着方法を説明します。 これはただ単純にひとりの人間が生き延びればよろしい。 最後のひとりとそうなった時点でゲームは終了し、優勝者としてその人物には賞品が与えられゲームより解放されます。 逆に、24時間連続で死者が出なかったり、3日経っても優勝者が出なかった場合はゲームオーバー。 その場合は、……もうお気づきの方もおられると思いますが、皆様の首に嵌った首輪が爆発し全員死亡とさせていただきます。 つまり、誰かがゲームに対して消極的になるとゲームオーバー……全員の命が等しく危機に晒されるとお考え下さい。 なので皆が積極的に殺し合いに参加することを私から強くお願い申し上げます」 ■ 説明を終えて利根川は再び壇上で頭を深く下げた。 それを見終え、和は手を握ったままの咲へと向きかえり、互いに顔を見合わせる。 「どうしよう……原村さん……」 「大丈夫です宮永さん。こんな……殺し合いなんてあっていいはずがありません」 和は咲の震える瞳を見て強く思う。 彼女が誰かを殺したり、殺されてしまったり、ましてや自分が彼女を殺すなどということはありえないと。 小さな顎を持ち上げ首輪を確認し、そして自分の首元に指先を触れ首輪があるのだと確かめる。 だがしかし、そうだとしても”バトルロワイアル”だなんてものは決して許容できるものではないと彼女は強く思った。 「――できません!」 なのでそれを宣言した。 和は冷たい床の上から立ち上がり、壇上の利根川へと向かって毅然とした態度と口調でそれを力強く告げる。 殺し合いなどという非常識なこと、道徳から外れるようなこと、何より彼女を脅かすことを自分は許容することができないのだと。 「ふむ」 壇上の利根川は一人立ち上がった和を見てつまらなそうな表情をした。心底つまらないと、哀れみの混じった目で彼女を見下ろす。 実際、このような輩が出てくると彼は想定していた。そして今にも立ち上がりそうな連中も人の波の中にちらほら見える。 「先程、”実感”がないだろうという話をしたが……これでどうかな?」 慇懃な口調を捨て、利根川は胸元からなにやらリモコンのようなものを取り出し和へと向けて、ボタンを押した。 ピッ――と、小さいが確かに聞こえる音が全員の耳へと等しく届く。 「な……なに、これ……?」 戸惑いを含む声は和……ではなく、その足元にいた咲から発せられたものだった。 和は驚き、彼女の方へと振り返る。 わななく愛らしい口――よりも下。小さな顎に隠された首元。そこにある銀色の首輪の喉元の部分が赤く明滅を繰り返している。 それが何を意味するのか。聞くまでもなかった。 「やめなさいっ! こんな……こんなこと!」 「……言い忘れていたが、首輪が爆発するのはゲームオーバーが決まった場合のみではない」 壇上の利根川はもう和も咲も見てはいなかった。届いているはずの抗議の声にも反応しない。 まるで、彼女達がもうその意見を汲みいれるに値しない、つまりもうゲームの参加者でも人間でもないと、そう断定するように。 「どうしよう原村さん!? これ、どうなっちゃうの……?」 「大丈夫。こんな、こんなこと……こんなことあっていいはずがありません」 和はしゃがんで咲の首元を覗き込む。 ピ……ピ……という小さな音と明滅はおそらくカウントダウンだろう。その時まで時間はそうあるとは思えない。 首輪は金属でできているようだが細く、咲の細い首よりかは一回りほど大きい。迷うことなく、和はその間に指を挿し込んだ。 「ひぅ……!」 「少しだけ我慢してください。これぐらいなら爆発する前に……んっ」 和は首輪を指でつかみぐっと力をこめる。それだけで首輪は少し広がった。 どうやら見た目どおりにそれほど頑丈ではない。ならばと更に首輪に力をこめたその時、利根川が次の言葉を発した。 「――首輪を参加者が勝手に外そうとした場合でも、爆発することになっている」 言葉どおりのことが起きた。 そして、その言葉どおりのことを和はその言葉が耳に届くよりも先に知り、強く実感することとなった。 「…………あっ。…………あぁ……!?」 周りを囲む人々から発せられる悲鳴や怒号が耳の中に飛び込んでくる。しかし、その意味が和には全くわからない。 それよりも目の前の、目の前にあることが大きすぎて、咲の顔がどこかに消えてしまったということが大きすぎて他のことが理解できない。 パァンという音がして、視界が赤く染まり、次の瞬間にはあの怯えていてもずっとこちらを見つめていた咲の顔がなくなっていた。 「いいか。この首輪はそれだけでなく、ゲームの会場から逃げ出そうとしても爆発する。 殺し合いにルールはないが、ゲームの放棄だけは許されない……っ!」 呆然とする和をほうって、利根川は首輪の説明を続けている。 ざわつく人の波を押さえつけるように語気を強くし、壇上から言葉を浴びせかけている。 そして今更に、思い出したかのように和を見下ろし、また再びリモコンを向け、無慈悲にそのボタンを押した。 「どうせその怪我じゃあゲームに参加しても同じだろう」 言われて、ようやくながらに和は気付いた。己の指が、両手にあった5本の指がなくなっていることに。 べっとりと掌を染めるそれは首を飛ばされた咲のものだけでなく、己自身の血も混ざっているのだと麻痺した頭で理解する。 もうこれじゃあ麻雀ができない――何よりも先に思ったのはそんなことだった。 「このように、主催側は容易に首輪を爆発させ参加者の命を奪うことができる。それを忘れてはいけない!」 ピ……ピ……ピ……と、冷徹に進むカウントダウンの中。 和はただ利根川の声を聞き、何がいけなかったのかそれだけを考えていた。 ■ 「正義。道徳。友情。愛。信念。お前ら個人が何を掲げ、何をどう信じようがそれは勝手だ。 だがそれは平時においてのこと。この、緊急事態においては、それは全てまやかし……っ! 逃避にすぎないっ! よく考えろ。この現状を……己が置かれた状態を! 知らぬ何者かにより拉致され、わけもわからぬままにゲーム……殺し合いを強要されているという現実……っ! それが何を意味するのか。生殺与奪の権利は実際にはどこにあるのか。そこから目を逸らすことは許されない!」 利根川は語気を粗くして、まるで怒鳴るように人々へと語りかける。 確かに彼の言うとおりなのかもしれない。 だがしかし、そんな言い方は聞かされるほうの反抗心を煽るだけで、実際、何人かが立ち上がり刃向かおうとしていた。 「黙って”俺”の話を聞け…………っ!!」 室内が凍りついた。立ち上がっていた何人かも息をするのも忘れて固まっている。 利根川の言葉に気圧されたか? いや、そうではない。事実ももっとシンプル。単純すぎて、誰もが簡単にそれを理解した。 ネクタイを緩めシャツの襟を開いた利根川の首にも皆と同じ”首輪”が嵌っていのだ。 「声高らかに正義を謳い自己陶酔に浸っている間にも! 痛みを推し量り、傷ついた者を相手に理解者ぶっていい気になっている間にも!! 悲しみを共有したなどという都合のいい幻想を抱き、陳腐な涙を流している間にも……っ!! 時間は過ぎる……っ! 文字通り……命と等しい時間っ! それを”我々”ゲームの参加者は”共有”している……っ! 故に! 我々は同じゲームの参加者同士として”協力”して殺しあわないといけないのだ! 自分を救う為に! 誰かを救う為に! そうしなくてはならない……っ! 誰か一人がそれを諦め、殺し合いを放棄することは、すなわち全ての人間を巻き添えにする悪逆非道の行為……っ! そんなことをするぐらいなら……殺せないのなら死ね……っ! 他人が無理ならせめて自分の始末は自分でつけろ! 幸いなことに会場の外に飛び出せば首輪は爆発する。自殺するのは難しくない。 己の正義を信ずる者。弱者必滅の現実から目を逸らす愚者……そんな輩は自殺すべきっ! 他人を……巻き込むなっ!」 息を飲む者。顔を蒼くする者。ここに至って逆に笑みを浮かべる者。今までもこれからも表情を変えぬ者。 様々な人間がそこにはいたが、彼らに共通していたのはただ黙していたということ。 内心に何を抱えるかは不明であるが、皆、利根川を前にしてただ言葉を失い、彼の”協力要請”に耳を傾けていた。 「いいか、もう一度言う! 我々は……協力しあって殺しあわなくてはいけない……っ! それが唯一の生を得る方法なのだ。なす術もなくやってくる無念の死を避ける為に、ここに己が一生を賭す。 それが唯一の正義! この場における法……っ! 我々は……殺しあわなくてはいけない……っ! 生き残る為……お互いを救い合う為に……ゲームオーバーを回避し……唯一の生者を残す為に…………」 遠く聞こえる演説の中、死に瀕する和はただ思う。 勝利しなければ自分の居場所を確保することもできない。そんなことは解っていたはずなのにと。 そして今更ながらに気付く。 勝利するということはつまりその逆側に敗者を生むということ。その度に誰かを排し、誰かの権利を奪っていたことに。 なのに、どうしてそれを今は忘れていたのか、どうして今までそれに気付かなかったのか。 麻雀の勝負は命を奪わないからなのだろうか? 勝ちも負けも選ばない生き方をしていたプラスマイナスゼロの彼女ならば何か答えを持っているだろうか? 聞こうとして、首のない彼女を見て――、その時―― ――原村和の首輪が爆発した。 ■ 「――ご苦労様です。利根川様」 殺し合いの為に集められた有象無象。それらがすでに姿を消したがらんとした空間。 ただひとり、壇上に残っていた利根川は肩を落としただ床だけを見つめていた。 「ふん。自分のためだあれぐらいの演説。頼まれなくとも打ってみせる」 ひとつ息を吐き利根川は顔をあげる。 そして、手にしていたリモコンを黒服の男に向かって投げると踵を返し自らも会場に向かおうと足を向けた。 「しかし、いいのですか? あのような、皆の戦意を煽るような真似を?」 が、黒服がその足を止める。 「……おかしいか?」 「えぇ。あれでは利根川様も大変に危険な目に……それこそ、どこで恨みを買うかもしれません」 振り返り、利根川は黒服に頷いてみせた。 確かにこの名もない男が言うように、あれでは全ての元凶が自分にあるようで、それを恨むものが出てきてもおかしくない。 「織田信長」 「……はっ?」 「知ってるか?」 「は、はぁ……戦国時代を生きた武将であり、そして……今回のゲームの参加者のひとり」 「そうだ。我々がイメージするそれとは全く異なる人にして人ならざる化物。 奴だけではない。普通の人間じゃあ敵いっこもなさそうなの……例えば、英雄や悪鬼……そんなのが参加者にはゴロゴロいる。 だったら煽るしかあるまい……そいつらが殺し合うように。 殺し合いこそがここの常識であると、刷り込むしかない」 「しかし、それではやはり危険が……」 ふぅ。と、利根川は溜息をつく。確かにその通り。いくら百戦錬磨と言えども利根川は普通の人間。その範疇を逸脱しない男。 失脚によりこのゲームに参加することとなったが、これは挽回の機会ではなく制裁と……そう受け取っていた。 しかし、それでもなお、だからこそに彼は足掻く。己が生に執着する。 「勝てる可能性が元々ゼロなのならば、それを1%でも2%でもひとつずつ上げてゆくだけ……。 確かに俺は敵を作ったが、全員が全員敵同士となれば、それもいくらかはチャラ……勝つ目……光明も微かに見えてくる」 「……なるほど」 黒服が納得したのを見て利根川は再び暗闇の中へと進もうと歩き出し――と、なにかに気付いてまた振り返る。 「おい、お前。煙草はもっているか?」 「はぁ……持っていますが、しかし規則により参加者には何も」 「固いこと言うな。ここで吸えば問題はあるまい。まだゲームが始まる前だ」 「ですが……」 「俺が勝って帰ってきたらお前を取り立ててやる。それでどうだ? ん?」 更に2、3言押し合い、結局黒服は利根川に押しやられ渋々ながらに煙草を1本差し出した。 咥えた煙草の先に火を点け、帝愛グループにこの男ありと言われた利根川幸雄――その出立の前の最後を見届ける。 「……では、行って来る」 「御武運を」 紫煙を吐きそれが暗闇に溶けるのを見送ると、利根川は暗闇に向けて一歩ずつ足音を鳴らし進んでゆく。 この暗闇に飛び込むことは絞首台の縄に首を通すこととさほど違いはない。生還は万に一つで、他は死に溢れているからだ。 しかし、だとしても彼はおびえたりひるんだりはしない。威風堂々。ただ真っ直ぐに死地へと飛び込む。 「……勝ちもせず生きようとすることがそもそも論外なのだ」 利根川幸雄。彼の人生は逃走を自分に許すほど安いものではない。 【原村和@咲-Saki- 死亡】 【宮永咲@咲-Saki- 死亡】 【アニメキャラ・バトルロワイアル3rd 開始】 【「主催」および「黒幕」】 不明 【オープニング進行】 利根川幸雄(参加者) 【放送及び以降の進行役】 不明 【ルール】 原則参加者同士の間にはルールはなく、殺しあって最後の一人になった者が優勝。 優勝者には賞品(内容は不明)が与えられ、元の世界へと帰還させてもらえる。 ゲーム期間は開始より3日(72時間)。それまでに決着がついてなければゲームオーバー。 また、24時間連続で死者がでなかった場合もゲームオーバーで、全員の首輪が爆発する。 【首輪】 参加者全員の首に爆薬の詰まった首輪が嵌められている。 ゲーム会場から出ようとする。または無理矢理外そうとすると爆発してその者の命を奪う。 また、主催者側は自由に爆発させることができ、爆発するまでの猶予も操作可能。 【放送】 開始より6時間ごとに主催より会場に放送が流される。(方法は未定) そこで前回の放送より今回までの間で死亡した者の名前が呼び上げられる。 また、新しいルールが付け加えらる場合もあり。(※禁止エリアがこれに該当。詳細は放送案におまかせ) 【支給品】 参加者にはひとつのデイパックとその中に入った支給品が配られる。内容は以下の通り。 1.デイパック。 無限の容量を持った不思議なデイパック。原理は不明。 2.基本支給品。 全員のデイパックに共通して入っている物。 「参加者名簿」「会場の地図」「腕時計」「筆記用具とメモ用紙」「方位磁石」「懐中電灯」「最低限の食料と水」「タオル数枚」 ※参加者名簿には一部の参加者(書き手枠のキャラ)の名前が記されていない。 3.ランダム支給品。 武器や道具など、個別のアイテムが1つから3つの範囲で入っている。
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オープニング ◇ 気付けば、人々は暗闇の中にいた。 まるで殆ど同時に覚醒した人々は、固い床に直接寝そべっていた事で鈍く痛む筋肉をほぐしながら、立ち上がった。 光の一筋もない暗闇。まるで闇の底にいるかのような暗さ。 だが、それでもその中の数人はまるで周囲の状況が分かっているかのように人々の合間を縫い、周囲を探る。 逆に、突如視界を奪われたことで壁や人にぶつかっては謝り倒す者、中には何かに蹴躓いて転倒といった者もいる。 それぞれあげる声で知人の存在に気付くものもちらほらと在った。 そうして、思い思いに不可思議な状況へ反応を示す中で、それは唐突に発生した。 「―――目が覚めたようね」 壁の一面に、映像が映し出された。 映像には一人の女性が映し出されている。 整った顔立ちの妙齢の女性。美人というに十分な美貌だが、その表情は暗く、陰鬱としている。 暗闇に慣れていた人々は突然の光に目を背けるが、そんな人々に構わず映像の中の女性は話を進めていく。 「私の名はプレシア・テスタロッサ。貴方達をこの場に集めた者よ」 その名に、人々の中の誰かが、息を吞む。 年端もいかない少女は驚愕に顔を染めている。 そんな少女の様子に気付く者もいたが、今は画面内のプレシアに意識を集中させていた。 「貴方達には私の実験に付き合ってもらうわ。難しい事はないし、予想では数日もせずに終わるはずよ」 人々の反応は様々だ。 小さくを舌を鳴らす者、警戒の瞳でプレシアを睨む者、やだと単純明快に拒否を述べる者、中には愉しげに言葉の続きを待つ者もいた。 そんな人々を光の無い瞳で見下ろしながら、プレシアは続ける。 「これから貴方達をとある街に転送させるわ。食料も充分量を用意するし、実験が円滑に進むよう物品も支給する。皆はただ実験に集中して貰えれば良い。 実験の内容も単純よ。そこで貴方達には―――」 声を区切り、少し息を吸い込んで、 「―――殺し合いをしてもらうわ」 魔女は、告げた。 淡々と、まるでそれが何でもないものかのように、ともすれば僅かばかりの面倒くささすら携えて、プレシアは言った。 それまで好き勝手な反応を見せていた者達にも、その一瞬を境に沈黙が訪れた。 シンと音を無くした世界で、画面内のプレシアだけが動いている。 数秒の間を置いて、怒号が爆ぜる。 怒りを喚き、恐れに慄き、焦りを吐き出す。 「生還できるものは、生き残った一人だけ。後は私の実験の糧となってもらうわ」 だが、人々のそれらをそよ風のようにプレシアは聞き流す。 「状況把握の為に6時間ごとに死者を発表していくわ。それ以外、私からの連絡は無し。貴方達の実験をただ観察させてもらうだけ」 人々を見る瞳は、まさに実験台のマウスを見る科学者のそれだろう。 憐憫も、同情もなく、ただ必要な事を成すだけ。 そこに感情の色は見てとれない。 「話は以上よ。どうか早く実験が終わることを期待しているわ」 一方的な終わりが告げられた後に、人々の足場に淡く光る幾何学模様が現れた。 見るものが見れば、それが転送魔法の魔導陣であることは分かるだろう。 光が強まる中で人々の怒号も増していくが、構わず事態は進んでいく。 「―――プレシア・テスタロッサ!」 臨界に達する場で、一際大きな声が響き渡った。 声色の強さに、人々は思い思いに叫ぶ事をやめ、声のした方へ眼を向ける。 そこには少女がいた。 幼い体躯と顔立ち。まだ小学生ほどの姿だが、その真っすぐな瞳は意志の強さを感じられる。 二本に結わられた粟色の髪の毛を揺らしながら、少女はプレシアへ語り掛ける。 「……なんで、こんな事をするんですか?」 問い掛けに、やはりプレシアの表情は揺らがない。 マウスに向ける瞳で少女を見やり、小さく口を開く。 「私の目的に変わりはないわ、高町なのは」 問答はそれきり。 プレシアの言葉を最後に、人々は別の空間へ、殺し合いの会場へと飛ばされてしまったからだ。 こうして殺し合いは始まった。 肉体を酷使し、精神を摩耗させ、魂を滾らす実験―――バトルロワイアル。 32名の姿が消え、今バトルロワイアルが開催された。 【お気に入り作品バトルロワイアル 開催】 【主催者:プレシア・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】 【生存者数:35名】 前話 次話 START 投下順 ゴム人間ってリアルにいたら絶対怖いよね START 時系列順 ゴム人間ってリアルにいたら絶対怖いよね 前話 登場人物 次話 START プレシア・テスタロッサ START 高町なのは それは不思議な出会いなの?
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302 名前: NPCさん 04/12/03 09 46 04 ID ??? 唐突に困ったチャン報告。 某コンベでN◎VAをやったとき、マネキン(13歳の男娼というキャラだった)のオープニングをやろうと思ったら PLから「差し支えないならパトロンが部屋に尋ねてくるんじゃなくて、情事の後のベッドでの会話にして欲しいのですが」との提案。 他PLからおおー、という歓声が上がったこともありあっさりRLも許可。 「じゃあマネキンのオープニングだ。激しい情事の後の気だるさでキミは何も言えずに目を閉じている。流れてくる精液の感触が煩わしい。そんなことを思っているとパトロンが……」 アダルティな雰囲気にみなドキドキ。ここまではそんなには問題なかったのだが……。 ある程度会話が終わった後、マネキンがちょっとぼうっとしていたのでRLが「どうした、今日はそんなに激しかったかな?」と軽くあだるちな冗談を放つ。これが間違いだった。 「何言ってるの?ボクはまだできるよ、そっちこそトシも考えずに無理しちゃって」 「さっきまで私の腕の中で喘いでいたとは思えない台詞だな」 「大きな声あげてたのはそっちだろ?今だって大きくしてるじゃないか、この変態」 「フフ、誘ってるのかな? 可愛いやつだ……」 ここでシーンを切るのかなと思ったがRLもマネキンPLも引かず、丁々発止の口セックスが10分ちょっと続いた。 RLとPLに奇妙な満足感を得ていたらしいが、他のPLはひきまくり。 セッションそのものにはさして影響はなかったのだが、RLとマネキンPL以外のメンバーにはなにか嫌なしこりを残したまま終了。 終了後の雑談もRLとマネキンPLが盛り上がっていた以外は皆無口気味ではたからみたら地雷セッションのように見えたかもしれない。 まあ俺がRLだったというオチがつくわけだが。 スレ44
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テーマカラー 2006年4月 - 2009年9月:■青 2009年10月 - 2010年3月:■オレンジ タイトルロゴ表記 カラーリング:KYT NEWSリアルタイムかごしま → KYT NEWSリアルタイムかごしま 番組タイトルは、リング状で丸い番組のロゴマークの右に表記された。タイトルロゴ文章の構成は「NNN NEWS」の下に「リアル」、その下に小さく「タイム」。「■■」は「リアル」の右に、「REALTIME■」は「■■」の下に小さく表示された。 2006年4月 - 2009年9月:「KYT NEWS」「リアルタイム」「かごしま」「■■」「REALTIME■」 2009年10月 - 2010年3月:「KYT NEWS」「リアルタイム」「かごしま」「■■」「REALTIME■」(ロゴの変更なし。「NEWS」と「■」は日テレNEWS24のテーマカラーと同じ色を使用) スタジオセット・テロップなどについて オープニング 18時16分の開始時には、キー局などでは16時53分に流されるオープニング映像を「かごしま」版に加工したものを放送する。2007年9月までは17時48分の開始時にキー局などでは17時50分で流れるオープニング映像が放送された。詳細は以下の通り。 2006年12月1日以降 - バーチャルスタジオのタイトルロゴを入れながらの演出が加えられた→挨拶→ラインナップ ① 2007年10月1日以降 - 16 53のオープニングで使われるオープニングCGロゴにKYTロゴが加えられたタイトルCGを表示→県内ニュースのラインナップを2項目と特集の内容→キャスターが席に着く(同時に提供スポンサーを表示)→CM(60秒)→挨拶 提供スポンサー表示は以前まで最初のCM前に出されていた。 ① 2008年2月中旬以降 - 5秒の予告→30秒のCM→挨拶 「*①」のマークが付いている所は、18 16から挨拶まで時刻表示は消去されていた。 ‘08年4月は、期日により‘09年4月のパターンと同じ時が、有り、CMは30秒の時もあった。 2008年4月28日以降 - 18時16分の開始時には、キー局などでは17時50分に流されるオープニング映像を「かごしま」版に加工したオープニング(5秒)→挨拶 2009年4月 - 5秒の予告のあとに60秒のCM→5秒オープニング→挨拶 2009年9月28日以降 - 5秒Qショット→1分間のCM→NNN等で16時53分に流されるオープニング映像を加工したオープニング(10秒)→挨拶 2009年10月5日以降 - 18時16分の開始。オープニング(10秒)→挨拶→ラインナップ スタジオ 2006年4月3日 - 11月17日 - 初代スタジオ(KYTニュースプラス1から引継ぎ) 2006年11月20日 - 11月30日 - KYT報道センターからの放送(スタジオの改装のため) 2006年12月1日以降 - 2代目スタジオ。バーチャルシステムを九州・中四国で初採用(系列局では青森放送のRABニュースレーダーなどがある)。 テロップ ニューステロップ Newsリアルタイム仕様だが、KYTのロゴが付け加えられている。2006年12月から動テロップを採用。 時刻表示 2006年4月3日 - 6月 - カスタム表記 2006年10月2日 - 4月25日 - 通常表記 2008年4月28日以降 - カスタム表記 *18 45ごろのCM以降は、表示無し 天気ループ 2006年6月から11月まで画面左上に翌日の天気予報を表示していた。同年、12月1日から地デジの登場や全国ニュースで、字幕スーパーと重なる場合がある為取りやめた。尚、2006年9月までは単独表記。10月以降は時刻表示の右側に併記。 歴代エンディング曲 初代 -2006年4月3日以降 I ll be there CANCION 2代 -2006年8月14日以降 きずな 川野静香(KYT24時間テレビの2006年用テーマソングとしても使用) 3代 -2006年10月2日以降 ホームタウン 福井静 4代 -2006年12月1日以降 すばらしい世界SOUTH BLOW(年末短縮版でも使用) 5代 -2007年4月2日以降 春色大山百合香 6代 -2007年4月30日以降 また帰るからアンダーグラフ 7代 -2007年8月1日以降 特攻花dokidoki(KYT24時間テレビの2007年用テーマソングとしても使用) 8代 -2007年10月1日以降 月の雫我那覇美奈(年末短縮版では未使用) 9代 -2008年1月7日以降 地球兄弟中孝介 10代 -2008年3月31日以降 ゆらゆら多和田えみ 11代 -2008年-7月30日・8月1日 やさしいうた元ちとせ 12代 -2008年7月31日 絆中孝介 13代 -2008年8月4日 promisingFatProp(KYT24時間テレビの2008年用テーマソングとしても使用) 14代 -2008年-12月26日 不明中孝介 15代 -2009年1月5日- 不明不明 16代 -2009年3月30日- 東京タワー矢野真紀 17代 -2009年7月1日- ありがとう~知覧よりの手紙~千綿偉功 18代 -2009年10月5日 NEWSリアルタイム エンディング NNN
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水野晴郎「いやぁ、映画ってほんっとうにいいもんですね!」 『金曜ロードショー』は日本テレビ系列で、毎週金曜夜9 00から10 54の二時間枠で放送されている映画番組である。 1972年に水曜放送の『水曜ロードショー』としてスタート。1985年の放送曜日移動に伴って現在の番組名になった。 2012年4月6日から2021年3月26日までは番組名が『金曜ロードSHOW!』に改名。 映画以外も放送する単発特別番組枠となっていたが、2021年4月2日より再び『金曜ロードショー』として映画番組に戻っている。 具体的な番組の歴史などは情報が膨大なので wikipediaの当該ページ や ニコニコ大百科の記事 を参照してもらいたい。 OPについて 特筆すべきはあのどこかノスタルジックなオープニングとテーマ曲についてである。 現在のOPは五代目であり、以下のように変化している。 初代 夕日と海とヨットハーバー。フィルム映像で1985年10月から1997年3月まで使用された。 金曜ロードショーと言えば最も多くの人がイメージするのは恐らくこれだろうか。 テーマ曲は「フライデー・ナイト・ファンタジー」。作曲と演奏はピエール・ポルト ヒズ・オーケストラ。 トランペットのソロは、日本人トランペット演奏家である数原晋氏が日本で演奏した。 流れは海辺の家で景色を眺める人→夕日と鴎→ヨットハーバーで犬と戯れる人→黄昏の人 →夕焼けの海に浮かぶヨット→画面中部に番組ロゴ表示(夕焼けの風景から大きくフェードインし、ヨットハーバーの風景が一瞬にして夜になる) →映画名表示→提供クレジット表示。 二代目 スタジオジブリの宮崎駿監督によって製作された。作画・演出は近藤喜文氏。 1997年4月から2009年3月まで初代と同様に12年間使用された。若年層には初代よりもこちらの方が馴染みがあるかもしれない。 テーマ曲は久石譲作曲の「シネマ・ノスタルジア」。 流れは紳士が映写機を動かすアニメーション、その画面の左右は映画フィルムの縁となっており、 画面上部に番組ロゴ表示→提供クレジット表示(その間に紳士と映写機はこちらを向く) →映画名表示(映写機のレンズが拡大し放送する映画名がフェードインで表示される) このオープニング映像は、スタジオジブリが制作した短編アニメやCMなどを収めたDVD『ジブリがいっぱいSPECIAL ショートショート』に収められている。 ちなみに、左右両端が映画フィルムの縁になっているので(本来なら「オープニングのみ額縁放送扱い」になる)、 地上デジタル放送でも違和感なく表示されていた。 三代目 タイトルは「The Moon and The Rabbit」。アニメーション制作はAirside。 2009年3月27日から2012年3月30日まで使用された。 金曜の夜、お月様が出る頃に始まる「金曜ロードショー」を見るためにうさぎのスタンリーと仲間達が映画館に向かって必死に走る様子を描く。 テーマ曲は「スタンリーの週末」。作曲は岩代太郎氏。 流れは先代同様ロゴ表示→提供クレジット表示→映画名表示(スクリーンに放送する映画名が表示される)の順で、 オープニング映像としては初のハイビジョン制作である。 四代目 アニメーション制作はオムニバス・ジャパン。 番組名が『金曜ロードSHOW!』へ変更されたのに伴い、2012年4月6日から2016年3月25日まで使用された。 先代と同じく登場するのはうさぎのスタンリーと仲間達。 彼らがアクション、SF、サスペンス、ラブストーリー、アニメといった映画の世界に迷い込んでワクワクドキドキしている様子を描く。 テーマ曲は「TGIF(Thank God, It's Friday!)」。作曲は大野哲二氏。 五代目 2018年7月20日放送分から使用されている。 アニメーション制作は『おおかみこどもの雨と雪』等で知られる細田守監督とスタジオ地図。 内容は17歳の女子高生ミアちゃんが、犬のような不思議な生物「アンク」と共に、 謎めいた伯爵夫人ターニャが主催する秘密のプライベート映画サロンに迷い込むというもの。 テーマ曲は「Era」。作曲は高木正勝氏。歌は上白石萌歌女史が担当している。 (以上、wikipediaより一部改変して抜粋) MUGENにおける金曜ロードショーオープニングは、GooGoo64氏とThe_None氏の提供でお送りいたします。 + GooGoo64氏製作 GooGoo64氏製作 ガメラなどの製作者であるgoogoo64氏によって二代目のOP(映写機を回す紳士)がMUGEN入りした。Ver 1.0で完成度は70%との事。 ネットにある上記のネタgifから着想を得たのか、映写機をマシンガンにしたり、タイトルを投げ付けたり、足を延ばしてキックなどやりたい放題。 通常技の性能が異常に高く、人操作ならびっくり箱(アヒルを出す)を連打するだけで永久が完成するほど。 自分からは動けず、技の発動中に回り込まれると隙が大きい。その代わりDEFは150と高め。 イントロ及び勝利演出ではシネマ・ノスタルジアと共に作者であるgoogoo64氏の名前が提供としてクレジットされるなど、意外と芸が細かい。 扇風機氏の外部AIが存在していたが、氏のサイトが消滅したため現在入手不可。 + The_None氏製作 The_None氏製作 金曜ロードショーが放送されていない地域の製作者によるまさかのリリース。 GooGoo64氏の金曜ロードショーのコンセプトを引き継ぎつつ、通常技や通常移動を加えてより格ゲーっぽくリメイクされた。 スプライトも一新されヌルヌル動くようなり、脚立を振り回したり、フィルムの中の人物に助けてもらったりとやりたい放題ぶりはさらに加速。 性能自体は格ゲーらしく控えめ。小ジャンプが異常に鋭いのが特徴。 AIはデフォルト搭載されている他、ホルン氏による外部AIが公開されている。 ホルン氏のAIは恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルに加え、ワープの使用制限を設定可能。想定ランクは強~凶下位との事。 この他に、ちょwwおまww氏により初代OPもステージとしてMUGEN入りしていたのだが、現在は入手不可。 出場大会 ドキドキ味方殺しタッグトーナメント 強肉弱食 味方殺しランダムタッグバトル 地デジ推進?!TV局対抗トーナメント 満腹度0%残りHP1アイテムなしトーナメント お前ら魔界でやれチームトーナメント MUGEN祭 大盛りシングルトーナメント 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント
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オープニング候補 タイトル 作者 主催サイド 見せしめ その他登場人物 No.1 無題 ◆egOgs3EjF氏 エクスデス(FF5) ノヴァ バッツ・クラウザー、ダイ No.2 OP案1 ◆WX83tjqOIg氏 ダオス(テイルズオブファンタジア) 藤林すず クレス・アルベイン、真理の扉? No.3 OP案2 ◆I2ss/4dt7o氏 幻造テレビ局(オリジナル) 勇者ロト 幻造"道化"、幻造"黒服"、ダイ No.4 剣 ◆ogK6XsSpmw氏 剣(オリジナル) フレン・シーフォ 剣の分身ロワ、バッツ・クラウザー No.5 ファンタジー剣士ロワOP案 ◆Mc3Jr5CTis氏 血祭ドウコク(侍戦隊シンケンジャー) 志葉 薫 葵叉丹、骨のシタリ、志葉 丈瑠、腑破十臓 No.6 開幕 ◆e3C3OJA4Lw氏 大魔王バーン(ダイの大冒険) ノヴァ セイバー、ダイ No.7 OP ◆Wf0eUCE.vg氏 ハーゴン(ドラゴンクエストⅡ) ジュナス ロラン(ローレシアの王子) No.8 オープニング1 ◆KKid85tGwY氏 デボネア(レイアース) 大魔王バーン 獅堂 光、龍咲 海、鳳凰寺 風、ノヴァ、ダイ No.9 オープニング2 ◆s4f2srXljQ氏 アーサー・ペンドラゴン@アーサー王伝説 英雄王ギルガメッシュ No.10 バトルロワイヤル開始 ◆DzuK1MKXmE氏 大魔王バーン(ダイの大冒険) アバン キルバーン、ミストバーン、ダイ、ヒュンケル、トゥバン・サノオ
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オープニング ◆b2iYqpIDTI うっすらと、肌に生暖かい風が吹く。 どこかくぐもった声と共に此方へと吹いてくるその風は微かに匂いを伴っていて。 誰かの吐息が頬に当たっている、と認識すると同時に少女は目を覚ます。 「~~~~っ!」 瞑っていた瞼が開かれると同時に視界へと飛び込んでくるのは、底の見えない黒色。 見るものを不安にさせる様な、どこまでも塗りつぶした黒。 部屋の天井はこんなに暗かったかという疑問は寝惚けた思考に塗りつぶされる。 続いて、何とはなしに横を向いた少女は思わず漏らしそうになった大声を噛み殺す。 「なんで、なんで工藤君が私の横で寝てるのよ……っ」 仰向けから小柄な体ごと横を向いた所為か、少女――灰原哀の目と鼻の先。 どちらかが後僅かでも体を動かせば唇が触れそうな、危うい位置にその友人(と言う呼び方が適切なのか少女には解らなかったのだが)である工藤新一――この場合は江戸川コナンの寝顔が存在していた。 見た目こそ年端もいかぬ少女の姿をしている灰原ではあったが、とある事情を抱えており、実際の年齢はある程度を超えている。 故に、年齢相応の羞恥心や貞操観念も兼ね備えているし、また目の前にいる自分と同じく小学校低学年くらいの年齢の姿をした少年の実年齢が、自分と同じく幼い外見と一致していないことも知っている。 結果として、不意打ちに晒された少女の顔は羞恥と共に微かに朱に染まり、緊張からか心臓の音がいつもより速さを増すことになる。 外見が幼くなればそれに合わせて思考や倫理観も少なからず幼くなってしまうのか、数々の事件に巻き込まれる中で、或いは年相応の遊びの中でコナンと至近距離で触れ合うことも少なくはなく、その時は今の様に緊張を感じたりはしなかったのだが。 (慣れてはいても……急に目の前に顔があったら驚くのも仕方がないわよね?) 今回の様に互いの吐息が交わる寸前まで近付いたのは流石に初めてであり、否応なしに体が緊張を訴えていた。 「ふう……本当に、どうしてこんな状況になってるのかしら?」 目の前の相手を起こさないようにゆっくりと体を後ろへと下がらせつつ、どうしてこんなことになっているのかと思案する。 「昨日は……確か博士と食事をとって、早めの入浴を済ませて布団に入ったのが二十二時。その時ベッドの上には誰も居なかった筈だし、いくら眠っていても誰かが布団に忍び込んで来たら気付きそうなものよね」 一つ一つ昨晩の記憶を手繰り寄せるが、納得のいく答えは思い浮かばない。 これが居候先の主人である阿笠博士であれば寝惚けて間違えた等の理由付けも可能ではあったのだが。 生憎と目の前の少年が昨晩居候先を訪れた記憶はないし、仮に自分の知らぬ間に訪れていたとしても、寝惚けていようがなんだろうが他ならぬ自分の部屋で就寝を取るとは考えられない。 無論、実際に寝惚けてきた可能性がゼロと言うワケではないのだがそれは如何にも腑に落ちないと心中で呟く。 「この一途な名探偵さんが、そんな隙を見せるとは思わないもの」 だとすればどうして? と灰原の脳内を疑問符が跳ね回り「まさかまさか、夜這いかしら」なんて悪戯っぽく笑う最中、そこでようやく自らの背中に感じる違和感に気付いた。 「これ、どう考えても布団の硬さじゃないわよね……」 再確認し直すように、小声で呟きつつ背中越しに感じる硬さを指先でなぞるがどう考えても布地の感触ではない。 編みこまれた草の様な手触りに独特の匂い、布団程の柔らかさはないものの寝転んでも支障がなさそうなそれは、間違いなく畳である。 一つ、認識してしまえば何故今まで気付かなかったと言わんばかりに違和感に気付き始める。 「明らかに、私の部屋じゃないじゃない……!」 自分の愚かさに辟易するように思わず言葉を吐き捨ててしまう。 現在の灰原はフローリングとはまた違った感触の、敷き詰められた畳の上に寝かされている。 勿論布団などかけられているわけはなく、辛うじて存在を認識出来る目の前には知人、若しくは共犯者である江戸川コナンの姿。 彼もまた自分と同じく無造作に床へ転がされており未だ起きる気配はない。 何故目の前の少年と共に寝ているかどころの話ではなく、そもそもが目を覚ました場所が自室ではない――悪戯かとも思ったがそれにしては性質が悪過ぎる。 警戒するように音を潜めて視線だけで周囲を見渡してはみるものの、やはりコナンの姿を認識出来る程度でありそれ以上先の様子は右を見ても左を見ても闇に包まれており様子を窺えそうもない。 しかし、時折耳に届く呻き声や呼吸音からして正確な数は不明だが他にも同じ状況に巻き込まれた人間がいるらしいことはわかる。 十人、二十人――或いはそれ以上か。 また悪趣味なことに、金属製の首輪を嵌められている。 「服も着替えさせられているし……誰が、一体何の為に?」 見知らぬ誰かが一糸纏わぬ姿を眺めているところを想像して体を震わせつつまず最初に思いついたのは、黒の組織に正体と居場所を突き止められ拉致された、という線だが幾つか腑に落ちない点がその考えは早計だと伝えてくる。 ぺたぺたと小さな掌で確認してみるが、灰原が身に纏う布地は普段寝間着として着用しているものではなく、最近買ったばかりの私服だった。 黒と白のストライプを基調とした抑え目でガーリーなデザインが特徴的な、比較的シンプルなワンピースではあるが、それでも寝ている相手を着替えさせるには手間がかかる。 もし仮に自分たちが何らかの目的で拉致されたとして、態々服を着替えさせるメリットとはなんだろうか。 何らかの薬を嗅がされて深い睡眠状態に落とし込まれたのか今回は気が付くことは無かったが、薬の効き方や体質次第では途中で目を覚ます恐れがあるし、そもそもそこに時間をかけている暇があればさっさと連れ去らってしまえばいい。 時間をかけている間に誰かに見つかる可能性や証拠を残す可能性が増えることを考えれば、手間をかけて着替えさせるリスクの割にリターンが少ないのである。 もし連れ去ったのが灰原の考える通り黒の組織であるならそんなまだるっこしいことをするとは思えず、そもそも彼女とコナンを見付けた段階で殺してしまっているだろう。 「まずは犯人の出方を窺わないことにはどうしようもないわね」 拉致された、と言う状況は例え灰原が見た目以上に実年齢が高かったとしても相当以上に焦ってしかるべき状況ではあったのだが、今の彼女はその割に落ち着いている方だと言えるだろう。 目的も、過程も、結果もわからない事件に巻き込まれるのはこれが初めてではなく、多少は慣れている部分もあり。 良いか悪いかは別として、共にこの状況に巻き込まれた相手――目の前のコナンへの少なくない信頼がそうさせているのかもしれない。 「拉致されたのが私たちだけだといいんだけど」 周囲を確認することの出来ぬ闇に包まれた空間で、わかっていることは不特定多数の人間が巻き込まれいている現状。 事件に巻き込まれる相手の良し悪しを、知人かそうでないかで区別することは非常にエゴイズムに塗れていると自嘲気味に笑う灰原ではあったが、それでも世話になっている博士や日常生活を共に過ごす友人、また目の前の彼の関係者が巻き込まれていないと良いと、素直に考えてしまう。 だが、何はともあれ犯人からの要求や接触がなければこれ以上の実態を掴むことや脱出への足掛かりを掴める筈はなく、まずはコナンを起こすべきだろうかと手を伸ばしたところで不意に、何かのスイッチを入れる音と共にこの空間へと光が満ち始める。 ようやく犯人のお出ましかと緊張に身を固くする灰原ではあったが、暗闇から急に光が侵入した所為か上手く瞼を開くことが出来ない。 光に慣れるべく目を細めると同時に起きる気配のないコナンを起こそうと伸ばしかけていた手を再度伸ばす灰原ではあったが。 「「「「喝!!!」」」」 その必要を無くしてしまうような怒号が、闇と共に沈黙した空間を引き裂いていった。 ☆ ☆ ☆ 広大な空間に寝かされていた面々が全て目を覚ますのを確認する。 今回の儀式の為に集められた参加者を見下ろすような一段高い位置。 参加者側を入り口とした場合の最奥はまるで体育館のステージの様に数段高くなっており、そこに四人の僧が正座をして参加者たちに視線を向けている。 「さて……全ての参加者が目を覚ましたようだな」 一人が口を開くと同時に、割り当てられたセリフを読み上げるように四人の僧たちは次々と機械的に台詞を並べたてる。 「今回貴様たちを呼び出したのにはある理由がある」 「無論、その理由を今話すことは出来ないが、貴様たちにとっても無関係ではない話だ」 「貴様たちに行ってもらう儀式――蠱毒の儀と言えば最早全てわかってしまうであろうな?」 「これから貴様たちにはたった一人生き残るまで殺し合いをしてもらう」 「例外はない。たった一人が生き残るまで儀式は継続される」 「詳しいルールについては儀式開始と同時に配布される書類を読むがいい」 「今、貴様たちが理解すべきことは三つ」 「一つ、何度も繰り返すようではあるがたった一人しか生き残ることは出来ない」 「二つ、この儀式を生き残った者には報酬としてどんな願いをも叶えてやろう」 「三つ、この儀式は大義ある者であり――逃れることは出来ぬと知るがいい」 「この三つをしかと心に刻み、最後の一人を目指すが貴様たちに与えられた役割である」 一息に、捲したてられる言葉に圧されたのか、或いは反論する隙間を見つけられずにか、決して少なくない参加者は誰一人口を開かず言葉を失っている。 それはそれで都合がいいと、四人の僧は与えられた役割に従い言葉を紡いでいく。 「どんな願いをも、と言われても信用は出来ないだろうが、正しくどんな願いも叶えるとここに誓おう」 「大金、死者の蘇生、憎き相手の殺害、恋愛の成就」 「貴様らが思いつくであろう全てを叶える用意が我等にはある」 「信憑性を増す為に、と言うわけではないが貴様らの中には死から蘇った者も存在しているとだけ伝えておこう」 「我らの言葉を疑おうが疑うまいが儀式は進んでいく、ならばたった一つの蜘蛛の糸に縋るのもよかろう」 「友人を、家族を、恋人を」 「仇を、快楽を、生存本能を」 「「「「全てを満たす為に、全てを奪うがいい」」」」 これで彼らに与えられた役割は終了ではあるのだが。 後一つ足りないものがある、と四人の僧は口を閉ざしその瞬間を待つ。 よもや此処まで来て進行が滞ることはないと彼らは確信していた。 この状況を与えられて、予定通りに動くものは一人も居ない筈はない。 そのように、参加者たちは集められている。 十秒、二十秒、三十秒――、一分。 呆気にとられる者、ざわめく者、冷静な者。 遠からず血の気の多い者が行動を開始するであろう刹那の時間に、彼らの望み通り一人の少女が口を開く。 ――予定通りだ! 少女の口が開かれるのを確認すると同時に、誰とはなしに心中で歓喜の声を挙げ、一様に『ニィ』と表情が歪む。 「ふざけないで! 殺し合いだなんて……そんなこと、許されるわけがないわ!」 集められた参加者は七十二人。 これだけの人数が居れば誰か一人は口にするであろう台詞を見れば小学生くらいであろう少女が発したことに感謝しつつ、次ぐ台詞を奪うように僧たちは言葉を放つ。 「無論、貴様のような存在が現れることは我等にも予想は出来ていた」 「殺し合え、と言われて素直に遂行できる人間は決して多くはないだろう」 「だが、それでも貴様らにはこの儀式を完遂させてもらわねばならない」 「故に――貴様には、見せしめになってもらうとしよう」 「儀式の遂行を邪魔するものがどうなるのか」 「儀式を完遂出来なかった貴様らの末路がどうなるのか」 「貴様らの血で、肉で、その罪を贖ってもらうことになる」 「貴様らに待ち受けるのは――死だ」 言葉と同時に、黒い異形の姿が現れる。 「「「「やれ。黒炎! 」」」」 ☆ ☆ ☆ 僧たちの言葉に合わせてゆっくりと自分の元へと歩みを進める黒い化物を前に、灰原は言葉を失う。 唐突過ぎる状況に頭がついていかず、あまりにも悪趣味な言葉の数々を聞き入れていた灰原ではあったが自らのおかれた状況を認識すると同時に、考えうる限り最大級の悪手ではあると理解していながら、声を挙げずにはいられなかった。 少し離れた壇上で自分たちを見下ろしてる犯人たちの要求はただの拉致事件と言うには度を越し過ぎている。 無論、ここまで大掛かりな犯行を行う以上只ならぬ目的があるのだろうと予想してはいたが、それでも彼女の予想を大きく超えた犯行だった。 これまで彼女が見てきた犯人たちとは違い自らの犯行を隠すことなく、そして自らの手を汚すことなく関係のない一般人に手を汚させる卑劣な手口。 罪に問われれば間違いなく極刑は間違いないであろう史上稀に見る犯行であり、人の命を道具の様に扱うその姿に言葉を発さずにはいられなかった。 正義感の強いコナンとは違いどこかドライな性格だと自負してはいたが、それでも。 数々の事件を通して、何の罪もなく奪われていく命を見てきた灰原だからこそ我慢出来ずに言葉を発してしまっていた。 「ゲハハハハ! 美味そうな、娘っ子だァ……!」 一歩、また一歩と脅える自分の姿を楽しむようにゆっくりと近づいてくる異形の化物。 まるで漫画や映画の世界と見紛うような姿ではあったが、そこから漏れ出す威圧感は今まで灰原が感じた事のないものでありCGや着ぐるみでは説明のつかない、明確に死を意識させるには十分過ぎる。 死ぬ。そう意識してしまうと、止めどなく全身に汗が滲み恐怖で足は竦んで逃げ出すことも出来ない。 「…………や、だ」 微かに歯を鳴らしながら漏れ出す言葉は誰にも届かず空気に溶けて、消える。 「灰原! おい灰原ァ! 逃げろ……逃げろォ!! 灰原ーーーーー!!」 傍にいるコナンが自分を庇おうと必死にもがくが、何かに縫い止められたかの様にその場で硬直してしまっており必死な言葉だけが虚しく響く。 「ちくしょう! 何で動けねーんだよ! 槍よ――槍よ、来ォォォォい!!」 「哀ちゃん! 何で……何で動けないの?! 」 何人かの人間が灰原を助けんと声を挙げるが、コナンと同じく何かに縫いつけられた様にその場でもがくのみに留まる。 「どれだけ足掻こうとも無駄だ! 獣の槍の伝承者よ」 「我らの力にあの方の力を加えた朏の陣は最早人の手に破れるモノでは無いわ!」 「人であれ妖であれ、この陣から抜け出せる者など存在しない!」 灰原には全てを理解することが出来なかったが。 自らの認識を超えた不思議な力が世界には存在しており――自分を助けられる者は誰も居ないのだと、わかった。 何から何まで理解を超えた現象の数々だったが、死を目の前にしてしまえば不思議と納得してしまえる。 見せしめという言葉通りに化物の狙いはどうやら自分だけであり、傍にいるコナンの方へと意識が向いていないのがせめてもの救いだった。 深呼吸を、一つ。 どれだけ思考を巡らせても答えはたった一つで。 自分がここから助かる術はなく、もう誰かと笑ったり泣いたり、人並みに恋をして愛を知ることは無いのだと、悔しい想いを噛み締める。 死にたくない、生きていたい、元の生活に戻りたい。 溢れんばかりの膨大な感情が灰原を飲み込み、ともすれば発狂してしまいそうな感覚に襲われるが、その全てを灰原は飲み込む。 「~~~~ッ」 どうせ奪われてしまうのならば、これ以上は声一つすら渡してやるもんかと。 震える体を抑え付けて、目の前の異形を睨み付ける。 ――化物が灰原の元に辿り着くまで、残り五歩。 「ちッくしょォォォォ! 動け動け動けええええ!!」 ――残り四歩。 「嫌あああああああ! 哀ちゃん! 誰か哀ちゃんを助けてよ!」 ――残り三歩。 「何でだよ……!灰原、諦めんな! 逃げてくれよ!」 ――残り二歩。 「喜ぶがいい、娘よ! 貴様の犠牲を以てこの儀式は幕を開ける!」 ――残り一歩。 「脚も、手も、顔も、体も……全部、美味そうだァ。どこから喰ッてやるかァ」 ――残り、 「――さよなら、工藤くん」 迫る爪が光を鈍く反射して、これが最後の景色かと、小さく笑った。 ☆ ☆ ☆ 天地より万物に至るまで気をまちて以って生ぜざる者無き也 ☆ ☆ ☆ 「なぁ……おまえは、子供を喰うのか?」 静まり返った空間に、何かを押し殺した声音が響き渡る。 騒動の中心点から少し離れた位置から、近づいてくる男が一人。 纏う衣服はインナーアウターから被っている帽子まで全てが黒色で、そこから微かに覗く肌色には痛々しい傷跡が無数に存在していた。 中でも最も特徴的なのが右目の上から刻まれた三本の爪痕で、それを歪ませる様な凄惨な表情を浮かべながら黒尽くめの男――鏢は言葉を続ける。 「どうした? 今一度言って見ろよ妖……おまえは、俺の前で、子供を喰うんだろう?」 「あが、あが……あがががががががが」 答えられる筈がない。 鏢の腕の先から伸びた糸、その先に連なる刃が黒炎の全身を穿っており灰原に凶爪が触れる寸前で動きを止められている。 全身を貫く鋭い先端は禍々しい牙の生えた口腔付近を念入りに穿っていて、言葉を発することすら困難だと思わされる。 「馬鹿な、所詮符術師程度の力で我らの朏の陣が敗れる筈がない!」 「何をやっている黒炎! 早くその男を喰ろうてしまえ!」 狼狽したような僧達の言葉に合わせて黒炎は灰原からヒョウへと向き直る。 彼らが言うように、幾重にも強化されたは朏の陣はこの場にいたあらゆる存在の動きを等しく封じており、黒炎の行為を止められる者などいない筈だった。 獣の槍の伝承者である蒼月潮も、ユグドラシルのトップギルドであるアインズ・ウール・ゴウンのリーダーであるモモンガも、この世の誰よりも優しいスタンドを持つ男東方仗助も。 幼き少女が化物の手にかかることを良しとしない。 或いは自らを戒める存在が唯々気に食わない。 理由はどうあれその場を離れんと力を込めていた全ての面々をその場に縫い止めるだけの力が僧達の放つ朏の陣には込められていた。 だが―― 「天地より万物に至るまで気をまちて以て生ぜざる者無き也。 邪怪禁呪、悪業を成す精魅、天地万物の正義をもちて微塵とせむ」 「あァああああああああ! てめェェえええええ!!! 」 目の前で、子供が喰われそうになっていて、この男が動けない筈がない。 例えどれ程強大な力でその身を封じられていようと、例えどれ程絶望的な状況であろうと、例えどれ程凶悪な妖怪相手であろうとも。 「十五雷正法、七排――」 「死にたくねェェェェェェェえ!」 唯、その存在を禁ずるのみ。 「――禁!!!」 爆発的な力の奔流が黒炎を襲い、呆気なくその身を消滅させる。 断末魔の欠片も許さず、圧倒的に、絶望的に。 「「禁」とは能力を禁ずること。鳥を禁ずればすなわち飛べなくなり、刀を禁ずればこれを切ることあたわず。妖魅を禁ずることとは……存在することを禁ずることよ」 黒炎を屠った勢いそのままに、壇上で狼狽し続ける四人の僧の元へ鏢が駆ける。 「光覇明宗の中でも指導する立場に位置する貴様らが何故このようなことをしでかしたのは知らないが――私の目の前で子供を殺そうとした罪、その身で贖ってもらうぞ。」 自らの優位を疑わず、その座に胡坐をかいていた僧達にその手から逃れる術はなかった。 焦り、困惑、恐怖、それぞれが混じり合った表情を浮かべながらその瞬間を待つ。 殺意の対象が化物から人へと代わろうとその技に陰りはなく。 「い、嫌だァァァァァあ!!」 「きィィィィィィィィィィん!」 呆気なく、物語の終わりとしては恐ろしい程カタルシスなど無く。 鏢の手から放たれた四枚の符。それぞれから放たれる力の奔流によって四人の僧の命は事切れる。 ある者は複雑そうな表情でその光景を見つつ。 ある者は退屈そうな表情でその光景を見つつ。 ある者は楽しそうな表情でその光景を見つつ。 共通して、皆一様にこれで終わりなのか? と微かな疑念が脳裏を過る刹那。 ボ ウ ン 真っ赤な華が、咲いた。 ☆ ☆ ☆ 「いやあ……まさかあの方たちが殺されてしまうとは思いませんでした」 首を吹き飛ばされ物言わぬ躯となった鏢の死体を避けるように眼鏡の男が壇上に現れる。 「皆さん初めまして! 改めまして今回の儀式の説明役を務めさせて頂くダーハラと言います」 五人の死体を目の前に苦笑いをしながらも、その場にそぐわない張りのある声で挨拶を述べる眼鏡の男。 まるで今までの光景など取るに足らない光景だと言わんばかりの姿に、彼を見つめる何人かの表情が歪む。 「とは言っても、粗方の説明は済んでいるようなので私からは一つだけ――この首輪についてお話させていただきますね」 「皆さんの首に嵌められた首輪……先程実際にご覧いただいたように、人一人の首を飛ばすには十分過ぎる爆破機能がセットされています」 ぐるりと、困惑しているのか反応がない参加者を見つめ更に言葉を続ける。 「勿論、集められた皆さんの中には人ではない――所謂化物の方達も十分に殺傷しうる機能になっていますので、ワシは化物だから大丈夫だ! なんて調子に乗ってしまわないように気を付けて下さいね?」 「この爆破機能が作動する条件は三つ。一つは我々が定める禁止エリア――この禁止エリアについては先程説明されたルールブックを参照して下さると助かります。……兎に角この禁止エリアに侵入した際」 「二つ目は制限時間である七十二時間を超えても儀式の最後の一人が決まらなかった際。」 「そして三つ目は今の方の様に我々へ反抗してしまった場合となります。あの光景を見てまだ反抗的な態度を取られる方はいらっしゃらないと思いますが、我々の上司は実に厳しい方ですので、そう取られかねない行為は自重した方が良いかと」 そうして一息に首輪の説明を終えるダーハラ。 最後にグルリと参加者の姿を見渡すと、彼に与えられた最後の役割を果たさんと笑顔で口を開く。 「では皆さん、ご健闘をお祈りしていますね!」 言葉と同時、参加者の姿は闇に包まれ――消える。 【アニメキャラバトル・ロワイアルGO START】 【鏢@うしおととら 死亡】 【光覇明宗の僧×4@うしおととら 死亡】 【主催】 【ダーハラ@迷家-マヨイガ-】 時系列順で読む Next 会いたい気持ち 投下順で読む Next 会いたい気持ち GAMESTART ダーハラ 051 第一回放送 GAMESTART 光覇明宗の僧 GAME OVER GAMESTART 灰原哀 014 魂のルフラン GAMESTART 江戸川コナン 031 シャルティア様、トロピカルランドへ行く GAMESTART 毛利蘭 008 魔人の威力 GAMESTART 蒼月潮 007 まっくら森の歌 GAMESTART 鏢 GAME OVER
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【オープニング】 No. タイトル 登場人物 場所 作者 ??? 無謬の白夜 少女、審判者、黒桐鮮花、女神のランサー - 【登場話】 No. タイトル 登場人物 場所 作者 01 藤丸立香&セイバー 藤丸立香、セイバー(坂上覇吐) - ◆srQ6oTQXS2 02 アルミリア・ボードウィン&セイバー アルミリア・ボードウィン、セイバー(ガウェイン) - ◆hBqmt1dJ2k 03 武器よさらば 有馬貴将、セイバー(キース・ブラック) - ◆zzpohGTsas 04 ウェイバー・ベルベット&アーチャー ウェイバー・ベルベット、アーチャー(ウラヌス-No.ζ) - ◆srQ6oTQXS2 05 F■te 遠坂凛、アーチャー(エミヤ・オルタ) - ◆hBqmt1dJ2k 06 ケイトリン・ワインハウス&ランサー ケイトリン・ワインハウス、ランサー(ヴィルヘルム・エーレンブルグ) - ◆srQ6oTQXS2 07 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト&ランサー ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、ランサー(秦こころ) - ◆srQ6oTQXS2 08 夏目吾郎&ライダー 夏目吾郎、ライダー(藤原妹紅) - ◆srQ6oTQXS2 09 透明Girl、透明Boy 市原仁奈、キャスター(ともだち) - ◆zzpohGTsas 10 アルケミストのパンセ アーシア・ヴェルレーヌ、キャスター(ルシード・グランセニック) - ◆GO82qGZUNE 11 大往生したなどと誰が決めたのか キャスター(陽蜂) - ◆ZjW0Ah9nuU 12 チェルシー&キャスター チェルシー、キャスター(キャンチョメ) - ◆srQ6oTQXS2 13 間桐の仮面 間桐桜、キャスター(ムジュラの仮面) - ◆DpgFZhamPE 14 『希望』 天願和夫、アサシン(エミヤ) - ◆8YPze9cKXg 15 けだものサーカス 猿代草太、アサシン(マタ・ハリ) - ◆zzpohGTsas 16 コギト・エルゴ・スム F・F、アサシン(アスラ・ザ・デッドエンド) - ◆zzpohGTsas 17 丈槍由紀&バーサーカー 丈槍由紀、バーサーカー(茨木童子) - ◆srQ6oTQXS2 18 アンヌ・ポートマン&バーサーカー アンヌ・ポートマン、バーサーカー(マルス-No.ε) - ◆srQ6oTQXS2 19 鋼の焔 暁美ほむら、バーサーカー(ファヴニル・ダインスレイフ) - ◆srQ6oTQXS2 20 聖杯鬼 東雲あづま、バーサーカー(スサノオ) - ◆JN79cqD59g 21 操真晴人&アヴェンジャー 操真晴人、アヴェンジャー(天魔・夜刀) - ◆GO82qGZUNE 【序章】 000 月の街、光の宴、闇の未来 光輝なる薪木、神話の糧 - ◆srQ6oTQXS2
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セリフ集に戻る オープニング ここは、 とある山に囲まれた高原の村。 かつては鉄道も通り、 栄えた時もありました。 でも、そんな時代は終わり、 人々も村から はなれていきました。 そんな、 忘れられていたこの土地に、 ふたたび人が集まってきました。 人々は、多くの人があこがれ、 集まってくるような村を つくるというのです。 土地をたがやし、野菜をつくり、 ヤギを育てて、乳を取る。 ヒツジの毛やカイコのマユから、 衣服をつくる。 村人はそうして 自然とともに暮らしています。 この村での一番のじまんは、 たくさんのヒツジを飼うこと。 いいヒツジの毛から作られる 衣服がこの村の名産だからです。 そして、この村はいつしか ”ひつじ村” と呼ばれるようになりました。 あなたは長い間、 ずっと旅をしてきました。 色々な場所を見て歩くことが、 好きだったからです。 その長い旅の途中、 このひつじ村に たどり着きました。 そして、 あなたはこの村でクレアという ひとりの少女と知り合いました。 クレア: そうなんだ… ずっと旅をしてきたの。 でも、 ひとつのところに落ち着いて 過ごすのもいいと思うけどな。 そうだわ、あなたもこの村に 住んでみればいいのよ。 きっと気に入ると思うわ。 心配しないで、わたしが 村長さんに相談してあげるから。 きっと、大丈夫。 レイモンド: 私はこの村の村長で、 レイモンド・ハリーと申します。 そうですか、 しばらくここで暮らしたいと 言うのですね。 村は人手不足ですからね、 住みたいと言う人を 追い返すことはできませんよ。 幸い、空家もあることですし、 そこでよければ使って下さい。 私は主に、 作物の苗を作っています。 作物でわからないことがあれば なんでも聞いてください。 それでは、 一緒に頑張っていきましょう。 クレア: よかったわね。 村長さんに認めてもらえて。 あ、そうそう、 いい子を紹介してあげるわ。 この子はここの事なら何でも 知っている不思議な子なのよ。 そう言って彼女は、 不思議なアヒル ”ブラミー”を連れてきました。 ”ブラミー”はなぜか ビンを背負っています。 しかも言葉までしゃべります。 ブラミー: やあ。きみが ○○さん かい? ぼくは”ブラミー” 村の事なら何でも知っているね。 クレアさんに聞いたよ。 ぼくがこの村でくらしていくのを 手つだってあげるよ。 ん!? なぜビンをせおって いるのかって? いろんなひとにきかれるけど、 それはひみつさ。 クレア: いい子でしょう? この子がいればもう安心よ。 それにわたしも協力するわ。 困ったことがあったらなんでも 相談してね。 こうして、 あなたはこのひつじ村に 住むことになりました。 このひつじ村であなたはいったい 何を得ることになるのでしょう。 セリフ集に戻る
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【オープニング】 No タイトル 登場人物 時間 作者 0.1 見滝原に潜む邪悪 漆黒の意志たち 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.2 盗【かいとう】と奪【かいとう】 盗む者と奪う者 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.3 漆黒の頂きに君臨する王 悪の救世主と魔法少女 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.4 万能の人は静かに暮らしたい 殺人鬼と万能の人 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.5 深紅の帝王の宮殿にて 悪魔たち 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.6 普通【とくべつなにんげんはいない】 普通の少女たち 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.7 せかいでひとりきり 歌姫と復讐者 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 0.7 re せかいでひとりきり 少女と復讐者 開演準備中 ◆xn2vs62Y1I 【出演者紹介】 No タイトル 登場人物 作者 01 ブローノ・ブチャラティ&セイバー ブローノ・ブチャラティ&セイバー(リンク) ◆7PJBZrstcc 02 水底より 美樹さやか&セイバー(アヌビス神) ◆Jnb5qDKD06 03 ディオ・ブランドー&ランサー ディオ・ブランドー&ランサー(レミリア・スカーレット) ◆DIOmGZNoiw 04 夢はこの部屋の中で 鹿目まどか&ランサー(宮本篤) ◆ZbV3TMNKJw 05 おめかしの魔女のウワサ 巴マミ&ランサー(鈴屋什造) ◆xn2vs62Y1I 06 佐倉杏子&ライダー 佐倉杏子&ライダー(マルタ) ◆HOMU.DM5Ns 07 アンラッキー・ガール&ステアウェイ・トゥ・ヘブン 白菊ほたる&ライダー(エンリコ・プッチ) ◆RVPB6Jwg7w 08 胡蝶の夢(諸事情により削除) ラッセル・シーガ―&アサシン(ナーサリー・ライム) - 09 filthy diamond 優木 沙々&アサシン(マジェント・マジェント) ◆cgWdPX4osQ 10 JOKER 島村卯月&アサシン(杳馬) ◆dt6u.08amg 11 たま&バーサーカー たま(犬吠埼珠)&バーサーカー(徳川家康) ◆T9Gw6qZZpg 12 全ては■■の為に スノーホワイト(姫河小雪)&バーサーカー(ヴァニラ・アイス) ◆XjwV8kaNTA 13 今SADISTICな愛から抜け出して ホル・ホース&バーサーカー(西条玉藻) ◆c4fux.z/qk 14 Tender Sugar 環いろは&バーサーカー(シュガー) ◆Pw26BhHaeg 15 はじめに音楽、次に言葉 ジリアン・リットナー&アヴェンジャー(アントニオ・サリエリ) ◆VJq6ZENwx6 16 シールダー&シールダー マシュ・キリエライト&シールダー(ブローディア) ◆RVPB6Jwg7w 【日曜日】 No タイトル 登場人物 時間 作者 EX 天国より野蛮(前編)天国より野蛮(後編) 色彩のマーブル 前日 ◆xn2vs62Y1I 【月曜日】