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佐々木さん、夏の雲は何に見える? の巻 キョン「相変わらず暑いな佐々木。せめて喫茶店か図書館にでも入らんか。 勉強すると確約はできんが、アイスコーヒー代くらいはおごるぜ」 佐々木「いや、そうでなくともSOS団で出費が多い君の懐に、これいじょうのダメージを 与えるのも忍びない。それに今は宿題を片付ける学生で図書館は満員だよ。 冷房にあたり続けると健康によくないし、今日は日陰でのんびりしないかね」 キョン「まあそれでもいいが。せっかく夏休みに呼び出したんだから、遊園地とかプール とか言うのかと思ったぞ」 佐々木「そういうのは涼宮さん達に任せるよ。いつもいつも行楽地にお出かけじゃあ、 君も疲れるだろう。僕は地味に散歩で十分楽しめるよ。中学の時だって、そうだっただろう」 キョン「意外だな。風があるせいか、木陰はかなり快適だな」 佐々木「だろう。日本は昔から、こういった一抹の涼を取ることで、夏をしのいできたんだよ。 これに風鈴の音があればなおいいのかもしれないね。 まあ、エアコンの室外機がたちならんだヒートアイランドの現在では、それだけではたちゆかないけれど。 ……ああ、大きな入道雲が流れていくよ。今日もよく晴れている」 キョン「そうだな。なんか独特な台形してるな、あれ」 佐々木「あえて言うならば、長く伸ばしたウエディングドレスの裾と言ったところかな」 キョン「うーん、俺には富士山がひっくり返ったようにしか見えないなあ。 想像力あるな、佐々木」 佐々木「君のたとえの方が突飛さでは上だろう。じゃあ、その隣のはどうだい」 キョン「あれは一目瞭然だろう。顔面にパンチくらって突き抜けてしまい、大ダメージのアンパンマン」 佐々木「……せめて平凡にドーナツとか言えないものかね。僕はエンゲージリングと見立てておこうか」 キョン「じゃあその上のはどうだ」 佐々木「花束。他のと合わせると、新婦のブーケといったところかな。 ちょっと僕にしては、メルヘンチックに過ぎるかもしれないね。ふふ」 キョン「そうでもないと思うぜ。ま、たまにはいいんじゃないか」 佐々木「お、おや、君にしては珍しいね。じゃあ珍しいついでに、君の見立ても伺おうか」 キョン「んー、新人がテンパって、山盛りにしすぎて収集がつかなくなったアイスクリーム、かな。 そうだ佐々木、アイス食おうぜ。途中でソフトクリーム屋見かけたの思い出した」 佐々木「やれやれ。冷たいものばかり食べると夏バテになると、ご母堂から注意されたばかりだろう」 キョン「だめか? 結構うまそうだったぞ、アレ」 佐々木「全く。君は時々妙に子供っぽい振る舞いをする。敢えてわかってやっているのなら 噴飯ものだが、本気で無意識なだけに手におえないところがあるね」 キョン「高校生でもアイスくらい食うさ。まあ、妹に多少影響されてるところがないとは言わんが」 佐々木「ああ、まさにその切り替えしだよキョン。全く、君は難攻不落の要塞なみだね」 キョン「よくわからんが、食うんでいいんだな」 佐々木「そうだね。そういうことにしておいてくれたまえ。僕は……」 キョン「ラムレーズン。確かお前の好みはそれでよかったよな」 佐々木「……全く君ときたら。そのとおりさ。忘れずにいてくれてうれしいよ、キョン」 ネタがないのでだらだらと書いてみてダラダラと終わる。
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律「お茶ださなかぁったっっっっ!!!!!!!!」 ※ 作者別 澪「もう許してやれよ、律ー」 紬「すごく慌ててたわね」 律「でも普段カンペキだから、たまに失敗するとすごくかわいいよな」 澪「うん、必死であやまってたな」 律「全然気にしてないのに」www 唯「あの後もちょっと気にしてよー」 紬「やっぱり憂ちゃんっていい子なのね」ニッコリ 律「気にしてないって言っといてくれよぅ」 唯「うん、もう大丈夫だと思うけどね」 澪「あんな憂ちゃんもかわいいよな」 律「たしかにかわいかった!」 紬「失敗しちゃう憂ちゃんって珍しいのかしら?」 律「見たことないなー」 澪「ないなー、まあ私たちは憂ちゃんといつも一緒って訳でもないから」 唯「でも私もあんまり失敗するの見たことないよー」 紬「さすが憂ちゃんね」 律「珍しい物が見れてよかったよな」www 澪「こら、律ー」 律「んっへへ」w 唯「失敗だってあるさ、にんげんだもの」フンス 律「唯は失敗ばっかりだけどなー」 唯「えー!?ひどいよ律っちゃんー」>< 澪「お前も人のこと言えないだろ」 律「わかってますよーだ、冗談だってば」 紬「あらあらうふふ」^^ 紬「よーし、じゃあ私もお茶淹れるね 憂ちゃんみたいにうまく淹れられるかわからないけど」 唯「えー、ムギちゃんの紅茶おいしーよー」 澪「それにいつもお茶淹れてくれるしな」 律「おおー、ムギさまー、ありがたやー」 紬「うふふ、別に大変なことじゃないものー」 唯「こうやってみんなでお茶が飲めるのもムギちゃんのおかげだねー」 律「だなー」 澪「あ、お茶菓子ってまだ何かあったかな?」 唯「昨日のクッキーがまだあるよー」 律「唯は食べ物のことなら何でもわかってるなー」 唯「えへへー」 律「そこでテレるなよ・・・」 唯「あれー?」 澪「ほんとにこのふたりは」 紬「はーい、お茶がはいりましたよー」 コトッ 唯「わーい、ありがとうムギちゃん」 コトッ 澪「ムギありがとう」 シーン・・・ 律「って、あれ?」 紬(ジーッ・・・) 律(「あ、あれ?ムギのあの目は何だ?」) 紬(ジーッ・・・) 律(「私が何かしたのk・・・あぁー・・・ツッコミ待ちか?」) 紬(ジーッ・・・) 律(「ツッコミ待ちだな・・・」) 紬(ジィーッ・・・) 律「早く、お茶、出しなさい、って」ぺし 紬「ああーん!私うっかりしちゃったー★」ニコニコ 律(「よし、やっぱりツッコミ待ちだったんだな ・・・もうちょっとうまくやって欲しかったけど」) 唯「うぅーん、この紅茶とクッキーのハーモニーが・・・!」 澪「ムギと律は何をやってるんだよ」w 律「叩かれたい年頃なんだってさー」 紬「だって楽しそうなんだものー」^^ 澪「?あぁー、なるほど」 唯「んんー、おいしいねー」^^/ 律「唯は幸せそうだな」 唯「うん、おいしいよー」^^/~ 律「うっ、その唯のまっすぐさがなぜかまぶしいっ!」 紬「それだけ喜んでもらえると私も嬉しいわ」^^ 唯「わーい、ムギちゃんー」 紬「わーい、唯ちゃんー」 キャッキャウフフ 澪「たしかに気を許した相手じゃないと 叩いたり、叩かれたりってできないからなぁ」ボソッ 律「おっ?聞きましたぞ、重要そうな一言を」ニヤリ 澪「うっ、うるさいぞっ、何言ってるんだよ律はっ」 律「私と澪のタダナラヌ仲を認めたって訳ですなー」 澪「へっ、変な言いかたするなっ!バカ律っ!」ごち 律「ぃてっ、・・・もー照れるなよー澪さんよー」ニヤニヤ 澪「もーっ!!」 律「冗談だってばー、そんなに怒るなぃよーぅ」クスクス 澪「・・・ばかりつ」 律「まあまあ、お茶でも飲んで機嫌直して、な?」 澪「もうっ・・・、砂糖。入れて。」 律「へいへい、砂糖でも何でも入れますよーっ、っと はい、よろしいですか?お嬢様?」 澪「もうひとつ」 律「今日は甘くするんだ、じゃあついでにお混ぜしますねー」くるくる 澪「・・・ふふっ」 律「?」 澪「なんでもない」 律「・・・さいですかー、はいどうぞ」 澪「うん」 律「お味はどうですか?」 澪「・・・ちょっと甘い」 律「えー、増やしてって言ったの澪じゃーん」 澪「でも、・・・おいしいよ」 律「ああ、なんだ、そりゃよかった」 澪「うん」 紬「はーい、お茶のおかわりいかがですかー」 律「お姉さーん、こっちのテーブルひとつ追加ー!」 唯「お姉さん、こっちにもー!」 紬「あらあら、はーい、今お持ちしますねー 澪ちゃんもいかが?」 澪「これ、まだあるから」 紬「はーい」 澪「飲み終わったら、こっちにも」 紬「うふふ、はーいかしこまりましたー」^^/ 律「あぁーっと、それとお姉さん!」 紬「はい?」 唯「?」 律「私にだけお茶出さないとか そういうの、もういらないからねっ」 紬「あら、お見通しね」^^ 唯「おおー、律っちゃんするどい!」 律「あったりまえだーっ!!」 \キャーキャー/ 澪「ふふっ」 梓憂純は別行動かな おわる 戻る
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悪意が願う ここから ● 「≪黄金伝説のドラゴン≫、荘厳……というよりも猛々しいな。≪コーク・ロア≫、≪悪魔の囁き≫の件といい、姦計に秀でている印象を受けたが個人戦闘も直接相対は避けたくなる姿をしている」 黄金竜を前にTさんは口を開けた。 黄金竜へと歩み寄りながらTさんはその目を見据える。竜の瞳から感じるのは憎悪、敵意、怒りといった負の感情。それが猛々しい雰囲気を更に強調している。 「舞、リカちゃん、あまりドラゴンの目を見るな」 後方の二人に言う。返事が返るのとほぼ同じタイミングで頭の中に声が響いた。 『貴様は何だ、化け物!』 「おお、声すげえ! やっぱりこれ頭に直接来てるぜ!? テレパシーって奴か!?」 ビルに入る直前にも聞いた声だ。竜の声帯では人語を喋ることは出来ないのだろう。 「と、言う事は」 やはりあれが朝比奈秀雄本人か。 Tさんはそう思いながら黄金竜へと名乗る。 「Tさんだ、朝比奈秀雄。青年――翼と朝比奈マドカとは知った仲だ。見たところ、使役ではなく、自身が竜化しているようだな」 「ドラ○ラムか!」 「お姉ちゃん、それなんなの?」 舞が何やらリカちゃん相手に説明しているがTさんはとりあえず無視する。聞くに、自身が分かりやすいように状況を解釈しているのだろう。本質を見誤らなければ構わない。 Tさんは舞達を入り口付近に残し、更に黄金竜へと歩み寄りながら周辺に視線を走らせ、状況を確認する。 先程結界強化を施した位置に翼、ビルに来る前に予想した通り、マドカが翼の近くに居る。足を負傷しているのだろうか、庇っているようにも見えた。コンクリートに首を突っ込んで痙攣している少女は朝比奈マドカの手によるものだろうか? そして見知らぬ男が一人いるが、 気軽に自己紹介をしている余裕は無いか……。 朝比奈マドカの件も、もう少し期を見て青年らに会ってもらいたかったのだがな。と内心で小さく嘆息し、その場に居る最後の一人、黒服へと目を向ける。黒服が取り出した古びた槍の穂先らしきものを確認し、 切り札は黒服さんが持っているか……。 先程の台詞を聞くに、ほぼ間違いないだろう。Tさんは内心で行動の検討をつけ、黄金竜に話しかける。 「朝比奈秀雄、人間の姿をしていながら人間ではない……それを、化け物と呼んで何が悪い? と言っていたな」 『ああ、貴様のような存在こそ真の化け物だ!』 首をもたげ、恫喝するように口を開き吼え、テレパシーで意志を伝えて来る黄金竜。Tさんは苦笑して頷いた。 「否定はせん」 そうしながら彼の行動の意味を忖度する。 都市伝説の力を否定しているようで、しかし朝比奈秀雄は、彼の言によるならば『願いをかなえるための糧として』その力を使っている。 その願いについてはいくつか予測が立てられている。一つは翼を介して日景の権力を手に入れること、 そして、 『晴海を弄び、殺した連中に復讐を…………そして、私は再び、彼女を取り戻す』 朝比奈秀雄が口走った言葉を思う。 殺された者を取り戻す……か。 死んだ者の蘇生、まず不可能であろうそれを成す可能性がある存在が今回の事件に絡んでいる事をTさんは知っている。朝比奈秀雄が翼の他に目的としているのではないかと黒服が言い、秘匿されているその存在を朝比奈マドカが漏らしたであろう、日景家の宝、≪小瓶の魔人≫。 願いを叶える力を持つとする魔人……死者を蘇らすことができる可能性は低いと思うが。 可能性はゼロではない。 そう考えながら相手との距離を測る。 「だが、それでもその化け物を認めてくれる者がいてな」 『愚昧だな、化け物の恐ろしさをまるで分かっていない』 「馬鹿なのは否定しないが」 笑う。 「或る意味、舞は俺よりも聡いよ」 「へ?」 舞の声を背中で聞き、心地良さげに笑みを濃くする。 ……何を目的にしていようと、ともかく目の前の竜は止めねばな。――話を聞くならその後だ。 思い、意識を切り替える。 「お前のせいで被害に遭っている者も多い、ここで馬鹿な計画は幕にしよう」 笑みを一転、Tさんは白光を手に宿し、黄金竜を睨み、叫ぶ。 「朝比奈マドカ! ≪フィラデルフィア計画≫!」 「っ!」 返答は結果を持って為された。 黄金竜の身体を光が包み、その身体の一部が崩壊したビルの中に転移する。 『愚かな化け物が!』 黄金竜が吼え、身体をくねらせた。ビルに沈みこんだ身体が力任せに瓦礫を飛ばし、ずるりと抜けだす。 ビルの面では脆いか……っ。 以前朝比奈秀雄は力任せにビルを切断して見せたという。ならばこの結果は予想の範疇ではある。加えて朝比奈マドカの≪フィラデルフィア計画≫が相手を無機物と融合させるものでもないらしいとも理解する。彼女の力だけでは黄金竜を止めることは難しいだろう。 ならば――! 「破ぁっ!!」 光弾を放つ。逆の手に更に光を現し、≪ケサランパサラン≫に祈祷。 ――めくれ上がった石塊が全て朝比奈秀雄に向かい飛べば幸せだ! 光が放射され、石塊に願いが乗った。 極めて恣意的に飛散方向を操られた石塊と光弾が黄金竜を襲う。 「一足飛びに奴に肉迫できれば幸せだ」 Tさんは続けて脚力強化を祈る。石塊に続く形で黄金竜へと跳んだ。 腕に光を溜めつつ黄金竜の腹部に迫る。 「――っ!」 鋭く息を吸い、竜の腹へと打撃による追撃を仕掛けようとして、 『死ねっ、化け物ぉ!』 黄金竜の腕が頭上から降って来た。 Tさんは拳を引く動作の勢いで跳び退る。 「残念ながらまだ死ねん!」 答えながら見た様子では黄金竜に光弾と石塊によって期待した消耗は見られない。 せめて集中して溜める時間があれば―― 思考していると横薙ぎに尾が振るわれてきた。Tさんは地に足を着く事をせず地面に背面から倒れ込むことで尾の一撃を躱す。 その身を炎が舐め取ろうと追って来た。黄金竜の追撃の火炎だ。 「結界を張れたら幸せだ!」 叫び、光壁の結界が形成される。黄金竜の吐き出した炎の波濤が結界に当たり大きく弾けた。炎は動きを止めることなくうねり、結界を瞬く間に食い散らそうとする。Tさんは放ち損ねた手の強化加護を利用、地に叩きつけた反動で天高く後方転回、更に跳び退いた。 着地位置は黒服の近く、Tさんは結界を破壊した炎が誰も居ない空間を薙いでいくのを横目に小声で訊ねる。 「黒服さん、その手の穂先、朝比奈秀雄に対する切り札と見ていいか?」 「はい」 即答に、ん、と答え、息を整える。 「試したが、あの竜体、あれでなかなか俊敏だ。近づき攻撃せずにその槍は使えるだろうか?」 訊くと、黒服は少々困った顔で答える。 「これは刺さなければ効果が出ません。投擲で当てる事が出来れば恐らくは。……ですが」 「……ああ」 Tさんは黒服の否定的な声音に同意し、足元に転がるビルの構造材――半ばで折れた鉄筋を拾い上げる。 「竜を貫けば幸せだ」 呟き、投擲。 光の軌跡を残して飛来した鉄筋は黄金竜の尾の一振りで砕け散った。 『どうした化け物ぉ! それで終わりか!』 返礼とばかりに吐き出された炎に結界を多重展開して対応、熱気と竜の威圧に顔を顰めて言う。 「やはり、あの尾か炎に落とされるな。切り札を破壊されでもしたら目も当てられん」 「せめて誰かが朝比奈秀雄の動きを止めてくだされば私が刺しに行けるのですが……」 「近付くのに≪フィラデルフィア計画≫は使えんか……警戒されているだろうし、あれで竜を束縛するには少なくともこの地形では荷が勝ち過ぎる」 「≪パワーストーン≫で防ぎきるにはあの炎は強すぎますね」 相談を、と言いかけて他の者に視線を走らせ、こちら……と言うよりも黒服を窺いながらも朝比奈マドカの様子を気にしているらしい翼を視界に収めたTさんは思わず頬を緩めた。 「……この件が決着したら、歩み寄りの余地はありそうじゃないか」 怪訝な顔を向ける黒服にいや、と答え、Tさんは改めて黄金竜を睨み据えた。 前ページ次ページ連載 - Tさん、エピローグに至るまで
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膝に横たわる唯先輩に目を落とす。 水分補給や応急処置のおかげで少しは苦しそうな表情も薄れたようだった。 なんとなく唯先輩の汗に濡れた髪をなでてみる。 抱きしめたい衝動に駆られて、思わず手を離す。 そろそろ助けが来るだろう。そしたら何とかなるはずだ。 もちろん、こんな目には二度と遭いたくない。 けれども同時に一日じゅう唯先輩と過ごして、打ち解けあえた日でもあった。 「このまま出られなくてもいい、二人だけの世界に閉じこもっていたい」 唯先輩が倒れるまで、私は何度もそんなことを考えてしまっていた。 どこまで本気か分からないけれど、唯先輩もアイスとギー太と私がいればいいなんて言ってたっけ。 だから熱中症は神様から私たちへの罰だったのかもしれない。 あるいは、警告。 二人きりの世界にいたら、熱にやられてしまうとか、そんなような。 梓「ゆいせんぱい、おみずのみましょうか」 唯「・・・ぅ・・・・…・・ぁ・・……」 ポカリスエットのキャップを外して、唯先輩の頭を少し上に向ける。 ペットボトルが結露と汗で濡れていて滑り落としてしまいそうになる。 口元とあごに指を添えて、やわらかい下唇を人差し指で開く。 そして半透明な水を、喉につまらないよう少しずつ少しずつ流しこんでゆく。 口の中に冷たい水が注がれた時、唯先輩のまぶたがぴくっと動く。 ほんの少し眉をしかめ、それから元のように力をなくした。 私は一瞬手を止めたけれどまた少しずつ水分を唯先輩に注いでいった。 この水がどうにか内側から身体中に行き届いてほしい。 そうしたら熱にやられた唯先輩を、身体の奥から冷やしていってくれるだろう。 少しずつ少しずつ、口からあふれないように。 ゆっくりと喉を鳴らすのにあわせて、いたわるようにこの水を身体に入れていく。 梓「…ゆいせんぱい」 唯「……・・・・…」 梓「…あいしています」 小さく音を立てて喉が少し膨らみ、水が飲み込まれていく。 梓「いっしょに、外に出ましょうね」 閉じられたまぶたが少しだけ細められた、そんな風に見えた。 がこん。 また天井裏から音が聞こえたかと思ったら、すぐにドアの開く音がした。 ざわつく男の声。すすり泣き。……あれは憂だろうか? 男「救急隊です。負傷者の方はこちらですか?」 通気口から顔をのぞかせた四十歳ぐらいの救急隊員に呼びかけられた。 梓「はい……はい! えっと、唯先輩が――」 他人の声を今日はじめて聞いたせいで、うまく反応できない。 さっきの律先輩のことがあって、助けがきたという実感もまだ追いつかない。 とにかく唯先輩の熱くなった身体を抱き起こす。 思わず起こしたせいか、かすかなうめき声が上がる。 男「では我々がそちらに向かいます。ちょっと足元空けてもらっていいかな?」 慌てて唯先輩を連れて荷物を向こうに押しやると、すぐに通気口から二人の隊員が降り立った。 瞬く間に唯先輩は救急隊員に背負われ、通気口から救助される。 助け出されていくところはあたかも映画の救助シーンのようで、どこか実感が湧かないままだった――。 それから先のことは、よく思い出せない。 私も救助隊から助け出された頃にはすぐ倒れこんでしまったせいだ。 昔テレビで見た歓楽街の喧騒のように、脱出した直後の記憶はあやふやだ。 気づくと私は白いベッドの上で、右腕には点滴がつながれていた。 あのエレベーターに比べると病院の真っ白な天井はやけに高い。 梓「あれ……どこ」 お母さんが飛び起きて涙ながらに私を抱きしめてくれた。 普段忙しいはずのお父さんも仕事着のままそこにいて、目を覚ました私の手を強く握った。 私はそこで、最近お父さんやお母さんの体に触れてなかったなあ、なんて見当違いなことを思う。 助かったと実感できたのは、お母さんやお父さんの泣き顔につられて自然と嗚咽がこみ上げてきてからだった。 ――唯先輩は、大丈夫なんだろうか? 【2010年08月15日 22 17/桜ヶ丘記念病院】 待合室の壁はやけに冷たくて背中から熱を奪われていくような感覚を覚える。 左手に汗がにじむほどiPodを握って、イヤホンから私たちの演奏を流す。 気持ちを落ち着けるために流したのに、かえってみんなのことで頭が一杯になった。 唯の声、梓のギター。私のベースとムギのキーボード。そして、律のドラム。 一つとして欠けては生まれない奇跡をmp3に閉じ込めた、宝物の曲だ。 私は受験勉強や人間関係で悩むたび、何度も聞き返しては。 唯たちが事故に遭って不安な時も、頭の中で流れるメロディが安心感を生んでくれた。 でも、今の私はいつものようにバンド演奏をまともに聞けそうもない。 ドラムの強弱ばかりを耳で追ってしまって、他の楽器が聞こえないほどだったから。 ……唯、大丈夫かな。 これから先、ギターが弾けなくなるなんてことは……だめだ、そんなこと考えちゃ。 梓だって、助け出された直後に気を失ってしまった。 二人に何かあったらと思うと不安でたまらなくなる。 私がこんな思いにとらわれた時、律はいつだって助け出してくれた。 茶化して、愚痴って、それでも誰よりも分かってくれていた。 それなのに――神様は、その律まで傷つけてしまった。 頭の中に元気だった律の姿を浮かべる。 バスドラの重低音や軽快なスネアはそこに陰影や確かな存在感をくれる。 ハイハットやシンバルの強い響きは、私に話しかけてくる律の声を思い出させる。 演奏する姿を浮かべて、元気な律がそばにいるように考えて、それでどうにか自分を保つ。 だから、音楽が終わってしまうのが怖かった。 曲が終わる寸前に止めて、冒頭に戻して再生する。でなければ曲が終わらぬうちに次の曲に進む。 落ち着きなく親指を動かし、演奏を反芻しては律にリアリティを与えていく。 澪「りつ…大丈夫、だよね……離れないよね……やだよ、りつぅ…」 iPodを握る手に力がこもって、また涙が抑えられなくなる。 律のママもパパも、病室に入ったまま出てこない。 最悪の結末ばかりが脳裏にちらつく。 ふと、律の家で外国の恋愛映画を見たあとのことが頭に浮かんだ。 人種差別を超えた愛が引き裂かれて、密告されて、女が連れ去られるんだけど男の自己犠牲で助ける、みたいな映画。 律『でもたまにあこがれねー? 私が誰か助けて死んで、残った澪が私の死を乗り越える的なさぁ!』 澪『なんで私なんだ。っていうか、律が死んだら元も子もないだろ』 律『えーでも全米泣くって絶対! 「私は、律の死を乗り越えて生きていくからね……うるうる」、みたいな!』 澪「……やだよ。ぜったい、やだそんなの…!」 ふざけるな。私は律のいない世界なんて乗り越えたくもない。 だから……お願いだから、元気で帰ってきてよ。 私はiPodのボリュームを上げて不安をかき消そうとしたけれど、ついに消えてくれなかった。 ちょうど二十四時間ぐらい前、律から電話が掛かってきた。 そのとき私は今日やるはずだった勉強会ではやれないような、辞書引きとか英作文の確認をしていた。 律『澪。これが、俺たちの最後の電話になると思う。だから…一言だけ、聞いてくれないか』 澪『あの映画かよ……で、お前は何して捕まった設定なんだ』 律『――月曜の英文法の練習問題、答え持ってない?』 澪『もったいぶって言う台詞か! 切るぞ』 律『あぁん待ってみおー! 答え失くしたのもそうだけどさ、他に話あるんだってば』 澪『先にそっちから言えよな…』 律『唯と梓の話なんだけど』 律の声のトーンが変わって、私もベッドで少し身構えた。 澪『ああ……あの二人、なんか進展あったのか?』 律『結局コクるみたいだぜ? 梓の方から』 澪『そっか…』 律『たとえ付き合えないとしても想いだけは伝えたい、んだってさ。妬けるねー』 澪『……なんかあの映画みたいだな。付き合えない運命とか』 律『超思った』 私と律はあえて他人事のように、大事な友達と後輩の恋路について語った。 唯の気持ちははっきりとは分からないけれど……唯だったら受け入れそうな気がする。 でももし付き合うことにしたらどうなるのか。 クラスメイトたちの唯に対する見方はどう変わるか。 小学校のとき、律にくっついてばかりの私がからかわれたのを思い出す。 あの時のような幼稚ないじめが起きるとは思わない。 ただ……唯たちが避けられるような予感は、その時もしていた。 律は二人の未来を一番悲観的な形で語る。 律『唯がうれしくて言いふらすだろ。そしたら二人とも変な目で見られるだろ』 澪『うん』 律『そしたら梓辺りが変な風に言われだしてさ』 小学校の教室。捨てられた上履き。机の落書き。 嫌な思い出ばかりが頭をよぎる。 澪『……唯が「私のせいだから」って別れを切り出す、と』 律『でも絶対受け入れないよな。梓も変に頑固だし』 澪『揉めるよな、絶対』 律『そうはしたくないよな…』 私たちはあくまで唯と梓の未来予想図として話し続けた。 でも、二人とも「本当は誰の、なんの話をしているか」なんて分かってたんだ。 だから……あんな話になってしまった。 その時、心の奥で冷たい嫌なものを感じた。 枕のかどを反対の手で握り締めてみたりして気を紛らわす。 澪『……なぁ、律』 律『なんだよ』 澪『正直な話、律は女の子同士が付き合うことを……本気で反対してるのか?』 沈黙。耐えられなくて、つなぎの言葉を探す。 つかえたものを吐き出すようにして言葉を繋げる。 そしたら今まで封じてたことまで口から出てきてしまった。 律『……なんでそんなこと聞くんだよ』 澪『……例えば…例えばだよ? 私が律のことを好きで――』 律『ああもうやめやめ! ってかそんなんふつー気持ち悪いでしょ、女同士でいちゃつくのなんてさあ!』 急に大声を上げられて、身体が震えた。 「気持ち悪い」って律は言った。 うかつに近づこうとした私を遠ざけるために、「気持ち悪い」とまで言わせてしまった。 律『……ごめん、言い過ぎた。気持ち悪いとか、別に思ってねーし』 澪『分かるよそれぐらい…何年の付き合いだと思ってるんだ』 律『…だよな』 澪『律、ごめん』 律『なんで澪が謝るんだよ。っていうか、もういいだろこの話』 このときも、小学校のことを思い出してしまった。 律が私をからかってた男子たちに蹴りを入れて、手を引いて私と逃げた日のこと。 昨日のあの時も手を差し伸べていたんだ。 その手は、問題から逃げるための言い訳だったけれど。 澪『あのさ、律』 律『なんだよ。もう寝るから私』 澪『私さ、律のこと――』 澪『――大事な友達だと思ってるからね。それじゃ』 私はまた、律の手にすがってしまった。 気づいたら曲の再生が止まっていた。 昨日のことを思い出しているうちに時間が経ってしまったらしい。 携帯が光ってるのに気づいて開く。十時四十分。 ママからのメール。「今日はもう遅いから、そろそろ帰ってきなさい」って。 十一時過ぎには帰るとメールして、充電の切れそうなiPodをしまった。 そういえば、この携帯電話も律とおそろいのやつなんだ。 中学二年の冬の定期試験で二人ともいい成績取ったら携帯とMDプレイヤーを買う。 ママとそう約束して、二人で勉強がんばったんだっけ。 私のMDプレイヤーは壊れてしまったけれど、律は未だにあれで音楽を聴いている。 もう角の塗装がはげて、時々音飛びもする。……律の扱いが悪いからだ。 次の誕生日プレゼントはiPodにしようって、決めてたのに。 澪「律……私、りつのこと、本当に・・・・・」 律母「あら、澪ちゃん? ……まだいたの?!」 いつの間にか病室から出てきた律のママに話しかけられて、少し動揺する。 化粧もせずに飛び出したらしいその顔はまだ涙で崩れていて、目が真っ赤になっていた。 澪「あ……お母さん、あの――律は、律の具合はどうなんですか?」 律母「……澪ちゃん。行って顔見せてあげて」 病室の方を指差した。 すぐに飛び出そうとしたけれど……ダメだ。足がすくんでしまう。 もし……もし、律がどうにかなっていたら? 私の気持ちも、私の声も、何一つ届けられなくなっていたとしたら? 怖かった。 怖くて、なにかにすがりたくて、動けなくなりそうになる。 そんな時。 数時間前に聞いた梓の声が頭に響いた。 ――私たちは、大丈夫だから。 昨日の放課後、梓と別れた時の不安げな声とはまるで違っていた。 梓はあの時――あの極限状態のなかで、本当に覚悟を決めたんだ。 唯を助けよう、唯と共に生きのびよう、と。 あの声は私にも勇気をくれた。 私だって、律の手に頼り続けてるわけにはいかないんだ。 行かなくちゃ。 立ち上がると、さっきまで動けそうもなかった身体がすっかり軽くなっていた。 少しとまどってふらつきながらも、律の病室へと駆け寄る。 金属製の冷えたドアノブを握りしめて、深呼吸。 はやる気持ちを落ち着ける。 もう、逃げない。 そしてできることなら……律に、今度こそ誰にも頼らず伝えるんだ。 ドアノブがすっかり手の熱で温まった頃、私は病室のドアを開けた――。 8
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澪「へ?あ?うい!?」 澪「こ、これは違うんだ!////」 澪「これは…その////あれだよ!自分のパンツと間違ったんだ!////」 憂「へぇ~」 憂「澪さんって自分のパンツの臭いを嗅ぎながら」 憂「おな…////」 憂「そう言うことしちゃう人だったんですね」 澪「べべべべつにそんなことはしてないよ!////」 澪「鼻水出そうだったから手に取ったらたまたま唯の!////」 憂「見てたんですよ」 澪「へ?」 憂「…呻き声が聞こえるから心配して見に行ったら…その…してたし////」 澪「////」 澪「……………」 憂「……………」 澪「その…この事は唯には言わないで……」 憂(………ドキドキ////) 澪「お願い!こんな事ばれたら私!」(ぐす) 憂(キュン////) 憂「どーしよっかなー?」(ゾク…////) 澪「!?」 澪「やだ!お願い!せめて唯には」(ウルウル) 憂(やだ…澪さんったら涙目であんなに慌てちゃって////) 憂「うふふ…澪さんお姉ちゃんの事が好きなんですよね」 澪「え?!ち、ちがッ!!////」 憂「隠さなくても分かりますよ」 憂「最近良く遊びに来るし」 憂「今日だってずっとお姉ちゃんの事見てましたよね」 憂「お姉ちゃんの入った後のお風呂であーんないやらしい事しちゃうなんて!////」 憂「澪さんって変態さんだったんだぁ(クス)」 澪「////」(ふるふる…) 憂(ゾクゾク////) 憂「まったく、まさか今日泊まりに来た目的がおかず…」 憂「それもお姉ちゃんのパンツだったなんて…」 澪「違っ!////これは…その…魔が差したと言うか………」 憂「でも、澪さんがすごく変態さんなのは変わらないよねw」 澪(カァァァァ////) 憂「お姉ちゃん悲しむだろうなぁ~」 憂「大好きなお友達が泊まりに来た理由が」 憂「まさか、自分のパンツだったなんてしったら!」 澪「それは違うからぁ…」(ぐす) 憂(あーもう、かわいいよお////) 憂「あ~あ、お姉ちゃんになんて説明しよ~かな~?」 憂「ねぇ、み・お・さん?」 澪「いやだよぅ…」 澪「お願いだから唯にはぁ…ぐす…」 憂「え~?ダメだよ、澪さん悪い事したんだから!」 澪「………………」 憂「黙ってちゃ分からないよ?」 憂(ゾクゾク////) 澪「……うう…………」 憂「ねえ!澪さん!?」 澪「ひっ!」 チョロ…シャアアアア……… 澪「あ!?あ…ああ…………やだ…うそ…………////」 憂「あれ~?あれれ??」(ゾクゾク////) 澪「ぐす…ひっく………」 憂「あ~!お漏らししちゃったの?」 憂(やーん////) 憂「もー!信じられないなぁ!」 憂「私澪さんのこと尊敬してたんだよ?」 憂「綺麗でかっこよくって優しい先輩だと思ってたのに…」 憂「それが人の家のお風呂でお漏らししちゃうような人だったなんて…」 澪「うええ…うううう………」 澪「ふえええええええん…」 憂(泣かせちゃったー♪どーしよー////) 憂「もう、しょうがないなぁ…」 澪「……ごめんなさ…ううう………」 憂「えへへ////ごめんなさい、いじめすぎちゃいましたね////」 憂「大丈夫ですよ、お姉ちゃんには黙っててあげます」 澪「ぐすん……ほんとに?(うるうる)」 憂(きゅ~ん////) 憂「はい」(私もお姉ちゃんのパンツおかずにしてるし////) 澪「憂…ありがとう////」 憂「ね、澪さん」 澪「へ!?憂!ちょっと!////」 憂「じっとしてて下さい」 憂「あーあ…びしょびしょですねw」 憂「これっておしっこなのかなぁ?えっちなお汁なのかなぁ?w」 憂「澪さんは変態さんだから全部えっちなお汁だよねw」 澪「////」 憂「ほら、足開いて?」 澪「え?だめだ!////そんなのは…!////」 憂「言うこと聞けないの?」 澪「!」 澪「…………はい////」 憂「途中でやめちゃうと辛いでしょ?私がしてあげます////」 澪「ええ!?////」 憂「あんまり大きな声出さないで下さいね?」 憂「お姉ちゃん今テレビ見てるけど気付いちゃうかも…」 澪「うう…////」 憂「うふふ、でも澪さん声我慢出来るかなぁ♪」 憂「あ、こうやって髪を下ろしたらお姉ちゃんそっくりでしょ?」 澪「!」 憂「お姉ちゃんにして貰ってるって思いながら気持ちよくなって下さい////」 澪「そんなの!憂…!」 澪「ひ…あ!…やぁ////・…んん////」 憂「澪さんのここ、しょっぱいなぁ////」 澪「うい…////」 憂「あ、そうだ…」 憂「あの…お姉ちゃんには言わない変わりに私のお願い聞いてくれますか…?」 澪「え?…いいよ、私に出来る事なら…」 憂「お姉ちゃんみたいなかわいいお姉ちゃんも好きだけど」 憂「澪さんみたいなかっこよくて綺麗なお姉ちゃんもほしかったんです////」 憂「その…////澪さんの事もお姉ちゃんって呼んで良いですか?////」 澪「憂…もう……しょうがないなぁ////」 憂「えへへ、澪さ………澪お姉…ちゃん////」 澪(かわいいな////) 澪「ふふ…よしよし…ひゃあ!?////」 憂「油断しちゃだめですよ?」(クチュクチュ) 澪「あ…うぅ………////憂、ずるい////んんんんん!!」 憂「今日は沢山気持ちよくなって下さいね~////」 澪「うぅう…////」 憂「おっぱい大きくていいなあ…」(ちゅ) 澪「ひぅ!?」 憂「こんなにスタイルいいなんて反則だよね////」(れろれろ) 澪「ういい…////」 澪「だめぇ!////それ気持ちいい!気持ちいいよぉ!////」 憂「あは!澪さんの中、キュンキュンしてる~////」 憂「もしかしてイッちゃいそうなんだ?////」 憂「こんなに腰動かしちゃって…やらしいなぁ////」 澪「あっ!あん!やあ////」 憂「それにココもこんなに…////」(クリクリ) 澪「──────!!!?」 澪「やだ!それイクッ!イクッ!イクのお!!////」 憂「我慢しなくても良いんですよ♪」 憂(泣いちゃうほど気持ち良いんだ…////) 澪「あッ!あぁぁあ───!!!」 澪「──────はぁー…はぁー………」 憂(澪さんすごい…////) 憂「…大丈夫ですか?」 澪「…あ……ん…はぁ…はぁ…大丈夫…////」 憂「ちゃんとイッて貰えて嬉しいです////」 澪「ふふふ…次は憂の番だな////」 澪「そんなんじゃもう我慢できないだろ?////」 憂「え…?あ…////」 唯「ねえ………」 憂「!?」 澪「!?」 唯「………二人とも何やってるの?」 唯「ビックリしたよ、澪ちゃんすごい声出すから……」 澪「あ…あうあう……」 憂「あ!!あのね、おねえちゃん、これは違うの!!」 唯「何?ねえ」 憂「ここここれはね!仲良くなるための儀式なの!」 澪「そう、そうだ!杯を交わすようなものだ!」 唯「そうなんだ!!」 唯「ビックリしたよ、澪ちゃんすごい声出すから……」 澪「あ…あうあう……////」 憂「あ!!あのね、おねえちゃん、これは違うの!!」 唯「何?ねえ」 憂「ここここれはね!マッサージだよ!マッサージ!」 澪「そう、そうだ!肩が凝るって言ったら憂がしてくれたんだ!!」 唯「そうなの?」 唯「へぇ~」 唯「そっか…すごいね…」 唯「……………」 唯「ごめん、私もう眠くなっちゃったから寝るね」 唯「澪ちゃん、今夜はゆっくりしていってね」 ガラ…───── 憂「お、お姉ちゃん…?」 澪「……唯?」 唯(……………………………) 唯(マッサージだなんてそんな嘘つかなくっても…) 唯(いくら私でも二人のやって事くらい分かるよ) 唯(澪ちゃんと憂があんな事するなんて…ビックリしちゃった) 唯(せっかく澪ちゃんが遊びに来てくれたと思ったら私の見てない所で……) 唯(憂と裸になってあんなに仲良く……) 唯(…もういいや) 唯(今日はもう寝よう) 唯(zzz…──────) ─────次の日 唯「………………」 唯(普段どおり普段どおり!) 憂「………………」 憂(お姉ちゃん、気付いてるのかな…) 憂「えっと…ご飯………」 唯「うん!」 唯「憂の作るご飯は美味しいね!」 唯「あれ?そういえば澪ちゃんは?」 憂「え?あ!ああ、あの後用事があるって帰っちゃったよ」 唯「そっかぁ、そうかぁ…残念だったね、憂」 憂「え?」 唯「私先に行くね」 憂「あ!一緒に…」 唯「ご!ごめん!私朝錬あるから!」 ─────学校 唯(ううー、なんか気まずくて飛び出しちゃった…) 唯(朝錬なんてほんとはないんだけど…ごめんよ憂) 紬「おはよ、唯ちゃん」 唯「うん?ムギちゃんおはよー…」 紬(あら?様子が変ね…) 唯「……………ふう」 紬(………何かあったのかしら…) 律「おっはー」 紬「りっちゃんおはよ!」 唯「…………」 律「おい唯はシカトか?」 唯「へ?あ!おはよりっちゃん!」 律「ひでーなー、気付いてなかったのかよ…」 ─────放課後 音楽室 唯「あれ?今日はムギちゃん一人?」 紬「まだ私しか来てないわ」 唯「……………ふう」 紬(やっぱりおかしいわよね) 紬「はい、お茶」 唯「おお!ありがと~ムギちゃん~」 紬「どう致しまして♪」 唯「……………」 紬「唯ちゃん、何かあったの?」 唯「え?!わかるの!?」 澪(唯と顔合わせづらいな…) 紬「そりゃわかるわよ、いつも見てるんだし」 唯「ム~ギ~ちゃ~ん!!」(だきっ) 澪(ムギ…唯もいるんだ…) 紬「ええ?ちょっと!唯ちゃんったら!!////」 澪(!??うそ!?なんでムギと唯が!?) 唯「ムギちゃんだけだよ!私のことわかってくれるのは!」(ぶわわ) 紬「よしよし…もう、おおげさよ////」 澪(そんなぁ………) 紬「何があったの?私でよければ聞くわよ」 唯「うん…あのね、夕べのことなんだけど澪ちゃんが泊まりに来たんだ」 澪(!!) 澪「唯!だめ!////」 唯「へ?澪ちゃん?」 澪「あ!いや、その!////ほら////」 紬「あら?」 唯「…澪ちゃんには関係ないでしょ!」 澪「唯!!??」 澪(そんな!嫌われた!?) 紬「え~と…」 唯「でね、お風呂行ったら」 澪「わー////わー////」 唯「憂と澪ちゃんがね」 紬(キマシタワー!??) 澪「やめてー////」 紬「ああもううるさい!澪ちゃんちょっと黙って!!」(ドガ) 澪「うぐ!」 紬「あらやだ、澪ちゃん大丈夫?かばん当たっちゃった!!」 澪(みぞおちッッ!?当たったじゃなくて当てただろッッッ) 唯「裸でプロレスしてたんだよ!!」 澪(!?) 紬(!?) 唯「ずるいよね!私だけ仲間はずれなんだもん!」 紬「えっと…プロレス?」 澪(勘違いしてる!?) 唯「だからもう澪ちゃんなんて知らない!」 紬「えっと…良く分からないからもっと詳しく状況を教えてくれる?(ハァハァ…」 唯「えっとね…」 澪(!!!!) 澪(ダメだ…ってまだ息が出来な…) 唯「澪ちゃんがあんあんってすごい声出しててビックリしてね」 紬(こwwwれwwっうぁwwwww) 唯「それで急いでお風呂見にいったんだよ」 唯「そしたら憂が澪ちゃんに寝技かけてた!」 紬「っしゃあああああ!!」 唯「ム、ムギちゃん…!?」 紬「あ…ごめんなさい…////ほら、こう言うのってプロレスっぽいでしょ////」 紬「それより唯ちゃん!とっっっっっっっても大事なことよ!」 紬「憂ちゃんはどんな寝技を澪ちゃんにかけてたの!!?」 唯「ムギちゃん…鼻血でてるよ…」 紬「こまかいことはいいのよ!」 澪(だいぶ回復してきた…ムギの奴…!) 2
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1ページ目 メリー「私メリーさん、今貴方の後ろに居るの」 女「え……」チラッ 女「……アレか、壁の中か」 メリー「」 次へ トップへ
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サークル専用のBBSのコーナーです。サークルへのコメントなどはここにしてください。 テスト -- 隊長17番 (2009-10-18 15 03 19) 名前 コメント
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元スレURL 希「ねー穂乃果ちゃん、1分間だけうちと付き合わん?」 概要 策士のぞみん タグ ^東條希 ^高坂穂乃果 ^コメディ ^ほののぞ 名前 コメント
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YUI『男くーん、もう我慢できないよぉ』 男『まったくYUIはとんだ淫乱だな……。』 YUI『男くんのチ○コ、YUIのオマ○コにぶち込んでください///』 男『よくできましたっ……!』ズブリ YUI『ああああんっ!』 梓「」 梓(YUIはそんなこと言わない!)パタン 梓(他の本……。YUIとAZUがラブラブな本を……)キョロキョロ 梓(YUIとAZUが表紙だ。これかな)ヒョイッ 男教師『廃部になりたくなかったら……わかってるな?』 YUI『はい……』ヌギヌギ 梓「……」パタン 梓「……」ヒョイッ YUI『AZUNYAN……私、ずっとAZUNYANの事が……』ギュッ AZU『先輩……。私もです……!』 YUI『AZUNYAN……いいかな?』 AZU『YUI先輩……///』コクリ 梓(当たり!)グッ 梓(百合本を引き当てるコツがなんとなくわかってきたかも) 梓(まず、表紙に女の子が一人しか写ってる本。これは危険度大!これを避けるだけでかなり絞れる) 梓(問題は表紙に女の子が二人写ってる本かな。百合と見せかけて男の人とえっちしてる本が多い) 梓(これは女の子達がカメラ目線かどうかである程度判別できそう。カメラ目線は危険、女の子が見詰め合ってるのは結構いい) 梓(最初は手当たり次第に見てかなりショックを受けたけど、いい授業料になったと思うことにしよう) 梓「……?」 男7「……」ジロジロ 男8「……」ギロッ 男9「……」サッ 梓「?」 紬(梓ちゃん……)ヒソッ 梓(あ、ムギ先輩。あの、気のせいか……)ヒソッ 紬(う、うん。結構見られてるかも……) 紬(ここ男の人向けのフロアだから……女の子二人でいると目立っちゃうかも) 梓(あ……やっぱり。さっきちょっと睨まれたような気が) 紬(決まったら早めに出ましょう?) 梓(は、はい。これだけ買ってきます) ※18歳未満(高校在学中)の人は真似しないでください ~~~~~~~~~~~~~ 唯「……」 唯(私何やってるんだろう……) 唯(こそこそ後をつけて、見失って……こんなところを一人でウロウロして) 唯「帰ろう……」 唯(……あっ)ピタッ 唯(百合……同人誌コーナー?この前あずにゃん達が話してた百合って!)ダッ 唯(しかもこれも本だ。本で百合。このことなのかもしれない)ヒョイッ 唯(あれ?この表紙の女の子……) 唯「……」 ~~~~~~~~~~~~~~ 唯の部屋 唯(買っちゃった)ガサッ 唯(あはは。本当にあずにゃんにそっくり) 唯(……)ペラッ ……… …… … 唯「……」パタン 唯(これが百合ってやつなんだ) 唯(あずにゃんは、女の子同士の恋愛も、嫌いじゃないのかな?) 唯(……) 唯(それにしても、この本の二人って。私とあずにゃんにそっくりだな) 唯(この子達は想いが通じ合って……結ばれた) 唯(……) 翌日 梓「それで……」 紬「うんうん♪」 唯「……」 唯(昔みたいに) 唯(自然に、明るく) 唯(前はできてたんだもん) 唯「……」 唯(でも……もし、また拒まれたら) 梓「……?唯先輩?」 唯「っ!?」ビクッ 梓「どうしたんですか?」 唯「あ、あず」 梓「?」 唯「あーずにゃん♪」ギュッ 梓「きゃ!?唯先輩っ、やめっ」 唯「えへへ、久しぶりのあずにゃんだ~♪」ギュー 梓「やめてくださいっ!」ドンッ 唯「っ……」ヨロッ 梓「……」ササッ 紬「え?え?」 唯「……あはは。やっぱり私じゃダメかあ」 梓「えっ?」 唯(本の通りにはいかないや) 唯(だってあの本の後輩は、先輩の事が好きだったんだもん) 唯(うまくいくわけないよ……) 唯「……っ」グスッ 紬「ね、ねえどうしたの?二人ともおかしいよ……」 唯「百合……」 紬「えっ?」 唯「百合、でしょ?二人が話してたの」 紬「!」 唯「女の子同士で恋愛すること」 唯「いつも二人で百合の話してたもんね」 唯「お互いに好きなんでしょ?」 梓「なっ、なんでそうなるんですか!」 唯「わかるよそれくらい!」 唯「百合の話をするようになってからずっとムギちゃんと一緒にいて……私の事を避けてればっ!」 梓「あーもうっ……!」 梓「わかりましたよ!言えばいいんでしょう、言えば!」バンッ 唯「聞きたくない……」 梓「私が唯先輩を避けていたのは!」 唯「やめてよ!」 梓「唯先輩のことを意識してしまったからですっ!」 唯「……えっ?」 梓「だから!百合って言葉を知ったせいです!」 梓「女の子同士が恋に落ちる本を見て、私と先輩を当てはめて考えてました」 梓「唯先輩とこうなれたらって」 梓「だから、現実で唯先輩に抱きつかれたとき、嬉しくて、でも恥ずかしくて、緊張して」 梓「……あーもうっ!なんでこんなこと言わなきゃいけないんですかっ!」 紬「あ、梓ちゃん……」 唯「えっ?そ、それって」 梓「……」 唯「あずにゃんは、私の事が……好き?」 梓「///」カアッ 唯「あっ」 唯「あずにゃ~ん!」ギューッ 梓「~っ!バカ!バカ!先輩のバカ!」ポカポカ ~~~~~~~~~~~ 唯「あ~ずにゃん♪」ギューッ 梓「んもう、いい加減にしてください!」ジタバタ 唯「いいじゃん、恋人なんだから!これくらい普通だよ~♪」チュッ 梓「きゃっ///ゆ、唯先輩!」 イチャイチャ ~~~~~~~~~~~~ 澪(いいなぁ……)ジーッ 律「あ、あいつら……。私達がいること忘れてないか?」 澪「ん、まぁ仲がよくていいんじゃない?その、ああいうスキンシップも必要じゃないか?」チラッ 律「!?ん、まあ……そうだな」 澪(……)チラッ 律(……)ソワソワ 澪(このっ……ヘタレ!) ~~~~~~~~~~~~~~ 憂(お姉ちゃんが梓ちゃんの影響で百合にはまっちゃったりしたら) 憂(きゃー///)バン!バン! 憂(姉妹モノを家中に無造作に散らかしておこう!) 憂(お姉ちゃ~ん///) END 戻る
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「あぢいいいいいぃ……」 三限が終了した時点で俺は既に気分的にグロッキー状態だった。 窓の外では太陽が高々と昇っている。 ああ、もう夏だなぁ……太陽が憎い……。 机に突っ伏しながらそうぼんやり思っていると、俺の方に向かって知った顔が歩いてきた。 「舞ー、なにだらけてんのよ」 「うっせーよ香織」 適当に答えて尚だらんとしていると、香織は「まあ気分は分かるけどね」と言って下敷きを俺の腕の下から引っ張り出した。 煽いでくれる。 断続的に顔に当たる微風に心癒された俺はとりあえず友人様を拝む事にした。 「おおー、神がいらっしゃるー」 「何バカ言ってんのよ」 「ただでさえ馬鹿なのに頭ついに沸いちゃったの?」 香織に続いてもう一人、紗紀が無駄にでかい胸を揺らしながらどこかの店の広告を地紙にした団扇で俺の頭を叩いて言う。 あーくそ、そういう何気ない言葉が人を傷つけるんだぞ。それに馬鹿馬鹿って言うけどなぁ……。 「てめーらにゃ勝てねえけど俺だって最近成績上がって来てんだぜ?」 最近の俺はなんと平均点をとれているのだ。さあ褒めろ! 「まあ、それは確かに」 香織が呟き、「でもそれって……」と紗紀がにんまりと笑んだ。 「彼氏のおかげなんでしょ?」 「おー、まあなー……」 俺は自分一人じゃぁぜってえ勉強なんざしねえからな。 と、紗紀に答えて数秒、 ……ん? 「…………おぉっ!?」 ガバッと身体を起こすと紗紀が呆れた顔をしていた。 「何驚いてんの?」 「いや、だって……ええ!?」 いつ気付いた?! 「あんた普通に休みの日とか学校終わってからとか男の人と一緒に買い物してんのたまに見るわよ。この前も文房具屋でなんか参考書選ばされてるの見たしね」 選んでる。と言ってくれないところに悪意を感じるがなるほどそういうことかと納得がいく。 「あの人、なかなか大人っぽい雰囲気してるから社会人じゃないかって思ってたんだよねー。それでいて実家からやってきた舞のお父さんって感じには見えないし、舞一人っ子って言ってたし」 ああ、普通の社会とほとんど関わりもっちゃあいないが――まあ一応社会人っちゃあ社会人だな。 唸っていると香織が興味津々の体で訊いてきた。 「その様子見るに本当に彼氏?」 「……まあ」 改めて言うのは恥ずかしいな。ただでさえ暑いのにこれ以上暑くさせんな。 「へえ、舞に彼氏……か」 「なんだよ?」 香織はわざとらしくおほほほとか笑いながら、 「いやいや、幸せそうでなによりですわ、ねえ奥様?」 紗紀が悪乗りする。 「ええ、そうですわよねぇ」 「うわーうぜえ……」 「まあまあ、勉強見てくれるような面倒見の良い彼氏でよかったじゃない」 「せいぜい今夜は愛想尽かされませんようにとでもお願いしときなさい」 「あん?」 お願い? 縁結びの神様にでも祈っとけってか? 思っていると紗紀が団扇の地紙を見せつけてきた。そこには七夕セールがどうこうとか書かれている。 「今日は七月七日よ?」 「ああ……七夕か」 「そういや駅の近くでも飾り付けしてたわね」 黒板清掃業務に励んでいた委員長がそう言いながら話に混ざってきた。 いや、黒板清掃お疲れ様です。まったく日直は一体何をやってるんだかな。……あ、こら、半目を向けるんじゃない。しょうがないじゃないか、暑いんだし。 「まあ今日はうまい具合に晴れてくれそうだしな、俺もなんか短冊書こうかな」 「おーおー祈れ祈れー」 「大丈夫よぉ舞ー、私も願ってあげるから」 そう言いながら委員長が俺の髪を掻きまわす。うるせえ頭撫でんなチョークの粉が付くじゃねえか。 手を払いのけつつ七夕に話を戻す。 「紗紀の団扇もそうだけど、どこの店も季節の行事に乗じてイベントでもして客呼び込みたいんだろうな」 「世知辛いわねえ」 香織がわけしり顔で言う。 「まったくだな」 俺も殊更に厳かな口調で言う。 「お偉いさんかいっ」 的確に委員長のツッコミが入ったところで、 「おまえらー授業はじまっとるぞ」 先生のただでさえ疲れてる雰囲気を漂わせているのに今日の暑さでさらに伝わる疲労感が増した声が飛んできた。 「……世知辛いわねぇ」 香織がだるそうに言う。 「本当になぁ」 俺は同意して机に顔をうつぶせた。 ● チャイムが鳴る音がして、俺は机から身を起こした。 目の前には妖精さんに悪戯でもされたのか字がグチャグチャになっているノートがある。 「……うん、まあ、あれだ」 都合の悪い過去は振り返るまい。 そう思いながらノートを静かに閉じた。と、先生がいつの間にか目の前に居る事に気付く。 「あ、おはよ、先生」 片手を軽やかに挙げて挨拶を敢行する。 「悪びれないあたりが流石だな、伏見」 先生は額を押さえている。あれだ。何かストレスが溜まってるんだろうな。かわいそうに。 「ともあれ、最近成績上がってきて先生は嬉しいぞ」 「俺もうれしいぞー」 鬼教官のTさんから与えられる苦労が報われてて。 「授業態度も、もう少し真剣ならなあ」 切実な声音で言われた。 「それは言わねえ約束だぜ。ほら、昼飯の時間なんだからそんな小言は無し無し」 「まあいいが、ああ、学級日誌を担任の先生から預かって来たぞ。今日は伏見が日直だな?」 「あ、サンキュ」 学級日誌を受け取る。先生はどことなく疲れた足取りで教室を出て行った。 俺も息を一つ吐き、とりあえずめんどくさそうな日誌やノートを即行鞄に放り込むと入れ替わりに弁当箱を取り出した。 「うっしゃあ! 昼飯だ!」 「待て待てー、はい、涎拭いてー」 購買に行く紗紀たちがそういって俺にハンカチを差し出してきた。 「昼飯買うまで待てってんだろ。わぁーってるよ。あと涎なんか垂らしてねぇ」 「ごめんごめん」 「すぐに買ってくるわね」 笑いながら奴らが教室を出て行く直前に注文を叩きつける。 「俺麦茶な」 購買は混むから行きたくない。 「はいはい」 そう言って出て行くのを見送り、俺は弁当を広げて待ちの姿勢に入った。ちなみに自分が作った物だ。味はそれなりだと思っている。 けど、 「Tさんの方が料理上手いというのはなんか悔しいよな……」 いつか抜いてやろうと思う。一つくらいはTさんに勝てるものを持っていたいもんだ。 と、鞄から物音が聞こえた。 もしやと思い、急いで鞄を抱えるように膝抱きにして口を開く。中ではリカちゃんが教科書をベッドに、携帯を枕にしてだらんと横たわっていた。 「リカちゃん、大丈夫か?」 「あついのー」 「あー、やっぱりリカちゃんにもキツイか……」 だるそうにしてるリカちゃんに同情する。今度氷枕か保冷剤でも持ってこようかと考えていると、リカちゃんが小さい声で訊いてきた。 「きょう、たなばたなの?」 「ん? 話し聞いてたのか? そうだぞ、今日は七夕だ」 「クリスマスの時にきいたの、おねがいするの」 ああ、そういやサンタのじいちゃんと会った時にそんな事を話したな。 「そうだな……」 あの時からずっと興味を持ってたってことか、これはちょいとその興味に応えてやりたいな。 そう思っていると皆が帰って来た。俺はリカちゃんに小さく謝ってからさりげなく、しかし高速で鞄の口を閉じた。 「ん? どうかした?」 「いや? なんにも?」 鞄を放り出しながら言うと、そう? と首を傾げて委員長が麦茶を差し出してきた。 「ほら、特別にお代はサービスしとくわよ」 「感謝、流石委員長!」 二拝二拍一拝してから恭しく紙パックの麦茶を受け取りストローを刺す。 ああ、夏はやっぱり麦茶だな。 喉を駆けて行く爽快なのどごしにそう実感していると紗紀が唐突に挙手した。委員長が「はい、紗紀さん」と指すと起立して発言しだす。その挙動で揺れる胸が目障りだ。いつか揉んでやろう。 「ねえねえ、学校終わったら駅前まで買い物に行かない?」 香織が首を傾げた。 「買い物?」 「ほら、七夕セールとかやってそうじゃない?」 あー、やってそうだなぁ……。 「そりゃ見ておきてえな」 「でしょ?」 我が意を得たりと紗紀が胸を張る。 「おう、行こうぜ」 言いながら何故かムカついたので紗紀の胸に対して先程の考えを不言実行した。 「けってーい!」 委員長が決を下して放課後の行動が決定した。 紗紀の悲鳴をバックに俺は今夜の為に何を買おうかと考え始めた。 ● 学校がつつがなく終了した。学級日誌を職員室に提出してから校門に向かう。 これから昼に約束したとおり、香織や沙紀、委員長たちと買い物に行くのだ。 「っと、その前に……」 俺は携帯を取り出した。校門に足を進めながらTさんに電話して用件を言う。 「――で、今日は外で食えるようにしといてくれ」 『分かった。そっちの方は大丈夫か?』 「おうよ」 ガッツポーズで答えて電話を切る。 「何? 彼氏に電話?」 校門で待っていた委員長が訊いてくるのにうるせえと答えて携帯を鞄の中に放り込む。 学校近くのバス停から出ているバスに乗って南区の駅近くへと行く。駅にもどこからかとってきた竹がちらほらと飾ってあり、どこからか懐かしい〝たなばたさま〟の歌がBGMとして流れてくる。 なるほど七夕モードだ。 まあでも、それなりに飾ってるけどあれだな……。 「とりあえず竹を置いてみましたって感じだな」 「まあそんなもんでしょ」 「まあなー」 どこかの町でやってるみたいに妙に仰々しくても息が詰まる。そう思いながら夢子ちゃんは今頃どこかで盛大にパレードでも開いてるんだろうなぁと考える。また近いうちに会いに行こうか。 もの思いに沈んでいると香織が突然店内の一角を指さした。 「見てよほら、商売人たちはともかく子供たちは無邪気じゃない」 そう言って香織が指さしたのは近所の幼稚園の子共達が飾ったのか、折り紙の輪っかを繋げたものや星飾りで装飾している竹と、それにぶら下がっている短冊だった。香織は短冊を何枚か読んでは「かわいぃ~」と楽しそうに黄色い悲鳴をあげる。 俺も何枚か見てみる。 五色の短冊にはそれぞれ下手な文字で確かに無邪気な願い事が書いてある。 うわー、『●●くんとけっこんできますように』とかこんな事まで書いちまうあたり流石は子供って感じだなぁ、若干羨ましいわ。 そんな事を思いながらいくつか店を回るうちに目当ての店が目に入った。 友人一同にひと声かける。 「ちょっと文具屋寄ってっていいか?」 「なに? 彼氏にノートでも買ってくるように言われたの?」 「ちーがーいーまーすー」 なんでもそっちにつなげようとする連中に悪態をつきながら文具屋で欲しいものを購入する。 その後もいくつか店を冷やかして回り、小一時間もすると塾なり帰宅なりで皆それぞれ別れはじめた。 明日また会おうと言って別れ、一人になった俺は空を見上げた。 空はオレンジ色を通り過ぎ、紺色に近づいている。 「あっちゃー、流石にそろそろ暗くなってくんなー」 暮れかけている日を見上げて呟きながら鞄からリカちゃんを取り出した。 「誰にも見られてないか?」 ひとりかくれんぼでもあるリカちゃんに周りから見られてないか訊く。 リカちゃんは数秒何かを探るように首を巡らすと、 「大丈夫なの」 声を出した。 それに「よし」と答えて頭にリカちゃんを乗せる。もう慣れた感がある適度な重みを感じながら頭上に声を投げかける。 「リカちゃん、これからもう一本寄り道しようぜ」 「もういっぽん?」 俺は降ってくる疑問に頷く。 「頼むぜ? リカちゃん」 「?」 頭上でリカちゃんの重心が少し変化した。頭を傾けたみたいだった。 Tさん 「七夕(後編)」へ