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石原周子:わたしをまもる黒炎4(禁止デッキ) 攻略 合計40枚+15枚 上級08枚 創世竜 ホルスの黒炎竜 LV8 ホルスの黒炎竜 LV6×2 マテリアルドラゴン レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン×3 下級12枚 ガード・オブ・フレムベル ゴーレム・ドラゴン×2 ボマー・ドラゴン ホルスの黒炎竜 LV4×2 炎龍 仮面竜×3 真紅眼の飛竜×2 魔法17枚 大嵐 禁じられた聖杯×2 サンダー・ボルト(禁止) サイクロン 収縮×2 スタンピング・クラッシュ×3 D・D・R 天使の施し(禁止) 龍の鏡×2 未来融合-フューチャー・フュージョン×2(制限) 我が身を盾に 罠03枚 王宮のお触れ×3 エクストラ15枚 A・O・J カタストル エクスプロード・ウィング・ドラゴン X-セイバー ウルベルム ギガンテック・ファイター サイコ・ヘルストランサー C・ドラゴン トライデント・ドラギオン 氷結界の龍 ブリューナク F・G・D×2 フレムベル・ウルキサス マジカル・アンドロイド ミスト・ウォーム メンタルスフィア・デーモン ライトエンド・ドラゴン
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石原周子:わたしをまもる黒炎3 攻略 死者蘇生は投入されていない。 合計40枚+15枚 上級08枚 創世竜 ホルスの黒炎竜 LV8 ホルスの黒炎竜 LV6×2 マテリアルドラゴン レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン×3 下級12枚 ガード・オブ・フレムベル ゴーレム・ドラゴン×2 ボマー・ドラゴン ホルスの黒炎竜 LV4×2 炎龍 仮面竜×3 真紅眼の飛竜×2 魔法17枚 大嵐 禁じられた聖杯×2 サイクロン 収縮×2 スタンピング・クラッシュ×3 D・D・R 龍の鏡×2 封印の黄金櫃×2 未来融合-フューチャー・フュージョン ライトニング・ボルテックス 我が身を盾に 罠03枚 王宮のお触れ×3 エクストラ15枚 A・O・J カタストル X-セイバー ウルベルム ギガンテック・ファイター サイコ・ヘルストランサー C・ドラゴン トライデント・ドラギオン 氷結界の龍 ブリューナク F・G・D×3 フレムベル・ウルキサス マジカル・アンドロイド ミスト・ウォーム メンタルスフィア・デーモン ライトエンド・ドラゴン
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石原周子:わたしをまもる黒炎1(パートナーデッキ) 攻略 合計40枚+13枚 上級08枚 人造人間-サイコ・ショッカー×2 ホルスの黒炎竜 LV8×2(お気に入り) ホルスの黒炎竜 LV6×2(お気に入り) レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン×2 下級11枚 ガード・オブ・フレムベル ゴーレム・ドラゴン×2 ボマー・ドラゴン ホルスの黒炎竜 LV4×2 炎龍 仮面竜×2 真紅眼の飛竜×2 魔法19枚 大嵐 禁じられた聖杯×2 クロス・ソウル×2 サイクロン 死者蘇生 収縮×2 洗脳-ブレインコントロール D・D・R 龍の鏡×2 ハリケーン 封印の黄金櫃×2 未来融合-フューチャー・フュージョン レベルアップ!×2 我が身を盾に 罠02枚 王宮のお触れ×2(お気に入り) エクストラ13枚 A・O・J カタストル X-セイバー ウルベルム ギガンテック・ファイター サイコ・ヘルストランサー C・ドラゴン トライデント・ドラギオン 氷結界の龍 ブリューナク F・G・D×2 フレムベル・ウルキサス マジカル・アンドロイド ミスト・ウォーム メンタルスフィア・デーモン
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▽タグ一覧 アンタがわたしを甘やかすから! キャラクター [[]](アンタがわたしを甘やかすから!) [[]](アンタがわたしを甘やかすから!) [[]](アンタがわたしを甘やかすから!) [[]](アンタがわたしを甘やかすから!) アンタがわたしを甘やかすから! 世界観メモ 女子大生同士のクソ百合
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作品名 誰がわたしを殺したか 書影 原題 The Bones of You 作者名 デビー・ハウエルズ 訳者名 真崎義博 解説 あらすじ ナイフで全身を切り裂かれ、森の奥に横たわり、死にかけている18歳のロージー。ニュースキャスターの父を持ち、恵まれた家庭で育った彼女が、なぜこんな目にあったのか、彼女の意識は徐々に凶行の瞬間から過去へと遡ってゆく。一方、事件を知った隣人のケイトは、偶然知ったある出来事をきっかけに事件の真相を追う。やがて少しずつ明らかになるロージー殺害の犯人とその原因とは? ケイトが行き着いた意外過ぎる真相と、その哀しすぎる原因とは? 出版社 早川書房 形態 ハヤカワ・ミステリ文庫 刊行日 2016/10/6 レビュー 名前 コメント
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《わたしを形作るもの》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト2/赤 [メイン/自分] 自分の捨て札置き場にある『ココロコネクト』のキャラを12枚までデッキに戻し、デッキをシャッフルする。その場合、自分のキャラ1枚は、ターン終了時まで+20/+20を得る。 (今までの自分の歩んできた道を否定すれば、今の自分を否定することになる。それは、したくないから。) ココロコネクトで登場した赤色のイベントカード。 自分の捨て札置き場にある『ココロコネクト』キャラを12枚までデッキに回収してシャッフルし、自分キャラ1枚のAP・DPを20上昇させる効果を持つ。 回収と強化を同時に行える。 任意枚数なので12枚未満でも発動でき、回収を行わず強化だけ行うことも可能。 最大枚数が多いため、<デッキデス>対策としては優秀。 <ココロコネクト>になら採用して損はないだろう。 カードイラストは第13話「この五人がいれば」のワンシーン。フレーバーはその時の伊織のセリフ。 関連項目 回収 収録 ココロコネクト 01-103 編集
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名前::わたしをはなさないで 第六話[sage] 投稿日:2010/12/26(日) 02 40 45 ID njgyMu8k [2/6] 「フミ、変なこと言っちゃ嫌だよ」 「ああ、すまん。あのバカとのいつもの軽口だから気にすんな」 正直、今だけはあいつをバカと思いたくない メッセージは伝えた。あとはギンに全てを託す なるだけ穏便に済ませたいんだが、そこまで伝える余裕は無かった いや、ただ単にあの瞬間にそれを表すネタが思いつかなかっただけなんだが とにかくこの状況を何とかしたい 贅沢を言うなら、ナツに正気に戻って欲しい 今が正常なんて、あのドジで大メシ食らいだけど優しいナツを知ってる俺にしては絶対に信じたくないんだ 「じゃあさ、お風呂入ろうよ。フミが嫌って言うから昨日は入らなかったでしょ? 体がべたべたで気持ち悪いよ」 「風呂は好きだ。でも一緒に入るのはどうしてもな」 「わたし、フミのこと大好きなのに。フミはわたしのこと嫌いなの?」 「好きとか嫌いじゃなくて、羞恥心の問題だ」 「でも、しょうがないじゃん」 腕を振ると、長い鎖がジャラリと音を立てる 「ねっ?」 「……ああ」 「そんなに嫌そうにしないでよ。今日はわたしが体洗ってあげるからさ」 「遠慮する」 「恥ずかしがらなくてもいいんだよ。家族なんだから」 家族なんだから このゆがんだ関係が始まって、もう何度この言葉を聞いたことやら ナツにとって、「家族」っていったいなんなんだろう? 少なくとも俺の知ってる家族と言う言葉とはかなりズレがあることだけは間違いない ナツの言う「家族」とは、「友達」であり、「恋人」であり、「家族」でもある そんな何と形容していいのか分からない不思議な関係だ わたしを捨てないで わたしを離さないで わたしを愛して こんな気持ちが鬱屈して、ナツの「家族」像が出来上がっちまったんだろう 両親の元に返す前に、少しでも俺がその気持ちを解きほぐせてやれればいいんだが少しでも そんなことを思いながら、俺は死刑場に赴く囚人のような気持ちで、風呂場へと歩いていった 363 名前::わたしをはなさないで 第六話[sage] 投稿日:2010/12/26(日) 02 41 36 ID njgyMu8k [3/6] 「お客さん、気持ちいいですかー?」 「2…3…5…7…11…13…17…19……」 頑張って素数を数え、背中の感触から意識を切り離そうと頑張る いえね、俺はロリコンじゃないよ。ボインボインの肉感豊かなお姉様が好みだよ。あのペド警官とは違うよ ましてや家族同然だった女の子に欲情するような鬼畜じゃないよ しかしぺったんこでも、子供でも、体こすり付けて洗われて欲情を感じないようにしろというのは酷な話だ 無理矢理振りほどいても、この鉄の手錠がある限り無駄なこと だから俺はもうやられるに任せてる ………悦んでないぞ。本当だぞ 「フミの体、あったかいね。……このまま二人、溶けちゃいたいなぁ」 「23…28……いや…ちがう29だ。29…31…37…………」 「ねえ、聞いてるの?」 「うわぁっ!?」 背中から前に腕を回されかけるが、それをあわててブロック いくらなんでもそれはまずい 子供に手を出す(出される)のは人間として絶対にやってはならない行為だ YESロリータNOタッチ! の標語だってそう言ってるし 「だめ?」 「だめ」 「家族なのに?」 「家族でもそればっかりは駄目」 「恋人なのに?」 「いつ俺が恋人になった」 「生まれたときから」 「初耳だ」 こんなコントみたいな会話をしてる時だけは、今の狂った状況を忘れられる ナツも以前みたいな笑いをしながら俺の顔を覗き込み、俺はそれに苦笑いで返す ただ変わったことはこの腕にかけられた手錠と、まったくナツに寄り添わなくなったイエハルたち やっぱり動物には分かるんだろう この娘は、今までの家族だった娘とは違うんだなって 「愛してるよ。食べちゃいたいくらいに」 ナツは、そんなことを言う娘じゃなかった こんなふうに唇にむさぼりついてくるような娘じゃなかった こんな好色な笑みを浮かべるような娘じゃなかった 俺の体を淫らにまざくるような娘じゃなかった そう思うと、先ほどまで感じていた劣情はすっかり鳴りを潜め、物悲しさだけが残った 「あれ……ちっちゃくなっちゃった。ごめんね。わたし、こういうこと初めてだから……次は頑張るね」 「そうじゃない。そういうことじゃねえんだよぉ……何でわかってくれねぇんだ………」 ただ悲しくて、ナツの体を抱きしめてほんの少し泣いた けれども一番悲しかったことは、ナツがどうして俺が泣いているのか分かってくれなかったことだった 364 名前::わたしをはなさないで 第六話[sage] 投稿日:2010/12/26(日) 02 41 57 ID njgyMu8k [4/6] 風呂上り、いつもならイエノブやイエツグとじゃれ合ったり、イエシゲたちを膝に乗せて映画を見たりする時間だ けど、今俺のそばに居るのはナツだけ。みんなナツを恐れて近づいてこようとしない イエツナだけは亀らしく逃げようとしないが、我関せず と言った感じで寝てる しかも、テレビも以前借りたDVDも見ることは許されない そんなものを見るくらいだったらわたしを見て、だそうだ テレビはべつに我慢できるが映画禁止は痛すぎる せっかく借りられて楽しみにしてたモノクロ映画(博士の異常な愛情(略))も、もうすぐ返却帰還が来ちまうじゃんか まあ本当に返せるかどうかも分からない現状だけどさ そんな愚痴をこぼすと、呆れたような顔でナツが指を一本立てた 「しょうがないなぁ。じゃあ、キス一回ね」 ええ、しましたよ 昨日みたいに夜通し行為を迫られるのは健康に悪い キス一回で映画見られるんなら安いもんだ ……なんか、俺の感覚も狂ってきたような気がしないでもないな 「フミ、これってどんな映画なの?」 「ブラックジョーク満載映画」 「ふーん。わたし冗談って大好きだよ! たのしみだなー」 いつもはイエノブの指定席になってる俺の膝の上 そこに今はナツが居座っていた 俺の胸に体をこすり付けるようにしてテレビに見入っている 始めは色がついてない映画なんてヤダなんつってたのに、ずいぶんと楽しんでるじゃないか 「フミー、つまんないよー」 ………前言撤回 やっぱ子供には難しい映画だったか 「………く~……す~……」 しかも寝ちまった 画面見てると思ったら、その実ただ単にウトウトして目の焦点があってなかっただけか よっしゃ、それじゃこのままゆっくりとスタンリー・キューブリックの名作を堪能……… 「って、ちょっと待て」 これ、チャンスだろ。常識的に考えて 見張られてたから取り出せなかった携帯をゆっくりと引っ張り出し、音を立てないように明ける [Eメール 93件] ……こんな表記、もう一生見ることも無いだろうな バイト先からも数件あるが、そのほとんどはギンからだ その最新のメールは……二時間前 [このメールを見てるか分からんが、今から向かう。死んでなかったらまた会おうぜ] 365 名前::わたしをはなさないで 第六話[sage] 投稿日:2010/12/26(日) 02 42 21 ID njgyMu8k [5/6] あの野郎、縁起が悪すぎる マジで一回殺されかけた身としては洒落にもならない しかし、あのメッセージがきちんと伝わっていたのはありがたい あいつの交番からここまで約二時間強 もうすぐここにつくだろうな 返信して、現状を伝えておこう [心の友よ。ナツは寝てる。大きな音を立てないように頼む。魔法のアイテム警察手帳を駆使して大家から鍵を借りてきてくれ] 送信……っと。よし、あとはあいつが来るのを待つだけだ さて、あとはそれまでキューブッリクの名作を存分に楽しもう 「メール、終わった?」 「ああ。あとはあいつが来るのを待つだけだ」 「ふーん」 「………おはよう」 「うん。おはよ」 これは、ひどい 「…………………待て」 「やっぱり、わたしがきらいなんだね」 「いやいやいやいや、そんなことはないぞ」 「だって兼山さん。警察呼んだんでしょ? わたしから逃げるために。わたしを捨てるために!!」 「待て待て!! そうじゃないそうじゃない!!」 「そうに決まってる!! フミはママやパパみたいに、わたしを捨てるんだっ!!!」 「捨てるんじゃないって! ただ、一緒に暮らすのをやめるだけだって!!」 「捨てるんだ捨てるんだ捨てるんだっ!!」 ポケットから出したのは、飛び出しナイフ!? 俺にまだ厨二病の症状が残ってたころ、衝動的に買っちまって一度も抜いてないでしまってたあれか!? 「フミ、死んで!! フミが死んだらすぐにわたしも後を追うから!」 「嫌だっつの! こんな若い身空で死にたかない!!」 「寂しくないよ! 死んだって、わたしがずっと一緒にいるから!! もう二度と離れないからっ!!」 絶叫とも言えるナツの言葉と一緒にナイフが振り下ろされたのと、ドアが蹴破られるような音が聞こえたのは、ほとんど同時だった
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右代宮理御。 右代宮家の当主である金蔵より直々に次期当主として定められ、成人と同時に当主の座を継承することが決まっているその人物は、どこからどう見てもおおよそ欠点というものが見当たらない人物であった。 頭脳明晰、学業優秀、スポーツ万能、人望にも厚く、生徒会と部活動ではそのリーダーシップ性を遺憾なく発揮し、幼い頃から祖父である金蔵と父である蔵臼に経営学や帝王学を学び、実家は裕福な名家であるが決してそのことを鼻にかけるでもなく、容姿も端麗である。 ――が、そんな理御に今、人並みながらも深刻な悩みが存在していた。 その日も理御は浴室へと向かう傍ら、ため息を漏らして視線を床に落としていた。 (……どうして私、胸が成長しないのだろう) そう、右代宮理御の悩みはずばり、貧乳なことであった。 成長期はとうに過ぎ、自分と同年代の女性たちはそれぞれに女性らしい体つきになっているというのに自分は未だに貧乳――もとい、体つきが全体的に貧弱である。 (もともと太らない体質だけど食事だってちゃんと食べてるし、栄養だって郷田がちゃんと考えてくれてるし。体質……なのかなあ。いつのまにか朱志香の方が胸あるし……朱志香は大きい方だよね、多分…………いいなぁ) などと妹へのコンプレックスに打ちひしがれていると、当の朱志香がこちらへ歩いてきた。 もう既に入浴した後なのだろう、タオルをくるくると振り回しながら機嫌よく歌など歌っていたりする。 「……ぺったんぺったんつるぺったん♪ よーじょ、よーじょ、つるぺたよーじょ♪ ぺったんぺったん胸ぺったん♪ つるぺたっていうなあぁぁぁ……あ、次期当主サマこれからお風呂ー?」 もし朱志香が「どっきゅんどっきゅん♪」とでも歌っていれば回避できたであろう惨劇は、こうして起こった。 疾風のごとく駆け寄った理御の八つ当たり気味の右手により、朱志香の悲痛な叫びが屋敷に響き渡ることになったのである。 「胸かー。まさか理御がそんなことで真剣に悩んでるとは思わなかったぜ」 ベッドの上であぐらをかいてクッションを抱えた朱志香が呟く。 あの後、改めて間近で妹の胸を見て、それこそ崖から叩き落されたように凹んでしまった理御を見かねたのか、朱志香が 「何だか元気ないじゃん? 何かあったなら私で良ければ相談に乗るぜ?」 と申し出て、結局それに甘えるようにして彼女の部屋へやってきてしまったのである。 「そんなことって……朱志香は、その……普通にあるからそんなことが言えるんだよ」 「って言ってもなー。別に特別いいことなんてねーぜ? 重くて肩こるし、男がじろじろ見てくるしさー。次期当主サマも気にすることねーぜ。貧乳は希少価値でステータスだってテレビでも言ってたし、全然ねーってのもある意味凄い……痛たたたっ! 嘘ですごめんなさいもう言いません暴力反対っ!」 ナチュラルにこちらの心を抉ってくる妹の尻を容赦なく抓り上げる。 「……ってゆーか、そこまで深刻になることねーって。母さんだって胸ある方なんだから理御も大きくなるって。こういうのって遺伝だろ?」 涙目で尻をさすりながら言う朱志香の言葉に、う、とたじろぐ。 ――朱志香の言う『母さん』、右代宮夏妃は私の本当の母ではないわけで。 今まで育ててくれたことに変わりはないし本当の母のように今までも、きっとこれからも大切な人だけど。 でもこの場合、血は繋がってないから母さんの胸のサイズは当てにならないわけで。 ああでも九羽鳥庵のベアトリーチェも確か巨乳だったような、ええと、そうするとこの場合の遺伝子は巨乳遺伝子? でもでも遺伝子の問題で成長するんだったらさすがにもう成長しきってないとおかしい……のでは? ぐるぐると思考の渦に沈んでしまった理御をよそに、朱志香はうーんと首を傾げて呟いた。 「あとは何だろーな、牛乳飲むとか腕立て伏せするとか……」 「牛乳……腕立て伏せ……」 一応、体育会系の部活に所属していたので、体格は貧弱だが最低限の筋肉はついている。 それでも一縷の望みにかけて、これから1日3リットルくらい牛乳飲んで500回くらい腕立て伏せするべきなのかなぁ等と理御が真剣に悩んでいると、朱志香が「そーだ」とぽんと手を打った。 「胸を大きくするには、揉んでもらうのが一番いいって聞いたぜ!」 「――え?」 もんで……もらう……ですって? 「っな、何を、朱志香――!」 ふざけるのはいい加減にしなさい、と叫びながら手を伸ばそうとして、気付く。 朱志香の顔は、真剣だ。本気と書いてマジだ。 「なんだっけな、えーと……そう、胸を揉まれる事によってなんかこう、女性ホルモン? とかが出るらしくて、それが胸の成長を促す、ってゆーか、胸の中の器官を発達させて、結果的に胸が大きくなるみてーな……あーもう、結構前に聞いた話だからよく覚えてねーぜ」 がしがしと頭をかき唇を尖らせて呟く姿は、どう見てもふざけているようには見えない。 話の内容さえ置いておけば、悩める姉を心の底から心配し、力になろうとする良き妹だ。 なので、右手はとりあえず引っ込めたままで尋ねる。 「その……仕組みはどうでもいいとして、あの……揉んで『もらう』っていうのは?」 「ん? あー、何だっけなー、そうそう、自分で揉んでも意味ねーんだってさ。一番効率よく女性ホルモンを出すためには、確か――」 朱志香がほんの少しだけ口ごもって、さすがに恥ずかしそうにクッションで口元を隠しながら呟いた。 「好きな人に揉んでもらうのが、一番いいとか……」 「っ……!」 口をぱくぱくさせながら、真っ赤な顔のまま固まってしまう理御。 「揉んでもらうって、頼んだって断られるに決まってるだろうそんなの! 絶対無理!」 かろうじて出した理御の言葉に、ばっと朱志香が顔を上げた。 「えっ!? り、理御頼むような人とかいるの? 誰だれ、どんな人だよ!?」 クッションを放り出し、目をきらきらさせながらこっちに迫ってくる朱志香を慌てて睨みつけ、 「朱志香には関係ない! もう、人をからかうのもいい加減にしなさい!」 と叫びながら黄金の右手を繰り出す。通算三度目の悲鳴が響き渡った。 入浴を終えて自室に戻り、髪を乾かした理御はふぅ、とため息をついてベッドに腰掛けた。 (全くもう、朱志香は……まあ、あの子なりに真剣に相談に乗ってくれたのだろうけど) それで出た結論が『好きな人に胸を揉んでもらう』というのはどうなんだろう、と思うとため息しか出ない。 ――そりゃ、好きな人くらいいるけど、と心の中で呟くものの、彼に向かって「胸を揉んでください」なんて言えるわけもなく。 言ったとしても多分哀れむような目で「揉めるほどねェだろ」と言われるのがせいぜいだろうと考えて、自分の想像に悲しくなりながら理御はベッドに倒れこんだ。 そっと服の上から胸に手を当てる。 少しだけ柔らかくて本当に少しだけ膨らんでいるけど、それだけだ。 男の人ってやっぱり、胸の大きい女性の方が好きなんだろうなぁと思う。きっと、彼も。 彼は自分よりもずっと大人の男性だからなおさら、こんな貧相な身体じゃ釣り合わない。 「……ウィル……」 いつもの凛とした声とは全く違う、弱々しい声が零れ出た。 ――もし、私がもっと女性らしかったら。 初対面の時に性別を聞かれるようなこともなくて。 ちゃんと朱志香みたいに手にキスもしてもらえて。 ゆっくりと、理御の小さな手が動いた。 おずおずと、ささやかな膨らみを撫で擦るように上下に、それから円を描くように。 ――キスだけじゃなくて、それ以上のこともしてもらえたのだろうか。 布越しにほんの少しだけ硬くなった先端を掌に感じて、ためらいがちにそこを指で擦るとじんわりとした痺れが胸全体に広がった。 細い指先がまだ僅かな迷いを見せながら、何度も何度もそこを引っ掻く。 どうしてこんなことを、恥ずかしい真似を止めなさいと叫ぶ理性は、先端をきゅと摘んだ時に頭の隅に追いやられて、代わりに下腹部にじわりと広がる熱に 理御は熱い息を漏らして目を閉じた。 「……ウィル……っ」 ――自分に触れるこの手が、ウィルのものなら。 パジャマのボタンを1つ1つ外していく。 前をはだけられて露わになった胸に、直接掌が触れた。 ひんやりとした手の冷たさと、それ以外の何かにぶるりと身体が震えて、さっきよりも少しだけ指に力を込める――そう、彼は自分なんかよりもっと力があるに決まってる。 片手でささやかな膨らみを揉みしだき、もう片方の手はさ迷うにように動いた挙句シーツをぎゅっと握り締めた。 硬く勃ち上がった先端を押し潰すように指で弄り、指先で柔らかく撫でては爪をたてるようにして引っ掻く。 「……ん……っ」 乱れた呼吸を必死で押し殺しながら、それでも理御は手を止めることが出来ない。 いまや彼女の全身を甘いじんわりとした痺れが――快楽が支配していた。 それの源泉とも言える下腹の部位が特にじんじんと熱くなって、閉じたままの目の裏にじわりと生理的な涙が滲む。 「ウィル……ぁ……はぁ……っ」 とろりと自分の奥から何かが溢れ出す感覚に、耐え切れなくなったかのように理御の手がパジャマのズボンへと伸びた。 ウエストの部分をきゅっと握り――そのまま動きを止める。 「……駄目……っ……」 これ以上を拒む言葉を弱々しく呟きながら、ゆるゆると恥と快楽で赤く染まった顔でかぶりを振る理御。 右代宮家の次期当主ともあろう者が何て恥ずかしい事を、とでも言うように。 本気の拒否ではない、立場を建前にしたただの弱腰。そんなつまらない言い訳が探偵である彼に通じるわけがないのに。 きっとお得意の台詞であっさりと封じ込められてしまうのだ。 『深く考えるな、頭痛がすらァ』 彼の低い声。それが耳元で囁かれることを想像しただけでどくんと心臓が震える。 「……はい……」 熱に浮かされたような声で返事をした。 相棒は探偵に従うものだから。 それ以上は深く考えない。考える必要もない。 微かに震える手がゆっくりとズボンを膝下までずり下ろした。 「ふ……ぁ」 下着越しに触れたそこは酷く熱くて、そうっとなぞると濡れた布が貼りつく感覚と同時に胸よりもはっきりとした快楽が走って、理御の唇から甘い声が零れる。 そのまま何度も何度も指を往復させた。 「あ……っ、っん……は……」 熱い。酷く熱い。このままとろけてしまいそう。 身体のずっと奥から湧き上がってくる熱に突き動かされ、ぼんやりとした頭で何も考えないまま湧き上がってくる快感に素直に理御は手を動かし続けた。 布の上から秘所を擦り続けていた指が少しだけ膨らみかけた真珠を擦った瞬間、びくんと大きく腰が跳ねる。 「ぅあんっ!」 今までのじんわりとした甘い快感とは違う電気のような鋭い快感。 一瞬走り抜けたそれを、必死で求めた。 夢中でそこを刺激する。腰が勝手に揺らめくように動き、空いている方の手はいつのまにか胸を愛撫していた。 「あ、あぁ、は、やぁ……」 とろとろと熱く濡れた入り口が足りないと言うように震えるのが分かる。 身体の奥のもっとも深い部分が恐ろしいほどに貪欲に刺激を欲して疼く。 与えても与えても収まらない。どんなに弄っても、擦っても、まだまだ足りないと。 ああ、と呻いた。 足りない、足りるわけがない。 宇宙を生み出す最少人数は、2人なのだ。 1人きりでは、駄目なのだ。彼がいてくれなくては、彼が与えてくれるものでなければ。 ――ウィル、貴方でなければ。 「――ぁ、あぁあああぁぁ……っ」 頭の中に、光が走った。 ほっそりとした体がベッドの上で跳ね上がるようにして反り返り、固く瞑ったままの瞳から一筋涙が零れる。 たった1人でシーツの海に沈んだまま、右代宮理御はその夜、産まれて始めての絶頂を迎えた。 全身が自分のものでなくなったように強張って震えていうことを聞かなくなったのはほんの数瞬で、すぐに襲い掛かってきた物凄い疲労感と戦いながら、のろのろと理御は上半身を起こした。 汗だくでパジャマが肌にはりついて気持ち悪い。べたつく下着は論外だ。着替えなければ眠れそうにない。 顔に張り付いた髪を払いのけながらベッドから降り立とうとして――未だに身体の奥にくすぶる熱に、不意に泣きそうになった。 ああ駄目だ、全然駄目だ。 こんな行為で満たされるわけなどないと分かっていたのに。 浅ましくも彼を妄想してまで手に入れたのが、一瞬の肉体のみの快楽と果てしない虚無感と自己嫌悪とは。 今日何度目かの深い深いため息をついて、両手で顔を覆った。 「ウィル……」 貴方が、好きです。 苦しくて、狂おしいほどに。 それこそこの身を魔女と変えてしまいそうなくらいに――好きなんです。 私など吊り合わないって分かっているけれど、それでも私は貴方が好きで好きで貴方じゃなければ駄目なんです。 だから、どうかお願いです、ウィル。 ――わたしをあいして。
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わたしを伝えるために 最終更新日時 2023/02/06 01 05 /このページを編集 イベント概要 (編集中) 開催期間 【恒常化】2023/2/1(水) 12 00 ~ 【ボーナス期間】2023/2/1(水) 12 00 ~ 2023/2/15(水) 12 59 本イベントのStage1~Stage4と累積報酬(~100万pt)は恒常開催。 Bonus1~ExBonus2と累積報酬(105万pt~600万pt)は開催期間が限られている。 ExBounsステージは難易度の割に報酬は控えめ。累積ptが多くもらえるので上級者であれば周回に活用できるかもしれない。 このほかの開催中イベントはこちらを参照。 チャプターの時期と開放条件 時期 2年生編 2月中旬 開放条件 ? プレイの優先度 相手のチーム評価 恒常ステージ:B4~A4期間限定ステージ:D1~B1期間限定Exステージ:SS1~SSS1 オススメ度 オススメ ボーナス期間中はおこづかいや英知のカケラを大量に獲得するチャンス 報酬 メイン報酬 画像 アイテム名 備考 おこづかい 【恒常】累積報酬で3000獲得できる【期間限定】初回報酬で400、累積報酬で8800獲得できるおこづかいの詳細や使い方は「部費・おこづかい」を参照。 英知のカケラ 【恒常】累積報酬で900獲得できる【期間限定】累積報酬で1200獲得できる英知のカケラの詳細や使い方は「戦術機能」を参照。 カード【バレンタイン】 【期間限定】累積報酬で2枚獲得できる カード【アフターエピソード】 【期間限定】累積報酬で2枚獲得できる 絆の記憶(極) 【期間限定】累積報酬で5個獲得できる絆の結晶(極)の交換には15個必要 累積報酬 画像 名前 恒常時個数 Bonus個数 おこづかい 3000 8800 英知のカケラ 900 1200 カード【バレンタイン】 2 カード【アフターエピソード】 2 絆の記憶(極) 5 イベント構成と獲得評価pt + ... 恒常部分 ステージ名 相手評価 初回報酬 消費元気 対戦ボーナス ドロップアイテム Stage1 B4 ×1 ×1 ×1 ×1 10 +***.0% × × × × × × × × Stage2 B5 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × × × × × Stage3 A1 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × Stage4 A2 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × × × × × Stage5 A4 ×1 ×1 ×1 ×1 +***.0% × × × × × × × × 期間限定部分(2/15まで) ステージ名 相手評価 初回報酬 消費元気 対戦ボーナス ドロップアイテム Bonus1 D1 ×1 7 +450.0% × × × × × × × × × × × × Bonus2 C1 ×1 +650.0% × × × × × × × × Bonus3 B1 ×1 10 +800.0% × × × × × × × × ExBonus1 SS1 ×200 15 +960.0% × × × × ExBonus2 SSS1 ×200 +2150.0% × × × × 獲得評価pt計算式 試合内容(恒常ステージ・ボーナスステージ) 評価pt 単打 二塁打 三塁打 HR 四球 盗塁 打点 猛打賞 奪三振 失点 三振 エラー 被安打 被HR 勝利 引き分け 敗北 50 100 150 300 10 50 300 300 50 -500 -25 -100 -50 -300 7000 6000 5000 (評価pt)=(試合内容の合計)×(1+対戦相手ボーナス) Q.彡(゚)(゚)「んで、どのステージがおすすめなんや?」 A.(´・ω・`)「BonusステージがあるうちはBonusステージの8割程度は勝てるステージを繰り返し挑戦すると良いよ。 」 コメント 名前
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442 :わたしをはなさないで 最終話:2010/12/30(木) 01 52 37 ID g1YFg6Ak 「よう相棒。まだ生きてるか?」 「ああ。まだ死んじゃいないさ」 俺がナイフの握られたナツの右手を両手で押さえ、部屋に飛び込んできたギンが素早く羽交い絞めにする わずかに切っ先が届いた肩口の皮膚が破れて血が滲んでるが、貫かれることを考えると我慢しておいたほうが得策だろう すげえ痛いけどな 「放せぇぇぇっ!! フミと一緒に逝くんだっ! 邪魔しないでよぉぉぉっ!!」 「そういうわけにもいかないんだ。俺は市民を守るおまわりさんだからね」 「ならもっと早く来てくれよ。あと一分遅れてたら市民が二人逝ってたぞ」 「文句言うな。お前らの絶叫が聞こえたから強行突入したんだぞ。間に合っただけでも行幸だ」 「放して……放してよぉ……わたしは、フミから離れたくないだけなんだよぉ………」 チラ とギンが俺の顔を見る 放していいか? と目で聞いてきてるのがわかる 聞くまでも無いだろう。絶対に放すんじゃねえぞ、と俺も目配せをした 「しかし、俺たちはどうすればいいんだ? この体勢から夏樹ちゃん組み伏せるのは難しいぞ」 「お前それでも警察官か。そういった訓練はしなかったのか?」 「フケた」 「この不良警官」 軽口を叩きながらも、俺たちは手の力はまったく緩めていない ナツがあまり喋らないのは、今もなおナイフを握る右手に全力を込めているからだ 「死のうよ。そうすればわたしたちは離れずにいられるんだよ? 誰にも邪魔されないよ? 家族になれるんだよ」 「いや、そのりくつはおかしい、ぞっ!!」 そう言いながら、俺はナイフを掴んだ もちろん刃を握らないように頑張るが、手のひらに深い切り傷ができるのがわかる それでも、ナイフを床に落とすことができた それにタイミングを合わせるように、ギンがナツの両手を掴み、後ろ手に手錠をかける 「逮捕!」 「完了! ………痛ってぇ」 「…………」 ナツをその場に転がしハイタッチ、をすると手のひらに激痛が走る こうなってはもっと暴れるかと思ったが、思いもかけずナツは殊勝な態度だった 殊勝というよりは、ショックで放心していた、と言ったほうが正しいかもしれないが 443 :わたしをはなさないで 最終話:2010/12/30(木) 01 53 03 ID g1YFg6Ak 「俺はこれから、夏樹ちゃんを両親のところに連れて行く」 俺とナツの手錠を外してから(なんと部屋にあった針金一本で)、ギンはそんなことを言った 「えっ? 急だな」 「留置所や交番に泊めるなら事情を説明しなきゃならん。それはお前も本意じゃないだろ?」 「………まぁ、な。でもいきなり両親のところになんて……せめて明日とか」 「じゃあ、ここにもう一晩泊めてあげるか?」 「ごめんこうむる」 「………ひどいよ、フミ」 泣きそうな声も、今だけは何の罪悪感も無く聞き流せる なんせこっちは命がけ。この若い身空で心中なんてまっぴらごめんだ 「夏樹ちゃん。それでいいな?」 「…やだ」 「でもな、それ以外じゃ俺はフミと君とのことをこれ以上隠してはおけない。そうすれば、君の大好きなフミは牢屋に入れられちゃうぞ」 「…………どうして? どうしてわたしはいちゃ駄目なの? 今までと同じように、一緒にいたいのに」 「……なんでだ、フミ?」 「お前は分かれよ。ナツは俺に依存しちまってるんだ。それを恋と勘違いしてる。だから、離れたほうがいいんだ」 「分かるような、分からんような」 「ぜんっぜんわかんないよ! 私は勘違いなんかしてないもん!」 勘違いしてるなんて、自分じゃ分かるわけないだろうに しかしものすごく急な話になっちまったが、両親の元に返してもらえるなら頼んでもお願いしたい そう思い、俺は二人に背を向けて、下を向いた 「ナツ、もう会うことも無いかもしれないけど、じゃあな」 「嘘……だよね? フミはわたしのこと離さないよね? お願いだから、わたしを捨てないで……」 「ごめん。こんなことになっちゃ、俺はもう無理だ。………ギン、頼む。ナツの私物は明日お前の交番に郵送する」 「あ、ああ」 「いやだ! わたしはフミといるんだ! パパとママのとこになんて行かない!」 「でも、ここにはもうナツの居場所は無い」 イエサダやイエシゲたちも顔を伏せて、極力ナツを見ないようにしてる あの我関せずがモットーのイエツナも、そっぽを向いたまま動かない 俺も、ナツの顔は見ない 泣きそうな顔を見たら、もしかしたら、引き止めてしまうかもしれないから 「……なんで? 会いにきてもいいって、言ってたのに………」 「ああ。ナツがこんなことをしなくなったら、な。……ギン、行ってくれ」 そう言うと、俺は顔を畳にこすり付けるほどに伏せ、耳を両手で思い切りふさいだ 左耳に血のぬるりとした感触が来るが、無視してただひたすらに外部の音を遮断する ほんのわずか、悲鳴のような泣き声が耳に届くが、必死で聞こえないふりをした 444 :わたしをはなさないで 最終話:2010/12/30(木) 01 53 30 ID g1YFg6Ak それからろくに話したこともないアパートの住人達からの質問攻めにあい、解放されたのは0時過ぎだった 姪との関係が悪化し、家出していたナツを警察に見つけてもらい、今両親の元に送った どうも無理がある話だが、うまくごまかせていればいいんだがなぁ 「遅くなったな。みんな、ご飯だぞ」 「「「ニャー」」」 「「ワン」」 「………」 キャットフード、ドッグフード、亀の餌を出しただけの簡単な飯だが、みんながっつくように食べる ああ、そういや今日、みんななんにも食べてなかったっけ 「ごめんな。俺もいっぱいいっぱいでな」 いいわけにもなってないが一応詫びておく さて、俺はこれからナツの荷物をまとめなきゃならん 今日の朝一に出さなきゃ、ナツもかわいそうだしな 女の子の荷物を漁るってことに若干の抵抗は感じるが、緊急事態だということで勘弁してもらおう え~と、服。下着。財布。本。子供っぽいアクセサリー。宝の箱。 ………宝の箱? 冗談じゃなく本当に、綺麗な小物入れみたいな缶にそう書かれてる 「…………緊急事態ゆえ、致し方なし」 自分を無理矢理に納得させて缶を開ける そして、即座に開けなきゃよかったと後悔した 中に入ってた物はみんな俺がなくしてたと思ってた物 俺のボールペン。俺のアクセサリー。俺の刃ブラシ。果てや俺の下着や(たぶん)俺の使用済みティッシュまで入っていた。 ……そんな鮮明に覚えてるわけじゃないが、このボールペンは少なくとも一昨年なくした物 そんな頃から、ナツはあんな鬱屈した想いを隠して抱えてたのか? そう思うと背筋に薄ら寒いものが走る 早いところ荷物を片付けて送ってしまおう そんですぐに新しい入居先を探そう。引っ越しだ この場所にいれば、隙を見つけてまたナツが来ちまう 俺は怖い。いままで中のいい家族だった女の子が、急に怪物にしか思えなくなってしまった 逃げなきゃ 逃げなきゃ俺は飼われるか、悪くすれば殺される 一刻も早くこの家から離れなきゃならない ペットOKのアパートが、すぐに見つかるといいんだが 445 :わたしをはなさないで 最終話:2010/12/30(木) 01 56 18 ID g1YFg6Ak それから一週間 ギンのメールによると、ナツは両親の家に帰ったらしい それでも暫くは警察の保護観察下に置かれるみたいだ それでも俺に何のお咎めも無かったってことは、あいつが上手くごまかしてくれたんだろう 感謝感激雨あられだ 初日は両親の話も聞かずただひたすらここに帰ろうとしてたみたいだが、翌日になると落ち着きを取り戻し 今では両親とも少しずつ打ち解けてきているようだ それを聞いてもう一度ナツに会いに行こうかと考えたが、やっぱり俺が顔を出してもナツにとって悪影響にしかならない 俺はこのままここから消えようと思う。仕事にも復帰したし、新しい入居先も決まったしな 「おーい、明日は引っ越しだ。今度の家はもっと広くて壁が厚いぞー」 「「ワンワン!」」 「「「ニャニャニャー!」」」 俺の家族も大喜びだ 新天地に思いを馳せ、引っ越しの準備も整い、頭痛のタネも治りかけている これぞ順風満帆と言うものだ ―――そう思っていたのだ。その着信が来るまでは 「ああ、はいはいもしもし」 「…フミか?」 「どうしたギン。そんな死んだような声をして」 「………悪い知らせと酷い知らせと最悪な知らせ、どれから聞きたい」 どれからと言われても 「………悪い知らせから」 「夏樹ちゃんが消えた」 「はぁ!? どういうことだ、ナツは今警察の保護観察、つまり監視下にいるんだろ!?」 「俺が見逃した」 「お前が見張ってたのか。しかし逃がしたって、いったいどういうことだ?」 「すまん。俺がパトカーの中で大連続狩猟クエストを始めちまったばっかりに」 「てめぇ、これで俺になんかあったら一生恨むかんな」 さっき感謝した俺がバカみたいだ よりにもよって、命がけのこんなところで気を抜きやがって 「今まで、夏樹ちゃんは治る方向に傾いてる思ってたんだ。マジでスマン」 「……そうだ。ナツが家を出たからって、ここに来るとは限らんぞ。それに来たとしても、普通に会いに来るだけかも」 「ならいいんだが、そこで今度は酷い話だ」 「聞きたくもねぇ」 「だいたい一時間前に、夏樹ちゃんのお袋さんから相談を受けたんだ」 「聞きたくねぇつってんのに」 「一人で部屋に居ると壁に向かってフミという名を呟き続ける。ぬいぐるみにフミと名づけて持ち歩く 心配した親御さんがフミという名を出すと烈火のごとく怒る………まだ続けるか?」 「……心から聞きたくなかった」 順風満帆だと言ってた俺、今はどこに行っちまったんだか こうなってみるとやっぱりここから逃げ出そうとしたのは正解だった。そうなってほしくなかったけれど 「今パトカーをぶっ飛ばしてお前の家に向かってる。こっからならあと30分くらいだ」 「車内で携帯はいけないんだぞ」 「言ってる場合か。で、最悪の知らせなんだが……」 「聞きたくない」 「夏樹ちゃんの家が、全焼した」 「…………………」 446 :わたしをはなさないで 最終話:2010/12/30(木) 01 57 12 ID g1YFg6Ak 脳が理解を拒む これまでの酷い話なんて目じゃない、文字どおり最悪の知らせだ 「……はぁ!? そ、それでどうなったんだ!? 詳しく話せ!」 「ついさっき鎮火したんだが、消防士の話によると、家の中からガソリンの匂いが充満していたらしい そして焼け跡から出てきたのは中年女性と中年男性二人分の焼死体。家はすっかり焼け落ちて捜索は容易 それでも、少女の焼死体は発見されなかった」 「そんな………」 「俺だって信じたくない。それでも状況証拠は一点を示してる。だからお前の家に急いでんだ」 「ああ。頼む。体が震えてきた。どんなに頼りないバカでもいいから早く来て欲しい」 「戸締りを厳重にしろ。俺が声をかけるまで絶対に鍵を開けるな」 「分かった。分かったから早く来てくれ」 「あと20分だ!」 とん とん そんな大声とともに着信は切られる ノックの音が、重なるように聞こえてきた 447 :わたしをはなさないで 最終話:2010/12/30(木) 01 58 17 ID g1YFg6Ak とん とん 「……………」 イエシゲたちが震えている その反応を見るだけで誰が外に居るのか分かる たしか、鍵はかかっていたはずだ とん とん 施錠を確認したいが、玄関まで行くのが怖い 怪物が俺をさらいに来た 俺はまだ死にたくない ギン、早く来てくれ ドン ドン ドアを叩く音が大きくなる いやだ。来ないでくれ、助けてくれ 逃げなきゃ そうだ、窓から出れば ドン! ドン! さらに音が大きくなる 窓が開かない そうだ、うちの窓は立て付けが悪くていっぱいには開かないんだ ちくしょう、こんな時に …………… ノックの音が消えた 諦めてくれたか? 鍵をかけておいたから入れはしない そう思ったとき、俺は最大の誤算に気が付いた ガチャ ガチャ ナツに送った荷物 女の子のものだからと宝の箱以外はほとんど見ずに送った ピンク色の、かわいらしい財布 その中には、うちの、合鍵が――― ギィ…… ドアが開く 誰がいるのかなんて、見るまでもない 押入れに飛び込もうとするが、腰が抜けて立ち上がれない 聞きなれた、無邪気な、恐ろしい、声が、声が!! 「ただいま、フミ」