約 632,118 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1611.html
※警告 おにーさんは出ません。 ※警告 読んでいるとストレスが溜まるかもしれません。 ※警告 フランちゃんうふふな内容です。 ※警告 屁みりゃ有りなので、屁が苦手な方はご注意ください。 「らんらんらんら~♪らんららんらん藍~♪」 楽しそうに歌っているこの子の名前はフランドール・スカーレット。 紅魔館の地下室に幽閉されて495年。吸血鬼レミリアの妹で強力な力を秘めている。 普段は大人しいが、キレると手がつけられない。また、人間の襲い方も知らないために手加減ができず相手を跡形も残さず吹き飛ばしてしまう。 最近では、紅魔館の中や近くまでなら外出をゆるされているらしく、今日も元気に遊びまわっている。 ある日、フランは中庭を散歩していた。 「咲夜は寄せてあげてに忙しいし、めーりんは昼寝してるし・・・つまんなーい!」 小石を蹴ると遥か彼方へ飛んでいき、青空に吸い込まれていった。 ふと中庭に視線をやると、小さな人影を見つけた。ちょうどフランと同じくらいの小さな女の子の影。 紅魔館に住んでいる小さな女の子といえば、自分以外には一人しかいない・・・。 「お姉さまッ!!」 フランはレミリアが大好きだった。ルックス、強さ、すべてにおいてカリスマを持った姉にあこがれていた。 パタパタと可愛らしい羽で、姉に近づいていく。しかし近くまできて姉の様子がいつもと違うことに気づき、そっと着地する。 「うー♪うっうー♪」 (あれ・・・?何か違う・・・)。フランは驚いた。いつもクールな姉が、わけのわからない奇声を発している。 「れっみっりゃ~は、ごーまがーんのあるじ~だっどー♪」 (・・・・・・っつ!!?なによこいつ!!!)フランは焦った。これは姉ではない! 容姿は大変レミリアに似ているが、それはレミリアではなかった。 短い手足に、下膨れしたブサイクな顔、ババくさい服に、ニタニタとした顔。見ているだけでも腹が立つ。 そのうえ、「うー!うー!」などと意味のわからない鳴き声を発しながら、尻をプリプリと振り回し、創作ダンスを披露している。 この生物は『れみりゃ』『ゆっくりゃ』などと呼ばれる、ゆっくりの希少種である。人里では見ることができないが、紅魔館の周辺にごくわずかだが生息している。 実はこれ、メイド長の咲夜さんが森で拾ってきたもので、何かと可愛がられている。 フランは外の世界を知ってから日が浅い。ゆっくりについての知識も少ないので、初めて見るれみりゃに戸惑った。 「なによコイツ・・・」 あとずさりするフラン。そのとき落ちていた木の枝を踏んでしまい、パキッ!という音を立ててしまった。 「うー?」 れみりゃがフランの存在に気づいた。 「うー!うー!ざくやー!ぷっでぃ~んもってごーい!」 フランのことを咲夜と呼び、プリンを要求する。尻を振りながらニタニタと笑う。なんというウザさ。 せっかく大好きなお姉さまに会えたと思ったのに、ブサイクなゆっくりに絡まれている。 もともと気がふれている性格のフランだ。胸の奥からフツフツと黒い感情が湧き上がる。 今までのフランなら即殺しているだろうが、最近のフランは姉との仲も良く、外で元気に遊んでいるため、これくらいはストレスは我慢できる。 「うー?なんでだまってるんだどぉー?はーやくぷっでぃんをもってぐるんだどぉーー!」 そう叫びながら少しづつフランに近寄ってくる。ヨチヨチとした歩き方で、すごくゆっくりとした動きだ。 フランの目の前まで来て止まり、上目遣いで顔を覗き込む。 (うぅ・・・近いよコイツ・・・) 不快そうに顔をしかめるフラン。 と、そのときだった。いきなりれみりゃが苦しみだした。 「うぅううーー!ぐるしいんだどぉー!ざぐやーーー!だすけでーーーー!」 よほど苦しいのか地面をゴロゴロと、のた打ち回る。何が起きているのか状況が分からないフラン。 しかし、怒っていなければ優しい女の子であるフランは、このブサイクな生物を心配する。 「ちょっとアンタ!大丈夫なの!?」 そういうと苦しんでいるれみりゃを抱きかかえる。 (この子はさっきから咲夜の名前を口にしているわ・・・とにかく咲夜に見せないと・・・。たしか咲夜は部屋で寄せて上げry・・・) 咲夜のいる部屋へ向かって走り出そうとした時にはもう、れみりゃはほとんど動かなくなっていた。。。 ぐったりとして、うぅ・・・うーー。と苦しんでいる。 (この生き物、何かの病気なのかしら・・・) そんなことを考えつつ、中庭を出て廊下に入る。しかし少し走ったところで、れみりゃは動かなくなった。 「うー・・・うぅぅ・・・ざくやー」 もしかすると動かしたりしてはいけなかったのかと思い、足を止めてれみりゃを床に寝かせようとした。そのときだった。 ぶ!ぶぅうううううう!ブリブリ!ブーーーー! ものすごい爆音と臭気!フランは意識が遠くなった。そう、れみりゃが屁をこいたのだ。 このれみりゃという品種、『屁みりゃ』という蔑称があるほどに屁がくさいのだ。そしてみるみるうちに、れみりゃの顔に笑顔が戻ってくる。 「うっう~♪でちゃったんだどぉ~☆うー!うっう~~♪すっきりしたんだどぉ~!」 どうやら、腹の中にガスが溜まって苦しんでいたらしい。中庭ならまだしも狭い廊下での突然の放屁。これはもはやバイオテロである。 突然の攻撃を受けたことでの予想外の大ダメージ、あまりの臭気により体がいうことをきかない、今度はフランの動きがゆっくりする。 「おねーざん、どうしたんだどぉー?はやぐれみりゃにぷっでぃんもってぐるどぉ?」 またもプリン。こいつの頭はどうなっているんだ。尻を振って臭気を拡散させつつ、またも醜い創作ダンスを披露する。 フランは今までの優しいフランではなくなっていた。小さく、細く、白い綺麗な手をキュッと握る。その瞬間! 「パーン!┗(^o^)┓三」 れみりゃの短い手が跡形もなく吹き飛ぶ。 「だぁあああああ!いだいんだどぉー!おまぇえええええ!ざくやにいいづけでやるぅー!!」 いくら騒いだところで、広大な紅魔館ではまったく意味をなさない。咲夜は助けにこない。 「お前・・・こっちこい・・・」 達人でも見切れぬほどの速度でフランはれみりゃの背後に回りこむ。 そう、達人でも見切れぬ速度なのだから、ゆっくりであるれみりゃにはもう何がなんだか分かったものではない。 フランはれみりゃの頭を掴む。その際に指が帽子を突き破って頭に刺さる。 「なんだどぉおおー?いだいぃい!いだいんだどぉおおー!ざくやー!おうぢがえるー!」 さすがは再生能力の高いれみりゃ種。普通のゆっくりならば、頭の皮を破られた時点で命は無いだろうに・・・。 断末魔をあげるれみりゃを引きずって、彼女は自分の部屋にもどった。 ここは495年の間暮らし続けた空間。フランのための空間。ここならば誰も邪魔しに来ることはない。 「遊んであげるよ・・・」 そういうと、フランはおもちゃ箱をもってきた。長い長い年月をフランが遊んだ人形や絵本が入っている。 「あなた・・・お名前は?」 「うー!うっうー!れみりゃだどぉー!ごーまがんのあるじだどぉー!」 紅魔館のフランは自分の姉。こんな下等な生物では決してない。そう、頭から汁を流し片腕の吹き飛んだこんな生き物では。。。。 「そう・・・じゃあれみりゃ、ご本を読んでさしあげましょう・・・」 そういって絵本を1冊手に持つと、うーうー騒いでいるれみりゃを本で思い切り殴る。 グシャッ!れみりゃの肩に絵本の角がヒットし、カエルがつぶれたような音を立てる。 「ぎゃぁああああ!れみりゃのぷりちーなぼでぃーがぁああ!なんでぞんなごとするのぉおおおお」 肩が胸まで裂けて中からドロドロしたものがでてくる。だが、その程度で希少種のれみりゃが息絶えることはない。 「うふふ・・・あらごめんなさい。手が滑ってしまったの。」 フランは羽をパタパタさせて実に楽しそうだ。羽ばたくたびに、羽の宝石がキラキラと光ってまるで天使のようだ。 「おねーぢゃん!なんでぞんなこどするのぉー!おぢついでよー。ゆっぐりしようよー!」 「嫌よ!今度はお人形さんで遊びましょう。ほら、この人形なんて可愛いでしょう?お姉さまにいただいたのよ。」 少し大きめの人形の片足を持って嬉しそうなフラン。 そう、すこし大きめの・・・ロー○ンメイデンくらいの大きさの人形を持ってゆっくり近づくフラン。 れみりゃの上半身はひどい有様だが、下半身は無傷。これまたゆっくりと逃げ回る。 低脳なれみりゃは必死で考えた。しかし自分の速度ではフランから逃げることはできない。 もう壁ごしに追い詰められて、あとがない。笑顔で人形を高く掲げるフラン。このまま振り下ろせば、れみりゃの頭はまっぷたつ。 「うふふ・・・さぁ!お人形であーーーーそーーーーぼーーーーー!!!」 そのとき!れみりゃの脳に孔明が舞い降りた!ものすごい速度で状況を分析し、最善の策を考えるれみりゃ脳。今なら孔明の声が聞こえる! (れみりゃよ・・・しゃがむんだ!) スッ!っと腰を落とすれみりゃ。れみりゃがいたはずの位置には白い壁。そこに頭から激突して砕け散る人形。 「あっ・・・・そんなぁ・・・」 まさかの打撃ミス。れみりゃごときに避けられた悔しさよりも、姉にもらった人形が壊れてしまったことで半泣きになるフラン・・・。 泣きそうなフランを見て、孔明が降臨したれみりゃ脳はゆっくりでは思いつかないような策を打ち立てる。 (れみりゃよ!ここは『いないいないうー』でフランをなぐさめるんだ!) 「うー!こうめいよー!わがったんだどぉー!」 そういうと、れみりゃは部屋の中心に急いで移動する。 「おねーぢゃん!これをみでげんきになるんだどー。いないいない・・・うーーーーーーー!!!!!」 なんというクソ芸。面白みも何もない。ただ怒りがこみ上げてくる。尻を必死で振り、満面の笑みでクソ芸を披露。 そんなものでフランの怒りが静まるわけがない。次の瞬間にはフランの投げた人形の下半身で、れみりゃの腰から下が吹き飛んだ。 「ぎゃぁああああああ!どぉじでごんなこどするのぉおおおお!こーめいー。おまえのさくせんがいげなかっだんだどぉー」 (ふはははは!クソざまぁ!おめー騙されたんだよヴァーカwwwwゆっくり死ね~) そういうと孔明は帰っていった。 「ぐぞぉおおおおお!こーめいのわなかぁああああああ!!おうぢがえるぅうー」 「あぁ・・・もううるさいっ!」 人形が壊れて半泣きのフランは、もう遊ぶとかそんな気分ではない。 小さな手をキュッっと握り、れみりゃの頭を一瞬で吹き飛ばした。 ギィイイイイイ・・・・ドォン! フランの部屋のドアが壊れんばかりの勢いで閉じられ、部屋の中は真っ暗になり、れみりゃの死骸だけが残された。 夕刻・・・・・ 「れみりゃ様~!れみりゃおぜうさまーーーー!」 咲夜さんが、あのれみりゃを探している。 「うふふ・・・知らないわ~♪そんなれみりゃ~♪」 それを眺めて無邪気に笑うフランであった。 めでたし・・・めでたし。 by 1日1フラン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3619.html
実際の出来事 ※去年の例大祭の出来事をまとめてゆっくりにしてみたよ!でもちゃんと虐待するよ! 東京ビッグサイト前、某月某日、天気は雨。 約束の時間を破り門の前まで集う愚かで煩悩だけで生きている男、あるいは女達。 スタッフの『皆さん早く来すぎです!』と言う悲鳴も、届かない。 実質ペナルティを受けるべきものなのだが、今回はなぜか助かった。 安堵する声もあるが、皆欲しい同人誌やゲームを求め、妙な緊張感が会場前を支配していた。 しかし、その戦いを前にして列に異変が起こった。 「う~、ここはれみりゃのれつだどぉ~♪ どくんだどぉ~」 一匹のゆっくりれみりあがぼろ傘を振り回して列に割り込む。前後の人間は不快そうな顔をしていが、仕方なく列を譲った。 しかし、雨が少し強くなり始め、皆がカッパを装備し始めた頃に、事件は起きた。 「うっうー♪ あめはおはだのてきだどぉ~」 れみりあが傘を広げ、それを振り回し始めたのだ。当然、列は詰まっているので周りの人に雨粒があたり、傘の骨が刺さった。 申し訳なさそうに傘を半開きにしてテントにしている人間はともかく、非常識極まりないゆっくりが、大量に列にいた。 我慢の限界に達した一人の人間が、れみりあを蹴り飛ばす。 「やめろよ! 他の人の迷惑になってる事に気づけよ馬鹿!」 思い切りれみりあを蹴飛ばし、落ちた傘を投げつける。 「いぎゃああああああ!! いだいどぉおおおおおおおお!! ざぐやあああああ!!!」 いつもどおりに悲鳴を上げて、れみりあはゆりかもめ方面へと走っていった。ちなみにその後間抜けな悲鳴の後に、一定時間運転が見合わせになった。 『はい、上海アリスさんの方面に行く方はこちらでーす!』 スタッフの誘導と共に、列が分かれていく。作者は緋想天が欲しかったのでこっち方面に並んだのだが、今回は聞いた話を頼りに、同人誌方面の話をしよう。 同人方面の列に、明らかに家族連れのゆっくりがいた。親ゆっくりれいむとちびれいむ一匹ずつ。 当初人間はこんなガキが東方知ってるのか、よもまつだな(笑)と思っていたのだが、しばらくしてそれは変わった。 「おきゃーしゃん! あのどーじんしがほしいよ!」 「まっててねちびちゃん! おかーさんがかってきてあげるからね!」 親子が向かった先、それは……18禁同人誌 明らかに場違いな生き物が列に並んでいるので、人間達は不審にそれを見ていた。 「これください!」 『あーはい、500円になります』 「わかんないからこれあげるね!」 差し出されたのは一万円、売り子さんも思わず苦笑い。同人誌即売会で注意して欲しいのは金。 相手はレジスターを持ってるわけでもないので、お札など殆ど持っていない。しかも9500円も返さなければならないので、普通なら泡を吹くレベルである。 『あのーすみません、お金崩せないので一万円は勘弁していただけませんか』 「どおしておかねはらったのにくれないの!? れいむおこるよ! ぷんぷん!」 「売り子さんに迷惑かけんじゃあねぇーぞこの東方キャラ扱いされて例大祭のブース占領してるゴミクズがァーッ!」 「ゆぎゃあああああああああ!!」 外は大雨なので投げ出されたれいむは溶け始めていた。 「ゆぎぃ! とけちゃう! どげじゃうのぉおおおおお!!」 「おきゃーしゃーん!」 母親を助けようとちびゆっくりも雨の中に特攻、速攻で死亡。 「ちびちゃんがああああああああああ!!」 親ゆっくりの悲鳴に売り子さんはぐっと親指を立て、買い手の人もそれに応えた。 ブースを巡るときは大抵右側通行になる。そうすると南と東から来る人で混雑する事もなく、スムーズに行けるからだ。 が、やっぱりその流れをぶち壊す生き物一匹。 「ゆっへっへ! まりささまのおとおりだぜ! みんなどくんだぜ!」 ゆっくりクズと呼ばれるまりさ。オリジナルの人気投票では相変わらずの人気であるが。 列の波に逆らってまりさ特攻、しかし当然踏み潰される。 「ぶぎゅっ! や、やべるんだべっ! いだっ! どぼじでえええええ! びゅぎ!」 列に逆らうとこうなる。注意する事だ。 一番酷いと聞くのがスタッフとの喧嘩。 『すみません! お客様のご迷惑になるからやめてくれませんか!?』 「うるさい ゆっくり死ね」 虐スレやらで大人気のゆっくりふらん、最初はうーうーしか言えなかったくせに今やクールキャラとして大人気である。 話を戻すがこのふらん、列の真ん中でウマウマダンスとか呼ばれる踊りをしたため、回りに被害がでた。ちなみにダンスをすると肘が当たる、ダメージは無いのだが、相当な不快感を覚える。 『あのですね、混雑している中でダンスされると体がぶつかって皆さん迷惑するんですよ、やめていただけませんか?』 柔らかな物腰で語りかけるスタッフマジイケメン。 しかしふらんはぷいとそっぽを向いて一言。 「ゆっくりしね」 『なぁああああああああにがゆっくりしねじゃこのかわいこぶってチル裏・スレから人気になりやがっていじめにくくなりやがってこの野郎ォオオオオオオオオオッ!!!』 ついにキレたスタッフさん(実際はちゃんと対応してます)。 ふらんの頭を掴み、地面に叩きつける。 「うがー! ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 起こってじたばたと足を動かすが人間にかなわない。 『かわいこぶっておめーだけいっつも虐待されないのにいつもむかついてたんだよ! とくにれみりあと組まされた時とかな!』 「しね! しね!」 『なぁんでおめーが虐待する側になってんだよぉ! 謝れ!原作フランちゃんに謝れ! フランちゃんマジかわいいほお擦りしたいうふふ!』 スタッフさんはそのまま走り出した。当然顔をこすりつけられているのでふらんはどんどん磨り減っていく。 そのまま会場外へと連れて行かれた。 「まったく! いなかものばっかりね!」 「そうだぜ ありすのほうがとかいてきでゆっくりしてるぜ」 ありすとまりさのつがいが列にならぶ。二匹は知らないがそのサークルはそこそこ有名で、二匹の後ろに長蛇の列が出来ていた。 が、二匹立ち読みしただけで立ち去る。買い手ぶちぎれ。 「てめぇらぁああああああ!! 何しにここ来てるんだよぉ!」 「いなかもののどーじんしってものをみにきたのよ!」 「まりささまにみてもらえるんだけありがたくおもうんだぜ!」 売り子買い手総立ち、アンド凧殴り。 興味本位で列に並ばない事だ、血を見る事になるぜ……。 「ゆぎゃああああああ!! なにずるのおおおおおお!!」 「うるせぇレイパー野郎! てめーも虐待のオチにされてんじゃねーぞ! もうちょっといじめられろ! 悪い事したまりさがお仕置きされてレイプしたお前が許されるなんてありえねーだろ百回死ね!」 販売用の机の脚にありすの口を突っ込み、机を思い切り引っ張る。 「んぎょおおおおおお!!!」 引っ張られる力によりありすの顔面が徐々に引き千切れて言った。 「ありずううううう! んぎゃっ!」 まりさは結局ボコ殴りにされて死んだ。餡子(笑)。 帰りの電車の中。 「ゆふ~ん、いっぱいどーじんしかっちゃったよ!」 紙袋を咥えて満足そうな笑顔のれいむ。奇跡的にこいつは死ななかったようだ。 だが、現実はそう甘くない。 「うわぁ、なにあれオタク? ちょーきも(ワラ」 「萌え~って奴? まじきもいんですけどwwwwwwwwww」 「どおじてみんなれいむみでわらうのおおおおおおおおおおお!!!!????」 紙袋はちゃんとしまいましょう。 あとがき 最後の帰りの電車は私の友人の話。 これはコミケの時の話だったんだがどのイベントでも言える事なので。 紙袋はちゃんとしまいましょう。 人の目はちゃんと気にしましょう。 これ書いた奴:神社バイト 過去に書いた作品は忘れたからもうかかね
https://w.atwiki.jp/yukkurigyakutai2ch/pages/13.html
半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 最新追加作品はこのページにあります。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 ゆっくりいじめ系 ゆっくりについて ゆっくり加工場系 霊夢×ゆっくり系 魔理沙×ゆっくり系・森近霖之助×ゆっくり系 アリス×ゆっくり系 紅魔館×ゆっくり系 レミリア×ゆっくり系・小悪魔×ゆっくり系 美鈴×ゆっくり系 白玉楼×ゆっくり系・幽々子×ゆっくり系 紫×ゆっくり系・藍×ゆっくり系 永遠亭×ゆっくり系 永琳×ゆっくり系 てゐ×ゆっくり系・鈴仙×ゆっくり系・輝夜×ゆっくり系 慧音×ゆっくり系・妹紅×ゆっくり系 幽香×ゆっくり系 映姫×ゆっくり系・メディスン×ゆっくり系 阿求×ゆっくり系 にとり×ゆっくり系・射命丸×ゆっくり系・萃香×ゆっくり系 チルノ×ゆっくり系・レティ×ゆっくり系 ルーミア×ゆっくり系・ミスティア×ゆっくり系 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系・衣玖×ゆっくり系 パルスィ×ゆっくり系 ゆっくりれみりゃ系いじめ ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系・ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系 ゆっくりフラン系いじめ ゆっくりパチュリー系・ゆっくりれーせん系・きめぇ丸系 ゆっくり静葉系・ゆっくりてんこ系・ゆっくりすいか系 その他 ゆっくりいじめ系ログ置き場 虐めSS・ジャンルものログ置き場 ゆっくりいじめ系 汎用カテゴリ。 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2500 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりについて ゆっくりについて そ ゆっくりについて2 そ ゆっくりについて3 ゆっくり求聞史紀そ ゆっくり加工場系 ゆっくり加工場系21以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 ゆっくり加工場系22 ゆっくり達の生涯 『加工場脱出編』(前編)虐家機 ゆっくり加工場系23 ゆっくり達の生涯 『加工場脱出編』(中編)虐性機料 ゆっくり加工場系24 ゆっくり達の生涯『加工場脱出編』 (後編)虐環機 ゆっくり加工場系25 ゆっくり農園そ環無 ゆっくり加工場系26 【加工場の一室で】虐家機無 霊夢×ゆっくり系 霊夢×ゆっくり系17以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 「霊夢×ゆっくり系18は作者さんからの要請により削除しました。by管理人」 霊夢×ゆっくり系19 ゆっくりゃの親子制 霊夢×ゆっくり系20 ドスまりさの真実制 霊夢×ゆっくり系21 体付きとの違い虐捕 霊夢×ゆっくり系22 どすまりさの失敗 魔理沙×ゆっくり系・森近霖之助×ゆっくり系 魔理沙×ゆっくり系1 ゆっくりいじりそ 魔理沙×ゆっくり系2 普通の饅頭と普通の魔法使い虐そ 魔理沙×ゆっくり系3 ゆっくりときのこ虐家薬 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 アリス×ゆっくり系 アリス×ゆっくり系12以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 「アリス×ゆっくり系13および14と15は作者さん要請により削りました。by管理人」 アリス×ゆっくり系16 アリスのゆっくり水爆弾 制 家 「アリス×ゆっくり系17は作者さんからの要請により削除しました。by管理人」 アリス×ゆっくり系18 昔話「ゆっくりありす 紅魔館×ゆっくり系 紅魔館×ゆっくり系16以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 紅魔館×ゆっくり系17 ゆっくり誕生秘話3 紅魔館×ゆっくり系18 ゆっくり誕生秘話4 紅魔館×ゆっくり系19 加虐性虐 紅魔館×ゆっくり系20 ゆっくりはまさに世紀末 紅魔館×ゆっくり系21 1-1 レミリア×ゆっくり系・小悪魔×ゆっくり系 レミリア×ゆっくり系1 レミリアと森のゆっくり 中編_1虐性薬捕 レミリア×ゆっくり系2 レミリアと森のゆっくり 中編_2虐性薬捕 レミリア×ゆっくり系3 レミリアと森のゆっくり_後編その1_18禁エロ※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ レミリア×ゆっくり系4 レミリアと森のゆっくり_後編その2_1虐性捕 レミリア×ゆっくり系5 レミリアと森のゆっくり_後編その2_2虐性捕 小悪魔×ゆっくり系1 素敵な史書さん2虐料 小悪魔×ゆっくり系2 ある村の冬の風物詩虐家 小悪魔×ゆっくり系3 ゆっくりぱちゅりぃ制 小悪魔×ゆっくり系4 紫饅頭にクイズ出せば自滅してくれる制 小悪魔×ゆっくり系5 パティシエールな小悪魔 小悪魔×ゆっくり系6 パティシエールな小悪魔2 美鈴×ゆっくり系 美鈴×ゆっくり系15以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 美鈴×ゆっくり系16 美鈴と森のゆっくり_後編_全年齢_2虐制性 美鈴×ゆっくり系17 めーりんと美鈴虐制性 美鈴×ゆっくり系18 レミリアと森のゆっくり_前編※年齢制限内容を含むため、本文は外部ページ 美鈴×ゆっくり系19 ゆっくりめいりんの恩義_前制 美鈴×ゆっくり系20 ゆっくりめいりんの恩義_後 白玉楼×ゆっくり系・幽々子×ゆっくり系 白玉楼×ゆっくり系1 ゆっくりみょんいじめ 制 白玉楼×ゆっくり系2 月見ゆっくり制性料 白玉楼×ゆっくり系3 ゆっくり弾幕虐 白玉楼×ゆっくり系4 妖夢とみょん 白玉楼×ゆっくり系5 みょんとの出会い 制 幽々子×ゆっくり系1 死を操る程度の能力虐 紫×ゆっくり系・藍×ゆっくり系 紫×ゆっくり系1 ゆかりんとゆっくり虐家性 紫×ゆっくり系2 都会のアリスそ 藍×ゆっくり系1 ゆっくりマスター虐そ共 永遠亭×ゆっくり系 永遠亭×ゆっくり系5以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 永遠亭×ゆっくり系6 ゆっくり夫婦の出産-1虐家性共 永遠亭×ゆっくり系7 ゆっくり夫婦の出産-2虐家性共 永遠亭×ゆっくり系8 ずっといっしょ虐制捕性 永遠亭×ゆっくり系9 ちょいワルマタニティー(笑)虐制薬家 永遠亭×ゆっくり系10 仲違虐家 永琳×ゆっくり系 永琳×ゆっくり系21以前は虐めSS・ジャンルものにあります。 永琳×ゆっくり系22 はじめ虐環 永琳×ゆっくり系23 怖い制薬 永琳×ゆっくり系24 ゆっくりアリス最後の日制薬 永琳×ゆっくり系25 人間になりたいれいむ虐環 永琳×ゆっくり系26 ゆっくリアン てゐ×ゆっくり系・鈴仙×ゆっくり系・輝夜×ゆっくり系 てゐ×ゆっくりれーせん系1 制 てゐ×ゆっくり系2 崩壊と嘘虐環共 てゐ×ゆっくり系3 遊ぶ虐環 てゐ×ゆっくり系4 楽園実験虐環 てゐ×ゆっくり系5 酷い暇つぶし虐家 鈴仙×ゆっくり系1 箸休め虐環薬 鈴仙×ゆっくり系2 うどんげのゆっくり実験虐家共 鈴仙×ゆっくり系3 うどんげのゆっくり実験2虐共捕 鈴仙×ゆっくり系4 うどんげ実験3虐 輝夜×ゆっくり系1 ゆっくりとした午後 虐 輝夜×ゆっくり系2 輝夜の暇つぶし虐環機 輝夜×ゆっくり系3 闊歩虐 輝夜×ゆっくり系4 気まぐれの暇つぶし 慧音×ゆっくり系・妹紅×ゆっくり系 以前のものは虐めSS・ジャンルものにあります。 慧音×ゆっくり系5 ゆっくり奇々怪々(上) 慧音×ゆっくり系6 ゆっくり奇々怪々(中) 慧音×ゆっくり系7 ゆっくろっく (上) 慧音×ゆっくり系8 ゆっくろっく(下) 慧音×ゆっくり系9 ゆっくり奇々怪々(下)制 妹紅×ゆっくり系5 人食いゆっくり_前虐家 妹紅×ゆっくり系6 人食いゆっくり_後虐家 妹紅×ゆっくり系7 妹紅とゆでたまご虐家 妹紅×ゆっくり系8 もこたんvsドスまりさ制 妹紅×ゆっくり系9 妹紅と虐性家 幽香×ゆっくり系 以前のものは虐めSS・ジャンルものにあります。 幽香×ゆっくり系7 ゆっくり後悔し続けてね!制 幽香×ゆっくり系8 ゆっくりメーリン2制 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2制共 幽香×ゆっくり系10 ゆっくり植えていくね!そ 幽香×ゆっくり系11 ゆうかりんfA・大量虐殺ルートそ 映姫×ゆっくり系・メディスン×ゆっくり系 映姫×ゆっくり系1 ゆっくり輪廻転生していってね! 制 映姫×ゆっくり系2 ゆっくりの罪制そ 映姫×ゆっくり系3 地獄で苦しめ制環 メディスン×ゆっくり系1 風下注意制環 メディスン×ゆっくり系2 風上に立つ虐薬 阿求×ゆっくり系 以前のものは虐めSS・ジャンルものにあります。 阿求×ゆっくり系10 ゆっくりごーまがん虐 阿求×ゆっくり系11 ゆっくりと焼きましょ虐家 阿求×ゆっくり系12 鋼の糸 阿求×ゆっくり系13 マイクロ要塞 阿求×ゆっくり系14 虐待王AQN. にとり×ゆっくり系・射命丸×ゆっくり系・萃香×ゆっくり系 以前のものは虐めSS・ジャンルものにあります。 にとり×ゆっくり系7 ゆっくりロケットに乗る にとり×ゆっくり系8 ドスの卵 にとり×ゆっくり系9 火遊び にとり×ゆっくり系10 YUSIN にとり×ゆっくり系11 ほぺミキ 射命丸×ゆっくり系1 カラス虐家 萃香×ゆっくり系1 子鬼とゆっくり 制 チルノ×ゆっくり系・レティ×ゆっくり系 チルノ×ゆっくり系1 虐 道 チルノ×ゆっくり系2 大ちゃんの想い 虐 チルノ×ゆっくり系3 妖精たちとゆっくり 虐家 チルノ×ゆっくり系4 妖精と遊ぼう 虐 チルノ×ゆっくり系5 歌うのをやめないで 虐 チルノ×ゆっくり系6 ハードチルノ制そ チルノ×ゆっくり系7 チルノ助けるそ家 レティ×ゆっくり系1 レティさん家でゆっくり 制 レティ×ゆっくり系2 挽歌虐そ ルーミア×ゆっくり系・ミスティア×ゆっくり系 ルーミア×ゆっくり系1 ルーミアとゆっくり虐家捕 ミスティア×ゆっくり系1 ゆっくりいじめ鰻篇 前編 制 ミスティア×ゆっくり系2 ゆっくりいじめ鰻篇 後編 制 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系・衣玖×ゆっくり系 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系1そ性 プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系2 花見ライブin白玉楼そ プリズムリバー三姉妹×ゆっくり系3 【プリズムリバーのトランペット吹き】制 衣玖×ゆっくり系1 衣玖さんとゆっくり 虐 そ 衣玖×ゆっくり系2 ゆっくりてんこ大虐殺虐家捕 パルスィ×ゆっくり系 パルスィ×ゆっくり系1 秘目 ゆっくりれみりゃ系いじめ 以前のものは虐めSS・ジャンルものにあります。 ゆっくりれみりゃ系いじめ60 ブログの女王 ゆっくりれみりゃ系いじめ61 れみ☆りゃ☆ぎゅー☆ ゆっくりれみりゃ系いじめ62 れみりゃをむーしゃむしゃー ゆっくりれみりゃ系いじめ63 帽子のないれみりゃ ゆっくりれみりゃ系いじめ64 サンタクロース ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系・ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系1 ゆくりれみりゃとフラン 虐 制 共 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系2 ゆっくりフラン 虐 捕 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系3 れみりゃのトモダチ奮闘記 そ捕共 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系4 スクうーター ゆっくり×ゆっくりれみりゃ系1 こわいこわい 虐 制 捕 ゆっくりフラン系いじめ ゆっくりフラン系いじめ1 ここほれ うっうー! ゆっくりパチュリー系・ゆっくりれーせん系・きめぇ丸系 ゆっくりパチュリー系いじめ1 ゆちゅりーいじめ虐 ゆっくりパチュリー系いじめ2 あるゆちゅりーの生涯虐捕家 ゆっくりパチュリー系いじめ3 ぱちゅりー ゆっくりれーせん系いじめ1 DXトラップ きめぇ丸いじめ系1 お1ついかが? ゆっくり静葉系・ゆっくりてんこ系・ゆっくりすいか系 ゆっくり静葉系いじめ1 静かな毎日 ゆっくりてんこ系いじめ1 愛憎のゆっくりてんこ ゆっくりてんこ系いじめ2 てんこを虐待してみた虐無 ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか その他 以前のものは虐めSS・ジャンルものにあります。 その他 オーバーテクノロジー その他 ゆっくりの習性を利用してみた その他 スィーまりさ 1 その他 スィーまりさ 2 ゆっくりいじめ系ログ置き場 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2500 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 現在追加中 虐めSS・ジャンルものログ置き場 虐めSS・ジャンルもの 現在追加中
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3866.html
『みにくいれみりゃのこ』 16KB 虐待 制裁 自業自得 差別・格差 妊娠 追放 捕食種 自然界 現代 独自設定 二作目です。虐待自体は薄目です。 ※独自設定ありです苦手な方はご注意を れみりゃの一人称はコロコロ変わりますが、そういうものと思ってください。 作中で言及されるれみりゃとは、基本的に胴付きのことです。胴無しとは別生命とお考えください。 ゆっくりのセリフに読みづらい箇所がありますが、ご容赦ください。 ある森の中に、一匹の胴付きれみりゃが暮らしていました。 そこは人間が訪れることもほとんどなく、危険な野生動物もふらんもいません。 れみりゃもそんな環境で、思う存分ゆっくりと暮らしていました。 「すてきなおぜうさまは~、せかいじゅうからあいされてるんだど~☆」 そんなことを本気で言い切っています。 「でも~、ぷっでぃ~んをだ~れももってこないんだど~!めしつかいのしつけがなってないど~!」 おやおや、世界中が自分の召使いだと思っているようです。 こんな性格から、人間からの好感度は最悪なれみりゃ。そんなれみりゃにある変化が訪れました…。 -みにくいれみりゃのこ- 能天気なれみりゃ、今日も今日とて【かりすまだんす☆(自称)】を踊っています。 「うっうー☆うあ☆うあ!せぷ☆てっ☆ど~!にっぱ~☆」 もたもたぼてぼて、体を振り回しています。本物のダンサーに見せたら怒り心頭でしょう。 「う~、きょうもいちだんとかりすまにみがきがかかったんだどぅー!」 「うあ?なんだかぽんぽんがすこしくるちぃど~?」 お腹の違和感に気づいたようです。食べすぎて肥えたのでしょうか? 「うっ!そういえばむかし、みゃんみゃ~がいってたど!れみぃをうむまえぽんぽんがいたかったって!」 「う~!きっとれみりゃにもあがぢゃんがいるんだど~!」 どうやらにんっしん!したようです。 「う~!うれちぃんだど~!たのしみなんだど~!!」 とても嬉しそうです。れみりゃにも母性があるのでしょうか。 「これでりっぱなれでぃ☆なんだど~!もっとかりすまになって、みんなにじまんできるんだど~!」 ……どうやら赤ちゃんは自分の為に生まれると思っているようです。(他のゆっくりも大差はないけれど…) しかし1人で暮らしてすっきりー!もしていないのに、どうしてにんっしん!したのでしょう。 れみりゃはプライドが高くわがままなため、他のれみりゃとの助け合いなど考えません。 それに普通のゆっくりに比べ数は少ないけれど、力は強いため、群れを作ることもありません。 ゲスのように他のれみりゃを利用するほどおつむの回転も良くありません。 そのうえ大半のゆっくりをご飯と思っているため番もいません。 結果、れみりゃはすっきりー!に頼らない繁殖方法を得ました。 それはいっぱいいっぱいゆっくりすることです。 れみりゃは幸せを感じるほど、自分のカリスマが高まっていくように感じます。 そんなカリスマな自分にはかわいい赤ちゃんができるべきだ、と本能的に思います。 すると、ゆっくりの思い込みパワーにより本当ににんっしん!してしまうのです。 人間・ふらん・一部の希少種に会わない限り好き勝手にできるれみりゃならではの能力です。 そのようにしてにんっしん!したれみりゃはと言えば… 「うー!あがぢゃんがおおきくなったらうごけないんだどー!いまのうちにあまあまをたくさんつかまえるんだど~!」 なんと、ゆっくり界随一のおバカのれみりゃがご飯の貯蔵を思い付きました。 番のいないれみりゃには、ご飯を採ってきてくれる相手はいません。 にんっしんっ!したことで、ぷっでぃ~ん!脳も、少しはまともになったのでしょうか。 「おぜうさまは~、かしこいからぁ~、あまあまを~、あちゅめるんだど~!さすがだど~!」 こんなときも自分をほめることを忘れません。 「こんなときにいないなんて、やくたたずなめしつかいだど!おせっきょうしてやるんだど!」 見たこともない召使いへのお叱りも欠かしません。 「うああ゛ぁぁあ゛あ゛あ゛あぁぁっぁああ!!!でびぢゃだぁぁぁぁ!!!」 「どぼぢでいるのよぉおおおぉおお!!!とかいはじゃないわああああああ!」 「わぎゃらにゃいよぉぉおおおぉ!らんしゃみゃああああああ!!!」 「むっぎゅううぅぅうぅうう!! エレエレエレエレ……」 「まりささまだけはいきのこるんだぜ!ほかにやつらはゆっくりたb おそらをとんでるみたい!」 さっそくご飯集めです。単身群れにカチコミです。 「あまあまは~、れみりゃにたべられるためにあるんだど~!」 「だから~、おとなしくたべられてねぇ~ん!」 目に映るご飯を手当たり次第に捕まえては永遠にゆっくりさせます。 「ちっちゃいあまあまは~、じぶんへのごほうびにたべちゃうんだど~!」 保存のきかない赤ゆっくりはすぐに食べちゃいます。 しばらくたつと、もう動くご飯は見えません。 「う~!れみぃったら、かりもたつじんきゅうなんだど~!み~んなつかまえちゃったど!」 本当は半分以上逃がしているのですが、れみりゃが気付けるはずがありません。 それに本当の達人は、味の鮮度が落ちぬよう生かさず殺さず捕まえます。 「さっそくこーまかんにもってかえるんんだど~」 ご飯を両手に抱え、えっちらおっちら歩いていきます。 重い体にたくさんのご飯。空を飛べるわけがありません。 なんとか住処のほら穴に着いたれみりゃ。ドサドサご飯を地面に落としました。 「う~!もっとたくさんとってくるど!」 と、自慢のこーまかんを離れるれみりゃ。他の群れを探しに行きます。生態系の破壊もなんのその! その後もいくつも群れを荒らして、たくさんのご飯を手に入れました。 「う~。これでしばらくだいじょうぶなんだど~!」 どうやらもう、赤ちゃんが生まれるまでこーまかんに籠って暮らすようです。 あれから一週間後、れみりゃはしゅっさんっ!真っ只中です。 「う゛ぅぅぅぅう~~~!!くるちぃど~!いちゃいどぉ~!!」 さすがのカリスマ(笑)おぜうさまもしゅっさんっ!は苦しいようです。 「ざぐやぁ~~!はやぐなんどがずるんだど~!ぽんぽん…いぢゃいど~!!」 れみりゃはさくやを呼びつけます。絶対来るはずないのにね。 「あがぢゃんはばやぐうばれるんだど~!!おそずぎるど~~!」 とうとうお腹の赤ちゃんにまで文句を言い始めました。そんなことを言っても生まれてきません。 「う゛う゛ぅぅううう~~!うあ゛ぁああぁ~~!う゛っ!!」 長い長い格闘のすえ、ついに赤ちゃんが生まれました。 「みゃんみゃ~、れみりゃだぢょ~!」 「う゛~~!!あがぢゃんれびぃにぞっくりでがわいいど~!」 やっぱり自分にそっくりな赤ちゃんはかわいいみたいです。 「うぁっ!?まだうばれるど!?」 おやおや2匹目がいたようです。 「う゛あ゛っ!!」 今度はすぐに生まれました。 「おきゃ~しゃん!あみゃあみゃほちいぢょ~!」 「う~~…ぷりち~なあがぢゃんふたりもいるど~!!」 2匹目にも大喜び。苦しかったけど笑顔です。 「う゛ぅ!?まだいるのがど!?も゛ういらないど!?」 酷いことを言います。 「うっぎゃあ゛あああぁぁぁあぁぁ!!!」 とっても痛くて叫んでしまいます。 「う~…もういないんだど…ゆっくりするんだど…。」 少し休んで大分落ち着いたれみりゃ。3匹目の赤ちゃんを見ようとします。 「きっとこんどのあがぢゃんもかわいいんだど~!おちびちゃんがた~くさん!かりすまなんだど~!!」 さっきの苦痛もどこへやら、もうすっかり元気です。 「み゛ゃんみ゛ゃぁ~!ゆっくぢじでいっでなど~!」 「うあ゛???」 そこにいたのは自分とは似ても似つかない(と思っている)目と口が異常に離れた赤ちゃんでした…。 「うぅぅうう~~…、ぶちゃいくなおちびちゃんなんだど…」 れみりゃもぶさいくですが、それを遥かに凌ぐぶさいくさです。 「みゃんみゃ~!おなががずいだんだど~!」 声もガラガラ、ぶさいくれみりゃが母親に近づきます。 「ふん゛っ!!」 なんと生まれたて自分の子どもを本気で突き飛ばしました。 「おまえみたいなぶちゃいく!かりすまなおぜうさまのおちびちゃんにふさわしくないど!なれなれしいど!!」 「う゛…うあ…」 自分の子どもを否定してしまいました。 「みゃんみゃ~、どうちたの~?」 「おにゃかしゅいたんだど~! う?しょこのぶちゃいくなのにゃ~に?」 他の子どももよちよちやってきました。 「う~!なんでもないど~!ちょっとれみぃはでかけてくるからおちびちゃんたちはこのあまあまをたべてまってるんだど!」 れみりゃはあのぶさいくな子どもを抱えてこーまかんから出ていきます。 「み゛ゃんみ゛ゃ~!どうぢでおそどにいぐにょ~?でびりゃもあみゃあみゃたべだいど~!」 無視してれみりゃはこーまかんから離れていきます。 こーまかんが見えなくなってきた頃… 「こんなみにくいこはおぜうさまのこどもじゃないど!ぶちゃいくながきはポォ~イ!だど~!」 笑顔で自分の子どもを捨てるれみりゃ。罪悪感はないようです。 「みゃんみゃー!!みゃんみゃーーー… みゃ…ん…みゃ…。」 急いでそこから離れるれみりゃ。変な子が居なくなって清々しい気分です。 「う~!おぢびぢゃんたちおまたせなんだど~!ままがかえってきたんだど~!」 叫ぶれみりゃ。すっかり捨てた子どものことは考えていません。 しかし、声はかえってきません。産まれたばかり赤ちゃんは、さわがしいはずです。 「う~…」 「おぢびちゃん!?どこにいるんだど?こっちにくるんだど!」 聞こえた声にほっと一安心したれみりゃ。おちびちゃんを呼びつけます。 「う~…しね!!」 なんと、怖~い怖~いゆっくりふらんが陰から姿を現しました。した。しかも体がついています。 「どぼじてふらんがいるんだどぉおぉおおおお!?」 さすがのれみりゃも大慌て。この森にはめったにいないふらん、それも胴付きです。 ふと、ふらんの足元に目が行きました。するとそこにあったのは…。 「お、お、おおおおおお、おぢびぢゃん゛んんんん!?どぼじでちんじゃっでるんだどぅ~~~!!!」 2匹の赤ちゃんの無残な姿でした。 頭は半分無く、首から下はズタズタです。 「おぢびぢゃんがじんじゃったど~~…!ごれじゃありっぱなれでぃじゃないど!かりずまになれないど~~~~……。」 かりすま溢れるゆん生計画が台無しになったれみりゃ。その後ろから…。 「やあれみりゃ、ゆっくりしてないね!」 「あ、おにーさん!」 1人の男性が声をかけてきました。どうやらふらんの飼い主のようです。 「う゛ぅぅぅうう~~!めしづがい!おぞずぎるんだど~!おぜうさまのあがぢゃんしんじゃっだんだど~!」 どうやら事態は理解できていないご様子。 「ばやぐあのぶれいもののぶらんをぜいっざい!ずるんだど~!!そのあどおまえもぜいっざい!だど!」 男性に命令するれみりゃ。それに対して男は…。 「ねえ、君はじぶんのおちびちゃんを捨ててたんだよね?」 「うあ゛!?」 どうしてどうしてこっそりいったのに…。男の言葉にれみりゃはうろたえます。 れみりゃもさすがに子捨ては悪いことだと知っていたようです。でもかりすまだからばれないと思っていたのです。 実は彼は出産直前かられみりゃを見ています。 その後れみりゃが子どもを捨てに行ったのを見送り、ふらんと共に待ち伏せしていたのでした。 子捨て自体は彼にとってどうでもよく、単なる虐待の口実に過ぎないのですが…。 「ヒャア!子を捨てるゲスれみりゃは虐待だぁ!!赤ん坊に罪はねぇ!ふらんのおもちゃとして死なせてやったぜ!!感謝しな!!」 「うー!しね!ゆっくりしね!げすはしね!」 本性を現した虐待お兄さんとふらんが声を上げます。 「うあぁ・・・!ざぐやぁあああああああ!!!おだぢゅげぢでぇぇえぇえええぇぇええ!」 その後れみりゃは1か月間死ぬより苦しい虐待を受け続け、自分を醜い豚以下の存在と思い込み、絶望の末に死んでいったとさ。 めでたしめでたし 一方、幸運(?)にも捨てられたぶさいくれみりゃ。 「う~みゃんみゃ…」 慣れない足つきでよたよた森を歩いています。 ですがおうちにたどり着けはしません。 産まれてから何も食べておらず、もう体力の限界です。 大人のゆっくりに殺されるかもしれません。 「すーや…すーや…」 「うあ?」 どこかから寝息のようなものが聞こえます。 音の出どころを探してみると… 「う~!あみゃあみゃだ!」 木の穴で、数匹の赤ゆっくり達が寝ていました。どうやらお留守番中のようです。 「う~!おいちいど~!」 パクパク!と口に入れていきます。 「う~!みゃんぷくだど~!」 もうすっかり元気です。母親のことなんて忘れてしまいました。すると…。 「どぼじでれみりゃがいるんだぜ~~~!!」 「おぢびぢゃんんんん!!べんじじでぇええぇええ!」 赤ゆっくりの両親でしょう、大人のまりさとれいむが帰ってきました。 「うーー!おおきなあみゃあみゃ!」 「ゆぎゅぶりゅぐぅ…!!」 まりさはもっとゆっくりしたかったという間もなく、潰されてしまいました。 お腹いっぱい元気いっぱいのれみりゃ。もうおとなのゆっくりも怖くありません。 「ばりざああああああああああ!!!!」 れいむはもうなにがなんだかわかりません。 「う~…このあみゃあみゃはさっきのほどおいちくないんだど…」 手に付いた餡子を舐めながら言うれみりゃ。 「こっちのおおきなあみゃあみゃもいりゃにゃいからちゅぶしちゃうど~~~!」 「ゆびゃぎゅえぐでぶふぅ……!!!」 れいむも潰したれみりゃ。 「ふんじゃうんだど~!」 死んだ二匹の死体を踏みつけるれみりゃ。満腹だからもったいないとは思いません。 一瞬で苦しむことなく死ねたこの一家は幸せだったのかもしれません。 しばらくたって… 「ぎゃおーーー☆たーべちゃうぞーー!」 「「「「れみりゃだあああああああああ!!! おもにかおがきもいいいいいいいいい!!」」」」 「う~~☆しつれいなあまあまなんだど~!」 すっかり大きくなったれみりゃは、その醜い顔から森のゆっくり達に最も恐れられる存在になっていました。 あまりの醜さにふらんが逃げ去ったということもありました。 その結果れみりゃは自分がこの世で一番偉いと思い込むようになりました。 群れを作らないから、その醜さにも気づかず、自分はとってもびゅぅ~てふる!と思っています。 今では母親以上に無駄なプライドを持っています。 「う~~…。こんなところおぜうさまにはふさわしくないんだど…!」 ある朝、れみりゃは自分の住む森に不満を感じていました。 「かりすまなおぜうさまは、このしっこくのつばさでもっとおおきなせかいにはばたくんだど!!」 森を出ようというのです。 「どこかにれみりゃのためのほんとうのかりすまこーまかんがあるんだど…」 「そしてさくやとたくさんのめしつかいにぷっでぃ~んをもってこさせるんだど!!!」 れみりゃはとっても野心家です。 さあ、思い立ったが吉日。早速森を出ることにしました。 「うー☆うー☆うあ☆うあ☆」 森から出て道を歩くれみりゃ初めて見る森の外の世界にとってもご機嫌です。 すると、道のそばにお家のようなものが見えてきました。 「うーー!れみりゃのこーまかんにちがいないんだど!いそぐど!!」 れみりゃはワクワクして走り出します。 「うあ?」 するとどうでしょう。自分の為のこーまかんなのに、嫌なものがあるではないですか。 「う゛ぅぅーーーー!どうしておやしゃいがあるんだど!!」 そう、れみりゃはお野菜が大嫌いなのです。 「うー!まじゅいおやしゃいはポーイッ☆くしゃいおやしゃいはポーイっ☆だど~!!」 こーまかんの主として、邪魔なものは排除しなくてはなりません。 「いやなおやしゃいは~、こうっ!こうだどっ!!」 自慢のあんよでぐちゃぐちゃに踏み潰します。 すると…。 「おいっ!!そこの糞豚まん!!うちの売りもんに何してやがる!!!」 「うぎゅぶぅっ…!!!」 怒った男性がれみりゃを殴りつけます。 そう、ここはこーまかんではなく野菜の無人販売所なのでした。 れみりゃにとっては見たこともない立派な屋根が付いていたため勘違いしたのです。 ゆっくりに売り物の野菜を地面に叩きつけられ踏み潰され、まともなものはほとんど残っていない。 しかも食べるためですらない。男はたまったものではありません。 さらに不運なのは、まだ早朝だから野菜はまだ売れていなかったことです。被害は大きいです。 「おぜうざまになにずるんだど~~~!!ざぐやあ~~~!こいづをごろずんだど~~~!!!」 「うるっせぇ!俺が丹精込めて作った野菜を!!収入源を!!台無しにしやがって!!!」 近所ではかなり評判の彼の野菜。無人販売もなかなかの利益になるのです。 「(どぼじでおぜうさまがこんなめに!?こーまがんをおそうじしてただけなのに!!)」 理不尽を感じるれみりゃ。しかし本当に理不尽なのは意味なく野菜を潰された男性のほうです 男は怒りに任せてれみりゃの全身をサンドバッグにします。 「ゆぶっ!ぶふぅ!うげっ!おえっ!」 痛くて怖くて何が何だかわからないれみりゃ。 「うっぴぃぃぃいい!ざぐやぁああ!ごわいひどがいるぅぅううぅうう!」 とうとうさくやを呼ぼうとするれみりゃ。すると、れみりゃを殴る手が止まりました。 「う?さく…や…?」 ついにれみりゃの叫びがとどいたのか、そこには完全で瀟洒なこーまかんのメイド長さくやが……… いるわけがありません。 「う?うあ?おぜうさまのかりしゅまにきづいたの…?」 恐る恐る尋ねるれみりゃに男は…。 「このれみりゃ、なんか一段と不細工じゃないか?」 「う゛ぅっ…!!!?」 男は少し冷静になって気づきました。 ただでさえ不細工なれみりゃですがこのれみりゃはその比ではありません。 男は自分の記憶を掘り起こします。 「うー!おぜうさまはとってもびゅぅ~てふる!なんだど!ぶちゃいくじゃないど!」 たしか目口がが異常にはなれたこの不細工れみりゃは… 「そうだっ!こいつはぶさりゃだ!!!」 ぶさりゃとは… それは数年前発見されたばかりのれみりゃの亜種のことです。 なぜか胴付き以外には存在せず、ただでさえ不細工な胴付きれみりゃを遥かに超える醜さで一時話題になったのです。 けれど、ぶさりゃは醜いだけで有名になったのではありません。 味がこの上なく美味だったのです。 様々なグルメ評論家からの絶賛を受け、究極至高の肉まんの太鼓判を押されたぶさりゃ。 当然加工所は量産を試みましたが失敗。低い確率で産まれるのを待つしかないのです。 よってその値段は高騰し、一匹につき数百万は下らない最高級食材ゆっくりとなったのです。 そんなぶさりゃを目の前にした男は… 「すげぇ!超貴重食材じゃないか!こいつを売れば野菜の損益なんて大したことないぞ!!」 「う?ぶたないの?」 何が何だかわからないれみりゃですが、れみりゃを賞賛してるようです。 「う~!はんせいしたんならぷっでぃ~んをもっでくるんだど!たぁ~くさんだど!いそぐんだど!」 調子に乗ったれみりゃはここぞとばかりに命令をします。 「おぜうさまをなぐったつみはおもいど!さくやにし~から~れちゃ~うぞ~?そのあとはいっしょうどれいt 「早速加工所を呼ばなくちゃ!!」 「うあ!?」 加工所…それはゆっくりたちにとって一斉駆除と並ぶ恐怖の代名詞です。 どうやらそれはおぜうさま(笑)たるれみりゃでも例外はないみたいで…。 「うあ゛あああああああああ!かごうじょはいやなんだどぉぉおおお!!」 「ほらほら暴れんな!大事な大事な高級食材なんだからさ!」 男は満面の笑みを浮かべていました…。 その後、れみりゃは加工所で、苦痛と悲しみに満ちた最期を迎えましたとさ。 実の親からさえ見捨てられたみにくいみにくいれみりゃの正体は、美味しい美味しい高級食材だったのです。 れみりゃはその黒い翼とともに、大きな大きな市場(せかい)に羽ばたけたのでした。 ―完― あとがきなんだど!! どうも、二作目です。 一作目を書き終えた後、他の童話をモチーフにして考えたら、これが一番しっくりきたので書き始めた次第です。 でもやっぱり胴付きれみりゃの虐待はいいですね!他の胴付きはダメなのになぜだろう…。 きっとあのにやにやした顔にボテボテした体のバランスが絶妙だからですね! 中身が善良ならこの上なくかわいいんだけどな… ~過去の作品~ anko3815 はだかのれみりゃ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/573.html
ゆっくり達がアリスの家を遊び場にしてから季節が一回りした。 ゆっくりパチュリーが疲れないように普段からアリスの家にすんでいるゆっくり魔理沙とパチュリーは晴れの日は庭で、そして雨の日は元アリスのベットで眠り。朝は家の周りに集まってくる蝶を追い掛け回しながら食べ、お昼と夕食は午前中から遊びにやってくるゆっくり達がもってくる食事を一緒に食べる。 今は殆ど使われることの無いキッチンだが、たまにやってくる魔理沙やその友人が食事を作ってくれる時などに使っている。 満月の綺麗な夜、大きな木の根元に横と張りながら話すゆっくり魔理沙。 すっかり傷の癒えた今では、二匹とも以前のようにニコニコと話し込んでいる。 「パチュリーと霊夢ゆっくり眠ろうね」 その言葉が合図だった様に姦しかった三匹は寄り添った体を更にすり合わせて眠りに着いた。 こちらを覗いているモノが居る事など気にも止めずに。 「……さ、おき……」 眠っていたゆっくり魔理沙は自分を呼ぶ声で目を覚ました。普段は寝坊することの無いゆっくり魔理沙だが時々寝坊した時は二匹が起こしてくれる。 「ゆっくりおきちゃった!!!」 元気よく起きたゆっくり魔理沙は直ぐに違和感に気づいた。昨日は外で寝ていた筈なのに今は屋内、しかもここは……。 見覚えのある壁、そして柵。まさに、以前アリスに連れてこられたゆっくり加工場のそれだった。 「どっ、どうしてここにいるの?」 「魔理沙がまだ寝てるときに、おじさんがここであそぼうって言ってきたの」 「魔理沙が寝てるからびっくりさせようと思って寝てる間につれてきたの」 ニッコリと笑うゆっくり霊夢とパチュリー。 当然、自然の中で暮らしてきたゆっくり達は、このような施設がある事など知らない。 そして人を疑う事も知らない。アリスのことで芽生えたかと思われたそれは、その後の人間達の行動によりすっかり枯れてしまっていた。皮肉な結果だ。 「おじさん、魔理沙おきたよ!!!」 「魔理沙ゆっくりおきたよ!!!」 二匹が無邪気に声をかけた相手は、去年案内してもらった時のあの男だった。当然ゆっくり魔理沙もよく覚えている。 「二人とも、ここはだめだよゆっくりできないよ!」 「そんな事ないよ。魔理沙もゆっくりできるよ!!!」 ふたりともどうしてそんな事いうのか分からないと言った表情で聞き返す。 「ああ、お前さん以前ここに来たゆっくりかい? あれからうちの会社は変わってねぇ、今は飼われているゆっくり達を都合の悪い時に預かる仕事もしてるんだ。これから天気が大荒れになるからあの家じゃ危ないって事である人に依頼されてね。だから連れてきたんだよ」 工場職員の男は以前の様な愛想笑いを浮かべてゆっくり魔理沙に説明した。周りではゆっくり霊夢とパチェリーがしきりによかったね、と言って跳ね回っている。 「おじさん、どんな人がお願いしたの?」 「金髪の綺麗な魔法使いの女性だったよ。……たしか紫色の魔女も一緒に来てた様だけどね」 これだけで、三匹のゆっくり達には理解した。時々アリス邸を訪ねてくる人、一緒に来た人はおそらく始めて連れて来た友人だ。 「魔理沙が頼んでくれたのか」 「「よかったね!!!」」 ゆっくり魔理沙は今度こそ安心した、何気なく檻の遥か上にあるはめ込み式の採光窓を見ると、確かに風も雨も酷くなっている。殆ど手入れのされていないアリス邸では本当に危なかったかもしれない。 「安心してゆっくりできるね!!!」 笑顔の二匹も。 「ゆっくりできるね!!!」 と笑顔で返した。 「それじゃあ、他のゆっくりが襲うと大変だから、鍵をかけておくよ。おそらく明後日には天気はよくなってると思うからね」 見ると既に鍵はかかっていた、おそらく三匹を入れた時にはもうかかっていたのだろう、起きていたふたりは、初めから信頼していたのであろう。 「それじゃあ、私は他の仕事があるから。」 「おじさんもゆっくりがんばってね!!!」 去り際に自分達の柵に食事、隣の柵にペロペロキャンディを投げ入れ、手を振る男に体を大きく跳ねさせて答える三匹、その表情にはもう疑いの文字はない。 ふと、残りのゆっくり達の事が頭をかすめたが、以前は自分達もこの天気の中、雨宿りできる場所を探してずっと話していた事を思い出し、大丈夫だろうと結論づけた。 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!」 柵といっても適度に動き回るスペースはある、森を駆ける様、とはいかないが三人ともとても楽しそうだ。 「うー。うー」 夕暮れ、あれからずっと動き続けて、さすがに元気がなくなって休んでいた時それまでは騒ぎで気付かなかった隣の声が聞こえた。 「泣いてるよ」 「どうしたのかな?」 「ゆっくりしていってね!!!」 お決まり台詞を言ったのを合図にまた追いかけっこが始まった、体の弱いゆっくりパチェリーに気を遣うから声は賑やかになる。 それはもう、隣の泣き声が聞こえない程に……。 「ごはんですよ」 といって朝と夜に食事を提供しに来る従業員(ちなみに黒い佃煮では無い)に、「ゆっくりたべるね!!!」と今回で四回目になる返事をする。隣には毎回お菓子の類が投げ込まれている。採光窓からの久しぶりの朝日に映る食事は今までよりも少し豪華なものだった。 「豪華だね」 「今日でお別れだからかな?」 「魔理沙、霊夢、ゆっくり食べようね!!!」 今日でここともお別れ、特に不自由は無かったけれど、やはり今まで慣れ親しんだ森の中の方が居心地がいい。 帰ったら何をしようかと考えて食事を食べる。 (やっぱり、魔理沙たちにお礼をしないとね!!!) 霊夢が遊びつかれているパチュリーに自分の食事を少し上げるのを見ながらそんな事を思う。 「帰ったら魔理沙たちにお礼をしようね!!!」 「「うん、しようね!!!」」 「「「ゆっくりしていって貰おうね!!!」」」 三匹とも同じタイミングで声を出す。やっぱりこのふたりと友達でよかったと新ためてゆっくり魔理沙は思った。 「おーい、お前達、引き取りに来てるぞ」 と同時に開いた扉、逆行で顔は見えないが初日に会った男の声だ、隣には二人の人影も見える。 「魔理沙達だね」 「ここで、お礼いえるね」 「「「ありがとう、おねえさん達。おかげでゆっくりできたよ!!!」」」 とびっきりの笑顔でお礼をいった三匹、まだここまで着ていないのでちょっぴりフライングだったかなと思ってまた三匹で大笑い。 その言葉を聞いた二人の少女は言う。 「あら、それはよかったわ。ねぇパチェリー?」 「そうね」 刹那、ゆっくり魔理沙の思考が止まる。同時に悪寒がはしる。他のふたりは後ろにいるので見ることは出来ないが、おそらく同じことになっているだろう。 「どうしたの、そんなに震えて? 久しぶりに再開したのがそんなに嬉しいのかしら?」 依然見たそれとは違うとても感情のある笑顔だった。まるで心から再開を喜んでいるような。 「おっ、おねえさんどうしてここにいるの?」 もっともだ、確かゆっくりレティが食べた筈。 「食べられたから?」 先ほどとは一転感情も抑揚も無い声。 「やっぱり、あなた達は頭が悪いのね。以前貴方と一緒に見た光景を忘れるなんて、ねぇ」 ゆっくり魔理沙が思い出した光景自分達の仲間がゆっくりレティに食べられる光景、しかしあまりに衝撃的でその後は覚えていなかった。 「本当に覚えていないのね。せっかく一緒にお出かけしたのに……」 いつの間にか彼女の方に乗っていた上海人形が両手で顔を覆う。 「あのおおきなゆっくりが寝込んだら後ろに穴を開けて絞り出したのよ。まぁ、私も一回見ただけだったから上手く出来るか判らなかったけれど魔法で眠らせて人形で穴を開けたら直ぐに開いたわ。さすがに疲れたからパチェの所に着いたら直ぐ眠ってしまったけれど」 愕然とした表情のゆっくり魔理沙。確かに暫く経った後、戻ってみたらレティは眠っていた。てっきり食べて眠くなったんだとばかり思っていたのに。 アリスは更に話を続ける。 「あなた達に襲われた時、万が一の為に蓬莱に手紙を持たせてここに向かわせたの。内容は、家に天然のゆっくりが数種類いるから頃合をみて捕獲して構いません、こんな感じね、頃合はパチェリーが見てくれていたの、初めは魔理沙に無理やり連れて行かれたように装ってね。あっ、そうそう私は今までずっとヴワル図書館にいたの、だって壊れた上海を直さないといけないでしょ。初め壊された時は本当にムカついたわ、お友達を大型カッターに固定してあなたを重石にして切り刻もうかと思ったくらいよ、でも幸い式の部分は無事だったから許すけど。もう悪戯しちゃだめよ♪ 丸々一年もかかっちゃったんだから、おかげでずっと篭りっきりだったんだから私、でもやっぱり図書館はよかったわ、色々な魔道書もあるし、それに」 早口言葉のように一気に話した後、何か出来事を思い出しているように黙り込んだ後。 「小悪魔から色々な話も聞けたしね」 余程為になったのだろう話した後も何度も反芻するように頷いている。 「お、おねえさんが連れて行くの?」 と、ゆっくり霊夢。彼女は寝ている時に餡を取り出された為殆ど記憶が無い、故にまだ好奇心の方が高いのである。 「そうよ、久しぶりのお家ね、私も楽しみだわ。あぁ、あなたには悪いことをしたわね、人形が勝手に悪戯していたみたいで、私はお庭で遊んでいらっしゃいって言っただけなのに。それより、あなた達は食べ物何が好き?何でも作ってあげるわよ」 「おねえさんとは帰らないよ。魔理沙が来るまでゆっくりするよ!!!」 そうだ、魔理沙がきたら助けてくれる。今までは怖かったから本当の事は話してなかったけど、ちゃんと話そうゆっくり話せば判ってくれるよ。 「あらあらわがまま言っちゃだめよ」 そんな希望も。 「だって」 打ち砕かれる。 「魔理沙には一年前に言ってあるもの、ゆくりたちが住み着いたから暫く家を譲る、恐縮させるといけないから居なくなった様に振舞ってねっ、て」 だけど家に帰ればまた仲間が助けてくれる。 いや、今度は自分から立ち向かおう何度も頼りっぱなしじゃいけない。 「それに、パチェにゆっくり達を見て貰ってるって言ったでしょ」 アリスが一緒にいた男から紙を受け取った、数字が何個も書いてある紙だ。 「あら、こんなにいいんですか? これだけ有れば家の補修に遣ってもかなり余裕がありますよ」 「いえいえ、こちらも貴重な天然モノ、しかも数種類卸してもらったのですから、この位は当然です。あぁ、今回の三匹のお預かり代も無料で結構です」 もちろん三匹には聞こえない声で、これも別に聞こえても良いのだが、小悪魔がまだ言わない方がいいですよ、と言っていたからだ。 「あの時きちんとみんなにいってたら良かったのにね」 その言葉の意味が判らないまま鍵が開けられた。他の二匹も状況が摘めていないらしい。 隣の扉も開かれた様だ、パチェリーが預けていたのだろう。れみりゃ種に体が着いているような生物。檻の札には「希少種」と書かれている。 檻の中にはお菓子が散乱していたがどれも余り手を付けていないようだ。 「まぁ、今まで屋敷で食べていたお菓子に比べたら味は落ちるでしょうけど、これからはこれで我慢しなくちゃいけないのよ。……レミィ」 「まるで私の料理が下手って言っている様ね。……まぁ良いわ、さぁお家に帰りましょう」 ゆっくり魔理沙を抱きかかえるアリスパチュリーも魔法でも使っているのだろうか、それとも着やせした胸にでも上手く乗せているのか、ゆっくりれみりゃを抱きかかえて並んで歩く。 どうやら今日は一緒にアリスの家に向かうようだ。他の二匹は先ほどの言葉が効いたのか嬉しそうに跡をつけている。 「あぁそれと魔理沙、まだ帰りたくなって言ってると……」 知っている扉が開かれる。中も以前と同じだった。そういえばあの男は預かる仕事もしていると言っていた。 「……そう、大人しくしていなさい抱えてる方も楽じゃないんだから」 とても優しい笑顔だった。 ……やっぱり逃げるのは無理だったようだ。 いま、ゆっくり魔理沙は他の仲間が助けてくれることと、本当にアリスが優しくなったかもしれないという希望に賭けるしかないと思った。 please wait next story
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2177.html
※この作品はれみりゃとお兄さんシリーズの世界観です ※死んでしまうゆっくりがいます ※捕食種設定があります ※鬱注意です ※この作品はフィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません 苦手な方は申し訳ありませんが、ゆっくりお引き返しください。 この作品を読まなくても、れみりゃとお兄さんシリーズの他の作品を読むことに支障はありません。 このシリーズの世界観を気に入っていただけた方にだけ読んでいただきたいと思います。 尚、この作品の主役はれみりゃとお兄さんシリーズのお姉さんです。 本当に良いですか? れみりゃとお兄さんの出会い(裏) 時刻は午前8時25分。 始業時間は…午前8時30分。 現在位置は…職場から徒歩10分程度の場所。 故に、私は必死に職場へ向かって走っている。 私は昔から朝が苦手だった。 もう私も新人ではない。 遅刻をしてしまっては後輩に示しが付かない。 目指していた目的物が見えてくる。 左腕に付けている腕時計を見る。 時刻は…午前8時28分。 何とか間に合ったようだ。 私は慌てて職場へ駆け込む。 「はぁ…はぁ…お、おはよう…ございます…」 「あんた…朝から楽しそうなダイエットしてるわねぇ…」 上司からの嫌味も慣れたものだ。 …慣れるのもどうかとは自分でも思うが。 「もう始業時間よ。早く準備しなさい」 「は、はい…」 市民の方々に無様な姿を見せる訳にはいかない。 疲労の色が出てるであろう顔を引き締め、私は自分の机に向かう。 「あの~…すみません…」 「あ、はい、いかがなさいましたか!?」 今日も今日とて市民の方々の対応をする。 私の職場は市役所の市民相談課であった。 見た目は初老の老婆と言ったところか。 腰は曲がっており、杖を持っている。 「あの~ですね~…」 老婆がゆっくりと話し始める。 その速度は亀のように遅い。 しかし、こんなとこでイライラしていては、市役所の職員など務まらない。 常に笑顔でいなくてはいけないのだ。 「昨日の~…話…なんですけど~…」 といっても、新人時代はイライラしたこともあった。 さすがに今では慣れてきたが。 公務員と民間企業の最大の違いは、お客様を選べないというところが最大の違いだ。 民間企業は、金を持っていない人間は相手にする必要がない。 しかし、公務員は誰に対しても良い意味でも悪い意味でも、平等に接しなければならない。 だから私達は誰に対しても笑顔で接しなければいけないのだ。 「台所にですね~…」 といっても、この老婆の話し方は、私が今まで接してきた方よりも群を抜いて進みが遅い人だった。 イライラしそうになるのをぐっと我慢する。 顔にそれが出るだけでもダメだ。 張り付いた笑顔でもいい。 何とか自分を保たないと。 「ゆっくりが出たんですよ~…」 またか。 またゆっくりか。 私は老婆の口からその言葉が出ると同時に、心の中だけで溜息をつく。 勿論、表情に出してはいけない。 ゆっくり…最近、この日本に出没する生物の総称だ。 見た目は人間の生首にしか見えない。 それが自由に跳ねまわるので、見る人によっては不気味にしか見えないそうだ。 私は可愛いと思うのだが。 増え続けたゆっくりは、当然のように人間社会にも顔を出すようになった。 中には、この老婆の家のように、家の中にまで侵入するゆっくりまで存在する。 ゆっくりの目的は、自身をゆっくりさせる為だろう。 そこには悪意は存在しない…と、私は思っている。 悪意が存在しなければ何をやっても良いと言う訳ではないが…。 「だから~…ゆっくりを~…駆除してほしいんですよ~…」 これだ。 ゆっくりは、一般の人間にとっては害虫に等しい。 確かに自分の家に侵入されたとなれば、恐ろしいものがあるのはわかる。 しかし、駆除…つまり、ゆっくりの命を奪ってしまえ、この老婆はそう言っているのだ。 それはやりすぎではないだろうか。 何度も思ったことがある。 ゆっくりの駆除と言うのは最近非常に多い。 私の仕事は市役所の職員なのか、ゆっくりの駆除要員なのかわからなくなってくる程だ。 しかし、私は断るわけにはいかない。 「はい、では…本日中にお伺いいたします。ご住所とご希望の時間があれば教えていただけますか?」 私は張り付いた笑顔のまま返事をする。 必要事項をメモし終わると、老婆は満足そうにその場を去っていった。 「ふぅ…」 私は憂鬱になり、思わず溜息をついてしまう。 ゆっくりによる被害は当然の如く、今の老婆だけの話ではない。 畑に侵入されて野菜を奪われた者、ゆっくりによって交通事故にも遭った者も沢山いるそうだ。 国レベルでも、地方レベルでもゆっくりの処遇について連日のように話されているらしい。 増え続けるゆっくり対策をどうするか。 そして、ゆっくりを野生動物と捉えるか、それとも妖精と捉えるか、はたまた不気味な妖怪と捉えるか、といったところか。 何故安易に野生動物にしないのかというと、ゆっくりの最大の特徴として、人間の言葉を喋るところにある。 ゆっくりは『ゆっくりしていってね!』と言わずにいられない存在のようで、ゆっくりが多く出没する場所を歩いていると、どこからともなくその声も沢山聞こえてくる。 『あれは安らぎを運んでくれる妖精だ!無暗に命を奪ってはいけない!』 『何を言っている?あんなのただの不気味な妖怪だろう?全く気持ち悪い…。ゆっくりを保護する必要などない!』 『言葉を話そうとも、野生動物のカテゴリーに入れることは問題ないと思うのだが?』 といったことを学者の間、そして政治家の間でも話されているらしい。 それ自体には興味はないが…ゆっくり対策がその争いによって遅れていることは事実だ。 動物愛護法という法律がある。 簡単に言えば、動物の虐待や無暗に生命を奪うことを防止する、という法律だ。 動物を虐待することで禁固刑に処することもある。 極論を言う者もいるが、概ね悪い法律ではないと私は思う。 話をゆっくりに戻すが、ゆっくりはこの動物愛護法によって未だ保護されていない。 原因は、上述の通りゆっくりをどのカテゴリーに含めるかで争いがあるからだ。 動物愛護法が保護するのは哺乳類・鳥類・爬虫類にも限定されている。 ゆっくりは哺乳類なのか? 動物愛護法で保護されるべき生き物のカテゴリーに含まれるのか? それを断定できる者など未だ誰もいない。 ゆっくりは未だに未知の生物でしかないからだ。 ゆっくりが動物愛護法によって保護されていない…。 つまり、現在では道を跳ねているだけのゆっくりを虐待しようが法に触れることはない、ということだ。 学校の帰りの通学路でゆっくりを虐める小学生、中学生というのは珍しい光景ではない。 大人でさえもそのような行為に走ることがあるのだ。 だったら子供のそのような行為を止めることは厳しいだろう。 彼らにとっては、ゆっくりというものは道を歩く饅頭でしかない。 ゆっくりの中身が血液ではなく餡子ということもあるという未知な生物ということも、彼らから罪悪感というものを奪っていったのだろう。 私はそのような行為を見ることは好きではない。 子供がゆっくりを虐めていたら、真っ先に止めに行く。 私は、ゆっくりは悪い生物ではないと思うからだ。 しかし、そう思う人間ははっきり言って多くはない。 『ゆっくりを虐めることの何が悪いの?』 これが一般人の認識であることは私も認めなければいけない。 腹立たしいことではあるが。 生命を無暗に奪って悪くない訳があるか。 しかし、その声が世間に届くことは未だにない。 やはり法律で行動を制限しなければいけないのだろう。 私はゆっくり等よりも邪悪そうに見える政治家という生き物を全く信用してはいないが。 考えるだけ考えたら却って憂鬱になってしまった。 最近溜息が増える。 …あの老婆の家には午前9時30分に着くようにしなければいけない。 左腕の腕時計を見ると、今は午前8時40分。 そろそろ準備を始めなければ。 …何の準備かって? 当然、ゆっくりの駆除の準備だ。 やりたくないことではあるが、私がやらねばならない。 仕事と割り切ってやらなければいけない。 「すみませ~ん、私はこれからゆっくりの駆除に行ってきますね」 「はいはい、いってらっしゃい」 上司に一言声をかけ、私はその場を離れる。 この職場でも、ゆっくりは駆除されて当然と思われているところがある。 私にはその風潮は受け入れ難かった。 私は庁舎内を歩く。 憂鬱ではあるが、市民の方々も庁舎内を普通に歩いている。 ならば笑顔のままでいるしかない。 恐らく張り付いた笑顔となっているだろうが。 私は目的地に到着する。 ここは私がこの庁舎内でも唯一気に入っている場所。 昼休みには必ずここに顔を出すようにしている。 その所為で私は変人扱いされているところもあるそうだが。 まあ、そんなことをいちいち気にしても仕方ないだろう。 「れみりゃ~、入るよ~?」 私は一言声をかけ、目的地に続くドアを開ける。 そこには、大きな檻がある。 その檻の中には、ピンク色の帽子に洋服、背中には黒い翼が付いている生物がいる。 「う~」 丸々と太った胴付きゆっくりのれみりゃがいた。 「れみりゃ~!元気だった~?」 私はれみりゃに笑顔で話しかける。 先程の張り付いたような笑顔ではなく、本当の笑顔が出来ていると思う。 私はれみりゃが好きだったからだ。 何故好きなのかと言われると…最初は放っておけないという義務感から接し始めた。 いつの間にか愛着が湧いてしまったのだろう。 見た目が可愛いというのも私的にグッドだ。 「う~」 れみりゃがいつもの無表情のまま、その深紅の瞳で私を見ていた。 このれみりゃは笑うことがない。 いつも無表情。 さらに、ゆっくりの特徴である人間の言葉を話すことはない。 上司によると、捕まえてきた当初は「さくや~」と人間の言葉を話したらしいが、今ではすっかり話さなくなってしまったそうだ。 この胴付きゆっくりのれみりゃは、私がこの職場に勤める前からこの庁舎の檻の中で暮らしていた。 だから、私はこのれみりゃが笑顔で、言葉を話す姿を見たことはない。 私のことを好きでいてくれるかもわからない。 それでも私はれみりゃが好きだった。 ちなみに、胴付きゆっくりというのは、その名の通り胴体が付いているゆっくりのことだ。 その存在は稀で、外ではなかなか見ることはできない。 この胴付きゆっくりの存在により、さらにゆっくりの処遇に争いが起きた。 胴付きゆっくりは、見方によっては人間にも見えなくもないからだ。 『胴付きゆっくりは人間と姿が酷似している!!ならば、彼らにも人権というものが与えられるべきではないのか!?』 という声も少数だがあるらしい。 それはさすがに私も無理があるような気はする。 ゆっくりはゆっくり、人間は人間なのだから。 「う~」 れみりゃは『う~』と鳴き声を上げるだけ。 食事も購買の残り物の菓子パンをを与えられるくらい。 だから、私は昼休みになる度にれみりゃに差し入れに行っていた。 …その所為でれみりゃは少々太ってしまったかもしれないが。 色々な物をあげてみたが、一番のお気に入りはプリンのようだ。 プリンを食べる時の勢いは、その他の物の比ではない。 だから私はプリンを多めに届けるようにしていた。 …別に、今の私はここに遊びに来たわけではない。 ゆっくりの駆除をする為にはれみりゃの力が必要なのだ。 「れみりゃ、またお仕事があるの。付いてきてくれる?」 「う~」 私は檻の鍵を開け扉を開けると、れみりゃはゆっくりのそのそしながら扉から出てくる。 その見た目は人間の肥満児に近い。 その姿を見ると、胴付きゆっくりを人間と捉える考え方があるのはわからなくもない。 「じゃあ、れみりゃ、行きましょう」 「う~」 れみりゃは返事をして私の後を付いてくる。 私の言うことは理解してくれている。 嫌われていないと思いたいところだ。 私とれみりゃは庁舎内を歩く。 その中には、嫌悪の視線を浴びせてくる輩もいる。 しかし、そんなことを気にしても仕方ない。 私はれみりゃが好きなのだから。 私とれみりゃは庁舎外へ出て公用車に乗る。 れみりゃを助手席に乗せた後に私は運転席に乗る。 運転はあまり好きではないが、これも仕方ないことだ。 「う~」 れみりゃの鳴き声をバックに、私は車にエンジンを掛けるべく、鍵を差し込んだ。 老婆の家はそう遠くない場所にあった。 目的地に到着し、私とれみりゃは車を降りる。 老婆の家と思われる家のインターホンを押す。 「う~」 れみりゃは落ち着かないようだ。 何だかそわそわしている。 あんな粗末な檻でも長くいると落ち着けるようになってしまうのだろうか。 やがて先程の老婆が玄関のドアの隙間から顔を出す。 その表情は、ようやく来たか、といったところだろうか。 「すみません、市役所の者です。ゆっくりの駆除に参りました」 「う~」 「すみませんが~…台所の方にいらしてくれますか~…」 私とれみりゃは老婆の案内で台所まで通された。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 そこには黒髪のゆっくりが三匹ほど。 元気に跳ねまわっている。 大きめのサイズが一匹に小さめのサイズが二匹。 親子なのかもしれない。 「早くお願いしますよ~…」 「わかりました。れみりゃ、お願い」 「う~」 私はいつものようにれみりゃに指示を出す。 そして、れみりゃはのそのそと動き出す。 ゆっくり達はれみりゃの姿を見て慌てだす。 「「「れ、れみりゃだあああああああああああ!!!!!!」」」 「う~」 れみりゃは無表情のまま近くにいた小さめのゆっくりを両手で持ち上げ、そのまま口の中に入れる。 ゆっくりは悲鳴を上げる間もなく、れみりゃの栄養となってしまった。 「お、おちびちゃああああああああん!!!」 大きめのサイズのゆっくりが悲鳴を上げる。 やはり親子だったようだ。 「う~」 残りの2匹もれみりゃの口の中へ。 れみりゃは無表情のまま、ゆっくりを口の中に詰め込む。 「ゆああああ!!!!」 「もっと…ゆっくり…したかった…」 いやだ。 いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。 これが嫌なのだ。 ゆっくり達の悲鳴が。断末魔が。 他の職員はこのゆっくり駆除を「どうせあのゆっくりに餌をやってるだけだろ」と言うだけだが、私はそうは思わない。 れみりゃに指示を出しているのは私なのだから。 れみりゃにあのゆっくりたちをたべろといっているのはわたしなのだから。 わたしが…ワタシガ…。 「あの~…」 しまった。 こんなところで呆然としている訳にもいかない。 ここは他人の家なのだ。 「あ、終わったようです」 「そうですね~本当にありがとうございました~」 「いえいえ、また何かありましたら市役所の方へ相談にいらしてください」 張り付いた笑顔のまま老婆にテンプレ通りの挨拶をして、れみりゃを連れて私は老婆の家を出る。 危なかった。 慣れたはずだったのに。 もう少しで泣き叫んでしまうところだったかもしれない。 「う~」 れみりゃの顔を見ると、相変わらず無表情であるが、いつもよりは満足げに見える。 私の気のせいかもしれないが。 れみりゃの主食は甘味だ。 そして、ゆっくりの中身は餡子を初めとする甘味だ。 その習性を利用したゆっくりの駆除のやり方という訳だ。 ゆっくりを潰してしまうと床や道路が汚れるということで、この方法が用いられるようになったらしい。 ゆっくりの生命を何だと思っているのだ、と怒鳴りたくなるところではあるが。 実際に駆除をれみりゃにやらせている私が言えたことではないのだろう。 「ふぅ…」 今日だけで何度目か分からない溜息をつく。 れみりゃを利用したゆっくりの駆除。 これは許されることなのだろうか。 その場でゆっくりを逃がしてやりたいところだが、市民の目の前でそんなことをする訳にもいかない。 そうすれば、またいつ家に侵入されるのか、という不安を市民は背負っていかなければいけない。 その場は回収だけをして帰り道で逃がすという方法を用いたこともあったが、素早いゆっくりを傷つけずに捕まえることは意外と難しい。 ゆっくりの中身が餡子だということも厳しいところだ。 下手を打ってゆっくりを潰してしまい、その場で中身の餡子が飛び散ってしまったこともあった。 あの経験と光景は私のトラウマになっている。 だから、れみりゃの力を借り駆除という方法を取らざるを得なかった。 れみりゃに食べさせることで罪悪感もなくなり、床や壁も汚れない。 人間の立場からすれば最も簡単かつ合理的な方法だということはわかってはいるのだが…。 まあ、私は駆除自体に反対なのだからいくら考えてもケチを付けてしまうのだろう。 深みにはまる前に、早々と結論を出して思考を打ち切る。 私の仕事はゆっくりの駆除だけではないのだ。 「れみりゃ、帰りましょう」 「う~」 私はれみりゃを助手席に乗せ、続いて私も運転席に乗り込んだ。 「ふぅ…」 もう午後5時30分。 終業時間だ。 今日のゆっくりの駆除は朝一番のやつだけで済んだ。 正直ホッとしている。 「すみません、お先に失礼しますね~」 「ええ、お疲れさま」 「お疲れさまでした」 仕事が終わったらさっさと帰らなければならない。 上司に気を使って無駄に残っているより、終わったらさっさと帰れというのがここのやり方だ。 そのやり方はやりやすくて私は好きだった。 帰る前にれみりゃに会いに行く。 毎日やっている事で、最早習慣と化してしまった。 「やっぱ仕事帰りにはれみりゃが基本よね~♪」 自分で言っていて訳がわからない。 しかし、今の私はスキップしてしまいたくなるほど程機嫌が良い。 早くれみりゃに会いたかった。 「れみりゃ~、入るよ~?」 朝と同じように一言声を掛けて、れみりゃの部屋に入る。 「れみりゃ~…?え!?」 私は驚いてしまった。 そこにいたのはピンク色の帽子にピンク色の洋服に黒い翼。 間違いなくれみりゃがいたのだが。 「う~…」 その顔の下ぶくれの部分…人間でいう顎の箇所か、その部分が肥大化していた。 「え!?ちょ!?れみりゃ、どうしたの!?」 私は慌てて降りに近寄る。 しかし、れみりゃから明確な返事がある訳でもない。 どうしよう。 これって何かの病気なのではないのか…? もしれみりゃが病気になってしまって…死んでしまったら…。 いやだいやだいやだいやだイヤダ。 いや、今は茫然としている場合ではない。 落ち着かなければ。 私以外に誰がれみりゃを助けられるというのだ。 れみりゃをもう一度見る。 その姿はいつも以上にゆっくりのそのそとしている。 体が重いのだろう。 早く病院に連れて行かないと…。 私一人で勝手にする訳にもいかない。 まずは上司に報告か。 「れみりゃ、ちょっと待っててね!すぐ戻ってくるからね!」 「う~」 私はれみりゃの鳴き声を背に、来た道を駆けて行った。 「あら、まだいたの?」 「すみません!少し来ていただけませんか!?」 「え、どうしたのよ?私もう帰るところなんだけど」 「すみません!着いてきて下さい!」 「ちょ、ちょっと…」 帰り際の上司を捕まえる。 何とか間に合ったようだ。 上司の返事を聞かずに、私は腕を無理矢理引っ張る。 冷静のつもりでいて全然冷静になれていなかった。 「はぁ…何よ…」 上司が諦めたように溜息をつく。 その姿を見ると申し訳ないと思うが、今はれみりゃを優先させてほしい。 「本当にすみません、すぐ済みますので着いてきてくれますか?」 「わかったわよ…」 私が歩き出すと、上司がその後ろをついてくる。 「この方向…」 上司も勘付いたようだ。 れみりゃは、この職場であまり好かれている訳ではない。 先に説明しなかったのは、話して嫌がられるのではないかと思ったからだ。 上司も一度了承した以上ついてきてくれるだろう。 数分歩いていると、れみりゃの部屋に着いた。 今度は無言でれみりゃの部屋のドアを開ける。 「これ、見てもらえますか?」 「ん…?」 上司がれみりゃの顔を見て怪訝そうな表情を浮かべる。 「これ、何かの病気なんじゃないでしょうか…」 私は一縷の望みを託して上司に話しかける。 「それで、貴方はどうしたいの?」 「え…?」 上司がきっぱりと答える。 まさかそう返されるとは思っていなかった。 病気だったら病院に連れて行く。 それが当たり前ではないのか。 「え、病院に…」 私は動揺でしどろもどろの言い方になってしまった。 上司のあまりの堂々とした言い方に自分が間違っているのか、と自信がなくなってしまった。 「ふぅ…」 上司は私の発言に溜息をつく。 何か間違っていたというのか。 「貴方ね…ゆっくりを診てくれる病院なんてどこにあるのよ…」 「え…?あ!!」 しまった。 忘れていた。 ゆっくりはその存在の定義すらあいまいなのだ。 そもそもゆっくりを飼っている人がどれだけいるのか。 ゆっくりを飼っている人間という需要が存在しないと、供給というものは発生しない。 そのことをすっかり忘れていた。 「こいつ、この状態で駆除の仕事はできるのかしら…」 「一度檻から出してみます?」 「そうね、貴方の言うことなら聞くのでしょうし」 私は壁にかかっている檻の鍵を取り、そのままれみりゃの檻の鍵を開ける。 れみりゃの状態が気になったのは私も同じだ。 「う~…」 れみりゃは這ったままの状態で檻から出てくる。 立ち上がれないようだ。 「これは…無理かもね…」 「い、良い休養になるんじゃないでしょうか!?れみりゃを休ませてあげるいい機会になるのではないでしょうか!!」 上司のその先の発言を聞きたくなかった。 自然と声が大きくなる。 恐らく上司が考えているのは…。 「これでは処分でしょうね…」 それは予想通りの発言。 しかし、改めて聞くと衝撃的だった。 「そ、そんな!!処分だなんて!!今は体が重いみたいですけど!!すぐに良くなりますって!!」 私は必死になって上司に食らいつくが、上司の返事は溜息一つ。 そんな…。 れみりゃとお別れだなんて…。 絶対に嫌だ…。 こうなったら私が出来ることは…。 絶対にれみりゃを助けたい。 だったら…どうすればいい!? 考えろ…。 考えろ…。 …これでは解決になっていない気もするが…一応言ってみるか。 「すみません、れみりゃを少しの間私の家で預からせてもらえませんか!?」 「え!?…貴方、本気なの…?」 上司もさすがに私のこの発言は予想していなかったようだ。 私がこの上司と知り合ってから短くはないはずだが、ここまで驚く上司の顔を初めて見た気がする。 「ふぅ…好きにしなさい…」 上司が溜息混じりに了承をしてくれる。 やった。 れみりゃを家に連れてこれる。 まさかこんな形で叶うとは思わなかったが。 「ただし!」 舞い上がっている私の頭に上司の強い声が響く。 「このことは上には報告するわよ!良いわね?」 「は、はい…」 「じゃあ、私帰るから」 「は、はい、お疲れさまでした…本日はありがとうございました」 「ええ、お疲れ様」 上司は素っ気なく返事をし、部屋から出て行こうとする。 そのまま出て行くかと思ったが、上司は部屋を出る直前に振りかえって私に聞こえるように呟いた。 「程々にしなさいよ…」 「え!?は、はい!!」 上司がそれだけを言って部屋を出て行った。 驚いた。 上司が心配してくれるとは。 そこまで良い関係だと思ったことはなかったが、意外と私達は上手くやって行けてたのかもしれない。 まあそれはそれで良い。 今はれみりゃを優先しなくては。 れみりゃは檻から出た後も這った状態のままだ。 私は車を持っていない。 帰り道も徒歩だ。 歩けないれみりゃを連れて帰るのは少々骨になりそうだった。 今更言っても仕方ないが。 「れみりゃ、行こう」 「う~」 私が部屋を出ると、れみりゃも這ったまま部屋を出てくる。 本当なられみりゃを抱いて連れて行ってあげたいところだが、私の力ではこの大きなれみりゃの体を持ち上げるのは無理がある。 仮に持ったところで、数分も保たずにばててしまうだろう。 れみりゃに頑張ってもらうしかなかった。 私とれみりゃはその状態のまま庁舎を出る。 れみりゃを家に連れてこれるのは良い。 しかし、家に連れてきたところで私に何が出来るのか。 先行きは夜空のようにとても暗かった。 次ページへ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/557.html
「ゆっくりちていってね!!!」 森に住むあるゆっくり霊夢の巣。 そこでまた数匹の食べ物がこの世に製造された。 「おかあさんたちとゆっくりしようね!!」 「おねえさんたちともゆっくりしようね!!!」 お母さんゆっくりやお姉さんゆっくりが生まれたての赤ちゃんたちに語りかける。 とても微笑ましい光景だが、一家には一つ気がかりがあった。 「ゆ~、このままあかちゃんたちがおおきくなったら、このおうちじゃゆっくりできなくなるね!!」 それは家の敷地のこと。 今まではゆっくり出来ていたその空間だが、新たな住人が増えた今、将来の事を考えるとこのゆっくりハウスでは確かに狭い。 人並みに快適さを求めるゆっくりなので、狭くなる巣に住むという事は考えられず新しい巣をどうにか調達しようとアレコレ思案し始めた。 「ゆっくりあたらしいおうちをみつけようね!!!」 「皆でさがせばゆっくりすぐみつかるよ!!!」 ゆっくり達は気楽に考えていたが、現実はそんなに甘くない。 自分たちよりも大きな巣は既にゆっくり家族が住み着いていた。 お母さんがゆっくりアリスで、ゆっくりれみりゃとフランを食用にしている巣もあったのだが、そこも人数が多くて断念。 「ゆっくりまたあそびにきてね!! おきゃくさんはゆっくりかんげいするよ!!!」 その一家の巣から出た後、ゆっくり一家は森から出て西側へとやってきた。 山へと続くその道は、確かに食料になりそうなものは無い。 しかし、時々そこをお散歩コースにしている一家は、この土が自分たちでも掘れるほどゆっくりしていることを知っていた。 「もりはあきらめて、ここにゆっくりれいむたちのおうちをつくろうね!!」 ゆっくりしてはいられない。 もう直ぐ冬が来るのだ、このままだとゆっくり越冬できなくなる。 ゆっくりしたい気持ちは多々あったが、それでも自分たちがゆっくりできる場所を確保するため、一家は協力して家を作り上げていった。 「ゆ! おかあしゃんたちがんばってね!!」 「さむくならないうちにおうちをつくってね!!!」 生まれたばかりの赤ちゃん達は、この作業を手伝うことは出来ない。 それでも、何とか自分たちもお母さん達の役にたちたい、ゆっくり考えた結果が頑張って応援する事だった。 「ゆ!! がんばるよ!! あかちゃんたちも、ゆっくりおうえんしてくれてありがとうね!!」 「おねえさんたちががんばって、あかちゃんたちのおへやもつくってあげるよ!!」 自分の子供、妹たちに声援を貰って、俄然力が入るゆっくりたち。 一先ず、入り口から大広間まで掘り進めた所で、今日の作業を終わった。 「ゆっくりかえろうね!! はやくからないとたくさんのゆっくりのたいぐんにおそわれちゃうからね!!!」 「そしてゆっくりできなくなるまで、おしくらまんじゅうされるんだよ!!!」 「「「ゆ! こぁいこぁい!!! おかあさんたちはやきゅかえろうね!!!」」」 せかせかと急かす赤ちゃんゆっくりをほのぼのと見つめるお姉さん達。 泥だらけになった体を川で洗い流す。 さっきのゆっくりアリスの巣の近くの川だ。 「ゆ!! つめたいね!! はやくあがろうね!!」 「ゆ! でもきれいになったよ!!」 「おねえちゃんたち、きれーになってよかったね!!!」 日が暮れないうちに帰ろうか? そんな事を話していた一家に、先ほどのアリスが話しかけてきた。 きちんと川でバスタイムを都会派のゆっくりだから、お夕飯にご招待したいと言うものだった。 勿論、お言葉に甘えさせてもらう。 「うっぎゃーーー!! ざぁぐやーーー!! どごーー!!!? ざぐや? だずげでおぉ~!!」「ゆっくりしねー!! ふりゃんにいじわるするのはゆっくりしね!!!」 「むっしゃむっしゃおいしいねー!!!」 悲鳴なんて何のその、一度掴まったそのれみりゃとフランは食料、これはゆっくりたちの中では常識だ。 「いっちょにゆくりちようね!!!」 「ゆっくりできるよ!!!」 「おかあしゃんはねとかいはなの!!!」 「だからね!! れいむたちもとかいはなんだよ!!」 「「ゆゆ!! すごいね!!」」 赤ちゃん達も、自分たちと同じゆっくりと遊ぶことが出来て大満足。 食事も勿論格別だった。 「ゆ!! なら!! なら!! おうちができるまでのあいだ、ありすのおうちにいそうろうするといいよ!!」 事情を聞いたアリスが張り切って提案してきた。 確かにここなら今作業している場所へは随分と近い。 「うん!! ゆっくりいそーろうさせてもらうよ!!!」 遠慮? それはゆっくりできるの? こうして新たなゆっくりハウスを作り終えるまで、ゆっくりアリスの家に居候させてもらう事になった霊夢一家。 朝起きて、れみりゃを食ってお出かけ。 お昼に戻ってフランを食べてまたお出かけ。 夕方、川で体を洗ってれみりゃとフランを食べる。 それを十六回ほど繰り返すと、待ちに待ったゆっくりハウスが完成した。 入り口から中に入ると、最初に着くのは大広間。 数が増えたゆっくり一家でもまだまだ十分余裕がある。 そこから四方絵へ抜けると小さい部屋が十個程。 ゆっくりたちが各々に作った部屋だが、基本的に大勢でゆっくりするのが一番なので余り使うことは無いだろう。 だから、部屋数も随分少ない。 それでも、待ちに待った自分たちの新しいゆっくりハウスが完成した喜びは大きい。 ゆっくりアリスの一家に完成したことを伝え、その晩は朝まで最後の晩餐を楽しんだ。 朝まで続いたその晩餐、再生しっぱなしの二匹には随分酷な晩餐になっただろう。 でも、安心して欲しい。 今日の朝から雪が降り始めた、この雪が溶けない限り他のゆっくりをお家に呼ぶことは無い。 一方のゆっくり霊夢一家は、雪が酷くならないうちに急いで食べ物や宝物を運び込んでいた。 「ゆっくり、これで全部だね!!」 「ゆっくりおひっこしがおわったね!!」 「これでゆっくりとふゆがこせるね!!」 「おねえちゃんたちゆっくりしようね!!!」 「「「ゆっくりしようね!!!」」」 皆が大広間に集まり、ゆっくりとした新生活が始まった。 雪が降っているので、外には出られない一家だがそんな事は関係が無かった。 一家が皆ゆっくりと冬を越せる。 それはゆっくり達にとって最高に嬉しいものであった。 しかし、それがもろくも崩れ去ろうとは、この時は思いもしなかった。 ―― その頃、上空では 「まりささぁ~~ん♪ 今日こそ借りた本を返してくださ~~い!!」 「死んだら返すぜ!!」 「DA☆KA☆RA ♪ 今すぐ死んでくださいって言ってるんですよ~~♪」 「冗談はそれくらいにしておくんだぜ!!」 「こぁ!!!」 「さよならだぜーー!!」 「もぉ~~!! あれ、これは……」 ―― 「こんにちはーー!! ここぁ、れいむさんのおたくでしょうか?」 ゆっくり歌を歌ったりしながら数日が経過したある日、入り口の方で自分達を呼ぶ声が聞こえた。 「ゆ? にんげんだね!!」 「れーむたちになにかようかな?」 「きっとたべものをもってきてくれたんだね!!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 母親を先頭に一家全員が外へ出る。 人数が多いほどもらえる食べ物の量も多くなるからだ。 「ゆゆ!! おねーさんたべものはどこ!!」 「さむいよ!! はやくちょうだいね!!!」 「いえいえ。今回は食べ物じゃないんですよ」 申し訳なさそうに、首を項垂れて弁解する。 「ゆゆ!! おねーさんだったられいむたちをかってによばないでね!!!」 「じぶんかってなおbねーさんはゆっくりかえってね!!!」 「すいません。でも、今回はこの入り口の事でお伺いしたんですよ?」 「ゆ? いりぐち?」 「いりぐちがどうしたの?」 「はい。普通のお家だったら入り口は横になっているので簡単に塞げますけど、このお家はキチンと塞げますか?」 「ゆ? ゆゆ!!」 ここまで来て、お母さん霊夢は大事な事に気が付いた。 そう、この家の構造上居間から入り口は見る事ができない。 それゆえ、冬は入り口を塞ぐ事を忘れてしまったのだ。 「ゆ!!! ゆゆ!! おねーさん!! いりぐちがしまらないよ!! おっこっちゃうよ!!!」 一家総出で入り口を塞ごうとしたが、馬鹿の一つ覚えのように入り口を塞ごうとていたが、口から放した途端に落っこちてしまうのでどうしようもない。 「おねーさん!! これじゃあれいむたちゆっくりできないよ!!!」 「はやくいりぐちをふさいでね!!!」 「はいはい。そのために来たんですよ」 それでは入り口を塞ぐので皆さんは中へ入ってください。 言われるがまま入り口に入ってゆく。 「はやくふさいでね!!! れーむたちがゆっくりできないよ!!!」 一声かけるのも忘れない。 「はいはい。さようなら♪」 女性は、一家全員が中へ入ったのを確認すると、入り口をキチンと石膏で塞いでその場を後にした。 「あんしんしてふゆをこせるね♪」 「ゆっくりこせるね」 「おかーさんおうたうたって!!」 「うん!! ゆ~っくり♪ ゆっくりくり~♪ ぷっぷ~~♪」 忘れていた入り口も塞ぎ終わった一家は。 改めて、新しいお家で越冬を始める一家。 懸案事項は全て無くなったので、これで本当にゆっくりできるようだ。 「おかーしゃん!! おにゃかすいたよーー!!」 「うん!! ゆっくりごはんにしようね!! たべものはいっぱいあるからことしのふゆはゆっくりできるよ!!!」 「「「よかったね!!! ゆっくりできるね!!!」」」 部屋の隅においてある大量の食料、そして沢山の家族。 これから、冬が明けるまで毎日ゆっくり過ごせそうだ。 そう思い、その日は引越しで疲れた体をゆっくり休ませた。 次の日、目覚めた一家は昨日と様子が変わっている事に気付いた。 「ゆゆ!! なんかへんだよ!!!」 食料室に入っていったお姉さんゆっくりの声だ。 「へんだよ!!!」 後から駆けつけたゆっくりも叫ぶ。 昨日とは明らかに違う事、穴のいたる所から水が染み出していたのだ。 昨日は大部屋にしか居なかった一家は気付いていなかっただろうが、大部屋の下に位置する食料室と小部屋は、既にゆっくりと水が染み出してきていたのだ。 いや、既に食料室は完全に水没していた。 「ここはあぶないよ!! ゆっくりうえにあがってね!!!」 この事態にお母さん霊夢が、一家にそう伝える。 「いやじゃーー!!! ごはんてべちゃーーーい!!!!」 一匹の赤ちゃん霊夢が、食欲に勝てず母親の声を無視する。 バシャバシャと水を掻き分け食べ物のもとへ。 「むっしゃ♪ ゆ~、しあわせ~♪」 「もどってきてね!!! はやくもどってきてね!!!」 「そこはゆっくりできないよ!!!」 お姉さん達の声も聞こえない様子で、食べ続けていく赤ちゃん。 「けふ!! ゆ~おにゃかいっぱい!! し☆あ☆わ☆せ☆~♪」 漸く、お腹が膨れてまともな思考ができるようになった赤ちゃん。 「!! ゆゆ!!!」 しかし、既に手遅れ。 「ゆーーー!!!! どげでるーーー!!! おがーーーざーーん!!! ゆっくりだずけでーーー!!!!」 餡子は既に水に流れ出している、そして助けたくても向こうの端に居る赤ちゃんを助ける事は難しい。 触っただけで崩れてしまいそうだから。 「あああーーー!!! ごめんねーーー!!! ごめんねーーー!!!」 「ゆゆ!!! おがーざーんかっでにいっだごとはあやまるからたずけでーーー!!!」 「ごめんねーーーー!!!」 「……あがーー……さーーーん……」 「ごめんねーーーー!!!!!」 「……」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 目の前で壊れていく赤ちゃんゆっくりをただ見ているしか出来なかった母親。 「ゆゆ……。みんな、ここはあぶないから上に行ってね」 他のゆっくり達を守るために、其れだけを口から搾り出してこの場を後にする。 「おかーさんはわるくないよ!!!!」 「あかちゃんがいけなかったんだよ、おかーさんげんきだしてね!!!!」 慰めの言葉だが、今は其れすらも自分の心に酷く突き刺さる。 「ゆーーーー……」 大広間に到着した一家は、取り合えずお母さんを必死で慰める。 ―― 「ゆっくり!!」 ものの数時間ほどで、以前の調子に戻ったお母さん霊夢。 既に、あの赤ちゃんの事は記憶の片隅に行ってしまったようだ。 「たべものもなくなっちゃったし、ここはあぶないからもとのおうちにかえろうね!!!!」 「でもたべものないよ?」 「そうしたら、ありすのおうちにいこうね!! たべてもたべてもへらないたべものがあるからね!!」「そうだね!! ありすたちとないすにふゆをこそうね!!!!」 上へ上へと昇って行く一家。 「ゆ!!!」 しかし、外に出る事はできない。 「ふさがってるよ!!!」 「きのうおねーさんがふやいでいってくれたんだよ!!!」 「ゆっくりふゆがこせるね!!!」 「ちがうよ!!! おそとにでられないとたべるものがないんだよ!!」 「ゆ!! そうだった!!!!」 お母さん霊夢が、何度か体当たりをするが一向に開く気配は無い。 更に事態は悪い方向へと動く。 「ゆゆ!!! おかーさん!! おへやがくずれてきたよ!!!」 下に溜まった水の所為で、ついに大広間の崩壊が始まったのだ。 「ゆゆゆ!!! おかーさんがあなをほるから、ゆっくりまっててね!!!」 もう迷っている時間はない。 お母さんゆっくりは勢い良く地面を掘っていく。 「むっしゃむしゃ!!!」 普通は周りに捨てていくが、今はそんな余裕もない。 ドンドンと口の中に入れていくだけだ。 「がんばってね!!!」 「もうすこしだよ!!! ゆっくりできるよ!!!!!」 ボロっと言う音と共に、急に抵抗が弱くなった。 「ゆぶ!! でれたよ!!!! ゆっくりでれたよ!!!!」 「ゆゆ!!! よかったね!!! はやくおそとにでようね!!!!」 「ゆっくりでるよ!! ……ゆゆゆ!!!!!」 そこには、数十センチは有ろうかという雪の壁に囲まれていた。 「ゆ!! どーーじでーー!! おそとにでれないーー!!」 「ゆっぐりしだいよーー!!!」 「おかーーさん!! おそとにだしてーーー!!」 子供達の悲壮な声を聞き、母親は決心したように雪にかぶりついた。 「ゆ!!! ゆっゆ!!」 「「おかーーしゃん!! がんばってーーー!!!」」 「「もうちょっとだよーーーー!!!」」 「ゆゆゆ!!!! ゆーーーー!!!」 既に疲労困憊、口の周りの感覚がなくなってきた辺りで漸く、地表への道を得ることができた一家。 しかし、今は冬の真っ只中である。 「ゆゆ!! これじゃあでられないよ!!!」 木枯らし吹き荒れる外の世界。 流石にゆっくりといえど、このまま飛び出したらどうなるかという事くらい分かっているのだろう。 「ゆ!! だいじょうぶだよ!! れいむたちはかしこいゆっくりだもの!!」 「そうだよ!! とかいはのありすがれいむたちもなかなかのとかいはだっていってたもん!!」 だから大丈夫。 そういうと、半数以上の子霊夢達は勢いよく外へ飛び出してしまう。 「やめてね!! もどってきてね!! おそとはゆっくりできないよ!!」 「そんなことないよ!! おかーさんはしんぱいしょーだね!!」 「そうだね!! れいむたちがあたらしいおうちとたべものをさがしてくるから、そこでゆっくりしててね!!」 そう言って、木枯らしの中へ消えていった。 「ゆーー……」 今や、この一家の生き残りはお母さん霊夢と数匹の赤ちゃんゆっくり、そして二匹の子ゆっくりのみ。 「だいじょうぶだよ!! はるまでがんばってゆっくりしようね!!」 「そうだよ!! みんなでゆっくりできりゅよ!!」 懸命に励ます子供達だが、母親は知っている。 食べ物もなく、水に追われている自分達はもう長く生きられない事を。 「……ゆ!! そうだね!! みんなでゆっくりしようね!!」 「「「ゆっくりーーー!!!」」」 だから…… 「ここはさむいから、さっきのおおひろままでもどろうね!!」 「「「ゆっくりもどるよ!!!」」」 「おかーーさん!! おうたうたって!!!」 「いいよ!! ♪~~~~~」 その日まで、自分達はゆっくり過ごそう。 そう、母親は自分自身に言い聞かせた。 ―― 母親達が家の中に引き返した頃。 「ゆーー!! ざむいよーー!! どうじでーーー!!!」 「はやぐゆっくりしだいよーー!!!」 「ゆ…………」 「だいじょうぶだよ!! だってありすたちがれいむたちのことをとかいはのちてきなゆっくりっていってくれたんだもの!!!」 「でもざむいーー!! ゆっくりでぎないーー!!」 「もどりだいーー!! おかーさんのところにもどりたいーー!!!」 「ゆ……それじゃあもどろうね!! どっちからきたんだっけ?」 「わがらないよーー!!! ここどこーーー!!!」 「なんでれいむたちがこんなめにあうのーーー!!!」 「「「「「ゆっぐりしたがったーーーー!!!!!」」」」」 此方のゆっくり達は今まさに生涯を終えようとしていた。 ―― 「うあーーー!! それはれみりゃのばっぐだどぉーーー!!!」 「ぞれはふらんのーーーー!!!!」 「これはありすにってきれいなおねーさんからもらったの!! いまはありすのなの!!」 「「うっぎゃーーー!! いだいーー!! たべないでーーー!!!」」 「いい? これがかるてえのばっぐで、こっちがぐちのかさ、このろーそくたてはだいぞーーのなのよ!!」 「「「おかーーさんすごーーい!!」」」 「ゆ!! だってありすはとかいはのゆっくりだもの!! みんなもおかあさんみたいになれるように、ゆきがなくなったらにんげんのところにいってみようね!!!」 「ゆ……でも、まえににんげんのところにおせーぼもらいにいったら……」 「だいじょうぶ!! こんどはあのきれーなおねーさんからきいたところだから!!!」 「「「「それだったらだいじょうぶだね!!」」」」 「「ざぐやーーーーー!!!」」 食料に困る事もなく、大量の藁で暖かい住まいで、アリス一家はゆっくりと冬を越していった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2433.html
前 ああ、この痛みのいやらしい事といったら! 作者の今の叫び ゆっくりこうないえんの続き? れみりゃはおばかさんです。 ゆっくりこうないえん 2 「う~あまあまぁ♪うっ!?」 さて、木の虚にいたゆっくりの群れを美味しくいただいたれみりゃであったが。 口の中を噛んでしまった。 「う~……いたいどぉ。でもあまあまおいしかったどぉ♪」 こうしてれみりゃはおうちへと帰っていった。どうせ寝れば治るのだ、と思って。 れみりゃは重大な傷は修復できる。 だが、重要性の低いほんの些細な傷はどうだろうか。 その結果は翌日に出た。 「い、いたいどぉ!?」 今まで食べてきたゆっくりの恨みか先日いただいた口内炎れいむの祟りか。 れみりゃには口内炎ができていた。 「う~……いたいどぉ。でもさわらなければもんだいはないどぉ」 体つきといえど捕食種のためか、こういった事には頭が回っているようだ。 れみりゃは狩りに向かった。 今日も昨日追い掛け回した群れだ。 「う~う~うあうあ~♪」 患部に触れずに移動できる辺り、体つきはつくづく有利である。 そしてふらふらと飛びながら群れの上空に着く。 「「れ み り ゃ だ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!」」 当然群れは大パニック。昨日も襲ってきたれみりゃがまた来たのだから当然だ。 慌て逃げ惑う群れの中かられみりゃは適当にありすをつまみ上げ 「い、いなかものはさわらないでね!」 噛み付き 「ぎゃぶぅ!!」 餡子を啜り上げ 「びゅべべべべべべべべべべべべべ!!」 そして――― 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ありすの亡骸を投げ捨て、れみりゃは頬を抱えて苦しんでいた。 れみりゃという種族の食べ方を思い出していただきたい。 餡子を吸う、だ。体無しは皮も食べるが体つきは基本餡を啜る事のみを行う。 しかも、意地汚く口いっぱいになるまで啜ることが多い。 要するにだ 「口いっぱいに餡子を啜る奴がなぁ!患部に当てずに飲み込むなんてぇ!できるわきゃねぇだろぉぉぉぉぉ!」 ということだ。 飼われて躾がキチンとなされているれみりゃなら少しずつ啜ることもできたろうが、野生種にはどだい無理な話だ。 やはり、肝心なことを忘れている辺り、れみりゃは(特に)餡子脳(おばかさん)と言われても文句は言えない。 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ほっべだがいだいどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!ざぐやぁ!ざぐやぁ!!」 残念ながらさくやはこの辺りにはいない。 何がなんだかわからないゆっくりの群れ。 いち早く立ち直ったのは賢いぱちゅりぃだった。 「むきゅぅん!あれは〈こうないえん〉よ!」 ぱちゅりぃの友達のありすが立ち直りつつ 「きのうたべられちゃったれいむがかかってたおびょうきね!」 と妙に説明的な口調で続く。 「みんな!いまならあのれみりゃをやっつけられるわ!!」 それを聞きゆっくり達は活気付く。 「「「ゆゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」」」 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 数十分の格闘の末、ぱちゅりぃの指示の元れみりゃを生け捕りに成功した群れの面々。 「ぱちゅりぃ、なんでこのれみりゃをいきてつかまえさせたの!」 「そうだよ、まりさのおともだちのれいむやありすはこいつにたべられちゃったんだよ!!」 「こいつといっしょじゃゆっくりできないよ!!」 群れの皆は一様にぱちゅりぃに詰め寄った。 慌てず騒がずぱちゅりぃは皆に 「むきゅん!たしかにれみりゃといっしょにいてはゆっくりできないわ! だけど、れみりゃをごはんとかんがえればどうかしら?」 「ゆゆっ?」 「れみりゃのからだはおいしいおにくだわ、しかもあるていどごはんをたべさせればちゃんとなおる。 つまりわたしたちはいっぴきぶんのごはんでずっとたべられるごはんをてにいれたのよ!」 「「な、なんだってぇぇぇぇ!!」」 一様に驚いたが群れがずっと食べられるご飯を手に入れたというのはうれしいことだ。 「そういうことだったのね! ふゆのほぞんしょくというわけね!すごくとかいてきだわ!」 「でも、いっぴきだけじゃみんながまいにちたべられないよ?」 こういう意見が聞こえたが 「まいにちたべちゃ、おいしいというのがあたりまえになっていままでのごはんがたべられなくなっちゃうわ」 「たまのぜいたく・・・・・・とかいてきなひびきね!!」 「したがこえちゃうんだね、わかるよ~」 毎日とはいえないがおいしいごはんが食べられることがわかり、群れは幸せそうだった。 捕まったれみりゃはぜんぜん幸せじゃない。 いつもどおりあまあまを食べようとした結果がこれなわけだがまったく判っていない。 食べられることが判っているわけもないのだがさっきの戦いで口のあちこちがさらに痛い。 「うぅ~……おくちがちくちくいたいどぉ~ざぐやぁぁぁぁぁ!ざぐやぁぁぁぁぁぁ!!」 余談だが口内炎というのはストレスからも発生するという。 これから群れのゆっくり達にちまちまと食べられ続けるれみりゃの口内炎が治ることは多分死ぬまで無いだろう。 「いだいどぉぉぉぉ、ざぐやー!ザぐやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 だからさくやはいないっつうに。 あとがき 口内炎の治療ですがしょうゆをやってみました。死ぬほど痛いです。火傷に味噌塗りたくったときの傷みを思い出しました。 れみりゃが餡子を啜るって設定は口内炎起こしたら致命傷ですよね。意地汚いってことは大量に一気食いしそうですし。 つくづくおばかさんだなぁ、体付きれみりゃは。 おまけ。捕まらないで逃げ切った場合。 なんとかほうほうのていで逃げ出したれみりゃ。しかし、口の痛みはひかない。患部に啜った餡子が付着したままなのだ。 「うぅぅぅ、じぐじぐするどぉ………」 こういうときは水なりうがい薬を使って口をすすげば大分痛みが緩和される。 しかし、いままでこんな事にならなかったれみりゃが知るわけもなく巣穴でひたすら悶絶していた。 翌日。れみりゃは小腹がすいたが狩りにいく気が沸かなかった。昨日みたいな痛い目に合いたくないからだ。 それにまだじくじくとした痛みは続いていた。 「きょうはおうちでゆっくりしてるどぉ~……」 れみりゃはこの痛みがとれるまで家にいることにした。 3日・4日・5日…… 「うあぁぁぁぁ!も、もうがまんできないどぉ!!」 一向に治らない痛みにれみりゃは腹を立てていた。もうこの痛みには慣れてしまっていた。 今日こそ狩りにでて思う存分ゆっくり達を啜ってやる。そう思いながら、れみりゃは巣を飛び出して 50メートルと進まないうちに落ちた。 「うぁ!?」 5日も何も食べてなければ体力が衰えるのは当然の話である。 「か、からだがうごかないどぉ!!どぼじでぇぇぇぇぇ!?」 数時間ほどして衰弱していたれみりゃを見つけたふらんがれみりゃを巣に持って帰っていった。 「う~♪ゆっくりしねぇぇぇ~♪」 「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」 どうやら、こちらも口内炎は『死ぬまで』治りそうもなかった。 今まで書いた何か。 ゆっくりこうないえん ゆ虐 小ねた 食べ物の恨みは・・・・・・ やってみよう何でも実験 罠 やってみよう何でも実験 ゆっくりと現代 ドスに纏わる二、三の話 fuku3313.txt 小ネタ 中立な話 小ネタとちぇん あ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1702.html
・れいむが死にません。 ・エロくありません。 ・最近れいむいじめがひどかったんで、れいむ愛でモード突入中。 ・仕事の都合もあって製作ペースが戻らないので、まだまだリハビリが必要な感じです。 『飼いゆっくりれいむ』 D.O 我が家は、築100年を軽く超える古風な木造家屋である。 爺さんの若かった頃は農業をしていたとのことなので、蔵もあれば庭もあり、 さらにその周囲は生垣をはさんで小さな林まで広がっている。 外から見れば、歴史の重み、どころか幽霊屋敷の雰囲気漂わせていることだろう。 現在の主である私が手入れを怠っているので、庭はコケと背の高い雑草が生い茂り、生垣も所々穴が開いているからなのだが。 私が子供の頃は、周囲にまだ多くの農家も残っていたが、 十年ほど前に、ゆっくりの大規模な襲撃が起こり、すっかり疲弊してしまったようである。 もう少し山に近い田舎に立ち上がった、のうかりんを使った実験農場計画が始まった頃に多くの農地は売却され、 実験農場が順調な現状を考えると、このあたりも数年後にはのうかりん印の農場になりそうだ。 現在では町、というには空き家が多すぎる、少々寂しい地域となってしまっている。 そんなある日、仕事から帰ってみると、 庭にサッカーボールサイズと、テニスボールサイズの饅頭が一つづつ落ちていた。 日が暮れているので良く見えないが、赤白リボンの奴はたしかれ・・・れ?ゆっくりだ。 「ゆゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇっ!」 「・・・・・・。」 家の電灯に照らされてみれば、薄汚れていて何ともゆっくりしていない奴等である。 少なくとも、見ているこちらとしてはゆっくりできない。 親子なのは間違いなさそうだが、親の方は全身余すところ無く、 マジックで唐草模様が描き込まれているあたり、町からやってきたのは間違いないだろう。 「にんげんさん、れいむはしんぐるまざーなんだよ!」 「へぇ・・・。で?」 「かわいそうなれいむたちを、ゆっくりかっていってね!」 「きゃわいくってごめんにぇっ!」 「・・・はぁ。」 なんだか、やり遂げた表情でこちらを見ている。 刈って、狩って、・・・いや、飼っていってね、か? どうやら、こんなにゆっくりしたおちびちゃんなんだから、人間さんも飼ってくれるに違いない、ということらしい。 とりあえずサンダルの裏を、その自信満々の顔面に押し当てて、塀の方に転がしてやることにした。 「ゆべしっ!」 「ゆぴぃぃいい!」 「・・・ペッ!」 噛んでいたガムが母れいむのリボンにジャストミートする。 「・・・・・・飯作ろ。」 別にゆっくりとやらに大した関心はない。 単に、コソコソ隠れているなら可愛げもあるが、ずうずうしさが気に入らなかっただけである。 これまでも野良猫やらなんやら、しょっちゅう仮の宿に使われていたので、 今更ゆっくりが庭に舞い込んだところで気にしない。 糞をばら撒かれないだけ、犬猫よりはありがたいくらいだ。 庭に住みたきゃ勝手に住めばいい。 こちらには当然世話する義務なんぞ無いのだから。 「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛・・・・」 「ゆっくりー!」 痛みから回復したれいむ親子の方は、感動に打ち震えていた。 なにせ気がついたら、母れいむのリボンにペタリとついているのは、あの憧れの飼いゆっくりバッジ。 れいむも遠くで見ていたときは気づかなかったが、バッヂがまさか人間さんが口から吐き出されたものだったとは。 まあ、自分達もナワバリ(無意味極まるが)にしーしーでマーキングすることは多いのだから、そういうものなのだろう。 ・・・などと考えながら、リボンにへばりついたガムを、嬉し涙に潤んだ目で眺めていた。 そう、れいむはついに、ゆっくりの中でも最もゆっくりできると言われる、 あの飼いゆっくりにしてもらえたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌朝。 便所から出て縁側を歩いていると、庭の隅に放置していた木箱から、れいむ親子が飛び出してきた。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ん?まだいたか。」 朝からうるさい奴らだ。やはり猫の方がましだな。 「ゆーん。おにーさん、れいむたちにあさごはんちょーだいね!」 「ちょーらいにぇっ!」 昨日のゆっくり共が、これから仕事に行くという時に、なんだかずうずうしくゆぅゆぅ鳴いている。 「・・・・・・庭の草でも花でも、自分で適当に食え。」 「ゆゆっ!?おはなしゃん、たべちぇいいにょ?やっちゃー!」 「ゆーん、ごはんさんいっぱいだよ~。」 勝手に住むのはかまわんが、ゆっくりフードたら言うものまで買ってやる気など無い。 というか、ペットでもないのにいちいち飯などやらん。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 「むーちゃ、むーちゃ。ゆ・・ゆぇーん。」 「どうしたの、おちびちゃん。」 「れいみゅ、こんにゃにむーちゃむーちゃちたの、はじめちぇ。」 れいむ達は、飼い主であるおにーさんの愛情を全身で味わっていた。 なにせ、適当に食え、と言って指差した庭には、 柔らかそうなゆっくりした草、 タンポポやシロツメクサの類の雑草寄りの花、 背の低い木には実や柔らかい葉っぱ、 それに、今は何も成っていないが柿やビワの木も生えており、季節が来たら食卓を飾ってくれることだろう。 当然昆虫やミミズも、その気になれば取り放題だ。 ここは、森の中にあったとしたら、数十匹のゆっくりを余裕をもって支えることができる最上級の狩場であった。 それらが全て、この2匹だけのためのごはんだと言うのである。 「おにぃさぁん、ありがとぉぉぉおおおぉぉ。」 そんなある日、夕食の生ゴミを袋に入れて、裏庭のポリバケツに入れようとしたところ、 ゆっくり共が、よだれを滝の様にたらしながらこちらを見ていた。 ・・・・・・そういえば、今都会では『ゆっくりコンポスト』なるものがはやっていると聞く。 正直言って生ゴミを貯めこむのは嫌だし、こいつらでも使ってみるか。 「・・・食え。」 翌朝、袋の中身がきれいさっぱりなくなっていた。 袋に何かが入っていた形跡すら無い。よだれらしきものでベタベタではあるが。 「ゆっくちちたおやさいしゃんだったにぇっ!」 「おにーさんにありがとうってするんだよ。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「なるほど。こいつは便利だ。」 それからというもの、あの親子は毎日ポリバケツに放り込むはずだった生ゴミを、おやつだと大喜びで食べている。 生ゴミを放置しすぎて増えていたりぐるとかも減った。 生ゴミがなくなったからか、りぐるも食べているのか・・・ しばらくすると、いちいちこいつ等が『おうち』とやらにしている、庭の隅の木箱まで生ゴミを持っていくのもめんどくさくなってきた。 まずは縁側の下に少し穴を掘り、用済みとなったポリバケツを横倒しにしてはめ込む。 ポリバケツの内側に土をいくらか入れ、周囲の穴との隙間にも土を詰める。正面から見るとパッと見トンネルのような感じだ。 あとはあのゆっくり親子を中に放り込んで、自家製コンポストは完成。 「ゆわーい。きょきょはれいみゅたちのおうちなんだにぇ。」 「ゆっくりー!おにーさん、ありがとう!」 なんかぽいんぽいんと跳ねて喜んでいるが、台所からも食卓からも近いここが、 生ゴミを放り込むのに適していただけだ。 「ん、で、あと何が必要だ?」 「「ゆぅ?」」 なんといっても、使い道ができた以上、もはや野良猫と同等ではない。 金をかけてやるつもりはないが、それなりのメンテナンスはしてやろう。 コンポストとしてある程度長持ちしてくれなければ困るからだ。 「ゆ、ゆぅーん!れいむはみずあびができたらうれしいよ。きたないとゆっくりできないよ。それと・・・」 「それと?」 「おちびちゃんにも、ばっじさんがほしいよ!おちびちゃんもかいゆっくりのばっじさんがほしいよ。」 水浴びか。なるほど、こいつ等が饅頭のくせにカビないのは不思議だったが、やはり不潔にしておくのはよろしくないといったところか。 こっちとしても軒下にサッカーボール大のカビ饅頭があるのは気分が悪い。自分たちで清潔にしてもらおうか。 あとは・・・ん?おちびちゃん・・・にも? ・・・・・・妙に馴れ馴れしいのも合点がいった。まさか飼われているつもりだったとは。 まあ、使い道がある今となっては都合がよくもあったが。 「水は、そうだな。このタライに水を入れといてやる。勝手に使え。」 「ゆっくりー!」 「それと・・・バッジねぇ。ああ、あれでいいか。」 持ってきたのは、私が中学生時代に学生服につけていた、襟章だった。 鈍く銀色に光る襟章、どうせこいつ等がバッジとやらを活用する日は来ないのだから、これで十分だ。 リボンに乱暴にネジ式の襟章を突き刺して固定すると、赤色の中に鈍く光る銀色は、思いのほかしっくりときた。 「ゆわーい!ゆっくちちたばっじしゃんだー!」 「ゆぅぅ、よがっだねぇ、よがっだねぇぇえ、おぢびじゃぁぁああん。」 喜んでもらって何よりである。この調子で雑草むしりと生ゴミ処理を頑張ってもらいたいものだ。 翌日には、縁側下のコンポストの近くに「おといれ」と称してうんうん用の穴も掘っていた。 生活の場に排泄物を置いておくのはやはり嫌なのか。だが、これはこちらとしても都合がよかった。 このうんうんという排泄物については、定期的に土と雑草に混ぜて花壇の肥料にしている。 なかなか良質なようで、しかも採集の手間も要らないしありがたいものだ。 「ゆーん、おにーさん。おといれのおそうじしてくれてありがとう。」 「うんうんがなくなっちぇ、ゆっくちできりゅよ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こうしてれいむ親子がコンポストとなった数日後、家の庭に最近ご無沙汰だった来客が来た。 「ねこさんだぁぁあああ!ゆっくりできないぃぃぃ!!」 「ゆぴぃぃ、おきゃあしゃんこわいよぉぉ!」 「ん、ああ、トラか。久しぶり。」 生垣の穴から庭に入ってきたのは、近所で気ままな野良生活を送っている猫だ。 こいつに限らず、我が家を通り道にする猫は多い。 「ゆぁぁぁぁ、おにーさぁぁん。ねこさんこわいよぉぉぉぉ。」 「ゆっくちさせちぇぇぇぇ。」 「・・・嫌なら自分でなんとかしろ。」 「「ゆぅぅぅ、ゆっくりできないよぉ。」」 別にサッカーボールサイズの良くわからん物体にじゃれつく様な、酔狂な猫達でもないが、 町生活でトラウマでもあるのか、度重なる猫の襲撃に、れいむ親子は自分達で何とかすることにしたようだ。 数日後から、徐々にだが、目に見えて生垣の穴がふさがり始めた。 「ゆーえす!ゆーえす!」 「おきゃーしゃん、はっぱしゃんもってきちゃよ。」 「じゃあおちびちゃん、このすきまにはっぱさんをおしこんでね。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 生垣や塀の隙間に、小石を詰め、小枝を刺し、上から土を盛って、また葉っぱや枝を詰める。 近くで見るとやはり幼稚園児の工作の域を出るものではないが、遠目には生垣に溶け込んで見えなくも無い。 何重にもゴミを積み上げているので、強度のほうはちょっと蹴りを入れたくらいでは吹っ飛ばないくらいになっていた。 「これでねこさんはいってこれないね!」 「ゆっくちー。」 「にゅぁ~ん・・・ぐるるる。」 ・・・・・・。 「「どぼぢでねござんはいっでるのぉぉぉおお!?」」 「・・・塀の上からだろ。」 まあ一応は通りにくくなったので、特に頻繁にここに来る数匹以外は入ってくることも無くなり、 多少は平穏になったようだ。 それにしても、なんだか最近庭がきれいになってきた気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 生垣の穴がれいむによってあらかた埋まった数日後、 久しぶりに友人が家まで遊びに来た。 「ゆゆっ!?おにーさんのおともだち?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ。」 「おー、間知由。お前ゆっくり飼ってたんだな。エラい装飾過剰だけど。」 「いや、飼ってないし、あの唐草模様は来たときからだ。俺の趣味じゃない。」 「ふーん。つってもバッジついてんじゃん。」 「ありゃガムだ。」 「え゛・・・。」 「ああ、みかんの皮は庭のポリバケツに放り込んどいてくれ。」 「え?これってこいつらのおうちだろ?」 「いや。コンポスト。」 「んー。・・・え゛ぇ?」 「ゆわーい、おやつだにぇ!ゆっくちありがちょー。」 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 ついでに、夕食の魚の骨も放り込んでおいた。 「ぽりっ、ぽりぽりぽり・・・ゆっくりー!」 「・・・・・ふーむ。」 「どうした?」 「いや。ゆっくりって、案外飼いやすい生き物なのだろうかと思ってな。」 「ただの饅頭だろ。・・・・・・何だよ、その目は。」 「まったく。世の中にはどんだけ愛情注いでも懐かれない奴もいるってのに。」 「そんなもんかね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして、庭が放置しっぱなしの幽霊屋敷状態から、見違えるようにきれいになった頃、 れいむ達の平穏な毎日に、突然不幸が舞い降りてきた。 「Zzzzzz・・・。」 「すーや、すーや。」 今日は日曜日。おにーさんも日当たりの良い縁側で昼寝中。 れいむ親子も庭に生えた木の木陰でゆっくりと惰眠をむさぼっていた。 そのとき庭に、普段と違う空気が漂う。 「うー。」 「ゆぅ?・・・すーや、すーや。」 「あまあまー。」 「ゆ・・・すーや、すーや。・・・・・・れみりゃだぁぁぁああああ!!!」 庭に突然飛来したのは、本来夜行性のれみりゃ(胴無し)。 庭のすぐ奥にある林は、昼でも薄暗く、たまに昼でも活動するれみりゃが現れたりする。 しかも、このあたりは農家だったこともあり、害ゆ対策として、れみりゃを大量飼育していた時期もあったので、 最近森の奥でしか見なくなったれみりゃ種もチラホラいたりするのだ。 「おちびちゃん、ゆっくりにげるよ!」 「ゆあーん。れみりゃはゆっくちしちぇにぇ。」 ぽよん、ぽよん、と大急ぎでおうちに飛び込むれいむ親子。 れみりゃは追ってこなかった。どうやら助かったようである。 しかし、一つだけ気がかりがあった。 「ゆぅぅぅ、おきゃーしゃん、れみりゃはゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆ!おちびちゃん。ここはおにーさんがつくってくれたおうちだから、れみりゃなんてはいってこれないよ!」 「ゆっくちー。でみょ・・・。」 「おちびちゃん?」 「おにーしゃん、すーやすーやしてたよ?れみりゃにゆっくちひどいことされてにゃい?」 「ゆゆっ!?」 「そろーり!そろーり!」 おにーさんの無事を確かめるべくおうちから慎重に這い出るれいむ。 見つかったら命はないだけに、そろーりそろーりにも力が入る。 そして、れいむは驚愕の姿を目撃した。 「うー!うー!」 「Zzzzzz・・・・、じゃま・・・」 ・・・・・・れみりゃがおにーさんにじゃれていた。 「ゆぁぁぁああああ!おにーさんがたべられるぅぅぅううう!!!」 「うー?」 「やめてねっ!おにーさんをたべないでねっ!れみりゃはゆっくりどっかいってね!!」 ゆっくりしたおにーさんを助けるべく、れいむはれみりゃに立ち向かう。 しかし、口にくわえた木の枝をどれほど振り回しても、空を舞うれみりゃ相手には届かなかった。 「ゆぅ、ゆぅぅ、どうしてとどかないのぉぉ。」 「うー!あまあまー。がぶり。」 「ゆひぃぃぃぃ、れいむのあんこさんすわないでぇぇぇぇ・・・。」 「おきゃあしゃぁぁあん、ゆっくち、れみりゃはゆっくちしちぇぇぇぇ!」 「お、肉まん。」ぱさり。 「うー!うー!」 といったところで目が覚めたおにーさん。 玉網を使ってあっさりとれみりゃを捕獲したのであった。 それにしても、生ゴミを処理して肥料を作り、 庭の管理までやってくれた挙句、夕食のおかずをおびき寄せてくれるとは、 つくづく使いでのあるコンポストだ。 つい今さっきまでたっぷり飯を食っていたこの肉まん、中身がが詰まっていてうまそうだな。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「おきゃーしゃん、ゆっくちしちぇぇぇぇ。」 ザックザックザック 薄っぺらくなった方のれいむには、中身を詰めなおしてやることにする。 掘り出したのは、「おといれ」とやらになみなみと貯められた餡子。 こいつを、中身の減ったれいむの口からねじ込んでやることにした。 「ゆ゛っ、ゆぼぉっ!おにーざん、やべでぇ、ゆっぐぢでぎなっ!ゆぼっ!」 「おにーしゃん、やめてあげちぇにぇ!おきゃーしゃんがいやがっちぇるよ。」 無視。餡子は餡子だ。多少土が混ざっているが、中に詰めなおしてやれば問題ないだろう。 「ゆ゛っ、ゆっぐぢしていってね。ゆげぇ。」 「やっちゃー!おきゃーしゃん、げんきになっちゃよ。」 「ゆ、ゆぅぅ・・・おにーさん、ありがとぉ・・・。」 「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー!」 ふむ、消耗してはいるが、まだ当分は使えそうだ。 そして、その夜は多すぎて食べきれなかった肉まんの残りを、コンポストに放り込んでやった。 やはり一人暮らしにあのサイズは無茶な話だな。 「ゆわーい。きょうはごちそうだにぇ!」 「ゆーん。きっといっしょにれみりゃをやっつけたから、ごほうびなんだよ。」 「ゆっくち!ゆっくち!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そんな生活が、しばらく続いたが、 子れいむが成体にまで大きくなった頃、親れいむの方が死んだ。 あとで調べたが、町の野良の寿命は平均一年かどうかと、大分短いらしい。 我が家に来た時には中古のポンコツだったということか。 「お・・・おにーさん。おちびちゃんを、・・・これからもゆっくりさせてあげてね。」 「特になにも変らんよ。」 「おちびちゃん、・・・ゆっくりしていってね・・・・・・」 「おかーしゃん、おきゃあしゃぁぁぁあああん!!!すーりすーりしてね、ぺーろぺーろしてねぇぇえええ!!!」 リボンは子れいむの方が欲しがったのでくれてやり、死体のほうはぐちゃぐちゃにすり潰して肥料にした。 花壇の花も元気に育つことだろう。 「おかーさん。おはなさんになったんだね。」 「まあそうとも言えるな。」 「ゆっくりしていってね。おかーさん。」 まあ、そんなことはどうでも良かったのだが、少し問題が生じてきた。 コンポストの、生ごみ処理能力が落ちてしまったのだ。 「ゆぅぅ~。さびしいよぉ。」 「おちびちゃんがほしいよぉ。」 「すーりすーりしたいよぉ。」 どうも孤独な生活と発情期が重なって、ノイローゼ状態になったらしい。 頭数が減ったうえ、どうにも食欲が無い。庭の雑草もまた伸び始めてきた。 これは、新しいゆっくりを取ってくる必要がありそうだな。 その日、夕食の生ゴミをコンポストに放り込みながら、 れいむにつがいを探してやる、と言った時のれいむの喜びようは大変なものだった。 体が溶ける寸前まで水浴びをして、リボンのしわ一つ一つまで丹念にあんよでつぶして伸ばしていく。 コンポスト内の清掃も丹念に行い、 さらに子供が出来た後のために、花やイモ虫、果物の皮などのごちそうから保存食の干し草まで貯めこむ。 にんっしん中のベッドまで葉っぱと草を使って作り終えて、準備万端でその日を迎えた。 約束の日、私はれいむを連れて街を歩き、れいむ的に「すっごくゆっくりしてる」まりさを手に入れた。 この白黒饅頭、帽子にアイロンをかけた形跡もわずかにあり、恐らくバッジを引きちぎったのであろう傷痕も見られる。 飼われていたというなら、それなりの躾もされているのだろう。好都合だ。 「ゆふん!そんなにまりさをかいたかったら、かわせてやってもいいのぜ。」 「ゆっくり!まりさ、ずっとゆっくりしようね!」 「ゆん!なかなかゆっくりしたれいむだから、とくべつにすっきりしてやってもいいのぜ。」 本人も乗り気のようだから都合よい。つがいにしてやることにして、家に連れていった。 「ゆぅ~ん、まりさ。すーり、すーり。」 「ゆへぇぇ!いいからとっととまむまむをむけるのぜぇ!『ぼよぉぉおん!』」 「『ごろんっ』ゆぅ!?もっとゆっくりしてぇ!」 「しったこっちゃないのぜ!まりさのぺにぺにをおみまいしてやるのぜぇ!!」 ずぼぉっ!ずっぽずっぽずっぽずっぽ・・・ 「ゆぁーん、いだいぃぃぃい!らんぼうすぎるよぉ。もっと、ゆっぐりぃ!」 「ゆっふっ!ゆっゆっゆっゆっゆっゆっすっきりぃぃぃいいい!」 「ずっぎりぃぃ。」 とりあえずれいむの腹が膨れてきたので、予定どおりにいったようだ。 「ひどいよまりさ・・・」 「ゆふぅ。ひとしごとおわっておなかがすいたのぜ。にんげんさん、とっととごはんをもってくるんだぜ!」 「その辺のを適当に食え。」 「ゆゆ!?なにいってるのぜ。ゆっくりふーどさんなんて、どこにもないのぜ。」 「草があるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇぇ!くささんはごはんじゃないのぜ! ふーどさんがないならけーきさんでもいいのぜ!はやくもってくるのぜ、くそじじぃ!」 「ゆぅ。なにいってるの?おにーさんにあやまってね。くささんはおいしいよ。むーしゃむーしゃ。」 「ゆぎぃぃぃいい!もういいのぜ!はやくおうちにいれるのぜ!べっどですーやすーやするのぜ!」 「そこに家ならあるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇ!これはごみばこさんなのぜ!くさくてきたないのぜ!」 「ひ、ひどいよまりさ!おにーさんがれいむにくれた、ゆっくりできるおうちだよ! それに、れいむがいっしょうけんめいおそうじしたんだよ!ゆっくりあやまってね!」 「・・・いいよ別に。文句があるなら勝手に出ていけば。」 「ゆふん!まったく、ばかなじじぃとゆっくりしてないごみれいむのほうが、このおうちからでていくのぜ! ゆっくりしたまりささまが、とくべつにこのおうちをつかってやるのぜ!」 「ふーん・・・。れいむ、どうやら一緒に暮らすのは無理そうだが。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくりできないまりさだよぉ。」 とりあえず、私が家から追い出されるのは嫌なので、ゆっくりしたまりささまとやらは、門から丁重に出て行ってもらった。 あれだけ態度がでかいと、野良をやっていくのも大変だろうに、大したものだ。 しかし、ゆっくりと言っても、コンポスト向きのとそうでないのがいるのかもしれない。 黒帽子がダメなのか、飼われていたのがダメなのか、まあ、どうでもいいことだ。 れいむの腹にいるちび共の中に黒帽子がいたら、それもはっきりするだろう。 つがいこそいなくなったものの、孤独を埋めるという当初の目的は達成されたようである。 それから数匹分の食欲を発揮し始めたれいむは、3週間後、無事れいむ種一匹とまりさ種一匹を出産した。 赤ゆっくりが腹から射出される勢いには驚いたが、庭は柔らかい芝生であったのが幸いしたのか、 せっかくれいむが作っていた草のクッションから1m以上離れて着地したものの、つぶれることはなかった。 「「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!!」」 「ゆっくりしていってね!ゆぅーん、ぺーろぺーろ、おちびちゃんたちかわいいよぉ。」 これで、コンポストの方は今後も安泰そうだ。 母れいむがチビ共にもバッジが欲しいとか言ってきたので、画鋲のカサの部分をセメダインでくっつけておく。金バッジだ。 これで満足して生ゴミを処理してくれるのだから、安上がりなものだ。 ちなみに、ゆっくりしたまりささまに出て行ってもらってから二日後、門の前にみすぼらしく、 帽子もかぶっていないまりさ種が一匹転がっていた。 「やっばりがっでぐだざぃぃ・・・おねがいじばずぅ。」 とか言っていたが、ゆっくりを飼う趣味などないので、無視しておいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− それからしばらくは、コンポストとしても庭の芝生管理としても特に問題はなかった。 ピンポン玉サイズの子供たちでは、成体一匹分の処理能力を補えるかと、多少不安ではあったが、 どうやら、成長中のチビ共の方が食欲は旺盛らしく、生ゴミは毎日順調に処理され、肥料になっていった。 黒帽子の方も特に文句を言わず、生ゴミをムシャムシャ食らい、庭をぽよんぽよんと跳ねまわっている。 やはりあの態度は、育ちが問題だったようだ。 だが、赤ゆっくり達が産まれてから一月ほどたち、そろそろ冬の近づきを肌で感じ始めた頃、 またしてもコンポストの性能が低下してきた。 朝、コンポストの中をのぞいてみると、まだ昨日の生ゴミが残っている。 さらにその奥では、歯をガチガチと鳴らしながら、目の下にクマをつくったれいむ一家がいた。 「お、おおお、おにーさん、おうちがさむいよぉぉぉ・・。ねむれないよぉぉ・・。」 「しゃむくてゆっくちできにゃいぃぃぃ。」 「ごはんしゃんつめちゃいよ。むーちゃ、むーちゃ、しょれなりー。」 コンポストはれいむ達なりにきっちり入口を塞いでいるが、やはり所詮はポリバケツ。 まだ昼間は温かいが、壁一枚隔てた向こうの、夜の寒気を完全に防ぐことはできないようだ。 この時期でこれでは、冬の間はコンポストの機能が完全に停止しかねない。 家に入れるという選択肢はもちろんないが、 本格的にコンポストの改造を行う必要がありそうだ。 その日の昼、れいむ一家に『たからもの』とか言う小石や押し花や、ガムの付いたリボンらしきゴミをコンポストから出させると、 大規模な改装に取り掛かった。 まずは、ポリバケツを掘り出して、横倒しにすると天井になる、壁の一部を四角く切り抜く。 それに、ちょうつがいと留め金をつけて、外から開けるようにした。 ゆっくりは、冬には巣の入り口を密閉するらしいので、生ゴミの投入口をつけてやったわけだ。 次にバケツの入口、つまりゆっくりの出入り口だが、せいぜい直径30cm程度のゆっくりに対しては大きすぎる。 壊れたすのこを材料にして、ドーナツ状の板をつくり、バケツの口に取り付けてやった。 これでゆっくりの出入り口は、必要最低限の大きさになり、 木の枝などで塞ぐ手間も、寒気の吹き込む隙間もぐっと減るはずだ。 あとは、再び縁側の下にポリバケツを埋めなおし、これまではむき出しだった側面にまで土をこんもりと盛っておく。 外から見ると、生ゴミの投入口と、ゆっくりの出入り口だけ穴のあいた、砂場の砂山のような外観となる。 縁側の下なので、雨風で盛り上げた土が崩れる心配は無い。 地下は冬でも暖かいというので、これで断熱は十分だろう。 数十分の作業中、庭で遊ばせていたれいむ一家を呼び寄せた時の反応は、 以前コンポストを、はじめてつくった時以上のものであった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆわぁぁぁぁああい!すっごくゆっくりしたおうちだよぉぉおおお!」 「ゆっくち!ゆっくちー!れいみゅたち、こんなゆっくちしたおうちにしゅんでいいにょ!?」 「ゆわーい!なかもあっちゃかいよー!ゆっくちー!」 「ふーい、疲れた。あとはこいつでも中に敷いとけ。」 「ゆぅぅぅぅうう!しゅごーい!ゆっくちちたおふとんしゃんだー!」 「おにぃさん、ありがと、う、ゆぇぇぇええん!」 「おきゃーしゃん、ないちぇるにょ?どっかいちゃいにょ?ゆっくちしちぇにぇ。」 「おちびちゃぁぁあん!れいむはうれしくってないてるんだよぉ。ゆっくりー、ゆっくりー!」 近所の農家から頂いてきた干し藁をひと束くれてやっただけだが。 とりあえず、この反応からして、今後はまたコンポストとして元気にやってくれそうだ。 こちらはやることやったので、あとのメンテはこいつ等がかってにやってくれればいい。 かつて母れいむと一緒に野良生活を送っていた頃、れいむには夢があった。 温かくて、雨の心配も、風の恐怖も感じないですむおうち。 毎日お腹いっぱい食べられるだけのごはん。 しかも、そのごはんを手に入れるために、命の危険など感じずにすむゆっくりプレイス。 外敵の心配もないそのゆっくりプレイスで、 ゆっくりしたおちびちゃん達とすーりすーりしたり、のーびのーびしたり、 おうたをうたったり、水浴びですっきりーしながら、毎日ひたすらゆっくりする。 夜になったら、ゆっくりしたおうちに帰り、ふかふかのおふとんの中で、 家族で肌を寄せ合ってすーやすーやする。 たまにはあまあまが食べられたら言うことはない。 これが、れいむのかつて夢見たすべてであった。 そして、今、この場所には、れいむが望んだもの全てがあった。 全てのゆっくりが追い求め、そして見つけることの出来なかった場所、ゆっくりプレイス。 だが、れいむにとってのそれは、人間さんがコンポスト、と呼ぶこの場所に、確かに存在していたのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくりー!」 「すーり、すーり、しあわせー。」 「すーり、すーり、・・・ゆっ、ゆっ、ゆっ」 「ゆふぅん、だめだよまりさぁ。ゆふぅ、ゆふぅーん!」 れいむ親子が初めて我が家のコンポストとなって2年。 結局外部から新たなゆっくりを連れてくる必要はなくなった。 こいつらは、家族以外のゆっくりがいないとなると、姉妹同士でつがいを作り続け、今はすでに4世代目である。 今はこれまた姉妹である、れいむとまりさのつがいがコンポストとして活躍している。 それと、最近は花壇の世話もめんどくさくなったので、街でゲッソリしていたゆうか種も一匹拾って庭に住まわせている。 最初はコンポストの連中が花を勝手に食う、食わないでもめた時期もあったが、 群れでもない以上大した量を食われることもなく、しかも花の肥料がコンポスト産だということもあり、 それなりの折り合いをつけることで落ち着いている。 「「すっきりー!」」 などと思っているところで、また増えるつもりのようだ。 れいむの頭ににょきにょきと生えたツタには赤れいむが3に赤まりさが2。 まあ、構わない。どうせ代替わりが激しいゆっくりである。 うっかり病死などしないうちに子供を作ってもらわなければ余計な手間だ。 それに増えすぎるようなら何個か潰して肥料にするだけ。 庭もすっかり華やかになって、もう幽霊屋敷の頃の面影は残っていない。 「おはよーございます。」 「ああ、農場の。おはよう。」 最近ついにこの辺も、のうかりん農場化が進み始めた。 生垣の向こうから挨拶してきたのうかりんも、そこの従業員である。 「とってもゆっくりした庭ですね。きれい。」 「まあ、ゆうかが一匹でやってるんだがね。」 「うふふ。それは失礼しました。でも、それ以上に・・・あなたの飼われているゆっくり達。」 「?」 「とってもゆっくりしてますね。今までたくさん飼いゆっくりを見ましたけど、一番ゆっくりしてますよ。」 「ふーん。そんなもんかね。」 同じゆっくりである、あののうかりんが言っているなら正しいのだろう。 よくわからんが、この2年間で一つだけ確信したことがある。 こいつらには、コンポストという仕事が向いている、ということだ。 リクのあったゴミ処理場ネタは今度また書きます。 それにしても自分のSS製作ペースがそれほど落ちたわけではないのに、 いつの間にか餡小話のそうとう下に追いやられてたり。 SS増加ペース早っ。 とりあえず、シリーズものについてはそろそろなんか書きます。 町れいむ、レイパー、計画中のペットショップシリーズ リクの消化もまだおわってないなぁ。 挿絵 by街中あき 挿絵 by??? 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 プラス本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) 挿絵:街中あき 挿絵:おっぱい無しあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5098.html
ゆっくりが髪を失った状態をハゲまんじゅうと呼ぶ。 髪を失うことはゆっくりにとって致命的なことだ。 脆弱なゆっくりにとって髪による保温機能、防護機能を失うことは生存率を激減させる。 命の次に大切な飾りが付けられなくなるというのもある。 飾りはゆっくりにとってアイデンティティを司るものであり、これがなくなれば仲間から阻害される。 髪を失って不気味な姿となったハゲまんじゅうが単なる飾りなし以上に迫害されることは自明の理だ。 そればかりか、ゆん格が崩壊する恐れがある。 自分が誰だかわからなくなり、自身と外界の区別がつかなくなり、筋道立った思考ができなくなり、最終的に悪夢めいた意識の混濁のなかで狂い死にすることになる。 また他の動物との関わり方も大きく変化する。 ゆっくりは人間に擬態することで肉体的には遥かに強い動物たちから辛くも逃れられている。 だが、髪がなくなればこの擬態効果も減少する。 また人間はハゲまんじゅうをことの他嫌う。 まず見た目が醜い。ゆっくり自体人間の醜悪なパロディと考える人がいるが、ハゲまんじゅうはそのゆっくりをさらに歪めたおぞましい悪意のオブジェだ。 ハゲまんじゅうとは破壊しつくされたゆっくりの残骸なのだ。 いかなるゆっくり愛好家でもハゲまんじゅうだけは拒絶する。むしろゆっくりが好きな者ほどハゲまんじゅうを激しく嫌う傾向があるようだ。 その存在自体がゆっくりに抱かれる幻想のすべてを否定するからだろう。 これを可愛がれるものはこの世にいないと断言できる。 ハゲまんじゅうとは通常人間による虐待によって生み出される。 前述のとおり、ハゲまんじゅうに変えてやるだけでこの上ない苦痛を与えることができるのだ。 ハゲまんじゅうにして森に捨てる者、命を永らえさせて崩壊する様を観察する者もいる。 世の満たされない紳士淑女諸氏にとって手軽で効果的なストレス解消法だ。 統計によると、ゆっくり出現以来いじめを苦にした自殺が大きく減ったという(要出典) だがもうひとつ、病気によるハゲまんじゅう化という現象もある。 定期的に流行るゆっくりのみにかかる疫病により、髪が抜け落ち、飾りなどのパーツが腐り崩れてしまうのだ。 ハゲまんじゅうと化したゆっくりたちは森を彷徨い歩くことになる。 ハゲまんじゅうを受け入れてくれるゆっくりはいない。ましてや疫病となれば感染を恐れられて石もて追い払われるのが常だ。 ハゲまんじゅうにはどこにも居場所がない。 ハゲまんじゅうたちはしばしば集団を作り、あてもなく彷徨い歩くことになる。 ハゲまんじゅうたちは救いを求めて歩き続ける。救いがどこかにあると信じて。 しばしば宗教がかった集団となる。一種の巡礼者、苦行者の群れと化すのだ。 「ゆっくり~ゆっくり~、きょうもげんきにゆっくり~」 「ゆっくりのかみさまおすくいください! あわれなかなこをおすくいください!」 ハゲまんじゅうたちは祈りの文句、嘆願の言葉を叫びつつ、お互いに体当たりしながら進んでいく。 体当たりしあうのは苦行であり、前身を促すためのものでもある。 動きを止めたハゲまんじゅうは周囲から袋叩きにされる。そのまま二度と動かなくなるものも多い。 大声を出すのは通り道にいるほかのゆっくりに注意を促すためである。これを怠ったのなら殺されても文句は言えない。 「ばっちいハゲまんじゅうはさっさときえてね!」 「おおきもいきもい! れいむたちに近づかないでね!」 ゆっくりたちは口から石を放って通りがかったハゲまんじゅうたちをいたぶる。 ハゲまんじゅうたちは一切手向かいせず、苦難を甘んじて受け入れる。 その顔ぶれはどれもこれも見分けがつかないが、中にはかつての姿を想像させる痕跡を持つものもいる。 「ぐへへへへへ~~~ぶへへへへへへええええ~~~~~~ぶうええええええええええ~~~~~~」 もはやゆっくりとさえ言えなくなったあるゆっくりは、頭の側面にある突起によってゆっくりすいかだったことがわかる。 突起は病によって崩壊した角の名残であろう。ゆっくりすいかはゆっくりの中でも膂力に優れた種だが、角を失うとその力は普通のゆっくり以下に落ち込む。 自慢の力比べで他のゆっくりに負けて精神崩壊したのかもしれない。 「おお……おおお……おお……」 背中に黒い羽の残骸のついたハゲまんじゅうは、元きめぇ丸だ。 自慢の飛行能力を失って地べたを這い回る様は哀れ極まりない。この種は地上での生活は不得手なのだ。 歩くごとに全身に苦痛が走ったような表情を浮かべている。あのふてぶてしい表情はかすかに残っているだけだ。 「じね……じね……じねぇ……」 呪詛の言葉をぶつぶつ呟いているのはゆっくりふらんだ。 あの派手な翼は見る影もく腐り落ちている。 きめぇ丸と同じく地上での生活は不得手(そもそも歩くことが無い)ので、歩行には相当の困難が伴うようである。 飛行能力と共に狩りの能力も失った。甘いゆっくりの餡ではなく、草や虫(それも普通のゆっくりは目もくれないような)を食べて命をつなぐしかない。 死ね、死ねという呪詛は他の健康なゆっくりに対するものか。それともいまや苦痛の塊と化した自分に対するものか。 「おばなああああああああああ!! おヴぁなあああああああああああああああああああああ!!!」 奇妙な叫びをあげているのはおそらく元ゆっくりゆうかだ。 ゆうかは花を育てる種として知られているが、このハゲまんじゅうは道端の花を抜いては土を掘って埋めるようなことを繰り返している。 そういった花壇もどきは後続のハゲまんじゅうたちに踏みにじられていく。 「がぱ……かぱ……かぱぱ……」 干乾びかけたような姿のハゲまんじゅうがいる。これは元ゆっくりにとりだろう。 にとりは水に耐性を持つ珍しいゆっくりだが、病気によってその能力を失ったようである。 しかし、にとりは長い間水から外に出られない種でもある。体が干からびて崩壊してしまうのだ。 元にとりは歩くたびに体にヒビが生え、己の小さな残骸を後に残していく。もう長くないだろう。 「おぜうさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! おぜうざまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 このハゲまんじゅうはゆっくりさくやに違いない。 病気にかかったことで共生関係にあるゆっくりれみりゃから追い出されたのだろう。 かつての(ゆっくりとしては)瀟洒な姿は微塵も残っていない。 決して再会することのできないおぜうさまの名を叫び続けている。 「じゃおおおおおん! じゃおおおおおおおおおん!」 その傍らにいるのは一緒に追い出された元ゆっくりめーりんか。 もともと言語能力、高度な精神能力を持たない劣等種なので、ハゲまんじゅうになってもあまり変わりないようだ。 それでも守るべき場所を失った衝撃は心に深い傷を与えたことだろう。 「カサカサ……カサカサ……」 これらの破壊されたゆっくりの残骸たちの間を、これまたハゲまんじゅうと化した元ゆっくりリグルの大群が這い回っている。 もちろん、死んだハゲまんじゅうを掃除するためだ。ハゲまんじゅうの病にかかった死肉を食らうことで、元リグルはますます捻じ曲がった姿になっていく。 この芥虫たちはまさにこのおぞましい群れに相応しく、汚辱色の彩りを添えていた。 ハゲまんじゅうたちは歩き続ける。 ありもしない救いを求めて。救いがどこにもないとわかっていても。 「ゆっくり~ゆっくり~、きょうもげんきにゆっくり~」 「ゆっくりのかみさまおすくいください! あわれなハゲまんじゅうをおすくいください!」 このSSに感想を付ける