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※○ちゃん「ぱられるぱられる、もうどうにでもなれ〜」 ※「僕はこうして〜」シリーズの無断クロスです。レイパーさん、ごべんなさい ※いじめは、うん・・・すまない、特にないんだ。正直作者の自己満足の境地です ※登場人物紹介とかはあとがきの後に記載しています 「おねーさん!すいか、ゆっくりにんげんさんにあいたいよ!」 きっかけは我が家で飼っている珍種ゆっくり、ゆっくりすいかのそんな一言。 ゆっくり人間とはすいか曰く、人間とゆっくりの間に生まれたナマモノで外見は人間と変わらないらしい。 が、身体の成分が一部ゆっくりのそれに類似しており、またゆっくりにエライ勢いで好かれるそうだ。 すいかはこんな馬鹿げた都市伝説をどこからか、恐らくテレビ辺りで仕入れ、なおかつその実在を見事に信じきっているらしい。 そんな生物学者がまた何人か発狂しそうなナマモノがいるはずも無いと言うのに、連日連夜会いたい会いたいと喚き続けるすいか。 私はずっと「居ないものとは会えない」の一点張りで押し通してきたのだが、結局彼女の執念に負けしてしまった。 「そんないきさつでれいむたちはゆっくりにんげんさんをさがしにおでかけをしているんだよ!」 「きょうはどんなゆっくりしたことがおきるのかな?!」 「ゆっくりにんげんさん・・・ゆっくりにんげんさん・・・ゆっくりしていってね!」 「アンタら、誰にナレーションしてる?」 左右の肩にれいむとまりさ、頭上にすいかという傍目には私こそゆっくり人間だろうと言わざる得ないような出で立ち。 それ以外はジーンズ、Tシャツ、白のコート、メガネと至ってシンプルなのだが人の顔の周りで騒ぐこいつらのせいで道行く人々の注目を意味も無く集めていた。 これが私の美貌のなせる業・・・であればどれだけ優越感に浸れただろうか。 しかし、現実というのは残酷なもの。 他の女性を圧倒しているものは胸くらいの私にそこまでの魅力はなく、行き交う人々の視線は私の顔の周りでゆんゆん歌っているゆっくり達に向けられている。 地元ならまだしも、見ず知らずの土地へ向かう電車の中では「何、あのゆっくり馬鹿」と言わんばかりの好奇の眼差しが少し痛かった。 「ということで、れいむたちはゆっくりにんげんさんのまちについたよ!」 「ゆっくりにんげんさんはみつかるかな?!」 「ゆっくりにんげんさん・・・すいかといっしょにゆっくりしようね〜〜〜〜〜!!!」 目的の駅に到着した時、また誰かに向けてナレーションをし始める我が家のゆっくりども。 近くに座っていた中学生のグループがクスクスと笑うのを一瞥し、電車を降りると、階段を駆け下りて、改札を後にする。 余談だが、すいかのおかげで無料で乗車できた。理由は言わずもがな。 この無意味にピンポイントなサービスは一体誰が得をするんだろうか・・・心の中でそう突っ込んだ直後に、自分が得をしていることに気付いた。 ゆっくり人間を探して訪れた街は一見すると何の変哲もない普通の街だった。 強いて特徴を挙げるとすればゆっくりが比較的浸透していて、飼いゆっくりや野良ゆっくりが平然と人々の隙間を縫うようにして通りを行き来しているくらい。 そのあまりの平凡さを訝しく思ったれいむは「ほんとうにここにいるの?」と首をかしげていたが、私がこの街を訪れたのには理由があった。 「ねえ、おねーさん?」 「んあ?」 「ほんとうにゆっくりにんげんさんはここにいるの?ゆっくりしたふつうのまちだよ?」 「ああ、多分ね」 この街にゆっくり人間がいると思った理由は至って単純。 私が勤めているゆっくりショップのバイト仲間にゆっくり人間について尋ねてみたところ、この街の名前が挙がったからである。 彼が適当なことを言っていたり、間違っている可能性もあるのだが、話を聞いた後に調べてみたらこの街には“ミスターゆんちぇいん”がいることが判明した。 「みすたーゆんちぇんってなあに?」 そう言って首をかしげたのはまりさ。 すいかもれいむも言葉の意味が理解できずに首をかしげている。 そんな訳で、私は彼女らに、私自身最近知ったその言葉の意味を説明してやった。 「ミスターゆんちぇいんって言うのは・・・ゆっくり関係で凄すぎる記録を残したせいでゆっくりカンパニーの人工衛星で常時監視されている人のことだよ」 もっとも、一介のアルバイトに過ぎない私では流石にその監視衛星の映像を見ることは出来ないし、眉唾もいいところではあるが。 「ゆゆっ!じゃあ、ゆんちぇいんさんはすごくゆっくりしてるんだね!れいむゆんちぇいんさんにあいたいよ!」 「まりさも!まりさも!」 ついでに彼らが時速5km以上で移動するとバッジに取り付けられた迷子防止用のGPSの座標が70mずれることも付け加えておいた。 すると、まだ何が凄いのかは一言も言っていないのにれいむ達は何か凄そうな人がいると聞いて大はしゃぎ。 そんな3匹の様子を見て、何が凄いのかを教えてあげた。 「ちなみにここのゆんちぇいんはゆっくりレイプギネス記録保持者ね」 「「「ゆげぇ!」」」 それじゃゆっくり出来ないよと言わんばかりの表情になった3匹は「かえろうよー!」などと言い出した。 が、「ゆっくり人間を探すんだろう?」の一言ですいかが立ち直り、れいむとまりさも巻き添えを食う格好ゆっくり人間捜索に参加させられる。 「にんげんさんのすっきりごわいよおおおお!」と泣き喚くれいむとまりさはなかなかに可愛かった。 そんなつまらないやり取りから数時間後。 何故か観光スポット巡りに興じてしまった私たちはゆっくり人間のことをすっかり失念していた。 気がつけば陽が沈み、弁当を買って立ち寄った公園には殆ど人影が見当たらない。 そんな静寂の中、ようやく見つけた私以外の人間は・・・ 「・・・・・・うへぇ」 「おねーさん!ここはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりしないでにげようね!」 長身の、ガタイの良い黒人の男性だった。 勿論、それだけならば驚くほどのことでもない。 問題は彼の、一糸纏わぬ生まれたままの姿にあった。 変態?危険人物?・・・普通に考えたら貞操の危機を感じるべきところなのだろう。 が・・・・・・ 「オー、ヤッパリタマニハゲンテンニカエッテオーソドックモイイモノデス」 「やべでえええええ!でいぶずっぎぢぢだぐないいいいいい!?」 「HAHAHAHAHA!」 その黒人男性はどうやらHENTAIお兄さん、もしくはゆっくりレイパーらしい。 HENTAIお兄さん・・・ゆっくりを性の捌け口にする異常性癖の持ち主の総称である。 流石に飼いゆっくりに手を出すようなことは稀だが、野良ゆっくりにとっては虐待愛好家に次ぐ脅威。 勿論、現物を、そして現場を目撃するのは私も初めてのことだった。 「・・・・・・そういえば」 流石にこの光景を平然と直視することは出来ないが、相手がゆっくりならとやかく言う事もないだろう。 そう思った私は、店の先輩から聞いた「レイパー同士は惹かれあう」という言葉を信じて彼にギネス記録保持者の居場所を聞くことにした。 彼がゆっくりれいむを犯している茂みから少し離れたベンチに腰掛け、そこにれいむとまりさとすいかを下ろす。 「ゆゆっ、にんげんさんまたきたの!まりさのはにーをいじめないでね!?」 「「「やめちぇね!ゆっくちできにゃいよ!」」」 「ワオ、マリサニコドモタチモヤッテキマシタ」 「ゆぎぃ!?やめてね!にんげんさんのすっきりはこわいよ!ゆっくりできないよ!」 どうやらつがいを助けに来たまりさやその子ども達を相手に第2ラウンドに突入したらしい。 流石にあれだけの数を相手するとなると長くなりそうなので、彼らの嬌声や悲鳴をBGMにして弁当を広げる。 我が家のれいむ達が「ゆっくりできないいいい!」と喚くのをでこピンで黙らせ、昼ごはんを食べ忘れたため8時間ぶりになる食事にありついた。 「むーしゃむーしゃ・・・幸せ〜」 「ず、ずっぎぢー!」 「もっちょ・・・ゆっくちちたかっちゃよ・・・」 「フゥ・・・スッキリー」 私が鮭弁当のチープな美味さを満喫し終えた時、ちょうど男性もゆっくりを満喫し終えた。 傍らでは我が家のゆっくり達が同胞を助けてあげられなかったことを悔やんで「ごべんねぇ!」と謝り続けていた。 いや、あの手つきと技術を見る限り殺さないように加減してるよ・・・そうフォローしようとした時、レイパーの男性が、ちゃんと服を着て茂みから姿を現した。 「イヤァ、オミグルシイモノヲ」 「ん、ああ・・・お構いなく。こちらこそ、お楽しみの邪魔をして申し訳ない」 ファミレスの椅子に腰掛けたままの私とドリンクバーの安物のコーヒー越しに視線が合った男性は頭をかきながら照れ笑いを浮かべている。 レイパーとは言え性癖以外は他の人と変わらないわけで、黒い肌とは対照的な白い歯を輝かせている彼はなかなかの好青年のように思えた。 彼に会釈しながら、れいむとまりさとすいかを抱きかかえて立ち上がり、必要も無いのに軽く自己紹介を済ませた。 「ボブさん、だったっけ?」 「ハイ、ナンデショウ?」 「あれ、趣味なの?」 「イエス、ワタシユックリダイスキデス!」 「ゆゆっ!だったらひどいことしないでね!ゆっくりできないよ!」 「そうだよ!ゆっくりさせてあげてね!」 満面の笑みを浮かべてサムズアップするボブに対して怒り心頭のれいむ達。 しかし、ファミレスで騒ぐと迷惑になるし、それに大声で話すようなことでもないので頭をはたいて黙らせた。 その後も3匹は頬を膨らませて抗議していたが、大声で叫ぶようなことはなかった。 「シツケガジョウズデスネ」 「特別なことをしているつもりはないんだけどね」 「ソレニシンライサレテイマス」 「全く嬉しくないけどね」 「ナニヨリスゴクカワイイ」 「1回50ドルで貸してあげても良いけどね」 そんな具合で、すぐにボブと打ち解けた私は早速彼にゆっくり人間について尋ねてみる。 しかし、帰って来た言葉は「ウワサクライハシッテイル」という非常に曖昧なものだった。 その回答に目に見えて落胆するすいかの頭を撫でながら、私はもう一つの質問をぶつけてみた。 「じゃあ、ここら辺で一番実力のあるゆっくりレイパーって知ってる?」 「レイパーハプライバシーヲマモリマス」 「・・・そりゃそうか」 多少親しくなったとは言え所詮は見ず知らずの相手。 もしかしたらレイパー撲滅を狙う組織の人間かもしれないし、そうでなくても金目当てで情報を売る可能性だってある。 最近もどこかでゆっくりレイパーの会合をアンチレイプの組織が襲撃しようとしたなんて話を聞いた気がする。 いや、そもそも世間に公表できるような性癖でないのだから、容易に口外できるものではないのだ。 「仕方ないか・・・今日は安いカプセルホテルにでも泊まって、明日また探そう」 本日の捜索を諦め、ボブに適当なホテルの場所を教えてもらった私は、会計の全てを彼に託してそそくさとファミレスを後にした。 『地球がゆっくりする日』や『Yull E』の話題で盛り上がった手前、少し気が引けたがホテル代を捻出するためだから仕方ない。 結局ゆっくり人間は見つからなかったが、ボブに遭遇したことで色んな情報を得ることが出来た。 彼の日本語の習得状況を鑑みるに、来日して何年も経っているようには思えない。 にもかかわらず、近くのファミレスやカプセルホテルの場所を知っていた。 それにあの公園でレイプされていたまりさは「にんげんさんまたきたの!まりさのはにーをいじめないでね!?」と言っていた。 つまり、あそこの公園のゆっくりは頻繁に人間からの干渉を受けていると考えられる。 確証はないが、明日はあの公園に張り込むのが最善策だろう。 翌朝、まだ陽も出ていない時間から私とれいむ、まりさ、すいかは例の公園での張り込みを開始。 懐中電灯片手に公園の中を散策すると、いとも簡単に野良ゆっくりの巣をいくつも見つけることが出来た。 まだ人間の姿は見当たらないが、そこには朝ごはんと称して人間の捨てたごみを集めて回るゆっくり達の姿があった。 余談ではあるが、その中に昨日レイプされたれいむ一家の姿もあった。予想通り、全員健在のまま。 「もうすぐにんげんさんのくるじかんだよ!」 「ゆっくりおうちにかえるよ!」 「「そろーり、そろーり・・・!」」 散らかしたゴミが巣まで一列に並んでいるのだが、どうやら彼女達はそのことに気付いていなかった。 あるものは子ども達を引率してゴミ置き場で拾った生ゴミを溜めて帰り、またある赤まりさはお菓子の袋を持って帰っていった。 そんな光景を尻目に私たちも彼女達と同じように適当な茂みに身を隠して、人間が来るのをじっと待つことにした。 「ぱちゅりーは本当に馬鹿ね」 「んぶぅ〜!」 「むきゅ〜、も言えないなんて伝説的だわ」 「ん〜、んん〜!?」 数分後、割りと珍しい胴付きぱちゅりぃを連れた少女が公園に姿を現した。 一見すると勝気そうで、なおかつ真面目そうな少女とお馬鹿で有名なぱちゅりぃというのは違和感を覚える組み合わせである。 しかし、よくよく見てみるとぱちゅりぃは猿轡と首輪を装備済み。 ああ、あの子もそっちの世界の住人なのか・・・と納得しながら、彼女を観察し続ける。 「さあ、ぱちゅりぃ。ゆっくりを連れてきなさい」 「んぶぅ〜・・・」 ぱちゅりぃはきょろきょろと辺りを見回し、においを嗅ぐような仕草をしながらふらふらと歩き始めた。 一方、少女は首輪のリードを握ったままぱちゅりぃの後を追いかける。 そして、必死の形相でゆっくりを探し回っていたぱちゅりぃがようやく見つけたゆっくりは・・・ 「んぶぅぅぅぅぅぅううぅぅぅ!!」 「ぱちゅりぃをゆっくりさせてあげてね!」 「ぱちゅりぃをゆっくりさせてくれないおねえさんがきらいだよ!ぷんぷん!」 「すいかおこるよ!ぷくぅぅぅうううう!」 「う゛・・・」 私と一緒に茂みに隠れていた我が家のゆっくりども。 目が合ったときの彼女のばつの悪そうな表情はなんとなく可愛らしかった。 「ふぅん・・・で、たまにここに来てゆっくりを虐待しているわけね」 「・・・はい」 ベンチに腰掛け、ホットコーヒーで暖を取る私と少女。 彼女はまるでポエムを書き溜めたノートを拾ってくれたが、不可抗力で中身を見てしまった親切な人を前にしたときのような表情を浮かべている。 これが知人であればしこたまからかってやるところなのだが、流石に見ず知らずの少女相手にそんなことはしない・・・はず。 せいぜい必死に弁明する彼女の表情をにやにやと笑いながら眺めつつ、私の膝の上でいまだに膨れているれいむ達の頭を撫でる程度。 「ゆっくりできないいいわけはやめてね!」 「そうだよ!ぱちゅりぃをゆっくりさせてあげてね!」 「そうだよ!ぷんぷん!」 我が家のゆっくりどもは同族の虐待風景なんか目の当たりにして黙っていられるような連中ではない。 こっぱずかしそうにしている彼女に向かってもっともな文句を口にする。 が、流石に早朝のまだ辺りも暗い時間に大声で喚かれては近所迷惑もいいところ。 「だからアンタら五月蝿いよ。頭を少しかじってやろうか?」 「「「ゆっ・・・!」」」 「・・・・・・愛でお姉さん、じゃないんですか?」 「じゃないんです、断じて」 できるだけ柔和に微笑みながら、言われたとおりに膝の上で黙っているれいむの額にでこピンをお見舞いする。 「なんだぁ・・・だったら、必死になって言い訳する必要なんてなかったのね・・・」 「Exactly」 ついでにもう一発、今度はまりさにでこピンをお見舞いするのを見た彼女は盛大にため息を吐いた。 「そもそも・・・仮に私が愛でお姉さんでも首輪や猿轡くらいは飼い主としての責任の範囲内だから責める理由がないし」 「・・・え?」 「それにまだ虐待らしい虐待の現場は目撃していなかったわけよ」 「それじゃ・・・」 ようやく状況を把握したらしく、赤くなった顔を両手で隠す少女。 そして、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべつつ、彼女の肩を優しく叩く私。 「そ、完全に、一部の隙もなく、貴女の自滅」 耳まで真っ赤になるのが手に取るように把握できた。 「と、まあ、そんなことは置いといて・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 指の隙間から見えるジト目に篭った殺気を感じた私は意地の悪い笑顔はそのままに話題を強引に切り替えた。 すると、彼女も顔を覆っていた手を膝の上に戻し、いつの間にか温くなってしまった缶コーヒーのプルトップに指をかける。 ようやく陽が昇り始め、徐々に明るくなってきた公園にぱちんっ!という軽快な音が響き渡った。 「一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」 「なんですか?」 「ゆっくり人間って知ってる?」 その言葉を聞くや否や露骨に怪訝な表情になる少女。 私だってそんな質問されたら同じような顔をしただろうからその気持ちはよく分かる。 というか、私だってすいかの与太話でその存在を知っただけだから半信半疑だ。 「そんなの訳の分からないもの知りません」 「だよねぇ・・・」 私は彼女の言葉に首肯した。 続いてレイパーに関する質問もしようかと考えたが、流石にカタギにする質問じゃないのでやめた。 立ち上がり、リードを握られたままのぱちゅりぃを指差す。 「こんなの人目にさらすのも体裁が悪いから、そろそろお開きしようか?」 そんなこんなで、挨拶もそこそこに彼女と別れた。 「いや、そんな都市伝説聞いたこともないよ」 「ゆっくりにんげんさん?れみりゃのことなのぜ?」 「強いて言うなら君が一番そんな感じだよ」 「ち〜んっぽ!びっくまらぺにすっ!」 「JAOOOOO!JAO!JAO!JAOOOOOOOON!」 「そんなことよりれいむのおうたをきいていってね!」 少女と別れた私たちは、公園に住むゆっくりや散歩中の人達にしらみつぶしに話しかけてみるが全く成果が得られない。 ゆっくり人間の事を訊けば怪訝な顔をされるし、ギネスレイパーのことを訊いても人間なら顔をしかめ、ゆっくりなら怯えるばかり。 代わりに得た情報と言えば以前この公園のゆっくり達を二分していた対立と、両勢力の共通の敵となることでその対立を鎮めたレイパーのこと。 そして、人間に虐められているのを助けてくれたゆっくりふらんを連れたとてもゆっくり出来るゆっくりのこと。 もしくは時々この公園に出没するゆっくりふらんを連れた少年のこと。 「う〜ん・・・やっぱり情報が集まらないな・・・」 「れいむ、もうつかれたよぉ〜」 「まりさもだよ〜・・・」 「ゆゆっ!でも、ゆっくりにんげんさんはこのまちにいるんだよ!」 元々半信半疑だった私とどうしてもゆっくり人間に会いたいわけではないれいむとまりさは半ば諦めモード。 対して、どうしてもゆっくり人間に会いたいすいかは私の頭の上から檄を飛ばす。 が、疲れていることもあって私やれいむ達の反応は鈍い。 「きっとアンタの妄想だよ・・・」 「れいむ、なんだかねむいよ・・・」 「まりさも・・・」 朝から歩き詰めでいい加減飽きてきた私はれいむ達と一緒にうつらうつらと舟を漕ぎ始める。 そんな私を起こすためにすいかは膝の上に飛び降り、お腹に何度も体当たりを仕掛けてくるが、何故か余計に眠くなってきた。 そうして、れいむとまりさが本格的に眠ってしまったその時・・・ 「どうも・・・清く正しく、きめぇ丸です」 「んあ?」 風と共に、どこからともなく姿を現したのはスレンダーなボディの上に乗っかった下膨れの顔をニヒルに歪めた鬱陶しい饅獣。 きめぇ丸・・・かなり貴重なゆっくりの一種で、胴無しのものは知人が飼っているので何度か見たことがあるが、胴体付きを見るのはこれが初めて。 睡魔と戦っていたこともあって、私は彼女がゆっくりであることを理解するのに3秒程度の時間を要した。 「あなた達ですか、ゆっくり人間を探していると言うのは?」 「ん、まあ・・・一応」 「ゆっくり人間は見つかりましたか?」 きめぇ丸はニヒルな笑顔を一層ニヒルに歪める。 「いや、ヒントすらもつかめない状況」 「そうですか」 私の返答と、今までの聞き込みで得た情報を聞いた彼女はブンブンと高速で首を振った。 そのあまりのゆっくり出来なさ加減にすいかがすっごい表情で怯えているが、まあ気にすることでもないだろう。 「で、アンタは何のために話しかけてきたの?」 「みょんやめーりんと話せる人間が居ると聞いたので、少し興味が湧きまして。本当なのですか?」 「あー・・・本当だよ。なんか知らんけど言葉が分かる」 「おお、すごいすごい」 またしても高速シェイクするきめぇ丸。 少々鬱陶しいが、何らかの悪意があって話しかけてきたわけでもなさそうなので我慢する。 「ところで・・・」 「んあ?」 「ヒントすら掴めていないと言いましたが多分それは間違いです」 そう言って彼女は自信満々に微笑んでみせる。 パッと見、先ほどと変わらぬニヒルスマイルだがその笑顔に宿る感情が微妙に違うのに気付いた。 「あなたがいくら特殊なゆっくりと話せたところで人間以外の何者でもありません」 「そりゃそうだ」 「だから私の目にも人間の目にもあなたがゆっくりとして映ることはないでしょう」 「当たり前・・・あれ?」 ここまで言われてようやく、私は彼女の言葉の意図を理解した。 みょんやめーりんと会話できたところで私は人間だから誰の目にも人間としてしか映らない。 どんなに知能が高くてもきめぇ丸はよほど寝ぼけていない限りは人間と見間違えることはない。 なら、ゆっくりと人間のハーフなるものが居たらそれはどのように映るのだろうか? 「ああ、そうか・・・」 相変わらずニヒルな下膨れ顔を左右に振るきめぇ丸から視線を外し、俯いて考える。 もし、ゆっくり人間が人間の目には人間として、ゆっくりの目にはゆっくりとして映るのであれば、私たちは既に大きなヒントを得ている。 勿論、どちらの目にも同じように映る可能性はあるが、そうなってしまうと肉眼に頼る手段では判別不可能だから私たちにはお手上げだ。 「ふらんを連れたゆっくり・・・か」 もし、ふらんを連れたゆっくりがれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすなどのメジャーな種族であれば彼女達は必ず種族名も教えてくれるはず。 ましてや、ふらんを連れているのにゆっくりしているというのはどこかおかしいように思えた。 その上、ゆっくりふらん自体が既に貴重な種族で、めったにお目にかかれるようなゆっくりではないのだ。 「なのに、この公園にはふらんを伴う人(orゆっくり)が二人もいる・・・」 きめぇ丸のもったいぶった言葉に意味があるならば、この両者は同一人物なのではないだろうか? からかわれている可能性もあるが、他に頼りに出来る情報がない以上、信じるしかあるまい。 なら、私たちがすべきことは一つ。 「ふらんと飼い主を、それも私の目には人間に見えて、すいか達の目にはゆっくりに見える人を探せばい・・・あれ?」 すべきことを理解した私が顔を上げた時、きめぇ丸もとい敬意を表してきめ子さんと呼ばせていただこう、の姿はなくなっていた。 それからはとんとん拍子で事態が進んでいった。 ふらんの飼い主が地元の中学生だか高校生だかの少年であることが判明し、すぐにその少年の学校も割り出すことが出来た。 「むにゃ・・・そんなわけで、れいむたちはぎわくのゆっくりゆっくりふらんがおさんぽしているのをみつけたよ!」 「ふにゃ・・・これでゆっくりにんげんさんにあえるかな?」 「ゆっくりにんげんさん・・・すいかといっしょにゆっくりしようね!」 と、れいむ達の説明の通り、現在私たちは通りで見かけたゆっくりふらんを尾行していた。 念のため買っておいたサングラスを装着し(もちろんれいむ達も)、電柱の影から彼女を見守る。 「・・・・・・あのー?」 「ゆゆっ!いまとりこみちゅうだよ!」 「ゆっくりあとにしてね!」 若い男の声を聞き流しつつ、私たちはふらん監視を続行する。 「・・・いや、取り込み中じゃないだろ」 「もう、おにーさん、れいむたちとりこみ・・・ゆゆっ!!?」 「どうしたのれい・・・ゆゆゆゆっ!!!」 「んあ?どうした?」 振り返ると、そこにいたのは地元の学生と思しき少年。 一見するとこれと言って変わったところはないのだが、彼の姿を見たれいむ達は目をハートマークにして見惚れている。 確かにパッと見はごく普通の少年なのだが、どこか違和感を覚える。そして・・・ 「「すごくゆっくりしたおにーさんだよ!」」 れいむ達の発したその一言で、彼こそ探していたゆっくり人間であることを理解した。 同時に、彼の訝しげな視線を見て、自分がかなり不審であることを把握した。 もしかしたら「ゆっくりフェロモンで一儲けしようとした企業が、彼を拉致って精液を搾り取ろうと送り込んできた刺客」だなんて誤解をされているかも知れない。 何故か知らないがそんな懸念を抱いた私は彼の警戒心を解く為に、出来るだけにこやかな笑みを浮かべて挨拶をした。 「こ・・・こんばんは、ゆっくりしていってね」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 確かな文章力と優れた構成力に裏打ちされたレイパー氏の作品の中でもこの作品は特に魅力的だと思うんですよ その理由を考えてみると、この世界の人たちって日常を何となく想像できてしまうくらい存在感があるからじゃないかと 猫被って?瀟洒に振舞っている委員長とか、HENTAI要素を隠しきれていないボブとか もっとも、想像は出来たところで、真偽を知る術はレイパー氏に聞くしかないわけだし、あらゆる面で氏にかなわない以上、レイプになってしまうのは否めないわけですが ほんと、レイパーさん、ごべんなさい byゆっくりボールマン 【登場人物紹介】 お姉さん 初登場は『ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり』 ノリと勢いでゆっくりを10匹も飼う事になってしまった一人暮らしの女子大生 恐るべき酒豪で、お胸がドス級。ゆっくりに対してはかなりハイスペック みょん語等を解し、天性の飼育上手で、好かれ易いが生物学的には平凡な人間 口も性格もあまり良くないし、わりと容赦しないタイプなのに何故か懐かれる れいむ&まりさ 初登場は『ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり』 今作ではいらない子。若干頭が良い程度の平凡なゆっくりで六児の親 ただし、れいむはゆっくりながらもインターネッツを使いこなせたりする すいか 初登場は『ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか』 角にお酒が詰まっている。空気を吸い込むと半端なく膨らむ(曰くみっしんぐぱわー) かなりのテレビっ子で、ワイドショーやくだらない都市伝説が大好き みすたーゆんちぇいん 初登場は『その他 僕はこうして生まれました?』 会社員。課長クラス。ゆめぇ丸を妊娠させた経験がある ゆっくりレイプに関しては右に出るものがいないが、世間的には真人間で通っている ボブ 初登場は『ゆっくりいじめ系1632 ボブはこうして出会いました?』 スラム育ちの巨漢の黒人男性。ゆっくりが大好物(二つの意味で)の変態 注:日本において単独でレイプを行うかどうかは微妙なところです 少女 初登場は『ゆっくりいじめ系1682 僕はこうして出会いました?』 学校では成績はトップ、真面目で明るく、誰の相談にも乗る優しい素敵な委員長 しかし、優等生にも色々あるらしく、ゆっくりに八つ当たりすることがあるとかないとか 注:ぱちゅりぃに対する虐待?は『僕はこうして出会いました』の記述と矛盾します ぱちゅりぃ 初登場は『その他 僕はこうして生まれました?』 胴体付きのゆっくりぱちゅりー。この種族の例に漏れずお馬鹿である 一時はみすたーゆんちぇいんの愛人だったこともあるが、現在は少女のペット きめぇ丸 初登場は『その他 僕はこうして生まれました?』 人間との間に子どもをもうけた前代未聞のゆっくり。彼女もまたド変態 注:考えてみりゃ彼女がお姉さんに助言する動機は微塵もありません ゆっくりふらん 初登場は『その他 僕はこうして生まれました?』 ゆっくり人間のペットと誤解されているが、実際にはゆっくり人間の恋ゆっくり 注:レイパー氏の作品世界においてゆっくりが単独で散歩するかどうかはわかりません ゆっくり人間 初登場は『その他 僕はこうして生まれました?』 学生。思春期まっさかりの少年。実はゆっくりと人間のハーフだったりする ゆっくりに対してはかなりハイスペックな性能を有する
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さ〜て、今日も夜食にゆっくりタコ焼きでも食べるか。 ゆっくりタコ焼きとは、加工場産の食用のれいむやまりさをホットプレートやオーブントースターで焼く事で調理して食べる冷凍食品だ。 アルミのパッケージにはれいむとまりさの笑顔が 「ゆっくりしていってね!」「おいしいよ!」などと吹き出し付きで描かれている。 1パッケージに6個いり398円とちょっとお高い。 今川焼きやあんまんに近い食べ物だが、生地と餡子の相性が最高で 普通に小麦粉を溶いて餡子を入れたものとはまるで比べ物にならない。 あれ、冷凍庫に入れておいたはずがどこへ行ったかな? ゴソゴソと奥を探すが見当たらない。 「・・・ゅ・・・・・・ゅ・・・・・・」 足元で何か声が聞こえることに気づいて、下を見ると スーパーの手さげビニールに入っているパッケージを見つけた。 これから食べようとしていたゆっくりタコ焼きだ。 買ってきたまま冷凍庫へ入れ忘れて放置してしまったのだろう。 もぞもぞと動いているところを見ると、すでに自然解凍されてしまっている。 おそるおそる、パッケージを拾い上げてギザギザの溝に指をかけて開封してみた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆっきゅり〜♪」 「ゆっくちちゅちぇね!」 「ゆ〜ん、ゆ〜ん!」 「ゆぅゆぅ・・・zzz」 「ゆ〜ん?・・・ぷりぷり」 6個ともすっかり冬眠(?)から醒めてしまっていた。 赤れいむ3匹と赤まりさ3匹 1匹のまりさは居眠りをしていて、もう1匹は小さなうんうんをしている。 1匹のれいむは人間の赤ちゃんのように泣きじゃくっていた。 もう自我や個性があるのだろうか これでは、冷凍状態と違って勝手に動き回っておいそれとホットプレートで焼くことができないだろう。 苦しめれば味が良くなる成体ゆっくりと違い赤ゆっくりはそのままがベストの甘み。 出来ればゆっくりした状態で調理したい。 かといって再冷凍はどんな食品であれ味を大きく落としてしまうものだ。 う〜ん・・・と考え込んで閃いた。 そうだ、こいつらを成体まで育てることができれば毎日ゆっくりが食べ放題じゃないか? それを冷凍してからタコ焼きにすれば、美味しいゆっくりタコ焼きが毎日食べられるぞ! いや、ゆっくりタコ焼きだけじゃない。 贅沢に赤ゆのみを使用したゆっくりお汁粉に赤ゆっくりの踊り食いだって思うがままだ。 こうして、俺と赤ゆの生活が始まった。 6匹に自由に動き回られるとうっかり踏み潰してしまったり、そこらへんに排泄されても迷惑なので とりあえず飼育ケースとしてダンボールにタオルをひいて入れてやることにした。 そこへ、カップアイスの蓋を逆さにしてティッシュをひく。 「いいか、うんうんもしーしーもここにしろよ。」 「ゆっきゅちきょきょにうんうんちゅるね!」 「ゆっくちわかっちゃよ!」 「ゆっきゅちー!」 「ゆえ〜ん、ゆえ〜ん!」 「ゆゅ〜ん・・・zzz」 「ゆう〜?」 1匹のまりさが話を聞かないで寝てばっかりなのでデコピンをすることにした。 ピシッ! 「ゆびょっ!」 体の半分をぐにゃりとへこませて目を大きく見開き、口から餡子を覗かせた。 「まりささん聞いてますか? うんうんと、しーしーはここだからね。 みんなもうんうんやしーしーを別の場所にやったらデコピンだから覚えておいてね!」 そして、もう一度デコピン ペシッ 「ゆぴゃ! ・・・いちゃいのやぁー!ぴしっやだよぉー!ゆぇえええんん!」 「ゆゆゆ!いちゃがっちぇるよやめちぇあげちぇね!」 「おかーしゃんきょわいよぉ〜!ゆえ〜ん!」 「ゆえぇ〜んゆえぇ〜ん!」 「ゆわぁぁぁ〜ん!」 「ゆぅ?」 痛がってるまりさを心配してる赤れいむもいるが、ほとんどは怖がって奥の方へ逃げて泣いている。 いくら頭の悪いゆっくりでも、こうやって体で教えていけば大丈夫だろう。 そういえば餌がまだだったな。 赤ゆっくりは生まれた直後に親が茎を食べさせるというが、まあ米粒でもあげておけばいいか、一応は糖分あるし。 電子ジャーからしゃもじではなくスプーンですくいとり、それをペットボトルの蓋をさかさにして盛る。 これがお茶碗というわけだ。 「ほら、赤ゆども、ゆっくりしたごはんだぞ」 ”ごはん”という単語は教えなくてもわかっているのか、それとも”ゆっくり”という言葉に反応したのか さっきまで泣いていた赤ゆたちは、もうそんなことを忘れてしまったようにペットボトルの蓋に群がる。 「ゆっくちたべりゅよ!」 「むーちゃ、むーちゃ!」 「もーく、もーく」 「ゆぇ〜ん、れいみゅもごはんたべちゃいよぉ〜!」 「まりしゃもたべりゅからどいちぇよぉ〜!ゆゆ〜ん!」 「ゆゆぅ〜?」 ペットボトルの蓋の茶碗は赤ゆにも小さかったのか、3匹が食べ始めると残り3匹は蓋のフチまで近づくことが出来ない。 そして、盛ってあったご飯が半分くらいになってくると、重量が軽くなったことで蓋が横向きにひっくり返り ころころ〜っと転がってしまう。 「ごはんしゃん、ころころしにゃいでね!いもうちょたちがまだたべてないよ!」 「ちあわちぇ〜♪まりしゃはもうおにゃかいっぱいだよ!」 「げっぷっ♪れいみゅのおにゃかぽんぽんだよ!」 「ゆぇ〜ん、ごはんさんゆっくりまってね!にげないでにぇ!」 「まりしゃのごはんさんまっちぇ〜!」 「ゆふ〜ん」 ペットボトルの蓋は失敗だったか。見た感じ餌箱っぽくていいと思ったんだがなぁ。 しょうがないから足元にごはんの固まりをスプーンひとすくいそのまま置いてやった。 どうせ下にひいてあるタオルは定期的に洗う予定なのでとりあえずはいいだろう。 「ゆ〜ん、おとーしゃんありがちょー」 「ゆゆ〜ん、おかわりきたからもっちょたべりゅよ!」 「げっっぷ、れいみゅはもうごはんしゃんなんてみちゃくもないよ!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!」 「むっちゃむっちゃ!」 「もくもくもく、もくもくもく」 あれ、いま俺のことをお父さんと言ったのか? よくみてみれば、赤ゆにもれいむ種とかまりさ種とか以外に個体差がありそうだ。 よし、観察しやすいように額に油性マジックで番号を振っておこう。 長女っぽい、妹おもいなれいむが1番 おかわりを食べているまりさが2番 もうごはんを見たくもないとか言ってゲップしてるれいむが3番 泣いてばかりいたれいむが4番 寝てばかりいてデコピンしたまりさが5番 頭がかわいそうっぽい感じのまりさが6番 さて、夜食も食べ損なったし今日はもう寝るか。 自分の食事の代わりに赤ゆを満腹にしてやるとはとんだ愛護派だぜ。 居間にダンボールを残して、ベッドのある部屋へ移動しようとする。 すると、赤ゆどもがダンボールをかしかしとひっかきながら俺の後に続こうとしていた。 「おとーしゃん、いきゃないで!」 「まりしゃもおとーしゃんとゆっきゅりしたいよ!」 「げっぷ、れいみゅもれいみゅもー!」 「おとーしゃんいかにゃいでー、ゆわぁぁぁあん!」 「まりしゃ、もうわるいこちょちないきゃらいっちょにゆっくちちちぇ〜!」 「ゆぅ〜ん!ゆぅ〜ん!」 れいむ種はもみあげをピコピコとさせてじたんだを踏み まりさ種は届くわけのないダンボールの壁面をぴょんぴょんと跳ぶ 6番の頭が悪そうなまりさまで必死になって”><”こんな表情をしながら顔をフリフリと振ってこっちに叫んでいる。 生まれたときから傍にいて餌をくれた俺を親ゆっくりだと確信し その俺が視界の外に行き、どんどん遠くに離れていくと感じたのだろう。 6匹は自分たちを捨てて親がどこかへ行ってしまうと思う必死に呼び止めている。 「ぷぅ〜」 俺は一度だけ振り返ってから屁をこいて、ベッドのある部屋へと移動した。 「ゆぇ〜んゆぇ〜ん!」「ゆわぁぁ〜ん!」という泣き声がしばらく続き 夜中にトイレへ行ったときにそっと覗いてみたら 1番の長女れいむを中心に5匹は輪になって固まって寝息をたてていた。 「ゆぅゆぅゆぅ・・・みんにゃゆっくちちちぇね・・・」 「ゆゅ・・・おとーしゃん・・・zzz」 頬と頬をすりあわせて、しあわせー♪といった感じだ。 ちょっとイタズラ心で額に1番と書かれている長女れいむをツマ楊枝で突っつく。 「ゆぴゃ!」 サッと俺はダンボール内から死角になる位置に身を隠し様子を伺うと 1匹だけ目を覚ました長女れいむは、薄暗い暗闇の中で親がいない事を思い出し 「ゆ・・・ゆゆ・・・おとーしゃん・・・おとーしゃんはもうかえっちぇこにゃいの? ゆ・・・ゆゆゆ・・・ゆわぁぁぁぁ〜ん!」 と大声で泣き出した。 この長女れいむを中心に輪になっていたところを見ると きっと他の5匹を励まして親がわりになっていたのだろう その心が折れて泣き叫んでいる今、どうなってしまうのかとハラハラしながら様子を伺った。 長女れいむの泣き声で他の赤ゆも目を覚ます。 「ゆゆぅ・・・ゆっゆっ、ゆえ〜ん!ゆえ〜ん!」 「ゆぅ?・・・ゆ・・・ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃーん!」 「ゆっ!?・・・ゆわわぁ〜ん!」 「ゆぅゆぅ?・・・zzz」 「ゆゆぅ?ゆゆ〜ん!ゆゆ〜ん!」 あれ、5番のよく寝るまりさだけ反応がないな。 見えないように、手だけスッとダンボール奥に忍ばせてツマ楊枝でチクリッ! 「ゆぴゅ!」 赤ゆからすればサソリのような生物が突如巣に襲い掛かってきたように見えるだろう。 それから、5番まりさも他の5匹が泣いているのを見てパニックに陥りふるふると震えて泣き出した。 「ゆえ〜ん、おとーしゃんたちゅけちぇー!まりちゃきょきょだよー!」 そのおとうしゃんが刺したわけですが(笑) さて、あんまり夜更かしすると体に悪いし今度こそ寝るか。ゆっくりゆっくり。 朝、すっかり赤ゆどもの事を忘れて居間に入ると 泣きつかれて葛饅頭のようになった赤ゆどもが俺に気がついて色めきたつ。 「ゆ・・・ゆゆ!おとーしゃんだ!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 「ゆゆっ?おとーしゃん!おとーしゃん!」 「ゆっくちちちぇいっちぇね!ゆっくちちちぇいっちぇぶぴゅ!」 「ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃん!」 「まりしゃいいきょにしちぇるからもうどこにもいきゃないでにぇ!」 「ゆぅ〜ん!ゆゆぅ〜ん!」 ああそうか、昨晩赤ゆを飼い始めたんだっけ。 とりあえず、また白いメシでもくれてやるか。 ん? 箱の中を見ると、逆さにしたカップアイスの蓋の上に5個の餡子の固まりがあるが ペットボトルの蓋の中に1個、同じような餡子の固まりがこびりついていた。 「こっちにうんうんしたの誰だ?」 6匹の前にペットボトルの蓋をもって見せる。 すると、3番のれいむが前に進み出て 「れいみゅだよおとーしゃん、そっちでうんうんしたほうがおちりをこうやってズーリズーリふけてきもちいいんだよ!」 そういって、ゆっへんとお尻を突き出しピコピコと左右に動かして見せる。 「はい、おしおき」 ペットボトルの蓋をそのまま3番のれいむに被せる。 プチトマトサイズの赤ゆにとってペットボトルの蓋は目元まですっぽりと入って内側の溝のせいで手のないゆっくりには簡単には外れない。 「れいみゅのおべべがぁ〜!まっくらでみえにゃいよぉお!」 まるで、目を抉られたかのような事を叫んでいる。 その間に、他の5匹には白いごはん。 「れいみゅもたべりゅよ!ゆっくちたちゅけちぇね!ゆえ〜ん!」 「お前は、昨日ごはんなんてもう見たくもないとか言ってたよね。ゆっくりできないゆっくりはこうなるんだよ!」 長女れいむと4番れいむ、6番まりさは心配していたが、他の赤ゆはお構いなしにごはんを平らげていく。 「むっちゃ、むっちゃ〜ちあわちぇ〜♪」 成体まで育てて、無料で赤ゆ食い放題にするつもりだが 子育てをするのが大変だなと半日もしないうちに実感した。 ここは、どこかからか教育係の親ゆっくりを手に入れて育てさせるか。 部屋から出るときにまた、赤ゆどもが大騒ぎを始めるだろうと思ったので 食べてる間にこっそりと部屋を出て外へ出かけた。 子育てといえば目指すは、れいむ種かちぇん種だ。 おにいさんわかるよー。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき
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*警告* 現代物です。 ゆっくりは何も悪いことをしていませんが、ゆっくりできません。 80字改行です。その辺案配していただけると読みやすいです。 ↓以下本文 「ゆっしょ! ゆっしょ!」 「おかーしゃん、ゆっくちがんばってね!」 路地裏で事業者ゴミの袋がガサガサと音を立てていた。バスケットボール大のゆっくり れいむが袋にかじりつき、まんじゅうボディをもにゅんもにゅんとくねらせ、不気味な踊 りを披露している。まわりでは何匹ものテニスボール大の子れいむが騒ぎながら、ぽいん ぽいんと跳ねている。手足のないゆっくりではかたく縛られたゴミ袋の口をほどくことは できない。中身にありつくためには、決して容易いことではないが自治体指定のゴミ袋を なんとしてでも食い破る必要があった。 「ちっ、野良ゆっくりかよ……ウッゼぇ」 そこへ見事にでくわしたのが、休憩時間に一服つこうと出てきた店の若い者。露骨に顔を しかめてタバコをポケットにねじ込むと、ゴミ袋に夢中で彼に気付かない親れいむのこめ かみに、つっかけを深々とめり込ませた。 「ゆ゙ぼっ?!」 「おー、柔らけぇ」 白目をまん丸に剥いたまま、電信柱と情熱的な抱擁を交わす親れいむ。ごちそうまであと 一息というところで吹き飛んだ親れいむに、子れいむも仲良く一斉にゆがーんと白目で硬 直。ゆっくりは突然のゆっくりできない事態が認識できず、白目を剥いて固まってしまう 性質がある。そして、再起動までには若者がポリ袋を取って戻ってくる時間はゆうにあっ た。彼は、応援していた位置そのままに一列に並んだままで固まっている子れいむを手づ かみで次々に袋に放り込んでいく。向かいの電柱とめり込むほど親交を深めている親れい むのもみあげを掴んで引き剥がすと、ゆっゆっと楽しい顔で痙攣している不思議まんじゅ うをしばし眺めた。下膨れの顔は電柱との不本意な接近遭遇によって、平べったく潰れて 赤く跡がつき、器用にも目をぐるぐる模様にして目を回していた。 「でけぇ。二袋いるか」 若者は親れいむを別の袋に放り込んで口を縛って放り出すと、放り込まれた衝撃で気が付 いたのか、中で子れいむがはね回りはじめたもう一つの袋の口も手早く結ぶ。きちんと縛 っておかなければ、潰したときに中身のあんこが漏れて、地面が汚れてしまう。ゴミを撒 き散らすのダメ、ゼッタイ。 「めんどくせえなあ。昨日だったら燃えるゴミの日だったのによう」 彼は袋の中で寄り集まり、口々にゆっくりしていってね! と鳴き声をあげる子ゆっくり を睨み付ける。歩いていて、まだ火のついているたばこが落ちていたらとりあえず踏み消 すようなもの。都市部の野良ゆっくりの扱いは、その程度だった。 やれやれ、と息をつくと若者はまずは潰すのも楽な子ゆっくり袋に足を向けた。 「ゆっくちちていってね!」 これから自分たちに起きることを理解していない子ゆっくりは、若者を見上げて鳴き声 をあげる。ゆっくり間であればとてもゆっくりできる挨拶も、しかし、人間相手には何の 感慨ももたらすことはない。当然帰ってくるはずのゆっくりしていってね、の代わりに、 子れいむに返されたのは、硬質ゴムの靴底であった。子れいむは不思議そうな顔のまま、 中身を全て押し出されて平たくなった。 「ゆ゙ぎゃああああ?!」 若者が面倒そうに靴底をぐじぐじと捻ると、僅かに残されたあんこで断末魔の痙攣をして いた子れいむの皮も破れてあんこと混ざり合い、髪も飾りも混ざって、一息のうちに餡塊 となった。ここにきてやっとゆっくり姉妹も自分たちの運命に気付き、ポリ袋の中で跳ね 回りはじめる。しかし、どれだけ必死に逃げ回ろうとも、ポリ袋は透明で外が透けて見え ても逃げ場はなく、口もきつく結ばれて逃れることはできない。 「にんげんさん! ゆっくりやめてね! ゆっくりできなくなっちゃうよ!」 「ゆゆっ! なんにもないのにひっかかってにげられないよ!」 砂糖水と餡子で滑る袋の中、一番小さな子れいむがぽてりとひっくり返る。若者はこれ幸 いと、無防備な底を晒して動けなくなっている子れいむを踏みつける。 「なかみだしちゃだめだよ! ゆっくりがんばってね!」 「みんにゃでたしゅけるよ!」 「ゆ゙……ゆ゙ぶ、ゆ゙ぼ……!」 圧迫されて飛び出しそうなあんこを、必死に目をつむり、口をつぐんで押しとどめようと する子れいむ。妹を救おうと、姉妹は若者の足にぽにゅんぽにゅんと体当たりをはじめた り、靴底を押し上げようとするものの、内圧で薄くなった皮は姉妹の目の前でぱぁんと爆 ぜ、袋に盛大にあんこが飛び散った。 「ゆああああ?!」 「どうしてこんなことするのお!?」 「おかあしゃん! ゆっくりたすけてね!」」 「ゆゆっ?! おちびちゃん、いまたすけにゆべしっ!」 子れいむの悲鳴に通ずる物があったのか、目を回していた親れいむが柔らかまんじゅうボ ディを左右に振りながら飛び起きた。あんこで汚れたポリ袋と中で跳ね回る可愛い子れい むに気付き、勇躍飛び出すものの、親れいむもまた袋の中。一跳ねで盛大に顔面からアス ファルトと仲良くなることとなった。 「にんげんさん、ゆっくりやめてね!」 妹れいむをかばうように、年かさの子れいむがぷくぅと膨れて威嚇する。それが功を奏 してか、若者は足を止めた。もちろん、それはゆっくりの威嚇によるものではない。 「おはようございまっす」 「おう、お疲れ!」 足を止めて挨拶する若者に、えびす顔の男が片手を上げて勝手口へ入っていく。野良ゆっ くりの生死など、だれも気にもとめない。当然命乞いに耳を傾ける者もいない。姉れいむ は膨れたまま一息に踏み潰され、中のあんこを全て吐き出した。そのままにしていては、 生き残りがあんこを中に押し戻して蘇生させてしまう。若者は靴底で皮を踏みちぎり、飾 りと混ぜて妹思いの子れいむをきっちり、あんこの塊へと変えた。 「あの、すみません……」 震える子れいむを踏み付ける若者は、その声に足を止めた。肩越しに見やれば、若い娘 が先ほどの親れいむの袋を手にしていた。親れいむは袋の中で飛んだり跳ねたり、滂沱の 涙の砂糖水で滑って転んだり大騒ぎ。 「そのゆっくり、どうなさるんですか?」 「普通に潰して燃えるゴミですけどー」 「どぼじでそん゙な゙ことい゙うの゙お゙!」 袋の中でわめく燃えるゴミに構わず、若者は足に力を入れ、燃えるゴミを製造する。ごは んが足りなくても、がまんして妹に多めに食べさせていた姉れいむも、あっという間にあ んこ玉。袋の底があんこで埋まりはじめ、跳ねた拍子にあんこで滑ったその下の妹れいむ も、仲良く姉妹と混ざり合う。 「よろしければ、そのゆっくり頂けませんか」 「えぇえ、こんなのを?!」 「え、ええ」 驚いた若者は、思わずあんこに埋まる残骸を念入りにすりつぶしていた足を止め、顔をあ げて向き直る。おとなしそうな顔だちの娘は、恥ずかしそうに頷いた。このご時世、ゆっ くりが欲しければ、デパートでもスーパーでも、食品コーナーでいくらでも売っている。 ゆっくり加工品も、置いていないコンビニの方が珍しいくらい。上品そうな身なりの娘が 野良ゆっくりを何のために欲しがるというのだろうか。若者は呆気にとられ、娘をまじま じと見つめる。娘はバッグの紐をつまんで位置を直す。 「あちゃー、まさか野良ゆっくりなんざ欲しい人がいるとは思わなくて……ほとんど潰し ちまいましたよ。すいませんねえ」 「いえいえ、とんでもないことで。この大きいのだけでも頂いてよろしいかしら?」 「こんなんでよければいくらでも。はは、その辺這いずり回ってるおまんじゅうはさすが に喰えたもんじゃありませんからねえ」 「でいぶはたべものじゃないいい!」 若者はしゃがみ込んで、袋の中身をつっかけの先で蹴ってあんこを散らす。生き残りの一 匹も、姉妹を襲った残酷な運命にあんこを全て吐き出して永遠にゆっくりしていた。 「あちゃ、こっちは全部潰れてました。すいませんね」 「ではありがたく頂戴いたしますね」 「ええ、どうぞどうぞっと」 若者に頭を下げると、娘は親れいむの袋を提げて歩いていった。若者は袋の口をきつく縛 り直し、念入りにつっかけの底でまんじゅうの皮をすりつぶす。少しでも息があると、次 のゴミの日までゆっくりゆっくりうるさいから。 「やれやれ、野良ゆっくりなんざ欲しがる奇特な人がいたもんだ。あれか、おかしい人な のかね。綺麗なのにもったいねえなあ」 あんこで一杯のポリ袋をゴミ集積箱に放り込むと、若者は勝手口から戻っていった。結局 彼はゆっくりのせいでせっかくの休憩もほとんどゆっくりできなかった。 「ゆ゙っ、ゆ゙っ、でいぶのおちびぢゃんが……」 「さ、ついたわよ」 とさりと袋詰めを三和土に落とし、娘はだばだば砂糖水を垂れ流すれいむに微笑んだ。 「ゆゆ……ここはおねえさんのゆっくりぷれいす?」 「そうよ、わたしのおうち」 「れいむもゆっくりしたいよ……」 「でもあなた汚いわ。奇麗にしましょうね」 「ゆっ?!」 バッグとれいむを置いて、娘は手早く部屋着に着替えて戻ってくると、袋ごとれいむをお 風呂場に運ぶ。水温を軽く確かめ、れいむに頭からシャワーを浴びせる。 「ゆやああああ! みずさんはゆっくりできないよ!」 「だいじょうぶ、これは人間がとってもゆっくりできるものよ」 水流に怯え、白目を剥いて硬直するれいむに構わずたっぷり濡らすと、ゆっくり用シャン プーで泡まみれにしていく。 「あわあわあわあわ、いいにおい! くすぐったいよ!」 「いい子だからあばれないの」 ゆっくりの不思議まんじゅうボディは、お互いに舐めたりす~りす~りするだけで汚れが 取れるが、野良ではどうしても汚れや臭いが残るもの。でも、信頼のお兄さん印、鬼意製 薬のゆっくりシャンプーはガンコな汚れもこんなにすっきりー! 温かいシャワーで泡を流され、れいむはプルプルと水気を飛ばす。ゆっくりできない雨 とは違って、こんなにゆっくりできる温かな水は、野良ゆっくりのれいむには未知の存在 だった。 「こぉら、あばれちゃだめよ」 「ゆ、ゆっくりー!」 すすぎ終わってふわふわタオルで包まれ、野良のれいむは生まれて初めてのゆっくり体験 に、白玉の目玉を輝かせて歓喜のゆっくりを上げた。 「乾くまで少しおとなしくしてなさい」 「ゆっくりするよ!」 タオルでぐるぐる巻きにされ、端を洗濯ばさみで止められた塊がもごもごと声をあげる。 脱衣場にれいむ包みを置くと、娘は部屋着を放りだして、豊満な肢体を惜しげもなく晒し、 野良ゆっくりで汚れた手を、水の跳ねた身体を丁寧に洗い清めていく。文字でしかお見せ できないのが残念である。 「ふう、さっぱり」 「れいむもすっきり!」 湯上がりの娘は洗い髪を乾かしながら、れいむに一切れ、バウムクーヘンを切り分けた。 「むーしゃ、むーしゃ……しっ、しあわせーっ!?」 アスファルトを割って生える雑草やゴミ箱を荒らしてきた野良ゆっくりのれいむには、そ れは全く未体験の味だった。そのあまあまは、もはや暴力的と言っても過言ではなかった。 感動に打ち震えているれいむにもう一切れ、自分の皿にも一切れ切り分ける。カップを手 に取り、娘は紅茶の香りをしばし楽しむ。 「おねえさん……」 「なあに、もっとほしいの?」 「おちびちゃんたちもゆっくりさせてあげたかったよ……」 「そう、それはとても残念だったわね」 娘も長いまつげを伏せ、紅茶のカップをソーサーに戻す。かちり、と硬質な音がひどく酷 薄に響いた。 「そろそろ暗くなるわね。さ、おうちに帰りなさい?」 優しい声色はそのままに、娘はれいむを持ち上げた。柔らかな両手に挟まれ、れいむは目 を見開き、じたじたと暴れはじめた。一度体験したゆっくりを、はいそうですかと手放せ るゆっくりがいようはずもない。 「ゆっ、ゆゆっ! おねえさん! れいむもおねえさんのおうちでゆっくりしたいよ!」 「だぁめ。ここはわたしのおうち。あなたにはあなたのおうちがあるでしょう」 「おそとはゆっくりできないよ! れいむもゆっくりさせてね!」 その言葉に、娘はころころと鈴を転がすように笑う。震える手で挟まれたまま、れいむは 大量の疑問符を浮かべ、娘の顔を見上げる。 「ゆっ、ゆっ? おねえさん、どうしてわらってるの?」 「お外は寒いし、夜は怖いわね。人間はあなたたちをゴミとしか見ていないわ。野良犬も、 野良猫も、鼠も、鳥も、蟲も。何もかもがゆっくりできないでしょう。この世界のどこに 行こうと、あなたたちゆっくりのゆっくりプレイスなんて存在しないものね。でもダメ」 満面の笑みを浮かべる娘に、目の幅で涙を流し、もみあげをぴこぴこさせ、おりぼんをぴ るぴる動かし、れいむは可愛らしさを必死でアピールする。 「でいぶはゆっくりしてるよ! おうたもじょうずにうたえるよ! おねえざんのおうぢ で! ゆっくりざぜでぐだざいい!」 その言葉に、娘は手を離し、腕を組んで、頬に指をあてて首を傾げる。ぼてっ、と転げ落 ち、期待に目を輝かせるれいむ。屈むと重たげにたゆん、とする胸に飛びつこうとするれ いむを手の平で押しとどめ、娘はにっこり微笑んだ。 「あと七回お日様がのぼって、あと七回お日様が沈んだら、また今日みたいにお風呂で奇 麗にして、あまあまも食べさせて、ゆっくりさせてあげる」 「ゆ゙っ?!」 れいむを抱え、娘は薄ら寒い扉の外へ向かう。冬の風が娘の髪をひょうと煽る。夕暮れの 風の冷たさに、形の良い唇の端を釣り上げ、れいむの髪を撫でて微笑む。たった一撫で。 そのあとはコンクリートにれいむを置いて娘は踵を返す。 「寒いわね。明日は雨かしら。きっとずっとゆっくりできないわね」 「ゆ、ゆ、ゆ」 ぴしゃり、と扉が閉まる。れいむが何度体当たりしても、軋みさえしなかった。吹き抜け る冷たい風が、れいむのゆっくりを奪っていく。お風呂を知ってしまったら、水浴びのた びに思いだしてゆっくりできなくなることだろう。人間のお菓子の味を覚えたら、何を食 べてもゆっくりすることはないだろう。ふかふかのタオルの感触を思いだして、寝床でも ゆっくりすることはできないだろう。 「ゆっくりできないよ……おちびちゃん……まりさ……」 狩りへ行って二度と戻ってこなかったまりさとのゆっくりの証。ささやかなしあわせー、 を分かち合った可愛い子ゆっくりたちはもういない。冬の夕陽がアスファルトに影を投げ かける。やがて、丸い影が、ぽいん、ぽいんと力無く跳ねて路地裏へと消えていった。 書いた物リスト ゆっくりいじめ系464 森に魚を求める 紅魔館×ゆっくり系12 突発ゆっくり茶会 ゆっくりいじめ系540 ゆっくり水雷戦 その他 ゆっくりの手引き ゆっくりいじめ系1097 アストロン ゆっくりいじめ系1014 どすのせいたい ゆっくりいじめ系1907 品評会 ゆっくりいじめ系2137 朝の光景 ゆっくりいじめ小ネタ259 緩慢しんぼ 注 これは野良犬や野良猫への餌付けや、構って捨てる行為を推奨するものではありません。 フィクションのゆっくりと現実の動物を同一視しないでね! 虐待おねえさんとの約束だよ!
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一匹のれいむは今日、一つの覚悟を決めた。 『おにいさんにじぶんをたべてもらう』と。 れみりゃに襲われ、家族が犠牲になって助けられたれいむだが、群れの皆からすれば家族を見捨てて助かった薄情なれいむだ。だから誰も受け入れてはくれなかった。 薄情者、家族を見捨てて逃げ出したゲス、親友のまりさにまでれいむはそう言われた… 受け入れてもらう事を諦め、群れを離れてゆっくりできる場所を探そうとして飛び出したれいむは、直後に発情期のありすの集団に襲われた。 必死に逃げ、人間の住む里の目の前で転んでしまいありすからのレイプが始まる。 滑る相手の気持ち悪い体から逃げようにも、何匹に圧し掛かれては身動きすらとれない。 小さい自分の体は朽ちてしまうだろう… きっと家族を捨てて一人で逃げたからこうなってしまったのだ… そんな風にれいむが考えていると、突然圧し掛かっていたありすの重みがなくなった。 起き上がって辺りを見回す。すると、一人の人間がありすを踏み潰していた。 あぁ、自分は助かった訳ではないんだ… 親から聞かされていた人間の怖さを恐ろしさを思い出したれいむは逃げることを諦めて眠る事にした。 寝てる間ならば何も感じる事無く死ねると考えたのだ。 だが、れいむが目を覚ますとそこは天国ではなく人間の家だった。 男はれいむを虐待するわけではなく、純粋にありすのレイプから救出してくれたのだ。 ありすの重みで破けてしまった皮はしっかり治療され、美味しいご飯を男は差し出した。 居る場所がないのなら「ここに住めば良い」と言われ、男に飼われたれいむ。 一緒に遊び、男が仕事から帰ってくるのを素直に待ち、れいむは幸せな日々を過した。 体もソフトボールサイズから大きく立派なゆっくりになった。 ここまで大きくなれたのは男がいたからである。 だから、ゆっくりのできる最大の恩返し、自分の体を食べてもらう。れいむはそれを望んだのだ。 朝起きてその事を伝えると、寂しそうな顔をしながら男は「わかった」と言ってくれた。 そして、今、れいむは男の帰りを心から待っていた。 食べられたら自分が死ぬと分かっていても、れいむは1分1秒でも早く食べてもらいたかったのだ。 だが、いつも帰ってくる時間を過ぎても男は帰ってこなかった。 れいむは不安になった。「おにいさんはじぶんをたべてくれないのでは」と。 時計と玄関を何度も往復し、それでも男は帰ってこない… れいむの不安はどんどん高まる。しかし、とうとう男は帰ってきた。 急いで玄関に向かい、男に文句をれいむは言った。 「おにいさんおそいよ!! かえってこないかとおもってれいむはふあんだったんだよ!!」 「悪い悪い、すぐ食べてやるからな」 笑いながら言う男にれいむは安心した。あぁ、ちゃんと食べてもらえるんだと。 だが、男が家に入ってくるとその後ろから別の人が家の中に入ってきた。数は5人 「お邪魔しま~す」 「久々だな~お前の家に来るのも」 「前きたときはゆっくりなんかいなかったのにな」 「変なもん飼う奴だ」 「それに相変わらず綺麗な家だな、まめな奴だぜ」 「うっせぇ、すぐ準備するから座って待ってろや」 「わかったよ」 「楽しみにしてますんで」 「美味い事を祈ってるぜ~」 「不味かったら承知しないからな」 「茶も入れてくれよな」 ぞろぞろ奥へ入っていく5人の男。これから食べてもらうはずなのに、何でお兄さんは人を呼んだのか? れいむは不思議に思った。 「さ、すぐ食べてやるからな~」 男に「どっこいしょ」と言われて抱えられ、テーブルの上に置かれたれいむは男に聞いた。 「おにいさん、あのひとたちはだれなの?」 「ん? あいつらはお前食うのを手伝ってもらうのに呼んだんだよ。いい奴ばっかだから大丈夫さ」 その言葉にれいむは固まった。慌てて男に聞き返す。 「て、てつだってもらうってなんで!? れいむはおにいさんだけにたべてもらいたいんだよ!!」 「でもなぁ、お前でかいから俺一人で食うのは無理だよ」 男の言ってる事は正しい。 まん丸と大きくなったれいむの大きさは男の膝まであるし、当然幅も大きい。だから中身の量も増える。 確かに一人の人間が食べきれる量ではないだろう。 「それでもおにいさんだけにれいむはたべてもらいたいんだよ!!」 「無茶言うなって。じゃ、切るからな」 「やべでよおおおおおおおおおおおお!! おにいざんがだべでぐれなきゃいみないよおおおおおおおお!!」 「だから食べるって言ってんだろ。それにお前の中身餡子なんだから半分は砂糖だろ?一人で食ったら病気になっちまうよ」 「いやだよ!! おにいざんひどりでだべでぐれなきゃやだよ!! おねがいだがらだべでよ!!」 「だから無理だって。じゃ、切るぜ~」 上から包丁をれいむの端に添えて、徐々に力を込めていく男。 「おにいざあああああああああああああああああああああんんんんんん!!」 「静かにしろよ、夜遅いんだから」 皮を切られ、中の餡子も切られていく。それでもれいむは動かない。 お兄さんには食べて欲しい、でも他の人間には食べられたくない。でも、そうしなきゃお兄さんは食べてくれない。 自分の問いが頭の中をぐるぐる回る。その間にも包丁はれいむの体に切り込まれていく。 中の餡子が切られていくことで、次第にれいむは目が霞んでいく。 死の間際に、れいむが一言だけ呟いた。 「おにいさんだけにたべてほしいよ…」と。 終 好きな人に食べて欲しいって言われても、でかくなりすぎたら一人じゃ食えないよね。 だったらどうする?→皆で食べればいいんじゃないかな?→でもそれはゆっくり的にはどうなんだろ? 好きな人に食べて欲しいのにそれ以外の人間に食われたら嫌なんじゃないかな…そう思って書きました。 最後に、こんな駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます!! 書いた作品 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス このSSに感想を付ける
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洋館・プリズムリバー邸 「♪~♪~♪~」 邸宅の一室の中で、紙袋を持ちながら気分よく鼻歌を歌っているのは、ここに住む3姉妹の末妹・リリカ。 「ん~いい匂い。しかもふかふか~♪」 どうやら、いつも言っている洋菓子店の新商品を手に入れたようで上機嫌のようだ。 騒霊が食べ物を食べるのか?と言う疑問については、白玉楼の亡霊少女に同じ問いをしてきなさい。 「さ~て、浮かれてばかりもいれないわね。これをどこに隠すかなぁ…」 どうやら、姉達と一緒に食べると言う選択肢はないようだ。さすがリリカ、狡猾である。 「うーん…あっ、この箱がいいわね。なんか綺麗だし、まさかここに入ってるなんて思わないよね」 綺麗な文様の入った箱の中に、洋菓子=チョコパンを入れるリリカ。 「これでよしっと、あとで食ーべよっ♪」 そう言って、部屋を後にするリリカ。しかし、迂闊にも窓を開きっ放しにしていた事に、気付いてはいなかった。 その迂闊さが、残念な結果になろうとは… 再び部屋に戻ったリリカの見た部屋の様子。 荒らされた部屋。開かれた空っぽの箱。開かれた窓を呆然と見ている2体のゆっくり。 これ以上にない状況証拠、理解したリリカに怒りがこみ上げる。 「うぉらぁぁ!」「ゆ゛ぐえ゛っ!?」 思いっきり、ゆっくりまりさを蹴るリリカ。 「まりさになにするの!?ゆっくりできないよ!」 わめくれいむを冷たい目で睨むリリカ。 「人のお菓子を食べておいてシラを切るつもり…ふーん…」 「ゆ!?お菓子くれるの?ならゆっくりはやくもってきてね!」 「わたしの取って置きを食べておいてそんな口を…蹴り殺してやるッ! こ の ド 畜 生 が ァ ー ー ー ー ー ッ」 プッツン リリカの中で、何かがキレる音がした。 「潰すのは一瞬だッ!それでは私の怒りがおさまらんッ! おまえが悪いんだ!おまえがッ!わたしを怒らせたのはおまえだッ!おまえが悪いんだ! 思い知れ!どうだッ!思い知れ!どうだッ!どうだッ!」 「ぶっ!ぶぎゅっ!!やべでっ!!まっで!!れいぶのはなぢをぎいでねっ!!ゆっぐりぎいで!!」 まだ弁解しようとするれいむを、執拗に、残忍に蹴り続けるプッツンリリカ。 そんな恐怖の光景を見つめるまりさの頭の中は、れいむを助けようと言う気持ちではなく、いかにして自分が助かるかを考えていた。 (もう、れいむはたすかられないぜ。そこでもんだいだぜ!ここからどうやってにげようか? 3たく-ひとつつだけえらびなさい 答え①はんさむなまりさは、このおねーさんをなんとかするあいであがうかぶ 答え②はいってきたまどからにげる 答え③にげられない。げんじつはひじょうである。 まりさがまるをつけたのは②だぜ…れいむはゆっくりしんでね!) ゲスな結論を出し、逃げようとするまりさ。もちろん、それを見逃さないリリカ。 「逃がすかぁぁぁぁ!」 すでに蹴り殺され、死骸となったれいむを逃げるまりさに投げつける。 まりさが振り向くと、投げられたれいむの死骸がまるでスローモーションのように迫ってくる。 (答え-③ 答え③ 答え③)「ゆべしっ!」べしゃ まりさの思考が途切れたのは、れいむの死骸がまりさに激突し、大きな餡子の花を咲かせた瞬間であった。 「あーーーちくしょーーーー!」 「どうしたの?リリカ」「騒がしいなぁ…」 悔しがるリリカ。そこに、騒ぎを聞きつけたのか、姉のルナサとメルランが部屋に入る。 「うあ!え、えっと…そう!ゆっくりよ!ゆっくりが部屋で暴れていたから、退治したの!」 まさか、こっそり取っておいたチョコパンを食べられたとはいえないリリカは、とっさにウソを言った。 まあ、ゆっくりがいたのは事実だが。 「ふーん…まあいいや、部屋を掃除したら、お茶にしない?おいしそうなお菓子を買ってきたからさ」 「あのお店の新商品なんですって!楽しみだわ~」 「それって…あのチョコパン?すぐ片付ける!」 ルナサたちも、あのお菓子を買ってきたようだった。 部屋を早々に片付けたリリカは、すぐに姉達と共に新作お菓子を堪能した。 「このチョコおいしーね!」「わたしはこのビターが好みね」「ホワイトチョコも甘くてハッピーになりそう」 やっぱり一緒に食べるほうがおいしいや。そう思ったリリカであった。 この話には追記がある。それは、ゆっくり達がリリカの部屋に侵入したときに戻る。 「ゆゆ!ひろくておおきいね!」「ここをまりさたちのゆっくりぷれいずにしようぜ!」 窓から侵入したゆっくりは、リリカの部屋を好き勝手に蹂躙する。 そんな中、ゆっくりたちは綺麗な文様の箱を見つけた。 「ゆ!なんだかおいしそうなにおいがするよ!」「さっそくあけるんだぜ!」 舌を使い、器用に箱をあけるゆっくりまりさ。 箱が開いた瞬間、何かが飛び出し、窓の外へと消えていってしまった。 「ゆー…」「逃げられちゃったね…」 あまりにも突然だったため、呆然と見ることしかできなかったゆっくり達。 リリカが戻ったのはそんなときであった。 何故、箱の中身であるチョコパンが飛び出したのか。原因はそれを入れていた箱にあった。 リリカも知らないその箱の正体は、かつて自分達を生み出したマジックアイテムが収められていた箱であった。 本来の中身を失った今でもごくわずかに残っていた魔力と、 昨今幻想郷に出没した、歪んだ饅頭生命体:ゆっくりの存在という影響により、チョコパンにも命を宿してしまっていた。 やがて、そのチョコパンは顔が浮かび上がり、どこからともなく帽子を身に着け、新たなゆっくりとなった。 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりハッピーになってね♪」「ゆっくり…きあつがさがる…」 マジックアイテムの持ち主の影響からか、それらはプリズムリバー3姉妹そっくりになった。 ー後書ー なんだ、この自分設定満載なSSは、とお思いの方、申し訳ございません。 ただ、虹川ゆっくりを流行らせたかっただけです。 虹川ゆっくり話だけなら作れそうだけど、虐待描写を含めると難しい… もう1話を考えてますが、虐待描写の推敲に時間がかかりそうです。 書いた駄文 ゆっくりいじめ系1192 ゆっくりさとり ゆっくりいじめ系1202 ゆっくりプリズムリバー このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3050.html
※現代設定注意 作者:名も無き埴輪 「ここいらは都心に近い割に比較的静かなんで暮らしやすいと思いますよ。」 「はぁ……」 「こちらが部屋の鍵となります。今後とも良いお付き合いをしたいですね。」 「ええ、はい……」 気の抜けた返事を管理人さんに返しながら俺は今日から自分の住居となるアパートを見上げていた。 築40年は経ってそうな古いアパート。風呂なし・トイレは共同の四畳半の部屋。 一応キッチンはあるものの流しとカセットコンロが置かれてるだけだ。 後から無理に流し部分を取り付けたのか半ば押入れに食い込んでいて、押入れはもう半分しかその機能を果たしていない。 水道管も無理やり引っ張ってきたようで剥きだしになっている。 「最後に入居者さんが出て行ったのはいつだったかねぇ。 ここ最近は全く入居したいって人がいなかったから取り壊そうかとも思ってたんだよ。」 「そうですか……」 「ああ、心配しなくてもいいよ! 住んでくれる人がいる限り取り壊したりなんてしないから!!」 「ありがとうございます……」 俺がこんな古アパートに住む羽目なったのは趣味が災いしたせいだ。 地元では実家の周りが田んぼや自然に囲まれてるおかげかゆっくりがたくさん生息していた。 自然の中でだけ生息していればこちらもわざわざ手出しはしないのに 人家に近づいて庭などを荒らすゆっくりが多発した。 市の方でもいくつか対策は立ててくれたもののゆっくりの余りの多さに手が追いつかない状態だった。 そうなると住民たちは自分たちで対策を立てることになるのだが 俺はゆっくりを追い払ったりしている内にじっくりといたぶり 痛めつけることに快感を感じるようになっていた。 人目に付かないように気をつけてはいたものの一度虐待しているところを 目撃されてしまってからは流石田舎だけあって噂はまたたくまに広がった。 「こんな異常者が近くにいては白い目で見られる」という理由で俺は実家を追い出された。 アルバイトもせずにだらだらと過ごしていた俺には当然貯金などあるわけもないが 親からわずかばかりの金を渡されたのでせっかくだからと上京してきた。 不動産屋さんからこのアパートまでの道中にもゆっくりを見かけたが 俺の地元に住んでるゆっくりとは違い、住民たちにもある程度受け入れられているようだった。 気になって管理人さんに聞いてみたがここら辺に住むゆっくりは皆愛想が良く ゴミ荒らしなどもしないため住民たちが餌を与えたりしているらしい。 俺の地元に住んでたゆっくりなんか人間を見かけようものなら 汚らしい言葉で罵り、餌の要求をしたりしたものだが流石都会だなぁ。 住んでるゆっくりまで華やかなようだ。 これからの生活を脳裏に思い浮かべながら、俺は管理人さんに別れを告げて部屋へと入っていった。 夜。 荷物が届くのは明日以降なため、使い慣れた布団と枕が無いせいで俺はなかなか眠りにつけないでいた。 何度も寝返りを打っているとアパートの裏手から何やら声が聞こえてきた。 「ゆっふっふ。きょうもにんげんさんたちからいっぱいごはんがもらえたね!」 「ゆっくりできないにんげんさんでもれいむたちにごはんをわたしてるおかげでゆっくりできてるね!」 「ゆゆん! いなかもののにんげんさんにもすこしはとかいはなところがあるようね!!」 俺はゆっくりたちの台詞を聞いて愕然とした。 昼間はあんなに愛想を振り撒いていたのに、その裏では人間を見下していたというのだ。 これでは地元にいたゆっくりたちと何も変わらないじゃないか。 何かに裏切られたような感じに包まれた俺は裏手に面した窓を開け放って一喝した。 「おらぁ! クソ饅頭どもうっせぇぞ!!」 『ゆゆっ!?』 電気を消していたので人がいるとは思わなかったのかゆっくりどもは 何十センチか地面から飛び跳ねてから壊れたロボットのようにギギギとこちらに振り向いてきた。 「にんげんさん、びっくりさせないでね! れいむたちをゆっくりさせてね!!」 「何今更取り繕ってんだよ! てめぇらが人間様を見下してるクソ饅頭だってことはとっくに分かってんだよ!!」 俺が怒鳴りつけるとゆっくりたちは押し黙った。 これで静かに眠れると思って窓を閉めようとした瞬間、俺の耳にゆっくりの言葉が聞こえてきた。 「ゆふ~ん、ばれちゃったみたいだね」 「……?」 ゆっくりらしかぬその落ち着いた物言いに疑念を抱いた俺は再びゆっくりたちに視線を向けて驚いた。 数匹いたゆっくりたち全部が小憎たらしい顔でこちらを眺めていたのだ。 「それでおじさんはどうするの? ほかのにんげんさんたちにれいむたちのことをおしえる?」 「おじさんのいうことしんじるにんげんさんなんていないよ。 ほかのにんげんさんはみんなまりさたちのどれいだよ。」 「はぁ? お前ら何言って……」 そこまで言いかけて俺は気づいた。 昼間の住民たちのあのゆっくりの可愛がりよう。 なるほど。調子に乗りやすいゆっくりらしい。 人間が自分たちを可愛がるのは自分たちが優位に立ってるからだと思っているようだ。 「ゆふふ。気づいたみたいね。ほかのにんげんさんたちはありすたちのみりょくにめろめろなのよ!」 それならこっちにも手がある。 俺はゆっくりたちに視線を固定したまま、腰をかがめて足元に置いていた充電中の携帯を拾い上げた。 手探りで携帯に内臓されているボイスレコーダーの機能をONにする。 最近の携帯は便利なものでSDカードさえ挿していれば長時間の録音も可能なのだ。 俺はこのゆっくりどもの本性を録音し、他の住民たちにそれを教えてやろうと企んだ。 「おい、クソ饅頭ども……」 くっくっく。明日から吠え面をかくゆっくりどもの姿が眼に浮かぶようだぜ。 あの後俺は適当にゆっくりどもを挑発し、汚い言葉でこちらを罵る音声を録音した。 そして次の日に早速、前日の昼間にゆっくりたちが住民に可愛がられていた場所へと向かった。 もしかして毎日場所を変えたりしてるのじゃないかと心配したが どうやらそこは定位置らしくちゃんとゆっくりたちが現れた。 こちらに“ちら”と目を向けてきたもののすぐに興味を失ったようで 通りがかる登校中の子供に愛想を振舞っていた。 俺はと言うとあのゆっくりたちの本性を録音した音声を聞かせようと 子供たちに近づこうとしたら低学年の子の付き添いに来ていた親御さんに 不審者でも見るような目を向けられてそそくさと逃げられてしまった。 話には聞いていたけど都会の人たちはなんて冷たいんだ。 通学の時間帯が過ぎ、暇を持て余した専業主婦らしき人たちが ゆっくりたちを囲んで井戸端会議をしていた。 時折、ゆっくりたちを可愛がったり持っていたお菓子などを与えていた。 今度こそゆっくりたちの本性を聞かせようと奥様たちに近づいたが 今度は俺の話が聞いてもらえないばかりか根掘り葉掘り質問してきて 仕舞いには「若い男っていいわね。どう? お姉さんと火遊びしてみない?」 などとモーションを掛けられる始末だった。 これが20代の若奥様だったりしたら願ったり叶ったりだったのだが 悲しいかな、その場にいたのは40代、50代のマダムばかりだった。 愛想笑いで何とかモーションを断っていると今日は半ドンだったのか子供たちが学校から帰ってきていた。 しかし、音声を聞かせようとしても朝と同じように不審者を見るような目で 低学年の子の親御さんに連れられ、逃げられてしまった。 何度かそのようなやり取りを繰り返した後。 何とかマダムたちに録音した音声を聞かせることに成功はしたのだが…… 「れいむたちはそんなきたないことばつかわないよ!」 「きっとべつのゆっくりのこえだよ!」 「そういえばそんな気もするわねぇ……」 「ゆっくりの声なんてどれも似たようなものだものねぇ……」 「そんな! よく聞いてみてくださいよ! 絶対こいつらの声で間違いないんですから!!」 「そんなこと言われてもねぇ……」 さっきまであんなに熱烈なモーションをかけてきていたマダムたちも ゆっくりどもの言い訳をすっかり信じてしまい俺の秘策はあえなく敗れた。 今までの可愛らしいゆっくりたちのイメージはなかなか壊れないようだ。 俺はアパートの部屋で打ちひしがれていた。 ゆっくりたちの本性を住民たちに知らしめることができなかったからだけでなく 引越し屋さんの方で何やらトラブルがあったらしく荷物が届かずに 2日連続で畳の上に直に寝ることを余儀なくされたからだ。 なかなか寝付けずに何回も寝返りを打っていると裏手の方から 窓に何かがこつこつと当たる音が聞こえてきた。 「何だ?」 疑問を声に出しながらも俺はそれが何なのか知っていた。 実家にいた頃はよく聞いた音だ。 「ゆゆっ! ようやくでてきたね! ゆっくりしすぎだよ!!」 「やっぱりお前らか。」 窓の外には案の定ゆっくりどもがいた。 口に小石を銜えて窓に向かって飛ばしていたようだ。 「何の用だ?」 「ばかなにんげんさんはばかなにんげんさんなりに あたまをつかったみたいだけどむだだよ!」 「ほかのにんげんさんはまりさたちのどれいだってことが きょうのことでよくわかったでしょ?」 「これにこりたらあなたもありすたちのどれいにしてあげないこともないわよ?」 「ありすはあいかわらず“つんでれ”さんだね!」 「べ、べつにありすは“つんでれ”なんかじゃないんだからね!」 「あー、黙れ黙れ。うっさい。」 ゆっくりどもの間で胸糞悪い会話をし始めたので俺は制止した。 「めんどくさいからお前らもう俺に関わるな。 俺もお前らに関わらないようにするから。」 「ゆゆ~ん! とうとうおじさんもかんねんしたみたいだね!!」 「ふん! どれいのぶんざいでまりさたちにさからわないでよね!!」 (ぷっ) (かつん) 「いでっ!?」 まりさが言葉とともに口に銜えて飛ばしてきた石が俺に当たった。 所詮ゆっくりの力なので言うほど痛くはなかったものの 頭にカッと血が上った俺は足元に落ちたその石を全速力でゆっくりどもに向かって投げ返した。 「ゆびぃ!?」 「ま、まりざぁぁぁ!!」 「おべべが……おべべがみえないよぉぉぉぉぉ!?」 「まりざ、ゆっぐりじでぇぇぇ!!」 どうやら投げ返した石はちょうどまりさの目にクリーンヒットしたらしい。 どこかすっとした俺は晴れ晴れとした気持ちで窓を閉めて畳に寝っ転がった。 外からは依然ゆっくりどもの叫び声が聞こえていたが 地元にいたことに聞き慣れていたため、俺はゆっくりと夢の中へと意識を沈めていった。 翌日。 バイトを探すためにバイト情報誌を近くのコンビにまで取りに行った俺は 自分が周りから奇妙な目で見られていることに気が付いた。 この目の感じはよく覚えてる。 地元にいた頃に虐待趣味が周りにバレたときの目と瓜二つだ。 嫌な感じがしてあのゆっくりどもの定位置となってるらしい場所へと 向かった俺は予想通りの光景を目の当たりにして眩暈がした。 昨日偶然石を目にぶつけたまりさと他のゆっくりたちがこぞって まりさをこんな目に遭わせた酷い人間さんのことを訴えていた。 「れいむたちはおうたのれんしゅうしてただけなのに あのにんげんさんはいきなりあらわれてまりさにいしをぶつけてきたんだよ!」 「れいむ、いいんだよ。きっときづかなかっただけでまりさがわるいことしちゃっただけなんだよ。」 「まりさ……」 嫌らしいのは俺が一方的に悪者みたいに話を捏造していることもだが 被害者であるはずのまりさが自分に非があったんだと訴えていることだ。 あのゆっくりたちは人に同情させる術をよく心得ていやがる。 「あ! いしをぶつけたおにいさんだ!」 憎々しげにゆっくりどもを眺めていたらそのうちの一匹がこちらに気づいてしまった。 「おにいさんごめんね。まりさがわるかったんだよね。ごめんね。」 隻眼となったまりさがこちらに謝罪の言葉を投げかけてくるが 周りにいた人たちは俺を犯罪者を見るような目で見ている。 その視線に耐え切れなくなった俺はこそこそとその場を離れるしかなかった。 「くっそー、あのクソ饅頭どもめ……!」 やっと届いた家財道具に囲まれて俺は部屋でひとり不満を顕わにしていた。 「なんとかしてこの鬱憤を晴らしたいな……あ」 思い出した。家財道具が届いたってことは“あれ”もどこかに入ってるはずだ。 ダンボールを片っ端から開け放って“それ”を見つけたときに奴らの声が聞こえた。 「ゆっふふ~ん。うまくいったね!」 「おめめはみえなくなったけどにんげんさんたちにいっぱいあまあまもらえたよ!」 「ゆん! わざとけがしてもっとあまあまもらおうよ!!」 「ゆゆ~ん……でもいたいいたいはいやだよ」 どうやらまた悪巧みをしているようだ。 しかしお前らの命運もここまでだ! 「やあ、れいむたち。今まではごめんね。お詫びにたくさんお菓子持ってきたよ。」 「ゆっ! おじさん何しに来たの!?」 流石に警戒されているようだ。あまあまと聞いても警戒を緩めない。 だが所詮はゆっくりよ。 「おじさんが愚かだったよ。おじさんなんかじゃれいむたちには 全然敵わないよ。奴隷になるから許してくれないかな?」 「ゆゆっ! よーやくかんねんしたみたいだね!!」 「あまあまちょーだいね!」 「ああ、当然さ。」 お菓子を地面にばら撒く。 途端にゆっくりどもはお菓子に群がってわき目も振らずに貪っている。 『むーしゃむーしゃ……しあわせー!』 「さてと、と……」 (かぽん) 「ゆ? あまあまさん、ゆっくりしていってね?」 外側の方にいるゆっくりに虐待お兄さん御用達の透明ケースを被せて捕獲する。 ゆっくりはお菓子の方が離れて行ってるように見えたようだ。 他のゆっくりたちはお菓子に夢中でこちらの行動には全く気づかない。 俺はこの調子で全部のゆっくりを透明ケースに捕獲した。 数週間後。 ここらでは名物だったゆっくりは姿を消した。 最初は住民たちもゆっくりの行方を心配していたが 今までゆっくりがいた場所に猫が居つくようになると 住民たちの興味はそっくりそちらへと移った。 所詮ゆっくりたちの価値などその程度だったということだろう。 俺に向けられていた白い目も地域の奉仕活動などに 積極的に参加することでだんだんと緩和されていった。 その日もようやく見つけたアルバイトから帰ってきた 俺は部屋に待つ愛しの彼女たちに出迎えてもらう。 がたがたと揺れるケースたちを目の前にして俺はゆっくりと笑みを浮かべた。 今までの収録作品 ゆっくりいじめ系1773 実験 ゆっくりいじめ系2044 かくれんぼ ゆっくりいじめ系2141 ゆンプリンティング ゆっくりいじめ小ネタ378 ゆっくりスパーク 未収録作品 fuku4831 “とかいは”じゃないありす このSSに感想をつける
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信じようと信じまいと―― 20XX年、Y月Z日、日本の月探査衛星「蓬莱」は予定通り月の周回軌道に乗った。 月表面のより詳細な情報取得と資源探査、及び後発の着陸船の目標地点の調整のためである。 一般企業参加の元で開発された高解析度カメラを搭載した蓬莱は、高度調整の後にその任務に付いた。 月の表面上の直径10㎝の物体まで捉えることの出来るカメラ。 国際月資源開発基地の建設場所の決定を控える最終的な上空からの月査であった。 蓬莱が撮影した映像は航空宇宙開発局により一般に公開されていた。 月面から青い地球が昇る地球の出を捕らえた映像は他国のニュース番組を飾るほどの好評を博した。 だが、ある一部の映像はカメラの不調からの映像の乱れにより公開できなかったという。 誰も特に気にも留めない程度の欠落ではあったが、実は航空宇宙開発局により故意に隠された物であったと言う。 その映像はわずか5分程度の物である。そのカメラに写されていた物は――― つきのいなば* 未だに有人飛行を実現できずにいた日本は焦っていた。 欧米や中国、ロシアがそれを成し遂げていながら技術大国を名乗る日本は大きく遅れをとっていた。 一応有人飛行船の開発目処は立ってはいる。 設計上は何も問題のないはずの有人宇宙船。 だが日本にはこれに関してのそれまでの経験や積み立てというものが全く無いのである。 実際に宇宙に人を飛ばしてみないと分からないことなど五万とあるに違いない。 仮にもし何かのミスがあった場合の対応、処置など課題も山と積んでいる。 何も分からぬ、他人から聞いたのみの情報で人を宇宙空間に送り込む事。 それは間違いなく人体実験となる。 成功すればいいが、失敗した場合、最悪宇宙開発の断念、少なくとも中断は避けられない。 動物実験をしようにも彼らには言葉が通じない。 実際に機材を使わせたり生活させたりすることは到底無理だ。 人以外で言葉を理解し、ある程度道具の使える生き物。 やがて彼らは気づいた。その願いをかなえる都合の良い生き物が身近に居ることに。 うどんげは狭い部屋に閉じ込められ、一人寂しそうにベッドの上で与えられた携帯ゲームをしていた。 もう一人きりにさせられて2週間は経っただろうか。 ここは航空宇宙開発局の実験棟。今狭い空間内における落ち着きをテストする実験が行われている。 通常人間で行われる実験だが、今回はその代わりにゆっくりが入れられていた。 息苦しい無機質空間。空調の音がその孤独を際立たせる。 電子音にはもう飽きてしまった。携帯ゲーム機の音量は0。 泣き出しそうになるのをうどんげは必死に我慢していた。 それをごまかすかのように無心に定期的にスピーカーから聞こえる指示に従うか、あるいはゲームをしていた。 不意に室内に警報音が鳴り響き、部屋の奥に設置された白いドアがいかにも重たそうな音を立てて開く。 うどんげはゲームを放り出すとその扉の向こう側からやってくる影を見つめた。 カツカツという音が次第に自分に近づいてくる。 そしてそれが誰かが分かるや否やうどんげはその人影に抱きついた。 「お疲れさま、よくがんばったわね。うどんげ」 抱きつかれた研究員はそういって彼女の頭をやさしく撫でた。 うどんげは嬉しそうににゲラゲラ笑うと研究員に抱かれてその部屋を出た。 しけんにごうかくすれば、おねえさんがほめてくれる。 がんばってなくのをがまんすれば、おねえさんがゆっくりさせてくれる。 うどんげはそのお姉さんの優しさだけを支えに、今までずっと厳しい実験に耐えてきたのだ。 うどんげは加工所で生まれた。 生まれてすぐに母親から引き離され、毎日寒くて汚いゲージの中で縮こまって泣いていた。 美味しくないご飯。憂さ晴らしに自分をいじめる年上のゆっくり達。 うどんげはゆっくりする事を知らなかった。 誰も助けてくれない、誰も守ってくれない加工所がうどんげは大嫌いだった。 だがそんな折、うどんげにある転機が訪れた。 宇宙船に乗せる実験体としてのゆっくりの選抜が行われたのである。 全てのテストに合格し、比較的おとなしかったうどんげは見事実験体に選ばれ、その住処を移した。 きれいな部屋に美味しいご飯。 うどんげは始めて自分のゆっくりプレイスを見つけた。 だがそれ1週間も続かず、すぐにうどんげは本格的な耐久実験に回されてしまう。 大きな機械に振り回され、ローラーの上を延々と走り続け、極度の温度差に身を晒された。 うどんげはさらに過酷になった自分の環境を、そして運命を呪った。 日に日に心身ともに文字通りぼろぼろになってゆくうどんげ。 願わくば、私を作った神に呪詛を、願わくば、私を虐げる人間に罰を。 だがある日、うどんげに手を差し伸べる人間が現れた。 いつも通り実験でぼろぼろになったうどんげは一人実験室に倒れていた。 近づいてくる足音。また同じようにストレッチャーに放り込まれ部屋に置き去りにされるのだろう。 うどんげは泣きもせずに不貞腐れたように体を丸めた。 背後で止まった足音。うどんげは痛みを覚悟して目を強く瞑った。 だが、彼女は不意に暖かく、心地の良い何かに包まれた。 「かわいそうに、こんなにボロボロになって……」 そういってギュッとうどんげを抱きしめたのは若い女性の研究員だった。 彼女はゆっくりと歩き出すと、うどんげの頭を優しく撫でた。 うどんげの飼育部屋に入ると彼女はうどんげに丁寧に治療を施す。 いつの間にかうどんげは泣いていた。どうして泣いているのか分からなかった。 別に悲しいわけではなかった。でも涙が止まらなかった。 「ぶえええぇぇぇぇ……」 うどんげの悲しげな泣き声を聞いて、彼女もまた目じりに涙を浮かべていた。 「ごめんね、辛いでしょう……」 うどんげはいつまでもな彼女の腕の中で泣いていた。 その後、彼女はうどんげの実験が終わると毎回やってきてはうどんげを介抱するようになった。 うどんげは日に日に元気になってゆき、実験結果もなかなかの物になっていた。 このじっけんがおわれば、おねえさんとゆっくりできる。 うどんげはお姉さんの介抱を糧に、日々の実験を乗り越えてゆく。 遂にうどんげはたのゆっくりを退け、宇宙船にのる実験体として選抜された。 うどんげを乗せる宇宙船の準備は着々と進み、とうとう打ち上げ予定1週間を切った。 いつもより物々しい雰囲気の実験棟。 うどんげは小さなブレザーにネクタイ、スカートという普段と変わらぬ格好でお姉さんと歩いていた。 「いい、うどんげ。あなたはこれから宇宙に行くのよ。それもゆっくり初なんだから!」 分かってか、ゲラゲラとさぞ楽しそうに笑ううどんげ。 大きな奇怪の前で歩みを止めると、お姉さんはうどんげに向き直り微笑んだ。 「うふふ、うどんげも嬉しい?私もとっても嬉しいわ」 そういうと、しゃがみこんでうどんげに首輪を取り付ける。 ゲラゲラとひときわ大きく笑ったうどんげの小脇を抱え、機械の中の小さな座席にうどんげを座らせた。 「さあうどんげ、頑張ってね。貴方は今歴史の1ページとなるのよ!」 そう言うと頭を撫で、機械から離れるお姉さん。 ゆっくりとシャッターがしまり、うどんげの視界から消えていくお姉さん。 最後に彼女の口元が何か言っている様に見えたが、うどんげがとうとうその言葉を知ることは無かった。 光が遮断されると同時に、うどんげは何か甘いにおいに包まれ、静かに眠りに落ちていった。 201X年X月X日、日本航空宇宙開発局は、新たな小型実験衛星の打ち上げを発表。 より高度な遠隔操作技術実験のため、月軌道上を2週間周回の後、事前に決められた落下地点に墜落する予定。 前回の月探査衛星でも動揺の実験を行ってはいるが、更なる精度での落下計測を行う為に再度行うとの事。 また、生命維持装置などの耐久実験も行うとされている。 201X年X月Y日、日本航空宇宙開発局は、衛星制御及び装置耐久実験が成功に終わったと発表した。 目標地点より誤差100m以内への落下が確認され、関係機関は大きな関心を寄せている。 ―――蓬莱が撮影した問題の映像には、月面を動き回る何者かの影が映ってた。 その姿はウサギの耳をつけた幼い女の子の容貌であったという。 生命が存在するはずのない月面上に、それも人型の生き物がいるなどあってはならない事。 世界の混乱を恐れ、彼らはすぐさまその映像を隠蔽した。 だが本当に彼らの目的は、常識を守るためだけだったのだろうか……? 貴方が信じようと信じまいと――― 今も静かな海の何処かで、一匹のうどんげが寂しさに泣いているのである。 =============================================== 書いた人:かりすま☆れみりゃ ゆっくりいじめ系1989 ゆっくりいじめ系2006 ぱちゅりーと鉄塔 ゆっくりいじめ系2011 満月の夜とひとりぼっち ゆっくりいじめ系2034 紙のさくやさくや ゆっくりいじめ系2092 はじめてのチュウ ゆっくりいじめ系2222 7本の稲荷寿司を捜し求める虐待お兄さんと愛と勇気のヌビビビンビドゥ ゆっくりいじめ系2432 SSがあっぷされるまで ゆっくりいじめ小ネタ366 爆裂資産
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※注意※ さなえしか出てきません。 文章が単調な気がします。 直接的な虐待描写はありません。 タイトルに肉便器とありますが性描写はありません。 幸せな肉便器* 近くの高架を列車が走るたびにその部屋はカタカタと揺れた。 部屋には窓がひとつしかなく、その上その窓はスモークガラスで外の様子を伺うことはできない。 だが、外から漏れて来る楽しげな音楽や呼子の声からここが繁華街であることは容易に想像できる。 ビジネスホテルのような内装。その中で存在感を際立たせているのは白で統一され嫌に清潔感を放っているベッドだ。 男はベッドのそばのいすに前後逆さにすわり、背もたれの上に腕を組みながら白いベッドに横たわる一匹のゆっくりを眺めていた。 不意に男は立ち上がりその部屋を後にする。 静かに扉を閉めると外にいる若い女に声をかけた。 「……このサービスの調子はどうだい?」 「いたって好評です。マネージャー」 「そうか。グレーっちゃグレーだけど今のところお咎めは無いからね」 「ええ。する側、される側、両者とも同意の上ですから」 廊下の突き当たりにあるエレベーターの前に立つ。相変わらず外は騒がしい。 「同意の上、ね。まあ確かにそうだよな」 そういうと男は後ろを振り返る。 どこか遠くを見るような目で先ほどの部屋の扉を見つめた。 「そんなことしても、あの子の気持ちは分かりませんよ」 女の言葉に決まり悪そうに視線をエレベーターのボタンに移すも、男のその視線は泳いでいた。 「そりゃあそうなんだけどね」 男は背負ったものを降ろすように肩を下げため息をついた。 「きっと幸せですよ、あの子は」 「だといいんだけど」 男は逃げるように足早にエレベーターに乗り込んだ。 その背中を心配するような、あきれたような、細い目で眺めながら女もその後を追い、閉まる扉の向こう側へと姿を消した。 ゆっくりさなえはある夕立の激しい午後に、ゆっくり専門のペットショップで生まれた。 生まれたのは3匹のゆっくりさなえ、そのうちの末っ子としてそれは生まれた。 血統書(といっても、ゆっくりに血などないが)が付いた所謂「高級希少」なゆっくりとして、比較的幸せな星の元に生まれたといえるだろう。 すぐさま職員が泣き喚く母親から強引に赤ゆっくりを奪い、生まれた子供たちをそれぞれ別のケージに隔離する。 3匹それぞれが別の職員の手によって丁寧に育てられてゆく。 そのさなえを担当したのは研修が取れたばかりの新人の職員。 毎日毎日規則的に体を洗い、食事を与え、やさしく語りかけるその姿はまるで母親の様であった。 ある日を境に度々ゲージの外へと出られるようになった。 狭いが静かで快適なゲージと比べ、外はすこし寒くてうるさかったが、今まで見たことのない広い世界に目を輝かせるさなえ。 ゲージを出されてすぐに、さなえは「ごはんのとりかた」を教わった。 手取り足取り丁寧に教えてくれる「母親」の期待にこたえようと、さなえはがんばって手ではなく道具を使うことを覚えた。 「さすがはさなえ、いい子ね」 「血統書付きだけのことはあるな」 「母親によく似て飲み込みの早い子だ」 みんなに褒められた。「母親」に似ていると言ってなでてもらえた。 嬉しそうに周りに頭を下げる「母親」の姿に、さなえも思わずほころんだ。 やさしく諭すように教えてくれる「母親」にさなえはとてもあこがれていた。 さなえは飲み込みが早く、新しいことを覚えてぐんぐんと前に進む度に、「母親」はさなえを良い子だと言って褒めた。 暖かい寝床があり、おいしいご飯があり、やさしい「母親」がいた。 さなえにとって世界はそれが全てだった。 やがて品評会で第一級品の印を押されたさなえは、すぐにある老夫婦に引き取られることが決まった。 だがさなえはどこに行ってもゆっくりできる事を確信していた。 自分の「母親」が教えてくれたこと、それさえ守っていれば思う存分ゆっくりできる事を知っていたからだ。 だからもう、「母親」に頼らなくても、一人でも大丈夫だと思った。 「この世界」で生きていけると信じていた。 ペットショップを去るその日まで、彼女は「自分のいる世界」を知ることはなかった。 「それに比べてお前はなんだ」 「どうしてあの子のようにできないの」 「お前はそれでも姉なのか」 「悪い子!きっと父親に似たのね」 さなえがゲージの中にいる間、どんな言葉が飛び交っていたかを彼女に知る由は無い。. 姉達がどんな目で自分のケージを眺めていたかなど、知る由は無い。 さなえはひとつ、大きな間違いを犯していた。 そしてさなえは気づかない。その世界の根底を覆す大きな誤りに。 * 「母親」の言いつけを守ったさなえは、ますますゆっくりした日々を送っていた。 老夫婦は礼儀正しいさなえをとてもかわいがった。 広い屋敷を自由に歩き回り、起きている間はずっと老夫婦が遊んでくれた。 老婦人が作るご飯はとてもおいしいものだった。 さなえが絵を描けば、老夫婦は上手上手と褒めてくれた。 さなえが踊りを踊れば、手拍子して一緒に楽しんでくれた。 さなえが家事を手伝えば、偉い偉いとなでてくれた。 何一つ不自由は無かった。 子供が独り立ちし、田舎に二人暮らしとなった老夫婦にとってさなえは「孫」そのものであった。 さびしい思いをしていないかと心配した息子が老夫婦にゆっくりを買うことを勧めたのだ。 さなえの世界は全く変わらなかった。 「母親」という存在が、老夫婦という存在にかわっただけであった。 まださなえは気づかない。その世界の根底を覆す大きな誤りに。 * ある日、老夫人が亡くなった。 夫がいなくなり、管理に負えなくなった老婦人はその家を明け渡すことにした。 老婦人は都会の息子家族の元へと行った。 だが、息子家族が住んでいた集合住宅にペットを持ち込むことはできなかった。 老婦人はさなえを手放すことに気を揉んだがどうすることもできなかった。 これから居候する身である。無理を言って息子夫婦に迷惑を掛けることはできなかった。 だが、さなえを飼う事を勧めたのも息子だった。 息子は仕方が無いよと老婦人を諭し、ある若い男にさなえを託すことにしたのである。 彼はその男に強い信頼を置いていたし、その男の人柄を良く知っていた。 決して悪いようにしないでくれ、と強く念を押し、彼はさなえをその男に渡した。 若い男はゆっくり喫茶というゆっくりにウェイトレスをさせるカフェレストランを取り仕切っていた。 かわいい、心を癒されると若い世代にとどまらず、中年層でも話題になっているちょっとした有名店だった。 ゆっくりにストレスの無い様に職場を調整していた彼は、さなえもここに加えてみてはどうかと考えたのだ。 さなえは人間慣れしている上に、きちんと躾をされており、尚且つ希少種であった。 きっとさなえも寂しい思いをせずにすむだろう、と彼はそのままさなえの配属を決めた。 だが、彼はここで気づいてしまった。さなえの世界の大きな誤りに。 さなえはまだ気づきたくなかった。その世界の根底を覆す大きな誤りに。 * ウェイトレスとしての船出はきわめて順調だった。 さなえはすぐにその愛らしさから店の人気者となり、ほかのゆっくりとも難なく打ち解けた。 やさしいマネージャーがさなえに店のルールや配膳の仕方を教えていた。 さなえはショップに居た頃を取り戻したような、懐かしい気分になっていた。 だが同時に、さなえはある事に不安を覚え始めていた。 それを肯定する事は「自分の世界」を否定する事を、さなえはもしかしたら知っていたのかもしれない。 一方の男は安心していた。まださなえは「自分の世界」に居たからだ。 だが男は気が気でしょうがない。 もし、さなえが「本当の世界」を知ってしまったら。 「さなえの世界」と「本当の世界」は180度の違いを持っていた。 きっとさなえは本当の世界を受け入れることはできないだろう。 それは余りにも残酷だった。 きっとさなえは壊れてしまう。 悪いようにはしない、といった以上、彼女の世界を守ってやらなくてはならない。 男が悪いわけではない。だが、男はさなえの痛々しいほどの愛嬌に、胸を締め付けられる思いだった。 だが、男の恐れる事態は程なくして現実のものとなる。 それはたった一言の簡単な言葉。 「きみのような礼儀正しいゆっくりをはじめて見たよ」 ……なにをいってるんだろう? さなえは不思議そうに首をかしげた。 「はは、やっぱりゆっくりはかわいいなぁ」 そういって、客はさなえの頭をなでた。 ……ちがうよ。さなえはそんなんじゃないよ。 「謙遜しちゃってさ、あー、俺も飼いたいなぁ、ゆっくり」 ……だからちがうっていってるでしょ。 「さなえは……さなえはゆっくりじゃないもん!」 そう叫ぶとさなえは持っていたトレーを男性客に投げつけた。 「うわっぶ!」 男の白いシャツが炭酸飲料水で薄黒く染まる。 それはまるで早苗の真っ白な世界に、一気に広がってゆく深い雨雲のようで。 その黒い雲はとどまることなく、その面積を広げていく。 騒ぎを聞きつけた男が飛んできた頃には、もうさなえは壊れてしまっていた。 さなえは「自分の世界」から「自分の居る世界」に引き戻されてしまった。 ――本当はきっとどこかで分かっていた。 自分がゆっくりであり、人間ではないことを。 でも、自分は人間に育てられてきた。 人間を母親とし、人間に囲まれて、人間の為に生きてきた。 だから当然、自分も人間であるに違いないと思ってしまった。 でも、考えてみればおかしいことばかり。 どうしてゲージに入れられていたのだろう? どうして同じご飯を食べられなかったのだろう? どうして他人の家に引き取られていったのだろう? どうして自分だけ、連れて行ってもらえなかったんだろう? どうしてまわりにゆっくりしかいないんだろう? どうして……わたしと良く似た姿をした子がこんなにたくさん居るんだろう? どうしてわたしは――人間として生まれてこれなかったのだろう? 「ちがうもん!ざなえはゆっぐりじゃないもん!ぢゃんどじだにんげんだもん!ほんどぉだもん!」 暴れるさなえを抱きかかえると、男はバックヤードへ飛んでいった。 教育係だった女性が男性客に頭を下げている。 「いやぁツンデレ?あぁヤンデレかな?いいねぇ、斬新でゾクゾクしたよ」 男性客はいいよいいよとあっけらかんと笑っていた。 きっと彼に悪気は無い。いや、きっと彼が言わなくともさなえはが悟る日はそう遠くなかったはずだ。 その後、さなえは仕事に戻ろうとはしなかった。 あのカフェが「ゆっくり喫茶」であることが分かっている以上、さなえはあの仕事を二度としようとは思わないだろう。 たださなえのプライドだけが、自分が人間であるとしてさなえを支えていた。 さなえの世界は正しい世界に戻った。 だが、さなえは正しい姿に戻ることはできなかった。 生まれてきてずっと信じていたことを否定されて、ホイと投げ出せるわけが無かった。 男の姿を見ると、さなえは駆け寄りこういうのだった。 「にんげんのしごとがしたい、にんげんのしごとがしたい、にんげんのしごとがしたい……」 輝きの無い瞳でそうくりかえすさなえに、男は押しつぶされそうになっていた。 だが、人間の仕事がそう簡単にゆっくりにできるわけが無かった。 どこに行ってもかならずゆっくりとしての扱いを受ける。 そんな折、彼は上層部から新しい企画がある事を聞いた。 最初こそ反対していたものの、彼はその企画に救いを見出した。 それは、救いと呼べるとは到底思えない余りにも酷い商売。 だが、さなえがそれで満足してくれるのであれば…… * 10号室は現在1番人気の部屋だ。 従順で可愛らしい「彼女」に魅入られたリピーターと、口コミを聞いてやってくる客。 10号室にはある特別ルールがあったが、それさえ守ればあとは何をしても構わない。 従順な彼女は、頼まれたことは何でもやってくれるだろう。 そのうえ希少種胴付きである。マニアから言わせれば所謂「生唾もの」らしい。 ゆっくりヘルス「TIE」、10号室はさなえの為に設けられた特別室。 特別ルールは「ゆっくり」という単語を口にしないこと。 その部屋からは、今日もまた甘い声が聞こえてくる。 「彼女」は今日も腰を振る。 その場でのみ、彼女は人間との対等な関係を許されていた。 彼女が「人間」で居られる場所。「彼女の世界」そのもの。 それが例え「性の対象」という意味でも、彼女はきっと幸せなのだろう。 彼女の世界は小さくなってしまった。 でも、彼女はその世界で生きていけた。 「人間として」生きていけた。 あとがき-- 大富豪の御題作品。 さなえがクセが無くて一番書きやすそうだったのでさなえで書かせてもらいました。 さなえ好きなヒトごめんなさい。 すまれみりゃ? ゆっくりいじめ系1989 ゆっくりいじめ系2006 ぱちゅりーと鉄塔 ゆっくりいじめ系2011 満月の夜とひとりぼっち ゆっくりいじめ系2034 紙のさくやさくや ゆっくりいじめ系2092 はじめてのチュウ ゆっくりいじめ系2222 7本の稲荷寿司を捜し求める虐待お兄さんと愛と勇気のヌビビビンビドゥ ゆっくりいじめ系2432 SSがあっぷされるまで ゆっくりいじめ系2925 つきのいなば ゆっくりいじめ小ネタ366 爆裂資産 ゆっくりいじめ小ネタ540 YUKKULIFE7月号 切り抜き記事 じんちゅー 選択肢 投票 超カリスマ (319) 無カリスマ (29) このSSに感想をつける
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親代わりにできそうなゆっくりを探すこと1時間・・・ 山奥ならともかく、町でゆっくりを見つけるのは難しい そこらの家に勝手に侵入しておうち宣言をしてはすでに潰されているからだ。 探しがてら、スーパーに立ち寄る。 〔おいしい冷凍ゆっくり特売〕 この広告が目に入った。 6個いり398円が105円。これは安い。 昨晩、食べ損ねたため今度こそはと購入する。 店の外に出ると、さきほどまでいくら探しても見つからなかったゆっくりとあっさりと遭遇した。 「ゆっゆっゆっ〜ん♪おちびちゃんたちゆっくりしたごはんたべようね! でも、にんげんさんに見つかったらゆっくりできないからこっそりたべるんだよ!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」 成体のゆっくりれいむと、子れいむが3匹だ。 茂みの中から出てきたゆっくりは歩道を縦一列に整列してなめくじのようにずーりずーりと進んでいる。 車にひかれないための知恵だろうか。 直線に目的地を目指しているため、どこへ行こうとしているのかが一目でわかった。 このスーパーのゴミ置き場だ。 「そろーり!そろーり!」 大声で擬音を口にする親れいむ 子れいむ3匹もそれに続く 「「「そろ〜り♪そろーり♪」」」 人間に見つからないように歩くのになんで”そろーりそろーり!”と大声で言うんだろう。 子れいむ達も、この親れいむが子供のときもそういった疑問をもった時期があった。 でも、自分の親がやってる事だし、それに皆で”そろーり♪そろーり♪”と歌うとまるで合唱のようでとてもゆっくりできる。 ゆっくり出来るということは正義だ。 「そろーり!そろーり!」 「「「そろ〜り♪そろ〜り♪」」」 この、なめくじの行列はゴミ置き場のゴミへと一直線に進んでいく。 きっと中に野菜やいろいろな食べ物が入っていることを知っているんだろう。 ゴミといっても家庭用と違い商売でやっているものを腐臭がするまでとっておくことはありえない。 まだまだ普通に食べられるような野菜くずがたくさんつまっているのだ。 このれいむ一家はそれをよく知っていた。 買い物籠が積んである傍のゴミ箱をみると、大根の葉が捨てられていた。 それを買い物袋に1房つめて、入り口を行列の直線上に置く。 親れいむは、買い物袋内の大根の葉しか見えていない。 後ろの子れいむ3匹は前を行く親れいむや姉妹の背中しか見えていない。 「そろーりそろーり!ゆっ、ゆっくりできそうな草さんがあるよ!」 ガサゴソッ 「「「そろ〜り♪そろ〜り♪」」」 ガサガサガサッ 4匹とも仲良く買い物袋に入ったところで、手提げをもってグイッと持ち上げる。 ガサッ! 「はい、野良れいむ4匹捕獲完了!」 「ゆゆっ、ガサッ!はゆっくりできないよ!」 「そろ〜り♪そろ〜っ!ゆっ、おそらをとんでるみたい!」 「ゆゆゆ!うごけないよ!」 「ゆえ〜ん、おねえちゃんおもいよ〜!」 親ゆっくりは自分達が捕獲されたことに気づいて、なんとか買い物袋から逃げ出そうと もみあげをピコピコしながらあがく。 しかし、子ゆっくりがジャマで上の様子すらわからない。 逃げられる心配がないのを確認し、そのまま家までお持ち帰り。 買った特売冷凍ゆっくりタコ焼きも忘れずに回収した。 家に帰ると赤ゆどもが泣いていた。 妹思いの長女1番れいむ 典型的なまりさ種の2番まりさ 食いしん坊の3番れいむ 泣き虫の4番れいむ 寝てばかりの5番まりさ 頭がかわいそうな6番まりさ それぞれの額には油性マジックで番号を振ってある。 2「ゆぇぇええ〜ん!おと〜しゃ〜んかえっちぇきちぇ〜!」 3「ゆ〜ん・・・おにゃかすいちゃよぉ・・・」 4「おと〜しゃん・・・ゆっく」 5「おと〜しゃんとすーりすーりしにゃいとゆっくちねむれにゃいよ・・・」 6「ゆぅ〜ん、ゆゆぅ〜ん・・・」 1「みんな、ゆっくちなきやんじぇね!さびちいのはおねーちゃんもいっしょだよ!」 1番の長女れいむが姉妹を元気付けようとしているが、自分も目に涙をいっぱいに溜めている。 泣き虫の4番れいむに舌を延ばして「ぺーろぺーろ」 「おう、ゆっくりども今帰ったぞ!」 ダンボールからこちらが見えるところまで行って声をかけると ようやく俺が帰ってきたことに気がつく赤ゆども。 2「おとーしゃん!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 3「ゆゆん!れいみゅもうわるいこちょいわにゃいからごはんたべさせちぇね!」 4「ゆわぁぁあ〜ん、おとーしゃんがかえっちゃきちゃ!」 5「おとーしゃん、まりしゃとすりすりちてね!」 6「ゆゆ〜!ゆゆ〜ん!」 1「おと〜しゃん!れいみゅゆっくちみんにゃのめんどうみてちゃよ!ほめちぇね!」 「そーか、そーか、お前らのためにお土産もってきたぞ。 そら!お前らのおかーさんにおねーさんだ!」 買い物袋から乱暴に野良れいむと子れいむを引っ張り出す。 ダンボールの中からも見えるようにテーブルの上に置いた。 「「「「「「おかーしゃん!?」」」」」」 ゆっくりは思い込みが強いと言うからな、そこらの野良れいむでも これが母親だと言われればあっさりと信じてくれるはずだ。 父親だと勘違いしてる俺の言うことだから尚更だろう。 テーブルの上の野良れいむもダンボールの中の赤ゆどもがよく見える。 「ゆ?なにこの汚いおちびちゃん」 赤ゆどもを見て、汚いと言い放ったのは親れいむだった。 それに子れいむ達がつづく。 「なんだかこの赤ちゃんたちゆっくりできないよ!」 「それにくさいね!おーくさいくさい!」 「えんがっちょ!えんがっちょ!」 普通、野良にとって飼いゆっくりは美ゆっくりであり羨望とすっきりの対象なはずだ。 ところが、加工場産の食用ゆっくりは何か特別なマイナスの要因があるようで、むしろ醜ゆっくりに見えるらしい。 こいつらに子守と教育係を任せようと思っていたがこの調子じゃ無理っぽいな。 そんな事を考えていたら、野良れいむ達が勝手にテーブルの上にあったリンゴとミカンをむさぼりはじめた。 「こんなところにリンゴさんがあるよ!むーしゃむーしゃ、しあわせ〜♪」 「なにこのきいろいの!にがくてぜんぜんゆっくりできないよ!ゆっくりできないコロコロはゆっくりしんでね!」 「ここは、れいむたちのおうちだよ!ばかなおちびとじじいはゆっくりしないででていってね!」 「きたいないちびどもにしーしーかけてきれいきれいにしてあげるね!ゆっくりかんしゃしていいよ!」 リンゴの汁を撒き散らしながら食べかすがテーブル下のカーペットにまで飛び散ったり ミカンに体当たりをして、なかなか潰れないとわかるとそれをテーブル下に押し出して捨てた。 こちらを見る目はまるで下等生物を見るかのように見下していて、下あごを突き出して「ゆっへん!」と鼻息を立てている。 もう1匹は、テーブルからダンボール内の赤ゆめがけて小便をしようとしているが、カーペットのシミとなって届かない。 冷静に入ってきたドアを閉めてから、チャッカマンを取り出す。 「えー、こいつらがおかーさん、おねーさんというのは嘘です。 こいつらは悪い見本だからこれから懲らしめます! 悪いことをするとこういう目に合うよというのをゆっくり見ていってね!」 いきなり「汚い赤ちゃん」とか「くさい」と言われた赤ゆども 戸惑いながらも、おとーさんの言うことだから 左手で、ひょいっと子れいむの髪をつまんで持ち上げる。 赤ゆ目掛けてしーしーをしていた奴だ。 溜まっていた水分を排出して気持ちよさそうに「しゅっきりー♪」と言おうとした「しゅっ♪」の時に阻止。 「ゆっ、れいむゆっくりおそらをとんでるみたい!」 右手に持っているチャカマンからはポッと火が灯っている。 それに気づいたテーブルの上に残っている親れいむ。 「ゆっ!おちびちゃんになにするの! そのはこのきたいないビチグソとちがってれいむのかわいいこだよ! ゆっくりりかいしたらはなしてね!」 ぷくーっと膨らんでこちらを威嚇している。 チャッカマンのスイッチをカチカチと火をつけたり消したりして親れいむとダンボールの中の赤ゆどもに見せ付ける。 それからゆっくりと左手にもっている子れいむの底部に火を当てた。 「ゆぴゃぶぴゅぴぃぃぃいい!」 ビクッとテーブルの上からみかんを転がり落として遊んでいた子れいむと偉そうに「ゆっへん!」としていた子れいむも気づく。 親れいむは 「やめでねぇぇえええ!れいむのかわいいかわいいこどもをたずげでねぇええ!」と叫んでこちらへ体当たりをしようと ぴょこんぴょこんとテーブルの端で跳んでいる。 「かわいい子を助けないでいいのか?」 じっくりと、ゆっくりと子れいむの足を炙る。 子れいむを摘んでいる左指を焼けどしてはかなわないので直火ではない。 それでもゆっくりと子れいむの底部は黒く変色していき1分もしないうちに炭化し二度と動くことができない体になった。 その子れいむをポイッとテーブルの上に捨てる。 「れいぶのがわいぃこどもがあぁぁああ!」 「れいむのおねーちゃんがぁああ!」 「なんでこんなこどするのぉぉお!」 はいはい、順番だよ。 お次はみかんをテーブルから落とした子れいむ。 狭いテーブルの上では逃げ場もなく簡単に摘み上げる。 「やめてね!はなしてね! れいむはまずいコロコロをすててただけだよ!ゆっくりりかいしてね!ばかなの!しぬの!」 「れいぶのごどもをはなぜぇぇええ!」 またテーブルの端でぴょんぴょんっと跳ぶだけの親れいむ。 2匹目はちょっと慣れたので火をさっきより近づけてスルメ焼き。 「ぐぴょぷぽぉぴょぶぉぉぉおおおおお!」 小麦が焼ける香ばしい香りが部屋の中いっぱいに広がる。 それからテーブルへポイッ。 ゆっへんと威張っていたれいむも立て続けに姉妹の足が焼かれるのを見てすっかり逃げ腰になっていた。 「そろーりそろーり!れいむはにげるよ!」 もみあげをじったんばったんしながら大慌てで、されど跳ばずになめくじのようにずーりずーりと逃げる。 人間からは「そろーりそろーり」と逃げる、そうやって教わったからだ。 テーブル上の子れいむをチャッカマンの火で追い立てる。 「やめでぇねぇ!こっぢごないでね!あぢゅいぃぃいい!」 わざと追いつかないようにチリチリとお尻を焼きながら追い立てる。 そこへ親れいむが割って入った。 「れいぶのごどもを・・・あぢぃぃぃいいいい!」 「よーし、お前がチャッカマンの火に耐えれば子供は焼かれないぞ。」 木製のテーブルに焦げ跡が残ってしまわないようにちょっとチャッカマンの先端を浮かせて水平に親れいむに火をあてる。 鼻先がジュッと焦げて親れいむは叫びながら大粒の涙を流す。 「あじゃじゃじゅじゅぃいい!」 「そろーりそろーり♪ゆっ、どぼぢでじめんさんがもうにゃいのぉおおお!」 子れいむは遠くまで逃げようとするがそこはテーブルの上。 一番端までたどり着けば後は崖があるだけだ。 その間にも親れいむは火を当てられている。 「あびゃびゃびゃびゃびゅぅうううう〜!こんじゃのぶりにぎまってるでぢょぉおおお!」 結局、10秒ももたないで転がって逃げた。 髪飾りのおリボンが焼けて原型を留めていない。 「なんだ、もうお仕舞か?じゃあ子供を焼いていいってことだよな自分からどいたんだから。 ほ〜れほれ、あつ〜い火が子れいむちゃんに近づいてくるぞぉ」 わざとゆっくりと子れいむに火を近づける。 「たずげでぇおがあじゃぁあ〜ん!」 「にげでねぇええ!ぞごからとびおりでねえぇええ!」 ゆっくりにしては良いアドバイスだった。 子ゆっくりにしてみればテーブルの高さは崖の様に見えるが、重量も少ないため痛い思いはしても死にはしない。 火に焼かれるよりはよっぽどマシだ。 「ごわぐでむりだよぉぉおお!」 しかし、子れいむはそれでも跳べない。 自分の背の数倍もの高さがあるテーブルは人間からすればビルの3〜4階相当。それは本能的に恐怖を与えるのに十分であった。 「にげないでいいのかぁ?ほ〜れ火がそこまできたぞぉ〜」 とうとうチャッカマンの火が子れいむのほほを焦がすところまできた。 「あじゅいぃぃい!たじゅげでおがあじゃぁああん!おどぉじゃぁあ〜ん!」 「おちびじゃんはれいぶとまりざのごどもだよぉお!とべるがらがんばってねぇええ!」 かつて、このれいむ達には一家の大黒柱であるまりさがいた。 人間に捕まって子まりさもろとも殺されてしまったが、生きていたころはそのまりさが一家を支えていた。 ゆっくり的には素敵なまりさ。その雄姿を思い出す子れいむ。 「おどぉおおじゃぁあ〜ん!れいぶはとぶからゆっぐじゆうぎをちょうだいねぇええ!」 跳んだ。 精一杯の高さを跳んだ子れいむ。 わざわざ落下のダメージが増すような跳躍だが、恐怖で動けない体を奮い立たせるためには仕方がなかったのだろう。 「ゆぴゃ!」 ゲシッと地面に叩きつけられる。 餡子を吐き出してはいるが絶命には至らない。 「おちびちゃんやったよ!ばかなにんげんからにげのびたよ!ゆっへん、さすがれいむとまりさのこどもだよ!」 親れいむは、こちらを睨んで”ざまぁみろ”と言いたげな表情でふんぞり返った。 「やったよ・・・れいむはいたいけどとんでにげられたよ・・・ゆっ?」 地面に落ちた子れいむをヒョイッと掴みあげる。 「はいはい、ごくろうさん♪」 それからチャッカマンでチリチリチリ・・・。 「ゆぴゅぴゅぴゅぷぃぃいい!あじゅぃぃいい!なんじぇええええぇええ!れいぶとんじゃのぉにぃいい!」 他の姉妹よりも念入りに焼いて産道のあたりまで真っ黒こげ。 「れいぶのおちびじゃんがぁああああ!」 さっきまでふんぞり返っていた親れいむも両のおめめを見開いて大口を開けて固まっている。 足が焼かれて動けない子れいむ3匹を鼻先と髪飾りを焦がされた親れいむに返してやりお仕置きが終了した。 命まで取らないのは俺が愛でお兄さんだからさ! 乱暴に4匹の髪をひっつかんで庭先に捨てる。 「ゆべっ!」 「ゆぴっ!」「ゆぴゅ!」「ゆぎゅ!」 人間がまたげる程度の低いコンクリートブロックの塀も足が焼かれた子ゆっくりは越えることができない。 それが道路と庭とを遮っているので、もうどこへも行くことができないだろう。 親ゆっくりがこいつらを見捨てなければ、この庭の草でも食って雨が降るまでは生きられるかもね。ゆっくりゆっくり。 「おがあぁああちゃ〜んれいぶのあんよがいちゃいよぉぉお!」 「ぴぎゃあぁあ!すーりすりしないでねえぇ!いちゃいよぉおお!」 「なんじぇれいむがこんなめにぃぃい!」 「おちびちゃんたちごめんね!ごめんね!ゆっぐりぢていっでね!」 動けない子れいむに寄り添う親れいむ。 ゆっくりしていってね! さて、赤ゆどもがやけにおとなしいけど このちょっぴり刺激の強い教育番組をちゃんと見ていてくれたかな。 悪いことをしたらゆっくりできなくなる。忘れっぽいゆっくりもトラウマとして餡子に刻まれれば効果はあるはずだ。 1「・・・ギュププププ」 2「・・・ゅうゅぅう」 3「・・・ぴゅぷぷぷぷ」 4「・・・ぴぃ・・・ぷぴぃぴぃ」 5「・・・zzz・・・zzz」 6「・・・ゆぅぅぅう」 残らず泡を吹いて気絶していた。 ちょっと薬が効きすぎたか。 しばらく、そっとしておいてやろう。 だけど5番まりさだけは帽子をとってダンボールの上のところへ乗せておいた。 目が覚めたら「まりしゃのおぼうしさんおりてきてねぇぇええ!」とか始まるだろう。 さて、一息ついて さっき買った特売の冷凍ゆっくりタコ焼きを取り出す。 昨日は食べそびれたから、こいつらが寝てる間に食べる。 ふんふんふん〜♪っと鼻歌を歌いながら パッケージを開けると、中から6個のれいむとまりさの赤ゆっくりが出てくるはずが 頭が半分食べられている赤れいむと赤まりさが5匹と1匹の少しサイズの大きな別種のゆっくりが凍っている。 緑色に尻尾が2本。 「わかるよー」が口癖のゆっくりちぇんだ。 これから食べようと思っていたまりさとれいむがもう食べられてるじゃないか。 まさか、この子ちぇんがやったのか? この冷凍ゆっくりタコ焼き買ったときは値段ばかり見て気づかなかったがパッケージも微妙におかしいぞ。 普通のゆっくりタコ焼きはれいむとまりさの笑顔で「おいしいよ!」なんて絵が描かれているが このパッケージのれいむはふんぞりかえっていて「ゆっへん!ゆっくりタコ焼き!」なんて絵柄になっている。 おそるおそる裏面をみると、原産国がめーりんになっていた。 とりあえず、凍ってるちぇんをオーブンで加熱して起こしてみよう。 待つこと数分・・・。 チーン! 「わかるよー!・・・あじゅぃぃいいい!わからないよぉぉおお!」 オーブンの蓋を開けてちぇんを取り出す。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき
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木の根元に作られた巣の中で、ゆっくりの子供達が遊んでいる。 4匹居るれいむはゆーゆーと音程を無視した歌を歌い、 2匹居るまりさはそう広くない巣の中でぐるぐると追いかけっこをしている。 前を跳ねるまりさが息を上げて速度を落とすと、追いかけて来たまりさが後頭部にのしかかる。 逃げようとする動きと押さえつけようとする動きが、次第にすりすりへと変わって行き じきに満足したまりさ達は走り混んだ疲れからぽてっと座ると、空腹を訴え始めた。 「ゆぅ、おなかちゅいたよ!」 「ごはんたべちゃい!」 子供達はまだ赤ちゃんゆっくりより少し大きいくらいのサイズで、 体内に栄養を多く溜め込んで置くことが出来ない。 加減を知らず遊びたいだけ遊んだまりさ達の体力は、 既に放っておけば命にかかわる所まで消費されていた。 「ゆゆ…でもごはんがにゃいよ?」 「おかあしゃんがごはんをとってくりゅよ、がまんしちぇね」 「がみゃんできにゃいよ! ゆあ゛ぁぁぁぁん!」 体力を温存しようとせずに騒がしく泣き出すまりさに、つられてれいむ達の目にも涙がこみ上げてくる。 この巣には食料の備蓄が無く、小さい子供は外に生える草の存在を教えられていない上 危ないので巣から出ないよう親から強く言われている。 何の打開策も持たない子供達は、ただ泣くことしか出来ない。 子供達の泣き声の合唱が巣の外にも漏れて聞こえ始めると、程なくして1匹のゆっくりが飛び込んできた。 「ゆっ! ゆっくりかえってきたよ! ゆっくりなきやんでね!」 「ゆうっ! おかあしゃんおかえりなしゃい!」 「ゆあぁぁん! おにゃかしゅいたよ!」 「ゆっくりごはんたべさしぇてにぇ!」 「ゆ! ゆっくりたべてね!」 帰ってきたゆっくりを見るなり子供達は泣き止み、すぐにごはんの催促を始める。 催促を受けた母親、成体のゆっくりれいむが膨らんだ頬からゆべぇ、と食料を吐き出すと 子供達が群がり見る見るうちに平らげていく。 「がつがつ、むっちゃむっちゃ! がつがつ、むっちゃむっちゃ!」 「ゆっ! まりしゃばっかりじゅるいよ! れーみゅのぶんものこしちぇね!」 「「むっちゃむっちゃ、むっちゃむっちゃ!」」 走り回って体力を消費していたまりさ達は一心不乱にがつがつと食い漁り、 取り分がなくなっては困るとれいむ達も競うように掻き込む。 まりさ種と比べ狩りが得意ではなく、物を運ぶ手段も口に含むしかないれいむが持ち帰った食料は 6匹の子供に食べさせるにはまったく足りていなかった。 「ゆゆっ、もっとたべちゃいよ! ごはんちょいだいね!」 「おかーしゃんごはんちょうだい!」 「じぇんじぇんたりにゃいよ!」 「ゆっ、す、すぐとってくるからゆっくりまっててね!」 次々と不満を漏らす子供達に、親れいむはまた狩りに出かけて食料を取ってくると伝え 全然ゆっくりすること無く巣から飛び出して行く。 この家族は片親だった。数日前巣にやって来た人間が親まりさを連れ去ってしまい、 それまで親まりさが担当していた食料集めを親れいむがしなくてはいけなくなった。 その結果、親れいむが狩りに出ている間に子供達を見る者がいなくなると、 体力の温存を考えられない子供達は疲れきるまで遊び、 親が残していた備蓄を2日もせずに食い尽くしてしまう。 親れいむは巣と狩場を1日に何往復もし、夜が来たら泥のように眠る生活を続けていたのだった。 親れいむが再び狩りに出かけ、残された子供達が少しだけ回復した体力を また遊びで消耗しようとし始めた時、巣の入り口の偽装ががさがさと外され 人間がぬっと顔を覗かせた。 「ゆゆっ?」 「やあ、ゆっくりしていってね」 「「ゆっくりしていっちぇね!」」 子供達が本能からの挨拶を返すと、人間は入り口の前に ゆっくりの入った透明な箱を移動させ子供達に見せる。 「ゆゆっ! おとーしゃん!?」 「ゆっ! ゆっくりあいたかったよ!」 箱の中に入っていたのはこの家族の父親役であるゆっくりまりさだった。 この箱を持ってきたのは数日前に親まりさをさらって行った人間なのだが、 その時巣の奥に隠れていた子供達は人間の姿も見ておらず、声すらも覚えていない。 「それじゃあお父さんを中に入れるよ」 「あぶないからゆっくりはなれてね!」 「「ゆゆっ」」 人間が箱を巣の中に押し込み、まりさの顔が巣の外側を向くように回転させると、 箱を巣の中の壁に少し寄せて手を離した。箱に轢かれないよう離れていた子供達も、 箱が止まったと見るやわらわらと集まり親まりさとの再会に顔を輝かせる。 「ゆっ! おうちにかえしてくれてありがとう!」 「「ありがちょう!」」 「ああ、良かったな」 親まりさが人間にお礼を言うと、子供達も揃ってお礼を言ってくる。 ほほえましい光景に人間が満足げに微笑んでいると、 1匹の子れいむが箱に入ったままの親まりさに疑問の声を上げた。 「ゆ? にゃんでおとうしゃん、そこからでちぇこにゃいの?」 「ゆゆっ?」 「ゆ、まりしゃおとーしゃんとすりすりしちゃいよ!」 「だ、だめだよ、すりすりはしたいけど、はこからでたらゆっくりできないよ」 スキンシップを望む子まりさからの要求に、箱から出ることを即座に拒む親まりさ。 ゆっくりから見ても異常な姿に、子供達の間に動揺が広がる。 「ゆっ? …でもおとうしゃん、うごきにくそうだよ?」 「だいじょうぶだよ、このはこのなかはすごくゆっくりできるよ」 「ゆゆっ?」 親まりさの入っている箱は前後の幅と高さに若干の余裕があるが、 左右の幅が成体ゆっくりの幅よりも若干短い。 親まりさは左右の壁から挟まれて若干変形し、中での方向転換すら 出来なさそうであるが、それでもゆっくり出来ると言う。 ゆっくり出来ると言う言葉に、子供達は目をキラキラさせながら箱の回りを跳ねて 入り口を探すが、四方の壁に子ゆっくりが入れるような穴は無い。 親まりさの背面の壁に蝶番と取っ手があり、引けば開くようになっているが 子ゆっくりの高さでは取っ手を掴む事が出来ず、また使い方もわからないようだ。 「おとーしゃんばっかりじゅるいよ、まりしゃもゆっくりしたいよ!」 「れーみゅもゆっくちちたい! にゃかにいれてにぇ!」 「ゆゆっ、このはこのなかはまりさでいっぱいだよ!」 子供達が揃って、ぷくっと頬を膨らませた所で、 ずっと様子を眺めていた人間がここぞとばかりに声を掛ける。 「ゆっくり出来る箱に入りたいのかな? 箱ならいっぱいあるよ」 「ゆっ! はこしゃんちょうだいね」 「まりしゃもほしいよ!」 「よし、それじゃ入れてあげるから、ゆっくり並んでね」 「ゆっきゅりならぶよ!」 並ぶよ!と言いながら我先にと一気に跳ねてくる子供達をひょいひょいと摘み上げると、 天井の板が無い子ゆっくりサイズの箱に次々と入れて行く。 この箱は親まりさの物とは違い、背面に蝶番で開くドアが無いが 前後、左右共に若干の余裕がある広さで方向転換くらいなら可能である。 「ゆゆっ、ひんやりしちぇきもちいいよ」 「ゆっきゅりできりゅね!」 6匹の子供達全員を箱に入れると、開いた天井にぴったりなサイズの透明な板を乗せて行き、 手のひらでしっかりとはめ込み蓋をして巣の中に戻してやる。 全員を横一列に並べて、親まりさと同じように巣の外側を前面にしてあげると、 最初はひんやりとした壁に頬をつけて楽しんでいた子供達も圧迫感を訴え始めた。 広さに若干の余裕があるとは言え、飛び跳ねれば天井に頭をぶつける程度には狭いのだ。 「ゆゆ、せまいよ、おしょとにだしてにぇ!」 「ゆっくりできにゃいよ!」 「そう言ってるがまりさ、箱の外に出たいか?」 「ゆっ! でたくないよ、はこのなかのほうがゆっくりできるよ!」 「「ゆゆっ!?」」 自分達の箱よりも窮屈そうで、左右の壁に若干潰されているのに 平然とゆっくり出来ると言い放つ親まりさに、驚きの声を上げる子供達。 「お父さんはこんなにゆっくり出来てるのに、これくらいでゆっくり出来ないなんて 君達はゆっくり出来ないゆっくりなのかな?」 「ゆゆ、そ、そんにゃことにゃいよ!」 「れーみゅはゆっくりちてるよ!」 「そうだよ、はこのなかはとってもゆっくりできるよ、ゆっくりりかいしてね」 「ゆ、ゆっくりできりゅ…?」 「ゆっくりりかいしゅるよ…」 子供達は人間と親まりさ両方から否定されて困惑してしまう。 「いやー、まりさは本当にゆっくりしてるね」 「ゆっ、このなかでゆっくりできないなんておかしいよ!」 「本当に素晴らしいゆっくりだ、ゆっくりゆっくり」 「ゆっ! まりしゃもゆっくりしてりゅよ!」 「れーみゅだってゆっきゅりしちぇるもん」 目の前で繰り広げられる、箱の中はゆっくり出来ると言う胡散臭い会話に 子供達もゆっくり出来ると思い込んで行く。 その様子を見た人間は、「それじゃ、ゆっくりしてってね!」と言い残すと そそくさと立ち去って行った。 突然の行動に後に残された子供達は呆然とするが、親まりさが目を細めて ゆっくりしているのを見ると、自分達もゆっくりして母親の帰りを待つ事にした。 * この親まりさが箱の中でゆっくり出来ているのは、数日前に連れ去られた 人間の家での生活に起因している。 家族の元に返せと喚くまりさを連れ帰るや否や、背面にドアの開いた透明な箱に押し込むと、 まりさは窮屈な箱の中でずりずりと後退し、背中でドアを押し開けて箱から出ようとする。 「ゆぐぐ…ひどいよ! ゆっくりあやまっべぇっ!!?」 まりさが箱の外に出たら、木製のパドルで頬を叩く。 薄く平べったい板状のパドルは、叩いた力が広く分散する為皮も破れず 致命傷にはならないが、大きな打撃音と皮の表面に残る痛みがまりさに恐怖を植えつける。 「ゆびゅ、やめべっ、やめでべぇっ!」 パアンパアンと数回頬を叩いてから箱の中に押し込んでやると、 しばらくはパドルを恐れて箱の中で震えているが、まりさの視界に入らない位置に移動すると 「そろーり、そろーり」と声を上げながら脱出を試みる。 そうして箱から出る度にパドルで頬を叩いては箱に押し戻し続けると、 箱の外ではゆっくり出来ない、と言うトラウマがまりさの餡子に刻み込まれる。 それと同時に、箱の中ならゆっくり出来る、と言う記憶も植えつけてやる。 箱の前面の下側、まりさの口の前には横にスライド出来る小さな窓があり、 内側にだけ取っ手が付いている。舌を使って窓を開ければご飯が食べられる事を教え、 実際にくず野菜を与えてやる事で、野生では味わえない食事にまりさは涙する。 「むーしゃ、むーしゃ…しあわせー!!」 箱の外に出れば痛い板で叩かれる、と言う恐怖とのギャップから、 おいしい食事を食べられる箱の中がゆっくりぷれいすであると、まりさの餡子に強く印象付けられた。 元居た巣では備蓄した食糧が無くなり、親れいむが餌集めに奔走している間、 まりさは安全な箱の中でゆっくりした生活を満喫していたのである。 * 「ゆっくりおかえりなさい!」 「「ゆっくりおかえりなしゃい!」」 「ど、どうなってるの…?」 くたくたになりながら餌集めから帰ってきたれいむは、目の前の状況に困惑していた。 元々いい加減だった入り口の偽装は取り外され、巣の中では居なくなったはずのまりさと、 6匹の子供達が1列に並んで皆一様に透明な箱に入っている。 「ゆ! まりさ、どうしたの!?」 「ゆっくりかえってきたよ!」 「ゆゆ! どうしてみんな、はこにはいってるの!?」 「ゆっくりできるからいれてもらったんだよ!」 「「ゆっくりしちぇるよ!」」 「ゆ、ゆううっ!?」 一番端の箱に入っている親まりさに跳ね寄り、何があったのか聞くが ゆっくりに正確な説明を求めても、まずまともな返事は返って来ない。 つがいのまりさが帰って来たことは嬉しいが、あまりにも異常な事態は 親れいむの限りなく狭い理解の範疇を大きく逸脱していた。 「ゆゆっ、まりしゃおなかがしゅいたよ」 「ゆっきゅりごはんちょうだいね!」 「ゆ! まりさもごはんがほしいよ!」 満足のいく食事を取れていなかった子供達は、母親が持ち帰った食事の催促を始め、 親まりさもなんとなくで一緒に食事を求める。 母れいむも狩りに出た目的を思い出し、その場にゆべぇ、と餌を吐き出すと 子供達は餌に飛びつこうと跳ねるが揃って天井に頭をぶつけてしまう。 「ゆびぇっ! でりゃれにゃいよぉぉ!?」 「どうちたらいいのぉぉぉ!?」 「ゆっ! だいじょうぶだよ!」 親まりさの上げた声に子供達がそちらを見ると、まりさは箱の前面にずりずりと近づき 板の下方にある小さな取っ手に舌を引っ掛け、食事用の窓をスライドさせて開ける。 「こうすればごはんをたべられるよ、ゆっくりあけてね!」 「ゆっ、ゆっくりりかいしちゃよ!」 見れば子供達の箱の前面にも、親まりさの箱と同様に小さな窓があり、 内側に付いた取っ手で開けられるようになっていた。 親まりさは子供達が窓を開けたのを確認すると、 「ゆ! れいむ、ゆっくりごはんをもってきてね!」 と親れいむに声を掛ける。れいむも状況を理解しそれぞれの箱の窓の前に食事を運びだした。 食事用の窓が開くとは言え、箱自体を動かせない為近くまで食事を運ばないと食べられないのだ。 「「むっちゃ、むっちゃ、ちあわちぇ!」」 「むーしゃ、むーしゃ…」 子供達は遊んで体力を消耗する前に箱に詰められた為それなりに満足し、 親まりさもくず野菜と比べると味は落ちるがそこまで空腹でもなかった為、 眉をひそめながらも苦情は言わない。 人間の家での生活で、餌を持ってくる相手に苦情を言うと お仕置きをされると理解していたからである。 親れいむは子供達が問題なく食事を取れる事に少し安心し、また親まりさの帰還に胸を撫で下ろした。 狩りの上手なまりさが帰って来たので、後は箱から出せば前の生活に戻れる。 箱が絶対に開かない可能性など、れいむの餡子には浮かんで来なかった。 「ゆっ、まりさがかえってきてよかったよ」 「ゆ、まりさもかえってこれてうれしいよ!」 「それじゃ、つぎからはまりさがかりにいってね!」 「ゆゆっ!? はこのそとはゆっくりできないよ!」 「なにいってるの? ゆっくりしないではこからでてね!」 連日の狩りの疲れからストレスの溜まっていたれいむは、理解出来ないことを言い出す 親まりさにぷくぅと頬を膨らませ、出口が無いかと箱の回りを調べ出す。 広くは無い巣穴に一列に並んでいる為、箱と箱の間には成体が通り抜けられる程の幅がなく、 親まりさの箱の隣に居た子れいむの箱を押しのけながら親れいむは後ろに回り込んだ。 「ゆゆうっ!? お、おかーしゃんにゃにしゅるの…?」 「ゆ゛…ゆ゛え゛えぇぇぇぇん」 「うるさいよ! ゆっくりだまっててね!!」 「「ゆ゛っっ!?」」 「れ、れいむ、ゆっくりおちついてね?」 箱ごと押しのけられた子れいむは大きな揺れに怯え、 他の子供達も親れいむが発する険悪ムードに耐え切れず泣き出すが、 ストレスの溜まっていた親れいむは強く怒鳴りつけてしまう。 「ゆっ、はやくでてきてね!」 「ゆゆっ、あけないでね! ゆっくりできないよ!」 親まりさの箱の背面にドアを見つけた親れいむが、取っ手に舌を絡めてドアを開けると 背中に空気の流れを感じたまりさは落ち着けない様子で怯えだす。 一向に出てこようとしないまりさの様子にれいむは痺れを切らせ、 まりさの長い髪に噛み付いて引っ張り出した。 「ゆ゛っ、ぐり、ででぎで、ねっ!?」 「やめでぇぇぇ! いだいのやだぁぁぁぁぁ!」 木の板で叩かれる恐怖が蘇った親まりさは、ただでさえ狭い左右の壁に 突っ張るように体を変形させ、箱から引っ張り出されないよう抵抗する。 「いだい! いだい! ひっぱらないでねぇぇ!?」 「いだいなら、ででぎでねぇっ!?」 親まりさも親れいむも、どちらも全く引かず力比べを続けていると、 まりさの頭部がめりめりと音を立てはじめる。 「ゆ゛っ!? や゛めでね? や゛め゛ぎゃぁぁぁぁぁっ!!!」 「ゆべっ! ゆゆ…ま、まりざぁぁ!?」 引っ張られる力に耐え切られずに、親まりさの後頭部がびりっと音を立てて裂けると、 急に抵抗が無くなった為親れいむは後ろに勢い良く倒れる。 痛がりながら起き上がった親れいむが見たものは、まりさの後頭部に出来た大きな裂け目と そこからぼとぼととこぼれる餡子であった。 子供達も絶句し、目と口を一杯に広げてぶるぶると震えている。 「ど、どぼ、じ、で…」 「まっ、まりざ、まりざ!」 裂け目から勢い良く餡子を漏らし、まりさは痙攣しながらぱくぱくと口を開閉させる。 親れいむは慌ててまりさに近寄るものの、おろおろするばかりで何も出来ないまま、 まりさは動かなくなってしまった。 一部始終を見ていた子供達も、目の前で繰り広げられた親同士のゆっくり殺しに 盛大に泣き出してしまう。 「おとーしゃぁぁぁぁん!」 「ゆ゛あ゛ぁぁぁぁん!!」 「おきゃあしゃんのばきゃぁぁぁぁぁ!」 「おかーしゃんにゃんておかーしゃんじゃないよぉぉぉ!」 「ゆ……ゆ……」 自分でつがいのまりさを殺してしまったれいむは、辛い狩りから開放される喜びから一気に突き落とされ、 子供からの罵倒に反論することも出来ず、白目を向いて気を失う。 散々泣いた子供達も次第に泣き疲れて眠り、騒がしかった巣からは寝息だけが聞こえるようになった。 数日が経過したが、巣の中は散々なものだった。 一際大きな箱には後頭部の裂けたまりさの死体が放置されており、 6匹居る子供は全て、ほとんど空間に余裕の無い箱に閉じ込められている。 「ゆっくりいってくるよ」 「……」 既に偽装が外しっぱなしになっている入り口から、親れいむがとぼとぼと出て行く。 子供達は目の前で親まりさを殺した親れいむに一切口を効いてくれなくなり、 代わりにじっとりと恨みのこもった視線を返して来るのみである。 食事だけは窓を開けてもくもくと平らげるが、しあわせー!の一言も無い。 元々母性の強いれいむは、パートナーを失った上で子供まで捨てることが出来ず、 前以上に疲れを感じる狩りの連続に体力だけでなく、希望もすり減らして行く。 幸い子供達は無駄に体力を消耗する遊びすらも出来ない為、 狩りが上手ではないれいむでも食糧難に陥る事は無くなったが、 順調に成長して行く子供達の体は、もう狭い箱の中で余裕が無くなっている。 このままでは子供達がゆっくり出来なくなる。 餡子の中に何か恐ろしい考えがよぎるが、ゆっくりの頭では どのようにして子供がゆっくり出来なくなるのか具体的な想像が出来ず、 れいむは餡子内に広がる焦りを払うようにぶるぶるっと震える。 「ゆ…ゆっくりかえるよ!」 頬に食料を溜めたれいむは、何かに追われるように家路を急ぐのだった。 おわり。 その他の作品。 ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶 (fuku2335.txt) ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子 (fuku2368.txt) ゆっくりいじめ系822 ドスの中身 (fuku2386.txt) ゆっくりいじめ系851 どちらかのお帽子 (fuku2437.txt) ゆっくりいじめ系873 べたべたのお肌 (fuku2467.txt) ゆっくりいじめ系940 三角の頭巾 (fuku2628.txt) ゆっくりいじめ系1026 ゆっくり宅に挨拶 (fuku2789.txt) ゆっくりいじめ系1027 ゆっくりの救急車 (fuku2790.txt) ゆっくりいじめ系1062 甘い言葉 (fuku2852.txt) ゆっくりいじめ小ネタ151 みょん語体 (fuku2670.txt) お帽子の人 このSSに感想を付ける