約 2,263,500 件
https://w.atwiki.jp/nicothp/pages/20.html
はんどぅ 【ニコニコ動画】肉をひかえて プロフィール http //www.nicovideo.jp/user/139357 関連リンク ニコニコ大百科 投稿作品 八雲のきつねのコンピューター (2008-09-25) サクヤのごとく! Ver1.0? +ぱちぇとか (2008-09-25) 東方曲? 幻想郷コール&レスポンス (2008-09-25) バイト物語4 (2008-09-25) 一分以内で描いた絵、誰か当ててください (2008-09-25) 作業中の落書き4 誤植・完結編 (2008-09-25) バイト物語3 (2008-09-25) バイト物語2 &永夜抄EX (2008-09-25) 作業中の落書き3(再) (2008-09-25) 作業中のPhantasm③ (針巫女編) (2008-09-25) 作業中のPhantasm② (リベンジ編) (2008-09-25) 作業中の落書き2 (2008-09-25) 作業途中のphantasm (危い編) (2008-09-25) へんしん白沢先生 (2008-09-25) サクヤのごとく!Ver0.5 +くあせ@ふじこ (2008-09-25) 作業中の落書き (2008-09-25) サクヤのごとく! Ver0.2 +α (2008-09-25) 執筆中けーね (2008-09-25) サクヤのごとく! Ver0.1 (2008-09-25) 恋色人形遣い (2008-09-25) ひぎぃ欠席の件について (2008-09-25) ばか☆すた Ver3 濃い (2008-09-25) ばか☆すた Ver3 (2008-09-25) ばか☆すた Ver2 (2008-09-25) ばか☆すた Ver1 (2008-09-25) 故障中の落書き 間違った四字熟語多め (2008-09-25) 東方豊乳祭? 前編A (2008-09-25) 東方豊乳祭? 前編B (2008-09-25) よい子の皆はマネしないでね♪ (2008-09-25) 東方豊乳祭? 後編A (2009-09-25) 東方豊乳祭? 後編B (2009-09-25) 東方豊乳祭? 後編C (2009-09-25) 東方豊乳祭? 後編D (2009-09-25) 東方豊乳祭? 後編E (2010-05-12) 東方豊乳祭? 後編F (2010-05-12) 東方豊乳祭? 後編おまけ (2010-05-12) 36 item(s) Last-Modified 2010/05/12 20 56 49 作品一覧
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/353.html
前へ その日のび助達は1日中自分のポケモンのレベルアップに 励んでいた。 そして次の日、すでにジム戦を終えている出木杉以外の一同は ムロタウンのジムリーダートウキに挑む事になった。 「それじゃあ僕はいしのどうくつで引き続き自分のポケモンを 鍛えてるからみんなは頑張ってくれよ。」 「うん。頑張るよ。まずはジムに挑む順番を決めようよ。」 「そうだな。」 ジムに挑む順番は1番目がしずか、2番目がジャイアン、3番目が のび助、そして4番目がドラえもんとなった。 「1番目はしずかちゃんだね。頑張って!」 「ええ。」 しずかがジムに入っていった。 やがて20分後、しずかがジムから出てきた。 「ワカシャモのつつくで楽勝だったわ。」 しずかはバッジケースの中に入れたナックルバッジを見せた。 「楽勝って言ってるわりには結構時間がかかってたじゃねぇか。 俺なら15分で終わらせられるぜ!」 そう言ってジャイアンはジムに入っていったが、 20分経ってもジャイアンはジムから出てこなかった。 「遅いわね、剛さん・・・」 それから5分後、ようやくジャイアンがジムから出てきた。 「あのジムリーダー、中々手強かったぜ・・・ ドガースの自爆のおかげで何とか勝てたけどな・・・」 「15分で終わらせるんじゃなかったのかい?」 ドラえもんが皮肉を込めてジャイアンに言った。 「う、うるせぇ!」 「じゃあ次は僕の番か・・・」 「パパ、頑張って!」 「うん、頑張るよ!」 そう言ってのび助はジムの中に入っていった。 「うわぁ・・・このジム、真っ暗だなぁ・・・」 のび助は暗いジムの中を手探りに歩いていった。 すると突然1人の男が、のび助に話しかけてきた。 「俺はカラテおうのトシヒデ!勝負だ!行け、マクノシタ!」 「うわわ!いきなりバトルか・・・行け、ジュプトル! 種マシンガン!」 ジュプトルの種マシンガンがマクノシタに5回当たり、 マクノシタは戦闘不能となった。 「参った!中々やるではないか。」 トシヒデとの勝負に勝つと、ジム内が少し明るくなった。 「なるほど・・・こうやってトレーナー達を倒しながら、 先に進んで行けばいいのか・・・」 その後ものび助はバトルを挑んてきたトレーナー達に勝利し、 やがてムロジムのジムリーダートウキのもとにたどり着いた。 ジムリーダーのトウキは若い青年だった。 「おっ、今日は随分挑戦者が多いな・・・ ビッグウェーブに乗ってるかい?」 「え、ええまぁ・・・」 「よし、それじゃあ勝負と行こうか!行け、アサナン!」 ──5分後、のび助はトウキを倒していた。 格闘技があまり効かない上、エスパータイプの技を覚えている ドクケイルのおかげでのび助は楽にトウキに勝つことができた。 「いやー、まさかこんなにあっさり負けるとは・・・ 見事だよ、ナックルバッジを持ってってくれ。」 「ありがとうございます!」 のび助はトウキからナックルバッジを貰い、ジムを後にした。 「ドラえもん、やったよ!2つ目のジムバッジを手に入れたよ!」 「すごいよ、パパ!じゃあ次はいよいよ僕の番か・・・」 「頑張ってね!」 「うん!」 ドラえもんはジム内に入っていった。 ジムのトレーナー達はレベルの差もあったんで、楽に 勝利することができた。 だがジムリーダーはそうはいかないだろう。 (僕の今の手持ちはサンドパンにグラエナにイシツブテ・・・ このメンバーでトウキに勝てるんだろうか・・・いいや、弱気に なっちゃ駄目だ!一か八かやるっきゃないな!) ドラえもんはトウキにポケモンバトルを挑んだ。 トウキの1番手はワンリキー、ドラえもんはサンドパンだ。 「頼むぞ、サンドパン!ブレイククロー!」 サンドパンの強烈なブレイククローがワンリキーにヒットする。 「ほう、中々の威力だな・・・ワンリキー、反撃だ! 空手チョップ!」 ワンリキーの空手チョップがサンドパンにヒットする。 急所に当たったので、サンドパンの体力はかなり減ってしまった。 「サ、サンドパン・・・」 「効いただろう?僕のワンリキーの空手チョップ!」 「まだ戦闘不能になったわけじゃない・・・スピードスター!」 サンドパンのスピードスターがワンリキーにヒットし、 ワンリキーは戦闘不能となった。 「ワンリキーがやられるとは・・・なら、2番手はこいつだ! 行け、アサナン!」 「サンドパン、戻れ!行け、グラエナ!」 ドラえもんはサンドパンを引っ込め、グラエナを繰り出した。 グラエナの特性『いかく』により、アサナンの攻撃力が下がった。 「グラエナのいかくか・・・だがアサナンの特性は『ヨガパワー』だ。」 「そっか・・・アサナンは自身の特性『ヨガパワー』のおかげで、 通常のポケモンより攻撃力が高いから『いかく』で攻撃力が 下がってもあまりバトルに影響しないのか・・・」 「そういうことさ!」 (攻撃力の高いアサナンの格闘技をくらったらグラエナは一撃で やられてしまう・・・砂かけで相手の命中率を下げたほうが いいだろうか・・・いいや、もし相手が気合パンチを指示する 可能性もあるしな・・・ここはとにかく攻めよう!) ドラえもんとトウキが同時に指示を叫ぶ。 「グラエナ、噛み付く!」 「アサナン、気合パンチ!」 グラエナはアサナンに噛み付いた。 気合パンチをするために攻撃を溜めていたアサナンは 集中力が途切れて技を出せなくなってしまった。 しかも噛み付くは急所に当たったようで、 アサナンは戦闘不能になってしまった。 「やられた・・・てっきりそっちがグラエナに砂かけを指示すると 思ったから、僕はアサナンに気合パンチを指示させたんだが・・・」 「相手の先を読んでポケモンに指示を出す・・・ ポケモンバトルって面白いですね!」 「そうだな! 僕の最後のポケモンはこいつだ!行け、 マクノシタ!」 「マクノシタか・・・グラエナ、体当たり!」 グラエナの体当たりがマクノシタにヒットする。 「ほぉ・・・ただの体当たりのわりには中々の威力だな・・・」 「ええ、何せシルクのスカーフを持たせていますから。」 「なるほどな・・・だが僕のマクノシタはまだ戦闘不能に なってないぞ。当て身投げだ!」 グラエナはマクノシタにより投げ飛ばされ、戦闘不能に なってしまった。 「やっぱり悪タイプのグラエナじゃ格闘タイプとのマクノシタ とは相性が悪かったか・・・」 「さぁ、次はどのポケモンで来るんだ!?」 「僕の次のポケモンはこいつです!行け、イシツブテ!」 「イシツブテだって!?正気かい!?岩タイプは格闘タイプとは 相性が悪いんだぞ。」 「ええ、分かってますよ。僕がイシツブテを出したのは この技を繰り出させるためです。行け、イシツブテ!自爆だ!」 「何!?」 イシツブテは自爆をした。 イシツブテとマクノシタは共に戦闘不能となった。 「やられた・・・まさか自爆をしてくるとは・・・」 「僕の手持ちはまだサンドパンが残ってますからね。 僕の勝ちですよ。」 「そのようだな。ナックルバッジは君が持ってってくれ。」 「ありがとうございます。」 そう言うとドラえもんはジムを後にした。 「ドラえもん!トウキさんには勝ったのかい!?」 のび助がドラえもんに尋ねる。 「バッチリだよ!」 ──それから数十分後、ポケモンセンター・・・ 「はい、お預かりしてたポケモンはみんな元気に なりましたよ。」 「ありがとうございます。」 ドラえもんは自分のポケモンが入ったモンスターボールを ジョーイさんから受け取るとモンスターボールから 自分のポケモンを繰り出した。 「サンドパン、グラエナ、イシツブテ、みんな元気に なったかい?」 3匹は元気良く頷く。 ドラえもんはその後3匹にそれぞれ話しかけた。 「サンドパン、君のブレイククロー、カッコ良かったよ。グラエナも 苦手な格闘ポケモン相手によく頑張ったな。それとイシツブテ、自爆を 指示させてごめんよ。確実に勝つためにはああするしかなかったんだよ。」 ドラえもんはイシツブテに自爆を指示させたことを謝るが、 イシツブテは気にしてないらしく、にっこり笑ってくれた。 ドラえもんは自分のポケモンとの絆が深まったような気がした。 のび助 ジュプトル♀LV22(はたく、種マシンガン、吸い取る、電光石火) ドクケイル♂LV23(体当たり、月の光、毒針、念力) ココドラ♂LV18(メタルクロー、鉄壁、泥かけ、頭突き) ドラえもん サンドパン♂LV23(乱れひっかき、スピードスター、転がる、ブレイククロー) グラエナ♀LV20(体当たり、遠吠え、砂かけ、噛み付く) イシツブテ♂LV19(体当たり、岩落とし、マグニチュード、自爆) しずか ワカシャモ♂LV25(ひっかく、火の粉、二度蹴り、きあいだめ) キャモメ♀LV24(水の波動、水鉄砲、超音波、翼で打つ) ヤミラミ♀LV19(驚かす、乱れひっかき、猫騙し、ナイトヘッド) ジャイアン ドガース♂LV23(自爆、体当たり、スモッグ、ダメ押し) マリルリ♂LV22(バブル光線、丸くなる、水鉄砲、転がる) マクノシタ♂LV18(体当たり、猫騙し、突っ張り、当て身投げ) 出木杉 ヌマクロー♂LV28(泥爆弾、泥かけ、水鉄砲、マッドショット) エルレイド♂LV28(念力、剣の舞、インファイト、切り裂く) ゴルバット♀LV24(翼で打つ、怪しい光、噛み付く、鋼の翼) ハガネール♂LV31(岩石封じ、砂嵐、ロックカット、叩きつける) スネ夫は前々回参照。 次の日、かいパンやろうのモグルさんが迎えに来てくれたので、 ようやく彼らはムロタウンを離れることができた。 「それにしても、俺達大分スネ夫の奴に遅れを取ってるんじゃないか?」 「そうだね、何せ彼は2日も早くこのムロタウンを出てるんだし・・・」 「それなら大丈夫だよ。彼はカイナシティより先には進めないからね。」 「どういう事?」 ドラえもんが出木杉に聞く。 「ほら、ゲームではアクア団の団員達が110番道路を塞いでるから、 最初は先には進めないだろ?そのアクア団の団員達をどかすには、 海の科学博物館のイベントを終わらせて、クスノキ館長に荷物を 渡さないといけないだろ?その荷物を持ってるのは僕だから僕が荷物を クスノキ館長に渡さない限り、スネ夫君は先に進めないんだよ。」 「なるほど・・・確かにそうだね・・・じゃあ何でスネ夫君は、 ハギ老人に嘘をついてまで、僕達より2日も早くムロタウンを 出たんだろう・・・?先に進めないことは彼にも分かってた はずなのに・・・」 ドラえもんの疑問にジャイアンが答える。 「きっとあいつ、田舎が嫌いなんだよ。何せお坊ちゃまだからな。 それにあいつ、負けず嫌いだしきっと今頃自分のポケモンのレベルアップに 専念してるに違いないぜ。」 その通りだった。 カイナシティにいち早く来ていたスネ夫は、108ばんすいどう 周囲のトレーナーを全て倒していた。 「全く・・・おじゃまじょのどれみに、まんざいコンビのタカとトシに、 ちょうのうりょくしゃのこいずみにゆきおとこのムック・・・ 通常のゲームと違うトレーナーが現れたからどんなものかと 思ったら・・・雑魚ばっかだったな・・・ でもまぁレベル上げにはちょうどいいか・・・」 そう言うとスネ夫は図鑑を開き、現在の自分のポケモンの ステータスを確認した。 「ユンゲラー、オオスバメ共にレベルを30まで上げたはいいけど・・・ 次のジムはキンセツジムだからな・・・オオスバメじゃまず勝ち目は ないだろう・・・かといってユンゲラーで挑んでも、相手のレアコイルは 鋼タイプを持ってるからな・・・やっぱり勝つためにはもっとレベルを 上げたほうがいいな・・・よし、もっとユンゲラーのレベルを上げよう!」 スネ夫がそう決心したその時、のび助達が108ばんすいどうに 上陸した。 「わわっ、何であいつらここに!?とりあえず隠れなきゃ!」 スネ夫は慌てて近くの海の家に隠れた。 そしてそこからドラえもん達の会話を聞き取った。 「モグルさん、色々とありがとうございました。」 ドラえもん達はかいパンやろうのモグルに礼を言う。 「いやー、いいんだよ。困った時はいつでも私を呼んでくれ。 そうだ、これを君達にあげよう。」 そう言うとモグルは青いホイッスルをのび助に渡した。 「なんですか、この笛・・・?」 「何か困ったことがあったらそのホイッスルを吹いてくれ。 30秒以内に私が駆けつけるぞ。」 「本当ですか?」 「ああ、本当だ。それじゃあ、さらばだみんな!ジム戦、頑張れよ!」 そう言うとモグルはホエルオーに乗って大海原に繰り出した。 「言っちゃった・・・」 「とりあえずカイナシティに行こう。海の科学博物館のイベントを 終わらせないと先に進めないからね。」 「そうだね。」 出木杉の提案に全員が賛成する。 そして彼らはカイナシティへと向かった。 その話の一部始終をスネ夫は聞いていた。 「何なんだ、あの海パン男・・・くそ、計算外の出来事だ。 このままじゃ僕のチャンピオンの座は危ういな・・・」 スネ夫は軽く舌打ちをした。 カイナシティに着いたのび助達は、 まずはクスノキ造船所のツガさんに事情を説明した。 ツガさんはクスノキ館長が海の科学博物館にいることを教えてくれた。 海の科学博物館に着いた彼らは入場料50円を払い、 博物館内に入場した。 (ジャイアンが入場口で入場料を値切ったので、 博物館に入るのに少し時間がかかった。) 彼らは階段を使い、博物館の2階へ向かった。 2階に着くと、クスノキ館長とアクア団の団員が 何やら揉めていた。 「おいお前ら!よってたかって何やってんだ!」 ガキ大将のジャイアンがアクア団員達に怒鳴りつける。 「何だぁ、お前は?」 「ガキが大人の世界に手を突っ込むもんじゃないぜ!」 アクア団2人はズバットとキバニアをそれぞれ繰り出してきた。 「喧嘩上等!俺はジャイアン!ガキ大将だ!行け、ドガース、マリルリ、 マクノシタ!」 ジャイアンが大暴れしたことによって、アクア団の団員を 2人ともやっつけることができた。 そしてこのバトルにより、マクノシタはハリテヤマに進化した。 「おお、ハリテヤマに進化したのか!カッコ良いぜ、お前!」 そこにアクア団のボス、アオギリがやって来た。 「君らか・・・我々の邪魔をしている子供達というのは・・・ まぁデボンの荷物は諦めてやろう・・・だが今度また我々 アクア団の邪魔をしたら・・・その時は・・・フフフ・・・」 怪しげな笑みを浮かべ、アオギリと団員達はその場を去って行った。 クスノキ館長がジャイアンにお礼を言う。 「いやー、それほどでも・・・ハハハ・・・」 「ところで君達は何でこの博物館に・・・?」 クスノキ館長が尋ねてきたので、 出木杉は彼にデボンの荷物を渡した。 「おお、この荷物を届けに来てくれたのか、ありがとう。 これが奴らに奪われていたらどうなってたことか・・・」 クスノキ館長に別れを言い、彼らは海の科学博物館を後にした。 そしてカイナシティ・・・ 「僕は先に110番道路に行くよ。」 「何でだい?一緒に旅したほうが楽しいのに・・・」 のび助が出木杉に尋ねる。 すると出木杉は軽く微笑み、こう言った。 「僕らはライバル同士、馴れ合うわけにはいきません。 これは誰が一番早くチャンピオンになるかの競争ですから。 それじゃあ・・・」 そう言うと出木杉はカイナシティを後にした。 「私も110番道路に行くわ。じゃあね、ドラちゃん、パパさん。 次に会うときはポケモンバトルをしましょう。」 そう言うとしずかもカイナシティを去っていった。 「俺はバトルテントで自分の実力を試すぜ!じゃあな!」 ジャイアンはカイナシティのバトルテントへと向かった。 後にはのび助とドラえもんだけが取り残された。 「じゃあ僕達は103番道路で自分のポケモンのレベルを 上げようよ。」 ドラえもんはのび助に提案する。 しかしのび助は否定をする。 「いいや、僕も110番道路に進むよ。ドラえもん、悪いけど 君は1人でレベルアップに専念してくれないかい?」 その言葉を聞いてドラえもんは驚いた。 「ええ!?何で!?『1人じゃ心細い』って言ったのはパパでしょ!?」 「そうだけど・・・今出木杉君が言ったように僕らはライバルだろ? 馴れ合うわけにはいかないよ。それに君と一緒に旅してると色々 頼っちゃいそうだし・・・僕なら大丈夫。最初の頃より大分 ポケモンに詳しくなったし・・・それに僕にはジュプトル達が いるからね。」 「・・・分かった。じゃあパパ、頑張ってね。」 「うん。次に会うときはポケモンバトルしよう。」 「うん。」 ドラえもんとのび助は再開を誓い、 彼らはそれぞれの道を進んで行くのであった・・・ のび助 ジュプトル♀LV25(はたく、種マシンガン、吸い取る、電光石火) ドクケイル♂LV25(体当たり、月の光、毒針、念力) ココドラ♂LV23(メタルクロー、鉄壁、泥かけ、頭突き) ホイッスル所持 ドラえもん サンドパン♂LV25(乱れひっかき、スピードスター、転がる、ブレイククロー) グラエナ♀LV23(体当たり、遠吠え、砂かけ、噛み付く) イシツブテ♂LV23(転がる、岩落とし、マグニチュード、自爆) しずか ワカシャモ♂LV28(ひっかく、火の粉、二度蹴り、ビルトアップ) キャモメ♀LV24(水の波動、水鉄砲、超音波、翼で打つ) ヤミラミ♀LV22(驚かす、乱れひっかき、猫騙し、ナイトヘッド) ジャイアン ドガース♂LV26(自爆、体当たり、ヘドロ攻撃、ダメ押し) マリルリ♂LV24(バブル光線、丸くなる、水鉄砲、転がる) ハリテヤマ♂LV24(きつけ、猫騙し、突っ張り、当て身投げ) 出木杉 ヌマクロー♂LV30(泥爆弾、泥かけ、水鉄砲、マッドショット) エルレイド♂LV29(念力、剣の舞、インファイト、切り裂く) ゴルバット♀LV26(翼で打つ、怪しい光、噛み付く、鋼の翼) ハガネール♂LV31(岩石封じ、砂嵐、ロックカット、叩きつける) スネ夫 ユンゲラー♂LV30(サイケ光線、サイコキネシス、目覚めるパワー氷、自己再生) オオスバメ♂LV30(我武者羅、影分身、電光石火、翼で打つ) 注 今回からは一人称形式で話が進行となります。 「さて、どうしようか・・・」 ドラえもんと別れた僕こと野比のび助は、 キンセツシティに来ていた。 キンセツシティに着いて僕はすぐにキンセツジムを訪れた。 早速ジム戦をしようと思ったのに、ジムリーダーのテッセンさんは、 1日3人までしか挑戦者を受け付けないらしく、 明日出直して来るように言われてしまった。 どうやら今日はすでに3人の挑戦者と戦ったらしい。 恐らくその3人の挑戦者は僕より先にキンセツシティに 着いたのであろうスネ夫君と出木杉君としずかちゃんのことだろう。 今日はジム戦ができないので仕方なく僕は、 自分のポケモンのレベルを上げるために110番道路に戻ろうとした ちょうどその時、僕の目の前で1人の中年男性が突然倒れた。 「うっ・・・ぐっ・・・」 「だ、大丈夫ですか!?」 僕は慌ててその人に駆け寄る。 「あ、ああ・・・大丈夫だ。どうやら二日酔いらしい・・・ すまないが、俺をポケモンセンターまで連れてってくれないか?」 「ええ、いいですよ。」 僕はその人に肩を貸し、2人でポケモンセンターまで向かった。 その人はポケモンセンターで部屋を借りるや否やそのまま部屋で 寝てしまった。 放っておくのも何なので僕はポケモンの本を見ながら その人が起きるのを待つことにした。 「なるほど・・・キンセツシティのジムリーダー、テッセンさんは 電気タイプの使い手なのか・・・確か電気タイプの弱点は地面タイプ だから、地面タイプの技『泥かけ』を覚えるココドラをメインに 戦おう・・・」 しばらく本を読んでいるとその人は目覚めた。 「あ~、良く寝たぜ・・・」 「あっ、起きましたか。二日酔いのほうはどうですか?」 「ああ、もう大丈夫だ。それよりあんたには迷惑かけたな。」 「いえいえ、いいんですよ。」 「おっと、自己紹介がまだだったな。俺はダツラだ。」 「僕はのび助です。」 ダツラさんは僕の読んでいるポケモンの本に目をやりこう言った。 「おっ、その本を読んでいるってことはあんた、ポケモントレーナーか?」 「ええまぁ、一応・・・」 「へぇ、奇遇だな。俺もポケモントレーナーなんだ。バトルフロンティアって ところでフロンティアブレーンをやってるんだ。」 ばとるふぁくとりー?ふろんてぃあぶれーん? なんだそれ、さっぱり分からない。 「何だ、フロンティアブレーンの事、知らないのか?この地方では 結構有名なんだが・・・」 「ええ、すみません。さっぱり分からないです。そもそも僕がこの 世界に来る事になったのはちょっとしたミスで・・・」 「この世界?どういう事だ?」 ダツラさんは僕の事をフシギソウ、いや不思議そうな顔で見てきた。 考えてみればこのゲームの世界の人達は僕達の住んでいる世界、 つまり現実世界の事なんて知るわけがないよな。 「ええ、話せば長くなるんですが僕がポケモントレーナーに なったのは色々とわけがあって・・・」 「待った!」 僕がポケモントレーナーになった経緯を話そうとしたその時、 ダツラさんは僕が喋るのを止め、こう言った。 「長話になるんなら、下の居酒屋で話さないか?飲み仲間が 欲しかったんだ。」 「ええ!?あなたさっきまで二日酔いで寝てたじゃないですか!」 「まぁ細かい事は気にすんな。さ、行こうぜ。」 僕はダツラさんに無理矢理居酒屋まで連れて行かれた。 そういえば・・・しばらく酒飲んでなかったな。 それに誰かと一緒に酒を飲むのも凄い久しぶりな気がする。 とりあえず今はポケモンバトルから離れて 大人だけの特権を楽しむことにしよう。 30分後、僕達はベロンベロンに酔っ払っていた。 僕はダツラさんに色んな事を話した。 僕がこの世界に来る事になったきっかけ、 何故ジムバッジを集めているのか、 現実世界にも祖古梨さんという飲み仲間がいるという事などなど 語りだしたら止まらなかった。 「なるほど・・・つまりあんたが元の世界に戻るにはこの世界で バッジを8つ集め、ポケモンリーグで四天王を倒さないと 行けないのか・・・あんたも色々大変だな。」 「ええ、まぁ・・・」 「それにしても別の世界からあんたらをここに連れて来たっていう そのドラえもんって奴、気になるな・・・一体どんな奴なんだ?」 ダツラさんがドラえもんの事を聞いてきたので、僕は彼に ドラえもんの事を話してあげた。 未来から来たタヌキのようなネコ型ロボットだという事、 苦手な物はネズミで好きな物はドラ焼きだという事などを 話してあげるとダツラさんは興味津々でこう言ってきた。 「へぇ~・・・随分と面白い奴だな、そのドラえもんってのは。 俺も1度そいつに会ってみたいな、下手したら伝説のポケモンより 貴重な存在かもしれねぇ。」 「今度機会があったら紹介しますよ。」 「おっと、俺はあんたから色んな話を聞いてるのに、 俺はあんたにまだ何も言ってないな・・・実はな・・・」 今度はダツラさんが僕に自分の事を話してくれた。 ダツラさんが所属しているフロンティアブレーンというチームは、 ダツラさんを含め全部で7人いるらしく、 その7人はジムリーダーや四天王を上回る実力の持ち主で、 普段はバトルフロンティアという施設で挑戦者の相手をしている らしいのだが、今は各地に散らばってこの地方の異変を調査 しているらしい。 「俺もよぉ、この街の事を調べていたんだが、中々手がかりが 掴めなくてな・・・それで自棄になって酒を飲んでいたんだ。」 「そうなんですか・・・」 その後もダツラさんは僕に色んな話をしてきた。 僕は相づちを打ちながらその話を聞いた。 そしてダツラさんは僕にこんな話題を降ってきた。 「なぁあんた、家族はいるのか?」 「え?ええ、妻と息子がいますけど・・・」 「そうか・・・きっとあんたが居なくなったこと、心配 してるんじゃないのか?」 「う~ん、どうだろう・・・」 そういえばドラえもんは向こうの世界の1日はこっちの世界では 大体100日くらいとか言ってたな。 ってことは、向こうの世界では僕がいなくなってから まだ数時間くらいしか経ってないんじゃないか? じゃあママものび太も僕が居なくなったことは 気にしてないだろうな。 第一のび太は僕がこっちの世界にいることを 知っているだろうし・・・ なんてことを考えているとやがてダツラさんが口を開いた。 「まぁ何にせよ、自分の事を心配してくれる人がいるのは いいことだ。俺はこの歳でまだ独り身でな・・・でもまぁ、 俺にとってはブレーンの仲間達が家族みたいなもんだがな・・・」 「そ、そうなんですか・・・」 一体ダツラさん以外のフロンティアブレーンってどんな人達なんだろう? きっとダツラさんとは別の意味で一癖も二癖もある連中に違いない。 そんな事を思いながら僕とダツラさんは一晩中語り合った。 ところかわってスネ夫サイド・・・ 「くそ、結局今日は野宿か・・・」 キンセツシティのジムリーダーテッセンを倒した僕こと 骨川スネ夫は、寝る間も惜しんで112番道路まで来ていた。 本当なら3つ目のジムバッジを取った後は、 リッチなホテルでゆっくり休みたかったんだが、 いつまでもあの街に留まっていると出木杉達に見つかってしまうだろう。 もしあいつらと会ってしまったら、この前僕が嘘をついて1人で 勝手にムロタウンを出た事を責められるだろう。 なるべく面倒な事は避けたい。 その一心で僕はここまで来たんだ。 それにしても寒いなぁ・・・テントを張って中で暖まることにしよう。 僕はユンゲラーと共にテントを張っていると 草むらから怪しげな物音が聞こえた。 「ん?何だ?今ゴソゴソって音が聞こえたような・・・気のせいかな?」 そのときは気にせずに僕は再びユンゲラーとテントを張る作業に 取り掛かった。 それから数分後また草むらから怪しげな物音が聞こえた。 「や、やっぱりそこに誰かいるのか!?いたら返事しろ!」 しかし返事は帰ってこない。 自分で草むらの様子を見に行くのも怖いのでユンゲラーに 行かせることにしよう。 「おいユンゲラー、お前が様子見て来いよ。」 しかしユンゲラーは首を横に振る。 どうやら怖いようだ。全く僕に似て臆病な奴だ。 しょうがない、僕が様子を見に行くしかないようだな。 僕は草むらに向かって歩いていった。 懐中電灯が欲しいな、真っ暗で何も見えない。 そう思って僕はバッグの底から懐中電灯を取り出した。 しかし電池が入ってない。 僕はポケットの中に入っていた電池を懐中電灯に 入れようとしたそのときまた草むらからゴソゴソいうような 物音が聞こえた。 僕は強気になって草むらに向かって叫んだ。 「おい!そこに誰かいるんだろ!?出て来いよ!」 相変わらず返事は帰ってこない。 「べ、別にお前の事なんか怖くないんだぞ!そ、そうさ! 僕はジムバッジを3つも持ってる優秀なトレーナーなんだ!」 足はガクガクに震え、こころなしかパンツが濡れてるような気がした。 沈黙が三度続く。 しばらくすると何やら火の玉のようなものが飛んできた。 「うわっ、何だ!」 僕はその火の玉をかわす。 ここで僕はある事に気づく。 「ん?待てよ、ここら辺に住んでいて且つ火の粉を使ってくるポケモンと いえばあいつしかいないな!」 僕はすかさず電池を懐中電灯に入れ、懐中電灯を点ける。 懐中電灯の光があるポケモンに当たる。 「やっぱりお前だったのか・・・」 そのポケモンはどんかんポケモンのドンメルだった。 「この野郎!のび太みたいなマヌケ面のくせに驚かしやがって・・・ おかげでパンツが濡れちゃったじゃないか!どうしてくれるんだ!」 僕はドンメルを思いっきり蹴り上げた。 いくらどんかんポケモンのドンメルといえどもこれには 怒ったらしく、僕に向かって火の粉を連発してきた。 「う、うわやめろ!ぼ、僕が悪かった。助けてくれー!」 僕はドンメルに追い掛け回されることになった。 そしてその様子を遠くから見ている少女が1人・・・ 注釈 祖古梨さん…ドラえもん第13巻に登場したのび助の飲み仲間。 次へ
https://w.atwiki.jp/matigattanipongo/pages/34.html
えんじぇる亭みるくの好きなおつまみ(?)師匠は飲み会の時などには大抵これを頼んでいましたが、これを出してくれてたお店が2004年の秋に閉まってしまったので、いまとなっては、ふたたびまみえられない昔日の食品。こういう名前をしてるので、良く間違えられてましたが、別に魚のアジのそぼろとかが入ってるわけではなく、単にしょうゆとかだしとかで味をつけたごはんです。 もどる
https://w.atwiki.jp/moematome/pages/58.html
種類 ベースパッチ(FR用) 制作者 コイルの人 特徴 ・進化したor種族値の高い萌えもんが登場しない コイルの人によって作られたベースパッチ。 保護できるのは「未進化」もしくは「伝説を除く無進化」の萌えもん。(*1) Bボタン同盟の由来はアニメに存在した同盟組織で、本来の意味の「進化キャンセルボタン」ではなく「ビューティフルボタン」の略として紹介されている。 このverの特徴 仲間にできる萌えもんは種族値450以下の未進化or無進化。 当然、進化するレベルになっても進化は始まらない。 一方、ライバルやジムリーダーをはじめとする相手トレーナーは平然と進化済みを使ってくることもある。 作者の助手 ハルカさん。各地に出現し、アイテムやわざマシンを売ってくれる。 追加トレーナー 通常のトレーナーに加え、多数の一般トレーナーがさまざまな場所に配置されている。 追加されたトレーナーたちは倒した後に再度話しかけると、再び戦ってくれる。 また、ポケモンスペシャルのキャラクターや、各地のジムリーダー、四天王が観光に訪れていることも。 強敵を倒せば、何かいいことがある…? マップの改変・追加 イベントの強化
https://w.atwiki.jp/newdivide/pages/14.html
[名前] はんくん☆ [K/D] 46% [階級] 中尉3 [メイン武器] SIG [性別] 男 [生年月日] 7月16日 [星座] かに座 [血液型] B型 [出身地] 愛知県 [職業] 高2 [部活] 帰宅部 [身長] 170cm [体重] 秘密 [性格] おもしろい人 [趣味] 映画鑑賞 音楽鑑賞 [好きな言葉] 99%の努力と1%の実力!! [好きな有名人] RED SPIDER / BURN DOWN / TERRY THE AKI 06 [好きな食べ物] Girl!! [嫌いな食べ物] [好きなスポーツ] サッカー [将来の夢] [生まれ変わったら] [愛用の香水] KENZO [好きなブランド] ねすた~~~ [今一番ほしいもの] 女>服 [一言] 下品ですがなにか?
https://w.atwiki.jp/hiroshimavtpj/pages/59.html
基本情報 ルーム https //www.showroom-live.com/htv_remon007 ニックネーム ちーちゃん(07の"なな"を"しち"と読み文字った物) ファンネーム ルーム挨拶(入室) ルーム挨拶(退出) Twitter 配信タグ #皐月れもん07 #れもん07しか勝たん #ちーちゃんしか勝たん ファンアートタグ 目次 自己紹介 配信タイムテーブル 活動の記録プレ配信期間 予選イベント期間 本選イベント期間 予選/本選後の消息 名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ 自己紹介 広島県PR企画!バーチャル広報大使を目指してます! 皐月れもん07(さつき れもん07)ですっ⭐︎ まずはみんなに私自身のこと、 大好きな広島のこと少しでも知ってもらえるように スタートダッシュ期間の11/8まで毎日夜9時から 雑談配信をメインにしていくよ〜(`・ω・´) 応援コメントもらえたら泣いて喜んじゃう… 皆さんに楽しんでもらえるように精一杯頑張ります! フォロー Twitter拡散も是非よろしくお願いします! よろしくお願いしますっ!!! 配信タイムテーブル 日付 配信開始 配信終了 星集め 星捨て 備考 活動の記録 基本的に雑談枠のみ。毎回しっかり広島のPRをしている。 広島が好きなのがわかる。広島弁もわざとらしくない自然な感じ。 テンション高くマシンガントーク。毎回ほぼ沈黙がない。 (ただ漢字の読み間違いや読めないことが多く漢字読めない。頭弱いキャラがついている) 声優の養成所に通っていた時期があったと話していた。 事務所のオーディションも多数受け、受かった経験もあるという。 そのためセリフ読み、原稿読みが上手く滑舌も良い。 プレ配信期間 11/3から11/8までのスタートダッシュ期間、毎日夜9時から1時間のみ配信。 (理由は他の候補生の配信も見てほしい+リスナーにとって好きなことできる自由な時間なのに1時間以上も自分の配信で拘束させたくないから。) 11/3 21 00〜22 00 (初配信) 雑談枠。ざっくりとした自己紹介に加え、広島と聞いて思い浮かぶであろう場所や食べ物について紹介。 テンション高く、よく口が回り滑舌も良く、リスナーとの会話をメインとしていたように感じた。 11/4 21 00〜22 00 雑談枠。サムネイルにタイムスケジュールを書きそれに沿っていた。 OPトークで今回の企画についての説明を簡潔に話していたりとリスナーへの気遣いが感じられた。 秋に訪れてほしい広島の名所や、自身が行って最近美味しかったお店などを紹介。 他県の人でもわかるようにPRしていたと思う。 11/5 21 00〜22 00 雑談枠。この回では広島の呉市についてのPRをしていた。 タイムスケジュールは前日と同様。 リスナーのコメントによりニックネーム(ちーちゃん)が出来た。 11/6 21 00〜22 00 雑談枠。この回では広島城の歴史や見所、行って欲しいところをPR。 回を重ねるごとにPRが上手くなり、中の人の本性のようなものが出てきて好感が持てた。本性も多分配信通り、よく喋る、多ジャンル対応できるヲタク。 11/7 21 00〜22 00 雑談枠。配信を始めて20分ほどで5万ポイント達成。 その後も有料ギフトが多数送られ驚いていた。 本人曰く達成できると思ってなかったからか、半泣きになる。 後半声出しすぎて声が枯れていた。PRは時間が取れず雑談のみだった。 11/8 21 00〜22 00 雑談枠。テロップとサムネイルに「後半にお知らせあります」と書いてあった。 この日リスナーからのコメントで前日の配信がSHOWROOMの【日間新人ランキング4位】だったと知り本人も大変驚いていた。 いつも通り、この企画についての説明と広島のPR(今回は原爆ドームなど)をしたあとお知らせにうつり…今回でこの配信活動を最後にするとのこと。イベントを降りる。 理由はおおまかに3つあり、 ①1週間で5万ポイントとらないとと焦り、周りの候補生と比べてプレッシャーを感じていた。 ②リスナーが好意でくれたギフトだから光栄だしすごく嬉しいのに、ポイントを気にしてしまう自分のことを汚く思うから。 ③来週からの予選も決勝も、自分が儲けたポイント(金額)で順位が決まる。自分は「みんなに楽しんでもらいながら広島の良さを知ってほしい」のに「ポイント稼ぐための配信」にしたくないから。 5万ポイント達成したけど以上の理由から 今後はれもんとしてではなく自分(中の人)として違う形で配信などしていきたいとのこと。 予選イベント期間 本選イベント期間 配信の思い出 Twitter等での活動 予選/本選後の消息 名言集 『半量(はんりょう)??…あ、違うね半畳(はんじょう)だね!!ところで半畳ってどのぐらいの広さ?』 →11/3初回の配信にて「半畳くらいの広さだよ」というコメントに対しでた名言。ここから漢字読めないキャラ 頭弱いキャラが定着。 ファンのブログやnote、togetterまとめ
https://w.atwiki.jp/dora-jojo/pages/6.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1551.html
185 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 01 56 55 ID ReNKNHut 「ゴールドもおっぱい大きいほうが好きです?」 「突然何をっ!?」 槐市に向かう道中。 少し休憩していると、ポポが突然そんな爆弾発言をした。 「だってゴールド……前のジムで、相手の胸ばかり……」 「そ、そそそそそそんなことはないよ! 何を言うんだポポ!」 慌てる僕の横で、なぜかやどりさんが自慢げに胸を張っていた。 いや、着ぐるみのせいで体のラインなんてさっぱり分かりません。 なんて言ったらいいか分からず、僕は苦笑いを浮かべるばかりだ。 てなわけで、僕達は槐市にやってきた。 香草さんが帰ってくるまで古賀根市に留まりたかったけど、槐市でロケット団の目撃証言があったのだ。 だから僕は古賀根市のポケモンセンターで、受付のお姉さんに頼んで香草さんへの言伝を残し、槐市を目指した。 香草さんがいないことに対する道中の不安は無くはなかったんだけど、その不安はすぐに掻き消えた。 ポポとやどりさんの相性の良さは香草さんとのそれをはるかに上回っていたのだ。 ポポが空から敵の座標を捕捉すると、やどりさんはそこに念力や金縛りを使い、相手に気取られることなく、迅速に敵を行動不能にした。 まさに無敵。ポポの視界が届く範囲、やどりさんの念動力が届く範囲は完全に彼女達の領域だった。 これなら、シルバー戦だって、ランを傷つけず、シルバーを身動きが取れなくすることだって簡単だ。 シルバー、次に会うときがお前の最期だ。 僕は心の中でそう呟いた。 それと、道中でポポが進化した。 空を飛んでいたら突然体が光だし、フラフラと落ちてきて……と最初の進化とほぼ同じ光景だった。 進化したと言っても、髪が伸びたことと翼が大きくなったことくらいしか大きな違いは無いように思えた。 そのことをポポに言ったら、 「それならゴールド、試してみるです?」 といたずらっぽく笑いながら言われたので、試しにどれだけ高く飛べるか見せてもらった。 速度、高度共にかなりのもので、やどりさんも、あそこまでは念力が届かないと感心したほどだ。 また、力も強くなったようで、道具を使えば僕達を空を飛んで運ぶことができそうだ。 こうなることを見越して、古賀根デバートで固定ベルトを買っておいたのは正解だったな。 普段は使わないけど、飛んで移動する必要があるときや速く移動したい時に役に立つだろう。 問題はポポと大分密着する形になってしまうということだけど。 ともかく、これでポポは最終進化。実に頼もしい。 186 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 01 57 40 ID ReNKNHut そして槐市。 槐市は古くはこの国の首都でもあった場所であり、現在も古都として風光明媚な景観を守っている。 一方、かつては数多の謀略が渦巻き、幾度となく戦乱の舞台にもなったこともあり、魑魅魍魎が渦巻く魔都として語られることもある地だ。 尤も、シルフカンパニーがシルフスコープを開発し、『ゴースト』という種類のポケモンが研究、一般化されたことによって幽霊の正体が暴かれ、魔都としての色は薄れつつある。 そうは言ってもこれだけの古い寺社仏閣に囲まれると、なんとなく厳かな気持ちにさせられる。 ポケモンセンターに宿を取った僕達は、早々に警察署へ行き、ロケット団の情報を聞くことにした。 僕はトレーナーだから、今後の旅の進路に危険がないようにロケット団の動向を聞きたいといえば、目撃情報くらいならすんなり教えてくれると踏んだのだ。 この予想は果たして正解だった。 行く先の安全のためとあれば、教えないわけにも行かないらしい。 ロケット団という理不尽な理由で旅が終わってしまえば、ロケット団による犯罪の防止率が思わしくない自分達の体面が立たないというのもあるのだろう。 巡査さんのくれぐれも目撃のあった場所には近付かないように、決して変な好奇心なんかを起こすんじゃないという言葉に、僕はもっともらしい顔をして応対した。 どうも目撃されたのは槐市の東の外れ、槐市というより隣の丁子町に近いところらしい。 本来の順路では丁子町より先に浅葱市に行くべきだから、丁子町に入る前に捕捉したい。 仮に丁子町に入られてしまった場合、順路をはずれるだけでなく、確か丁子町の手前にはチェックポイントの役割を果たしている通行所があったから、ここを何とか潜り抜ける方法も考えなきゃならなくなる。 とにかく色々と面倒になる。 というわけで、とりあえず丁子町のほうに向かうことにした。 ポケモンジムは後回しでも問題ないだろう。 僕は数日振りにおいしい食事、暖かいお風呂と柔らかいベッドにありつけてご満悦だ。 道中は警戒のためだのなんだの理屈をつけられて息がかかる距離で三人一緒に寝ることになってしまったが、今日はきつく言ったので久々に一人でベッドを使える。 僕は先行きの不安に悩まされながらも、ベッドのお陰ですぐに眠りに着くことが出来た。 「おはよう……ってなんで二人ともボロボロなの?」 翌朝目を覚ました僕の目に飛び込んできたのは、妙に散らかった部屋と、着衣が乱れたポポときぐるみが解れ、中から綿が覗いているやどりさんだった。 二人とも長い髪がぼさぼさなのは寝起きのせいだけじゃない気がする。 「お、おはようです!」 慌てた様子でポポが答える。 一方のやどりさんは無言で目を閉じ、唇を突き出している。 「……何?」 「おはようの……ちゅー」 やどりさんがそう答えた瞬間、ポポの翼が強かにやどりさんの後頭部を打った。 「いきなり何言ってるです! まったく、油断も隙もないです」 険悪な様子で二人はにらみ合う。まったく、どうして二人共こう……まともじゃないんだ。 「はいはい、騒ぎを起こさないって約束しただろ? 丁子町は遠いんだから、早く出発の準備して」 二人を諌め、僕も自分の準備をする。 二人は途端におとなしくなり、いそいそと自分達のベッドに戻った。 やはり彼女達をこの計画に引き入れたのは正解だった。 以前のままじゃ、どの道事件を起こして警察のご厄介になるのは目に見えていた。 仕度を終え、一緒に朝食をとった僕達は(現在ポポの食事の世話はやどりさんがしている。念動力のお陰で食事をしながら並行してポポに食べさせることが出来る。ポポは激しく不服そうだけど、僕は見ない振りをした)、早速丁子町目指して出発した。 しばらくすると市街地を抜け、街道にでる。 点在する寺社を横目に、一心不乱に歩き続け、そして野宿。 翌日もまた歩き続け、昼頃にようやく通行所の辺りに着いた。 そこで僕は驚愕することになる。 「ゴールド、煙が見えるです」 初めに気づいたのはポポだった。 空を飛んで哨戒に当たってもらっていたんだけど、どうも行く手に煙が上がってるらしい。 僕にはさっぱり見えないんだけど、前例もあるし、多分ポポの言うことは事実なんだろう。 怪訝に思いながらも進んでいくと、再びポポが声を上げた。 「ゴールド、燃えてる、燃えてるです!」 「燃えてるってなにがさ?」 「通行所です!」 な、なんだって! 187 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 01 58 43 ID ReNKNHut 「ポポ、本当なのか!?」 「間違いないです!」 通行所が燃えてるなんてただ事じゃない。 特に、近くでロケット団の目撃情報があったばかりの今は。 「ポポ、僕を抱いてくれ! やどりさんも飛んで欲しい」 僕は鞄から飛行用のベルトを取り出しながら指示を出す。 自分で走るよりポポに掴んでもらって飛んだほうが遥かに速い。それに、やどりさんも走るより念動力で飛んでもらったほうが速い。 本当は無駄に体力を浪費するべきじゃないんだろうけど、一刻も早く通行所に駆けつけたかった。 「だ、抱いてなんて、ポポ恥ずかしいです」 「……ゴールド、そんなことは許さない」 この子達はどうしてそうお約束のボケをするかな。 僕も言葉が足りなかったかもしれないけど、器具を取り出したんだから分かるだろ。 二人と漫才している暇が無かったので、手早く器具を組み立て、ポポと僕を固定する。 こうやって密着すると、ポポの胸が僕の背中に当たる。 見ても分からないくらい慎ましやかなんだけど、こうやって見ると確かにあるんだなあ。 そんな邪念が頭をよぎる。 というか、この背中に当たる二つの突起はもしかして…… 「やっとゴールドと繋がれたです……。ポポ、幸せです」 「……殺す。後で絶対殺す」 「ああもう、ポポはちょっと黙って! やどりさんも、早く補助お願い!」 二人のお陰で邪心は見事に吹き飛んだ。 どう考えても楽しめる状況じゃない。 体勢の制約上、ポポ一人で飛び上がるのは難しい。そのため、やどりさんの念動力によって離陸の補助をしてもらう。 やどりさんはブツブツいいがならも、僕達を宙に上げてくれた。 すぐにポポは自分の翼で力強く羽ばたく。 やどりさんも浮かんできたのを確認すると、ポポに進んでもらった。もちろん、やどりさんの速さにあわせてもらって。 「ああ、ポポ、ゴールドと一つになってるですよ。すごく気持ちいいです」 うん、気持ちいいね、風が。 「……殺す。後で絶対殺す。焼き鳥にして殺す」 一方やどりさんは呪詛のように殺す殺す呟き続けてる。 「にしても、本当にやどりはのろまです。わざわざゆっくり飛ばなきゃいけないなんておかしいです」 「……殺す。後で必ず殺す。その手羽もいで殺す」 背中に暖かくて柔らかいものが当たってるはずなのに、背筋に悪寒が走るのは、風を切って進んでるからなだけで無いことは確かだ。 もしかして煙云々っていうのも、僕と抱きつきたいがためだけの狂言なんじゃないか。 そんな疑惑が胸に浮かんだ。 しかし、しばらく飛んでると、僕の目にも、地平線の向こうに煙が見えてきた。 狂言ならそれはそれでよかったんだけど、どうやら本当に何かあったらしい。 「ポポ、通行所の状況はどんな感じ? 建物は見える?」 「建物なんて無いです。黒こげになって崩れてるです!」 ポポの報告は、僕の予想より遥かに深刻な状況を伝えるものだった。 もちろん、何の事件性も無い火事かもしれない。 しかしそんな希望は、ポポの次の言葉によって打ち砕かれる。 「赤い……赤い髪の人間が火を噴いてるです! 人も燃やされてるです!」 赤い髪。火。 まさか、そんなまさか。 188 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 01 59 49 ID ReNKNHut 「……ポポ、その赤い髪の人間の近くに、もう一人赤い髪をした人間がいないか?」 僕は震える声で、何とかそれだけ聞いた。 赤い髪なんて炎ポケモンじゃ珍しくも無い。 だから、まだそれがランだと決まったわけじゃない。 シルバーと共にいる以上、命じれられてそういう行為に手を染めていても不思議は無い。 でも、僕はランが人殺しの道具にされているなんて、信じたくなかった。 「……よく分からないです。帽子……みたいなのを被ってる人が多いです」 帽子……そういえば、前に見たときもシルバーはフードを被っていたな。 それに、ロケット団もRと書かれていた黒い帽子を被っていたような…… 「もしかしてその帽子を被ってる奴らは、赤字でRが書かれた黒い服を着てない?」 「あーる、です?」 そうか、ポポにRっていっても分かんないよな。 「うーん、なんか文字が書いてある?」 「赤で何か書かれた黒い服を着てるです!」 やっぱり、ロケット団が関わっているのか。 当然といえば当然だけど、衝撃といえば衝撃だ。 僕は軽く身構える。 「で、でも、燃やされてるの、その人達ですよ!?」 「えっ!?」 そんな馬鹿な。 その黒い服の人達はロケット団の団員なはずだ。 それが燃やされてるって。 通行所を燃やしたのと、ロケット団員を燃やしてるのは違う人なのか? ロケット団に焼き討ちにあった通行所の人間が応戦しているってことか? 事態がさっぱり把握できない。 通行所ではいったい何が起こってるんだ? ポポがランやシルバーを見たことが無いのが悔やまれる。 どんどん近付いていくにつれ、ようやく僕の目にも、通行所の成れの果てと思われる黒い塊が見えてきた。 その塊はドンドン大きくなり、全景が少しずつ見えてくる。 焼け落ちた通行所を背に、追い詰められているロケット団の集団。 地面に転がった、血を流して倒れているロケット団員と、黒い塊。 そして…… 「シルバー!」 やはりというか、驚くべきというか、そこにはシルバーがいた。 ポポの羽ばたく音で気づいたのだろう、向こうもこちらを見ている。 僕達は見る見る彼らに近付き、そして……あっという間に通り過ぎた。 「ってええええええ!?」 僕の声に驚いたのか、ポポがビクリと震えた。 「ど、どうしたですっ!?」 「な、なんで通り過ぎてんのさ!!」 「ええっ!? 通り過ぎちゃいけなかったですか!?」 「いけないに決まってるだろ! 何しに僕達は急いで飛んできたのさ!」 少なくとも、全力でスルーするためじゃないはずだ。 ポポは急減速し、止まる。 やどりさんもそれにあわせて止まった。 「二人とも、疲労はない?」 これからほぼ確実にシルバーとの戦闘だ。 疲れがあって勝てるような相手じゃない。 「大丈夫です!」 「……むしろ力は有り余っている」 やどりさんの言葉に恐怖を感じなくも無いけど、戦うには問題なさそうだ。 当然、ポポは僕と繋がったままでは戦えないから、地面まで降りてもらって金具を外す。 ポポは思いっきり不服そうだけど、今はそんなのに構ってる場合ではない。 器具を外すと、急いで通行所の残骸まで寄る。 通行所はほぼ完全に崩れ落ち、未だに濛々と黒い煙が上がっている。 元々重厚なつくりではないとはいえ、ここまで酷い有様を見せられると驚かざるをえない。 近寄ると、明らかに熱気を感じる。 189 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 02 00 45 ID ReNKNHut 「やどりさん」 「……了解」 僕が何も言わないうちに、やどりさんは僕の意を察してくれたようだ。 触れてもいないのに瓦礫が動き出し、僕達の前に道が出来る。 同時に、熱を下げるために水をまく。 水は一瞬のうちに蒸発し、眼前は蒸気に包まれる。 瓦礫を割り、白煙の中から現れるなんて随分と凝った登場シーンだ。 そんな場違いなことが思考の端をよぎる。 当然、向こうもこちらのことを把握してるのだろう、最後の瓦礫の壁の前で、僕は唾を飲んだ。 しかしやどりさんはまったくためらい無く、最後の瓦礫を打ち砕いた。 瞬間、瓦礫の向こうから火炎が飛来する。 それを予期していたのだろう、やどりさんは瞬時に念動力で僕達を火炎から避けた。……ただしポポを除く。 ポポは持ち前の身体能力で飛び上がり、かろうじて回避する。 「やどりぃぃぃぃぃ!!」 ポポの怒声が降ってきた。 「あれ、いた……の?」 それを受けるやどりさんは不敵な笑みを浮かべている。 なるほど、焼き鳥。宣言どおりか。 そんなことを思ったことはおくびにも出さず、二人を叱る。 「二人とも、仲間割れなんかしてる場合じゃないだろ!」 そう言っている間にも次々と火炎は飛来する。 瓦礫に阻まれるとはいえ、その向こうからでも十分な熱気が伝わってくる。 やどりさんが噴きかけた水が一瞬で蒸発していく。 ポポは一応回避は出来ているものの、言葉を発する余裕すらない。しかも遠めで見ても、近くを通る炎の熱気で表面が焦がされているのが分かる。 「やどりさん、とりあえずポポをここまで引き寄せてくれ。ちゃんと炎は避けるように」 「私だけでも……」 「いいから!」 「……はい」 ポポがこちらに近寄ったときを狙って、一気にポポを引き寄せた。 ポポは息も絶え絶えで僕達のところに落ちてくる。 そのままやどりさんに飛びかかろうとするポポを抑えて、尋ねる。 「ポポ、ランはどの辺りにいた?」 壁のせいでこちらからでは相手の位置は分からない。しかし炎を避けるために、今は壁を壊すわけにはいかなかった。 「あの辺り、です」 ポポは翼で壁の向こうを指す。 「やどりさん、瓦礫を使ってポポの指したほうを攻撃してくれ」 僕達の周りの瓦礫が次々を浮き、左右に避けて壁の向こうを攻撃する。 壁から伝わる熱がわずかに弱まった。 「このまま壁を破って攻撃!」 僕の命を受けると同時に、やどりさんは壁をそのまま向こうに飛ばした。 それを回避するランが見えた。 久々に見たランは少し姿が変わっていた。彼女も進化したのだろうか。 「ラン!」 僕は叫ぶが、彼女はそれをまったく意に介さず、こちら目掛けて火炎放射を行った。 僕が何も言わないうちに、やどりさんはそれを水を操って相殺する。 両者の衝突点から激しく水蒸気が立ち上る。 壁がなくなったことで、槐市側の通行所の様子が詳しく見える。 あたりには通行所や木々の残骸だと思われる燃えカスや、現在もまだ燃えているものが散乱し、地面は所々煤で黒く彩られている。 血を流した人間や、人だったものと思われる黒い塊がいくつもも倒れていた。 通行所の傍は特に酷い。 炭化した人間が山済みになっていた。 来るときに通行所を背に追い詰められていたロケット団員達が見えた。 そして先ほどまで容赦の無い火炎放射が降り注いでいたということは、彼らごと僕達に攻撃を行ったことを証明している。 今までかいだことの無い嫌な臭いと、今まで聞いたことも無いような阿鼻叫喚で満ち満ちている。 酷い有様だった。 そんな地獄絵図の中に、シルバーは泰然と佇んでいた。 190 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 02 01 24 ID ReNKNHut 僕はすぐにナイフに手をかける。 「二人とも、しばらくランを抑えてて欲しい。倒してもいいけど、殺さないように」 それだけ命令すると、僕はシルバーを睨みつけた。 シルバーは不敵な笑みを浮かべ、僕を見る。 「また会ったな、ゴールド」 「ああ、シルバー」 「どうやらお前はよほど死にたいと見える」 「違うよ。僕は死にたいんじゃなく、殺したいんだ、お前を!」 そう言うと同時に、僕はナイフを放った。 シルバーはそれを手に持ったナイフで弾いた。 しかしこれはただの牽制。僕はすぐにリュックからナイフを取り出し、カバーを外した。 「どうしてこんなことをしたんだ!?」 僕はそういいながら、シルバーとの距離をつめる。 「こんなこと? こんなことって何だ」 シルバーはそういいつつ、二本のナイフを抜き、放った。 狙いは僕ではない。 突然の事態に対応できず、棒立ちとなっているロケット団員の生き残りだ。 短い悲鳴をあげ、二人のロケット団員が地に伏した。 「シルバー!!」 僕はナイフをしっかりと握り、シルバーに襲い掛かる。 「俺は昔言ったよなあ? 弱い奴は生きてる価値が無いんだと」 彼はナイフで僕のナイフをいなし、そのまま僕に切りかかる。 僕は何とかそれを交わし、数歩距離をとった。 黒く焼かれ、地面に転がっている何人ものロケット団員が視界に入る。 憎いはずのロケット団員が、何故だか哀れに見えた。 「……お前は狂っている」 「俺は狂ってなんかいない。狂っているのは……」 そう言いかけたところでシルバーは飛んできた瓦礫に倒された。 視線を向けると、彼女達はランに対して有利に戦いを進めているようだった。 さすがに二対一.ランといえど二人を相手にするのは厳しいと見える。 「シルバー!」 ランが叫ぶのが聞こえた。 ランが負けなくても、二人を完全に抑えなくてはその分シルバーが狙われることとなる。 シルバーはいまや彼女の弱点となっていた。 ここぞとばかりに、僕はよろめくシルバーに切りかかる。 しかしシルバーも然る者で、強撃を受けたばかりにもかかわらず、わずかに斬られるだけで僕の攻撃から逃れた。 ランと合流しようとするが、それをやどりさんが念力で抑えた。 それに気をとられたランを、ポポが強襲しようとする。 勝った。 そう思った次の瞬間、ランの体は白い炎に包まれた。 体に火を纏ったくらいではポポの攻撃を止めることはできないはずだ。 それなのに、僕は恐怖を覚えた。 ポポ、攻撃を中止してくれ! しかし僕の思いはポポには届かず、ポポはそのままランを翼で弾き飛ばす。 悲鳴が響き渡った。 「ポポ!?」 ランに一瞬ぶつかっただけのはずのポポが地面に落ち、悲鳴を上げて地面をのた打ち回っている。 地面に倒され、むくりと立ち上がるランの立つ周囲の地面は、熱によって泡立っていた。 彼女の纏っている、おそらくは耐火性の高いはずの服が見る見るうちに焼け落ち、消えていく。 彼女はポポには目もくれず、生まれたままの姿でシルバーの下に駆け寄る。 やどりさんは水鉄砲を放つが、それはもはやランに届く前に蒸発して消えた。 ランはやどりさんのほうを向き、揺らめいた。 191 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 02 01 51 ID ReNKNHut いや、揺らめいたんじゃない。熱によって揺らめいて見えたんだ。 迫り来る熱の波を見た僕は、すぐに顔を覆って地面に伏した。 やどりさんの悲鳴が聞こえ、次いで熱波が到来した。 これだけ離れているのに、全身が電熱線で焼かれたかのような熱を感じている。 「やどりさん!」 顔を上げた僕の目に映るのは、きぐるみから煙を噴き上げ、膝から崩れ落ちるやどりさんの姿だった。 ランの体を包む炎はすでに消えていた。 彼女を中心に地面は黒ずみ、熱波を浴びた木々は発火を通り越して炭化していた。 僕達と同様に、熱風をもろに受けたロケット団員の何人かが悲鳴を上げながら地面をのた打ち回っている。 まるで焼夷弾でも落とされたようだ。 そんな地獄絵図と化した辺りを一望すると、ランは満足げに微笑んだ。 「やりすぎだ、ラン」 いつの間にか伏していたシルバーは平然と立ち上がり、ランに近付く。 シルバーは耐火服を身にまとっている上、僕に次いでランと離れていた。ダメージはほとんどないだろう。 戦闘不能のポポとやどりさん、満身創痍な僕に対して、まだまだ余力のありそうなランと、しばらくは動けるだろうシルバー。 形勢は一気に逆転した。 「ごめんなさい、マスター」 寄り添うように近付いてきたランに、シルバーは上着を脱いでかけてやった。 「ら、ラン……」 手を伸ばす僕に、ランから思いもよらない言葉がかけられた。 「……なんだ、まだ生きてたの?」 そう言い放ったランには少しもオドオドとした様子はない。 極めて落ち着き払っていた。 「ラン、もういいだろ」 「いいえマスター。マスターを傷つけたアイツをこのまま放っておくわけにはいきません」 ランはそういいながら、愛おしそうにシルバーの傷口をツ、となぞる。 顔をしかめるシルバーをみて、ランは実に幸福そうだった。 そんな様子を見てられなくて、僕は叫ぶ。 「ラン! 君はシルバーに洗脳されてるだけなんだ! 正気に戻ってくれ!」 が、それに対する二人の反応は思いもよらないものだった。 なぜか二人ともキョトンとしている。まるで僕がおかしなことでも言ったかのように。 しかし、すぐに堪えきれないといった様子でランが笑い出した。 「……っあっはははは! ゴールド、アンタどこまでめでたいのよ! 私がマスターに従っているのは私が洗脳されているからだとでも思ったわけ?」 ランがこんな風に笑ったことがあっただろうか。 「え、だって……」 「そんなわけないでしょ! 私がマスターと一緒にいるのは、私がマスターを愛しているからよ!」 「な、なにを……」 「ラン、もう黙れ」 「だ、だってその男は、君の父親を殺したんだぞ! 君の人生を台無しに……」 「何を勘違いしてるのよ。パパを殺したのは、マスターじゃなくて私よ」 「……えっ?」 意味が分からない。シルバーは顔をしかめていた。 「ラン……」 「そんなわけない! ぼ、僕は見たんだ! 僕だけじゃない、みんな見たんだ! シルバーが君の父親を刺した後、君にナイフを突きつけて人質にしたのを!」 「ああそう、皆そう思ってたんだ。どうりで、何時までたっても私が指名手配されないわけだわ」 「ラン、もうやめろ」 「皆勘違いしてるの。パパを殺したのも、その後私を人質にとったように見せかけてシルバーを逃がしたのも、全部わ、た、し」 「ラン!」 鈍器で思いっきり殴られたような衝撃を頭に感じた。 視界に行く筋かの細かい閃光が走る。 誰かが照明を弱めたように、急に視界が暗くなった。 信じられない。そんな訳が…… 僕はもう言葉を作ることができなかった。 燃える、崩れた家を背景に、倒れたランの父親と、ランにナイフを持った腕を向けるシルバーと、その腕を必死で掴むラン。 あの時の光景が鮮明に眼前に蘇る。 確かに、直前の爆発のせいで、誰もランの父親が刺されたところを見ていない。 だって、だれが考える? この土壇場で実の娘が父親を刺すなんて。 ロケット団の幹部の息子を庇って人質の振りをするなんて。 192 :ぽけもん 黒 21話 ◆/JZvv6pDUV8b :2010/04/18(日) 02 02 17 ID ReNKNHut 僕が見た、つまり皆が見たのはランにナイフを突きつけるシルバーじゃなく、腕ごとナイフを自分に手繰り寄せようとするランを必死に止めようとするシルバーだった? そんな、そんなことがあるはずがない。 だって、それじゃおかしい。 もしそうなら、全てがひっくり返ってしまう。 シルバーは本当は何も悪くなかった? 悪いのはランだった? そんなこと、あるはずが無い。 そんなこと、考えられるはずも無い。 ランは一歩、僕のほうに歩を進めた。 「ラン、何を」 「殺さなきゃ、アイツ。シルバーを傷つけたんだもの。生かしてはおけないわ」 一歩、また一歩とランは僕に近寄ってくる。 ランはそこに絶望的な一言を付け加える。 「パパと同じよ」 彼女はこともなげに言う。 「君の父親がシルバーに何をした?」 自分の口からでた声は、まるで自分のものとは思えないくらい掠れていた。 「家に火をつけたの、あれ、パパよ」 「……そんな!」 「ちゃんと考えなさいよ。パパは炎ポケモンよ、炎ポケモン相手に誰が火で対抗しようと思うのよ。ましてマスターだもの、そんな愚行を犯すはずがないでしょ」 「ラン、やめろ、命令だ」 険しい表情を浮かべるシルバーに、ランは寂しげに微笑んで答える。 「ごめんなさいマスター。でもずっと分かってたの。マスターはまだアイツに未練があるってことに。三人で楽しくすごしたあの頃を忘れられないってことを。でも、ダメよマスター」 「何がいけないんだ。それのどこが駄目なんだ!」 「だってマスター、それじゃ私だけを見てくれることにならないもの」 いつの間にか、ランは僕の目の前に立っていた。 僕を見下ろすランの目はどこまでも無慈悲で。 その瞳の冷たさが、どんな言葉より何より彼女の告白が真実であることを物語っていた。 「ラン、それは嘘だ。君はシルバーにそう信じ込まされているだけなんだ……」 「バイバイ、ゴールド。天国で私とマスターの幸せを願っててね」 うわ言を言う僕の頭部に、ランは笑顔で爪を振り下ろした。 絶叫。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2459.html
653 名前: ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 55 17 ID OxvbpP8c [3/7] どうするか。 やっぱり警察に相談したほうがいいんじゃないか? まっさきにそんな思考が浮かぶ。 如何に警察内部に内通者がいようとも、たまたま僕の話を聞いてくれる警察官がそうとは限らない。 しかしすぐにそれを否定する思考が頭を巡った。 これだけの大計画だ、かなり偉い立場の人間にロケット団の協力者がいないわけが無い。いくら下の方に僕の話を聞いてくれる警官がいても、上に行くところで揉み消されたら終わりだ。 それに、そんなことになったら、報告だけじゃなく、僕達も消そうとしてくるだろう。つまり警察に相談するのは悪戯に僕達を危険にさらすだけだ。 でも、こんな大事を僕達だけで解決することなんて出来るのか? 僕は事態の大きさに相当怖気づいていた。 少なくとも、普段の僕なら、こういう事態で、警察の力を借りようだなんて思わない。 まして、警察内部に内通者がいると分かってるっていうのに。 「ゴールド、どうしたの、難しい顔して」 気づかなかったけど、香草さんは涼しげな顔をしている。 「どうしたのって、どうして君はそんなに平気そうでいられるんだ」 654 名前: ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 58 08 ID OxvbpP8c [4/7] 「だって、ことに及ぶ前に全部倒せばいいだけでしょ。簡単じゃない」 簡単じゃないって……それはそうだけど、言ってくれる。 「見てよここ」 僕はそう言って送られてきた内部資料の一文を指差す。 「ロケット団はこの作戦に実働部隊だけでも八百以上の人員を投入するつもりだって。八百人だよ!?」 対するこちらの実働部隊は資料によれば十五人にも満たない。戦力差五十倍以上の相手。絶望的な数字だ。はじめから勝負にならない。 唯一の救いは、ロケット団員は基本的に練度が低く、個々人の戦力はたいしたこと無いということだ。 それにしたって、戦力差は絶大に思える。 「大丈夫よ。ゴールドがいれば……私は無敵だから」 そういって彼女は穏やかに微笑む。僕にはどうにもその顔が本物の殺し合いを間近に控えた者の笑みには思えなかった。 僕には何がどう大丈夫なのかさっぱり分からない。 しかし彼女の言うことにだって理はある。 どの道やるしかないんだ。絶望なんてするだけ無駄だったんだ。 「そうだね、なんとかするしかない」 僕は自分に言い聞かせるようにそう呟くと、再び計画書に目を落とす。 計画書によると、やはり目立つのは避けたいらしく、建物の内部から制圧していく作戦らしい。 これは僕らにとっては好都合だ。 八百人の人間が陸から空から一斉にラジオ塔を攻め落とそうとすれば、僕達にそれを防ぐ術はないけど、内部から制圧していくだけなら、建物の構造上一度に動ける人数も行動の内容も大きな制限を受ける。 香草さんもやどりさんも仲間の傷つける心配なく全体攻撃を行えるからこの場合こちらに利がある。 地の利を生かせば勝機は十分にあるかもしれない。 いや、まて、戦わなくても目立てばそれで十分騒ぎになるんじゃないか? そうすればすぐに多くの人が集まってきて敵の作戦は崩壊す……いや、駄目だ。 もしその間に電波を発信する設備を抑えられ、あの電波を流されたら、打つ手は無くなる。 やっぱり直接戦って止めるしかないのか。 いや、それでも正面から戦うことは避けられるはずだ。 もし彼らが密集しているのなら、そこに怪しい光曳光弾を一発打ち込めばそれだけで彼らを撹乱できる。 そういう風に、数が多いのならば、それと正面から向き合うのではなく、数が状況を不利にするような作戦で挑むべきだ。 僕の隣にいる子はどうもそういうことを理解していないみたいだけど。 見取り図と味方の戦力、ロケット団の侵入経路から、相手を迎え撃つのに効率的と思われる箇所を模索する。 基本、上下階を繋いでいるのは階段とエレベーター。 ロケット団は主力部隊を階段で送り込み、エレベーターを挟撃のために使用するみたいだから、適当なところでエレベーターは落としてしまおう。 空洞と化したその跡を上ってこようとするならば、放水なり何なりで全部叩き落してしまえばいい。 攻撃の性質上、階段も上を押さえてしまえば同じ要領で一方的に攻撃し続けるだけで勝てる気がする。 発信施設を押さえる意味でも、如何にロケット団に先んじて上の階を占拠するかの勝負になりそうだ。 ダクトの類はどうも人が移動できるようなものじゃなさそうだし、となるとラジオ塔の中を移動するには階段かエレベーターを使うしかない。 しかし階段には警備員がいるし、エレベーターは一般解放エリアと一般立ち入り禁止エリアで別々に分離している。 そして立ち入り禁止エリアに入るためには警備員に通してもらう必要がある。 つまりどの道警備員を何とかしなくてはならない。 どうしようか。ここは一つ、眠り粉か何かで眠っていてもらおうかな。 ロケット団の手先ならこれくらいは自業自得だと思って諦めてもらうし、仮にそうじゃないとしても、ただ眠らされるだけで済むんだからロケット団にやられるのに比べればはるかにマシだろう。 仮に眠り対策があるなら、やどりさんに気絶させてもらおう。 彼女にかかれば瞼一つ動かせず、声すら出せなくすることなど簡単だということを、僕は身をもって知っている。 とりあえずここを抜けたら、人が騒ぐようであればやどりさんと香草さんに昏倒させてもらい、特に何の反応もないようだったらそのまま社長室あたりを目指させてもらおう。 社長がロケット団とグルでないことは確実だ。 なぜなら、社長がグルならば最初からラジオ塔を乗っ取る意味がない。 同様の理由で電波の送信を行っている立場の人間も白だろう。 しかしここの人間すら抱き込まれていないとなると、ラジオ塔側にはほとんど内通者はいないのかもしれない。 と、ここまで考えたところで、香草さんが僕の首筋にぬるりと手を這わせた。 突然のことに、僕は思わず跳ね上がる。 655 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 58 34 ID OxvbpP8c [5/7] 「ご、ごめん、驚かせちゃった?」 「う、うん、びっくりした。どうしたの?」 「どうもしないけど……ゴールド、全然私を見てくれないから……」 なるほど、僕がずっと思案顔で資料とにらめっこだったのが気に食わなかったらしい。 「ごめんねチコさん。でも、これはさすがにちゃんと考えないといけないからさ」 「もう、何も考える必要なんか無いのに」 そう言って彼女はすねた顔をする。 「万が一に備えるのも、作戦って奴だよ。もしすべて上手くいっても、チコさんが大怪我なんかしたら何の意味もないからね」 「わ、私は別に……」 彼女は顔を赤くしてなにやらブツブツ呟いている。 情けない話だけど、香草さんに何かあったとき、僕は守る自信がない。 香草さんクラスの人相手じゃ僕は避けることすらままならない。 だから、そんな事態にならないように、逃走も含めて、事前にしっかり策をめぐらせておかねば。 最悪、電波の発振装置かアンテナを壊すことも視野に入れなければならない。 不謹慎な話だけど、作戦計画を考えていると、少し楽しかった。 まるで昔の、他愛の無い子供の探検ごっこを思い出すのだ。 この日と翌日をかけて計画をまとめ終え、シルバーに送信した直後、示し合わせたようにポケギアが震えた。 発信者は不明。しかし相手は言うまでもない。 「俺だ」 電話口の向こうから、そんなぶっきらぼうな声が聞こえてくる。 「で?」 「作戦決行日前に集会があることは知っているな?」 送られてきた資料の中にそんなものもあったな。 「うん」 「もし来るなら変装して来い。こっちに裏切り者がいるという可能性もあるが、それ以上にランに見つかるとまずい」 「ランはてっきりこういうのには興味が無いかと思ったけど」 「ああ、無い。ただ、突然俺についてくるとか言いかねんからな。念には念を、だ」 「分かった。……その割には、来るなとは言わないんだな」 「実際に参加する人間の能力を見たほうが、お前も作戦を立てやすいだろう」 「作戦って、僕の考えたのでいいの? ただの一意見のつもりだったんだけど」 送信した直後に着信があったから、僕の作戦にまともに目を通す時間も無かったはずだ。 そこそこの人数が関わっているこの作戦。いくらシルバーがリーダー格だとはいえ、僕のような一介の子供の意見が通るとは本気で思ってはいなかったんだけれど。 尤も、子供と言う意味ではリーダーであるシルバーも変わらないか。 それにしても、組織にこういう作戦立案を行うような役とかいないのかな。 「ああ。お前はスパイである可能性がゼロだからな。それだけである種十分ともいえる。そもそも、俺が人を指揮する立場に向かないというのは、お前もよく知っているだろ」 「よく言うよ。リーダーなんかやってるくせに」 「ただの成り行きだ」 シルバーは苦々しげにそう吐き捨てる。 「用件はそれだけだ。では、予定の時間に、予定の場所で会おう」 彼はそう言うと、僕の返事も聞かずに電話を切った。 656 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 59 17 ID OxvbpP8c [6/7] 変装って言われてもなあ…… 帽子にサングラス、マスクとロングコートとかか? これはこれで目立つ気がする。 「変装かあ……どうしたらいいかなあ」 呟きを漏らすと、電話を聞いていた香草さんが、いかにも名案を思いついたといった様子で言う。 「そうよ! 二人羽織をすればいいんじゃないかしら!」 ……アホの子がいる。 「ホラ、そうすれば体格とか全然分からないし、完璧だわ!」 うん、完璧だ。 その後僕は香草さんをこんこんと説得して二人羽織を諦めさせ、変装に必要な道具を買いに行った。 帰ってくると、部屋にやどりさんがいた。 「おかえり……どこに、行っていたの?」 「あ、うん、例の作戦の前にこちら側の人間が集まる集会があるんだけど、それに参加するための変装道具を買いに」 僕はそういって袋から鬘を取り出して見せる。 「そういえば、やどりさんの変装道具もいるよね。一緒に買いに行くべきだったかな」 「必要……ない」 彼女はそう言ってきぐるみの背中に手を這わす。きぐるみをおろすと、中から白い肌が垣間見える。 「な、ゴールドは見ちゃダメー!」 香草さんの蔦が飛んでくるより前に、僕は慌てて後ろを向いた。 「き、着替えるなら部屋出るから、終わったら呼んで」 僕はそういって急いで部屋を出る。 ふう。やどりさんはこういうのに無頓着だから、時々びっくりさせられるよ。 「……見た?」 いつの間にか隣にいた香草さんが険しい目つきで僕を見る。 何をどこまで、と聞きたかったけど、とりあえず反射的に口からでるのはこの言葉。 「み、見てないよ!」 「……本当に?」 香草さんは明らかに疑っているようだ。 いったいどこからアウトなのか分からない以上、余計なことはいえない。 「本当だよ!」 「ならいいけど……ゴールドは私の彼氏なんだから、私以外の女の裸は見ちゃだめなんだからね」 「私以外のってことは、チコさんの裸は見ていいってこと?」 何気なく口にしたのがまずかった。何余計なことを言ってるんだ僕は。 彼女の顔がみるみる真っ赤になったかと思うと、すぐに蔦が飛んできた。 「な、ゴールドのバカエッチスケベへんたーい!!」 どれか一つに絞ってほしいなんてこの状況で言えるわけもなく。 僕は数十の蔦に打たれて地面に伏すことになってしまった。 「あ、ご、ごめんなさい! でも今のはゴールドがいけないんだからね!」 確かに僕は悪かったと思うけど、それでも反射的に蔦が伸びるのはどうかと思うな。 そんな言葉が首まででかかったところで。 がらりと部屋のドアが滑った。 「終わった……着替え」 僕はそういって部屋から出てきたやどりさんを見て、わが目を疑った。 やどりさんはいつものもこもこしたきぐるみではなく、扇情的な赤く、薄く、そして露出部の多いドレスを身にまとっていて、しかもそれを着た彼女はびっくりするくらい魅力的だった。 彼女の恵まれたバストと引き締まったウエスト、そしてまたふくらみを持つヒップ。 かつてやどりさんが「自分は脱いだらすごい」と言っていたことがありありと思い出される。 この派手さから言って、このドレスは誰でも着れるような代物ではない。選ばれし者のみが着こなせるドレスと言っていいだろう。 香草さんではこうはいかないはずだ。 香草さんも、部屋から出てきたやどりさんを見て、あんぐりと口を開け、やどりさんの胸部と自分の胸部で視線を往復させている。 何とか事実をゆがめようと彼女の頭は必死に働くが、それでもなお認めざるを得ない現実。 そこまでの圧倒的なリアル(胸)がそこにはあった。 やどりさんは香草さんに向きなおり、彼女の頭の天辺からつま先まで眺め、そして、 「ふっ」 と冷笑した。やどりさんのこんなにも勝ち誇った笑みははじめてみる。 いくら傲慢な香草さんでも認めざるを得ない、歴然たる敗北がここにはある。 さあ香草さんはどうでる。 「ふ、ふふふ、ふ」 彼女は不敵な笑みをどこか飛んだ表情で浮かべながら、ゆらりと蔦を伸ばした。 657 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 59 53 ID OxvbpP8c [7/7] 「そうよ、そんなもの、削ぎ落とせばいいんだわ。そ、そうよ、平らに、平らにしなくちゃ。私よりももっと平らにしてあげなくちゃ」 まさかこうでるとは。 思った以上の過剰反応だ。予想以上に恐ろしいことを言いだした。 対するやどりさんは余裕の笑みを浮かべながら――今僕には彼女のドレスのぱっくりと開いた白磁のような背中しか見えないから本当のところ表情は分からないのだけれど、これには確信があった――、ゆっくりと戦闘態勢に入る。 なんてこった。まさかスタイル――いや、おっぱいが戦いの引き金となるとは。 そうだ、これをおっぱい大戦――そう、第一次おっぱい大戦と名づけよう! そこまで思考がずれたところでハッと正気に返った。 どうして僕はこんなおかしなことを考えていたのだろうか。 これもすべてやどりさんのおっぱいの魔力が生み出した幻惑作用によるものだというのだろうか。 それの真偽のほどはおっぱいのみぞ知るとして、ともかく、今はこの戦いが起こるのをとめなくてはならない。 どうする。 生半可な言葉で今の香草さんは止まるだろうか。 否。今の彼女を止めること、それはすなわち両者のおっぱいの差を埋めることと同義である。 おっぱいの差を埋める。 果たしてそんなことは可能なのであろうか。 おっぱいの差を埋めるなんて、それこそおっぱいをそぎ落とすか、豊胸でもしない限り不可能。 豊胸。 そのとき、僕の脳裏に閃光が閃く。 そうだ! あるじゃないか! やどりさんのおっぱいをそぎ落とさずとも、香草さんのおっぱいにシリコンを挿入しなくても、おっぱいの差をなくすことができる、簡単で、すばらしい方法が! そうだ! おっぱいを差を埋めるもの、つまりおっぱいはすでに僕の手の中にあったんだ! 「香草さん! これを!」 僕は袋を漁ると、手につかんだものを香草さんに投げつけた。 香草さんは見事にそれをうけとり、彼女はそっと手を開く。 彼女の手の中に納まったもの――それは…… 「……それは」 「胸……パッド?」 張り詰めていた空気が、ふっと緩んだ。 そう、これこそが、両者の埋まるはずのない差を埋める奇跡のアイテム、胸パッドである。 そう、これさえあれば小さなおっぱいでも大きなおっぱいのように振舞える。 おっぱいの格差がなくなる。 つまりそれは世界からありとあらゆる争いが消えうせ、世界に平和が訪れると言うこと。 そう、胸パッドとは平等と博愛を象徴していたのだ! こうして、世界に平和が訪れた。 ……わけもなく。 ああ、これから僕は香草さんの手によりハンバーグの材料にされる運命なのね、とおずおずと彼女の攻撃を待っていたが。 顔を覆うようにした左右の腕を上下にずらし、香草さんを見ると、彼女は確かに顔を真っ赤にしていたが、それは怒りによるものというより…… 「ゴールドの……ゴールドのばかぁぁぁぁぁぁぁ!」 香草さんはそう絶叫し、胸パッドをリニアモーターカーに匹敵するんじゃないかという速度で僕めがけて投げつけると、そのまま走り去った。 パッドは見事に壁にぶつかると、壁ごと爆散し、それが起こした兆弾が僕に降り注いで僕を悶絶させる。 さすがに息もできず、僕にできることと言えばうずくまって口をパクパクさせながら走り去る彼女に向かって手を伸ばすことだけだった。 「……だいじょうぶ?」 そう言って屈みこんで僕を伺うやどりさんのドレスの中が見える。 ああドレスに負けず劣らず、何と過激で扇情的な下着なんだろう。 数分後、ようやくまともに呼吸できるようになったので、香草さんを追う。 やどりさんはとりあえずその格好だと目立つから、と部屋に返した。 闇雲に走っても見つかるわけない、と思うかもしれないが、この間の行方不明事件以来、僕は彼女に発信機を持たせている。 だからそれを確認すれば彼女の位置は一目瞭然なのだ。 ……どこか犯罪の臭いがするような気がしなくもないけど、本人同意の下なんだから問題ないはずだ。 とにかく、それで香草さんの位置を確認すると、香草さんは案外近くにいた。 人気のない路地裏。彼女はそこにうずくまって泣いていた。 「香草さん!」 僕は泣きじゃくる香草さんに呼びかける。 彼女は涙とその他でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、僕を見る。 「ごめんね、そうだよね。ゴールドも私みたいみたいなのよりおっぱい大きい子のほうが好きだよね」 彼女は涙ながらにそう語る。 658 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/11(日) 00 00 27 ID 7f.9q1S6 [1/3] いやおっぱいとかそういうレベルではなく、やどりさんとの差はもっと総合的な話なんだけど、もちろんそれは口にしない。 ごめんねごめんねと謝る香草さんを抱き寄せると、僕は彼女の手にそっと神器という名の胸パッドを握らせる。 「ゴールド……」 「大丈夫だよチコさん。胸パッドはすべてを許してくれるよ」 そう、胸パッドは世界平和の象徴なのだから。 再び香草さんのばかぁぁぁぁぁぁ! という叫び声と、バシーンという盛大な僕の頬が張られる音が辺りに響いたのは言うまでもない。 「おかえり」 帰ってくるとやどりさんはいつものきぐるみに戻っていた。よかった。 「ただいま。変装の話の続きだけどさ、確かに服装変えただけでもかなり変わるけど、やっぱり何か顔を隠すものがあったほうがいいと思うんだ」 「大丈夫。それも用意してある」 彼女はそういって、スッと何か取り出し、目の部分に当てた。 「……蝶?」 「そう、蝶をモチーフにしている」 彼女が取り出したそれは、蝶を象った、顔の半分が隠れるような大きく派手なアイマスクだった。 先ほどのドレスとこれをあわせると、どこの仮面舞踏会だと思わなくもない。 変装としては由緒正しいんだろうけど、正直、場所にあっていないような。 どう考えても、あからさまに怪しい。 いや、これくらいインパクトがあったほうが、普段とのギャップがあってちょうどいいのか? それに、これだけ目立ってくれればやどりさんが印象的過ぎて一緒にいる僕たちの印層も都合よく薄れそうだ。 というわけで黙認する。 二人の現在の能力の確認と作戦の考案で数日を過ごし、いざ集会。 場所はビルの地下倉庫だった。 事前に送られてきたサインを入り口の警備員に提示すると、簡単に入ることができた。 少し危機管理が甘い気もする。 特に今のやどりさんはどう見ても不審者だ。 やどりさんは例のアイマスクと赤いドレス。 僕は金髪のカツラをつけ、髪で顔を隠し気味にし、頬にはそばかすが書かれていて、さらにシークレットブーツで身長までごまかしてある。 香草さんは長い赤の鬘に派手な化粧、胸は無数のパッドの力によりやどりさん以上に膨らんでいる。 どう考えても一緒にいるのがおかしい取り合わせだ。 その辺のバランスも考えるべきだったかもしれない。もちろん、二人羽織は却下だけどさ。 しかし変装だというのに、やどりさんはむしろ普段より衆目を惹いていたような気がする。いや、多分気のせいじゃないけど気のせいだと思いたい。 都会だからきっとみんな気にしないはずさ。 シークレットブーツの歩きにくさに苦戦しつつ、積まれた荷物の間を抜けて進むと、少し開けたスペースにでた。 三十人くらいだろうか、怪しげな人たちがそこに集まっていた。 きっとみんな大なり小なり変装しているんだろうけど、この怪しさはそういうところから出るものではない気がする。 それと、蝶マスクが男女合わせて十人近くいた。 多すぎだろ! 流行ってるのか? それともこれが正装なのか? そんなわけがないと頭を振っていると、香草さんが不安げに耳打ちしてくる。 「ねえゴールド、本当にここって安全なのかしら。なんだか怪しげな人ばかりじゃない」 隣にも一人いるんだけどな、怪しい人。 それに、もしかしたら怪しいのは僕たちのほうかもしれない。 こんな普通にそこらにいそうな人間ではなく、もっとぶっ飛んだ方向に変装すべきだったのかもしれない。 不安を覚えながら待っていると、予定の時間を十分ほど回ったところでシルバーは表れた。 傍らにランの姿はなく、変わりに五十代くらいの黒髪で浅黒い細身の男がいた。 見た目は一見普通だけど、なんとなく、物々しい雰囲気がある。 会場の人間はあれからそこそこ増えて五十人を超すほどになっている。 実働部隊は十五人程度という話だったから、彼らがにわかに集まった増援でないのなら、ここにいる多くは諜報系やバックアップの人間ということになる。 ロケット団に私怨があるけど戦力にならないのか、それとも、単に危険に自らをおきたくないのか。 シルバーは大勢の人間を前にあわてる様子もなくゆっくりと歩を進め、皆の前に立つ。 悠然と全体を眺めると、彼は落ち着いた調子で話し始める。 「諸君。今までの協力、感謝する。私が、反ロケット団のリーダーであり、今作戦の隊長を勤めさせていた頂く、シルバーだ」 659 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/11(日) 00 00 54 ID 7f.9q1S6 [2/3] 数人の間に、どよめきが広がる。 こんな子供が? という声がちらほらと聞こえてくる。 あまり多くはないけど、シルバーがリーダーだってことを知らない人間もいたらしい。 シルバーは決して幼い印象はないけど、それでもせいぜい二十代前半くらいにしかみえない。 そんな若い人間が自分達の命運を握ることになるんだ、不安を覚えるのも当然だろう。 そんな不安を切り裂くように、彼は言葉を発する。 「見てのとおり、私の若さに不安を覚える者もいると思う」 場内が軽くざわつく。ばつが悪そうに視線を反らす者もいる。 彼は少し間を開け、淡々と話し出す。 「私は昔、ロケット団のせいで人生を台無しにされた。私はそれから、ずっとロケット団を憎んで生きてきた。ロケット団を潰すことために尽力してきた。私の功績は、ここにいる諸君ならばよく分かっていることと思う。ロケット団に大きな怨みを持つ諸君よ。私は、十年前からずっとロケット団を憎み続けてきた私は、果たして諸君らにとって信じるに足らない存在か?」 場内がシンと静まり返った。 ロケット団を潰そうと、怨みを晴らそうと集まったここの人間の中でも、十年以上、ずっと憎しみの中ですごしてきた人間というのはそう多くはないだろう。 ロケット団から大切な何かを奪われたであろう人たちであるだけに、この話は彼らにとって見過ごすことのできない力を持っているだろう。 ただ、僕としては少し腑に落ちない点もある。十年前といえば、僕ら三人がまだ普通に生活していたころだ。 シルバーが家を失うことになった遠因はロケット団であることは確かだけど、それならまず警察を憎むほうが筋が通っている。 あの後、シルバーが逃亡生活を始めてから何かあったのか、それとも…… シルバーは静まり返った会場を見て、一転、今度は強い、人々を鼓舞するような口調で話す。 「年齢、種族、性別……多くを異にする我々がこの一所に集まっているその理由、ロケット団を潰すというその志こそが、我らの共通点であり、絶対の正義であるはずだ。一時、壊滅状態に陥ったロケット団はその実、財界各所にその根を蔓延らせ、雌伏して時を窺っていたに過ぎなかった。ロケット団は復活し、その悪意の結晶として、まもなく、ロケット団復活後最大規模である作戦が決行される。多くの人員が投入され、幹部も動かざるを得ない。これは我々、ロケット団に怨みを持つものにとって唯一無二の好機である! 今度こそ、この手でロケット団を徹底的に叩き潰し、この世からロケット団という組織を根絶するのだ!」 シルバーがそう言い放つと、場内は熱気と歓声に包まれた。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4687.html
ドラえもん のび太と緑の巨人伝 DS 【どらえもん のびたとみどりのきょじんでん でぃーえす】 ジャンル ひみつ道具アクション 対応機種 ニンテンドーDS メディア 512MbitDSカード 発売元 セガ 開発元 インティ・クリエイツ 発売日 2008年3月6日 価格 5,040円(税込) プレイ人数 1~4人 セーブデータ 4箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント DSドラえもんゲーム唯一の横スクロールアクションひみつ道具の多彩さが魅力丁寧な作りながらも大味な面も… ドラえもんシリーズ ドラえもん のび太と緑の巨人伝 DS 概要 主なルール 主なモード 基本ルール ひみつ道具 どうぐレンジ 心の友 ミニゲーム 評価点 問題点 総評 余談 概要 説明不要の国民的アニメ『ドラえもん』のゲーム化の一角。"ニンテンドーDSでリリースされたドラえもんゲーム"としては通算3作目にあたる存在。同年上映されたアニメ映画『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』を題材にしており、概ね映画版と同じストーリー描写がゲーム内で再現されている。 前作・前々作のDSドラえもんゲームのジャンルはカードバトルRPGだったが、本作は横スクロールアクションゲーム(+ ミニゲーム集)となっている。 開発は近年の『ロックマンシリーズ』やキャラ ゲーのアクションゲームに関わる事が多いインティ・クリエイツが担当。 任意セーブ方式。メイン操作は十字ボタンとボタンで行うが、ミニゲームなどではタッチ・マイク操作を要する。一部ボイスあり。 主なルール 主なモード メインゲーム 一人プレイ専用の本作のメインゲーム。モード決定後に以下の項目が選べる。 「はじめから」「つづきから」:前者は新しくゲームを始める。後者は以前セーブした箇所からゲームを再開する。ゲーム内でセーブをしてしまうと、前者の選択はできなくなる。 「だいずかん」:ゲーム中に登場した様々な"ひみつ道具"の情報を鑑賞できる。内容は原作における情報であり、ゲーム中の効果情報ではない。 「パスワード」:パスワード入力に成功すると何かのアイテムが入手できる。パスワードは『ドラえもんWii ひみつ道具王決定戦!』のゲーム内で表示されたり、発売当時の「コロコロコミック」の紹介コーナーなどで掲載され、その後は公式サイト(現在閉鎖)にて全てのパスワードが公開されていた。 「チャレンジ」:ゲーム内でプレイした事のあるミニゲームを自由に選んでプレイできる。 「クリアデータではじめる」:一度ゲームをオールクリアすると出現する項目。前周で入手した"ひみつ道具"などを引き継いだ状態で、ゲーム最初からのプレイができる。 対戦プレイ ミニゲームの1つ「けんじゅうおうコンテスト」が対戦形式でプレイできる。二~四人プレイ対応。 ダウンロードプレイ専用で、ソフトは1つのみでOK。なお、他のミニゲームの対戦プレイは行えない。 基本ルール ゲームの流れ。 本作のステージは、横スクロールの「アクションパート」とミニゲームの「ミニゲームパート」の2タイプがあり、どのステージも必ず通らなければならない道となる。 アクションパートでは「フィールドステージ」と「戦闘ステージ」を行き来する展開でゲームが進行する。 フィールドステージは、ゲーム前半は「のび太達の住む町」、後半は「緑の星」が舞台となる。ここでは敵があまり登場せず、自由に行動ができる。クリア条件が指定される場合もある。 戦闘ステージは「特定地点まで進む」「ボスを倒す」などのクリア条件を達成すればステージクリアとなる。クリア後は必ず何かしらのイベントが挟まれる。一度クリアした戦闘ステージは、フィールドステージを通して何度でも再挑戦が可能(例外あり)。再挑戦中は、途中で抜けてフィールドステージへと戻る事もできる。 フィールド・戦闘ステージ共に、画面内で倒した(消えた)雑魚敵や仕掛けは、画面を移動させると何度でもリセット(復活)する。 特定のアクションパートのステージをクリアするとミニゲームが始まる。 該当ミニゲームをクリアすると、その周回のメインゲームにおいては二度と発生しない。一度プレイしたミニゲームは、チャレンジ内にて単体で自由にプレイできる(上記)。 操作系統(アクションパート)。 本作は"ドラえもん"と"のび太"を切り替えながら操作する方式を採用している(例外あり)。 一度に操作できるのは"ドラえもん"・もしくは"のび太"のどちらに限られる。待機(非操作)状態のキャラは、原則として自動で操作キャラの後ろへと付いていく。 後述「キャラクターチェンジ」で操作キャラ・待機キャラの切り替えが可能。各キャラには独自の性能差があり、お互いを使い分けていく事こそが攻略の鍵となる。 ゲームの関係上、待機キャラが落とし穴に転落するなどで画面内から消える事があるが、これにはミスなどのペナルティはない。消えた待機キャラは後述操作でいつでも呼び戻せる。 ドラえもんとのび太の操作は以下の通り(各キャラ共通)。 十字ボタン左右で左右移動。キー下でしゃがみ動作。キー上下で"つた"のしがみつき・及び昇り降り動作。 Bボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さによってジャンプ力が変わり、ジャンプ中の移動制御が可能。 特定地形にいる場合、十字ボタン下とBボタン同時押しで下位置へと落下できる。 Yボタンで装備系ひみつ道具(下記)を使用する。 Xボタンでキャラクターチェンジを行う。詳しくは前述を参照されたし。 LかRボタン押し・もしくは"ひみつきち"にいる待機キャラをタッチすると、待機キャラを呼び戻せる。 付近に会話キャラがいる場合、近づいてAボタンで話しかける事ができる。 操作系統(下画面)。 アクションパート中における下画面には「ひみつきち」という部屋があり、下画面のタッチ・もしくはSTARTボタン押しで以下の行動を起こせる。 「ポケット」「どうぐ」:装備系・自動系・使用系の各種ひみつ道具の装備などが行える。 主なルール ひみつ道具 「でる」:一度クリアした戦闘ステージ中限定で選択可能。戦闘ステージ途中からフィールドステージへと戻してくれる。 「もくてき」:今いるステージのクリア条件や、簡易なヒント情報が聞ける。 「どうぐレンジ」:素材やレシピを使い、ひみつ道具などの作成を行う。 主なルール どうぐレンジ 「ひみつきち」:どうぐレンジで作成したドレスアップアイテムを、"ひみつきち"内に飾り付ける。 「待機キャラ」:"ひみつきち"にいる待機キャラをタッチすると、ゲーム内に呼び戻せる(上記)。 「心の友」:"ひみつきち"にいるジャイアン・スネ夫・しずかちゃんのいずれかをタッチすると、各キャラ専属のサポート技を発動できる。 主なルール 心の友 なお、"ひみつきち"の行動中はポーズ機能も兼ねている。 アイテム・お助けキャラについて。 ステージ中における敵の撃破・及びどこかに放置された形で以下のアイテムが出現する。 「ハート」:小と大の2種類があり、前者はライフ値1つの半分・後者はライフ値1つが回復する効果。 「鈴」:コスト値のストックが1つ回復する効果。 「ドラ焼き」:1UPの効果。最大で9までの残機ストックが可能。 「素材アイテム」:何かしらの素材アイテムが1つストックされる。複数種類あり。 「レシピアイテム」:何かしらのレシピアイテムがストックされる。複数種類あり。 ステージ中には以下の「お助けキャラ」が出現し、話しかける事で様々な恩恵を受けられる。 「ミニドラ(赤)」:操作などのチュートリアル解説をしてくれる。ミニドラによっては、攻略に適切な装備系ひみつ道具を勧めてくる事もある。 「ミニドラ(緑)」:一度クリアした戦闘ステージ限定で登場。戦闘ステージ途中からフィールドステージへと戻してくれる。 「神様ロボット」:「最大ライフ値1増加」「最大コスト値1増加」「一定時間無敵」「心の友ゲージ全回復」の各効果。前2つに関しては、ロボット一体につき1回のみしか受けられない。 ミス条件について。 アクションパートにおいては、ライフ 残機制を採用している。残機がすべて尽きるとゲームオーバー。 初期ライフ値は4つで、神様ロボットの恩恵を受けると1つづ増していく。ダメージによるライフ値減少量は、敵の種類などによって変わる。 ダメージ条件は「操作キャラが大方の敵や敵攻撃に触れる」「トラップに触れる」のいずれとなる。 「操作キャラが落とし穴に転落する」「壁同士に挟まれる」「自動系ひみつ道具のエラチュ-ブなしで水中へと潜る」と即ミス。 ミス後は該当ステージ内の戻り復活方式。ステージ途中に配置されている「中間ポイント」に操作キャラが触れると、ミス後の復活はそこからの再開となる。 ゲームオーバー後のコンティニューは無制限に可能。該当ステージの最初に戻される事を除けば、コンティニューによるペナルティはない。 ミニゲームパートにおいては、クリア条件を達成しなければ即ゲームオーバーとなる。 こちらもゲームオーバー後のコンティニューは無制限。ミニゲーム最初からのやり直しになる以外でのペナルティはない。 オールクリア後の特典について。 一度メインゲームをオールクリアすると、ゲーム終盤・もしくはゲーム最初からの周回プレイが行える。 項目の"つづきから"を選ぶとゲーム終盤から、"クリアデータではじめる"を選ぶとゲーム最初からのプレイとなる。双方共に、前に入手した"ひみつ道具"などの引継ぎがされた形となる。 オールクリア特典として「くろうみそ」という特殊な"ひみつ道具"が入手できる。 "クリアデータではじめる"時では「"くろうみそ"を使用するか否か」という選択があり、それを使用すると「ハードモード」としてゲームを始める事ができる。 ハードモードでは「操作キャラの最大ライフ値制限」「敵のスピード上昇」「自動系ひみつ道具の"ひい木"を装備しないと、敵がアイテムを落とさなくなる」などの過酷な条件が加わる。 一度ハードモードにすると、プレイデータ内における"くろうみそ"使用の取り消しは行えない。プレイヤーの腕前によっては詰みに近い状況に追い込まれる可能性も考えられる。 ひみつ道具 ひみつ道具について。 本作では多種多様な「ひみつ道具」が存在し、"ひみつきち"内からそれらを自由に装備・及び使用ができる。道具のタイプは下記の3つ。 ゲーム初期時では限られた道具しか持っていないが、「イベント入手」「どうぐレンジ作成」などの方法で道具の数が増えていく。 装備系ひみつ道具(持つ) ドラえもんとのび太に1つづつ装備させ、行動手段として使用できる道具。ドラえもんとのび太では装備できる道具が異なる。 各キャラが装備できる道具は、そのキャラ専用の装備となる。すなわち、ドラえもん専用の道具をのび太が装備する事はできない(その逆もしかり)。 ドラえもんの道具は特殊移動性特化・のび太の道具は攻撃性特化に優れるものが多い。ほとんどの道具は先へ進む為に必要不可欠。道具の総数は12種類(ドラえもん6種類・のび太6種類) + 装備系ひみつ道具一覧 「水中」は水中時での使用が可能か否かを示す。 ひみつ道具 紹介 水中 装備系ひみつ道具(ドラえもん専用) くうきブロックせいぞうき ドラえもん手前上に空気の足場を作れる。最大で同時5回の足場作成が可能。足場を"のび太"の"くうきほう"で当てると前方に飛ばせる。 不可 SLえんとつ Yボタン連打でドラえもんを猛スピードで突進させ、その途中にいる敵を体当たりで倒せる。移動中はブレーキとジャンプ以外の移動制御が効かず、状況によっては危険も伴ってしまう。 不可 タケコプター 使用中はドラえもんを八方向飛行させ、空中を自由に飛び回る事ができる。しかし、飛行時間が10秒程度と極めて短く、使用中は完全無防備というリスクもある。 不可 バショーせん 近距離用の武器。大方の当てた敵を前方に吹き飛ばせる。溜め攻撃が可能で、通常では効かない重い敵をも吹き飛ばす。 不可 ペンシルミサイル 単発の高威力ミサイルを上方向へと発射する。ミサイルは十字ボタンで操作できる。発射中は身動きがとれず、敵が多くいる場所で使用するのは自殺行為以外の何者でもない。 可 ひらりマント ドラえもんが地上にいる場合、Yボタン押しっぱなしでマントをかざし、大方の敵攻撃を跳ね返せる。空中でも使用可能。地上使用時はドラえもんが動けなくなる制限あり。 不可 装備系ひみつ道具(のび太専用) ウマタケ Yボタンで"のび太"がウマタケに乗り、乗馬中に再度Yボタンで降りられる。乗馬中は跳ね上がる感じで動き、敵を踏みつけて攻撃できる。 不可 くうきほう 連射が効きにくい上に射程制限があるものの、クセが少なく使いやすい飛び道具系武器。ドラえもんの"くうきブロックせいぞうき"を前方に飛ばせる。 不可 アタールガン 威力は低いが、3連射可能で若干のホーミング機能を搭載した飛び道具系武器。水中戦では使用できない"くうきほう"の代役として活躍する。 可 ドリームガン 一切の攻撃力は持たないが、当てた敵を眠らせる飛び道具系武器。眠った敵は足場として利用できる。 可 デンデンハウス 使用中はのび太がデンデンハウス内に篭り、完全無敵状態となる。しかし、使用中はジャンプ以外の行動ができない為、完璧なる無敵保持をできる訳ではない。 可 ショックガン 最強の攻撃力・連射可能で端まで届く射程・水中でも使用できる飛び道具系武器。欠点らしい欠点がなく、入手すれば劇的に敵を倒しやすくなる。 可 自動系ひみつ道具(付ける) 装備させると自動的に効力が発揮される道具。ドラえもんとのび太による性能差はない。 ゲーム初期時では1つの道具しか装備できないが、ゲームを進めると最大で3つの道具が装備可能。一部道具は装備しないと先に進めない場面あり。道具の総数は16種類。 + 自動系ひみつ道具一覧 ひみつ道具 解説 エラチューブ 水中時における必須道具。これを装備しないと、水中に入った途端3カウント後にダメージとなってしまう。 しあわせカイロ 最大ライフ値が1つ上乗せされる。 グレードアップえき 最大ライフ値が2つ上乗せされる。 じしんヘルメット 最大ライフ値が3つ上乗せされる。 ハッスルネジまき 地上時における移動スピードが速くなる。 かいそくシューズ 通常での水中時は移動速度が低下するが、これを装備すると地上時と同じスピードで移動できる。 トランポリンゲン ジャンプ力が少し高くなる。 スーパーシューズ 装備系道具のウマタケに関係なく、敵を踏みつけ攻撃ができる。 パワーてぶくろ 体当たり・踏みつけ系の攻撃力が上がる。 ほあんカンバッジ 飛び道具系の性能が上がる。 がんじょう ダメージによるライフ値消費が半減する。 みみバン 音波系の敵攻撃が効かなくなる。心の友"きょうおんぱはっしんき"のダメージも無効化できる。 いたみはねかえりミラー ダメージを受けると、相手の敵にも同時にダメージをあたえられる。 オーバーオーバー ライフアイテムなどのライフ値回復が倍になるが、ダメージも同様に倍となってしまう。 エスパーぼうし 通常では見えない通路を透視できる。 ひい木 倒した敵がアイテムを落としやすくなる。ハードモード時では"これ"を装備しないと、敵がアイテムを落としてくれない。 補助系ひみつ道具(助ける) 任意で使用でき、何かしらの効果が得られる道具。後述の理由により使用回数の制限が付く。 道具を使用すると「コスト」というストックが特定数消費される。コスト値が足りないと該当道具の使用ができない場合がある。消費したコストは鈴アイテムを取得する事で回復する。また、神様ロボットに話しかけると最大コスト値が増やせる(初期コスト値は4つ)。 一部の道具は「コスト値は減らないものの、使用してしまうと存在そのものが消滅する」ものもある。消滅した道具は、どうぐレンジで作成しなければならない。 装備・自動系道具とは違い、使用しないと絶対に先に進めない場面はなく、使うも使わないもプレイヤーの自由である。道具の総数は10種類。 + 補助系ひみつ道具一覧 ひみつ道具 紹介 コスト コンクフード ライフ値を3つ回復する。 消滅 グルメテーブルかけ ライフ値を5つ回復する。 消滅 はたけのレストラン ライフ値を7つ回復する。 消滅 まんびょうやく ライフ値全回復に加え、敵攻撃の一種である痺れを直す。 消滅 ヘソリンスタンド 一定時間、ライフ値が徐々に回復され続ける 消滅 ミチビキエンゼル 一定時間、放置アイテムの場所を教えてくれる。指示を無視するとキレかかる(ペナルティなし)。 1 おもちゃのへいたい 一定時間、そばにいる敵を片っ端から射撃攻撃してくれる。 4 ムードもりあげがくだん 一定時間、ダメージによるライフ値消費が半減し、攻撃力全般が増す。 4 ころばしや 周囲にいる敵を3回気絶させる。 3 ミニドラえもん 攻撃援護やライフ値回復をしてくれるが、たまに失敗もする。 2 どうぐレンジ どうぐレンジについて。 ステージ内などで入手した「レシピ」と「レシピに記載された素材」を持っていると、素材を合成して"ひみつ道具・及びドレスアップアイテム"を作成する事ができる。 作成できる"ひみつ道具"などは必ず1回のみの作成となる。同じものを2回以上作成する事はできない。 レシピは全76種類あり、どのレシピも1つしか持てない。素材は全54種類あり、各素材は最大で9つのストックが可能。 心の友 心の友について。 ゲームをある程度進めると、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんによる「心の友」が使用可能となる。 心の友とは「各キャラが専属のサポート技を行ってくれる」というもの。心の友抜きでは先に進めない(レアアイテムなどが取得できない)場面が多い。 心の友を使用すると、各キャラに用意された「心の友ゲージ」が消費され、ゲージが足りないと該当キャラの心の友が使用できなくなる。消費したゲージは時間経過で回復する。 心の友は「キャラ3人 × サポート技3種類」の全9種類。心の友ゲージはサポート技1種類毎に設定されており、ゲージが減るのは使用中のサポート技のみである(*1)。 + 心の友一覧 サポート技 紹介 心の友(ジャイアン専用) エースキャップ 一定時間、自動でボール投げ攻撃で援護してくれる。 モグラてぶくろ 近くにある特定の壁を掘ってくれる。 きょうおんぱはっしんき 画面内にいる敵すべてに大ダメージをあたえるが、耳バンがないと操作キャラ自身にもダメージが及ぶ。 心の友(スネ夫専用) なおしバンとこわしバン 一定時間、壊れた機械の修復・及び×印の機械の破壊を行ってくれる。 むてきほうだい 一定時間、自動射撃攻撃で援護してくれる。 ホームズセット 隠されたアイテムを発見してくれる。杖に近づいてAボタンでアイテム取得。画面が暗転するまで効果が続く。 心の友(しずかちゃん専用) チアガールてぶくろ 一定時間、ライフ値が徐々に回復され続ける タスケテぼう 一定時間、身近にいる敵を倒してアイテム化し、操作キャラが落とし穴に転落するとミスを無効にしてくれる。 おいしゃさんカバン ライフ値を完全回復してくれるが、画面内にいる敵全員も全回復してしまう(一部回復しない敵や、逆に倒せる敵もいる)。 ミニゲーム ミニゲームについて。 メインゲームでは7種類のミニゲーム、対戦プレイではその内の「けんじゅうおうコンテスト」がプレイできる。 ミニゲームでの操作は「アクションパート同様、十字ボタンとボタン使用」「十字ボタンとマイク使用」「タッチのみ使用」といったものがある。 + ミニゲーム一覧 けんじゅうおうコンテスト ビッグライトでおいかけろ! すごいぞ! キー坊 がんばれ! キー坊 ふくらみすぎごようじん ユラユラおちばのヒットマン とべ! スカイリーフ 評価点 徹底的な原作再現。 アニメ映画版のダイジェストは大方踏襲されており、映画同様のストーリー展開が楽しめる。 ゲームの関係上、多少の尺が縮められている節があるものの、ゲームの邪魔にならない程度のイベントが定期的に導入される。 DSのゲームとしてはボイスの量は多めな部類。オープニングデモ・エンディングのイベントは完全フルボイスと大盤振る舞い。 映画版自体にも当てはまる事だが、ドラミや出木杉などのキャラの出番がかなり少ない。原作再現といわれるとそれまでだが、少々残念なところではある。 「のび太に惚れる」ゲーム。 本作はアクションパートやそれ以外の場面でも"のび太"の使用率が高い。ドラえもんゲームとしては割と珍しいキャラ配置ではないだろうか。 飛び道具の装備系ひみつ道具を駆使して敵をなぎ倒す様は、まるでロックマンみたいでかっこいい。ここまでイカした"のび太"を拝めるドラえもんゲームは貴重かもしれない。ただし、これが後述の問題点に繋がってしまうが…。 ひみつ道具の多彩さ。 おそらく、本作における"ひみつ道具"の収録網は、アクションゲームとしてのドラえもんゲームの中でも頂点クラスだと思われる。特に「アタールガン」のようにてんとう虫コミックス未収録作品の道具(*2)をメインに起用した例もある。 上記ルールで述べた"ひみつ道具"(心の友も含む)はすべてゲーム中に使用できるものばかり。「この道具はどういう効果なのか?」と使いこなす楽しみが多く詰まっている。 一時的な演出専用ではあるが「どこでもドア」や「ビッグライト」などの定番道具も収録。ストーリーの関係上、「タイムマシン」が収録されていないのはちょっと残念だが…。 "ひみつきち"におけるドレスアップアイテムにも様々なものが用意されている。 「ちきゅうはかいばくだん」「にんげんせいぞうき」といったトラウマ道具から、「キレイなジャイアン」「ロボ子」といった人型の道具(?)まで、多種多様なものが存在する。 キャラの動きが細かい。 アクションパートのグラフィックはすべてドット描きで表現されているが、これが非常に美麗で一見の価値あり。 「まるでアニメキャラをそのままゲームとして操作している」といっても過言ではない程で、ドラえもんやのび太を筆頭とした主要キャラのアニメーションパターンも非常に豊富。 インティ・クリエイツ開発のアクションゲームは全般的に上質グラフィックだが、その中でも本作のグラフィックの美麗さは上位に位置するだろう。 丁寧に作られたアクションゲーム。 ひみつ道具が多くて美麗なだけでなく、アクションゲームとしての出来も侮れない。 キャラを動かす操作性は超軽快であり、アクション慣れしているプレイヤーならば即効で入り込める。この辺もインティクオリティというべきだろうか。 やり込み要素の多さ。 ただ単にゲームを進めるだけでなく、「レシピや素材を集め、ひみつ道具やドレスアップアイテムをすべて集める」というやり込み要素も用意されている。 通常では1周プレイだけですべてのレシピを集めるのは不可能(説明書にも書かれている)。その為、やり込み目的でいうならば、本作は周回プレイ前提のゲームという事になる。 もちろん、レシピ・素材集めは直接クリアに影響しないので、「単にオールクリアしてエンディングを見たい」プレイヤーに対する配慮もなされている。 問題点 画面切り替えの煩わしさ。 確かにキャラを動かす操作性は超軽快だが、それ以外の操作に手間がかかりやすいという問題も抱えている。 本作は「状況に応じて様々な"ひみつ道具"を使い分けていく」方式を採用している。すなわち、事ある毎に"ひみつきち"画面へと切り替えなければならない。 道具切り替えまでの手順としては「下画面の"ポケット(どうぐ)"をタッチ ⇒ 使いたい道具を選択 ⇒ アクションパートに戻る」となる。ここで問題なのは「ドラえもんとのび太の装備系道具(2種類)・自動系道具・補助系道具・心の友」を頻繁に選び直さなければならない点にある。ゲームを進める上で補助系道具以外は必ず切り替える必要があり、それが進行テンポの阻害に結びついてしまっている感は否めない。 ゲームバランスは正直よくない。 子供向けを対象にしている関係上、全体的に難易度が抑えられている本作だが、それにしても易しすぎる節が強い。 特に指摘されすいのが心の友の1種である"チアガールてぶくろ"の性能が過度に強いという点。これを多用するだけで、強行突破が可能な程。チアガールてぶくろ使用中は、簡単にライフ値を全快できてしまう。しかも、心の友ゲージは全キャラ共に非常に早い為、少し間を置いただけで無限に使用できる。 他にも"のび太"の装備系ひみつ道具であるショックガンの性能も過度に高い。とあるボス敵は3発位で倒せる程の性能(*3) もっとも、チアガールてぶくろ・ショックガン共に嫌なら使わなければいい話ではある。使わないとクリアできない難易度にはなっておらず、ショックガンに至っては"そもそも"どうぐレンジで作成しないと入手できない。 体感的な難易度はむしろ高い部類。 一度倒した雑魚敵が画面外が消えると何度でも復活する為、「前の画面に戻ると、さっき倒した敵に触れてダメージ」という環境に追い込まれやすい。 しかも、本作は操作キャラが大きめに描かれている上に、一画面に登場する敵の割合も多めなので、異様にダメージを食らいやすい傾向にある。 実際、大方単発のボス戦よりも、多勢に無勢な道中戦の方が過酷な場面に遭遇しやすく、この辺もゲームバランス的に首を傾げたくなる。 "これでもか"という位に"ひみつ道具"やアイテムが大量入手できる故に、ゴリ押しによるクリアは容易いが、縛り(もしくはハードモード)のプレイは確実に鬼畜難易度となるだろう。 ドラえもんの扱いがやや悪い。 原作者が明言している通り『ドラえもん』の主人公はドラえもんである(*4)が、ゲーム全体ではのび太を操作することが多い為、どうしてもドラえもんの出番が少なめに…。 のび太とドラえもんの違いは装備できるひみつ道具と「ネズミ系の敵に対する反応」しかない上、ひみつ道具もドラえもんは移動系に優れている代わりに攻撃に乏しいものとなっていて、ドラえもんを中心に操作して進めようとすると難易度が途端に上昇する。 ネズミ系の敵のいる場所では逃げ出してしまい(ドラえもん操作時は強制的に走り出す上にボタン操作が左右逆になる、のび太操作時は勝手に"ひみつきち"に戻ってしまう)、実質のび太しか動かせないステージもある。 しかも初回プレイではドラえもんに装備できる道具は水中では使用できない。 「SLえんとつ」は「星のカービィシリーズ」のホイールなどと同じく「高速走行で前にある敵を蹴散らす」のだが、ボタンを連打しないと走り続ける事ができない。指とゲーム機の負担が無駄に大きく、停止は壁にぶつかるかしばらく放置するか装備している道具を切り替えるしかないし止まらないと向きを変えられない。 「ボタン一つで走行と停止を切り替える」でも事足りるはずだが。 映画での使用率が高い「ひらりマント」も終盤まで登場しない。 ドラえもんで敵を倒したりストーリーを進めたいと思う人も当然存在するが、ゲームの仕様上ドラえもんの主人公らしい勇姿を拝める機会が少ないのが残念な所。 もちろん、「ドラえもんの方が進めやすい」「のび太はそもそも操作すらできない」ステージもある。ドラえもんだけを操作してボスと戦うステージも存在するが、それでも全体的にのび太を操作することが多いため、人によっては寂しさや物足りなさを感じてしまう。 全体的に見るとステージは多くない。 やり込み要素は多いものの、総合ステージ数は控えめである。 1周あたりのステージ数は30。一見では多そうに思えるかもしれないが、これは「ミニゲームパート」「数分で終わるお使い」「ボス戦だけ」のステージも含めた総数である。 ステージ自体のバリエーションは多彩ではあるものの、敵の種類が少なめで、各ステージの構造も長くない。この辺もインティ開発のアクションゲームにありがちな問題である。 ミニゲームが単調気味である。 7種類あるミニゲームはそのどれもが軽いものばかりで、続けてプレイすると確実に飽きてくる。 難易度選択などのバリエーションがない為、ある程度プレイすれば「もういいや…」という気分になる。周回プレイ時におけるミニゲームパートのスキップもできない。 時間無制限タイプのものはスコアが伸びるほど難しくなるが、それでも慣れてくればゲームオーバーになるタイミングを委ねられているようなものである。メインモードと同じく「特定の点を取るとクリア」にして、クリアまでにかかる時間を記録するシステムにするだけで十分な改善になっていたであろう。 対戦プレイが"けんじゅうおうコンテスト"にしか対応していないのも謎。(*5)これを入れる位なら、メインモードをより作り込むべきだと思うのだが…。 一部イベントが飛ばせない。 周回プレイ時はイベントスキップが一部可能となるが、何故か飛ばせないイベントがある。 特にエンディング全般は一切スキップ不可能。フルボイスな上にイベント自体も長い為、終わらせるには結構な時間を消費してしまう。 しかも「見たい時に見る」モードもない。去年と一昨年のソフトの問題点を見事に受け継いでいる。 総評 ドラえもんゲームとしての愛情と、アクションとして作り込まれたゲームシステムの評価は非常に高い作品。 その反面、初心者向けを意識しすぎた故につまらなくなってしまう面も目立ち、何とも勿体無い感がある。 余談 3作続いてきたドラ映画ゲーはここで一旦途切れ、『新宇宙開拓史』『人魚大海戦』『新鉄人兵団』を挟んで3DSでの展開に移行することとなった。