約 4,411,980 件
https://w.atwiki.jp/hanatoma95/pages/32.html
不死鳥のタマゴ [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 大好きな紫堂恭子さんの本ですが、三巻目で最終回。今回は割と早く終わったんですね。他のお話に比べると、主題がちょっと弱いかなと思いました。期待が大きすぎたのかも…。 戦地で大けがを負ったクリストファーは、敵地なのに手当をしてくれた恩人を捜すべくエルダーという土地で職を見つけます。そこで恩人探しをする筈が変な鳥みたいな喋る生き物「ちゅん」を拾ってしまい、その子に振り回されるお話です。題名の意味は三巻目で解明されます。 このちゅんのキャラクターがあまり今までにない感じだったのですよね。不条理な性格で実はそんなに好きにはなれませんでした。クリスの人の良さにいらいらしたり。笑いとシリアスの割合が、いつもより笑いに傾いていたように思います。他のキャラは好きです。 多分三巻の不死鳥の独り言「人間も大いなるものからちぎれたものだと、いつ気付くのだろう(うろ覚え)」ってとこが主題だったと思うんですけれど、ちょっととばしすぎかなと感じました。そこに行くまでにはもう少し足場を固めないと。 (2006/12/09) グラン・ローヴァ物語 [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 紫堂恭子さんは大好きな漫画家さんの一人です。その中でもこのお話が一番好きかも。とても難しいことを穏やかな口調と分かり易い言葉で教えてくれる、考えさせられる作品です。ファンタジーというフィルタを通しているから気づき辛いけど、主題はとても深いと思います。 この人の作品はファンタジー要素が入ったお話が多いようですが、これもその内の一つ。古代からの妖魔や精霊と人間が共存している世界でのお話です。 ちんけな詐欺師のサイアムは旅の途中でグラン・ローヴァと呼ばれる老人に出会います。実はこの人世界の賢人達の中でも一番偉いのですが、放浪癖のあるただのおじいちゃんに見えます。良く言えば「何にも縛られない」、悪く言えば「何も考えていない」。この人の傍にいれば何か変わるかもしれない、とサイアムは一緒に旅を続けることにしました。途中で巨大な水蛇が化けた綺麗な少女イリューシア出会い、道行きを共にします。イリューシアの目的は大きな力を持つという銀晶球。世界が汚れて力が無くなってしまった彼女は、古代の生物が生きていけるという西の国へ行きたいのですが、今のままではその力すら残っていません。そこで動きやすい小さな体に化け(本体は湖の底で眠っている)、銀晶球を探していたのです。 要はサイアムの成長物語なのですが、私が考えてしまったのは「あまりにも大きな力を手にしてしまった時、人はどうするべきか」ということです。物語の世界ではその「大きな力」とは銀晶球を指しています。それ故にファンタジックなお話になっているのですが、私はそれが「ダイナマイト」や「核」として現世界でも通用する考え方だと思うのです。 男性にも女性にもお勧めです。絵も綺麗で読みやすいので、一度読んでみられてはいかがでしょうか。 ここから先はネタバレになります。 サイアムが銀晶球の力を取り込んでしまった時、賢人や精霊達はこぞってサイアムを隔離すべきだと言い立てます。パナケアはそうやって大きな力(言葉)を人間に与えた為、罰を受け永遠に幽閉される身となった友人を嘆き、同じく人間を信用していません。自分が触れる人間に銀晶球の力を分けてしまうことを知ったサイアムですら、「人がそんなよいことばかりに使うとは思えない」と閉じこもってしまいます。対してグラン・ローヴァとイリューシアは、そのままの状態を受け容れようとするのです。あるがままに。人間を信じて。 イリューシアは悲観的になるサイアムを見て泣きます。「自分が出会った人間は善い人ばかりだった。皆が銀晶球の力を得られるのなら、私は今よりもっと力を分けて貰いやすくなる。何故希望を持ってはいけないの?」と。私はこの件に関しては答えを出せませんでした。人間を心から信じる気にはなれない。きっと誰かが悪用するだろう。だけどそれを止めてしまうのは果たして良いことなのだろうか。良い方向に変わる要素だって少しはあるのに、それを出さないのは罪なのだろうかと。 ダイナマイトは最初岩を崩す為に作られたと聞いたことがあります。苛酷で労働条件の悪い鉱山での仕事に、それは大きな進歩を与えた筈なのです。人の命を救った筈なのです。ですがダイナマイトは戦争にも使われました。多くの人の命を奪いました(ノーベルはこれを非常に哀しみ、ノーベル平和賞を作ったとか)。ならノーベルはダイナマイトを開発すべきではなかったのか、誰にも作り方を教えなければよかったのか。そこで私は迷うのです。薬も過ぎると毒になるように、物事には全て二面性があります。それの悪い面ばかりを見続けなければならないのか。 物語の最後、サイアムは諸国を放浪するようになります。人間に力を分け与えることを選んだのです。そしてイリューシアはグラン・ローヴァと一緒に西の国へ旅立ちます。イリューシアは泣きながら「西の国へずっと行きたいと思っていた。でも本当はここにいたかった。産まれたところだもの」とサイアムに別れを告げます。人間達が生き辛くした世界を捨てざるを得なかったのに、決して人間を恨まず。だけど多くの人間はそうやって何も言わず退いていく種族がいることにも気付かないままなのです。このお話は、何も言わないからこそ気付かなければいけないのだと、主張したいのだと思います。 私はどれが一番良い道なのか決めかねました。でもサイアムが選んだ道を応援できる気がします。信じているのではなく、信じたいのです。 (2006/05/22) 久しぶりに読み返してみると、やはりこの漫画はまるでギターや津軽三味線のように、ビシバシと私の琴線を弾きまくります。取り立てて泣けるようなシーンじゃないのに、じんわり泣けてくるのです。なので、ちょっとだけ好きでしょうがないシーンと台詞を列挙します。ネタバレしまくりです。 ・旅の途中で金銀の細工師と知り合ったところ。水蛇の腕輪が水に逃げてしまって「綺麗だったのに」と惜しむサイアムに「…さあねえ でも 誰にほめられなくても 何ひとつ残らなくても 人間のやる”いいこと”なんて そんなもんじゃないかのう―」 ・その後イリューシアがグラン・ローヴァに「とても不思議なの こんなにいい人たちにばかり会えたことが- …これからどんなにイヤな人間に会っても 怖くて悲しい思いをしても サイアムがわたしを人間の女の子のようには好きになってくれなくても ぜったい 人間を嫌いにはならないわ」 ・サイアムが人間を信じられないシーンでのおじいちゃんとの会話。「ねえサイアム わしらよく魚や鳥を食べたけど 魚に恨まれたことあるかね? 魚は水の中で気持ちよく生きてたんだと思うけど わしらが食べるのを許してくれてるんじゃよ 相手がいい人でも悪い人でも関係なしにね この木は木の実をくれたり 枯れ枝は体をあたためてくれるし 魚はあんなにきれいな体を食べさせてくれる わしはいつでも忘れたことないよ たった今 こうして息をしていられるのも 世界中ぜんぶが 生きることを許してくれてるんだってね-」「俺も許してもらってるのかなあ…」「うん わしはたいして何も知らないけど それだけはずっと前から知ってたよ ほんとは誰でもわかってることなんじゃがね どうもみんなすぐ忘れてしまう」 ・そのあとのサイアム。「…いつか いつか俺の子や孫たちが このやさしい生き物たちを追い払ってしまう時が来るのだろうか 彼らは許してしまう そして果てしなく退いてしまう 傷つけられ 住む場所を追われても 人間が自分たちのために世界の力を使い果たしてしまっても 許してくれるからこそ傷つけてはいけないのだと こんな-こんな簡単な真実を ほんとうに人間は忘れずにいられるんだろうか?」 イリューシアが、ダシが、純粋で無垢で本当に切ない。嫌な思いをしても一途に怖れずに愛するところが。読む度に考えさせられるし、どうすべきなのかいつまで経っても結論が出ません。「地球に優しく」というフレーズがとても傲慢に聞こえます。私達は許されていて、だからこそ考えねばらないのでしょう。ファンタジーですがとても現実に沿っていると思います。人生で何回かは「出会えて良かったー」と思える本がありますが、この本もそうです。大切にしたいです。ああ、この想いを分かりやすい言葉にできないことは本当にもどかしい! (2007/08/30) 名前 コメント [カウンタ: - ]
https://w.atwiki.jp/otasukeman/pages/161.html
2006.6.12 阪本 当地のゴルフ場がバスの送迎をやるシステムは聞いたことありません。 お助けマンクラブのボランティア(竹内・西村両氏)が毎週「木曜ゴルフ会」を開催しています。 KL日本人会に朝集合すれば車の相乗りをアレンジしてくれます。 この辺から始めれば友達もすぐ出来て楽だと思います。 木曜ゴルフ会の詳細
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/248.html
体育館に足音が響いていた。 板張りの、広い空間だ。周囲に多少の生活音があろうとも、音が反響することに違和感はない。 なにより、そこは元より運動するための場所である。足音はもはや必然と言えよう。 しかしそれは誰が見てもおかしな状況であった。 足音は、広さに反して2つでしかない。 時刻は、もうすでに暗い時刻。 にも関わらず、照明はひとつも点いていない。 そして何より、破裂音や刃が空を斬る音が幾度も響いている。 通常の使用意図とは明らかに逸脱した、異質。 それを為したのは、当然、響く足音の主たちである。 「っ!」 少女は床を強く蹴った。 一瞬遅れて、顔の左真横を敵の一撃が上下に通り過ぎていく。 ひゅん、という空気を切り裂く音が、耳元でパチパチと鳴る―――己の能力の余剰エネルギーによるものだ―――電気の音と混じり、切られた髪の一房が空を舞った。 「このっ!」 罵声ギリギリの声とともに、少女の体から青白い電光がほとばしり、彼女を中心に放射状に放たれた。 敵は大上段からの一撃を仕掛けた直後だ。通常ならば避けられるはずがない。 しかし。 「ふっ!」 敵は小さく息を吐き、慌てることなく己の武器を床に突き立てた。 敵の武器は、何の冗談なのか、鋭く大きな鋏。そんなものを自在に操り、少女を攻撃し続けているのだ。 片方の刃が床に刺さる一方、90度の角度を保持したもう片方の刃―――その先端が、撒き散らされる電流に向いた。 「っ!」 電気的特性に従って、電撃は鋏の先端に集中し、そのままアースのように床に流し散らされる。 一瞬にして攻撃を無力化された少女。敵が鋏を床から抜くタイムラグを追撃に使うのではなく、間合いを外すための跳躍に消費する。 床を蹴る音が再び響き、ショートカットというにはやや長く、セミロングにはまだ短い茶色がかった髪が、相対的な風に小さく揺れた。 助走なしで数メートルを稼げたのは、能力で筋肉への電気刺激を補正強化しているためだ。いまの彼女の身体能力は、通常の人間よりもずっと高い。 にも関わらず、前髪から覗く彼女の瞳には、強い焦りが満ちていた。 視線の先で、敵が鋏を構えなおした。 子供のような―――下手すれば幼児とも見えそうな小さな身体に、それよりも大きかろうという鋏。 高い窓から入る見事な月影に浮かんだその姿は、まるで死神の様。 そして、 「はっ!」 死神の踵が、タン、と床を鳴らす。 稼いだ数メートルを一気に食いつぶし、敵の鋏が少女の眼前に迫った。 「っっっ!」 驚きの声をあげる暇なく、少女は身を捻る。 動きについていけず、空に取り残された制服の襟元が、突き込まれた鋏の先端に引き裂かれた。 常盤台中学校。 この都市に住む者ならば知らない者はいない名門校の制服が、少女の身からどっと吹き出した汗に濡れる。 いま回避できたのはただの偶然に過ぎない。本当なら、いまので終わっていたはずの一撃だった。 そして、それを為した相手はいまだ目の前だ。 「わあああっ!」 生存本能が叫びを生み、体を動かした。 逃げの一手だったはずの脚が力強く踏み出され、振り上げた両手に電撃が集約する。 力を周囲に放つのではなく一点に集中させたその掌を、少女はオッドアイの死神にたたき付けた。 「!」 追撃の予備動作に入っていた敵は、予想外の反撃に目を見開いた。 辛うじて持ち上げた鋏で少女の両手を受け止める。だが先ほど利用した電気的特性が、今度は牙を剥いて己に襲い掛かった。 鋏を通し、苛烈な電撃が体を貫いていく! 「ああああああっ!」 大きく空間が弾け、バン! とオッドアイの小さな体が吹き飛ばされた。 体勢制御もままならないず、板張りの床にたたき付けられ、ゴロゴロと転がる。 手から離れた鋏が僅かに遅れて床に落下し、ガチャリと金属的な音をたてた。 「はあっ、はあっ、はあっ」 少女は己の攻撃の結果に半ば信じられない表情。衝動的な行動だったため、目の前のことに現実感がない。 だが現実に相手は倒れ伏し、ぴくりとも動く様子を見せなかった。 「・・・・・・」 大覇星祭が終了して数日。 祭の規模が大きければ、それに応ずるように、後片付けもまた大騒ぎになるのが道理と言うもの。 今日はその片付け最終日であり、明日からはその振替の連休だ。 この体育館の片付けを担当していた少女はつい気が緩み、体育館の日だまりで眠ってしまっていたのだ。 日が沈んだ気温の低下で目を覚まし、迫る門限とほっといて帰った同級生たちに恨み言を言いながら体育館を出ようとしたところに、いきなり襲い掛かってきたのが、このオッドアイだった。 強制的に始まった戦いは、終始こちらの劣勢。この結果は、本当に偶然と偶然が重なったものだと確信できるものだった。 だが、一瞬だけ少女の顔に浮かんだ安堵の色は、 「へー、すごいのね。この子を倒しちゃうのは流石、かな」 「!」 不意に響いたもう一つの声によって、再び緊張に彩られた。 薄闇に浮かぶ敵の瞳。左右で異なるオッドアイ。それに見据えられ、少女の心に今こそ本物の恐怖が巻き起こった。 少女と同年代の高い声。 右に転じた視線の先には、閉じた体育館の出入口ドアに背をつけた、セーラー服姿の女。 オッドアイとともに現れ―――しかし戦闘には介入しようとしなかった者だ。 青い月光に照らされ、後ろ手に手を組んでこちらを見つめている彼女の口元には、嘲りとしか見えない笑みが浮かんでいた。 ぎっ、と歯を噛み締め、セーラー服に向き直る少女。あわせて、己が能力を発動。 汗で頬に張り付いた髪が、電流にバチバチと鳴りはじめた。 「なに余裕こいてんのよ・・・次はあんたの番だからね」 「へぇ?」 その言葉に、セーラー服がドアから背を離す。 「!」 ゆらり、としたその動きに、少女は自分の体が強張るのを感じた。 セーラー服の笑みが深くなる。 「ふふっ、そんなに警戒しないでほしいわ。はっきり言ってワタシじゃ勝負にもならないから。ワタシ自身は無能力だからね」 「・・・・・・」 そんな、この都市では圧倒的な不利を意味する言葉を告げながらも、セーラー服は笑みも余裕も崩さない。 警戒をまったく緩めない少女に肩を竦めるセーラー服。次いで、顔をいまだ倒れ伏したオッドアイの方に向け、 「蒼星石、大丈夫かしら?」 と、言った。 「・・・く・・・は、い・・・マスター・・・」 「!」 その声に応じて僅かに身じろぎするオッドアイ。 少女は慌ててそちらに視線を向けるが、セーラー服への警戒を緩めるわけにはいかない。 対するセーラー服はそんな少女の様子をまったく意に介していないように、言葉を続けた。 「いいわ。少し休んでなさい。この女はワタシがなんとかするから」 「はい・・・もうしわけ、ありません・・・」 オッドアイは言葉を返し、そのまま力つきたように再び動かなくなった。 「・・・・・・」 少女の両目がセーラー服に向く。 オッドアイがしばらく動けないのは間違いなさそうだ。 だったら、いまのうちにこいつを倒してしまえば・・・ 少女の腰が僅かに沈み、拳が握り締められた。 一足で跳び込み、拳を叩き込む。 電撃ならば光速で相手を射抜けるが、オッドアイが使ったような方法で回避される可能性がある。 この状況で確実に勝負をつけるには、直接攻撃の方がいい。 「・・・・・・」 脚に微細電流を流し、筋力を強化する。 そして、ぐっ、と力を篭めて跳び掛かろうとした―――その直前。 「そうそう」 「!」 くるり、とまるでそれを読んでいたかのように、セーラー服が少女に向き直った。 出鼻をくじかれ、踏み出しかけた脚がとまる。 セーラー服はクスクスと笑いながら、 「これ、なーんだ?」 後ろ手にしていた両手のうち、右手だけをゆっくりと少女に差し出した。 「・・・・・・」 少女は構えをとかないまま、そこに視線を向ける。 突き出されたその手にあるのは、 「・・・なに考えてんのよ、あんた」 忌ま忌ましそうに、少女が言った。 20㎝にも満たない小さな人形。 セーラー服の手にあったのは、そんな物だった。 陶器のような材質なのか、艶やかな表面が月の光で濡れている。 だが少女が不愉快そうに眉をしかめているのは、セーラー服の態度でも、場違いな物を差し出されたことに対してではない。 「なにって、お人形よ? 人形遊びとか、嫌いかしら?」 楽しそうに小首を傾げる。ほらほら、と小さく人形を振る態度がさらに堪に障った。 「ふざけんじゃないわよ! あんた、そんなもん出してなんのつもり!?」 バチバチッ、と電撃が弾ける。 少女が激高した理由。 セーラー服の持つ人形は、まるで生き写しのように少女にそっくりだったのだ。 いま着ている制服も、髪型も、髪留めすらもまったく同じ。 このまま大きくすれば、間違い探しにだって使えそうなほどの精巧さがある。 この様子ではおそらく、制服の下も完全に揃えているに違いない。ちらりと見えたスカートの中身から考えても、間違いなさそうだ。 余程に入念に観察をしなければ、とても造れそうもない精度である。 いつから自分を観察していたのか。ずっと見られていたのか。 そう思うと、ぞっとするどころの騒ぎではない。 だが、怒りと怖気の混じった少女の視線を真正面から受けても、セーラー服の笑みは陰りなかった。 「ねぇ、アナタは偶像の理論って知ってる?」 それどころか、まったく悪びれない調子でそんなことを言ってくる。 「・・・・・・」 少女は反応しない。 それに構わず、セーラー服は続けた。 「簡単に言うと、似た物には本物と同じ力が宿るし、その逆もあるって理論なんだけど」 一息。 「まぁちょっとしたおまじないよね。そんなの完璧にできちゃったら、神様だって堕ちてきちゃうもの。普通はできないし、できても0.00000何%くらいの力にしかならないのよ」 「・・・・・・」 「まぁそれはそれとして・・・いまの理論とこのそっくりな人形。これでワタシの言いたいことわかってくれると嬉しいんだけど」 「・・・その人形が私で、私はあんたの手の中だって言いたいの?」 「んー、半分正解かな。前半分はね、そういう意味。これは、このお人形は、アナタ」 つん、と人形を持つ手の親指で、精巧なその顔をつつくセーラー服。 「でもさっき言ったわよね。そんなの普通じゃできないし、できても弱っちいの。・・・だったら、普通じゃない場所でなら、どうだと思う?」 「・・・・・・」 少女は息を吸い込み、再び腰を沈めた。 もうこんな無駄話に付き合うつもりはない。こうしている間にも、辛うじて無力化したオッドアイの回復が近づいてしまうのだから。 電流が筋肉に干渉し、力を蓄える。 一撃の準備に入った少女を見ても、セーラー服は慌てない。 「ではここで問題です」 変わらぬ笑みを浮かべた彼女はいったん言葉を切り、 「さっきからアナタは蒼星石とドンパチしてきましたが、なんでこの体育館には傷がついていないでしょう」 と、言った。 「!?」 思ってもいなかったことを告げられ、瞬間的に少女の脳裏に疑問が浮かぶ。 視界に映る範囲では、確かに、まったく壊れた部分がない。 戦いの最中にはそんなことを気にする余裕がなかったが、これは明らかに異常だった。 オッドアイの鋏でも床板は割れるだろう。壁も削れるだろう。 だが自分の電撃の威力なら、もうこの体育館は全壊していてもおかしくないのだ。 「・・・・・・」 普通の、体育館じゃなくなっていた。 そして先ほどの言葉。 『似た物には本物と同じ力が宿る』 『このお人形は、アナタ』 『普通じゃない場所でなら』 ・・・そんな、馬鹿なことが その疑惑が意識の空白を生み、跳び掛かる動作を一瞬だけ遅らせる。 それが明暗をわけた。 「大丈夫よ。それにしたって、ほんの数%だから」 セーラー服の少女が軽く告げ、人形を床に落とした。 間髪を入れず、右足で踏み砕く。 暗い体育館。 悲鳴が上がり、続いて、人の倒れる音が響いた。 それはいつも通りのある日のことであった。 上条当麻はベランダに布団を干そうとすると、ある一通の封筒が置かれている事に気付いた。 最初は風で吹き飛ばされてきたのだろうと思ったが、封筒には”上条当麻様”と書かれており、その他には住所も差出人の情報すらも書かれてなかった。 「何だこれ?…別に自分の名前宛てなんだから開けてもいいよな…」 そんなことを思いつつ封筒を開けてみるとそこには一枚の紙が入っていた。 中身を読んでみると 「おめでとうございます上条様!!!貴方は54128人の中から厳正な抽選にて選ばれ、『幻想御手(レベルアッパー)』を獲得することができる幸運な学園都市の人です!!! チェックをしたら、そこから外へこれを紙飛行機の形にして飛ばしてください。人口精霊ホーリエが異次元より貴方の手紙を回収に参ります。」 その手紙の最後には”まきますか まきませんか”と大きな文字で書かれていた。 「新手の詐欺か?全く、上条さんはこんな面倒な事に付き合ってる暇なんかないってのに…」 そんな独り言を呟きながらも、手紙に書いてある”幸運な学園都市の人”という文字列に思わず目を奪われてしまい、ふとした思いで”まきます”の方にチェックをして、紙飛行機の形に折り外へと投げた。 「こんな事で能力者になれたら上条さんは今頃不幸じゃないですよ…」 そんな事を思いながらも上条は心の奥底で何かを感じていた。 新たな何かを--- 布団を干し終えた上条は、一度大きく伸びをして、秋の空を見上げた。 「大覇星祭も終わったし、旅行先のゴタゴタもなんとかなったし、しばらくは静かだといいんだけどな・・・」 呟きながら、ここ数ヶ月のことを思い出す上条。 気がついたら記憶がなくて、同居人が増えてて、魔術師の知り合いが出来てて、数日ペースで命のかかる様々極まりない騒動が気軽に巻き起こる日々。 そんな思い出というには新しい記憶が、吹く秋風とともに上条の脳裏を通り過ぎていく。 「よく生きてるよなー、俺・・・不幸だ」 数ヶ月前に件の同居人がひっかかっていた手摺り。そこにに手をかけた彼の口から、割と本気の感想がついてでた。 言葉だけなら、自分の境遇を歎く一言。 だが、彼が浮かべているのは、やや苦笑が混じっているが微笑みに属するものである。 自分の境遇を嘆き恨む者には、決して出来ない表情だった。 それに彼は気づいているのかいないのか。 「さて、じゃあさっさと洗濯物を干しちまうかな」 ともあれ、上条はもう一度伸びをしてから、部屋に戻る。 まだ一日は始まったばかりで、今日のうちにやりたいことは多いのだ。 そうして一歩、ベランダから室内に脚を踏み入れた上条を待っていたのは、 右足の小指がちょうど当たる位置に置かれていた、大きな鞄であった。 「へ?」 そんなところに鞄が置いてあるなど、想像していない。 だから彼の右足は、まるで吸い寄せられるようにその鞄に向かう。 それも綺麗に小指が当たる角度で。 コツン、とかわいらしい音とともに、 「っっっ!」 上条は、右足を押さえてのたうちまわることとなった 「な、なんだこれ?」 上条はひとしきりもがいた後、涙目で鞄を見下ろした。 痛々しく腫れが上がった指も気になるが、いまは鞄である。 ついさっきまでこんなものはなかったはずだ。ついでに、こんな鞄を持っていた覚えもない。 「・・・じゃあ、インデックスのか?」 自分ではない以上、可能性があるのは同居人の私物ということ。 しかし彼の同居人である腹ペコシスターは、こんなもの持っていなかったはずだ。 いまでこそ多少の私物は増えたものの、基本的に生活用品くらいしかないはずである。 「高そうな鞄だし、それはないか。小萌先生からもらったのかもな」 インデックスにも、当の上条にもこういったものを購入する機会も財力もない。 ついでにこの町の半不正規滞在者であるインデックスには、バイトして稼ぐこともできないはずである。 可能性があるとするなら、誰かからのもらいもの、というところだろう。 「でもおかしいな。さっきまでこんなの置いてなかったはずだけど・・・」 不思議そうに首を傾げる上条。 件のインデックスは、朝早くから小萌の家に出掛けている。 なんでも買い過ぎて賞味期限ギリギリの食材を一気に片付けるためにインデックスの力を借りたいとのことだった。 そういう話に食欲最優先の彼女が動かないわけがなく、今日は泊まり込みで食べてくるらしい。 いままで何度か泊まりに行っているが、そのたびに手ブラなのを気にして小萌が用意してくれた可能性は十分にあった。 おそらくお泊まりグッズを詰めて、しかし普段の習慣どおりに手ブラで出掛けたのだ。 ただでさえインデックスである。食事が用意されている状況下なら、その辺りが抜け落ちても不思議はない。 「せっかく用意してくれたのに忘れていってどうするんだよインデックス・・・」 と、上条は呟いた。 彼の中で納得のいく理由が思い付いたせいで、もう鞄が誰の物かということはほぼ決定状態になってしまっている。 床の上に置いてあることも、何らかの勘違いで気がつかなかったのかもしれない。 普通はこんなものが床においてあれば100%気がつくに違いないが、ここは学園都市だ。 誰かが外でおかしな能力を使って、その余波が出たのかもしれない。 場合によっては、高価な鞄をもらった鞄インデックスが後ろめたくて何かしらの魔術でも使って隠していたのかもしれない。 彼女は魔術は使えないと聞いているが、いままでも何度か戦闘でそれらしいことをしていた記憶がある。 純然たる魔術といえなくてもそれらしいことが出来ても不思議はなかった。 それが何かの拍子に、自分の右手に触れたのだろう。 「どうするか・・・っても、届けてやるべきだろうなこれは」 気がついた以上、それをそのまま放っておくのは性にあわなかったし、何より上条家の経済破綻をギリギリで回避していられるのは、小萌の食事会によるところが大きい。 「義理と人情を欠いては浮世は渡れないと思うのですよ上条さんは」 呟きながら、鞄の取っ手に左手をかけた。 かなり大きい鞄だが、力には多少自信がある。それに中に入っているのはおそらくタオル程度であろう。 「よっ、と」 上条は一気に持ち上げようとして、 「!?」 ズシリ、と予想外の重みが腕にかかった。 完全に軽いものと信じていた上条だ。勢いがあまって、体勢が一気にまえのめりになる。 「お、わ、たっ」 左手が無意識に鞄を離す。僅かに浮いていた鞄は床に落ち、代わりに重量感の消えうせた彼は、堪えるどころか一気にバランスが崩れた。 「っ」 軽くなった彼の上半身が反射的にのけ反る。だがバランスに調整がついていかない。 「うわっ」 それでもなんとか体勢を立て直そうとして脚を踏み出す上条。だがその足が、いましがた干そうとして床に投げていた薄手の掛け布団を踏み付けた。 ずるり、と脚が滑り、視界が反転する。 「ふ、不幸だぁっ!」 彼の嘆きの声が響き、その一瞬後、床に頭が激突する音がこだました。 「いてててて」 湿布を貼って包帯でぐるぐる巻きにした右手で後頭部に保冷剤(上条家冷凍庫に入っている唯一のもの)を押し当ててながら、上条は鞄の前に腰を下ろした。 鞄を持ち上げようとした、ただそれだけで、彼は後頭部強打と右手首捻挫という負傷をしてしまっている。 負傷自体は悲しいことによくあることで、応急手当も慣れたものであった。 それよりも、いまの彼はもっと重要なことがあるのだ。 「まったく、なにが入ってるんだこれ?」 ポン、と左手で鞄を軽く叩く。 持って行こうと思ったが、予想外に重いものだ。 左手だけで持ち上げるのは、小萌の家までの距離を考えると、少々きつい。 となると、残る方法は中身を見て、無用なものを出すしかまい。 この段階に至って『持って行かない』という選択肢が出てこないところに、彼の人の良さが伺えた。 ついでに、小萌の家に電話してインデックスに確認するという点に気がつかないあたりに、彼の単純さがわかる。 さらに言えば、そもそも女の鞄を開けようとするな、と言う点に考えが至らないところに、彼のデリカシーの無さと鈍感ぶりが計り知れよう。 「えーと、留め金留め金っと・・・」 などと言いながら、無事な左手で取っ手の脇にある留め金に指をかける。 軽く動かすと、パチリ、と存外に軽い音をたてて留め金は外れた。 「鍵、かかってなくてよかった」 かかっていたらお手上げだったに違いない。 流石の幻想殺しも錠前を壊すことなんか出来ないし、何よりいまは包帯で皮膚が完全に隠れるほどぐるぐる巻きである。 よかったよかった、等と呟きながら鞄を開ける。 ギギギ、と小さな軋みとともに開き、徐々に見えてくる中身を見た上条は、 「え」 カシッ、とその動きを止めた。 彼が予想していた中身は、連れていったスフィンクスのためのネコ缶や、小萌の家でするためのゲームソフト(蔵上条家)が大量に、というものだった。 だから、動きを止めるのも無理はない。 中に入っていたのは、それこそ美術館に飾られていそうなほどの、綺麗な人形だったのだから。 驚きと、人形の持つ息を呑むほどの美しさに、数呼吸。 「な、なんだこれ。こんなの、先生んちに持って行くつもりだったのか?」 再起動した上条は、左手を鞄の取っ手にかけたまま、眉を潜めた。 鞄の中には、本当に人形しか入っていない。予想していたネコ缶もゲームソフトもなく、ましてやタオルも着替えもなかった。 そもそも身を丸めるようにして入っている人形だけで、鞄はいっぱいいっぱいである。これ以上何を入れるスペースはない。 とはいえ、鞄そのものの装飾や大きさ、そして人形の『収まり具合』から考えて、明らかにこの人形専用の鞄に思えた。 「西洋人形・・・ってやつだよなこれ」 鞄を完全に開けてしまい、つんつんと左人差し指で人形の頬をつつく。 陶器のような硬い、しかし人の肌に吸い付くような不思議な質感を指先に感じた。 「小萌先生がこんなのをインデックスに? いやでも、だったらこれ持って行く意味わからねぇし」 顔を上げ、腕を組む上条。 「だったらやっぱりインデックスの私物か・・・あいつ、いつのまにこんなもの」 正直、インデックスの趣味とは思えなかったが、こうなるとそれ以外の線が考えられない。 『記憶のあった上条』の私物という線もあったが、それはとりあえず否定することにした。 いやその趣味そのものをどうこう言うつもりはないし、偏見もない。 ただ、以前に失った記憶を補完しようと、自分のアルバム等を探したときには、こんな鞄は見当たらなかったというだけである。 それに、インデックス自身はあまり快く思っていないようだが、彼女にも一応故郷があり、その知り合いがいる。あの炎の魔術師や破れジーンズの魔術師が持って来ることだってないとは言えないのだ。 「明日、帰ってきたら聞いてみるかな」 いま、それを確認する方法はなさそうである。 上条はため息をつき、ふと、鞄の中で眠るような人形に目をやった。 「・・・でも、インデックスはこういう色が好きなのか。あいつシスター服だから、白以外のイメージなかったけど」 そしてもう一度、つん、と人形の頬をつつく。 「こんな赤色の人形を持ってるとはねぇ」 彼の言葉どおり、人形は全身で赤を纏っていた。 洋服は言うに及ばず、ヘッドドレス、襟元の薔薇、履いている黒色の靴すらも光の加減によっては赤みを帯びて見える。 異なる色と言えば、髪の金と肌の白くらいだろう。 「赤と白と金色でめでたしめでたしってところですか」 極めて日本人的発想を口にする上条。 いまだ日本の文化に馴染みの薄いインデックスにそれはないにしても、上条的には白い少女が赤い人形を抱いている情景は妙に縁起がよいように思えたのだった。 「あ、そういや大丈夫かな」 覗き込むようにして人形を見ていた彼の顔に、若干の緊張が浮かぶ。 彼が危惧しているのは、さきほどの開けようとして転ぶ事件を思い出したからだ。 この鞄、転ぶ直前に手を離した拍子に、けっこうな勢いで床に落ちたような気がする。 「まずい、どっか壊れてたら・・・」 これがそう安いものではないことはアンティークや芸術に疎い上条にも容易に想像できた。 たとえ安価なものであったとはいえ、インデックスのお気に入りには違いない。 ほとんど食べ物以外をねだらない彼女にして、その何倍もしそうな装飾の一品である。 それに傷をつけてしまえば、彼女はどう思うだろう。 頭を噛まれるくらいならいいが、もし泣かれたりしたら切腹→火葬ものだ。 いや、上条が自主的にしなくても、たぶん二人の魔術師が強制して来るに違いない。 それに上条としても、そんな心が痛い事象は避けたかった。 「ちょ、ちょっとだけ確認を」 頬に汗でも伝っているような感覚で、上条は人形に手を伸ばした。 もし傷がついていても修理できるものではない。それでもこういうことは、気になりだしたら確認するまで止まれないのだ。 傷がついていなければよし。 もし傷がついてたら・・・土下座と高級料理フルコースで手を打ってもらいたい。 そんなことを考え、左手を人形の脇の下に入れる。 「わっ、と」 そのまま持ち上げようとするが、これが大きい。一抱え、というか、下手すれば幼児ほどもありそうだ。 反射的に右手も添えようとして――― 「って、大丈夫かこれ触って俺」 その右手をとめた。 いまのところどこからどうみてもただの人形だが、これはインデックス関係のもの。 魔術的な要素があれば、右手で触れるのは危ないかもしれなかった。 「・・・・・・」 じっと包帯の巻かれた右手を見る。 とはいえ、人形を調べるには片手じゃ厳しそうである。 無理に持ち上げて床に直接落としたら、傷物まちがいなし。鞄ごとならばまだ言い訳もたつが、予測した上でそんなことになろうものなら目も当てられない。 「・・・ま、包帯でびっしりだし、大丈夫だよな」 幻想殺しの効果は右手首から先で、直接触れたもの、という限定的なものだ。 完全に包帯で覆われた今の状態なら問題あるまい。 「よっと・・・って、でかいし、重いなこれ」 両手で『たかいたかい』でもするようにして持ち上げる。 ずしりと両腕にかかる重量感。身長に対応するように、その重みも人間の幼児並だ。 「しっかし、すごいなこれ。芸術は爆発というわけですかそうですか」 その顔を覗き込み、精巧さに思わずため息が漏れた。 人のような大きさ、人のような重み、人と見間違いそうな精巧な顔形。 そしてなにより、 「なんか色々な柔らかくて上条さんは大変ですよまったく」 指は、意外な柔らかさを上条に伝えてきていた。 なるほど、さきほど頬を突いたときの硬さや質感は、こうしてみると意外なほど人に近いものを思える。 人そのものよりもやや硬いが、その差が逆に『人を模そうとした』ことを感じさせることとなっていた。 「ま、まぁ傷もなさそうだし、そろそろ戻すかな」 と、妙に早口で人形を下ろそうとする。 そんな彼の鼻先を、金色の髪が掠める。 ふわり、と甘い香りが鼻腔をくすぐった。 「・・・・・・」 (って、いまなに考えてた俺そんな俺はその趣味はないないいやだってそんな土御門じゃあるまいし人形様にだってうわらばあばばばばば) ブンブンと頭を振る。 いま顔が熱いのは気のせいだ、気のせい。そうじゃないと困る。 思わず視線を逸らした上条。 そんな彼の目が、ひとつの金属片が捉えた。 ぱっと見て、ハート型のようにも見えるそれは、 「ゼンマイか、これ?」 内心の動揺を自らごまかすように呟きつつ、ゼンマイを右手で取り上げる。 包帯越しに金属の感触をかえしてくるソレは、正しくなんの変哲もないゼンマイだった。 「・・・・・・」 視線を落とせば、自分にもたれかからせるようにして、膝の上で抱えた人形の、その背中が見えた。 そこに、差し込み口のようなものがある。 「駆動式? カラクリ人形?」 差し込み口とゼンマイの先端は同じ形だ。間違いなくそこに挿すものだろう。 「・・・・・・」 いくら不幸に塗れても、いくらこの学園都市の学生として見ても異常な事態に遭遇していると言っても、上条は男の子である。 こう言ったカラクリと言うたわいもない『おもちゃ』には心躍らされるものがある。 (ちょっとくらいなら、大丈夫、だよな) 好奇心が動き出す。 これだけ精巧な人形だ。駆動するとなれば、どこまで綺麗に動くのか見てみたい。 それにもし動かしてみて、異常がなければ内部機構にも問題がないという証明にもなるのだ。 (そう、これは確認、確認なんですよインデックスさん) 持ち主に無断で動かすという罪悪感を義務感という名目でごまかしながら、上条は手にしたゼンマイを、背中の穴に挿しこんだ。 その瞬間だった。 キリキリキリ・・・と軋むような音をたてて、ゼンマイがひとりでに動きはじめた。 「え・・・」 上条の口から驚きの声が漏れる。 反射的に右手を放すが、ひとりでにまかれていくゼンマイは止まらない。 そして、呆然とする彼の目の前で、 「・・・・・・」 ふわりっ、とさきほど鼻先を掠めた人形の髪のような軽やかさを持って、当の人形が空中に浮かび上がる。 「ちょっ、えっ、や、やっぱり魔術的なあれですか!?」 無意識のうちに右手を胸元に引き寄せながら、左手で床を掻いて後ろにさがる上条。 普通の人間なら、いや、この学園都市にひしめく能力者たちでも驚くような光景に、それでも素早く反応できるのは、いままでの経験ゆえか。 驚きと、若干の警戒を宿した彼の視線の先で、人形が鞄の上、その空中に直立する。 そのまま、まるで風になびくように、人形は鞄の上から床に水平移動。 上条はそれを見守ることしかできない。 そして、その彼の眼前で、 「・・・・・・」 伏せられていた人形の目がゆっくりと開き、その切れ長の目が、すい、と上条に向いた。 「な・・・」 上条が声を漏らしたのは、人形がこちらを向いたことにではなかった。 人形の瞳。 そこに篭められた、明確な敵意に対してである。 「・・・・・・」 トン、と人形の靴が床に着地する。しかし上条に向いた視線の色は、種類を変えないままだ。 赤い人形の左手が、ゆっくりと持ち上がる。 「くっ」 右コブシを握る上条。手首が痛むが、この際そんなこと言っていられない。 人形の視線―――その敵意は強くなる一方。 そして、人形が一歩、脚を踏み出した。 上条の、方に。 「お、お前っ・・・!」 上条が言葉を投げかける。 「・・・・・・」 だが人形は反応を見せないまま、ツカツカと歩をすすめてくる。 人の脚で数歩の距離。やや小さい人形では、もう少しかかる。 人形の手は持ち上げられているだけでいまのところなにも異常な様子はない。 だが油断はできない。 相手は魔術の結晶に違いないのだ。上条の右手同様、触れた瞬間にだけ効果を発するのかもしれなかった。 「!?」 (まずいっ、右手・・・!) 上条が息を呑んだ。 頼みの幻想殺しは、いまは包帯で完全に拘束されている。これではなんの意味もない。 慌てて左手で包帯を毟ろうとするが、 「・・・・・・」 「!」 もうその時には、人形は上条の目の前に立っていた。 (やべっ!) さらに後ろに飛びすさろうとする。 が、それよりも一瞬だけ早く。 「なんて起こし方をするの」 ぶん、と上条の右頬に、彼から見て右斜め上から小さな手が振り下ろされた。 「うべっ!?」 室内に、本日二回目のよい音が響く。 こうして、上条の一日は、いつものように悲鳴と不幸から始まって行ったのだった。 「まったく、いきなりレディを床に落とすなんて、いつになっても男というのは野蛮なものなのだわ」 「まことに申し訳ありませんでした・・・」 「その上、無遠慮に頬と言わず鼻と言わず突付いてくるし・・・いまの世界の挨拶は、顔をつつくことから始めるのかしら?」 「滅相もございません、すべてわたくしの不徳の致すところであります」 腰に手を当て、いかにも立腹してますという風情で見下ろしてくる人形に対し、上条がとった対応は男らしい土下座であった。 もっとも、小さな女の子に少年とは言え大人に近い男がそうしている情景には、男らしさの欠片もないのだが。 あの平手一閃から5分後の、上条家の情景である。 「・・・あなた、名前は?」 「不肖、わたくし上条当麻と申します」 「じゃあ当麻」 「なんでございましょうか」 「あなたの土下座はとても綺麗で見事なのだけれど、もう許してあげるから頭を上げて頂戴。そのままじゃ話しにくいわ」 「わ、わかりました」 「それと、敬語もいらないのだわ。あなたの普通がその敬語なら、別だけど」 「・・・わかった」 なんとかお許しをもらって、顔をあげる。 つい先ほど彼の左頬を張り飛ばした西洋人形は、まるでそこが定位置であるかのように、上条家のソファーに腰掛けていた。 ソファーに座っているのに腰に手を当てるという行動は妙に見えるが、本人(?)は気にした風はない。 インデックスが怒ると噛み付いてくるのと同様、この人形はそういう癖でもあるのかもしれなかった。 やっぱりペットと同じで魔術人形も持ち主の影響を受けるのか、などと考える上条であったが、それはともかく。 人形がしゃべるという状況に、彼はそれほど違和感を感じていなかった。 そのくらいの大騒ぎは何度も経験済みだ。 ついでに言えば、これくらい小さい相手にお小言を言われるのも小萌相手で慣れている。 それよりも、上条の心配事は別にあった。 「でも、本当に大丈夫なのか、背中とか、腕とか・・・」 言いながら、心配そうな目を向ける上条。 あの見事な張り手は、彼の頬に若干のダメージを与えたが、それ以上のことはなかった。 むしろ彼にして土下座という方法をとる原因になったのは、床に落とした拍子に背中を痛めただの、散々体を弄繰り回されただの、レディに対して重いと言うのはデリカシーなさすぎとか、そっちの方の文言である。 チクチクと心をえぐるようなその言葉の嵐に思わず土下座するしかなかったが、しかし上条には、それらがすべて悪意から来る言葉のようには感じなかった。 怒っていたのも本当だっただろうが、それよりもむしろ、インデックスや、超電磁砲との掛け合いのような感覚だったのである。 だからどうしても、その負傷が気になってしまう。 「・・・・・・」 人形は彼の言葉に軽く驚きの表情を浮かべ、ついで、ゆっくりと微笑んだ。まるで、何かを思い出したかのように。 「問題ないのだわ。あの程度で壊れてしまうほど、私は脆弱ではないもの」 「そうか、ならよかったよ」 上条は、ほっと胸を撫で下ろした。 自分のせいで修復不可能な傷を与えたとあっては、持ち主だろうインデックスにも、人形である彼女(?)自身にも申し訳がたたない。 「・・・変わった人間なのだわ」 「? なにがだよ」 「私と初対面で、こんな風に普通に話をした人はいなかったのよ。みんな驚いて、何かの仕掛けか、と疑ってきていたのに」 「・・・あー、それは、まぁ、慣れっつーか環境っつーか」 「慣れ? 環境?」 「ああ、それも説明しなくちゃな。インデックスより、あんたの方がしっかりしてそうだし」 「?」 「でもその前に、ひとつだけいいか?」 「なにかしら」 「その、あんたのことはなんて呼べばいいんだ? 人形とか、お前ってわけにもいかないだろうし」 「・・・・・・」 人形は再度、驚きの表情を浮かべる。 「?」 「ふふっ」 こちらの表情の意味がわからなかったのだろう。 不思議そうな顔をしている上条に、思わず笑みが漏れた。 (人形に名前があるのが当然と思っていて、それが普通な人間なのね。・・・ジュンですら、最初はそんなこと思ってもいなかったはずなのに) 「どうしたんだよ? 俺、何か変なこと、言ったか?」 「いいえ、ごめんなさい。そういえば自己紹介もまだだったのだわね」 そう言って、赤い人形は両の足で立ち、上条を正面から見つめた。 「私の名前は真紅」 「ローゼンが創りし薔薇乙女の、第5ドール」 そして人形―――真紅は、口元にやわらかい笑みを浮かべた。 「当麻。貴方の、お人形よ」
https://w.atwiki.jp/astonishingscience/pages/136.html
514 :名無しより愛をこめて:03/05/14 23 02 ID 5bu1PYUK 折れからのリクエスト。 宇宙刑事、ジャスピオン、スピルバンのスーツの類似性 ネロス帝国、クライシス帝国、ジャマールの軍団の編成の類似性 カクレン&ハリケンとジライヤの関係 東映版スパイダーマンと戦隊・宇宙刑事の関係 誰か考えておくれ。 515 :名無しより愛をこめて:03/05/17 06 26 ID 1vOSHZ4C 514 ちっとは努力しれ……と言いたいが、最初のネタは思いついちゃったから書い ちまおう。 コム長官の時代よりずっと前のことだが、そもそも宇宙刑事の戦闘装備である 「母艦+戦車+バイク+コンバットスーツ+女パートナー」というシステムを考 案したのがエジンその人。 彼は元バード星の銀河連邦警察本部の高官だったのだ。 そしておよそ1万年後。 ワーラー帝国の侵略を受けたクリン星(=地球)では、ある優れた人物がナスカ の地上絵の謎を解き、かつて大帝王クビライを倒した偉大な戦士の遺したメカニッ クを発掘、大改装をほどこした。グランナスカの誕生である。 (その人物はクリン星か、あるいは脱出した母艦と運命を共にしたと思われ) ところでシャイダー以来、宇宙刑事が地球へ来る様子がないのは、フーマの侵攻 で銀河連邦警察が大きなダメージを受け、組織の規模が縮少したのではないか? なにしろ、ようやくクビライが倒れたと思えばサタンゴース一味が暴れ出した。 サタンゴースはすぐに地球に定住してしまったが、ジャスピオンとサタンゴース の戦いの果てに、組織再建の要となるべきエジンを失ってしまったのだ。 うーん、つい筆がすべって銀河連邦警察を弱体化させてしまった。 (別の組織へ発展的解消、という展開も考えたがてきとうな後継組織がなかった) シャイダーとスピルバンの装備の同一性に関する考察とか、詰めも甘いのう。 516 :名無しより愛をこめて:03/05/17 19 21 ID 4iq/j4Wf スピルバン クリン星=1万年後の地球 であることはハッキリしてるんだから、もっと単純に考えても良いような気も。 その頃にはコンバットスーツの解析は完全に終わっているでしょうし。 30世紀の時点でタイムロボ級のマシンが作れていることを考えると、ひょっとしたらスピルバンのスーツは民生品… 517 :515:03/05/18 01 22 ID lOjssUtP 516 クリン星の戦闘能力がそんなに高かったら、ワーラーごときで滅ばない(w 高い科学技術を持っている割に、ワーラーに対してはほとんどなす術がなかった ところを見ると、軍事技術を破棄していたのかも。 (地球→クリン星への改名と関係が?) ワーラーに征服された母星をあっさり捨ててしまったことからしても、闘争を嫌 うメンタリティがうかがえる。 そんな甘ちゃん文化に育ったスピルバン坊やに復讐を叩き込むため、あえて母艦 が彼らの目の前で自爆したと考えると、怨念は一人前とも言えるが。 グランナスカにしてもワーラー奇城にしても、距離の旅が時間の逆行にすり変わっ ていること(しかも本人は気がついていない)、地球が過去のクリン星である事 実がグランナスカのコンピュータにも記録されていないこと(スピルバン・ダイ アナに事実を隠した?)等、やはりスピルバンは解釈困難な作品だ(w 521 :名無しより愛をこめて:03/05/19 23 50 ID bZojlVnO 517 クリン星とは、間違いなく未来の地球です。 しかし正確には、未来の地球の『一つ』と呼ぶべきなのです。 1万年後の人類も、いまだ争いを捨て去ることはできませんでした。 そこで、戦乱に嫌気がさした平和主義者たちは、新たな環境で理想の世界を 築くことを考えたのです。 ここで出てくるのが、「もう一つの地球」ダイノアースです。 そう、実は彼らは、ダイノアースとアナザーアースが分かれた時のような 時空状態を人工的に作り出し、パラレルな地球を作ってしまったのです! と言うわけで、彼らは基本的に戦力を持っていないのですが、万が一 次元間侵略者に襲われたときのことを考え、彼らは一つの切り札を 用意しました。 それは、侵略者を過去の時空間に誘導し(スピルバンバイパススリップを 思い出してください。彼らはそういう『敵を強引におびき出す』という 発想をするのです)、過去の世界で倒すことによって、タイムパラドックスを 発生させ、敵の存在そのものを消滅させるという恐るべき手段でした。 ワーラーは一見自主的に地球に攻めてきたように思えるのですが、実は 最初の時点でクリン星住人の思惑に乗ってしまっていたのです。 さて、過去まで敵を追撃して倒す、その為に用意されたのが、天界人の 発掘武器であるグランナスカと、それを使いこなすためにシャイダーの データを移植したレプリカコンバットスーツ=ハイテククリスタル スーツだったのです。 この作戦目的ゆえに、それを使いこなす物は、『時空戦士』と呼ばれるのです! …ほんまかいな。 522 :名無しより愛をこめて:03/05/19 23 55 ID bZojlVnO 書いてから思いついたけど、ドクトル・ベンの子供達がアニーとシャリバンに そっくりなのも偶然ではないかも。来るべき戦いの日に備えて、過去の 戦士の遺伝子を移植していたとか…。 本当はシャイダーの遺伝子を移植するつもりだったけど、名前が似てるので間違えた…?(w 523 :名無しより愛をこめて:03/05/20 01 43 ID RcJJ9LWk 521 パラレルなもうひとつの地球を造り出し、そこをクリン星と名づけたというのは ナイス。 ただ、全てが作戦であったとすると、全てを幼い子供に任せて脱出船が自爆して しまった悲劇がうまくおさまらないのですよ。 仮説1)人間の女子供が何人死のうとクリン星人には痛くもかゆくもないのだ。 ……1万年後の地球は「クリン星人」によって征服されていた!(爆) クリン星人は人間の成人男子に奇生する異種知性体。 この世界では人間は奴隷として育てられ、成人した男の子のうちから選ばれた者 がクリン星人の宿主となるのだ。 彼らにとっては人間の女子供というのは宿生を生み出す工場と未完成の宿主に過 ぎない。 タイムパラドックスでワーラーの侵略を消滅させるために、何百人か囮にして殺 してしまっても大したことではないのだガクガクブルブル。 クリン星人が肉体を支配すると、人間の姿から異形への変貌が起こり……つまり、 ドクター・バイオみたいな姿形になります。 なんて強引な。 もうひとつ、「脱出船が1万年前にたどり着いたと判ってから、全てを仕組んだ 者がいた」という仮説を立ててみたけれど、それはまた改めて。 524 :名無しより愛をこめて:03/05/20 13 48 ID aTiHjzLu 522 遺伝子を移植する際に複数のサンプルを掛け合わせ、言葉は悪いが品種改良したのでは? 幾多の戦士の長所を受け継いでいるので、ルックス面でも優秀な人物のものが表に出たw 526 :515:03/05/21 01 23 ID HHvdxU3F 脱出船自爆に関する第2仮説 クリン星の成り立ちは 521説で。 指導者たちは、政治腐敗も戦争も公害もないユートピアを作るべく、新天地に clean星と名づけた、と付け加えてみよう。 元である地球を忘れるほどの間、確かにこのユートピアはうまく行っていた。し かし、数百年ぶりの外敵・ワーラーの襲来にあたっても、グランナスカやハイテ ククリスタルスーツを造って撃退態勢は万全……のはずだった。 しかし、野蛮なる地球を忘れ去ったクリン星人は、戦士の魂も忘れ去っていた。 武器の性能ではワーラーを上まわっていたのに、彼らは戦うことができなかったのだ。 クリン星人は敗れ、生き残りは、別の星を求めて宇宙船で脱出した。 しかし、目指した座標に、星がなかった。 星の位置を観測した結果、1万年も過去に戻ってしまったことが判明。 地球からクリン星を造り出したときの時空の歪みが、思わぬ形で彼らに復讐した のだ。 (つづく) 527 :515:03/05/21 01 24 ID HHvdxU3F 目標の星へ再移動するにしても、地球に戻るにしても、燃料も食料も足りない。 そこでリーダーは考えた。 ワーラーもいずれクリン星を出て、この1万年前の世界へやって来るに違いない。 それを迎え討つために、誰かがグランナスカで地球に行かねばならない。 それは、子供でなくてはならない。 精神的に惰弱なクリン星の若者では12年の旅に耐えられないし、第一、旅の間に 年を取ってしまう。 こうして10歳のスピルバンと8歳のダイアナが選ばれた。 子供の柔軟さと一途さこそ、12年の孤独に耐える礎になりうる。 そして、2人を乗せたグランナスカが出発して間もなく、リーダーは脱出船を自 爆させた。 家族と同胞の死を目前にしたスピルバンとダイアナは、心の奥底に深い傷を負う。 その傷こそが、ワーラーと戦う強い動機になるだろう。 リーダーはあえて目の前で自決して、2人に復讐の念を叩き込んだのだ。 うーむ、仮説1に比べて飛躍がないし救われないなあ。 「このリーダーこそスピルバンの母親だった」というのはどうか。 暗くなる一方か。 530 :521:03/05/22 06 32 ID aI13p9mq 523(515) 考えてたんだけどうまく説明できる自信が無かったんだよー。 えーと。量子物理学によると、人間の意識による観測が波動関数を収束させる、 という現象があるらしいです。 ましてやあの世界、人間の意識がたまに具体的な力になって発現したり (オーラとか気力とかダイノガッツとか)してしまいます。 つまり、クリン星=未来の地球、という事を知ってる人間が一人でもいると、 その意識に時空が引っ張られて、過去の世界でワーラーを倒しても やっぱりクリン星は滅亡したまんま、になっちゃう。 それを防ぐために、事情を知らない幼子に何も教えず旅立たせた。 全員自爆は、いわば時空に対する口封じなんです…ってんじゃダメ?(w …個人的には、「スピルバンのどこが時空戦士やねん」ってのが、放送当時から ずっとひっかかってたので、想像を進めてくうちにそこが補完できちゃった あたり、自分では気に入ったアイデアだったり…(w でも 526-527も面白いなぁ。 538 :515:03/05/26 01 12 ID mcZ7qxxt 530 「未来を知らない者には、未来を変える可能性がある」という解釈は面白い! 未来ホームレスのギローチンを呼び寄せたワーラーと好対照だし。 タイムレンジャーでも、唯一の現代人であるタツヤの存在が大消滅を食い止める 鍵になっていたし。 「スピルバンのどこが時空戦士やねん」 同感でつ~。 しかしそれ以上に自分、「脱出船自爆」が引っかかっていて(^^;) あれがあの時点における「たった一つの冴えたやり方」だった、という仮定から 背景を組み立ててみますた。 スピルバン、ちょっと再見したくなったが……今見直しても面白くはないんだろ うな(笑) 531 :名無しより愛をこめて:03/05/22 16 13 ID cTOHfFAt カクレン&ハリケンとジライヤの関係 カクレン&ハリケンは同じ所が発生源だと思ってます。 旋風流の伝説の忍者→ハリケンジャーということでしたよね? ハリケンジャー=ハリ賢者 そしてハリ賢者は三人です。 賢者が三人と言えば、カクレンのロボになった 3人の賢者(三神将)がいます。 これでハリケンとカクレンがつながったと思います。 轟雷流は長い歴史のどこかで旋風流を超えるために 分派した(修羅の門の不破の様に)ものと思われます。 轟雷の人数は今回はあの親父の予言に合わせただけで、 過去には三人いた可能性があります。 ジライヤは僕はよく知らないのでパス 532 :dvd:03/05/22 16 13 ID IM7fYt0P 無修正DVDなら 新宿歌舞伎町直送 http //www.dvd01.hamstar.jp/ 及川奈央 レジェンド 堤さやか 東京バーチャル 大好評 http //www.dvd01.hamstar.jp/ サンプル画像充実 見る価値あり 最高画質 533 :KAZ:03/05/22 17 43 ID cTOHfFAt 531 名前入れ忘れたKAZです。 漫画と特撮をつなげるのはよくないと思いますが 「強植装甲ガイバー」の降臨者(人間を作った異星人)の中に ゴルゴムの創世王やショッカー大首領がいたと考えると零号ガイバーの 力を手に入れようとして仮面ライダー(世紀王)を作った事になる。 でもこれを加えると、スーパー戦隊のすごい歴史に合わなくなる。 オーレンの超古代文明が6億年前に滅んだ後、降臨者がやって来て 新しい人類を生み出すのはいいが、恐竜も作ってしかも その直後に滅ぼしているからジュウレンあたりが困るよな。 でもこれに似た事があったと推測。 534 :KAZ:03/05/22 19 34 ID LwuLrP/W 連続で申し訳ない。 で、その推測。 ゴルゴム創世王やショッカー大首領やその他の降臨者たちは 超古代文明が滅んだ後の地球にやって来て生物兵器「人類」を作る。 だが、その人類は彼らの想像以上の力を発揮する。それは この地球の類まれ無く強いアースフォースを体内に取り込むことによって 超人的な力を発揮し、降臨者たちの手に負えなくなる。 このことを発見した降臨者達は「見守る」「滅ぼす」「改造して利用する」などの いくつかの意見に分裂する。 「見守る」「滅ぼす」派は「アギト」の白と黒の青年、 「改造して利用する」派はゴルゴム&ショッカー。 ゴルゴム創世王がこのとき考えた技術はアースフォースを取り込む装置 を複数の人間に装着し、最も強力な世紀王を選出して自分の人格を移植 する。 (長谷川先生は脳細胞を吸収する様な事を言っているが、人格を移植し 本体は冷凍保存などしておく方が、二人の世紀王が戦い、勝った方を 首領にするシステムにふさわしいと思う) これによってライダーのベルトの風車は空気ではなく、気(アースフォース) を取り込んでいると言うことになる。 その後何らかの理由で眠りについた創世王。目的の無いまま残された 世紀王の未確認生命体0号(ン・ダグバ・ゼバでいいのか?)とその部下は、 自らが創世王になるため、創世王を決める殺人ゲームを始める。 それを良しとしない普通の人間の時の意志が残っていたもう一人の 世紀王クウガが怪人達を自分の命をかけて封印する。 ってとこですか。 537 :岩のような瓦斯:03/05/26 00 13 ID auSEific 534 その『ベルトで気を取り込む』というのは『吼えよペン』でもありましたね。 547 :名無しより愛をこめて:03/05/30 23 46 ID TZhJVFdI 514 東映版スパイダーマンかぁ… 全編を通しで見たことが無いので以下の文章はネタにとどめておいてもらえれば幸い。 ガリアは地球へとマーベラー(=レオパルドン)に乗ってやってきました。 彼は母星を留守にしている間に故郷を滅ぼされています。 あれだけ強力な(笑)パワーを持つレオパルドンを持っていながら滅ぼされるとは考えにくいですから、 マーベラーは別の組織又は個人が製作した物なのではないでしょうか? 私はかつて銀河連邦警察に所属していたエジンが作ったものを ガリアがバード星あたりから怒りのあまり勝手に持ち出して使っていたのではないかと考えています。 1978年のすごかが世界は割と平和な時期でした。 そんな中、飛鳥の敵討ちを終えた早川健は、「立花豪」を名乗り麻薬Gメンの仕事をしていました。 (おそらく東城の口利きによるものだろう。) スパイダーマンと出会い、親しくなった早川は、その誕生秘話とメカニックを知り、ある決断をします。 「飛鳥の残したズバットスーツを完全な物にしてやりたい!」 宇宙にはこれだけの物を作り出す技術を持つ星々がある。とすれば、それを使って完全なスーツを作り出すことができるかもしれない! 鉄十字団を滅ぼした拓也は、マーベラーを銀河連邦警察へ返却するため、そしてガリアの行動を弁護するためにバード星へ向かいますが、 そこにちゃっかり着いてきた早川は、銀河連邦警察への協力を申し出、「アラン」のコードネームを与えられます。 彼が得たコンバットスーツの基礎技術は、後に(地球の)警察へもたらされますが、それは別の話… 関係ないけど、スパイダー星はM77星雲にあるらしいぞ(w 548 :名無しより愛をこめて:03/05/31 02 14 ID 14ag4TA8 547 前スレ892で 風見=早川 新命=番場 説を出したが、これに547をつなげると、おお、風見志郎は藤兵衛のおやじさん に婿入りでもしていたのか!?(w ただ、そうすると立花刑事に十歳くらいの子がいるのがフに落ちないが…… 連れ子かな。年上女房? よくしたもので、立花の妻が殺された1年前は、77年12月。ズバットの戦いが終 わって3ヶ月後なのだ。 その3ヶ月の間に結婚してソッコーでやもめか。家族を、親友を、妻を、それぞ れ別の悪の組織に殺されるとは、つくづく幸薄い人生だ>風見 ガリアは元々、バード星からスパイダー星に派遣されて、現地に帰化した宇宙刑 事かも……きっと、コム長官の先祖の血筋なのだろう。 そういえば、山城哲也はスパイダー感覚で悪を察知するが、ミミーもテレパシー や予知能力があった。 おおー、つながるもんだな(w 549 :名無しより愛をこめて:03/05/31 08 14 ID /Di1WslT クモ御前はスパイダー星人? 616 :名無しより愛をこめて:03/07/24 01 06 ID mSGIEWuV レオパルドンはデンジ系の技術か?折り畳み変形だし妙に強いし。 678 :名無しより愛をこめて:03/08/27 22 37 ID wtRJcmGa ちょいと話変えていい?アメコミのヒーローと和製ヒーローをすごかが的に繋げるのは不可能かな? 679 :名無しより愛をこめて:03/08/27 23 21 ID ZgRu6ROs 678 君は、和製スパイダーマンについて語りたいのかな? 680 :名無しより愛をこめて:03/08/27 23 24 ID 1fcvdFty ミュータント・ニンジャ・タートルズがパワーレンジャーにゲスト出演したことはあるけどな・・・ 693 :名無しより愛をこめて:03/09/02 23 29 ID Tg1gAgq6 一つの戦隊が戦いを終えると、彼らの技術は大概の場合S.U.P.に提供されるが、 S.U.Pはそれを解析する際にまず一度オリジナルを用いていることが多いようだ。 どうやらその時の資料映像が「パワーレンジャー」として流出しているらしい。 変身前の人間が違うのは、当然ながら「本物」の存在をぼかすためで、 戦いから引退した人間や、その関係者に危害を加えないようにするためである。 694 :名無しより愛をこめて:03/09/07 13 24 ID wQYaBJBa オリジナルではなくレプリカでは? で、レプリカの某国wでの技術検証が完了するまで、本当のオリジナルは S.U.P.の半監視下状態で持ち主の手に残っていて、残党の相手をしたり、元の生活に戻ったりしている。 それ以降も、監視下であることを甘んじて受け入れるならば所有し続けることも可能。 …と、VSシリーズを含め考えてみる。 695 :名無しより愛をこめて:03/09/07 13 43 ID 4eQoEwaY 最近は向こうで新兵器や追加武装が開発されたりしてるみたい。 某国ではファイブテクター系の技術がどんどん進化している辺り、 「変身者自身の特殊能力に依存しないスーツ」の開発が目標なんではなかろうか。 696 :名無しより愛をこめて:03/09/07 14 33 ID 4eQoEwaY 全くの余談。 アバレブラックのスーツ装着テスト担当者は、 かつてドラゴンレンジャー、キバレンジャー等の装着テストを行った人間が担当するらしい。 やはり恐竜系に詳しい人間を呼んできたモヨン 697 :名無しより愛をこめて:03/09/08 20 54 ID J7GdVLXx あげ 843 :名無しより愛をこめて:03/11/06 18 19 ID QLTOXMLo すごかかでは戦隊ロボ最強は大連王で、その理由は「一番のピンチが片膝をついた状態だから」というもの だったが、その理屈でいくとレオパルドンはもっと強いな。片膝すらついたことないと思う。 しかもどんな敵でも1分以内、最後の方になると15秒くらいで片付けていた。 最終回のビッグモンスター(巨大化したモンスター教授)もソードビッカーの一撃で屠っていたし、 変型すらせずマーベラーのミサイルで巨大マシーンベムを倒せたこともしばしば。 東映特撮の世界観では最強の存在じゃないかと。 スパイダー星人は一見して地球人と似ているが、死んで蜘蛛の姿になるあたり、それが本体だろう。 デンジ星やフラッシュ星、バード星の人類とはまったく別の種族なんだろう。 (スパイダー星人ガリアはコム長官に激似だが) 844 :名無しより愛をこめて:03/11/07 00 43 ID tQBC/bIQ スパイダー星人の話、知らなかった ブラックサタンとの関係が気になるね 845 :名無しより愛をこめて:03/11/07 07 56 ID 2mkCVQbi 844 あ、やっぱり思った? 小型節足動物の本体に生体コンバットスーツという組み合わせの文化圏があるのかもね。 846 :名無しより愛をこめて:03/11/07 17 36 ID gtY7d+bw 死んで虫のような本体をあらわす、という点ではハンター星雲M星人も同じだな。あちらはゴキブリ型だったが。 そういえばハンター星雲M星人の1人もガリアとそっくりさんだった(w クール星人やビラ星人のように、地球人の目から見たら下等生物の虫っぽいが、実は高等知性体という連中は多いな。 その名もズバリ「宇虫人」タイタニアンなんて連中もいるし。(彼らは普通は人間型だがそれはフェイクで、宇虫怪獣の状態が本体) あ、サーガインもそうだね。 ブラックサタン大首領もそういうタイプの宇宙生命体だったのではなかろうか? 正体が宇宙人だった岩石大首領(の中の人)が連れてきたのだろう。 ひょっとしたらゴルゴムの初代創世王も宇宙から飛来したそういうタイプの生命体だったのかもしれない。 だから昆虫型の改造人間を生み出し、後継に据えるということにこだわったのかもしれんね。
https://w.atwiki.jp/f_rb/pages/266.html
クエスト AP 強化素材 素核 豪核 真核 BM GM 01 たまご商店街 10 11(7枠) 2 1,000 x 勇 勇 02 たまご商店街② 10 12(7枠) 1 1,000 〇 撃 撃 03 たまご商店街③ 10 3 10(8枠) 1,000 〇 貫 04 森林 15 21(9枠) 1 2,000 〇 秘爆 秘 05 廃墟群 15 19~35(8~9枠) 3~7 3,000 〇 迅 迅爆 06 廃墟群② 15 2~7 23~33(10枠) 4,000 〇 破 07 野道 20 38~46(11~12枠) 3~9 5,000 〇 勇 勇 貫 08 市街地 20 29~43(10~12枠) 1~5 6,000 〇 撃戯 撃戯 勇 09 オリキュレール 20 1~8 36~49(10~12枠) 7,000 〇 迅貫 迅 迅 10 荒野 20 23~39(9枠) 26~40(9枠) 25~40(6枠) 8,000 〇 戯 戯 11 荒野② 20 12,000 〇 破迅秘爆 爆 破迅秘爆 後半クエスト AP 強化素材 素核 豪核 真核 BM GM 01 たまご商店街② 20 13(12枠) 5,000 〇 勇 02 廃墟群② 20 23(12枠) 6,000 〇 撃 03 市街地 20 24(12枠) 7,000 〇 破 4 荒野 20 12,000 〇 秘爆 秘 秘爆
https://w.atwiki.jp/f_rb/pages/268.html
フリクエ8の呪骨と鋼の如き黒爪はドロップ多め - 名無しさん (2021-04-07 23 28 28)
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/521.html
クルスベルグからグーテンターク ドイツ新聞Berliner Morgenpost クルスベルグ駐在記者 ヨハン・ゲーレン発 第7回 『私の家には○○があります』 皆さんこんにちは。 突然ですが貴方の家の応接間には何が飾られていますか? 多くの人は家族の写真だったり絵画だったりするでしょうし、一部の懐古趣味の人は中世の城のように実用できるわけではない剣と盾のイミテーションを飾っているかもしれませんね。 そう言う私の家は何かですか?私の家の応接間にも実は剣と盾が飾られています。 今でも充分に使用できる本物が。 なぜそんな物が極々ありふれた一般家庭にあるのか?それについてお話する前にクルスベルグの国防事情について少しお話しましょう。 クルスベルグの常設の軍隊というのは本当にごく僅かしかありません。 革命以前の帝国時代には強大な軍隊がありましたが現在はそのほとんどが解体され、国境警備などをするごく一部の正規軍だけが活動している状況です。 しかし、そんな少数では国を守ることができないのでは?という疑問は当然出てくるでしょうが、そこで登場するのが我が家の応接間に飾られている盾と剣です。 実際は壁の盾と剣に加えてロッカーの中にすぐに組み立てられる状態に分解されたクロスボウと矢筒があり、これがこの国の国防の答えとなります。 クルスベルグは地球のスイスのような有事の際は全ての国民が戦闘に参加する義務を負う国民皆兵の国です。 もちろん戦闘の最前線に立つのは正規軍と退役軍人や予備役などで、一般人は後方支援などが主な役割となりますが、成人を迎えた男女は一年に一度訓練に参加する義務があります。 私は厳密にはクルスベルグの国民ではありませんが、この地に暮らしている事と、妻と子供のため一家を預かる主としてこの訓練に欠かさず参加しています。 訓練の内容としては武器の使用方法や整備の仕方などの講習や有事の際の行動確認などがほとんどですが、全体的に見ると地域運動会のようなそこまで堅苦しさを感じるようなものではなかったりします。 それでも、実際に動いたりするので私なんかはその翌日などは酷い筋肉痛に悩まされます(妻はなぜか同じ訓練を受けているのに元気なのが納得できません) 何気にこの訓練の日は地域の御年配の方々が無駄に元気になったりするので高齢者の怪我が多い一日になったりします。(翌日の街のパブには包帯を巻いた御年配の方々の姿が散見されたり) このように定期的な訓練を受けた各家庭には国から適性のある装備が支給され、我が家は妻がボウガンの適性が高いということでボウガンが支給され、応接間の壁に飾られている盾と剣は、今は亡き妻の父の物を形見として許可を得て譲り受けて飾っているというわけです。 過去、強大な軍事力を持ち、その軍事力で外敵を排除するだけではなく国民さえ虐げる歴史を経験したクルスベルグでは、その反省から強大すぎる軍備を整理し自分達の国はそこに暮らすひとりひとりの手で守るというのが国風となっています。 今回は少々固い話になってしまったので次回は柔らかい話をしようと思います。 それでは皆さんまた次回 Berliner Morgenpost ネット配信版 20011年8月6日号より 言われてみれば正規の軍隊がいるよりも戦闘可能能力を持つ国民が臨戦態勢でいる方が他への圧力(防衛面での)は大きいかも -- (名無しさん) 2012-05-15 12 16 25 国民総防衛とクルスベルグの人口事情など面白い解釈です。使えなければ意味がないというのはとても職人らしいですね -- (名無しさん) 2014-03-30 18 32 47 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/astonishingscience/pages/87.html
868 :名無しより愛をこめて:02/11/11 19 32 ID M9g9DhvO ジャガーマンと風雲ライオン丸の、マントルゴッドの関係は? 869 :岩のような瓦斯:02/11/12 00 42 ID AqxS48k3 レッドバロンとカビビンガが似ているのは……どうにもなりましぇーん 868 いや、そんなパイロット版しかなかったといわれる幻の作品を……超人画報? 以前、イナズマンがアギトでは?という説がありましたね。 そこをさらに推し進めて『イナズマンと顔立ちが似たキカイダーは人工的なアギトである』 という説を立てたかったんですが、イナズマンが現れるほうが後でした。(T□T) 870 :名無しより愛をこめて:02/11/14 02 49 ID B0QQreFW クレクレタコラとオクトパスロードの形態的な類似から 何かひねり出せる猛者を募集。 自分には無理でした。 871 :名無しより愛をこめて:02/11/14 03 30 ID KaygD0CR 870 謎の青年の潜在意識下における形而上的な存在がクレクレタコラであり 超越論的観念性から認識される経験的実在としてのオクトパスロードが 導かれたのではないでしょうか? 872 :名無しより愛をこめて:02/11/15 20 59 ID PQjlW3wd 871 ク○ゥルー的解釈ですなw タコだし? 877 :名無しより愛をこめて:02/11/17 04 35 ID VzGPPJFl 870 昔のケイブンシャの大百科にクレクレタコラは核戦争後の世界説が載ってたが、 謎の青年による人類の絶滅を完了した後の平和な世界がクレクレタコラの世界 だったりして。 879 :名無しより愛をこめて:02/11/19 21 07 ID tV1HB8IZ 877 「あれは、ミラーワールドの中の話」 とでも言っておく。 あと、冒険ロックバットも
https://w.atwiki.jp/bluewolf/pages/31.html
「まだですか、まだなんですか!一体いつになったら出来るんです!」 「しばらく、もうしばらくお待ちください!」 「9年です!」 「は?」 「私はその言葉だけで9年待ちました。昔、溺れる者は藁をつかんだと言います。今、溺れる者は幻想をつかむようですね」 「幻想ではありません!」 「元はといえば、企画課長のあなたがですね・・・」 「私は、企画課長として出来る限りのことをしてきたつもりです。お言葉を返して申し訳ありませんが、それ以上のことは」 「するとなんですか、この9年、すべての企画の失敗もあなたには責任が無いとでも言うのですか!」 「いえ、それは・・・」 「我らがコーエー(株)が自信を持ってお送りする究極の歴史SLG!」 「13世紀ユーラシア大陸を舞台に、青き狼の末裔たちが女を求めて駆け回る歴史三部作の最高傑作!」 「その名も、」 「チンギスハーン~蒼き狼と白き牝鹿Ⅳ!」 「誰です、当たると言ったのは!」 「いえ、あの・・・」 「PK版のバグ修正パッチは大量の在庫となって、我が歴史三部作部門は完全に傾きましたよ!」 「最近はオンラインゲームもありますし、ゲーム一本分の開発費も高騰していますから、コアゲーマーに売り込むだけではなかなか採算が合いません。ここはもう、ライトユーザーを開拓するために、腐女子受けを狙うしか無いんじゃないかと」 「なんですって!?」 「だから、腐女s」 「お黙りーっ!その悪魔の名前を私の前でもう一度使ってごらんなさい。プーチン大統領に頼んで、ポロニウムを注射してもらいますよ!」 あとがき まずはお礼から。 このような下らぬAARにお付き合いいただき、真にありがとうございました。私は今、感謝の念と羞恥心で胸がいっぱいです。 カウンターも結構回っているようで、最初チン4のWikiを作ったと聞いた時は、10年近くも前のゲームのWikiなんて大変な暴挙だと思ったものですが、これもチン太氏の人徳のたまものですね。 コメントでタイトルが「収容所群島」のパロディであることに気づいてくれた方、ありがとうございました。 このままでは自分で説明する破目になるのかと暗澹たる気持ちでしたが、救われました。 たった一行の引用を第三舞台と見破った方、お見事でした。正直言って驚きました。HoI2Wikiでもコメントしてくれた方でしょうか? ご期待に応えて、少し長めにパロって見ました・・・ 上のパロディを書いていて思ったんですが、今の日本は、つくづく、PCゲームを作るのに向かない環境ですよね。 市場が小さすぎる。コンシューマーが強いのはいいんですが、その分PCゲーが割りを食っているわけです。 みんなコーエーの悪口を楽しそうに言ってますけども、もし日本にPCゲームキチガイが50万人もいれば、 コーエーだってもっとゲームに予算をかけられるはずなんですが、現実には、信長や三國志のような大作でもそこまでは売れませんからね。 だから、利益を上げるためには工期を短くして新作をどんどん出さざるを得ないし、PK商法もせざるを得ないし、垣根を低くするために難易度を下げざるを得ないし、武将の顔を美形にせざるを得ない。 私は、コーエーが堕落した責任の一端は、ランペルールや蒼き狼シリーズを大ヒットに導かなかった我々ユーザーにもあると思っています。 以前に、どこのHPで見たかは忘れましたが、海外の大作SLGの販売権をライブドアが取得し、しかもライブドアは一向にそのゲームを発売しない。 これは洋ゲーを日本人の目に触れさせんとする日本の業界の愚民化政策である!と怒っている記事がありました。 多分それは、陰謀でもなんでもなく、ただ単に売り上げが見込めないから発売を断念したんだと思いました。 そんな中で、海外の優良SLGを翻訳、販売しているサイバーフロント社は業界の救世主です。 2chのParadx系スレでは、「英語版が数百円で手に入るのに、わざわざ数千円も出して日本語版を買うやつは馬鹿」的な書き込みが定期的にありますが、 そんなことを言っているからいつまでたっても日本のPCゲーム市場が成長しないんだ。 大体、欧米と日本じゃ市場規模自体が違うのに、ゲームの値段が同じになるわけないじゃん。 アメリカでゲームを10万本売って達成する利益に、サイバーフロントは数千本の売り上げで到達しなけりゃならないんだから。 これはどんな産業でも言えることだ。例えば、アメリカでは英訳された日本のマンガの単行本が1冊1500円ぐらいで売っている。 つまり、アメリカの日本マンガ市場は日本のPCゲーム市場と同じくらいニッチだt 「お――――い!いつまでAARと関係ない話してんだ!他人様のページで長々と無駄話してんじゃねぇよ!!」 「そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!」 あとがき 統一まで生き延びていたしぶとい2人。 「いやー、長い戦いだったな、ブーリエンヌよ」 「俺はブリ(ry」 「こんな(ry」 作者「(ry があああ(ry あとがき ずっとパリにいたおかげで武闘派になったブリエンヌ氏。 多分保安元帥。 「今度こそ真面目にやるぞ!」 「AARを終えたご感想は?」 「疲れた」 「ありがとうございました。フィリップ先生の次回作にご期待ください」 「バンザーイバンザーイ! って違うだろ!」 「それでは、AAR内でオルドにまったく触れられていない点についてどうぞ」 「あー、オルドね。蒼き狼シリーズ最大の目玉にして呪縛であるオルド。よその国から嫁さんをかっぱらってきて、自分のオルドに入れる。そして子供を作る。親族以外は危なくて領主にできないというシステムだから子供を増やすのはゲーム上でも理にかなった行為だ。ゲームコンセプト、世界観、ユーザーのニーズ、全てに合致した究極のシステム。だが・・・」 「チン4のオルドは、ほとんど意味が無い!」 「ほほう、それでそれで?」 「お前なんかむかつくな・・・まあいいや。だからな、今までのシリーズでは子供を作らざるを得ないバランスだったからこそ、オルドはゲームの華だったわけよ。それが本作はどうだ。子供がいなくともまったく困らんでは無いか!領主は狙ってやらなきゃ裏切ることも無いから、王子には戦闘ユニットとしての価値しかない。しかしどうせ後半には強力な架空武将がいくらでも現われるのだ。まるで意味無し夫ちゃんではないか。まあ、本作がこんなゲームバランスなのも日本のゲームシーンの影響なんだろうけど」 「それはどちらかというと、架空武将がいくらでも登用できることのほうが問題なのではないかと」 「そうかもしれん。戦闘ユニットにできるのは王子+婿にした史実武将だけという縛りなら結構面白いプレイができるかもな」 「だがな、俺がオルドをせんのにはまだ理由があるのじゃ。つまり、」 「チン4のオルドは、つまらない!」 「適当にクリックしてるだけじゃないか。大体、旦那が殺された次のターンでもちょっと贈り物されたら喜んで股を開くなんてとんだアバズレじゃん。ヤる気が萎えるわ」 「私は一向に構わんっっ!!」 「お前の判断基準は顔と年齢だけだろ、このロリコンどもめ!俺はその辺を気にしたいんだよ、カトリック的に」 「カトリック的に?」 「うむ。そこで今回、カトリック的に正しいオルドを考えてみた」 「思えば、世界中どこの国もモンゴル式のオルドだった今までがおかしかったのだ。次回作からは文化別のオルドを実現すべく、ここで一石を投じたい!」 「はいはい。で、どんなオルドなんです」 「敵国の姫を保護したら、まず修道院に入ってもらう。どうだ、カトリック的に正しいだろう」 「はあ」 「もちろん、ただ遊ばせておくわけじゃない。修道院では神の祝福を受けた一般労働に毎日励んでもらう。ちなみに一般労働というのは、専門用語で『それを続けた者の9割以上が1年以内に衰弱死するような作業』のことをいう。石切り場とか、鉱山の石運びだな」 「おいおい」 「そんで1ヶ月ほどして、国王が面会に行ってやると、見る影も無く痩せ細った姫様が『どうか私をあなた様のお側に置いてくださいまし』と言ってその場に泣き崩れるわけだ!これぞ燃えるシチュエーション!きっとブームになるだろう!」 「長い間お世話になりました。あなたは悪い病気です」 脳髄が二つ在つたらばと思ふ 考へてはならぬ 事を考へるため ―――夢野久作「猟奇歌」
https://w.atwiki.jp/cosmichistory/pages/94.html
前の民主党政権に対しても、今の自民党政権に対しても、云うべきことは大して変わりません。 落ち着いてくださいよ! グローバル化はカール·マルクスのシナリオ通りで、まぁ、ほぼ不可避です。マルクスの掌から飛び出すことに成功した人はほとんどいません。ミルトン·フリードマンは別の道を示していますが、≪新約聖書≫ ≪テサロニケ人への第2の手紙≫にある"He who does not work neither shall he eat"(働かざる者食うべからず)に逆らう道なので、支持を集めていません。イギリスの北アメリカにおける最初の拠点であったヴァージニア州ジェームズタウンの植民地運営の基本方針も、ソビエト連邦の社会主義第1原則も"He who does not work neither shall he eat"でした。この思想の根っこはとてつもなく深くあります。 グローバル化へ向けて進んでいく私たちの意社会の方向性を変えることは困難です。しかし、グローバル化に際して、アクセルペダルを踏むか、ブレーキペダルを踏むのか、選択することはできます。中国人労働力が安くて、日本人が苦しいならば、中国人の所得水準が日本人のそれに追いつくまで、関税で国内産業を保護してしまえばよろしい。広大な農地を持つアメリカの農業が日本のそれにとって脅威となるならば、ジョン·レノンの≪イマジン≫に謳われた国境なき理想世界を夢見つつ、その日が来るまで(来なくてもいいんですが)関税自主権を握りしめていればよろしい。